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【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 6【一般】

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/14(土) 22:26:05 ID:q1yxvHbt
ここはローゼンメイデンの一般向けSS(小説)を投下するスレです。
SSを投下してくれる職人は神様です。文句があってもぐっとこらえ、笑顔でスルーしましょう。
18禁や虐待の要素のあるSSの投下は厳禁です。それらを投下したい場合は、エロパロ板なりの相応のスレに行きましょう。
次スレは>>950を踏んだ人が、またはスレ容量が500KBに近くなったら立てましょう。

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2 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/14(土) 23:11:07 ID:8Je4UlnA
>>1 乙かメイメイ
次スレ>>950は早い気がするがまぁその前に容量が500KB行くからいいか

3 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/15(日) 01:40:54 ID:pMvTALmu
.       |
  ‐──┼.=r.r=、ヽ  ロ ー ゼ ン メ イ デ ン   r 、_ィi _lニ!_
.       |  .|:.|   }:.:)     _ ___ __    ーレ'に|:/ィュ:ト,           アニメ最萌トーナメント2007
.       |  .|:Κ:<´ .,ィ'''''ト, |_r ァ:./,イr_、:YT:T"「ヽ  __ ヽ,=<_ 今年もローゼンメイデン オーベルテューレキャラに熱き1票を!!
         __|:.| \:ヽ__l:.:l  l:.:l /∠イ !:ヽニr;._|:.:|_ |:.:|_"|:.:| <こ〈 最萌2007の概要、投票方法、現在の状況などはコチラ↓
.       └―‐〈 ゙ー '`''_-_''└―__-! `ー '',r:‐、 ‐┘|:.:| lフト-          http://animemoe2007.hp.infoseek.co.jp/
         _/:て、     ト:ヽ  /:.:.| _..--.、 >=< ,..--|:.:| ,.-.ト, _...-i_...-、
        、ィr:ニヽ_ ,.、__|:.ト、ヽ/:/!:.| 〉=!:.| T:.| f:.f"`|:.:| /:'三:.YT:.:r'''l:.:| 現在一次予選開催中 以下投票日程
         ゞツン-レK( |:.|. ヽ:./ |:.:!.{:.゙ーLァ._|:.:|_ヽ.ニイ:ァヘ.゙ー:.ア_|:.:.!__|:.:|_・7月16日(月)一次予選第10組  水銀燈
          ソ ー' `,ー|:.|.., ' ,...!:.:!.,  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ・7月18日(水)一次予選第12組  雛苺
                  ̄ ̄    ̄ ̄                 |       ・7月21日(土)一次予選第14組   蒼星石
                                           ・7月24日(火)一次予選第17組   サラ
現在までに、翠星石、真紅、金糸雀、柏葉巴(本選出場)
桜田のり、薔薇水晶、柿崎めぐ(二次予選進出)となっています
     .ィ/~~~' 、   ┌- 、,. -┐     _        ___   ┌──┐ 
    、_/ /  ̄`ヽ}   く|_,.ヘ_|〉   ,'´r==ミ、  く/',二二ヽ> i二ニニ二i  , '´ ̄`ヽ   r@ ̄~@,
    ,》@ i(从_从))  ノ イ从|从)、  卯,iリノ)))〉  |l |ノノイハ)) i´ノノノヽ))). i ノ '\@   /ノリliiハilハ
    ||ヽ|| ゚ -゚ノ| ||  |ミ|ミ!゚ ヮ゚ノミ!|  |l〉l.゚ ー゚ノl|l  |l |リ゚ ヮ゚ノl|  Wリ゚ -゚ノリ  ξ ゚ ヮ゚ノξ ノ从゚ - $从
    || 〈iミ''介ミi〉||  `'' ([{.∞}]) '  ''|!/'i)卯iつ  ノl⊂l_介」つ ⊂)_介」つ  kOi∞iミつ  ノ从とi,,ξ,,,iつ
    ≦ ノ,ノハヽ、≧   /__ハ_|     ''y /x lヽ   ≦ノ`ヽノヘ≧   〈__l__〉    (,,( ),,) ノリ从く,,,,ξ,,,,>リ从
    テ ` -tッァ-' テ   `もテ     l†/しソ†|   ミく二二二〉ミ  〈_ハ_〉     じ'ノ'       UU


4 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/15(日) 11:00:49 ID:2AJyf90E
↓アンチを一人の自演に決めつけ嫌われてるのを必死に隠そうとする金糸雀信者の図
でもすぐに捏造とバレちゃいましたwwwwwwwwwww

796 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/11(水) 00:20:58 ID:n6MFpXJ7
金糸雀が叩かれてるのってこの板だけ?
それともローゼン関係のスレ全般?

799 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/11(水) 00:32:17 ID:RldEkZAp
>>796
スレというか、1人のやつがいろんなところで叩いてる。

823 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/11(水) 04:29:31 ID:GQToPukM
>>796
>>799も言ってるけどカナを叩いてるやつはおそらく一人
最萌でも優勝したぐらいの人気はあるし、アンチもつきにくいキャラだと思う
実際、「姉妹の中で一番好きじゃない」って思ってる人はごく少数なんじゃないだろうか

828 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/11(水) 07:29:33 ID:NcyuR8sU
>>823
>実際、「姉妹の中で一番好きじゃない」って思ってる人はごく少数なんじゃないだろうか

はいはい捏造捏造
VIPでたまに立つ不等号スレとかでも金を最下位にしてる人が少ないとは思えませんよ?
まーそれすら一人の自演っていうならもはや何も言わんけど

844 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/11(水) 11:41:04 ID:ZygPm9+D
>>828
すまん、好き嫌い以前にむしろドールとして認めたくないってのがほんとのところなんだよな
アンチコピペのおかげでかなりあに対する違和感の表出が難しくなって困るよ

5 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/15(日) 15:14:26 ID:QOIpHUQd
幼稚だな

6 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/15(日) 17:55:40 ID:E/ozqZ3u
前スレが埋まったのでage

7 :翠星石・妊娠編1:2007/07/16(月) 00:33:23 ID:JVXDpkoD
「翠星石ちゃんがジュン君を大切に想ってくれるのはわかるけど・・・それとこれは別だと思うの」
ノリは穏やかに話しかけてくるがその内容は翠星石には受け入れがたいものだった。

「ジュン君は中学生だし、翠星石ちゃんもお人形さんだから子育てなんて無理だと思うわ」
翠星石の体内に宿った新しい命・・・それを捨てろと言うのだ。

「お互いにまだ若いし、責任の取れる歳になってから改めて将来のことを考えてもよいと思うの」
理屈ではノリの言ってることは理解できる・・・でも・・・

「今回はね・・・お腹の赤ちゃんを中絶してほしいの」
ノリが茶色の封筒をテーブルの上に置く、一見して少なくない額が入ってるのがわかる。

「そんなのいやですぅ・・・・翠星石は・・・産みたいです・・・」
知らず知らずのうちに目に涙があふれ、声も小さくかすれてしまう。

「翠星石ちゃん・・・子育てがどんなに大変かわかる?」
ノリの声に凛とした厳しさがこもり、翠星石に向けられる視線も強くなる。

「毎日24時間、ずっと赤ちゃんの傍についてなきゃいけないの」
大変なのはわかっている・・・でもジュンと一緒なら・・・

「それに・・・翠星石ちゃんはお人形さんだし、自分よりも大きな赤ちゃんの世話なんてできないでしょう?」
アリスゲームに勝ってアリスになれば人間になれる・・・でも、それには真紅たちを倒さなければ・・・

「一緒に病院に行ってあげるから、今回はね・・・」
黙り込んでしまった翠星石にノリはやさしく堕胎をうながす。

どうして・・・この場にジュンはいないのだろう・・・
翠星石はノリにジュンを呼ぶように懇願する。

8 :前スレ415:2007/07/16(月) 04:12:48 ID:a+VopcYY
最後に書こうと思ってたら容量オーヴァーだとさ。ガッデム。
せっかくなんでこっちに貼り付けて寝るぜ。あと>>1乙。
このスレでも文字のマエストロと暖かい住人のコメントに期待大だ。

----------------------
「結局、どのローゼンメイデンもアリスには至らなかったというわけだ。」
「ご不満ですか?どのドールも貴方の、それぞれが可憐で美しく見えますが。」
黒い紳士服に身を包んだ兎が、白い紳士服に身を包んだ男の隣に立つ。
空中に浮かぶ無数の水鏡が、それぞれのドールを映し出していく。

「水銀燈は性格が安定してきましたが他のドールズとの関係構築に失敗。依然として孤立気味。
 身体の一部は依然として失ったままですが、実質的には問題ないレベルで活動しています。
 金糸雀はその点を補って活動。雪華綺晶との遭遇がまだですが、じきに出会うでしょう。
 翠星石には面白い変化があるようです。今後の変化を見る必要があるかもしれません。
 こっちは対照的…蒼星石は相変わらずですねぇ。姉の変化がどう影響するかにもよりますが。
 真紅は…」
そこで兎が語るのをとめる。
「どうした?」
怪訝そうな顔の男。続きを促すかのように、兎の顔を見つめた。
「アリスゲームを放棄する模様です。別の方法によるアリスへの到達を模索しているかと」
「続けろ」
「…雛苺は真紅や翠星石と行動を共にしています。桜田ジュンというミーディアムが中心です
 彼は7体全てのドールと契約したらどうなるのかという点に関心を持っているようですね。」
「雪華綺晶は?」
「各ミーディアムの観察を続けているようですね。水銀燈のミーディアムが胸を患っているらしく
 少々いらだっているようです。逆に先ほどの桜田ジュンに対しては好意的とすら言えます」
「…ラプラスの魔よ」
「何でしょう?」
「我が弟子はどうしている?」
「どうも無理が祟って少し体調を崩したようで…さて、ではまた一万と八十分後に報告を。」

黒い紳士服の兎が扉を開けていく。それを一瞥すると、白い紳士服の男は紅茶を飲んでつぶやいた。
「槐よ…愚かな。ローザミスティカも媒介も無しでドールを動かせばいずれはそうなるだろうに。
 それだけの代償を払ってアリスどころか感情も満足に得られていない欠陥品しか作れぬとは…」
扉が閉まった先で、兎が懐中時計の蓋を開く。そこに映し出される薔薇水晶。
彼女は今、桜田ジュンの下にいる。そして彼女の顔には、瞳には、紛れも無い感情の片鱗。
「……いやぁ、これはなかなか?」
兎は笑う。時計の針は、ゆっくりと時を刻んでいた。

9 :翠星石・妊娠編2:2007/07/16(月) 10:46:07 ID:JVXDpkoD
困った顔をしていたノリはあきらめたようにジュンを二階から呼ぶ。
「チビ人間!!ノリに言ってやるです!赤ちゃんは二人で立派にそだてるって!」
翠星石の言葉にジュンはスッと目をそらす。

「しらないよ・・・・だいたい本当に僕の子供かどうかわかんないし・・・」
翠星石には信じられないジュンの言葉である。

「何を言ってるですか!バカ人間!翠星石はチビ人間だけが・・・」
誰も産まれてくることを望んでいない・・・現実が翠星石をどん底に叩き落す。

「お願いですぅ・・・産ませてほしいですぅ・・・」
泣きながらすがりつく翠星石をジュンは冷たく振り払う。

「ジュン君・・・翠星石ちゃんの気持ちもわかってあげてね・・・」
ノリの慰めの言葉も何の意味も持たない。

「人形相手だから妊娠しないって思ってたのに・・・子供ができたって言われても困るよ」
ジュンにとって翠星石は性欲の捌け口でしかなかったのだ。

「死ぬです・・・一緒に死ぬですぅ!!」
翠星石は果物カゴに置かれていた小さなナイフを取り上げる。

「や、やめろーー!!」
足をもつれさせて転んだジュンの脇腹めがけてナイフを持った人形が突進する。

ザシュッ!!

「う、うあああああああーーーーーーー」
深々と突き刺さったナイフの根元から血が滲み出し、カーペットを赤く染めていく。

「ジュン君!!ジュン君!!・・・ああ・・・なんてこと・・・」
ノリが慌ててジュンを抱き起こすが、一見して致命傷とわかる。



気がついた時には家から飛び出し、海岸の砂浜を歩いていた。
「チビ人間・・・翠星石が殺してしまったのですね・・・」

ドレスの上からでもわかるお腹の膨らみをやさしくなでながら翠星石はつぶやく。
「お母さんがずっとずっと・・・一緒に居てあげるです」

翠星石は歩きながら、砂浜の石や貝殻を拾い集める。
一つ・・・また一つ・・・

拾った石をポケットに詰め込み、両手で大きな石を胸に抱きかかえる。
「産んであげられなくてごめんですぅ・・・」


両目からポロポロと涙をこぼしながら人形は波打ち際に向かって歩き出す。
押し寄せる波が人形を押し留めようとするが、人形は歩みを止めない。
海水がスカートを濡らし、胸の高さを越え、栗色の頭も波で覆われる。

人形が海面下に没し、しばらくすると大きな泡がゴポリと浮かび上がった。


三日後、妊娠した身元不明の少女の遺体が漁港に打ち揚げられたという。



10 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/17(火) 00:32:07 ID:pMorXQ0Z
何となく書き逃げ。ネタ元はお察し。ちょっとした日課になりつつある。恐ろしい日課だ。
------

雛苺はうるさい。
「ジュンー。うにゅーが欲しいのー」
「まーた食うのかよ?お前、飽きないのか?」
こいつは一番幼い。おそらく最も弱くて、少女というよりは幼女。
「うにゅーはうにゅーだもーん」
少しでも論理的な説明を求めた僕が馬鹿だった。

雛苺の行動はいつも衝動的だ。
「ねー、ジュンー。遊んでー。お絵かきしよー」
「この問題集が一区切りついたらな」
「やなのー!つまんないのー!」
「ああもう!静かにしてくれー!」
というか、こいつが自分から計画的に行動する日は来るのか?

…雛苺は幼稚。ローゼンメイデンで最弱。
けど雛苺に対して、時々何ともしがたい気持ちを覚えることがある。
他のドールにはきっと感じないであろう気持ち。よくわからない気持ち。
これは一体何なんだ…?
「ねー、ジュンー。どっか行こうよー」
「だが断る………わかったよ。そんな顔するなよ。」
「え、えへへー。ジュン大好きー!」
それは閃きというべきか。雛苺に対して抱いていた感情の正体を僕は知ってしまった。
気づいてしまった。そしてこの感情をもう一人抱いていたことを思い出した。
…姉ちゃんだった。

その感情は恐怖だった。水銀燈や雪華綺晶、薔薇水晶たちに抱いたのとは別の恐怖だった。
好意を向けられるのが怖かった。まっすぐまっすぐ向けられる、自分に対する強い関心。
見られたくなくてひっそりと息を潜めて生きているのに、浮上させられる深海魚の気持ち。
それが僕の心を堪らなく乱していた。どうしても怖くて仕方が無かった。
だけど姉ちゃんと違って雛苺は容赦ない。もう僕に自室という名の逃げ場は残されていない。
だから、だから僕は…


○月×日
きょうは ジュンとちかくのこうえんにあそびにいきました
すいせいせきや しんくもいっしょにいきました
しんくがねこをみてにげまわったり じゅんがすべりだいにのせてくれて
とっても とーってもたのしかったです
つぎは かなりあや それから それから すいぎんとうも いっしょにあそべたらいいな

11 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/17(火) 00:40:12 ID:m8ktGzID
>>10
雛の日記かわいいな
おそらく本人以外解読不能だが

12 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/17(火) 14:55:32 ID:h3gnQfiy
本人による和訳作業が必須だなw

13 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/19(木) 23:58:20 ID:cLCeae5g
新スレになってから過疎ったような
それともこんなもんだった?

14 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/20(金) 00:24:25 ID:MteP+r+R
かそったかも試練。

15 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/20(金) 00:30:37 ID:dXAnGsNs
くるときは一気にくる

16 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/20(金) 00:59:04 ID:GpyQWm/y
じゃあ俺なんか話考えきま

17 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/20(金) 01:03:18 ID:Oa21YDlm
>>13
金土日を待つんだ。

18 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/20(金) 01:15:54 ID:WqmgRlVZ
>>17
おk
正座して待っとくぜ

19 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/20(金) 05:48:58 ID:Ykdhwld7
つまり今日か!

20 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/20(金) 13:58:55 ID:AySxMHX0
はやぐ…はやぐとぅかを…

21 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/20(金) 14:38:31 ID:WqmgRlVZ
>>20
一緒にまったり待とうか

22 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/20(金) 20:25:26 ID:YeFcI7AU
職人さまがいらっしゃるまでの繋ぎにどうぞ。賑やかしの為に、嘘でもいいから感想もくれると嬉しいぞ!
-----------------
夏。曇り空。蒸すような暑さにうんざりして冷蔵庫を開け、大して冷えていない麦茶を飲む。
一気飲みしたのでゲップが出るのだが、音を聞かれると真紅が僕を蛇蝎の如く睨むので静かにはいた。
「にしても…停電か…」
変電施設で火災が発生したため、復旧するまで4時間ほど停電となった今、ここは酷い地獄だった。
居間では3体の人形が、これまたうんざりした面で乙女にあるまじき醜態をさらしている。
そのうち1人と目が合った。おい、そこの性悪人形。澄ました顔に戻って誤魔化すんじゃない。
「チビ人間ー。無駄な抵抗はやめてさっさとアイスを買いに行くのですぅ」
「やなこった」
照れ隠しというよりは本心からの命令。あまりのナチュラルさに頷きそうになったが阻止。
というか真紅が失意体前屈(通称orz)か土下座でもしないかぎり今の動くことは無いだろう。
こいつへの命令無視に即時的な脅威はない。少なくとも言葉の暴力だけである。

「ムキー!生意気ですぅー!熱いです熱いです熱いです!うだるのですー!」
「知ってる」
「だったら何とかするのですぅ!」
「出来たらやってるよ」
「使かえねぇ野郎ですぅ〜…」
「さすが第3ドール様。わかってらっしゃる」
この性悪人形こと翠星石は、僕を壊れた扇風機を眺めるが如き視線で眺めた。
どこかの白崎さんなら喜びで身をよじるところだろうが、生憎と僕にそういう性癖は無い。
…たぶん。

「なんかムカつくから、その呼び方はやめろですぅ。」
口を尖らせて抗議する人形。こいつと契約している事実が信じられん。
「じゃあ性悪人形」
「キー!この翠星石のどこが性悪なんですかっ!まったくわかってねーですぅ!」
「はいはい、純粋可憐でおしとやかな翠星石さま。こいつでよろしゅうございますか?」
「どこの総書記ですか!そんな呼び方気持ち悪いから却下ですぅ!」
おいおい、TVの見すぎで余計な知識ばっかり増えて究極の少女からマッハの勢いで遠ざかってるぞ。
「わがままだなぁ……っていうか、そんなに熱いなら全員ドレス脱いだらどうだ?」
こんな東の島国なんだから真っ当な事を行ってると思うのだが、何故か2名の空気が凍った。
「な、な、なんてこと言うですかこの変態人間は!い、いくら翠星石が魅力的だからって…」
「そうよジュン!人形相手にそんな…いくら暑いからって早まった行動に出ないで!」
頬に手を当ててイヤイヤして固まっているのが赤、胸を押さえて震えてるのが翠だ。
そういえばインスタント麺の買い置きあったっけ。きつねとたぬき。

「なぁ雛苺」
妄想ワールドに突入した2人はさておいて、一人ぽかーんとしている雛苺に話しかける。
「うゅ?なぁに?」
「…コンビニに行ってくるけど、雪見大福無かったら何がいい?」
「えっとねー………ガリガリくん!」
「お前いま僕の財布のこと考えたろ…」
…結局3人分かって帰る僕。なにやってんだろうなぁ。

23 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/20(金) 21:11:26 ID:WqmgRlVZ
>>22
こういうの待ってました!
和む

24 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/20(金) 21:25:44 ID:AySxMHX0
>>22
つづき…つづきを…何卒つづきをおぉ…

25 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/21(土) 00:07:00 ID:Y+JQ+Hur
だがちょっと待って欲しい。どう続ければいいのか。(アイス食わせるの書いてた)

というか、何かリクエストとかあるかしらん。いい加減にネタが苦しくてな…。
誰か親切な職人が拾ってくれるかもしれないぞ。

26 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/21(土) 00:58:14 ID:BMcwSQhF
今日は土曜日・・・大物が来る余寒・・・
      +
 +
     ∧_∧  +
  + (。0´∀`)wktk
    (0゚つと )   +
 +  と__)__)


27 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/21(土) 17:10:30 ID:Bw01XdW9
誰も来ない予感!

28 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/21(土) 17:54:56 ID:26t44idh
ageとこう

29 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/21(土) 18:13:06 ID:kfDmB9Yg
(´・ω・`)

30 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/21(土) 23:43:56 ID:S+zm+srd
>>27
だがちょっと待って欲しい。
まだ日曜日があるではないか。

31 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/21(土) 23:48:50 ID:mM8aCxZj
真紅様が倒せない 作詞・作曲 ○銀燈

気がついたら 同じ場所でバトってる

そしていつも同じ場所で 火葬

諦めずに 鬼の真紅に挑戦するけど すぐに下に堕ちるよ

漆黒の翼があれば 楽に桜田家にまでつくけど

何回行っても 何回行っても 

 真 紅 様 が 倒 せ な い よ ! ! !

絆パンチは何回やっても耐えられない

後ろに回って切り続けても薔薇の嵐で止められる

ズロースおろしもためしてみたけど

  拳 神 相 手 じ ゃ 意 味 が な い ! ! ! 

だから次は絶対勝つために 私 薔薇雪華だけは味方につけておく



32 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/21(土) 23:51:14 ID:mM8aCxZj

気がついたらそこに真紅が立ってる

そしていつもそこで 「 絆 ッ ク ル ! ! ! 」

諦めずに桜田家にまで辿りつくけど

いつもそこで 惨 敗

羽の弾幕があれば 目くらましくらいにゃなるけど

何回やっても 何回やっても

 マ エ ス ト ロ が 妨 害 す る よ ! ! !

あの バリアは炎を当てても破れない

真紅の 片腕 引き千切っても 一瞬で腕くっつける

精神攻撃もしてみたけど

 真 紅 の 下 僕 に ゃ か な わ な い ! ! !

だから次は絶対勝つために 私 梅岡だけは味方につけておく



33 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/21(土) 23:52:57 ID:mM8aCxZj
〜しばらく間奏〜

漆黒の翼があれば 楽に向こうの家までつくけど

何回行っても 何回行っても 

 真 紅 様 が 倒 せ な い よ ! ! !

絆パンチは何回やっても耐えられない

後ろに回って切り続けても薔薇の嵐で止められる

アリスゲームの意味諭してみても

  チ ョ ー ク き め ら れ ち ゃ 意 味 が な い ! ! ! 

だから次は絶対勝つために 私 薔薇雪華だけは味方につけておく



34 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/22(日) 02:49:52 ID:5O+IbaUF

  ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ( ´・ω・) < 今日は日曜日。きっと誰かが来てくれる
 ( つと )   \_______________
 と_)_)

35 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/22(日) 10:24:53 ID:DAmMhlwX
そんな顔すんな。それに一番来るのは日曜深夜だ

36 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/22(日) 13:55:48 ID:rZECZdwk
981 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/06/08(金) 22:30:44 ID:DnZsNRUT
薔薇すぃ>雪>翠>銀=紅>蒼=雛>金
金はアニメであの声で長々と台詞言うのがね
あとみっちゃんとのコンビが微妙 実際ウザいのはみっちゃんだが

985 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/06/08(金) 22:33:17 ID:lkUBPhDL
実際人気ランキングでドールズで最下位だからな
正直微妙すぎる、結果的にお荷物状態になってるしな

232 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/06/14(木) 11:15:18 ID:CVLHLysZ
カナリアとかいらないだろ、常識的に考えなくても…


やっぱり銀様が一番だねっ☆

246 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/06/14(木) 14:26:17 ID:z8fpQsCT
金糸雀って本来、「不人気や影が薄いのをネタにされるキャラ」にするつもりだったんだろうけど、
予想外のことに真紅がその位置に収まってしまったためにマジで邪魔な存在になってるんだよなぁ

624 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/06/16(土) 13:01:14 ID:0/kUGW5w
636 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ[sage] 投稿日:2007/06/15(金) 21:13:44 ID:28s6kpFF
カナリア好きは、「敢えて不人気なデコ出しキャラを好きな自分」が好きなんだろ^^
正直に言えよw

642 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ[sage] 投稿日:2007/06/15(金) 22:20:16 ID:33NEsrw+
>>636
確かに金糸雀信者ってそういう中二病っぽいイメージがある

947 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/06/26(火) 18:19:58 ID:0hsZ6ppW
金糸雀厨って最萌の時も荒らしを呼び込んだし最悪だな
こいつらを同じローゼンファンとは思いたくないね

955 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/06/26(火) 18:24:31 ID:6MmS36pF
>>947
ローゼン勢はみんな冷めてるのに金糸雀信者だけが必死になってたからな
実際そのせいでこのスレも荒れて人減ったし
アニメ最萌でも同じことが起こると思うとウンザリだわ

959 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/06/26(火) 18:27:36 ID:0hsZ6ppW
ドール自体がクズだから信者もクズしかいないんだろうな

961 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/06/26(火) 18:31:28 ID:IW6bytIi
>>947
>>955
もともと好きでもなかったけどその話聞いてますます金が嫌いになった

170 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/06/26(火) 23:57:25 ID:EblYP6d9
今人気投票したらカナは真紅より上位にいきそうな気がする
最萌でも優勝したし最近はカナの人気も結構上がってきてるよ

172 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/06/26(火) 23:59:55 ID:0hsZ6ppW
>>170
ここまで頭の悪そうなレス久々に見た

176 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/06/27(水) 00:02:10 ID:4mmG3Ppn
>>170
真紅の不人気とキムの不人気はレベルが違うってこと分かってる?^^;

37 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/22(日) 13:57:04 ID:rZECZdwk
180 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/06/27(水) 00:11:05 ID:mbAv5yFM
冗談じゃなかったら頭おかしい

186 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/06/27(水) 00:19:57 ID:e1AlM3Lz
カナリヤ厨って>>170みたいな奴ばっかなの?
マジきめぇ

877 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/06/30(土) 09:00:06 ID:FudsV6Wi
漫画最萌で金糸雀信者が途中から凄い必死になってたのがキモかった

879 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/06/30(土) 09:15:18 ID:ulBFfg3O
>>877
わかる
翠星石に勝ったんだしもう満足しただろと思ったらなんかさらに盛り上がってるし…
信者以外からはみんな冷めた目で見られてたな

459 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/09(月) 16:58:07 ID:s0hTKQ3s
翠星石みたいに人気のあるキャラが普通に勝ち上がって優勝してしまうのはある意味仕方ないと思うけど、
金糸雀みたいに完全に信者の工作で勝ち取った優勝は悪い印象しか残らない

593 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/10(火) 01:56:41 ID:+8HAMRbE
銀様>>>(嫁の壁)>>>双子>ばらきら>雛>>>(好きと嫌いの壁)>>>ジャン紅>>>キム

594 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/10(火) 02:09:47 ID:2GKWkSNY
原作
翠=雛>紅>銀>蒼>雪>金

アニメ
翠=雛>銀>薔>紅>蒼>金

信者の痛さ
金>翠>蒼>銀>紅>雛=雪=薔

607 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/10(火) 12:14:32 ID:1Fa2iN7G
つーかどうせ規制するなら>>593>>594みたいな金糸雀アンチも規制してほしいわ

643 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/10(火) 17:02:34 ID:2GKWkSNY
>>607
金糸雀がドールズの中で一番嫌いってだけで規制になるんすかwwwwwww
ならこのスレの住民は一体何人規制されることになるんでしょうねwwwwwwwww

679 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/10(火) 20:22:49 ID:E4V6wKBp
このスレがここまで糞スレに成り下がったのは金糸雀信者のせいだろうな

685 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/10(火) 20:28:02 ID:E4V6wKBp
ファンの質(良い順)
真紅>雛苺>蒼星石>翠星石>水銀燈>金糸雀

薔薇水晶と雪華綺晶はあまり見かけたことないので除外

38 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/22(日) 13:58:22 ID:rZECZdwk
796 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/11(水) 00:20:58 ID:n6MFpXJ7
金糸雀が叩かれてるのってこの板だけ?
それともローゼン関係のスレ全般?

799 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/11(水) 00:32:17 ID:RldEkZAp
>>796
スレというか、1人のやつがいろんなところで叩いてる。

823 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/11(水) 04:29:31 ID:GQToPukM
>>796
>>799も言ってるけどカナを叩いてるやつはおそらく一人
最萌でも優勝したぐらいの人気はあるし、アンチもつきにくいキャラだと思う
実際、「姉妹の中で一番好きじゃない」って思ってる人はごく少数なんじゃないだろうか

828 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/11(水) 07:29:33 ID:NcyuR8sU
>>823
>実際、「姉妹の中で一番好きじゃない」って思ってる人はごく少数なんじゃないだろうか

はいはい捏造捏造
VIPでたまに立つ不等号スレとかでも金を最下位にしてる人が少ないとは思えませんよ?
まーそれすら一人の自演っていうならもはや何も言わんけど

844 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/11(水) 11:41:04 ID:ZygPm9+D
>>828
すまん、好き嫌い以前にむしろドールとして認めたくないってのがほんとのところなんだよな
アンチコピペのおかげでかなりあに対する違和感の表出が難しくなって困るよ

851 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/11(水) 12:01:21 ID:XCZ5/pRA
金糸雀は他の姉妹から馬鹿にされながら生きてるけど、金糸雀信者も他人に馬鹿にされる人生を送っていくんだろうね

576 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/15(日) 17:22:51 ID:H6dSL813
最萌の話に喜んで食いつく奴なんて金糸雀信者ぐらいだろ
ほとんどの人はスルーしてるよ

577 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/15(日) 17:37:02 ID:cxpQlda8
金糸雀信者は公式の人気投票やアニメ最萌みたいに投票者の数が多い企画はやる気ないけど
漫画最萌やアニメ裏最萌みたいに投票者の少ない企画になると途端に必死になるセコい連中

578 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/15(日) 17:41:41 ID:H6dSL813
>>577
そういう人生を送ってきた人達なんだろうね、きっと

705 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/16(月) 14:42:35 ID:sfSCI9Qc
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/07/15(日) 21:34:35.17 ID:lMMveWzq0
金糸雀への反対意見を全てアニメのせいにし、原作の金糸雀をこれまた過度に崇拝する奴が金糸雀厨の特徴
実際の所そんなに印象が違わないのに、自分が原作で目覚めたからみんなもそうだと勘違いしている
そういうのがアンチを生むんだ

718 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/16(月) 19:08:37 ID:8Q1gMbQk
>>705
確かに金糸雀信者って二言目には「原作のカナのかわいさは異常」とかほざいてるな…
信者以外からすればアニメでも原作でもウザい存在に変わりないのにw

39 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/22(日) 13:59:35 ID:rZECZdwk
>>36-38
糞糸雀と糞糸雀ヲタがいかに嫌われてるかの図

40 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/22(日) 18:21:09 ID:JvvLX991
新着があったので投下キター?と思ったら…orz

41 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/22(日) 20:29:44 ID:h/mjWHKs
>>40
同感

42 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/22(日) 20:46:21 ID:8xu4awZL
一日空けてたから期待してたが・・・BIrz

43 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/22(日) 21:37:10 ID:8KTvg+x/
帰ったら何か書くぜ

44 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/22(日) 21:49:50 ID:diamjvzM
金糸雀ってそんなに駄目かね。
ドラマCD聴いたらかなり良かったが。

45 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/22(日) 23:02:48 ID:hZLFHIXQ
カナリアは好きじゃないけど、ギャグや不遇に1番使いやすい良キャラだとおもってる

46 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/22(日) 23:37:16 ID:5O+IbaUF
おい、投下じゃないのかよって思ったら
同じ様に引っかかった奴いるww
>>36-39
アンチ糞糸雀糞糸雀ヲタがいかにしつこいかの図
にしか見えないのは俺だけか

47 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/22(日) 23:58:40 ID:SAc+zU7A
以前みたいな作家に対する格差や
追い出しが待っているようなスレじゃ迂闊に投下も出来ないってもんだ

48 :43:2007/07/23(月) 00:12:24 ID:nt3NfQK8
描いたぜ。出来はサッパリだが繋ぎにはなるだろうさ。
-----
家に帰ってから適当にアイスを配る。幸いに雪見大福も売っていたので雛苺はご機嫌だ。
真紅には抹茶アイス。翠星石にはカキ氷を食べさせておく。
全員必死で食べるので沈黙。風が吹き込んでくる。空を見上げればハッキリと白い雲。
「夕立、くるかな」
ぽつりとつぶやく。匂いが変わった――さっきまでのむせ返るような草の匂いじゃない。
「これが雨の匂いってやつか」
ぽりぽり、とあずきバーを齧りながら空を見上げる。
「雨も匂うの?」と、雛苺が不思議そうに尋ねてくるので
「何となくだ。実際に雨が匂うわけじゃない」と、僕は答えた。

「少しは風情ってものが判ってきたのね、ジュン」
真紅だ。もう抹茶アイスが空になっている。見かけによらず食うのが早いな。
「別にそんなんじゃないよ。何となく…そう、本当に何となくだよ」
「あら、別にいいと思うけど。私は素敵だと思うわ」
こいつは時々、臆面もなくそういうことを言ってのける。
腹立たしいことにそれが様になっているのは、経験からか天賦の才か。
じっとりとした空気が山を越え、汗と氷の温度が涼しさを与えてくれる。
気づけば風が吹き始めていた。まだあと少し、この空気を楽しむとしよう。

「…そろそろ電気つくかもな。」
パチン、と電灯をつけてみると、数回の明滅の後に周囲を照らし始めた。
「これでよーやく冷房がつけられるですぅ」
「涼しくなりたいのー!」
10分も経つころには、ひんやり冷たい空気が部屋を満たしていた
そして、この微妙な空を眺めて、気づく。
「nのフィールドに行けばよかったんじゃないか?涼しいとこの。」
「「「あ。」」」
3重唱。今まで誰も気づかなかったのかよ!

心の中で呆れながら、僕の頭の中では夏服っぽいのを考えていた。
きっと涼しげなやつが出来上がるだろう。

49 :43:2007/07/23(月) 00:15:58 ID:nt3NfQK8
>>47
作家に対する格差とかあるのか?何かを書こうとする偉大だと思うんだが…。
あと追い出された事例って虐待SS以外にあるのか?新参なんでサッパリわからんのだが。

こういうと嫌がられるかもしれないがVIPのスレでローゼンを知ったからな

50 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/23(月) 00:39:35 ID:k03xADyO
>>49
過去スレ読めや

自演や暴言で特定の作家持ち上げたり
気にいらねえ作家を再起不能にする為潰しにかかったり
そんなのばっかりがココには潜んでるんだよ。
それにお前みたいに知ったかぶりの自己主張が強いヤツは正直ウザい。

51 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/23(月) 00:47:26 ID:8v/uHPhn
>そんなのばっかりがココには潜んでるんだよ。
>>49がその筆頭

52 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/23(月) 00:47:31 ID:8v/uHPhn
>そんなのばっかりがココには潜んでるんだよ。
>>49がその筆頭

53 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/23(月) 00:49:21 ID:8v/uHPhn
>>52
ごめん>>50ね。
しかも二重になっとる。
吊ってくるか・・・

54 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/23(月) 00:58:18 ID:F+UAxJyF
はいはいもうおしまい
良いじゃねえの、投下もあったしいい雰囲気になってきた。
見てる奴は口開けて待ってる、それ以外のとこで騒いでるとやっぱり書き辛いだろ


55 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/23(月) 01:43:45 ID:w0lirxfP
でも正直まだ>>50のような人が居ると思うと確かに投稿しにくい。それは事実。

56 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/23(月) 01:56:20 ID:rETAYvyF
>>48
投稿待ってた。GJ
おい皆、スルーは酷いだろww

57 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/23(月) 02:27:21 ID:H2ETjDxg
金糸雀大嫌い。SSに出てくると見る気なくすわ

58 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/23(月) 02:34:54 ID:7O0uroaK
おー、この前の続きか
>>48さん乙です^^

次回作期待してます

59 :Rozen Maiden LatztRegieren:2007/07/23(月) 02:59:49 ID:ce1jVyNX
<前スレまでの流れ>

[翠星石・蒼星石]
水銀燈のフィールドの道端で倒れている蒼星石を見つけた翠星石は、真紅達の集団から一人飛び出して彼女を助けに行く。
真紅達とはぐれてしまった翠星石は、傷ついた蒼星石をとりあえずそばの建物の中の物陰に連れて行った。

[真紅・雪華綺晶]
第七ドールがスィドリームの扉を閉じてしまう能力があることを知った真紅は、なんとか他の皆を現実世界へ逃がすために、
自ら囮となって雪華綺晶をひきつける。その間に同伴していた雛苺を逃がした。真紅はそれからもしばらく雪華綺晶と対峙するが、
薔薇水晶と同じ水晶を使う強力な攻撃を駆使されたり、茨で出来た鞭で背中を裂かれたり、果てには得意の肉弾戦でも退けを取り、
ついに真紅は雪華綺晶に前に倒れ伏してしまう。

[水銀燈・金糸雀]
金糸雀の隠れ場所を突き止めた水銀燈は、その隠れ場所であった建物もろとも破壊し、金糸雀を締め出す。
正面からの戦いに展開したが、金糸雀の音波攻撃に水銀燈はしばし遅れを取り、その間に金糸雀は別の建物の中に逃げた。
まもなく水銀燈が追ってきたが、金糸雀は建物の中を走りながら次の策を練るのだった。

[草笛みつ・ジュン・雛苺]
それぞれ単独で水銀燈のフィールドを彷徨い歩く。

60 :Rozen Maiden LatztRegieren V:喪失 The lost:2007/07/23(月) 03:04:25 ID:ce1jVyNX
46

横倒れのテーブルを飛び越える。閉じられた壊れかけのドアを体当たりで押し開ける。
どんな障害物も今の水銀燈を止められそうにない。彼女は猛スピードで金糸雀を追跡した。右手には剣を握っている。
いかに現実味を帯びたフィールドであろうが、スピルバーグの映画の撮影場所に選ばれそうであろうが、ここは私のフィールドだ。
勘に任せて走れば金糸雀などすぐに捕まる。
次のドアを体当たりで破り、廊下に出ると、突き当たりの曲がり角に金糸雀の黄色い傘が微妙にはみ出てているのが目に入った。
下りの階段に腰掛けているらしい。
水銀燈は歩調を緩め、足音を殺してゆっくりとその傘に近づいた。剣を両手に持ち替え、体の前に構えながら、確実に距離を詰めていく。
その過程で、水銀燈は油断している小動物を狙う豹の気分を味わった。
「水銀燈の翼は自由自在」金糸雀の呟く声がする。「それでドールを覆い尽くすことも、針として使うことも出来る。
しかし、その間は本来飛ぶという翼の機能を果たすことはできない」
その通りよ。水銀燈は心の中で金糸雀の独りよがりな分析に受け答えした。だからこそ飛行中にも攻撃できるように剣がある。
そしてその剣はもうじきあなたのはらわたを切り裂く。
「つまり…」金糸雀の独り言が続く。
何か踏んだら音を鳴らしてしまうものはないかと水銀燈は慎重に足元を確認する。「破壊力よりもスピード重視…」
あと、五、六歩。金糸雀の傘の後端がどんどん迫る。「最も短い伴奏で攻撃が繰り出せるのは…」いよいよだ…
突然、金糸雀の言葉が切れた。気付かれた?水銀燈の足が止まる。金糸雀が動く様子はない。
自分はすでにあと一歩踏み出せば手の届く所まできている。何を躊躇する必要がある?勝利は目前だ。
目の前の角を曲がって傘の持ち主を剣で貫けばいい。
それからの水銀燈の動きに無駄は全く無かった。
左足の次に右足が大きく前に出る。半身が曲がり角の先に乗り出すと同時に剣を真横に振る。
剣の軌跡は大きな三日月を描き、硬い物体に剣の先が刺さった確かな手ごたえを得る。
そのはずなのに、水銀燈に浮かんだ表情は屈辱そのものだった。
水銀燈の剣に串刺しになり、ぶら下がっていたのは、金糸雀の傘を肩に掛けた、紛れもない自分のフィールドの、ただのがらくた人形だからだった。
後ろで木製のドアが勢い良く開かれるや金糸雀が姿を現し、バイオリンの弓が弦を擦った。
「破壊のシンフォニー!」
その演奏の巻き起こす凄まじい暴風に吹かれながら、水銀燈は愕然とした。「こんな…!こんなばかみたいなことが…」
吹き荒れる風はやがて金糸雀の演奏に合わせるようにして竜巻に変化し、水銀燈を巻き込み吹き飛ばした。
「きゃっ!」
黄色い叫び声を上がる。
下りの階段をゴロゴロ転げていく。最下段まで転げ終えると水銀燈は後ろの壁に後頭部を強打した。
竜巻は両側の壁、天井、全てを派手に破壊しながら突き進んでくる。
水銀燈は逃げるのが遅れた。
竜巻の中心部が体を直撃し、2フィートもの壁を突き抜けて、彼女は断片と一緒に建物の外に投げ出された。

61 :Rozen Maiden LatztRegieren V:喪失 The lost:2007/07/23(月) 03:14:33 ID:ce1jVyNX
47

「や…やった…の?」バイオリンを演奏し終えた金糸雀は、自分が信じられないという風に体を震わせた。
水銀燈が転げていった階段は今や瓦礫の山が埋め尽くし、完全に遮断されてしまって金糸雀は水銀燈の姿を確認することが出来ない。
だが、静かだ。ドールが動くらしき気配は全くない。
さっきまではあんなに慌しく戦いを繰り広げていたのに。
金糸雀は急に自分が怖くなった。自分は水銀燈を傷つけた。もしかしたら本当にジャンクになってしまったのかもしれない。
そして自分だけがそこに取り残される、虚無感…。

他の姉妹達の険しい視線が自分に向けられている気がする。
姉をジャンクにしてまでお父様に会いたいの?…まだ君は同じことを続けるつもりなのかい?

アリスの為だ!金糸雀は心の中で思った。それが私たちの宿命だと、十分すぎるほど言い聞かせてきた!
真の第七ドールが姿を現したいま、もうアリスゲームは止まらない -

金糸雀はいま自分がすべきことに集中した。水銀燈が本当に倒れたのか、まだ息があるのか…確認しなければなるまい。
この建物からの出口を探るべく、いまきた道を引き返しながら、金糸雀はもう真紅達との平穏な日常は望めまいということを悟った。


「きゃあっ!」
突然の衝撃に翠星石は身を縮まらせた。さっきからというものの、いつ何処からドール達の戦いの戦火が飛んでくるか全く予想つかない。
今回も派手に何処かの建物が壊されたらしい。音からしてかなり近い。
予測どおり、すぐに大量の建物の断片が、今翠星石と蒼星石が身を潜めている建物のすぐ外の道端に降り注ぎ始めた。
どちらかというと爆発よりも崩壊に近い壊れ方をしたらしく、ゴロゴロ巨大な岩の塊が土砂崩れのように転がってくるものが多い。
それらに紛れて、小さな薄汚れた人形達が翠星石達の前に落ちてくる。岩と一緒に泥の地面に散りばめられる。
その内数体の人形が岩の下敷きとなり、苦しそうに背を仰け反らせた。
「まったく、悪趣味な光景ったらありゃしねーですぅ」
翠星石が外を見ながら、横で身を壁に寄らせている蒼星石に向かって言った。
言われた蒼星石は、改めて水銀燈の世界を見回してみた。ひびの入った地面、もろく壊れそうな建物群、散らばるがらくた人形…
"ジャンク"を明らかに意識している。そしてそれは水銀燈自身の体へのコンプレックスから来ているに違いない。
そう思うと、水銀燈の世界をこのようにしてしまった要因に自分も関わっていることを蒼星石は痛感した。
19世紀のアリスゲームで、水銀燈を真っ二つに切り、腹部がないことを浮き彫りにさせたのは他でもない、自分なのだから。
「蒼星石?」
翠星石の呼び声で、蒼星石の意識が今に戻った。「えっ?」
「何ボケーとしてるですか」翠星石は、世話のかかる妹だとばかりに少し呆れ気味の顔をして言った。「帰るですよ!ここから」
その言葉は無防備の蒼星石を直撃した。「帰る?」
翠星石はその反応に少しショックを受けたようだった。「そ…そうですよ!帰るのですよ!現実世界へ。真紅達と一緒に!
私、真紅達の呼び止めもきかずに蒼星石のとこに飛んできてしまって、みんなとはぐれてしまったのです…だから、
蒼星石、私はお前も連れて、真紅達ともう一度合流せねばならんのですぅ…」

62 :Rozen Maiden LatztRegieren V:喪失 The lost:2007/07/23(月) 03:22:20 ID:ce1jVyNX
「翠星石、君は…」
妹に拒否権を与えず強いてくる姉に、蒼星石は弱々しく微笑んで見せた。
「君は…本当に、アリスになるつもりがないんだね。第七ドールが揃って、本当のアリスゲームが始まったいまでも」
「そうですよ!」翠星石は答えた。「私と蒼星石は、ずっとずっと、一緒なのです…。たとえアリスゲームが終わっても。それからも」
蒼星石の顔が持ち上がり、翠星石の顔をまじまじと見つめた。「アリスゲームが終わっても、一緒?」
「七つのドールが揃ったいま、この時代でアリスゲームが終わることは間違いないですが」
翠星石は蒼星石に微笑を見せた。
「アリスゲームの終わりが薔薇乙女の終わりとは決まっていないことを、蒼星石は忘れているのです。
たとえ、ローザミスティカを奪われたって私は蒼星石の隣で眠り続けるのです。
蒼星石のローザミスティカが奪われた時は、私がずっと隣で眠ってやるのです。
そして二人ともローザミスティカを奪われたときは、きっと…ジュンが二人一緒に眠らせてくれるのです…」
翠星石は一度顔を落すと、力強い口調で蒼星石に語りかけた。「アリスゲームが終わっても、それからも、ずっと一緒なのです!
ジュンやのりが…私達を見守ってくれる限り…私達の魂は必ずまた出会えるのです。彼等の中に、私達は一緒にいるのですから…」
「悪くない話だね」蒼星石はゆっくりと微笑みを返した。「悪くない…アリスゲームの先のことなんて、考えたこともなかった」
その刹那、先程から外に降り続けていた断片の雨に混ざって、一体の大きな人形が飛ばされてきた。
その人形は宙吊りのようになったまま空中で振り子のように回転し、やがて落ちると地面を手で引っ掻いた。摩擦によって体の滑りが止まる。
それからは微動だにしない。
「あれは…!」蒼星石が声を出した。「水銀燈だ!」
翠星石の肩が震え上がった。「ええ!?」
何処かしらから吹っ飛ばされてきた水銀燈は顔を地面に埋め、寝たようになったままだ。「水銀燈が、倒されたのか!?」
不安げな翠星石が問う。「でも、一体誰に?」
蒼星石は一考し、やがて答えを出したが、口に出すのはやめた。とはいえ、ここに長居することは危険かもしれない。
立ち上がりたかったが、足に刺さった破片の痛みがそれを阻止する。「ここは危険かもしれない」
「そうですね…」もう一度外で倒れている水銀燈を見やってから、翠星石が答えた。「真紅達を探しにいくです」
再び蒼星石の肩を引こうとした丁度そのとき、水銀燈の体がむくっと起き上がった。
「ぬああああああああああああああ!」
悪魔のような叫び声を上げて顔が持ち上がる。銀髪にかかった無数の細かい石の破片がパラパラと頭から落ちる。
水銀燈は首を振り、残った破片を全て頭から振り落とした。

63 :Rozen Maiden LatztRegieren V:喪失 The lost:2007/07/23(月) 03:24:21 ID:ce1jVyNX
そばの建物の暗がりから、翠星石と蒼星石はその様子を息を呑んで見つめ続けた。
水銀燈は痛む体に鞭打って何かを毒づきながら立ち上がり、周囲を見回し始めた。
そして - 翠星石と水銀燈の目がばっちりと合った。
翠星石の体が恐怖に固められた。差すようなダークピンクの瞳から、一瞬たりとも目を逸らすことが出来ない。
「見てんじゃないわよ!」水銀燈が叫んだ。「それとも、私と殺り合うつもり?」
その水銀燈の表情に翠星石は今までに無い、狂気に近いものを感じ取った。怒りのマグマが水銀燈の中で激しく煮だっているかのようだ。
「どうなの?私と戦うつもりなの?」
翠星石は思わず首を横に振ったが、構わず水銀燈はこちらを睨みながら近づいてきた。
「く…来るなです!」
翠星石は言うが、もちろんそんなことを聞き入れる水銀燈ではない。どんどん距離が縮まる。
水銀燈は翠星石の後ろで座り込んでいる蒼星石を見やると、冷たい視線を彼女に上から送った。
「そういえば…、蒼星石とはゲームの途中だったわね。あらぁ、足、痛そうねぇ。蒼星石」
そして翠星石に視線を戻す。
「…来るなですぅ!」
翠星石の体がどんどん縮んでいくように感じられる。
「あなたたち二人揃って」水銀燈は言い、どんどん翠星石との距離を縮めた。「ジャンクにしてやる」
黒い羽が放たれ、翠星石は悲鳴を上げながら頭を伏せた。羽は建物の奥へと通り過ぎ、多くが壁に突き刺さり、
数本が壁に寄りかかったままの蒼星石の体に突き刺さった。「ううっ!」
「蒼星石!」妹の顔が苦痛に悶えるのを見ると、翠星石は必死になった。「水銀燈!やめるです!こ − 」
首元に水銀燈の剣先が突きつけられ、翠星石は言葉を失った。「 、…」
「弱すぎて話しにならないわ。さようなら」
水銀燈は言い捨てると、剣を一度肩の後ろまで引き、それから力いっぱい振り切って翠星石の首を撥ねようとする。
「いやぁ!」
その瞬間、翠星石の防衛本能が勝手に彼女の右手を振り上げさせた。
全く予想外のことが起きた。
水銀燈は、翠星石の右手から有り得ないものが飛び出てきたので一瞬反応が遅れた。剣は見当違いなところを切り裂いた。
「…?」
「…!?」
互いの意識が固まった。
翠星石の振りかざした右手…そこに握られていたものは、蒼星石の鋏だった。鋏は水銀燈の鼻先をかすめ、
もみ上げの銀髪を数枚切り落し、髪はゆらゆらと舞い落ちていった。
にわかに、翠星石の中に鋏を蒼星石から没収した記憶が戻ってきた。

- "お前が姉妹を切るためにこの鋏を使うくらいなら、私は姉の庭師として、この鋏を没収するです!" -

そして今、翠星石は右手には挟、左手には如雨露という出で立ちになっている。
なんですか、この感覚は?
体の奥底から何かとてつもない感覚が湧き出してくる。
「ふふっふふふふふ…」翠星石は、いきなり生涯最高の悪事を思いついたかのように笑い出した。「おーっほっほっほっほっほォ!」

蒼星石を守る。
翠星石はその誓いを果たすべく戦う時がきたことを悟った。
「よく聞くですこのゴシックロリータ逆十字のコンチクショー!お前は薔薇乙女真のラスボスこの翠星石を怒らせようとしてるです!!
これ以上ちょっかい出してこようものならお前の羽一本残らずむしり取って焼き鳥にしてやるのです!」
水銀燈は呆気に取られて翠星石を見つめた。「"ナズグル"のラスボスの間違いじゃなぁいの?」
「…見せてやるです…スィドリーム!!」翠星石は如雨露を緑色の水で満たした。「翠星石の二刀流を!」

64 :Rozen Maiden LatztRegieren V:喪失 The lost:2007/07/23(月) 03:40:03 ID:ce1jVyNX
48

左手に嵌められた指輪がほのかな赤色の光りを帯びている。それは真紅が何処かで戦っていることを意味しているのをジュンは知っていた。
心なしか光はろうそくの火の如く次第に弱まってきている気がする。
ジュンはそれを不安に思ったが、真紅がいま何処にいるのかがすっかり分からなくなってしまっていた。
「迷子を経験するのは何年ぶりなんだろう」
ジュンは呟いた。
ここ最近ほとんど外出すらしなかったジュンは、右も左も分からなくなる様な体験をいま一度することになるとは思いもしなかった。
「あいてっ」
何かがジュンの足元に引っ掛かり、体がつんのめった。横倒れの小さな木製の小物入れだ。
本能的に体が横にずれ、安定したとこを探り当てた左足が地面に就くと、どうにかバランスが保たれる。
「くっそー。」ジュンは残った右足で小物入れをどかした。「nのフィールドの癖に生活感ありすぎなんだよここは」
すると、小物入れの引き出しが飛び出し、中身が露になった。「…ん?」ジュンはそれを訝しげに見つめた。
ジュンはそれに見覚えがあった。むしろ嫌な思い出と一緒に脳裏に焼きついている物だ。
問題は、なぜここにあるかなのだが。
「真紅のと同じカップ?」
その金色のカップは、真紅のマイカップとほとんど同じものだった。でも、どうして水銀燈のフィードに?
ジュンはゆっくりとそれを手に持ってみた。
長年使われていないらしく、カップには乾いた埃がこびれ付き、底には小さな石ころが数個転がっている。
その状態から見ても真紅のカップではないことは明らかだ。 - じゃあ、水銀燈の?

カップの埃を指で拭き取ってみたとき、思いがけず後ろから声がした。「ジュン!ジュンなの!」
ジュンは声のした方向に向き直った。「雛苺!」
雛苺はジュンの右腕にしがみついた。「ジュン!」
「雛苺。良かった無事だったんだな」ジュンは左手の方で雛苺の背中を持った。「真紅を探しにいかなくちゃ」
雛苺はかぶりを振った。「翠星石を探しに行くの。夢の扉をもう一度開けてもらうの」
ジュンは嫌な予感を覚えた。「雛苺?真紅を知っているのか」
「雪華綺晶がまた夢の扉を閉じてしまわないように、今真紅がひきつけているの」
ジュンは心臓が止まる思いがした。「そんな無謀な!真紅の所に行かなくちゃ!」
当てもなく何処かへ走り始めようとするジュンの足を、雛苺は引っ張った。「ダメなの。」
ジュンは振り返るや大声を出した。「なんでだよ!?」
「真紅を信じて!」雛苺が負けじといった。「真紅ならきっと大丈夫なの。負けないの。
今、ヒナたちがすることは翠星石たちを見つけて、現実世界に戻るの」
「バカな!」ジュンが愕然とした表情で言った。「真紅はどうなるんだよ!置いてきぼりじゃないか」
雛苺の顔ににわかに迷いが生じた。「でも、でも…真紅がそれ以外に、みんなが無事に帰れる方法がないって」
ジュンは一考した。自分が真紅にしてやれることは一体なんだ?戦いに加勢できる力なんか僕にはない。
真紅の言う通り翠星石を探しにいくしかないのだろうか?
でも、真紅は放っておけない!
「それじゃあこうしよう、雛苺」ジュンが言った。「手早く翠星石たちを見つけて、お前は帰れ。そのあと僕は真紅を探しに行く」

65 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/23(月) 08:53:04 ID:wCxcNYgo
>>59-64
待ってましたぁ!!
GJ!
また次週が待ち遠しい!

66 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/23(月) 09:21:19 ID:33kS6gFL
金の字策士w

67 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/23(月) 09:54:31 ID:Ci/JFbWy
翠の子がwwwww

68 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/23(月) 13:55:12 ID:7O0uroaK
>>59
GJ!

69 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/23(月) 14:14:06 ID:fp8Gs37E
>>57
同意
キム死ね

70 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/23(月) 19:17:42 ID:6BAJKr56
今帰った
職人様方乙です

個人的には>>48みたいなまったりしたのが好きだったりする

71 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/23(月) 23:53:13 ID:Mb6aoURu
期待age

72 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/25(水) 09:31:30 ID:YcugSvRF
保守age

73 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/25(水) 17:44:26 ID:O46kPgaJ
>>36-38
糞糸雀と糞糸雀ヲタがいかに嫌われてるかの図

74 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/26(木) 00:58:32 ID:BQV7S5TA
キム死ね

75 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/26(木) 18:06:49 ID:30baTGKe
                        ∩___∩     金糸雀みたいな糞キャラに
     __ _,, -ー ,,             / ⌒  ⌒ 丶|       萌えてて恥ずかしくない?
      (/   "つ`..,:         (●)  (●)  丶        ねぇ、恥ずかしくないの?
   :/金糸雀信者::::i:.        ミ  (_●_ )    |
   :i        ─::!,,     ハッ  ミ 、  |∪|    、彡____
     ヽ.....:::::::::  ::::ij(_::●    ハッ    / ヽノ      ___/
    r "     .r ミノ~.      ハッ   〉 /\    丶
  :|::|    ::::| :::i ゚。            ̄   \    丶
  :|::|    ::::| :::|:                  \   丶
  :`.|    ::::| :::|_:                    /⌒_)
   :.,'    ::(  :::}:                    } ヘ /
   :i      `.-‐"                    J´ ((

76 :43:2007/07/27(金) 00:17:55 ID:Ugw+9GqW
懲りずに書くぜ。よりによってこの流れでコレはどうかと思うが気にしない。
相変わらず>>59-64の作者さんはいいものを書くなあ。

----------

採寸を割愛。裁断。縫製。調整。再縫製。再調整。完成。
「――よし」
僕の目の前には夏服がある。黄色をベースにしている。これは、あるドールのための服だ。
ここに僕の世界がある。僕だけの世界がある。誰にも邪魔させない邪魔なんて許さない。
「ふふん、これで完成としようじゃないか」
丁寧に折りたたんでユニクロの袋に入れる。安さが売りだった気がするんだけど意外とそうでもないのな。

今日は金曜日。万年休日の僕も何となく休日の気配を察して若干の気分の高揚を与えてくれる。
外出には若干抵抗があるが、服の完成と相まって振り切ることが出来た。
みっちゃんさんの家にいるであろうあの人形に服を渡せば一切合財がめでたく終了となる。
早くなる歩調。疲労は脳内麻薬でも出てるのか、さして感じない。今の僕は"ハイ"ってやつだ。
気づけば扉の前。呼び鈴を押す。誰も出なければメモを貼り付けてドアノブにぶら下げて帰ろう。

呼び鈴を鳴らす。3秒の時間をやろう。3.2.1。かくて扉は開かれ…ずにインターホンから声がした。
「こっちに来るとは思わなかったかしらー!」
「人形がナチュラルに応対するんじゃありませんよ金糸雀さん」
「ふふふ、抜かりはないわ。ピチカートに様子を見させたのよ!」
「そうか。じゃあ開けてくれ」
「本当かしらー?本当に本当のジュンなのかしらー?ならこれが出来るはずよー。水銀燈のものまねー」
「『はぁ〜?馬鹿じゃないの〜ぅ?』」
「うわー、超なげやりー。やっぱりジュンかしらー」
「いいから早く開けろよバカナリヤ。」
「酷っ」
こいつ、この前貸した漫画の影響早速受けてるし! ついでに暑い。

ガチャリとドアが開く。おお、開けられたよ。どっかの赤い人形も見習うべきだよな。真紅とか。
「わざわざご苦労様なのかしらー。」
「これで義理は果たしたからな……ところでみっちゃんさんはまだ帰ってないのか?」
「気になるかしら?まだ仕事よ」
「冷静に考えたら住居不法侵入だしな、僕。それに、服の感想も聞きたかったから。」
「さっそく着てみるのかしらー」
「ああ、そうしてみてくれ」
羞恥心があるのは周知の事実。彼女は壁一枚隔ててゴソゴソやっている。今のは駄洒落じゃないぞ。

「素敵なデザインね…動きやすいし。これなら涼しく過ごせるかしら〜♪」
「そりゃ良かった。しっかし…"お父様"の作った服はいいのか?」
「え?アリスを目指すのに服装の指定まではされてないわよ?」
「そう…なのか?まあそうだとして…他の連中より変なところでサバサバしてるよな、お前って」
「真紅や水銀燈が拘りすぎてるだけよ。目的と手段を間違えるのは愚かなことかしら。」
「――やっぱアリスゲームすんのか?」
金糸雀が冷蔵庫によじ登って、器用に麦茶を出してくれた。コップは僕が取ったんだけど。
「しないでアリスになれるならしたくないかしらー。」
「お前たちが壊しあいするのは見たくないなあ。確かに。一人壊れようがない奴が要るけど」
麦茶を飲み干して落ち着くと、脳内麻薬が引いてきたのか一気に疲れてきた。
やれやれ、帰り道は長くなりそうだ。


【END:F】
「じゃあな。」
みっちゃんさんの家を出る。ここで出くわすと気まずいことこの上ないので帰りは迂回しよう。
元カノの友達と付き合ってる男ってこんな気分なんだろうか。そんなの一生、縁が無さそうだが。
帰りに買ったペプシの新製品は微妙な味だった事を追記しておく。お値段以上なニトリを見習え。

77 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/27(金) 00:27:32 ID:WYiSvxhS
>>76

このジュンの性格好きだ

78 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/27(金) 00:46:40 ID:IRJ7aWWh
>>76
乙乙。
楽しみにしてましたよ。

79 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/27(金) 07:34:07 ID:JH21ItMn
>>76
乙乙乙
待ってますた

80 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/27(金) 14:13:39 ID:ZrIoE7YA
カナリアが出てくるSSツマンネ
銀様や翠星石の方がいい

81 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/27(金) 17:49:04 ID:5JsWvo6B
キム死ね

82 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/27(金) 23:33:12 ID:PropdiHy
カナリアのSSが鬱ストーリーも少なく一番読みやすい

本当に乙

83 :43:2007/07/28(土) 00:21:59 ID:Vd6yXRPg
熱心なファンがつくと賛否両論が出て大変だね、こりゃ。
何となく続けてみたんで暇つぶしにどうぞ。感想ありがたいぜ!
-------

くたびれた体を引きずって帰った僕を待っていたのは以外にも柏葉と姉ちゃんだった。
またプリントかと思うと若干罪悪感がある。別に郵便受けにブチ込んでおいてもいいと思うけど。
「…出かけてたの?」
「うん。年甲斐もなく動いたんで、くたくた」
「同い年なのに変なこと言わないでよ」
「ハハハ、悪い。またプリントか?」
「うん」
さしあたって関係ない情報が羅列されていた。学校に通う人への連絡事項は今のところ僕に関係はない。
勉強もまだ追いついていないし、今戻っても辛いだけだ。無駄にドイツ語とフランス語は齧れたけど。
「…そろそろ帰るね」
訪問が何度目かになると引き際も何となく読めてくる。さらば柏葉、またプリントが貯まる日まで。

パソコンで通販を見るのは今朝も堪能しているので、電源だけつけて適当に放置しておく。
やることが無いので途方にくれていると、いつぞ動き出した人形たちが目に入った。
「流石に放置しすぎたか。」
別に理由は無いがゴソゴソと片づけを始める。残すものと捨てるものを直感で分別。
ダンボール箱は開けずに封印して捨てることにした。以前開けて失敗した経験からだ。
「ざっとこんなもんだな…」
圧迫感が減っただけずいぶん広くなったように感じる部屋に概ね満足して、僕は夕食をとった。

真紅たちに食後の紅茶(忌々しいことにすっかり慣習になっている)を振舞ったあとで
歯を磨こうと鏡の前に立つ。鏡の前にはいい加減みなれた顔がある。僕の顔だ。
あまりいい男ではない。姉ちゃんとはどことなく似ている。姉弟だしね。
何となく、ローゼンメイデンたちの顔について考えたくなった。暇になると僕は時々こういう事を考える。
こうして考えると上手いこと思い出せないことに気づく。せっかくだから観察してみるか。



84 :43:2007/07/28(土) 00:23:48 ID:Vd6yXRPg
まずは真紅だ。澄ました顔で紅茶を飲んでいるので観察にはもってこいである。
何を考えているのかまでは知らないが、時々紅茶カップを前に遠くを見つめているときがある。
今の機嫌は良くも悪くも無い悪くないが、昨日よりはいいかな?英語だとmuch better than for yesterday.主語なぞ知るもんか。

「何?ジュン。私の顔なんか見て」
「別にー?」
「ならやめて頂戴。人の顔をジロジロ見るなんて失礼よ。」
ふん、と紅茶をすする真紅。なんだかおっかないなあ。
率直な感想だった。整った顔、青い瞳。ある種の気品を感じる風貌だ。
「いや…綺麗だなぁと思ってさ」
あ、紅茶吹いた。
「ジュン!主をからかうのはやめなさい!何を言い出すの!?くぁwせdrftgy…」
「あー、わかったわかった。悪かったから…」
適当になだめていたら、その夜は他の2体はすっかり眠ってしまった。
おかげさまで真紅に散々怒られれ続けた。顔が真っ赤になった真紅は綺麗というより可愛い。
とりあえずいいサンプルになったとおもう。他の連中と比較してみよう。

続いて雛苺。こいつは意外と動きの緩急の激しいので、止まっているときに見ていればいい。
喜怒哀楽がコロコロ変わるのがよくわかる。純粋さからくる可愛さが雛苺にはある。
そういえば聞こえはいいが、要するに幼い。少女というよりは幼女だ。ローゼンは何を考えて彼女を…
「なぁに?ジュンー」
「いやぁ、別に」
「えへへー」
何がおかしいのかわからないが笑顔を振りまいている。ナチュラルハイだろうか?
これ以上見るべき点はないな、と翠星石でも探そうと思ったら奇襲を受けた。通称ジュン登りである。
クライミングは是非とも屋外でやってくれ…と頭からおろして、正面から向き合う形になる。
綺麗な緑色の瞳が僕をじっとみていた。いつかも思ったが、この透明な視線が僕は苦手だ。
そして雛苺、何を勘違いしたのか目を閉じて唇を突き出してきた。
「こらこら。乙女たるものそういうマセた真似はするんじゃありません」
「ジュンならいいのよ…」
「……テレビでやってたな?」
「え、何でわかったの?ジュンすごいのー」
軽く頭が痛くなってきた。しばらくテレビ番組には気を使う必要があるかもしれない。

最後は翠星石だ。こいつは何故か視線に敏感ですぐに僕が見ていると気づいてくる。
真紅の言うとおり、顔見知りする性格だからなのかもしれない。
別にやましい部分はないので、これでもかというくらい真正面から眺めてやろう。
「チビ人間、何見てるですか?」
「いやあ、お前の顔が気になってな」
「へ、わけわかんないです。あんまジロジロ見るなですぅ!」
こいつは喜怒哀楽のうち怒が威容に多い気がするのは何故だろうか。あと性悪だと思う。
左右非対称の瞳はそれぞれが違う輝きを放つ。目の形と眉からか、幾分かキツめの印象だ。
双子なだけあって蒼星石とよく似ているが、稀に気弱さみたいなものを感じることがある。
なんというか、感情の振れ幅がかなり大きいような気がする。ひょっとしたら少し無理をしてるのかもしれない。
もしそうだったらもう少し優しく…
「これだから陰湿ヒキコモリのチビ人間はダメダメなのですぅ!そ、そんなに翠星石の事が気になるなら…」
前言撤回。次いこう次。
「はいはい、悪うございました」
背後から翠星石が何か言っているが、僕は立ち去った。次は誰を見ようかな…

「べ、別に好きなだけ見せてやっても……っていないですぅ!おのれチビチビ人間ー!」

85 :43:2007/07/28(土) 00:28:07 ID:Vd6yXRPg
以上でッス。なお言葉足らずくさいので補足すると
『熱心なファンがつく作品の二次創作はキャラごとに賛否両論があって大変だなあ』
ということです。
次誰に行くかはリクエスト次第。放置されたらサイコロで。

86 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/28(土) 00:56:36 ID:yiuSs4sJ
>>83-85
萌死ぬかと思った
起きてた甲斐があった

難しいだろうが今回でなかった銀か薔薇、きらあたりに一票

87 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/28(土) 09:58:43 ID:Q1glzAJU
うわっ、台詞回しとかそれらしい雰囲気あるなぁ

GJといわざるを得ない

88 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/28(土) 23:35:26 ID:zs775kGR
>>83-84


しょーもない指摘1つ
>>84
翠星石の箇所
顔見知り× → 人見知り○

89 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 12:50:12 ID:MCMppt/1
>>83-84
GJ

>>82
糞糸雀ヲタ死ね

90 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/30(月) 00:11:28 ID:fylzf83o
あげ

91 :43:2007/07/30(月) 01:17:42 ID:NB/f0hQW
誤字が多すぎるのは謝罪するZe


92 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/30(月) 02:33:27 ID:KcHHuwQD
>>83-85
マエストロ級だ・・・
今度7〜10Kクラスの読んでみたいんですがそれは我侭でしょうか?

93 :蒼星石・去勢編:2007/07/30(月) 17:01:42 ID:H+PSG93k
「こら!蒼星石!一体何をするんだ!?」
「ジュン君ゴメン・・・僕・・・怖いんだ・・・。」
庭師の鋏を片手に蒼星石はジュンに迫っていた。

「僕は怖いんだ・・・翠星石が君に傷物にされてしまう事を・・・。」
「何を言ってるんだ!?僕が人形相手にそんな事するわけないだろ!?」
「でもジュン君は男の子だから・・・やらないと言う保証は無いんだ・・・。」
蒼星石はジュンのズボンを下ろし、ジュンの下半身に付いているソレに鋏を当てた。

「それじゃあジュン君・・・行くよ。」
「やめろやめろ!」

             チョキン!

「あああああ!!僕のチンチンが!!あああああ!!」
ジュンの叫びも空しくソレは切り離され、綺麗な放物線を描いて床に落ちた。

「おおおおおおおお!!ああああああ!!」
「ウフフフフ・・・アハハハハハ・・・。」
ソレの無くなった下半身を押さえてのた打ち回るジュンを蒼星石は
ムシケラを見るような目で見つめていた。

「これでもう一安心。翠星石に危険が及ぶ事は無くなった。」
「おおおおおおお!!ああああああ!!」


蒼星石は床に落ちたジュンのソレに庭師の鋏を突き刺し、グチャグチャにして去っていった。

94 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/30(月) 17:04:05 ID:Dg5ENCXd
>>1を千度読み直せ

95 :43:2007/07/31(火) 00:55:54 ID:ynLhNPcy
とりあえずリクエストに答えられるよう頑張ってみた。

---------
「さて、次は誰の観察をしようかな…」
適当に思い浮かぶ顔をシャッフル。蒼星石、水銀燈、薔薇水晶、金糸雀、雪華綺晶…
怪我をする可能性がどう頑張っても40%を切れそうに無いのはどうしてだろうか?
きっと彼女たちが可憐で苛烈だからに違いない。用心したところでどうにもならないだろう。
じゃあ諦めるか?というと、ここでやめるのは後味が悪い。
僕は時々、どうでもいいことに対して情熱を燃やすのだ。

「と、いうわけで薔薇水晶はいるかな?」
よくわからないがnのフィールドに出かけていることが多い薔薇水晶。案の定…。
「…いない」
「うそつけ」
珍しく、いた。物置で姉ちゃんの買ってきた雑誌を読んでいる。本当に動向の読めない奴だ。
手がかからないだけ良いのかもしれないが、これはこれで何ともいえない歯がゆさがある。
「なに」
「ちょっと顔が見たくて」
「……どうぞ」
僅かな逡巡、短い返答。お言葉に甘えて遠慮なく観察させてもらおう。
頭上の3センチ上くらいに、意味が理解できないというクエスチョンマークが浮かんでる。
薄暗い部屋で見たからか、他のドールズと比べて受ける印象がかなり違っていた。
何というか、感じる印象がどことなくネガティブ、あるいは張り詰めた方向なのだ。
経緯を知れば理解できなくも無い。だが、そういう印象とは別の何かが目の前の顔にはある。
「……。」
深淵を覗きこむ時、深淵もまたこちらを覗きこむ――彼女もまた、こちらを見ていた。
黄色とも金色とも見える瞳。片方の目は眼帯覆われているのに視線を感じた錯覚がする。
「その眼帯の下ってどうなってるんだ?」
僕は眼帯がある理由を幾つか考えたが、どれも満足するには至らない。
製作者の意図とは別に感じる『何か』の正体が、そのあたりにあるような気がしてならなかった。
「…秘密」
にべもない回答だ。まあこれで熱く語られても困るんだけど。
「どうしても?」
「…なんとなく」
「気分かよ!」
僕の魂の叫び。ドールズが来てから、たびたびこんな感じで突っ込むようになった。
そして何がおかしいのかしらないけど、薔薇水晶が少しだけ微笑んだ。
そのときようやく自分の感じた『何か』の正体に気づいた。
「…『悲しみ』?」
「それがどうかしたの?」
「…なんでだろうな。そんな印象を受けたんだ。顔を見ていたら」
薔薇水晶は、そう、と辛うじて聞き取れるような声で呟いて、俯いてしまった。
僕にわかったのはそこまでだった。だけど、それで十分だった。



96 :43:2007/07/31(火) 00:56:54 ID:ynLhNPcy
「次は…水銀燈に会う方法も無いし…金糸雀にでも会いに行くか…」
薔薇水晶の顔も堪能したので次の行き先を口に出して考えてみる。
みっちゃんさんの家に通いすぎだ…とか自分の行動について軽く凹んでいると、目の前の薔薇水晶が顔を上げた。
「会える…」
「本当か?じゃあ…」
連れてってくれ、と声に出そうとして冷静に考えてみた。普通に殺されそうな気もする。
くんくんを盾にすれば何とか生かしてもらえそうな気はするが色々と後が怖い。
「大丈夫」
「え?」
「危なければ…逃げれば…」
「いいのか?」
「私は…安全…」
「僕は!?」
…諦めて金糸雀のところにでも行くとしよう。
そう、行くとしよう。そう思った。だけど足が動かない。というか、どうみても引き摺られている。
「あ、あの?もしもし?薔薇水晶さーん?」
「水銀燈は今、nのフィールドにいるから…」
「わかった、後にしよう。おい、ちょっとまて!だ、誰か助けてくれー!」
「ごあんなーい…」
「しなくていい!タンマ!ああっ!?」

…僕は自分でも、ある程度清潔好きで几帳面な正確だと思っている。
だからどちらかといえば整頓されていたり清潔な環境を好む。
彼女の空間は、ちょうどその正反対だった。
不用品の山。ジャンクの海。空気は淀み、どこか重苦しい雰囲気に包まれている。
何とか早く引き返そうと努力するも薔薇水晶はスタスタと先に歩いてしまう。
あまりにも堂々としているのでパニックを起こしている僕の方が滑稽に思えてきた。
この寒々しい空間には何の気配も無いし、もし水銀燈がいきなり現れても気づけないに違いない。
「あそこ」
薔薇水晶の指差す先に水銀燈はいた。こっちを胡乱げな瞳で見つめているが、特に動く気配は無い。
「いや、帰ろうって…」
「じゃ…頑張って…」
「え!?」
どうも僕の人生は人形に振り回されるように出来ているらしい。

「何の用かしら?くだらない用件だったら――」
気づいたら目の前に飛んできていた。水銀燈の口調は明らかに剣呑な類のものだ。
「すまないけど、くだらない用件だ。ということで帰る」
じゃ、またいつか…と去ろうと思ったら黒い羽が早速飛んできた。痛い痛い。
「ふぅん、そうなの…結局アリスゲームは嫌だとか言いながら薔薇水晶と手を組んで私を…」
薔薇水晶と僕を交互に眺めながらサディスティックな笑みを浮かべて見下ろしてくる。
「ち、違う!これは見解の相違からくる事故というか…」
すると薔薇水晶が、両手で自分の体を抱きしめながらこう言った。
「水銀燈の元に連れて行かないと私をジャンクにするって…」
「そんなこと、しない、できない、したくない。というか少し黙れバカ水晶」
僕は基本的には平和に過ごせたらいいな、と思う穏健派の部類だと自覚している。
ドールズによりそんな思惑はすでに蹂躙済みではあるが、なるべく穏やかにいきたいのだ。
――だが、命の危険となれば話は別だ、別!
「最ッ低…そんな人間がジャンクになればいいと思うわぁ…」
「信じるなっ!? いや、水銀燈の顔に興味があっただけだから!見たいだけだから!」
あ、言っててものすごい変態っぽい。水銀燈、思いっきりヒいてる。
こらこら、なんだその汚物を見るような眼は。人の話は最後まで聞けって教わらなかったのか。
おのれローゼン。人格を軽く破綻させた娘を何人も作りやがって。
「いや、ホント顔が見たいだけだから。ほ、ほら、アリスに繋がる鍵になるかもしれないし!」
「はァ?馬鹿じゃないの?」
生きて戻るためなら出任せでも何でも言っておこう。最悪な状況があるとすれば今だ。
後のことは生きて帰ったら考えよう。このバカ水晶への報復とかを重点的に。

97 :43:2007/07/31(火) 01:00:57 ID:ynLhNPcy
「……………。」
長い長い沈黙。僕は水銀灯の反応を注意深く見守っていた。
ここは彼女の領域。単なる人間の僕は彼女の思うがまま。
隣にいる気紛れな人形(しかも契約してるような関係ですらない)と、くんくんグッズが最後の頼りだ。
「…変な動きをしたらその場で殺してやるわ」
そういうと、少し近くの瓦礫に腰掛けて、真横を向いてしまった。
あれ?何この『断って欲しいのに肯定されちゃった』空気。追い払ってくれよ、むしろ!

…が、こうして真面目に観察している僕。他のドールズと比べて一番見るべき点が多いかもしれない。
(ちなみに薔薇水晶は『ごゆっくり…』とか言い残してどこかに消え去った。覚えてろ。)
全体的にサディスティックで冷たいイメージを受ける造形ながら、どこか柔らかい面影がある。
第1ドールを名乗るだけのことはあり、整った顔はどこか年上のような印象を受けた。
瞳の色は……赤?ピンク?あ、目があった。じーっと見返す。じー……よし、勝った。
「やっぱりジャンクにしてやろうかしらぁ…真紅もいない今ならミーディアムの一人や二人…」
「いやあ、流石第1ドールは綺麗だなーって!うん!」
物騒なことを言ってたので何とか話を変えようと誤魔化してみる。うあ、鼻で笑われた。
「くっだらない…もういいでしょ?」
どうやら完全に興味を失われたらしく、彼女はどこかに飛んでいった。

「助かった……おーい、薔薇水晶ー」
安堵するにはまだ早いと理解している僕は、薔薇水晶を呼んでみる。
返答なし、無音。10秒後、遠くで瓦礫が軽く崩れる音。さらに5秒後に姿を現した。
「…なに」
「お願いだから、元の、場所に、帰してくれ。わかるか?」
「…わかった」
自宅に戻った僕が最初にしたことが、薔薇水晶に対する説教だったことを追記しておく。

98 :43:2007/07/31(火) 01:04:44 ID:ynLhNPcy
以上!クオリティは…その、繋ぎなので気にするな!
>>86のリクエストに少しでも近づければ幸いだ。

>>87 キャラが立ってるからセリフは捏造しやすい…かもしれない。GJありがとう!
>>88-89 ねぎらいありがとう! 
>>92 マエストロは言いすぎだー。せいぜい見習い。7〜10kクラスの文章…何か考えてみる。しかしネタが無い!何かリクエストあるますか…?

99 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/31(火) 02:47:49 ID:wccfGP1g
>>95-98
GJ!
面白いよ面白いよ。

ネタが無い?うーん…。
次は金糸雀or蒼星石のところへ行って地雷を踏む。
地雷の内容はお任せ。
強いて言うなら蒼星石の男の子っぽい外見、金糸雀のおでこ

100 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/31(火) 07:09:51 ID:oh6Z7wzd
>>98
GJ!
俺はキラキー志望で

101 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/31(火) 12:38:05 ID:ktyBew3n
>>98
キャラの特徴を良く捉えていていいねー。

水銀燈で続編希望。

102 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/31(火) 12:50:09 ID:dTDb1u0L
>>98
>>86だが十二分に良かったよ
こういうばらすぃ〜は大好きだ
ジュンの焦り方が妙にリアルだった
俺もドールを前にしたらこうなりそう

103 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/31(火) 21:02:29 ID:+l/qDt9C
GJ!
俺もきらきー切望

104 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/31(火) 23:22:39 ID:/E/2jQyL
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/07/15(日) 21:34:35.17 ID:lMMveWzq0
金糸雀への反対意見を全てアニメのせいにし、原作の金糸雀をこれまた過度に崇拝する奴が金糸雀厨の特徴
実際の所そんなに印象が違わないのに、自分が原作で目覚めたからみんなもそうだと勘違いしている
そういうのがアンチを生むんだ

299 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/07/23(月) 17:19:33.25 ID:dGbWhkPo0
>>296
原作のカナを馬鹿にするとはいい度胸だ。勘違いなんてだれでもするだろうが
それに喧嘩を売った理由とかをちゃんと考えろやボケ
アニメのカナは別にいいよ。俺も不快だったし、アニメなんてなければよかったと思う
あのアニメのせいでカナがどれだけ苦しんだか。あれさえなければ原作のカナがみんなに広まり、評価されていたはずなのに

301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/07/23(月) 17:28:35.04 ID:dGbWhkPo0
原作とアニメを切り離せず先にアニメを見てから原作を読んだ人は、アニメのカナの駄目な奴という印象を原作にまで持ち込んでくる
逆に先に原作を読んだ人はアニメのカナに絶望する
正しいのはどっちかは一目でわかるだろ?

305 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/07/23(月) 17:30:54.95 ID:dGbWhkPo0
>>303
原作のカナはいい子だけど、アニメのカナはいい子ではなく駄目な子
カナ好きはみんなアニメを怨んでるよ

309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/07/23(月) 17:34:57.34 ID:dGbWhkPo0
つうか、アニメで入った人の多いであろうこのスレは俺たちにとっては敵なんじゃない?

310 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/07/23(月) 17:38:03.96 ID:dGbWhkPo0
たとえ敵じゃなくても正しいカナを全ての人に認識してもらうまで戦おう
アニメを徹底的に駆逐し、優れた原作をみんなに広め、そしてカナを再評価してもらおうじゃないか

313 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/07/23(月) 17:40:49.41 ID:dGbWhkPo0
いやそれは間違っている人だ
正しくしてあげないといけない

105 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/07/31(火) 23:23:49 ID:/E/2jQyL
>>36-38
糞糸雀と糞糸雀ヲタがいかに嫌われてるかの図

>>104
痛い糞糸雀ヲタの特徴とその典型的な例

106 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/01(水) 04:06:17 ID:KT3XAOyk
↑アンチ金糸雀ヲタの典型的な例

107 :Rozen Maiden LatztRegieren V:喪失 The lost:2007/08/01(水) 23:35:45 ID:ZQ2S2AO5
>>64の続き

49

水銀燈のフィールド内には、いまや狂おしい熱気が沸き起こりつつあった。
かつてこれ程アリスゲームが長時間に渡って続いたことはない。
ドール達は、戦いという緊迫した状況の中に長く置かれ過ぎて精神状態が極限に近づきつつある。
というのも、マスターが同伴していない場合、ドールは普通nのフィールドにせいぜい30分しかいられないからだ。
しかし既に55分が、アリスゲームの開始から経過している。
今回は例外だった - 不幸にも、通常より遥かに長くに渡ってアリスゲームを行える条件がここには備わっている。
同伴しているミーディアム。ジュン、草笛みつ…。彼等がいれば、その契約したドール達は30分を超えてnのフィールドに留まれる。
水銀燈の場合、ミーディアムのめぐこそいないが、場所が自分のフィールドであるので当然、ここのフィールドに限っては幾らでもいられる。
そして第七ドールの雪華綺晶についてはその存在そのものがnのフィールド以外に有り得ないものなので、全く問題はない。
たとえどのフィールドに留まっていようと。

あたかも計算されたかのような、揃った好条件の数々。それが今回のアリスゲームをかつてない程長引かせていた。
ただ一体のドールは、その条件にすら適応されていなかったが。

人間の老人を契約者に持つ第四ドールの蒼星石は、既に身が破裂してしまいそうな感覚を味わっていた。
マスターなしに一時間もnのフィールドにいれば体力も続かない。
全ては翠星石に任せるしかない。最低でもいまここを生き残るには。蒼星石は心の中で思った。
けれど、翠星石。君はついさっき、鋏で姉妹を傷つけるなと言っておきながら…

「とりぁああああああああああ!!」
翠星石は、両手にそれぞれ持った鋏と如雨露を一心不乱に振りかざして水銀燈に対抗した。「くーるんじゃねぇですぅー!!」
複雑な想いで蒼星石はその光景を見つめた。例えそれが姉妹を傷つけめ為でなく、守る為であるとしても。

度重なる戦闘で疲労しつつあった水銀燈は、その翠星石の二刀流攻撃に踏み入っていくのを遠慮するのに決めた。
二刀流などと無茶を起こした翠星石の攻撃に正確さは大いに欠けており、かわすのにそう苦労はしない。
「あっちいけですぅー!!このカラス!!」
如雨露が振られる。緑色の液体が飛んできたので横に交わすと、次に鋏が水平に振られてきたので今度は頭を低くしてかわす。
「しつけーやつです!スィドーム!!」
緑色の水が地に振りまかれると、水銀燈は高く飛び立った。地面からは世界樹が伸びたが、何も絡め取ることなく天井を貫いた。
水銀燈は飛びながらその伸びた世界樹の枝に腰掛けた。
「はぁ…はぁ…」翠星石が息を乱し水銀燈を見上げた。
すると、水銀燈は笑みを浮かべた。「うッフフフ。やーっぱりねぇ。そんな無茶でおばかさんみたいな戦いしてるんですもの。
すぐに力が尽きてしまうわよねぇ」
依然として息を切らしながら翠星石は水銀燈を見上げて言った。「蒼星石は…蒼星石は私が絶対に守るのです!」
その言葉を聞くと、水銀燈は眉を細めた。「どうしてそんなに他のドールを守ろうとするの?敵同士でしょ?今の状況が分かってんの?
私はね、あなた達のそういう言葉を聞くたんびに…」ダークピンクの瞳が見開いた。「虫唾が入るのよ!!」
世界樹の上から黒い羽を放つ。「きゃっ」翠星石は哀れっぽい声を上げながら部屋の中を走って羽の豪雨から逃げる。
必死になるあまり、勢い余って思わず体が正面の壁にぶつかった。「あっ!」
「ふっはっはっは!」耳障りで甲高い水銀燈の嘲笑が響き渡る。「あなたってほぉんとばぁーかみたい!」
哀れむような目で翠星石を見下ろす。「愚かなのもいいところね…。ドールをみなジャンクにしてローザミスティカを奪わないと、
アリスにはなれないというのに。お父様に会えないというのに。」視線を蒼星石に移す。「こんな色気もない、
何の面白みもない妹一人ジャンクに出来ないなんて。妹といい姉といい、…あなたたち、はっきり言って、アリスの資格ゼロよ」
「くっ…。水銀燈…!」蒼星石は大して身動きが出来ないまま水銀燈を睨み上げた。その一方で翠星石の表情にも怒りが見え始め、
如雨露を握る手の力を強めている。
そんな二人に構わず水銀燈は続けた。
「妹にばかり振り回されてて可哀想だから、代わりにこの私がジャンクにしてやるわ」
蒼星石に向かって手を伸ばす。羽を放つ構えだ。

108 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/01(水) 23:37:09 ID:EmYDtAKj
hsmr

109 :Rozen Maiden LatztRegieren V:喪失 The lost:2007/08/01(水) 23:39:46 ID:ZQ2S2AO5
「負担がなくなっていいでしょう!?翠星石!!」
「やめて!!」翠星石は叫ぶと、蒼星石の鋏を振るって世界樹の根元を切り裂いた。
ぐらっと世界樹が揺れて傾きはじめる。そこに乗っていた水銀燈の体のバランスが諸とも崩れた。「…んあっ?」
激しく揺さぶられ、仕方なく世界樹の枝から飛び降りる。
水銀燈が降り立つと、その間に移動した翠星石が、道具を手にしたまま両手を伸ばして蒼星石の前に立ちはだかった。
「水銀燈、お願いです、蒼星石を傷つけないで欲しいてす!私の大切な双子の妹なんです。蒼星石を失いたくないのです!」
「くっ!!」水銀燈は歯を噛み締めて怒りを露わにした。「いい加減にしなさいよ!あなた達がそうやって何時までも
仲良しこよしして固まるから、いつまでたってもアリスが完成しないんじゃない!!アリスゲームが進まないんじゃなぁい!!」
声を張り上げながら剣を振りかざして翠星石に襲い掛かる。
翠星石は、極めて冷静な顔つきで蒼星石の鋏を振るうと、水銀燈の剣を弾き返した。
金属の衝突音が鳴ると同時に、水銀燈の体が押し戻される。彼女は唖然とした状態で後ろによろめき、転んだ。
「…わからない」
やがて尻をついたまま水銀燈は翠星石を見て言った。
「わからない!わからないわ!なぜあなた、いえ、あなたたちは、そういつも他人のドールの為に戦おうとするの!?
わっけわかんなぁい!いずれ戦う敵同士でしょう!?さっきもそこで蒼星石がジャンクにされるのをただ見届けておけば
敵が一人減るところだったというに!ばかじゃなぁい!ほんとにばかじゃない!!」
「水銀燈、私は蒼星石を敵だなんて思っていないです」
随分と落ち着いた口調で、翠星石は答えた。
いつもは怒り狂う水銀燈を目前したりしたら縮みこんでしまうところだが、今は何故か全く恐怖を感じなかった。
不思議なことに、むしろ水銀燈が哀れにすら思えてくる。
「どうして、水銀燈は」翠星石は問いかけた。「私達姉妹に対して、すぐに敵意ばかり抱くのですか…?そりゃあ、
戦わなければアリスは完成しませんけれども…私は、大事なのはアリスだけではないと思うのです。むしろ妹の蒼星石や、
真紅達といった姉妹達の方がずっと大切だと思える日すらあるのです。水銀燈にだって…」
「うるさい!」
水銀燈が前髪を鷲づかみにしながら叫んだ。
「それ以上喋ると、あなたの片目をえぐり出して、もう片目が見ている目の前で潰してやる!!」

あなた達ドール全てを憎む理由など、いくらでもある!
私に見せてくれた優しさや友情など、全て飾りだった!

再び水銀燈が体を起き上がらせた時、フィールド内に変化が起こった。
不気味に広がる黒い翼に呼び起こされたが如く、あちらこちらのがらくたの人形が宙を舞い始めている。
主人の煮えくり返る心に呼応してるのだろうか、翠星石はその恐ろしげな人形達を見つめた。
「他人の為に戦い、守ろうとするなんて」水銀燈は言った。「全く狂った話だわ」
翠星石の目前に一体の人形が飛んできた。左目だけ白目を剥いている。それが自分を嘲け笑っているかのような錯覚を翠星石は覚えた。

110 :Rozen Maiden LatztRegieren V:喪失 The lost:2007/08/01(水) 23:48:58 ID:ZQ2S2AO5
50

アリスゲーム開始から一時間一分。

舞台となったフィールドの主、水銀燈がその場に立ち尽くしたまま漆黒の翼を羽ばたかせ、
暴風と共に黒い羽をあたりに撒き散らし始めると、翠星石は次なる攻撃に備える体勢を整えた。
「私は」水銀燈が静かに言った。「私はお父様に会う。あなたたちではない、お父様に。アリスとなって」
「水銀燈…」翠星石が水銀燈の名を口に出したその瞬間、それを合図とするかように周囲を浮かんでいた人形達が
跳ねるように方向転換した。各々の人形はそれから間髪いれずに一直線に飛び、寄ってたかって翠星石の体に張り付き始めた。
「いやっなに…!」
不気味な人形が体中にしがみついてくる。
翠星石は、努めてそれらの人形の迫害に動じないようにしながら水銀燈を見て言った。
「"チャイルド・プレイ"でもおっ始めるつもりですか…!」
水銀燈の巻き起こした暴風に吹かれる黒い羽が翠星石の目前を乱舞している。頭巾をとって広がった長い茶髪もまた激しく舞う。
その翠星石の後ろで、蒼星石が苦しそうなうめき声を上げた。
マスターなしに、nのフィールドに留まること一時間以上が経っている。ローゼンメイデンの限界を超えている。
翠星石は、事態が著しく急を要しているのを理解し息を呑んだ。
「蒼星石…」頭だけ振り向いて声を掛ける。「もう少しだけの辛抱です…あと少しです。現実世界に帰るです!」
しかし絶望的な状況にあることは分かりきっていた。

「そんなに他人の為になることが好きなら、今私の為にここでジャンクになってくれる!?」
やがて水銀燈による怒涛の羽の雨が放たれた。
翠星石は逃げようとしたが、そのとき体が鉛の様に重くなっていることにようやく気付いた。
体中にがらくた人形がしがみついているせいだ。
「よけて!翠星石!」
蒼星石が体を乗り出させ、枯れた声で姉の名を呼ぶ。
その呼び声もむなしさに帰した。
なすすべがないまま、翠星石は全身に羽を受けた。胴体、両腕、顔…。あらゆるところに。
衝撃に仰け反った後は、力が体から抜け落ちた。
ガクンと膝が地面につく。
意識が遠のいていく過程で、翠星石はぼんやりと地面を見つめた。それから右手に持った、蒼星石の鋏を見つめた。
鋏を持つ腕には一体の人形がしがみ付き、ケタケタと笑い声を立てている。その人形の顔には、口から鼻にかけて大きな裂け目が
通っていた。

水銀燈が翠星石に近づいていく。
蒼星石は懸命に満身創痍の体を動かした。無意識の海の幻影に吸い込まれそうになりながら、
必死に意識を保ちながら姉に声をかける。「翠星石!立って!」
しかし、翠星石は力なく膝をついたままだった。ただ呼吸を繰り返し、地面を見つめている。
力が出ない。
翠星石の視界に水銀燈の足元が入ってきた。甲に小さな薔薇が施された、紺色のブーツ。
ゆっくりと翠星石が顔を上げて水銀燈を見上げると、その左肩に水銀燈の剣先が乗った。
まさに殺さんとする者と殺されんとする者の視線がしばらく交わされたその時、蒼星石が地べたで再び叫んだ。
「立って!翠星石!」
翠星石は立ち上がった。振り下ろされる水銀燈の剣を金色の如雨露で受け止めると、水銀燈の表情に若干の驚きが広がった。
渾身の力を込めて右手を動かし、人形達に抑えられたままの鋏を振り切る。水銀燈の胴体にむかって鋏が滑り込んでいく。
水銀燈は激しく何かを毒づきながら翠星石の如雨露を押しやり、その反動で後へ倒れこむようにして下がった。
鋏が自分の体を裂くことは避けられたが、翠星石にまだそんな力が残っていることが信じられなかった。
全身に黒い羽を生やし、服は焼け焦げ一部がただれ痛々しい姿となった翠星石に。

111 :Rozen Maiden LatztRegieren V:喪失 The lost:2007/08/01(水) 23:56:27 ID:ZQ2S2AO5
翠星石は、もはや水銀燈を倒す以外に自分達が助かる道がないことを覚悟した。
もう時間はない。これが最後の戦いだ。鉛のように重い足を動かし、奇声を上げながら水銀燈に接近した。
その直後、衝撃が体を襲った。
二度目の羽群が翠星石を貫いたのだ。
「あ…」息が詰まる。
羽の連続的な打撃に体がくねくねと踊らされると、彼女は再びその場にゆっくりとひざをついた。
「うっ…うう…」
体が硬直する。今度こそ動けない。
「翠星石!」
体を引き摺りながら蒼星石がもう一度叫ぶ。
しかし、もう翠星石の耳には何の言葉も入ってこなかった。
「今度こそ…」鉄の様に冷たい声を出し、水銀燈が翠星石の前に立った。「あなたをジャンクにしてやる」
水銀燈は翠星石の右手に握られた如雨露を何処かへ蹴飛ばした。如雨露が部屋の壁際へ転がっていく。
「ふん」鼻で笑うと、水銀燈は今度は左手にある蒼星石の鋏を思いっきり蹴った。
ところが、鋏は跳ね上がっただけで、翠星石の手からは離れなかった。
「…?」訝しげな唸り声を出してからもう一度蹴る。やはり離れない。化石の様に握り締めたまま固まっている。
「どうしてそんなに蒼星石の鋏を頑なに持とうとするの?」
翠星石は答えなかった。その虚ろな瞳では、意識あるかどうかすら疑わしい。
気力だけで、ただ一人の妹の、庭師としての道具を持っていた。
「ばっかみたい!なんで自分自身の如雨露は軽く手放した癖に、蒼星石の鋏だけは死んでも放さないと言わんばかりなわけ!?」
水銀燈が問い詰める。「なんか言ってみなさいよ!」翠星石の返事はない。膝を突いたまま地面を見下ろして固まっている。
「その鋏を放せば少しは楽になるっていうのに!」水銀燈はそれからさらに執拗に蹴りを加えた。
それでも、翠星石の手は鋏を離さそうとしない。
水銀燈は亡霊をみるような目つきで翠星石を見つめた。「ほんとになんなの、あなた?」
それからすぐにいつもの冷たい瞳に変わる。「もういいわ。おしまいにしてあげる」
水銀燈の剣先が向かってくる。翠星石は目を閉じ、その時を待った。

物体のちぎれる音がした。
翠星石はゆっくりと目を開いた。
剣が自分のはらわたを貫いている光景を頭に描いていたが、目の前には全く予想外の光景が広がっていた。
青色の背中。剣先はそこを刺し、自分には届いていない。
蒼星石は、最後の力を振り絞して飛び出し、翠星石の代わりとなって水銀燈の剣を胸に受けたのだった。

112 :Rozen Maiden LatztRegieren V:喪失 The lost:2007/08/02(木) 00:19:53 ID:XVQjM8O0
51

かつてないほどの暴力を味わい倒れてしまった真紅の前で、第七ドールの雪華綺晶は蒼星石の死を感じ取ったのか、
突然立ち上がると首の向きを変え、何処か遠くを眺めるようにしながら言った。
「紅薔薇のお姉さま…彼女がアリスゲームの盤上を降りました」
その金色の瞳は今いる部屋の先の世界まで見通すかのようだ。「時代によって形を変え、崩れかけひび割れた盤上です…
それでも彼女は、"正当に盤上をはみ出して"落ちていきました」
鞭打ちの焼ける痛みに未だまみれていた真紅は、雪華綺晶の抽象的な言葉の意味を半分も理解することが出来なかった。
それでも、重要な部分はおおよそ理解することが出来た。その内容は今の鞭打ちの痛みを超えるほどのものだ。
雪華綺晶は付け加えた。「かわいそうに…けれどそれこそが、彼女にとって、薔薇乙女として望んだ死なのでしょう」
真紅の心を耐え難い悲しみの波が襲った。だめだった。誰も傷つくことなくこのアリスゲームを終わらせたかったのに。遅すぎた。
そしてにわかに、姉妹たちを引き込んでアリスゲームを始めさせた、
目前の雪華綺晶に対するなんとも形容のし難い怒りが湧き上がってきた。
「姉妹が失われたのね」ほとんど動かせない体で、真紅が苦しげに言った。「二度と戻ってこない。それをあなたは、どう思っているの」
雪華綺晶はあごに人指し指を沿えると視線を上に泳がし、一考する素振りを見せた。「かわいそうに…と、恐れを伴う達成感」
「達成感ですって?」信じられない解答だ。「恐れる?」

剣に串刺しにされた蒼星石。その重みが一気に水銀燈の剣に加わる。
「またなの…?しつこすぎるわ…」水銀燈は剣に刺さった蒼星石を奇怪そうな目で見つめた。「あなたたちって分かんない…」
するといきなり蒼星石は自分を腹を貫く剣を支え持ち、口を開いた。「違う。君は分かろうとしたくないんだ。水銀燈…!」
ローザミスティカが自らの体から旅立たんとしている。「君のことは知っている。真紅から聞いた。真紅と君が初めて出会ったころの話を…
悲しいことだった。あの時以来から君は、真紅や姉妹達のことが信じられなくなってしまった…」
「そんな話しらないわ!」水銀燈は遮った。「私は最初から誰も信じてなんかいない!」
「水銀燈…僕から君にかける最後の言葉だ」
蒼星石は剣に刺されたまま身を乗り出し、水銀燈の瞳を深々と見つめた。
「ドールとドールの友情は存在する。姉妹の絆はある…水銀燈、真紅は君の空いた心を埋めることを切に望んでいる」
ついに蒼星石の体が光りに包まれ始めたとき、彼女は首を上げて天を見つめ、叫んだ。
「お父様アアアアアアアア!お父様、あなたはなぜ、僕と翠星石を双子に作ったのですか?お父様アアアアア!!…」

113 :Rozen Maiden LatztRegieren V:喪失 The lost:2007/08/02(木) 00:37:58 ID:XVQjM8O0
「薔薇乙女が立っているこのアリスゲームの盤は」真紅の問いに雪華綺晶は答えた。「六体目が作られるまでは存在しなかった。
つまりそれは、お父様は元から殺し合いさせるつもりで私達を作ってはいなかったということです…。
そして七体目の時、お父様は気付かれました。それは"ある種の強さ"とも、呼ばれています」
真紅は雪華綺晶の言葉の一つ一つを取り入れるのに必死だった。
アリスゲームは六体目まで存在しなかった。
お父様は七体目を作り上げたあと、悲嘆して姿を消した。七体目の時に何があったのか、 − 何かがあったのだ。
それがアリスゲームの始まりだとでも?長い年月の問いの答えの断片が浮かぶ。
そんな真紅の心情を読み取ったかのように、雪華綺晶は笑みを浮かべて言った。「人間の作った劇の中に、こんな台詞があります -
"今日はちょっと皆さんに、殺し合いをしてもらいます"」真紅は地獄を目撃したかのような顔をした。「ふふ…。あら、本気になさらないで。
お父様がそのようにしてアリスゲームを始めさせたと思ったのですか?まさか」
おちょくられているのだろうか。真紅は体に力が戻らないかと歯を食いしばって立ち上がることを試みた。
「けれども、彼等の持つ強さは同じところにあります」
雪華綺晶は真紅がまだ立てないことを確認すると、再びしゃがんで真紅の耳に囁くようにして語りだした。
「その台詞をはいた者にも、私達を戦わせるお父様にも、私達には体感のできない、
いえ…恐らくそれを望もうとしない、意思の純粋さと、そうするこの出来る強さがある…より志向な目標の為に犠牲を払う心の完全さです。
お父様は自らも完璧にしようと戦っている…不老長寿、錬金術…そういうものではなく、人間の完全さを求めている。
ただし、良心的な完全さではない。むしろ野心的なものといえます。何が何でもアリスを作るという、野心的な − 
犠牲は、それにつきまとう邪悪。狂気とも呼ばれることがある…それらすら"友"とし、自らの手中に置くことができるなば、
それこそがアリスを作る者としての究極の資格である、と。"七体目を創り終えたお父様"はそう言いました。
私達はアリスになるべく生を与えられました。それは同時に死も与えられていることを意味している…。その死こそが私達の犠牲です。
"それを理解できた私"は、自らアリスゲームを提示したのです。犠牲となるべく戦うのは私達に他ならない。
するとお父様は言いました。実体のないおまえに求められる犠牲は心だ、おまえはそれに耐えないとアリスにはなれないと。
私はそれを"アリスゲーム以外の方法でアリスを目指しなさい"という意味だと理解しました。」

蒼星石の体からは、ピンク色の眩い水晶 - ローザミスティカが出た。
「ローザミスティカだわ!」水銀燈は目を輝かせて言い、それに釘付けとなった。
剣を持っていない左手でローザミスティカを捕まえる。
それをまじまじと見つめてから、嬉しいそうに何かを呟くと、水銀燈は口付けをした。
体が暖かい光りに包まれる。その甘美過ぎる感覚に水銀燈は酔いしれた。

「ところでお父様は…私達の犠牲に耐えることが出来たのでしょうか。否、私は思っています。
薔薇水晶の時のことを思い出すと、お父様は心を動かしてしまったようにみえる…薔薇水晶の死の持つ意味に私は
恐怖を感じました。薔薇水晶が薔薇乙女の犠牲に耐えられないという意味ではありません。
むしろお父様が六体のドールの犠牲ですら限界であったということの、薔薇水晶はその象徴となった。あなた達はお父様によって直された。
でももっと私が恐れたのは、アリスゲーム以外の方法の存在をその時お姉さま方達にも教えたということです。
アリスゲームの盤が崩れ始めた決定的瞬間…本来求められていた犠牲が外された。だから…お父様は、良心的な…かつての愛をあなた達に
注ぎ始めたのです。しかし遅すぎました。この瞬間払われる犠牲はもはやお父様の心を狂わせ分裂させる以外の何物でもない。
盤は冒され、アリスゲーム以外の方法ですら、形を変え不明瞭なものになっていく…そんな気がするのです」

「体が…温かい…これがローザミスティカの力…あっはははは…」

「第七ドールは、お父様が最も思いつめていたころ…お父様が最も絶望していたころ…その心を打ち込まれて創られた、
言えるところ人の負の心の集まり。だから私には理解できる…究極の資格を。私は持っている。犠牲の力を。
私はお父様を…救いたい。私は、アリスのため…その力を、究極の目的の為に使うことを決めたのです。それは…」
雪華綺晶の話は続いた。

114 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/02(木) 00:55:02 ID:t4c8hiQs
>>109-113
乙〜
超大作となりつつあるな

115 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/02(木) 11:38:43 ID:Y1SJmZHi
あぁ…凄い作品をありがとう。
このスレッドが残っていて、とても嬉しい。
保管庫もきちんと動いてる。
いいスレだ。

116 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/02(木) 13:39:12 ID:Rr8qNfGA
>>109
展開はわかっていた・・・だけど、双子をおもうと今も涙が止まらないんだ・・・

117 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/02(木) 18:58:10 ID:BpmJ7xxv
>>36-38
糞糸雀と糞糸雀ヲタがいかに嫌われてるかの図

>>104
痛い糞糸雀ヲタの特徴とその典型的な例

118 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/02(木) 21:09:14 ID:p4u0sEK7
>>36-38
糞糸雀と糞糸雀ヲタがいかに嫌われてるかの図

>>104
痛い糞糸雀ヲタの特徴とその典型的な例

119 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/03(金) 21:17:30 ID:90q+vcXm

ローゼンメイデンの本当の最終回がこんなドラえもん的な終わり方だったら嫌だ。


「よろしくおねがいします。」母が言った。
「おまかせください。」
白衣の男はそう言うと、後ろに待機していた10人程のスタッフにてきぱきと指示を出していった。
ベッドの横にある一番大きな機械に金色のロゴが付いている。
「LAPLACE」
医療機器メーカーの名だろうか。
大量のコードが絡み付いたヘルメットのような装置がベッドの上で寝ているジュンの頭に装着された。
同時に心拍計など、付随物らしきものも順番に取り付けられていった。
私たち家族はただただ茫然と、目の前で行われている作業を眺めるだけだった。すぐにジュンの体はコードだらけになった。
本当にこれでよいのだろうかと私は今更ながら後悔の念にとらわれた。
昔、ロボトミーと言われる手術があった。
感情をうまく制御出来ない犯罪者などに行われたもので、
脳から喜怒哀楽を司る部位を取りのぞいてしまうという恐ろしい手術だったそうだ。受けた者は生きる屍と化した。
ジュンもそんな事にならないだろうか。
そんな心配を遮るように先程の白衣の男が話かけてきた。
「安心してください。すでに欧米では11人の方がこの機械によって立ち直っておられます。大丈夫です。」
「はい…」私はあいまいな返事をした。
「そんなに心配なさらないでください。」
男は肩をぽんとたたいた。

120 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/03(金) 21:21:19 ID:90q+vcXm
しばらくしてスタッフの一人が言った。
「これで器具の取り付けは完了しました。ご家族の方は待合室でお待ちください。後程ご説明に参ります。」
母と父はスタッフに付き添われ、すぐに出ていった。
「ジュンくん…」私は立ち止まった。
「はいはいお姉ちゃんも待合室で待っててねー」
私は背中を押されて病室から追い出され、ドアはすぐに閉ざされてしまった。為す術もなく私は薄暗い廊下を歩いていった。
病室を振りかえる。本当に大丈夫だろうか。
専用の待合室で休んでいると白衣の男が書類を持って入ってきた。
両親は立ち上がり礼をした。
「どうぞ、お座りください。」
男はそう言うと自分も座り、机の上に書類を並べた。そして順々に説明していった。父はサインをしたりハンコを押したりした。
「これで正式に契約は成立します。ここからはキャンセルは出来ませんので御了承ください。」
父は頷いた。
「ところで桜田のりさん」
「はっ…はい。」急に呼ばれて私は少し動揺した。
「先月お渡ししたマニュアルはお読みになりましたね。」
「はい」
「では簡単なテストをさせていただきます。」
「てっテストですか?」
「はい、口答形式で行います。この治療が成功するか否かの鍵はあなたが握っていると言っても過言ではありません。
絶対に間違えないようにしてください。もしあなたがストーリーを理解、暗記していなければこの治療は延期となります。
よろしいですね?」
「はい。わかりました」私はごくりとツバを飲み込んだ。
「パッパッと答えてください。ではいきます。」
「はい」
「ローゼンメイデン第3ドールは?」
「翠星石ちゃん」
「姿は?」
机のうえに赤や青や黄色など、カラフルな服を着た女の子の絵が書かれたカードが並べられた。
私はそのなかから緑色のドレスを纏った子のカードを指差した。
「正解です。」
私はホッと息を付いた。
「第二問です。」男は間髪入れずに言った。
「ドール達が持つ独自の空間の名は?」
「nのフィールドです。」
「その入り口は?」
「物置…いえ、鏡の部屋にある大きなドイツ製の鏡です。」
「正解です。」
最初は簡単な質問が数問され、後半はストーリー関連の難しい質問をされたが、なんとか詰まらずに言えた。
「しっかり理解できているようですね。お疲れさまです。」
「あのう…本当にこれで…」母が心配そうに言った。
「大丈夫です。私どもは100%の確信を持って行っております。
この、一見つまらぬこのお伽話のような話も、数百のベース話の中から桜田ジュンさんの脳に最も適性だと判断され選ばれたお話なのです。
選ばれたベース話を基にさらに細部に手を入れ、ジュンさんの脳に受け入れられやすいように改良してあります。
絶対の自信があります。ですからあまりご心配はなさらぬように。」
「はい・・・」

121 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/03(金) 21:23:14 ID:90q+vcXm
詳しい経緯はこうだ。不登校で、学校に行く気配が無いジュンを見兼ねた父が、
滞在先の国でこの精神医療技術の事を聞き申し込んだのだ。
この治療は、患者の脳内に心の成長に繋がるような情報を流し込み、それを経験する事により成長し、立ち直らせるというものだ。
簡単に言えばリアルな夢を見させるのだ。
コンピューターと脳は「電気信号」という、同じ言語を使用しているため、まるでゲーム機が作り出す情報をテレビに投影するように、
脳に情報を送り込む事が可能なのだ。
ただし、患者に流し込む話には家族など、身辺者が登場する場合が多いので、その登場した身辺者は、
患者が現実世界に帰った時に会話が通じるように流す話を理解していなければならない。
部外者には容易に話しにくい内容になっているため、社会に出た時に患者が混乱することはない。

「では、15分後に治療が開始されるので、私はこれで。約3時間くらいで終わるでしょう。」
「よろしくおねがいします。」両親は立ち上がって礼をした。
「まかせてください」
そう言うと白衣の男は待合室から出ていった。また重い沈黙が部屋を支配した。窓からは夕日が差し込んだ。
もう治療は始まっただろうか。午後6時。今からだと終わるのは9時。ジュンくんは今日ここで一夜を過ごし、明日の朝退院する予定だ。

122 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/03(金) 21:24:37 ID:90q+vcXm


20分くらい経っただろうか。時計を見る。まだ5分しか経っていない。
「疲れただろう。少し横になったらどうだ。」
父が私に言った。そういえば今日はいろいろあって少し疲れた。3時間もある。私は言葉に甘えて待合室の長椅子に横になった。

ぽんぽん。
突然肩をたたかれた。目を開けると父と母と白衣の男が寝転がっている私を見ていた。急いで起き上がった。
「ジュンくんは?」
「無事、治療は終わりましたよ。」
待合室の窓の外はすっかり暗くなっていた。私たちは病室に向かった。
病室のドアを開けると機械はきれいに撤去され、治療前となんらかわらぬ状態でジュンは眠っていた。
スースーと気持ち良さそうに寝ている。こころなしか少しうれしそうな表情をしているように見えた。
「このまま明日の昼〜夕方までは眠り続けるでしょう。彼が目を覚ます前に自宅の彼の部屋のベッドに移動させます。
救急車が一台手配してあります。今日はこれで終わりです。」
白衣の男はジュンの様子と書類を見比べながら事務的に言った。
「ありがとうございます。」両親はまたお礼をした。
「今日はもう帰りましょう」
母は私の手を引いた。
「…また明日ね。ジュンくん」
私達家族は有栖川病院を後にした。

翌日

「おはようございます。桜田ジュン君のご家族の方ですね?」受け付けの女が言った。
「はい」父が言った。
「既に救急車への運搬作業が始まっています。病室には向かわずに、急患待合室にてお待ちください。」
私たちはそれに従った。
「運搬が終わりました。御付き添いの方、ご乗車ください。」
母と私が救急車に乗り込んだ。ジュンは相変わらず気持ち良さそうな寝息をたてていた。
その後無事、ベッドへの運搬作業が終わり、私はジュンの家具をマニュアルにあったとおりの配置に置き換え、
本棚に、用意されていたくんくん人形やオルゴールを配置した。夢のなかの部屋を再現するのだ。
明日は夏休みの終わる9月1日。本当に立ち直ってくれるのだろうか。ジュンは相変わらず幸せそうな表情で寝息をたてていた。
まるで永遠の眠りについたかのように。

123 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/03(金) 22:16:48 ID:Q6CTW2w4
>>119-122
なんとまぁ、こんな発想のSSは初めて読んだ。
面白かったですよ。

124 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/03(金) 22:22:42 ID:zAcjDYK6
すっごく新鮮でおもしろかった。GJ!!

125 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/04(土) 09:03:21 ID:za4UhYHU
この後本当に鏡がnのフィールドと繋がっちまうんだよ

126 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/04(土) 17:11:25 ID:nZsy4Q8b
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/03(金) 16:15:46.66 ID:2QNvavZ30
黄色を忘れないでください

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/03(金) 16:36:09.02 ID:lcEtQGa90
カナリア厨って>>26みたいに盛り上がってるとこで水差す奴が多いからウザい

127 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/04(土) 17:12:49 ID:nZsy4Q8b
・テンプレ

>>36-38
糞糸雀と糞糸雀ヲタがいかに嫌われてるかの図

>>104,126
痛い糞糸雀ヲタの特徴とその典型的な例

128 :Rozen Maiden LatztRegieren V:喪失 The lost:2007/08/04(土) 22:01:04 ID:7eE5xs3o
>>113の続き

52

「すごい、すいごわ…なんて気持ちがいいの」そう言った水銀燈の表情は幸せそのものだった。「力が溢れてくる…」
一方の翠星石には、妹のローザミスティカが水銀燈の体の中に入っていく様子を見て、
今まで感じたことのない闇の感情が生まれてきていた。

蒼星石のローザミィスティカを奪ってそんなに幸せそうにするなんて!

憎い。
目の前の水銀燈が。
こいつは本当にいない方がいいのかもしれない。だってこいつは…

「あっははははは…。はー…、もうこの子は用なしねぇ」
水銀燈は剣から蒼星石の残骸を抜き取ると、ゴミのように部屋の壁にむかって投げ捨てた。
ガシャン。音をたてて壁に勢いよくぶつかる蒼星石。
球体関節がその衝撃によって折れ曲がり、ありえない格好でガラガラと地面に落ちていく蒼生石の姿を、翠星石は呆然と見つめた。

理性は吹き飛んだ。
「ううぅっけほっけほ!」
激しくむせながら、翠星石は乱暴に胸に突き刺さった羽根を一本一本抜き取っていく。
もはや痛みや自分の体のことなどどうでもよかった。
「けほ…くっ…この…やろう!」
「あら?なぁに?生き残りの庭師さん」水銀燈はいまだローザミィスティカの感覚に浸りながら愉快そうに言った。
しかし次の瞬間、水銀燈の高揚していた気持ちは地に落ちた。
「失敗作がいきがりやがって…この薔薇乙女の面汚し」
しばらくの間、水銀燈は自分が何を言われたのか分からなかった。
「お前さえいなければ、みんな戦うこともなかったのに。未完成品だったお前をお父様はそのまま見捨ててしまえば良かったのに!」
「ああああああああああ!」
水銀燈は言葉にならない声を上げた。怒りに発狂しながら右足で翠星石の顔面を蹴飛ばす。
翠星石の上半身がよれ曲がり、倒れた。倒れたところをもう一回蹴り上げる。翠星石の体がゴロゴロと石の地面を転がっていく。
次に左足で翠星石の頭を踏み潰した時、背中の翼が独りでに最大まで広がっていたことに水銀燈は気付かなかった。
「ふざけんなぁこの半人前!」
剣を両手で握り締め、その剣先を翠星石に突き落とそうとした。

「お父様は私を"七体目"と呼びましたが、不思議なことに気付きました。その場にいる、私よりも先に作られたローゼンメイデン達を
数えると私を入れて六体しかいない。するとそこへ薄暗い部屋に置かれた作りかけのドールを見かけました。そのドールの名前をお父様に
聞くと、それは第一ドールの水銀燈だと教えてくれました。可哀想な長女のお姉さま。私はせめて彼女をアリスゲームの盤に
乗せて差し上げたいと思いました。また盤に乗るのは六体ではなく七体であるべきだとも思ったから…なぜなら七は割り切れることのない、
探求の数。姉妹の分裂と犠牲を意味する数…私は、水銀燈と呼ばれた第一ドールの美しい銀髪を手で触れ、彼女に声を掛けた −
"お父様を愛するのです。お姉さま。"と…。"お父様を愛して愛して、狂うほど愛して…殺したいほどに愛して…その愛は
やがてあなたを夜明けの前に目覚めさせるでしょう。"…私は長女のお姉さまの頬に口付けをした。お父様は訝しがりました。
水銀燈に命を与えたのです、と答えてもお父様は私を信じていなかった。彼女にはローザミスティカもなかったから。
しかし実体のない私にとっては、ローザミスティカは飾りにも近い。私の魂は人の心そのもの。その魂を水銀燈に分け与えて差し上げたのです。
だから、彼女はローザミスティカなしでも動くことが出来た。」

129 :Rozen Maiden LatztRegieren V:喪失 The lost:2007/08/04(土) 22:11:01 ID:7eE5xs3o
真紅は、体に少しずつ力が戻ってきたのを感じたが、雪華綺晶に対して何と言葉を返せばいいのか全く分からなかった。
桁外れな情報が一挙に入りすぎている。
「少し話しすぎてしまったかしら…」
雪華綺晶は立ち上がってからほんの少しの間だけ真紅を眺めると、急に天井を向いた。何かの気配を感じ取ったかのように。
「運命が廻る…アリスゲームの盤は崩れ始めている」雪華綺晶はもう一度言った。「どのようにして落ちるか − 
死は油断ならないところに存在する − そうさせたのは、真紅お姉さま、あなたが始めたことです」
いい終わるのと同時に、雪華綺晶は飛び上がって部屋の天井に張り付いた。
「ふふ…廻る − 運命が廻る…廻る…」
そういい残し、彼女は天井に徐々に溶け込んでいくようにして消えた。
「雪華綺晶…!」
消えたあとも、第七ドールの声が真紅の取り残された部屋に響いていた。

 廻る…運命が廻る… 一つ目が盤上を降りた… 次には…二つ目が…

真紅ははっと飛び起きあたりを見回した。一人目の犠牲者が出た。それが本当なら、水銀燈が別の所で誰かを倒してしまった以外に考えられない。
傷だらけの体で立ち上がり、真紅は死力を尽くして駆け出した。「ホーリエ…!導きなさい!」
急がなければ水銀燈は二人目にまで手をかける。何としてでも阻止しなければ。

だが、雪華綺晶の言葉の意味を真紅は取り違えていた。

130 :Rozen Maiden LatztRegieren V:喪失 The lost:2007/08/04(土) 22:12:39 ID:7eE5xs3o
53

刺せ。貫け。
水銀燈の思考はただそれだけだった。
翠星石を刺せ。ジャンクにしろ!
「ぬゥアアアアア!」水銀燈は呻き声を搾り出し、両手を振り動かそうとした。
けれど、どうしても体が動かせない。

刺せ!翠星石を刺せ!

「ううううう!」
水銀燈は死に物狂いで動かぬ両手と戦っていたが、頭の隅ではこの事態を理解していた。
いつの間にかやってきた雛苺が自分の体を蔓で絡め捕っているのだ。
それを分かっていつつも、水銀燈の頭はただひとつの行動のみ起こすよう体に命令していた。

翠星石を刺せ!ジャンクにしろ!

雛苺の蔓に全身を拘束された状態のまま、水銀燈は叶わぬ目的を果たそうと全身に死力を注ぎ込んでいた。
「くっ…うううう!ぅぅううう!」
この自分をあれ程までに罵ったドールを目前に何もすることができない。
というのも今の水銀燈に、雛苺の蔓から自力で抜け出すほどの力はもう残されていなかったからだった。
両腕に絡みつく蔓。そこにもう一本の蔓が延びてきて、水銀燈の剣に巻き付くと上へと手から抜き取っていった。
すると水銀燈はその蔓の先にいるドールに向かって絶叫した。
「雛苺ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
雛苺と行動を一緒にしていたジュンは、かの第一ドールの水銀燈の叫び声にぞっとするような感覚を覚えた。
今の水銀燈の精神状態は明らかに普通でない。

ジュンはいま狂気が渦巻きつつあるこの空間でいったいどんな惨事が繰り広げられていたのかを嫌でもすぐに知った。
水銀燈の横でぐったりと仰向けに倒れ、生気の感じられない翠星石。まさに水銀燈の剣に一突きにされようとしていたところを雛苺が阻止した。
彼女の全身には黒い羽が満遍なく突き刺さっており、服はボロボロに裂けている。
もう一人、部屋の隅に投げ捨てられて横たわる無残な姿の蒼星石。関節が折れ曲がり、手が背中の上に乗っている。
「…遅かったんだ…」ジュンは独り言を言った。遅かった。

「雛苺ーーーーー!!」
水銀燈は蔓に拘束された体を意味も無くくねらせ、再び狂ったように叫び始めた。
「このタイミングで、なぜ私を狙うのぉ!?狙うのだったら、せめて私が翠星石がジャンクにしたあと、
ローザミィスティカが出てきたタイミングで、横取りでも狙えばいいじゃなぁぁぁぃ!!
翠えぃぜきがまだジャンク、ジャンクになっていないところで私をとめてどうするのよ!このばか!おばかさん!!」
「ヒ、ひナは、そんなヒナはローザミィスティカを横取りするつもりなんて…」
あまりにも凄まじい水銀燈の鬼気に、雛苺は既に泣き目になっていた。「ヒナは翠星石を守ろうとして…」
「あああああああああああ!!」
水銀燈は絶叫しながら両手で頭を掴み、ふらふらと地にひざをついた。
「ジャンクだわ!こいつらの頭はみんなジャンクだわ!」
水銀燈は続けた。「私に近寄るなジャンクども!近寄るな!わたし、わたしは完璧なドール、完璧な、完全、はぁ…、
究極のアリスになるドールよ!…はあ…だから私はジャンクなんかじゃない!ジャンクなんかじゃ… …!」
水銀燈はそこで突然言葉を切った。真っ赤な服を身にまとった最悪のドール・真紅がいきなりこちらへ向かってくるのが目に見えたからだ。
「し、真紅…ふ、あははははは、真紅ぅ…あっははははははは!」
水銀燈は地面に手をついて真紅を見上げると、狂ったように笑い出した。
「あっははは。みてぇ、真紅。私ったらなさけなぁい。雛苺なんかの蔓に捕まって、地面に倒れ伏して、うっふふふふ。
あなたの大好きそうな光景ね。ふふふふ、気が済むまで私を見下し笑えばいい!最後にジャンクになるのはあなたなのだから!」
真紅は水銀燈の頬を平手打ちした。
「…」水銀燈は黙り込んだ。
その場の全員がその光景を見守っている。

131 :Rozen Maiden LatztRegieren V:喪失 The lost:2007/08/04(土) 22:41:25 ID:7eE5xs3o
真紅は水銀燈の胸倉を掴むと自分へと引き寄せた。「蒼星石のローザミィスティカを奪ったのね…!」
水銀燈は何も答えなかった。平手打ちされた顔を真横に向けたまま動こうしない。
すると真紅は水銀燈の体を強く振って迫った。「蒼星石のローザミィスティカを奪ったのね…!」
水銀燈がようやく口を開いた。「ええ…そうよぉ。それで、私何か悪いことしたかしら」
彼女の言葉にジュンは怒りを覚えた。あいつには自分のしたことの自覚がないのか。翠星石も蒼星石も、あんなに痛々しい姿なのに。
「いい?」真紅はさらに水銀燈の体を近くに寄せた。
「あなたがしたことは、殺しなの。殺された者は二度と見ることも、聞くことも、言うこともできなくなるってことなのよ」
一通り言われたあと、水銀燈はぼんやりと無意識的に真紅の目を見つめた。
今日は特に真紅に何もしていないのに…それは滅多に見ないほど険しい視線だった。
それから次に雛苺に見た。するとまた同じような、怒りを伴なんだ雛苺の瞳が目に入ってくる。
雛苺の横に立っている真紅のミーディアム。その人間の目もまた、睨み付けるような目で自分を見つめていた。
「なに…なによ…」幾分と静かな声で水銀燈は呟いた。「なんでみんなして私をそんな目でみるのよ…」

自分は何か悪いことしたか?お父様のために、アリスのために、私はただその宿命に従っているだけなのに!

「アリスゲームの掟上、もう二度と蒼星石は目を覚まさないわ」真紅は言った。
「けど忘れないで。蒼星石を心から大事に思っていた人たちがいたことを。その心の傷は二度と癒えないことを。」
そんな話しに水銀燈は上の空だった。
「……つまんない話」
水銀燈の答えに真紅は言葉を失った。
「もう元通りにならないジャンクのことなんかをいつまでもネチネチ引き摺っちゃって。きっもちわるぃ。
そんな思想この私にまで植え付けようとしないでよ、やぁだ。薔薇乙女の名が穢れちゃうわぁ」
水銀燈は言い終えると、自分を刺す周囲の視線がより険しくなりつつあるのを感じ取った。
「あなたって子は…!」真紅は水銀燈の胸を掴んだまま彼女を地面に打ちつけると、それからまた引き上げた。
「うっ!」
打ち所が悪かったのか、水銀燈はかなり苦しそうな顔をした。
「それじゃあ真紅、あなたに聞くけど!」
それから水銀燈は、突然皮肉に満ちた表情になって叫んだ。
「私のことを大事に思ってくれるドールがいる!?私がいなくなって傷ついてくれる人なんているの!?」
その瞬間、真紅は一言も水銀燈にむかって何かを言うことが出来なくなった。
勢いだけで口がごもごもと動きはしたが全く声にはならなかった。
「…あなたが言うこと全て結局は自分中心なのよ」
そんな真紅を見かねた水銀燈は諦めたように視線を横に逸らした。
「自分が経験して学んできたことをいつも偉そうに私に説教して面白い?あなたは昔と何も変わってなんかいない。
人間を殺そうとするドールはジャンクだ?自分を呼ぶ声に気付けさえすればジャンクなんてものはない?戦いの苦しみ?
そういうあなたの言葉一つ一つが、どんなに私を馬鹿にしてきたか考えたことがある!?はん…ないでしょぅね」
真紅は何も答えられなかった。
「そしたら、今度は何?」
水銀燈はへらへらと笑うような素振りを顔で示した。
「蒼星石を失くして傷ついた人達の心を忘れないでですって?知ったこっちゃないわ!だってそうでしょ?
蒼星石にだってそう、私は誰からにも大事に思われたことなんてない。
いえ、むしろ私がいなくなればアリスゲームは安泰だってみんなどうせ喜ぶんでしょぅ?」
喋りを続けるにつれて、水銀燈の口調は次第に弱々しいものになっていった。
「そんな私がどうすれば蒼星石を悲しむ人の心なんかに同情出来るのか聞きたいところね?
あなたは私と違って普段から仲良しなドールに恵まれて、ままごとみたいにみんなで食事なんかとったりして。
その間私は何して時間を過ごしてきたか分かる?」

132 :Rozen Maiden LatztRegieren V:喪失 The lost:2007/08/04(土) 22:56:19 ID:7eE5xs3o
己の盲目さに気付かされ、真紅は左手で口を覆った。思わず嗚咽が漏れそうになる。
「自分の立場からしか考えられてないくせに、いつも自分が正しいとばかりに私を説いてきて。私はあなたのそういうところが嫌い!」
水銀燈の言葉を聞きながら、真紅はとめどめのない涙が自分の中で込み上げてきているのを感じた。
自分が水銀燈にしてきたこと。ずっと彼女が淋しがっていたことに全く気付けていなかったこと…
「アリスゲームって不公平…さっきだって蒼星石と翠星石…二人して私だけ狙ってくるんですもの。
今では雛苺とあなたがこうして二人揃って私を攻め立てて。それも今に始まったことじゃない。私はずっと一人で戦ってきた。
みんな私ばかりを敵にして…ずるいわ…」

そこまで言い終えると水銀燈は力尽きたようにぐったりと体勢を落とした。
真紅は彼女の胸から両手を離した。それからゆっくり水銀燈の背中を抱え持つ。
水銀燈の右目からは、一滴の涙が頬を伝った。
「ねぇどうして?真紅。あなたは前にいったわ。"あなたは私達とは違う"って。そうだから?
でも私は…私は好きであなた達と違いを持って生まれてきた訳じゃないのに…」
真紅は顔を下に落としたまま何も喋らない。
「どうして何も答えてくれないの?」
水銀燈の目つきが少し暗さを帯びた。「やっぱり。あなたたちは私を − 」
「違うわ!」ぶるどると首を横に振りながら真紅は顔を上げた。「そんなこと全然ないわ…!」
その両目からは大粒の涙が流れていた。
「あなたは誰よりも誇れる、薔薇乙女の第一ドールよ…!」
真紅の涙が頬を伝って滴り落ち、水銀燈の頬につくと、水銀燈の目が少し見開かれた。
ピンク色の瞳に真紅の青い目が写っている。
「私がいるわ」
真紅は言った。
「私はあなたを失いたくなかった!前にだって言ったじゃない…!かけがえのない、大事の姉妹だと思っていた!」
水銀燈は虚ろな目で真紅を見上げている。
「私は本当のあなたを知っている。私が蒼星石と戦っている時、あなたは戦いをやめるように言ってくれた。
誰だってそうなのよ。あの時の心を思い出して、水銀燈…。それと同じ気持ちを今私はあなたに抱いているわ」

雛苺やジュンの目から敵意は消えていた。
真紅は続けた。「もう、私達が憎しみ合う必要はなくなったのよ。だから…だから共に探しましょう…アリスゲーム以外の道を」
水銀燈は19世紀時代のことを思い出していた。
確かにあの時 − 私は真紅が傷つけられるのがいやで、戦いをやめるように蒼星石に懇願した。

過去の記憶を辿っている最中、突然水銀燈は自分の体から雛苺の蔓が少しずつ退いていくのを感じた。
「ヒナだって、水銀燈と真紅にこれ以上戦ってしてほしくないの…」
雛苺は水銀燈から蔓を引き戻させながら言った。
「もうアリスゲームはしなくていいの。みんな一緒なの」
困惑気味に雛苺を見つめる水銀燈の元にジュンがゆっくりと近づき、しゃがみ込むと手に持っていたものを差し出した。
「…これ。さっきお前のこのフィールドの中で見つけたんだ。お前のなんだろう?」
水銀燈は少し驚いたような顔をしながらそれを受け取った。
それを見てもっと驚いていたのは隣にいた真紅だった。それは自分のとそっくりな金色のカップだったのだから。
汚れてしまってはいるものの、19世紀時代で水銀燈と一緒に紅茶を飲んでいたあの時のカップだ。
真紅は自然と顔をほころばせるのと同時にさらに大粒の涙を目から流した。
あの時のことを、水銀燈は本当は覚えていてくれた。
「こんど…!」真紅は右手で涙を拭い、水銀燈に声を掛けた。「今度、また一緒に紅茶を飲みましょう?水銀燈」

133 :Rozen Maiden LatztRegieren V:喪失 The lost:2007/08/04(土) 22:58:07 ID:7eE5xs3o
54

建物の二階の廃れた廊下を、雪華綺晶は歩いた。
自分がドール達を水銀燈の世界に全員揃えた目的をまだ果たせていない。
つまるところの"約束事"だ。
今回のアリスゲームは、七体の薔薇乙女全員が揃い、一時間以上も戦が続いた紛れもなく今までで最大規模のものだ。
雪華綺晶にとってはそれがいきなり初めて経験するアリスゲームとなった訳だが、彼女は無傷だった。
当然のこと、雪華綺晶は思った。お父様は最も自分に破壊的な衝動を以って自分を創り上げた。

お父様は七体目を創る過程である種の自虐行為に溺れていた…

雪華綺晶は歩みを続けた。体に纏わり付く白い茨が物惜しげにうねり始めている。

目当てのものは近い。

134 :Rozen Maiden LatztRegieren V:喪失 The lost:2007/08/04(土) 23:05:02 ID:7eE5xs3o
55

ジュン、雛苺、真紅の三人は建物の影から外に出た。その内ジュンはボロボロになった翠星石を抱えている。
「翠星石は…大丈夫なのか?」
「彼女の方なら、きっと大丈夫よ」真紅が答えた。「まだスィドリームがマスターの元を離れていないもの」
丁度名前を出された緑色の人工精霊が心配げに翠星石の元に飛んできた。
弱々しく真紅はジュンに微笑んだ。「翌朝までにはきっと目を覚ますわ」
「そうか…でも、レンピカは…」
ジュンが言いかけたとき、水銀燈が後ろから物静かな様子で外に出てきた。
顔を下に落としたまま蒼星石を両手に持っている。
目を閉じたまま二度と開こうしない、肩の関節がよじれ曲がってしまった蒼星石を。
全身を震わせながら、やがて水銀燈は顔を上げた。その瞳には悩みと苦悩に満ちている。
みんなと顔を合わせるのが耐えられないとばかりに、水銀燈は再び顔を落としたのち、ついにどさっと崩れるようにその場にひざをついた。
すると真紅は水銀燈に近寄り、同じ高さにまで体勢を低くすると彼女の肩に手を置いた。
水銀燈は体を震わせて蒼星石を抱えたままだ。
「それは私達が、これから背負わなくてはいけないこと…」
「真紅…」水銀燈は肩に置かれた真紅の手に自分の右手を添えた。「真紅…ああ、何ていったらいいのか分からないわ」
「いいのよ」真紅は優しい口調で答えた。「少しずつ…見つけていけさえすれば」
自分に微笑んでくれる真紅の顔を水銀燈は見つめた。それは久しく見ていなかった真紅の笑顔だった。
知らない内に自分が築いてきた心の壁も、不信感も、何もかもが崩れていく。
悪夢は消え去った。
「真紅ぅー!」
水銀燈は泣き叫び真紅に抱きついた。
いままで自分は何と愚かな夢を見ていたのだろう。あの時真紅が優しさを働かせ、自分をすぐに壊さなかったからこそ、
自分はあの後こうしてお父様からローザミスティカを戴いて正式な薔薇乙女となることが出来たのに。

「ねぇ、真紅、私を見て」
水銀燈は言い、自分の腹部を手で触れた。「私、あの薔薇水晶に壊されたあと、お父様にここも含めて直してもらったのよ!」
真紅の顔に驚きが広がった。「本当なの!?」
「ええ!」水銀燈は答えた。
「良かった!」真紅はもはやどう喜びを伝えればいいのか分かっていない様子だ。「良かった!お父様の愛なのだわ。本当に良かった!」

寄り添いあう真紅と水銀燈の二人を、雛苺とジュンが見守っていた。

135 :Rozen Maiden LatztRegieren V:喪失 The lost:2007/08/04(土) 23:07:14 ID:7eE5xs3o
56

「うあん、迷子になったのかしら!」
金糸雀は建物から外に出る道を探していたが、迷宮に入り込んでしまったかのように一向に出口が見つけられないでいた。
「さっきから同じところをぐるぐる回っている気がするのかしら…ええい、こうなったら裏の手よ!ピチカート!」
黄色い人工精霊が舞うと、金糸雀の手元にバイオリンを召喚した。
「終わりのない追撃曲!」
金糸雀は壁に向かってバイオリンの演奏を始めた。
鋭い蛇のような音波が現れ、壁を突付き始める。やがてひび割れ始め、壁は砕けた。
「やりー!流石薔薇乙女一の策士、この反則技は到底他の姉妹には思いつけまい!」
意気揚々と壁にあいた穴の先に足を踏み入れる金糸雀。「…あら?」
その刹那、白い人影がぽつんと立っているのが視界に入った。その右目には白い薔薇が咲いていた。

136 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/04(土) 23:23:23 ID:eR/Efcxj
>>128-135
リアルタイムで読んだ。
ついに金糸雀死亡フラグか?!
第1と第7にそんな関連が!!
もういっそ出版しなされってな感じ。
GJ!

137 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/04(土) 23:23:37 ID:cLJ3LY7i
キムさっさと死ね

138 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/05(日) 01:19:26 ID:yzdBxmNs
水銀燈が死ぬとこのスレのみんなが悲しむけど金糸雀が死んでも誰も悲しまない
むしろみんな喜ぶ

139 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/05(日) 09:31:44 ID:AR4v521v
喜ぶわけねえだろ
粘着アンチめ

140 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/05(日) 12:48:59 ID:wztkhDTA
>>139
まぁまぁ、ほっときましょうよ。
>>138は相当精神を病んでおられるようです。そっとしておいてあげるのが
本人のためでもあり、このスレのためでもありますよ。

141 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/05(日) 14:46:54 ID:5pdoURUN
逃げてぇー!逃げてぇー!金糸雀ー!

142 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/05(日) 14:59:38 ID:u2q8WEAD
>>139-141
金糸雀信者涙目wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
くやしいのうwwwwwwwwwwwくやしいのうwwwwwwwwwwwww

143 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/05(日) 20:58:12 ID:iJyOSGzZ
・テンプレ

>>36-38
糞糸雀と糞糸雀ヲタがいかに嫌われてるかの図

>>104,126
痛い糞糸雀ヲタの特徴とその典型的な例

144 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/05(日) 21:01:55 ID:2GSAcyYE
もういいよ

145 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/05(日) 23:05:18 ID:JxmWrElE
だから下らん奴に気をとられて書いてる人をスルーすな

>>128-135
GJ!もう一つ波乱の予感・・・
しかしもう50か、ご苦労様です

146 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/06(月) 00:16:43 ID:Bznt7hFA
>>135
1から40くらいまで読んでみたが、セリフ回しが秀逸だな
ただバトルが長すぎてgdgdになってきているのが残念
ドールズ一人一人にそれぞれ見せ場を与えようという点を意識しすぎて、誰が話の主軸なのかが良く分からない

147 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/06(月) 06:29:14 ID:Tkf6nDKo
あと金糸雀がうざい

148 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/06(月) 08:45:41 ID:DSDJxz0F
案の定蒼が真っ先に退場か

149 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/06(月) 09:18:55 ID:L2DOdWK1
カナも蒼い子も好きだった俺は超涙目

150 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/06(月) 09:34:52 ID:cjtOPFhJ
>>146
アニメを見てるつもりで読めば良いと思うよ。

151 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/06(月) 20:57:18 ID:joeoXH8K
カナリアは蒼星石よりも残酷な死に方をしてほしいなぁ^^

152 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/08(水) 20:27:52 ID:tlvOSk/g
水銀燈「貴方みたいなゴミは姉妹の恥だから早く死になさぁい。」
翠星石「いいえ、翠星石の姉は水銀燈一人しかいないですぅ。」
蒼星石「どうして生きてるんだろう…恥ずかしくないのかな?」
真紅「…もう、あなたとは口も聞きたくないわ。二度と視界に入ってこないで。」
雛苺「金糸雀の口、ドブのような匂いがするのー。」
雪華綺晶「…汚い…醜い…あぁなんて哀れなジャンク。」

糞糸雀「んあー?かしらー」

  , '´ ̄`ヽ
  i ノ'_\@
  ヾ* 々`ノ ぅ…ぅぅ…みっちゃん
  / U  U  
  しーーJ

みつ「金糸雀?そんなの知らない」

  , '´ ̄`ヽ
  i ノ'_\@
  ヾ* 々`ノ ぅー…ゃ…のりぃ、ジュン…
  / U  U  
  しーーJ

JUM「金糸雀?誰だそれ?おい、真紅知ってるか?」
のり「金糸雀?知らないわよ?山本君なら知ってるけど」

  , '´ ̄`ヽ
  i ノ'_\@
  ヾ* 々`ノ ぅぅ…ぃゃぁ…おとぅ…さま…
  / U  U  
  しーーJ

ローゼン「お前が私の娘?馬鹿な。私がこのような駄作を廃棄せずに放っておくはずが無い。」

  , '´ ̄`ヽ
  i ノ'_\@
  ヾ* 々`⊂) か…か…かしら
  / U |  
  しーーJ


;ヾ ヾ ;ヾ ヾ ;ヾ;" ;";ヾ  ";ヾ ;;ヾ ;ヾ
"ヾ;";"ヾ ;ヾ ;ヾ ;ヾ  ";; ;ヾ ;ヾ" ;;
"" ;ヾ ;";"ヾ "//  ;ヾ  ";ヾ ; ;ヾ ;ヾ ;ヾ
ヾ;\\ ;"ヾ ヾ ;ヾ ;ヾ ;ヾ ;ヾ" ; ;;ヾ"
"" ;ヾ" ;ヾ ;ヾ ;;ヾ;....-‐'''""~ ;" ;ヾ ;;ヾ ;ヾ"
 ;_"  ;;;;";ヾ ; ; ;"//;; ;ヾ||ヾ ;ヾ  ";
ヾ ;"ヾ   ; ;"  ;;ヾ 〃";  ||  "" ;ヾ ;ヾ
 ヾ;" ヾ;"i  i  l;"//, '´ ̄`ヽ
   ;ヾ'|i   l  l i|/ /  i ノ'_\@
    |ll l | |゛l|/ "  ヾ* 々`ノ    さ  よ  う  な  ら
    || | ll | |.   / U U
    | l | ゛ |  | |   し'ーーJ         糞  糸  雀
    |||│ |゛|    ;
    | l | ゛ |  | l
     || | ゛ | l |、 ,,,,,,   ,,,,,,,,    ,,,,,
    ノノ 人 ヾ、 ヽ、   ,,,     ,,,,

こうして、誰にも相手をされなくなった糞糸雀はひっそりとその人(形)生を終えたのでしたとさ
めでたしめでたし─HAPPY END

153 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/08(水) 20:29:00 ID:tlvOSk/g
難燃性素材にアスベストを織り込んだ特殊繊維製のオムツに船舶用高粘度B重油を滴り落ちるほど
滲み込ませて、ドレスをビリビリに引き裂いて素っ裸にしたチョンドールに装着。
燃焼途中で脱落せぬよう鋼鉄製の超細型コイルにてしっかりと固定しガスバーナーで点火。
JR渋谷駅前にて拘禁を解き明治通りを走らせる。

オムツから不気味なオレンジ色の炎をメラメラ燃え上がらせ、激しい黒煙を振りまきながら短い足で
全力疾走するクソキムシジャン。
「ああああ熱いかしらあああああああああああ〜」と白目を剥いて叫びながら、
「カナ、なにも悪いことしてないかしらあああ」
と、完全に誤った自己認識に基く主張を行なって恥じることのないチョンドールの醜悪な姿。

ゲラゲラ哂いながら携帯を向ける女子高生。チョンドールに向い指を指して子供を諭す若い母親。
空缶やペットボトルを投げつけるDQN中学生。更には「売国人形」を轢き潰そうと迫る街宣車。

尻に火の点いたチョンドール、表参道方面へ向かって走る、走る、走る。
なるほど弱いだけのことはある。逃げ足だけは天下無敵だ。
自らを励まそうとしてか或いはオムツの燃える熱さに耐えようとしてか、無意識に
「あいとっ、あいとっ」と泣きながら自らに掛け声をかけるチョンドールの姿は実に陳腐だ

154 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/08(水) 20:30:18 ID:tlvOSk/g
糞糸雀の頭部にアイスピックを突き刺して穴を開け、
そこから空っぽの頭の中に濃硫酸を満たす
「いぎゃああああああああ痛いかしらーーー!あたまいたいのかしらーーー!!」
硫酸が糞糸雀を内部からじわりじわり蝕んでいく、
呼吸をする度、体を揺らす度に激痛がはしる
「いたいかしら!!いたいのかしらああああああ!!!」
・・・お前のことなんか知るか、黙ってろカス糸雀が
「いだあ゛あ゛いだあ゛あ゛!!!」
人の目も気にせず、己の自我を剥き出しにして騒ぐ糞糸雀は本当に醜い
「あ゛あ゛ー!!う゛う゛ーー!!」
・・・頭がいかれたらしい、まあもともと腐ってはいたがw
「う゛ーーー!!う゛ーーー!!」
うるさいので、糞糸雀の鼻の穴の中に割り箸を突っ込む
「う゛?」
困惑する糞糸雀
次の瞬間、俺は糞糸雀の鼻の穴の割り箸をおもいっきり殴りつけた
ぐにゅ
割り箸が糞糸雀の鼻の奥にめり込む
「う゛!!!!」
糞糸雀は倒れこむ
うつむいてピクピクと体を震わせている
「・・・・・」
ふぅ・・・ようやく黙ったか、今度騒いだらこんなもんじゃすまないからな
ようやく顔を上げた糞糸雀は鼻を押さえ、苦悶の表情を浮かべている
「あ゛ー・・・」
俺は糞糸雀の顔面に唾を吐き部屋を後にした

155 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/09(木) 22:14:37 ID:x2FKFpcI
ここはいつからグロOKになったんだ?
糞糸雀が嫌いなのは分かったからむこうでやれ

http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1164813753/

156 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/10(金) 00:35:47 ID:yzs7q2XC
>>155
糞糸雀とかいうな
カナには金糸雀って素敵な名前がだな

157 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/10(金) 01:20:55 ID:wd4FQiIb
だから糞アンチはスルーしろよ・・・

158 :155:2007/08/10(金) 05:27:05 ID:Gyq/qGvp
む、すまん。アンチの連中に合わせてやらないと
日本語を理解してもらえないと思ったもので。
俺は基本的に8ドール全てお気に入りだ。

159 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/11(土) 07:35:39 ID:RYu6NURC
ちなみに俺は水銀燈と真紅と薔薇水晶が大好きなんだ

160 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/11(土) 07:56:55 ID:s+l/3dIw
そして金糸雀が大嫌いなんだ

161 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/11(土) 10:35:55 ID:nP+yu7UR
>>160
『嫌い』って言葉やたら使う人は嫌〜い♪

162 :Rozen Maiden LatztRegieren V:喪失 The lost:2007/08/11(土) 13:13:23 ID:haVkP/Rx
57

突然の刺客に、金糸雀はすかさずバイオリンを構えた。「あなたは…!」
「…あら。第二ドールのお姉さま…」真っ白い髪と、真っ白いドレスを纏った第七ドールがそこにはいた。「"奇遇"ですね」
そのドールの体に纏わりついている白い茨を見て、金糸雀はすぐに思い至ることがあった。
「あ、あなたなのかしら!私のバイオリンに罠をしかけ、ここに連れ込んできたのは!」
昨日、金糸雀はいつものように眠りについた。そして自分のフィールドへと辿り着き、
いつものようにバイオリンの演奏をしていたところ彼女はバイオリンに白い茨が絡まっていることに気付いた。
金糸雀はそれを取ろうと手を触れた瞬間、全身を拘束されてここに引きずり込まれたのだ。
「お姉さまのバイオリン演奏。あの時少し聴きました」
雪華綺晶は薄く微笑みかけて言った。「聴いてて"KarlMayer"を思い出しました」
金糸雀は頭が煙が出そうなくらいに怒った。「KarlMayerって精神崩壊曲なのかしら!」
「ふふ…」雪華綺晶は右手を差し出すと、それと同時に無数の茨が金糸雀を目掛けて伸びた。
「あっ!」一瞬の早業で何の抵抗も出来ずに、金糸雀は茨にバイオリンを奪われた。それが雪華綺晶の右手に収まる。
「私が…」雪華綺晶はバイオリンを構える。「お姉さまに聴かせて差し上げる。私の…お姉さまへの鎮魂歌」

「え…?」金糸雀は恐ろしげに一歩後ずさった。まさか、まさかあのドールに私のバイオリンを扱えるはずがない。そう思いながらも。

「ワーグナー。ワルキューレの騎行」雪華綺晶はこれから演奏する曲の名前を告げ、やがて − バイオリンを弾き始めた。

(ワルキューレの騎行 ttp://www.indiana.edu/~trombone/mp3/ValkIIIbeg.mp3)

かの曲の導入部が奏でられる。いまの金糸雀にとってそれは恐怖以外の何モノでもなかった。
「こんなことあっていいのかしら有り得ないのかしら…どうしてあなたが私のバイオリンを使えるのよ!」
演奏が進むにつれて、部屋全体の空気が次第に重量を帯びてきた。
空間を取り囲む壁が振動し始め、軋む音を立てながら砂埃を落とす。

そして演奏開始から一分11秒のサビ。
サビに入るのと同時に、雪華綺晶はバイオリンを演奏しながら一言いった。「フォルテ(強く)」
バイオリンの音の強さが増した。
金糸雀の立っている地面に突然ひびが入り始める。「いや…」金糸雀は恐怖を感じ、その場からさらに後ずさった。
すると地面のひびは自分を追いかけるように伸びてくる。
「フォルティッシモ」演奏中の雪華綺晶が二言めを言った。「(より強く)」
その演奏に合わせるようにしてヒビが地面に現れる。金糸雀を地面のヒビが捕らえるようにして取り囲む。
金糸雀は壁に身を寄せ、涙目でその場に座り込むと、マスターの名を口走った。「みっちゃん…」

163 :Rozen Maiden LatztRegieren V:喪失 The lost:2007/08/11(土) 13:15:47 ID:haVkP/Rx
「カナ…!」
廃墟の建物群の間を突っ走っていた草笛みつは、自分のドールがよく聞かせてくれていたバイオリンの音に気付いた。
それは何処かしらの建物の中の二階あたりから聞こえてくる。「カナ…!」
何かとてつもなく恐ろしい胸騒ぎがする。
バイオリンの演奏の音が漏れてくる方向にむかい、みつは地面に散らばるがらくた人形を踏み越えながら懸命に走った。

ワルキューレの騎行はいよいよ一分56秒、最初の見せ場を迎えつつあった。
「フォルティッシシモ(非常に強く)」雪華綺晶は告げた。「いよいよです…お姉さま」
雪華綺晶は演奏に合わせて自分の体をゆれ動かした。

そして − そのパートに突入した。

勇壮な曲にのせて音波の蛇が何本も現れ、金糸雀に向かって伸びた。
恐怖に縮み込む彼女の頭上の壁にそれが当たって穴を開ける。
「きゃあああああ!」その叫び声は壁の砕ける轟音と曲の雄大な音にかき消された。

草笛みつは建物の中に押し入り、階段を駆け上っていた。階段の両はじには人形の首が一つ一つの階に丁寧に置かれている。
バイオリンの音が次第にはっきりと聞こえてくる。みつはその曲がワルキューレの騎行だと気付いた。
これは色々な意味で危険な曲として知られている − 世界一ドライブ中に聴くと事故率が高くなる曲だ。
他にも戦争映画の殺戮シーンで使われたり、日本のアニメでの危険人物の登場シーンにも使われることでも知名度は高い。
そんな曲を私のカナが演奏していることにみつは強い違和感を覚えた。そしてそれが今の胸騒ぎに繋がっていることにも気付いた。

曲は一時的に静かなパートへと入った。
このクラシック音楽をよく知っている金糸雀はそれが嵐の前の静けさでしかないことを分かっていた。
地面に無数に走るヒビはより太く深いものとなっており、下手すれば足を掬われかねない。
だがもうそんなことを案じている場合ではなかった。次の盛り上がりを見せる演奏のパートに入ったら間違いなくゲームオーバーだ。
四分9秒から始まるそのパートは他のどのパートよりも凄まじく壮大なものだ。それをあのバイオリンで弾かされてはひとたまりもない。
逃げるか、バイオリンを取り戻すか。一つに二つだ。
もちろん − 自分の相棒であるバイオリンを置いて逃げることなど論外だった。
次第に強さを増し始めている雪華綺晶のバイオリン演奏に負けじと金糸雀は勇気を振り出して叫んだ。「ピチカート!」

164 :Rozen Maiden LatztRegieren V:喪失 The lost:2007/08/11(土) 13:17:04 ID:haVkP/Rx
58

「…ん?」最初にその音に気付いたのはジュンだった。「なんか、バイオリンの音が…」
「はっ!?そんな!」真紅が愕然とした顔を上げた。「しまったわ!!」
いきなり水銀燈から離れ何処かへ走っていく真紅。「し、真紅。どこに行くんだよ!」
水銀燈はその場に座ったまま何処かへいく真紅を眺めたが、動こうとはしなかった。体も精神も疲れ果てているらしい。
ジュンは抱えている翠星石を地面に置き、雛苺に声をかけた。
「雛苺、翠星石を見てて!」そういうとジュンは真紅の後を追っていった。
真紅はバイオリンの音に耳を澄ませながら廃墟の町並みを走り、あちらこちらへと視線を走らせていた。
何処なの?金糸雀、何処なの?第七ドールのことをすっかり忘れてしまっていた。迂闊だった!
二人目の犠牲者を出すわけにはいかない。お願い、間に合って!
走りを続けるうち、やがて演奏されている曲が分かると真紅は戦慄した。
ワルキューレ八姉妹。戦場で死んだ戦士達の魂を神の国に運ぶ女神。今の場面を考えると信じられないほど恐ろしい選曲だ。
突然、曲は爆発したように壮大さを増した。
それと同時に真紅の前方で一つの建物が崩壊し、そこに巨大な穴が開く。
「っく!」巨大な壁の断片が無数にこちらへ吹き飛んでくる。真紅はやむを得ず走るのを止めると、近くの物陰に逃げた。
だがそれで終わりではなかった。真紅の隠れた物陰の所に飛んできた断片が直撃し、彼女を取り囲む壁が粉々に崩れ始めた。
すぐさま出ようとしたが手遅れだった。真紅の下半身は瓦礫に埋もれ、そこから身動きが出来なくなってしまった。
頭と手だけが出ている状態で、真紅は悲痛な叫びを上げた。「地獄なのだわ!」

165 :Rozen Maiden LatztRegieren V:喪失 The lost:2007/08/11(土) 13:20:12 ID:haVkP/Rx
みつは息を切らし恐らくバイオリンが演奏されていたであろう部屋に辿り着いた。
既にワルキューレの騎行は演奏が終わり、今は何の物音もしない。
「はぁ…はぁ…」
みつはゆっくりと、心臓を激しく高鳴らせながら部屋の中を慎重に進んだ。
すると突然、数メートル先の曲がり角からひとつの物陰が歩き出てきた。
みつが見たことのない、幻想的な姿だった。真っ白なドレスとなびく白髪。その存在だけ別世界にいるかのように優雅だ。
その人影がこちらを向くとみつと目が合った。「あ…」みつはちょっと言葉を失ったが、勇気を出して聞いた。
「あの、カナ、その、…金糸雀を見ませんでした?」
その白い人影は問いかけられるとふっとみつに微笑みかけた。その笑みは魔術だ。みつは瞬く間に虜となった。
右目には白い薔薇がさしてある。「ええ…見ました」
「ほんと!?」みつは目を輝かせてその白い少女に迫った。「何処にいるかしらない!?」
「こんな廃れた世界ですが」白い少女は答えた。「一つバイオリンの演奏に似合った場所があるんです。きっとそこでしょう。こっち」
白い少女が案内しだすと、みつは礼を述べた。「ありがとう!」
そして、体をもじもじさせて恥ずかしそうに聞く。「ねぇねぇ、あなたってひょっとして、ローゼンメイデン?」
「…そう」少女は答えた。「私はローゼンメイデンの第七ドール。雪華綺晶」
「きゃあー!」
みつは黄色い喚声を上げた。
「第七ドール!ということは一番下の妹なのね!私が見たので六体目よー!ところで、きらきしょう?何語なのかしら?変わった名前なのね」
「あなたは、ローゼンメイデンのマスターなのですか?」
雪華綺晶はみつの問いを無視して聞いた。
「あっごめんね。別に傷つけたくて言ったわけじゃなくて。」みつは頭をポンと叩いた。「そうなの。私は金糸雀のマスターなの」
「…そうでしたの」雪華綺晶は前を向いたまま歩きを続けて言った。「それで金糸雀お姉さまを」
「いやああああああん!」みつはいきなり雪華綺晶に抱きついた。「カナが、カナがお姉さん呼ばわりされた!いあーん、
萌え死ぬぅ!さすが末の妹さんは、律義な子なのね!真紅ちゃんにも翠星石ちゃんにもお姉さまなんて呼ばれたことないのに!」
 − 沈黙。
「あ、ごめんね」みつは再びバツの悪そうな仕草をし、雪華綺晶を手放した。
「萌えで全てが思いのままですよ」
「えっ?」みつはその言葉の意味が分からなかった。
「ここです」雪華綺晶は別の部屋への狭い入り口を指差した。「お姉さまならきっとこの先に」
彼女が再びお姉さまと言った瞬間、みつはまた抱きつきそうになったが、なんとか堪えた。
やっとカナに会える。ずっと心配だった。朝から眠ったままで。夢の世界で迷子になったときいてここまで来て。
みつは雪華綺晶にペコンと頭を下げると、指差された部屋の中に入った。
「みっちゃん!」するとみつの契約した第二ドールが走って駆けつけてきた。「みっちゃん!」

 − みっちゃん −

「カナ!」みつもまた金糸雀の元に駆けつける。「カナ!ああ!よかった!」
「私なら大丈夫よ!」第二ドールが答える。「会いたかった。みっちゃん!会いたかった!」

− 会いたかった。みっちゃん −

みつは金糸雀を抱擁した。「ああ…カナ…私のカナ…本当に心配だったのよ…もう離さないから」みつの顔は幸せいっぱいだ。
「みっちゃん」第二ドールはその小さな腕を精一杯みつの背中に回す。「私もみっちゃんとずっと一緒だから」

 − ずっと一緒だから −

みつが抱いていたのは、ただのがらくた人形だった。

166 :Rozen Maiden LatztRegieren V:喪失 The lost:2007/08/11(土) 13:25:43 ID:haVkP/Rx
59

ジュンは真紅を追い続けているうち、胸から下が瓦礫に埋もれている彼女を発見した。「真紅ー!」
真紅は声のした方向を向いた。「ジュ、ジュン…」
ジュンが真紅の元に駆けつける。「大丈夫か!?」
「大丈夫だから…は、はやくこれをどかして頂戴」だが、真紅の姿は誰がどう見ても満身創痍だ。
「わっわかった…」ジュンは瓦礫に手をかけた。力を込めて持ち上げようとする。「うー!む、むり…」
「まったく…つ、使えない家来…人間の雄が力でレディーを救えないなんて。信じられないくらい情けないのだわ」
「う、うるさい…」ジュンはもう一度瓦礫を持ち上げようとして踏ん張る。「お前は…くんくん探偵の見すぎだ!」
「少しはくんくんを見習いなさいってことよ」
「くそ!マシンガンでも持ってこの瓦礫を吹っ飛ばしたいところだね!」
「マシンガンってなによ?」
「この前キツネ婦人がくんくんにぶっ放したあれさ」
「ああ、あれは衝撃的なシーンだったのだわ。私の中のくんくん探偵スリリングシーンランキングに…」
「気楽そうだな」
「ちょっと、ジュン?あなたマジメに瓦礫を持ち上げようとしているの?」
「分かったよ!くそお!」
ジュンはキツネ婦人のマシンガン姿が"フルメタルジャケット"のラストのベトナム人女にそっくりだと言いそうになったがやめた。
薔薇乙女たちに出会うよりもずっと前に見た映画だ。
「ぬうううう…」
渾身の力を込める。肩が外れそうだ。しかし瓦礫が持ち上がる気配はない。無理だ。僕はもともと力のあるタイプじゃないんだ。
「ていうか、お前はなんでいきなり走り出したんだよ」ジュンが聞いた。
「金糸雀のバイオリンが聞こえたのよ。誰かと戦っているに違いないわ。相手は雪華綺晶以外考えられない」
「あのバイオリンは金糸雀のだったのか!あの第七ドールと!?」
「第七ドールはまずいわ!」真紅が声高に言った。「あの子の危険さは並外れている!早くしないと!」
「わ、わかった…」
ジュンは今手をつけている瓦礫を諦め、自分に動かせそうなところから動かしていこうと決めた。軽そうな瓦礫を探す。

「さあ…やってしまえ…私と一緒に…さあおいで…やってしまえ…」

いきなり響いてきた声にジュンと真紅が顔を上げた。
真紅にのしかかる瓦礫の山の上に、いつの間にか雪華綺晶が立っていた。

「さあおいで…おいで…殺してしまえ…壊せ…私と一緒に…」

恐ろしげな単語を口ずさんでいく雪華綺晶の左目は放心したかのように遥か遠くを見つめていた。
それは彼女が別の何者かに意思を操られているようにも感じられた。雪華綺晶はいま自分を失っているのだ。空っぽなのだ。
放心状態のまま、彼女は左手に持っていたものを落とした。
ころころとそれは瓦礫の山を転げ落ち、真紅の目の前で止まった。
切断された金糸雀の首だった。
「いやあーーーーーーーーー!!」
真紅は目から眼球が飛び出るのではないかというくらいに目を見開いて絶叫した。同時にジュンも奇声を上げながら尻をついて転んだ。
「ああああ!いやーー!いやーー!」
泣き叫びながら真紅は必死で目前に転がる虚ろな目をした金糸雀の生首から目をそらそうとしたが、
身動きの取れないいまの状態ではどう頑張ってもそのグリーンがかった死の瞳を視界の外に追い出すことが出来なかった。

167 :Rozen Maiden LatztRegieren V:喪失 The lost:2007/08/11(土) 13:28:02 ID:haVkP/Rx
「一緒においで…、 やってしまうのです! − 殺せ、殺せ、殺せ、殺せ、殺せ…殺せぇぇ…あ…」

雪華綺晶は突然思い出したかのようにわれに返った。辺りを見回し、ジュンと真紅を見る。
「初めまして…真紅のお姉さまの、マスター」
「う…あ…」
ジュンは尻をついたまま完全に恐怖に固められていた。
ローゼンメイデンにこんな狂気の沙汰のような末の妹が存在していたことが信じられなかった。
彼女たちがこんな妹と戦う運命を担っていたという事実を、ジュンは到底受け入れがたいものと断じて思った。
その想いは自分より実際の姉妹達の方がずっと強いだろう…
それが余計ジュンを怖がらせるとも知らずに、雪華綺晶は彼に微笑みかけた。「…ふふ…。こうしてアジアの人間は
やっぱり"Slope" − "斜めっている"と呼ばれるのですね。斜めの細くて笑いもしない、一体何を考えているのか
解らないその斜めの目。あら…恐れてらっしゃるの?かわいそうに。私が一緒にいてあげる」
瓦礫の山を彼女が下りだすと、ジュンは全身を震わせながら後ずさる動作をした。「うわ…く…くるな!」
雪華綺晶は人間の視線が何かに釘付けになっているのに気付き、そちらへ振り向いた。金糸雀の首がある。
「首ですか。首が気になるのですね。ええと…私たち薔薇乙女はときどきやりすぎちゃうの…
でも、誰よりそれを分かってらっしゃるのはお父様なんです」
平常な感性に著しく欠ける雪華綺晶にその場を慰めることは無理だった。
依然として瓦礫の下で首をぶんぶん犬の尻尾のように振り続ける真紅。恐怖に凝り固まり動けないジュン。…

いきなり雪華綺晶は真紅の目前に立つと鋼のような声を出した。「目を逸らすな」
真紅は手で口を覆ってすすり泣いていた。さっきまでの涙とは全く違う種類の涙だ。
「あなたが見届けずして誰が金糸雀お姉さまの魂を運べるのです?」
どういう訳か少し怒りを帯びた口調の雪華綺晶が続ける。「 − かわいそうに!邪悪と狂気を友に持ちなさい − 
あなたの日常は終わった。しっかり見届けなさい。あなたが見ているものは幻ですか?幻ですか? − 私は幻!
幻に殺されたあなたの前のお姉さまは幻か?アリスは幻か?幻が真ならどんなに素晴らしい?世の数限りないものたちが
発狂していきますよ!邪悪と狂気を友に持ちなさい。私達が戦うことでしか生まれない存在がアリスなら、そんなの絶対間違っている
のかしら?お父様はアリスの姿をどう捉えてらっしゃるのでしょう…人の理解を超えたところにアリスはあるとお考えなのでは?
人は理解できないものも畏れ敬う…その対象が一点の穢れもない至高の美しさを持っていたとしたら?」
真紅の口から漏れるのは嗚咽ばかりで何の言葉にもなっていない。
するといよいよ苛立たしげに雪華綺晶は編み上げのブーツで近くの小石を蹴った。「どんな想像豊かな哲学者でも
想像の出来ないものはどれ?世界を終わらす啜り泣きの一声とはなに?時間です、お姉さま!あなたたちはこれから還る。還る。
藁の詰まったあなたの現実世界でじっくり考え直しなさい!明かすのです、真っ白に。真っ白に。黒は本当に濃密なのかしら?」
滝のような流れの奔流がジュンと真紅を飲み込んだ。二人はそのまま後ろへと流された。雪華綺晶の姿が遠のいていく。
そして − 真っ白な海の中に取り込まれた。

168 :Rozen Maiden LatztRegieren V:喪失 The lost:2007/08/11(土) 13:30:08 ID:haVkP/Rx
いきなり宙に放り出されたかと思った矢先体が重力にひかれて落下し始めると、
ジュンはジェットコースターの急降下の時の気分を味わった。
ドスンと体の背中が何かに当たる。よくなじんであるものだった。「僕の部屋だ…」部屋に明かりはついていない。
真紅がその横に横たわっている。「真紅、大丈夫か?」
嗚咽の止まらない真紅は涙目でこくこく頷いた。
「一体 − 」ジュンは堪えきれず喋り出した。「一体あの白いドールはなんなんだ!?狂ってる!狂ってた!
あいつのそばにいたら僕の頭までどうにかなりそうだった!なあ、真紅、お前達はこれからあんなやつを相手に
しなくちゃならないのか?」
真紅はなき続けるだけだった。金糸雀のことをずっと思っているらしい。
ジュンだって泣きたい気分だった。
人形とはいえ、…いや…あれは本当に突然従妹の首を見せられたようなものだ。

部屋のパソコンの画面が突然輝いたかと思うと雛苺と翠星石が飛び出してきた。翠星石の方はまだ意識が戻っていないみたいだが。
ジュンはその二人に駆け寄った。「お、お前ら!」
「ジュン!」雛苺が恐らく今の姉妹の中では一番元気だ。「ジュン!私達帰ってこれたの。ラピュタの魔が穴をあけて帰してくれたの。」
「そうか、それはよかった」ジュンは安堵の息をついた。「お茶入れてくるよ」
ジュンは部屋を出て階段を下った。考えてみれば、ラプラスの魔にnのフィールドで助けられた回数は多い。
薔薇水晶やそのアリスゲームを"たのしき戯れ"だとか"おもちゃ"だと称したことから好きにはなれないのだが…
外の世界はまだ驚くほど明るかった。リビングに出て時計を見る。午後一時42分。みつさんが家に訪ねてきてから2時間程度しか過ぎていない。
みつさんのことを思い出した瞬間、ジュンの心はコンクリートのように重く沈んだ。
結局金糸雀を救い出せなかった。あの人になんていえばいいのだろう。
電気もテレビもついていない無人のリビングは、いつもより広く感じられた。

169 :Rozen Maiden LatztRegieren V:喪失 The lost:2007/08/11(土) 13:32:52 ID:haVkP/Rx
60

ラプラスの魔はnのフィールドで水銀燈の背後に立っていた。
「いささか私も疲れてしまいましてね。いやはや、圧巻の一時間でありましたな」
差すような赤色の鋭い瞳が、女の子座りをしたままの水銀燈を見据える。「第五ドールとのお楽しみはあれにて決着、と見ても?」
水銀燈は振り向きもせずにラプラスに答えた。「…私はアリスゲームを放棄しない。別の方法なんて知らない」
「おや…」ラプラスは振り回していたステッキを手にのせて止めた。「本来の薔薇乙女としての姿を貫く意思の純粋さとやらは、
さすがは等しきことに同化を望んでいるドールの授かりものといったところ。決着はおあずけということに…」
ラプラスは自分の背後より近づいてくる存在に気付いた。「ククッ…。道化は一人で十分。そう願いたいもの」そういうと背後の穴に消えた。
水銀燈はラプラスの言葉の意味に気付くとふっと振り向いた。「雪華綺晶…」
雪華綺晶は微笑みかけながら水銀燈に歩きよった。「いとしいお姉さま、無事で何より」
「はん、あなたこそよく無事だったわね」水銀燈は彼女が傷どころか汚れすら一つもないことに気付いた。
「約束を果たしにきました。お姉さま」雪華綺晶は水銀燈のすぐそばまで近づくと、一つのローザミスティカを差し出した。
「!…ローザミスティカ…」水銀燈は立ち上がり、その輝きに息を飲んだ。これで見るのは二度目だ。「それは、他のドールの?」
さっきまで自分を取り囲んでいた翠星石蒼星石真紅に雛苺、それじゃあ他で考えられるのは…
その時突然雪華綺晶は足元に金糸雀の首を落とした。
「ひっ…」水銀燈は顔を青ざめさせて一歩後ずさった。
薔薇水晶と似てはいるがその中身はかの偽物より遥かにえげつないものらしい。「あ、あなた…」
「ああ…かわいそうに…」
雪華綺晶は目を瞑ると祈るように両手を組んだ。「恐怖です…このお姉さまは私をこれから呪うでしょう。恐怖…
呪いの根は私に張りめぐり、苦しめ、ことあるごとに、広げていく。どこまでも…そう…どこまでも…そして私は雨を待つ、痛みを流してくれる雨を」

なんとなくだが、水銀燈は雪華綺晶の言うことを理解できた。アリスゲームのことを言っているに違いない。
奪ったローザミスティカは時に自分を拒み、苦しめるときがある。
…だが、そばに落とされた第二ドールの無残な死骸が別の意味での"恐怖"を雪華綺晶の言葉に与えている気がした。

「恐怖、どの姉妹も恐れた。けれど愛しい水銀燈、あなたにはその恐怖と戦える強さがある。意思の純粋さが…」
そういって組んだ両手を解くと、その手を再び水銀燈に向かって差し出した。そこにはいつのまにか二つ目のローザミスティカがある。
「私は約束しました。お姉さま」雪華綺晶は言う。「"私のも姉妹のローザミスティカも"みんな差し上げると…これは私のです」
水銀燈は困惑した。
この七体目は本気で自分のローザミスティカをみすみす譲るつもりなの?
ピンク色の光を放ち、その二つの結晶は無防備なまま差し出された雪華綺晶の右手に置かれている。
抗いようのない誘惑が水銀燈を誘う。そして彼女の足は自然と、一歩また一歩雪華綺晶に向かって進み始めた。
すると雪華綺晶は微笑んだ。「意思の純粋さです…お姉さま」
「そぉね、意思の純粋さね、うっふふ」水銀燈は適当に答えて流した。もう雪華綺晶の言葉などどうでも良かった。
ローザミスティカがそこに二つもあるのだから。
水銀燈は雪華綺晶の前まで来ると歩みを止めた。お互い手の届く距離で対峙する二人。
「姉想いな妹を持てて、私幸せよぉ?うっふふふふ」
水銀燈は言うと、雪華綺晶の右手に被せるようにして自分の右手を差し出した。
そして、ゆっくりとその右手を降下させ始める。

あと少しで私の手がローザミスティカに触れる。

「約束をお忘れなく」その直前で、雪華綺晶が突然言った。「…?」水銀燈は手を止める。
「あなたのマスター」雪華綺晶の金色の瞳が、いきなり彼女をぎょろっと見上げた。「私に下さいますね?My dear sister」
「…!」水銀燈の体が一瞬凍った。約束の内容を思い出しながら、もう一度差し出されたままのローザミスティカを見やる。
一方で急に命を吹き掛けられたかのような雪華綺晶の左目が、はっきりとこっちを脅すように見上げている。

170 :Rozen Maiden LatztRegieren V:喪失 The lost:2007/08/11(土) 13:35:55 ID:haVkP/Rx
"ローザミスティカを贈る代わりに、あなたのマスターを私に下さい"。

二人の無言のやり取りが数十秒に渡って続いた。
水銀燈は一考した。ローザミスティカを取られた抜け殻のドールなんかに何が出来る?
しかし、本能はこのドールが危険だと告げている。

「そぉね。約束は約束」
彼女はようやく口を開いた。「…くれてやるわ。私のマスター…」
この私が、何を恐れる必要がある?
「取れるものならね!!」
雪華綺晶の右手からローザミスティカを手に取るや黒い翼が彼女を捕らえ、一瞬で雪華綺晶を黒い羽で覆い尽くした。
「あはははははは!!」
笑い散らし、水銀燈は翼に力を込めた。ぐしゃという音と共に翼が中心へと圧縮される。
そうとも、私には恐怖と戦える強さがある。
それからその場に残ったのは、水銀燈自身の黒い羽だけだった。
「…やったの?」
雪華綺晶の姿は、今や何処にも見当たらない。彼女を押し潰した手ごたえはなかったが、元々実体がないのだから当然か。
「ふ、うふふふふふふ、あははははははっ…結局はただのおばかさんだったってことね!!」
水銀燈は満足気に手元に残った戦利品を眺めた。

第二ドールと第七ドールのローザミスティカ。

口付けをすると、ローザミステイカが体に溶け込んでくる。暖かくて、病み付きになってしまいそうなほど甘美な感覚…
今日で二度目だ。だんだん実感が湧いてきた。これで私の持つローザミスティカは − 四つ!
全部で7つ。自分はその半分以上も持っている。水銀燈は浮かれに浮かれた。急にアリスが近く感じられてきた。
もうすぐ、もうすぐでお父様に会える。

思い通りにいった。水銀燈は思ったが、その時再び本能が危険の警鐘をしきりに鳴らしてきた。
雪華綺晶の消滅 … 簡単すぎではなかったか?
「めぐの所にいかなきゃ…」
水銀燈は勢い良く飛び立ち、フィールドの出口へと急ぎ出した。
その過程で、大して気にしていなかった雪華綺晶の言葉が、今になって急に囁かれるように水銀燈の脳裏に繰り返し響いた。


               意思の純粋さです…お姉さま。

171 :Rozen Maiden LatztRegieren 予告編:2007/08/11(土) 13:40:42 ID:haVkP/Rx
「ねえ…ジュン。究極の少女アリスの為には、やはりそれ相応の犠牲や苦労が…必要なのかしら…
いままでのように毎日姉妹と平穏な日常を過ごしていても…そんな者にアリスになる資格なんて、やっぱりないのかもしれない」

「答えをいまお聞かせください…お姉さま」

「私は…」

「朝の乳酸菌は格別ね!」

「水銀燈!そこをどきなさい!はやく!」

「真紅!?どうしてここに…」

「いいからはやく!どいて!はやく!」

「え…ちょっとまってよ真紅、ちょいやぁ、きゃああああ!」

「私は、必ず水銀燈を真っ二つにして、蒼星石のローザミスティカを取り戻してやるのです!」

「油断したわ…ホーリエ」

「なんてことしてくれんのよ真紅ぅ!あんたと心中なんて私ぜったいやぁ!」

「水銀燈、つべこべ言わずに早く考えなさい! 6 x 2 以外に かけて 12 になる数字は?」

「 Fuck yeah! Fuck ! 」

「どうしたのホーリエ… …あれは!?」

「ブルース・ウィリスを気取ってんじゃないわよ!!」

「あなたが…ローゼンメイデンの第七ドール…。私はあなたを倒す」

「もし あなたがこの意味を本当に理解したのなら − もうあなたはそのマテリアルを使いこなしたとしても − 」

「まさか…アリスゲーム以外の方法とは…!」

「私の支配を抜け出したことにはならない」


W:媒介 Masters に続く

172 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/11(土) 15:01:39 ID:nP+yu7UR
続くのかよw
いいかげん終われよ、どんだけgdgdなんだwww

173 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/11(土) 20:27:34 ID:JQdq0Iqr
予告編w
毎回ご苦労様です

174 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/11(土) 22:49:59 ID:LXFNQKHc
>>162-171
GJ!
キムざまあwwwwwwwwwwwwwwwww

175 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/12(日) 00:13:31 ID:H+ASSYSY
グーダグーダ

176 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/12(日) 00:28:03 ID:cjQrcGXc
正直そろそろ完結してくれれば、まだ救いようがあったんだが
まだ続くとはな(笑)
引っ張れば名作が生まれるとか勘違いしてんじゃねえの?

177 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/12(日) 00:33:20 ID:RQp5kTE1
予告編とか厨臭さ全開出しな
実際書いてる奴は高校生くらいとみたね 
友達いないんだろうなあ

178 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/12(日) 00:40:13 ID:SDy2BuKT
なんか急に叩く奴が出始めたな
もしかして金糸雀信者(笑)ですか?

179 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/12(日) 02:06:07 ID:mxEc4wIv
なんだアンチカナリアが屑ばっかかと思ってカナリア厨なんて実害はないと思ってたが
カナリア厨も十分屑ばっかじゃねえか


180 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/12(日) 02:08:58 ID:uipgoOVr
今までは絶賛の書き込みが多かったのに今回のに限って何故か必死に貶してる奴が多いからそうだろうな

181 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/12(日) 02:11:07 ID:uipgoOVr
653 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/08/08(水) 01:10:30 ID:Usbn2XoC
なんか党員って金糸雀を嫌ってる人が妙に多い気がする…

654 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/08/08(水) 01:19:50 ID:rA8GUsCh
>>653
銀様が未完成のまま放置されてその後最初に完成したのがアレじゃ嫌いにもなるわ

665 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/08/08(水) 04:33:11 ID:YtKXvNMX
>>654
禿同
3期ではぜひ銀様の手で糞カナリアをジャンクにしてもらいたい

182 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/12(日) 02:13:19 ID:uipgoOVr
・テンプレ

>>36-38
糞糸雀と糞糸雀ヲタがいかに嫌われてるかの図

>>104,126,172,175-177
痛い糞糸雀ヲタの特徴とその典型的な例

>>181
水銀党員からの糞糸雀に対する評価

183 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/12(日) 08:56:44 ID:0ML4OoIt
                   ,=|  | | | |
                  / :|_,, | | | |/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                l  | |. | | | || ついに金糸雀の首を取ったぞ!
                  |  | |:::| | | l|\
                 /  | l | | | ||   ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄
                 /   | | | | | |:!
       ∧_∧    /   l l. | |‐'| |:|  , ^@ ̄@^、
      (  ´∀`),/     | |. | | | ll:|  !iノ从ノ)))) , '´ ̄`ヽ
      (     つ     | |  | | | ||:| ノ从∂ヮ゚从 i ノ '\@
       |  |  |    ⊂⌒| l:  | |‐'| l:|:| ( (とt,,,ξtつヾ(i.゚'Д゚ノ
― ∧_∧(____,)__)ーl二二二l_,.. ┐| |'二二⊃)(,,ζ,,,,)( (〃/;~∴ー―;
  (   ´∀) 厂⌒厂⌒厂⌒i´__,,. |..| |〉    〈 (  UU ) ) ) ;' _,.. - ''"!∧ ∧_∧
 (     つノノ  ノ  /   ,ノ|    |,,|..!、____,ノ     _,.. - ''"   _,.. ┘∧ ∧__∧
(⌒(⌒)__)'〜ー〜ー〜一'"┴'''"        _,.. - ''"   _,.. - ''"l:| ∧川∧ ∧川∧
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄!  _,.. - ''" \;|  |:!(´∀`  )(´∀`  )
―┬―┬―──――――――‐┬―┬┬┴''"/     :|∧川∧ ∧川∧ ∧川∧
  │  │                |  || /       (∀`  )(∀`  )(∀`  )
. ∧川∧ ∧川∧ ∧川∧ ∧川∧. ∧川∧ ∧川∧. ∧川∧ ∧川∧ ∧川∧
(    )(    )(    )(    )(    )(    )(    )(    )(    )

184 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/12(日) 13:25:35 ID:asLGcQfQ
>>162-171
激しくGJ!!


185 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/12(日) 14:04:55 ID:xRBKKTwJ
多分、友達いないから夏休みが暇で暇で仕方ないんだろ

186 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/12(日) 19:20:30 ID:BXY0Daz9
ぁぅぁぁぁぁ・・・・・カナ・・・。lll!orz!lll

187 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/12(日) 22:30:23 ID:mtSfHEKh
>>Rozen Maiden LatztRegieren
カナの扱いがひどいから糞だな
読まなきゃよかった

188 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/12(日) 22:33:07 ID:cjQrcGXc
金糸雀の扱いは最初からどうでもいい

きらきー「萌えで全てが思いのままですよ」
問題はこのセリフ
ノベライズなんだから、原作のイメージ崩すなよ、って話だ
きらきーが「萌え」なんて言うわけねーだろ

189 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/12(日) 23:01:15 ID:SDy2BuKT
>>187
VIPの陰妙師スレでもそうだったけど金糸雀信者ってなんで人の作品に対してこうグダグダと「カナの扱いが〜」とかほざく奴が多いんだ?
金糸雀みたいな糞キャラを他のドールと同じ土俵に立たせてるだけでも感謝しろやボケが
こっちも出したくて出してるんじゃないっつーの

190 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/12(日) 23:09:27 ID:0Yk6IauJ
>>162-171
GJ!!
お疲れ様です。
いろいろと批判はありますが、私は応援してます。
気長に最後まで書き上げてください!
ついでに気になったしょーもない指摘させてください。
>>164
ワーグナーのニーベルンゲンの指輪では、ワルキューレは九姉妹ですよん。
>>168
>「ジュン!」雛苺が恐らく今の姉妹の中では一番元気だ。「ジュン!私達帰ってこれたの。ラピュタの魔が穴をあけて帰してくれたの。」
バルス!!

長いんで大変とは思いますが、思わぬ誤字で雰囲気が崩れることもあるんで
お気をつけて。

191 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/12(日) 23:29:29 ID:SDy2BuKT
ラピュタの魔は誤字じゃなくてわざとだろ
まあ銀様や真紅が言ったら流石に疑うけどw

192 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/13(月) 00:43:55 ID:qCyim2FT
何が「ラピュタの魔」だよ、馬鹿か
ドン引きのパロディネタを面白いとでも思ってんのかね
そもそもローゼンはパロディを用いる作品じゃねえだろ

そして予告編
他の奴も言っていたが、もはやこれは厨二病時代のガキが犯す過ちの、

○(作者のハンドルネーム)「はーい、これで第2章は終わりでーす」
△(作者のオリキャラ)「はえーよ」
○「いやー、みんな大活躍だったねー」
△「俺の出番無かったし」

的な、痛々しいあとがきに匹敵する黒歴史っぷりだな

193 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/13(月) 01:24:46 ID:rtJbfLhx
こういう流れは他の作家さんも投稿しにくくなるから止めろや
そんなこともわからんのか金糸雀信者は

194 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/13(月) 01:25:13 ID:j3lysTie
前から思ってたけど、このきらきー妙に俗っぽい言葉知ってるな

195 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/13(月) 02:03:37 ID:5zwIeOVn
・テンプレ

>>36-38
糞糸雀と糞糸雀ヲタがいかに嫌われてるかの図

>>104,126,172,175-177,192
痛い糞糸雀ヲタの特徴とその典型的な例

>>181
水銀党員からの糞糸雀に対する評価

196 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/13(月) 02:13:42 ID:j8CS1zCb
金糸雀って信者とアンチが極端に二大勢力化するほど目立つキャラなのか? キモオタの俺から見てすらキモいしウザいのでさっさと両方とも消えて欲しい

197 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/13(月) 02:27:12 ID:MF0dALYu
結論=金糸雀自体が糞

198 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/13(月) 02:45:58 ID:rtJbfLhx
元々いなくても全然問題ないようなキャラだしな

199 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/13(月) 11:50:03 ID:e0peSNIm
最初散々褒めて、いきなり叩き始める
それいい加減やめろ

200 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/13(月) 13:04:59 ID:W8gQEKW1
SS職人が予告を書くのは
1.ただの痛い人
2.だんだん継続がしんどくなってきて、自分を追い込むため
が、よくある。

>>162-171は1.ではないと確信しているが、
どうか2.で書く意欲を無くさないよう続けてもらいたい。

201 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/13(月) 13:08:09 ID:YrE5Y/C2
とりあえず金糸雀信者が痛いということはわかった

202 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/13(月) 13:13:41 ID:q+uPtnvx
職人様には作品を続けていただきたいところだ
あと最近まったりしたSS書く人来ないな
結構楽しみにしてんだが

203 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/13(月) 20:21:22 ID:8gV1zSfB
とりあえずアンチ金糸雀がえらくしつこいことはわかった

204 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/13(月) 21:40:32 ID:3UvYf303
金糸雀みたいな糞キャラをSSに登場させても信者とアンチの醜い論争が始まるだけだからもう出さなくていいと思う

205 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/13(月) 21:59:33 ID:jrUDMESc
ま、少なくともキャラ貶めるような人物はガキってこった

206 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/13(月) 22:12:10 ID:rtJbfLhx
>>204が真理だな

207 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/13(月) 22:13:50 ID:/qKS2A7L
×信者とアンチの醜い論争が始まる
○アンチが勝手に火病りだす

208 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/13(月) 22:16:47 ID:jrUDMESc
金アンチは各スレで同時に沸くのはなんで?

209 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/13(月) 22:32:49 ID:tdtTB6ct
半島に絡むニュースと相関があるような気がする。

210 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/13(月) 22:33:09 ID:8gV1zSfB
実は一人しかいないんじゃね?表立って活動してる金アンチって


211 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/14(火) 01:00:30 ID:+652Kp+I
投下しようと思ったけど荒れてるっぽいのでもうちょっと落ち着いてからにするわ

212 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/14(火) 01:04:03 ID:1LcHxfz7
ま、荒らすのは金アンチ一人の自演だからさしたる問題はない

213 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/14(火) 01:47:55 ID:d1BjA5Oy
43の中の人が「豊作続きだから読むのに忙しいぜHAHAHA」ってアメリカンな笑いをしてた。

214 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/14(火) 02:16:37 ID:f277s4L/
投下したいけど、

ドールズ全員登場させる=金糸雀も活躍=アンチに叩かれる

な雰囲気が出来上がってるから、やり辛いなあ
ローゼン好きとしては全部のドールズに平等な出番をあげたいんだけど

215 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/14(火) 06:03:38 ID:VKQk7VN3
ここに待っている人間が一人いることを忘れないでおくれ


216 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/14(火) 10:53:05 ID:am9E0DW7
上のやつなんて活躍してないのに叩かれてるやん

217 :真紅・恐怖編:2007/08/14(火) 16:06:18 ID:0rGA6taY
「ジュン、ゼンマイのネジを巻いてちょうだ・・・」
部屋の隅で紅茶を飲んでいた真紅の動きがピタリと止まる。
どうやらゼンマイが切れたらしい。

僕はゼンマイを巻いてあげようと真紅を抱き上げる。
ふと、僕は真紅の体の中はどうなっているのか気になった。

命の石・・・ローザミスティカ・・・人形師ローゼン
色々と断片的なことは聞いていたが、まるで生きているような薔薇乙女の仕組みについては何も分からない。

ちょうど僕の顔の前にゼンマイを巻く鍵穴がポッカリと空いている、何か人形を動かす秘密が分かるかもしれない。

僕はワクワクして覗いた・・・
僕の目が金属部に反射して見えるのだろうか、目の玉のようなものが見えた気がした。
なんだ、ツマらない。いったん顔をあげました。

そのとき何を思ったか、もう一度鍵穴を覗き込んだのです。
体の隙間から入るわずかな明かりの中、歯車やシリンダー、ワイヤー状の物がギッシリと詰まっているのが見えた。
おわースゴい。夢中になって覗いていました。

鍵穴の向こうの気配、それとも何かが知らせてくれただろうか
突然、僕は目を離し身を引いたのです。

そして次の瞬間、鍵穴からはマイナスドライバーの先端が狂ったように 乱舞していました・・・・


僕は息を呑み真紅を物置に放り込んだ、それから物置には近づいていない。


あの時、真紅の中に居たのは・・・・


218 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/15(水) 03:56:35 ID:EidJ7CeJ
保守

219 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/15(水) 14:51:18 ID:E7E7vfRD
>>217
怖ぇぇ!

220 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/16(木) 00:09:41 ID:QJ89jzc/
>>217
このネタ懐かしいわ…w

221 :43:2007/08/16(木) 01:06:44 ID:QX2rdlXy
ホイホイと流れに便乗して書いておくぜ。
----------------------

疲れて眠った次の日の朝、僕はあてもなくそんなことを考えていた。
どうでもいいけど戻ってからの記憶があいまいだ。疲労しすぎて眠気が危険な領域だったしな…
「さて、今日は僕も飲むか…真紅の余りだけど」
「あら?わかってるじゃないの。」
目の前で真紅が少しばかり機嫌良さそうに紅茶を飲む。やれやれ、いつもこうだといいんだけど。
「残すは3人。金糸雀に、蒼星石。あとは…雪華綺晶…か」
「ジュンは会ったことがあるんだったわね。私は会った事無いのだわ…」
頬に手を当て、どんな娘かしら?とあれこれ思いを馳せているようだ。
「水銀燈より怖いところがあるぞ」
「猫よりマシよ」
「猫と水銀燈だと水銀燈は怖くないのか…」
意外な事実だった。今度水銀灯に猫耳のカチューシャでも送っておこう。
「猫の話題はやめましょう」
真紅は真面目に熱い(正確に温度が決まっているのだが)紅茶を飲んでいる。
僕もゆっくりと紅茶を飲むのも悪くないと最近になってようやく理解してきた。
そう、ゆっくりと香りを楽しみながらアイスティーをストレートで口に含むと――
「あら、私をお呼びになって?」
――全力で口から噴き出した。あ、軽く気管支の方にいったかも。キツいんだよなコレ。

彼女はテーブルの真ん中に出現した。首から上だけ。きっと床下から現れたのだろう。
ちなみにテーブルの下を覗き込んだら真紅から怒られた。何この理不尽さ。
「ジュン、テーブルが紅茶まみれだわ。」
それ以上は言わない真紅。ようするに、拭けということだ。
「わかってるよ…」
渋々とテーブル用の布巾を手にテーブルを拭きながら、先ほど現れた招かれざる客を僕は探す。
「鬼さんこちら、手のなる方へ…うふふ、私はここですわ?」
ひやりとする首。後ろに気配。彼女は僕の首に腕を回して背後からおぶさっていた。
「離れろ。冷たい。怖い。苦しい」
割とマジに絞めてくるのがよくわかる。
「貴方が雪華綺晶なのね。私は真紅」
「第5ドール…ええ、存じ上げておりますわ」
「話し込むなら椅子に座れ、呪いの首吊り人形」
「あらひどい、絞めてるだけなのに」
「大差ないだろーが」
うんざりして力任せに引き離そうとするが――掴めない!こいつの実体は無いのだった。
「いけずなマスターを持つと大変ですね」
「違うわ、下僕よ」
僕の首から離れて2人は談笑している。僕への態度を考えるとまるで信じられない。
それから水銀灯に送る品物に猫のしっぽも追加しておこう。セット価格でお得だったはずだ。

222 :43:2007/08/16(木) 01:10:18 ID:QX2rdlXy
とはいえチャンスはチャンスなので彼女の顔を見ることにした。僅かに透けているのはご愛嬌。
雪華綺晶の特徴は、実を言うと大まかには薔薇水晶と大差無い。もちろん細かい部分は全然違う。
「それはおかしいですわね?うふふ…」
だが何よりも一番の差は、笑顔。よく見ると、焦点のずれた映像を見ているような薄気味悪さがある。
そこにいるのに、まったく別の場所を眺めているような感覚。ここではない何かを捕らえるような。
――狂気?
実を言うと僕は言葉では知っていても、本物を知らない。そこに僕の表現能力の限界がある。
全部を見て知る必要は無いとしても、彼女に対する『何か』を説明するには違和感があった。
「よくわからないな」
やれやれ、と僕は紅茶のおかわりを真紅に注ぐと、さっさとキッチンで冷たい麦茶を飲むことにした。
溜息。眼鏡をはずしておでこに麦茶の注がれたコップを当てると、目を閉じる。
「あー…つめてー…」
真っ暗な世界。冷蔵庫のモーター音だけが僕の耳に聞こえてくる、誰もいない世界。
『  』
――そこに彼女はいた。いるはずの無い場所で、彼女は僕の事を見ていた。

結露が僕の眉間から鼻を通り唇まで届いたくらいの時間の後、僕は目を開く。
「ばぁ」
彼女は目の前にいた。全身が一瞬硬直するが、グラスは落とさない。
くすくすと笑っていた。口の中には歯と舌が見えて、眼窩に生える薔薇の花が、合わせるように小さく揺れた。
「お前は」
唐突に理解した。彼女は最も人形に近かった。雛苺の視線よりも、もっと僕の感じる恐怖が強い。
「透明だ。何も無い。純粋なんだ。何も見ていない。」
ぴたり、と彼女が笑いを止める。表情が無くなる。そこにあるのは、プラスマイナスゼロの凍りついた顔。
「馬鹿ですね。何も見てないわけないじゃないですか」
「あー、なんていうのかな。理解できてないというか」
「貴方の言うことの方が理解できませんわ」
「そりゃそーだ。僕もわからん」
とにかく、彼女への違和感は、味の無い水を飲んだ時のみたいな代物だ。それが限界だった。

彼女は暫く僕を見ると、僕の頬にひやりとする手を当てた。
「なんだよ」
「――お静かに」
よくわからんが黙ることにする。これだけ近いと眼鏡が無くても雪華綺晶はハッキリ見えた。
不意に距離が近づき、ほんの数センチまで彼女の顔が近づいてきた。
そのまま押し当てられる唇。僕は息を止め、彼女は僕の下唇を、ほんの少し舐めたようだった。
「な、何するんだ!」
席を立ち、距離をとる。彼女は少しだけ笑っているように見えた。
「今の私の行動は何でしょうか?」
「何って、その…」
「それがわかれば私が判るかもしれませんわ。ごきげんよう、そしてまた会いましょう」
とりあえず拭おうと思って、下唇を軽く手の甲で擦る。チクリと刺すような痛み。
手に付いた水は、ほんの少し赤くなっていた。舐めると鉄の…血の味がする。

「……味見?」

外では蝉が、僅かな命を燃やすように声を張り上げていた。

それから、その光景を密かに見ていた存在があったことを追記しておく。
お陰でひと騒動起こるのだが――それについては、またいずれ。

223 :43:2007/08/16(木) 01:12:31 ID:QX2rdlXy
以上、ここまで。大作という名の刺身のツマにでもどうぞ。
まあ、その、なんだ。明らかにネタの感じが違うのだが
ぶっちゃけ、>>217のネタに感化されて僅かにホラーテイストも混ぜてみた。
つーわけでごきげんよう。世間では夏休みという噂があるが、噂にしか思えない。

224 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/16(木) 01:15:21 ID:bKqGHj9V
・テンプレ

>>36-38
糞糸雀と糞糸雀ヲタがいかに嫌われてるかの図

>>104,126,172,175-177,192
痛い糞糸雀ヲタの特徴とその典型的な例

>>181
水銀党員からの糞糸雀に対する評価

225 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/16(木) 02:06:35 ID:Ncljh3q8
>>223
GJ キラキー待ってたぜ

226 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/16(木) 02:15:42 ID:i6rn5FJx
>>223
投稿GJ
だが、あとがきはいらん
解説とか言い訳とか自己フォロー臭は見苦しい
出来はいいんだから、堂々と構えればいいさ

227 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/16(木) 23:25:38 ID:OezGyGSz
字書きは黙々とSSを書いて投稿すればいいだけの存在。
そして「読んで頂ける」と言った
ROMへの尊敬と感謝の念も忘れない様にしないといけない。
何も言わずに淡々と読ませるSSを定期的に投下する人物は

>SSを投下してくれる職人は神様です

これに値するかもしれない。

228 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/17(金) 00:51:11 ID:FicsEfvu
>>227
おおむね同意だが

>そして「読んで頂ける」と言った
>ROMへの尊敬と感謝の念も忘れない様にしないといけない。

ここの所に関しては何様だよお前
作者は批判にせよ感想にせよ読者の反応が欲しいから投下するし
読者は好みのSSがあったらもっと読みたいから感想や指摘とか送る
ギブアンドテイクの関係だと俺は思ってる
自己満足の域にしか出ない二次創作に作者と読者に優劣なんかつけて何が楽しいんだ

という一個人の意見でした

229 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/17(金) 03:15:57 ID:Sfki5hF8
>228
227のその部分最初皮肉ってんのかとおもったぜ

俺は読むほうが書く側よりも楽だし3行くらいならあとがきはあってもいいと思ってる
まあ作品のあとがきなんて大抵作品にとってプラスにはならんと思うし
俺も読んでないけど

230 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/18(土) 00:53:04 ID:z/a2PV1H
結論

作者サン出来ればあとがきは書かかないでほしい

以上。

231 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/18(土) 09:43:36 ID:01DO/YJ1
書きたい人は書けばいいし、書きたくない人は書かなければいい。
読みたい人は読めばいいし、読みたくない人は読まなければいい。
小説や後書に限らず掲示板への書き込みも同様。
ここってそういう場所でしょ?

232 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/18(土) 11:30:57 ID:9Oh96cX+
ま、作者あってのこのスレだ。
あとがきくらい別にいいだろうが。

233 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/18(土) 16:05:13 ID:rKE7bLZz
SSスレ4にある双子.2の続き
数ヶ月放置してたんで話の流れがわからないと思うんで
興味持ってくれた方はログから読むのを推奨します

234 :双子.3:2007/08/18(土) 16:07:42 ID:rKE7bLZz
 
 白。
 映える色など何一つ無い。物も、人も、自己も希薄にさせるような白が広がっているだけ。
 中心や端っこなどの区別もつかない。上下左右の感覚もない。自分が地に立っているのか、宙に浮いている
のかそれさえも定かではなかった。気味が悪いな、とジュンは一面の白を見渡しながら呟いた。
「それにしても……またこれか」
 と、ジュンは自分の着ている服を見下ろし、諦めの顔で肩を落とす。
 ジュンが着ているのはこの白の世界に酷く不恰好な真っ黒の服。不登校になるまで着ていた中学の制服だっ
た。
 鏡を抜けるといつも強制的に私服からこの制服へと変わる。長らく着ていないせいか、それともろくな思い出しか
浮かばないからか、私服から制服への着心地は妙な抵抗感があった。

 ゙それはジュンの持つジュン自身のイメージね゛

 ふと以前に鏡をくぐり抜けた時の真紅の言葉を思い出した。それの全容は理解出来なかったが言葉の端ぐらいは
察しがつく。認めたくないが真紅の言葉通りということなら、この姿が自分の中での根強いイメージなのだろう。
「ジュン」
「うわぁっ!」
 不意打ちに驚き一歩、その場から飛ぶように後ずさる。声のした方向を振り向けば、解せないといった表情でこちらを
見ている真紅が立っていた。  
「なにをそんなに驚いているの?」
「お、おまえ。いつからそこに!?」
「ジュンがここに来たときからずっといたわ」
 さも当然という真紅の表情にジュンの眼鏡が右側に傾く。右側だけぶれる視界を慌てて直し、ジュンは辺り一面をもう
一度見回した。
 
 白。変化した様子は少しも無い。
 
 明らか戸惑いを見せるジュンを見かねてか、真紅が補足するかのように口を開いた。
「さっきも言ったけれど、私はずっとここにいたわ。ジュンが今さっき私に気付いたのなら、それはその瞬間まで認識しよう
としなかったからでしょうね」 
「認識?」
 真紅は頷き、「ここはそういう世界だから」と付け加える。ジュンとしてはその辺の知識はほぼ無いため、真紅の抽象的な
表現にもただ頷くことしかできない。そもそも理解しようとする好奇心というものもないジュンにとっては、真紅の言葉はただ
難しいものにしか過ぎなかった。

235 :双子.3:2007/08/18(土) 16:11:55 ID:rKE7bLZz
「……で、見せたいものって何だよ」
 真紅からはその一言しか説明されていない。ジュンもここが「9秒前の白」という世界であって、nのフィールドではない
とは何度か来たため知っている。言われるまでもない、と真紅は頷き矢継ぎ早に口を開いた。 
「ええ、開くわ」
「っ!?」
 一瞬。まばたきさえも許さないほどの刹那、白の世界に光が襲った。反射的に眼を閉じ視界を暗転させるが、痛いほど
の光の量が身体を突き抜けるのを感じた。何秒も無い。感じたのは一瞬で、恐るおそると目を開けようとしたら逆に驚愕で
見開いた。
 真紅の言葉が起点かのように、前触れも予測もなく、世界は別世界へと一変、否、すり替わっていた。殺風景以前だった
一部、見上げた場所には雲が出来ていて、真っ青な色が塗りたくされ上下感覚が生まれていた。ふと見下げれば生えそろ
った芝生一面が並んでおり、草の匂いと感触があった。息を呑んでいるジュンをよそに、真紅は迷うことなく芝生を踏み、進む。
つられ、一足遅れてジュンも真紅の後へとついて行った。
 見れば見るほどそこは見覚えのない場所だった。丸みを帯びた地形、緩やかな傾斜を上っているところから山ではなく丘だ
とは何となくわかる。人工的な建物を探そうと見回すが、同じような丘が連なって延々と広がっているだけだった。他の奇怪な
フィールドとは違う、人気がまったく感じられないのを除けば現実感があるまともな場所だ。だというのに言葉では言い表せな
い霧がかったようなもの、さっきまでいた所と同じ虚無的なものがここからは感じられる。
「おい、しん……」
 余計混乱する状況に、せめてここがどこの場所かを聞こうと声をかけた時だった。膝元に軽い衝撃を感じ視線を下ろすと、そ
こには距離一センチもない真紅の背中。慌てて後ずさるが、真紅には何の反応も見受けられない。奇妙に思い彼女の前面を
覗きみると、真紅の視線はある一点に注がれていた。
 そう遠くない肉眼で捉えれるほどの距離、丘の頂上と思われる場所にそびえ立つ一本の大きな木。背景に映っているのは
西洋風の古そうな建物が並んだ大きな街。目を疑う。ジュンが目を疑ったのは無反応な真紅でも、ようやく見つけた現代離れ
した西洋風の建物でもない。恐らく真紅と同じだろうそびえ立つ木の根元、そこにいるのは見覚えるのある、という話どころで
はない。だが何よりも疑ったのはそれじゃない、その隣にいる――人形。袖口の白いブラウス、青いケープに少年がはくような
半ズボン、そして英国の紳士が被るシルクハット。
「あいつは……」
 唾を飲み込んだ。驚きと困惑があった。
 ジュンはそのドールについて無知に等しい。ドールズから説明されたものはあくまでも断片的なもので、実際に関わったのも
極わずかだ。しかし忘れてはいない。あのドールがどういう結末を迎えたか。そしてアリスゲームというものを本当の意味で思
い知らした出来事を。いるはずがなかった。自分もその行く末を見届けたのだから。しかし目の前にある光景はそれを否定し
ている。
 様々な憶測や理由、原因がごちゃごちゃに浮かんで頭が混乱しているジュンを、真紅は無表情のまま一瞥し、そして淡々と
告げた。
「そう。ローゼンメイデン第四ドール、第三ドール翠星石と共に作られた双子の妹……。蒼星石よ」
 そこには無邪気に戯れている翠星石と蒼星石の姿があった。

236 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/18(土) 16:14:28 ID:rKE7bLZz
投下完了
そのまま投下したら長すぎる行とかなんとか・・・で規制されたし
改行したら余計見にくくなった すいません

237 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/18(土) 16:29:35 ID:rKE7bLZz
言い忘れてた
まとめの方、載せるとき面倒なことなんですが、明らか不自然に改行されている所を
直してもらえるとありがたいです。面倒ならばメールでテキストのほうを送ります



238 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/18(土) 18:47:52 ID:VRmLUAGp
GJ。俺も途中まで書いてそのまま放置してるのがあるんだよなぁ
はじめは嘘みたいな勢いで書けたのにいきなり書けなくなってしまった
ちゃんと終わりまで書きたいんだけどな

239 :236:2007/08/18(土) 22:22:58 ID:rKE7bLZz
自己解決しました

ttp://www.geocities.jp/sutehp1/ss.htm

まとめの方 まとめる時はこちらでコピペして頂ければありがたいです

240 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/19(日) 08:52:50 ID:NW7CWeZI
445 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/08/17(金) 13:00:48.93 ID:WKVPhz8yO
銀様=人気者だから嫉妬するアンチが付く
カナリア=単にキャラが糞だからアンチが付く

キム死ね

241 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/19(日) 08:53:54 ID:NW7CWeZI
195 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/08/18(土) 11:45:31 ID:tUA12Ffg
金糸雀って手紙を水浸しにしたり薔薇水晶との戦いで横槍入れたり翠星石に対して何か恨みでもあるんだろうか
翠派の俺としては早く消えてほしい存在だ

197 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/08/18(土) 12:03:07 ID:F6hCC3c+
>>195
禿同
あと原作で真紅から雛苺のローザミスティカを奪おうとしたのも糞ウザかった
何勝手に勘違いして喧嘩売ってんのって感じで

242 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/19(日) 08:55:09 ID:NW7CWeZI
・テンプレ

>>36-38
糞糸雀と糞糸雀ヲタがいかに嫌われてるかの図

>>104,126,172,175-177,192
痛い糞糸雀ヲタの特徴とその典型的な例

>>181
水銀党員からの糞糸雀に対する評価

>>240
水銀燈アンチと糞糸雀アンチの違い

>>241
翠星石・真紅・雛苺ファンからの糞糸雀に対する評価

243 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/19(日) 13:03:51 ID:RG0hNEG/
VIPの方が変なアンチが沸きにくい分
SSがやたら投下されてるようだな

244 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/19(日) 22:47:16 ID:tHtV770H
向こうは金糸雀信者なんか全然いないからな

245 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/20(月) 18:35:14 ID:ijKYMXcA
期待age

246 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/22(水) 23:47:46 ID:ciCcXBZz
過疎ってまつね(´・ω・`)

247 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/22(水) 23:52:01 ID:XuWuomY+
別のSSスレはなんか伸びてんのにな

248 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/23(木) 13:42:06 ID:mD/BHCVu
久々にVIP覗いたら平和な進行だった

VIPの性質を考えると、薔薇乙女を純粋に楽しんでる内容で、他スレと一線を画してる気がしたが

すごい穏やかな気持ちになれた

249 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/24(金) 18:49:10 ID:flNJQJUU
  ∧_∧   
 ( ´・ω・) まったり待ってますよ。投下
 ( つと )  
 と_)_)


250 :少しだけ:2007/08/27(月) 04:16:40 ID:ltefVMoa
ジュンが扉を開けるとそこには、薔薇の蕾に飲み込まれそうな真紅がいた。
「真紅!」ジュンはそう叫びながら真紅に駆け寄る。
「ジュン何故あなたが此処に!?」
真紅は唖然とした。

ジュンを巻き込まないように指輪の誓いを解いたのだが、ジュンが来てしまったのでは意味が無い。
まんまと白薔薇の思惑にはまってしまったのだ。

そんな真紅の胸中などお構い無しで、ジュンが手を伸ばす
「何してる早く手を伸ばせ!」
真紅は辺りを見渡し白薔薇が居ないのを確認するとジュンに言った。
「ジュン早く逃げなさい白薔薇の狙いはあなたなの」

「だからどうしたって言うんだ!僕がお前らを見捨てるわけないだろ?
 だから早く手を伸ばせ飲み込まれるぞ」
出会った頃の彼には絶対に言えなかったであろう
言葉を聞き、真紅の胸の奥が熱くなった。

そして真紅がゆっくりと手を伸ばすとジュンが渾身の力を籠めてその手を引き抜いた。
「きゃあ!」
「いてて」
勢いよく引っ張った為だろう、真紅がジュンの上に重なるように倒れこんだ。

「大丈夫か真紅?」
真紅は服のほこりを払いながら答える
「全く使えない下僕ね、もう少しスマートな助け方は出来ないの?」
ジュンに返ってきたのは来たのはいつもの真紅の言葉だった。

「お前な〜もう少し感謝s
「ジュン、ありがとうあなたが来てくれて本当にうれしかった。
 でもお願いあなたはもう帰って、此処に居たら危険なのだわ」
その口調は優しさに満ち溢れ、心の底から自分の身を
案じているのがジュンにはわかった。

「悪いけどそれは出来ない、もう大切な人を失うのはごめんだ。
 雛苺のように!!」

その言葉を聞き真紅は唖然とした。
「な、なぜあなたがそれを・・・」

ジュンは気持ちを落ち着けるように
一呼吸置いて説明した。
「ベリーベr・・・いや雛苺が僕にすべて教えてくれたんだ」

ジュンポケットからベリーベルが飛び出し頭上をくるくると回っている。
「お前らが僕に心配を掛けない様に、雛苺の事隠してくれていた心遣いも感じた」

そこで一度言葉を区切り、真紅の瞳を見つめる
「僕は気が付いたんだ、自分が何が大事で何をするべきか
 真紅お前たちは、絶対に僕が守ってやる!」

251 :少しだけ:2007/08/27(月) 04:19:09 ID:ltefVMoa
こんなので良かったら次は手直ししてから全部書きます

252 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/27(月) 14:17:57 ID:vXrkkCou
これはひどい

253 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/27(月) 15:18:26 ID:9HISVCwJ
( ゚д゚ )

254 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/27(月) 17:05:12 ID:2XNrc4F0
期待age

255 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/27(月) 18:55:25 ID:XnC22b+p
>>251
キラキーの逆襲に期待

256 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/28(火) 07:38:11 ID:+aeYnitw
   *``・*。
   |   `*。
   ∩    *。
   r@" ̄~@ヽ *。
   /ノリ川ハ川ハ  *。
  ノ从リ呪ー゚ノ从' *。
  ノ从Lξ_iつハ  *。
 ノリ从く_ξ_>⊃从
    し *。+゚
  `・+。*・ ゚
JUMは田代にな〜れ

257 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/28(火) 14:34:18 ID:L+7E+ywd
653 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/08/08(水) 01:10:30 ID:Usbn2XoC
なんか金糸雀党員って水銀燈を嫌ってる人が妙に多い気がする…

654 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/08/08(水) 01:19:50 ID:rA8GUsCh
>>653
最初に完成したのはカナなのに未完成のアレの方が出しゃばってんじゃ嫌いにもなるわ

665 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/08/08(水) 04:33:11 ID:YtKXvNMX
>>654
禿同
3期ではぜひカナの手で糞水銀をジャンクにしてもらいたい

258 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/28(火) 14:35:44 ID:L+7E+ywd
・テンプレ

>>257
金糸雀党員からの水銀燈に対する評価

259 :このスレを見ている人はこんなスレも見ています:2007/08/28(火) 16:27:10 ID:SdFN9A3V
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1185998177/
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1181563422/
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/cchara/1182883472/
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1181392582/
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1186986629/

260 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/08/30(木) 00:33:36 ID:jRC7W8pm
61

RosaMysticaの記憶 届かないAliceの夢 壊れていく 私達はRozen Maiden

キリリリリリリ…。 キリリリリリリ…。

ゼンマイが巻かれる。
にわかに私は感じた。指先の感覚を。ゼンマイが一巻き音を鳴らすたび、宿る記憶と精神を。
  そして  終わりが
    始まるの

This is the end
Beautiful friend
This is the end
My only friend, the end

キリリリリリリ…。音が鳴る。

あなたは、だぁれ?

お父様。

私は、だれ?

Of our elaborate plans, the end 
Of everything that stands, the end
No safety or surprise, the end
I'll never look into your eyes...again

私は…人形。お父様の…最高傑作。
最高の人形師を目指して創られた、最高の人形。私は…お父様に応えなければならない。お父様は…求めている。

…お父様。 きれいな…髪飾り…

261 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/08/30(木) 00:36:47 ID:jRC7W8pm
Can you picture what will be
So limitless and free
Desperately in need...of some...stranger's hand
In a...desperate land

しかしそれでも至高の少女にはなり得ない
…まだ足らない。

足りないものはなに?

これで、ローゼンメイデンより強い人形になったのですね 
             私は、薔薇乙女の第七ドール

Lost in a roman...wilderness of pain
And all the children are insane
All the children are insane
Waiting for the summer rain, yeah

見えるもの全てが薄らいでいく。白い霧に包まれるように…白く霞んでいって…

私は我に還った。
いままで夢をみていたらしい。地べたで寝たまま。
近くで波の打つようのような音が聞こえる。無意識の海?…だとすれぱ、ここは現実世界ではない…
私は近くに大きな水晶が立っているのを見つけ、それに近寄った。…私の水晶?その割には氷の様に透き通っている…
水晶が光りを反射して、そこに私の姿を映した。…私はこんなに白い人形だったっけ…私だけではない。私を取り巻くすべてのものが白だ。
空も地も海もひたすら白色で…区別がつかないほどだった。

…私はその時理解した。
終わったことを。世界で最も美しい人形は終わったことを。
私のたった一人のお父様とはもう二度と会えないことを。
長い年月をかけてきたお父様の望みも私の計画も全て終わった。
何もかもが一つ残らず終わった。
私が服から髪の毛まで全て真っ白になってしまったのは、驚きも安堵もなく私に纏わる全てが終わったから。
私の瞳を見るものはもう誰もいない。
全てが無に帰したこのフィールドで私はありもしない救いの手を死に物狂いで求めて…絶望の荒野で
私は発狂する。私は発狂する。驟雨を待ちながら…

262 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/08/30(木) 00:39:50 ID:jRC7W8pm
「…?私は…くっ」
薄暗い部屋の一室で、ある男が目を開けた。男は現実に見えているものが把握できていないかのように、
しばらく漠然と天井を眺め続けたのち、重そうな体をベッドから起こして部屋の時計を見た。「…午後二時前」
そんな時間帯にまで眠りについていたということが、この男が昨晩ほとんど眠れていなかったことを物語った。
「くそ…また同じところで途切れた」
土曜日の午後二時。本来ならば店を開いていなければならない時間だが、今週からというものの一度も店を開いていない。
何かが…思い出せないが…破綻し、終わった。自分の中の決定的な何かが抜け落ちてしまった。
私の店にはもはや意味を見出せず、また何を創り出しても無駄だ。本能がそれを悟っている。
破壊と再生の循環の枠にすらいきつかない。
ただこうして酒を飲み、食いあさる。
もはや生きている意味すらないのに、私は生かされている。寿命が…既に約束された寿命が、薄っぺらに自分を引き伸ばしていく。
チーズのようだ。私は味のないチーズだ。
何かもっと別のものに伸ばされているような気もするが、私には思い出せない。
無駄に過ごしてきた一日一日が私を攻め立てる。周りを見渡すたびに、壁が迫ってくるようだ…


Fuck.Fuck. ah- yeah.

Fuck. Fuck.

男はパンツ一枚で泥酔し、狂ったように部屋で踊り始めた。

Fuck,Fuck,Fuckfuckfuck yeah , Come on baby , Come on fuck Fuck me,

超えるべき男の顔が、地獄の業火をバックに迫ってくる。闇の仮面をかぶったまま…  来るな!

炎の海が辺りを焼き尽くす…

Fuck yeah! Fuck !


fu , fu. fu , yeah!

Fuck yeaa-h!

頭に血が上り、体のバランスが取れなくなってきた。男はその場でふらふら体をくねらせた。

Come on with me Fuck with me Fuk Fuk,

oa-,wa-,wa-h! yeah fuck yeah you ye come on!

静かに燃える、怒りの赤。
その瞳に対抗すべく拳を振った男だったが、派手にバランスを崩してよろめき、近くの鏡をかち割ってしまった。拳から血が出た。

oh,ah,ah,a-h,!yeah! All Right.

酔いが気分が高め、男はベッドの上をくるくる前転した。シーツに点々と血の跡がこびれつく。
男は血まみれの拳をしばらく眺めたあと、もう一度酒を口に含んだ。半分ほどが口に入り損ねて顎からこぼれ落ちた。

Kill,Kill,Kill,Kill,Kill,kill,Kill

263 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/08/30(木) 00:42:32 ID:jRC7W8pm
ベッドのシーツがすっかり血だらけになり、酔いもピークに達して体が言うことをきかなくなってきた頃、少女の声がした。
「マスター。どうしたのですか」
男は泣き喚くような顔で口を半開きにしたまま、ベッドの脇に寄りかかって酔いつぶれている。
「マスター」少女は男の正面に座り、その手を持った。だが、その声はどこか冷淡だ。
男はようやく答えた。「…酔っている。手を貸してくれ」
少女の背丈は不自然な程小さく、人間の膝上くらいまでしかない。その割りに少女はとりわけ幼女というようにも見えない。
「立ってください」少女が男の手をひっぱると、男は拷問の一撃を受けたような声を吐きながら腰を持ち上げた。
「シャワー室までつれてってくれ。視界が揺らぎすぎて方向感覚がまるでない」
少女は素直に従い、男の手を引きながら廊下を進んでいく。少女の背丈があまりに小さいゆえ、男は手を繋いでいるために
背中を丸めて体勢を低くしなければならない。手を繋いでいないもう片方の手が、壁なり置物なりを掴んでふらふらする体を支えた。
「ドアは私には開けられないので自分で開けてください」ある扉の前にたち、少女が言った。
「ああ…ありがとう」男はまるで視覚障害者のようにドアをペタペタ触りながら手探りで取っ手を探り当てると、
倒れこむようにしてシャワールームに入り、ドアを開けたまま、パンツをきたままの状態でシャワーの冷水を頭から被った。
「あああ、いーっ、ああああああ!」
意識が目覚めると同時に、男は奇声を上げた。

264 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/08/30(木) 00:46:17 ID:jRC7W8pm
63

ジュンがお茶を入れて部屋に入ってきたころ、真紅はどうにか言葉を発すことが出来るくらいには泣き止んできた。
「ありがとう…ジュン」そして真紅は言った。「でも…いまはいらないわ」
ジュンはお茶を床におき、ベッドの真紅の隣に腰掛けた。こういうときどうすればいいのか自分にはわからない。
今までの過去からは信じられないくらい部屋の雰囲気が沈んでいる。
泣き崩れる真紅に、ボロボロな状態でベッドに寄りかかる翠星石。雛苺もそんな姉妹達の姿を見ていると陽気な気持ちではいられないようだ。
何処か逃げてしまいたい、そんな気持ちにすらジュンは襲われた。だが、他に逃げ場などなく、また、帰る場所も他にない。
冒されているのは、紛れもなく自分の空間だったのだ。

真紅は雪華綺晶の言葉を思い出していた。いや…なぜか脳裏に繰り返し響いていた。今もすぐ隣から話し掛けられているかのように。

"あなたの日常は終わった。"…"あなたに纏わること全てが終わろうとしている…真っ白に…アリスは真っ白だ"

真紅にとってそれは悪魔の囁きのようだった。自分の中で最も大切な…姉妹との日常。大して変わりのない毎日こそが彼女の宝だった。
それを雪華綺晶は終わったと言う。アリスゲームに否応なく容赦なく姉妹を巻き込む宣言にすらそれは聞こえた。
全ての終焉の先に、アリスがあるというのか。
戦わなければならない、雪華綺晶と。真紅は思った。アリスゲームを戦うという意味ではない。

私なりの方法でアリスゲームを終わらすための戦い。

彼女のやり方を全否定する戦いではなく…ただひたすら、自分なりのやり方を突き通す為の戦いを。

雪華綺晶のやり方。雪華綺晶が…とるアリスになろうとする方法。それがアリスゲームとは別な方法なのはもう分かった。
そしてそれがお父様のいう"アリスゲーム以外の方法"に関係していることも分かっている。

その彼女が"ローザミスティカをいらない"といったのだから、別の方法は姉妹同士戦う必要はない…そうあってほしいと真紅は思った。
だが悲しいことに雪華綺晶のとった行動は全くそれとは違っていた。首を切り取り、姉妹の前に見せしめるあれは不必要な
暴力性の筈だったのと同時に…私達の真の存在意義を問いただしているようにも見えた。

「ねえ…ジュン」真紅は不安げに聞く。「究極の少女アリスの為には、やはりそれ相応の犠牲や苦労が…必要なのかしら…
いままでのように毎日姉妹と平穏な日常を過ごしていても…そんな者にアリスになる資格なんて、やっぱりないのかもしれない」
「どうしたんだよ急に…」ジュンは頭を悩ませた。「お前はお前のやり方でアリスゲームを終わらすんだろう…?
僕は僕なりにお前を手伝うつもりではいる。でも、おまえ自身がその考えを曲げてしまったら何もかもおしまいじゃないか…」
真紅は急にジュンが頼もしく見えた。「…そうね。ジュン」
私は戦い続ける。雪華綺晶がどんなことを提示してこようと…それが真実だろうと…私には私のやり方がある。
「あの七体目…」ジュンは静か聞いてきた。「おまえはどうするつもりなんだ…?」
「ローザミスティカを奪うつもりはないけれど、あの七体目、ただで済ます訳はいかないわね。姉としてきつく躾けてやるわよ」
真紅は微笑みながら回答すると、ジュンは彼女がいつもの調子を取り戻しつつあることを感じて安心した。「…そうか。」
もう一度雪華綺晶と話がしたい。真紅は思った。あの時の質問に答えてやりたい。私達の日常が本当に空虚なのかを。
「真紅…その」ジュンは少し恥ずかしげに、鼻を人指し指でかきながら言った。「服がぼろぼろになってるから…その」
ジュンのもどかしさを一掃するように、真紅は笑って言った。「直してくれるのね。ジュン」そして何の躊躇もなく服を脱ぎ出す。
慌ててジュンは目を逸らした。「あと、翠星石のぶんも…一日がかりになりそうだけど」

265 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/08/30(木) 00:51:59 ID:jRC7W8pm
64

廃れた教会からすぐ近くのめぐの病院までの間を、水銀燈は猛スピードで飛んでいた。疲労が極まりつつある。

"意思の純粋さです…お姉さま。恐怖、それすらも友とし目指すものがある…あなたの心は純粋…夢のように白い −"

雪華綺晶の声が水銀燈の脳裏に響いてくる。「…うるさいわ!」水銀燈は周りに誰もいないのに耳を塞いでいた。
第七ドールのローザミスティカと、第二ドールのローザミスティカに、第四ドールのローザミスティカを水銀燈は手に入れた。
合計すると4つ。あと三つでアリスになれる。

第七ドールのローザミスティカは今自分にあるのだから、第七はもうジャンクになっているはずだった。
だが、…彼女はまだいる。水銀燈ははっきりと感じることが出来た。いまも見られている気がする。
第七ドールは私のマスターを欲しがっているらしい。…めぐの所に急がなければ。

靴の着地音を立てて、水銀燈は病院の窓のふちに降り立った。
ベッドで寝込んでいるめぐの姿を確認する。次に以前雪華綺晶の現れた鏡に目を走らす。何もない。
水銀燈は安堵の息をついた。
ところがいざ落ち着ついてからめぐの姿を見てみると、だいぶ衰弱しきっている様子に水銀燈は気付いた。
さっき、一時間近くもアリスゲームを続けていたからだ…あんなにも長いアリスゲームはいままで経験したことがなかった。
「水銀燈…」めぐが急に体を動かし、呼吸器を口から取って言った。「アリスゲームは終わったの?」
少し驚きながら、水銀燈は答えた。「そんなところね」
「私、本当に今日という今日は死ぬのかな、って思ったのよ」めぐの声は弱々しい。「これまでにないくらい指輪が熱くなって、
ずっとそれが30分くらい続いて…こんなこと一度もなかった…でも」めぐは自分の手のひらを見た。「…まだ生きているのね…」
めぐは水銀燈の顔を見ながら質問した。「ねぇ、本当に私死にかけていたのよ。その時どんなことが見えたとおもう?」
「…しらないわ」
「私はね、精一杯空を想像したの。自由で、何処までも広がる…制限のない自由。それからそんな空の世界での生活はどんなものだろう
と思い描いていたわ。別世界へ運ばれる瞬間の感覚に全身を研ぎ澄ませながら…。でもその時私知らないうちに随分と苦しげに声を
あげてたみたい。駆け寄ってきた看護婦に呼吸器あてられてすぐに現実に戻されたわ」
言っているうち、めぐは水銀燈の姿の異変に気付いた。「水銀燈…ないていたの?」
「え」
水銀燈は雪華綺晶との約束事を不安に思って急いでここに来る余り、先程流した涙の跡が頬に残っていたのに気付かなかった。
「べ、別に」水銀燈は左手で頬を拭いた。「大したことじゃないわよ」
「…そう」めぐはあっけらかんとした顔をしている。

めぐの声を聞いていると、不思議な感覚と共に体が癒されていくのを水銀燈はまた感じた。
それと、この瞬間がとても大事なように思えてしまう錯覚。
でも、めぐは残りの余命が二週間程度とされている。遂に持ち病の極点が来ているらしい。それは三ヶ月も前から予測されていて、
最近になってめぐ自身がそれを盗み聞きしたのだとか。
…今回のアリスゲームで、さらに余命を縮めてしまったかもしれない、そう思った水銀燈の胸の中では何かが押し潰されるような
感じがした。
「死後の世界を信じている人は少ないけれど」めぐが唐突に再び口を開いた。「私にとってはそれを考えることが数少ない楽しみで、
生きがいなの。ふふ、笑っちゃうでしょ。そんなことでしか生きていることを楽しめない、ポンコツな子。
だって、今いるこの世界よりずっと魅力的な世界なんだもん。水銀燈は考えたことがある?
真っ白な海に浮く透けたクリスタルで出来た船。そこに人が沢山乗っているの。もうこれ以上船にのせられないってくらいに。
彼らは船の上で列を作って…出港を待っている。あの人たちはどいつもこいつも同じ行く先を持っているの。死という行く先をね。
私もその中にいる…でも、そこに天使さん…そう水銀燈が現れると、私は人々の列を抜け出して、水銀燈に私だけ連れて行って貰うの。
そして他の人間達とは違う行き先へと導かれる…」
めぐだけ人形によって命を奪われるという、並の人間とは違う死に方をするという意味か。水銀燈はため息をついた。
よくそこまで想像を膨らませるものだ。…確かにめぐにはそういうことを考えることでしか退屈で無意味な時間をすごす方法がないのだろう。
「あなたの望むような死に方が出来るかはまだわからないわ」水銀燈は冷淡に言った。…めぐ。私はあなたを…

油断はできない。雪華綺晶はまだ生きている。

266 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/08/30(木) 00:56:52 ID:jRC7W8pm
65

ローザミスティカの輝きが見える。ピンク色の…輝き。闇の中心で光っている。
だがその輝きは周囲の闇に汚染されたがごとく、邪悪な緑色へと染まっていった。
ローザミスティカは力を失い、闇の底へと重力に引かれて落ちていく。地面には…漆黒のドレスと逆十字を身に包んだ醜いドールがいた…
体が真っ二つに割れて…闇の地面を這っている。何かにとり憑かれたように、それは地面に落ちたローザミスティカを目指して這う…
ゆっくりと…カタツムリのようだ…瞳を赤色の光らせて…そいつはローザミスティカを喰らった。

"悪夢です、それはあなたの見た悪夢。双子の妹は殺された。その第一ドールに…そして彼女は手に入れた"

ローザミスティカを地べたで必死に喰らうドール…目を赤く光らせて…まるでネズミだ…指先まで口の中に入れて…頬袋が膨らんでいる
ところがその時、周囲の闇が一転して白色に変わった。清清しいほどに白色に…私は明暗の急激な変化にめまいと吐き気を覚えた。
彼女は凛凛しい身なりをして立ち上がる。真っ二つになっていたはずの体は今では堂々と繋がっている。
炎が…目よりも奥で…見えない…赤黒い炎が上がるのを私は感じました。
何処からともなく、白い空間の中に真紅が現れた。そうだ…真紅と水銀燈…この二人は決裂している。真紅、そこの水銀燈をやっつけて!
やがて水銀燈の方が口を開いた。
"ねぇ、真紅、私を見て。私、あの薔薇水晶に壊されたあと、お父様にお腹も含めて直してもらったのよ"

…そんなばかな。お父様が…お父様がなぜお前みたいなドールを…それじゃあ私の…私の蒼星石はどうなったの?
次に真紅が言う。
"良かった!お父様の愛なのだわ。本当に良かった!"
真紅と水銀燈は、まるで仲直りしたかのように笑顔を交し合っている。

…どうして?私は目を疑った。ありえない。私の蒼星石は?

「私の…!」
翠星石は起き上がり、口走りながら天井を見つめたあと、すぐにむせた。
ジュンと雛苺がとっさに視界に入ってくる。「…人間。チビ苺。ここはどこです!?」
「翠星石!よかった目を覚ました。ここは僕の家だよ」
「ジュンの家?」翠星石はあたりを見回した。「蒼星石はどこ?あの水銀燈はどこです?」
的確すぎる質問にジュンは一突きにされた。「その…いまは、いないけど…」
翠星石は、自分の体が下着だけの状態になっていることに気付いたが、それ以上に強烈な感情が心の中を支配していた。
「もっかい水銀燈にあわせるです、私は、必ず水銀燈を真っ二つにして、蒼星石のローザミスティカを取り戻してやるのですぅ!」
「お、落ち着けよ…」ジュンが両手を上げた。「まだお前の体はそれどころじゃないから…その、服、直したから、まずは着よう。な?」
「そうよ。気持ちは分かるけど…まずは休むべきなのだわ。翠星石」
真紅の声がすると、翠星石は恐ろしげな視線を真紅に向けた。「真紅…真紅…」
「?」真紅は不思議そうな顔で翠星石を見返した。
「水銀燈と、何があったですか?」
「!?」真紅は目を見開いた。それから、返すべき言葉に困った。
すると横で雛苺が、明るい声で言った。「真紅と水銀燈は、仲直りしたのー!もう二人で喧嘩したりしないの。
今度二人で紅茶飲むって、約束もしてたの!」
「ひ、雛苺…」真紅は息を呑んだ。喜ばしいことではあったが、話すには場とタイミングを間違っている。
翠星石は信じられないという顔をしてしばらく真紅を見つめていたが、やがて絶望へと変わった。
みんなに裏切られた気がした。蒼星石のローザミスティカが奪われたというのに水銀燈と仲直り?
一体どういう流れだったのか想像もつかない。急に身の切られるような孤独感が翠星石を襲った。心の拠り所を失った気がした。
「ひ…ひっ…」翠星石は泣いた。どうしようもなく涙が流れた。
ジュンから乱暴に自分の服を奪い、涙を流しながら翠星石は自分の鞄を手に取ると、部屋から出て階段を下った。
「翠星石!」後ろで真紅の声がしたが、止まる気は毛頭なかった。
階段を降り終え、廊下を進んで一番奥の部屋へと入る。物置部屋だ。大きな鏡が翠星石を迎える。
翠星石は、追っ手がきてしまう前に鏡の中へと飛び込んだ。

午後七時26分のことだった。

267 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/30(木) 06:35:21 ID:WLyLWaVv
ウホッ、乙です

268 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/30(木) 19:12:01 ID:LUYT/y3S
カナが出てこないんじゃ見る価値ないな

269 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/30(木) 21:52:37 ID:qcoj/UaM
>>260-266
久々の投下GJ!
翠星石の運命やいかに!?

>>268
死ね糞金糸雀信者

270 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/08/31(金) 19:07:45 ID:qYL95/KY



  ┌─‐「][]             _,ィ ´ ̄`ヽ、
    ̄ ̄} |       _      /:.ゝ-─‐<>
   r─' ノ       「Y {´ ̄`ン':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}{
     ̄        Lハj_, ィ'´⌒⌒ヽ、:.:.:.ィ、ハ
   [[] 「}     _/∠二ニニニ¬、_ハ:.:.:.ヽヽ',
    rー'_ノ      //´ 了~~~⌒~`ヽ.弋゙Tl:.:.:.:_j」 l
           { {   {        j} }士ぅ'´:.:_〉|
          い、__ >、___ __, ィ人 ヽく_:./:.〉ゝ
   ィ ⌒ >'/  い 〉~~〉T~~T<   ヽハ 〈_:.く
  (    _ イ    `7  ハ⊥__j_i___〉  ,}イ 〈_/
  (       _)    ハ__厶>ー‐一_7  /´
  ゝ ___,ノ    /ーY):::ノ ` ̄´厶.、/_
            {::::::::/     /⌒ー'::::::}
              ̄´     {:::::::::;: ィ´


271 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/01(土) 23:03:55 ID:NDPlNhdd
期待age

272 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/02(日) 00:12:06 ID:gwp0og+z
66

「翠星石!待ちなさい!翠星石!どこなの?」
翠星石を追ってnのフィールドへと飛び込んだ真紅は、闇に浮かぶく数々の扉に目を配らせながら翠星石の姿を探していた。
何処にもいない。速い…。完全に見失ってしまった。「はぁ、まったく…」真紅は疲れたように息を吐いた。
あとで雛苺に説教しないと…場の空気ってものがあるのよ!
思い詰めながら探索を続けていると、不意に何処からか奇妙な歌声が聞こえてきた。

"The killer awoke before dawn, he put his boots on"

いきなり"キラー"…人殺しという単語が響いたので、思わず真紅はステッキを握って身構えた。「誰!?」

"He took a face from the ancient gallery
And he walked on down the hall
He went into the room where his sister lived, and...then he
Paid a visit to his brother, and then he .."

自分を狙っている者がいる。真紅は鋭い瞳であたり一面の闇をにらみつけた。「出てきなさい!」

"He walked on down the hall, and
And he came to a door...and he looked inside "

「…雪華綺晶ね。出てきなさい。もうあなたということはもう分かったわ」
名前を言われた相手は依然姿を現すことなく、歌を続けていた。

"Father?  yes,son? I want to kill you
"Mother?...I want to..."

その痛烈な歌詞に真紅は顔をしかめた。「やっぱりあなたはどうかしてるわ」

「さあ…おいで…私と一緒に…やってしまえ」
歌を続けながら、ある扉から乗り出すようにして雪華綺晶が顔を出した。「青いバスに乗って私と一緒に行きましょう」

「翠星石に手を出したんじゃないでしょうね」真紅は雪華綺晶にあまり優しいとはいえない視線を送って聞いた。
「あら…いつも一緒なのに。どうかなされたの?」
「とぼけているのだとしたら本当にタダじゃおかないわよ」
「私を殺すの?」
真紅は前からも思っていたが、雪華綺晶はジャンクと言わずに生けるとか殺すという表現を使っている。
「あなたを1インチも動けない状態にして、嫌というほど話をしてやるわ」

273 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/02(日) 00:13:17 ID:gwp0og+z
「…果たしてあなたにそれができるでしょうか」
雪華綺晶は、扉の上から下に手を伸ばして取っ手を掴むと、引っ張って扉を開けた。「あなたのお探しのお姉さまならここなのでは?」
真紅は扉の中を見た。暗い部屋が映っている。その部屋の壁際で、暗い顔をして座り込んでいる翠星石がいた。
その部屋がどこであるのかも、真紅にはすぐに分かった。柴崎時計店 − 蒼星石のマスターの家だ。
「…翠星石!ああ」
真紅は扉の中の光景にしばし釘付けになったあと、努めて冷静さを装いながら雪華綺晶に警告の視線を送った。
「やはりあなたは見ていたのね?」
雪華綺晶はドアに乗っかったまま不穏な笑みを見せた。
「"人殺しはある扉の前で立ち止まり…中を覗いた"」
「私をおちょくっていられるのも今のうちよ」
「…闇の奥。私は吸い込まれていく。次元を超えた、緩やかな波に誘われて…」
台詞の通り、彼女の姿が蜃気楼のように揺らぎ始めて闇に溶け込んでいく。
「待ちなさい!」真紅は雪華綺晶に迫り、覇気迫る声で言う。「私はあなたに話すことがある!」
すると雪華綺晶は目を大きく開き、より大きく不気味な笑みを作った。
「そう。私も…私もお姉さまとはまだ話したいことがある。でもいまそれは難しくなりました。話すには時と場がある。そうでしょう?
お姉さま」
真紅はさっきの雛苺の発言のことを思い出し、口元を噛んだ。恐らくそのことに引っ掛けて言ってきているに違いない。
ついさっきのことなのに、雪華綺晶は既に知っている。
何もかも見られていて、…あの白いドールに日常が吸い込まれていく。そんな気がした。
「…今がその話をする時よ!」
真紅は大声で言い、手から花弁を放った。それは手裏剣の様に雪華綺晶を目掛けて飛んでいったが、着弾する前に彼女は闇の中へと消えた。
そしてまた以前のように、姿は消えたというのに、雪華綺晶の声があたり一面に響く不気味さを真紅は味わっていた。

"怒り。あなたは私に怒りを向けていた。その瞳が…私はその瞳を持たない。…私は微笑む。彼らは友だから…やがて媒介に変わる"

真紅は途方に暮れた。
会う度に精神が参ってしまう。

本来の目的を思い出すと、真紅は目前で開けっ放しの扉の中を見た。壁際に座って一人考え込んでいる翠星石。
彼女と話さなければ。意を決し、扉の中へと入っていく途中、真紅は自ら雪華綺晶の用意した罠に飛び込んでいくような感覚を覚えた。
それは…これからする翠星石との会話もまた雪華綺晶に知られる事実にあるのだろうが…

274 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/02(日) 00:20:26 ID:gwp0og+z
67

柴崎時計店にあるガラスケースの一面が光りを発し、そこから真紅が時計店の中へと入ってきた。
部屋が暗いところを見ると、店主の人は既に眠りについているらしく、翠星石は無断で入ってきてしまっているらしい。
真紅は彼女に声を掛けた。「翠星石…」
ゆっくりと顔を上げた翠星石の瞳はまるで死人のようだった。
真紅は一端深呼吸すると、、語りかけた。「翠星石。私は…」
「私のローザミスティカを奪いにでもきたですか」翠星石が真紅の言葉を切り、その先を自分の言葉で補った。
そんな言葉が返ってくるとは真紅は思いもしなかった。「そんな…そんな筈…あるわけがないわ」
翠星石は視線を地面に落とした。「今になって水銀燈と手を組んで、私達のローザミスティカを一気に集める戦略ですか?
本物の第七ドールが姿を現したですしね…私達はずっと騙されていたのです」
「翠星石?」真紅は、一体自分が何を言われているのか分かっていない様子だ。
翠星石の隣に寄り、座って彼女の肩に手をかける。「翠星石どうしたの?あなたなんかちょっとヘンよ」
「触るなです!」翠星石は真紅の手を払った。「ヘンなのは真紅の方です! − 今まで、…私は信じていたのに!
やっぱり真紅は…私とは違うところがあったのです。私は − アリスになれなくても良かった。お父様に会えなくても…
そりゃ大好きですが…でも、真紅はやっぱりアリスになることを望んでいたのです。そこを除いてはほとんど私と真紅は同じ
考えでした。姉妹は失いたくないし…傷つけあいたくもない。けど真紅は…アリスになりたい気持ちが強くなったら!?
私は割り捨ててました。でも、あなたは違ったのです。気持ちが釣りあわなくなったとき、どうするのでしょうね…?
水銀燈を仲間に連れ込むのが一番なのですぅ!」
翠星石の口からは、まるでどす黒い憎悪の塊が噴出されているようであった。
彼女にとって真紅は同じアリスゲームを否定する考えを持ったドールであり、またその台頭でもあり事実みんなを守ってくれる
信頼できるドールであることは翠星石はよく分かっていた。…よく分かっていたのに、こんなことを言った。
それは真紅が急に疑わしくなってしまったからではない。
…翠星石には、普段から真紅に対して自分でも気付かないような些細な…劣等感と嫉妬を感じていた。
それが知れずと溜まり、いま放出された。
自分と同じ、アリスの為に戦わないドールのはずなのに、翠星石には真紅が水銀燈や妹の蒼星石より遥かにアリスに相応しく
見えていたのだ。真紅がアリスとなり、お父様に会うのだろうという…根拠もない先入観と嫉妬があった。
勿論、そんなことは普段の日常生活では全く気にならなかった。翠星石はアリスになれなくてもいいと決めていたのだから。
…しかし、いまは違う。大事な妹を失くした。それを奪った張本人の水銀燈と和平する真紅。真紅がそういう人物に見えた途端、
普段見えなかった心の闇が…嫉妬が…一挙に翠星石の中で爆発したのだった。

「…ごめんなさいです。真紅」
ひとしきり言い終えたあと、翠星石は謝った。「真紅が水銀燈と仲を直した理由だって…本当は私にだって分かってるですよ…
真紅は水銀燈との間に開いた溝を埋めたがっていたし…何より、姉妹で憎しみあう戦いだけはしたくなかった。だから真紅は…
でも、お願いです、真紅。…少し一人にしてほしいのです。私の気持ちの整理がつかないのです。蒼星石のローザミスティカを
奪った水銀燈と私が…果たしてやってけるのでしょうか?私は奴を許すことが出来るのでしょうか?それは私の問題なのです。
だからしばらく、置いて欲しいのです」
真紅は、翠星石が話している間をずっと黙していが、やがて翠星石の言う通りにする考えを示した。「…わかったわ」
あるいは、急に吐かれた翠星石の黒い言葉の迫力に圧倒されて言うとおりにせざるをえなかったのかもしれない。
「分かった。翠星石…私は今日は帰るわ。でも、気をつけて。第七ドールの雪華綺晶が近くのフィールドをうろついている。
きっとあなたをどこからか見ているわ。もしあのドールがあなたに近づいてきたら、…危なく感じたら、私の元に来て。ただし、
nのフィールドは通らずに、現実世界の経路で。いい?」
翠星石は遠慮気にうなづいた。「…ありがとうです、真紅」

275 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 00:22:15 ID:U5fZEz+0
相変わらず大作仕立てでいいな

276 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/02(日) 00:27:45 ID:gwp0og+z
68

真紅がジュンの家の鏡から帰ってきたとき、ジュンが既にそこに立っていた。
「…真紅、翠星石は?」
彼女は首を横に振った。「…しばらく、一人で考えさせてほしい、だって…」
「そうか…」
「…心配だわ」真紅は言う。「なんかとても大きな不安があるの。特に第七ドールが自ら私に翠星石の居場所を教えてきたところ
あたりが…。今度は何をするつもりなのかしら、あの白薔薇…」
「ジュン…ジュン…」ジュンの足元で雛苺が唸っていた。「ヒナが翠星石を傷つけちゃったの?ヒナが…」
「そんな気にすることはないわ。雛苺」真紅が彼女に歩きよった。「いずれ通らなくてはならない道だったのですもの。
水銀燈が蒼星石のローザミスティカを奪ってしまった時点で…波紋は姉妹全てを巻き込むものだったの」
真紅は言い、そのまま雛苺の横を通り過ぎていく。
「さ、そろそろ夕食の時間だわ。悩み続けるよりは皆で食事を取るほうがいいこともあってよ」
「ただいまー!」まさにその時、ジュンの姉 − のりの声がした。「遅くなってゴメンねぇみんな。部活のあと買い物に行ってて…」
「お帰りなさい、のり」
「ノリー!おかえりなのー!」
「…おかえり」
「ただいまぁ、みんな」のりは笑顔でみんなに応じたが、すぐに驚きに変わった。「ジュン君あなたどどどどうしたのその格好!?
しししししし真珠湾帰り!?」
「なにいってんだよ姉ちゃん…」
ジュンは、昼頃にドール達のアリスゲームに巻き込まれ、傷だらけになっていた。水銀燈の羽が刺さって出血した箇所もある。
「…僕なら大丈夫さ」
「何処が大丈夫なの!?」のりは勢い良く靴を脱ぎ、家に上がってジュンに迫った。「やだ!一体なんなのこの傷?いたそう!
ピストルに撃たれたみたいじゃない!ホントに何してたの?真紅ちゃん達と市街戦ごっこ?」
そんなところだよ!ジュンは思わずそう答えそうになった。確かにその通りだ。ただし、人形とはいえ命を掛けた市街戦なだけだ…。
のりはまだ、薔薇乙女達が戦う運命にあることを知らない。そして、ジュンはそれを言い出せないでいた。
…教える時はもしかしたら近いのかもしれない。突然そんな予感をジュンは感じた。
そんなジュンの心情をまるで悟ったかのように、真紅は暗い顔をして一人息を吐くと一人でリビングへと歩いていった。
「ジュン、明日病院に行きなさい。こんな傷…」
のりが言う。
「ええ!?そんないいよー!大したことないっつーのブス姉!」
「ダメよ!このかすり傷とも切り傷とも形容しがたいこのえぐる様な傷!凄く痛そう。何かとんでもない病気の前兆なのかも
そのまま放っていたら大変なことになりますよかも!?」
「なんともなりませんー!」
「ダメ。絶対ダメ!」
ジュンの手をおさえ、真っ直ぐにジュンの瞳を見るのり。ジュンは困ったように視線をあちこちに走らせた。
「姉ちゃんと約束して?ね?ジュン君」
のりにとって、確かにジュンの傷は放ってはおけないほど痛々しいものに見えていたのだが、
他にもジュンを病院に連れて行きたい理由があった。少しでも外の世界に触れさせたいのだ。
「…」ジュンは考えた。いわれてみれば、…確かに自分の体の傷は想像以上に重いものなのかもしれない。
水銀燈の羽に動脈を貫かれたかもしれないし、真紅の花弁攻撃に巻き込まれて壁に叩きつけられたし…思い出してくるうち、
実際に体の至る所がじわじわと痛み出してくるような気がした。
「…今日は寝る。明日の朝も体が痛むようなら、行くよ…」
のりにとっては、その答えで十分だった。「少しでも痛むなら、ちゃんと姉ちゃんに言うのよ?」
「わーい、ビョーイン!、ビョーイン!」
二人の足元で雛苺が騒いだ。
「びょーいん?そこはどんなとこ?」
「…お前だけは絶対つれてけない所さ」

「あれ?翠星石ちゃんは?」
のりは、リビングに入るなり緑のドレスを纏う翠星石の姿が見当たらないことに気付いたようだった。
「ちょっと今日は蒼星石のマスターの元へ言っているわ」
ソファーに足を揃えて座ったまま、真紅が答えた。「軽く姉妹喧嘩をしてしまって」
「そうなの…」のりは悲しげに買い物袋を持つ手を下げた。「花丸ハンバーグの材料、せっかく五人分買ってきたのに…
また今度にしましょぅか。…やっぱりこれはみんなで楽しく食べたいものね」
のりは冷蔵庫を開ける。「他に夕飯をつくれそうなものは…っと」

277 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/02(日) 00:33:13 ID:gwp0og+z
69

   午後8時5分  有栖川大学病院

すっかり空が暗くなってしまった頃、水銀燈は病院の窓のふちに立ってベッドで寝静まっているめぐを見下ろしていた。
あと一時間ほどで…寝ないとまずい。
彼女はいまどんな夢を見ているのだろうか?水銀燈はぼんやり考えた。人の夢はあまりに断片的で、多様なもの。
いまも死後の世界とやらを夢見ているのだろうか。
…わからない。めぐが本当に望むことは何なのか…。生きたいという気持ちは、本当にこの人間にはないというの?

そんなことをとりとめもなく考えている時だった。
病室の中の鏡が光り輝き、その奥から囁くような声が響いてくる。

"その少女が望むものは、優しい嘘でも微笑みでもなく、また独り死を試みる夜でもない…"

雪華綺晶の声だ。水銀燈は目を細めて部屋の鏡を見た。
第七ドールは鏡の中のnのフィールドで、あるドアの上部に半身乗り出したような状態で水銀燈側の世界に呼びかけている。
「ごきげんよう…お姉さま」
水銀燈は冷静に言い返した。「あら…遅かったわねぇ…待ちくたびれてたわぁ」
雪華綺晶はニコリと笑う。「昼に顔を出したら…その人間の心臓に悪いでしょう?」
水銀燈は肩をすくめて言った。「それは親切にどうもねぇ…あるいは、迂闊に昼に顔を出して人間に見つかりにでもしたら
お化けが出る鏡だと怖がられて壊されちゃうかもしれないしねぇ」
そして文字通り亡霊を見るような顔つきで雪華綺晶を見る。「よく生きていたわね、七体目」
「物質世界に縛られないことでアリスに届こうとしたこの身は」
雪華綺晶は胸の前で腕を交差させ、自分の体を見つめた。「物質世界に存在するローザミスティカに
依存してはならない身であるのです…たとえローザミスティカが物質世界を超えた、エーテルの力を…
生命の感覚を…強く持っていたとしても…ならなかったのです。だから…」
水銀燈は訝しげに雪華綺晶を見つめていた。「なんか、あなた眠そうね」
そういわれると彼女は言葉を切り、顔を落として鼻のあたりを触った。人が目の疲れを紛らわそうとするそれに近い。
「…約束の刻です、お姉さま。あなたのマスターを私に下さい」
雪華綺晶のその言葉を待っていたかのように、水銀燈は急に笑い飛ばした。「ははは!いったでしょう?取れるものならくれてやるって」
右手の指を折り曲げてこっちに来るように素振りで示す。「あなた、こっちにはこれないんでしょう?哀れなジャンクだこと!」

雪華綺晶は伐採されて倒れる大木の如く首を横に折り曲げた。
「ほらぁ」水銀燈は続ける。「こないの?七体目。さっさときなさいよ!」
「ああ…かわいそうな雪華綺晶!」雪華綺晶は悲しく歌うようにして自分で言った。「ひどいお姉さま!魂を捧げた私を
誰が見届けてくれるのでしょう。コック・ロビン?誰が見届けてくれるの?雪華綺晶?」
「あなぁたがおばかさんなだけじゃなぁーい!」ありったけの滑稽を込めて、水銀燈は彼女を笑った。「昨日になっていきなり現れて
天衣無縫に暴れては自分のローザミスティカをみすみすライバルの姉妹に譲って代わりにマスターを下さいですって?」
マシンガンのように喋る水銀燈の言葉をききながら、雪華綺晶少しつまらなそうに口を噤んだ。
「はっ…まったく、相手にしてらんないわ、私の前から消えなさぁい!」水銀燈は言い切ると、しっしといなくなるよう手で示した。

長い沈黙が続いた。

278 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/02(日) 00:40:14 ID:gwp0og+z
「正直に言いましょう…お姉さま」雪華綺晶が唐突に沈黙を破った。「正直に。あなたは、強い…しかし、真紅には勝てないと私は
思っている」
まるでコンプレックス部分の急所を突いてくるような言葉に水銀燈は敵意を全開にした。
「なんですって?」
「いまの水銀燈では、真紅を倒すことはできない。お姉さまはもう一度真紅に負けるのです」
露骨に怒りを露にして水銀燈は雪華綺晶を睨み付ける。
「この私が、真紅如きを倒せない筈がない!」
雪華綺晶は人指し指を口に沿え、水銀燈に静かになるよう促した。「可哀想な水銀燈、かつてあなたには味方がいなかった。
たったの一人も。心という名のガラスの壁を自分の周りに築き、ガラス越しに見えるもの全てを敵視してきました。世界は、
敵だらけになっていきます…いま、そのガラスの壁が打ち砕かれた。…分かりますか?私にはみえます、愛しい水銀燈。
五番目のドールは、あなたの心につけ込んできます…。あなたは負ける」
今にも噛み付きそうな視線で、水銀燈は鏡の中の雪華綺晶を睨み続けている。
「第七ドールを通してのみ」雪華綺晶は闇に浮くドアから離れ、水銀燈の病室と繋がる鏡の面に近づいてきた。「真紅を…
いえ、どの薔薇乙女ですら敵わない力をあなたは手にすることが出来るのです。もしお姉さまのマスターをいま私に下さるならば、
私はお姉さまにその力を喜んで授けましょう。それに、− 」一瞬不穏に笑い、雪華綺晶は続ける。「それに、ローザミスティカを集め、
至高の少女アリスになろうとするあなたにとってその欠落少女は枷でしかない。もはやそれ以 − 」

279 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/02(日) 00:43:02 ID:gwp0og+z
「黙りなさい!」水銀燈の怒りは遂に沸点に達した。「調子に乗ってんじゃないわよ、七体目!あなたのようなジャンクにめぐを
欠陥と呼ぶ権利などありはしない。あなたを根拠もなしに私は虚無にあなたをジャンクと呼んだ訳じゃないのよ。分かる?七体目。
自分を見つめてみなさいよ!あなたのローザミスティカは今私の中にある。ローザミスティカがないドールなど、薔薇乙女でも
なんでもない、ただのジャンク。あなたは欠陥どころか屍なの。ただの屍。ネズミすら素通りする、実体のない屍。
お父様が今のあなたを見ていると思う?アリスに一番近いのはこの私!お父様は私をみて下さっている。あなた等もう見向きもしない」
「お父様は誰の一人とすら見ていない!」雪華綺晶もまた怒り出したようだった。「お父様に見られたが最後でしてよ!
私はお父様から姿を隠し続けてきた。アリスに届かなかった自身の姿を見せるのですか?本当のアリスゲームは始まり、
終わりへと近づいている。終わりのとき、全てのマテリアルが集う。呪いとも死の巻き添えだとも神の裏切りとでも何とでも
言い表すがいいでしょう!あなた方は薔薇水晶に壊され、お父様に直された。お父様はあなた方に告げた。
"もう一度アリスを目指しなさい、けどアリスゲームだけがアリスになる方法じゃない"。譲りの言葉です!
真紅の媒介がそうした!私はすぐにその場から逃げました。お父様はアリスを諦め始めたのです!」
「お父様は"真紅に"諦めているだけよ!」水銀燈が反論する。「私にアリスになることを期待し、私を直して下さった。
私はアリゲーム以外の方法などに興味はないし、これからもアリスゲームを続ける。真紅には少し借りがあるけれど、
だからこそ真紅は私の手で必ずジャンクにしてやるわ。そして全てのローザミスティカを集めて私はアリスになる!」
「いまのあなたでは真紅に負ける!」獣の如く雪華綺晶の口調が強まる。「水銀燈、あなたは自身がカビだらけになっていることに
気付いていない。死に憑かれたあなたのマスターの無意識の海の病んだ領海から薔薇の契約を以ってあなたは甘味な毒を吸い上げ、心に
溜め込んでいる。咲く花は?美しい黒薔薇でも何でもない、毒ダミの花が咲くでしょう。光のないところで、死の悪臭を放っている!」
そこまで言うと、雪華綺晶は自分を押さえ込むように一度顔を水銀燈から逸らし、しばらくしてからともう一度語り始めた。
「愛しい水銀燈、私はあなたに怒りを覚えたのでない。組み立てては、壊される誤りの連鎖に怒りを覚えている。
あなたは薔薇乙女の長女。私は、あなたを救いたいのです。私は、あなたのマスターが要るのです」
「残念だけれど、あなたの助けとやらはいらないわ」水銀燈はきっぱり言い放った。「いいこと?これからのアリスゲームがどんな
風に形を変えようが、私はアリスゲームを制す。私はお父様に見て戴くの。アリスと私の姿に違いはきっとそうないはずだから。
そういうことよ、哀れね、七体目」
「勝てませんよ、真紅には。あなたはあなたのマスターによって自ら死地と共にすることになる」
「あなたに決められたくはないものね」
「お父様の目は、誰にも向けられてはいない」
「向けられている。私にね」
「誰にも向けられてはいない。薔薇水晶のあと、正しくは真紅のマスターのあと…お父様が薔薇乙女を見たのはその時だけ」
「いまだって、お父様はきっと私を見て下さっているわ。もしかして、ヤキモチ焼いているの?可愛いとこもあるじゃない」
水銀燈は背中の翼をはためかせ、続いて雪華綺晶の言葉の矛盾に槍を入れた。「それから…随分とめぐのことを毒だとか言ってくれる
割には、あなたはそれを欲しがっているのね?自分から毒を下さいといっているようなもんなんじゃないの?」

そのとき、奇妙な間が開いた。
「私の…」

雪華綺晶の虚ろな金色の瞳が、カメラのように水銀燈を収める。
「私の土には、夢のようにバクテリアが満ちている」

280 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/02(日) 00:50:06 ID:gwp0og+z
70

「うーん…」
目蓋を日差しが明るく照らすのを感じ取り、ジュンは唸り声を上げた。
部屋が暑い。意識がはっきりしないまま机の上に置きっぱなしのリモコンを手に取り、冷房のスイッチを入れると窓を閉めた。
時計を見る。午前8時50分。真紅達に合ってからは、乱れまくっていた生活習慣もすっかり直ってしまった。ここ最近で午後に
目覚めることはほとんどない。必ずうるさい雛苺や翠星石によって起こされる。
ジュンはため息をついた。
翠星石…。いまジュンの家にはいない。翠星石がいないだけで、本当にこんなにも静かになってしまうとは。自分の部屋が嫌に広く
感じられる。薔薇乙女達に合う前は、毎日がこんな感じだったんだな…
体を起こした瞬間、しぼられるような痛みが背中を襲い、ジュンは再びベッドに崩れ落ちた。「いてぇ!」
骨?筋肉?関節?昨日までは何ともなかったのに。訳がわからず、ジュンは慎重に体を起こした。
ベッドから降りようと次に足を動してみる。その刹那、再び腰を電撃が襲った。「うおお!」
何がどうなってるんだ?眼鏡を取らなければ。眼鏡は机の上にある。ジュンはまるで一世代昔の泥棒のように体をゆっくりゆっくり動かし、
ベッドから降りると四つん這いで机へと近づいた。床から机の上に指先を走らせ、なんとか眼鏡を掴みとると頭にかける。
「くそ…これは病院行きかな…」
ジュンはPCの電源をつけた。こればかりは依然とそう変わりのない習慣だ。
PCが起動中の間、ジュンは背中を痛めないようにしながら慎重にそばの漫画の雑誌を手に取った。
この雑誌には、突然奇妙な終わり方を遂げた漫画の最終回が転載されている。なんじゃこりゃ、と思わず独り言を言いそうになった
最終回だ。担当との食い違いで打ち切りになったとかどうとか、噂がある。とはいえ、ジュンはこの最終回が嫌いではなかった。
ラスボスの位置合いにいるキャラが次々と他キャラを嵌めてゆき、最後には主人公ともう一人くらいしか残らない…そんな中で終わる。
長続きした主要人物たちがたった一つの回でこんなにも次々と消えていく展開の凄まじさには舌を巻いた。
その漫画の少し変わったデザインのタイトルロゴを見ているうち、ジュンは思い至ることがあった。…まさかね。
昨日、第七ドールが全員の目を奪った芸術文字 − アンビグラム。ジュンは漫画のタイトルロゴをみて、ふとそれを思い出したのだ。
上からも、逆さにして下からも読める文字。
有り得ないと思いつつ、ジュンは雑誌を180°逆さにしてみた。タイトルロゴを凝視する。
途端、ジュンは自分自身がロケットとなって何処かへ吹っ飛んでいってしまうような衝撃を覚えた。
…読める!逆さにしても文字になっている!
感動のあまり腰を思わず上げてしまう。「うげぇ!」再びジュンは腰の痛みに叫び声を上げると、顔の頬を床に打ち付けた。
「…おちつけ」
ジュンは眼鏡を取り、目をこすると、逆さになった漫画のタイトルをよく読んでみた。

aがeとなり、mがuとeに代わり…

”uameue uazme”

「…はは」ジュンは一人苦笑した。なぁんだ、何の意味もないじゃないか。でも…ここまでやったんだし、…
ジュンは遊びがてら、体を気遣いつつ数学の勉強ノートとシャーペンを手に取り、その文字を書き写すと床に寝転んだ。
いっそのことこの文字を入れ替えて意味のある文を作ってみるか。何かのアナグラムだったら面白いし…

uameue uazme

meue uzame uaa

uu , zama−me−! aae

「…文字をうまく使いきれないな。余ってしまう。それに黒っぽい言葉しか出来ないぞ」

ee? ame? uza−,muu 

何通りかノートにかいたあと、やがて完成した。「出来た…。余りがなく全てが意味をなしているぞ」

281 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/02(日) 00:53:54 ID:gwp0og+z
umu,ueme,aa,uze−!  ”うむ、上め、ああ、うぜー!”

「…くだらねぇや」ジュンは数学のノートを放り出し、再び眼鏡をかけると慎重に椅子に座った。
漫画を書いている人とその上で色々あったらしい噂があるのは確かだが、
タイトルにそんな醜いメッセージを込めるはずがないし、そもそもタイトルを考える段階でそんなに亀裂があったとも考えにくい。
ただし、上から見ても引っくり返しても一応文字として読める対称性の美しさを意識している文字のデザインという
可能性はあるかもしれない。思えば、アルファベットの文字は意識してなくともアンビグラムになりやすい。偶然の線が強いだろうな…
PCのタスクバー右の時間が 9:10 を表示したころ、後ろで鞄の開く音がした。
「おはよう、ジュン」真紅だ。「おはよう」
「雛苺は?まだ寝ているのね」
「疲れたんだろ…。昨日のこともあったし…」
真紅は真剣な顔でジュンの言葉を聞いていた。「…そうね。ジュン、紅茶を入れてきて頂戴」
PCと向き合ったまま、ジュンは言った。「悪いけど、今日ばかりは無理だ。腰が痛くて仕方がない。多分、お前のせいだ。
姉ちゃんに頼んでくれ」
一瞬黙したのち、真紅が口を開いた。「なぁに?それは、あなたの考えた新しい主人に対する反抗の仕方?私の目はごまかせなくてよ」
「本当だ!」ジュンが椅子から叫ぶ。「頼むから…、今回は本当だ!昨日お前が戦ってるとき、僕はお前の花弁に吹っ飛ばされた!
あの時のこと以外考えられない。もしかしたら骨に重大な…いや、本当だから、くるな、頼むから来ないで下さい!
真紅?いや、いいよ?僕は大丈夫だよ。今日姉ちゃんに病院連れてってもらうから…何処かしらんけど…だから、、
いぎゃああああああああああ!!」
ジュンは椅子から転げ落ち、体を痙攣させた。真紅が試しにジュンの腰に横から一発入れてみたのだ。
「…あら、"slope"アジア人の演技とは思えない痛がりっぷりね」
真紅はきょとんとした顔で言う。それからしばらくして、急に反省したような顔つきに変貌した。「…やだ、ジュン、
あなた大丈夫?あな、…あなたが悪いのよ!いつもいつも主人に口答えばかりするから…ジュン!」
「あ…真紅…」ジュンはまるで死の天使が迎えにきたとでもいうような目で、天を見つめていた。「…僕は…悪い下僕だったよな…?
僕と真紅が会った頃は…僕は本当にお前に悪口ばかり言ってたよなぁ…すまなかったなぁ…これだけは言いたかった」
ジュンの首ががくんと落ち、同時に目を閉じた。
真紅が慌ててジュンの背中を抱え持つ。「ジュン!ジュン!ああ、ジュン!しっかりして!私こそ悪かったわ。…私は、私は、
素直じゃなかったの!」真紅が言っている間、雛苺が目をこすりながら鞄から起きてくる。「ジュン!しっかりして、お願い、
私の言葉を最後に一言でも聞いて!私は、あなたをマスターに持てて本当にわかったと思っていたの!いままでずっといえなかった。
ジュン、聞こえてる?ジュン、ジュン!!!いやあああああああ!!」

282 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/02(日) 00:57:18 ID:gwp0og+z
71

「有栖川大学病院。ちょっと家からは遠いけれど、この地区では一番大きな病院よ。10階立て、病床数は450床、
あとはこの病院独自の休日があるのが特徴ね」病院の椅子に腰掛かけながら、桜田のりが言う。端からみれば、彼女が
独り言をぶつぶつ言ってるように見えたに違いない。彼女の椅子の両隣にそれぞれ大きな鞄が立てられているのを除き、
彼女の友人らしき人は見当たらない。
「びょーいんすごいのー。人間がたくさんなのー。」のりの右側の鞄が、若干開いてそこから少女の声がする。
「のり?ジュンはどこなの?いま無事なの?」左側の鞄から続いて声がした。
のりは再び、端からみた場合での独り言を言った。「いま、ジュン君は診察室でお医者さんに見てもらってるわ…。
本当に大変なことになってなければいいのだけど…でも、ジュン君とても痛そうにしてたわね…昨日まであんなことなかったのに」
真紅はむせた。「ま、まったく。人間というものは脆いのだから。私がちょっと…」
「え?ちょっと?」のりが聞き返す。
「いえ、いえなんでもないわ、おほほほ」
吸い込まれるように真紅の鞄が閉じられ、それ以上何の言葉も発せられなくなった。

病院の椅子に座って待ち続けるのりの所へ、ジュンが足を引き摺りながらと歩いてきた。
「ジュン君、大丈夫なの?お医者さんはなんて?」のりが即座に聞く。
「…腰骨の骨にヒビ」ジュンは皮肉っぽい口調で答えた。「場所も致命的じゃないし大きさ大したことないけど、念のため三日入院。
なんか、手術までの必要はないらしいけど腰にでかい注射をするみたいだな…」ジュンはため息をついた。「呪い人形の力がいよいよ
本格化してきたぞ」
今回ばかりは真紅に弁論の余地はなかった。自分がジュンをアリスゲームに巻き込んでしまい、傷を負わせた。
これからの戦いは、どうなってしまうのだろう。暗い鞄の中で真紅は悲しげに目を瞑った。

283 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 08:18:32 ID:Uvq1eo9E
水銀燈は真紅ちゃんが倒せない

気が付いたらnのフィールドばかりいる そしていつも同じドールに負ける
諦めずに めぐと契約するけど すぐにめぐが死ぬよ
背中に翼があれば、楽に目的地に着くけど
何回やっても 何回やっても 真紅ちゃんが倒せないよ
あの絆パンチ 何回やっても避けれない
後に回って 羽根飛ばしても いずれは殴り飛ばされる
翼で飛んで見たけど nのフィールドじゃ意味が無い
だから次は絶対勝つ為に 私はめぐの体力だけは取っておく

気が付いたら こっちがジャンクにされそう
そしていつも そこでめぐの体力使う
諦めずに 真紅ちゃんの所に辿り着くけれど
すぐに めぐが死んじゃう
右腕をもげば 楽に真紅ちゃんを倒せるけど
何回やっても 何回やっても 雛苺から逃げれないよ
あの苺わだち 何回やっても避けれない
炎で燃やしてやっても 新たな苺わだちが襲ってくる
翼で飛んで見たけど nのフィールドじゃ意味が無い
だから次は絶対勝つ為に めぐの体力だけは取っておく

背中に翼があれば 楽に目的地に付くけど
何回やっても 何回やっても 真紅ちゃんが倒せないよ
あの絆パンチ 何回やっても避けれない
後に回って 羽根飛ばしても いずれは殴り飛ばされる
翼で飛んで見たけど nのフィールドじゃ意味が無い
だから次は絶対勝つ為に 私はめぐの体力だけは取っておく

284 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 21:44:45 ID:u9nepC03
>Rozen Maiden LatztRegieren

相変わらずの大作、乙です。
まだまだ続きそうですね。
雪華綺晶の思惑が謎で次回が楽しみです。

285 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:48:20 ID:N1HQnqSc
カナの扱いが悪いし糞つまらない
もう投稿しなくていいよ

286 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/02(日) 23:54:51 ID:Kkqlo4MF
ああ、バレバレな自演乙

287 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 04:16:26 ID:gxD2iv+W
自分の望むような展開にならなかったからって職人に八つ当たりとか金糸雀信者最悪だな
こりゃアンチが付くのも仕方ないわ

288 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 21:42:30 ID:90TCBtWh
>>287
あんた素で言ってるのか、だとしたら相当アレだぞ?
などと釣られてみる

289 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/03(月) 22:43:31 ID:+UDgRBAE

  ┌─‐「][]             _,ィ ´ ̄`ヽ、
    ̄ ̄} |       _      /:.ゝ-─‐<>
   r─' ノ       「Y {´ ̄`ン':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}{
     ̄        Lハj_, ィ'´⌒⌒ヽ、:.:.:.ィ、ハ
   [[] 「}     _/∠二ニニニ¬、_ハ:.:.:.ヽヽ',
    rー'_ノ      //´ 了~~~⌒~`ヽ.弋゙Tl:.:.:.:_j」 l
           { {   {        j} }士ぅ'´:.:_〉|
          い、__ >、___ __, ィ人 ヽく_:./:.〉ゝ
   ィ ⌒ >'/  い 〉~~〉T~~T<   ヽハ 〈_:.く
  (    _ イ    `7  ハ⊥__j_i___〉  ,}イ 〈_/
  (       _)    ハ__厶>ー‐一_7  /´
  ゝ ___,ノ    /ーY):::ノ ` ̄´厶.、/_
            {::::::::/     /⌒ー'::::::}
              ̄´     {:::::::::;: ィ´



290 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/04(火) 03:22:34 ID:XShjLeJd
なんか頭おかしい人多いね。ここ。

291 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/04(火) 18:20:38 ID:gBnKiNdR
195 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/08/18(土) 11:45:31 ID:tUA12Ffg
金糸雀って手紙を水浸しにしたり薔薇水晶との戦いで横槍入れたり翠星石に対して何か恨みでもあるんだろうか
翠派の俺としては早く消えてほしい存在だ

197 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/08/18(土) 12:03:07 ID:F6hCC3c+
>>195
禿同
あと原作で真紅から雛苺のローザミスティカを奪おうとしたのも糞ウザかった
何勝手に勘違いして喧嘩売ってんのって感じで

292 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/04(火) 21:39:09 ID:6M548hrd
総じて頭おかしいの多いからな、アンチは

293 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/05(水) 00:34:13 ID:Pk2qVy2f
オレは金糸雀ファンだが>>282の続きをすごく楽しみにしてるよ
薔薇乙女にドアーズ("the end")を絡める発想が面白い
カナもオレの隣りでwktk中かしらー

294 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/05(水) 01:53:24 ID:rTyve4xN
きも

295 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/05(水) 10:24:56 ID:WnB5dXL+
問題ない、ローゼンを知ったその日から僕の地獄に音楽は絶えない

296 :43:2007/09/05(水) 19:13:23 ID:vxl/9YlH
暑い暑いと嘆いていたが、時折涼しい夜風が吹いてくるようになった。
よく見れば咲いてる草花も若干違ってきている気がする。気がするだけなのかもしれないけど。
この夏に僕が何をしたかといえば洋服の作成と勉強、それから多少遠出して遊びにいったくらいだ。
ひきこもりに磨きをかけないよう自分なりの努力をしている。いや、不登校は続行しそうだけど。

世間では夏休みの終焉ムードも漂う昨今、まったりうだうだと過ごしていると、来客が一人。
この家に訪れる客は増えたけど、相変わらず両手で数えればおつりが出る人数には変わりない。

「こんにちは、ジュン君」
「よっ」

彼女もその一人。名前を蒼星石といい、翠星石の双子の妹にあたるボーイッシュな女の子だ。
メインウェポンはハサミ。分解して二刀流とかやらないかな、と期待するのは最近読んだ本の影響だろう。
姉や他の姉妹が心配なのか結構マメに訪れてくる。たぶん一番おしとやかで、例に漏れずくんくん好きだ。
気を使いすぎて、いつかバッタリと倒れるか暴走しそうな印象を受ける。

「あの…」
「3人ともテレビ見てる。もうすぐ…ほら、アレだし」
「あ、うん」
「下行くかな…僕も…」

最近、この蒼星石に『我が家にくんくんを見に来ている疑惑』が生じている。主に僕の中で。
というのも彼女が訪れる時間帯とくんくんの時間帯が一致しているような気がしてならないからだ。
まあ今更どうこう言うつもりはないし、彼女のいる家では見れないなら息抜きがてらに見て欲しいと思う。
横顔眺めるにはうってつけだしね。彼女ら、くんくんをじーっと見てて動かない。

彼女の顔はなんというか、正直、翠星石と差異が無い。さすが双子なだけあって、そっくりだ。
どことなく姉よりも若干の変化をつけられている部分がありそうな気もするんだけど、よくわからない。
ただ、張り詰めた糸みたいな『ギリギリさ』が、なぜかにじみ出ている。
感情が無いとは思わないが、無理やり振れ幅を抑制しているような顔。
翠星石が外に向ける何かを彼女は内側に向けている。
本人の意図かローゼンの意図かまではサッパリだったか、それでも彼女は非日常的な美しさがある。
たぶん、そこからちょっと方向性を変えて真紅を作ったんだろうな…とか思った。

一方、モニターの中ではくんくんが驚きの推理力で謎を暴いていた。
お前それ絶対子供向けのロジックじゃねえぞ。

297 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/05(水) 22:28:39 ID:x7q/hX1B
68 名前:党員 ◆SUIGINtLCk [sage] 投稿日:2007/09/05(水) 19:43:34.90 ID:Z0CAGw1XO
まあ神奈川の容姿は私初め多くのアニオタには合わないコンセプトであった事が時間及び統計的なもので判明した
どうでもよかろうが、そんな空気を支持する信者を目障りに思い、煽りを始める物も必然的に現れる
目的は神奈川信者の中傷、それとそこから派生する自己満足。一つの中毒症状だな。無理矢理三行

79 名前:党員 ◆SUIGINtLCk [sage] 投稿日:2007/09/05(水) 20:01:32.58 ID:Z0CAGw1XO
特別にカナブンの私的評価を述べよう。暇だし

狂言回し役で眉が薄い、意志が薄弱で行動に説得力が無い
世話が焼けそうで面倒臭い、そこそこある実力を隠し過ぎていて勿体ない
見ていてイライラする、美しくない
こんなもんか

298 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/05(水) 22:30:40 ID:x7q/hX1B
・テンプレ

>>36-38
糞糸雀と糞糸雀ヲタがいかに嫌われてるかの図

>>104,126,172,175-177,192
痛い糞糸雀ヲタの特徴とその典型的な例

>>181,297
水銀党員からの糞糸雀に対する評価

>>240
水銀燈アンチと糞糸雀アンチの違い

>>241
翠星石・真紅・雛苺ファンからの糞糸雀に対する評価

299 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/05(水) 22:55:36 ID:mFC4bGHR
お前ら氏ねよ

300 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/05(水) 22:58:31 ID:WnB5dXL+
蒼星石側の描写が激しく気になるなww

>>299
問題ない、俺が二フラムかけといた

301 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/06(木) 05:22:07 ID:jifn0lyl
72

柴崎時計店の中で、男性の老人の声が響いていた。
「おや、翠星石。来ていたのかね?」
「ああ…」翠星石は頬を赤らめさせ、鞄の上に座ったままお辞儀した。「勝手に来て、すいませんです。あの…ほんとのしばらくの間
泊めて欲しいのです。一日だけでもいいですから…」
「そんな硬くしなくても、構わんよ」時計店の店主、元治は笑った。「しかし、いつも一緒の蒼星石はいないのかい?」
その質問は、一撃で翠星石を悲しみの堀へと突き落とした。「…蒼星石は…」口ごもりながら、翠星石は嘘をついた。「蒼星石は、
いまはいないです。でもきっとジュンの家にでも…きっと…いやがるですよ」
嘘は、翠星石の前で時計と対峙する老人には通じないようだった。「…翠星石。何かあったのかい?ジュン君の家に遊びにいく
時はいつも蒼星石と一緒だったじゃないか」
「…それは…」翠星石は目を落とした。一瞬、私達についての本当のことを全て話そうかという衝動に駆られた。
私達が、互いにローザミスティカを奪い合う運命にあり、蒼星石もその犠牲として巻き込まれたということに。
でもそれを口に出すにはとても勇気がいる。自分の悩みを人に打ち明かすが如くに勇気がいた。その人間に心配かけてしまうのもあり、
いまの精神状態でアリスゲームのことを自ら語ることに心が耐え切れず途中で泣き出してしまいそうということもありえそうだから。
どうしようもなく返事に行き詰っている様子の翠星石に、元治が先じて再び声をかけた。
「よほど、辛いことが…あったのかね?…無理にとはいわないが、一人で解決できそうに無いことなら、よかったらわしに
相談にしてくれないかな?翠星石。わしもこう見ればただの老人じゃが、その分辛いことは色々経験してきたから、
力になれるかもしれない。孫のかずきを失くしたし、若い頃は戦争も経験した」
翠星石は突然顔を上げて聞き返した。「…戦…争?」
「…ああ」元治の口調は、突然明るさを失った。「人形の翠星石には分からないかもしれないがね、人間は時に殺しあうときがある。
大体の場合は、望んでいなくても半ば運命的に巻き込まれてしまう。難しい話でね…」
「え…」翠星石は、むしろ人間も殺しあったりすることに驚きを覚えた。「…戦ったのですか?人間同士で…」
「…ああ。ひどいものだったよ。ルソン島というところで外国の人間と、わしは戦った。現地はそれは地獄のようだった…。
空から爆弾は降ってくるし、デング熱という疫病も流行って現地人の死体はあちこちに転がっていた。食べ物はたまに見つかる
現地のバナナくらいしかない。あの場所において生きるか死ぬかは、ただ運命に任せるより他はなかった。まるでくじ引きのように
生き死にが決められていった…。友人を多く失った。わしは、たまたま生きるというくじをひいて、生き延びただけに過ぎないのだよ」
ああ、すまんね。なんだかこちらが話しをしてしまったそうだ。」元治は、取り繕うように表情を明るくした。「老人はさびしくてね。
ついつい若者に長々と話しをしてしまう」
ローゼンメイデンだけではない。人間も、戦うことがある。それも、薔薇乙女より遥かに凄惨な内容らしい。
ほとんど元治に聞こえるか聞こえないかというくらい小さな声で、翠星石は呟いた。
「人間も…人形も…生きるということは、戦うということなのですね」
元治が聞き返した。「何かいったかい?翠星石」
「い、いえ、なんでもないです!」
翠星石は素早く鞄から乗り出し、床に立つとやはり素早く鞄を閉じて手に持った。
…これで決心がついた。
「ああ、ありがとうです!参考になったです!これで私も決意が出来そうですぅ!」
「…決意?」元治はにわかに顔に戸惑いを浮かべた。「翠星石?もしや…」
お辞儀を済ませ出口に向かおうとする翠星石は、足を止めた。
それから元治の方に振り返った。
「…いままで、お世話になりましたです。…本当に、ありがとうなのです。…蒼星石の分も…代わりに私が礼を言いますです。」

302 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/06(木) 05:25:21 ID:jifn0lyl
73

「ジュン。ごめんなさい。あなたをアリスゲームに巻き込んでしまったばっかりに、こんなことに」
「今更かよ」病院の室内の白いベッドの上で、ジュンは寝返りを打った。「お前が家にやってきて、ピエロのぬいぐるみに
殺されそうになった時点で謝ってくれていれば許してた」
病室の中には、いまのところ看護婦や他の病人の姿は見当たらない。その合間をぬって真紅と雛苺が鞄から出てジュンと会話している。
「今となっては」ジュンは続けた。「謝られても仕方ない、って気持ちが多いけどな。どちらにせよアリスゲームが終わるまで
戦いは続くんだから。もう仕方ないことって割り切ってる」
真紅は顔を落とした。
「ジュン、ねえジュン、きいてなのー!」雛苺が横で明るく喋り出した。「バカ、病院で大声出すな」「うー、でもねでもね、
真紅がさっき、ジュンが倒れたとき言ってたの」真紅がハっとしたように雛苺の方を向いた。「真紅は、ジュンをマスターに持てて…」
血相めいて真紅は雛苺の口を覆った。「んんー!」「なんだ?」ジュンが聞く。真紅がとっさに答えた。「な、なんでもないわ。雛苺ったら、
ちょっと悪い言葉を覚えちゃったみたい」「slopeとか言い出したお前の方が悪い言葉覚えている気がするんだけど?」
「あら、ジュンの顔は西洋人の誰がみてもslopeなのだわ。みんなそう呼んでいる。その斜めな目。表情が分かりにくい」
「どうせ僕は引きこもりな顔をしているよ」
「とくに際立てているのがそのめが…えっ?」真紅は急に何かの気配を感じ取ったかのように、上を向いた。「どうした?」
「…いえ、なんでもないわ」
真紅は受け流した。 

…この気配。もしかして…

303 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/06(木) 05:37:49 ID:jifn0lyl
74

すっかりその日の空も暗くなってきたころ、桜田ジュンのいる病室の二階ほど上のある別の病室では、少女の綺麗な歌声が響いていた。
柿崎めぐ。幼少時代からずっと病院生活を続け、生きる目的を完全に失ってしまっているそんな少女の関心ごとは、死という未知で
甘味な、一度しかできない魅惑的な体験のことばかりだ。

少女が病室のベッドに寝込んだままずっと歌を歌い続けていると、その病室の窓のところに黒い羽が数枚舞った。
すると少女はそれを見ながら楽しげに顔をほころばせた。「…天使さんがきてくれた」
黒いドレスと黒い翼を持った、天使とは表現し難い姿をした人形が窓に降り立つ。
「まったく…最近になってようやく呼び方が直ってきたと思っていたところに…まだ私のことを天使と呼ぶなんて」
「うふふ、今日あなた天使と呼んだことには訳があるの」めぐは笑い、そして聞いた。「天使さんは、これからも天使さんでいてくれる?」
水銀燈は顔を渋らせた。「どぉいう意味?」
「つまり、」めぐは水銀燈に微笑みかけ続けながら、その真意を言った。「水銀燈が、本当にいまも私の命を使ってくれる気でいる
のかな、って」
「え…」全く思いもわらないめぐの問いかけだった。そしてすぐにその質問が意味する紫色の靄のようなものを水銀燈は理解した。
めぐは、疑い始めている。私が本当にめぐの命を使い切る気でいるのかを。
水銀燈は返答につまづいた。
気持ちが決まっていないこともあったし、事実アリスゲームの結末が水銀燈にも想像し難くなっていることもある。
そんな事情を知る由もなく、めぐはまっすぐな視線を水銀燈を注ぎ続けて答えを待っている。
その瞳をみていると水銀燈はそこに吸い込まれそうな気がした。
「…アリスゲームはまだ終わらない」彼女はようやく口を開いた。「あなたの都合のいいように…すぐに使い切るってもんじゃ
ないのよ。…アリスゲームが終わる最後まであなたをこき使ってやるわ。既に私は数体のドールを倒した。残すところは
あと3つ。最後の一体との戦いの時は、思う存分使い切ってやるわよ…。フ、最後の一体は…ま、真紅ってところかしらね。やっぱ」
この答えのうち6割がたは全くの大嘘だった。嘘を平然と並べていく自分に水銀燈は愕いていた。
そもそもその問いの答えに自分の真意がまだ存在していない。
何故か、水銀燈はきのう雪華綺晶を欺いた一連のこともまた思い出した。

304 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/06(木) 05:41:08 ID:jifn0lyl
「そう、それを聞いて安心したわ」めぐはいいながらベッドに寝なおし、目を瞑った。「前まで、私の力なんか使わなくても真紅なんか
倒せるって、いってたものね」
「…」どういう訳が水銀燈は予想とは逆の側面から攻め立てられているような気がした。「…ま、まあね。それには変わりはないけれど」
「ねぇ、水銀燈」めぐは左手を胸の心臓部にあて、再び水銀燈を見つめた。今度の瞳はどこか弱々しい。「私、信じているからね。あなたが、
あのクリスタルの船から連れて出してくれるって。死ぬときに裏切られたら、私は永遠に、死んだ後もきっと同じような運命を辿ってしまうに
違いないから…。だから…ね、水銀燈…?」
いつも楽観的で余裕そうに自分を蔑んでいるめぐも、今ではどこか水銀燈には必死にみえた。本当の死という終わりが、
あと二週間以内と近づいてきているからなのだろう…。
水銀燈に答えはなかった。
彼女には分からなくなってきていた。死後の世界なんてないことはめぐにも分かっている筈なのに。わからない。

消灯の時間が過ぎ、めぐは眠りについた。

もし仮に…もし仮にめぐの体を直すことが出来たら…
めぐは、それでも死を望むとでも?

午後9時をまわり、眠たくなってきた。
そろそろ教会に戻って眠りにつこうと水銀燈が病室の窓から飛び立とうとした、その時だった。
夜の空を薔薇乙女の大きな鞄が彼女の前に飛んでくるや蓋が開き、真紅が顔を出した。「水銀燈、やはり、水銀燈なのね!」
いきなりの真っ赤なドールの登場に水銀燈は驚いた。「真紅!?どうしてここに…!?」
「ジュンが丁度昨日負った傷でこの病院に来ているのよ、私たちのアリスゲームに巻き込まれてしまった時の傷でね…」
宙に浮く鞄に座ったまま、真紅は言う。「その時姉妹の気配を感じたわ。水銀燈しかないと思った」
真紅は病室の中をあちこち見つめ、やがてベッドのとこでとまった。
「その寝ている子があなたのマスターなのね?」
水銀燈は少し頬を赤らめて答えた。「ま…まあね」めぐとのことで、真紅にとてもじゃないが見せられないものは多い。
「それで、何の用かしら。真紅?」
その質問をされると、真紅は極めて真面目な顔つきに変わった。「あなたに、あなたにお願いしたいことがあるの。水銀燈」

305 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/06(木) 05:46:55 ID:jifn0lyl
75

水銀燈と真紅の二人は、壊れた町並みの世界 − 水銀燈のフィールド − つまり、昨日アリスゲームの舞台となったところ
を並んで歩いていた。

水銀燈は面食らいながら、真紅に聞き返した。「蒼星石の残された体を翠星石に返して欲しいですって?」
「…ええ。お願い。あなたなら翠星石の気持ちは分かるはずよ。アリスゲームの掟に則って、あなたは蒼星石に勝ってローザミスティカ
を奪った。私にしてみれば、それも耐え難い喪失。けれど、掟に背くことは薔薇乙女らしからない。ローザミスティカを返せとまでは
言わないわ。けれど、せめて残された蒼星石の体だけは翠星石に返してあげてほしいの。あなたのフィールドに残されてしまったまま
だと思うから…。」
水銀燈は考え込んだ。「翠星石は私を怨んでいる。会うなり私に襲い掛かってきたらどうすんのよ」
「その時は私が遠くから見てて、止めに入るわ」
「バカにしないで!」水銀燈はまくし立てた。「そういう意味じゃない!別に翠星石が蒼星石…」第四ドールの名を口に出すとき、
一瞬水銀燈の口調に躊躇が入り込んだ。「…のローザミスティカを取り戻す為に私に戦いを挑んできても、私は返り討ちにしてやる。
あなたの止めなど入らなくてもね!けれど、敵にみすみす蒼星石を返しにいく私がバカみたいじゃなぁい!」
「はぁ」真紅はため息交じりの声をだして首を少し下に落とした。「困ったものね。翠星石も水銀燈もどこか硬いところがあるのだわ。
翠星石ときたら蒼星石のことになると、いつも自分ひとりの力だけで解決しようとするの。今回ばかりは私は引きざるを得なかった。
あなただけが頼りなの、水銀燈。せめて残った体だけでも翠星石に蒼星石と再会させてあげて。これはアリスゲームと別問題なのよ?
いまのあなたなら分かるはずだわ」
「チィ…。別に、蒼星石の体を返すくらいのことは構わないのだけれど…」
「じゃあ、お願いするわ。"お姉さま"」真紅が間髪入れずに言う。
「人の話しを最後まで聞きなさい!おばかさんね。それからその呼び方、気持ち悪い。…だから…その…わかる?…」
水銀燈の喋りが詰まった。
「続きがあるんじゃなかったの?」水銀燈と真紅はピッタリ並んで廃墟の町の道を歩いている。
「だから…!翠星石が…」
いまから口に出そうとしていることを思いながら、水銀燈は自分はイカレてしまったに違いないと思った。「蒼星石の体を返したくらい
のことで…翠星石が私を許してくれるかってことよ…」
「水銀燈、あなた…」真紅は感慨にふけったような声を出したあと、自分に出来る限りの優しい話し方で言い始めた。「許してくれるわ。
きっと。人に許してもらうとき、本当に大切なのは結果よりも気持ちなのだから。あなたの気持ちは、きっと翠星石にも伝わると思うわ」
水銀燈は自ら墓穴を掘ったことを悟った。「……くだらない。蒼星石を返したら、私はすぐに帰るわよ。まったく…それと真紅、
いまここではっきりと言っておくけど、私はアリスゲームを放棄するつもりなんか毛頭ないということを覚えておきなさい。…さてと、
昨日蒼星石と戦ったのは…こっちだったかしら…」

水銀燈は昨日蒼星石のローザミスティカを奪った場所を思い出しながら、廃墟の町並みの一角を目指した。真紅がその後ろについて歩く。
角を曲がりきると、二人はピタリと足を止めた。「…この光景」「…凄いわね」「…ええ」

二人の目には、あまりにも生々しく残る昨日のアリスゲームの戦いの爪跡が映っていた。
前方に伸びる街道には破壊された建物の細かい断片や石ころが無数に転がり、それの巻き添えになったがらくた人形たちが無残な姿で
一緒になって散らばっている。足の踏み場が珍しいほどだ。
Vの字型に真ん中がつぶれてしまった建物もある。特に目立ったのは、建物の上半分が全て吹っ飛ばされて剥げたように内部が
丸見えになっているとこだった。それは、昨日水銀燈が吹き飛ばしたものだった。

306 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/06(木) 05:50:56 ID:jifn0lyl
二人はかつての戦場の中を静かに並んで歩き、ある建物の屋根の下で、ついに地面に置かれたままの蒼星石を見つけた。
その痛々しい姿に水銀燈は胸を苦しくしてしまった。紛れもなくこれは自分の仕業だ。
真紅も言葉こそは出さないが、感情を押し殺している様子が伝わってくる。
「蒼星石の鞄は、ジュンの家にあるから取ってくるわ。水銀燈はそこで待ってて…。このフィールドからの出口をあけて頂戴?」
真紅が注文すると、水銀燈は近くの壁を指差した。人工精霊に命令を出し、そこに出口となる穴を開けさせる。「メイメイ」
「ありがとう。すぐに戻るわ」
彼女はその穴の中へときえた。

「ふう…家ではのりが一人寂しそうに食事をしていたわ…。ジュンは今入院中だから。ちょっと話してきて遅れたしまったわ、
ごめんなさい」
数分後、右手に蒼星石の鞄を持った真紅が水銀燈のフィールドに戻ってきた。
「さあ…蒼星石を鞄に入れてあげましょう?あなたが入れるのよ?」
水銀燈は顔をしかめた。「…私が?」
「そう。気持ちが大切なの。あなたの手で入れてあげることが、気持ち…」
「わかったわよぉ!入れればいいんでしょ、いれれば!まったくもぅ…」
愚痴を口走りながら水銀燈はしゃがみ、地面で横たわったままの蒼星石を恐る恐る手に持った。右肩の球体関節が壊れている。
抱えながら運び、降ろして鞄の中に入れてやる。真紅がその鞄の蓋を閉じた。「さて…、あとは返すだけね。もちろん水銀燈、あなたがよ」
「もぉ、」水銀燈のやるせなさもいよいよ限界に近づきつつあった。「もういいでしょぉ!?やぁよ、なんかみっともない!」
「お願いよ…」真紅の瞳が水銀燈の顔に迫ってくる。水銀燈は気味が悪そうに一歩退いたが、構わず真紅は続けた。「翠星石は、
いま本当に自分を追いこんでしまっているの。心の中に闇を溜め込んでしまっている。姉妹として、どうしても放ってはおけないのだわ。
救えるのは、いまあなたしかいないの。あなただって、憎まれたままでは本当は嫌でしょう?」
真紅も水銀燈も動かない。二人のにらめっこが始まった。

ついに水銀燈の方が先に顔を動すと、諦めたようにため息をついた。
「…あー、やってらんないわぁ…」
水銀燈は蒼星石の鞄を持ち上げ、面倒くさそうにフィールドの出口に向かって歩き出した。それはOKの意図だと真紅は決め付けた。
「はやくおわってくれないかしらぁ…こんな茶番…」
真紅は微笑んだ。「まったく、素直じゃないんだから」私にも、いえることだけど…

307 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/06(木) 05:57:27 ID:jifn0lyl
76

扉が無数に浮く暗闇の空間を移動していた真紅と水銀燈は、極めて奇妙なものを目の当たりにした。
閃光。嫌に耳に残るような不協和音を断続的にたてながら、バチバチと前方で…雷のようなものが駆け巡っている。
nのフィールドに浮く扉が一箇所に沢山鳥かごのように集められ、その中から光は発せられているらしい。

"Großer Lügner ist Großer Magier!!"

"Großer Lügner ist Großer Magier!!"

光の強弱にあわせて、ドイツ語のような声が発せられている。何度も何度も、けたましくその言葉が響く。
「うるさいわね!」水銀燈がnのフィールドの闇を飛翔しながら叫んだ。「なんていってるの!?」
「"Great liar is Great Magician"」真紅が英語に直していった。「"偉大なる嘘つきは偉大なる魔術師だ"…
アドルフ・ヒトラーの言葉を真似してるわね」真紅はその奇妙な光りが発せられていない、ただの闇の方に顔を向けた。「構うことは
ないわ。無視して進みましょ」

"Großer Lügner ist Großer Magier!!"

"Großer Lügner ist Großer Magier!!"

「…いいえ」ところが、水銀燈はその場で静止した。「こんな悪趣味なことするのは、どうせあいつしかいないでしょ?」
真紅は面白がっているふうだった。「あなたが人のことを悪趣味だとといえるだなんて」
「黙ってなさい」水銀燈は翼から何本か羽を取り出し、指の間に挟んで持った。「すぐに終わらせてやる」
体に勢いをつけ、彼女は手から羽を放った。「燃えなさい!」
列をなして飛んでいく黒い羽が水銀燈の言葉の反応し、空中で青白く燃え上がる。それが扉の間をすり抜けて
あの奇妙な光りの中心部へと滑り込んだ。
バチバチという激しい雷鳴と共に強烈な閃光がほとばしる。周囲の扉を白く照らし、その眩しさに水銀燈と真紅が腕で目を覆った。
それから光は力尽きたように、もう二度と発せられなくなった。
「…やったわね」水銀燈が先に声を出した。
「なんだったのかしら」真紅が聞く。
「どうせ白薔薇でしょ?私、昨日あいつに大嘘をついて騙してやったんだから。」水銀燈が鼻で笑う。「あの怒った顔ときたら!」
「雪華綺晶が?」真紅の体が急に強張った。「雪華綺晶に何かしたの?あなた」
水銀燈が真紅に答えようと口を開きかけたその時、またどこからか声がしだした。

"Jews lie, Jews lie, Jews lie, Jews lie, Jews lie, Jews lie, Jews lie, Jews lie, "

また別の方向から声が轟く。

" Hey , jew biches , Fuck you! Set your star on your Arm!!"

「やかましいわね!!」水銀燈が怒り狂ったような顔をして周囲を見渡した。「顔を出しなさい!あなたの首をへし曲げてやる!」

"Set your star on your Arm, Show your venus star on your Arm clean , son of a bitch!"

308 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/06(木) 06:00:10 ID:jifn0lyl
「バカにしやがって!!」挑発にどんどん乗っていく水銀燈を、真紅は不安げに見つめていた。「"星の腕章をつけろ"ですって?
そんなあなたのふざけた遊びなんかに付き合ってはらんないのよ!!くたばりやがれ!こそこそしてんじゃないわよ!!」
「水銀燈…ねえ、水銀燈」真紅が声をかける。「もういいわ。ここは放っていきましょう」
「あんたの行くとこがまさにそこなのよ、バカ真紅!!」水銀燈は正気を失いかけている。「私がバラバラのジャンクにしてやる!
出てきなさい!」なぜそんなにも怒るのか。真紅は何かその場に狂気のようなものを見た気がした。昨日水銀燈が雪華綺晶についた大嘘は
関係しているのか。そもそもこの場に本当に雪華綺晶がいるのか。「畜生、外道め!あなたの目など糞と土の区別も出来てはいない。
聞こえてるんでしょ?」何もない闇に向かって黒い羽を放ち始める水銀燈。「すぐ近くにいる。ジャンクにしてやるわ!」
真紅は、水銀燈が標的とはあまりにも見当違いなところに狙いを定めて羽を飛ばしていることに気付いた。どこからともなく真紅だけに、
その場の支配者が理解できた。スポンジのようにその真理が突然真紅の体の中へと染み入り、どこからともなく真紅は理解した。
なぜだかは自分にも分からなかった。標的はそっちじゃない。…
「水銀燈。分かったわ。私に任せて」水銀燈の前に腕を出して彼女を制止すると、真紅はあたりの闇をじっと見回した。
「あいつは近いわ!私が炎で明るくしてやる!」水銀燈が乗り出したが、真紅は断った。「いらないわ。」その必用はなかった。
自分達の上のほうのにある闇に目をつけると、真紅は右手をさしだした。その右手の平の上に小規模な花弁の竜巻が巻き起こる。

"Hey jew biches , Fuck you! Hey jew bitches , Fuck you!"

嘲るような声が連続的に轟く。
真紅はゆっくりと右手を上へとのばし、花弁を放った。ピンク色の竜巻が上の闇に向かって伸びていく。

"Hey jew biches , Fuck you! Hey jew bitches , F .."

声はやんだ。
くじゃという音がなり、バラバラになったドイツ兵士のような人形のパーツが舞い落ちてきた。
「この人形の悪戯ね。それもとびっきりガキの」真紅はその人形を見下して言った。
「…真紅。あなた、なぜこいつの居場所がわかったの?」平静さをとり戻した水銀燈が、少し真紅を怖がっているように聞いた。
「ああ、それは…」微笑を浮かべながら真紅が水銀燈の方に向き直る。「"あんたの行くとこがまさにそこよ、バカ真紅"がヒントになった」
水銀燈は言葉を失った。
「さ、」そんな水銀燈をよそに真紅は時計をみて言った。「急ぎましょ。もうすぐ9時になってしまうわ。翠星石の居場所は、
分かっているから。」
nのフィールドの闇の中を再び移動始める二人。
そんな二人を、逆さの状態でドアにしがみつきながら覗いている金色の左目があった。

309 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/06(木) 06:07:25 ID:jifn0lyl
77

「この扉?」水銀燈が真紅に問い掛けた。
「ええ、柴崎時計店。蒼星石のマスターの家よ。翠星石はここにいるはず」
真紅はそのドアの前に立ったが、開こうとはしなかった。
「さ、ここから先いくのは水銀燈よ。このことは、あなたと翠星石、一対一で話すしかないのだから」
その意味が分かってくると再び水銀燈はうろたえてた。「…気がすすまないわねぇ…」
「大丈夫よ、むしろあまりあなたが警戒すると翠星石の方も緊張してしまうから、むしろ友好的に。ね、笑って、ほら?」
水銀燈は一瞬ぎこちなく笑顔を作りかけた。「いやまって、それはいくらなんでもおかしいんじゃなぁい?」
「フフ、冗談よ。私がnのフィールドから二人を見ているから、大丈夫よ。さあ」
水銀燈は、最後の防衛線を張った。「本当よぉ?」
真紅は笑顔で答えた。「本当よ」
ため息をつき、水銀燈は蒼星石の鞄を持って目の前の扉を開け、中へと入っていった。

「…ふう」真紅は深呼吸をした。「うまくいけばいいけれど…」
真紅は水銀燈と翠星石の姿を開けっ放しの扉から覗こうとした時、背後から伸びてきた茨が真紅の腕に絡まった。
「…!!?」
振り返ると、伸びる茨の先に、手の平の上で真紅と同じような紅色の花弁の竜巻を作っている雪華綺晶があるドアの上に腰掛けていた。
「ごきげんよう!紅薔薇のマイ・フェア・レディ」
「雪華綺晶!」真紅は慌ててステッキを召喚し、茨を断ち切ろうとする。
ところがそうしようとした真紅をピンク色の花弁の撒き散らす強風が襲い、彼女の腕の自由を利かなくさせた。
「どうして!?くっ!」真紅は押し寄せる強風に吹かれながら懸命に体勢を整えて対抗した。「その花弁は、私のものなのに…!」
「銀も金も盗まれた。銀も金も盗まれた。マイ・フェア・レディ」歌うように雪華綺晶は言う。
彼女が右手の平を真紅に向けると、そこからさらに多くの花弁が飛び出し、猛威を振るって真紅に襲い掛かる。
「私の能力を奪ったというの…!?」それ以外に考えられなかった。ドイツ兵士の人形を壊したときの不思議な感覚はそれか。
「鉄と鋼鉄とでかけてみろ。鉄と鋼鉄とでかけてみろ。マイ・フェア・レディ」
次に雪華綺晶の白い茨が真紅の全身を絡め、拘束した。縛り付けたまま真紅を雪華綺晶のすぐ前に運んでくる。
「それでもだめなら人を架けろ、人を架けろ、マイ・フェア・レディ」
拘束された真紅は自分の力で脱出できないかを試みたが、雪華綺晶の茨にそれが吸い取られてしまったかのように力が出せない。
「…お姉さま。お話をする時が来ました。あなたは1インチも動けない状態。マイ・フェア・レディ」

310 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/06(木) 09:42:01 ID:FyE7MVN7
なんでこの作者はここまで博識なんだろう

311 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/06(木) 10:48:21 ID:TKe3gG5p
なんでこの作者はここまで空気読めないんだろう

312 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/06(木) 12:19:44 ID:kQeZr1E8
読んでるだろ
アンチのリクエストに答えて惨殺やらかしてるし

313 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/06(木) 15:53:41 ID:1WlzxPpt
キムみたいなカスを惨殺するのはアンチ以外も望んでるだろ

314 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/06(木) 18:59:56 ID:k7UX39SA
どうせなら投下が終わるごとにいちいち文句付けにくる金糸雀信者も惨殺してほしいです><

315 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/06(木) 19:18:04 ID:8ICTMCD/
幼稚な馬鹿ばっか('A`)
まともな奴らは何処へ行った

316 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/06(木) 19:27:57 ID:vlnIVoa0
まともな奴などそもそもいないわけで

317 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/06(木) 19:43:38 ID:HHVLiaTr
自分はまともと思っているが他人の評価は分からないから何とも言えん

318 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/06(木) 21:40:31 ID:d1WQJKTG
わ、わっふるわっふる!

319 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/06(木) 23:48:13 ID:k7UX39SA
アニメ板の本スレも金糸雀信者が暴れ出してから過疎ったしほんとこいつらローゼンスレの癌だな…

320 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/07(金) 02:05:37 ID:C9MmfN61
キム死ね

321 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/07(金) 07:41:49 ID:n0kv+H3r
アンチに免罪符与えたようなもんだな
こいつらが他スレでどれだけ迷惑掛けてるか知っててあんな事やったのか?

322 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/07(金) 10:45:00 ID:kmFKLnrn
てかあぼーんすればいいだろ

323 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/07(金) 13:24:50 ID:C9MmfN61
キム信者必死だなwwwwwwwwww
キムが大半のローゼンファンから嫌われてる事実をいいかげん認めろよwwwww

324 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/07(金) 18:02:28 ID:XYsvxs7b
わかりました。認めます。私が悪かったです。ごめんなさい。許してください。

325 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/07(金) 21:54:48 ID:xiGgpbFV
227 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2007/09/07(金) 18:52:24 ID:FHtAvfsD
なんか金糸雀アンチより信者の方が痛いように思われてるようだな
ttp://blog.livedoor.jp/vipper0810/archives/51048437.html

859 名前:愛蔵版名無しさん[sage] 投稿日:2007/09/07(金) 18:54:39 ID:???
なんか金糸雀アンチより信者の方が痛いように思われてるようだな
ttp://blog.livedoor.jp/vipper0810/archives/51048437.html

326 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/07(金) 21:59:16 ID:1+4jYKKr
もういやだ・・・SSスレが、最悪だ
誰が望んだこの状態を・・・あまりにもかわいそうだ

327 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/07(金) 23:51:03 ID:2M6Xx+qL
>>326
スルーしなさいって。
反応するから増殖するんだ。

328 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 00:25:46 ID:UNm8xiYP
314 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/06(木) 18:59:56 ID:k7UX39SA
どうせなら投下が終わるごとにいちいち文句付けにくる金糸雀信者も惨殺してほしいです><

315 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/06(木) 19:18:04 ID:8ICTMCD/
幼稚な馬鹿ばっか('A`)
まともな奴らは何処へ行った

316 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/06(木) 19:27:57 ID:vlnIVoa0
まともな奴などそもそもいないわけで

317 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/06(木) 19:43:38 ID:HHVLiaTr
自分はまともと思っているが他人の評価は分からないから何とも言えん

318 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/06(木) 21:40:31 ID:d1WQJKTG
わ、わっふるわっふる!

319 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/06(木) 23:48:13 ID:k7UX39SA
アニメ板の本スレも金糸雀信者が暴れ出してから過疎ったしほんとこいつらローゼンスレの癌だな…


329 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 01:10:44 ID:9uarH14r
職人さんカモーン

330 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 01:40:01 ID:ZUwl1YZU
                       | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
          ,.:::''::´:: ̄::`:::.、    | てめーなんだよこの糞スレは!!
         /:;: '´T 丁l `ヽ::}   | てめーは精神障害でもあんのか?
         /{:::/ l |l ト、 l Nトl iハ.  < 何とか言えよゴルァァァァァァ!
       ldb| l k_ィヽレ仁リl│   \__________________
      | ∧l  lノ( _ノ  \イ               -‐ ' ´ ̄ ̄ ¨ヽ
      ,l  (l|ぃ⌒(( ●)(●)           , -'´:. :. :. :. :. :. ___」
      l   ヽ ト   (__人__)ト/⌒l       /:. :. :. :. _, - ' ´ ,r'´ ゙̄ヽ
      |/≪T |    ` ⌒´ノ |`'''|      く:. :. :. :, -' __, -‐ '´____|
     N≠{/ ⌒ヽ     }  |  |       ヽ/_, -'´, -ォi'¨´  \ ヽ \  て
       /  へ  \   }__/ /        ,ゝ':. :./  /|lト、   ヽ \ ヽ ',  (
     / / |      ノ   ノ         \/    |-!|. \、  \ ト、! i   ’, ・
    ( _ ノ    |      \´       _    l:::: i:: l  ノ ヽヽ `ヽl| l   ,  ’
           |       \_,, -‐ ''"   ̄ ゙̄''―---└'´ ̄`ヽ.  (○{!|  て
           .|                    __ __ ノ、_,、_,‐⊂: !   (
           ヽ           _,, -‐ ''" ̄ '、:ヽ:| ヽ| ̄   (_'゚    ≦ 三 ゚。 ゚
                                ヽ lト、   。≧         三 ==- ゚
                                     -ァ,          ≧=-

331 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 10:03:59 ID:Skmammqr
よしおまいら、
ここから以下はカナリア厨とアンチカナリアとそれに絡もうとする奴らは徹底無視な。

332 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 19:08:50 ID:a778N+HU
>>331
前に似たようなこと本スレで言ったら何故かアンチ扱いされてむかついた

333 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/08(土) 23:21:16 ID:A4MtKyxv
DQNなSSスレの為に緊急浮上

334 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 02:25:07 ID:ZiudnJ/x
カナリア最高かしら〜

膣に入れたいかしら〜^^

335 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 03:36:50 ID:hnTpqmPa
はてさて

336 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 05:46:58 ID:MKUkWy1K
C'mon,baby
Take a chance with us

337 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 06:22:07 ID:PFcgq5E+
And meet me at the back of the blue bus
Doin a blue rock C'mon, yeah

338 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 21:47:37 ID:MKUkWy1K
Before you slip into
Unconsciousness
I'd like to have an
Another kiss

339 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/10(月) 23:23:50 ID:5a4JV/rR
78

水銀燈はおかしそうにあたりをきょろきょろ見回していた。
真紅の言っていた柴崎時計店。人間の店。ともなれば、現実世界だろう。
たが、今水銀燈の前に広がっているものはひたすらの闇だった。闇に浮いている。どう考えてもいま自分がいるここは…nのフィールドだ。
嫌な予感がする。他のドール達と違い、数多くの戦いを経験してきた水銀燈はそういう直感に優れていた。
「…メイメイ」
紫色の人工精霊が主人のところへ駆けつけてくる。水銀燈は後ろを振り返ってみた。真紅はいない。
「…やっぱり帰ろうかしら」
この闇は何処か違う。水銀燈はいま自分がいるところに違和感を感じていた。nのフィールドも闇だが、今私がいるここは
本当に光りがないようで、自分すらその闇に飲み込まれてしまう気がする。

水銀燈はそのとき、音もなく緑色の世界樹の先端が自分に向かって突き進んできているのを見た。
「…っ!」彼女は持ち前の経験から鍛えられた反射神経でそれをかわした。
「きたですよ、…水銀燈…」水銀燈の背後の方から、第三ドールの翠星石が浮かび上がってきた。「蒼星石のローザミスティカを
取り戻しに!」
いわんこっちゃない!水銀燈は左手に持っている蒼星石を入れた鞄を見やった。こうとなったのなら捨ててやろうかと思ったが、
最後の良心が水銀燈に最後の優しさを与えた。「まあ待ちなさい、翠星石。私は戦いにきた訳じゃない」
「戦いに来た訳じゃない?それはそれは、」翠星石は冷笑した。「三度の飯よりアリスゲームが好きな水銀燈の台詞とは思えないですぅ。
また何かを企んで、姉妹を落とし入れようとしているのですね。いつもいつも小汚い。だからお前は…」翠星石は、昨日水銀燈を
激怒させた悪口をもう一度言った。「薔薇乙女の面汚しなのですぅ」
水銀燈を顔を歪ませた。やはり間違いだ。最初から無理な話しだったのよ。翠星石との和解なんて。私ッたらばっかみたい。
翠星石は燃えるような秘密で一人でこちらを睨みつけている。
妹をジャンクにされたのを余程怨んでいるのだろう。まして死後のあの扱い…
水銀燈は急に声を上げて笑いそうになった。
それから勢いよく蒼星石の鞄をフィールドの闇に放り投げる。そこが宇宙空間であるかのように、鞄はふわふわと水銀燈の
手元を離れては浮いた。
「鞄は戦闘の邪魔ですものね、スィドリーム!」翠星石は手元に如雨露を召喚した。「健やかにぃ!伸びやかにぃ!」
「随分と好戦的になったんじゃないのぉ、翠星石!?」水銀燈は上方から大声を浴びせながら、手元に剣を召喚する。「メイメイ!」
「私は分かったのです。戦わない為の戦いがあるということを…。自分だけで戦わなければならない戦いがどうしてもあることを…
蒼星石のローザミスティカを取り戻す為には、又然りなのです…」
「ハ!だからそれがアリスゲームだってずっと前から言ってんでしょ!?」
翼をはためかせ、水銀燈は翠星石に飛び掛り始める。「それはそうとして傷ついたいまのあなたの体で、私に勝ち目があるのかしら!?」
翠星石は自分の体のことを思った。
服こそはジュンに直してもらっていた彼女だったが、体のほうはまだ回復しきっていない。あちこちに昨日水銀燈の
黒い羽で貫かれた傷が残っている。だが、翠星石は蒼星石の受けた傷がこんなものではないことを考えた途端、痛みは消えた。
「やるです」

340 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/10(月) 23:36:48 ID:5a4JV/rR
お互いの距離を徐々に短かくしてゆきながら、二人は睨み合った。
闇に浮かぶその互いの姿以外、視界に映るものはない。
殺陣を感じさせる目で、翠星石が先に如雨露の中をスィドリームの水で満たし始めた。
応えるように水銀燈は剣を手元で二回ほどクルっと素早く回すと、次に体を回転させながら勢いにのせて翠星石に向けて一振りした。
翠星石はそれを如雨露で受け流すと水銀燈の剣を持つ腕を掴んだ。そして相手の剣の自由を奪った状態で、如雨露を上から振り下ろして
水銀燈の頭に殴りかかる。水銀燈は体を前に進ませてそれをよけ、掴まれた右手から剣を手放して左手に持ち変えると頭を起こして
素早く水平に振った。翠星石は頭を下げてかわし、剣は闇の空を裂いた。
「生意気な!」水銀燈は頭をかかげた翠星石の腰を後ろから蹴った。翠星石は蹴飛ばされながらも宙で振り返り、如雨露を振ると
世界樹を生やさせた。対抗して水銀燈も右手を伸ばすと翼から黒い羽を放つ。
互いの力が激突して相殺し、世界樹も朽ちて黒い羽も落ちて無に帰った。
再び距離が開いた状態で二人は睨み合う。
「憎しみの力が勝利に導くとか、そういう考え?」水銀燈は剣を振るいながら、頭を上げて翠星石を見下すように言った。
「なんとでもいいやがれですぅ」翠星石も劣らず殺気だった視線を返した。「人の心を見てきた私はお前よりもよく知っている。
絆も、縁も、憎しみも蔑みも同じ樹から出来ているのです。私は、その世界樹を武器に使っているのです」

一方の第五ドール・真紅は雪華綺晶の茨に全身を拘束されたまま必死に喚いていた。
「離しなさい!白薔薇!」
「"話しなさい"、白薔薇」
「この茨をときなさい!」
「この茨を"Talkin"asai」
真紅の台詞に雪華綺晶が言葉を引っ掛けていく。
「くっ…あなたって子はほんと…この茨をほどきなさい!」
「あなたには断れ切れない。ふふ、私がお姉さまと話したいといったのはこのことについて…」
ことわれきれない、たちきれない、真紅はいまだに雪華綺晶が言葉で遊んでいることが分かった。
「…これは、どちらが勝つか?お姉さまはどう思います?」
雪華綺晶が座っている下でその扉が独りでに開き、その先に闇の中で戦っている翠星石と水銀燈の姿が見えた。
「私は実は、翠星石のお姉さまが勝っちゃうと思うの。…ふふ」
「ああ!」真紅は信じられないという思いで目を見開き、扉の光景をみつめた。「どうしてこんなことに!?ああ!こんなはずじゃ!」
「彼女たちの舞うあそこは、私の作り上げた世界の中なの」
もがく真紅の前で淡々と続ける雪華綺晶。
「水銀燈は強いけれど、勝てない。私はそう思っているの。どうして?ふふ、…そォれは実は…」

341 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/10(月) 23:43:01 ID:5a4JV/rR
伸びてきた世界樹を素早く剣で切り裂くと、水銀燈は背中に生えた翼による持ち前の飛行能力で一挙に翠星石に詰め寄り、
ふたたび取っ組み合いを始めた。如雨露と剣。近距離戦ともなれば、水銀燈が有利だ。
水銀燈は両手で剣を持ち、翠星石に飛びかかると渾身の一撃を如雨露に加えた。大きな金属音と共に火花が散る。
すると翠星石の如雨露が定位置から大きく振り出され、無防備な格好になった。にやりと笑って水銀燈はもう一度強く剣を振るう。
慌てて防御に徹した翠星石だったが出遅れ、なんとか剣を受け止めることは出来ても力では圧倒された。
彼女の体が勢い負けして後ろに吹っ飛ばされる。容赦なくその翠星石にまた飛びかかっていく水銀燈。
その過程で、水銀燈は何か体にひっかかるような奇妙な違和感を感じたが、その時は大して気にならなかった。
飛ぶ速度も加わった水銀燈の猛烈な突きを如雨露でどうにか受け止める翠星石。その時、彼女の如雨露の先端のでっぱりに水銀燈の
剣先が勢い余ってひっかかり、ガチリと嵌った。「…くっ!」「チィ!」
二人は互いの武器をほどけぬまま攻防を開始した。それは大きく円を描くようにまわり、翠星石の頭上を絡まった如雨露と剣が
通り過ぎ、水銀燈の頭上を絡まった剣と如雨露が通り過ぎた。攻防は続き、水銀燈の胸のあたりでそれははたと止まった。
互いに力を込めて押し合う二人。不利を悟った水銀燈は体を半回転させて武器の連結を解いた。そのとき水銀燈の背中が翠星石に晒される。
すかさず翠星石はその背中を狙って如雨露を振るう。水銀燈は、いままでの戦いの経験と勘だけを頼りに剣を背の後ろに振るい、
三回翠星石の如雨露を受けとめた。その後すばやく身を翻して翠星石と向き直る体勢を回復する。

そのとき生じた僅かな時間を使い、翠星石は如雨露からスィドリームの水を撒いた。一本だけ短い世界樹が伸びて水銀燈の右手に
絡まり動きを封じる。
「ふ、学習しない子ね!」水銀燈は嘲り、拘束された右手から剣を落として左手に持ちかえた。「そんな封じ方は意味がない!」
左手の剣でその世界樹を断ち切ろうとするところを、翠星石の如雨露が遮ってそれも封じた。「甘いですよ、水銀燈…私の如雨露には、
まだスィドリームが残っているです」それを聞くと、水銀燈は右の目を見開いた。「なんですって…?」
見てみれば、剣とせめぎ合っている如雨露の蛇口から緑色の水が滴り落ち始めている。「くっ!」いまは右手も、左手も使えない。
この水が世界樹を生やさせたらたまらないので、水銀燈はその水が世界樹に栄養を与えてしまう前にその水滴を足で蹴り上げた。
水滴が弾け飛び霧のようになって上へと消える。
翠星石は素早くその水銀燈の振りあがった足を下から持った。逆十字のオーバースカートが捲れて中の白いドレスが目立ってくる。
足を持たれ、体のバランスが傾いた彼女を翠星石は思いっきり遠くへ突き飛ばした。
「なに?これがアリスゲームなの?」吹っ飛ばされた水銀燈は唐突に奇妙な疑問を口走り始めた。「何しているの?」
「そうですよ。アリスゲームです。私の大嫌いな、アリスゲームです。」
翠星石は水銀燈が遠く離れている合間に再び如雨露の水を満たしはじめていた。
「何か違う!」水銀燈は急になにかの異変に気付いたかのような顔つきで言った。「なぜ?私はなぜこんな所にいる?これは本当に進んでいる?
お父様が思っていないところで、私達は戦っている気がする」
「もしかして、逃げようとしてるですか?」
「黙りなさい!」水銀燈は翠星石のことが頭から外れかけているようだった。「私は薔薇乙女として、アリスゲームをしてきた。
アリスの為でない戦いは薔薇乙女にとって恥。ここは薔薇乙女がいるべきところじゃない」
「どこだって、蒼星石のローザミスティカさえ取り戻して前のように会話できるなら私はそれでいいのですぅ」
「あなた、気でもおかしくなってるんじゃないの!?」水銀燈の顔はどういう訳か焦りに満ちていた。「冗談じゃない。私はここから出るわ!」
どこかへ飛ぼうとした、その時だった。何か糸のようなものが水銀燈の体に絡まり、そこから全く身動きがとれない状態になってしまった。
「な…これは!?」よくみると、赤くて細い糸が光りを反射しており、それが水銀燈の体を絡めている。
翠星石は水銀燈へと接近した。「どうやら、真紅が私に協力してくれていたみたいですぅ。それは真紅の花弁が形を変えた糸ですよ」

342 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/10(月) 23:46:00 ID:5a4JV/rR
「そんな?…まさか!」
蜘蛛の巣にかかった羽虫のように哀れな状態の水銀燈は、涙目になり始めた。「そんなはずないわ…。だって…真紅は…真紅は…」
「仲直りした、ですか?」翠星石が先駆けて言った。「何故真紅がこんなことしているのか、私にも分からないです。でも、その糸は
確かに真紅のものですよ。他のどの姉妹のものでもないですぅ。もしかしたら、私の手でお前から蒼星石のローザミスティカを
取り戻させるようにする為の、最初からそれは真紅の作戦だったのかもしれませんし…」
その言葉は、水銀燈の心を地獄のどん底に突き落とした。
「真紅に裏切られた?…いや最初から…作戦…?」
翠星石は、涙目で体の自由を奪われている水銀燈を見ていると急に心の中に狂気めいた加虐心が生まれてくるのを感じた。
「まったく、真紅ときたら、とんだヤツですぅ!」
そして思ってもないことを翠星石は容赦なく水銀燈に聞かせた。「流石は私達の真紅!アリスになるのは、やっぱり真紅ですね!」
真紅はこんなことするようなドールじゃない。なぜこんなことを?本当は翠星石も疑問に思っていた。
しかし、まるで別の誰かが彼女の思考回路に入り込んだかのように翠星石は誘われていた。
自分が自分でなくなっていく誘い。そして、そこに溺れてしまいそうな異様な高揚感を翠星石は覚えていた。堕ちていく快楽。
「そう…そうね…真紅」一方の水銀燈の心は、ボロボロになっていた。「…真紅…真紅。私は真紅に勝てなかった。七体目の言った
通りだわ…うっふふ…」

「いやぁ!なんてことを!」残忍に笑っている雪華綺晶に対して、真紅はネジが外れたように泣き叫んでいた。「なんてことを!」
「二人のいるあそこには、実はお姉さまからつい先ほど戴いた能力で糸を張り巡らせていたの」
雪華綺晶は愉快そうに言う。「紅薔薇の花弁の能力…形も変えられるのですね。ふふっ。とても使いやすくてすてき…。
なぜ翠星石は赤い糸にひっかからず、水銀燈だけが捕らわれた?それはどうして?ふふ。私には実体がないから。その私から
媒介されて作られたあの糸もまた実体はないのです。だから翠星石には引っ掛からない…けれど水銀燈には、実は私のローザミスティカ
が入っているの。私のローザミスティカを持つ水銀燈だけは実体のない糸とも触れ合うことが出来る。私のローザミスティカもまた
一応の媒介がまだ生きているから。そして引っ掛かった…ふふ」
真紅は、何もかもが雪華綺晶に利用されてしまい、最悪の展開に持っていかれたという事実を突きつけられた。
「私の予想が当たりました!翠星石の勝ちです!」

343 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/10(月) 23:52:10 ID:5a4JV/rR
79

柴崎時計店の元治は、鏡のある部屋から聞こえてくる翠星石の声やもう一人の少女の声、そして激しく物と物とがぶつかり
合うような音を聞いて、引き寄せられていく鏡をのぞいた。
鏡の中では、翠星石と、もう一人黒いドレスを着た少女とが、如雨露と剣で戦っている。
…殺しあっている。
元治は驚きに目を見開いた。昼に翠星石がいつも一緒だった蒼星石を連れずに一人で暗い顔をして家に来た理由。
戦争体験の話をしたら急に"決意した"と言った理由。元治は薔薇乙女達の隠された運命をいま知った。
「いかん!翠星石!」元治は誘われるように鏡の中へと飛び込んだ。鏡の中などに本当に入れるのかという本来持つべき疑問が
全くなかった。奇妙なことに、元治が鏡の中へと入った瞬間"私の予想が当たりました!"という少女の声が部屋の中に響いた。
元治が鏡の中へと入るとき、鏡は白い薔薇とクリスタルで出来た城を映していた。

宙吊りにされた状態の水銀燈の前で、翠星石は譲歩の言葉を投げかけていた。
「真紅に嵌められたお前がおまりにも可哀想ですから、ちょっとお前に慈悲をかけてやるですぅ」
高揚感で自分を失いかけている翠星石は、水銀燈を絡めている糸が本当は真紅の力を借りた雪華綺晶のものだということに気付いていない。
彼女は右手を差し出して言った。「蒼星石のローザミスティカを、返すですぅ。」
水銀燈は顔を落としたまま無言だった。
「…水銀燈、これは最後の忠告ですよ」
水銀燈は、ほとんど聞き取れない声でなにかを呟いた。「…え溜めだ」
「え?」翠星石は聞き返した。
「肥だめだ!」水銀燈は泣き崩れた顔を上げ、感情を爆発させて叫んだ。「真紅、雛苺、蒼星石、翠星石、薔薇乙女の姉妹の仲なんて
ただの肥溜めだ!!自分達がはまっている糞を見てみなさい!これが薔薇乙女第一ドール、この水銀燈の終わり方よ!!
残酷な死とか、過酷な運命とか、そういうのじゃない!!啜り泣きで、誰も気付かないような世界の隅でただすすり泣いて水銀燈は
終わるのよ!!よく見ておきなさい、翠星石。水銀燈の終わりというものをね!!」
これが死を覚悟したものの剣幕というのだろうか。
死ぬ時まで堂々と気高くあろうとする姿に、一瞬翠星石は我を取り戻しかけた。長女の貫禄をひしひしと感じた。
けど、だからなんだ。水銀燈をいまここで倒すしかない。そうすれば蒼星石のローザミスティカを取り戻すことが出来る。
翠星石は如雨露を振った。
満タンに満たされたスィドリームの水が如雨露の蛇口から撒かれ、図太く強力な世界樹がそこに何本も伸びた。

これが、薔薇乙女第一ドールの水銀燈の終わり方だ。

344 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/10(月) 23:54:56 ID:5a4JV/rR
しかし…次の瞬間に翠星石は目を瞠った。
世界樹が…全く主人の言うことをきかず、水銀燈ではなく周囲の赤い糸を貫き、糸を散り散りに切り落としたのだ。
「どうして…?」翠星石は恐怖のまなざしでその世界樹を見ていた。世界樹といえども翠星石の下僕という訳ではない。
ときに人やドールの心を媒介して、世界樹が独自に意思を持って動くこともある。翠星石はそれを知っている。
でも、どうして?蒼星石のローザミスティカを取り戻したいと、こんなにも強く望んでいるドールがここにいるのに!

不思議な一連の流れで自由を取り戻した水銀燈は、無言で翼を羽ばたかせるとその場から離れ始めた。またたく間にその体が闇に飲まれてゆき
何処かへと消える。彼女の最後に流した一滴の涙の雫がそこに落ちた。

翠星石は呆然とそこに立ち尽くしていた。
どうして世界樹は、水銀燈を逃がしたのですか?…翠星石は悔しさでいっぱいになった。
それからこの闇に一人取り残されたことに強い独感を感じ始めた。どうしようもなく真紅に会いたくなった。
真紅、どうして水銀燈に罠をかけたですか?
出口を探そうとあたりを見回す翠星石の目に、先ほど水銀燈が投げ捨てていた鞄が浮かんでいるのが目に入った。
丁度いい。水銀燈の鞄なんて壊してやる。悔し紛れの仕返しだ。
ところが鞄に近づいたとき、不意に懐かしいような感覚に襲われて翠星石はぴたと体の動きを止めた。
直感…この直感は、長い蒼星石との付き合いで知れずと磨かれた直感だった。
翠星石は鞄の前にたち、ゆっくりそれを抱え持った。直感は、ますます強くなる。
鞄に施された薔薇の飾りが蒼い光りを反射している。
翠星石は、鞄を開けた。

一瞬、何が起きたのか分からなくなった。訳が分からなかった。

水銀燈が運んでいた鞄は、蒼星石の鞄だった。

"翠星石、私は戦いにきた訳じゃない"

今になって遂に、翠星石はさっきの水銀燈の言葉のほんとうの意味、世界樹がさっき水銀燈を貫かなかったほんとうの意味を理解した。
翠星石は嗚咽を上げ、鞄の中身をみながら泣いた。まるで瞳の中のダムが崩壊したかのように泣いた。
自分は最低なドールだ。
「待って!水銀燈!」
一人取り残された闇の中で、翠星石は顔を上げてむなしく叫んだ。
「待って!!お願いです、水銀燈、行かないで!」
何もかも手遅れだった。

翠星石の涙は、鞄の中で安静に眠っていた蒼星石の頬を濡らした。

345 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/10(月) 23:59:24 ID:5a4JV/rR
80

雪華綺晶はいきなり幸せそうな顔をした。「マテリアルが集う!」
ほんの一瞬、真紅は雪華綺晶の体がまるでローザミスティカを体に入れたときのように体が白っぽく煌くのを見た気がした。
「紅薔薇のお姉さま。私はたったいま、"アリスゲーム以外にアリスになる方法"をしたのです。フフっ」
彼女はいたずらっぽく笑う。「見てました?マテリアルがまた一つ集うその瞬間を」
真紅は半ば放心状態で答えた。「…あなたの体が一瞬光ったようには見えたわ」
「あら。そこまでですの」雪華綺晶は落胆したように言った。「でも、みすみすあなたに答えを上げるつもりは私にはない。
可哀想に。私がわからない?お姉さま。私のしようとしていることが分かりませんか?真紅お姉さま、私はあなたのしようとしている
ことの方が分からない!」饒舌に喋り始める雪華綺晶。「あなたの分からなさはお父様の分からなさに似ている。いえ、
真紅お姉さまかまたはその"マスター"が分からなくさせている、というのが正しいのかしら?何が分からなくなるか?私はお父様が
分からないし、アリスも忘れている。けれど、その独自性を明かす中枢は"マテリアル"ではなく"メソッド"…方法にあります。
だって"マテリアル"は今やはっきりとしているでしょう?ローザミスティカとアリスゲーム、"マスター"と"マエストロ"…同じ関係です。
分かりますか?お姉さま。いまあなたがこれを解せるか解せないかはあなたが気付いているか気付いていないかほどに大事なポイントです」
雪華綺晶の話しをききながら、真紅はただ彼女を睨み返していた。
だがその瞳に微塵の覇気も感じられなければ怒りらしいものも感じられない。
完全に心が飽和してしまった状態で、真紅はただ雪華綺晶を見返しているのだった。
雪華綺晶は人指し指で真紅の頬をつついて続けた。
「…ふふ。そう、あなたは答える必要がない。答えるか答えないか…混乱はまずそこから始まります。お姉さま、私はこのたった一つの
時代で扱わなければあらないマテリアルがあまりにも多く点在しているのです。それもやり直しは効かない。だから私はまだ私の
マテルアルの答えをあなたに教えない。しかしいずれあなたは間違いなく気づくでしょう…。私が次に行動すればすぐにでもあなたは
気付く…でもなければ…アリスが誕生する直前で自ずとそれを媒介することになりそう…私が最もわからないところがそこにくる。
あなたはどんなメソッドでマテリアルを扱うつもりなのか。あなたのマスターがその端を見せつつあるマエストロの業?」
雪華綺晶の話しが深みにはまるように難解になっていく。

だが、なんとなく真紅には目の前の白薔薇が答えを教えないといいつつも、何か暗示的なヒントを話しの中に散りばめ、それに気付くか
どうかを自分に試して楽しんでいるように思えた。
「私が死ぬかどうか、考えたことがありますか?だとしたらどんな死に方を遂げるというのでしょう?アストラル体は死ねるのか?
あるとすればお父様の"メソッド"が死んだ時に他ならない…。マテリアルに実体はあっても、メソッドには実体がない。私はメソッド
で生きているのです。」真紅の顎を持つ。「あなたはその中間です、人間はマテリアルのみです。ふふ、お気づきになられましたか?
お姉さま。」雪華綺晶の話しが結論に近づいていっているのがなんとなく分かった。「もし、私があなたの為のマテリアルに過ぎなかった
としたら!?それに気付いたときは、私は死ぬ。あなたはアリスの為の私のマテリアルに気付き、私が気付かなかったメソッドに気付く。
真紅お姉さま、あなたは決していまの私の話しをアリスゲームだけの話しだとは思ってはいけない。」
鼻先くっつき合うほどに雪華綺晶の顔が真紅に接近した。
「もし あなたがこの意味を本当に理解したのなら − もうあなたはそのマテリアルを使いこなしたとしても − 」
真紅の体から徐々に雪華綺晶の茨が解かれていく。
「私の支配を抜け出したことにはならない。しばらく巣に篭るとしましょう」

346 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/11(火) 00:07:10 ID:u+PlAghs
81

真紅の前から雪華綺晶はきえた。
nのフィールドの暗闇に真紅は一人で浮いていた。
夜の海を放流する空のビンのようにそこに浮いていた。行く当ても目的も失って、ただそこに…。
何もかも投げ出したい気持ちに襲われた。終わりにしたい。
私のしていることの何がいけないというのか。姉妹との平和を望み、平穏な毎日を過ごしたいだけだというのに。

見えること全てに色褪せてしまったような空虚な瞳で真紅はnのフィールドの無限の闇を見上げた。
全てが無に帰したこのフィールドでありもしない救いの手を死に物狂いで求めて…絶望の荒野で…
横から声がしてくる。
「…真紅…真紅!真紅!」
翠星石だった。「…真紅!」
彼女は右手に鞄を持ちながら、顔を真っ赤にして泣いている。「…真紅!」翠星石はもう一度第五ドールの名を呼ぶなり抱きついて
泣き崩れた。「…真紅、私は、私は…最低なやつですぅ…真紅、きいてください…」
真紅は翠星石を静かに抱き返した。「…分かっているわ。見ていたから」
「見ていた…ですか?」涙を流している翠星石の顔が真紅を見上げる。「あの赤い糸は、どうして…?」
「あれは私の糸ではないわ」真紅の声は疲れきっている。「白薔薇が私の能力を真似して作り上げた糸…」
「ええ…?じゃぁ、私達は…水銀燈も私もみんな…」「雪華綺晶にはめられたのよ」
恐るべき陰謀の全貌がいま明らかとなり、翠星石は胸中のローザミスティカの輝きが消えかかるのを感じた。口を開いたが、
唇が震えて何の声も出てこなかった。一瞬、かの一見薔薇水晶と見分けのつきにくい第七ドールに対しての怒りが湧き起こって
きたが、すぐにそれは消えた。二度と姉妹同士で憎みあうのは二度としたくないと思った。翠星石には戦いの経験が欠けていて、
戦いによって失なわれるものが姉妹の命だけではないことを知らなかったのだ。
「真紅…真紅…!」翠星石は必死で懇願する。「水銀燈にもう一度合わせてくださいです…!こんな…こんな形で終わらせたく
ない…!水銀燈は蒼星石を体だけでも返しにきてくれました。なのに私は…!」
「…翠星石。分かっているわ」真紅は優しく対応した。「水銀燈を一緒に探しましょう。まだ9時にはなっていない。
私は、たまたま現実世界で水銀燈が普段何処にいるかをたまたま見つけたの。だから話しにいきましょう。水銀燈が心を閉ざしきって
しまう前に…」真紅は翠星石の手をひっぱり、nのフィールドの中を移動しはじめる。

精神も身体も限界を超え、別世界の一端すら見た。それでもまだ私達は途方もなく大きな障害に立ち向かおうとしている。
真紅は、自分がこれから死の世界へと直行しているようにすら思え、次の言葉を言った。

「なんだか…次が薔薇乙女としての私の最後の試練という気がしてきたわ」

347 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/11(火) 00:54:22 ID:LhsTPAoJ
>>339->>346
GJ!!
最初から一気に読ませてもらった
次回も楽しみにしてます。

348 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/11(火) 02:17:31 ID:eS5i/Qs2
↓外人もローゼン大好きだよw

http://www.desuchan.net/

349 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/11(火) 03:11:10 ID:DF9e0Wmv
>>Rozen Maiden LatztRegieren

この作者完全に金糸雀アンチだな死ねよ

350 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/11(火) 06:38:07 ID:fuWFgNrF
乙でした

351 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/11(火) 19:04:43 ID:pI/OuZAb
>>339-346
GJ!
真紅の台詞から察するにいよいよクライマックスって感じですね

>>349
お前が死ねカス

352 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/11(火) 19:06:18 ID:pI/OuZAb
437 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2007/09/10(月) 11:31:48 ID:RCfBgOCcO
水銀燈や翠星石みたいなキャラの信者に痛いのがいるのは人気的にある意味仕方ないけど、
カナリアって人気最下位のクズだろ?そのくせ信者も痛いとか最悪だな

440 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2007/09/10(月) 18:29:34 ID:0WKDyc9e0
>>437
逆に考えるんだ
金糸雀みたいな人気最下位のクズ人形だからこそ信者も似たようなクズが集まる
そう考えるんだ

442 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2007/09/11(火) 03:12:41 ID:9f7MxCa20
金糸雀信者は在日と部落民で構成されているらしい

353 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/11(火) 19:07:42 ID:pI/OuZAb
244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2007/09/11(火) 03:50:31.63 ID:TOqML2Ir0
自分で何ひとつやろうとしない癖に他人に文句付けるのが金糸雀信者のデフォだからな

354 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/11(火) 20:21:37 ID:MreYt+vQ
みんな死のうぜ

355 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/12(水) 10:43:51 ID:PlcnC1+K
俺は生きるけどね

356 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/12(水) 18:05:10 ID:tE+6RXNr
>>353
まさにその通りでワロタwwwwwwwwwww

357 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/13(木) 03:21:07 ID:zN6UBVgs
同じローゼン好きなんだから仲良くしろよ

358 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/13(木) 05:44:37 ID:IOFMy3g/
キャラ叩きしてる奴が作品を好きとも思えんが

359 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/14(金) 09:41:43 ID:eD6ERC/7
期待age

360 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/15(土) 10:15:06 ID:fY5yBtcz
ここ数日で金糸雀信者に荒らされたVIPの総合スレ(いずれも容量オーバー)
http://rozen-thread.org/2ch/test/read.cgi/news4vip/1189695928/
http://rozen-thread.org/2ch/test/read.cgi/news4vip/1189663132/
http://rozen-thread.org/2ch/test/read.cgi/news4vip/1189606807/

ひどすぎワロタwwwwwwwwwww

361 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/15(土) 10:25:00 ID:K1O/OKPb
金糸雀信者ってwwwwwwwwwwwwwww
ただの信者装ったアンチだろwwwwwwwwww
釣られ過ぎwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

などとマルチにマジレスしてみる

362 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/15(土) 22:08:22 ID:f//WrVOy
2

水銀燈は訳もわからずに現実世界の夜を飛び回っていた。
自分がどこに向かっているのかよくわからなかった。翼だけが壊れたように何処かへ自分を導こうとしている。
周囲では、夜のこおろぎが鳴く音が聞こえる。
分からないんじゃない。認めたくなかっただけなんだ。水銀燈は自分に言った。けれど、もう私は認める。めぐがいつしか私の
たった一つの心の支えになっていたということを。私にはやはり…めぐしかいなかったということを…。

水銀燈がめぐの病室の窓の近くに飛んでいくにつれて、激しく口論するような声が聞こえてきた。「帰って!帰ってよ!」
めぐの叫ぶ声と…男の声。めぐの父親だっけ…
「もう私はお前なんかとは他人になった。帰れ!」
「めぐ。私のいうことを聞くんだ!お前の為なんだ!」
すぐにでもめぐに合いたかったが、仕方ない。水銀燈は窓のすぐ下のコンクリートの出っ張りに腰掛けた。
「"人の為"になって自己満足する偽善!私はもううんざり!見たくもない!だから人間なんか嫌いなの!ここから消えろ!」
めぐの金切り声が外まで響き、水銀燈にも十分すぎるくらいはっきりと聞こえてくる。「お前のせいで、お前のせいで
私はこんな様になったんだ!お前が病気のことを明かさないから、抜け出せないんだろうが!!そうでしょ、そうなんでしょ、
この外道の糞野郎が…」
普段のめぐからは到底聞けない罵詈雑言を耳にしながら、水銀燈は病院の外で一人大粒の涙を流し始めた。
世界は、こんなことばっかりじゃないか。水銀燈は声を上げて泣いた。10代の少女のように泣いた。「あー…。…ああ−あー!!」

363 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/15(土) 22:10:57 ID:f//WrVOy
83

めぐの父親は、自宅に帰る途中で近くのカクテルバーに立ち寄った。腕時計を見る。「…9時二分」
…今日は日曜日だし、多少寄り道しても構うまい。とはいえ、日曜日にも仕事はある。自宅に帰っても尚まだ仕事はある。そして
仕事とは別の、やらなければならぬ調べごとがある…。めぐの左手に嵌っていた指輪。めぐの父は、それを見たことがあった。
…ローゼンメイデン。
めぐの父はその存在を強い憎しみと共によく知っていた。めぐと契約を結んだというドール…必ず見つけ出してやる。

「"vodka"1オンス」
バーの店主がカクテルを組み合わせながら、愉快そうに言う。
「"Melon Liqueur"を2分の1オンス、"Blue Curacao"を2分の1オンス、順にスプーンの裏側を通して注ぎ組み合わせて…」
めぐの父の前のテーブルに完成品のカクテルが置かれた。
「メロン・マッドネスです」
「"メロン・マッドネス?"」めぐの父は冗談だろという感じに笑い、首を往生させた。「一体何年前の組み合わせだ?」
「その通り。年代物です」バーのマスターが答えた。「10年前くらい前のものですかね。今日は敢えてあなたにこれを選びました」
めぐの父はカクトルを手に取り、その水面を見つめた。「…10年前か。めぐはあの時、丁度そう…7歳だったな…。
その時から有栖川大学病院に入院した。それっきり学校へ行けず、好きだったバドミントンも出来なくなって…めぐは病棟の
生活で、すっかり生きる気を失ってしまった。」そう言い、めぐの父はカクテルを口に含んだ。
「娘さんはまだ元気なんですか」バーの店主が聞く。
「あと二週間足らずな余命なんだ」めぐの父がカクテルから口を離し、答える。
「…そうなんですか…。」
「めぐには、もっと人としての楽しみを知って欲しかったなぁ。」
めぐの父は言い、目を赤くさせはじめながら喋りを続けた。「もっと友達とも遊んで、学校で色々なことを知る楽しさを知ってほしかった
なぁ…。」涙が流れ始めた右目を手で覆い隠す。「もっとめぐには人と人との恋に悩み、経験して、成長してほしかったなぁ…。」
残ったカクテルをめぐの父は全て飲み干すと空のグラスをテーブルに置いた。「だが、私には仕事がある。まだ私にはやることがある。
今日はこのへんにしておくよ、マスター」

めぐの父は席を立ち、勘定を済ませるとバーの出口へと向かった。

364 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/15(土) 22:16:36 ID:f//WrVOy
84

午後9時35分、有栖川大学病院の病室からは、少女の歌声が響いていた。時間はとっくに消灯を過ぎている。

…夢は風 光導く 空と雲を超えてゆく あなたの声 響け
幸せと 嫌な思い出 優しい今が遠ざかる 静かな夜 続け
この場所に残す 足跡さえ 消えかけて歪む 傷跡の様
夢の中 生まれた心
ガラス窓が君見てる 瞬の内に込めて
すがる気持ち捨てて 全て思い繋げ…

めぐの歌にすいよせられるように、水銀燈はめぐの病室の窓に降り立った。顔に大粒の涙を流しているまま。
その水銀燈の姿にめぐは驚いた。「…水銀燈?」
「うっ…ひっ…めぐ…」水銀燈はまだ嗚咽を漏らしている。彼女は崩れるように窓から病室の中へと降り立ち、ベッドに乗り出すと
めぐの胸の中に飛び込んだ。「あー!めぐ…っ…めぐ…私を抱いて…めぐ…」
「水銀燈…どうしたの?」めぐは最初は困惑するような顔をしたが、すぐに笑みを浮かべると飛び込んできた水銀燈の背中を両手で抱き返した。
めぐに抱擁されたまま、水銀燈は彼女の胸に顔を埋めて嘆いた。「ねぇ、めぐ、めぐ、…どうして私ばかりこんなひどい目ばかりにあうの?
私は生まれたときから誰にも愛してくれないの。真紅にまた欺かれた…翠星石とつるんで…どうして?みんな私ばかりに冷たいの!みんな氷の
ように…私いないところで彼女達はいつも暖かそうな顔をしているのに。それは結局私には決して向けられないものなのね」
水銀燈からは涙が留め止めなく流れ、めぐの病院服がどんどん濡れていく。「めぐ、聞いて…私は本当は、生まれたて欠陥があったの。
最初から作りかけの人形だったの…それから、…そうと分かったら、みんな冷たいの。私はもう直してもらったのに。真紅達の中の
私はこれからもずっと欠陥のままなの。」
泣き崩れながら水銀燈はめぐの顔を見上げる。「でもめぐは違うでしょ…?私が本当は最初は未完成品だったなんて知っても、
めぐは私を放したりしないでしょ?…お願い…もう私にはめぐしかいないの…」
めぐは優しく水銀燈の頭を持ち、たぐり寄せると答えた。「いまでも、これからも、水銀燈はずっと私の、私だけの天使さんよ。
私の壊れた命を少しずつついばんでいってくれる、黒い天使さん…」
めぐと水銀燈の顔が互いに接近する。「ねえ…水銀燈…私の命は最初から正しくなかったの。私のパパ…あいつさえいなければ、
そうしたら私はやりなおせるわ…」
涙を流しながら、水銀燈は目を瞑った。「…めぐ…願いは叶えるわ。私…あなたの天使さんになる…約束するわ…」
2人の唇が重なった。

365 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/15(土) 22:21:00 ID:f//WrVOy
85

"私達薔薇乙女は、 − 人間を傷つけたり不幸にする為の存在ではない。お父様もそう仰っていた。" 

水銀燈はついにまた創立主ローゼンの志向に背くことになる。
めぐの願いを叶える為に、水銀燈はそれをする。水銀燈の決意は固く、もう何が何だろうとそうするつもりでいた。
そうでなければ私はこのアリスゲームをこれ以上耐え抜くことが出来ない…
めぐの父親を殺しに行くだけが目的じゃない。めぐの寿命をのばすことが出来るという、親の夢の樹の話しを水銀燈は思い出していた。
薔薇水晶を創った人形師が自ら告げてきた自分の寿命を延ばした話しだ。

"生命の提供主である親の夢の樹をうばい、それを自分の夢の樹の一部とすれば、寿命はのびる…" (第二話参照)

めぐの父を仮死状態にさせ、夢の扉を開く。そして夢の樹を奪いに行く。…それが私の目的だ。めぐの余命は伸びる。
午後9時をとうにすぎて、薔薇乙女として眠るべき時間であるのにも関わらず、彼女は己の体に鞭をうって夜の大都会の大空
を飛んでいた。限界を超えた限界だ。これが薔薇乙女第一ドール水銀燈の、最後の試練にも思えた。

I'm tired of being what you want me to be
Feeling so faithless lost under the surface
Don't know what you're expecting of me
Put under the pressure of walking in your shoes
(Caught in the undertow just caught in the undertow)
Every step that I take is another mistake to you
(Caught in the undertow just caught in the undertow)

19世紀時代とてうってかわって、20世紀の夜は明るい。星空が大地にも存在するかのように広漠とした街の光の点が散らばっている。

I've become so numb I can't feel you there
Become so tired so much more aware
I'm becoming this all I want to do
Is be more like me and be less like you

人間たちの都会を夜空より見下ろしながら、めぐが言っていたらしきものを水銀燈は見つけた。大量の人間が鉄でできた細長い蛇の
ようなもののなかに入って、そのヘビが人間達を何処かへ運んでいく。ニ本の鉄の線が地面に敷かれていて、ヘビはそれに沿って
動いている。

Can't you see that you're smothering me
Holding too tightly afraid to lose control
Cause everything that you thought I would be
Has fallen apart right in front of you
(Caught in the undertow just caught in the undertow)
Every step that I take is another mistake to you
(Caught in the undertow just caught in the undertow)
And every second I waste is more than I can take

水銀燈はそれらしき建物を見つけた。あれの下から8番目の…そこまで分かればあとは中を見れば分かるだろう。

I've become so numb I can't feel you there
Become so tired so much more aware
I'm becoming this all I want to do
Is be more like me and be less like you

366 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/15(土) 22:31:42 ID:f//WrVOy
内容:
突然外からカラスの黒い羽が飛んできたかと思うと部屋の窓ガラスが割られた。
それとほとんど間をおかずに黒いドレスを纏った人形が窓のとこに着地する。
めぐの父親は、窓から入ってきたその存在を見ると、まるで予期していたかのように滑らかな動きで机の引き出しをあけると拳銃を
取り出し、その人形に向けた。「…ローゼンメイデンだな!」
水銀燈は両手を上げ、降参の動作を見せた。「いやぁね、そんな物騒なもの私に向けないで」
「私の娘のめぐのそばにお前がうろうろしていることには気付いていた」めぐの父は拳銃を握りしめ、しっかり水銀燈に向けながら
言う。「その指輪を私は知っている。幻のローゼンメイデンの指輪だな」
水銀燈はわざとらしくびっくりしたような顔を見せた。「あら〜、割と私達って人間世界に有名なのね〜!」
「調べたが、お前達は人間と指輪の契約というものを交わしてその生命力を奪うという話しだな。ずっと私のめぐから力を吸い取って
いたのか?最近になって原因不明にめぐの余命が尽きかけているもお前が原因なんだろう!」

めぐの父の拳銃を持つ手に力が篭る。「ローゼンメイデンに私の娘の命はやらん。お前さえ消せばめぐは助かる!」
水銀燈は両手を上げたまま余裕そうに笑った。「うっふふふ…残念ねぇ、少なくとも、私を殺してももうめぐの命は助からないし、
あなたがめぐのことを全く分かっちゃあいないことがよく分かったわぁ。可哀想なめぐ。いい?あなたはいつか、一昨日だった
かしら?海外の心臓病院に連れて行くとか言ってたけど、それはめぐにとってまったくのプラスにもならないわ。何故だかわかる?
めぐを救えるのは世界でいまこの私だけなのよぉ。そして、私はめぐを救うためにあなたを"殺しに"きたの。」
「ローゼンメイデンは邪悪な人形だ。人間から力を奪い取るだけの存在だ!私はお前に騙されない」
めぐの父は拳銃の銃身を入れ替える。「おとなしくめぐとの契約をここで解け。でなければお前をここで壊してやる」
拳銃の銃口を向けられたまま、水銀燈はへらへら笑った。「それじゃあ、めぐのお父さん?そのピストルの引き金をひく前に、
私に一つだけ、質問させて?」
「…。言ってみろ」
「めぐは、この私のことを何て呼んでいると思う?」
めぐの父は油断はしないようにしながら、水銀燈の姿を眺めた。黒い翼。真っ黒なドレス。銀髪。「…悪魔にしか見えないが」
「その通り!」水銀燈は答えた。「誰がどぉみても私は悪魔。人間から躊躇なく命を吸い取ってしまうような、恐怖の対象よぉ…
…うっフフフ、でも残念ねぇ、めぐのお父さん。あなたの答えはハズレよ。うふふふっ。私はね、めぐに"天使"って呼ばれているのよ。
"天使"って。あっはは、自分でもおっかしい。"私をお空に連れてっていって入れる、あなたは黒い天使"だってね。可哀想にね、
あなたのせいよ。あなたがめぐをあそこまで放っておくからこんなことになったのよ。」

めぐの父はもう一度水銀燈の容姿を確認した。「…その身なりで天使か?」
「あらぁ」水銀燈は足を動かし、黒いオーバースカートをわざとはためかせた。「この逆十字が気になるの?もしかして、
悪魔崇拝だとでも?」
「…いいや違う」めぐの父は否定した。「聖ペテロが自らを、イエスと同じ状態で磔刑されるに値しないと称し、十字を逆さにして
磔になることを望んだ。逆十字は元々はイエスに対する自分の無価値や謙虚の象徴とされていた」
「またしてもその通り」水銀燈はニヤリと笑い、自分に向けられている拳銃を見やった。これはあなたたちの大好きなハリウッド映画
とは違う。引き金を引く前にいつまでも言葉をぶつけあい続けることはありえない。
それじゃあ、そろそろ終わりとしましょうか。
「よく知ってるじゃなぁい」水銀燈は相手の目を見据えたまま言った。「だからその気になれば別に横の十字でも良かったってわけ。
スウェーデンの国旗みたいにね」視線を微動だにせず、喋って相手の注意を削ぎながら、水銀燈は目当てのものに触れるまで徐々に
ゆっくりと両手を上に伸ばしていった。「この逆十字が悪魔崇拝と関連付けられ始めたのは…」
突然水銀燈は言葉を切り、それを握った。
そして逆襲に出た。

367 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/15(土) 22:41:27 ID:f//WrVOy
まったく予想しなかった動きだった。その瞬間、めぐの父は物理法則が存在しなくなったかと錯覚した。人形が宙に浮いて脚を
大きく上げるや、黒っぽいブーツが自分の腹へとぶち込まれ、めぐの父は蹴り出された。
「どっかの妄想おばかさんが考え出したことなのよ!」人形は嘲るように大声で言った。
後ろに飛ばされ、部屋の机に突っ伏して時計やスタンドに頭部ぶつけつせた彼が状況を理解したときは、もう手遅れだった。
人形は窓のカーテンの支柱バーをつかみ、それを支点として体を振ったのだった。すでに人形は部屋の中に入り込み、こちら方へ
突進してきている。
体勢を立て直し、めぐの父は拳銃をもう一度人形に向けようとした。引き金を引く前に一本の黒い羽が飛んできて拳銃を貫き、
彼の手元から弾け飛んでいった。拳銃は床を滑り、部屋のベッドの下の隙間に入った。
「…メイメイ」人形は奇妙な呪文のようなものを唱えると、紫色の光りが彼女の手元で煌いた。やがて紫色の光りは剣を形作り、
人形の手元に収まるや自分の顔を目掛けて振り落とされてきた。めぐの父は上半身を回転させながら机から離れ、地面に落ちた。
人形の剣が机の面に食い込む。思った以上に深く入り込んだようで、人形は剣を机から引き抜くことに苦戦している。
めぐの父は身体を起こし、人形の顔に殴りかかったが頭を低くしてかわされた。思いのほか身長が小さい。勢いあまって前につんのめる
彼の体を後押しするように人形が彼の腰にケリを入れ、彼は正面の壁に激突して鼻を打った。
「…ぬあ!」
めぐの父は苦痛の叫び声を上げて鼻を押さえる。
人形は机からようやく剣を引き抜くと再び彼に近づいてきた。今度は突進という近づき方でなく、剣先をこちらに向けながら
じわじわと追い詰めるように部屋の中を移動している。めぐの父は自分に詰め寄ってくるその人形から目を離すことができないまま、
後ろに後退することを余儀なくさせられた。いま自分がいるすぐ後ろにはベッドがある…人形がさらに近づいてくる…もう一歩
うしろに下がろうとしたとき、それがめぐの父の脚に引っ掛かった。
まさにその時を狙って、人形は鷹のように飛び掛ってくるや剣で突いてきた。
めぐの父は間一髪でその剣の剣身の部分を握りしめ、自分の胸を一突きにする直前で食い止めた。そこから剣先を別方向へもっていこうと
力を込める。「チィ」人形は舌うちした。力勝負では彼の方が上らしい。剣の方向が次第に曲げられていく。
水銀燈は左手で自分の背中の翼を掴むと、数本の羽を指の間に挟み込んで持つとそれを男の腕に突き立てた。
「ああああ!」男の悲鳴が上がり、剣を持つ腕の力がひるむ。彼の腕には黒い羽が数本突き刺さっており、そこから真っ赤な血が
流れ出ている。水銀燈は剣を上下に強く振り、男の腕を振り切った。剣が自由を取り戻す。
男は出血した腕を庇いながらベッドの上をころころ転がった。滴り落ちる血がベッドを点々と赤く染める。

水銀燈は翼を大きく広げた。あの男をサボテンにしてやる。
人形が羽を飛ばしてくるつもりなのだと気付いた彼は慌ててベッドの上を転がり回り、人形とは反対側のベッドの脇に身を落とした。
その彼の上を黒い羽の雨が通過し、奥の壁にグサグサ突き刺さっていく。
男は必死でベッドの下の隙間に手を走らせ、先ほど弾かれた拳銃を手探りで探した。
その様子を察知した人形がすぐにベッドを乗り越えてこちらへ襲い掛かってくる。
めぐの父はとっさに反応し、乗り出してきた人形に向かって脚を振り上げて抵抗した。
ところが、その脚を人形にしっかりと抱え込まれてしまう。男の左足をしかと抱えたまま、人形はベッドから降りるとその足を
折り曲げ始めた。男の顔が苦痛に歪む。足が垂直に立てられている。
「あらぁ」男の腿と足首を支えもち、より一層力強く折り曲げながら水銀燈は嘲るように言った。「人間も人形と同じ関節
の構造をしているんだぁ」それは、水銀燈自身がいつかめぐに言われた言葉だった。
「ぬおおおおお!」男の足先が顔に近づこうとしている。太ももの関節が千切れるように痛い。
男は、つかまれていない右足の方を持ち上げて人形の背中に回すとがっしり捕まえた。一声あげながら地面で身体を引っくり返す。
すると、人形と男の上下関係が逆転し、男が水銀燈の上にのしかかる形となった。
「うわ!」水銀燈の顔が一瞬苦痛に歪む。「あなた重い…!」
男は人形の上にのしかかったまま、背中にパンチをぶち込んだ。「うっ!」人形がまた一声上げる。
もう一度パンチを入れようとしたその刹那、いきなり人形の頭が持ち上がったかと思うとその後頭部が彼の顔を直撃した。

368 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/15(土) 22:50:27 ID:f//WrVOy
「あがぁ!」
二度目の鼻への衝撃にめぐの父は絶叫しながら顔を持ち上げた。鼻から出血して顔が血で染まり始める。
水銀燈はめぐの足を体から払い、男の体から逃れた。
すると男は顔を血だらけしたまま、正気を失ったかのように叫びながら人形に飛び掛った。「貴様に娘の命はやらんぞ!」
その男の顎に水銀燈は肘をぶつけさせて軽くあしはらった。「がっ!」男はまた後ろに倒れる。「終わりね!」剣を持って男に迫る。
「くるな!」男の上げた足が水銀燈の顔面を直撃した。「いや!」水銀燈が仰向けに転ぶ。「…許さない!乙女の顔面を蹴るなんて!」
もう殺される。
最後の頼みの綱として、めぐの父はベッドの下の隙間にもう一度指先を走らせた。するとその感触を感じた。あった!銃だ。
男は無我夢中で銃を取り出し、両手で持つと震える手で床に転げて悶えている人形に狙いを定めた。
「チィ!」水銀燈はすばやく身体をうつ伏せに翻し、黒い翼を大きく広げるとマントのように体に覆い被せた。
銃声が鳴る。耳をつんざく音ともに光りが点滅し、銃弾が水銀燈の翼に当たった。黒い羽が枕の中のクッションのように
大量に飛び散る。男はもう一度銃の引き金を引いた。銃弾が黒い翼の鎧に再び当たり、また羽が飛び散る。
男は三度目の引き金を引いた。ついに翼の防御は崩され、穴が開くとそこから中の人形が見えた。人形は殺意と闘争本能を全開に
させた獣のような目でこちらを見返している。あと一発だ。銃身を入れ替える。…あとはあの穴に狙いを定めて引き金を引くだけだ。
右目を瞑り、片目でしっかりと冷静に狙い、めぐの父は四発目の銃弾を放った。…慎重になりすぎたのが仇だった。

人形が膝を就いて起き上がると、瞬速の銃弾を剣を振るって弾いた。金属の衝撃音が空間に糾弾し、白銀の火花を空中で散らしてどこかへ
飛んでいく。
めぐの父は、それ以上何もできなくなった。
水銀燈は、目前で絶望したように膝を落とした男の前に立った。両手に剣を持ち変え、男のはらわたを剣で力の限り貫いた。
少しずつ、めり込むように、水銀燈の剣が男の腹に入っていく。男の口からはボタボタ血が溢れ、…水銀燈の両腕にビトビトと
降りかかった。
しばらく時間が経つと、男はしずかに横向きに地面に倒れた。血を吐きながら咳き込んでいる。
まだ生きている…水銀燈は、わざと人間の急所を外したのだった。これからこの男の夢の中へと入り、夢の樹を奪いとらなけ
ればならない。男が死ぬまで、もって30分か。それだけあれば十分だ。
水銀燈は男の腹から剣を抜いた。ぬちゃという音をたて、剣には黄色っぽい脂肪分と真っ赤な鮮血が大量にこびれついていた。

…人間を殺した。
水銀燈はその場で力なくひざまづき、血まみれの剣を見つめた。醜く、汚く、そして臭い。人間を殺すということは、やはり
薔薇乙女としてしてはいけないことだった。お父様が私を非難の目で見ている気がした。心が押し潰されそうになる。一瞬、
お父様まで私を裏切ってしまうのではないかという恐怖心に襲われた。「…違う!」水銀燈は一人で首を横に振った。
「私はめぐを助けるためにきた!」
ここでくじけてはいけない…。これが私に課せられた、最後の試練…。

その時不意に、部屋のチャイムが鳴った。「柿崎さん!?柿崎さん!?大丈夫ですか!?」
鉄のドアをしきりに叩く音が聞こえ、また別の人間の男の声が中に響き渡る。「柿崎さん!?ドアを、あけますよ!?」
どうやら殺し合いにおける度重なる男の雄叫びや銃声が周囲の人間の気を惹いてしまったらしい。
「はやくしろ、はやく」別の男の声。「銃声もきこえたぞ。合鍵は?はやく、それだ、はやく開けろ。中に何者がいるか分からん」
さらに別の男の声も。「密室だぞ。鍵がかかってるんだから。中に本当に柿崎さん以外に誰かいるのか?」
最初にした男の声がそれに答えた。「"X−MEN"に出てた翼をもったようなヤツならそれは可能ですね」人間はざっと3、4人か。
「バカいうな!さっさと合鍵で開けるんだ!…」外で響く男たちの声を聞きながら、水銀燈は血まみれになった剣を眺めた。
それから、辺りの地面をなんとなく見回した。ふとめぐの父の手から零れ落ちた拳銃に彼女の目がとまった。
これの威力はもうよく分かっている。人間だろうと人形だろうと、これに撃たれたらひとたまりもない、どうしようもなく美醜のない武器だ。

369 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/15(土) 22:55:55 ID:f//WrVOy
「柿崎さん!?だいじょうあう…?」外から男達4人がいっせいに部屋にはいって来るや否や、あまりの光景に全員が黙り込んだ。
「おい…なんだこいつは?」ある男がその前に立っている男に向かって聞いた。その男が後ろの男に答える。「…わからん。
X−MENより性質が悪いということだけは分かる」男は顎を動かして地面に立っている水銀燈を示した。「アンティークドールさ」
「とうとう人類の技術はそこまできたのか?」別の男が背後で聞く。「そんなこと言ってる場合か!」先頭の男が答えた。
「お前は、警備室に戻って本部に連絡してくるんだ」先頭の男が後ろの男の腹をひじで突く。「急げ!」
言われた男はすぐさまその場を離れ、何処かに駆けていった。
先頭の男は残った男二人に合図を送ると、揃って慎重に人形に近づき始めた。
「ロシアの企業に命令されて殺りにきたのか!?」先頭の男が最初に水銀燈に声を掛けた。
すると水銀燈は振り返った。その人形が持っている血まみれの剣が見えると、男達は一瞬たじろいた。
「どいつもこいつも…X−MENだのスピルバーグだのハリウッド映画ばかり…」
水銀燈は肩をすくめ、皮肉っぽい顔になると叫んだ。「たまには人形劇でも見てみなさいよ!探偵犬くんくんとかね!」
男達は一瞬気圧されたあと、困惑したように互いに言葉を交し合った。「おい。探偵犬くんくん?お前知ってるか?」
「しらん。名探偵コナンじゃないのか?」「スターウォーズのエイリアンでそんなのいなかったか?」
男達の会話を聞きながら、水銀燈は深々とため息をついた。「はぁー。これだから人間の男ってのはダメなのよ。」言いながら、
床から血のついた銃を左手で拾う。男達が恐ろしげに退いた。「乳酸菌摂ってから出直してきなさい!」水銀燈は手に持った銃を
男達に向けた。

一瞬、男達は銃を撃たれるのではないかと思った。ところが、よくみてみると人形がこちらに向けているのは銃口ではなく、
むしろ銃の手で握る部分のほうを自分達に向けていた。…つまり、人形は銃口の方を手で握っていて、銃が逆立ちしたような状態に
なっている。
人形は銃の扱い方を知らないらしい。「…あら、おかしいわね。どうやったら弾が出るのかしらぁ?」人形はぶつぶつ言いながら銃を
まじまじと見つめ、色々な持ち方を試している。「こうかしら?」すると銃が突然火を噴き、真上の天井を銃弾が貫いた。
「ふーん…」
人形は煙を上げている天井の小さな穴を見上げながら、急に理解したように笑った。「ああ、うふふ。そういうことね。ここを引くと
ここから弾が出るのねぇ…うっふふ」
これはまずい。先頭の男が口を開いた。「伏せろ!」
水銀燈の銃が火を噴いた。まず先頭の男の胸にあたり、返り血が飛び散り、水銀燈のドレスの所々に付着した。次の後ろの男の身体も撃ち抜いた。
「…のろいのろい」水銀燈は銃を片手に肩をすくめながら両手を上げた。
その場にはあと一人の男だけが残された。壁際で尻をつき、完全におびえている。「ひ…頼む…撃たないでくれ…」
水銀燈は容赦なくその男に近づき、男の前に座るとその口に銃口を入れた。
男は涙目で喚いた。「家族がいるんだ!私が死ねば」
銃声が鳴り響き、男の喉からは多量の鮮血が噴射した。まるで水風船が割れたときのようだ。水銀燈の顔に赤い血がシャワーのようにかかった。
その生暖かい液体の感覚に水銀燈は顔を渋らせた。「人間をジャンクにするととても気持ち悪いわぁ…」
水銀燈は銃を投げ捨て、いまだ苦しげに床で悶えているめぐの父に歩きよった。
いまや水銀燈の姿はドレスや顔面に人間の返り血を付着させ、悪魔の殺人者の如くに変貌していた。

「…レンピカ」
元々は蒼星石の人工精霊。人間の夢の世界へと入る扉を開く能力を持っている。
青色の人工精霊が横たわるめぐの父親の頭上を飛び回ると、灰色の渦のようなものがそこに生まれた。この人間の夢の扉だ。

もうすぐだ、水銀燈は自分に言い聞かせた。もうすぐ私の薔薇乙女としての最後の試練は終わる。

370 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/15(土) 23:00:18 ID:f//WrVOy
86

真紅と翠星石の二人は、急ぎ足でジュンの病室の鏡から現実世界に飛び出した。
翠星石がまず大事そうに病室の隅に蒼星石の鞄を置く。水銀燈から返してもらった、体だけの蒼星石を。

「ジュン…ジュン!」真紅が静かな声でベッドで眠るジュンに駆け寄り、呼び起こす。「ジュン!起きて!起きなさい…」
「…なんだ?」ジュンは目をこすりながら起きた。「珍しいな。もう9時56分だぞ」暗闇の中から眼鏡を取り出す。
「ジュン。一緒に来て。お願い」真紅の目が相当必死なのが、暗闇でもジュンには分かった。「ここから二階上の真ん中あたり…」
「なんだ?他の人の病室のことを言ってるのか?」ジュンはベッドから足を降ろして眼鏡をかけた。「でもなんで?」
「…そこにいる子が、水銀燈のマスターなの。今どうしてもその子に会って話をしたい。一刻も早く」
「 − 水銀 − なんだって?」寝起きで頭が回転しない。「本当なのか?」
「ええ、いま、どうしてもあの子と話さなければならない。だからジュン、私達を鞄に入れてその病室に連れて行って頂戴」
「…わ、わかった。二階上だな?…畜生、今日腰の骨の治療をしてもらったばかりなのに…。それに夜回りの人に見つかったら
厄介だぞ…」
「…うう、みんな、どうしたの?」もう一個別の鞄が開き、雛苺が眠たそうな顔を出した。「あ、翠星石なのお!戻って…」
「静かに、雛苺!」
真紅は冷たく雛苺の言葉を遮ってしまった。そしてそれをすぐに反省するように、真紅はため息をついた。「はあ、雛苺。
仕方ないわね。あなたもきなさい。あと。それからもしジュンが夜回りの人に見つかったら − 」真紅の表情は硬い決心に
満ちており、多少の犠牲は軽く払うとでもいわんばかりだった。
「その人には悪いけれど、眠ってもらうわ。時は一刻を争うのだから」

371 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/15(土) 23:57:27 ID:NmFySoM8
低レベルなSS投稿してもいいですか

372 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/16(日) 00:31:15 ID:jrvHrhKD
>>362->>370
GJだ!
早く続きが読みたいです

373 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/16(日) 02:57:21 ID:IdY0x27T
殺人とか行き過ぎじゃないか?世界感がもうぶち壊されてる

剣とかレンピカとかアニメと原作ゴッチャだし

374 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/16(日) 05:47:28 ID:j1WkI6Kl
>>371
厨臭い鬱展開はウンザリなんで和み系で頼む

375 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/16(日) 07:36:10 ID:OzdCHAKP
俺もほのぼの見たい
可愛い子をいじめて喜ぶ趣味もないし
やっぱ遠くでニヤニヤしながら眺めてるのが一番だろ

376 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/16(日) 08:06:10 ID:yJ2rTkE7
文句言ってる奴はどうせ金糸雀信者だろ

377 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/16(日) 10:15:28 ID:f17aB3dl
>>376
クマー

378 :371:2007/09/16(日) 18:36:50 ID:zM4JAHbx
スマソ。。。考えてたのは和む系じゃないんだ。。。
今は投稿遠慮させてもらうよ。
まじスマンね

379 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/16(日) 19:33:38 ID:4o0tf0T5
もはやこのスレは今投稿してる人間専用スレと言うことでOK?

もっと気楽なギャグ系SSスレがあればいいのにと思うんだが、
乱立しても仕方が無いしなぁ。

380 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/16(日) 20:09:35 ID:32FeNXm8
>>378
別に鬱展開でもいいからとにかく投稿してくれよ。

381 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/16(日) 21:20:42 ID:5Ucsr99K
もう欝は…正直腹一杯だ

382 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/16(日) 21:46:59 ID:jrvHrhKD
鬱展開が嫌ならスルーしろよ

383 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/16(日) 22:02:45 ID:MshsONqc
http://seiup1.peko.tv/moepic/thumb/seiup_1189589034000s.jpg

                        理恵は俺の嫁             理恵さぁ〜ん
..|/ /  /  /      `ヽ.  ̄|/:::/」//i|: : / : : : !:: : : : !: : !: : : ヽ:: : : : : ',   ,ィ-‐'´'" ̄´'‐- <リッリッリッリエーリエーリエー、
.  /  /i  i    ;      ヽ、/::/´  `ヽ.: / 斗--、 :|: : : : :|: : | ,ィT: ',: : :ヽ : !/'´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`~ヽ、
. ,'  /ヽ!、_ハ  /!   /   i  Yi',  ヽ. i|: : : |: /  \: : /|:.ィ: :ヽ: : :.|.: : : ト、:|':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,:.:.、:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
. !  /,ゝ='、,/ | / |  _ハ_   |  ! l   ', i|: : /!/ ⌒ヽ| :/ |:./⌒ヽV: |.: : : ||V.:.:.:.:.:.:.、:/{ム<_{:人:.:.j:.、:.:.ヽ!
ニ|o/〈 i'´ r!  レ'`ァ;=!ニ__ i  ,'  ハ |    l : / 〈  {} |/  レ  {} }|:./ヽ: : |":.:.:.:.:.:.:.:.:ト' r't:dミッ ,ソ_)ィ、:.:.N ,. ‐'"´ ̄ ̄ ̄三≧=-
. |/,,, ひ'ー'     i  r'; Yレ'i  〈 Y',   ハ {   _,,.. -    、-.,_  レ{: :.|ヽ:|.〉:.:/ニ}:.:,'´,..:`ー'   ftテァ'}:.:.:!' :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`丶、 理恵ー
i7    '      ヽ- '_ノ o 。_,.ゝ/i   /',..i          、     {ハ/ V.'、:.l '(j、:.:} "     _`)゙´/:.ノ'/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ト,、_Nト、:.:.:.:.:.:ヽゝ、
..ヘ.   i7´ ̄`ヽ.  U "/|/  ,イ ,ハ  ,'  i _!      _ '     !     .ヾ`ーz`′  , ―-、   l:.ノイ:.:.:.ィt:.:.:.:.:.y‐rミメiVjL:l:.:.:ヽ 丶
' ! !へ.  !'    |  _,.ィ / イ .ノ' , '! ハ/ヽ! ヽ    /   `t   /      /`ヾン     '、二)ノ  /´ 'ノ}:.{f'リ:.:.:.:.卞‐゙'   ゙ti'リ,、:.:、:',   
..、Yレ'7> 、.,___,,.' r'´/ `ヽ./ / レ'    ,r| \  {    / /    __ (⌒).  \   、  ‐ ,. ´   ,」ノ:`ーf{:.:.:トl、  _ イ:.ト、ヾ!゙'
r-、!:::}_レ'´i\,、!イ/      Y    /:/::::| \  ヽ `_⌒ ィ ´   /´ .ノ ~.レ-r┐、`丶-`干[´    「::(レヘ:jヾト::'、 〈ヽソ/fi|
  ハ::::/`7i::::ヽ、_r     _ハ、  /::::::/::::::|  \   ´ ∧>ー- 、 ヽノ__  | .| | |>/ //ハ`ヽ、  ノ::::::`丶、_`ヾト、__`ア`ヾl <リエーリエーリエー
理恵は僕の物


384 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/16(日) 23:29:47 ID:5kHTj6dD
>>378
いや。。。遠慮する必要はないだろ
欝が嫌な奴は読まなければいいだけの話なんだから

385 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/17(月) 00:10:57 ID:GNeILwby
ドラマCDみたいな内容のが恋しくなるな

386 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/17(月) 00:28:08 ID:4yoKUVYJ
勝手に顔がニヤついてしまうようなやつを希望w

387 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/17(月) 04:42:27 ID:2P3i0TOT
俺はどちらかというと鬱展開とかグロテスクなのが好きなんだが。。。

388 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/17(月) 13:25:23 ID:dEraeesa
>>362->>370
とにかくGJ!!

389 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/17(月) 23:50:56 ID:JjJKi7+s
>>362->>370
GJ! どう決着をつけるのか楽しみにしてる。

390 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/18(火) 01:09:14 ID:Att9d25P
分かりにくい文章ですが、なにとぞ・・・
トロイメントの終わりの、ばらしぃが崩れてしまう所からです。

アニメではあまり出てこなかった、ばらしぃの感情がちょっとくらい書けたらなと・・・


「薔薇水晶!ローザミスティカを出すんだ!さぁ早く!」お父様は私を抱きかかえ、涙を流しながら言った。
「お父…さま…」感情を封じ込める眼帯が外れた。それと同時に、私の中に閉じ込めていた感情が滝のように流れこんできた。
「早く出すんだ!このままでは壊れてしまう!」涙が溢れてきた。
「おとう…さま・・・」
出せない。出せるわけがない。私はお父さまの期待に答えるために生まれてきたのだ。今ローザミスティカを出してしまえば…私は…
「薔薇水晶!あぁ薔薇水晶!」
お父さまは涙を流しながら私の名を呼び続けた。

ドクン。

ローザミスティカが体から飛び出そうとしている。居るべき場所ではないと気づいた石が体内で暴れまわっている。
私はそれを必死に抑えようとした。私はお父さまのドール。そんなに簡単にジャンクになるわけがない。
足がミシミシ言っている。右足首の球体間接が潰れてしまった。足があらぬ方向を向いた。
熱い。体が熱い。助けて・・・お父さま・・・体が・・・体が燃えるように熱い・・・助けて・・・助けて!・・・

ローザミスティカが…お父さま…

もうしわけ…ありません

391 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/18(火) 01:17:10 ID:Att9d25P
「・・・」
ここは…どこ?意識が戻った。
そうだ私は・・・お父様に抱かれて・・・ローザミスティカを・・・
ズキン
頭が痛む。少しめまいがした。あれから何年も経ったようにも感じるし、ついさっきの出来事のようにも感じる。
薔薇水晶は目を動かした。見た感じ、どうやらここは薔薇園の庭のようだ。
「んっ…」右手に力を込める。滑らかには動かないが、かろうじで機能する。
左手は…無い。そうだあの時カナリアにやられたんだ。
とにかくここを出なければ。立ち上がろうとして、両足に力を入れた。が。
ミシミシ…バキッ!
右足が膝の球体間接から圧し折れた。薔薇水晶はそのままバランスを崩し、その場に倒れてしまった。
右足と左手か。お父様に修理してもらえるだろうか。そういえばお父様は?お父様はどこに・・・
「使い慣れた玩具も、捨てがたい」
突然、耳の奥、頭の中から声が聞こえた。聞きなれた声。不快な声。
「ラプラス…」
「おぅやおや、酷い姿をしておられる。」
頭を上げると、それはすぐ目の前に立っていた。
「・・・・」
「お顔を御覧なさい。」
そう言うとラプラスは鏡を差し出した。
「顔?」薔薇水晶は鏡を受け取り、覗いた。
「…なっ…なに…こ・・・これは・・・」
言葉を失った。
そこには醜いヒビだらけの顔が映し出されていた。しかも顔の1/4がえぐれて欠落してしまっている。目玉も一つしかない。
自分の顔だという事が信じられず、鏡を見ながら陥没した部分に手を当てた。確かに無い。顔の一部が無い。
本当にこれは自分の顔なのか。信じられない。
クビから下に目をやった。異変は無いように見えた。手で触れてみる。
「へっ!?ええ!?!」
血の気が引いた。薔薇水晶はベタベタと体中を触った。
今までは服で隠れて分かりにくかったが、触れてみるとよくわかる。いたる所が崩れ、陥没していた。
特に酷い左肩付近は胸からごっそり欠けていた。中身が見えている。
「そっ…そんな…」薔薇水晶は鏡をラプラスに投げ付けた。鏡は割れて、破片が飛び散った。
「こっこれが・・・私・・・なの・・・」
自分の体を見ながらワナワナと震える薔薇水晶。
「おっ…お父さま…お父様は?」
「どこに居るかは言えません。が、生きてはおられます。会いたいですか?」ラプラスはニヤリと微笑んだ。
「っ・・・」薔薇水晶は言葉を詰まらせた。複雑な気持ちだった。今すぐにでも会いたい。会ってお父さまに抱き締めてもらいたい。治してもらいたい。
しかし…こんな姿…見せられるわけがない。こんな姿をお父様がご覧になったら、ショックを受けるだろう。見せられない。
「いっ・・・いいえ…会いたく・・・会いたくないないです」涙が溢れてきた。胸が苦しくてたまらない。
「もう一つ悪い知らせがあります。」

392 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/18(火) 01:27:20 ID:Att9d25P
ラプラスはおもむろに、下に散らばった鏡の破片を手に取るとそれをチャックのように引き上げ、空間を引き裂いた。
「チビ人間!うぬぼれるなです!」
「なにをー!」
ミーディアムを殴る翠星石。横で茶を飲む真紅。
ジャンクにしたはずのドール達がまるで何事もなかったかのようにのうのうと暮しているではないか。
「ドール達は今も生きています。」
「なんですって!?」
「蒼星石や雛苺が甦るのももはや時間の問題でしょう」
「うっ・・うそっ!嘘よ!そんなわけ…」しかし、実際彼女達は生きている。現に鏡にその様子が映し出されているのだ。
そんな・・・そんな事があってもいいの!?
私がローゼンメイデンをジャンクにし、その結果お父様がローゼンに肩を並べる、いやそれ以上の人形師になれたとしたら。
その代償として、私という犠牲があったのなら、私はそれを甘んじて受け入れようと思った。
だが・・・だが何故!?何故彼女達は生きているの?
「なぜ!?私がっ!私が彼女達をジャンクにしたはずです!」
「ええ確かに。あなたは彼女達をこわした。しかしあなたはすぐにローザミスティカを手放してしまった。
それがいけなかった。損傷の少なかった彼女達の魂はすぐに元の器に戻ることができたのです。」
「そっ・・・そんなぁ!」涙が吹き出した。思わず顔を手で覆おうとした。しかし片手しかないうえに顔が半分無い。満足に泣くこともできない。
今の自分の惨状と彼女達の何の損害もない体を照らし合わせた。…無償に悲しくなった。情けなくなった。
彼女達には足がある。手がある。腹がある。美しい顔がある。
今の私には?彼女達に勝って何が残った?一体何を手に入れた?一体私は何のために戦ったの?
あんなに頑張ったのに!あんなに必死に戦ったのに!そして私は勝ったのに!なぜ!?なぜ私だけ報われないの!?
…なぜ…彼女達は…負けたのに…そんなのひどすぎる…お父さま…私っ…私…

393 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/18(火) 01:36:44 ID:Att9d25P
パンパンパン
突然ラプラスは手を叩きだした。
「しかし安心してください。あなたは確かに一度彼女達をジャンクにし、ローザミスティカを手に入れた。
完全なローザミスティカはローゼンの人形の体内でのみ、その状態を安定させることが出来る。ですがあなたはローゼンの作品ではない。
だからローザミスティカは拒絶反応を起こした。あなたの体はその現象に耐え切れず、崩壊しかけた。
だがそれはあなたがローゼンメイデンより劣っているから、という理由によるものではないようです。
あなたは一度アリスに並ぶ存在になった。それは事実です。あなたはアリスなのです。おめでとうございます。」
「…」薔薇水晶は顔を上げ、ラプラスを睨み付けた。
パンパンパン。拍手をやめないラプラス。
次第に彼女の悲しみは怒りへと変わっていった。
果たしてこんな姿で本当にローゼンメイデンを超えたと言えるのだろうか。
「アリスですって・・・?わたしを馬鹿にしているのですか…」
「いいえ、とんでもない」
確かに彼女達は倒した。どんな過程であろうと、私がジャンクにした。それは事実だ。
しかし。しかし本当にこの姿でローゼンメイデンを越える存在、アリスになったと言えるだろうか。
本当にこの姿が「一辺の汚れもない少女」の姿だろうか…?これが、お父さまの望んだ姿なの!?
思わず腕を振り上げ、地面に叩きつけようとした。が、腕はギクシャクと上下運動を繰り返すだけ。
「これで!こんな姿で!わたしはお父さまの望みを叶えたと言えるの!?ラプラス!こんな壊れた体で私はアリスなの!?」
我を忘れて叫ぶ薔薇水晶。ラプラスは無言でそれを見つめた。
「答えてよ!ラプラス!黙ってないで答えて!私は本当にアリスなの?こんな体で!
彼女達はローザミスティカを取り戻し、あんなふうにのうのうと生きてるのに!私はアリスなの!?答えなさい!どうして黙ってるのよ…」
一通り叫んだ後、彼女は俯き、一つしかない肩をピクピクさせながら独り言のように言った。
「どこに行ってしまわれたのですか・・・お父様・・・私を置いて・・・一体何処に・・・」
「私は・・・お父様のために一生懸命・・・頑張ったのですよ・・・」
でもこんな結果で私は、お父さまのお役に立てたのでしょうか。お父さまの期待に答えられたのでしょうか?お父さまの…
私はね・・・お父様を満足させたかった・・・お父様の笑顔を見たかっただけなの・・・
「面白くなってきました。第2幕の、始まりでしょうか。」
ラプラスはニッと笑うと、扉を開け、このフィールドから離脱した。
薔薇水晶は泣き崩れた。しかし、彼女のなかで変化が起きていた。

私は何のために生まれてきたの?

お父さまの夢を叶えるため。

お父さまの夢とは何?

ローゼンメイデンを倒し、師を越えること。

私の役目は?

ローゼンメイデンをジャンクにする事。


・・・

394 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/18(火) 02:18:36 ID:Att9d25P
・・・頭を上げた。目の前に扉があった。
彼女達を…ローゼンメイデンをジャンクに…ローゼンメイデンをジャンクに…ローゼンメイデンを…
薔薇水晶は立ち上がろうとした。両足に力を込めた。が、バランスを崩して倒れてしまった。
水晶を出せたら、杖にしたりしてなんとかなったかもしれないが、今そんな余力は残っていなかった。
右手と左足を動かしながら這って行くしかなかった。

もう一度ローゼンメイデンをジャンクにして・・・
二度と「ローゼンメイデン」と名乗れないほどグッチャグチャのジャンクにして・・・

お父様を最高の人形師にしてさしあげるのだ・・・お父様を、喜ばせてさしあげるのだ・・・



そこは小さな部屋だった。薄暗い、小さな部屋。
見覚えがある…ここは…
辺りを見回す。そうだここはドールショップ。お父さまがローゼンメイデンを越えるために作った拠点。
ここが私にとって、全ての始まりの場所だった。私はまた「始まりの場所」に帰ってきたのだ。
ふと、上を見上げた。そこには綺麗にドール達が並べられていた。
お父さまの作品達。
お父さまの駄作達。
美しく服装が整えられショーケースに飾られている子。
かわいらしく棚に座らされている子。
皆綺麗でなんの汚れもない。
手足もある。
私よりも綺麗なのだ。駄作の分際で。

許せない。

私はお父さまの最高傑作。
私はあなた達より美しいの!

薔薇水晶は立ち上がり、この子達を叩きつぶしてやろうとした。そこに居られるだけで腹が立つのだ。
が。
ガシャン…
また倒れた。
私は駄作達をを見上げた。彼女達はまるで、ゴミを見るかのように私をさげずみ、見下し、嘲笑っているように見えた。
この私が今はこの子達以下なのだ。このローゼンメイデンに勝った私が!お父様の最高傑作が!
悔しさが溢れてきた。憎しみが吹き出てきた。薔薇水晶は拳を棚に叩きつけようとした。が、肘の球体関節がイカれて腕が動かなくなった。
「ぐぅ!!この!このぉ!!このぉ!!!」薔薇水晶はやけくそになって、肩で人形が乗っている台を叩こうとした。が、届きもしない。

395 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/18(火) 02:21:23 ID:Att9d25P
続く・・・と思う。

396 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/18(火) 02:25:28 ID:y+KWE0qr
おk、凄まじくGJ
是非とも続けて欲しい
その後のif編なんて最近見なかったもんだ

397 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/18(火) 03:56:01 ID:JaRNoi2w
GJ!面白かったよ
ばらすいーがその後どうなるのか続きも気になるな

398 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/18(火) 16:47:19 ID:4qvIm2xN
続き読みたい
次回から名前にコテ入れてください

399 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/18(火) 17:14:16 ID:HKsXqdG1
GJ
ぜひ続きを書いてほしい

400 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/18(火) 18:54:01 ID:3/HE49mf
↓最萌でボロ負けしたからといって本スレに八つ当たりする金糸雀信者の図
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anime2/1190033217/

401 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/18(火) 20:49:26 ID:zxh0mx0X
391 名前:水先案名無い人 [sage] :2006/01/21(土) 14:39:31 ID:FXSu/+O+0
先日、30になる息子が「労善メイデー」というアニメを楽しそうに見ていました。
その素晴らしいタイトルもさることながら、私は画面を見るなり感動のあまり
言葉を失ってしまいました。それは、主人公と思しき「真の赤」なる少女が
真っ赤な衣服を身をつけ、メチル水銀という少女を拳骨で叩きのめすという内容でした。
このアニメには、水俣病を引き起こした悪の資本家を、善なる労働者が
打ち倒すという崇高なメッセージが込められていたのです。
このような素晴らしい番組が放送されている日本の将来がとても楽しみです。

57歳主婦

402 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/18(火) 21:59:45 ID:zxh0mx0X
542 名前:日出づる処の名無し[sage] 投稿日:2007/03/09(金) 22:11:31 ID:BnErEn1f
ローゼン麻生の宿敵現る

朝鮮メイデン
     支邦苺           南鮮石         北鮮石
      //             //            .//
     / _          . /___          /──┐
     / ,',i><iヽ        .//',二二ヽ>       /i二ニニ二i
    /..∩((ノノリノ))       /∩|ノノイハ))      ./∩ノノノヽ)))
    / |(ミi`ハ´ノミ))     . / | |l`∀´ノ>      / |ノリ´Д`>リ
   // | )中! ヽ/      // |l_韓_|ヽ/     // |_朝」 ヽ/
   " ̄ ̄ ̄"∪       " ̄ ̄ ̄"∪      " ̄ ̄ ̄"∪
支邦苺がきたのー!    このチビイルボン   やぁ、ボクのマスターが 
 黄色くて、ずしーっとした  早く謝罪と賠償を   重油100万t必要だから
  金属が欲しいの!     しやがれですぅ!   用意して欲しいんだ

403 : ◆xLJAc4vOZM :2007/09/19(水) 00:31:39 ID:37lkw0dp
続き書きました。

こてはん付けろと指示があったのですが・・・ついでにトリップ付けときました。



「誰だ!」突然、作業場の方から声がした。誰かいる。
「誰だ?薔薇水晶か!?」
こっちに歩いてくる。この声はもしかして・・・お父さま?
「お父様!おとう・・・いえ、来ないで・・・来ないでぇ!」薔薇水晶は叫んだ。
「薔薇水晶!薔薇水晶なのか!?」
作業場の入り口にある簾を上げて誰かがやってきた。あれは!お父さま!
「あぁ薔薇水晶!薔薇水晶!おぉ生きていたのかい。よかった」
エンジュは薔薇水晶に駆け寄り、抱きかかえた。
「あぁ、薔薇水晶・・・ありがとう。また私の元に戻ってきてくれて」
「お父さま…わたし…」
「あぁ何も言わなくていい。私はお前が生きていてくれた、それだけでもう十分だ。
顔も、胸も、足も、手も、全部治してあげる。辛かったろう…かわいそうに…」
「お父さま…」
地獄から救われた気分になった。お父さまは私を、こんなボロボロの私を見捨てはなさらなかった。お父さま!





―約一ヶ月後―
「どうだい薔薇水晶。これならスムーズに動くだろう?」
「ええ、お父さま。何も言うことはありません。」薔薇水晶はこの上ない笑顔で答えた。
この数週間、お父さまは本当に、私を、この醜くく壊れた私を一生懸命治してくださった。なにか・・・これはなにか恩返しなければならない。

404 : ◆xLJAc4vOZM :2007/09/19(水) 00:59:01 ID:37lkw0dp
「ほらっさっさと起きるです!チビ人間!」
翠星石はベッドで寝ているジュンの腹の上で飛び跳ねた。
「げはぁ!ちょ!」
起きろ起きろ起きろぉ!アハハ!起きろ起きろ起きろごく潰しは死ね死ねーです!」
「やめて!いでぇ!ぐはぁ!わかった!わかったからやめろって!どう見ても俺は起きてるだろ!ていうかお前楽しんでるだろ!」
ジュンはなんとか起き上がり、眼鏡をかけた。
「そう、それでいいのですぅ。」
「ったく・・・お前って奴は・・・」
西側の壁に淡いオレンジ色の直射日光が当たっていた。東側の窓から太陽が覗いているのだ。眩しい。妙な感じだ。
そういえばこんな朝早くに起きたのは一体何ヶ月ぶりだろう。引き篭もっていた時はいつも遅寝遅起だった。
それにしても、起き上がってもすっきり眠気が取れない。どうやら体内時計はヒッキー時代のままのようだ。
翠星石はストンとベッドから下り、二つのカバンの前に座った。
彼女はソッとそのカバンを開けた。
「蒼星石、朝ですよ。チビ苺も。」優しい目でそう言った。妹を気遣う優しい姉の表情。
翠星石は彼女達を鞄から取り出すと、鞄を閉じて、その上に彼女達を座らせた。そして髪型・服装を整えてやる。
彼女はあの日からずっとこれを繰り返している。いくら意識が無いからといって、カバンの中に閉じ込めるのはかわいそうだというのだ。
いつもこうして日が昇ると、カバンを開け、二人に声をかけていた。そして夜になると鞄に寝かし、おやすみを言う。
雛苺の鞄には彼女が大好きだったワニのぬいぐるみも一緒に入れてやっていた。
いつも生意気なことばかり言っている翠星石だか、実はドールの中でも特にしっかり者で、姉妹思いなのかもしれない。ジュンはそう思った。
「なぁーにジロジロ見てるですか」翠星石は少し顔を赤らめて言った。
「いや、別に…」
「朝飯が出来てるからさっさと食いに降りてくるですよー」
そう言いながら何事も無かったように翠星石は階段を降りていった。
彼女はかわったのかもしれない。蒼星石と雛苺が動かなくなってから。彼女は強くなったのだ。
もう上辺だけの強さではない、確かなものを持ったのかもしれない。ジュンは階段を降りながらそんな事を考えていた。

405 : ◆xLJAc4vOZM :2007/09/19(水) 01:33:25 ID:37lkw0dp
階段を降り終わる時、突然リビングのドアが開いた。
「翠星石ちゃん、真紅ちゃん、じゃ後お願いね!」
そういうと、のりは急いで玄関で靴を履きはじめた。口調で分かる。相当焦っているようだ。躓いてこけるのも時間の問題か。
「あっジュン君おはよー、ごめんねー今日も朝練なのー」
「いいよ別に」ジュンはめんどくさそうに答えた。
「お弁当は作っておいたからね。朝ご飯は翠星石ちゃんと真紅ちゃんが後やっといてくれると思うから」
「ああ」
「じゃ、お姉ちゃん行くね。」
そう言うとのりは玄関のドアを開け、台所の方に向かって叫んだ。
「いってきまーす」
するとキッチンの方から
「いってらっしゃいですー!」と返事が返ってきた。
「いってくるね」のりはジュンにそう言うと、玄関の段差に躓いてこけそうになりながら外へ走りだしていった。
それを見送ってからジュンはリビングのドアを開けた。
「形勢は逆転し、新総理は麻生氏が優勢に云々・・・。今国会で最大の争点となる、ローゼン第八巻問題の実態究明に向け云々・・・。
麻生氏は、漫画ロゼーンメイデンの再開に向けて、PEACH-PI●の説得に全力を投じる一方云々・・・」
朝のニュース番組のアナウンサーの声とそのBGM。朝食のハムエッグの匂い。外で鳴く鳥達の鳴き声。どれも引きこもり時代には無かったものだった。
「やーっと降りてきたですかぁ。そこにこの翠星石がお前ごときのために直々に作ってやった朝食が老いてあるです!さっさと食えです。このノロマ!」
のりが食べた後の食器を洗いながら翠星石が言った。
「なにぃっ!そこまで言うか!」
「あらジュン。おはよう」
珍しく真紅も横で翠星石の手伝いをしていた。・・・それにしても真紅のエプロン姿は(ry
「あっああ、おはよう。珍しいな真紅。どういう風の吹き回しだ?」
「しっ失礼ね。完璧な少女たるもの、家事も完璧にこなすのが」
ガシャーン!
「あー真紅!」
「えっ!?まあ!」
真紅は拭いていた皿を落として割ってしまった。
「喋りながらしてるからそんな事になるです!」
「そんなっ!私は―」アワアワと戸惑って何も出来ない真紅。不慣れなのが見ててわかる。
「あーゴチャゴチャ言ってねーで早くそこをドケです!破片がたくさん落ちてるです!」
真紅はしぶしぶ退いた。
「あはは真紅、慣れるまであまり無理するなよ」
ジュンは目玉焼きを頬張りながら言った。
「ちょっと手が滑っただけよ。家事くらい、なんてこと…」
「あーもう!いいから箒をとってこいです!ジュンも見てないで早く食えですぅ!遅刻するですよ!あと弁当はそこに置いておいたですよ!」
「あーはいはいわかったよ」
こんなことをドール達に言われている。よく考えたら変な話だ。いや、今更か。


406 : ◆xLJAc4vOZM :2007/09/19(水) 01:39:10 ID:37lkw0dp
ジュンは朝食を食べおわると、部屋に行き、制服に着替えた。真新しい制服。全ては今始まったのだと、士気を高ぶらせてくれる。
ピンポーン
「早くするですー!巴がもう来たですよー!」
「あぁわかったよ!今行くー!」ジュンは急いで階段を降りた。真紅と翠星石は玄関で待っていた。
「まったく。厨2にもなって世話が焼ける奴ですぅ。恥を知れです。」
「なにー!?」
「ゴチャゴチャ言ってねーで早く行け!ですぅ」
「くっそー!覚えてろよ!いってきまーす!」ジュンは急いで靴を履き、表に飛び出した。
外には巴が待っていた。
「真紅ちゃんに翠星石ちゃん。おはよう」
「おはよう(ですー)(なのだわー)。」答える真紅と翠星石。
「この能無しジュンをよろしくですー。」
「おまっ」巴はクスリと笑うと、少し会釈し、歩いていった。
「覚えてろよ!」ジュンはそう言った後、急いで走り出した。
「ジュン!」突然翠星石が言った。
「なんだよ」ジュンは立ち止まり振り返った。
「はっはやく・・・帰ってくる・・・です。」
「ん?」
「はっ早く・・・帰って・・・きたら・・・その・・・」
「なんだよ」
「その・・・翠星石が作ったスコーンが食える・・・かもしれない・・・気がしないでも・・・ないです」翠星石は目をキョロキョロさせながら言った。
「ん?あぁ、わかったよ。早く帰るよ」
「あら、翠星石、随分とかわいくなったのね。」真紅が言った。
「かぁー!真紅!ジュン!いつまでもそんなとこに突っ立ってねぇーでさっさと行くです!」
「はいはいわかったよ」
ジュンは巴の元へ駆けていった。
「真紅はいらんこと言うなです!」
「あら?私なにかまずいことでも言ったかしら?」
「キーっ!」

407 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/19(水) 01:49:37 ID:0pn574s8
GJ!続きが楽しみだな。
ただ一つ言っとくが、JUMの一人称は僕だぞ。

408 : ◆xLJAc4vOZM :2007/09/19(水) 01:58:38 ID:37lkw0dp
>>407ホントだ。スマソorz


ガチャ…

玄関のドアが閉まった。すると騒々しかった櫻田家は一気に静まり返った。
二人はリビングに入り、食器を片付けはじめた。
急に口数が減った翠星石に真紅が言った。
「淋しいの?」
「そっそんなこったねーです。」
「私は淋しいわ。」
「え?」
「蒼星石や雛苺がいなくなって、とても寂しい。でもね。迷子の蒼星石や雛苺はもっともっと、私たちと比べ物にならないほど
寂しくて、辛い時を過ごしてると思うの。だから今ここで私たちが頑張らなきゃ。」
「そんな事言われなくてもわかってるです。」
「蒼星石も雛苺も、またいつかかならず帰ってくるわ。今の私にはハッキリ言ってどうすればいいのかわからない。
でもね。何の根拠もないけど私は絶対に彼女達を呼び戻せる。自信があるの。」真紅はこぶしを握り締めた。
「もうこれ以下の生活になることは無いわ。今が最悪。アリスゲームに縛られる事ももうない。
だから、もう傷つけあうことも、もうこれ以上誰かが動かなくなることも、ない。
私たちの力で、元の生活を取り戻しましょう。ね?」
「真紅・・・」
「さぁ、さっさと食器を片付けてしまいましょ」
「あっ!」机のうえに放置された弁当に翠星石が気付いた。
「ジュンお弁当を忘れやがったですぅ。まったく。相変わらずまぬけな野郎ですぅ」
突然真紅はその弁当箱を抱えた。
「…真紅?」
「私、ジュンに届けてくるわ」
「とっ届けるって真紅!バレたらどうするですか!」
「大丈夫よ。うまくやるわ。」
「うっうまくやるってそんな…」

409 : ◆xLJAc4vOZM :2007/09/19(水) 02:06:56 ID:37lkw0dp
ガサゴソ…
「真紅ー!一体なにしてるですー?」真紅は突然ジュンの部屋に篭り、何かをやりだした。
「もう入るですよー」
「だめよ!翠星石!あなたは下で待っていてちょうだい!」何故か焦っている。
「いったい何してるですぅ?真紅ー!」返事が無い。「真紅ー!入るですよー」
翠星石はドアを開けた。
しかしもう真紅はそこにいなかった。部屋が少し散らかり、窓が開いていた。おそらくそこから外に出たのだろう。
「真紅もなんかよくわかんねー奴ですぅ」
翠星石はそんな事を言いながら階段を降りていった。真紅が居なくなっただけで、家はさらに静かになった。
コツコツと、靴が床に擦れる音がやけに大きく聞こえる。
リビングのドアを開けた。
「キャハ!見て見て翠星石ー!ジュンがウニューを買ってきてくれたのー!」と雛苺。
「こーらぁ、雛苺、そんなに握ったら苺大福が潰れちゃうよ」と蒼星石。
「あー!ホント、黒いのが出てきたのー・・・」

「ふふ。きたねーです。雛苺・・・」リビングを眺めると雛苺や蒼星石が見える。
楽しそうに話している彼女たちの姿が翠星石の眼に焼きついて離れない。

再度二階に上がった。翠星石はジュンの部屋に居る雛苺と蒼星石の前に座った。

「もう少し。もう少しの辛抱なのですよ。
絶対に、絶対に真紅と一緒に迎えに行くから。もうちょっと、待ってて欲しいです。」
目から涙が溢れてきた。別に彼女達はジャンクになったわけじゃない。
ほんの、ほんの少しだけ私たちより遠い所に居るだけ。絶対にまた会える。なのに涙が止らなかった。


・・・今が最悪なのだ。これ以上悪くはならない。どん底から再出発。今が始まりの時。ここが始まりの場所。

翠星石は自分にそう言い聞かせた。

「蒼星石、ちび苺・・・戻ってきたら、また一緒に、遊ぶですよ・・・」

410 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/19(水) 02:36:32 ID:oDWpti0M
GJ!
あれ?目から汗が

411 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/19(水) 02:49:02 ID:1wTokwEA
GJ-2
よいものを読ませていただいた
次も期待させていただきます

412 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/19(水) 06:30:19 ID:U6qOJhg5
乙でした。
続きも頼むよ。

413 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/19(水) 07:16:30 ID:hVEgbPyc
( ゚∀゚)o彡゚ ばらりん!ばらりん!

414 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/19(水) 11:16:22 ID:P8aE6h1l
>>405
さりげなく流れているニュース内容に吹いたw

415 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/19(水) 13:09:24 ID:nUqGDvpX
これは…GJだ

416 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/19(水) 21:13:39 ID:7H7sLSal
またカナだけ除け者だし
金糸雀アンチの作者死ねよ

417 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/19(水) 21:22:23 ID:hVEgbPyc
>>416
お前が死ね糞金糸雀信者

418 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/19(水) 21:28:50 ID:NJFGM7x+
>>416 頼むから、そういう発言は控えてくれ。
スレが荒れる原因になるからさ。

419 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/19(水) 21:48:56 ID:voKLywe4
久々の新作投下で流れがよかったのに金糸雀信者のせいで台無しだな

420 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/19(水) 22:08:55 ID:hVEgbPyc
まあ金糸雀みたいな糞キャラを好きな時点で普通の人とは頭の構造が違うんだろうな
だからこいつらとは話が成立しない

421 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/19(水) 22:52:18 ID:1peh/Zf+
上のやつみたいに惨殺されなかっただけマシとでも思っとけよキム信者は^^

422 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/19(水) 22:58:26 ID:b/gbFAz+
はいはい、工作お疲れさん

423 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/19(水) 23:15:15 ID:Q/MKypHZ
規制話が出た途端に他スレの荒らしに移ってるのかこいつ。
よそのスレはスルー推奨の所ばかりじゃないから本当に規制されるぞ。

424 : ◆xLJAc4vOZM :2007/09/20(木) 01:06:10 ID:kJ+54WdS
続きです。色々ストーリーが頭に浮かぶのですが、とにかく文章力、語彙力が無いのでうまく文章に起こせず、もどかしいです(><)

「学校についたけど・・・ジュンは何処??」
真紅にとって学校なるものは全くの未知の世界だった。ここまでたどり着けたのも奇跡のようなものだ。
とにかくジュンを見つけ出し、コッソリと弁当を渡すのだ。とりあえず外から地道に、一つづつ教室の中を探していく事にした。


20分経過・・・・


「いっ・・・いないのだわ!それにもうすぐお昼なのだわ!」イライラ・・・
痺れを切らした真紅。とうとう暴挙に出てしまった。
「せっせっかくこの服を手に入れたのだもの!ちょっとくらい・・・大丈夫よね」真紅は通販で買ったドール用制服の、短いスカートの裾を握り締めた。
乗ってきた鞄を草陰に隠すと、堂々と、空いている窓から廊下に侵入した。
そぉーっと、腰を屈めながら廊下を歩いていく。

「見てあの子!」
ギク!気づかれた!女が二人近寄ってきた。ここは自然に・・・自然に・・・
「え、まじお人形さんみたーい!かわいいー」
「みて!目が青色ー!すごーい!髪かわいいー!」
「そぅそう?あっあり、がとう」真紅は顔を真っ赤にした。
ど・・・どうしましょう・・・この状況・・・
「名前はー?」な!?名前!?
「しっ真紅・・・」
「しん・・・く?しんくちゃん。ちょっと変わった名前ね。」
もしかしてバレてないのかしら!?
「え、何年生?何組?」
「えっ?えーっと・・・」真紅は目を泳がせた。歳?組?何それ!なんて答えればいいのよ!
「もしかして今学期から転校してきたとか?」
「えっ!?ええ!そう!そうなのだわ!」なんだかよくわからないけど、そうなのだわ!
「そう、初めてだから迷子になったのね。じゃあ職員室に連れて行ってあげる」
まずいのだわ・・・知らぬところに連れて行かれるのだわ・・・真紅の顔から大量の冷や汗が噴出した。
「あの!」勇気を振り絞って尋ねた。
「ん?なぁに?」
「ジ・・・ジュンを知らない?」
「ジュン?」
「えっええ、桜田ジュン!二年生の。」
「桜田・・・桜田・・・」一人が考えているともう片方の一人がなにか思い出したようだ。
「ああ、あの不登校になってた人じゃない?」
「あああ、わかった。体育館でゲロ吐いた子ね」
「うん。そうそう。でもそのこと言ったらまた梅岡がうっさいよ」
「ごめんごめん、そうだった。」
二人で何かコソコソ話をしていたが、しばらくしてやっとこちらに振り向いてくれた。
「御免ね。その子学校にはずっと来て無いの」
「そんなことないわ。今日から来ているはずよ。」真紅は言った。
「え、今日から?」
「ええ。」
「そっ・・・そう、分かった!私のクラスの隣だから連れて行ってあげる!」
「ありがとう」真紅は満面の笑みを浮かべた。

425 : ◆xLJAc4vOZM :2007/09/20(木) 01:21:12 ID:kJ+54WdS
ジュンが居るであろう階にやってきた。ジュンと同い年くらいの男女達が廊下で会話を楽しんでいる。
ジュンもこの中になじめているだろうか・・・・仲間はずれとかにされていないだろうか・・・

ある教室の前に着いた。付き添ってくれた一人が、教室に居た女に声をかけた。
「ねぇ、桜田ジュンって子、今日学校に来てる?」
「桜田?あぁ、うん来てる。なんか今日から急に来る事にしたんだって。」
「呼んでくれない?」
「え、桜田ジュンを?」その女は驚いた顔をした。
「うん。ごめんね」
「いいよいいよ。ちょっとまってて」
そういうとその女は教室の奥に入っていった。そして窓側に居た男を一人連れてきた。ジュン!ジュン!ジュンだわ!
「なんだよ」ジュンが言った。
「呼ばれてるのよ」
ジュンがこっちに歩いてきた。やはりジュンには部屋着じゃなくて制服がよく似合う。
「ジュン!ジュン!」真紅は両手を挙げて叫んだ。

「へ!?ししししししっ!真紅!?」動揺するジュン。
「おおおっおまえ!!どうしてこんな所にいるんだ!!」
「だってぇ、あなたがお弁当を忘れるからよ。はい、お弁当。」真紅は弁当を差し出した。
「あ、ホントだ。ありがとう。・・・って!だからってお前!ていうかその格好!」ジュンは顔を真っ赤にした。
「あら、ジュン。これそんなに似合ってるかしら?そんなに照れなくてもいいのよぅ」真紅も顔を真っ赤にし、両手で自分のホッペを覆った。
「ちょっと来い」ジュンは真紅の手を引いて行き、非常階段の陰に隠れた。
「人形だって知られたらどうすんだ!」ジュンは声を潜めながら言った。
「大丈夫よ。あの子達には転校生だと思われてるわ」
「そうか・・・よかった・・・ってよくない!それに!この服はどうした!?」
「どうしたって・・・あなたのあの変な機械を起動して、左上の”お気に入り”の中に”ドール用萌えドレス通販”っていう項目があったから、
それをを押したら変なところに行って、適当に”注文”っていうボタンを押したら勝手にこれが家に届いたのだわ」
「ええええええええええ!?」ジュンは叫んだ。
「・・・ていうかそれ、3万て書いてなかったか・・・?」
「ええ、分からないけど○が4つあったのだわ。」
「まじかよぉ・・・」


ガチャ・・・突然、非常階段のドアが開いた。さっきの女だ。
「桜田君、そんな所で話してないでこっち来なよ」

426 : ◆xLJAc4vOZM :2007/09/20(木) 01:40:25 ID:kJ+54WdS
「なになに?じゃあ真紅ちゃんはもうすぐにドイツに帰っちゃうんだ」
「えっあ、あぁ。そうなんだ。そっそうだよな真紅」なんとか話を作るジュン。
「えっ!?ええ。そうよ!」
「それにしても桜田君にこんな知り合いがいただなんてねーちょっと以外だよねー」

キーンコーンカーンコーン
休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴った。

「あらもう終わり」
「じゃあ真紅ちゃん、またこんどねー」
そういいながら女達は教室に帰っていった。もちろん、ジュンと楽しそうに話しながら。
直後、ジュンが凄いスピードの小走りでやってきた。
そして小声で言った。
「もう二度とくんなよ!」そう言うとジュンは急いで教室に帰っていった。
「まぁ!」せっかく主人が持ってきてやったというのに!あの態度は納得いかないのだわっ!

まぁこれで、少しくらい、ジュンの学校生活の手助けになれただろうか。

帰ろうと思った時、ふと、廊下の向こうの方に誰かが立っているのが目に入った。良く見たらその人は陰からジュンを見ている。誰・・・?真紅は目を細めた。
「ひっ!」巴!あまりの恐怖に声が漏れた。
女子と楽しそうに話すジュンを、柏葉巴が廊下の柱の陰から凄まじい形相で凝視しているのだ。
あまりに陰が薄いので今まで全く存在に気づかなかった。
「あっ!」目が合ってしまった。
すると巴は凄まじいスピードの潜み足でこっちにやってきた。
「も・・・もしかして・・・真紅ちゃん?」巴が真紅の顔を覗き込んだ。
「えっええ、ジュンにお弁当を届けに来たのよ」
「そう」巴は後ろのジュンの教室の方をチラチラ見ながら言った。
「あの子達は一体何なの?」
「あの子達?」
「さっき話してた子」
「あっああ、ジュンのクラスメイトらしいわ」
「・・・本当?」明らかに疑っている目つきだ。
「ほっ本当よ!」
「・・・」巴はジュンの教室の方を見つめた。続々と生徒が教室に帰っていく。
「さっきチャイムが鳴ったわ。巴も部屋に戻った方がよいのではなくて?私はもう帰らせてもらうわ。」
「そう。」

真紅は一礼した後、目を逸らし、急いで非常口の階段を降り、帰宅の途についた。

「巴・・・恐ろしい子・・・」

427 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/20(木) 01:44:34 ID:cqAAPRD5
こんな遅くにGJ
真紅可愛いよ真紅

428 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/20(木) 01:51:07 ID:XYVvtOKK
ちょw真紅w
GJだ!

429 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/20(木) 01:54:27 ID:I1zfxKkm
つまんね
さっさとカナ出せや

430 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/20(木) 02:10:59 ID:nLMQ/UpO
>>429
SSの内容に不満があるなら読まなければいいだろ

431 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/20(木) 03:18:49 ID:dPzplZsf
つまらないから読んでない
だが、これだけは言わせてもらう





この作品たぶんつまんねえ

432 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/20(木) 03:39:03 ID:urUFb/zK
文句があってもぐっとこらえ、笑顔でスルーしましょう。 おk?

とにかく職人様GJです!

433 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/20(木) 06:17:55 ID:SMYGIXDG
もう職人の人達には文句は気にしないで自重せずどんどん投稿してもらいたい

434 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/20(木) 07:18:25 ID:Zvpd4zsF
金糸雀信者キモすぎ

435 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/20(木) 08:15:54 ID:xUWHZNwE
変な流れ作るようなのは勘弁だけどな
見えないレスばっかだわ

436 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/20(木) 20:18:00 ID:6LUPD/De
すさまじくGJと言っておこう!こんな工作に負けんなこん畜生!!

437 :翠星石・精神病編1:2007/09/20(木) 21:57:49 ID:7iSGvnfH
精神科Q&A 【1087】家の中にストーカーがいます

Q: 私の所有している翠星石という人形のことです。

以前から、マスターである私に対して、幼稚な嫌がらせをしたりしていましたが、最近はそれがエスカレートしております。
翠星石は私の部屋に置いてあるトランクで睡眠をとっています。
平日の翠星石は、私が起きる時間より1時間〜30分早く、大音量で目覚ましをセットして起きます。
私が起きて階下へ降りると、後から降りてきます。
私が二階へ上がると、直ぐに二階に上がって来て、私の部屋の中で声を上げて笑い、自分のトランクを勢いよく閉めます。
朝の支度で、何度も二階と一階を行き来する時も、その度に同じくついてきます。
洗面所を使うと、直ぐ後に洗面所を使います。
手が汚れたりして洗いに行くと、直後にまた翠星石が手を洗いに行きます。

夕食を摂っていると、キッチンに近い洗面所で、ですぅですぅと気持ちの悪い音を立てながら、歯磨きをしにきます。
食欲の無くなる音なので、磨き終わってから食べようかと席を外すと、歯磨きを止めて、再び私が食事を始めるとまた歯磨きに来ます。
私よりも先にお風呂に入りたいらしく、常にタイミングを見ています。
私の直前に入った時は、お湯をかき出して変わりに水を入れていたり、とても入れないくらいの熱湯にしたりと、嫌がらせをします。
夜中にお風呂に入り二階に上がると、電気の消えている一階のどこかで翠星石が待っており、直ぐに二回へ上がって来て、気味の悪い笑い声を上げていきます。
夜中に水を飲みに一階に行き部屋に戻ると、こっそりつけて来ていた翠星石が一階から上がってきます。
私が休もうと電気を消すと、それまでテレビを見て笑っていても、直ぐに電気を消して、バタバタと一通り大きな音を立ててから眠るようです。

私の休日には、いつにもまして早起きし、早朝から大音量でラジオをかけます。
私が起きるまで、ラジオは止めません。
それでも起きないと、掃除機をかけはじめます。
なるべく大きくて嫌な音が出るように工夫しているらしく、ガラスの上をキイキイさせながら何十分も掃除機をかけたり、同じ場所を1時間以上掃除機で吸っていることもあります。
ドアも、壁にかけてある物が弾むほどの勢いで開け閉めします。
私が完全に起きると、音は止みます。(私は耳栓を使っています)

私がネットで通販をしていると、急いでやって来てディスプレイの画面の前で動かなかったりします。
他にも、毎日細々とした嫌がらせを沢山受けています。
今は、完全に無視して暮らしていますが、いつまでもこんな事を続けていると、私の方がおかしくなりそうです。
無視していても、何かが翠星石を激高させて、激しくポコポコと殴られたり足を蹴飛ばされたりした事もあります。
これだけの異常行動をするのは、統合失調症などの精神病なのではないかと思いますが、いかがでしょうか?


438 :翠星石・精神病編2:2007/09/20(木) 22:00:56 ID:7iSGvnfH
A: 事実がこのメールの通りだとすれば、あなたのおっしゃるように、その人形は統合失調症の可能性があると思います。
 しかし、どうもこのメールの内容は解せないところがあります。
 近年の科学技術の発達は著しく、AI等の搭載によって会話の可能なロボットもあると聞きますが
 あなたがおっしゃるような食事もして、自立活動を行うような人形は聞いたことがありません。
 仮にそのような人形が存在するとして、その人形が統合失調症で、あなたに対して何らかの妄想を持っていると仮定しますと
 ここに書かれているように、あなたの行動を監視し、いちいちそれに合わせて嫌がらせをするという手の込んだ形は、ちょっと考えにくい行動です。
 しかも長い期間に渡ってあなたがそれを無視してそれなりに生活をされているというのも想像しにくいところです。
 そして、「○○が自分の行動を監視し、いちいちそれに合わせて嫌がらせをする」というのは、統合失調症の方の典型的な被害妄想の訴えでもあります。

 まさかとは思いますが、この「人形」とは、あなたの想像上の存在にすぎないのではないでしょうか。
 もしそうだとすれば、あなた自身が統合失調症であることにほぼ間違いないと思います。
 あるいは、「人形」は実在して、しかしここに書かれているような異常な行動は全く取っておらず、すべてはあなたの妄想という可能性も読み取れます。
 この場合も、あなた自身が統合失調症であることにほぼ間違いないということになります。

 いや、それは全くの的外れかもしれませんが、可能性として指摘させていただきました。メールの文章だけしか情報がない精神科Q&Aの、これは限界とお考えください。


439 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/20(木) 22:02:33 ID:z3gKnkJh
━JUM一人称理論━
俺 オレ=作者自身を投影 作者自身がJUMである
僕 ボク=第三者としてJUMを見れている

━残虐殺人嗜好倫理━
アニメ版を悪い方向に解釈
サディスティックな水銀燈には暴力が良く似合うと曲解
暴力こそが唯一生存倫理の頂点
選ばれた物が目的に到達する為の当然的手段
単なる趣味及び 三次元実行不可の為鬱憤的解釈





素晴らしき作品繁栄の為、JUMの一人称を    。暴力描写を    。

440 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/21(金) 00:24:16 ID:2gcVo7XO
87

めぐの父親の夢の世界へと入ってきた水銀燈は、そのあまりの過酷な環境にのどで唸った。
見渡す限りの火山と流れるマグマ。その大地を丸ごと覆う焦げ茶色の雲の空。火山はあちこちで噴火しており、しきりに溶岩が暴動を
起こしている。
「…ストレス溜め込んでるわねぇ、この人間…」水銀燈はその世界を上から見下ろしながら呟いた。空気が重たい。この翼を
もってしてでも、長時間飛び続けることができそうにない。

もうすぐ死のうとしている人間の夢の世界だから、余計フィールド中のマグマが活発になっているのだろう。
このマグマが約半時間後には全ての大地を飲み込み、この世界を終わらす。それがこの人間の命の尽きるときだ。
水銀燈は翼をたたみ、乾燥した岩の地面に降り立った。陸地にまで吹き上がってきた溶岩の残骸があたりで白い煙を上げている。

マグマに触れたりすれば、水銀燈といえどたまったものではない。
「とっととこんな世界からはずらるとしましょうか」
水銀燈はマグマの河にかけられた岩のアーチっぽい橋を渡り、彼の"樹"を探した。
下で煮えくり返っているマグマがまるで彼女を狙うかのように飛び跳ね、へびのように宙返りするやまたマグマの中に戻った。

「あれね」水銀燈はそれを見つけた。乾いた土の島の真ん中でそびえ立っている、一本の大きな樹を。その樹のところだけマグマが
避けるように引いており、樹を傷つけようとしない。ただ、その島に辿り着く為にはマグマの海を飛び越えなければならないことは分かった。
マグマの流れる海岸のそばまで水銀燈が近づいてみると、燃やされるような熱気が彼女の身体を襲った。「っく!?」
透明な熱気の靄が激しくマグマから噴出されている。
「チィ」水銀燈は翼をはためかせ風でその熱気を払うと、素早くマグマの海を飛び越えて島に乗り移った。
周囲で煮えたぎる溶岩の音を耳にしながらめぐ父の樹に近づいていく。
「…レンピカ」蒼星石の鋏を手元に召喚する。一本の枝だけで十分だ。水銀燈はその鋏で樹の枝を切り、手に持った。
その瞬間、世界全体が怒り狂ったように震撼した。マグマが激しく渦巻いては火柱と飛沫を吹き上げ、怒涛の轟音を鳴らす。
この夢の世界を支える大事な部分が切り取られ主人が怒っているのだ。
大きな地揺れに水銀燈はバランスを崩し、島の上で転げまわった。「…あっ」地面にしがみつこうという気持ちを優先するあまり、
蒼星石の鋏が手から滑り落ちマグマの中へと転落した。鉄の蒸発される凄まじい音が鳴り響き、バチと鋏の一部が熱に跳ねて
飛び、島の上に舞い戻ってきては落ちた。それはもはやただの金色の鉄くずと成り果て、残りは全て溶岩に溶けて蒸発してしまった。
「…早くこの世界を出ないとまずいわね」水銀燈は身を起こし、猛烈に水位を増しつつある溶岩の海を飛び越え、終わりつつある
この世界の出口へと向かった。

441 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/21(金) 00:33:29 ID:2gcVo7XO
88

「なんなんですか?あなたは」
柿崎めぐはいきなり無断で入ってきた一人の少年にむかってそう言い放った。
彼女は明かりのついていない病室のベッドに寝込んでいる。「…もう消灯の時間、とっくに過ぎていますよ?」
「あの…ええと…すいません!」ジュンはとりあえず謝った。「お願いですから少し話しをさせてください」
一見病弱そうにみえるこの長身の少女が、あの水銀燈のマスターなのだろうか。

ジュンは鞄を開け、鞄の中の真紅に声を掛けた。「おい、どんな話しをするんだ?僕はお前に言われて
きただけだから、何を話すとかは聞いていないぞ」
「出るわ」真紅は鞄の中から答えると、自分でその蓋を開けて外に出た。
「…」めぐは鞄の中から出てきた人形を見ると、少し驚いたように目を開いた。それからすぐにきつい警戒の目つきへと変わった。
「初めまして、水銀燈のマスター」真紅は立ち上がり、めぐの方へと近づいた。「眠りの時間に突然ごめんなさい。私は真紅。
ローゼンメイデンの第五ドール」めぐは目を細め、敵意をむき出しにして真紅をにらみつけた。「ローゼンメイデンの第五ドール、
…真紅?…そう?あなたが水銀燈がいつも言っている"敵"ね…?今日、水銀燈があなたに欺かれたって泣いてきたわ」
「水銀燈が…泣いてきた?」ジュンは独りで言葉を繰り返した。真紅に欺かれて…?僕の寝ている間に、この2人にまた何かあったのだろうか。
昨日、やっと長年の決裂が和解する兆しが見れたというのに。

真紅はどうにか誤解を正そうと説得を試みた。
「確かに私達薔薇乙女は、互いに闘う運命にある。けれど、それよりも前に私達は姉妹なの。私は水銀燈の妹として、姉のことを
心配に思ってここにきたの」
めぐはまるで動じようとせず、瞳には依然敵意が篭っていた。「私にとって薔薇乙女は水銀燈以外ありえないわ。水銀燈が真紅を敵だ
と言えば、真紅は私の敵になるのよ」
ジュン、翠星石、雛苺の三人が真紅とめぐのやり取りを後ろで見つめている。
「お願い。聞いて」真紅は必死に語りかける。「確かに、水銀燈は今私を敵だと思っているかもしれない。これまでにないくらい私を
憎んでいるかもしれない。でも…、それは罠だったの。他のドールが私達を罠にはめ、憎しみ合わさせようとしている。その狙いは
まだ分からない。けれど…、水銀燈は、」真紅の言葉が一度切れる。「水銀燈は、いま無理をして望みもしない戦いに臨もうとして
いるの!水銀燈は本当はどの姉妹よりも戦いの辛さを知っているドールなの…なのに、アリスゲームという戦いさえ到底耐え難い
ものの筈なのに…あの子はいま自分からさらに大きな重荷を担おうとしている…!そんなことしたらきっと彼女は壊れて
しまう…!私は姉妹として、水銀燈を止めさせたいの。時は一刻を争っているわ…お願い」
涙目で訴える真紅。「お願い。水銀燈のマスター…。あの子が、いま何処に向かっていったのかを教えて…」
めぐは一瞬迷いをみせたが、やがて真紅から目を逸らすと言った。「知らないわ」
もちろんめぐは水銀燈は居場所を本当は知っている。水銀燈は数分前父を殺しにここを発っていった。
「お願い」めげずに真紅は迫る。「水銀燈の心の中にはきっといま、憎しみに満ちているはず…でも、彼女はありもしないことを
無意味に憎んでしまっているの!…復讐心に満ちていて…自分をきっと破滅させてしまうわ…彼女の憎しみを心から解くには、
もう私がするしかない。水銀燈がいまどこに向かったかを、教えて下さい」
真紅はめぐに向かって敬語を使い始めていた。「…教えてください!」
しかしそれでもめぐは窓の外を見つめながらもう一度断った。「…あなたを信じることができないわ」
だが、そういいつつ一瞬彼女の目に罪悪感のようなものが宿ったのを真紅は感じ取った。
「お願いです」そして彼女は最後にもう一度だけ頼んだ。「水銀燈を見つけなければ」
めぐはようやく首を動かすと非難するような目で真紅の顔をみつめた。「…水銀燈を殺すつもりなんでしょ?」
二人の目が合い、奇妙な時がそこに流れる。
やがて真紅は答えた。「…私はただ、水銀燈に薔薇乙女としての姿を取り戻させたい…それだけ」
めぐは悲しげなで再び真紅から顔を逸らすと言った。「…出来ないわ」

442 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/21(金) 00:35:28 ID:2gcVo7XO
真紅は黙り込んだ。それからしばらくめぐの顔を見つめ続けたあと、やがて立ち上がるとベッドから身を引いた。
ジュンたちに目で合図して病室から出るように示す。
病室から出て行く途中、真紅はある名刺のようなものを拾い、それを見た。その名刺からは全ての事情が真紅の中に入り込んできた。
"Rative Layn 8階7号室"と手書きで書き加えられている。
「…水銀燈に、あなたの父親を殺させにいったのね」
出口の扉に手をかけながら、真紅は言い残した。「同じ薔薇乙女として…それはとても残念な事…」

真紅の姿が病室から見えなくなると、めぐは水銀燈がいま父に手がけているであろう姿を思い描き、顔を下に落とした。

灼熱の溶岩が燃えたぎる地獄のようなフィールドの世界で、顔やドレスに人間の赤い返り血をこびれ付けさせた黒いドレスの水銀燈が
流れていくマグマの赤い河川を睨みつけていた。その姿はもはや悪魔の化身としか言い表しようがない。彼女はそういう風になり果てて
しまっていた。自分の魂を悪魔に売り、めぐの命を助けるといった具合に。…彼女は右目から一滴の涙をこぼしていた。
それが自分の流す最後の涙にも思えた。これ以上、自分に関して失くすものはもはや何もないのだから。

443 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/21(金) 00:37:56 ID:2gcVo7XO
89

独り取り残された夜の病室の中。
柿崎めぐは鏡の前に立って片手をふれていた。

「連れて行って…」めぐは鏡にむかって声をかける。「お願い…連れて行って。水銀燈のところへ…私…水銀燈のことをよく知りも
しない癖に無理なお願いをしてしまったのかもしれない…だから、連れて行って」

鏡が光り輝き、めぐの腕の先が鏡の中にもぐり込み始めた。…どんどん体が引き込まれていく…めぐはnのフィールドへと入っていった。

それを密かに追う、赤色の浮遊物体。めぐはそれに気付いていなかった。

444 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/21(金) 00:44:29 ID:2gcVo7XO
90

とあるマンションの警備室では、いままでにない混乱が沸き起こっていた。
「生きた人形が八階の柿崎さんを殺しただと?」警備室の男が聞き返す。「勤務中にLSDはやめろと前も言っただろ」
「違うんだ、本当だ!」もう一人の男が言う。「他の仲間もいまその人形と対峙している…疑うならきてくれ!」
「その必要はない」
警備員の最高責任者と見えるその男は、冷静そうにマグカップからコーヒーを飲むとコンピュータを弄りだした。「実は、柿崎さん宅から
この前奇妙な申し出があってな。自宅の室に監視カメラを取り付けるから、そちらの警備室と接続してくれ、と。そして"私に今後
なにかがあればその映像を保存して、伝えて欲しい"とな。だから今ここから柿崎さんの部屋を見ることが出来る。カメラがONになって
いたら、だがな」
男はコンピューターのボタンを押した。次の瞬間、あるモニターに映像が映し出される。
「これは…」警備長はマグカップをテーブルに置いた。「なんだこれは?インデペンデンスデイの傘が柿崎さんの上に浮いてるぞ」
「ああ、なんということだ!」先ほど他の警備員と一緒に人形を目撃していた男が頭を抱えて叫んだ。「他のヤツラも殺された!
悪魔だ、やつは悪魔人形だ!でなければアメ公かどっかの新兵器に違いない!ヤツを探し出せ!大変なことになったぞ…」
「落ち着けよ」警備長が言う。「おれはまだその人形とやらの姿を見ていない。保存された映像を巻き戻してみよう」
男が機械をいじると、モニターの映像が巻き戻されていく。モニターの中で柿崎の上に浮いている灰色の渦のようなものから黒い
人形が姿を現し、それから…恐るべき人形の殺人映像が逆再生で繰り広げられた。
警備員の長はマグカップを手に取り、もう一度コーヒーを飲んだ。「…たまげた。信じられんな…」
「おい、待ってくれ!」
もう一人の男の方がめぐの父の部屋をリアルタイムで映している別のモニターを指差した。「あれを見ろ!」

そのモニターの中では、部屋の鏡から人の腕が飛び出し、頭、胴体と次々に姿を現しては人間を形作っていく世にも奇妙な
光景が映し出されていた。
まるで鏡が異次元空間へと繋がっており、そこから人が出てきたかのようだ。
「俺、二次元の世界を信じたくなってきたぞ」
その言葉を聞いた警備長が椅子を回転させるなりそう言った男の腕を掴んでいびった。
「それは自宅を警備してるヤツの台詞だろ!お前はこのマンションの警備員であり、住民の安全を守る義務があり、それで喰っている。
ふざけたこと抜かしてないで、この映像を保存してエンコードしろ!」
男がたじろきながら質問した。「で、でもエンコードしてそれからどうするんです?」

リアルタイム映像のモニターは、鏡から出現してきた長身で病院服を着た少女を映している。彼女はしばし部屋を見回したのち
何かに導かれていくかのように灰色の渦の中に身を投げ込んでは消えた。

またコーヒーを飲みながら、警備員の長は答えた。「…公開するのさ。世界中にな。残酷すぎるシーンは向こうが勝手にうまく編集
してくれるさ。世界中の陰謀マニアの皆さんを狂喜させてやれ。第一発信者の名誉は俺達が手に入れる」
「しかし、そんなことしていいんですか。このマンションにマスコミが押しかけて住民が迷惑しますよ」
「なに?お前、こんなチャンスを逃すというのか?」
警備長はもう一人の男に向かってむっとしたような仕草を見せた。「いいか、よく聞け。俺たちがこの奇怪映像の第一発信者として名を
はせるか、住民の安全を保障するか、どっちかだ。分かったな?この夜を忘れるなよ。いいな?この夜は俺たちの為の夜だ。黒い翼を
持った堕天使様が俺たちのところに舞い降りてきたのよ。よく見ておけ!おっと、ほら、まだこの衝撃映像には続きがあるみたいだぞ」
警備長がいうと、男はモニターを見た。

鏡の中からまた人影が現れた。今回の人影は驚くほど小さく、真紅色のドレスを纏っている。警備室の男達はそれがあの黒い人形
と同じ、生きた人形であることが分かった。紅いドレスの人形はしばらく周囲を困惑げに見渡したのち、さっきの病院服の少女を
追うようにして灰色の渦の中へと消えた。

445 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/21(金) 00:52:04 ID:2gcVo7XO
91

ジュンは真紅の後を追って鏡の中から現実世界へと出た。「ここはどこなんだ?」
「nのフィールドって訳じゃあなさそうですぅ」翠星石が答える。「きゃあああああああ!」雛苺の悲鳴。
青ざめた目で、びくびくと震えながら雛苺は地面に転がる人の死体を指差している。「人間が…人間が…」
翠星石も、ジュンもその地獄絵図のような現場に息を呑んだ。一つの部屋の中に、血にまみれて死んでいる男が4人もいる。
水銀燈のものと思われる黒い羽が壁に刺さっていたり、中に散らばったりしている。ジュン達は、この四人の男達が水銀燈に
よって殺されたのだと理解した。同時に真紅の言っている言葉も理解した。…水銀燈はアリスゲームに加え更に別の、何かに自ら
戦いを挑もうとしている。何か巨悪なものに…アリスゲームを闘うなら、人間と殺しあう必要はない。
水銀燈、一体お前は何と戦おうとしているんだ?…

「おい、まずいぞ!あれをみろ!」
突如としてジュンは声を張り上げて部屋の天井についているカメラを指差した。
「天井にぶらさがったあれがどうかしましたか?」翠星石が首をかしげて聞く。「監視カメラだよ!僕達も、水銀燈も見られていた
んだ!生きているように動く人形が人を殺す映像なんか出回ったら大変なことになるぞ…世界中がローゼンメイデン達を狙い出すよ!
警備室に乗り込んでデータを消しにいかなきゃ!」
「何いってるですか、人間!」翠星石が怒気を露にして聞いた。「真紅と水銀燈の二人が峠を迎えようって時に!」
「そうだけど、本当にこれはまずいよ」ジュンも引けを取らない。「今は、ネットが怖い時代なんだよ。お前達や僕達の映像なんて、
ひとたび保存されたらくんくん探偵みたいに全国の人間が見れるようになってしまうぞ…生きた人形がいるなんて全世界の人間に
知られてみろ」ジュンは身震いした。「お前達はおろか、僕まで重要参考人としてつかまるよ。雛苺、お前だけでも一緒に来て
くれないか。警備員の奴らを蹴散らさないと…僕一人には無理だ」
「そ…、」翠星石は、急に何か考え付いたように珍しくジュンの意見に賛成した。「そうですよ、チビ苺、ジュンと一緒にいって
やれですぅ。チビ人間一人だけじゃ何も出来ませんからね」
雛苺は震える足どりで倒れている人間達の体と血をよけつつジュンの足元に近寄った。「…うう。分かったなの。でも、翠星石は?」
「私は、真紅を追ってこの男の夢の世界に入っていきますよ。なんでまたよりにもよって人間の男の夢の世界に真紅と水銀燈がいるのかは
分かりませんけどね。」
「分かった。だと決まればいますぐにでも行かないと」ジュンは雛苺を胸に抱えた「用が済んだらすぐ俺達もそっちにいくから!」
「あまり無茶すんじゃねーですよ、人間!」何処かへ走り去っていくジュンに、翠星石は声援を送った。「お前はまだ腰の傷を
治療したばかりなんですからねー!」返事はない。もう行ってしまったか。翠星石はその場で深呼吸をした。「…ふう。さてと。
私はジュン達に嘘をついてしまったです…。ははっ…なんでだろう…」彼女は独り言をいい、自嘲気味に笑うととぼとぼ歩き出した。
めぐの父のほうではなく、ついさっき自分達が出てきた鏡ほうに。「スィドリーム。行きますよ…!」緑色の人工精霊を仕え、
翠星石は鏡の中に飛び込んだ。「真紅と水銀燈の二人を邪魔する"アイツ"を止められるのは、いまここに私しかいないのです!」

446 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/21(金) 01:01:43 ID:2gcVo7XO
92

柿崎めぐは、火山とマグマが何処までも広がる不毛な世界を駆け巡っていた。
水銀燈は、こんな所に?
こんなところに水銀燈を来させてしまったのは、自分のせいだ。彼女は心の中で自分をせめた。

「めぐ!」
空から水銀燈の声が聞こえ、めぐは顔を上げた。黒い影が空中を飛翔しながらこちらに向かって飛んできている。「めぐ!」
めぐはその掛け声に応じるように水銀燈に向かって掛けた出した。「水銀燈!」
2人の距離がみるみるうちに縮まっていく。彼女達はマグマがしきりに辺りで活動している岩場の上で合流した。
「めぐ!あなたどうしてこんなところに?」
「…あなたのことが心配で…」めぐはまどろまどろしながら答えた。「真紅が…あの人形が…私に変なことを言ってきたの」
水銀燈の目つきが険しくなった。「真紅が?どんなことを?」「真紅が…」不安げな顔でめぐは告げる。「あなたが無理を
しているって…望みもしない戦いに…自分から挑もうとしているって…そして…このままだとあなたが壊れてしまうって…」
話しながら、めぐは水銀燈の姿が赤い血にまみれた姿になってしまっているのを見た。
だが一方の水銀燈はめぐの話しをききながら呆れたように笑みを浮かべただけだった。「…真紅は私達の仲を裂こうと画策しているのよ」
「…でも、真紅は…あの人形はあなたを助けたがっていたわ」めぐはまだ真紅寄りのことを言う。
すると水銀燈の口調が鋭くなってきた。「めぐ。真紅の言葉に耳を貸すのはやめなさい。私は二度も真紅に裏切られた。もうあんな子
信じちゃだめよ。ねぇめぐ…、真紅のことはいいから、私のことを信じて?」
水銀燈の顔が突然不穏にほころみ、口調も優しいものへと戻った。「私、あなたの命を助けることが出来るわ!見てこれを。あなたの父から
切り取ってきた樹よ。これがあればあなたの命も延びるし、全てのローザミスティカを集めればあなたの病気だって…」

柿崎めぐは、彼女の話をききながら体が自然と水銀燈から引いていく感じた。「…すい…銀燈…?。何を言っているの…?」
自分の耳が信じられない。「真紅の方が正しい!水銀燈、あなたは確かに何か無理をしようとしているわ!」
めぐのその言葉を聞くと水銀燈は首を横に振り、少し苛立ってきたように言い捨てた。「真紅の話しはもうやめて」
返り血に赤く染まった彼女の顔がめぐを鋭くを睨みつける。「真紅にも翠星石にも裏切られた。あなたは私を裏切らないって言ったでしょ?」
「…私の命を使ってくれるとずっと信じていたのに!」めぐは非難の声を出した。「ずっとそうやって私の病気を治そうとしていたなんて!
水銀燈の嘘つき!」どんどん自分の体が水銀燈から離れていく。「そんな、そんなことなら…水銀燈、いまここであなたとの契約を解除して!」
めぐは叫んで左手だけを前に突き出させた。

水銀燈は自分がめぐに何を要求されているのか自覚してない様子だった。「どうしたの、めぐ?真紅に何か吹きかけられたの?」
「真紅は関係ないわ!」めぐは叫んで返す。「あなたよ!あなたのしていることのせいよ!ねぇ、水銀燈。もうこんなことはやめて!
もう私のことなんか構わなくていいから−薔薇乙女としてアリスゲームを戦って、私の命を使っちゃってくれればそれでいいわ!」
水銀燈の耳にめぐの言葉は途中から完全に入っていなかった。めぐの後ろ方に紅いドールの姿が目に入ったからだ。
「騙したわね!」水銀燈は怒り狂ったように叫び、やってきた真紅に視線を送った。
めぐがそれに気付いて後ろを振り返る。なぜ、急に水銀燈が怒り出したのかが瞬時に理解できた。「…違うわ!きいて…」
必死に弁論を試みたが、もはや水銀燈の煮えくり返る怒りは誰にも止められなかった。「…そうか、そうなのね、
そういうことなのね!!めぐ!あなたは今更になって父親を殺しにいった私のことを恨めしく思い、真紅に寝返って私を殺させに
ここに連れてきたのね!」反論の余地を与えず、水銀燈は黒い羽を巨大化させてめぐの体を締め付けた。「う…」めぐが黒い翼の中で
苦しげに呻く。「…ち、違うわ…すい…ぎん…」
「彼女を離しなさい、水銀燈!」真紅が近寄ってきつつ彼女に忠告した。「彼女を、離しなさい」
激情に身体を震わせながら、水銀燈は翼を解いた。開放されためぐの体が糸の切れた操り人形のように崩れ落ち、地面に倒れる。
気を失ってしまったらしい。
そんなめぐの姿を、水銀燈は怒りと後悔に激しく呼吸を乱しながら眺めた。
自分の感情が抑えられなくなってしまっている。やがて水銀燈は真紅を睨みつけその怒りをぶつけた。
「あなたのせいよ!!」
すると、言われた真紅は冷静に水銀燈を見返した。「自分でやったことでしょう?」

447 :Rozen Maiden LatztRegieren W:媒介 Masters:2007/09/21(金) 01:08:39 ID:2gcVo7XO
2人の周囲で真っ赤なマグマが飛沫を吹き上げる。
真紅は、水銀燈がいかに薔薇乙女らしからぬ行為に手を染めてきたのかその姿だけでも容易に想像することが出来た。
ドレスから顔、銀髪まで全身に人間の血を浴び、至る箇所が赤く塗められている。そして何より瞳が、彼女の心を鬼のように
憎しみの塊へと変えてしまったことを物語っていた。以前にもよくみられた、上から人を見下げるようなダークピンクの瞳ですらない。
その瞳から感じられるのは殺意と燃えるような憎悪だけだ。

水銀燈は真紅を睨みつけながらいまにも闘うぞというふうに剣をほのめかしながら岩場を移動し、もう一度叫んだ。
「私からめぐまで奪うつもり!!? 真紅ゥゥゥゥ!!」
「筋書きを説明するとこうだわ」水銀燈から放たれる憎悪のオーラに飲み込まれないように、真紅もまた岩場を移動しつつ
水銀燈に語りかける。「私とあなたは、第七ドールの雪華綺晶の罠にはめられ、こうして再び憎しみ合うように仕向けられた。
それに気付いている私はあなたを憎まない。水銀燈、翠性石との戦いであなたを絡め取ったあの紅い糸は雪華綺晶のものよ」
「もうごちゃこぢゃ言っても無駄よ、真紅。あなたの話しを私は二度と信じないし耳にも入れない。私はあなたのように
アリスゲームを恐れない。耳に入るのはもうお父様の言葉だけよ。」水銀燈は手に持っていためぐの父親の夢の樹の枝をそばに投げ捨て、
真紅に背を向けると焦げ茶色の曇り空を見上げて声高に論説した。
「第一ドール、水銀燈!お父様!私はアリスになる。私以外のドールがお父様と合うなんて絶対に許さない!もしも私以外のドールと合う
というくらいなら、私はお父様を殺してしまうわ」
「"お父様を殺す?"」真紅は何かを聞き違えたに違いないというふうに聞き返した。「水銀燈、やはりあなたは変わってしまった。
私達はみな公平にアリスへの資格を持っている。ひとたびアリスゲームに負けたのなら、その時は自分を負かしたドールにアリスを
託すのが掟。私達はそれを誓ったはず!!」
水銀燈は真紅に背を向けたまま、首だけ僅かに動かしてそれに答えた。
「私が誓えることは、あなたをジャンクにしてアリスになるってことだけよ」

その言葉の意味を、真紅は悟った。「薔薇乙女の名にかけて…」ステッキを手元に召喚する。「あなたを正しい姿に戻してみせるわ」
水銀燈が背中で答える。「…これが本当に最後の戦いよ、真紅」
真紅はステッキを構え持った。
「真紅ゥ!」水銀燈は声を張り上げてその場でバック転すると、一挙に真紅に飛び掛っていった。血の付いた赤い剣が真紅のステッキに
ぶつかっていく。
数回剣と交えたのち、真紅はすぐに水銀燈の力が異様にましていることに気付いた。力でも、技でも。
あっという間に押されに押され、真紅は岩場の崖っぷちにまで追い詰められた。後ろにはマグマが待ち構えている。
真紅は横に移動して足場を確保したが、その時に水銀燈の蹴りが真紅の腹に入った。
蹴飛ばされながらも空中で宙返りしてうまく着地をとる真紅。
二人の間に距離がひらくと、水銀燈はしかと剣を構え持って真紅と対峙した。

X: 真紅 vs 水銀燈 Shinku vs Suigintou に続く (若干 虐待要素あり?注意)

448 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/21(金) 01:52:13 ID:e2BsCTEW
ここって金糸雀アンチの作者しかいないの?

449 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/21(金) 01:58:41 ID:wEJUa0Jj
相変わらずの大作激しくGJ!!次回も楽しみにさせてもらいます
これからも創作意欲を捨てずがんばってくれ


450 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/21(金) 02:29:48 ID:3wXryRZ1
一度金糸雀信者さんのSSを見てみたいです。

451 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/21(金) 02:41:39 ID:/yiOna4T
>>440->>447
待ってたぞ!殺伐とした水銀燈の心情がなかなかいいな
GJです!

452 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/21(金) 03:20:45 ID:gu5kJ7jQ
GJ!引き続きよろしく頼む!
次回も楽しみだ。

453 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/21(金) 06:12:22 ID:L/3OE74+
>>440->>447
GJです!次回は過激なバトルを期待

454 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/21(金) 06:48:52 ID:9JkgWFWU
>>440-447
GJ!朝から良いものを見させていただきました

>>448
いいかげん消えろ屑が
ここは金糸雀みたいな糞キャラの信者が書き込んでいいような場所じゃねーんだよボケ

455 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/21(金) 06:52:22 ID:ID0KTP7H
良質なSSとその下にある金糸雀信者の頭悪そうな書き込みの対比にワロタ

456 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/21(金) 07:05:37 ID:9JkgWFWU
金糸雀信者って自分では何ひとつやろうとしない癖に他人の作品には必ずと言っていいほどケチつけるよな(このスレに限らずVIPのSSスレや絵スレなど)

457 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/21(金) 07:36:52 ID:cdWlsqkm
自演乙

458 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/21(金) 21:46:09 ID:0+0kMhPz
誰だよこれ書いたのwwwwwwwwwwwwww
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1189254038/178

459 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/21(金) 22:27:38 ID:iwCAlozp
金信者は「カナを嫌ってるのは粘着アンチだけ」と思ってそうだから困る
人気最下位=一般のファンからも嫌われてるって事実があるのに

460 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 01:07:36 ID:IN7W+ZRr
ひたすらにGJだ!!

工作の自演がかすむ位にな!!

461 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 02:48:00 ID:Knqc2QaU
448=454=456=459

そんなことがどうでもいいくらいGJなお話でした。

462 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 03:02:04 ID:tjp098if
金糸雀信者の工作うざい

463 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 10:18:09 ID:4BrtYEhr
しゃあしゃあとよく言うww

464 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 15:05:36 ID:cmzy4LAp
このスレの金糸雀信者キモすぎ
http://wwwww.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1190420528/

465 :◆x3BPXU4g5U :2007/09/22(土) 15:43:20 ID:YxXb9nDZ
ちくしょう、なんて時代だ。
この状況じゃカナのSS貼りたくてもはれません。

466 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 16:05:29 ID:CrRryqi6
>>465
貼れよ 荒らしが自演してるだけで
ほんとのローゼン好きにカナアンチはいない

人気はお世辞にもあるとは言えんが、原作が再開すれば現状まともに動けるのはカナだけだ
桃種次第では間違いなく評価が変わるドールだろう

467 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 16:07:01 ID:NoLdxuJ6
>>465
書かなくていいし、
張り付けなくていいし、
このスレにこなくていいよ。


468 ::2007/09/22(土) 16:34:36 ID:YxXb9nDZ
みちゃんがたおられました。
おしごともやすみました。
かなはみちゃんといっしょにすごせてうれしいです。

しんくは「じゅみょうね」っていいましたけど、
そんなことはきっとありません。
かながひっしでかんびょうしてあげれば、
おそらくなおります。

395どのねつがあるようなので、
れえぞおこからこおりをもってきて、
みちゃんのぱじゃまのなかにひとつのこらずいれました。
かぜのときにはひやすといいらしいと、
ひないちごからきいたのです。

そのうち、ふるえるほどひえてきたみたいなので
ひとあんしんです。
もっとよくひえるように、
クラーのれいぼうもいれました。

あと、ねぎがよくきくと
そうせいせきからきいたので
ねぎりょうりもつくります。
さっきおりょうりをはじめようとおもたら、
キッチンしゅうへんがなぞのばくはつをとげたので、
ひをつかうのはやめました。

きざんだねぎとまないたを、おみそにいれてかきまぜます。
ねぎみそというりょうりです。
これでかんせいなのですが、
ここでかなのひとてまがはいります。
みちゃんがだいすきなドリンクざい、
ソルマックとバンテリンをいれます。
いつもこれをのむとみちゃんはげんきになるので、
きっとよくきくはずです。
あと、あじをととのえるために、
ミルクセーキあじのはみがきこもいれます。
あまくておいしいので、きっとみっちゃんもおいしいです。


みちゃん、はやくよくなれ。よくなれ。
ねぎみそをひとくちのこらずたべきるまで、
かながみてあげるからね。


◆かなにっき〜11月11日〜 より抜粋(投槍社/2006)


469 ::2007/09/22(土) 16:36:20 ID:YxXb9nDZ
私は多くは語らない。

あの日、私は地獄を見た。


◆草笛みつ心の闇〜11月11日の手記〜 より抜粋(投槍社/2007)


470 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 16:46:00 ID:vz5kDJqm
ツマンネ。コピペ以下だな。

471 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 21:23:08 ID:IN7W+ZRr
一瞬バイオのかゆうまを想像したがみっちゃんが生きてることを確認できてわんだw

472 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 21:56:36 ID:YxN7vel4
> ほんとのローゼン好きにカナアンチはいない

こういう勘違いしてる奴がむかつく
ローゼン好きでも金糸雀だけはいらないって意見は普通に見かけるだろ
荒らしのせいで周りが見えなくなってんじゃねーの

473 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 22:48:58 ID:caJ5dtIo
ええい此処にはカナ厨とカナアンチしかおらんのか

474 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:30:53 ID:IN7W+ZRr
問題ない、全員アッー!してくれる!

475 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 01:25:43 ID:UDZWHGHn
>>472
同意
アンチはウザいがどさくさに紛れて金糸雀の評価を上げようとしてる信者も同じくらいウザいし図々しい

476 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 01:32:02 ID:XcBLB5t5
>>465
もう諦めろ、ここは今連載している殺戮ローゼンSSと
振って湧いた様な信者と自演のレスしかうPは許されない状況だから
>>473
いるよ、排他虫にマンセー虫、自演虫に煽り虫、叩き虫にアンチアンチ虫が


477 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 01:44:41 ID:Z+zd1CMK
おしりかじり虫もいるよ

478 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:36:26 ID:tNGvNx6n
荒らされてるのってここだけかと思ったら
金糸雀信者って各地のローゼンスレに湧いてんだな

479 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 22:16:18 ID:UDZWHGHn
ローゼンスレに巣くう寄生虫みたいなもんだからな

480 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 23:19:54 ID:mSD82j2V
一人の奴が信者装って、叩いて
コピペしているのでもはや訳が
分からない状態に。

一番酷い状態なのニュー速みたいね。
詳しくはこっそり検索で
金糸雀で検索。

481 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 16:59:13 ID:hMevetBp
今日ここ見つけたんだけど、まとめってある?

482 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 18:04:45 ID:9cm2cmlz
549 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/24(月) 10:25:48 ID:3qzs60z10
信者一人あたりの痛さは金がダントツ

550 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2007/09/24(月) 10:58:12 ID:AvkCh2ktO
金糸雀信者って要するにマイナーなものを好きって言うのがかっこいいと思ってる厨二病の固まりみたいな連中だからな
信者の数の割りに痛い奴が多いのはそのせい

553 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/24(月) 15:22:09 ID:kXJ9SOsn0
>>550
納得した

483 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/25(火) 00:49:45 ID:9ikPBNtq
>>481
過去ログ倉庫から見つけるしかないらしい
やはりお話しスレのようにSSを保存してるのは異端なのか・・・?

484 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/25(火) 05:25:21 ID:LS+0/0J9
>>481
ここに全部まとめてあるぞ
http://library.s12.dxbeat.com/rozen/


485 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/25(火) 18:17:29 ID:GrJ6wloo
ttp://space-town.net/~rozenvip/cgi/src/rozenvip0444.jpg

486 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 04:46:30 ID:ddB+y2JL
期待age

487 :481:2007/09/27(木) 16:24:35 ID:Z6G7CJUk
>>484
サンクス

488 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 17:59:14 ID:+9J891eU
  ___
 /    \
'|  ゚-゚ |<JUM
 \_ _/紅茶は
   ||  まだ? 
 | ̄  ̄|
    / ̄ ̄ ̄\
    |    |
    \_ _/
      ||
    | ̄  ̄|
<しんくに みえません


489 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 18:21:29 ID:IqB75z2s
>>465
古いSS職人を久しぶりに見かけたので
オイラもちょいとカナで書いてみっかなぁ

490 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 21:20:08 ID:0fx2calx
wktkして待ってるぜ!

491 :Rozen Maiden LatztRegieren X: Shinku_vs_Suigintou:2007/09/27(木) 23:59:00 ID:hSgOZ41H
93

翠星石は、nのフィールドの中を移動していた。ある地点まで来て止まる。彼女の前では、蜘蛛の糸に逆さで宙吊りになったまま
目を瞑って眠っている第七ドールの雪華綺晶がいた。「目をあけやがれです、白薔薇」
言われると彼女は目を開けた。「私には、雪華綺晶という名前がありますのに」
「よくも陰険な罠に嵌めてくれやがったです。でも、私はあなたを憎く思っていない。私は姉妹で憎みあうのはもうやめたのです。
それがろくなものを生まないことが、もうよく分かりましたから…お前にはお前なりの、アリスになるやり方があるのでしょう。
だから…」翠星石は如雨露を構える。「私は私なりの方法を、実行するまでなのです。」
「…ふふふ、、」
逆さの状態のまま、雪華綺晶は口を大きく開けて今までにないような甲高い笑い声を出した。「あっはっけっひゃっあっきゃあー!」
翠星石の言葉がよほど面白かったらしい。
「全く分かっておりませんね、第三ドールのお姉さま。」
言いながらゆっくり両手を前に伸ばす。
「いまこそが薔薇乙女第七ドール雪華綺晶が、その真の完璧さを見せるとき!」
いい終わるのと同時に、雪華綺晶の差し出された両手から紅い花弁が放たれた。それは以前真紅から奪い取った能力だった。
翠星石はその花弁に飲み込まれ、吹き飛ばされて背中うしろのドアにぶつけ、倒れた。

492 :Rozen Maiden LatztRegieren X: Shinku vs Suigintou:2007/09/28(金) 00:01:04 ID:hZGna8x8
マンションの警備室の中では、警備長が残り僅かなコーヒーの入ったマグカップをテーブルに置きながらあるモニターを
覗いていた。
「おい。ヨソのガキがこの警備室に向かってきているぞ。それにあれを」モニターの中の、少年が抱え持っている小さなピンク色の
ドレスを着た人形を指差す。「…三体目か?中学生が幼女を抱えて廊下を走る姿はなかなかシュールだな、おい」
「ここまで乗り込んでくるつもりなんですかね?」部下の男が聞いた。「人形殺人事件の証拠となる映像記録を隠滅、とか」
「そうだな」男は答え、また機械を弄りだした。「ま…、ガキ相手にあせることなんかない。音楽かけるぞ。音楽。」
部下が訝る。「音楽、ですか?」
「そうさ。」警備長が楽しそうに言う。「俺は深夜に聞くクラシックの音楽が大好きだ。テンションが最高に上がる。
特に下半身のテンションが」CDを取り出し、機械の中にセットする。「こちらに来るってんなら、在り難く"新世界"で
ガキを迎えてやろうぜ!とうとう俺達の前に生きた人形がナマで現れる。まさに"新世界"との遭遇だ!」
しばらくすると、警備室の中に不似合いで猛々しい音楽が流れ始めた。
「お前、この時間をよく覚えておくんだ。もうすぐ午後10時半になる、ってところかな」

※ドヴォルザーク 新世界 ttp://jnjmuse.cnei.or.kr/musicbox_2/dvorak_symphony9_4th.mp3

「さぁて、あの人形はどうすっかな?」
男はいい、靴を履いたままの足をテーブルの上においた。

493 :Rozen Maiden LatztRegieren X: Shinku vs Suigintou:2007/09/28(金) 00:10:21 ID:hZGna8x8
94

それとほぼ時を同じくして、nのフィールドでは真紅と水銀燈が灼熱の溶岩地の世界で最後の戦いを繰り広げていた。
二人は戦う前からすでに何もかもが限界を超えていた。体力の限界、精神の過度疲労、加えてすでに時は本来薔薇乙女が活動をやめて
眠りにつくべき時間帯をも超越している。限界を超えた限界の中で、二人は戦っていた。もはや剣やステッキで争う戦いでもなければ、
拳と蹴りで争う戦いでもなかった。
二人は現実世界でもnのフィールドでもない、精神世界すら超えたどこかの…新しい世界で闘っていた。
水銀燈が真紅に近づき、剣で切って来る。真紅は全てそれを受け止める。互いの武器が手づまると水銀燈は左手で真紅の頬を殴り、
真紅の体はよろめく。すぐに真紅は立ち直ると仕返しに水銀燈の頬を手の甲で殴る。水銀燈の顔が横を向く。
だが、真紅は意識が別世界へと飛びそうになりながらも、防戦のことばかりを考えていた。目の前で怒れ狂う姉の姿を、どうしても
正気に戻してやりたい理性が働いていた。むしろその理性だけで戦っているのかもしれない。あるいは防衛本能だけかもしれなかった。
下を流れるマグマがぶ厚い蒸気を上げているなか、二人はどんどん溶岩地の岩場を移動していく。
逃げる真紅と、それを追う水銀燈というように。
水銀燈が翼を巨大化させてきた。真紅はとっさに手から花弁を放ってその黒い翼を追い払う。
黒い羽と紅い花弁が相殺する形で無に帰った矢先その奥か水銀燈の剣が飛び出してきた。真紅は体を反らしてそれをよける。
そして2人はまた溶岩地の上を移動していく。
ごつごつとした岩場は、走りにむいていない。ヘタしたら岩の出っ張りに足をとられて転倒もしかねない。少なくともそれは真紅にとって
は命とりだった。
水銀燈が真紅を追い詰めていく。
剣がブンブン振られる。その剣には、人間の血が付着していて赤い光りを反射している。真紅はステッキで水銀燈の剣の攻撃を
受けていたが、彼女のその剣を振るう力と技が、以前戦ったときより数段に強くなっていることを嫌でも悟ることとなった。
そう、まるで彼女が知らないうちに水銀燈がローザミスティカを多く集めているかのように…
そしてその予感は当たっていた。水銀燈はいま四つもローザミスティカを持っている。自分で蒼星石のローザミスティカを一つ
奪ったのに加え、雪華綺晶が彼女に自分自身のと金糸雀のローザミスティカを譲ったからだ。
それにより、いまの水銀燈はそれまで真紅が戦ってきた水銀燈とは格段にレベルが違っていた。

494 :Rozen Maiden LatztRegieren X: Shinku vs Suigintou:2007/09/28(金) 00:12:04 ID:hZGna8x8
「水銀燈…」真紅は必死に水銀燈に呼びかけた。「お願い…こんな戦いはやめて。自分を思い出して。目を覚まして!」
「もう手遅れよ」水銀燈はじりじり真紅に歩いて近づきながら言った。「もう何かも遅すぎるわ、真紅。あなたの墓場はここで決まりよ」
「こんなこと間違ってるって本当は分かってるくせに!」真紅は叫んだ。周囲には黒い羽が飛び散らしている。「あなたが自分で自分が
取り戻せないというのなら…、水銀燈、時間がない。私は力ずくにでもあなたをここから連れ戻させることになるわ…!」
水銀燈は剣を振り上げた。「やってみなさいよ、初めてできた私のトモダチの、真紅」
そして降ろされる剣先。
真紅はステッキを構えて猛威を振るう剣に応じたが、数回交えたのち水銀燈に前髪を鷲づかみにされた。
「あっ!」
髪の毛を引っ張られて前につんのめった真紅は、すぐに水銀燈が剣をかざして襲ってきているのを視界に捉えた。
彼女は苦し紛れにステッキを水平に振るったが、水銀燈にそれをジャンプしてかわされた。
真紅の目の前で水銀燈が一回転すると同時に驚くほど素早い剣捌きが繰り出され真紅のステッキを何度も叩く。
そのまま自分のステッキが剣に真っ二つに割られてしまうのではないと一瞬不安を覚えるくらいだった。
火山地帯の崖を上り詰めていきながら、二人のせめぎ合いはひたすら続く。
水銀燈が振ってきた剣を飛び退いてかわす真紅を容赦なく追い詰めて水銀燈は次の攻撃を加えていった。

495 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:14:44 ID:wVRz+171
くそSS

496 :Rozen Maiden LatztRegieren X: Shinku vs Suigintou:2007/09/28(金) 00:19:58 ID:hZGna8x8
別のフィールドでは、雪華綺晶のけたましい笑い声が鳴り響いていた。「ふふふふふ!」
笑いながら彼女は自分の両手を合わせ、倒れている翠星石に近寄っていく。
「世界が新しくなるこのときに…あなたはここに置いてきぼり。可哀想に…ほんとに可哀想に…私の"緑色のお姉さま"…」
笑い続ける雪華綺晶の声をききながら、翠星石は体を起こした。そんな翠星石を雪華綺晶はまた笑う。
「ふふふふ、…新世界の流れは私に向いている!」
「…なに寝言言ってやがるですか」翠星石の如雨露がその効力を発揮し、世界樹が驚くべきスピードで伸びていった。
「きゃあああっ!」雪華綺晶は黄色い声をあげながら世界樹に吹っ飛ばされ、みっともない格好で転んだ。白いミニスカートの
ドレスが乱れた。「世界の流れなんて」翠星石は雪華綺晶を睨みつけながら如雨露をしかと構え直す。「これっぽっちもお前に
なんかに向いてはいないですぅ」雪華綺晶は訳のわからない格好で転げた自分の体と格闘しながらどうにか起き上がり、
一瞬別フィールドへの出口に目を向けると、そこに向かって一目散に飛びだした。
ところが、先回りした翠星石がその出口の前に立ち塞がる。「…逃げるのですか?白薔薇?」
「…あなたにこの流れを止められはしない。」雪華綺晶は一本退いて翠星石との距離を取る。「甘味な死の毒は既に私を誘い始めて
いる!」彼女は目にも留まらぬ速さで右手を差し出すと、そこには氷で出来た長剣が出現した。
「随分と自信たっぷりの様子ですが…、真紅と水銀燈の二人だけはなめてもらっちゃあ困ります」翠星石は威嚇するように如雨露を
振りかざす。「あの二人ならお前なんかイチコロでしょうよ」
雪華綺晶はゆっくり氷の長剣を持ち上げて行き、自分の頭上で両手に持って構えると、一気に振り落とした。
翠星石も如雨露で対抗する。雪華綺晶は歪んだ笑顔をみせながら氷の長剣をまるで槍のように扱い、
両手で長剣を突き立ててぐりぐり弄ぶように剣先を動かした。その動きにあわせてうしろの白い髪がゆらゆら揺れる。
その激しい突き攻撃を翠星石は如雨露で受け止める。
「ふっ…あっはははは!」
雪華綺晶は更に堪えきれないように口を大きくして笑った。その口の中に、彼女の鋭く発達した四つの犬歯が見えた。
「おっかしいですね…如雨露を武器にしてるなんて!」
聞いた翠星石は憎たらしげな顔をした。力いっぱい如雨露を振り切って雪華綺晶の剣を押しやる。
「けきゃっひゃ…ヒ!」すると奇声を上げながら、雪華綺晶は押し切られた長剣をもう一度乱暴に振った。
だが、長剣を持っているその小指は立っていた。

497 :Rozen Maiden LatztRegieren X: Shinku vs Suigintou:2007/09/28(金) 00:31:05 ID:hZGna8x8
95

真紅は彼女が伸ばしてきた剣をステッキで上から地面に叩きつけるようにして防ぐと、頬に真っ赤な血のついた水銀燈の顔が
きっと真紅を睨み見上げた。次の瞬間、水銀燈は真紅の首を鷲づかみにし、真紅は悶える声を出した。それと同時に二人の
すぐ横でマグマが噴火し、灼熱の溶岩を吹き上げた。その炎の明かりに二人が赤く照らされる。
呼吸が出来ない。首を掴まれた真紅は必死にその腕をほどこうとしたが、無駄だった。
首を掴まれたまま持ち上げられていく。真紅の体が宙に浮いた。
腕の力が強められ、どんどん息が苦しくなる。やめてとばかりに真紅は水銀燈を見つめたが、見返す瞳は殺意だった。
もはや言葉も発せなくなった真紅を見かねた彼女の人口精霊ホーリエが、そのとき独断で行動を起こした。
水銀燈の右目のすぐ前まで飛ぶなり強烈な赤い光りを発する。水銀燈はその眩しさに目を思わず閉じ、真紅の首を掴む腕の力が緩んだ。
その合間に真紅はステッキを振るって水銀燈の腕を叩いた。痛みに彼女の腕が引っ込む。
ついに真紅の首が開放されて浮いた体が地面に落ちた。
すると水銀燈は顔を怒りにゆがめさせて絶叫した。「真紅ゥゥゥゥゥゥ!!!」
真紅は地面にぶっ倒れ、首元に手を添えながら懸命に空気を吸い取っていた。「ぐっ…!ハァ…!ハァ…!っ…」
その四つん這い状態の真紅に水銀燈が上から剣を振り落としてきた。真紅は苦肉の策に地面を横に転げてそれをよける。
剣先は岩の地面を叩いた。
彼女の赤いドレスは既に至るところが泥と埃で茶色っぽく汚れている。
水銀燈は、次に真紅が手を地面について立ち上がろうとしたところのわき腹に思いっきり蹴りを入れた。
「ああっ!」
真紅は岩肌の斜面にまで蹴り出された。体が斜面を転げ回っていく。
「あああ!」
まるで芋虫が転がされるようにどんどん斜面を滑り落ちていく真紅をすぐそこに待ち構えているのは溶岩地の崖っぷちだった。
「っっくっ!」
体が崖から虚空へと放り出された真紅は、ぎりぎり倒れ際に崖っぷちを左手につかんで持ちこたえた。その時真紅の頭から帽子が
ずり落ち、遥か下方で唸りを上げている真っ赤なマグマへと落ちていった。
「っああ…」
崖の絶壁に片手でぶら下がっている真紅はその帽子を悲しげに見つめて別れを告げながら、自分の危機的状況を思い知った。
視界の中でお父様に頂いた帽子がどんどん小さくなってゆき、下を流れる溶岩に呑まれていく。
そんな彼女を一切笑うことも、哀れみの表情の一端もみせず、ただ殺陣とした顔の水銀燈が近づいてきた。岩場の上から真紅を見下す。
身を乗り出し、剣を打ち下ろすべく頭上に掲げる。真紅は水銀燈が何の躊躇もなく自分をここから溶岩に突き落とすつもりである
ことを悟ると、全身の力を腕に込めて一気に崖っぷちから飛び上がった。
水銀燈の剣がすれすれで真紅の真下の空を裂く。
宙に飛んだ真紅が水銀燈の背後をつき、後ろから水銀燈の首を腕で捕まえた。
そして真紅は彼女に間近から声をかける。「水銀燈!私達はいまこんなところで戦うべきではないわ。頭を冷やして。この…」
いい終わる前に水銀燈が真紅の足をひっかけた。「っ!」
2人は崖っぷちのところで互いの体を絡ませながら転倒した。斜面を転げる。崖の下で煮えたぎる溶岩が姿を見せる。
崖っぷちの危険なところで攻防が始まったが、真紅は転落しないように、ただ地面にしがみつくことだけを考えていた。
一方の水銀燈は真紅の上にのしかかり、剣を振りかざしてくる。
真紅は肘で背後の水銀燈の顔面を打つと、その隙に水銀燈から脱出して岩肌の斜面を駆け上っていく。
すぐに起き上がった水銀燈が追っていく。

498 :Rozen Maiden LatztRegieren X: Shinku vs Suigintou:2007/09/28(金) 00:33:43 ID:hZGna8x8
そのままだったら真紅は追いつかれないはずだったが、後ろで翼のはためく音がすると翼を広げて猛スピードで水銀燈が飛んでくるのが
見えた。みるみる内に距離が縮まる。
真紅は振り返り、やむを得ずに飛びかかってきた水銀燈の腹にけりを入れた。鈍い音をたてながら仰向けに地面に落下する水銀燈。
「ホーリエ」
真紅は人工精霊を手元に呼び寄せた。すると、彼女の掌中が真っ赤に輝く。
「メイメイ」
一方の水銀燈も人工精霊を呼んだ。紫色のバリアが張られる。
真紅は赤色に輝いた手を下で寝転ぶ水銀燈にむかって降ろした。バリアにぶちふたり、バチバチと力のせめぎ合う音が轟いた。

499 :Rozen Maiden LatztRegieren X: Shinku vs Suigintou:2007/09/28(金) 00:43:53 ID:hZGna8x8
nのフィールドのど真ん中で、翠星石と雪華綺晶が如雨露と長剣を目まぐるしく交差さらながら次第に空間の中で高度を上げていった。
暗闇に浮かぶ無数の扉。彼女達2人以外そこには誰もいない。氷の長剣と如雨露のぶつかり合う音がその空間に叫弾していく。
長剣と如雨露が絡まり、動かなくなると、雪華綺晶はまるで熊か豹のように歯をむき出しにしてゴロゴロ喉を鳴らさせた。
一方の翠星石は冷静な顔つきで自分の如雨露を見据え、隙を見つけては雪華綺晶の剣を振り切る。
再び二人の武器が激しくぶつかり合い始める。しばらく乱舞したのち、再び如雨露と剣が正面衝突してはそこで動きが止まる。
ここで長くこの第七ドールを引き付けておかなければならない。
翠星石は心で自分に言い聞かせた。
真紅と水銀燈がいまむこうで会っている。2人が仲を直そうとすれば必ずこの白薔薇が邪魔しにいくに違いない。
だから私が…!
ギシギシと押し合いを続けながら、雪華綺晶は口を大きく開けて尖った犬歯を覗かせつつ、また豹のように唸り声を出した。

水銀燈と真紅の方の戦いもまた熾烈を極めつつあった。
目にも留まらぬ速さで剣とステッキが何度も何度もぶつかり合い、残像があちらこちらに残る。
真紅のステッキと水銀燈の剣が、何度も剣舞を繰り返しているのちに次第に互いのものがあたらなくなってきた。
何度も何度もお互いの攻撃が空ぶる。それが数秒間も続いた。フェイントと予知の応酬だった。この二人はどの姉妹よりも幾多にも
渡って戦ってきた二人であり、既にあまりにも互いを知り尽くしている。
ついにある時になって物体同士の激突する音が鳴り響くと、水銀燈の手元から一瞬剣が弾けとんだ。剣は宙でクルっと一回転
したのち、再び水銀燈がそれをキャッチすると戦いを続ける。
2人が戦う岩場の下で、燃え盛る溶岩が少しずつしかし着実に水位を増し2人に近づいてきている。
次に真紅のステッキが手からこぼれ落ちた。真紅は落ちるステッキを右足で蹴り上げるとそれを頭上でキャッチし、
両端を持って構えると一歩退いて猛威を振るう水銀燈の剣を弾く。
この剣舞が永遠に続くかに思われたその時、何度目かのマグマの噴火と同時に世界が震撼した。
大地のいたるところに裂け目が入り、そこから火と溶岩が噴き出ている。
そのフィールドの変化に気を取られている真紅の画面をめがけて水銀燈の拳が飛んできた。真紅はとっさに首を横にそらしてそれを
かわすと、自分の左手の拳を水銀燈に向けようとした。
驚いたことに、水銀燈の体が過剰に真紅の拳の構えにビクと反応した。
真紅ははっとした。
もう一度よく返り血にまみれてしまった水銀燈の姿を見る。自分と戦い剣を振るいながら、ところどころ体が震えているのが見れた。
今の彼女の本当の心情。かつて右頬を殴られて敗北した水銀燈はそれをトラウマにもっていた。真紅は水銀燈にとって薔薇乙女のなかで
ただ一人恐れる妹でありコンプレックスだった。水銀燈は自身の中に住んでいる唯一の恐怖を取り除こうと…真紅であり自分でもある
それを克服しようと闘っているということを。
19世紀時代から続いた長年のそれにいま彼女は決着をつけようとしているのだった。
他所事を考えているうち、真紅の腹に蹴りが入り、彼女は吹き飛ばされた。
まさにその時だった。真紅の後ろで大地に走った裂け目から炎が噴き上がり、灼熱の真っ赤なカーテンを作っている。
彼女は吹き飛ばされがてら後ろへ振り向き、戦慄しながらこの光景を目に収めた。水銀燈が自分を吹き飛ばしてきた狙いがいま分かった。
真紅の体は一直線に炎の壁へと背中から突っ込もうとしている。
空中で身動きのとれない彼女はどうすることもできず、ただ腕を顔の前で交差させてやがて襲い掛かる炎に備えた。
このフィールドでは、重力があって体を思うように空中で動かすことが出来ない。
ゴォ、っと音をたてて真紅の体が炎の壁を突き破った。飛び散る火の粉。発生した乱気流が炎の壁をかき乱し、
真紅にくっついていくように炎の先っちょが横に伸びた。
その遥か先の乾いた岩肌に真紅は落下した。
服は至る所が焼け焦げた。
ボロボロになった体の状態で、真紅は火山地帯の地面に大の字で寝転がりながらぼんやりとこげ茶色の厚い曇り空を見上げた。

500 :Rozen Maiden LatztRegieren X: Shinku vs Suigintou:2007/09/28(金) 00:50:54 ID:hZGna8x8
…私、このままここで壊されてしまうのかしら…

火山の噴火と激しい溶岩の活動が地面の振動より感じ取れる。マグマが大地を飲み込もうとしている。
それはこのフィールドの持ち主となる水銀燈のマスターの父親が死に絶え、この世界も完全に無に帰ってしまう
ことを意味していた。
真紅の脳裏にこれまでの水銀燈と過ごしてきた記憶が蘇ってくる。

"水銀燈?" "ええ、薔薇乙女の第一ドール。" "この子が…?"

"お父様はどこ?" "ここにはいないわ" "いない…?" "でも、探す前に、あなたにはやらなくてはならないことがあるわ。さあ…"

"早くお父様に見てもらいたい。この姿を…歩く姿を…ありがとう真紅…本当にありがとう…"

歯車が狂いだしたのはいつだったか…
真紅は茶色の曇り空を見つめながらさらに記憶を辿った。

"私のこと…ずっとそう思っていたんでしょう?自分より劣る、可哀想なドールだと…嫌な女…"

"あなたへの憎しみは、ただの一度だって失ったことはないわ!覚えておきなさい、私は第一ドール、水…"

"ねぇどうして?真紅。あなたは言ったわ。私は、あなた達とは違うって。そうだから?…"

"だから…!翠星石が…蒼星石の体を返したくらい のことで…翠星石が私を許してくれるかってことよ…"

束の間の現実逃避だった。
そして、その終わりはすぐにやってきた。真紅の通過してきた燃える炎の壁が奥で沸き起こった強風によって一挙に
かき消されたかと思うと、その先に翼を大きくさせた水銀燈が姿を現した。剣を片手にこちらへ向けてまっすぐ歩いてきている。
二人の剣舞は再び始まった。ぶつかりあうステッキと剣。真紅はかろうじで剣の攻撃を受け止めていく。
ステッキと剣が絡まって手詰まりになると真紅の顔面に蹴りを入れる水銀燈。
真紅は苦しげな声を上げて後ろによろめいた。表情一つ変えずに水銀燈は真紅に接近していく。
次の瞬間、真紅ははこの世のものとは思えないものをみた。
水銀燈が近づいてきて、両手に全身全霊の力を込めながら剣を振り上げた。食いしばる歯に力をこめるあまり口元が大きく
歪み、その口から眉間にかけてはヒビのように大きな皺が入り込んでいる。真紅は一瞬骸骨を連想した。
そして銀色にぎらつく全ての憎しみを込められた剣が、落雷するかの如く真紅に向けて振り落とされた。

501 :Rozen Maiden LatztRegieren X: Shinku vs Suigintou:2007/09/28(金) 01:10:55 ID:hZGna8x8
96

雪華綺晶は翠星石から遠く離れ、ある宙に浮く扉の上に立った。
「ふふふっ!あっはははははっ!!」
ネジが外れたように大きな笑い声を出しながら、両手を上に掲げる。すると彼女の周辺に小さなぬいぐるみが数個召喚された。
人形達はそれぞれ小さな包丁や斧などを持っている。
彼女は上げた両手を下に降ろすとその合図に従うかのようにぬいぐるみ達が翠星石に襲い掛かり始めた。
翠星石は如雨露を振るって世界樹を出し、その人形達を弾き返す。人形達はバラバラになって中身の綿が舞った。
「あは!ふふっ!はは!」
少女のように明るい笑い声を出す雪華綺晶の表情は壊れている。
手を持ち上げたり振り下ろしたりして一体また一体とぬいぐるみを召喚しては、翠星石に向けて飛ばしていく。
数の多さに世界樹だけでは防ぎきれなくなってきた。こんなにも多くの人形を一度に操れるものなのか。
人形達が翠星石に向けて斧を投げてきた。翠星石はその場を離れて近くの扉の物陰に隠れ、斧はその扉の正面に突き刺さった。
翠星石は扉の裏から顔を覗かせた。ハメを外して狂ったように大声で笑い転げている雪華綺晶の位置を確認する。
どうにかもう少し近づけないか。
彼女を世界樹で捕らえて完全に身動き出来なくしてしまえば…

また人形達が飛ばされてくる。
翠星石は今隠れているドアから飛び出し、別のドアの物陰へと移ろうとした。
だが、その途中で彼女は全身の毛がよだつのを感じた。
雪華綺晶が今回飛ばしてきた人形が、ただの人形ではなかいことが分かったからだ。
それは金糸雀の契約したマスターの草笛みつがぬいぐるみとなったものだった。
それだけではない。他にも、蒼星石のマスターだった柴崎元治がぬいぐるみにされているものもある。
「きゃっ!」
あまりの不気味な光景に翠星石の足がすくみ、頭が真っ白になった。その隙にぬいぐるみ達が彼女に襲い掛かり、その小さな包丁を
彼女のドレスに刻み込んだ。
構わず雪華綺晶はさらにぬいぐるみを召喚して翠星石に投げつける。
その行為自体の攻撃力が大してなくても、相手を恐怖のどん底に突き落とすには十分すぎる効力があった。
翠星石の身体にまた柴崎と草笛みつのぬいぐるみが当たる。
「はっひぁー♪はっはっ」そんな様子を見下ろしながら雪華綺晶は手を口に添えて大げさに笑っている。

502 :Rozen Maiden LatztRegieren X: Shinku vs Suigintou:2007/09/28(金) 01:12:01 ID:hZGna8x8
そんな彼女を見上げながら翠星石は毒づいた。「ついに発狂モードスイッチONというわけですか、あの白薔薇…!」
さらにもう一回ぬいぐるみが飛んでくると、翠星石はこの時とばかりに必死に勇気をしぼり出し、如雨露を振るった。
「スィドリーム!」
世界樹が伸び、飛んでくるぬいぐるみ達を蹴散らした。世界樹はそれだけにとどまらず、猛スピードで雪華綺晶に向かって伸びていく。
「ふふふ…あら?」
雪華綺晶は突然笑うのをやめた。まさに世界樹が彼女を貫かんとしている。
「ppr+:lき」;llyちくry6t」
訳のわからない声を上げながら彼女は間一髪扉の上から飛び降りた。
そのすぐ後ろでさっきまで彼女が立っていた扉が緑色の世界樹に飲み込まれる。
雪華綺晶は新たな扉の上に猫のように四つん這いで着地すると、髪をゆらゆらさせながら焦り出したように左右をきょろきょろと見回した。
翠星石が見当たらない。「…えっ…えっ?」
不意に真横から伸びてきた細長い世界樹が雪華綺晶の左手と左足に巻き付いた。
「きゃっ」
小さな喘ぎ声を上げていやそうに縛られた手足を揺れ動かす雪華綺晶。
「絡めて、それからどうするのですっ?」雪華綺晶は声を出して居場所の分からぬ翠星石に向けて聞いた。
「くっ…」翠星石はその挑発に噛み締めて彼女を縛りつける世界樹の力を強めた。
雪華綺晶の手足がより一層きつく締めつけられたが、彼女は一切表情を変えなかった。あのドールは痛みをしらない。
「そういうことならしゃーねーです」翠星石ももう一度大きく如雨露を振った。図太い世界樹が雪華綺晶に伸びていく。
「ええっ!?」雪華綺晶は愕然とした声を出した。「お姉さまそんな過激な!」慌てて手足に絡まった世界樹を解こうとするも、
間に合わない。「がーっ!」あてもなく雪華綺晶は手足に世界樹を絡めたまま立っている扉から宙にダイブした。
落下しながら扉の下に蜘蛛の糸を伸ばして逆さにぶら下がる。
その文字通り蜘蛛みたいな彼女の元に翠星石は一挙に距離を詰めていく。
すると突然雪華綺晶は両手から茨を放ちだした。
すかさず翠星石も反応して世界樹を伸ばす。白の茨と緑の世界樹が2人の間で正面衝突し、ぶつかりあいながらどんどん互いを絡めていった。
若干翠星石が力で押されている。彼女は辛そうな顔をみせた。
「ヴウウウぃぃぃヴウウウウウウウウウア!!アアあっはっはっぁぁぁぁぁアアっはっはっはぁぁ」
雪華綺晶は邪悪さ全開の顔で歯をむき出しにし、意気込んでいるのか笑っているのか判別しがたい奇声を放射しながら
全霊の力を込めた強力な茨をどんどん手から出している。それは完全に普段の理性を失っているような顔つきだった。
圧され気味だった翠星石だが、次第に形勢が逆転してきた。世界樹が白い茨を跳ね除け、雪華綺晶に迫っていく。
「うっふおっほお、ほおおおおおおおお!?」
この勝負に絶対の自信があったのか思わぬ展開に雪華綺晶は金色の目を丸くさせて顎を落とした。
限界まで凝縮させにれた二つの力は、一挙にそこで爆発した。
翠星石と雪華綺晶の2人をそれぞれ反対方向に吹き飛ばしていく。雪華綺晶はそばのドアに手を伸ばすとしがみつき、体の動きをうまく
食い止めた。
一方の翠星石はどんどん吹き飛ばされてゆき、止めることができず派手に背後のドアに体をぶつけさせた。
「ギャア!っ…はぁ…はぁ」
翠星石は息を切らしながら如雨露を下ろした。「限界です…これ以上は無理ですぅ…ここで私はやられる訳にはいかないのです。
真紅と水銀燈のところに行かなければ…」
そして弱った体のまま翠星石はその場から離れ始めた。
「うっふふふ、あっはっはっはっひゃあ、きゃあ〜〜!!」
そんな彼女の耳には、まだ陽気にしかし邪悪に笑うあの白薔薇の声が入ってきていた。

503 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 04:15:04 ID:WIU/1oO+
厨二病全開乙

504 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 06:47:10 ID:Ivqfjk60
今回もGJです


505 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 08:29:54 ID:ck/mDzxi
待ってたぞ!GJだ!

506 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 08:58:06 ID:P82MV0dJ
カナが出てないから糞
いいかげん終われや

507 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 10:51:19 ID:eP5esQA3
自己憐憫とか好きそう

508 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 14:20:13 ID:VBpQE66p
>>491-502
GJ!文句言ってるのは全員金糸雀信者なので気にしないでいいですよ

509 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 16:56:27 ID:sdhJIU1l
>>491-494>>496-502
GJ!!

510 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 17:06:29 ID:/i0K5iKQ
お疲れ様!
そしてGJ!
ここまで書く気力があること自体、凄い人だ。

511 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:18:35 ID:1tJj4cEq
>>491-494>>496-502
長いのを書く体力と集中力が無いので尊敬します。
なんて大長編、なんて面白さ!GJ!!!

512 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:51:16 ID:hQ5dOCqV
厨なんだが、この勢いは精神が厨化してる時にしか出せない。GJ

513 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:37:08 ID:Ntuj2JbY
長い・・・超GJだ

514 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 02:47:01 ID:Rp0O5ac9
この才能が羨ましい

515 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 10:26:59 ID:diy1H9bd
即興曲


「カナ〜〜っ、お留守番おねがいね、おみやげ買ってくるからね〜」
「いってらっしゃーい、みっちゃーん!」
最近、みっちゃんは寝不足気味。夜遅くまで仕事を続け、夢の中まで仕事に追われてうなされている。
「こんど休みが取れたら、おもいっきりカナの好きな事をしましょうね!」
という金糸雀との約束のために、予定を詰めるだけ詰めて時間を捻出した結果、
ハードスケジュールをこなさなければならなくなったのだった。
金糸雀のためなら何でもする、それがみっちゃんのポリシーである。彼女ならそんなポリシーに倒れても本望だったろう。
金糸雀はそんなみっちゃんの役に立ちたがった。
「みっちゃん、なにか手伝う事はないかしら〜?このローゼンメイデン一の策士に掛かれば、どんな事でもへっちゃらなのかしら?」
と言いながら、みっちゃんと並んで料理を作ったり、お洗濯をしたり、掃除をしたりしている。
「カナ―――っ!なんていい子なのっ!!」
みっちゃんはそんな金糸雀の好意に、一種の目眩にも似た感動を覚えていた。
みっちゃんのハートは更に高鳴り、仕事のハードさをも忘れるのに充分な活力を供給した。
かなり無理な仕事量を裁いているので、疲労も相当溜まっている筈なのだが、金糸雀の前ではそんな事はおくびにも出す事はない。
彼女の仕事への原動力は『休みの日にかわいいカナと遊ぶ』これだけだった。

516 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 10:29:00 ID:diy1H9bd
みっちゃんの帰りは今日も遅いため、金糸雀はひとりでお留守番である。
午後の日差しが差し込むアパートで、金糸雀は曲を作っていた。
みっちゃんがお休みになったら、彼女のために作った曲を披露しようと、あふれ出す旋律を嬉しそうにスコアに書き綴っていた。
リビングに寝そべって楽譜を書いている金糸雀の周りをピチカートがくるくると回ってちょっかいを出している。
「ピチカート、この曲みっちゃん喜んでくれるかしら?え?ここはトリル?うー、生意気かしら!」
金糸雀のしたかった好きな事、それはみっちゃんの笑顔を見ることだった。
いつしか陽は西に傾き、傍に置かれた金糸雀のバイオリンが、沈み行く夕日を浴びて飴色に輝いていた。
かつてローゼンのためにメロディを奏でていたバイオリンは、その目的のために使われなくなって久しい。
遠い昔、ローゼンと金糸雀の間には、言葉以前に音楽があった。
バイオリンの響きは彼女の心だった。その音楽は、言葉以上に相手に思いを伝えるものだった。
ふと、金糸雀はあの頃を思い出して、バイオリンを手に取った。
夕日の中で、空に響き渡るバイオリンの旋律は美しいメロディを紡ぎだす。
しかしその音は何故か昔の音色とは異なった響きを奏で出している。
あの頃を思い出して爪弾いてみても、昔の音は戻ってこない。
「おとうさまのための音が鳴らない……どうしてかしら?」
金糸雀の心からローゼンへの思いが薄らいだ訳ではなかったのだが、
ローゼンに対するものとは違うみっちゃんへの思い、それが金糸雀の弾くバイオリンの音色を違うものにしていたのだ。
お父様への思いが、記憶の中から失われていくような、時の流れを少し寂しく感じながら、金糸雀は静かにバイオリンを弾き続ける。

517 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 10:31:12 ID:diy1H9bd
無理な仕事が祟った結果、みっちゃんは熱を出して倒れてしまった。
「みっちゃん、みっちゃん!」
ベッドの上で苦しそうに呼吸をしながらも、みっちゃんは金糸雀に心配をかけまいとして微笑みかける。
「大丈夫よ、カナ、これくらい、何でも、ないわよ」
そう言うと、ぐったりする体を無理に起して金糸雀のさらさらな髪を撫でながら、
泣きそうな顔で見つめている小さな瞳に、守れなかった今日の約束を済まなそうに謝るのだった。
「ごめんね、カナ、折角の、休日に、何も、してあげられなくて……」

その後、金糸雀はパニック状態で助けを求めに桜田家に乱入した。
しかし事の顛末を聴き終えた薔薇乙女たちは、半泣きの金糸雀に対して勝手なこと言い始めただけだった。
真紅は「寿命ね……」と不吉な事を言い、翠星石はウソ薬を調合し、それを見兼ねた蒼星石がリンゴを剥き始めた。ハサミで。
雛苺は全く役に立たなかったけれど、事を知ったジュンが医者を呼んだことで、彼女は今眠りについている。
一連のドタバタを経て、再び2人に戻ったアパートで、苦しそうにうなされているみっちゃんの手を握り、ぬれタオルの交換をして金糸雀は看病を続けていた。
みっちゃんは時々金糸雀の名前をつぶやくのだが、金糸雀はどうしていいかも分らず、ただ途方に暮れるだけだった。
「みっちゃんが呼んでる、カナの事呼んでる」
本泣きでおろおろする彼女の上で、ピチカートが心配そうにくるくる回っている。
「ど、どうしようピチカート、カナに…カナに出来る事って……」


518 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 10:33:02 ID:diy1H9bd

「誰か…」
夢の中でただ独り、みっちゃんは苦しい息の吐きながら、出口の見えない闇の中に佇んでいた。
何も無い、何も感じない、何も見えない、何も聞こえない……
このまま自分が消えて無くなりそうな錯覚に陥りながら、彼女は自分の存在を確認しようとしていた。
どの位の時間が過ぎたのだろうか、不安の入り混じった朦朧とする意識の中に、やがて響いてくる一つの旋律。
それはいつも近くに感じていたような温かな音色。
「私、この曲知ってる……カナの曲……」
誘われるように、その音の方向に歩き出す。
その音色は、みっちゃんの前方に光を投げかけ、やがて暗闇は光に包まれた。

金糸雀はバイオリンを弾いていた。
心に浮かぶ旋律を心のままに音へと紡いでいた。一番聴いてもらいたい人の為に奏でる飾らないまごころの音色。
それはローゼン以外の人の為には演奏する事も出来なかった即興曲の形をとって迸る。
「みっちゃんの笑顔のためだったら、カナは……」
みっちゃんの夢に届く旋律は、静かに、静かに、水面に映った星のように澄み渡ってゆく。
その音色に癒されるかのように、苦しそうだった彼女の息使いは、いつしか安らかな寝息に代わっていた。
心地よいまどろみの中で、ふと現に呼び戻されたみっちゃんは、月の光に照らされ白いレースのカーテンに浮かぶ金糸雀を、おぼろげな意識の中で眺めていた。
『カナ……』
ほんの少しの間だったけれど、一心不乱にバイオリンを弾く金糸雀の姿を見たみっちゃんは、やがて彼女の音楽に心を委ねる様に深い眠りへと落ちていった。
ローゼンのためでも、アリスゲームのためでもなく、ただ、みっちゃんの安らかな笑顔のためだけに、金糸雀は一晩中バイオリンを奏で続けた。


519 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 10:34:30 ID:diy1H9bd
 朝は静かにやってくる。
みっちゃんがカーテンの隙間から射し込む光に目を覚ますと、彼女の目線の先で金糸雀がすやすやと眠っていた。
昨日の熱は嘘のように引き、体調は元に戻り、いつにも増して心の中は晴れやかだった。
「何だか夢をみたわ……何の夢だったかな……」
髪をかき上げながら、少しの間思い出せない夢に頭を悩ませた後、
ようやく眠る前の出来事を一通り思い出し、みっちゃんは目頭を熱くさせ、涙で顔をくちゃくちゃにさせた。
そこかしこに散らばる濡れタオルだとか、変な風邪薬だとか、茶色に変色した剥きリンゴは、金糸雀が一晩中看病をしていてくれた事を物語っている。
「あああ、カ、カナ〜、ありがとぉぉ〜」
暴走しそうな程にこみ上げてくる感動と、マサチューセッチュしたい感情をぐっと堪え、
みっちゃんは眠り続ける金糸雀をそっとベットの上に寝かせると、静かに部屋を後にした。
そして、シャワーを浴び、服を着替えて、眠る金糸雀に熱いラブレターをパトスのままに書き散らして、やがて未練がましく仕事へと向っていった。

金糸雀は夢を見ていた。
遠い昔に失くしてしまったローゼンとの幸せな日々の夢の中、お父様の笑顔を見たくて無邪気にバイオリンを奏でている。
嬉しそうに即興でメロディを紡ぐ金糸雀を見ながら、いつまでも微笑みつづけているローゼン。
やがて、目の前のローゼンの顔がみっちゃんの笑顔と重なりあっていく。しかし金糸雀は、大切な人の笑顔のために一生懸命バイオリンを弾き続ける。

もうあの頃のように、無邪気な音色を奏でる事はできなかったのだけれど、それでも金糸雀は満足だった。


おわり

520 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 11:24:37 ID:9tIEQdT5
投下乙です
理想的な関係だな、みっちゃんと金糸雀は
あと真紅に翠星石は少しは自重しろw

521 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 12:35:36 ID:EUbYRv3V
泣けた

522 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 16:02:58 ID:uZPYyfAQ
金糸雀アンチの作者ばかりのこのスレでようやくまともなSSを見た

523 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 16:38:29 ID:Taa7HXqF
>>522
金糸雀信者死ね
いちいち他の作者叩くな

524 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 19:30:58 ID:R0IxdAs4
やはりほのぼの系は良い

525 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 19:56:56 ID:ytyWCmAQ
>>522
禿同

>>403-409>>491-502みたいな金糸雀アンチの作者はもう投下しなくていいよ

526 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 19:59:40 ID:UD+iZdUe
そうだな>>525のような偽装丸見えな会話は飽き飽きだ

やはり争いと言うスパイスの中に平和というオアシスがあるのが丁度いいのかね
いや逆か

527 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 20:59:50 ID:8LhTuHLy
>>522
>>525
まーた金糸雀信者の自演が始まった

528 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:39:19 ID:7lSpQyzC
Rozen Maiden LatztRegierenはそろそろ終わらせて欲しい
できるなら個人のHPかブログで連載する形が望ましい

ここは飽くまでもショートストーリーのためのスレだし
1スレで終わらないSSを連載すると、他の作者が投稿しにくい雰囲気になる


529 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 23:41:04 ID:UD+iZdUe
どちらにせよ投稿は数少ないんだ、大事にしようぜ☆

530 :ロックマンJUM:2007/09/30(日) 01:04:22 ID:djPiZhVJ
どうも久しぶり。色々考えてたがやっぱり当分はロックマンネタになりそうだわ。

そこで金糸雀がリコイルロッド使って大変な事になるって話を思いついたんだが、
今この状況で需要ってあるかな……?

531 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 01:05:28 ID:psRJm6zZ
ありまくるから困る

532 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 02:29:09 ID:OtHha0+9
>>528
こんなSS職人神王はこのスレ始まって以来の奇跡なんだから
自分勝手な意見を押し通そうとして終わらせようとしても無駄だろ?
それに読者や信者がついてるんだ、そう簡単には終わらないだろうし
終わらせる気があるならもう終わってててもおかしくないんじゃないの。
ま、オレは興味もないし読む気も無いからスルーし続けてるんでどうでもいいけど
いっそここを戦闘職人専用スレにしていいんじゃないの。
他に別スレ立てて、そこはまったりとした短編やお笑いメインでいくとかさ。

533 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 05:44:57 ID:Gk13s2o2
>>528
俺的にはまだまだ続いてもらいたいんだが
最近投稿が少ないしあれだけの作品を原作みたいな中途半端な形で終わってほしくないからな

534 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 06:54:07 ID:3GpYsFMw
どうせ批判してるのは金糸雀信者の自演だろうからスルーしようぜ

535 :ロックマンJUM:2007/09/30(日) 08:57:35 ID:djPiZhVJ
>>531
ありがとう、一人でもそう言うこと言ってくれる人がいるとうれしい。
SS出来上がるまでしばしこの音楽でも聴いて待っていてくれ。
一応今のJUMのイメージという事で。

⊃ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm994522


>>528
どうか最後まで頑張って欲しい。
あきらめたら、そこで試合終りょ(ry

536 :ロックマンJUM:2007/09/30(日) 09:06:34 ID:djPiZhVJ
うわ、文が抜けてた……。

>>531
ニコ動なのは試聴という事も兼ねて許して欲しい。

>>528
俺としては、

が足りてなかった。スマン


537 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 09:09:28 ID:sQcl0nNC
>>528
投稿しにくい雰囲気にしてるのはいちいち作品に文句言ってる奴らだから
別に職人様は関係ねーよww

538 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 09:32:13 ID:aqv241Xq
投票数:1460レス 09:30:12現在

■第1試合
1位 421票 月宮あゆ@Kanon
2位 398票 エルルゥ@うたわれるもの
3位 116票 坂井千草@灼眼のシャナ

■第2試合
1位 601票 水銀燈@ローゼンメイデン オーベルテューレ
2位 581票 フェイト・T・ハラオウン@魔法少女リリカルなのはStrikerS
3位 148票 北条沙都子@ひぐらしのなく頃に

539 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 09:35:27 ID:aqv241Xq
【アニメ最萌2007 水銀燈ラシ告知】

本日22:10:00から水銀燈ラシを行います
お暇な方は下記のテンプレにアニメ最萌2007のコードを添えてラシを盛り上げましょう
(ラシとは同時刻にAAテンプレを用いて一斉投票を行なう行為です)

アニメ最萌トーナメント2007(コード発行)
http://animemoe2007.hp.infoseek.co.jp/

ラシテンプレ
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/vote/1190789289/170-177

540 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 18:25:44 ID:DCmJKQFD
キモオタ共きめぇwwwwwwwwwww

541 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:54:09 ID:nGNvOdpE
283 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/30(日) 20:43:23 ID:is74Xobc
馬鹿みたいに最萌の投票を催促してる奴は党員を装った金糸雀信者だからスルー推奨

542 :ロックマンJUM2 イデア:2007/09/30(日) 21:08:24 ID:djPiZhVJ
なんか殺伐しているようなので燃料投下だ!


「新しい武器を開発したぞ!」

⊃リコイルロッド

「なぁんですか? このdファーみたいな武器は?」
「リコイルロッド、強い反発力を生むロッドのひとつだ。
 薔薇水晶の水晶だって破壊できるし、地面に突き立てればハイジャンプが出来る」
「うゆ……どうやって作ったの〜?」
「Nのフィールドだ。あそこは異次元に通じてるから探せば欲しい部品はいくらでも手に入る……が」
「?」


「入った瞬間サイバーエルフが勝手に発動してリザルトから5点減点されるわ
 雪華綺晶と(※1)ジューダスに二人がかりで奇襲かけられたり、(※2)フィールドの最奥で飯屋に襲われてえらい目にあったんだぞ」


※1隠将ファントムの通称 ※2ワレハメシアナリ!! ハーハッハッハッハ!!


「全く、ジューダスは倒したのに何故減点されるんだか……。
 しかもあの飯屋なんか変だったな、『Nのフィールド』だからZXオメガなのは分かったが
 なんか台詞が違ってて「我は薔薇乙女(アリス)なり!」とか言ってた。 多分こっちの世界の事意識したんだろうけど――」

「ストップ、もういいのだわJUM」
「む、そうか」
「……さっき何言ってやがるですかチビ人間――もといチビレプリ?」

「そのIアプリみたいな呼び名はやめろ翠星石」
「OKEY! 分かったからJUMナックルをチャージするのやめるですぅ!」

「JUM〜? リコイルロッド使ってなの〜♪」
「だめだ雛苺、コレはまだ試作段階だ。 まだ反発力が強いから制御が難しい」
「そう、それなら私達のやり方で使わせてもらうわ」
「そうか、なら宇宙旅行のチケットを1枚取っておくべきだな。 帰りはNASAのスペースシャトルで送迎だ。 それでどうだ?」
「のった」


「それじゃ、図書館に行ってくる」
「気をつけてなの〜」
「くれぐれも見つかってはだめよ? JUM」
「難しい注文かも知れねぇですが、頑張ってきやがれですぅ」
「了解した」


「フフ……どんなのかは知らないけど、あの武器を使えばおそらくアリスゲームは楽勝かしら♪
 このローゼンメイデン一の頭脳派金糸雀が楽してズルしていただきかしら!」

543 :ロックマンJUM2 イデア:2007/09/30(日) 21:10:24 ID:djPiZhVJ
「お久しぶりかしら〜♪」
「うゆ……金糸雀?」
「今度は何の用……って、ええッ!?」
「それはJUMの作ったリコイルロッド! おめぇ何でもってやがるですか!」

「へぇ、リコイルロッドって言うのかしら。 何か名前からしてとても強そう♪ これがあればアンタ達なんか烏合の衆かしら!」

「やめなさい金糸雀ッ!! それは貴女の手に負える代物ではないわ!」
「ふふ〜ん♪ 真紅がここまで焦るって事は相当ヤバイものなのね!?」
「やめてなのー! 大変な事になっちゃうのー!!」
「ふふ、心配無用かしら! このローゼンメイデン一の策士金糸雀なら――

        どんな武器でも使いこなせるかしらッ!!」

「や、やべぇです真紅! 金糸雀の奴ロッドをチャージしながらこっちに走ってくるです!」
「くっ!!」
「かなりあーーー!!」


「楽してずるして、ローザミスティカはいただき(ズルッ)――!?」


ザクッ!!


「かしらああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁァァァァァッーーーーーーーーーー!!!!!!!」



「「「………………」」」


        ,ィ-‐'´'" ̄´'‐- 、_
     、/'´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`~ヽ、
    /':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,:.:.、:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
   ト!:.:.:.:.:.:.:.、:/{ム<_{:人:.:.j:.、:.:.ヽ! ←真紅
    ゞ:.:.:.:.:.:.:.:.:ト' r't:dミッ ,ソ_)ィ、:.:.N
   〉:.:/ニ}:.:,'´,..:`ー'   ftテァ'}:.:.:!'   ,. ‐'"´ ̄ ̄ ̄三≧=-
   '、:.l '(j、:.:} "     _`)゙´/:.ノ'′ , ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`丶、
    ヾ`ーz`′  , ―-、   l:.ノ  /:.:.:.:.:.:.:.:.:.ト,、_Nト、:.:.:.:.:.:ヽゝ、
    /`ヾン     '、二)ノ  /´  イ:.:.:.ィt:.:.:.:.:.y‐rミメiVjL:l:.:.:ヽ 丶
   ,/   \   、  ‐ ,. ´   'ノ}:.{f'リ:.:.:.:.卞‐゙'   ゙ti'リ,、:.:、:',  ←翠星石
´ ̄::\   `丶-`干[´      ,」ノ:`ーf{:.:.:トl、  _ イ:.ト、ヾ!゙'
ヽ::::::::::::\ <二>/ //ハ`ヽ、    「::(レヘ:jヾト::'、 〈ヽソ/fi|
、 ',:::::::::::::::`'‐-、.L.Llノ::::ヽ l lヽ   ノ::::::`丶、_`ヾト、__`ア`ヾl
|ト----、:::::::::::|  |:::::, -| l l |イ´、`丶、:::::::::`7三彡)`丶、
||    ヾ:::::::|  |:::/  lノノノ 、::::\::::ヽ::::::::/   /L:::::::::ト、
|l     l:::::::|  |:/  !ノノ  ヾ:/:::::::><___ゝ、二二ノ



「か、金糸雀ーーッ!!(笑)」
「すっ転んでそのままリコイルロッドですっ飛んでいきやがったのです!!(爆笑)」
「死んじゃ嫌なのーーーーーー!!(抱腹絶倒)」

544 :ロックマンJUM2 イデア:2007/09/30(日) 21:12:01 ID:djPiZhVJ
後日談


「ええ、はい……間違いありません。
 分かりました、直ぐそちらに向かいます……では」
「JUM? 誰と電話していたの?」
「……真紅、急用が出来た。 暫く帰ってこれない」

「JUM!? どこに行くの!?」


   .ィ/~~~' 、
  _/ /  ̄`ヽ}
 ,》@ i(从_从))              |ヽ ,---、|ヽ
  ||ヽ||;゚ -゚ノ|||   …      ≡  ヽ ヽ ▼/ ノ
  || 〈iミ''介ミi〉||            ≡\_>; ・∀・|)<ちょっくらNASAへ行って来る
 ≦ ノ,ノハヽ、≧        ≡ そ,.、( O┬O
 テ ` -tッァ-' テ       ≡ ≡ .◎-ヽJ┴◎



「……宇宙旅行とはよく言ったものね」

545 :ロックマンJUM2 イデア:2007/09/30(日) 21:14:48 ID:djPiZhVJ
投下終了

こんなに長くなるんならナレーションでも付けて置くべきだった……か?

546 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:23:21 ID:Wa7rSGa0
GJ!です

良い空気になってきましたね〜

この空気を崩さずにいきたいものですね

547 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:48:41 ID:AAH8siK8
↑いくら投下が少ないからってお世辞言うなって
どう見ても、厨二病感染者が書く内容じゃないか

548 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:59:15 ID:Gk13s2o2
>>547
リア厨はお帰り下さい

549 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:13:13 ID:5sd5bzmy
>>426の続きです。

スマソ・・・リアル生活が忙しいんだorz


「たーのーもー」リビングでテレビを見ていると、外から耳障りな声が聞こえてきた。
金糸雀だ。彼女は雛苺、蒼星石を失ってから毎日のように遊びにくるようになっていた。
彼女も彼女なりに皆に気を使っているのだ。
「あっ!またうっさいのがきやがったですぅ」そう言うと翠星石は急いで玄関まで走っていった。
「早く入ってこいですー!鍵開いてるですよー!」
ガチャ。カナリアがドアを開けて入ってきた。
「これが約束のブツかしら」
カナリアが翠星石に紙袋を渡した。
「ほぉほぉ・・・ヒヒヒ・・・どれどれ。中身を確かめさせてもらうですよ。」翠星石は袋をひったくると袋を開け、中身を見ながらリビングに入った。
「ちっちょっとぉ!」
「お前も早く来いです」
「おじゃましますかしらー」
カナリアは翠星石の後からそそくさとリビングに入った。

「ほほー、確かに、今日発売の最新くんくんDVDは受け取ったです」翠星石は早速封を切り、DVDを取り出してプレイヤーに挿入した。
そしてストンとソファーに座ると、手元にあったリモコンの再生ボタンを押した。
「ん!」横に座ったカナリアが突然、翠星石の顔の前に手を差し出した。
「なんです?」
「ん!」
「だからなんです」
「見返りを忘れてるかしら!苦労してみっちゃんに買ってもらったのだから、しっかり約束の見返りはいただくかしら。
そんな事を忘れるほど、このカナリア、馬鹿じゃないかしら」
「あー、はいはい。わかったですぅ!すぐに持ってきてやるからそこで待ってるです。」
翠星石は停止ボタンを押し、台所に駆けていった。
「それにしても、DVDの見返りがチョコボールとは、愚かな奴ですぅww所詮カナリアはカナリアですぅww」
「何か言ったかしら!」
「なっ!なにも言ってないですー!そんなこと言うわけねーですーアハハ・・・」
「うぅ・・・何か引っかかるかしら・・・」
「ああぁぁあぁ、そうそう、お菓子は確かここにしまってあるはずですー♪」翠星石はなんとか金糸雀の注意を逸らそうとした。
翠星石はキッチンの収納棚の前に行くと、そこに「しんく」と書かれた札が掛かっている椅子を置き、その上にさらにダンボール箱を乗せ、それの上までよじ乗った。
そして棚の戸を開け、体を半分中に突っ込み、ごそごそと探った。
「あっれぇ、いつもここにあるはずですが・・・」しまった・・・生憎今日はチョコボールを切らしているのかもしれない。

「キャァーーー!」

ドゴーン!

轟音と共にカナリアの叫び声が響いた。

550 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:36:26 ID:5sd5bzmy

「どうしたです!」
振り返ると、リビングは既に元の形を留めていなかった。
巨大な水晶の塊が外から窓を突き破って室内に突き刺さっているのだ。

「カナリアー!!!!!」

翠星石は椅子から飛び降りると、急いでカナリアを探した。
しかし、とにかく部屋を水晶の塊が占領しているので、なかなか彼女が居るであろう場所に行けない。

「カナリア!今助けるです!待ってろです!」
突然、部屋の端の方が光った。水晶越しでも確認できる程の明るい光だ。前にも見たことの有る。神秘的な光。
美しい光の束が、心臓のように赤く鈍い光を放つ神聖な石を、下界の穢れたものから守るようにして円を描いて回っている。
昔の記憶が重なる。私の妹が、私の目の前で殺られたあの凄惨な記憶が甦った。

「いやぁぁぁぁあああああ!!!!!!」翠星石は発狂した。
「スイドリーム!!!!」翠星石は如雨露を持つと、その中身を水晶めがけてぶちまけた。
フローリングを突き破って生えてきた巨大で太い蔓が瞬く間に水晶を粉々に破壊した。

「カナリアー!カナリア!カナリアー!」翠星石は、下腹部から下が潰れたカナリアを抱きかかえた。
そして浮遊するローザミスティカを掴もうと手を伸ばした。
「うっくぅ・・・・きゃあ!」
ローザミスティカは近づく翠星石を弾き飛ばした。そしてそのまま窓から表に飛び出し、二階の方に飛んでいった。
「カナリアー!」
ローザミスティカさえあれば、またお父様に修理してもらえるかもしれない
翠星石は夢中でローザミスティカを追い、表に出た。ローザミスティカは二階の窓から部屋の中に入っていった。
「二階・・・あの位置は・・・ジュンの部屋!蒼星石!雛苺!」
翠星石は急いで戻って、階段を駆け上がった。そしてジュンの部屋のドアを勢いよく開けた。
「おっおまえぇ!!!!!!!!」あの時、崩れて壊れたはずの彼女・・・あの薔薇水晶がそこに立っていた。
「なっ何故お前がここに!」
「何故・・・?お前が・・・?ここに・・・?」薔薇水晶は復唱した。
「今更っ!一体今更何の用ですか!カナリアのローザミスティカを返すです!」
「カナリ・・・ア?」薔薇水晶は首を傾けながら言った。
「これの・・・コト?」薔薇水晶は横に倒れている雛苺の髪を掴み、持ち上げた。
「ふっふざけるなです!カナリアのローザミスティカを返すです!」
「カナ・・・リア?」薔薇水晶は、ぐったりとしている雛苺の方にグリンと頭を向けた。
無表情な薔薇水晶。一体何を考えているのかわからない。ただ、これだけは分かった。彼女はまた私たちの生活をめちゃくちゃにしに来た。
「雛苺ー!薔薇水晶!やめるですぅー!」翠星石は思わず薔薇水晶に飛び掛った。
「きゃぁ」しかしすぐに弾き飛ばされた。
「ううぅ・・・」
「真紅・・・真紅は何処・・・真紅は・・・ドコ・・・真紅はドコ?・・・真紅は・・・」薔薇水晶は雛苺を引きずりながら翠星石の前に歩いてきた。
「しっ知らねーです!」
「真紅はドコ」
「だから知らねーです!雛苺を離すです!」
「真紅はどこ」
「雛苺を離せです!」翠星石は薔薇水晶の手を掴み、無理やり雛苺から引き剥がそうとした。
「真紅は・・・真紅は一体どこ!」薔薇水晶はまとわり付く翠星石を足で蹴り飛ばした。
「真紅ぅー!」薔薇水晶はそう叫ぶと雛苺の首を掴み、そのまま彼女の体をジュンの机に叩きつけた。雛苺は粉々になった。
「雛苺ーーー!!!!」翠星石はバラバラになった雛苺の元に駆け寄った。散らばった破片をかき集め、そして薔薇水晶に向かって泣き叫んだ。
「どーしてです!どうしてこんな!こんな酷い事をするのですか!一体!一体私たちが何をしたってゆうですか!」
薔薇水晶は無表情だった。文字通り、「ドール」のようだった。それも自分の意思とは関係なく踊らされる、「操り人形」。
翠星石は割れた雛苺の頭を抱えた。
「ひどいです。。。あんまりです。。どうして・・・こんな・・・」
「ふふ・・・」無表情だった薔薇水晶の口元が一瞬、左右に伸びた。
プチン
翠星石の頭で何かが切れた

551 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:43:54 ID:5sd5bzmy

「薔薇水晶!!!!!!!!」



完全に冷静さを失った翠星石は、如雨露の中身をぶちまけた。

轟音と共に大量の蔓が床から延びてきた。そしてそれはまるで大量の弓矢のように薔薇水晶めがけて飛んでいった。
逃げ場は無い。
翠星石は部屋の端から端にわたって水を撒き、そこから幾本もの蔓が伸びて、薔薇水晶に向かっていったのだ。
後ろは壁。そこに窓は無い。上下左右に逃げても蔓は刺さる。

ドドドドドドドドドドドドっ!
大量の蔓が突き刺さる、鈍い音がした。

同時にゴロンと頭が床に転げ落ちる音がした。


「あっ・・・ああ・・・」
ゴトン・・・と如雨露を落とした。

蒼星石はまるで、生け花に使う剣山のように、鋭い蔓が全身に突き刺さった状態で翠星石の前に立っていた。

ガシャンという音を立てて蒼星石が倒れた。体はバラバラになった。
そして後ろには無傷の薔薇水晶が微笑んでいた。

薔薇水晶は手元にあった蒼星石を盾にしたのだ。


「いいいいいいいやああああああああぁぁぁぁ!!」





今日はここまで。話があまり長くならないようにしたいです・・・

552 :ロックマンJUM2 イデア:2007/10/01(月) 01:00:55 ID:gJspXlR5
>>551
お疲れ〜。 蒼星石がグシャグシャに……。
悲観に暮れる翠星石に差し入れをあげたい気分だ。

⊃リコイルロッド

553 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:17:58 ID:4I6N6ok7
>>551
GJ!
金糸雀、雛苺、蒼星石が一気にバラバラに・・・。

554 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:58:15 ID:vvB2kzDn
>>551
GJ!乙です!

555 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 02:21:09 ID:dSav21PH
>>551
GJ 真紅がどこにいるのか気になる

556 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 03:00:53 ID:uWV0I0Op
GJだ!
真紅はジュンの学校じゃないのか?
続きに期待

557 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 06:40:02 ID:EKrhP4vO
はいはい金糸雀アンチ金糸雀アンチ

558 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 07:28:39 ID:J+j+sKj7
キムざまあwwwwwwwwwwwww

559 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 19:19:26 ID:pTLRUJ11
マジで金糸雀アンチの作者ばっかりだな
死ねよ

560 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:44:07 ID:EKrhP4vO
>>559
同意

こういう奴らが虐殺AAやアンチコピペ貼ってんだろうな

561 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:10:36 ID:ljmIL23y
なんでこんなに金糸雀信者って必死なの?

562 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:26:36 ID:2Mh97tV5
信者よりアンチのほうが遥かに(ry

563 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:35:09 ID:KliCbdhE
>>561
被害妄想と叩かれることが大好きなマゾだから

564 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:41:26 ID:DxhEsbHA
マジレスすると、金糸雀みたいな役立たずのクズを生き残らせても使いどころがないだろ。
トロイメントの11話みたいに他のキャラの足を引っ張って醜態さらすだけ。
だから早めに退場させた方がストーリーの質が上がる可能性が高い。
つまりそういうこと。

565 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:50:06 ID:G7KZxheK
ぶっちゃけると、
カナリア信者=カナリアアンチ=コピペ厨
だから、まとめてさっくり蒸しがオススメです。

回線何回も切断してまでお疲れさん。

566 :43:2007/10/01(月) 22:10:34 ID:3J82wHMB
勘弁してくれよ…スレが荒れ続けるのを見ているのは悲しくなるぜ。

567 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:21:45 ID:2Mh97tV5
>>566
荒れ続けるというか、たった一人の自演が必死になって荒れてるように見せかけてるだけだから、なw

568 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:09:28 ID:oS8wS8cw
ま、>>557から>>564
は同一人物だな

569 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:22:33 ID:4/Z4Qbjk
>>551
とにかく、GJです!

570 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:32:43 ID:k2gMpUsd
>>568
そいでもって、ローゼン関係のあちこちのスレに
ファンの総意と称して書き込みに行くんだから、
毎日毎日、働きもせずご苦労なこってす。


571 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 08:54:10 ID:Zo7zVOHM
>>3
のチビキャラっていうのか(?)みんな笑顔だな。
笑顔はいいことだ。

・・・何言ってるんだ俺は。

572 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 11:06:11 ID:XHfaFbms
普通の金糸雀信者はどう思ってるんだろう

573 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 12:08:07 ID:HXA2wwtP
6スレ目になってから一連の長々しいSSしか投下されてないし、何かあると必死に金叩きだ。
4スレ終盤の職人追い出し騒動からここまで、狂った流れと終わらないSSに金叩き。
普通に楽しめるSSはもう二度と読めないんだろか

574 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 13:51:47 ID:Hf8KGEsS
>>572
普通の金糸雀信者=>>559>>560

金糸雀信者にまともな人間はいません。

575 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 14:30:34 ID:gxVnMOw4
何かあれば金糸雀信者、金糸雀信者ってwww
お前それしか言えないんだなww

カワイソウwwwww

576 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 16:58:33 ID:4/Z4Qbjk
>>573
その一連の長々しいSSを普通に楽しみにしてる人間だっているんだ

信者だのアンチだのはどうでもいいが頼むから早く終われ的な発言は止めてくれ

577 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 17:15:06 ID:chPHMbyn
765 名前:メディアみっくす☆名無しさん[sage] 投稿日:2007/10/02(火) 14:26:44 ID:???
それだけはない

水銀燈・・・上品、大人しい、激しい、お姉さん、メグデレ
翠星石・・・一貫した平和主義、ツンデレ、最低限の品性はある
蒼星石・・・凛々しい、賢い、気が利く、上品、達筆、家庭的
真紅・・・頼りになる、優しい、上品、かわいい、激しい
雛苺・・・和む、意外と気が利く、成長する、ドジ、ちょっと品がない、健気
薔薇水晶・・・無口、パパっ子
雪華綺晶・・・ミステリアス、壊れ気味

金糸雀にはかぶらない良さがない

578 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 18:52:14 ID:qXQgjXSg
>>572
カナを優しくお姫様だっこしてもふもふしたい

579 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 21:32:02 ID:k2gMpUsd
いいか、お前らよーく聞け。
お前らんちにいるカナは全部ニセモノだ。
俺が2年前に図画工作の時間にネンドで量産したニセモノだ。

580 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 01:18:06 ID:S2h2j3p9
>>578

おまでとうごぢいます!

「ローゼンメイデン第2ドール」

オークしょんの結果
見事あなたが落札しますた

581 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 17:34:01 ID:heaEUfww
長すぎるSSはもういいや・・
気楽に読める短い奴たのむ

582 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 17:53:11 ID:oE3oa7yN
わががまじゃね?

583 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 18:07:26 ID:TXQmDIY1
わがままだね

584 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 18:13:16 ID:4/u/zeBQ
カナを優しくお姫様だっこしてもふもふしたい
カナ可愛いよカナ

585 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 18:15:01 ID:4/u/zeBQ
カナを優しくお姫様だっこしてもふもふしたい
カナ可愛いよカナ

586 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 18:16:10 ID:4/u/zeBQ
カナを優しくお姫様だっこしてもふもふしたい
カナ可愛いよカナ

587 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 18:17:59 ID:4/u/zeBQ
カナを優しくお姫様だっこしてもふもふしたい
カナ可愛いよカナ

588 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 18:33:06 ID:oE3oa7yN
さて、また「また金糸雀信者か」のお決まりの台詞か

589 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 19:02:41 ID:bQjqT/5+
    _, -──‐- 、、
             入 `ヽ~`ヽノ二ニy‐-、  さすが荒しかしら!
           ,r' /.::::>、.:.:::::{,/⌒Y⌒ヽト、 カナ達にできないことを平然とやっけのけるかしらッ!
         / /.::::/ \.::::( ,〈薔〉、 / j〉
        ,′,イ/    \:ゝ彡ニミノ;::イ.xサ=- .、  _,z⌒ヽ  そこにシビれる!
        !レイ/      ``ヾ、 イ:::i:/ .非 ̄`ヾY7´-‐j }ト、    あこがれるかしらァ!
        〈川j '">、、,,.ィ二¨' {゙,;;;;;;;リ  jヲ二厶小=ん^)z=ナ
         `ゞj ゙._(9,)Y´_(9_l′ i;;;;;;/  ≠´   `ヾく-‐ <
          }ト、. `'''7、,. 、 ⌒  _ソ'  / , , 、、 ,ヽハヽ 、{
          _>‐ 、 ^'^ ′-、 /⌒〕 l{〃/ jl' } } ! !l !l`个=- 、
         に ニニ,j「匸匸匚| V⌒〕 八{ {{{八ハノノノ川斗=-=}
    , ヘー‐- 、,ニ,〕| /^''⌒| 〔二〕/人ゝ(_9,`!i!}i!ィ_9,)ノ-‐ミメ
  -‐ノ .ヘー‐-ィ ヽ' !‐}__,..ノ  に7.{´/ノf, -イ,__,.>‐  彡ミイ
 ''"//ヽー、  ノヽ∧ `ー一'´ ./孑´\ん{ミ! , -===- 、. 彡メ}くー- ..._
  //^\  ヾ-、 :| ハ   ̄ / ノ |.  { {ハ.  V'二'二ソ  ノ| |    `ヽ
,ノ   ヽ,_ ヽノヽ_)ノ:l 'ーー<.  /  |.  ヽヽヽ._ `二¨´ /ノ ノ
/    <^_,.イ `r‐'゙ :::ヽ  \ `丶、  |、   \\'ー--‐''"//
\___,/|  !  ::::::l、  \  \| \   \ヽ   / ノ


590 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 23:51:16 ID:xAj7i/JC
GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!
GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!
GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!
GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!

もっと長編SSを!もっと長編SSを!もっと長編SSを!もっと長編SSを!
もっと長編SSを!もっと長編SSを!もっと長編SSを!もっと長編SSを!

591 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 10:30:48 ID:IAAhj5Xd
マンネリを打破するために、金糸雀信者と金糸雀アンチの争いをSSにしてみるとか

592 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:04:19 ID:fCGWtEyc
                      >' ゙´  ―=ニ二"'- 、
                  /\ ヾ __   r─v⌒Y⌒ヾ‐、
                     / //^\\二ニ廴f⌒Y⌒ミx⌒Y)
                 / //   \_二廴{r=((辷ソ))ニコ}
                  |/イノ        ヘヾィ|ト、彡|レ' ソ
                  i/|   '⌒       ゙‐-|ト、ニィ||r'
               |!|  x==ァx、         i」 i!i!i」
                    rヘ 仆r為リ    X气ミx i!i!/
                  X_l. ゞミン     トr為リ ,iレ'}
                 (( ヘ     、_ '_  `''‐''´厶ク
                   辷⊇>x、.ry     ∠廴)) 【金糸雀が物欲しげな顔でこちらを見つめている!】  
                  >'´⌒{>//zxz‐‐ュ≦ミ三⊇   Command ?
             Y´    ,/)' ^,ニ⊃コ} ̄`\⊇   1.玉子焼きを与える         2.華麗にスルーする 
                {   x'^^^ス  ,二)./    \  
               > / 幺 幺x‐ュ,)〈       〉.  3.お菓子を買ってあげる      4.すかさず契約する
               / ^   幺 幺・i」 .ノ〉八_r=、 /
             {        〉〉 〉〉-<´/   「i|iト、v、
            \    乃 乃|i」》/   .|」i」x、幺
             \  勹勹《∧/     |」\/
                 /ゝ彡{ヾ/ハ /     .|  \
            _ゞ⌒YXゞ⌒ゞ_厂廴     ト、_.  \
         辷_r─〈〈ゞ7  ̄>‐ュ  `X).   ト、_^Y>、 \
         廴/   》》〈  /,   ゙‐ュ_ ^X)_. |  >-、 ム ∧
        〈辷|     〈《 ゝ. Y,イ r x 〈<__ 勺: : : : :.〉Y)   \ハ        5.自前の鞄につめる
.         〈 | 厶    厶ヽ∪! |リ' ∪  \.〉: : : : :.了7__  / 〉、
          〈ヘ : : 厶     ̄マ∪'      \: : : : :.>ュ ゙''゙  マ

593 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:40:16 ID:E1pEYJ+u
宜しい、迷わず「1」を選択する
だが、スレ違いだ・・・

594 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 01:02:45 ID:WxXyG4zJ
コピペバカは本当に白痴だな。

・以前
信者を装って自作自演⇒セルフ叩き⇒コピペ

・現在
アホみたいに信者を装って自作自演⇒結果的にカナリアの
評価が下がるのを待っている。

感性が悪いな。ここはSSスレだ。SS書け。

by真紅様

595 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 17:04:26 ID:KJaR/FZc
金糸雀の評価を下げたいというか金糸雀をつかってスレを荒らして
職人の創作意欲を削ぎたいんだろ

596 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 19:06:44 ID:TKDANeUC
でもそれだと真紅や水銀燈のようなメインキャラを使って荒らした方が職人も書きにくくなる気がする

597 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 20:35:19 ID:WLRWVCho
どちらにせよキチガイな書き込みすることで荒らし効果は絶大と言うことだ

598 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 20:56:42 ID:TCMH0r6t
うん、カナはかわいいよね

599 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:48:00 ID:mfAEBxKb
うんうんばらしぃかわいいよね

600 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:51:40 ID:WLRWVCho
そうだろう、蒼星石もかわいいんだ

601 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:38:57 ID:7zHAHANB
じゃあ巴は貰っていきますね

602 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:14:19 ID:RXkR8SbM
>>601
ちょwwwそれは人間だから誘拐wwww

603 :真紅:2007/10/06(土) 01:16:42 ID:9vPvzXTL
水銀燈は捨ててきますね。

604 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:24:52 ID:6aqhdtXU
なら俺が拾わせて貰いますね

605 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 06:25:37 ID:WZr576On
そうはさせん

606 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 08:00:25 ID:dDbgUB+7

     ___    お前みたいなゴミが翠星石の姉のはずないですぅ!
   く/',二二ヽ> 翠星石の姉は水銀燈一人だけですぅ!!
   |l |ノノイハ)) 
   |l |リ゚∀゚ノl|     バリバリバリバリバリ                   ,∵;,'゚; ̄`ヽ
   ノl/l_介」 Lr○ュ"_ l_ ___,.,;:''''""`'';;;...,,            - ̄‐― _,';;ノ '\@
 ト--l∪r=tl[((三三((三((=(;;'',       '',.:;,,,. '" .,.  .,,..; "'`,.,,  ‐―  ,';;,,';.゚'Д゚ノ かしらー!
 ヒ[冊冊冊ツヽ ̄ ̄!! ̄; ̄ll ̄||'':;:,..  ,...;:''"           - ̄‐―   ;;';kOi∞iミつ
   ミく二二二〉ミ                                       (,,( ),,)
                                                 じ'ノ'



         ___ #ミ   まだ生きてるですか?
       く/',二二ヽ>#  さっさと息の根を止めやがれですぅ!
       |l |ノノイハ))  ミ
       |l |リ ゚ヮ゚ノl|   ヾ ヽ ∵:  ガスッ
       ノl_||  ]]つつ++#####.゚;・.,'`ヽ:, ゴスッ
       ≦ノ`ヽノヘ≧    _';;;∵\@v                       (,,( ),,)
       ミく二二二〉ミ   'ヾ(i.゚'Д;;。;∵ か…し…   ,;;∵;;,i∞iミつ   じ'ノ'



         ___    トドメですぅ!!!
       く/',二二ヽ>
       |l |ノノイハ))ミ      ,,-----、 グチャッ!!
       |l |リ ゚ヮ゚ノl| ヾ. ヽ. |;::::  ::::|
       ノl_||  ]]つつ二二二|;::::  ::::|⊃', ',・.,'`
        ≦ノ`ヽノヘ≧ ヽ.∴;;..|;::::  ::::|;* @';;;∵                (,,( ),,)
      .ミく二二二〉ミ `.:,゙;~ヽ.''-----'';。,・';;;         ,;;∵;;,i∞iミつ   じ'ノ'

607 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 11:17:35 ID:SrbPau7H
現在470KB

608 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 13:15:26 ID:iqiB9xtT
871 名前:メディアみっくす☆名無しさん[sage] 投稿日:2007/10/06(土) 08:03:52 ID:???
なんでローゼンは水銀燈の後にカナリアみたいなゴミを作ったのか

872 名前:メディアみっくす☆名無しさん[sage] 投稿日:2007/10/06(土) 08:06:22 ID:???
パーツが余ったんじゃね?

873 名前:メディアみっくす☆名無しさん[sage] 投稿日:2007/10/06(土) 09:03:14 ID:???
そしたらジャンクはカナリアで

カナリアが消えれば銀はすべてのパーツがそろう
っていうことになる

609 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 18:42:00 ID:2AYjPwVz
>>595-596
そんな難しい問題じゃなくて単に金糸雀のような糞キャラの信者が痛いから叩かれてるだけ

610 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 18:44:23 ID:2AYjPwVz
ローゼンメイデンで好きなドールを順番に並べるスレ
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anime2/1183389253/

このスレ見ると普通の人にもどれだけ金糸雀が嫌われてるかがわかる

611 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 18:57:49 ID:hTiqNqqk
>>609
必死すぎて逆にお前が痛いなwww

612 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 19:17:41 ID:9vPvzXTL
>>609-610
回線切断失敗してますよwwwwww

613 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 21:36:05 ID:RXkR8SbM
やっちゃったw

614 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 22:02:16 ID:2wsNfK4j
宣伝
アニメキャラバトルロワイアル
http://www23.atwiki.jp/animerowa/
ローゼンが出てるし、SS好きなら見といて損なし
面白かったら、
アニメキャラバトルロワイアル2nd
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9783/
こっちもよろしく

615 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 22:49:31 ID:fhFFsdfm
「ほら!金糸雀とその信者ってこんなにウザいんですよ!」ってアンチがキモい
テンプレだけじゃなくてAA厨も同じだけどね
金糸雀信者を罵倒するだけならまだしも金糸雀本体をけなすから悪質
へぷらすの時もイライラしたけどこいつはしつこい

今回の最萌えは負けて良かったと思ってる
実際に金糸雀が優勝できるとは思ってなかったけど勝つよりはこっちの方が良い

しかも「荒らしはスルーで」とか「アンチはあぼーんしてください」みたいなレスを見て嫌われてる事を知ってるのに続けるんだろ?
マゾヒズムの塊だな、槐じゃなくてな

しかもこういうレスをもらってニヤニヤしてるんだろ?最近の厨房は手に負えないな

616 :Rozen Maiden LatztRegieren X: Shinku vs Suigintou:2007/10/07(日) 00:01:21 ID:wvBtPC9C
97

溶岩地の崖へと再び追い詰められた真紅は、その後ろの細いアーチの橋に飛び移った。岩で出来た天然ものの橋だ。
やがて追って来た水銀燈も橋に降り立つ。
下の方から、灼熱のマグマが出す蒸気と熱気が伝わってくる。
二人は不安定な足場のところで向き合い、慎重にバランスを取りながら橋の上を動いた。
真紅は後ろへと。水銀燈は前へと。
「水銀燈…」
真紅は相手の名をぽつりと呟くと一瞬だけ後ろを確認した。帽子も失い、体中傷だらけの状態になっている。
2人のいる橋の下で、マグマが彼女たちを飲み込もうとばかりに真っ赤に燃える飛沫を爆音と共に噴き上げた。それに触れれば火傷では
済まされない。
真紅の隣を、ホーリエが心配を訴えかけるように飛び回った。チカチカと赤い光をだし、警告している。
分かっているわ、真紅は心の中でそれに答えた。分かっている。なによりこの世界から脱出しなければ私たちは溶岩に焼かれ消えてしまう。
このフィールドはもう持って10分。はっきりいって、絶望的だった。度重なる水銀燈との辛辣すぎる戦いですっかりこの世界からの
出口が分からないところまできてきまった。
真紅と水銀燈2人の体のバランスが橋の上で危なっかしく揺らぐ。奥に進めば進むほど、この岩の橋は幅を細くしていっている。
いよいよ水銀燈が真紅の目の前に迫って来た。
そして剣が振られる。
剣先が真紅のステッキにあたり、彼女の体が大きく傾いた。「っと…!」フラフラ左右に体を振らしながら必死にバランスを保つ。
一方の攻撃した水銀燈もその反動でバランスを崩したが、お構いなしに彼女は真紅に攻撃を加えていく。
「っ…あっあっあっ」
その遠慮のない剣の攻撃をステッキをかざして奇跡的に受け止めていった真紅は、まるで猛スピードで後ろ向きに綱渡りしていくサーカス
の人の気分を味わった。
尚もステッキと剣が繰り返し当り散らす。橋の大部分まで渡ってきた真紅は下にまだ足場があるのを見つけると、そっちに飛び降りた。
その真紅の頭上を振り切られた水銀燈の剣が通り過ぎる。金髪が数枚その犠牲となり宙を舞う。
水銀燈はすぐに真紅のあとを追い、その足場へ橋から降り立つと攻撃を再開した。
剣とステッキがもう一度衝突したが、もうその戦いに疲れきってしまった真紅は、ふっと体から力が抜けたように足元をふらつかせ
ると水銀燈の胸元によれかかった。もうこれ以上立っていることも辛い。もう戦えない…帰りたい…
だが非情にも、水銀燈は倒れかかってきた真紅を思いっきり左手で突っ放した。
「あっ…」
真紅はよろめきつまずいてそばの大きな岩にしがみつく。
もうやめて…
振り返った真紅は青い瞳で水銀燈にその眼差し送った。
それが伝わる筈もなく、水銀燈は岩に寄りかかる真紅に上から切りかかった。
悔しそうに口をつむぎ、真紅は岩を離れて立ち上がると水銀燈の両手首をそれぞれ頭上で掴んで封じ、二人は押し合う形となった。
爆発音が鳴り響き、マグマが大噴火を起こす。
燃え盛る溶岩の明かりに真紅と水銀燈が包まれるなか、紅い花弁と黒い羽が噴火に伴うように吹き上がり、炎に照らされる。
「うぅ…うあっ!」
そんな中で2人の押し合いは続いた。

617 :Rozen Maiden LatztRegieren X: Shinku vs Suigintou:2007/10/07(日) 00:03:19 ID:jljbdYPi
マンションの警備室への入り口と思われるドアの前に立ったジュンは、頭の中で思考をめぐらせていた。「さて、どうしよう…?」
ドアの先から新世界のクラシック音楽が聞こえてくる。
その異様な様子に、ジュンはこの警備室の中の人達がロクなものではないことを理解した。
「問題は、"すいませーん"でいくか、"大人しく今日の映像記録を全て消せ"でいくかなんだよな…」
当然、ジュンは"すいませーん"路線で行きたかった。大の大人、そりも警備員が相手ともなれば喧嘩で勝ち目はない。
雛苺が助手としているが、薔薇乙女に人間と喧嘩させたくはなかったし、雛苺にもそれは無理だ。
四の五の考えているうち、突然扉が開いた。向こう側から開けて来たらしい。
「やば…」
ジュンはあたふたした。扉が開くなり、奥の室内からより大音量のクラシック音楽が耳に入ってくる。
「おっと失礼!」警備室の中にいる二人の男のうち、一人の方が言った。「新世界を目前にしていてもたってもいられなくてね!
こちらから迎えさせて貰いました」
ジュンは息を呑んだ。こいつら、もう自分たちが生きた人形を持っていることを知っているのか。
「は…はん!」必死に余裕を装いながら、ジュンは手に抱えた雛苺を突き出した。「どんな屈強な男も腰を抜かす狂気と呪いが
ここにはある!世に伝説の悪魔人形、ローゼンメイデン!」ジュンは、必死にいままでの通販で買って来たインチキ商品の宣伝文句
を思い出しながら、男達を愕かそうと試みた。「ローゼン公爵夫人が娘の為に手作りした人形!しかしその娘が急死して以来、
夜な夜なこの人形はひとりでに歩き出し…」まるで子供だましみたいなを言っていることは百も承知で、ジュンは雛苺に耳打ちした。
「雛苺、呪いの人形っぽく振舞え」
「ヒナが?」雛苺がジュンに聞き返した。「そうだよ。はやく!"娘さん?娘さんはどこなの?"とかいえばいいから!」
「分かったなの!呪いの人形の真似すればいいのね?」
雛苺は決心したようにジュンに言うと、警備員の男達に向き直った。「"怖いぞぉ怖いぞぉー。呪っーてやるですぅ!"」
翠星石の真似か?ジュンは顔を渋らせた。
確かに僕は翠星石のことを数え切れないくらい呪いの人形と呼称したし、ある意味ぴったりだと俺も思うけど…
「ひっ…」二人のうち一人の男が怖気づいた。「の…呪われる!」
「バカヤロウ!」屈強そうなもう一人がその男をどついた。「いいか、ここは俺達の警備室だ。"アラモの砦"だ!俺が安全だといったら
ここは安全なんだ!何人ともこのアラモの砦を侵せやしない!」
こあの男、何処までも狂ってるな。
そう思いつつジュンはついに賭けに出た。「お前も呪われたくなかったら素直に映像のデータを消してもらおうか!」
「生憎、すでにエンコード中だ」男は答える。この警備員で一番偉そうにしている奴が最後の壁か…「分かるか?少年。divXさ。
それも一般の庶民が使うような易いdivXコーデックなんかじゃないぞ。プロの為のコーデックだよ。愕くべきビットレート値の高さ
での出力を常に約束してくれる。そのレンダリングパワーは賞賛に値する。見ろ少年、エンコードの作業がみるみる進んでいく」
男は左手を持ち上げ、親指で後ろのモニターを差した。そのモニターには、水銀燈がちょうど銃を持って使い方を試行錯誤している部分が
スロー再生されており、中心はに一つの小さなウィンドウが表示されている。

618 :Rozen Maiden LatztRegieren X: Shinku vs Suigintou:2007/10/07(日) 00:06:56 ID:jljbdYPi
レンダリング中...
      フレーム : 17077/25745

「どうだ少年?」男は続けて言う。「あれはAdobe社のPremierePro についているAdobeMediaEncoderだ。
フレーム数がフルになった時、レンダリングは終了し、全世界に届けられる映像へと生まれ変わる。この衝撃映像の第一発信者の
俺は名声を手に入れる。動画には俺のネットでのハンドルネームを刻んであるのさ。俺はこのフレーム数を忘れないぞ。勝利の数字だ!
2574…あああああ゛!!!」
色々喋っていた男だったが、突然断末魔の叫び声を上げると失神して無様にぶっ倒れだした。
ジュンも、残された警備員も目を瞠った。

ベリーベル…ピンク色の人工精霊があの男の股間を焦がしていた。
雛苺の人工精霊、ベリーベルは自分が男にいかに致命的な一撃を加えたのかが分かりきっていない様子で、少し戸惑い気味に浮遊していた。
ただ、ジュンに抱かれた雛苺の高さからベリーベルは男に勇敢にも突進しただけなのだから。たまたまその高さが人間の男全てに共通する
弱点と同じ高さであり、その偶然が効いて男を一撃で倒せてしまったということを知る由もない。

ジュンは驚きのあまり痙攣する唇に悪戦苦闘しながら、喋り出した。「よ…よし!雛苺、呪いがきいたな!」
そして残されたもう一人の警備員を睨みつける。「…お、お前ものろわれたくななかったら、大人しく映像のデータを全部消すんだ!」
「ひ…ひ…助けてくれ!」とろこが、男は警備室の隅っこですっかり腰を抜かしてしまい動けない様子だった。「のろわれる!」
「くそ…仕方ないなぁ…」ジュンは男の代わりに警備室の椅子に座ると、コンピューターと対峙した。
自宅でのPCを弄った経験がここでも通用すればいいが…

Security Console DDE Rev 3/4 Terminal:T17

Archive - 09/3/07 216files 1,483GB
Zone01 - 07/3/07 36files 347GB
prw0019182ie.. 854MB
Zone04 - 09/3/07 13files 123GB
Zone05 - 09/3/07 36files 247GB
Zone06 - 09/3/07 28files 312GB
Zone07 - 09/3/07 87files 214GB
Zone08 - 09/3/07 43files 188GB
Zone09 - 09/3/07 27files 216GB
Zone10 - 09/3/07 24files 292GB
Zone11 - 09/3/07 52files 107GB
Archive - 09/2/07 165files 1,217GB
Archive - 09/1/07 216files 1,153GB
Archive - 08/31/07 121files 1,954GB
Archive - 08/30/07 199files 1,388GB
Archive - 08/29/07 216files 1,184GB

このコンピューターが収めているであろう桁違いな映像データの容量にジュンは圧倒された。これの中から水銀燈や自分達を
収めた動画ファイルを探さなければならないのか。
バカな。そんな作業は時間の無駄だ。
「…くそ、悪いけど、きょう三日の分のデータはまとめて全部消去させてもらうよ」ジュンは警備室の隅でおびえている男に言い放ち、
コンピュータをいじりだした。まずはエンコード中のソフトウェアのウィンドウを覗き、"キャンセル"を押す。
それからアーカイブ 09/3/07 を選択し、"画像ログを消去"をクリックした。コンピューターの中の画面が切り替わる。

     画像ログを消去
 [全ての画像ログを消去]
キャンセル

 パスワードを入力してください
   _

619 :Rozen Maiden LatztRegieren X: Shinku vs Suigintou:2007/10/07(日) 00:09:32 ID:jljbdYPi
「チィっ」
ジュンは舌打ちした。やはりそう簡単にはいかないか。パスワードを入力しなければデータを消去するこどかできない。
残された一人の警備員の男のほうに向き直り、ジュンは脅すように語調を荒げたつもりで言った。
「パスワードはなんだ!?」
「ひっひぃっ」室内の隅で男が縮み上がる。「パパパパパ…パスワードは"airstyle"です!空気のエイアーに格好のスタイルです!」
いい終わるなり、男はびくびく震える足で立ち上がると泣きじゃくりながら警備室の外を目指した。「たすけてー!」
「くそ」ジュンはその男を取り逃したことを後悔した。もしもマンションの住民を呼ばれたりしたら厄介だ。
そんなことを考えながら、ジュンは急に自分が犯罪者になってしまったような錯覚を覚えた。「なんでこんなことしてんだろおれ…
僕はなんも悪いことしてないってのに…」
一人で毒づきながら、ジュンはパスワードを入力するとEnterキーを押した。

     画像ログを消去
 [全ての画像ログを消去]
      キャンセル

 パスワードを入力してください
     airstyle
(!)パスワードが間違っています(数字8文字で入力してください)。

620 :Rozen Maiden LatztRegieren X: Shinku vs Suigintou:2007/10/07(日) 00:14:19 ID:jljbdYPi
98

マグマが生む分厚い蒸気と煙に取り巻かれながら、真紅と水銀燈はもう一度互いの剣刀を激突させた。それとほぼ同時にマグマが噴火する。
視界が悪い。溶岩が飛び散らす火の粉や蒸気、もやもやと湧き上がる熱気がそうさせていた。
マグマの水位が徐々に増してきている…
真紅はその危険性に気付いていたが、水銀燈の方はそれにあまり注意を払っていないようだった。彼女の周囲をあんなにも
辺り構わず火の粉が飛び散らしているというのに。徐々に迫ってくる水銀燈の姿が、漂う熱気でゆらゆら揺れて見える。
やがて襲ってきた水銀燈の攻撃をまたステッキで受けながら、真紅は腕の感覚が麻痺してくるのを感じていた。
このまま戦いを続けていては二人ともマグマに飲み込まれてしまう…

あまりにも過酷な環境の火山地帯。
真紅と水銀燈が戦いを続ける場所から数十フィートも離れた廃れた岩肌を、第一ドールの契約者、柿崎めぐは弱りきった身体で懸命に
這っていた。
遥か遠くの低地で、剣とステッキを交わらせながら戦っている水銀燈と真紅の姿が見える。
もっとはっきりみようと、めぐは岩の地面を必死に這った。もっと近くで見たい。心臓が苦しさに悲鳴を上げている。

最後に水銀燈の姿をもう一度。

左手の指輪から感じる熱さからは、いままでとは違う、容赦なく身体から力を奪い取っていくような狂暴さが感じられる。
水銀燈は、約束を守ってくれるんだ。めぐは思った。いまに私の命を天使さんの世界へ運んでいってくれる。
「うっ…うう…」
身体からどんどん力が失われ、ついにめぐはもうそこから動けなくなった。心臓がペシャンコにされそうに苦しい。
この最期、私に出来ることは一つだけだ。
口から吐血しながら、めぐは死力を尽くして寝返りを打つと仰向けになった。
茶色の不毛な曇り空を見上げる。悪くない…めぐは思った。途方もなく廃れ、救いようのないこの空も悪くない。
意を決し、地獄の心臓の苦しみにも顧みずに、めぐは17年間の矛盾した人生からついに開放されながら最後の歌を歌い出した。

「夢は…風」口の中に血の味が広がる。「光り…導く…うっ…」吐血が激しくなる。間違いなく、私のこの身体は死に向かっている。
ここには、邪魔な看護婦もいない。

  「…空と雲を 超えていく あなたの声響け

  幸せと 嫌な思い出 優しい今が遠ざかる...

  "水銀燈、あなたは天使よ...とっても甘い夢でしょう?..."


「っあアっ!」
もう何度目か分からない水銀燈の顔面への蹴りを食らった真紅は泣き喚く声をあげてながら後ろによろめいた。
水銀燈は無数に飛び回る火の粉の中をぐいぐいおし進んできながら真紅に迫っていく。
哀しみと絶望に打ちひしがれ、真紅は顔の頬を手で押さえた。「痛いわ…。ジュン…翠星石…」
その直後、一片の慈悲も見せる様子のない水銀燈が真紅の目の前に躍り出てきた。左手に嵌める指輪は紫色の強烈な光を放っている。
真紅の首を目掛けて水銀燈の剣が水平に振られてきた。
ステッキでそれを防ぐが、もう腕の感覚がない。
その後も2人の剣舞は火山の噴火が続くなかで行われたが、真紅にとってはもはや反射だけが身を守る最後の砦だった。
ステッキで上から水銀燈の剣を地面に叩き付けて封じる。
そのとき、怒り狂ったマグマが二人のすぐ横で爆発を起こし、真紅と水銀燈を遥かに超えた高さにまで噴き上がった。
大地の悲鳴が鳴る。真紅はそのマグマを横目に見上げながら、すぐその事態を悟った。
水銀燈の剣を放し、ステッキを持ち直すと真紅は一目散にその場から離れだした。

621 :Rozen Maiden LatztRegieren X: Shinku vs Suigintou:2007/10/07(日) 00:22:49 ID:jljbdYPi
「うっ…うっ…」
呻きながら、水銀燈は両手を離すと、やがて顔を上げた。
その瞬間真紅は息を詰まらせ、口元を手で覆った。
水銀燈の顔の左半分は、溶岩で溶けて完全に爛れてしまっていた。肌がロウのように溶け落ち、痛々しい姿を見せる。
気が飛びそうになりつつ、真紅は弱りきった声で彼女に呼びかけた。「す…水…銀燈…」
水銀燈は、膝を立て、手で地面を支えるとよろよろと立ち上がり始めた。「私は…アリスになる…もう私には父様だけ…きっとアリスに…
お父様に抱いてもらうの…愛してもらうの…それまで私の戦いは終わらない…」
そう言い、ふらつく足取りでしかしはっきりとした目標を持ち、一歩また一歩と進み始める。「真紅…私は、ジャンクなんかじゃ…ない…」
真紅は、目に涙をためながらそんな光景を見ていた。「水銀燈…あなたは…」
黒の翼を焼かれ失ったその姿は19世紀の真紅と決裂する前の水銀燈を思い起こさせた。
「あなたはまだ戦うというの…?」
答えはない。ただ水銀燈は真紅を目指して灼熱の道を歩いてくるだけだ。
二人の戦いはやがて再開した。

顔が焼け爛れたとはいえ、水銀燈の剣裁きは健全だ。力も衰えていない。
今度こそ後がない崖っぷち立たされた真紅はいまや切り傷だらけとなったステッキを武器に戦いを続けていたが、
本当の地獄がいまから始まったことを悟った。
自分達の立っている足場の地盤がゆがむ。降って来た溶岩をもろにかぶった部分から地面が熱にやられて溶け込み、いまにも崩れ落ちよう
としている。
すぐに安全なところへ逃げようと試みたが、立ちはだかる水銀燈にそれを阻まれた。
水銀燈…!ここにいてはニ人とも…!
声がでない。喉がかれきってしまった。
まもなくして、彼女達の立っていた端っこの足場は岩の大陸から剥げ落ち、下を流れるマグマの真っ赤な大河へと軋む音を鳴らせながら落下
しだした。
灼熱の死地への直行だ。
地面が急降下しいき、体の体重がいきなりゼロになったような感覚を味わいながら、真紅は必死に生き延びられる場所を
探した。どすれば…!
残された道は、ただ一つだった。
真紅は落下中の岩場の地面を駆け抜け、ぎりぎりまで助走をつけると端を蹴り、飛んだ。
自分達がさっきまでいたはずの大陸の断崖絶壁を目指し、手をのばす。
その真紅の右足を後ろで水銀燈が掴んだ。
そのまま水銀燈を足に吊るしたまま、真紅は岩の絶壁に左手でしがみつき、ぶら下がった。
左手がかろうじで岩壁のわずかな出っ張りを掴んでいる。一方の右手にはまだステッキを握りしめたままだ。
その2人の真下では、落下していった岩場の一角がマグマの中に飲み込まれ、鈍い轟音をたてながら溶かされていく。

真紅の左手が、最後の命綱だった。
翼を失い、彼女の足につかまってぶら下がっている水銀燈もまた、真紅の手が力尽きたら共にマグマへ転落する運命にある。

622 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 00:24:33 ID:9KB4GG3r
タマゴヤキハマダ \         , ⌒⌒ヽ       ./ついについにやったのかしら
 カシラー?      \      ,.ζリノヽ、卯)       /36回の失敗にしてようやく成功
マチクタビレタノカシラ   \  ⊂'⌒m,9、゚ -゚ノミmλ   ./泣き虫雛苺は楽勝だし、翠星石
 ハヤクカシラー       .\ この薔薇乙女一の  /真紅はちょびっと手ごわいかも
        /⌒⌒ヽ .. \ 頭脳派の私の出 /所詮はピーチクパーチク烏合の衆
☆チンチン   //ゞ\※    \ 番なのかしら /きゃー滑ったかしら!?フィニッシュァ
 ヽ_ \||§!゚ ヮ゚ノ§     ∧∧∧∧∧   /素早くかつ流麗に動きで行くのよ!
  .\_/⊂[{.∞⊂     <.      金  >このプランなら完璧ではないかしら?
―――――――――――<. 予   糸 >――――――――――――
/   l    l    _    ヽ< .感   雀 >            _r 、
、   ヽ 、 l , イ /ヽヘ   |<  !!    の >               , -_'゙ノ\`_f_ヽ_
\    \ ,く_/ゝ二ノ \/ヾ/  ∨∨∨∨\               /'´ヽ、!l_.>、_|)
   y−、     y−、\ / /    r 、 /__,ニ\         , - ―‐:,○   ○――-'、
  弋__丿   弋__丿  Y  /ウト   }! ト、 ヽ : : :'\       ゝ_, ィ´__ /////  \   r'i
xxx   _   xxx  lー┘/   /: lリ  ``'ー ,,;;゙二\    __ r、i「l /L`二二 ̄ヽ  ヽ」ム  _
    / ヽl      /  /  ウト {: :/ -       ー / ii \  (__// {|´il  , ―‐;----! 、/丶ノ イ l--、
..    /  l    /、 /     `!           `ゝT/λ\ //  に)ゝ、 ____ ノ 入__〕 ヽヽ._ノ
..    ー―'  , '´  / ./     〃`'.! `tハ'   'ハ+- ノイ-、ソ;\  ̄ ̄´《  / ┛┗ | l  !_」   l |
>‐t_j‐<l {―=ニ´\ / k,;''"{jy .,,,y= '、.__,,_``(uィYヾ イ \     イ | :  /  ト、_〃

623 :Rozen Maiden LatztRegieren X: Shinku vs Suigintou:2007/10/07(日) 00:31:09 ID:jljbdYPi
99

ジュンは絶望的な気持ちに襲われた。
「パスワードが違うじゃないか!よりにもよって数字だけだって?"airstyle"だとかいってたクセに!」
呆然ともう一度コンピューターの画面を見つめる。

     画像ログを消去
 [全ての画像ログを消去]
      キャンセル

 パスワードを入力してください
     airstyle
(!)パスワードが間違っています(数字8文字で入力してください)。

まんまと騙された。データを消すことは出来ない。ジュンは肩を落とし、深々と警備室の椅子に座ると天井を見上げた。
「おわった…」
「ジュン、ジュン」状況が読めていない雛苺が不安げに質問した。「パスワードって、なんなの?私達の記録は消せないの?」
「パスワードってのは、合言葉さ」やり投げな口調でジュンは答えた。「合言葉がわからなければ記録が消せないんだ!
あー!だめだっ!終わりだ!」頭を両手で掻き毟る。
この映像が決めてで、世界は生きた人形の恐るべき真実をしることとなるだろう。
「合言葉…」一方の雛苺は首を傾げながら、ある記憶を辿っていた。
彼女の苺大福を狙う意地悪な翠星石を出し抜くためにジュンとの間だけで秘密の合言葉を作り、それで翠星石をはめたことがある。

…"よし雛苺、出来たぞ。手作り製の梅干し大福だ。苺大福と見せかけて、中にはそれはすっぱい梅干しが中に入っている。そっくりだろ?
いいか、雛苺。これを翠星石に食わせてやれ。けど、お前まで区別できなくなるようだと困るから、僕はこの大福のことをイチトゴ大福
と呼ぶことにする。二人だけの秘密の合言葉だよ。知らない奴が聞いたらきっとイチゴ大福の言い間違いだと思うさ。
雛苺、イチとゴの間にある数字はいくつだ?"

"ええっと…ニとサンとヨンの…みっつなの。"

"そう。みっつ。サンだ。酸味のサンと覚えて置くんだ。とてもすっぱい"…

「もしかしたら、」
雛苺のその提案は、あまりにも突然だった。「さっき男の人が言ってたパスワードにもヒミツの意味があるかもしれないなの!
この前ジュンがイチトゴ大福に数字のイチとゴの意味を隠していたように!」
「…ん!?」
そういわれ、ジュンは以前まんまとイチトゴ大福の罠に嵌って梅干しを食った翠星石の泣き顔を思い出しながらはっとした。

 airstyle − 。この英単語にもし数字的な意味が含まれているとしたら?

「"Leet speak"か!?」ジュンは唐突に言った。 Leet Speak − Elite Speak のeliteをeleetに変化させ、さらにそこから e を
とったことを語源に持つ俗語は、単なる飾りだけでなくインターネット素人による検索やフィルターにかからないようにしながら文字会話
する手段として使われることもある。代表的なものは、あるアルファベットを形の似た数字に見立てて表記する場合やある特定の記号
を使ってアルファベットを形作るなどだ。
例えば、汚い英単語の代表(THE FOUR WORDS LETTER)− Fuck の k を記号の"|"と"<"を組み合わせて"|<"と表記して"Fuc|<"と書けば、
隠語フィルターに引っ掛かることはない。他にも kill Pre-sident (大統領をころす) という文も kill の i を数字の1と表記して
k1ll pre-sident と書いてメールを交わせばフィルターに引っ掛かることはなく、突然家にアメリカのシークレット・サービスが
尋問に押しかけてくるなんて事態は避けられる。しかし最近では政府側も相当このleetSpeakを熟知し始めているのだが…。

624 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 00:32:34 ID:9KB4GG3r
           かわいい
             ↓
               _ __ _     ┌かわいい
            , .:.´:.:.:..:.::::::::::::::::``ヽ、↓
          ,r'´.: .:.:.::::::::::::::::ー -、r」⌒Y⌒Y^ヽ
かわいい→ / .:.: .:.:.:::::::::::::::::::.:.:.,r'´  ソ^ヽこ イ ヽ
       / .:. /ミヽ::::::::::::::::::::.:.:.:.>  >  ,ィ二ヽ ¨ヽ
       ,'.:.:::/.:::`ヾ、::::::::::::::::::::.:.:`フ  } ,イイ薔薇カ  )  ←かわいい
        i:.::/:::/``ヽ、`.:、::::::::`:.:、.:フ  L入ハ三 ソ <
       |/.::,イ}    ``丶、.:.:.:.:.:ヽゝ `ゝl;;|二ノヽノ
        .レイ/リ         `ヽ 、.:.:>  Y!;;| ヽソ         たまご焼き…
かわいい→i彡  ``ー'     '' ー-‐`ヾ ノ|;;;| _ソー─ -、       ↑
      <ミフh   ‐- 、    、 __   ミミYスメ/ 」,イ,ィ  \      └かわいい
    , イ三ミゝ、弋弍。テ    ヾ圭。テナ V ソ彡厂 ̄ ̄``ヽノュ、
  , イ,ィ´ ̄ ̄`ヽ ////  ,    //// / - ─-、 ̄`ヽ - 、   \ _
,rソ^Y^Y  ヽ ヽ\つ   ,,_ _     / ,     ト、          \
 Y^X^X(_ ノ ノ _ ノ`ゝ、 _ ___ , イ !_/_ノ! ! ノ メこスーュ、_ _ _   ←かわいい
_ノ__人_ノヽ _/  ヽ二二フ不< _ _ __          `^ー‐'^ー
          / /´ ̄          ̄ ̄`7 7

    ↑かわいい

625 :Rozen Maiden LatztRegieren X: Shinku vs Suigintou:2007/10/07(日) 00:32:52 ID:jljbdYPi
airstyle。8文字。8文字の数字で出来たパスワード。
もしこれがleetSpeakで全て数字で表記することができたら?覚えやすく、また万が一口走ったとしてもleetSpeakを知らない市民に
真のパスワードを探り当てられることはない。有効で利口なパスワードともいえる。
ただ、ジュンについてはPCで海外サイトもよく覗いており、たまたまそこからこのleetSpeakの存在を知ってしまっていたのだ。

ジュンは早速"airstyle"の数字化を試みて見た。まず、当然" I "は" 1 "になる。" l "も " 1 "になる。" E "は少しシャレて
反転させて" 3 "と表記している…
" r " も反転で " 7 " だ… " A "が" 4 "になることも形が似ていることでメジャーで… " T "は縦棒を斜めにして" 7 "、
最後に " S "は" 5 "… 

完成した八文字の数字を見つめ、ジュンは自分で感嘆したように息をついた。

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「出来た…間違いない、これだ…あの警備員が言った"airstyle"のパスワードが全くの嘘っぱちでなければ、これでいけるはずだ」

  A − 4
  I − 1
  r − 7
  S − 5
  T − 7
  y − 1
  l − 1
  E − 3 

全てのアルファベットが、leetSpeakによって数字表記することができた。
自信はある。深呼吸をし、ジュンは Enter を押した。

626 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 00:34:29 ID:9KB4GG3r
                      _..-''''"´: : : : :`'ー .、  ,,, ,,
          う      r‐-,, /_,,二゙゙゙゙"r‐,'ゝ八、: `'..∫`"`ゝ
         と    l.['' ,_ヽ: : : : : : :`,,, ' .r‐‐ ,"''"⌒゙- 、 !
      う        l:l'、 、゙、 .、: : : ::〈 ∫ t-;;, '`、,,、.丿 `'j
        と        /..ll,:゙li/`、: ゙'-、: : : :'、、.,シ‐"くし'>.,ゝル'  } _,.,.. -- ..,,_
                 !l.:, 'i !`ラ',;;、: `'ーヽ,,xヽ ./ 'ッ、,ハ、,! ._,[. ゛`: :‐: : : : :`゙'‐
     :*:       l/: :...l、   ``'ー ::,,,,゙‐'/イ |゙ ! !  ,,,'._,゙ ゙̄',-┐..... へ_,,     ←かわいい
                 ,!: ./  ゙゙--       '' │!_ ! !、.l.!.'-、',-、 `^`' ,: : :
                ヽ.!  ,,--      ―- l_,,| `] il/从-'''i',   ゙̄\ ゙´',:
              _..〃`'',.l              `、 T/ ,i".rニ┐    `'  "
           /i >;;-〔~ゝ              `'l`ー〈,,/;;;;ュ,s \、
      .,,.. -r'ン.,ヘ'=ii,ノ'、 { ''ヘハ''    ノ ハ+-- _nノ/---、゙l   ゙'
   k,;;;;ー!''''""{jヘy ..,,:,yト'",,',i ァソ       、、、─(ゝ、そ、_   `~''、.
   '、,,  ゙゙゙⌒-'!?/"゙゙, ' .',,..r''"ヽ个ー─ tっ-―(Uノlノ゙(_へ`゙~゙‐'>ー "/゙゙゙^`''ー
    `''L.. -i,..‐'― -'ー!-ムノ"^゛             `゛   レ‐`ゝ_r'゙'-r''

627 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 00:35:30 ID:9KB4GG3r
カナスレ             良スレ             糞スレ
  ┝━━━━━━━━━━┿━━━━━━━━━━┥
   , -、                        , -――- 、
   !   ',                   く ̄`'ー 、 ,rz:yェュヽ
   ヽ.  ヽ     __            /.:ト 、 ー-{{ rャz_}}ハ
    ヽ   \  /´ }    ここ!  / '}   丶、 ヽ,:クー'ヽ.〉 li
    r‐ヽ.  ヽノ   /          l.: /     >‐ゝ〃ヽl l|
   r |   {:. ,     九、         l: /- 、   ' ,ィfメ、 \ l :!
 . 「', \_}l   ノ }' \           ヽ!:y=、     ヘ:りj  、Y´Vl
  l ヽ_〕 _ イ _〕\´l\       _ハ:り 、    ´xXx  fヽjノ
  ` ー 't--イ  __j´ / _} \    //⌒ヾ  _, -'´)   ,rー」
      フ⌒K´ '  ヽ、|   ヽ、__./ ̄ `ヽー 、ニ´  r '´ ̄ ̄¨ヽ
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てす 27 ID:VN9l92YwO
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