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あの作品のキャラがルイズに召喚されました part63

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 22:47:36 ID:jOq1LX3N
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。

前スレ
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part62
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1190302944/

まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/
--------------------------------------------------------------------------------

    _              ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃 ` ヽ  .   ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
    l lf小从} l /   ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.   ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
   ヽ_/ィヘ_)〜′   ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!
              ・議論や荒らしへの反応は、避難所でやりなさい!

--------------------------------------------------------------------------------
     _
     〃  ^ヽ      ・クロス元が18禁作品であっても、SSの内容が非18禁である場合は本スレへの投下で問題ないわ。
    J{  ハ从{_,     ・SSの内容が18禁な展開をする場合はクロス元に関わらず、本スレではなく避難所への投下をお願いね?
    ノルノー゚ノjし      ・クロス元が型月作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
   /く{ {丈} }つ     ・クロスはお互いを尊重しなきゃだめ。一方的なのはモテないわよ?
   l く/_jlム! |      ・不要な荒れを防ぐには、sage進行もいいんじゃないかしら。
   レ-ヘじフ〜l         ・次スレは>>950から。お願いね?テンプレはwikiの左メニューを参照よ




2 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 22:51:24 ID:4SvGxTMy
2


3 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 22:55:12 ID:xz/7x8Bg


4 :前スレ954:2007/09/22(土) 22:56:37 ID:mdbFWrrO
投下OKですか?

5 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 22:56:47 ID:jOq1LX3N
OK!

6 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 22:57:14 ID:7XnOsWzk
かもんかもん

7 :前スレ954:2007/09/22(土) 22:57:41 ID:mdbFWrrO
それでは行きます!投下!

トリステイン王都にある大聖堂で一人の女が祈っていた。
ここは、始祖ブリミルに祈りを捧げる場所。故に、女が祈っているのは全くおかしいことではない。
だが、普段は多くの人で混雑する大聖堂に一人というのは明らかに異常である。
そんなことを意に解するそぶりすら見せず、一心不乱に祈りを捧げるその女の姿は神聖ですらあった。
その静寂を破るものがいる。

「陛下。出陣の時が参りましたぞ。」

トリステインの宰相、マザリーニ枢機卿の声であった。
その声に、女は、トリステインの女王アンリエッタは目を見開くと、すくりと立ち上がった。

芳紀二十七歳。
婚期の早いトリステインにおいては、決して若いとは言えない年齢である。
だがその姿は美しかった。
凛としたかんばせも。
隙のないプロポーションも。
全てが彼女を彩っていた。
その中でもひときわ異彩を放つのは、その眼差しであろう。
王者の威厳がありながらも慈悲深い、そんな風に育ったアンリエッタの様子を、マザリーニは黙って見つめている。

(誠にご立派になられた。)

このトリステインを支え続けたマザリーニにとってそれは、何よりも得がたい報酬であろう。

(しかし)

マザリーニは少し顔を曇らせる。
今のトリステインの状況は決して良くない。
最悪と言っても良いかもしれない。
そのことを思えば思うほど、マザリーニは、己のはらわたが煮えくり返るのを感じる。
そこへ

「さあ行きましょう、枢機卿。このハルケギニアを解放するために。」

その言葉に落ち着きを取り戻したマザリーニは大きくうなずくと、アンリエッタの後ろを歩いていった。
今回が最後のチャンスであるのだ。
これを逃せば、あの憎き敵が前線に出てくるようなことなどありえまい。

(そうだ!あの男さえ倒せば、呪縛の解けた敵軍は瓦解する!)

そこまで考えたところで、マザリーニは一度考えることを止める。
彼の主君が、アンリエッタが兵士達の前で最後の演説をするのだ。聞き届けなければ臣ではない。

8 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 22:59:08 ID:jOq1LX3N
支援

9 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 22:59:10 ID:ttv4vk2m
支援

10 :前スレ954:2007/09/22(土) 22:59:17 ID:mdbFWrrO
アンリエッタは壇上から集まっている兵士達を見渡した。
そこにいたのはトリステインの兵や貴族達だけではなかった。
かつてのアルビオン王党派と言われた者達がいた。
今は亡き友好国、ゲルマニアの兵達がいた。
ガリア王国、そう呼ばれていた国の者達もいた。
みなアンリエッタを黙って見つめている。
純粋な義憤もあれば、復讐に彩られた瞳もある。
ただ、その中に一つの共通点を見つけたアンリエッタは、大きく一度息を吸うと、彼らに話しかけた。

「この場にいる勇者達よ。もはや次はありません。
 我々が敗れればそれでこのハルケギニアは終わりでしょう。
 ガリアやゲルマニアの臣民の様に、己の意思を奪われ操り人形と化すか
 死者として、己の全てを奪われることでしょう。」

そこにいる者達も、そのことはよく分かっているのだろう。
誰も何も言わず、ただひたすらにアンリエッタを見つめ続けている。
そのことを確認したアンリエッタは続けた。

「だからこそ私は命じます!
 戦って死ねと!
 腕をもがれても、足をなくしても、光を失っても、その命ある限り前進しなさい!
 後顧の憂いを省みる必要はありません!このトリステイン女王であるアンリエッタの名において、誓いましょう!
 最後の一兵になるまで前進しなさい!それはこの私とて例外ではありません!
 そうして、」

アンリエッタは己を呪っていた。その眼からは力が失われている。
一体誰に人に死ねと命じる権利があるのであろうか。
長く傀儡の女王であり続けたアンリエッタは、そのことをよく知っているはずだ。
にも関わらず、このような命令を下しているのだ。

(私は地獄に落ちるでしょう。でも!)

アンリエッタの眼に強い光が舞い戻る。

「あの怨敵、虚無の悪魔、アルビオン神聖皇帝オリヴァー・クロムウェルを討ち取るのです!
 全てはハルケギニアの未来のために!」

その言葉に、真っ先にマザリーニが応じる。

「ハルケギニアの未来のために!」

次々と広場に歓声が広がっていく。
アンリエッタは、冷静にその様子を眺めていた。

(あの悪魔だけは討ち取らなくてはいけない。全ては)

「「「「「「ハルケギニアの未来のために!!!!」」」」」」

そう、ハルケギニアの未来のために。

11 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 22:59:27 ID:E00o7BSD
支援だ!

12 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 22:59:54 ID:xz/7x8Bg
支援

13 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 22:59:58 ID:nKi9HWDt
支援

14 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:00:36 ID:ttv4vk2m
何だ、何がどうなってるんだ支援

15 :前スレ954:2007/09/22(土) 23:01:22 ID:mdbFWrrO
死者の兵士達は揺るがない。
それが、この長い戦いを通して得られた戦訓である。
そのことをよく知っているギーシュ・ド・グラモン将軍は、突撃するための陣形を作るだけで前準備を終えた。
いかなる奇策を打とうとも、死者の兵は慌てず、ひるまない。
ならば、最大戦力を生かせるように正面からぶつかった方が良い。
そう考えていたのだ。

迅速に形を整えていく軍隊。そこには貴族も平民もなかった。
その姿に満足感を覚えながらも、ギーシュは今は亡き戦友達に誓っていた。


キュルケは、己の集中力を高めていた。
今は亡きゲルマニアの貴族であった彼女には、ゲルマニアの残存兵が戦力として与えるという話があったが、断った。
自分では、メイジ以外を、ギーシュの様に上手に扱えるとは思えなかったのだ。

(戦力は有効活用しなきゃね。タバサ。)

もはや記憶にしか存在しない友人の姿を思い返したキュルケは、少し口元を緩めた。
だが、今はやることがあるのだ。思い出に浸るのは全てが終わってからでいい。
キュルケは強く前方を睨むと一つの決意をした。

16 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:02:36 ID:Sm9kpPAO
支援なり〜

17 :前スレ954:2007/09/22(土) 23:02:49 ID:mdbFWrrO
「「「「「「全軍突撃!虚無の悪魔を討ち取れ!」」」」」」

すさまじいまでの雄叫びがトリステイン軍の方から沸き起こる。
天を突き、地を揺らすその怒声にすくまぬ者は存在しまい。
そう確信するほどの大音声だ。

ただし、それが『生きている』者であるならば。

身も凍るような雄叫びを上げながら突撃してくるトリステイン軍に対して、アルビオン軍は冷静に迎え撃つ体勢を整えた。
無駄口をたたかず、汗もかかない彼らは、死者の軍隊であるのだ。


当初こそ勢いに乗って攻め込んだトリステイン軍であったが、ジリジリと各部署が崩れだす。
戦力にしてアルビオン軍十万に対して、トリステイン軍は二万しかいないのだ。
本来ならば正面からぶつかって勝てるはずがないのだ。

しかし、逃げ出す兵は一兵もいない。


隣で一人の男が倒れた。親友であった。
それを確認した男であったが、歯を食いしばって、悲しみを怒りにかえてなおも戦い続ける。
彼の親友は最後に言ったのだ。

「ハルケギニアに栄光あれ!」

と。ならば、親友の自分がそれを果たさねばなるまい。
そう誓った男は、更なる戦場へと駆けていった。

戦場の各部で同じような風景が繰り返されていた。


予想はされていたが、戦況は悪い。
率直なマザリーニの感想である。
撤退を進言する者はだれ一人としていないが、みな一様に悲壮感が漂っている。

(我らの命だけでは、クロムウェル一人を討ち取ることすらできんのか!)

誰もがそう思っていた。
このままでは、クロムウェルにたどり着くことなく、塵殺されて終わりだろう。
その時、

「ギーシュ将軍が突撃を開始しました!」

連絡兵が飛び込んで来た。

18 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:03:46 ID:jOq1LX3N
支援

19 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:04:12 ID:ttv4vk2m
支援……誰が召喚されてこうなったんだ?

20 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:04:29 ID:CaCJ9pn+
もしかして戦国ランス? 支援!

21 :前スレ954:2007/09/22(土) 23:04:29 ID:mdbFWrrO
戦局は悪い、そう判断したギーシュは己の誓いを果たすことにした。
聞いている者は誰一人としていない誓いだ。果たす義理などないに違いない。
事実、ギーシュの手は微かに震えている。
これから行うことは、死を定められた、文字通り「必死」のことなのだ。

だがその時、ギーシュの頭に懐かしい人影達が浮かんでは消えた。
生きているものもいるが、亡くなった者の方が遥かに多い。
そのことを思い出したギーシュの手の震えは止まっていた。
そう、彼は死者に誓っていたのだ。必ず怨敵オリヴァー・マクスウェルを倒すと。

ギーシュが魔法を唱えだす。
尋常ではない集中力で唱えだしたことを悟った兵達は、一時的に突撃を控えると、守勢に回りだした。
彼らは、自分達の将軍を信じているのだ。

守勢になってもギーシュ軍の気勢は一向に落ちない。
その兵力差は既に10対1を越えている。もはや全滅と言っても過言ではないだろう。
しかし、彼らはなおもギーシュの守りを続ける。

一人、また一人と倒れていく兵士達。
だが、彼らの顔には悲壮感はない。
信頼するギーシュ将軍がなんとかしてくれる、そう信じているからこそ、彼らは惜しみなく己の命を注ぎ込んでいたのだ。

しかし、現実は非情である。
圧倒的な数の暴力の前では、彼らの思いとて無力であった。
ついに全ての兵が地に伏せる。
それを確認したアルビオン兵は、血気に逸ることなく、冷静に矢を射掛ける。
地を扱うメイジに対して、肉弾戦は決して得策ではない。

ズドン

矢が人の体に突き刺さる音が響き渡った。

22 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:04:37 ID:nKi9HWDt
支援

23 :前スレ954:2007/09/22(土) 23:05:58 ID:mdbFWrrO
全ての呪文を唱え終わったギーシュの眼に飛び込んできたのは、自分を庇うかのように立っているモンモランシーの姿であった。
その姿は、矢で埋め尽くされて痛々しい。一瞬、我を忘れかけそうになるギーシュ。
しかしその時、彼はモンモランシーが何か呟いたのを聞いた。

(あとはお願いね。またいつかあの学院で会いましょう。)

歯を食いしばると、奥歯が割れる音がした。
モンモランシーの最後の言葉は、守られねばならない。
激情を無理やりねじ伏せたギーシュは、最後の一言を唱えた。

見る見るうちに出来上がっていく青銅のゴーレム。
その威容は、全高三十メートルで止まった。

その肩でギーシュは荒く息を吐いていた。
自分の限界まで魔力を引き出したのだ。倒れていてもおかしくはない。
しかし、その眼には力があった。熱く荒々しい激情があった。
一言叫ぶと、彼はたった一人の突撃を開始した。

否、一人ではなかった。
彼の背中には、モンモランシーが、マリコルヌが、ギーシュを守って死んでいった兵士達の影があった。


「おおおおおおおおおおおお!!!」

全身をハリネズミのようにされてもその雄叫びがやむことはない。
彼は一人ではないのだ。ならば、ギーシュ・ド・グラモンが前進するのは当然の帰結であろう。

しかし限界はやってきた。
ついに一本の矢が彼の心臓を打ち貫く。

その時ギーシュは、時が止まるのを感じた。
懐かしい思い出が次々と頭をよぎる。
暖かい家族達、マリコルヌ達と馬鹿騒ぎをした学院での生活、そしてモンモランシーとの愛の日々。

(どうやらお迎えがきたようだ。)

ギーシュの前には、モンモランシーが立っていた。

(でも、最後にやることがある!)

そこまで考えたとき、ギーシュの意識は闇に沈んだ。
二度と浮かんでくることはなかった。

兵士達がギーシュの死体に群がる。死亡を確認するためだ。
ギーシュの突撃は確かに脅威であったが、それによる陣形の乱れはもう整え終わっている。
そう判断した指揮官は、再びトリステイン軍の方へと向かおうとして、信じられない光景を眼にした。

死んだはずのギーシュが、己のゴーレムに『錬金』かけたのだ。
錬金をかけられたゴーレムはさらさらと粉になっていった。

24 :前スレ954:2007/09/22(土) 23:06:38 ID:mdbFWrrO
まだトリステイン軍が突破するには手が足りない。

25 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:07:11 ID:Sm9kpPAO
支援だ!!

26 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:07:24 ID:ttv4vk2m
ならば手を貸そうじゃないか支援

27 :前スレ954:2007/09/22(土) 23:07:39 ID:mdbFWrrO
その光景をキュルケは、涙を流しながら見ていた。
彼女の脳裏には、懐かしい港町での光景が思い出される。
しかし、思い出に浸っている時間はない。
彼女は、先ほどから詠唱を続けていた呪文を解き放とうとして、膝をつく。

(くっ!魔力が足りない!)

血反吐を吐きながら、なおも呪文を解放しようとするキュルケ。
その髪は、既に真っ白になっていた。

その時、ふとキュルケの手が軽くなった気がした。
驚いて横を見るとそこには、

タバサが立っていた。コルベールが立っていた。

死んだ彼女らが自分を手助けしてくれているのだ。
無様なところを見せるようでは、ツェルプストーの女ではない。

「行きなさい!炎蛇よ!」

爆炎が舞い降りた。


(しまった!)

アルビオン軍の数少ない生者の士官の一人が、最後に考えたことであった。
最後に彼が眼にしたものは、風に流されたギーシュの「ゴーレム」であった粉が引火した風景であった。


そう、ギーシュは、最後の瞬間に己のゴーレムを全て火薬に変化させたのだ。
キュルケの炎蛇とあいまって、アルビオン軍で巨大な爆発が沸き起こる。

その様子を、アルビオンのホークアイ将軍は歯軋りしながら見ていた。

(奴等め!それが狙いか!)

死者の兵は、その爆発の中でも慌てず、騒がない。
しかし、自意識の低下した彼等では、この爆煙の中ではまともに判断ができないのだ。

(だが!まだ我等には!)

そう思って見上げた先には、アルビオンの誇る竜騎兵たちがいた。
そう、彼等達が無事であるならば、トリステインの突撃から回復するまでの時間を稼ぐことなど造作もないだろう。


ここにきて、トリステイン軍にはあと一手が足りなかった。

28 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:07:40 ID:QeLPrxEt
しぇん

29 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:08:07 ID:m8E2W+h5
これだけのベアリング弾……かわせるか支援!

30 :前スレ954:2007/09/22(土) 23:08:45 ID:mdbFWrrO
その光景をワルドは、否ワルド達はじっと眺めていた。
彼は、ギーシュもキュルケもまだまだヒヨッ子であった時から知っている数少ない人間だ。
その手からは血が滴り落ちている。乗っているグリフォンの手綱を強く握りすぎたのだ。
そんな彼に後ろから声がかかる。

「若い奴から死んでいくとは、世も末じゃのう。」

齢三百を超えると言われるオールド・オスマンである。
内容に反してその声には、限りない悲しみが含まれていた。

「……ご老体、それでは突撃しますよ。」

「うむ。伊達に長生きをしていないことを、あの竜騎兵の若造どもに見せてやろうではないか!」

そう言ってオスマンは、かつての学院長としての仮面を取り外すと、凶悪に笑った。
その言葉にうなずいたワルドは、グリフォンを突撃させた。

厳重を乗りこなすことにおいて、ワルドの右に出るものはいない。
そして、

「「「「カッター・トルネード!」」」」

幾重にも偏在したオスマンが後ろで唱える。
魔法において、オールド・オスマンの右に出るものはいないのだ。

そう、彼らは単騎でアルビオンの空中戦力を抑えようというのだ。

(母上、ルイズ、貴方達の好きだったこの国は守ってみせます。)

そう誓ったワルドの顔に一粒の涙が浮かんでいた。
オスマンは、礼儀正しく、そのことに気がつかないふりをした。

そうして彼らは戦場の星となった。


準備は整った。全てはアルビオン神聖皇帝オリヴァー・マクスウェルを討ち取るために!

31 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:09:27 ID:jOq1LX3N
支援

32 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:09:49 ID:IbdFid1o
支援GO

33 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:10:03 ID:ttv4vk2m
ワルドがクリーンだッ!?支援

34 :前スレ954:2007/09/22(土) 23:10:09 ID:mdbFWrrO
その光景をアンリエッタはじっと見つめていた。
ユニコーンに跨っていた彼女は、その右手を上げ、そして振り下ろした。

「全軍突撃!」

トリステインに残っていた最後の戦力が突撃を開始する。
今この時を逃しては、未来はない。

アンリエッタは先頭を駆けていった。


結論から言おう。
ホークアイではその突撃を抑えることはできなかった。


ついにアルビオン軍を抜けたアンリエッタ達、残すはマクスウェルとその親衛隊のみ!
今のトリステイン軍にとっては、紙も同然の防御である。

35 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:10:21 ID:vVvsmpOS
何故クロムウェルではなくマクスウェルなのか、そこに謎があるのか支援

36 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:11:56 ID:ttv4vk2m
マクスウェル……ヘルシングとかガンダムWしか思い浮かばない俺支援

37 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:12:25 ID:PKSO3yE0
これは別スレに誘導すべきでは?

38 :前スレ954:2007/09/22(土) 23:12:40 ID:mdbFWrrO
爆音が響き渡る。
その瞬間アンリエッタは、何か重いものに弾き飛ばされた。

瞬間的に意識を失っていたアンリエッタであったが、その光景に信じられないものが飛び込んできた。

最後に残っていたアンリエッタ自身の親衛隊が全滅していた。
あるものは体を吹き飛ばされ、あるものは影だけを残しこの世から消滅していた。

「枢機卿!」

マザリーニは、最後の最後にアンリエッタをかばったのだ。

「……陛下。少しお暇をいただきますぞ。クロムウェルの畜生だけは、どうか、どうか……」

そうしてマザリーニは息絶えた。
アンリエッタがあたりを見渡す。もはやトリステイン軍は全滅と言っても過言ではないだろう。
空を支配していたワルドの姿ももはや見えない。
そう、残りはアンリエッタ一人なのだ。

そこに場違いな拍手が響く。

「随分ご健闘されましたな。」

「クロムウェル!」

その声の方向に向かって、アンリエッタは最後の力を振り絞って水の槍を投げつける。
しかし、

「…ディスペル?」

槍は光とともに呆気なくかき消された。

「おお、そう言えば私の新しい友人の紹介がまだでしたな!それでは紹介しましょう。
 先ほど陛下の部隊をエクスプロージョンで吹き飛ばしたルイズ殿です!」

「……ルイズ?」

かろうじて声を絞り出したアンリエッタの先には、五年前と変わらぬ姿のルイズ・フランソワーズの姿があった。
五年前に、単身でアルビオン侵攻を食い止めて行方不明になっていた虚無のメイジ、ルイズの姿が。

39 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:12:46 ID:VYL6gfXT
支援のGONGならせ

40 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:12:53 ID:3zQjmqLp
クロムウェルとマクスウェルで2人いるのかな支援

41 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:13:30 ID:ttv4vk2m
>>37 まだわからないからな。

42 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:13:45 ID:E00o7BSD
支援か?支援が欲しいならくれてやる!

43 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:14:28 ID:m8E2W+h5
怒りを胸に沈めてはならぬ。
両足に込めて己を支える礎となせ!支援

44 :前スレ954:2007/09/22(土) 23:14:59 ID:mdbFWrrO
申し訳ない。他で書いているのと誤字していました。以下続きを投下

「彼女は頑固でしてな!こうして友人になってもらうまで五年もかかってしまいましたよ!
 さすがは虚無の魔法使いといったところでしょうか。
 彼女の能力は、陛下が一番ご存知でしょう。五年前、我が軍を単身で止めたのですからな!
 おかげでこの侵攻まで、随分と余分な時間を取らされましたよ。」

クロムウェルが上機嫌で話を続ける。

しかし、その声はアンリエッタには届いていない。
彼女の眼にはルイズの姿しか映っていなかった。

「ルイズの姿で、ルイズの声で、ルイズの誇りを汚さないで!」

アンリエッタは心の底から泣いていた。
この戦争で亡くなった多くの者のために。
死して後も己の尊厳をおかされる多くの人のために。
そしてルイズのために。

「はっはっはっ!いくら情に訴えかけても無駄ですぞ。彼女は余の忠実な友人でしてな。
 それでは、陛下おさらば!」

そうしてルイズにアンリエッタにエクスプロージョンを放つように、クロムウェルは命じる。

その光景を、アンリエッタはゆっくりと見つめていた。
せめて、最後は親友に殺されるのなら悪くないかもしれない、そういう思いが生じたことを否定はしない。
しかし、今のアンリエッタには、最後の最後まで戦い抜く義務がある。

(それが、女王としての仕事!)

折れそうになる体を、無理矢理立ち上がらせる。
くじけそうになる度に、今はもうここにいない者達の顔が頭に浮かび、不思議な力が満ち溢れていく。
そうして立ち上がったアンリエッタは、マクスウェルを睨みつけた。
その顔には、死んでもあきらめまいとする、不屈の意思が浮かんでいた。

思ったのとは違う反応を返してきたアンリエッタに、クロムウェルは不満を顔に浮かべてあげていた右手を下ろそうとした。
この右手が下ろされれば、ルイズがエクスプロージョンを放ち、アンリエッタは跡形もなく消し飛ぶだろう。
そうして、クロムウェルは右手を下ろそうとした。

しかし、それが実行されることはなかった。

45 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:16:16 ID:ttv4vk2m
すまん、どっちなんだ……支援

46 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:16:25 ID:E00o7BSD
支援だ!もう支援しかない!

47 :前スレ954:2007/09/22(土) 23:16:40 ID:mdbFWrrO
アンリエッタの脳裏に、走馬灯のように思い出がかけていく。
その中でも、ルイズと一緒に過ごした日々は決して色あせることなく流れていった。

(最後に、ルイズ今までありがとう。)

そう心の中で親友に別れを告げたアンリエッタは、最後までクロムウェルを睨みつけることにした。
マクスウェルの右手が下ろされたときが自分が死ぬときだとは理解していた。

その時、

「なんだこの現象は!」

クロムウェルの声が響く中、アンリエッタも驚いていた。
空間そのものが震えているのだ。
まるで、何かとてつもない存在が生み出されようとしているかのように。

(馬鹿な!余は、始祖ブリミルですら滅ぼせなかった虚無の悪魔を取り込んでいるのだぞ!
 なのに、何故だ!何故体が動かない!)

ふとアンリエッタが周りを見渡すと、トリステイン軍もアルビオン軍も、全てが動きを止めていた。
自意識のないはずの死者たちですらだ。

そんななか、アンリエッタだけが不思議な懐かしさに包まれていた。

稲妻が空間を走り抜ける。
太陽が楕円に捻じ曲がる。
三角形の内角の和がついに180度を超える。

そうしてそれは姿を現した。

ハルケギニアに住む竜とは比べ物にならないほど大きな竜であった。
サイズもそうであるが、その存在感が桁外れであった。そして何よりとてつもなく優美であった。
全ての者が膝をついていた。クロムウェルですら例外ではない。

そう、例外はルイズとアンリエッタだけであった。

『ルイズよ。それで良いのか?』

その場にいた全ての者の心に、その声が響く。
それは、圧倒的で、荘厳で、そして優しさを漂わせていた。

その声にアンリエッタは思い当たるものがあった。
姿かたちはまるで違っていたが、彼女には分かったのだ。

「まさか!すえ?」

それを聞いた巨大な竜L.E.Dは、かつてのルイズの使い魔すえぞうは、アンリエッタに優しく微笑みかけた。

48 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:17:53 ID:ttv4vk2m
L.E.Dだとー!?

49 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:17:54 ID:sEtXa/b1
えぇぇええ!FFSかよ!支援

50 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:18:03 ID:m8E2W+h5
友情を胸に沈めてはならぬ。
両腕に込めて友を守る楯となせ!支援

51 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:18:14 ID:vuGrEpKV
ちょ、すえぞうきた!? 支援

52 :前スレ954:2007/09/22(土) 23:18:13 ID:mdbFWrrO
「……ない。」

「ルイズ!」

小さな声であるが、ルイズが話し始めた。死者のルイズが。

「……良くなんてない!
 アンを、みんなを殺して言い訳なんてない!」

ルイズの口から言葉がほとばしる。
その様子をクロムウェルは呆然と見ていた。
意識を封じられた死者が、再び自分の心を取り戻すなど、ありえないのだ。

ルイズは泣いていた。
この五年間の記憶だけはあるのだ。
一々クロムウェルがルイズの心を折ろうとして、状況を教えられていたのだ。

だが、奇跡は長くは続かない。
それは、虚無という奇跡を扱うルイズ自身が一番良く知り抜いている。

「すえ、お願い。 もし貴方にできるなら、私を殺して!この世から虚無に関わる全てを吹き飛ばして!
 こんな辛い思いをする人達を、一人でも減らしてあげて!お願い、すえ!」

そうしてルイズはアンリエッタとL.E.Dを見た。
いかなる生物であろうとそんな能力を持つなどありえない、そのことをルイズの理性は知っている。
それでも、そう口にせざるを得なかった。

そのころ、ようやくクロムウェルは落ち着きを取り戻していた。
まだまだ戦力は十分。いかに巨大な韻竜とはいえ、たかだか一匹である。敵ではない。
クロムウェルはそう思った。正確には、そう思い込もうとした。
それがクロムウェルの最後の思考であった。

L.E.Dは一声大きく咆哮をあげると、大きく空に羽ばたいた。

そうしてその炎クエーサーフレームは、虚無と聖地と、それに関わる全てのモノを、このハルケギニアから永久に消し去った。

53 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:18:54 ID:2bCN+eX/
成体のL.E.Dは人間ごときに何の感情も持たないって永野が明言してるのに

54 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:20:03 ID:ttv4vk2m
>>53 よく知らんがそうなのか。アトロポスの願いを聞いたのはファティマだから?

55 :前スレ954:2007/09/22(土) 23:20:04 ID:mdbFWrrO
アンリエッタは見た。
すえぞうの炎に焼かれたルイズが嬉しそうに笑っていたのだ。

不思議なことに、死者とクロムウェル以外は誰も焼かれてはいなかった。
そのことに周りがどよめいている中、アンリエッタは大きく空を見上げていた。

その魂すら汚されていた死者達が、すえぞうに導かれて天に昇っていく光景が見えたのだ。
その中には、すえぞうにまたがるルイズの姿もあった。
思わずアンリエッタは喜びの涙を流した。

その光景は、不思議なことにこのハルケギニアのどこからでも目撃されたという。

その神聖は光景は、人々の記憶から消えるまでの60年間、ハルケギニアに平和をもたらした。

アンリエッタは、その生涯をハルケギニアの再興に捧げ、見事に役目を果たした。
最後に82歳で亡くなった時、泣かぬ者はいなかった。
最後の台詞は、

「ルイズ、すえ、私も今そちらに向かうわ。」

だったという。
そうして一つの時代が終わりを告げた。

物語は、最後の戦いから20年前から始まる。


すえぞう召喚 プロローグ終了

56 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:20:40 ID:ItdDK9Tu
無理を通して道理(設定)を蹴っ飛ばすんだよ!
それが俺達のやり方だ!

57 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:21:11 ID:CaCJ9pn+
>>53
知らなかったのか……
ルイズってファティマだったんだぜ?

58 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:22:02 ID:vuGrEpKV
プロローグってことはこっから戻るのか支援

>>57
ああ、納得した(胸を見ながら)

59 :すえぞう:2007/09/22(土) 23:22:10 ID:mdbFWrrO
途中思い切り人物誤認して誠に申し訳ありませんでした。
とりあえずこんな感じで始めますが、一応他の作品もあるので、多少不定期になりますが、お付き合いお願いいたします。

投下して気づいたのですが、もし設定考察等で荒れるようなら、大人しく避難所に行きますが、どうですか?

60 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:22:15 ID:sEtXa/b1
>>53
異世界人だからおk
それにルイズの胸は人間じゃ(ry

61 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:22:35 ID:QogXqtmQ
>>57
な、なんだってー(AAry

その発想は予想付かなかったぜ、兄弟!

62 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:22:36 ID:R3J2sbQP
GJ!!
>>56
それはそれでダメな気が凄くする

まあ使い魔のルーンがどうたらこうたらでどうにかなりそうな気もするが

63 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:23:34 ID:sEtXa/b1
永野の言うことはもうほっぽいといてもいいよ…

64 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:24:13 ID:q62CxLSa
職人さん投下乙


前スレ大変なことにw

1000 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/22(土) 23:23:10 ID:CGX+pDe2
>>1000ならゲームブックキャラを次々に召喚して短編連作!

1001 名前:1001[] 投稿日:Over 1000 Thread
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。

1002 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/22(土) 23:23:10 ID:xaOIkzWY
>999ならマテリアル・パズルのドルチル召喚

65 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:24:29 ID:jQTndv1O
1000 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/22(土) 23:23:10 ID:CGX+pDe2
>>1000ならゲームブックキャラを次々に召喚して短編連作!

1001 名前:1001[] 投稿日:Over 1000 Thread
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。

1002 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/22(土) 23:23:10 ID:xaOIkzWY
>999ならマテリアル・パズルのドルチル召喚

まさに道理を引っ込めて無理を通した瞬間!

66 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:24:32 ID:V6SjhjbH
この一種の悲劇に向かって話は尽きすすむのか


67 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:24:57 ID:ItdDK9Tu
1000 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2007/09/22(土) 23:23:10 ID:CGX+pDe2
>>1000ならゲームブックキャラを次々に召喚して短編連作!
1001 名前: 1001 投稿日: Over 1000 Thread
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。
1002 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2007/09/22(土) 23:23:10 ID:xaOIkzWY
>999ならマテリアル・パズルのドルチル召喚

久しぶりに見たぞ、タイムベントw

68 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:25:23 ID:ttv4vk2m
乙。締め方がFSSっぽいようなそうでないような。
今思い出したが原作でも昔話だか御伽噺だかでL.E.Dがなんかしてたような。
お姫様が身を投げてーなヤツ。無かったかな?

69 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:25:35 ID:3zQjmqLp
前スレ>>1002
テンション上がって来たぜぇぇぇぇぇぇ!

70 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:25:39 ID:q62CxLSa
>>65>>67よ結婚記念に3人で何かSS投下しようかw

71 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:26:28 ID:R3J2sbQP
>>65
冗談だろ?と思って見に行ったらマジだった!!
もうドルチル召喚するしかない!!

テンション上がって来たぜーッ!!

72 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:26:32 ID:zjMiFvIn
すえぞう…
モンスターファームか!!

73 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:27:26 ID:2bCN+eX/
ドラゴンの成長には星団の人間の一生(数百年)以上の時間が要るのでは?
だから生き返りすら可能にする「命の水」という代償を与えられるのだし。

74 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:27:27 ID:h2/N8AHP
逆行物になるんかそれとも
すえぞうとの約束orルイズ死亡までになるのか
ワクワクテカテカ

75 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:27:34 ID:6lFzIKe0
そんなに珍しいことでもないんだがな

76 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:27:49 ID:/wwumwLK
前スレ>>999
銀河鉄道がとんでもないやばさじゃなかったっけあれ

77 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:27:42 ID:jQTndv1O
>>68
アレはW.A.T.E.R.だかウォータードラゴン(上位存在)がサタンが狙いを付けた世界に対抗するのに都合が良かったからとかでなかった?

とまれ、前スレ954の人 
乙。

78 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:27:53 ID:bU9cdcCy
前スレ埋立完了!

なんか1000突き抜けてたぜw

79 :零の雷の人:2007/09/22(土) 23:27:55 ID:IbdFid1o
流れ断ち切って申し訳ない。
投下、よろしいですか?

今回は「第二章 薔薇の香りの大饗宴 その二」です。

80 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:29:32 ID:ttv4vk2m
>>77
別のヤツだったか、すまん。

81 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:30:50 ID:jQTndv1O
>>70
ごめん、俺、心に決めた人がいるんだ……。
 
>>79
進路、クリアー!発進どうぞ!

82 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:31:02 ID:jOq1LX3N
>>79
かもん

83 :封仙娘娘異世界編 零の雷 1/10:2007/09/22(土) 23:31:08 ID:IbdFid1o
 三


ヴェストリの広場は魔法学院の敷地内、『風』と『火』の塔の間にある中庭である。
日中でも余り日の差さないこの場所は、まさに決闘にうってつけと言える。
そして今、二人の男が己の誇りを賭けた真剣勝負に挑もうとしている。

……と、言うことになっているようだ。

「……で、何でこんなことになっちゃってる訳……?」
丸一日振りの食事を終え、幸せの絶頂にあったルイズだったが、一気に不機嫌へと引き戻されてしまった。
殷雷はポリポリと頭を掻いた。
「まぁ、ありのまま起きたことを話すと、だ。
 そこのギーシュって奴が落とした小壜を拾ってやったと思ったら、いつの間にか決闘を挑まれていた」
「何を言ってるのか全然分かんない」
「……俺にもさっぱり分からねえ」
まぁ、ギーシュの方が一方的に絡んできた、と言うことなのかもしれない。
にしては、やけに目が虚ろに見えるのは気のせいだろうか……?
「あ、あの……ミス・ヴァリエール」
――と、メイドの少女がおずおずと話しかけてきた。さっき強引に殷雷を引っ張り込んだ娘だ。
確か、名前はシエスタだったと思う。
「ごめんなさい! 私がその方を無理矢理手伝わせてしまったばっかりに……!」
殷雷は事も無げに言った。
「俺の方は別に構わん。どうせ、俺が居なくても誰かが代わりになっただけだ」
……実のところはそうでもなかったりするのだが、彼らには与り知らぬ話である。
「本当は貴族同士の決闘は禁じられてるんだけど……一方が使い魔だったら良いのかしら?」
何故二人ともそんな平然としていられるのだろう。シエスタには信じられなかった。
「平民が貴族と戦ったりしたら、死んでしまいます!!」
ルイズは全く動じない。
「あー、大丈夫大丈夫。こいつは平民じゃないから。あれ、知らなかった?」
「え……?」
「こいつ呼ばわりかよ。まぁ、相手にもよるがな。――で、どうなんだ? あいつの実力は。
 身体能力は大したことなさそうだが、魔法の方は見てもよく分からん」
「『ドット』にしてはなかなかの使い手だって聞いてるけど……まぁ、大丈夫でしょ」
「え? え?」
「微妙な話だな。まぁ、油断するつもりはないがな」
殷雷は首をコキコキと鳴らし、ギーシュの方へと向かっていった。

――せっかくだ。もし余裕があるようなら、『あのこと』を確かめてみよう。

広場を盛大な歓声が包む。
「ふ……フン。よく逃げなかったね。それだけは誉めてやろうじゃないか!」
そう言うギーシュの顔は汗まみれだった。心なしか声も上ずっている。
「…………貴族って奴も、大変だな」
殷雷は相手にだけ聞こえる声で、呟いた。
一瞬ギーシュの顔が泣きそうに歪んだが、すぐにまた余裕の表情を取り繕う。
なんかもう、ヤケクソである。
「ではッ――ゴホン。では、行くぞ!!」
ギーシュが手に持った造花の薔薇――どうやらこれが彼の杖のようだ――を振ると、一枚の花びらが舞う。
そして、それは一瞬にして金属製の人形へと変化した。
人間と同程度の大きさの、甲冑を纏った女戦士の像。
「僕の二つ名は『青銅』――青銅のギーシュだ。君の相手はこの青銅のゴーレム、『ワルキューレ』が務めよう。
 ……卑怯とは言うまいね?」
傲岸な表情を作りつつも、その眼が「お願い。言わないで」と訴えていた。
……さすがにいい加減哀れになってきた。
だが、殷雷としてもこちらの方が好都合だった。
「俺は一向に構わん。――来い」
『ワルキューレ』の拳が、殷雷へと躍りかかった。

84 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:31:13 ID:Sm9kpPAO
>>76

クロムウェルの天敵になるでしょうね(´・ω・`)


85 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:32:10 ID:vuGrEpKV
>>53>>73をあわせて考えて、まだこの時点では成体ではなくてせいぜい地上の人間を滅ぼせる程度の力しかない、と考えるのはどうだろう

とまれ宝貝的支援

86 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:32:15 ID:3xBkG1ni
ギーシュカワイソスww

87 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:32:21 ID:jOq1LX3N
支援

88 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:32:33 ID:jQTndv1O
総員!全戦力をもって>>79の支援にあたれ!
支援

89 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:32:35 ID:Sm9kpPAO
失礼。お詫び支援

90 :封仙娘娘異世界編 零の雷 2/10:2007/09/22(土) 23:32:45 ID:IbdFid1o
 *

『ワルキューレ』が拳を放ち、殷雷が身を反らす。
殷雷が『ワルキューレ』の胴体に蹴りを撃ち込むが、『ワルキューレ』は構わず反撃する。
一人と一体が同時に蹴りを放ち、中央で激突する。
傍目には、それは一進一退の攻防に見えた。だが――
『ワルキューレ』を操るギーシュには分かった。圧倒的に不利なのは、自分の方だ。
『ワルキューレ』と同様、殷雷も何発か攻撃を受けている。だが、手応えがほとんど感じられない。
おそらく、打撃が命中する瞬間にわずかに身を退き、ダメージを軽減させているのだろう。
口で説明するのは簡単だが、なかなかに高等な格闘テクニックだった。
……そもそも、これほどの動きが出来るのならば、『ワルキューレ』の攻撃が当たること自体がおかしいのだ。
手を抜いて、こちらの実力を計っているのだろう。
――で、一方の『ワルキューレ』はと言うと。
動きに影響はないようだが、あちこちに細かいヒビが入っている。
青銅製のゴーレムだから良かったものの、もしこれが生身の人間――ギーシュ自身だとしたら。
身体が震えた。
……変に格好つけて、余裕を見せている場合ではない。

一方殷雷は、心の中で首を捻っていた。
幸いなことに、この『ワルキューレ』とかいう金属人形は大した脅威ではない。
だから、適当に手を抜きつつ、昨日の不思議な感覚を確かめようとしていた。

――ルイズを操り、疾走した時のこと。

殷雷刀には使い手の身体を操る能力はあっても、その力を引き出す能力は無い。
殷雷の力を百、ルイズの力を一としても、その力は百一にはならず、百のままだ。
その、はずだった。

あの時のルイズと殷雷の力は、二百を超えていた。
……おかげで制御を誤り、ルイズに怪我を負わせてしまったのだが。

今の殷雷に、あの時の異様にみなぎる力は感じられない。
あの時と今。何が違うのかは、一目瞭然であろう。
――だとすれば、やるべき事は一つ。

「このままではキリがないね……悪いが、決めさせてもらうよ」
ギーシュは造花の薔薇を振り――新たに二体のゴーレムが現れる。
一対三。殷雷の圧倒的不利に見えた。
――ここで一度、殷雷はその身を退ける。
そこには、成り行きを見守るルイズが居た。

「少し休憩するぞ。
 ――選手交代だ。行くぞ、ルイズ」

91 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:33:16 ID:76Kd8w1n
がんばれギーシュ支援w

92 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:33:38 ID:jOq1LX3N
支援

93 :封仙娘娘異世界編 零の雷 3/10:2007/09/22(土) 23:33:52 ID:IbdFid1o
 *

「『ガンダールヴ』……か」
学院長室では、ミスタ・コルベールが興奮気味にまくし立てていた。
「その通りです! 始祖ブリミルの……伝説の使い魔!!」
オスマン氏は、コルベールに手渡された紙――奇妙な文字のような紋章がのたくっている――から視線を上げた。
「それが、例の……インテリジェンスソードの青年に刻まれたルーンと?」
「一致したのです!!」
こうして顔を真っ赤にさせていると、まさに茹で蛸じゃな……などと、つい場違いなことを考えてしまうが
もちろん口には出さない。
「――で? 君の結論は?」
「あの青年は、『ガンダールヴ』です!!」

始祖ブリミルが使役したという四体の使い魔の内の一人、『ガンダールヴ』。
始祖の使う魔法は強力ではあったが、それ故に呪文の詠唱時間も長かった。
その間無防備な主人を守護するのが『ガンダールヴ』の役目。
その力は千人の軍隊を一人で壊滅させるほどであったという。
『ガンダールヴ』はあらゆる武器を使いこなした。
その姿は不明だが、上記から推測するに、恐らく手や腕はあったのだろう。

「――しかし、おかしくはないかの?」
「何がですか?」
オスマン氏は、素朴な疑問を口にした。
「その彼が言うには、真の姿は剣の方なのじゃろう? 剣には手も足も生えてはおるまいに」
「……武器が、武器を使った、のでしょうか」
とても、納得の出来る話ではなかった。

その時、ドアがノックされた。
「誰じゃ?」
「わたくしです。オールド・オスマン」
ミス・ロングビルだった。
彼女は扉越しに話を続けた。
「ヴェストリの広場で、決闘をしている生徒達がいるようです。止めに入ろうとした教師がいたようですが、
 興奮した生徒たちに邪魔されてしまったとか……」
「決闘ぉ? かー、暇と血の気の有り余った貴族というのはこれだから始末が悪いわい。
 で、当事者の名は?」
「ギーシュ・ド・グラモンと、もう一人は、その……」
ロングビルは口ごもった。
「グラモンの所の小僧か。またどうせ女絡みじゃろうて。
 で、もう相手は誰じゃ?」
「……ミス・ヴァリエールの使い魔です。噂の」
オスマン氏とコルベールは顔を見合わせた。
「教師たちは、『眠りの鐘』の使用許可を求めているようですが……」
「うむ。……いや、却下する。所詮は子供の喧嘩じゃろう。
 いちいち秘宝など使ってどうする。放っておきなさい」
「分かりました。では、そのように」

ミス・ロングビルの足音が遠くなったのを確かめると、オスマン氏は杖を振った。
壁に掛けられた大きな鏡に、ヴェストリの広場の様子が映し出された。

94 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:34:56 ID:jOq1LX3N
支援

95 :封仙娘娘異世界編 零の雷 4/10:2007/09/22(土) 23:35:24 ID:IbdFid1o
 *

『ちょ、ちょっとインライ! さっき言ったでしょ! 貴族同士の決闘は禁止されてるのよ!?』
『使い魔を戦わせてる時点で同じ事だろ。さっさと覚悟を決めろ。
 今度はちゃんと手を離さないようにしてある』
殷雷は刀の姿に戻り、ルイズの右手に持たせていた。――半ば無理矢理に。
しかもご丁寧なことに、ルイズのハンカチでその手をきつく固定している。
殷雷の腕力で結ばれたものなので、例えルイズが拒んだとしてもそれを解く術はない。
……一種の脅迫じゃないの、これは。
鞘を押しつけられたシエスタは、目を丸くしながら辺りを見回している。
「え? え? あれ? れ? あ、あの……あの方――インライさんはどちらに?」
ルイズは答える。
「俺ならここだ。この刀が俺の本性。今、ルイズの身体は俺が操っている」
それはルイズの声だったが、その口調はまさに殷雷のものだった。
元々吊り目がちだったその眼光は、今や猛禽類と見まごうばかりに鋭くなっている。
「ちょっとインライ。私の声で勝手に喋らないでよ」
「今の俺には口が無いのだから仕方なかろう。我慢しろ」
「あ、あんたねえ」
事情を知らない者が見れば、それは怪しげな一人芝居にしか見えなかっただろう。

ギーシュは呆然としていた。殷雷が突然爆発し、その姿を消したからだ。
恐らく、ルイズの持っている剣が、彼の本当の姿なのだろう。
話には聞いていたが、まさか本当だったとは……
――しかし、考えてみればこれはむしろ好都合なのではないか?
確かに殷雷の力は相当のものだったが、その殷雷は今は剣に姿を変えている。
それを操るのは、ルイズだ。
……これなら、勝てるのではないか。

「――さて、と。じゃあ再開するか」
ルイズの声で殷雷は喋る。
「僕には女性を傷つける趣味はないのだがね。
 君がどうしても、と言うのなら相手になってあげても良いだろう」
ギーシュの声色はさっきとは明らかに異なっていた。
ルイズは不敵に微笑んだ。そうだ。その方がこちらとしてもやりやすい。
「御託はいい。さっさと来い」
三体の『ワルキューレ』は先ほどとは違い、その手にそれぞれ大剣、槍、槍斧が握られている。
その内の一体――大剣を持ったゴーレムが襲いかかってきた。
――ルイズの左手が、強い輝きを放つ。

閃光が走る。

次の瞬間、『ワルキューレ』はその身を両断されていた。

96 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:35:38 ID:jOq1LX3N
支援

97 :封仙娘娘異世界編 零の雷 5/10:2007/09/22(土) 23:36:56 ID:IbdFid1o
「え」
「あれ」

辺りが静まり返る。
何が起きたのか、認識できた者はこの場には存在しなかった。
ギーシュも。――刃を振るった、ルイズ自身でさえも。
ただ一人――いや一振り。殷雷刀だけが、この状況を正確に認識できていた。
『――なるほど。うむ。大体分かった』
『な、何? 何が起きたの? 今、何をしたの!?』
『変わったことはしていない。ただ、斬っただけだ』
――ギーシュが最初に我に返った。
「ワ……『ワルキューレ』!!」
残る二体のゴーレムを突っ込ませる。
左右から迫られたルイズの身体が、わずかに左右にぶれる。

二体のゴーレムは同時に寸断された。

そしてギーシュが、己が無防備になったことを悟る暇もなく、殷雷刀が彼の喉元に突きつけられた。
「ま……まいっ」
だが、ルイズはニヤリと笑うと、彼にだけ聞こえる声で、それを遮った。
「せっかくの決闘だ。
 もう少し楽しませてやらねば、せっかく集まってくれた観衆に申し訳なかろう?」
「え――?」
「いいから、俺の言う通りにしろ。なに、悪いようにはせん」

 *

その場にいる誰もが決着がついた、と思ったその時。
――ルイズの身体は後方へと大きく弾き飛ばされた。
何度も地面を転がり、その勢いのまま跳ね起きる。
「……やるじゃない。まだこんな力を残していたとは、油断したわ」
ルイズは不敵に笑う。それは殷雷刀の笑みだった。
ギーシュも笑う。そして、造花の薔薇を掲げた。
「僕のこの薔薇には、まだあと四枚の花びらが残っている。
 ――それが、何を意味するか分かるかい?」
ルイズは驚きに目を見開く。
「ま…まさか!」
「そう。まだ僕は、四体の『ワルキューレ』を残しているのさ!!」
ギーシュが薔薇を振り、四枚の花びらが舞う。
そして、現れるのは四体のゴーレム。
「くうっ……!」
ルイズはギリリと歯を鳴らす。絶体絶命のピンチが訪れていた。
観衆は息を呑み、この死闘をただ見守るばかり。

……一方、それを冷ややかに見つめる女が一人。
『……よく言うわ』
ルイズである。
『これくらいの演出があった方が盛り上がるだろう』
『確かに盛り上がってはいるけどね……私としてはむしろ寒いわ』
『少しは辛抱しろ。これは、あのギーシュって奴へのちょっとした礼だ』
礼? ……この茶番劇が? ……そもそも何の?
四体の『ワルキューレ』は間近に迫っていた。

98 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:37:33 ID:jOq1LX3N
支援

99 :封仙娘娘異世界編 零の雷 6/10:2007/09/22(土) 23:38:17 ID:IbdFid1o
一体目のゴーレムが大剣を振り下ろし、ルイズは殷雷刀でそれを受け止める。
その背後から、二体目のゴーレムが肩に担ぎ上げた戦斧を袈裟懸けに振り下ろす。
一体目の押し込む大剣の軌道をルイズは刀でずらし、その膝を借りて真横へと飛んだ。
耳の横を戦斧の一撃が掠める。
錐揉み回転したルイズは側頭部そして肩で着地し、同時に脚を回してまるで駒のような垂直倒立を披露する。
純白の下着が衆目に晒されたかと思うと、戦斧を持ったゴーレムが体勢を崩した。
見れば、両足首が寸断されている。
倒れかけたゴーレムを後押しするかのように、倒立から両膝をそろえてゴーレムの後頭部に叩き込んだ。
地面と膝の挟撃に堪えきれず、青銅の兜が音を上げて割れた。
あと三体。
拳から棘の生えた三体目のゴーレムがルイズを追い込むように素早い連撃を撃ち込む。
ルイズはそれを回避し、時には捌くが段々と後退を余儀なくされていく。
背後には槍を持って待ち構える四体目。
青銅の甲冑の重みを十二分に載せた踏み込みが、そのまま槍の威力となって突き出される。
ルイズは身を捻り、槍はその腹を掠めて通り過ぎる。
空を切った槍に空いた手を添え、強く地面を蹴り一瞬だがその上に飛び乗った。
槍を足場に正面のゴーレムを飛び越え、手から地面につければ身体を折りたたむように身を縮める。
縮めきったその力が逃げぬうちに、腕立てをするように地面を手で押し、背後に向かって蹴りだす。
逆蹴りを背中に受けた三体目のゴーレムは、突き出された槍に飛び込む形で腹部を貫かれた。
四体目のゴーレムが同胞ごと槍を手放すが、武器を失った者は最早敵でもない。
その時には既に体勢を立て直していたルイズは、殷雷刀でその胴体を両断した。
あと一体。
最初の、大剣を持ったゴーレムである。
距離を取り、攻めあぐねるルイズにゴーレムが襲いかかる。
上段から振り下ろす剣に対し、ルイズは殷雷刀を下段から振り上げた。
剣が飛ぶ。
腕の無くなったゴーレムの顔面に、ルイズは光り輝く左拳を叩き込んだ。
頭部を砕かれ、最後のゴーレムは地に崩れ落ちた。

一瞬の隙も逃さず、ルイズはギーシュへと突貫する。

――そして。

ルイズとギーシュ。二人の刃は、互いの心臓に同時に突きつけられていた。
ギーシュの持つ剣は、最後のゴーレムが持っていた物だ。
弾き飛ばされた大剣は、ギーシュの手の中に収まっていたのだ。

やがて、どちらからともなく刃を退いた。
「引き分け――だな」

――うぉおおおおおおおおおおおっ!!

先ほどまで静まりかえっていた観衆が、賞賛の大歓声を贈る。
死闘を演じたルイズとギーシュは、固い握手を交わすのだった。

100 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:38:33 ID:jOq1LX3N
支援

101 :封仙娘娘異世界編 零の雷 7/10:2007/09/22(土) 23:39:38 ID:IbdFid1o
 *

盛大な拍手と歓声の嵐に沸くヴェストリの広場。
オスマン氏は『遠見の鏡』を解除した。『鏡』はただの鏡へと戻る。
「オールド・オスマン」
コルベールが震えながら口を開く。
「あれが、『ガンダールヴ』の力なのでしょうか……?」
「……それを言い出したのは君の方じゃぞ、ミスタ」
二人にも、この事態を理解できたとは言い難かった。
「……気付いたかね? ミスタ・コルベール」
「ミス・ヴァリエールの左手の事……でしょうか」
殷雷刀を握った時、彼女の左手の甲は確かに輝いていた。
しかも、殷雷に刻まれたルーンと同じ形に。
「ありとあらゆる武器を使いこなす伝説の使い魔、『ガンダールヴ』。
 その正体は主人の身体を操り、己を武器として扱わせる魔剣だった……そういうことなのでしょうか」
「主人そのものを武器扱いしているのかもしれん。……まぁ、同じ事じゃがな」
これが事実なら、伝説を根底から揺るがすことにもなりかねない。
「……ま、かつての『ガンダールヴ』が全く同じような存在だった、とも言い切れんがの。
 もしかしたらただの突然変異かもしれん」
それはそれで、とんでもない話には違いないのだが。
「この一件……王室に報告するべきでしょうか」
「それはやめておけ」
オスマン氏は即答した。
「どうせ、戦の道具として利用されるのがオチじゃろうて。
 宮廷の連中は戦争好きじゃからのう」
「……分かりました。ではこの件は、内密に」

(…………『ガンダールヴ』。伝説の使い魔、ね……フフッ)
――気配を殺し、部屋の外で聞き耳を立てている人物の存在に、二人は気付いていなかった。

102 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:40:04 ID:jOq1LX3N
支援

103 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:40:12 ID:vuGrEpKV
なぜかMr.サタンを思い出した支援

104 :封仙娘娘異世界編 零の雷 8/10:2007/09/22(土) 23:40:49 ID:IbdFid1o
 *

未だ賞賛の雨の降り注ぐ中、どうにも白けた顔が一つ。
「何だかねぇ……」
ルイズは呆れとも照れともつかない複雑な表情を浮かべるばかりだった。
「誉められてるんだ。素直に喜べ」
殷雷は既に人の姿に戻っている。
「僕としては、礼を言った方が良いのかな?」
観衆に手を振っていたギーシュが、小声で話しかけてきた。
「本来なら、問答無用で叩き伏せられても文句は言えない状況だったのに
 ……何故、僕に花を持たせるような真似を?」
それはルイズにとっても大きな疑問だった。
殷雷は肩をすくめて答えた。
「何。武器の宝貝として、己の能力を把握するのは重要だからな。
 早い内に気づかせてもらえた礼だよ」
……殷雷の言ってることは二人には理解できない。
その時、観衆の中の、金髪縦ロールの女生徒とギーシュの目が合った。
「……モンモランシー」
もしかして、ずっと見ていてくれたのだろうか。
モンモランシーはすぐに目をそらしたが、よく見ると顔が赤い。
殷雷が黙って肩に手を置く。
「……ありがとう、インライ。いつか、恩返しをさせてもらうよ」
「期待しないで待っていよう」
殷雷は笑う。ギーシュも笑う。
――ルイズは、笑っていなかった。
「盛り上がってるところ悪いんだけど」
何やら、非常に不穏な空気。
「――この制服、どうしてくれるのよ!!」
彼女の制服はズタボロだった。ゴーレムの攻撃を常に紙一重で躱していた代償である。
……生々しい、戦禍の傷跡であった。

しかも、考えてみれば今日これで二度目ではないか。

「……何かを成すために、犠牲は避けられないのか。
 その答えを見つけることが俺の、人生の課題だ」
「全然綺麗にまとまってない!!」

……やっぱり駄目か。

105 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:41:04 ID:jOq1LX3N
支援

106 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:42:34 ID:fgqk5KbB
支援

107 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:43:30 ID:XNJ6WDEt
殷雷ならデルフをいる子扱いするよな。 
支援

108 :封仙娘娘異世界編 零の雷 9/10:2007/09/22(土) 23:43:43 ID:IbdFid1o
 四


時は夕刻。
シエスタに誘われ、厨房へと足を踏み入れた殷雷を迎えたのは、料理人たちだった。
その中の代表者は恰幅の良い中年。料理長のマルトーである。
「おお!『我らの包丁』だ! 『我らの包丁』が来たぞ!!」
――殷雷が披露したのは見事な足ズッコケだった。
殷雷はガクガクと震えながら立ち上がり、これまたガクガクと震える声で懇願した。
「……た、頼む。そのほ、包丁というのだけは、勘弁してくれ」
「謙遜するこたぁねえさ! 昼間のお前さんの包丁捌き、俺は惚れ惚れしたね!
 ――おっと、昼間は悪かったなぁ。こき使っちまって」
謙遜ではない。断じて謙遜ではない。
「……せめて、『我らの刀』で頼む」
殷雷に対し、『包丁』は禁句であった。

「――それにしても、爽快だったよなぁ!!」
ギーシュとの決闘の話だった。
「あのクソ生意気な貴族の小僧を、あそこまで派手にのしちまうとは、信じられねえぜ!!
 大したもんだなぁ、インテリジェンスソードってのは!」
「……あれは、引き分けだ」
「なーに言ってんだ! へっへっ、臭い芝居しやがって!!」
……バレている。まぁ、殷雷は武器の宝貝であって、演技は本職ではないのだ。
少しくらいは大目に見ていただきたい。
――と、そこへシエスタが料理の入った皿を運んできた。
白い汁物と、これまた白く、ふかふかとした物。
どちらも良い香りがする。
「これは?」
「俺のおごりだ。遠慮せずに食いな」
「……ではなく、料理の名前を聞きたかった」
どちらも、異世界出身の殷雷には馴染みの無い物だった。
シエスタがくすりと笑いつつも教えてくれた。
「こちらはマルトーさんの特製シチュー。こっちはパンです」
匙を手に取り、シチューを口に入れる。
「美味い……」
そう言えば、物を食べるのは何日振りだろう。
宝貝回収の旅の最中は、割りと食事には気を遣っていたが、仙界に戻ってからは何も食べていない。
元々、宝貝である殷雷に食事を摂る必要はないのだが。
言ってみれば、これは一つの趣味である。

――殷雷って、結構道楽な宝貝だよね。

かつての相棒の言葉が殷雷の心をえぐる。
違う。違うぞ。武器の宝貝として、時には人間の振りをしなければならないことがある。
その時、食事の作法が分からないでは話にならないではないか。
現に今も、目の前の料理の名前が分からなかった。
だからこれも、武器の宝貝としての一つの鍛錬なのだ。
……心の中でつい言い訳してしまうのは、やましいことがあるからか。

などと考えていると、マルトーが何かを思い出したように手を打った。
「そうだ! 忘れるところだった! シエスタ、アレを持ってきてくれ」
シエスタは頷くと、大きな酒壜を持ってきた。
マルトーは上機嫌で続けた。
「へっへっへ。昨日、ウチの若い奴らが買ってきたんだがな。これがまた――おっとっと」
酒を壜から透明な湯呑み(グラス、と言うらしい)へと注ぎ、殷雷の前へと差し出す。
「酒は飲める方かい?」
「いくらでもな」
「じゃ、一気に!」
勧められるまま、かすかに燐色の帯びたその液体をあおる。

109 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:44:47 ID:jOq1LX3N
支援

110 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:44:53 ID:jQTndv1O
まさか、この酒は!? 支援

111 :封仙娘娘異世界編 零の雷 10/10:2007/09/22(土) 23:45:26 ID:IbdFid1o
グビリ。

殷雷の動きが止まる。
「どうだ。すげえだろこの酒。いや、俺もついさっき初めて飲んだんだがな。ビックリしたぜ!
 こんなうめえ酒があるなんてよ。今まで俺は何を飲んできたんだって、ちょっと絶望しちまったね」
グラスを持つ手がかすかに震える。
「喉越しの良さに後味の清涼感。それにこのかすかに漂う薔薇の香りが――どうした?」
殷雷の様子がおかしい。
機嫌良く笑っていたはずの表情からは、何も読み取れなくなっていた。
重々しく口を開く。
「これを買ってきたのは、誰だ……?」
「ん? あぁ……あ! そういえばあいつら! 一体何してやがるんだ、急に無断で休みやがって!!
 おかげで今日は忙しすぎて死ぬかと思った!!」
「誰が買ってきたんだ……?」
「いや、ここにはおらんよ。昨日買い出しに行った奴ら、全員無断欠勤しやがったのさ。
 全員だぞ!? 全くよぉ」
「そうか……」
殷雷は一度目を閉じた。

しばしの逡巡の後、目を見開き、厨房中に告げた。
「連帯責任だ。お前ら全員飲め」


――翌日、アルヴィーズの食堂は臨時休業した。

112 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:45:52 ID:mgDt0fjG
支援

113 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:46:03 ID:jOq1LX3N
支援&乙!

114 :零の雷の人:2007/09/22(土) 23:47:14 ID:IbdFid1o
以上です。・・・ああ、疲れた。
戦闘描写は友人にかなり助けてもらいました。

115 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:48:22 ID:Sm9kpPAO
>>114
乙〜

116 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:48:23 ID:wJYaJ442
この酒何なの?

117 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:50:51 ID:fhCis20t
投下乙

・・・まさか休んだ理由って「最悪の二日酔」か?

118 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:51:29 ID:WAu+X7zH
あははは、よりによってあの仙酒ですか。

でも、これがあるってことはあの人も来てるんですよね。
徳利なのに本職並の戦闘力があるあの人が。



119 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:51:45 ID:jQTndv1O
やっぱり、あの酒かぁーw
乙ー!
  九鷲酒っつー仙人の飲む酒。
滅茶苦茶美味いけど二日酔いは避けられないっつーヤツ。

120 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:52:27 ID:RHeEEs0h
GJでしたー。

>>116
天上の美味を味わった翌日に地獄に落ちる酒。
ぶっちゃけると二日酔いが死ぬほどひどい。
すまんが名前が出てこない…

121 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:52:46 ID:mgDt0fjG
>116
確かものすごく美味い酒がでてくる無限にでてくる徳利 
ただし必ず二日酔いになる(宝貝も)が欠陥だったと思う

122 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:55:00 ID:hLpP81Ym
遅レスだが、前スレの夜天ウェールズを見てたら
どうしても言いたくなったセリフがある

 こ ん な 事 も あ ろ う か と 鍛 え 続 け た こ の 体 !

123 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:56:50 ID:9kJaOrtt
ちょwww薔薇の酒ってことはきてんのか!?

解説:薔薇の臭いをする酒=九鷲酒

凄まじく美味いが凄まじい二日酔いに見舞われる。
それこそ、二度とこの酒は飲みたくないとまで思わせるほどの。
ちなみに、この酒は宝貝:九鷲器にしかつくれない。

124 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:57:13 ID:vUsbay64
>>122

感動とか余韻が吹っ飛んだ。
返せこのやろー。

125 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:58:12 ID:ttv4vk2m
>>122
ウルベ少佐、自重して下さい。

126 :零の雷の人:2007/09/22(土) 23:58:21 ID:IbdFid1o
おおっとミステイク。

> で、もう相手は誰じゃ?」

「もう」は余計でした。

127 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/22(土) 23:58:44 ID:V6SjhjbH
リアルでの二日酔いの痛みを思い出してしまったではないか

128 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 00:25:11 ID:+Qb/27OY
>>122
お前、消されるぞ?(東方先生とドモンがこのスレに来ている的に考えて

129 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 00:31:51 ID:mUqZ3V+W
>>128
ああ・・・次はシャッフル同盟拳だ・・・

130 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 00:45:39 ID:nSB3aIFz
誰か字楽先生を召喚する猛者はいないか
かなり扱いにくいか

131 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 00:46:07 ID:Fwhi7gjr
>>129
いや、ここは(スパロボ捏造だが)究極石破天驚拳で一つ。

132 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 00:46:44 ID:G9NM2I9B
なぜラブラブ拳が出ない

133 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 00:47:33 ID:/B3m+Jhe
東方不敗と風雲再起とドモンの師弟による三連発石破天驚拳と申したか

134 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 00:54:31 ID:dHZygbuQ
「職業はガンダールヴとありますが?」
「はい。ガンダールヴです。」
「ガンダールヴとは何のことですか?」
「使い魔です。」
「え、使い魔?」
「はい。使い魔です。武器を取ると覚醒します。」
「・・・で、そのガンダールヴは当社において働くうえで何のメリットがあるとお考えですか?」
「はい。敵が襲って来ても守れます。」
「いや、当社には襲ってくるような輩はいません。それに人に危害を加えるのは犯罪ですよね。」
「でも、ワルドにも勝てますよ。」
「いや、ワルドごときとかね・・・」
「竜の羽衣にも乗れるんですよ。」
「ふざけないでください。それに竜の羽衣って何ですか。だいたい・・・」
「人殺しの道具です。ゼロ戦とも書きます。ゼロ戦というのは・・・」
「聞いてません。帰って下さい。」
「あれあれ?怒らせていいんですか?帰りますよ。日本。」
「……いなくなったらやだ。……なにしてもいいけど、それだけはダメなんだから。」
「運がよかったな。12巻は東方に行かないみたいだ。」
「あんたの忠誠に報いるところが必要ね!めめ、面接官の体、一箇所だけ、好きなとこ、ささ、触ってもいいわ!」

135 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 00:55:27 ID:K72GCMUQ
ラスト3行で盛大に吹いたwwwww

136 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 00:55:47 ID:+Qb/27OY
噴いたw
面接官立場よえぇぇぇぇぇぇw

137 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 00:56:03 ID:8lhulxgf
ちょwwwww

138 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 00:56:44 ID:Lc/Fraf8
>>134
これ、ノボルスレでも見たんだが初出はどこだ?

139 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 00:57:00 ID:/B3m+Jhe
新ジャンル「面接ンデレ」wwwwwww

140 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 01:02:23 ID:FDTXgqSW
DQXをプレイしてたら、モンモンの使い魔の名前を見るたびにキラーマシンの姿が思い浮かんで困る。
・・・いつになったら仲間になってくれるんだよ。

141 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 01:03:06 ID:DvYwxIBD
開拓した!新境地を開拓したっ!>新ジャンル「面接ンデレ」

142 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 01:04:27 ID:5I+NyjuH
>>140
スーファミかリメイクかは知らないがとにかく頑張れ
あれはリアル運と根気だ

143 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 01:04:42 ID:+Qb/27OY
>>140
YOU、召還しちゃいないYO!

144 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 01:05:31 ID:C00elDlT
絶望先生は召喚されてんだよな、ならカフカが召喚されたらどうなる事やら・・・・

145 :DOD&M:2007/09/23(日) 01:06:08 ID:TT73yy/5
投下予約はござろうか?

146 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 01:06:26 ID:mUqZ3V+W
>>143
更に間違えて怪傑ロビンをモンモンが召喚しました

147 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 01:07:07 ID:Lc/Fraf8
>>145
有はせぬ。ゆるりと参られい。

148 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 01:07:36 ID:5I+NyjuH
>>145
道はあいているかと

149 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 01:07:42 ID:PgI6/Mgv
>>140
俺の記憶が正しかったらあっさりと仲間になったはずが





ひとしこのみ?何のことですか?

150 :DOD&M:2007/09/23(日) 01:08:07 ID:TT73yy/5
左様か。では、参ります。


 タルブの南の森から、カイムとキュルケを乗せたアンヘルが、大空へと舞い上がる。
 三人の目に映ったのは、とうとう竜騎兵達によって火がつけられ始めた村の姿だった。
 結局相手はこういう手段に出たか。カイムはチッ、と舌を打ち、アンヘルは鼻を鳴らし、目前に映る竜騎兵達を睨みつける。キュルケの瞳にも隠しきれない怒りが灯った。

「愚物どもが、揃いも揃って我の炎に焼かれたいと見える」

 たった一騎。だが、その一騎が千に値すると知らない竜騎士達は、今まで墜として来たトリステインの竜騎士達の事を思い返しながら、一騎の無謀を鼻で笑う。
 昨日は四騎程が正体不明の敵にやられているが、それは恐らく何か卑怯な手を使われただけだ。残る騎士達はそう思っていた。
 天下無双と謳われるこの我々が、十六騎を擁して真正面から押し砕けぬ相手などいる筈が無いのだ、と。

「馬鹿め」

 先行してきた二騎を前に、今度はアンヘルが鼻で笑った。
 キュルケはアルビオンの竜騎士隊の定評を耳にしているが、今のアンヘルと同様、絶対の自信に満ち溢れた表情でそれを見る。
 あたしの使い魔の実力を見て、吠え面かきなさい。その目がそう語っていた。
 二対の火竜のブレスが、同時にアンヘルを襲う。
 しかし、そのブレスがアンヘルの身体に届く事は無かった。
 大きく羽ばたき、高速で真横にスライドする等、竜騎士からすればあり得ぬ動きである。その素早さ、挙動の異常さは彼らの常識には当てはまらない。
 必殺を期したブレスをかわされ、動揺を走らせる彼らに、今度はアンヘルのブレスが吐きかけられた。
 十数もの小型の火炎弾が、自らの意志を持ったかの様に竜騎士を襲う。
 必死に飛び回り、逃げ惑う者達をあざ笑うかの如く、追尾する火炎弾が一つ残らず着弾し、彼らの身体を焼き尽くした。断末魔すら上げる事無く絶命した二騎が、地上に堕ちて行く。
 十六騎の内、二騎。数だけ見ればそう大きな戦果ではない。
 しかし、アンヘルの戦闘力を見せ付けるには充分な演出であった。
 四方八方に展開する竜騎士達の様子を見るに、それは明らかだ。

「随分と警戒し始めたみたいね」
「そうでなくてはつまらぬわ」

 四方八方に散らばっていた竜騎士達が、陣を築いてこちらを窺っている。
 現状、取り囲まれた状態であるが、カイムやキュルケは一切の危機感を感じていなかった。
 アンヘルに向ける絶対的な信頼がそこにある。

151 :DOD&M:2007/09/23(日) 01:09:33 ID:TT73yy/5
「だが……」

 アンヘルは呟き、周りの状況を眺めた。
 戦争の爪跡がいくらか見受けられるタルブの村。放っておけばその被害は拡大する事であろう。出来るだけ短時間での決着を試みるべきだ。
 小蝿どもとの追いかけっこをしている暇は無い。

「遊びは終わりだ」

 上方に見える陣の隙間を向き、アンヘルは凄まじい勢いで上昇し始めた。
 通常であれば、逃げの一手と誰もが思うだろう。勢い付いて飛ぶアンヘルを、十四騎が追う。
 そこで、アンヘルと他の火竜達とのスピードの差が歴然となった。
 追いすがって来る竜達を難なく振り切り、村の建物さえ豆粒程に見える上空まで到達した時、アンヘルは地上方面から向かってくる一団を眺めて口を開いた。

「我が炎の極致、目に焼き付けて地獄へと堕ちるがよい」

 言葉の後放たれたのは、真紅に彩られた幾条ものライン。一本一本にドラゴンが持つ魔力を惜しみなく注ぎ込んだ、灼熱の業火である。
 その威力たるや、先ほどのブレスの比ではない。
 大魔法と称されるそれは、アンヘルの持ち得る最高の攻撃手段だった。
 猛烈な唸りを上げた紅蓮が縦横無尽に駆け巡り、竜騎士達を蹂躪していく。
 その様を眺めながら、キュルケがぽつりと漏らした。

「これが先住魔法?」
「おぬしらで言う所のそれで認識は合っておる」
「たった一発で……」
「そう何度も使える代物ではないのだがな」

 キュルケはここに至り、自分がアンヘルに持っていた実力の認識が、過小評価であったと認めざるを得なかった。
 根本的にスペックが違いすぎる。自身は種として絶対的優位に立っていると、以前話したアンヘルの言葉が脳内をリフレインする。
 くっ、と笑い、アンヘルが地上を見下ろした時、丁度十四騎目が原型を留めぬ消し炭となって地に落ちていくところだった。

152 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 01:10:47 ID:GwympvlJ
支援

153 :DOD&M:2007/09/23(日) 01:10:51 ID:TT73yy/5
「ぼやぼやしている暇は無いな」
「…………」

 遠い空の向こう、丁度戦艦がラ・ロシェールの方角へと砲撃を行っているのが見える。その数は多い。流石にあそこに単騎で突入するのは骨が折れるだろう。
 それに、

「……先ほどからレグナめ、声を飛ばして来ておる」
「レグナって、あの黒い竜……」
「…………ッ」

 その名を聞いた途端、カイムは音を立てて歯を噛んだ。

「落ち着け、カイム。どうやら奴等も決着を望んでおるらしい。ある意味艦隊以上の脅威だ。早急に叩く必要があろう」

 アンヘルと互角以上の戦いを為した、ブラックドラゴン。それが何よりの脅威だと、キュルケも理解している。
 気になるのは、この敵地のど真ん中で、果たしてあれを相手取る事が出来るのだろうか? その一点に尽きた。
 こうなる事は分かっていた筈なのに。覚悟は決めた筈なのに。
 やはり土壇場となると、心配が先立つ。

「案ずるな、キュルケ」
「え?」

 そんなキュルケの心の機微を、アンヘルは即座に見抜いていた。
 そう長くは無い時だが、心を通わせた仲だ。彼女の人となりは充分すぎる程に理解している。
 キュルケにかける言葉は、一つしかなかった。

「我とカイムは、おぬしの使い魔ぞ?」

154 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 01:11:09 ID:PgI6/Mgv
支援

155 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 01:11:19 ID:5I+NyjuH
あの自動追尾火炎弾はホントどういう仕組みなのやら支援

156 :DOD&M:2007/09/23(日) 01:12:08 ID:TT73yy/5
相も変わらず短き上に拙き業前、失礼仕った。
以上にござる。

あじゃじゃしたー。

157 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 01:12:17 ID:vPE/ULsL
二次創作追い出されるんだってよ
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1100803397/

158 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 01:14:39 ID:FDTXgqSW
爪切ってたら投下が終わってたぜ。
乙。

159 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 01:17:09 ID:npiQH2C9
あじゅじゅしたー

160 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 01:19:58 ID:Lc/Fraf8
今宵も楽しませて頂き申した。あじゃじゃしたー。

161 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 01:26:47 ID:dXXgwr/Q
アンヘルの火炎の仕組みは摩訶不思議。
乙&あじゅじゅ

162 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 01:30:42 ID:3T0neY1k
>>156

攻撃のバリエーションならレグナが有利だが
さてどうなるものか

163 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 01:32:06 ID:rJgfOXqv
あじゅじゅー、それと買い逃していた念願のDODを遂にゲット!……2だけどなw

164 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 01:46:24 ID:5I+NyjuH
ふと気になってWikipediaでDODを見てみた
なにこの欝まっしぐら
畜生みなきゃ良かった(まだプレイ途中)

165 :BLAME ! の霧亥が召喚されたら?  Log_02:2007/09/23(日) 01:51:24 ID:M9hwE9SB
今から、また2レスほど投下させていただきます。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

何時間か経過して外が薄っすらと光っていることに気づいた霧亥はそのまま起きて外に向かう。
洗濯をする場所を求めて1時間ほどさ迷い続けた結果、川と呼ばれた場所に向かい、手で洗うことになった。
シエスタと名乗るメイドと偶然出会い、そのまま案内してもらったのだ。

「噂には聞いています。平民の使い魔なんて聞いた事が無いって…あの、顔色が悪いですよ」
「元々だ」
「そっ、そうでしたか。失礼しました!  ………あ、あの」
「?」
「そんなに強く洗うと破けちゃ…」

ビリ、という嫌な音が聞こえる。

「……。」
「……後はやっておきますか?」
「……頼む」

こうして霧亥は下着と朝食を失う代わりに、協力者を一人得ることに成功した。


周囲の建材や人々をスキャニングをして、彼はここが全く異なる世界であることを認識していた。
ここは多くの有機物で溢れていた。まるで丁寧にデバッグしたプログラムのようだと霧亥は思った。
重金属や合金、合成製品の類は極めて微量であるか、全く存在していなかった。
太古の昔、超構造体が設計されるより、ネットワークが存在するよりも前の時代がこの風景だった。

ハルケギニア。素晴らしき有機物の楽園。珪素生物たちの言うカオスとは異なる、真の混沌の満ち溢れる世界。
光は程よく減衰して適切な温度を提供していた。強固な外装やシェルターのような設備など、ここには不要なのだ。
霧亥は自分が死者の国にいるか、あるいは自分の意識だけがシミュレータの中で動いているような錯覚を覚えた。
もちろんそんなことは無い、ということを彼の有機デバイスの方が教えてくれる。

自分はスタンドアローンである。その事実が自分自身に対する論理的な矛盾の解消を可能にしていた。
サナカンにより登録を抹消された時よりも前から、ずっとそれは変わることは無かった。
彼は人間と呼ぶには多くの部分で異なっている。だが、機械と呼ぶには余りにも人間的だった。
それが幸運なのか不運なのかは人によって判断が分かれる部分だろうが、とりあえず霧亥にとっては幸運なのかもしれない。

166 :BLAME ! の霧亥が召喚されたら?  Log_02:2007/09/23(日) 01:52:25 ID:M9hwE9SB
部屋に戻るとルイズはまだ寝ていた。放っておくのも問題だというのは想像することができる。
それに新しい情報が必要であった。ネットワークが滅んだ環境で活きてくるのは、原始的な方法である。
そういう点で不都合を出さないことが彼の長期間の、それなりに安定している探索を可能としていた。
霧亥はルイズを起こそうとしてみた。

体をゆすってみる。起きない。
声をかけてみる。返事はあるが、起きない。
両方同時に試みてみる。起きた。

「何…誰あんた」
「霧亥」
「使い魔…そっか、昨日召喚したんだっけ…」

もぞもぞと起き上がってくると、欠伸をして、ぶっきらぼうにこう言い放つ。

「服」
無言で近くにある洋服を手渡す。
「下着」
「どこだ」
「そこのクローゼットの一番下に入ってるわ」
確かに昨夜見た下着と同型のものが入っている。霧亥はそれを取り出すと、ルイズに手渡した。
「服」
違うのか、と尋ねると、どうやら着せて欲しいようだった。
「自分では装着できないタイプなのか?」
確かにナノスキンスーツのような形式のものは特殊な設備が必要だった筈だ、などと見当違いの解釈をする霧亥。
「時々変な言い回しを使うわね。そっか…異世界人だったっけ…。もう少し言葉を覚えた方がいいわよ。
 ……私が言いたいのはね?霧亥。着せてくれる人がいるなら、わざわざ自分から着ないということ」

霧亥は頷いた。滅多に無いことだが、大規模な人間の集落で特定の人間に対してそういう事をさせる場合がある。
あまりいい気分では無かったが別に断る理由もないので、さっさと着せておくことにした。

部屋を出ると別の女と鉢合わせした。女性はキュルケと名乗り、何やらルイズとしゃべっている。
霧亥は名前を一言告げると背後の有機生命体に気づいた。どういう原理か、尻尾が燃えている。

「どうやって燃焼させているんだ?」
「知らないわよ、そんなの」

その後、キュルケと名乗る少女が食堂へ向かい、自分たちも続くことになった。
食堂は広大なもので、これほどの人数を収容するほどの集落を、霧亥はあまり見たことが無かった。
設備が残っていても肝心の人間が死滅しているケースは何度かあったが、両立しているのは稀だ。

「貴方の食事はそれよ」指差す先にあるのはスープとパン。
「少ないな」
「貰えるだけありがたく思いなさい」
「そこにあるのは食べられないのか」

霧亥は人間の食物や珪素生物のグリス、他には電力等のエネルギーを動力とすることができる。
効率では断然後者だが前者でも最低限の活動は可能であり、制御可能な範囲ではあるが食欲というのもある。
エネルギーが無いのに動ける訳は無いのだから、それを求めるのは当然の事だった。
最も、その「動ける」時間は人間よりも遥かに長いのだが。

食事が終わると彼女たちは再び移動を開始した。聞けば授業だと言う。
『学校は戦場だ』

「…?」

霧亥は何故かそんなフレーズを意識していた。


167 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 01:53:03 ID:dNY/yJJq
しえん

168 :BLAME ! の霧亥が召喚されたら?  Log_02:2007/09/23(日) 01:53:27 ID:M9hwE9SB
以上です。今夜も力作ぞろいで楽しく読ませていただいております。
お疲れ様でした。

169 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 01:53:37 ID:hD2RK/BV
パープル・ヘイズ

170 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 01:56:51 ID:5I+NyjuH
グリスだという噂もあるがやっぱりあのシャキサクは食べてみたいGJ!
確かにハルケギニアなのになんだか別の世界観に放り込まれた気分だ

171 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 02:14:09 ID:VOqcrKSZ
まとめwikiにある 薔薇乙女も使い魔 1
途中がダブってる気が

172 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 02:19:43 ID:ZfENjoK2
『BLAME!』を読んでると、
何故か昔衛星アニメ放送で流されてた『スパイラル・ゾーン』を思い出す。

コスモス パルス ゾンダー アレッツレッツレ〜♪

173 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 02:20:28 ID:Lc/Fraf8
>>171
その手の事は避難所のまとめwiki更新スレに報告していただくと有難い。

174 :Black Coat Mahora ◆jqB.C.MTuw :2007/09/23(日) 02:35:10 ID:jJ/QTwnK
>>169
 あ…スイッチが入りそう…

175 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 02:42:38 ID:e4ToTdy3
カチッ

176 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 02:46:52 ID:mJ74aWPA
一歩進んで前ならえ〜

177 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 03:05:43 ID:WTso3Yzt
遅くなったがDODの人乙!
アンヘルがこの世界でも強いとわかってすげー満足。
キュルケやカイムの活躍にも期待してます!

178 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 03:32:25 ID:HQyr5FVm
ルイズが小須田部長を召喚したら……という妄想。

誰か書いて下さい

179 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 03:54:21 ID:PgI6/Mgv
>>178
自分で書け

180 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 04:00:36 ID:NiDhkvUA
>>178
このスレには言い出しっぺの法則というものがry

181 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 04:30:18 ID:dXXgwr/Q
>>178
このスレで誰かに書いてと頼んで書いてもらえたケースを俺は知らない。

182 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 04:51:13 ID:eT37H6kh
そういえば、DXやSWからは召還されてるのにまだNWからは誰も召還されてないなあ…

183 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 04:56:46 ID:NiDhkvUA
>>182
第一話だけ投下された気がする、下がる男が。
ヤツは自分を不幸だと思ってないぞとを突っ込まれて以来続きは来てないな。

184 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 06:08:55 ID:sb1lCqSi
sage

185 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 06:12:38 ID:I/yKSRgi
wikiにストラウスのやつがアップされてたが、なんかストラウスらしく無いな

186 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 06:24:34 ID:poj7ub+9
っていうか、リクエストは禁止にしない?
ウザ過ぎる。

187 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 06:37:20 ID:nSB3aIFz
>>186
避難所で言ってくれ

188 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 06:38:43 ID:DpIRcWU3
そもそもストラウスのやつはどこに投下されたんじゃいと。

189 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 07:01:47 ID:g3cdpP4p
>>187
その手の奴は避難所なんて見ない

190 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 07:10:19 ID:qABXyHdm
どうでも良いが

>186
>187
>189

俺も含めて噛みついてる時点で同類だ。おとなしく一緒に毒吐きなり議論運営なりに行こう
本スレでやるな

191 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 07:14:13 ID:IgzmKEdE
これまでのスレみてれば分かるものなのにねぇ……

新規さんたちもおとなしくロムってればいいのに

192 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 07:50:08 ID:iNHq8laK
>178
まぁ、まずは探してみることですよ、希望の作品、ひょっとしたらあるかもしれない
小須田部長に関して、言いだしっぺは自分なんだな、
「がんばれぇ〜、まけんなぁ〜、ちぃ〜からのぉ〜かぎりぃ、いきてぇ〜やれぇ〜」

193 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 09:12:38 ID:4PELJjWu
小ネタ投下します

194 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 09:13:08 ID:t3DfZqyI
こい

195 :小ネタ1/2:2007/09/23(日) 09:14:05 ID:4PELJjWu
 ヒーローイズデッド。
 有名な言葉のもじりじゃない、ただの事実だ。
 ヒーローは死んだ。それもヒーローらしからぬ死だ。
 元お仲間から必殺技を食らって、爆発四散。
 いつも怪人相手にやってたことだ。これも因果応報って言うのかね?
 手足はバラバラ、首もどこかに飛んでいっちまった。
 仕方ない。いくらヒーローだろうと死んじまったら蘇れない。
 当然だ、当たり前のことだろう。
 
 だが、おっと待った。
 当たり前のことがいつだって当たり前とは限らない。
 ヒーローは蘇った!
 ヒーローイズリビングデッド!
 ヒーローを救ったのは二人の少年少女!
 
 ……だが別段奇跡ってわけじゃない。
 
 なんと二人はキョンシーで、更にネクロマンサーだった。
 ヒーローは、ヒーロー気取りの馬鹿はリビングデッドになって蘇った。
 ヒーローの名前?
 よく聞いてくれた!
 
 ヒーローの、そして俺の名前は柏木クロス!
 ……本名だ。
 だが俺はこんな名前をつけた両親を恨んじゃいない。
 正義の味方にはぴったりな名前だ。
 俺は正義を世界中に知らしめる拍子木なのだ。
 具体的には十字架を二つカンカンとぶつけている感じで。
 そしてそう、俺の正義は世界を覆い世界中の子供達を救うのだ!
 西に泣いている子供がいれば駆けつけて笑顔を教えよう。
 東に死にそうな子供がいれば何とか助けてやろう。
 俺は正義の味方、つまり子供の味方ってことだ。
 ひとりぼっちの撃滅戦隊ジェノサイダーだが、そんなことは気にするな。
 死んだヒーローだって蘇るような世の中だ、きっと何とかなる。
 だから俺はこの世界に召喚されたって、召喚した奴がまだ子供だから助けてやることにした。
 何にしたって少し前までネクロマンサーの二人にこき使われてたんだ、たいして変わりやしない。
 そもそも子供を泣かすような奴は最低だ。ぶん殴って良い。
 もし俺が泣かしたら? ――それはそのとき考えるさ。

 そう、だから俺は使い魔って奴をやることにした。
 だからほら、これだけ健気な俺をもうちょっと丁重な扱いをしてくれてもいいんじゃないだろうか。
「ねえ、一つ聞いておくわ」
 何かな? 望まれるなら何でも応えるぜ。
「召喚した子供って、誰?」
 おいおいそんな怖い顔してどうしたんだ。そんなのルイズちゃんに決まってるだぼへぅ。
「誰が子供よ誰が! わたしは16歳よ!」
 え、てっきりまだ12歳くらいかぐひぇ……と思ったんだけど。
 あ、ちなみに死体なんでいくら殴られても痛くありません。
「ああもう腹立つわね! なんでわたしの使い魔がこんな変な妄想狂なのよ! その変な服脱ぎなさいよ!」
 ダメダメダメちょ、あんまり人に見せるようなものじゃないから、怪我とか。
 引っ張ったら脱げるからやめ……あ、脱げた。
 あ、泣かないでくれ、ほら。
 俺のせいで泣かれたら、どうしたらいいか分からない。


196 :小ネタ2/2:2007/09/23(日) 09:16:03 ID:4PELJjWu
 変身ヒーロー+ゾンビ+異世界召喚
 『ゼロの使い魔の真っ赤な死』


「――やれやれ。噂通りタフさだけは一人前らしいな」
 真っ赤な何かが俺の目の前に転がっていてその幹みたいなのから五本細い何かが伸びてて千切られたような断面からは白い何かが見えてて畜生コレ俺の腕じゃないか!
 痛みはない。痛みはないのにどこか灼熱感が俺の頭を撃ち抜いた。
 目の前で俺を嗤うワルドさん。畜生何がどうなってるんだ。ワルドさんはトリステインの貴族で騎士団長でヒーローじゃなかったのかよ!
 何でそれが。何でそれが!
 ――婚約者の目の前で、人殺しなんかしてやがる!
 俺の後ろで小さく肩を振るわせるルイズちゃん。当然だ。こんな子に理解できるわけないいや俺も理解できてない。
「聞かせてくれないか、使い魔君。君を殺すにはどれくらい細切れにすればいいのかな?」
 余裕の笑みを浮かべて気の利いたことを言ったつもりになってやがる。ああ畜生さん付けはもう止めだ。
 だが、俺にはアイツに立ち向かう武器なんてない。さっき見せられた、なんだ。風の何かは触れただけでミキサーみたいに俺をズタボロにする。
 ツギハギだらけなのが災いしたってわけだ。継ぎ目から引きちぎられてしまう。
 けど死体なのが幸いだ。痛みを感じていたら今頃ショック死しててもおかしくない。ああ、身体がバラバラにされるのはこいつで二回目だろうか。
 一回目は博士に裏切られて、二回目も裏切りだ。よっぽど俺の運命は裏切りに巻き込まれやすいのかもしれない。
 ああ、だけど。だけどな。
 ルイズちゃんを裏切るんじゃねぇこのクソ野郎!
 残った左腕で拳を作る。
 アイツはルイズちゃんを、子供を裏切りやがった。ヒーローだったのに、憧れてもらえる人間だったのに。
 気に入らない。勝手な理想だ? 信じた方が馬鹿だって?
 馬鹿野郎! 子供が理想を抱くなら、それに応えてやるのが大人だろうが!
 大馬鹿野郎! 信じられといて裏切る奴が大馬鹿だ!
 裏切られたのが俺だけなら構わないさ。ああ構わない。
 だから、俺はワルドをぶん殴る。ああ、その先にもう一度俺が死のうとしったことか。
 ――勝ち目がない、なんて。そんなくだらないことで引き下がるわけにはいかない!
「まだ刃向かうつもりか。そんな身体で何ができると言うんだい」
 せせら笑うワルド。そんなことは誰より俺が一番分かってる。何ができて、何ができないか、なんて。
 背中でルイズちゃんの逃げろって声が聞こえても、悪い。今回だけは言うことを聞くわけにはいかない。
 なんてったって。
 俺は。
「俺は、正義のヒーロー/こどものみかた/なんだぜ――!」


元ネタ:世界の中心、針山さん 2 柏木クロスの真っ赤な死より、柏木十字架

197 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 10:10:14 ID:C00elDlT
GJ
望んで使い魔になるのは珍しい
ゾンビと聞いて不死身探偵オルロックとか召喚されたらどうなるか、とか考えちまった。

198 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 10:14:50 ID:sOzoU5SE
GJ!
しかし随分とまぁ渋いキャラを……。

199 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 10:18:43 ID:BSUzFDMZ
ゾンビと言えば「MARVEL ZOMBIES」。

200 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 10:18:45 ID:tkRnkdJY
>>197
ついでに節分の鬼も召喚しようぜ

201 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 10:25:16 ID:4PELJjWu
あ……ミスを発見です。

裏切られたのが俺だけなら構わないさ。ああ構わない。

の次の行に

けど、ワルドが裏切ったのは俺だけじゃない。ルイズちゃんを、誰よりもワルドを信じてたはずのルイズちゃんを裏切った。

を入れてください。
何でこんなミスしてるんだろ……。

202 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 10:41:57 ID:9qB7z364
不死身探偵オルロックかよ……

西博士に匹敵する頭痛をかかえそうだな。主に筆者が

203 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 10:44:22 ID:djx+PH7Y
>>179->>191


☆てめーらいいかげんにスルーを覚えましょう☆


そしてスルーできてない俺を無視できればLv1はクリアだ

204 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 10:58:56 ID:hD2RK/BV
まとめでチェックしたらすでに3作品も既出で、そのうちのひとつはまだ続くかもしれないというのに・・・
カミナ召喚書きTEEEEEEEEEE!!! やばい俺まだ泣いてる!!!!!

205 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 11:02:41 ID:FBsy2Emm
>>196


それにしても日曜なのに投下が少ないと思っているのは自分だけか?
連休だから仕方ないといえば仕方ないか

206 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 11:08:20 ID:WuBUAUmo
>>205
みんな今書いてんのサ。
俺もな……

207 :使い魔定光:2007/09/23(日) 11:28:32 ID:kPBqO4bi
誰もいないが投下しちゃうぜ

30分に投下するよ

208 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 11:29:47 ID:GwympvlJ
OK

支援はいつでも可能だぜ

209 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 11:30:33 ID:djx+PH7Y
投下ペースはコレぐらいが楽でいい。普段が密度高すぎて麻痺してるな・・・

定光支援!

210 :使い魔定光:2007/09/23(日) 11:31:08 ID:kPBqO4bi
では3話後編

「…いったい、何の騒ぎなのよこれは?」
「……」

ぽつりと呟かれた、そのキュリケの疑問はもっともだった。
タバサと二人して食堂に出向こうかとしたちょうどその時
食堂へと続く廊下から、人の波がワッと押し寄せてきたのだ。
見ると誰も彼も血相を変え、中には怪我をしているものもいるではないか。

「ねぇ、タバサ?あなた人の話聞いてる?」

ため息をつきつつ、隣のタバサに目をやると、彼女は窓から空を食い入るように見つめていた。
キュリケは自身も窓から身を乗り出し、その視線の先を追う。

「なぁに? あ…なんだか一雨きそうねぇ。朝はあんなに晴れてたのに」
「……」

午前中とは打って変わって、太陽はその姿を隠し、灰色の雲が空を覆い始めていた。
そこにいるもの全員、その分厚い雲の上でいったいなにが起こっているのか、知る由もないままに。


「死ねやこらぁぁぁぁぁぁ!!」

凄まじいスピードで回転する円盤が、縦横無尽に空を切り裂く。
周りにあった柱やオブジェは次々と切り落とされた。
切り口は非常に鋭く。人間が切り裂かれてはひとたまりもないだろう。

『ルイズ!ここでの戦闘は―――!』
「なに?!よく聞こえないっ!」

屋外へと吹き飛ばされた角鍔は、幸運なことにルイズをその標的に変えていた。
これで、とりあえずは他の人間にに危険が及ぶことはない。
ポンコツはすでになくなった胸を撫で下ろした。
完全に頭に血が上った角鍔の猛攻をすさまじく、奇声を上げながら回転ノコギリ上に身体を変化させ、物理保護で守られたルイズの身体を切り裂こうと必死だ。
角鍔の攻撃に聞き心地の悪い音を立てる自分の身を守る透明の壁を見て、ルイズはそれが破られるのではないかと気が気ではなかった。


211 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 11:32:04 ID:GwympvlJ
支援

212 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 11:32:10 ID:p7h0WidV
sien

213 :使い魔定光:2007/09/23(日) 11:32:14 ID:kPBqO4bi
『ここでは遮蔽物が多すぎる!ヤツを回収するには平地が望ましいんだ!』
「へ、平地たって…!」

自分の周りを威嚇するように円を描きながら低空飛行する角鍔。
見失ったと思うと、後方からの一撃。それが先ほどから何度も続いていた。
ここには、こぶし大の角鍔が身を隠すには充分すぎるほどのオブジェや建物が多数ある。
地の利を得なければ勝機はない。ポンコツはそう言っているのだ。
遮蔽物の少ない、平らな場所…

「そうだ!ヴェストリの広場!」
『わかった!そこに急行しよう!案内を頼む!』

そうポンコツが言うや否や、ルイズの身体がフワリと宙に浮かんだ。
ポンコツの内部に入りきらなかった彼女の桃色がかったブロンドの髪が宙に舞った。
自分の身体が宙に浮く、そんな初めての感覚にルイズは気が動転し、じたばたともがく。

「ちょ!ちょっと!ポンコツ!」
『重力制御だ。君達にとってはありふれた技術だろう?』
「わ、わるかったわね!私はどうせゼロの――――って、落ちる!落ちるー!!」
『あまり暴れると本当に落ちるぞ』

暗に魔法が使えないことを指摘されたように感じたルイズは少し不機嫌になるが
そんな彼女の事情などお構いなしに、どんどん高度を上げるポンコツ。
気がつけば、4階建ての建物ほどの高さにまで彼女の身体は上昇していた。

「まちやがれこらぁぁぁ!!」

逃げられたと勘違いした角鍔はさらにヒートアップし、その後を円盤状の身体を高速回転させ猛スピードで追いかける。

『よし、ついて来ているな。ルイズ、そのヴェストリの広場はどこに?』
「そ、そこを左に…いだぁっ!!」

ルイズが急に素っ頓狂な声を上げる。
地上15メイルほどを飛行していたポンコツがルイズの指示に従い方向を変えたはいいが、左側に急に身体を引っ張られたルイズは、校舎の壁に豪快に頭をぶつけてしまったのだ。
衝突された校舎は外壁がぽっかり削られ、痛々しい。

『すまない。やはり飛行すると物理保護系統に異常が起きるようだ。今から調整する』
「うぐっ…先に言ってよ…」
『では、少々急ぐぞ!』
『へっ?き、きゃあああああああああああああ!!』

そんなルイズの抗議などお構いなしに、ポンコツは急速にスピードを上げた。
彼女の悲鳴と角鍔の奇声だけが、けたたましく響いていた。


214 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 11:32:43 ID:GwympvlJ
支援

215 :使い魔定光:2007/09/23(日) 11:34:06 ID:kPBqO4bi
「オールド・オスマン!」

勢いよく学院長室の扉を開き、興奮気味に駆け寄ってくるコルベールは普段の彼を知る者にとって信じられないほど取り乱している様子であった。
それだけ今起こっている事態が深刻であるということを物語っている。

「わかっとるよ、ミスタ・コルベール。で、怪我をした生徒達は無事なのかの?」
「はい、それは大丈夫です。全員傷はそれほど深くなく、急所も外れているそうです
しかし…これは私でもどうにも…オールド・オスマン!」

悲痛の表情で訴えるコルベールに、みなまで言うなとばかり手を上げ、コルベールを抑えたオスマンは、手元の「遠見の鏡」を指差す。
そこには現在ヴェストリの広場で繰り広げられる戦いが映し出されていた。

「ふむ…ミス・ヴァリエールの使い魔騒ぎ…そして、今回のこの騒動…」

今までの出来事を反芻するかのように呟く、オールド・オスマン。
コルベールは「遠見の鏡」を食い入るように見つめており、その呟きは彼の耳には届かなかった。

「雲行きが怪しくなってきたのぉ…」


それなりに人の影があった昼下がりのヴェストリの広場は、ルイズ達の突然の来襲によって、今は閑散としていた。
中には勇敢にも角鍔に杖を向ける者もいたが、そのほとんどは角鍔の小さな身体と、俊敏な軌道によって防がれた。
あやまってルイズも攻撃されたりしたのだが、ここでは割愛しよう。

『君達の攻撃は流刑体に対しては牽制程度にしかならないのかもしれないな』
「なに落ち着いちゃってんのよ!それよりっ!!」

「死ねこら!死ねこら!死ねこら!」

火柱のような波状の剣に変化した角鍔は、フェンシングよろしくルイズ目掛けて衝きを連発して繰り出す。
その姿は俗に言うフランベルジュに酷似しており、あれで傷を付けられれば業火で焼かれるほどの痛みであろうということは容易に想像がついた。
一突きされれば一巻の終わりだ。

『とにかく奴の動きを止めなければ回収は難しい!』
「止めるって、どうやってよ!?」
『水だ!』

その特異な変身能力を持つ角鍔は、身体組織の組成を瞬時に入れ替えることにより
様々な形態に変形する。
だが、その能力が逆に仇ともなっていた。
角鍔の脆弱な細胞は普段は特殊な磁場で守られ、物体を破壊する際にも使われているが、水だけは簡単にその磁場を浸透する。
角鍔にとって水は強酸と同義なのだ。


216 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 11:35:19 ID:GwympvlJ
支援

217 :使い魔定光:2007/09/23(日) 11:35:48 ID:kPBqO4bi
「だったら、広場の奥に噴水があるわ!」
『そこで勝負をかける!』

ルイズはきびすを返しダッと走り出す。
助走をつけたまま身体は宙に浮かび、地面スレスレを飛行する。
それを追撃する角鍔。
スピードを上げるポンコツ。
ポンコツは自身が今出せる限界の速度をキープしつつ、突進するように広場の奥へと進んだ。

「ちょ!ちょっと!ポンコツ!なにする気?!このままじゃ、ぶつか――――!」
『噴水が見えた!緊急回避!』

噴水まで既に目と鼻の先程だ。そのままぶつかる気なのかとルイズは焦ってしまう。
だが、これはポンコツの算段どおりだった。
ルイズ、角鍔、そのふたつが噴水を基準に直線に並ぶ瞬間。このタイミングをポンコツは待っていた。
緊急回避。つまり短距離での瞬間的な空間移動。これを利用し、角鍔を噴水に突っ込ませ
弱ったところを回収する。
シンプルながらも、今打てる一番効果的な作戦だった。
ポンコツの作戦は成功するかに見えた…

「わっぶ!」

初めて体験する緊急回避にルイズはバランスを崩し地面に叩きつけられてしまった。
続けて、噴水の断末魔。角鍔が追突した衝撃だろう。

『なに?!』

なんと、まるで空間そのものからせき止められたかのように、角鍔は噴水の直前で静止していた。
直前で止まったとはいえ、その衝撃波は凄まじく、噴水はズタズタに切り裂かれ、水が反対方向に鮮血のように飛び散った。
角鍔は下衆な笑い声を上げ、おかしくてたまらないといった様子で大笑いする

「でひゃひゃひゃひゃひゃ!一時停止は俺様の専売特許よぉ!残念だったなぁ!」
『おのれ…!』

決め手の策も封じられ、ポンコツは焦りを感じた。
最後の命綱は物理保護だけ、だがそれも機能不全が多い今の自分はいったいいつまでもせられるだろうか。
このまま泥沼の戦いを続ければ、ルイズの身体に深刻なダメージを与えるのは明らかだ。

「さぁーて、たっぷり殺し合おうぜぇ…!」
『くっ…!物理保護最大値!』

ポンコツはあわてて緊急回避モードを切り、物理保護を展開しようと試みるが
非情なことにそれは叶わなかった。

『!? 物理保護が?!』

重力制御、そして緊急回避と、立て続けの過負荷が原因だろう、物理保護は展開しなかったのである。
さすがに学習したのか、物理保護を警戒して先程までにらみ合いを続けていた両者のパワーバランスが今、崩れた。


218 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 11:36:42 ID:GwympvlJ
支援

219 :使い魔定光:2007/09/23(日) 11:37:43 ID:kPBqO4bi
「その壁も限界みてぇだな…!死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
『くっ!ルイズ!』
「……」

緊急回避も叶わない今、ルイズ自身でそれを避けるしかないのだが、彼女は恐怖からか先程から虚ろな様子でただ空を見つめているだけだ。
迫る角鍔。
万事休すか―――

その時
ふいにジュ…っと、音がした
ポツリ、ポツリと空から水滴が角鍔めがけて滴り落ち、瞬間細い煙とともにジュっと音を立てているのだ。
そうしているうちに音は間を置かず、ジュジュっと立て続けに聞こえるようになる。
鼻につく、不快な臭いがあたりに立ちこめた。

「がぎぃややややややぁぁぁぁぁぁあああああああああああ!!」

周囲一帯まで響き渡るような絹を何回裂いても出ないであろう大絶叫が上がった。

『これは…!』
「雨…そうよ雨よ!」

ルイズはなにやら意味のわからない台詞を口にした。
だが、それも無理もない。
これはどこをどうみても完璧、どこへ出しても恥ずかしくないほどの雨だったのだから。
それも桶をひっくり返したかのようなどしゃ降り。空全体が大号泣しているかのような大雨なのだ。
角鍔にとってこれはたまらない。
全身に絶え間なく硫酸を浴びせかけられるようなものだ。
形容のしがたい絶叫を上げ続ける角鍔の形状は、もはやフランベルジュや槍などとは程遠く、絵の具をキャンパスに吹き付けたような、はたまた東国でよく食されているというウニのそれのような、いびつな形になりつつもがき苦しんだ。

『今だ!アクティヴデバイスを射出する!ルイズ、ヤツに手のひらを向けるんだ!』
「こ、こう!?」

ルイズは左手を挙げ、目の前で静止したまま、もがき続けている角鍔に狙いを定めた。
間髪いれずに、その手のひらからルイズの身長ほどの大きさの球体が撃ちだされる。
その瞬間、手のひらに刻まれたルーンが一瞬、光り輝いたように見えたのはルイズの気のせいだろうか。

球体はまるであたりの風景をぐにゃりと捻じ曲げるかのように膨張したかと思うと
その中心にもがく角鍔を取り込み、あたりの地面を抉り取るように引っ張り上げた。
さらに今度は一気にビー玉程度の大きさにまで縮小し、とてつもない速さで上空めがけて飛んでいき、雨雲を突き破りその姿は見えなくなった。

その光景を、巻き上げられた土砂越しにルイズはあっけにとられたように見ていた。


『アクティヴデバイス。取り込まれた流刑体は高重力によって圧縮される。内部では時間の流れさえほぼ停止状態だ』
「…」
『こうして流刑体は宇宙へと放出される …永久にね』
「……」
『「流刑体・角鍔」回収完了だ。やったなルイズ!』

戦い終わってホッとしたのか、ポンコツは普段より上ずった口調で語る
が、今のルイズにとってそのような理屈はどうでもよかった。


220 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 11:37:52 ID:GwympvlJ
支援

221 :使い魔定光:2007/09/23(日) 11:39:22 ID:kPBqO4bi
『後はここから掘り出されるのを待つばかりだ』
「………」

角鍔とともに巻き上げられた土砂や噴水の残骸などは、まぁ、当然のことだが重力に従い
そのすべてがルイズめがけて振ってきた。
必然的にルイズは土砂と石膏で生き埋めになり、なんとも滑稽な状態だった。
おまけにまわりはどしゃ降りの雨。
土は泥となり、ルイズの制服をこれ以上ないほどに汚していた。
もっとも、角鍔との戦闘で既に破れ、切り裂かれと散々な状態だったのだが。

『…どうした?ルイズ』

さっきから一言も口にしないルイズを奇妙に思い、ポンコツが声をかける。
若干、恐る恐るといったその口調は、ポンコツの判断がそうさせるのか、ルーンの影響なのか。
どちらにせよ、すでに上下関係ができかけていることは事実のようだ。

「…ねぇ。永久に…って言ってたけど、あの後どうなるの?あいつらは」

ぽつり、とルイズが呟く。
脳裏にはポンコツによって回収された撃針や、さっき回収した角鍔の姿が鮮明にフラッシュバックした。

『この星の倫理はまだよくわからないが…「流刑体」は厳密には罪ではない』
「え…?そうなの?」
『罪人(ツミビト)は果て無き旅の中 地を照らす星となる』
『たとえ血塗られた犯罪者であっても 我々の見知らぬ惑星の天で輝き―――』
『そこに生きる者達に夢想や創造をもたらして欲しい。それが流刑体の贖罪(ショクザイ)なのだ』

いつにもまして饒舌なポンコツに、ルイズは驚きつつも思わず聞き入ってしまった。
それでは、自分が子供の頃見上げたあの星の海も
いや、それだけではない。今もなお天に輝く星々は、そんなトガビト達の成れの果てなのだろうか。
無限に広がる銀河の中で永久に輝き続ける。
それはどんなに夢想的で、おそろしいことだろうか。
ルイズは灰色の雲に閉ざされた天を仰ぎ見ながら、そんなことを考えないではいられなかった。

「そう…星を作るのがあんたの仕事ってわけね…ずいぶん荒っぽいけど」
『そういう事だ』

少し得意げな感じのポンコツの物言いに、なんとなくルイズは納得がいかない。

「って、なにフイに綺麗にまとめてんのよ!だいたいあんたはねぇ…!』
『「この惑星の倫理はわからないが」と前置きしただろう?』
「…なーんか納得いかないのよね」
『納得いかない理由の入力を』

地面から頭だけを突き出した形で繰り広げられる一人漫才は、その後、食堂前に放置されていたユマノイドデバイスを回収し、ホクホクのコルベールが救助に来るまで続いたという。


222 :使い魔定光:2007/09/23(日) 11:40:40 ID:kPBqO4bi
投下完了。

あ、ギーシュ出てない

223 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 11:43:53 ID:GwympvlJ
乙です。

224 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 11:45:39 ID:+WCImoQq
キュリケになっとる

225 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 11:48:57 ID:FBsy2Emm


226 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 12:03:12 ID:S169curc
>196
GJ、柏木クロス針山さんと縁もあるしルイズも一緒にひょっこり帰れそうだな
じゃないと、針山さんにこのことを話せない

227 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 12:04:01 ID:RyCmbhEJ
>>224
なんかうまそうな名前だな。

228 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 12:12:06 ID:qABXyHdm
ポンコツ投下乙

でも、確か流刑体到着は250億年後って言ってた気がするけど、
これは例外ってことかな?それとも計算ミス?

229 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 12:13:56 ID:djx+PH7Y
大量に着くのが、じゃないかな
それまでにもぽつぽつと来るんだろ

230 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 12:38:19 ID:94pdhyr1
>>195
元ネタは
世界の中心針山さんだよね?
オルロックじゃないよね?

231 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 12:56:41 ID:6JcwQSNs
ちゃんと元ネタ書いてるじゃないか……

232 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 13:25:02 ID:tInonvGn
面白いテーマが出来る。
 ↓
面白い人が集まってきて、面白いことをはじめる。
 ↓
面白くない人も大勢見に来る。
 ↓
面白くない人が面白い人の真似をしはじめる。
 ↓
面白くない人がやっても面白くない。←今ここ
 ↓
面白くない人のほうが多いので、面白くないものの比率があがる。
 ↓
掲示板が面白くなくなって、面白い人がいなくなる。
 ↓
緩やかに過疎。

ストップ!! 過疎スレ!

233 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 14:26:05 ID:MovSTm+l
投下予約


234 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 14:26:53 ID:KpmzuRAp
面白くないものをみておれならもっと面白く出来るぜ!って人が本当に面白いものを出す

が抜けてるぜ

235 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 14:27:14 ID:zEYGW+aX
>>233
承った

236 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 14:29:41 ID:MovSTm+l
ほいだば投下しますね(´・ω・`)


トリステイン魔法学院の広場にて、二年に進級した生徒たちによる春の召喚の儀式が行われていた。
今後のメイジとしての属性を決め、一生を共にする使い魔を召喚する重要な儀式である。
生徒たちの殆どが無事召喚し、契約も済ませることが出来た。そして最後の生徒となった所でコルベールは祈るような気持ちとなっていた。
「ミス・ヴァリエール。前へ」
はいと少々緊張気味に前に出る女生徒は杖を握る手が明らかに震えていた。コルベールは召喚を始めようとする彼女の横へ行き深呼吸をしてリラックスするように促す。
彼女こそはコルベールの悩みの種、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールこと「ゼロのルイズ」その人であった。
素行や学問等はかなり優秀な生徒ではあるのだが、一番重要な魔法の実技がからっきしだった。
彼女がやる魔法実技はすべて失敗という名の爆発を起こす。
普通失敗と言えば魔法が発動しない物だと思っていたコルベールは、42年間メイジとして生きてきてこの様な事例は聞いた事も見た事も無かった。
だが、彼女は諦めなかったどんなに失敗してもどんなに罵倒されても彼女は決して諦めなかった。いつしかコルベールはそんな彼女をかげながら応援するようになっていた。
(始祖ブリミル……お願いです……どうか、ミス・ヴァリエールにサモン・サーヴァントの成功を!!)
人知れず祈るコルベールの前で自分のアドバイスを素直に聞きいれ大きく深呼吸をした後、祈るように集中する彼女が徐に詠唱を開始するのだった。
「……にいる私の僕となる者よ。 美しく気高き姿を持ち…比類なき力を持つ使い魔よ…… わたしは心より求め訴える!! 我が導きに答えよ!!」
徐々に力強く声高らかに幾分自分流にアレンジされた詠唱を完成させ高く突き上げた杖を勢いよく振り下ろす。


237 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 14:30:27 ID:hAN7K7Gj
誰が来るかな支援

238 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 14:30:54 ID:MovSTm+l


大爆発!!

今までで一番の爆発が発生して辺りを土煙が覆い視界を遮る。いつものように冷やかそうとしていた生徒達もあまりの土煙の量に咳き込み声も出せずにいた。
いつもと同じ爆発にうなだれるルイズだったが、袖で口元を押えて爆発の中心を見ていたコルベールがすぐさま声をかける。
「ミス・ヴァリエール。召喚にはどうやら成功したようですよ」
清々しい春の風が土煙を吹き消して中に人影らしきものが見え始めた。

「おい、何か居るぞ!!」
「ま、まさか『ゼロのルイズ』が召喚に成功したのか!?」
「成功したようだが……あれ平民じゃね?」
すっかり土煙が晴れたそこには平民と思しき男がキョロキョロと辺りを見回すように立っていた。ただ、服装は軍服に近いような服の上にコートそして奇妙な帽子を被りコルベール自身より10以上若い青年のようであった。
「あんた誰?名前は?」
その男を見たルイズは残念そうにため息をついた後徐に近づき質問を始めていた。
「ボクですか?ボクは宮沢賢治ですが……ここはどこなんです? ボクはたしか那智さんと一つになって……」
「ミヤザワケンジ?変な名前ね……」
その会話の最中、コルベールはディテクトマジックにて調べていたが魔力についてはまったく感知できなかった。
(やはり平民なのか……だが何か気になる……)
そんな事を考えていたコルベールだったがルイズの声に我に返ることとなる。
「ミスタ・コルベール!!召喚のやり直しを要求します!!」
だが、コルベールはその言葉に首を振る事しか出来なかった。
「やり直しは出来ません。春の使い魔召喚の儀式は神聖なものです。また、今後の属性を決め一生を共にする使い魔を召喚するのです。
  たしかに平民を使い魔にした前例はありませんがやり直しを認めるわけにはいきません。」
コルベールの言葉に観念したルイズは宮沢に向き直りまたため息をつくと杖を向けるのだった。


239 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 14:30:57 ID:RlDXMkNR
支援。

240 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 14:31:55 ID:p7h0WidV
支援

241 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 14:33:44 ID:p7h0WidV
支援

242 :ゼロヤシャガラス:2007/09/23(日) 14:33:46 ID:MovSTm+l

「貴族からこんな事される事を光栄に思いなさい!!」
現状をまったく理解していない宮沢は少女の言われるがままに屈む。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
と突然接吻されるのだった。
「と、突然何を……っ!!」
宮沢は全身を内から焼かれるような感覚に陥った後、今度は左手にその痛みが集中するのを感じるのだった。
「大丈夫よ、使い魔のルーンが刻まれているだけだから」
桃色の髪の少女の言葉に戸惑いながらもどうにか落ち着いた左手の痛みの元をしげしげと見るのだった。
「珍しいルーンですね。あ、私は生徒達の教師でコルベールです」
いつの間にか横に来ていたコルベールはそう言うとルーンをスケッチしてポケットに入れると。
「詳しい事は後ほど。」
と一言言うと生徒達に帰る様に指示するのだった。


空を飛んでいく生徒達を呆然と見てる宮沢にルイズが声をかける。
「ほら、グズグズしないで。とっとと行くわよ」
名前をと言う宮沢にルイズは苛立ちながら。
「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。ルイズ様と呼びなさい」
そう言うとスタスタと歩いていくのだった。


とりあえずここまでです。続ける予定ではありますです。
支援ありがとうございました

243 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 14:42:00 ID:6j5Smvdc

ってかマジで夜叉鴉ネタやる人がいるとは思わなかった

244 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 15:39:39 ID:L5OLkO+g
仮面ライダー剣から橘さんを召喚。
橘さんが居なくなったことで仮面ライダー剣の世界はもっと良いエンディングを迎え、代わりにハルケギニアがボドボドになる。
ルイズキュルケタバサは勿論生け贄に。

245 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 15:45:52 ID:FBsy2Emm
>>242


こりゃ昼間は投下がほとんどないか…?
夜に期待するか

246 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 16:00:06 ID:WtQ3nZWj


しかし暇だな
ところで特殊な武器持ちのキャラが召喚されるとして、どんなキャラが思い浮かぶ?

247 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 16:00:49 ID:GblZZ6mZ
ライダーマン

248 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 16:01:04 ID:4w7T50CB
つ ドンパッチソード

249 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 16:04:54 ID:PSwWudtJ
っ ネギ

250 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 16:05:29 ID:3JzMvYbM
>>246

デルフイジメ?

251 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 16:05:44 ID:F+Z7Hz31
つ バールのような物

252 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 16:05:52 ID:VOqcrKSZ
先行者

253 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 16:05:53 ID:3T0neY1k
G3-X

254 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 16:07:34 ID:C00elDlT
人修羅

255 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 16:10:27 ID:Ttp4c4OB
おっさんこと不動銃四郎
あやかしびとの九鬼先生

256 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 16:11:32 ID:1PC3XFbe
ライブラの童虎

257 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 16:11:53 ID:hRrfVTTK
復義
烈丸
ギルティギアの奴ら

258 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 16:11:54 ID:s/k6z/DG
闇狩人とか。ペン、物指、ケンダマ…

259 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 16:13:46 ID:GblZZ6mZ
ああ、彼女を忘れてた
つ ニーギ・ゴージャスブルー

260 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 16:19:01 ID:YH/gQVap
パッパラ隊の隊長(ペン)

261 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 16:21:17 ID:t1eo/+ik
からくりサーカスのしろがねの面々。
人形だったり体内に武器仕込んでたり。

262 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 16:24:27 ID:PSwWudtJ
特殊な武器持ちが多すぎて収集がつかなくなってきました。

263 :sage:2007/09/23(日) 16:26:31 ID:/blf+Wzo
グロンケンとかでいいんじゃね?

264 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 16:30:25 ID:N5nkoFBV
アイアンキングとその相棒とか・・・

265 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 16:39:58 ID:NWl8CHW8
シン・クザク(サムライレンズマン)

266 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 16:42:33 ID:+qSL1d05
いぬかみっ!のケイタ。カエルの消しゴム

267 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 16:44:04 ID:CEAM+kBK
エルリックかな。
虚弱体質萌え。デカイけど。

268 :異世界BASARA:2007/09/23(日) 16:45:21 ID:mHyARdtQ
特殊な武器で盛り上がっている中、投下してもいいですか?

269 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 16:45:50 ID:GwympvlJ
遠慮は不要

270 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 16:46:14 ID:eKVIpKiQ
当然OK

総員支援体制へ

271 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 16:46:18 ID:czi1f4iJ
支援

272 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 16:46:33 ID:IaSzghVo
支援

273 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 16:50:06 ID:FBsy2Emm
支援砲撃

274 :異世界BASARA 1/4:2007/09/23(日) 16:51:14 ID:mHyARdtQ
投下するぜ夢吉!>ノ)シ`・∀・)σ  ≡( ・ェ・)<ウキキー(指図すんなニート)


盗賊事件のあった翌朝、ルイズはコルベールに学院長室へ来るように言われた。

実はあの後、オスマンの秘書のロングビルが街で聞き込みをしたところ、森の奥にある廃屋に出入りする怪しい人物がいる事が判ったのである。
ロングビルがその人物の姿を描いてみたと言うので、目撃者である彼女に確認してもらう事にしたのだ。

「………で」
学院長室に来たルイズはさも不機嫌そうに横にいる人物を見た。
「何であんたまで来るのよ!」
「あらいいじゃない、何だか面白そうだし♪ねぇタバサ」
「………」
キュルケの言葉にタバサは答えない。ただ、僅かに頷いた様にも見えた。

「そうか、それがしの知らぬところでそんな事があったとは」
「うむ、盗みを働くとはまったくけしからん!」
ルイズやキュルケと共に来たのか、真田幸村と前田利家の姿もそこにあった。

「宜しいですか?一応私が描いてみたのですが…」
ロングビルは紙を広げ、ルイズ達に見せる。

「これは…フーケです!間違いありません!!」
「うむ!確かにあの盗っ人とそっくりにござる!」
フードを被った人物の絵を見て、ルイズと幸村は確信を持ってそう言った。

「オールド・オスマン、すぐに王室に連絡しましょう!王室衛士隊に頼んで兵を差し向けてもらわなければ…」
だがコルベールの提案にオスマンは首を横に振る。
「ならん、ぐずぐずしておったらフーケに気取られる。それにこれは我々の責任じゃ」
そう、いくらアンリエッタ王女が来訪していて警備を割いてしまったとはいえ、盗賊の侵入を許してしまったのだ。
出来る事なら、学院のメイジで奪われた宝を取り戻し、名誉挽回したいところである。

275 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 16:51:43 ID:RlDXMkNR
キター支援。

276 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 16:52:01 ID:GwympvlJ
支援

277 :異世界BASARA 2/4:2007/09/23(日) 16:53:38 ID:mHyARdtQ
オスマンは集まった教師やルイズ達を見回す。
「これよりフーケの捜索隊を編成する。我と思うものは杖を掲げよ!」
だが、集まった者達は誰も杖を掲げない。下を向いているか、誰かが掲げるのを待っているだけであった。
「…何じゃ?誰もおらんのか?」
オスマンは教師達にきつい視線を向ける。

「どうしたのじゃ!フーケを捕らえようという貴族はおらんのか、ってええぇぇーっ!?」
強い口調で言っていたオスマンがいきなり素っ頓狂な声を上げた。
掲げた者が1人いたのだ。だがその人物とは……

「ウジマサ、お主はグラモンの使い魔であろう?いや、それより何でここにおるのじゃ?」
「な、何じゃオスマン!わしがここにおったらいかんのか!」

氏政であった、何故か呼ばれてもいないのに学院長室に来ていたのである。
「まったく困った事があるならこのわしに言えばいいのじゃ!わしを誰だと思っておる?天下の北条じゃぞ」
自身満々に言うがとても信用出来ない。昨日だって2度も倒れているのだ。
しかも気絶していたせいで彼は相手がどんな恐ろしいメイジか知らないのである。
「いや止めておけ…ただでさえ短い寿命をここで散らすでない」
「お、お、同じジジイに言われたくないわ!大体わし以外誰も上げとらんじゃろ!」
氏政の言う通り、未だ誰も杖を掲げていない。
「ほーれ見ろ!やっぱり頼れるのはわしだけじゃ…」


「私が行きます!!」
そんな中で、ルイズは杖を高く掲げた。


278 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 16:55:29 ID:GwympvlJ
支援

279 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 16:55:52 ID:RlDXMkNR
支援。

280 :異世界BASARA 3/4:2007/09/23(日) 16:57:42 ID:mHyARdtQ
「ミス・ヴァリエール!あなたは生徒ではありませんか!」
コルベールは驚いて声を荒げる。
ところがルイズの横からまた1人、杖を掲げた者が現れた。

「キュルケ!」
「ヴァリエールには負けていられないもの」

そしてキュルケに続いてタバサも杖を掲げる。
「2人が心配」
タバサの言葉にルイズは小さな声で「ありがとう…」と呟いた。
「おおルイズ殿!この幸村も共に行きまする!」
「キュルケ殿、それがしも行くぞ」

その3人の様子を見ていたオスマンは満足そうな顔をした。
反対に、氏政は面白くなさそうな顔をする。
「そんな顔をするでない、ここは彼女達に任せてはくれんかの?」
「フン!こんな小娘共に何が出来るのじゃ!」
氏政はルイズ達を見ると吐き捨てるように言った。
彼にしてみれば、小娘よりも劣っていると思われたのだろう。

「まぁそう言うなウジマサ、彼女達はちゃんと実力は備わっておるぞ。
例えばミス・タバサは若くしてシュヴァリエの称号を持っておる」
シュヴァリエとは与えられる爵位の中では最下級であるが、純粋に実力でしか得られない称号である。
キュルケも知らなかったのかそれを聞いて驚いていた。

「そしてミス・ツェルプストーはゲルマニアの優秀な軍人の家系の出で、彼女自身の炎の魔法も強力じゃ」
オスマンの言葉に応えるようにキュルケは胸を張った。
胸が盛大に揺れ、幸村は鼻を押さえて目を逸らす。
「どうじゃウジマサ、彼女達が優秀だと解ったじゃろう?だからここは譲ってくれんか…」


「あの桃色髪の娘の紹介がまだじゃぞ?んん?」


オスマンの顔が引きつった表情へと変わった。

281 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 16:58:21 ID:GwympvlJ
支援

282 :異世界BASARA 4/4:2007/09/23(日) 17:03:02 ID:mHyARdtQ
「…え、えーとミス・ヴァリエールは優秀な魔法使いを輩出したヴァリエール家の出で…」
オスマンはそう言いながら流れ出る汗をハンカチで必死に拭っていた。
「あーそのなんじゃー…将来有望な…その…」
「将来有望な、何じゃ?ん?ん?んんんー??」
何とか褒めようとするものの、中々見つからないのか焦りが顔に浮かんでいる。

「おおそうじゃ!確かミス・ヴァリエールの使い魔はお主の主人であるギーシュ・ド・グラモンを圧倒したではないか」
結局何も思いつかなかったオスマンは、最終的にルイズの使い魔である幸村に目をつけた。
「そうでした!彼はあの伝説のガンダー…」
コルベールが何かを言おうとしたが慌てて口を閉じる。
幸村…そしてキュルケの使い魔である利家の強さを知っている氏政はそれ以上何も言えず、ただ黙っていた。
やっと納得してくれたと、オスマンは胸を撫で下ろすとルイズ達に向き直る。

「魔法学院は諸君らの努力と貴族の義務に期待する!」
オスマンの言葉にルイズ達3人が杖をもう一度掲げる。
「ミス・ヴァリエール、そしてミス・ツェルプストーの使い魔よ。主の力になるのじゃぞ」
「お任せあれ!この槍にかけて、ルイズ殿の力になって見せましょう!!」
「女を守るのは男の役目、それがしもキュルケ殿やルイズ達を守るぞ」

こうして、3人のメイジと2人の使い魔がフーケ捜索隊に選ばれた。



ここで投下終了です。

283 :ゼロのアルケミスト:2007/09/23(日) 17:06:23 ID:3EDcU09g
ウジマサ、そこは突っ込んでは駄目だw そして乙&GJ!!
そして勢いに乗らないと投下するのが怖い私。投下予約はOKですか?

284 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 17:08:42 ID:mELT2me1
グッジョブ!
ウジマサの指摘ヒドスw
そしてアルケミストのお姉さま、道は開いていてよ。

285 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 17:08:55 ID:hypz9eI6
GJ!

投下、どんどんきてくれ!

286 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 17:09:32 ID:BfIPMXH5
乙。北条の爺さんが最初に挙げるとは。

287 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 17:10:39 ID:m0mngBCp
某帝王曰く「歩道が空いているではないか、いけ…」

288 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 17:11:20 ID:RlDXMkNR
氏政いいキャラだwGJ!

支援待機。

289 :ゼロのアルケミスト 四話:2007/09/23(日) 17:11:50 ID:3EDcU09g
ルイズは使い魔を手に入れた。メイジであるならば当然の事であるその儀式は、彼女にとって大きな転機となった。
現れたのは異国の高名なメイジ。手に入れたのは使い魔。変わったのは決意。
『失敗や犠牲は成功の糧である』
どこか抜けているような独特なテンポを有する自称140歳のマッド・アルケミストに与えられた言葉がルイズを変えた。
合いも変わらず魔法では失敗ばかりだが、ソレをマイナスと捉える事は無くなった。その先にきっとある成功を見ている。
最近では失敗魔法すら有効活用しようと爆発制御に勤しんでいた。

異国のメイジ クラリス・パラケルススはと言えばルイズ以上に研究に打ち込んでいる。
元より体系が異なる魔法を使う為、生徒や教師達にその真意は理解しかねた。
だが彼女に与えられた小屋が徐々に研究室の皮を被ったカオス・ワールドに成りつつある事から、何かをしている事だけは把握できた。
そしてもっともルイズが気にかけている事柄は間違いなく使い魔のことであろう。





290 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 17:12:32 ID:GwympvlJ
支援

291 :ゼロのアルケミスト 四話:2007/09/23(日) 17:12:56 ID:3EDcU09g
「朝です……マスター」

「えぇ、おはよう」

ルイズの一日は抑揚が無い感情を排した冷たい声で始まる。普通の人間からすれば正直言い気分ではないだろうが、ルイズはそんな事気にしない。
むしろこの声こそ自分を起こすに相応しいと、晴れやかな笑みがルイズの表情には浮かぶ。

「エルザ、服を取ってくれる?」
「はい」

相対する声の主は小さな少女だ。小柄なルイズより頭一つ小さく凹凸が無い肢体。
声と同様に感情が欠落した美貌。ガラス球のように澄み過ぎた真紅の瞳。腰下まで伸びた豊富な髪は色を抜いたように白い。
日焼けとは無縁の白い肌。薄っすらと光り輝くルーンがあちこちに彫り込まれている。
以上の特徴からも解る事だが彼女は人間ではない。もっと言えば真っ当な方法で生まれた命ですらない。
彼女はホムンクルス。錬金術師が創造する仮初めの命、人造生命体である。同時にメイジであるルイズの使い魔。

「着せて」
「はい」

黙々と着替えを手伝う自慢の使い魔を横目で見ながら、ルイズは考える。
全く持ってこの使い魔は優秀だった。小柄な体には似合わない圧倒的な運動能力があり、どんな状況でも慌てず命令には絶対服従。
仮初めの命ゆえに成長しないので食事も要らなければ、心も模造品だから休息を必要とせず眠る必要も無い。
新陳代謝が無く一切の老廃物を出さないため何時でもキレイ。生き物特有の匂いの変わりに仄かに薬品の清潔な匂いがする。
そんな完璧な『従』だったから、悲哀系舞台劇に搭乗する優秀だが主人を愛し過ぎてしまい、葛藤の果てに無理心中する少女騎士の名前をつけた。
しかしこの使い魔はそんな事はしないだろう。なにせ葛藤なんてしないから。

「なんか物足りない……」

そう……ルイズは優秀すぎる故の退屈のようなモノを感じていた。
視覚や聴覚の共有も出来た。秘薬も形や場所を教えれば、どんな事をしても手に入れてくるだろう。主人を守る役目も充分こなせる。
だが……それは一方的な奉仕だった。ルイズが思い描いていたパートナーとしての関係ではない。
野生動物を突然召喚し、無理やり使役する代わりに食事や寝床を与える。最初はギクシャクしていてもいずれは信頼関係が築かれていく。
そう言ったものが自分達には無い……食事は無意味と知りつつ与えている。入浴も一緒にするし、服も着せている。同じベッドでお休みと言う。
だけどそれに対する感謝など無い。エルザにとってそれは無駄な行いであり、ルイズが与えるから受けているだけなのだ。

「他の私みたいに使い魔に振り回されるのもイヤだけど、ここまで忠実だと話が盛り上がらないわよ」
「なにか?」
「うぅん、何でもないわ」

今のやり取りもエルザとしては『主人の命令を聞き逃した可能性を考えての確認』でしかない。何でもないと言われればそれ以上突っ込むような事はしない。
もちろん会話はそれ以上成立しない。だがルイズはその程度では諦めない。色々と要求してみる。


292 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 17:12:58 ID:RlDXMkNR
支援。

293 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 17:13:02 ID:BfIPMXH5
マッドアルケミスト支援

294 :ゼロのアルケミスト 四話:2007/09/23(日) 17:15:00 ID:3EDcU09g
「ねえエルザ……ちょっと私を褒めてみて」
「?」

何を聞こうかと考えて、最初に浮かんだモノをルイズはそのまま口にする。他の人には言えないがこの忠実な使い魔になら遠慮は要らない。

「ほら……良いところとかさ、凄い点とか」

初めての要求に首を傾げるエルザにルイズは助言。そうまでして聞き出したい答えか?と言われれば、そうでもない。
だが普通の事務的な答えでは無い物を得られるかもしれないと、ルイズのこの頃目覚めた探究心が疼く。

「全てです」
「は?」
「マスターは全て素晴らしい」
「……」

まずホムンクルスの判断基準には対象人物の長所など存在しない。大きな分類として主人と他人に分けられた。
他人とは自分が命令に従う必要が無い存在であり、主人は絶対服従・絶対防衛の対象。ホムンクルスの世界とそういう風に出来ている。
故に世界に素晴らしいものが存在するとすれば、それはエルザにとってルイズそのもの。

「もうちょっと個別に褒められない?」
「……輝くように靡く桃色の髪」

数少ないボキャブラリーの中から主人の喜びそうな言葉を引っ張り出し、エルザは褒める。

「おぉ〜他には?」
「白魚のように可憐な指」
「うんうん!」

その後も「失敗魔法はとても効果的な攻撃手段」に至るまで捻り出された褒め言葉。
それを聞いていたルイズは最初の目的をすっかり忘れて聞き入っていた。優秀な姉と比べられ、褒められた経験など皆無。
しかもその褒め言葉はベタベタだが解り易く、最後まで聞いていたルイズは告白されたような感動さえ覚えていた。
ある種イタイ子は思わず盛大な嬉し泣きを初め、隣室のゲルマニア美女が怒鳴り込んでくる。

「朝っぱらから五月蝿いわよ、ルイズ!! 何を子供みたいにワアワア泣いているの!?」
「ひっく……キュルケ〜」
「なによ? 使い魔にまで嫌われたの?」
「私……大きくなったらエルザと結婚する」
「はぁっ!? 遂に頭までゼロになったのかしら?」

その後事情を説明されたキュルケに『それはただ貴方が命令したから従っただけでしょ?』と冷たい現実を突きつけられ、ルイズはせっかくの虚無の日を不貞寝して過ごしそうになった。

「今日は街に買い物に行きましょう」

なんとか復帰したルイズはエルザが今着ている服が自分のモノでブカブカなのを思い出した。
ついでに剣でも買ってあげようと気分を良くしたご主人様の着替えを黙々と手伝い、使い魔の朝は過ぎる。




295 :ゼロのアルケミスト 四話:2007/09/23(日) 17:16:18 ID:3EDcU09g
「ね? 良いでしょ、痛いのは一瞬よ」
「でっでも……」
「直ぐに気持ち良くなるわ(主に私が)」
「親に貰った大事な体ですし……」
「あらあら〜そんな考えは古いわよ。私なんて弄ってない部分が無いわ」
「え!?」
「そうね〜メイジみたいに魔法をつかえるようにする? それとも空を飛ぶ翼もステキね〜ちなみに私のお勧めはカニのハサミ♪」

こんな如何わしい会話はルイズが「エルザを街に連れ出して大丈夫か?」と確認する為、彼女の創造者であるクラリスの元を訪れた時に聴こえてきたものだ。
如何わしい?……むしろ不可思議とでも形容されそうな会話の内容だが、とりあえずクラリスの離れへと踏み込んだルイズが見たのは……セクハラの現場だった。

「なっ! 何をやってるんですか、クラリス様!!」
「ん〜スキンシップ兼改造のお誘い」

それでも様付けを忘れないルイズの律儀さを軽く吹き飛ばすのは妙齢な女性の変わらぬ笑み。
その腕の中で息も絶え絶えなメイドがいる事だけがおかしな点だろう。珍しい黒髪のメイドの体を這い回るクラリスの細い指。
細かい描写は避けるがとにかくエロかった。服が乱れているとか、揉んでいるとかそう言ったことには言及しない。断じてしない!

「弄りがいのある体なのに、シエスタちゃんが中々承諾してくれなくて。それでちょっと実力行使を〜」
「もう……お嫁にいけません」
「戯れが過ぎますよ、クラリス様!……弄る?」
「うん、体をね。そう……改造するの」

自分のある種恩人であるこの人物の突拍子の無い思考回路にはルイズも大きくため息をついた。
顔を赤くして軽く嗚咽を漏らすメイドに同情し、『胸も大きく出来るけど、ルイズちゃんもどう?』と言う勧誘の言葉に僅かな憧れを感じつつ、ルイズは本題を切り出した。

「実はこれからエルザと街に行こうと思って……」
「戦闘用ホムンクルスが街に連れ出したくらいでどうにか成るわけないわ」

クラリスとしては当たり前の事も、ルイズにとっては未知の領域。
『人混みでは生きられないのだ〜』と使い魔に溶けられたりしたら目も当てられない。
元主の許可を貰い、ルイズは嬉しそうに頷いて踵を返す。目の前に広がるセクハラ現場も、なんに使うのか解らない器具が満載なカオス・ワールドも既に眼中に無い。
『助けてください〜』と悲鳴を上げるメイドには、心中で『私は無力なのよ』と呟いて華麗に見捨てる。
明日までにメイジになっていたり、羽根が生えていたり、カニのハサミが装備されていない事を願うばかりだ。

そんな時、クラリスが思い出したように呟いた。

「私も同行して良い?」
「え?」


296 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 17:16:55 ID:BfIPMXH5
もし心を持ったならマッドが放っておかぬ気がする支援

297 :ゼロのアルケミスト 四話:2007/09/23(日) 17:17:50 ID:3EDcU09g
数時間後、馬上より町並みを見下ろすのはルイズにエルザ、クラリスとなぜか連行されてきたシエスタ。
あれだけセクハラされて、改造されそうになっても貴族の言う事には従う所がハルキゲニアの平民たる証だろう。

「それで? ルイズちゃんの用事はなんなのかしら?」
「えっと……まずはエルザの服を注文して、お金に余裕があれば剣でも買ってあげようと思っています」

初めて出来た娘の服を選ぶようなルイズの幸せそうな顔に、クラリスは遠い昔の自分を重ねて嬉しそうに微笑む。
と言う事で最初に四人が向かうのは服を扱う店。

「これなんてエルザにピッタリじゃないかしら?」
「ミス・ヴァリエール、その生地は持ちもよく有りませんし、エルザ様が動き難いかと」
「そうなの? じゃあコレは……」

ルイズだけ もしくは貴族だけで来た場合、どうしても布地の質やキレイな形に囚われがちだが、エルザの仕事は戦闘であり雑用。
そこに平民であるシエスタの実用的な意見、経験を加える事で効率的な服選びが可能になる。
しかも常識知らずの貴族に高い値で買わせようとするのを、メイドの一般常識がブロックすることにもなった。
平民だ貴族だと言っても同じ女の子、キレイな人形があったなら色々と着せたくなってしまうもの。

「ねえねえ、ルイズちゃん。コレにしましょう」
「ちょっ!? なんですか、その破廉恥な服は!?」

クラリスが嬉しそうに持ってきたのはエナメル生地でピッチリとしたデザインで、大事な場所しか隠さない服。
如いては露出が多いと言う事で……それはボンテージとも呼ばれている。

「良いじゃない。目の保養になるわよ」
「考え方がオールドオスマン……それにエルザは私が『脱いで』ってお願いすればいくらでも見せてくれますよ!」
「「「……」」」

クラリスを破廉恥だと怒ったルイズだが、知らず知らずにもっと破廉恥な事を叫んでいたりする。
もちろんその声は周りの者にも聴こえているわけで……
『魔法学院には召使の幼女を全裸にする変態女子生徒が居る』なんて噂が広まるのも時間の問題だったりした。


次に一行が訪れたのはピエモンの秘薬屋。暗い室内には毒々しい色の葉やキノコ、トカゲの干物など兎に角怪しい品が所狭しと並んでいる。
その様子にクラリスはいつも好奇心に輝いている瞳をさらに煌かせ、店主を捕まえて色々と質問を浴びせる。
どうみても自分より年下な女性(本当は人生の先輩)に質問される主人は良い顔をしていなかった。
だが次にクラリスが放った言葉でしかめっ面は驚愕に変わる。

「これで足りるかしら?」

クラリスが懐から取り出した袋がカウンターに置かれ、ジャラリと重い音を立てる。
紐を解けば中から溢れるのはダイヤモンドを初めとした希少な宝石。どれもクラリスには必要無い為、机に仕舞い込まれていたガラクタ。
彼女の興味の対象としての価値は無くても、やはり他からすれば全て貴重な本物。

「なっ何をお求めで?」
「コレとソレとアレと……」

クラリスが指差したのはいくつかの薬草とマジックアイテム。

「在るだけ頂くわ」

どの世界でもこういうのを大人買い……と呼ぶのだろうか?
ピエモンの薬屋の主人は数分の失神と引き換えに、大きな利益と継続的な取引が望める大口の取引先を手に入れた。


298 :ゼロのアルケミスト 四話:2007/09/23(日) 17:19:06 ID:3EDcU09g
最後に一行が向かったのはピエモンの薬屋の近くである武器屋。
『この子の武器を買いに来た』と紹介された少女はあまりにも小さく、主人は困ったようにもっとも小さくて軽いレイピアを差し出した。

「その小さなお嬢さんに持たせるんでしたら、此方のレイピアでも手に余るかと……」
「問題無いわ。エルザ」
「はい」

主人に渡されたレイピアをエルザは軽々と使いこなす。腕力に物言わせているだけなのだが、踊るような剣舞を披露する
だが閃光のような突きを繰り出したら、細い刃が真ん中でポキリと折れた。

「あら〜コレ粗悪品みたいね? ご主人」
「コイツは失礼しました〜!!」

唯のカモと思っていた貴族はどうやら普通ではないらしいと、武器屋の主人はこのとき確信した。
無表情な少女は棒切れで遊ぶように鉄製のレイピアを振り回し、笑顔で詰問してきた妙齢な女性は笑っているが笑ってない。
ヘビに睨まれたカエルの気持ちなんてものも理解できる。生きるも死ぬのも相手次第と言う事だ。

「でしたら此方を! かの高名なゲルマニアの錬金魔術師 シュペー卿が鍛えた一品!  固定化などもかけられてますので、切れ味も抜群です。」

主人が持ってきたのはレイピアとは比べようが無い豪刀。下手したらエルザの身長と変わらないほど長さに、鏡のように諸刃の刃。
宝石まであしらわれており『斬れます!』と全力で主張しているような姿形。
シエスタやルイズはその見たままを感想として持ったようだが、クラリスは違う。さらに目を鋭くし、その大剣を手に取る。

「これ……本当に魔術師が鍛えた剣?」
「へっへい! 自分も大枚を叩いて買いましたんで……」
「ふぅ〜ん……こっちの錬金術師って仕事が雑なのね」

刃に翳したクラリスの掌が僅かに発光する。メイジとは僅かに違う力が刃を覆い、美しかった刃に無数のヒビが走る。
部屋を気まずい沈黙が包む中、クラリスはひび割れた一部を捲ってみてさらにため息。

「元は唯の銅ね。上からキレイに見えるようにメッキしていたみたいだけど……ねえ、ご主人?」
「ヒィっ!?」
「これは貴方が愚かだから? それとも……私達をバカにしているから?」

まだ笑っているクラリスの目がどす黒い憤怒に染まっているのが、睨まれている主人だけが理解した。
人を幾ら飲み込んでも何の変化もしない底なし沼のような目。既にカエルやヘビなど例えにすら成らない。
ヘビは満腹ならばカエルを食べる事はないし、一度の食べられる数にも限度がある。だが底なし沼は幾らでも飲み込める。
お前の価値など沼に沈むゴミ以下だ!というような目を前にして彼がやれる事は少ない。むしろ一つしかない。

「全て手前のミスです! どれでも好きなだけ持って行って結構ですから、命だけは〜」

『何でもやるから命だけは助けてくれ!』完全に強盗に対する言葉である。

「やった〜ルイズちゃん、これで選び放題よ?」
「あっ……はい」

クルッとルイズ達のほうを振り返ればいつもの掴み所の無い微笑みがある。しかしながら先程の怒気はそう簡単に忘れられるものではない。
歯切れの悪いルイズ達を無視して、クラリスは店中を棚の置くまで引っ掻き回している。普通の客には売りたくないような一品なんかが目の前で発掘されているが、自分の命が掛かっていたとなると主人の口から文句は出ない。


299 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 17:19:25 ID:BfIPMXH5
両方自重支援

300 :ゼロのアルケミスト 四話:2007/09/23(日) 17:20:14 ID:3EDcU09g
「私としては必死に唯のボロイ剣のフリをしているこの魔剣がお勧めなんだけど」
「魔剣?」

クラリスが持って来た剣は大きさならば先程の大剣に匹敵する大きさがあるが、刀身が細くて薄い。
ただ錆が浮いており、お世辞にもキレイとは言えなかった。そんな剣のどこが魔剣なのかとルイズとシエスタは首を傾げる。

「ご主人? これってそういう剣よね? 魔法が掛かっているし、かなりの強度があるみたいだけど?」
「……! ……!!」

なにやら悪友の剣から『黙っていろ』と言うオーラが出ている。どうやら彼も長年の勘で、目の前の女性が怪物だと感づいたようだ。
だがここで黙っていたら自分がそれこそ底なし沼に放り込まれる。

「ソイツはインテリジェント・ソードのデルフリンガーです」

主人はあっさりと悪友を売り渡した。

「こらオヤジ!! 俺をこんな魔女に売っちまう気か!?」

不意に室内に響く誰のものでもない声。その発生源は間違いなくクラリスが握るボロイ長剣。

「あら〜魔女なんて失礼ね。私は歯牙無い錬金術師よ。それに……」

ツーとクラリスのキレイな指が錆の浮いた刀身をなぞる。デルフリンガーは感じるはずの無い寒気を感じ、鋼の刀身に鳥肌が立ったような気もした。

「あなたを使うのは私じゃない。ルイズちゃん」
「エルザ、使ってみなさい」
「……おでれーた。お嬢ちゃん使い手か♪」

クラリスの手から開放されたのが、よっぽど嬉しかったらしいデルフリンガーが、自分を握った少女を軽やかな口調で評した。
一方エルザは何時も通り何も考えてない顔で、与えられた剣を軽く振るう。適度な重量と的確な重心。問題ない。

「悪くありません」
「そう……じゃあクラリス様のお勧めだし、コレにするわ」
「後は予備の短剣もあった方が良いわよ。ご主人、これを全部」
「へい……毎度」

デルフリンガーを処分できたのは良かったが、クラリスがカウンターに山積みにした短剣を見て、主人は内心で涙が出そうになった。
どれも職人として知られる短剣だけを作る酔狂なメイジの作品で、地味だが強度・切れ味ともに申し分ない隠れた名品。
他の見た目の良い品には目もくれず、それをセレクトした魔女?の鑑定眼には正直、脱帽だと主人は二度目のため息をついた。
そして一行の背中を見送って、主人はようやく命が助かったと事を認識して、三度目のため息をついた。



「でも錆びているし、ボロイですよ? この剣」
「なんだと! 剣の何たるかも知らない娘っこが!」
「大丈夫よ。それくらいの錆なら帰れば簡単に落とせるわ。ついでに色々と実験を……」
「嵌められた!? 離せ〜俺を武器屋に返してくれ〜」


301 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 17:21:07 ID:BfIPMXH5
大人買い、それは収入を得たTCG者が時々やってしまう愚行支援

302 :ゼロのアルケミスト :2007/09/23(日) 17:22:27 ID:3EDcU09g
以上です。なんだか長すぎますな。
あとホムンクルスはほぼオリキャラだけど許して……ザコカードには詳しい設定など無いのです(涙
名前は……僕は何も言わない(え



303 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 17:23:10 ID:mELT2me1
大人買いって立派な大人はやっちゃダメな行為だよね支援

304 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 17:23:23 ID:C00elDlT
GJ
改造シエスタが見たいのは俺だけ?

305 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 17:23:58 ID:VPun+f1G
GJ!


大人買いをやるのはおっきな子供さ。

306 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 17:24:13 ID:BfIPMXH5
乙。そしてデルフ南無。シエスタ逃げてー。

307 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 17:24:27 ID:mELT2me1
デルフの冥福を祈りながらGJ。
あと自分も短編投下してよろしいか?

308 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 17:27:24 ID:GwympvlJ
かもん

309 :以前3行で書いたやつの改訂版:2007/09/23(日) 17:28:49 ID:mELT2me1
では失礼して投下

「ああ、ああっ、こんなに大きくて白くて立派なフクロウの使い魔なんて、
きっと誰一人として連れてないね! 素晴らしいよ、素敵だよ!
キミの名前はもう決めているんだ! ずっと前からこの名前にしようってね!
クヴァーシル! お伽噺に出てくる、とても賢くて強い鳥の名前さ!」
トリステイン魔法学院の中庭でおこなわれていた春の使い魔召喚の儀式。
『風上』のマリコルヌは歓喜の声を上げていた。
風の属性のメイジが使い魔を召喚すると、多くの場合空を飛ぶ生き物が召喚されるが、
マリコルヌが召喚したフクロウは全身の羽毛が純白で、同族の成鳥よりも二回りほど大きな、本当に立派なフクロウだったからだ。
向こうの方で失敗を繰り返していた同級生が平民を呼び出したなどと声が聞こえたが、
そんな外野の騒音など気にならないぐらいに、マリコルヌは大喜びだった。
少年は小さくも鋭く尖ったクヴァーシルの嘴に、コンストラクト・サーヴァントの口付けをしようと顔を寄せる。
その時だ。
召喚されたショックでか、今まで閉ざされていたクヴァーシルの眼がギョロリと開いた。
真円を描く、二つの月にも似た、その血走ったフクロウの瞳。
マリコルヌは知らず。
そのフクロウこそは元の世界でミネルバと呼ばれた恐るべき魔鳥。
殺気を感じて身をかわし、あらゆる敵の牙が届かぬ高き空を音の速度で飛翔する悪魔。
太古の伝説にあるゴルゴン、バシリスクなどと言う怪物どもと同列にある純白の恐怖。
彼のルールは、たった一つ。

……すなわち、見られた者は死ぬ。

【クヴァーシルは月輪に飛ぶ】

たった一つのルールをマリコルヌが理解し得たのかどうか。
一瞬の後には、ふとっちょの少年は目や鼻や口や耳、つまり顔の穴という穴から鮮血を噴出して絶命した。
誰かがそれに気がついて悲鳴をあげる。
空へと飛び上がったクヴァーシルの眼が、そこに並ぶ生徒達と使い魔を高みより睥睨した。
それだけで、虐殺は始まり、そして終結する。
苦悶の声を上げて、一人残らずバタバタと倒れる生徒達。
中には防御の魔法を織り上げる事に成功した者も居たが、そんな物など関係無しに死の視線が命を奪い取る。
異変を察して校庭に飛び出してきた教師。悲鳴に気がついて窓の外を覗いた生徒。
ありとあらゆる人間が、邪視の魔鳥に見られて死んでゆく。

わずか数分で、トリステイン魔法学院はその長い歴史に終止符を打った。

クヴァーシルは飛ぶ。
地上の事など何一つ気にならぬとでも言う様に。
それから数日でこの魔鳥の存在が知れ渡ると、人々は空を見上げる事を恐れるようになっていった。
クヴァーシルの存在を確認しようと、遠見の鏡などの秘宝を使ってその姿を見た高位の魔法使いも、バタバタと死んでしまった。
意気揚々と魔鳥討伐を宣言したトリステイン近衛魔法騎士隊の精鋭は、その出征セレモニーの最中飛来したクヴァーシルの視線に晒され、
隊長のワルド子爵を筆頭に、見送りの市民数千名を巻き込んで死滅する。
巨大戦艦『レキシントン』号をはじめとするハルケギニアの航空戦力は、空を飛ぶのに邪魔だとばかりに皆殺しにされ、
アルビオン王党派もレコン・キスタも関係無しに地に落ちた。
莫大な財力と未知の魔法技術で、かの鳥を討伐すると宣言した大国ガリアの国軍すらも、
国王ジョゼフ以下数万の兵が、一人残らず血を噴き出して死に絶える。
冥府で一足先に逝ったジョゼフの姪がその死を喜んだかは、さだかでは無い。

310 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 17:29:02 ID:hypz9eI6
GJ!
このデルフは不幸なデルフだ

>>304
俺も見たい、すげー見たい。

311 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 17:30:29 ID:BfIPMXH5
とうとう来てしまったか支援

312 :以前3行で書いたやつの改訂版:2007/09/23(日) 17:30:32 ID:mELT2me1
かくしてクヴァーシルは自由にハルケギニアの空を舞い、人々は鳥の羽音一つに怯える日々を送っていた。
市民は家を出ず、兵士は歩哨に立たず、猟師は弓を取らず。
日が暮れてフクロウの時間が来れば、誰もが視線の通らぬ壁の中で震えて朝を待つ。
そんな日々が、何ヶ月も続いた頃。
トリステインの王宮に、一組の男女が現われた。
奇怪な仮面にマントと杖を携える中年の男と、凍りついた雰囲気で長剣を抱えるように持った少女。
一人はラ・ヴァリエール公爵家息女、ルイズ・ド・ラ・ヴァリエール。
一人はトリステイン魔法学院教師、『炎蛇』のジャン・コルベール。
共に魔法学院での虐殺を生き延びた、たった二人のメイジであった。
婚約者であるワルド子爵を殺されたためか、氷のような瞳に情念の炎を宿らせたルイズは、
伝説の『始祖の祈祷書』と『水のルビー』の貸与をアンリエッタ女王に願い出て、
二つ名に相応しい蛇を模した仮面を付けたコルベールは、錬金の魔術を使える優秀な魔術師の協力を願う。
ただ一つの目的、魔鳥クヴァーシルの討伐のためにと。

「わたくしが生き延びたのは、身を盾にした使い魔によってとっさに守られた数秒の時間が有った事。
そしてその数秒が与えた猶予によって、防御の呪文を唱えられた事によってでございます、姫様」
「まぁルイズ。いったいどんな呪文を唱えたと言うの?
あの恐ろしい鳥の視線にはどんな魔法の達人も耐えられなかったと言うのに!」
「姫様、わたくしは虚無の魔術師でありました。始祖より与えられし伝説の魔術。
虚無の力によって生まれた爆発が、かの魔鳥の視線から放たれる毒を打ち払ったのです」

名前も聞くことが出来なかった平民の少年によって守られ、生き延びたルイズは、
瀕死であったコルベールと共に魔鳥を追って、大きな街にたどり着いた。
クヴァーシルに一矢報いる武器を得んと、店主一家の死に絶えた武器屋に入り込んだ二人が見つけたのが伝説の剣。
デルフリンガーと名乗った剣に教えられ、ルイズは自分が虚無の魔術を操るメイジなのだと知ったのだ。
そしてコルベールは王女と宰相の前でこう語った。

「かの鳥を倒すのは、離れた相手を攻撃する事も出来ぬ剣や槍でも無ければ、
はっきりと視認できる距離でしか放てぬ魔法の力によるものでもありません。
火薬によって離れた相手に鉛の弾丸を飛ばす銃。
それも今までに無い、長々距離に弾丸を飛ばす銃を作り出さねばならないのです」

そう言って、王立アカデミーの研究院の協力をとりつけて新型長銃の開発を始めた。
『錬金』の精度を上げて銃身の強度を増し、装薬出来る火薬の量を増やす。
火薬そのものも湿気や温度変化に強く、より爆発力を高めたものに改良。
なにより、弾丸を正確に真直ぐ飛ばすために銃身の内側に正確な直線のミゾを入れた。
4本のミゾを入れた十字口、8本ミゾの八条口、更に十条口とミゾを増やしていったが、思ったほどの安定した弾道は得られない。
だがある時、偶然にも他の銃よりも安定した弾道をもった銃が製造される。
それは、製造工程のミスでミゾが捻れていた失敗作であった。
捻れ、つまり螺旋状に彫られたミゾこそが、弾丸に回転を与え、飛距離と安定性を生む。
こうして、正確な螺旋ミゾを彫るための試行錯誤が繰り返され、
ついに螺旋ミゾ――ライフリング――を有した長銃、トリステイン・ライフル壱式が開発されたのである。

最新式のフリントロック機構でありながら不発の可能性を極限まで減らしたライフル壱式、
そして始祖の祈祷書と水のルビーを携えて、コルベールとルイズはクヴァーシルを追って旅立った。
何百人のメイジが隊列を組もうと、クヴァーシルの視線の前にはひとたまりも無いのは既に証明されている。
ゆえに、最低限の人数で可能な限り近づき、そして狙撃する。
それこそが、二人の立てたクヴァーシルへの対抗法であった。
けれど空を飛ぶ仇の後を追うのは難しく、更に数ヶ月の時が過ぎ、更に多くの命が奪われていく。
反撃の機会はクヴァーシルの魔眼から運良く逃れたアルビオン皇太子ウェールズと、
彼の率いる『イーグル』号がルイズ達二人と邂逅した事から始まった。
周囲の生き物全てを滅ぼすクヴァーシルの出す羽音を拾って、正確に位置を探る魔術を開発したアルビオン空軍生き残り部隊と、
その船に同乗していた、卓越した風竜の乗り手ジュリオ・チェザーレ。
多くのロマリア市民と教皇までもを殺害したクヴァーシルへの復讐を誓ったジュリオは、
コルベールの願いを快く受け入れた。
それは、命がけの危険な作戦。
クヴァーシルの唯一の死角である頭上から、風竜での高速降下突撃による一撃必殺の狙撃だ。

313 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 17:30:40 ID:GwympvlJ
死宴を支援

314 :以前3行で書いたやつの改訂版:2007/09/23(日) 17:31:42 ID:mELT2me1
失敗すれば大地に打ち付けられて死ぬであろう作戦に、しかし誰一人としてやめようと言う者は居ない。
誰もが決死の覚悟を決めて杖と剣と銃を打ち合わせた時、メイジの一人がクヴァージルを発見したとの報告を届けた。
イーグル号を降り、ウェールズ皇太子と共に馬でクヴァーシルへと近づくルイズ。
鬱蒼とした森の中では、上空から襲い掛かることなど出来ない。
クヴァーシルを挑発し、魔眼の鳥を森の外におびき出すのが二人の役目だった。
森の中で羽を休めていたクヴァーシル。
皇太子は小さな声で詠唱するのは、強力な攻撃のスペルだ。
だが呪文が完成するよりも早く、殺気を感知したクヴァーシルが目を開き、二人にむかって襲い掛かる。
迫り来る恐るべき速さの飛翔と恐るべき視線。
即死の邪視をルイズの放つ虚無がかろうじて受け止める。
どう! と倒れ臥す馬から飛び降りつつ謝罪の念を向けながら、皇太子とルイズは森を走った。
木が死ぬ。草が枯れる。リスが兎が狼がイノシシが死ぬ。森の命が滅びる。
あらゆる生ある物をことごとく死滅させつくして、クヴァーシルは森を飛んだ。
転がるように森を飛び出す二人。
追って現われたクヴァーシルの視線を、虚無の魔法が弾き飛ばす。
その瞬間こそ唯一の好機。
今度こそ二人を仕留めんと反転した瞬間のクヴァーシルへと、自由落下よりもなお早い速度でジュリオの竜が急降下した。
だが、魔鳥が気付く方が早い。
間に合わないと気がついて――
否、始めから間に合わぬと知っていたコルベールは、既に『フライ』の魔法を唱え終わっている。
最高速にのった竜の背を蹴って、銃を構えたままで飛び出すコルベール。
銃口は邪視の鳥の眉間にピタリと合わせられ、引き金には人差し指がしっかと掛けられている。

「だめだコルベール師、まだ―――」

それでもなお、クヴァーシルの視線の方がわずかに早い。

「なに、これで間に合いますとも」

その時、あまりの風圧にコルベールの仮面が外れて飛んだ。
一年ぶりの外気に晒されるのは、ひどい火傷に崩れた顔面と白濁した眼球。
彼が魔眼の鳥から生き延びたのは、あの時自分の眼を自分で焼き切ったからであった。
目から体内に侵入して人を殺す猛毒の視線は、ゆえにコルベールを即死させない。
次の瞬間に蛇のように絡み付いて耳から侵入して炎蛇を殺すだろう。
それでも、わずか一瞬の差で銃弾は放たれるのだ。
コルベールの死を、代償として。

「だめよ! 死なないでコルベール先生!
もう誰も私の目の前で死んで欲しくない……死なせないってアイツに誓ったから!」

ルイズの脳裏に自分をかばって死んだ使い魔の姿が浮かぶ。
咄嗟に唱えた呪文は虚無の呪文『幻影』であった。
脳裏に浮かんだ使い魔、平賀サイトという名の異世界の少年の姿が、コルベールの姿を隠すように現われる。
クヴァーシルのルールはたった一つ。
『見られたら、死ぬ』
ゆえに幻影の後ろにであろうとも、姿を隠したコルベールに死の視線は届かなかった。

銃声が一つ。
バツリと、鉛の弾丸がクヴァーシルの眉間を貫く。

クヴァーシルとコルベールは交差して、鳥は天へと、炎蛇は地へと。
魔法による制動が間に合わず地面に激突する寸前のコルベールを、ジュリオの風竜が間一髪で咥え取った。

315 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 17:33:49 ID:l3n3YfKv
支援

316 :以前3行で書いたやつの改訂版:2007/09/23(日) 17:34:06 ID:mELT2me1
「まったく、もう少し僕やコイツを信用して下さいよ、コルベール師」
「いやはや、また死に損ないましたか……」
「先生、クヴァーシルが!」

竜の口から開放されたコルベールが、ルイズに促されて見上げれば、青い月へと飛び続けるクヴァーシルの姿。

「まさかあの化け物、まだ生きているのか!?」
「いや―――鳥にまつわる、空の船乗りの間で知られている話がある。
強い気流のなかで絶命した鳥の中には、死んだ後もずっと飛び続けるものが居るのだ。
あの魔鳥もきっと―――」

慌てて風竜に乗り込もうとしたジュリオに語ったのは、ウェールズ皇太子。
王子の眼は、すべての終わりを見届けるように静かに澄んでいた。
四人の間に沈黙の帳がおりる。
その中で、コルベールが呟くように、唄うように、クヴァーシルを見送った。

「どこまでも飛んでゆきなさい、鳥よ。そこがあなたの場所なのだから。
鳥は空を飛び続け、蛇はまたこれからも地を這うのでしょう。
私がかつて奪い、今度もまた守れなかった幾多の命の分まで。
いつか、私がお前の場所に召されるその日まで……さよならですなクヴァーシル」

その言葉を最後として、ハルケギニアの住民を恐怖させた魔鳥の事件は終わりを告げた。

「さて、トリステインへ帰りますか」
「そうね、先生」
「では王都までイーグル号でお二人を送りましょう」
「僕も二人を見送ってからロマリアに帰還するかな」

四人はそれぞれの感慨を噛み締めながら帰路につこうとした。
そんな四人を、戦いの終わりを知ったイーグル号が迎えに来て、そして開口一番。

「船長! ゲルマニアの魔法学院で巨大で九本尻尾の白い狐の魔物が召喚されたそうです!」
「ガリアのリュティス魔法学院で死病をまきちらす自動人形の一団が召喚されたと連絡が!」
「我がアルビオンの魔法学院でも火を吹きながらジャンプする怪人が召喚されたと、いましがた緊急報告が!」
「ミス・ヴァリエール、コルベール師、帰国は一時中止だ! 協力を頼む!」
「やれやれ、ゆっくり休む間もありませんな」
「任せて下さい! こんどはもっと、ちゃんと戦ってみせますから!」
「もちろん僕も参加させてもらいますよ」
「総員配置に付け! イーグル号、発進!」

颯爽と飛び立つ空の帆船。
この年以後、ハルケギニア全土の魔法学院で使い魔召喚は禁止されたとさ。

以上で投下終了です。お粗末さまでした。

317 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 17:35:14 ID:GwympvlJ
ちょw

藤田せんせ自重しろw

318 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 17:35:20 ID:oZ1fI7Wq
ちょっとまて
これ全部壊滅させるかよw

319 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 17:35:48 ID:BfIPMXH5
乙。ミネルヴァを仕留めるのは本編のあの流れか。
そして最後に何を召喚してるんだあんたらというかアルビオンのソイツはどっちのジャックだw

320 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 17:36:06 ID:l3n3YfKv
色々と台無しだw

だが、GJ!

321 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 17:37:25 ID:tkRnkdJY
GJ!面白かった。

とりあえずバネの貴族様は無駄にかっこいいぜ。

322 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 17:38:30 ID:VPun+f1G
GJ!
白面にオートマタ、バネ足が来たかっ
ハルケギニアは滅んだな!

323 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 17:43:26 ID:mELT2me1
コッパゲTueeeeeをやろうと思ったのに、
最後の最後で全部ダイナシだよ自分。

324 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 17:45:07 ID:EmhKT/0f
異世界に飛ばされたと思う間もなく即死したサイト・・・

325 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 17:49:02 ID:4tg/NV3U
GJ!
まさかミネルヴァが出るとは!そしてオチに伊衛門茶吹いたww
スレでミネルヴァ出たらいいなとか書いた身としてマジ感無量です。
本当に有難うございましたっ!

326 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 17:55:36 ID:mLIsT0Lx
最後で色々と台無しだ(褒め言葉)www

あ、コンストラクトになってやすぜ旦那

327 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 18:10:50 ID:VWbi2t1+
contract(契約)
construct(構築)
思いこみで間違って読んでることって結構あるよね。
俺、このスレで指摘されてるの見るまでずーっとハルキゲニアだと思ってたし。

328 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 18:30:35 ID:C00elDlT
GJ!
花は一人で植えろってww

329 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 18:43:48 ID:D4uYxF3f
正直各国の魔法学院はとっくに全滅してると思った

330 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 18:52:38 ID:DVwo18h9
>>157
まだ議論中みたいだから今から何か言っても仕方ないけど、
いざとなったら雑談分を増やせば良いんじゃない?

331 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 18:55:55 ID:AclpHgJo
からくりならフェイスレス召喚が面白そうとオモタ

332 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 19:00:14 ID:hypz9eI6
タイムボカンシリーズからヤットデタマンを召還

でもいつもは時ワタル。

ギーシュとの決闘ではワルキューレに投げ飛ばされてみんなの視界から消えると、
何処からともなく笛の音が

「驚き桃の木山椒の木、一気に時を渡りきり、
 ついに出た出た、やっと出た!
 ハルケギニアのアイドル、ヤットデタマン!!」

バラ手裏剣とドレミ剣で決闘終了。


フーケのゴーレム相手にヤットデタマンとルイズが鍵と錠前を掲げ

「驚き桃の木山椒の木、ブリキにタヌキに洗濯機、やってこいこい大巨神!」


最後は「大激怒ーー」でドッカーン。
「やられちゃったー悔しいなー、今度こそ勝ちましょうー、さーよーなーらーー」

333 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 19:01:44 ID:tDmvs0+/
トレーニングチームを雇っているのはヴァリエール家か?

334 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 19:02:44 ID:mELT2me1
道が開いてるようなのでまた投下してよろしいでしょうか?

335 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 19:02:46 ID:DVwo18h9
>>332
> 「やられちゃったー悔しいなー、今度こそ勝ちましょうー、さーよーなーらーー」
ぼろぼろの格好で撤退していくフーケ萌え。

336 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 19:09:10 ID:tDmvs0+/
>334
いっけー

337 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 19:09:20 ID:j/Evjd70
>>334
GO!

338 :虚無の使い魔と煉獄の虚神:2007/09/23(日) 19:10:41 ID:mELT2me1
反応も無いので俺Tueeeeeeeee!投下します。悪しからず。

森の中にうつ伏せて倒れていた男は、死の寸前に見えた。
たくましくも美しい筋肉を外気にさらし、奇妙で複雑な刺青の刻まれた背中は焼け焦げている。
足元から落雷にあったかのように下半身に行くほど酷くなる火傷のせいで、足先など完全に炭化している様子だった。
かすかに息があるのか時折ビクリと震えるが、奇跡でもおきない限り男の死は避け得ぬ事だろう。
だが、いずこに居るとも知れぬ神は彼を見捨てなかった。
そも、此処で倒れている事自体、彼が有り得ぬ奇跡によって救われたとも言えるのだから。
赤と青の月が照らす森の中。
倒れた男に気付く、流れるような金髪の少女の姿。
普段は夜の森を歩く事など無い少女だった。
野党こそそう現われはしないが、夜行性で人を襲うような獣は少ないが生息しているのだから。
だが、まだ肌寒い早春の月夜にだけ開花する珍しい花を見るために、今夜だけは子供達と共に散策していた事が、
結果として死に掛けていた男を救ったのである。
「大変!」
悲鳴のように叫んで男へと駆け寄る少女。
その耳は、人では無い者の証とでも言うように長く尖った形状をしていた。

【虚無の使い魔と煉獄の虚神】

「どうかお待ち下さい、『神の如き』グレン殿!」
レコン・キスタ討伐へ赴こうとしたグレンを止めたのは、アルビオン王党派貴族達だ。
皇太子を暗殺され、老王は最初の突撃で戦死した。
死地と知ってなお王家に従った忠臣達は、従うべき旗を失ったのだ。
だから死に場所をこそ、彼等は求める。
「最早王家の再興はならず、我等に仕えるべき君主も無し。
かくなる上は、せめてあの逆賊どもに一矢なりとも報い、真のアルビオン貴族ここに有りと、
我等の怒りを怨敵に知らしめ、後世に伝えられるように誇り高く討ち死にする事だけが我等の望み。
御身がやつばらに神罰を下されるは、その後にお願いしとうございます
さすれば我等、なんの憂いも無く戦場を駆ける事が出来ましょう」
王家以外には下げぬと決めていたであろう頭を下げて平伏し、生き残りの王党派貴族247人がグレンに懇願したのだ。
アルビオンの敵と戦うのは、まずアルビオン貴族の自分達の役目である。
正論だ。
誇りや忠義のために命を賭けるのが貴族というものだ。
道理であろう。
だが、そんなものは自殺と同じにしかサイトには思えなかった。
「なんとか止められねぇのかよ、グレン・アザレイ! あんたは神様みたいなモンなんだろう!?
だったら、あの人達が無茶する前に敵をやっつけて来りゃあイイじゃないか!」
戦死者の葬儀で慌しいニューカッスル城の一室で、サイトは怒鳴った。
この期に及んで本を読んでいるタバサとグレンが居た、城の資料庫の中だ。
「戦場とは人が死ぬ場所だ、少年。
それ以前に、わたしがレコン・キスタの者達を殺すことも、
王党派がレコン・キスタの将兵を殺すことも、
あるいはレコン・キスタが彼等を殺すことすら、本質的になにも違いはせぬ。
わたしは『神に近き者』と呼ばれるが、それを求めても未だ至ってはいないのだから。
ならば彼等自身が矜持ゆえに戦場に倒れる事を選んだ以上、止める理はわたしには無い」
グレンは静かに、王党派が戦場に出る前にレコン・キスタをグレンが滅ぼす無意味さを説く。
グレンとて神ではなく人間だ。その手が殺戮を行うのは、神意ではなく人間グレンの意志でしかない。
この太陽の如き英雄は、自分が大量虐殺者である事を揺るがずに見据えていた。
殺す事に無自覚なほど鈍感でも、殺す事に馴れるほど乾いているのではない。
意思の力で、心の揺れを完全にねじ伏せられる人間だからこそ、この男をして人は『神に近き者』と呼ぶのである。
その傍らに立つ雪風の娘もまた、人が人を殺す罪を震える事無く受け止める人間だ。
自分の使い魔が5万の人間を皆殺しにした戦いを、タバサはただ静かに飲み込む。
二人に向かい合うサイトは、彼等とは真逆の存在だった。
心を震わせ、怒りを燃やし、情に揺られる事で力を発揮するガンダールヴ。
サイトにとって、グレンの正しさは絶対に認められない正しさだ。
「もういい! アンタには頼まねえ!」
叫んで、サイトは資料室を飛び出した。
行く先はルイズ達が与えられた部屋。彼女達なら、なにか知恵を貸してくれると信じて。

339 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 19:12:20 ID:p7h0WidV
sien

340 :虚無の使い魔と煉獄の虚神:2007/09/23(日) 19:13:05 ID:mELT2me1
―――ミス・ロングビルは元アルビオン貴族である。
とは言っても、とある事件が原因で名誉も家名も王家によって奪われた人間だ。
アルビオン貴族が藁束のように死のうとも、気にする義理は無い。
それでも、大勢の人間が自分から死にに行く馬鹿な行為を平然と見ていられるほど、無感動になれるワケでは無かった。
いや、少し前までは乾き切っていたはずの心に、人間らしさが戻っていたと言うべきか。
それはルイズの誇りが、キュルケとの友情が、もたらした変化だった。
だからつい、サイトに言ってしまったのだ。
「まぁ、方法がまったく無いわけではありませんが……」
「本当かフー痛てっ……じゃなくて、ロングビルさん」
うかつな伝説の使い魔をポカリと叩くメガネの才女。
この場には事情を知るルイズとキュルケだけでなく、ギーシュも同席している。
「要するに、あの方達は王家が断絶しているから生きる望みを失っているのでしょう?
でしたら、正しく王家の血を引く誰かを連れて来れば良いのではありません?」
「この国じゃそんなの、そうポンポン転がってるワケないでしょう?」
「ポンポンって……まぁ確かにミス・ツェルプストーの言うとおりだね。
我がトリステインのアンリエッタ王女殿下ならアルビオン王家とは従姉筋だが、
まさかトリステインの王女様や女王様を連れて来るワケにはいかない。
それ以外となると……継承争いやら反乱軍による処刑やらなにやらも有って、
なかなか王家に近い血筋のやんごとない御方というのは居ないんじゃないのかな?」
「そう言えば何年か前にアルビオン王弟が粛清されたってウワサも聞いたわね。
ガリア王弟もそうらしいし、我がゲルマニアの皇帝陛下も継承争いで親族を幽閉しちゃってるし、
王家ってけっこう血なまぐさいわよね、実際」
その継承争いで父を謀殺された王族も身近に居るのだが、今のところキュルケ達は知らない。
ルイズなどは公爵であるので系譜を辿ればトリステイン王家にたどり着くのだが、
血筋が遠すぎるので当然ながら王位継承権などは持っていない。
ともかく、アルビオンの玉座にふさわしい血筋など、そうそう連れて来る事はできないはずだ。
「一応、心当たりがありますから。と、言っても色々ワケ有りな娘ですし、
簡単にあの死にたがっている人達を説得出来るとは思いませんけど……
とりあえず貴方達だけにご紹介しますから、実際逢いに行ってみますか?」
そう言ったのはほとんど気の迷いと、もしも『あの子』が玉座についてアルビオン貴族が平伏したら、さぞ痛快だろうという皮肉な気持ちからだった。
だから、あまり本気で連れて行くつもりは元々ミス・ロングビルには無かったのだ。
どの道ニューカッスル城から目的地であるウエストウット村まで、普通に行って帰るだけで葬儀も終わって王党派の貴族達も出陣してしまうだろうし、
ましてや村までの道程もレコン・キスタの勢力が押さえている今、竜騎士の一騎も居ないのに、現実問題として行けるワケが無いのだ。
ただサイトがあまりに必死で懇願するから、ほだされてポロッと言ってしまったと言う方が近い。
……なのに、気がついたらウエストウッドの森の中に自分達は立っていた。
灰色の壁、二つの壁という『相似』の空間を造る事で二点を強制的に連結するグレンの魔術。
使い魔召喚のゲートにも良く似たこの門を通って、一行は目的地まで一瞬で来ていた。
「うかつ。転移魔法を使うって事すっかり忘れてたわ」
思わず『フーケ』のものになった口調でぼやく。
かくのごとく人は、自分の常識外の事には意外と注意がおろそかになるものである。
「送ってもらったのは良いのですけど、ミスタ・アザレイとミス・タバサは用事があるとかで城に残られて、
私達の帰りはどうなさるおつもりですの?」
「あの扉は相似魔導師が消すか魔法消去を受けない限り、ずっと存在し続けるってタバサが言ってたわよ」
「はぁ……ミスタ・アザレイ以外の人にも相似魔術というのが使えれば、ハルケギニアの交通に革命がおきますわね」
事実、相似世界の交通もグレン自身が発明したこの転送扉の普及によって革命的に変化したとは知らず、
キュルケの答えを聞いてミス・ロングビルはそんな感想を洩らした。
「そんならすぐにコレが見えない所まで離れないとな」
抜き身のデルフを手に、何処か不機嫌そうなサイトが、言って森の中を歩き出す。
本当はグレンの力など借りたくなかったのだが、ここまで来るのに力を借りるしか無かった自分の不甲斐無さに腹を立てているのだ。

341 :虚無の使い魔と煉獄の虚神:2007/09/23(日) 19:14:29 ID:mELT2me1
そんな風に、不満を誤魔化すように獣道同然の道をどんどん進むサイトを、
ギーシュの手前ミス・ロングビル口調を保つフーケが引きとめた。
「そちらではなくて、村があるのは東の方ですわ」
「ああん、ダーリンったら、あわてんぼさん♪」
バツが悪そうに引き返してきたサイトの腕にキュルケの腕と胸が絡み付く。
もにゅん! とした感触に、不機嫌も吹き飛んでサイトの鼻の下が10サントばかり伸びた。
普通ならここでルイズの眉の間が2サントばかり縮み、怒りの声の一つも出るはずの場面。
だがルイズは沈黙したままだった。
しょぼんと下を向いて、心ここにあらずといった風情である。
思えば城から出る前からこんな調子で一言も発言していない。
婚約者に裏切られたばかりなのだから仕方ないと思いつつ、なんだか張り合いが無いキュルケ。
サイトもおっぱいの感触は感触として、真面目な顔になって心配そうにルイズの様子をうかがった。
「さあ諸君、高貴な方を迎えにゆくのだ! 胸を張って背筋を伸ばして行こうではないか!」
そんな中、空気を読まないギーシュだけが、元気一杯でミス・ロングビルの後をついて行くのだった。
そうして歩くこと数分。
とにもかくにも、一行は目的地・ウエストウッドの村へとたどり着く。
「あっ! マチルダ姉ちゃんだ!」「おかえりなさい、マチルダお姉ちゃん」
等々、ミス・ロングビルを見つけた子供達が集まってきた。
「マチルダ?」
「私の本名ですわ」
「ふーん。好かれてるのねぇ」
群がってくる子供で団子状態になった彼女をもキュルケはニヤニヤと笑って見ている。
ミス・ロングビルは少し照れたふうに咳払いをして、自分の袖にしがみついている少年に確認をとる。
「ジャック、ティファお姉ちゃんは家に居る?」
「おでかけしてるよー。きのみをとりにー」
「そうかい」
確認して、一行に向けてにっこりと極上の笑顔を見せて言う。
「さて、この村はご覧の通り子供達だけで暮らしています。
ですから、お客だからと言ってただ歓迎と言うワケにはいきません。
貴族の皆様には申し訳ないのですが……
お茶をお出しするための焚き木拾いと水汲み、尋ね人が帰るまで手分けしてお願いしますね?」
タダメシ食わす気はこれっポチもねーぞ、と云う文字が笑顔の裏にバッチリ見えた。
……嫌などと言えるワケが無かった。

さて、男は力仕事の水汲み、女は焚き木拾いと割り当てが決まって、
キュルケはブツクサ言いながら、ルイズはぼーっとしたまま、村の周囲で落ちた枝などを拾っていたその頃。
サイトとギーシュは恐ろしいモノと出会っていた。
全身がガクガクと震える。汗がふきだす。見開いた目を閉じる事も出来ない。
あんな恐ろしいモノ、今まで生きてきた十数年の間、見たことが無かった。
―――それは水を汲みに来た泉で水浴びをする清楚で可憐な金髪の少女の、おっぱい。
おっぱいだ。そう。それは間違いなくおっぱいのはずだ。
けれど、それは……それは、サイズが違う。存在感が違う。インパクトが違う。
あどけなさすら感じさせるか細い少女の胸に揺れる二つの果実。
ルイズのそれをサクランボとすれば、スイカに違いない。
キュルケやフーケのそれですらメロンなのにスイカ! 夏の王者スイカ! ビバスイカップ!!
サイトの脳裏では名曲『スイカの名産地』が流れていた。
スイカとか知らないギーシュの脳裏にも流れていたっぽい。
スイカの名産地は素敵な所なのだ。綺麗なあの娘の艶姿なのだ。
今、異世界人とメイジの少年、二人の心は一つになっていた。
すなわち「スイカにかぶりつきてえぇぇぇ!!」と。
「どっ、どうする!? どうしたら良いと思うかね、サイト!?」
「あああ、慌てるなギーシュ。ここは落ち着いて、落ち着いて―――られるかよ!」
「そそそそ、素数を数えるんだサイト。素数は1とその数以外では割り切れない孤独な数字。
素数がぼくらに冷静さを与えてくれるッ!」
「そうか素数か! って、有るのかよ素数の概念! ハルケギニア的に!」
錯乱して世界観すらピンチに陥れる発言をする二人は、泉の側の茂みに隠れていた。
おっぱいは……じゃなくて少女は全裸であった。だって水浴び中だし。
少女の周囲では、一緒に水浴びをする幼女が数人居たが、幸いそっちに反応するヤバい趣味は二人とも持っていない。
って言うか、おっぱいしか目に入ってなかった。むしろ脳ミソがおっぱいになっていた。耳が長いとかも完全に意識の外だ。

342 :虚無の使い魔と煉獄の虚神:2007/09/23(日) 19:17:53 ID:mELT2me1
ゆえに―――気がついた時には決定的に遅い。
「ナニをやっているのか聞いてもイイかしら、エロ犬?」
「…………る、るいずサン、居たんデスかー?」
背後に『遅くなったサイトを心配して探しに来た少女』改め『怒れる魔王』が降臨していた事に気付けなかったのだ。
「こここ、これは、あの、その、決してワザとではなくてデスね!」
「問答無用!」
ルイズのマンティコア隊式アイアンクローが額に食い込んだ。
白魚を思わせる五指が外見からは思いもつかない怪力を発揮して、万力の如くギチギチサイトのアタマを締め上げる。
更にそうして掌握したまま、ルイズは鋭く立てた手刀を喉に向かって突く突く突く突く。
「おぶっ! おぶっ! おぶっ! おぶっ! おあぶっ!!」
いわゆる地獄突き。若い子は知らないかもしれない『人間山脈』の必殺技である。
「さーて、それじゃあ釈明を聞こうかしら?」
ぷしゅ〜っ、と喉から煙を上げるサイトを投げ捨て、ルイズがにっこり笑った。
ガクガクと首を縦にふる、ちょっとチビっちゃったギーシュ。
突然の事態に子供達と身を寄せ合って震えるおっぱい少女。
ルイズと一緒にサイトを探しに来ていたキュルケだけが、嬉しそうにルイズの復活を喜んでいた。

結局「あれを見て目を逸らせる男は居ない」と言い訳するギーシュをキュルケとのツープラトン・ラリアット『クロスボンバー』で沈め、
ルイズ達は水浴びをしていたおっぱい少女ことティファニアと出合った。
「まさか、この子がアルビオン王族だったなんて……」
「なるほど、確かにワケありよね」
ミス・ロングビルことフーケことマチルダ姉さんの連れてきた人という事で、
すこしだけ警戒を解いたティファニアと共に戻ってきた小屋で、四人の女性はテーブルを囲んで話し合う。
ちなみにサイトとギーシュは床で正座。
「ティファニアは正真正銘の王族の娘さ。財務監督官をしていた父親の大公は国王の弟。
つまり死んじまったウェールズ皇太子とは従妹に当たるってワケだね」
「そのティファニア嬢とミス・ロングビル?女史は、いったいどういうご関係で?」
すっかりフーケの口調に戻ったメガネ美女に、恐る恐るといった様子で聞くギーシュ。
ティファニアの水浴びを覗いていたと知られ、先程3メートル級ゴーレムにサイト共々ボコられたから怯えているのだ。
「マチルダで良いよ。この子らにはそう呼ばれてるからね。ややこしいのは面倒だ。
私の本名なんだよ。マチルダ・オブ・サウスゴータ」
「サウスゴータって言ったら、首都のロンディニウムに次ぐアルビオン第二の都市じゃないの!」
「しかも始祖ブリミルの造りたもうた最初の都市とも言われる、
格式伝統ともにハルケギニアで最高と言っても良い都じゃないか!
いやはや、マチルダ女史は随分と立派な家柄のご出身だったのだな!」
「そのサウスゴータ様が、なんで盗ぞ……学院秘書なんかに身を落としたのよ?」
代わる代わる問いを投げかける少年少女に、マチルダはゆっくりと話始めた。
大公であり財務監督官でもあったティファニアの父が、エルフを愛人としていた事。
マチルダの両親、サウスゴータ太守夫婦は大公に仕えており、彼女達を邸で匿っていた事。
その事からティファニアとマチルダは幼い頃から一緒に育った姉妹同然の関係だった事。
四年前、ハルケギニアの誰もが恐れ、敵視するエルフと愛し合っていた事が発覚し、愛人と娘の追放を求められた大公は要求を断った事。
サウスゴータへと王国の軍隊が派遣され、彼女達を助けるために幽閉されていた大公は脱獄した事。
ティファニアを逃がそうと王軍に抵抗した大公と太守夫婦、そしてティファニアの母は皆、王軍に殺されてしまった事。
マチルダとティファニアだけが生き延びて、この村で孤児達と共にひっそりと生きてきた事を、訥々とルイズ達に語っていく。
全てを話し終える頃には、太陽が地平線に落ちようとしていた。
ルイズ達にしばらく言葉は無い。
そんな境遇の少女に、王党派の貴族を助けるために来てくれなどとは、中々言える事では無いのだから。

―――元司教オリヴァー・クロムウェルは反乱軍レコン・キスタの総司令官である。
深い緑のローブで覆った痩身を震わせる男の目算では、今頃レコン・キスタからは『反乱軍』という冠詞が取れて、
自分はアルビオン新政府レコン・キスタのクロムウェル皇帝と呼ばれているはずであった。
だが、その目論見はあまりにもあっけなく消えうせてしまっている。
いや、目論みが外れたどころでは無い。

343 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 19:19:40 ID:L6ZvrG8W
し☆え☆ん

344 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 19:19:59 ID:p7h0WidV
sien

345 :虚無の使い魔と煉獄の虚神:2007/09/23(日) 19:20:05 ID:mELT2me1
王党派残党が立て篭もるニューカッスル城へと派兵されたレコン・キスタ五万の将兵と、
それを乗せた軍艦50隻が一瞬で壊滅したという情報は、敗戦の翌日には届いていた。
王党派の新型魔法兵器だ、伝説の虚無の力だ、国王と皇太子による風の六乗・ヘクサゴンスペルによる攻撃だと、将兵の間ではウワサに溢れている。
そのどれもが違う。相似大系と呼ばれる異界の魔法によって、たった一人の神の如き男がやったのだと、クロムウェルは知っていた。
目の前の女が、そう教えたから。
「おおおお、ミス! ミス・シェフィールド! お助け下さい!
この矮小な男を、この哀れな男を、どうか、どうか!
空軍力の半数を失い、王党派の壊滅もならず、将兵は混乱しております!
あげく艦船を沈めた力が『虚無』やも知れぬとのウワサに惑わされ、
レコン・キスタから離反する者まで居る始末!!
このままでは……このままでは私は……」
「なに、心配など要らぬ。要らぬのだよ、総司令殿」
長い黒髪の美女・シェフィールドの足元にはいつくばって懇願していたクロムウェルの頭上から声がかけられる。
杖を携えた従者を左右と背後に従えて現われた、薄暗い地下室の闇を払うような美丈夫の声だ。
「どれほど恐るべき魔法でも、戦場に居なければ意味は成さぬ。
戦って勝つのが難しいのならば戦わぬようにすれば、それでかまわんのだからな!」
整った顔立ちに拳闘士のように鍛え上げられた身体。
青い髪と、同じ色の見事な髭をたくわえた男が、快活な表情に威厳をたたえてクロムウルに歩み寄る。
「よく来てくれたな、クロムウェル総司令殿」
「こ、これは陛下。この度の不始末はまことに、まことに―――」
グラン・トロワ地下室の床に額をこすりつけるクロムウェル。
ここはガリア王国の王都リュティス。
その王宮であるウェルサルテイル宮殿の地下に、クロムウェルは魔法による転移で連れて来られていた。
「かしこまる必要は無いとも司教殿!
私は叱責のためではなく、司教殿に新たな力をさしあげるために呼んだのだからな!」
目の前の美丈夫、ガリア王ジョゼフの命によって。

元々クロムウェルは一介の地方司教に過ぎない。
メイジですらない彼は神官としての敬意は受けても、反乱軍の司令官になど選ばれるはずの無い男であった。
そんなクロムウェルを後押しし、アルビオン王家を転覆させるほどの反乱を成功させたのは、全てこのジョゼフ王の力。
もちろん、クロムウェル以外のレコン・キスタ貴族の誰一人とて知らぬ事ではあるが。
そして今も、ジョゼフはクロムウェルに恐るべき力を貸そうとしていた。
「さあ、ついてきたまえクロムウェル卿」
シェフィールドに先導され、より深い地下へと案内される一行。
進むほどに寒さを増す螺旋階段を下りる、クロムウェルの震えは止まらない。
寒さと、この先にあるであろう未知の何かに怯えているのだ。
そんな地位に似合わぬ臆病な男に、無能王と陰口を叩かれる男が話しかけた。
「時にクロムウェル卿。君は『召喚されし書物』というモノを知っているかね?」
「……は、はい、存じております。
30年程前に、いずこかのメイジが実験中偶然召喚した異界の書物だと。
今は確か……ゲルマニアのツェルプストー家の家宝になっているはず。
その価値は、価格にして数千エキューは下らぬとか」
「はは! 価格など何の意味も無い。
いや、その書物に価値など何一つ無いのだよ司教殿!
重要なのは『異界』なる場所が間違いなく存在しており、
その異界からハルケギニアには存在せぬものを召喚する方法があるという事だ!
私はそのメイジの行った召喚実験の記録を手に入れ、それを詳細に検証させた!
王立魔法研究院の総力を結集してだ! ああ、何年もかけてだとも!」
ついに階段の終点へとたどり着く。
ツララの下がった天井の下、霜の降りた鉄扉の前には、防寒の毛皮を纏ったジェルヴェーヌとワルドが立っている。
「完成された呪文により、私は異界の品々を手に入れる事ができた!
尤も、その召喚魔法にも欠点があったのだがな。
実に残念な事に、呪文は生命を持つ者を呼び出す事が出来なかったのだよ!
だが問題は無い。ああまったく問題は無い! そうだろう、クロムウェル卿!
なぜなら、我等の手には『アンドバリの指輪』があるのだから!!」
自分が呼ばれた意味と、この地下室の寒さの意味を理解して、クロムウェルは怯えた。
怯えて、シェフィールドやワルド、それにジェルヴェーヌを見る。
指輪を数回、シェフィールドに言われて渡していたクロムウェルは彼女等が死体でないかと疑ったのだ。

346 :虚無の使い魔と煉獄の虚神:2007/09/23(日) 19:21:23 ID:mELT2me1
そう。この扉の先にはきっと死体が積まれているに違いない。
異界から召喚されたという、無数の死体が。
「異世界の魔法を君に与えてやろう司教殿! 喜びたまえ! 誇りたまえ!
お前は異界の魔術師を指揮して勝利する歴史上初めての指揮官になるのだからな!!」
巨躯を揺らして傲然と笑う王の背で、重たい鉄の扉が開かれる。
「ひいぃぃ!」
いつのまにかしゃがみ込んでいたクロムウェルは、情けなく悲鳴をあげた。
目の前に現れるのは、地獄と呼ばれる『地球』で無残な死をとげた刻印魔術師や犯罪魔導師達の屍と屍と屍と屍と屍と……

―――平賀才人はガンダールヴにして地獄の悪鬼である。
二つの月に照らされる村の小さな広場で、サイトはデルフを手に素振りをしていた。
一応自分達の事情をティファニアに話はしたものの、返事はしばらく待って欲しいと彼女に言われ、なら答えが出るまではと、
一行はウエストウッド村で滞在する事になったのである。
「なあデルフ、あの子は来てくれると思うか?」
「さぁね。俺は単なる剣だからね。人間のココロのキビなんて面倒なモンはわからねぇよ」
「六千年も生きてるのにか?」
「六千年ぽっち生きてても、だな」
素振りをしながら話しかけたデルフの返答はそっけないようでいて、なんだか深いような気もする。
「だったら伝説の剣に戦いに関する質問するぜデルフリンガー。
この前言ってたガンダールヴの力のコントロールってのは、どうやれば良いんだ?
やっぱアレ? 明鏡止水とか、座禅でココロを自然と一体にするとか言うヤツ?」
「悪りぃがそんなのは奇麗事だぜ相棒。
剣を片手に戦ってる最中に、そんな事やられちゃ俺っちも敵もたまんねぇやな。
必要なのは氷のような殺意だよ。冷たくて硬い、鋼鉄みてーな殺意を持てば心は震えねぇ。
揺るがない、動かない、燃えるモンでも溢れるモンでも無い、
ただ敵を殺すって暗殺者みてーな殺意で戦えば、ガンダールヴのルーンは力を発揮しねぇのさ」
身も蓋も無いデルフの言葉に黙り込むサイト。どうも自分には無理そうな事だ。
それでも一応、努力はしてみることにした。
デルフリンガーの柄を両手で握り、意識を集中してみたりする。
まぁ、今まで平和な日本で暮らしていた、その上剣道部でもないサイトに「意識の集中」の仕方なんかは全然判らないのだけど。
それでもとにかく、氷のような殺意とかを映画などで見た知識の中からイメージしてみる。
「きえぇぇぇぇいっ!」
「きゃっ!?」
突然奇声を発したサイトに驚いて、通りがかりの少女が可愛い悲鳴をあげて転んでしまった。
不思議な形の寝間着を着たエルフとのハーフ、ティファニアである。
「わ、悪い。大丈夫だったか?」
「あ、うん。私こそごめんなさい」
倒れた少女に手を差し伸べるサイト。
不謹慎にも、ぐっと力を入れて立たせる時に夜着の下で揺れたおっぱいにサイトの目は釘付けになった。
その視線に気がついて、恥ずかしそうに胸を隠すティファニア。
サイズが大きすぎて隠し切れず、腕に抱かれてむにょんとはみ出たおっぱいが、なんだか余計にエッチだった。
ゴクンと生唾を飲み込んでから、あわてて目を逸らし言い訳をするサイト。
「ご、ごめん。その……きみがあんまり綺麗だったから」
「綺麗だなんて……そんな事言われたのは初めてだわ。あなたはエルフが恐くないの?」
キョトンと、不思議そうに聞くティファニア。
同年代の男の子と話すのが初めてなので不思議なのだ。
もう一人の同年代であるギーシュは、多少エルフの特徴である耳に対して警戒をしている様子であったし。
「いや、そんな全然。だって本当に綺麗じゃんかティファニアって。
なんであいつらが恐がるのか、まったく理解できねぇもん」
天然な少年の言葉に、少女の頬がポッと赤くなる。
ルイズ相手にもこれぐらい言えたら、もうちょっと報われるだろうに。
そのルイズはと言うと、双月の下で見詰め合う二人を小屋の影から睨み付けていたり。
夜中に寝床から抜け出したサイトを心配してつけて来たのだが、出て行くタイミングを逸している間に、
こんな状況になってしまったのである。
「あの使い魔ったらぁぁぁ! 私には可愛いなんて一度も言ったこと無いクセにいぃぃぃ!」
ご立腹して飛び出そうとしたルイズだったが、サイト達がなにやら話し始めた事でまたタイミングを失う。
「こんな夜中まで剣の練習なんて、あなた随分熱心なのね。ええっと…ミスタ・ヒラガー・サイト?」

347 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 19:22:31 ID:L6ZvrG8W
☆し☆え☆ん☆

348 :虚無の使い魔と煉獄の虚神:2007/09/23(日) 19:22:55 ID:mELT2me1
「サイトで良いよ。まぁ頑張らないとって決めたからさ。練習ぐらいしねぇと」
「私もティファで良いわ。頑張るって、お城の人達と一緒に戦うことを?」
「いいや。俺は王様とか、本当は関係ないから……
ルイズと、それに故郷の家族とかさ、いざって時に守らなきゃってだけなんだよ」
「ルイズさんって、あの桃色の髪の綺麗な人? 恋人なの?」
「ち、違うよ! そうだったら良いなぁって思う事はあるけどさ。俺はアイツの使い魔だから」
その言葉に、ルイズの胸はなんだか切なくて痛くて苦しくなった。
そうだったら良いなって! 良いなって思うって!
サイトはルイズの使い魔だ。
使い魔だから危険な目に遭って、片腕を失くしてしまうような怪我をした。
自分のせいで、と思うと、ルイズはこれ以上サイトが自分のそばに居てはいけないのでは無いかと不安になる。
なのに、ワルドに殺されそうになった時、自分が呼んだもの、助けに駆けつけてくれたのもサイトだったのだ。
その時だって、サイトは恐ろしい敵の魔術で大変な目にあってしまうかもしれなかった。
間一髪でグレン・アザレイが現われなければ、きっと醜い怪物にされるという死よりも恐ろしい目に遭っていたはずなのだ。
自分の『せいで』戦って、いつかサイトが死んでしまうかもしれない。
考えるだけで、ルイズは心が凍りつきそうになる。
なのに。
サイトが自分の『ために』戦ってくれていると思うだけで、ルイズの胸は熱くなった。
使い魔だからでは無く、自分を好きだから駆けつけてきたのだと思うと、恐れが歓喜にとってかわるようだった。
向こうではティファが、人間が使い魔だなんて変わってるのね、などと驚いていたが、まったく耳に入らない。
ルイズはふわふわした足取りで貸してもらった小屋の自室に帰る。
なんだかニヤニヤした顔でベッドへ倒れこんだルイズは、同室になっていたキュルケをたいそう気味悪るがらせるのだった。
「やっぱり偉いわ、あなたって」
一方で、サイトとティファの会話は続いている。
「偉い? 別に偉くなんて……」
「だって、誰かを守るために命をかけるなんて、誰にでも出来る事じゃ無いわ。
それに、本当は関係ないお城の人達を助けるために、こんな所まで来たんでしょう?
それは、とても立派な事だと私は思う」
ストレートなティファの褒め言葉に、サイトは両手をブンブンと振ってテレた。
地球に居た頃もあんまり褒められる事とは無縁だった少年だ。
こんな美人で、しかも革命的なおっぱいの女の子に褒められるなんて!
その上真夜中に二人っきりで寝間着姿の相手に! と、すっかり舞い上がってアップアップになるのも当然の事だろう。
「いや、そんな、俺なんて! それに……それに……」
しかし、今も死ぬために戦いの準備をしている城の人達の事を思い出して、一気に脳の熱が醒めた。
「それに俺、お城の人達の事なんて良くは知らないけどさ、
あの人達はみんないい人だったんだ。そりゃ、全員と話したワケでも無いけど。
明日死ぬかもしれないってのに、俺なんかに優しくしてくれてさ、
無理に明るく振舞ってて、誰も泣き言なんか言わなくって、守るべき物のために戦うんだって……
正直に言ったら、馬鹿みたいだって思う。だって、死んだら終わりなんだぜ?
しかも今だったら、逃げようと思ったら逃げられるし、他人に任せようと思ったら任せられるんだ。
全部全部グレン・アザレイに任せちまえば良い事じゃねーか!
誇りとか名誉とか、忠誠だとか民のためだとか、ホントにわかんねぇよ。
けど、守りたいって気持ちは判るから……判るから、あの人達にこんな所で死んで欲しくねぇんだ。
結局勝手なんだな、俺って」
なんだかせつなくなってサイトはしょんぼりと落ち込んだ。
特にグレン・アザレイという『英雄』に全てを任せれば良いなんて、自分が絶対に言ってはいけない言葉だったから。
それでは魔法世界全ての人のために地球人を皆殺しにしようとしたグレンの行為も認めてしまう。
でも自分は実際にそれを頼みに行った事に、今更気がついてしまったのだ。
「そうね。あなたはきっと自分勝手だわ」
ティファの言葉がそんなサイトに追い討ちをかける。
更にうなだれた少年の肩に、そっとやわらかな手が添えられた。
「でもそれは、きっと素敵な自分勝手なんだわ」
鈴を転がすようなティファの声が耳元で囁かれる。
サイトはなんだか泣きたい気持ちになって、小さく「ありがとう」とだけ答えていた。

349 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 19:23:02 ID:DVwo18h9
しぇん

350 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 19:23:19 ID:jkys0Xwi
うぜえ
さっさと連投規制されろ

351 :虚無の使い魔と煉獄の虚神:2007/09/23(日) 19:24:56 ID:mELT2me1
―――北花壇警護騎士団はガリア王国の秘密部隊である。
騎士団であるからには、その団員は王国に忠誠を誓い、召集されれば必ずはせ参じなければならない。
忠誠など捧げる理由など何一つ無いタバサにとっても、その辺りの事情は同じだった。
アルビオン王党派の決戦が近い現在でも関係なく、任務は与えられる。
迎えの竜騎士に連れられて半日、タバサとグレンはヴェルサルテイル宮殿の一角、小宮殿プチ・トロワに来ていた。
タバサは今グレンを宮殿の外に待たせ、自分を呼び出したイザベル王女と会っている所だ。
王宮と言うよりも華麗な荘園といった趣のヴェルサルテイルは、今を盛りと花々が咲き乱れている。
手入れの行き届いた花壇に囲まれた焼きレンガの道を、黒いローブの男が歩く。
宮殿の様子を見回し、もし攻めるとすればどうするか、と考えるグレン・アザレイである。
尤も、本気で攻めるならそれほど苦労はすまい。
グレンはかつてこの世界とは魔法技術水準の違う魔法世界で、フラリと立ち寄った相似世界の『協会』支部、
つまり相似世界最高最強の魔術機関に正面から単独で攻め入って、そこに詰めていた高位魔導師五十四大系・六百三名を殺害し、
更に相似大系の文明そのものとも言える最高位魔導師を決闘で打ち破った男なのである。
宮殿に居る全ての貴族と兵士を相手に戦っても、なお無傷で居られるだけの実力をグレンは持っている。
その事実が、花を愛でる余裕さえもって闊歩するグレンに対し、誰一人誰何や制止をする事を許さない凄みとして伝わっていた。
悠々と歩むグレンが、旅をしてきた数多の世界では見ないハルケギニア独特の花を見かけて花壇へと顔を向ける。
万に達すると言われている既知魔法世界において、天体条件や動植物等は魔法による変異や改良を受けていない限り、どの世界でも同一になっている。
この世界で見るものは、旅人であったグレンにとっても新鮮な驚きで満ち溢れているのだ。
魔法世界でも特に発達した魔法文明である相似世界と比べて、人々の暮らしぶりは決して豊かだとは言えないが、
動植物の相や風石、幻獣、亜人、先住魔法など、様々な資源についてはとても豊富な世界だと言える。
それに、ぶれの無い物理法則を持ちながら悪鬼の住まぬ環境。
魔法技術向上のための実験を望む魔法使いにとって、至上の環境がここにはある。
魔術師の理想郷をその花に凝縮して見た気がしてグレンは膝をつき、薔薇を飾るようにつつましく咲く可憐な花へと顔を寄せた。
その刹那。いずこかで見た顔を視界に捉えた気がして、神に似た男は顔をあげる。
あるのはただ美しく広がる花壇の花々だけ。
「―――気のせいか」
記憶の端にひっかかる、顔を包帯で隠した女の姿は何処にも見つけられなかった。

……それから数時間後、タバサとグレンは車中の人となっていた。
地方領主であるアトワール伯の誕生日を祝う園遊会へと向かう、豪華な八頭立ての大きな馬車である。
幻獣であるユニコーンに引かれたゆうに10人は乗れるような馬車には、交差した杖と「更に先へ」と書かれた紋章が描かれている。
まぎれもない王家を表すその紋章。
父王ジョゼフから王女イザベラに与えられた御座車に、二人は同乗しているのだ。
それどころか、タバサは影武者として王女のドレスに冠までかぶって座っている。
そんな馬車の車中は―――実に奇妙な雰囲気で満たされていた。
女主人の席に座するのは『フェイス・チェンジ』の魔法で女王に化けたタバサ。
その隣には新任の侍女という触れ込みの、変装した従姉姫イザベラ女王。
向かいの席には東薔薇花壇警護騎士バッソ・カステルモール。タバサの顔に変身の魔法をかけた、二十代前半の美髯凛々しい騎士である。
そして彼の隣に、もう一人東薔薇花壇騎士の正装に身を包んだ人物が座っていた。
円形に四角形に菱形に三角形等、様々な図形を刻み込んだ、腕ほどの長さのワンドを傍らに立てかけている。
マントの色は鮮やかな青。
ガリアでは王族の警護を任された者だけに貸与される王家の髪色にちなんだそれは、隣に座るカステルモールと揃いの品だ。
マント留めには紅玉をあしらった薔薇の彫銀細工を使った、何処から見ても立派な東薔薇騎士団の貴族に見えるその人物は、
整った、けれど美貌ではなく叡智の深さと苛烈さこそが感じられる顔の男性、グレン・アザレイその人であった。
海の底のように深く、けれど太陽のような灼熱を宿した灰色の双眸は、今は細められ、向かいに座る二人に静かに向けられている。
その視線の先で、いつもなら無作法に行儀悪く、意地悪な言葉と行動でタバサに絡むはずのイザベラは、カチンコチンに固まっていた。

352 :虚無の使い魔と煉獄の虚神:2007/09/23(日) 19:26:24 ID:mELT2me1
傲慢さがなりを潜め、姿勢良く座り、握った小さなこぶしを軽くスカートの上に重ね、俯きがちに頬を染めて視線を彷徨わせる姿は、
元々の美しい容姿とあいまって、まるで深窓の令嬢のようだった。
と言うか実際深窓の女王さまなのだが。
「あの、ミスタ・グレンは人ぎ……シャルロットの、使い魔、なのですね?」
「然り。わたしは雪風の娘によって召喚された者である」
「平民、だともうかがいましたけど、とてもそうは見えませんわ。
その、とても堂々となさっておいでですもの」
「遠い異邦の生まれゆえこの国の魔術とはいささか毛色が異なるが、
わたしが使う魔術、相似大系における魔道の術理を極めつつあると自負している」
「そ、そうですか! そうでしょうとも! わたくしの従妹はとても優秀ですもの!
平民なんかを召喚するはずがありませんわ! ねぇ、シャルロット?」
「………………」
言葉遣いまでまるっきり変わっている従姉の様子に、毛虫でも噛んでしまったかのような表情のタバサ。
そうすると魔法でイザベラそっくりになっている容貌が、皮肉にも更にそっくりになった。
イザベラの異様な態度の理由は判っている。
騎士に変装したグレンを最初に合わせた瞬間にイザベラの目がハートになっていたから一目瞭然だ。
半分ほど飲んでいた紅茶を床に落としても気がつかないほどで、その時からイザベラはとても変だった。
「そうだわ! わたくし、とっても良い事を思いつきましたわ!
ミスタ・グレンも強い魔法が使えるのなら、本当に我が国の騎士になられれば良いのよ!
ああそれが良いわ! 私からお父さまに推薦して差し上げてもかまいませんのよ?」
「使える魔法の強さなど、なんら重要とする事柄ではない。
騎士して採り立てられるならば国を愛し、忠誠の心を持つ者を選ぶべきであろう。
異邦人であるわたしに、残念ではあるがそのような心など無いのだから、
騎士に、などとは戯れにでも言うべきでは無い事だ、女王よ」
「ミスタ・グレン……」
ぽぉっと更に頬を染め、瞳を蕩けさせるイザベラ。
いつもなら自分の誘いを断ったグレンに怒り狂うような場面だったが、まるで気にならないらしい。
むしろ魔法の腕前に感じていた劣等感をグレンに気にする必要はないと言われた気がして、ますます想いに拍車がかかったようだ。
奇妙な生き物を見るようなタバサの目が、いっそう細められる。
「…………ちょっとキモい」
聞こえないほど小声で呟いたタバサの言葉に、給仕として同乗していた数人の侍女がコックリと頷いた。
もしも巷で言われる一目惚れが、神様の仕業だとしたら。
ルイズに一目惚れしたサイトといい、今回のイザベラといい、始祖ブリミルは実に罪深くて悪趣味で―――そして残酷に違いなのだった。
……その夜。
予定の通り一泊する事なにった街の一番高級な宿で、タバサを一番豪華な客室に泊まらせて、
イザベラは自分の部屋とした二番目に良い客室で計画の練り直しをしていた。
アルトーワ伯爵の誕生日を祝う園遊会に招待されたのを利用して、伯爵が謀反のために自分を誘拐しようとしていると言う陰謀をデッチ上げ、
その護衛としてタバサを影武者にすることで、自分で用意した刺客とタバサを戦わせるというのが、そのたくらみだった。
刺客はガリア裏社会でも恐れられるメイジ『地下水』。その正体は手にした人間を操るインテリジェント・ナイフである。
もちろんアルトーワ伯に謀反を起こす気などまったく無い。ただのイザベラによる作り話だ。
だが、なぜかそんな計画を父王であるジョゼフがもちかけ、支援までしてくれたのだ。
イザベラは『雪風』などと呼ばれる、ちょっと魔法が得意だからと生意気な従妹の醜態をしっかり楽しむつもりだった。のだが……
「と、言う訳でこのわたしが直々にグレンさまを人形娘から引き離す役をしてやるから、
わたし達が夜の散歩でムーディーな感じに盛り上がってる間に、
お前は生意気にもグレンさまを独占するにっくきチビを泣かせてやるんだよ?」
なんか目的が変わっていた。
そして目的が変わってもやることに変化が無いイザベラ様であった。
ともかく、イザベラは腹心の侍女を呼んで少し控えめな感じの化粧を施させ、派手では無いが品の良い服に着替えると、
しずしずと階段を上り、タバサの部屋の前で警護の騎士然として立っていたグレンに話しかける。
「あの、ミスタ・グレン。今宵は二つの月が共に満ちてとても美しい夜ですわ。
わたくし夜歩きなどしようと思うですけれど、よろしければ、ご一緒していただけないかしら?」

353 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 19:27:14 ID:L6ZvrG8W
しえ☆すた

354 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 19:28:11 ID:TGnBr/r6
なんか話が歪んだwww支援

355 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 19:30:52 ID:C00elDlT
おいww支援

356 :虚無の使い魔と煉獄の虚神・代理投下:2007/09/23(日) 19:33:53 ID:L6ZvrG8W
409 名前:虚無の使い魔と煉獄の虚神[] 投稿日:2007/09/23(日) 19:30:15 ID:..sq1kP6
本スレの人の望みどおり連投規制くらっちゃいましたよ。
でも一応一区切りまで行きたいので、どなたか代理お願いします。

モジモジと両手を合わせて恥ずかしそうな上目遣いながら、女王さま勇猛果敢に攻めています。攻め攻めです。
「誘いは嬉しく思うが、わたしは今王女の護衛をおこなっている。そなたは他の者を護衛に呼ぶが良かろう」
おっとグレンさん、華麗にスルー。
「おや、王女殿下のお誘いを断るなどなんと勿体無い事を。
騎士どの、ここは私が代わりますゆえ、どうぞお二人でお散歩へ」
「ふむ。それでは頼んだ」
ここで通りがかりの衛視Aを乗っ取ったインテリジェント・ナイフの『地下水』さんがナイスアシスト。
王女さま下向いて「計画通り!」って顔になってます。すっごい悪い顔です。
「あっ。この街、少し足元が悪いみたいだわ」
更に王女さま、宿を出たあたりで17歳にしては豊かな胸を押し付けるようにグレンさんの腕に抱きつきました。
やる気です。本気で攻めに来ています。
「気をつけよ王女。この世界では夜闇を照らす明りも少ない。
されど夜空の美しさを愛でるときには、それもまた良いことであるな」
しかしグレンさん再びスルー。
余裕です。流石に年齢差二倍となると貫禄が違うぞグレンさん34歳独身。
腕に王女を絡みつかせたまま、悠々と夜空を見上げて目を細めます。
「王女よ。この世界に星座や星星の物語があるのなら教えてもらいたい。
悲しいかな、わたしはこの美しい夜空に、あまりに馴染みが無いのだ」
「ええ、ええ! 喜んで教えてさしあげますしてよ!
まずあの真北にひときわ明るく輝く星が始祖ブリミルの御魂が昇天したと言う―――」
嬉々としてガリアに伝わる星座物語を語り始める、高揚して微妙に言葉のおかしくなったイザベラさま。
けれど彼女は、とても重要な事を忘れていた。
グレンはタバサの使い魔であり、通常使い魔は主人と視覚を共有できる。
つまり―――
「……全部、見えてる」
従姉姫の、普段は絶対見られない異常行動が、グレンの視点でバッチリ見えているタバサであった。
イザベラはタバサにとって父親の仇の娘ではあるが、なにもイザベラ自身が憎いわけではない。
性格的に色々と問題がある王女ではあるが、彼女なりのプライドをきちんと持っているし、魔法の勉強等も隠れて頑張っている事も知っている。
両親の事に触れられると流石に殺意を抑える事に苦労もするが、正直なところ憎悪の対象になるほど気にする相手では無かった。
母親の事。父の仇を倒す事。数は少ないが学校での友人の事。使い魔の事。後は本の世界だけが、タバサにとって興味のある全てだ。
けれどイザベラのあんな初々しい姿を見せられたら……
いつかタバサの魔法が父親の胸を貫くのを見たとき、彼女がどんな苦しみを受けるかと想像すると胸が痛む。
だからこそ、タバサは多くのものに心を向けないようにしていたと言うのに。
溜め息を一つ。
タバサは身長より大きな自分の杖で『ライト』の魔法をかけ、光源と共に布団の下に潜り込んで扉が開くのを待った。
グレンと交代で見張りに立った衛視はイザベラを『王女』と呼んでいる。影武者の自分が居るこの部屋の前で。
つまりは始めからグルなのだ。通りがかりなワケが無い。
それが一目惚れした相手と一時の逢瀬を望む一心なら問題は無い。
けれど超常の魔力を持ったグレンという護衛を自分から引き離す意図を持ってなら、次は仕掛けてくるに決まっている。
案の定、ノックも無しに開かれた扉から仮面を付けた衛視が真っ暗な部屋へと入ってきた。
「お休み中ですか、姫殿下」
扉を閉めてゆっくりと、ベッドに横たわるタバサへと近づく男。
その足取りは豪華な分厚いカーテンに遮られて星明りすら入ってこない客室の暗さを気にした様子も無い確かさだ。
「お芝居は、いらない」
言って跳ね起きるタバサ。
布団を勢い良く捲り上げると、ランプとは比べ物にならない魔法の明りが客室に溢れた。
普通の人間なら眼が眩んで一瞬まともに動けなくなるはずだ。
その中で衛視――『地下水』は正確に魔法を唱えてタバサに向けて放つ。
空気の固まりが敵を撃つ『エア・ハンマー』は、素早く次の一手を撃とうとしていたタバサの魔法と偶然にも同じ。
二つの魔法がぶつかり合い、二人の中間ではじけて消える。
「お見事。さすがは北花壇騎士の『雪風』ですな。しかし何処で私の正体がばれたのやら」
「使い魔」


357 :虚無の使い魔と煉獄の虚神・代理投下:2007/09/23(日) 19:35:07 ID:L6ZvrG8W
410 名前:虚無の使い魔と煉獄の虚神[sage] 投稿日:2007/09/23(日) 19:31:59 ID:..sq1kP6
「なるほど。そう言えば使い魔の視覚は主人と共有される。
人の姿の使い魔など珍しいので、すっかり忘れていましたよ。
まぁ、あのマヌケな使い魔殿は幸いにも騙せたようですが」
「違う」
「―――!?」
背後の気配に気が付いて振り向けば、眠らされた女王を腕に抱いた相似の使い魔の姿。
闇の中にあってなお太陽の如き男は、両手の塞がったままで、視線のみを送って魔術を完成させた。
「―――ぐっ!」
「ふむ。これを耐えるとは、その身体はお前の物では無いか」
昏睡している王女の脳と相似にされた衛視の脳が、自ら睡眠状態に落ちようとするのを『地下水』はその支配力で耐え抜いた。
しかし抵抗したカラクリ自体を気取られれば自然と正体もばれよう。
慌てて逃げを打つ『地下水』だが、グレンの魔術がその足を止めた。
同一デザインで作られたガリア王軍衛視のブーツと騎士のブーツが、相似弦で結ばれているのだ。
戦闘を意識してしっかりと脱げ難く設計されているため、最早グレンが足を動かさぬ限り縫いとめられたように動く事は無い。
「降参する。武器は渡すから殺さないでくれ!」
言って、右手に握っていた衛視の杖を足元に捨て、左手のナイフは柄を前に向けて差し出す『地下水』。
両手の塞がっているグレンの代わりにそれを受け取ろうとタバサが一歩踏み出したその時。
窓ガラスを割って円環状の刃物が飛び込んで来た。
「避けよ、刺客」
「うわわっ!?」
言われて咄嗟に跳ぶ『地下水』。
既に間にか足を縛り付ける魔術は解除されていたため、素早い動きで飛来する凶器の軌道から我が身を逸らす。
けれど『地下水』の動きを追うように、刃物――チャクラムの軌道が曲り、襲い掛かった。
銀の弦に結ばれたそれが、窓の外から操作されているのだ。
「相似魔術」
銀弦に目ざとく気付いたタバサが珍しく驚きの声を上げた。
ほとんど同時に飛び込んで来た、銀弦によって結ばれる同じ形のチャクラムが5本。
同じ軌跡を描く武器は、部屋の中の人間を皆殺しにする目的で放たれたに違いない。
だが、その刃は猛威を振るう前に空中に停止する。
相似魔術による物体操作など、グレン・アザレイの前では容易く操作権を奪われるのだ。
間髪入れず窓から飛び込んで来たのは、灼熱した砂の嵐と、帯電した砂鉄を含んだ雷撃。
「精霊大系の魔術で加熱した砂を因果大系の空気ピストンで送り込んだか。
それに、相似大系で集めた砂鉄を加えた円環大系の放電魔術……四人か」
いずれも初歩的な、けれど破壊的な魔術を部屋に傷一つ付ける事無くに無効化して、グレンはその魔術大系を看破してのけた。
いずれも対熱・対電だけでは防御しきれない、物理属性を加えた複合攻撃魔術だったが、この程度で倒せるようなら『神に似た者』などと呼ばれはすまい。
そのままグレンは軽く手を握り込んで腕を引く動作を行ったが、手ごたえの無さにか首をかしげた。
「雪風の娘よ、この世界に肺から酸素を抜かれても平然としている生き物は居るか?」
「いない」
普通の生き物は酸素が無ければ生きていけないという事実は、このハルケギニアでも知られている。
低酸素下でも生存できる火トカゲや水陸両方で活動するスキュラ、酸素の薄い高空を高速で飛行する風竜なども居るが、
それらの種族も魔法的な力や肺とエラの両方を持つなど、なんらかの方法で酸素を得ている。
中にはバグベアードのように呼吸しているのか不明な物や、ガーゴイルのように呼吸など最初から不要の物も存在してはいるものの、
そもそもそんな連中は肺も存在していないのだ。
だが、グレンは魔術によって敵の呼吸する空気から数兆の数億乗個に及ぶ酸素分子だけを正確に掌握して抜き取った。
ならば敵は、肺が有って呼吸をしていながら酸素を必要としない奇妙な生物と云う事だ。
「そうか。面妖な事だな」
「下がる?」
「いや、もう逃げた」
主人の問いに使い魔は端的に答え、眠る女王をベッドへと横たえてから窓の外を覗く。
因果大系や精霊大系、円環大系にとっての転移は高等技術だが、
相似世界に生まれた魔導師にとってなら、きちんと教育を受けた者なら子供でも扱える初歩の魔術だ。
ただし、転移先に自分の似姿を強制的につくるようなマネは流石に段違いの高等技術で、それも一瞬で移動などグレン以外は簡単には行えない。
普通は転移先に自分や同行者と『似た』人形を置いておかなければならないし、転移先の様子を知っていなければ『跳べ』ないという制限がある。


358 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 19:40:04 ID:HGSfvdRY
支援

359 :虚無の使い魔と煉獄の虚神・代理投下:2007/09/23(日) 19:41:13 ID:L6ZvrG8W
411 名前:虚無の使い魔と煉獄の虚神[sage] 投稿日:2007/09/23(日) 19:32:59 ID:..sq1kP6
だがこんな襲撃をする敵だ。相似魔術師が転移先を用意しない理由が無かった。
案の定、三階の窓から覗いた外には怪しい人間など居はしない。
それどころか大きな物音に気が付いて集まる野次馬の気配すら感じられなかった。
おそらく、因果魔術か精霊魔術を使って音と光を誤魔化していたのだろう。
「今の音はいったい!? 女王陛下はご無事であられるか……」
だが、宿の中には音が聞こえていたのだろう。
宿の外での警備を申し付けられてはいたが、王女とグレンが二人で出て行ったのを見て、これはタバサに会う好機だと、
この部屋へと向かう途中だったカステルモール卿が、あわを喰って飛び込んできた。
なにせ影武者であるタバサは彼にとって真の王女であるべきシャルロット姫。
その身が危機にさらされたとなれば、慌てるのも無理は無い。
飛び込んできて、そのまま言葉を失う若き薔薇花壇騎士。
割れた窓と立ち尽くす衛視、油断無く窓の外を覗いていたタバサとグレンまでは良いとして、
そこにベッドの上でスヤスヤと寝息を立てる本物の王女が加わっては、何が起こっているのか到底把握できなかったからだ。
「な、なにが起こっているのだ? グレン殿はいったい何時の間に部屋に戻られた?」
そんなカステルモールをおいてきぼりにして、グレンがタバサに告げる。
「少なくとも四人、多ければ六人以上の魔術師による襲撃であったようだな
それも、本物の王女を巻き込んでもかまわぬという者達だ」
「…………」
コクリと無言で頷くタバサ。
イザベラや『地下水』とは別口の刺客。それもグレンと同じ異界の魔術の使い手による襲撃だ。
本当にイザベラが狙われているのなら、今の警備体制は十全では無いし、なにより刺客ごっこで遊んでいる場合では無い。
今から必要なのは真に厳重な警備を敷くための、イザベラ達との協力。
二人が視線を向けた先で、『地下水』はバンザイをするように降伏の意思を表していた。

目が覚めて見慣れない天井を見上げて居ると云う事は、イザベラにとって珍しい事では無い。
一国の王女たるもの、多忙な上に趣味人な父王に替わって式典や祝典に招待される事がよくあり、
そのために今回のような小旅行に出る機会も自然と多くなるからだ。
今日はアルトーワ伯の誕生日を祝う園遊会に出席するために出立して二日目。
その途上で宿泊した宿の部屋だと、覚醒しつつある脳から思い出してゆくイザベラ。
いつも通りのつまらない公務だが、退屈を紛らわせるための楽しい遊びと、胸をドキドキさせる出会いがあった事も加えて思い出した。
その事を考えてニンマリと笑みを浮かべて、ふと何かに抱きつかれている事に気がついた。
重い。
まさかあの後グレン様とめくるめく一夜を過ごしたのかと、ドキドキしながら横を見て硬直する。
自分と少しだけ似た顔立ちの、青い髪をした小さな少女。
北花壇騎士七号タバサこと、従妹であるシャルロットがあどけない表情で眠っていたのだ。
「母さま……」
その小さな娘が、苦しそうに寝言を吐き出していた。
イザベラのドレスをギュッと掴んで、額に汗を浮かせて。
「母さま、それを食べちゃ……ダメ、母さま……」
ドレスを掴む手の力が更に強くなる。
どうしたものかと流石のイザベラも困ってしまった。
タバサの母親が謀反の咎で名誉と貴族の権利を剥奪されている事は知っている。
父親である、イザベラにとっては優しい伯父であったオレルアン公が事故で死んでいるという事もだ。
だが、どんな風に謀反を企んでいたなどの詳しい話は知らされていなかった。
女官や家庭教師に聞いても、なぜか話を逸らされるからだ。
だから元の所領だった王国直轄地の邸で、蟄居を命じられているというタバサの母親がどんな状態なのか、イザベラは知らない。
「フ……フン。寝ぼけて母親の名前を呼ぶなんて、人形娘も所詮子供よね」
だから普段無表情を通すこの従妹が、こんなに辛そうな、切なそうな顔を見せる事に驚いてしまう。
憎まれ口を叩きながら、自由になる頭を助けを求めるようにめぐらせるイザベラ。
そのせいで、自分の右手が握っている物に気がついてしまった。
白刃を輝かせる鋭利なナイフが、自分の手にしっかりと握られていたのだ。
「ひっ!?」
状況を考えるとこれはダメだった。ダメダメすぎだ。
自分が潜り込んだのか、相手がそうなのかは判然としないが、シャルロットと同衾している自分の手にナイフ。
いくらなんでも従妹を自分の手で刺し殺そうなどと考えるほど憎んでいるワケでは無いし、そんな度胸も無い。


360 :虚無の使い魔と煉獄の虚神・代理投下:2007/09/23(日) 19:42:44 ID:L6ZvrG8W
しかし状況証拠が、まるで自分がタバサを殺そうとしているようにしか見えないのだ。
「ちょ、なによこんなナイフ、わたしは知らないわよ!」
『それはつれないお言葉ではありませんか、姫殿下』
「地下水!?」
心の中に直接響いた言葉にイザベラはナイフの招待に思い至った。
『万が一に備えて姫殿下を守れるようにこうして待機していたと言うのに、知らないなどとは心外です』
「万が一? 守る? なにをワケの判らない事を言ってるのよ?」
『昨夜正体不明の刺客に襲撃を受けたのですよ。
その場に居た私も影武者も殿下もまとめて吹き飛ばすような魔法を使って、ね』
「冗談じゃないわ! 刺客ですって!? アルトーワ伯の仕業なの!?
それとも国内の反乱勢力の仕業? あるいはアルビオンで王制打倒を叫んでる連中が?
ともかく誰だろうと王女を狙うなんて許されないわよ! 即刻捕縛して首を刎ねなさい!」
「正体不明」
イザベラの声が大きかったためか、ムクリと起き上がったタバサが短くそう告げた。
汗は既にぬぐったのか、いつもと変わらぬ氷の彫像のような無表情だった。
「敵はとても強力。もう刺客ごっこで遊んでいる余裕は無い」
「ししし刺客ごっこ? 言いがかりをつけるなんて、さすが謀反者の――」
「『地下水』から全部聞いた」
「うぐっ!?」
「でも改めて狙われている貴女から聞きたい。アルトーワ伯は本当に怪しいの?」
じっと自分を見つめてくる湖水のような透明な瞳。
その圧力に負けそうになるが、ここで素直になるにはイザベラのプライドは高すぎた。
「な、なによ。アンタはもう王族じゃないのよ。わかってるの?
そのアンタが王女を詰問するなんて、許される事じゃないんだからね!
ちょっと魔法ができるからって、調子に乗るなんて身の程知らずもいいところよ」
脅すようにそう言うが、湖水の瞳は小揺るぎもしなかった。
吐息が触れそうな距離で、タバサがポツリと付け加える。
「刺客の魔法は私なんかよりはるかに強い」
息を呑む王女。
普段散々貶してはいるが、この従妹の魔法の腕が本物だという事は十分に知っている。
「それも、場合によっては私達の人数より多い」
それが決定打だった。
タバサの言葉は、いざとなったら守り切れない恐れもあるという意味だ。
吸血鬼を難なく討伐してきたような北花壇騎士以上の魔法の使い手などに襲われたらひとたまりも無い。
相手の目的がイザベラの命なら、他の仲間にタバサ達が足止めされている間に簡単に殺されるだろう。
ならば少しでも犯人特定を早めなければいけない事ぐらい、ワガママ王女にだって判る事だ。
「アルトーワ伯は白よ。もう真っ白。
王都の動向も気にせずに田舎で平和に過ごしてる、ただの平凡な地方貴族よ」
「そう」
コクリと頷くタバサ。
その短い言葉に、咎も無く謀反人にでっち上げられた伯爵への憐憫と、イザベラへの静かな怒りが込められている事に気がついたか。
イザベラはふと思いついたようにタバサに聞く。
「ところで人形娘。私達って、誰から誰までの事なのよ?」
「私と『地下水』とグレンとカステルモール卿の4人」
「では、今後の警備をいかにするか考えるとしよう」
タバサが答えた途端、部屋の窓側にグレンが、入り口の前にはカステルモールが現われた。
自分の背後と前面の光を『相似』にする魔術で隠れていたのだ。
「ググググ、グレンさ……ミスタ・グレン!?」
「存外普段の態度は快活なのだな女王よ。そのような元気さも好ましい」
フォローを入れるグレンの言葉に、ボッと顔を赤くするイザベラ。
頭の中では「好ましい」の一言がグルグルと渦巻いていた。
そんなイザベラ様子を、わかっていながら余裕で流してグレンは告げる。
「敵はこの国のものとは別の魔法大系を操る魔導師複数人。
姿を変える魔術や人の心を改竄する魔術を操る者も居る。
わたしとて離れた場所に分かれた二人を同時には守りきれるとは言えぬゆえ、
これより我等5人、常に行動を共にするとしよう」
その言葉に3人がコクリと頷いた。
ただし、イザベラが頷いたのは『地下水』が同意を表したからだ。
肝心なイザベラ自身は「いつも一緒……いつも一緒だなんて……キャー」とうわごとのように呟くばかりだった。


361 :虚無の使い魔と煉獄の虚神・代理投下:2007/09/23(日) 19:44:27 ID:L6ZvrG8W
同じ頃、ガリア王宮。
玉座に座した青い美髯の偉丈夫に、しなだれかかる女が一人。

413 名前:虚無の使い魔と煉獄の虚神[sage] 投稿日:2007/09/23(日) 19:35:22 ID:..sq1kP6
「ホンマにワルいお人やなぁ。自分の娘に惚れ薬を盛るやなんて……
しかも刺客まで送って「殺しても良い」やなんて、トンでもない悪党やぁ」
「なに、それで神の如き男を縛り付けられるのなら、安いものであろう?」
ガリア王ジョゼフは、笑いすらせずにそう言い切った。
自分の娘すら、謀略の駒でしか無いのだと。
「あの薬はアンドバリの指輪を使ってシェフィールドが調合した特別の薬。
まず数年は効果が切れたりはせぬ」
「そんでも、あの男はんは目的のために殺せる男や。たとえ自分に惚れてる相手でもなぁ」
大きく胸元の開いたガリア仕立のドレスを着たジェルヴェーヌ・ロッソが警告する。
彼の『地獄』でのおこないなど知らずとも関係ない。
一目でもあの太陽のような男をみれば、魔術師になら誰でも理解できる。
物質文明という名の寄り合い所帯を作り上げて、集団で情や愛を交わして社会を構築して、
集団になる事で世界と相対して生き延びようとする地獄人やこの世界の住人とは違うのだ。
魔法使いとは、自身が身につけた奇跡によってのみ、ただ独り世界と相対する者。
情愛などで曲げられない、強く苛烈な意思持つ者の頂点に、グレン・アザレイは立っている。
「かまわぬとも。鎖になどならずとも、わずかに絡みつく糸となるのであればな
アルビオンで踊る道化どもが、もうしばらく拙い芸を見せる時間が稼げればそれでよい」
そんな事は重々承知しているとでも言うように、ジョゼフ王は答えた。
彼もまた、たった一人知略をもって世界の全てに戦いを挑んだ男なのだから。
全ての争いの糸を引く、瞳に狂気を浮かべた人形遣いは独白する。
「その結果お前が殺されたなら、我が謀略の駒として死んだとしたら、おれの心はどれほど痛むのであろうな?
血を分けた一人娘の死が、どんな痛みを与えてくれるのか。
おれは今から、それが楽しみでならないのだよ、我が愛するイザベラよ」
歓喜と悲哀に満ちた言葉が吐息のように零れ落ちた。
待ち望むように、忌避するように、狂える王は来るべき未来を見通すように目を上げる。
「ミューズよ、余のミューズよ、聞こえているだろう?
刺客を送るのだ。休ませるな。疑いを向けさせてはならん。
彼等が恐るべき悪意にイザベラと我が姪が狙われていると思うように、
本当に殺すつもりで襲わせるがいい」
虚空に響く指令は、確かに誰かに届いたのか。
その場に居るジェルヴェーヌにはただウツロであるように聞こえる。
「ヒドイお人やなぁ。そうやって、なんもかんもワヤにしてまうおつもりかいな?」
「どうせ全てが造られたモノなら、全て滅んで何の差しさわりがあろうものか……なぁ、シャルル?」
今は居ない誰かに向けられた王の言葉も、宮殿の高い天井へと消えてゆくだけだ。

****
以上で投下終了。どうかよろしくお願いします。

―――――
行数オーバーあったり容量オーバーあったりしたのでこっちで調節してしまいました。
作者さん申し訳ない。

362 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 19:46:51 ID:HGSfvdRY
代理投下乙ー
作者も乙ー

363 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 19:48:09 ID:BnGQEVGb
乙!テファのおっぱい拝見イベントがもう来たかww

364 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 19:53:53 ID:OxDJxatc
代理投下の人と作者の人乙。

サイトとギーシュ羨ましすぎ。

365 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 20:03:29 ID:oZ1fI7Wq
作者の方も代理の方もご苦労さまでした
いやージョセフがいいわ
実際にもああいう台詞言いそうだし

366 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 20:07:12 ID:mNtxd3Lu
GJ、可哀想なイザベラはきっと今は幸せです。

367 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 20:08:09 ID:Ual7dr1o
>>365
ジョゼフですぜ

>ただ敵を殺すって暗殺者みてーな殺意で戦えば、ガンダールヴのルーンは力を発揮しねぇのさ
つまり「ぶっ殺すって思ったときにはもう既にその行動は終わっているんだ!」ってことですね

368 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 20:09:31 ID:dmjkQkCd
グレンの代わりに再生刻印魔術師たちと戦う誰かさんにwktkD・A・Z・E☆

369 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 20:20:06 ID:WWPOGkIn
うはあ、GJ。凄い量と質だ。

おっとろしく長いののあとに、短編ですが一応続き物を投下したい。
…ちょっと、怖いかも知れませんが。

370 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 20:22:11 ID:tUrEO2SS
カモンベイベ。支援

371 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 20:22:33 ID:GwympvlJ
かもん

372 :ゼロの蛮人(バルバロイ) 第一話 (1/4):2007/09/23(日) 20:23:06 ID:WWPOGkIn
《『王宮日誌 シャルロット私書録』より》


それは、トリステイン魔法学院の二年生進級が済んでしばらく経った日のこと。
私は当時『タバサ』と名乗っていたが、風竜を召喚の儀式で使い魔とし、『シルフィード』と名づけて可愛がっていた。
だが、同級生のあの少女は……。


(ガチャッ ガチャッ ガチャッ ガチャッ ガチャッ ガチャッ)
「うっうっ うっ うっ うっうっ」

学院の中庭。人々が行き交い、憩いの時を楽しむ者もいる。
だが金属が擦れるような、耳障りな音がする。そして呻くような男の声。
皆が訝しげに振り返るので、すぐ音と声の元は知れた。

痩せた半裸の青年が、手足を鎖つきの『枷』に繋がれたまま歩いている。
膝までも長さのない腰巻だけを身につけ、下は裸足。裸の上半身はそれなりに筋肉がついているが、
生傷やミミズ腫れだらけで、薄汚れている。

手首の枷(手錠)は、間の鎖から革紐が伸びて『主人』の左手に繋がれている。
問題は足枷だ。足首を結ぶ鎖が、手錠と同じ15サントぐらいしかない。
当然、彼の歩行は極めて制限され、ガチャガチャと耳障りな音を立てて、
ちょこちょこと摺り足でしか歩けないわけだ。足首は鉄の輪が擦れて、血が滲んでいた。

373 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 20:23:30 ID:JhboeR08
>>368
グレンと聞いてグレンラガンを思い出した


アニキ………カッコよかったよ!!

374 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 20:25:01 ID:ywjCbIE6
蛮人だれかしら支援

375 :ゼロの蛮人(バルバロイ) 第一話 (2/4):2007/09/23(日) 20:25:37 ID:WWPOGkIn
そんな男に構わず、主人はズンズン先を急ぐ。
(ガチャッ ガチャッ ガチャッ ガチャッ)
「うひっ」
遂に男が歩く速度に耐え切れなくなり、両足を宙に浮かせて前のめりに倒れた。
(ドシャッ)「あぐっ」

「何やってんの! 早く立って!」
「うううううう……」
蹲る男を、『主人』―――桃色の長い髪をした少女、ルイズは振り向いて叱責する。
手には乗馬用の鞭が握り締められている。

「立ちなさいつってんでしょホラァ!!」
(バシ ベシ ビシ)
「どうしたの? トラクス。立ちなさいよ、こっちは急いでるの」
「ううう……」
『トラクス』と呼ばれた男は、汗と泥で汚れた顔だけを主人に向け、哀れげな目をして呻く。
言葉がよく分からないのだろう。まるで怯えきった犬のようだ。

「うらァ!! 立てェ!!」
「ひっ」
怒ったルイズの鞭が、八つ当たりのようにトラクスに注がれる。
「あんた! ご主人様の! 言葉が!」(ビシッ バン)
「ぎゃっ」
「聞こえたでしょォが! この!」(ベシ ベキ)
「ひぎっ」
「蛮人(バルバロイ)風情がァ!!」

376 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 20:25:53 ID:Vtw6mgJe
この出だしと
蛮族ってことは・・・

377 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 20:27:03 ID:ywjCbIE6
ん?もしかしてヒストリエ?

378 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 20:27:18 ID:rXD1o9c/
GJ、といいたいところだけれども

話の流れについていけない私は負け組?

379 :ゼロの蛮人(バルバロイ) 第一話 (3/4):2007/09/23(日) 20:27:56 ID:WWPOGkIn
「ちょっとルイズ! いくら相手が平民どころか、言葉も通じない『蛮人』の使い魔でも、
 少しひどすぎるんじゃないの?」
見かねた近くの女性―――私とルイズの共通の友人、キュルケが止めに入る。

「ほっといてもらえないツェルプストー、今調教中なのよ!
 せっかく召喚したこの使い魔だけど、どうも物覚えが悪くてねえ」
息を荒げて、ルイズは不機嫌そうに言う。
「だけど、脚の間の鎖がそれっぽっちじゃ、普通に歩けるわけないでしょ」
「だァから! 調教中なんだって!! 他人が口をはさむ事じゃないのよ!
 いつまで寝てんのコラァ!! 立ちなさい! この、うすのろの蛮人が!!」(ドッ)
「ひいいいっ」
主人に脇腹を蹴られ、トラクスはまた情けない声をあげた。
キュルケも諦めて、その場を立ち去る。

「不運だよなァ、あの蛮人。よりによって『ゼロのルイズ』に召喚されちまうなんてよ」
「きっと長生きできないぜ」
「ああ……」
見物人が他人事として呟く。貴族と奴隷そのままの図に、多少は憐憫を抱いたらしい。

「ゼロのルイズって感じ悪いんだよな――。実家が公爵家だからって傲慢だし。
 いくら威張っても、魔法の使えない『ゼロのダメイジ』だぜ」
「おい、聞こえるぞ」
そう、ルイズは魔法使い(メイジ)である貴族の名門に生まれながら、魔法がいまだに使えない。
どんな魔法でも、使えばいつも必ず、『爆発』が起きて全部ぶち壊してしまうのだ。
誰もがつけた二つ名が、魔法の成功率と胸の『ゼロ』。

そのためか、彼女は恐ろしい癇癪持ちで傲慢な少女に育ってしまった。哀れと言えば哀れであろう。
しかも、やっと成功した『使い魔召喚』の魔法で呼び出してしまったのが、あの哀れな蛮人の青年なのだ。
まあ、彼女の怒りも分からないではない。

「それにしても、すごくみじめって言うか、哀れだな、あの男」
「ああ……卑屈な感じもする。もとから奴隷か何かだったんじゃないか?」
「はははは……」
貴族の子弟ばかりがいるこの学院では、平民や蛮人など下等な人間として見下されている。
彼らも蛮人の不運を笑い種にして、中庭から立ち去っていった。
そして、私は…笑う気には、なれなかった。

380 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 20:29:59 ID:p7h0WidV
sien

381 :ゼロの蛮人(バルバロイ) 第一話 (4/4):2007/09/23(日) 20:31:32 ID:WWPOGkIn
それから数週後。私は本を片手に、キュルケと並んで食堂へ向かっていた。
そこへ、またあの鎖の音がした。
「やだ、またあいつ……」
(いつかの男……)
トラクスだ。相変わらず手枷足枷をつけた半裸の姿だが、主人はいないようだ。
代わりに、何かの入った袋を二つ紐で結び、前後に抱えている。

「おお? 今日は一人でお使いかァ? 蛮人」
「やっと一丁前の使い魔、いや奴隷らしくなってきたな」
「そうやって、従順なイヌっころみたいにしてりゃあ、いつか鎖をはずしてもらえるってか?」
三人の生徒たちに囲まれ、憂さ晴らしにか、いびられている。
トラクスの表情は余り変わらない。

「いや――無理無理! 飼い主はなんと、あの『ゼロのルイズ』だぜ!?
 せいぜい鎖をちょび〜〜〜〜っと伸ばしてもらうのが関の山よ!」
「かわいそうにな―――トラクスゥ」
生徒たちはトラクスをニヤニヤと嘲笑いながら道をふさぐ。後ろに回った一人が、腰を蹴った。
(ドン)「おおっと、ごめんよォ!」
「うぐっ」
なす術もなく、トラクスはまた前のめりに倒れ、袋を落としてしまう。
「ひゃひゃひゃひゃっ」

生徒たちは、無様に倒れたトラクスを笑い、気が済んだのか歩み去った。
「うくく…………」
トラクスは立ち上がろうとするが、手足の鎖が邪魔でなかなか上手くいかない。
私は、彼の前に行き、屈んで右手を差し出した。
「!」

なぜそうしたのかは、分からない。彼の境遇に憐憫、いや同情したせいか。
トラクスは、しばし私の手と顔を呆然と見つめていた。しかし、
「ふっ」
彼は鼻で軽く笑い、ガチャと音をさせて自分で立ち上がった。
そして落とした荷物を背負いなおし、再び鎖の音をさせて去っていったのだ。

「なァにィ!? あの態度! 蛮人のくせに! 珍しく、タバサがせっかく手を出してあげてたのに」
キュルケが顔をしかめる。身分制度に融通がきくゲルマニア出身の彼女でも、目下の者は蔑むのか。
(……………………)


そう……まさにこの一人の蛮人(バルバロイ)が、その後の私の運命を大きく変えたのだ。


(続く)


382 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 20:31:58 ID:p7h0WidV
sien

383 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 20:34:21 ID:xzC9jSvy
タバサ以外は37564?

384 :ゼロの蛮人(バルバロイ):2007/09/23(日) 20:34:38 ID:WWPOGkIn
投下終了。支援感謝。

岩明均『ヒストリエ』より、古代ギリシアのスキタイ人奴隷『トラクス』です。
……この後、その…少し、怖いことになりますね。どうしましょう。

385 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 20:35:07 ID:3yanJkG5
トラクス召喚ってルイズのが顔の皮剥がされて死にそうだなw

386 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 20:35:24 ID:BnGQEVGb
暗黒拳闘伝セスタスかとおもた。

387 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 20:35:49 ID:oWl1u6yj
迷ったら避難所に行った方が無難かと。

388 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 20:36:30 ID:DVwo18h9
>>384
いやもう、既にルイズ死亡&学園血の海地獄フラグが確定な時点でどうするもこうするも……。

389 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 20:36:39 ID:VWbi2t1+
バルバロイってギリシャ語だったよなーと思ってたらやはりか。
GJしたー。

グロいなら避難所の方が無難かも。

390 :ゼロの黒騎士:2007/09/23(日) 20:36:56 ID:rieChg5t
投下したいと思うのですが、進路はクリアーでしょうか?

391 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 20:37:43 ID:GwympvlJ
>>386
カプアの黒猿のことかあ

392 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 20:37:53 ID:NbOw/w4j
どうぞ

393 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 20:38:06 ID:GwympvlJ
>>390
塵一つ落ちてませんぜ、旦那

394 :ゼロの黒騎士 第六回 1/5:2007/09/23(日) 20:39:42 ID:rieChg5t
眠れない夜は、昔話をしよう。

そうだ、今日はこんな話はどうかな、シエスタ?

犬、という生き物がいるな。
そう、角のマードックさんが飼っているようなアンリのような奴だ。
彼らが何時頃から人間と一緒に生きてきたか、知っているか?
千年? 二千年? いやいや、そんな物じゃない。
五万年と言われておる……人がまだ、石を砕いて道具を作っておった頃だな。
どんな動物よりも長く、犬と人は共に生き、歩んできた。
犬のご先祖様である狼は、肉食で、本来はそうそう吼えん。
つまり、今の犬が持っておる、つまり、アンリのように、何でも食べ、
お前が近づいたりするとすぐに吼えるという特徴は、人間と暮らすようになってから得たものということだな。
何でも食べるからこそ、人の残飯でも生きていける。
すぐに吼えるのは、人に危険を伝える事こそ、人が犬に求めた本来の役目だからだ。
感覚が鋭い犬と共に暮らす事で、人間の生活は随分安全になった。
ほれ、アンリも、お前さんがどんなに息を潜ませて近づいても必ず気づいて吼えるだろう?
犬は人間が気づかないような音にも気づくし、鼻も鋭い。
人間が最も恐れた夜の闇は、犬にとっては大した障害ではなかったんだな。
犬と共に暮らす事で、人間は夜をに恐れず、安心して眠れるようになった。
もしやすると、犬がいなければ、人はこうまで文明を発達させる事なく、滅んでおったかも知れん。
寝ない子は育たんからな。シエスタもよく寝て大きく育てよ?

ま、それはともかく、その後も、犬と人は共に生きてきた。
人は、必要に応じて、様々な資質を持つ犬を選び、育て、繁殖させてきた。
五万年の積み重ねの末に、とても犬という一言で括れないほどに、多様な種類を誇る生き物になった。
しかしな、シエスタ。
野犬を見ても分かるように、犬は本来人と共に生きずとも生きていける生き物だ。
それでもなお人といようとするのは、何故なんだと思う?

分からんか。まあ、シエスタはまだ小さいから仕方ないな。
それはな、人と犬は、利益抜きで信頼しあう事の出来る、数少ない動物だからだよ。
愛、と言い換えても良いな。
人に愛された犬は、人を愛するようになるものだ。
だが、それだけに、一度人に裏切られた犬は、中々人を許そうとはせん。
信頼する事を知るからこそ、裏切られる痛みも理解できると、そういうことだな。

ん? その話はおかしいって?
人の歴史はブリミル様が降臨した六千年前に始まるじゃないか、だと?
ん……まあ、そういうことになっておるな。
だから、シエスタ、この話は、わしとお前だけの秘密だ。
他の誰にも、喋るんじゃないぞ? そう、二人だけの約束だ。

395 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 20:40:16 ID:GwympvlJ
支援

396 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 20:41:36 ID:p7h0WidV
sien

397 :ゼロの黒騎士 第六回 2/5:2007/09/23(日) 20:41:43 ID:rieChg5t

懐かしい夢を見た。
死んだ祖父の夢だ。
今にして思えば、祖父のあの話は、徹頭徹尾異端思想で、
外に漏れようものなら、焚刑間違いなしの筋金入りにやばい代物だった。
幼かった私に、よくまああんな際どい話をしたと思うが、
祖母の話などを聞くと、祖父は昔からそういう所に妙に無頓着なところがあったらしい。

祖母によれば、祖父は元々村の人間ではなく、ある日ふらりと訪れた旅人なのだという。
真面目とはとても言えない気質で、女にだらしなく、風来坊の気があって、
余裕があると始終フラフラと旅をしていたらしいのだが、それでも最後には私の元に帰って来てくれてね、
と語る祖母の顔は間違いなく惚気ている女のそれだった。
真人間とは口が裂けても言えない様な祖父が、村に居つくことが出来たのは、
頭が良くて、色々物知りだったかららしい。
特に、今や村の名物になっている風車は、祖父の指導のもと作られたのだが、
元々水利の良くなかったタルブの村にとっては救世主とも言える存在で、
出来る前と出来た後では、収穫量が倍近く違うとか。
他にも名物料理のヨシュナベや、葡萄の栽培のノウハウなど、祖父が村にもたらした物は相当数に上る。
その知識を惜しんだ先代の領主様は、祖父と、当時のタルブの村長の孫娘――つまりは祖母だ――と娶わせ、
村に留めおいたのだそうだ。
私の若さと美貌にメロメロだったのよ、と祖母は語るが、
実際の所は、年の離れた祖父にメロメロだったのは祖母の方だったらしい。

まあ、それはともかく、と服に袖を通しながら思う。
祖父は私にとって優しくも物知りなお爺ちゃんであり、大好きな人だったことには変わりはない。
亡くなった時は、亡骸に縋って大泣きした。でも、それももう昔の話だ。

サーヴィングキャップを頭に載せたら、姿見でずれていないかどうか確かめる。
何故、今になって祖父の夢を見るのだろうか。
本当は理由など、問うまでもなく知っていた。

窓の外に目をやる。
ルイズ様とノワールの所為だ。

窓の外には、主人の元へ帰ろうと走るノワールの姿がある。

398 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 20:42:41 ID:GwympvlJ
支援

399 :ゼロの黒騎士 第六回 3/5:2007/09/23(日) 20:43:11 ID:rieChg5t

フーケを見事捕縛した(ことになっている)ルイズの日常は、さほど変わることはなかった。
フリッグの舞踏会の時にあれだけワラワラ寄ってきた男どもは、ルイズに脈が無いと見るやすぐに声をかけなくなり、
申請したシュヴァリエの称号は、何でも基準が変更されたとかで却下された。
そのどちらも、ルイズにとってはありがたかった。
特にシュヴァリエの一件は、内心忸怩たる物を抱えていた分、むしろ、却下されたと聞いて喜ぶほどだった。

ただ、物思いに耽る時間が明らかに増えた。
窓の外を眺めながらぼんやりとしているルイズは、ここ最近教室でよく見かける光景だ。
メランコリックな美少女という題のついた、一幅の絵のようにさえ見える光景だが、
大体の場合において、キュルケが茶々を入れて台無しにしている。
だが、そうやってキュルケとやりあっている時のルイズは、直前までの屈託が全くなく、
見ようによっては、楽しそうにさえ見えた。
まるで、その時だけは、悩みのなかった頃に戻れるとでも言うように。

「なあ、ノワール」

そんな風景を眺めながら、ギーシュはルイズの使い魔である黒い犬に声をかける。
机に頬杖をついて、実にやる気がない。
ルイズの机の傍で伏せていたノワールも、何処か面倒くさそうにギーシュを見上げる。

「君のご主人はどうしたんだ? 何だか最近元気がないみたいじゃないか。
 いや、あのルイズが淑やかになったっていうんで、結構人気が出てるみたいだけどね」

知るか、と言わんばかりに視線を外して再び伏せるノワール。
そんなノワールに気づいていないのか、ギーシュは続ける。

「僕はまあ、割とどうでもいいのだけど、モンモランシーが結構気にしていてね。
 なんでも、彼女の憎まれ口を聞かないと調子が狂うとか言ってたな。
 女の子ってのは、実に素直じゃないな。もっともそこが可愛いところでもあるんだけどね」

視線の先では、キュルケとルイズが楽しそうに喧嘩をしている。
その近くでは、タバサは相変わらず我関せずという顔で読書をしている。
何処にでもありそうな、日常の風景。

「まあ、もうすぐ品評会だし、その頃には元のルイズに戻っているかもしれないね。
 もっとも、そうじゃないと困る。
 僕のヴェルダンディに対抗できるのは、君とタバサのシルフィードくらいだと思っているのだから」

ライバル不在でダントツ優勝と言うのも、つまらないからね、と嘯いて、
ギーシュは気障な仕草で髪をかきあげた。
答えは当然のように返ってこなかった。
次の授業がはじまろうとしていた。

400 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 20:43:55 ID:GwympvlJ
支援

401 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 20:44:10 ID:ywjCbIE6
ヨシュナベ。なんか少し違う発音で伝わったと考えればおkか。

402 :ゼロの黒騎士 第六回 4/5:2007/09/23(日) 20:44:16 ID:rieChg5t

豪奢な馬車の中で、王女は十三回目の溜息を吐く。
鳥の骨と宮廷の内外から揶揄される宰相マザリーニは、
そんな王女に批難と同情が混合された眼差しを投げかけた。

今更共感も理解も求めはしないが、であるからこそ、信頼も信用もしていない臣下の前で溜息など吐くべきではない。

本音を言えば、不憫だと思う。同情もしよう。
国の思惑のために、愛しても居ない相手の元に嫁ぐなど、本来ならば許されるはずの無い所業だ。
聖職者たる自分が、いの一番に反対してしかるべきだろう。
しかし、彼女の双肩に乗っているものは、個人の想いなど問題にしないほど重い。
そして、彼女は、今だその事実を理解していない。
いや、理解はしているが実感として感じた事が無いのだろう。
一部の貴族は、今回のゲルマニア皇帝との婚姻に反対し、アンリエッタを女王として戴冠させるべきだと声高に主張する。
とんでもない話だ。平時なら、それも良いだろう。
だが、レコンキスタの危機が迫る今、その実感を持たぬまま彼女を王位につけるのは、
誰にとっても不幸な結末しか呼ばない、とマザリーニは確信していた。

或いは、自分が生粋のトリスティン貴族だったならば、王女に殉ずることを良しと出来たかもしれない。
だが、自分は始祖ブリミルを奉じる聖職者だ。
この忠誠心の第一位の座を占めるのは、天上にいます神をおいて他にはいない。
その次に、救済すべき信徒たちが座る。
自動的に、トリスティン王家の座は常に三位より下となる。
故に、自分は、王女殿下のささやかな願いを平然と踏みにじる事が出来る。
彼女が欲するあまりにも当たり前の幸せを、笑いとばす事が出来る。
出来るのだと、マザリーニは信じた。信じるほかなかった。
かつて先帝が、数多いるトリスティン貴族を差し置き、自分を宰相に据えたのは、それが理由だからだと、
この生真面目で、ある意味誰よりも誠実な枢機卿はそう理解していた。

豪奢な馬車の中で、王女が十四回目の溜息を吐いた。


403 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 20:44:16 ID:p7h0WidV
しえn


404 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 20:44:54 ID:GwympvlJ
支援

405 :ゼロの黒騎士 第六回 5/5:2007/09/23(日) 20:45:27 ID:rieChg5t

じめついた湿気と、いわく言い難い悪臭の漂う暗黒。
それが、チェルノボーグの監獄の大部分を占める構成要素だ。
それらが占める面積の割合に比べれば、固定化の掛かった分厚い壁も、大人の親指ほどもある鉄格子も、
収監された囚人たちも誤差の範囲に収まる要素でしかない。
そんな闇の奥で、女が一人横たわっている。
女の名はフーケ。土くれの二つ名で恐れられた、凄腕の盗賊にしてメイジ。
フーケは思う。
碌な死に方はしないだろうと覚悟していたが、まさか犬にたかられて死に掛けるとは思わなかった。
死ななかったのは、自分に実力があり運が良かったから、だと思いたいが、
どうやら、あの忌々しい黒犬に自分は生かされたらしい。
全くもって腹立たしい話だが、あの時の傷は、生命に支障のない身体の末端部、手足に集中しており、
端から奴が自分の事を殺すつもりがなかったのは明らかだ。
あの黒犬は、ゼロのルイズの使い魔は、仮にもトライアングル・メイジであり、『土くれ』のフーケと恐れられた自分を、
殺すことなく捕えようと試み、そして、その試みは完全に成功したのだ。
その結果、自分は今この監獄にいる。
大した奴だ。心の底からそう思う。大した奴じゃないか、あのノワールって犬は。
大した奴なんだが、犬なんだよね。
犬に捕まったのかぁ、わたし……。

今までしてきた悪事のツケが、一度に回ってきたのかもしれない、と切なく溜息を吐いた。
もう見ることも無いだろうが、もしももう一度故郷に帰れたら、あの懐かしい妹分に会えたなら、
いっそ堅気に戻ってしまおうかとさえ思う。
思えば、トリスティン魔法学院での生活は悪くなかった。
オールド・オスマンのセクハラも、まあ、悪戯程度のものであったし、もっと酷いのは幾らでもいる。
給金もよく、仕事もそんなに多くなかった……今更ながら、貴族崩れのメイジの職場としては破格だったのが分かる。
しまったなー、破壊の杖なんて無視しておけばよかったかなー、とちょっとだけ後悔。
いけないいけない、どうもこの暗闇はわたしを弱気にする。
もしかすると、あの夜の、あの森の闇に少しだけ似ているからかもしれない。

その闇が、突如、口を聞いた。
そう思えるほど、その男は唐突に現れた。

「『土くれ』だな? お前に話がある」

サイレンスの魔法か何かを使ったのだろうか。
気がつけば、鉄格子の向こう側に、男が佇んでいた。
黒い装いの男だった。マントが黒く、帽子が黒く、服が黒く、ブーツが黒い。
唯一つ、その顔を隠した仮面だけが闇に白く浮かび上がる。

さて、こいつが運んでくるのは、幸運か、それとも更なる不運か。
まあ、どっちにしてもここはどん詰まりだ。

「殺風景な住まいで悪いね。最近は物騒だから、施錠したドア越しの無礼はゆるしておくれよ」

今は吹く風を歓迎しよう。

「さ、話してもらおうか。勿論、良い話なんだろう?」

仮面の向こう側に、歪んだ笑みが浮かんだ気がした。

406 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 20:46:00 ID:GwympvlJ
支援

407 :ゼロの黒騎士 第六回:2007/09/23(日) 20:47:12 ID:rieChg5t
ご支援、ありがとうございました。
今回の支援は、これで終了です。
アルビオン編の、始まりとなります。

408 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 20:48:59 ID:1AIVsl3L
バーバリアンといえば偉大なるコナン支援

409 :子守唄:2007/09/23(日) 20:57:53 ID:J0AyxMuL
投下したいけどいいかな。

410 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 20:59:37 ID:Lc/Fraf8
>>409
聖上、ゆるりと参られい

411 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:00:17 ID:xzC9jSvy
わんこ乙
聖上支援

412 :白き使い魔への子守唄 1/6:2007/09/23(日) 21:00:28 ID:J0AyxMuL
ルイズから使い魔として認められ、オールド・オスマンよりハクオロと名づけられた彼だが、
日常生活にたいした変化は少なかった。使い魔は所詮使い魔という事か。
朝はルイズより早く起きて彼女を起こし、井戸から洗顔と歯磨きのための水を汲んでくる。
それから着替えを渋々手伝って、食事も相変わらず床で食べているしメニューも貧しい。
使い魔として認められた事で、一応パンとスープの量が増えはしたが。
その後ルイズの部屋を掃除したり、服や下着を洗濯したりと、気分はすっかり主夫である。
それでも変わった事があるとすれば、やはり厨房関係のものだろうか。

   第5話 ゲルマニアの女

「『我等の仮面』が来たぞ!」
ルイズから与えられる貧しい食事のため腹を空かせると、ハクオロは厨房を訪れる。
最初はシエスタから余り物を分けてもらうつもりだったのだが、
料理長のマルトーという気前のいい男に気に入られていた。
彼は魔法を使って威張る貴族を毛嫌いしており、ギーシュに勝ったハクオロを大歓迎する。
余り物などではない、焼き立てのパンや肉のたっぷり入ったシチューをご馳走してくれる。
最初は貴族に出す食事以上に豪勢なメニューをそろえてくれたが、
胃がもたれるからという理由で軽めの料理にしてもらうようハクオロが頭を下げたのだ。
ちなみに今日のシチューはハクオロ用に特別こしらえた物ではなく、
貴族達に出しているのと同じ物だった。
「こんなにおいしいのに、残す人もいるんですか」
「ああ、もったいねぇ。あいつ等はうまい料理を作るのがどんなに大変か解っちゃいねえ!
 その点、我等が仮面は皿を洗う必要が無いくらい綺麗に食べてくれるから嬉しいぜ」
「好き嫌いをすると、何だか誰かに怒られるような気がして」
「そりゃきっと、親の躾がよかったに違いねえ!」
「ですが、ここで出された料理はどれもおいしいものばかりで驚いています」
「ほう、だったらこいつも食ってみるかい? さっぱりしててうまいぜ」
と、マルトーはサラダを出してきた。
「生野菜ですか。健康によさそうですし、これなら朝に食べても胃もたれはしませんね」
「だったら、これから毎日このサラダを食ってもいいんだぜ」
「いいんですか? ではお言葉に甘えさせていただきます」
と、サラダも食べないうちからハクオロは約束した。
で、サラダを食べてみる。
「んぐっ……!?」
仮面の下が青くし、口元を押さえるハクオロ。それを見て厨房のみんなが爆笑する。
「我等が仮面! どうだ、はしばみ草のサラダは! うまいだろう?」
はしばみ草というのか、とハクオロは皿に盛られた菜っ葉のような野菜を見た。
口腔に広がる強烈な苦味は吐き気すらもよおすほどで、
我慢して飲み込んでも後味がしつこく残り、彼は水を三杯もおかわりした。
「……何ですか、これは!」
「ははは! いや、我等が仮面があまりにうまそうに飯を食ってくれるからな。
 ちょっとしたイタズラよ。気を悪くしないでくれ、ワッハッハッ」
「この苦さは……前もって教えてもらっていないと、心臓に悪い」
「そうは言うがな、はしばみ草が好きな変わり者もいるらしいぞ」
「……人それぞれ味の好みがありますからね」

その時、アルヴィーズの食堂で青髪の少女が珍しくくしゃみをしたとかしないとか。

413 :白き使い魔への子守唄 2/6:2007/09/23(日) 21:01:59 ID:J0AyxMuL
「ところで申し訳ないのですが、このサラダを毎朝というの……」
「はははっ、解ってるよ。こっちも冗談のつもりなんだからな。
 でも、これだって俺達が丹精込めて作った料理なんだ。残されちまうのは悲しいなぁ」
「……まあ、苦いのも慣れればそんなには……」
マルトーの気持ち悪い泣き落としを受けたハクオロは、渋々サラダを口に運ぶ。
「さすが我等が仮面! 男だねぇ。貴族の野郎達とは違うぜ。
 あいつ等は魔法ができるからって威張りすぎてやがる。
 火の玉を出したり、ドラゴンを操ったり、土から城や鍋を作ったり……」
「……鍋? メイジがわざわざ鍋のような調理器具まで作ったりするんですか?」
「何言ってんだ。土のメイジじゃなきゃ鉄を造るなんて無理な話だ」
「じゃあ、フライパンや包丁、薪割りの斧なども、土のメイジが?」
「当たり前じゃねーか。まあ、そうやって俺達平民も世話になっちゃいるが、
 こうやって絶妙の味に料理を仕立て上げるのだって、言うならひとつの魔法さ!」
相槌を打ちながら、ハクオロは鉄について考えていた。
もしやここでは金属の類いはすべて、土のメイジの錬金で作られているのだろうか。
「鍛冶師などはいないんですか?」
「鍛冶師? そりゃ、いるさ」
「鍛冶師もやはり貴族なんですか?」
「そりゃ魔法で金属を造るんだから貴族さ。それを専門にしてる高名な錬金魔術師もいる。
 まあ貴族の資格を剥奪されたメイジが鍛冶師をやってるなんて場合もあるが」
はしばみ草の苦味をこらえながら、ハクオロは興味深くマルトーの話を聞く。
そしてこの國では平民が貴族に勝つ事など、本当に奇跡のようなものだと理解する。
今さらながらよくギーシュに勝てたものだ、あのような奇策は二度と通じまい。
(貴族はこの世にとってなくてはならない存在であり、絶対の強者でもある。
 それが悪いとは言わないが、かといって民草を蔑ろにしていい理由にはならん。
 といっても、同じく平民である私がそういった問題をどうこうできる訳もないが)
思案しながらも律儀にはしばみ草のサラダを口に運ぶハクオロ。
次第に考え事すら億劫になり、ふと窓の外を見ると、キュルケのサラマンダーがいた。
確か、名前はフレイムだと紹介された。
(何でこんな所に? 食事の匂いに釣られてきたのだろうか?)
何とか食事を終えたハクオロは、マルトーから生肉を一枚もらうと、
それを外から自分を見つめていたフレイムに差し出してみる。
フレイムは大喜びで生肉を焼いて食べた。
ハクオロは手渡しで生肉を渡そうとしたので、生肉のついでに自分の左手も焼かれた。
軽い火傷ですんだが、その日の洗濯はシエスタに代わってもらう事に。

朝食、掃除、洗濯等を終えたハクオロはルイズの授業のお供をする。
ちなみにコルベールに頼んで紙とペンをもらい、
ハクオロなりに授業の内容をまとめたり、
自分の知識と照らし合わせて魔法の考察をしたりするのだが、
黒板に書かれる字が読めないため、教師の言葉を一語一句聞き逃せないのが難儀だった。
もちろんハクオロは自分の知っている文字で書いているため
他の人からしたらミミズがのたくったような落書きにしか見えないし、
文字が縦に続いているというのもかなり意味不明だった。横文字文化と縦文字文化の違い。
ハクオロは水からワインを作る魔法などは「反則だ」とショックを受けたり、
秘薬からポーションを作る授業ではなぜか「エルルゥ」という名を思い出した。
(しかし、便利なものだな魔法とは。基本となるコモンマジックだけでも生活が変わる。
 そういえば、サモン・サーヴァントとコントラクト・サーヴァントもコモンマジック。
 錬金は土系統の魔法らしいからうまくいかなかったようだが、
 ルイズはコモンマジック程度なら練習すれば使えるようになるのでは?)
授業後、ハクオロはさっそくルイズにコモンマジックの練習を提案した。
いくつは疑問点があるものの召喚はできたのだからという理由で説得したが、
やはり召喚自体満足のいく結果ではなかった事と、
失敗した時の爆発の威力がなぜか上がっているため、余計に失敗を恐れているようだった。
自室で練習して失敗でもしたら、あの部屋の家具はすべて買い直す事になりかねない。
そうやって相談してる時、妙な気配に気づいてそちらを見ると、フレイムがいた。
自分に何か用でもあるのだろうか? ハクオロが首を傾げている間にフレイムは姿を消す。

414 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:03:36 ID:GwympvlJ
支援

415 :白き使い魔への子守唄 3/6:2007/09/23(日) 21:03:47 ID:J0AyxMuL
学院長室の一階下に宝物庫がある。
巨大な鉄の扉には閂と錠前で守られ、さらに『固定化』の魔法をかけられている。
故に堅牢無比。
だから鍵を開ける『アン・ロック』など通用するはずもなかった。
それを確かめたロングビルは錬金を扉にかけてみたが、これも効果は無い。
他に手段はないかと思案していると、階下から足音がし、ロングビルは杖をしまった。
やって来たのはコルベールで、ロングビルは世間話でもするように訊ねる。
「ミスタ・コルベールは宝物庫の中に入った事がありまして?」
「ええ、ありますよ。お宝ガラクタひっくるめて所狭しと並んでおります」
「でしたら『天照らすもの』はご存知?」
「ああ、あれにはつい見惚れてしまいましたな」
「まぁ、興味が湧きますわ。詳しくお聞かせ願えませんか?」
「よろしいですよ」
ロングビルの色香に酔ったコルベールは、秘宝や宝物庫の弱点など自慢げに語る。
おかげでロングビルは大喜びで、フリッグの舞踏会を一緒に踊る約束をするのだった。

生徒達の夕食後、ハクオロは厨房で足りない腹を満たすついでに、
朝に負った火傷の包帯をシエスタに取り替えてもらっていた。
「朝は災難でしたね」
「ああ。だが利き手でなくてよかった」
「でも決闘の時といい、左手ばかり怪我してますね」
「何だか、私は不幸の星から逃れられない運命にある気がしてならん」
「そんな大袈裟ですよ」
シエスタの無邪気な笑いに幾分か心を癒されたハクオロは、
心底シエスタに感謝しながら女子寮へと戻った。
ところが、寮に入ってすぐの所でキュルケの使い魔フレイムが待ち構えていた。
「ん……何だ?」
「きゅるきゅる」
「頭を下げたりなんかして、今朝の事を詫びている?」
「きゅるきゅる」
フレイムは頭をぺこぺこと下げた後、ハクオロの服のすそを咥えて引っ張った。
「私に何か用でもあるのか?」
とりあえずついていって見ると、戸が開いているキュルケの部屋に案内された。
使い魔を使ってキュルケが自分を呼び出したという事か。
入ってみると部屋の中は真っ暗で、奥の方からキュルケの声がした。
「扉を閉めて」
「私に何か用か?」
彼女の声色に不吉なものを感じたハクオロは用件を聞こうとしたが、
彼が戸を閉めないと解るったキュルケは暗がりの中で杖を振った。
すると扉は勝手に閉まり、さらに鍵までかかってしまう。
その瞬間、彼の脳裏に稲妻が走った。
この展開は、間違いなく悲劇的な末路を迎える。
本能的に扉に手をかけ、ガチャガチャと取っ手を回そうとする。
が、回らない。錠を開けなければ、錠、どこだ、あった、えいっ。
「あ、開かない……」
「魔法で錠を閉めてるから、力ずくでぶち破るか、『アン・ロック』を唱えないと無理よ」
恐る恐るハクオロが振り返ると、室内に立てられていたロウソクがひとつずつ灯っていく。
スタート地点はハクオロの周辺で、ゴール地点はキュルケの周辺、ベッドだった。
薄明かりの中、炎の揺らめきがキュルケの艶かしい褐色の肌を照らす。
扇情的なベビードールという下着を着け、
豊かに実ったメロンのような柔肉の果実がレースの下着を持ち上げている。
(いかん……いかんですよ、これは)
雄の本能によりハクオロの視線はそれに釘づけになる。
嗚呼、この胸は、この大きくて丸くて柔らかそうな胸は。
胸の大きな黒髪の美女が脳裏に浮かぶ。なぜか獣耳で猫のような尻尾が生えてる。
胸の大きな金髪の美女が脳裏に浮かぶ。なぜか背中から天使のような白い翼を生やしてる。
胸の大きな銀髪の美少女が脳裏に浮かぶ。なぜか背中から鴉のような漆黒の翼を生やしてる。

416 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:04:01 ID:ni7hP0Sn
>>384
ルイズ死亡確定でタバサはギーシュ辺りに罪かぶせられて奴隷転落っすか?

417 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:04:57 ID:GblZZ6mZ
>>416はとりあえずsageような。
そして支援を忘れずに。

418 :白き使い魔への子守唄 4/6:2007/09/23(日) 21:05:25 ID:J0AyxMuL
「そんな所に突っ立ってないで、いらっしゃいな」
色っぽい彼女の声に導かれるように、ふらふらと彼はベッドに向かった。
これは決して誘惑に負けているのではなく、その、記憶が、そう、何か思い出せそうで。
キュルケの前まで行くと、ふいに、彼女は影のある表情を見せた。
「あなたは、あたしをはしたない女だと思うでしょうね」
「あ、いや、別にそんな事は……」
「思われても仕方がないの。解る? 私は『微熱のキュルケ』……燃え上がりやすいの。
 そう、これは恋。恋をしているのよ、あなたに! あの時! あの瞬間から!
 ギーシュのワルキューレを倒して、劣勢になっても土壇場で引っくり返す力強さ!
 私の胸を雷が打ったわ! そして! 私の心の中にあった火と、
 雷で打たれた時、新たに生まれた火、ふたつの火が胸に宿った。
 ひとつひとつでは単なる火だけど、ふたつ合わされば炎になる!
 炎となった恋は無敵よ! だから、私の情熱を受け止めて! ダーリン!」
ベッドから飛び上がったキュルケは、たわわな胸をハクオロの胸に押しつけて抱きつく。
グニャリと歪む柔らかな感触にハクオロはたまらなくなった。
その隙をついて、キュルケはハクオロを引っ張り倒す。ベッドの上に、自分の上に。
「うわっ」
バランスを崩して倒れたハクオロは突っ伏した。キュルケの、谷間に。
頬を両側から包む熱を持った柔らかさ。
「やんっ、積極的なのね」
「ち、違……自分は……」
キュルケの手がハクオロの後頭部に回り、いっそう強く顔を胸に押しつけさせる。
あまりの気持ちよさにハクオロは力が抜け、そのまま流れに呑まれそうになってしまう。
と、そこに救世主が降臨する。
突然ノックされた窓の外で、ハンサムな黒髪の男がキュルケ達を睨んでいた。
「ノックしてもしもぉ〜し。待ち合わせの時間に来ないから来てみれば……」
「ジョセフ! ええと、二時間後に」
「話が違うぞこのスカタン!」
ここは三階、どうやらジョセフという男は魔法で浮かんでいるらしい。
キュルケはわずらわしそうに杖を取り出すと、炎を出して窓ごとジョセフを吹っ飛ばした。
「まったく、無粋なフクロウね」
「……待て、今のは誰だ」
「ただのお友達よ。とにかく今、あたしが一番恋してるのはあなたなの、ハクオロ」
ピンチ再び。しかし風通しのよくなった窓から新たな人物が現れる。
シルバーの髪を垂直に立てた男が、汗をダラダラ流しながら言った。
「あ……ありのまま、今、起こった事を話すぜ!
 『俺はキュルケとベッドインしに来た思ったら、
  いつの間にか他の男がキュルケとベッドインしていた』
 な……何を言ってるのか解らねーと思うが、俺も何をされたのか解らなかった……。
 頭がどうにかなりそうだった……。
 浮気だとか二股だとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてある。
 もっとも恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……」
「ポルナレフ! ええと、四時間後に」
「キュルケに他の男がいるなどと……嘘をつくなぁ〜!」
キュルケは再度杖を振り、炎でポルナレフという男を吹っ飛ばす。
「……キュルケさん? 今の彼も君に会いに来たようだが」
「愛って何? 振り返らない事よ。だから私は振り返らない。
 あなたの過去なんて気にしないし、自分の過去も気にしないわ! 好き!」
と、キュルケが愛の語らいを再開しようとすると、窓からさらに悲鳴が上がる。
見れば、今度は三人もの男が押し合いへし合いしながら窓から中に入ろうとしていた。
そしてそれぞれに叫ぶ。
「キュルケ!」「彼は誰なんです!」「恋人はいないと言っていたはずだ!」
「ソリッド! ドッピオ! ディアボロ! ええと、六時間後に」
「三人同時かよ!」
もはや語るまいと、キュルケは杖から大きな火の球を出して三人を吹っ飛ばした。
そしてキュルケの男癖の悪さを目の当たりにしたハクオロはげんなりとし、
「帰る」と呟いて起き上がろうとした。
が、その時ズキンと左手の火傷が痛み、彼は再びキュルケの上に倒れてしまう。
と、同時に部屋の扉が勢いよく開け放たれルイズが飛び込んできた。

419 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:05:38 ID:+/ECtCoQ
うたわれはよく聞くが興味がわいてきた
支援。

420 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:06:40 ID:dXXgwr/Q
なんて男達を掛け持ちしてやがるwww
支援

421 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:07:00 ID:NuMakbbW
ここでジョジョかよw
支援。

422 :白き使い魔への子守唄 5/6:2007/09/23(日) 21:07:08 ID:J0AyxMuL
白き使い魔への子守唄 5/6
ルイズの視点。
ハクオロの帰りが遅くてイライラしてたら、なぜかキュルケの部屋が騒がしい。
そこでキュルケの男癖の悪さ、およびヴァリエール家との対立を思い出し、
最悪の事態を予想しキュルケの部屋に突撃。
鍵が掛かってたので『アン・ロック』を唱えて扉を吹っ飛ばして入ろうとしたが、
なぜか普通に鍵が開いたので、構わず扉を蹴飛ばして踏み込んでみた。
すると、ベッドの上でハクオロがキュルケに迫ってる最中だった。

「こ、こここ、この……」
ルイズの全身から怒りのオーラが立ち昇るのを感じたハクオロは、
顔面蒼白になって脂汗をかき始める。
「えーと……だな、これは」
「この、好色犬ぅぅぅっ!!」
近くに立っていたロウソクを引っ掴んだルイズは、ハクオロ目掛けて全力投球。
ベッドの上に落ちたら大変だとハクオロは包帯の巻かれた左手でロウソクキャッチ。
包帯に引火。
「アァァァァァァッ!!」
火傷が悪化。

薬を塗り直し、包帯を巻き直したハクオロは、
ルイズの部屋に敷かれた藁の上に毛布一枚で寝転がる。
左手はまだ酷く痛み、とても寝つけそうになかった。
一方ルイズはふかふかのベッドの中でくつろいでいる。
が、空気が冷たく張り詰めていた。ただこの部屋にいるだけで寒気がする。
「な、なあルイズ……」
「何? 好色犬」
先ほど、ルイズのヴァリエール家とキュルケのツェルプストー家との確執、
誰を寝取られたとか彼を寝取られたとか彼女を寝取られたとか、
だいたいそんな話を火傷の手当て中に聞かされていたハクオロは、
他の話題で何とかルイズの怒りを静められないものかと考えていた。
そこで、思い浮かんだ質問をしてみる。
「キュルケの部屋は鍵がかかっていた。
 ドアを力ずくでぶち破るか『アン・ロック』を使わねば開けられないと言っていたが、
 あの部屋を出る時ドアを見たが、ドアノブや錠が壊れた様子は無かった。
 いったいどうやって開けたんだ?」
「どうやってって、『アン・ロック』でドアを吹っ飛ばそうと……アレ?」
ようやくルイズは、『アン・ロック』で爆発が起きなかった事実に気づいた。
しかもちゃんと錠が外れ、普通にドアを開けられた。
じゃあ、まさか。
ルイズはベッドから跳ね起き、枕元に置いてある杖を手に取る。

423 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:07:23 ID:+/ECtCoQ
そういえばソリッドだとスネークになっちゃうぞ。
5部の奴はリゾットだったようなwww

424 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:08:22 ID:Lc/Fraf8
>>423
あの三人は同一人物(ボス)だ支援

425 :白き使い魔への子守唄 6/6:2007/09/23(日) 21:08:45 ID:J0AyxMuL
「わ、私、魔法、成功した?」
「サモン・サーヴァントとコントラクト・サーヴァントができたのだから、
 同じコモンマジックの『アン・ロック』が使えない道理は無い。
 今まで使えなかったというのなら、今はもう使えるようになったのだろう」
「う、嘘……だって、でも、そんな」
「試しに、何かコモンマジックを使ってみたらどうだ?」
言われて、ルイズは恐る恐る杖を扉に向けた。
他のメイジと違い、ルイズは扉の鍵を自分の手で閉めている。
その鍵を開ける方法も、当然手で開けるしかなかった。
でも。
短い詠唱の後、錠前が光り、暗がりの中錠の回る音がした。
「は、ハクオロ。ドア、開けてみて」
毛布から出たハクオロは、さっそく錠には触れず扉を開ける。
「どうやら君の努力が少しずつ実りつつあるようだな。
 恐らく魔法を失敗した時の爆発の威力が上がったのも、成長のひとつの結果なのだろう。
 失敗が派手になったというより、魔法の威力が上がったという事だ。
 後はその力を操れるかどうかだが、コモンマジックなら操れるようになったらしい。
 この調子でまずコモンマジックを使いこなせるようになってみてはどうだ?
 そうすればいずれ系統魔法も成功するかもしれない。……ルイズ?」
自分なりの考察を述べてみたのだが、ルイズはうつむいたまま反応しない。
しかしよく見れば肩がわずかに震えていて、彼女の目元から、雫が。
ハクオロは扉と鍵を閉めると、藁の上ではなく、ベッドの前に行った。
それから、火傷をしていない方の右手が、桃色の髪を撫でる。
「よかったな、ルイズ」

大きくて優しい手が、頭を撫でる。
まるで、まだ私が魔法が使えないと解る前のお父様に撫でてもらってるみたい。
込み上げてくる驚喜があまりにも激しくて、どうしていいか解らなかったのに、
ハクオロの手に撫でられていると、それらが心地のいい安らぎへと変わる。
嬉しさと安心感が溶け合って、胸の中にあった暗がりを灯す。
使い魔に頭を撫でられるなんて、って思っても、もっと撫でていてもらいたくて。
だから私は、ただ涙をこぼし続けた。
口を開いたら、悪態しか出てこなさそうだったから。
そうしたら、ハクオロが私の頭を撫でるのをやめてしまうだろうから。
ハクオロは、私の涙がおさまるまで、ずっと頭を撫で続けてくれた。

426 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:10:22 ID:GwympvlJ
支援

427 :子守唄:2007/09/23(日) 21:11:22 ID:J0AyxMuL
破壊の杖の名前を考えるのに一日、キュルケの元カレの名前を考えるのに一分。
配分は間違えてないと思う。多分。

NGシーン
「キュルケ!」「彼は誰なんです!」「恋人はいないと言っていたはずだ!」
「ソリッド! ドッピオ! ディアボロ! ええと、六時間後に」
「三人同時かよ!」
「何言ってるの? あなた達、一人じゃない」
「……気がついていたか……私の正体を知った者は生かしておけん!
 キング・クリムゾン! 我以外の時間はすべて消し飛ぶー!」
残念! ハクオロの冒険はここで終わってしまった!

    時を飛ばす者 完

428 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:11:23 ID:ywjCbIE6
すげーぜハクオロさん、なんつー胡麻化しかただ!

429 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:13:07 ID:oZ1fI7Wq
好色犬言われてもあまり違和感無いなハクオロさんw

430 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:14:02 ID:3wFCuYL8
さすが願いをかなえる人。契約のときにでもなんかしたのか

431 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:14:40 ID:mELT2me1
ジョジョ乙!
じゃなかった、ハクオロさんGJ!

432 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:14:53 ID:g1OFelUO
乙したー

>429
原作中の二つ名の一つに「好色皇」ってのがあるくらいだからなぁw。

433 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:15:25 ID:HGSfvdRY
うーん、JOJOネタ入れる必要あったのかなぁ
唐突すぎて( ゚д゚)ポカーン

434 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:17:13 ID:cZgvnGZ6
投下乙〜。
さすが原作ゲームではひたすら受身の男w

しかしルイズの変化は契約の影響かな。

435 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:21:27 ID:SprwOpVl
>>433
作者の小さな遊び心だろう。
深く気にする必要はないと思われ。

436 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:22:23 ID:ni7hP0Sn
ジョジョネタに萌えた支援

437 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:24:11 ID:yDSyY5Ql
乙カレー魔人

>ルイズの変化は契約の影響かな
BEフラグ・・・HAHAHA boy ジョークになってないぜ

438 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:27:12 ID:/B3m+Jhe
乙ー
この時点でルイズが魔法を使えるようになってるのは珍しいなぁ
こりゃフーケ戦が楽しみだ

439 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:30:30 ID:Lc/Fraf8
GJ!何気にキュルケが特撮の誰かさんぽいこと言ってるw
しかしこの時点で使えるようになったのも何かの複線か

440 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:44:13 ID:hypz9eI6
SD戦国伝から結晶鳳凰(クリスタルフェニックス)を召還。

黄金に輝く結晶鳳凰にみんなびっくり。


いろいろあってルイズがピンチに

「天・来・変・幻」

瑠威頭大将軍に大出世。



破壊の杖は「大目牙閃光砲」とか

441 :眼つきの悪いゼロの使い魔 オーフェン:2007/09/23(日) 21:44:37 ID:0XPYeGg8
ハクオロさん乙。
投下予約がなければ、50分に投下します。

それにしてもこの男は、ゼロ魔原作で設定が全部出てないからとても書きにくかった。

442 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:44:58 ID:mELT2me1
キュルケ、トップを狙え!

443 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:46:01 ID:cZgvnGZ6
オーフェンきた支援!

444 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:47:59 ID:p7h0WidV
支援

445 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:48:28 ID:HGSfvdRY
誰のことだろ支援

446 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:48:57 ID:/B3m+Jhe
天人の遺産支援

447 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:48:57 ID:oLbbyLBD
皆さんお待ちかねー!のオーフェンキター!支援

448 :眼つきの悪いゼロの使い魔 オーフェン:2007/09/23(日) 21:50:07 ID:0XPYeGg8

虚無の使い魔?
ほぼ間違ないでしょう。ガンダールヴです。
眉唾ものだが、君の言葉でもある。警戒しておこう。
お一人で大丈夫ですか?
信用のないことだな。まあ、協力者の目星はつけている。
彼女が首を縦に振るでしょうか。
さてな。恩を売ったわけでなし、拒まれれば諦めよう。
情熱の薄い方。
情熱を向ける目標は、一つのみのほうが良い。
物分りがよいのですね。
分別はある。いつまでも若造ではいられない。
ふふ。ではご忠告を一言。
聞こう。
彼女の連れの殿方にはご注意を。
以前も言っていたな。手強いか?
それはあなた様と比してでしょうか?
…………。
あら、お怖い。冗談ですわ。
ふん。忠告は聞き入れた。用件は終いか?
鏡越しに失礼いたしました。吉報を主共々お待ちしております。
その主とは、閣下のことか? シェフィールド。
女の言葉の裏など、探るものではありませんよ、子爵殿。




 虚無の曜日。王都トリスタニアの通りを歩むオーフェンの懐に、手が伸ばされる。雑踏に紛れるように、
手馴れた様子でこちらの財布を探る腕を、オーフェンはほとんど意識せぬままに捻りあげた。そして
そのまま相手の体軸を崩して足を払おうとした際に、気がつく。このスリと思われる男の反対側の腕を、
見知らぬ青年が同じように捻りあげている。
 目が合う。風切り羽で飾られた帽子に、白いマント。整えられた口髭を持つ、二十台半ばと見える青年。
その彼は、奇妙な戸惑いを浮かべてオーフェンを見返していた。どうも反射的に手を出してしまっただけ
らしい。彼らは互いに気まずく笑いあい、特に言葉を交すこともなく別れた。

 ある日、そんなつまらない出会いが、一つあった。


449 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:50:46 ID:1AIVsl3L
支援カムバック

450 :眼つきの悪いゼロの使い魔 オーフェン:2007/09/23(日) 21:51:10 ID:0XPYeGg8

 マチルダは行儀悪く片肘をついて、テーブルの向かいにいる男、オーフェンを眺めていた。彼女の
不機嫌な視線をものともせず、オーフェンは目の前に並べられた料理を片付けている。マチルダの予想に
反して、存外まともな食器の扱いだった。
 魚の酢漬けを平らげたオーフェンは、全く遠慮を見せずに次の料理に手をつける。ポテト、玉葱、豚肉を
混ぜ、さいの目に切り焼いたものだ。それをカツカツと三つまとめてフォークに刺し、口に放り込む。
たいした健啖ぶりだった。見るだけで胸焼けがしてくる。と、そんな彼女の様子に気がついたのか、
淀みなく動いていたオーフェンの食器が止まった。

「どした、食わないのか? お前の金だぜ」
「ああ、ようく知ってるよ」
「そんな恨みがましい声を出すなよ。正当な賞品だろう、これ?」

 そうだけどさ、と口の中で呟き、マチルダは果実酒に手を伸ばす。度数の低いそれを胃に流し込み、
常よりもわずかに熱い吐息を零した。
 彼女としては、別に賭けの結果を反故にするつもりではなかった。ただ、さすがに宝物庫の一件、狙いの
宝が目前でガラクタに変わったことへの衝撃は大きかった。オーフェンが思い出したように、賭けの賞品を
求め出したのはその翌日のことであったため、いささかぞんざいな扱いをしてしまったのも確かだろう。
だが、だからといって『怪奇! 毎夜現れる巨大土ゴーレムの恐怖と正体!』などという妙に凝った版画を
刷らなくてもいいではないか(発見したのは五十枚刷られた後だった)。

「……ねえ」
「うん?」
「あなたはもう私のこと、気がついてるんでしょう?」

 伏目がちに、マチルダが問う。いつもより遥かに力ないその声は、贖罪を求めるかのようだった。
 彼女の瞳は髪に隠れて見えない。その姿をオーフェンは無遠慮に眺めた後、意地悪く口元だけで笑って
見せた。

「そいつは如何にも俺の言質を取ろうって質問の仕方だな」

 見透かされて、マチルダがわずかに赤面しながら顔を上げる。そのまま誤魔化すように、給仕へ追加の
注文をした。
 オーフェンは再び料理を片付け始め、彼女へ話しかける。

「ま、これから何するつもりか知らねえけど、別に現状のままでもいいんじゃねえか? 学院長の秘書って
結構な高給取りだろ」
「もう飽きたよ。それに貴族に飼われっぱなしなんてごめんだね」
「なんだか根が深そうだな、おい」
「あんたには関係ないだろう」
「確かに関係ないが」

 マチルダは、あっさりと首肯するオーフェンをむしろ不満げに睨む。そして溜息の後、届いた新たな酒に
口をつける。

「とにかく、もうこれ以上過保護に育てられたお子様方の相手はしたくない」
「別に教師やってるわけじゃないだろ。そんなに接点は……って、そう言えば生徒から手紙もらったとか
言ってたか?」
「そう、それ。一回り年下の子にそんなの渡されてもね。ええと、何て名前だったっけ? こうぽっちゃり
とした……そうそう思い出した。マルッコイ君」
「名は体を現すっていうかひどいな親」

 呆れるオーフェンの言葉を聞き流しながら、マチルダはテーブルに顎を乗せてぼやきを続ける。


451 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:51:31 ID:HGSfvdRY
支援

452 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:51:34 ID:3T0neY1k
支援・・・満を持して

453 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:51:57 ID:/B3m+Jhe
無敵の地人支援

454 :眼つきの悪いゼロの使い魔 オーフェン:2007/09/23(日) 21:52:19 ID:0XPYeGg8

「なんか最近うまくいかないことばーっかり。ああーもーテファの所に帰りたくなってきたなー」

 なにやら呂律が怪しくなっている。追加で頼んでいた酒(穀類の蒸留酒か?)の度数がオーフェンは多少
気になった。
 マチルダは教室で居眠りをする学生のように、顔の前で両腕を組み、気の抜けた声で言葉を吐く。

「あんたに会ってからツキが落ちる一方」
「んなこと言われてもな」
「意外とテーブルマナーまともねあなた」
「今日はまた話があちこちに飛ぶなおい」

 こいつ実は酒弱いんじゃないかと疑いながらも、オーフェンは一応答えた。

「俺は十五歳まで魔術士養成機関の最高峰、牙の塔で教育を受けてたんだよ。宮廷に輩出されても恥を
かかない程度には仕込まれてる」
「あんたが? へえー、見かけによらずってこのことね。そこを出てからは何やってたの?」
「金貸し。もぐりの」
「……過程でなにがあったのよ」

 半分閉じた目でオーフェンを見ながら、マチルダは顔を起こす。そして酒の入った杯を掲げて、

「じゃあ落ちぶれ者同士、乾杯」
「やな祝杯だなそれ」

 苦いものを噛んだような顔をしつつも、オーフェンは杯を合わす。

「ねえ」
「なんだよ今度は」
「今までどんなことをやってきたの?」
「さっき答えたろ」
「もっと詳しく。あんたはこっちに来て初めてのことばかりでしょ。不公平」
「どういう理屈だよそりゃ」
「私の名前をいくつも知ってるし」
「ますます意味分かんねえって」

 いよいよ胡乱な眼差しをオーフェンはマチルダに向ける。酔いが回っているにしても、饒舌すぎない
だろうか。彼女と知り合ってそれなりに月日は経っているが、こんな姿は始めて見る。
 オーフェンの気づかぬこと、またマチルダの自覚せぬことである。彼女にとってマチルダであること、
ロングビルであること、フーケであること、それら全てを知った相手がいたことなど、これまでなかった。
同時に何も隠さず、取り繕う必要がない者と話すということも、これまでなかったことであった。心の枷が
わずかばかり外れていることを、彼女自身も気づかないままでいる。

「俺に弁士の才能を期待するなよ?」
「もちろん。さっき金貸しやってたって言ってたけど、やっぱり儲かるの?」
「いや、俺もそう思ってはじめたんだがな、最初に貸したやつが――」

 一度話し始めれば、言葉が途切れることはなかった。実際、オーフェンとしては提供する話題にこと
欠かない。脚色する必要さえない。さすがに口にできない内容も山とあったが、酒の席で肴にするには
充分に過ぎる。
 彼女の笑いを誘うことに(驚くべきことに)何度か成功しながら、オーフェンは話続けた。杯が重なる。
言葉が絶えることはない。


455 :眼つきの悪いゼロの使い魔 オーフェン:2007/09/23(日) 21:53:28 ID:0XPYeGg8

 学院から借りた馬車の座席にマチルダの体を横倒す。深酒がすぎたのか、彼女の正体は怪しくなっていた。
吐息とも寝息とも判別のつかない呼吸をしている。仰向けにして、なるべく楽となる姿勢を取らせてから
オーフェンは背後を振り向いた。

「で、なんか話でもあるのか?」

 すでに日は暮れている。夕焼けの残滓も薄れた空の下、暗闇を拒むような姿の男がいた。オーフェンは
わずかに瞠目する。その男の帽子を飾る、風切り羽には見覚えがあった。白いマントを揺らしながら、男は
数歩だけオーフェンに近づく。

「気づかれていたか」
「白々しい。気づかせたんだろう?」

 茶番を拒むオーフェンの言葉に、男は肩を竦める。気障な仕草が妙に板についた、本物の貴族の動き
だった。そして彼は帽子を胸元に当てて一礼する。

「お初に、という言葉はふさわしくないか。先週に会ったな。まったく偶然とは恐ろしい」
「俺は今あれが偶然だったかどうか、疑ってる最中だけどな」

 言葉の端々に込められた皮肉にも頓着せず、男は鷹揚に会話を続ける。

「君にも興味は尽きないが、今夜は彼女に用向きがあってね。お話ができる状況かな」
「見て分かんねえか。後日にしてくれよ」
「すまないが、その余裕が私にはない」

 マチルダへ向いた視線を、オーフェンは足を半歩ずらして体で塞ぐ。警戒を強めるのその姿に、むしろ
男は好ましげな表情を浮かべて見せた。

「こちらの非礼については承知している。せめて彼女の目が覚めるまでは待たせてもらうよ。少し時間潰し
に協力してくれないか?」
「あん?」
「君にも興味があると言ったろう。話がしたい」

 言い、男は返事も待たずに背を向ける。オーフェンは多少の迷いを見せた後、懐から財布を取り出して、
厩舎の見張りをしている男の一人へ(多大な逡巡を終えて)銅貨ではなく銀貨を放り、マチルダを馴染みの
宿へ送るよう指示を出す。そして、すでに通りの人ごみに紛れかけていた白マントを追った。


456 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:53:55 ID:Lc/Fraf8
支援

457 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:53:56 ID:oWl1u6yj
支援っ!

458 :眼つきの悪いゼロの使い魔 オーフェン:2007/09/23(日) 21:54:34 ID:0XPYeGg8

 オーフェンはしばらくの間、無言で歩く。右前方、半歩ほど先行する男も、同じく無言で歩いていた。
顎の髭を撫でながら、彼は懐かしそうに辺りを見回している。その視線をオーフェンは盗み見る。男女の
入り混じった雑踏。露天で声を張る商人。しつこくない程度の客引きをする女たち。別に珍しくもない、
ありふれた光景だった。

「君はこの街を見て、どう思う?」

 唐突に、ぽつりと男が言葉を零す。オーフェンは質問の意図を掴めないまま、

「どうって言われてもな。普通じゃねえのか、それなりに活気もあるし」
「そうだな。国の膿が市井にまで及ぶには、少しばかり時間がかかる。もうしばらくの間は、この街は
普通のままだろう」

 一定のリズムを保ったまま、彼らは歩き続ける。

「何の話なんだ?」
「歪みは君たちの与り知らぬところでおこっている、ということだよ。この国でも、他国でもね」
「あー、すまんが余所者の俺でも分かるように、」
「そうか、では表現を改めよう。彼女、マチルダ・オブ・サウスゴータの現在に至るまでのお話さ」

 歩調に乱れを生むことなく、オーフェンの全身の筋肉から瘧が抜ける。細めた視線を送りながら、言葉の
続きを待った。そして聞く。マチルダが如何にして家名を無くし、フーケとなったかの話を。



 聞き終えたオーフェンは、複雑そうな表情を顔に乗せて呻く。

「よく分からねえな」
「説明が足りなかったか?」
「そうじゃねえよ」

 オーフェンは足を止める。一瞬後、合せるように男も歩みを止めた。男は肩越しに振り向き、言葉を促す。

「なんでそんな話を俺にする。あんたが用があるのは、俺じゃなくて彼女のほうだろ。そもそもあんた、
何をしに俺たちの前に現れたのか、まだ言ってないぜ」
「そう複雑な話ではない。単なるスカウトさ。彼女の協力を得たいのだ」
「断られれば、さっきの話が交渉材料に変わるのか?」
「そこまで恥知らずではない」

 疑わしげな視線を男は平然と受け止めつつ、

「まあ、目的はそれ一つだけではないがな」
「…………?」
「君は先住魔法というものを知っているか」
「精霊や魔獣、エルフが用いる、系統魔法とは別種の魔法だと聞いている」

 男が完全に振り返り、オーフェンと正対する。


459 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:54:39 ID:/B3m+Jhe
ヒュキオエラ支援

460 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:55:42 ID:3T0neY1k
僕に支援されてみる?

461 :眼つきの悪いゼロの使い魔 オーフェン:2007/09/23(日) 21:55:44 ID:0XPYeGg8

「私はいずれ、本物のそれらと力を交さなければならない。そしてそれは、そう先のことではない」

 オーフェンの後ろ首がちりちりと痛む。周囲の人々が、立ち止まった二人を迷惑そうに避けながら流れて
行く。男は全てを無視して、小声で告げた。

「オーフェンよ。君のことは聞き知っている。系統では有り得ぬ魔法を操る、異邦の魔法使いだと」
「技を見たいってか?」
「いいや。技を競いたいのだ。私の風が、果たして先住に勝るのかを」

 男は表情一つ変えない。ただ静かに、気安げでさえあった空気を剣呑なものへと作り変えていく。それで
オーフェンは気づいた。今までの彼の言葉は全て真摯であり、これからの行動も全て迷いなく行うだろうと。

「一個、いい言葉をあんたにやるよ」

 即座に全身のバネを弾けさせられるよう、体から力を抜いたまま、オーフェンはつまらない冗談を言う
ような口調で話す。

「俺の友人の言葉だ。『強いだの弱いだのそれしか知らないのか。なにか決めたいならアミダでもしろよ』
だそうだぜ」

 ぱちくりと、意表をつかれたように男が両目を瞬かせる。そしてすぐに唇の端を噛み締めた。怒りでは
ない。それは笑いの衝動を堪えるためのものだった。

「そうか――、君の友人は、賢者だな」

 告げるその顔は、どこか少年を思わせる純朴なものだ。遥か遠い景色に思いをはせ、美しいと感じ、
けれども決してそれに手は届かぬと悟っている、そんな顔だった。

(だがどうも、その正しい言葉を受け取れない程度には、『俺』は若造であったらしい)

 自嘲は胸中に沈めて、男は静かに呪文を呟いた。
 オーフェンの目前で唐突に男の姿が掠れて消える。それを戸惑うよりも先に、オーフェンは上体を屈めた。
標的を逃した風の刃が、首筋を冷やす。オーフェンの突然の奇行に周囲の人間が騒ぐが、構う余裕はない。
姿勢を低くしたまま、オーフェンは人ごみを縫って駆け出した。
 このような場所でいきなり仕掛けた男の非常識さを毒づきながら、視線を左右に飛ばす。視界の端に白い
マントが引っかかった。オーフェンを挑発するように、人ごみの中をゆらゆらと泳いでいる。見据えて追う。
転んだように前転をし、地べたに座り商品の説明をしている露天商の頭を飛び越える。周囲からからかいや
嘲笑が聞こえてくる。己の道化ぶりに、オーフェンの胃がよじれた。
 間断なく、風の刃が、空気の鎚がオーフェンを襲う。それは正確にオーフェンのみを標的としており、
周囲にはまったく影響を与えない。オーフェンが眦を鋭くする。白いマントは遠ざかりはしないが、距離が
縮まることもない。
 回避できぬ魔法の牙をオーフェンは避け続ける。自身の五感のほかに、誰か別の者が加わっているかの
ように。空間を支配して、死角からの攻撃さえ全て察知する。だが、それが単なる勘にすぎないことを
オーフェン自身が最もよく弁えていた。

 そして、オーフェンは思考を切り替える。戦い方を変えるべきだと。


462 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:55:52 ID:p7h0WidV
支援

463 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:56:39 ID:Vtw6mgJe
味噌ドラゴン支援

464 :眼つきの悪いゼロの使い魔 オーフェン:2007/09/23(日) 21:56:51 ID:0XPYeGg8

 キエサルヒマ大陸に、チャイルドマンという名の最強の黒魔術士がいた。
 牙の塔の教師となるまで、また教師となった以降も、彼は最強であり続けた。
 彼の生徒は七人いた。チャイルドマンは己の技術を七つに切り分けて、彼らに与える。
 そして生徒の一人である少年は、チャイルドマンを最強たらしめていた暗殺技能を受け継ぐ。
 チャイルドマンの生徒は七人いた。しかし、
 ――鋼の後継と呼ばれたのは、その少年のみである。



 ありえない状況に、男は強く唇を引き結んだ。彼は風の系統の魔法使い、それも並ぶ者などほぼいない
スクウェア・メイジである。その彼が、ただ一人の気配を見失い、探れずにいる。どのような人ごみの中で
あっても、それはありえないことのはずだった。
 雑踏に紛れる利点が消えたと風使いは判断する。周囲の空気の流れを警戒しながら、大通りを離れていく。
それは正しく、それ故に読まれやすい行動であった。
 異変を感じる。異常な感覚に、彼の全身が総毛立つ。背後から、『気配のしない』物体が、空気を掻き
分けながら迫っていた。
 鍛えられた体は自動的に動く。左足を軸足として半回転。右足の踏み込みと同時に杖による刺突を見舞う。
会心と思えたその突きは、しかし目前の青年に容易く払われた。青年の払いの動作は、次の運動に連携して
いく。突き出された右腕を掻い潜り、青年、オーフェンは左肘を風使いの腋の下へ沈めた。オーフェンは
確かな手ごたえを感じる。

「伏せなさい!」

 鋭く、焦りを含んだ声がオーフェンを叩く。直感と、その聞きなれた声音に従う。不可視の巨大な空気の
鎚が、一瞬前にオーフェンがいた場所を襲った。地面を転がりながら、オーフェンはたったいま急所を強打
した男を見る。男は蜃気楼のように、風に溶けて消えていった。
 唖然とするオーフェンに、一人の女が駆け寄った。オーフェンの見知った顔である。

「お前、寝た振りしてやがったな。尾けてたのか?」
「悪い? まあ、あんたらのそばで尾行する自信はなかったから、遠くの空に浮かんでただけだけどね」

 あっさりとマチルダは言い、訊ねる。

「で、どういう状況なの?」
「後で説明するよ。それより教えてくれ魔法使い。今あの男、消えなかったか?」
「遍在、かしら。風の系統にはそういう魔法があると聞くけど」
「つまり?」
「単純に言えば、分身できるってこと」
「……本気ででたらめだなこっちの魔術は。レッド・ドラゴンかよ」

 マチルダには理解できない言葉を吐きつつ、オーフェンは周囲を見回す。視線は感じるが、居場所は判然
としない。なお最悪なことに、視線は複数あるようだった。
 迷いは一瞬。オーフェンはマチルダの襟首を掴み、全力で走り出す。なにやら悲鳴が聞こえたが無視する。
剣呑な気配を感じて路地裏に飛び込む。一泊遅れて、後方で破壊音が響いた。それも無視して走り続け、

「我は駆ける天の銀嶺!」

 重力中和の魔術を発動させる。隣接する建物の壁を左右に蹴りながら、屋根へ躍り出た。視界が開ける。
この辺りでは最も高い建物のようだ。


465 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:57:22 ID:1AIVsl3L
コルゴンよりも稚気に溢れていた支援

466 :眼つきの悪いゼロの使い魔 オーフェン:2007/09/23(日) 21:57:55 ID:0XPYeGg8

「ちょっと! なに考えてんのよ! ここじゃ的になるだけでしょ!?」

 かなり切羽詰った悲鳴をマチルダがあげているが、オーフェンは返答をする時間さえ惜しみ、魔術の構成
を編んでいく。必要なのは威力の極大ではない。細緻の極限である。過負荷で脳髄が痛む、そんな錯覚を
覚えながら、オーフェンは没頭する。
 音もなく、彼らの周囲に人影が出現する。風切り羽で飾った帽子、白いマント、口元を覆う整えられた髭。
寸分違わぬ男たちが三人、オーフェンたちを囲む位置で立っていた。彼らの冷徹な瞳に油断はない。そして
遅滞なく三人は杖を向け――瞬間、オーフェンの魔術が完成した。

「我は描く光刃の軌跡」

 生まれた掌大の球電は七つ。球電はオーフェンが描いた、それぞれが異なる軌跡を辿り、人では決して
回避できぬな速度で標的まで走った。
 着弾後、爆発が起こる。そして爆風に押され、三人は屋根から落ちる。だが、人間が地面に激突する音は
聞こえてこなかった。
 三人全てが分身だったのだろうか。もしも新手がいれば、この見通しの良い場はこちらの不利となるかも
しれない。焦慮がオーフェンの心を焦がす。だが、そんな彼を弄うように声が届いた。

『たいした手練れだな、君は』

 素直な賛嘆が込められた声は、オーフェンの周囲で渦巻く風から聞こえてくる。声の発生源はまるで
悟れない。

『今夜は自身の未熟を悟れただけでも、よしとするよ。私としても、そちらの女性を巻き込むのは本意では
ない。君の忠告どおり、日を改めるとしよう』

 そんな言葉を残して、周囲からの敵意や圧力が消え去った。どうやら本気で退いたらしい。
 忌々しげに辺りを見回してから、オーフェンはどかりと乱暴に腰を下ろす。


467 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 21:58:53 ID:PEYsnUfi
支援

468 :眼つきの悪いゼロの使い魔 オーフェン:2007/09/23(日) 21:58:58 ID:0XPYeGg8

「ああくそ。勝ったんだか負けたんだか、いまいちすっきりしねえな」

 無駄に疲れたとぼやきながら、その場で大の字になる。そんな彼を、まったく状況が掴めていない
マチルダが不満げに見下ろした。

「説明、まだ聞いてないんだけど?」
「ああーそうだっけ? 馬車で話すよ。今は勘弁してくれ」

 気だるそうに言葉を漏らすオーフェンの傍に、マチルダも座り込む。彼女はしばらくの間、不満げな顔を
崩さなかったが、不意に思いついたように考え込み始める。顎下に拳を当てて、寝転んだままのオーフェン
をしげしげと眺める。そして、すぐに彼女は大きく頷き、

「うん、決めた」
「…………?」
「私、秘書やめるわ」
「はあ?」

 唐突な台詞に、オーフェンは首だけを動かしてマチルダを見る。マチルダはオーフェンに視線を落とした
まま、続けた。

「後伸ばしにすると碌なことにならないからね。決断は早くしないと」
「待て待て待て」
「あ、学院の馬車をこのままかっぱらうつもりだから、あんたも共犯ね」
「理不尽すぎるだろおい!」

 堪らずオーフェンは上体を跳ね上げる。

「なんでだよ! 今のままでいいだろ!? 朝起きて夜寝て適度に働いてちゃんと休みもあって、しかも
定期的な収入が週に一回もあるんだぞ! 天国じゃねえか!」
「若い男がなにをせせこましい話してるんだか。もっと一攫千金的なことを考えなよ」
「それこそ碌なことにならねえんだよ経験上!」
「はいはい。歩いて馬車のところまで行くと時間がかかるから、飛んでくよ。掴まって」
「いーやーだー! 定職がいいんだー! 定期収入がいいんだー!」
「あーほらほらハンカチ噛まない」

 騒々しく騒ぎながら、二人は空を歩く。彼らの声を聞いた者が、何事かと上空を仰ぐ。そんな様子を
まったく関知することなく、双月がただ静かに輝いている。

 これよりしばらく後のこと。トリステインを初めとした各国の貴族たちの間で、盗賊フーケは二人組み
との噂がたつこととなった。


469 :眼つきの悪いゼロの使い魔 オーフェン:2007/09/23(日) 22:00:06 ID:0XPYeGg8
投下終了です。

470 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 22:01:12 ID:PEYsnUfi
GJ!定職と定期収入にこだわる辺りに泣けたw

471 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 22:01:16 ID:w2ur++3L
暗転はマダー?

472 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 22:03:36 ID:LaUtESAT
>469
乙であります!!

メンヌヴィル・コルベール・ワルドと野郎どもににフラグ立てすぎですよ、オーフェンさんw


473 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 22:04:48 ID:3T0neY1k
どこにいても苦労症だなキンカクシ・・・・・

474 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 22:07:59 ID:oWl1u6yj

確かにあの職場はオーフェンにとって天国

475 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 22:15:41 ID:ni7hP0Sn

まーまじめにバイトしてもその金を強盗でもしかたと思われたくらいだからなぁ


476 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 22:17:01 ID:+zZhp85t

美味しい食事に決まった勤務時間、それに結構なお給金
・・・オーフェンにとっては素敵な場所でした
しかし彼は金を稼ぐと不幸になるというジンクスがっ

477 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 22:17:19 ID:2uod1YRe
乙じゃじゅしたー
学院って、オーフェンの理想的な環境だったんだなぁ……。
・定職、定期収入がある
・寝床が確保できる。
・食事がしっかりもらえる。
この三つはマジでっけぇぜ。

478 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 22:18:24 ID:cZgvnGZ6
投下乙〜
ワルドって描写のしようによっては印象がガラリと変わるよな。こういう彼は好きだ。

479 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 22:20:02 ID:g1OFelUO
乙したー

嗚呼、さらばやさしきひびよ……
そしてこんにちわ博打人生なオーフェンは幸薄し。

480 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 22:22:42 ID:ypkNxYYj
乙乙ー
マルッコイw

481 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 22:27:21 ID:vEz/1Vmz
投下乙でした
まあ学院での生活が異常でこれからいつもの生活に戻るだけだと考えればw

482 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 22:27:45 ID:UpFscAjM
乙ー
おとボクの瑞穂を召喚と言う妄想をしてみたが
お互いの作品の雰囲気が違いすぎて
まったく話がうかばないww

483 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 22:31:03 ID:FDTXgqSW
乙ー。
やはり金貸し極悪極貧真っ黒魔術士には無職が似合うな。
そういえば、系統魔法には意味消滅みたいな一撃必殺の魔法はあるのだろうか。

484 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 22:32:32 ID:1AIVsl3L
版画刷るとか相変わらず無駄に器用で妙な情熱を……

485 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 22:33:34 ID:hNHOOOO+
GJ!
偏在がでたらめだとかいってるけど
光速で相手にぶちあたる擬似球電もたいがいでたらめだと思うw

486 :ソーサリー・ゼロ代理投下:2007/09/23(日) 22:34:16 ID:HGSfvdRY
投下してもいいカナ?カナ?

487 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 22:34:22 ID:jB99ASz1
オーフェン乙ー
>「我は描く光刃の軌跡」
これって「光塵」じゃなかってけ?

488 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 22:34:29 ID:oZ1fI7Wq
虚無にはありそうだが通常の系統魔法にはなさそうだな


489 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 22:35:19 ID:L6ZvrG8W
だいり☆しえん

490 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 22:35:56 ID:HGSfvdRY
っていつのだよ
風呂はいってたの忘れてた

491 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 22:36:31 ID:FDTXgqSW
>>487
とりあえず声だしゃ発動するんだからあんまり気にしちゃダメだぜ。
物質崩壊だって冥府の「像」だったり冥府の「王」だったりするからな。
そして代理投下支援

492 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 22:36:30 ID:HH7CYnL8
乙です
そういえば、オスマンとの会談はどうなったんだろ?

493 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 22:36:54 ID:hNHOOOO+
進路クリアー
>>487
光刃であってるよ…どっちかっていうろ我は駆ける〜のほうが気になったな。
後半では跳ぶになってたし。

494 :ソーサリー・ゼロ代理投下:2007/09/23(日) 22:37:43 ID:HGSfvdRY
ありゃ、やっぱりまだ投下されてないな

五〇〇
 
 体力点一を失う。
 緑のかつらは持っているか?
 なければこの術は効かない。
 一五へ戻り、別の行動を選べ。
 
 かつらをかぶり術を使う君の様子を見て、ルイズとギーシュは怪訝な顔をする。
「ちょ、ちょっと!ふざけている場合じゃないでしょ!中に居るのはきっと、すごい化け物よ!」
 君はルイズの抗議を無視し、洞窟の闇の奥に居る何者かに向かって話しかける。
 再びすさまじい咆哮が聞こえるが、術を使った君の耳にはそれが、意味のある言葉として伝わってくるのだ。
 中に居る何者かはひどくおびえており、その大音声で君たちを追い払おうとしているのだ!
 君は咆哮の主の正体に思い当たる。
 これは、ザメン低地の珍しい生き物である、ジブジブに違いない。
 牙も鉤爪ももたぬ非力な草食動物であるジブジブは、その大きな声で自分を恐ろしい猛獣と思い込ませて、
外敵から身を守るのだ。
 君はこの小さな生き物に、自分たちはこの洞窟に入りたいだけで危害を加えるつもりはないと言うが、すっかり
おびえきってしまったジブジブは、洞窟から走り出てきて下生えの中に逃げ込もうとする。
 しかし、それを捕らえた者がいる。
「か…かわいい…」
 ジブジブ―――キャベツほどの大きさの黒い毛の塊から、木靴のような脚が二本生えた姿をしている―――を
両手で抱えたルイズは、大きな瞳をきらきらと輝かせながら、感極まったようにつぶやく。
 あっけにとられた君とギーシュは、互いに目を見合わせる。
 君にしてみれば、ジブジブとは大きな口と小さな目、短い脚をもつ毛むくじゃらで不恰好な生き物にすぎないのだが、
その姿のどこかに、ルイズの琴線に触れるものがあったらしい。
 抱え上げられたジブジブはもはや大声を出すこともなく、ぶるぶると震えている。
 
 空が真っ暗になり雨が降り出したため、君はルイズとギーシュを伴って洞窟の中に入る。
 洞窟の奥行きはそれほどなく、他に生き物もいないので、君たちはめいめい座り込んで休息を取る。
 ルイズはあいかわらずジブジブを抱いており、さかんに撫で回したりつついたりして戯れている。
 その生き物がそんなに気に入ったのかという君の問いに対して、
「丸っこくてかわいいじゃない。触り心地もふわふわだし」とルイズは答える。
 少女の感性を理解できぬ君は、ひとつ溜息をつくと洞窟の壁にもたれかかり、眼を閉じる。
 
 叩きつけるように振った雨もやみ、低くたれこめる雲のあいだから日が射すようになったため、君たちは旅を再開する。
 ジブジブを抱えたルイズが
「この子、持って帰っちゃだめかな?」と言うため、
君は思わず、これからどこへ行くのかわかっているのかと怒鳴りつけそうになるが、喉元で言葉をぐっと呑み込む。
 やはり彼女は、物見遊山の気分でいるのではないだろうか?
 観念したのか、それともルイズに抱かれた心地がよかったのか、ジブジブは途中からすっかりおとなしくなったが、
こんなやかましい生き物を連れて旅をするわけにはいかない。
 君がルイズにジブジブを解放してやるよううながすと、彼女は相手をそっと地面に降ろし、
「元気でね」と手を振る。
 ジブジブは素早く走り去るが、途中で一度こちらを振り返ってから、草むらに潜り込む。
 心底残念そうなルイズをなだめすかし、君たちはラ・ロシェールへと向かう。三二五へ。

495 :ソーサリー・ゼロ代理投下:2007/09/23(日) 22:38:54 ID:HGSfvdRY
三二五
 
 その後は何事もなく、君たちは順調に馬を進めるが、やがてとっぷりと日が暮れる。
 周囲の風景が闇に包まれていくなか、君は前方遠くの谷間に、いくつもの灯りを見出す。
「あれがラ・ロシェーエルの町よ」とルイズが弾んだ声で言うが、君に安堵感はない。
 これから、アルビオンまで向かう船を探し、浮遊する大陸に渡り、戦乱の地でひとりの貴族を探さねばならぬのだ。
 この先で君たちを待ち受ける苦難は、今までとは比較にならぬほど厳しいものとなるだろう。
 
 君は驚きの目で左右の町並を見渡す。
 ルイズの説明によると、この町のすべての建物が、もとはひとつの岩だったというのだ。
 高位の≪土≫系統の魔法使いたちが、巨大な一枚岩を穿(うが)ち、砕き、削って作り出した町は、ハルケギニア広しといえど
このラ・ロシェールだけだという。
「トリステインは小さな国だけど、一流のメイジが揃っているからこんな町が造れたのよ」
 自らの手柄のごとく自慢げなルイズに向かって、これはドワーフの広大な地底都市にも匹敵する威容だと、素直に賞賛する。
「地底都市?君の故郷では大地の下に人が住んでいるのかい?」
 君の言葉を聞きつけたギーシュに、ドワーフの素晴らしい土木と採掘、そして金属加工の技術について説明すると、
「亜人が魔法も使わず、山ひとつをまるごとくりぬいて都を築く…ぼくたちには想像もつかない光景だよ」と、
大いに感じ入った様子だ。
「なによ、あんんたの故郷じゃ、これくらいの町は平民だけで築けるってこと?メイジは用なしってわけね」
 君の話を曲解したのか、ルイズは面白くなさそうである。

 さほど広くもない街路に溢れる商人や船員、傭兵たちを掻き分けて、君たちは今晩の宿を探し、ほどなく『黒水晶亭』という店に落ち着く。
 途中で見かけた、貴族御用達らしき『女神の杵亭』などに比べればみすぼらしいが、裏路地の怪しげな木賃宿などよりはずっと上等だ。
 にぎやかで活気のある宿屋で、一見して貴族とわかる服装のルイズやギーシュが入ってきても、誰もたいした注意を払わない。
 旅費を節約するために泊まる貴族の客も、そう珍しくはないのだろう。
 亭主は頭の禿げた太った男で、君たちを認めると 
「いらっしゃいまし、貴族の旦那方。お泊りでしたら宿帳にお名前を。ああ、代表のおひとりだけで結構でごぜえますよ」と言う。
 君はこの世界の字の読み書きができぬため、ルイズかギーシュに任せることにする。
 記帳するのはルイズか(一三二へ)、それともギーシュか(一九八へ)。


496 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 22:39:32 ID:L6ZvrG8W
し☆え☆ん

497 :ソーサリー・ゼロ代理投下:2007/09/23(日) 22:40:03 ID:HGSfvdRY
一九八
 
 君たちは円卓のひとつを囲みながら、食事をとっている。
 パン、シチュー、冷肉、チーズ、パイ、生野菜など、安いわりには品数も量も豊富で、ひどく空腹だった君たちは
料理が並んでからしばらくは、黙々と食べることにのみ集中していたのだ。
 人心地ついたため喋る余裕ができてくると、最初に声を発したのはルイズだ。
「誰が『ダレット家』よ。だいたい、なんでわたしがあんたの妹なのよ!」とギーシュにつっかかりながら、
ルイズは赤ワインを飲み干す。
 いまだに、この旅の目的をアンリエッタ姫からの密命だと思い込んでいるギーシュは、どうやら偽名で記帳したらしい。
「確かに、詐欺師のように身分を偽るのは、貴族として恥ずべき行いかもしれない。だが、これはどうしても必要なことなんだよ。
王家に近しい公爵令嬢や武勲の誉れ高い元帥の子息が、ラ・ロシェールに何の用だといらぬ詮索を受けてしまっては、姫殿下より仰せつかった
重大な任務に、差し障りがあるかもしれないだろう?」
 目の前の華奢な少年が武門の生まれだと知って、食べることに夢中だった君は少し驚く。
「だから、任務じゃないんだってば。なんで、私があんたなんかの妹なのよ…そりゃあ、ひとつ年下だけど…」
 ルイズは納得のいかぬ様子で、ふたたびガラスの杯を空にする。
 飲みすぎだという君の制止も聞かず、ルイズはその後も大量に飲み、そして食べる。
 食事をとったので体力点二を得る。
 
 円卓に突っ伏して小さく寝息を立てていたルイズを、二階の部屋まで運び終えた君は、ギーシュに後は任せたと言い、この驚異の町を少し
ぶらついてみることにする。
 どこへ向かう?
 
 傭兵の多い、がらの悪い酒場・一二三へ
 アルビオンへ向かう船が繋留されている桟橋・二〇四へ
 町のはずれにある小さな滝・五〇へ

498 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 22:40:38 ID:hNHOOOO+
支援

499 :ソーサリー・ゼロ代理投下:2007/09/23(日) 22:41:12 ID:HGSfvdRY
一二三
 
 これから向かう浮遊する大陸の情勢について知っておこうと思った君は、宿の亭主にアルビオン帰りの傭兵が溜まっていそうな酒場を
知らぬかと尋ねる。
 亭主は顔をしかめると、
「へえ、『金の酒樽亭』ってえ安くて小汚ねえ酒場なら、傭兵だの盗賊だの、堅気の者ならかかわりあいにはなりたくねえような連中が、
昼も夜も溜まってまさあ」と言う。
「旦那は、あの貴族のご兄妹の護衛でやしょう?どんな大切なご用事かは知りやせんが、なにもこんな時期に行かなくてもねぇ。
旦那も災難ですなぁ」
亭主は同情した様子でそう言うと、君に『金の酒樽亭』の場所を教える。
 
 目当ての店の前には、いくつもの壊れた腰掛が積み上げられている。
 おそろしく太った常連がいるのでなければ、乱闘の道具として使われたに違いない。
 店内からは、酔漢たちが騒ぐ音が聞こえてくる。
”王様死ぬときゃ 世界が変わる 空の星がひとつ消え 平民は泣き 坊主は笑う!”
 でたらめな音程の歌声に眉をひそめながら、君は店内に踏み入る。
 ならず者どもの注目を浴びるが、彼らはすぐに君に対する興味をなくしたようで、それぞれ雑談の続きをはじめる。
 亭主に金貨を一枚渡して麦酒をちびちびと飲む君の耳に、傭兵たちの会話が入ってくる。
「王様は首の皮一枚で助かっているそうだぜ?ジャクソン伯の軍が加わったらしい」
「まったく、反乱軍がもたつくと知ってりゃ、もうひと稼ぎしてきたのによぉ!」
「その反乱軍―――いや『共和派』がまた傭兵を募集しているって話だ」
「貧乏くじを引いたかと思ったが、こりゃあ、やり直す機会かね?」
「もう何万も雇ってるはずだぜ?連中、どうやって給料を出すつもりだ」
「『共和派』につけば、『王党派』の町や村で、好きなだけ盗みも殺しもできるってよ!」
「明日の夜の船に乗っちまうべきか…」
 
 数十分後、麦酒を飲み干した(体力点一を加える)君は、足早に『金の酒樽亭』を出て行く。
 彼らの噂話が本当ならば、反乱軍(貴族派・共和派・≪レコン・キスタ≫とも呼ばれる)の動きはあまりに不可解だ。
 勝利を目前にして進撃を止め、新たな敵に備えるかのように傭兵を雇い入れ、その傭兵たちに好き勝手に暴れ回らせる…。
 わざと戦争を引き伸ばし、王国だけではなく国土そのものを破壊するかのような愚行だ。
 なんにせよ、君たちがアルビオンに足跡を印すであろう数日後も、戦争は終わっていないだろう。
 君はこのまま宿に戻ってもよいし(一一六へ)、桟橋か(二〇四へ)、滝へ向かってもよい(五〇へ)。

500 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 22:41:33 ID:g0EILjcj
代理投下を支援する、俺は一三に行く

501 :ZEROMEGA:2007/09/23(日) 22:41:39 ID:rkKq3Fp/
キリイ召喚がついに来たよ、万歳!!

そして、ちくしょう!
こんなに萌えるマチルダさんは始めてだ!!
流石は目つきの悪い作者さん!

と、いうわけで次に投下させていただきます(脈略ゼロ)

502 :ソーサリー・ゼロ代理投下:2007/09/23(日) 22:42:23 ID:HGSfvdRY
423 :ソーサリー・ゼロ:2007/09/23(日) 21:56:02 ID:zsfm9SrI
今回はここまでです。
ジャクソン伯の元ネタは「ソーサリー」の作者、スティーブ・ジャクソンから。
さあ、君はどこへ向かう?
 
 
やさしい旦那方、よろしければ代理投下を…。


以上代理投下でした

503 :ZEROMEGA:2007/09/23(日) 22:43:16 ID:rkKq3Fp/
……と、思ったらソーサリーさんが投下を。
さっそく支援させていただきます。

504 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 22:43:45 ID:g0EILjcj
ソーサリー&代理乙

>>482
お姉さま(♂)を呼んで何を書けばいいのかさっぱり分からんもんなw
何気に新作のヒロイン壁紙配布に違和感無く混じっている彼に盛大に吹いたwww

505 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 22:46:27 ID:LN0dFHWD
>>469
オーフェンに迫るボンビラスな足音!

506 :ZEROMEGA(1/11):2007/09/23(日) 22:46:31 ID:rkKq3Fp/


アルビオンの空に重く、分厚く垂れ込む雨雲。
稲光が走る黒雲の下、巨岩が目立つ草原を黙々と歩き続ける一団があった。
一団に属する者は男も女も体格の違いこそあれ、似たような姿をしていた。
雑多な種類のケダモノの皮で作られた粗末な衣服。
太く強靭な筋肉とその筋肉に相応しい巨大な棍棒。
豚に良く似た顔の中で小さな眼が貪欲な光を放つ。
子供を好んで食べるという悪癖のためにハルケギニア中で恐れ疎まれている鬼族の一種、オーク鬼である。

オーク鬼たちの先頭を歩いていたものが突然脚を止めた。
群の進路に立ちふさがる者の姿を認めたからだ。
闇を切り裂く雷光が彼らの姿を照らし出す。
一つは金属の獣のように見える電磁駆動バイク、重二輪。
そして、今一つは風変わりな騎士の鎧兜のように見える漆黒のライダースーツとヘルメット。
合成人間、丁五宇とその相棒ヒノト・タイラであった。

無言のまま見詰め合う豚顔の鬼と黒面の騎士。
空の雲よりも重たく圧し掛かる沈黙、それを最初に破ったのはタイラだった。
重二輪の上に浮んだ小さな立体映像が五宇の顔を見上げる。

「ねえゴウ、あいつらなんか変じゃない?」
「ああ、酷く切羽詰っている感じがするな」

目の前にハルケギニアの常識では決して説明できない存在がいる。
しかし、オーク鬼たちは驚く様子も見せずに、五宇たちに向かい合っている。
すでに十分不可解なのだが、それ以上に五宇の注意を引いたのはオーク鬼たちの顔に浮んだ奇妙な表情だった。
どのオーク鬼の顔にも同じように恐怖が酷い火傷のように深く刻まれていた。
落ち着かなく辺りを伺う姿は鬼というよりも亡霊に怯える子供のようである。

鬼たちに恐怖に震える姿は、五宇にオーク鬼の背後で糸を引く者の存在を強く意識させた。
やはりこいつらをただ追い払うだけでは十分ではない。
オーク鬼たちをティファニアのいる村に送り込んだ者の正体を何が何でも聞き出す必要があった。


507 :ZEROMEGA(2/11):2007/09/23(日) 22:48:41 ID:rkKq3Fp/

五宇は重二輪の座席から降り、一人オーク鬼たちの先頭に立つ者に歩み寄る。
落ち着いた静かな声で宣言する。

「この先は通行止めだ。通りたければ、ここを通る理由を話せ」

先頭にいる一匹は五宇の言葉に面食らったように仰け反った。

『お前、ウエストウッドの黒騎士か? 俺たちの言葉を話すとは驚いたぜ』

しかし、オーク鬼が驚いたのは一瞬だけだった。
五宇が自分よりも頭二つ分も小さいことに気付いたそいつは黄ばんだ牙を見せてにやりと笑った。

『……竜みたいに強いって聞いたが、随分ちっこいじゃねえか』
「俺たちのことを知っているようだが、誰から聞いた?」
『知りてえか、チビスケ?』

馬鹿にしたように首を傾げながら、オーク鬼が聞く。
青年は素直にその問いに頷いた。

「ああ、教えてくれ」
『それじゃあ、教えてやるぜ。ただし―――こいつに聞くんだなっ!!』

口で言うよりも速く、オーク鬼の豪腕が唸りを上げる。
巨大な棍棒が象(ベヒモス)の頭蓋骨も砕くような勢いで青年のヘルメットに叩きつけられた。
オーク鬼は咆えるように笑いながら、慣れ親しんだ殺しの感触が手に伝わるのを待った。
大口を開けて、細かくミックスされた温かな脳漿と血を味わおうとした。

だが、彼が実際に味わったのは味気ない木と金属の欠片。
手に感じたのは大分軽くなってしまった自分の武器の重みであった。
オーク鬼の棍棒は主人の度重なる乱暴に耐え切れず、ついに跡形もなく砕け散った。
しかし、その棍棒で打たれた青年は微動だにしなかった。
始めに話し掛けた時と何一つ変わらない静かな声で言った。

「なるほど、これがお前たちのコミュニケーションの取り方か? 失礼した。今からそっちの流儀に合わせよう」



508 :ZEROMEGA(3/11):2007/09/23(日) 22:51:23 ID:rkKq3Fp/

手袋に包まれた両手を小指からゆっくりと握り締める。
それを見たオーク鬼が目を剥きながら、何かを喋ろうとした。
弁明か、制止か、或いは威嚇か、今となってはもはや分からない。
喉まで出かかっていた言葉と一緒に、五宇がそいつの顔を時速八十リーグで後ろにいる仲間のところまで殴り飛ばしていたからだ。

血と砕けた歯の欠片を撒き散らしながら飛んでくる仲間を見て、残りの鬼たちが棍棒を構えようとした。
だが、彼らが武器を振り上げるよりも速く、目の前に現れる黒いライダースーツ。
殴り飛ばしたオーク鬼とほぼ同じ速度で踏み込んだ合成人間は弓の弦を引くように拳を引き絞ると―――

一瞬―――

立ち向かおうとする者の腕を折った。
逃げようとした者の足を折った。
棍棒の後ろで身を縮めるものはもろとも肋骨を叩き割る。
文字通り瞬く間に五匹の鬼が血反吐を吐いて、地面に転がった。

一瞬―――

蜂の羽ばたきのような速度で閃く手足。
磐石の下半身、目にも止まらぬコンビネーション、骨と木が砕ける音がテンポ良く木霊する。

そして、一瞬―――

三回瞬きをする間に群の約三分の一、十五匹のオーク鬼が無力化された。
あちらこちらで、苦痛の鳴き声ができの悪いコーラスのように響く。
だが、声の大きさとは裏腹に命に関わる傷はさほど多くなかった。
別に五宇がオーク鬼たちに情けを掛けたわけではない。
苦痛の悲鳴で相手の恐怖を煽って、後の尋問を楽にしようとしただけだ。


509 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 22:51:34 ID:S169curc
支援
 オーフェンさんGJ、そして定収入を失った彼に幸あらんことを
でも盗賊でも食ってますよ、経験だってあるんだし

510 :ZEROMEGA(4/11):2007/09/23(日) 22:53:38 ID:rkKq3Fp/

『だめだ! まるで歯が立たない! こいつ化け物か!』

黒騎士の圧倒的な力に恐れをなしたオーク鬼の一匹が背後にいる仲間を押し退けて逃げようとした。
しかし、普通のオーク鬼よりも頭一つ分大きく、鳥の羽根や人間の骨で派手に装った鬼が逃げ出そうとした奴の頭を鷲掴みにする。

『お、族長(おさ)!』
『てめえ、どこへ逃げる気だ? おれたちの後ろに本物の化け物どもが控えているのを忘れたか? あいつらに逆らった前の族長がどんな目に合わされたのか覚えてるだろっ? てめえ、俺を同じ目に合わせてえっていうのか、あぁ!!』

頭を掴まれたオーク鬼は涙を流しながら命乞いした。
鬼の族長は構わず腕に力を込め、まるで果実を絞るように手下の頭を握り潰した。
まだ痙攣を繰り返す屍を投げ捨て、吠えるように残った手下を叱咤する。

『わがったか! てめえらに逃げ道はねえ! 死ぬ気で食い下がれ! ホッグ、あの化け物どもが持たせたマジックアイテムを持って来い!』

怒鳴り声に応えて、小柄なオーク鬼が何かを取り出すために族長の背後に消える。
その間、手足を折られて地面に転がっていたオーク鬼が一人、また一人と立ち上がった。
族長が骨折の痛みよりも恐ろしいことを彼らは骨の髄まで思い知らされたのだ。

五宇は少しずつ詰め寄る豚顔の鬼たちには目も向けなかった。
彼の視線は只一点、手下たちの背後で檄を飛ばす族長に向けられている。

指揮個体を目視で確認。
これより確保の後、尋問に移る!

標的と自分を隔てる者は無機か有機かを問わず、もはや只の障害物でしかない。
腰を落とし、後ろに退いた右足の踵で強く大地を踏み締める。
弾丸のように一直線に飛び出そうとした瞬間、

『たすけてっ!!』

ふいに五宇の視界が半分になった。
左眼に見えていた光景にまったく別の映像に変わった。
まず見えたのはティファニアの家の玄関。
扉の壊れた門を塞ぐ司祭服と仮面の巨漢。
その巨漢の触手から我が身を庇うために伸ばされた手は―――。

「テファかっ!!」


511 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 22:55:12 ID:AclpHgJo
やっぱオーフェン強いわ

音声魔術は構成が見えないと防御不可能だからな、当たる当たる

512 :ZEROMEGA(5/11):2007/09/23(日) 22:55:33 ID:rkKq3Fp/

無意識の内にティファニアの家の方向に顔を向ける。
オーク鬼たちはそのチャンスを見逃さなかった。
勇気のある一匹が五宇の腰にタックルをかけた。
躊躇無くそいつの頭に肘を落とす。
頭蓋骨が砕け、耳から血と脳が飛び出した。

しかし、オーク鬼の死体は原始的な生命力で五宇の体になおもしがみつく。
その死骸を引きはがそうとした瞬間、もう一匹が組み付いて来た。
さらに一匹。また一匹。
恐怖と狂気に支配されたオーク鬼たちは自分の骨や傷が軋むのも構わず次々に五宇の体に飛び掛った。
一匹で五人力と呼ばれるオーク鬼が四十匹。
合計二百人力が一人の青年の身体に圧し掛かり、叩き潰そうと押し寄せる。

青年の姿はたちまち鬼たちの身体で出来た山の中に埋まり、完全に見えなくなった。
それを見た族長は醜い顔を歪めて笑うと、

「良いぞ! その調子で時間を稼げ! ホォォッグゥ! アイテムの準備はまだか!」
「す、すんません、族長! こいつの使い方がなかなか思い出せなくって」

族長の隣りでは小柄なホッグが縦一メイル、横五十サントほどの大きさの箱を必死に弄くり回していた。
その箱の中にはオーク鬼の族長ですら、嫌悪に顔をゆがめるような代物が入っていた。


513 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 22:57:03 ID:GwympvlJ
支援

514 :ZEROMEGA(6/11):2007/09/23(日) 22:57:32 ID:rkKq3Fp/


一言で言えば、それは毒蛇の巣だった。
蛇や毒虫に似た極色彩のケーブルが縦横無尽に箱の中を走り、その中央には殻を剥かれた大きな胡桃の実のようなものが入っていた。
それは頭蓋骨を外された人間の首だった。
もちろん、人間の首程度でオーク鬼の族長が怯えるわけがない。
彼の毛皮には同じような人間の頭蓋骨が無数に飾られている。
族長の剛毛を逆立てているのは、その人間の首がかすかに呼吸し、瞬きを繰り返していることだ。
生きているのだ。そして意識があるのだ、この生首は。
理解できないような不気味な存在から一刻も早く離れたいと思うのは人間も、オーク鬼も大差ない。
ついに堪え切れなくなった族長はホッグを押し退け、

「どけえ、ホッグ! こんなもんはな! 適当にぶっ叩けば動くんだよ!」

生首の入った箱に向かって拳を振りかぶった瞬間、オーク鬼で出来た山が噴火した。
溶岩のように吹き出すオーク鬼の血と体。
その下から姿を現した青年は族長の前にある箱を目にして息を飲んだ。
ハルケギニアには存在しないはずの高度な電子機器。
それに接続されている生首は紛れもなく五宇が始めてこの世界に来た時に撃退した傭兵団のリーダーのものだった!

あの箱が何の装置なのかは分からない。
しかし、危険なものであることだけは間違いない。
もはや一刻の猶予もないと判断した五宇は腰に下げている銃、弾体加速装置を抜き放ち、警告も告げずに引き金を引いた。

ヴォンと言う音と共に雷光を纏った弾丸が銃口から飛び出す!
その極超音速の破壊力の前にオーク鬼の分厚い筋肉や骨も水分過多のゼリーに等しい。
被弾した族長の頭部は百分の一サントのシャワーとなって周囲に降り注いだ。

しかし、族長の肩と腕は脳が跡形もなく吹き飛んだ後も忠実に命令を実行しようとした。
そして、悪魔が計ったようなタイミングでその拳が箱の仕掛けを起動するために必要なスイッチを叩いた。
箱の中でケーブルに埋もれていた液晶に明かりが点り、電子の光が五宇たちにとって見慣れた五文字のアルファベットを表示する。

『ENTER』

その時、五宇は世界を支配する何かが「雑音(NOISE)」と共に歪むのを感じた。



515 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 22:58:51 ID:dXXgwr/Q
テファの触手を思い出したぜ支援

516 :ZEROMEGA(7/11):2007/09/23(日) 22:59:21 ID:rkKq3Fp/


―――歪む。

風が狂う。
水が狂う。
光が歪む。
混沌が顕現する。

オーク鬼たちが持ち出した箱を中心に竜巻のような渦が現れた。
土も、水も、空気も、族長の死骸や近くにいた運の悪いオーク鬼までも。
箱の周囲にあったものは全て原子以下の極微に至るまで分解され、渦の中に飲まれて行く。

「何が起きているんだ、タイラっ!?」

苦痛や恐怖を忘れて呆然と立ち尽くすオーク鬼たちに囲まれた五宇が聞いた。

「わからない。だけど、あの渦から放出されているもの……電磁波、重力波、タキオンやオルゴンまで! まさか、空間の位相転移が起きているの!」

ちょうどタイラの言葉が合図だったように混沌の渦は唐突に消滅した。
辺りには渦の名残である分子の霧が漂う。
一陣の風がその霧を吹き散らし、乳色のベールの奥に隠されていたものを露わにした。

『な、なんだ、ありゃ……』

オーク鬼の一匹が呻くように言った。
霧の中から現れたそれは一言で言えば、身長五メイル余りの人形だった。
男にも女にも見える無性的な顔立ち。
黒い球体で形作られた全身の関節。
人間の個性を殺ぎ落とした白い陶器のような体の中で手足に付いた黒い鉤爪が異様な存在感を放っている。

軽い地響きを立てて、異形の人型が前に進み出る。
その迫力に押されたようにオーク鬼たちが一歩後ろに下がる。
次の瞬間、人形が巨体に似合わぬ速度で突然走り出した。



517 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 22:59:59 ID:S169curc
支援

518 :ZEROMEGA(8/11):2007/09/23(日) 23:01:37 ID:rkKq3Fp/

最初に人形の形をした怪物に接触したオーク鬼は二匹。
一匹は眼前に迫る怪物に立ち向かい、もう一匹は背を向けて逃げ出そうとした。
二匹が選んだ道は正反対、しかし行き着く先は同じだった。

戦おうとした一匹は黒い爪で即座に三枚に下ろされた。
逃げようととした一匹はもう一本腕で脊髄を折られ腹を突き破られる。
瞬く間に二匹の鬼を葬った怪物は腕に張り付いた死骸を放り投げ、五宇たちの方に顔を向ける。
両手を地面につけると獣のような姿勢と速度で再び走り出した。

異形の行く手にたちまち出来上がる地獄と言う名の道。
細長い四肢が振り下ろされる度に逃げ遅れたオーク鬼の体が蛆のように踏みつぶされ、甲高い悲鳴と血飛沫が空に舞う。

一瞬、能面のような顔と目が合った。
背筋の毛が一気に逆立つのを感じた。
血に飢えた獣ではなく、人間の悪意ともまた違う。
無機質な獰猛さとしか呼びようのないものが視線を介して脳に突き刺さる。

奴の狙いは俺だ!
瞬時に怪物の意図を察した五宇は逃げようと揉み合うオーク鬼を押し退け、弾体加速装置を立て続けに発射。
しかし、極超音速の破壊力も怪物の歩みを止めることはできなかった。
真っ白な顔に命中した弾丸は全て硬質な音を立てて弾かれ、後に残ったのは焦げた着弾の跡のみ。
怪物がダメージを受けた様子は全くない。
いや、むしろさらにスピードを上げて走り寄ってくる!


519 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 23:02:20 ID:dXXgwr/Q
支援!

520 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 23:03:42 ID:yDiUDmdy
珪素生物キター! 支援!

521 :ZEROMEGA(9/11):2007/09/23(日) 23:04:21 ID:rkKq3Fp/

「ゴウ、逃げて!」

悲鳴のようなタイラの声。
そうしたいの山々だったが、またしても周囲にいるオーク鬼たちが迅速な回避行動を阻んだ。
僅か数メイル先で振動。怪物が跳躍し、数匹のオーク鬼を踏み潰して五宇の目の前に着地する。
もう逃げ切れる距離ではない。五宇は腕を十字に組んで敵の攻撃に備えた。
鞭のような腕の一閃、五宇と怪物の間にいたオーク鬼たちの体は血の詰まった風船みたいに弾け、血と臓物でできた噴水が約六メイルの高さまで吹き上がる。
砲弾のような衝撃は五宇のガードを吹き飛ばし、青年の身体をスリングショットみたいに弾き飛ばす。

再び背中に激しい衝撃。
地響きが立つほどの強さで岩山の斜面に叩き付けられる。
同時に五宇の周りに一緒に吹き飛ばされたオーク鬼たちの体が着弾し、熟れた果実のように破裂した。

顔を上げる。
目に入ったのは、腕を高く振り上げる人形の怪物の姿。
突け抜けるような破壊力が青年の体を岩山の中に埋め込んだ。
怪物が体を捻ってさらにもう一撃を加えようとした時、

「ゴウから離れなさい!」

タイラの重二輪が時速三百リーグのスピードで怪物に体当たりを仕掛けた!
激突の瞬間、バイクの車体の前から鋭い角状の突起が飛び出した!
しかし、タイラの角は怪物の外殻にぶつかった瞬間五宇の弾丸と同じように弾かれてしまう。

「私の衝突角を弾いた! なんて硬いのこいつ!」

体当たりで吹き飛ばされたが、怪物の外殻には擦ったような細かい傷跡しか付いていなかった。
能面よりも無表情な顔をタイラに向けると怪物は新しい獲物に襲い掛かろうとする。


522 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 23:05:21 ID:cJWtcmI1
sien

523 :ZEROMEGA(10/11):2007/09/23(日) 23:05:49 ID:rkKq3Fp/

刹那、鉄床をハンマーで思いっきり叩いたような音が響き渡る。
突然、真横から襲いかかった衝撃に怪物の体がくの字に折れ曲がる。
足下に目をやると拳を振り切った姿の五宇が目に入った。
すぐさま黒い爪が青年のヘルメットに襲いかかる。
しかし、怪物の細長い手足は破壊力とリーチに優れているが懐には入り込んだ相手を仕留めるのには向いていない。
五宇は怪物の体に張り付くように黒い爪を避けると、背後に回り込んで今度は渾身の肘打ちを叩き込んだ。

合成人間の全力の一撃も怪物の外殻を突き破ることはできなかった。
だが、肘打ちの衝撃は怪物を突き飛ばし、地に叩き伏せる。
その隙に五宇は怪物の背に飛び乗った。
腕を振り回して青年を振り落とそうとする怪物。
破壊力とスピードは凄まじいが、所詮は技も芸もない力任せの攻撃。
五宇はやすやすと敵の腕を捕らえ、肩の関節を極める。

せめぎ合う巨大な氷河のように張り詰める緊張と力。
タイラが怪物の脇腹につけた傷跡から小さなヒビが生じ、少しづつ肩関節へと広がって行く。
やがて、そのヒビが白い顔に辿り着いた時、

ついに限界に達した怪物の肩関節が弾け飛んだ!

腕を引ちぎった勢いで五宇が敵の背中から転げた。
怪物は昆虫のような動きで再び立ち上がろうとする。
すかさず肩にできた傷口に弾体加速装置の弾を何発も打ち込んだ。
ほとんど破壊不可能に近い怪物の外殻が今度は災いした。
傷口から侵入した弾丸は外殻の中で跳ね回り、体内をずたずたに攪拌する。
怪物は雷に打たれたように痙攣すると、体中の関節から赤い体液を零して、ついに地面に倒れ伏した。


524 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 23:07:07 ID:GwympvlJ
支援

525 :ZEROMEGA(11/11):2007/09/23(日) 23:07:33 ID:rkKq3Fp/

五宇はまだ手に持っていた敵の腕を投げ捨てると、よろよろと立ち上がる。
一瞬倒れそうになったが、背中に回りこんだタイラの重二輪が身体を支えてくれた。

「ゴウ、大丈夫?」
「ああ、なんとかな……」
「こいつ、なんだったんだろう?」
「分からない。しかし、オーク鬼がこんな奴を連れて俺を待ち伏せしていたと言う事は……」

瞼の裏に蘇る一瞬の映像。
耳に残る少女の悲痛な悲鳴。
常に完璧に制御されているはずの鼓動がどうしようもなくがざわめく。

「テファが危ない!!」

滝のように零れ落ちる雨を黒い重二輪が引き裂く。
速度は既に時速五百リーグを超えている。
舗装されていない草原を、それも豪雨の日に走るには危険すぎるスピードだ。
だが、重二輪も乗り手も速度を落とすどころか、ますます電磁駆動の機体にアクセルをかけようとする。
しかし、そこまでして急いだと言うのに、ウエストウッド村に着いた時五宇が目にしたものは、

  ―――雷光と黒雲の下で激しく燃え盛るティファニアの家だった。



526 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 23:09:51 ID:GwympvlJ
支援&乙

527 :ZEROMEGA:2007/09/23(日) 23:10:50 ID:rkKq3Fp/

以上、投下終了です。
そして、今回の投下についてちょっと補足。

注1)今回、五宇たちを襲ったのは駆除系と言う一種のロボット。雑魚のくせにほとんど破壊不可能な外骨格を誇る厄介な奴らです。
注2)作中に登場した激震衝突角は、作者が付け足したタイラのオリジナル能力。駆除系には通用しなかったのは、近くにいる五宇を巻き込まないように威力をセーブしていたからです。



528 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 23:12:16 ID:dXXgwr/Q
乙!
早くしないとテファが触手に……
いや、やっぱ急がなくてもいいよ

529 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 23:15:27 ID:wlpfAzOf
眼つきの悪い人乙です。
キャラが活き活きとしていてすごい上手いですね。
彼らの会話だけで魅力たっぷりでした。

BLAME!も乙

530 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 23:23:39 ID:LMsNSpre
え、駆除系っつーことはネットスフィアに不正アクセスした……というか、出来たって事?

531 :ZEROMEGA:2007/09/23(日) 23:29:54 ID:rkKq3Fp/
>>530

蛇足かもしれませんが、もう少しだけ補足をば(笑)
今回出てきた駆除系はセーフガード製ではなく、
外伝に出てきた教団制(と言うか珪素生物製)駆除系です。

なお、ハルケギニアはジョセフ王によって召喚されたダフィネルのせいで、
すでにごくごく限定的ですが、ネットスフィアに接続しております。
ネットのカオスがないと生きていけない珪素生物達が元気溌剌に暴れまわっているのはそのせい。
そして、完璧なアクセスを目指して、ガリアの珪素生物たちは聖地を狙っているのです。

532 :Zero ed una bambola:2007/09/23(日) 23:39:04 ID:eaaf9dmV
投下予約〜
問題がなければ5分後くらいに投下させていただきます


533 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 23:39:27 ID:bFiT8f4y
>>531
すごいな、ハルゲキニアと構造体は空間続きなんだろうか

534 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 23:41:30 ID:RlDXMkNR
支援待機。

535 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 23:42:21 ID:Jz5/A7bC
GJ!
弾体加速装置を弾くとは…、駆除系強いなー
この調子なら黒寄居子vs珪素生物の超弩級クリーチャーバトルも期待できそうだ。

536 :レプリカ・ゼロ:2007/09/23(日) 23:47:57 ID:F1iaoYZ6
>>532の後投下を予約いたします〜

537 :ZEROMEGA:2007/09/23(日) 23:48:59 ID:rkKq3Fp/

>>532
ワクテカ支援(・ω・)

>>533
空間的に繋がってませんが、大昔に転移した建設者や珪素生物の屍骸などの遺跡物は結構あります。
それとマジックアイテムと虚無の使い魔の能力を組み合わせれば、
量子レポートのようなものでセーフガードが発動しないぐらいの低レベルな通信は可能。
これ以上は避難所向きの話題ですので、今度こそ沈黙します(汗)


538 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 23:53:36 ID:dXXgwr/Q
支援するぜよ

539 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 23:54:50 ID:HMphdt/+
初投稿なんですが、現在の予約が無くなったら小ネタ投稿してもいいですか?

540 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 23:56:24 ID:GwympvlJ
>>532さんが規制に引っ掛かったみたい。

代理投下しますね

541 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 23:56:50 ID:Lc/Fraf8
>>540
頼むんだぜ〜

542 :ガンスリの人の代理:2007/09/23(日) 23:57:22 ID:GwympvlJ

ルイズが眠りについたころ、エレオノールはそっとベッドから抜け出す、ルイズを起こさぬように。そう、気なるのだあの楽器が。
静かに、ゆっくりと楽器のケースを手に取りそっと開ける。
ガチリという音が静かな部屋に響き渡る。エレオノールはそっとケースを開いた。

「これは…」

エレオノールは思わず声を漏らす。月明かりに照らされたそれは楽器などではなかった。見慣れぬそれを手に取り月にかざす。

「暗くて判り難いけど、これは…」

何だろうか、何かに似ている気がするのだ。懸命に記憶の糸を探るエレオノール。目を瞑り静かに考えに深けはじめるのだ。それを二つの月が優しく見守っている。
そしてゆっくりと目蓋を開けた。

「銃…なのかしら?」

そう、以前にアカデミーで見た銃に形状が似ているのだ。確かにそれは銃だった。だがエレオノールは知るはずもない。それが遥か先の技術で作られた突撃銃(アサルトライフル)であるなどと…。そしてその銃がステアーAUGという名であることはもちろん知らない。
エレオノールは急に何かを思い出したのか、ポケットを探る。そしてあの円筒形の金属を取り出したのだ。エレオノールは知らない。それが薬莢と呼ばれる弾丸の進化の果てにあるものと…。


「もしかしてこれって」

エレオノールの頭の中に警報が響く。それをしたら後戻りができないと。
エレオノールの心が高まる。その好奇心を満たすのだと。

大きく息を吸い込み、心を落ち着かせようと試みる。そして、震える手でその円筒形の金属、薬莢を銃口に合わせるのだ。
『少し大きい』
そう薬莢は銃口よりも少し大きいのだ。何気なく銃床に目をやると薬莢の大きさに合いそうな穴があるではないか。そう薬莢の排出口だ。
エレオノールは唾を飲み込み、震える手で薬莢を近づける。
AUGから排出された薬莢なのだ。当然大きさも排出口に合う大きさなのだ。エレオノールの聡明な頭脳が最悪の可能性を示唆する。
ルイズがモット伯殺害に何らかの形で関与しているのだと……。

「ルイズ…」

銃とルイズを交互に見つめる。エレオノールの中に葛藤が生じ始めた。

しばらくの間、その場に立ち尽くしていたが、おもむろに銃を楽器のケースに片付け始める。そして何事もなかったかのようにルイズのベットに入り込みそっと彼女を抱きしめるのだった。



Zero ed una bambola   ゼロと人形



ルイズが目を開くと横ではまだエレオノールが寝ていた。ふと目を反対側にやるとそこに立つ小さな人影があるのだ。
目を凝らしてみるとそれはアンジェリカだった。アンジェリカは無表情にその場に立ち尽くしている。

『アンジェ、どうしたの?』

そう声を出そうとしたが声が出ない。体を起こそうとしても何かに押さえつけられているのか、全く動けないのだ。
気がつけばアンジェリカはあの銃を構え、銃口をこちらに向ける。ルイズを狙っているのではない。そう隣で寝ているエレオノールに狙いを定めているのだ。

『アンジェやめて! 姉さま逃げて!』

声にならぬ叫びをあげる。アンジェリカはまるでルイズを嘲笑するかのように引き金を引いた。
銃口から飛び出た弾丸はエレオノールを貫き、ルイズを赤く染めるのだ。



543 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/23(日) 23:57:37 ID:HtO6qzUs
支援が要るのかな?

544 :ガンスリの人の代理:2007/09/23(日) 23:57:53 ID:GwympvlJ

「ルイズ…ルイズ…」

赤く染まった姉が名を呼び続ける。

「ルイズ! ルイズ!」

名前を呼ぶ声がさらに強く大きくなった。

「ルイズ! いい加減に起きなさい!」

え? 起きる?

朝日が昇り始めた頃だろうか。まだ薄暗い中、目を覚ましたルイズが目にしたものは、顔を覗き込む姉の姿だった。

「ルイズ! もうやっと起きたのね。」

呆れたように呟くエレオノールにルイズは思わず抱きつく。

「姉さま!」

よかった。夢でよかった。

「ちょっとちびルイズ、朝から鬱陶しいわ」

エレオノールはルイズを引き離す。

「全く、あんた本当に一人で大丈夫なの?」

呆れたようにエレオノールは言う。

「だって…」
「だってじゃないでしょう。あんたどの位成長したのかしら?」
「し、心配しなくても大丈夫よ!」
「本当に? 魔法の一つぐらい使えるようになったの?」

怪訝そうな顔をしながらルイズに詰め寄る。



545 :ガンスリの人の代理:2007/09/23(日) 23:58:04 ID:GwympvlJ

「だ、大丈夫だもん」
「そう、じゃあ私に見せてくれないかしら?」
「え?」
「使えるんでしょう?だったら今から外に行って何か見せなさいよ」

それを聞いたルイズはあたふたと慌てはじめた。

「ルイズ自信ないの? 魔法使えるって言ったじゃない」

エレオノールはルイズを挑発するかのように話を切り出す。

「ほ、本当だもん! 魔法使えたもん!」

案の定ルイズは喰らいついてくる。

「じゃあ外に出ましょう。ほら、さっさと着替えなさい。もたもたしないの」

急かされるようにいわれ、ルイズは慌てて服を着替える。

「着替えた? ああもう! 寝癖がついてるじゃない」

そういってルイズの寝癖を直すのだ。かいがいしくルイズの世話をするエレオノール。誤解されやすいが根は優しい。

「姉さま自分で出来る」

そう反論するも相手にされず、ルイズの身だしなみをサッと整えたのだった。



546 :ガンスリの人の代理:2007/09/23(日) 23:58:20 ID:GwympvlJ

朝の静謐な空気。まだ起きている者はそうおらず、中庭は小鳥たちに占拠されていた。
小鳥たちの楽園は、突如として現れた姉妹によって彼女達は楽園から追放され、散り散りに飛んで行く。

「ここならいいでしょう」
「姉さま本当にするの?」
「何いってんの。もしかして魔法使えないのに見栄でも張ったっていうの?」

ルイズは思わず口ごもってしまう。確かに魔法は成功したのだ。そう召還の儀によってアンジェリカと契約をした『コントラクト・サーヴァント』、その一度だけしか魔法が成功したためしがない。

「何グズグズしてるの」

急かす姉の声がルイズに重圧となって圧し掛かる。あの時以来一度も成功していない魔法。心の中で成功を祈りながら杖を掲げる。

『お願い。成功して!』

ルイズの願いと共は裏腹に杖からは何もでない。ただ杖の先の壁が爆発するのみだった。

「姉さま! 今のは失敗、失敗しただけだから! 次は、次は成功します」

ルイズはエレオノールの顔を覗き込む。そこには呆れた顔をしたエレオノールの姿があった。

「姉さま?」
「ルイズ、もういいわ」

溜息と共にルイズに告げる。

「そんな! 嘘じゃないもん! ちゃんと魔法使えるんだから!」

目に涙を浮かべながら必死にエレオノールに弁解しようとした。

「わかった、わかったから。ルイズ私はもう帰るわね」

どこか諦めたような口ぶりで別れを告げられる。



547 :ガンスリの人の代理:2007/09/23(日) 23:58:32 ID:GwympvlJ

「待って! 姉さま!」

必死に引きとめようとするがエレオノールは魔法で宙に浮き、ルイズの手の届かぬところへ……。

「ルイズ。たまには家に帰りなさいよ。カトレアなら貴女をいつでも待ってるわ」

そういい残し飛び去って行く。

「姉さま、姉さまぁ」

もはや涙声になりながらも姉を呼び続けるルイズ。その声はエレオノールには届かなかった。


「ルイズ! ゼロのルイズ!」

どこからか名前を呼ぶ声が聞こえる。ルイズは慌てて目元をぬぐい声の主へと振り返る。

「モンモランシー、何か用?」

平静を装って答える。

「貴女どこ行ってたのよ。探したじゃない」

怒鳴るようにモンモランシーは喋り始めた。

「ふ、ふん! わたしがどこにいようと勝手でしょ」
「ああもう! そんなことはどうでもいいのよ。アンジェリカが、アンジェリカが目を覚ましたの!」
「え! 本当に? 本当にアンジェが目を覚ましたの!」





Episodio 18

Alla durata di svegliare
目覚めのとき



548 :ガンスリの人の代理:2007/09/23(日) 23:58:48 ID:GwympvlJ

以上で投下完了です。


NGシーンは今回ありません


それでは恒例の次回予告です。

歴史が大して変わらないとき、モット伯は現れる。
初めはただのエロ親父として…。
エロ親父はメイドを襲い、やがて彼も冥土へと行く。

しばしの眠りのあとモット伯は再び現れる…。
変態として現れる。

次回、ゼロ魔コンバット〜ザ・モット伯ウォー〜



以上 どなたか代理で投下してください。お願いします
orz



549 :ガンスリの人の代理:2007/09/23(日) 23:59:12 ID:GwympvlJ
代理投稿終了です。

550 :ガンスリの人の代理:2007/09/23(日) 23:59:47 ID:GwympvlJ
次の予約は>>536さん、
そして>>539さんですね。

551 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:00:18 ID:F1iaoYZ6
代理投稿人乙

552 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:01:14 ID:/PCKHr0+
ぬあ、支援し損ねたけど代理人さんと作者さん乙。

553 :レプリカ・ゼロ:2007/09/24(月) 00:01:57 ID:F1iaoYZ6
では、投下させていただきますね。

 トリステイン魔法学院。ルイズの部屋。
 部屋の中には、ルイズとルイズが召喚してしまったルークが居た。
 ルイズは、ルイズで己のベットに腰を掛けルークはルークで、
 床に胡坐を掻いて座っており、二人とも何故か睨みあっていた。
 原因としては、ルイズが言うルークの扱いについてである。

「なんで俺が、お前の使い魔ってヤツなんてしなきゃなんねぇんだよ」
「お前じゃなくてご主人様でしょ! あんたは私に召喚されたんだから当たり前じゃない!」

 平民の癖に貴族の言う事を聞けない訳?! と、語気を荒めて言うルイズに、ムッと眉を顰めるルーク。
 平民、平民と連呼しやがって。終いには、貴族の言う事を聞けない訳だぁ? と、ますます眉を顰めるルーク。
 まったく、なんでこんなの召喚しちゃった訳? と、言うルイズにルークからブチッと何か切れた様な音がする。

「俺には、ルーク・フォン・ファブレって名前がある! それに平民じゃねぇ! コレでも子爵の位を貰ってる!
 更に言うなら! 貴族だから権力があるからと言って平民を無碍に扱って良いわけじゃねぇ! そんな事もわからねぇのか!」

 いつの間にか胡坐の状態から立ち上がり、ルイズに詰め寄って鋭い眼光で睨みつける。
 その鋭い眼光に、ルイズは小さく悲鳴を漏らし身を竦めた。

「てめぇ見たいなのが居るから、争いごとは無くならねぇし国が腐っていくんだよ!」

 このクズが! と、最後についついもう一人の自分の口癖を吐くルーク。
 俺が、此処に居る意味も理由もねぇ! と、ルークはルイズの部屋から出て行く。
 一応、情報が欲しいから此処まで着いて来たが、召喚したんだから使い魔でしょ! だの
 いちいち、平民を見下した言い方も気に喰わない!
 終いには、なんでこんなの召喚しちゃった訳? だと? 良い迷惑だ!
 こんな所に来たくて来た訳じゃねぇ! あぁ、苛々する! と、ルークは薄暗い廊下を突き進み
 外に繋がって居るであろう扉に手をかけて、扉を少々荒々しく開けて外へと出た。

554 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:02:41 ID:/PCKHr0+
支援。

555 :レプリカ・ゼロ:2007/09/24(月) 00:03:46 ID:dGtN8R9q
>>553
 既に陽は落ち、空を見れば漆黒の海に二つの月と小さくながらも力強く煌く星々。
 ふぅ……と、ソレを見て自分を落ち着かせる様に深く息を吐き出すルークだったが……
 まて、二つの月? バッと、再び空を見上げる。其処には確かに月が二つ存在した。
 唖然としてその場に立ち尽くすルークだったが、何とか気を持ち直すと近くにあった木の下で胡坐を掻き
 木に背を預けてため息を一つついた後で、深呼吸をニ、三回ほどし心を落ち着かせる。
 そして、自分の現状を把握する為に思考の海に潜り込んだ。
 ヴァンを倒し、ローレライの鍵でローレライを解放した。アッシュの亡骸を抱いて。
 ローレライが、何事かを囁く様に言った後、俺とアッシュは……其処から先は、真白な光に包まれた事しか覚えていない。
 セブンスフォニムが乖離しはじめ、掻き消される様に崩壊して言った感覚を覚えている。
 では、何故俺は、此処に存在しているのか……そもそも、此処には音機関の姿が一つも見えないし……
 俺が、此処に呼び出された後で、空を飛んで帰っていった少年少女とコルベール達が、譜術を使った感じもしない。

 そもそも、月が二つあるってなんだよ。外殻大地が魔界に落ちた後に出現した? いや、そんな訳はない。
 月が二つに見える土地なんてあったか? バチカルからもグランコクマからもケテンブルクからも見える月は一つだけだった。
 もしかして、アルビオールで来なかった場所なのか? と、考えてもそれは無い。と、答えが出る。
 俺を此処に呼び出したルイズが言うには、魔法らしいが……そもそも、魔法ってなんだ?
 こんな訳の分らない状態で、こんな訳の分らない場所に連れて来られ……なんか、ティアと初めて会った時みたいだな。
 まぁ、どう見てもルイズはティアって感じじゃねぇけどな。
 ルークは、乱雑に己の頭を掻いた後で再び学院の中に入ろうと立ち上がり……
 今更ながら、腰に差してある剣の重さが軽すぎる事に気づく。
 そして、腰に差してある剣を見てみれば……其処には、剣を留める金具と鞘のみであり
 ルークが、アッシュから受け取ったローレライの鍵の影も形も無かった。
 ありえねぇ〜……と、うな垂れるルークだった。

556 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:04:09 ID:jqsiDn5I
アンジェ乙。エスコンは来月だか再来月に6発売だな。そして支援

557 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:04:51 ID:q7qQjVc0
しうぇん

558 :レプリカ・ゼロ:2007/09/24(月) 00:05:07 ID:dGtN8R9q
>>555




 ルークが部屋を出て一人部屋に残されたルイズは、ルークに言われた言葉にしばらく唖然としていたが、
 正気に戻るや否やベットを殴りつけ憤慨した。
 一通り憤慨し、物に八つ当たりした所で、荒くなった息を整えその場に座り込むルイズ。
 そして、今の自分の立場を瞬時に理解すると、握られた拳を床にたたきつけた。
 カーペットがひかれていた為、拳には鈍い衝撃が伝わるのみで、何度も何度も拳を床に叩きつける。
 叩きつかれてだらしなく床に寝そべり天井を見上げるルイズ。
 視界が何故かぼやける。多分、涙。と、ルイズは冷静に頬に流れる涙を感じてそう思う。

「おい」

 行き成り声をかけられ、ルイズは慌てて身を起こし涙を腕で拭い声がした方を見やる。
 其処には、先程自分に罵声を浴びせて部屋を出て行ったルークが立っていた。
 何時の間に入ってきたのか分らなかった。多分、それだけ自分は気を荒げていたのだろうと結論付けるルイズ。
 ルークは、腕を組んでルイズを見据えている。そして、不本意だ。と、言う表情でルイズの傍にまで歩を進めルイズを見下ろす。
 ルイズは、そんなルークに「なによ」と、小さく呟き答える。

「付き合ってやる。べ、別にあれだ。一生って訳じゃないぞ!? 俺には、約束があるから約束を果さないと行けない!
 ソレまでの間なら、お前の使い魔とか言うのに付き合ってやる!」

 なにそれ。ルイズは、唐突に告げられたルークの言葉に対してそんな感想を抱いた。 
 呆けた表情を浮かべているルイズを見てルークは、何か俺の言い分が悪かったか? と、内心思いつつ眉を顰める。

「約束って何よ……」

 しばらくの無言の時間が続いた後で、ルイズはゆっくりと立ち上がり腕を組んでルークを見据える。

559 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:05:34 ID:dDTcKGk8
支援

560 :レプリカ・ゼロ:2007/09/24(月) 00:07:06 ID:dGtN8R9q
>>558
「帰るって約束だ」
「何処によ」
「バチカル」

 正確にはティア達の所だけどな。と、ルークは心の中で呟く。

「だから、何処よそれ……アンタが言ってたグランコクマとかケテンブルグとか聞いた事無いわ」
「だろうな」

 と、言ってルークは窓まで歩を進め夜空を見上げる。そんなルークに眉を顰めるルイズだったが……

「俺の居た場所じゃぁ、月は二つも無い。それどころか……二つに見える場所すら無いんだ」
「月は二つある物で、何処でも月は二つに見えるわよ。重なりの時は別だけど」
「重なってもいねぇよ。ずっと一つだ。小さい頃から一つの月だった」
「ふぅん……それがなに?」
「俺は、頭良くないから確証は持てないけどな。此処は……俺の居た世界じゃない」
「アンタ、頭大丈夫?」

 ルイズの言葉に、ルークはため息を一つ。そして、懐から何かを取り出しルイズに投げ渡す。
 それは、ルークが居た場所では『スペクタクルズ』と呼ばれていた道具。
 スペクタクルズを受け取ったルイズは、ソレを見て怪訝な表情を浮かべる。

「虫眼鏡?」
「ちげぇよ。それで俺を見てみろ」

 何が違うのよ? と、スペクタクルズでルークを見る。
 すると、見た事の無い文字が無数に浮かび上がる。
 へ? と、ルイズはスペクタクルズを覗いたまま変な表情を浮かべた。
 しばらく後で、スペクタクルズは乾いた音と共に細かく砕け落ちてしまう。

561 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:07:38 ID:dDTcKGk8
支援

562 :レプリカ・ゼロ:2007/09/24(月) 00:08:41 ID:dGtN8R9q
>>560
「そんなの此処の何処かで売ってるか?」
「こんなの無いわよ……一体なによこれ?」

 と、砕け落ちたスペクタクルズの成れの果てを指差して言うルイズに、ルークは肩を小さく竦めて見せた。

「対象の体力と術や技を使うための力に、身体能力と弱点属性を見る為の道具」

 まぁどういう仕組みなのかは、知らないけどな。とルークは付け加えた。

「……わかった、あんたが、違う世界の人間だって信じる。でも帰るのは無理」
「なんでだよ!?」
「使い魔を召喚する呪文と契約する呪文はあるけど……使い魔を還す呪文なんて存在しないの」
「そんな訳あるかよ!!」
「本当よ!! そんな呪文があったなら直ぐにあんたを還して別の使い魔を呼んだもの!!」

 ルイズの言葉に、なんでだよ……と、額に手を当て天を仰ぐルークだったが……

「別の方法は?」
「知らない……使い魔を還すメイジなんて古今東西いないもん。使い魔は一生のパートナー。還すメイジが居ると思う?」
「……いねぇな……」

 一生のパートナーって言うんだから、使い魔を元の場所に還すヤツも居ない。居ないから還す呪文も無い。

563 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:09:00 ID:dDTcKGk8
支援

564 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:09:19 ID:/PCKHr0+
支援。

565 :レプリカ・ゼロ:2007/09/24(月) 00:10:00 ID:dGtN8R9q
>>562
「……ん? お前は今知らないって言ったよな?」
「えぇ、知らないわ」
「なら、知らないだけで本当はあるのかもしれないよな?」
「え?」

 呪文以外で還る方法があるかもしれない。もしくはただ知られていないだけで還す呪文があるのかもしれない。
 ルークは、そう考えての発言だった。その言葉にはルイズも盲点だったのか呆けた表情でルークを見る。

「なら、俺は……お前の使い魔ってヤツをやっても良い。そのかわりお前は、俺が還れる方法を探す」

 悪くないだろ? と、ルークは言うとルイズはしばらく……と、言ってもほんの数秒だけ考えて頷いた。

「私も、平民よりグリフォンとかドラゴンとかの方がいいもん」
「よし! なら、契約成立だ!」
「平民と契約するって変なの」
「だから、俺は………まぁ此処じゃぁ平民と同じ様なもんか」

 やれやれ。と、ため息を一つ。

「まぁ短い間だと思うけど宜しくな」
「短い間にしたいわね。ほんと……」

 使い魔うんぬんの話は、其処で終結した。
 まぁ、寝る時にまたひと悶着あったりするのだが……それはご愛嬌である。



 ルークは『ゼロの使い魔(仮)』の称号を手にいれた。

566 :レプリカ・ゼロ:2007/09/24(月) 00:11:14 ID:dGtN8R9q
これで投下終了です。ありがとうございました。

567 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:11:19 ID:dDTcKGk8
支援

568 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:13:11 ID:JioSV9F4
投下乙〜

569 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:14:24 ID:c9OWB+wa
さて、続いて行きますね。

570 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:14:52 ID:q7qQjVc0
支援

571 :すばらしきこのハルケギニア:2007/09/24(月) 00:15:29 ID:c9OWB+wa
 最初に召喚したのは黒い金属製の円盤だった。
 それは手のひらに収まるほど小さく、裏側には服に留められるように金具が付いている。

 コルベール先生にやり直しを要求し、繰り返すこと77回。
 全て同じものが出てきた。
 皆が口々に馬鹿にしてきた。

 先生が最初に出した物と契約をしなさいと言い、私はそれに従った。
 契約を済ませた瞬間、黒い金属製の円盤に白く模様が刻まれた。
 遠目で見るとドクロの様に見える。

 使い魔のルーンとは違うそれを見てコルベール先生は唸り、スケッチをして去っていった。
 私は召喚した円盤を全て回収して教室へ向かった。






 夜になり、回収した円盤を見てみると変化があった。
 召喚したときにはただ黒いだけの円盤が色とりどりの模様が刻まれたものに変化していた。
 その中には黒いドクロ円盤が5つ含まれていた。

 いったい何なのだろうか、この円盤は。
 握り締め、思考の海へと埋没する。
 これらの円盤が何を意味するのか、力があるとして能力はなんだろうか?

 次の瞬間、頭の中に使い方が流れ込んでくる。
 ―――バッチ、ブランド、契約、渋谷、パートナー、サイキック。

 それらの単語が頭に響き渡り、使い方に名称などが刻み込まれる。
 流れてきた知識を整理し、目を開いた時、夜が明けていた。
 そのことに気が付いた瞬間、円盤―――ドクロのバッチを襟元に、その他のバッチを制服の裾に留める。

 これさえあれば私は魔法以上の力を得られる、でもそのためには―――
 そこで思考を切り、私は朝食を食べにアルヴィースの食堂へと向かった。

572 :すばらしきこのハルケギニア:2007/09/24(月) 00:16:45 ID:c9OWB+wa
 授業ではシュヴルーズ先生に使い魔のことで言葉を濁らせ、いつものように錬金で爆発。
 今は片付けも終わり、ティータイムと洒落込んでいる。
 クックベリーパイをフォークで切り分け、口に運ぶ。
 ここのコックは素晴らしい腕の持ち主だ。パイ生地はしっかりとしていて、甘く煮詰められたベリーと調和している。
 少なくともベリーは三種類の煮方をしたものを混ぜている。
 下手に混ぜると味が反発するが、このベリーは見事な比率で混ぜられている。
 総合して言おう、このクックベリーパイは天下を取れるくらいにうまいと。
 ―――今なら声を高らかにして言える。



「うーん、しあわ」



 「せ」と、言い終わる瞬間、銀色の何かが飛んできて半分以上残っていたパイを弾き飛ばした。
 弾き飛ばされたパイは床に不時着、見るも無残な姿へと変貌した。
 手元を見る。
 紅茶はクロスの上に飛び散り、芸術的な模様を描いている。
 おまけに横に置いてあった教科書に染み込み、新品同然から管理の悪い古書へと早代わり。
 そしてパイがあった場所にはメイドが持つトレイが一枚。


 飛んできた方向を見る。
 ギーシュがメイドを突き飛ばし、何かわめいている。
 普段ならこのまま無視を決め込むのだが、

 ―――、コロス。

 トレイを拾う。
 いまだに何かをわめいているギーシュのところへ歩く。
 さっき私にパイを渡したメイドは怯えていた。
 貴族の怒りを買ってしまった、と。
 しかし、あなたは運がいい。日頃から私の世話をしてくれてるし、なにより―――
 私が、コイツに対して喧嘩を売るからである!


 ―――思いっきり振りかぶったトレイをギーシュの頭に打ちつけた。


 快音が響き、トレイが凹む。
 頭を押さえてうずくまるギーシュ。
 それを見て呆然とするメイド。

 誰が見ても痛快な場面だった。

573 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:16:48 ID:/PCKHr0+
支援。

574 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:17:29 ID:YaCdQCUe
ルークGJ!
鍵無しってことは二つ目の秘奥義使えないのか


そして支援

575 :すばらしきこのハルケギニア:2007/09/24(月) 00:18:15 ID:c9OWB+wa
 ギーシュが決闘だと喚いていたので、手袋の変わりにトレイを投げつけておいた。
 たかがトレイで頭どつかれたぐらいで決闘とは貴族としてどうなのだろうか。

 ―――クックベリーパイごときで他人の頭どついて決闘にまで持ち込ませる私のことは棚に上げておく。

 

「―――ちょうどいいわ、あなたの名前は?」

 さっきまで怯えていたメイドが顔を上げ、震える声でシエスタですと呟くのを確認する。
 シエスタか、いつも私の身の回りをやってくれているし、ちょうどいいだろう。
 私が襟元に留めているのと同じバッチをエプロンの裾に留める。

「シエスタ、手を取って。これからあなたと私は」

 シエスタが恐る恐る手を握る。
 その瞬間、青白い光が奔りだす。
 二人の人生という交わらないはずの道が合わさり、契約が成される。


「パートナーよ!」


 呆然としたシエスタをよそに、高らかに宣言した。






                 「諸君、決闘だ!」

 その声を私は気の昂りと共に聞いていた。
                     その声を私は死刑宣告を聞くように聞いていた。

「能書きはいいからかかってきなさい」
                     ミス・ヴァリエールが挑発している。

 私は彼の言葉は聞いてすらいない。
                     ミスタ・グラモンが私に土下座して謝れと言っている。

 どうせ謝罪しろと言っているのだろう。
                     出来ることならここで謝って無かったことにしてほしい。

「そんな筋違いなことはどうでもいいのよ」
                     でも、今の私にはそのこと自体が不可能だ。

 大丈夫、シエスタには全部教えた。
                     いくら教わってもその通りに出来るかどうかわからない。

 心を鎮め、シエスタに話した内容を思い返す。
                     落ち着くために教えてもらった内容を思い返す。

576 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:18:57 ID:dDTcKGk8
 

577 :すばらしきこのハルケギニア:2007/09/24(月) 00:20:33 ID:c9OWB+wa
「これからギーシュと戦うことになるけど、大丈夫。あなたにはこれが付いているわ」

 渡されるのは一振りの剣。
 錆付いているが元は名高い名剣なのだろう、錆の下に残る刃は鋭い光を放っていた。

「それともう一つ、ギーシュとの戦闘に突入したらあなたは―――」




             「行け! ワルキューレ!」

 ワルキューレが襲い掛かってくる。
                     ゴーレムが襲い掛かってくる。

 私は声を張り上げる。
                     ミス・ヴァリエールからの声が聞こえる。

 隣に居るはずの彼女に届くように。
                     私もそれに答える。

「いくわよ、シエスタ!」
                    「はい、ミス・ヴァリエール!」

 私の声に答えたシエスタの声が私に響く。
                     彼女に届くように願いながら。

 杖を構え、バッチに意識を集中する。
                     バッチに意識を集中し、剣に意識を向ける。

 ワルキューレが迫るがバッチに集中。
                     剣が浮き上がり、ワルキューレに襲い掛かる。

 目の前でワルキューレが真っ二つになる。
                     剣がワルキューレを真っ二つにする。



「何だと! 僕のワルキューレが!?」

 観客もゼロのルイズが何かをした様子もなく、ワルキューレを両断した事から驚きの声を上げる。
 口々にあいつは「ゼロ」だぞ、「先住魔法か!?」と口々に騒ぐ。
 恐怖に駆られる。
 なんにも出来ない『ゼロ』と平民を教育してやろうと決闘しようとしただけなのに。
 なぜ、この僕が! 青銅のギーシュが―――!

「ゼロごときに負けるはずがなぁーーーーい!!」

578 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:21:10 ID:8tFIqEym
きのこ支援

579 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:21:13 ID:dDTcKGk8
支援

580 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:23:31 ID:oA2h0DNT
元ネタわかんないけど素晴らしきヒィッツカラルド支援

581 :すばらしきこのハルケギニア:2007/09/24(月) 00:24:42 ID:c9OWB+wa
 ギーシュが叫びながら更に二体追加。
                     ミスタ・グラモンの叫びと共に二体が練成。

 私は杖を構えながらゴーレムの懐へ。
                     ミス・ヴァリエールとは違うゴーレムに剣を向ける。

 振るわれる腕を杖で受け止める。
                     剣で放たれる連撃を全て受け止める。

 腕を切り落とし、縦に両断。
                     執拗な攻撃を剣で払い、隙を見て横薙ぎに両断。

 同時に隣のワルキューレが横に両断される。
                     同時に隣のゴーレムが縦に両断される。

 隣に居るはずのシエスタに親指を立てる。
                     私はそれに習って同じ動作で答えた。




 その戦いは異常だった。ルイズに向かう攻撃は杖に弾かれる。
 そして死角となる部分は不可思議な力が攻撃を防いでいる。
 まるで誰かがそこで攻撃を防ぐような金属音が響くのだ。

 それ以上に、『ゼロ』のルイズが杖で青銅を切り裂いたのだ。
 その事実が異常さに拍車を掛けている。

 現にギーシュはその異常を一番真近で見ているのだ。
 その異常さは一番理解している。

 だが、僕にはまだ切り札がある!
 これを切れば『ゼロ』がどんな手段を用いてきても打ち砕ける!

「―――僕は君を甘く見すぎていたよ、だがこれで終わりだ!」

 その掛け声と共に七体が同時に作られる。
 今までのゴーレムとは違い、槍や剣を構えた本気のものだ。

「ヤツを打ち砕け、ワルキューレェェェーーーー!!!」

 今までの速度以上でルイズの元へ駆け出した。

582 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:26:24 ID:oA2h0DNT
支援しようか?ただし…真っ二つだがな

583 :すばらしきこのハルケギニア:2007/09/24(月) 00:27:12 ID:c9OWB+wa
 突撃してくるワルキューレを見据える。
                     ゴーレムを見据えつつ、その瞬間を待つ。

 右手を突き出し、バッチに意識を集中。
                     剣に意識を集中させ、タイミングを計る。

 手のひらから連続で光の玉を撃ちだす。
                     先頭のゴーレムが光弾に砕かれるのを見る。

 一体目を砕いた時点で弾切れ、集中。
                     光弾が止み、二体目以降の攻撃を剣で弾く。

 イメージするのは空間に書く円。
                     弾きながら武器を切り落としつつ両断。

「パイロネキシス!」
                     声が聞こえた瞬間、後方へバックステップ。

 円をイメージした空間が炎に包まれる。
                     先ほどまで居た場所が炎の海と化す。

 炎が消え、後に残った物は、
                     溶かされながらも襲い掛かろうとするゴーレムのみ。


         「一気に決めるわよ!」「わかりました!」

 二人同時に星の模様が二つ刻まれたバッチに意識を集中、シエスタと自身の世界がリンクする。




「それともう一つ、ギーシュとの戦闘に突入したらあなたは―――
 限りなくここに近いけど、ここじゃない場所に跳ばされるわ」

 ミス・ヴァリエールの説明だと、契約した人間はもう一つの世界に跳ばされて戦うのだという。
 その際に、パートナー以外の人間には姿を認識されないみたいだ。

「こちらからあなたに干渉することは出来るし、あなたもこちらに干渉できる。
 でも、こちら側に姿を見せることは出来ない。ただし、このバッチを使うことが出来れば別ね」

 星の模様が刻まれたバッチを渡す。

「二人の意識が重なり合った瞬間、あなたと私が協力して戦うことが出来るの」

584 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:27:41 ID:dGtN8R9q
あぁ、支援しようか? ただし……総て真っ二つだぞ?

585 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:28:40 ID:enE92Lk3
その表現はかなり読みにくいぞ

586 :すばらしきこのハルケギニア:2007/09/24(月) 00:30:53 ID:c9OWB+wa
 観客はその光景に魅了された。

 幾多もの剣がワルキューレに襲い掛かり、刺さった端から爆発していくのだ。

 ワルキューレ以外に刺さったものは爆発せず、そのまま空気に溶けるように消えていく。

 その爆裂地獄の中、『ゼロ』のルイズとギーシュが謝罪を要求していたメイドが手をつないで浮いていた。


 その光景の終焉はひときわ大きい剣がワルキューレの破片ごと広場を爆破させた。

 後に残ったものは、ギーシュの喉元に剣を当てているメイドに、その手から杖を奪っているルイズだった。


 元の世界ではアンダーグラウンドと呼ばれる場所で使われた超能力を引き起こすバッチ。
 ルイズが引き当てた77枚は全てサイキックを引き起こせるバッチだった。


 その決闘の後、ルイズは『ゼロ』から『爆剣』や『透明壁』、『杖剣』と呼ばれるようになり、
 シエスタは『ヴァリエールの懐刀』と呼ばれるようになった。

 二人はその後の戦いにより名前を広め、『トリステインの英雄』と呼ばれるようになった。
 また、今までの服という概念を打ち壊すようなファッション性の高さから、ファッションリーダーとも呼ばれた。

 当のルイズは「自分のしたいように行動しているだけ」とコメントを残す。
 シエスタは「あの方は自分に正直で、精一杯楽しんでいるんです」とコメント。

 晩年に二人が残した言葉は非常に有名である。



「ああ、すばらしきこのハルケギニア!!」

 END

587 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:31:36 ID:dDTcKGk8
支援

588 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:32:29 ID:Ie2yNfcr
何のクロス?

589 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:33:19 ID:c9OWB+wa
以上で投下終了です。
クロス元は『すばらしきこのせかい』から死神のゲーム参加者バッチとその他装備バッチシリーズでした。

表現については読みにくかったことをお詫びします。
自分なりにがんばったのが裏目に出てしまいました。

590 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:34:27 ID:hMevetBp
GJ クロス元は?

591 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:35:07 ID:dGtN8R9q
投下乙
ジャイアントロボだとおもってた私乙orz


592 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:35:32 ID:oA2h0DNT
むぅ・・・
元ネタがまったくわからん
故に作中でのルイズとシエスタの攻撃方法とかも理解不能
まぁとりあえず乙

593 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:35:56 ID:L1P4wSJN
乙。
DSのゲームだっけ?

594 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:36:38 ID:cN3jiqYm
漫画にもなっていた気がするけど元はゲームだよな

595 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:38:28 ID:c9OWB+wa
ええと、簡単に解説すると
『すばらしきこのせかい』での戦闘はDSならではの二画面戦闘で、
上の画面を十字キーで操作、下の画面をタッチペンで操作するゲームです。

作中でも別次元で戦っているとのことなのでこういった形にしました。
下画面がルイズで、上画面がシエスタという分担にしました。

596 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:41:51 ID:7JEHsVG2
(カランコロン カランコロン)

こんばんは、人間の皆さん。ゲゲゲの…もとい、松下一郎です。
今夜もご盛況の様子、なによりですな。昨夜は疲れて早寝してしまいましたよ。
夜食に『素麺のインスタント味噌汁かけ』はいかがですか?
アニメ五期の鬼太郎くんが食べていた貧乏食ですが。

さておき、予約がなければ第二十三章を投下したいが…どうかな?

597 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:44:13 ID:N3jqLgnk
フハーッ
支援

598 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:45:39 ID:ARQCRM7O
かもぉぉん

599 :『使い魔くん千年王国』 第二十三章 二つの銅像 1/4:2007/09/24(月) 00:46:30 ID:7JEHsVG2
婚姻の式典で朗誦する、荘重な詔の案をルイズが練り始めて、二週間ほど経った頃。
松下の『休暇の願い』は唐突だった。都合一週間ほど休みを取りたいと言ってきた。

「はぁ? シエスタの故郷の村に行く? なんで?」
「戦力の増強がてらだ。フーケやワルドとの戦いで、やはり火力不足を痛感してな。
 彼女の故郷、タルブ村の山奥に『火竜の巣』があるらしい。
 ミスタ・コルベールも一緒だし、ちょっとルーンで操って何頭か乗騎にしたい」
この間の港町『ラ・ロシェール』にわりと近いところで、馬で三日かかるとか。ホウキならもっと早いだろう。

「その間、きみの身の回りの世話はこのメイドたちがする。モット伯が解放した人たちだ」
「…マツシタ、モット伯とかチュレンヌ徴税官とかが破産したって本当? どれだけカネを搾り取ったのよ」
「要る分だけ貰って、あとは奴らが絞り上げた領民に返した。庶民的な慎ましい暮らしができるくらいは残したよ。
 それ以上の贅沢を望んで破産したなら、自業自得さ」

松下は『王侯貴族が嫌い』というわけではない。『貧乏人や平民だから好き』というわけでもない。
『己のために多くの不幸な人を作り出し、権勢の上に胡坐をかいてふんぞり返っている奴』が大嫌いという事らしい。
たまたま王侯貴族にそういう手合いが多いだけである。というか普通それを王侯貴族という。
容赦なく叩きのめし、ついでに世界征服の軍資金を供出させよう、というのがなければ、正義の味方なのかも知れないが。
そしてこいつに人のことが非難できた義理か。

「ふーん。ま、いいわよ。式典は二週間後だから、それまでには帰って来なさいね」
ルイズはあっさりOKした。先生もついてるし、火竜相手にどうこうなるような奴でもなかろう。多分。
なにやら物騒なマジックアイテムを姫様から頂戴していたし、戦力の増強というなら火急の用でもあった。
それにルイズ自身は、詔の作成で手が離せない。
「留守中何かあったら、このカードに話しかけてくれ。通信用のマジックアイテムだ」

眼を怪しく輝かせて喜ぶシエスタと、コルベールが同行する。いくつかのマジックアイテムを携えて松下たちは出発した。
「ではきみたち、この香油を体に塗り、この草を煎じて飲むのだ」
馬を出させようとしたシエスタに、松下はゴソゴソと何かを取り出して告げた。

「っきゃあ! メシア、私こんな乗り物初めてです! ど、どうやってスピードを抑えれば」
「といいますか、何なんですかこれは!?」
「『魔女のホウキ』だ。量産化がようやく始まった。まだ家内制手工業レベルだが、
 スポンサーになった王女と貴族たちに感謝せねばな。試作品の試乗の心地はどうだね?」
「う、馬より早いです! まるで鳥やメイジになったみたい!」
「こ、これは『風』の先住魔法といいますか、結構操縦が難し、ぶがっ!」

平民のシエスタが、ホウキに乗ってはしゃぎながら空を飛ぶ。その後を松下が追った。
コルベールは木の枝にぶつかりながらもついて来る。
「このホウキが普及すれば、一気に交通・流通革命が起きる! 平民でも個人で飛べるとは!」
「ええ、独占して販売すれば、ゲルマニアを全部買えるほどの大金持ちになれるでしょうね。環境にも優しい」

電化製品系大企業の社長の御曹司である松下は、機械工学とオカルト魔術の融合も目指している。
無論、経営学もお手の物だ。ただ、美しい環境のハルケギニアに公害をもたらしたくはなかった。

三人は前後しながらタルブ村へ飛ぶ。この調子なら、きっと明日の昼には着くだろう。

600 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:47:43 ID:/PCKHr0+
支援。

601 :ゼロのガンパレード:2007/09/24(月) 00:48:21 ID:e/VNdrov
支援。そして投下予約

602 :『使い魔くん千年王国』 第二十三章 二つの銅像 2/4:2007/09/24(月) 00:50:19 ID:7JEHsVG2
見晴らしのいい大きな草原と、良質の葡萄畑。
タルブの村は、ラ・ロシェール近郊にある小村であった。
「うわあ、久しぶり! 見てください、あれが私の村です!」
シエスタが黒髪を風になびかせ、深呼吸する。学院では見ないようないい顔だ。

そう言えば気にも留めなかったが、学院では彼女だけが黒髪の『黄色人種』だ。
やや混血しているようだが、白人種のルイズたちやマルトーとも少し雰囲気が異なる。
貴族は皆が白人種、というわけでもなかろうが……少し探ってみるか。

「シエスタ、きみの家族はどんな人たちだ? それと、先祖に有名な人でもいないかな」
「みんないい人たちですよ、『我らのメシア』。少し貧乏していますが。
 先祖ですか…そういえば私の曽祖父は、なんでもどこかの国の軍人だったらしいんです。
 若いときにふらっとここにきて、何かすごい手柄を立てて、すぐいなくなったとしか。
 子供の頃、亡くなった祖父に少し聞いて…でも余り覚えていません。
 名前は『ムラ…』とかなんとか」
軍人と聞いて、ちょっとコルベールが反応した。何か思い当たる節があるのか。

しばらく歩くと、村のはずれに、二つの等身大の『銅像』が並んで建っていた。
しかも村の内側や道に背を向け、火竜がいるという山に体を向けて、各々片手で山頂を指差している。
一つは、杖をついた髭もじゃの老人。
もう一つは二十歳ぐらいの青年だが、奇妙な事に左腕がない。
はずれ落ちたのではなく、最初から作られていないようなのだ。服装も少し村人と違う。

「ああ、そうだわ! 確か、この若い人の方が曽祖父の像だって聞きました!」
「ほう、きみの…だが、山を向いているのはなんでだろうね?」
それにこの老人の像は、やや見覚えがある。

村内に入り、村人に聞いて回るが、若い人は知らないようだ。
家の前でぼんやりしている七十過ぎくらいの爺さんに聞いてみた。
「んん? ああ、あの銅像の人らつのことかや。年寄りどもはよーう覚えちょうよ、話しちゃろうぞ。(もぐもぐ)
 おらがそう、あんたぐらいの、ほおんにこげな子供の頃の事じゃがのい…」

どうも方言が独特だが、爺さんはゆっくりと昔語りを始めた。

603 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:51:41 ID:dDTcKGk8
支援

604 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:52:13 ID:N3jqLgnk
支援

605 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:52:41 ID:LFpJ+0CH
しぇん

606 :『使い魔くん千年王国』 第二十三章 二つの銅像 3/4:2007/09/24(月) 00:53:08 ID:7JEHsVG2
そう、まあ、今から六十年以上も前になあわいのう…。


若者の方は、森の奥で行き倒れちょうのを、村の娘が見つけて連れてきたんじゃが、
左腕が吹き飛んだげな酷い怪我で、そこが化膿しちょったし、疫病に罹ってか高熱が出ちょってな…。
関わり合いになあのはまずいけん、いっそ殺そうかと皆が思ったがの、
たまたま村に火竜の調査に来ちょった、『ファウスト』ちゅうメイジの老人が、物好きにも治療してやったんだわ…。

ほんで村から離れた山小屋に寝かされて、半月ぐらいは人事不省じゃったわ。
その後、村人らつが来ておずおず食事を与えただわ。そげしたら、めきめき治り出してのう。
最初言葉は通じんかったども、がいに陽気で人交わりが良うて、絵と笑い話が上手い。
だんだんと、身振り手振りを交えて、簡単な会話は出来いようになったと思わっしゃい。

名前を聞いたら『ムラシゲル』と答えて、どこの衆(し)かやと聞いても『忘れた』しか言わん。
だども、えつまでも片腕の半病人を置いてはおけんが。そのうち追い返そうと思っちょった矢先、火竜が襲ってきた…。
まだ割と小さい奴じゃが二頭もおった。火を吐いて家屋敷・田畑を焼き、家畜を攫う。とおても村人に敵いはせん。

そげしたらな、その若者は『恩義に報いる』と言い出してな、老人と協力して火竜どもを山へ追い払ったげな。
何をどげやったのかは分からんだども、以来奴らは村里に降りて来んやになり、二人は村の英雄になったと。

ほんで、村の鍛冶屋が『火竜除け』のマジナイに山に向けて置いたのが、その、あの衆らの像じゃわ。
えつぞや国に金属供出されての、今は二代目じゃがな。あんま似ちょらんわ。

607 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:53:40 ID:dDTcKGk8
支援

608 :名無しさん@お腹いっぱい:2007/09/24(月) 00:56:02 ID:QlFbPSmG
支援

609 :『使い魔くん千年王国』 第二十三章 二つの銅像 4/4:2007/09/24(月) 00:56:00 ID:7JEHsVG2
「…で、その若者も老人も、えつの間にかいなくなってしまったども…村娘の一人が彼の子を孕んじょった。
 そおが娘っ子、あんたの祖父さんじゃわいな、シエスタさんや(もぐもぐ)」
「そ、そうだったんですか…」

「その衆のおかげで、祖父さんの代は土地持ちになって羽振りが良かったども、親父さんが悪い奴に騙されてのう…。
 ほんにまあお前さんも苦労しんさって、魔法学院の使用人などにならんでも、この村で養ってやらんでもねえだに。
 おうい婆さん、お菓子でも持って来うだわ! お客さんだけん! まあずけ、気の利かん」
「有難うございます、お爺さん。とりあえず家族は養って頂いているようで、感謝いたします。
 でも今日はこの方々の御用事をお手伝いに来ましたので、これで失礼いたします」

爺さんの長話は終わった。例の火竜に関連する人ではあったらしい。
「ムラシゲルとやらが何者か知らないが、『ファウスト』はぼくの師匠だ。
 火竜を調べに来たといったが、他にも何か残しているかも知れない。この『占い杖』のようにね」
「はい、でもメシア、ひとまず私の家においで下さい。家族に手紙も行っているはずです」
「そうですな、そろそろ昼食にいたしましょう」
ああ、ミスタ・ガロン塚本、いたのですか。あまりに影が薄くて、まるであなたの頭のようでした。

それから三人はシエスタの小さな家に行き、大家族と団欒しながら昼食をとった。
鶏と野菜のスープに加え、赤飯と大きなボタモチが出たのは驚いたが、ムラシゲルが教えてくれたものだそうだ。

「夜中に来て頂いたら、蛙の目玉と人魂の天ぷらもお出しできたのですがね。ひひひひひひ」
シエスタの母親はそう言って奇怪に笑った。何だ人魂の天ぷらとは。
ちーん、と金属の鉢を鳴らして、父親がシエスタの祖父の命日に合わせてお祈りしていた。
今日はオヒガンとかいうらしい。お彼岸?…これも彼が伝えたのか?

四方山話や宣教をするうち、夕方になってきた。すると占い杖がぶるぶると震え、山の方にぱたりと倒れた。
「おお、反応があるようだ。明日の朝にでも、火竜の山へ行ってみよう」
「ミスタ・マツシタ! まさか、夕食は蛙の目玉が出るんじゃあないでしょうねえ!(ふはっ)」
ミスタ・コケカキイキイも、ぶるぶる震えた。

(つづく)

610 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:58:02 ID:dDTcKGk8
支援

611 :『使い魔くん千年王国』:2007/09/24(月) 00:59:06 ID:7JEHsVG2
投下終了。支援サンキュウでやんす。
で、ムラシゲルとは何者なんでしょうなあ。
どうも爺さんの長話ばかりで恐縮です。ちなみに方言は山陰地方の出雲弁(似非)。分かりにくいですか。
皆さん、お彼岸の墓参りは済ませましたか?

あがー、そぎゃすううつに予約だわ。さ、はよさっしゃい。

612 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 00:59:32 ID:dDTcKGk8
支援

613 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 01:01:16 ID:KocF7hU5
ミスタ・コルベールの名前が哀れなことに……ハゲしくGJ!!

614 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 01:04:01 ID:N3jqLgnk
やべえ展開が予想できねえ
GJ!

615 :ゼロのガンパレード:2007/09/24(月) 01:05:45 ID:e/VNdrov
GJ!
よもやここで○木さんとは。
お墓参りはちゃんと言ってきましたとも。

1:10くらいから投下いたしますねー

616 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 01:10:39 ID:DOxS50hL
支援するです〜

617 :ゼロのガンパレード:2007/09/24(月) 01:10:56 ID:e/VNdrov
怖い。
怖い。
怖くてたまらない。
巨大な一枚岩から『錬金』によって作り出されたテーブルを楯にしながら、
ギーシュは奥歯がこれ以上震えぬように噛み締めた。
その頭の上を、宿に押し入ってきた傭兵と思しき者たちの放った矢が通り過ぎる。
アルビオンに渡る最後の晩ということで、ほんの少し豪勢な食事を楽しんでいたところへの奇襲である。
さいわいにして杖代わりの薔薇の造花は身に着けていたが、反撃しようにも相手は魔法の射程外である。
そもそも魔法を放つために立ち上がろうとすれば、その前に弓で撃たれてしまう。
その危険性を考えれば、今のギーシュにできることはただこうして隠れていることだけだった
彼は軍人の息子であり、しかも今はアンリエッタ王女の勅命により秘密任務についている。
ならば怪我の危険はもちろん、命を失う覚悟とて出来ている。出来ていると思っていた。
禁止されてはいたが、魔法学院では何度も決闘した。
ワルド子爵に決闘を申し込まれた時も落ち着いて戦うことが出来た。
だが実際はどうだ。
一対一の決闘ではなく、徒党を組んで襲ってくる傭兵の姿を見た時、彼はただ恐れることしか出来なかった。
ギーシュは自分を笑った。
身の危険、死の覚悟。
とうに出来ていると思ったそれは実戦を知らぬ子供の夢想でしかなく、
いざそれが近くになればこうして机の陰で震えるしかないのかと。

「参ったわね。昨日、調子に乗って博打で尻の毛までむしったのが悪かったのかしら」
「下品。それにあれは勝負。逆恨みされる覚えはない」
「される覚えがないから逆恨みっていうのよ」

熱心に化粧を直すキュルケの横で、探るように辺りに視線を向けていたタバサが頬を膨らます。
彼女たちが宿に選んだ『女神の杵』亭は、かつてはアルビオン軍に対する砦でもあった。
故に壁も厚く、食糧の備蓄もあり、籠城戦を挑むには最適の場所である。
だがそれは同時に、一度内部に入られれば逃げ場のないことも意味する。
砦や城の常として抜け道の一つや二つはあるとは思うが、今からそれを探している余裕などないし、
なにより誰よりも宿に詳しいはずの主人が視線の先で青い顔をして座り込んでいる以上は、
その抜け道も機能しているかどうかすら怪しかった。

「こんなときまで化粧だなんて、ずいぶんと余裕ね」

ワルドと大猫とで両脇を固めたルイズが呆れたように化粧を続けるキュルケを見やる。
本当に状況が解っているかと今にもくってかかりそうである。
いつもと変わらぬルイズの態度に、しかしキュルケは抑えきれぬ恐れを見て取った。
大猫の首に回され、力の入れ過ぎで震える腕。白くなるほど握り締められた拳。
キュルケは頬を緩めると、どんな時でも虚勢を張ることを止めない大嘘つきの少女に化粧道具を差し出した。

「あなたも使う? ゲルマニアの最新の口紅よ?」
「なんでこんな時に化粧なんかしなくちゃいけないのよ」
「愚問ね、ミス・ヴァリエール。こんな時だからこそよ」

そしてゲルマニアの軍人貴族、火のツェルプストー家の息女は胸を張って艶やかに笑った。


618 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 01:11:05 ID:YsqpkLYD
支援

619 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 01:11:24 ID:YOeljHER
人魂の天麩羅ってあれですか
食べたら顔が奪われるとかいう・・・・
そして、乙

620 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 01:12:13 ID:jqsiDn5I
支援

621 :ゼロのガンパレード:2007/09/24(月) 01:12:28 ID:e/VNdrov
「常に優雅さを忘れず、たとえ死んでも笑いながら逝くのがツェルプストーの女の生き様よ。
 青ざめた顔で怯えて死んだりしたら、あの世でご先祖に申し訳が立たないわ」
「死してなお桜色」

横からタバサが手を伸ばし、少量の紅を自らの唇につけた。
そのまま唇を動かし、色合いを均等にする。
白皙の肌に散った朱が、妖精的な少女の美貌にある種の魔的な彩を添えた。
ルイズは笑った。
気がつけば手の震えは治まり、拳からも力が抜けている。
実にキュルケらしい遠回りな気遣いだった。
ツェルプストーである自分は死を覚悟した。ならばお前はどうだと言外に問うている。
夜会や舞踏会などでよく聞く遠まわしな賛美や嫌味などが大嫌いなルイズであり、
しかもそれを問うたのは大嫌いなツェルプストーの一族ではあったが、
それでも彼女はキュルケのその心意気を頼もしく思った。

「お生憎さま。ヴァリエールの女の死に様は、
 美しく老いさらばえて、屋敷の寝台で、何人もの子供や孫たちに囲まれてだと決まっているのよ。
 わたしの代で伝統を潰えさせるわけにはいかないわ」

キュルケもまたおかしそうに笑う。
自分の問いに、ルイズは的確に答えて見せたのだ。
自分は此処で死ぬ気はないと。
それでこそ、とキュルケは思った。
それでこそルイズ。わたしの好敵手。

「まぁ、子供についてはワルド子爵に頑張って貰うことにしましょうか」
「いきなり何を言ってるんだね、ミス・ツェルプストー」

とても戦場にいるとは思えぬ呑気なやりとりにワルドが思わず口を挟む。
その気持ちは誰も同じだったと見えて、
やはり机の陰にやカウンターの奥に避難している客や店員も呆れたような顔で少女たちの方を向いている。
その内の幾つかの視線、具体的に言えば店員の女性たちのそれを自覚したギーシュは、思わずと言う風に天を仰いだ。

参ったなぉ。
ああ、本当に参った。
ぼくは臆病者だぞ?
実戦なんて、一度もしたことがないんだ。
なのに、なんでなんだ。
相手は本物の傭兵で、一歩間違えれば死ぬかもしれないのに。
参ったなぁ。
こんなに観客がいると、ぼくは駄目なんだ。
かっこつけないと気がすまないんだ。
ぼくは馬鹿だ、大馬鹿だ。

そこまで考え、その唇に笑みを佩く。
まさになにを今更、だ。
ルイズ症候群に罹患した以上、馬鹿でない筈がないと、今朝方確認したばかりだと言うのに。
青銅の薔薇を額にあて、愛すべき彼の使い魔、ジャイアントモールのヴェルダンデに指示を出す。
もはや何も怖くはなかった。なぜなら彼はルイズ症候群の重症患者であった。

622 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 01:12:31 ID:14UY0FGR
支援

623 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 01:12:42 ID:/PCKHr0+
支援。

624 :ゼロのガンパレード:2007/09/24(月) 01:14:21 ID:e/VNdrov
「いいか諸君」

気を取り直したようにワルドが低い声で告げた。

「このような任務は、半数が目的地に辿り着ければ、成功とされる」
「囮というわけですか」

ギーシュの確認にワルドは頷くと、自分以外の三人を指名し、囮として残るように頼んだ。

「軍ではこのような場合、自己推薦が基本なのでは?」
「君の父君や兄君がどうかは知らないがね、ギーシュ君。
 わたしは、そのようなおためごかしで自分の責任を軽くしようとする者を好まない。
 およそ軍人であるのならば、指揮官はその部下に関する全責任を負うべきだ」

なにを思い出したのか顔をしかめながらのワルドの言葉に、
ルイズは彼がマザリーニ枢機卿のお気に入りだという事実を思い出した。

「なるほど、その姿勢は尊敬に値しますね、ワルド子爵。
 しかし、囮の件は断らさせていただきますよ」
「ほう? なぜだね?」
「まずは一つ。相手の戦力の全貌がわかりません。
 この時点での戦力の分散は、各個撃破の機会を相手に与えるだけです」
「確かに、その可能性もあるな」

やや悔しそうにワルドは認めた。
彼の案ではルイズと彼自身は裏口から脱出する予定だったのだが、
ギーシュの言う通りそちら方面に別働隊がいれば袋の鼠になるだけである。

「そしてもう一つ。
 あるいはこれが全てといって過言ではありませんが」

思わせぶりに言葉を止めるギーシュに、机の陰にいる者たち全ての視線が集まる。
その視線を存分に楽しみ、彼は笑顔でその理由を口にした。

「簡単なことです。
 友人を囮に使うなど、ぼくたちの趣味ではありません」

戦術的な見地からの提言だと思っていたワルドはその言葉に絶句する。
その様子に隣の机の陰にいた店員の一人が思わず吹き出し、
その笑みは瞬く間に客や店員たちに広まった。
ブータも満足げに喉を鳴らし、弟子の変化を喜ぶ。
自らの趣味で戦争を語るか。やれやれ、ギーシュも随分とあの一族に近づいてきたわい。

「確かにそうね、ギーシュ。
 でもね、ここでみんな揃って玉砕なんてのもわたしの趣味ではないわ。
 一体どうするつもり?」

周囲の変化を好ましく思いながらルイズが問うた。
店員たちも客も笑い、一時的にでも恐怖を忘れている。
確かにそれは一時的で、あと数秒も過ぎれば我に返って恐怖に押し流されてしまうだけのものではあったが、
だがそれでも、人々に一瞬でも笑顔を取り戻させたギーシュをルイズは誇らしく思った。
身に迫る危険と恐怖を抑え、人々に笑顔を与えた彼に共感を覚えた。
守るべき人々の一瞬の笑顔のために、貴族は何粒の涙を流し、幾度歯を食いしばるのか。
だがそれが、それこそが貴族の人生。誇り高き我らが生き様よ。


625 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 01:14:27 ID:jqsiDn5I
12巻ギーシュの心意気だ支援

626 :ゼロのガンパレード:2007/09/24(月) 01:16:43 ID:e/VNdrov
「決まっているとも、ルイズ。
 撤退だ。敵の中央を駆け抜け、桟橋へ。
 正々堂々、孫の代まで語り草になるだろう撤退戦だ。
 まさに武門の本懐ここに極まれり、だ。
 素晴らしいだろう?」

笑っていた客や店員たちの笑みが固まった。
あまりの答えに、思考が停止したのだ。

「前衛はタバサ、デルフリンガー、“地下水”」
「承知」
「へへ、やっと出番かい」
「おう、まかせといてくんな」

告げられた名前にワルドの眉が顰められ、どこからともなく聞こえた声に周囲を見回した。
彼はその名前を知っていた。裏世界で囁かれる姿なき暗殺者。ガリアを中心として暴れまわった傭兵メイジ。
だがなぜここでその名前が告げられ、しかもそれに答える声があるのか。

「撹乱はキュルケ。一発大きいのをお願いするよ」
「まかせて」
「殿軍はぼくが。ワルド子爵は不測の事態に備えての遊撃をお願いします」
「あ、ああ。承知した」

つい同意してから拙いとは思ったが、もう遅い。
思考を切り替え、ギーシュの作戦を聞くことにした。
姿を見せない暗殺者の存在は気がかりであり、よもや自分の企てにも気づかれているのかとも思うが、
今はここを脱出することに専念すべきではあった。

「ギーシュ、わたしは?」

ただ一人、役割を与えられなかった少女が尋ねた。
頭では解っている。魔法が使えず、タバサやワルドのように剣も持たぬ自分は、足手まといに過ぎぬのだと。
だがそれでも、ルイズはそれを認めたくはなかった。
しかし、それから目をそらすのはもっと嫌だった。
だからこそ彼女はギーシュに問うた。
足手まといだと、何もすることがないと言われるのを覚悟の上で。
そしてそれを言われた時の心の痛みを、不甲斐ない自分への罰とするために。


627 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 01:17:02 ID:jqsiDn5I
支援

628 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 01:17:24 ID:reRaYkYd
職人と住民の海からそれは生まれでる
地に支援 天にGJ
取り戻す為に生まれでる

629 :名無しさん@お腹いっぱい:2007/09/24(月) 01:18:02 ID:QlFbPSmG

全軍突撃支援☆したぞッ!!!

630 :ゼロのガンパレード:2007/09/24(月) 01:18:32 ID:e/VNdrov
「ルイズ、君にももちろん役目があるとも。
 それもこの中の誰よりも重大な役目がね」

その葛藤に気づかぬ振りをしながら、ギーシュはなんでもないことのようにそう告げた。

「檄を飛ばして欲しい。
 それもやる気がみなぎるような熱い奴をよろしく頼む。
 御伽噺の終わりが『めでたし、めでたし』なのと同じくらいに、
 戦いの始まりには開戦の詔が必要だ」

なにしろと彼は笑い、後世の人々がギーシュ・ド・グラモンを語る際に必ず語るその言葉を唇に浮かべた。

「誇り高き独立愚連隊、我らがルイズ小隊の初陣だ。
 隊長殿が訓示するのは当然だろう?」

ルイズは絶句し、やがて泣き出しそうな顔で微笑んだ。
一つ息を吐き、遠まわしに自分を守ってくれる友人たちに心の中で感謝する。
隊の名前に憤慨しながらも、それでもそれを黙認するキュルケ。
自分が泣きたい時、くじけそうな時、彼女の挑発が、その嘲りが、どれだけ自分を奮い立たせてくれたことか。
無言で剣を構え、ルイズの言葉を待つタバサ。
思えば、学院の同期生の中で、彼女だけはルイズを馬鹿にしなかった。
その存在が、どれだけ自分の心を安らげてくれたか。
薔薇を咥え、優しく見つめるギーシュ。
今まで自分を馬鹿にしてきた彼が態度を改めてくれた時、どれだけの喜びが心に刻まれたか。
心配そうにしているワルド。
ゼロの自分には勿体無いくらいの、強くて優しいわたしの婚約者。
あなたの隣に並べるようになるために。その思いが自分を強くしてくれた。
そしてブータ。
わたしの使い魔。異世界からやってきて、わたしにたくさんの贈り物をくれた優しい猫神。

「エステルヴァラオームイスラボート!」

タバサに握られた剣、デルフリンガーが唐突に言葉を発した。
ワルドはその声がどこから聞こえたかを察して驚き、それ以外の者はその言葉の意味に唇を綻ばせた。

「エステルヴァラオームイスラボート」
「エステルヴァラオームイスラボート」

タバサと“地下水”がそれを唱える。
それは神々の合言葉。
生まれた国も種族も違う神々が、互いに呼び合う誓いの言葉。

「エステルヴァラオームイスラボート」
「エステルヴァラオームイスラボート!」

キュルケが、ギーシュが唱和した。
余分な言葉は要らなかった。
彼らはただ一言のみを持って、ルイズが自らの旗印であることを高らかに告げたのだ。


631 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 01:20:07 ID:YsqpkLYD
豪華絢爛なパーティーだ支援

632 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 01:20:11 ID:jqsiDn5I
熱い、熱いな支援

633 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 01:20:12 ID:/PCKHr0+
支援。

634 :ゼロのガンパレード:2007/09/24(月) 01:21:03 ID:e/VNdrov

「エステルヴァラオームイスラボート!」

ルイズもそれに答え、もう一度周囲を見回した。
心に浮かんだ檄文をもう一度胸の中で反芻し、訂正する。
ブータの名前を出すのはまずい。
自分の使い魔が猫神であることは、未だ仲間たちの中だけの秘密なのだから。
ならばと考え、別の机の陰やカウンターからの視線に気がつく。
それは願っていた。
それは望んでいた。
この状況をルイズたちならなんとかしてくれるのではないかと期待していた。
そこにはもはや恐怖はなく、むしろ物語の始まりを待つ子供のような色だけがあった。
ルイズは微笑み、大きく息を吸って、吐いた。
ブータに聞いた異世界の伝説が頭を過ぎる。
人々の涙を笑みに。
痛みを喜びに。
不幸を幸福に。
そのためにこそ何度でも立ち上がり、血を流し続ける誇り高き一族。
けして敗北を認めず、災禍を狩る災厄としてあしきゆめと戦う孤高の民。
いつか肩を並べ、その一翼を担いたいと夢想した戦士の名。
ルイズは胸を張り、いつかそこに加わる誓いとして、その名を持って開戦の辞となした。

「では始めましょうか、わたしの小隊。
 あのならず者たちに、シバムラの戦い方を教育してあげましょう」
 

635 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 01:21:47 ID:jqsiDn5I
芝村支援ッ!

636 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 01:23:03 ID:/PCKHr0+
支援。

637 :ゼロのガンパレード:2007/09/24(月) 01:23:14 ID:e/VNdrov
今回は以上です。
中々話が先に進まないなぁ。


あじゅじゅしたー

638 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 01:23:33 ID:hMevetBp
かっこいい支援

639 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 01:24:05 ID:reRaYkYd
Aの戦術論支援

640 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 01:25:00 ID:hqAXHVvc
やっぱりゼロガンは戦う時が一番熱いですな乙

641 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 01:25:07 ID:jqsiDn5I
あじゅじゅしたー。
熱い、熱いねぇアンタ……。

642 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 01:32:52 ID:w+GVWztR
あじゅじゅしたー

しかしゼロガンのキャラはどいつも輝いてるなぁ。たまらん。

643 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 01:36:00 ID:jqsiDn5I
そういやこの時点でシェフィールドさんは南無南無な事になってるし、
タバサママンもアルビオンへ向かおうとしてるのか……何が起こるのやら。

644 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 01:43:14 ID:4dotzt1j
やっぱりかっこいいなぁ。
あの言い回しを此処までかっこよく言えるのはスゲェ尊敬。


>>643
決まっているじゃないか。
ハッピーエンドが起こるのだろうよ。

645 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 01:43:34 ID:YOeljHER
シェフィールドさんはあれだ
もしかするとルーンの効果変わってるかもしれない
あらゆる靴下の使い方を理解するとかに

646 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 01:46:04 ID:Czm5/o+g
それにしても某猫の飼い主が混じってるのはブータの猫繋がりだろーか…

647 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 01:50:22 ID:sdCgFk0t
>>645
どんだけ意味のないルーンだよ・・って、いや、ある意味脅威か。

648 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 01:51:03 ID:Ih3hPhgH
やーもうギーシュ惚れるなあもう!

649 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 01:53:00 ID:YaCdQCUe
>>646
今月打ち切りになった漫画のことかーッ!!!

650 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 01:53:19 ID:Mw+bvetr
臆病者が勇気を振り絞って頑張る姿は大好きです

651 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 01:56:20 ID:tEA0/4ec
>>649
kwsk

652 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 02:00:34 ID:YaCdQCUe
>>651
皇国の守護者
小説を漫画化したやつが今月なぜかいきなり打ち切り
原作者の都合とか何とか言われてるけど詳しい理由は不明

653 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 02:00:58 ID:e6d3qwZN
GJ
そして、芝村の戦い方を教育される傭兵の皆さんに合掌……

654 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 02:07:00 ID:YOeljHER
皇国の守護者終わったのか・・・

655 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 02:16:48 ID:YodGUH/s
ネットに流れた噂レベルだと
 漫画版はエロゲデブの監修があまりにも遅く雑誌に間に合わないため
 編集者が原作者チェックをすっ飛ばしたら、俺を無視するなと逆切れ
というのが流れてた

656 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 02:17:25 ID:Czm5/o+g
漫画版の六芒郭期待してたんだけどね…

>>647
この世界なら布地も高いから節約するだろうし、洗濯は手間だし旅するのにも時間かかるしで…
一年靴下はさすがに伝説だろうけど一週間モノならかなり量産されてそう…

657 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 02:19:29 ID:hqAXHVvc
漫画皇国は本気で名作だった。
今回のゼロガンでギーシュが撤退の方針を示したとき、俺の脳内ギーシュが卑しき新城笑いをしているくらい脳に刻まれている。
終了は誠に悔やまれる。

658 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 02:34:54 ID:NH+Dc8Xb
>>652 「皇主」がどう脚色しても「天皇」になるんで出版社の大人の事情ってやつ。

659 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 02:39:09 ID:/YMJHXFm
島本和彦先生の作品はまだ無いよなー
炎の転校生とか

660 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 02:39:59 ID:dtQlicZ1
他人を頼るな自分で書け

661 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 02:52:08 ID:7JEHsVG2
皇国終わったのか…SBRの次に楽しみだったんだが、しばらくUJ買ってないな…
熱いガンパレ乙でした。


以下、すごくだめなチラシ裏。
以前、キョンを召喚しようと書いてみたんだが…せいぜいモノローグの多いサイトにしかならなかったんでやめた。
くやしいので、ハルヒキャラを『ゼロ魔』風の名前に換えて見たテスト。(キャラソンCD順)

1 スドミエール・アル・バルヴィー
2 ランガット・ハ・オレニュオメ
3 アッシャーヒナーム・ミフルムルン
4 テュルア・サン・メガスタ・ニョ・レオーン
5 ハザグラーン・マイウギェーヌ
6 ケオン・ノイ・モウトー
7 イェミリア・クムドーリス・テラハラグロス
8 ガティアス・ホモイズミロス・フンモフ
9 ケオン・ハ・オレニュオメ
10 ワワワワッス・レモーノ・ウオワッス・マンゴユックリー

…すまん、ごゆっくり。(ギャフン)

662 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 02:55:10 ID:SIC8Lld6
どれがだれやらさっぱりわからん

663 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 02:58:39 ID:OCaztCHN
投下しますーー

664 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 02:59:11 ID:4dotzt1j
>>661
微妙に名残はあるな。
だが谷口自重しろ。

665 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 03:00:26 ID:kcfnOMHy
投下を支援する

666 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 03:00:56 ID:APlsLPIa
こういうことするからハルヒって嫌われるんだというのが良く分る。

667 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 03:03:46 ID:/YMJHXFm
>>660
書いてるよ

668 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 03:04:19 ID:q7qQjVc0
支援

669 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 03:09:06 ID:ot1p4DgB
かもーん!


670 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 03:09:51 ID:YsqpkLYD
支援するぜー

671 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 03:10:20 ID:LFpJ+0CH
きゃもん

672 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 03:17:45 ID:kcfnOMHy
無いみたいだからねりゅ

673 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 03:18:40 ID:oA2h0DNT
            -‐  '´ ̄ ̄`ヽ、
          /・・/:・,へヾヽ・:\  
         //,::'/ /レ'/   ヽハ 、・.ヽ
         〃 {_{ル'´    リ|l.│・:i|  きんぐくりむぞーん
         レ!小ノ    `ヽ フ|l:i・ i|  投下した時間を吹き飛ばした  
          ヽ|l ●   ●  |: ・|ノ!
            |ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j  |・, |  
           |: /⌒l,、 __, イァト |/.|
           | /==イ,┃, ,_┃XXヽ:|
           | || |il !トー癶-イXX/━||

674 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 03:20:40 ID:LFpJ+0CH
ああ、新手の荒らしか?

675 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 03:24:34 ID:oA2h0DNT
愉快犯じゃね?
sageてないしさ
まぁ投下されないんでボスのAA張った俺もアレだが

676 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 03:25:24 ID:nMjTxQK7
>>652
原作者の原稿チェックがかなり遅くて、最終的な編集者チェックも当然間に合わず、
それが原因で問題噴出、グダグダになってきたんで、キリがいい所で連載終了の流れ
って聞いたけどね。

結局、ふたなり副官は出なかったのかな?

677 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 04:02:49 ID:HKytcR7L
なんか思いついたから投下していい?

678 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 04:11:57 ID:q7qQjVc0
小ネタならGO、長編なら思いつきで投下しないほうが吉

679 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 04:57:01 ID:HKytcR7L
小ネタにしてみたので投下しやす

680 :〇な使い魔:2007/09/24(月) 04:59:19 ID:HKytcR7L
あれは何なんだろう?
 爆発の煙が晴れてようやく見えてきたのは、赤くてウサギの耳みたいなのがついたちっちゃいゴーレムみたいなもの。
 というより、動くのこれ? 私、錬金使えないのよ!?
「おい、ルイズが変なゴーレム召喚したぞ」
「どうせ動かせないんだから意味ないじゃん」
 黙れ外野!

 ……落ち着くのよルイズ。今は外野に構っている時間はないわ。とりあえず、現状を確認すると
1・召喚には成功した。
2・でも動かない。
3・生物じゃない=使い魔として機能しない。

 ……うん。現状確認終了。次にやることは決まっているわね。
「ミスタ・コル――」
「契約しなさい」
 即答!? ……いえ、諦めては駄目よルイズ。一生がかかっているんだから。
 つまりはもう一度、サモン・サーバントを行えるように説得すればいいのよね。この使い魔(仮)はゴーレム。つまり、生きていない。
「……あのー」
 新しい使い魔を召喚するためには前の使い魔が死ななきゃいけないけど、これはそもそも生きてないわ。
「……すいません」
 ならば、これは単なる失敗。サモン・サーバントは失敗したのよ。つまり、もう一度サモン・サーバントを行えるって事よね! よし、

681 :○な使い魔:2007/09/24(月) 05:03:49 ID:HKytcR7L

 それからが大変だった。ロボまるに敵意が無いと分かるやいなや、ミスタ・ツルッパゲ
がロボまるを解体しようとするわ、青い髪の娘――タバサがロボまるを気に入りさりげな
く奪おうとするわ、ロボまるの人気(主に女子からの)に嫉妬したギーシュが「僕のゴー
レムの方が強い」とか言いながらいきなり決闘を申し込むわ、返り討ちにあうわ、ロボまるの最も効率の良い食
事が「竜の血」と呼ばれる物だという事が判明し、またハゲが暴走するわ、フーケのゴー
レムを倒すわ、ワルド倒すわ、レコンキスタを一緒に倒すわ、進化するわ……。
 とにかく、いろいろな事があった。今では私も魔法を使えるようになった。私の使い魔
のロボまるも今やカスタまるとなり、伝説のガンダルーヴとして使い魔達の憧れの的になっているそうだ。
 最近はロボまるの任務が多くて離ればなれになる事が多いけど、いつも心は一つ。

「ロボまる! 私の詠晶の時間を稼いで!」
「うん、分かったよルイズ!」

 ファイアナックル!!

<完>

682 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 05:10:27 ID:HKytcR7L
>>680が途切れてしまったので再度二回に分けて。

あれは何なんだろう?
 爆発の煙が晴れてようやく見えてきたのは、赤くてウサギの耳みたいなのがついたちっちゃいゴーレムみたいなもの。
 というより、動くのこれ? 私、錬金使えないのよ!?
「おい、ルイズが変なゴーレム召喚したぞ」
「どうせ動かせないんだから意味ないじゃん」
 黙れ外野!

 ……落ち着くのよルイズ。今は外野に構っている時間はないわ。とりあえず、現状を確認すると
1・召喚には成功した。
2・でも動かない。
3・生物じゃない=使い魔として機能しない。

 ……うん。現状確認終了。次にやることは決まっているわね。
「ミスタ・コル――」
「契約しなさい」
 即答!? ……いえ、諦めては駄目よルイズ。一生がかかっているんだから。
 つまりはもう一度、サモン・サーバントを行えるように説得すればいいのよね。この使い魔(仮)はゴーレム。つまり、生きていない。
「……あのー」
 新しい使い魔を召喚するためには前の使い魔が死ななきゃいけないけど、これはそもそも生きてないわ。
「……すいません」


683 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 05:11:44 ID:HKytcR7L
 ならば、これは単なる失敗。サモン・サーバントは失敗したのよ。つまり、もう一度サモン・サーバントを行えるって事よね! よし、これで行くわよ!
「お、お願いします。気付いて下さい〜」
「さっきからうるさいわよ! 一体なんなの……よ?」
 あれ? 気がつくと回りのみんなが下がって杖を構えている。青い髪の娘なんかは後ろに氷の槍まで待機させてるし。
「いったい、どうしたのかしら?」
「そ、それが僕にも分からなくて……」
「「うーん……」」
 とここで気付いた。今、私は誰と話しているのだろう? 声はすぐ隣からしているのだが、確か全員、私から離れている筈だ。
「…………」
 なるべく驚かないように恐る恐る、隣を見てみると、そこには先ほどの赤いゴーレム。右手を顎(?)に当てて、何でだろう? という感じで首(?)を傾げている。
 うん、ぶっちゃけ動いてた。

 そして、そんな私の視線に気付いたのか、赤いゴーレムは、慌てて頭をこちらに下げてきた。
「あ、おはようございます。僕はロボまるっていいます!」


684 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 05:15:55 ID:cnfPZNDY
な、なつかしい!支援

685 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 08:05:46 ID:L1P4wSJN
キュルケとシエスタは奇乳なんだなw

686 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 08:23:28 ID:mnJRTP+v
まだ勇者は出ていないからエクスカイザーや火鳥兄ちゃんを…

687 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 08:36:17 ID:wp55PHzU
氷竜と炎竜が出てなかったか?

688 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 09:33:27 ID:L1P4wSJN
ルイズがフォームアップするのか?

689 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 09:49:52 ID:9Ywb/1hj
エクスカイザーならあそこにあったぜ

690 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 10:08:30 ID:ElujMB0e
男の信義を知る男、ギャブレット=ギャブレーを召喚。
整備不良でギーシュ戦あたりで光剣壊れれば、デルフもいらない子にならなくてすみそう。


アン様からルイズを身の安全を頼まれたら
「このギャブレット=ギャブレー、必ずや王女の御期待に応えてみせましょう!」
といって感激。

ワルドが本性あらわしたら、
「貴様達は、ルイズをいじめ過ぎた!」
と言ってワルドフルボッコ。

眠らせたルイズをキュルケあたりに託し、
「義に死してこそ華だとは思わんか!?」
と言って7万の軍に突貫。


……いやん、カッコイイシーンより、マチルダさんに馬鹿にされてる姿が一番よく似合うw

691 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 10:37:57 ID:6gpoOM8o
FFネタは忌諱されるかもしらんが
ザックス召喚というのはどうだろうか。

さっきクリアしたんだが涙がとまらねえよ……

692 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 10:39:57 ID:egwlnh4a
>>690
よし、そのギャブレー君のSSを書く作業に移るんだ。
言いだしっぺは君なのだからね

693 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 10:57:21 ID:YxhxeWIM
ロボまるって言うからバッテンロボ丸かと思ったじゃないか

694 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 11:30:55 ID:kkmWC8Kh
>>691
作品への熱い思いを筆に込め書きたまえ。


695 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 11:40:45 ID:MRmYJqT5
なにもなければ小ネタ投下おK?

696 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 11:41:31 ID:cAUHJR5/
>>691
奇遇だな、俺もだ
友の為に泣いた次はクリスタルクロニクルで家族の為に涙を流さないか?

スクエニめ、まだまだやるじゃねえか……

697 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 11:44:54 ID:U+PWcwmA
>>695
進路クリア!投下どうぞ!

698 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 11:50:15 ID:MRmYJqT5
それでは投下開始します


「宇宙の果てのどこかにいる、私の下僕よ!強く、美しく、そして生命力に溢れた使い魔よ!
 私は心より求め、訴えるわ。我が導きに応えなさい!」

ちゅどーん!

その言葉の後に、トリステイン魔法学院の春の日の使い魔召喚の儀で今日一番の爆発音が鳴り響いた。

「あらあら、いったい此処はどこだろうねぇ?オザワくん」
「そんなのボクが知るわけないにゃーってかいいからとっとと原稿かけよ外道マンガ家」

爆発の煙が風に流された後に現れたのは、茶色いなまもの?と、白い猫のような丸いなまもの?だった。

「おやおや、あんなにコスプレの人達がおるよ」
「おっかしいなー、今日の取材はこれじゃなかったはずだよ先生」

そんなことを喋っているなまもの二匹を無視して、ピンクのロリッ娘ルイズはコッパゲ教師コルベールに
儀式のやり直しを頼んでいた。

「ミスタ・コルベール! やり直しを! お願いします!もう一度、もう一度召喚させて下さい!」
「それは駄目です、ミス・ヴァリエール。一度召喚されたものを一生の使い魔とする、その神聖なる伝統を曲げるわけには行きません。
 それになにが気に入らないのですか?まあ同時に二匹も召喚されたことは前代未聞ですが、どう見ても人間ではないですし、人の言葉を喋る。
 レア物ですよ?」
「それでもです!」
「例外は認められないません。さぁ、『コントラクト・サーヴァント』をしてしまいなさい」
「う・・・うぅ」

とぼとぼと茶色いなまものの前まで歩くルイズ。
そして、ヤケクソぎみに契約の呪文を唱えた。

699 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 11:51:31 ID:eHJZcGqh
支援w

700 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 11:52:05 ID:6kH0bKnm
柴田w支援

701 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 11:53:42 ID:MRmYJqT5
「どうかしたのかい?お嬢「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
 五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我が使い魔となせ!」
「あたしゃそういう趣味hぎぃやあああああー手がー手がーマンガ家の命がー、熱い熱い熱い、痛い痛い痛い、熱い熱い、痛い痛い、
 あつ、いた」

ごろごろと転がり痛がりまくる自分の使い魔を見ていたルイズがついつい

「ちょッ、ちょっと大丈夫?」

と、声をかけるとピタッと使い魔の動きが止まり

「手が痛くて原稿が描けません。一回落としていい?」
「生爪はがれても右手一本で原稿描けや、へっぽこマンガ家」

というやり取りを見てとりあえず大丈夫そうだと、ルイズは納得した。

「ほう、これは珍しいルーンですね」

と、 コルベールは使い魔に刻まれたルーンを写し取る。

「あれだけ痛がったのに無視とは、世知辛い世の中ですなープヒー」
「なかなかの外道っぷりだよねー」

使い魔二匹の言葉をガン無視して生徒達に解散を命じるコルベール。
生徒達はそれぞれに呪文を詠唱すると、次々と空へ舞い上がっていく。

「おお!人が空を飛んでいる!激写激写!」

どこからか箱(写ル○です)で何かをやっている使い魔に、ルイズは何かをいろいろ諦めた顔をして声をかける。

「ところで貴方たち名前とかあるの?」
「ただのしがないマンガ家です」
「チップス小沢だにゃー」
「私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ。これからはご主人様と呼ぶように」
「舌を噛みそうな名前だねぇ。ところでここはどこなんだい?」
「うるさいわね、ここはトリステイン魔法学院よ」
「え?ハリー?それとも美味しそうなタイトルの子供先生?」
「先生それはどっちも禁句だよ」
「そんなことよりご主人様、遊んでてもいつの間にか原稿が出来上がる魔法を教えてください」
「こいつと縁が切れる魔法を教えてください」

土下座で頼む使い魔二匹。

「あーもー!いいからついてきなさい!」


702 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 11:54:03 ID:ElujMB0e
あーみんぐ支援w

703 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 11:54:55 ID:MRmYJqT5
なんやかんやで部屋に連れ帰ったルイズだが

「なんでいきなり人の部屋を漁るのよ!」
「人様の部屋に上がったらまず部屋を漁る(冷蔵庫の中身を見る)は常識じゃよ?」
「いまどきの勇者様の基本だにゃー」
「どんな常識よー!ってかそんな勇者いてたまるかー!」
「おやおや、最近の若者はすぐキレるねー」
「全国の勇者様に喧嘩売っちゃったにゃー」

どっと疲れてしまったルイズだが、最後の気力を振り絞って使い魔の説明を始めた。

「じゃあこれから使い魔のなんたるかを説明するからよく聞きなさいよ。まず使い魔ってのはね、主人の耳となり、目となることができるのよ
 つまり感覚を共有することができるわけねってぜんぜんできそうにないわね」
「 お褒めに預かり恐縮です」
「褒めてないわよ!次!使い魔は主人の望む物を取ってくるの。例えば秘薬の材料とか」
「肉じゃがは得意です」
「ぜんぜん関係ないじゃない!次!これが使い魔の一番大事な役目なんだけど、主人を敵から守ることなんだけど、どー見てもできそうにないってか
 できないわよね!もうぜんぜん役に立たないじゃない!キー!」
「生まれてきてすみません」
「勝手に呼んどいてひどい言い草だにゃー」
「これがゆとり教育なんじゃよ」
「なんかすんごく馬鹿にしてる?」
「「いえいえそんな」」

残っていた気力も使い果たし、バフっとそのままべットに倒れこむルイズ。

「なんかもういいわ、とにかく明日の朝ちゃんと起こしなさいよ・・・・・」
「「はーい」」

そのまま眠ってしまったルイズ。だから気が付かなかった、使い魔の目がキラーンと光ったことに。

「眠ったようだねオザワくん」
「そうだね先生」
「じゃあそろそろ帰るとしますかねぇっとその前に」

がさがさごそごそかきかき

「さて、お土産もいただkげふんげふん貰ったことだしかえろうかねぇ」
「けっこういい取材になったね先生」

そう言って、唐草模様の風呂敷を背負った二匹の使い魔はトリステイン魔法学院を出て行った。
次の日の朝。

704 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 11:55:39 ID:eHJZcGqh
どこかに勝手に穴を開けて帰りそうな気がする、お土産たっぷり背負って、支援

705 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 11:56:08 ID:cAUHJR5/
土下座で頼む2人の台詞がすっげえ本物っぽい支援www

706 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 11:56:30 ID:MRmYJqT5
「あんの使い魔どこいったー!」

ベット以外何もない自分の部屋でルイズは一人紙を握り締め叫んでいた。
紙には

実家に帰らせていただきます。

と書かれていたが、誰にも読めなかった。

「さてさて、これからどうやって帰ろうかねー」
「そのうちひげが迎えに来るんじゃねーの?」
「せっかく締め切りともおさらばしたのにっていきなり見慣れた鏡が目の前に出てきたわよ?」
「先生これに入ったら帰れるかもしれないよ」
「それじゃーオザワくん逝ってみようかね」


ルイズのドッキンばくばくあにまる END


次回新連載予告

「おや?ツンデレロリッ娘の次は幸薄そーな巨乳ッ娘かい?」
「アキバ系にはたまらない展開だね」
「あの、どちらさまですか?」

「これを売って美味いものでも食べなさい」
「全部盗品だけどね」
「返してきてください!」

「ティファニアや、お前は良くやった。さあ、森へ帰ろう」
「どこの森ですか!」

「姉さん・・・・・事件です」
「あんたたち!あたしの妹になにしてるんだい!」
「おやおや、おひさしぶりですサイレント・ヒルさん」
「ロングビルだよ!」
「ンとルしかあってねーじゃねーかよ」



ティファニアのドッキンばくばくあにまる(嘘)

以上投下終了

707 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 11:56:58 ID:eHJZcGqh
って、やってるしww

708 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 12:01:14 ID:+z5N9OTG
上手い。
うまくあのgdgdな雰囲気を再現できてる。
最後のサイレントヒルさんは秀逸だな。素晴らしい。エクセレント。

709 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 12:09:05 ID:YCoWSoHy
エクセレン。・・・ブロウニング・・・ヴァイスが無いとダメだな(大脱線)

710 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 12:12:04 ID:91rDViD4
>>706
ジョゼフ王がマネージャー、ロマリアがフ○ミ通の髭召喚してそうだw
あとルイズ進級不可だなw

711 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 12:25:43 ID:MRmYJqT5
元ネタが分かる人はマンガ家の手にあるルーンはあの会社のマークだったと思ってください
マンガかにとって呪いのマークです


712 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 12:31:12 ID:/4Jamao6
>>709
そこはその辺からアインストが出てきて(ry

713 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 12:31:55 ID:mzmJQxwH
OK、このダメ臭はGJだw
パプワかフリーマンヒーローまでしか読んでないがあの人今何書いてるんだ?

>>709
むしろアルフィミィ召喚……あの娘は足無くてペルゼインから出れないんだっけか。

714 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 12:36:26 ID:w/TWYg9L
うまいなぁ。雰囲気よく出てるよ。GJ

715 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 12:36:33 ID:UX23jc8G
>>713
PAPUWA書いてるよ。

716 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 12:40:41 ID:reRaYkYd
なんつうマイペースGJ

ファミ痛とPAPUWAを書いてるますよ

717 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 12:43:52 ID:mzmJQxwH
>>715-716
パプワの続編なのか?どっちにしろ元気なようで何より。
……あの人というとドラクエ4コマのイメージも有るよね、もりそばとうおのめ。

>>716
そして落ち着けw

718 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 12:45:38 ID:6kH0bKnm
これはよいgdgdww投下乙

>>717
その通り。ガンガンでまだ連載中さー>PAPUWA

719 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 12:54:45 ID:AElbRJhR
>>713
シュテルンをうっかり召喚・・・・・
ハルケギニアが滅ぶな。

720 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 13:01:48 ID:AD1CWucE
元ネタ知らんが中々楽しめた
GJ

721 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 13:03:41 ID:Ofw8F75f
>>715に期待

722 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 13:05:39 ID:YCoWSoHy
>>721
恐らく君は今誤解をしている。

723 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 13:08:21 ID:Ofw8F75f
前後よく読まずに>>715がパプワ召喚書いてると早とちり
消えて無くなれ俺

724 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 13:09:31 ID:Zzacj0yG
>>721 は なにか をよみまちがえた!

>>722 の つっこみ

ズガシ!

>>721 は まひ した

725 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 13:09:43 ID:YCoWSoHy
同じ誤解をした俺も消えて無くなれ

726 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 13:14:28 ID:egwlnh4a
いや、ここは>>715を追い込むべきだろ
SSを執筆していただくようお願いするんだ!皆でッ!!

727 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 13:17:49 ID:xWCto1ab
執筆とは他人に請われて始めるものでは無い。
己の内にある情熱が筆を取らせるのだ!

という訳でwktkしながら待てば良いと思うよ。

728 :Black Coat Mahora ◆jqB.C.MTuw :2007/09/24(月) 13:33:33 ID:Zcl9jrEj
 そういえば何かと2chでネタにされがちな刃牙やジョジョのキャラのがないな。

729 :sage:2007/09/24(月) 13:35:15 ID:yikltGAz
バッテンがハッテンに見えた俺は破廉恥かもしれんw

730 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 13:36:57 ID:Q2CWMwaQ
>>728
ヒント:奇妙な使い魔

731 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 13:37:54 ID:aOQMtYp3
>>729
そうだな。落ち着け。
名前欄にsageといれても意味はないんだぜー。

732 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 13:43:37 ID:e7ngZxnX
>>729
発展途上の胸と申したか

733 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 13:46:23 ID:1yog0am7
胸で思い出したがNTにすばらしい作品が来てたぜ

734 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 13:50:20 ID:e7ngZxnX
革命的な胸の話なら歓迎するが

735 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 13:52:05 ID:mWrfNDi2
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄アァァァ!」
ボゴオォッ!


「使い魔が持っている『不可視の能力』!!!
 一体何をやったのか私には見えなかったしわからなかったがとにかく!
 ギーシュのゴーレムはまったく無力だったッ!
 あっさりとッ!倒してしまった!!」

(中略)

「オ、オレは何回破壊されるんだ!?
 次はど……
 どいつに……
 ど…どんな能力で『襲って』くるんだ!?
 オレは!
 オレはッ!
 オレのご主人様の香水瓶を拾うなああ――――――ッ」


まとめサイトの決闘ギーシュの件を読んでいるとルイズは真っ先にコロネ頭を召喚、
本編やSSはその影響による平行世界(?)の出来事のように感じてしまったので
己の内にある情熱とちょっぴりのノリと勢いが筆を取らせてしまった。
時には情熱が仇となる可能性を考慮したが反省はしていない

736 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 13:54:01 ID:w/TWYg9L
>>735
ジョジョキャラ召喚は専用スレがあるからそっちに行った方がいいよ

737 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 14:16:47 ID:ziki1dMh
>>733
あれか、素晴らしい作品だったな。

738 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 14:31:26 ID:X+6Ni65h
>>733
見てきた。ほんとに革命的な話だった。

739 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 14:43:39 ID:MB4JQ/5V
ピクル召喚ネタやろうとしたが契約のキスの時に『滑稽なほど・・・・・・野生!』になって
18禁ネタになってしまうような気がしてきた。

740 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 14:43:57 ID:AD1CWucE
>>733
読んだ
あれは良い物だ

741 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 14:45:31 ID:w+GVWztR
>>733
フルメタの短編思い出した。あのノリはたまらんw

742 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 14:48:51 ID:3BrBDnDT
>>733
読んできた。感動した。
あれこそまさに男の物語。

743 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 14:51:28 ID:Wv5D2/So
俺も>>733読みたいんだけどどこにあるの?

744 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 14:52:31 ID:reRaYkYd
夜華で調べるとそのうちみつかる

745 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 15:03:14 ID:cvRMnLHK
迷惑にならないうちにその話題止めよう

746 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 15:10:34 ID:fL5a1Kez
NTと聞いて一瞬であそこを思い浮かべるお前らに感動した

747 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 15:10:52 ID:tz0BMYs2
FFTの労働八号召喚考えたら怖い事になった。

748 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 15:24:16 ID:E0mpLogt
>>747
書いてみようぜ。その時になったら支援する。

749 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 15:24:33 ID:aavxUjYZ
>>747
ルイズ「ギーシュをやっつけろ(はぁと」

750 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 15:42:05 ID:6AgjdiOA
イヴァリースでのスペックだと、常時信仰値0で魔法が完全無効化だしなぁ>労八
遠距離兵装として誘導ビームもあるし

まあ、対魔法に関してはイヴァリースとハルケギニアでの宗教の違い(信仰値関連)と
魔法大系の違いっていうギミック加えればなんとかなるか

751 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 15:47:58 ID:uMHUZY33
労八じゃないけど
モルボル菌も忘れちゃ駄目さ!!

752 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 15:50:03 ID:fL5a1Kez
オルランドゥ伯を忘れてもらっては困る

アルビオンの軍勢を蹴散らすオルランドゥ……うわぁorz

753 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 15:56:43 ID:gVnyPfZs
聖剣の加護による威力と俊敏な動き、無双の剣技がガンダールヴで増幅される
わけだな。普通にシャレにならん。

754 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 15:57:25 ID:FhODpq8r
モルボル菌+卵増殖である意味、
マブラヴや地球防衛軍並みにやばい状況にw

755 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 15:59:14 ID:z+3SW3gE
風来のルイズ







ごめんなさい聞かなかったことにしてください

756 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 16:01:16 ID:N3jqLgnk
>>755
ルイズは恒星観測員だったのか

757 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 16:30:10 ID:6AgjdiOA
モルボル菌→名無しユニット一体をモルボルへ変化させる、解除不可…

よし、ガンダールヴの能力増幅で名有りキャラでも効果有りにしよu(ZAP!ZAP!

758 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 16:30:58 ID:X+6Ni65h
FFT知らんがそんなのがあるのか
スナップドラゴンで剣化ぐらいしかわからんわ

759 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 16:40:32 ID:cnfPZNDY
758、それはタクティクスオウガだ。

760 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 16:41:58 ID:tz0BMYs2
ムスタディオvsギーシュ

腕を狙い 足を狙う

そしてフルボッコ

761 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 16:42:27 ID:HKytcR7L
龍宮さん(黒衣の探偵の方)を召喚したやつを考えたが、ロケットランチャーとゼロ戦に代わる物が思いつけなかった……

762 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 16:43:34 ID:3BrBDnDT
七万を算術ホーリーで一掃するFFTキャラが思い浮かんだ。
もちろんエクスカリバーやカメレオンローブをつけてるから自分だけ回復w
オルランドゥ+エクスカリバー+算術だと俺TUEEEEEEなんて次元じゃないな。

763 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 16:57:26 ID:0gGksIDT
>>713

それはどこかのアンソロでだった筈
確かOG2初回特典の資料集以降は全身画が載ってて、脚もちゃんと有る

ペルゼインから出られないのは合ってる

764 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 16:59:00 ID:AElbRJhR
G4水城を召喚とか思いついたけど
デフォでロケランよりタチ悪いの装備してたな奴は・・・

765 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 17:05:50 ID:/4Jamao6
FFTキャラはbrave高めれば銃弾白刃取りするぞ

766 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 17:09:52 ID:X+6Ni65h
>>759
つまりデルフの正体は…!

767 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 17:10:20 ID:t+bRh1dc
>>765
白刃取りの成功確率=使用者のBraveだもんな。
ラムザなら90%以上の確率…。

768 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 17:31:46 ID:EgkscOtO
サイトがEDでアンに刺されたり
ルイズが異端者で指名手配され勘当で
ヴァリエール家も皆 オバケになっちゃうんだな

769 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 17:33:35 ID:/4Jamao6
>>768
ギーシュ「家畜に神はいない!」

770 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 17:34:56 ID:91rDViD4
改めて言われてみると、主要キャラ殆どの人間が酷い目にあってるなFFTはw

771 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 17:38:48 ID:t+bRh1dc
>>768
キュルケが
「ルイズ、君は独りじゃない! 君には仲間がいる! 命を賭して戦ってくれる仲間がいる! 私もその一人よッ!」
とか言っちゃうわけか。
あれ、キュルケかっこよくね?

772 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 17:40:17 ID:EgkscOtO
>>769
ゼロ魔世界は貴族横暴 平民虐待てなってるが結構のんきよな
FFTだと平民マジで食うにも困ってる感じだ

773 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 17:41:15 ID:d9ro1akD
虐待ゆーても普通にしてる限りは一部のアホ貴族以外は特に何かしたりしないからじゃね?

774 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 17:44:31 ID:X+6Ni65h
虐待起きても問題にならないだけで、
特に意味もなく積極的に虐待するのを使命にしてる訳でもないしな。

775 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 17:44:49 ID:1cTZWGmi
>>771
キュルケが男前なのは、この板ではデフォルトじゃないか

776 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 17:45:19 ID:t+bRh1dc
>>772
FFTで描かれているイヴァリースは戦時中だからなあ。
結構なレベルで略奪虐殺起きてると思う。

777 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 17:45:40 ID:FhODpq8r
原作で空気な分こっちでは男前で大活躍?だからねえ。

778 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 17:47:41 ID:1cTZWGmi
>>772
貴族が錬金ってインチキ能力を持ってるのと、
ガリア北部、東部以外、どこも肥沃な国土をもってるからだろうな

779 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 17:48:17 ID:ElujMB0e
SERVANT OF ZERO TACTICS 〜再征服戦争

 CHAPTER-1 私にその手を汚せというのか
 CHAPTER-2 LAW 誰も私を責めることはできない
 CHAPTER-3 LAW 欺き欺かれて
 CHAPTER-4 手をとりあって

 CHAPTER-1 私にその手を汚せというのか
 CHAPTER-2 CHAOS 思い通りにいかないのが世の中なんて割り切りたくないから
 CHAPTER-3 CHAOS 駆り立てるのは野心と欲望、横たわるのは犬と豚
 CHAPTER-4 手をとりあって

LAWルートだときれいなワルドが出てきますw

780 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 17:48:31 ID:91rDViD4
>>772
FFTの世界は長く続いた戦争が終わったばかりで貴族にもそんなに余裕が無いから、
平民が搾り取られまくってるからじゃないかな?
ゼロ魔世界の方もこれから50年も戦争が続いたら、平民がさらに搾取されて骸旅団みたいな
革命を志す連中が出てくるかもしれない

781 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 17:49:47 ID:3BrBDnDT
Nルートでゾンビになるのは誰ですか?

782 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 17:51:25 ID:FhODpq8r
まあ、ゼロ魔の世界は基本的には戦争は小競り合いぐらいだかね…。

783 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 17:51:33 ID:X+6Ni65h
優秀なメイジからリッチに

784 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 17:52:59 ID:EgkscOtO
すっごく長生きしてるメイジがいるなあ学院に


785 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 17:53:16 ID:1cTZWGmi
>>781
原作でもウェールズあたりは普通にゾンビにされるが。

786 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 17:53:27 ID:q4iibYFr
>>780
初期状態からして違うからな
比較に終始するには対象として不適格

787 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 17:58:21 ID:X+6Ni65h
>>784
学院長はラストで転移魔法使って自分は生死不明になる役で

788 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 17:59:57 ID:dGcyXmU+
>>767
Braveは全員初期値97に出来たぞ。
高すぎるとパーティ-から離脱するのはFaithのほうだ。

おかげでラムザは魔法使いになる運命。
まぁ、メインキャラで優秀な魔法使いはいないというのもあるが。

789 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 18:00:33 ID:1cTZWGmi
たまにはシエスタの救出が間に合わず行方不明になったり、
タルブ村の無実の村人を生贄の羊にしたり、アンに裏切られたり
平民の氾濫を鎮圧したり、ヴァリエール公爵領と王家で戦争したりするゼロ魔も読んで見たいな

790 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 18:03:28 ID:X+6Ni65h
俺はアン王女のエロ魔が見たい

791 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 18:10:32 ID:Q2CWMwaQ
>>790
さあその意思を今すぐエロパロ板で見せ付けてくるんだ

792 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 18:12:37 ID:nJBICdAQ
>>789
見たいけど結構技術いるよな
いきなりそんなイベントが起こると意味が分からないし
伏線やら文章の説得力が必要だわ

793 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 18:17:27 ID:t+bRh1dc
>>788
そうだったか。
ラムザのBraveが上げやすいもんだから勘違いしてたのかな。

794 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 18:30:24 ID:P5Vuh7VY
何スレか前に聖石召喚って話題もでたな

795 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 18:34:39 ID:U+PWcwmA
死の天使ザルエラ
審判の霊樹エクセデス
虚無の担い手ヴァリエール
断罪の暴君ゼロムス

796 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 18:37:26 ID:FhODpq8r
>>虚無の担い手ヴァリエール

一つちがーうw

797 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 18:40:16 ID:+NFhM9Mh
そういやこの世界まともに鉱物資源が開発されてないんだな
とくに金銀山とかが無傷なのは産業革命後にきいてくるか?

798 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 18:44:31 ID:z0w2WsXD
小ネタ投下してよさげですかしら?

799 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 18:44:59 ID:8gYM5WXY
通貨が金とかなのになんで無傷なの?

800 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 18:45:32 ID:oA2h0DNT
シ・エーン

801 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 18:45:51 ID:jyOkwJCS
>>797
実はハルケギニアでは天然の鉱物資源はほとんど産出せず
おとなしく錬金してる方がマシというオチだったりして。

802 :道化化粧の使い魔:2007/09/24(月) 18:46:37 ID:z0w2WsXD
 シティオブサウスゴーダの南西百五十リーグに位置する丘の上に、
 奇妙で派手な服装をし、顔にはサーカスのピエロ染みた白塗りの化粧をした男が立っていた。
 めんどくさい〜などと呟きながら一晩中駆けてその男は、たどり着いた丘。
 遠くに見える朝の光に、まぶしいねぇ〜などと暢気に言い放つ男。
 そして、朝もやの中からゆっくりと……緩い地響きを伴って現れた大軍。
 ソレを見て、ほらさっさと何処か行け! と、男は馬の尻を蹴り上げた。

「馬は使わねえのか?」

 背負ったデルフリンガーがそう呟く。

「つっかわなぁ〜い!! チョコボより〜融通が利かないンじゃなぁ〜イ!」

 ヒャヒャヒョヒョヒョ! と、高く高く笑う男にデルフリンガーはそうかい。と、ため息一つ。

「七万の軍勢なぁんてこのボクチンにとっちゃ〜ザコ雑魚ザコォー!」
「んーまぁ、ガンダールヴの力もあるしなぁ。相棒」
「ガンダールヴとかーガンダムとかーどうでもいいィ!」

 男は、背負っていたデルフリンガーを抜きぶんぶんと子どもがおもちゃの剣を振る様に振り回す。

803 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 18:47:08 ID:TMw6Wc3Y
 >>789
 そもそも誰が召喚されたらそんなことになるのか、見当も付かないな

804 :道化化粧の使い魔:2007/09/24(月) 18:48:11 ID:z0w2WsXD
>>802
「そーれにしてもー……なんでボクチンが、こんな事してるんだぁ〜ろ?」
「相棒が、ルイズのお嬢ちゃんを強引に眠らせて、此処に来たからだろう?」
「それもそうだヨね」

 うんうん。と、頷いて自己完結。

「ボクチン。憬れてたんだよね! 誰かを守る正義の味方ってヤツに!」

 悪役だったしぃー! と、笑いながらに言う男に、相棒テンション高すぎじゃね? と、思うデルフリンガー。
 あ、でも……出会った時からこんな感じか……と、諦めのため息を一つ。

「さて、デルフ。ボクチン死ぬと思う?」
「いや、相棒は殺してもしなねぇと思うわ」

 マジで。と、デルフリンガーはそう告げると、男は満足げな表情を浮かべ七万の大軍に向かって走りだした。
 男の高笑いが、戦場に響き渡る。

「メルトン! メルトン! アルテマ! アルテマ! そぉーれ! メテオー!!」

 男の唱えるのは、ハルケギニアには存在しない魔法。それも極めて凶悪な殺傷能力を持つ魔法。
 荒れ狂う総てを飲み込む力の嵐。爆裂する広大な大地。
 空が裂け遠くに輝くモノが見えたと思えば、その裂け目から無数の巨大な岩が、七万の大軍を襲う。

805 :道化化粧の使い魔:2007/09/24(月) 18:49:33 ID:z0w2WsXD
>>804
「相棒! 後ろだ!」
「シンジラレナーイ!」

 後ろから迫り狂う火の魔法をデルフリンガーで薙ぎ払い、魔法を撃って来たメイジに対しお返しとばかりにファイガをお見舞いする。

「プロテス! シェル! ヘイストォー! リフレーク!!」

 男は、デルフリンガーを片手に暴れまわる。

「魔力切れとかアリエナーイ!!」
「ちょっ! 相棒! そんな事大声で」
「だから、アスピール! そらそらそら! アスピルアスピルアスピルアスピルアスピルゥー!!」

 妖しい光が、敵のメイジから飛び出て男に吸収されていく。簡単に言えば魔力を強奪した訳だ。
 心配無用でしたか。そーですか。と、デルフは、戦場に似つかわしくないため息を一つ。

「ヒャーヒャヒャヒャヒャ!!! そういえば、なぁぜか魔石がひとーつあぁるーから使いましょ。そうしましょ!」

 男は、懐から中心に赤い何かが存在する半透明の翠色の石―――魔石―――を取り出し、それに魔力を込める。
 込められた魔力に反応して、魔石は激しく輝き……荒々しい光の渦が戦場を覆い尽くす。

806 :道化化粧の使い魔:2007/09/24(月) 18:50:52 ID:z0w2WsXD
>>805
「今まで、使ってなかったからしらなかったけーどー……」

 荒々しい光の渦の中に存在する三つの巨大な影。

「まっさかー……」

 三つの巨大な影は、その瞼を開き各々の強大で凶悪な魔力を解放した。
 それだけで、魔力を解放しただけで……大地は大いに揺れ天が裂けた。

「ジハードだなんてーシンジラレナーイ!!」
「ちょ! 相棒! 吹き飛ばされ」
「ボクチンが吹き飛ばされるなんてーアリエナーイ!!」

 そう叫びながら男は、デルフリンガーと共に何処かへと吹き飛ばされてしまった。
 騒然たる戦場に静けさが訪れた……男が、暴れた結果七万の大軍は……
 死者・重傷者・行方不明者含め二万五千以上という大被害であった。 
 のちの歴史書に、この戦いを『ジハード』と記される事となるのは完璧な余談である。

807 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 18:51:42 ID:reRaYkYd
ゴゴ支援

808 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 18:51:59 ID:FhODpq8r
タルブ村壊滅は足が無いキャラなら間に合わずにってパターンができる。
下手したら戦争敗北してトリステインも滅ぶけど。

あとはルイズが裏切ってレコンキスタ側につくパターンか?

809 :道化化粧の使い魔:2007/09/24(月) 18:52:10 ID:z0w2WsXD
>>806
 レドウタブール号の甲板にて、眠りから眼を覚ましたルイズが、キュルケ達を見回して一言。

「ケフカの馬鹿は……何処? と、言うか行き成り眠り薬強引に飲ませるってなによ」
「なんか、散歩してから帰る。って笑いながら言ってたけど?」
「まぁ、ダーリンは殺しても死なないからもしアルビオンと戦ってもヒョッコリ現れそうよね」
「高笑いして帰ってくる」
「「まぁ、流石のダーリン(彼)でもまさかアルビオンの大軍と戦ってる訳無いわよね(な)」」

 ははははは! と、笑うキュルケとギーシュ。

「……あ、なんか本当に笑いながら変なモノを土産に帰って来る気がしてきたわ」
「……彼のセンスは非常にユニーク」





 何処かの森の中。

「おーい。相棒。大丈夫かぁ?」
『シンジラレナーイ! 真っ暗ジャナーイ!』
「そりゃぁ……地面に頭から突き刺さってりゃぁ真っ暗だろよ」
『アリエナーイ! 抜け出せないぃー! 犬神○一族!』
「そのネタは、色々やばい気がするからやめたほうがいいぞー相棒ー」

810 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 18:53:03 ID:QD2G2tUh
あれもダーリン扱いなのかキュルケwwwwwwww支援

811 :道化化粧の使い魔:2007/09/24(月) 18:53:23 ID:z0w2WsXD
小ネタ終わりです。ありがとうございました。
元ネタ ファイナルファンタジー6より ケフカ

812 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 18:53:26 ID:1cTZWGmi
>>797
開発されてないのは精製技術。
金や銀は取られてるよ。錬金で作ると非効率な上、偽金扱いされるらしいから。

さらに言うなら、山ひとつ規模の一枚岩をつかって錬金で町を作れるくらいだから、
金山なんぞ発見次第、錬金つかって、すごい勢いで取りつくされてしまうと思われ

813 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 18:54:55 ID:nMjTxQK7
きれいなケフカw

814 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 18:55:02 ID:BQkbUH6V
ケフカwwww乙でした

815 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 19:00:10 ID:Y8pjb+dl
SSの投下中は雑談を自重する。

それが最低限のルールだ。

816 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 19:01:14 ID:LFpJ+0CH
乙!
ケフカをダーリンってキュルケwww

817 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 19:01:36 ID:TMw6Wc3Y
 ケフカ乙

 >>808
 ルイズの好感度が低いとワルドと本当に結婚してしまうとかかな

サイトが
「どうしてだっ、ルイズっっ!なぜトリティンを、俺を裏切ったんだっ!?」
ルイズが
「何もしない! 私を助けてくれない! 抱きしめてもくれないくせに!」

こうですか、わかりません

>>815 すいません、リロードし忘れました

818 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 19:02:38 ID:dGcyXmU+
>>812
あれか、スレイヤーズでオリハルコン掘るようなものか。
トンネル掘りの魔法を使うと、オリハルコンは干渉されないのでそのまま残るという。

819 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 19:06:21 ID:1cTZWGmi
>>803
オーベルシュタインとかなら起こり得そうだとおもう。

シエスタを効率の問題から見捨て
政治のためにタルブ村の無実の村人を生贄の羊にし
平民への不平にたいしては、国の土台が揺らぐと秘密警察を設置して徹底的に叩いて、
アンに嫌われ裏切られ 、
無能な王を排除するためヴァリエール公爵領をそそのかして戦争

とか

820 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 19:07:15 ID:U+PWcwmA
どういう経緯でこんな綺麗になったんだろケフカw

821 :Black Coat Mahora ◆jqB.C.MTuw :2007/09/24(月) 19:08:46 ID:Zcl9jrEj
>>769
 アルガスが召喚されて、平民呼ばわりされたらキレそうだな。

822 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 19:10:25 ID:AElbRJhR
いいケフカ乙

823 :Black Coat Mahora ◆jqB.C.MTuw :2007/09/24(月) 19:11:12 ID:Zcl9jrEj
>>817
 少女漫画的な会話の噛み合わなさだなw

824 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 19:12:30 ID:z0w2WsXD
そして、投下した後に気づくわけです。
この時、キュルケとタバサ居ないよね。と……ギーシュとマルコリヌとシエスタの三人だよ……
精進せねば。

825 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 19:14:12 ID:FhODpq8r
ケフカの人乙。
あとSSの間に雑談わりこんでスマン。

826 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 19:15:23 ID:z0w2WsXD
>>825
良くあること。気にしてないですよ。

ノシ

827 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 19:18:01 ID:oA2h0DNT
乙!
ケフカwwwww
最終形態ケフカじゃなくてよかったwwww

828 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 19:18:37 ID:MacgrAnx
GJだぜ。

>>818
ゼロ魔は他のファンタジーに比べて洞窟とか鉱山が少ないイメージがあるな。

まあ、ただ移動がほとんど空だからって描写がないだけだと思うけど。


829 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 19:19:45 ID:U+PWcwmA
>>828
ゲルマニアは何となく他よか発達してそうな気がする

830 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 19:22:31 ID:oA2h0DNT
これ以上の考察は避難所の考察スレでおながいします

831 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 19:38:42 ID:SnY4AOTK
>>819
ヴァリエール公が叛くとしたらアルビオン遠征中?と考えたら
ルイズが拘束されて処刑されそうな気がしてきた。

832 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 19:55:24 ID:1cTZWGmi
>>831
ガリアからタバサを助けてきた直後に、
アンを飛び越えて処刑命令が出ているか、
軍の特殊部隊がルイズ暗殺に成功or失敗した上で虚無発覚していれば
ヴァリエール公爵の反乱は起こりえる。

本編でも、公爵はルイズを守るためなら王家相手に一戦も辞さないといってるし

833 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 20:05:22 ID:YCoWSoHy
>>830声がちーせーと誰も聞かんでなー

−雑談はともかく考察的な話は避難所考察スレでッ!−

834 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 20:13:16 ID:HKytcR7L
どうでもいいが、○の使い魔がwikiに載らなくて軽くブロウクンハートなんだぜ?

835 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 20:19:43 ID:ZJBS0onD
>>834
そう思うなら自分で載せるんだ

わしも小ネタだがお気に入りが2スレたっても
スルーされたので自分で載せた

836 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 20:21:31 ID:HKytcR7L
>>835
俺携帯房乙orz
誰かがやってくれると淡い期待を抱いてました

837 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 20:21:32 ID:TlpsUzQu
自己主張してないで自分でまとめてきたら? よほど面白いものでもないかぎりすぐには登録してくれないよ。

838 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 20:23:34 ID:U+PWcwmA
>>837
横から失敬。携帯でもできますか?

839 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 20:29:10 ID:TMw6Wc3Y
 >>834
一応まとめておいたんだけど、今板が異常に重くて確認できないな

840 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 20:30:22 ID:ppaFSE9A
青銅って青緑っぽいとずっと思ってたけれどピカピカの銀色だったとはじめて知ったよ

841 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 20:32:21 ID:HKytcR7L
>>839
貴方に感謝を。

>>840
古代エジプトwwww


842 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 20:34:24 ID:TMw6Wc3Y
 >>840
いや、ほら、超魔界村の青銅の鎧の記憶が…

843 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 20:37:33 ID:a+pgzxXY
>>840
銅と錫だから青くはねぇよな、錆びると青くなるから青銅なのかねぇ

844 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 20:37:41 ID:ju4fZbQw
>>840
それ、錆びてるだけだw

845 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 20:37:50 ID:YCoWSoHy
青緑は錆びた色だっけか

846 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 20:40:55 ID:/rzqlSon
錆びてない時は新品の10円玉色だな
(と、いうか10円玉が分類上は青銅)

847 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 20:42:58 ID:9CNuCVGW
青銅色ってよォォ〜〜 青緑色の事を指すんだが・・・
実際の青銅は 大体黄金色してんだよォォォーーーー
ナメやがってこの言葉ァ超イラつくぜェ〜〜!!
クソッ!クソッ!コケに してんのかッ!!ボケがッ!!

848 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 20:46:10 ID:YS2K4w3Z
しょせんは青銅。我ら白銀には及ぶべくもないわ

849 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 20:47:36 ID:/VINf2ul
>>839
本当に登録しただけなのにワロタw

>>841
「ロボットポンコッツ」のロボまるを召喚で良かったか?
元ネタ知らないからぐぐってしまった。元ネタ明記してくれれば登録も楽になるんだがな。

850 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 20:51:19 ID:UPn1S6vL
>>848
銀の種族乙

851 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 20:51:38 ID:WhcoN3WL
銀魂の人最後に出たのいつ?

852 :839:2007/09/24(月) 20:52:26 ID:TMw6Wc3Y
 >>849 修正乙

言い訳するようでアレですがとりあえず乗せてから、異常に重くて構成を訂正できなくて…

元ネタはマジで分からなかったが、とりあえず正体が最後までわからない方がいいということで
元ネタ秘密に乗せておきました。

一応携帯の弊害、文の長さがおかしいところは訂正しておきました。

853 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 20:54:29 ID:TMw6Wc3Y
 >>848
神よ私は美しい……
そう、この地上のいかなるものにもまして……


854 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 20:55:18 ID:/4Jamao6
>>848
それなんて聖闘士?

855 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 20:57:21 ID:dB7PPpmd
>>848
「ルイズよ。破壊の根本とは原子を砕くことなのだ!」
とか言っちゃったりするのか。

・・・ふむ。聖衣が召喚されて自分で着るってのも有りかな。

856 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 20:57:45 ID:nLDgQ8L7
青銅は銀色とか緑色とか青色とか桃色とか赤色とか色々あるよ

857 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:01:10 ID:HmZ7A8Qr
>>855
小宇宙がないと駄目だお。

858 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:03:57 ID:YS2K4w3Z
ルイズのエクスプロージョンはビッグバンに匹敵します

859 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:04:02 ID:Tx/z0Bcl
まあこの世界の魔法は原子コントロールだし
虚無に到っては素粒子下手したら量子レベルコントロール

860 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:04:30 ID:UE1X/DSV
>>856
銅と錫の混合比によって色々変わるんだっけ?

861 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:07:03 ID:TMw6Wc3Y
>>855
 炎の使い手も、風も大地も原子を砕くことこそその極意。

しかし、水は、いや氷の使い手の極意はこの原子を凍らせ止める所にある。

この氷の闘技を身につけるためには、coolにならなければならん、いかなる悪に対してもな……

シベリアの永久凍土のように不動の精神を身につけなければ技を極め、敵を打つことなどできんぞ、

タバサ

って感じですか…
ごめんなさい、少ししつこいですな

862 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:09:52 ID:QhQUC0HQ
ルイズはギャラクシアンエクスプロージョンが使えると申したか

863 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:10:59 ID:1cTZWGmi
>>862
それが初歩の初歩の初歩だとは虚無おそるべし、だな

864 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:11:21 ID:z+3SW3gE
>>861
なんで毎回空白空けてるんだ?

865 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:12:35 ID:uMHUZY33
>>768
エレ姉さまが「往き遅れ」と皆に馬鹿にされた事で憤怒の霊帝化して
ちぃ姉さまは、そのエレ姉さまに「あんたは婚期なんて関係なくて良いわねっ!!」
と八つ当たりで消された後に、吸血ゾンビ化するわけだな。


866 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:13:21 ID:U+PWcwmA
ふっ…ならばこの私が相手となろう…。
ヴァリエール公爵家が三女、『虚無』(ゼロ)のルイズ・フランソワーズがな!

受けるがいい!このルイズ最大最強の奥義を!!「エクスプロージョン!!」

みたいなの想像した

867 :861:2007/09/24(月) 21:13:45 ID:TMw6Wc3Y
 御免なさい、忘れてました

868 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:14:07 ID:YS2K4w3Z
>862
その展開だとルイズがアンリエッタを殺してこっそり入れ替わるわけだ

869 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:18:10 ID:/4Jamao6
>>857
待て待て、小宇宙は誰にだってあるんだぜ?
>>868
なんかルイズにそっくりな双子が
「姉上はツンとデレの相反するものを持ち、苦しんでいた。
だがわたしにはデレはない」とか言ってるのを幻視したんですが

870 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:19:14 ID:1cTZWGmi
>>868
あとルイズには双子の妹がいて、
ルイズの手で牢屋に幽閉されて行方不明になってるんだな。

871 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:20:17 ID:TMw6Wc3Y
 オペラ座の怪人が始まりそうな気が……裕福な家だし

872 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:20:26 ID:HmZ7A8Qr
>>869
でも使えないじゃん。

873 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:21:12 ID:mHfjE/HM
>>868
そして、公式記録からは抹消されたルイズの双子の妹が、座敷牢の鉄格子つかんで
「だぜ!」
と叫ぶわけだ

874 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:23:07 ID:1cTZWGmi
>>872
貴族は、素手で岩が砕けるようになるまで10年ぐらいの特訓を経てから
魔法学校に入るんだよ。
あと、王都には女王を守るため12宮があるに違いない

875 :夜天の使い魔 ◆Rein4tm63s :2007/09/24(月) 21:23:11 ID:xWCto1ab
いつもいつも話が楽しそうなところ済まないんだが……投下予約、いいかい?
差し支えなければ30分から始めようと思う。

876 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:23:42 ID:e6d3qwZN
>>872
逆に考えるんだ、聖衣がないから小宇宙が完全に目覚めてなかった
そう考えるんだ(AAry

877 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:23:52 ID:6kH0bKnm
>>875
やらいでか!支援する

878 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:25:05 ID:vYnf0EHd
総員、マスカキ止め!支援開始!

879 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:25:43 ID:+z5N9OTG
エクスプロージョンは虚無の初級魔法だから、最大最強奥義とは言えんだろ。
虚無の説明からして、最終的には荷電粒子砲レベルまでいけそうな気がする。

880 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:26:01 ID:/4Jamao6
>>870
>>873
みんな考えることは同じかよw

881 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:27:11 ID:HmZ7A8Qr
>>879
デスザウラーになるのか?

882 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:27:32 ID:LFpJ+0CH
しえんするじぇ

883 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:28:16 ID:w+GVWztR
最近の夜天さんの更新スピードは異常。つぅかこのスレの更新スピードは異常。

884 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:28:25 ID:TMw6Wc3Y
 >>875
あなたの前では我々など、ゴールドセイントの前のスチールセイントに過ぎない
支援します

885 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:28:53 ID:MacgrAnx
支援

886 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:29:43 ID:R1SV/de4
俺なんか鋼鉄聖闘士だぜ支援

887 :夜天の使い魔 1/7 ◆Rein4tm63s :2007/09/24(月) 21:30:15 ID:xWCto1ab
 混乱続くホールの外、バルコニーより竜の羽ばたく音が聞こえる。
「タバサ!?」
 そこに認められたのはシルフィードとタバサの姿。タバサはドレス姿のまま大きな杖を持ち、風竜を丁度バルコニーの高さに滞空させていた。
「脱出する。乗って」
「でも、まだルイズが……」
「早く」
 キュルケを促すタバサの口調は普段よりもほんの僅か、親友のキュルケにだけ判る位僅かに早く、それは彼女が急いている証拠だった。
 キュルケはもう一度辺りを見回す。大分人の減ったホールだが、まだまだ混乱は続いていた。給仕達の避難は遅々として進まず、状況が落ち着くには時間がかかりそうな様子だった。
その中に、あの白いドレスの少女の姿は見られない。先程までは確かに居たはずなのに。一体何処へ!?
 タバサが決意を促すように、すっと手を伸ばす。キュルケは、逡巡しながらも――その手を取ると、竜の背へと乗った。
きっと、大丈夫。あの子は頭が良いから、きっとこの状況でもなんとか最善手を打つはず。それを信じよう。そんな事、言い訳なのだと自分でも判っていたが、キュルケは縋るようにそう祈っていた。
 
 シルフィードの背に乗ってまずキュルケが目にしたのは、巨大な岩ゴーレムの姿だった。城壁から飛び出る頭が、その巨大さを良く示している。
それら巨人が三体、門の前に並ぶように立っていて、断続的に拳を振り上げ、城壁を激しく殴打していた。
空には城を囲むように竜騎兵が円陣を組み浮遊しているが、おかしな事にあまり積極的に攻めてくる様子は見られない。時折散発的に魔法を打ち込んでいるようではある。
しかし、相手を打ち倒そうという意思がそこには見られないのだ。これは明らかに牽制目的。しかし何故?とキュルケの頭に疑問が点る。攻城戦で何故そんな事をする?
「それで、これからどうするのよ!」
 ゴーレムの拳が劈くような破壊音を奏でるなか、キュルケがそれに負けないように声を張り上げる。
「まさかこのままシルフィードで下まで降りるって言うんじゃないでしょうね!?」
「フネに向かう」
 秘密港に曳航してある「マリー・ガラント」号に向かい、それで脱出するという事らしい。
 風竜であるシルフィードならば、その身一つで浮遊大陸から大地へと降りる事は不可能ではない。
しかも彼女は韻竜、精霊を味方につける事が出来るのだから、困難ではあるが選択肢として選んでもおかしくないという風に言う事が出来るだろう。
しかしそれをしないのは、一つはシルフィードの体に多大な負担をかけるであろう事が予測される事。この白の国が存在する浮遊大陸は遥か空高くにある。
1リーグを超える高さにあるこの場から複数の人間を背に乗せて降りるのは彼女の体に多大な負担を与えるであろう。できるならそんな事は避けたい、というのが主の意向であった。
 そしてもう一つの理由。それはタバサが義理堅い性格だと言う事だ。彼女は一度交わされた約束を決して違える事は無い。少なくとも、キュルケには違えられたという記憶は無い。
それに貸し借りにも異様に拘る。自分が施しを受けたならかならずその恩を返そうとする。
だから今回も、一度引き受けた――マリー・ガラント号を守って欲しいという約束――仕事を、律儀に果たそうとしているのだろう。
 シルフィードを連れてフネに乗るなら、一度城の下へ回り込み岬に隠された入り口から入るしかない。その為にはまず上に居る竜騎兵達をなんとかして行かなければならないだろう。
積極的に攻める姿勢は見せていなくても、飛び込んでくる獲物を見逃す程彼等は寛容ではあるまい。それは、この城へと侵入した時以上の苦難を伴うに違いない。
「この囲み……抜けるの?」
「判らない」
 タバサらしくない、歯切れの悪い答えにキュルケは驚いた。何でも即断するように見える彼女がこうして迷うなど滅多な事では無い。それだけ事態は深刻だという事なのだろう。
「でも、やってみせる」
 シルフィードも不安そうにきゅい、と一声上げる。これだけの数の竜の囲みを突破する事がどれだけ困難なのか、同じ竜の身である彼女には良く判っていた。
おそらく不安の度合いで言うならシルフィードがもっとも大きく、恐怖を感じ、不安に震えていただろう。

888 :夜天の使い魔 2/7 ◆Rein4tm63s :2007/09/24(月) 21:31:36 ID:xWCto1ab
 二人と一匹は、じっと城の空を窺う。竜騎兵の数はそれこそ数えるのも馬鹿らしい程で、彼女らの頭を悩ませた。
その数や竜騎兵のみでも城を落とせるのではないか?と思える程だ。この囲みを突破し、なんとかマリー・ガラント号に辿り着かなければならない。
 焦燥を覚えながらも、彼女達に出来るのはじっと空を見つめる事だけだった。
 
 100メイルか、もっと歩いた先だったか、それともまったく進んでいなかったのか。長い時間を掛けて、僅かばかりの距離を進んだ時、ウェールズはやっと人と出会う事が出来た。
「殿下!」
 年の頃はウェールズと余り変わらないであろう一人の青年貴族が、自らの主の姿を見つけた。
彼は勇み皇太子の元へ歩み寄り――近付くにつれその状態を把握し、顔色を変え、地を割れんばかりに踏みしめながら走って傍へと辿り着く。
「殿下! しっかりなさいませ! 殿下、殿下ーッ!」
「案ずるな、たかが……胸に穴が開いただけだ。まだ死なぬよ」
 たかが、これがたかが。穿たれた胸の傷からは血が流れ落ち、どんどん床に流れ出している。
どうやら大きな血管や心の臓を傷つけるのは免れたようだが、片肺を潰された苦しみは想像を超えるものであろう。それでも尚気丈に振舞う姿に、涙を禁じえなかった。
「それよりも……状況はどうなっている」
「我らは皆迎撃に。民はフネへと避難させている最中であります」
「そうか」
 その答えにウェールズは満足そうに肯いた。
「ならば私は速やかにイーグル号へ向かわねばならんな。フネが出る為の梅雨払いをせねばならん。……済まぬ、少し疲れてしまった。肩を貸してはくれまいか」
 男は、黙って皇太子を支える。流れる涙を止めようと必死になりながら。向かうは地下の秘密港、そこにあるイーグル号が男達の死に場所だった。
 
 向かう最中、ウェールズを支える人数は次々と数を増やし、最終的には十人近い数の者たちが彼に着き従った。水のメイジは必死に応急処置をし、その命が散らぬよう懸命に魔法を唱えていた。
 ようやくイーグル号へと辿り着いたウェールズを、皆が「殿下!」と叫び迎えた。その深い傷に驚きを隠せないながらも、彼等は己の本分を見失わぬよう必死に平静を保つ。
男達は必死に己に言い聞かせる。まだだ、怒りを爆発させるのは今では無い。今感じている全ての激情を叩き付けるのは、あの卑劣な貴族派達。このような所で無駄に浪費してはならない、と。
 やっとの事で船長室に辿り着いたウェールズは、その椅子に倒れこむように座り込んだ。この場所こそが彼の居るべき所だった。
ここが指揮を下すべき指令所であり、彼の棺そのものだった。ようやく彼は、最後の場所に辿り着いたのだ。
 両脇には高位の水メイジが二人侍り、絶え間なく治療を施している。まだ殺させぬとばかりに必死の気迫で魔法を唱え、ウェールズの命が零れ落ちないよう全力を尽していた。
後ろに侍るのは侍従のパリー。皇太子が生まれた時より使えてきた彼の居場所もまたここであった。
 部屋に集うのは栄え抜きの精鋭30名、ぎゅうぎゅうになりながらも彼等は己が忠誠を誓う主の下へ集う。彼等は待っていた、その言葉を。
「避難状況はどうなっている」
「あと20分程度で完了する予定であります。船員達の必死の努力により既にフネの出港準備は万端、避難が終了次第何時でも出せる状況です」
「ではこちらも急がねばならんな、イーグル号の出港準備を急がせよ。空に居る連中を押さえ込み、血路を開く」
 おお、と男達から鴇の声が上がる。血気盛んに気持ちを高ぶらせながら、彼らは怒声を張り上げた。
「済まぬ皆、このような事に着き合わせてしまって」
 頭を垂れたウェールズを、男達は制す。
「何を仰います殿下。我等空に生き、空に死ぬと決めておりました。このように我等に相応しき死地を与えてくれた事、まさに感謝の極み。
まして民を守って死ぬのは最高の誉れ。始祖の御許にて存分に誇れましょうぞ」
「……ありがとう」
 もう一度、ウェールズはもう一度頭を垂れる。
「我等が向かう先は栄光ある死! 全ての恐怖を捨て去って、最後の時までひたすら突き進めい!」
 男達が拳を突き上げる。高々と、天に届くように。再び上げられた声は、先程のものを遥かに超えた大音声となって部屋に木霊した。
「さあ行くぞ、我等アルビオン王国空軍の勇猛さ、卑劣なる連中に見せ付けてやれ!」

889 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:31:50 ID:LFpJ+0CH
がんばれシルフィー支援

890 :夜天の使い魔 3/7 ◆Rein4tm63s :2007/09/24(月) 21:32:40 ID:xWCto1ab
 如何ともし難い状況の中、キュルケ達はじっと様子を窺っているしかなかった。竜騎兵達の包囲陣に隙は見られず、どう考えてもこの中に突っ込むのは自殺行為。
こんな数十もの数のメイジから集中砲火を浴びたら、一瞬にして絶命する事は目に見えていた。
 フネに辿り着くだけならシルフィードを降りて城の中から港へ向かえば良い。しかしキュルケはその選択を選びたくないと思っていた。自分の仲間を見捨ててまで生きるような真似をして何になるだろう。
そのような下衆で安楽な道を行くのなら、喜んで苦難で高潔な道を選ぶ。それは彼女の貴族としての誇りであったのかもしれない。
 
 またタバサも同様に悩んでいた。シルフィードの使う先住の魔法。それを用いれば彼女は人の身へと成り代わる事も可能である。そうすれば一々危険を冒さずにフネへと辿り着く事が出来るだろう。
しかしシルフィードは人の姿で居る事をあまり好まない。服を着るのが大層嫌いで、出来るなら一秒だって身につけたくないと思っているはずだ。
このように命が懸かっている状況なのだからなんとか説得すればしぶしぶながらも承諾はするだろう。
 しかし、僅かながらでも彼女が韻竜であるという情報を漏らしたくは無かった。ほんの僅かでもその痕跡を残したら最後、確実にシルフィードは方々からの捕獲対象になる。
それだけ、韻竜や先住魔法というものは危険を呼び込む存在なのだ。おそらく一度変身したなら、途中で竜の姿に戻る機会は無い。港へと向かう道の最中でも、フネの中でも彼女が元の姿に戻る事は不可能だ。
もしフネに乗ったシルフィードが僅かでもボロを出せば、それだけで彼女の身は危険に冒されるのだ。上を抜けるにせよ、中から向かうにせよ、タバサにとっては危険な事には変わりなかった。
故にタバサは悩む。どちらがよりマシなのか、と。
 シルフィードもタバサと同じように考えていた。最も彼女の方はもっと気楽なもので、なるべくならあんな布付けたくないわ!程度であったが。
 
「……タバサ、何か言った?」
 ふるふるとタバサは首を振る。キュルケは自分の勘違いだったかしら?と首を傾げる。確かに聞こえた気がするのだ、自分を呼ぶ声が。
 ――聞こえる、確かに聞こえる。
 やはり気のせいでは無い。確かに聞こえるのだ。微かな声が、風に乗って届くように耳へと伝わってくる。それは切に、自分に呼びかけてきているようにキュルケには思えた。
「誰かが、呼んでいるわ!」
 シルフィードも声を上げる。
「これはまるで、精霊の声みたい」
 首をもたげてきょろきょろと辺りを見回すと、「あっちから聞こえる!」とシルフィードは首でその場所を指し示した。
「その……なんだかあたしにも聞こえるのよね、声。誰だか知らないけど、あたしの事を呼んでいるのよ。シルフィードもそうなの?」
「わたしたちに助けて欲しいって、必死に呼んでる」
 どうやらシルフィードにはより鮮明に声が聞こえているらしい。キュルケには、自分の名を呼ばれているような気がする程度にしか聞こえていなかった。
「大変よお姉さま! ルイズさまが凄い怪我で動けないって! だから助けて欲しいってわたしたちを呼んでいるのね!」
 ぎゃあぎゃあとシルフィードが騒ぎ出す。羽をばさばさと動かして大慌ての様子だ。キュルケもまた、彼女が放った言葉に聞き逃せないものがあったのか、思わず声を張り上げる。
「ルイズが……なんですって?」
「大怪我で一歩も動けないって! これは大変だわ!」
 その剣幕から見るに、シルフィードはその声を確かなものと受け取っているようだった。一刻も早く向かいたいと、体全体で示している。
彼女はルイズと仲が良い。本当に心配で堪らないのだろう。「お姉さま、早く早く!」とタバサに行動を急かしている。タバサはどうしたものかと思案していた。
「試しに向かってみましょう」
 キュルケはそう提言した。
「まだルイズは見つかっていない。もしかしたら、という事もあるわ。居なければそれで良いじゃない。それに、この状況ではどちらにせよ動きようが無いし、ちょっとその辺りを見てくるくらい良いと思うの」

891 :夜天の使い魔 4/7 ◆Rein4tm63s :2007/09/24(月) 21:34:05 ID:xWCto1ab
 それでも尚暫く思案を続けていたタバサであったが、「判った」と肯くとシルフィードに了承を与えた。
シルフィードには何処から声がするのか明確に判っているようで、淀みなく目的の場所へ向かっているようであった。
 向かった先は城の中庭。その隅の方に、隠れるように横たわっている少女の姿は、紛れも無く――。
「ルイズッ!」
 キュルケがルイズの元へ駆け寄る。ルイズの体は酷い有様だった。全身の至る所にあざと裂傷が見られ、無事な部分を探すのが難しい位だった。
意識は無く、生きている証は微かに口から漏れる呼吸音のみ。間違いなく重症であった。一刻も早く手当てをしなければならない。
 キュルケはタバサと一緒になってルイズを持ち上げると、シルフィードの背に乗せる。
「ルイズさまは、大丈夫なの?」
「大丈夫……とは言い難いわ。手当てが必要よ。出来るなら水メイジの力も」
 こうなったなら一刻も早くマリー・ガラント号に向かう必要があった。城内には最早誰も居ないだろうし、この様子では何時落城するか判ったものではない。
フネならば多少備え付けの秘薬もあるだろう。あとはラ・ロシェールまでなんとか行ければちゃんとした治療が受けられるはず。
「タバサ……もう迷っている暇は無いわ」
 キュルケの目は覚悟を帯びていた。やるしかないと、心を決めてしまったようだった。
「覚悟を決めて、行くしかない」
 その言葉を聞いても尚、タバサは逡巡しているようだった。余りにも彼女らしくない振る舞いに、キュルケが疑問を巡らせた時――。
 轟音を立てて、黒い壁が空を覆う。アルビオン王国に残された唯一の戦艦、イーグル号が恐るべき速度で急上昇してきたのだ。
切っ先を斜めに空へと向け、風を裂きながらそのフネは現れた。余りの速度に、集まっていた竜騎兵達も驚きを隠せず、陣形に乱れを生じる。
「タバサ!」
 キュルケの意図する所を察したのか、タバサの行動は早い。即座にシルフィードが空へと舞い上がり、一直線に下へと降下して行く。竜騎兵達は皆フネに気を取られており、彼女達を狙う事は無い。
 本当に、良いタイミング! 優男の皇太子に、彼女は心の中で謝辞を述べた。まったく狙ったように出てきてくれた。良い男はこうでなくちゃ。
 流石に城の下にまで敵は居なかった。一度囲みを抜けてしまえばもう安全という訳だ。悠々と、それでいて速やかに彼女達は港へ向かう。
 キュルケは空を、城を仰ぎ見る。黒い船体のイーグル号は、数多の竜騎兵達に囲まれているようだった。
魔法を四方八方から浴びながらも落ちないその姿は、流石ハルケギニアに名を轟かすアルビオン艦隊のフネだと関心するものがあった。
 しかしこうやって囮のイーグル号が出てくるという事は、マリー・ガラント号の出航も近いと言う事だ。
イーグル号は破格の強度を持っているようだが、それでも長くは持つまい。速やかに出航する必要があるはずだ。
 その考えを裏付けるように、岬の下の秘密港から出てくる一隻の船の姿。言うまでも無くマリー・ガラント号だ。
おそらく避難民をぎゅうぎゅうに乗せている為だろう、船足は幾分遅い。確かにこの速度では狙ってくれと言っているようなものだ。囮でもいなければ無事に出航することは叶わなかっただろう。
 城の上空には、岬を睥睨するように鎮座する巨艦レキシントン号の姿が見える。舷側から突き出た砲門の射程は、その大きさに見合うように長大なものだろう。
そこから逃れられなければ、命運は尽きたも同然だ。しかしまだ、彼等はマリー・ガラント号の存在に気付いていない。今の内に少しでも距離を稼がなければならない。
 
 ゆっくりと進むフネの甲板に、シルフィードが降り立つ。このフネの甲板に降り立つのも二回目だ。船夫達の姿も驚きはなく、すんなりと自然な事のように彼女達を受け入れた。
「やあお嬢さんがた、また会いやしたね! 今回は少々荒い航海になりそうですが、ご容赦ねがいやす」
「ごめんなさい、挨拶は抜きで!」
 懐かしそうに挨拶をする壮年の水夫に挨拶する間も惜しむように、シルフィードの背より飛び降りたキュルケが急いでまくしたてる。
「酷い怪我人が居るの! 早く中へ運ばないと!」
「なんですって?」

892 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:34:16 ID:Y8pjb+dl
携帯から支援

893 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:34:49 ID:fVPlu6dt
支援

894 :夜天の使い魔 5/7 ◆Rein4tm63s :2007/09/24(月) 21:35:11 ID:xWCto1ab
 竜の背を覗き込んだ船夫の顔が、みるみる青ざめてゆく。彼の想像した光景を遥かに超える重症であった。
「誰かっ、手を貸せ! 早く救護室に運ぶんだ! ありったけの秘薬と包帯も用意しろ! ……早く来いってんだ畜生ーっ!」
 男の叫びに回りの水夫達がわらわらと集まり、丁寧にルイズの体を持ち上げ船内へと運んで行く。彼等にとってルイズ達は英雄であり、尊敬するべき貴人であった。余りにも痛々しいその姿に、皆が心を痛め、怒りを覚えずにはいられなかった。
「畜生、畜生……酷い事しやがる、あいつら」
 やるせないように、壮年の船夫が呟く。出来るなら、こんな風な再会はしたくなかった。もう一度会うなら笑って会いたかった。余りにも現実は辛く、重い。
 キュルケはその姿に心痛めたが――今はルイズの様子が心配だった。彼女を追い船内へと向かう。少しでも、傍についていてあげたかった。
 タバサは船内に入らず、甲板で空を見やる。イーグル号がどれだけ持ちこたえられるか、それが命の分かれ目だった。如何なる不測の事態であっても対処出来るよう、彼女はこの場に残る事を選んだのだ。
 
 そのイーグル号の様子と言えば、まさに地獄であった。方々から浴びせかけられる火炎の吐息と魔法で、船体は瞬く間に傷を増してゆく。
強固な船体強度を誇るイーグル号であったが、これ程の集中砲火を浴びては沈むのも時間の問題であろう。
「マリー・ガラント号の出航を確認!」
 伝令の声にパリーがうむ、と肯く。船長室より動けぬウェールズに代わり、この老メイジが皇太子の言葉を伝える役目を担っていた。
「我等これよりアルビオンに吹く一陣の風と成らん! 良いな皆の者、なんとしてもマリー・ガラント号を狙わせてはならん!
 彼のフネが逃げ延びる事、それこそが我等の勝利。これが殿下の言葉である。各々心に刻みつけ戦いに赴け!」
 男達は無言で肯いた。
 先日砲門を潰されたイーグル号には武装が無い。故に今や浮かんでいるだけしか脳の無い、丈夫なでくのぼうであった。そんな彼等が唯一取り得る戦法、それは――。
 ゆっくりと巡航していたイーグル号が、突如その身を加速させる。フネの常識を超えた速度で、急激に進みだす。
まるで見えない巨人の手より放たれたかのように、ぐんぐんと加速していった。その先にあるのは、紛れも無いレキシントン号。
 イーグル号では、風メイジ達が全力でフネに力を与えている。八名の風メイジが全力を持ってフネの推進力と成り代わり速度を与えていたのだ。
巨体がまるで風竜のように唸りを上げ、突進して行く。高速で飛翔する姿は、船体の色も相まってまるで黒い砲弾のようであった。いや、まさに砲弾そのものである。
戦う術の無いイーグル号は己そのものを一塊の砲弾として、レキシントン号を狙わんと突き進んでいるのだ。
 レキシントン号がその狙いに気付いた時――全てはもう、手遅れだった。黒き弾丸がその船首に突き刺さり、激しく双方の船体を揺らした。
 圧倒的優位に驕りを覚えていたレキシントン号に乗るレコン・キスタの兵達はこの攻撃に驚き、戸惑った。
今までなんの危険も無く、耽々と砲撃を加える毎日であった彼等は、咄嗟に反応する事が出来なかったのだ。その時、レキシントン号の時間は止まっていた。
 その間隙を突くように、イーグル号より怒りに燃える烈士達が舞い降りる。
何れも精鋭30名、彼等は風のようにレキシントン号の甲板に降り立つと、雷のように進撃を開始した。事態に取り残されいる兵達を次々と葬り去り、船室内へと突入していく。
 王党派の貴族達の強さは恐るべきものであった。既に勝ち戦と驕っていたレコン・キスタ軍と死を覚悟した彼等では、戦意に余りにも差が有り過ぎたのだ。
自らの傷も省みず突き進んでくる男達の前に、貴族派は一人、また一人と倒れていった。
 しかしやはり多勢に無勢、王党派の者たちも次々と倒れてゆく。彼等30人に対して迎え撃つレキシントン号の兵は100をゆうに超える。最初から勝負にはなってなかったのだ。それでも彼等は勇敢に戦った。
命尽きるその時まで、杖を振るい、決して後ろを見せる事なくアルビオンの空に散っていった。30名を打ち倒すのにレキシントン号が払った犠牲は74名。実に倍以上の戦果であった。

895 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:35:29 ID:/PCKHr0+
支援。

896 :夜天の使い魔 6/7 ◆Rein4tm63s :2007/09/24(月) 21:36:18 ID:xWCto1ab
 その頃、パリーは一人船長室に赴いていた。今やこの場に居るのはパリーとウェールズの二人だけだ。他の者は全員、レキシントン号へと突撃していった。
 ウェールズは静かに目を閉じ椅子に座っていた。彼はパリーが来たことに気付くと、ゆっくりと目を開ける。眠気を堪えるように瞼が上がる様が、彼に最後の時が近付いている事を、パリーに感じさせるのだった。
「……ああ、パリーか……攻撃は、成功したか……?」
「殿下の狙い通り、成功致しました。きゃつらめ、大層驚いていた様子。竜騎兵も、レキシントン号の連中も我等に釘付けでしょうぞ。これで、マリー・ガラント号が狙われる事はありますまい」
「そうか……ならば良かった……」
 再びウェールズが瞼を閉じる。力尽きたように、ゆっくりと。
「済まぬパリー……不甲斐無いが、私はここまでのようだ。あとは……任せたぞ。……今まで苦労をかけた、本当にありがとう……」

 閉じた瞼の裏に浮かぶのは、懐かしきアンリエッタの姿であった。もう暫く会っていない彼女は、どれだけ美しく成長したのだろう。死ぬ事に恐怖は無い。ただ、もう一度彼女に逢えない事が、少し悲しかった。
 その時、蘇ったのはラグドリアン湖での逢瀬のひと時の事。
 二人はそこで永遠の愛を誓った。
「水の精霊の御許に於いて、わたくしは誓約致します。ウェールズ様を、永遠に愛する事を」
 はにかむように、それでいて嬉しそうに告げるアンリエッタの顔は、今でも鮮明に思い出せた。月光に光る水面よりもそれは輝いていて、美しかった。
 だがウェールズは誓約をしなかった。彼には判っていた、自分たちは結ばれる事が無いと言う事を。だから彼はその場を濁して、誓約をしなかった。
 だがもし戻れるのなら――今度こそ永遠の愛を、彼女に誓いたい。
 こうして死の淵に瀕した今ならはっきり判る。やはり自分は彼女を深く愛しているのだと。その気持ちに嘘はつけなかった。
 深い悔恨を覚えながら、意識は徐々に闇に沈んでゆく。二度と帰れぬ永遠の闇へと、彼は向かっていった。
「アンリエッタ……すまな……」
 それが、皇太子の最後の言葉となった。
 
 最早、二度とウェールズの瞼が開かれる事はないのだと、パリーは知った。そうして初めて、老人の目より涙が溢れ出す。生まれた時より侍り、こうして死を見取る事になるなど、どれほど悲しい事か。
幼い頃は体が弱く、随分と心配させられた。勉強をさぼり剣ばかり振っていたのを嗜めたのも数え切れぬ程あった。やがて立派に成長し、きっと次代の王は皆に慕われる賢王となるだろうと喜んだ。
どれもが、思い出に深く残るものばかりだった。自分よりも、ずっとずっと長く生きて幸せになって欲しかった、それだけが彼の望みであったのに。
「坊ちゃま……お休みなさいませ、ずっと、安らかに」
 パリーはそっとウェールズの手を取ると、跪き涙を流した。
「私は殿下に仕える事が出来て、幸せでした」
 だが悲しみに身を浸らせる訳にはいかない。彼には最後の仕事が残されていた。ウェールズより託された、最後の一撃、その撃鉄が彼に委ねられたのだ。
パリーは震える手で杖を掲げると、瞬く間に部屋が炎で包まれ、全てを燃やしていった。
 ――叛徒ども、見るが良い。これが我等最後の一撃ぞ。
 炎は勢いを増し、うねるようにして他の船室にまでその勢いを及ぼして行く。
 パリーは最後に、もう一度だけ自らの主の顔を見た。今生から消え去ろうと、決してその顔は忘れぬと誓いながら、その面影を魂に刻み付けた。
「では殿下」
 再び杖を振るうと、いよいよ炎は勢いを増して、辺りはさながら炎の海となったかのようであった。それは全てを焼き尽くし、船底まで及び――。
「おさらばで御座います」
 その瞬間、イーグル号は轟音を立てて爆散した。

897 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:37:17 ID:fVPlu6dt
しえんだよん


898 :夜天の使い魔 7/7 ◆Rein4tm63s :2007/09/24(月) 21:37:24 ID:xWCto1ab
 轟音と閃光に、マリー・ガラント号に居た皆は誰もが空を仰ぎ見た。
「ああ……」
 何処からともなく声が漏れる。そこにあったのは、雄雄しき姿を持っていた黒いフネが粉々に砕け散る所だった。あまりの激しさに、このフネまで砕けてしまうのではないか、と錯覚させる程であった。
 タバサは何か感じ入るものがあるのか、じっと食い入るようにその光景を見つめ続けた。ぎゅっと杖を握り締めて、一秒であろうと見逃すまいと、瞬きもせずに、自らの眼に眼前の出来事を写し取っていった。
 
 爆発はイーグル号を粉々にするに止まらず、巨大なレキシントン号の船体にも大きな損害を与えていた。船首部分は粉々に砕け、無残な様相を晒していた。
この有様ではとても俊敏な航行は望めまい。事実上の死に体と言っても差し支えの無い状態であった。
 
 同時刻、ついにニューカッスル城の城壁が崩された。なだれ込んでくるレコン・キスタの軍勢の前に、既に数を減らしていた王党派の兵達は蹂躙され、抵抗空しくも殺されていく。
今ここに、アルビオン王家は長い歴史の幕を閉じた。この勝利を以ってレコン・キスタはその名を神聖アルビオン帝国と変えるのだが、それはまだ先の話である。
 
 ルイズは耳を劈く音で目を醒ます。途端、激痛が全身を苛むが、そんな事は今の彼女にとって些細な事だった。
「ここは……何処……?」
「フネの中よ」
 隣に着き従っていたキュルケが、そう答える。辺りを見回すと、木の天井に壁、脇には小さな丸い小窓が見える。どうやら船室の中らしい。
「殿下は……無事……なの……?」
 キュルケはただ小さくかぶりを振った。
「あたしは傷だらけのあなたを中庭で見つけて、なんとかフネに運んだだけ。他の事は何一つ判らないわ。でも多分……」
 キュルケも窓からイーグル号が爆散する様子は見ていた。それだけで、何が起こったのか凡その検討はつく。
「そんな……」
 そんなキュルケの様子にルイズも何かを察したのか、言葉を失う、彼女が思い出すのは、最後に見たウェールズの笑顔。あまりにも優しく、儚い笑顔。その表情で、全てを悟った。
 ――わたしは、結局何も出来なかった。
  ルイズの双眸から、涙が零れ落ちる。声も無く、静かに彼女は泣いた。体よりも何倍も、心が痛み、苦しい。それは涙を止めなく流させる。
 キュルケは、何も言わずただそんなルイズを抱きしめた。
 
 フネは少女達を乗せてラ・ロシェールへと向かって行く。
 苦難の末、得たものは――何も、無い。
 悲しみと、悔恨のみを残して、アルビオンへの旅路は終わりを告げた。

899 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:37:25 ID:1eQIyMiI
しーえーん

900 :夜天の使い魔 ◆Rein4tm63s :2007/09/24(月) 21:38:57 ID:xWCto1ab
以上で投下終了。
まあ投下早いって言っても内容が短いからあんまり自慢出来る事でも無いと思う。

次はみんなの大好きな腹黒メイドさんが出る予定だよ!

901 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:42:24 ID:TMw6Wc3Y
 お疲れ様です
回収完了。毎度夜天には超期待

902 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:45:09 ID:ryq6r7Zo
なんというカッコイイ殿下……

903 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:46:59 ID:c/AJ6QyC
素敵な殿下に乾杯GJ!

904 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:48:01 ID:i768b3vu
こんなカッコいいウェールズは初めてだったよ GJ

905 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:48:44 ID:w+GVWztR
乙!
そういえば手紙と指輪は悪奴が持ってった?
こ、この先どうなるんだ?!

906 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:49:07 ID:gbV52YNK
ウェールズ及び勇敢な王党派の諸君に敬礼!
GJでした。

そしてルイズ、強くなれ!

907 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:51:57 ID:ygcc8zfO
声が聞こえたってことはそろそろリインT登場かな?
GJでした〜

908 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:52:25 ID:3BrBDnDT
ウェールズのあまりにも美しすぎる死に様に感動した!
これはとてもいいウェールズ。アルビオン万歳!!

909 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:52:39 ID:TMw6Wc3Y
 このウェールズはまさしく黄金の精神を持っている!

 >>905 でも、死体は敵の手に渡らないでしょうね

910 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:55:11 ID:R1SV/de4
GJ!
何もしゃべるな(ガンダムX的な意味で)

911 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:56:27 ID:fjw7xdKF
GJ!そして敬礼!

912 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:56:42 ID:MacgrAnx
夜天GJ。

ウェールズ…。
無茶しやがって…。


913 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 21:58:02 ID:6kH0bKnm
GJ!さらば皇太子

914 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 22:05:36 ID:l5dlDyPr
GJ!

皇太子の死体を弄ばれる心配は無くなったけれども、
手紙が悪ドに持っていかれているのが不安材料か。

915 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 22:08:07 ID:fjw7xdKF
>>914
どうせ有っても無くても戦争しかけられるんだからOK。
むしろルビーだな。

916 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 22:08:46 ID:oA2h0DNT
GJ!
熱い、熱いよ!
てっきりウェールズを蒐集するかと思った俺はトリプルメガソニック砲で蒸発してくるわ

917 :レプリカ・ゼロ:2007/09/24(月) 22:31:18 ID:z0w2WsXD
投下予約あるかしら? 無ければ投下してもよろしいかしら?

918 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 22:32:57 ID:dDTcKGk8
かもん

919 :レプリカ・ゼロ:2007/09/24(月) 22:33:15 ID:z0w2WsXD
 ルークが、この世界に召喚されてから初めての朝を迎えた。
 ルークは、一人学院の外で腕立て伏せ等の運動を行いそれを何セットかこなすとその場に胡坐を掻いて座る。
 本来ならば、腰に差してあった剣で素振りなどを行なうのだが……その剣が無ければ素振りをする事も出来ない。
 其の為、ルークは腕立て伏せ等の基本的な運動を素振り代わりに行なっていた訳である。
 しばらく休んだ後で、ルークは立ち上がり丁度5メイルばかり離れた場所にある樹を見据え……

「魔神拳!」

 素早き動作で拳を振りぬく。その拳撃は、地を這う様に突き進み樹に当ると同時に鈍い音を立てながら樹は折れ倒れる。
 魔神拳は、剣を必要としない技の一つで、ルークはもし何かあったならコレをメインに使った方がいいかな?
 と、折れて倒れた樹を見ながらに思う。とりあえず、剣が無くても使える技を思い出し使用し確認する。
 小一時間ばかり技を試し、剣を使用しない技をきっちりと把握するルーク。
 魔神拳を筆頭に、崩襲脚、鋭招来、裂破掌と剣を必要としない技を何度か使用した後で、
 ルークは、その場に座り寝そべって視界に広がる蒼い空を見る。
 空の色は、かわらねぇんだなぁ〜……と、暢気に思いながら欠伸を一つ。
 うしっと、身を起こし立ち上がるとルークは、ルイズの部屋へと戻るべく歩を進めるのだが……
 その途中で、山の様な洗濯物がのろのろ不安定に移動している姿を見て、なんだありゃ……と、ルークは眉を顰める。
 今にも崩れそうで心許無い姿に、ルークは歩を進めるのを止め、移動する洗濯物の山の方へと移動する。

920 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 22:33:40 ID:dDTcKGk8
支援

921 :レプリカ・ゼロ:2007/09/24(月) 22:34:44 ID:z0w2WsXD
>>919
 近づいてみれば、移動する大量の洗濯物の山は、でかい籠に入った洗濯物の山で不安定に移動していたのは、
 そのでかい籠を一人のメイドが、運んでいた為だった。
 んしょんしょ。と、メイドの口から小さな声が漏れていてそんなメイドを見てルークは、自然と笑みを浮かべてしまう。
 そして……そのメイドにルークは、短く声をかけたのだが……それがいけなかった。
 突然声をかけられ驚いたメイドは、山の様な洗濯物を落としてしまう。
 誰が悪いのかと言われれば……多分、十人中十人がルークと答えると思われる。

「うわ! ご、ごめん!」
「こ、此方こそ申し訳ございません!」

 謝罪するや否や落ちた洗濯物を慌てて拾い集めるルークと、何故かルークに謝罪するメイド。
 二人そろって急いで洗濯物を拾い籠に入れていけば、少々汚れてしまったが再び洗濯物の山が出来上がる。

「ご、ごめんな? 声かけちまって」
「い、いえ……コレから洗う予定だったので、多少汚れても大丈夫です。草の汁も着いて無いようですし……」

 そ、そうか? 本当に、ごめんな? と、ルークは、あせりながら謝る。
 そんなルークの姿を見て、メイドはい、いえ本当に大丈夫ですから。と、何処か困った様にルークに告げた。

922 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 22:35:32 ID:xWCto1ab
ばとん☆たっち☆しえ☆すた

923 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 22:36:05 ID:dDTcKGk8
支援

924 :レプリカ・ゼロ:2007/09/24(月) 22:36:31 ID:z0w2WsXD
>>921
「えーっと……俺は、ルーク。ルーク・フォン・ファブレ。いや、マジでごめんな?」
「き、貴族の方ですか!? こ、これは失礼いたしました!! 洗濯物を拾いさせるなんて!」

 ルークの名前を聞いて、貴族……まぁ此処では貴族でもなんでもないのだが……と、思い頭を何度も下げるメイド。
 そんなメイドを見て、ルークは慌てたのか……いや! 貴族だけど貴族じゃないから! と、訳のわからない言葉を告げてしまう。
 数分間、頭を何度も下げるメイドと慌てて訳のわからない言葉を告げるルークと、変な図が出来てしまった。
 もし、ルークの親友であるガイが見たら……なにやってんだ? と、首を傾げる事に違いないだろう。
 何とか二人とも落ち着いたのか、ルークはお詫びにその洗濯物運んでやるよ。と、洗濯籠を持ち上げる。
 それに、メイドは慌てた様に何事か言うのだが……ルークは、ソレを無視し歩き始めた。
 ルークを止める事を諦めたメイドは、ルークを誘導する為にルークの右隣を歩き始めた。

「名前。なんていうんだ? まさかメイドとかお前とかなんて名前じゃないだろ?」
「え? あ、はい! シエスタ。シエスタと申します」
「シエスタか……って、そんな敬語いらねぇって……俺は、貴族だけど貴族じゃねぇんだ」
「それはどう言う事ですか?」

 説明ならガイが得意なんだけどなぁ……と、自分の親友であるガイ・セシルを思い出しルークは困った様な眉を顰める。

「俺は、此処に呼ばれたんだよ。ルイズに」

 ルイズに……の部分で、メイドはあぁ! と、思い当たる節があるのかポンっと両手を併せてルークを見る。

925 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 22:37:30 ID:dDTcKGk8
支援

926 :レプリカ・ゼロ:2007/09/24(月) 22:37:54 ID:z0w2WsXD
>>924
「ミス・ヴァリエールが召喚した平民の使い魔の方ですね!?」
「いや、平民じゃねぇんだが……まぁ此処じゃぁ平民だよな」

 ルークの物言いに、首を傾げるシエスタだったが、丁度洗濯場に着いたのか此処で良いですよ。と、ルークに告げた。
 ルークは、洗濯物を崩さぬ様に置いた後、ふぅとため息を一つ。
 シエスタは、そんなルークにありがとうございます。と、告げるとルークは、良いよこれぐらいと小さな笑みを浮かべた後
 じゃぁな。と、踵を返しその場を後にするのだった。
 丁度、ルイズの部屋の前に到着した当りで……シエスタに、此処の事色々聞けばよかったんじゃないか? と、思うと同時に
 仲間の一人であるジェイド・カーティスの笑みと「相変わらず抜けてますねぇ〜ルークは」と、言う台詞が聞こえた気がして
 うるせぇよ。と、ルークは此処には居ないジェイドに心の中で悪態をつくのだった。
 まぁ、それがルークなんでしょうけどねー。と、そんな台詞も聞こえた気がしたがソレを無視し
 ルークは、部屋の扉を開け直ぐに閉じた。しばらく後で部屋の主たるルイズが、扉をゆっくりと開けて出てくる。

「見たわね?」

 にっこりと綺麗な笑みを浮かべながらルイズは、ルークにそう尋ねる。
 み、見てねぇ! と、ルークは瞬時にその場から後ろに下がり首を横に振る。
 さて、此処で見てる見て無いについてだが……ルークが、扉を開けた時。
 ルークの視界には、着替えをしているルイズの姿。つまり、ソレを見たか見て無いかである。

927 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 22:38:14 ID:dDTcKGk8
支援

928 :レプリカ・ゼロ:2007/09/24(月) 22:41:17 ID:z0w2WsXD
>>926
「じゃぁ、私がベットの上で着替えていたのを見て無いのね?」
「は? ベットじゃなくてクローゼッ……はっ?!」

 ルークは、言いかけた言葉を慌てて飲み込む。
 そんなルークを見てルイズは、綺麗な笑顔を浮かべて何処からとも無く鞭を取り出し……

「よ、よくも! お、乙女の柔肌を見たわね!!! こ、この! この犬ぅううう!!!」

 容赦なく振り回される鞭。その鞭を回避するルーク。
 あたりなさいよ! なんでだよ! あたれ! いやだ! と、二人の喧騒が廊下で繰り広げられ
 それは、隣室のルイズのクラスメイトであるキュルケが止めに入るまで続いたとか……


 ルークは『ラッキースケベ』の称号をゲットした。

929 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 22:41:34 ID:dDTcKGk8
支援

930 :レプリカ・ゼロ:2007/09/24(月) 22:42:53 ID:z0w2WsXD
投下終了です。ありがとうございました。
次で、ギーシュ戦いけるかな・・・

931 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 22:44:46 ID:l5dlDyPr
乙したー。

魔神拳というと、某種死主人公と中の人と恋人の名前が同じな人を思い出すw。

932 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 22:47:30 ID:dDTcKGk8
乙でした。

ところで、素人評ではありますが、少し”ルーク”という語を使い過ぎではないでしょうか?
”彼”などの指示代名詞(だったっけ?)に置き換えたり、或いは省略するなどして
使用頻度を減らした方が文のリズムが良くなるのではないかと思ったり。

933 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 22:49:08 ID:YaCdQCUe
GJ!
そういやルークは魔神「拳」だったな

934 :虚無の王:2007/09/24(月) 22:51:14 ID:ViFPjgYi
今、空いてます?

935 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 22:51:46 ID:HKytcR7L
家紋

936 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 22:51:51 ID:dDTcKGk8
がら空き

937 :虚無の王:2007/09/24(月) 22:52:38 ID:ViFPjgYi
では投下します

938 :虚無の王 Trick2 1/4:2007/09/24(月) 22:53:00 ID:ViFPjgYi
「空?」
「そ。雲さんぎょーさん居る、でっかい空や」
「格好つけた名前ね。まあ、見た目通り、フワフワ軽薄そうな所はいかにも――――」

 ルイズは言葉を切った。ニコニコと笑みを浮かべていた空の顔から、急に表情が抜け落ちたからだ。

「なんや、あれ」

 空の指さす先では、生徒達が飛行魔法を使い、一足先に教室を目指していた。

「ルイズ!お前は歩いて来いよ!」
「あいつ、フライはおろか、レビテーションさえまともに使えないんだぜ」

 口々に悪態をつきながら、去って行く生徒達。

「飛んでるわ」

 どこか、憮然とした口調だった。

「そりゃあ、メイジだもの」
「気に入らんわあ」
「何が?」
「あいつら飛んでる癖に、ちっとも気持ち良さそうやあらへん」
「飛べるのなんて、当たり前だからでしょ」
「当たり前なあ……」

 空はため息を漏らす。

「昔、イカロス、ちゅう小僧が居ってな」
「何よ、いきなり」
「空が飛びたくて、飛びたくて仕方無かった男の話や」
「フライの魔法を使えばいいじゃない」
「そいつは、そないな物知らんかった。住んどった国にも無かったしな」
「後れた国だったのね」
「イカロスは蝋で固めた羽で天を目指した。それにごっつ怒った太陽の神はんが、蝋溶かしよってな。偽物の翼折れたイカロスは、海に落ちて死によったんや」
「昔、とんでもない馬鹿が居た、て事だけはよく判ったわ」

 空はまた、憮然とした。スピットファイアが聞いたら、なんと言うだろう。

(ま、しゃあないわ)

 昔ギリシアの イカロスは
 ろうで固めた 鳥の羽根
 両手に持って 飛び立った
 雲より高く まだ遠く
 勇気一つを友にして

「なに、その歌?」
「ワイの国の歌や」

 そう。あくまで和製の歌だ。神話のイカロスは幽閉された“塔”から脱走しようと飛んだ。翼を作り、与えたダイダロスは、太陽に近付き過ぎないよう、忠告を与えていた。だが、飛ぶ喜びに取り憑かれた少年は父の言葉を忘れてしまった。
自分の脚を見つめる。翼が折れようと、生き延びたイカロスのすべき事は決まっている。“塔”に帰る事だ。置き去りにしたものを取り戻す事だ。

「話は馬鹿みたいだけど、歌は悪くないじゃない」
「おおきに」

 空は肩を竦める。長年温めて来た計画は、どうも思わぬ所で頓挫しそうだった。


939 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 22:53:55 ID:dDTcKGk8
支援

940 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 22:54:14 ID:ttGJRTVg
>>900
夜天さんGJ
俺は殿下を助ける為に蒐集して、ヴォルケンに殿下が生まれ変わると思ってたぜ…
でも殿下マジかっこ良かった。


941 :虚無の王 Trick2 2/4:2007/09/24(月) 22:54:34 ID:ViFPjgYi
「さて、では行きましょうか」

 コルベールは二人を促した。生徒を未契約の使い魔と二人切りに出来ない。自分には監督の義務が有る。そう言って、この場に残ったのだ。

 本当にそれだけか?

 ルイズは内心で疑念を向ける。車椅子を当然の様に押しているのも、単純な善意だけではあるまい。このメイジとしても、教師としても十分優秀な男が、聊かおかしな研究にのめり込んでいるのは、厨房の小僧だって知っている。

「所でミスタ・空。先刻の――――その、魔法を使わずに飛んだ、平民の話ですが……」
「ああ、あれは御伽話や。そないな阿呆、いくらなんでも、居る訳無いわ」

 コルベールはがっくりと肩を落とした。ルイズは呆れる。魔法が無くては飛べない。この世界には引力と言う物が有るのだ。そんな事は、当たり前ではないか。

「ま、イカロスは与太やけどな。空飛ぶ乗り物なら、山と有るで」
「それは風石を使った物ですか?」
「なんや、それ?よう判らへんけど、十分な揚力なり推力なりが有れば、物は飛ぶやろ」
「揚力?」
「そやな。例えば――――」

 どうやら、空はコルベールの同類だったらしい。二人の共通言語が、ルイズにはさっぱり判らなかった。彼等の知識は、四系統のいずれにも属さぬ、極めて特殊かつ難解な物であり、その上、どんな権能も約束してくれそうも無かった。
何?ヒコーキ?鉄の塊が、風石も無しに宙に浮くなどと、この二人は本気で信じているのか?

(馬鹿みたい!)

 ルイズは内心で口を尖らせた。一人、会話に入り込む事も出来ずに放置とあっては、面白い筈も無い。
 少年時代、空は“研究所”のデータや未公開技術を特許として売り払いながら資金を稼ぎ、“塔”の機能回復に当たっていた。その知識は、コルベールにとって垂涎物だ。夢見る少年の目をした教師の姿に、ルイズは何も言えずに、無言で足を進める。
 何時の間には、話題は空を飛ぶ事から、地上を走る事に変わっていた。空曰く、彼の国には馬を必要とせず、馬より数倍速く、一度に大量の荷物を運べる馬車が在る、と。
コルベールの足取りは目に見えて遅くなっている。話に夢中だ。ルイズは注意しようとして、止めた。夢見る少年の目は、恋する乙女の目に変わっていた。
空の話もエスカレートする。彼の国には、“馬を必要としない馬車”が、トリステインの人口よりも多く走っている、と。法螺を吹くにも限度と言う物が有るだろうに。ルイズは呆れ返る。

「ま、そうなると、事故の危険が大きくなるからな。国の免許が無いと運転出来へんのやけど……」
「なるほど。技術の進歩に併せて、法も変わる訳ですな!」

 マズイ――――

 無邪気に興奮するコルベールと対照的に、ルイズは青くなった。空。こいつは本物だ。本物のキ印だ。言う事が必要以上にもっともらしい。嘘つきの自覚が無い妄想狂の典型ではないか。

「しかし、遠い異国で私が取り組んでいる研究が実現し、社会に広く普及しているとは!実は私も――――」

 マズイ。マズ過ぎる――――

 コルベールは空と同類だ。完全な同類だ。同類に出会う事で、本性が出た。一見、優秀な魔法学院の教師が、真性のキ印だった。全く冗談では無い。これは、本家に連絡するべきか、それとも、まずは学園長に相談するべきだろうか。


942 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 22:55:11 ID:dDTcKGk8
支援

943 :虚無の王 Trick2 3/4:2007/09/24(月) 22:55:36 ID:ViFPjgYi
「ミスタ・コルベール!」

 道も半ばを進んで所で、ルイズは声を上げた。どうせ、次の授業にはもう遅刻だ。足が遅々として進まない事くらいは、我慢出来る。だが、完全に足が止まっては、さすがに黙ってはいられない。

「や、嬢ちゃん。スマン」

 コルベールよりも先に、空が詫びた。

「つい、男同士で話し込んでもうてな。女の子に失礼やったわ」
「あんたの辞書にも、失礼なんて言葉が有るのね」
「こう見えても、紳士やで?」
「私は先を急ぎたいだけよ。別に話したい事なんて無いんだから」
「まあ、そうツンツンせんと。とりすていん、てどんな学校なんや?」
「行けば判るわよ。さ、早く行きましょ」

 一同は再び歩き出した。

「予想。とりすていん、て地方の小さい学校やろ」
「何でそう思うの?」
「ワイの国にも、学校は沢山あるけど、やっぱり田舎んなると、クラスが少ないわ。全学年で一クラスなんて所とかな」
「トリステイン魔法学園は王都のすぐ側。国外から留学生も集まる由緒正しい学院よ」
「んー?……さっきの連中、全員同クラスやろ?年齢バラバラやん。スキップ?」
「言っている意味、判らないけど、皆大体同年代よ」
「嘘やー」

 空は笑った。

「帽子を拾ってくれた、あの嬢ちゃん。十歳そこそこやろ。車椅子座るの手伝ってくれた兄ちゃんは17、8?あの色気ムンムンの姉ちゃんかて、ピチピチの肌からして二十歳前。そして嬢ちゃんは……」

 空はルイズを頭の天辺から、爪先まで眺めると、

「ま、本人前に言う事やないわ。やめとこ」

 ルイズのこめかみで、血管に罅が入った。この男は、自分をギーシュやキュルケと同年代と見ていない。態度で判る。

「私 は 1 6 よ」
「はぁー……意外やなあ。18辺りかと思ってたわ」
「本気で言っている?」
「冗談は言わんタチやねん」

ルイズは膨れる。何だか、軽く見られている気がした。


944 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 22:56:30 ID:dDTcKGk8
支援

945 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 22:56:46 ID:vYnf0EHd
なんか、こう、いい感じだなぁ 支援

946 :虚無の王 Trick2 4/4:2007/09/24(月) 22:57:02 ID:ViFPjgYi
「それにしても、ミスタ・空。この車椅子は実に素晴らしい!」

 コルベールが浮かれた声を上げる。それは、ルイズの様子に気付いて、それとなく話を変えようとした――――為では無かった。

「本体が軽ければ、車輪の動きも軽い。これほどの品は、ゲルマニアにも無いでしょう。それに、幾つか不可解な装置が付いている様ですが、これは一体――――?」

 興奮状態の発明狂は空気を全く読んでいなかった。その頭にあるのは、異国の人間と、その知識に対する好奇心と、残り僅かな毛髪だけだ。

「まあ、こいつは特別製やさかい。色々普通は付いとらん物も、付いとるけど――――例えば、これとか」

 空は駆動補助モーターのスウィッチを入れる。コルベールはつんのめりかけた。突然、車椅子の重さが消えた。意志を持つかの様に車輪が回り出す。
 コルベールは瞠目する。押せば、押すほど、車椅子が軽くなる。みるみる速度が上がる。空気が壁となって顔にぶち当たる。
 膝が空転する。押した分の、倍速、倍の距離を走る車椅子が、中年の体を振り回す。それでも、確かにこの機械は自動では無く、自分が動かしているのだ、と言う実感が有った。無意識に笑みが零れる。

「サラマンダーより、はやーい!」

 コルベールは歓声を上げる。猛然と抗議するルイズの声は、とうとうその背中に届かなかった。




 道程の残り半分を、コルベールはそれまでの1/10の時間で駆け抜けた。

「お、置き去りはあんまりです!……ミスタ・コルベール」

 息を切らしたルイズが追いすがった時、コルベールもまた、車椅子に縋って、膝を踊らせていた。

「み、ミス・ヴァリエール……大人になると言う事は、とても辛い事なのだよ……」
「ええ。それはもう、よく判りますが」
「いや、全く」

 ルイズと空の目線が、コルベールの頭頂部で交錯する。
 光の向こうに、空は尖塔を見上げた。
 高くぶ厚い城壁に、本塔を囲んで聳える5つの塔。白亜の城郭から目を転じれば、巨大な門が口を開く。

「で、ここかい?」
「え、ええ。ここが、我がトリステイン魔法学院です。ようこそ、ミスタ・空」


 ――――To be continued


947 :虚無の王:2007/09/24(月) 22:57:55 ID:ViFPjgYi
御支援御協力ドウモー

今回はここまでです。

948 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 22:58:14 ID:dDTcKGk8
乙です〜

949 :レプリカ・ゼロ:2007/09/24(月) 22:59:23 ID:z0w2WsXD
>>932
そうですね。ルークを連発しすぎですね……指摘ありがとうございます。精進いたします。

>>946
空が、どやって活躍していくのかがwktk


950 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 22:59:52 ID:dGcyXmU+
GJ!!

紙飛行機とか作って見せると、コルベールはいい反応しそうだなぁ。

951 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 22:59:52 ID:dZjiU47l


>ルイズと空の目線が、コルベールの頭頂部で交錯する。

大人になるって辛いなあ……
人事じゃないぜorz

952 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:00:59 ID:R1SV/de4

ま た バ ハ ラ グ か w

953 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:02:31 ID:S/iDFyso
空は原作の展開で絶対インフレするから大変そうだ…

954 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:02:43 ID:dDTcKGk8
>>950
スレ立てはOK?

955 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:02:47 ID:vYnf0EHd
GJwww
だが、
 
>「サラマンダーより、はやーい!」
コッパゲ、自重wwww

956 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:05:09 ID:6XnJG6AO
>サラマンダーより、はやーい

ようこそ……トラウマゲーの世界へ……乙

957 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:07:56 ID:UPn1S6vL


あれ、次スレになるまで48時間以上かかってる

958 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:09:42 ID:dGcyXmU+
スレ立て成功。

次スレ
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1190642880/

959 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:11:19 ID:AUmy45Kh
ちょwwwwサラマンダー自重wwwww

960 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:11:34 ID:dDTcKGk8
>>958
乙!

そろそろ「やめてよね。本気で決闘したら、ギーシュが僕にかなう筈ないだろ!」と言ってくれちゃう使い魔召喚きぼんw


961 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:16:20 ID:6XnJG6AO
そんな男!! 修正してやる!!

962 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:16:44 ID:U+PWcwmA
>>960
髪の色的に教祖様を召喚したら姉妹と間違われるかも

963 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:19:53 ID:xRlMFnHM
ウーパールーパー星人とハルゲニア人じゃ顔の形違うからわかるでしょ。

964 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:21:10 ID:kcfnOMHy
ガリア王の方に召喚されればいいと思います!

965 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:21:43 ID:WhcoN3WL
えっと、もしもし?
すいませんが銀魂の人最後に出たのいつですか?

966 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:22:19 ID:5BMsSkAI
いっそラクス、ミーア、みwikiさん、ユーフェミア、ミルフィーユとピンク祭りで

967 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:23:33 ID:dGcyXmU+
>>964
ガリア王に電波教祖が、ルイズにニートが召喚されるという妄想が浮かんだ。

ガンダムなら、ガロードとティファ辺りのほうが面白くなるか?

968 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:26:38 ID:MacgrAnx
>>960
竜騎士を殺さずに倒せるのか?

かなり難しそうだ。


969 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:28:44 ID:L8UguxvB
ドクターJとか浮かんだ・・・コルベール先生と楽しくやりそうだ

970 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:29:05 ID:dGcyXmU+
>>968
原作でも、墜落死とか、誘爆で死ぬ人は不殺の対象外だったから、
ドラゴンの羽と杖だけ狙うんじゃないか?

971 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:30:13 ID:t+bRh1dc
つかガンガル付きで来るの前提なのなw

972 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:30:48 ID:YsqpkLYD
>>968
奴は自分が直接の死因にならなければ良いという思考の持ち主だ

1000だったらDr.カオスをマリア抜きで召喚

973 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:30:59 ID:6XnJG6AO
>>968

ソレは全てゼロ魔の世界の監督が誰かに掛っているな。

974 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:33:26 ID:6XnJG6AO
>>972

良く考えたら、婚約者ハンターに機体を破壊されて宇宙を漂流するとかの死因もありえるんだよな。
つか、あそこまで景気良く敵機を爆破してて不殺も無いだろうと。

975 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:33:45 ID:S/iDFyso
>>968
奴は一度も不殺を公言したことがないんだぞ?
対シン戦でコックピット狙ってるし、要するにただの自己満足で信念などないので
都合が悪くなればあっさり放棄するだけ。そんで殺したくなかったのにー!と泣く。

976 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:36:18 ID:vYnf0EHd
てか、種関連はマジ勘弁。


977 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:38:58 ID:nKwWaSeR
た、種はダメなのか?
書いてたんだが、やっぱ違うのにするか……

978 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:39:46 ID:L1P4wSJN
面白ければよし!

979 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:40:20 ID:SIC8Lld6
種キャラでルイズのお眼鏡にかなうのはバリー・ホーぐらい
あとは文明の利器がなければ何もできない連中ばかり

980 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:40:26 ID:U+PWcwmA
>>977
待った!べつにそんなルールは無いはず!

型月とかはともかく

981 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:40:28 ID:l6mZpxND
荒れやすくはなりそうだな

982 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:40:29 ID:QD2G2tUh
駄目なんてことはないでしょ

983 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:40:58 ID:4rPM35lM
下手すると月以上に荒れるから避難所にしとくのが無難

984 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:41:46 ID:dGcyXmU+
種は選ぶキャラと調理の仕方しだいでは面白くなると思うがなぁ。
そういうわけで>>977、気にせず執筆を続けるんだ。

>>1にあるように、種がいやだという人がいたら、その人がスルーすれば済む話だ。

985 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:41:56 ID:6kH0bKnm
ルイズ×トレーズスレはガンダム物ならいつでも(ry

986 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:42:03 ID:vYnf0EHd
>>977
種っつーか、周囲の反応をどう収められるか。
これで引くなら引いてもいいし、貫いてもいい。
あと、アレだ。とりあえずmail欄に半角英数で sage を。

987 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:42:22 ID:Wiw9cFhd
>>980だったら、ククルス・ドアン召喚

988 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:42:47 ID:MacgrAnx
種は小ネタぐらいがいいのかもね。
よくわからんが。

ついでに>>969
なぜかJじゃなくてKに見えたw

989 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:43:55 ID:fjw7xdKF
シンも結構良い感じだとは思うのだが。そしてあちらで男達の使い魔が。

990 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:44:06 ID:/SUlUgqA
999ならブラックアウト召喚の続きを1週間以内に投下
&ルイズが『Guardian's Knight』、ロマリア教皇が『A3』、テファが『Vaswteel Original』、ジョゼフが『Unknown』を召喚する短編を書く

991 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:44:20 ID:Ih3hPhgH
1000だったら日本アパッチ族から二毛次郎召喚。

992 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:44:30 ID:EgkscOtO
>>979
宇宙クジラなら・・
無かったことになってるんだっけ?

993 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:44:36 ID:nKwWaSeR
書き込んでからさげてないことに気付いた、すまない

まあとりあえず書いてみるよ
あんまりあれなら途中でやめるっさ

994 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:44:57 ID:lsXQ0Eip
>>1000なら、とらドラの手乗りタイガー召喚。

手乗りタイガーならドットやラインくらいなら素手でも倒しそう。

ルイズと似たもの同士で仲良くなるか、同属嫌悪で嫌いまくるか、
どっちになるか楽しみ。


995 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:45:23 ID:JZ9eOrdH
>>1000なら角都召喚

996 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:45:33 ID:6XnJG6AO
>>1000ならナスターシャ・ザビコフがメイド服でお出迎え

997 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:45:46 ID:4/OdFC5b
コードギアスからルルーシュ召喚

998 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:45:58 ID:U+PWcwmA
1000なら書いたキャラが作者さんにお礼参り

999 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:46:01 ID:4uFoEBzK
1000だったら言葉様召喚

1000 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:46:03 ID:l6mZpxND
1000ならこの恨み地獄へ流します

1001 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/24(月) 23:46:03 ID:fjw7xdKF
>>1000ならば風水都市から風水師の妹召喚

1002 :1001:Over 1000 Thread
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。

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