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あの作品のキャラがルイズに召喚されました part65

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 22:47:34 ID:hPT2xfI8
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。

前スレ
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part64
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1190642880/

まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/
--------------------------------------------------------------------------------

    _              ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃 ` ヽ  .   ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
    l lf小从} l /   ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.   ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
   ヽ_/ィヘ_)〜′   ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!
              ・議論や荒らしへの反応は、避難所でやりなさい!

--------------------------------------------------------------------------------
     _
     〃  ^ヽ      ・クロス元が18禁作品であっても、SSの内容が非18禁である場合は本スレへの投下で問題ないわ。
    J{  ハ从{_,     ・SSの内容が18禁な展開をする場合はクロス元に関わらず、本スレではなく避難所への投下をお願いね?
    ノルノー゚ノjし      ・クロス元が型月作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
   /く{ {丈} }つ     ・クロスはお互いを尊重しなきゃだめ。一方的なのはモテないわよ?
   l く/_jlム! |      ・不要な荒れを防ぐには、sage進行もいいんじゃないかしら。
   レ-ヘじフ〜l         ・次スレは>>950から。お願いね?テンプレはwikiの左メニューを参照よ




2 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 22:49:51 ID:eeZbtTfv
>>1乙!
そして、2ゲット!

3 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 22:52:35 ID:xnHSoG41


4 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 22:53:14 ID:JamObr0Q
>>1乙。
そしてAAのルイズの胸の犬を見てルイズがめいおー☆攻撃すると犬と浮かぶのかと幻視。

5 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 22:55:00 ID:noW8/Grj


>>4
じゃあキュルケは丈かw

6 :金剛石の人:2007/09/26(水) 22:58:06 ID:GYLacjUu
>1
スレ立て乙!
ところで、進路上はクリアーですか?

7 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 22:58:42 ID:JamObr0Q
コアスプレンダーが発進できるぐらいクリア、多分

8 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 22:59:46 ID:JamObr0Q
ってしまった、ごめん、前スレに予約入ってるorz

9 :金剛石の人:2007/09/26(水) 23:00:52 ID:GYLacjUu
了解。のちほどまた来まする

10 :ソーサリー・ゼロ:2007/09/26(水) 23:01:35 ID:dSXzzBUu
>>1乙!
えー、私は三番手でしょうか?

11 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:01:41 ID:JamObr0Q
予約状況
ID:mpLT/uf7→ID:JVhQ0Y/Y→金剛石の人
かな、申し訳ない。

12 :零魔娘娘追宝録:2007/09/26(水) 23:03:33 ID:JVhQ0Y/Y
>>6氏スマヌ、スマヌ。ギー。 それでは投下させていただく。
-----------------------
           トリステインの都にて入手した剣
                    『デルフリンガー』
                    を背負った静嵐刀
                      彼とともに歩く
                   『ヴァリエールの女』
                       とはいかに?


「武器が欲しい?」
 ギーシュとの決闘から数日後のある日。
 静嵐は思うところがあり、ルイズに願い出た。
「この前の一件もあって思ったんだけどさ、やっぱり何か手持ちの武器がないとこの姿じゃ戦い辛いんだよ」

「あんた自分自身が剣なんでしょ。それでも武器が必要なの?」
 ルイズの疑問はもっともだろうと静嵐は思った。
 人間の姿に変身できるとは言え、剣自身が武器を欲しがるとはおかしな話だった。
 ただ、それはあくまで自分を「武器」として使う場合の話だ。

「そりゃあね。あるのと無いのでは大違いだよ。武器があればそれだけ攻撃の幅も広がるし。
まぁ、何かあった時ルイズが刀に戻った僕を使って戦ってくれるって言うなら話は別だけどさ」
 もしこの間のときのように、ルイズが静嵐を扱うことのできない状況で、
 彼女自身を守らねばならない時がきたら、武器がないというのはいかにも心細い。

「それじゃ使い魔の意味が無いじゃない」
 そうなのだ。使い魔というのはあくまでも主人の『魔法』を支援する存在であり、
 その仕事には柔軟さが求められ、単純な護衛などとはまた違うのである。
 静嵐の、「武器の宝貝」という特性を最も生かせる仕事は『戦闘』であるが、
 使い魔はただ敵を倒せばいいというわけではないのだ。あくまでもルイズの補佐が仕事なのである。
 ルイズはしばし思案するような顔を見せたが、決心したように顔を上げる。

「……ま、この間のことであんたもちょっとは使えそうだってわかったし。
今回だけは特別におねだりを聞いてあげるわ。そうね、明日はちょうど虚無の曜日だし、買い物に行きましょ」

                  *

 キュルケはセイランという青年のことを考えてみた。
 魔法の使えない、ゼロのルイズが召喚した使い魔。
 最初はただの変わった格好をした凡夫だと思ったが、ギーシュとの決闘という大事件においては、
 青銅製のゴーレム七体相手に堂々の立ち回りを見せ、平民でありながら見事貴族に勝利をしている。

 キュルケにとって男の評価といえば「好意に値するか否か」であり、貴族か平民かなどは関係ない。
 好きになってしまえば相手の身分など関係ないのである。
 その点で言えばセイランは『平民でありながら貴族に勝利するほどの力の持ち主』
 であり、『それでいて偉ぶった生意気なところのない好青年』と言えるだろう。
 十分キュルケの『好み』に当てはまる。

 だというのに。
「なーんか興味が沸かないのよねえ……」
 それはキュルケにしては不思議であった。
 これほどの好条件が揃った相手に「恋」をしないなど、キュルケならばありえないことであり。
 彼女の二つ名「微熱」にはなんとも似つかわしくないことだ。


13 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:03:41 ID:JamObr0Q
予約状況
ID:mpLT/uf7→ID:JVhQ0Y/Y→ソーサリー氏
後から来る:金剛石の人  かな。
前スレと跨いで複雑怪奇。

14 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:05:08 ID:JamObr0Q
支援

15 :零魔娘娘追宝録:2007/09/26(水) 23:05:58 ID:JVhQ0Y/Y
順番抜かしちゃったか……?
----------------------
 そんなキュルケの疑問を、彼女の友人である雪風のタバサはあっさりと切って捨てる。
「それが普通」
 キュルケはいつものように、日がな一日本を読んでいるタバサのもとに押しかけ、
 大声で自分自身に対する疑問を並べ立てていたのである。
 それは本来、本を読む際の静寂と安寧を何よりも重視するタバサにとっては雑音以外の何物でもないが、
 これさえなければ気のいい無二の親友を追い出すわけにもいかず、こうして適当に返事をしているのであった。

「それはそうだけどさぁ! おかしいわね、今度もまたいけそうと思ったのに……?」
 やはり納得した様子はなく、キュルケは相変わらず首をひねっている。
 タバサは少しだけ本から目を離し、何かを思い出すようにしながらポツリと漏らす。
「彼は……やめておいたほうがいいと思う」
「……どういうこと?」

 キュルケがどんな相手と付き合おうと、何か問題が起きない限り基本的に放置するタバサにしては珍しく、
 恋の相手に対するアドバイスめいたことを口にする。
 キュルケとて、今までつきあってきた相手にはどうしようもない駄目男も存在する。
 今になってみればなんであんなに熱をあげていたのかわからないという男がいるにはいたが、
 たとえそんな男に対する恋心を吐露したときですら、タバサは何も言わなかった。
 ――無論、後腐れなく『力ずくで』別れる際に手伝うことは多々あるが。

「……」
 問い返すキュルケに、タバサは答えない。
(根拠は言えないけれど、何か疑惑があるってところ?)
「まぁいいけど。貴女がそんなこと言うなんて珍しいし――あら?」
 廊下から声が聞こえる、誰かが話ながら歩いているのだろう。

 耳をすませば、「はやくしなさいよ」「待っておくれよ」とやや甲高い少女の声と、気の抜けた青年の声が聞こえる。
 それが誰のものかはすぐにわかった。話題に上がっていた件の青年セイランと、彼の主人であるルイズだ。
「あの子たち何処かに出かけるみたいね。ま、今日は虚無の曜日だし、買い物にでも行くんだろうけど」
「……」
 タバサは無言で本を閉じて立ち上がり、愛用の大きな杖を手にとってマントをつける。
 今日は虚無の曜日。タバサが最も好む静かな休日に、自ら外出しようとするのは非常に珍しいことだ。

「出かけるの?」
「追う」
「追うって! ルイズたちを?」
 驚いて問いかけるキュルケに、タバサはあっさりと答える。
「この間の助太刀に続いて妙な『雪風』の吹き回しねえ? なんだってあの平民くんをそんなに気にするの?」
「……」
 タバサは押し黙る。

 キュルケには、それは自分に言う必要が無いという沈黙ではなく、
 言うことによってキュルケを厄介ごとに巻き込まないようにするための配慮の沈黙であることはわかった。
 そんな友人の気遣いは水臭いと思わなくも無いが、
 それを指摘することでわざわざ友人の思いやりを無為にすることもない。
 いざというときに、自分が何も言わず手を貸せばいいだけの話だ。

 そう考え、キュルケはわざと調子付いたようにふざけた言葉を吐く。
「あ、ひょっとしてああいうのが貴女のタイプだとか?」
「違う」
 そこだけははっきりと否定して、タバサは部屋から出て行った。
 友人の背中を見送って、キュルケは届かない声をかける。
「……あんまり危ないことしちゃ駄目よ、タバサ?」


16 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:07:07 ID:JamObr0Q
って、あうあうあう……ごめん、ごめんよorz支援

17 :零魔娘娘追宝録:2007/09/26(水) 23:07:06 ID:JVhQ0Y/Y

                  * 

「あんたも物好きね。よりにもよってそんなボロ剣にするなんて」
 武器屋から出て、開口一番にルイズは呆れたように言った。
 ルイズにボロ剣呼ばわりされたそれ――静嵐の背に背負われている錆びた剣はカタカタと鍔を鳴らしながら文句を言う。
『うるせえぞ娘っ子。今はこんなナリをしちゃいるが、このデルフリンガー様ほど役に立つ剣なんてこの世にありゃしねえんだ』
 剣から聞こえるのは男の声だ。
 デルフリンガーと名乗るこの剣は、魔法により人格を与えられた『インテリジェンスソード』なのである。

「おまけに五月蝿いったらありゃしない。剣が喋ってんじゃないわよ」
「酷いこと言うなぁ」
 静嵐は苦笑いを浮かべる。彼もまた、デルフリンガーと同じように意思を持った武器だ。
 今は青年の姿をしているが、その本性は刀なのである。
 もっとも彼の場合は、魔法の力ではなく異世界の『仙術』と呼ばれる力によって作られた道具、『宝貝』であるのだが。

「そんな錆び錆びでどう役に立つっていうのよ。包丁のほうがマシじゃない」
『なんだと! 俺が如何に役立つというとだな! それは――』
 ルイズの失礼な物言いに、デルフリンガーは勢い込んで反論しようとするが、
 途中で自分がどう役に立つのか忘れてしまったことに気づく。
『……忘れた』
 肩をすくめ、呆れたようにルイズは笑う。
「やっぱりただのボロ剣じゃない」
『〜〜っ』
 悔しそうに歯噛みする――ような雰囲気を発するデルフリンガー。

 しかし意外なところから反撃が飛んでくる。
「あのね、そういうルイズも人のこと言えないじゃないか。聞いたよ? 
魔法が苦手で苦手で、上手く使えないから『ゼロのルイズ』っていう仇名がついてるそうじゃないか」
「!」
 痛いところを突かれ、ルイズは立ち止まる。

「僕のことも欠陥欠陥っていうけどね。そんなご主人様に言われたくないなぁ、ねえ、ゼロのルイズ様」
「……」
 調子に乗った静嵐の物言いに、ルイズは無言で杖を取り出す。
『おい、やべえぞ』
「え?」
「こここ、このバカ剣は。ごごごご主人様になんて口の聞き方するのかしら! 反省が、は、反省が必要ね」

 ようやく静嵐は自分が“また”地雷を踏んだことに気がついた。
 どうやら『ゼロのルイズ』は彼女にとっては禁句らしいということを今さらながら静嵐は知った。
 杖を振り上げたメイジを見て、街のものたちは慌ててその場から逃げていく。
 あっという間に武器屋の前の裏路地からは、彼ら以外の人影はそこから消えてしまう。
「ごめんなさい」

 こうなればひたすら平謝りするしかない。だが、ルイズは
「却下」
 無慈悲にそう言い放ち、ファイヤーボールの呪文を唱えようとして――失敗した。
 どかんと小規模ではあるが強力な爆発が静嵐を襲い、静嵐を吹っ飛ばす。
「……先に門の外に行ってるから。あんたは頭を冷やしてから来なさい。いいわね!」

 失敗の影響か、ルイズ自身も服や髪に焼け焦げを作った状態だ。
 しかしそんなことは意に介そうとはせず「魔法は失敗していない!」というオーラを全身から発しながら、
 ルイズは一人裏路地をずんずんと歩いていく。

『まぁ、なんだ。これからよろしくな、相棒――それで相棒、俺からの最初のお願いだ。
俺を背負ってる時は口の利き方ってやつをちょっとは考えてくれ』
「……うん」
 ボロボロになった静嵐はかろうじてうなずくことだけができた。

18 :零魔娘娘追宝録:2007/09/26(水) 23:08:16 ID:JVhQ0Y/Y

                  *

「ああもう!なんだって私がこんなことしなくちゃならないのよ!」
 そう悪態をつきながら、通りを一人の女性が歩いている。
 彼女が歩いているのはブンドルネ通り。先ほどまで静嵐たちがいた裏路地とは違う、トリスタニア一の大通りだ。
 小脇に本を抱え、怒りに満ちた様子で肩をいからせて歩いている彼女は驚くほどの美人であった。

 豪奢な金髪を背中に揺らし、質素ではあるが非常に質と品がいい服に身を包む。
 年のころは二十代後半。顔立ちは整っていて、百人中百人が美女だと言うだろう。
 その目は少々釣り長な上に眼鏡をかけているせいで、ややキツい印象を与えるが、
 全体に漂う高貴な雰囲気には逆にマッチしている。
 それなりの見る目がある者ならば、一目で彼女は只者ではないとわかるだろう。

「資料なら学院にだってあるでしょうに。なんだってわざわざ王宮まで取りに行かなきゃならないんだか!」
 苛立つその口ぶりに淀みは無く、言葉の端々から知性の輝きを感じる。
 それもそのはず、彼女はトリステインの魔法研究所「アカデミー」の研究員であるのだ。
 先日、彼女が勤めるアカデミーに、魔法学院から一つの研究依頼が届いた。 
 それは魔法学院の学院長直々の依頼で、内容は

「ワシんとこの教師の一人が変なルーンの使い魔を見たって言うんだけどさ、ちょっと調べてくんない?」
 という非常にふざけたものであった。
 しかしどういう手管を使ったのか、その学院長の依頼は正式なもののとして処理されることになり、
 研究員の一人である彼女はその仕事に回されたのだった。

 仕事を任された以上、生真面目な彼女はその仕事を完璧にこなそうとし、資料を捜し求めた。
 そしてある一冊の書物が必要になったのだが、その書物は王宮の書庫にしかないという。
 王宮の書庫ともなれば小者を遣わして「ちょいとお借りしますよ」というわけにもいかず、
 研究員の一人であり、それなりに地位の高いとある貴族の出自である彼女の出番となったのだ。

 内容のわりにやたらと手間のかかる煩雑な王宮での手続きを済ませ、やっと書物を借り受けたのだが、
 そこで少々「不快な出来事」が起こり、彼女はこうして肩をいからせながらブンドルネ通りを歩いているのだった。
「きゃっ!?」
 歩いていた彼女に、通行人の一人がぶつかる。
 ぶつかった勢いで彼女は地面に倒れこんでしまう。
 帽子を目深に被った汚らしい格好の一人の平民の男である

「……」
 男はぶつかった彼女に一瞥をくれ、何も言わずに駆け出す。
「待ちなさい!」
 無礼以前に公衆道徳が出来ていないその男を呼び止めようとするが。
 男は人ごみでごった返すブンドルネ通りを慣れた様子ですいすいと走り去っていく。

「まったく! 最近の男は……あら?」
 立ち上がった彼女は、自分が持っていたはずの本が手元に無いことに気づく。
 落したのかと辺りを見回すが、それらしき物は無い。
 ふと走り去る男の後姿を見れば、その手に本らしきものを持っていることがわかる。
 となれば、答えは簡単だ。
「泥棒!」


19 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:08:37 ID:alBMt7sD
ID:mpLT/uf7=エデンの林檎氏は前スレに投下中ゆえ気にせず続けて支援

20 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:08:51 ID:dDYc8GXE
前スレでもこっちでも同時投下中wwww支援

21 :零魔娘娘追宝録:2007/09/26(水) 23:09:22 ID:JVhQ0Y/Y

                  *

「参ったなぁ。ここはどこだろう?」
 ルイズと別れて小一時間ほど経った頃、静嵐たちは未だに町を彷徨っていた。
 ルイズは先に門へと行っていると言ったが、初めて来た街の裏路地に放置されてはそうそうたどり着けるものではない。
 背中のデルフリンガーが呆れたような声を挙げる。
『やれやれ。新しい相棒との初仕事が人探しとはな。おっと相棒、そっちじゃないぜ』
「え。そう?」
 別の通りに抜けようとしていた静嵐をデルフリンガーは呼びとめる。

『相棒たちは東門から入ってきたんだろ? じゃあ逆方向じゃねえか』
「ああ、そうか。よくわかるね。デルフ」
 来る時通った道もわかっていない静嵐は素直に感心する。
『……なんでわかんないのかが俺には不思議だぜ、相棒……ん?』
 背中のデルフリンガーが何かに気づく。

 通りの向こうから急いで走ってくる男が見える。男はろくに前も見ず、
 ただひたすら何かから逃げるように走りこんでいる。このままでは静嵐とぶつかるだろう。
『相棒! 右に避けろ!』
「え? こっち?」
 流石武器の宝貝、急な指示に対しても即座に反応する。だが、

『馬鹿! 俺から見て右だ!』
 剣に右も左もないが、感覚としては後ろを向いて背中合わせになっているつもりだったデルフリンガーと、
 前を見ている静嵐とでは当然左右が逆になる。
 静嵐は男を避けようとして反対にその男の進路に割り込んでしまった。
「!」
「うわっ」
 男が静嵐の無闇に長い足にひっかかり転倒し、静嵐はそんな男の下敷きとなってしまう。

「くっ……」
 男は急いで起き上がり、自分の手荷物を探そうとするが見当たらない。
 遠くからは「泥棒!」という声が聞こえる。
 男は一瞬悔しげな顔をしてから、何も持たず先ほど以上の速さで走り去っていく。
「ああ痛いなぁ、もう。ん、何これ?」

 男が立ち去り、静嵐もようやく膝立ちに起き上がる。
 起き上がった静嵐の腹の下に、何かがある。一冊の分厚い紙の束だ。
『本みてーだな』
「みたいだね。さっきの人のかな?」
「私のよ」

 突然聞こえた声に振り向けば、息を切らせた一人の女が立っていた。
 メガネをかけた金髪の美女だった。
「えっと、この本は貴方のですか?」
 本の埃を払う。この世界の言語を知らない静嵐には、その本に何と書いてあるかはわからない。
「ええ、あの盗人に奪われたのよ。あなたがぶつかってくれたおかげで取り戻せたようね」

 盗人。さきほどの男はこの女性からこの本を盗んだのだろう。
 なるほど、それであんなにも急いでいたのか、と静嵐は納得する。
「はぁ。そりゃ何よりで。僕もぶつかった甲斐がありましたよ。ではこれで――」
 何はともあれ問題は解決した、と静嵐はその場を立ち去ろうとする。


22 :零魔娘娘追宝録:2007/09/26(水) 23:10:31 ID:JVhQ0Y/Y
 だが女性はそんな静嵐の襟首を掴み引き止める。
「待ちなさい」
 武器の宝貝とは思えないほどの無抵抗さで、
 母猫に首を咥えられた猫のような格好になりながら静嵐は問う。
「何か用ですか? 僕はこれからちょっと人を探さないといけないんですが」
 早くルイズを探さなければ、待たせてしまうと彼女を怒らせることとなる。

 だが女はこともなげに言う。
「折れたのよ」
「折れた?」
 何が折れたのかわからない静嵐は、女の全身を頭の先からつま先まで見渡す。
 刀の宝貝としての観察眼を無駄に発揮して、『折れた』ものを探す。
 骨ではない、メガネの蔓でもない……奇妙な意匠の靴、左右で踵の形が違う。これか。

「ああ、靴の踵ですか。それで?」
 それが折れたと言われても、だからどうしろというのだろう。自分に修理できるものでもない。
「肩を貸しなさい」
「僕が?」
「他に誰がいるの」
 肩を貸せ、というのはわかる。あのままでは歩きにくいであろうし、
 だからといって靴を脱いで歩くわけにもいかない。
 ただ、何故自分がそうしなければならないのかわからない。

「いえあの、さっきも言いましたが僕は人を探さないといけないんですがね」
「後にしなさい」
 ピシャリと反論を許さず、ただ自分の要求だけを告げる。
 その、横柄でありながらそれを当然であると言わんばかりの態度に、
 ああ、この人も貴族なんだな。と静嵐は推測。

「平民の分際でこの私の言うことが聞けないの? 西門まででいいわ。そこに馬車を待たせてあるから」
 案の定、こちらを平民扱いしての物言いだった。
 平民どころか人間ですらない静嵐には、的外れなものでしかないのだが。
 それをいちいち説明するのも面倒であるし、説明したところでわからないだろう。

 静嵐はあきらめて、彼女を送り届けることにする。こうして話していても埒は明かない。
 ならばさっさと用事を済ませるに限ると判断したのだ。
 そこで断固として断るという選択肢が存在しないのもまた静嵐らしいことであった。
「ねえデルフ、西門ってさ」
『まぁ普通に考えて東門の逆だな。娘っ子が待ってるとしたらそっちじゃないだろうよ』
「だよね……。はぁ、最近こういうの多いなぁ、僕」

 貴族に呼び出され、貴族に決闘を申し込まれと、最近どうにも貴族づいている。
 ぼやく静嵐に対し、イライラと女性は怒鳴りつける。
「何ぶつくさ言っているの! いいから早くしなさい!」
「はいはい。わかりましたよ」
「安心なさい。後でちゃんとお礼はするわ。貴方、名前は?」
 命令しておいて後でお礼というのも変な話だと思うが、さすがに静嵐であってもそれを指摘するのは躊躇われた。

 そんなことをすれば彼女は烈火のごとく怒るであろうことは想像に難くない。
「静嵐刀、まぁ静嵐と呼んで下さい。――それで、ええと、貴女のお名前は?」
 静嵐が問うと、彼女は貴族らしい優美な姿勢で名乗る。
「エレオノール、エレオノール・アルベルティーヌ・ル・ブラン・ド・ラ・ブロワ・ド・ラ・ヴァリエールよ」
 そう言って女性、エレオノールはどこかの誰かによく似た強気な笑みを浮かべた

23 :零魔娘娘追宝録:2007/09/26(水) 23:11:48 ID:JVhQ0Y/Y

                  *

 エレオノールに肩を貸し、静嵐たちは並んでトリスタニアの通りを歩いていく。
 エレオノールの身長は女性にしてはやや高いほうであるが、
 静嵐はそれよりもさらに長身であるため並んで歩いていてもなんら見劣りすることはなかった。
 しかしその静嵐の表情は無意味にニコニコとしていて、屈託の無さを通り越した無防備さがある。
 それが苛立ちを隠せないエレオノールの表情とはなんとも不釣合いであった。

 静嵐に会ってから、正確には静嵐に会う前からエレオノールは何かに怒っているようで、どうにも話しかけづらい雰囲気がある。
 巻き込まれては御免とばかりに、デルフリンガーは口を噤んで『ただの剣』のふりをしている。
 その険悪な空気に耐え切れず、静嵐はなんとか口を開く。
「あのー、なんだかすごくご機嫌が悪いようですが何かおありで?」
 エレオノールは立ち止まり、じろり、と静嵐を睨む。

「いえ、ほら、話せば気がまぎれるということもあるんじゃないかと」
 静嵐の弁明に、エレオノール数秒間そうして睨み続けたが、「はぁ」と溜息をついて再び歩きだす。
「……王妃殿下に会ったのよ」
 そう切り出したエレオノールは怒り交じりの暗い表情である。
 どこともわからない男相手にだが、話せば少しは気がまぎれるというのには納得できたのだろう。

 しかし、王妃殿下とは。
 静嵐にこの国の事情はよくわからないが、王妃ともなればそれなりの地位の人物のはずで、
 たとえ貴族であってもそうおいそれとは会えはしないのではないかと思ったのだ。
 静嵐がそう指摘するでもなく、エレオノールは言葉を続ける。

「我が家――ヴァリエール家は王家とも縁があって、そのおかげで親しくさせていただいているの。
……それで今日たまたま王宮に用事が会って出かけたら、偶然王妃殿下にお会いしてこう言われたのよ」
「……なんとおっしゃったんですか?」
 なんとなく聞くべきではないという気はするのだが、静嵐はつい聞いてしまう。
「『あらエレオノールではなくて! まあまあまあ久しぶり! お母様は元気? 
妹のカトレアのお体の具合は平気かしら? 末のあの子に会えなくてアンリエッタも寂しそうですわ』」

 拍子抜けする。どんなドロドロとした会話をしたのかと思えば、
 普通の、親しい人間に久しぶりに出会った時にするような会話ではないかと静嵐は思った。
 だがエレオノールはこう付け加える。
「『それで貴女は……ご結婚はまだなのかしら?』」
「……」
 結婚。人間世界とは隔絶された場所である仙界で造られ、
 封印のつづらの中で数百年以上の時を過ごしてきた静嵐であるが、
 その『結婚』という言葉が女性にとってどれだけ大きな比重を占めているかは知っていた。

 これは不味いことになったぞ。
 静嵐は焦る。普段は言わなくてもいいことを言ってしまう性分であるが、
 さすがにこの話題に触れることはよろしくない事態を招くということは容易に予想できた。
 しかし、そもそもそこに至るまでが不用意と不注意の連続であったことには気づいていない。

 エレオノールは言葉を続ける。
 その肩は何かを我慢するように小刻みに震え、顔は表情が伺えないほど俯く。
「『アンリエッタもね、詳しくは言えないのだけれど近々縁談の予定があってね。
やはり結婚というのは女性の幸せと言えるものですわ。オホホホホ』」
 たぶんそれは、一字一句間違えていないだろう。
 幸か不幸かそんなことまでも記憶してしまうだけの知力が彼女には備わっているのだ。


24 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:12:18 ID:JamObr0Q
同時支援

25 :零魔娘娘追宝録:2007/09/26(水) 23:12:52 ID:JVhQ0Y/Y
「なーにが女の幸せよ! 結婚してない女が不幸せだとでも言うんかーい!」
「! く、苦しい!」
 そう叫び、エレオノールは静嵐の首を掴みギリギリと締め上げる。
 げに恐ろしきは怒れる女。武器の宝貝に致命傷を与えかねない力の入りようである。
 たぶんその王妃殿下というのには悪気はなかったのだろう。
 ただ、知り合いの女性がいつまでも独身であることを疑問に思っただけなのだ

 ふっと力が抜け、静嵐の戒めは解かれる。だがその手は未だ静嵐の首にかかったままだ。
 いつまた首が絞められるものかわからない静嵐はたまったものではない。
「私だってねえ、婚約もしてたのよ……」
 それまでとは打って変わって、か細い声でエレオノールは言う。
 この機を逃す静嵐ではない。神速の斬撃にも似た速さで言い繕う。

「婚約ですって? そ、それはけっこうなことじゃないですか!」
「解消されたのよ」
「……」
 なんとも気まずい。エレオノールは陰鬱な表情で笑う。
「笑ってしまうわよ、結婚目前にして突然の婚約破棄。その理由ときたら『君のそのキツい性格にはもう耐えられない』ですって?
そうね、そうよね。どうせ私はキツい女よ。女だてらにアカデミーの研究員なんぞやってればキツくもなるわよ!」

「はぁ」
 だがそう言っても正直言ってピンと来ない。
 静嵐にとって「キツい性格の女」と言えば、
 たとえば「なんとなくムシャクシャしてたから」とか言って理不尽に自分を殴りつけてくる刀の宝貝や、
 笑いながら普通では考えられもしないような無茶をやらかす静嵐の創造主などであるのだ。
 それに比べればエレオノールなど、怒る理由に筋が通っているだけまだましであると言える。
(つまり彼女はどうってことのない自分の性格に問題があると思い込んでる、いうことだな)

 だから静嵐は、素直にそれを否定してやる事にした。
「僕は別にそうは思いませんけどねえ」
「え?」
 静嵐の意外な言葉に驚くエレオノール。
「だから、エレオノールさんは特別に「キツい性格」をしているとは思わないな、と」
「そ、そうかしら?」

 にわかには信じられない、という様子でエレオノールは問い返す。
 静嵐は深く考えることもなく、自分の感想を言う。
「まぁ、他の人はどうか知りませんけど。少なくとも僕は別に気にならないかな。
むしろ、どちらかと言えば『可愛い』もんだと思いますよ」
「!」

 静嵐の言葉に、何故かエレオノールはきょろきょろと辺りを見回したり、髪を手で撫で付けたり、
 意味も無くメガネの位置を直したりと落ち着きの無い挙動不審な行動を取り出す。
 静嵐はその様子に、ひょっとして自分は何か失礼を働いたのではないかと考える。
「あ、貴族様に可愛いなんて言っちゃ失礼かな?」
「そ、そうよ。失礼だわ、ええ、とてつもなくし、失礼だわ!」
「申し訳ないです。気に障ったんなら謝ります」
「べ、別にあ、謝るほどのことでもな、ないわ」
「はぁ。そうですか」
「そ、そうよ!」 

26 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:13:23 ID:JamObr0Q
支援

27 :零魔娘娘追宝録:2007/09/26(水) 23:15:32 ID:JVhQ0Y/Y

                  *

 エレオノールは内心かなり動揺している。
 まさか否定されるとも思わなかったのだ。
 認めたくは無いが自分は「キツい女」であり、それは男にとって喜ばれる性格ではない。
 その程度には、彼女は自分自身のことを把握している。
 しているのだが……何か苛立つことがあったとき、自分でも感情を制御できないのだ。
 それは明らかに自分の欠点であると言えるだろう。
 にも関らず、この目の前の男、静嵐はそれを否定した。

 それがエレオノールには信じられなかったのである。
 しかも、否定するだけならばともかく、それに加えてそれを「可愛い」などと評すのは、
 まったくもってエレオノールの想像の埒外であったのだ。
(何を気にしているのかしら私は……。ただの平民の世辞にすぎないのに)
 そう思っても、何故かこの鈍臭そうな平民のことが気にかかるのだ。

 それもそのはず、エレオノールは美人だ有能だと世辞を言われたことはあっても、
 ただただ素直に「可愛い」などと言われたことなどありはしなかったのだ。
「と、ところで貴方、ちょっと見ない格好だけど。どこから来たのかしら?」
 内心の動揺を隠す為、当たり障りの無い話題を振る。
 このセイランという男、どうにも見たことの無い格好をしている。

 ただの袖つきの濃紺の外套、といえばそれまでだが、どことなく軍人の訓練着のようにも見える。
 しかもそれは、セイランにとってはとても着慣れたもののようで、一種普段着のような気軽さが感じられる。
 エレオノールの問い、セイランは困ったような顔をして鼻をかく。
「ええと、どう言えばいいのかな? すごく遠くからなんですが」
 遠くとはまた曖昧な答えだ。自分の住んでる場所もわからないような辺境からきたのだろうか。
 そうであれば、この奇妙な格好もうなずける。

 そして、これほどまでに文化形態の異なる場所といって思いつく場所と言えば。
「……ひょっとしてロバ・アル・カリイエかしら?」
「驢馬……なんですか?」
「驢馬じゃなくて、ロバ・アル・カリイエ。ここトリステインよりずっと東、エルフの治める地よりもさらに向こうにある場所よ」
 東、という言葉にセイランは微妙に反応する。
「そこかも知れませんねえ。ちょっとわかんないですけど」

 人間と対立している種族であるエルフの地を越えた先にある、
 ロバ・アル・カリイエからどうやって来たのかはわからないが、
 この男の何処か浮世離れしたところはトリステイン人などのそれではない。
 どうやらそれで正解かもしれない、とエレオノールは納得した。
「ロバ・アル・カリイエね……あら?」

 エレオノールはセイランの左手に見慣れない刻印があることに気づく。
 使い魔のルーンに見えなくも無いが、まさか平民を使い魔にするような『常識知らず』なメイジがいるはずもない。
「これが何か?」
「どこかで見かけたような気がして……なんだったかしら?」
「?」
 無論のことセイランがそれをわかるわけもなく、エレオノール自身もどうしてもそれを思い出すことができずに諦める。
 ただ妙に、どこかでそれを見かけたような気がして、何故か気にかかり続けていた。


28 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:16:26 ID:RxbhHiJb
誤爆にめげるな グラウンド・ゼロ支援 

29 :零魔娘娘追宝録:2007/09/26(水) 23:17:13 ID:JVhQ0Y/Y

                  *

 そしてようやくのことで静嵐たちは西門にたどり着いた。
 夕刻。すでに日も暮れようとしている。
 門の外に出たとき、静嵐たちの前に、一匹の青き竜が降り立つ。
 タバサの使い魔の竜であった。
 竜の上からタバサは問う。その顔は何故か不機嫌そうである。
 まるで探し物をしていたが見つからず、そうかと思えば突飛なところからいきなり出てきたかのように。

「何してるの」
「あ、タバサ。ちょうどよかった、ルイズを見かけなかったかい?」
「東門。貴方を待ってた」
『ほれみろ、やっぱりあっちだったじゃねえか』
「あっちだったねえ。ま、しょうがないよ、エレオノールさんを送ってたんだし」
 突如現れた竜に少々面食らいながらも、エレオノールは静嵐に聞く。

「知り合いなの? セイラン」
「ええ、僕の主人の学友とでもいいましょうか。ま、知り合いです」
 静嵐自身もどう言えばいいのかわからないため、かなり曖昧な説明であるが、
 エレオノールも納得はしたようである。
 エレオノールはタバサに向き直り、しげしげと彼女を観察し、その服装が魔法学院のものであることに気づく。

「貴女、その格好は魔法学院の生徒ね。私の妹の……いえ、いいわ」
「?」
 何かを聞こうとして止める。まるで何か恥ずかしいものを聞いてしまいそうになったかのように。
 問われかけたタバサはわけもわからず首をかしげる。
 と、静嵐は遠くに止まっている馬車に気づく。

「おや? あれがエレオノールさんの家の馬車ですか?」
「え? ……ああ、そうみたいね」
 使用人らしき男がエレオノールの姿を認め、走りよってくる。
「それじゃあここでお別れですね」
「そう、なるわね……」

 何故か妙に名残惜しそうにエレオノールはちらちらと静嵐のほうを気にする。
「お礼のほうは後日魔法学院にでも貴方宛で届けさせるわ」
「いえそんな、お構いなく」
 ルイズを探している途中で邪魔をされ、迷惑をこうむったといえばそれまでだが、
 礼をされるほどのことをしたかというとそうでもない。

「そういうわけにはいかないわ。借りを作ればきちんと返す。それが貴族の義務よ」
「気にしないでいいですよ。僕とエレオノールさんの仲ではないですか」
 肩を貸したくらいで仲も何もあったものではないが、何故かその言葉にエレオノールはうろたえる。
「な、仲だなんて! ばば、馬鹿なことを言わないで頂戴!」
 どもりつつも、そう怒鳴り。エレオノールはずんずんと馬車のほうに歩いていく。
 その後姿に誰かに通じるものを感じつつ、静嵐はのん気に手を振る。

 さてまた東門まで行かなければならない、と思ったが。
 タバサが親切にも「東門まで送る」といい、竜の上に乗せてくれた。
 静嵐とタバサを乗せた竜――タバサはシルフィードと呼んでいる――は大きくはばたき、宙に浮かび上がる。
 馬車のほうに向かって歩くエレオノールの姿が小さくなっていく。
 と、やおらエレオノールは立ち止まり。振り返って静嵐を仰ぎ見る。

30 :零魔娘娘追宝録:2007/09/26(水) 23:18:29 ID:JVhQ0Y/Y
「セイラン!」
「はいー!?」
 もうかなり距離が開きつつある。大声で彼を呼ぶエレオノールに対し、静嵐もまた大声で返事をする。
 エレオノールは小さく手を振り、まるで「可愛い女の子」のように微笑んで言う。
「今日はありがとう! また、機会があったら会いましょう!」
 一瞬その笑みの理由がわからなかったが、とにかくそのように好意的に別れの挨拶をしてくれるのだ。
 きちんと挨拶を返さなければならない。

「? ……ええ、縁があればまた!」
 それは静嵐にしてみればまったくの社交辞令的挨拶であったが、
 何故かエレオノールは満足げに笑った。
 怒り顔が多かった彼女にしては珍しい、花のような笑みであった。

                  *

 トリスタニア上空に飛び上がったシルフィードの上で、静嵐は呟く。
「それにしても」
「?」
 タバサが首をかしげる。
「ヴァリエールって名前の人は多いんだね、この国には」
 最後まで彼女がルイズの関係者だということに気づくことはなかった。

                  *

 西門から折り返すようにして東門の前に降り立った時、そこには一頭の馬に傍らに立つルイズの姿があった。
 その表情は先ほどのエレオノールのように苛立ちに染まっていた。
「セーイーラーン!」
「わ、ルイズ!」
「ご主人様を待たせるなんて、あんたそれでも使い魔なの!?」
「ご、ごめんよ。ちょっと人助けをしていたものだから」

 人助け。という単語に訝しげな表情を浮かべるルイズ。
 どうやら静嵐が人助けをするような――正確に言うなら、人助けをできるような人物には見えていないようだ。
 ヘラヘラと笑って平謝りする静嵐に気勢をそがれたのか、
 はぁ、と溜息を一つついて、ルイズは言う。
「……まぁいいわ。さっさと帰るわよ」
「うん。――ええと、あの。僕の馬は?」

 今朝方静嵐が乗ってきたはずの馬がいない。居るのはルイズが乗ってきた一頭だけだ。
 静嵐は無論のこと馬術も得意であるように造られている。馬術は武術にも通じる。
 ただ、本人の気質のせいか静嵐は馬に舐められやすく、よく振り落とされるのであるが。
「無いわよ。先に学園に返したわ。使いの者がやってきて、急に馬が必要になったからって」
「ええ!? じゃあ僕はどうやって帰ればいいのさ!」
「ボロ剣は馬にくくりつけて、あんた自身は剣の姿に戻りなさいよ。私自らが運んであげるわ」

 ルイズの意外な言葉に驚く。
「え? でも、いいのかい? 帯剣するのは嫌なんじゃないの?」
「あんた一人にしとくと危なっかしいのよ! いいからさっさとやりなさい」
 どうやら道に迷って、人助けをして待ち合わせに遅れたことを怒っているようだった。

 知らない街に置き去りにされた以上、遅れたのは不可抗力だと反論したかったが、
 それはそれでまた彼女の怒りを買うであろうことは目に見えている。
 とにかく、これ以上雷が落ちないうちに帰るのが得策だと静嵐は判断した。
「わかったよ。それじゃあ帰ろうか」
 爆煙を上げ、静嵐は己の本性、刀の姿へと変わる。


31 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:19:02 ID:JamObr0Q
支援

32 :零魔娘娘追宝録:2007/09/26(水) 23:19:38 ID:JVhQ0Y/Y

                  *

 そんな彼らを、はるか上空から観察している者が居た。
 シルフィードに乗ったタバサである。
 タバサは目を凝らし、静嵐とルイズの口の動きを読む。
(「あんたは剣の姿に戻りなさい」「え? でも、いいのかい?」……剣の姿?)
 不可解な単語が出る。『剣の姿』に『戻る』とはどういう意味だろう?
 首をかしげるタバサに、彼女の使い魔が語りかける。

「きゅいきゅい! お姉さま! もう御用事はお済みになったの?」
「まだ」
「ならさっさと終わらせて帰りましょう。お腹空いたの!」
「もうちょっと待って」
 流暢に人語を操るシルフィード。

 風竜だと思われたそれは、喪われたと言われている伝説の幻獣、『韻竜』なのである。
 幼子のように喚きたてる彼女の使い魔を適当にあしらい、タバサはじっと静嵐たちを見つめる。
 何やら言い合っていたようであるが、どうやら話は済んだようである。
 静嵐は背中の剣を馬にくくりつけ、ルイズは馬にまたがる。そして静嵐自身は――
「……!」
「あの平民の男の子、剣になっちゃった!」

 これには流石のタバサもシルフィードも驚く。ただの青年が、一振りの剣に変化したのだ。
 馬上のルイズはその剣をひっつかみ、そのまま馬で学院のほうへと走り去っていく。
「すごいわ! どんな魔法を使ったのかしら!」
 インテリジェンスソードのように知能を持った武器というのはたしかに存在するし、
 一部の魔導具の中には人間に擬態する機能を持ったものもある。
 だが、あのように『生きた人間』が『剣』に変身するなど、タバサは聞いたことも無い。

 そんなことが並の魔法や魔導具で可能だろうか?
 しかし、これで確信が持てた。
 無言で、タバサは杖を握り締める。
「やはり、彼は、彼こそは……」
 自分が探していた存在。自分の目的を達成する為の『鍵』なのだろうか? だとすれば、自分は……
 その瞳には悲壮な決意の色が浮かぶ。
「『あれ』をなんとしてでも手に入れなければ……」

                        (続く)

33 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:19:52 ID:45B6Izaa
なんで姉さまの方が先にフラグ立つのか支援

34 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:20:48 ID:JVhQ0Y/Y
……誤爆してた。エデン氏にはまことに申し訳ないことをorz
うぬれ、かくなる上は詫びの意味をこめてちょいとバラの香りの酒を煽ってきまする。 

静嵐大先生がキュルケなんぞに惚れられるような『隙』を見せるわけがないのです。
しかし不必要なフラグを変なところで立てるのもまた静嵐が静嵐たる所以。
というわけで以上。デルフリンガー入手編という名のエレオノールフラグ編です。

省略された部分、具体的にはデルフリンガー入手の経緯自体も書いてはいたんですが、
本編とほとんど大差ないような部分をわざわざずらずらと書くのもどうかと思い省略してみた。
なのでまぁ、描かれない部分は本編と似たり寄ったりの展開だったと思ってください。シュペー卿涙目。
……いずれまた『錬金魔術師、シュペー卿の勝利』なんぞという外伝を書ければいいなぁ。

35 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:22:24 ID:JamObr0Q
乙。

36 :エデンの林檎 7/6:2007/09/26(水) 23:24:14 ID:mpLT/uf7
終了宣言しようと思ったら人多杉でカンスト乙
誤爆はお気になさらず
ところで末尾に短編の投下を予約、そして支援

37 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:27:59 ID:JamObr0Q
予約状況
ソーサリー氏→エデン氏(短編)
後から来る:金剛石の人  かな?

38 :ソーサリー・ゼロ:2007/09/26(水) 23:29:49 ID:dSXzzBUu
次峰ソーサリドンいきます!
(グオゴゴゴ)

39 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:30:04 ID:Ccehgu/Z
そんなエレオノール姉さま萌え
支援

40 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:30:32 ID:45B6Izaa
支援だ

41 :ソーサリー・ゼロ:2007/09/26(水) 23:31:00 ID:dSXzzBUu
五〇
 
 町外れにある小さな滝を目指して歩く君は、黒い長衣をまとった人物が、こちらに向かって大股に歩いてくるのを見出す。
 頭巾を目深にかぶっているため顔はわからぬが、長身であり、腰には細身の剣らしきものを差している。
 互いの距離が十ヤードほどに狭まったので、その人物の顔が見えるようになるが、目を丸くしたことに、頭巾の内側にあるのは
吊り上った目と口をもつ白い仮面だ。
 仮面の人物は君にはなんの関心もないらしく、まっすぐに進んでくる。
 君はこの怪しげな相手とかかわりあいにならぬよう、道の脇に寄るか(一四三へ)、それとも挨拶をしてみるか(二七五へ)?

42 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:32:10 ID:xrmkT2iQ
ノーズ・フェンシングー!!支援

43 :ソーサリー・ゼロ:2007/09/26(水) 23:32:27 ID:dSXzzBUu
二七五
 
 相手が貴族だろうと推察した君は、相手の機嫌を損ねぬようにやや卑屈な態度で挨拶するが、仮面の人物は足も止めずに
「どけ、平民」と言いつつ、
君のそばを通り過ぎる。
 その声は仮面のせいでくぐもっているが、若く自信に満ちた男のものだ。
 君は仮面の男を見送り、まったく貴族様というやつは、と小さくつぶやき肩をすくめると、先に進む。一三五へ。

44 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:33:21 ID:BMlMLDfU
支援ヌ

しかし、入り込む隙がないな。投下祭りがひと段落したら、隙を見て投下するか…

45 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:33:32 ID:JamObr0Q
>>42 うぎゃあーきんにくまーん! 支援

46 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:34:04 ID:S7MJ0mwZ
次鋒レオパルドン吹いた
支援

47 :ソーサリー・ゼロ:2007/09/26(水) 23:34:13 ID:dSXzzBUu
一三五
 
 歩き続ける君は、やがて滝にたどり着く。
 滝は高さも幅もたいしたものではなく、とくに名勝というわけでもないのだが、町の喧騒に幾分うんざりした君にとっては、
水の流れ落ちる単調な音と、顔にかかる霧のような水気が心地よい。
 よく目をこらすとすでに先客が居て、滝壺のそばに、長衣をまとい頭巾を目深にかぶった人影が、ぽつんと立っている。
 今夜は、よくよく長衣の人物に縁があるようだと思った君は、その人物に話しかけようとするが、相手は君に気づいて
素早く振り向く。
 
 君は驚きの眼で相手の姿をを見つめる。
 月明かりに輝く緑色の長髪に、やや吊り上った切れ長の目、均整のとれた肢体。
 目の前に居るのは、牢につながれているはずの≪土塊のフーケ≫だ!
 驚いているのは向こうも同様だ。
「な、なんであんたがここに!?」と、
狼狽を隠せない。
 君は、フーケと闘う準備をするか(二二六へ)?
 穏便に話しかけてみるか(五六へ)?

48 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:34:35 ID:JamObr0Q
予約状況
ソーサリー氏→エデン氏(短編) →>>44(ID:BMlMLDfU)氏
後から来る:金剛石氏 か。


49 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:35:44 ID:xrmkT2iQ
いけないなあ職人のことを悪く言っちゃあ
とマッスルリベンジャー支援

50 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:36:00 ID:reX4E4dD
ここは五六がいいな〜、支援

51 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:36:05 ID:101pTERn
侍の使い魔氏、―(ダッシュ)は普通二回連続で並べて使うのが文法だったと思ったけど

52 :ソーサリー・ゼロ:2007/09/26(水) 23:36:06 ID:dSXzzBUu
五六
 
 君はとっさに身構えるが、考えてみれば命を懸けて≪土塊のフーケ≫と闘う理由はない。
 彼女が脱獄しようが、盗みを働こうが、君やルイズに迷惑がかからぬ限りは放っておいてもかまわぬだろう。
 問題は、フーケのほうが君を恨んでいるか否かだ。
 君が、このあいだは災難だったなと軽い口調で言うと、フーケは
「ええ、あんたのせいで大変な目にあったわ。あなたが余計なことをしなけりゃ、蛇に襲われることもなかったんだから」と言う。
「でも、あの化け物を倒したのもあんたなんでしょう?貸し借りなしってことで、許してあげる。それに、≪先住の魔法≫の使い手に
一対一で喧嘩を売るほど、わたしは命知らずじゃないわ」
 そう言って、フーケは口の端を吊り上げる。
 どうやら彼女は、君の使う魔法を≪先住の魔法≫だと誤解しているようだが、恐れているのならばわざわざ訂正することもなかろう
と考えた君は、小さくうなずくと、話題を変えることにする。
 フーケになにを尋ねる?
 
 どうやって脱獄したのか・二五へ
 ラ・ロシェールになにをしに来たのか・一八八へ
 なぜ盗賊をやっているのか・三九へ
 先刻すれ違った仮面の男を知っているか・一一二へ

53 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:37:30 ID:JamObr0Q
支援

54 :ソーサリー・ゼロ:2007/09/26(水) 23:38:05 ID:dSXzzBUu
二五
 
 警戒厳重であろう牢獄から、どうやって脱出したのかと君は問うが、フーケは
「わたしみたいな美人が、あんな暗くて汚いところで朽ち果てるのはあまりに惜しい。そう考えた、善意にあふれた紳士が居てね」
と答えるばかりで、具体的な方法は語らない。
 その『紳士』とやらは、どうせお前と似たり寄ったりの悪党なのだろう、と言う君だが、彼女が脱獄したことをわずかながら
喜ばしく思っている。
 ≪土塊のフーケ≫は、トリステイン全土の貴族たちから、さまざまな宝物を盗み出した大盗賊だ。
 この世界の法律について詳しくはない君でも、さんざん貴族に恥をかかせた彼女の末路が、よくて速やかな処刑、悪ければ
死すら許されぬ長く念入りな拷問であろうことは、容易に想像がつく。
 金のためなら殺人も辞さぬ悪党とはいえ、美しい女がそのような運命から救われたことに、君は少しだけ安堵しているのだ。
 君は次にどう質問する?
 彼女がラ・ロシェールになにをしに来たのかを尋ねるか(一八八へ)、なぜ盗賊をやっているのかを訊くか(三九へ)?
 滝にくる途中ですれ違った、仮面の男を知っているかどうかを尋ねてもよい(一一二へ)。

55 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:38:22 ID:TC/hc1Cl
支援

56 :ソーサリー・ゼロ:2007/09/26(水) 23:39:29 ID:dSXzzBUu
一八八
 
 フーケがこのラ・ロシェールに来ているということは、彼女もアルビオンへと渡るつもりなのだろうか?
 君はフーケに、この地でなにをするつもりかと尋ねるが、彼女は小さく鼻を鳴らすと、そっぽを向いてしまう。
 君は別の質問をするか(一九七へ)、それとも術を使うか?
 
 NAP・四八九へ
 HOW・四五八へ
 DUD・三五四へ
 TEL・四〇七へ
 GOD・五一〇へ

57 :ソーサリー・ゼロ:2007/09/26(水) 23:41:14 ID:dSXzzBUu
五一〇
 
 体力点一を失う。
 黄金石(こがねいし)は持っているか?
 なければこの術は使えないので、一八八へ戻って選びなおせ。
 
 黄金石を持っているなら、かざして術をかけよ。
 君が呪文を唱えるのを聞いて慌てて振り返るフーケだが、君の魔力は彼女の心をとらえる。
 フーケは動きをとめ、戸惑ったように君を見つめる。
 その目つきは先ほどとはうって変わって、非常に好意的なものだ。
 君がもう一度、ラ・ロシェールになにをしに来たのかと質問すると、フーケは
「アルビオンでひと仕事しなくちゃいけないのよ」と答える。
 君が冗談めかして、戦場での火事場泥棒に転向したのか、と言うと、
「もう、そんなわけないでしょ。私を牢屋から出してくれた、とある『紳士』が、交換条件として仕事を持ってきたのよ」と、
笑いながら言う。
「それにね、アルビオンは故郷なのよ。あそこじゃ貴族派の傭兵連中が好き放題に暴れまわっているそうだから、
妹たちの無事も確認しなきゃ。ウェストウッドって村でね…」
 そろそろ術の効果が切れる頃合だろうと考えた君は、ここでお前を見たことは誰にも言わない、とフーケに約束し、
別れを告げようとする。
 しかし、フーケが慌てて君を引き止める。
「待って!滝壺の中に、なにか居る!」
 彼女の言葉にしたがって滝壺に視線を転じると、水面を破って巨大なものがぬっとそそり立つ。一六二へ。

58 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:42:59 ID:reX4E4dD
支援!

59 :ソーサリー・ゼロ:2007/09/26(水) 23:43:16 ID:dSXzzBUu
一六二
 
 それは蛇のようにとぐろを巻いた、長大な生き物だ。
 濡れた翼をはばたかせて舞い上がると、水を滴らせながら空中を漂い、じっと君たちをにらみつける。
「あいつは…あのときの化け物の仲間!?」
 杖を抜いて身構えるフーケに、君は無言でうなずく。
 目の前の怪物は七大蛇の一匹、水神ヒュダーナの力を与えられた水大蛇だ!
「忌々しきアナランドびとめ!」
 大蛇はシューッと息を吐く。
「この地に居るということは、我らの拠点を探り当てたか!しかし、きさまがいと高き地にたどり着くことはない!わしが阻む!」
 そう叫ぶと、君たちめがけて舞い降りてくる。
 術を使うか?
  
 KIN・四六六へ
 GAK・三七七へ
 HOT・四四二へ
 MUD・三九五へ
 SUS・四一八へ
 
 それとも、別の方法で闘うか(四七へ)?

60 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:43:19 ID:JamObr0Q
蛇さんキター!?

61 :ソーサリー・ゼロ:2007/09/26(水) 23:44:39 ID:dSXzzBUu
今回はここまでです。
前回は蛇にやられっぱなしだったフーケさん、雪辱なるか?

62 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:44:57 ID:TC/hc1Cl
支援

63 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:46:02 ID:JamObr0Q
乙。土は水を穢すからフーケさんなら……フーケさんならきっと何とかしてくれる

64 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:46:51 ID:0yNMyvPJ
雪辱を陵辱と読んだ奴はオレと一緒に地獄に落ちろGJ

65 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:48:36 ID:S7MJ0mwZ
乙!
滝+フーケで水浴びとか期待したぜ!
次回で戦闘に際し水をかぶって透けるのを期待するぜ!

66 :エデンの中の人:2007/09/26(水) 23:49:05 ID:mpLT/uf7
乙。

じゃあ投下するよ。

67 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:49:48 ID:JamObr0Q
>>65 ハルケギニアにブラ有ったっけ……無いなら……うむ、べネ。
そしてエデンの人支援?

68 :エデンの人の短編 1/2:2007/09/26(水) 23:50:46 ID:mpLT/uf7


 眼前で暴れるその巨大なゴーレムを前に、ルイズは悔しさのあまり奥歯が砕けるほどに口をかみ締めていた。
 学友たちが魔法でゴーレムに応戦している中、ゴーレムは自分へ一切注意を払っていなかったから。
 それは己が脅威に値しないという態度の表れ。
 情けなさのあまり心臓がはじけそうなほど、頭に血が上っていた。


 その春の使い魔召喚の日、何度も何度も、それこそ日が暮れるほどの失敗の後ゼロのルイズの眼前の煙の中にあったのは、六角形の金属板だった。
 何らかの特殊な金属でできているらしい、それでも生き物ですらないそれに口づけ、ルイズは涙をこらえながら自室に戻っていった。
 金属板の中央の文字が消え、ルーンがゆっくりと浮かび上がった。


 ゴーレムは依然眼前で暴れている。
 自分には何もできない。
 爆発はあくまで爆発、狙いも良く定まらないそれは最悪味方を誤爆しかねかった。
 ルイズは一人、ポケットの中の金属板を握り締めた。


 使い魔は契約した主人と感覚を、あるいは知識を共有する。
 その金属板にも無論それが存在したという記憶があり、その元の持ち主の記憶がある。
 その金属板は夢の中、ルイズの夢に記憶、否、記録を送り込んだ。
 それはかつての戦いの思い出。

 勝利の記憶、貪り食われる人間、飛び散る臓物、砕かれる骨肉。
 敗北の記憶、正気を失った子供たち、刺し貫く刃、砕け行く主の体。
 戦いの記憶、はじけ飛ぶ黒煙、空を舞う羽、麗しの日々。
 静寂の記憶、暗い倉庫の中、瞬く光、輝く鏡。

 記憶は思い出としてルイズの夢を駆け巡る。
 そんな夢の暗闇に輝く一筋の光の中、これ以上ないくらいエレガントな青年が背中を向けてポーズを決めて嗤っていた。


 ルイズはもう一度その金属板を握り締め考えていた。
 あのゴーレムの主フーケは自分をどうするだろう?
 おそらくは殺そうとするだろう。
 そしてそのときは間違いなくキュルケとタバサは殺されている。
 ならば賭けてみるのもいいかもしれない。

 所詮自分はゼロなれば。

「フーケ!」

 叫んで駆け出し金属板をその手に握る。
 それを掲げ少女は、ありったけの声で叫んだ。

「助けてパピヨン様!」
(ノンノン! もっと愛を込・め・て! パピ! ヨン!)

 変な幻聴を聞いたルイズの手の中で光が生まれた。

 金属板は発光しまるで機械のように分解されはじけ飛ぶ。
 その抗生物質も、構成情報も、保有するエネルギーも、物理法則も、その一切合切をまるで魔法のように無視してその機能を実行した。
 光が納まると同時に空中に湧き上がる水、それは蝶のように姿をかえルイズの周りを飛びまわる。
 ルイズの背中から同じく水が湧き上がり、大きな蝶の羽を形作った。

69 :金剛石の人:2007/09/26(水) 23:51:57 ID:RH5LSc8K
支援!
私の方は、エデンの人のあとでよろしいですか?

70 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:52:46 ID:ZHZDE4UF
武装錬金支援

71 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:52:48 ID:JamObr0Q
>>44(ID:BMlMLDfU)氏、金剛石の人の後でよろしいでしょうか?
そしてニアデスハピネスか支援

72 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:53:06 ID:tpEgdYQ3
核金支援

73 :エデンの人の短編 3/2:2007/09/26(水) 23:54:37 ID:mpLT/uf7
「蝶? ゼロじゃなくなったのはほめてやるがこんな水滴ごときで何とかなると思ってんのかい!?」

 ひらひら舞って近づいてくる蝶の一頭を、フーケは煩わしそうにゴーレムで軽く払い飛ばす。

 直後光と轟音が炸裂し、ゴーレムのその巨大な右腕は右肩ごと吹き飛んで地に落ちた。

 唖然とするフーケに向かってルイズの周りを舞う透明の蝶が次々と飛来する。
 悲鳴を上げてゴーレムを再構成、急いで楯にする。
 だが次々飛来する蝶の群れに爆撃されて砕け散り、その後には砂の山しか残ってはいなかった。

 森の中からボロボロになったロングビルが現れるまで、ルイズは高らかに笑い続けた。


 何故それがそこにあるのか? そんなことは誰にもわからない。
 だがそれは確かにルイズに召喚され、かつての主の力の形を引き継いで受け継がれた。
 その金属板の名は“核鉄”、使用者の思いを形に変えて力を与える魔法の金属。
 かつての世界で超人・パピヨンと呼ばれた男に用いられ、後に危険物として封印された61番。

 かつての黒色火薬と違いその蝶を構成するのは透明の液体。
 地球という星の上で“ニトログリセリン”と呼ばれている微細な振動で炸裂する危険物質。

 後にレコン・キスタに属する七万の軍隊を、風竜のはるか上空からばら撒かれた蝶たちでその旗艦レキシントン号ごと爆沈せしめ、“地獄蝶のルイズ”と呼ばれるようになる少女の、これは小さな第一歩であった。
 エレガントな仮面をかぶり爆音をBGMに、ルイズは今日も空を舞う。

「蝶・サイコー!!」


『ハルケギニアより愛を込・め・て♪』


終わり。
うん、最後のせりふを書きたかっただけなんだ、すまない。

しかしずっとプリミルだと思ってたよ。思い込みって怖い。
あと結構敬称が抜けてた。様とか殿下とか。

今後は気をつけます。そして後方支援。

74 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:54:54 ID:IdQDfJPS
ルイズがパピヨンなら愛を込めて呼べる……ゴメン、やっぱ無理支援

75 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:55:45 ID:JamObr0Q
乙。属性(爆発的な意味で)は合ってるのかな。

76 :エデンの中の人:2007/09/26(水) 23:56:12 ID:mpLT/uf7
あれ?3/2?打ち間違えたよ……  orz

77 :金剛石の人:2007/09/26(水) 23:57:05 ID:RH5LSc8K
乙彼さまです>パピヨンルイズ

78 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:57:45 ID:XO7wQU6d
蝶乙!

79 :44マグナム松下:2007/09/26(水) 23:57:51 ID:BMlMLDfU
しえーん
パピヨンの核鉄が来てくれたーーーーーー!!!
これは確かに華麗なる爆発姫への変身(変態)!

じゃあお先にどうぞ。

80 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:59:18 ID:JamObr0Q
という事らしいので金剛石の人どぞー。

81 :『虚無と金剛石』 3-1:2007/09/26(水) 23:59:45 ID:GYLacjUu
了解。発進します。

『虚無と金剛石〜ゼロとダイアモンド〜』

その参.懐古 (前編)

 夜が明けきるほんの少し前の時間帯。春先とは言え、この時間は、まだいくぶん肌寒い。とくに、学院の裏手にあるこのような林の中に来ればなおさらだ。
 それでも、彼女は歩みを止めず、林の中にあるやや開けた場所まで来ていた。
 年齢の頃は、16、7歳といったところか。この辺りではやや珍しい黒髪を肩くらいで切り揃えた、穏和でやさしそうな顔だちの少女だった。
 黒を基調としたワンピースと白いエプロンを着用しているところから見て、おそらくは学院のメイドのひとりであろう。
 手に緑色の布で包まれた何か棒状のものを持っているが、木の実でも落としに来たのだろうか? この辺りの木々で春先に実をつけるものはないようだが……。

 土で踏み固められた、広場と言うには少々小さい空間の中央まで来ると、少女は布をほどいて中にしまわれていた棒状のものを取り出した。
 それは、樫の木でできた杖だった――いや、もし知識のある者が見れば、それは”木刀”と呼ばれる、練習用の”武器”であることが分かっただろう。
 少女は、両手で木刀を握り、正眼と呼ばれる構えから素振りを始めた。
 10回、20回、30回……。やがて、その回数が100回を数えるころ、今度は足裏を地面から離さない、専門用語で”すり足”と呼ばれる歩法を使って、前後、左右に動きながら、木刀を縦横無尽に振るい始めた。
 左右の袈裟斬りから、斬り上げ、唐竹割り、胴薙ぎ、神速の連続突き……一連の動作には淀みがなく優美で、少しでも心得がある者が見たなら、感嘆の溜め息を漏らしただろう。
 そうやって十分に身体をほぐしたのち、少女は再び木刀を正眼に構え、呼吸を整えた。
 そのまま、3メイルほど先にある背の高い雑草の葉先を見つめる。
 静かに、しかし大きく息を吸い込んで肺の中に溜める。
 頭の中から雑念を追い出し、剣先に意識を集中する。

 ひゅっ!
 
 鋭い呼吸音とともに、少女が木刀をそれまで以上の速度で振り下ろした。
 そして次の瞬間。

 ――ハラリ………。

 決して木刀が触れてはいないはずなのに、雑草の一番上の葉が両断されて、風に舞っていたのだ。


82 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/26(水) 23:59:54 ID:ObPrpTjK
聖王のゆりかごの玉座からヴィヴィオ召喚

83 :『虚無と金剛石』 3-2:2007/09/27(木) 00:00:56 ID:Bfv7xYxZ
「お見事!」パチパチパチ……。

「えっ、誰!?」

 背後から聞こえてきた拍手と賞賛の声に、少女は慌てて振り向いた。
 小広場の縁に生えた樹の影から、少女の見慣れぬ若い男性が姿を見せる。

「いや、驚かせたのならすまない。私は、アラビク。昨日からこのトリステイン魔法学院で世話になっている者だ」

 青年―アラビクが素直に謝罪するのを見て、少女は慌てて腰を折った。

「い、いえ、私こそ不躾な態度をとってしまい申し訳ありません。私は、この学院に奉公させていただいております、メイドのシエスタと申します」

 と、そこで、ハッと何かに気づいたかのように、口元を両手で押さえる。

「も、もしかして、アラビク様は……昨日、ミス・ヴァリエールが召喚なされたという、遠い異国の王子様なのでしょうか?」

 (王子様、か……)

 確かに、客観的に見れば彼は王位継承権第一位のリルガミン王家の嫡子であり、従って、そう呼ばれて然るべきなのだろうが……どうも違和感がある呼び方だ。
 王宮で暮らしたのは10歳までで、反乱を逃れてからは地辺境の旧家で育った身だ。
 半年前に反乱軍を組織してからは、”殿下”と呼ばれる機会も増えたが、冒険者暮らしが長かったせいか、王子様と呼ばれるような上品な振る舞いは、どうにも苦手だ。
 無論、しかるべき場所(たとえば宮廷)に出れば、それ相応の言動が出来るよう、躾られてはいるが。

「……あのぅ?」

 つい、らちもない思索にふけってしまったようだ。アラビクは頭を振って答えた。

「ああ、すまない。確かに、その通りだ」

「し、失礼致しました! 恐れ多くも、王族の方に……」

 ほとんど土下座せんぱかりのシエスタの恐縮ぶりに、かえってアラビクのほうが慌てた。

「いやいや、いまの私は、国に戻ることもかなわない、言わば出奔同然の身。元王子と言ったほうがいいようなハンパな存在だ。そんなに畏まることはないさ」

「はあ、ですが高貴な身分の方に……」

「ああ、それより聞きたいんだけど、先程の剣術は、誰に習ったんだい?」

 途端に、一層深く頭を下げるシエスタ。

「も、申し訳ございません。平民の分際でお目汚しを……」

 どうやら、余計に萎縮させてしまったらしい。

84 :『虚無と金剛石』 3-3:2007/09/27(木) 00:03:30 ID:Bfv7xYxZ
「あ、いや、別に咎めているわけじゃないんだ」

 慌ててそう言ったアラビクだが、頭を下げたままの目の前のメイドの様子に、ふぅと小さく溜め息をついて、意識を切り替えた。

「――確かに、俺は一応リルガミン直系王族の男子だし、いわゆる"王子"と呼ばれる身分だったことも間違いないけど、別にそんなふうに過分に畏まる必要はないぜ」

 意識的に”一介の冒険者の戦士・アラン”だったころの口調で、シエスタに語りかける。

「え……!?」

 それが功を奏したのか、思わず、といった様子で顔を上げるシエスタ。

「なにせ、王宮で育ったのは右も左もわからない10歳のガキのころまで。
それ以降は、薄汚い簒奪者に国を追われて、王都から逃げ出し、貴族と言うより殆ど豪族といったほうがよさそうな辺境の小貴族の館に匿っててもらったんだしな」

 まだ、こちらでは誰にも詳しく明かしたことのない自身のかつての身の上を語る。

「で、15歳になる直前に一念発起して、魔術師である姉さんと一緒に修行の旅に出たわけだ。それから5年近くは、放浪の冒険者……と言えば聞こえはいいが、実際は隊商の護衛やモンスター退治、古代遺跡の探索、盗品の奪還まで引き受ける何でも屋稼業さ」

「はぁ……大変だったんですねぇ」

 やや粗雑な、しかし親しみやすい”アラン”の口調に警戒心を解かれたのか、シエスタのおびえたような雰囲気も、多少は緩和されているようだ。
 それを確認したうえで、改めて彼はシエスタに質問した。

「ま、それでだ。俺のその冒険者稼業時代の仲間に、あんたと似た剣術を使うヤツがいたから、ちょっと気になったってわけだ」

「えっと……そういうことでしたら。私のこの剣術は、お爺ちゃんに教えられたんです」

 彼が倒木に腰かけ、すぐ傍らをポンポンと手で叩くと、多少躊躇しながらもシエスタも頭をチョコンと下げて隣りに座った。

「そいつは、俺達のいた国では、たしか”居合”とか呼ばれている侍の奥義だよな」

「! ご存知なんですか?」

「さっき言ったとおり、仲間にウィードって侍がいたんだ。そいつが居合の使い手で、盲目の優男なんだけど、すごく強かったよ」

 この際、そのウィードがエルフであったことは黙っておくことにする。彼の世界では、エルフは確かに頭がよく多少孤高を好む傾向はあるものの、この世界のように人間と敵対していたわけではないのだが……。

85 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 00:05:14 ID:7icIhJw8
支援

86 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 00:06:48 ID:+Ig9/67D
支援

87 :『虚無と金剛石』 3-4:2007/09/27(木) 00:08:22 ID:Bfv7xYxZ
「私はトリステインの辺境にあるタルブの村の出身なんですが、私の祖父母は元々村の人間ではなかったそうです。ある日、馬に乗ってフラリと現われ、そのまま村に住み着いたんだとか」

 シエスタが身の上話を始める。

「祖父はたいそう強い剣士で、祖母は博識で魔法を使えたことから、村人たちは、どこかの貴族のお嬢様とその護衛が駆け落ちして来たんでは、と噂したそうです。
 ただ、ふたりとも気さくで、働き者だったし、村が盗賊やモンスターに襲われたときに身に着けた技術を使って撃退してくれたことから、ほどなく村に溶け込むことができたそうです」

「そのお爺さんが”自分はサムライだ”とか言ってたとか?」

「はい、ふたりの間に生まれたひとり娘が私の母なんですけど、母にはサムライとなるだけの素養がなかったそうで、祖母から魔法を教わっていました。
 でも、何人かいる孫の中でも、唯一私にはサムライとなりうるだけの能力があったそうで……」

 買いかぶりだと思うんですけどね? と微笑って見せるシエスタ。

「――もしかして、”リルガミン”とか”トレボー城塞”と言う言葉に聞き覚えはないか?」

「!! 知ってます! お爺ちゃん達は、若い頃は”トレボーじょうさい”と言うところで修行していたんだって言ってました。そこで”ワードナー”って言うメイジや、”トレボー”って悪い王様と戦ったそうです」

(やっぱりそうか……)

 間違いない。シエスタの祖父母は、アラビクと同じ世界、それも極めて近い時代から来た冒険者なのだろう。トレボーが魔除け奪還のお布令を出してたのはアラビクたちが冒険に出る数年前のことなのだから。

「どうやらご同郷のようだな。まだおふたりはご存命かい?」

「はい、祖父はすでに70歳を越えているんですけど、いまだ村で敵う者がいないほどの腕利きです。祖母もまだまだ元気ですよ」

「そうか。機会があればぜひ会ってみたいな。紹介してもらえるか、シエスタ?」

「は、はい、勿論です!」

 と、そこまで話したあたりで、ふたりとも空がだいぶ明るくなってきたことに気づいた。

「おっと、すっかり話しこんだしまったみたいだね。すまない」

 貴族口調に戻るアラビク。

「い、いえ。私こそ、お耳汚しを……」

 再びシエスタが恐縮しようとするのを手で制する。

「あ〜その〜……なんだ。ふたりきりの時だけでもいいから、なるだけフランクに接してくれないか?
 さっきも言ったとおり、元々冒険者稼業が長かったんで、礼儀正しく振る舞うってのは疲れるんだ。あまり肩肘張らない話し相手がいてくれると助かるんだが……」

 アラビクとしては、言った通りの意味で、とくに他意はなかったのだが、シエスタの方はえらく感激したようだ。

「は、はいっ! 私なんかでよければ、ぜひお話し相手を務めさせていただきます!!」

 ……念の為に言っておくと、アラビクは王家の人間の常に漏れず、かなりの美形青年である。
 それでなくても、王族と言う非常に高い身分の男性が、自分を平民と侮ることなく真面目に対応してくれ、さらには「時々、話し相手になって欲しい」と言ってきたのだ。
 同年代の従姉からは「お堅い娘」と称されるシエスタだが、この年ごろの娘にありがちな恋愛に関する妄想癖もそれなりに持ち合わせている。多少は”そういう”夢を見ても致し方ないだろう。

「もしよければ学院長室に案内してもらえないか? 朝一番で顔を出して欲しいと言われてるんだ」

「はいっ、喜んで(はぁと)!」

 自分がメイド少女へのフラグを立てたことには全く気づかず、アラビクはなぜか上機嫌のシエスタに案内されて、オスマンの待つ学院長室へと向かうのだった。

 *  *  *

88 :『虚無と金剛石』 3-5:2007/09/27(木) 00:10:12 ID:eSsVDRLJ
「なるほど、学院長殿のおっしゃることは、よく分かりました」

 学院長室で、こんな早朝から執務を行っていたオスマンに迎えられたアラビクは、そこで昨日オスマンがコルベールに提案した事項――アラビクに学院の講師をしてもらうと言う案を、彼自身から説明されていた。 

「正直、私としても無為徒食のまま、ここでお世話になることは、心苦しく思っていましたので、講師を引き受けることはやぶさかではありませんが……」

「おお、殿下の待遇に関しては、できるだけご希望に沿うように致しますぞ」

 と下手に出つつも、じつは結構戦々恐々としているオスマン。何せ相手は、王族・凄腕・異邦人という厄介事の集大成のような人物だ。聞いた限りでは、さほど無理を言うような性格ではなさそうだが……。

「では、みっつの質問とみっつのお願いが」

「何ですかな?」

「まずひとつ。トリステインにも王家が存在していてると聞きましたが、私の存在を王室もしくはそれに準じる所へ連絡されましたか?」

「いえ、まだです。王子のご意志を確認してから、と思いましたので」

 まぁ、厄介事は、なるだけ先延ばしにしたかった、と言うのが本音だが。

「ありがとうございます。それでは、ひとつ目のお願いです。すでに国に戻れないことでもありますし、私のことは”遠方の国から偶然召喚された貴族”とでもしておいてください。
 無論、あの召喚の場に居合わせた者は真実を知っているでしょうが、どの道我がリルガミンとここトリステインには交流がないのです。不必要に面倒な事態を起こす必要はないでしょう」

「それは、我々としても願ったり適ったりですが……よろしいのですか?」

 実際、他国の王族が一介の生徒(いかに公爵家の令嬢とはいえ)に召喚されたとあっては、宮廷に報告すれば、ひと騒動起こることは目に見えていた。

「ええ。ニルダ神じきじきに戻れないと宣言されているのです。この地に骨を埋める以上、王家の身分を主張しても意味はありません。
リルガミンの名前を出さないためにも、念のため、名前はアラン・ファールヴァルトと変えて名乗りましょう。今後は、そちらの名前でお願いします」

「よろしいでしょう。ところで、その偽名に、何か意味はあるのですかな?」

「アランは冒険者時代に名乗っていた名前です。偽名と言うよりは通称に近いですね。
ファールヴァルトの方は、辺境で潜伏していた頃に世話になった先生がいたのですが、彼の故郷がそういう地名でした。確か”森の彼方の国”と言う意味だったはずです」

「なるほどなるほど」

 青年の懐かしそうな顔を見て、「よい師であったのだろうな」とオスマンは想像する。
 いやしくも教職のはしくれにいるものとしては、できれば生徒たちに後年そういう表情で思い出してもらえるような指導をしていきたいものだ。
(オスマンの場合、セクハラを止めない限り、無理かもしれない)

「ふたつめの質問は、私が講師を引き受けたとして何を教えさせるおつもりですか?」

「その点についてはお任せします。ただ、学生たちとさほど変わらぬ歳ごろから激戦をくぐり抜けて来た貴方の経験と知恵を、できれば彼らに伝えてやってください」

 無言で視線がぶつかり合い、青年は老人が意図しているだろうことをおおよそ察した。

(やれやれ、スパルタなことだ)

89 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 00:11:02 ID:ZvMfJsGp
シエーン!カムバーック!

90 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 00:11:07 ID:Kj4qy2zG
支援

91 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 00:11:13 ID:iFS/devN
支援

92 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 00:11:25 ID:7icIhJw8
同時に支援するのは結構つらい支援

93 :『虚無と金剛石』 3-6:2007/09/27(木) 00:11:29 ID:eSsVDRLJ
 とは言え、「実戦こそ最良の教材」「習うより慣れろ」をモットーに自らを磨いてきたアラビク―いや、アランとしても、オスマンが目指す方向性は嫌いではない。

「そうですか……そういう事でしたら、協力できるでしょう。ただ、私の授業に関しては、必修ではなく選択講義という形で、生徒の側に受講するかどうか任せたいと思います。
私の身に着けた技術を教えるとしたら、こちらではある意味異端にほかなりませんから」

「ご賢察とご配慮、感謝致します。それで三つ目は何でしょう?」

「先にお願いからですが、この学院に奉職しているシエスタと言うメイドがいますが、彼女と頻繁に接触していても不自然でない名目が欲しいのですが……」

 つい先程まで謹厳実直に対応していたオールド・オスマンだが、アランのその言葉を聞いた途端、内心ニヤける。

(ほほぅ。王子様と言っても、やはり若い男か。それにしても意外に手が早いのぅ)

 一応言っておくが、完全にオスマンの誤解、”下衆の勘繰り”と言うヤツである。
 ただ、相手が相手だけに、そのあたりを敢えて指摘しない”大人の対応”をオスマンは選んだ。そのことが後の悲劇、いや喜劇を生むのだが……。

「確か食堂付きのメイドですな。では、彼女はアラビク…おっと、アラン殿の身の回りの世話をメインで行う係としておきましょう」

「ご過分なお心遣い、いたみ入ります。では、最後の質問ですが……私を召喚した女生徒は、いまどうしているのでしょうか?」

「………………は?」

 <後編に続く>

94 :『虚無と金剛石』 の人:2007/09/27(木) 00:12:46 ID:eSsVDRLJ
以上、前編終わり。後編は2時ごろより投下させていただきます。

95 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 00:14:02 ID:wum1vRGo
悲劇っぽい喜劇に期待乙

96 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 00:16:42 ID:9eG7kXiJ
シエスタの祖父祖母は・・・もしや隣り合わせの灰と青春の、あのカップルでは・・・

となるとシエスタの実家には村正が・・・支援

97 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 00:18:17 ID:n76zTRFN
スーパーアラビアン乙!(違う)
しからば、のっそりと投下させてもらおうかのう。
この、スーパーヘブライ人さまがな!!(注・松下です)

いかん、貴族の名残りが…じゃあ、10分後から投下。

98 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 00:18:19 ID:UEOpljmw
ヴァリエールじゃない「虚無のルイズ」って本当にいたのね
紹介されてた本には他にアニエスとかもいたし
これが元ネタかな

99 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 00:19:51 ID:FXgPKYIY
エデンのとガンパレのは良いなぁ
何というか、格の違いを見せ付けられる

100 :『使い魔くん千年王国』 第二十四章 開戦 1/4:2007/09/27(木) 00:29:40 ID:n76zTRFN
そろそろいいかな…レッツ&ゴー。


翌朝、三人は荷物を背負い、魔女のホウキで『火竜の山』へ向かう。
昨夜出た蛙の目玉は、ぬるっとしてイクラに似た食感があり、意外と旨かった。
ミスタ・ポルナレフは気味悪いと言って遠慮していたが。…そんな名前だったかな? あの禿は。

しばらくして、シエスタが眼下に古い寺院のような遺跡を見つけた。『占い杖』が指すのもそこだ。
三人はゆっくりと、寺院の手前に舞い降りた。大きなドームと尖塔は、回教の寺院に似ている。
「ふむ、門には魔法で封印がしてありますな。いや、寺院全体にか…上からは入れませんし、ここを開けましょう」
ミスタ・カマンベールに開錠を任せるが、結構頑強な封印のようだ。…何か違うな。

ふと、門の脇の石碑に彫られている文字に気がついた。手のひらで埃を払う。
そして文字に、ゆっくりと視線を這わせる。…これは、失われた古代ヘブライ文字だ。
「……まさか、『創造(イェジラ)の書』…か!? なぜこれが、ここに」
悪魔召喚のために、悪魔自らが書き記したとも言われている禁断の魔術書。その断片だった。
「二人とも、開きましたぞ! さあ、入りましょう」

「……っきゃ、何これ!? 石像?」
門の中のホールにあったのは、一対の竜の石像。おそらく六十年前に封印された、二頭の火竜だ。
ファウスト博士とムラシゲルが、石化の魔法でも使ったのだろう。今にも動き出しそうな迫力だ。
ミスタ・コルホーズは熱心にあちこち触っている。…あ、近い。近くなってきたぞ。
「ふむ、石化か…固定化の魔法はここでもしっかりしたものらしいですな。
 ミスタ・マツシタの師匠は、いったいどれほどのメイジだったのか…」

「『占い杖』が、もっと奥に行きたがっている! 火竜の封印は後で解くとして、ひとまず奥に進もう」
扉をまた『開錠』して、奥の部屋に入る。螺旋階段があり、地下に続いている。
何十メイルか下ると、広い地下空間があり、湿った土に何かが描かれている…。
「……やはり……これは……!」

懐かしい、見覚えのある図形と数字。ずっと小さな頃から慣れ親しんできたもの。
「これは…『悪魔召喚』の魔法陣か……!!」
メフィスト博士の異世界における遺産。その一つが、この魔法陣だったのだ。
近くの石碑にはファウスト博士の字で、火竜解放の合言葉も書いてあった。

せっかくだ、この際『悪魔召喚』を試してみようか。火竜もなかなか魅力的だが、
呼び出すからには火竜よりもずっと強力で、従順な奴が欲しい。
地獄の番犬ケルベロス? エジプトの聖蛇ウラエウス? それとも魔界の貴公子メフィストフェレス?
ソロモンの笛がないのが残念だが、これらのマジックアイテムでいくらか代用できるだろう。カネもある。

「ミスタ・コルベーリュ! シエスタ! 協力してくれ! ぼくはこれから、『悪魔』を召喚して戦力に加える!!」
「惜しい! 私の名前は、『コルベール』! 『炎蛇』のコルベールですぞ!!」
そんな些細なことはどうでもいい。この独身男性教師(42)め。


101 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 00:30:06 ID:zMu375MH
>>98
kwsk

102 :『使い魔くん千年王国』 第二十四章 開戦 2/4:2007/09/27(木) 00:33:15 ID:n76zTRFN
「『この麗しき日に、始祖の調べの光臨を願いつつ、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、
 畏れ多くも祝福の詔を詠みあげ奉る』……で、これから、次に火に対する感謝、水に対する感謝……、
 順に四大系統に対する感謝の辞を、詩的な言葉で韻を踏みつつ詠みあげるんだけど……」

一方、こちらはトリステイン魔法学院。
ルイズは、自室に篭って詔の作成に余念がない。王宮の文官などに草案の写しをもらったりはしたが、
やはり一世一代の晴れ舞台だ、歴史に残るものは自分の手で作ってみたい。

「……う〜〜〜ん、火と聞くとキュルケの、水と聞くとモンモランシーの、土と聞くとギーシュの、
 風と聞くとワルド様やタバサの顔がちらつくわね……。
 いや、コルベール先生は火だし、姫様は水、シュヴルーズ先生やフーケは土、
 ウェールズ皇太子やギトー先生も風なんだけど……」
いまいち上手い文句が思いつかない。といいますか、こいつらの共通点ってなんだ。

マツシタがいても碌な事は言わないだろうし、オールド・オスマンは論外だ。
あと二週間で長ったらしい詔を作るのは、大変そうだ。
「はぁぁぁ、どこかにこうゆうのを作るのが得意な、麗しい貴公子様はおられないかしらねぇ…」
机に突っ伏し、ルイズは溜め息をつく。

大体、系統魔法どころかコモンマジックも碌に使えないルイズには、別に四大系統に感謝する気もない。
でも水なら姫様の系統だし、よく傷の治療で世話になるから、これから作ろうか。
「水…水…ミミズ…岩清水…う〜んと、そうね…。
 『万物の根元は水なり、存在する全てのもの、それから生成し、それへと消滅す…。
 大地は水の上に浮かぶ。世界は水から成り、そして水に還る』…どっかで聞いたような句ね。
 ありがちかもしれないけど、いいじゃない!」

残念、それはイオニアの自然哲学者タレスの学説だ。
インドの『リグ・ヴェーダ』にも、そんな水についての考えがあったりもするが。


103 :『使い魔くん千年王国』 第二十四章 開戦 3/4:2007/09/27(木) 00:36:18 ID:n76zTRFN
松下たちが『火竜の山』に飛んだ、その日の夜。空は暗雲に包まれている。

タルブの村の人々は不安に駆られていた。ラ・ロシェールの方角から爆音が聞こえてきたのだ。
しばらくすると、空からいくつも巨大なフネが降りてきて、タルブの草原に錨を下ろし、上空に停泊する。
その甲板から無数の火竜が飛び上がった! 新生アルビオンの空中戦艦だ。

「あああ、あれはアルビオンの艦隊じゃないか! 不可侵条約のお触れが出たばかりなのに…!」
「やっぱり奴ら、この国をも攻め取るつもりだったのか」
村人達は家に隠れていた。宣戦布告なしの奇襲だ。しかし、何があるわけでもないこのタルブに空襲とは。
火竜は竜騎士を乗せており、口から火炎を吐いて立ち並ぶ家々や森の木々を焼き払い始めた!
巨大な空中戦艦からは砲門が多数突き出し、そこから轟音と共に次々と砲弾が撃ち出される!

「い、いかん! 家にいると狙い撃ちにされるぞ、山に逃げろ!」
シエスタの父が先導し、家族は揃って家から飛び出す。他の家からも村人が逃げ出していた。
あの子供と娘、それに禿頭のメイジはどうしているだろうか?
村人の中には、逃げ遅れて炎のブレスを食らう者、砲弾の直撃を喰らいミンチになる者もいる。
闇夜の中で、阿鼻叫喚の地獄絵図が、描かれようとしていた。


《御使はその香炉をとり、これに祭壇の火を満たして、地に投げつけた。
 すると、多くの雷鳴と、諸々の声と、稲妻と、地震とが起こった。
 そこで、七つのラッパを持っている七人の御使が、それを吹く用意をした。
 第一の御使が、ラッパを吹き鳴らした。すると、血の混じった雹と火とが現れて、地上に降ってきた。
 そして、地の三分の一が焼け、木の三分の一が焼け、また、全ての青草も焼けてしまった》
  (新約聖書『ヨハネの黙示録』第八章より)


「ッははははは、容易いことだ! 人間どもがゴミのようだ!! 見ろ、あの脆さを!」
『魔眼のワルド』は戦艦『レキシントン号』の甲板から、タルブの村が滅ぼされる姿を見て嘲笑っていた。
ベリアル老からの連絡で、ガリアとゲルマニアが動かないことは分かっている。
港町ラ・ロシェールと、平原がある近郊のタルブの村を占領し、トリステイン侵攻の拠点とする作戦だ。
近在の領主はすでに洗脳・篭絡してある。あとは軍を集結させ、王都トリステインに攻め寄せるばかりだ。

「……私はあんまり、こういうのは好きじゃないね。戦争じゃない、ただの虐殺は、さ」
ワルドの隣にいた女、『土くれのフーケ』は呟いた。盗みは好きだが、殺しは好きではない。
「そうかね。だが、戦場では存分に働いてもらうよ、マチルダ」
奇襲作戦は大成功だ。新生アルビオン――いや貴族連合『レコン・キスタ』、
いや、『神聖アルビオン共和国』の軍勢は集結を開始する。
そして神聖皇帝ことクロムウェルも『レキシントン号』に乗り込んでいる。


104 :『使い魔くん千年王国』 第二十四章 開戦 4/4:2007/09/27(木) 00:39:16 ID:n76zTRFN
「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム、われわれは求め訴えたり」
「エロイムのエッサイム、エロイムのエッサイム…」

「ミスタ・レオパルドン、『われわれ』ではなく『我』でいい。
 それにシエスタ、呪文に『の』をいれちゃだめだよ」
「は、はい、申し訳ありませんメシア」
「グオゴゴゴ……」
魔法陣を発見してから丸一日ばかり。寺院に戻り、火竜を合言葉で解放して仲魔にすると、
松下は薄くなった線を書き直したり、数字の配置を検討したりと、悪魔召喚に向けて余念がない。
コルベールとシエスタは、弁当(人魂の天ぷら入り)を食べたりしながら、それを手伝った。
幸いに儀式用の道具一式も残してあったのだ。
そして、三人は遂に悪魔召喚の儀式に挑もうとしていた……。

「『大気の生霊』を呼び出すのは僕がやる。きみたちはここで魔法陣に向かい、
 一心不乱にさっきの呪文を唱え続けてくれ。途中で何があろうと、いいというまで中断しないでくれ」
「分かりました、メシア! たとえこの身が塵になろうとも!!」
「いや、しかし平民の彼女に『サモン・サーヴァント』は使えないのでは…」
「ミスタ・マンモスマン、これは『東方』の秘術です。彼女にも呪文を唱える口はある。
 『言霊』というのは、誰にでも備わっているもの。メイジはその力がやや強いだけに過ぎません」

松下が持論を披露し、コルベールの反論を封じる。いいから、いい加減本名で呼んでやれ。
結局、何体かの『悪魔』を同時召喚するというゴージャスな結論になっていた。
(何か分からんが、今のぼくは力が漲っている。明日は日蝕だというから、
 占星術的な霊力が魔法陣に影響して、面白い効果を発現させるかも知れないぞ)
松下は、不気味にほくそ笑む。

(つづく)


105 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 00:42:02 ID:Oouez0j1
ミズキ、アラマタ、キョウゴクを同時召乙喚

106 :『使い魔くん千年王国』:2007/09/27(木) 00:42:20 ID:n76zTRFN
はいな、投下終了。いい月夜だなあ。
ワルドベアード様のセリフは、例のあの人っぽく。

じゃあ、また。

107 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 00:44:00 ID:T2Mcd1sw
>>77
パピヨンローゼを連想してしまった俺は破廉恥

108 :ゼロのぽややん:2007/09/27(木) 00:44:58 ID:rhE5/aCz
本当に久しぶりに続きができたんだが、
この後の投下の予定ってあるの?

109 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 00:48:38 ID:UEOpljmw
>>101
ルイズ・ド・ネアン(虚無のルイズ)
本名ルイーズ・ド・ベレール・デュ・トロンシュ
美貌だが厭世的な行き遅れの貴族の娘で
悪魔憑きの発作に襲われて精神病院に放り込まれた17世紀の修道女

110 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 00:51:20 ID:GhnW2WL8
>>109
よく知ってるな。

111 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 00:52:19 ID:K7KjsvTC
てんかんの発作を悪魔つきと勘違いされたわけだな
なんとも悲しいハナシだ

112 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 00:52:19 ID:HAJtuuy6
>>108
予約は入ってない。
…入ってないよね?

113 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 00:53:16 ID:wum1vRGo
入ってないんじゃないかな
とりあえず青の青支援

114 :ゼロのぽややん:2007/09/27(木) 00:55:28 ID:rhE5/aCz
では投下

「以上! これで全部! もう何もないわ! 本当よ!」
 涙目になって叫ぶフーケ。
 ちょっとでも嘘や誤魔化しを入れようとすると、容赦なくナイフが飛んでくるのだ。そりゃもう必死である。
 五本目のナイフを構えながら、アオは難しそうな顔をしている。
 想像していたよりも、なかなか込み入った事情だった。
 フーケがただの悪人なら、話は簡単だったのだが。
 やり方は褒められたものではないが、彼女の根底に根ざしているものは善だ。ここで彼女を殺してしまえば、泣く者がいる。 
 さて、どうしようか。
「……とりあえず、盗んだ破壊の杖を返してもらおうかな」
「そこよ」
 諦めたようにフーケが、渋々とチェストを指し示す。
 アオは、デルフを引き抜くと、切っ先をフーケに突きつけながら、そのまま伴ってチェストに近づいた。
「開けて貰えますか」
「はいはい、用心深い事で」
 フーケは無造作に蓋を開けた。もともと、罠も何も無かったのだ。
「はは、あんたでもそんな顔するんだね」
 アオが一瞬見せた呆気にとられた表情を見逃さず、してやったりと、フーケが笑う。
 だが、アオの反応が無い。
 チェストの中を凝視して固まっていた。
「あは、あはは、あはははは」
 そして笑いだした。おかしくて、おかしくて仕方ないと言わんばかりに。
「ちょ、ちょっと!?」
「お、おい相棒!?」
 フーケとデルフが、まさか発狂したのでは? と焦るほどだった。
「あはは、そうかそうか、これが、これが、破壊の杖か! 
 僕がここにいるんだもんな、これがあってもおかしくないか・・・・・・ぷっ、くくく!!
 でもこれが杖って、すっごいセンスだよね!!」
 アオは笑いながら、破壊の杖と名付けられた、彼のよく知るそれを手に取った。
「っ! 」
 剣を持った時と同様にわき上がる感覚に、一瞬、顔をしかめる。
「・・・・・・かなり古いが、状態は悪くない、か」
 少し考え込むように、腕を組むアオ。
「ねえ、フーケさん」
「な、なによ」
「頼みがあるんだけど」
「なんで私があんたの頼みな・・・ん・・・・・・」
 アオの浮かべた極上の笑みに、フーケは猫のように総毛立つ感覚を覚えた。
 断れるわけがない。

 一方、外で待ちぼうけのルイズたち。
「小屋に入ってからけっこう経つけど、ダーリンたちったら何やってるのかしら。・・・・・・はっ! まさか二人っきりなのを良い事に、ミス・ロングビルがダーリンに迫っているんじゃ」
「ツェルプストーじゃないんだから、そんなわけないでしょ!」
「あら、分からないわよ? お子様なヴァリエールには理解できないだろうけど、ダーリンの魅力は相当なものよ。密室で二人っきりだなんて、間違いが起きないわけがないわ!!」
「ま、まさか〜」
 力強く断言するキュルケに、ルイズは笑い飛ばそうとするのだが、顔が引きつっている。 
「ミス・ロングビル」
 ここでタバサが口を開いた。
 二人の視線が、彼女に向く。  
「婚期を逃した女ざかり」
 とどめだった。
 ルイズとキュルケが顔を見合わせて頷くと、息もぴったりに小屋へ向かって駆け出す。


115 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 00:55:40 ID:l5Ts2Y4N
>>96
トレボーと戦った、つってるから灰と青春はちょっと微妙か?
昔ハードカバーであった小説ウィザードリィのシリーズだとサムライとメイジは全然そういう関係じゃないし、
石垣環のコミック版だとサムライもメイジ(ビショップだけど)も耳尖がってるし。
やっぱり灰と青春のあの二人なんかねぇ。


116 :ゼロのぽややん:2007/09/27(木) 00:57:47 ID:rhE5/aCz
「あら?」
 ものすごい形相で走っていたキュルケが、怪訝そうに首をひねった。
 なぜだろう。目の前の景色に感じる、何とも言えない既視感。
 とくにあの盛り上がりつつある地面は、つい最近見たような。
「って、あれは!」
 あわてて急ブレーキを掛ける。
「ストーップ!!」
 言って、そのまま行こうとするルイズのマントを掴み止めた。
「ぐえ」
 マントで首が締めつけられ、およそ美少女らしからぬ声を上げるルイズ。
「ゴホゴホゴホ!! ・・・・・・あああんたね!? わたしを殺す気!? 下手するとマジで死ぬわよ、これは!!」
「そんな、些細な事どうでもいいでしょ! それより、あれを見て」
「些細じゃないわ!! ったく、なんなのよ」
 キュルケの指さす方を見て、ルイズが凍りつく。
 すでに形を成しつつある巨大な威容。
 間違いない、あれは。
「フーケのゴーレム!!」
 ゴーレムが小屋に向かって、その巨大な腕をのばす。
「いけない! あの中にはまだアオとミス・ロングビルが!!」
 それを見て、ルイズが悲鳴を上げる。
 ダバサが真っ先に反応し、自分の倍もある杖を振るい呪文を唱えた。
 竜巻がゴーレムを襲うが、ビクともしない。
 キュルケも続いて、『ファイアーボール』をぶつけるが効果が無い。
 ルイズも同じく『ファイアーボール』を唱えるが、火は出ず、ゴーレムの表面が爆発で弾けるだけだ。
「どうして、どうしてこんな時にも成功してくれないのよ!!」
 攻撃も、ルイズの悲痛な叫びも全く意に介さず、ゴ−レムの腕が小屋の屋根を突き破った。
 ドアから飛び出す人影があった。
 アオだ。
「よかった! 無事だったのね!!」
「ごめん、破壊の杖は取り戻したんだけど、ロングビルさんがあのゴ−レムに捕まった!」
 見れば、ゴーレムの左手にはミス・ロングビルが握られている。
「そんな!」
「僕に考えがある。すまないがほんの少しでいい、タバサにキュルケは距離を取りながらあのゴーレムの足止めをしてくれ。
 その間に、準備をするから」
「どうするの?」
 タバサの言葉に、アオは肩から吊り下げた『破壊の杖』を見せた。
「こいつを使う」
 あの奇妙な形は、確かにタバサが以前、宝物庫で見たあの『破壊の杖』だ。
 自分にはどうやって使うのかは、まるで理解できなかったが・・・・・・。 
「わかった」
 こくりと頷くタバサ。
「任せてダーリン!」
 キュルケもウインクしながら返事する。
「わたしは、わたしはどうすればいいの?」
 一人なんの役目も伝えられてないルイズが、不安そうにアオを見る。
「君が要なんだ」
 言ってデルフを抜くと、ルイズを左脇に抱え上げた。
「えっ?」
 ルイズが驚く間もなく、烈風のごとき早さでゴーレムから距離を取る。

117 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 00:57:53 ID:wum1vRGo
ちょ、タバサひでぇw 支援

118 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 00:58:43 ID:qBO4WBqD
あっちゃん久しぶりー!支援

119 :ゼロのぽややん:2007/09/27(木) 00:59:05 ID:rhE5/aCz
「ここらでいいだろう」
 ルイズを下ろしながら、ゴーレムを見据えるアオ。
 その距離約15メイル。
 近すぎれば危険だし、遠すぎれば外すおそれがある。
「お願い説明して。わたしが要っていったいどうすればいいの」
 アオは微笑みながら『破壊の杖』を展開させると、ルイズに手渡した。
「君がこいつで、あのゴーレムを倒すんだ」
「わたしが!?」
「さあ、僕の言った通りに構えて。使い方を間違えるとこっちが危なくなる」
 ルイズを膝立ちにさせ、『破壊の杖』を肩に担がせる。
「その立てた照準の間にゴーレムの中心をとらえて、僕が合図したらスイッチを押すんだ」
「それだけ?」
「そう。あとはタイミングの問題だけだ」
 アオはデルフを振りかざし、ゴーレムに向き合った。
「僕が、ロングビルさんを助け出す」
 ルイズは、巨大なゴーレムに比べてあまりにも小さなその後ろ姿に、引き止めたくなる気持ちをぐっと抑え込む。
 そしてただ一言、主として、自らの使い魔に言葉をかけた。
「任せたわ」
「了解」
 アオは、口だけを優しくほころばせると、ゴーレムに向かって飛び出した。

「くっ、くくく」
 握られたデルフが愉快そうに笑う。
「相棒よ。てめはたいした悪党だ。
 自分のご主人様までだまくらかして、自作自演のお芝居をしようてんだからな」
「いろんな事を丸く収めるためには仕方なかったさ。でも、あのフーケさんがおとなしく助け出されると思うかい?」
「まあ、本気でこっちを潰しにかかるだろうな・・・・・・気合い入れろよ相棒!」
「ああ!」

「『ウインドブレイク』」
 タバサの唱えた呪文が、ゴーレムの足へと炸裂する。
 あれほどの巨体だ。末端にかかる負荷は相当なもののはず。
 そうにらんだタバサは、全ての攻撃をもっとも重量のかかる場所、足へと集中させていた。
 まあ、ミス・ロングビルが人質にとられているため、本体への攻撃はできない状態だったのだが。
 攻めあぐねていたキュルケも、タバサに倣い、足へと狙いを定めて呪文を唱える。
 風と炎の波状攻撃が、ゴーレムの進行を阻む。

 さすがにトライアングル二人を相手にするのは少々骨だね。
 ミス・ロングビルことフーケは舌打ちした。
 ゴーレムに掴まれた状態だが、それは見た目だけ、実際は内側に余裕があり、杖を振るぐらいのスペースがあった。
 聞き取れない程度の低い声で呪文を唱え、わずかな動作で杖を振るう。
 だが、あくまで表面上は捕らわれのミス・ロングビルを演じていた。
 このフーケ、なかなかの役者だ。
 攻撃を食らいもろくなった足を補修補強したと思えば、また攻撃を食らう。
 さっさとあの男を追いかけたいのに、ゴーレムを一歩進ませるのにも苦労する有様だ。

 タバサとキュルケは見事に、ゴーレムを足止めする事に成功していた。

120 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 01:00:18 ID:rP4SjuUI
ああ、これはなんと言う大嘘つき、もっとやれ。 支援

121 :ゼロのぽややん:2007/09/27(木) 01:00:48 ID:rhE5/aCz
「お待たせ」
 戻ったアオが、タバサたちに声をかける。 
「この次は?」
 攻撃の手を緩めずに、タバサが指示を仰いだ。
「ありがとう、ここまでで十分だ。あとは僕がやる」
 タバサが、珍しく驚いたように目を見開く。
「一人で?」
「そんな無茶よダーリン!!」
 キュルケははアオにつかまった。正確には、腕にしがみついた。
 その規格外ともいえる胸を、惜しげもなく押し付ける。
 数多の男たちを陥落させてきた彼女の必殺技だったが、しかし、アオは眉一つ動かさなかった。
 やんわりとキュルケを振りほどくと、優しく言った。
「君たちの魔法だと、威力、性質、範囲、どれ一つとってもロングビルさんを助けるには不向きだ。
 でも、僕とデルフにならそれができる」
「まっ、ここは俺と相棒に任せておけって」
 正論だった。
 たしかに自分やキュルケの魔法では、ミス・ロングビルに影響を与えず、ゴーレムから助け出すのは難しい。
 それには、ごく狭い範囲で、しかも高い威力が必要。
 その点、彼の大剣での攻撃は理想的だといえる。
「なら、援護する」
「ありがとう。危なくなったら頼むよ」
「き、気をつけてね!」
 キュルケの言葉にデルフを高々と上げて応えると、見上げれば小山のような巨大なゴーレムに、ただ一人堂々と向かっていく。

 タバサはその風景に、いつか読んだ物語を思い出した。
 彼女の大好きな勇者の物語を。

「はん、主役のご登場かい。結局、ここまではあんたの筋書き通りになっちまったね」
 目の前まで来たアオに、憎憎しげに悪態をつくフーケ。
「ここまでは上出来すぎるぐらいだよ。最後までこうだと助かるんだけどね」
 お互いが聞こえる程度の大きさで話しているため、ルイズたちには、会話は聞き取れない。
「どうだろうねえ。演技には・・・・・・アドリブがつきもんさ」
 それが合図だった。
 ゴーレムが拳を振り上げるのを見て、アオがデルフを構える。
「あ〜あ、やっぱりな」
 軽口を叩くデルフ。 

 地面を穿つ拳の連撃を、アオは死角という死角を縫うように動いてかわし、お返しとばかりに足を切りつけては離れるを繰り返す。
「ええい、ちょこまかとすばしっこい」
 ダメージはたいしたこと無いのだが、アオの動きを捉えきれず、フーケは内心苛立っていた。
 だが、ここまで微妙な均衡を保っていった両者の動きに、変化が現れた。
 足を滑らせたのか、前のめりになる形でアオの体勢が崩れたのだ。
「もらった!」
 それを見逃すフーケではない。
 ゴーレムの拳がうなりをあげて飛んでくる。
 迫り来る拳を目前に、アオが小さく笑う。
 当たるその刹那、上半身をひねるように回転させ、手にしたデルフを振り下ろし、ゴーレムの拳を打ちつけた。
 そう、斬るではなく、打ったのだ。 
 その反動で、アオの体が空中高く舞い上がり、彼の下を、風圧と共にゴーレムの拳が通過する。
 勢い余って、今度はゴーレムの体勢が崩れた。
 その腕に、アオが着地する。


122 :ゼロのぽややん:2007/09/27(木) 01:03:21 ID:rhE5/aCz
 そう、アオはわざと体勢を崩して見せたのだ。
 このための伏線だった。
「やっぱりてめは大した奴だよ相棒! いくぜ!!」
「おおぉぉ!」
 デルフの叫びと共にアオは跳躍すると、気合い一閃、ゴーレムの左手首を斬りつけた。

 だが、次に笑うのはフーケの番だった。

 ガギン!
 
 金属同士が激しくぶつかるような音をたてて、剣が弾かれた。
 手首の部分が一転、鋼鉄の固まりに変わっていた。
「しまった! こいつがあるんだった!!」
 昨晩、自らを打ち付けた感触を思い出し、デルフが悲鳴をあげる。
「あははは! この騙し合い、どうやら私に軍配が上がったようだね。
 魔法の使えないあんたに、空中でこれが避けられるかい!!」
 フーケの言葉通り、空中に放り出される形になったアオには避ける術がない。
 地を這うようなゴーレムのアッパーカットがアオに迫る。

「『エアハンマー』」
 まさに間一髪。
 横合いから放たれたタバサの『エアハンマー』がアオを吹き飛ばし、ゴーレムの拳が空振りする。
「もう、あんたって子は、毎度毎度ナイスよ!!」
 タバサは親指を立て見せたのだが、キュルケに抱きしめられてしまい、その胸に顔を埋めちょっと苦しそうだ。
  
 何とか受け身を取りながら着地し、デルフを地面に突き刺してブレーキを掛ける。
 かなり加減されていたのだろう、『エアハンマー』によるダメージはない。
 だが。
「ツッ!」
 左足に激痛が走る。
 無理な体勢での受け身のせいで、痛めたのだ。
「お、おい大丈夫かよ?」
 アオの異変に気がついたデルフに、焦りが走る。
「いや、ちょっとヤバイかも」
 あまり距離が離れていなかったため、すぐさまゴーレムが追撃してきた。
 なんとか攻撃を避けるアオだが、その動きには先程までの精鋭さが無い。
「どうやらさっきの攻撃も無駄にはならなかったようだね」
 フーケが勝利を確信し、薄く笑う。
 タバサにキュルケも事の自体に気づくが、ゴーレムに邪魔され近づく事ができない。
 それにアオとゴーレムの距離が近すぎて魔法も使えない。

 目を覆いたくなるようなその光景。
 すぐにでも駆け寄りたくなる衝動を必死に押さえ込み、『破壊の杖』を構え続けるルイズ。
「アオ!!」
 代わりに大声で叫ぶ。
「わたしはあんたに任せるって言ったわ!! あんたは、わたしの使い魔なんだから!! だから、だから・・・・・・」
 違う、こんな事を言いたいんじゃない。    
 ルイズは首を振ると、支離滅裂になりそうになる自分を落ち着かせるために、大きく息を吸い込んだ。
 そして、一番伝えたかった事、ただそれだけを叫ぶ。
「がんばれ!!」

123 :ゼロのぽややん:2007/09/27(木) 01:04:22 ID:rhE5/aCz
 それは、アオの耳に確実に届いた。
 遠い昔に、どこかの誰かに言われた言葉。
 自分の中の摩耗した何かに、火がつく。
 アオは笑った。笑って、笑い続けた。
 痛みはもう無い。
 デルフを握る両の手に力がこもる。
「お、おい相棒!」
 デルフが驚きの声を上げる。
「な、なんだこりゃ!? なにかが俺の体を這い上がってきやがる!?」
 無意識のうちに露出していた多目的結晶が、今までにないほどの輝きを放っていた。
 そこから、まるで樹木が根を張るかのように、複雑な模様がデルフの刀身を覆っていく。
 見覚えのあるものだった。
 かつての自分の乗機、その腕にプリントされていたのと同じ。
「精霊回路・・・・・・そんなまさか」
 やがて、小さな青い光の珠たちが、アオを、めぐりはじめる。
「こんな悪党に、こんなに醜くく汚れた僕に、君たちはまた力を貸してくれるのか?」

 タバサやキュルケ、フーケにさえ見えないその光を、ルイズは見た。
 あれはなに?
 太陽の光に照らされ、消えてしまいそうなほどの淡い光。
 その淡い光に照らされるアオ。
 その姿を見た瞬間、涙がこぼれた。

「突然なんだっていうんだい!」
 剣が青く輝きだしたのを見て、嫌な予感がしたフーケは、トドメを刺そうとゴーレムを動かす。
 振り下ろされる拳が、アオのいた地面にめり込む。アオは先程と同じ、いや、それ以上の動きで跳躍してゴーレムの拳に乗り、さらに跳ぶ。
「はっ! こりない奴だね!」
 狙いのわかっているフーケは、すぐさまゴーレムの左腕部分を鋼鉄に変える。
 アオは一切を意に介さず。
 ただその手にした輝きを振った。
 それだけで、遮る物全てが文字通り粉々になって消し飛ぶ。
「精霊手・・・・・・いやこれは剣だから、精霊剣、かな。ありがとう、わずかとはいえ、こんな僕に力を貸してくれて」
 アオは、天に帰る光たちに祈るように呟いた。

 支えを失ったゴーレムの左手が、形を失った土塊と化して、フーケと共に落ちていく。
 フーケは呆然と、悲鳴をあげる事も、『レビテーション』を唱える事も忘れ、ただ落ちていった。
 その体を、アオが抱きとめる。
 見上げるフーケに、どこまでも透き通るような笑みを見せると、駆け出した。
「今だ、ルイズ!」

 合図を受け、ルイズが構えた『破壊の杖』のスイッチを押した。
 なんの反動もなく、栓抜きのような軽い音を立てて、何かが飛び出す。
 ルイズの目には歪な矢のように見えたそれは、白い煙の尾を引き、狙い違わずゴーレムへと突き刺さる。
 爆音を響かせ、ゴーレムの上半身が跡形もなく吹き飛んだ。
 あとに残された下半身も力無く倒れ込み、ただの土の山となった。
「や、やったああああぁぁ!!」
 『破壊の杖』を手に、ルイズが万歳した。

124 :ゼロのぽややん:2007/09/27(木) 01:06:29 ID:rhE5/aCz
「やったじゃないのルイズ! あのフーケのゴーレムを倒しちゃうなんて!!」
 まず、真っ先に駆け寄ったキュルケが、ルイズを抱きしめた。
「グッジョブ」
 タバサもボソリと賛辞を送る。
「わ、わたしの力じゃないわ・・・・・・この『破壊の杖』のおかげよ」
 キュルケの抱擁からなんとか抜け出したルイズが、照れたように言う。
「いや、紛れもなく君の戦果だし、君たちみんなの戦果だ。どうやらフーケも逃げたみたいだしね。もっと誇ってもいいと思うよ」
「ああん、それもこれもダーリンの働きがあってこそよ。って、なにをしているんですかミス・ロングビル!」
 背後からのアオの声に、キュルケが抱きつこうと振り向いて固まった。
 それもそのはず、ミス・ロングビルが俗に言うお姫様だっこの状態で、アオに抱きかかえられていたのだ。
「彼女、なんか腰が抜けちゃったんだって」
 三人のうらやましそうな視線に、ミス・ロングビルが顔を赤くして謝る。
「す、すみません。あ、あのもう大丈夫ですから下ろしてください」
「そう? 無理はダメだよ?」
 アオは言って、彼女を下ろした。
 少しフラつくようだが、大丈夫なようだ。
「ねえ、ルイズ……なに怒っているのかな? えと『破壊の杖』を渡してくれるとありがたいんだけど」
「別にいぃ! お、怒ってなんかないわよ。はい、ど・う・ぞ!!」
 あきらかに怒っていた。
「あ、ありがと。はい、ロングビルさん」
 受け取った『破壊の杖』をそのまま、ミス・ロングビルに手渡す。
「え」
 ミス・ロングビルは放心したようにそれを見た。
「フーケは取り逃がしたけど、『破壊の杖』を取り戻しましたよ」
「え、ええ、オールド・オスマンも喜ばれるでしょう」
 しばらく『破壊の杖』を見つめていたミス・ロングビルは、さっきルイズがしたように肩にかけ、目の前のアオに狙いをつけた。
 その威力を目の当たりにしていたルイズにキュルケ、それにタバサが思わず後ず去る。
 アオは、笑顔のままだ。
 ミス・ロングビルは一瞬険しい表情をしたあと、溜息を漏らしながら、破壊の杖を肩から下ろした。
「……確かにこれは『破壊の杖』ですね。
 ですがわたくしが返却するよりも、あなたたちの手でオールド・オスマンにお返しするのが筋でしょう。
 結局、今回なんのお役にもたてなかったのですから」
 そう言って、アオに『破壊の杖』を返した。
「もう、ミス・ロングビルッたら人の悪い。調べるためとはいえ、そんな危ない物をこちらに向けないでください。
 肝が冷えましたわ」
 キュルケが非難めいた口調で、不機嫌にミスロングビルを見た。
 ルイズとタバサも頷いている。
 当のミス・ロングビルは涼しい顔をして笑っている。
「いや、心配ないよ」
 『破壊の杖』を元の大きさに縮めながら、アオが言った。
 皆が首をかしげる。

「だって、もうこれは『破壊の杖』って名前のただのガラクタなんだから」
 

125 :ゼロのぽややん:2007/09/27(木) 01:07:52 ID:rhE5/aCz
終了。
ああ、時間と自由と金がほしい。

126 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 01:08:22 ID:MHldeDPx
支援

127 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 01:08:43 ID:q/q+V8ZB
乙でしたー

128 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 01:10:28 ID:EHJUbONn
乙でしたっす

えーと新作を投下しようと思うのだけれど。
かまわないのだろうか

129 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 01:11:47 ID:q/q+V8ZB
>>128
OKです

130 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/27(木) 01:13:23 ID:EHJUbONn
じゃあ投下しますね


死んだものに力をもらい
傷ついたものに勇気をもらい
もう何もいらないと首をふるわたしは
あたらしく出会ったものに笑顔をもらった


ウィザーズ・ルーン 〜雪風と虚無の翼〜


「何これ? タバサが魔法を失敗するなんてめずらしいわねー」
 キュルケが意外というふうに、目をきょとんとさせながら呟く。
 サモン・サーバント――使い魔を召喚する儀式により、己の使い魔となる幻獣を召喚したはずのタバサであったが、目の前に浮かんでいるのはどう見ても
「船……大きい……」
 タバサの目の前に突如舞い降りたのは、真っ赤なナイフを連想させる流線型の船体を持った、巨大な航空艦の姿だった。
 船体側面に青いペンキで殴り書きされた、ハルケギニアの者には読めないその船の名は、一五〇メートル級高速機動艦「Hunter Pigeon」という。



「あー、ハリー?」
目頭をほぐしながらヘイズは艦の管制人格である相棒に話しかける。
「なんですかヘイズ」
 甲高い電子合成の声とともに、にゅにゅっとヘイズの前に傍線でできた顔を伴ったウィンドウが開かれた。
 ウィンドウの顔は応答のたびに、コミカルに顔を変化させながらヘイズの周囲をひらりひらりと舞い踊る。
 その光景にと現在自分が置かれた状況に嘆息しながら、ハリーを片目で追いつつ、
「なんだか変な格好した連中が杖っぽいデバイス持ちながらこっちを囲んでるんだが……」
 ヘイズは物憂げな表情を浮かべながら、モニターに写るローブ姿の子供達を確認する。これが全員魔法士だったらなかなか脅威だな、と頭の隅で考えた。
「……この状況に陥ってるのは何故だ?」
 ヘイズとしては半ばすがる様にして、ハリーに話しかけたのだが。
「自業自得、という言葉がふさわしいかと」
 相棒の言葉はにべもないものであった。

131 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 01:13:25 ID:N7XmkJpz
sienda

132 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 01:14:15 ID:jDBhi3vC
人食い鳩wwwww支援

133 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 01:14:46 ID:+ssK7aMe
ちょwwwwwww
危険すぎるwwwwwww

134 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/27(木) 01:15:38 ID:EHJUbONn
 何故こうなったのかといえば遡ること三時間前。
 シティ・ロンドンにおける世界樹事件をなんとか終わらせた後、ヘイズは単身アメリカの地でエリザベート・ザインのメモに関する情報を集めていた。
 そしてある廃棄された地熱プラントで、手がかりがないかと探索していた時のことだった。Hunter Pigeonがいることをかぎつけたマサチューセッツ自治軍がプラントに攻撃を仕掛けてきたのである。
 今は廃業してはいるが、ヘイズは昔ある「龍使い」の少女を守る為に空族として輸送船を狙い撃ちしていたことがある。
 そのときに主にターゲットにしていたのが、当時貧困にあえぐ便利屋をやっているヘイズに「龍使い」のサンプル捕獲を命じたシティ・モスクワの情報部であった。
 地球上では子供でも知っていることだが、大戦後のアメリカにあるシティはシティ・マサチューセッツが唯一現存するシティである。そしてそのマサチューセッツとモスクワは同盟を結んでいる。
 ロンドンで一時的にとはいえ軍に在籍していた為、手出しをしてこなかったようだが、それが軍を抜けたとたんにこれ幸いとヘイズを狙ってきたのだった。
 噂ではファクトリーのエージェントが軍を裏切って脱走したらしいが、それで数の減った実験体を新たに欲しがっていたこともヘイズ拿捕に拍車をかけたのかもしれない。
 だがヘイズとしてはどんな理由だろうが、つかまるわけにはいかなかった。
 ハリーから軍からの攻撃が来たと聞くや、即座に艦に乗り込み、本格的な包囲が始まる前にプラントを飛び立ったのだが、そこで突如艦の前に妙な鏡のようなものが現れた。
 当然無視して別の逃走ルートを探すべきだと言うハリーに対し、ヘイズはなんとなく呼ばれているような気がして、艦艇を鏡のようなものに飛び込ませてしまったのである。

135 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 01:16:16 ID:qBO4WBqD
GJでした。
>>125
自由とか時間とかはどこかの誰かの為に使うものだって某芝村が言ってました。

136 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 01:17:48 ID:jDBhi3vC
虚無の領域はおろか情報防御がないルイズの世界じゃ
破砕の領域でも明らかに致命傷を与える危険な攻撃だよな支援

137 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/27(木) 01:18:32 ID:EHJUbONn
 そして今に至るわけであるが。
「ヘイズにしてはあまりにも軽はずみな行動です」
 ハリーの言葉の一つ一つが、ヘイズの心にちくりと突き刺さる。管制人格なのにここまでピンポイントにダメージを与えるのはそうはいないだろう。
「そうは言ってもよ、何故かオレを呼ぶ声が聞こえたんだよな、あのなかから。ファンメイを助けた時みてえな変な感覚があった」
 科学全盛期の時代に何をというセリフではあったが、ハリーもすでにヘイズと十年来の付き合いである。ヘイズが現実主義な中にどこかロマンチスト的側面があるのを知っていた。
 そして当のヘイズはというと――すでに状況の分析を始めている。なんだかんだいってもヘイズは便利屋として一流の嗅覚を持っている。
「どうやらあの鏡みたいなヤツは空間同士をつなげるゲートみてえな役割をしてたようだな。
つーかそうなると普通は完全装備の軍が包囲してるはずだし、んな空中に設置するタイプの空間連結装置なんて聞いたこともねえ。考えるべきことは山ほどあるが、どっちにしてもあのガキ共が魔法士で、仮にオレ達の敵なのだとすればとりあえずここは脱出すべきだな」
 モニター越しに妙な生物が見えて、妙な服装と合わせてヘイズは動揺したが、ここが魔法士の開発施設ならば納得がいく。
 おそらくあの服装や杖は何らかのデバイスで、それによってあの妙な生物を形成する魔法士だろう。
 となればある程度以上距離を離してしまえば、飛行能力のない魔法士はこちらに攻撃を届けることができないはずだ。
「ハリー! 全速上昇! ひとまず退散だ」
 ゆびをぱちんと打ち鳴らし、艦を上昇させようとするが、
「ヘイズ。演算機関の動作効率が十パーセント以下。これでは戦闘機動はおろか、上昇すらもできません」
「何!? どういうことだ!?」
「どうやらここは先ほどまでより気温が高く、それによって演算機関の冷却能力が低下。
この艦は戦中に作られた試作機であるため、冷却能力は極寒地を前提に作られています。
ここのような暖かい気候では十分な冷却を行えず艦の航行に支障が」
 訥々と説明をするハリー。
「何!? ここはシティのなかでもねえのに、そんなに強力な情報制御をしてあるのか!?」
「そのようです。どうやら魔法を打たれる前に緊急離脱、というのは不可能ですね」
 つまりはお手上げだということらしい。
 ヘイズはなかばやけくそ気味に操舵席から立ち上がった。
「あーつまりなんだ。投降するしかねえようだな。勧告もなしにいきなり魔法で射殺とかはないだろ……多分」
 オレの人生って何なんだとダメなことを考え始めながら、部屋の扉を開けたヘイズを尻目に、
「屍は拾ってあげます」
 とやはりハリーはにべもないことを言うのだった。

138 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/27(木) 01:21:16 ID:EHJUbONn
投下終了です。
話の行程としては1の上?
演算機関についての設定はフーケ戦で強すぎてバランス壊しまくる為に追加。

続きは早ければ明日には

139 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 01:25:00 ID:7icIhJw8
乙……まぁ流石にスピーカー&破砕の領域とかは反則だしな。

140 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 01:28:14 ID:7icIhJw8
まぁ後、ウィザブレの世界においては何処もかしこも極寒の世界だって事書いておかないと
暖かい=情報制御で気温保ってると誤認したのがわかりづらいかも。

ところでほしをみるひとが規制喰らってるらしいんで代理投下しようと思うんだけど良いかな?

141 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 01:29:36 ID:jDBhi3vC
乙でした。
あと、敵の数が増えると演算がややこしくなるんだっけか。>破砕の領域

まぁ、破砕でも最大半径50cm+完全未来予測演算だから戦闘力としては十分か。

>>140
今、予約はもうないかな?いいんじゃないかな。

142 :ほしをみるひと@代理:2007/09/27(木) 01:31:32 ID:7icIhJw8
「ミス・ヴァリエール、今回の課題ですけれど……」
「はい……」
 厳しい表情で手元の原稿に目を落とすミセス・シュヴルーズ。
 ごくりと唾を飲み込むルイズ。
 暴れる心臓に押し出されるように噴き出した汗が頬を伝い、掌を濡らす。

 永遠にも思える数秒の沈黙。
 張り詰めた空気を解すように、教師は温和な笑みを浮かべる。

「たいへん素晴らしい出来栄えです。
 2年生の提出した論文で、これほどのものは初めて見ましたよ」
「本当ですか!?」
 安堵感と喜びから、ぱあっと表情を輝かせるルイズ。
 その無邪気な笑みにミス・シュヴルーズも頬を綻ばせ、言葉を続ける。

「ええ、そう。アカデミーにいらっしゃる貴方のお姉さんでも、
 今の貴方の年齢で、これほどのものを書くことは出来なかったでしょう」
「エレオノール姉様でも……?」
 ルイズが目を丸くする。
 絶対に叶わないと思っていた、雲の上の存在。エレオノール。
 自分が、落ちこぼれと呼ばれ続けたこの自分が、姉様と並んでいる?
 先ほどとは全く違う心臓の高鳴りに、ルイズが頬を高潮させる。

 まったく、ころころと表情を変える生徒だこと。
 そして、ミセス・シュヴルーズは微笑みながら、慈しみに溢れた言葉とともにルイズの肩に手を乗せる。

「自信をお持ちなさい、ミス・ヴァリエール。
 あなたが誰よりも努力していることは皆が知っています。
 始祖ブリミルもきっと見ていらっしゃるわ」
「は、はい! ありがとうございますっ!」

 深々と頭を下げ、感謝の意を表するルイズ。
 そこから遠ざかる足が、貴族と呼ぶには少しばかり問題がありそうなほどに
 軽やかに見えたのは、きっと気のせいではないだろう。
 ふふっ、はしたないこと。気持ちは理解できるけれど、転んでも知りませんよ。
 あら、あそこに居るのはミス・ロングビルかしら?


143 :S−02 星の使い魔@代理:2007/09/27(木) 01:33:06 ID:7icIhJw8

(……嫌な目だ)
 ルイズとすれ違いざまに、ミス・ロングビルは顔を顰める。
 落ちこぼれと評判のこの生徒のことが、彼女は好きではなかった。

 昨日よりも今日、今日よりも明日が良い日だと信じて疑わない真っ直ぐな瞳。
 どれほどの困難に遭おうとも、どれほどの逆境に見舞われようとも、決して折れぬ強き魂。
 嗚呼、なんと麗しきことよ。吐き気がするほどに。

 翻って、自分はどうか。
 魂に刻み込まれているのは、己を裏切った冷たい世界への復讐心。
 守るべき者の為に─────いや、それを言い訳に手を汚し続ける外道。
 己の醜さを知りながら生き方を変えられない、格好悪い大人。
 忌まわしき過去に縛り付けられた道化の独楽鼠。
 そんな自分に、何時からか付けられた二つ名。

『土くれ』

 誰が呼び始めたかは知らぬが、これほど自分に似合いの名も無かろう。
 フッと自嘲めいた笑みが浮かぶ。
 落ちこぼれなら落ちこぼれらしく、もっと淀んだ目をしていればいいものを。

「……どうかしたんですか、ミス・ロングビル?」
『自分の名』を呼ぶ声に、思わず立ち止まる。
 目の前には金髪の少年。ああ、さっきの彼女の使い魔として召喚された彼か。
 知らず知らずのうちに眉間に皺が寄っていたらしい。
 いけないね、どうも。

 とりあえず、仕事のことに少し問題があるとだけ答えておく。
 別に嘘では無い。例えばセクハラとか特にセクハラとか他にはセクハラとか。

「そうですか……あまり無理をしないで、体には気をつけてくださいね」
 とりあえず納得したのか、そう言って笑みを見せる。
 坊やも甘いことだね。
 もっとも、この程度の猫も被れないようでは社会人なんてやってらんないんだけど。

 あ、嬢ちゃんにほっぺ引っ張られてやんの。
 う〜ん、確かにそんなに悪くはないと思うけど、少し頼りなさげなんだよねえ。

 さて、無駄口はここまで。そろそろ仕事の準備といこうか。
 ここは分の悪い賭けに張るしかないか、仕方ないねえ。
 本当はもう少しスマートに行きたかったんだけど。


144 :S−02 星の使い魔@代理:2007/09/27(木) 01:35:07 ID:7icIhJw8
「何だってのよ、もう!」
 眼前の巨大ゴーレムに自慢の火球を打ち出し、自棄気味に吐き捨てるキュルケ。
 その横でタバサは既に2度目となる『ウィンディ・アイシクル』の詠唱を始めている。
 うららかな陽光の下、せっかくアンニュイな気分で散歩を楽しんでいたというのに、
 そこに突如として現れたのは30メイル級のゴーレム。一体何の冗談なのよ、これは。

 こちらの魔法は当たっていてもまるで気にせず、煩い蚊や蝿を振り払うように腕を振り回すばかり。
 それだけと言えばそれだけなのだが、何しろサイズがサイズなので、
 豪腕の一振りだけで背筋が凍りつくような旋風が巻き起こる。
 まともに喰らえばカルシウムたっぷりの人肉ミンチの出来上がりだ。
 変わり果てた姿と言うにも程がある。


    ズゴォォォォォォォォンッ……!!


 部分的に錬金された鋼鉄の右拳が石壁にぶち当たり、轟音が鳴り響く。
 衝撃が砂塵を舞い上げ、砕けた岩の破片がパラパラと飛び散る。
 恐怖心が身を縮め、集中が乱されて練り上げた火球が霧散してゆく。
 ええい、この大事なときに!

「……!」
 歯噛みするキュルケの横で、詠唱を完成させたタバサの氷嵐がゴーレムの左肩に降り注ぐ。
 狙いは、そこに立つ黒いローブを纏った術者。
 小さき親友の尋常ならざる肝っ玉に、内心で舌を巻くキュルケ。

 だが、敵もさるもの。
 咄嗟に余ったゴーレムの左手を、雪風を遮る即席の壁とする。
 感覚を持たない大質量の岩の塊に対し、冷気は決定的な打撃にはならない。
 氷の刃が表面を削り取るも、所詮は焼け石に水。
 与えた損傷も随時再生していく。舌打ちするタバサ。

「駄目、私たちだけじゃ止められない」
「でも、だからって見過ごすわけには───!」

              ───ドガァァァァンッ!!


 キュルケの言葉は最後まで発せられること無く、閃光と爆音にかき消される。
 爆風の中、ほぼ同時に振り返る二人。
 そこに立つのは、左手にフェイズガンを構え、右手にデルフリンガーを携えたクロード。

「いやん、ダーリン! 助けに来てくれたのね!」
「まあ、間違っちゃいないけどさ。デルフ、状況はわかるか?」
「さっきから動く気配が無いな、あの程度の火力が致命傷になるとも思えないんだが」
「……!」

 それを聞いたクロードが、弾かれたように飛び出す。
 巻き起こる砂煙が晴れ始め、残されたのは左腕の肘から先を失ったゴーレムと、塔に空いた大穴が一つ。
 今度はキュルケとタバサの表情が変わり、慌てて追いかける。
 さらにそれを後ろから追いかける影一つ。

「こらーっ! 私を忘れんじゃないわよ!」
「うっさいわね! あんたなんかどうせ役に立たないんだから、そこで待ってなさい!」

 苛立ちに任せて吐き捨て、振り返ることなくクロードを追いかけるキュルケ。
 だから、気付かなかった。
 自らの発したその言葉の重さに。
 愕然として立ち尽くし、その場に取り残されたルイズに。


145 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 01:35:56 ID:11hF+H8v
支援がいるか

146 :S−02 星の使い魔@代理:2007/09/27(木) 01:37:15 ID:7icIhJw8



「……」

 ルイズは唇を噛み、自分の両手を見つめる。
 何も生み出せぬ、何も守れぬ、無力な両手を。
 口を開いても何も言葉は出てこず、歯と唇から吐息が漏れていく。

 そうだ。自分があの場に居て、何が出来るというのか。 
 魔法も使えぬ、武器も持たぬ自分が、何の役に立つというのか。
 己の無力さを噛み締めるように、白い歯が軋る。

 さっきまで浮かれていた自分が、ひどく滑稽に思えた。
 エレオノール姉さまに並んでいる?
 何を寝惚けていたのだろう、コモン・マジックひとつ扱えない役立たずが。

 今の自分に、何が守れるというのか。
 何も守れぬ者の、何が貴族か。

「……っ!」

 力が欲しい。
 何時か、などという曖昧な言葉など要らない。
 今、力が必要なのに。

 悔しさに、不甲斐なさに、ルイズは一人俯く。
 己の無力に打ちのめされ、足元に一滴、涙が零れ落ちた。





「やばいぜ、相棒!」
「解ってる!」

 壁に空いた大穴を目指し、ゴーレムの体をよじ登るクロード。
 既に魔法が解けかけているのか、体の一部が土へと還りかけている。
 クロードの背中に冷たい汗が流れ落ちる。
 5階への直通ルートから落下しようものなら、まあ無事ではすむまい。
 下手をすれば全身を強く打ってサヨウナラだ。

「てやぁっ!」
 意を決し、崩れかけた足場から決死のダイブを敢行。
 ギリギリのところで塔へ飛びつき、穴の縁に手を引っかける。
 その後ろでゴーレムは土煙とともに崩れ去っていった。
 一息つくとともに、えいやっと身を翻して穴へと体を滑り込ませる。

 そこには、一足先に『フライ』で入り込んだキュルケとタバサが呆然と立ち尽くしていた。

「……やられたな、こいつぁ」
「……僕らの負けだ。くそっ!」
 そう言って、クロードは拳を石壁に叩きつける。
 クロードには読めぬ文字で、壁にはこう書かれていた。


『破壊の宝玉、確かに領収いたしました。土くれのフーケ』


147 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 01:37:24 ID:AQ/gEAFj
厨スペックなデルフに切られたらゴーレムなんて一瞬で消し飛んじゃう支援

148 :ほしをみるひと@代理:2007/09/27(木) 01:38:37 ID:7icIhJw8
なんか2ちゃんで規制食らってるのでこっちに。
どなたか転載をお願いします。

全力でルイズを持ち上げて叩き落してみました。
古人は褒めて二度殺すのがスジってばっちゃゲフンゲフン変態錬金術師が言ってた。
なお『全身を強く打って』っていうのは中身出てる状態の放送用語だそうです。
毎度毎度短くて申し訳ない。
9月中に一巻分……無理だろーなぁ。とほほ。


------------------
以上、代理投下終了。

149 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 01:42:02 ID:AQ/gEAFj
GJ!代理の人乙!!


>なお『全身を強く打って』っていうのは中身出てる状態の放送用語だそうです
そ、そんな豆知識いらねぇ…

150 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 01:42:38 ID:UJ3b7RF2
投下&代理投下乙
放送用語KOEEEEEEE

151 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 01:42:43 ID:DZexrL+0
乙っしたー。
宝玉……アレか、セイクリッドティアとファルンホープと同じ効果を出す為の。

152 :「金剛石」の人:2007/09/27(木) 01:44:17 ID:0SSRnUNZ
星海2の代理投下、乙!
PSPでリメイクされるのが楽しみですよ>SO2

ところで、道は空いていますか?

153 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 01:51:08 ID:GhnW2WL8
かもんなう

154 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 01:51:08 ID:7icIhJw8
空いているんじゃないかな。

155 :「金剛石」3b-1:2007/09/27(木) 01:53:37 ID:0SSRnUNZ
了解。ではでは。

『虚無と金剛石〜ゼロとダイアモンド〜』

その参.懐古 (後編)


 アランを召喚した生徒―ルイズの処遇は、放課後職員会議を開いて決めるが、決して悪いようにはしない……と、オスマンから言質をとったことで、アランはようやく喉の奥に刺さった魚の小骨が取れたような爽快な気分になっていた。

 コルベールによれば、使い魔召喚は、学生の今後の属性や方向性を占う重要な儀式であり、同時に2年生への進級試験も兼ねているとのこと。
 それを聞いた時から気にはなっていたのだが、つい後回しにしてしまっていた。
 何しろ、精霊神が介入するほどのイレギュラーで、自分がこの世界に送られたのだ。
 そんな異常事態を引き当ててしまったばかりに、その女生徒が進級し損なったと言うのは、さすがに後味が悪い。
 その点、学院長自身が善処すると言ったからには心配あるまい。

 晴れ晴れとした気分で、アランは食堂へ向かっていた。

 学院内にあるとは信じられない(まぁ、貴族の子弟専用の学校だから、無理ないのかもしれない)ほど豪華な食堂の作りに感心しつつ、アランは席についた。
 ほどなく朝食が供される。
 朝ご飯として食べるには少々ヘビーなメニューなのだが、ここが異国(と言うか異世界)だと言うことから、ここではこれが普通なのかと納得して食事を始めるアラン。
 そう割り切れば、アドベンチャラーズイン(冒険者の宿)の堅いパンと塩味のキツいスープでも文句を言わずに口にしていた彼にとっては、文句を言う筋合いはない。
 むしろ、これだけ美味な食事を調理できる料理人に感動したくらいだ。
 ちょうどそこへ顔見知りのメイドが通りかがったので、声をかける。

「仕事中すまないね、シエスタ。ちょっと聞きたいことがあるのだが、いいだろうか?」

 もちろん、シエスタとしては憧れの白馬の王子様(!)からの申し出に否やはない。

「はいっ、何なりとお聞きください」

「いや、この食堂はすごいな。食堂の内装もそうだが、料理人の腕前も並じゃない。これほど美味な料理は久しぶりに口にしたよ。さぞ名のあるシェフなんじゃないかい?」

「本当ですか? そう言っていただければ、料理長のマルトーさんも喜ぶでしょう。
何でも、王都でも有数の料理人だったマルトーさんを、学院長様自らが引き抜かれたと言う話ですけど……」

 と答えながら、シエスタは、周囲の生徒や同僚たちから注目されていることに気づいた。
 一介のメイド風情が、噂の”異国の王子”と親しく言葉を交わしていることへの露骨な嫉妬なのだろう。

「いや、些細なことで呼び止めてすまなかったね」

 そんな微妙な雰囲気を彼も感じ取ったのだろう。アランはシエスタと会話を打ち切った。

「とんでもありません。それでは……」

 一礼してシエスタは給仕の仕事に戻った。

 *  *  *

156 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 01:54:07 ID:7icIhJw8
>>153とシンパレート200%になってしまった支援

157 :「虚無と金剛石」3b-2:2007/09/27(木) 01:55:26 ID:0SSRnUNZ
 食事ののち、自室として与えられた部屋に戻ろうとしたアランは、ドアの前にふたりの女性、と言うか少女が立っていることに気づいた。

「おや。どなたですか?」

「お初にお目にかかりますわ、アラビク殿下。私の名はキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。この学院の2年生に在籍しております」

 背の高い肉づきのよい赤毛の少女の方が、マナーにかなった名乗りをしてくる。

「そして、こちらはタバサ。私と同じ学年に属する友人です」

「こちらこそ始めまして。それで、私に何か御用かな?」

 と、それまで黙っていた小柄な青い髪の少女の方が一歩進み出た。

「―殿下は優秀な治療の魔法の使い手とお見受けします。お伺いしたいことがあり、まかり越した次第です」

 いつになく饒舌に喋るタバサに、キュルケは驚いた。

(この目は……ワケありだな)

 流石にそこまではわからないものの、タバサと名乗る少女の瞳に宿った覚悟と気迫を読み取ったアランは、部屋の扉を開け、ふたりを中に招いた。

158 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 01:55:28 ID:GhnW2WL8
>>156
結婚しようか支援

159 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 01:56:24 ID:7icIhJw8
>>158 だが断る。この>>156の最も好きな事はry支援

160 :「虚無と金剛石」3b-3:2007/09/27(木) 01:57:59 ID:0SSRnUNZ

「それで、先程のような聞き方をするということは、誰か治したい人がいるんだね?」

「はい……」

「あらかじめ言っておくと、私の使う魔法は君たちのそれとは系統や原理そのものが異なる。
 また、私は剣をとって戦うことにその修錬の多くを割いてきた。魔法は余技に近いもので、呪文を扱うことに関しては、さほど得意でもない」

 アランはそう答えたものの、実のところ、これはいささか謙遜が過ぎる台詞だった。
 7レベルまでのすべての僧侶魔法を習得しているのみならず、 冒険者仲間だった僧侶のアルハイムから、徹底的に魔法の扱いに関するレクチャーを受けているのだ。
 下手な中級プリーストよりは、よほどしっかりした知識と詠唱技術を持っているのだが、周囲の後衛が全員、高速詠唱や呪文の応用をマスターしているため、どうも自分を低く見るキライがあるらしい。

「それでも構わない。殿下の治療に関する能力を教えていただきたい」

 (やれやれ……。まぁ、どの道、授業で話すつもりだったしな)

 タバサの真剣な目つきは変わらなかったため、アランは自分の扱う僧侶魔法の性質と能力に関してレクチャーすることにした。

「…………と言うわけだ。君の治したい人が負傷しているのか、何らかの病気なのかは知らないが、理論上、MADIを使えば回復させることはできると思う」

「―呪いは?」

「呪いを受けている場合は、少々厄介だ。本格的な呪詛の類いは私の手には余る。ただ、それが”死”や”霊”に関係するような類いのものなら、解呪によって消去ないし緩和できる可能性はあるだろう」 

 小一時間にわたるアランの説明を聞いた末、しばし考え込むタバサ。

「ご理解いただけたかな、ミス・タバサ?」

「―ありがとうございます」

 ペコリと頭を下げて、アランの部屋を出て……行こうとして、ふとタバサは立ち止まり、アランの方に振返った。

「もし、私が”その人”をここに連れて来たら、殿下にその”MADI”の呪文を使っていただけますか?」

「ああ、約束しよう」

 真剣なタバサの表情に対して、アランはいともあっさり頷いた。

「―そのときは、お願いします」

「あ、ちょっと、タバサ、待ちなさいよ……では殿下、慌ただしくして申し訳ありませんが、私も本日は失礼致します」

 ふたりの少女が退室していくのをアランは温かい目で見つめていた。

 王族の義務うんぬんを抜きにして、元々正義感の強いアランとしては、困っている人を見捨てることは本意ではないし、目の前のタバサという学生が真面目で思慮深い性格であることは、ここまでの会話で十分理解できた。
 彼女がほとんど面識のない自分に頼んでくると言うことは、よほど大事な人が、かなり大変な状態になっているのだろう。

 これまでの自分は、王都奪回の大義名分のもとに、敵を蹴散らし斬り伏せることにばかり身命を捧げてきた。
 幸いに本懐は果たせたわけではあるし、この異郷の地で第二の人生を始める機会を得られたのだ。身につけた呪文の力をもって医者の真似事でもして、命を奪うのではなく命を救うことに尽力するのもいいかもしれない。
 今後の人生の目的が少しだけ見えたような気がして、いくぶん気が楽になるアランだった。

 ――もっとも、ハルケギニア全土を巻き込む運命の嵐は、この勇者をいつまでも悠長に遊ばせておくような真似はしないのだが……それは、また後の話である。

 *  *  *

161 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 01:59:23 ID:0XvODQzv
アニメは省略しすぎだ支援

162 :「虚無と金剛石」3b-4:2007/09/27(木) 01:59:27 ID:0SSRnUNZ
 その日の午後、どうにも憂鬱な気分のまま放課後を迎えたルイズは、学院長室に呼び出されたことで、さらにその憂鬱度を強めていた。

(やっぱり、使い魔を持てなかったから留年って言い渡されるのかしら)

「失礼します、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールです」

「うむ、入りたまえ」

 許可を得てからドアを開け、学院長室に足を踏み入れる。
 と、そこで室内にいた面々を見てルイズは硬直した。

 部屋の主であるオールド・オスマンと、その秘書のミス・ロングビルはいい。
 召喚に立ち合っていたコルベールがいることも、まぁ予測の範囲内だ。
 しかし、自分が召喚した異国の王子、アラビク殿下までがいるとは……。

「わざわざ君を呼び出したのはほかでもない。使い魔召喚の儀式についてじゃ」

(もしかして、王子を召喚して使い魔にしようとしたから不敬罪?
 いいえ、殿下はこの国の王族ではないんだし、そこまでは……。
 でも、見せしめとして放校なんてことはあるかも。
 ああ、そんなことになったらお父様に顔向けできないわ)

 どうやらかなりテンパっている様子。

「2年生に進級するためには、使い魔が不可欠じゃが、さすがに異国の王族、しかも系統が異なるとはいえ、メイジでもある方を使い魔にするわけにはいかん。そこで……」

 真っ青な顔でグルグル目になっているルイズを、おもしろそうに見やったのち、オスマンは爆弾を落とした。

「ミス・ヴァリエール。改めて召喚の儀式をしてもらおう」


 <つづく>

163 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 02:00:53 ID:NqMJUBko
このチェーンレスは今まで封印されてきたものです。しかし、誰かがこの封印
を解いてしまったのです。だから仕方無く、このチェーンレスを回します。ま
ず初めの3文字以降を読んだ人は必ずこのチェーンレスを他のスレ5個に貼り付
けてください。■細村香奈という中学2年生の女の子が夜道を歩いていると男3
人にレイプされました。彼女は必死で抵抗しましたが男3人の力に勝てるわけ
でもなく、まだ14歳という年齢で知らない男達に犯され、口封じとして殺され
ました。男達は別に罪の意識など少しも、欠片もありません。彼女は成仏出来
ないまま、自分を犯した男達を探し続けています。この話を全部読んでしまっ
た人は必ず、他のスレ5個に同じ内容のレスを貼り付けてください。さっきも
言いましたが、ここまで読んでしまったなら貼り付けるほか方法はないです。
殺されてもいい人は関係ない話ですが…。・有村奈津実  ・清中みずき・鈴
鹿陽一   ・村上梓・畠山龍夜   ・野口太一上の人たちはこのチェーン
レスを貼り付けなかった為に殺されました。細村香奈に…。


164 :「虚無と金剛石」3end:2007/09/27(木) 02:01:10 ID:0SSRnUNZ
と言うわけで、めでたくルイズは再召喚に挑戦できることとなりました。よかったね、ルイズちゃん!

「…………れだけ」

ん? 何かな?

「私の出番、これだけなのか、って聞いてんよ! 大体、前回の引きだと、いいことあるんじゃなかったの?」

うん、だから再召喚。退学にもなってないし、成功すれば留年もしない。いいことづくめでしょ。

「うがぁ、納得できるかーーーーーーーっ!」 ドンガラガラガッシャーン!


 ヴァリエール嬢は暴れておりますが、これにて3話終了。
 シエスタの祖父母は……まぁ、ご想像どおり、あのふたりです。
 次回は、ようやくギーシュ登場! ……の予定です。やっとゼロ魔らしさを出せるかも。

165 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 02:02:46 ID:DZexrL+0
乙したー。
って、他に使い魔召喚されるのか。此処でサイトの登場か?

166 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 02:16:48 ID:oO+Nor7A
>>165
サイトが殿下の授業を受けてNINJAにでもなったらデルフ涙目だな。
まあ、実験的な事も兼ねて平民でも受けれる様にするのかな?
学院のメイジにPRIEST系の素養があるとも限らないし。

167 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 02:22:27 ID:Yvr2LlIg
二日前のツンデレアイランドの予告編を書くだけ書いてみた
25分から投下おk?

168 :東映 デルフはいらないこ祭 予告編 1/2:2007/09/27(木) 02:26:45 ID:Yvr2LlIg
トリステイン魔法学院2年目の春に執り行われる使い魔召喚の儀式
ゼロのルイズと揶揄される少女が呼び出したのは

―未来から来た

「狸?」
「ネコ型ロボット!」

―やって来た理由は?

「つまり、未来の私は好きな男の子に素直になれずに他の女に横取りを許してしまったと」
「そんな事にならない様に僕が送り込まれたって訳さ。君をツンデレアイランドに案内する為にね」

―ツンデレアイランド

「古今東西のあらゆるツンデレキャラ達が集う場所」
「その奥底にある秘宝を手にした者は比類なきツンデレ力と黄金のツンデレ比を得るという」

―サイト君が何処にも居ない?

「で、"私"が好きだった男の子ってどんな奴だったの?」
「うん、サモン・サーヴァントの儀式で君の使い魔になった子でね…」
「ちょっと待ってよ? 私の使い魔ってあんたじゃない!」
「あれ?」

169 :東映 デルフはいらないこ祭 予告編 2/2:2007/09/27(木) 02:28:34 ID:Yvr2LlIg
―ライバルはいっぱい!

「財力、権力、清楚に美貌、此処まで揃えば負けはしませんわ」
「胸革命に勝るもの無しですよね」
「コスプレ+誘い受けこそ最強です」
「時代は素直クール」

「「「「「サイトは私のモノ!!!!!」」」」」

ドラえもん
ルイズとツンデレアイランド

同時上映
ゲッターロボ零(ゼロ)
世界(ハルケギニア)最後の日

170 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 02:30:51 ID:DZexrL+0
アンアン、テファ、シエスタ、タバサの順かw

171 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 02:30:58 ID:Yvr2LlIg
以上、投下した

172 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 02:38:12 ID:bYQ1Yv35
あれ? でクソワロタwwwwwwww

173 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 02:44:27 ID:AQ+9/BQI
「ワンちゃんに好きなところ舐めさせて、あ げ る」
「・・・・・・って、確かめて」
「お、おいしいと思います。食べてください」
「わたしは、服をきていない」

この順番だろ。

174 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 02:49:29 ID:6VDA+sEM
サガラ軍曹の続きを書いてくれる職人さんはいないのだろうか?
更新するの待ってるんだが…

175 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 02:53:10 ID:GhnW2WL8
>>174
ゼロの傭兵?あれって終わったはずだけど違うのか?

176 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 03:00:03 ID:0SSRnUNZ
ノラえもん乙〜

ところで、「アリアンロッド ルージュ」の最終巻を読んで、前巻で漢死したトラン召喚という電波が来たのだが、既出ネタ?
得意のサモンアラクネで味方を守ろうとするが、周囲が全員メイジで盾になる壁役がいないため、真価が発揮できず涙目
……という光景を幻視した。



177 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 03:02:04 ID:6VDA+sEM
>>175職人さん募集中ってまとめにあったから続きあるんだって期待してんだよw

178 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 03:08:05 ID:XCJzjyWQ
>>168
いきなりパラドクス発生ワロタ

179 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 03:28:53 ID:8rJ92PpD
>>82
もれなくナンバーズと機動6課が憑いてくる?

180 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 03:39:32 ID:T2Mcd1sw
>>176
召喚時に状況把握のために大首領頼みしようとしたら、

「もしもし大首領ー……だ、大首領? 応答して下さい!?」
 (むい〜、と携帯大首領の口から紙が吐き出される)
『圏外』

こんな電波がw

181 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 03:42:39 ID:PNeoFW7a
>>176
ルージュネタは全然既出じゃないはず
YOUかいちゃいなYO

182 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 03:44:07 ID:7icIhJw8
>>176
外見がいかにも魔法使いな外套と帽子+魔力増幅用の剣だから一応メイジ扱いかな。
同行して旅してた女性陣がのほほん天然とクールで余り喋らないタイプだったし、
それとは普段態度が真逆なルイズには最初戸惑うかもしれない。

183 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 04:10:15 ID:AlYL5Cg0
>>179
ナンバーズの誰かが召喚されたら学院のヒト達はどんな反応するのやら……。


あやしいデザインかつピチピチな服装だからな……特にディード(双剣)だとルイズは胸的な意味でorz

チンク(ナイフ投げ爆発)だと平民の子供とか馬鹿にされて「姉を馬鹿にするな!ランブルデトネイター!!」とかやらかしそう

そういやチンク、昔ゼスト殺してたな……(一度は生き返ったけど)
あとデルフも爆発物にされるw

184 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 05:04:41 ID:JD/pLPrr
赤薔薇復活してるな。
今度はストラウスらしさが出てるな

夜よ夜よ夜の月ィィィィィィィィィィィィィィィ!

185 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 05:12:57 ID:JD/pLPrr
あ、だけど、ストラウスならいきなり召喚されても、魔法使いとまでの確信はつけられなくとも可能性としてならすぐに考えつくと思う。奴にとっては大概(例:宇宙人)が予想の範囲内だからな。

186 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 05:38:20 ID:7icIhJw8
……wikiに載るのは本スレか避難所に投下されたものか預かってる作品だけ。
無断でwikiに載せると問答無用で削除だぞ?

187 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 06:55:16 ID:GhnW2WL8
いきなり乗せるとか論外だろ。
つかあんなのが赤薔薇かよ。

188 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 07:11:31 ID:+Pd3lZoI
まとめサイトなのに、個人サイト見たく直接投稿するとか正気を疑うな

189 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 07:14:27 ID:jj984vBh
注意書きに差し替えておいた。
糞だろうが名作だろうが、ルールを守れない奴は論外だ。

190 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 07:15:56 ID:DSkxqCfm
まぁこれ以上は避難所で言うべきだろう。

191 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 07:28:25 ID:Ml6CoQQ/
今更だけど星の使い魔は空想科学読本が好きと見た!>カルシウムたっぷり

192 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 07:40:34 ID:Fw3EhhD0
ソーサリーの作者さん、乙です
好意的なフーケが何気に可愛いかもw

最期の選択肢は四七を希望します
これだと何かしらフーケさんの活躍が見れそうなのでw

193 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 10:04:19 ID:5/aKMucd
金剛石GJです。
シエスタの祖父母ネタとか先生の事とか最高です。


しかし、この世界に酔いどれ魔法使いが呼ばれた場合どんな扱いになるんだろう。

194 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 10:41:56 ID:oj2+YZv5
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm1135832

195 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 12:20:28 ID:nFpdJEi8
ダレモイナイ ハルノナライマノウチ

196 :虚無と金色のアレ:2007/09/27(木) 12:21:39 ID:nFpdJEi8
本日何度目かの失敗、ゼロのルイズは春の召喚の儀式で周りから笑われながらも再度爆発を引き起こす。
 他の生徒たちが飽きてあくびをし始めたころ、
「宇宙の果てのどこかにいる私の下僕よ!神聖で美しくそして強力な使い魔よ!私は心より求め訴えるわ!我が導きに応えなさい!」
ルイズのサモン・サーヴァントの呪文はようやく爆発以外の反応を示した。

もうもうと上がる煙の中から現れたのは、全身を黄金とおぼしき金属で作られた、髑髏の貌を持つ人間型のゴーレムであった。
まるで戸惑っているかのようにゴーレムは落ち着き無く周囲を見回している。

「信じらんねーッ! ゼロのルイズが黄金のゴーレムを呼び出すなんて!」
「ふん、どうせ主人と同じで中身の無い格好だけの奴に決まってるさ、きっとあの金色もメッキに違いないぜ」
「なにあの動き、ひょっとして中に人が入ってるんじゃね?」

「さあ、ミス・ヴァリエール、早く契約を!」
監督役の教師コルベールに促され、周囲の雑音を無視しルイズは契約を完了するべくゴーレムに駆け寄る。
程なく契約の口付けを終えると、ふとルイズはゴーレムが、か細く聞き取り難い声で何かを呟いていることに気が付いた。
耳を口元に近づける。言葉としての体をなさない音の中に、ルイズは「レミィ」という名前を聞き取った。
「…………レミィって誰よ?ってミスタ・コルベール!このゴーレム喋っています!」


―あれは、レミィ……? いや、違う。

桃色の髪の少女が保護者らしき禿頭の男性のもとへと駆けていく。
その姿を見送りながら「彼」は鈍った頭を必死に働かせ、現在の自分の置かれた状況を理解した。

―大地に緑があって、空が青くて……そして人間がいる。

―私のそばに人間がいる。話し声が聞こえる。もう独りじゃない。

今の「彼」にはただそれだけで十分だった。


「しかし、これだけの見事なゴーレムですし、さぞ高名な土のメイジの作なのでしょう。
 ミス・ヴァリエール、彼が人語を解するというのなら固有の名前が付けられているのかもしれません。
 どこか、貴族の所有物でないかとの確認のためにも、彼に名を聞いてみてはいかがです?」
「分かりました、ミスタ・コルベール。……え、えーと、そこの金ピカドクロ!」

しばらく放心していた「彼」は自身にかけられた言葉に現実に引き戻された。

―金ピカドクロ……とは私の事か?

思わず首を傾げる。あまり自覚はなかったらしい。

「私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。あなたの名は?」
「彼」はまるでこそ泥のようにそろりそろりとルイズに近づくと、そっとその耳に顔を近づけた。
「ワッハマン……だそうです」

197 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 12:26:11 ID:mcFYnJ6y
金ピカドクロで黄金バットかと思った支援

198 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 12:35:56 ID:OELYvxMJ
ワッハマンのモデルは黄金バットなので間違ってはいない

199 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 12:40:22 ID:kLFbAWCE
これで終わりなの?支援

200 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 12:52:03 ID:nFpdJEi8
まあ不定期でなんとか

201 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 12:55:33 ID:kLFbAWCE
>>200
まあ、なんだ。投下終了も忘れないでお願いします。

202 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 12:56:19 ID:nFpdJEi8
一応言っとくとその場で書いてるわけじゃないよ
えらい遅筆なもんで早さは期待しないで…

203 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 12:58:26 ID:QXDkyiOg
レミィ置き去りなの?!orz
でも期待してるGJ!

204 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 13:01:54 ID:kLFbAWCE
>>202
れうかい、期待してます。

205 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 13:04:43 ID:8S4wYgjQ
黄金バットが元ネタってことはいわゆる無敵キャラ?
黄金バットって息の根止められようと異次元に放逐されようと跡形なく消滅させられようと「黄金バットだから」で平然と復活するキャラだったよね

206 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 13:17:33 ID:O5B+3IUW
でも、ワッハマンって基本的に馬鹿だよね、身体は頑丈だけどw



207 :サイヤの使い魔:2007/09/27(木) 13:19:05 ID:L6zdtArr
投下よろしいでしょうか

208 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 13:20:26 ID:EMZVq+JR
キャモン

209 :サイヤの使い魔:2007/09/27(木) 13:24:52 ID:L6zdtArr
「タ、タバサ! 落ちついて! この人は怖くない!」
「オバケなんて無いさオバケなんて嘘さ寝惚けた人が見間違えたのさ」
「どきなさいルイズ! どうせあんたの話なんか聞いちゃいないわよ! ここはあたしが――」
「パーソナルネーム『キュルケ・ツェルプストー』を敵性と判定。当該対象の有機情報連結を解除する」
「あーんやっぱり駄目だー! お願いだから正気に戻って! 戻りなさい! 戻れー!」

格闘すること、約10分。
悟空と一緒に瞬間移動で図書館にやって来たルイズとキュルケの必死の説得により、ようやくタバサは(悟空に対し警戒しているものの)話を聞く気になった。
それにしても司書の視線が痛い。

「…説明して欲しい。主に、貴方の素性を」
「あたしもタバサに賛成。さっきの魔法も興味あるし」

キュルケの言葉でルイズは自分の中にあった違和感に気付いた。
この男、当たり前のように物理的弊害を無視して何処にでも現れるが、そんな事ができる魔法は自分の知る限り、無い。
先住魔法だろうか。とするとこの男、生前は何だったのだろうか。
…もしや、自分はとんでもない人物を喚び出してしまったのではないか?

「あれはよ、魔法じゃなくって瞬間移動ってんだ」
「瞬間…移動?」

悟空が説明する。

「ああ、昔ヤードラットって星の連中に教えてもらった技でよ、相手を思い浮かべてそいつの気を感じ取るんだ。
そうやって、そいつがいる場所に移動する。だから知ってる奴がいねえ場所とかは行けねえんだ」
「に…にわかには信じられない話ね……」
「えーと、全然言ってる意味がわかんない。キって何? 何系統?」

改めて聞く使い魔の能力。
キュルケは半信半疑ではあるものの一応額面どおりに解釈したが、ルイズは理解できていない。
実際、彼と一緒にその能力を体験しているものの、あまりにも自分の常識とかけ離れた現実にまだ頭がついてこない。

「説明はつく。二度も私の目の前に現れたのだから、私は彼を信用する」

口ではそういうものの、タバサは未だに悟空と目を合わせられないでいる。
こうして見ると生きている人間と同じ、いや、普通の人間以上に生き生きとしているが、やはり瞳孔が開ききった目を見るのは怖い。
いや、よく見ると虹彩が暗くて瞳孔の色と区別がつかないだけか。
それに気付き、タバサは若干警戒の色を弱めた。
タバサの言葉に、ルイズもようやく悟空の説明を(納得はできないものの)聞き入れることにしたが、すぐさま別の疑問が沸き起こった。

「あんた、今「星」って言ったけど、そういえば何処から来たの?」

メイジでも無いのにメイジ以上の能力をぽんぽん使いこなすこの男は今、「星」と言った。
ルイズは「宇宙の何処かにいる私の使い魔よ!」とサモン・サーヴァントの時に言ったが、まさか本当に宇宙の何処かに自分に似た生命体がいるなどとは、本気で考えていなかった。


210 :サイヤの使い魔:2007/09/27(木) 13:26:05 ID:L6zdtArr
「オラ地球って星から来たんだ」
「じゃあ「チキュウ人」って事? そこがあんたの生まれた星なのね」
「いや、生まれは惑星ベジータってとこなんだけどよ」
「どういう事?」

悟空は説明した。
自分が惑星ベジータで生まれたサイヤ人である事。
産まれてすぐ、侵略のため地球に送り込まれたが、幼少時の事故により穏やかな性格になったらしい事。
ドラゴンボールとそれにまつわる様々な冒険。(これにはタバサが多大なる関心を示した)
自分の出生の秘密を、敵である実の兄から聞かされた事。
一度目の死。
サイヤ人の地球侵略。
ナメック星での激闘。
人造人間との戦い。
そして、二度目の死。
満月と大猿の関係については、既に尻尾の無い悟空には関係ない話だったので省略した。

悟空が全てを語り終えると、場に重い沈黙が立ち込めた。ルイズに至っては、頭から煙が出ている。
途中から頭を抱えてうなだれていたキュルケがのろのろと口を開いた。

「…なんか、にわかには信じられない話ね。頭痛くなってきたわ」

顔を上げ、悟空を見る。

「それで、貴方はこれからどうするの?」
「どうするも何も、オラはルイズの使い魔になっちまったんだろ? だったらそれでいいさ」
「…ずいぶん楽天的なのね」

昼休みを告げるチャイムが鳴った。

「続きは食後」

タバサの一言で、ルイズを除く全員が席を立った。
未だヒューズが飛んだままのルイズに、キュルケが声をかける。

「ルイズ〜、私たちお昼食べてくるから、復活したら食堂に来なさいね〜。さ、ゴクウさん行きましょ」
「はれってほれってひれんら〜……って、え!? ちょ、ちょっと待ちなさい!」



悟空に椅子を引いてもらって席に着いたルイズは、爪先に何か硬いものが当たったのを感じてテーブルの下を覗き見た。
今朝、使い魔に朝食を与えるつもりで用意した皿がまだ置かれている。
(そういえばこれでご飯食べさせようと思ったんだっけ)
ルイズは今朝の怒りを思い出したが、さっきの説明を聞いて幾分混乱している今となっては、それも些細な事のように感じられた。


211 :サイヤの使い魔:2007/09/27(木) 13:28:39 ID:L6zdtArr
(あの話が本当だったとしたら、わたしはこれからこいつをどう扱えばいいんだろう…?)
正直、さっきの説明はルイズの頭では理解が追いつかなかった。
宇宙人だの人造人間だの何でも願いを叶える球だの、この使い魔の頭は一体どこに繋がってるんだ。
支離滅裂な事を言ったならまだしも、話の内容に筋が通っているから厄介この上ない。
こうなったらこいつの素性を信用するしかなさそうだ。
となると、こいつはメイジでもなければ天使でもない、自分からすれば単なる平民(宇宙人だが)の幽霊だ。
その代わり、こうして自分の隣に立っている今もなお、周囲の生徒から注目を浴びているこの異世界から来たらしい使い魔が、
果たしてこの世界の食べ物を口にしても大丈夫だろうか、と心配になった。
考えてみれば、朝食の時は居なかった。食事が終わってから、何処で道草食ってたのか、手ぶらで戻って来たのだ。

「そういえば、あんた朝食の時居なかったけど、ちゃんとご飯食べたの?」
「ああ、シエスタがメシ分けてくれたんだ」

確か、ゴクウが洗濯を頼んだ平民の名だ。
ルイズは再び足元の皿を見た。
厨房に昼の分の指示は出してなかったので、皿は空っぽのまま置かれている。

「じゃあ、お昼もその平民に貰ってきなさい」
「わかった。んじゃ行ってくる」

厨房へと消えていく使い魔を見送りながら、ルイズは、だから朝食の後すぐ見つけられたのか、と合点し、
自分の使い魔が惨めったらしく地べたに座り込んで粗食を食べる様子を他の生徒に見られずに済んでよかった、と密かに思った。
高貴な存在だと思われているのだ、下手にイメージを崩す事も無いだろう。

「確か本当の天使って霞食ってるんだっけ?」

つい疑問が口をついて出る。
隣席のマリコルヌがそれを耳ざとく聞きつけた。

「なんだって?」
「何でもないわよ、ただの独り言」



「ゴクウさん、お待ちしてました!」

シエスタが笑顔で悟空を出迎える。
厨房に足を踏み入れた悟空は、朝食の時とは比べ物にならないくらい大量の料理を目にした。

「すっげー! 美味そうなもんが一杯あっぞー!!」
「おうよ! お前さんが来てくれたおかげで食材が無駄にならずに済みそうだからな! これはその前祝いだ!!」

悟空の見事過ぎる食いっぷりに触発されたマルトーは、本当に余りものの食材を余すところ無く使い、
尋常ではない量と種類の料理を用意していた。
ざっと見ただけでも10〜15人分、テーブルに乗りきらなかった分や鍋に残っている分を加味しても60〜70人分はある。
とても賄いと呼べる分量と種類ではない。
中にはこのまま貴族に出してもいいんじゃないかと思えるくらい豪勢な盛り付けのものもある。
マルトーの密かな宣戦布告であった。


212 :サイヤの使い魔:2007/09/27(木) 13:29:48 ID:L6zdtArr
「これ全部オラが食っていいのか?」
「おう、食えるだけ食え! 無理なら残してもいいぜ。どうせ元は捨てなきゃならんものばかりだからな、がっはっはっは!!」

10数分後、全ての料理が悟空の胃袋に収まった。



コルベールは、トリステイン魔法学院の長を務めているオールド・オスマンに、自分の教え子の一人がガンダールヴの幽霊を使い魔にしたのではないか、という自説を披露していた。
ミス・ロングビルにぱふぱふをせがんで左の頬に真っ赤な紅葉をこさえたこの学院の長は、彼の説明を聞き終わると、それまで閉じていた口を開いた。

「ルーンが一致したというだけで、そいつがあの使い魔の幽霊であるというのは、いささか結論を急ぎ過ぎじゃないかのう」
「で、ですが…」
「第一、その者がそう言ったというだけで、そ奴が幽霊だという明白な証拠はあるのか?」

コルベールは返答に窮した。
確かにオールド・オスマンの言うとおりである。
ミス・ヴァリエールが幽霊だと紹介したからといって、本当に彼がそうなのか確認をしていなかった。
そもそも、幽霊とはあのように頭の上に輪がついているものなのだろうか。
自分が死んでしまったら余計に頭頂部の眩さがアップしてしまいそうで、できることなら御免こうむりたい。

「まあ、暫くは様子見じゃの。その使い魔から色々聞いてみるとよい」
「わかりました。では失礼します」

一礼して退室したコルベールは、ふと空腹を思い出し、食堂へと向かった。
今なら生徒たちが昼食を採っている。ひょっとしたら、使い魔に会えるかもしれない。



ルイズが満腹感に浸っていると、食堂がどよめきに包まれた。
何事だろうと周囲を仰ぎ見たルイズは、騒ぎの原因を発見して胃が痛くなった。
自分の使い魔が、メイドに付き従ってデザートの配膳を手伝っている。

「本当にありがとうございます、ゴクウさん。わざわざ手伝って頂いちゃって」
「構わねえって。オラのせいで忙しくなっちまったみたいなもんだしよ」

マルトーが腕によりをかけて悟空に大量の料理を振舞った結果、その料理を載せるために、食堂に残っていた食器の殆ど全てを使ってしまい、
大量に発生した洗い物のために貴族へデザートを運ぶ人手が足りなくなってしまった。
そこで食器洗いを手伝うかデザート運びを手伝うかの二者択一の結果、悟空が選んだのがデザート運びであった。
悟空もチチを手伝って食器を洗った経験はあるが、陶器製の食器しか取り扱った事がない悟空には、繊細なガラス細工が施されたものもある学院の食器は、何となく触らない方がいいような気がしたのも一因だ。

「あ、あんた、何やってんのよ」

配膳がルイズの席まで到達した時に、小声でルイズが訊いた。


213 :サイヤの使い魔:2007/09/27(木) 13:31:26 ID:L6zdtArr
「メシ食わせてもらった礼に仕事手伝ってんだ」
「あ、ああそう…。あまり目立つような真似はしないでよね」
「何で?」
「あんた、一応他の生徒には天使って事で通ってるんだから」
「ケーキ運ぶくらいどってことねえだろ」

ルイズは改めて周囲を見回した。
居心地の悪そうな顔で配られたデザートを見つめている者もいるが、恐る恐るケーキに口をつけて、普段通りの味だと判った者は、安心したのかいつも通りの調子を取り戻し、級友と歓談したり、既に食べ終えた者は席を立ったりしている。

「…それもそうね。いいわ。終わったら私のところに戻ってきなさい」
「ああ」

やがて、全てのケーキを配り終えた悟空がルイズの元に戻ってくる頃、ケーキを食べ終えたらしき生徒が立ち上がった拍子に、懐から小瓶を落とした。
コロコロと悟空の方へ転がってくる。
悟空はそれを拾い上げ、落とし主である金髪の生徒に声をかけた。

「おーい、おめぇ、これ落っことしたぞ」
「なあギーシュ、お前今誰とつき合ってるんだ?」
「つき合う? 僕にはそのような特定の女性はいない。
 薔薇は多くの人を楽しませるために咲くのだからね」

聞こえていないのか、あるいは聞こえていて無視しているのか、青年は応えず、他の生徒と話しながら食堂を出ようとしている。
悟空は後ろで紅茶のカップを手に取ったルイズに訊いた。

「なあ、あいつの名前、何つうんだっけ」
「ギーシュ・ド・グラモン」
「サンキュー。おーい、ティッシュのバケモン」

すました顔で食後の一杯を飲んでいたルイズが、鼻から紅茶を吹いた。

『ギーシュ・ド・グラモン(だ/よ)!!』

前門のギーシュと後門のルイズから、同時にユニゾンで悟空にツッコミが入る。
決して悟空に悪気があったわけでは無いのだが、言う相手が悪かった。
貴族の名を家名つき、その上名前を間違えて呼んだ。
意図的であれ偶然であれ、それは、その貴族だけでなく、家柄に対する重大な侮辱行為である。
血相を変えてルイズが駆けつけた。

「あんた謝りなさい。今すぐ」
「わ、わりぃ。オラ長ったらしい名前覚えんの苦手なんだ」
「君は確か「ゼロのルイズ」の…。駄目だな、許すわけにはいかない」

手袋を取り出し、悟空に投げつける。

「決闘だ!」
「ギーシュ!」
「これは僕だけの問題じゃない。そいつは我がグラモン家を、グラモン家の家名を汚した。この罪は償ってもらわなければならない」

ギーシュの目が敵意をはらんだものに変わっていく。


214 :サイヤの使い魔:2007/09/27(木) 13:33:27 ID:L6zdtArr
「貴族同士の決闘はご法度よ!」
「オラ貴族じゃねえぞ」
「その通りだ。だから問題は無い。ではヴェストリの広場で待つ。10分後に開始だ。遅れるなよ」

そう言い放ち、ギーシュは身を翻して食堂を後にした。
成り行きを見守っていたシエスタが悟空に駆け寄る。

「あ…あなた殺されちゃう。貴族を本気で怒らせたら…」
「ああ、こいつなら大丈夫よ、たぶん」

青ざめた顔でブルブルと震えるシエスタに、ルイズがフォローを入れる。
一応使い魔が世話になっているのだ、多少は仲良くしてもいいだろう。
幽霊だから死なない、と付け加えようと思ったが、話がややこしくなりそうなので伏せた。

「なあルイズ」
「何?」
「あいつ、強えのか?」
「そうね…どっちかといえば強いほうかしらね。仮にもグラモン家の貴族だし」
「そりゃあ楽しみだ」
「嬉しそうね…まったく。いい? あんたはあいつの名前を間違えた事によって、あいつの家名も同時に汚したの。それはとっても不名誉な事。
 だから…まあ仮にあんたが勝ったとしても、その点はきっちり謝っときなさいよ」
「ああ、わかった」
「よろしい」

メイジが平民に勝つことなどありえないが、ルイズは不思議と、この使い魔ならもしかしたらギーシュに勝つかもしれない、と思い始めていた。



「フン、まあ逃げずに来たことは褒めてやろう」
「オラ逃げたりなんてしねえぞ」

普段人気のあまり無いヴェストリの広場は、ギャラリーで埋め尽くされていた。
ゼロのルイズの使い魔 対 青銅のギーシュ。
オッズ比は16。
意外にも、悟空の勝ちを予想する生徒は皆無ではなかった。
その中には、タバサとキュルケも混じっている。

「本当にあの使い魔が勝つと思うの?」
「負けはしないと思う。彼の話が本当なら」

街一つ吹っ飛ばすだのこの星ごと消えて無くなれだの、よくもまあそんなホラが吹けるもんだとキュルケが内心呆れていた話を、タバサは話半分だが信じているようだ。


215 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 13:36:33 ID:O5B+3IUW
支援

216 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 13:36:40 ID:LPJomAJY
支援

217 :サイヤの使い魔:2007/09/27(木) 13:36:46 ID:L6zdtArr
「僕はメイジだ。だから魔法で戦う。よもや文句はあるまいね?」
「へへっ、ワクワクすっぞ」

超能力を使う敵と戦った事はあったが、魔法を主体に戦う相手は悟空にとって初めての経験であった。

「僕の二つ名は『青銅』。青銅のギーシュだ。 従って、青銅のゴーレム『ワルキューレ』がお相手をするよ」

ギーシュが手に持った薔薇の造花を振るうと、零れ落ちた花弁から甲冑を纏った優美な女性型のゴーレムが生成された。

「へぇー、面白ぇなあ」
「お褒めに預かり光栄、とでも言っておこう。では、始めるか!」
「ああ、どっからでも来い!」

ワルキューレが悟空に向かって突進する。
が、それよりも遥かに速く、悟空はワルキューレとの間合いを詰めた。

「ずえぁりゃあっ!」

正拳一発。
凄まじい衝突音の後、腹から背中まで達する凹みを作ったワルキューレがギーシュの傍を猛スピードで掠め、背後の壁に激突して砕け散った。
場が、静まり返った。
振り返り、かつてワルキューレだった残骸を確認した後、目をまん丸に見開き、口を顎が胸に付きそうなくらい開け、鼻水まで垂らしたギーシュは、恐る恐る悟空に向き直った。
壁が「固定化」で補強されていなかったら、飛距離は更に伸びていただろう。
ワルキューレ殴り飛ばし世界新記録を作った男は、全く本気を出した様子が無い。
それどころか「とりあえず挨拶代わりに一発ぶん殴ってみました」といった感じだ。

「あれ? 何だ、てんで弱っちいぞ」
「な、何だと!?」

焦ったギーシュは一気に6体のゴーレムを生成した。
それぞれが手に武器を備えている。

「取り囲んで叩きのめせ!」

ギーシュの命令に従い、わらわらと悟空の周囲に散開したワルキューレは、一斉に悟空めがけて手にした武器を振り下ろした。
衝撃で悟空が地面に膝を付く。
静止命令を受けていないワルキューレは、這いつくばる悟空めがけて何度も何度も、武器がひしゃげて変形するまで攻撃を繰り返した。

「も、もういい! 下がれ!!」

数分後、ギーシュがワルキューレを下がらせると、地面に倒れ付した悟空が姿を見せた。
ピクリとも動かない。死んでしまったのか。いや、既に死んでいる。
そろりそろりと、、ギーシュが悟空に近づく。
先ほどからギャラリーは静まり返っている。ギーシュが地面を踏みしめる音だけが聞こえる。

「よっこいしょっと」
「はうあ――――!?」

何の前触れも無く悟空が起き上がり、ギーシュは腰を抜かしてへたり込んだ。
ギャラリーのそこかしこから悲鳴が上がる。
固唾を飲んで見入っていたタバサも、あまりに予想外な出来事に少々チビッた。
怪我一つ負っていない悟空の問いかけに、ギーシュの顔が真っ青になった。

「なあ、もうちっと本気でやってくんねえか? これじゃちっとも面白くねえぞ」


218 :サイヤの使い魔:2007/09/27(木) 13:37:48 ID:L6zdtArr
以上で終わりです。
支援ありがとうございました。

219 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 13:39:51 ID:O5B+3IUW
乙っすた
>振り返り、かつてワルキューレだった残骸を確認した後、目をまん丸に見開き、口を顎が胸に付きそうなくらい開け、鼻水まで垂らしたギーシュは、恐る恐る悟空に向き直った

頭ん中で鳥山テイストで再現されましたw

220 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 13:42:06 ID:BcwHjdiy
乙。
まあ、ゼロ魔の世界で悟空にダメージを与えられるものは存在しないよね。

221 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 13:42:06 ID:JNjIZPwy
ティッシュのバケモンww

222 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 13:43:13 ID:sNkhW1bG
ティッシュのバケモン吹いたww
規格外すぎる強さでこの先どうなるか楽しみだ

223 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 13:45:54 ID:rIzdftf3
今の所良い意味で鳥山風ギャグテイストが生きてるな
GJ

224 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 13:45:55 ID:xpgT9ehA
カメハメ波ーーーーーーーーーーー!

225 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 14:02:36 ID:Gx/mVC/3
GJ
ティッシュのバケモン語呂がいいな

226 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 14:10:03 ID:9aMsU488
GJ!
気のせいだろうか
それこそ悟空に対抗できるような奴を無能王辺りが召喚してたらハルケギニアが消滅するような気がする

227 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 14:18:33 ID:YKOfhxn+
>>226
まぁ、原作でも結局地球が吹っ飛んだのはブウ戦だけだったしきっと大丈夫だよ。


・・・街の一つ二つはなくなるかもしれないが。

228 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 14:21:35 ID:NhtM56ZK
GJ。
ギーシュの決闘の理由が悟空ぽくっていいな。
なんか初期のドラゴンボールみたいだ。

229 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 14:22:46 ID:IG0ukvrp
セル編後の悟空に対抗できるとなると、悟飯、ピッコロ、べジータぐらいだ

230 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 14:25:43 ID:IG0ukvrp
>>227
ブウ編では地球人が皆殺しにはされたけど地球自体は無事
ドラゴンボールGTのベビー編で地球は吹っ飛んだけど、ナメック星のドラゴンボールで再生したけど

231 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 14:27:12 ID:YKOfhxn+
>>230
べジータのポルンガへの1つ目の願いを思い出すんだ。

232 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 14:30:52 ID:NhtM56ZK
>>229
映画の敵なら何人かいるじゃない?
アニメ基準か漫画基準か分からないが。

233 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 14:36:08 ID:wum1vRGo
GJ
悟空なんだけどやってることはアラレちゃんだよなw
このノリは好きだ

234 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 14:36:09 ID:eo63tVLj
ブロリーってセルより強いんだっけ?

235 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 14:39:38 ID:vZFJOJhB
サイヤの人が久しぶりに来てくれた
乙です

236 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 14:40:40 ID:ASKh2LcU
下手にシリアスにするより独自展開でもいいからギャグ調で進んでほしいな>サイヤ

237 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 14:42:59 ID:4Ac52qwD
投下乙です。
コミカルな感じが想像以上によく出てて噴きましたw

>>219
お前は俺か!?

238 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 14:51:23 ID:/pmkT+1t
実はルイズママンは悟空と渡り合える……

239 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 14:55:26 ID:4Ac52qwD
>>239
俺はタルブ村がナメック星人の村でも驚かないぜ!

240 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 14:55:57 ID:zwHOQx9P
>>237
何故かミスター・サタンみたいな顔してるギーシュが思い浮かんだw

241 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 15:00:15 ID:fAEumMV5
>>240
いや、ここはヤムチャ顔のギーシュと考えるんだ

242 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 15:03:16 ID:YujDa4o/
>>239
シエスタは卵から生まれたのか…

243 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 15:10:09 ID:T2Mcd1sw
タルブ会戦で「(家族)のことかー!」と覚醒するスーパー・シェスタという可能性もw
そういや、チチやブルマみたいな気の強い女性が相手だと、
勝てる勝てないは別にしても頭が上がらないんだよなぁ、悟空
地球の危機だとか、強いやつと戦いたいって気持ちが勝るとそうでもないけど

ところで、ワッハマンでふと疑問に思ったんだが
よくゼロ魔SSではロボっぽいものを召喚した時に【ゴーレム】を召喚したって言い回し使われてるけど、
自立可動する魔法人形って【ガーゴイル】と違うのん?

244 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 15:23:54 ID:5rEHfbwF
投稿乙です。

悟空にダメージを与えられる存在と言うか弱点かぁ・・・
ぱっと思いつくところで奥さんと医者ぐらいだな(w 
医者の方は、正確に言うと医者が使う注射器。


245 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 15:27:01 ID:ASKh2LcU
反射でカウンターとか>悟空にダメージ

246 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 15:27:57 ID:rIzdftf3
その手の展開予想の類はらめえええ

247 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 15:28:06 ID:rP4SjuUI
>>243
命令にしがったり、単純な作業を繰り返すだけのもの→ゴーレム
意思を持たされた魔法像→ガーゴイル

外伝によると、こんな感じの区分らしーな、あと
小魔法人形、夜に踊って意思らしいきものもある→アルヴィー

って、のもある、命令に従うだけでは無く、意思があると思われたらゴーレムでは無く
実はガーゴイルだったのかと思われるんじゃないかな?

248 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 15:34:08 ID:zwHOQx9P
>>247
自分からしゃべったり感情持ってたりするのもガーゴイルなのだろうか?
外伝ではきゅいきゅいの事をガーゴイルって言ってごまかしてたけど

249 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 15:36:12 ID:uCrAcXm7
となるとMSやAC等になどに代表されるリアルロボット系を召喚したら
ハルケギニア人は最初なんと形容するのが自然なんだろうか?

250 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 15:40:25 ID:vZFJOJhB
30mくらいならトライアングルのゴーレム程度じゃないかな

251 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 15:41:00 ID:o1uw67mT
でっかい金属製の像とか。

252 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 15:44:26 ID:fXhIh8o7
両津が召喚されました

253 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 15:46:19 ID:j4/zXcGB
>>245
反射ってあくまでその土地の精霊の力じゃなかったっけ?
原理的に精霊の処理能力の限界を超えた能力や、精霊のいる土地ごと吹っ飛ばせるような攻撃には対応できないんじゃないの?

254 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 15:50:17 ID:pqrH21Yd
ガーゴイルもゴーレムの一種って表現されるから、
ゴーレム呼ばわりでも間違いでは無いと思うけど。

ネオアトランティスのボスがルイズに召喚されました。

255 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 15:52:26 ID:NhtM56ZK
>>249
オーラバトラーやキングゲイナー辺りはかなり表現しずらいだろうな。

256 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 15:52:40 ID:+Ig9/67D
ゴーレムはあの世界では土系統のメイジの魔法で作り出すものにすぎない。
「ゴーレムと契約」なんてのは人間と契約する以上に前代未聞で、馬鹿にされて蔑まれるのは間違いない。
ガーゴイルでも人工物なんだから似たような扱いだろう。

命の無い人工物のゴーレムやガーゴイルを召喚するより、生物である人間を召喚する方がナンボかマシ。
「すごいゴーレムorガーゴイル」を召喚して喜んでる作品はゼロ魔の世界観理解してない。
コッパゲだけが喜ぶのは別w

257 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 15:56:01 ID:oO+Nor7A
>>255
オーラバトラーは白天王みたいなでっかい虫と思われるのでは?

258 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 15:56:52 ID:O/AbSb6q
>>256
現実でマネキンと結婚するようなもんか

でも超未来技術のアンドロイドとかバイオロイドならそれもアリじゃね?

259 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 15:59:51 ID:iSX+1dXd
>>256
キカイダーとかハカイダーとかメタルダーならなんとかならんものか

260 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 16:03:24 ID:jtEvYbGI
>>210
>はれってほれってひれんら〜
セーラー服かよw

261 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 16:03:33 ID:+Ig9/67D
ゴーレムやガーゴイルと勘違いされないような外見なら大丈夫じゃね?
アンドロイドなら人間だと思われるだろうし、人造人間とかは亜人と勘違いされる可能性も。

262 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 16:07:56 ID:aYN8S+o7
>>244
シリアスに考えてもそう的外れじゃないな。
ゴクウ心臓病で死ぬから医学的手段が最も有効。

263 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 16:26:54 ID:EVM50eb7
人造人間でかつ悟空に対抗できる存在といえば
アラレちゃんを置いて他にあるまい


と、思わせといてDrマシリト

264 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 16:32:43 ID:/uieAjMh
そういや悟空は大人になっても注射が大の苦手だったな。
刺されそうになると大声上げるし

265 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 16:41:52 ID:+Ig9/67D
幸いハルケギニアに注射は無いな。
注射に一番近い属性の攻撃はエアニードルか?
ワルドが輝けるかもしれないけどワルドの実力で当たるわけないし、仮に当たってくれても致命傷は無理だな。

266 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 16:43:47 ID:nisMwj0z
孫悟空はゴキブリが苦手
わざわざ助っ人を呼ぶほど嫌い

267 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 16:45:25 ID:0HQ6xqGF
実際幾つになっても歯医者と注射が苦手な人は珍しく無いからな

268 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 16:52:41 ID:fJJ1CzAf
きっとワルドなら人間注射器をエアヌードルでやってくれる
頭頂部からニードルが見えるようにして人間ロケッt(ry

269 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 16:55:27 ID:JHHAiuHe
>>266
あれ?そうだっけ?

ネコマジンに倉庫のネズミ退治を依頼した事はあったな

270 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 16:58:27 ID:+Ig9/67D
命の恩人のネズミを口の中に入れて一緒に潜水艦で脱出〜とかやってた悟空がネズミ退治を依頼とか悲しくなったな。

271 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 17:00:28 ID:fJJ1CzAf
そう言う一部の錬度が高い兵はあまりいなかったか
いても新兵の統率が不可能な状況にでもなったんだろう

272 :271:2007/09/27(木) 17:01:54 ID:fJJ1CzAf
誤爆
すまん

273 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 17:02:09 ID:nisMwj0z
>>269
ネコマジンに依頼したのはゴキブリ退治じゃなかったですっけ?

274 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 17:08:47 ID:GhnW2WL8
サイヤの人乙!
ティッシュの所で吹いたwwww


275 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 17:09:43 ID:pqrH21Yd
そー言やワルドに使い魔って居ないけど、
マシリトとかのマッド系召喚してたら大変だろうな。
腕切られたり機銃で撃たれる度になんか変な機械付けられんの。
とりあえず例のハサミっぽいマシリト腕をつけられて、
頬にはリベット付きの鉄板が付くのはほぼ決定でw

276 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 17:10:24 ID:JHHAiuHe
>>270
命の恩人だから自分で手を下す事ができなかったんじゃね?


277 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 17:17:43 ID:etERIHpL
>>255 >>257
オウカオー…生き物
ビルバイン…像
ブレン…ゴーレムっぽい生き物
バスターマシン7号…人
ガイバーとかハカイダー…最初は人だと思われるが変身後はモンスター


使い魔SSの半分はギーシュとマリコルヌへの愛で出来ています。

「愛はかなり痛い」等の言葉も有りますが…

278 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 17:24:49 ID:QIk+1IGu
見てたらギニュー隊長召喚されたら面白いだろうな〜とか浮かんだ・・・
俺じゃかけないだろうけど・・・

それはそうと
お目汚しと思いますが小ネタ投下してよろしいでしょうか?

279 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 17:29:33 ID:oycvHiGC
投下した!ならつかっても(ry

280 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 17:30:05 ID:QIk+1IGu
大丈夫そうなので投下



白の使い魔



白の書の精は不機嫌であった・・・自らがこれだと思う強大な白の力を持つ存在を見つけ自らの主としたのにも
関わらず白の主は救世主へと至らず破滅と人間・・・白と赤の戦いにおいても白は赤に敗れた・・・
また、千年も待たねばならぬとなると腹立たしくなってくる・・・
そんな時であった・・・自らの存在が引っ張られるのを感じた・・・根の世界とはつながりを持たないどこかへと・・・
馬鹿な!?と思う・・自分は白の精・・・アヴァターに連なる数多の世界を構成する物理法則の理を統べる存在・・・
それが根の世界とは関係ない世界へと引っ張られる・・・ありえない・・・否、あってはならないはずだ・・・
何よりこの身は神がこの世界を新生するために必要な救世主誕生のピース・・・
別のどこかへ飛ばされるということを絶対者たる神が許すはずがないのだ・・・
それが起こるということは考えられることは一つ・・・自分がいらなくなった・・・
もはや救世主の生誕関係なしに度重なる敗北を被った白を必要ないものと神が判断・・・
赤の世界としての新生を決めたか・・・
あるいは自分という存在自体が必要でなくなったか・・・
つまりいつまでも救世主を生むことのできない自身あるいは加えて赤の精が欠陥品であるため替えを用意する気かだ・・・
いずれにしろ・・・神にとって必要なくなった・・・自分は神にさえ捨てられたのだ・・・
白の精は己の運命を呪った・・・何故だ・・・
少なくとも自分はオルタラと違い人の意志を尊重してでの選定でなく
神の目的を効率よく行えそうなマスターを選定してきたのに・・・それなのに捨てられた・・・
いつも不幸になるのは私・・・いつも赤の精ばかりがマスターに恵まれた・・・
そんな恨みの念を抱きながら白の精・・・イムニティの意識は別の場所へと引っ張られていった・・・




281 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 17:30:49 ID:MmJdHDxv
>>278
どうぞ

282 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 17:31:58 ID:N3YDIql3
デュエルセイバーでございまするか

283 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 17:32:19 ID:sVN2wmCv
ございまするな

284 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 17:32:20 ID:ro+7qL/s
かしこまらなくても小ネタ投下しますくらいでいいよ支援


285 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 17:33:00 ID:QIk+1IGu

気がついた先はアヴァターと似たようなような文明レベルの世界であった・・・
状況を把握すると自身は使い魔として召喚させられたらしい・・・
なんたる屈辱!理自体をつかさどる書の精にして召喚師である自分がたかだか人間風情に召喚されるなど・・・
しかもだ・・・周りの人間は自分を幼女だとか言って笑っている・・・
自分にも誇りというものもあれば怒って相手を攻撃する程度の感情は持ち合わせている・・・
ぶっちゃっけイライラが最高潮であった身としては吹っ飛ばしたかったが
どうやらこちらに呼び出されたときにマスターとのリンクが切れてしまったようで現在自分が使える力は有限だ・・・
感情に任せて貴重な力を行使するなど赤の精たるオルタラだけで充分・・・
今は状況を把握せねばと白の精らしく理論武装で自身を抑制し貴重な力で状況把握を行ってるときだった・・・
自分を召喚した少女が契約のためにキスをしてきたのだ・・・最悪だった・・・
自身はリコと違い別にキスなしでも契約を結べるとはいえ自分もキスでもOKだ・・・
もっと深くやったほうが互いの繋がりが強くなり力が増し合理的だがそこまでするマスターは稀有だった・・・
一応手段として提示したがさすがにそこまでする度胸はないほうが多いというか・・・
自分も契約前こそ神の意志を尊重するとはいえ契約してしまえば至上たる存在はマスターとなるから強くは出てないし・・・
ともかく考えてるうちに勝手に主を決めさせられたわけである・・・
おまけにこの世界の契約とやらも刻まれているらしく体が熱くて仕方ない・・・
もうマジであたり散らかしたかった・・・まあ、それでもあたり散らかしたら自身と契約した少女・・・新たなるマスターが
責任を問われそうだったので耐えたのは書の精霊としても使い魔としても鏡であったろうが・・・


286 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 17:35:21 ID:QIk+1IGu
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは上機嫌であった・・・
最初、幼女を召喚したかと思って落胆していたのだが幼女の姿をしていた彼女は異世界の精霊だという・・・
証拠を見せろといったらスライムやら空を飛んで書かれた物を具現化する本やら杖もなしに召喚してきた・・・
これだけでも面子は保てたと思っていたがしかも彼女イムニティは契約した主には死などで契約が切れない限りは
忠実に従うという・・・
まあ、本人自身説明した時はかなり不満げだったのでそのことについて問いただしたら
マスターである以上従い命を全うすることは喜びであると使い魔の鏡といえる返答をしてきたがその後、
精霊として仕えてきた主に恵まれず本来の自分の存在理由も果たされないとか億単位にも及ぶたまりに
たまった愚痴をぶっちゃけられたのは失敗だったが・・・
ともかくルイズは彼女を召喚したことは不幸続きだった自身にとってこれはようやく来た転機だと確信していた・・・
そして、それは確かだった・・・
イムニティは忠義にあふれ自分が相変わらず魔法に失敗しようともそれを責めようともせず、
忠義だけでなくギーシュのゴーレムを雷で一瞬で砕くわ、フーケのゴーレムにフロストガーディアンやら
ストーンゴーレムという名称のゴーレムを召喚して対処するやら実力の方も申し分なかった・・・
いや、それ以外にもツキは回ってきたといえよう・・・
フーケによる宝物庫の秘宝強奪においては強奪された破壊の剣がイムニティの知る召喚器なるアイテムで
イムニティと契約したからか元々自分に資質があったかは知らないが自身に資格がありそれに所有者と認められたり・・・
自身が虚無の使い手であると判明したりなどいいこと三昧であった・・・
唯一不満があるとすればイムニティが自身のことを第一に思いすぎとんでもないことを
やらかすということであろうか・・・
ワルドがレコンキスタのスパイであったと見抜くや否や自分に断りもいれず処分しにかかったのには
驚かされ・・・それが事実だったということを白日の下にさらされた時にはかなりショックを受けた・・・
いや、これは結果的によかったかもしれないからいい・・・
その後、無事に会うことができたアルビオンのウェールズ皇子が死ぬ気だというのを自分が認められなかったら
「力づくで連れて行かれてはどうでしょう?」とほとんどいつもと変わらぬ雰囲気で言ってきたが
ワルドの裏切りからまだ立ち直れてなかったのでそれにむかつき感情のままにわめき散らしてしまった結果
「やれるもんならやればいいでしょ!!」と口にしてしまい真に受けた彼女が
逆召喚なる自分達を転移させる魔法を使いマジで姫様のところまで飛ばしたのも姫様が
喜んでくれたから結果オーライだろう・・・
本人が「まあ、政治家としては滅茶苦茶やばいことになりますがマスターには関係なきことです」とか
言ってたので詳しく聞いてみたら語られた事実に顔面蒼白になったが・・・
まあ、アルビオン軍にしても彼女が逆召喚でトップのクロムウェルをいきなり奇襲したら
アルビオン軍がまとまっていたのが彼の持つアンドバリの指輪によるものだったため
あっさり解決してしまったが・・・
一番まずかったのはそう・・・アレだ・・・自分を連れ戻しに来たエレオノール姉様をフルぼっこにしたことだろう・・・
恐怖刻まれたらしくその後、お姉様は強く連れ戻そうとしなくなったがぼこられた怒りは責任者たる
私に向けられたのだから・・・あの時のお姉様の怒りは今思い出しても身が震える・・・
ともかく、自身の欲求を満たすためには己はもちろん他人の犠牲を省みないのがイムニティの欠点だった・・・
だが、それを差し引いてもルイズは彼女を最高の使い魔だと思っていた・・・

287 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 17:37:12 ID:QIk+1IGu
一方、イムニティの方も最初とはうって変わって充足感に満ちていた・・・
まず、嬉しく思えるのはなにをおいてもマスターのことであろう・・・
イレギュラーなマスターであるが貴族であるが故に支配階級などについて教え込まされ育てられたおかげである
前のマスターほどではないが自身のマスターたるにはふさわしい量の白の力・・・
彼女特有の虚無の魔法・・・イレギュラーながらも召喚器の所有者であること・・・貴族たるその生き方・・・
そのすべてが自身の主たりえるに相応しく誇らしかった・・・
そして、マスターは自身のすることを純粋に喜んでくれるのである。
たまに配慮が過ぎ怒らせてしまったことがあったが・・・
なにせ、今まで白の主となったものは野心やら劣等感やらいい方でも乗り気でなく悪役を演じているような・・・
そんな存在ばかりだったのである。彼女達の望みをかなえても彼女達の喜びには影あった・・・
主の願いをかなえることこそ書の精の喜びでありルイズの純粋な喜びは彼女にとって最高の報酬であった・・・
戦時下にあった時の彼女の命令などアヴァターにて人類側の一個師団を一人で壊滅させた経歴を持ち
逆召喚が使える自分には安いものである・・・
今や虚無の使い手として覚醒し召喚器も手にしたマスターと自分に勝てるものなど存在すまい・・・
あと、些細なことだがここの厨房の料理人の料理が絶品でそれでいて貴族達がそうであるにも関わらず
残しを多くするためほぼ好きなだけ食べられるというのも嬉しかった・・・
オルタラのように口いっぱい詰め混むような無作法な食べ方こそしないが彼女もまたオルタラと同じでよく食べる・・・
それこそかつての救世主戦争では破滅側が食糧難になった時もあったとかなかったとか・・・
そんな彼女にとって食欲を気兼ねなく満たせるということは幸せだった・・・
ちなみに料理長であるマルトーだが・・・彼女の対の存在に対抗心をもやすフローリア学園の料理長よろしく
彼女に対抗心をもやし次第に料理の量が増えて言ったという・・・
もっともその生涯をおいても彼女にもう食べられないと言わせることはできなかったという・・・
まあ、オスマン学院長が宝物庫にしまいこんでいた召喚器ディスパイアー・・・ディスパイアーを手に入れたとき
それと共に空から降ってきて先住魔法でワイバーンを一蹴した親子のメイジ・・・片方はどこか聞いたことのある
身なりだった・・・とか、マスターと仲のいいメイドの曽祖父夫妻の墓の文字がなぜかアヴァター文字と日本語で書かれ
夫妻ともに憎たらしい救世主クラスの人間の名前が書かれていたが・・・
ただ、おかしなことに自分がこちらに来る前、赤の主とそういう関係にあった人間と違うような気もしたが・・・等・・・
この世界にアヴァターに関係していたと思われる存在がいくつかあったのは気になったがここにいる以上些細なことだ・・・
憎たらしいが彼らはもはやこの世界にいないであろうし、自分はアヴァターには戻れそうない・・・
それ以前にイレギュラーながらも主を得た以上主を放置しアヴァターへの帰還を計るなど
書の精霊としてのプライドが許さない。
そして、ここには自身の敵となりえる赤の精も主もいない・・・いや、こちらもそれ以前の事柄だ・・・
神が新生したいのはアヴァターに連なる世界なのだ・・・仮にここで赤の主と精に出会い打ち倒したとしても
新生されるのはアヴァターと関係ない世界なのだから・・・
そのような状況である以上自分が優先すべきはマスターに仕える事だ。
つまり、イムニティは存在意義の一部が欠損したことでまた、それによる不満からも解放されていたのだ・・・
このような状態であれるのが白の理として活動する意義もないからだというのは皮肉であったがそれを差し引いても
おつりは多大なものであった・・・

288 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 17:38:45 ID:QIk+1IGu
今日も彼女達は行く・・・それまでの不幸不満を晴らすように圧倒的な力を以て・・・

「行くわよ、イムニティ」

「はい、マスター」






ちなみにどっかの根の世界アヴァターでは・・・

「ほ〜らタイガ、父上から誕生日プレゼントだぞ。父上のトレイターと同じで喋る剣だぞ〜」

「いや〜・・・探すの苦労したぜ〜」

「わ〜い!ありがとう父上〜!!」

「ちょっと待てぇ!!いきなり拉致られたかと思えば俺ガキの誕生日プレゼントかよ!!」

とか叫ぶデルブリンガーなる剣がバーンフリート王国女王と救世主との間に生まれた子供の誕生日プレゼントに
贈られたという・・・

ちなみにその世界では人間となった元白の精は剣が拉致られた世界にいる並行世界の自分の話を聞いて

「そんな生き方した存在もいるのね・・・まあ、私のマスターはあくまでこっちだけど」

とか呟いたという・・・

289 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 17:40:07 ID:QIk+1IGu
おまけ(注:BAD ENDです。召喚翌日からの分岐です)



数年後・・・
イムニティが召喚された世界・・・ハルケギニアには戦乱が起きていた・・・
世界を二分する戦乱・・・それこそアヴァターで起こった白と赤・・・破滅と人類の戦いを彷彿させる戦乱が・・・
そして、イムニティは破滅の将に相当する立場にいた・・・
いた理由は簡単だ・・・自身を召喚しマスターとなったもの・・・
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・・・彼女がこの新破滅軍に身をおいたからであった・・・
きっかけは些細な事故であった・・・イムニティがこの世界に呼ばれる前からルイズが起こしていた魔法の失敗・・・
それによる爆発・・・それがイムニティと契約したことで増幅されただけ・・・
だが、増幅されたその爆発は死者を出した・・・それが少しずつルイズの心を病ませていた・・・
そして、ルイズ自身に白とは別の稀有なる力・・・虚無の使い手たる才があることが判明した時には
ルイズと並ぶこの新破滅軍の中心人物・・・実質的行動を指針する主幹、彼女と同じ虚無の使い手で
直接的に彼女を今のこの位置へと至らせた人物ジョゼフ一世と同じく彼女の心は病んでいた・・・
そして、ルイズとイムニティを得た破滅軍は一気に行動を開始した・・・
破滅軍に属しているものは大きく4つ・・・世界に絶望したもの・・・争いを望むもの・・・野心ゆえに加担するもの・・・
加担したものへの忠義などから加担するもの・・・以前の世界の破滅と相違ない・・・
それは破滅の将を見ても明らかであった・・・
破滅軍主幹:虚無の使い手ジョゼフ一世 副官:ミョズニトニルン・シェフィールド
破滅の将:閃光のワルド、白炎のメンヌヴィル、白の精イムニティ
そして、白の主であるルイズ・・・
違いといえばアヴァターでなかったゆえモンスターの召喚がうまくいかず雑兵の揃いが悪いゆえに
戦力が思いのほか拮抗してしまったことであろうか・・・
イムニティは現状について思いをめぐらせる・・・
結局、アヴァター以外にいても自分はこうなのかと・・・なぜいつもオルタラだけが・・・と・・・





投下終了です。
お目汚し失礼しました・・・

290 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 17:42:09 ID:RGkQrmXH
ううむ、なにやら読みにくい希ガス……。なんでだろ?
それはさておき、乙。

291 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 17:42:25 ID:C3dJZPa1
「・・・」多すぎ

292 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 17:43:35 ID:JHHAiuHe
カイジかい

293 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 17:46:55 ID:ro+7qL/s
三点リーダが多すぎるかな
使うなら使うで「……」と二個連続で使うものだと聞いた
中身は悪くなかったよ
乙!

294 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 17:48:51 ID:QIk+1IGu
すいません。今度からは気をつけます。

295 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 17:52:33 ID:thG90MK2
まあ、読みにくいのは確かだけど
面白かったぜ
なんにせよ、GJ!

296 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 17:52:50 ID:p6jvTmAA
前もこんな感じで書いてる人がいたが…同じ人?

297 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 17:59:59 ID:OBQfwOPn
>>293
俺も10年位前にSS系掲示板でそう習ったが、いまだにどういう伝統なのか解らん。

298 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 18:00:18 ID:eajAsrfR
伝勇伝みたいな文章だな。
あんなの真似しちゃいけないよ〜♪

299 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 18:10:59 ID:ub3Cnd3V

誤字だと思うが
>あたり散らかしたかった・・・
当たり散らしたかった、だと思われ
「か」が余計だぞ。

300 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 18:20:39 ID:Dqiqfn4M
>>297
諸説あるが、まあただの慣例だ。新聞や出版物ではそう書くのが一般的というだけで、視覚心理学的に正しいとかそういう根拠があるわけじゃない。

301 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 18:21:12 ID:FDO7auGi
乙です。
あれ、破滅の枠組みって神が決めてなかったっけとか思うのは原作忘れてるからかな。
まあ、超級覇王電影弾娘が来るよりはルイズにとってもよかったかな?

302 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 18:26:43 ID:rIzdftf3
むしろ・はwikiにそのままもってくと大変な事になるからそっち注意だ
……にしないと纏められてるのを見て泣くのは書いた本人だぜ

303 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 18:30:31 ID:mXBzTk8c
しかし最近ディセプティコンの人来ないな。
続き読みたいー

304 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 18:30:50 ID:DZexrL+0
「・・・」で「…」に変換出来るが、一々やるのが面倒なので
辞書に読み方を「・・・」変換を「……」で登録する事をオススメする

305 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 18:31:49 ID:+Ig9/67D
「・」だけで「……」になるようにしてる。

306 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 18:32:05 ID:VtO5M5xn
俺は、『てんてん』を『……』に変えれるように登録してるよ。

307 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 18:33:19 ID:N3YDIql3
さんてんで変換すりゃでるだろ……

308 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 18:37:22 ID:DZexrL+0
「・」だけだとそのまま使う場合もあるし、
文字からの変換は打つのが多くて少し面倒じゃないか?
っと、あまり長いと雑談へ〜って誘導されるから俺は自重しよう。

309 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/27(木) 18:40:19 ID:EHJUbONn
人喰い鳩の続きですが、投下しちゃっていいですかね?

310 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 18:41:25 ID:T2Mcd1sw
>文体
俺はその辺、閉鎖都市・巴里を読んで覚えたw
デュエルの人乙でしたが、初期のロゼッタ嬢の日記を思い出す文体じゃのぅ

311 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/27(木) 18:44:05 ID:EHJUbONn
誰もいないようなので投下しますね。

312 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 18:44:33 ID:T2Mcd1sw
進路グリーン、どうぞ

313 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/27(木) 18:46:02 ID:EHJUbONn
「……失敗?」
 緊張の面持ちでコルベールを眺めるタバサ。
 周囲の生徒達はトライアングル・クラスであるタバサが、あろうことか船を召喚してしまったことに驚きを隠せないでいる。
 サモン・サーバントで船を召喚するなんて、私はなんと愚かなのだろう。
 これではあの傲慢な従兄姫にまた悪罵の種を与えてしまうだけではないか。
「あやや! お待ちなさい。どうやらなかから誰か出てくるようですぞ。船なのですから艦長がいるのは当然でしょうが」
 扉から降り立つタラップを通じて男が姿を現した。
 艦長を任されるのだからそれなりの力を持ったメイジなのだろうが、男の格好はタバサの――というかトリステイン学院一同の――見たことのないものだった。
 まず収まりの悪い髪の毛は真っ赤で、しかも一房だけ青く染められている。
 真っ黒な上下と履き物に、これまた真っ赤な上着。船の色もそうだが、赤という色になにかこだわりでもあるのだろうか。
 とタバサを含めた一同が男に視線を集中させた瞬間、男がなにか話し始めた。
 しかし何を言っているのか聞き取れない。言語の違う所からやってきたのだろうか。
「……メイジ? でも言葉が通じない」
「あら。でもわりかしいい男じゃないの」
 キュルケは船が現れたときの驚きはどこへやら、すっかり男の容姿に目を奪われているようだ。
「ふーむ、メイジなのに言葉が通じないとはおかしいですな? とにかくまずはコントラクト・サーバントを。これは神聖な儀式ですからな。やり直しはききませんぞ」
 さあ早く、とコントラクト・サーバントをうながすコルベールに、タバサは逡巡する。
 見たこともない戦艦の艦長で、しかも言葉が通じないメイジ。
 タバサは「メイジの実力を見るには使い魔を見よ」という言葉を思い出して、ああそうかと頷いた。


 ――異国の地に突如追い出された身分の高い者、という意味ならこれ以上ないほど自分におあつらえ向きの使い魔ではないか。

314 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/27(木) 18:48:17 ID:EHJUbONn
 なんだこりゃ、とヘイズは思う。
 自分の身長より長い杖を持った貧相な胸の少女と、同じく杖を持った貧相な髪の男が、ヘイズを指差して何やら話している。
 ヘイズは少女のほうを見ながら、なんだか随分覇気のねえ顔してやがるな、しかしよく見ると結構可愛い顔をしてるな、けどオレの守備範囲にはあと二歳ほど足りねーな、などとどうでもいいことを考えていた。
 両手を挙げて投降の意思を示したはずだが、どうも言葉が通じていないようだ。
 日本語、英語、北京語、フランス語などヘイズが知っている一通りの言語で話しかけるが、どうやらヘイズの知らない言語圏らしい。
 となれば考えられるのは、消滅を免れたアフリカの核施設か、東欧の一部地域くらいだが、それにしてはここにいるのはフランス系かゲルマン系の容姿を持ったものばかり。
 こいつはどうしたものか、とりあえず現場責任者らしき男なら何か通じないかと思い、話しかけようとするが、それは少女のキスによって阻まれた。

 ここの女の子は随分大胆だな、最近の先天性魔法士は羞恥心がねえのかなどと妙に冷静なヘイズがいたが、ある考えに思い至りその思考は打ち切られた。
 ――オレとこいつの身長差でどうやってキスするんだよ。
 少女の身長は目算で150センチに届いていない。対するヘイズの身長は約百八十センチの長身。どう考えても背伸び程度では届かない。
 ヘイズは少女の足元が空中に浮かんでいるのを見て、驚愕することになった。
「光使い……いや炎使いか。それもカテゴリーAかよ」
 少女が浮かんでいるのを見て、とっさに空間曲率特化型魔法士である光使いが思い浮かんだが、重力制御特有の空間の歪みは見当たらない。
 となればまず思いつくのは炎使い。
 そして人体を浮かせるほどの空気を圧縮したまま留めておけるのは、一級品の炎使いでなければならない。
 とするとここは強力な環境維持の情報制御も含め、一級品魔法士生産能力を持った、シティに匹敵する力を持った施設ということになる。
 となればヘイズの行く末はI-ブレインの中身を吸い出して物言わぬ人形か、あるいは脳髄だけをとりだして次の魔法士作成の材料にする為に原子分解か。
 どっちにしても、鏡のようなものを見たときに感じたオレの勘は、完全に見当違いだったというわけかよくそったれ。
 徹底抗戦の構えに入ろうかヘイズが思案していると、
「あなたはわたしの使い魔になる」
 と淡々とした言葉が聞こえた。

315 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/27(木) 18:49:38 ID:EHJUbONn
 少女の言葉が急に通じるようになったが、何らかの翻訳用デバイスでも使っているのだろう。それよりもツカイマとか聞こえたがなんのことだろう……
「私はここトリステイン学院で教師をやっているコルベールと申します。艦長殿をやっていることから、メイジではあると思いますが、これは神聖な儀式なのです。
翻訳の為にルーンを刻む為とはいえ契約そのものは完了してしまいました。折り入ってはなんなのですが、この子……タバサの使い魔をやってくださらんか」
 コルベールの言葉から推測するにメイジは恐らく魔法士のことだろう。しかしルーンとはいったい……
「オレはヴァーミリオン・CD・ヘイズ。フリーの便利屋だ。シティIDはロンドンのがあったが……多分もう使えねえな」
 そこまで一息に言い切って、疑問を口にする。聞きたい謎単語とかもあるがヘイズにとって最優先事項だ。
「あー。契約とか使い魔とか訳わかんねえんだが、ええととりあえず捕獲して自我崩壊とか解体処理とかはなしでいいのか?」
「大切な使い魔にそのようなことはさせられません。何を勘違いしておいでか分からないが、これは春の進級がかかった重要な儀式なのです。それにほらあなたの左手に使い魔のルーンが刻まれておるはずですぞ」
 コルベールに促されて左手を見ると、いつの間にか識別用の論理回路か何かが左手に浮き上がっている。
 なんの前触れもなく現れたそれは驚愕に値する事実だったが、それよりも左手に変なものを付けられるだけで自我崩壊も精神崩壊もなしということで、ヘイズは有頂天なのであった。


「つまりは終身雇用ってことだな」
 ここはメイジだけを集めた学校であること、メイジはすべからく貴族であること、進級のために使い魔を召喚したら
何故かヘイズがやってきたことなどをかいつまんで説明された。
 そして使い魔として召喚されたものは一生メイジに仕えなければならないことなど。
 ――ようするに命が惜しければ、護衛兼雑用をやれってことかよ。
 メイジが魔法士の隠語だとすれば、貴族とはここで開発される魔法士の種類のことだろう。
 悪魔使いでもないのに随分と多機能だが、これほどの隠匿制をもった施設をかんがみれば頷ける。
 そして何の因果かあのゲートをくぐってしまったヘイズを拘束し続けると。
 今は何もされていないが、恐らくすぐに自分も実験体としてI−ブレインの解析作業が始められるだろう。
 未だにここが隠れ里的な魔法士開発施設だと思っているヘイズは、そう解釈して納得した。
「後の詳しいことはタバサに聞いてくだされ」
「じゃあねタバサ。私はルイズが気になるから、ちょっと見てくるわ」
 そういい残しコルベールとキュルケは、他の生徒のほうへ向かっていく。
 広場の向こう側で爆発が繰り返されているが、あれも召喚の儀式なのだろうか。
「ついてきて」
 タバサはひとことそういい残し、本を取り出しながら歩き出す。
 ノイズメーカーが手元にないために、これから取りに行こうということだろうか。
 それにしては銃も奪われていないし、通信機類も全く手付かずなのが気になるが。
 恐らく正面戦闘でもヘイズを倒せる自信があるということなのだろうか。それとも……

316 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/27(木) 18:50:50 ID:EHJUbONn
 何回目かの爆発音と共に「いいかげんにしろよ! ゼロのルイズ!」などと言う金切り声が聞こえてきたが、ヘイズはタバサの後を付いていくことにした。
 あの爆発には今以上の面倒ごとに巻き込まれそうな、そんな雰囲気があったからである。


 部屋に着くなり、襟元の通信機からあわてた様なハリーの声が響く。
「ヘイズ。大変です!」
 ハリーの声が聞こえた瞬間、タバサはびっくう、と先ほどまでの冷静さはどこへやら、あきらかに強張っていると分かる顔で辺りを見回している。
 なんだ、無愛想だと思っていたけど、年相応の可愛いところもあるんだな、とヘイズは思う。
「なんだ? もうオレは何が起きても驚きようがないくらいの経験をしているところなんだが」
「さきほどから艦のセンサーで調べてみましたが、どうやらここは魔法士研究施設でもなければ、地球上ですらないかもしれません」
「何っ!? おい、そりゃあどういうことだ!?」
 タバサは見ていて不憫なほどに、動揺しまくっているが、とりあえず今は無視。
「大気の組成成分、情報制御を介していない魔法、遺伝子操作では説明の付かない生物、天井が存在しないのに雲が広がっていない空、そしてこれは最も重要ですが……」
 そこでいったん言葉を切り、管制コンピュータに似つかわしくない重々しい口調で告げる。

「ここには月が『ふたつ』存在しています」
「何……?」
 口をあんぐりとあけて驚愕するヘイズを尻目に、窓から広がる夜空には確かに月が『ふたつ』輝いていた。

317 :ウィザーズ・ルーン:2007/09/27(木) 18:54:58 ID:EHJUbONn
投下終了です。


演算機関の改造終了はフーケ戦後の予定だから、
シルフィードがいないから、デルフ購入にタバサとキュルケがいけないんですよね。
困った。

318 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 18:54:59 ID:O5B+3IUW
支援

319 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 18:57:04 ID:DZexrL+0
乙したー。
きゅいきゅいいないと展開が大変そうなんだよなー。

320 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 18:59:02 ID:q9eT7vcy
乙!

天井が天丼に見えた

321 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 19:27:47 ID:61czgUNp

そういえば左手ってことはガンダールヴでいいのか?

322 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 19:30:24 ID:6O7Bovwg
>>320
母娘丼と申したか

323 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 19:34:19 ID:rnfChWX/
>>321
タバサが召喚したんだし別にガンダールヴとかじゃないんじゃね?

324 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 19:34:22 ID:uCrAcXm7
>>321
でも召喚したのタバサだよな…一応王族の血を引いてるから姉妹スレのアンリエッタみたいに
ガンダールブもどきを召喚できてもおかしくはない…のか?

325 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 19:37:10 ID:rP4SjuUI
>>324
ロマリア枠の虚無の使い魔を無能王が取られるとほんとーに無能になって
ストーリーがだいぶかわりそーだなー

326 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 19:48:29 ID:dc6WWD8/
ガリア王は魔法使えないほうがおいしいキャラになるような気がするぜ。
魔法なくてもエルフとロマリアとの裏取引はやるだろうし。

327 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 19:54:23 ID:zs45L1cm
あのおっさん知謀だけでも相当厄介だからな

328 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 19:58:18 ID:rnfChWX/
つか王族の血を引いてるからでなく、虚無の系統だからだと思うんだがな>ガンダールヴとかブリミルの使い魔召喚

329 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:02:46 ID:CELatsEo
>>328
虚無の系統は王族の血筋にしか現れないっつー設定

330 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:03:34 ID:g9HpgRfn
>>328
王族は直系だから虚無の系統が出るんじゃなかったっけ?

331 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:04:10 ID:G7z1n/0b
まぁ虚無の系統に目覚めるのが王族の血らしいから、合ってるといえばそうなんだろうが
テファも教皇も何らかの形で王族と繋がってるんだろうよ

332 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:05:33 ID:rnfChWX/
いや王族から虚無が出るのは知ってるが、系統が虚無でもないのに出せるのかな?と。
魔法で浮かんでるのを見ると虚無じゃなさそうだし>タバサ

333 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:05:57 ID:+Uk8wF3a
>>327
というかジョゼフの力は虚無でもシェフィールドでもなく本人の知謀だからな

334 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:08:07 ID:xSNQqiUe
智謀だけでも厄介なのに、オルゴール聴いてたから記憶操作もできるんだよな・・・
エクスプロージョンは使えないようだが。

335 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:08:09 ID:rIzdftf3
タバサが虚無だったら今頃ゼロのタバサになってるわ
そして虚無じゃないと虚無の使い魔はありえないのは確か

てかこれ以上は避難所行こうゼ

336 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:09:38 ID:4Ac52qwD
>>331
お前は一体何を言っているんだ?

337 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:18:41 ID:izejcAwA
イザベラはどんなのと契約したら成長するだろうか?

338 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:21:08 ID:MrjfLVM0
イザベラ以上の酷い境遇で成長した人なら…パッとは思いつかない

339 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:22:08 ID:VtO5M5xn
ミラクル・ヤンと契約させて、ユリアンのように育って欲しい。

340 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:23:59 ID:CELatsEo
>>337
逆に考えるんだ
既にイザベラが召喚して成長してるSSが既にまとめにあるんじゃないかと


つまり自転車だな

341 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:24:25 ID:rnfChWX/
>>337
ゴクドー・ユーコットキカンスキー
ランス
キース=ロイヤル
とびかげ
この辺りと契約したら成長するんじゃない?


342 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:25:39 ID:0HQ6xqGF
難しいな

イザベラより酷い境遇で成長した人間でも
恵まれた境遇で育った人間でも強くてまともな人、
あるいはまともでなくても最低限の自尊心のあるのは
怒り出しそうだからな

343 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:26:31 ID:OELYvxMJ
とびかげやキースはなんか違うだろwwwwwwww

344 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:27:21 ID:i98Vxzgz
イザベラもルイズと同じコンプレックスの塊だから認めてくれるようなキャラだといいんじゃないかと
あとデレたらかなりイザベラはかわいくなるに違いない、貴族っぽくない町娘タイプらしいし

345 :ゼロHiME:2007/09/27(木) 20:27:37 ID:O0wgBe+6
第五話が書けたんで、投下したいんですが
道は開いてますか?

346 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:27:52 ID:p6jvTmAA
気紛れでイザベラを更生させちゃいそうなトリックスター系のキャラがいいと思う

347 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:28:18 ID:MrjfLVM0
毒抜きする方向もアリかも?
忍ペンまん丸のまん丸とか凄い毒抜いてくれそう

348 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:29:16 ID:B56jOp29
>>345
コンディション・グリーン

349 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:29:18 ID:0HQ6xqGF
なんか更生できるかどうかは分からぬが
徹底したリアリストが参謀に付けば似合うかもしれない

350 :ゼロHiME:2007/09/27(木) 20:30:09 ID:O0wgBe+6
んじゃ、いきます

351 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:30:29 ID:wum1vRGo
>>345
問題ない、支援する

352 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:30:41 ID:B56jOp29
支援

353 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:31:12 ID:5OrSQq16
>>345
開いております。

354 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:31:22 ID:rP4SjuUI
イザベラはサイトくらいのドMが召喚されれば
ルイズと同じ経過を辿ってデレそーな気がする。

>>345

355 :ゼロHiME〜嬌嫣の使い魔〜 第五話 1/2:2007/09/27(木) 20:31:51 ID:O0wgBe+6
 
 ルイズが爆発騒ぎを起こしている頃、図書室で調べ物をしていたコルベールが本塔の最上階にある学院長室へと急行していた。

 「た、大変です! オールド・オスマン……?」
 「ぐおぅぉぉぉ〜〜、ギブ、ギブ、ギブアップじゃ〜〜〜!」
 
 大急ぎで学院長室に飛び込んだコルベールが見たのは秘書のミス・ロングビルに狼藉を働いた学院長オールド・オスマンが、彼女にチョークスリーパーによる制裁を受け、テーブルをバシバシと叩く姿だった。

 「何のご用でしょうか、ミスタ・コルベール?」
  「ミス・ロングビル、また学院長が貴女にご迷惑をおかけしたようですね……一応、死なれては困るんで、そこら辺でご勘弁を」
 「まあ、よろしいでしょう」

 ロングビルはコルベールに仕方ないという表情で答えると、チョークスリーパーを解いて秘書の席へと戻る。

 「ごほごほ……死ぬかと思ったわい。で、何事じゃね?」
 「これをご覧ください」
 
 コルベールはオスマンに向かって手にした本を開き、そこに描かれた図版を見せる。

 「ふむ、『始祖ブリミルの使い魔たち』のガンダルーヴのルーンについての頁じゃな。これがどうかしたかの?」
 「では、こちらもご覧ください」

 そう言ってコルベールが先日記憶した静留のルーンのスケッチを図版の横に置いて見せると、オスマンは表情を引き締め、秘書のロングビルを退室させた。

 「それでは詳しい説明をしてもらおうかの、ミスタ・コルベール?」
 

 爆発で授業が中止となった後、シュヴルーズにルイズと静留は罰として教室の片づけをするよう命じられた。
 最初、ルイズは夕飯までかかるだろうと覚悟していたのだが、静留の提案で分担して行ったので昼休み前にはほとんど終わろうとしていた。

 「ルイズ様、終わりましたえ」
 
 静留は最後の仕上げに床を掃き終えると静留が、教卓を拭いているルイズに声をかける。

356 :354:2007/09/27(木) 20:32:23 ID:rP4SjuUI
支援する

途中送信 orz

357 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:32:51 ID:g9HpgRfn
しえん

358 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:33:50 ID:0HQ6xqGF
紫煙

359 :ゼロHiME〜嬌嫣の使い魔〜 第五話 2/2 :2007/09/27(木) 20:34:05 ID:O0wgBe+6

 「こっちも終わったわ……ふう」

 ルイズがため息をついて顔を上げると、自分をじっと見つめる静留と目が合う。

 「……なによ」
 「別に何やいうわけやないんやけど……」

 ルイズに問われた静留は眉根を寄せてしばらく逡巡した後、思い切ったように口を開く。

 「もしかして……さっきのこと気にしてはるん?」
 「……っ! 当然でしょ、魔法に失敗したんだから! これで分かったでしょ、皆が何故、私を『ゼロ』って呼んでるか。そうよ、貴族なのに魔法が一度も成功しない『ゼロ』って意味よ! どうせ、シズルだって心配そうなふりしてるだけでしょ」

 図星を突かれたルイズは顔を一気にまくし立てると、涙ぐんだ顔で不貞腐れたようにそっぽを向く。
 
 (魔法が使えんのが悔しいんやない、同情されるんが絶えられへんのやね……)
 
 「うちは魔法のことはよう知らんけど――ルイズ様はまだ諦めてへんのやろ」
 「えっ……」
 「なら、それでええんと違います? ルイズ様が諦めずに努力してはるんなら誰にも恥じることなんかあらしまへん。それにうちみたいに優秀な使い魔もおることやし」

 ルイズはそう言って悪戯っぽく笑う静留にあっけにとられる。何故なら魔法に関してルイズを馬鹿に哀れんだりする者はいても、『誰にも恥じることはない』と言ってくれる者はいなかったからだ。
  そして気がつく、確かに静留が言ってることはただの詭弁だが、彼女なりに自分を励ましてくれているのだと。
 だが、それを素直に認めるのは癪なので、しかめっ面で無い胸を張って言い返す。

 「別にシズルがいなくたって、私の実力で魔法が使えるようになってみせるわよ。大体、この私が喚び出したのよ、優秀じゃなきゃ許さないんだから」
 「任せておくれやす」
 
 そう笑顔で答える静留に向けられたルイズの表情は、しかめっ面と正反対の晴れやかな笑顔だった。


360 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:34:07 ID:MrjfLVM0
支援。

361 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:35:47 ID:BY5MxGiI
>>336

 331殿は原作をよく読んでいないか、ど忘れしたかでしょう



362 :ゼロHiME:2007/09/27(木) 20:35:56 ID:O0wgBe+6
投下終了


363 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:36:26 ID:tuju9Ffw
…サイトとか?

俺、原作完結したらイザベラ主役の話を書くんだ。
…死亡フラグぽい冗談は置いといて
塵骸魔京からの召喚で某人物の救済ものを書いてるんだけど
克綺もでるんだけど克綺ってイマイチ書きにくいのと、
あの食のティストを再現するのがまじむずいorz
つーか、書いてると腹へってくるし。

364 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:37:32 ID:8lZp3Ssz
ま、左手に刻まれたからってガンダールヴかどうか分からんがな。

365 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:41:09 ID:dGheREKe
乙ー。

>>363
減ったら食うんだ、楽しみにしてるぞ。

366 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:48:42 ID:2sieQmgd
某人物か。
……わだつみの女王だな? そうなんだろう? いや、そうだと言ってくれ。
小説でも補完されてない一番不幸な人だと思うんだ……。

367 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:49:11 ID:ro+7qL/s
HiME乙
どうでもいいが舞HiMEでマイヒメはいいが舞乙HiMEでマイオトメは無茶だと思う

好きだから殺したいとか愛=食欲みたいな連中呼んでルーンの効果が裏目に出るのを見てみたいな
パッと出てくるのは吸血鬼くらいなんだが。
あとガゾート。

368 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:51:25 ID:dGheREKe
>>366
意表を突いて黒く燃える氷のニンバスたんかもしれぬ。

369 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:51:49 ID:rP4SjuUI
>>367
そんな、食欲直結でなおかつ話しに出来るよーな吸血鬼なんて……
あ、積層都市に居るか、長牙さんなら……って、召喚されるの日中なので
吸血鬼系はやばくないとデスカ?

370 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:52:07 ID:ub3Cnd3V
わだつみはエンディングがありそうでカットされた可哀想な方です。

371 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 20:59:42 ID:ro+7qL/s
>>369
この速さで黒杖を思い出せるお前に吹いた
そーいやあの人聖水も日光も駄目なんだよな
十字架はどうなんだろ?
とりあえず原作の流れに乗ると日光は必ず浴びるからなあ……
吸血鬼系は厳しいな
他は……好きな相手を殺して愛でるようなヤツとか?
リボーンのムエタイ使い・ルッスーリアしか浮かばない(ネクロフィリアでホモ?でオカマ)

372 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 21:03:15 ID:1F8ONdeL
でっていう

373 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 21:05:31 ID:wum1vRGo
仮面ライダー龍騎にいたな
英雄になりたいから恩師やら親友殺した奴

374 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 21:08:45 ID:lnLuHNtu
やんデレ(同人)の先生とか

玄関先反復横跳びは終わりの始まりw

375 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 21:14:31 ID:C/XbKvya
ふと思ったんだがイザベラがコンプレックスの塊みたいなのを
召喚すれば面白そうじゃね?

376 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 21:15:39 ID:8lZp3Ssz
>>375
GS美神の妖怪コンプレックス?

377 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 21:16:57 ID:etERIHpL
>>337

かぶき者を召喚

殴られる

「良い顔」になる


378 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 21:20:20 ID:1F8ONdeL
ギーシュのモグラってチョロブーみたいだよな

379 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 21:20:57 ID:RB1efmdv
>>377
真っ先に「ネコミミモードで〜す」が思い浮かんだ俺は死んだ方がいいな

380 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 21:22:26 ID:ZOOKDcrh
鋼鉄神ジーグでヒミカの声、何処かで聞いた事があるかと思ったらフーケと同じ人なんだな
フーケが盗んだのは実は銅鐸でハニワ幻神を作って世界征服に乗り出したらって考えたんだが・・・既出?

381 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 21:22:55 ID:oy2QykXL
ブレンパワード召喚
問題はアニメ化したときゼロ魔女性キャラがOPで全員裸で出ること
家族と一緒には見れません。とくにキュルケやテファ

382 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 21:25:42 ID:Hg3ODSnk
ブレンはOPの歌詞も強烈だったなぁ…

383 :レプリカ・ゼロ:2007/09/27(木) 21:27:33 ID:dB/GO2Mh
投下予約がございますかしら?

384 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 21:27:56 ID:BkFYO120
ナイ

385 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 21:29:00 ID:wum1vRGo
さあ投下したまえ

386 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 21:29:19 ID:pF6GRlOx
その投下、YESだね!

387 :レプリカ・ゼロ:2007/09/27(木) 21:29:23 ID:dB/GO2Mh
それでは投下させてもらいますね。ナイ神父

388 :レプリカ・ゼロ:2007/09/27(木) 21:30:51 ID:dB/GO2Mh
 ルーク・フォン・ファブレは、ルイズ達が授業を受ける教室の壁に背を預け苛立ちを隠せないで居た。
 その証拠に、ルークは腕を組みながら右足をタンタンタンと、足踏みさせ眉を顰めていた。
 原因としては、教室に入った瞬間にルイズに向けられた罵詈雑言で、その罵詈雑言の内容である。
 言わずもがな……完全無欠にルイズを馬鹿にしてると言う内容。
 ルークは、まだルイズがどんな人間なのかおぼろげにしか把握していないが……
 ルイズには、一応の恩義……今、此処に居る事。本当ならばローレライとアッシュと共に消えていたかもしれない為……を感じている。
 罵詈雑言を吐くルイズのクラスメイトに、魔人拳でも叩き込んでやろうか? と、一瞬思うのだが……
 クラスメイトに対してのルイズ対応……言い返す……を見て、魔神拳を叩き込むのをやめ今に至る訳だ。

 しばらくして気分が落ち着いたのか、ルークは左右を見る。
 見たことの無い生物が、わんさか居た。戦った事のある魔物に似た生物も居たが……
 別に襲って来る訳じゃないのでマジマジと観察する事にしたルーク。
 ふよふよ浮かんでる目玉とかどうやって浮いてるんだ? と、首を傾げまぁ考えても意味ないかと、自己完結。
 そして、教室の扉が開かれ中年の女性が入ってくる。
 中年の女性は、紫色のローブに身を包み、帽子を被っており、ふくよかな頬が優しい雰囲気を漂わせている。
 彼女は、教卓の後ろに立つと教室を見渡し、満足そうに微笑んで言った。

「皆さん。春の使い魔召喚は、大成功の様ですね。
 このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に、様々な使い魔を見る事が楽しみなのですよ」

 シュヴルーズの言葉に、ルイズは俯いている。

389 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 21:31:06 ID:HAJtuuy6
>>371
皮膚移植してマクスウェルで人格偽装してる状態で召喚すれば大丈夫ではなかろうか。

390 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 21:31:49 ID:etERIHpL
>>380
ルイズ「フーケの身内と言うだけで十分だ!
しねぇ!」
こうですか?わかりません!


>>381
ブレンとかバロンズウ単品なら
ただの「巨大なガーゴイルっぽい生き物」
ですみます。

ただしルイズが「死ねよやー!」
とか
タバサが「私は家族を守りたかっただけだ!」

と言う可能性大


391 :レプリカ・ゼロ:2007/09/27(木) 21:32:23 ID:dB/GO2Mh
>>388
「おやおや。変わった使い魔を召喚したのですね? ミス・ヴァリエール」

 多分、予め聞いたのだろうシュヴルーズは、ルークを見た後でわざわざルイズを名指しとぼけた声でそう言う。
 わざわざそう言うシュヴルーズに、ルークは少々眉を顰め組んでいた腕を下ろす。
 シュヴルーズの言葉に、教室はドッと笑いに包まれる。

「ゼロのルイズ! 召喚できないからって、そこ等を歩いていた平民を連れてくるなよ!」

 馬鹿にした様にそう言うルイズのクラスメイト。ソイツを見て(正確には体型)ルークは、
 モースを思い出し収まっていた苛々が再燃し始める。
 それに、シュヴルーズの物言いに作為的なモノを感じ更に眉を深く顰めるルーク。
 ルーク曰くモースに似たクラスメイトに、言い返そうとして立ち上がろうとしたルイズだったが……
 唐突に、シュヴルーズの前にある教卓が、酷くけたましい音を立てて木っ端微塵になる。
 笑いに包まれていた教室は、一気に静まり返り一体何が起こったのか、分らなかった。
 いや、正確には一人だけ何が起こったのかはっきりと見ていた。それは、教卓の後ろに立っていたシュヴルーズである。

「おい」

 静まり返った教室にその声は、酷く響き渡る。教室に居る皆が皆、その声の主が方を見る。
 声の主は、ルイズの使い魔(仮)であるルーク。下ろしていた腕は、また組まれ眉は顰めっぱなし。

392 :レプリカ・ゼロ:2007/09/27(木) 21:34:05 ID:dB/GO2Mh
>>391
「其処のばばぁ。テメェ教師だろ? 何、煽る事言ってんだ? なぁ? わざとだろ? 教え子を笑いモンにして楽しいか?」

 剣呑な口調と雰囲気を出しながらに言い、再び腕を下ろす。
 ソレを見たシュヴルーズは、ビクリと体を振るわせた。
 ルークが、教卓を木っ端微塵にした事を唯一見ていたシュヴルーズに恐怖を与えるのには、酷く簡単な動作。
 別段そんなに脅える程のモノでも無いんじゃないか? と、思われるのだが……
 ルークが、教卓を木っ端微塵にどうやってしたのかといえば、ただ魔神拳を放っただけ。
 日ごろから魔法を使っている者からしてみれば、そんなのエア・ハンマーを使えば簡単だろう? と、考えるだろうが……
 魔法を使うためには、短くとも呪文を唱えなければ行けない。

 しかし、魔神拳には唱えると言う過程は、必要としない。
 もし、ルークが魔神拳を放ちシュヴルーズが防ごうとしたなら、なんらかの魔法を使わなければならない。
 そう魔法を使わなければいけない。使うと言う事は呪文を唱えると言う明らかなタイム・ロスを生み出す。
 そのタイム・ロスに容赦なく魔神拳が、シュヴルーズにぶち当たる事になるだろう。
 まぁ、フライやレビテーションなら魔神拳が、届く前に間に合うかもしれない。
 魔神拳の特性を知っていれば簡単に(体を鍛えている者なら)回避できるのだが、
 魔神拳を初めて見たシュヴルーズにソレを求めるのは酷だろう。

「し、失礼しました。ミス・ヴァリエール。教師粗からぬ事をしてしまった事を許してくださいね?」

 そんなシュヴルーズを見て、内心毒づきながらも腕を組みなおしドカッと荒々しくその場に胡坐をかいて座るルーク。
 ソレに対してルイズは、へ? と、何がなんだかわからなかったが、とりあえずシュヴルーズの言葉に頷く。
 頷いたルイズを見てシュヴルーズは、ホッと心の中で安堵し、ニ、三度パンパンと拍手を打ち生徒達の意識を戻す。

393 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 21:34:22 ID:wum1vRGo
イライラにはカルシウムの摂取を支援

394 :レプリカ・ゼロ:2007/09/27(木) 21:35:34 ID:dB/GO2Mh
>>392
「それでは、授業を始めましょう」

 そして、本日の最初の授業は、少々トラブルがあったものの開始した。
 授業は、恙無く進み……シュヴルーズが、錬金を実演してみせ次に、誰かに錬金をしてもらいましょう。と、つげ教室を見渡す。
 時々、ルークと目が合い何故かあせるシュヴルーズ。

「では、ミス・ヴァリエール。貴女に錬金してもらいましょう」

 その言葉に、何故か教室は痛いまでの静寂に包まれる。その中一人の男子生徒が、恐る恐る手をあげシュヴルーズにやめる様告げる。
 それに続くように、クラス中からルイズには、やらせない方が良い。やらせちゃダメです。ジェイドです。と、
 最後は良く分らなかったが、皆が皆、ルイズにはやらせては駄目コール。しかしながら、それはルイズの「やります!」と
 やや怒気の含んだ宣言の前に、脆くも崩れ去る事となった。
 シュヴルーズから、何の変哲も無い小石を受け取るルイズ。それと同時に机の下に隠れるクラスメイトがちらほら。
 何が起こるんだよ? と、ルークは机の下に隠れる生徒達を見て、次の瞬間理解した。
 閃光と爆音と衝撃。つまり、爆発。その余波を受けたルークは、直ぐ後ろの壁に後頭部を激打し声にならない悲鳴を上げ身悶える。
 そして、その爆発を起した張本人は、ケホンと可愛らしい咳を一つついて一言。

「ちょっと失敗したわね」

 そんな訳あるかっ! と、クラス中から総スカンを喰らうルイズ。いまだ、後頭部を押さえて身悶えているルーク。
 ルイズの爆発のせいで、暴れまわる使い魔達。超至近距離で爆発を喰らったシュヴルーズは、壁にめり込んで壁画と化している。
 此処は戦場ですか? と、聞かれたならばある意味Yesだろう。
 何はともあれ、ルイズの爆発により教室は、酷い有様になり壁から這い出たシュヴルーズは、
 ルイズに教室の後片付けを任命すると共に授業を中止する旨を生徒達に伝えたのだった。

395 :レプリカ・ゼロ:2007/09/27(木) 21:37:23 ID:dB/GO2Mh
>>394
 ルイズが『爆発少女』の称号を手にいれました。
 称号の効果『爆発の威力一段階アップ』

396 :レプリカ・ゼロ:2007/09/27(木) 21:38:38 ID:dB/GO2Mh
投下終了。ありがとうごあした。

397 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 21:39:58 ID:Gx/mVC/3
乙、ルークはまだ剣持ってないのねは

398 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 21:40:17 ID:uCrAcXm7
レプリカの人乙です。

>>371
あれ?マクスウェル制御下の彼は日光に耐性あったっけ?

399 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 21:42:11 ID:9CHSpOnU
レプリカの人乙ー


>>ロングファング
日光耐性はない。シリーズ第三弾の頃は人造皮膚で体を覆って誤魔化してた。

400 :MtL:2007/09/27(木) 21:47:08 ID:WUwDbNST
10時から投下させてもらいますー。

401 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 21:47:20 ID:ZOOKDcrh
乙ですぅ

>>381
ブレンは姉さんが最高だと思う
召喚したらゼロ魔キャラが凄い電、ゲフンオーラ力がこもった台詞を言うようになるよ

402 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 21:50:57 ID:ro+7qL/s
レプリカ乙
主人公の名前でググって腐なサイトばっかりヒットしたのはいい思い出

>>ロング・ファング
皮かぶってマクスウェルの制御状態で呼ばれ
普通にギーシュ戦をこなし
対フーケで潰されて再生しながら全てを思い出し
日光に焦げながら「土くれなんか怖くないィ」とか?

403 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 21:51:19 ID:etERIHpL
>>371
日光が「即死攻撃」でなければ
焼かれている所を
コルベールやルイズに上着やマントをかけて貰えばなんとかなるかも?
その後の日中のイベントは「ミイラ男」のコスプレで消化



404 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 21:52:21 ID:8lZp3Ssz
>>400
かもん!

405 :MtL:2007/09/27(木) 22:01:46 ID:WUwDbNST
マジシャン ザ ルイズ (18)操舵

「ウルザ!ミスタ・ウルザ!返事をして!目を開けて!ねぇ…っ!」

ブリッジに、警告アラートとウェザーライトUの船体が軋む音が猛り轟く。
一瞬にして八隻のアルビオン戦艦を沈め、二匹のイゼット・ドラゴンを葬った飛翔艦が、浮遊力を失ったことで地上へ向けて落下を始める。

「いけません!皆さん何処か手近なものにしっかり掴まってください!」
艦橋を襲う強烈な揺れと浮遊感。直後に叫んだコルベールの警告。
艦の並行が失われて前傾し、艦橋内では固定されていなかったものが前方へと滑り落ちた。
言ったコルベール自身、そしてウルザ、ウルザに寄り添っていたルイズもまた床を滑り落ち、艦橋前方の壁へと叩きつけられた。
ウルザが意識を失うと同時に動力源であるエンジンからの供給が止まり、全てのシステムが遮断されたのである。
それらの停止した機能の中には当然、飛翔機能や力場発生機能も含まれている。
今や飛翔艦ウェザーライトUは空に浮かぶ巨大な棺桶と化し、地面へ向けて猛スピードで滑り落ちているのだった。

伝説のアーティフィクサー・ウルザ。
彼が設計し様々な処置を施されたウェザーライトU、その性能はあらゆる面でハルケギニアに存在するどんなフネをも凌駕する。
だが、それでも天高くからの地表へ叩きつけられれば、何重にも『固定化』を施された船体とて無事で済むという保証はない。
何よりも、船体が無事であったとしても慣性を殺す『反射』が作用しなければ落下の衝撃で中の人間は挽肉になってしまうだろう。

「ぐ、ぐぐ……操縦が手動になっているのか」
この船をウルザと共同で製作したコルベールには、現状をある程度把握することが可能であった。
動力とコントロールを一人で担っていたウルザが敵から何らかの攻撃を受け、艦の操作を彼自身で行うのが困難となった。
そのため彼は意識を失う直前に制御権を手放し、艦を手動操作に切り替えたのだ。
結果操縦者を失ってしまったウェザーライトは、その制御を失い落下しているのだった。
コルベールの頭脳はこれらを整理し、現状を打破する方策をすぐさま導き出した。
そう、ことは単純である。
手動で制御してやればいいだけなのである。

前のめりに傾いだウェザーライトUの艦橋内、その床は三十度ほども傾斜している。
その傾斜の落ち止まりに位置するコルベールが、艦橋前部中央に位置する操縦席にたどり着くのは難しい。
コルベールは今このとき操縦席に座っている彼。必死にしがみついている彼に、全てを託す他に自分達が助かる道は無いと判断した。

「ミスタ・グラモン……ギーシュ・ド・グラモン!」

恐れで瞳をしっかりと閉じ、必死に床に据えつけられたコンソールに掴まっていたギーシュ。
コルベールは、彼に全ての命運を預けたのだった。

ギーシュ・ド・グラモン。
彼は本来この場所に立っているはずの無い人間である。
ウルザやルイズ、コルベールやオスマン、彼らのように覚悟や意気込みを持ってこの船に乗ったわけではない。
彼がこの船に乗ったのは事故、あるいは手違いによるものである。
突然戦場に放り出され、恐怖を感じなかった訳ではない。だが、圧倒的なウェザーライトUの性能は彼が今立っているここが、戦場であるという現実を忘れさせた。
そうして無邪気に興奮していたギーシュ。
彼は今ここに至ってやっと自分が戦争に巻き込まれたことを実感したのである。
繰り返し言おう、彼には覚悟も無ければ気概も持ち合わせていない。
そんな彼に、コルベールは全てを託す決心をしたのだった。

名を呼ばれ、恐る恐る目を開けるギーシュ。
彼はこれが悪い夢であり、目を開ければ全てがはうたかたとなって消え去り、新しい朝が始まることを祈ってゆっくりと瞼を開いた。
しかし、彼の目の前に広がっていたものは横で吐息をたてるモンモランシーでも、自分のために朝食を用意してくれるモンモランシーの後姿でも、頬を朱に染めて目覚めのキスの余韻に浸るモンモランシーの愛らしい顔でもなかった。
そこに広がっていたのは、現実。
至る所で赤いライトが点滅し、アラートが鳴り響く、激しく傾き少しでも体勢を変えようとすると重力に引かれずり落ちてしまいそうになる、前方には一面に広がる草原、これが現実。
途端に恐怖で涙が溢れる。
そんなギーシュに、コルベールは更なる現実を突きつける。


406 :MtL:2007/09/27(木) 22:04:29 ID:WUwDbNST
「ミスタ・グラモン!君がしがみついているそれは、操舵装置だ!」
「は、はひ?」
恐怖のあまり泣き笑いのように引きつった顔のギーシュ。
「どうか、落ち着いて欲しい。この船は地面へと墜落しようとしている、それを回避する為には誰かが操縦し落下を食い止めるしかない。ここまでは分かるかい?」
「み、みしゅたこるべぇる……いったひ、なにを……」
涙と鼻水と涎でぐしゃぐしゃになった教え子の顔、それを見ながらもコルベールは冷静に続ける。
「今、この艦内で、操縦を行えるのは君しかいない。君が操縦し、この船の体勢を立て直すしか、我々が助かる道は無い」
きっぱりと言い切ったコルベール。
これで混乱したギーシュの頭も、ようやっと自分がやらねば全員が死ぬということを理解した。
だが、頭で理解することと心から湧き上がる感情は全く別である。
「で、でも、ぼかぁ……ぼかぁ……」
コルベールからはっきりと口された「死」の予兆。
それがギーシュの心を鎖となって縛り付けた。
「できませぇぇん!ぼくにはムリです!」

半泣きから全泣きで訴えるギーシュに、外野からの飛ぶ応援。
「やるんだ!ミスタ・グラモン!君にしか出来ないことなんだ!」
ギーシュを見据えたコルベールの叫び。
「やりなさいギーシュ!勇気を出して!」
倒れたウルザのしわがれた手を握ったルイズの叫び。
「やれ!貴族のぼんぼん!このままじゃ全員おっ死んじまうぞ!」
ウルザの横に転がるデルフリンガーの叫び。
「やるんじゃギーシュ君!今こそグラモン家の意地を見せるのじゃ!」
床を滑り落ちそうな体を、両手で椅子に縋り付いて必死に耐えているオールド・オスマンの叫び。
「やって……」
この期に及んでも慌てずに、しっかりと椅子に掴まって体を固定しているタバサの一言。

そして最後に、

ぃゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ

艦橋後方に位置したトイレの扉の奥から響く、モンモランシーの叫び。

「も、モンモランシーーーーーー!!??」
首どころかか体ごと向けるようにして背後を見やるギーシュ。
扉の向こうから愛するモンモランシーの助けを求める小さな叫びが、彼の耳に届いた。
ギーシュの頭を重量級のハンマーで頭を殴り飛ばされたような衝撃が走る。
モンモランシー! モンモランシー! モンモランシー! モンモランシー! モンモランシー! モンモンモンモンモン……モンモランシー!
今、彼の頭の思考スイッチが片っ端から下ろされる。ギアは瞬時にトップ、全ての障害/恐怖は脳髄の隅へと追放される。
彼の頭に血がめぐり、その頭脳が高速回転を始める。
どうすれば格好いいか、どうすれば女性に慕われるか、何がギーシュ・ド・グラモンらしいのか!
そうして遂に帰ってきた。気障で格好つけで女性に優しい、普段のギーシュが帰ってきたのである。

「分かりましたミスタ・コルベール!指示を、指示をお願いします!」
涙と鼻水と涎と汗と、それらが交じり合った汁でぐちゃぐちゃになった顔のまま、ギーシュ・ド・グラモンが絶叫した。

艦首を上げ、翼を広げて制動体勢に入るウェザーライトU。
艦尾付近の飛翔翼がぼんやりと輝く。これは船が飛翔機能を取り戻したことを表していた。
しかし、既に地面までの距離は二千メイル。
自由落下の速度を殺しきれず、ウェザーライトUは今、正に硬い地面へと叩きつけられようとしていた。




407 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:04:52 ID:dGheREKe
大変動支援

408 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:05:54 ID:JHHAiuHe
みっともないけどカッコいいぞギーシュ!支援

409 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:07:05 ID:Z6G7CJUk
支援

410 :MtL:2007/09/27(木) 22:07:24 ID:WUwDbNST
「ハンドルを引きながら、足元の両ペダルを強く踏むんだ!」
「や、やっていますううううううう!!!」
顔を茹蛸のように真っ赤に染めながら叫ぶギーシュ。
その手には丸いハンドルが握られており、細い足は力いっぱい足元のペダルを踏み込んでいる。
コルベールの指示通りに操作を行ったギーシュは艦の飛翔機構の回復を成功させていた。
その際に再起動したのは強大な魔力を動力源とするスランエンジンではなく、船倉内部の飛翔翼付近に設置された二基の風石炉とそれに付随する飛翔機構の方である。

飛翔艦ウェザーライトUはウルザとコルベールが設計した、ドミナリアとハルケギニアの魔法と技術を融合させ生まれた船である。
古代スラン文明の技で鋼と技術を、ハルケギニアの魔法で『固定化』と風石を、エルフの先住魔法で『反射』を。
様々な部分で従来とは異なる機能を持ったウェザーライトUは、例えメイン動力であるスランエンジンが停止させたとしても、「風石」によって従来通りハルケギニアのフネとして飛行することができる。
しかし、天高くからの自由降下により勢いをつけた船体を再び空に上げるためには、風石の力だけでは足りない。

「もっと強く!強く踏むんだ!力いっぱい!」
「ふぬぬぬぬぬ……も、モンモランシィ、僕に力をぉぉぉぉおおおおおお!!!!!」
掛け声一発背を反らして、脚力、背筋力、腕力を総動員してペダルを踏み抜こうとするギーシュ。

騒音溢れるブリッジに響く、かこん、という場違いに軽い音。
今、彼の足元のペダルが一段深く、押し込まれた。


勢いを殺しながらも落下を続け、高度千メイルにまで達したウェザーライトU。
墜落は必然と思われたその船体から、強烈な閃光を伴う、魔力のフレアが発生する。
可視できる程に濃縮された魔力の噴射、緑の焔、それは風の純粋なる魔力の激流。

再燃焼装置。これこそがウェザーライトの飛翔機関に組み込まれた装置の名称。
再燃焼装置とは、使用することで通常の五十%から二百%程度の推力を得ることを可能とする一種の加速装置のことである。
反面、この装置は風石の消費が激しく、使用し続ければウェザーライトの風石は二十分程で空になってしまう代物である。
当然だが、この局面でそんなことを気にする必要は全く無い。


「いけええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇ!!!!」
叫ぶ、ギーシュ。


巨大なウェザーライトUの船体を背後から押し上げる轟風、烈風、大旋風。
風のスクウェアメイジが数人がかりで唱えたスペルような、豪烈な風が船体を後押しする。
自由落下の加速度、重力の鎖、百五十メイル級の船体の重さ、そういった全てのものを破り捨て、ウェザーライトは再び空へと舞い上がる。



「た、助かった……」
操縦席に座ったままぐったりと脱力したギーシュ、その顔は一事をやり遂げた男の顔をしていた。

「やり遂げたなギーシュ君!」
喜びの表情で自分を祝福してくれるコルベール。
「さすがグラモン元帥の息子じゃ。彼は良い後継者に恵まれたようじゃな」
立ち上がって腰をさすっている学院長。
「やったじゃないギーシュ!見直したわ!」
自分を褒め称える、ちょっと胸の部分がかわいそうなレディ。
「……」
無言のまま、こちらを見つめている更に胸がかわいそうなレディ。
ぅきゅぅぅぅぅぅぅ
背後から響いた、可愛らしいモンモランシーの声。
「って、モンモランシィーーー!?」
全力で振り向こうとしたギーシュ。
だが、

ぐ ぎ り

そんな彼の腰から今、盛大にいい音が鳴った。

411 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:07:26 ID:ro+7qL/s
モンモンとカッコつけることしか頭にねえなギーシュwww
支援

412 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:08:21 ID:dGheREKe
ギーシューッ!?

413 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:08:54 ID:9CHSpOnU
ぎゃーす!?椎間板ヘルニアとか、腰椎分離症になってませんように南無南無 支援。

414 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:09:27 ID:ro+7qL/s
ここにきてギックリィィィイ!?
支援

415 :MtL:2007/09/27(木) 22:11:39 ID:WUwDbNST



「ミス・ヴァリエール!ミスタ・ウルザの容態は!?」
「えっと、その、凄い火傷で…それで…」
ルイズの声に耳を傾けながら、コルベールが慎重な手つきでウルザの脈を取り、胸に耳を当てて心音を聞く。
途端にコルベールの顔がさっと蒼褪めた。
「……呼吸が停止している。心臓もだ」
聞いたルイズの体が驚きに強張る。
「そ、それってどういうことですかミスタ・コルベール!」
「お、おいデコッパゲ!そりゃどういうこった!?相棒は死んじまったってことかよ!?」
教え子とインテリジェンスソード、双方の言葉に神妙な顔つきで答えるミスタ・コルベール。
「分からない、だが……今すぐ蘇生措置をとれば間に合うかも知れない!」

早速コルベールが腕を捲り、心配蘇生を始めようとしたとき、艦橋内に逝く度目かの衝撃が走った。
「いかん!ミスタ・コルベール、敵襲じゃ!」
前方を見やれば、先ほどまで姿が見えなかった数騎の竜騎士がウェザーライトUの周辺に取り付き、炎のブレスを吐きつけていた。
ウルザと竜騎士に視線を配り、一瞬渋い顔を見せるコルベール。
これに対して、意外なところからの助け舟が入る。
「いけデコッパゲ!この船が落ちちまったら元も子も無ぇ、相棒のことなら俺に考えがあるからよっ!」
カタカタと音を鳴らしながら発言したのはデルフリンガー、聞いたコルベールが固く目を閉じた。
そうして次に目を開けたコルベールに迷いは無く、一直線にギーシュが腰を抜かしている操縦席の右に位置する席へと駆け寄った。
「みみみ、ミスタ・コルベール!正面に敵が!?」
「そのまま直進だミスタ・グラモン!」
コルベールの前に置かれているのは小さなウェザーライトUの模型が納められた半透明の球体。球の表面に触れながら口の中でルーンを唱える。
そうしてから、模型の前方、球体の表面を指でなぞりコルベールは呪文を発声した。
「ファイヤー・ウォール」

コルベールの防御の呪文が発動する。
だがそれは、本来発現すべきコルベールの眼前には現われはしない。
出現したのはウェザーライトU前方の空間。そこに燃え盛る青炎の壁が現れたのである。
巻き込まれた二騎の竜騎士が、燐光のみを残す消し炭となって夜空に散った。


一方のルイズは、デルフリンガーの言う、「秘策」を試そうとしたいた。

「おい娘ッ子、相棒を助けたいんなら、俺を相棒に握らせな。そうそう、そうだ…これで準備OKだ」
ウルザに握られたデルフリンガーが次に声をかけたのは、いつからかルイズの横に佇んでいたタバサである。
「それじゃ次は、青い髪の娘ッ子。お前さんだ、お前さん。何でもいいから魔法を唱えて、俺に向かって打ち込め!」
「ちょ、ちょっと何言ってるのっ!そんなことしたらあんたが壊れちゃうじゃない!?」
「いいからいいから、黙って見てろよ。手加減はいらねぇ、さあ思いっきりやってくんな!」
自信満々に語るデルフリンガーに、ルイズはそれ以上の言葉を紡ぐのを止める。
デルフリンガーの言葉に従って呪文を唱えるタバサ。
その顔は無表情で何も考えていないのか何かの予感があるのか、判別はつかない。

416 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:11:43 ID:ro+7qL/s
支援

417 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:12:59 ID:11hF+H8v
魔法の拡大機能か支援

418 :MtL:2007/09/27(木) 22:14:23 ID:WUwDbNST
「エア・マンマー」
風の槌が生まれ、それが正確にデルフリンガーへと打ち込まれる。
「ほいさ!」
呪文が直撃、したように見えたそのとき、ばん、と何かが破裂するような音が響いた。
風のスクウェアクラスのメイジが放った風魔法がその効果を発揮せず、デルフリンガーに当たった瞬間に消滅してしまったのを見たルイズが目を丸くする。
「ちょっと、何その隠し芸!?」
「おい嬢ちゃん、せめて隠し技って言ってくれよ。相棒があんまし俺を使ってくれねぇから今まで出番が無かったけどよ、俺も一応『伝説』なんだぜ?んじゃ、青髪の娘ッ子、次だ次!」
「エア・ハンマー」
「おいさ!」
「エア・ハンマー」
「よいさ!」
「エア・ハンマー」
「どっこいしょ!」
魔法を打ち込まれれば打ち込まれるほどに、刀身を輝かせていくデルフリンガー。
錆びだらけであったそれは、いつしか新品同様に美しい光沢を取り戻していた。
「どうよ、これが俺『デルフリンガー』の真の姿って奴だ」
「すごい、魔法を、吸収したの……?でもそれがミスタ・ウルザを蘇生させるのとどう関係があるのよ?」
「『伝説』様は魔法を吸収する以外にも隠し技があるんだよ。そのうち一つ、おりゃあは溜め込んだ魔力で『使い手』の体を一時的に動かすことができるんだ。今みたいにな、娘ッ子、相棒の胸に耳を当ててみな」
言われるままに、ルイズはウルザの胸に耳を置いてみた。
そこから響くのは、確かに聞こえる心臓の鼓動。
「う、動いてる!?」
「な?俺ちゃんと役にたつだろ?いらん子違うだろ?これを機会に相棒と娘ッ子は俺の扱いをもうちょっと考えてくれてもいいと思うんだぜ?って聞いてるか、おーい?」


                         これが私の経験する、初めての戦場であった。
                              ―――ギーシュ回顧録第四篇

419 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:15:03 ID:ro+7qL/s
支援

420 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:15:32 ID:JHHAiuHe
簡易蘇生装置になっている事に気づいていないデルフGJ

421 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:16:07 ID:O4GLvOP4
デルフかあいいよデルフ。
でも、おっぱいはもっと好きです乙。

422 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:16:28 ID:FhnC5EHj
ギーシュの腰は大丈夫なんだろうか…

423 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:16:34 ID:AQ/gEAFj
乙!!

424 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:16:41 ID:iSX+1dXd
回顧録書いてる頃はギーシュとんでもない奴になってるんだろうかGJ

425 :MtL:2007/09/27(木) 22:17:14 ID:WUwDbNST
誤字発見「マンマー」って何さ…(´・ω・`)

腰、痛めると苦しいですよね。
雪かきで凄く痛い目にあったことがあります。

それではまた次回お会いしましょう。
君の瞳にギャザリンビーム!

426 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:17:27 ID:dGheREKe
乙。ギーシュとデルフ乙。
コル先生はとうとうメンヌヴィル戦か……。

427 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:18:16 ID:ro+7qL/s
ギーシュもデルフも大活躍なのに落ちがついたwww
あとエア・マンマーになってる

428 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:18:44 ID:HAJtuuy6
ぎっくり腰はくしゃみしただけで痛いんだよなあ。
そんな俺は22歳。( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \ / \

429 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:18:54 ID:Z6G7CJUk


430 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:20:41 ID:aekZZbPr
>376
コンプレックスは、どっちかというと自分の体に対してのだから
ルイズなんじゃないか?

ルイズ「夏期休暇なんてなによーーっ!!胸が無くて悪かったわねっ!色気が無くて悪かったわねっ!!」
     「幼児体系がなによーーっ!!」
ルイズ、コンプレックス二人でおがぁあああん!!

キュルケ「この子、逆に使い魔に洗脳されてない?」
こんな感じで

431 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:21:59 ID:O4GLvOP4
>>424

とんでもない奴か……。

1:ハルキゲニア一の子沢山。 妾さんに何人かエルフ(ビダーシャル含む)が混じってます。
2:トリステインの元帥。 でも、夜はボンテージのモンモンに命令されています。
3:才人と組んで、最強剣士チームTWO突風結成。 ガキ警察打ち切りは納得行かねえ。

さあ、どれッ?

432 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:23:36 ID:uCrAcXm7
乙です。
「あなたは今、失った心肺機能をデルフで補っているわ。その動力は吸い込んだ魔力から供給されているの。
つまりあなたは、デルフを離したら死ぬのよ」
的な電波が飛んできた。

433 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:27:16 ID:g9HpgRfn
>>432
ANUBIS倒しに行けとおっしゃる?

434 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:30:15 ID:ma0aA57i
はいだら

435 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:31:23 ID:oEeBMw6T
その「はいだら」って何の意味があったんだろうな

436 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:32:29 ID:HAJtuuy6
(お前からジェフティを)剥いだらァー!!

437 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:35:44 ID:TqICOAuG
「宇宙の意思が、人類の無意識が!
 ツ   ン   デ   レ   を   望   ん   で   い   る   の   だ   !」

438 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:35:57 ID:AQ/gEAFj
(足の親指の爪を)はいだら

439 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:36:22 ID:zt5tq7+i
ワルド「来いルイズ…お前は好きだ」

440 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:38:13 ID:Gx/mVC/3
アクメツを召喚。
敵を倒す度に死んでく使い魔にルイズ伏し目。

441 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:40:14 ID:Hg3ODSnk
>アクメツ
第一の犠牲者はモット伯か……
マリザーニは確実に生き残れるな
召喚するのはアンアンですか?

442 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:40:50 ID:GhnW2WL8
>>440
人工衛星とかも呼ばないとwwww

443 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:42:38 ID:iSX+1dXd
バットマンからジョーカーを召喚
ヒーッヒッヒッヒ
ヒョーホッホッホ
ウヒャヒャヒャヒャヒャ
と笑い声と共にトリステイン崩壊の危機が

444 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:43:32 ID:cyRlrXAD
>アクメツ
つまり、アンアンが召喚して1ヶ月以内に国の有り方を変えないと
アクメツに逆に始末されると

445 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:45:38 ID:O4GLvOP4
ダメだ……。
トリステイン、鶏骨以外アクメツ基準でまともな政治家(っつーか貴族)がいねえ。w

446 :とあるの人 ◆3WQsphoeLI :2007/09/27(木) 22:45:46 ID:pJ0yQbN0
久しぶりですが投下OK?

447 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:46:00 ID:JHHAiuHe
>>443
うわああああああ
トラウマ!トラウマ!

448 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:46:43 ID:TqICOAuG
>>446
貴様の前に道はない
貴様の後に道はできる

449 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:48:34 ID:MmJdHDxv
>>431
2番目、何その舞乙

450 :とあるの人 ◆3WQsphoeLI :2007/09/27(木) 22:49:01 ID:pJ0yQbN0
 学園都市では雨が降っていた。


「あぅぅ……。やっぱり繋がらないのですよー」
 とある学校の教員室で、身長百三五センチの小学生体型の女の子が、ため息を吐きながら受話器を戻した。
 月詠小萌。事情を知らない人にとっては嘘だろうと思ってしまうが、なんと教師であるうえに上条当麻の担任であるのだ。

 その、上条当麻がいない。

 確かに、小萌先生も彼の性格と体質を理解している。それでも、無断欠勤をした事は一度もなかった。
 少し不安になって、彼の自宅と携帯電話に何回か連絡を入れたが音沙汰なし。
 それがますます小萌先生を不安に陥れさせた。
 当麻の家には白いシスターちゃんが居座っている。多少機械音痴なのだが、電話に出るという行為ぐらいは知っているはず。
 しかし、繋がらない。
 それは、彼女も当麻と同じように行方がわからないという事を示している。
 土御門元春も同じようにいないのだが、それは今回に限ってという事ではないのでまだ安心できる(といっても不安なのには変わりはないが)。
 かといって、通常授業もあるので捜しに行けないし、警備員に頼みたくてもまだ事件と決まっていないので気が引ける。
「もう……一体どうすればいいのでしょうかー」
 ドバーと、小さい体を目一杯机に預ける。周りに置いてあるプリントがバサッ、と宙に舞うが気にしない。
 そこへ、
「大丈夫? 小萌先生」
 と声をかけられた。
「あ、姫神ちゃんですかー」
 姫神秋沙。昔とある事情で上条当麻に助けられ、今は同じ学校に通っている女の子だ。
 彼女は、ホームルームの時間に配ったアンケートの束を抱えている。小萌先生はガバッと慌てて起き上がると、自分の机にスペースを作った。
「これ。そこに置いていいのかな?」
「はいー、ご苦労様ですー」
 姫神は言われた通り、指定された場所にプリントを置いた。

 本来なら用事を終えたので、そのまま去るべきなのかもしれない。しかし、自分が声をかけるまで気付いてくれない程悩んでいた姿がどうしても気になった。
その原因はおそらく……、
「上条君のこと?」
「えぇ、こんなことは今まで一度もなかったのでー……」
 姫神はなんとなく想像できた。
 きっと彼はまたとある事件に巻き込まれたのだろう、と。
 姫神はあの白いシスターと違って、帰りを信じて待つタイプだ。以前にも同じような事はあったが、ボロボロにはなったものも彼は帰ってきた。

451 :とあるの人 ◆3WQsphoeLI :2007/09/27(木) 22:51:47 ID:pJ0yQbN0
 だから、姫神にやれる事と言えば無事戻ってくれるのを祈るだけ。おそらくは病院から帰ってくる気がするが……。
 もっとも、それはもちろん小萌先生も同じように感じているに違いない。
「先生は。不安?」
「もちろん不安ですよー。もしかしたら怪我を負っているのかもしれないのですから」
 それでも、やっぱり心配なのには違いない。そうでなかったら姫神もわざわざ聞く必要性がないのだから。
 ならば、と。
 姫神は小さく頷いた後、
「きっと。どこかでまた女の子を助けているのかな」
「むっ、それはライバルが増えてしまいますねー」
 ピタッ、と金縛りにあったかのように姫神の体が止まる。
 しばらくして、その口が開く。
「先生。それはどういうことですか?」
 一方の小萌先生は、そんな姫神の反応に対してニヤニヤと笑みを浮かべると、
「ごまかそうたってそうはいかないのですよー。先生は姫神ちゃんの味方なのですよー」
「別に。私は上条君に対してなんの感情ももっていないから」
「むっ! もっと自分に素直になったほうがためになりますよー!」
「もってないって言ったらもってない」
 何で意地はるんですかーっ! とブーブー文句を言う小萌先生を見て、姫神は小さく笑う。

(これで大丈夫かな?)

 不安なのには違いない。だけど信じなければ何も始まらない。
 そう、きっとなんとかしてくれる。自分の時と同じように。
 窓から外の景色を見る。
 ザーザーと激しく降る雨は、もう止んでいた。
(上条君のことだから。きっといい仲間と一緒に頑張っているんだろうね)
ファイト、と姫神は心の中で呟いた。

452 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:51:52 ID:WUwDbNST
小萌先生ktkr!!!!!!!!!

453 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:52:43 ID:WBubkNVg
紫煙

454 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:53:40 ID:AQ/gEAFj
小萌先生支援支援

455 :とあるの人 ◆3WQsphoeLI :2007/09/27(木) 22:54:09 ID:pJ0yQbN0
 フーケとアンリエッタ、そしてウェールズのコンビネーションは完璧と言えた。

 声をかけることなく、それぞれ最善の方法を互いに取り合う。アンリエッタが敵の魔法の迎撃に集中し、ウェールズの攻撃にフーケが援護をする形。
 一見普通な戦術であるかもしれないが、シンプルがゆえに隙がない。攻撃、援護、防御、とバランスがよい属性であるからだ。
 しかし、ルイズ達は違う。雨が降って来たせいもあり、キュルケの魔法の威力が半減した。
 さらにはアンリエッタの盾が強化されたせいで、ルイズやタバサの魔法も突破する事ができない。
 つまりは、苦戦をしいられたのだ。
「どーするの!? このままじゃ……」
 しかし、一方的にやられてるわけではない。相手の攻撃魔法がウェールズだけ、という事が幸いし何とか拮抗状態を保っている。
 が、それも時間の問題であるのも事実。常に攻められているという感覚が、重圧が彼女達にミスを与えるかもしれない。
「なにか……なにかいい手ないの!?」
「ウェールズを倒すのが最優先」
 ルイズの問いかけにタバサが簡潔に答える。まずは相手の攻撃手段を潰す。しかし、逆を言えばそれしか方法がないのだ。
 しかし、
「だけどあいつはゾンビなんでしょ!? ダーリンの右手以外で倒せる方法なんてあるの!?」
 キュルケの言った通り、彼は不死身なのだ。こちらが放つ魔法を直撃させたとしても、相手は平然と立ち上がってくるだろう。
 彼を触れる事で倒せる少年はワルドと戦っている。そちらからの援護はないと見て取ってもおかしくない。
「なにも倒さなくていい。杖を吹き飛ばせばいい」
「そうするにはどうすればいいのよ!?」
「まだ……わからない」
「じゃあどうするのよ!」
「難しい。あの布陣を崩す第三者、もしくは新たな魔法が必要となっていく」
 すなわち、アンリエッタの盾を打ち破るなにかか、人数差で一気におすべきという意味であろう。
「第三者って……トウマは無理だし来るわけないじゃない! 新しい魔法だってそんなの無理に決まってるじゃない!」
「だから、難しい」
「なっ……そ――」
「ルイズ! 今は仲間割れしてる場合じゃないでしょ!」
 タバサの異常なまでの冷静な態度に、もう少しで怒鳴り散らそうなルイズをキュルケが落ち着かせる。

 瞬間、敵の攻撃が再開された。

456 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:56:54 ID:Gx/mVC/3
支援

457 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:56:57 ID:VrhgXS/K
しえーん

458 :とあるの人 ◆3WQsphoeLI :2007/09/27(木) 22:56:59 ID:pJ0yQbN0
 ドゴッ! と、地面から勢いよく槍が射出される。タバサはそれを予知していたのだろうか、素早く冷気の壁を形成する。
 ガァン! と土と氷がぶつかり合い、どちらも粉々に砕け散った。
 細かくなった残骸を吹き飛ばしながら、轟ッ! と烈風が吹き荒れる。
 キュルケが負けじと炎の嵐を作り上げる。雨のせいで威力は下がるが、魔法のランクを上げればまだ優勢にもっていける。
 炎が風を巻き込みながらアンリエッタ達に襲いかかるが、水の壁の前には無力と化してしまう。
「ルイズ! あんたも援護しなさいよ!」
 今の一連の流れで戦いに参加しなかったルイズに、キュルケが怒鳴る。
「ちょっと待って!」

(なにか……なにかあるはず……!)
 ルイズは始祖の祈祷書のページをめくり続けていた。
 最初のエクスプロージョンが書かれたページ以外、ずっと白紙が続いている。しかし、

 それがありえないのだ。

 もしエクスプロージョンだけが虚無唯一の魔法であったらわざわざ本にすることはない。そうじゃなくても、こんなに厚い本にしなくても問題ない。
 つまりは、この本にはまだ魔法が隠されている。それが流れを変えることのできる新しい魔法かはわからない。
 しかし、それに賭けることは悪くないはずだ。
(ない、ない、ない……)
 めくってもめくっても白紙のまま。その間にもキュルケが叱ってくるが気にかける余裕はない。そして後少しで終わりそうになるその瞬間、
 あった。

 エクスプロージョン以外の、新しい魔法がそこにはあった。

「ディスペル・マジック……? 解除……。これなら!」
 その魔法の意味と可能性を信じて、ルイズは二人に声をかける。
「ねえ!」
「なによ! 用が済んだら早く戦ってよ!」
 キュルケが叫びながらも炎の熱で迫り来る土の矢を溶かす。
「あるのよ! 新しい魔法が!」
 新しい魔法という言葉にタバサが反応する。
「それはあの布陣を崩せるの?」
「わからない。けど可能性はあるわ! でも詠唱に時間がかかるの……」
「なら問題ない。全ての精神力を防御にまわせば時間は稼げる」
 サッと、自然な動きでタバサが二人の前に立つ。ルイズとキュルケはそれぞれやるべき事を見極め、詠唱を始める。

「あなたのその魔法を信じてみる」
自分より大きい杖を、タバサは強く握りしめた。

459 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 22:59:02 ID:SsgXo4T3
幻想殺しえん

460 :とあるの人 ◆3WQsphoeLI :2007/09/27(木) 22:59:16 ID:pJ0yQbN0


(くそ……考えろ……)
 眠気などとうの昔に吹き飛んだ当麻は、ただ己の拳だけを信じていた。
 距離は五メートル弱、まずは間合いに入らないとただの動く的である。拳を握って追う当麻に対し、ワルドは無理に近づかずに後ろへ下がりながら杖を振るう。
 途端、魔法が発動する。
 瞬ッ! と風の刃が勢いよく当麻よりやや右へと通りすぎていく。敵の意図はわからず、当麻はそのまま走り続けた。
 ギギギギギ、と。
 森という字の通り、幾多の木が当麻に襲いかかるように倒れ込んできた。
「!?」
 一瞬とも呼べる間に、当麻は考えを巡らせる。
 体の重心は完全に前方、下手に足を止めてしまったら巻き添えにあうかもしれない。左右もダメだ。縦に長い木が横から迫ってくるがゆえに、危険度も高い。

 ならば、

(前に……)
 三方向の逃げ道を封鎖された今、残りは一つしかない。降り注ぐ範囲よりも外へと逃げ込むだけだ。
(動きやがれ! 俺の足!!)
 恐怖感に足がすくむことなく、逆にいつも以上の力を足へと踏み込み、爆発するかのように跳躍する。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!」
 当麻のいた場所に、ズシンズシン! と次々木々がなだれてくる。
 しかし、後ろはもう気にしない。
 その先にワルドがいるからだ。
 が、
 気付いた時にはもう遅かった。
 ワルドも同じように当麻の懐へと一気に突っ込んできたのだ。
「な……」
 対応にワンテンポ遅れる。そのワンテンポが攻撃も回避も防御も不可能にさせる。
「遅い」
 ドゴッ! と、当麻の鳩尾へと拳を叩き込んだ。体内にある酸素が吐き出されて、吐き気が後一歩のところまで迫る。体がくの字に曲がり、足が地面から離れる。そこへ、

 追い打ちをかけるかのようにワルドの魔法が炸裂した。

「ゴフッ……!?」
 空気で作られた打撃魔法なのか、そのまま数メートル後方へと吹っ飛ばされる。
 体の至る所が悲鳴を挙げ、倒れた木に衝突した。ビキビキと嫌な響きが背骨から聞こえてくる。
 手を地面につき、口の中にたまった苦い味を吐き出した当麻はワルドの方を見上げる。
(ダメだ……このままじゃ……)

 勝てない。

 その単語を振り払うかのように当麻は思考を切り替える。つまり、どうすれば攻撃を与えられるか、だ。
 ワルドは近距離の技に遠距離の技、両方を備え兼ねている。近距離、しかも魔法が使えない当麻にとっては圧倒的に相性が悪い。

461 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 23:01:02 ID:CpkJVx44
>>444
そ れ だ

462 :とあるの人 ◆3WQsphoeLI :2007/09/27(木) 23:02:21 ID:pJ0yQbN0
 当麻はちらっと自分の左手にあるルーンの文字を見た。
 竜王の顎。これさえ具現化できれば一気に場の状況をひっくり返すことができる。
 しかし、それはこのルーンの文字が読めたあの日だけのこと。不幸にも発動したのはその日だけ。これに頼っても意味がないのは確かである。
(なんかねえのか!? せめて対等に戦えるなにかいい手が!)
 思いながら、再び駆ける。
 幻想殺し以外なにも能力がないことを知って、
 決して届かない拳を振るって、
 少年は考える。
 自分の思っていることが現実に起こるまで、
 少年は考える。



「はっ、あんたが他の二人を守るほどそっちには余裕があるのかね!?」
 フーケが愉しそうに笑い、魔法を放つ。タバサ達を中心点にするように、全方向から土の銃弾が射出される。
 それに加え、ウェールズが雷の槍を放つ。全包囲型と一点集中型の合わせ技だ。
「…………」
 しかし、タバサは臆することなくそれに対処する。
 自分の背丈より大きい杖を存分に振るい、呪文を紡ぐ。一瞬とも呼べる間に魔法は完成する。

 ルイズが魔法を完成するまで耐えればいいのだ。耐え切れば勝ち、耐え切れなかったら負け。わかりやすい勝敗である。
 逆を言えば耐え切れば勝てるのだ。そこに精神力の節約という概念は存在しない。
 タバサ達を囲むように風の渦が小さく形成されたと思ったと同時、
 轟ッ! とそれは一瞬にて巨大な竜巻へと成長した。
 土の銃弾が一瞬にて巻き込まれ、雷の槍も一カ所に穴を開けただけで、すぐになかった事にされる。
 タバサが覚えている魔法の中で、攻撃そして防御にも使える最高クラスの物である。
 後はこの竜巻が消えないよう精神力を与え続ければよい。残った不確定事項は、自分の精神力が尽きる前にルイズが先に詠唱を完成するかどうかだけ。
 ―――のはずだった。
 竜巻、といっても魔法で創られた代物。内側にいるタバサ達はちゃんと外側の様子も見る事はできる。
 そこには……、

 ウェールズとアンリエッタが同時に呪文を詠唱していた。

 それも、別々にというわけではない。まるで、二人が一つの呪文を詠唱しているようだ。
 二人の周りに水でできた竜巻が徐々に大きくなっていく。
 本来できるはずのない水と風の六乗。
 王家の中でもほんの一握りしか使えないヘクサゴン・スペル。

463 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 23:04:56 ID:m1/H9CVL
支援

464 :とあるの人 ◆3WQsphoeLI :2007/09/27(木) 23:06:36 ID:pJ0yQbN0
 詠唱が長くなるに従ってさらに大きくなっていく。地面には二人のトライアングルが六芒星となって現れている。
 瞬く間にそれはタバサの竜巻よりも巨大に膨れ上がった。
 おそらく、これを防ぐ術はないだろう。
「ちょ……、ちょっとどうするのよ! あんなの防ぎきれないわよ!」
「……一時撤退」
 さすがにあれは防ぎようがない。理屈うんぬんよりもまず不可能だ。己の経験から得た結論は、迅速に行動へと起こす。
 まずは竜巻よりも高い高度へと逃げ込むため、シルフィードを呼ぶ。それに加えて絶対的な防御を誇った竜巻をタバサは解除する。もちろん、警戒を怠るつもりはない。
 風の勢いが止み、景色がはっきしと見えてくる。

 瞬間、森の中から三体の等身大ゴーレムがタバサ達を、上空からグリフォンがシルフィードを襲いにかかった。

「……ッ!」
 タバサとキュルケははすばやく魔法を放ち二体撃破するが、続けて詠唱している間にゴーレムの拳がタバサを捉えていた。
 ドゴッ! と、タバサの体が何メートルも先にある森の中へと吹っ飛ばされる。
「タバサ!?」
 キュルケの放った魔法が三体目のゴーレムを粉砕し、慌ててタバサのもとへと近寄ろうとするが、
「させないよ!」
 僅かな時間で精巧なゴーレムを作り上げたフーケがそれを制止させる。新たな土の槍がキュルケの足を止めさせた。
 反撃と言わんばかりの炎球を放つが、先に張られたアンリエッタの水の壁が行く手を阻む。
 上空のシルフィードも予想外の敵、グリフォンに逃げるだけで、とてもじゃないがこちらを助ける余裕はない。
 アンリエッタとウェールズによるヘクサゴンスペルである水の竜巻は、既に見上げる形になるほど大きくなっていく。
 ルイズの詠唱はまだ終わらない。このままではルイズの呪文が完成する前にすべてがおしまいだ。
 タバサも気絶したのだろうか姿を表してはくれない。
 そして自分自身はフーケの相手。しかも相手に防御魔法を敷かれている以上勝ち目はほとんどない。
 そう、絶対絶命であった。

 なぜその言葉が口から出たかキュルケにはわからなかった。
 助けが欲しいから?
 自分が死にたくなかったから?
 そんなのはわからない。
 だけど、
 自分じゃどうしようもないから、
 自分じゃこの流れを変える事ができないから、
 叫ぶ。
 他の誰でもない。たった一人の少年の名前を。

「助けて! トウマ!」

465 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 23:07:58 ID:WBubkNVg
私怨

466 :とあるの人 ◆3WQsphoeLI :2007/09/27(木) 23:09:19 ID:pJ0yQbN0




 声が聞こえた。
 助けを呼ぶ声が、
 自分を求めてくる声が、

 気付くと、当麻は全ての考えを捨てて駆け出していた。

 目指すは声の持ち主、キュルケの所である。
 背後から「なっ……」と驚く声が聞こえたが気にしない。
 走る。ただ、走り続ける。
 今まで対峙していた敵に背を向けるという行為が、どれだけ無謀なのかは当麻もわかっている。
 しかも、こちらは満身創痍で走る速度は万全の状態の時よりもかなり遅くなっている。
 そう、
「貴様には失望したぞ幻想殺し」
 ワルドに追いつかれるのは当然である。
 声が聞こえた瞬間、当麻は雨のせいで柔らかくなっていた土の部分に足を踏み入れた。足がもつれて前に転びそうになる。
 同時、ワルドの杖に纏っている風の刃が当麻の背中を切り裂いた。
「……ガァァァァァァァァああああああああああああッ!!」
 体内の組織が全て断ち切れていく感触をえてから一秒後、ようやく熱を帯びた痛みが爆発した。

 しかし、当麻は倒れない。

 そのような半端な覚悟であったらまず敵に背を向けない。
 自分を求めてくれた言葉に応えるため絶対に諦めない。
 だって、嫌だから。自分が何も出来ずにこのまま見捨てることが。
 自分を信じて、自分を頼った言葉を裏切るなどあってはならないのだから。
「うぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおお!」
 たとえぶざまな恰好でも、
 たとえ痛みに襲われて上手く走れなくても、

 走る。走る。ただ、走る――!

 しかし、敵は待ってくれない。
「なるほど、斬るよりかは突くほうが効果的だな」
 あくまで冷静に、しかしどことなく遊ばされているように感じられる。
 当麻はちらっと後ろを見る。そこには余裕の笑みすら浮かべているワルドの姿があった。
(くそっ! よけることができるか!?)
 広範囲斬撃ではなく、一点集中型の突き。タイミングと狙う場所さえわかればなんとかやり過ごす事はできるはず。
 相手が油断してるとわかっている今だからこそチャンスがあるのだ。

467 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 23:09:25 ID:WUwDbNST
ドキドキワクワクテカテカ

468 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 23:10:38 ID:Hg3ODSnk
ふざけた幻想をぶちこわす支援

469 :とあるの人 ◆3WQsphoeLI :2007/09/27(木) 23:12:00 ID:pJ0yQbN0
 しかし、それが難しいのだ。
 一歩間違えれば死亡、いやしないところで結果は変わらない。
 さらにいうならば、ワルドを連れてくのだ。仮にたどり着いたとしてもさらに不利な状況になってしまうかもしれない。
 それでも、それでもだ。
 当麻は走る。一秒でも早く、たどり着くために。
 だから、
「これで終わりだ幻想殺し!」
 当麻は最後の最後まであがく。
「うぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!」
 神に見放された男は、決して神に頼むような事はしない。
 地獄のような不幸に何度遭遇しても、それを常に乗り越えていく強運を持っている少年は、
 自分を信じて、体を屈ませて態勢を低くした。
 瞬間、

 キィン! と金属と金属がぶつかり音が響いた。

「なんだと!?」
 それはワルドにとって予想外であった。いや、当麻にも同じ事が言えた。
 第三者の介入、絶対起こりえない奇跡(幻想)。
 が、当麻はそれが誰か知っている。思わず振り返って、視界に入り込んだその後ろ姿を忘れたわけがない。
「はっ、」
 自然と笑みが零れる。不謹慎だと押さえようと思うと余計に表情へと表れる。

 ワルドと当麻の間には、青銅でできたヴァルキリーが立ち塞がっていた。

 いたのだ。一緒に戦ってくれる仲間が、まだいたのだ。
  もう、キュルケとは目と鼻の先であった。

470 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 23:13:21 ID:iKVvSWqr
なんかこのトウマなら旧神大十字九郎なみの男になれそうだ支援。


471 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 23:13:20 ID:GN+MVfrG
ギーシュ、美味しい所もって行き過ぎだぜ支援

472 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 23:13:57 ID:AQ/gEAFj
ギーシュ!?支援

473 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 23:14:24 ID:W3w8cgDs
それにしてもこのアンビッチは数ある作品の中でもぶっちぎりのビッチだな支援

474 :とあるの人 ◆3WQsphoeLI :2007/09/27(木) 23:15:23 ID:pJ0yQbN0
ヴァルキリーじゃなくてワルキューレでしたねorz
とりあえずここいらで一回区切っちゃいます。
次で戦闘は終わりますw

最初の小萌先生と姫神さんはファンサービスという事で喜んでくれたら嬉しい限りです

では……

475 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 23:16:12 ID:JHHAiuHe
戦乙女という意味では同じかも知れんが。
GJ!

476 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 23:17:31 ID:WUwDbNST
GJ!
小萌先生は俺の嫁!

477 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 23:17:31 ID:AQ/gEAFj
だーっ!こんにゃろー!いい所で切りやがってちくしょー!
GJだー!!!

478 :虚無の王:2007/09/27(木) 23:21:43 ID:WBubkNVg
今、空いてますー?

479 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 23:23:14 ID:PIaGI2N/
いいよ

480 :虚無の王 Trick4 1/5:2007/09/27(木) 23:25:07 ID:WBubkNVg
「丁度、外国行ってた弟が帰って来た所やったんや。ゴッツイ土産持ってなあ。で、手出した途端や。いきなり、目の前に鏡現れよって。うっかり触れたらビリっと来て、気失ってもうて――――」
「気付いたら、あそこに倒れてた、と」

 夜食のパンを片手に、ルイズは言った。疑っている、と言うより、胡散臭い物を見る目だ。
 トリステイン魔法学院女子寮。ルイズの部屋は、12畳程の広々とした物だった。豪奢と端正とが程良く調和した調度品の数々は、一目に高価な物ばかりだ。

「やれやれ。ルイズは疑い深くていかんわ」
「だって、別の世界とか、別の星とか、とても信じられないもの」
「コッパゲはすぐ信じてくれたで」
「ミスタ・コルベールはそう言うのが好きなんでしょ」
「始祖ぶりみるかて、異世界から来た、て話やん」
「あんた、自分が始祖ブリミルと同じ存在とでも言うつもり?」
「まさか。ワイはただのライダーや」
「元王じゃなかったの?」
「そ。ストームライダーの王様」
「何、それ?とにかく、何の証拠も無し、別の世界なんて言われても、信じられる訳無いわよ」

 空は携帯電話を取り出して見せた。適当な動画を再生すると、小さなスピーカーから音楽が流れ出す。

「なにこれ?綺麗〜。ねえ、何の系統の魔法で動いてるの?風?水?」
「魔法やない。コッパゲが大好きな領分、て言えば判るか?」
「……要するに、私には理解不可能な物、て事?」
「あ、そや。今度、あいつに見せたろ。絶対、喜ぶわ」
「あんた、随分と気に入られたみたいだしね」

 学院長室を立ち去る時の事を思い出す。

「今度、食事に招待させて下さい!僕はコック長のマルトー親父に顔が利きますから、どんな珍味、美味でも用意できます」

 コルベールはいい年をして独身だ。浮いた話の一つも聞かない。研究室の異臭が原因。当人はそう言い訳する。ひょっとしたら、始祖ブリミルの教えに背く、おぞましい趣味を持っているのかも知れない。ルイズはぞっとした。

「それにしても、この歌。聞いた事も無い言葉ね。何語?」
「宇宙語」

 携帯から流れ出る歌は日本語だ。それをルイズは聞いた事も無い、と言う。当然の様に会話を交わして来たが、言語と文字については、色々と制約が有りそうだ。

「でも、これだけじゃ、わからないわね。やっぱり、別の世界だなんて信じられない」
「……まあ、ええわ。ワイのやる事が変わる訳や無し」

 空はルイズの姿をデジカメに写そうと考え、止めた。データを手渡す手段も無いし、恐らく、気味悪がられるだけだろう。

「使い魔の仕事は判ってるの?」
「ああ。コッパゲに聞いたわ」
「なら、説明はいいわね。何だか今日は疲れたわ。眠くなって来ちゃった」
「ワイはどこで寝ればええ?」
「その辺の床で寝なさい」
「毛布かなんか有るか?」

 ルイズは黙って毛布を投げた。そのぶっきらぼうな態度に、空は首を傾げる。

 さて――――

 ここからだ。ルイズは内心で固唾を飲んだ。


481 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 23:28:20 ID:Gx/mVC/3
支援

482 :虚無の王 Trick4 2/5:2007/09/27(木) 23:28:48 ID:WBubkNVg
 人間として、最も大切な事は何だろう。それは身分の別、長幼の序だ。この二つが無ければ、どんな徳目も、獣の情と変わらない。
 細い指が、ブラウスのボタンにかかる。
 就寝の為、着替え。ここで、空に退室を要求する訳にはいかなかった。それは彼を男性と認める事だ。人間と認める事だ。それでは、メイジと使い魔と言う関係が成り立たなくなってしまう。
 一つ、一つボタンを外して行く。指先が震える。耳が熱い。顔が熱い。大丈夫――――ルイズは自分に言い聞かせる。ここには誰も居ない。誰も見ていない。
 兎に角、相手の顔を見ない事だ。そう考えた時、思わず、視線の片隅に空を捉えてしまった。
 空が見ている。車椅子の肘掛けに頬杖を突き、澄ました顔で見つめている。
 ボタンをもう一つ。顔の熱が頭まで回る。心臓の高鳴りが吐息に漏れない様、必死で堪える。指先で拍動と痺れが混じり合う。
 ブラウスがするりと肩から落ちた時、唇から零れた息に熱が籠もった。真っ白な肌が薄桃に染まっている事に、ルイズは気付かない。
 スカートのホック。二度、三度と外すのに失敗した時、空が車椅子ごと背を向けた。

「スマン。気付かんかったわ」

 全身から力が抜けた。火照った肌から、忽ち熱が逃げて行く。熱いのか、寒いのか判らない。何か勘違いをしている空に、言い返してやろうとした時、舌が縺れた。

「べ、別に気を使わなくてもいいわよ。使い魔に見られたって、な、なんとも感じないんだから」
「そか。でも、ワイはなんや照れ臭いわ。あっち向いとる」
「す、好きにしなさい」

 ルイズは必要以上に急いで着替えを続ける。スカートを、ニーソックスを脱ぎ、下着に指をかける。

「……今、見なかった?」
「見てへん見てへん」

 ルイズは下着を脱ぎ捨て、大きなネグリジェを被る。慌てたせいで、途中、何度か指があらぬ所につっかえた。

「でも、ルイズには見えとるんやろ」
「え?」
「ワイの見とる物が、他人にも見えとるっちゅーのは妙な気分や。用足す時とか、目瞑らな。それとも、開けてた方がええ?」
「なな、何馬鹿な事言ってるのよ!大体、何も見えてないわよ!」
「ホンマ?」
「あんたじゃ、駄目みたいね。本当に何も見えないもの」
「なんや、相性悪いんかな……そうなると、ワイ、役立たずやん」

 使い魔の仕事は、まず主人の耳目となる事。理由は判らないが、ルイズは空と感覚を共有出来ていない。残る二つは、主人の望む物を見つけて来る事、主人の護衛――――どちらも、空の脚を考えると、覚束無い。

「本当に何も出来そうもないわね」
「肩身狭いわあ……ま。何か役に立てんと、ワイも気引けるさかい。せめて雑用でも引き受けとこか」
「雑用?」
「勉強とか、色々忙しいんやろ。ルイズが余計な事に気取られんでええ様にな」
「そうね。じゃあ、あんたに出来そうな事、させて上げるわ。これ、明日になった洗濯しておいて」

 空の元に、何かが飛んで来た。レースのキャミソールにパンティだ。白い、精緻な造りのそれに、空は眉を顰めた。

「脱いだ物はちゃんと畳まんとアカンで、ルイズ」
「雑用はあんたの仕事でしょ」
「脱ぎ散らかすんは行儀悪いやろ。次は気を付け」
「あんたね。使い魔がご主人様にそんな口きいていいと思ってるの」
「阿呆。誰がやったかてアカンもんはアカンわ」

 意外だった。まさか、この男がこんな真面目な事を言い出すとは思いもよらなかった。

「……わ、分かったわよっ」
「ま、でも少し感心したわ。今まで、自分で洗濯してたんやろ。成金はすぐ子供甘やかすけど、その点、ルイズの親御さんは立派やし、この学校も大した物や」

 空が何だか奇妙な事を言っている。ルイズは曖昧に頷きを返すと、指を鳴らし、ランプを消した。


483 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 23:29:55 ID:11hF+H8v
ついに作中でコッパゲと称されるようになったか

484 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 23:31:50 ID:8lZp3Ssz
露出プレイは早過ぎだルイズwww

485 :虚無の王 Trick4 3/5:2007/09/27(木) 23:32:21 ID:WBubkNVg
 瞼に透ける陽に、空は目を覚ました。床は固く冷たかったが、互いに急な話だったのだから仕方が無い。追々、改善を促せばいい。
 ルイズが眠っている間に外した義足を装着。車椅子を手元に引き寄せ、シートを持ち上げる。そこには小さいながらも、収納ボックスが備えられている。まずは昨日出来なかった荷物のチェックを済ませてしまおう。
 ソーラーパネルが在るから、駆動補助モーターや制御回路の電力は当分、大丈夫。簡単な工具も有る。問題は、保守パーツだ。
 阿呆やってんなあ、ワイ――――空は肩を落とした。カップメンが一つ、スペースの過半を埋めている。こんな事になるなら、代わりにもっと部品を入れておけば良かった。後は、創世神〈ジェネシス〉のエムブレム・ステッカーが数枚。
車椅子のバッテリーと、携帯やエアトレックを繋ぐケーブル。その他、毒にも薬にもならない物が埃と共に紛れている。
 予備部品は僅か。おまけに車椅子用と義足用が混在している。まあ、これは部品が尽きる前に帰れと言う、風の神様のお告げだろう。
 くよくよ考えても仕方が無い。空は車椅子に座る。昨夜渡された下着を片手に、窓を開けると、一躍、眼下へと飛び降りる。

「きゃっ!」

 自在輪に後中輪のサスと、駆動輪のショックアブソーバー、強靭な両腕が落下の衝撃を吸収した時、傍らから短い悲鳴が聞こえた。
 そこには、一人の少女がへたり込んでいた。サラサラの黒髪に、清楚な面差し。すらりとした肢体に、メイド服をツンと持ち上げる、たたわな果実。これに眼鏡が加われば、或る意味、究極生命体だ。空はここが異世界だ、と言う認識を新たにする。

「スマン。驚かせて、悪かったわ」
「だ、大丈夫です。少しただけですから」

 そう、立ち上がった時、少女は「あら?」と声を上げた。「んん!」と空が唸ったのは、ほぼ同時だった。

「あなたはもしかして、ミス・ヴァリエールの使い魔になったって言う……」
「ワイ、有名なん?」
「ええ。なんでも召喚の魔法で平民を喚んでしまったって。噂になってますわ」
「冴えん噂やなあ」
「私、シエスタ、て言います。貴族の方々の御世話をする為、ここにご奉公させて頂いています」
「ワイは空や。所で、聞きたいんやけど……それ――――」

空はシエスタと名乗るメイドの靴を指差した。爪先と踵に車輪が付いている。一瞬、エアトレックと勘違いしたが、勿論、モーターもサスも装備されてはいないし、タイヤの形状も極めて原始的だ。ファンタジー版インラインスケートとでも言うべきだろうか。

「あ、これですか?飛翔の靴、て言います」

 シエスタは屈託の無い笑みを浮かべると、クルリと回って見せた。

「空でも飛べるんかい?」
「まさか。きっと、飛ぶ様に速く走れる、て意味だと思いますよ」
「どこでも手に入る物なんか?」
「故郷で……タルブと言う小さな村ですけど……そこで使われているんです。余所では見た事が有りません」

 どうなっている。空は首を捻る。何故、その村にだけ、こんな物が有る。際だって冶金技術が優れているのだろうか。
 ついでに幾つか質問する。まず洗濯はどこですれば良いのか。もう一つ。何故、仕事中まで、その飛翔の靴を履いているのか。

「なんだか、学院長……それにミスタ・コルベールや、何人かの方々が大変に入られて。仕事中、特に給仕の時は必ず履いている様、仰せつかっているんです」

 洗濯板に盥を借りて洗濯を始める。手洗いなど始めてだから、遅々として進まない。今度、コルベールに洗濯機を造らせよう。たった二枚の下着と延々格闘した空は、そう決意して物干し台に向かう。
 そこでは、シエスタがクルクルと小気味良く回りながら働いていた。長いスカートが羽の軽快さで浮き上がる。チラチラと覗く白い脚が刺激的だ。自分とオスマンは、本当に血が繋がっているのでは無いだろうか。
 と、不躾な視線に気付いて、シエスタは慌ててスカートを抑えた。空が笑顔を見せると、気まずそうに目を逸らす。

「そや、ルイズを起こさないかんのやった。今、何時や?」
「6時23分19秒ですっ」

 項を真っ赤に染めたメイド姿のスケーターは、逃げる様に立ち去った。

「はあ。この国、時計の技術が進んでるんやな……て、んな訳あるかい!」

 現代日本とて、時間を秒単位で答える奴は変人と言うしか無い。一体、どんな娘だろう?


486 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 23:36:29 ID:GhnW2WL8
支援

487 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 23:37:20 ID:JHHAiuHe
シエスタの祖父母はその手の奴なのか
支援

488 :虚無の王 Trick4 4/5:2007/09/27(木) 23:37:21 ID:WBubkNVg
 声をかけてもルイズは目を醒まそうとしなかった。揺すっても駄目だった。毛布を剥ぎ取ると、さすがに起きた。いかにも不機嫌そうな顔だ。爽やかな目覚めと言う言葉とは、終生無縁な人間の様だった。

「ぐっもーにんや、ルイズお嬢様」
「はえ? え、え……。って、あんた誰よ!」

 ルイズは叫んだ。そのつもりだった。だが、彼女の鋭い声は、睡魔が粘土の様に捏ねて丸めてしまった。空は爆笑した。御陰で、主人の少女は益々不機嫌になった。

「いやー、大物やわ、ルイズ」
「けど、見知らん相手やったら不審者やん。寝惚けとる場合かい」

 空の笑い方は少し、しつこかった。少なくともルイズはそう感じた。

「あ、朝から御主人様を不愉快にさせる無礼な使い魔には、罰が必要ね。朝ごはんヌき!」
「それ禁則事項や。ツカイマ虐待はアカンで」
「あの契約書とやら?法的拘束力は無い筈でしょ」
「うん。無い。罰則規定も無い。単に、ルイズが始祖ブリミルと、先祖から受け継いだヴァリエールの名に賭けて誓っただけの話やし」

 要する、決して破れない、と言う事だ。ルイズは益々不機嫌になる。ヘラヘラと笑っていた空は、その様子に、少し心配になった。
 契約内容はトリステインの風習や、ルイズの経済状況をオスマンやコルベールに確認しながら決めた。大切なのは、衣食住の保証。他の条項は譲れない一線を守る為の防波堤と、半ばあの二人へのアピールだ。うるさく言う気はあまり無い。
 書類で信頼は生まれない。契約書で頬を叩く様な真似をすれば、関係悪化は目に見えている。それは空も望む所では無かった。

「服」

 何か、フォローを入れるべきだろうか。そう考えた時、ルイズは短く言った。空は椅子にかけられた制服を、丁寧に畳んで側に置く。

「下着。クローゼットの一番下の引き出し」
「どれでもいいんか?」

 適当な物を取り出して渡す。

「気になるなら、向こう、向いててもいいわよ」
「ん。そうする」

 平静を装った声に、空は素直に答えた。


 ルイズの身支度を待って、部屋を出た時、見覚えの有る顔と出会した。燃える赤毛に、彫りの深い顔。なにより目を引く迫力のバスト。年に似合わない、噎せ返る様な色気を放つ少女だ。

「お、あん時の天使さんやん!昨日はさんきゅー、な」
「どういたしまして、ミスター。ルイズもおはよう」
「おはよう。キュルケ」

 ルイズは顔を顰めた。いかにも、嫌そうな声だ。

「ルイズ。友達とは仲良うせんといかんで」
「大きな御世話よ!」

 二人のやり取りに、キュルケは声を上げて笑い出した。

「あっはっはっ!平民に、使い魔に説教されてるの!あなたらしいわ!さすが、ゼロ!“ゼロなルイズ”!お子様ねー」
「ううう、うるさいわね!」
「私も昨日、使い魔を召喚したのよ。どうせ、使い魔にするなら、こう言うのがいいわよね。フレイムー」

 キュルケは勝ち誇った声で使い魔を呼んだ。現れたのは、真っ赤な巨大トカゲだ。体躯は虎並み。口元としっぽで炎が燃えている。


489 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 23:38:12 ID:n2EfLYwx
支援支援!

490 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 23:38:54 ID:gwa99nD3
>>431
打ち切りだったのか、ガキ警察…。

491 :虚無の王 Trick4 5/5:2007/09/27(木) 23:40:04 ID:WBubkNVg
「なんや、こいつ。けったいやなー」

 空は巨大トカゲの額をペチペチと叩いた。

「火トカゲは珍しいかしら?」
「これって、サラマンダー?」
「そうよー。ここまで鮮やかで大きい炎の尻尾は、間違いなく火竜山のサラマンダーよ。好事家に見せたら、値段なんて付かないわ」
「そんなんワイかて、大きい価値物の尻尾が前側に……――――」

 空の後頭部を、ルイズは力一杯引っぱたいた。

「あははっ、素敵な使い魔じゃない。羨ましいわ」
「素敵じゃない!」
「でも、フレイムも素敵でしょ。私の属性にピッタリ」
「あんた『火』属性だもんね」
「ええ。微熱のキュルケですもの。ささやかに燃える情熱は微熱。でも、男の子はそれでイチコロなのですわ。貴女と違ってね」
「あんたみたいにいちいち色気振りまくほど、暇じゃないだけよ」

 キュルケは笑顔で答えた。余裕の笑みだ。

「貴方、名前は?」
「“空”や」
「素敵ね」
「おおきに」

 お先に失礼――――キュルケは颯爽と立ち去った。巨躯に似合わぬユーモラスな仕草で、フレイムが後に続く。

「くやしー!なんなのあの女!自分がサラマンダーを召喚したからって!あー、もう!」
「こらこら、どこのイジワルなカタキ役やねんっ。ま、でも、あのトカゲは確かにオモロいわ。強そーやし」
「そーよ!そーでしょ!メイジの実力を見るには使い魔を見ろって言われてるくらいよ!なんで、あのバカ女がサラマンダーで、私が人間の雑用係なのよ!キー!」
「まあまあ。同じ人間様ちゅーのも、そう悪い事ばかりやないで。トカゲに悩み相談しとったら、単なる危ない奴やろ」
「同じじゃないわよ!メイジと平民じゃ、狼と犬程の差が有るのよ!」
「そないなん、大した差や無いわ。狼狩る犬種かて居るし、ワイが飼ってる犬は80q/hで走るで」
「そんな犬居る訳無いでしょ!」
「ホンマやて。ストーン、コールド、スタナー……元気にしとるやろか」
「三匹も飼ってたの?」
「ああ。スタナーには100匹兄弟が居たさかい。貰い手見つけるんに、エラい難儀してなあ」
「だから、そんな犬居る訳ないでしょ!」
「嘘やないて。ホンマ」

 それよりも、気になる事があった。

「所で、微熱やら、ゼロ、てなんや?」
「ただのあだ名みたいな物よ」
「はー。微熱は微妙やけど、ゼロて格好良いやん」
「……嫌味?」
「ちゃうちゃう。ゼロ言うたら、れい戦のゼロ。最強の戦闘機の名前や。ワイの国じゃ、決定版にはゼロって付くんや」
「言っている意味、全然判らないわ。大体、あんたの国は関係無いでしょ」
「なら、なしてゼロ?」

 ここで、胸を見る奴は少なくない。もし、そうしたら平手打ちをくれてやろう。ルイズは心の中で準備する。だが、空が注視したのは、そのずっと下。おヘソの更に下だった。
 平手は飛ばなかった。拳を握り込んだ平手など、ある訳が無い。廊下に鈍い音が響く。

「っ!……――――痛っ!なにすんねんっ。た、体罰は禁止ーっ」
「これは体罰じゃないわ!躾よっ!」

 悲鳴を上げながらも、空は少し安心した。どうやら、フォローは要らないらしい。なにより、ボケにはツッコミが必要だった。

 ――――To be continued


492 :虚無の王:2007/09/27(木) 23:41:00 ID:WBubkNVg
今回は以上、ス

支援ドモ!


493 :431:2007/09/27(木) 23:41:15 ID:O4GLvOP4
>>490

本当に打ち切りだよ。
ラスボスの伏線仏契って終わらせちゃってたから。

494 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 23:42:55 ID:Gx/mVC/3
GJ
確かに微熱は微妙だよな

495 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 23:44:31 ID:6LyPfF4l
GJ
そして確かにルイズならそっちもゼロだろうなww>おヘソの更に下

496 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 23:44:37 ID:sbEhakjw
987

497 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/27(木) 23:58:55 ID:pqrH21Yd
ふと「死の茄子色カブトムシのルイズ」という二つ名が脳裏を過ぎった。

498 :虚無の王:2007/09/28(金) 00:00:57 ID:dPyivUWb
あ、脱字発見

「だ、大丈夫です。少しただけですから」



「だ、大丈夫です。少し驚いただけですから」

 これはヒドい

499 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:01:07 ID:ro+7qL/s
ボケにはツッコミってそれボケじゃなくてマジだろうGJ!


500 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:02:11 ID:MUXI/M5C
そういえば虚無の王はルイズが墓穴を掘ってたな。


501 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:03:17 ID:AQ+9/BQI
だって二度目だし。

502 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:06:48 ID:rVKCcXlE
>>497
それだとルイズの台詞の語尾にドリームとかアルシャードって付いちゃう
もしかすると語尾が虚無かもしれない

一発ネタとしてアニメ版のスクールデイズ最終話より言葉を召喚・・・惨事に

503 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:15:51 ID:V3olnW6e
>>502
生首抱いたまんまで召喚されんのかよ…

504 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:16:36 ID:8iylLv03
おいおいネタバレは他所でやれ

505 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:23:32 ID:HLqQbTYq
流石に自重、ネタバレ関係なしに今回だけは自重すべき>スクイズ関連

506 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:24:13 ID:zHOTiQw/
Nice summon.

こうですか? わかりません!

507 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:27:46 ID:Lck5LckF
ハーメルンのバイオリン弾きより妖鳳王サイザー召喚

「僕の二つ名は青銅、青銅のギーシュだ。 従って、青銅のゴーレム『ワルキューレ』がお相手をするよ」
「ほう?それが『お前のワルキューレ』か。ならば私も『私のワルキューレ』で相手をしてやるとしようか」

508 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:29:28 ID:VobkrfHb
Summon Days
Servant Days

サイトが浮気してルイズに刺されたり シエスタに告白したサイトがルイズに靡いた所為でシエスタが自殺したり
キュルケにサイトを寝取られたルイズがキュルケ殺したり サイトがハーレム作って全員妊娠させたりするお話。

509 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:29:35 ID:7VD3L1Ke
原作では下が虚無だとは書かれてないはずだよ!
と、ルイズに対するフォローを書き込もうとした瞬間。
「下が虚無なのが恥ずかしくてエッチの一つもさせず、
 バーガンディ伯爵から「もう(性欲の我慢が)限界」と、
 婚約解消される純情可憐なエレオノール姉様(処女)」
という妄想が脳裏にコンマ1秒で駆け巡ったんですがどうしましょう?

510 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:34:32 ID:NYrbdoSZ
そのエレオノール姉様は俺が貰う。

511 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:34:38 ID:EJdVeIzd
>>509
今すぐ書きなぐって地下で解き放つんだ!

512 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:35:33 ID:Lck5LckF
もういっそ沢越止を召喚しちまえ
そうすりゃ全て(の女性キャラのお腹)が丸く収まるぞ

513 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:36:07 ID:ZujGjFyW
>>508
それはあれだな
ルイズのフラグをたてまくったのに
シエスタに告白しちまったぜ!!
何を言ってるか分から(ry

ってな展開になるわけだな

514 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:37:13 ID:HX9s651g
初投下ですが投下してもいいですか?

515 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:37:41 ID:NYrbdoSZ
カムヒア

516 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:38:54 ID:HS+Vo6Dx
>>515 ダイターン3!

517 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:39:11 ID:NzSkqNsC
明日あたりの投下を目安に書いてるんだが、ジョゼフ主役の短編って需要ある?

518 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:39:12 ID:+S3tJlnL
>>512
血が繋がってなきゃダメなんじゃね?
シエスタの爺さんが止の子孫の誰かとか訳解からん事になってるかもだが

519 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:39:12 ID:HX9s651g
 エリンディルという大陸がある。

 その大陸には、巨大な雲が降りて来たかのような霧に包まれた森があった。国の一つや二

つを足してもなお森の広さに届かないほどの広大な森。

 エリンディルの人々はその森を称して霧の森、と呼んでいる。

 千年の昔から霧が晴れた事のないその森は、霧だけではなく雨もよく降りしきる。今日も

また、霧雨が止む気配もなく森を濡らす。夜も明けようとしているのに、太陽の光は今日も

霧と雲に遮られてろくに森に届きはしなかった。

 霧の森の外れの大きな木の下。

 そこにあるのはつい先程盛られたばかりとおぼしき土の山。その頂に立てられたガーゴイ

ルを模したような人形のようなオブジェが、寂しく霧雨を浴びていた。

 その土の山はさして大きくない。人一人が入るだけの穴を掘り、その中に人を埋めて再び

土を被せた程度の大きさ。


 ――つまりは、即席の墓である。



520 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:39:26 ID:eVigXhou
支援

521 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:40:25 ID:CMVpeXgO
>>517 有る。 そして人造人間の魔法使い支援

522 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:40:34 ID:HX9s651g
 この中に眠っている一人の男は、人間ではない。正確に言えば人工生命。自然ならざる方法で生み出された者達の部品を組み合わせて作り出された、人ならざる者。

 けれどその心は……誰よりも人間臭く、人間らしかった。

 だが最早その肉体に心はなく、魂も宿ってはいない。

 土の下の肉体には無数の刀傷が刻まれ、纏っていた衣服も切り裂かれ血塗れになり、かつて衣服であった残骸だけが彼の遺体を包むのみだった。

 彼の仲間だった者達は、既にこの場を去った。

 彼を含めた四人の旅人達は、戦いの旅を続けていた。

 幾度もの戦いを潜り抜け、軽口を叩き合い、笑い合っていた仲間は……ほんの僅かな時の壁に遮られ、彼を助ける事が出来なかった。

 少女は呆然と泣き、青年は属していた組織を離れ、女は沸き上がる激情を噛み殺して無言を貫いた。彼の育ての親とも言える幼女は、むせび泣いた。

 だが彼は、何の感情も表す事は出来なかった。

 死んでしまったからだ。

523 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:41:12 ID:eVigXhou
支援

524 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:41:27 ID:CMVpeXgO
実はまだ3巻読んでないんだよ支援

525 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:41:55 ID:HX9s651g
 仲間達は最後まで、墓の前を離れることを躊躇った。このまま去ってしまえば、これまで共に旅してきた仲間と永遠の別れをしなければならなくなるのだから。

 現実を受け入れたくなかった、と言った方が正しいのかもしれない。その日の昼には共に昼食を取り、昼寝をし、川で水遊びをし、下らない冗談でただ笑い合っていた仲間が、今は見るも無残な亡骸と成り果てて二度とかつてのような時間を過ごせなくなったのだから。

 けれど、旅を止める訳には行かなかった。

 だから仲間達は、後ろ髪を引かれながら彼の許から去った。

 ――再び、静寂が訪れる。霧雨ばかりが降り注ぐ静寂のみが。

 そんな時だった。

 不意に厚い雲が割れ、その狭間から鮮やかな金色の陽光が霧を照らしていく。

 空を覆う雲からすればそれは王の間に敷かれた絨毯に針の穴を刺したほどの、僅かな狭間。だが。その狭間から漏れる光は、彼が眠る土の山を煌々と照らし出すには、十分な量を持っていた。

 土の山に降り注いでいた霧雨は、そこの空間だけ切り取ったかのように降るのを止め、広大な森を千年の間包み込んでいた霧は、その場だけ完全に消え失せてしまった。

526 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:43:06 ID:HX9s651g
 周囲の森は以前寒々とした空気を漂わせている。だが、そこだけは。

 まるで春の木漏れ日を思わせる、暖かな心地よい空気ばかりが流れていた。

 ――ふと、そこに一人の少女が立っていた。

 背丈は小さい。だが地面に付くほど長い柔らかな白髪からは、金の光が発せられている。

 その姿を見る者がいたならば、彼女の身体を通した向こうにうっすらと森が見える。

 彼女は肉体を持っていないらしかった。見る者が見ればそれは幽霊か精霊か、と判別することが出来ただろう。しかし完全に彼女の正体を知る者は、おそらくはいない。

 彼女は、金の瞳を土の山に向け。憂いの色を、そっと瞳に浮かばせた。

「……貴方は、ここで死ぬべきではなかったのかもしれない」

 誰が聞くわけでもない独白を、静かに紡いでいく。

「けれど運命は、貴方に死を与えた。それは避けられたかもしれない運命。でも今、ここに厳然と存在してしまった運命。それを覆す事は――もう、出来ない」

 淡々と紡がれる言葉。けれど痛々しいほど悲しみを含んだ、言葉。

527 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:43:19 ID:CMVpeXgO
しかし支援

528 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:44:26 ID:HX9s651g
「貴方の愛した仲間達との旅は終わってしまった。――けれど」

 少女は、そっと両手を土壁に翳す。

「貴方を必要としている人は、存在している」

 両手から現れるのは、淡く緑色に輝く鏡のような、“何か”。それは地面と垂直に立っていた。

「貴方が生きるべきだった運命とは少し異なってしまうけれど」

 緑の鏡のような“何か”に吸い寄せられるように、土の中から男の亡骸が浮き上がってくる。浮き上がる亡骸は、“何か”……いや、少女に近付いていけば、徐々に男の体から傷が消え、衣服の残骸だった物も段々と形を取り戻していく。

「貴方には、もう一人。支えてあげてほしい女の子がいるの」

 やがて、鏡の前に彼が浮かんで止まった時には、彼は生前の姿を完全に取り戻していた。

「――再び生きて」

 彼女の囁きと共に、彼の身体は“何か”に吸い寄せられ。エリンディルから消え去った。

529 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:45:05 ID:eVigXhou
支援

530 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:45:39 ID:CMVpeXgO
菊池たけしの作る卓ゲは死んだら基本的に生き返れないからなぁ……支援

531 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:46:19 ID:HX9s651g
 時間にして、僅か。雲を割った狭間が、風に吹かれた雲に再び遮られる程の時間。

 そこは何事もなかったかのように、先程までの光景を取り戻し、盛り土はなおも変わらず盛られたばかりの姿を取り戻していた。

 その盛り土の中に男はいない。

 その盛り土の前に少女もいない。

 運命の悪戯によって仲間と分かたれた男は、エリンディルを去った。

 ダイナストカバル極東支部長、トラン=セプターの旅は終わりを告げた。

 けれどそれは全ての終わりではない。

 新たなる冒険の始まり、だった。

 
 そして彼は、目覚める。

 草むらに倒れ付している自分を見下ろす、かつての旅の仲間だった少女と似たような背丈の美少女……だが、纏う雰囲気は決定的に違う。

「あんた、誰?」

 トラン=セプター。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。

 運命の大精霊アリアンロッドの、導きであった。

532 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:46:21 ID:yMypIWBh
ゆっくりしみこんでくる感じでいいなぁ支援

533 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:47:52 ID:Pjwrobfk
ちょ。記憶回路回収されてるされてる!
まあ、そんなささいなことは如何でもいいけどな!支援。

534 :極東支部長 ◆2XdSs1Gc/s :2007/09/28(金) 00:48:53 ID:HX9s651g
という訳でアリアンロッドリプレイ・ルージュよりトラン=セプター召喚で御座います。
判る人にしか判らないネタの上ネタバレ満載で非常に申し訳ないのですがこれから宜しくお願いします。

535 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:49:59 ID:CMVpeXgO
乙。個人的には好きな雰囲気だ。

536 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:50:11 ID:EJdVeIzd
だいなしのカバ…もといダイナストカバル支援

537 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:50:56 ID:t44p4mkH
乙!
でも卓ゲか
リプレイって微妙に見つからないのよね

538 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:51:23 ID:TJAAObdW
GJ!!トランきたー!!!
クレバー王子演じるこのキャラが死んだときはかなりショックでしたよ

539 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 00:58:05 ID:EJdVeIzd
乙!
トランの魔法は見たらビビるなwww
デルフは……アラクネ様と一緒にがんばれwww

540 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 01:03:55 ID:EMQO1dPn
>>507
むしろライエルで。
契約のキスでどふー。着替え直視でどふー。キュルケに誘惑されてドフー。
もちろん黄金のピアノは持ったままで

541 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 01:09:26 ID:OYxPbIlu
ライエルってたしか精霊使いだったよな?ピアノの音色で精霊と交信する。
そして、ゼロ魔的精霊は基本女性かつはだか(原作初期しか知らない偏見)……
戦ったらギーシュ相手でもライエル死なないか?出血多量で。

542 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 01:10:47 ID:Lck5LckF
>>540
契約した瞬間ルイズ血まみれかw
七万の軍勢にもガチで勝てる超当たりの使い魔のはずなのに、
お色気満載なゼロ魔世界だと常に肝心なときに出血多量で死に掛けているので糞の役にも立たない使い魔w

543 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 01:11:47 ID:Slmb35O8
>>537
大きな書店のライトノベルのコーナーに混ざってたりします。
もしくはアマゾンの富士見書房から探せます。
富士見ドラゴンブックスの既刊が、
ノエルと薔薇の小箱(一巻)
ノエルと翡翠の封印(二巻)
ノエルと白亜の悪夢(三巻)
ノエルと蒼キュウ(漢字が出ませんのでカタカナで)の未来(最終巻)
以上、四冊になります。

544 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 01:18:11 ID:CvhhQJUC
蒼穹?

545 :BLAME ! の霧亥が召喚されたら? Log_04:2007/09/28(金) 01:20:45 ID:uh8u5499
こんばんは。
他に投下も無いようでしたらこちらに投下してもよろしいでしょうか?
アリアンロッドは基本ルールブックだけ買ったのは良い思い出です。

546 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 01:21:49 ID:Pjwrobfk
どうぞどうぞ。

547 :BLAME ! の霧亥が召喚されたら? Log_04(1/3):2007/09/28(金) 01:25:38 ID:uh8u5499
食堂は空席も目立つものの随分と賑わっていた。遅かったのか、既にデザートも配られている。
ルイズは席に座ると、いつもどおりの始祖に対するお祈りを捧げていた。
床には粗末な食事が置いてあるので、霧亥は空いてる椅子に座り、それを食べだす。

「あ、こら。ちゃんとお祈りしなさいよ」
「余っている食料は無いのか」
「そりゃ厨房に行けば残飯くらいあるだろうけど……ほ、ほらっ、少しなら私のをあげるわ。感謝なさい」
「……。」

ルイズはあれこれ言い訳をして自分の行動を正当化しているが、霧亥は別にどうでもよかった。
近くのテーブルに集まった男子たちは、何やら話に華を咲かせている。
大げさなリアクションを取る生徒。そして、その拍子に小瓶が床に転がった。
そのまま食事を終えるが誰も小瓶の存在には気がついていない。
男子生徒たちは場所を移すのか立ち去ろうとしたので、霧亥は少し考えてビンを拾う。

「おい、落としたぞ」
ギーシュと呼ばれた、落とし主の生徒に呼びかける。
「うん?何だ君は――それは僕のじゃない。近くの給仕に渡したまえ」
「お前が落としたのを見ていた」

その言葉を聴いてギーシュの友人たちが騒ぎ出す。彼らにとって、ビンの中身の製作者が重要なようだ。
事態は次々に進行していく。まず少女にギーシュが叩かれ、別の少女にギーシュが叩かれた。
霧亥は席に戻ってルイズに情報収集の許可を貰うか学校を探索するのか、どちらがいいかを考えていた。

「待ちたまえ、君のせいで2人の名誉が傷ついた。どうしてくれるんだね?」
呼び止められる霧亥。振り返ると、大仰なリアクションで霧亥に対して文句をつけてくる。
「俺には関係のないことだ」
そうだそうだと野次が飛び、ギーシュの立場はどんどん悪くなっていった。
「話を合わせるくらいの機転はきかせてもよいだろう?」
「もう手遅れだ」
「……ほう、どうやら貴族を馬鹿にしているのかね?よろしい。では教育してやる!」

事態は次々に進行していた。
ギーシュは霧亥を突き飛ばして指をさしながら、ヴェストリの広場に来いと告げて立ち去っていった。
その次に話を聞きつけていたシエスタが飛んできて、今すぐ謝罪すべきだと勧告してきた。
遅れてルイズがやってきて、メイジにかなうわけが無いから謝罪しなさいと命令してきた。

探索をしていると、少なくない割合でこういったトラブルに巻きこまれる事がある。
なぜなら小規模な人間の集落は閉鎖的であり、余所者は統治局や珪素生物と同じように見られるからだ。
助けがもらえるよりもほんの少し、銃で撃たれたり襲い掛かられることがあった。
そういうときに解決するプロセスには、プログラム言語、現地の言葉、そして肉体言語が必要だった。

「ヴェストリ広場に行く」
「あっちだぜ、平民」

ギーシュの友人が顎で教えてくれる方向に、止める2人に構わず霧亥は歩き出した。
どう立ち振る舞うにせよ、戦闘は十分に想定されていた。想定される。可能性がある。
こういう文字が網膜に映るということは、つまり確実に発生する事を指している。
違いは遅いか早いか。それだけだった。


548 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 01:26:19 ID:wpcjpxzj
支援じゃけえのう

549 :BLAME ! の霧亥が召喚されたら? Log_04(2/3):2007/09/28(金) 01:26:39 ID:uh8u5499
ヴェストリ広場は薄暗い場所だった。空が青い事を覗けば、どこか超構造体に似ている部分もある。
2つの塔の狭間であり、中庭にあたる。普段は人を寄せ付けないことは容易に想像できた。
巨大な建築物には、それのみが持つ独特の空気のようなものがあるのだ。

「諸君!決闘だ!」

ギーシュが造花で出来た薔薇を掲げると、歓声があがる。
人が寄り付かないであろう広場は今、噂を聞きつけた生徒で溢れかえっていた。

「逃げなかった事だけは褒めてやろうじゃないか」
「さっさとしろ」
「クッ……いいだろう。では始めよう」

距離は13メートル。1歩を踏み出す霧亥に対してギーシュは薔薇の花を振って応える。
花びらが一枚宙に舞ったかと思うと、いきなり甲冑を着た女剣士の姿になった。

「!」

慌てて腰に手を当て銃器を探すが一つも無い。視界には『武装消失』のメッセージ。
構造を解析したところ、銅と錫の合金で形成されている。動作箇所は人体に酷似。
しかし分類には『ERROR』が表示されている。

「驚いたかい?僕はメイジだ。だから魔法で戦う。何の文句もあるまい?」
「造換塔も無しに生成できるのか」
「何だそれは?フフ…言い忘れたが、僕は『青銅のギーシュ』と呼ばれている。君の相手はその青銅のワルキューレさ」

そのワルキューレが霧亥に突進してきた。右の拳で容赦なく霧亥の腹部を殴りつけ、続いて左の拳で頭部を狙う。
だが霧亥は両手でワルキューレの右の拳を掴むと、そのまま捻りあげて銃身を崩してから、投げた。

「なッ!」

周囲にどよめきが走る。だが、霧亥はその程度の反撃では終わらない。
そのまま顔面を何度も何度も何度も何度も殴り、地面に少しめり込んで動きが鈍ったのを確認すると、ワルキューレの腕を曲げた。

「何だお前は!」

ギーシュは後退しながら慌てて薔薇を振り、さらに6体のゴーレムを形成。
そのまま数で制圧しようとするが、霧亥は動じることもなくワルキューレの腕を引きちぎる。
その腕を振り回して正面のワルキューレの頭部を破壊。同時にちぎった腕もくの字に曲がったので放棄する。
別のワルキューレが迫ってくるが、2、3度殴られた後に地面を転がって回避して、そのままギーシュに駆け出した。
あとは思い切り殴りつけるだけで戦闘不能にできるだろう。

「く、来るな!」


恐怖に顔をゆがませるギーシュとは裏腹に、霧亥の顔には何の感情も無かった。
彼にとっては『司令塔』を潰し、まだ動くようならワルキューレと戦うだけであった。
ただ敵性存在に対して淡々と処理を行う。ただそれだけのことなのだ。

ギーシュの胸倉を掴み、そのまま地面に背中から落とす。
あとはワルキューレと同じ処理を行う。

550 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 01:27:34 ID:wpcjpxzj
ギーシュが死んじゃう!支援

551 :BLAME ! の霧亥が召喚されたら? Log_04(2/3):2007/09/28(金) 01:28:30 ID:uh8u5499
「そこまでよ!霧亥、やめなさい!」
「これは決闘だ」

握り締めて引いた左の拳を突き出す0.3秒前に停止命令が下る。
霧亥は自分の網膜の表示『enable/disable -ERROR-』を疑った。

「制御を奪われた?」

主導権を取り戻すべくノイズの発生源を捜査すると、ノイズは左手から発生していた。
『禁圧』『新規デバイス』の表示を確認して霧亥は驚愕していた。
そんなものがあるはずがないのだ。ここの技術が追いつくまでには途方も無い時間がかかるだろう。
今まで認識されなかった部分も納得がいかない。拘束させるタイプなら全身を動かせなくする筈だ。

「戦闘用追加演算ユニット…ライブラリ…不測エネルギー生成機能…なんだこれは」

『認識完了』という表示と共に左腕から拳にかけてほんの僅かに、帯電するようなエネルギーが発生していた。
霧亥は、臨時セーフガードの男が使用した内部電源の放射攻撃を思い出す。

「霧亥!もういい!ギーシュ、貴方も降参して!」
「わ、わかった……僕の負けだ……」

どよめき。そして霧亥の勝利を、見物客の一人が大声で叫ぶと、それは歓声と拍手に変わった。
霧亥はそれを認識すると、立ち上がり自分の手のひらを眺める。
デバイス認識前の状況と今の状況を比較しても、システムや心理の表層に問題は発生していないようだった。
だが念のために深層も確認する必要がある。そう判断した霧亥は自らの機能の大半を一時停止させ、診断と調整に入る。
そのまま地面に横たわり、125秒間、全身の98.4%のデバイスを停止した。

「ちょ、ちょっと霧亥大丈夫?ねえ!霧、亥……寝ちゃってる…」
「ルイズ。彼は何者なんだい?まさか僕のワルキューレがあんなになるなんて…」
「わかんないのよ、私も。ただ遠くから来たことぐらいしか知らないの」
「ただの平民に僕のゴーレムを倒せるとは思わない。それに、最後のアレは……」
「何かあったの?」
「いや…なんでもない。勝者は丁重に運ばなければならないね。誰か、手を貸してくれ!」

気絶したのだろうと思った生徒の誰かが、霧亥に『レビテーション』をかけてくれる。
「使い魔のくせに勝手なことしないでよね…心配したんだから…」
聞こえてないのをいいことに、そんなことを言ってみる。ルイズは少しだけ楽になれた。

一方、広場に残されたギーシュは霧亥への認識を改め、それを見抜けない自分を恥じた。
「(彼の左手に見えたあれは何だったんだろうか?先住魔法?それとも、幻かい?」

野次馬に混じり決闘を眺めていたキュルケはうっとりと霧亥を眺めていた。
隣にいる青い髪の少女はキュルケとは別の観点で本を読まずに霧亥の事を見つめていた。
3人は同じ事を考えている。

つまり、『彼は何者なのか?』ということだ。

552 :BLAME ! の霧亥が召喚されたら?:2007/09/28(金) 01:30:15 ID:uh8u5499
以上です。ありがとうございました。
上のは正確には3/3です。間違えました…

それでは、失礼します。

553 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 01:35:08 ID:VobkrfHb
じゃ俺も投下してよろしいか?

554 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 01:36:43 ID:CvhhQJUC
>>508みたいなのなら、避難所でお願いしたい。

555 :モンコレで書いてみよう 見聞者ポケット編1/1:2007/09/28(金) 01:38:18 ID:VobkrfHb
使い魔召喚の儀式
神聖なものであるこの儀式は、本来厳粛な空気の中で行われるものである。
しかし今、その厳粛であるはずの空気はどこにもない。
タバサを除いた、その場に居る者全員―それは監督役の教師も例外ではない―が爆笑しているのだ。
尤も教師の方はすぐにまじめな顔に戻ったが。

生徒達が爆笑したのは何故か。
それはタバサという少女が呼び出した使い魔が原因である。

その使い魔は以下のような特徴を持っていた。
・小脇に本を抱えている
・鼻の上にはちょこんと乗った小さなメガネ
・知的な瞳
・地味目の服

即ち、召喚主であるタバサに似すぎていたのだ。
それが大きなネズミである事を除けば。

当のタバサは普段の無表情を少々憮然としたものに変えていたが、そのネズミと呼ぶにはあまりにも異質なものが持つ本を見た途端にその表情を一変させた。
それは驚き。
本を持っているということはそれ即ち高い知性を持っているということである。人間の言葉を解するかどうかは定かではないが、恐らく独自の文化形態を持っているであろう。
母が煽った毒は異質な物であった。人間の創造しうる物ではない。
ならば召喚されたこの異質な者が解毒方法を知っている可能性もあるかも知れない。また解毒は出来ないにしても何らかの手がかりは得られるかもしれない。
何せ博識である彼女が見たことも聞いたことも無いのだから。
あまり強そうでないのは少々残念ではある。ではあるが、母の治療が最優先事項である。
なればこそ、この使い魔と確実に契約しなければならない。

そう決心し、一つ頷いてタバサは契約に向かった。
しかしその歩みと同級生の爆笑は使い魔の放った一言によりピタリと止まることとなる。

「ええと、僕は召喚されてしまったのでしょうか?」

その問いに答える者はいない。たっぷり30秒は経った辺りで生徒達がざわめきだした。
「コルベール先生、タバサの呼び出した獣・・・あれは韻獣にござるか?」
「左様」
「左様って・・・」

コルベールとタバサだけの表情だけが変わっていない。そう、ミスターハゲもまた呼び出されたものの特異性に気づいていたのである。
尤も内心は驚いている様で、口調はおかしくなっていたが。

一方のタバサはというと、冷静にこれを分析していた。
一般に韻獣と呼ばれる存在は総じて知能が高い。また先住魔法を操る事も多い。つまり使い魔としては「当たり」である。
その上この韻獣は本を所持していることや、学者のような風体をしていることから特に高い知性を持っていそうなのだ。
思わず顔が綻ぶ。そして再びその歩みを進めた。
そして先程の問いに答える。
「そう」
「え?」
「さっきの質問。貴方には私の使い魔になってもらう」
「使い魔・・・ですか。つまり貴方に仕えろと、そういうわけですね?」
「そう。断ったら実力行使」
「ええええええ、ひどいです!ひとでなし!」
「貴方の力が必要。・・・・・・だめ?」
「・・・・・・・ハァ。わかりましたよ、わかりましたからそんな捨て犬のような目で見ないでください」
「ありがとう」

礼の言葉を呟き、呪文を唱え、キス。
こうして異世界より呼び出されたポケット族の賢者はタバサの使い魔となったのであった。

一応続く予定。

556 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 01:41:33 ID:dAczpZEG
投下乙です。……ってーか、おかえりなさい、なのか?

557 :モンコレで書いてみよう 見聞者ポケット編1/1:2007/09/28(金) 01:41:51 ID:VobkrfHb
修正
そして再びその歩みを進めた。→すぐに顔を無表情に戻し、再びその歩みを進めた。

そして が二つ続くとヘンだよねぇ・・・


558 :556:2007/09/28(金) 01:47:03 ID:dAczpZEG
モンハンと見間違えて訳わかんないことをorz
元ネタわかんないが、タバサに呼ばれるってことは色々大変な目にw

559 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 01:48:55 ID:78csg3S+
メガテンでなんかやりたいがゼロ魔世界での信仰ってどうなってんだろ。
天使や悪魔くらいの概念はあるんだっけ?


560 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 01:50:03 ID:VobkrfHb
>>558
前スレで言ってたモンスターコレクションっていうTCGが元ネタですたい。
>>大変な目に
酷使される予定です

561 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 01:50:57 ID:+H1lHToX
 ないと思いますが。ブリミルを祖とした祖霊崇拝じゃないんですか?

562 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 01:51:05 ID:EJdVeIzd


髑髏の騎士の性能は異常

563 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 01:51:33 ID:7VD3L1Ke
始祖ブリミル信仰じゃね?
「ブリミルに逆らう悪魔」ってセリフがルイズの発言にあったのと、
エルフの言う「シャイターン」って現実世界じゃイスラムの悪魔ってのを考えると、
悪魔の概念はあるよね。

564 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 01:54:21 ID:+H1lHToX
 あれはエルフの信仰では?
まぁ、議論するなら設定考察スレにでも行った方がいいですよね。

565 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 01:55:20 ID:rVKCcXlE
乙です
使いようによっては結構使えるのが来ましたねー

566 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 01:59:20 ID:/CCxzh0d
寝る前に小ネタの投下しますー。

567 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 01:59:43 ID:+H1lHToX
 支援

568 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 02:01:36 ID:IGrXGubR
ポケット族というと、口先一つで碧鱗の剣王を戦闘不能に追い込んだネズミだなw

569 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 02:02:15 ID:/CCxzh0d
 アルビオン軍七万を前に、ルイズは自身の使い魔と隣り合い、トリステイン軍の殿を務めていた。

「はぁ……」

 よくここまでやって来れた。胸に抱いていた様々な感情を、溜息と共に吐き出し、ルイズは迫り来る七万を、どこか他人事の様に見ていた。
 どうせ何時もの様に、隣の使い魔が勝手に解決する。そう思っているからだ。
 何もかもが茶番だ。虚無も、メイジも、戦争も。
 ルイズは今までの使い魔の行動を逐一脳裏に浮かばせ、物思いに耽った。

 ――――この白い衣服に全身を固めた男は、自らを違う星から来た王子と名乗った。

 召喚した時、なんのためらいも無くそう言い切った男を前に、顎を外しそうになるくらいの驚愕を覚えたのは記憶に新しい。
 違う星と言うのは良く分からないし、王子と呼ぶにはあまりにも怪しい格好である。
 言動とその姿を目にした他の者達は、大いにそれを冷やかし、常の如くゼロのルイズと囃し立てては二人を笑った。
 無論、それを黙って聞いているルイズではない。
 口々に反論を返すも、他の者達はヒートアップこそすれど、落ち着く気配が見られなかった。
 いい加減に騒ぎを収めようと、教員のコルベールが口を開こうとした時、いち早くそれに取って代わったのはルイズの呼び出した男だった。
 ただ、男が何をしたという訳でもなかった。
 生徒達が沈静化したのは、相好を崩して周りの少年少女達を眺める視線に、誰もが得体の知れぬ怖気を感じたからに他ならない。

「今にして思うと、あの時から始まってたのよね」

 少しばかり意識を外界に戻し、ルイズは隣の男の姿を見た。
 相も変わらず、彼は自然体のままだ。最も、彼にとっての自然体という前置きはつくが。
 忙しなく身体を動かしながら、ひたすらに何か良く分からない言葉を呟く男の姿は、不審者そのものである。
 もうこれも慣れた光景だった。

 ――――誰が信じよう。この男が、ただの蹴り一発で風のスクウェアメイジであるワルド子爵を打倒し得た等と。


570 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 02:03:48 ID:/CCxzh0d
 思い返すのも馬鹿馬鹿しい。
 伝説はいくつもある。
 三十メイルもあるゴーレムをブーメランの様にして投げた帽子で切り崩したり、自らを鉄のゴーレムと化してタルブの村上空に並んだ艦隊を、怪しげな魔法で殲滅したり。
 いつしか男はスーパースターとなっていた。
 得体の知れない不思議な力を持つ男に、トリステインは夢中になったのだ。
 彼に対し、国民より集められた基金により、トリステイン魔法学院には新たに敷地を得て、一つの庭園を作り上げてもいる。
 ネバーランドと名づけられたそれは、一般の平民にも開放され、今では大人気のテーマパークとして君臨していた。
 しかし、輝かしい経歴を得た使い魔を従えながらも、ルイズの心は明るくはならなかった。
 彼女は知っている。彼はスーパーヒーローでもスターでもない。
 もっとおぞましい何かだ。
 魔法学院にいる生徒の何人もの菊を散らしたという事実をしっているのは、当事者とルイズのみである。
 油断できぬ火種だと思いつつも、その力は確かなだけに頼らざるを得ない現状に、ルイズは改めて頭を抱えた。

「……そろそろ行くわよ」

 そう言って、今度はしっかりと七万の兵を見据え、隣の男の肩を叩いた。
 甲高い声でそれに応え、男は雄雄しく、悠然と歩みを進める。
 そして、最前線まで向かった途端、男が声高らかに叫んだ。

「POOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOH!!!」

 First dance から始まる 二人の恋のヒストリー♪

「って、何よこの音楽!?」

 何も無い中空より流れ出たメロディに、ルイズは思わず唸り声を上げた。
 この場に於いて、正気なのはルイズだけらしい。
 音楽に魅せられたのか、男の不思議な力によるものか分からない。っていうか、音楽も男が何かしたのだろう。
 男を先頭に、七万の兵士達が一寸の狂いも無いダンスを披露し始めた。

「悪夢だわ……」

 こいつなら七万相手でも何とかする、とは思っていたが、よもやこんな事になろうとは夢にも思わなかった。
 踊りによって、アルビオン大陸を揺るがす七万の兵の姿は、ルイズの呟きの通り、性質の悪い悪夢に他ならない。
 数分後、辺りに広がるのはいつも通りの決めポーズで悠然と佇む男の姿と、踊りによって魂でも抜かれたのか、地に倒れ伏した兵士達。
 そして、その光景をバックに、男はいつもの甲高い声でこう言った。

「Who's bad?」
「あんたよ!」


※以上、マイケルジャクソンズムーンウォーカーより、マイケルジャクソンの召喚。

 お目汚し失礼いたしました。

571 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 02:03:53 ID:glMNvdRU
支援


572 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 02:04:38 ID:VobkrfHb
王子というとサドゾマ蟲とかいう素敵な蟲を生み出しちゃうバカ王子を思い浮かべるんだが
さてさて

573 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 02:05:35 ID:wpcjpxzj
ポーーーーウ!

574 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 02:09:49 ID:NQOHpFtr
>>568
碧い蜥蜴の酔っ払いが温泉で酒なんざ飲むからw

575 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 02:10:36 ID:Lck5LckF
>>572
正確に言うと王子はサドゾマ蟲を考案したものの完成させる事が出来ず、
実際に生み出したのは王子の娘さんだがな

576 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 02:13:25 ID:Pjwrobfk
ちょwwwあのマイケルかよww
何ダンスで全滅させてるんだよwww


577 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 02:13:50 ID:NdW7348c
少なくとも神という概念はあるよなー。
デルフが鰤見るのことを「神に近い人間」って言ってるし。

578 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 02:17:59 ID:ufk+G+Pl
>>570
高畑さんGJww!

579 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 02:18:34 ID:pqP3fGFd
リリカルルイズはまだ続いてるのだろうか。
剣を取るユーノは非常に新鮮だから是非読みたいが…

580 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 02:19:29 ID:rygHIIOg
>>579
まあ、ゆっくり待て
あの人は別作品と掛け持ちしてるから

581 :モンコレで書いてみよう 轟蟲編1/1:2007/09/28(金) 02:33:55 ID:VobkrfHb
短いけど投下

一方、この物語の主人公であるはずのルイズはというと。

幾度か失敗しながらも使い魔の召喚に成功していた。
現れたのは白色の大きな2匹の蟲である。どうやらつがいらしく、お互いに寄り添っている。
しかし姿かたちは全く一緒。見分けは付かない。

どっちがメスなのかしら。やっぱりキスするんだから蟲とはいってもメスの方がいいわよね。
でも全く外見は変わらないし……ひょっとしてアッー!な関係なのかしら。それとも逆アッー?
ハッ!ダメよルイズ、こんなはしたない事を考えてはいけないわ!あぁでもこんなに綺麗な蟲だもの。
擬人化したらさぞかし……はふぅ

この妄想は教師のツッコミが入るまで10分間ほど続いた。

「で、ですね。こういった場合どちらと契約すればいいんでしょう?」
「2匹召喚されたのなら、2匹と契約すればいいじゃない」
「なるほど合点。でもその口調はやめてください先生」

そんなやり取りをしつつ無事に契約を終えたルイズは、無事に召喚できた喜びを今頃になってかみしめつつ、使い魔を伴って校舎の自室へと帰るのだった。


見聞者編と同時進行でいきます。

582 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 02:56:08 ID:f3KEXC9x
腐ったピンク自重しろww

583 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 03:51:33 ID:vbA85kYx
カービーの人や映画トランスフォーマーの人は夏休み限定だったのかな…
逆に夏休み前に良く見たダイの大冒険のダイやアバン先生の復活は無いのかな…

584 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 04:08:21 ID:cBs+tCwX
ユーノ召喚か・・・・・・。
この場合、韻獣扱いなのか淫獣扱いなのかそれが問題だ

585 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 04:30:18 ID:P/gEo8Ip
ユーノはもうリリカルルイズで召喚されてると思うけど。

586 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 04:31:29 ID:3Po6H2k/
>>518
第一世代だとまだ血がつながってなくね?

587 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 05:03:55 ID:YyMlUUUD
ゼロの女帝って続かないのか?

588 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 06:03:42 ID:s3LJrP6j
この際ユーノじゃなくてアルフかザッフィーでもいいんじゃね?

589 :虚無と金色のアレ:2007/09/28(金) 06:20:10 ID:coJqU6qd
投下いたすぜ。とりあえずオチだけでも付けとかないと…

590 :虚無と金色のアレ:2007/09/28(金) 06:22:28 ID:coJqU6qd
「なるほど、彼の名はワッハマン……と。しかしこれは実に珍しいルーンですな」
熱心にルーンとワッハマンの全身図のスケッチを取りながらコルベールが応える。
コルベールの興味はすでに彼の名前よりも、その肉体と左胸に浮かび上がったルーンへと移っていた。

次第にコルベールに向けて珍妙なポーズを取り始めるワッハマン。
こちらも何か変なスイッチが入ったのか、「キレてますぞ!」「ナイスバルク!」などと合いの手を入れながら様々な角度からその姿を絵図に納めるハゲ。
この光景に対し周囲から笑い声一つ上がらなかったのがルイズにとっては何よりも恥ずかしかった。


「ではワッハマン君の事については私がオールド・オスマンに伺っておきますので。
 そろそろ時間もおしている様ですし、みなさん教室に戻りますぞ」

次々と「フライ」の呪文によって飛び立っていく生徒たち。
それらを横目に、とぼとぼと校舎に向かって歩いていくルイズにワッハマンは気付いた。
なんとなくだが事情を察したワッハマン。ひょいとその小さな身体を抱え上げ、一言こう伝えた。
『飛ぶことは出来ないが跳ぶことなら出来る』と。
ルイズがその発言の意味を取りかねているうちに、ワッハマンの脇腹と背中から青白い炎が噴出し、まさしく砲弾の速度で空へと舞い上がる。
絹を裂くような悲鳴(あるいは断末魔の絶叫か)だけが長く長く尾を引いて中庭に取り残されていた。



―ワッハの1 終

591 :虚無と金色のアレ:2007/09/28(金) 06:30:41 ID:coJqU6qd
「なるほど、彼の名はワッハマン……と。しかしこれは実に珍しいルーンですな」
熱心にルーンとワッハマンの全身図のスケッチを取りながらコルベールが応える。
コルベールの興味はすでに彼の名前よりも、その肉体と左胸に浮かび上がったルーンへと移っていた。

次第にコルベールに向けて珍妙なポーズを取り始めるワッハマン。
こちらも何か変なスイッチが入ったのか、「キレてますぞ!」「ナイスバルク!」などと合いの手を入れながら様々な角度からその姿を絵図に納めるハゲ。
この光景に対し周囲から笑い声一つ上がらなかったのがルイズにとっては何よりも恥ずかしかった。


「ではワッハマン君の事については私がオールド・オスマンに伺っておきますので。
 そろそろ時間もおしている様ですし、みなさん教室に戻りますぞ」

次々と「フライ」の呪文によって飛び立っていく生徒たち。
それらを横目に、とぼとぼと校舎に向かって歩いていくルイズにワッハマンは気付いた。
なんとなくだが事情を察したワッハマン。ひょいとその小さな身体を抱え上げ、一言こう伝えた。
『飛ぶことは出来ないが跳ぶことなら出来る』と。

「何すんのよこの悪趣味金ピカドクロ!……ぅん? トべないけどトべる……って?」
ルイズがその発言の意味を取りかねているうちに、ワッハマンの脇腹と背中から青白い炎が噴出し、まさしく砲弾の速度で空へと舞い上がる。
絹を裂くような悲鳴(あるいは断末魔の絶叫か)だけが長く長く尾を引いて中庭に取り残されていた。



すんません、ちょっと分かりづらかったんでルイズの台詞追加で。

592 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 06:40:46 ID:QR8Vt2jD
セリフ追加とかの細かい修正はここじゃなくてwikiでやるのがおすすめ

593 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 06:43:46 ID:coJqU6qd
了解。あと下げ忘れて申し訳ない

594 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 07:07:26 ID:G6KHCRDZ
沢田綱吉を召喚。六人の守護者のオマケ付き。
………とかなったらルイズはどうするだろうか。

595 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 07:19:10 ID:nMTvRgKt
ワッハマンは地味に鬱展開だったからドキドキするな
一発キャラがみんな黒幕に事故死させられたり
初期からのキャラがスパイだったり あとイシュタルの下位人格とか



596 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 07:58:43 ID:t44p4mkH
>>594
牛と剣士とボクサーと幻使いはいいとして
トンファー使いとダイナマイト使いが困ったことになるな

597 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 08:22:59 ID:jRJo//Vy
>>587
あれで終りだったらふざけてるよな。
是非とも続きを書いてもらわないと

598 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 08:27:27 ID:YyMlUUUD
>>597全くだ。
瀬戸様の鬼っぷりに振り回されるルイズ達が見たいんだよww

599 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 08:36:51 ID:IFiNA9Aj
ピクルを召喚
衆人環視の下速攻レイプされるルイズ

600 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 08:37:26 ID:Wm0mZFUx
>>599
残念ですが子供には反応しません
むしろ他の生徒がヤバイ

601 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 08:54:05 ID:sukTA1fj
フーケとキュルケはやばいなw

602 :双月の女神:2007/09/28(金) 09:17:56 ID:J7IUPAu2
どうもです。久々の投下です。
予約無しなら5分後、いいですか?

603 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 09:20:44 ID:RAA+vzIu
>>602
照準用レーザー、進路クリア!投下SS…来る!

604 :双月の女神:2007/09/28(金) 09:22:01 ID:J7IUPAu2
感謝です。では逝きます。






人払いをした学院長室にて、コルベールとオスマンは神妙な顔つきで
話し合っていた。
と言うのも、先程、異例であるミカヤの召喚について、コルベールが
学院図書館特別閲覧区画『フェニアのライブラリ』で、調べていた文献
があったからであり、該当する情報を入手したのだ。

「では、間違いないのじゃな?」
「はい。ミス・ミカヤの額のルーンの写しと、文献の中にあった
ルーン文字は一致しておりました。」

コルベールが持ち出した書物は、『始祖ブリミルの使い魔』。
その一項の中の文字と、彼が模写したミカヤの額のルーン文字は
完全に同じだった。
―――神の頭脳『ミョズニトニルン』。あらゆる魔道具を行使でき、
そのルーンから得られる膨大な英知をもって、始祖ブリミルを導いたと
される、賢者の使い魔。

「それが正しく、ミス・ミカヤが『ミョズニトニルン』であるならば、
確かに一大事じゃな。」
「はい、オールド・オスマン。ミス・ミカヤは言うに及ばず、
ミス・ヴァリエールも・・・。」

そこでコルベールは言葉を切るが、含む意味はオスマンに十分に伝わった。
すなわち伝説の再来。ルイズは現代に再臨した、伝説の系統『虚無』の
担い手ということになる。

605 :双月の女神:2007/09/28(金) 09:23:48 ID:J7IUPAu2

「しかし、まだ確証は得られておらぬ。決めつけるのは早計かも知れん。」
「確かに。しかし、可能性を否定することも難しいかと思います。」

異界の精霊魔法と、それ自体に力を持つ杖を振るうミカヤ。
魔法を使えないルイズが『世界』を越え、召喚したことは異端とも言える。
考察をしながら論議する二人だったが、扉をノックする音にそれを
打ち切られた。

「誰じゃ?」
「私です、オールド・オスマン。ロングビルです。」

扉の向こうの、エメラルドグリーンの、肩を覆う真っ直ぐな髪の
女性―――学院長付秘書のロングビルが報告に来た。
普段はオスマンのセクハラを受ける等、女性としては散々な目に
遭っている、下縁眼鏡が似合う美人である。

「ヴェストリの広場で決闘をしている生徒がいるようで、大騒ぎに
なっています。
止めに入った教師もいましたが、生徒達に邪魔をされて、止められない
ようです。」

この聡明な彼女には珍しく、焦りを見せた口調で報告をしてくるのに
違和感を感じたオスマンは、もしや、と思いつつも、
気に止めぬ様子を繕い、先を促す。

「全く、暇を持て余した貴族ほど、性質の悪い生き物はおらんわい。
で、誰が暴れておるんだね?」
「一人は、ギーシュ・ド・グラモン。」

ロングビルが上げた人物の名に、心からの呆れた口調で返すオスマン。

「あのグラモンのところの馬鹿息子か。大方女の子の取り合いじゃろう。
相手は誰じゃ?」
「それが・・・・・。
メイド服を召していたので、見間違いかと思われたのですが・・・。」

そう区切りロングビルは、一息飲んでから、その事実を告げた。

「ミス・ミカヤです。」

606 :双月の女神:2007/09/28(金) 09:25:35 ID:J7IUPAu2
やはり、という表情になるオスマンとコルベール。

「教師達は、決闘を止める為に『眠りの鐘』の使用許可を
求めております。」

オスマンはあらゆるものを見通す、鋭い視線になりつつも、あくまで口調は
投げやりに、ロングビルに指示する。

「メイド服姿をしていたから、平民と勘違いをして因縁をつけて
来たんじゃろう。
あえてその決闘を受けたからには、何か心算があるはずじゃ。
ミス・ミカヤに任せておきなさい。」
「分かりました。」

その指示に従い、学院長室からロングビルは去って行った。

「オールド・オスマン。御覧になられますか?」
「うむ。わしらの推察が当たるかも知れん。」

そう二人は頷くと、オスマンは壁に掛かった、学院中の遠見を可能にする
大鏡に杖を振るった。





ファイアーエムブレム外伝 〜双月の女神〜

第一部 『ゼロの夜明け』

第六章 『神の頭脳(ギーシュの章)』






607 :双月の女神:2007/09/28(金) 09:27:49 ID:J7IUPAu2
時間は、決闘騒動の発端まで、遡る―――

ルイズと共に、失敗魔法により、荒れた講堂の掃除を済ませたミカヤは、
昼食の手伝いの為に、再びメイド服で給仕に勤しむ。
ルイズに付き切りではあるが、気に入った給仕を、貴族は
専属にすることがあるので、周囲は気に止めることはない。

「私、魔法を使おうとすると、さっきみたいに爆発するの。
今まで、四大系統だけじゃなくて、日常に使う『コモン・マジック』すら
爆発しちゃう・・・。」

あれから幾分か落ち着きを取り戻しているものの、深く沈んでいる感情を
隠し切れていない。
しかし、ミカヤは彼女の言葉と、先程の授業で学んだことから、
引っかかるものがあった。
四大系統全てが、爆発現象になるのはあまりにもおかしい。
もしや、と一つの可能性が脳裏に浮かぶ。

「魔法の成功回数は、魔法を学び始めた時からゼロ。
だから、私の二つ名は『ゼロ』のルイズなんて言われてるの・・・。」

そこまで言ったルイズは、劣等感と、先程の失敗からの落ち込みから
目頭に涙を溜める。
ここでミカヤは、ルイズに言葉をかけた。

「ルイズ。確かに人が使える魔法が使えず、失敗ばかりかも知れないわ。
でも、こうは考えられないかしら?
もしかしたら貴女だけにしか使えない、特別な魔法があるかも
知れない、て。」
「私だけの・・・、魔法・・・?」

ミカヤを見上げ、訝しげに聞くルイズ。
微笑を浮かべながら、彼女の心をほぐすように、優しく語り掛ける。

「そう。使える魔法がなければ、見つけ出すの。
考え方次第では、意外なものが「答え」になる知れないわ。」
「・・・・・。」

彼女の一言一言を噛み締めるように、ルイズは考える。
自分に使える魔法とは?
ミカヤが使うような精霊魔法だろうか?それとも、まったく
別のものだろうか?

608 :双月の女神:2007/09/28(金) 09:31:01 ID:J7IUPAu2
「ミカヤさん!あちらへのデザートの配膳をお願い致しますわ!」

そこへ、シエスタから声がかかり、二人の話は打ち切られた。
見ればそろそろ、デザートの配膳をするタイミング。
ミカヤはシエスタに返事をし、席から離れた。

「分かりました!・・・じゃあルイズ、後でね。」
「うん・・・。」

出来るだけ早く帰ってきて欲しい、というニュアンスを交え、上目遣いで
ミカヤに頷くルイズ。
それに笑みで返すと、デザートの乗るバットを受け取りに厨房へと
向かった。





ゆるいウェーブの、金の短髪の少年―――『青銅』の二つ名を持つ
ギーシュ・ド・グラモンは、歴代の魔法将軍の家系の四男である。
しかし、兄らやこの学院の同期と見比べると、未だ『土』系統ただ一つの
『ドット』であるため、何かと見比べられることが多い。
それでも、軍人家系の息子らしく、同期の中では一目置かれていた。
問題は血筋故か、色を好むということである。
端正な顔つきであることもあり、女生徒への受けが良い。

「なあギーシュ!お前、誰と付き合っているんだよ?」
「一体誰が恋人なんだ?この色男!」

それを鼻にかけ、自身を「薔薇」と呼ぶ少年は、周囲の同期達に
浮いた話で冷やかしを受けていた。

「付き合う?この僕が?
薔薇はより多くの乙女の為に咲く。そのような特別な女性はいない。
いや、いてはならないのだ。
誰かが摘み取ってしまうと、後の乙女達が薔薇を見られなくなってしまう
じゃないか。」

芝居がかった仕草で友人達に、自分が如何に多くの女性から好意を
寄せられているかをアピールして見せる。
それに、はやし立てる友人達。
とてもではないが、女性には聞き難い言葉である。
―――事実、デザートの配膳で来て、その台詞を聞いたミカヤは、
内心溜め息をついていた。

「あら?」

その時、ギーシュのポケットから小瓶が転がり落ちた。
自身の所まで転がってきたそれを拾い上げると、瞬時に頭の中に製造者、
過程が知識として入り込む。

「どうしましたの?あら、その香水・・・・・。」

その様子を一人の少女に見咎められてしまう。ギーシュに想いを寄せる
―――くすぶり続ける淡い炎、『燠火』の二つ名に相応しい、栗色の髪の
メイジ、ケティ・ド・ラ・ロッタだった

609 :双月の女神:2007/09/28(金) 09:33:19 ID:J7IUPAu2
彼女は食事を終え、休憩時間の誘いにギーシュを探して来たのだ。
悪いことに、香水の製造者である女性と同じく、恋をする相手を。
この紫色の香水を製造出来るメイジを、ケティは一人しか知らなかった。

「やはり・・・・・、ミス・モンモランシと・・・・・。」

途端に思いつめた表情になり、涙が溢れた。

「貴族様・・・。」

恋に裏切られた少女に、声を懸け辛いミカヤ。
メイド服を着ている為、ルイズ以外とは平民として振舞っている。

「それは私が届けますわ。お渡しくださいな。」
「分かりました。」

あの少年には悪いが、これも良い薬になろうと判断したミカヤは、
言われた通り渡す。
それを受け取ると、今度はケティは怒りをたたえた形相に変わり、
ギーシュの方に足を向け、開口一番怒鳴りつけた。

「ギーシュさま!」
「な、何だいケティ?何をそんなに怒っているんだい?」

自身が粉をかけている後輩の様子に狼狽するギーシュに対し、ぬけぬけと、
とさらに怒りを強め、ミカヤに視線を向けつつ、彼女から受け取った
香水を見せる。

「先程、そちらのメイドから受け取ったものですが、これは
どういうことですか?」
「おいおい、その香水はもしや、モンモランシーの香水じゃないか?」

それを目ざとく見抜いた友人。
ミカヤが召喚された時、ルイズをからかった少女の一人、モンモランシー
のみが製造できる、鮮やかな紫色の香水。
これがギーシュのポケットからこぼれ、それに対し、
怒りの感情をぶつけるケティから、結び付けられる答えは一つ。


610 :双月の女神:2007/09/28(金) 09:35:25 ID:J7IUPAu2
「ケ、ケティ、落ち着くんだ。僕の心に住んでいるのは
君だけなんだ・・・。」

そう、浮気である。
必死に弁明しようとするギーシュに、ケティは―――

「言い訳は聞きたくありません。」

その言葉と共に、平手打ち一閃で斬り捨てた。

「その香水が貴方のポケットから出てきたのが何よりの証拠ですわ。
さようなら!」

香水瓶をテーブルに手荒な動作で置き捨てると、そのまま足を踏み鳴らし
去って行った。
だが、泣き面に蜂。彼の不幸はこれだけではなかった。
遠くの席から此方の様子を見ていたモンモランシーが、これでもかと
言わんばかりの憤怒の形相で向かってきたのだ。

「やっぱり、あの1年生に手を出していたのね。」
「モンモランシー、誤解なんだ。彼女とは一緒にラ・ロシェールの森へ
遠乗りしただけで・・・。」

ころころと表情を変えるギーシュの思考をたどると、ミカヤは納得する。
彼にとって、モンモランシーこそが本命であり、落ち着いたところで、
他の女性に粉をかけた。
しかしながら、甲斐性の無さがこうして露見した以上、関係の修復は
困難だろうと、瞑目する。
そうしている間にも、モンモランシーは言い訳をしようとするギーシュに、
ワインを開けて、頭の上からかけ、踵を返しつつ、破局の言葉を告げた。

「嘘つき!あんたなんかもう知らない!!」

彼女が去って行った方向を呆然と見送るギーシュ。
暫しの間、その空間は沈黙に包まれた。
おもむろにハンカチを取り出すと、心では泣きつつも、虚栄心でそれを
ひた隠しにした、芝居がかった動作でこう言った。

「あのレディ達は薔薇の存在の意味を理解していないようだ。」


611 :双月の女神:2007/09/28(金) 09:37:28 ID:J7IUPAu2
それに溜め息をつき、その場を後にしようとするミカヤだったが、
ギーシュは先程の、ケティが持ってきた香水を拾い上げた人物である
彼女を呼び止めた。

「待ちたまえ、そこのメイド。」
「何でしょうか?」

自業自得とは言え、恋敗れ、怒りの鞘当を探していたギーシュ。
巫女の姿をしていないことと、平民として振舞っているために、
噂のルイズが召喚したミカヤとは知らずに、声をかけたのである。

「君が軽率に香水の瓶を拾い上げたおかげで、二人のレディの名誉が
傷ついた。
どうしてくれるんだね?」
「申し訳ありません。貴族様の所有されるものとは露知らず。」

頭を下げるミカヤ。しかし、反省の無いこの少年に一言添えた。

「しかし、お言葉ながら申し上げます。
あの時、お二人のお心を傷つけたのは貴族様、貴方ではないでしょうか?
身分は違えど、同じ女として、私は思います。
私に腹いせをされるよりも、まずはお二人に申し開きと謝罪を。」

きっぱりと、そして堂々と告げるミカヤの姿勢に、ギーシュは一瞬
呑まれかける。

「その通りだ、ギーシュ!お前が悪い!」
「まずは弁解してこいよ、甲斐性無し!」

それに友人達が迎合し、茶々を入れる。
こうなってしまうと、彼のプライドは引き裂かれてしまい、怒りの
感情しか浮かばなかった。
何より、自身の行動は図星を突かれていたからだ。
腹いせ、と。
図星を突かれた人間は、反省か、癇癪の二つの行動の内、一つを取る。

「平民の分際で、貴族に対するその不敬な物言い。万死に値する!
どうやら、メイドとしての教育が行き届いてないようだな!」

ギーシュの場合、後者を選んだ。
貴族である自身が、メイド姿をしているミカヤは平民にしか見えない。
平民からの説教など、許容できなかったのである。

612 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 09:38:00 ID:QCJB1XhF
緊急支援。

613 :双月の女神:2007/09/28(金) 09:40:48 ID:J7IUPAu2
「ちょうどいい。ちょっとした腹ごなしだ。
君に貴族に対する礼儀を、僕自ら躾けてくれよう。」

その言葉に、周囲はあわ立った。
今の台詞は決闘の申し込みの文句だった。
平民のメイドに見える、ミカヤに決闘等、と正気を疑った。

「待て、ギーシュ!相手は平民だぞ!」
「幾ら決闘禁止法に抵触しないと言っても、メイジと平民じゃ
マズイだろ!?」

騒ぎを聞きつけて、近くに来たシエスタも驚愕の表情を浮かべていた。
如何に、ミカヤがメイジとは聞いていても、このままではミカヤが
殺されてしまうという、最悪の事態を想像することは難くない。
仲良くなれるかも知れない、銀髪の乙女を血で汚させたくない。
一度目をつぶった後、彼女は覚悟を決めた表情に変わる。
異国から旅して来たと言う、今は亡き、故郷の祖父譲りの蒼い瞳を見開き、
口を開こうとした。

「分かりました。その決闘、受けましょう。」

しかし、ミカヤはそれを受諾したことで、その覚悟は霧散した。

「いい心がけだ。」

それに満足したように、大仰に頷くギーシュ。

「しかし、平民とは言え、私もメイジ。私の魔法の使用許可が条件です。」
「それぐらいならば構わないよ。身分は違えど、メイジたるもの、
杖を持たず闘うは愚者の振る舞いだ。」

ミカヤの条件を飲みつつ、踵を返す。

「ヴェストリの広場で待っている。給仕の仕事が一段落したら来たまえ。
くれぐれも、逃げないようにな。」
「分かりました。すぐに参ります。」

ギーシュの後姿にそう返すミカヤ。
彼は振り返ることなく、食堂を後にした。

614 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 09:49:16 ID:QCJB1XhF
投下終了? とりあえず支援。

615 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 09:52:52 ID:RAA+vzIu
書き込みの制限?とりあえず支援

616 :双月の女神 (代理):2007/09/28(金) 09:53:49 ID:QR8Vt2jD
444 名前: 双月の女神 [sage] 投稿日: 2007/09/28(金) 09:49:16 BB1uz52k
規制受けたので、こちらに(汗)

色恋の修羅場が一転、決闘騒ぎに発展してしまったものの、食堂の喧騒はなりを
潜めた。
まずは杖と魔導書を取りに行くために歩き始めたが、シエスタとルイズが駆けつけて来た。

「ミカヤお姉さま、どうしてギーシュとの決闘を受けたの!?」
「ミカヤさん、お願いだから行かないで。殺されちゃう。」

それぞれに口を開き、思い止まらせようとするが、ミカヤは二人に優しい笑みを
たたえながら、横に首を振る。

「大丈夫ですよ。少し、浮気のことを懲らしめて来るだけですから。」

そう言うと、近くにいたギーシュの友人に一言告げ、退室する。

「少し準備をして参ります。」
「終わったら来いよ、メイド。」

不遜な物言いで返す友人。

「ああ、もう!ミカヤお姉さまもあんな奴、放っておけばいいのに・・・・・。」

極度に興奮しているために、自身が『ミカヤお姉さま』と言っていることに気づいていない
ルイズは、ミカヤの後を追いかける。
その場に立ち尽くし、思いつめた表情のシエスタを残して。

「・・・・・ミカヤさん、万が一のことがあれば、私が貴女を守ります。
お祖父ちゃんから譲り受けた技と、大剣『アロンダイト』に誓って・・・・・。」

―――――そして、伝説がこの学院に降臨する様を、目の当たりにすることになる。

617 :双月の女神 (代理):2007/09/28(金) 09:54:57 ID:QR8Vt2jD
445 名前: 双月の女神 [sage] 投稿日: 2007/09/28(金) 09:50:44 BB1uz52k
以上です。と言うわけで次回は決闘です。長々とかかりまして、ごめんしてください。
では、失礼をば。

618 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 09:58:28 ID:RAA+vzIu
乙だぜ!ついにきた!恒例ギーシュフルボッコターイム!

あと何故か光の翼生やしたシエスタが剣を構えて突進してくる光景が見えたw

619 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 10:01:54 ID:40EcYTU9
>>618
え〜と、それ何処のテンメイ?

620 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 10:05:02 ID:YyMlUUUD
続き楽しみにしてるんだぜ

621 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 10:05:15 ID:5E6Gp0SC
乙!


>>618
それなんて光翼騎士?

>>619
103話マダー?

622 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 10:08:32 ID:B4yUvxlX
>>619
X運命のテンメイアカツキ?

623 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 10:09:57 ID:fTpUvMtb
元ネタを知らんのだがやっぱこのシエスタはかなら強いのか?

624 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 10:21:36 ID:mbeHVUSn
うむ。かなら強いぞ

625 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 10:30:47 ID:IeBP9AFd
そうか、なまら強いのか。

626 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 10:39:26 ID:fTpUvMtb
かならじゃなかったかなりだ

627 :うっかり銀さん:2007/09/28(金) 10:42:25 ID:/X5OhyrZ
おーい銀ちゃんだよー
47分から投下するよー開けておくれー(ルークお兄やんっぽく

628 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 10:43:25 ID:RAA+vzIu
>>627
ならば銀様が支援するわぁ!

629 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 10:46:13 ID:DjA2CBzZ
>>606
第六章 『神の頭脳(ギーシュの章)』

後ろにギーシュが来た所為で神に煩悩に見えたww


630 :ゼロの使い魔―銀眼の戦士―:2007/09/28(金) 10:47:07 ID:/X5OhyrZ
一部を除いた貴族からは距離を保たれ、平民からは妙に人気が出てきたイレーネだったが、若干戸惑い気味である。
今までは、依頼を受けた相手。つまり一般人からも距離を置かれていただけに、こういう扱いは初めてだからだ。
「昔では考えられんな…」
テレサ程ではないが、歴代ナンバー1に匹敵するだけあって、高速剣という二つ名は仲間達からも畏怖されていたのだ。
まして、一般人からこうも平然と応対されるなどと。
むしろ常に微笑を浮かべているだけあって一般人からなら、テレサの方がまだとっつきやすいだろう。
仏頂面を通り越して鉄仮面という表現が最も似合う戦士。それが高速剣のイレーネ。
嫌いというわけではないが、今までなかっただけに苦手というとこだ。

そんな具合に夜、例によって突き刺したデルフに背を預けていると音に気付いた。
小さいものだが戦士の鋭敏な聴覚にはしっかりと聞こえている。
「相棒、どうした?」
(…覚醒者…ではないな。妖気は感じない…だが…巨大だ)
デルフリンガーを床から抜き窓の外を見るが、ここからは何も見えない。
「なに?どうしたのよ?」
「ここに居ろ。すぐに戻る」
それだけ言うとデルフリンガーを背負ったイレーネが、ルイズが静止するのも聞かずに窓から飛んだ。
「…ちょ!…ここ結構な高さなんだけど」
落ちたのではなく、文字通りに窓から跳躍したのだ。その姿はあっという間に見えなくなってしまっている。

「置いていっていいのか?」
「構わん。邪魔だ」
さらりと微塵の遠慮もなく言ったが、本人が聞けばキレる事確実。だが、聞こえてくる大きさからしてそう判断した。
そして、その判断は正解だったようだ。

631 :ゼロの使い魔―銀眼の戦士―:2007/09/28(金) 10:48:39 ID:/X5OhyrZ
「これ程のものとはな…」
視界に映るのは外見だけなら十分覚醒者と言っても通じる巨大な人型。
動きこそ、覚醒者に比べれば緩慢といっていいほどだったが、大きさに関してはどの覚醒者をも凌駕している。
さすがに、この巨大さを前にしては背負ったままでは少し厄介だとし、デルフリンガーを手に取った。
「ありゃあ確か…いや多分そうだ」
「知ってるいるのか?」
「実際に見るのは初めてだけどな。ありゃ『土くれのフーケ』っつー盗賊だ
  屋敷の壁やドアを土くれに錬金したり、あのゴーレムで屋敷を破壊したりするんだ」
「なるほど…土か」
そう呟くと跳躍し、一気にゴーレムとの距離を詰めた。

「物理攻撃が弱点だって…?あのコッパゲ…!こんなに分厚かったら私のゴーレムでも破壊できやしないよ!」
誤算だった。
宝物庫の壁に『固定化』の呪文しか掛かっておらず、物理的な力でブチ破れると聞き出したまではよかったが、これ程までに頑強だとは予想外だった。
「あんなのが居る以上、さっさと『呪いの大剣』を盗みたかったけど…もう少し、下準備をしとくべきだったかね…」
あんなのというのはご存知イレーネの事だ。
「あれは…エルフなんかじゃない。もっと別の…化物だね」
そう思った理由は、ここから遠く離れた地に居る少女の事だ。
確かに、姿形はエルフのそれだったが、自分が知っているものと比べると明らかに何かが違う。
ギーシュのワルキューレが細切れにされた後、片付けと称して破片を少し調べた。
『エア・カッター』などの類で切断されたものではない。
剣で斬ったのだろうと判断したのは、砕けて放置されてあったギーシュが作った青銅の剣だ。
こちらも砕けてはいたが、同じ程度の硬度の物質と激しい衝突を繰り返した際に砕けたものと見た。
同じ硬度。つまり青銅。即ちギーシュのワルキューレと。
他の者には見分けは付かないだろうが、土系統のエキスパートであるフーケの目には切断面を別の物として捉えたのだ。
剣を持っていた事も手伝い、先住魔法などではなくワルキューレを切り裂いたのは剣だと確信したが、それだけに寒気がした。
誰の目にも映らない…抜き身すら見えない高速の連撃。そんな化物が居る以上さっさと目的の物を盗んで逃げたかったのだが、この有様だ。

632 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 10:50:03 ID:RAA+vzIu
支援!

633 :ゼロの使い魔―銀眼の戦士―:2007/09/28(金) 10:50:26 ID:/X5OhyrZ
「……ゴーレムを出したのは失策だったか」
先に壁の強度を調べればよかったと思ったが、後の祭りだ。
並みの壁ならブチ破れるというこれまでの自信と、イレーネというエルフとは違った化物の存在に焦った事が仇になった。
この場でゴーレムを土くれに戻しても次の日には発見される。かといって、移動させれば音で気付かれる。
まだバレてはいないだろうが、どうしたものかと腕組みして考えたが、人外の速度で迫ってくる影を見付けた。
「あれは…まずい…!あいつだ!」
剣を抜き疾駆してくるのは、デルフリンガーを携えたイレーネだ。
「なんて速さだい!」
ここに来て久しぶりにフーケの顔に焦りが浮かんだ。
少なくともゴーレムの攻撃が当たるような速度ではない。

だが表情に出してはいないが、イレーネもそれは同じだ。
相手は身の丈よりも約15倍以上も差がある敵だ。
巨大な覚醒者を相手にする場合、まず足か手を切り落とすのがセオリーなのだが、これは巨大すぎる。
30メートルもあろうかというゴーレムを支える手足は当然それ相応に太い。
いくらイレーネの腕が前の半分の強さで振るえるとはいえ、デルフリンガーの刀身を考えると一撃で切り落とすのは不可能だからだ。
「仕方あるまい…」
こうなれば、ダメージを蓄積させ四肢をもぐか首を狙うしかない。
妖力の回復が遅い以上持久戦は避けたいということで、首狙いでいくことにしたが、まずは目に入った脚に一撃を加える。
高速剣ではないが、それでもゴーレムの足に数撃が加えられ、裂け目が入ったが、動じず傷口が再生している姿を見て内心で舌打ちした。
「再生か…動きは素早くはないとみたが、厄介だな」
再生される以上、手足をもぐのは不可能になった。首を狙うしかないと判断したのだが、さすがにそこまで一気に飛ぶ事はできない。
ならば、ゴーレム自身の体を足場にしようとしたが、敵もそれをさせようとはしない。
「このままでは埒があかんな」
そう呟く。持久戦は避けたい以上、五割の妖力解放で一気にケリを付けることにした。

634 :ゼロの使い魔―銀眼の戦士―:2007/09/28(金) 10:52:14 ID:/X5OhyrZ
「致命傷は与えられないみたいだけど、あれが出てくるなんて予定外もいいとこさね」
もう既に結構な音が出ている。学院から人が出てこないのは巨大なゴーレムを見てビビッているからだろう。
今すぐにでも逃走に転じたいところだったが、ゴーレムを残したまま自分だけ逃げるにしても
あの化物がそれを見逃すかどうかという不安がそれをさせないでいた。
だが、遅かれ早かれ、このままここに居れば、あの化物に斬り殺されるか、オスマンあたりに捕らえられるかだ。
化物が空を飛べない事を祈ってフライを詠唱しようとしたが、フーケの後ろの壁で爆発が起きた。
「「何だ!?」」
二人の声が重なるが、その疑問は両者ともすぐに解けた。
この学院において、あのような爆発を起こせる唯一の人物。
「残れと言ったはずだ。なにをやっている」
ルイズが杖をゴーレムに向けてそこに居た。
「そ、それはこっちの台詞よ!あんた一人で『土くれ』と戦うなんて!」
置いていかれた事に対してかなり怒っているようだったが、そんな事イレーネには知ったこっちゃあない。
確かにルイズの爆発は威力は高いが、生身の人間があのサイズの大きさの攻撃を喰らえば即死である。
だから置いていったのだが、ルイズの方は聞きやしないでいた。

「なんて威力…私のゴーレムでも破れそうに無い壁にひびが入ったじゃないか」
正直おったまげたが、逆に考えると好機だ。
ヒビが入ったのなら、このゴーレムでも壁を破れる。
瞬時にそう判断し、壁にゴーレムの拳を打ち下ろす。
インパクトの瞬間に拳が鉄へと変化し、ヒビの入った壁を容易く打ち抜いた。
そしてそのまま、その腕を伝い宝物庫の中へ侵入する。
様々な宝物があったが、狙いはただ一つ。鉄製のプレートに『呪いの大剣持ち出し不可』とご丁寧に示されている。
「あった…これだね。使い手に恐ろしいまでの力とを与えると同時にその身に呪いを与える剣。呪いはともかく好事家に高く売れそうじゃないか」
全長は長く、重量もそれ相応のものだったが、今は気にしている場合ではない。
去り際に杖を振ると『呪いの大剣。確かに領収いたしました。土くれのフーケ』という文字が壁に刻まれた。

635 :ゼロの使い魔―銀眼の戦士―:2007/09/28(金) 10:53:29 ID:/X5OhyrZ
「話は後だ。今は、あのデカブツを倒すぞ」
話を聞かないルイズだったが、さすがに宝物庫が破られ、逃げられたのでは洒落にならない。
その巨体だけあって、一歩ごとに進む距離が長い。
ゴーレムを追撃しようとしたが、腕をルイズに掴まれた。
「…なんだ?」
「また一人で行く気?」
要は連れて行けという事である。
連れて行けば追撃速度が落ちるのだが、如何に睨み据えても視線を外そうとしないルイズを見てイレーネが先に折れた。
「まったく…お前というやつは…掴まれ」
背中にルイズがしがみつくと、走り出す。
結構な速度だが、本来の速度とは比較にならない。
背負ってるとはいえ、常人より軽いルイズだ。
変わらない速度を出してもよかったが、そうなるとルイズが落ちる。
なんだかんだで結構気にかけていたりするのだが、相変わらず顔には出さないのは流石と言ったところだろう。

学院の壁を乗り越え草原を歩くゴーレムの肩の上に乗っていたフーケだが、ルイズを背負って走りながら追ってくる人影を見て薄く笑った。
「どうやら、あいつは飛べないみたいだね。私のゴーレムにも大した傷を与えられなかったし、どうにでもなるね」
素早い事は素早いが、それだけでは、このゴーレムを倒す事はできない。
目的の物も奪えたし、それが分かっただけでも上場だ。
草原の真ん中まで歩くと、ゴーレムが潰れ、土くれと化した。

少し遅れて、その場に走ってきたイレーネだが、その場にあるのは土の山だけで、肩に乗っていた黒ローブのメイジの姿は確認できない。
「…どうやら逃げられたようだな」
そう言うと、ルイズが俯く。
イレーネ自身、責めているつもりは全く無いが、『ゼロ』という二つ名を持つルイズは、そう受け取ったようだ。
とりあえず、何が盗られたのかにもよるが、妖気を探知する事もできないし、何よりルイズが居る。
一先ず、戻る事にしたのだが、ルイズは俯いたままだった。

636 :ゼロの使い魔―銀眼の戦士―:2007/09/28(金) 10:55:02 ID:/X5OhyrZ
翌日、学院は覚醒者に襲撃されたかのような騒ぎだ。
もちろん、そんな状況下でも一切ペースを乱さないでいのが高速剣の使い手たるイレーネだ。
「盗まれたというものは、そんなに重要なものか?」
「……詳しくは知らないんだけど、宝物庫に収められてる宝物の中でも、オールド・オスマンが持ち出し禁止って言ってるぐらいだから」
「それで、あの有様か」
そう言って視線を移す先には、好き勝手に喚いている教師陣。
特にテンパっているのは昨日の当直のシュヴルーズだろう。
そんなシュヴルーズを特に強く責めている教師を見たが、なんとなく気に入らない。
責めている事が気に入らないのではなく、見た目や雰囲気が、組織の幹部連中に似ているとこがあり気に入らないのだ。
「…こればかりはどうしようもあるまいな」
当人の主観でしかないため、仕方ない事なのだが、戦士で組織の幹部連中を好ましく思っている者など一人も居ないだろうと思っていると
外見だけなら仙人の領域に達しているオスマンが現れた。
「そう女性を苛めてはいかん。この中でまともに当直をした事のある教師が何人おられるのかな?」
オスマンが辺りを見回すが、教師達は顔を見合すと顔を伏せた。
つまり誰もまともにやった事が無いという事だ。
「呆れたものだな…組織ならば粛清対象だぞ」
その教師達を見てイレーネからそう言葉が漏れる。
任務を受ければ、敵を斬り殺すか自分が死ぬか。まして放棄などすれば粛清の対象となる。
放棄していなくても、組織に戻らないというだけでもそうなるのだ。
そんな感想が出るのはごく当然の事だ。

「責任があるとすれば、我々全員にあるのじゃ。ほとんどがメイジの学院を賊が襲うなどとは夢にも思わんからな。
  だが、賊は大胆にも忍び込み、『呪いの大剣』を盗んでいった。我々が油断していたのじゃ。責任があるとすれば我々全員にあるといわねばなるまい」
中々の長っぷりを見せているオスマンだが、言いながらシュヴルーズの尻を触っているあたり、威厳は一切無い。
周りの真剣な目を見て咳払いをする。突っ込み待ちだったのだが誰も突っ込んでくれない。スルーされたボケというものは悲しいものである。
「で、犯行の現場を見ていたのは誰だね?」
「この二人です」
コルベールが進み出て、後ろに控えていたルイズとイレーネを指差す。
使い魔なのだから、数に入れなくてもよかったが、相変わらずのエルフ扱いである。

637 :ゼロの使い魔―銀眼の戦士―:2007/09/28(金) 10:58:32 ID:/X5OhyrZ
「見ていたというよりは、戦っていたと言った方が正しいのだろうが」
「ふむ…詳しく説明してみたまえ」
「僅かだが音と振動がしたんでな。覚醒…いや、これはこっちの事だ。
  とにかく駆けつけてみればゴーレムとやらが居て、壁を破って何かを持っていった」
「それで?」
「そのまま、後を追ってみれば残っていたのは土しか残っておらず、肩に乗っていた黒いロープのやつは居なかった…というわけだ」
「後を追おうにも手掛かり無しか…ときに、ミス・ロングビルはどうしたのかね」
オスマンとコルベールがそんな話をしていると、ロングビルがやってきた。
「申し訳ありません、フーケが現れたという事で、朝から調査をしていたもので」
「ほっほ、慌てているだけの誰か達とは違って仕事が早いの。ミス・ロングビル」
誰かとはもちろん教師達の事である。それを感じ取ったのかコルベールが続きを言うようにと慌てた調子で促した。
「そ、それで、結果は?」
「はい。フーケの居場所が分かりました。近在の農民に聞き込んだところ近くの森の廃屋に入っていった黒ずくめのローブの男を見たそうです」
「黒ずくめか…」
一々頭に浮かぶのは組織の連中なのだが、特に印象深いのがルヴルだ。
大分前から、組織に身を置いているはずなのだが、外見が全く変わっていない上に、どこか飄々としていて他の連中とは違っているところがある。
「そこは近いのかね?」
「徒歩で半日。馬で四時間といったとこでしょうか」
「すぐに王宮に報告し、王室衛士隊に頼んで兵を差し向けてもらわねば!」
コルベールがそう叫んだが、逆にオスマンに怒鳴られる。さっき思いっきり尻触ってたジジイとは思えない迫力だ。
「たわけ!そんな事している間にフーケに逃げられてしまうわ!
 その上…学院の宝が盗まれたからには我らの手で解決せねばならん!捜索隊を編成する。我と思う者は杖を掲げよ」
オスマンが辺りを見回すが、教師達は顔を見合わせるだけで、誰も杖を揚げようとはしない。
「おらんのか?おや?どうした!フーケを捕らえて名をあげようと思う貴族はおらんのか!」
呼ばれてから俯きっぱなしだったルイズだったが、杖を顔の前に掲げた。
「ミス・ヴァリエール!あなたは生徒ではありませんか!ここは教師に任せて…」
「誰も掲げないじゃないですか!」
ルイズは唇を強く結んで真剣な目をしている。こういう目をしているヤツが弟子だっただけに止める事はできないだろうと悟った。
「止めたところで行くんだろうな、お前は…だが、その前にだ」
そう言いながらイレーネが扉の前へと向かい扉を開ける。

638 :ゼロの使い魔―銀眼の戦士―:2007/09/28(金) 11:00:46 ID:/X5OhyrZ
そうすると、そこにタバサとキュルケが居た。
「…あら〜〜、バレちゃったわねタバサ」
「そう思うなら少しは気配を消す事だ」
「な、なんで、あんたがここに!」
「ふん。ヴァリエールには負けてられないのよ」
つまらなそうに言ったが、それだけで扉に耳つけて盗み聞きにするような真似はできまい。
(ノエルとソフィアみたいなものか)
二人を見てそう思う。互いにライバル視しているが、他から見ればじゃれ合っているだけのようなものだ。
この事を言えば、恐らく同じように否定されるだろう。
もっとも、ノエルとソフィアはプリシラに殺されているのだが…
「タバサ。あんたは別にいいのよ。関係無いんだから」
「心配。それに興味がある」
心配なのはキュルケで興味があるのはイレーネなのだろうが、キュルケは未だ何か勘違いしているようだ。
キュルケが生暖かい目をタバサに送っているのを無視して、ルイズが礼を言う。
教師陣は反対していたが続くオスマンの
「では、君達が行くかね?」
という言に一斉に黙った。揃いも揃ってヘタレである。
「ミス・タバサは若くしてシュヴァリエの称号を持ち
   ミス・ツェルプストーはゲルマニアの優秀な軍人を数多く排出した家系の出で、彼女自身もかなりの炎の使い手と聞く。そして、ミス・ヴァリエールは…」
ルイズが自分の番だと言わんばかりに可愛らしく胸を張ったが、オスマンが言葉に詰まる。褒めるところが見当たらないからだ。
「こいつの事は、私が保証してやるよ。攻撃力だけなら、この三人の中でも一番だろうさ」
褒めてない。それ褒めてないからという視線がイレーネに集まったが、実際そうなのだから仕方ない。
ルイズは不満そうな目を向けているが、オスマンにとっては助け舟で急いで話を続ける。

639 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 11:01:43 ID:QCJB1XhF
支援。

640 :ゼロの使い魔―銀眼の戦士―:2007/09/28(金) 11:03:01 ID:/X5OhyrZ
「う、うむ。そのとおりじゃ!そしてその使い魔はエルフ!これが彼女の実力を証明する事になっておる」
それにガンダールヴなら、あの大剣を使いこなせるかもしれん。
そこは口に出さないが、空気読まないコルベールが『ガンダールヴ』と言い掛けて口を押さえられた。
「この四人に勝てる者がという者がいるなら、前に一歩出たまえ」
三人だけなら誰か出るかもしれないが、残りの一人。即ち、未だエルフ扱いのイレーネの存在が大きいのだろう。誰も出ようとはしない。
「魔法学院は、諸君らの努力と貴族の義務に期待する」
ルイズとキュルケとタバサが真顔になって直立し「杖にかけて」と唱和したが、イレーネの思うところは別の次元にある。
(あの時の二の舞だけは避けねばな…)
あの時というのはナンバー2からナンバー5までがテレサ討伐に向かった時の事だ。
プリシラの精神の未熟さを考慮にいれておかなかったおかげで暴走し、テレサ、ソフィア、ノエルを殺され、自身も左腕を失い瀕死の重傷を負った。
ルイズがプリシラ並みというわけではないが、同じように精神的に未熟ということは、まだ短い間付き合っただけだが理解している。
魔法を使えば爆発しか起こせないというコンプレックスを抱えている以上、追い込まれれば暴走し取り返しの付かない事になるかもしれない。
失敗といっても、並以下の妖魔なら吹き飛ばせそうな威力だ。なまじ強力なだけに誰かがバックアップする必要がある。
イレーネがルイズに着いて行く理由はこんなとこだ。

「では、馬車の用意をしよう。魔法を温存するために、それで目的地に向かうのじゃ。ミス・ロングビル、彼女達を手伝ってくれたまえ」
「もとよりそのつもりですわ」

ルイズは、自分のせいでフーケを逃がしてしまったと思っている責任から。
キュルケは、ルイズへのライバル意識を兼ねた、遠まわしな気遣いから。
タバサは、親友が心配なのと、エルフどころかハルケギニアの、どの亜人とも違うイレーネへの興味。
そしてイレーネは、同じ過ちを繰り返させないために。
各人それぞれの思いを乗せ目的地に向かう。ただ一人。違った目的を持つ者も含めて。


一先ずフーケ戦前まで投下したッ!
アニメのクレイモアのジーンの死亡シーンは良かったが…あれでは二期は無いな…

641 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 11:14:33 ID:QCJB1XhF
超乙。
ゆっくり読み返すとするか。

642 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 11:17:04 ID:YyMlUUUD
銀眼の人乙じゅしたー

643 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 11:29:56 ID:RAA+vzIu
乙でした!
…懺悔します。今まで元ネタ知らずに敬遠してましたが、今回のお話に惹かれました。まとめで読み直してきます!

644 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 11:30:41 ID:jPJ9OgyL
おちゅ♪

しかし『呪いの大剣』かぁ。
多分あちらの世界から召喚されたクレイモアなんだろうけど、
デルフはイラナイ子に?それとも二刀流?
まあ、前者にはならないと信じておこう。
デルフにはなんせ魔法吸収能力あるから、有用性みとめてもらえるだろうし。

645 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 11:47:17 ID:L2PKSrSt
デルフなんて飾りです。(ry

646 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 11:55:19 ID:aSAlOQ0x
飾りじゃないのよデルフは♪

647 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 12:09:06 ID:wpcjpxzj
格好いいな
エルフと間違えられていてもそれはそれで良さそうな気がする

648 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 12:22:33 ID:s3LJrP6j
>>622
コレを貼れといわれた気がした
ttp://up2.viploader.net/pic2d/src/viploader2d249958.jpg

649 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 12:26:46 ID:OrDewuw+
大体ゼロ魔世界の手持ち武器ってやわなつくりしてるよな
デルフの次に頑丈な書き方されてるものがワルドの“杖”ってどうなのさ?

650 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 12:31:14 ID:QR8Vt2jD
剣を作っているのが魔法を主に使う貴族だからそんなに本気で頑丈なのは作らないんだろう。
むしろ見た目とかを重視で。

651 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 12:34:44 ID:B0pu0oL1
ゼロ魔の世界じゃ、貴族連中はロクに鎧も身につけやせんからなぁ。
相手の防御が薄ければ武器も柔くなるのはお約束。

652 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 12:38:03 ID:QR8Vt2jD
魔法もあれば銃もある程度広まっている世界だからな。
鈍重なヨロイがむしろ邪魔になる事も多いんだろう。

空中装甲騎士団はけっこうガチガチのようなイメージはあるけど。

653 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 12:39:13 ID:/X5OhyrZ
ヒント1.左腕が無い
ヒント2.大剣は墓標も兼ねる
ヒント3.大剣の持ち主も一緒にIN
これからもデルフメインですよ奥さん
フーケ戦で美味しそうな匂いがしてたまらない展開にしようかどうか、ちと迷うな…

654 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 12:40:57 ID:OrDewuw+
風に“エア・ニードル”っつー頑丈な武器を作る魔法があるんだから、土*3とかで超硬い鎧を纏う魔法があるやもしれん

いや知らんけどさ……

655 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 12:45:46 ID:Yu79j6Gt
>>654
素直にゴーレムの中に埋まった方がはやくね?

656 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 12:49:12 ID:47dVXma5
>>655
ギーシュがワルキューレアーマーとかそんな感じの技が使える事になるな。

メリットがあるかどうかわからんが。

657 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 12:51:01 ID:OrDewuw+
>>655
まだ出てない名前付き土スクウェアにそんな奴が居るかもしれないなwww

658 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 12:54:33 ID:ncRbnOfV
>>655
それビッグゴールドと融合したマスク・ザ・レッドじゃね?

659 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 12:54:54 ID:oXrelH1/
>>655
真っ先にマスク・ザ・レッドが思い浮かんだw

660 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 12:57:59 ID:MwepdU1I
>>658-659
素晴らしい人逃げてー!

661 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 12:58:05 ID:JHUZLCK7
>>656
青銅聖闘士フラグktkr


間違いなくアフロディーテ-ミスティの系譜w

662 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 12:58:53 ID:Yu79j6Gt
マスク・ザ・レッド大人気。

でも自分が想像してたのはイエローデビル(ロックマンのアレ)なシルエットした
30mゴーレムの胸から顔を出してるフーケだった。


663 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 13:00:20 ID:/X5OhyrZ
デンドロビウムっぽいフーケとゴーレムを想像したw

664 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 13:00:39 ID:d+gQVvN1
オメガアビゲイルが思い浮かんだ俺って・・・

665 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 13:03:32 ID:7VD3L1Ke
「このオメガ・サウスゴータ1世唯一の弱点が剥き出しの顔だとなぜわかったのです〜!」

666 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 13:07:48 ID:RAA+vzIu
ギーシュ「グラモン粘土闘衣!そして必殺のぉ!!」

667 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 13:14:44 ID:OrDewuw+
ギーシュがドットでフーケがトライアングルって絶対おかしいよね
他属性のクラスと比較したら明らかにもう一つだろ。

668 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 13:24:03 ID:ncRbnOfV
>>667
何がおかしいんだ?

669 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 13:25:43 ID:7VD3L1Ke
農耕や冶金にも利用されてて、ゴーレムなんか造れる利便性の土。
回復のみならず、秘薬調合や変装、精神操作までこなせる陰険さの水。
強力な攻撃魔法を揃えていて、対飛び道具の防御もあり、
飛べるわ分身するわの汎用戦闘性能の高い風。
とりあえず攻撃力だけは高いらしい火。あと発火とか便利。

火のメイジがんばれ。超がんばれ!

670 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 13:28:43 ID:OrDewuw+
>>668
単純にやたら強くない?
トライアングルで30メイルゴーレム作れるなら戦争はもっと怪獣大決戦だろ。


671 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 13:30:49 ID:QQDiSNFu
そのゴーレムも戦争では壁破壊くらいにしか使われてなかったような。
何か使いにくい理由があるんだろうな。

672 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 13:31:20 ID:PXzw0tUI
>>669
いや、ラインクラスの魔法で、オーク鬼の頭部を骨まで炭化させる上に
誘導性能が合って避けても追尾して当たりますかとか
かなーり攻撃力だけはあるよーな、雑用? しらんがな。

673 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 13:33:46 ID:jRapo4qG
>>670
同じトライアングルのはずのキュルケとタバサが全く太刀打ちできてなかったもんなぁ……。
現代戦なら火力が高いからあの手のはでかいだけで只の的ってのが弱点になるんだけど、
トライアングルの魔法を弾き返せるなら全然弱点にならんし。

674 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 13:34:30 ID:NYrbdoSZ
攻撃特化だな、火の魔法。
って言うか火属性で攻撃以外って何かあったっけ、RPG全般で。
聖剣のフレイムセイバーとパワーアップとマインドダウン位しか思いつかないぞ。

675 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 13:35:47 ID:18kGY6V1
>>670
そんなん術者の力量差の一言。
ワルドとカリンを見れば分かるだろ。

676 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 13:36:20 ID:OrDewuw+
まあ土メイジに国と関係ない元締めがいて、そいつが戦争嫌いとかって可能性は有り得る
ゼロ魔世界の良い建物はほとんどが土のスクウェア製らしいし。

677 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 13:37:29 ID:PXzw0tUI
>>674
こっはげが必死に何か無いか研究してます。
エンジンとか蒸気機関とか攻撃以外の成果は上がってるけど
魔法としては皆無っぽいなー

678 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 13:38:04 ID:oyT838y3
アルビオンに7万の兵がいて
そのうちどれくらがメイジだったんだろ

679 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 13:44:00 ID:QQDiSNFu
>676
それってフリーメイソンみたいなものか。
土のメイジを束ねる秘密結社が実はハルケギニアを裏から操っているのだよ。

680 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 13:45:03 ID:OrDewuw+
>>675
ワルドとカリンは得意分野が違うだけで、言うほど総合力変わらない気がするんだが
遍在をラ・ロシェール―トリステインみたいな超遠距離で操作するとか反則っすよ。

681 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 13:46:45 ID:18kGY6V1
>>680
本気で言ってんの??

682 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 13:47:54 ID:PXzw0tUI
>>680
ヒント:書き出された偉業を考えると遍在を使えない可能性の方が低い
ヒントU:逆に遍在無しで偉業を達成したとすると、よけいワルドとの差が広がる

683 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 13:50:12 ID:OrDewuw+
>>681
直接戦闘力と特殊技能は違うから比較できまいって話
所属部隊も違うしおそらく運用方法も異なるだろう。

カリン様も遍在の遠距離操作できてワルドオワタな可能性はあるけどさ。

684 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 13:51:22 ID:QQDiSNFu
遍在駆使してカッタートルネード五連発と言う無茶をする可能性もある訳か
カリン様怖すぎ

685 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 13:51:48 ID:18kGY6V1
>>683
これまた屁理屈を。
今しているののは戦闘力の話のはずだが。

686 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 13:54:15 ID:OrDewuw+
>>685
単に戦力としての有用性は比較できないって言いたかったんだが、混乱させたみたいですまなかった
というかここでする話じゃないな

687 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 13:54:55 ID:YOpHKtg+
そろそろ言っておこう。避難所で語れ。

688 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 13:55:07 ID:18kGY6V1
>>686
そんなん出撃しただけで相手が逃げ出すカリンの方が上だろ。

689 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 13:55:11 ID:PXzw0tUI
>>684
遍在でスクウェアスペル4つ、カッタートルネードでスクウェア5つの
魔法を使う精神力が有ればできそーだな
精神力の回復に時間がかかりそーですがw

690 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 13:59:09 ID:tLefTZCP
そもそも遍在の遠隔操作は遍在のデフォ機能なのかワルドのスキルによるものか分からん。

691 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 14:01:12 ID:ePZF/uzn
カリン様といわれるとカリン塔の猫仙人を思い出す件

692 :Mr.0の使い魔:2007/09/28(金) 14:01:19 ID:vCjMG3oT
「ヤァ、ボクわるど! ミンナ、ボクノカツヤク、タノシミニシテテネ!」

……うぅーん、似てないわねぃ。
それはそれとして、久しぶりのトゥーカ予告しちゃうわよぅ!

693 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 14:02:28 ID:NpzGRSUK
>670
単純にコントロールできる距離の問題じゃない?
破壊の杖や宿襲撃の時みたいな少数相手ならともかく、怪獣大決戦になると最低1キロ以上離れてコントロールできなきゃ危なくて使えねぇ。
Gロボの大作少年みたく、ゴーレムにつかまってコントロールなんて自殺行為だし。

でも原作、装甲着たゴーレムがわんさか作られてたんで、怪獣大決戦もありそうだな。

694 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 14:02:56 ID:peyMwi59
>>674
つ|リヴァイヴァ|

695 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 14:04:03 ID:dbHipDEB
>>692
キャモン

696 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 14:04:12 ID:ZViVITsi
>>690
デフォだったら中世みたいな戦争はおこらなくない?
遠隔操作できる遍在ってスパイや暗殺者として反則的だし、もっと情報戦になるはず

支援だ!

697 :Mr.0の使い魔 第二十四話(1/5):2007/09/28(金) 14:06:07 ID:vCjMG3oT
 突如飛来した矢に最も素早く対応したのは、戦慣れしているワルドと
クロコダイルであった。ルイズを柱の陰に引き込んだワルドが、同じく
柱を盾にしているクロコダイルに声をかける。

「大丈夫ですか、ミスタ」
「ああ」

 正面の道にずらりと並ぶ人影を見つけて、クロコダイルは思わず舌を
打った。雨の中に鎧を着込んだ、おそらくは傭兵が数十人。うち、弓や
クロスボウで武装した十数人が、狙いを『女神の杵亭』に定めている。

「ワルド、これって!」
「敵襲だ。思ったより遅かったが……」

 ヒュン、と風を切る音がして、大量の矢がロビーへと飛んで来た。石
造りの床や柱に突き刺さるその威力は、下手な銃より遥かに強力である。
 カウンターの店主や他の客達は、その威力を前にすっかり怯えている
ようだ。手近な物陰に身を潜め、外を覗こうともしない。
 と、入り口に降り注いだ炎が、三射目の矢の一団を焼き尽くした。上
の階から杖を振ったのは、キュルケ。

「何だか面倒な事になってるじゃない」

 炎を維持したまま、キュルケは階段を駆け下りた。すぐ後にタバサと
ギーシュも続いている。全員が揃った所で、今度はタバサが風の呪文を
唱えた。勢いの衰えた炎に代わって竜巻が玄関を塞ぎ、飛来する矢弾を
舞い散らせる。
 それでもなお、敵は攻撃の手を緩めない。風が再び火柱に切り替わる
と同時に、五度目の矢玉が飛び込んで灰になった。相手はこちらに脱出
の隙を与えないつもりだ。

「このままだと持久戦ね」

 額に薄らと汗を浮かべたキュルケが呟く。
 魔法を使うたびに精神力を消耗するメイジは、基本的に持久戦を苦手
とする。精神力をチマチマと削られ、最後は気絶して戦えなくなるから
だ。強力な大砲も弾がなければただの筒。敵はそれを理解しており、先
に全ての精神力を使い切らせようとしているのである。剣や斧を構えた
連中もいるが、不用心に近づいてはこない。
 加えて、こちらには持久戦を嫌う理由がもう一つあった。

「ようよう、旦那。ぐずぐずしてっと、アルビオン行きのフネに間に合わねぇぜ」

 デルフリンガーが言った通り、時間をかけるとフネの出航時刻を過ぎて
しまうのだ。今夜中に出港するのは二隻の商船だけ。それを逃せば、天気
が回復するまで延々と足止めされる事になる。しかも、いつ好転するかは
誰にもわからない。仮に雨が数日続き、その間に王党派が全滅して目的の
品を紛失するような事になれば、何のためにここまで来たのかわからなく
なる。
 苛立ち紛れに、クロコダイルは拳を石柱に叩き付けた。

「……師匠。出港するフネは、あるんですね?」

 毅然とした顔でギーシュが声を発したのは、まさにその時だった。


 Mr.0の使い魔
  ―エピソード・オブ・ハルケギニア―

     第二十四話

698 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 14:06:37 ID:tLefTZCP
>>696
その程度じゃ、やっぱりやっぱり戦争は起こるよ。

699 :Mr.0の使い魔 第二十四話(2/5):2007/09/28(金) 14:07:50 ID:vCjMG3oT

「ああ。それがどうした」

 機嫌の悪いクロコダイルは、余計な事を聞くつもりはない。
 くだらない用件なら殴り倒してやると思っていたのだが、続くギーシュ
の言葉は、予想に反して随分と勇敢な物だった。

「ぼくが囮になります。その間に、師匠達は裏から桟橋へ向かってください」
「囮、か。確かに、悪くない案だね」

 そう呟いたのは、クロコダイルではなくワルドである。
 クロコダイルも、口にこそ出さなかったが内心では賛成だった。敵の目
を正面に集中させ、疎かになった裏口から桟橋まで移動。フネが出港して
しまえば追撃の心配もない。
 が、ギーシュだけに任せられるかと言われると、正直不安である。

「てめェ一人じゃ足りんな」
「しかし、このままでは!」
「キュルケ、タバサ」

 なおも噛み付くギーシュを半ば無視する形で、クロコダイルは少女達に
声をかけた。二人が顔を向けると、クロコダイルは表を指差しながらさも
当然のように告げる。

「こいつと合わせて囮役だ。派手に暴れて敵を引きつけろ」
「……仕方ないわね」
「わかった」

 キュルケは肩をすくめながらも、タバサは素直に、それぞれが首を縦に
振った。元々部外者であるという引け目もあったのだろう。反論するだけ
無駄だという諦観も混じっているようだが。
 割り切りのよさに笑みを深めたクロコダイルは、今度はワルドの方へと
目を向けた。

「子爵、そういう手筈だ」
「わかりました」

 一つ頷くと、ワルドはルイズの肩をつかむ。

「ルイズ、姫様の手紙を」
「え、でも……」

 ハッとして胸元を押さえるルイズに、ワルドは優しく語りかけた。

「すまないが、貴族派のフネに、君の姿は目立ちすぎる。特に戦場の近くでは、ね」

 ワルドの言っている事は、ルイズにも理解できる。
 定期便が向かうのは既に貴族派が制圧した後の、言うなれば後方の港だ。
親類縁者を心配して送られた手紙や遣いの者、直接赴く気丈な貴族などは、
この定期便を利用してアルビオンに入国している。そこに紛れ込むという
最初の計画ならば、それほど怪しまれはしない。

700 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 14:08:06 ID:PXzw0tUI
>>696
ヒント:作中に出てきたスクウェアメイジはたったの2人(ワルドとカリンだけ)

>>692
支援する

701 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 14:08:34 ID:Oci/3On7
sien

702 :Mr.0の使い魔 第二十四話(3/5):2007/09/28(金) 14:08:52 ID:vCjMG3oT
 ここで重要となるのは、この紛争はあくまでアルビオンでの国内紛争で
ある点だ。直接トリステインに砲火を向けていないため、アルビオン貴族
が敵なのだと感じにくいのである。極端な言い方になるが、貴族派に制圧
された部分は、“王党派の支配地域とは異なる、彼らが新しく興した国”と
認識されている。大陸には頻繁な戦争のおかげで、度々支配する国が入れ
替わる国境近辺の村や町があるが、定期便に乗る事はそこへ行くのと同じ
感覚なのである。
 ところが、これから乗船しようとするフネは、どちらも軍港へ向かう。
そこへ別の国の人間が紛れ込むのは、他国の軍事要塞へ乗り込むも同然の
行為だ。見咎められれば捕縛は確実、最悪殺される可能性もある。
 その辺りの事情を考え、ルイズは辛そうに頷いた。
 いや、頷きかけて、横合いからの声に顔を上げた。

「待て、子爵。ルイズは一緒に連れて行く」
「「なっ!?」」

 驚いたワルドとルイズは、揃ってクロコダイルに振り向いた。
 特にワルドの驚愕は大きい。先ほど二人で話をした時、子供は送り返す
方がいい、と言ったのはクロコダイル本人である。それを覆すような意見
を出すとは、一体何を企んでいるのか。ワルドの心に不安がよぎる。

「し、しかしミスタ。フネは二隻とも軍港に向かうのですよ」
「協力者、人質、親類……どうとでも誤摩化せるさ。我が主人の同伴がそんなに不安かね」

 冷酷な、爬虫類を思わせるクロコダイルの眼光。しばし睨むように目を
合わせていたワルドだったが、やがて小さく息を吐いた。腹の探り合いに
おいて、ワルドはまだクロコダイルには敵わない。いくら気を張っても、
内心を読み取る事はできまい。年期、あるいは経験の差であった。

「わかりました。ルイズは、僕が守ります」
「ワルド……」

 幼馴染みの心中を案じて、ルイズが不安げな声を出す。ワルドは彼女を
安心させるべく、多少無理矢理にだが微笑んだ。
 一方のクロコダイルは、懸念事項を一つ片付けた事でギーシュの方へと
向き直った。

「決まりだな。さて、ギーシュ・ド・グラモン」
「は、はいッ!」

 いきなりフルネームで呼ばれて、ギーシュは裏声になりながらも返事を
した。これまで小僧呼ばわりだった事を考えれば、その反応も仕方がない
かもしれない。額に汗を浮かべ、微かに肩を振るわせている。
 ギーシュの動揺など気にも留めないクロコダイルは、厳かな声で任務を
言い渡した。

「てめェにこの場所の指揮を任せる。子爵、桟橋まで何分だ」
「十分あれば、何とか」
「聞こえたな、ギーシュ。最低でも十分間、敵をここから動かすな。わかったか?」
「了解しました!」

703 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 14:09:32 ID:ZViVITsi
支援

704 :Mr.0の使い魔 第二十四話(4/5):2007/09/28(金) 14:11:32 ID:vCjMG3oT
 軍人のような敬礼を見せるギーシュ。お世辞にも完璧とは言えない形の
崩れたものであったが、それでも本人の気概は十分に伝わった。
 ただ一つ、心配事があったクロコダイルは、睨みつけながら釘を刺す。

「間違ってもフーケの時みてェに、正面から決闘ごっこなんて仕掛けるんじゃねェぞ。
 卑怯だろうが何だろうが、とにかく傭兵どもを釘付けにする事が最優先だ。
 もし下らねェヘマしやがったら、おれがてめェの息の根を止めるからな」
「り、了解、しました」

 頬を引きつらせながらのギーシュの答えを聞き、クロコダイルは満足げ
に頷いた。次いで、ルイズとワルドを顎で促す。

「おれ達は裏口へ回るぞ。敵に気づかれる前に、桟橋に行ってフネを出す」


「で、どうするつもり?」

 クロコダイル達の姿が視界から消えると、キュルケはギーシュに作戦の
如何を問いかけた。すぐ横では、壁役を交代したタバサが再び竜巻を作り
出している。
 ギーシュの父、グラモン元帥は著名人であり、ギーシュがその息子だと
いう事をキュルケは知っている。ただし、血筋が魔法や軍事の才とは必ず
しもイコールで結ばれない、という事もまた、彼女のよく知る所であった。
 実際ギーシュは軍事教練を受けた訳ではないし、まともな実戦の経験も
ない。ついこの間、【破壊神の槌】奪還の際も、真正面から敵のアジトに
挑むという大失態を演じていた。あの時はフーケに攻撃されなかったから
助かったものの、目前の傭兵達相手に同じ事を考えているとしたら笑い事
では済まない。
 ギーシュは口こそ達者だが、戦いに関しては全くのド素人――そう認識
しているキュルケは、難しい顔で悩むギーシュに殆ど期待していなかった。
今の問いかけも、クロコダイルに指揮を任されたのがギーシュであるから、
一応彼の顔を立ておこう、といった程度で発したものである。
 当のギーシュは、キュルケの声で決心がついたのか顔を上げた。

「もう少し持ち堪えてくれ。すぐに準備を整える」

 言うが早いか、ギーシュは素早く三体のワルキューレを作り上げ、玄関
ではなく厨房へと走らせた。どうするのだろうとキュルケが見ている間に、
ワルキューレ達がそれぞれ二つずつ、小振りな樽を脇に抱えて戻って来る。
合計六つ全てに、調理に使う油の印が押されていた。
 状況と照らし合わせて、キュルケはギーシュの立てた作戦を推測する。

「ひょっとして、この油を撒いて火をつけるつもり?」
「まあ、そういう事さ」

 あっさり頷くギーシュに、キュルケは苦笑した。確かに油を燃料として
着火すれば、少ない精神力で大きな炎を生み出すのも簡単だ。
 が、しかし。キュルケの頭は、利点と同時にこの作戦の致命的な欠点も
弾き出していた。

「いい作戦だと思うわよ。天気が雨でなければ、だけど」

 雨の勢いは依然衰えを見せない。整地された道に油を撒いても、あっと
いう間に押し流されるのが関の山だ。着火させる火の魔法も、あまり長い
距離を飛ばす事はできない。雨水をかぶって鎮火してしまうのである。

705 :Mr.0の使い魔 第二十四話(5/5):2007/09/28(金) 14:13:37 ID:vCjMG3oT
 キュルケに欠点を指摘されたギーシュの反応は――深く気落ちするかと
思いきや、にやりと口端をつり上げた。

「言っただろう。準備を整える、と」
「どういう事?」

 ギーシュはキュルケの疑問には答えず、床を二度、靴底で軽く小突く。
 途端に、石臼を挽くような耳障りな音が真下から響いた。何事かと身を
強張らせたキュルケの目の前で、床にクモの巣状のひび割れが入る。最後
にゴボン、と鈍い音を立てて、岩をはね除けたそいつが顔を出した。
 ギーシュの使い魔、ヴェルダンデであった。ジャイアントモールの爪は、
硬い岩盤すらも掘り抜くほど強靭なのだ。

「よく来てくれた、ヴェルダンデ。早速だが、君に大事な仕事を頼みたい」
――もぐもぐ

 「任せろ」と言うように、ヴェルダンデは鼻を鳴らした。


 裏戸の隙間から外を覗いていたワルドは、誰もいない事を確認して扉
を開いた。ルイズを中央に配置し、クロコダイルが殿を務める一団が、
雨の続く裏通りを駆け抜ける。

「急ぎましょう。ぐずぐずして、気づかれるとまずい」
「同感だ」

 クロコダイルとて、いつまでも囮が通用するとは思っていない。敵の
雇ったであろう傭兵連中が脱出に気づけば、追撃の手を差し向けて来る
筈だ。桟橋や船上で待ち伏せている可能性もある。

(勝負はフネの上、安全を確保するまでか)

 状況を分析しながら、クロコダイルはワルドとルイズの後を追う。
 宿での過剰ともいえる反応から、クロコダイルの疑念は既に確信へと
変わっていた。ワルドは間違いなく、ルイズが自分に同行する事を忌諱
している。敵と内通しているかどうかまではわからないが、何か含む物
があるのは確実。そしてそれを知られる事を恐れている。作戦の遂行に
差し障るからではなく、親愛の情によって。

(甘いな。しかし、それ故に効果的でもある)

 マザリーニがわざわざクロコダイルを選んだのも、おそらくこの情を
利用するためだろう。『ルイズの使い魔』をワルドに対面させておき、
その主が手の内にあると改めて示す事で裏切りを抑止する。ルイズ本人
が参加するのはさすがに予想外だったろうが、飼い犬を繋ぎ止める鎖と
してはこれ以上ないくらい役立っていた。この様子なら、回収を終えた
途端に敵に合流するような事にはなるまい。ワルドは、ルイズの信頼を
裏切る事なくトリステインに戻らなければならないのだから。

「せいぜい頑張ってくれよ、子爵殿」

 クロコダイルの呟きは、降りしきる雨の音に溶けて流れ去った。


   ...TO BE CONTINUED

706 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 14:14:41 ID:Oci/3On7
乙です

707 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 14:15:03 ID:ZViVITsi
GJ
陰謀渦巻きすぎて熱い

708 :Mr.0の使い魔:2007/09/28(金) 14:15:09 ID:vCjMG3oT
以上、二十四話のトゥーカ終了よん。支援ありがトゥー!

さて、お昼食べてワンピースでも見ましょ、ましょ。

709 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 14:18:31 ID:PXzw0tUI
投下乙です
良いなー 陰謀とか裏とかありまくりでw
そして、岩盤を楽に掘りぬくってあらためてヴェルダンデつぇー
当たりを引きすぎだギーシュw

710 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 14:21:03 ID:tLefTZCP
それに引き替えフレイムときたら…
男をキュルケのところへ連れていく単なる案内役ぐらいしかしてないな…

711 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 14:23:46 ID:ZViVITsi
馬並みの速度で地中を進むジャイアント土竜のヴェルダンデは強杉

712 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 14:25:09 ID:tLefTZCP
>>711
宝石や貴金属の探知能力もあるし便利すぐる。

713 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 14:30:32 ID:V7PVe29e
ジャイアントモールに敵視されたら非常に恐ろしい気がする。
早いし強いし地下だし・・・

トレマーズの怪物を思い出した

714 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 14:31:08 ID:VPCZcWCP
投下乙
フレイムはあのキュルケが自慢するぐらいだから弱いわけない
でも地味

715 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 14:33:47 ID:QQDiSNFu
敵の足下に穴を掘って引きずり込んで、地下を馬と同速度で掘り抜くことを可能とする強靱な前足で・・・・・・
あたっくおぶざきらーう゛ぇるだんで

716 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 14:34:37 ID:NsSylFD4
銀眼の戦士の続きが来てる!乙でした。
予告で、死んだ魚の目のような侍かと思って噴いた。

717 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 14:40:33 ID:tLefTZCP
>>714
レアなだけなのかもしれないぜ!

718 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 14:41:54 ID:Yq5ft8/E
>>670
同じ黄金でも
乙女座と
蟹とか魚では大きな差がある…
と言ってみる

>>714
移動砲台だから地味


719 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 14:47:28 ID:U1G2isgn
>>674
セルフバーニング
>>693
中に入るとか
なんか超魔ゾンビ思い出した

720 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 14:51:58 ID:Yq5ft8/E
>>713
「掘った土の行き先」を考えなければ
メイジと飛行可能な生き物以外は落とし穴で殺せるしね。

数万の大軍でも
「謎の大規模な地面崩落」でメイジ以外は壊滅

アイツの前足のひらは某「削り取るスタンド」か?

721 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 14:54:43 ID:dbHipDEB
オツ・カレー


でかいゴーレムに入って操縦するというのはロマンだけど
術者に攻撃が効かない、周りを視認できる、中の人が酸欠とかで死なない、
せめてこれくらいはできないと難しそうだねぇ。

722 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 15:03:19 ID:Y1Tiwvic
ジャイアントモールが本来どこにどのぐらい生息しているのかは気になる、たくさん居たらまずいだろ。
韻竜とか吸血鬼どころじゃない深刻な文明への脅威だよ。

723 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 15:04:50 ID:tLefTZCP
地中にいられたら攻撃手段が限られからな。

724 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 15:04:54 ID:V7PVe29e
デカブツは必然的に生息数が減る。


725 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 15:05:47 ID:Yq5ft8/E
>>721
中にクッションを大量に入れておかないと
歩くだけでむち打ち症ゴーレムが転べば中で「転落死」

大作君方式が一番かも?
手足で衝撃を緩和出来るし酔いにくく脱出も比較的容易


726 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 15:07:42 ID:47dVXma5
GJ。
クロコ悪だな。
悪だからこそ出る緊迫感がいい。

>>721
マスク・ザ・(ry

727 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 15:07:44 ID:tLefTZCP
>>725
一番て、アレは手足に負担がかかりすぎるだろ。

728 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 15:13:55 ID:Yq5ft8/E
>>722>>723
つ水攻め

>>727
それでも一番マシかと…
レビテーションとゴム等で出来た取っ手と鍛えた肉体が有れば

729 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 15:14:43 ID:EMO49PIe
つまり、鉄人28号型が理想ということか



あれ?

730 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 15:15:58 ID:tLefTZCP
>>728
ゴーレムに使い魔埋め込んで視覚共有で操縦すればよくね?

731 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 15:18:30 ID:NYrbdoSZ
周りの反応を見る限り、ジャイアントモールって特に珍しい訳でも無いみたいだが。
少なくともサラマンダーよりは有り触れていると思う。

>>677
だよなぁ。
火属性で攻撃以外に使える魔法を持ってる奴が召喚されればコルベール大喜びだ。

>>694
あー。サガフロ2だっけ?
自動蘇生だよな、確か。獣だと思ってた。生命力強化が獣だし。
サガフロの方だと命術だが。

>>719
スマン、作品が分からん。

732 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 15:18:30 ID:QQDiSNFu
使い魔使い捨てかい

733 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 15:18:58 ID:Y1Tiwvic
マスク・ザ・レッドみたいな埋め込み固定式が一番マシそう

734 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 15:25:28 ID:y16ar6D0
>>731
ダイの大冒険のザボエラが使った超魔ゾンビの事でわ?

735 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 15:28:10 ID:U1G2isgn
>>725
周りの部分を粘土っぽくしてクッションになるようにすれば結構いけるんじゃないかな
呼吸は…Ωアビゲイル風にするとか?
>>731
リヴァイヴァが分かって何故にセルフバーニングが(´・ω・`)

736 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 15:29:39 ID:EMO49PIe
674
生命の炎(徐々に体力回復)
セルフバーニング(魔法盾)
ファイヤーウォール(炎の壁)
とかは?


737 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 15:30:09 ID:PXzw0tUI
>>735
30mゴーレムに首だけ出してるフーケを想像して吹いたw

738 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 15:39:10 ID:NYrbdoSZ
>>735->>736
あー……同一作品か。
いやホントスマン。どうやら使っていた術位しか覚えていないらしいorz
サガフロ2は火属性でも結構回復やら防御があるんだな。

火属性……味方だとケルヴィンとか二代目ナイツとかグスタフ?
何気にヴァージニアも素質多いからなー。

739 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 15:39:17 ID:NQOHpFtr
>>735
超魔ゾンビがわかんなかったんじゃね?

740 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 15:45:34 ID:Oerz3Sgv
もうフーケ・ギガンティックとかでいいじゃん。

741 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 15:56:04 ID:7VD3L1Ke
ジャイアントモールと土メイジの組み合わせって、工兵として死ぬほど優秀だよなぁ。
ギーシュもプライドさえ捨てれば戦場の悪魔となれたものをw

742 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 15:56:48 ID:PXzw0tUI
>>741
ヴェルダンデに危険な事をさせるなんてとんでもない。

743 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 16:07:41 ID:WiKwKaO6
サガは同シリーズでも術系統変わるからなー。特にサガフロ2
ここは1つエッグ召喚。術至上主義の怪物がハルケギニアに・・・駄目だ、碌な事にならない

744 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 16:08:39 ID:DNtpUXmO
>>731
セルフバーニングはロマサガ3だ

745 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 16:10:10 ID:tLefTZCP
>>744
セルフバーニングはロマサガ1・2にもある。

746 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 16:17:01 ID:02iemMuy
ギーシュに決闘を挑まれたらハマー並のフライング土下座をして決闘を回避するぐらいプライドのない奴っているかな
ともかく何があっても逃げるだけみたいな

747 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 16:19:13 ID:+/r8VVsJ
そういうやつはそもそも決闘挑まれることすらないな
知らずにもんもんとかに粉かければ話しは別だが

748 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 16:20:19 ID:QQDiSNFu
アニメサイトみたいに喧嘩売ることもなければ、瓶を拾って違うよ、と言われたらはいそうですかですませそうだな

749 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 16:24:13 ID:NpzGRSUK
始終キョドってて、ビンを落とすのを見て拾うか拾わないか、拾って話しかけて不快に思われな無いか、そもそも平民がいきなり話しかけて良いのかとか色々考えてるうちに、食堂から人が居なくなってましたとか。
で、始終この調子とか?

750 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 16:32:53 ID:hMRXxcOo
そもそもギーシュには決闘までする気は無かった。
わざわざ挑発して、メイジを怒らせる意味を理解しながら決闘まで引き起こしたのはサイトにも大きな責任がある。


何もしなければ決闘は起こらない。

751 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 16:33:22 ID:NYrbdoSZ
サガ系はサガ2とサガフロとサガフロ2しか分からん、と意味も無く暴露する。

拾った香水をモンモランシーの香水だ、って言った奴に
ギーシュの矛先をずらす様なキャラっていないのかね?

752 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 16:37:12 ID:tLefTZCP
>>750
考えてもみりゃ、原作の展開で決闘になった作品てほとんどないような気がする。

753 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 16:47:25 ID:lMNTnaAj
>>750
もし本編で決闘イベントが無かったら、キュルケは才人を誘惑しないからフーケが宝物庫を襲う現場には
出くわさない可能性が高い
そうなるとコルベール先生がフーケ捕縛に重い腰を上げざるを得なくなる
ルイズと才人がフーケを捕まえてないなら、いくら世間知らずの姫様でもアルビオンに逝けというような
無茶な命令を出さないかもしれない
ワルド単体で行かせる可能性も高いが、ひょっとしたらコルベール先生に手紙回収の命令を出して
先生が大活躍するかもしれない
タルブの村では才人がゼロ戦を操縦して、後部座席で先生が炎の魔法を駆使してレキシントン号撃墜だ!

よしなにも問題ないw

754 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 16:47:26 ID:DKqIchE1
ハマーのような奴よりむしろハマー召喚の方がよくね?
一応分身とかできる高スペック

755 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 16:50:11 ID:OSx34umg
>>746
股くぐりの韓信か逃げの桂小五郎

756 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 16:50:20 ID:ePZF/uzn
それこそハマーを召喚してくれ。小ネタでいいから、ホント、お願いします。

757 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 16:51:36 ID:TgU2xQb0
原作流れはサイト側から喧嘩売ってるからなあ。
これだとサイトではない、もっと圧倒的に強いキャラがやると只の因縁つけ、チンピラヤクザになってしまうので使えない。
だからシエスタに拾わせて今度はギューシュに因縁つけさせることで小悪党化、晴れてそれを叩く召喚キャラが正義の味方になるって寸法だわな。

やあ、この構図なんかやたらむかむかくるのですがw

758 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 16:56:08 ID:PXzw0tUI
>>753
こっぱげ自重w

しかし、フーケの時に生徒が取り返しにいかないとなると
王宮に報告して、騎士団が動くのかね?(ワルドとか)
それとも、ギトー、シュヴルーズ、コッパケのびみょーに
洒落にならなそーなペアでいくんだろーか?

759 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 16:57:31 ID:7VD3L1Ke
>>753
原作じゃキュルケがチイトにコナかけないと、宝物庫に「爆発」が炸裂しない。
よってゴーレムパンチじゃ壁が砕けないのがわかってるからフーケ自重w
ルイズはゼロと呼ばれたまま平和に暮らしましたとさ。糸冬

760 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 16:58:05 ID:NQOHpFtr
>>758
ギトーが遍在で偵察し、シュヴルーズが口に土貼り付けて詠唱妨害、コッパゲがとどめか。
このトリオ強くね?

761 :サイヤの使い魔:2007/09/28(金) 16:59:27 ID:pI7XG2GV
投下の許可を

762 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 16:59:37 ID:QQDiSNFu
うまく連携が取れればな

763 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 17:00:42 ID:tLefTZCP
コッパゲ以外は実戦の覚悟が…

764 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 17:01:06 ID:EXwQ+6Z1
>>761
きゃもーん

765 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 17:01:30 ID:+i6P+J36
>>761
許可するっ!

766 :サイヤの使い魔:2007/09/28(金) 17:03:05 ID:pI7XG2GV
悟空とギーシュの決闘が始まる数分前、空きっ腹を抱えて食堂へやってきたコルベールは、食堂に残っている生徒がごく僅かで、その中にミス・ヴァリエールの使い魔は含まれない事に気付いた。
そして、遅めの昼食(材料が足りないのか、何故か賄いで出るようなスープとパンが少しだった)を採っている最中耳にした生徒の会話から、件の使い魔がヴェストリの広場でミスタ・グラモンを決闘を交えようとしていることを知った。
昼食を喉に詰まらせて激しく咳き込んだコルベールは、皿に残ったスープの残滓を急いで飲み干し、再び学院長の元へと舞い戻った。
入り口の前で、ミス・ロングビルにばったり出くわす。

「ごきげんよう、ミスタ・コルベール。凄い汗ですが、急いでどちらへ?」
「実は、生徒たちが決闘を行おうとしているので、その件で報告をと」

ミス・ロングビルの顔色が変わる。

「ミスタ・グラモンとミス・ヴァリエールの使い魔ですね?」
「ご存知でしたか?」
「私もその件で報告をしようとしていたところです。宜しければ一緒にどうですか」
「是非に!」

ミス・ロングビルが扉をノックし、一言二言会話を交わして学院長室に入る。コルベールも後に続いた。

「なんじゃ? 二人揃って」
「ヴェストリの広場で、決闘をしようとしている生徒がいるようです。大騒ぎになっており、止めに入ろうとしている教師がいますが、生徒たちに邪魔されて、止められないようです」
「まったく、暇をもてあました貴族ほど、たちの悪い生き物はおらんわい。で、誰が暴れおるんだね?」
「1人は、ギーシュ・ド・グラモン」
「あの、グラモンとこのバカ息子か。オヤジに輪をかけて女好きじゃからの、おおかた女の子の取り合いじゃろう。まったく、あの親子は。相手は誰じゃ?」
「ミス・ヴァリエールの使い魔です」コルベールが口を挟む。
「…それは本当か、ミスタ・スポック」
「コルベールです。って、いきなりそんな突拍子も無い名前が出るのは非論理的です」
「そういうお前さんだってちゃっかり返してきとるじゃないか」
「教師たちは、決闘を止めるために『眠りの鐘』の使用許可を求めております」
「アホか。たかが子供のケンカを止めるのに、秘宝を使ってどうするんじゃ。放っておきなさい」
「判りました」

ミス・ロングビルの退室を見届けると、オスマンはコルベールに目配せした。

「さてと、ミスタ・コルベット」
「コルベールです。さっきよりマシですが、微妙に間違ってます」
「件の人物が本当にガンダールヴの幽霊かどうか、確認する機会が訪れたようじゃな」

オスマンが杖を振るうと、壁にかかった大きな鏡に広場の様子が映し出された。



ヴェストリの広場は、重苦しい沈黙に包まれていた。
ギーシュのワルキューレから繰り出される攻撃は、当たり所によっては一発で人間の骨くらい簡単にへし折るほどの威力がある。
それを何発も、しかも数分に渡ってその身に受け続けた男は、骨折どころか擦過傷すら負った様子が無い。
ミス・ヴァリエールの使い魔は化け物か。
物言わぬ彫像と化したギャラリーは、あれが「天使」という言葉だけでは説明できない「何か」である事を薄々感じ始めていた。
そしてギーシュは、この化け物に対し最も適切な自分の行動を、女性に浮気がバレた時の言い訳を考える時よりも遥かに速い速度で考えては没にしていた。
ワルキューレを再構築して戦う――精神力が保たない。それに、さっきの攻撃の結果から、徒労に終わるのは目に見えている。
自分が戦う――ワルキューレより遥かに劣る自分の攻撃が、この男に通用するはずが無い。
逃げる――有り得ない。貴族が決闘の最中敵に背を向けるのは、敵に倒されるよりも屈辱的な事だ。
降参する――尚更有り得ない。他に選択肢が無いとしても、グラモンの家名を汚したこの男にだけは。そう自分のプライドが言っている。
その他――考えろ、考えるんだギーシュ・ド・グラモン。この状況を打つ手を、1秒でも早く、考えろ……!
聞こえてきた足音に、ギーシュは我に返った。
ミス・ヴァリエールの使い魔が、こちらに向かって歩いてくる。


767 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 17:04:09 ID:EMO49PIe
DB支援

768 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 17:04:20 ID:EXwQ+6Z1
オッスオラ極右支援

769 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 17:04:42 ID:hop6Ojqw
これが超支援

770 :サイヤの使い魔:2007/09/28(金) 17:05:29 ID:pI7XG2GV
ギーシュは立ち上がろうとした。だが、腰が完全に抜けてしまって足に力が入らない。
やがて、悟空がギーシュの眼前に立ちふさがった。
こちらに手を伸ばしてくる。
止めを刺されることを悟ったギーシュは、生まれて初めて心の底から震え上がった。真の恐怖と決定的な挫折に……。
恐ろしさと絶望に涙すら流した。 これも初めてのことだった……。
ギーシュは既に戦意を失っていた…しかし、それは悟空にとっても同じだった。
既にギーシュからは闘志が失われているのを悟空は感じていた。
戦いとは、双方の実力が拮抗してこそ面白いものだ。
今のように、自分より遥かに力量の劣る相手と戦ったところで、悟空には面白くも何とも無い。
彼は常に、互いに全力を出し切って戦うことを望む男であった。

「立てっか? 手貸してやるから、つかまれ」
「は、はえ?」

涙と鼻水にまみれた顔のギーシュが、情けない声をあげる。

「今のおめえじゃオラには勝てねえ。多分さっきのがおめえの目一杯だったんだろ?」

見透かされていた。
その上、敵に情けをかけられた。
ギーシュは夢遊病者のように、無意識に悟空の手を取った。
悟空に手を引かれ、震える足腰に活を入れて立ち上がりながら、自分のプライドがズタズタにされているのを感じた。
ついさっきまで殺されることをあれほど怖がっていたのに、今はむしろ死んでしまいたい。

「悪かったな、おめえの家名に泥塗っちまって」
「え…?」
「ルイズに聞いたんだけどよ、名前間違えるってのはこっちじゃ誇りを傷つけることなんだってな。本当に悪ぃ事したな」
「あ…ああ」

誇りを傷つけられるのが我慢できないのはどうやらルイズだけではなく、この学院の生徒、いや、貴族というものは総じてそうらしい。
悟空は、貴族とは要するにベジータみたいなヤツなのだと結論付けた。
そして、自分にサイヤ人であることの誇りを教えてくれた男に、密かに感謝した。

「だからよ、今度からギーシュって呼んでいいか?」
「何?」
「オラあんまり長い名前だと覚えてても言い間違えちまいそうだからさ、単純に最初の名前でなら呼べると思うんだ」
「あ、ああ、それは構わない」
「じゃ、宜しくな」

使い魔が手を握手の形にして差し出す。
ギーシュは考えた。
この男は何なんだ?
あれ程攻撃を加えた自分に対し、反撃してくるどころか手をとって立ち上がらせ、挙句自分の非を詫びてきた?
食堂での一件を差し引いても、自分の非を詫びるのは普通、敗者の行いだ。
それをこの男は…。
少しの間迷った後、ギーシュはそれに応えた。

「まったく…君は色々と凄い奴だな、参ったよ。よければ名前を教えてくれ」
「オラ悟空。孫悟空だ」
「珍しい名前だな。ゴクウと呼んでいいかい?」
「ああ」
「改めて自己紹介させてもらう。ギーシュ・ド・グラモンだ。呼び方はさっき君が言ったとおり、ギーシュでいい」
「わかった」
「それと、僕からも宜しく」


771 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 17:06:40 ID:hop6Ojqw
そしてこれが超支援をこえた超支援。超支援2ってところかな

772 :サイヤの使い魔:2007/09/28(金) 17:06:53 ID:pI7XG2GV
握った腕を軽く上下に振る。
ギーシュは悟空の手を離し、ハンカチで涙と鼻水を拭き取り、晴れ晴れとした顔でギャラリーに向き直った。

「この決闘、ギーシュ・ド・グラモンの敗北をもって終了とする!」

ギャラリーのそこかしこからぽつぽつと不満の声が聞こえてくるが、ギーシュにはこの上ない完敗であった。
だが、不思議と悔しさは無かった。

「なあ、ギーシュ」
「何だい?」
「おめえが修行してもっと強くなったらさ、もう一度戦おうぜ。今度は決闘じゃなくて試合がしてえんだ」

ギーシュは苦笑した。そして清々しい気持ちで一杯になった。

「はは、僕が君と対等に戦えるようになるまではずいぶん時間がかかりそうな気がするね。…でも悪くない提案だ。僕が今以上に強くなったら、その時はまた手合わせ願うよ」
「ああ! …あ、そうだ」

悟空は腰に巻いた帯の隙間から小瓶を取り出した。
食堂でギーシュが落としたものだ。

「よかったー、割れてねえや。これ、おめえのだろ?」
「…これは……。ありがとう。さっきは無視して済まなかった」
「何だ、やっぱり無視してたんか」

悟空からギーシュに手渡された小瓶を見た生徒――ギーシュの取り巻きの一人だ――から声が上がる。

「おい、あれはモンモランシーの香水じゃないか?」

その一言は、池に投げ入れられた小石が立てる波紋のように周囲に影響した。

「そうだ、あの鮮やかな紫色は、モンモランシーが自分のためだけに調合している香水だぞ!」
「ギーシュ、お前モンモランシーと付き合ってたのか!」

沸き起こるギーシュに対する追求の中から、栗色の髪をした少女が歩いてきた。
目には涙を浮かべ、わき目も振らずギーシュの元へと歩いてくる。

「ギーシュさま…やはり、ミス・モンモランシーと……」
「彼らは誤解しているんだ。ケティ。いいかい、僕の心の中に住んでいるのは、君だけ…」

ケティと呼ばれた少女がギーシュの頬に張り手を食らわす。

「その香水を貴方が持っていたのが、何よりの証拠ですわ! さようなら!」

少女は涙も拭かずにその場を去った。
ギーシュが赤くなった頬を擦っていると、更にもう一人、金色の髪を巻き毛にした少女が歩いてくる。悟空はそれが件のモンモランシーだと理解した。
ギーシュが必死に弁解する。

「モンモランシー。誤解だ。彼女とはただ一緒に、ラ・ロシェールの森へ遠乗りをしただけで……」


773 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 17:08:22 ID:hop6Ojqw
そしてこれが……それをさらにこえた……ふう、またせたな。これが超支援3だ
まだこの支援にはなれていないんだ

774 :サイヤの使い魔:2007/09/28(金) 17:08:30 ID:pI7XG2GV
首を振りながら言いつつ、冷静な態度を装っているが、冷や汗が額を伝っているのが目に取れた。
氷のような目つきでモンモランシーがギーシュを見つめる。

「やっぱりあの一年生に、手を出していたのね?」
「お願いだよ。『香水』のモンモランシー。咲き誇る薔薇のような顔を、そのような怒りで歪ませないでくれよ。僕まで悲しくなるじゃないか!」
「ふん!」

電光石火の速さで振り上げられたモンモランシーの右足が、寸分違わぬ正確さでギーシュの股間に深くめり込んだ。

『オウ!!!』

悟空を除く、その場にいる男子生徒がギーシュを含め一斉に苦悶の表情を浮かべて股間を押さえる。
ギニュー特戦隊も驚きのチームワークがそこにあった。

「うそつき!」

怒鳴るように吐き捨て、その場を立ち去るモンモランシー。
白目をむき、冷や汗を脂汗へと変えながら前のめりにうずくまるギーシュ。
辺りにはギーシュの鳥を絞め殺したような呻き声と、呆れ顔の悟空がギーシュの腰を叩くトントンという音だけが聞こえる。
やがて、顔面蒼白になりながらフラフラと立ち上がったギーシュが、首を振りながら芝居がかった仕草で肩をすくめる。

「あ、あのレディたちは、薔薇の存在の意味を理解してないようだ…」
「ははっ、おめえ、ヤムチャみてえなヤツだな」
「うぐ、何だかよくわからないがひどく馬鹿にされてる気がする……」
「まあ、後で謝りに行ったほうがいいんじゃねえか?」



オスマンとコルベールは顔を見合わせた。
「あれのどこが決闘なんじゃ」
「座っているミスタ・グラモンをあの使い魔が立たせて、二人が握手したと思ったら…今度は痴話喧嘩ですか?」
「まったく人騒がせなヤツらじゃ」

ミス・ロングビルとの会話のせいで、二人は肝心の戦闘を見過ごしていた。

「しかし、やはりあの使い魔のことは王室に報告すべきではないかと…」
「いや、仮にあれがガンダールヴの幽霊だったとしてもまだ時期尚早じゃ」
「何故です?」
「頭の眩し…ゲフンゲフン、頭の固い王室のクソッタレどもが幽霊の存在なんか信じると思うか?」
「言われてみれば……」
「お前さん、その反応じゃとまだあの使い魔にその辺訊いておらぬな?」
「ごもっともな事で。申し訳ありません」

オスマンは杖を握ると窓際へと向かった。遠い歴史の彼方へ、思いを馳せる。

「ふう〜。…伝説の使い魔『ガンダールヴ』か……。一体どのような姿をしておったのだろうかのぅ」
「『ガンダールヴ』あらゆる『武器』を使いこなし、敵と対峙したとありますから」
「…そういえば、あの男武器を持っとらんかったな」
「あ」



昼休みがそろそろ終わる。
決闘が終わったヴェストリの広場には、まばらに生徒が残っていた。
大多数の生徒は次の授業のため、教室へと移動している。


775 :サイヤの使い魔:2007/09/28(金) 17:09:37 ID:pI7XG2GV
「本当に勝っちゃったわね…。…ていうかあれ、勝ったの?」
「負けてはいない。それに、実力では彼の方が上」
「そうね。本当、タバサの言うことは正しいわね」

賭けの配当金で懐が暖かくなったキュルケは、うっとりした顔で悟空を見やった。

「それにしても、改めて見るといい男よねえ…。あたし強い男って大好き」

タバサは一瞬読んでいる本から目を離してチラリとキュルケを見たが、何も言わず再び視線を本に落とした。

「正直言って、あんたがあんなに強いとは思わなかったわ」
「見直したろ?」
「…まあね。使い魔としては結構いいセン行ってるかしら。ところで教えて欲しいんだけど」
「何だ?」
「あんたがそんなに頑丈なのって、死んでるから? それとも、元々?」
「元々からだ」
「…マヂですか」

ルイズが悟空のことを彼女なりに褒めていると、顔を輝かせたシエスタが走ってきた。

「ゴ、ゴクウさん凄いです! 貴族相手に決闘して、勝っちゃうなんて! 私あんなに強い人見たの初めてです!!」
「死ななかったろ?」
「はい! 」

悟空の冗談はシエスタに気付かれなかった。どうやら、未だに悟空の事を「もの凄く強い天使」だと思っているらしい。

「シエスタ、っていったっけ」
「はい、ミス・ヴァリエール」
「わたしたち、授業があるから」
「あ、そうですね。私も料理長にこの事を報告しに行きたいので、これで失礼します」

ぺこりと頭を下げて、立ち去ろうとするシエスタに悟空が声をかける。

「シエスタ!」
「何でしょう?」
「今朝の洗濯物、いつ取りに行きゃいいんだ?」
「あ、私がミス・ヴァリエールの部屋に届けますから大丈夫ですよー」
「わかった。サンキュー」





776 :サイヤの使い魔:2007/09/28(金) 17:10:41 ID:pI7XG2GV
午後の授業の後、ルイズはコルベールに呼び出された。

「君の使い魔の件だが…。彼に何でもいい、武器を与えてやってくれないか?」
「構いませんが…どうしてですか?」
「ちょっと思うところがあってね。とりあえず資金の幾分かは私が出すよ」

そう言って、ルイズにエキュー金貨20枚を手渡す。

「何分安月給なもので、これだけしか渡せないのが申し訳ないが」
「お気持ちだけで十分です。これは取っといて下さい。それに、わたしもあいつに武器を持たせたらどうなるか、ちょっと興味が出てきました」
「ありがとう。武器を与えたら教えてくれ」
「わかりました。明後日の虚無の日に街へ行ってみます」
「宜しく頼むよ」



「よう、待ってたぜ、『我らの拳』!」

夕食時、厨房に入ってきた悟空を、マルトーが抱きつきながら出迎えた。

「うわっ、何すんだ、気持ち悪ぃ! 我らの拳って何のことだ!?」
「あんたは俺たちと同じ平民なのにあの偉ぶった貴族の小僧に拳骨ひとつで勝ったんだ。我ら平民の誇り、我らの拳だ。」

どうやら、マルトーは悟空を平民だと思っているらしい。
ふとシエスタの方を見ると、「忘れてた」といわんばかりの表情を浮かべて悟空とマルトーを交互に見つめている。
スキンシップを終えて満足したマルトーが厨房の奥へ引っ込むと、シエスタが謝ってきた。

「ご、ごめんなさいゴクウさん、私料理長にゴクウさんが天使だって事言うのすっかり忘れてました」
「オラも言うの忘れてたんだけどよ、本当はオラ、天使じゃねえんだ」
「へ?」
「話せば長くなるんだけど、とりあえずはその『平民』って事にしてくれてもいいぞ」
「は、はい!」

自分たちと同じ平民だと聞かされ、シエスタの笑顔がいっそう明るくなった。
やがて、悟空に食べさせるためのスペシャルメニューが運ばれてくる。
食器の数は減ったが、量は昼に勝るとも劣らない。

「見た目は少ないかも知れねえが、量は昼とあまり変わらねえはずだ。思う存分食ってくれ!」
「サンキュー! じゃ、いただきまーす!!」

惚れ惚れする勢いで料理を胃袋に収める悟空。
そしてそれを惚れ惚れと見つめながら悟空におかわりを注ぐシエスタ。
そんな二人を惚れ惚れと見つめるマルトー。
満腹の者が見てもまだ空腹を覚えそうな、見事な食べっぷりであった。


777 :サイヤの使い魔:2007/09/28(金) 17:12:56 ID:pI7XG2GV
「なあ、お前どこで修行した? 一体どんな事をしたらあんなに強くなれるのか、俺にも教えてくれよ」
「別に特別な事はねえぞ。毎日ひたすら修行するだけだ」

悟空の言葉は嘘ではない。
今日見せた強さは、あくまで氷山の一角であり、日頃の鍛錬で十分に出せる実力の範疇であった。

「お前たち! 聞いたか!」

マルトーは厨房に響くような大声で怒鳴った。若いコックや見習いたちが、返事を寄越す。

「聞いていますよ! 親方!」

「本当の達人と言うものはこういうものだ! 大事なのは日々の積み重ねだ。見習えよ! 達人は怠けない!!」

コックたちが嬉しげに唱和する。

『達人は怠けない!』
「やい、『我らの拳』。そんなお前がますます好きになったぞ。どうしてくれる」
「あひふふおああんへんひへうえお」
「何だって?」

ずぞぞぞぞ、と口に含んだヌードル状のものを啜り込み、そのまま飲み込む。
コックから、「おい、今の量一食分はあったぞ…」とか、「ちゃんと噛めよ…」などと呟きが漏れた。

「抱きつくのは勘弁してくれよ」
「そうか、そりゃ残念だ。じゃあお前の額に接吻させてくれ」
「もっと嫌だ! オラそういう趣味はねえぞ!」
「がはは、冗談だ。おい、シエスタ! 我らの勇者に、アルビオンの古いのを注いでやれ」
「はい!」

先に食事を終えたルイズは、そっと厨房の中を覗き見、自分の使い魔が厨房の皆と打ち解けているのを見て少し嬉しくなった。
強い、素直、人望がある。宇宙人の使い魔も結構悪くない




翌朝、昨日の宣言通りに自分で洗濯をこなしてきた悟空をルイズはとても褒める気になれなかった。
靴下やブラウスなど、それなりに強度があるものは一応綺麗に洗ってある。
だが、肝心の――ルイズのお気に入りである――シルクの下着がひどい有様だった。
恐らく他の衣類と同様にジャブジャブと水洗いしてしまったのだろう、よれたりところどころ破れたりしていて、もう二度と履けない。

「……あんた、これ見なさい」
「わ…わりい。慎重に洗ったつもりなんだけど、どうしても布地が戻んなかったんだ」
「あんた、シルクの下着洗ったことある?」
「ねえな」
「…はあ、やっぱりね……。いい? シルクは水洗い厳禁なの。ぬるま湯で2、3回押し洗いするの。揉み洗いだとすぐに繊維が駄目になってしまうわ」
「へえ」
「そして、洗った後は軽く絞って陰干し。軽くよ。いいわね」
「難しいな…。自分から言っといてなんだけどよ、やっぱシエスタに頼んだ方がいいんじゃねえか?」
「なんで? 他のはちゃんとできてるじゃない」
「いや、力加減が難しくてよ、実を言うとあっちだっておっかなびっくりだったんだ」

そう言って、手際よく洗えている靴下を指差す。
悟飯が小さい頃は悟空も洗濯を手伝っていたが、人造人間と戦うための修行の頃から、だんだん洗濯中に服を破いてしまう事が多くなって、チチに洗濯はもういいと止められていたのだった。

「…まあ、あんたがシルクの洗濯をマスターするまでに何枚もわたしの下着が駄目になる可能性を考えたら、確かにそっちの方がいいかもね」

ルイズは妥協すると、悟空を連れて朝食へと向かった。


778 :サイヤの使い魔:2007/09/28(金) 17:14:20 ID:pI7XG2GV
以上です。支援ありがとうございました。
…自分が書くとルイズが全然ツンにならないな……

779 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 17:17:09 ID:NQOHpFtr
いやあ素直なルイズもこれはこれで…ジュルリ

780 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 17:19:55 ID:V7PVe29e
よだれ垂らすなw

781 :456:2007/09/28(金) 17:20:48 ID:lNehVNlt
素直なルイズもいいじゃないっ!
GJ!香水拾うタイミングが新しいな。

782 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 17:22:22 ID:lNehVNlt
うほ、番号ついてたorz
ゴクウが剣を持つ事になると思うと不思議だ。

783 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 17:22:58 ID:sEdFxEB0
剣が壊れるwww

784 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 17:23:36 ID:1PeQ3ZyM
むしろデルフは如意棒で。

785 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 17:24:25 ID:Svsrv4tj
悟空に武器……拒否されそうだなー。
棒くらいか。伸び縮みしないと物足りなさそうだ。

しかしそうか、ワルキューレは足元がお留守か……

786 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 17:32:59 ID:+i6P+J36
ドラゴンボールキャラは武器を持つ事自体は、特に忌避している様子は無いからなぁ。
悟空の如意棒、ヤムチャはヌンチャク、悟飯のZソード、青年トランクスの剣etc……
ただ、武器を使うよりも普通に殴った方が強いんだよねぇ。手加減用に購入とか。

787 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 17:33:19 ID:UR/VZu1D
悟空の膂力に負けない硬度の剣なんてあるのだろうか?
デルフでも一発でポッキリ逝きそうだよな

788 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 17:34:07 ID:UdTb+2mp
折れるっていうか、砕けそうだもんなw

789 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 17:34:34 ID:47dVXma5
GJ。
剣かぁ…。
トランクスと一応悟飯が使ってたな。
後、ベジットも剣じゃないけど剣っぽい技があったし多分使えるかな?

790 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 17:35:10 ID:QUb/2UGb
貴族=ベジータ=ツンデレ
ということか!

791 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 17:35:30 ID:JHUZLCK7
手加減用ではなく、ハッタリ用ではどうか?
「抜かれず」のデルフ。

792 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 17:37:00 ID:kfvKn1GJ
DBで武器って言えば

   ゼ ッ ト ソ ー ド だ ろ

793 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 17:37:48 ID:lNehVNlt
ジャネンバの剣は強かったな。

794 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 17:39:38 ID:MtNpraT/
まあ、常識的に考えて手から強力な光線撃てる奴が生半可な武器なんて必要なわけがないからなぁ。
如意棒ですら少年時代の後半に既に出番が少なくなってたし。
デルフにそこまでの性能と強度があるのかw

795 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 17:45:55 ID:cBs+tCwX
ふと思った。亀仙人が召喚されたらどうなるだろう。
・年齢数百歳?
・その道の達人
・そしてスケベジジイ

あれ、どっかでみたことなるなこんなキャラ

796 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 17:46:25 ID:jRJo//Vy
というかデルフが拒否するだろ。
「お前使い手って無理無理、折れるから無理!」
とか言って

797 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 17:47:44 ID:NpzGRSUK
>795
フーケセクハラに耐えられず、破壊の杖諦めて逃走。

798 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 17:49:43 ID:+i6P+J36
>>795
らんま1/2の八宝斎?

799 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 17:53:28 ID:hMRXxcOo
>>795
コータローまかりとおるの鹿斗典善。

年齢はそこまで化け物じゃないけど

800 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 17:54:24 ID:OWSP9MeP
亀仙人はもしかしたらDBキャラの中じゃ一番バランス取りやすいかもな。
人格はアレだからTUEEEだけの作品はむしろ作りにくいしw

801 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 17:56:07 ID:MRaHGwiL
ヴァッシュとかは?

802 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 17:58:07 ID:WcJND9Ai
>>792
御飯がへし折ったアレか。
てゆうかアレまず間違いなくデルフより硬度あるよな。
デルフ消滅フラグか

803 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 18:05:15 ID:1eYqjfTj
このSUTEKIJIJIIどもめ!

804 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 18:11:16 ID:47dVXma5
>>802
確かカッチン鋼とかいう金属も斬れるって話で試してみたら折れたんだったな。
つまり、デルフの強度もそんぐらいないと折れるな。

805 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 18:18:09 ID:lz2cMHrQ
霊光波動拳の幻海のバーサン呼ぼうぜ。

806 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 18:23:28 ID:Yityvt30
ダーブラの剣ならだいぶ使えそうじゃね?
悟飯が白刃取りしてかなり力入れて折ったアレ。

807 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 18:25:49 ID:kfvKn1GJ
>>804
そもそもカッチン鋼以外で試してないからどれくらい硬いかわかんないんじゃね?

808 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 18:34:11 ID:SXpZw4Py
>795
フーケが破壊の兜で攻撃
かぺぺぺぺ

809 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 18:37:22 ID:OSx34umg
>>805
ルイズと二人で老若ピンクコンビか

810 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 18:46:20 ID:UR/VZu1D
>>800
しかし亀仙人ですら衛星(月)規模破壊能力者だぞ
「やはり月が2個というのは風情がないのう」とか言いながら月一個破壊しちゃえるんだぞ……


811 :虚無と金色のアレ:2007/09/28(金) 18:47:01 ID:coJqU6qd
そして今日もそっと投下しまする。
前回の投下にえらいミスがあった気がするが気にしない方向で…

812 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 18:48:11 ID:CjR3Yajl
>>809
直球的ツンデレなルイズと、達観的ツンデレな幻海ばーさんのダブルツンデレでもあるぜ

813 :虚無と金色のアレ 幕間:2007/09/28(金) 18:49:57 ID:coJqU6qd

ここはトリスティン魔法学院校長、オールド・オスマンの執務室。


本日の召喚の儀について話がある、として呼び出されたコルベールは、薄い頭からだらだらと冷汗を流し、
やはり何か不都合があったのではないか……と、残り少ない毛根が死んでいくような思いで氏の言葉を待っていた。
今日のオールド・オスマンはいつになくマジだ。いつものスケベ爺然とした雰囲気がまるで感じられない。

秘書のミス・ロングビルを部屋の外に下がらせると、オスマンは重々しくその口を開いた。
「ミスタ・コルベール。先ほど君から提出された資料についてなのじゃが……」

「君はガンダールヴを知っておるかの?」
「はぁっ、始祖ブリミルに従う4人の虚無の使い魔にしてぇ……」
唐突な質問に思わず声が裏返ってしまう。

「では、それが如何なる姿を取っておるかは知っておるか」
そう言うと、オールド・オスマンは机の上に置かれていた、半ば朽ちかけた書物のページをめくる。
そこには漆黒のマントを身に纏い、短い杖と身の丈ほどもある剣を携えた、おぞましい姿をした怪人の姿が描かれていた。

「これは……!」
思わず言葉を失うコルベール。

「伝説に曰く、始祖ブリミルが使い魔ガンダールヴ。その姿は恐ろしく、髑髏の如き貌と黄金に光り輝く不死の肉体を持つ魔人であると言われておる。
 高らかなる笑い声と共に現れ、風よりも速く空を駆け、手にした白銀の短杖と破魔の剣を以って主に仇なすあらゆる敵を打ち払うそうじゃ」

「そして左手に浮かぶこのルーンの図形、似ておるじゃろう?件のワッハマン君に」
確かにそれは、あの黄金の怪人、ワッハマンの左手に浮かぶルーンと寸分違わぬものであった。

「オールド・オスマン。つまりはこう言いたいのですか。伝説のガンダールヴその人が今再び、ミス・ヴァリエールの使い魔として
 このハルケギニアに現れた、と」
震える声で問うコルベール。オスマンは沈黙を以ってそれに答えた。

「この事は、ミス・ヴァリエールには……」
「伝えずともよい、彼女はまだ未熟じゃ。使い魔の力を己が力と錯覚し、増長するやもしれん。
 あるいは、己の使い魔の力に怯え、萎縮してしまうやもしれん」

「そしてここからが本題なのじゃが……」

814 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 18:51:44 ID:coJqU6qd
今回はここまで

815 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 18:55:12 ID:/EH/faYS
ちょっと待ってくれwwww
めちゃ気になるんだがwwwwwwwww

816 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 18:56:43 ID:NQe24Q53
ええぇぇぇええ!?wwww

817 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 18:57:50 ID:UR/VZu1D
ちょっ!初代ガンダーさん黄金バットwww

818 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 18:59:52 ID:1rEcug8T
>「そしてここからが本題なのじゃが……」

これで終わりですか!?
続きが気になる! けど乙!

819 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 19:00:14 ID:PXzw0tUI
投下乙です
マテ、初代っ! マジであの人ですかw
そして、ここで切るとは、作者Sですかっ!


820 :子守唄:2007/09/28(金) 19:14:43 ID:Z43RY5OS
ハクオロ!(ヘイ)
ルイズ!(ヘイ)
その他大勢(ヘヘイ)

ハクオロ!(ヘイ)
デル公!(ヘイ)
いりません(なんでよ)

という訳で投下するものですよー。

821 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 19:15:57 ID:3bf4oS/Y
支援

822 :白き使い魔への子守唄 1/5:2007/09/28(金) 19:16:16 ID:Z43RY5OS
ルイズがコモンマジックを成功させた翌日、虚無の曜日。
朝食後ルイズは唐突に言いました。
「武器を買いに行きましょう」

   第6話 武器を求めし者

理由その1、ワルキューレから槍を奪ってギッタンバッタンやっつけたのすごかった。
理由その2、キュルケの元カレがハクオロ狙ってくるかもしれない。
「――という訳で武器あった方が便利じゃない」
「確かに武器があれば心強いが、決闘の際の治療代が高くついたのではなかったのか?」
「無駄遣いはしないけど、必要な物はちゃんと買うわ」
こうしてハクオロはルイズと一緒に、街まで買い物に行く事になった。
馬に乗る必要があったが、ハクオロは難なく馬を乗りこなしルイズを感心させる。
自分はどこで乗馬経験を積んだのだろうと、ハクオロは己の過去に思いを馳せた。

と、その光景をルイズの部屋に不法侵入したキュルケが見ていた。
「部屋にいないと思ったら、ルイズとお出かけ?」
どうすべきか一瞬の思案で答えを導き出し即座に行動実行突撃。
行き先は親友タバサの部屋であった。
青髪青眼で、ルイズ同様発育のよろしくなく、無口で読書を愛する雪風の少女。
虚無の曜日を謳歌すべく彼女は自室で黙々と読書にふけっていた。
ドアを激しく叩きつけるノックらしき音がしたので、
音を遮断する風系統の魔法『サイレント』で静かにして読書を続ける。
すると鍵のかかっているはずのドアが開いてキュルケが入ってきた。
学院内の『アン・ロック』は校則違反である。
ルイズの部屋に不法侵入した際にも使った、恋は規則より優先される。
キュルケはタバサの隣まで来ると大声で何事かを叫び始めた、
仕方なく『サイレント』を解いて事情を聞く。

ルイズが使い魔と一緒に出かけた、使い魔のハクオロは私の運命の人、追って。

唯一の親友キュルケの頼みとあらば、タバサは聞かない訳にはいかなかった。
自身の使い魔、風竜シルフィードを口笛で呼んで、窓から外に飛び降りる。
キュルケも後に続いて、窓の外に来ていたシルフィードの背中に着地。
タバサはシルフィードに馬二匹を探して後を追うよう指示すると、
尖った背びれを背もたれにして読書を再開するのだった。

トリステインの首都トリスタニアに到着したハクオロは、
白い石造りの街を見て、やはり自分は異邦人だと自覚する。
ルイズと一緒に市を歩き、五メイルもない道の狭さに当惑しながらも、
活気ある街並みに懐かしさを感じていた。
國は違えど市の雰囲気はどこも似たようなものなのかもしれない。
しばらく歩いて武器屋を見つけると、さっそく二人は店に入る。

823 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 19:16:57 ID:3Po6H2k/
支援

824 :白き使い魔への子守唄 2/5:2007/09/28(金) 19:17:56 ID:Z43RY5OS
店内には壁や棚に所狭しと剣や槍が乱雑に並べられていた。
パイプを咥えていた店主がルイズに気づいて顔をしかめる。
「貴族の旦那。うちはお上に目をつけられるようなこたぁしてませんぜ」
「客よ。こいつに武器を持たせるの」
客と解ると店主の態度は一転、愛想たっぷりの笑顔で応対した。
「へい、こちらの……従者が武器をお求めで?」
ハクオロの服装と仮面を奇妙に思いながらも、店主はそれを顔に出さずに言う。
ルイズはというと、どうでもよさげに店の真ん中で突っ立っていた。
「私は武器の事はよく解らないから、適当に選んでちょうだい」
その言葉を受け、ハクオロはとりあえず手近にあった槍を取ってみる。
店主の方は高く売りつけてやろうと商品を取りに店の置くに行く。
まず最初に持ってきたのは一メイル程度の長さの細身剣だった。
「昨今は宮廷の貴族の方々の間で、下僕に剣を持たすのがはやっておりまして。
 その際にお選びになるのが、このようなレイピアでさあ」
「貴族の間ではやってるの?
「へえ、最近トリステインの城下町を『土くれのフーケ』ってメイジの盗賊が有名で、
 貴族のお宝ばかり盗みまくってるそうでさ。それを恐れて下僕にまで剣を」
「ふーん。ねえハクオロ、これでいい?」
ハクオロは手に取っていた商品を元の場所に戻すと、
カウンターまで来てきらびやかな模様がついた美しい剣を見定める。
「いや……これは装飾用の剣だろう。ルイズが見栄えを気にするならこれでもいいが、
 こんな得物では実戦でどれだけ持つかどうか解らん」
「そう? それじゃ別の、そうね、槍なんかどう?」
「槍? なぜ槍なんだ?」
「だってあんた、決闘の時に槍で戦ってたじゃない」
「それはあのゴーレムが槍を持っていたから奪っただけだ。
 槍でも別に構わないが、どうも槍が得意という訳でもないような気がしてな」
「ふーん。ならやっぱり剣がいいかしら?」
「そうだな、できるだけ丈夫な物がいい」
その話を聞いて次に店主が持ってきたのは両手持ちの見事な大剣だった。
所々に宝石が散りばめられ、鏡のような両刃の刀身が輝いている。
「店一番の業物でさぁ。貴族のお供をなさるなら、くれくらいでないと」
「おいくら?」
「こいつを鍛えたのはかの有名なゲルマニアの錬金魔術師シュペー卿で。
 魔法がかかっているから鉄だって一刀両断でさ」
「だからいくらなのよ?」
「エキュー金貨で二千。新金貨なら三千」
「立派な家と、森つきの庭が買える値段じゃない」
「名剣は城に匹敵しますぜ。屋敷ですんだら安いもんでさ」
「そうなのか?」
ルイズが文句を言おうとしたが、それより早くハクオロが口を開いた。
そして大剣を手にとって、刀身や宝石などをジロジロと見る。
「この剣が高いのは、お飾りの宝石をたくさんつけてるからじゃないのか」
「まさか! 先ほども申し上げました通り、シュペー卿の造った……」
「一般的な剣の相場は?」
「まともな大剣なら、どんなに安くても二百はします」
「つまりこれは十倍の値か。確かに業物なら解らんでもないが……」
刀身を拳でコンコンと叩いたり、軽く剣を振ってみて、ハクオロは唸る。
「そんなにいい剣には見えんな。シュペーという鍛冶師は有名なのか?」
「そりゃあもう! この業界でシュペー卿作となりゃ、値段が跳ね上がりますぜ」
「平民の鍛冶師が鍛えた剣などはいくらぐらいの値になる?」
ハクオロの何気ない質問に、店主は笑い転げた。
「平民の鍛冶師? 馬鹿言っちゃいけませんぜ。
 錬金も使えない平民が、どうやって剣を作るっていうんですか」

825 :白き使い魔への子守唄 3/5:2007/09/28(金) 19:19:40 ID:Z43RY5OS
先日マルトーと鍋の話を聞いた時から予感はしていたが、
やはりこの國では錬金で鉄製品等を製造しているらしい。
となると剣を鍛えるというのは、単に錬金の魔法を集中してかけるだけなのか。
確かに錬金は素晴らしい魔法だが、それで本当にいい物が作れるのか不安になる。
職人が汗水垂らして鉄を熱し、打ち、鍛え上げた物の方が彼には信頼できた。
(製鉄技術が無いから、錬金頼りという事か。
 魔法が便利すぎるせいで、他の技術が発展していないようだな。
 それに貴族社会のこの國では、果たして実力が正当に評価されるだろうか?
 単にシュペー卿とやらの家柄がいいだけとか、そういうオチもありえる)
考えれば考えるほど今手にしている美しい大剣が胡散臭く見えてきた。
「とにかく、こんな見栄えばかり気にしているような剣はいらん。
 ルイズ、ちょっと相談したい事が――」
とりあえずどの程度の値段までなら出せるのかを、
店主に聞こえないよう訊ねようとしたら、突然店内に大声が響いた。
「どうやら仮面の旦那は剣を見る目があるようだな!
 これじゃ高いだけで斬れねえ剣なんざ売れねえぜ!」
「だ、黙ってろデル公!」
店主が店の隅に向かって怒鳴ったので、ハクオロとルイズは視線の先を追う。
だが安そうな剣が適当に積まれているだけで、人影は無かった。
「……誰かいるのか?」
「何でえ、なかなかいい目をしてると思ったが実は節穴か!?」
声は、錆びの浮いたボロボロの剣から発せられたように聞こえた。
ハクオロは聞き違いかと思ったが、ルイズは声の主の正体に気づく。
「もしかしてインテリジェンスソード?」
ルイズの問いに店主が答える。
「そうでさ。意思を持つ魔剣、インテリジェンスソードでさ。
 いったいどこの魔術師が剣を喋らせるなんて思いついたのか。
 こいつは口は悪いは客に喧嘩を売るわで……。
 やいデル公! これ以上失礼があったら、貴族に頼んで溶かしてもらうぞ!」
「おう、やってみやがれ! どうせこの世にゃ飽き飽きしてたんだよ!」
剣としてはともかく、意思を持っている点に興味を持ったハクオロは、
デル公と呼ばれたボロ剣に近づいてみた。
錆びの浮いた刀身は細く、大剣というより長剣である。
「ふむ。なかなか使いやすそうだが、錆びてるしなぁ」
これと同じような型で、錆びてない剣はないか訊ねようとすると、
デル公と呼ばれた剣は店主に聞こえないよう小声で問いかけてきた。
「……ん? おめーさん、何者だ?」
「私か? 私はハクオロというものだが」
「俺はデルフリンガー。……って、名前を訊いてるんじゃねえよ。
 しかし何だか解らんが、面白そうだ。お前、俺を買え」
「……お前をか? 錆びだらけだぞ」
「磨けば光らぁ。それにそこいらの剣よかよっぽど丈夫だぜ」
確かに、錆びているなだ研げばいいし、その方が安上がりですみそうだ。
ただでさえルイズには、秘薬の代金とやらで面倒をかけてしまっている。
ハクオロは手招きをしてルイズを呼び寄せると、小声で相談した。

826 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 19:20:00 ID:1Sxnm5nO
支援

827 :白き使い魔への子守唄 4/5:2007/09/28(金) 19:21:15 ID:Z43RY5OS
「ルイズ。金貨何枚までの剣なら買ってもいいんだ?」
「新金貨で百よ。それだけしか持ってきてないもの」
「百か……解った。こいつを買おう」
「これを? もっといい剣ならいっぱいあるじゃない」
「使いやすそうな形をしているし、錆びは落とせばいい。
 それに記憶喪失の私にとって、意思のある剣というのは便利だ。
 ルイズが側にいない時でも、この國の常識などを教えてもらえる」
「うーん、それもそうだけど……」
「では商談は任せてもらおう。私が何を言っても、君は黙っていてくれ。
 それからデルフリンガーも、少々悪口を言わせてもらうが我慢を頼む」
そう言うとハクオロはデルフリンガーを手に店主へと向き直った。
「店主。新金貨でこいつの値段は?」
安物を手に取られ、店主は嫌そうな顔をして答える。
「そいつを買うんですかい? 別に構いませんが、まあ百ってとこですね」
百、と聞いてルイズの手が財布へと動いた。
「百なら――」
丁度手持ちと一致する、と言いかけて、ハクオロが横目で見つめて黙らせる。
「こんな錆びの浮いたオボロボロボロな剣が百だと?
 貴族相手だからといってぼったくるんじゃない」
ボロボロと言おうとしたのに、なぜオボロボロボロと言ってしまったのか、
それは解らなかったがともかく、その点は店主も特に気にしなかった。
「お客様。そんななりでも立派な剣でさあ、剣は剣ってだけで価値がありやす」
「五十だ。五十でこいつを売ってくれ」
「五十!? 冗談はよしてください、それじゃ赤字になっちまいます」
「大剣の相場が二百だったな。だがこいつは大剣というほど大きくない。
 ならば相場は二百より下がるはずだ。それにこんなに錆びている。
 さらにこれはどう見ても売れ残りだろう、いや売れるはずがない。
 さっきこいつを魔術師に頼んで溶かしてもらうとまで言っていたな?
 それほどまでに売れないゴミ同然の剣を五十で買うと言っているんだ。
 メイジに金を払って溶かしてもらうよりマシだと思うが」
「しかし仮にもそいつはインテリジェンスソードって希少品でして」
「インテリジェンスソードを馬鹿にしていたのはあなただし、
 それにこんな口の悪い剣では、逆に買い手は減るだろう。新金貨五十だ」
「……八十! 新金貨八十枚でお売りしやす。これ以上は負かりません」
「七十だ。それで駄目なら我々はもう帰らせてもらおう」
デルフリンガーを棚に戻したハクオロは、
ルイズの肩を抱いて店から出て行くとばかりにドアノブに手をかけた。
すると観念した店主が叫ぶ。
「へえ! 七十で結構でさあ!」

ルイズと、錆びた剣を背中に背負ったハクオロが武器屋から出てくる。
「いやー、しかしおでれーた。あの親父からああも値切るたぁな」
「ルイズには自分のせいでお金をかけてしまったからな。何事も節約だ」
「おかげで新金貨五十枚余ったわ。寄り道してクックベリーパイでも食べましょ」
和気藹々と歩いて行く二人と一本を物陰から見ていた二人は、
すぐさまルイズ達が出てきた武器屋に入ると、シュペー卿作の剣を持って出てきた。
「うふふ。あんなボロ剣なんかプレゼントして、ルイズったら情けないわ。
 ねえタバサ。ダーリンはこの剣、気に入ってくれるかしら?」
有頂天のキュルケだったが、タバサはハクオロの服装と仮面を思い出して呟く。
「多分、合わない」
あの白い仮面といい、あの突起のある仮面といい、あの変質者のような仮面といい、
彼のエキセントリックな仮面の趣味を考えると、
もっと狂ったデザインの贈り物が喜ばれるに違いないとタバサは思った。

828 :白き使い魔への子守唄 5/5:2007/09/28(金) 19:22:37 ID:Z43RY5OS
「おでれーた、相棒は記憶喪失なのかい。奇遇だね、実は俺も昔の記憶がねーんだ。
 なんせ六千年くらい生きてるからなー……」
「それはただの物忘れではないのか?」
喫茶店でクックベリーパイをおかわりしてご機嫌のルイズの向かい側で、
紅茶を飲みながらハクオロはデルフリンガーと雑談していた。
「ところで金属の類いはすべてメイジの手による錬金で作られているのか?」
「いや、金なんかは天然のを掘り出して加工するのが普通だな。
 つか金の錬金ってできたっけ? 覚えてねーや」
「できるわよ」
クックベリーパイを食べる手を止めて、ルイズはフォークを杖のように振るう。
「土系統のスクウェアメイジなら、精神力を使い切る覚悟でやれば、
 そうね、月に一度くらいは微量な金を錬金可能よ。割に合わないから誰もやらないけど」
確かに月に一度、ほんの少量の金しか錬金できないなら、別の金属を錬金した方がマシだ。
「では、金や……そうだな、宝石の原石などは人の手で掘り出されているのか」
「そうよ。それを腕のいい土系統のメイジが加工するの」
「宝石の錬金も負担が大きいのか? 紅玉(ティ・カゥン)や青玉(ワゥ・カゥン)とか」
「そうでなきゃ宝石として価値がないでしょう?
 ルビーなんて国宝級の物もあるわ。サファイアはさっきの剣に埋められてたわね。
 ガラスだって錬金が難しければ宝石扱いされてたかもしれないわね」
「ガラスが宝石か……。ガラスを金剛石(アムル)と偽って売る者もいるかもな」
「そんな事をしたら首を刎ねられても文句は言えないわね。
 ダイヤモンドを買うとなったら当然相手は貴族だろうし」
「そうだな。……ん?」
ふと、会話に違和感を覚えてハクオロは口ごもった。
自分はルビーの事を紅玉(ティ・カゥン)と言った。
サファイアは青玉(ワゥ・カゥン)と。
ダイヤモンドは金剛石(アムル)だ。
それがルイズに対して、ハルケギニアの言葉に聞こえるのはいい。
だがなぜ自分はルビー、サファイア、ダイヤモンドといった単語を聞き取れるのか。
自分の言葉がこの國の言葉で話され、この國の言葉は自分の元いた場所の言葉で聞こえる。
だったら彼女が『ルビー』と言えば、自分には『紅玉(ティ・カゥン)』と聞こえるはず。
そうでないという事は、自分はルビーという単語を元々知っているという事か?
そもそもハルケギニアの言葉では『ルビー』と発音しないのかもしれない。
自分は元々異なる幾つかの言語を習得していている?
例えば東方では言語統一が成されておらず、國によって言葉が違うとか。
「う〜ん……」
いくら考えたところで、記憶喪失である自分には答えを出せないのかもしれない。
「どうかした?」
「いや……何とかして記憶を取り戻せないものかと思ってな」
正直に話すと何だかややこしそうなので、ハクオロは言葉を濁した。

こうしてルイズ達は休日の街を存分に満喫してから帰路についた。
ちなみにキュルケ達はというと。
「ねえタバサ。早く帰りましょう? ダーリンに剣をプレゼントしたいわ」
「もう少し」
タバサが本屋めぐりをしつつ、はしばみ草専門店で食事をしたがったため、
日が暮れてからようやく魔法学院に帰り着くのであった。

829 :子守唄:2007/09/28(金) 19:25:59 ID:Z43RY5OS
※このデル公はCGではありません。
※ハクオロさんの言語に対する考察は特に意味が無いという噂です。
※『劇場版 仮面戦士ハクロオ 逆襲の元カレ』は諸般の事情で抹消されました。

以上、投下終了です。

830 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 19:36:15 ID:uhLCOEwV
子守唄の人GJ!
オボロボロボロが出るとは思わんかったw

そいや値切ったのはここじゃ初めてか?

831 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 19:41:58 ID:1rEcug8T
投下GJ!
ハクオロさんこっちでも錬鉄すんのかね?


832 :sage:2007/09/28(金) 20:08:00 ID:LQGPNg/C
白皇GJ!
コルベール先生が錬鉄とか見たら嬉々としてハクオロに詳細聞きそうだな

833 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 20:19:08 ID:+jIq+/ly
投下GJであります!
き、きっとこのデルフも鉄扇が手に入れば(入るのか)CG化するよ

834 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 20:19:56 ID:LsxCHQGc
錬鉄の使い魔・・・いやなんでもない


宝探しのときなんかはつるはしもって発掘作業やりそうだな

835 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 20:21:12 ID:op8tMcfc
「これが私のオーバースキルよ!」

とか言って7万相手にオーバーフリーズをブチかますルイズを幻視した

836 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 20:21:47 ID:dbHipDEB
おちかれー

新金貨の余りは30じゃないかな?

837 :子守唄:2007/09/28(金) 20:28:03 ID:Z43RY5OS
>>836
あー、修正し忘れたわ。最初は五十まで値切って買う予定だったもんでw
wikiに乗せがてら修正しときます。d。

838 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 20:45:19 ID:MPIYVmXx
このハクオロさんコルベール先生と組んで錬鉄しそうだw
次回も期待しております〜

839 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 20:47:24 ID:f3KEXC9x
道は開いていますか?

アはい
 いいえ

840 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 20:48:50 ID:dbHipDEB
rァ 構わん、行け
 構わん、行け
 構わん、行け

841 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 20:49:17 ID:GQ/7erqS
自力で道を空けやがったな。
GO!

842 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 20:50:30 ID:Zfcr//5Y
ハクオロって教えられるほど詳細な技術知識をどの程度まで知ってるんだろ
原作だとたしか肥料の概念すらない世界だったから通じたが…
まあ全知全能の神様だから何だって知ってますよでもいいけ

843 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 20:51:06 ID:f3KEXC9x
い……命だけはお助けを………。
と言う訳で投下。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

『色々と台無しな使い魔達』

「我が名はモンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ。
 五つの力を司る五角形(ペンタゴン)。 我の運命に従いし使い魔≠召喚せよ。」

金髪を縦ロールにした少女が呪文を唱えると、その視線の先に銀色の鏡が作り出される。
小さなその鏡からは、更に小さなグラス入りのワインが現れた。

少女は首を傾げながらもグラスに軽く口付けをする。
その同時刻に青髪碧眼のある婦人が長い長い夢から覚めた事など知る由も無く。


「我が名はギーシュ・ド・グラモン。
 五つの力を司る五角形(ペンタゴン)。 我の運命に従いし使い魔≠召喚せよ。」

矢鱈と派手な金髪の少年が呪文を唱えると、その視線の先に銀色の鏡が作り出される。
等身大のその鏡からは、茶色のマントを纏った栗色の髪の少女が現れた。

突然の事で驚きに目を見開くも、取り敢えず少女は目の前にいた想い人を抱き付いた。
ダラダラと脂汗を掻きながら、少年は背後にワイングラスを握り潰した音を聞く。


「我が名はタバサ。
 五つの力を司る五角形(ペンタゴン)。 我の運命に従いし使い魔≠召喚せよ。」

年齢よりも幼く見える青髪の女の子が呪文を唱えると、その視線の先に銀色の鏡が作り出される。
小柄な彼女よりも頭一つ程度大きなその鏡からは、彼女と同じ青い髪の高慢そうな少女が現れた。

憎々しげに自らを呼び出した女の子を見詰めた後、少女はありとあらゆる言葉で罵倒した。
奪われていた宝物を取り戻したその女の子によって、後日政治的な取引の材料とされる運命など予想もせずに。



844 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 20:52:35 ID:f3KEXC9x
「我が名はキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー
 五つの力を司る五角形(ペンタゴン)。 我の運命に従いし使い魔≠召喚せよ。」

情熱的な姿態と燃える様な赤毛が特徴の女性が呪文を唱えると、視線の先に銀色の鏡が作り出される。
それなりに背が高い彼女よりも更に大きなその鏡からは、筋骨隆々で黒い眼帯を巻いた男が現れた。

白濁した瞳で周囲を見回したその大男は、旧知の親友でも見付けたかの様な笑顔で監督役の頭が寂しい教師へ炎を放つ。
襲い来る炎を華麗に捌いて巨人を倒したその教師の姿を見て、赤毛の女性は胸の鼓動を高鳴らせた。


「我が名はマリコルヌ・ド・グランドプレ。
 五つの力を司る五角形(ペンタゴン)。 我の運命に従いし使い魔≠召喚せよ。」

小太りで丸っこい少年が呪文を唱えると、視線の先に銀色の鏡が作り出される。
学院のメイドが使うお盆位の大きさのその鏡からは、妙にカラフルな絵が表紙に書かれた本が現れた。

困惑した顔で頁を捲った少年の目に、美しい女性のあられもない姿が緻密かつ鮮明に描かれた絵が飛び込んだ。
扇情的なイラストを嘗め回す様に鑑賞し始めた少年へ、周囲の女生徒は汚らわしい物を見るかの如く嫌悪の視線を送る。


「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
 五つの力を司る五角形(ペンタゴン)。 我の運命に従いし使い魔≠召喚せよ。」

桃色の髪が目を引く少女が呪文を唱えると、視線の先に銀色の鏡が作り出される。
自分よりも遥かに小さいその鏡からは、四個の宝石と革の装丁の古びた本が現れた。

召喚した物の中にとある幼馴染の持ち物と国宝を認めると、少女は大慌てで走り寄る。
青い宝石を眺めて傷が出来てない事を確認した後に、染みが出来てないかとパラパラと本を拾い上げて頁を捲る。





845 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 20:54:02 ID:f3KEXC9x

こうして

今回の春の使い魔召喚の儀式によって

ある金髪の少年は2人の少女に殴り飛ばされ

青髪の女の子は呼び出した少女と睨み合い

赤毛の女性はある教師へ恋心を燃やし

小太りの少年は蔑みの目で見られて興奮し

桃色髪の少女は白紙の筈の本で魔法が使える様になった。


ぶっちゃけ、
宇宙の果ての何処かにいる存在の意思でも働いたのかと思う程に
儀式の場となった広場では様々な混沌とした事態が集中して発生している。




しかし。


実の所、この訳の分からない事態の魁となったのはトリステイン魔法学院では無い。
誰も知らぬ真なるその矯矢の名前は…………ガリア王ことジョゼフ1世。


846 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 20:55:08 ID:f3KEXC9x


「ミューズ……ミューズ………私の可愛いミューズ。」

今日も今日とて、そのガリア王の前には、黒い窓と大量のキーが付いた板の使い魔が鎮座している。
本来ならばこのハルキゲニアにはある筈の無いその使い魔は、ボンヤリと明るい光を放つ窓の中に異世界を映し出していた。
朗らかに笑いながら、ジョゼフ1世はその異世界を愛おしそうに眺めている。

常々弟との比較で荒んでしまった彼の心には、
決して誰も馬鹿する様な言葉を投げ付けて来ないその世界が酷く魅力的に映ったのだろう。
例え、その世界の住人が目の異常に大きい……人ならざる者であったとしても。

「では、次はこれで如何だね……ふふふ……私の可愛いミューズよ。」

カタカタと、彼はブラインドタッチでキーを楽しそうに叩いている。

周囲からは無能王と馬鹿にされてはいるが、彼は元々頭が恐ろしく良いのだ。

流石に召喚したその時は戸惑っていたが、
召喚して1日目にはキーと窓の変化の間に規則性を見付けた。
召喚して5日目には窓の中の世界の言語を解明した。
召喚して10日目には使い魔を完全に使いこなしていた。

そして今。
元々その使い魔がいた世界でも同程度の使い手は存在しないだろうと言う位のレベルに、彼は到達している。

「そうかそうか、我がミューズよ。 良くやったぞ。」

現在の彼は、ほぼ全ての政務を放り出して薄い板状の使い魔に構うだけの毎日である。
メイジと契約した恩恵なのか、その使い魔は疲れて光を放つのを止める素振りすら見せない。

まあ、使い魔を弄る時間に比例してモリエール夫人の心労は嵩んで行ったのだが。


847 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 20:55:52 ID:dbHipDEB
サイトのPCw支援

848 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 20:56:18 ID:f3KEXC9x

「……おいたわしや、陛下。
 こんなにお慕い申し上げている私がいるこの世界よりも、斯様な怪物共の魔界を愛すると言うのですか?
 ……………分かりました。 陛下が私の方へと再び目を向けて頂けるその日まで、私がこの国をお守りします!!」

最早年中ゲームしかしていないジョゼフの背後で唇を血が出るまで噛み締めると、
モリエール夫人は小姓に命じて自室にジョゼフが放棄した仕事の書類を集めさせる。
その書類を神速の域に達さんばかりの速度で処理をするその姿は、
夫人の傍付きである小姓が語る所によると,さながらガンダールヴの様であったそうな。

これが後の世に知られるガリア史上最高の女王・モリエール1世の誕生秘話である。

商業や流通の発展の為に町を繋ぐ街道を整備したり,
貴族の名を失ってしまった者達の為に仕事を回す施設が作られたり,
平民に様々な知識を広める為に学校を建設して義務教育制度を始めたりと、
彼女の名とその数知れぬ偉業は後世においてハルキゲニア人ならば誰もが知っている常識となっているとかいないとか。


数人の不幸な人物が生まれはしたが、この混沌とした世界は今日も平和です まる


849 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 20:57:20 ID:UZbRVjMQ
ただの引き篭もりじゃねーか!支援

850 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 20:59:23 ID:f3KEXC9x
と言うお話だったとさ。

某所で見た、名作アニメを第一話で終わらせるスレを見て書いてみました。
因みに、ジョゼフに召喚されなかったミョズさんは今私の隣でスヤスヤと眠っています。

851 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 21:03:57 ID:wpcjpxzj
全てが台無しだ!
なんちゅうもんを召喚したんだこいつらは
それにしてもイザベラを使い魔にしたタバサも見てみたいな

852 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 21:04:00 ID:zCemzMtk
>ジョゼフに召喚されなかったミョズさんは今私の隣でスヤスヤと眠っています。
へいブラザー、まずはGJだ。なんか色々と台無しにした気もするけどGJだ。
しかしだな、それはだめだ。そいつだけはいただけねぇ。
召喚されなくて寂しい思いしてるミョズさんは皆で慰めるべきだろう!?

853 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 21:04:02 ID:NQe24Q53
GJ!だがシェフィールドさんは渡さんw
モンモンのワインは……過去に干渉して因果を変えたってことか?

854 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 21:04:26 ID:lMNTnaAj
こうなるとロマリアの方や胸革命の方が気になるw

しかし無粋な事を言うようだが何気にスレ違いかな…?

855 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 21:04:45 ID:i9mYrZKT
GJ

856 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 21:05:58 ID:WnyVRKP4
後書きッつーかオチまで含めると避難所の方が良かったかもね。
 
 
まあ、テファの所に召喚された俺が言うのもなんですが。

857 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 21:07:37 ID:+jIq+/ly
GJ
召喚されなかったサイトは何故か女性化して俺の横にいるんだけどな

858 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 21:14:38 ID:Yq5ft8/E
>>169
ちょっとゲッター線に導かれたので避難所に書いてみて良いですか?


859 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 21:14:53 ID:V7PVe29e
或いは召喚されずに出会い系で騙されて酷い目にアッー!なサイトもいるかも知れない

860 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 21:17:04 ID:EJdVeIzd
マゾコルヌwwww
ジョセフがニートにwwwww
色々とダイナイシだな(褒め言葉

861 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 21:17:59 ID:UZbRVjMQ
サイトはnice boatしてるよ。

862 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 21:22:08 ID:f3KEXC9x
>>861

アレはNiceBoatで良かったと思うよ?

http://www.kajisoku.org/archives/50756071.html

863 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 21:28:03 ID:nn8BLzH9
サイヤの人に愛を囁きに来ました
ゴクウは僕のようなオサーンにとって永遠のヒーローであり、
彼がゼロ魔の世界に召還されたというだけで脳汁でまくりであり、
もうなんか感無量であり、興奮しすぎてクロスアウッ!!(脱衣)しそうです
フォォォォォウ!!
羽目はずしてますが、ようは楽しませてもらってますということです

864 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 21:34:25 ID:0jUHNh73
>>665
おもいっきりビジュアルで主張しとるわ たわけ!

865 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 21:35:41 ID:RiU98ry7
今日双織が濡れタオルでギーシュをフルボッコにしてる
夢を見たんだが、続きはまだだろうか

866 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 21:38:18 ID:7IARNXvW
> 召喚されなくて寂しい思いしてるミョズさんは皆で慰めるべきだろう!?
えろい…

867 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 21:45:04 ID:4RkCtjbP
>>866
てっきりミョズさんと天気の良い日に縁側でお茶を飲みながらまったりするものと思ってたよブラザー。

868 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 21:45:19 ID:vbxtNFbS
子ども時代の一角を形成しているようなキャラが召喚されると
確かにそれだけで鼻血出るほど感慨深い
俺にとってはゴクウとビュウがそれだ!クロスアウッ!!フォォォォォウ!!

869 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 21:51:10 ID:f3KEXC9x
>>867

ゴメン。 ミョズさんは私との添い寝に忙しいんだ。
代わりに、名前が似ている某風韻龍やるよ。

870 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 21:52:45 ID:op8tMcfc
>>869
喜んで貰っておくぜ

871 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 21:53:19 ID:t44p4mkH
>>866
俺は緑茶と玄米茶とジャスミン茶とコーヒーとココアを用意して退屈させないようにとりあえずボードゲームとトランプで相手になるくらいしか思い付かなかったぜ

872 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 21:58:51 ID:7LDyoyoK
サイトがミョズで召還とかは無いな。

873 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:00:08 ID:/xElN6Y9
>>871
よし、お前の家にウルトラクイズとドラゴンボールドンジャラもってくぜ。

874 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:00:28 ID:4RkCtjbP
>>870
残念、それはヴェルダンデだ。

875 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:00:28 ID:UZbRVjMQ
>>872
まずはアイテム集めしないと。

876 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:04:37 ID:f3KEXC9x
唐突にランキング

ミョズ=テファ=カトレア>キュルケ>アンアン>ジェシカ>昼寝>モンモン>エレ姉様>スカロン>(超えられない壁)>ルイズ>タバサ

何のランキングか、答えなさい。(配点5)

877 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:08:00 ID:V7PVe29e
む・・・むね・・・・?
おい、スカロン混じってんぞ!

878 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:08:19 ID:op8tMcfc
>>876
何ってむ※・・・・・・

削除されました

879 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:08:52 ID:SXpZw4Py
>876
フェロモン?

880 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:09:39 ID:WnyVRKP4
>>876
 ヽ、.三 ミニ、_ ___ _,. ‐'´//-─=====-、ヾ       /ヽ
        ,.‐'´ `''‐- 、._ヽ   /.i ∠,. -─;==:- 、ゝ‐;----// ヾ.、
       [ |、!  /' ̄r'bゝ}二. {`´ '´__ (_Y_),. |.r-'‐┬‐l l⌒ | }
        ゙l |`} ..:ヽ--゙‐´リ ̄ヽd、 ''''   ̄ ̄  |l   !ニ! !⌒ //
.         i.! l .:::::     ソ;;:..  ヽ、._     _,ノ'     ゞ)ノ./
         ` ー==--‐'´(__,.   ..、  ̄ ̄ ̄      i/‐'/
          i       .:::ト、  ̄ ´            l、_/::|
          !                           |:    |
             ヽ     ー‐==:ニニニ⊃          !::   ト、

俺が最初に思ったのは胸のサイズだった・・
だが、胸のサイズならスカロンの位置が低い位置にあるのはおかしい・・
そう、これは胸と見せかけて実は靴のサイズだったんだよ!
そしてハルケギニアは滅亡する!

881 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:10:12 ID:aSAlOQ0x
>>874
ヴェルダンデではなくベルダンディーだったら

882 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:10:38 ID:V7PVe29e
まて・・・それではトップ3がドナルドマジック並みのビッグフットに

883 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:14:20 ID:EJdVeIzd
肩こりランキングじゃなかったのか

884 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:16:32 ID:OWSP9MeP
出番ランキングじゃなかったのか

885 :眼つきの悪いゼロの使い魔 オーフェン:2007/09/28(金) 22:21:20 ID:NOVf6GP2
投下しても大丈夫でしょうか。

886 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:22:53 ID:RZE+1y3a
乳輪だな

887 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:22:57 ID:hcdWJQcV
カモンベイビー カモンベイビー

888 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:24:11 ID:47dVXma5
>>885
オゥッケェー!!

889 :眼つきの悪いゼロの使い魔 オーフェン:2007/09/28(金) 22:24:15 ID:NOVf6GP2

 雲に遮られることなく陽光が世界を照らしている。正午には今少し時間が必要な、そんな頃。一台の
馬車がのんびりと進んでいた。街と村の狭間の街道は人気無く、馬車以外に動くものは見受けられない。
馬車に搭乗しているのは二名の男女。手綱を握っているのは、眠そうな顔をしている男のほうである。
黒髪、黒革のジャケット、黒いズボンを着込んだ、目つきに険のある青年だ。その彼は、辺りを懐かし
そうに眺めている。

「なんか、ずいぶん久しぶりな気がするな」

 手綱は握るだけ。進路はほぼ馬に任せている。こぼれた声も、誰に聞かせるつもりもないただの
独り言だったが、背後から答える声があった。

「そうね。テファのところへ帰るのがこんなに遅れたのは、初めてかも」

 青年、オーフェンは肩越しに振り返り、声の主を見る。視線の先にいるのは、ゆったりとした白い
ローブで身を包む一人の女性。マチルダ・オブ・サウスゴータという彼女の長い名を脳裏で呟いて、
オーフェンは聞く。

「今度はゆっくり出来んだろうな?」
「もちろん。むこう十年分くらいは働いたものね」

 溌剌としたマチルダの声に対して、オーフェンの顔は渋い。当たり前とも言える。彼はマチルダが
行っているであろう危険な何某かから彼女自身を遠ざけるよう、彼女の妹であるティファニアより依頼
されていたのだ。それがどういう訳か、マチルダの片棒を担ぐかたちになってしまっている。まったく、
ティファニアに会った際になんと言えばよいのか。

「なあ」
「うん?」
「ティファニア達って、そう金がかかる生活はしてないよな」
「まあ、そうだね」
「年単位で考えても、金貨が必要になるとは思えない」
「…………」
「今回のお前さんの稼ぎで、正直もう充分なんじゃないか?」

 オーフェンの言わんとすることを悟り、マチルダはやや硬質な声を返す。

「らしくもない迂遠な言い回しだね。はっきり言ったらどうだい」

 返答をしようとして、オーフェンは思い直し口を閉じる。言うべきことはある。いつまでもこんな事は
続けられないとか、妹のことを考えて自重しろとか、貴族ばかりを標的にするのは私怨のためか、
といった平凡で真っ当な内容ばかりだ。だが、はたして自分がそこまで踏み込んでもよいのだろうか。
判断に迷う。
 視線を彷徨わせて言葉を捜す青年に対して、マチルダは冷たい目、ではなく微妙に不満げな目で呟いた。

「あんたのその物分りの良すぎるところは、少し嫌い」
「……? 意味が分からんのだが」
「べーつにー」

 奇妙な韻を踏みながら言い、彼女はごろりと座席へ横になる。両手で枕を作り、足を組むといった
淑女らしからぬ体勢だった。最近マチルダは、このような隙を見せることがままある。
 オーフェンは言葉の意味を探ろうと、横になった彼女へしばらく視線を向けていたが、すぐにその
無意味さに気がづき諦めた。


890 :眼つきの悪いゼロの使い魔 オーフェン:2007/09/28(金) 22:25:37 ID:NOVf6GP2

 マチルダ・オブ・サウスゴータはぼんやりと天井を眺める。粗末な木製の天井。学院の意匠が凝らされ
た車体のままで動き回るわけにはいかず、馬以外は全て仕立て直していた。
 視線を転じる。瞳だけを動かして盗み見るように、手綱を握っている青年を見る。この位置では背中と
後頭部しか見えないが、自然と脳裏に見慣れてしまった顔が浮かぶ。

 実際のところ、マチルダはこの眼つきの悪い青年の人となりをいまだに掴めずにいた。
 別世界、キエサルヒマ大陸における黒魔術士教育機関の最高峰「牙の塔」で十五歳まで教育を受け、
同十五歳時に出奔。そしていろいろあって現在の根無し草になった、とは本人の言である。いろいろの
あたりが気になったが、改めて訊ねたことはない。それはきっと、先ほどオーフェンが言葉を躊躇ったの
と同じ理由だろう。マチルダも、彼の内面にどれほど踏み込んで良いのか、判断がつかずにいた。

 車輪がガラガラとうるさく鳴る。青年の後頭部がゆらゆらと揺れる。それに眠気を誘われたのか、
マチルダは常ならば抑えたであろう質問を、いつのまにか口にしていた。

「ねえ、やっぱり、元の世界に帰りたい?」

 しばしの無言。オーフェンは一度だけ視線を返し、

「どうだろうな。まあ、帰れるもんなら帰りたいが」
「…………」
「学院にいた時に俺なりに調べて見たんだがな、どうもここじゃ、そもそも送還の研究自体がされて
ないんだよな。素人が少々気張って方法を探しても、簡単に見つかるもんじゃなさそうだ。ま、こっちで
も普通に言葉が通じてコミュニケーションが取れるわけだし、しばらくは現状のままでいいんじゃねえか」

 ふうんと曖昧に返事をして、マチルダは再び天井を仰ぎ見る。さて、今の答えを聞いて、私は喜んで
いるのだろうか? 自問をしながら、彼女は思考を遊ばせる。これまで自分にとって、身内とは全て家族
を指し示していた。仲間という身内を持ったのは、これが初めての経験である。本音を言ってしまうと、
自身の感情を持て余していた。

 一つ大きく吐息をつく。だが、まあいいだろう。今の彼の言葉を聞く限り、当分の間はこれまでの
ような生活を送っていくことになるのだ。仲間というものに対する接し方を考える時間は山とある。
 そんな、明確な解を求めることを恐れるような先延ばしの結論を下して、マチルダは眠気に身を任せて
瞼を閉じた。


891 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:25:51 ID:V7PVe29e
>>887たまねぎ食べれる?
支援

892 :眼つきの悪いゼロの使い魔 オーフェン:2007/09/28(金) 22:26:46 ID:NOVf6GP2

 オーフェンとマチルダ、二人を乗せた馬車は太陽が頂点にある時刻に目的地へ到着した。街道から外れ、
また村からも離れた場所にある木造の小屋だ。オーフェンがこの世界に初めて現れた場所であり、
マチルダの帰る唯一の場所でもある。
 二人はわずかに感傷を含んだ目で小屋を見ていたが、不意にその眉がしかめられる。小屋の前には
ティファニアでも子供たちでもなく、一人の黒髪の少年がいた。木の棒を剣に見立てて握り、仮想敵に
斬りかかっている。童話の剣士が行うような、素朴な剣の鍛錬だった。そして、オーフェンはその少年に
見覚えがあることに気がつく。名前も珍しかったため、なんとか記憶の隅に引っかかっていた。

「たしか、サイト、だったか」
「誰? 知り合い」
「薄情だな。学院にいただろ」
「?」
「ほら、賭の対象だった、決闘の」
「……あー、そういえば見覚えがあるような」

 頼りなさげな声を出して、マチルダは曖昧に頷く。そんな彼女を横目に、オーフェンは手綱を引いて
馬車を停めた。座席から降りる彼女に左手を貸した後、車内の荷物を取り出す。荷物はそれほどの量では
ない(盗品を常時積んでおく度胸はどちらにもない)。
 才人は荒い息をつきながら、今は地面に座り込んでいる。そして首を傾げてこちらを見ていた。先程の
オーフェンのように、見覚えのある者の名前を記憶の隅から引っ張り出しているようだ。

「ええと、お久しぶりですオーフェンさん」
「ああ、久しぶりだな。というか、なんでここにいるんだ? ティファニアの知り合いには見えんのだが」

 その質問に、少年は盛大な溜息を吐いてみせる。次いで、実に複雑そうに表情をしかめてから、傍らに
立てかけていた剣を見つめて、

「……すんごい色々あったんですよ」

 その重々しい台詞に興味を引かれたが、この場で聞くには不都合が多そうである。視線を転じると、
玄関から現れたティファニアとマチルダが再会を喜びあっていた。姉妹はいつもよりも若干高い声で
話し合い、抱き合ったり手を重ねたりしている。
 その様子をなぜか顔を赤くして眺めている少年に、オーフェンは左手を差し出す。

「話を聞くにしても長くなりそうだな。中に入ろうぜ」
「あ、はい」

 答えて、才人も同じく左手を出して掴む。そして、繋がった。

 ――ルーンの失われた左手と、不完全なルーンが刻まれた左手とが。


893 :眼つきの悪いゼロの使い魔 オーフェン:2007/09/28(金) 22:27:55 ID:NOVf6GP2

 ここより遠く離れた一室で、一人の少女が杖を振り呪文を唱えている。
 両眼には涙の残滓が残り、赤く腫れている。薄い薔薇色であった唇はひび割れている。
 彼女は全霊を込めて呪文を紡ぐ。一縷の希望にすがって。
 追いつめられた者の持つ、儚い強さを削りながら。
 唱える呪文は召喚の呪文。かつての出会いを導いた彼女たちの呪文。
 そして二度目の出会いを、再会を叶えるために、少女はその魔法を完成させた。
 光に輝く、門が現出する。



 光が溢れた。凄まじい熱と痛みが、オーフェンと才人を襲う。二人の左手が発光している。あまりの
苦痛に声を漏らすことさえできない。異常に気がついた姉妹が二人に駆け寄る。ティファニアが才人の
肩に触れる。マチルダの寄せた手は――そのまま、オーフェンの体を突き抜けた。
 歪みが、正されていく。虚無の使い魔はあるべき者に。使い手はあるべき人間へ。そして使い手を
使い手たらしめるルーンは、正しい持ち主のもとへと。
 オーフェンの左手に刻まれていた白い鉤傷が、本来の姿を取り戻す。そして完成されたルーンは、
本来の主を求めて少年の左手へと帰っていく。

「……そうか、兄ちゃん、あんたもやっぱり使い手だったんだな」

 誰もが現状を把握できずにいる中、一振りの剣がぽつりと呟く。才人を相棒と呼ぶインテリジェンス
ソード。六千年もの間を存在し続けた伝説が、それに相応しい感慨を込めて声を震わせる。

「同時期に、虚無の使い魔が複数いることはある。だが、同じガンダールヴが二人もいるのはおかしいと
思ってたんだよ。兄ちゃん、あんたの召喚は不完全……いや、契約が不完全だったのか。それで、後から
呼ばれた相棒のほうが、ガンダールヴになっちまったってわけだ」

 どこか哀しげに、デルフリンガーは話し続ける。

「じゃあな、兄ちゃん。星の巡りがちっとばかり違ってりゃ、俺はあんたのことを相棒と呼んでたのかも
知れねえなぁ」

 オーフェンには、その言葉は何一つ理解できない。分かるのは、もうじき自分がこの世界を別離する
ことになるということだけだった。
 彼の目の前で、彼がこの世界で最も多くの時を共に過ごした女が、すり抜けた自分の手を呆然と
見つめている。そして視線が合った。互いに、浮かべるべき表情が思いつかない。だが、それでも、
それでも何か、せめて言葉でも残さなければと思い、オーフェンは、

 ――、――な。

 呟きは風にかき消されつつも、マチルダに届く。
 彼女の両膝がその場に落ちる。震える唇で、俯きながら、彼女は、

「勝手じゃないか、そんな、急に……そんなの、勝手じゃないかッ……!!」

 その叫びを聞くべき者は、もう、この世界にはいない。


894 :眼つきの悪いゼロの使い魔 オーフェン:2007/09/28(金) 22:28:57 ID:NOVf6GP2

 オーフェンは風鳴りに起こされて、目を開く。静かに上体を起こして、周囲を見回した。
 空気の香りまでも懐かしい、というほどに違うわけではないが、それでも理解した。ここが自分の
本来ある世界、キエサルヒマ大陸であると。
 彼は尻についた土を落としながら立ち上がり、見上げる。すぐ側、一メートルも離れていない場所に、
奇妙な建造物があった。全高はオーフェンの背丈の三倍ほど。左右対称であるべき門柱を縦に割った
ような形をしている。壁面は象牙を磨いたように滑らかだ。
 そしてそれに刻まれている魔術文字。それで、これが何者の手によるものなのか分かった。これは、

「これは天人の遺跡だな。刻まれている魔術文字を解読しなければはっきりとは言えないが、恐らく
外界への転移を目的に作成されたものだろう」

 酷く唐突に背後から声がする。この距離まで気づかず接近を許した己に驚愕しながら、オーフェンは
振り向いた。そこに、見知った顔を見る。長い黒髪を肩にかかるほど伸ばし、薄手のコートを着込んで
いる、二十二、三歳ほどの青年。唇の端には、縦に裂けた古傷がある。

「コルゴン!」

 まだ自分がオーフェンではなくキリランシェロと名乗っていた頃、牙の塔在籍時代の兄弟子だった男。
その男、コルゴンは抑揚のない口調で言葉を続ける。

「キエサルヒマ大陸の崩壊を避けるため、天人種族はあらゆる手段を尽くしてきた。だが、俺もお前も、
彼女たちが一枚岩でなかったことはよく知っている。結界による大陸の隔離よりもある意味直接的な、
外界への逃亡といった手段を選んだ者もいたのだろう。これはその内の一つ……ふん、ハルケギニアへ
繋がっていたのはただの偶然か。俺たちが戻って来られたことも考えると、時間制限つきの未完成品
だったのかもしれんな」

 しばし唖然としてオーフェンは聞いていたが、聞き逃せない単語を耳にして声を挟む。

「ハルケギニア? まさか、あんたも向こうに」
「いた」

 あっさりと肯定する。


895 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:29:58 ID:WnyVRKP4
いたのか!支援

896 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:30:03 ID:f3KEXC9x
>ランキング

OPPAIに決まってるだろ、常考。

なので、間違った人達にはスカロンの胸で寝て貰いますね。
今なら耳掻きもサービスです。

そんな悪夢支援

897 :眼つきの悪いゼロの使い魔 オーフェン:2007/09/28(金) 22:30:06 ID:NOVf6GP2

「ガリア王国の国王とやらに呼ばれて雇用契約を結んでいた。だがある日、純粋な厚意からバランスの
悪い髭を俺のセンスでカットしてやったら、なぜか不興を買ってしまってな」
「なぜかなんだ」
「俺なりに気を使ったのだが。さらに同僚だった女にも命を狙われた。まあ、大抵の追っ手はそう大した
ことはなかったのだが、キリランシェロ、耳長族には気をつけろ。奴は手強いぞ。あと久しぶりだな」
「……なんかもう、どこまでもいつも通りだなあんた。確かに久しぶりだけど」

 顔を知らない(髭が妙になってるという情報だけ入った)ガリア国王に同情しながら、オーフェンは
疲れたように呻く。コルゴンは気にした様子もなく、無造作に右腕を上げ呟いた。

「我が契約により聖戦よ終われ」

 白く細い閃光が走り、天人の遺跡に刻まれた文字の幾つかが削られる。魔術の秘奥の一つ、意味消失
による対象の存在抹消だ。

「これで俺たちのように、遺跡の誤作動で跳ばされる者もいなくなるだろう。ところでキリランシェロ、
今は一人か。ならしばらく同行させてもらおう」

 ひたすらに平坦な声で告げてから、返答も聞かずに背を向けて歩き出す。その姿に呆れ、また同時に
懐かしさも覚えながらオーフェンは歩き出し、数歩ほど進んだところで振り返った。
 天人の遺跡を見る。いや、その向こうにあった、ハルケギニアの情景を思い浮かべる。それなりに長い
間いた、馴染み始めていた世界。そしてなによりも思い出されるのは、やはり一人の女性の姿だった。
まだ脳裏に鮮明に描ける彼女の顔。だが、それも時間によって確実に薄れていくことだろう。あの世界で
得たものも、あの世界に残したものも、何一つありはしない。
 オーフェンの唇が歪む。感傷に浸りかけていた自分に気づき、自嘲する。
 特別に考えすぎなのだろう。あれはただの別れだ。方法が突飛であっただけにすぎない、生きていく
上で何度でも起こる、ただの別れにすぎない。
 頭を一つ振り、一度だけ大きく呼吸をする。それで感傷を振り払い、完全にとはとてもいえないが振り
払い、オーフェンは前に一歩踏み出した。

「マチルダ、元気でな」

 太陽は高い。冷たさを伴った風が吹く。
 そしてあるべき者はあるべき場所へと帰り、あるべき世界であるべき物語が動き出す。


898 :眼つきの悪いゼロの使い魔 オーフェン:2007/09/28(金) 22:31:24 ID:NOVf6GP2

投下終了。当初の予定よりも二話増えてしまいましたが、これでラストです。
もともと『ゼロ魔世界の実力者達vsオーフェン』が書きたかっただけなのですが
それだけでは話としてまとまらないので、
 ・原作の設定・ストーリーはなるべく崩さず、でも原作の描写自体はばっさり省く。
 ・二十歳以上の人物を話の中心に据える。
という二点を加えてなんとか体裁を整えてみました。
……文庫で12巻出てる原作の展開を追っかけると、年単位の作業となってしまうので。


以下、話に組み込もうとしてオチが思いつかなかった没ネタ
 ・マリコルヌのマチルダさんへの初恋話。健康的な体の人が好きと言われて、オーフェンに相談。
  オーフェン・ブートキャンプ開始
 ・コルゴン逃亡中にオーフェンと合流。追っ手ビダーシャルに対して共同戦線を張る。
  「魔術反射するんだったら落とし穴掘っとけばいいんじゃね?」「さすがだキリランシェロ」
  エルフさんマジギレ


899 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:39:20 ID:hhkzAwG+
乙かれ様でした!
>>・コルゴン逃亡中にオーフェンと合流。追っ手ビダーシャルに対して共同戦線を張る。
  「魔術反射するんだったら落とし穴掘っとけばいいんじゃね?」「さすがだキリランシェロ」
  エルフさんマジギレ

吹いたw

900 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:41:56 ID:ruwTSdz5
>コルゴン逃亡中にオーフェンと合流。追っ手ビダーシャルに対して共同戦線を張る。

最高じゃあないか!!

901 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:43:57 ID:d7V0GhCf
ワッハマンのやつ
初代はもしかして戦前のあのフリルの人なんだろうか……

902 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:44:28 ID:XESmQPal
み、見てえ〜wwww>「魔術反射するんだったら落とし穴掘っとけばいいんじゃね?」「さすがだキリランシェロ」

903 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:44:56 ID:wpcjpxzj
終わっちゃうのか!惜しい
GJでした。それにしても落とし穴に落ちるエルフは超みたい

904 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:45:49 ID:dbHipDEB
しえん

905 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:46:10 ID:NQe24Q53
実際にある種最も有効な手段だと思えるのがすげぇwww

906 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:47:21 ID:f3j1RA3d
コルゴンのマイペースっぷりに笑ったw
乙!

907 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:47:24 ID:4RkCtjbP
乙&GJ!次回作が有ったら楽しみにしてる。
そして俺も落とし穴に落ちるエルフ見たかったw

908 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:47:35 ID:aSAlOQ0x
木と木の間にロープとか

909 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:48:30 ID:Svsrv4tj
完結乙GJ!実にハイクオリティで頭からケツまで楽しませていただきました。
台詞回し他がオーフェンまんまで理解の深さを感じました。
まさか迷惑来訪者が出てたとは予想外も予想外でしたが。

あれ?エルフの始祖ってもしかしてノルニル?

910 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:48:31 ID:47dVXma5
GJ!
オーフェン見たことないけど面白かった…。
今度読んでみるかな。

911 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:51:30 ID:/xElN6Y9
オーフェンの人乙でした

>>908
暗闇だと極悪だよな>木にロープ
夜走ってる時に食らった事あるけどビビるは痛いわで混乱する

912 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:51:37 ID:+/r8VVsJ
コルゴンさらっと大冒険やってるー!?

913 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:52:43 ID:Ns3ukHwl
そうか……反射っておい反則じゃねぇか。
って思ったもんだが、こいつらに掛れば穴だらけか……

GJ!

914 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:52:46 ID:ly47YI/x
>>「ガリア王国の国王とやらに呼ばれて雇用契約を結んでいた。だがある日、純粋な厚意からバランスの
悪い髭を俺のセンスでカットしてやったら、なぜか不興を買ってしまってな」


オーフェン詳しく知らんのだが
これはガリア王が狭量なのか?
それとも命を狙うほど悪質なヒゲにされたのか?

915 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:52:51 ID:YGpRRIgF
オーフェンの人GJ!!
コルゴン側が気になってきたぜ…

916 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:52:58 ID:n7lmNx0U
無謀編を……ッ!
どうか無謀編を……ッ!!

すばらしくGJでした
マチ姐さんとの掛け合いがもっとみたかったよ

917 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:54:49 ID:Ns3ukHwl
>>914
後者だぜ。

目をつぶって、精神が発狂するまで不可思議な造形を思い浮かべてくれ。


そんなものは天国だ。

918 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:56:08 ID:EXwQ+6Z1
GJ!
しかし、非常に名残惜しいぜ。

コルゴンならどこにでもふらっと現れそうだよな。
そういえば、コルゴンは先生に何を習ったんだろう・・・

919 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:57:01 ID:5E6Gp0SC
>>918
天然

920 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:57:11 ID:fGp+tKZV
GJ

しんみりしてたのに最後の最後で腹筋崩壊wwww

921 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:58:16 ID:fGp+tKZV
ごめんsage忘れたorz

922 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 22:58:25 ID:yjXKEKWz
乙したー。

しかしせつなさみだれうちなマチルダ姉さん……イイね!

923 :エデンの中の人:2007/09/28(金) 23:00:34 ID:kc7s7wdg
さて、投下しても大丈夫ですか?

924 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:01:22 ID:V7PVe29e
大丈夫どころかウェルカムだぜ!

925 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:02:14 ID:S2nX5In+
オーフェンGJ!!
そして支援だ!!

926 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:02:42 ID:Svsrv4tj
>>918
一応は暗殺技能。
チャイルドマンの「強さ」を継いだと言われるから純粋に技能を叩き込まれたキリと違って
結構思想面とかも強めに教え込まれたんじゃないだろうか。

927 :エデンの中の人 1/7:2007/09/28(金) 23:03:32 ID:kc7s7wdg
じゃあいくよ。


十五話 『蛇はイヴに狙いを変える』


 ずるりと湿った音を立てて風の槍がジェームズ一世の腹から抜ける。
 痛いどころではないだろうその傷にもかかわらず、ジェームズ一世は振り向きざまにエア・ハンマーを放った。

「父上!」
「杖を構えんか!」

 駆け寄るウェールズを一括し、ジェームズ一世は炎の魔法で自分の傷を焼きつぶす。

「ぐぬう! 何者か!」

 そのメイジはゆっくりと、その白い仮面を取り外す。
 整った顔、美麗な髭、それはどう見てもワルドだった。

「ぼ、僕だと! そんな馬鹿な!」
「遍在、って感じじゃないわね」
「シエスタ!」

 後ろから放り投げられた杖を受け取りそれをワルド(偽)に向ける。
 ワルドは一切の表情が抜け落ちた顔のまま、手に持つ杖を突き出した。

「エア・カッター」
「ワルキューレ!」

 生成された楯を持つ戦乙女が陣形を組み、飛来する無数の見えない刃を受け止める。
 ギーシュの後ろから打ち出された氷の矢と火球がそれを相殺、ワルド(偽)に向かった一部は風の楯にさえぎられた。

「ライトニング・ク「レビテーション!」」

 何を唱えても爆発するルイズの魔法が、ワルド(偽)の持つ杖に叩き込まれる。
 何か対策がしてあったのだろうが、それでも爆発は杖をワルド(偽)の手から離れた。
 直後驚くほど俊敏な動きで駆け出したワルドがその杖に手を伸ばし――

「つーかまーえたー♪」

 ――床を砕いて飛び出したギーシュによく似た女の手にさえぎられた。
 人間ではありえない握力で握り締められた足に向かってもう片方の手が振るわれる。
 凶悪な爪が生えた獣の手が、その足をひざからそぎ落とした。

「!」

 声も表情も痛みを一切感じさせず、それでも驚いた様子でワルド(偽)は床に手をつく。
 だからルイズたちのはるか後ろ、彼から二十メートルは離れた距離を一歩で踏み込んで拳を振り下ろしてくる人影には気づけなかった。
 まるで竜のような亜人の燃え盛る拳がワルド(偽)のからだのど真ん中に突き刺さる。

「吹き飛びなさい!」

 生物では絶対に立てられない金属のひしゃげる音を鳴らしながら、一度地面にめり込んだワルド(偽)は爆炎を上げて跳ね上がり、そのまま壁に叩きつけられた。

 結局彼はすぐ横にいた、デルフを腰だめに引き絞るシエスタに気づくこともなく、背をあずけた壁ごとその首と体を切り離されて停止する。
 ワルド(偽)はゆっくりと、まるで溶けるようにワルドとしての姿を失っていった。

928 :エデンの中の人 2/7:2007/09/28(金) 23:06:11 ID:kc7s7wdg
「一体なんだったの?」
「こいつぁなんとかって人形だぜ。悪いが名前は忘れたが先住魔法系のオートマータだ」
「またあ? 壊れきってて情報が引き出せないのよ」
「機能なら覚えてるぜ。確か血を与えたやつの完全なコピーに化けるんだ」
「厄介ね……」

 念を入れてか背後で首から下を、その巨大な砂の腕で握り砕いているフーケを視界に捕らえながら、ルイズは杖を構えたまま座り込んだワルドに駆け寄った。

「大丈夫?」
「いや、正直精神力が残ってなくてね、限界だった」

 這いずったのだろう土まみれになった包帯に包まれた胸をなでおろし、ワルドは体の力を抜いた。

「ワルド様、あれに心当たりは?」
「いや無い。だがあのアンドバリの指輪といい先住魔法のアイテムだ、スポンサーがいたんだろうな、クロムウェルには」
「スポンサー、ね」
「司祭の地位を利用すれば軍人や官僚に近づくのは簡単だからね」
「やれやれね」

 ワルドに肩を貸して立たせると、ルイズは彼を支えたまま王に近づいていく。
 玉座に座り込んだ王は水のメイジの治療を受けていた。

「ワルド様、スポンサーに心当たりは?」
「ガリア、だろうね。今トリステインとゲルマニアに手を組まれて困るのはガリアだけだ。トリステインは土地がら前線基地を築くのにもってこいの場所が多い。例えば君の学園なんかそのまま要塞にできる」
「しかもこのクーデターが成功すればアルビオンは手の中、か」
「さらにこのアルビオンは浮遊大陸だ。先住魔法によっては大陸ごと移動ができるかもしれない」
「……冗談に聞こえないのが怖いですわね」

 少しだけ悲しそうに、ワルドは眉をしかめる。

「しかしあんなものが用意されているとは。今回のこれも最終的には僕ごと始末するつもりだったのかな」

 治療が終わったのか腹部に包帯を巻きつけているジェームズ一世。
 心配してだろうなにやらわめいている医者を無視し、彼はその上から鎧を着込んでいた。

「陛下、お傷のほうは?」
「もって一日」
「一日、ですか……」
「一矢報いて散るには十分すぎる時間じゃ」

 そこの笑顔に悲観や絶望はなかった。

「どうなさるおつもりですか?」
「何、ロートルの最後の一撃、やつらに食らわせるまでよ」
「父上、私は!」
「お前なら大丈夫だ。後を任せても問題はなかろう」

 体の痛みを無視してジェームズ一世が立ち上がり、数名の老兵がそれに従う。

「お客人、小さめの船を一隻お貸しする。それで無事トリステインに戻ってくれたまえ」
「陛下!」
「さらばだ。ほんの一晩だが良い宴であった」

 杖を手に持ちジェームズ一世は老兵たちと共に宮殿を後にする。

「父上! 御武運を!」

 ウェールズは一滴も涙を流さずに最敬礼でジェームズ一世を見送った。

929 :エデンの中の人 3/7:2007/09/28(金) 23:08:06 ID:kc7s7wdg
「さあ、船は向こうだ。道中気を付けたまえ」
「殿下、御武運を」
「ああ、勝つさ。勝てないわけがない」


 ジェームズ一世はイーグル号よりも一回り小さな軍艦の中、船を制御する数名の老メイジたちと共にただ前だけを見据えていた。
 甲冑の前を開くとべったりと粘ついた血液。

「やはり数時間しか持たなんだか……」
「陛下、作戦開始まであと五分です」

 その声にジェームズ一世は重い腰を上げた。

「諸君、我々はこれより血路を開く。我らの放つ一撃がウェールズに、そしてこのアルビオンに再び団結をもたらすだろう」

 内臓が痛み骨がきしむ。

「あやつは良い王になる。ワシよりもずっとな。よって老害にしかならぬ我らの、これは最後の晴れ舞台だ」

 そして全員に、軽くだがその頭を下げた。

「礼を言う。この死に戦によくぞ付き合ってくれた」
「何をおっしゃいます陛下」

 だが周りの老メイジたちの反応は、少しの非難も悲観も含んではいなかった。

「私たちは戦争しか知らぬ老いぼれです」
「政治のことなどさしてわかりはしません」
「私ら老骨にこんな晴れ舞台、もったいのうて感謝したいぐらいですとも」

 皆一様に笑顔、それは決して死に向かう顔ではなく希望に満ちた顔。

「陛下、私たちは死にに行くのではありません。生かしにいくのです」
「……そうか、そうか」
「作戦開始まで一分!」

 ジェームズは杖を持ち、老いて傷ついた体を奮い立たせる。

「諸君、これより我らは敵旗艦のみを目標に戦闘を開始、それを停船するを目標とする」
「死ぬだろう、間違いなく死ぬだろう。だがそれは絶望ではなく希望のため、未来のため!」
「カウントダウン開始! 十! 九! 八! 七!」

 大きく息を吸い、痛みで縮こまった筋肉を肋骨で無理やり押し広げる。

「三! 二! 一! 開始!」
「目標ロイヤル・リヴリン改めレキシントン号ブリッジ! 突撃せよ!」

 船は大量の火薬と共に、大軍のど真ん中に突っ込んだ。
 洗脳が解けた兵たちが戸惑っているのかほとんど反撃は行われない。
 飛んでくるいくらかの魔法を気にもせず、船の全メイジで張った風の楯を掲げて船は真ん中を突き進む。

 そしてそれは寸分たがわず、クロムウェルの腹心たちが相談をしていたブリッジに突っ込んだ。

「我らが誇り高きアルビオンに栄光あれ!」

 ジェームズの一世の杖が炎の魔法を放ち、船中にまかれた火薬と油に点火する。

「ウェールズ! 後は任せた!」

 轟音と閃光が船を包み込んだ。

930 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:08:43 ID:S2nX5In+
ジェームズ一世の『覚悟』に、『敬意』を表する!! 支援

931 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:08:52 ID:hcdWJQcV
支援

932 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:08:57 ID:ip/tZaFK
支援

933 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:09:23 ID:4RkCtjbP
やっぱスキルニルか。そしてジェームズ1世がちっともロートルな感じのしない台詞を……支援

934 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:10:24 ID:Oerz3Sgv
使い魔GJ支援

935 :エデンの中の人 4/7:2007/09/28(金) 23:10:35 ID:kc7s7wdg

 轟音を上げてレキシントン号の上ではじけ飛ぶ偵察船。
 それに一同は黙って敬礼した。

「陛下……御立派でしたわ」
「まったくね」
「ウチの貴族もあれくらいしっかりしてれば……」

 リアリティあふれるワルドの泣き言に苦笑しながら、ルイズたちは船を進める。
 小型の大砲を一門積んだ船は、何故かシエスタが操縦できたため実に順調だった。
 何故か左手がちりちりしたのをシエスタは不思議そうに見ていたが。

「ルイズ様、何か左前方少し上に船が飛んでますよ」
「信号弾上げましょう」
「アルビオンのしかないわよ」
「貸したまえ。僕が作り変えるよ」

 信号弾の一発を錬金魔法でさっくり作り変えて、ギーシュはそれを上方に打ち出す。

「……止まりませんねぇ」
「まさかまた空賊?」
「停船命令が出てます! あとドクロの旗!」
「……打ち落としてくるわ」

 少し機嫌が悪くなっているルイズが一人、甲板へ歩み出た。

「いろいろあって虫の居所が悪いってのに……」

 取り込んだ資材が再構成され両肩が盛り上がり太目の筒が姿を見せる。
 背中から生えた金属フレームが体を固定した。

「くだらないことしてるんじゃないわよ!」

 両肩の筒、否大砲から打ち出された不可視の弾頭が、空賊船に風穴を開けた。

「うっわー」
「ルイズ、やりすぎじゃない?」
「流石にって待ちたまえ! 苦し紛れか!?」

 一発の砲弾がひゅうんと風を切って飛来する。
 ルイズはあろうことかそれを突き出した左手で受け止めた。

「ルイズ!」

 痛む体を押して甲板に出るワルド、その眼前の光景はある意味コミカルだった。

 ルイズの手の中で渦を巻く爆発現象そのもの、それはそのままルイズの口に吸い込まれ姿を消した。

 けぷっ、と小さなげっぷと共に吐き出される黒煙。

 煙を上げて墜落していく空賊船に向かって中指を突き出し、ルイズは口角をつりあげて笑った。

「おととい来なさい! この○○。○○野郎!」

 爆発の悪魔が少女の中でクククと笑った。

936 :エデンの中の人 5/7:2007/09/28(金) 23:12:02 ID:kc7s7wdg

 途中立ち寄ったラ・ロシェールの港で錬金魔法を使って船にヴァリエール家の家紋を刻む。
 とりあえず襲ってくる馬鹿が減るだろう恩恵を考えて、ルイズ達はホテルで体を洗いに船を港に預けて町に出た。
 ワルドの洗浄をギーシュに任せ、水や食料をシエスタたちと買いに出る。

 クックベリーパイ片手にルイズはホテルに戻った。

「ワルド様、苦しいかも知れないけど身なりを整えたらすぐに出ますわ」
「いや、僕は気にしなくていい。というか王宮のほうが治療に専念できそうなんでね、急いでくれたほうがありがたい」

 全員でクックベリーパイを囲んで荷物を整理する。

「まあそれなら食事だけはしっかり取っておきましょう」
「あんたパイばっかじゃない」
「ハシバミ草を」

 苦い緑の葉っぱをパイに乗せられ、ルイズは顔をしかめた。

 でもまあ、何故かそんなに簡単に進まないのが二次創作。

「あれ何かしら?」
「見た感じテロリストね」
「あいつらどこにいるのかしら」
「船の中っぽいね」
「あの船は誰のかしら?」
「さっき君がヴァリエール家の家紋を彫り込んだ船だね」

 沈黙のままルイズはライフルを生成する。

「ぶっとばしてやる」

 数分後テロリスト達は黒こげで甲板に転がっていた。

「ふん、ざまあ見なさい」
「あんた最近凶暴ねえ」

 船は一応無事に港を出港した。


 王宮では対応に困っていた。
 明らかにアルビオン製の、しかしヴァリエール家の家紋が彫りこまれた小型の船が王宮の近くに停船したからだ。
 小型とはいえ正面と左右に合計五門の小型の大砲が備え付けられているのだから。
 まあ実は威嚇のための飾りなので意味はなかったりする。

 ともかく船を攻撃することもできず周りを囲むしかない兵たちだったが、出てきた人物に驚きもあらわに跳び上がった。
 それは少女に支えられた包帯でぐるぐる巻きのグリフォン隊隊長だったのだから。
 後ろには同じくボロボロのグリフォンもいる。

「し、子爵様! これはいったい!?」
「姫殿下の特命でね。こちらは婚約者のヴァリエール嬢だ。粗相のないように」
「はっ! 失礼しました」
「悪いが殿下に取り次いでくれないか? 特命で内容は話せないのでね、ルイズとワルドが帰ってきた、でお分かりになられると思う」
「了解しました! 少々お待ちください!」

 数分の後、ルイズ達は謁見の間に通された。

937 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:12:10 ID:4RkCtjbP
そしてルイズが下品になったw……けどシエスタ、まさかアレなのか支援

938 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:13:15 ID:4RkCtjbP
>でもまあ、何故かそんなに簡単に進まないのが二次創作。
メ、メタ発言は危険だ支援

939 :エデンの中の人 6/7:2007/09/28(金) 23:14:31 ID:kc7s7wdg
「そうですか、ウェールズ様は残って戦われると……」
「はい、ジェームズ一世陛下は私たちの前で討ち死にされました。立派な最後でした」
「そうですか……」
「殿下はおそらくは賞賛がおありのようでした。おそらくは生き残って戦っておられるでしょう」
「私にできることはな「ありません、殿下」」

 失礼な行為だが、それでもワルドはアンリエッタの発言をさえぎりはなす。

「殿下は内政に御専念ください。戦争に関しては私たちの役目です」
「それはっ!」
「殿下のお勤めは政務です。誤解なされぬよう」

 ワルドの声はきっぱりとして、それでいて冷たい。

 ふと見上げるとアンリエッタの少し後ろ、マザリーニがじっとワルドとルイズを見ていた。

 謁見の後、マザリーニの私室でルイズはワルドと共に報告を行っていた。
 ワルドのこと、指輪のこと、アルビオン王家のこと、メイジをコピーする自動人形のこと、そしてレコン・キスタのオリヴァー・クロムウェルとその黒幕だろうがリアのこと。

「そうか、それで君はレコン・キスタへ」
「気づいておられたので?」
「隊長が私に断りもなしに遠出などありえんよ。違うかね?」
「……まったくです」

 ワルドは苦笑を返すしかなかった。

「ともかくおぬしへの処分はトリステインへの奉仕で代わりとする。今は治療に専念せい」
「感謝します」
「さてミス・ヴァリエール、君には感謝してもしきれんよ。いずれ何らかの礼をしよう」
「もったいお言葉です」
「とりあえず当面は金銭的謝礼をしよう。たしか平民も数名いたのだろう? 彼らに渡すといい」
「はっ!」
「あとあの船の登録はこちらでやっておく。そのまま乗って帰りたまえ」
「ありがとうございます」

 ルイズは一礼しその場を立ち去った。

「のう子爵、彼女は強いな」
「まったくです」
「殴ってでも正せばいい、か。耳に痛いな」
「これから気をつければいいだけのことです」
「そうよな。ああそうだ子爵、彼女を送ってくるといい」
「御配慮感謝します」

 自分を呼ぶ声に振り返るとワルドが手を振って駆け寄ってくる。

「せめてもの出入り口までは送るよ」
「治療に専念されたほうがよろしいのでは?」
「何、くだらん男の見栄さ」

 たわいのない昔話をしながら二人は王宮の入り口まで歩み行く。
 入り口で分かれる直前、ルイズがワルドに振り向いた。

「そうそうワルド様」
「なんだい?」

940 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:16:14 ID:WnyVRKP4
なんだか凄い死亡フラグ支援

941 :エデンの中の人 7/7:2007/09/28(金) 23:16:42 ID:kc7s7wdg
 かつて小さなルイズにそうしたように少ししゃがみこんで顔を近づける。
 その襟をつかんで引き寄せ、ルイズは唇を重ねた。

「プロポーズの件、少しだけど考えておいて上げる」

 にっこり笑ってルイズは外へ駆け出した。

「……まいったなこれは」

 残っている左手で唇に触れる。

「爵位が上がったら真面目にプロポーズするかね?」


以上です。
ワルドがかっこいい?まあいいじゃないですか。

942 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:17:37 ID:WnyVRKP4
マジかっこよかったよ!w乙じゃじゅしたーw

943 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:17:48 ID:S2nX5In+
勿論いいさGJ!!

944 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:18:18 ID:Oerz3Sgv
かっこいいワルドもいいもんだGJ

945 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:18:29 ID:4RkCtjbP
乙。
賞賛→勝算じゃないかな。

946 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:21:32 ID:V3olnW6e

なんかやたら誤字脱字目立つけどGJ!

947 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:22:22 ID:/xElN6Y9
乙でした
これはかっこいいワルドw

948 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:23:04 ID:3kOTvY1t
なんてかっこいいワルドw
乙!!!

949 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:28:37 ID:Bdxi0nle
なんというきれいなワルド…


間違いなく全ゼロ魔SS中トップクラスの白さ
GJゥ

950 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:28:53 ID:4RkCtjbP
さてそろそろ次スレの季節だ。>>950頼んだ。

951 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:29:21 ID:Svsrv4tj
もはや恒例の儀式なのか

952 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:29:32 ID:yhcxh0X9
もう風物詩だな

953 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:29:39 ID:vvJKcRpf
お約束のボケを済ませたところで、さあ行ってこいw

954 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:29:52 ID:hIFtLroy
>>950
>>950
>>950
>>950
>>950
>>950

955 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:30:34 ID:EJdVeIzd
なんとステキな白ワルド
ルイズのステッキーっぷりに翻弄されるワルドにちょっと萌えたw
しかしワルドとの仲が進展するとシエスタが空鍋を(ZAPZAPZAP…

956 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:31:08 ID:f3KEXC9x
Aコース:一晩中ミョズさんに切ない部分をグリグリされる
Bコース:タバサと義理の妹プレイ
Cコース:テファとマチルダさんの百合百合鑑賞お触り禁止
Dコース:ギーシュとマリコルヌとジュリオでショタハーレム
Eコース:マルトーとの熱い接吻

激しく乙なのでぇーエデンの人にこんなドッリーッムのどれかをプレゼントゥー。(CV若本風に)

957 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:33:43 ID:4RkCtjbP
このスレには【お約束は果たされるもの】という概念が施されているようだ。

次スレ
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1190989916/l50

スレは立てた。突入する覚悟は出来てるか?俺は出来てる。

958 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:36:38 ID:Svsrv4tj
それじゃあ1000取り行ってみようか

959 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:36:47 ID:V3olnW6e
最近は投下中だからと先に立てたりすることが多かったし
久々にこの流れを見た気がする

960 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:38:08 ID:EJdVeIzd
>>1000ならジョセフが螺旋島と真宰辞書を召喚

961 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:40:26 ID:4RkCtjbP
今日は流れが緩やかだからなぁ……

>>1000なら仮面ライダーSPIRITSよりスサノオ召喚

962 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:42:00 ID:Svsrv4tj
>>999なら虚無の使い魔は1なる四者。右手:カタワ 左手:虚弱 デコ:鷹月 四人目:デイカー
デルフは黒の剣の一顕現。聖地はタネローン。
当然6000年前には四面八臂の化物が使い魔でした。

963 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:43:02 ID:S2nX5In+
>>1000ならアイマスから社長召喚

964 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:47:09 ID:NYrbdoSZ
>>1000ならプロットを>>999に授けて書いてもらう

965 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:49:16 ID:WnyVRKP4
>>1000ならアギトの因子が虚無の担い手に宿り、
テファがギルス化。変身するたびに胸が小さくなる。

966 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:49:22 ID:AwAE8yGi
1000ならルイズが合体ロボのパーツその1を召喚

967 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:49:27 ID:Oerz3Sgv
>>1000なら塊魂より王子召喚

968 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:50:44 ID:Ns3ukHwl
>>1000なら螺旋力が導かれる

969 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:51:34 ID:Fr5baK5h
なんかもう悪魔の実もへったくれもない境地に達してる気がするな、エデンの実……
しかし、カッ飛びルイズと白ワルドが実に格好いいので個人的には超GJ

970 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:52:16 ID:op8tMcfc
>>1000ならシャア召喚

971 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:53:15 ID:02iemMuy
>>1000なら最近連載ストップしていた作品が再開する

972 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:53:42 ID:abhTdIiz
>>1000なら黒の騎士団召喚

973 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:54:36 ID:wpcjpxzj
>>1000なら
サガフロのゲンさん召喚

974 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:54:55 ID:vMP1a+1T
>>1000ならナズグルor一つの指輪召喚

975 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:55:52 ID:s3LJrP6j
>>1000ならケルナ・グール召喚

976 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:55:53 ID:yMypIWBh
>>1000なら次スレで新規に良作を書く作家が五人くらい入ってくる。
あと、夜明けの使い魔はちょっとお休みをもらえる。
ついでに誰かエターナルチャンピオンを召喚してくれる。

977 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:57:28 ID:K61CF1TQ
>>1000なら範馬勇次郎召喚

978 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:57:35 ID:5E6Gp0SC
>>976
つフレア

頑張れw

979 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:58:01 ID:7yoPwovV
1000なら彼岸島からスマヌ師匠を召喚

980 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:58:01 ID:L2PKSrSt
1000ならグルグルの勇者召喚。
ツッコミでタバサのママが正気に。

981 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:58:18 ID:vvJKcRpf
>>1000ならGS美神の美神令子を召喚


とりあえずルイズから金を巻き上げときました。

982 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:58:38 ID:WnyVRKP4
>>976
つプロミネンス
ふぁいとーw

983 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:59:39 ID:Oerz3Sgv
>>1000ならぐちゅ子召喚

984 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:59:54 ID:NYrbdoSZ
>>1000ならぬ〜べ〜から人魚召喚

985 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:59:54 ID:7WbtnRY0
>>1000なら塵骸魔京の九門克綺or風のうしろを歩むもの召喚

986 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/28(金) 23:59:58 ID:HcJQJOpG
1000ならなのは魔魔召喚

987 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:00:45 ID:vMP1a+1T
>>1000なら>>976はダスクフレア化

あとサウンドウェーブ召喚 デルフリンガーイジェークト

988 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:01:17 ID:63RNienG
>>1000ならバスタードのルーシェ・レンレン召喚。

ルイズにキスをされたルーシェは当然・・・・・・。

ルイズ逃げて!!彼に襲われてしまうよ。

989 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:01:26 ID:hQ8xrG2o
アク禁から復帰\(^o^)/

1000なら鳴海君召還!!!!!

990 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:01:36 ID:eM+NhJCf
>>1000なら俺の書いてるSSの続きを発表

991 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:01:47 ID:hIFtLroy
>>1000ならカトウナルミ召喚

992 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:01:58 ID:qRDkN/vD
>>1000ならハイパーモミテンション召喚

993 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:02:35 ID:qBRfvjfQ
>>1000なら災いのタバサを一ヶ月ぶりに投下する

994 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:02:52 ID:LvPOoe18
>>1000ならキタンをキングキタン込みで召喚

995 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:02:54 ID:EJdVeIzd
>>1000なら総てが無に帰る

996 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:03:07 ID:brlBvB13
>>1000なら住民がカオスフレアになって夜明けが更新

997 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:03:08 ID:nmDnA6rJ

   ̄了     ハ{   ヽ  `ヽ、 ヽ  |!   j,ィ{
   ⌒Z -一'!  \ r宀ー-ミヘr、  リ _rく ‖
        lハ    {     `7/ー' ¨ ヾ、  |
        | ヽ  l!        ||      }! ノ}
        V^ vV'   /{    l! ヽ  / /イ
.        r| r     ゝニ_ミ辷ト、 } l7 /jフ:{二ニ=…−
      _ 厂! ヽt!    {:.:. ヘ tフ不:`トrく:' ´r-1           >>1000なら
  , -‐'´  |  ト、  ヾ.:_:.:二´r'⌒^! | l:.:{ |           リーンの翼の導きを!
/   _, -ヘ、   ! l      //|    ! l ヾ∨
 -‐'     ヽ     、 、_. .-':/ l   -ァ  ハ二、ー‐--
.         ヽ    ヽ   ̄   , -- ニ7 .′    ̄
          '     \   ヽ= 一'
       , -ーヘ.       \    ̄  /
.      / , -─ヘ、     ` ー- …'
    / /      \       / ,/     /
.  / /         ` ー  」 | _/
/ /                  //


998 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:03:17 ID:op8tMcfc
>>1000ならスケキヨを>>999が召喚

999 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:03:19 ID:jY2oT4+f
>>1001なら動物のお医者さん召喚

1000 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/29(土) 00:03:20 ID:xHoFOIT7
>>1000ならniceboat中だった言葉様+誠首召還

1001 :1001:Over 1000 Thread
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。

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