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【ジョジョ】ゼロの奇妙な使い魔【召喚68人目】

1 :名無しさん@おっぱいは飾りです:2007/09/30(日) 14:29:27 ID:CnArUo7G
携帯でご覧の方は携帯ビューアのorz もしくは携帯用2chブラウザiMona をご利用ください
【orz】http://orz.2ch.io/top.html
【iMona】http://imona.net/
     _      ここは「ゼロの使い魔」と「ジョジョの奇妙な冒険」のクロスSSスレよ。
    〃 ` ヽ     他にも避難所にしか掲載されてないSSとかもあるから一度見てみなさい
    l lf小从} l  /   投下中は空気読んで支援しなさいよ 荒らしはスルーだかんね
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ /    職人さんは荒らし防止にトリップを付けてよね
  ((/} )犬({つ'      次スレは900か950を踏んだ人が立てること
   / '"/_jl〉` j      わかった?
   ヽ_/ィヘ_)〜′【ジョジョ】ゼロの奇妙な使い魔【召喚66人目】

●まとめサイト                               ,〜'´  ̄ヽ
http://www22.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1.html         ミハ^^ヽヽ(.   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
●避難所.                           ____. -' ヽル::::д)ζ <批判は避難所だ!君の意見を聞こうッ!
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9292/     =='、 ̄ニ|::... . . . . ...::::: :: ::〉:::.:ヽ     |_________________
●ジョジョの奇妙なAA集               ' ´   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`!:::::::::::.. :i
ttp://jojoaa.web.fc2.com/                         `y::::::. ::ト、
●ジョジョスレUPローダ                            〉::::::::. .::`ヽ
ttp://vblave.hp.infoseek.co.jp/                        ハ:::::::: ..:λ:i
●アニメAA保管庫 ゼロの使い魔ページ                /:::::::::: .:/::::i´
ttp://aa.tamanegi.org/anime/zero-tsukaima/

スレ運営について意見のある方は運営議論スレへどうぞ   
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/9292/1184936505/


2 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 14:30:28 ID:CnArUo7G
第一部+第二部
ジョナサン 卿 シュトロハイム シーザー スケコマシーザー
究極生命体カーズ様 スト様 石仮面+ブルりん+吸血馬

第三部
承太郎 法皇花京院 一巡花京院+平賀才人 メロン花京院
ジョセフ アブドゥル ポルナレフ イギー 
DIO様 ンドゥール ペットショップ ヴァニラ・アイス ホル・ホース
ダービー兄 ミドラー デーボ エンヤ婆 アヌビス神 ボインゴ 

第四部
東方仗助 仗助+トニオさん 広瀬康一 アンリエッタの康一 虹村億泰 ミキタカ+etc 間田
シンデレラ カトレアのトニオさん 岸辺露伴 静(アクトン・ベイビー)+露伴
デッドマン吉良 猫草 キラー・クイーン 

第五部
ブチャラティ ポルナレフ+ココ・ジャンボ(亀ナレフ) アバ茶 ナラ・アバ・ブチャ組
ルイズトリッシュ マルコトリッシュ ナンテコッタ・フーゴ アバ+才人 ジョルノ  ミスタ
ディアボロとドッピオ プロシュートの兄貴 リゾット ローリングストーン 偉大兄貴
ギアッチョ メローネ 俺TUEEEディアボロ ペッシ ホルマジオ スクアーロ
暗殺チーム全員 紫煙+緑日 ブラック・サバス セッコ 亀ナレフ+ジョルノ

第六部
引力徐倫 星を見た徐倫 F・F アナスイ ウェザー エルメェス エンポリオ ヘビー・ウェザー
プッチ神父 帽子 ホワイトスネイク 白蛇ホワイトスネイク

SBR
ジャイロ+才人 ジョニィ マイク・O
リンゴォ マウンテン・ティム Dio

バオー+その他
橋沢育郎 バオー犬 味見コンビ(露伴+ブチャ) 決闘ギーシュ タバサの奇妙なダンジョン


3 :テンプレ追加忘れたぜ:2007/09/30(日) 14:32:25 ID:CnArUo7G
・スレッドが1000に満たなくとも、480kbをオーバーした場合には新スレを。
・行数は最大で60行。
・最大も字数は全角文字なら1708文字分。
・専用ブラウザなら文字数、行数を管理してくれるので目安がつけやすいかも。


4 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 14:39:49 ID:BJvvSi2h
             -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
            /  .       \
         / /lj ソ 从 从ヘ |  ヽ
 .\      〃{リ\ 《《ノ丿ノ/ リ|   )
    \    (イ| |●    ● (( | ) )  >>1
     \    ( l⊃ rー- ⊂⊃( (  ))
       {心ヽ __|ヘ  ヽ ノ   j..) /⌒i )
      \ /:::::( l>,、 __, イ .(..../  / (
.        /:::::/ ) ) :::\ @/::::ヘ、__.∧  )
       `ヽ< (  ):::/ i \:::::::::彡';:\ )

後、>>3の三行目は間違ってるらしいぞ

5 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 14:45:19 ID:EAUhU9zh
                           厂 ̄ ̄ ̄ ̄\____
          ,rー-、、           / 『>>4 汝!     \
        ,「 /ヾ-ヘ           |  >>1のために       |
    ノ⌒jス6l`・'・=!            |  乙ポーズをとるか!』 | 
    /⌒  ト、=/-、⌒ヽ           \________      __/
   /   `''ーヽ/-‐''´ ,. )             \ 厂 ̄
   〉  } 人   ヽ,..  ム `ヽ                 〈
_____{i { ヽ   _}__ イ (.  }_ 厂 ̄ ̄ ̄ ̄\   \
   )、   L=‐'⌒>'" ̄` ) ∠ 『は!     |
 /二ヽ  '⌒\∠^>''" ̄`ヽ.  | 喜んで!』|
 {/ /´\_   ヽ,「 __,Y  }   \______/
  ヽ〈 ヽ   \>ーヽ /´` /      /て_>-、_
  ( ヽ ヽ  !ト、r―〈. /          \__  ''"`'ー-、_     _
   {  ヽ    | ,」  !|<             \.__    '" `丶-‐'´ヽ
   `^^′`ー‐'└〜'^~               \.__   `⌒ヽ
                              \
                               , -‐--┤
                           /  `ヽ,厶‐''


6 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 15:04:55 ID:5dbiW5Hg
            , -―  ――-、
             /に    (ニ==\
         //')      に二) (ヽ   新スレを立てやがったなッ!
         〃____,r^)__,r、(ニユ|  よく立ててくれたよなぁぁぁぁぁぁ
         i!   ● / /●  ヾヽヽ,!      >>1鬱!……
          ヽニ⊃,// ⊂⊃}:}ソi   …じゃなくて>>1モツ!
        /⌒ヽ__ ヘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~/⌒ヽ
      \ /:::::  >,、 __, イァ/   /
.          \     |三/ []「/__ /
         `ヽ「ミヾr‐ 、[]「ヾ三/


            , -―  ――-、
             /に   u (ニ==\   …は違う…
         //')  u    に二) (ヽ  うぐぐ………
         〃____,r^)__,r、(ニユ|  >>1己…じゃない……
         i!   ● / /● uヾヽヽ,!  >>1没でもなくて……
          ヽニ⊃,// ⊂⊃}:}ソi
           ヘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~`=ーノ
           /⌒l,、 __, イー-<
.          /lilili/ |三/^ oOo,ヽ
          |三 lキヾr-、[] 「! (ニ }

7 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 15:07:59 ID:BJvvSi2h
         _..  - ―‐ - ._
        , '"          \
      /"レ'/  /\_. へ、 ∧lヽ
     / /´ {/ノノ ,ィ爪Yハ`′  ',
   /  / // ノ´    ヽ ', l
   |  /   //   :    ', l |       >>6
   | l| l  /     .::     ,,l !l |      おかしいなぁ…どうしちまったんだ
   |l |l |  ド==、、::  ,r='"-| ! |       がんばってるのはわかるんだが、一つとして合ってねぇんだよ
  ノ|| |l l  |t‐t・ッテ,  ィrt・ッラ|l  |      人の指摘を聞いてるふりで、本番で間違えるなら
≦ノノll│ |  |. ´¨~〃 .,,_ ヾ~´ .|l lト、     指摘した意味ないじゃあないか ちゃんと、言われた通りにやろうや
_./ノ|l | |  l:.   ゙:. ′゙    ,'|l l|ヽヾニ=‐  なぁ、俺の言ってること
‐''"ノ| | |  ト、     `''"__  /:l  l\ー-`ニ=-   うちのリーダーの指摘、そんなに間違ってるかい?
:::´ノ,l li l  | ヽ、 '‐ニ-'' ,イ:::l  lヾミヽ::l
:::‐"/ / ハ l  | ヽ ヽ、._"_/ l:::! l`ヽ、`二>‐      少し、お茶でも飲んで話でもしようや……
:::::/ノ/ } i l― -、ヾ三/ __ll l::::::::::::::`>― ---- 、
::::"´:::::::;.' ノ、 ', ⊂) 〈フフ  _,l l::::::::::::r'´ /¨>'"  )
:::::::::::::://::| ヽ ⊂⊃ノ7 '"´l _l. ― 、`='-、/( _,∠ヽ
:::::::::/´:::(cl=  ⊂二ノ   ,r'‐、  ‐= }   `ヽ |   }
:::::::::::::::::::::::`l   ⊆¨l  ハ __ノ} <l ,' ⊂) 〈フフ\-‐'´}
::::::⊂) 〈フフ:::l    ⊂ 」  { `¨´ l_> / ⊂⊃ノ7  ヽ/}
::::⊂⊃ノ7:(cl"´┌i 00 V ム Δ /   ⊂二ノ    l/}
::::⊂二ノ:::::::::l`⊂ ⊃   {` ー''"     ⊆¨l   l/
:::::::::::⊆¨l::::::::l (フl」<)=、‐-∨⌒ヽ     ⊂ 」   /
 ̄ ̄⊂ 」 ̄ ̄ ̄r'rブノ   `  ',   ┌i 00 // ̄ ̄
  ┌i 00'" ̄ ̄} }} ̄ ¨''‐、____ノ_  ⊂ ⊃ //
  ⊂ ⊃ |`` ========''"r==、ヽ-(フl.」<)‐'´

8 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 15:08:23 ID:bs7UVJaN
>>6
           _. -=ニ::_Z ̄ニ=-  .._
        / (:_: ;r'": :/:: ̄:7''ヽ:,r': ̄`ヽ、
        /: : : : : :ヽ、:_(_: : : (:: : : :\,r=‐':"⌒ヽ._
      / : : : : : ; ': : : : : : ̄::ヽ、__/: : : : : l: : :/ミノ
     ' : : : : : / : : : : : : :__:ヽ_: /:: :l: :l: : : : l : ゙‐'ヽ
     l: : : : : :;' : : : : : : (((//゙ハ、 : l: :l : : : l: : : l : ',
.    l: : : : : :l: : : : : : : : : : : :`Vノ : l: :l: : : ,' : : ;': l:ll   
    l: : : : : :l: : : : : : : : : : : l: :/:l :l: :l: :l:: :/ /::/: :;リ|    
    l: : : : : :l : : : : : : : : : : l: :l::ノ: }: :} l / /::/レj:/::|  
.     l: : : : : l: : : : : : : : : : :l: :|/_;イ_;イ_;リ、// .ノ/:|  
     '; : : : : l: : : : : : : : : ::l: :|ニニ ‐--ミ`' } ,ィチj゙ :|   
    /´ヽ: : : :l; : : : : : : : : :l: :|z't'ツ"_>`` '" {^~ |: :|   
  / ¶′\: :ll : : : : : : : : l: :| `~¨´ (::"′   ',ノl: :j    
,r‐{   , \ll : : : : : : : :l: :| :.           ∨ノ:|
  ! ¶′',  r、\: : : : :::::l: :| :.      .._ /´): :l
 ¶′   \ ヾ>、\: : : ll: :|  :.       __-了:/::;'
エエエュ┬r 、\ `ヾ>、\:ll: :|   :   ‐.._'´¨´ノ:/::/
―‐ - 、 ̄`<〉、 ヽ、._`^‐-\ト 、 :      ̄「V/
 ¶′   \ `<〉、 \` ー==┬''^ヽ、 ...__ ノ
   ¶′  \ `〈>、 ヽ`:r'"||  ,タ ¶ }
¶′    ¶′ヽ  `〈>、ヽ i || ,タ  /



9 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 15:11:38 ID:bs7UVJaN
ゴメw
>>6
>>1乙か?」

10 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 15:14:35 ID:6FrQwRC2
>>6
    ,.<ヽ       l  /  ヘ         厨房7人
  ,.<   ヽ \     l   / i  ハ        自宅用警備員 NEET4人
  ‐-、`ヽ  \      i  /  ;   ',       ヲタ57名ッ!
  -、. \ l    \   ノ-、/  ,'   .i ',
  _ \ l  il.  ノ,ィ   .l、 / i   i ヘ      そのスレを立てた指で
 .  `l i nヘ. リ/  l    i ヽ. i.   ;   ヘ.     我がバッド・ピーポーの全ミサイル!
 、 ノ .lリノ ヘ.    i    \V   ,'    ヘ     >>1乙および血管針攻撃を受けて
  .i'´ミ、i"   ',   l  _,.、、 )!   /  i'´ `ヽ   はたして無事でいられるかなァ
  l L..、. ヽ  i __,. - _ニ、>'  \_ノハ⌒ヽ   ──────‐ッ
 .l  ヽハ.ー-l //r‐r'¨fッ-'    l.    ト、ヽ. ハ
 ..\、l l   !i l Lノ ー'´,.. - 、   ',    ヽ ノ ノ
   V / _入 ,レヽr''ヽ./        ',   .r' / ',
   ..ヽ! l厂ツイ i _,.i    ,..、   ',    V¨\,.ヘ
     ト、 ̄./.L.. -ヲ   , 、. ヽ   ゙、   \.    ', ̄\__
   .  i..ハ、  ¨ヽ  _.//ヽ ',      /  _∧ ノ ハ
     `ヽ.゙、 r‐'_"-‐"::::f´ハ        ! ̄/:::::::::', /  \ _..
        \、 ヽ┘:::::i'´ l.  ',      l/::::::::::::::::::',ヽノ-‐'
      ト、/ ヽ  \:::::_l   ノ!     ,':::::::::::::::::::::::::/::::/::::
       l  < ハ.   Y ソ_.. -' ノ     ,'::::::::::::::::::::::/::::::
   .   L.. -‐ ゙、 ヽ、.. -‐ ¨ ノ   /::::::::::::::>'":::::
   .         ハ ヽ_,. =''"¨´  ./::::>'"::::::::
            ∧ ,. 、    />'":::::::::
              ',   `ン /'"::::::::::
              `T¨´ ̄:::::::::::
…か?

11 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 15:21:43 ID:avyKGllj
>>6
            -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
          /・・/:・,へヾヽ・:\  
         〃 {_{ル'´    リ|l.│・:i| 
         レ!小ノ    `ヽ フ|l:i・ i|  
          ヽ|l ●   ●  |: ・|ノ! しぇっこくん、しぇっこくん >>7>>8>>10
          |l⊃ 、_,、_, ⊂⊃j |・, | は危ない人達だから近寄っちゃ駄目だよ 
        /⌒ヽ__|ヘ   ゝ._)   j /⌒i !
      \ /X)| l>,、 __, イァ/  /.| あと>>1おつ〜ん 
       '<X)( i|l:::: i "Tーイ'{ヘ、__∧|
        \,,t|l:: lヾ#| /##X:::彡'
          |l::・:lX)(∨X)(X)(X|'

12 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 15:28:03 ID:xguut8eA
>>7
中の人はなのはさんか

13 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 15:33:48 ID:bs7UVJaN
>>12
でも注いでるのはアバ茶w

14 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 15:37:38 ID:BJvvSi2h
>>13
よ〜く冷えるじゃないか。肝が

15 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 15:38:31 ID:tqxHdUE1
     |  を   エ ( {           |
      |  |  乙 メ   | i 半     く   |
.    |  |  ラ ラ  { | 径.  >>1ら  |
.     |.   |  ッ ル  |. }. 20     え. |
....   |.  |  シ ド   | |. m  ッ .ッ  i
    |.  ッ ュ   ( く     ! ! .|
     |、  !        / 'っ           f
...   | )       ,-ゝ  )  _ ,、_     >
.    |'- 、  ,r‐-‐ 、|-、ヽ//  .|| V`ー、|
.     |`` `ー |/ .|| :::: |! ノ,/. リヾ||`ヽヽ、、
..   ||  !   ;  || :::::レ/ ,;;;;;;;ー||-‐ミ、ゞヽ
    |.|  |   ;; ||..::,/il _,,::=-、;;; ||  i::ヘミi
.....  | ヽ | .! ;, |レ';;,,-'' ⊆/'';;::..||  .ノ::'''! |
.   |`ーう、 | |!_ ||;;;;'二 ̄|!     '||,     V
.    |三=ゞ巛='''||‐''''i;;;;;;::::::::.   ||;;
....  |. ,,r‐zァ.!::::!'||''  !;;;::::::::::.   || ;;
   |、ヽ ̄/i::::: ||| ._/::::::::::::::::.  || ;
    |ーゝ、. '< . || ン:::::::::::::::...   ||
.   |. ‖||ヽ  ヽ||',, r-三= 、.   ||
_.   || ‖||. ヘ. (||ェラ ̄ :::::::::::ヽ、||
..  |. _ || ||ヘ `||::::::::::::::::,r-f⌒`|Lr-― 、
  / 7 L|lコ .||.∧.||`、::::::::|      if   i; ヽ
. / ,ニコ ||  ○.`|L,ヘ:::::::/      |l    |;; i`
/_/ |ヽ| ̄| l ̄| | | ∨ヨ.   _,, -ァi:,r‐-- 、 |
.   |.ヽ|  | |__//._/、 !_ニ二_,,/;fl    :i !
.... |.  |  `ー-、_|| ┌-,  !''7/'7 ル-―--' i,
  |ヽ |  _  |   .| !、_i'./ L/ .|{    ;;;ノ
... |ー` |. i   ̄||  i _  7   .|/>ー=''、,,
. └―-|. !-、、.⊥__| |_  ̄ー ''/  ::::::::::ヽ
.       !_,,|     .レ'  ̄ ̄ '' ー―-- 、_


16 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 15:40:27 ID:tqxHdUE1
                    / A \
               _/ ∀  `ー―vヘ、
            〃´  -゚-―‐゚―‐- 、0\
          l ̄` /            \ l
          | (0/               `ヽ、
          / y′  ./  j{    :.:.ヽ:.:.:.:ヽ :.:.:.:l
           ,' :/    .:.| .:八    .:.}.:.jl.::.:.:.|:. .:.:.:.|
.          | ,'.:.:..  .:./!.:./--\  :.jV-ハ.:.:.l.:.:.:j:. l久々ですが
        j.:l.:.:.:{.: .:':{ ヽ{ _  ヽ.:./ _  ∨.:.:/∨
        /./\:.\::.:.l x==ミ  ∨ ィ=、 ,':.;.小『乙ですわ』
.        /:.,':.〃lヽ:.{\{ ′           イ.:.:.:.l::ヘ
      /.:.:l :.:.: |.:.:.:.:ヘ        `    } .:.:.:|.:.:.ヽ とでも言うと思いましたか?
.     /.:.:.:.!.:.:.:.:l.:.:.:.:.:.:\    (ア   /.:.:.:/l:.:lヽ:',
     {.:.:.:.::|.:.:.:.:.lヽ.:.:.:.:.:.,:> 、     ,.イ:l.:.:.:.:/.:.|:.:! l:.:l
       ',.:.:.:.l..:.{:.:.:!:.:\.:.:.:.{(!_.≧く|>!| l :./.:./l:/ V
      \∧:.ヽ:.|ヘ:.}\.:.:}厂X⌒}0 j:! ! .:.!:.:{' /
          ̄ ̄_二>!:人ノ__>'´ ̄Vヘ :.W>
         _, イ    j/  /   '´  ヽ{ `ヽ、
        /       // ゙̄ヽ         \
.       / {     o  |: 〈( !) 〉 o     {   ヽ
       l  /      |  ヽ_/        l   l
       │ j"      |            ヘ  |    |


17 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 15:46:24 ID:I73jAFud
       |              /
       |           /           /
   >>1乙                       /
                    r 、
  r┐             _ /   \_
.<ヽヽ二>'  ̄ ̄ ` ー、   r'´ ,. - ―― - 、__}     _ _
  } } r‐┐ /  ヽ   \ |/         \
 く/ L{´  从   | !,. | |  | /| /ハ. ! |  ! ヽ
 | |  | >、i ヽ |≦、/ /!  |/>‐く レリ‐< |  〉
 | |  |{  ヒ}` |/ヒ} 」レ| |  .| { ヒ}   ヒ} } |/|
 | |  ハxx    - 、 xx{ !ハ  とxx     xx |  |   >>16ところでアンタ誰だっけ?
./ ハ  |  /⌒V  / | |  ∧ ,ィ'⌒¬  人! |
/  |  .|\{   /イ  ! ヽ  ハ.{_ _ _ソく  /り
   /  |r―>く_/::|  | \\ |┴ -{. r∨ ̄}
 /   .|:\{f女V:::ハ  ! ! |>ヾ. /ぅ、`┴rー-ヘ
/    /:::::::\_/::/ヽ  ∨ノ. |/ニヽ{ レハ  }---く
   /::::::::::::><_/::\ ∨ !| ,ニ ]:::::::∧ }__]
  /:::::::::::::::::::::∧:::::::::::::::}  ∨ | `く___/ /ニヽ/
  |:::::::::::::::::::/|! !|\:::::::/  | | \ノ|――‐{ ニ、 |
  |::::::::::::::/  |! !|  ヽ/  ∧|  /    |`ーく


18 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 16:19:08 ID:m73uC953
前スレ>>1000・・・・
      _ _
    /     ヽ
   r .' - 、_ ,.- i
   i / Z   .Σi    
  ('ニ! -ー   -、 |    
   !.j    |  .|     もう私は疲れた
    ;:    '  i     
   ..|`ー _ ̄/     
  _,. 「.ー─┐-',、_
/ii:: :`,. _||__ 、 \
:: ノ.:: ::l. ─ ll-- .l :: :ヽ
:: :: :: : :` :: ::|| ::´ :: ::


19 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 16:34:52 ID:tqxHdUE1
>>18
頑張って神父の仕事して下さい

20 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 17:30:18 ID:kwC2tTzC
>>1乙!

>>18そんな事言わないでくださいよ

21 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 17:54:53 ID:bhSKD7XW
前スレ>>1000は恐らく新世界の使い魔が再開されるという意味だったんだよ

22 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:13:22 ID:Hd5l2Q9M
時を吹き飛ばした!

なんでここはこんなに止まりやすいのかと思ったら
雑談が少ないんだな。納得だ。

23 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:14:49 ID:Hd5l2Q9M
・・・・・時々、ビッグウェーブのように雑談連鎖がおきるが

24 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:16:07 ID:5BuH2bCu
住人の集団暴走とも言うが
何故かおっぱいとサバイバルで暴走が多い気がする。

25 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:17:47 ID:CnArUo7G
絶望した! 誰もが>>1に書いた名前に突っ込んでくれない事に絶望した!!
そしてそんなネタをわざわざアピールする自分にも絶望した!!!!

26 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:24:15 ID:PQ0KAug/
>>24
ああ、あったね。そんなのも。

27 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:28:53 ID:Hd5l2Q9M
おっぱいとサバイバル・・・
ボスならぬBIGBOSSが皆に憑依したとしか思えん

28 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:55:04 ID:V6YvKTrD
教師陣の二つ名と実力について議論されたこともあった

29 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 19:56:40 ID:iplrTKBb
実力って言ったらオールド・オスマンだな
何かが凄いんだろうけど、その何かがまだわからないよ

30 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:00:34 ID:xVJm5lwC
>>29
セクハラが凄いんだろ。

31 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:01:52 ID:iplrTKBb
>>30
じゃあオスマンの「オールド」ってのは、置いて尚お盛ん、の意味か

32 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:14:45 ID:xguut8eA
それじゃジョゼフじゃん

33 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:16:15 ID:xguut8eA
間違えたジョセフだった

34 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:16:17 ID:KAxiUKOH
今更だけど>>1


>>32
それじゃあガリアの無能王じゃね?


35 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:17:26 ID:N7i/gf2O
>>30
覗きはもっと凄いんだよ、女風呂があそこまで鉄壁なんだし。

36 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:25:19 ID:n6scLb61
考察スレによればドットのマリコルヌですら
建物の見取り図を使い魔の視覚共有なしで描けるらしいからな

37 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:30:25 ID:LPfOAnou
ふと思った、女風呂が鉄壁なのはオールド・オスマン対策なんじゃないかって

38 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:35:57 ID:5BuH2bCu
>>37
なにをいまさら。
でも考えてみると、多数のメイジの(トライアングルすら考慮して)対策をしなきゃいけない風呂と
最悪でもはぐれメイジの対策だけとっておけば良い宝物庫では、風呂の方が厳重に成るのも
自然と言えば自然……なのか?


39 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:37:12 ID:Py6X/2JP
>>37
え?デフォルトでそうだと思ってたぜ俺

40 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:40:52 ID:gQf4RzyG
単なる『物』を置いとく宝物庫と大いなる『漢の夢』を預かる風呂だったら後者の方が大事だからな。

41 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:45:25 ID:KAxiUKOH
原作読むと宝物庫は「秘宝」とかいうのも置いてあるってことで頑丈さが売りっぽい
そしてその前にメイジが多数居る所に泥棒が入ること自体想定されてないんじゃない?

そして風呂場はもしかしてアニメだけ?それとも12巻に描写されてんの?

42 :初代スレ506:2007/09/30(日) 20:46:58 ID:NzlzRWm4
21時に投下しても文句は言われない……と信じてる。

43 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:49:19 ID:EAUhU9zh
舗装工事を終わらさなきゃ!

44 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:53:33 ID:gQf4RzyG
道が舗装中?なら俺の背中の上を渡ってください。

45 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 20:58:29 ID:Hd5l2Q9M
農道が空いているではないか・・・行け

46 :使い魔は静かに暮らしたい:2007/09/30(日) 21:00:22 ID:NzlzRWm4
竜騎士隊の竜に乗りながら、私は竜と竜に乗る騎士を観察した。
竜騎士隊というのはルイズ曰く、竜を自在に乗りこなし戦う騎士隊。まさに名の通りの連中だ。
竜を乗りこなすことのできる人間で構成され、さらにその全てが貴族だという。
しかし、よくこんな恐ろしい生物に乗れるものだ。しかも結構楽しそうに。私には到底信じられない。
竜を乗りこなすにしてもやはり訓練は必要だろう。基本は乗馬と同じようなものだからな。違いは乗るものが馬か竜かの違いだけだ。
だが、その違いはあまりにも大きい。馬なんて高が知れてるし普通の人間でも対処できる。しかし、竜は違う。
普通の人間では太刀打ちするにはあまりにも強大な存在だ。巨体で空を飛び、鍵爪を振るい、火を吐く。
まさしく怪物だ。魔法が使えなくては話にもならない。しかしメイジでも正直ドットやラインでは相手にならないんじゃないかと思っている。いや、ならないだろう。
そして竜騎士隊のこのごつい竜を見てさらにその思いは高まった。つまり竜に乗っている奴らは最低でもトライアングルの実力を持っていなければならないわけだ。
そんな力を持った人間だから強い怪物に意のままに操り自分の強さを示したいのだろうか?それともただ単に空を飛ぶ力強い存在への憧憬か?
考えながら懐で強大な存在に脅え震える猫を安心させるように撫でる。
まあ、どれだけこのことに思いを馳せようと、普通の人間であるために竜に恐れしか感じない私には竜に乗る者の気持ちなど理解できるわけが無かった。

竜は馬と比べればあっという間に学院についてしまった。
竜を使えばタルブの村へ日帰り旅行ができるな。もちろんする気はないが。
さて、ゼロ戦はそれなりの大きさがある。全長は9mほどで、翼幅は11mほどだろう。ゼロ戦は徹底的な重量減量がされた戦闘機だ。
当時日本にはアメリカやイギリスように戦闘機用の力強いエンジンがなかったため、無駄な重量を許さない設計が求められた。
そしてそれがゼロ戦の一番の特徴といってもいいだろう。それゆえにゼロ戦は軽い。きっと魔法でも楽々浮かばせることができるだろう。
しかし縦9m、横11mだ。いくら軽いといっても場所はとる。だから学院内に置く場所も当然限られてくる。
というわけでゼロ戦は学院の中庭に降ろすことになった。中庭なら広さも申し分ない。そして早速ゼロ戦を降ろし始める。
私とルイズは竜騎士隊がゼロ戦を中庭に降ろす様を見守っていた。
「ねえヨシカゲ」
「なんだ?」
ルイズが何気なく私に話しかけてくる。
「それで誰が運び賃を払ってくれるの?もうゼロセンも降ろし終えるわよ」
「あ……」
「あ、ってもしかして忘れてたわけ?あきれた……」
そうだ。ほかの事に気を取られていてすっかり忘れていた。金が要るんだったな。
「ほら、早くその払ってくれる人のところ行ってきなさいよ」
「あ、ああ」
ルイズに言われなかったら本気で忘れてたな。さて、さっさとコルベールを見つけに行かなければ。
そう思ってこの場から離れようとしたとき、誰かがこちらへ近づいてくるのがわかった。それは物凄い勢いで近づいてくる。
その正体はコルベールだった。こちらが知らせに行く前に来てくれるとはありがたい。しかし、移動速度が少し早過ぎないか!?
様子からして走ってはいない。歩いている。しかし、それはもはや速歩き域を超えた恐るべき速さ、カール・ルイスやベン・ジョンソンも真っ青な速度だ。
もう陸上選手にでもなったほうがいいんじゃないか?

47 :使い魔は静かに暮らしたい:2007/09/30(日) 21:01:27 ID:NzlzRWm4
「あれってミスタ・コルベールじゃない?」
「ああ、そうだな」
コルベールが近づいてくる。
「……目が血走ってない?」
「……血走ってるな」
コルベールがさらに近づいてくる。
「……息も妙に荒いわよ」
「……裸の女を前にした思春期の少年のようだな」
コルベールがかなり近づいてくる
「それがこっちに向かってきてるわね」
「……ああ」
コルベールが馬車馬のごとく近づいてくる。
「そういえば前教室で先生えらく興奮してたわよね」
「私がその対象だったな」
コルベールがロケットエンジンを積んでいたかのように不意に加速する。まるで狙いを定めたライオンのようだ。
「きっとまたあんたが対象よ。逃げなくて平気なの?」
「……平気なわけが無い!」
そうだ!早く逃げなければ!今の奴はあのときよりも興奮している!
あのときのように迫られてしまう!キスされかける!今度は貞操が危ういかもしれない!さあ逃げろ私!奴がいない世界まで!
逃げようとした瞬間、物凄い力と衝撃が肩に伝わった。
まさか!?
そう、そのまさかだった。何もかも遅すぎたのだ。私の肩は既にコルベールによって掴まれていた。
振り返り振りほどこうとした瞬間さらにもう片一方の肩も掴まれてしまう。そして私はコルベールと真正面から向き合う形となってしまった。
やばい、目がやばい、眼がやばい!狂人の一歩手前だ!
「ハァハァハァハァハァハァハァ……、き、きみ!ここここ、これはなんだね!?よよよよよよっよ、よければハァハァハァハァ私に説明してくれないかね!」
段々とコルベールの顔が近づいてくる。そしてこちらの体もコルベールに引き寄せられる。
「せ、戦闘機!戦闘機です!空を飛ぶための道具!わかったら離してください!」
「ここ、これが飛ぶのか!はぁぁぁぁあああ!す、素晴らしい!」
紅潮していた頬をさらに紅潮させさらにこちらに顔を近づけてくる。それに対抗するようにコルベールの顔を掴み遠ざけるように押し返す。
そうだ、こんなときこそ冷静にならなければ!コルベールを落ち着かせ、いや、落ち着かせなくてもいい。とにかく金を払わせなくては!
「コ、コルベールさん。もっとよくこれを見たいと思いませんか?自分の手で余すことなく調べたいと思いませんか?空を飛ぶ様を見たくはありませんか?」
「ま、まさか分解させてくれるのかね!これを飛ばして見せてくれるのかね!さ、早速やってくれんかね!ほれ!好奇心で手が……!」
よく見ると手が小刻みに震えている。いや、どちらかといえば痙攣している。そして手だけじゃなくコルベールの全身が痙攣している。大丈夫なのか!?まあいい。
近づいてくるコルベールの顔をさらに押しのける。
「そのためにはコルベールさんにも協力していただきたいんです」
「な、なにかね!?」
「運び賃を立て替えてくれませんかね?それと秘薬の代金も。右手の指が折れていて」
そして渾身の力を持って私はコルベールを引きはがした。危なかった。

48 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:01:34 ID:Hd5l2Q9M
スイッチの入ったコルベール先生支援

49 :使い魔は静かに暮らしたい:2007/09/30(日) 21:02:36 ID:NzlzRWm4
「もしかしてこれが翼かね!?羽ばたくようにはできておらんな!この風車はなんだね!?」
「プロペラといって、それを回転させ風の力を得て前に進むんです」
「なるほど!よくできておる!」
コルベールは先程よりは落ち着いた様子でゼロ戦のあらゆる場所を見て回っている。
コルベールは私の話を二つ返事で了承した。秘薬はとっさに思いついたことだが言ってよかったな。
「ヨシカゲ」
「ん?」
そんな風に思っているとルイズが話しかけてくる。
「立て替えてくれる人ってミスタ・コルベールのことだったの?」
「いや。違う。これはあくまで偶然だ。私はコルベールさんを利用しただけに過ぎない」
本当は初めからコルベールに払わせる気満々だったのだが、その辺は話さないほうがいいだろう。話したら何を言われるかたまったもんじゃない。
「あんたね、こんなことしていいと思ってるの?しかも秘薬の代金まで出させて。秘薬の代金ぐらい私が払うわよ」
「何を言ってるんだ。私は代金を払ってもらう。あっちはそれでゼロ戦を研究する権利を得る。別に悪いことなんかしちゃいないだろう?お互いの利害が一致しただけだ」
「そ、そうだけど。なんだか利用してるみたいでいい気持ちがしないわ」
「ふ〜ん。だが、世の中なんてこんなもんだぞ」
たしかに、実際はコルベールを利用しているだけだ。しかし、それは悪いことじゃだろうと私は思う。なぜなら私だけが得をしたわけじゃないからだ。
コルベールが興味深そうにゼロ戦を見て回る様を見ながら私はそう感じていた。それにしても、
「なあルイズ。私がコルベールさんに襲われていたとき、助けてくれてもよかったんじゃないか?」
「だって、わたしに的が向けられたらどうすんのよ」
知るか。

50 :初代スレ506:2007/09/30(日) 21:03:44 ID:NzlzRWm4
以上。

少しコルベールし過ぎたかもしれない。70コルベールくらい?

51 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:04:34 ID:BJ11c6WA
GJ!
やはりデルフ以外には冷たいなヨシカゲは

52 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:05:12 ID:Hd5l2Q9M
GJ!

通常を50コルベールと仮定して、83コルベールぐらいは行ってるんじゃなかろうか

53 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:05:25 ID:gQf4RzyG
『研究モードのコッパゲ先生』と『我等が剣モードのマルトーさん』には誰も敵わない的支援

54 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:07:47 ID:tqxHdUE1
GJコルベール&吉良
いやいやいや117コルベールくらいだろう
70コルベールはエンジンお披露目ぐらいじゃないか?

55 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:18:56 ID:QEHYUgZt
GJ!
いや、100コルベールは超えないだろう。きっと、95コルベールぐらいだ

100コルベールこえたら
興奮してきたわ!早くっ、「コッパゲ祭り」よ!!ぐらいにはなるんじゃないか?

56 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:20:07 ID:iplrTKBb
吉良GJ
これはまだ序の口だよ、65コルベールぐらいだよ


57 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:22:31 ID:h9eeop9J
GJJ!

いやいや80コルベールがいいとこだろう。
90までいったら間違いなくアッーくらいになるだろう

58 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:32:32 ID:wzBLFw+O
何だこの流れwww




まあ78.3333コルベールくらいじゃないのかな

59 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:35:08 ID:QEHYUgZt
ウホッ!いい研究・・・

(研究を)やらないか



60 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:51:01 ID:rcczikzT
他の単位で

惚れっぽい度合い=キュルケ
ハシバミ好き度=タバサ
胸革命度=ティファ
黒度=シエスタ
ビッチ度=アンアン

こんなのがあるんだな

61 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:52:27 ID:xguut8eA
浮気度=サイト

62 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:54:37 ID:EAUhU9zh
ロリ度=ワルド

63 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:55:56 ID:QEHYUgZt
浮気度はギーシュさんじゃないのか?

むしろサイトは空気読めない度だと思う

64 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 21:56:30 ID:Hd5l2Q9M
エロ度=オスマン

65 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:10:38 ID:h9eeop9J
悪度=ワルドだろう


66 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:17:57 ID:5dbiW5Hg
マゾ=マリコルヌ かw

67 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:31:21 ID:tqxHdUE1
ジョジョだと如何だ
策士度=ジョセフ
急成長度=康一
バン度=音石

68 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:33:45 ID:h9eeop9J
かませ犬度はダイアーかブルりんか迷うところ。

69 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:34:35 ID:Hd5l2Q9M
帝王度=DIO
究極生命力=カーズ
殺人指数=吉良
死亡回数=ディアボロ
悪のドス黒さ=神父

70 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:39:09 ID:RMWXpmLo
縮み度→間田or玉美
飲尿度→ケンゾーorアバッキオ

71 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:39:45 ID:tqxHdUE1
ブ男度=アヴドゥル
リアリティ=露伴
アホ度=億泰
お茶度=アバッキオ
プッツン度がイ丈助か由花子か悩む所

72 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:46:53 ID:h9eeop9J
>>70
飲尿度ジョルノが抜けてるぞ

73 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:49:13 ID:/srJjg6A
誰にも挙げられないルイズに泣いた
いやまあ、ツンデレ度=ルイズなんだろうけどねw
このスレ的には他の単位の可能性もあるかもしれんが

74 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:50:58 ID:xguut8eA
むしろルイズはバイオレn…いやツンデレ度でいいです

75 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:56:46 ID:2K46fRPv
兄貴度=プロシュート兄貴、エルメェス兄貴、形兆兄貴
多すぎるな…
ルイズはあれだろ…虚無度(主に胸g

76 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 22:58:57 ID:OileSB5N
マンモーニ度=ペッシ
スゴ味度=…誰だろう

77 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:01:05 ID:tqxHdUE1
形兆は几帳面度で良くね?
で、紳士度がジョナサン、逆転発想度がジョージ

78 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:01:48 ID:q5PgnLvG
美しい度=裕也
美しすぎる度=ジョナサン

79 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:05:56 ID:gQf4RzyG
ツンドラ度=ギアッチョ。無機物デレ度=ヨシカゲ。(ただしこのスレ限定)

80 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:12:58 ID:B079uP57
途中退場度=フーゴ

…ワルドは76フーゴくらい?

81 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:19:31 ID:sqAPYiUk
>>76
スゴ味度は川尻早人を押したい。
小学生にして、あのスゴ味。成長したら恐ろしい事になりそうだ。

82 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:29:13 ID:tqxHdUE1
506さんの「70コルベール」からここまで発展するとは

83 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:32:13 ID:RMWXpmLo
刈り上げ度→ホルマジオ
地味度→イルーゾォ
パイナップル度→ペッシ
変態度→メローネ
ホモ度→舌鮫
メタボ度→カルネ
モノクロ度→リゾット
角砂糖の個数→セッコ
ゲス度→チョコラータ
チート度→レクイエム

みたいな感じかな

84 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:33:34 ID:Wl5Om+Xk
善人度=育郎で間違いはないかと
いぬとモットは誰か考えてください(逃)

85 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:34:13 ID:4KnKQY5E
お前ら兄貴度を忘れてるぜ

86 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:34:53 ID:xguut8eA
癒し度=バオー犬
肥やし度=モット伯

87 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:36:22 ID:VABHRXzs
ペッシはビビリの単位じゃないかな

88 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:38:55 ID:pny6cAx8
ポルポル君は何が合うかな
やはりトイレでの災難度かな

89 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:43:03 ID:gQf4RzyG
>>83
ホモ度は寧ろソルベ&ジェラートだと思う。

90 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:43:25 ID:5dbiW5Hg
ゲス度=J・ガイル

ハンサム度=ラバーソール

91 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:46:43 ID:sqAPYiUk
ビビリ度=初期ペッシ
覚醒度=後期ペッシ
ゲス度=末期ペッシ

92 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:52:47 ID:gQf4RzyG
ところで前から気になってたんだけどさ、なんで最後の方のペッシはゲスって言われたんだ?
単に亀の中の敵(ジョルノ達)を殺そうとしただけだろ?
寧ろ某カビ先生の如く、列車に乗ってる一般人の乗客ごとグレイトフル・デッドした兄貴のほうがゲスだと思うんだが…

93 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:55:58 ID:xguut8eA
ペッシの最後の悪あがきが見っとも無いって意味なんじゃない?
よく分からんけど

94 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:56:59 ID:Gv6qYJRj
ブチャラティ基準でNGでした

95 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:57:10 ID:VABHRXzs
>>92
その動機がゲス。
仲間のためでも任務のためでもなく、ブチャラティの心に部下を失ったという『絶望』を残そうとしての行動だからな。
と、俺は解釈してる。

96 :92:2007/10/01(月) 00:02:32 ID:/Cu6clni
>>95
成るほど、言葉でも心でも理解できたよdクス。
&投下無いみたいだからもう『寝る』事にするよ

97 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:03:11 ID:rWKAZRvg
>>83
イルーゾォは地味じゃないだろ。
能力は最強クラスだし、暗殺チームで一番悲惨な死に方だぞ?
ここは一つ。

こォれしきィィイイのオオこ度→イルーゾォ

ということで

98 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:16:26 ID:7aUREtep
久しぶりに投下しようと思ったんだが、初期ペッシが溜まり過ぎて踏ん切りがつかない。
ジョースター卿、僕に勇気をください……。

99 :吉良omikuji!影:2007/10/01(月) 00:16:28 ID:HtFc+1Wc
月の初めの

100 :吉良!omikuji 影:2007/10/01(月) 00:17:50 ID:HtFc+1Wc
間違えた

101 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:18:07 ID:pT8GrzoX
支援だ!
これが支援だ!


102 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:20:54 ID:ds1cs40K
       、--‐冖'⌒ ̄ ̄`ー-、
     /⌒`         三ミヽー-ヘ,_
   __,{ ;;,,             ミミ   i ´Z,
   ゝ   ''〃//,,,      ,,..`ミミ、_ノリ}j; f彡
  _)        〃///, ,;彡'rffッ、ィ彡'ノ从iノ彡
  >';;,,       ノ丿川j !川|;  :.`7ラ公 '>了
 _く彡川f゙ノ'ノノ ノ_ノノノイシノ| }.: '〈八ミ、、;.)
  ヽ.:.:.:.:.:.;=、彡/‐-ニ''_ー<、{_,ノ -一ヾ`~;.;.;)
  く .:.:.:.:.:!ハ.Yイ  ぇ'无テ,`ヽ}}}ィt于 `|ィ"~  久しぶりの投下で踏ん切りがつかないだって
   ):.:.:.:.:|.Y }: :!    `二´/' ; |丶ニ  ノノ    
    ) :.: ト、リ: :!ヾ:、   丶 ; | ゙  イ:}    逆に考えるんだ
   { .:.: l {: : }  `    ,.__(__,}   /ノ
    ヽ !  `'゙!       ,.,,.`三'゙、,_  /´   「久しぶりの投下で皆期待している」と
    ,/´{  ミ l    /゙,:-…-〜、 ) |
  ,r{   \ ミ  \   `' '≡≡' " ノ        考えるんだ
__ノ  ヽ   \  ヽ\    彡  ,イ_
      \   \ ヽ 丶.     ノ!|ヽ`ヽ、
         \   \ヽ `¨¨¨¨´/ |l ト、 `'ー-、__
            \  `'ー-、  // /:.:.}       `'ー、_
          `、\   /⌒ヽ  /!:.:.|
          `、 \ /ヽLf___ハ/  {
              ′ / ! ヽ



103 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:21:55 ID:eMx3ndZN
>>98
だからオメーはマンモーニだっつーんだ!
俺達の世界では「投下する」なんて言葉は必要ねーんだ。
俺達がSSを書き上げたと思った時にはスデにッ!「投下を完了」しているからだッ!

勇気を出せ、>>98…その気になりゃあ住人達も幾らだって支援してくれるぜ

104 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:22:04 ID:HtFc+1Wc
そうか、こっちには!omikuji が無いんだな
そんなことよりも投下に期待
支援!

105 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:23:59 ID:9AlAhgGZ
>>102
卿、それは逆に考えていないかと愚考する次第であります。
むしろ「久しぶりの投下だから思い切って無茶が出来る」ではないかと……。

106 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:26:29 ID:3WJB1XPx
いや、もっと根源的な部分を逆に考えるんだ

「よく考えれば大して久しぶりでもないのに踏ん切りがつかない」

107 :◆PEFli7wTN2 :2007/10/01(月) 00:26:49 ID:7aUREtep
ありがとう、ジョースター卿。
そして>>103の兄貴!
兄貴の覚悟が!「言葉」ではなく「心」で理解できた!

切りよく30分から投下する!
スレ住人一同ー!俺の精一杯の投下だぜーッ!受け取ってくれーッ!

108 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:29:52 ID:aW8g/S7F
前哨支援だッ!投下しろぉぉぉぉぉっ!!

109 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:29:58 ID:d7dDzT/z
鉄ktkr!

110 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:30:22 ID:ds1cs40K
鉄の人かよ!
俺の馬鹿!!もっとちゃんと逆に考えればよかった・・・

111 :ゼロと奇妙な鉄の使い魔 1/15 ◆PEFli7wTN2 :2007/10/01(月) 00:30:22 ID:7aUREtep
第二十三章 惚れ薬、その終結

 授業が終わった後の風の塔の踊り場にルイズの声が響いた。
「見つからないってどういうことよ!」
「言葉通りの意味だよ。解除薬は見つからなかった」
 フーケは少し億劫そうな声で答えた。トリスタニア中の闇魔法屋を回ったた
め、疲れたのだ。
「念のため、材料についても探してみたんだけどね。どうしても必要な水の精
霊の涙が入荷されなくなってるらしいよ。何でも、ラグドリアン湖に住んでる
水の精霊たちと最近、連絡がとれなくなっているって話でね」
「何で?」
「さあ、そこまではわかんないね。でも、入荷は絶望的らしいよ」
 人一倍真面目に知識を蓄えてきたルイズは水の精霊の涙についても知ってい
た。水の精霊の涙と言うのは、実際には涙ではなく、水の精霊の身体の一部で
ある。
「それじゃ、タバサを元に戻せないじゃない……」
 ルイズは肩を落とした。リゾットの前で「解除薬を手に入れておく」と言っ
た手前、彼が戻るまでに薬を手に入れておかないのはルイズの主人としての沽
券に関わる。何より、本人は認めたくないが、タバサがあんな調子では精神的
なストレスがたまってしょうがない。
「まあ、そう気を落とす必要はないよ。魔法屋の一つで水の精霊の涙を買った
客を聞き出すことができたんだけど、どうやらこの学院の生徒らしい」
「本当に!? だ、誰?」
「ちょっと待ちなよ……」
 フーケは興奮して身を乗り出したルイズを片手で制しながら、メモを取り出
して読み上げる。
「女性。黒いマントを着用……あんたと同学年だね。金髪碧眼。ツリ眼。体系
は痩せ型。胸がない」
 気忙しく貧乏ゆすりしていたルイズの身体がぴたりと停止した。
「さ、さささ最後の情報は何? 私へのあ、あてつけ?」
「秘薬を作るってことはまあ、水のメイジだろうね……。って、は?」
 怪訝な顔でフーケがメモから顔をあげると、ルイズはこめかみをひくつかせ
てこちらを凝視していた。笑顔だが、何故かその笑顔が怖い。
 ルイズはまじまじとフーケの胸を見た。今まで気にしていなかったため、分
からなかったが、よく見ると大きい部類のようだ。否、はっきりと大きい。オ
スマンとコルベールをして「けしからん」と言わしめたフーケに、ルイズは圧
倒された。
(て、敵……。敵だわ……)
 ルイズが内心で悶えている間、フーケもまたルイズの胸を見た。なるほど、
こちらもあまり気にしていなかったが、ちゃんと見ると、服の上からでもはっ
きりと分かる。平原だ。大規模な野戦にちょうどいい地形だろう。
(同じ年頃でもこうまで差が出るとはね……)
 アルビオンで暮らす家族同然に思っている少女の胸と比較し、フーケは思わ
ず哀れみの眼でルイズを見た。胸の大きさが女性の全てだとは思わないが、流
石に平原ではコンプレックスにもなろう。
「……」
 二人の間に気まずい沈黙が降りる。重い空気にフーケはつい口を滑らせた。
「……始祖ブリミルも残酷なことをなさるわね……」
 次の瞬間、ルイズはフーケに虚無を放った。

「……まあ、私からの情報はそんなところなんだけど、誰か心当りはある?」
 フーケは服に積もった埃を払いながら尋ねた。ほとんど詠唱せずに放たれた
からか、爆発は大した威力ではなかったが、フーケの髪は爆風で乱れ、服は埃
まみれになっていた。
(やれやれ、こりゃあリゾットも大変なご主人様を持ったもんだね)
 そんなことを考えながら髪や服を整えるフーケをまだ少し不機嫌そうに睨み
ながら、ルイズは考えを巡らせた。この学院には沢山の人がいるが、学年や系
統、さらに髪や眼の色、体型まで分かっているなら相手を特定することはさし
て難しくない。
「モンモランシーかしら。彼女は香水とか、秘薬作りが趣味だったはずだわ」

112 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:31:21 ID:aW8g/S7F
支援

113 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:31:28 ID:eMx3ndZN
行け、リゾット…栄光と支援はお前にある…!

114 :ゼロと奇妙な鉄の使い魔 2/15 ◆PEFli7wTN2 :2007/10/01(月) 00:31:27 ID:7aUREtep
 『香水』のモンモランシーはルイズと同じ二年に所属する水系統のメイジで、
ギーシュの恋人であり、リゾットとギーシュが決闘する際、ギーシュに絶縁宣
言を突きつけた一人である。
「ああ、彼女か……。それじゃ、彼女に頼んで、譲ってもらうなり、解除薬を
作ってもらうなりするんだね。もう使われてたらどうしようもないけど」
「確かにそうね…。今から急いでモンモランシーの部屋に行ってみるわ」
「行ってらっしゃい。私はここで待ってるから、あとで首尾を聞かせて」
 フーケの返事を聞くのもそこそこに、ルイズは寮塔に向かって走り出した。

 さて、その頃、モンモランシーの部屋では、ギーシュが部屋の主にして恋人
を一生懸命、口説き落としていた。この二人、年中くっついたり別れたりして
おり、今はその瀬戸際なのだ。
 と言っても、実はこの手の言い合いは二人にとって年中行事である。今回の
場合、そもそもの原因はギーシュが下級生に色目を使ったことに端を発する。
ギーシュにとって『ちょっと念入りに挨拶する』程度のことがモンモランシー
の気に障るのだから、衝突は避けようがないのだ。
 ギーシュはモンモランシーの機嫌をとるため、部屋の中を行ったり来たりし
つつ、薔薇やら水の精霊やら星やら黄金の草原やら、とにかく思いつく限りの
美の対象を引き合いに出しながら、既に歌劇一本分ぐらいの台詞を吐き出して
いた。流石にモンモランシーもギーシュが可哀想になってくる。モンモランシ
ーとて、ギーシュの気持ちを本当に疑っているわけではない。何しろ命をかけ
て秘境から財宝を取ってきて、それを自分にプレゼントするくらいだ。だが、
それはそれとして他の女を見るのは気に食わないし、腹も立つ。どうしようか
としばらく考えていたが、その時、モンモランシーの頭に閃光のように名案が
浮かんだ。すっと、後ろを向いたままギーシュに左手を差し出す。ああ、とギ
ーシュは感嘆の呻きを漏らし、その手に口付ける。
「ああ、僕のモンモランシー……。もう僕は君以外目に入らない……」
 続いてギーシュは唇を近づけようとしたが、すっと指で刺された。
「その前に、ワインで乾杯しましょうよ。せっかく持ってきたんだから」
「そ、そうだね!」
 テーブルの上には、花瓶に入った花とワインの壜と陶器のグラスが二つ置い
てあった。ギーシュはそれらを携えて、モンモランシーを訪れたのである。
 ギーシュは慌てて、ワインをグラスについだ。すると、モンモランシーはい
きなり窓の外を指差した。
「あら? 窓の外に裸のお姫様が飛んでる!」
「え? どこ! どこどこ!」
 ギーシュは目を丸くして、窓の外を食い入るように見つめている。
(なーにーが! 『君以外の女性は目に入らない』よ。やっぱりコレを使わな
きゃダメね! 全く、使わなきゃ使わないで済ませたのに……)
 そう思いながら、モンモランシーは袖に隠した小瓶の中身を、ギーシュの杯
にそっと垂らした。透明な液体がワインに溶けていく。香水のモンモランシー
が腕によりをかけて密かに作り出したそれは、早い話が惚れ薬だった。
 完全に液体がワインに溶けるのを見計らって、モンモランシーはにっこりと
笑った。
「嘘よ。さあ、乾杯しましょ」
「やだなあ、びっくりさせないでくれ」
 ギーシュはおどけながらも杯を手に取った。二人の杯が触れ合い、その中身
が両者の喉を降りていく。
 杯が空になったその時、大きな音を立てて部屋の扉が開き、ルイズが入って
来た。
「モンモランシー、話があるんだけど!」
 中に居た二人は思わずルイズに視線をやった。そう、ギーシュもである。

115 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:31:41 ID:pT8GrzoX
勇気は行動で示す!これが、これが支援だ!

116 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:32:17 ID:4yfeV6yx
支援!

117 :ゼロと奇妙な鉄の使い魔 3/15 ◆PEFli7wTN2 :2007/10/01(月) 00:32:41 ID:7aUREtep
「ノックくらいはしたまえ、ルイズ! ………ん?」
「あ!」
 モンモランシーが声を上げたが、既に遅かった。ギーシュの中で、ルイズへ
の好意が急速に膨れ上がっていく。元々ギーシュは女性には好意的であるが、
その好意は桁違いだった。
「ああ、ルイズ……、君はなんて美しいんだ……。君に比べればこの世のどん
なバラの美しさも霞んでしまうよ……」
 そういってルイズの手を取り、その甲にキスをする。
「へ? と、ととと突然、何よ、ギーシュ! 気持ち悪いわね」
 不意打ちで自分への賛美を聞かされ、ルイズは思わず照れて、手を引っ込め
た。みると、モンモランシーが頭を抱えている。その様子でピンと来た。
「モンモランシー、あんた……まさかと思うけど、惚れ薬をギーシュに飲ませ
たんじゃないでしょうね?」
 途端にモンモランシーの身体がぎくりと跳ねた。
「な、何で分かったの!?」
「やっぱり……。遅かったわ……」
 がくりと肩を落とすルイズだったが、ギーシュはその肩を抱き寄せる。
「どうしたんだい、僕の愛しいルイズ? 君にそんな顔は似合わないよ。笑っ
ておくれ。そうだ、元気が出るおまじないをしてあげよう」
 そう言ってルイズの頬に唇を寄せる。次の瞬間、モンモランシーとルイズは
双子もかくや、というコンビネーションを発揮し、あっという間にギーシュを
縛り上げ、床に転がした。
「な、何をするんだね、二人とも。ああ、もしやそういう趣向なのかい? ル
イズがしたいなら僕は構わないよ」
 などと見当違いのことをいうギーシュを、モンモランシーは怒りに肩を震わ
せて睨んだ。
「な、何がおまじないよ…! 惚れ薬を飲んだとはいえ、私の前でよくもそん
なことを……!」
 低く呟く。よくもも何も自分が惚れ薬を飲ませたせいなのだが、感情は時に
論理を超越するのである。
「モンモランシー、解除薬を作って!」
 詰め寄るルイズに、モンモランシーは気まずそうに答える。
「無理よ。もう材料を使い切っちゃったし。買い直すにしてもお金なんてない
もの……」
 貧乏な貴族、というと奇妙な印象を受けるかもしれないが、世の中、ルイズ
の実家、ヴァリエール家のように豊かな貴族ばかりではない。むしろ、貧乏な
貴族というのが世の貴族の半分を占めている。
 そもそも貴族が何より大切にする体面を保つのには存外、金がかかる。
 例えば、ギーシュの実家のグラモン家は元帥職も排出している武門の名家で
あるから、戦争のある度に、見栄を張って多大な出費を繰り返している。
 また、屋敷や領地というものは維持するだけでも結構な費用がかかる。貴族
は基本的に世襲制であるので、代々の当主が経営の才に恵まれているとは限ら
ない。領地経営を失敗すればあっという間に貧乏へと転落する。
 干拓に失敗して領地を保つのにやっと、という状態になったモンモランシー
の実家、モンモランシ家はこちらの部類に入る。
 今回の惚れ薬の材料にしても、モンモランシーが得意の香水を調合しては売
り払い、こつこつ貯めたお金で購入したものなのだ。もう一度材料をそろえる
のにはどれほど掛かるか……。
 が、金はとりあえず問題ではない。リゾットはフーケに資金を預けていった
ため、出そうと思えば出せる。問題はその前だ。
「……使い切っちゃった? 材料を?」
「ええ……」
 その言葉と同時にがくり、とルイズが膝から崩れ落ちた。市場にないものは
いくら金を出しても買えない。それでは解除薬が作れず、解除できないのでは
使い魔をタバサから取り戻せないし、薬の力でギーシュに好かれたところで迷
惑でしかない。
 二重の意味で打ちひしがれているルイズを尻目に、モンモランシーも考え込
む。何だかんだいっても彼女だってギーシュがこのままでは精神衛生上、とて
もよくない。何とかして解除しなくてはならない。

118 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:33:04 ID:aW8g/S7F
クスリは身を滅ぼす支援

119 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:33:38 ID:pT8GrzoX
モンモランシー自業自得だけどかわいそう支援

120 :ゼロと奇妙な鉄の使い魔 4/15 ◆PEFli7wTN2 :2007/10/01(月) 00:34:00 ID:7aUREtep
 そうこうしているうちにルイズが決然と顔を上げ、宣言した。
「こうなったら水の精霊に会いに、ラグドリアン湖へ行きましょう!」
「本気? 学校はどうすんの? それにルイズ。あんた、水の精霊が何か、知ら
ないわけじゃないでしょうね?」
「分かってるわよ。滅多に人前に姿を現さないし、怒らせでもしたら大変なん
でしょう? でも、一ヶ月も一年もギーシュがこのままでもいいわけ?」
「それは……」
 モンモランシーは言葉に詰まった。しばらく唸りながらギーシュやルイズに
視線をさまよわせた挙句、遂に音をあげた。
「あー、もう! 分かったわよ。仕方ないわね! 手伝ってあげるわよ!」
「最初から素直にそういえばいいのよ」
 満足げに笑うルイズと対象的にモンモランシーは不満げに鼻を鳴らした。
「勘違いしないで。ギーシュが心配ってわけじゃないわ。お付き合いなんて遊
びみたいなものだけど、薬のせいとはいえ、浮気されるのが嫌なだけよ」
「そう。まあ、それならそれでいいわ。貴方が素直じゃないのはわかったし」
 ちょっと肩をすくめながら、どこかでこういう光景を見たことがあるな、と
ルイズは思った。普段の自分自身なのだが、自分のことほど理解しにくいもの
なのである。
「はあ、サボりなんて初めてだわ」
「大丈夫だよ、モンモランシー。僕なんか今学年は半分も授業に出てないし、
僕のルイズはもっとだ。まあ、僕のルイズのためなら授業なんて一つもでなく
ても後悔しないけどね! あっはっはっ!」
 ギーシュは底抜けに明るく笑い、次の瞬間、二人の少女に同時に殴られた。
ぐったりしたギーシュを尻目に、ふと、モンモランシーはルイズに訊いてみた。
「ところで、貴方の使い魔はどうしたの?」
 ルイズはその質問に少し声を詰まらせた。平静を装ってそっけなく答える。
「……別に。ちょっと使いに出してるだけよ」
「そうなの……」
 モンモランシーはほっとしたように息をついた。モンモランシーはルイズの
使い魔が苦手だった。特に目立つわけでも乱暴を働くわけでもないが、何とな
く不気味なのだ。素手でギーシュとの決闘に勝ったという事実がその雰囲気を
助長していた。当のギーシュはリゾットにそんなに悪い印象を抱いているわけ
ではないのが不思議だったが。
「じゃ、明日の朝一で出発ね! それまで、ギーシュの面倒みておいてよ!」
 ルイズがそういって出て行った。残されたモンモランシーは気絶しているギ
ーシュを見て、一人、憂鬱そうにため息を吐いた。

121 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:34:12 ID:eMx3ndZN
惚れ薬支援!

122 :ゼロと奇妙な鉄の使い魔 5/15 ◆PEFli7wTN2 :2007/10/01(月) 00:35:16 ID:7aUREtep
 ルイズたち三人は馬を使い、ラグドリアン湖までやって来た。道中、ギーシ
ュはルイズを自分の立派な葦毛の馬の前に乗せたかったようだが、ルイズに拒
絶され、モンモランシーに凄まじい形相で睨み付けられ、それは諦めた。
 丘から見下ろすラグドリアン湖の青い水面は、陽光を反射し、キラキラと宝
石のように輝いていた。
「これが音に聞こえたラグドリアン湖か! いやあ、なんとも綺麗な湖だな!
ここに水の精霊がいるのか! 感激だ!」
 はしゃぐギーシュとは対照的に、ルイズは懐かしい目でラグドリアン湖を見
渡していた。前に一度来たときはアンリエッタのお供だった。その当時のアン
リエッタは園遊会の後、夜毎にルイズをベッドの中に影武者として寝かせ、自
分は夜な夜な抜け出していた。あれは今は亡きウェールズに逢っていたのだな、
と、今、成長したルイズならば理解できるが、当時は不思議だったものだ。
 思い出から戻り、ふと気付くと、ギーシュは馬を回り込ませ、ルイズの後ろ
から湖を見ていた。そのまま薔薇を咥えて悩ましげに眉を寄せている。
「……何してるの?」
 何となく嫌な予感を覚えながらルイズが尋ねると、ギーシュは盛大にため息
をついた。
「いや、今、感激したばかりだが、こうして一緒にみるとラグドリアン湖の美
しさなど、ルイズには遠く及ばないね。霞んでしまうよ」
「なっ!?」
 歯が浮くような台詞を言われ、ルイズは赤面した。その途端、ギーシュの馬
が急に湖に向かって走り出す。
「うわっ!?」
 波打ち際まで全力で走った馬は、水を怖がり、急停止した。慣性の法則で、
ギーシュは馬上から投げ出され、湖に頭から落ちる。
「背が立たない! 背が! 背ぇええええがぁあああああッ!」
 ばしゃばしゃとギーシュは必死の形相で助けを求めている。どうやら泳げな
いらしい。
「ふん、なによ! ルイズルイズって馬鹿みたい!」
 ギーシュの馬に鞭を入れた張本人、モンモランシーは不機嫌そうに呟き、自
らも波打ち際まで馬を進める。
 ギーシュがルイズに付きっ切りなため、彼女は道中、ずっとこの調子だ。
「ま、まあ、薬のせいだし。解除薬を飲めばすぐ治るわよ」
 ルイズがフォローを入れながら後に続く。水の精霊との連絡には『水』のメ
イジであるモンモランシーが必要不可欠なため、彼女がいつ機嫌を損ねて帰る
と言い出すかと、ルイズは内心ひやひやしていた。
 必死の犬掻きで岸に辿り着いたギーシュは、息を整えると、薔薇を咥えなお
して精一杯格好をつけた。
「ちょっと格好悪いところをお見せしてしまったかな?」
 そんなギーシュに女性二人が顔を見合わせ、がっくりとうな垂れていると、
遠くから一頭の馬に跨った金髪の女性が近づいてきた。二人の側に来ると馬を
降り、ルイズに向かって礼をする。
「お嬢様、お待ちしておりました。無事に到着されて何よりです」
「ええ。頼んでいたことは調べてくれた?」
「はい。まだ付近住人に聞き込んだ程度ですが」
 誰? と目線で尋ねてくるモンモランシーに、ルイズは答える。
「ええと、うちの実家の使用人のラ・ポルト。ほら、夏期休暇に入ったら実家
に帰るから、その準備のために来てくれたんだけど、ラグドリアン湖の水の精
霊がおかしいって話だから、先に行って調べてもらっていたの」
 ルイズは覚えた『設定』を一気にまくし立てる。ふぅん、と特に疑った様子
もなく、モンモランシーは聞いていた。
「さすがラ・ヴァリエール家のご令嬢ね……」
「よろしくお願いします。ミス……」
「モンモランシよ。モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモ
ランシ」
「僕はギーシュ・ド・グラモンだ」
「よろしくお願いします、ミス・モンモランシ、ミスタ・グラモン」
 そういってラ・ポルトは頭を下げた。護衛をかねているのか、杖を下げてい
る。そんな彼女を見て、モンモランシーは何か引っかかるものを覚えた。
「ねえ、貴方……どこかで会った事、ある?」

123 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:35:55 ID:g4KVF/Iy
うおおおお!読む前に支援だッ!

124 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:36:03 ID:aW8g/S7F
こっちも支援

125 :ゼロと奇妙な鉄の使い魔 6/15 ◆PEFli7wTN2 :2007/10/01(月) 00:36:37 ID:7aUREtep
「いいえ、初対面です」
「そう……。きっと他人の空似よね」
 モンモランシーは首を傾げた。どこかで会ったことがあるような気がしたの
である。
 それもそのはずで、このラ・ポルトという女性はフーケの変装である。
 元々、フーケは学院長の秘書という、生徒と直接には関係ない職についてい
たので、そもそもフーケがミス・ロングビルを名乗っていた頃の顔をはっきり
覚えている生徒は少ない。髪を染め、化粧の仕方を変え、眼鏡を野暮ったいも
のに変えるだけで、十分に変装になっていた。
 ちなみに偽名のラ・ポルトというのは、ルイズがアンリエッタと過ごした少
女時代によく叱られた侍従の名前である。
「まあ、そんなことより、どうなの? 何かわかった?」
 ルイズが本題を切り出す。フーケは頷いて喋りだした。
 フーケの調査によると、二年ほど前からラグドリアン湖の水位が上昇し始め
たのだという。徐々にではあるが、確実に増水は進んでいるようで、湖を見渡
すと、確かに屋敷の屋根らしきものがかろうじて水面に出ている。湖面を覗き
込むと、畑の名残らしきものも湖底に見て取れた。もちろん自然現象ではあり
えない増水の仕方である。
「付近の住民によると、水の精霊の仕業だとか」
「……そうね。水の精霊は怒ってるみたい」
 話を聞きながらじっと湖面を見つめていたモンモランシーが呟いた。『水』
のモンモランシ家は代々、トリステイン王家と水の精霊の盟約の橋渡しをして
来た家柄である。今は交替してしまったとはいえ、その一員であるモンモラン
シーも、何か感じ取れるのだろう。
「領主はどうしたの? 自分の領地がこんなことになっているのに」
「訴えはあるようですが、どうやらまだ大した問題にしていないようですね。
元々、ここの領主は宮廷での付き合いに夢中なようですし、今は戦争の準備が
あります。関わっていられないのでしょう」
「ふぅむ……戦争は国家の一大事だし、貴族同士の付き合いも面子がかかって
いるところがあるからねえ……」
 服を乾かしていたギーシュがそういうのを、貴族嫌いのフーケは冷ややかな
目で見ていた。貴族から追放された身だからこそ分かることもある。貴族は領
民がいるから生活できるのだ。それが苦労しているのに放置するというのは本
末転倒だ。
「ギーシュ、ふざけたことを言わないで。自分の領地と領民も守る責任を果た
してこその貴族なのよ」
 だから、ルイズがそういってギーシュを睨み付けたときは、ルイズを見直す
ような気持ちになった。
「ああ、ごめんよ、僕のルイズ。そんなつもりで言ったんじゃないんだ」
 慌てて弁解するギーシュに、そっぽを向いたルイズは、フーケの視線に気付
いた。
「何よ?」
「いいえ、お嬢様がご立派になられたことに感激しただけでございます」
 そういってフーケは心からの微笑を浮かべた。
「ふ、ふん。別に当たり前よ、このくらい。それより、モンモランシー。水の
精霊は呼び出せるの?」
 そういってモンモランシーを見る。次の瞬間、そこにいた生物を見て悲鳴を
あげた。
「か、カエル!?」
 鮮やかな黄色に所々黒い斑点のついたカエルが、モンモランシーの手の平の
上にちょこんと乗っかり、主人を見つめていた。
 驚いたルイズとカエルの間にギーシュが割り込む。
「大丈夫だよ、ルイズ。あれはモンモランシーの使い魔なんだ」
「そうよ。あんまり嫌がらないでちょうだい。大事なパートナーなんだから」
 憮然として言うと、モンモランシーは指を立て、カエルに命令した。
「いいこと? ロビン。貴方の古いお友だちと、連絡が取りたいの」
 モンモランシーはポケットから針を取り出すと、それで指の先を突き、血を
一滴、カエルに垂らした。

126 :ゼロと奇妙な鉄の使い魔 7/15 ◆PEFli7wTN2 :2007/10/01(月) 00:37:45 ID:7aUREtep
 すぐに呪文を唱えて傷を治療すると、顔を近づけ、カエルに言い聞かせる。
「これで覚えていれば相手は私のことがわかるわ。お願いね、ロビン。水の精
霊に、盟約の持ち主の一人が話をしたいと伝えてちょうだい。わかった?」
 ロビンは頭を下げると、水の中へと入っていった。
「さ、後は待つとしましょう」
「水の精霊ってどんな姿なの?」
 ルイズが興味本位で訊いて見た。知識として知っているが、実際にその姿を
見たことはない。ギーシュも相槌を打った。
「僕も見たことないなあ」
「う〜ん……生きている水って言えばいいのかしらね。私も小さい頃、一度だ
けしか見たことないわ。領地の干拓をするときについてきてもらったの。大き
なガラスの容器の中に入ってもらって来たんだけど……。その姿を例えるなら
……」
 その時、岸辺から三十メイルほど離れた湖面が光を放った。
「っと、来てくれたみたい。私が説明するより、見た方が早いわ」
 餅が膨らむようにして湖面が盛り上がったと思うと、何か見えない手にこね
られているように形を変えながら水が盛り上がった。形を変える水、それその
物が水の精霊なのだ。
 湖から戻ってきたカエルを自分の懐にしまいながら、モンモランシーは両手
を広げ、水の精霊に語りかけた。
「私はモンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ。古き
盟約の一員、その末裔よ。貴方が私を覚えていたら、私たちにも分かるやりか
たと言葉で応えてちょうだい」
 その声に反応するかのように、水の精霊はぐにゃぐにゃと形を変え、一糸纏
わぬモンモランシーそっくりの形になった。日の光が反射し、それはまるで宝
石が動いているようだった。その美しさに思わずルイズとフーケはため息をつ
く。ギーシュは水の精霊ではなく、ルイズの横顔にため息をついていた。
 水の精霊は形を整えると、身体を震わせてモンモランシーに返事をした。
「覚えている。単なる者よ。貴様の身体に流れる液体を、我は覚えている。貴
様に最後に出会ってから、月が五十二回交差した」
「よかった。水の精霊よ。お願いがあるの。あつかましいとは思うけど、貴方
の身体の一部を分けて欲しいの」
 水の精霊が怒っている理由も多少、気になるが、まずは自分たちの目的から
頼んでみる。
 その願いを聞くと、水の精霊はにこりと笑った。
「断る。単なる者よ」
 表情とは裏腹に、精霊はそう言ってにべもなく断った。
「そういわずに、お願いするわ。私たちにはそれが必要なの。何らかの形でお
礼はするわ」
 粘り強く交渉しようとするモンモランシーを押しのけて、ルイズが水の精霊
に懇願した。
「お願い! それがないととても困るの! ほんのちょっとでいいから、私たち
に貴方の一部を分けてちょうだい!」
 ルイズが頼み込んでいるのを見て、ギーシュも水の精霊に頭を下げた。
「水の精霊よ。僕からもお願いするよ。どうか貴方の一部を分けてくれないか
い?」
「ギーシュ……」
 モンモランシーが呟くと、ギーシュはちらっとモンモランシーを見た。
「何に使うか知らないが、女性二人が、しかもルイズとモンモランシーが望ん
でいることを、この僕が手伝わないわけにもいかないだろう?」
 水の精霊は三人に懇願され、考えるように形をぐにぐにと変えていたが、ま
たモンモランシーの姿を取ると、返事をした。
「よかろう。単なる者たちよ。我のいう条件と引き換えに、我の一部を譲り渡
そう」
 そして水の精霊はその条件を語り始めた。条件を聞いていくうちに、一同の
表情が渋くなっていく。はっきりいって苦手な依頼だ。しかし、断るという選
択肢はない。
(フーケに相談するしかないわね)
 ルイズは心の中でそう思っていた。

127 :ゼロと奇妙な鉄の使い魔 8/15 ◆PEFli7wTN2 :2007/10/01(月) 00:38:52 ID:7aUREtep
 タバサに命じられた任務は、ラグドリアン湖を増水させている水の精霊の退
治だった。水の精霊は盟約を結んだ人間としか交渉に応じないらしく、盟約を
結んでいるのはトリステイン王国であるため、ガリア王国側からは交渉をでき
ない。ならばトリステインを経由して交渉すればいいようなものだが、そこに
何か思惑があるのか、それともそれを口実にしてタバサを消したいのか、どち
らなのかは指令から読み取ることはできなかった。
 どちらにしてもタバサたちに拒否権はない。タバサ、キュルケ、リゾットの
三人は、その夜も任務に取りかかるため、ラグドリアン湖の岸辺にきていた。
ことが明らかになれば国際問題に発展する可能性すらあるため、人目につかな
いよう、三人とも漆黒のローブを身に纏い、フードを目深に被っている。
 タバサが杖を掲げ、呪文を唱え始める。
 タバサが風の魔法で空気の球を作りだし、湖底にいる水の精霊をキュルケの
炎とリゾットの武器で攻撃するのだ。水そのもののような水の精霊も、液状の
身体を蒸発させたり分解したりすればダメージがある。もちろん、相手からの
抵抗もあるが、水が届かない限り、相手からの影響は受けない。
 こう書くと簡単なように思えるが、逆に言えば少しでもタバサが動揺したり
集中を切らしたりして、湖の水が入ってくれば三人とも一瞬で殺されるという
ことでもある。従って、任務の間、リゾットとキュルケは極力口を利かないよ
うにしていた。二人が会話すると、それだけで惚れ薬の影響下にあるタバサが
動揺する可能性があるからだ。
 タバサの詠唱が終わる頃を見計らって、リゾットも用意した武器を握る。手
袋の下のルーンが発動し、身体が軽くなる。と、何か違和感を感じた。
 次の瞬間、突然地面が盛り上がり、大きな手のように広がると、三人を捕縛
しようと絡みつく。同時に背後の茂みから七人の武装した人影が飛び出してく
る。
 だが、三人の反応は素早かった。即座にキュルケが呪文の詠唱を開始し、リ
ゾットは飛び出してきた敵に対応するため、跳躍して土の手を回避する。
 キュルケが杖から出した炎で土の戒めを焼き払う。その魔法を放った隙を狙
うかのうようにラグドリアン湖の水面が盛り上がり、水柱となってタバサたち
に襲い掛かる。だが、水柱はキュルケと少し時間をずらして呪文を詠唱したタ
バサの放つ風の槌に粉々に散らされた。と、思ったらまた地面が隆起し、牙を
剥く。
 相手も二人で組んでいるらしく、土と水が交互に襲い掛かり、キュルケとタ
バサの火と風とぶつかり合う。
 一方、リゾットは武器を先頭の人影に叩きつける。火花が散り、人影が吹っ
飛んだ。
「ゴーレムか」
 倒れたときの金属音と自分の手に伝わってきた感触からそう判断すると、空
いている手でデルフリンガーを抜き、二体目のゴーレムを切り裂く。
「なんでぇ、相棒。今回、俺の出番はねーんじゃなかったのか?」
「あっちはゴーレムには役に立たないからな」
 いじけたように呟くデルフリンガーに言葉を返しつつ、リゾットは加速して
ゴーレムを切り伏せ、同時にそれを操るメイジを探す。
 木陰に杖を持った複数の人影を見つけると、リゾットは他の二人に視線を投
げかける。その意図を瞬時に理解したキュルケとタバサは落ちてきた水柱を二
手に分かれて回避すると、それぞれ炎と、氷の矢を放った。
 だが、それに対応するように一人が杖を振る。タバサたちと人影の間の土が
盛り上がったと思うと、瞬時に鋼鉄へと変化し、二人の魔法を弾く。
「よし! ……え!?」
 相手のメイジが短く歓喜の声を上げるが、その声は次の瞬間、驚きの声に変
わった。二人の魔法に隠れるようにして接近したリゾットが壁を回りこんで飛
び込んできたからだ。
 眼前のメイジを切り捨てようとした瞬間、リゾットは聞き覚えのある詠唱を
耳にした。
「待て!」
 リゾットの制止も間に合わず、その最後の一人は延々と唱えていた詠唱を中
断し、杖を振る。光の球が突如、空間に出現した。リゾットはデルフを構えて
背後に跳ぶが、それでもなお襲ってきた爆発の衝撃によって地面に叩きつけら
れた。

128 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:38:53 ID:pT8GrzoX
フーケだったんか支援!

129 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:38:59 ID:g4KVF/Iy
支援疾走!

130 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:40:17 ID:eMx3ndZN
支援!

131 :ゼロと奇妙な鉄の使い魔 9/15 ◆PEFli7wTN2 :2007/10/01(月) 00:40:45 ID:7aUREtep
「相棒、大丈夫か!?」
「大丈夫だ。心配させて悪いな、デルフ……」
 即座に立ち上がると、杖を構えるメイジたちを手で制す。
「待て、ルイズ」
 フードを外すと襲ってきた四人の一人が声を上げた。
「え……リゾット!? ということは……」
 後方にいたキュルケとタバサもリゾットの様子に気付いてフードを取り去っ
た。暗闇に潜んでいたギーシュとモンモランシーが叫ぶ。
「キュルケ! タバサ!」
「何であんたたちがこんなところにいるの!?」
「それはこっちの台詞よ!」
 一同が困惑する中、リゾットはルイズの隣の変装したフーケに気付いた。
「なるほど。素人じゃないなと思ったが、お前がいたのか……」
 フーケは無言で肩をすくめてみせた。

 合流した七人は、ラグドリアン湖のほとりで焚き火を囲みながらお互いの事
情を教え合うことにした。キュルケたちは夕食がまだだったこともあり、自然
と宴会のような様相を呈している。ギーシュはルイズにワインを勧められ、酔
っ払って眠り込んでいた。
「つまり解除薬に必要な水の精霊の身体の一部を分けてもらうため、襲撃者で
ある俺たちを倒してくれ、と依頼されたのか」
 リゾットが話をまとめる。ルイズの『エクスプロージョン』を受ける瞬間、
デルフリンガーを掲げたため、リゾットは比較的軽傷で済んでいた。治癒をか
けるなら水系統のモンモランシーが適任なのだが、タバサが譲らなかったため、
今、リゾットはおとなしくタバサの治療を受けている。
「最初は断られたんだけどね」
 まさか解除薬に水の精霊が必要だったとは思わなかったリゾットは、あのま
ま水の精霊を倒した場合を考えて少しひやっとした。
「それにしても、まさか別に惚れ薬の問題が持ち上がっているとは思わなかっ
たな……」
「こっちも驚いたわよ。ルイズから使いに出されたとは聞いていたけど、タバ
サたちに付き添ってたのね」
 事情を聞かされたモンモランシーは興味深げにタバサをみていた。タバサは
甲斐甲斐しくリゾットの治療を続けている。
「なるほどね……」
「まあ、タバサのことはおいといて、何で惚れ薬なんて作ったの?」
 キュルケがモンモランシーに尋ねる。
「つ、作ってみたくなっただけよ。深い意味なんてないわ」
 何となく悔しそうに呟くモンモランシーの視線の先には酔っ払って寝ている
ギーシュがいる。それだけでキュルケにはぴんと来たようで、苦笑した。
「全く、自分に魅力がないからって薬に頼らなくってもいいじゃない」
「うるさいわね! 元はといえば、ギーシュが浮気ばっかりするのがいけない
のよ! 惚れ薬でも飲まなきゃ治らないの! それなのに……」
 言葉の途中で涙声になり、モンモランシーは俯いてしまった。憎からず思っ
ている相手が別の女性にかかりっきりというこの状況はやはり心身に堪えるら
しい。
「それくらいにしてあげて。私にもちょっとは責任があるから」
 ルイズが言うと、キュルケは肩をすくめた。
「でも、どうするの? 解除薬は手に入れなきゃタバサとギーシュは治らない
けど、水の精霊は倒さなきゃいけない」
「俺たちの攻撃だと水の精霊を消滅させることはできても切り取ることはでき
ないからな……」
「そういえば、ミス・ツェルプストーはともかく、リゾットさんはどうやって
水の精霊に攻撃していたのですか?」
 今まで使用人らしく、黙って肉を焼いていたフーケが不意に訊いて来た。そ
の質問に、リゾットは長さ1メイルほどの鉄の棒を取り出す。棒には銅線がび
っしりと巻きつけられ、柄に当たる部分にはゴムが巻かれていた。
「これに磁力を通すと、電撃が発生する」
 リゾットはメタリカを発動させつつ、鉄棒を握り、薪の一つに押し付ける。
火花が散って、薪が弾けとんだ。いうなればスタンガンのようなものである。

132 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:41:43 ID:pT8GrzoX
スタンガン!?支援

133 :ゼロと奇妙な鉄の使い魔 10/15 ◆PEFli7wTN2 :2007/10/01(月) 00:42:03 ID:7aUREtep
 科学的には電磁誘導と言った現象にあたるのだが、リゾット自身、磁力をコ
イルに通すと電気が発生する、といったことを知っているだけで、それがどの
程度の電圧がでるかなどといった詳細は知らない。そもそもリゾットの発生さ
せる磁力は酸化した鉄分をも操作することが可能であり、通常の磁力とは性質
を異にする。スタンド能力にとって重要なのは「出来て当然」と思うことであ
り、科学知識はその思い込みを補強する要素に過ぎないのだ。
「電撃は水を分解する。これで水の精霊を攻撃していた」
「色んなことができるのね、それ」
 ルイズの珍しく感心したような呟きに、リゾットは首を振った。
「だが、今必要なのは、相手の身体を切り取る能力だ。少し……難しいな」
「……私はもう少しこのままでもいい」
 治療を終え、リゾットの隣で黙々とはしばみ草のサラダと肉を食べていたタ
バサが、不意に呟いた。
「そういうわけにはいかないだろう」
 リゾットがタバサに言うと、ルイズもそれに同意する。
「そうよ。そんなのダメよ! タバサが実家に帰る度に使い魔がいなくなって
たら、使い魔の意味がないじゃない!」
 食ってかかるルイズに、タバサは僅かに首を傾げた。
「嫉妬?」
「しっ……だ、だだだ、誰が! そんなわけないでしょ!?」
「本当に?」
 じっと、青い眼でルイズを見つめる。しばらくして、呟いた。
「嘘吐き」
「う、嘘なんか吐いてないわ! 私はただ……」
 そこでルイズは絶句した。タバサの視線に、ルイズは思わず視線を逸らす。
「そ、そんなことより。どうして貴方たちは水の精霊を襲ってたの?」
「それは……ええっと……水の精霊が湖を増水させているから、タバサの実家
でも被害に会ってるらしいの。それであたしたちが退治を頼まれたってわけ」
 キュルケがタバサの家の事情を伏せて説明する。それを聞いて、一人、フー
ケは怪訝な顔をしていた。
(確かこの近くはガリア王の直轄領だったはずだけど……)
 リゾットに視線を送ると、僅かに首を振った。何か事情があるのだろうと察
して、とりあえず納得する。調べようと思えばすぐに分かるだろう。
「では、こうしたらいかがでしょうか? ミス・モンモランシに仲介していた
だき、水の精霊から増水させている理由を聞き出すのです。理由が聞き出せれ
ば交渉の余地もあるかと」
「確かに。水が引けば退治する理由もなくなるな……。それでいいか?」
 リゾットの問いに、タバサは頷いた。
「よし、決まり! それじゃ、明日、早速交渉しましょう」
 キュルケが宣言し、その夜は過ぎていった。

 翌日、朝靄の中から現れた水の精霊に襲撃者を撃退したことを伝えると、水
の精霊は自らの一部を分け与えた。
 湖底に戻ろうとしていた水の精霊を、ルイズが慌てて呼び止める。
「もう一つ、聞きたいことがあるのだけど、いいかしら?」
 湖底に戻ろうとしていた水の精霊は再び湖面に浮上した。
「どうして貴方はこの湖の水を増水させているの? この辺りの人たちは皆、
増水に困ってるわ。今回の襲撃者もそれが原因で来たみたいなの。多分、貴方
がこのまま水かさを増やし続ければ、誰か別の襲撃者がやってくるわ。
 何か目的があるなら私たちも協力するから、話して」
 水の精霊はまた考えるように形を変形させていたが、やがてモンモランシー
の姿に戻り、口を開いた。
「よかろう、単なる者よ。我は約定を守る者を信じる」
 そういってまた姿をいくつか変えた後、元に戻って語り始めた。
「我が目的は我が長き時をともに過ごした『アンドバリの指輪』を取り戻すこ
とにある。そのために我の領域である水を増やした」
 その名前を聞いて、モンモランシーが記憶を探るようにしばし考え込んだ。
「聞いたことあるわね。確か、偽りの生命を死者に与える、『水』系統の伝説
のマジックアイテムね」

134 :ゼロと奇妙な鉄の使い魔 11/15 ◆PEFli7wTN2 :2007/10/01(月) 00:43:15 ID:7aUREtep
「そうだ。誰が作ったのか、何故作られたか、我は知らぬ。だが、お前たちが
この地にやってきたときには既に存在していた。死を恐れるお前たちには偽り
とはいえ、命を与える指輪は魅力に思えるかも知れぬ」
 それを聞いて、フーケはピンときた。似たものを見たことがあるし、リゾッ
トが不在の間に耳にしたある噂を思い出したからだ。
「先住魔法によって作られた物かもしれませんね。そういう品があると、耳に
したことがあります」
「ん、先住魔法?」
 不意にデルフリンガーが声を出した。
「ええ、何かお心当たりが?」
「んー、いや、なんだっけなあ。何か今、思い出しそうになったんだが……」
「またか。土壇場にならないとお前は思い出さないのか?」
 リゾットが呆れたようにいうと、デルフリンガーは仕方ないだろ、昔のこと
なんだから、と呟いて、黙り込んでしまった。時折、何かを思い出そうとうん
うん唸っている。
 デルフリンガーがそれ以上思い出しそうにないことを見取ると、フーケは前
に出た。
「水の精霊様、お尋ねしたいことがあります。『アンドバリの指輪』を盗んだ
賊は、アルビオンの手の者ではございませんでしたか?」
 至極丁重な口調で言う。地を知るルイズやキュルケは、よくもまあ、こんな
に雰囲気を変えられるものだ、と感心してそれを見ていた。
「どこの者かは分からぬ。だが、我が住処に来た数個体の一人がこう呼ばれて
いた。『クロムウェル』と」
「アルビオンの新皇帝の名前じゃない」
 キュルケの呟きに、フーケは頷いた。
「ええ。恐らく、間違いないかと」
「どういうことだ?」
 リゾットが全員を代表して疑問を述べる。最近、聞いた話なのですが、と前
置きして、フーケは話し出した。
「クロムウェルは死者を蘇らせることができるらしいのです。本人はそれを伝
説の『虚無』の力と喧伝しているそうですが、今の話を聞く限り、アンドバリ
の指輪のせいと考えた方がよさそうですね」
 それを聞いて、ルイズは何かに納得したように手を打った。
「そっか……。何でアルビオン王家が簡単に裏切られたかと思ってたけど、そ
の宣伝の効果もあったんだわ。死んでも生き返らせてもらえると思えば、普段
は日和見している貴族も貴族派につくもの」
 始祖ブリミルは信仰の対象になるほどハルケギニアの人間の心に根を下ろし
ている。そもそも、現存する王家自体が始祖の血を受け継ぐものたちが作った
ものなのだ。その始祖の力が使える、と臭わせるだけでも効果は十分だっただ
ろう。
「だが、単なる者よ。重ねて言うが、『アンドバリの指輪』によって得られる
命は偽りの命。それを使って蘇らせた者は使用者に従う人形に過ぎぬ」
「悪趣味ね。死人を意のままに操るなんて」
 水の精霊の言葉に顔をしかめながら、キュルケは内心、頭をひねっていた。
何か引っかかるものを感じていたのだが、うまく思い出せない。まあ、今は水
の精霊と交渉するのが先か、と髪をかきあげて思い出すのを諦めた。
「アンドバリの指輪というのは死者を操ることしかできないのか?」
 リゾットの質問に、水の精霊はしばらく間をおいて答えた。
「いいや、水の力そのものを凝縮したものであるが故、その使い方は一つに留
まらぬ」
「なるほどな……。外付けの精神力みたいなもので、どう使うかは使い手次第
ってわけか……。で、どうする、ルイズ?」
 ルイズはしばらく悩んでいたが、リゾットの問いかけに、決心したように頷
いた。受けるのだろう。
「いいのか?」
「仕方ないじゃない。タバサだって実家の手前があるし……。それより、あん
たは私の使い魔なんだから、手伝うのよ! 分かってる!?」
「ああ……。もちろんだ」
「ん、分かってるならいいわ」
 笑顔で頷くと、ルイズは大声で水の精霊に叫んだ。

135 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:43:44 ID:aW8g/S7F
支援が追いつかない支援

136 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:44:08 ID:pT8GrzoX
アンドバリの支援

137 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:44:14 ID:SvNpFQsF
支援します

138 :ゼロと奇妙な鉄の使い魔 12/15 ◆PEFli7wTN2 :2007/10/01(月) 00:44:38 ID:7aUREtep
「このまま水を増やしたところで、空の上のアルビオンには届かないわ! 私
たちがクロムウェルから指輪を取り戻すから、今は水を引いて!」
 水の精霊は震えると、言葉を発した。
「分かった。お前たちを信用しよう。お前たちの寿命が尽きるまで、我はここ
で待ち続けるとする」
 そう言って再び湖底に沈もうとした水の精霊を、それまでの会話中は興味が
なさそうにしていたタバサが呼び止めた。
「貴方に訊きたい事がある。貴方は人間に『誓約』の精霊と呼ばれている。そ
れはなぜ?」
「単なる者よ。我とお前達では存在の根底が違う故に、お前たちの考えを理解
できぬ。だが、思うに我は形は不定なれど、存在は変わらぬ。月が幾度交差し
ようともこの水とともに在った。変わらぬ我の前ゆえ、お前たちは変わらぬ何
かを祈りたくなるのだろう」
 タバサは頷いた。跪くと、眼を閉じ、手を合わせた。キュルケはその肩に優
しく手を置いた。
 それをみてギーシュは何か思いついたように薔薇を掲げた。
「ふむ……じゃあ、僕もルイズに永遠の」
 そこまで言ったところでギーシュは水柱の中に閉じ込められた。
「ごぼぼ!? ごぼ!?」
「全く……早く薬を作らなくちゃ……」
 誰が魔法を使ったなどはもはや書くのも野暮であろう。モンモランシーは不
機嫌そうに横を向いていた。
 タバサは祈った後、何かを期待するような眼でじっとリゾットを見上げた。
その表情から何を求めているか、察することは可能だったが、リゾットはあえ
て尋ねる。
「……何だ?」
 タバサはしばらく黙って見上げていたが、やがて首を振った。
「何でもない」
 呟いてリゾットに寄り添い、シルフィードを呼び出す。
「……悪いな。期待に答えられなくて」
 リゾットが呟くと、タバサも僅かに頷いた。
「いい。無理を言った」
 平坦に、しかしどこか寂しそうに、そう呟いた。

 学院に戻ると、モンモランシーはすぐに解除薬の調合に取り掛かった。
「出来たわ! ふう! しっかし、やたらと苦労したわねー!」
 額の汗をぬぐいながら、テーブルのるつぼから小瓶に液体を取り分ける。小
瓶をタバサに、るつぼをギーシュに手渡した。
「はい、二人とも、そのまま飲んで」
 ギーシュはそれに鼻を近づけると、顔を離した。
「何だか凄い臭いがするね。でもルイズ、僕はこれを飲んだところで、君への
思いは変わらないと思うよ?」
 臆面もなくそう言い放つギーシュに、ルイズは苦笑を浮かべる。
「そうね……。そうだったら私ももう少し真剣に考えるんだけど。でもそうじ
ゃないわ」
「じゃあ、僕はこれを飲んで確かめてみよう」
 言い放つと、ぐいっと飲み干した。一同の視線がギーシュに集まる。味が残
るのか、飲み干したギーシュは顔をしかめていたが、やがて憑き物が落ちたよ
うに表情に冷静さが戻ってきた。が、次の瞬間、焦りに満ちた表情に変わる。
「ご、ごごごごごめんよ、モンモランシー!」
 ガンダールヴもかくやという速さで振り向くと、いきなりモンモランシーに
土下座をした。
「僕ともあろうものが、君を一瞬でも邪険に扱ってしまうなんて、なんて謝れ
ばいいんだ!」
 必死で謝るギーシュだが、モンモランシーは背を向けた。
「ふ、ふん。何よ、今更謝ったって遅いわ!」
 惚れ薬を飲ませたのはそもそも彼女なのだから、許すのはやぶさかではない
が、簡単に許すのはプライドにかかわる。そんな想いから、思わずすげなくし
てしまう。
 そんなモンモランシーの態度にギーシュはがっくりと肩を落とす。

139 :ゼロと奇妙な鉄の使い魔 13/15 ◆PEFli7wTN2 :2007/10/01(月) 00:45:47 ID:7aUREtep
「ああ、そうだね。許してくれるには僕は罪を重ねすぎた。お詫びにここで果
てるとしよう」
 杖を振ってナイフを錬金する。ぎょっとしてルイズが止めに入った。
「ちょ、ちょっとギーシュ! 止めなさいよ!」
「いいんだ、ルイズ。君にも迷惑かけてしまったね。本当にすまない」
 などといいながらナイフを喉に押し当てようとする。
「もう! リゾット、ギーシュを止めて!」
「ああ……」
 本当につきたてるようには見えないが、恋愛というのは意識的にしろ、無意
識的にしろ、駆け引きも必要である。何より、丸く収まるならそれに越したこ
とはない。ギーシュの芝居に乗り、リゾットはギーシュの手を押さえる。
 その間に、ルイズがモンモランシーを説得にかかった。
「モンモランシー、反省してるんだから、いいでしょう? そもそもあんたが
惚れ薬を作ったんだし、許してあげなさいよ!」
「そもそも自分の彼氏くらい自分で繋ぎとめておきなさいよ」
 呆れたようにキュルケが言う。フーケもギーシュを哀れんで、一言述べる。
「殿方には時に飴も必要かと」
「な、何よ。まるで私が悪いみたいじゃない」
 モンモランシーが呟くと、リゾットが冷静にツッコミを入れた。
「根底の原因はギーシュにあるかもしれないが、今回の件に限って言えば、お
前にも責任があるだろう」
 苛立ちをあらわすように爪を噛んでいたが、諦めたように両手を広げて降参
の意を表した。
「……もう、しょうがないわね。許してあげるわ!」
「ああ、モンモランシー……。君は女神のように慈愛に溢れているね」
 感極まってモンモランシーによろよろと近寄るが、彼女はギーシュを手で押
し留めた。
「その代わり! もう金輪際、浮気しないこと! 私と付き合ってる間は私だけ
を愛すると誓いなさい」
「もちろんだよ、モンモランシー!」
 勢い込んで答えるギーシュは、モンモランシーの眼に光るものをみつけて驚
いたように硬直した。
 モンモランシー自身も無自覚だったようで、ギーシュの驚いた顔をみてから
それに気付き、自分の目元を慌てて拭うと、照れ隠しのように横を向いた。
「次はないからね!」
「分かったよ、モンモランシー……」
 ギーシュが神妙に呟き、優しくモンモランシーを抱きしめた。
 その光景を見て、ルイズは安心したように呟く。
「やっと元の鞘に納まったわね」
「男に言い寄られるなんてあんたにはないだろうし、いい経験だったんじゃな
いの?」
 キュルケが笑みを浮かべてからかうと、一息ついたような表情のルイズはス
カートの裾をいじりながら、つまらなさそうに返した。
「別に……。好きでもないのに言い寄られても迷惑よ……」
 割と真剣にそういったので、キュルケはそれ以上の追求は避けた。
「そう。まあ、とにかく、次はタバサね。……どうしたの?」
 タバサはじっと瓶に入った液体を見ていた。キュルケに声を掛けられると、
ルイズに視線を移す。
「な、何よ。まさか飲むのが嫌とかいうんじゃないわよね?」
 その言葉に軽く首を振ると、タバサは呟くようにルイズへ告げた。
「しばらく、彼と二人にして欲しい」
「え……な、何で?」
「お願い。これが最後」
 重ねてタバサはルイズに頼み込んだ。

140 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:47:34 ID:pT8GrzoX
> 「しばらく、彼と二人にして欲しい」
解除薬飲んでも変わらない気がする的支援

141 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:47:47 ID:eMx3ndZN
ギーシュいい奴だw 支援

142 :ゼロと奇妙な鉄の使い魔 14/15 ◆PEFli7wTN2 :2007/10/01(月) 00:48:18 ID:7aUREtep
 先を歩くタバサについて、リゾットは火の搭の屋上に来ていた。円形の搭の
屋上は、階下に通じる階段に続く穴以外、何もなく、胸ほどの高さの石の塀が
ぐるりと搭を囲んでいる。
 屋上に着くと、リゾットは夕日のまぶしさに一瞬、眼を細めた。タバサは塀
まで歩き、杖を抱えて夕日に眼をやっていた。赤い日がタバサの青い髪を照ら
し、いつもとは違った色合いにしている。特に何も言わずに黙っていたため、
リゾットもタバサの横でじっと夕日を見ていた。何もかもが異質な異世界で、
太陽の輝きだけは地球と変わらない。
 じりじりと落ちていく夕日を、二人で並んでしばらく眺めていたが、沈黙を
破ったのはタバサだった。
「……私の世界に色はなかった」
 リゾットは一瞬、タバサに眼をやったが、黙っていた。タバサが続ける。
「母様がああなってから、私の眼に映る世界は灰色で、何もかも冷たく感じた。
どんな景色も、この夕陽でさえ、寒々しい光景にしか見えなかった」
 タバサはじっと夕陽を見つめながら、一言一言を噛み締める様にして言葉を
紡ぐ。
「しばらくして、キュルケやシルフィード、それに貴方と出会って、私の世界
は少しだけ色を取り戻した。だけど……貴方と過ごしたこの数日間ほど、世界
が輝いていたことはない。私はこの光景を一生覚えていると思う」
 リゾットが買った銀細工のしおりを取り出すと、それを愛しそうに撫で、リ
ゾットに向き直る。
「ありがとう。貴方のお陰で私は世界が冷たくないことを思い出せた」
「……薬の効果だ」
「そうだとしても、貴方は私を不必要に忌避しなかった。貴方に冷たくされて
いたら、私はきっと耐えられなかったと思う。だから、感謝を」
「改まって礼を言うことでもない……。お前には……色々助けられている」
 リゾットはタバサから視線を逸らしてそういった。暗殺稼業から離れ、大分
経つが、改まって礼など言われることには未だに慣れない。
「それに……。あまり一生、なんて言葉はこの場合は使うな。お前の母親を治
して、目的さえ果たせば、お前はいつだって色のついた世界を見られるように
なる。この景色が普通になるさ」
「…………」
 不意にタバサはリゾットに抱きついた。精一杯の力を込めてリゾットを抱き
しめる。
「おい……? どうした?」
 タバサは答えない。表情は見えなかったが、悲しんでいるようにも喜んでい
るようにも見えた。リゾットはどう対応すればいいのか困惑していたが、しば
らく躊躇した後、どうにも出来ずに夕日に目をやったまま、突っ立っていた。
 そのまましばらく二人はじっとしていた。太陽が地平線から僅かにその頂点
を覗かせるのみとなった頃、ようやくタバサはリゾットから離れた。
「これで、終わり……」
 名残惜しげに呟くと、タバサはポケットから解除薬を取り出した。
「今のこの『私』にとって、貴方は全て。だから、これを飲んでその想いが消
えるなら、『私』も同時に消える。でも、それが貴方の、そして私のため。…
…せめて、見送って欲しい、他の誰でもない、貴方に。貴方だけに」
 瞳に僅かに不安をにじませ、タバサはそう懇願した。
「……分かった。だが、そう深刻に考えるな。惚れ薬の効果があろうがなかろ
うが、俺たちが仲間だということに変わりはない。そうだろう?」
 そういうことではないのだが、タバサは無表情に頷く。寂しさはまだあった
が、その心の中には確かに暖かいものがあった。
 そしてタバサは薬を口に運ぶ。味に関してはタバサは少し変わった味覚をし
ているため、特に抵抗はない。そのまま飲み干した。
「……治ったか?」
 しばらくしてからのリゾットの問いかけに、タバサは頷くと、リゾットに背
を向けた。
「どうした?」
「…………解除されても記憶は残る」
 ああ、とリゾットは納得した。
「照れてるのか」
 ほんの僅かにタバサは頷いた。

143 :ゼロと奇妙な鉄の使い魔 15/15 ◆PEFli7wTN2 :2007/10/01(月) 00:49:46 ID:7aUREtep
「そうか。じゃあ、元に戻れるような話をしよう。お前の母親だが……。水の
先住魔法で心の均衡を失っているのだったな?」
 タバサがまた頷いた。
「なら、アンドバリの指輪で治せるんじゃないか?」
 リゾットがそういうと、タバサは振り向いた。その顔にはほんの僅かだが驚
愕の表情が浮かんでいる。
「やはり、あのときの話をあまり聞いていなかったか。アンドバリの指輪は先
住魔法の水の力の結晶らしい。なら、治療に使えないか? どう思う?」
 タバサはしばらく考え、やがて頷いた。
「可能性はある」
「そうか……。希望が出てきたな。だけど、焦るなよ」
「大丈夫」
 タバサの所属するガリア王国はアルビオンに対して中立を宣言している。そ
んな国の皇帝に対して下手な行動を起こせば、人質同然の身のタバサの母親に
危害が及ぶのは想像に難くない。そこはタバサも分かっていた。
「私もアンドバリの指輪について調べてみる」
 気がつくと、周囲はすっかり暗くなっていた。夜の訪れと同時に気温も下が
り始めている。
「タバサ、中へ戻るぞ。遅くなった」
 リゾットに続いて階下へ向かいながら、タバサは胸の辺りを押さえ、空を見
上げた。夜空には赤と白の月が輝き、タバサを優しく照らしていた。

 騒動の終結を報告しようと、二人が寮搭の三階まで来ると、廊下で待ってい
たルイズがじろりと視線を投げかける。
「……遅かったじゃない」
「悪いな。……どうして外に?」
 ルイズの顔が途端に赤くなった。
「いや、何かその……ギーシュとモンモランシーが盛り上がってたから、邪魔
しちゃ悪いかなって……」
 どうやらギーシュとモンモランシーは上手く和解できたようだ。
「それで外で帰りを待っててくれたのか。気を使わせて悪いな」
「べ、別にあんたたちのためじゃないわ……。キュルケとフーケも待ってるか
ら、さっさと中に入るわよ!」
 ルイズが自室の扉を開けると、中でフーケとキュルケが待っていた。キュル
ケはサラマンダーのフレイムに餌をやっていたが、中に入ってきたタバサに笑
いかけ、手を止める。
「おかえり、タバサ。どう? ダーリンとの仲は進展した?」
「別に……」
 興味津々のキュルケにそっけなく答え、椅子に座ると、本を広げる。代わっ
てリゾットが口を開く。
「解除薬は飲んだ。これで……今回の一件は落着だ。フーケ、これが今回の報
酬だ。ご苦労だった」
 金貨の入った袋を受け取ると、フーケは大きく伸びをした。
「これで終わりですか。それでは、『お嬢様』。私はこれで失礼いたします。
ミス・モンモランシには、急用ができて実家に先に戻ったとでも言い繕ってお
いてください」
「うん、わかった。一応、その……お疲れ様」
「いいえ、仕事ですので。それに……」
 眼鏡を本来のものに取り抱え、ルイズににやりと笑みを返す。
「私は楽しかったよ。あんたにもいいところがあるって分かったしね。威張り
散らすだけの我が儘娘って評価は改めておくよ。貴族の義務って奴も心得てる
ようだし、友達思いのところもあるじゃないか」
 そういってフーケがルイズの頭を撫でまわすと、ルイズは顔を真っ赤にした。
「ちょ、ちょっとやめてよ!? 髪が乱れるじゃない! それにあんた、私をそ
んな目でみてたわけ!?」
 う、と呻いてフーケは視線を逸らす。
「ところでリゾット」
「答えなさいよ!?」
 キュルケに何があったのか問い詰められていたリゾットが振り返った。
「何だ?」

144 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:49:59 ID:aW8g/S7F
>ほんの僅かにタバサは頷いた。
くそっ、萌え殺すつもりか!

145 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:54:25 ID:eMx3ndZN
タバサかわいいよ支援!

146 :ゼロと奇妙な鉄の使い魔 16/15 ◆PEFli7wTN2 :2007/10/01(月) 00:54:50 ID:7aUREtep
「明日からしばらく休み取らせてもらいたいんだけど。ちょっと遠出して、耳
にした変な噂を調べてみようと思ってさ」
「変な噂って何?」
 好奇心の強いキュルケが尋ねる。誤魔化された形になったルイズは不満げだ
ったが、次のフーケの一言でその不満は吹き飛んだ。
「アルビオンのプリンス・オブ・ウェールズが生きてるんだってさ。しかも、
皇帝クロムウェルと行動をともにしてたって話でね」
「ウェールズ皇太子が?」
 思わずルイズは呟き、リゾットと顔を見合わせる。二人ともウェールズが死
んだ瞬間を見たわけではない。だが、あの状況からの脱出が絶望的だったこと
は明らかだ。何より、ウェールズ自身があの場で死ぬことを決めていた。降伏
も逃亡も捕縛もよしとしないはずだ。
 そのとき、キュルケが大声を上げた。
「そうよ! 思い出したわ! そのウェールズ皇太子よ! あたしも見たわ!」
 キュルケはゲルマニアの皇帝が就任したとき、その顔を見たことがあった。
彼はそのとき国賓席で高貴で魅力的な笑みを振り撒いていた。今まで綺麗さっ
ぱり忘れていたのだが、名前が出たことで思い出したのだ。
「どこで見た?」
「タバサの実家へ向かう道の途中ですれ違ったわ。タバサとダーリンは絵本を
読んでたから気付かなかったけど、確かそこの剣は一緒にみたわよね? 戦死
されたって公布が出てたけど、生きてらっしゃったのね」
「そういえばそうだったな。ありゃあウェールズだった」
 デルフリンガーも思い出し、キュルケに同意する。だが、ルイズは力なく首
を振った。
「……生きてた? そんなわけ……ないわ。まして、クロムウェルと一緒にい
るなんて……」
「アンドバリの指輪」
 タバサが本を広げたまま呟く。
「なるほど。死体を操ってるってわけか……。もしくは本当に生きているなら
洗脳されているか……」
 スタンド使いの中にはそういう能力がある者もいる。魔法でも似たようなこ
とができる可能性はあった。
「大変! リゾット、行くわよ!」
「え? ちょ、ちょっと!?」
 ルイズはフーケの言葉が終わらないうちに走り出す。トリステインからガリ
アへの道ですれ違ったということは行く先はトリステインなのだろう。狙いが
アンリエッタであることは明白だった。本当に生きていたとしても、クロムウ
ェルと行動を共にしていたという噂が本当なら、やはりアンリエッタは危険だ。
「待って! どういうこと!?」
「姫様が危ないわ!」
 リゾットとルイズを除く三人はアンリエッタとウェールズの関係について知
識がないため、ルイズのいう危険について理解ができない。
 部屋から飛び出そうとしたルイズだったが、その足が宙を蹴る。『レビテー
ション』の魔法だった。
「ちょっと、邪魔しないでよ、タバサ!」
「私も行く。こっちの方が速い」
 タバサは本を閉じ、窓を指し示した。いつの間に呼び寄せたのか、窓からシ
ルフィードが顔をのぞかせている。タバサがシルフィードの背に乗り、ルイズ
とリゾットもそれに続く。
 出発しようとすると、キュルケとフーケも乗り込んできた。
「お前ら……。危険だと……」
 警告しようとしたリゾットの唇に指を当て、キュルケは微笑んだ。
「今更そういうことを言うのは野暮よ、ダーリン。あたしも行くわ……。でも
事情は説明してよね」
 一方、フーケは何か思いつめたようにぼそぼそと呟いた。
「まあ……、ウェールズにはちょっとばかり、因縁があるんでね。これは仕事
じゃなくて、個人的な行動ってことで頼むよ……」
 そういわれてはそれ以上、リゾットも何も言わない。タバサがシルフィード
に声をかけ、夜空に風竜が舞い上がった。

147 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:56:11 ID:xvry+ZiM
>>144
新手のスタンド!?

148 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:58:13 ID:aW8g/S7F
>>147、気を付けろ。クーデレは突然やってくる! そして支援

149 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:58:50 ID:1VgDnH25
明日漫画喫茶でJOJO全巻読んでくるわ

150 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:59:14 ID:LLEGw3RT
GJ!!
リゾットの旦那が愚姫にどのようなことをするか楽しみだ!!

151 :◆PEFli7wTN2 :2007/10/01(月) 00:59:12 ID:7aUREtep
以上終了。
「投下する」と思った時には>>103の兄貴!
既に投下を完了しているんだね……。

支援、ありがとうございました。
それと、投下番号を間違えてすいませェん。

次回はゾンビウェールズ編の予定。
フーケが大暴れ!! か?

>>141
そう思ってくれたら本望です。
ギーシュも好きなんですよ。展開の都合上、あんまり出せないんだけど。

152 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:59:51 ID:J1pIEyJM
16/15とは鉄さんもやってくれるぜ
もちろん17/15もあるよね支援

153 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:01:19 ID:aW8g/S7F
乙&GJ!
タバサは良い娘じゃよ、ルイズたちやギーシュも。
……そしてフーケさんの活躍を楽しみにしてる。

154 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:01:29 ID:s6n5zdlg
GJ!

155 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:01:44 ID:ds1cs40K
GJ!
ビッチにどういう説教するのか今から楽しみだ!

156 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:04:31 ID:eMx3ndZN
GJです!ゾンビウェールズ編に入ってどんな怒涛の展開が待っているか今から楽しみ

157 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:14:33 ID:N88imUsz
ヤッダァーーバァァァア
テッシュテッシュ…
惚れタバサにコ…ロサ…レルGJ
ギーシュ惜しい事したなぁ…その分犬に頑張って頂きたいけど
ガトー少佐(召喚編)なんて書いてる場合か自分…orz

158 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:18:31 ID:rgLUZ7Bu
鉄神キテタ!!?GJ!
タバサに萌え殺されるかと思ったわ。

159 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:25:34 ID:GT3mFMre
GJ!

160 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:56:41 ID:gl+E9Oio
>>151
鉄の人乙!
リアルタイムで支援したかったのに油断したぜ!
タバサとリーダーもいいけど、その2人にやきもきするご主人様もまた良いすねw

次のゾンビウェールズの件でアン様との関係がどうなるやら…
やっぱり悪化…?

161 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:57:36 ID:krc1kkdQ
グッジョグッジョグッジョォォォヴ!!
鉄は微妙な状態の俺のテンションを上げてくれる
止まっていた筆がまた動き始めた


162 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 04:48:58 ID:y8xrZu83
来てみてよかったぜ!鉄の人GJ!
自覚無き王女に、苦労人の元リーダーはどんだけキレるのか…

163 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 07:08:44 ID:OFbCSite
鉄の人の文才に嫉妬ww
タバサタバサタバサーー!

164 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 07:52:39 ID:h+c/U6IB
鉄の人GJ!
さて、非常に短いですが8:00から久々に投下します。

165 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 08:01:15 ID:H+3A9Ov1
学校行く前に支援

166 :ドロの使い魔:2007/10/01(月) 08:02:56 ID:h+c/U6IB
「なあ、ルイズよぉ」
セッコは自分の首についた鎖を弄り回しながら呟いた。
その首輪についたプレートに、彼には読めない文字が刻んである。
“狂暴につき注意”

「オレ、アルビオンであれだけ頑張ったのにさ、何で前より待遇落ちてるんだよ。おかしくね?」
ルイズが大きな溜め息をひとつ吐く。
「あんたねえ、自分の胸に聞いてみなさいよ!」

事は2日前に遡る。

ワルドの裏切りにあい、ほうほうの体でアルビオンから脱出したルイズたちは、
アルビオン動乱の影響で厳戒態勢のトリステイン王宮へと事の報告に向かったのであった。
その過程で王宮の門の“内側”に着地したため、王宮の警備をしている魔法衛士隊に不審者として捕縛されてしまったのだ。
不審者と思われる事自体はある程度予想できていたのだが、その後がいけなかった。
いきなり見知らぬ男に襲われたと勘違いした寝起きのセッコが、ルイズたちが止めるまもなく暴れだしたのである。
偶然近くに居たアンリエッタ姫とマザリーニ枢機卿がルイズに気づいた為、
大事には至らなかったが、もう少しでルイズたちは反逆者にされかけたのである。
その上密命の成功報酬は、セッコが破壊した壁の修理費と、
取り押さえようとして怪我をした魔法衛士隊員の治療費に充てられ全て消えた。
ルイズの怒り推して知るべし。

「うーん、なんか悪い事したかなあ。思いつかねえ。」
「しまくりよ馬鹿犬!さあ、次の授業が始まるから行くわよ!」

ルイズは鎖の端を掴み、思い切り引っ張った。
「おい、待て、首が…プげッ」

167 :ドロの使い魔:2007/10/01(月) 08:05:20 ID:h+c/U6IB
その頃、元ニューカッスル城であるところの瓦礫を踏み締め、片腕のない長身の貴族が戦跡を検分していた。
ワルドである。

「ううむ、この辺りだったと思うのだが……」
その時、何者かがワルドの肩を叩いた。
同時に快活な、澄んだ声がする。
「子爵!ワルド君!ウェールズの遺体は見つかったかね?」
ワルドは首を振って、現れた男に応えた。

その男は、年のころ三十台の半ば。
丸帽子を被り、緑色のローブとマントを身に着けている。
外見は聖職者のようだが、発する雰囲気は軍人や権力者のそれだ。
帽子の裾からはカールした金髪が覗いている。

「この近辺だとは思うのですが、少々お待ちを。
それと、手紙の件本当に申し訳ない、私のミスです。何なりと罰をお与えください」
そう言って頭を垂れたワルドを、男はにかっと笑みを浮かべ制する。

「何を言うか子爵!君は敵軍の勇将を一人で討ち取る、目覚しい働きをしたのだぞ!」
「ですがクロムウェル閣下……」
「正直なところ、手紙の何倍もウェールズの“遺体”のほうが重要なのだよ。だから気にするな」
ワルドは自分の上官がやけに遺体を強調することに少し疑問を感じたが、
とりあえずそれは追いやり感謝の意を示した。
「ありがとうございます、閣下」

「うむ。ところでワルド君、きみが仲間に引き込んだという“土くれ”のフーケ。
いや、ミス・サウスゴータか。彼女はどうしたのかね?
聞けばアルビオン王党派は仇だというではないか。死体検分には来ていないのか?」

168 :ドロの使い魔:2007/10/01(月) 08:08:08 ID:h+c/U6IB
ワルドは返答に窮してしまった。
フーケはラ・ロシェールでの戦闘以来、いくつか設定しておいた合流地点にも現れず行方をくらましている。
戦死の可能性がゼロとまではいわないが、かの“土くれ”があの程度で死ぬようなタマとは思えない。
完全に従わせることができなかったと考える方が自然だろう。

「はっはっは、振られたかね。
どうせ用心深いワルド君のことだ、内情までは話してないのだろう?
盗賊の一人や二人どこに行こうと余は気にせぬよ。」
クロムウェルは快活な笑い声をあげた。ワルドの胸がちくりと痛む。

「重ね重ね申し訳ありませぬ閣下……もとい、アルビオン皇帝クロムウェル様」

「今必要なのは“結束”と“権威”だ。まだ両方が足りぬ。
しかし、いずれはハルケギニアを纏め、“聖地”を忌まわしきエルフどもから取り戻してみせる!
始祖ブリミルに余が授かったこの“虚無”をもってしてな!
……さて、ワルド君。ウェールズを捜そうではないか」
そう言うと、クロムウェルは自ら周囲の瓦礫を調べ始めた。
ワルドが慌ててそれに続く。

照りつける太陽の下、辺りには腐臭が漂っている。
それは戦死者の物言わぬ抵抗とも取れた。

169 :ドロの使い魔:2007/10/01(月) 08:10:23 ID:h+c/U6IB
以上です。
なかなか書く時間が取れないけどじんわり進めていく予定。

170 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 08:39:23 ID:dem62Lvq
乙だ!!

171 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 09:10:01 ID:gl+E9Oio
>>169
GJ!
鉄分補充して泥水も飲んだし今日も仕事頑張れそうだ

172 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 11:28:05 ID:UhGYAGej
鉄さんのタバサGJ過ぎるっす…!!(鼻血

173 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 11:31:49 ID:T7EuFGFp
鉄GJ!そして泥待ってたぜ!GJ!

174 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 14:12:02 ID:sQ8b0eSi
            -‐  '´ ̄ ̄`ヽ、
          /・・/:・,へヾヽ・:\
         //,::'/ /レ'/   ヽハ 、・.ヽ
         〃 {_{ル'´    リ|l.│・:i|
         レ!小ノ    `ヽ フ|l:i・ i|
          ヽ|l ●   ●  |: ・|ノ! 知らぬまに時
            |ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j  |・, |   をとばしていた図
           |: /⌒l,、 __, イァト |/.|
           | /==イ,┃, ,_┃XXヽ:|
           | || |il !トー癶-イXX/━||

175 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 14:35:02 ID:+HgpY6l/
本編のディアボロも>>174みたいな感じだったら裏切り者なんて出なかったろうなあ。

176 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 15:17:36 ID:FmhA6Wvw
いや、ボスの座を奪おうとする裏切り者たちにブチャチームが立ち向かう展開になったはずだ

177 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 15:51:11 ID:LPdwiUBz
いやパッショーネ内部でボス派としぇっこさん派の内紛が勃発しているね

あとボス派のブチャチームとしぇっこさん派のリゾットチームを「駄目だこいつら…」な目で見ている
ジョルノとイルーゾォが脳内で再生された

178 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 16:08:34 ID:gl+E9Oio
俺はしぇっこさんを支持するぜ!

179 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 17:11:29 ID:3WJB1XPx
最終的に「どっちもいいよね!」で安定しそうな。

180 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 17:58:45 ID:b7m0nRWp
そして内乱を収めたブチャがボスに就任か

181 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 18:06:58 ID:N88imUsz
新興勢力リゾット派も忘れるな!

182 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 18:21:03 ID:1lKL7+TG
なら俺は兄貴に付いていく!

183 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 18:32:07 ID:jTh30rwh
鉄の人GJ!

所で…以前ジョルノ+ポルナレフ貼ったんだが、タイトルはまだ思いつかないんですが、続きを投下したい。
名無しさん、一言でいい…『許す』と投下の許可を与えて欲しい。
それだけでいいんだ…それだけで私は救われる。今の私には必要なんだ。
名無しさん、『許す』を…

184 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 18:33:02 ID:HtFc+1Wc
関係ない、許す

185 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 18:33:55 ID:3WJB1XPx
許しを請うな!己が道を行けい!

だが許す

186 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 18:41:58 ID:jTh30rwh
グラッツェ。短いが投下する!

あ、ありのまま、今起こっている事を話すぜ。
私はイタリアにいたのに鏡に突っ込んだらファンタジーな世界にいた。
な、何を言っているかわかんねーと思うが麻薬をヤッてラリッてるとか妄想乙とかそんなちゃちなもんじゃねー。
もっと恐ろしい現実をリアルタイムで味わってるぜ…!
全世界で大人気なポッター君位の世界じゃねぇ、もっと恐ろしい…!
私のいた世界とは全く文化レベルの違う中世的なファンタジー世界だ。
ここは恐ろしい世界だ…一言で言うとガスと水道、電気がないんだぜ?
聞いた話によればラジオどころか印刷技術とかもたいしたことはない…改めてその事を考えるとため息が自然と漏れた。
何故わかったか、それはジョルノの奴は私が思ったよりも案外頭がよかったからだ。
あいつめ、人畜無害そうな面して快方した胸が特にけしからん娘と身振り手振りを交えてコミュニケーションをとる内に、娘が使う言語を理解し始めたのだ。
「フランス語にちょっと似てますね」
…フランス人の私にはさっぱりなんだが?
そう言った私にジョルノは曖昧な笑みを浮かべて言った。
「…別に全く一緒ってわけじゃあありませんからね」
ジョセフの爺さんならわかるかもしれねぇが、慰めてるつもりなのか嘲笑ってるつもりなのか私には全くわからねぇ。
今までジョルノと付き合ってきた経験から言うと…わざとそうしてる気がするぜ。

まぁ、それはまだいいんだが、お陰で私はよくわからん言語で会話する二人の足元にいる亀の中で一人映らないテレビの前に座り込む羽目にはっちまったのには困っている。
亀から頭を出してまた驚かせるのも面倒なんで私は顔を出さない事にしたんだがジョルノが亀に入ってくるのを待つしかないってのは案外暇なもんだ。
(当然だが)放送局がないんでTVはずっと映らないままだし、持ってきたMANGAをずっと読むってわけにもいかない。飽きるからな。
外の状況もまだ言語を習得していない私にはジョルノの話からしか情報を得られないしな。
今私にわかっているのは胸がけしからん娘の名前がティファニアで、愛称がテファってこと。
それにテファがエルフと人間のハーフで(エルフってのはこの世界の人間にとっては天敵、まぁ蛇と蛙みたいな関係にある為…)生まれのせいで迫害されるから森の中でガキどもの世話をして暮らしているってことだ。

眉唾ものの話しだと思ったが、その証拠にテファの耳は尖っていてそれはテファの母親がエルフだかららしい。
他にも複雑な事情があるようだと、直接話を聞いたジョルノは言っていたがそこらへんはジョルノがうまくやるだろう。
ああ見えてジョルノの親はどうしようもないクズだ。悲惨な子供時代を過ごしたことは簡単に想像できるくらいにな。
そんなジョルノだからうまくやるかもしれん。


だが、私達がこんな所にくる羽目になったのはどーやらこのテファのせいらしい。
信じられない話だが、さっき言ったとおりこの世界は中世ファンタジーの世界で魔法ってもんがある。
テファにはその魔法の才能があって、それで使い魔を呼び出そうとして私達二人を呼び出したらしい。
ジョルノにキスしようとしていたのはそれが契約の儀式だったからで、決して初対面のジョルノに迫ったわけじゃねーってことを説明したかったらしいが…その時一瞬見せたジョルノの表情は子供には見せられないぜ。
ギャングスターになるのが夢だったジョルノだ。
案外キレてるのかもしれねぇな。

まぁ今の所私が聞いてるのはそんな事くらいだ。
あぁ、重要な事を一つ忘れていた。私達はイタリアには帰れない。
少なくともテファはやり方を知らないし、知ってるかもしれないテファの保護者で腕のいいメイジのマチルダお姉さんは出稼ぎ中だ。
使い魔召喚の儀式もそのマチルダお姉さんがテファを守ってくれるお友達ができるような事を言って教えてくれたそうだが。
酷い話だが、責めても泣かれたりするだけで解決されるとは思えないな。困ったもんだ。
「テファとは仲良く遣っていけそうです。友人が欲しかったそうですからね」
今日の成果を語るジョルノの笑顔はなんと言うか、邪悪だ。
「気のせいか? 私にはお前が子供を騙す悪党に見えるぞ」
「騙しはしません。だが僕らがこの世界に馴れるまで世話を焼いてもらわないと困るでしょう?」
私の嫌味にもしれっとした顔でジョルノはそういいやがった…黄金の精神を見た気がするんだが、気の迷いだったのかも知れんな。
「そういえばテファだが、お前あの子が村から出られないような事を言ってたが、本当か?」
これ以上その事を聞いても仕方がないんで、私は話を変えた。
尋ねたのはテファの事。

187 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 18:43:24 ID:jTh30rwh

先日、テファの事を説明してもらったんだが、信じられない話だったんで私は気になっていた。
ジョルノの言葉を信じないわけじゃあないんだが、村の中でずっとガキの世話だけってのは、な。
「らしいですね。話を聞く限り、十字軍が編成された時のユダヤ人のような扱いを受けるようです」
「…なんだって?」
「何度か十字軍も結成されていますしね。(エルフは人間の魔法使いが束になっても敵わないほど強いとかどうとか言う話はどうでもいいんですが)」
はぁ、とジョルノは嘆息した。
「問題は我々の世界では聖職者はユダヤ人への迫害を禁止しましたが、こちらでは指導者も聖職者も迫害を推奨するほどエルフを敵視しているようです」
私は目が点になっていたと思う。
馬鹿な…とても信じられない話だ。
『最初のホロコースト』と呼ばれる事件がある位、十字軍が結成された時の反ユダヤ主義は凄惨なものなのだ。
しかも向こうの世界では町や村の指導者たちはユダヤ人をかくまい、聖職者はユダヤ人への迫害を禁止していた。
当時の教皇庁もヨーロッパに住むユダヤ人やイスラム教徒への迫害を再三禁止していたが…ここでは推奨しているという。
ここはそんなイカれた世界でもある、というのか?

そんなことを考える間にジョルノは先ほどの私のように話を変えようとして、砂嵐状態のTVを見た。
「テファの話通りかは確かめられませんけどね。所で何してるんです?」
「ん? ああ、仕方ないだろうが映らねぇんだから」
呆れたような顔を見せるジョルノに私は話をあわせた。
そんな私の返事にジョルノは合点がいったらしく微笑みながら何もない壁を開く!?
そこにからジョルノはココ・ジャンボそっくりな亀を取り出した。どうやら住んでいる私も知らない隠し戸棚だったようだ…何時の間に作りやがったんだ?
「お、おいそれは…」
初めて見る亀の事を聞く私に、ジョルノは笑みを浮かべたままその亀の甲羅に手を突っ込んで中からDVD数枚とDVDレコーダーを取り出して見せた。
多分ナランチャのものと思われるアニメと「レ・ミゼラブル」。私はソレを手にして驚愕を隠せないままジョルノとDVDを交互に見た。
「亀の細胞から生み出した亀です。便利なんで僕も持っているんですよ」
「おま、持ってるならさっさと出せよ!」
文句を言いながらも私は笑みを浮かべてTVにDVDレコーダーをセットしていく。
「グラッツェジョルノ!」
「見終わったらまた別に物を出しますね…あぁそれと」
ジョルノの手が横から伸びてきて、DVDを奪い去っていく。
「見るのは構いませんが、先に僕の用事に付き合ってください」
「用事だと?」
頭に疑問符を浮かべた私に頷き返し、ジョルノは外へ出て行く。
亀の外へ出たジョルノは亀を掴み取るとテファに気付かれないうちに居間を通り抜け外へ出る。
辺りはすっかり暗くなっており、灯りは星しかなかった。
だが、この世界が異世界だって言う証拠に、私が居間まで親しんできた月よりずっと大きな月が二つ空に浮かんでいた。
月明かりもずっと強烈なお陰で私達は難なくうろつきまわる事が出来る。
フ、家の明かりとかは向こうと比べれば慎ましいもんだが、自然の物はこちらのほうが派手らしい。
どこかへ行くのかと思っていたが、どうやらそうでもなく、ジョルノはすぐに足を止めた。
私も甲羅にはめ込まれた鍵から頭を出してジョルノを見る。
ジョルノは集中しているようだった。真剣な眼差しで地面を眺めている。
そして突然、ジョルノはスタンドを出した。
「ゴールドエクスペリエンスっ…!」
ジョルノの呼び声に応えるようにジョルノのスタンド『ゴールドエクスペリエンス』が地面を貫く。
私にはもうジョルノが何をしようとしているのか見当がついた。
ジョルノはその能力を使い、新たな生命を生み出そうとしているのだ…!

最初、それは巨大な熊だと私は思った。
何もなかった地面から生み出された生き物はソレぐらいのサイズだった。
だが…以外っ! それは巨大モグラ!

「…でかいモグラか?」
「はい。ジャイアントモールです。僕が読んだ本によれば「お前、もう字がわかるようになったのか?」」
しまった…本を読んだなどと言われ、思わず口を挟んじまったぜ。
案の定ジョルノに亀を裏返しにされる。
「うぉおおおっ!」

188 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 18:46:30 ID:jTh30rwh
じたばたする亀の動きにあわせ、私は無理やり体を隙間にねじ込んで頭を出す。
恨みがましい目で私はジョルノを睨み上げたが、ジョルノは何事もなかったかのように私への返事を返した。
「いいえ、勉強中です。今日テファと一緒に図鑑を見たんですよ。コイツは宝石の匂いなどが好きで土系のメイジはこいつを使い魔にして秘薬の材料を探させたりするそうです」
「で…こいつにそれを探させてみようって腹か。おい、もういいだろ」
「そういう事です。こんな条件付けをしたのは初めてですからうまく行くかわかりませんが…試してみる価値はあるでしょう」
言いながらジョルノは自分にじゃれ付いて鼻を押し付けてくる巨大モグラをよしよしと撫でてやる。
巨大モグラは自分を生み出したジョルノに懐いているようだった。
自分で生み出したモグラに宝石捜させて売ろうって、そんなのうまく行くのかよ?
「そううまくいくものなのか?」
「さぁ? こればかりはやってみなければわかりませんね」
疑問に思った私は思わず本音を言ってしまったが、ジョルノは口元に爽やかな笑みを浮かべて返事を返すだけだった。
まぁどう転がるにせよ、「さっさと亀を元に戻しやがれ」
「ああ、そんなこともありましたね」
このどSめっ!
ジョルノはすっかり忘れていたような台詞を吐きながら亀をひっくり返そうとして、突然止めた。
「ぐえっ」
またひっくり返った亀の甲羅に挟まれて潰れた様な声を出す私には眼もくれず、ジョルノは背後を振り向く。
ったく、私が幽霊じゃなきゃ死んでるぞ!
「…テファ。こんな時間にどうしたんです?」
ジョルノの問いにテファは簡潔に答える。私は亀に潰されかけたが、どうにか生きていた。
「ご、ごめん。外で話し声が聞こえたから…」
言われてみると確かに俺達は結構普通に喋っちまってたな。
この村の家では防音なんて無理だから、聞こえちまったんだろう。
私からはジョルノが邪魔で見えないが、声の調子からすると申し訳なさそうにしてるテファにジョルノはいいんですよ、と首を振った。
テファはこれまでの生き方から何かあった時自分の方が悪いと思いがちなようだから、ジョルノにしてはちょっと大げさな身振りだった。
私はその間に亀の中に退避する。
話してたのは誰?とかそんな面倒くさいことはジョルノにお任せして私はDVDを見る準備をしたいからな。
「少し、この亀と話しかけてたんですよ。恥ずかしいですけどちょっとホームシック気味だから…」
聞かれる前に適当な事を言うジョルノ…まぁあながち嘘じゃないのかもしれんが私にはジョルノがホームシックにかかるような奴かはわからん。
私は肩を竦めてDVDレコーダーをセットする為説明書を読み始めた。
機械はあんまり得意じゃねぇから熟読しないとな。
久しぶりに見る地球の文字が懐かしいぜ。
「ジョルノ…ごめんなさい。私が貴方を召喚したせいで「ならアンタに責任を取ってもらおう」
湿っぽい声が聞こえるが、まぁ気にしない…なんて思ってる場合じゃないようだな。
「わ、わかったわ…」
心配になってきたんで私は地面に裏っ返しにされたままの亀から顔を出す。
筋肉に力をいれ、地面と亀の隙間に潜り込んでいく私の耳に、ジョルノ達の話し声が聞こえる。
「僕が旅から帰ったら、笑顔で迎えて欲しい。後、ピッツァマルゲリータをご馳走してくれないか?」
「「え…?」」
ジョルノの要求に、私も思わず声を出しちまった。テファも戸惑ってる。
お陰で私の声は気にしなかったみたいだが、私は甲羅の中に逆戻りだ。
もうすぐ出れるところだったんだが、慌てて口を押さえたせいで持ち上がりかけた亀がまた倒れ、押しつぶされそうになったんでな。
出戻りだ。だが、別に様子を窺う必要はねーのかもしれないな。
「僕はいつかここから出て戻る手段を探しに行く。だがいつ見つかるかわからないし、途中で疲れちまうかもしれない…だからもしテファの所を訪ねて行ったら笑顔で迎えてほしいんだ」
「いいけど、それだけでいいの?」
「それだけでいい。ピッツァマルゲリータは作れるようになってもらうが」
「う、うん!頑張るわ」
ジョルノの冷静な声とテファのちょっと上擦った声。
聞くだけで背中がむず痒いぜ。
「ココジャンボ。私は顔を出しづらい世界って感じになってきたと思うんだがそこんとこどうだ?」
亀は答えてくれなかった。
かわりにテファにおやすみなさいなんぞと言って話を切り上げたジョルノが亀を元に戻して入ってきやがった。
「ふぅ…」
もう勝手にしてくれって気分だった私はDVDレコーダーをセットしながらジョルノに聞く。

189 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 18:46:46 ID:TgTvjieg
支援!

190 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 18:47:09 ID:FSL4zbuv
支援

191 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 18:48:12 ID:jTh30rwh
「ジョルノ。お前があんな事を言うとは思わなかったぜ」
「え? ああ、そうですね。何も頼まないよりはこの方がいいでしょうからね」
帰ってきた言葉に私が振り向くと、ジョルノがソファに腰掛けこの世界の本を見て文字を覚えている姿が目に入った。
その姿を見て直感する−コイツ、疲れて帰るつもりなんかこれぽっちもねぇんじゃねぇか!?
少し頭痛がしてきたぜ。だが…
「すまんなジョルノ」
「なんです?」
「その、私はてっきりテファの事を恨んでるかと疑っちまってたんでな」
謝る私に、ジョルノは本から目を離した。
? 
私は不思議に思った。
ジョルノは眉を寄せていたのだ。
「怒ってますよ? できれば僕の手でブチャラティ達から受け継いだものを先に進めたいと思ってますからね」
「さっきはそんな様子じゃねぇか」
戸惑う私に、ジョルノは爽やかに微笑んでいた。
「あぁ、当然です。無駄な事は嫌いなんだ…彼女を締めあげても後味の悪いものを残すだけって事です」
その言い草に私は表情を変えちまったんだろう。
言葉を足して、珍しくジョルノは考えてる事を説明する。
開いたままの本を腹に載せ、ジョルノは何かを思い出しでもしているかのように天井を見上げる。
「それに帰れないなら,ここでギャングスターになるだけです。パッショーネにはワキガですがミスタは頼りになりますしキレやすいがフーゴもいますから、彼らを中心にしてブチャラティ達の意志を引き継いでくれるでしょう」
その事に関しては心配してないらしくジョルノは相変わらず爽やかな表情をしていた。
「テファを守りながらギャングスターになる。ブチャラティに出会った時とそう変わりがないと思いませんか?」

ジョルノがどんな意気込みで言ったかはわからなかった。何せこの世界と向こうとでは条件が違い過ぎる。
この世界にギャングなんてもんが存在するのかどうかすら、ジョルノにだってわからねぇだろう。
だが、その前向きな考え方には賛同するぜ!
私は笑みを浮かべてジョルノに頷き返した。


以上。投下した。

192 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 18:50:32 ID:FSL4zbuv
GJ! やっぱりサドいが良いジョルノだ。
しかしジョルノだとハルケギニアでも本当にギャングスターになりそうだなぁ……。

193 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 18:57:42 ID:tr1pL6dg
GJ、流石DIOの息子だな、と思ってしまった。

194 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 19:09:28 ID:TgTvjieg
ジョルノは味方と弱者には優しいから大丈夫だよ
その分の鬱憤がポルナレフに向けられてる気がするけど

195 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 19:14:16 ID:gl+E9Oio
GJした!
ジョルノもさりげなくミスタの事ワキガって言ってるw

196 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 19:29:41 ID:FmhA6Wvw
GJだ
ゼロ魔のss読んでて、最初から喋れたでもなくサーヴァントの儀式で喋れるようになったでもなく他の魔法を使ったわけでもなく、
ごく普通に言語を習得したのは初めて見たわ
何がすごいって、「ああ、ジョルノならそれくらい普通だな」って思えるのが一番すげー

……ちなみに後半はポルポルも理解できてるように見えるけど、これは単に雰囲気を読んでるだけか?

197 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 19:55:30 ID:SkcOJuqV
ジョルノの言葉じゃね?

198 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:16:36 ID:xvry+ZiM
ワキガに泣いた

199 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:17:24 ID:jTh30rwh
すいません、ちょっと古い方を間違えて投下してしまった。

「ああ、そんなこともありましたね」
このどSめっ!
ジョルノはすっかり忘れていたような台詞を吐きながら亀をひっくり返そうとして、突然止めた。
「ぐえっ」
またひっくり返った亀の甲羅に挟まれて潰れた様な声を出す私には眼もくれず、ジョルノは背後を振り向く。
ったく、私が幽霊じゃなきゃ死んでるぞ!
「…テファ。こんな時間にどうしたんです?」
「ご、ごめん。外で話し声が聞こえたから…」
テファの話す言葉は断片的になら私にも分かる。
まぁ多分、うるせぇぞってとこだろう…俺達は結構普通に喋っちまってたからな。
この村の家では防音なんて無理だから、聞こえちまったんだろう。
私からはジョルノが邪魔で見えないが、声の調子からすると申し訳なさそうにしてるテファにジョルノはいいんですよ、と首を振った。
テファはこれまでの生き方から何かあった時自分の方が悪いと思いがちなようだから、ジョルノにしてはちょっと大げさな身振りだった。
私はその間に亀の中に退避する。
話してたのは誰?とかそんな面倒くさいことはジョルノにお任せして私はDVDを見る準備をしたいからな。
「少し、この亀と話しかけてたんですよ。恥ずかしいですけどちょっとホームシック気味だから…」
聞かれる前に何か適当な事を言っている…故郷がどーだのと言ってるからまだまともな事だろう。
私は肩を竦めてDVDレコーダーをセットする為説明書を読み始めた。
機械はあんまり得意じゃねぇから熟読しないとな。
久しぶりに見る地球の文字が懐かしいぜ。
「ジョルノ…ごめんなさい。私が貴方を召喚したせいで「ならアンタに責任を取ってもらおう」
湿っぽい声が聞こえるが、まぁ気にしない…なんて思ってる場合じゃないようだな。
責任! 
確かにそう聞こえたぜ!
湿っぽい雰囲気、ロマンチックな月夜…つまりこの場合、アンタの体で責任を取ってもらうってことじゃあねぇのか!と私は推測する!
「わ、わかったわ…」
心配になってきたんで私は地面に裏っ返しにされたままの亀から顔を出す。
筋肉に力をいれ、地面と亀の隙間に潜り込んでいく私の耳に、ジョルノ達の話し声が聞こえる。
「僕が旅から帰ったら、笑顔で迎えて欲しい。後、ピッツァマルゲリータをご馳走してくれないか?」
「「え…?」」
ジョルノの要求に、私も思わず声を出しちまった。テファも戸惑ってるようだ。
ピッツァマルゲリータ…一体どんなプレイなんだ…?
お陰で私の声は気にしなかったみたいだが、私は甲羅の中に逆戻りだ。
もうすぐ出れるところだったんだが、慌てて口を押さえたせいで持ち上がりかけた亀がまた倒れ、押しつぶされそうになったんでな。
出戻りだ。だが、別に様子を窺う必要はねーのかもしれない。
ジョルノにそう言う湿っぽい雰囲気はねぇのが、今の発言で分かったからだ。なんとなくだが…ここは奴を信用しよう。
「僕はいつかここから出て戻る手段を探しに行く。だがいつ見つかるかわからないし、途中で疲れちまうかもしれない…だからもしテファの所を訪ねて行ったら笑顔で迎えてほしいんだ」
「いいけど、それだけでいいの?」
「それだけでいい。ピッツァマルゲリータは作れるようになってもらうが」
「う、うん!頑張るわ」
ジョルノの冷静な声とテファのちょっと上擦った声。
なんだかどーにも聞くだけで背中がむず痒いぜ。ニュアンスだけでお腹一杯になりそうな空気を、私は感じていた。
「ココジャンボ。私は顔を出しづらい世界って感じになってきたと思うんだがそこんとこどうだ?」
亀は答えてくれなかった。
かわりにテファにおやすみなさいなんぞと言って話を切り上げたジョルノが亀を元に戻して入ってきやがった。
「ふぅ…」
もう勝手にしてくれって気分だった私はDVDレコーダーをセットしながらジョルノに聞く。
「ジョルノ。お前何言ったんだ?」
「え? ああ、そうですね。僕を呼んだ責任は時々ピッツァマルゲリータを作ってくれればいいって言っておいたんです」
「ほぉ、意外だな」
「何も頼まないよりはこの方がいいでしょうからね」
帰ってきた言葉に私が振り向くと、ジョルノがソファに腰掛けこの世界の本を見て文字を覚えている姿が目に入った。
その姿を見て直感する−コイツ、疲れて帰るつもりなんかこれぽっちもねぇんじゃねぇか!?
少し頭痛がしてきたぜ。だが…

でした。すいませんでした。

200 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:19:34 ID:TxUuDSbd
ポルナレフ自重w

201 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:22:56 ID:FmhA6Wvw
自重するポルはポルポルじゃないと思うんだw

202 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:27:29 ID:nssqIWoq
何故ここのジョルノはSばかりなんだww

203 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:40:48 ID:+HgpY6l/
>>202
何故も何も元々ジョルノはSだろ?


204 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:12:35 ID:xb2P24YI
自分に対してもSだからなジョルノは。

205 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:15:17 ID:6B0+S3JK
弱者に対してだけは優しいんだけどなー
でも確かに、自分を含めてそれ以外にはドS

206 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:23:45 ID:/Cu6clni
ジョルノ・帰って来たアブドゥルさん・いざという時の康一君のドSっぷりは怖いものがある…
だがそれが良い。

207 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:37:09 ID:Irj0uMVV
問題はテファの言葉はアルビオン語だからフランス語じゃなくて英語ベースなんだ。

それ以外はGJ!そうそうジョルノってこういうやつなんだよなとか。

208 :初代スレ506:2007/10/01(月) 22:01:37 ID:Jc9nwIUy
10分投下予告。

209 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:03:41 ID:gkIJKgKg
もはやだれにも止められない支援!!

210 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:08:23 ID:rkCX4YkO
車道には何も走ってない支援

211 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:09:42 ID:FcYRN+yX
  \
   \\          /ビシュユウウゥゥゥ
      \、、 ゛   ",,//
        ゛     ",,         ∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
       ゛、 ∩   ,,"       <
        ゛ | hn "        <   今から
   ,ヘ__∧   <);@;|  \      <   (幽霊の)私のターン!
   | ニ ニ|   |;;;;;;;|    \\    <  
   |  〉 |  ,|;;;;;;;;|,          VVVVVVVVVVVVVVV
    ヘ -  /  ( " )              yベ.ミ'´ ̄ ̄`ヽ、
γ⌒`YTTTTY ̄〃(()             ノノ!!|γ,,べヽ._ ミ \
(氏≫|| | | | | "__ノ へ           r彡" ヾ゛   ̄《_、 ゛ヽ
 ヽ__ノノー― ̄ ,,,,   |〃l )        (((, \    /  ̄ミ,-、|
  \彡ー  // __|_ヘ \;;;;;|         `リ ●   ●    _ノ.!
    \_/ ( _|__)  |;;;;|         ζl⊃ 、_,、_, ⊂⊃ ア"
       \_( _|__)〔|;@;|     /⌒ヽ__ヘ   ゝ._)   j /⌒i  
        /|| ||(@)|| リ~~      \ /:::::/ >,、 __,  イァ/  / 
       / ̄ ̄//⌒ヘ|.         /:::::/   ヾ::,灰.ソ::{ヘ、__∧
      |_/⌒V/|            `ヽ<     i◆|:::/ヾ:::彡' 



212 :使い魔は静かに暮らしたい:2007/10/01(月) 22:10:20 ID:Jc9nwIUy
本塔と火の塔の間にある一画、そこに私とルイズ、そしてようやく完全に落ち着いたコルベールが立っている。そしてそろいもそろってある一つの建物を見ていた。
「ここが私の研究室だ」
「…………研究室?」
「ささ、中に入りたまえ。遠慮することはない」
コルベール曰く『研究室』。しかし私が見るにこれはただの草臥れたボロ屋だぞ。
ルイズも私と同じようなことを思っているのか少し顔を顰め呆れ顔でコルベールを見ている。無理も無いが。
「初めは、自分の居室で研究をしておったのだが、なに、研究に騒音と異臭はつきものでな。すぐに隣室の連中から苦情が入った」
当たり前だ。研究云々の前に常識を考えろ。
ドアを開き中に入っていくコルベールのあとについていきながら心の中で毒づく。
そして小屋の中に入ると辺りを確認するしない以前に、
「うっ!?」
あまりにも嗅ぎなれない異臭に鼻元を押さえ立ち止まる。なんて臭いだ。別に臭いとは思わないが妙に鼻をつく。
「なにこの臭い!?」
最後に入ってきたルイズは甲高い声を上げ鼻をつまんだ。私でも鼻に臭いが入らないように手で押さえてるんだ。当然の反応だな。むしろこの臭いが平気なら引くぞ。
しかしこんなところにデルフを持ってくるんじゃなかった。臭いがついたらどうしようか。
「なあに、臭いはすぐに慣れる。しかし、ご婦人方にはなれるということはないらしく、この通り私は独身である」
そんなもん聞いてねえよ!というかお前が独身なのは当たり前だ!こんなので女が近寄ってくるとでも思ってんのか!
しかし、コルベールはそれを気にした様子もなく椅子に腰掛ける。そして手に持っていた壷の臭いを嗅ぎ始めた。
壷の中に入っているのはゼロ戦の燃料だ。ゼロ戦の燃料タンクの底にわずかにこびりついていたものを採取したのだ。
私とがここまで来た理由はコルベールが疑問に思ったことを答え、機嫌を取りゼロ戦の燃料を作らせるためだ。
さっきの様子から見て。コルベールなら機嫌を取らなくても嬉々としてやるだろうが、万が一途中で投げ出すなんてことも無いとは言い切れないからな。
そんなわけで、コルベールの研究室までついてきたのだ。いきなり自分の研究室で話そうとか言い始めたからな。
ルイズがついてきている理由はわからない。その場の乗りか、それともコルベールの研究室に興味が沸いたのか。まあ、どうでもいいけどな。
「ふむ……、嗅いだことのない臭いだ。温めなくてもこのような臭いを発するとは……、随分と気化しやすいのだな。
これは、爆発したときの力は相当なものだろう」
コルベールはそういいながら羊皮紙になにやらメモをし始める。
しかし、なんだかんだ言ってもさすが科学を研究している男だ。臭いを嗅いだだけでそこまでわかるとは。もしかしたら私が知らないだけかもしれないが。
それにしてもあの燃料何十年も前のものなんだよな。大丈夫なのか?普通なら化学変化を起こしていると思うんだが……
しかし、見た目は変化している様子はなかった。臭いもそうだ。燃料系の独特の臭いがした。特に変わった様子は見られなかった。
おかしくないか?何十年も前のものだぞ?化学変化していて当然じゃないか?
そういえば、ゼロ戦には『固定化』の呪文がかけられていたんだったな。つまり魔法がかかっていたわけだ。
その『固定化』の呪文で燃料の科学変化が防がれたのか?これが一番可能性が高いな。やっぱり魔法って物理法則に反してるな。つくづくそう思う。
「これと同じ油を作れば、あの『セントウキ』とやらは飛ぶのだな?」
「はい、もちろんです。特に故障箇所も見られませんので燃料さえあれば飛ぶはずです」
「おもしろい!調合は大変だが、やってみよう!」

213 :使い魔は静かに暮らしたい:2007/10/01(月) 22:11:30 ID:Jc9nwIUy
勝った……計画通り。…………って違う!私はこんなキャラじゃないだろう。またキラ違いな気がしたぞ。というかキラ違いってなんだ!
頭を振り払いそんな考えを頭から追い出そうとする。
クソッ!きっとのこの臭いで頭が少しおかしくなったんだ。早いとこここから出たいもんだ。
「きみは、ヨシカゲくんとか言ったかね」
不意にコルベールが何か意味不明な作業をしながら私に聞いてくる。
「ええ、そうですが」
「きみの故郷では『セントウキ』で空を飛ぶことは普通なのかね?」
「まあ、ある程度普及しつつはあります」
もちろん嘘だ。戦闘機で空を飛ぶのが普通なわけが無いだろう。飛行機で飛ぶのは普通だがな。
「素晴らしい。エルフの治める東方の地は、なるほど全ての技術がハルケギニアのそれを上回っているようだな」
「はっきり言ってしまえばそうですね。私たちの国から見ればこの国は随分技術の発達が遅れています。魔法の頼りすぎでしょう」
「そういえばヨシカゲの国って貴族もいないしメイジもいないんだったわね」
コルベールと話していると、突然ルイズが話しに入ってきた。
「それは本当かね?」
ルイズの言葉にコルベールは驚いたような顔をする。
ちっ!ルイズめ、余計なことを喋りやがって。極力喋りたくないというのに。仕方が無い。
「ええ。その通りです。そして私たちの国は魔法が使えない代わりに技術で国を発達させました」
「なるほど、ますますおもしろい」
は?おもしろい?一体どこがおもしろいというんだ。変人の考えは理解できん。普通驚きはすれどおもしろいなんて思わないと思うが。
「さっききみは言ったね。この国は魔法に頼りすぎたと」
あきれ半分でいると、コルベールが突然何時にも増して真剣な声で呟く。
「その通りだ。そしてトリステインだけではない。
ハルケギニアの貴族全体が、魔法をただの道具……、何も考えずに使っている箒のような、使い勝手のよい道具ぐらいにしかとらえておらぬ。私はそうは思わない。
魔法は使いようで顔色を変える。従って伝統にこだわらず、様々な使い方を試みるべきだ」
コルベールが私の目を射抜くかのように見詰めてくる。
「それが私の……、変わり者だ、変人だ、などと呼ばれようと、嫁がこなくとも、貫くべき私の信念だ!嫁がこなくてもね」
いや、その信念は立派だが、嫁がどうのこうのは明らかの余計だろ。色々台無しだ。というか強調するぐらいだから結婚したいのか?
「ヨシカゲくん、きみの知識は私に新たな発見を、私の魔法の研究に、新たな1ページを付け加えてくれるだろう!だからヨシカゲくん。
困ったことがあったら、なんでも相談したまえ。この炎蛇のコルベール、いつでも力になるぞ」
ああ、せいぜい利用させてもらうよ。

214 :使い魔は静かに暮らしたい:2007/10/01(月) 22:12:37 ID:Jc9nwIUy
コルベールの曰く『研究室』、私曰く『草臥れたボロ屋』から退出し、私とルイズは自分たちの部屋に帰ってきていた。
「先生、気合が入ってたわね」
ルイズが旅の荷物を整理しながら私に話しかけてくる。
「そうだな」
ルイズはワインを暫らく見詰めていたがやがてしまう。そして古く大きな本を取り出した。始祖の祈祷書だ。
そして『水』のルビーを指に嵌める。
「ねえヨシカゲ」
「なんだ?」
「旅行、楽しかったわね」
「……そうだな」
ルイズが始祖の祈祷書を開く。そういえば詔は考えられたのだろうか?あの夕食のとき、ルイズは最高の詔を考えられると言っていたが。
「ヨシカゲ」
「……なんだ」
さっきからなんなんだ?ルイズの瞳を見詰める。ルイズはこちらを向いてはいない。目は始祖の祈祷書に釘付けだ。
しかし、その瞳には、何か悩みのようなものを秘めている。おそらく、ルイズは何か私に言いたいことがあるのだろう。
それを今、話すべきかそうでないかを迷っている。私の予想としては、あの草原でのことなんじゃないかと思っている。
きっとルイズはあそこであった真相を知っているはずだからな。
「……………………」
「……………………」
喋るなら早く喋れ。じれったい。
「……………………指の治療にでも行ったほうがいいわよ。もしかしたら手遅れになるかも」
「……………………マジで?」
こうして指の治療を受けに入った私は、思わぬ再開をすることになる。
語ることはない。しいて言うのなら、苦かった、とだけ言っておこう。

215 :初代スレ506:2007/10/01(月) 22:14:01 ID:Jc9nwIUy
以上。

やっと3巻の終わりが見えてきた……

216 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:22:35 ID:2hNflYks
完全にデルフにでれてるな・・・・。
GJ!!

217 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:26:16 ID:LPdwiUBz
>私は、思わぬ再開をすることになる。
ああ、あの人かw
またどろっとした緑色の粘液を飲まされてたら気の毒だな

>>211
よしぇかげさんまで出てきたよw

218 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:45:33 ID:s/k/O8C6
GJ! デルフ以外には冷たいなヨシカゲ。
さて余裕をもって11時から続けて投下したいんですが構いませんねッ!?

219 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:47:08 ID:MWG04TkL
歩道が開いているではないか、行け

220 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:50:25 ID:VYm5HHXz
>>218
ディ・モールト ベネ

221 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:53:18 ID:YECGfnt2
鉄の人の投下1ヶ月ぶりくらい?
普通のHPだと普通な更新頻度なのに、もう止めてしまわれたかと錯覚してしまったぜ・・・
このスレの魔力か・・・

222 :ゼロいぬっ!:2007/10/01(月) 23:01:51 ID:s/k/O8C6

鋭く研ぎ澄まされた殺意。
それは今にも抜き放とうとする刃そのもの。
メイジ相手に剣士が勝つには機先を制するしかない。
魔法を使う隙を与える事は即、敗北に繋がる。
だが、彼女は動かない。
鷹の如き視線は向けたまま、決して眼を離さない。
こちらの動きを見た後で対応できるという自信の表れか。
対メイジ戦闘に特化した戦士『メイジ殺し』。
どこかで聞き及んだ言葉が脳裏に過ぎった。
せいぜい戦闘経験の無いドットメイジを倒した傭兵の自慢話と笑っていた。
だが彼女から感じるプレッシャーがただの噂話でない事を告げる。
視界を巡らせ現状を把握する…状況は最悪だ。
唯一の出入り口には女剣士。
戦おうにもここには水が無い。
水瓶ぐらいはあるだろうが場所が判らない。
作り出す事は出来るが、その手間が命取りになる。
一息で間合いを詰められ喉を掻き切られる光景が目に浮かぶ。
自分に不利な戦場というのは如何なる強敵よりも抗し難い。
(くっ、これがベッドの上ならば我が百八の奥義で存分に相手してやるものを…)

ならば先手必勝で椅子を蹴り飛ばし相手の突進を止めるか?
その隙に魔法を叩き込めば勝ち目はある。
だがメイジ殺しならば何を仕掛けてくるか判らない。
剣に手を当てているが、素振りだけでそこからナイフの投擲とて有り得る。
挑むには少々危険すぎる相手だ。
わざわざ好き好んで危ない橋を渡る必要は無い。
戦うなどという野蛮な行為は他の人間に任せればいいのだ。
ここは貴族らしく別な方向性で解決を図ろう。
例えば…買収というのはどうだろうか?
いや、それは難しいか。
これだけの捜査を強硬に行う相手だ。
逆に自分の首を絞める結果に繋がりかねない。
それに今の私にはそれだけのお金は無い。
ならば裏から手を回して…無理だ、そんな時間は無い。
無い物だらけで頭が痛くなってくる。
今までの私にない物など人望と尊敬と名声ぐらいだったのに。

223 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:02:22 ID:vJ4l16P3
支援

224 :ゼロいぬっ!:2007/10/01(月) 23:04:05 ID:s/k/O8C6

「落ち着きたまえ。私は…」
まずは時間稼ぎだ。
それからじっくりと危機を抜け出す策を練ろう。
だが、その甘い考えは一瞬にして見透かされた。
構えた姿勢のまま、女が飛び込むような踏み込みで距離を詰める。
言葉を発していた途中で、すぐには魔法を唱えられない。
獲物を捉える猛禽類のような必殺の間。
振り下ろそうとした杖も抜き放たれた剣先で容易く阻まれる。
瞬間、喉を掴まれ後頭部を壁に叩き付けられる。
「ぐっ……!」
苦悶の声を発する間もなく喉下に押し当てられる刃。
まるで歯が立たない。
赤子の手を捻るかのように抑え込まれる。
視界の端では青ざめた表情のミス・ヴァリエール。
彼女もこの状況では動けない。
というか動かれたら真っ先に私が殺される。

「手を、離したまえ…私は王宮の勅使、モット伯であるぞ!」
潰され掛けた喉で何とか声を搾り出す。
信用してもらうのは難しいが他に手は無い。
相手の眉が僅かに上がる。
一応こちらの弁明を聞く耳はあるようだ。
「己の身の証は立てられるか?」
「…懐に」
彼女の手が懐に伸びる。
意外に繊細な指先がくすぐったい。
こんな事なら下着の中と言った方が良かったか?
いや、冗談でも握り潰されかねない。
そういうのは理解のある人間に限定すべきだ。
指先が硬い物に触れ、彼女がそれを取り出す。
それは家紋が刻まれた黄金の印章。
サインによる確認が主流であるトリステインではあまり用いられないが、
代理の者を遣す時などに便利なので使っていたのだ。
土のメイジが精密な作業で作り上げたそれは複製も難しい。
ましてや、ただのコソ泥が持ち歩くような品ではない。
品を見定めるように何度か角度を変えて眺めた後、印を突き返す。

「失礼した。私は警備隊長のアニエス。
治安維持の為、違法な薬物の摘発任務を行っている。
不審なメイジが入り込むのを見たので適切な対処を取らせて頂いた。
ご理解いただきたい」
彼女の刃が首元から離れ、鞘へと収められる。
その態度には貴族に対する畏怖や敬意を感じられない。
むしろ見下すような冷たい視線が突き刺さる。
恐らくは傭兵上がりか何かなのだろう。
まったくもって衛兵の教育不行き届きに腹が立つ。
そのけしからん胸と態度を一から調…もとい教育してやろう!

225 :ゼロいぬっ!:2007/10/01(月) 23:05:49 ID:s/k/O8C6

最近はやたらと蔑ろにされているが伯爵の地位は伊達ではない。
たかが衛兵の一隊長とは比べ物にならない。
私に刃を向けた無礼をその体に叩き込んでやろうと、
わきわきと指を動かせながら手を彼女へと近づけた瞬間。

「…それで伯爵殿はここで何をなさっておいでか?」
直前でぴたりと止まる腕。
“いやー、実はさプレイに使っていた違法な惚れ薬を間違って飲んじゃった子がいてね、
その解除薬を探しに、その薬を買った業者の所に来て家捜ししてる最中なんだ”
そんな事、口が裂けても言える筈がない。
罪状は既に違法薬物の所持、窃盗、証拠隠滅…その他諸々にまで発展している。
ダラダラと滝のように流れ落ちる汗。
その間も彼女から確信めいた疑いの目が向けられていた。
それはまるで汚物で見るかのような冷酷な視線。

「う…うむ。魔法薬を売り捌いていた相手だ。
魔法を使った罠が仕掛けられていないとも限らない。
そこでメイジである私が通り掛かりに協力を申し出た訳で…」
「ほう」
その釈明に彼女の眉が釣り上がる。
衛兵に言った話と違っていては怪しまれる。
そこで同様の内容で説得を試みたが無残な結果に終わったようだ。
否。彼女にとってそれが如何なる弁明であろうと同じ。
ただ追い詰められた相手がどんな無様な言い訳をするか、
まるで遺言でも聞くかのように問い詰めたのだ。
その証拠に彼女の口元は微かに笑っていた。
今なら判る、彼女は自分と同じタイプ! 生粋のサディストだ!

226 :ゼロいぬっ!:2007/10/01(月) 23:08:07 ID:s/k/O8C6

「それはありがたい。ご協力に感謝します伯爵殿。
では私に構わずにどうぞ調査をお続けください」
そう言うと彼女は椅子に座り、手で私達の行動を促す。
「へ?」
てっきり言葉巧みに尋問してくると思いきや、予想外の言動に目を白黒させる。
万が一、ミス・ヴァリエールの身体検査が行われれば、
証拠の書類が白日の下に明らかにされる。
それを恐れていたのだが彼女は椅子に腰掛けたまま動こうとしない。
だが、私はその意図を即座に理解した!
彼女はここで私達の監視をするつもりなのだ!
薬を見つけた所でそれを引き渡さなければならない。
引き下がっても結果は同じ。
この場に彼女がいる限り、解除薬を手に入れる事は出来ない。
「一体どうするのよ?」
「とりあえず、ここは捜索を続けた方が良いだろう。
どの道、やらなければならない事だからな」
ぼそぼそとミス・ヴァリエールと言葉を交わす。
その慌てふためく光景を愉悦の目で見るアニエス。
何しろ容疑者に面倒な仕事をやらせるのだ、
これほど気分の良い事はないだろう。
だが、彼女は一つミスを犯した。
彼女は敵に武器を与えてしまった。
それも『時間』という強力な武器を!

まずは探索を行いながら状況を整理する。
この場で起きた事、彼女の言動。
その行動目的、実力、様々な角度から推理を働かせる。
さっきまでとは違い急に襲われる心配もないので思考を全てそちらに向けられる。
外との連絡手段、脱出方法、あらゆる方面から危機の回避を検討する。
しかし、どれも可能性が低い。
アニエス自身をどうにかしない限りは無理なのか。

ふと適当に開けた大きな壺の中身に自分の顔が映る。
それは探していた水瓶だった。
これだけの量の水があれば先程のような失態は繰り返さない。
水で生み出した鞭であんな事やこんな事だって……したいが今は無理だろう。
彼女が座っているのは部屋の中央。
そこから一歩でも踏み込めば剣の射程圏内なのだ。
ましてや相手はメイジ殺し。
場数を踏んだ者とそうでない者の差は歴然だ。
それに増援を呼ばれる事やミス・ヴァリエールが盾に取られる危険を考えれば、
無謀な勝負には出られない。
ぱたりと壺に蓋をして頭を切り替える。

227 :ゼロいぬっ!:2007/10/01(月) 23:10:26 ID:s/k/O8C6

もし、この状況を打破できる可能性があれば一つだけ。
その切り口が間違っていないか、彼女に問いかける。
「随分と良い腕だ。トライアングルの私がまるで歯が立たないとは。
良ければうちの衛兵にならないかね? 給料は今の三倍は出すが」
「お断りします。軍人が自分の性分ですので」
きっぱりとした口調で彼女は否定を示す。
なるほど。優秀で頑固で職務に忠実、理想的な軍人像だ。
もっとも上から動かす人間にしてみればの話だが。
「しかし…君は傭兵もやっていたのだろう。
でなければメイジ相手に場数は踏めまい。
それとも自分を売り込む為に腕を磨いたのかね?」
「…何をおっしゃりたいのか判りかねますが」
凛々しかったアニエスの表情が曇る。
その先には踏み込んで欲しくない部分があるのだろう。
それこそが彼女にとっての急所。
自分の読みが間違っていなかった事を確信する。

彼女は不自然なほどに“メイジ殺し”に長けていた。
それが渡りの傭兵ならば話は別だが、彼女自ら軍人と名乗っている。
安定を求めて軍人になったのなら他の国に売り込みを掛けるだろう。
金と実力さえあればゲルマニアでは貴族にだってなれる。
メイジを主軸とするトリステインでは“メイジ殺し”の称号など忌まわしいだけだ。
魔法衛士隊にも入れず、せいぜい下士官止まりがいい所だ。
私にも判る程度の事をアニエスが知らない筈は無い。
それでも彼女がトリステインを選んだ理由は一つ。
トリステインで無ければならなかったからだ。
軍人として信頼と地位を獲得するのは手段。
その目的は不明だが王宮への接近を図っているのは間違いない。

「勅使という立場上、王宮内の情報は嫌でも耳に飛び込んでくる。
その中には君が必要としている物も当然あるだろう」
「っ……!」
不動だった彼女の姿勢が目に見えて揺れる。
鍛え上げたメイジ殺しの技能、それに王宮への接近とくれば、
怨恨による重臣暗殺の線が濃厚だろう。
まあ、誰が殺されようと私の知った事ではない。
そこまで怨まれるような真似をした奴が悪いのだ。
正直、標的が私でなくて良かったと思ってるぐらいだ。

228 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:11:23 ID:VYm5HHXz
支援!

229 :ゼロいぬっ!:2007/10/01(月) 23:12:41 ID:s/k/O8C6

考え込むようにアニエスが視線を落とす。
しかし、しばらくして顔を上げ、まっすぐに私を見据え問う。
「では聞こう。二十年前のダングルテールの虐殺、
それを指揮した当時の部隊長が誰か判るか?」
彼女の瞳に炎にも似た激しい感情の色が映る。
(…やはり復讐か)
村一つ住人ごと焼き払われた事件だがアレを虐殺と呼ぶ者は少ない。
公では反乱鎮圧、そう言った方が通りは良い。
それをわざわざ虐殺という言葉を使う意味はただ一つ、
殺された者の中に親類縁者、友人が含まれていたと考えるべきだ。
生憎と私は彼女が求める答えを知らない。
でも普通に知らないと言ったらダメだ。
それでは取引が成り立たない。
ここは微妙に知っている素振りをするのが正解だろう。

「私の知る限り、正規の軍や衛士隊に命令は下されなかった。
そうなると別系統に所属する特殊部隊だろうな。
アカデミーなら記録が残っている筈だ」
「…アカデミー」
確かめるように彼女の唇がその言葉を繰り返す。
その様子を眺め、私は僅かに笑みを浮かべる。
嘘ではないが実にテキトーな解答である。
村ごと焼殺したとなると普通は包囲し火を放つ事になるが、
そんな大規模な作戦を実行するには大量の兵が必要だ。
当時それだけの兵が動いた形跡は無かった。
となると火の系統のメイジの仕業だろう。
それも並大抵の実力では村ごと焼き払うのは不可能だ。
王直属の衛士隊を当時のリッシュモンが動かせたとは思えない。
となると考えられるのは特殊部隊だけだ。
それだけの実力あるメイジならばアカデミーに記録もある筈。
後は、この答えで彼女が納得してくれるかどうかだけだ。

額から零れ落ちる汗を拭いもせず彼女を見据える。
最悪、不利であろうともこの場での戦闘も辞さない覚悟でいた。
しかしそれは杞憂に終わった。
身を翻し、彼女が扉へと歩き出しながら話し掛ける。
「私は何も見なかったし聞かなかった…貴殿も同様だ」
「ああ。その通りだ」
それは事実上の黙認の言葉。
彼女にとってもリッシュモンを探っている事が知られては動き辛い。
互いに秘密を握った所で痛み分けにしようと提案しているのだ。
断る理由など無い。遮二無二に頷きたい所を勿体つけて答える。
正に大勝利である。いかにメイジ殺しと言えども所詮は小娘。
このジュール・ド・モットの敵ではない。
ぐっとガッツポーズを取るのを堪えながら、彼女が扉に手を掛けるのを見送る。
しかし、そこで彼女の動きは止まった。
突然の事に戸惑う私へと振り返る彼女の顔は、
「ところで…隣の方も素顔を見せて頂きたいのですが」
どうしようもなく嘲笑っていた。


230 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:13:06 ID:VYm5HHXz
支援・ザ・ワールド!

231 :ゼロいぬっ!:2007/10/01(月) 23:15:13 ID:s/k/O8C6

「どうなされましたか? 顔色が悪いようですが」
「い、いや、これはその…」
アニエスはフードを被った人物が従者ではないと見破っていた。
まずは体格、女性である自分よりも尚低い背。
とてもではないが護衛が務まるとは思えない。
メイジならそれもあるだろうが背に負った剣がそれを否定する。
何よりも踏み込んだ瞬間、彼女はモット伯を庇おうとしなかった。
いや、思いつきもしない様子だった。

そして始終フードを外そうとしない態度。
それどころか、ほとんど口さえも聞いていない。
つまりは正体を隠しているのだ。
モット伯が気を使うような立場にあり、かつ素性を知られたくない人物。
背格好から推察すれば高級貴族の子弟だろう。
それも恐らくは女性。
窃盗(容疑)の件は見逃すがこれは別だ。
もしもスキャンダルになるような人物だとしたら利用させてもらう。
復讐を遂げる為、モット伯の権力や財産その全てを骨の髄までしゃぶり尽くすつもりだ。
決して悪いとは思わない。
悪いのは自ら風評を地にまで貶めたモット伯の日頃の行いだ。
それに目的の為に手段を選ぶつもりは毛頭ない。

「従者ならば顔を見せても問題ない筈ですが」
モット伯の反応に更に喜悦の表情が浮かぶ。
彼は自ら墓穴を掘っている。
そのような態度を見せれば見せるほど確信に近づく。
猫が鼠をいたぶって愉しむように彼女の嗜虐芯は増していく。
向かい合ってからしばらくして、諦めたかのように従者がフードを脱いだ。

だが、そこから現れた者は彼女の予想と大きく掛け離れていた。

232 :ゼロいぬっ!:2007/10/01(月) 23:17:15 ID:s/k/O8C6

「なっ……!?」
「これで宜しいですかな?」
そこにいたのは少女ではなく少年だった。
少し大きめのハンティングキャップを被り、
無地のブラウスの上を横断するサスペンダーが半ズボンを吊る。
その身形は貴族ではなく平民のものだった。
「し、しかし…従者というにはあまりにも」
幼すぎる、恐らくはその言葉が適当だろう。
護衛にも御者にも使えるとは思えない。
だが、それは言う前にモット伯の言葉がそれを遮った。
「従者と言っても…色々あるのだよ」
口元に浮かぶ下卑た笑み。
見れば彼の手は少年の肩に置かれていた。
…それで判ってしまった。
その少年が何故モット伯の従者として雇われているのかを。

「っ……!」
女癖が悪い事で知られていたが、まさか『そっち』にまで…。
再び少年の方に視線を向ける。
帽子の鍔で表情は窺えないが肩に回された手に嫌悪を感じているのか、
抵抗も出来ず健気に身を震わせている。
白くきめ細やかな肌と露になったうなじ。
男というよりはまだ中性的で華奢な体。
指先に至るまで繊細で、強く抱きしめただけで崩れてしまいそう。
ズボンからはみ出した脚線美からは吸い付きそうな張りと艶が感じ取れる。
(こんな年端もいかない子供を、毎晩…)
伯爵と少年が交わる背徳的な光景を思い浮かべ、ごくりと生唾を飲み込む。
一瞬鼻血が零れ落ちそうになったのを堪え、敵愾心を込めた視線でモットを射抜く。
「……下衆め」
酷く冷たいその響きを残し、彼女はその場を去っていった。

やれやれと一息ついたモット伯に激痛が走る。
見ればミス・ヴァリエールが自分の足を踏み躙っていた。
「ちょっと! いいかげんに手を離しなさいよ!」
「あ…ああ。もう大丈夫だろう」
彼女の肩に回した手を離す。
言うまでもなくこの少年はミス・ヴァリエールの変装である。
フードだけでは不安だったので二重に偽装を行った。
しかし平民の女に見せるだけでは怪しまれる。
そこで性別さえも誤魔化すという苦肉の策に出たのだ。
無論、ミス・ヴァリエールの平坦な部分を見て思いついたのは言うまでもない。
さすがに少年にまで化けてしまえば身元を辿るのは不可能。
我ながら実に完璧な計画だ。
「でも、これで本当に良かったの?」
「ん?」
憐れむように向けられたミス・ヴァリエールの視線。
その意図を測りかねて疑問が口に出る。
「だって好色なばかりか“そんな趣味”まであるなんて噂になったら…」
「うむ。それなら心配無用だ」
えへん、と力強く胸を張って答える。
その程度の事、何ら恐れる必要など無い。
今さら悪名の一つや二つ増えた所で影響はない。
人望と尊敬と名声、元から無い物を失う事はないのだから…。


233 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:19:37 ID:RzxwfVSi
カッコいいけどしまらないwww
支援

234 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:19:45 ID:6B0+S3JK
モット伯支援っ!
しかし……アニエス、貴女もかっ!w
そして、ルイズが少年だったらか……たしかに鼻血が出るかw

235 :ゼロいぬっ!:2007/10/01(月) 23:19:58 ID:s/k/O8C6
以上、投下したッ!
次回はタバサとバオー犬の二人旅!

236 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:21:06 ID:/Cu6clni
>「一瞬鼻血が零れ落ちそうになったのを堪え、」貴方となら下戸の私でも良い酒が飲めそうですよ的支援

237 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:23:38 ID:wnDLnmHk
>ごくりと生唾を飲み込む。
>一瞬鼻血が零れ落ちそうになったのを堪え
俺の中でアニエス株急上昇中

238 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:24:32 ID:TxUuDSbd
GJ!
アニエスさんったら全くもうw
しかしモット伯良いなぁ……。

239 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:28:57 ID:VYm5HHXz
改めてディ・モールト ベネ
アニエスさんが俺の中で輝いてきました

240 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:30:05 ID:Uj7zMjKw
アニエスさんちょっと待てwwwアンタもヤバイのかwww
モット伯もそれは開き直りと言う物じゃwwww
GJだ!

241 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:34:41 ID:Xg7oKw4U
グッジョブ
通常が30モットだとしたらこの話は間違いなく200モットは叩きだせる

242 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:45:33 ID:Uj7zMjKw
>>241
通常は50モットだろ
コルベール的に考えて…
つーことで333モットになるぜ

243 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:48:49 ID:t8WE5rAC
GJ!!
このモット伯は黄金の精神が芽生え始めているような気がする…

250モット+50Jojoくらい?

244 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:48:49 ID:Phd/yI35
以前のかけはモット大活躍で俺の勝ちのようだな
さぁお前らのDISCを頂こうかッ!

245 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:51:37 ID:HtFc+1Wc
>>244
しょうがない、オレのDISCをくれてやるよ
つ短小のDISC
つ仮性○茎のDISC
つ腋臭のDISC
つ剛毛のDISC


246 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:53:59 ID:+JgmCPtK
回数8回のアレを手放す事になるとは・・・最初は下種だと思ったんだがなぁ
ところでモットのポイントはどんな性格だと高いんだ?変態度?三枚目な活躍度?

247 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:55:24 ID:Uj7zMjKw
俺には
陰口を殆ど言わないDISC
ちょっかいをかけられるDISC(主に同性)
しかないぜ…

248 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:56:15 ID:gkIJKgKg
包み隠さないエロさでは?

249 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:56:52 ID:FmhA6Wvw
俺たちが共感できるかどうかだろ

250 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:11:20 ID:1Qd9GkR+
隊長…あんただけはマトモだと思っていたのに……スゴク良い!ディ・モールト良いぞッ!

251 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:13:37 ID:COzqDt2b
>>249
……つまり、エロくてダメ人間?

252 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:14:41 ID:rvPtoURR
つお客に出せる程度にジャスミンティーを煎れるディスク
つ毎朝風呂の残り湯を洗濯機に入れるディスク
つ毎朝花に水を上げるディスク
このくらいしかないよ

253 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:39:22 ID:n/12/T7G
鼻血の量が増えるDISC〜濡れやすくなるDISC〜はいかがっすか〜

254 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:42:34 ID:rvPtoURR
あ、まだあった
つ貧血のディスク
つ時々心臓が不自然に暴れるディスク
つ偏頭痛のディスク

255 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:43:23 ID:qk9DF0ti
カッターで爪を切るDISC
転び安くなるDISC
静かに暮らしたくなるDISC
爪がなぜか伸びるのが早くなるDISC

俺のはこれくらいしかないが………

256 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:46:36 ID:ft0PWzTH
ならば私は
MのDISCと
SのDISCの二つのDISCを渡しておこう

257 :エロいぬっ!:2007/10/02(火) 00:52:09 ID:nORxzwBG
つZのDISC


258 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:52:53 ID:BP/fC06c
誰か…誰でもいいから俺の「スランプのDISC」(効果:SSが全く書けなくなる)を持って行ってくれ…
今なら「書いてる女性キャラが百合属性になるDISC」もセットで付けるぜ…

259 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:58:25 ID:d1kssvbe
>今なら「書いてる女性キャラが百合属性になるDISC」もセットで付けるぜ…
それ を すてる なんて とんでもない!

260 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 01:06:18 ID:YvDpqUIZ
>>157
ガトー召喚とかまじ見たいんで頑張って下さい!

261 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 01:09:43 ID:1Qd9GkR+
>>260
トレーズ閣下スレにもう投下されてるんだぜ?
続くかどうか怪しいがな!

262 :アヌビス神 ◆6Dp6kmr0yc :2007/10/02(火) 03:37:07 ID:GAq1oMW5
ととと、投下だッ!
あと、反応が遅れて書き込みづらくなったからここで
支援絵感謝感謝ァー。嬉しいから今度適当なタイミングで自分でも何か描いてしまおうと思う
感謝の意をこめて!


って事で。少し短めだけど
第三部はじまるよー



スーパーワルドタイム開始!

263 :アヌビス神 ◆6Dp6kmr0yc :2007/10/02(火) 03:40:20 ID:GAq1oMW5
 年の頃三十半ば、丸い球帽を被り、緑色のローブとマント姿の一見すれば聖職者に見える姿。
 高い鷲鼻に、理知的な色をたたえた碧眼。帽子の裾からは、カールした金髪が覗き揺れる。
 彼、オリヴァー・クロムウェルは、たった今のワルドの言動に激昂していた。
「子爵ッ!
 ワルド、貴様裏切ったか!」
 クロムウェルの眼前にて、その言葉に対しワルド子爵は、杖を抜き放った。
 杖は青白く輝く。
『エア・ニードル』
 ワルド得意の必殺の白兵戦魔法。
「ハハハ。僕はどちらの側に付いたのでも無い」
「では今更に、全てを己が手にしようと過剰な野心に獲り付かれたか」
「下らないな。実に下らない。
 何事も力に結びつける、その愛無き心。欲しか見ぬ心。
 僕が選んだのは、つまりは第三の選択さ。“愛”に生きる!
『ギーシュさん』の元で。王党派も貴族派も無い、ただ僕のこの目を覚ました純粋なる“愛”の側に立つ」
「寝言を!」
 クロムウェルには、その言葉、妄言にしか思えなかった。
「クロムウェル。今からでも遅くは無い。共に来ないか?
 かの人の愛は全てを許したもう。そう、王命にも勝る許しだ。
 ブリミルの名の元の誓いにも価する許しだ」
 突然の呼び捨ても気にならぬ程に、そのワルドの表情はクロムウェルが一度も見た事が無い程に、晴れ晴れとし、男として、人として、とても魅力的な物であった。
 湧き上がる興味。あのワルドを此処まで変えてしまう、その存在とは何か。
 風の噂に聞いた事はある。馬鹿馬鹿しいまでの、純粋な“愛”の人とやらの噂。

 しかしクロムウェルの眼前にぶら下る欲望。どんな戦況になろうとも、未だに『レコン・キスタ』が圧倒的優位な兵数を誇る事は変わらず。
 押し切れば、待つのは皇帝の地位。
 何より己の上に立つ者がある事は許せなかった。
 例え始祖ブリミルで有ろうとも、現実に生きる人として存在していれば許せなかっただろう。
 彼が抱く野心とは斯様な物である。現にブリミルの残せし遺産の一つ、アルビオン王家の血をこの世より消し去ろうとしている。

 クロムウェルは差し伸べられたその手を払った。
「哀しいな、クロムウェル。
 やはり『レコン・キスタ』には、我欲しか無かったか
『虚無』であるのは系統ではなく、その心か」
 ワルドは哀しげな瞳でクロムウェルを見た。
 その視線をも振り払い、クロムウェルは凄む。
「言いおって!
 いかにスクウェアメイジと言えども、命繋げるとは思わない事だ」
 その言葉と共に、怒りが消え去ったように何時もの物腰を取戻す。
 そう、この本陣にはワルド以外にも強力なメイジが多数存在する。
 既に緊急召集の合図は送っており、直ぐにでもこの場に集うだろう。
 この裏切り者を亡き者とし、他の従わなかった者達同様に自在に操るのみ。
 しかし、ワルドは余裕を崩さない。
「いや、僕は生きてルイズの元へ帰る。
 何故ならば!」

 胸を張り宣言する。

「僕と共に有るのは、彼女の使い魔!」
 畏怖堂々、余裕の笑みすら浮かべ始めたクロムウェルに向け、涼やかに笑って返した。


264 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 03:40:44 ID:hLCp3hne
アヌビスktkr
支援するっ!!

265 :アヌビス神 ◆6Dp6kmr0yc :2007/10/02(火) 03:43:35 ID:GAq1oMW5
「『ガンダールヴ』の力を得、共に一体となって戦う、スクウェアメイジの恐ろしさ。味わって貰おう」
 クロムウェルはワルドの言葉が理解できなかった。
『ガンダールヴ』伝説の虚無の使い魔。それは判る、だがそれが一体となるとは?
「待たせたね。アヌビス神」
 理解に苦しむその目の前で、ワルドは腰から一振りの剣を抜き放った。
 余りに妖しいその刀身。それは答える。
「おせーよ。チンタラ話し過ぎだ」
「ははは、すまなかった。だが今回はきみのお望みが叶いそうだ」

 クロムウェルは目を見張った。アヌビス神と呼ばれたその柄に刻まれしは、伝説の『ガンダールヴ』。何故使い魔の印がインテリジェンスソード如きに有るのか。
 あまりに常識外、有り得ない事だ。

「オイ、俺も抜けってんだ!
 多数のメイジとやりあうには、杖より俺だぁね」
 ワルドの背よりも声が上がる。
 携えていたもう一振り。
 今や、アルビオン王党派の間では、妖刀と対を成す魔剣として認められし、もう一つのインテリジェンスソード、デルフリンガーである。
「折角『エア・ニードル』を使ったのだがね。
 ハハハ、焦らず少しだけ待ってくれたまえ」
 ワルドは背のデルフリンガーに笑いかけると、杖を振りかざし一気にクロムウェルへと飛び掛った。



 この辺でOP

 ふぁーすとKILLからはじまるーっ
 二本のバトルひすとりーっ
 この強烈なー 斬ーれ味にっ
 敵は ばっさーりー バラされたっ

 剣が二つ
 斬れない敵
 ありえないこーとーだーよねー

 初めてだよっ
 こんな斬れ味
 やけに殺し 心地よくなっていくー

 そういう話しなのかも知れない……。


 ゼロの奇妙な使い魔 アヌビス神・妖刀流舞 第三部 先人よりの遺産



 数刻前、『レコン・キスタ』によるニューカッスルへの一斉攻撃が始まったその頃。
 ワルド子爵が本陣へと帰還した。
 本陣上空にまで下がった『レキシントン』よりグリフォンで舞い降りてきた彼は、戦利品だという二振りの刀剣を背と腰に差し、ジェームズ一世とウェールズの暗殺に成功したと語った。
「子爵よ、王の首級をあげたとは言え、作戦中に旗艦を動かすのはどうかと思うが」
「はは、凱旋ぐらいさせて貰いたい」
 苦笑しながら出迎えるクロムウェルにワルドは笑って返した。
「それよりも人払いを。内密に話したい事があるのですが」
 クロムウェルは真剣なその表情に頷き、人払いをした。


266 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 03:44:33 ID:6Utj1F0f
支援だッ!

267 :アヌビス神 ◆6Dp6kmr0yc :2007/10/02(火) 03:45:28 ID:GAq1oMW5
 そしてワルドから発せられたのは、クロムウェルに取って思いもよらぬ一言。
「閣下。この戦、止める気はありませんか」
 今となっての停戦の進言。
 既にニューカッスルへの、一斉砲撃は始まっているのにである。
「何を言っておるのかね?
 例え敵に策が有ろうとも、力で押し切れば問題無い局面!」
 クロムウェルは、ワルドとの間にある、机上に広げられた地図を手でバンバンと叩いた。
「力で何もかもを奪うのは哀しい事だとは思いませんか?
 力で押さえ込んで、人々の心が得られるとでも思われますか?」
 ワルドは、両の手をその机に置き、優しい声で言葉を紡いだ。クロムウェルに取っては不自然な程に。
「子爵、突然に子供じみた綺麗事を並べて、如何したと言うのだ」
 それに不信感を覚えぬ筈もなく、クロムウェルは声を荒げる。
「閣下、変わったのですよ僕は。判ってしまったのですよ僕は。
 当然の事をそうやって片付けてしまうのは、己の未熟さへの言い訳でしか無いと思い知らされたのですよ。
 所詮、矮小な器の、小さき者が高望みする時の言い訳だと」

 怒りだ。
 今更のその言葉。
 我々は、このクロムウェルは、矮小で小さき未熟者であるという宣言。
 何よりも、ワルドの心が『レコン・キスタ』を離れ、己への恐れ敬いが失せて行く事が、言葉、口調から伝わってくる。
 それらはクロムウェルの怒りを刺激するには充分であった。

 高ぶった感情を乗せた声を、ワルドへと叩き付ける。


 ニューカッスル城には轟音が響き渡っていた。
 地上から、空から次々と放たれる砲撃。そして魔法。
 城は殆ど抵抗も出来ずにそれらに晒され煙を上げる。
 抵抗は殆ど無く、時折散発的に反撃の砲火があがる程度であり、只々砲撃を受け過剰なまでの爆発を上げ続ける。

 戦勝ムードに包まれ、又、洗脳下にある兵士達。
 それらの条件は、この状況を不自然に思うに至らせ無かった。
 『レコン・キスタ』の艦隊に紛れる『レキシントン』改め、『ロイヤル・ソヴリン』より、ジェームズ一世は口惜しげにそれを見ていた。
「判ってはいても。故意であっても、悔しい事には変わらぬものじゃ」
 城内に残るは、万全を期する為、撤収を察せられないよう行動を取る、隠し港よりの脱出経路を確保した少数の精鋭のみ。城の各所には膨大な火の秘薬が設置され、それらの一部が砲撃を受ける度に爆発を上げる。
 残りし精鋭たちも、そろそろ待避する頃合だろう。

 最低限の非戦闘員は『マリー・ガランド』号に鮨詰め状態で脱出をした。
 満載していた硫黄等の火の秘薬を下ろした倉庫には充分な余裕は有った。
 緊急時でなければ乗りたいとも思えぬ環境ではあったが。
 ともあれ昨晩の内に出航し、闇と雲に紛れてアルビオンを離れた。
 ウェールズ率いる『イーグル』号が途中まで護衛に付いたが、意外な程簡単に大陸を離れる事に成功した。
 現在『イーグル』号は雲海に紛れ再び帰還し、ニューカッスル下の隠し港より様子を伺っている。



268 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 03:46:11 ID:LjKaTt0+
支援!

269 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 03:46:31 ID:U7lOpy9L
支援だぜ!

270 :アヌビス神 ◆6Dp6kmr0yc :2007/10/02(火) 03:47:22 ID:GAq1oMW5
 ルイズらは非戦闘員と共の待避を、ウェールズより言い渡された為、現在『イーグル』号にも『ロイヤル・ソヴリン』にも姿が無い。
 使い魔と、仮にも婚約者が残ると言うのに、自分だけ帰れないと愚図るルイズにウェールズは一つの手紙を手渡した。
「アルビオンの貴族では無い、きみたちがこの戦いに参加する事は許されない。
 アンリエッタに……、これを頼む。
 なぁに内容は、この戦いで命あれば再び会おう。といった物さ」
 微笑んで紡がれるその言葉に、納得できないながらも逆らう事が出来なかった。

 アヌビス神はやたらと陽気でノリノリな態度で、『んじゃ、また後でな。あ、そーそー、基本オール“許可”だよな?』とワルドと共に去って行った。
 ワルドとアヌビス神は、この策戦の要として外す事が出来ない。
 何より、『レコン・キスタ』であったワルドは、立場が違う。
「万が一、上手くいかなかった時は、僕は裏切ったと王女と枢機卿に伝えてくれ」
 腰に『ブッタ斬る斬るブッタ斬るー』と口ずさむアヌビス神を下げ、ワルドは言った。
 そしてルイズの手の甲を取って口付けをし、微笑むと、踵を返し意外な程あっさりと去って行った。
 その表情は晴れ晴れしく、武人ぜんとしたものであった。

 その場にはルイズ、キュルケ、タバサ、ギーシュが取り残された。

 ギーシュは手にした書簡を見詰めて複雑そうにしている。
 ジェームズ一世より手渡されたそれが酷く重たい。
『ロイヤル・ソヴリン』奪還と国王の窮地を救った功を称える、それが嬉しくも重たい。

「そう言えば、ミス・ロングビル、じゃなかったフーケは?」
 しんみりとした、その雰囲気の中、ふとキュルケはその場に一人足りない事に気付いた。
「今此処ではマチルダと呼ぶ方が適切」
 タバサは言葉を返しながらも、キョロキョロと周りの様子を伺った。
 この場を去るのならば、直ぐにでも港へ行かねばならないのだが、彼女の姿が何処にも見当らなかった。


 さて、時間を戻そう。

 ワルドの突き出した、『エア・ニードル』によって青白く輝く杖は、突然割って入った、『レコン・キスタ』のメイジによって阻まれた。
「成る程、僕の人払いの言葉は信用されてはいなかったか」
 机の上に立ち、杖と杖を絡めながら、ワルドは横目にクロムウェルを見た。
 クロムウェルの更なる合図によって、次々とメイジが集まってくる。アルビオンを始めとする、各国より集いしスクウェアやトライアングルの強者たち。

「こいつら全部潰さねえと任務は完了といかねえな」
 ワルドの左の手でアヌビス神がニヤニヤと笑うように声を上げた。
「そうなるね」
 己に向けて叩き付けられるゴーレムの腕を視界の端に捉え、絡めていた杖をぱんっと弾き、机を蹴って跳躍する。
 宙にて半身を捻りながらマントを翻し、飛来する業火の如くの火球をその表面を滑るようにして回避する。
 着地するや、再びマントを翻し、着地点を狙い襲いくる氷弾をマントに絡め無理矢理方向を捩じ曲げ落とす。
「クロムウェル入れて八人はいるぜ、できんのかね?」
 デルフリンガーの言葉に、ワルドは杖を振り上げルーンを唱えた後続けて言う。
「『風』はこの様な場に置いては最強さ!」
 捲き起こった突風が、取り巻くメイジらの手を脚を一瞬緩める。
「敵にも『風』メイジはいるだろうが」
「ハハハ、問題無い!
 この術に置いて、僕はハルケギニアの何者にも引けを取る事は無いと自負するッ!!
 ユビキタス・デル・ウィンデ……!!」
 その隙にワルドは一気にルーンを唱えると杖を振り上げる。


271 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 03:47:45 ID:6Utj1F0f
アヌビス支援

272 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 03:49:30 ID:6Utj1F0f
……まさか、この場合遍在するのか二刀流も!?

273 :アヌビス神 ◆6Dp6kmr0yc :2007/10/02(火) 03:50:34 ID:GAq1oMW5
「後は任せよう!」
 ワルドは杖を懐に収め、右の手にアヌビス神を握りなおす。
「やっと、やっと出番だなッ!?
 斬る斬る斬る斬るッ斬ってもいいんだよなァー!
 斬る斬る斬る斬るゥーっ!
 へへへへへへェー!!ハッハァー!!」
 ワルドの右の手でアヌビス神が長らくの鬱憤の開放の時を悦ぶ。
 吹き荒れる烈風に翻弄されるクロムウェルらの視線の先のワルドが、何重にもぼやけ始める。
「おうおうおうおうおうーっ!こりゃー面白くなって来たッ!
 抜け兄弟!」
「応よ、行くぜ!」
 アヌビス神はワルドの身体を操り、すらりとデルフリンガーを抜き放つ。
 同時にアヌビス神の柄のルーンが燦々と輝きを放つ。

「アヌビス神!

  デルフリンガー!

   ワルド 遍 在 二 刀 流 !!」

 同時に四体の分け身が姿を現し。声が幾重にも重なり響き渡る。


「こりゃすげえ!」
 アヌビス神は初めての感覚に驚嘆した。
 得られたのは三の視界を五乗。二の刃を五乗。
 そしてこの肉体からは感じられる。かつて無い使い勝手の良さ。
 ウェールズも大した物だったが、格が違う。精鋭の中の精鋭。鍛えぬかれ、筋の一本一本、張り巡らされた神経一本一本に至るまで研ぎ澄まされているのが判る。
 ワルドに足りない物は実戦の経験と殺しの技術。しかしそれを補って余る、己とデルフリンガーの蓄積。
「行けるか兄弟?」
「ハハッ!五万人全部ばらせる気分だァー!」
 デルフリンガーの問いに、アヌビス神は興奮し高ぶった感情を隠しもせずに吼えた。



 To Be Continued


274 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 03:52:38 ID:6Utj1F0f
マジで来た来た来た来た来たァーッ!?
次回が楽しみでならねェーッ!!GJだ!

275 :アヌビス神 ◆6Dp6kmr0yc :2007/10/02(火) 03:53:59 ID:GAq1oMW5
短いけど今回は此処までっ!


何か姉妹スレと同じ板にきちゃったっぽいんで、今度から向こうに投下する時は同じトリ使うかも
同じトリが居ても決してトリ漏れじゃ無いんでご安心を

276 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 03:55:00 ID:HhetdJTU
GJ!ワルド絶好調だな。このまま一人で突き抜けそうな勢いだ。
…あれ?主人公二人は?
このままじゃ終わらんと期待してるぜ。

277 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 03:55:19 ID:6Utj1F0f
>今度から向こうに投下する時は
…………今さらっとすげぇ事言われたーッ!?

278 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 03:57:04 ID:HhetdJTU
sage忘れた…アヌビス神に操られてくるorz

279 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 04:10:08 ID:rvPtoURR
GJ!
なんだか警棒でも振り回したくなった
ワルドみたいな魔法剣士っぽいものと違って本当に剣士やってるアニエスは間違いなくアヌ○スに体を狙われるだろうな


280 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 05:55:18 ID:56TcJ5td
そういえば杖も増えるんだよな
不思議魔法だGJ

281 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 06:27:58 ID:8Yra7rvU
アヌ○ス神来てたー!
今回もお見事でした
二刀流×5の戦いにwktk

282 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 06:38:22 ID:CSuUG2Z4
何気にOPがどんどん伸びている……
7部くらいまで言ったら一番が完成するな

283 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 07:09:55 ID:D/Ik6eyw
アヌビス神GJ!
アニメ二期OP版の方も是非やってほしい!

284 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 09:46:30 ID:EclgL8yq
>>276
主人公二人?
ギーシュさんともう一人は…ああ、アヌビス神か!

285 :アンリエッタ+康一 ◆3D2JBRgybs :2007/10/02(火) 11:38:23 ID:3IJAZHSF
45分から投下しますが、こんな時間に誰かいます?

286 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 11:39:47 ID:wjnB++ER
いることはいます

287 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 11:40:42 ID:SnEg8Jy2
ユビタキス

288 :アンリエッタ+康一 ◆3D2JBRgybs :2007/10/02(火) 11:45:07 ID:3IJAZHSF
皆はタバサが持ってきた書物に記されたルーンに目を奪われていた。
それほど書物のルーンは康一のルーンとよく似ている。似すぎている。
偶然の一致としてはありえないほど、真に酷似していた。

アニエスがテーブルに置かれた、康一の右手を見る。
それを目に焼き付けた後、また書物のルーンを見た。
瞳に焼きついた康一のルーンと、書物のルーンが瞳の中で重なり、僅かな差異で合致。

「これは、確かによく似ている。殆んど見分けが付かんぞ」
驚いた様子でアニエスが書物に記されたルーンを見ながら言った。
「確かにそのようです。いえ、これは本当に違うルーンなのでしょうか?」
アンリエッタも康一のルーンと、書物のルーンを交互に見あう。

康一も自分の右手を見る。そしてその右手を記されたルーンの横へと置いた。
「これ、ホントに似てますよね」
見比べられた、ルーンとルーン。康一にもようやくその差異が見つけられた。
ルーンの主さえも、そうして見比べなければ分からない程の違い。

それほど酷似したルーンが世に二つとあろう物なのか。
康一は書物を持ってきたタバサを見つめた。
タバサはその康一の疑問が分かっているように語る。

「あなたのルーンは、わたしが見た限りとても珍しい形のルーン。
この世にこれだけ似たしたルーンがあるのは、多分まずありえない」
タバサの言。それは魔法に精通した彼女だからこそ感じる重みを発していた。
おそらくタバサの考えにまず間違いはないであろう。

だが今見ている現実にアニエスが異を唱える。
「しかし現実には、これだけ似たルーンの記録が存在しているのだ。
そもそもこの書物は一体何の本なのだ?見たところ随分ボロボロで、年季の入った本のようだが」

アニエスの言う通り、タバサの持ってきた本は随分と古くなった本だった。
今開かれているページも日焼けしていたり、何かのシミかで汚れていたり。
先ほどチラリとみた表紙もかなりくたびれているようだった。
微妙に本を綴じる紐の止め具も危うい感じで、言ってはなんだがかなりボロイ。

そんなボロイ本をタバサは丁寧に扱ってページを閉じる。
紙自体も随分と痛んでいるようで、康一には今にもボロリと紙が崩れてしまいそうな感じがした。
閉じられた本。そしてその痛んだ本が面を上げた。

289 :アンリエッタ+康一 ◆3D2JBRgybs :2007/10/02(火) 11:46:31 ID:3IJAZHSF
本の顔とも言うべき表紙。康一はその驚くべき表紙を見つめて、気の抜けた声で言った。
「この本の表紙、擦り切れちゃって何も読めなくないですか……?」
ハルケギニアの文字が読めない康一でもそれぐらいは分かる。

ボロボロに擦り切れた表紙。その長い年月を経た故の結果。
おそらく昔はあったであろう題はすでに消え、もう何処にもない。
「それが問題」
タバサが少し困ったように本に目を落とした。

だが表紙が読めなくとも、本の中身には関係ない。
「ならば本の内容を読み解けば、どんな本かは推察できるのではないでしょうか?」
アンリエッタの考えなら題が読めなくとも特に問題はない筈だ。

先ほどのページのルーンは、ハッキリと記されていた。
ならそれ以外のページが痛んでいたとしても、読めないほどではないであろう。
しかし、そんなことは聡明なタバサには百も承知。
タバサは再び本を手に取り、そのページを康一達に見せるように捲り始めた。

ペラペラと捲っては捲り、捲っては捲り。
その次々と変わりゆくページを見つめて険しい目をする、アンリエッタとアニエス。
康一は字が読めないので、二人の結果待ちだ。

そしてタバサは簡単に捲り終えた本を閉じて二人を見た。
流れてゆく康一には読むことの出来ない、よく分からない変な文字。
アンリエッタとアニエスの目は相変わらず険しいまま。
そんなアニエスが困ったようにアンリエッタを見つめる。
アンリエッタもアニエスと同じような目をしてタバサを見つめた。

沈黙が降りる。そんな沈黙が少し続いて、何でこんな雰囲気になっているのか分かっていない康一が聞いた。
「あの……結局その本、何て書いてるんです?」
何となく自分でも、場違いな気がする発言かな〜?、と思う康一の言葉。
そんな康一の言葉にアンリエッタとアニエスは何も言えない。

二人に代わってタバサがその言葉に答えた。
「この本の文字、読めないの」
「……ハイ?」
まさに理解不能といった表情の康一。

しかしタバサは冷静に、厳然と事実を告げる。
「本の文字。わたしたちには読むことができないの」
二度も言われればさすがに康一もその言葉が理解できる。
理解できるが、何となく微妙な目でタバサを見つめた。

康一の視線を受けるタバサは、やっぱり困ったように目を逸らした。
今度はアンリエッタとアニエスを見つめる康一。とりあえず視線が合う前に顔ごと目を逸らされた。
これが所謂、スタンドも月までブッ飛ぶこの衝撃、というヤツだろうと康一はおぼろげに思う。
そして月が二つあるこの世界では、どっちの月に飛んでいくのだろう、とよく分からないことを康一は考えた。

290 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 11:46:38 ID:/w8yBDk2
支援

291 :アンリエッタ+康一 ◆3D2JBRgybs :2007/10/02(火) 11:47:54 ID:3IJAZHSF
テキトーに子供に線を書かせて、その線を清書して作ったような気がしないでもない文字。
否、読めないのであるから文字かどうかさえ判然としない。
そんな文字をアニエスとアンリエッタは困惑したような目つきで見つめている。
そしてそんな二人を康一が見つめていた。

微妙に気まずいような、そうでないような空気を纏うアニエスが言う。
「わたしも文字の読み書き程度はできる、が。
こんな文字(記号)…なのか?文字は見たこともない。姫さまは何かご存知ありませんか?」
自分よりはこの文字を知っている可能性のありそうなアンリエッタにアニエスは聞いた。

だがアンリエッタも渋い顔を崩さない。
「いいえ、わたくしもこのような文字は初めて拝見しました。
ハルケギニアの文字とは違う形態の文字のような気がいたしますし、これが本当に文字なのかさえ………
これは推論で結論を出せることではなさそうです。然るべき者に調べていただいた方がよろしいでしょう」
アンリエッタは一旦、結論を出すのは保留とすることにする。

康一としては何だか気の抜ける展開ではあるが、まだ多少の疑問は残っている。
「タバサさん。たしかこの本、タバサさんの通ってる魔法学院ってトコで見つけたんですよね?
こんなスゴク古い本も取って置くようなところなんですか?」

尋ねられたタバサはコクンと頷き、口を開く。
「まず、あなたのルーンの記録は学院の魔法書、閲覧許可必須の本でも見つけられなかった。
この本は学院にあった未解読の解読待ち本として保管されていた物の一つ。
その中でもとても古い本。その本の中でようやくそのルーンを見つけた。」

ちなみの閲覧許可が必要な魔法書は、以前の任務での報酬でアンリエッタから得た、
宮中及び魔法学院にある魔法書などの閲覧許可があったために問題はなかった。
タバサとしても、こういう使い方をするとは思っていなかったため、ちょっぴり嬉しい誤算であった。
結局あんまり役に立たなかったのを除けば。タバサはちょっぴりガッカリした。

「未解読ってことは、ヤッパリ何かよく分かんない本ってことですよねェ〜」
しげしげとルーンの記されたページを見て康一が言う。
そのページを捲った右手に記されたルーンと、ほぼ同じ形の紋様。

一画ほど「康一の」ルーンが足りないが、それ以外は完璧に同じ形状のルーン。
「でもこの本のルーンと、僕の手のルーン。これって同じものなんですかね?」
タバサに康一が聞いた。確かにこれだけ似ているなら、その可能性もあるだろう。

タバサも康一のルーンは珍しい形だと思う故、同じことを考えていた。
「これだけ形状が一致するならその可能性は高いと思う。
なぜ記録とあなたのとが違うのかは分からないが、記録が間違っていた、という可能性もある」
タバサの言う通り、逆にそう考えるのが自然なのかもしれない。

現に記録ではなく、実物が目の前にあるのだ。
そして現実にハッキリと結果がある限り、間違っているのは記録の方となる。
アンリエッタもアニエスもそれが普通だと思うし、それ以外の者も普通はそうだと思うだろう。

292 :アンリエッタ+康一 ◆3D2JBRgybs :2007/10/02(火) 11:49:19 ID:3IJAZHSF
だが、康一はそうは思わない。何故なら記録も結果であるからだ。
結果というのは、過程なくしてありえない。故に結果が生まれるのは何らかの理由があってのこと。
なら結果があれば、それが生まれた理由というのは多少なりとも推察できる。

康一はハテな?、といった表情で首を捻った。
「でも記録が間違ってるっていうの、何かオカシクありません?」
「どこがです?何かそんなところがありますか?」
康一の言葉の意味が分からないアンリエッタは康一に問うた。

「記録のルーンが一画足りないのなら何となく納得できるんですよ。
でも一画足りないのって僕のルーンの方じゃあないですか。何か…チョット不自然な気がするんですけど」
「……それの、どこがおかしいんだ?もう少しハッキリと言え」
今一つ具体的でない康一の答えでは何が言いたいのか、よく分からないアニエスも聞いた。

しかし康一としても何かを絞り込みきれずに、言葉を探しながら言った。
「こういう紋様を写す作業って、風景の絵を描くのに似てると思うんですよ。
でも普通、風景画に実際にない風景を描き足すとかってあります?」

相変わらずよく分からない問いだが、とりあえずアニエスは思ったことを答えた。
「絵のことなど知らんが、正確に風景画を描くなら絵を書き足すとかはないんじゃあないか?」
「だとするとこの本に書かれてる、一画多いルーンって変じゃあないです?
間違えて一画書き忘れたとかだったらいいんですけど、一画書き足されてるじゃあないですか」

「「「……あ」」」

三人とも具体的ではないが、何となく想像がついた。
確かに、康一の右手のルーンと同じものを書き写したのだとすれば、それは少々不自然だ。
記録とは正確に記すものである。だが時には間違いを犯すこともあろう。

しかし今回の事例が生まれるには、写生する時に本物のルーンより字画が多くなってしまうことが要求される。
だが普通、ルーンの紋様の絵を書き間違うなら、字画が多くなるより少なくなるのではないだろうか?
写生とは、有様を「見たまま」に写しとることである。ならば写生で犯すミスとは一体なにか。
そこに無い物を書き足すより、そこに有る物を見落とすということが、紋様の写生で普通起こりうるミスではないのではないのか。

だが康一は写生の知識など何もないし、ただ単に間違えて書き足してしまったという可能性もある。が。
ただでさえ記録というのは間違いが無いようにチェックされるものであるし、それは少々都合がよすぎるように思える。
「これは……少し不自然」
聡いタバサが、真っ先に康一の考えに同意した。

アニエスも本のルーンを見つめながら、康一の言葉を現実的に考える。
「おかしい、な…。確かにおかしい。気にならない程度ではあるのだが、確かに喉に小骨が引っかかるような感じだ」
一度生まれた疑問は取っ掛りとなって、アニエスの勘に何か引っかかる。

「わたくしも。そのままルーンを写しとったとすれば、あまり想像しにくい間違え方のような気がいたします」
アンリエッタも、この間違いの微妙な不自然さを認める。
しかしこの記録に間違いがないとすると、一体何故にこんな食い違いが生まれるのか。
果たして本当に記録のルーンは、康一のルーンと同じものなのであろうか?
康一がルーンの能力が使えないのとも何か関係があるのか。全く。訳の分からないことだらけだ。

293 :アンリエッタ+康一 ◆3D2JBRgybs :2007/10/02(火) 11:52:14 ID:3IJAZHSF
投下完了
まず前回避難所から代理投下してくださった方ありがとうございました
何だか言うタイミング逃しましてここで言わせていただきます

あと投下の分量を多くしてみました
投下するのは楽なんですが、これ多すぎて読みにくい気がします……
もうちょっと加減とって上手く投下したいもの

294 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 12:14:48 ID:31744zqY
吉良は大変な物をコルベール先生に渡しました。
ルイズもけっこうデレてね?

ぜろいぬのモット伯は無駄に格好いいな!
アニエスも妙に格好いい


まさかアヌビス神ごと遍在してるのか!?なんてチートだ!
GJだ!


このまま行くと康一くんの立場が気になる。
ルーンの効果を調べに魔法学院に行くんだろうか…?

295 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 12:15:51 ID:IMQPE6iC
乙。

296 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 12:40:47 ID:es1vdSng
乙!
学院でも康一くんの女難は続くのかw

297 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 12:43:35 ID:Qg3Cw63r
乙!
多分アレだ一画少ないのは○○が出てないからだ。

298 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 16:37:25 ID:GJ6VCKPe
>>297
○○の中はヨメか?

という事は、ルイズに召喚されたのは嫁=由花子とwwwwwww

299 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 16:57:27 ID:322whEP8
初めてSSを書いてみたんですが、投下してもよろしいでしょうか?

300 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 17:01:08 ID:31744zqY
まず投下して貰わないと良いか悪いかもわからないなあ
というわけで支援

301 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 17:01:58 ID:3IJAZHSF
スレは空いているさ

302 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 17:02:06 ID:pc8mYtWa
期待支援

303 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 17:04:33 ID:322whEP8
わかりました。それでは投下させていただきます。




ある日、何者かに『矢』で射抜かれ、その身に発現した超能力、『スタンド』!
一体誰が?何のために?まともな感覚を持っているなら疑問は次から次へと湧いてくるはずだが、彼―――間田敏和の心中は、『この不思議な能力をどうやって有効活用するか?』という考えで満たされていたッ!



せっかく普通の人間には無い能力を手に入れたのだ。他の奴らよりもっと楽しく自由に、実りのある人生を送りたいではないか!
そう思った彼は、さっそく自らのスタンド―――『サーフィス』で片思いだった順子をコピーし、好き放題してやろうと自室へ連れ込んだのであるが・・・・・。



バッチィィ―――z___ン!



今まで思い描いてきたあんなことやこんなことを実現できるという喜びに、すっかり緩んでいた間田の顔面を襲ったのは、他でもない、サーフィス順子が放った平手打ちだった!そのあまりの威力に間田は吹っ飛ばされ、部屋の隅に無様な格好で転がる。
そんな間田に、今度はサーフィス順子の怒鳴り声が襲い掛かる。




「間田君っ!貴方ねえ・・・どんなことしてるか、わかってるの!?」
「は、えっ?」
突然のことに、ブン殴られた頬を押さえ、涙目になりながら返事を返すことしかできない間田。サーフィス順子は容赦なく、彼に罵声の数々を浴びせる。


304 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 17:07:21 ID:322whEP8
「女の子を無理やり部屋に連れ込んで、こんな仕打ち・・・・貴方は男として最低よッ!」
「前から思ってたけど、こんなに陰険で卑怯な手段を使うなんて・・・・・何で貴方は、そんな手段を使おうとしかしないのッ!?」
「気に入らないことはすぐに暴力や卑怯な手を使って解決しようとして・・・!そんなの、人間としてクズだわ!」

「知ってるのよ!貴方が授業中にキン○マいじってるの!学校まできて何キモいことやってんのよ!!」
「大体その髪型はなんなワケ!?頭にエチゼンクラゲ乗っけてるみたいじゃない!カッコイイとでも思ってんの!?」
「貴方みたいなヤツを人間として認められるわけないわ!貴方はカスよ!ゴミ以下よ、ゴミ!」



「ううッ!・・・グググ・・・・クキィーッ!!」


スタープラチナのラッシュもビックリなほど、隙無く連打される言葉というパンチの応酬!
あまりの悔しさに――――予想以上に自分が順子に嫌われているというショックもでかかったが――――間田は、その場に卒倒してしまったのである!







数時間後。
気絶から覚めた間田は、サーフィス順子から浴びせられた言葉を反芻していた。
サーフィスがコピーした偽者とはいえ、このスタンドは相手の外見、性格、記憶まで完全にコピーする。たとえ偽者とはいえ、
あれらの言葉は常日頃、順子が彼に対して思っていたことなのだ。

後半はほとんどただの罵倒だったが・・・・・・大きな目を潤ませ、彼女が浴びせた言葉には、間田自身も心当たりがあった。


些細なことで喧嘩をした友人に、一生心に残ってしまうような傷を与えてしまったこともある。
気に入らない相手に陰湿な手段を使って攻撃したこともある。


――――考えてみれば、俺の今までの人生は、『卑怯』という2文字に塗りつぶされていた。


305 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 17:11:12 ID:322whEP8
間田は考える。なぜ自分は、音石明に協力して承太郎を町から追い出そうとし、最後には殺そうとまでしたのだろうか。
承太郎が気に入らなかったから?己のスタンドを誇示したかったから?

いや、違う。

『音石明が怖かったから』・・・・ただそれだけのことだ。電撃をまとい、電気の存在するあらゆる場所に現れる彼のスタンド『レッド・ホット・チリペッパー』は、
小心者の間田に恐怖心を植え付けるには充分すぎる力を持っていた。
間田は音石明に従った。それこそ、不良に媚びへつらう使い走りのごとく。彼の命令どおり、何の関係も無かった1年生の仗助と康一に危害を加え、承太郎を抹殺しようとした。

もっとも、その命令は失敗に終わり、サーフィスは破壊され、間田は自分が痛めつけた一般人の男2人にコテンパンにやられてしまったのであるが・・・。



間田は考える。『生き方を変えよう』と。
『改心した』などと白々しいことをいうつもりは無い。自分はサーフィスの能力を悪用し、多くの人を傷つけてきたのだから。

だが、彼はどうしても変えたかった。いや、『変わりたかった』のだ。
卑怯で陰険で・・・・小心者だった過去の自分にオサラバし――――優しくて、タフで、頼りになる男に。










うわっ面の使い魔






306 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 17:16:13 ID:322whEP8
「ったく、せっかく決意したってのに・・・・このままじゃ張り合いがねーよなぁ」
学生服を着込んだ男が不満げに呟きながら道を歩いていた。
だらしなく伸びた黒髪に、痩せた体。俗に言う『オタク』という人種の外見だった。

彼の名は間田敏和。ぶどうヶ丘高校に通う3年生である。
『優しくて、タフで、頼りになる男』になろうと決めてから早一ヶ月。結論から言うと、彼は全然変わっていなかった。
単に自分の努力が足らないだけとも言えるのだが、間田は何故か周囲のせいにしていた。

「なんつーかなぁ・・・冒険が足りねーんだよ、冒険が」
曰く、炎髪灼眼のツンデレ美少女と共に紅世の徒と戦ってみたいだの、死神代行になって開放とかしてみたいだの。
そんなことで自分が変われると思っている時点で彼は立派な中二病なのだが、平和になった杜王町にそんな冒険の気配はナッシングだった。


「吉良吉影みたいなのがまた来てくれれば、なんて言わねえけどよぉ〜。血湧き肉踊るような戦いの日々に身を委ねてみたいぜ・・・ん?」
そう言いながら、彼は一軒の書店の前で足を止めた。


「おっと、いけねー。今日は『キラ☆スタ』の発売日だったんだ。買ってくか」

愛読書の最新巻が発売されることを思い出し、進路を変えた直後。
突如、眼前に光り輝く鏡のようなものが現れ、猛スピードでこちらに迫ってきたのだ!


「な・・・何だよこりゃあ!う、うわぁーッ!!」
鏡はあっという間に間田の身体を飲み込み、徐々に小さくなり・・・消えていく。








―――スタンド使い、間田敏和。彼の冒険はここから始まる―――。

307 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 17:18:03 ID:322whEP8
以上です。お眼汚し、失礼いたしました。
お暇なときにでも目を通していただければ幸いです。

308 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 17:18:12 ID:epJYMiRN
典型的ダメ人間www 支援!

309 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 17:20:00 ID:GJ6VCKPe
投下乙!
こいつがルイズに着替えさせろと言われたら・・・暴走するなwww

310 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 17:20:36 ID:es1vdSng
乙です!
サイトとはまた違う駄目なオタクの召喚なんで期待してますw


311 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 17:21:00 ID:epJYMiRN
GJ!間田がどう変わって行くかに期待だぜ

312 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 17:45:10 ID:Dkv4g1hc
投下乙です。
間田も写真写りだはイケメンぽかったのになあw

313 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 17:52:36 ID:COzqDt2b
投下乙です
うわー、有る意味サイトなみの使い魔きたーw
優しくて、タフで、頼りになる男になるの期待、あんまり想像出来ないがw

314 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 17:54:21 ID:vqByzKYb
乙!
色々と暴走する間田が既に想像できるから困るwww

315 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 18:31:00 ID:qk9DF0ti
サーフィスは相手に触らせればかなり強いんだがなwww

316 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 18:37:14 ID:GJ6VCKPe
フッと思い出したんだが、間田ってちょっとした口論で友人の目をえぐる様な奴だよな。
これって、ゼロ魔の世界ではかなり猟奇な方じゃないかと。
ギーシュあたりが危険じゃあないかな?

317 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 18:51:41 ID:FNTqV/kF
それ言い出したらたいがいのジョジョキャラは猟奇的だぞ

318 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 19:00:56 ID:I2LCEfjj
計算間違えただけでフォーク刺してくる奴
髪型にケチつけられただけでぶん殴る奴
言葉に納得できないだけで車を叩き壊す奴

どうみても猟奇的です。本当に(ry

319 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 19:04:32 ID:iKt4dYdT
スタンド以前の部分で人間離れしてるのが多すぎる。

320 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 19:07:01 ID:GtEhM+TO
アヌビス久々に来てこれとは!
なんつーチートGJ

康一微妙な間違いと微妙な推理で混乱?
これまたGJ

間田新しいの来たッ!
期待と賞賛のGJ

321 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 21:08:59 ID:rvPtoURR
きっとアレな人程強力なスタンドなんだろね


322 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 21:33:09 ID:GJ6VCKPe
>>321
好青年だけど花京院かなり強力なスタンド使いだよ。


あ、あれか
「レロレロ」か

323 :初代スレ506:2007/10/02(火) 21:36:01 ID:Lbf0fcMk
45分に投下します。

324 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 21:39:38 ID:3hTthixE
支援の準備だッ!!
全裸で待機しろッ!!

325 :使い魔は静かに暮らしたい:2007/10/02(火) 21:45:47 ID:Lbf0fcMk
帰ってきてから既に3日が経っていた。あれから大きく変わった出来事も無く、タルブの村へ行く前と殆んど同じ日々をすごしている。
変わったことがあるとすれば、私の所有物が増えたことぐらいだ。部屋に入れることができないほどでかい所有物だけどな。
所有物というのはもちろんタルブの村で手に入れたゼロ戦だ。置く場所も限られているため中庭に広場に置かれている。
しかし、普通こんな場所に置いておいていいのだろうか?普通なら文句を言われてもおかしくない。だというのに文句を言われることはなかった。
ルイズかコルベール、どちらかがここに置く許可を取ったのかもしれない。だとしたら許可を取ったのは後者だろう。前者がこんなことするわけが無いだろうし。
そして私は今、ゼロ戦の操縦席に座っていた。ゼロ戦の点検をするためだ。
普通そういったことはそれなりに技術を持つものでなければできないだろう。下手に弄れば故障の原因にもなりかねない。
しかし、私には『ガンダールヴ』のルーンがある。ゼロ戦は武器だ。だから触ればルーンが反応する。
操縦桿を握ったり、スイッチに触れるたび、ルーンの効果により頭の中に情報や各部の状況が流れ込んでくる。
つまり、私は武器であれば専門的な知識が無くても、故障しているかどうかを調べることができる。
本当に『ガンダールヴ』は便利だな。既に私はゼロ戦を操縦し空を飛ばすことぐらいできるほどだ。
そんなことに悦びを覚えながら私は点検を続けた。しかし、点検というのも暇だ。操縦席の中でただ弄くっているだけだからな。
そういうことだったら誰かと話しながらやれば少しは気がまぎれないか?しかも操縦席というのは密室だ。
誰かが邪魔するということは殆んど無い。たまに誰かが暫らく見るだけだ。触ることすらしない。触るのは私だけと言ってもいい。
ということはこの空間内なら大声で喋らない限り周りから気にされることはないわけだ。
なので普段持ち歩かないデルフをゼロ戦の操縦席へ持ってきたのだ。もちろん喋れる程度に抜いてある。なぜか猫も肩に乗せてるがな。
しかし、この時間帯に喋るのは久しぶりだ。
「相棒、もう一つある剣ってよ、ほら、前に相棒が使ってたやつ。あれもう使わねえの?すげえ埃被ってたぜ」
「ああ、どうしようか。別に必要ないからな。売るか」
といっても、それほど何か喋る話題があるわけでもなく、たまにどうでもいいことをちょろっと喋るぐらいなのだが。
「にしてもよ相棒、ほんとーにこれで空を飛ぶんかね?」
「ああ」
異常無し。
「ふ〜ん。これが飛ぶなんて、信じられねえな。あ、でもマジで飛ぶみてえだな。わかっても信じられねえなこりゃ」
「ん?いきなり飛ぶと納得したみたいだがどうしてだ?」
ここも異常無し。
「こいつは『武器』だろ?ひっついてりゃ、大概のことはわかるよ。忘れたか?俺は一応、『伝説』なんだぜ」
「へえ」
……なぜ伝説なのだろうか?
そういえば前に『ガンダールヴ』の左腕だとか言っていたな。推測からすると、前の『ガンダールヴ』が左腕にデルフを持っていたってことか?
『ガンダールヴ』っていうのは聞く限り伝説の存在だ。だったらその『ガンダールヴ』が持っていた左腕の武器がデルフなら、確かにデルフは伝説だろう。
…………あれ?それって結構すごくないか?でも知っているのは私だけだし他人に話しても信じるわけが無いからな。自慢できることじゃない。
いや、自分だけが知っている秘密ってことでいいんじゃないか?うん、私だけが知っている秘密、いい響きだ。
それにしても本当にどこにも異常が無いな。これが『固定化』の呪文の効果か。恐ろしい。これなら科学が発展しないわけもわかるな。魔法がありゃ必要ねえもん。
まあいい。点検も終わったんださっさと降りてしまおう。
「ほら、降りるぞ」
肩に乗っかている猫に合図をし、デルフを掴む。
「お。終わったのか」
「お前には言ってない」
「ひでえ」
そんなことを聞きながら操縦桿から出、ゼロ戦から降りる。
さて、点検も終わったからな。あとは何もすることはない。正直暇を持て余す。デルフと喋り続けるか?バカな。それじゃあ変人じゃないか。
こんなときシエスタがいれば文字でも教えてもらえるんだがな。今シエスタは帰郷中だ。仕方が無い。部屋に戻って文字の復習でもしておくか。
そんな結論に達し、部屋へと足を向けたとき、何が聞こえてきた。なんだこれは?

326 :使い魔は静かに暮らしたい:2007/10/02(火) 21:46:58 ID:Lbf0fcMk
「…………くん!ヨシカゲくん!ヨシカゲくん!」
この声は、コルベールか!どうやら私を呼んでいるらしいな。一体何事だ?
「どこかね!?ヨシカゲくん!?ヨシカゲく――ん!?」
声はさらにこちらに近づいてくる。
ええい!私を大声で呼びながらうろつくんじゃない!変な噂がたつかもしれないじゃないか!
コルベールに叫ぶのをやめさせるため、声のする方向へ足を向ける。
「相棒、モテモテだな」
「男にモテてなにが嬉しいと思うか?私に特殊な趣味は無いんだぞ」
しかし、こちらが少し進んだところでコルベールが曲がり角から姿を現した。
「ヨシカ、おお!ヨシカゲくん!捜していたぞ!」
コルベールがこちらに狙いを定めたかのように歩みを進めてくる。その両手にはワインの壜が握られている。
「ヨシカゲくん!ヨシカゲくん!できたぞ!できた!調合できたぞ!」
「本当です……!?」
そこまで言いかけて気がついた。このコルベールは今どの程度なんだ!?エンジンを見せたとき位か?それともついこの間ゼロ戦を見たとき位なのか?
「どうしたのかね?そんな脅えた顔をして」
「え?」
ふ……つう?普通の状態なのか?
「まあいい。それよりほら、見たまえ!ちゃんとできているだろう!?」
そう言ってコルベールが私の眼前にワインの壜を突きつけてくる。ワインの壜の中には確かに茶褐色の液体が存在していた。燃料と同じ色だ。そして臭いも燃料と同じ臭い。
驚いた……まさかこんな短期間で作り上げるなんて。
「ええ、見た目、臭い、共に完璧じゃないですか」
「そうだろう!そうだろう!では早速使えるかどうか試してみてはくれんかね!?」
「もちろんです」
早速燃料を入れようと、風防の前にある燃料コックの蓋を開こうとする。しかし、開かない。どうやら鍵がかかっているらしい。
「どうかしたのかね?」
「ええ、どうやら鍵がかかっているようで、開かないんですよ」
「どれ」
コルベールが杖を取り出し蓋に魔法をかける。すると蓋の鍵がひとりでに開き、蓋を開けることができた。
マジかよ。魔法は鍵まで開けれるのか。いや、むしろそれぐらいできないとおかしいか。これよりすごいことなんていくらでもするからな。
燃料コックの中に燃料を注ぎ込む。
「まず、きみにもらった油の成分を調べたのだ」
注ぎ込んでいると、コルベールが頼みもしないのになにやら語り始める。正直うっおとしい。
「微生物の化石から作られているようだった。それに近いものを探した。木の……」
「相棒、あれちっと自分に悦が入りすぎてねえか?」
「だが、それを補ってあまる優秀さがある。見逃してやれ」
コルベールの燃料誕生までの道のりを適当に聞き流しながら私は燃料を全て入れ終えた。
「ところでこの油はなんというのかな?」
「ああ、ガソリンですよ」
確かな。
「そうか。それじゃあ早くその風車を回してくれたまえ!わくわくして、眠気も吹っ飛んだぞ!」
「わかりました。それじゃあその風車を回してもらえますか?動かすにはまず風車が動かないといけないんですよ」
生憎、このゼロ戦にはクランクを回すための道具が無かった。なのでプロペラは手動で回すしかない。
「ふむ。これは、あの油が燃える力で動くわけではないのだな」
コルベールはなるほど、といった感じで観察しながら再び杖を取り出す。
それを確認して私は操縦桿へ乗り込むと、準備をはじめた。そんなすぐに動かせるほど単純じゃないからな。
そして全ての準備が整った。プロペラもコルベールがしっかり回している。どうせ魔法だろう。

327 :使い魔は静かに暮らしたい:2007/10/02(火) 21:48:08 ID:Lbf0fcMk
「さてさて、うまくいっているかどうか」
「さあ?俺にはどうでもいいけど」
スロットルレバーを気持前に倒し開いてやる。すると大きな音を立てながら見事プロペラが回転し始めた。それにあわせ機体も振動する。
どうやらコルベールは完全にガソリンを作り上げたようだ。まさに天才だな。計器を確認してもどこにも異常は見当たらない。よしよし。
そして私は点火スイッチを切り、ゼロ戦から降りた。その瞬間、眼前に何かが現われる。
「おお!やった!やったぞぉ!動いたではないか!」
「ぐへぇ!?」
「ミャオ!?」
「メラミ!?」
そして物凄い勢いで抱きつかれた。猫が衝撃で肩から転げ落ち、デルフもぶっ飛ばされてしまう。
ミシミシミシミシ!非常に強い力でコルベールに抱きしめられ骨が悲鳴を上げ始める。
せ、背骨が……
「しかし、なぜ飛ばんのかね?」
コルベールは自分のその一言で気持ちが醒めたのか私を離した。背中を擦りながらコルベールから距離を取り立ち上がる。
クソッ!油断した私がバカだった!
「燃料が足りないんですよ。そうですね、樽5本分ぐらいでしょうか?」
「そんなに作らねばならんのかね!?まあ乗りかかった船だ!やろうじゃないか!とくれば、こうしちゃおれん!早く研究室へ戻って量産だ!」
コルベールはそう言うと物凄い勢いで走り去っていった。
……なんとかならないのか?あのテンション。
そう思いながらデルフと猫を拾い上げる。デルフは落下の衝撃でか、完全に鞘に収まっていた。さて、部屋に戻ろう。この短時間でなんだか妙に疲れた。
痛む背中を擦りながら私は部屋へと帰っていった。

328 :初代スレ506:2007/10/02(火) 21:49:14 ID:Lbf0fcMk
以上。



329 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 21:50:48 ID:Klge8rwb
ヤフオクでゼロの使い魔DVD全巻が1円スタートからのやつみっけたから張っとく
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本編見てない奴はみとけ

330 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 21:55:22 ID:2i4t+oDE
GJ!
今日は110コルベールくらいかな?

331 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 21:55:45 ID:/O+EDgRh
GJ!
そしてキラ、私に特殊な趣味はないぞって、あんだけデレといていうか!?

332 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 22:04:44 ID:31744zqY
吉良ほど特殊な趣味の男が何を言うのか
コルベール先生のテンションの高さは凄いなGJ!

333 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 22:14:52 ID:GtEhM+TO
GJ!
今回は妙に冷たかったな
で今日のコルベールさんは86コルベールだと

334 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 22:49:58 ID:31744zqY
23:00に投下したいッ!

335 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 22:50:44 ID:GtEhM+TO
>>334
支援だッ

336 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 22:55:58 ID:jHfixNx+
支援しても構いませんかねッ!

337 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 22:57:08 ID:V3UEx5cN
よしっ、全員道を空けるんだ!

338 :仮面のルイズ:2007/10/02(火) 23:01:01 ID:31744zqY
ラ・ロシェールの上空。

そこにはトリステイン艦隊旗艦の『メルカトール』号が停泊していた。
艦隊司令長官のラ・ラメー伯爵は、ちらりと時計をみやる。
神聖アルビオン政府の艦隊を、国賓として迎えるためにトリステイン艦隊が出迎えているのだが、約束の時間を過ぎてもアルビオンの艦隊は姿を顕わさなかった。

ラ・ラメー伯爵は、国賓を迎えるため正装して居住まいを正しているが、その表情はどこか厳しいように見えた。
その隣に立っていた艦長のフェヴィスが、口ひげをいじりつつ、時計を見た。
「やつらは遅いではないか」
艦隊司令官のラ・ラメーは、不機嫌そうに呟きつつ、艦長の方を振り向いた。。
フェヴィスは鼻で笑うようにフンッと息を息をして、襟を正す。
「アルビオンの犬どもは、増長しているのでしょうな。おおかたにわか貴族達が着たこともない軍服に戸惑っておるのでしょう」
艦長は空軍戦力で勝るアルビオンが嫌いだったので、言葉にも刺が含まれていた。

しばらくすると、檣楼(しょうろう)に登った見張りの水兵が、大声で艦隊の接近を告げた。
「左上方より、艦隊!」
艦長と、艦隊司令は、ようやく姿を現したアルビオンの艦隊を一目見て、その規模に驚いた。

アルビオンの旗艦、『レキシントン』はまさに雲のような巨艦と言えた。
その後ろを追従する戦列艦も決して小さくはない、だが『レキシントン』と比べると、どうしても見劣りしてしまう。

「あれが『ロイヤル・ソヴリン』か……」
艦隊司令官は、あの巨大戦艦が『レキシントン』と名を変えていることを知っている。
しかし、それを建造したかつてのアルビオン王国に敬意を払い、古き名を呼んだ。
アルビオンからの話では、あの艦隊にアンリエッタ姫の結婚式へ出席する大使を乗せているはずだ。
「いや、この距離で見るのは初めてですが、あの先頭の艦は巨大ですな」
艦長の『戦場』という単語に眉をひそめつつ、艦隊司令官が呟く。
「戦場では会いたくないものだな」

艦隊司令官ラ・ラメーの背筋に、冷たいものが走る。
身体が震えるのを『武者震いだ』として思考の外に追いやりつつ、アルビオンの艦隊に接近し併走するように指示した。


かくして、彼の不安は現実のものとなる。

トリステインの王宮に、トリステイン艦隊が全滅したのを知らせる伝令が来たのはそれから間もない頃であった。

339 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:01:27 ID:GtEhM+TO
仮面支援

340 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:02:31 ID:jHfixNx+
人間を止めてしまった支援

341 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:02:40 ID:W2PBRiJ/
>ラ・ラメー伯爵
ら・らめぇ伯爵?支援

342 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:02:45 ID:oAylekLs
ついに邂逅なんだろうか支援

343 :仮面のルイズ:2007/10/02(火) 23:03:26 ID:31744zqY
トリステインの王宮に、ラ・ロシェール上空の艦隊が全滅したと報告されるのは、それからすぐのことだった。
ほぼ同時にアルビオン政府からの急使が、トリステインへの宣戦布告分を届け、王宮は騒然となった。

アルビオン側の言い分では、トリステイン側が親善艦隊へ理由無き攻撃を行ったので、自衛のために宣戦を布告するとあった。

王宮には大臣や将軍たちが集められ、緊急の会議が開かれたが、会議は紛糾するばかりだった。
宣戦布告が事実であるか、アルビオンへ使者を送り確かめるべきであるといった意見や、ゲルマニアへに急使を派遣し軍事同盟に基づく共同戦線を張るべきだと主張する物もいた。
他にも様々な意見が飛び交うが、それは互いのプライドが会議を混乱させているに過ぎなかった。

バン、と扉が開かれ、マザリーニ枢機卿が会議室に入る。
「この大事なときに遅れてこられるとは何事か!」
誰が叫んだのか解らないが、遅れて会議室に現れたマザリーニ枢機卿を誰かが批難すると、他の者達もそれにつられてマザリーニを非難し始めた。
だが、マザリーニも慣れたもので、表情一つ変えることなく自席に座ると、重々しく口を開いた。
「アルビオンは我等が艦隊が先に攻撃したと告げた。しかしながら我が方は礼砲を発射したに過ぎない。偶然の事故が誤解を生んだのでしょう」

それならば、と、一人の大臣が起立した。
「アルビオンに会議の開催を打診しましょう、今ならまだ、誤解は解けるかもしれん!」それを聞いたマザリーニは頷いて言った。
「アルビオンに特使を派遣する。この交戦は双方の誤解が生んだ遺憾なるものであるとして、全面戦争に発達する前に……」


その時、突然会議室の扉が開かれた。
書簡を手にした伝令が、息を切らせながら会議室に飛び込んできたのだ。
「急報です!アルビオン艦隊は降下して占領行動に移りました!」
すかさずマザリーニが聞く。
「場所は!」
「ラ・ロシェール近郊!タルブの森です!」

マザリーニは心の中で「やはりか」と呟いた。

344 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:03:47 ID:d1kssvbe
本当にその名前だ 支援

345 :仮面のルイズ:2007/10/02(火) 23:06:32 ID:31744zqY
その頃、シエスタの生家では、幼い兄弟たちが不安げな表情で空を見つめていた。
ラ・ロシェールの方から聞こえてきた爆発音は、タルブ村を騒然とさせ、恐怖させた。

驚いて庭に出た者達は、空を見上げ、絶句した。
何隻もの船が燃え上がり、山肌や森の中へと落下していくのだ。

更にしばらくして、空から現れた雲のような巨大船が、森の中に向かって鎖の付いた錨を降ろすのが見えた。
森林の上空に停泊した船から、何匹ものドラゴンが飛び上がる。

「おとうさん!あれ、なに?」
シエスタの弟や妹たちが、父親にしがみつきながら、訪ねた。
「ありゃあ、アルビオンの艦隊じゃないか」
「いやだ……戦争かい?」
シエスタの母もまた、不安げな表情で空を見上げる。
「アルビオンとは不可侵条約を結んでいるはずだ。この前領主様からおふれがあったろう」

「その不可侵条約をアルビオンが破ったのよ!」
シエスタの両親が驚き、声の聞こえてきた方を振り向くと、そこには大剣を背負い、フードを深く被った女戦士らしき人物が立っていた。
「な、なんだって?」
慌ててシエスタの父が聞き返す。
「アルビオンのだまし討ちよ!すぐにタルブ領主の派遣した騎士に従って待避しなさい!」

言うが早いか、タルブ村と街道を繋ぐ小さい道から、タルブ村の領主を戦闘に少数の騎士団が姿を見せた。
「『ロイズ』殿!ルートは確保しましたぞ!」
タルブの領主が、フードを被った女性に馬上から声をかける。
「村人の避難が最優先よ、頼むわね」
「はっ!」
領主が馬上から敬礼したのを見届けると、ロイズと呼ばれた女性は、一目散に北の森の中へと駆けていった。


領主は村人へ向き直り、大声を張り上げた。
「村民は家族の数を確認せよ!急いで南の森に逃げるのだ!」
それを聞いて村人達は慌てて家族の居場所や数を確認しはじめた。
瞬く間に村人達は広場に集まる。
数人の騎士が村人を先導し、南の森へと避難していくのを確認すると、騎士の一人が領主に言った。
「アストン様、さきほどの女、”ロイズ”と言いましたか……彼女は何者なのでしょう」
「わからん……だが、女王陛下より賜ったと言われる書簡は確かに本物だった」
それを聞いた騎士は、ロイズと呼ばれた女性の姿を思い出し、眉をひそめた。
「しかし、あのようなみすぼらしい姿では」
だが、領主であるアストン伯は騎士の言葉を遮るように、こう言い放った。
「それに彼女の言うとおり、アルビオンが攻めてきたのだ。少しでも早く対処できたことを感謝するしかあるまい」

領主は一呼吸置いてから、腰に下げていたレイピア状の杖を手に持ち、高く掲げた。
「相手は竜騎士だ! 皆、心せよ!」
三十人に満たない平民混じりの騎士団が、蟷螂の斧と知りつつも、杖と剣を掲げた。








一足先に森の中に駆けていった”ロイズ”は、剣を右手に持ち、空を見上げて竜騎兵を見据えた。
『それよりよー、”ロイズ”って偽名じゃバレバレでねーの?”ルイズ”と一文字しか違わねー』
カチャカチャと鍔を鳴らしつつ、どこか楽しそうに剣が喋る。
「咄嗟に思いついちゃったのよ、仕方ないじゃない」
デルフリンガーの楽しそうな声とは裏腹に、ルイズは不機嫌だった。

346 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:08:40 ID:oAylekLs
ロイズ……チョコラータな名前ですね支援

347 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:08:41 ID:jHfixNx+
皆のヒーロー『仮面ルイザー』支援

348 :仮面のルイズ:2007/10/02(火) 23:09:27 ID:31744zqY
空に浮かぶ船…『レキシントン』から飛び立ち、タルブ村へと向かったはずの竜騎士隊はあり得ない光景に困惑していた。
本隊上陸前のつゆ払いとして、タルブ村に竜で火を放つはずであったが、村があったはずの場所には、森が広がるばかり。

「どういうことだ、これは!」
竜騎士の一人が困惑し、声を上げる。
それを合図にしたかのように、森の中から一匹の竜が飛び出した。
「な……!」
竜騎士は、飛び出してきた竜の翼に殴られ、まるで血袋が破裂するかのように乗っていた竜ごと粉々に吹き飛んだ。

「なんだ!なんだあれは!」
「翼が、四枚、新種か!ガーゴイルか!」
他の竜騎士達も驚き、竜を操って距離を取ろうとする。
だが、四枚の翼を持った竜は成体の風竜を思わせる速度で接近し、まるでヘビのように騎士ごと竜に食らいついた。
「ひいいいいいい!」
異様な光景に悲鳴を上げた騎士が、竜を上昇させながら呪文を唱え、火球を作り出した。
直径2メイルほどの火球が、異形の竜に向けて放たれたが、異形の竜は口から炎のブレスを吐き出しそれを相殺した。
「ば、化け物!」

一方、森の中では、ルイズが予想外の苦戦を強いられていた。
脇腹には、エア・ニードルで突き刺さった杖がそのままぶら下がっている。
「はあっ、はぁ……」。
呼吸を整えようとしたとき、右手に持ったデルフリンガーが叫んだ。
『右から来る!』
「くっ」
慌ててバックステップで後ろに下がると、今まで立っていた場所を炎が襲い、地面を溶かした。
「WRYYYYYYYYYYY!!!」
ルイズは、奇声を発しながら手近な木を引き抜き、竜騎兵に投げつけた。
大きく羽ばたいて上空に避けようとした竜騎兵が、遮蔽物をなくし顕わになったルイズめがけてブレスを放とうとしたその時、異形の竜が竜騎兵ごと竜を噛み砕いた。
『間一髪だな』
「ええ…」
ルイズは力なく答えると、その場に膝を付いてしまった。
それを見た異形の竜は、自身の腹を割き、袋を作った。
まるでカンガルーの親が子供を袋に入れるのように、ルイズを腹の裂け目にしまいこむ。
地面に降り立つと、『イリュージョン』で作られたタルブ村の幻影から離れるため、アルビオン艦隊の居ない方向へと走り出す。

『嬢ちゃん、大丈夫か』
デルフリンガーがルイズを気遣って声をかける。
「つ か れた……」
『イリュージョンで、村の位置を1リーグ近くも誤魔化したんだぜ、疲れて当然だ』
「タルブ村…の人は……」
『ほとんど避難できてるはずだぜ、とにかく、時間稼ぎはできたはずだ』
「………すこし……ねむ…る…」

周囲の草を取り込み、背中を緑色の保護色で包んだ吸血竜が、ルイズを抱いたまま静かに走り去っていった。

349 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:09:53 ID:2cjS03af
らめぇシエンスタ

350 :仮面のルイズ:2007/10/02(火) 23:10:38 ID:31744zqY
時刻は昼に差し掛かる。
王宮の会議室には、さまざまな報告が矢次に飛び込んできていた。
「タルブ領主、アストン伯は交戦中!」
「偵察に向かった竜騎士隊、帰還せず!」
「未だアルビオンより、問い合わせの返答ありません!」

時刻の土地が蹂躙されているというのに、不毛な議論を繰り返す名ばかりの会議を一瞥して、マザリーニは不快感に眉をひそめた。

「ゲルマニアに軍の派遣を要請しましょう!」
「しかし、今事を荒立てては……」
「竜騎士隊を送り、上空から攻撃させるべきです」
「残りの艦をかき集めろ!小さかろうが何だろうが、特攻には仕えるだろう!」
「アルビオンに攻撃したら、それこそ全面戦争となりまず!」

マザリーニは大臣達を黙らせたいと思っていたが、それができぬ訳があった。
マザリーニが鶴の一声を出せば、大臣や将軍達を黙らせることはできるが、今はまだその時ではないと我慢していた。
本心では、マザリーニも外交での解決を望んでいる、しかし、伝書フクロウによってもたらされた一枚の手紙を読んでから、開戦もやむを得ないだろうと考えはじめていた。

怒号飛び交う中、会議室の扉がバタンと開かれた。
また何の報告だろうかと、開け放たれた扉を見た大臣達は、扉の前に立っているのがアンリエッタだと気づき、絶句した。

そこには、白を基調とするドレスではなく、その身にフィットした鎧に身を包んだアンリエッタが立っていたのだ。
視線がアンリエッタへと集中する中、アンリエッタは、その小さい身体を震わせて言い放った。
「あなたがたは、恥ずかしくないのですか! 臣民が敵に侵されているというのに、騒ぐことしかできないのですか!」
怒号の飛び交っていた会議室が、嘘のように静まりかえる。

「よいですか! 礼砲で艦が撃沈されたなど、言いがかりも甚だしいではありませんか、もとより不可侵条約を破るつもりだったのでしょう」
「し、しかし我らは、不可侵条約を結んでおるのです、攻撃などしては……」
「その条約は紙より容易く破られました、いえ、もとより守るつもりなどなかったのでしょう。それらは虚をつくための口実に過ぎません」
「しかし……」

アンリエッタはテーブルを叩き、大声で叫ぶ。
「今、民の血が流されているのですよ! 民の血が流されるのを黙って見ているのが貴族ですか!王族ですか! 民の血税を吸うだけの吸血鬼に成り下がりましたか!」
暴言ともとれるその言葉に、不満を覚える者もあったが、誰もそれに対して異を唱えることはできなかった。
「あなたたちは敗戦を望んでいるのでしょう?敗戦後に責任を取らされぬ方法を既に模索している、命を長らえようと答えの出ぬ議論を繰り返しているという訳ですね?」

「姫殿下」
マザリーニがたしなめるフリをすると、アンリエッタは構わず言葉を続けた。
「ならばわたくしが率いましょう。あなたがたは、ここで会議を続けなさい」
アンリエッタが会議室を飛び出だそうとすると、何人もの貴族がギョッとしてアンリエッタを止めようとした。
「姫殿下! お輿入れ前の大事なお体ですぞ!」
そう言って一人の貴族がアンリエッタの前に立とうとしたが、横から差し出された剣状の杖に遮られてしまう。

見ると、廊下には既に魔放衛士隊が列を作っており、鎧を着込んだアンリエッタを護衛するかのように囲んだ。
アンリエッタは、グリフォン、マンティコア、ドラゴン等の魔法衛士隊を引き連れ、威風堂々と出陣した。

王宮の中庭に出たアンリエッタは、手はず通りに大声で叫んだ。
「わたしの馬を!」
王女の馬車に繋がれた聖獣ユニコーンが、馬車から外されて、アンリエッタの前に引かれてきた。
魔法衛士隊がアンリエッタの声に応じ、各自が自分の乗る幻獣を呼び寄せ、その上に跨った。

アンリエッタがひらりとユニコーンの上に跨ると、一人の魔法衛士がアンリエッタの脇に付き、それ以外の者達は後ろに並んだ。
「これより全軍の指揮をわたくしが執ります!!」
アンリエッタが声高らかに宣言すると、水晶のついた杖を高く掲げた。
魔法衛士隊の面々がアンリエッタに合わせ一斉に敬礼すると、アンリエッタはユニコーンの腹を叩いた。

ユニコーンが高々と前足を上げて走り出すと、グリフォンに乗った魔法衛士の一人がアンリエッタの隣に並ぶ。
その手には、アルビオンの象徴たる青い水晶の嵌められた杖を携えていた。

二人が先陣を切って走り出すと、幻獣に騎乗した魔法衛士隊が、「後れを取るな」などと口々に叫びながら続いていった。

351 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:10:54 ID:oAylekLs
ルイズ八面六臂……支援

352 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:12:44 ID:oAylekLs
アンリエッタとウェールズも支援

353 :仮面のルイズ:2007/10/02(火) 23:12:44 ID:31744zqY
城下に散らばったていたはずの各連隊は、まるでアンリエッタが出陣するのを知っていたかのように整列し、そして雄々しく出撃していった。
窓から中庭を見下ろし、その様子を見ていたマザリーニは、懐にしまったメモを握りしめて天を仰いだ。

メモは、トリステイン艦隊全滅の知らせよりもほんの一瞬早く、フクロウでマザリーニの元に届けられた伝書だった。
アルビオン艦隊よりも一足早く、ラ・ロシェールに到着したルイズからもたらされたそのメモには、人間を操り人形に変えてしまう『アンドバリの指輪』のことや、アルビオンが自作自演をしてでも戦争の口実を作るために策を巡らしていることが書かれていた。

もはや一刻の猶予もない、そう思ったアンリエッタとウェールズはすぐに戦いに赴く準備を始めた。
マザリーニは将軍や大臣達を集めて会議を開く前に、一足早くアニエスをタルブへと遣わせた。
アンリエッタが赴く前の下調べを頼んだのだ。

そしてマザリーニは会議に遅れて参加した。


トリステイン国内はいまだに戦争の準備を整えていない、その上ゲルマニアがこの戦争で我が身かわいさに兵力を出し惜しみすることは十二分に予測できていた。
マザリーニが外交によって戦争を回避しようとしたのは、決して命を惜しんだわけではない。
小を切って、大を生かす。
彼なりに国を憂いてのことだったが、その努力も泡沫のように消えてしまった。
ならばせめて、大臣、将軍、高級貴族達の目を覚まさせようと、わざと甲冑姿のアンリエッタが姿を現すまで時間稼ぎをしたのだ。

その甲斐あってか、会議室に残っていた貴族達も、一人、また一人と会議室を出て、従者に戦争の準備をするよう指示を下す姿が見えた。

マザリーニは一人ほくそ笑む。
お飾りとして育てられたはずのアンリエッタが、いつの間にか王族としての威厳を供えていたのだ。
ならば、これから自分が何をすべきかは決まっている。

マザリーニは自分の乗る竜が中庭に引かれたのを見ると、窓から勢いよく飛び降りた。
『レビテーション』を使い竜の傍らへと着地すると、従者の一人がマザリーニの甲冑を手に持ち駆け寄ってきた。
鎧を着けすぎては重くなるので、必要最低限の胸当て、手甲などを装着しつつ、叫ぶ。
「おのおのがた! 馬へ! 姫殿下一人を行かせたとあっては、我ら末代までの恥ですぞ!」

354 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:14:20 ID:oAylekLs
マザリーニも支援する!

355 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:15:27 ID:AuhlE7V8
支援

356 :仮面のルイズ:2007/10/02(火) 23:15:27 ID:31744zqY
その頃、秘薬を買いに城下町へと行っていた教師が戦争の話を聞きつけ、慌ててトリステイン魔法学院に報告した。
王宮からではなく、私事で城下町に出ていた教師から、戦争の開始を告げられ、オールド・オスマンはため息をついた。
「この様子では王宮は混乱の極みじゃろうなあ……」
現在、他の教師を王宮へと使わせ、戦争の開始が事実であるか確かめさせている。

オールド・オスマンは、アンリエッタの結婚式に出席するため、たまりに溜まった書類を片づけようとしている所だった。
書類が一段落したら、荷物を纏めようと思っていたのだが、アルビオンからの宣戦布告とあってはそれどころではないだろう。

魔法学院の宝物庫から、戦争に使えそうなマジックアイテムが持ち出されるのかと考えつつ、オスマンは水パイプを吹かした。

と、突然ノックもなしに学院長室の扉が開かれた。
「オールド・オスマン!大変です!」
珍しく血相を変えたロングビルを見て、オスマンはいつもの調子で答えた。
「戦争の知らせかの?それならもう届いておるよ」
「そうではありません!シエスタがタルブ村に向かいました!」
「何じゃと!?」

ロングビルの話では、魔法学院に出入りしている商人が、戦争の話を衛兵に伝えたらしい。
それを聞きつけた生徒から、シエスタの耳に届くまで時間はかからなかった。

「シエスタは馬で行ったのか!」
「はい、衛兵の使う馬を一頭奪って、一目散に」
「ミス・ロングビル、すぐにシエスタを追ってくれんか、他の生徒の使い魔の力を借りてもかまわん。他にも何人か教師を派遣する、戦場に着く前に取り押さえるんじゃ!」
「は、はい!」

オスマンの激しい剣幕に驚きつつ、ロングビルはシエスタの後を追うため、踵を返した。

「参ったことになったの…!」
オスマンは、モートソグニルを経由で、シエスタの後を追えそうな教師に連絡しつつ、遠見の鏡に向けて杖を振った。







アンリエッタ達がラ・ロシェールに到着した頃、アルビオンの船『レキシントン』はタルブ村にほど近い草原へと移動していた。

当初の予定では、タルブ村ごと森を焼き払い、前線基地をここに構築するはずだったのだ。
しかし、幾人もの竜騎兵が、奇妙な証言をしはじめたのだ。

『村があると思ったらそこは森だった』
『羽が六つ、首が二つある竜に仲間が食われた』

アルビオン艦隊総司令官のジョンストンは、それらの報告を一笑に伏していた。
しかし、降下したはずの竜騎兵が、異形の竜によって何人も落とされたと聞いて、ジョンストンの顔色は悪くなっていった。

慎重だと言えば聞こえは良いが、平たく言ってジョンストンは、臆病風に吹かれてしまったのだ。

結局、『レキシントン』に搭載された大砲が、かろうじてラ・ロシェールに届く距離に停泊することとなった。


357 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:16:48 ID:AuhlE7V8
支援

358 :仮面のルイズ:2007/10/02(火) 23:17:20 ID:31744zqY
ラ・ロシェールの街では、トリステイン軍がアルビオンの迎え撃つために陣形を整えていた。
タルブの草原に見える敵の軍勢は、『レコン・キスタ』の旗を掲げている。
それを見て、ユニコーンに跨ったアンリエッタは震えた。
戦場に立つのは生まれて初めてなのだ、仕方がないと言えば仕方がない。
だが、王族として威風堂々としていなければならぬと自分に言い聞かせ、眼を閉じて軽く祈りを捧げた。

アンリエッタが目を開くと、敵軍の上空に停泊する大艦隊が視界に入る。
アルビオン艦隊、その舷側に光る大砲、アンリエッタの恐怖はピークに達していた。

だが、アンリエッタの手に、一人の魔法衛士の手が重ねられた。
衛士は自分の杖をアンリエッタに見せる。
アンリエッタは、静かに頷いた。

「失礼致します。お二人の友人から、手紙が届いております」
そんな二人に声をかける男がいた。
振り向くと、枢機卿のマザリーニが立っており、ボロボロの羊皮紙を二人に差し出していた。
アンリエッタがその羊皮紙を手に取ると、ごくりと喉を鳴らした。

一瞬、ほんの一瞬だけ、アンリエッタの表情は泣き出しそうになった。

だが、アンリエッタは魔法衛士隊の姿をして自分と行動を共にしてくれるウェールズと、影ながらこの戦争を手伝ってくれるルイズの姿を思い出したのだ。

アンリエッタは、戦争の恐怖を見せぬ凛々しい表情で、マザリーニに言った。

「枢機卿、ルイズが活路を開いてくれます。私たちは『ヘクサゴン・スペル』の機会を待ちつつ前進します。指揮は貴方にお任せします」

マザリーニは、杖を掲げた。

「不肖、マザリーニ……承りましてございます」








「早く!もっと早く!」

トリステイン魔法学院から、ラ・ロシェールへ続く街道を、一頭の馬が疾走していた。
馬に乗っている少女の身体は、ぼんやりと輝いている。

シエスタは全身から波紋を流し、馬へと供給していた。
「もっと早く!」

馬は、限界を超えた力で走る。
波紋により限界を超えて走らされた馬は、汗と涙と涎と鼻水と糞便を垂れ流しながら、走る。

吸血鬼が、食屍鬼を使役するかのように、彼女は馬を走らせていた。



To Be Continued→

359 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:19:05 ID:d1kssvbe
この状態での出会いはヤベェーっ!?
GJっしたー

360 :仮面のルイズ:2007/10/02(火) 23:19:29 ID:31744zqY
投下したッ!
次回、ワルドがんばれ

361 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:20:43 ID:GtEhM+TO
最後の文が……凄く恐ろしくなった…
GJ!

362 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:20:56 ID:oAylekLs
乙。エクスプロージョンに代わる切り札はヘクサゴンになるのだろうか……。
そして最後のシエスタの描写が何かを暗喩しているようで不安な俺。

363 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:20:58 ID:qk9DF0ti
GJ!!!

ついに戦争が………
シエスタとルイズにwktk

364 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:25:40 ID:jHfixNx+
GJ!!
吸血鬼であるルイズは誇り高く生きている、その対にある波紋使いのシエスタがどうなるか…
シエスタがダークサイドに生きる事を期待する俺は間違いなくメローネ以上の変態。

365 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:27:41 ID:pX//AI/s
波紋使いがダークサイドなんて……と思ったが
スト様がいたな。

366 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:32:50 ID:qk9DF0ti
オスマン「シエスタは暗黒面(ダークサイド)に堕ちた………!
選ばれし者だったのに!!」

スター・ウォーズみたいなのが思いついた

367 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:40:56 ID:AdYGMfuL
まてw その展開だとオスマンが若さに目がくらんで吸血鬼にw

368 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:40:59 ID:COzqDt2b
投下乙です
こ、これは……シエスタの最終的に勝てばよかろうなのだっ! フラグ?

369 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:49:44 ID:/oQfoPSZ
>>366
俺もアナキンが母親救出に向かうときのバイク走らせてるシーンでシルエットがベイダーに見えるヤツ思い出した。

370 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:53:11 ID:MoURdLhw
GJ!
>>366
そんな雰囲気で怖い……しかしwktk

371 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:55:56 ID:i6LlsNR0
誰だ、シエスタがベイダーのマスクを被って波紋の呼吸法を体得したとか言ってるヤツは!


……それはオレだったァァァ〜いつの間にかァァァァそれはさておき仮面さんGJです!

372 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 00:00:13 ID:Zvx4u/tB
GJ
ところでマザリーニって貴族じゃなくて枢機卿だから魔法使えないんじゃなかったっけ?

373 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 00:00:37 ID:6Ug9l2xc
このままで行くと…百年後にシエシエの孫の孫が復活したルイズと戦うことになるんじゃね?

374 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 00:06:22 ID:i0vTIWuu
50年後、シエスタの孫がヴァリエール家で見つかった柱の女たち(カリン、エレ、カト)と闘うことに………

375 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 00:06:38 ID:kOUL3Hs+
>>372
貴族は全てメイジだが全てのメイジが貴族とは限らない
枢機卿というものの立場はいまいちわからんがトリスティンで王族に近い位置にいて政治とかに口の出せそうな人間がメイジじゃないとは考えにくい

376 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 00:11:46 ID:Dxhu7qpw
聖職関係でもなさそうだしなー
摂政・首相的な位置?

377 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 00:13:31 ID:WMTt7e6v
天皇がアンリエッタ、内閣総理大臣がマザリーニっていう関係だと

378 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 00:15:24 ID:Zvx4u/tB
枢機卿は坊さんの偉い人。
でマザリーニはロマリア出身だしジュリオやクロムウェルもそうだけど基本的に神官は平民出身者だったはず。

379 :ゼロいぬっ!:2007/10/03(水) 00:33:11 ID:e6wu9qSg
仮面の人、GJ!
果たしてルイズとシエスタは戦う事になるのか!?

さて次回はタバサ二人旅と言ったが…。
すまん、ありゃあ嘘だった。
モット主役の最終章、40分に投下して構いませんねッ!?

380 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 00:35:20 ID:YLmPHoVX
農道が空いてるぜ・・・

381 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 00:42:13 ID:IkUUIjGi
無論支援する

382 :ゼロいぬっ!:2007/10/03(水) 00:42:14 ID:e6wu9qSg

メイジ殺しの脅威が去った後も黙々と作業をこなす。
互いに交わす言葉も特に無いので必然的に沈黙が訪れる。
暇なので色々思考を巡らせたりしているのだが…。
それにしてもアニエスは性格に反比例して良い体をしていた。
ああいう気が強いのに吸引させると面白いんだよな、アレ。
いつもの性格とのギャップは勿論。
効果が切れても記憶は残るから正気に返った瞬間、必死に否定したりして。
「ねえ……」
狭い室内で響くミス・ヴァリエールの言葉にびくりと身を震わせる。
まさか頭で描いていた妄想を悟られたのか?
次に来るであろう容赦ない制裁に怯え竦む。
しかし、彼女が口にした言葉は別の問いだった。
「アニエスが言ってた“ダングルテールの虐殺”って何?」
「ああ、その事か。知らぬのも無理はない、二十年も前の事だからな」
彼女が生まれる前、しかもあまり公の話題に上る事がない事件だ。
口にしたがらないのには皆にとって後ろめたいからだ。

「二十年前、ダングルテールの浜辺に一人の女性が流れ着いた。
彼女はロマリアの新教徒で、祖国での弾圧から逃れてきたという。
それを見つけた村人は彼女を受け入れ、親身になって介抱した」
話を続けながら床を余す所なく手で触れていく。
そうすると指先が何かに引っかかった。
見れば床の羽目板の端が僅かに削れ、取っ掛かりが出来ている。
「しばらくしてロマリアから彼女の引渡しを求める要請があった。
彼女は新教徒の布教を行っていた中心人物の一人だと言うのだ。
新教徒の勢力拡大を恐れるロマリアとしては生かしておけなかったのだろう」
普通なら気にも留めないような傷だが、そこに指を差込み板を剥がす。
抵抗はまるで無かった。始めから外れるように作ってあったのだろう。
「だがトリステインとしても簡単に頷く訳にはいかなかった。
既に彼女は村の一員となっていた、つまりは我が国の国民だ。
国としての面子がある以上、引渡しに応じればロマリアに屈したと思われる」
空いた床穴から下を覗く。
そこにあるのは剥き出しの地面だけ。
しかし、こんな細工をして何も無いのは逆におかしい。
「かといってロマリアとの関係も悪化したくない。
王も重臣も頭を悩ませていた時、その事件は起こった」
隙間に手を差し込み土を払い除ける。
そして予想通りにそこから出てくる鉄の金庫。
中に入っている物は金ではないだろう。
ここまで手を込んだ隠蔽をしているのだ。
間違いなく探している薬はこの中にある。

383 :ゼロいぬっ!:2007/10/03(水) 00:44:33 ID:e6wu9qSg

「彼女を保護した村が国家転覆を謀っているという疑惑を掛けられ、
反乱鎮圧の名目の元、村民一人残さず村ごと焼き払われた。
それが彼女の言っていたダングルテールの虐殺だ」
「っ……!」
「その結果、両国の懸念は解消され、事後の再調査も行われる事なく、
反乱の証拠や首謀者も不明のまま事件はお蔵入りになった」
「何よ、それ!?」
「あまりにも都合が良すぎると言いたいのだろう?
反乱など無かったかもしれない…が、もう誰にも真実は判らない」
その成果を認められたリッシュモンは今や高等法院長の地位にある。
今更、過去の古傷を探った所で彼と敵対するだけでメリットはない。
無辜の民を虐殺したという事実が出ても王の為に汚れ役を買って出たと言えばそれまでだ。
「なんでそんな奴が姫様の傍に!」
「彼だけではないよ」
国王が崩御されてから宮廷は腐敗していく一方。
宮廷で繰り広げられる利権というパイの醜い奪い合い。
マザリーニ枢機卿を除けば誰一人として国の事など考えていない。
もっとも愛想を尽かして勅使に留まった自分には無関係な話だ。

ふと気が付けばミス・ヴァリエールの暗鬱な顔がそこにあった。
しまった、とモットは自分の浅慮を呪った。
ミス・ヴァリエールと姫殿下は幼少の折に親しくしていた仲ではなかったか。
その姫殿下が王宮では頼れる者もなく、国を食い物にする者共に囲まれていると知れば、
彼女の心中が穏やかでいられる筈などない。
「あ…ああ。だが他の国も情勢が不安定なのは変わらないよ」
無理矢理に話題を逸らせて彼女の表情を和らげようとする。
「たとえばアルビオンでは王党派と貴族派に分かれ内戦中と聞くし、
ガリアの王は魔法も使えぬ無能王との噂で…」
見る間に更に深く落ち込んでいくルイズ。
モットに悪気はなかったのだが『魔法も使えぬ無能』という言葉が深く彼女に突き刺さる。
その姿を見て下手な慰めは逆効果とモットは判断した。
彼女を放置しアンロックで隠し金庫を開ける。
中には予想通り瓶に詰まった色取り取りの薬品の数々。
それにディテクト・マジックを掛け、魔法薬だけを選び取る。
といってもどれが解除薬か判別が付かず、何種類かの薬品を手持ちの瓶に移していく。
必要なのは三人分だけ、残りは犯罪の証拠として金庫へ戻しておく。
解析は自分の屋敷で行えばいい。

384 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 00:46:15 ID:IkUUIjGi
モット伯なんと言う主人公っぷり
そして、支援っ!

385 :ゼロいぬっ!:2007/10/03(水) 00:48:24 ID:e6wu9qSg

ここでの仕事を終えてモットは立ち去ろうとする。
その場に取り残されたルイズに彼は声を掛ける。
彼女を落ち着けるようになるべく優しげに。
「ま…まあ確かに姫殿下の不遇に対し私も思う所はあるのだが…。
“イーヴァルディの勇者”のようにいかんのだよ、政治という物はな」
「…絵本なんかと一緒にしないで。姫様が苦しんでいるのは現実なのよ」
反論する口調には僅かにミス・ヴァリエールらしさが滲み出ている。
ここは逆に怒らせて気力を引き出すのが良いのではないだろうか。
『アンリエッタ姫殿下こそ国の事を第一に考えてないではないか!』
いや…それはちょっとヤバイな。下手すると背中の物を抜きかねない。
少し切り口を変えて攻めてみようか。
「絵本をバカにしてはいかんぞ! 本は人類の英知の結晶だ!
何なら私の蔵書の一部“バタフライ伯爵夫人の優雅な一日”と“メイドの午後”、
特別にその二冊の貸し出しを許可しよう!」
「どっちもいらないわよ!」
があー!と激昂するミス・ヴァリエールの反応を見て胸を撫で下ろす。
やはり彼女に落ち込む姿は似合わない。
それぐらい元気が有り余っていた方が落ち着く。
そんな益もない事を考える辺り、
いつの間にか上下関係ではない仲間意識が芽生えたのかもしれない。
(まあ、ただの共犯者なのだが)

“イーヴァルディの勇者”か…。
ふと自分が口にした言葉を反芻する。
ただの御伽噺と以前の私なら笑っただろう。
それよりも以前なら勇者の登場を待ち遠しく思っただろう。
名誉の為でもなく自分の為でもなく、苦しむ人々の為に剣を振るう。
そんな都合のいい英雄など存在する筈がない。
乾いた心はそれを現実として受け止めた。
しかし今は心踊る事もないが笑い飛ばせもしない。

…私は出会ってしまった。
平民の娘の為に高級貴族の馬車に立ち向かう勇者と。
まさか待ち焦がれていた相手は犬で、
倒されるべき悪が自分だったというのは皮肉な話だったが。

彼が思いを馳せる。
自分が本の中に見出したような冒険の世界に、
ミス・ヴァリエール達と共に飛び込む若き日の自分の姿。
(出会うのが…遅すぎたな)
それを夢見るには自分は穢れ過ぎた。
あの頃には戻れない事をモット自身が悲しいほどに理解していた…。


386 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 00:49:02 ID:WMTt7e6v
モット伯にここまで出番があったSSがあったろうか?いやない!支援

387 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 00:50:21 ID:hTyqmC9h
モット伯格好いい…的支援

388 :ゼロいぬっ!:2007/10/03(水) 00:50:41 ID:e6wu9qSg
以上、今回は短めで投下したッ!
モット伯のターンエンドで、次回こそはタバサ二人旅!

389 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 00:51:18 ID:zy7yQlbG
モブがここまで輝いてるのを見たのは風神のマリコルヌ以来だ・・・


390 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 00:55:18 ID:WMTt7e6v
モット伯遅く生まれて欲しかった
ここまで格好良いのならばな支援

391 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 00:56:25 ID:WMTt7e6v
おっと、支援のターンは過ぎてずっとGJのターン!
モット伯が格好良いッ!

392 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 00:59:13 ID:i0vTIWuu
黄金のモット伯GJ!!

393 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 00:59:19 ID:347EsrNi
こんなにも投下が続くなんて今日はなんという日だ。一体俺にどこまでGJさせれば気が済むんだッ!!

394 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 00:59:43 ID:9fl+P9r3
───┐                                          三ζ゚<MOTTOMOTTO!!!!!!!
□□□│ミ ζ゚<I can fly.
□□□│
□□□│ ζ゚<hey!
□□□│   ζ゚<hey!
□□□│
□□□│                                           ζ゚<We can fly.
□□□│
□□□│                            ζ゚<hey!
 ._.  │    ζ゚<You can fly.
 | | |  │
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

395 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 01:00:37 ID:zNGyP5qC
>>394
あんたがJAMファンなのはよく分かったwww

396 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 01:01:34 ID:wSnG78i2
GJ!!!ぜひ今後もモットに活躍の場を!!!

397 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 01:06:31 ID:9fl+P9r3
>>395
シブいねぇ、オタク。まったく、シブいぜ…

398 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 01:11:32 ID:sJ/R1rUV
GJ。何でこんなに良いキャラしてるんだこのモット伯……。

399 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 01:16:16 ID:CAb2RRmx
なんて哀愁に溢れたモット伯なんだ…。
バオーのモット伯はいいキャラぞろいだな…。


400 :名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/03(水) 03:04:08 ID:lFivsts+

 mailto:sage

 誰がウマイこと言えとw

 鼻と口から盛大に吹いちまったじゃねーか!

401 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 03:52:00 ID:z+AsczvZ
このモットならジョセフポジションになれる。
勇者ではなく勇者を助ける老魔道士に成れると考えるのだモット。

402 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 09:46:08 ID:4l7IOCkY
今ちょっと五部読んでて思ったんだけど、エアロスミスって精密動作性Eのはず
なのにクラッシュ戦でパイプ側面を弾丸の摩擦で熱して傷から血を止めてるんだよ
精密動作性Eだと普通にパイプをバラバラに砕いちまうと思うんだけどおかしくない?

403 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 10:00:13 ID:t5n2/bOw
多分、近距離で撃てば弾がそれほどバラけないから
即面を摩擦で熱することもできるのかもしれない?

404 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 11:11:13 ID:kc6w+ciY
同じ精密動作性Eのグリーン・ディが飛び回るピストルズを捕獲し、
カビで自身の傷を塞ぐほどの器用さだから信用できない

405 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 11:19:39 ID:pOVPrRzQ
グリーンディは、チョコ先生の歴戦の手術の腕がカバーしてるんだろうな。
攻撃自体、本体がやってるし(w
…後、ヘリの注射器ってサー ドーピング剤とも考えられないか?(何

ゼロいぬGJ!モット伯、いっその事、ルイズPTに入って欲しいゼ!
中年のコルベール先生とダンディコンビを組んで欲しいかも(w
ロングビルに一巻で篭絡されてたし、コルベールにもエロさあるし

406 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 11:41:37 ID:3sJvfBE8
男装ルイズが出番がこれからも出番がありますように。


ていうか
男装ルイズ=イーヴァルディの勇者
と思うんだよ。

407 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 12:56:36 ID:kOUL3Hs+
あの能力表は目安だろ?
破壊力Cの黄金体験が車叩き壊すんだし
キッスは兄貴だから仕方ないけど。

408 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 13:35:20 ID:uOBY3Gpq
スタンドは精神力
精神力次第でスペック以上の状態にもなれば、以下の状態にもなる

409 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 14:55:01 ID:L0FAxUar
グリーンディの精密Eは
スタンドの発動と付近住民の無差別大量殺人がイコールになってるってことを表してると思う

410 :隠者の中の人 ◆4Yhl5ydrxE :2007/10/03(水) 15:48:55 ID:Ww8qh0Fk
さてこんな時間にひっそり投下。短いしまだ物語が動かないがカンベンな!

411 :ゼロと奇妙な隠者:2007/10/03(水) 15:50:25 ID:Ww8qh0Fk
 ジョセフ達は一路ニューカッスルへと向かうことになった。
 鋸の歯のようなアルビオンの海岸線に沿い、なおかつ雲に隠れての航海だというのに、その身を隠したイーグル号は全く危なげなく進んでいくことにジョセフは感心した。
 やがて三時間ほど経つと、大陸から大きく突き出た岬が見え、その突端には高く立派な城が聳えていた。
「あれがニューカッスル城ですかな」
「その通り。あれが我がアルビオン王国最後の城砦、ニューカッスル城だ」
 後甲板で空に浮かぶ光景を眺めていたジョセフの質問に、大使一行と世間話に興じていたウェールズが答える。
 ちなみにウェールズに言い寄ったキュルケは、『私には心に決めた人がいる』とあっさり断わられたので再びジョセフに接近し、ルイズの怒りを煽ったのは言うまでも無い。
 だがイーグル号はまっすぐニューカッスル城に向かわず、再び雲に隠れるように大陸の下側に潜り込んで行った。
 ギーシュが首を傾げて質問した。
「何故城にまっすぐ向かわないのです?」
 その言葉にウェールズが上を見上げれば、城の上空に戦艦が下りてくるのが見えた。
「制空権は取られているのでね。このイーグル号ではあのフネに太刀打ち出来ない」
「なるほど。ありゃー確かにデッケェですな」
 掌を目の上に平行に翳して戦艦を見上げたジョセフが、感心したように言った。帆の高さや砲門の数からして段違いだ。
「かつての本国艦隊旗艦、『ロイヤル・ソヴリン』号だ。叛徒達のものとなった今では『レキシントン』号と名前を変えている。奴等が初めて我等から勝利をもぎ取った戦地の名前を付けている。よほどの名誉と感じているようだ」

412 :ゼロと奇妙な隠者:2007/10/03(水) 15:51:46 ID:Ww8qh0Fk
 微笑を称えながらの説明を受けている間にも、レキシントン号は砲門を開き、ニューカッスル城に砲撃を加えていく。
「ああして時々嫌がらせのように大砲を撃ってくる。今ではあれも子守唄程度にしかならないがね」
 レキシントン号の上にはドラゴンも数頭舞っている。
「見ての通り戦力の差は歴然、という奴だ。かの艦の備砲は両舷合わせて百八門、おまけに竜騎兵も積んでいる。当然我が艦があのような化物に敵う筈もないので、雲中を通り大陸の下から城に続く秘密の港に向かうという次第だ」
 ウェールズの言葉通り、イーグル号は白い闇のような雲の中を何の苦もなく進んでいく。
「目隠ししながら航海しても大丈夫そうですわね、殿下」
 卓越した航海術に感心したキュルケの言葉に、ウェールズは有難うと微笑んだ。
「これくらいのことは王立空軍なら出来て当然だが、貴族派の艦ではこうはいかない。あいつらは所詮、空を知らない無粋者さ」
 ふぅん、とジョセフが横目でウェールズを見やる。
 やがてイーグル号はマリー・ガラント号を曳航して秘密の港に到着した。
 白い発光性の苔に覆われた鍾乳洞を改造して作り上げた港に停泊した船から、ジョセフ達はウェールズに付き従って城内の彼の居室へと向かう。キュルケとタバサは、船長室の例に倣って別室で待機である。
 城の天守の一角にあるウェールズの部屋は、王子の部屋と言われても信じることが出来ない、屋根裏部屋そのものな部屋であった。あるのはベッドと椅子とテーブル、飾りと言えば戦の様子を描いたタペストリー。そのどれもが、平民が使うような粗末な代物だった。
 ウェールズは机の引き出しから宝石箱を取り出し、中に入っていた一通の手紙を手に取り、名残惜しげな面持ちでキスをした。その時に、蓋の裏側にアンリエッタの肖像画が描かれているのが垣間見えた。

413 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 15:52:47 ID:NewUR+zq
支援

414 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 15:52:50 ID:D4OyIOyy
投下を見かけらからには支援せねば

415 :ゼロと奇妙な隠者:2007/10/03(水) 15:53:01 ID:Ww8qh0Fk
 ウェールズから手紙を受け取り、代わりにアンリエッタからの手紙を差し出したルイズは、意を決して皇太子に戦況を聞いた。
 ウェールズはただ事実のみを答える。ニューカッスル城に篭城する王軍の数三百に対し、ニューカッスル城を囲む貴族派の数、五万以上。ただ勇敢に討ち死にする様を見せ付けるしかない、と、三百の頂に座する皇太子は何の澱みもなく言ってのけた。
 その言葉に、ルイズは走り出す胸の鼓動を抑えようと、大きく息を吸い込んでからウェールズになおも言葉を続ける。
 手紙を自分に言付けた時のアンリエッタの様子、内蓋に描かれたアンリエッタの肖像、そして手紙にキスした時のウェールズの様子。それらを勘案すれば、よほど鈍感な人間でなければおおよその事情は理解できた。
 アンリエッタ王女とウェールズ皇太子は恋仲だったのではないか、という質問に、ウェールズは多少悩んでから、答えを返した。「恋文だ」と。
 彼の言葉に、外野の人間が約一名、この旅二度目の絶望に打ちひしがれた。
 四百エキューを失い、憧れの姫殿下の心が亡国の皇太子のものであったことを認めざるを得なくなったギーシュは、絶望のドン底に掘られていた落とし穴に己の心が落ちていくのを感じていた。
「ああああ……姫殿下、姫殿下が……そんな……」
 船長室と同じように……いや、もしかすればあの時よりもっと深く打ちひしがれた彼は、ただ両手両膝を床について倒れ伏してしまわないギリギリで踏みとどまっていた。
「……御老人。今度は一体何を賭けていたのかね」
「今度は何も賭けておりません。私事でしょうな」
 多少呆れながらも、ジョセフはしれっとウェールズに言葉を返した。
 絶望の世界に旅立ってしまった約一名を放置したまま、皇太子と大使の攻防が再開される。

416 :ゼロと奇妙な隠者:2007/10/03(水) 15:54:30 ID:Ww8qh0Fk
 恋文には始祖ブリミルに永遠の愛を誓った文面が記されているが、始祖に誓う愛は婚姻の際に誓うものでなければならない。もしこの手紙がゲルマニア皇室に渡れば重婚の罪を犯した姫との婚約を取り消す事になるのは火を見るより明らかである。
 だがそのような手紙を取り交わした仲であり、かつ互いに今も想い合っている二人を、目の前で別れさせてしまうことはルイズには到底看過出来る問題ではなかった。
 懸命に亡命を勧めるルイズは、見かねたワルドが肩に手を置いて制止しようとするのも構わずにウェールズへ詰め寄る。
 けれどウェールズは微笑みを浮かべてルイズの懇願を受け流す。
 かの手紙に亡命を勧めた一節があるはず、愛するアンリエッタ王女殿下の頼みを聞き届けてくれと食い下がる言葉に、やっとウェールズの微笑みに陰が差した。
 だがそこまでだった。ウェールズはそっと首を横に振っただけだった。
「――私は王族だ。嘘はつかない。姫と私の名誉に誓って言うが、ただの一行たりとも、私に亡命を勧めるような文句は書かれておらぬ」
 苦しげに言うウェールズの口ぶりは、ジョセフならずともルイズの指摘が当たっていたことが判るものだった。
 ただ黙って事の成り行きを眺めているジョセフの存在さえも忘れ、ウェールズをひたすらに見つめるルイズだったが、彼の意思がどうしようもなく固いのは変えようのない事実。
 トリステインの王宮貴族達に、アンリエッタが情に流される小娘だと思わせたくないのだと、思った。
 ウェールズは潤んだ目で自分を見上げるルイズの肩を叩く。
「君は正直な女の子だな、ラ・ヴァリエール嬢。正直でまっすぐでいい目をしている」
 悲しげに俯くルイズに、ウェールズは優しく微笑んだ。
「忠告しよう。その様に正直では大使は務まらぬよ。しっかりしなさい。しかしながら、亡国への大使としては適任だろう。明日に滅ぶ政府は名誉以外に守るものが他にないのだから」
 優しげな笑みのままウェールズは、机の上に置かれた、水が張られた盆を見た。盆の上には針が載っており、形からしてどうやら時計のようであった。
「そろそろパーティの時間だ。君達は我らアルビオン王国が迎える最後の客だ。是非参加してもらいたい」
 ジョセフ達は静かに部屋を退去する。
 しかしワルド一人が何やら部屋に居残ったので、少年少女達の最後尾にいたジョセフはキュルケとタバサに目配せをし、足音を立てない後ろ歩きで扉の前まで戻って聞き耳を立てた。
 途中からではあったが、ワルドが皇太子に何を語ったのかは把握できた。
 明日、ルイズと結婚式を挙げるので媒酌人を務めて貰いたい、と。ウェールズはそれはめでたい話だ、と快く引き受け、ワルドがそれに恭しく感謝の意を示したところで、ジョセフはまたも足音を殺して扉の前を退去する。
 一人天守から下りて行くジョセフの目には、ルイズには決して見せない怒りが渦巻いていた。

417 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 15:54:59 ID:iM2g0OD3
船が落ちないだと…?
はっ、俺達は今まさにスタンドの攻撃を受けている…ッ!!

418 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 15:55:38 ID:NewUR+zq
紫煙

419 :ゼロと奇妙な隠者:2007/10/03(水) 15:56:06 ID:Ww8qh0Fk
 パーティが行われるホールに向かう途中の廊下で、ジョセフはルイズ達に問いかけた。
「さっき皇太子が言ってたよな、城の王党派は三百、それに対して城を囲む貴族派は五万とな」
 ジョセフの言葉に、ルイズ達は軽く目をやって続きを促した。
「もしお前達が三百の兵が立てこもるこの城を落とすとしたら、用意する戦力はどれくらいだと思う」
 突然の質問にルイズは不躾よ、と怒るが、ギーシュ、キュルケ、タバサ、ワルドは思考を走らせた。
「少なくとも五万は用意しない。多くても五千だ。正直、五万も動かしたら戦費が……」
 命を惜しむな名を惜しめ、を家訓とするグラモン家の四男であるギーシュの言葉には実感がこもっていた。
「五千だって多いわ。地理的な条件を考えたとしても、三千もあれば万全だわね。それに向こうにはレキシントン号があるんでしょう? 制空権を取った城を落とすだなんて赤子の手をひねるのと同じ話よ」
 キュルケが続いて述べた言葉に、タバサが頭を振った。
「おそらく、貴族派はニューカッスル城にレキシントン号を使えない。だから五万の兵を用意せざるを得なかったと見るほうが正しいかもしれない。けれどただの示威行為である、という可能性も濃厚」
 ワルドがそれに頷いた。
「いくら貴族派が圧倒的優位とは言え、王党派も幾らかは紛れ込んでいるはずだ。もし彼らがレキシントン号に乗っていたりすれば、重要な局面で手痛い打撃を受けることになるだろう。だから、あえて参戦させないという選択肢を取らざるを得ない」
「それにさっき皇太子が言ってたわね、王立空軍には出来る雲の中の航海が貴族派には出来ないって。兵の錬度が低くて、自信を持ってフネを使えないと見た方が正しいのかもしれないわ」
 キュルケはイーグル号での会話を思い起こしながら呟いた。
「それに五万がメイジだと言う事は有り得ない。その多くが平民の傭兵だと考えられる。使い捨ての戦力を投入することに貴族派が躊躇するとは到底思えない。
 もはや貴族派の勝利は動かないなら、王族を駆逐する最後の戦いを飾るに相応しい幕引きに五万の兵を動かし、かつ切り札である空軍戦力を温存する、と言うのが五万の兵の理由として考えられる。勝ちの決まったチェスで相手を好きに嬲るのと同じ」
 いつになく多弁なタバサの考察に、全員が思い思いに沈黙した。
 それ以上の思考に耽る者、考えたくもないと渋面を崩さない者、何を考えてるか傍目には判らせない者。
 六人は沈黙を守ったまま、ホールへと辿り着いた。


 To Be Contined →

420 :隠者の中の人 ◆4Yhl5ydrxE :2007/10/03(水) 15:59:21 ID:Ww8qh0Fk
以上投下したッ!
そろそろ物語が動くのでその直前はあえて静かに。

>>417
ハイジャックされてるのに大事だと考えられないジョセフ哀れwwww

421 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 16:55:21 ID:rSZ2Qzzw
支援波紋疾走ッ!

422 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 17:12:55 ID:1Bg6QwqF
投下乙!
ジョセフの怒りゲージも順調に溜まっているようで結構結構!!

423 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 17:32:00 ID:hTyqmC9h
ジョセフの戦いの年季の見せ所が間近なのか!なんかワクワクする!

424 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 18:32:45 ID:+AjGzowD
GJ!
ジョセフの怒り爆発が間近だな!wktkwktk

425 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 20:55:34 ID:w6DU7orl
勝った!死ねい!

426 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 21:50:41 ID:z+AsczvZ
ジョセフの乗った船が落ちなかったって事はアルビオン墜落か。

427 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 21:55:49 ID:r1d7eTxU

 大 惨 事 の 予 感

428 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 22:01:11 ID:WMTt7e6v
それだと結局

DIO「アルビオンだッ!」

になっちまうじゃねーか!ジョセフゥ!!

429 :初代スレ506:2007/10/03(水) 22:30:36 ID:rnqYTDGK
40分に投下しても?

430 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 22:34:42 ID:ClplYIEk
勿論!

431 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 22:35:51 ID:+AjGzowD
投下すると思ったとき既に!
投下は終わっていて乙!といわれるだけなんだぜ!

432 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 22:36:24 ID:n0UBI5eq
どうぞどうぞ

433 :使い魔は静かに暮らしたい:2007/10/03(水) 22:40:04 ID:rnqYTDGK
夜、私とルイズは当然のことながら自分たちの部屋にいた。私は特に何もすることも無いので、椅子に座りながらキュルケからもらった剣を掃除していた。
埃まみれだったからだ。どうせこの剣は売ってしまうのだ。埃まみれではあまり高く買ってもらえないだろう。
ルイズは、ベッドに寝転びながら始祖の祈祷書を開き、穴が開くほど見詰めている。その手にはやはり水のルビーが嵌められている。
タルブの村に行く前もこうして祈祷書を見詰めていたが、今度はそのときよりもひどいような気がする。
まあ、もうすぐ幼馴染のお姫様の結婚式だからな。こうして真剣になるのも無理は無いような気がしないでもない。
だが、私にはそんなもの関係ない。ルイズ一人が背負えばいいプレッシャーだからな。
私はこうしてのんきに剣でも磨いて高く売れるように頑張ればいい。この剣を売れば画材を買えるくらいの金は手に入るだろう。
金が余ればデルフに新しい鞘を買ってやってもいいな。どんなのを買おうか?とりあえず派手なのはダメだ。目立つのは好ましくない。
品がよく、なるべく自己主張しないような、そんな鞘がいいな。いや、ここはデルフの意見を聞き入れるべきだろうか?
「ねえ、ヨシカゲ」
「ん?」
不意の呼びかけに剣を磨く手を止める。呼びかけてきたのはもちろんルイズだ。この部屋にいる人間は私とルイズだけだからな。
さて、なんだろうか?何日か前にもこうして呼びかけられたことがあった。結局何も喋らなかったが。
「今日、なにか変わったことあった?」
「ああ、ゼロ戦の燃料が完成した。もうすぐ空を飛べるだろう」
「ふ〜ん」
そこで会話が止まってしまった。結局ルイズは何が言いたかったのだろうか?自分が本当に喋りたいことは言ってないようだったが。
そんなことを思っていると、突然ルイズがベッドから起き上がりこちらを向く。そして指輪を外すとこちらに祈祷書を突きつけていた。
「ヨシカゲ、これってなにも書いてないわよね」
「ああ、書いてないな。前から知ってるけど」
いきなりなんだ?それよりなんでわざわざ指輪を外す必要があるんだ?うっおとしくなったのか?
「前に言ったわよね?一瞬だけ文字が見えることがあるって」
「あ?……ああ、そういえばそんなことも言っていたな」
たしか、何回も見えたから見間違いじゃないって確信して無視できなくなったんだったな。
「あのとき、その祈祷書に魔法がかかってるんじゃないかって結論にたどり着いたんだっけ?」
「そう、条件を満たせば見れるんじゃないかってことになったわ」
そうだっただろうか?どうでもいいことだからすっかり忘れていた。
「それで、ちょっとこれ嵌めてみてくれない?」
ルイズはそういいながら近づいてくると私に外した指輪を差し出してきた。何故だ?もしかして、
「この指輪を嵌めることが見る条件なのか?」
「いいから嵌めなさいよ」
やれやれ、説明くらいしろよ。
そう思いながらも指輪を受け取る。まあ、実際これを嵌めて祈祷書が見えるかどうかは興味がある。
見えたとしても私はこの世界の文字は殆んど読めないけどな。
しかし、嵌めろといわれても穴が小さい。私に嵌められるだろうか?嵌る指なんて小指しかないだろう。右手の小指はまだ骨折が治りきっていないので必然的に左手だな。
手袋を外し指輪を小指に通してみる。以外にもすっぽりと嵌ってしまった。嵌らないのでは、という思いはどうやら杞憂だったらしい。
「はい、これ」
私が指輪を嵌めたのを確認したのか、ルイズが祈祷書を私に渡してくる。
私はそれ受け取ると適当にパラパラと捲ってみる。捲ってみる。捲ってみる。捲ってみる……、やがて静かに祈祷書を閉じた。
そしてルイズに祈祷書を差し渡す。

434 :使い魔は静かに暮らしたい:2007/10/03(水) 22:42:09 ID:rnqYTDGK
「ダメだな。何も見えない。だが、一体どういうつもりで私に読ませたんだ?」
さらに指輪も外しルイズに渡す。ルイズは指輪を受け取ると自分の指に嵌めなおす。
初めルイズが指輪を差し出してきたときは、その指輪を嵌めていれば祈祷書に書いてある(と思われる)文字が読めるようになると思っていたんだが違っていた。
では、何故ルイズは私にこんなことをさせたのか?検討もつかない。
ルイズは私の質問を聞いているのかいないのか、祈祷書を何気ないように開く。ちっ!
「おい、ルイズ。聞いてん「わたしには」……え?」
ルイズに質問に答えるように言おうとすると突然ルイズが口を開き喋り始めた。
「わたしには、見えるわ。この『始祖の祈祷書』に書いてある文字が」
「なんだと?私が見たときは確かに何も見えなかったぞ?」
ルイズの目を見る限り嘘は言っていない。だとしたら本当にルイズには見えていることになる。
わざわざ指輪をつけていることから指輪をつけなければ見れないことは確実だ。だとしたらなぜ指輪をつけていた私には見なかったんだ?
「『序文。我が知りし真理をこの書に記す』」
「そう、書いてあるのか?」
「うん。古代のルーン文字でね。授業を真面目に受けてたから読めるわ。で、今のは書いてある文字のほんの初め」
「……なんでルイズだけ読めるんだ?私が指輪を嵌めたときは文字なんて全く見えなかったのに、ルイズが嵌めると見えるなんておかしくないか?」
もしかしてメイジかそうじゃないかが分かれ目なのか?私はメイジじゃないから読めない。ルイズは(一応)メイジだから読める。
そう考えれば辻褄が合う。
「ヨシカゲが読めないのは資格が無いからよ」
「資格だって?」
「これを読めばわかるわよ。いい?『この世のすべての物質は、小さな粒よりなる……」
ルイズが祈祷書に書かれているという文字を私に読み聞かせてくれる。
その内容は『虚無』という系統についてだった。虚無という言葉には覚えがある。まず初めに思いつくのは虚無の曜日だ。しかしこれは明らかに関係ない。
次に思いつくのは授業内容だ。前にその中で虚無という言葉が出てきたことを憶えている。あのとき、虚無は確か伝説と言われていたはずだ。
つまり『始祖の祈祷書』は伝説が記されていることになる。
この始祖の祈祷書を読むには資格がいるらしく、その資格が無いものはたとえ指輪を嵌めようと何も読めないらしい。
資格がある人間は『四の系統』の指輪を嵌めれば見えるらしい。『四の系統』というのは『火』『水』『風』『土』のことだろう。
だから『四の系統』の指輪は4つあると予測がつく。そのうちの一つがルイズが嵌めている『水』のルビーなのだろう。
そしてルイズは資格を持っていた。そして『水』のルビーを嵌めたことにより『始祖の祈祷書』が読めるようになったというわけだ。
なぜ資格が無ければ読めないのか?どうやら虚無というのは非常に強力な魔法らしく、精神力を大きく消費するらしい。
そして、それは時に命すら縮めかねないほどらしいのだ。まさに諸刃の剣って感じがする。
これを記したのはブリミル。ブリミル・ル・ルミル・ユル・ヴィリ・ヴェー・ヴァルトリ。ブリミルといえば確か魔法使いの祖だったはずだ。
「オッたまげた……。そんな内容が書いてあるなんて」
「わたしだってはじめに見たときは相当驚いたわ」
「資格ってのは内容から察するに虚無が使えるやつってことだろう?だとしたらルイズ、お前は伝説の再来ってことになるじゃないか!」
まさか才能ゼロのルイズがそんなすげえ魔法を使える素質を持っているなんて。
そうだ。私は『ガンダールヴ』だ。『ガンダールヴ』は伝説の使い魔と言われている。つまり私も伝説だ。
なんだかどこかできすぎているような気がする。これは偶然なのか?

435 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 22:42:43 ID:sH7zVy2y
投下する…そんな言葉は使う必要がねーんだ…
なぜなら『投下するっ!』と心の中で思ったならッ!その時スデに投下は終わっているんだッ!!乙


436 :使い魔は静かに暮らしたい:2007/10/03(水) 22:43:13 ID:rnqYTDGK
だが、指輪が無きゃ読めない本に注意書きを書くなんてブリミルは間抜けか?読めなきゃ注意書きの意味が無いだろう。
「でも、今一つ信じられないのよ。わたしの魔法はいつでも爆発するわ。その理由は誰も言えなかった。
それはわたしが『虚無』の系統だからで、他の系統魔法が使えないから失敗してたって考えれば説明はつくかもしれない。でも、ほんとにそうかしら?
魔法が失敗してたのは単純に私にその才能が無いからかもしれないじゃない。これが読めるのも何かの偶然って考えられない?それか偽物かも……
だって『虚無』の系統って言ったら伝説よ?失われたはずの、伝説の系統なのよ!?そんな簡単に信じられるわけが無いじゃない」
ふむ、ルイズたちにとって魔法というもには日常だ。あって当たり前のもの。そんな中にあってはならないものが虚無だ。
なんといっても伝説だからな。日本なら、日本神話は実話です、というぐらい信じられないもんだろう。まあ、それはともかく。
「何かの偶然で読めるなんてことは無いんじゃないか?魔法のことについてはお前の方が詳しいから強くは言えないが、魔法はそんなに曖昧なもんじゃないだろう?
そして偽物かどうかは、たしかに私たちには確認する術がない。だが、その『始祖の祈祷書』は王室に伝わる伝説の書物だったな?だったら偽物である可能性も低い
王室ってのは大抵歴史がある。だから歴史ある物も受け継がれているはずだからな。その『水』ルビーがいい証拠じゃないか」
『始祖の祈祷書』に『水』のルビーの記述があるということは、その指輪もまた伝説の道具ということだ。
それを王女が持っていたということは王族が受け継いできたということだろう。しかし、そんな受け継いできたものを簡単にあげちまっていいのか?
なんだか後先考えてないような気がする。
そういや、『始祖の祈祷書』は虚無について色々書かれてるんだよな?
「ルイズ、他にはどんなことが書いてあるんだ?」
「え?」
「『始祖の祈祷書』にだよ。虚無のことが書かれているんだろ?だったら呪文やなんかが書かれていても不思議じゃない。
それで呪文を唱えれば一発で『虚無』の使い手かそうじゃないかがわかるじゃないか」
「……『以下に、我が扱いし『虚無』の呪文を記す』」
「やっぱり書いてあるじゃないか!」
さて、『虚無』の魔法ってなんなんだ?『火』『水』『風』『土』とは全く違う魔法。興味がないわけが無い!
しかし、その思いは容赦なく裏切られることになる。
「終わり」
「は?」
「だから、ここまでしか書いて無いの。もしかしたら、まだここまでしか読めないのかもしれないけど」
「………………」
使えねえ……。

437 :初代スレ506:2007/10/03(水) 22:44:21 ID:rnqYTDGK
以上。

3巻なんでこんなに長くなったんだろ……

438 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 22:47:05 ID:kc6w+ciY
支援

439 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 22:49:16 ID:z+AsczvZ
デルフにデレデレ吉良乙!

440 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 22:52:37 ID:n0UBI5eq
乙。
始祖の遺産はその魔法が必要な状況にならないと魔法を出してくれないケチなアイテムだからな。

441 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 23:09:09 ID:WMTt7e6v
重要な部分読めないとか使えねえな始祖の祈祷書……
GJっしたー

442 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 23:13:47 ID:kc6w+ciY
GJ
ブリミル的には後の事なんてどうでもよかったんじゃないかな・・・

443 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 23:16:59 ID:Fg3Ni8AC
あれだ、きっと一気に見せると安っぽいと思われるからだよ。

444 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 23:19:45 ID:CAb2RRmx
追い詰められないと発動できないのは
バイツァ・ダストに似てるな。

445 :名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/03(水) 23:20:21 ID:lFivsts+

 GJでございます〜。

 始祖ブリミルは「こんな事もあろうかと!」とかが

 やりたかったに違いない!

 故にイロイロ細工しておいたんですよ。


446 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 23:31:28 ID:z+AsczvZ
自分の株を上げるため情報を出し惜しみしている来訪者(イクローの方)のデルフとブリミルが同類だったら嫌だな。

447 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 23:36:25 ID:UVpmimdX
必要とあれば読めるって言うけど四の五の言わずに書いとけよって言いたいよ
吉良乙

448 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 23:55:28 ID:8L14ohwS
>>446
むしろデルフ=ブリミル(の人格コピー)だったりするかも

449 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 00:08:03 ID:9IVfj239
>>448
ありえr……ありえn……ありえるwww

450 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 01:06:56 ID:JToteRGl
むしろ、分けたり隠したりするほど強力なのか?って思える。
フルパワーのブリミルでさえエルフには結局勝てなかったわけだし。
そのくせ弱体化させた虚無でエルフを倒せってんだからわけわからん。

451 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 01:14:08 ID:gJ7n/OF5
一人では無理でも四人の友情パワーで、とか考えてたとか?
で、今隠してるのは全部教えた後聖地奪還を無視られたら困るから小出しにしてるとか?

452 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 02:13:51 ID:r2PvGEtx
自分の子孫を信用してなかったのかも
他人の記憶を操作できる魔法や思いのままに幻を作る魔法だぞっ?!
私なら悪用する、絶対する、よし必要になるまで見えないようにしとこう……とか?

453 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 02:15:53 ID:MFVDAP5I
そして無能と罵られ捻じ曲がった連中が虚無を継ぐ……。

454 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 02:17:34 ID:ZVEUX8Tl
あくまでも集団としてのエルフに勝てなかっただけじゃないの?
そうじゃなけりゃ悪魔とか言われんですよ

455 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 02:22:51 ID:r2PvGEtx
ブリミルしか勝てないんだから、まずどーにも成らないだろうしねー 反射強すぎ
1000人のエルフが固まってたらなぎ払えても、1人のエルフが1000箇所に襲撃かけてきたら
ヴィンダールヴが頑張ってもどーにもならないんだろうなー

456 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 03:54:35 ID:Q+TzMvEp
四つの虚無の力を吸収して究極生物になったブリミルが復活するとか
自分帰れんなら聖地奪回なんて意味ないし

…いまどきそんな展開はないな

457 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 06:25:50 ID:UXjAEYFo
反射はエルフなら誰にでも使えるって訳ではないんじゃね

458 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 07:41:52 ID:0ggBzT4B
周りの精霊と契約する必要があるって言ってたから、仕込みに時間がかかりそうだけどね。
攻め入った先で使えるもんじゃなさそう。

459 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 12:26:25 ID:8ENRlncN
まてよ、虚無が使えるのは基本王族なんだよな。
もしかしてヘキサゴンいけるのかね?


460 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 14:02:48 ID:LuTt0Yno
虚×6ってスーパーノヴァでもおこすのか?

461 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 14:06:01 ID:qK1foo3l
元々紫蘇しか虚無はいなかったのに
ヘキサゴンなんて伝えるのは無理だと思うが
他の属性とは混ぜられそうにないし

そういや未だ召喚されてないスタンド使いって誰がいたっけ?

462 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 14:11:19 ID:xp0hFZTD
丞太郎の母親がまだかな

463 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 14:17:32 ID:APhEz3KU
由香子とかまだだったんじゃね?

464 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 14:18:42 ID:qK1foo3l
>>462
ちょwwww流石に使いこなせて無い人はちょっと無理でしょ

そういやホリィさんで思い出したけど
精神力が弱いとスタンドが暴走するけど
静ちゃんは普通にスタンド使ってたよね
あれは猫草と同じように本能で扱ってたのかなぁ?

465 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 14:36:21 ID:A+COpqdS
噴上裕也はいたっけ?

466 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 15:02:50 ID:APhEz3KU
>>465
いたよ
三兄貴そろい踏み記念とかもやってた

467 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 15:22:08 ID:LuTt0Yno
スクラッパ…ゲフン吊られた男やダイバー・ダウンってあったっけ?

468 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 15:56:13 ID:UrSR/5g9
マニッシュボーイもまだだよな
眠りの鐘を手に入れれば無敵なんだが…

469 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 15:56:55 ID:D0xHwLhx
スティール・ボール・ランのスタンド使いは殆どが手付かずだったな
最近はマイク・Oが召喚されたけど、続きはまだ来てないな…SBR系のキャラも増えてくれると嬉しい

470 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 16:25:29 ID:tOx50j/P
>>463
由花子はヤバイだろwww
康一君に会いに行く途中で召喚しようものならブチ切れてルイズ絞め殺されるだろwwwww
帰れると判ったら判ったで、タルブ村なんて絶対見殺しだwwwww



後。ウンガロも召喚されてないし、ポルポもまだだよな?
スタンドだけ来てたけど。

471 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 17:07:08 ID:L+wfkqC3
俺が時を止める!

472 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 17:22:43 ID:Al+KEG1s
時なんて止まりませんよ、ファンタジーやメルヘンじゃあないんですから

473 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 17:27:45 ID:oddzWfbA
>>462
>>464
ホリィさんの人柄なら、
ルイズの『おかーさん』的存在になりそうで面白そうなんだがなw
結構タバサも懐くかもしれんし、コルベール先生も「恋しちゃうかも」

ただ、オリ要素が強く出てしまう可能性が…

474 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 17:30:34 ID:stK2XJVc
逆に考えるんだ。雑談をして時を加速させてしまえばいいと考えるんだ。

475 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 17:46:40 ID:oddzWfbA
暫く時間を置いて、夜になったらまた来ればいいんじゃないかな…



476 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 17:48:50 ID:+XxuhGcS
虚無はブリミル一人だけだったと考えると、
今度は四人で四倍の戦力でエルフから聖地を取り返してやる!って感じなのか?
虚無は命縮める程、精神力消費するから4人居ればその分魔法使えるって事なのかもな。

何でいきなり虚無使いが4人も出現したのかは解らないが。
ある人数分、虚無の資格を持つ者が生まれるまで(戦力が整うまで)
虚無の秘密は開示されない条件付けでもされてたのか…?

祈祷書が中々呪文を出さないのは呪文を一辺に出すと、
試すだけで寿命消費する程虚無を使わないよう、
虚無の使い手達に対するブリミルの先祖心かもしれないっす

477 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 18:59:11 ID:dOskAQt/
>>476
ルイズたちの虚無と、ブリミルの真の虚無は別物だぞ。

エルフ達が恐れてるのはブリミルの使った真の虚無の復活。
だから真の虚無が復活するとされてる4人と4体と4つと4個の16が集まるのを
阻止しているわけで。

478 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:47:33 ID:o2+vxXSN
正直無茶だよな4つの4集めるとか
思想で食い違うとか立場的に会えないとか……ひょっとしたら虚無の担い手四人揃った時代もいくつかあったのかもね

479 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 19:58:48 ID:QOm5o+Oy
ビダーシャル曰く、何度か揃いそうになったとのこと
逆に言えば揃いそうになった(一度に四人出現した)けど結局色々あって揃わなかった、ってことなんだろう

480 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:15:16 ID:LuTt0Yno
なるほどミスタが4を恐れるのは彼がエル…げふんげふん

481 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:30:05 ID:q3SiDHFi
脇から先臭魔法放てるしなwww

482 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 20:32:14 ID:9IVfj239
アラビア・ファッツとヌケサクとケニー・Gが召喚されると聞いて飛んできました

483 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:00:37 ID:xnext3WR
>>480
そういえば帽子で耳隠してたようなw

484 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:09:03 ID:O2DNo3CB
つまりセックスピストルズは風の精霊だったのかw

485 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:09:56 ID:1cH7v2vZ
>>483
耳は思いっきり出てたような
でも4が絡むと途端にヘタレになるから
ガンダールヴにはなれそうにないよな

486 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:46:43 ID:RWINrlhN
4の4の4を集めて・・・とか聞いた時点で逃げ出しそう

487 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 21:53:20 ID:9IVfj239
       、--‐冖'⌒ ̄ ̄`ー-、
     /⌒`         三ミヽー-ヘ,_
   __,{ ;;,,             ミミ   i ´Z,
   ゝ   ''〃//,,,      ,,..`ミミ、_ノリ}j; f彡
  _)        〃///, ,;彡'rffッ、ィ彡'ノ从iノ彡
  >';;,,       ノ丿川j !川|;  :.`7ラ公 '>了
 _く彡川f゙ノ'ノノ ノ_ノノノイシノ| }.: '〈八ミ、、;.)
  ヽ.:.:.:.:.:.;=、彡/‐-ニ''_ー<、{_,ノ -一ヾ`~;.;.;)
  く .:.:.:.:.:!ハ.Yイ  ぇ'无テ,`ヽ}}}ィt于 `|ィ"~
   ):.:.:.:.:|.Y }: :!    `二´/' ; |丶ニ  ノノ
    ) :.: ト、リ: :!ヾ:、   丶 ; | ゙  イ:}    逆に考えるんだ
   { .:.: l {: : }  `    ,.__(__,}   /ノ
    ヽ !  `'゙!       ,.,,.`三'゙、,_  /´   「全て足せば4ではないから問題ない」と
    ,/´{  ミ l    /゙,:-…-〜、 ) |
  ,r{   \ ミ  \   `' '≡≡' " ノ        考えるんだ
__ノ  ヽ   \  ヽ\    彡  ,イ_
      \   \ ヽ 丶.     ノ!|ヽ`ヽ、
         \   \ヽ `¨¨¨¨´/ |l ト、 `'ー-、__
            \  `'ー-、  // /:.:.}       `'ー、_
          `、\   /⌒ヽ  /!:.:.|
          `、 \ /ヽLf___ハ/  {
              ′ / ! ヽ



488 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 22:05:26 ID:o2+vxXSN
ジョルノとかフーゴに「いいですかミスタ?4が二つで8。4を足して12。更に4を足して16です」
「つまりもう4じゃあありません。ホラこれで安心ですねミスタ」
「てめーら俺を馬鹿にしてねーか?」
みたいなパッショーネお勉強タイム想像した

489 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 22:44:43 ID:+V5iDfar
>>488
そして吹いた

490 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 23:16:22 ID:gJFnzpee
>>489
そしてその流れに更に吹いた

491 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/04(木) 23:33:41 ID:MRDeuJLo
4ってのは、自然界の4つの力から取ってるのかな?
つまり、
核に電気に重力〜磁力ぅ〜〜・・・・・・あれ?

492 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 01:24:58 ID:01fW6QU9
そして時は動き出す……

>>491
なんというジャッカー電撃隊……

493 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 02:15:31 ID:ZAafd3jd
そういえば、昨日は丸一日投稿が無かったんだな…


…ごめんね、書くのが遅くて本当にゴメン…

494 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 02:42:11 ID:MKefrlF3
何というか、アレだ。昨日は休肝日だったんだよ。

>>493
待ってるヨ。

495 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 03:04:21 ID:cg97n4TR
自然界の四つの力は
強い力、弱い力、電磁力、重力

地味に最強は原子まで作り変える土の系統か。

496 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 04:15:52 ID:aGoIj1Ep
原子を操る土

核融合

トリステイン\(^o^)/オワタ


とかにはならないんだな

497 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 06:21:31 ID:us+0m9+S
土はこう……応用すると色々大惨事

498 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 06:23:47 ID:sk7WubXa
むしろルイズのエクスプロージョンのが核っぽいんだが
あんなしょっちゅう爆発させててよく無事だったな

499 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 07:22:57 ID:gl7esWqL
ルイズの核はきれいな核です
何も問題ありません

500 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 07:45:05 ID:HR+Utl9F
咳に見えた

501 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 08:12:28 ID:GG8ZUMz/
質はともかく、大量の油を錬金することがドットでも可能な時点で土最強
フーケぐらいになると多分もう色々とアレ

502 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 11:06:15 ID:hre+Ajvk
火はロケットランチャー以下の威力しか出せんしな

503 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 11:10:26 ID:pnY0cTbo
>>464

あれはDIOの呪縛が原因だったと思った方が。
子供の頃のジョー助も熱で瀕死になってたけど、DIOが
葬られたら全快したわけでしょ。

他のスタンド使いの話で自分に何が起きたのか理解できず、
スタンドが実質無軌道にフラフラして人生が難しかったというのが
あったが、それも、暴走というには、ちょい微妙とも思うが。

504 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 11:14:03 ID:xSDVCZrp
それでも自動追尾機能はすごいと思うぜ

505 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 11:27:03 ID:zQJt0kVg
多分ルイズの世界の人間は応用力があまり無いだけなんじゃないか?
土は生活でも使われるらしいから応用の幅が広がってるけど火とかは単純に
燃やしたりとかにしか使われないから効率のいい使い方(というか威力の出し方?)
が広まってないだけとか

506 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 13:06:57 ID:+7X/CLnd
風でライトニングクラウドできたり土で油とかも連金できるから
火だって炎限定とは限らんよな、4大元素的には火はエネルギーの総称だし

507 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 13:13:30 ID:pnY0cTbo
>>505

そういや、コルベール先生がエンジンの基礎の様な思いつきした
時も「うちのセンセ、勉強しすぎで頭が(ry」みたいな反応する生徒
の方が多くて、なんだか落ち込んだみたいな描写もあったよな。

でも、現実世界のライト兄弟の話でも、飛行機で空飛ぶって話をしたら、
「飛べない」という当時なりの学問の最先端で否定論文出す奴が、続出したとか
しないとか、そんな話もあったし。なんつーか、火の系統は発展途上の段階と考えても
しっくり来る気もする。

508 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 13:15:25 ID:07Qkrpqy
まぁ他のゲームとかだと火系統に爆発系とかが入ってるし仕方ない罠設定上

509 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 13:16:40 ID:pDTxuSl9
まあ火で攻撃するっつっても実際は火の持ってる熱エネルギーで攻撃しているわけだからな。
それより熱エネルギーを直接叩きつけるた方が効率は良いわな。
しかるべき熱エネルギーを与えてやれば、あとは酸素と反応して人体は自然に発火するし。

510 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 14:17:49 ID:1EuE+UTu
>>503
DIOの呪縛とは別に自分のスタンドが害になるって事もあるはず。
3部の最初でアブさんが語ってた。
荒木的には「ああ、そんな事もあったね」レベルの話だと思うけどな。

511 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 14:18:28 ID:WSu90Sy9
恐らく新手のスタンド使いの仕業だな。この唐突な頭のいい雑学スレは。

512 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 14:49:46 ID:lXgjeEsN
火の属性には熱・炎・揺らぎ・浄化・消滅・あと不死鳥的な意味で再生とか
光も含むかな?
改めて考えたらやっぱり攻撃に偏ってるなあ

513 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 15:15:01 ID:agEC1H2I
アヴドゥルさんが解説したげにこちらを見つめています

514 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 15:33:09 ID:Ft6V6/wT
>505
かつて光は波である、と最初に提唱した学者は、当時ニュートンが学会の権威で
光の粒子説を提唱していたから無視された。
アインシュタインだって宇宙特定の変数だったかなにかの大ボケぶちかましたこともある。
天才も100人あつまると凡人の集団になるわけで、応用力とは関係ないでしょ。

515 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 15:50:21 ID:pqKZlYbz
四方神的には火の朱雀が司るのは破壊と創造だっけか

516 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 16:15:05 ID:3/geAEp8
>>514
宇宙定数の事かな
当時の宇宙モデルだと確かに間違いではあるが
彼の死後、宇宙モデルに更に仮説が出来て
また脚光を浴びるようになったぞ
結果としてみるとアインシュタインは間違ってはなかった

517 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 16:15:39 ID:lXgjeEsN
プロメテウスが人間にもたらした火を指して文明の象徴みたいな意味もどっかで見たな
エンジン作ったりガソリン複製したりやっぱりコルベールスゲー

518 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 16:21:10 ID:IS8U085W
これから先、科学を発展させようと思うなら
ハルケギニアにもボイルみたいな人が現れないとだめだな

519 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 16:32:26 ID:aGoIj1Ep
科学の基礎すらない場所であれだけの事をしてのけるコルベールは天才すぎ
魔法の応用の上での成果ではあるだろうがそれでも凄い。


520 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 16:46:40 ID:Ft6V6/wT
>516
最近本読んでないから分らないんだが、
最新の宇宙モデルでは、宇宙は静止してるの?
少なくともアインシュタインの論旨は静止宇宙だったはずだが。
宇宙の膨張を主張するハッブル定数の追求の果てに「宇宙にはわけの分らん力がある」
ということでは結果として正しいとはいえないと思うが。
なんか、そういう本があるなら教えてほしい。興味あるな。

521 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 17:08:09 ID:lXgjeEsN
火と風で熱風のサンタナとか風と土の砂嵐のワムウとか水と風の泡沫のシーザーとか出ないかなあ

火と土でマグマとかつくれそうだがラインではさすがに無理だろうか
魔法はどのくらいまでの熱を出せるんだろうね

522 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 19:03:04 ID:GG8ZUMz/
人を蒸発させるぐらいはできそうだけどどうなんやろ
火*4の魔法はまだ出てないよね?

523 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 19:17:59 ID:9JdVtffk
火火火火のスクェアスペルが単にでかいだけの火球だったらちょっと笑えるんだけどなww

524 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 19:19:32 ID:scCRSd9o
火×4はきっと鉄が溶ける温度までは出せると思う
そして多分トリステイン魔法学院の一つか二つの教室くらいなら破壊できるだろう
よく分からんが

525 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 19:25:52 ID:OCjMzCYs
>>520
超弦理論はどう?
宇宙モデルそのものが出てくる訳じゃないがあの変分方程式を解けば、時間と空間座標を含めた(線形空間の生成)微分方程式が出て来るから宇宙を定義できる式が出せるかも知れないよ?
積分の因数と各定数の決定が難しいと思うが…

まぁ京都大学の教授が頭使ってまとめてる論なので興味があれば調べて下さい。(たぶんノーベル賞はとれないけど)

今日の宇宙モデルはしらないけど、万物の定義をする(したい)物理論もあるよと思って書き込みました。参考になれば幸いです。

526 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 19:36:59 ID:EDTkmTWW
>>523
KOFの草薙みたいなかんじだと思う

527 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 19:37:46 ID:wMOIWQim
>>524
火×3であっと言う間に鉄は溶けるとメンヌヴィルが証明してくれたじゃないか
仮にも破壊の力っていわれるほどだから、単純な破壊力じゃ四系統中ナンバーワンなんだろうさ

528 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 19:38:25 ID:Oo+CFht3
今から○○分後に投下s
    ″ ″ ″ ″―――――――
     ″  ____     ″ ̄ ̄―――――――――____
   ″   /λ 丿 \     ″――――――_―――_―――____
  ″_△/  ∨   \__△__ ″____――――___
 ″ \_||l!)()() (!l|l!) (__/  ″――――――____――――__―――
″    (;-vvvv、  ノ))\     ″―____――――____――――
″      |_|_|_l_! l\丿)\λ     ″―――――――――――――――――――
″         mmmn>)) l))    ″ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄―――― ̄ ̄ ̄ ̄―――――― ̄ ̄
″      ノノ丿|λ//ノ 丿    ″―― ̄ ̄ ̄ ̄――――― ̄ ̄ ̄
 ″    ( ( (( ( 乂ノ′/     ″――__――――――― ̄ ̄――――― ̄ ̄
  ″     \\ヽヾ、_/     ″ ̄ ̄___――――― ̄ ̄―― ̄ ̄ ̄―――――
   ″      ̄ ̄ ̄      ″____―――― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄―――
    ″            ″__――――___――――――――
      ″        ″―――――――――
         ″ ″ ″ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

ってのがここ二日間起きていないか?w
投下が少ねぇw

529 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 19:42:56 ID:scCRSd9o
>>528
常識的に考えるんだ、「1日1回でも投下があるなら少なくないんだ」と考えるんだ

530 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 19:45:03 ID:ywkjZmis
プッチ神父の呪縛が解けつつあるのか?

只でさえ秋という季節はスレの加速を阻害するからな

531 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 19:53:39 ID:+6ypNuWZ
夏の疲れは秋に出るってコッパゲ先生が言ってたよ

532 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 20:02:26 ID:8rPK6j0g
秋は部屋を暖かくして血の様に真っ赤なカキ氷を食うのが結構良いものだって俺が言ってた。

533 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 20:17:56 ID:yG7EIZFQ
時間がないのと、展開に迷っていて筆が進まないんだ…

534 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 20:24:28 ID:Ft6V6/wT
>525
うい。明日図書館に行ってみるよ。
いい刺激になるかもしれない。
真実は一つとは限らないし、物の考え方なんてそれこそ無限だものなあ。

535 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 21:01:40 ID:zDNO3EQ7
>>534
とりあえず「ガリレオの指」って本をオススメしとく
宇宙に限らず色々と書かれてるからそれなりに楽しめると思う

536 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 21:02:39 ID:WlhWzeHT
>>527
そんだけの火力がだせんならロケランなんて目じゃねえな

537 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 21:17:53 ID:GG8ZUMz/
メイジは各々がある程度オリジナルっぽい技を持ってるから基準が謎い

538 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 21:32:03 ID:UpIrhyae
火+火+水+水で水蒸気爆発とかゲームだったら火と風で
ファイアストームとか火と土でマグマ何某とかなんだろうけど
純粋な炎だとアセレチンランプになるから困る

539 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 21:34:49 ID:EDTkmTWW
火と土で超音波笛3回と同じ効果か

540 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 21:41:43 ID:lXgjeEsN
>>538
すいじょうきばくはつやめて
やめてすいじょうきばくはつ
風のスクウェアがカッタートルネード(風+風+風+風)
中身は切断波+竜巻
だから水のスクウェアならタイダルウェイブとかそんな感じだろうか?
土は地震とか地割れとして……
火は巨大火の玉しか浮かばない


541 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 21:43:43 ID:GG8ZUMz/
>>540
収束されてレーザーとか熱線みたいのになるかもしれんぞ

542 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 21:46:59 ID:iGqBQ0jS
火×4で転生の炎!とかやってくれたら泣く

543 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 21:49:57 ID:6wAwivXd
だいもんじとか、せいなるほのおとか、ほのおのうずとか、
かえんほうしゃとかになるんだろうか…

544 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 21:51:41 ID:nf7aA6Yh
このスレ的に火×4と来れば、「くらってくたばれ!怪炎法の流法!」だろうな、やっぱり
…つーか、火・火・水・水とか言われると、サガフロンティア2を連想するのは俺だけだろうか

545 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 21:52:26 ID:k829oF96
俺は六門だな

546 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 21:56:53 ID:UpIrhyae
怪獣なら何とか℃の炎ですむのに

547 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 21:57:54 ID:yOWsUY/w
さて、雑談中で悪いが避難所から代理投下するんだぜ

548 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 21:58:32 ID:E1XYKydc
火風水土でメドローア撃てないかな

549 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 21:59:20 ID:aqmqaT4k
土+土+土+土で相手の体内の空間を全部粘土で埋め尽くす

550 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:00:01 ID:lXgjeEsN
>>547
よしこい支援する

551 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:00:06 ID:gEuD0SLU
火*4 = 邪影闘気殺炎・フジヤマヴォルケイノ・ビッグバン
水*4 = 大海嘯・タイダルウェイブ
風*4 = カッタートルネード
土*4 = スクラッパー
虚無*4 = バーサーカーソウル

俺の予想はこれだな

552 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:01:15 ID:PPKLTQl2
ちょっ最後www

553 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:03:35 ID:dTh81j2n
モンスターカード自重www


気分的に置いておきますね
つ『破壊龍ガンドラ』

554 :ゼロいぬっ!代理:2007/10/05(金) 22:03:53 ID:yOWsUY/w
陽の光さえ差し込まない薄暗い洞窟。
長い年月を経て獣の牙のように尖った鍾乳石から水滴が伝う。
光源と呼べるものはただ一つ、大気を震わせながら咆哮を上げる此処の主の息吹のみだ。
その灼熱の炎は岩山を溶かしてこの洞窟を作ったという伝説まである。
たとえメイジであろうと人間に抗う術などはない。
そうして村の人間は自分達を守る戒律を作った。
村が襲われぬように定期的に竜に生贄を差し出す事に決めたのだ。
それは決して破られぬ事なく続けられ、遂に私の番を迎えた。
覚悟は決めていたにも関わらず膝が震える。
断れる筈などなかった。
病弱な母を連れて逃げ出せる勇気も力もない。
何より自分の我が儘で村の人達を犠牲には出来ない。
家族のように自分に接してくれたあの人達を。

竜の手が私へと伸ばされる。
瞳を閉じて最期の瞬間を受け入れる。
だが、いつまで経ってもそれは訪れなかった。
代わりに上がったのは巨竜の絶叫。
伸ばされた腕は一筋の剣閃により断たれていた。
それは決して抗えない存在だった。
その怪物が、絶対的な地位に君臨していた暴君が腕を失い困惑する。
怪物の眼下には自身を傷付けた剣士。
初めて目の当たりにする脅威に、嵐のように吹き掛けられる灼熱の吐息。
それを避けながら尚も剣士は竜に挑みかかる。
幾度の攻防が繰り広げられただろうか、
遂に炎の真下を掻い潜った剣士が竜の喉下に剣を突き立てた。
同時に不動だった巨体が地響きと共に崩れ落ちる。
喰い込んだ刃はさながら竜の墓標のよう。
それで全てが終わったのだと私は理解した。
竜を討ち果たした剣士が私へと歩み寄る。
そして彼は、私に…。

「わんっ!」

555 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:04:31 ID:GkuXSPBO
自らが炎になる!とかだったりして。

556 :ゼロいぬっ!代理:2007/10/05(金) 22:06:08 ID:yOWsUY/w
ガタガタと揺れる馬車の中で私は目を覚ました。
思った以上に熟睡していたのか、垂れていた涎を袖で拭う。
手には彼から貰った魔法薬の本。
道すがら読んでいたが途中で眠ってしまったようだ。
思えばここ数日、モット伯の一件以来ほとんど睡眠を取っていなかった。
それというのも眠る時間が惜しかったからに他ならない。
もしかしたら母様を助けられるかも知れない、
そう考えると一日でも早く読破したいという気持ちに駆り立てられた。
キュルケがいたなら『睡眠不足はお肌の大敵』とか『寝ない子は育たない』と言っただろう。
正直、同年代のタバサからしてもキュルケは育ちすぎだと思う……色々と。
自分の胸にぺたぺたと手を当てながら、視線を横に向ける。
そこには一匹の犬がスヤスヤと寝息を立てていた。
変な夢を見たのは彼の所為か。
以前にも“イーヴァルディの勇者”の夢を見た事はある。
その時の勇者は自分自身か、生前の時は父だった事もある。
キュルケが出てきた時には恥ずかしくて顔を合わせられなかった。
心のどこかで自分が頼りにしている相手、それが夢の形で顕れるようだ。
彼が出てきたのは薬の影響下にあるからだろう。
以前ならそれを自分の甘さと認識した。
だけど今は違う。仲間を頼る気持ちは弱さじゃない。
そう心から思えるのだ。

そんな自分の気も知らず、彼はごろりと寝返りを打つ。
お腹を見せる無防備な姿がどことなく自分を誘っているように見えてならない。
うずうずと好奇心をくすぐられ、彼の肉球へと手が伸びる。
「……………」
ぷにぷに。
ぷにぷにぷにぷに。
ぷにぷにぷにぷにぷにぷに……。
興奮のあまり飛びそうになった意識を繋ぎ止める。
薬の効果で愛情を植えつけられた彼女にとって、それは魔性の魅力だった。

国境を越え、既に馬車はガリア王国内。
窓の向こうにはガリア王国指折りの観光スポット、ラグドリアン湖が広がっている。
……否。広がり過ぎている。
湖畔の近くに建てられた民家が皆悉く水没し、
僅かにそれらの屋根だけが水面から顔を出している。
嵐か何かで増水したのかと思ったが違うようだ。
ラグドリアン湖が氾濫する程吹き荒れたのなら、ここに来るまでの道も無事では済まない。
しかし薙ぎ倒された木々や土砂崩れなど何一つ目にしていない。
(…何か良くない事が起きている)
もし嵐が来るとしたらこれからだ、と彼女の勘が告げていた。

557 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:07:18 ID:lXgjeEsN
支援

558 :ゼロいぬっ!代理:2007/10/05(金) 22:07:40 ID:yOWsUY/w
時を同じくしてトリステイン国境。
そこでは警備の衛兵達が警戒網を張り巡らせている。
隣国が不安定な情勢にある今、何が起きてもおかしくない。
密偵、工作員、刺客など各国からの敵に注意を払う必要がある。
故に不審な人物は誰一人として見逃さない。

その彼等が動けずにいた。
たった一人の少女を前に成す術なく立ち尽くす。
平民とはいえ鍛え抜かれた兵隊達がだ。

その少女が身に纏っているのは魔法学院の生徒の物。
しかし、それはこんな煽情的な服装だったろうか?
サイズが違うブラウスは胸を隠すに留まり、へそは完全に丸出し。
そして僅かに残された生地も完全に胸を覆う事は出来ていない。
押し当てられた胸がハッキリと形に浮かぶ。
スカートにいたっては腰布と言ってしまってもいい。
下着を隠すという本来の目的を理解しているのか。
元々の女性的な体つきが密着した布によってアピールされる。
むしろ服を着ている方が恥ずかしく思えるという不思議な感覚。

「んん〜、お姉さまの馬車を知らないのね?」
少女が衛兵に何の警戒感もなく話し掛ける。
その正体は風の精霊の力を借り人の姿に変装したシルフィードである。
一晩置いて頭を冷やした彼女はタバサを追いかけていた。
そう。あれは薬による一時的な気の迷い。
自分が傍にいなくてお姉さまも寂しがっているに違いない。
(今謝れば許してあげない事もないのね)
しかし人と喋る事をタバサに禁止されている為、聞き込みも儘ならない。
そこで人に姿を変え、タバサの予備の制服を勝手に持ち出し着替えたのだ。
(人間ってどうしてこんな窮屈な格好するのね、きゅいきゅい)
裸でいるのはマズイと知っていたが、
サイズが合っているかどうかなど彼女には判らない。
しかし、ある意味それは良い方向に作用した。

559 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:08:58 ID:GG8ZUMz/
支援!

560 :ゼロいぬっ!代理:2007/10/05(金) 22:09:35 ID:yOWsUY/w
「い…いや、馬車と言われても日に何台も通ってるからなあ…。
せめて特徴があれば話は別だが」
男達の鼻の下が伸びる。
町の警備と違い仕事帰りに一杯とはいかない国境の仕事である。
そんな所に痴女めいた格好の麗人が現れたのだ。
それはもう下心満載。仕事そっちのけで彼女を食い入るように眺める。
そして彼女の機嫌を損ねないように質問に答える。
「うー、お姉さまはこーんなメガネ掛けてて、それでいつも本を読んでいるのね」
指先で丸を作って眼鏡のフレームを真似て顔を近づける少女。
その際に張った胸が大きくたわんで弾む。
彼女の胸の動きを衛兵達が目線で追いかける。
「えーとねー、お姉さまはシルフィと同じ髪の色してるのね」
「同じ色……ああ、そういえば」
彼女の話す特徴に当て嵌まる人物は覚えがあった。
しかし、すぐに思い至らなかったのも仕方ない。
“お姉さま”と言われて彼女より年上の人物を想像したのだ。
あんな少女が彼女の探してる人物だったとは…。
同じ髪とはいえ実の姉妹ではないだろう。
もしかしたら、そういう意味での“お姉さま”なのか…?
一見して大人しく見える少女が夜になると豹変し、目の前の女性を攻め立てる。
そんな倒錯的な光景が思い浮かび、男達は鼻に熱い物が込み上げるのを堪えていた。
確認の為に自分が覚えている特徴を少女に語る。
「あの長い杖を持った…」
「そう! そうなのね!」
「犬の使い魔を連れている少女だろう?」
「…………!」
あの犬が使い魔かどうか聞いた訳ではない。
他に使い魔らしい物がいなかったので勝手にそう思っただけだ。
しかし、その彼の返答が思わぬ勘違いを生むなど誰が予想しただろうか。
「……ふぇ」
「お、おい! どうした嬢ちゃん?」
「ふぇえええええん!! シルフィ、お姉さまに捨てられたのね!」
突然、雷が落ちたかのように泣き始める少女。
衛兵が呼び止める間もなく彼女はそのまま走り去った。
その速度ときたら暴れ馬にも匹敵する。
まるで現実から逃げ出すように駆ける彼女の背が見えなくなっていく。
唖然とした表情のまま、衛兵達はそれを見送った。
その日の定期報告の際に彼女の事をありのままに伝えた彼等は、
医師の診察を受けた後、神経症と診断され念願の城下町の警備に転属となった。
そこでアニエスに徹底的にしごかれて本当に神経症になりかけるのだがそれは別の話。

561 :ゼロいぬっ!代理:2007/10/05(金) 22:11:12 ID:yOWsUY/w
「くぅぅぅ……」
彼が応接室で背筋を伸ばす。
続けて後ろ足を一本ずつ伸ばす屈伸運動。
馬車の長旅は退屈ではなかったが酷く窮屈だった。
しかし、色々違った風景を楽しめたので良しとする。
出来れば外に出て駆けずり回りたい気分なのだが、
主からタバサの事を頼まれている以上、そうもいかない。
そして当のタバサは自分にここで待つように言ったのだ。
どのような理由なのかは判らないが彼はそれに従った。

その彼を執事のベルスランが見下ろす。
最初こそタバサに抱えられた彼の姿に驚かされたが、
久しく見ぬ彼女の温和な表情に、この忠実な老輩は感動を覚えた。
例えそれが薬の所為だとしてもお嬢様の安らぎになるならそれも悪くない。
彼は心の奥でそう思っていた。
奥様を救おうとするお嬢様の気持ちは誰よりも理解できる。
しかし、その為に心を砕くお嬢様の姿は見るに耐えない。
彼女には彼女の人生がある。
それを棒に振ってまで奥様に尽くす必要はない。
(いっそ奥様の事は忘れ一人の女性として幸せを…)
無論、不忠である事は理解している。
それでも笑顔を忘れた彼女の姿を見る度に、そう思わずにいられなかった。

瞬間、甲高い破砕音が鳴り響いた。
その異変に彼と老執事が互いに顔を見合わせる。
即座にベルスランは事態に気付き、タバサの下へと向かう。
その後を彼が追いかける。
先を急ごうにも彼一人ではタバサの居場所どころか扉も開けられない。
胸騒ぎに掻き立てられながら彼は走った。

562 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:12:25 ID:lSzJsMg+
紫煙

563 :ゼロいぬっ!代理:2007/10/05(金) 22:12:51 ID:yOWsUY/w
彼が辿り着いたのは屋敷にある私室の一つ。
そこで彼が目にしたのは部屋の端で頭を下げるタバサの姿と、
ヒステリックに叫ぶ痩せこけた女性。
それを前にしても表情を一切変えることの無いタバサ。
その額から一筋の血が流れ落ちる。
タバサの足元には砕けたグラスの破片が散らばっていた。
恐らくはそれを叩きつけられたのだろう。
「下がれ! 下がりなさい!」
尚も相手はタバサに執拗に罵倒の声を浴びせる。
警戒の唸り声を上げる彼をタバサが手で制する。
そして落ち着いた声で女性に告げた。
「また…会いに参ります母様」
それはとても優しげで、そしてとても切ない響き。
感情を押し殺した彼女が初めて見せる、弱くて儚い少女の姿だった。

「さあ奥様。疲れましたでしょう、寝室にお戻りになられては?」
ふらつくタバサの母親の肩を抱き止め、ベルスランが椅子に座らせる。
それでようやく静まったのか、深い溜息と共に彼女は落ち着きを取り戻す。
その手には擦り切れ褪せた人形が固く握り締められていた。
私室に執事一人を残し、彼女は部屋を後にした。

「……………」
部屋を出てから一言も発しないタバサの後を彼が付いて行く。
自分に見られたのをショックに思っているのかもしれない。
どちらにせよ自分は彼女の言いつけを破ったのだ。
いくら謝罪しようとも容易に許される事ではない。
それにデルフがいない今、どんなに謝ろうとも伝わらない。
あまりの無力に情けなくなってくる。
自分が助けられるのは自分だけ。
そう割り切ってしまえればどんなに楽だろうか。
いくら力があろうとも少女の助けにはならない。
魔法薬さえも無効化する体も人を救う事には使えない。
彼女の笑顔一つ作る事も出来ない。
ルイズは自分を『無能』と卑下するが、それは違う。
彼女は自分やタバサの心に光を差してくれた。
それこそが今の自分が持たない本当の強さ。
その力に比べれば、この身に巣食う暴力こそが『無能』。
いや、本来『無能』であるべき力なのだ。
だけど、いつかは届くのだろうか。
彼女の背を追いかけ、光差す道を歩めば自分も彼女のように…。

564 :ゼロいぬっ!代理ラスト:2007/10/05(金) 22:14:22 ID:yOWsUY/w
ポカという頭部に走った衝撃と共に上を見上げる。
そこには、むーと少し眉を寄せるタバサの姿。
ああ、よく覚えている。これはデルフの言ってた『嫉妬』だ。
きっと自分がルイズの事を考えていたのを知られたのだろう。
“女の勘ってのは変身した相棒の触角より鋭えんだぜ”
デルフが冗談交じりにそう言っていた事を思い出す。
しゃがみ込んで自分の顔を覗き込むタバサ。
「くぅん…」
それに喉を鳴らしながら伏せて反省の意を示す。
ようやく気が晴れたのか、タバサが頷く。
だが、彼女の視線は外れる事なく自分を見据えている。
しばらく、二人とも同じ体勢のまま時が流れる。
そして唐突に彼女の口が開く。
「…大丈夫。いつもの事だから」
それは自分を気遣っての言葉だった。
彼女はそれだけ告げると背を向けて先に歩き出す。
母親が自分を責め立てる光景、それを彼女はさも当然のように受け止めた。
“いつもの事”と割り切れる彼女の強さが今はとても悲しかった…。


キュルケ達を監禁した部屋にコルベールが足を運ぶ。
手には彼女達の食事を乗せたトレイ。
自分の生徒に捕虜同然の生活をさせるのは心苦しい。
しかし、それ以外に方法はなかった。
本来ならコルベールがやるべき用事ではないが、
他に誰もいない状況で、しかも極秘となれば彼かロングビルしかいない。
それを率先して彼は引き受けた。
少しでも彼女達の不安を取り除きたいという配慮であった。
しかし、部屋を目前にして彼の足は止まった。
刹那、彼の手より滑り落ちるトレイ。
皿の割れる音が合唱の如く響き渡り、料理が残骸と化していく。
しかし、そのような物は目前の事態に比べれば些細な事に過ぎない。

「た、大変だ…」
キュルケの部屋の扉は完全に失われていた。
扉があるべき場所には焼け焦げた炭の跡。
僅かに残った火種から煙が燻っている。
そして隣のギーシュの部屋は壁がごっそり崩れ落ちていた。
室内に二人の姿は見当たらなかった。
コルベール達は大きな見落としをしていたのだ。
杖を取り上げればメイジは無力、その思い込みが命取りだった。
メイジには魔法以外に平民には無い力がもう一つ残されている。
それは自身の半身である使い魔。
キュルケはサラマンダー、そしてギーシュはジャイアントモール。
どちらも内壁や扉など物ともしない力を持っている。
となれば答えは一つ。
「だ、脱走だァァーーー!!」
コルベールの叫びがほぼ無人と化した学院に虚しく響き渡った。

565 :ゼロいぬっ!代理:2007/10/05(金) 22:17:13 ID:yOWsUY/w
以上。時間指定を忘れて雑談を割り込ませてしまった。
ご容赦下され。職人氏、乙。

566 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:21:27 ID:GG8ZUMz/
いやいや代理乙
そして犬GJっていうかコルベール先生珍しくうっかりwww

567 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:28:03 ID:zQJt0kVg
蜥蜴も土竜も主人の言うこと聞いていいこだなぁ
GJ

568 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:29:18 ID:Q9igSla4
バカなっ!フレイムが活躍している!?

569 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:34:32 ID:lXgjeEsN
むしろ支援少なくてごめんよ
焦って支援で規制かかるところだった
いぬっころGJ!
ぱっつんぱっつんのきゅいきゅいは犯罪です

570 :初代スレ506:2007/10/05(金) 22:35:07 ID:sZ6qZlsO
GJ!使い魔にこんなにも見せ場が……!

そして45分から投下してもいいのかね?

571 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:36:34 ID:WNgN6sZq
フレイムが活躍するわけないだろ。つまり…
なーんだ、夢か!じゃ寝よーっと!

572 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:42:32 ID:Q9igSla4
>>571
確かに!つじつまが合わない!これは現実ではない!

573 :使い魔は静かに暮らしたい:2007/10/05(金) 22:45:11 ID:sZ6qZlsO
早朝、朝靄が漂う魔法学院の玄関先に私とルイズは立っていた。ただ立っているわけではない。王宮からの馬車を待っているのだ。
王女アンリエッタとゲルマニアの皇帝アルブレヒト三世との結婚式はゲルマニアの首府ヴィンドボナという場所で、2日後のニューイの月の1日に行われる。
その結婚式の場でルイズは巫女として『始祖の祈祷書』を手に、式の詔を詠みあげなければならない。
つまり、ルイズはヴィンドボナに行かなければ行かなければいけないのだ。お姫様がヴィンドボナへ行く際、一緒に行くことになっている。
そのためお姫様のいる宮殿から王宮の馬車が迎えに来るというわけだ。学院に帰ってくるのは大体1週間後だろう。
ちなみに私はルイズの使い魔ということで随伴しなければいけないらしい。
ルイズは『始祖の祈祷書』を胸に抱えながら、私はデルフを使って足元にいる猫を地面に押し付けあることを考えながら時間を潰していた。
あることというのは無論最近の生活についてだ。特に生活が苦しいところは無い。『幸福』ではないが前に比べ随分と充実している。
しかし、不満が無いわけではない。今私が大いに不満に思っていることはルイズと同じベッドで眠っているというところだ。
なぜルイズなんかと一緒に寝なくちゃいけないんだ?ルイズがキュルケのようにボンキュボンならむしろ喜んで一緒に眠るがルイズにはそういった魅力が感じられない。
ルイズは13歳か14歳ほどだろうから当然かも知れない。だが、そうなると一緒に寝ているときは邪魔なのだ。何故他人のことに配慮して眠らなくちゃいけないんだ。
一人で好きなときに好きな体勢で眠りたい。つまり自分のベッドがほしい。それが今の切実な願いだった。
剣を売った金で画材を買おうと思っていたが変更してベッドを買ったほうがいいかもしれないと本気で思っている。安物なら買えるだろう。
それと、
「ルイズ」
「なに?あ、ヨシカゲ!あんた何時までいじめてんのよ!」
「ミー!」
そう言ってルイズは猫を助けようとデルフを蹴飛ばそうとしてくる。
だが、デルフに蹴りを当てさせるわけにはいかないので、猫をいじるのを止めデルフをルイズの蹴りの場所へ移動させる。
猫はその隙をつきどこかへ走り去っていった。しかし、これでいい。猫をヴォンドボナへ連れて行く気がなかったので離れてくれて助かった。
「まったく、趣味悪いわ」
「そんなことはどうでもいい。ルイズ、トリステインに帰ってきてからでいいんだが、服を買ってくれないか?」
「服?」
「そうだ。私の服だ」
そう、服。今現在私は衣服の替えを持っていない。それはなかなか由々しきことだ。この先一張羅で生きていくわけにもいかない。
人が寝しまっている間に自分の服を洗濯したり、夜じゃあまり乾かないので生乾きで着たりと面倒くさいしな。
「そういえば、あんたそれしか服持ってなかったわね」
「ああ、さすがにもう色々と限界だ。使い魔に必要なものぐらいは買ってくれるよな?」
「ま、まあ……今までよく働いてくれたからそれぐらいしてあげてもいいわね。それと同じ服を何着か作らせればいいんでしょ」
「ああ、助かる。ついでに手袋と帽子の予備もあればもっと助かる」
よし、衣服の問題は無事解決したな。しかし、こういったことはルイズが私に賃金をくれれば起こらないんだがな。
だが、自分の使い魔に金を渡す奴がいるか?いるわけがない。普通使い魔ってのは下等動物(竜やなんかは例外だ)だ。
そんな文明もない奴らに金を渡しても意味がないからな。私は人間だが、使い魔だからルイズは金をくれない。わかりやすい方程式だ。わかりやすくてむかついてくる。
幽霊でも金が要る世の中なのに金が手に入らないなんて。剣を売れば自分の自由な金が手に入るが所詮一回こっきりだしな。
どうせならルイズに賃金でもくれるように交渉してみるか?
「あれ?だれかしら?」
「あ?」
交渉するべきか否かを悩んでいる所に、ルイズの声が聞こえてきた。その声に反応しルイズを見るとルイズは玄関外の朝靄を見つめている。
いや、人影を見詰めている。人影はこちらになかなかの勢いで近づいてきている。やがて朝靄が薄れ始め、人影がはっきりし始めた。

574 :使い魔は静かに暮らしたい:2007/10/05(金) 22:46:24 ID:sZ6qZlsO
「あれは……、王宮の使者だわ」
「王宮の使者?」
王宮の使者は髪を振り乱し必死の形相でこちらへ走りよってきた。尋常と言える様子ではないことは一目瞭然だ。使者は私たちに気がつくと私たちに近寄ってきた。
「ハァハァハァハァ……き、きみたち」
「ど、どうかしたんですか?」
ルイズも使者の様子におどいた様子で少し焦っている。
「オールド・オスマンは今どちらに?と、取り急ぎ伝えねばいけないことが……」
そういえばオスマンは今何をしているのだろうか?オスマンも私たちと一緒に宮殿へ行くことになっていたはずだ。
準備に手間取っているのだろうか?
「オールド・オスマンなら学院長室にいるかと」
「ありがとう。では急ぐので」
そう言うと使者は学院長室を目指し走っていった。
「ねえ、いったいなにがあったのかしら」
「さあな。少なくともいいことではなさそうだったけど」
あの使者の眼にあったのは焦りと悲しみだった。そんな感情を抱いている時点でいいことのはずがない。
「なんだか胸騒ぎがするわ。わたしも行ってみる」
「じゃあ私はここで王宮の迎えを待っておこう。迎えが来たときに誰も居なかったじゃあっちもこっちも困るからな」
というか、いくらよくないことが起ころうと、私に害が及ばない限り知ったこっちゃない。
「……わかったわよ!勝手にしなさい!」
ルイズはどこか怒ったような声を出すと使者のあとを追っていった。やれやれ、何を怒っているんだか……
まあ、そんなことはどうでもいい。迎えが来るまで暇だな。何をして時間を潰そうか……。デルフと喋るか?そうだな、そうしよう。
デルフを完全に抜きはなつ必要は無い。喋れる程度に抜けばいいんだ。そうすれば不意に見られたとしても怪しまれる心配は殆んどない……と思いたい。
さて、何を話そうか。いや、そんなの考える必要は無いな。会話の内容は重要じゃあない。真に重要なのは会話をするということなのだ。
デルフを喋れる程度に引き抜く。
「おはよう相棒」
「ああ」
「相棒ってよ。あれか?好きな子ほどいじめたいってやつか?」
は?抜いて早々何を言ってるんだこいつは?
「何で?って顔だな。だってよ。相棒はあのこねこのことが好きなんだぜ。なのにいじめてるじゃねえか。もし好きじゃねえって言うなら相棒が気づいてないだけさね。
ってか、これ前にも話したような気もするけどな」
デルフ、お前はあの猫が気にっているのか?なかなか話題に出すことが多いが、まさか気に入っているのか?
ちっ!私は別に好きだからいじっているわけではない!猫自体は……まあ、デルフほどではないが愛着を感じ始めていることは確かだ。
だが、勘違いするな!暇だからいじっていただけだ!それだけなんだぞ!
なんてことは口が裂けてもいえない。だから私は、
「ふ〜ん」
とだけ返しておいた。自分が好感を抱いている者に素直な感情を発露するには多大な勇気が必要だ。私も早くそんな勇気を身につけたいものだ。
そんなとき、不意に何かが私の足に触れた。下を見るとそこには、
「ほら、こいつも相棒のことが好きだとよ」
どこかへ去ったはずの猫が私の足に前足を乗せ私を見上げている。
「……肩、乗るか?」
「ニャー」
……首輪を買うのもいいかもしれないな。
そんな気持ちを黙殺しようと努力しながら私は猫を抱き寄せた。


575 :初代スレ506:2007/10/05(金) 22:47:30 ID:sZ6qZlsO
以上。

昨日はちょっと用事があって投下できませんでした。



576 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 22:56:55 ID:/tA4+fsx
ヨシカゲGJ!
猫かわいいよ猫

577 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:05:37 ID:nf7aA6Yh
いぬでバオー犬に萌えて、吉良で子猫に萌える…つまり挟み撃ちのGJになるな…

578 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/05(金) 23:11:35 ID:zhbkQeT0
GJ!
しかしヨシカゲはデルフにデレデレ
子猫にツンデレルイズにツンツンなわけか……
だがそれがいい!

579 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:12:04 ID:b2xNtGpy
火×4アニヒレーション
風×4テンペスト
水×4ホワイトミュート
土×4メテオストライク

スクウェアスペルはこれぐらい欲しい。

580 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:38:52 ID:CXiSg7N2
>>579
土X4はアースクエイクだろ。日本人的に考えて。。。

581 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:40:09 ID:Uw1U2L5X
虚無×4だとデッドスクリームか、エクスハラティオになったりするのかね

582 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:42:01 ID:zdxvS4yn
風×4は真八稚女じっそうこくだろ
トラウマ的に考えて
>>580
サムスピ?

583 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:44:17 ID:wnmFZA68
そういやコッパゲのオリジナルは火が幾つだっけ?
周囲の酸素を燃やしつくすとなると
少なくとも×3は欲しいよな

584 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:45:52 ID:F644y9hU
俺的には
火×4=ボルケーノ
水×4=アイスバーグ
風×4=トルネード
土×4=アースクエイク
虚×4=ウルトラノヴァorブラックホールなんじゃないかな?と考えてみる

585 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:47:09 ID:30Cc0PeP
ここはドラクエ的に………
火4…メラゾーマ、ベギラゴン
水4…マヒャド
風4…バギクロス
虚無4…マダンテ



土が思いつかねぇ…

586 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:49:40 ID:F644y9hU
>>585
つ岩石おとし

587 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:58:27 ID:SJbjlFvC
俺のゆがんだイメージだと

火*4=ウルトラダイナマイト
水*4=熱湯風呂 押すなよ!絶対に押すなよ!
風*4=巨乳女子アナ薄着で台風生中継!
土*4=口、鼻、耳、目、尿道、尻穴に赤土詰め
虚無*4=世界中の衣服が消える

588 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 00:58:57 ID:o0PFr9Ce
いやいや此処はポケモン的に…
火×4…だいもんじ
水×4…ハイドロポンプ
風×4…かみなり
土×4…じしん
虚×4…はかいこうせん

正直土と虚無が自信無い

589 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:02:48 ID:/cFIvfTi
火4…トリスアギオン
水4…ニブルヘイム
風4…ヴァーヤヴィヤ
土4…ティタノマキア
虚無4…千年の呪怨

アバチュ的な意味で。

590 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:03:18 ID:QyPGkg5C
そろそろ自重しようぜw

591 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:05:46 ID:ZE8xNZeV
火×4→松崎しげる
水×4→TSUNAMI
風×4→桶屋が儲かる
土×4→うなぎが食いたくなる
虚×4→みんな鬱になる

うん、ありえないよねorz

592 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:06:29 ID:zdxvS4yn
あの世界にはノーベル賞とかイグノーベル賞的なものはあるのかな?

593 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:08:12 ID:30Cc0PeP
そういえばドラクエ7では
炎の精霊、大地の精霊、風の精霊、水の精霊、神様という敵キャラが……


けっこう合うかも

594 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:09:10 ID:konDFodz
よ・・・ようやく・・・・・・全体の5分の1が・・・書きあがった世界・・・・・・
ひょっとしたらヘビー・ウェザーの世界で・・・・・・身体がカタツムリになってるのかもしれない世界だ・・・
それぐらい、とにかく執筆速度が遅いッ!

595 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:10:09 ID:719Cc2j7
そういや、ヘキサゴンスペルってルイズママのカッタートルネードと描写的に大差ないけど
あれはゾンビウェールズとアンリエッタのスペックがルイズママに劣るからかな?

596 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:12:24 ID:JhXHHcDo
火1でメラだとみんな同じ威力なのか
どっかの大魔王みたいにメラゾーマ並になるのか?

597 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:15:02 ID:tgsD6cBi
人外に萌えるヨシカゲ乙!
使い魔大活躍なバオーいぬも良かった。
オスマンもフレイムが活躍するとは思いが回らないに違いない。

火×4=リヴァイヴァ、リレイズ
風×4=HELLSINGのシュレディンガー准尉化(どこにでも居て、どこにも居ない)
水×4=死の河
土×4=メテオ
虚無×4=ビックバン
と見た。

598 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:22:51 ID:rQCpBNeq
>>595
1・ルイズママが正真正銘怪物
2・ゾンビは色々足りなかった
3・所詮ビッチには無理だった
さあどれだ

599 :割れた世界:2007/10/06(土) 01:24:05 ID:tj776oLB
>>594
       、--‐冖'⌒ ̄ ̄`ー-、
     /⌒`         三ミヽー-ヘ,_
   __,{ ;;,,             ミミ   i ´Z,
   ゝ   ''〃//,,,      ,,..`ミミ、_ノリ}j; f彡
  _)        〃///, ,;彡'rffッ、ィ彡'ノ从iノ彡
  >';;,,       ノ丿川j !川|;  :.`7ラ公 '>了
 _く彡川f゙ノ'ノノ ノ_ノノノイシノ| }.: '〈八ミ、、;.)
  ヽ.:.:.:.:.:.;=、彡/‐-ニ''_ー<、{_,ノ -一ヾ`~;.;.;)
  く .:.:.:.:.:!ハ.Yイ  ぇ'无テ,`ヽ}}}ィt于 `|ィ"~
   ):.:.:.:.:|.Y }: :!    `二´/' ; |丶ニ  ノノ
    ) :.: ト、リ: :!ヾ:、   丶 ; | ゙  イ:}    逆に考えるんだ
   { .:.: l {: : }  `    ,.__(__,}   /ノ
    ヽ !  `'゙!       ,.,,.`三'゙、,_  /´   「他の人たちが早すぎる」と
    ,/´{  ミ l    /゙,:-…-〜、 ) |
  ,r{   \ ミ  \   `' '≡≡' " ノ        考えるんだ
__ノ  ヽ   \  ヽ\    彡  ,イ_
      \   \ ヽ 丶.     ノ!|ヽ`ヽ、
         \   \ヽ `¨¨¨¨´/ |l ト、 `'ー-、__
            \  `'ー-、  // /:.:.}       `'ー、_
          `、\   /⌒ヽ  /!:.:.|
          `、 \ /ヽLf___ハ/  {
              ′ / ! ヽ

600 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:24:31 ID:rXB5TUqm
コルベール「今のはメラゾーマではない…メラだ…」

601 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:25:20 ID:/cFIvfTi
>>598
4.ぶっつけ本番で半ば失敗だった
を足しておいてくれ

602 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:25:27 ID:SJbjlFvC
まぁ2が6倍でも12だしな
それなら4が4倍の方が上だしな
そんな単純な倍数じゃないと思うけど
ルイズママンはどうせあの二人の三倍は最低でも強いだろう

603 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 01:27:17 ID:tj776oLB
やべ…名前間違った
無視して

604 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 07:44:46 ID:b2xNtGpy
恐るべき時間停止。
>>579はすべて虚無っぽい。

605 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 09:46:22 ID:XkLwWxV+
>>585
遅レスだが、地系はベタンってのが無きにしも非ず。

606 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 09:55:32 ID:fNgmYIe5
虚無×4は
無かったことにしてください!だろ
画太郎先生的に考えて...

607 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 09:57:02 ID:vJJMEzK0
>>579
懐かしい名前だけどひょっとしてオウガの竜言語魔法?だとしたら604の言う様に
属性魔法じゃなくて虚無になりそうだな。とりあえず
火×4ストライクノヴァ
風×4エアリアルクライ
水×4アイスレクイエム
土×4アースクエイク
という明らかに趣味のわかる説を書いてみる



608 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 11:23:10 ID:hwb3imkT
もしアンリエッタが土のメイジだったら……
土土土風風風でゴーレム航空相撲という電波がとんできた
土×4でカズィクル・ベイ(周囲を錬金して敵すべてを串刺しにする)
虚×4は分子分解?

609 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 12:19:27 ID:nY3gFwgw
>>608
金属製の微粉末や鉄片を含んだ竜巻とか怖すぎる

610 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 12:26:32 ID:70KQnar9
粉になった硝子でさえヤバイ気がするぞソレ……。

611 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 13:25:58 ID:uCByyXoY
早速ギーシュとマルコメを放り込んで実験してみやう。



612 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 13:46:23 ID:30Cc0PeP
竜巻の中に石とか入ってたら………


竜巻に巻き込まれる

石とかにぶつかられてグチャグチャにされる

天然ミキサー

613 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 14:11:33 ID:uCByyXoY
巻き込まれたらヤバイって大技は巻き込まれ要員のマルコメをぶつけてやればオチがつく。
ワムゥ様の決闘シーンで神砂嵐が炸裂するトコに期待してたんだがな〜

614 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 16:26:04 ID:rQCpBNeq
>>611
青銅製の花吹雪になりました

615 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 18:00:20 ID:ZE8xNZeV
雪風の中に舞う青銅の花びら……
普通に怖いコンボができたな

616 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 18:17:48 ID:I0QT3CCL
複合属性魔法で思い出したけど、コルベール先生の爆炎はデルフで吸えない可能性があるな。
タバサギーシュキュルケの突風+油+フレイムボールもそうだけど、実際に燃えてるのは油やし途中から魔法じゃなくなってない?

617 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 18:36:22 ID:rQCpBNeq
>>616
錬金とかでただの土の塊(超大質量)とかをでかく高く作って逃げる事もできないように埋めたらガンダもデルフも対処不能だな
他にも水メイジで地盤を錬金するか水の魔法を叩き込むかして辺り一帯底無し沼に変えるとか
風メイジで上空から毒薬散布とか
火メイジで気温跳ね上げて蒸し焼きとか
直接接触出来る範囲に魔法が使われてなければどうにかなるな
伝説とか言う割に以外と穴あるな

618 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 18:45:53 ID:I0QT3CCL
その辺はミョズニトニルンとヴィンダールヴが何とかするんじゃまいか

多分

619 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 18:54:18 ID:21b0rl+h
>>617
ノボルの脳内じゃできることになってないんだろ。

620 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 19:08:58 ID:hwb3imkT
>>617
その手の攻撃は能力者バトルではタブーなのはこのスレ的に言えば
フーゴがフェードアウトしたという事実から容易に導き出せます


621 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 19:19:32 ID:nY3gFwgw
小ネタを投下したいです


622 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 19:21:39 ID:gKXhTvAR
かまわん、行け

623 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 19:21:57 ID:S0TkTgSV
投下したなら(ry

624 :割れた世界:2007/10/06(土) 19:22:00 ID:nY3gFwgw
「宇宙の、どこかにいる私の使い魔! 神聖で美しく、強力な使い魔よ! 私は心より求め訴えるわ、我が導きに、応えなさいっ!」
その日何度目か解らない爆発と共に、使い魔を切望していた少女、ルイズは倒れた。
「これはいけませんね。……仕方有りません、皆さんは先に魔法学院に戻って下さい」
魔法学院の生徒達にとって、二年生に進級するための大切な儀式である、サモン・サーヴァント。
それを担当していた教師が、儀式の部隊となった草原から魔法学院に戻るよう、生徒達に促した。
「ミスタ・コルベール」
教師は、自分の名が呼ばれたのに気づくと、声のした方に顔を向けた。
声の主は褐色の肌と燃えるような赤髪を持つ女性であった、彼女は隣国ゲルマニアでは有数の貴族であり、トリステイン魔法学院に留学しているのだった。
「ああ……ミス・ヴァリエールは私が運ぼう。できれば手伝ってくれるとありがたいのだがね。ミス・ツェルプストー」
コルベールは、ルイズの実家であるラ・・ヴァリエール家と、フォン・ツェルプストー家が、仇敵であることをを知っていた。
だが彼女はただの敵としてではなく、ルイズをライバルとして期待していたようでもある、コルベールはその真意を確認するためにもわざと彼女に協力を願った。
「ええ、かまいませんわ」
「次の授業に遅れるかもしれないが」
「この学院の授業は初歩的すぎてつまらないんですもの。それに女子寮は男子禁制ですしね」
コルベールは苦笑した、女子寮に男子を誘い込んでいるという噂の張本人が、男子禁制などと言うのだから仕方がない。
だがそれよりも、ルイズの意識が有れば『誰がキュルケなんかに世話になるもんですか』と意地を張っていたかもしれない、それが可笑しくてコルベールは苦笑いをしたのだった。

コルベールとキュルケ、そしてその使い魔『フレイム』が、ルイズを連れて魔法学院に戻ったのは夕方の事だった。
医務室に運ばれたルイズは治療担当のメイジに身体を検査されたが、問題はないと診断されたので、キュルケがルイズを寮の部屋へと運び、ベッドに寝かせた。
「……明日こそ頑張りなさいよ」
キュルケは、そう言い残してルイズの部屋を出た。

「…………………あ……」
一人部屋に残されたルイズは、蚊の鳴き声よりも細い声を出した。
涙が瞼から溢れ、つつ、と肌を伝い枕へと染みこむ。
実のところルイズには意識があった、だが、声が出ないのだ、それどころか腕も足も動かない。
ルイズは自分の身体が砕け散ってしまったような錯覚に陥っていた、サモン・サーヴァントに失敗した瞬間、突然膝にヒビが入るような錯覚を覚えた。
そして瞬く間にそのヒビは広がり、身体が縦に二分割されてしまうほどの衝撃を感じ、ルイズの身体はまるで麻痺したように動かなくなってしまった。

キュルケの背中に揺られていた時、ルイズは意識の中で何度も毒づいていた。
「なぜレビテーションを使わないの」「背負うなんて恩を売ってるつもり?」「こんなのは屈辱よ、私を侮辱するつもりなの」と。
だが、水のメイジがルイズの身体を診断し終わる頃には、意識の中で悲鳴にも似た叫びを上げていた。
「私は身体が動かないの!」「どうして解らないの、身体が動かないのよ、気絶じゃないわよ」「私に気づいてよ!」

辛うじて出てきた声は、あまりにも小さく、誰にも聞こえない。
ただ悔しさと悲しさが溢れ、涙がそれに呼応するかのように溢れていた。


ルイズの異常に気づいたのは翌日のことだった。
キュルケが朝一番に、ルイズをからかってやろうと思っていたのだが、ルイズがなかなか起きてこない。
意を決してルイズの部屋に入り込み、ルイズを起こそうとしたが、そこで異変に気づいた
ルイズは眼と唇がかろうじて動くだけで、身体の何処にも力が入っていないのだ。
左右の頬をつねり、存分に引っ張っても反応しないので、キュルケは慌てて水のメイジを呼びに行った。

625 :割れた世界:2007/10/06(土) 19:23:04 ID:nY3gFwgw
「コルベールくん、これはまずいよ、どう責任を取るんだね」
会議室に集まった教師の一人が、コルベールに冷たい視線を投げかける。
コルベールは会議室中からの哀れみと、嘲笑と、不安そうな視線を受けていながらも、顔を上げ背筋をただして席に座っていた。
「まあ、まちなさい、コルベール君だけの責任ではないわ。何人かの水のメイジも原因がわからんと言っておるからのぉ」
「しかし、これはサモン・サーヴァントを止めなかった私の責任です」
魔法学院の学院長、オールド・オスマンがコルベールを庇う。
だが、コルベール自身が己を許せないのか、ルイズの全身麻痺が自分の責任だと言い始めた。
「まあ待ちなさい、彼女の実家にはもう連絡を入れてあるわい。話はそれからじゃ……決して早まった真似をしてはいかんぞ」
「……はい」
コルベールは、両拳を握りしめて、返事をした。


「ねえ、ルイズ、しばらくこの娘が貴方の世話をしてくれるって」
そう言ってキュルケがが紹介したのは、一人のメイドだった。
「住み込みのメイドで、シエスタといいます。よろしくお願い致します」
ベッドの上で返事もできぬルイズに、シエスタと名乗った黒髪のメイドが頭を下げた。
「じゃ、私は隣の部屋だから、何かあったらノックして頂戴」
「はい」
キュルケは、後ろ髪が引かれる思いだったが、あえてそれを無視してルイズの部屋を出た。
ルイズが全身を麻痺していると知られた後、学院長の号令で魔法学院中の水のメイジがルイズの治療にかり出された。
ルイズの身体には何の問題もなく、むしろ健康体であったため、これは仮病ではないかという疑いの声も上がった。
軽く痛みを与えても、ルイズの身体は条件反射すらほとんど起こさないのだ、これはもう魔法学院では対処できないということで、急遽ルイズを実家に返すことになってしまった。
学院長であるオールド・オスマンがルイズにそれを告げると、ルイズは他の人には聞こえないほどの小さな声で嗚咽を漏らし、涙を流した。


ルイズの食事は、野菜が溶けるまで煮込まれた、栄養たっぷりのスープだった。
噛む力がほとんど残っていないと聞いた料理長が、これを考えたのだそうだ。
「飲み込めますか?」
シエスタがルイズの口にスプーンを運び、質問する。
ルイズはゆっくりと口を動かすと、スープを口の中で味わい、唾液と一緒にごくりと飲み込んだ。
「もう少しゆるくしましょうか? その方が飲みやすいかもしれませんが……」
シエスタの質問に、ルイズは眼で答える。
眼を左右に動かしたときは「いいえ」縦に動かしたら「はい」
簡単な合図だが、ルイズとシエスタを繋ぐ意思疎通の手段は、今はそれしかなかった。

その日の晩、ルイズが尿を漏らす前に、シエスタが尿瓶をあてがってくれたが、不思議と恥ずかしさはなかった。
早くもルイズは、自分の境遇に「あきらめ」を感じていたのかもしれない。


夜中、ルイズは夢を見た、隣の部屋にいるキュルケの夢だった。
彼女は肌の透けて見える下着を着て、自分のベッドに座り誰かを待っているようだった。
なぜこんな夢を見るのだろうかと疑問に思っていると、不意にキュルケの部屋の窓から、男が入ってきた。
男は窓から静かに入り込むと、キュルケのの手を取ってキスをした。
キュルケには男をくわえこんでいるという噂がある、それほ噂ではなくほぼ事実であった。
ルイズは、自分が何故こんな夢を見るのだろうと、諦めにも似たため息を出した。
男がキュルケを抱きしめ、ベッドに押し倒そうとしたが、キュルケは手で男を軽く押しのけて唇に指を当てた。
「がっついちゃ駄目よ、物音を立てたら聞かれるかもしれないわよ」
悪戯を思いついた子供のような、含みのある笑顔を見せる、男はそれを聞いて鼻で笑った。
「隣のヴァリエールのことか?はは、ゼロなんかに遠慮することはないよ、せいぜい聞かせてやろう」
男がそんなことを口にした瞬間、ツェルプストーの顔つきが変わった。
その眼は怒りが見えており、男はそれを見てたじろいだ。
「帰って」
「お、おい」
男を押しのけて、キュルケはベッドから立ち上がる。
「どうしたんだよ、キュルケ、いつもバカにしているゼロに何を遠慮するんだ」
「わたくし、デリカシーのない男は嫌いでございますの」
冷ややかな視線に気圧されたのか、それともいつの間にか手にしていた杖で焼かれるのを恐れたのか、男はすごすごと窓から出て行った。

626 :割れた世界:2007/10/06(土) 19:24:14 ID:nY3gFwgw
「………ふーっ…」
一人部屋に佇むキュルケが、大きくため息をつくと、ボサッと音を立ててベッドに座りこんだ。
「ルイズがあんなんじゃ、張り合いが無いじゃない」
そう呟いて、首だけをルイズの部屋側に向けた。
「早く、治りなさいよ」

ルイズは、これが夢だと思っていた。
だからこそ本心をさらけ出せたのかもしれない。
夢の中でツェルプストーの正面にまわり、肩に手を置こうとした。
肩に手が触れた瞬間、キュルケは肩に置かれた『何か』の感触に気づき、正面を向いてルイズを『視た』


「……!」
フッと夢から覚め、ルイズは薄暗い部屋の中で目を覚ました。
月明かりの中でキョロキョロと視線だけを動かしていると、扉がキィ…と小さな音を立てて開いた。
「ルイズ…?」
部屋に入ってきたのは、下着の上にマントを羽織ったキュルケだった。
「起きてる?」
抜き差し差し足でルイズに近寄り、その頬を軽く突っつく。
ルイズはあえて寝たふりをしてやり過ごすことにした。

「さっき、あんたが起きた気がしたんだけど…気のせいだったのかしら」
動けぬルイズの頬を、つんつんと突っつきながら、キュルケが続ける。
「早く良くなりなさいよ…あんたが居ないと張り合いがないんだから…」

そう言ってキュルケは部屋を出て行った。
後に残ったルイズは、キュルケの意外な言葉と、さきほど見た夢が夢ではないことに気づき、しばらくの間何も考えることができなかった。


翌日、魔法アカデミーの研究員である実姉、エレノオールがルイズの元を訪れた。
何人かの研究員を引き連れてルイズの身体を検査し、異常がないことを確認すると、エレノオールは”いつものように”ルイズの頬を掴んで左右に引っ張った。
「このおちび、何とか言ってみなさい、ほらほら」
脇の下や足の裏をくすぐっても、ルイズは反応しない。
ただ眼をキョロキョロと動かすだけのルイズを見て、エレノオールの眼からも自然に涙が溢れてきた。

ルイズは、もう一人の姉であるカトレアのことを考えていた。
カトレアは生まれつき病弱で、誰かと結婚できたとしても跡継ぎを産めるか解らないほど身体が弱い。
魔法学院で一人前のメイジになって、姉を治してやりたいと考えていたルイズだったが、自分がこんな目に遭うとはまったく思っていなかった。
それを考えると目の前で涙を流すエレノオールに申し訳なくなり、ルイズは小さな声で「あ……う……」と声を漏らしたのだった。


エレノオールは学院長との話し合いで、二日間は魔法学院でルイズを預かって欲しいと頼んだ。
ルイズを実家に送るためには、揺れの少ない馬車を手配する必要があると判断したのだ。
そのためあと二日の間、ルイズは魔法学院で過ごすことになった。

エレノオールが帰った後、シエスタはかいがいしくルイズの世話をした。
風呂に入れないため、身体を清潔にするには拭くしかないし、食事もスープしか食べることはできない。
幸いにも、視線、口、排便、排尿だけはある程度ルイズの自由になったので、ベッドを糞便で汚すこともなかっった。
それでも尿瓶を使わなければ排尿もできないので、十分屈辱的だと思えたが、二日目になるとルイズもシエスタに感謝するようになっていた。
口には出さなかったが、シエスタは老齢の曾祖母を介護していたことがある。
ある程度なら、寝たきりになった人でも何を望んでいるのかが解るのだとか。
シエスタが居なければ食べることも何もできない、それを十分に理解したルイズは、改めて自分の貴族らしさを考えた。

忠孝には、報いるところがなければいけない。
シエスタが自分の世話をしてくれたことに対して、何らかの礼をしなければ、自分は貴族として本当に失格になってしまうと、ルイズは嘆いた。

627 :割れた世界:2007/10/06(土) 19:25:15 ID:nY3gFwgw

真夜中になり、ルイズは肌寒さを感じた。
昼間は少し暑いぐらいだったので、シエスタが窓を少し開けておいてくれたのだが、夜中になると思ったより冷え込む。
先ほどから降り始めた雨がだんだんと強くなり、ザァザァと地面や屋根を叩く音が聞こえてきた。
風は吹いていないが、雨のせいで気温が低くなっていると解った。。
自分に魔法が使えたら、窓を閉めるぐらいはできただろうかと思うと、扉の向こうから誰かの声が聞こえてきた。
ルイズの部屋の扉が静かに開かれ、中に入ってきたのはシエスタだった。
シエスタが足音を殺しながらルイズの部屋の窓を閉じると、廊下にいたキュルケがシエスタを手招きした。

「ちょっといいかしら」
「は、はい」
部屋の扉が閉じられると、静寂がルイズを支配した。
扉の外で、二人は何をしているのだろうと気になり、ルイズはその方向へと『意識を向けた』
ふわりと、石膏細工のように砕けた身体が、自分の身体から抜け出ていったような気がした。


廊下ではシエスタとキュルケが、小声で話をしていた。
「ルイズの容態って、どうなの?」
身体を性的に演出するような下着ではなく、装飾の少ない地味目のナイトドレスを着たキュルケが、シエスタに耳打ちした。
「私にはよく解りませんが、昨日から何も変わっていないと思います」
「そう……呼び止めて悪かったわね」
そう言って部屋に戻ろうとするキュルケを、今度はシエスタが呼び止めた。
「あの」
「何?」
「ミス・ヴァリエールを、気にかけてらっしゃるのですか」
「なんでそんなこと聞くのよ」
「も、申し訳ありません、その、オールド・オスマンから『隣の部屋と仲が悪いから気をつけろ』って注意されました」
「まあ、それは否定しないわよ」
「でも、私が来なければ、きっとミス・ツェルプストーがミス・ヴァリエールの部屋に入って、窓を閉めようとしたのかな…と思いまして。申し訳ありません、変なことを聞いてしまいました…」

頭を下げるシエスタを見て、キュルケは少し寂しそうに笑みを浮かべた。
「ルイズには内緒よ、あの子意地っ張りだから。貴方が来てくれて良かったわ」
「もったいないお言葉です」
「じゃあ、お休みなさいね…」

そう言ってキュルケが部屋に戻ると、突然、ドォンという音と共に、魔法学院全体を揺らすような地響きが伝わってきた。


「何!?」
キュルケがその音が異常だと気づき、慌てて窓から外を見た。
すると魔法学院の宝物庫の方に、何か巨大なモノが動いているのが見えた。
「あれは、宝物庫?」

そこで最近噂になっている盗賊のことを思い出した、土くれのフーケという盗賊が、有名貴族の宝物庫に忍び込み、宝物を盗んでいるという話だ。
何百というメイジのいる魔法学院の、宝物庫を狙うような盗賊と言えば、それぐらいしか思い浮かばない。
キュルケはドレスの上にマントを羽織ると、窓を強く開け放ち雨の降る外へと飛び出た。
「安眠妨害なんて無粋じゃなくて?」
そう言いながら、宝物庫の壁を叩く巨大なゴーレムを見据える。
よく見るとゴーレムの肩には誰が人間が立っていた、おそらくそれがゴーレムを操る張本人だろう。

「意外と早く見つかっちゃったわね」
ゴーレムの肩に乗った人物は、キュルケの姿を見て毒づいた。
「あれは『微熱』のキュルケね…トライアングルだろうが、この雨の中で火のメイジがどんなものさ!」
ゴーレムの肩に乗った人物は、雨の中自分に立ち向かってくるキュルケに、攻撃対象を変えた。


628 :割れた世界:2007/10/06(土) 19:26:18 ID:nY3gFwgw
雨の中でも一向に勢いを衰えさせない炎が、土くれのフーケに向けて放たれる。
濡れたゴーレムの表面を、舐めるように炎が流れるのを見て、フーケは舌打ちした。
慌ててゴーレムの身体を波打たせ、炎を散らす。
だがその時既にもう一発のフレイム・ボールが土くれのフーケめがけて放たれた。
フーケは濡れたゴーレムの土で自身の身体を包み込み、炎をやり過ごす。
そして巨大なゴーレムの身体をいくつもの石つぶてに変え、勢いよく腕を振る。
するといくつもの石つぶてが雨に混じってキュルケへと降り注いだ。
キュルケはフライの呪文を唱え、地面を滑るように移動して石つぶてを避けた。

土のトライアングルであるフーケと、火のトライアングルであるキュルケの戦いは、まさに命の奪い合いであった。


ルイズの意識はいつになくハッキリしていた。
自分ではない『誰か』の視点で、窓から外を見つめる。
キュルケが巨大なゴーレムと戦っているが、ゴーレムを操るメイジの方がキュルケより上手だと見受けられた。
炎を操り果敢に攻めていたキュルケも、だんだんとゴーレムに追いつめられようとしていた。

意識を集中させれば、まるで風系統の『遠見』のように、キュルケとフーケの戦いがハッキリと見えた。
ハッキリと見えるからこそ、キュルケが追いつめられているのだと理解できたのだ。

(ツェルプストー…!)
「つ  ……と……!」
魔法が成功しない、ゼロのルイズという不明よな称号を与えられて以来、こんなに魔法を切望したことはない。
宿敵とか、ライバルとか、そんなことはもうどうでもよかった。
キュルケに加勢したいと、心から切望した。

砕け散ったはずの身体が、震える心と共に修復されていく。
左右に分かれた身体、砕かれた足の隙間が埋められていくのが解る。
心の震えに合わせて、毛布の中でルイズ左手が輝きだした。


「早まったかしら、ねっ!」
キュルケは毒づきながら、ゴーレムの腕を避けた。
ゴーレムの腕は鉄の鎖に練金されており、まるで鞭のように広範囲の地面を叩いていく。
一発でも食らえば身体がズタズタになるのは目に見えていた。
キュルケの炎なら鉄を溶かすことなど容易いが、相手は土系統のエキスパートらしく、鎖には『固定化』がかけられており、魔法による炎でも簡単には溶かせないようだった。
「鎖にばかり気を取られていいのかい!」
「!?」
キュルケは足が不自然に沈むのを感じた。
いつの間にか地面が不自然に盛り上がり、キュルケの足を捕らえていたのだ。
「これで終わりだよお嬢ちゃん!」
ゴーレムの腕がキュルケに向けて振り下ろされる、その瞬間、キュルケは死を覚悟した。


ズドォン、と大きな地響きを立てて、ゴーレムの腕が地面をえぐった。
「………?」
キュルケは自分に振り下ろされるはずだったゴーレムの腕が、見当違いの場所を叩いているのを見て、しばし呆然とした。
それはフーケも同じだった、ゴーレムの腕は地面を叩いたのではなく、地面に落ちていたのだ。
何か巨大なパワーがゴーレムの腕を吹き飛ばしたのだと、フーケは感じていた。
だからこそ『ウインド・ブレイク』で腕を吹き飛ばされたのかと思ったが、どうやら違うらしい。

なぜなら、キュルケの隣に立ち、寝間着姿で自分を見上げている少女が、『ゼロ』と呼ばれているのを知っていたからだ。

「ルイズ!あんた」
キュルケがルイズの名を呼ぶと、キュルケの足下の泥が抉られるように左右に吹き飛んだ。
「別に、あんたを助けようと思った訳じゃないんだからね!安眠を妨害されて、ちょっと怒っただけよ!」
視線をフーケから外さずルイズが言い放つ。
その迫力に、キュルケの心もまた、喜びにうちふるえた。
よく見るとルイズの身体は泥にも雨にも濡れていない、まるでルイズの身体を避けて雨が降っているよう…
いや、ルイズの身体を、見えない何かが包み込んでいると言った方が適切かも知れない。

629 :割れた世界:2007/10/06(土) 19:28:32 ID:nY3gFwgw

「援護して!」
キュルケにそう言うと、まるで『フライ』でも唱えたかのようにルイズの身体が宙を舞う。
ルイズの蹴った地面が、爆発したかのように泥をまき散らした。

フーケがゴーレムの腕でルイズを捕らえようとするが、ルイズに接近した途端ゴーレムの腕が跡形もなくバラバラに吹き飛ぶ。
「無駄、無駄よ!」
ルイズは自分とフーケとの間にあるモノすべてを吹き飛ばしつつ、フーケに接近した。
「ひっ」
凄みとでも言うのだろうか、ルイズの放つ異様なオーラに恐れおののいたフーケは、残り少ない精神力を振り絞って鉄の壁を作った。
ルイズの突撃を防ごうとした苦肉の策だったが、それは明らかな失敗だった。

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァーーーーーーーーーッ!!!!!」

ルイズは厚さ20サントの鉄の壁を、まるで石膏細工のように粉砕した
「うぐぅっ!?」
勢いよく弾かれた鉄の破片を、勢いよく身体に受けて、土くれのフーケは宙に浮いた。
「……」
ぱくぱくと口を動かしながら地面へと落下し、土くれのフーケは意識を手放した。



崩れたゴーレムの上に、ドシャッ、と音を立ててルイズが着地すると、キュルケが駆け寄ってきた。
ルイズの左手についたルーンが発光を止めると、ルイズの身体は糸が切れた人形のように地面へと倒れた。
「ルイズーッ!」
キュルケがルイズを抱き起こす、ルイズの身体は力を失ってぐったりとしていた。
「ルイズ!ルイズ!ルイズ!ルイズ!」
心配してルイズの名を連呼するキュルケに、ルイズは辛うじて聞き取れるような細い声を出して、返事をした。

「ちょっと…漏らしちゃった…わ……汚い……から……触ら…なくて…いい」
何が汚いものか、何が遠慮することがあるのかと言葉で出す代わりに、キュルケはルイズを抱きしめた。



雨の音に混じって風の音が聞こえると、雨脚が急に弱くなり、雲の切れ目から月が顔を覗かせた。
月明かりを受けたルイズは、暗闇に光が差し込む晴れ晴れとした気持ちを感じていた。

弱々しいルイズの腕がキュルケを抱きしめる。

互いに抱きしめている相手は、もはや仇敵ではない。

良きライバルとしてお互いを認めた二人は、この『世界』の運命の歯車がガッチリとかみ合うのを実感した。




=============

投下終了。
承太郎に砕かれたスタープラチナを召喚でした。

630 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 19:29:33 ID:I0QT3CCL
支援

631 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 19:37:42 ID:XtET4q/r
>承太郎に砕かれたスタープラチナを召喚でした。
ザ・ワールドじゃあないのか?
しかしGJ

632 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 19:53:22 ID:I0QT3CCL
そういえばスタプラじゃないよな・・・
ともかく乙

633 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 19:56:18 ID:tgsD6cBi
星じゃなくて世界じゃなかったっけ?
それはともかく乙。

634 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 20:11:21 ID:Om31Fpbr
やっぱキュルケはいいおなご。GJ!

635 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 20:20:37 ID:KjLsD2Z9
やっべまた間違えた
最後でミスするなんて…
ごめん

636 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 20:21:38 ID:CGnxeK+4
GJ!これはいい短編だ・・・

637 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 20:33:57 ID:yAJgu4s9
スタンド召喚はわりとありふれた内容になりつつあったが、そこまでの溜めが素晴らしかった。感動した!
この後のシエスタやキュルケとの関係を考えると長編もいけそうな気もするが、妄想で留めておくのが短編の味わいかw
何にせよ、こいつはグッジョブのG!
パワー+時止め+10メートルの射程に晒されるこの世界のワルド涙目www

638 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 20:50:44 ID:o0PFr9Ce
こ、これは久々に良い短編…!
GJ!そして特殊『世界』ッ!
この短編は皆の記憶の中で時が止まったように輝き続ける…ッ!

639 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 20:57:57 ID:QFlzIiqK
GJ!
面白かった!!

エレオノールにちょっとだけ共感しちゃったよ・・・

640 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 21:04:11 ID:IHv6gZlg
ここのwikiってもう機能してないのか?

641 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 21:47:08 ID:mte9j+dp
>>640
どこをどう見たらそんな風に思うんだ

642 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 21:48:16 ID:aBFEi4tA
>>640
昨日の分も立派に更新されてますぜ

643 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 22:33:22 ID:/cFIvfTi
久しぶりにまとめを見た→贔屓にしてたSSが更新されてなかった→もう機能してないのか?

644 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 22:38:46 ID:u+scPfBh
時間停止(8〜9秒、初期は日に一回程度)中のみ、活動可能(筆談によってコミニケーション可)。
時間停止中及び、睡眠中のみ、スタンドで周囲への、知覚・干渉が可能。
精神状態によって、停止世界に仲間を連れ込める。

等の妄想が頭の中を駆け巡った
(酒入ってるんで『それもう世界じゃない』とかは気にせんといてください)
GJ!

645 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 22:39:02 ID:2wsNfK4j
宣伝
アニメキャラバトルロワイアル
http://www23.atwiki.jp/animerowa/
ゼロの使い魔が出てるし、SS好きなら見といて損なし
面白かったら、
アニメキャラバトルロワイアル2nd
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9783/
こっちもよろしく

646 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 22:41:06 ID:Gl6WMe4+
>>645
……どうでも良い事だな。むしろスレ容量の無駄遣い。

647 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 23:19:29 ID:5hsoDxYj
むしろ、完全スルー推奨でもある

648 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 23:36:31 ID:QFlzIiqK
ねえ、ひとつ質問していい? ちょっとした質問。
バトロワって、いったい何が楽しいの?
登場キャラをただ殺し合いさせてるだけでさぁー。

まあジョジョも出てきたキャラの半分以上が死んでるんだけどね

649 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 23:40:05 ID:S0TkTgSV
ジョジョの奇妙なバトルロワイアル第9部
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/event/1190203692/
なぜこっちも宣伝しない

650 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 23:40:59 ID:o0PFr9Ce
>>648
部外者の俺からするとどういう展開で戦う…言ってみれば殺しあうのかが白熱するだろ
それが楽しいんじゃないか?

ところでゼロ魔風のジョジョキャラってどんな感じだ

651 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 23:42:37 ID:30Cc0PeP
むしろ、宣伝自体が問題だと思われるが………

652 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 23:48:31 ID:rQCpBNeq
>>650
ゼロ魔の絵柄で何事もなく進行するジョジョキャラたち
もしくは妙にエロかったり馬鹿な事に能力を駆使するジョジョキャラたち

653 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 23:50:12 ID:QFlzIiqK
>>650
結局、仲間を作ってもバッドエンド確定でしょ?
だからちょっと読む気になれないんだわ。


>ところでゼロ魔風のジョジョキャラってどんな感じだ
つまり、

ツンデレで、どもりまくりな承太郎
スケベなジョセフ
非スタンド使いに決闘を仕掛けるポルナレフ
男なら見境無く食っちまうアヴドゥル

って感じか。

654 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/06(土) 23:58:13 ID:/cFIvfTi
>>653
>スケベなジョセフ
普通にスケベな件

655 :初代スレ506:2007/10/07(日) 00:06:03 ID:XAClCwbg
15分に投下してもー?

656 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 00:07:54 ID:vYhRYKpw
いいともー

657 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 00:11:59 ID:Cx4h3Rn6
きゃもーん!
その速筆、少しでイイから分けて欲しいぜ

658 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 00:14:17 ID:lMFETiTK
さあどうぞ!

659 :使い魔は静かに暮らしたい:2007/10/07(日) 00:15:09 ID:XAClCwbg
猫を肩に乗せながら壁に寄りかかり、デルフと他愛もないことをだらだらと喋る。
喋るといっても大部分はデルフしか喋っていない。私は相槌をうったり、たまに意見を言うぐらいだ。
「あんときゃ大笑いしたぜ。武器屋の親父の情けねえ顔ってったらな「ヨシカゲー!」お、どうやら嬢ちゃんが帰ってきたみたいだぜ」
デルフに言われるまでもなく、私はその姿を目視していた。何せデルフとの会話中にいきなり無粋な声が聞こえてきたのだ。
誰だこの野朗と思い声が聞こえてきた方向を見るのは当然だろう。
ルイズはこちらに全力疾走して来ていた。さっきの使者のように、もしかしたらそれ以上に慌てた様子だ。一体どうしたのだろうか?
そしてすぐに私の前に立ち止まった。
「どうしたルイズ。そんな血相を変えて走ってきて。もしかして貴族制が崩壊でもしたのか?」
絶対にありえないだろうけどな。
ルイズは私の質問には答えず、乱れていた息を整えていたがやがて息が整ったのか勢いよく私を見上げてきた。その顔はまさに真剣そのもので冗談など挟む余地もなかった。
その顔を見て、さすがに片手間で聞くような話題ではないと判断し、デルフを喋らせないように鞘におさめ、体勢を整えルイズの方へ顔を向ける。
「ヨシカゲ、よく聞きなさい。姫さまの結婚式は中止よ。アルビオンがトリステインに宣戦布告してきたわ」
「……は!?宣戦布告だと!?アルビオンが!?」
んなバカな!?宣戦布告ってことはアルビオンと戦争するってことじゃねえか!
「ちょ、ちょっと待て!俺はアルビオンとは不可侵条約を結んだって聞いたぞ!なのに宣戦布告ってのはどういうことだ!?」
「知らないわよ!わたしに聞かないで!わたしだってなにがなんだかわからないんだから!」
ちっ!戦争だと!?冗談じゃねえ!アルビオンめ、内戦だけで我慢できねえのかよ!
しかし、始まってしまったものは仕方がない。戦争なんてものは個人で止められるような喧嘩じゃないからな。止めようと思うのがそもそもの間違いだ。
こういったときは何とか生き残ろうと思わなければならない。生き残り戦争をやり過ごすのだ。そうすれば平和はまたやってくる。
私はトリステインという国に愛着なんて持ち合わせていない。この国が戦争に負けてアルビオンになろうと知ったことか!私の周りが平和ならそれでいいんだ!
「アルビオンの軍は今タルブの草原に陣を張ってるらしいの」
ルイズの顔は俯いていて見ないが、声が震えている。何かを我慢しているようだ。
「タルブの草原……」
タルブの草原と言われ、思い出すのはあのときの見た夕焼けに彩られた草原だった。
あそこがタルブの草原といわれているのかどうかは知らないが、タルブの村のすぐ近くにあるのだからあそこがタルブの草原かもしれない。
「それで……それで、敵の竜騎兵がタルブの村を焼いてるって……」
「タルブの村を!?」
驚かないわけがない。あの村にはつい数日前まで滞在していたのだ。私もルイズも世話になった。
私にとっては自身の人生が変わったところでもある。そんな思い出の場所が今蹂躙されているのだ。そう考えると心の奥からひとつの感情が湧き出してきた。
「……ヨシカゲ。ゼロセンって空を飛べるのよね。どれくらい速いの?馬よりも速いの?」
「タルブに日帰り旅行できるくらい速いさ」
「それじゃあわたしをゼロセンでタルブの村まで連れて行って!」
ルイズは勢いよく顔を上げるとはっきりとそう言い切った。
「何しに行くつもりだ?村人を助けるってか?それともアルビオン軍に戦いを挑むのか?どっちも出来るわきゃねえだろ!死にに行くようなもんだ」
「でも、シエスタたちを助けなきゃ!」
「お前にそれだけの力があるのか?シエスタたちを助けるってことは敵を倒さなきゃいけないってことだ。シエスタは敵陣にいるわけだからな。
だが、戦争ってことは敵も相当な戦力を投入してきているだろう。それを打倒する力をお前が持ってるのか?持たずに行きゃ犬死確実だぜ」
「確かに助けられる可能性はほとんどないわ。でも、ゼロじゃないわ!ほんの少しでも可能性はあるはずよ!ヨシカゲは!シエスタたちを助けたいと思わないの!?
またあの景色を、村を、村の人を守りたいと思わないの!?」

660 :使い魔は静かに暮らしたい:2007/10/07(日) 00:17:18 ID:XAClCwbg
私の中で湧き上がった感情は瞬く間に心全体を覆っていく。体を侵食していく。感情の正体は、
「思わないわけはない。あそこで過ごしたときのことは片時も忘れることはない、私の思い出だ。美しい私の思い出だ。
また村へ行ってみたと思っているし、景色も見てみたいと思っている。それらがなくなるのは確かに悲しい、惜しい、悔しい。だけどな、死ぬよりはマシだ」
感情の正体は、諦めだった。
「ルイズ、お前は助けられる可能性がゼロじゃないって言ったな。それは間違いだ。助けられる可能性はゼロだ。何故なら助けに行けば、助けに行った奴が死ぬからだ。
アルビオンっての空に浮かんでる国だったな。ってことは空を飛ぶ船がごろごろあるわけだ。それも戦闘用のな。戦争するならそれらを引き連れてくるだろう。
きっとメイジもいるだろう。相手はこっちを魔法でガンガン攻撃して来るんだ。竜騎兵もいるって言ったな。竜なんてまともに戦ったら勝ち目なんかあるわけがねえ。
そんな中に飛び込んで行って可能性がゼロじゃない?笑わせんな!お前がすげえ強いメイジなら可能性もあるだろうな。でもお前は魔法が扱えない!
伝説の『虚無』って魔法に戦局を変えるほどの力があるかもしれないなら、村へ連れて行ったかもしれない。お前は『虚無』の系統だからな。
だが、お前は『虚無』の力を何一つ使えない!そんな奴のために命をかけるなんて俺にはできねえ!俺は、死にたくないんだ!『幸福』になりたいんだ!死んでたまるか!」
みるみるうちにルイズの目に涙が溜まっていく。結構直球で否定したからだろうか?どうでもいいけどな。
自分の命の安全が保障されるなら、たとえそこがどんなに大事なところであろうとも、諦めることができる。この世に自分の命ほど大切なものがあるだろうか?
……無いに決まっている。
「諦めろルイズ。お前が行ってもなにも変わらない。お前は貴族というだけで平民と変わらないだから」
「貴族……そうよ、わたしは貴族よ」
ルイズはぼそりとそう呟く目に溜まっていた涙を拭き取り、私の胸倉を掴む。そしてそのまま私を引き寄せた。反動で猫が肩からずり落ちる。
それほど体に力を入れていなかったため、いとも容易くルイズの眼前に引き寄せられてしまう。なんだってんだ?
「わたしは、あんたが言うように貴族なのよ!だったら!国を、国に住む人たちを、守るのは当然だわ!それは義務なのよ!あんただって前に自分でそう言ったじゃない!
自分の国の貴族はその義務を放棄したから貴族じゃなくなったって!それにわたしは誓ったのよ!義務じゃない、自分の心の底から守るって!
でも、これじゃあまた見てるだけ。見てるだけはもういや!あんたが連れて行ってくれないならそれでもいいわ!そのかわりゼロセンの飛ばし方を教えなさい!
わたし一人で行くわ!」
ちっ!このガキが!
「無茶言ってんじゃねえ!飛ばし方を1時間教えたところでお前に戦闘機が飛ばせるか!」
「やってみなきゃわからないでしょ!」
「わかるんだよ!だからあ「もう諦めろよ相棒」きら……デルフリンガー?」
「今の声誰?」
なぜデルフが喋れるんだ?そう思いデルフを見ると、完全には鞘に収まってなかった。だからぎりぎりだが喋れたのだ。失態である。
「相棒の負けだって。もう嬢ちゃんになに言っても無駄だな。このままじゃゼロセンも勝手に弄くられて壊れるかもしれねえぜ」
「だからって、わざわざ死にに行けってか?ふざけるな」
「んなこと言ってねえだろ。最後まで聞けよ相棒。おい嬢ちゃん。祈祷書のページをめくりな」
「え?」
「お前さんが必要としていればそいつは読めるはずだ。読めりゃ、相棒も村までゼロセンを飛ばしてくれるかもな」
「わたしが必要としていれば、読める」
それを聞くと、ルイズは私の胸倉を離し、ポケットから『水』のルビーを取り出して指に嵌めた。そして左腕に抱えていた祈祷書を両手に持つ。
その瞬間、『水』のルビーと『始祖の祈祷書』が光りだしたのだ。
「な、なにこれ!?」
「光ってる……」
「ほれ、さっさと読めって」
ルイズは気を取り直し、祈祷書のページをめくった。そしてすぐめくるのをやめる。
「読める部分が増えてる。これが、わたしの必要としてる呪文なの?」
「いったい何が読めるようになったんだ?」
「『初歩の初歩の初歩。【エクスプロージョン】』」
「エクスプロージョン?」
エクスプロージョンって言ったら確か、英語で爆発って意味だ。初歩が爆発の魔法ってなんだよ。
爆発なんていつもルイズがしてるじゃねえか。それとも規模が違うのか?戦局が変わるくらいの力を持っているのか?

661 :使い魔は静かに暮らしたい:2007/10/07(日) 00:18:21 ID:XAClCwbg
「……ジュー・ハガ…………オークン・イル……」
ルイズはさっきからなにらぶつぶつと呟いている。おそらくその『イクスプロージョン』の呪文なんだろうがな。
「相棒、『エクスプロージョン』は強力だぜ。俺が保障する」
「お前が保障しても信用しきれん」
「ひでえ」
まあ、デルフがそう言うのなら信用はできるがやはり心配だ。しかし、なんでデルフは祈祷書のことを知ってたんだ?それに『虚無』のことも知っているみたいだ。
「ヨシカゲ、お願い。わたしを村へ連れて行って。きっと何とかできるから」
「お前は死ぬのが怖くないのか?」
「怖いわよ。シエスタたちはもっと怖い思いをしてるはずよ」
……デルフが言うように本当に何を言っても無駄らしい。仕方が無い。
「……もし、命が危ないと思ったら逃げるからな」
「それじゃあ!」
「連れてってやるよ」
実際飛ばすのにもいい機会かもしれない。やばいと思ったら逃げればいいんだし。いくら竜でもゼロ戦にはそう簡単に追いつけないだろうからな。
まったく、ルイズめ。デルフに感謝しろよ。口が裂けてもそんなこと言わないが。
そんなことを思いつつ私はデルフを持ち、コルベールの研究所へ歩き出した。ルイズももちろんついてくる。
「どこ行くのよ。ゼロセンはこっちじゃないでしょ?」
しかし、疑問があったようだ。まあ、全然別の方向へ行ってるんだから当たり前か。
「ゼロ戦は燃料が無けりゃ飛ばないんだ。だから燃料を取りにいかにといけないだろ」
どうせコルベールなら必要分の燃料ぐらい作っているだろう。作れてなかったら作れてないでいけない理由ができる。
さあ、どっちだろうな?

662 :使い魔は静かに暮らしたい:2007/10/07(日) 00:19:24 ID:XAClCwbg
「うおー、飛びやがった!おもしれえな!」
「すごい……。ほんとに飛んでる!」
ゼロ戦は空を飛んでいた。私は帽子を外し、シエスタの父からもらったゴーグルを身につけている。
ルイズは座席の後ろに乗っていた。本来ならそこには無線機があるのだが、この世界では無用なものであるため、軽量化をかねて取り外していたのだ。
どうやって乗るか疑問に思っていたが、まさかそんな場所に乗るなんて思いもしなかった。
今、空を飛んでいるということはコルベールが燃料を必要分作っていたということだ。
喜んでいいのか悲しんでいいのか微妙な気分だ。デルフやルイズほど素直に感動できない。これから戦場へ行くのだから当然だ。本当に大丈夫なんだろうなデルフ?
そんなことを思いながら、ルイズにタルブの村の方角を聞きながら私はゼロ戦をな飛ばし続けた。
飛ばし続けると、やがて黒い煙が見えてきた。火事やなんかでよく見られる類の煙だ。おそらく村が燃えているのだろう。
案の定、村は跡形も無く燃えていた。原形を留めている家などここからでは一つも確認出来ない。森も草原も燃え上がりあのとき感じた美しさなど微塵も感じられない。
それ見て私は多大な寂しさと一抹の恐怖を感じた。寂しさは失われた風景を思って、恐怖は燃え盛る村を見てだ。
燃え盛る炎とちらほらと見える竜がここが戦場だということを感じさせ恐怖してしまう。隙を見せれば死ぬとわかってしまう。
それでも一抹であるということは、それほどすぐに逃げれるだろうという自身の表れだった。しかし、念を入れさらに高度を上げなるべく敵に見つからないようにする。
音で気づかれるだろうが、見つからないようにするのにいき過ぎは無いだろう。
「村が……」
ルイズが悔しさを滲ませた声で呟く。が、そんなことを気にしている時間は無い。さっさとけりをつけなければならない。
そう思っているとき、眼前の雲の隙間から、巨大な船を見つけた。いや、船ではない。もはや戦艦だ。異常に馬鹿でかい戦艦が空に浮かんでいるのだ。
「相棒、あのでかいのが親玉だ。あいつをやりゃあ、戦局が変わるぜ。相棒じゃ無理だけど」
「……無理だ無理。あんなのに勝てるわけが無い。さっさと引き返そう」
しかもその巨大な戦艦よりは小さいものの、やはり戦艦と呼べる船が他にも多く浮かんでいる。何も言えなくなるような威圧感を持つ艦隊だった。
「なに言ってるのよ!今更引き返すなんて!」
ルイズが私の言葉に反発し叫んでくる、五月蠅い!お前はあの艦隊が目に入らないのか!?
「ふざけんな!あんなのに勝てると思ってんのか!無理に決まってんだろ!それに命の危険を感じたら逃げるって言っただろうが!」
「そんなの戦ってみてから決めなさいよ!とにかくあの巨大戦艦に近づけて!」
「無茶言いやがって!前に見た船にも大砲がついてたんだ。戦艦だから当然あれにもついてはずだ。でかさからしてかなりの数ついてるだろうと予測できる。
そんなもんにどうやって近づくんだ!」
近づいたら最後、砲撃でバラバラにされてしまう!
「相棒、上か下だ。俺の勘じゃ上だな」
デルフが突然そう呟く。
「こいつをあの船の真上に持っていきな。空じゃ大砲を上に向ける意味なんてねえだろ?そこが死角だ。んで、そこまで行ったらあとは嬢ちゃん次第だ」
「ヨシカゲ!真上よ、あの戦艦の真上まで行って!」
クソッ!デルフめ!余計なこといいやがって!お前が言うと断りづらいんだよ!
嫌々ながら、巨大戦艦へと近づいていく。するとルイズは座席の後ろから隙間をくぐり前に出てきた。なんだ一体!?
そして私の前までやってきた。
「なにやってんだ!前が見えない!」
ルイズは私の言葉に反応したのかどうかわからないが開いていた私の間に座った。うざったい!
「相棒、真下から4騎くるぜ」
「ちっ!やっぱりか!」
ついに気づかれたらしい。ここからでは見えないが、デルフの言葉言う通りならしたから4騎竜が来ているのだろう。
追いつかれないように全速力で戦艦の上を目指す。

663 :使い魔は静かに暮らしたい:2007/10/07(日) 00:20:29 ID:XAClCwbg
「続いて7騎。右下から上がってくる。左下からも5騎きたな」
「……どうやら引き返すって選択肢が消えたようだなチクショウ!」
「安心しな相棒。この速度ならあいつらは追いつけねえ。真上まで攻められることなくいけるさ」
そんなこと知っても気休めにしかならないが、ありがたく聞き入れとくよ。
そして予想より速く戦艦の真上へつくことができた。さすがゼロ戦、最高時速500qを超える速さを持つだけある。
「はええな〜おい。これじゃあドラゴンが止まってるみてえだぜ」
デルフの呟きを聞きながらその場で旋回し始める。デルフの予想通り大砲が飛んでくることは無かった。
しかし、問題は竜騎兵だ。引き離したとはいえ追ってきている。早くこの場から逃げなければならない。
ルイズに声をかけようとした瞬間、ルイズは突然私の肩に跨り、風防を開け放った。猛烈な勢いで風が吹き込んでくる。
ゴーグルをしていなければ目すら開けられないだろう。
「なにをしてるんだ!早く閉めろ!寒い!」
ルイズはそんな私の言葉を無視し、祈祷書に書かれているであろう呪文を詠み上げ始めた。わざわざ防風を開ける意味があるのか?普通に唱えればいいだろうが!
「相棒。右から10騎、前から5騎だ。もうすぐ来るぞ」
ついにきやがったか。
竜の姿がちらほらと見え始める。そしてその多さにゾッとする。勝てるわけがない。あんな大群に勝てるわけが無い!
竜に機関砲が利くのか?機銃が利くのか?とても利くようには見えない!
「相棒、あいつらのブレスを浴びるなよ。一瞬で燃えちまうぜ」
竜が近づいて来るに連れてもう一つ見えてくるものがあった。それは竜に乗る人間だった。そうだった、奴らは竜じゃあない。竜騎兵だ。
それなら人間を殺せば竜は統率力を失うはずだ。そう結論をつけた瞬間、一気に急上昇する。
そして向かってきていた竜の一群に向かって急降下しながら人間に狙いをつけて機関砲を発射した。
発射した機関砲弾は乗っていた人間をバラバラに引き裂き、竜の翼ももぎ取る。さらに機関砲をうち次々と竜と人間を始末していく。
なんだよ。そこまで強いわけじゃないじゃないか!竜はちゃんとした道具と手段をもって相手をすれば決して叶わない相手じゃない!
それがわかると、竜に対する恐れが無くなり一気に冷静になる。機関砲の弾を心配する余裕すらできたほどだ。
一度の攻撃で6騎も落とすことができた。敵もこちらを恐れてか散会する。これでいい。私の目的は倒すことじゃない。時間稼ぎだ。弾も温存したいしな。
そう思った矢先、私は光に包まれた。
そして光が収まり初めに見えた光景は、燃え盛る艦隊だった。いったい何が起こったんだ!?
「おいおいおいおいおいおいおい!なんだこれは!?なにがどうなってやがる!?」
まさか!自分の肩に乗っている少女の服を掴むとj無理やり引き下ろす。
「きゃっ!」
「ルイズ!お前が、お前がやったのか!?これはお前がやったのか!?これが『虚無』か!?」
「そ、そうよ。あと休ませてくれない?疲れたわ」
ルイズはそう言うと私に寄りかかり目をつぶった。眠ったわけではないだろう。こうして飛んでいる間にも戦艦が次々と地面へ落ちていく。
私は近くに敵がいないことを確認し、学院へ向けゼロ戦を飛ばし始めた。
「デルフリンガー」
「ああそうさ。あれが『エクスプロージョン』さ。ま、あんなでっかいのは一年に一度撃てるか撃てねえかだけどな」
「そうか」
それを聞き私はルイズを殺そうかどうか悩み始めた。あんな力を自分に向けられたらひとたまりも無い。ルイズが自分に使わないとも限らない。
なら使われる前に殺してしまおうか?
そんなことを本気で考えるほど私はルイズに、ルイズの力に恐怖を抱いていた。

664 :初代スレ506:2007/10/07(日) 00:21:38 ID:XAClCwbg
以上。

3巻はこれで終わりです。それほど盛り上がらなかった……


665 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 00:21:58 ID:lMFETiTK
支援

666 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 00:25:38 ID:u3QIcO1n
GJあっさりと締めたが、吉良がルイズに敵意を向け始めたな…
ルイズを信じてやれよ!

667 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 00:28:28 ID:lMFETiTK
吉良乙です!
なんだかまた物騒な事になってきましたね…どうなるんだろ

668 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 00:30:14 ID:4vwLwonK
GJ!!

虚無も危険だが、キラークィーンも十分危険だぞ………
証拠無し爆殺とか、接触弾とか………

669 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 00:36:33 ID:oMsxFGKg
そういえばワルドて死んだんだっけ?

670 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 01:02:14 ID:mmNRlnfm
キラークィーンって大きさの限界ないのかな?
もし限界無しなら虚無より怖いぞ船とか爆弾にして特攻とか…
…あれって触れてる人間と爆弾にした対象だけが消し飛ぶんだっけ?

671 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 01:08:00 ID:cIvOuG6r
>>670
接触弾は爆弾に触ったものが消し飛ぶ。爆風はなし。
スイッチ爆破は爆弾が爆発する。爆風でダメージあり。

こんな感じだったと思う。
大きい船を爆弾に変えて爆破すれば簡易エクスプロージョンくらいにはなるんじゃないか。

672 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 01:28:30 ID:tQjt/8KG
吉良GJ!
大きすぎるものは爆弾にできなんじゃないか?できたら家爆破して仗助倒してただろうし。

673 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 01:29:51 ID:vYhRYKpw
接触弾は本当の意味で「消し飛ぶ」から極悪だよなあ。

674 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 02:17:04 ID:vt7NDjsI
その前に射程とかあるんじゃねーの?

675 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 04:50:09 ID:hBg2vN1W
俺が時を止メメタァ

676 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 05:24:51 ID:wxGU6MxT
吉良GJ!
おいおいおいおい平穏を求めるのはいいけど、求め方が凶悪だな!
どうなるんだこれから

677 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 08:20:40 ID:CmtW/pOI
生まれ変わっても、吉良は吉良か…
まあルイズだとツンデレ発動時にエクスプロージョン使いかねんからなあ。
バイツァ・ダストされたエクスプロージョンの描写GJ!

678 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 10:46:11 ID:PqLu4NCp
デッドマン自体も基本的にはあれだし・・・

679 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 10:54:46 ID:Olj/2m27
ってか相変わらずルイズにデレないなぁ吉良はwwww

680 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 12:06:02 ID:WyfkssgU
>>679
そもそもルイズにデレる場面がイメージできない。
だって吉良には心に決めたヒトがいるんだぜ?

681 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 12:16:59 ID:iEB+lFfN
>>680
やはりデルフか

682 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 12:23:12 ID:bqComSl9
>>680
人でなくて無機物な剣…じゃなくて件

683 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 12:29:42 ID:WyfkssgU
>>682
でも、もう『意思を持ち喋る事の出来る珍しい剣』としてはデルフを見れなくなってるんだぜ?


684 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 13:09:16 ID:4YcB4e0W
きっとデルフは四番目の使い魔『スナップドラゴン』なんだ!

685 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 14:04:20 ID:WIUe9GXJ
オウガファンが多いなここはwwww
まあ自分もだが

686 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 15:14:22 ID:z1ppx/vO
デルフデレいいw

ジョルノ+ポルナレフ、タイトルはあいかわらず思いつかないんですが、続きを投下したい。
今回はちょっとやりすぎたかもと思うけど一言でいい…『許す』と投下の許可を与えて欲しい。
それだけでいいんだ…それだけで私は救われる。今の私には必要なんだ。
名無しさん、『許す』を…

687 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 15:18:49 ID:WyfkssgU
それじゃあー、
『許す』


688 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 15:19:55 ID:u7kJjGPa
問題なく『許す』

689 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 15:20:05 ID:lS2yKOv2
歩道が広いではないか。行けッ!

690 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 15:21:35 ID:z1ppx/vO
あ、ありのまま今起こったことを話すぜ!
私は茶目っ気と騎士道精神に溢れたフランス紳士の一人だ。
だがその私は今日…この世界に来て半月が過ぎた日の朝…!
いつもどおりジョルノを起こしてやろうと亀から顔を出すと着替え中のテファがいた。
な、何を言っているかわからねーと思うが、私も頭がどうにかなりそうだった!
亀が寝てる間に移動したとか、貧乳には夢が詰まってるとか、そんなちゃちなもんじゃねー恐ろしい胸の片鱗を味わったぜ!
あれ?
お陰でテファはあっさり失神し、慌ててベッドから起き上がったジョルノから「エロナレフさん」呼ばわりされちまった…

そろそろ私の事を説明してもいいと思わなくもないのだが、亀の能力を知ったがきどもの反応を考えてみるとろくな事が起きない気がするからやっぱダメだ。
だから今、ジョルノにテファを誤魔化してもらっている…んだが、見るのにも飽きちまったんで私は亀の中で一人第16回キャプテン翼一人鑑賞会をすることにした。
私の語学力ではまだ二人の今の会話にはついていけねーからな。
このファンタジー世界にはテレビ局がないんでテレビは相変わらず砂嵐だが、ビデオやらDVDとソレを見るための機材をジョルノが提供してくれたんで見れるようになっている。
「あれ? 知らなかったんですか?」
そう言って毎回新しいDVDを取り出して来るジョルノに私は怒りを覚えたが、キャプテン翼があったので許す。
あれはサッカーを志すものが一度は夢に描くストーリーだからな。

私はセリエAのサッカー選手に憧れる前に復讐を誓ったんで関係なかったがな…悪ガキどもも小屋に入ってきたらしく、外が騒がしくなってきた。
ジョルノも悪ガキどもに辟易するだろーなって頃に、タイミングよく見事に誤魔化されたテファが食事を提案したようだ。

この世界の食事ははっきり言うと不味い。
この地方だけか? テファには悪いが、こんなのを美味い美味いと言って食えるのはイギリス野郎だけだぜって味だ。
あぁ、トニオ・トラサルディの料理が懐かしいぜ。
瀕死だった私を介抱し、不思議な料理で癒してくれた男のスマイルと奴の得意料理の数々が思い出される。
トマトとモッツァレラチーズのサラダ。娼婦風スパゲティ…んまぁ〜い!と言いながらそれらを平らげちゃんと栄養を取ったお陰でどうにか私は生き残れた。
日本に行くと言っていたが、店は開けたのか?
いつか食べに行くと言って別れたが、その約束もまだ果たせていない…話が逸れたな。
悪いがテファの料理はトニオの足元にも及ばねぇ。
キノコのスープとパンが定番料理だが、どうにも舌の肥えたフランス&イタリア人には物足りない。
ジョルノもそれには同意見らしく料理を手伝っているようだが。
だが哀れな糞ガキどもはそれしか食った事がないから皆歓声を上げて小屋を出て行く…ジョルノも何食わぬ顔でそいつらの後を追おうとしていた。
おいジョルノ!
私を忘れているぞ!
私だって食事くらいはする。腹は減らないんだが、これはもはや精神的な問題だった。
亀は私の思い通りには動かないのでいつもはジョルノに連れて行ってもらう。
しかしジョルノはガキどもに我慢するので一杯なのか私(亀)を忘れて小屋から出ようとしていた。
その時、私とジョルノの一瞬目が合った。
こ、これは…!
残念だけどあんた幽霊だから食わなくてもいいし反省してなって感じの冷たい目だ!だがそんな私にも救いの女神はいた。テファが気付いてくれたのだ!
オォブラヴォー! ディアーナかと見まがうばかりに美しいぜ!

「ジョルノ、亀を忘れてるわ」
私にもやっとゆっくりなら簡単な文章は理解できるようになった言語でテファが言う。
そうだ。忘れてるぜジョルノ。
だがジョルノは相変わらず冷たく見下ろしていた。
「人騒がせな亀には反省が必要なんです」

…ジョルノの言葉は冷たい気がするな。
あれはちょっとしたアクシデントだぜ?

「も、もしかしてさっきのこと? い、いいの。私の勘違いだったから…かわいそうだし」
テファはいい子。ジョルノは悪魔の如き冷たさだな。
ジョルノがため息をついたのを察し、私は亀の中で思わずガッツポーズをとる。

691 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 15:23:03 ID:z1ppx/vO
「わかりました。いきますよエロナレフさん」

こうして私が入った亀はジョルノの腰にヒモで括り付けられた。
話は変わるが、こちらに来て力仕事が増えたジョルノの肉付きはよくなってきていた。
そのせいでますますジョルノはディオや承太郎に似ている気がしてきたぜ。
ディオと同じ髪の色。二人と同じギリシャ彫刻を髣髴とさせる色気のある肉体が、奴を思い出させるのだ。
こうなると本当に気のせいなのか確かめたいような気もして来るんだが、この世界にはそのどちらも欠片すら存在しないのだ。
そう思うと、ちょっぴりだが寂しいぜ。

私は学者として世界中を旅する友もエジプトで倒した宿敵も知らないであろう場所に来た事を思い出し、

「エロナレフさん、今後は気をつけてくださいね」
「お、おう」

同じ境遇の友がいる事に、ほんのちょっぴりだが目から塩味のする水がでちまった。
おっと、断じてエロナレフ扱いにではないと言っておくぜ。
私は食事を終え、手際よく斧を使ったまき割りとかの雑用を終え、狩りをしに森を進むジョルノの腰にぶら下がった亀の中心に座り込み、頭を捻っていた。
最近私の地位が脅かされているような気がする。
向こうではワ…ミスタのポジションだった場所に追いやられちまいそうな、実感がある。

「ここは一つ汚名挽回の機会を作らなければならないっ!」
「アンタが騒ぐから獲物が逃げちまったじゃないか…それとエロナレフさん、汚名は返上するものです」

ジョルノはそう言いながらガキどもに教わった小型弓で離れていく獲物に矢を放つ。
力仕事ばかりで逞しさを増したジョルノの矢は狙い違わず獲物を射た。

「そんなことは知ってるぜ。わざとだよ、わ・ざ・と!」

ちょっとしたジョークで場を和ませようとした私の言葉を全く信用していないジョルノの視線が痛いが、私は負けじと亀から顔を出して一つ咳払いをする。
それで何か言いたい事があるのに気付いたジョルノは離そうとした視線をまた私に戻した。

「所でジョルノ、一ついい事を思い出したぞ」
「なんです?」
「ある健康法だ。これを続ける事で肉体を若々しく保ったり、凄いパワーが得られる」
「僕は今のところ健康には問題ありませんが…」

得意げに話す私だったが、何故かジョルノはその時点で聞く気をかなり失っているような気がした。
だが負けじと私は続けるぜ。何せこの話はデマなんかじゃねぇからな…私はこれを実際にやっていた男を知っているからだ。
これをやり、効果を実感すればジョルノも私の事を見直すはずだ。

「ふっふっふ、驚くべき事にこの健康法は対生物との戦いや夜の生活にも使えるぜ。生き物を操ったり細胞を活性化させて気持ちよくさせるんだ」
「それもゴールドエクスペリエンスと自前のアナコンダがありますから」

しれっと言い切るジョルノのゴールドエクスペリエンスとアナコンダは確かに中々のもの。
だが、人間の技術には未知の部分がある。
そには取り付く島がないようにも見えるが、フフッ私は知っているぜ。
これがジャパニーズの言う”ツンデレ”、ジョルノは私の話が聞きたいはずだ。私は得意げに説明を続ける。
ジョルノは生き物の痕跡を追いながら、私の言葉に耳を傾ける。
「この健康法は昔一緒に旅をしたジョースターという爺さんに聞いた方法で名前は”波紋”という」
「…わかりました。どうやるんです?」
ちょっとため息をつきながらジョルノは食いついてきた。
私は実演しようと息を吸い込み…しかしできなかった。ゆ、幽霊の体で行うにはちょっとばかり無理があったようだな。
「…ポルナレフさん、何やってるんです?」
「ゲホッ!ゲホッ…! ふぅ…じょ、ジョルノ! LESSON1だ!」
限界まで素早くやったせいで乱れて息を整えながら私は指を一本立てた。
「は、波紋の基礎は一秒間に10回の呼吸ができるようになること!」
「ポルナレフさん」
言い切った私にジョルノは何故か今までにない暖かい光に輝く笑みを浮かべていた。

「昔の仲間を信じたいって気持はわかります。でもアンタ、騙されてますよ?」

692 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 15:25:29 ID:vYhRYKpw
シ・エーン

693 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 15:26:12 ID:z1ppx/vO
「い、いや今回は違うぞ!? 違う…はずだ!」

私は力の限り言い切ろうとしたが、不思議だぜ。
OH!MYGOD!と言っているジョースターさんの顔が脳裏に浮かぶたびに不安になってくるんだ…
不安が鎌首上げてきたんで私はこの話を聞いた時の事を思い出す事にした。
その時の状況によっては真面目に言ってるのかどうかわかるかもしれないと思ったからだ。

私が波紋の事を教わった時、あの爺さんは酒が入ってすげぇ気分良さそうだった。
そしてジョースターさんはその浮かれた気分のまま若い頃どーだったかとかそんな事を聞いた私に武勇伝を一つ語ってくれたのだ。
『その時わしは言ってやった!『そうカーズ。きさまは「これも計算のうちかJOJO」…というってな!』
ダメだあの爺さん…
私は顔を手で覆った。

「ポルナレフさん、見てください」
「ん?」

いつのまにか村に戻ってたらしい。
ジョルノの声にとりあえず私は考えるのを止めて亀から顔を出す。
ジョルノが見ているのはテファとガキだった。
ガキが、怪我をしている。結構大きく切っちまってて赤い血が流れていくのを布で抑えていた。
だが…テファが指輪を近づけて何かすると、見る見るうちにガキの怪我は癒される!

あれが魔法ってやつか!
私達は感心してどうやったのか聞きたかったが、そういうのはジョルノに一任してるんで見つからないうちに私はまた亀の中に頭を引っ込めた。

「あっ…! お前なんかにテファ姉ちゃんは渡さないぞ!」
「えっ? あ、ジョルノ。お帰りなさい。狩りはうまくいったのね!」
「テファ、今のは…」

後は頼んだぜジョルノ。朗報を期待する。
なんとなく、湿っぽい話になりそうだからな…そんな話を盗み聞きするような真似はできん。

以上。投下した。

694 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 15:30:59 ID:5Dpsqfxp
乙。もうエロナレフの汚名は返上出来そうにないなw

695 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 15:33:28 ID:u3QIcO1n
GJポルナレフ&ジョルノ。
エロナレフ涙目?w

696 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 15:40:23 ID:WyfkssgU
乙。
もはやポルナレフのキャラ位置は固定されたも同然、逆転はありえない!


697 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 15:48:34 ID:CmtW/pOI
いや、ポルナレフはポルナレフで、ポルナレフポジションという定位置があるはずなんだがw
微妙な能力ゆえに、大物倒したり、最後まで生き残ったりする…そう、ミスタみたいなポジションが!

…あれ?それってエロナレフさんと変わらないぞ?

え〜と…あとは、敵に回った時だけやけに強いとか>ポルナレフクオリティ

698 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 16:15:34 ID:rhwDM807
GJ!テファの着替えを見たなんてエロナレフ貴様ww

ところでエロナレフはフランス人だからセリアAじゃないんじゃないか?

699 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 16:29:36 ID:ZWygquaK
GJ!さすがエロなら三枚目のポルナレフ、コイツ以上のエロはこの世に存在しねーぜ

>>697ミスタは微妙じゃあないぞw
チョコ先生戦でのbTの弾丸一発分の支援は自立思考型の強さを垣間見た

700 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 17:56:35 ID:vKKF2PMU
波紋の存在が否定されたッ!!
ジョセフもポルも信用ねぇw

701 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 17:57:56 ID:6QMp8vpK
後はピストルズ6体を全方位バラバラに飛ばしておけばエアロスミス並みの監視が出来るな。
生き物以外も見つけられるからある意味エアロスミスよりすごいかも、小さいから発見されづらいし。

チャリオッツは……棚の後ろのものが拾える。

702 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 17:59:04 ID:TfXqhN6G
GJ!
年上を敬うという事を知らんのかこのコロネはw

703 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 18:55:29 ID:Y2FfeqGc
>>702
年上にも敬うべき人と敬わなくてもいい人がいるんだぜ?
敬うべき例は卿で
敬うべきではない例はオールド・オスマン

704 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 18:57:24 ID:MgyexN2J
オールドオスマンは別の意味で敬うべきだろ…常考

705 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 20:17:31 ID:4vwLwonK
トンペティさんも敬うべきな

706 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 20:17:50 ID:0OiUqdlK
>>697
アナスイ...

しかしコロネは良いな。GJだぜ!
ジョジョでは一番好きなキャラなんだ

707 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 20:22:48 ID:vhZH/O45
>>697
> え〜と…あとは、敵に回った時だけやけに強いとか>ポルナレフクオリティ
ゲームとかでいるよな
異様に強くて苦労して勝って仲間になった時思わずガッツポーズしたりして
ステータス見てorz

708 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 20:29:00 ID:zL/bY2Y1
だがその辺の話は下る、下らねーはスタンドの使い手次第の理論が確立されて行く
4部以降のスタンド使いにはあまり縁の無い話だと思……ん噴上裕也のハイウェイスター?

709 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 20:37:53 ID:GzrHjmaS
>>708
ハイウェイスターの本領は遠隔自動追尾だろう。
本体に手が届く間合いで弱いのは仕方の無いことだと思うが。

710 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 21:38:33 ID:ngDQFoKI
      キラークイーン

            ′     、 ’、  ′
      /  ̄ ̄ \    . ’      ’、
      /        l; 、′・. ’   ;   ’、 ’、′‘ .・”
     lに)>,r─、<(こjl  ’、′・  ’、.・”;  ”  ’、
    /l   ー、,r-   l’、′  ’、  (;;ノ;; (′‘ ・. ’、′”;
   / /丶        ハ ’、′・  ( (´;^`⌒)∴⌒`.・   ” ;  ’、′
  / / /` ー--‐ くヘ l 、 ’、 ’・ 、´⌒,;y,;;从;;ノ;;;;;ノ、",;人     ヽ
  / /ノムヘ /\/ヽ 〉ヽ l  〃  、(⌒ ;;;:;´,;从 ;,;   ;:;;) ;⌒ ;; :) )、   ヽ
    ,/  ヽ(T) (T)   ヽ  ,.γ ー( ´;`ヾ,;⌒)´ 从⌒ ;) `⌒ )⌒:`.・ ヽ
   |   ヽ       ヽ`:::、 ノ  ...;:;_)  ...::ノ  ソ ...::ノ


711 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 21:42:01 ID:vYhRYKpw
>>710
誰だよw

712 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 21:42:50 ID:7cNq+YD1
>>710
トゥートゥーネイティオ先生自重してください

713 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 21:43:30 ID:bRprbjHl
ネイティオwww

714 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 21:45:53 ID:bqComSl9
いきなりネイティオ出てきて吹いたwww

715 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 21:53:04 ID:rhwDM807
トゥートゥー自重w

716 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 23:10:40 ID:XUhINztL
復旧したので15分から投下しても構いませんねッ!?

717 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 23:14:12 ID:kGQR7W3M
退路が開いているではないか、行け

退路もまた道だ

718 :ゼロいぬっ!:2007/10/07(日) 23:16:09 ID:XUhINztL

少女が走る。
息を切らせながら光届かぬ森の中を懸命に逃げ回る。
だが開拓もされぬ獣道さえない山中の森。
前に進む度に顔や手足を切りつける茨や枝。
あちこちに刻まれる裂傷の数々。
しかし、そんな事に構っている余裕などない。
恐怖に耐えかねて彼女は振り返る。
背後からは障害物を蹴散らしながら迫る怪物。
その破滅の足音が刻一刻と自分に近づいて来る。
(何で私があんな化け物に…!)
誰が何と言おうと自分は真っ当に生きていた。
貧しく小さな田舎の山村だったが文句も言わず暮らしてきた。
食事が乏しくてもそれに不遇を感じた事はない。
少しでも閉鎖的な彼等に溶け込もうと努力もした。
病人や年寄りの看護を熱心にしたり、仕事の手伝いも進んでやった。
村での一日一日をただ一生懸命に生きてきた。
その代償がこれなのか…!?

その怪物は突然、彼女の前に現れた。
彼女の生涯に幕を引くために。
ただひたすらに逃げ回ってどれぐらいの時が経っただろうか。
ひょっとしたら一分も経っていないかも知れない。
張り詰めた緊張感が一秒を何時間にも感じさせる。
「だ、誰か……」
助けを求める声も届かない。
先程まで一緒に居た相手は無残に引き裂かれたのだ。
薄暗い森の中で助けになる人物などいる筈もない。
だが今日は違う。
彼女の脳裏に浮かぶのは水色の髪のメイジの姿。
この山村に訪れた貴族の少女。
そして今もこの森で探索を続けている。
彼女の所に辿り着けば助かる見込みはある。
しかし、このままでは着く前に確実に捕まる。

走りながら彼女が何事かを呟く。
それはメイジの唱えるルーンではない。
まるで木に話しかけるようなその声に応じて木々が蠢き出す。
蔦や枝、根など樹木を構成する末端が怪物の体を絡め取る。
(これで時間稼ぎぐらいにはなる!)
背後に振り返り、彼女は成功を確信した。
だが前へと向き直った瞬間、足に鋭い痛みが走った。
自分の足に目を向けると、そこには数本の針が突き刺さっていた。
しかし致命傷になるほどのものではない。
抜き取ろうと手を伸ばした直後、針は一瞬にして炎上した。
「ひっ………!?」
それは少女の皮膚を巻き込み、全身に燃え広がっていく。
人の焼ける嫌な臭いの中、少女の皮膚がボロボロと崩れ落ちる。
活動を停止した植物を怪物は手足から生えた刃で切り払う。
本来なら人間の手足さえも引き千切る力も怪物の前では無力だった。
「……化け物め!」
焼け落ちた少女の顔の下から出てきたのは別の顔だった。
それは苦渋と敵意に満ちた表情で怪物を見つめる。
その口元に鋭く尖った牙が見えていた。

719 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 23:17:29 ID:+BsMmir9
ああ、吸血鬼少女……運がなかったね。 支援

720 :ゼロいぬっ!:2007/10/07(日) 23:17:52 ID:XUhINztL

それはいつも通りの日々だった。
外に出歩かないのを病気がちと偽り、作り出した屍人鬼を養父にして暮らす山村の日々。
苦労して手に入れた少女の皮膚を着る事である程度の日光は遮れた。
行方不明者が出てもオーク鬼の所為になるような辺鄙な田舎だ。
討伐隊など来ないだろうと高をくくっていたのだが、それが間違いだった。
犬を連れた水色の髪のメイジが調査の為に現れたのだ。
しかしメイジの一人や二人ぐらい誤魔化すのも仕留めるのも容易い。
実際に同じような危機に何度も直面した事もあった。

だが少女が連れていた犬、そいつだけは違った。
初めから私の屍人鬼を警戒し、そして私の事も疑っていた。
使い魔でもない犬をどうして連れ歩いていたのか疑問だったが全てが繋がった。
こいつは吸血鬼を感知できる稀有な能力を有しているのだろう。
そう思った私は少女、タバサというメイジを森へと誘導した。
彼女も怪しんでいたが決定的な証拠は何一つない。
吸血鬼が根城にしていると聞けば踏み込まずにはいられない。
そこで先に犬の方を片付ける手筈だった。
上手く彼女と切り離した私の屍人鬼が犬の首を押さえつけ締め上げる。
とても鈍い切断音が響いた。
首が捻じ切られる音はいつ聞いても嫌な物だと振り返った時、
「え……?」
捻じ切れていたのは屍人鬼の腕だった。
そして、そこに犬の姿はなく、
その場にいたのは腕を咥えた蒼い怪物の姿だった……。


目覚めたバオーは目前の敵を躊躇なく破壊した。
前足で五体を引き裂きメルティッディン・パルムで溶解する。
彼は感じていた。
これは既に生物ではない、ゴーレムと同じく人間の形をした道具であると。
だが…かつては人間だったのかもしれない。
それをまるで人形のように作り変えたあの吸血鬼が許せなかった。
命を弄ぶ行為、それが彼の怒りに触れた。

ここに至るまで彼には迷いがあった。
『相手は人間の生き血を吸う吸血鬼』そう聞いた彼は戸惑っていた。
自分達を脅かす者を滅ぼす、それは人間として当然の行為だ。
だが相手も自分達と同じ生物なのだ。
それを自分が殺すのは何かが間違っているのかもしれない。
もし自分が吸血鬼と同じ立場に立たされたらどうするのか?
人間を脅かす者として滅ぼされるのを待つのか、それとも…。
誰よりも生命の尊さを理解できるからこその苦悩。
だが、目の前の吸血鬼はそうではなかった。
そいつは生命の価値も認めずに容易く踏み躙った。
そして、バオーはその生物を完全に『敵』と認めたのだ。
だが死骸が相手とはいえ、人間の五体を裂き存在をも消し去る彼の戦い方は異常だった。
この場にルイズがいたならば我を忘れていたかもしれない。
主である彼女から離れた事でルーンによる制御は弱まっていた。
今の彼は純粋なバオーに限りなく近く、そこに躊躇や迷いなど存在しない。

721 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 23:19:28 ID:+BsMmir9
支援

722 :ゼロいぬっ!:2007/10/07(日) 23:19:41 ID:XUhINztL

「あ…あああ……」
木々の間が零れ落ちる陽光が本当の皮膚を焼いていく。
それでも彼女は逃げた。
もはやタバサを捕らえて人質にする事も叶わない。
ただ目の前の怪物が怖くてひたすらに逃げ出した。
そして彼女が辿り着いたのは、
「ああ…」
森の出口、太陽の光が燦々と輝く灼熱の地獄。
彼女の背後には死をもたらす蒼い獣。
進む事も戻る事も出来ず彼女は立ち尽くす。
「…………」
彼女とて無知ではない。
こんな生活がいつまでも続く筈がない。
いずれは人間に討ち滅ぼされる日が来るだろうと覚悟していた。
それが唐突に、何の前触れもなく現れた怪物によって殺されるなどと誰が予想できただろうか。
だが、これこそが相応しいのかもしれない。
私に殺された人間もきっと同じ想いだったのだろう。
だが殺した人間に同情の言葉はない。
私にとっては食料、ただそれだけの関係だった。
真に憐れむべき者は……。

トンとまるでステップを踏むように太陽の下へと躍り出た。
瞬間、ボロボロと全身が焼けて崩れ落ちていく。
砂時計の砂のように命が零れ落ちていくのを感じる。
そんな姿のまま、怪物へと向き直り告げる。
「いずれは貴様もこうなる。
孤独な怪物の末路などそんなものだ。
私と貴様、どちらが早いか遅いかの違いしかない」
果たして言葉など届くのかも判らない。
まあ、どちらでも構わない。
聞こうが聞くまいが結果は変わらないのだから。
「いくら人間に寄り添おうと貴様はただの怪物だ。
今はその力を利用しようと寄って来る人間もいるだろう。
だが、いつの日か貴様も人間に疎まれ滅ぼされる日が来る。
その日が来るまでせいぜい己の生を楽しむがいい。
……この私のようにな」
自分の胸に手を当て口元の牙を剥き出しにした笑みを浮かべながら、
己の生涯を誇るように吸血鬼は消えていった。
それを彼は黙って見届けた。

吸血鬼は消えた。
その死骸も屍人鬼も痕跡を何一つ残さず、
ただ彼の胸に自分の最期を刻み付けて去っていった。

723 :ゼロいぬっ!:2007/10/07(日) 23:21:32 ID:XUhINztL

脅威の排除を完了したバオーが元の姿に戻っていく。
勝利の余韻も生存を果たした安堵もない…本当に何もないのだ。
彼の心を占めるのは空虚。
彼女との絆である首輪がか細く感じられる。

彼が吼える。
遠く遥か遠くに響き渡る雄叫び。
会いたい。ルイズに会いたい。
今すぐに抱きしめて欲しい。
そうすれば自分はここに居ていいのだと確かめられる。
それはまるで捨てられた子犬が親を求めるようだった…。

「……………」
ようやく追いついたタバサがそれを見つめる。
寂しげな遠吠えが胸を締め付ける。
その姿は両親を奪われた幼き日の自分そのものだった。
彼はルイズの命に従って自分の任務に付いて来た。
危険な任務でも彼には“力”がある。
最悪、自分の命だけでも守れるだろうと思っていた。
だけど、それは大きな間違いだった。
どんなに“力”が強くとも彼の心は守れない。
私は『あの姿』が彼の本性だと思っていた。
でも違った。あの小さく、か弱い犬の姿こそが彼の姿なのだ。
吼え続ける彼の背をそっと抱きしめる。
凍える体に温もりを与えるように。
母親が泣き出した子供をあやすように。
自分にルイズの代わりは出来ない。
それでも彼女と再会するまでは私が守る。
彼の“力”が命を守るなら、私は“心”を。

手の中の指令書を広げる。
残された任務は後一つだけ。
それさえ終わればルイズやキュルケ達が待つ学院へ帰れるのだ。
落ち着きを取り戻した彼を連れ、私は向かった。
最後の地『ラグドリアン湖』へと…。


724 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 23:23:15 ID:+BsMmir9
支援

725 :ゼロいぬっ!:2007/10/07(日) 23:25:03 ID:XUhINztL

「………………」
検証結果にモット伯は頭を抱えた。
どれが解除薬かは特定できた。
しかし、それとは別の問題が浮上したのだ。
「何やってるのよ! どれが解除薬かは判ったんでしょう?
さっさと渡しなさいよ、それ持って学院に戻るから」
横でキャンキャン吠えるミス・ヴァリエールを一瞥しまた溜息。
短時間で終わると宣言したが、彼女は待ちきれずひたすら催促を繰り返した。
それに耐えながらも何とか調べてみるととんでもない結果が出てきた。
よくもまあこんなに続く物だと呆れる程にトラブルが続く。
「……その量じゃ足りないんだ」
「足りないって…ちゃんと三人分持ってきたんでしょう!?」
「ああ。ただし『吸引した場合』の三人分だ」
その返答に、ミス・ヴァリエールの口がポカンと開いたままになる。
彼女も私もうっかり見落としていたのだ。
あの薬の正式な使い方は『吸引』。
それを誤飲した人間に対して同じ量で足りる筈がないのだ。
道理で解除薬の濃度が異常に薄すぎる訳だ。
用法・用量を正しく用いる事の重要さが身に染みて感じる。
「じゃあ今すぐ城下町に戻って…」
「もう無理だろうな」
慌てて出て行こうとするミス・ヴァリエール。
その背後から声を掛けて足を止めさせる。
隠し金庫は晒したままで出てきたのだ。
とっくに衛兵が回収し証拠として保管されているだろう。
そこに手を出すのはかなり難しい。

「諦めてあいつとキュルケの結婚を祝福しろって言うの!?
アンタが原因なんだから何とかしなさい、何とか!」
「待て、落ち着きたまえ!
とりあえず剣をしまいたま…いえ、お願いですからしまってください」
「…アンタも大変だねえ」
鼻先に突き付けられたデルフに同情されながら解決策を思案する。
魔法薬の組成自体は簡単なものだった。
これなら材料さえあれば大量に複製出来る。
後はそれを凝縮する事で強力な解除薬が作り出せる。
問題は…。
「材料だけなんだがなあ」
「金はあるんだから手に入るんじゃねえのか?」
「いや、それが市場に出回ってないのだよ」
大抵の事がお金で解決出来るようになったデルフを羨ましそうに見ながら答える。
ここ最近、『水の精霊の涙』はどこにも入荷されていない。
このままでは秘薬が作れないと宮廷にも苦情が届いているのだ。
トリステインの主な水の精霊の涙はラグドリアン湖に住む精霊から仕入れている。
今は湖が増水し、精霊とのコンタクトも取れないのが現状だ。
とても手が出せる状況ではない。
「売ってないなら取りに行けばいいじゃない」
それを、まるで彼女は『パン買いに行って来い』ぐらいの簡潔さで告げた。
「いや、しかし、相手はラグドリアン湖の水の精霊で…」
「ラグドリアン湖ね。判ったわ、さあ行くわよ」
「あのなあ、仮にも一国の勅使が国境越えるのがどれだけ大事か…」
「知らないし、知った事じゃないわ」
目的地だけ聞くと私のマントを掴みズルズルと引きずっていく。
無謀で浅慮、無鉄砲で向こう見ず。
冒険者とは皆そんな者なのか。
計算ずくめの王宮の連中とは世界が違いすぎる。
ならばこそ、無い物に心惹かれたのは当然か。


726 :ゼロいぬっ!:2007/10/07(日) 23:27:12 ID:XUhINztL

「分かった、分かったから千切れる前に私の一張羅から手を離してくれ。
 ……それと君も出掛ける前に着替えてくれ、あの格好に」
「何でよ? ひょっとして……趣味?」
「違う!!」
手を離し距離を取る彼女に声を荒げて必死に否定する。
街中どころか、ヴァリエールの三女と国外に二人旅。
これが見つかり、駆け落ちなどと騒がれたら直属の魔法衛士隊だって追っ手に来る。
そうなったら二人の仲どころか体も引き裂かれかねないからな。
(はあ…全く公爵家の人間と付き合うのは大変だな)
ふと、その長女と婚約したバーガンディ伯爵を思い出す。
あまり親しい間柄ではなかったが何度か顔を合わせた事がある。
会う度にやつれていく彼の姿に驚かされたが、まだ生きているのだろうか?
(…その前に私の方が死んでいるかもな)
自嘲気味に笑う自分の顔。
鏡に映ったその顔はどこか事態を楽しんでいるように見えた。


「くっ……ダーリンを目前にして!」
彼を連れて出て行ったタバサを追いかけ、キュルケはガリア王国に向かっていた。
しかし、その行く手を厳重な国境警備が塞いでいた。
普段なら簡単に通れるが今は違う。
学生であるキュルケはオスマンの許可なくして通行証は手に入らない。
祖国ならともかくガリア王国では不可能だ。
一緒に来たギーシュはトンネルを掘り、地下から国内の潜入に成功した。
その穴を通ろうとしたのが容赦なく塞がれてしまった。
“はっはっは。誰が恋敵の手助けなどするものか”
壁の向こうからそんな事を抜かすギーシュに、
文字通りフレイムと二人で焼きを入れた後で途方に暮れる。
強行突破しようにも相手は国。
ここで騒ぎを大きくしては追い掛ける事も出来なくなってしまう。

727 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 23:28:11 ID:+BsMmir9
支援

728 :ゼロいぬっ!:2007/10/07(日) 23:28:52 ID:XUhINztL

空を見上げる。
そこには風を切り舞い上がる巨大な鳥。
「いいわね…私も羽があればダーリンの所に飛んでいけるのに」
恋に障害は付き物だけど“これは無いんじゃないの?”と文句を言いたくなる。
それにしても大きな鳥……って違う。
「シルフィード! シルフィードじゃない!」
おおい、と大きく手を振る。
フレイムも火を上空に吐いて目印の代わりを果たした。
ようやく気が付いたシルフィードが旋回し着陸する。
どことなく元気がなさそうな雰囲気だ。
そもそもタバサの傍にいるべき彼女が離れているのはおかしい。
フレイムを通訳代わりに状況を聞きだす。
(シルフィ、悪い子だからお姉さまに見捨てられたのね!)
うわーん、と今にも泣き出しそうな彼女を前に拳を握りこむ。
彼女の立たされた状況は自分に近い。
自分も愛する者と切り離されて孤独に打ち震えている。
だからこそキュルケはシルフィードの応援をしたくなったのだ。
「そう。貴方の立場は奪われたのね…でも今のままでいいの?
このまま彼がタバサの使い魔になって本当にいいの?」
(イヤ、イヤなのね!)
「ならタバサを奪い返しなさい、それも愛の一つの形……略奪愛よ!」
(…お姉さまを…奪い返す)
「そうよ! 私も手伝ってあげるわ!
私は彼を、シルフィードはタバサを奪い取る!
ほら、お互いの利害は一致したわ! 後は行動あるのみよ!」
(や…やるのね! シルフィ、お姉さまを奪い返すのね)

そんなやる気満々の二人を遠くで眺めながらフレイムは溜息をついた。
(本当にこれで良かったのだろうか…?)
主の命を守らずして何が使い魔だろうか。
しかし、主の事を思うならばあのまま閉じ込めておくべきか。
フレイムが使命と忠義の狭間で苦悩する。
そんな事は露知らず二人は略奪愛に燃えていた…。


729 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 23:33:41 ID:kGQR7W3M
支援「した」!

730 :ゼロいぬっ!:2007/10/07(日) 23:34:08 ID:XUhINztL
以上、投下したッ!
次回は解決編!


731 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 23:37:56 ID:4vwLwonK
GJ!!

バオーの怖さと犬の可愛さ………
挟み打ちの形になりそうだ

732 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 23:39:35 ID:n6/2l4ml
GJ!

今日コンビニでビーティーとバオーの載ってるのがあったから買ってきた。


733 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/07(日) 23:41:43 ID:AjKGySNg
そらハルケギニアの吸血鬼じゃ打つ手なしだわ

734 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 00:27:19 ID:Ku2/kfFb
バオー犬かっこいいなー、惚れ薬飲んだキュルケは愛すべきバカだなー、ルイズは向こう見ずだなー、ギーシュはうっかりさんだなー、ルイズは鉄砲玉だなー、モット伯はなんか主人公っぽいなー、タバサはちょっと寂しそうだな…吸血鬼もいいキャラしてるなあ。
次回が楽しみだ!

735 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 00:35:07 ID:FbHqVQL/
MOTTOMOTTO!
バオー犬のカッコよさと可愛さと健気さは異常。
しかし、だからこそ終焉が悲しい。どれだけ萌えても、バオー犬は最後に切なくなってしまうなぁ

736 :仮面のルイズ:2007/10/08(月) 01:30:41 ID:Ku2/kfFb
こっそり投下

737 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 01:31:55 ID:9bY/7YZ+
支援

738 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 01:32:05 ID:HJeJy0Xy
支援だ!

739 :仮面のルイズ:2007/10/08(月) 01:32:49 ID:Ku2/kfFb

ラ・ロシェール付近の森の中、うっそうとした木々の生い茂る一角で、アニエスから渡された甲冑をルイズが装着していた。

アニエスが、ルイズの隣でぽかーんと口を開けて、呆けたように何かを見上げている。
その様子がおかしかったので、ルイズはクスリと笑みをこぼした。

「そんなに驚くことないじゃない」
アニエスは今まで見上げていたモノから目を離し、ルイズに顔を向ける。
「あ…。 いや、でも、これは、驚くさ」
冷や汗を垂らしながらアニエスが呟くと、アニエスの見上げていた吸血竜が、べろんとアニエスの頬を舐めた。
「 !! 」
「大丈夫よ、食べようなんて思ってないわ。お友達への挨拶よ」
「そ、それならいいんだが、心臓に悪い」

アニエスが見上げていたのは、十匹以上の竜を食べ、巨大化した吸血竜の姿だった。

『結局、一晩眠っちまったなあ。開戦になっても目を覚まさなかったらどうしようか、ヒヤヒヤしたぜ』
「居眠りして戦争に遅れました、なんて格好悪まねしないわよ」
デルフリンガーの言うとおり、ルイズは精神的な疲労のため丸一日近く眠っていた。
昨日、大規模な『イリュージョン』を使ったせいで、ルイズの精神力が限界を迎えていたのだ。

タルブ村を覆うように『森』の幻影を造り、森の中には『タルブ村と草原』の幻影を作る。
これによって、アルビオンの軍勢に一時的な混乱を招き、タルブ村の住民が避難するまでの時間稼ぎをしたのだ。

「アニエス、アルビオン艦隊はラ・ロシェールに近づいきてる?」
「ああ、少しずつだがこちらに接近しているようだ。地上部隊の行進に合わせて移動しているのだろう」
「厄介ね。あの大砲はトリステインの所有するものより性能がいいそうよ。射程距離だって1.2倍…いや、1.4倍は見積もらないと危険ね」
「そこまで高性能な大砲だとは思いたくないな。仮に1.4倍の射程距離があるとすれば、あと一時間でラ・ロシェールが射程距離に入る」
「その前にあいつらを混乱させるわよ」
ルイズが全身を包み込む甲冑を着込み終わると、デルフリンガーを鞘から抜き放ち、その鞘をアニエスに渡した。
「これは?」
「甲冑を着けてると鞘を背負えないのよ、預かってて」
「わかった」
鞘を受け取ったアニエスが、ルイズに敬礼する。
ルイズは目礼でそれに応じてから、吸血竜に飛び乗った。
今のルイズは、ニューカッスルの城から巨馬に乗って脱出したという、銀色の甲冑に身を包んだ騎士の姿そのもの。

「あ、そうだ。ねえアニエス、その……ヴァリエール家は参戦していないの?」
アニエスはすかさず答える。
「ゲルマニアは援軍を二週間後によこすと言ってきたそうだ。遅すぎると思わないか?」
それを聞いて、ルイズはなるほどと頷いた。
「ゲルマニアが裏切る可能性があるから、国境警備を兼ねてるヴァリエール家はここに来られないって訳ね」
「そうらしいな」
「…よかった」
「?」
「何でもないわ、じゃ、早速行ってくるわね」

ルイズは、吸血竜の背から伸びた骨を掴む。
吸血竜はそれを合図にして、力強く翼をはためかせた。


「…頼む」
アニエスは飛び立った吸血竜を見上げながら、まるで祈るように呟いた。

740 :仮面のルイズ:2007/10/08(月) 01:34:03 ID:Ku2/kfFb
『なあ、嬢ちゃん』
「なに?」
『ヴァリエール家っておめえの生まれた所だろ』
「そうだけど、急に何の話よ」
『おめえ、自分が生きてるってバレるのが怖いだけじゃねえ、何か別の物も怖がってねえか?』
「…わかる?」
『少しは』
「そうねえ……例えばね。『レキシントン』と同じぐらいの戦力を持ったメイジがいるとしたら、どう思う?」
『そりゃ驚きだ、何だ、もしかしてヴァリエール家にはそんな実力を持った騎士団が居るのかい』
「騎士団じゃないわ、個人よ」
『へっ?』
「ある一人のメイジがこの戦場にいれば、戦況は大きくトリステイン側に傾いてたことでしょうね」
ルイズはどこか楽しそうに、そして懐かしそうに笑った。





「なに、竜が?」

『レキシントン』の後甲板で、トリステイン侵攻軍総司令官であるサー・ジョンストンが伝令からの報告を受けていた。
「はっ、未確認の竜が一騎、ラ・ロシェール付近の森から飛び立ち、レキシントンへとまっすぐ向かっております」
ジョンストンはふむ、と自分の顎を撫でた。
「トリステインの竜か、一騎で来るとは妙な奴だ。もしや我等の仲間か、はたまた亡命目的か……まあよい、落としてしまえ」
「既に小隊長命令で竜騎兵が向かっております」
「ふむ、我が部隊は実に優秀だ」

ジョンストンは満足そうに笑みを浮かべた。
「伝令!」
だが、別の伝令が血相を変えて後甲板に足を踏み入れたのを見て、ジョンストンと艦長のボーウッドは顔をしかめた。
「わ、我が軍の竜騎兵二十騎中、五騎が未確認の竜に落とされました!」
「何だと!」
ボーウッドが血相を変えて叫ぶ、アルビオンの竜騎兵は天下無双と唄われるほど訓練されており、航空戦力の要でもあった。
一騎の竜に五騎も落とされるなど、絶対にあってはならないのだ。
「竜は七枚の翼と、異常に長く伸びた尾を使って竜騎兵を絡め取っております!成体に満たぬ風竜のような大きさですが、鱗や角や翼など、誰も見たことのない異様な姿をしており……」
ジョンストンは頭に被った帽子を握りしめ、伝令に向けて叫んだ。
「ワルドはどうした! 竜騎士隊を預けたワルドは! あのトリステイン人はおののいて逃げたか!」
「子爵殿の風竜は、姿が見えぬとか……」
「裏切りおったな! ええい、何としてもその竜を落とせ! ワルドは見つけ次第処刑してもかまわ…」
顔を真っ赤にして怒るジョンストンの前に、ボーウッドがすっと手を出した。
「兵の前で取り乱しては、士気にかかわりますぞ」

ジョンストンは、ボーウッドにもバカにされているのかと思いこみ、怒りの矛先をボーウッドに向けた。

「何を! 貴様の稚拙な指揮が貴重な竜騎士隊に損害を与えたのだぞ!」
叫ぶようにわめきながら、ボーウッドの胸ぐらを掴もうとジョンストンが手を伸ばす。
ボーウッドは杖を握りしめてこぶしを造り、でジョンストンの腹を殴った。
うっ、とうめき声を上げ、ジョンストンは倒れた。
白目をむいたジョンストンを、傍らで待機していた従兵が乱暴に抱きかかえ、艦長室へと放り込む。


ジョンストンは総司令官という立場を与えられてはいるが、戦争の経験に乏しかった。
軍人としての優秀さで今の立場を掴んだボーウッドとは対照的で、落ち着きに欠けているのだ。

ボーウッドは将兵に向かって、落ち着き払った声で言った。
「本艦『レキシントン』号を筆頭に、艦隊は未だ無傷。そしてワルド子爵には何か策があるのだろう。諸君らは安心して、勤務に励むがよい」

将兵達の表情に少しの安堵が戻る。
何も問題はない、何も心配はないと思わせるような威厳こそが、ボーウッドが長年積み重ねてきた研鑽の成果なのだ。

741 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 01:35:46 ID:ecEesWa4
sien

742 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 01:36:04 ID:9bY/7YZ+
支援

743 :仮面のルイズ:2007/10/08(月) 01:36:26 ID:Ku2/kfFb
「艦隊全速前進。左砲戦準備」
ボーウッドは艦隊に指令を下す、このまま進めば、ラ・ロシェールに陣を敷くトリステイン軍を射程に入れるまで五分もかからない。
ラ・ロシェールは周りを岩山で囲まれた天然の要塞だ。
だが、制空権を奪ったアルビオン艦隊にとって、トリステイン軍はアリ地獄の底に押し込められたアリのようなものに見えた。

しばらくすると、トリステイン軍の陣容がはっきりと見えて来る、ボーウッドはそれを確認し、指示を飛ばした。。
「艦隊微速。面舵」
レキシントンをはじめとするアルビオン艦隊が、トリステイン軍を左下に眺めるかたちで回頭する。
「上方、下方、右砲戦準備。弾種散弾を込めよ。左砲戦開始。以後は別命あるまで射撃を続けよ」

空高くから、重力の助けを借りて弾丸が飛ぶ。
一発一発の威力は凄まじく、風のスクエアでも対処に苦労するその勢いに、ボーウッドは勝利を確信していた。
だが、まだ何かイレギュラーがあるかもしれないと考えていると、そこに伝令駆け込んできた。
「竜騎兵、全滅!」
それとは別の伝令も、後甲板へ報告を伝える。
「地上部隊、ニューカッスル城から脱出したと思われる『騎士』と交戦中!」

ボーウッドは眉をひそめた。
ニューカッスル城から脱出した『騎士』と『鉄仮面』。
旧アルビオン王家にとってはまさしく『英雄』であろう。
たった一人の英雄が戦局を変えられるなどとは思っていない、だが、そこに付き従う兵がいたとすれば、それが大きなうねりとなって戦局を覆す恐れがある。
油断はできないからこそ、彼は躊躇いなくどのような作戦をも指示できるのだ。

「”例の船”を準備をしておけ」
ボーウッドの呟きを聞いた一人の従兵が、敬礼をした。





閃光が走る。
アルビオン艦隊からの艦砲射撃がトリステイン軍を襲った。
雨のように降り注ぐ砲弾が、ラ・ロシェールごとトリステイン軍を破壊するような勢いで襲いかかってくる。
「所定の位置につけ!後退しつつ砲弾を反らす!」
ウェールズがアンリエッタの前に立ち、魔法衛士隊をはじめとするメイジ達へと檄を飛ばす。
いくつもの弾が、大地を抉り、岩も人も馬もすべてを吹き飛ばし、舞い上げた。

爆音がトリステイン軍を包んでいるが、トリステイン軍は壊滅的な打撃を受けることなく、砲弾を逸らすことに成功していた。
マザリーニは近くの将軍たちと打ち合わせをしていたが、砲弾を防ぐウェールズの手腕に目を見張った。

トリステインは小国だが、始祖ブリミルから続く歴史と由緒のある国であった。
アルビオン、ゲルマニア、ガリアなどと比べれば国力は弱いと思われがちだが、戦力となるメイジの数は各国の中で最も多いぐらいなのだ。

ウェールズはこの短期間でトリステインの戦力を把握し、ラ・ロシェールの地形を考慮した上で最適の陣を考案した。
風の魔法で作られた空気の壁も、アルビオンの戦力をよく知るウェールズだからこそ効率よく配置できるのだ。
マザリーニは思わず、ううむ、とうなっていた。

しかし、何割かの砲弾は逸らしきれずに飛び込んでくる。
いくつかの砕けた岩と血が舞うのを見て マザリーニは呟いた。
「この砲撃が終わり次第、敵は一斉に突撃してくるでしょう」
それを聞いたウェールズがマザリーニに答えた。
「砲撃に勢いがない! こちらが後退戦を仕掛けているのを見抜かれている!」
続けて、アンリエッタもユニコーンの上に乗ったまま、周囲の轟音にかき消されぬようにと大声で言った。

『石仮面』からの連絡がありしだい『ヘクサゴン・スペル』を使います!」
「御意に」

ドオン、と地震のような地響きが伝う。
敵は空からの絶大な支援を受けた三千、トリステインは、砲撃で崩壊しつつある二千。
マザリーニは、勝ち目がないこの戦をどう覆すのかと、『石仮面』に問いただしたい気持ちだった。

744 :仮面のルイズ:2007/10/08(月) 01:37:44 ID:Ku2/kfFb
「すごいじゃないの! 天下無双と謳われたわれたアルビオンの竜騎士が、全滅よ!」
白銀の甲冑を着込んだルイズが、アルビオンの地上部隊のまっただ中で叫んだ。
吸血竜が竜騎兵の炎にも、魔法にもひるまずに戦っているのが見えたのだ。
二十騎もいた竜騎兵は、九枚の翼と大蛇のような躰を器用に動かして空を飛ぶ吸血馬に、跡形もなく食われ、吸収されていった。

戦場の雄叫びに包まれ、ルイズの声はデルフリンガーしか聞こえていない。
『五時の方向に指揮官が居るぞ!』
「見えてるわ!」

デルフリンガーはルイズの無駄口には答えず、淡々と敵の指揮官の位置を図っていた。

「オオオオオオオオオオオッ!!」
両手を開き、居並ぶ兵士に向けて猛烈なタックルをぶつける。
その一撃で30人ほどの兵士が浮き足立つ、ルイズはその隙間に入り込んで敵兵を盾にしつつ、指揮官へと接近する。
右手に持ったデルフリンガーで邪魔者を吹き飛ばし、指揮官へと指先を向けた。

甲冑の隙間から伸びた髪の毛が、腕を伝って、指先から行き意欲押し出される。
それはまるで吹き矢のように指揮官の躰へと突き刺さった。
髪の毛は指揮官の身体の中へと潜り込み、脳へと突き刺さる。
「これで20人!」
ルイズは地面にデルフリンガーを突き刺し、勢いよく跳ね上げた。
地面から跳ね上げられた土しぶきと石のつぶてが、勢いよく兵士達に突き刺さっていく。
弓矢と魔法を受けてボロボロになった鎧が、血に染まって赤くきらめいた。

「WRYYYYYYYYYYY!!」
ルイズが叫ぶ、空高くを飛ぶ竜に向けて、叫ぶ。

「GOAAAAAAAAAAA!!」
叫び声を受けた吸血竜が雄叫びを上げ、ルイズを迎えるため地上へと首を向けた。
羽を縮め、鷹が空気抵抗を殺して落下するのと同じように、勢いよく高度を下げる吸血竜。
地上すれすれで大きく翼を開くと、その異様さがどれほど際だっているのかよく解った。
「うああああああああああああああ!」
吸血竜に踏みつぶされ、誰かが叫ぶ。
ルイズはかまわず飛び乗ると、たてがみを握りしめた。
風竜よりも大きな翼をはためかせると、風圧で兵士達が何人も吹き飛ばされる。
長く伸びた尾を無造作に振り回しただけで、兵士達はまるで箒に掃かれる枯れ葉のように宙を舞った。

竜騎士隊を全滅させた吸血竜と、地上で戦っていたルイズは、草原の遙か上空に浮かぶ『レキシントン』へと向かった。
船の下には、ブルリンと再開するきっかけとなった、ラ・ロシェールの港町がある。
デルフリンガーが周囲を確認して呟く。
「嬢ちゃん、雑魚をいくらやっても、親玉をやっつけなきゃどうしょもねえ」
「わかってるよ」
『策はあるのかい』
ルイズはデルフリンガーを左手に持ち直すと、自分の力を確かめるようにデルフリンガーを強く握りしめた。
右手を高く掲げ、腕の中に仕込んだ杖を少しだけ掌から露出させる。

「風石の効果を少しの間だけ止めるわ、少しでもあの戦艦を地上に近づける。そうすれば勝機はあるはずよ」
『死ぬ気かよ』
ルイズは、答えなかった。


745 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 01:39:13 ID:9bY/7YZ+
支援

746 :仮面のルイズ:2007/10/08(月) 01:39:13 ID:Ku2/kfFb
ラ・ロシェールに向けて放たれる艦砲射撃は凄まじい。
見上げた先にある『レキシントン』からは、いくつもの砲門がトリステイン軍勢に向けられている。
その砲撃の中で、一つだけ違和感を感じる発光が見えた。
「!」
ルイズの躰が硬直したのを感じて、吸血竜は勢いよく身を180度翻した。
次の瞬間、吸血竜の躰に無数の鉛玉がぶち当たり、翼や尾の一部を砕いた。
「きゃあっ!?」
『散弾だ! 射線から離れろ!』
デルフリンガーが叫ぶと、吸血竜はうめき声を上げながら翼を翻した、それによって二撃目を避けることはできたが、吸血竜の躰には明らかなダメージが与えられていた。
『嬢ちゃんしっかりしろ!おい!』
「だ だいじょうぶよ!」
デルフリンガーはルイズの心の変化を敏感に感じ取れる。
ルイズの心には、戦争に対する恐怖があった。

吸血鬼となったルイズは、自分が死ぬことなど怖いと思えなくなっていた。
しかしアンリエッタや、ウェールズ達を思い出すと、ルイズの心に恐れが浮かんでくるのだ。

吸血鬼となった自分を、お友達だと言ってくれたアンリエッタ、ウェールズ。
彼らを勝利に導けるのは自分しかいない、いま自分が死んだら戦争に負け、二人は処刑されてしまうだろう。

それを考えると、ルイズの心にも恐怖が浮かぶ。
死にたくないという思いが、ルイズの心を『吸血鬼』から『年相応の少女』へと引き戻すのだ。

『嬢ちゃん、落ち着け!』
デルフリンガーの声が聞こえたのか、ルイズはハッと目を見開いた。
そして、震える躰を押さえようと、強く、強くデルフリンガーを握りしめる。
「わ、わたしは、わたしは、敵に後ろなんか見せられないのよ!」
体勢を立て直した吸血竜の上で、右手を高く、レキシントンへと向けた。
「敵に後ろを見せぬ者をっ… 貴 族 と 呼 ぶ の よ !」

相変わらずルイズの体は恐怖に震えている、だが、その心は信念に支えられ、力強く肉体を動かした。

『嬢ちゃん』
「デルフ! 最期までつきあって貰うわよ」
『俺は武器だぜ、最初からそのつもりよ。それよりなんとかして船の真上に行くんだ、そこに大砲を向けられねえ死角がある』
「死角…敵もバカじゃないわ、その死角をカバーする手を持ってるでしょうね。けど……」
ルイズは吸血竜のたてがみを右手で握りしめ、足を踏ん張った。
「行くわよ!死ぬ気で飛びなさい!」
「GURUOOOOOOOOO!!」
吸血竜がそれに呼応し、人間にはとても耐えられぬ勢いで体をくねらせ、翼を動かす。

雲に突入し、高く、ひたすら高く空へと昇っていくと、ルイズの視界が急ににじんだ。
仮面の中で流す涙を拭うこともできず、ルイズはそのまま杖を構え尚した。

「………」
ルイズは強靱な握力で吸血竜の背にしがみつきながら、ルーンを詠唱していた。
吸血竜が雲を突き破り、レキシントンよりも高く舞い上がったのを確認すると、ルイズは吸血竜が、レキシントンを見下ろした。
雲の中から飛び出たルイズは、眼下に広がる草原に杖を向け、『イリュージョン』を放った。


「おお!あれは……アルビオンの国旗ではないか!」
草原の上に描かれたのは、巨大な旧アルビオンの国旗だった。
それを合図にして、ゆっくりと後退していたトリステインの軍勢が敵の地上部隊へと進軍を開始した。

アルビオンの地上部隊では、混乱が起こっていた。
突如空中に現れた国旗に刺激されたのか、20人ほどの指揮官が地上部隊の司令官へと杖を向けたのだ。
「なんだ!?何が起こっている!」
地上部隊の司令官は、突然の反乱に困惑を隠せなかった。
『従順な』はずの部隊長達が、一斉にアルビオン軍に杖を向けたのだ。
それに従う者、逆らう者、かまわずトリステインへと突撃しようとする者が入りみだれ、アルビオン軍の地上部隊は戦列を崩し、烏合の衆になっていった。

747 :仮面のルイズ:2007/10/08(月) 01:40:18 ID:Ku2/kfFb
ルイズが最初にアルビオンの地上部隊に切り込んだのは、忠誠心を呼び覚ます仕掛けのためだった。
ルイズの髪の毛は肉腫となって人間の脳に寄生し、ルイズへの忠誠心を植え付けることができる。
今回はそれを利用して、『旧アルビオンの国旗』への忠誠心を呼び覚ますトリガーを作ったのだ。
それは、アンドバリの指輪によって指揮官が操られている場合でも変わらない。
何よりも優先して『旧アルビオンの国旗』への忠誠心を呼び起こされた指揮官達は、レコン・キスタへ反旗を翻したのだ。



「『石仮面』からの合図だ!」
「ええ。行きましょう、ウェールズ様」
トリステインの陣では、突如空中に現れた国旗を見て、アンリエッタとウェールズを中心とする即席の部隊が移動を開始した。

「アンリエッタ」
「ウェールズ様」
ウェールズはユニコーンに近づき、ユニコーンに乗るアンリエッタを抱き上げた。
自身の乗るグリフォンへ乗せると、魔法衛士隊が円陣を造り二人を囲む。

そしてアンリエッタとウェールズは杖を掲げて、詠唱を開始した。




「…」
『嬢ちゃん!おい!嬢ちゃん!』
「! あ、デルフ、私、何秒気絶してた?」
『五秒ぐらいだ、それより後ろを見ろ、ワルドが来てるぜ!』
ルイズは頭を振って、今の状態を確認した。
レキシントンよりも高い位置で旋回していた吸血竜が、距離を取ろうと翼をはためかせているが、後ろから接近してくるワルドの風竜はそれよりも早い。

ワルドは風竜の上でルイズを睨んだ。
彼はこのときをずっと待っていたのだ、『レキシントン』号の上空の雲に隠れ、静かに時を待っていた。
アルビオンの竜騎兵を撃墜した謎の竜、ワルドの乗る風竜でまともにぶつかっても勝ち目は薄い。

勝つためには虚を突くしかない、そう考えて上空に隠れていたのだが、竜の背に乗る騎士の姿を見てワルドの心は怒りに震えた。
「石仮面…!」
仮面で顔は隠されているが、あのような戦い方ができる人間など他には居ない。
それどころかあの竜は、他の竜を食べて吸収し、大きくなっているのだ、それに気づいたワルドはニューカッスルの城で切断した腕を思い出していた。

義手がギシギシときしむ音が、まるで歯ぎしりのように耳に付く。

「そこにいるのは『石仮面』、貴様だろう…なぜ貴様はその顔をしているのだ……! 消えろ亡霊ーーーッ!」

ワルドは風竜の手綱を、強く握りしめた。

748 :仮面のルイズ:2007/10/08(月) 01:41:58 ID:Ku2/kfFb
ルイズは焦った、ワルドが乗る風竜は、吸血竜よりも遙かに早い。
瞬く間に追いつかれたと思ったら、次の瞬間には『エア・スピアー』が吸血竜の体を抉ったのだ。
「まずい……レキシントンをなんとかしなきゃいけないのにっ」
ルイズの焦りを感じ取ったのか、吸血竜が心配そうに鳴き声を上げた。
「グルルルルル……」
『おい、俺に構うなって言ってるぜ』
「嘘じゃないでしょうね」
『こんな時に嘘を言うかよ!』
「ワルドは強敵よ!ニューカッスルで遍在をいくつも使われたでしょ、九人分のメイジが命を省みず特攻してくるのと同じよ!」
「グアアアアアアアアアアアアアアアッ!」
「きゃっ」

突如、ルイズの体に何かが巻き付いた、吸血竜が長く伸びた尾でルイズを掴んだのだ。

吸血竜は、レキシントンの後甲板に向けて、ルイズをぽいっと投げた。
『俺を信用しないのかって怒ってるみてーだ』
「ちょっ、うわっ…」

ルイズの体は宙を舞い、レキシントンの甲板へと落下する。
だが甲板では幾人かのメイジがルイズに向けて杖を向けていた。
「まずいっ、魔法で壁を作られたら…」
『俺をあいつらに向けて構えろ!』
「!」
ルイズはとっさにデルフに従い、空中でくるりと回転して体勢を立て直し、デルフリンガーを甲板に向けた。
そして、デルフリンガーの刀身が輝いた。

「っ!」
ルイズの体に衝撃が走る、空気で作られた壁にぶつかったのだが、その壁は霧散して消えてしまった。
他にも風の刃や、炎の固まりがルイズに向けて放たれたが、デルフリンガーがそれを吸収してしまう。

「馬鹿なッ!魔法が通じ…」
甲板でルイズに杖を向けていたメイジが、何かを言いかけたところで、ドオンと大きな音を立ててレキシントンに振動が走った。

「…あんた、意外とやるじゃない」
『へへっ、これが俺のホントの姿よ、魔法ならいくらでも俺が吸い取ってやるさ』
「頼もしいわね!」
ルイズは、折れたままの足で甲板を蹴り、に渾身の力を込めて、竜騎兵を搭載するほど丈夫な甲板を踏み抜いた。






「サー!『騎士』が甲板に降り立ちました!甲板の中から船内に侵入した模様です!」
「…馬鹿な!」
ボーウッドは珍しく語尾を強めた。
異形の竜といい、『騎士』といい、すべてが規格外だ。
「まさか、烈風カリンではあるまいな」
ボーウッドの背に冷や汗が流れるのを感じた。

「何としてで殺せ!」
いつも冷静なボーウッドが声を荒げたので、幾人かの兵が身震いをした。
ボーウッドは敵の戦力を侮っていたと、今更ながら考えていた、ふとある事を思いついたが、恐怖を煽ってはならないと考えて、決して口には出さなかった。

(あの騎士は、まさかエルフではないだろうな…)



To Be Continued→

749 :仮面のルイズ:2007/10/08(月) 01:43:27 ID:Ku2/kfFb
とうかしたっ!
制服姿のシエスタは素晴らしいと思います。

750 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 01:45:02 ID:HJeJy0Xy
GJ!

・・・しかしルイズもギリギリだ。このままの状況でシエスタに会ったら、逃げるのもママならないような・・・
むしろアニエスの説得に期待

751 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 01:55:29 ID:BzEzR80W
何でもないようなことだけど、吸血鬼の膂力で石礫を放つという第1部の吸血鬼っぽい攻撃がでたのが嬉しかった。


752 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 02:20:48 ID:xKB4dFgj
GッJィィィ!

デルフが活躍し始めたー!

753 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 02:27:36 ID:DK86EKQS
GJ!ここのデルフの活躍ぶりにはまさに鼻血ものだぜ。
そしてルイズが強い、強い。劣勢なこともあってまさに獅子奮迅の大活躍。
その分ルイズの弱さが際立ってしまうのが悲しくもあるが。

そろそろシエスタとの対面が近いんだろうか…次回に期待。

754 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 02:35:19 ID:WL8UsPbF
仮面GJ!
仮面の下の涙を拭え!

755 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 03:28:17 ID:71AD444c
仮面の人は本当に構成力が高いわ
とにかくGJ

756 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 03:30:12 ID:WfvVbgkE
GJ!
ルイズの能力的には原作以上だけど、その分無茶してるから緊迫感は上だなー。
シエスタという不安要素もあるし、ここから話がどう転ぶのか楽しみです。

>754
ちょ、それ作品違w。

757 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 03:34:04 ID:MU3gDn3A
GJ。いよいよ戦いはクライマックスか。
吸血馬が「ここは俺に任せて先に行け」とばかりに死にフラグ立てた気が。
ジョンストン以外……特にルイズの姿に怒りを燃やしてしまうワルド……も格好よくてなぁ。
ルイズの弱さ哀しさが際立ちつつまだ見えぬシエスタの動向が気になってしょうがない。
次回も楽しみに待ってる。

>>754
それはルイズの家族がルイズ以外全滅してルイズも廃人になっちゃうからダメー!?

758 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 08:03:38 ID:oKyda065
これは地味にきれいっぽいワルド

759 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 09:17:07 ID:ChQIb7ZZ
ワルドが一瞬ザビーネに見えたぜ…。

760 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 09:21:51 ID:IaLfAHKm
首を落とされて慣性落下とな!?

761 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 10:15:50 ID:bnQSn8q5
仮面GJ!
ルイズかっけええええ!!

762 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 10:37:18 ID:mfHKKbOR
仮面ルイズは果たしてワルドを殺せるだろうか?
たぶん死ぬまで向かってくるぞこのワルド。

殺したら殺したで何か一線を越えてしまいそうな気もするが。

763 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 10:54:21 ID:bZO2ZjCF
長い決闘の末、真実をしったワルドが滝つぼ(崖でも可)に落下。
その後、仮面を付けた謎の人物が(ry

764 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 11:10:21 ID:PlB06dJA
最近の犬はモット伯の微妙な冒険としても読めるから1粒で2度うんまぁ〜〜い!!

765 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 11:32:05 ID:QqutiQgY
勇気とは恐怖を知ること!恐怖を我が物とすることじゃ!
吸血鬼でありながら恐怖を持つルイズは吸血鬼を超えた吸血鬼!
つまりアルティメットシィングルイズは既に完成していたんだよ!!(AA略

766 :仮面のルイズ:2007/10/08(月) 11:41:06 ID:Ku2/kfFb
いまのうちに来訪者さん代理投下しちゃうよー

767 :ゼロの来訪者(代理):2007/10/08(月) 11:42:33 ID:Ku2/kfFb
旅籠から飛び立った2匹の竜、シルフィードとヴァリエール家所有の竜は、
一時間もしないうちに屋敷についた。もっとも屋敷と言うより、その威容は
城と呼ぶほうが相応しいものだったが。
「エレオノール姉さま、それにわたしの小さいルイズ、お帰りなさい!」
城の前庭に降り立ったルイズとエレオノールに、桃色がかったブロンドの、
ルイズと同じ髪の色をした女性が駆け寄る。
「カトレア」
「ちい姉さま!」
顔を輝かせ、ルイズがその女性の胸に飛び込む。
「あらルイズ、暫く見ない間に背が伸びた?」
「はい!ちいねえさま!」
「私には全然かわってないように見えるけど…」
そうは言うが、嬉しそうに抱きあう二人に、エレオノールの顔が弛む。
「ねえ…ひょっとしてあの人も、ルイズのお姉さんなのかしら」
エレオノールとルイズのやり取りの時以上に、唖然とした顔をするキュルケ。
「そうだろうね。あんなにそっくりなんだし」
「え〜どこが?」
「全然違うじゃねえか相棒」
即座に否定される育郎であった。
「そ、そうかな?」
「そうだって。髪の毛の色は娘っ子と一緒だが、顔つきが全然違うじゃねえか。
 例えると娘っ子は針。金髪の姉ちゃんは槍。あの姉ちゃんは綿って所だな」
「あら、上手い事言うわね。他にも…ほら、アレ見てみなさいよ」
「アレ?」
キュルケはカトレアの胸を指差す。
そう、それはルイズとエレオノールとは明らかに違っていた。
あるのだ!
いや、あるだけではない!
ボリューム満点なのだ!
「ありえねーよなー」
「ありえないわよねえ?」

768 :ゼロの来訪者(代理):2007/10/08(月) 11:44:50 ID:Ku2/kfFb
「いや、そんなところで判断するのは…
 そうだ!タバサはどう思う?似てると思うだろ?」
シルフィードに、召使の言う事を聞くように言い聞かせていたタバサに、意見を
求める育郎。タバサは杖をカトレアに向け、ゆっくりと口を開いた。
「突然変異」
杖の先は、しっかりとカトレアの胸を指し示している。
「いや、胸じゃなくて…」
ルイズと抱き合っていたカトレアが、騒ぐ育郎達に気付く。
「あらあら、私ったら…ルイズ、お友達も連れて来たのね?」
「いえ、一人かってについてきたのがいます」
「もう、恥ずかしがらなくてもいいのに」
そう言って育郎達に駆け寄り、礼をする。
「わたくし、ルイズの姉のカトレアと申します」
「あ、どうも。橋沢育郎といいます」
「デルフリンガーさまだ」
「………タバサ」
最後にキュルケが、エレオノールの時と同じように、馬鹿丁寧な礼をした。
「これはこれはご丁寧に。ルイズの『友達』のキュルケ・アウグスタ・
 フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーと申します」
「まあ!ツェルプストーですって?」
口に手を当てて、目を丸くしているカトレアに満足するキュルケ。しかし、次の
瞬間予想外の言葉が飛び出す。
「素敵ねルイズ!インテリジェンスソードだけじゃなくて、ツェルプストー家の
 人ともお友達だなんて!」
「ちょっとカトレア!?」
「ちいねえさま!私こんなと友達じゃないわ!そこのメーンとか言う剣も!」
詰め寄る姉妹を不思議そうな顔で見るカトレア。
「あら、どうして?お隣同士なんだから、仲良くなったほうが良いじゃない」
「そうですよね」
そう言って、カトレアの言葉に育郎が頷く。
「まあ、貴方もそう思う?」
「ええ、やっぱりいがみ合」
「「アンタは黙ってなさい!!」」
息ピッタリで育郎に怒鳴る姉妹であった。

769 :ゼロの来訪者(代理):2007/10/08(月) 11:45:57 ID:Ku2/kfFb
「ごめんなさいね。もうお姉さまもルイズも、せっかく来てくれたお医者様に…
 気を悪くしないでね?」
「いえ、いいんですよ。僕は気にしてませんから」
「ミス・ツェルプストーも」
「私も気にしてないわよ」
広場で一通り騒いだルイズ達は、カトレアの提案で、ヴァリエール公の部屋まで
彼女直々に案内される事になったのだ。
「別にキュルケに謝る事なんてないのに…」
「あら、だめよルイズ。わざわざこんな所まできてくれたんだから。
 お姉さまも、お客様に粗相なんて、恥ずかしいじゃないですか」
「…もういいわよ」
「二人とも、わかってくれて嬉しいわ」
姉妹達の返事に笑顔をみせたカトレアが、今度は振り返って育郎を見つめた。
「それにしても貴方…変わった服装ね、名前も変わってるし…あ、気を悪く
 しないでね。ひょっとして東方から来たの?」
「え?あ、はい」
「まあ、やっぱり!私東方から来た人を見るのは初めてなの!」
そう言って無邪気に笑うカトレアに連れられ、育郎の顔にも笑みが浮かぶ。
「ま、それはいいとして。そっちのお姉さんの婚約者…なんて名前だっけ?」
「バーガディシュさん…だったかな?」
「違う。チキンブロス」
そう答える育郎とタバサに、エレオノールが溜息をつく。
「…バーガンディ伯爵様よ。ていうかなによ、チキンブロスって?」
「………」

770 :ゼロの来訪者(代理):2007/10/08(月) 11:47:00 ID:Ku2/kfFb
「そうそう、その伯爵様は何処にいらっしゃるのかしら?
 よろしければ、ご紹介して欲しいのですけれど」
先程の幸せモードの時は気付かなかったが、キュルケが浮かべる笑みに
不振な何かを感じ、エレオノールは眉をひそめた。
「ひょっとして貴方、妙な事を考えてないでしょうね?」
「何をおっしゃっているか、よくわかりませんわ」
二人の間に飛び散る火花に、辺りの空気に緊張したものが張り詰めていく。
「あら、ツェルプストー家の悪名は我が家によ〜く伝わっているのよ?」
エレオノールの声音に、恐ろしい物を感じたルイズがキュルケを見ると、なんと
キュルケは楽しげに笑っているではないか。
ルイズはこの時、胸以外で始めてキュルケを凄いと思った。
「あら、残念…バーガンディ伯爵様はもう帰られましたわ」
「「へ?」」
カトレアの言葉に、張り詰めていた空気が一気に弛む。
「ど、どうして?」
「さあ…お父様とお話してから、すぐに出発なされたもので」
「な〜んだ、つまんないの」
キッ!っと鋭い目を向けるエレオノールに気付き、悪戯を見つかった子供のように
舌を出すキュルケだった。

771 :ゼロの来訪者(代理):2007/10/08(月) 11:48:06 ID:Ku2/kfFb
「東方…の医者か」
むぅ、と唸り、顎に手をやって考えるそぶりを見せるヴァリエール公爵。
それからルイズが連れて来た平民を見る。
珍しい黒髪と黒い瞳を持ち、これまた見たことのない珍しい服を着ている
その男はどうみてもまだまだ若造であり、さらには剣を背負っているため、
とてもとても腕の立つ医者には見えなかった。そんな者に娘を診せるなど…
とはいえ、かわいい末娘がなんとか呼び出した使い魔である。
娘を信じたい気持ちもあり、この怪しげな少年をどう扱うべきか決めかねていた。
「では、カトレアを頼みます」
「お、おいカリーヌ…」
自分の隣にいる桃色の髪の鋭い目つきの女性、公爵の最愛にして…とにかく最愛の
妻の言葉に、ヴァリエール公爵は困惑した顔をする。
「あなた、何を悩んでらっしゃるのですか?」
「むぅ…その、なんだ…」
娘の前で、その使い魔への不審を述べる事を躊躇い、思わず口ごもってしまう。
「多少珍しくとも、使い魔は使い魔。
 主の不利益になるような事を、するはずもありません」
『平民の使い魔は多少珍しいで済ませるような事だろうか?』と公爵は思ったが、
確かに妻の言う通りである。
「…そうだな。ルイズ、その男にカトレアの治療をさせなさい」
「は、はい!」

772 :ゼロの来訪者(代理):2007/10/08(月) 11:49:09 ID:Ku2/kfFb
「ああ、エレオノール。お前はここに残りなさい。少し話がある」
ルイズ達といっしょに、部屋を出て行こうとするエレオノールを呼び止める。
「わかりましたわ、お父様。ほらルイズ、貴方はさっさとお行きなさい」
ルイズ達が部屋から出て行くのを確認した後、公爵はどう話を切り出すか
しばらく悩んだ後、結局単刀直入に言う事にする。
「あー、バーガンディ伯爵だが…お前との婚約は解消するとの事だ」
一瞬静寂が訪れ、そしてすぐにエレオノールの困惑の声が部屋に響く。
「…ど、どういう事ですの?何故!?」
「落ち着きなさいエレオノール。あなた、無論伯爵から納得のいく説明は
 受けているのでしょうね?」
長女と妻の視線を受け、なんとも気まずくなりながらも、これも親の義務だと
自分を納得させる。
「もう限界…だそうだ」
「どういう意味ですか!?」
どうもこうもそういう意味なのだが…とは公爵は言えない。
「はぁ…まったく、あなたはそんなわけのわからない理由で、婚約解消を
 受け入れたのですか?」
だってかわいそうだったんだもん…等とは口が避けても言えない。
「そうですわお父様!納得がいくよう話してください!」
「そんな曖昧な理由で婚約解消を許されるだなんて、何を考えているんですか?」
妻と娘に詰め寄られ、やはり自分の判断は間違っていなかったと確信する
ヴァリエール公爵であった。

773 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 11:49:29 ID:bFi1BDNz
支援するぜ

774 :ゼロの来訪者(代理):2007/10/08(月) 11:50:10 ID:Ku2/kfFb
来訪者 [sage] Date:2007/10/08(月) 03:06:00 ID:06Kcf9.g Be:
とりあえずここまで
いぬで吸血鬼娘の話が合ってびっくり
自分もやろうとしたが、もろもろの理由でやめた
やったらさぞかし育郎は沈み込んだ事だろう

さて次こそ本当に治療編だ

というわけで、この宇宙にいる何処かの誰かさん。代理投下を頼む!

775 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 11:50:13 ID:PlB06dJA
お父さん涙目w支援

776 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 11:51:42 ID:Ku2/kfFb
カトレアと育朗ってかなり相性がいいんじゃないかと思えてきましたマジで
あと公爵…この妻と娘に迫られたら意に穴が開きそうだな!
GJ!

777 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 11:54:46 ID:D7dYNZcq
公爵涙目
支援したッ!

778 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 13:18:03 ID:M2TWTWow
この公爵おいしすぎる。ぐっじょぶ!

779 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 13:37:07 ID:9WNDrZ66
仮面氏、バオー氏GJ!

780 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 13:54:13 ID:Y20q4HP7
「もう限界…」たった一言なのに心の底から納得できる理由だ
皆さんGJ!

781 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 15:20:06 ID:uE6ZqHax
GJ!

>>769
「バーガディシュさん…だったかな?」
「違う。チキンブロス」

喰われるか?
タバサに喰われるのか!?

782 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 15:41:09 ID:PA95OLT6
GJ! 男の立場は弱い、それがヴァリエールヒエラルキー。
……吸血鬼編が有ったら確かに落ち込んだろうな。
そして何となく思ったんだが……ヴァリエール家からツェルプストー家が寝取った人間には遍く乳が大きい遺伝子が有って、
それを悉く寝取られたからルイズとエレオノール姉さまはぺったんk(エクスプロージョン

783 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 18:52:53 ID:TPtW/mdX
>>512
ものすごく亀レスで恐縮なんだが
火の属性に「揺らぎ」が含まれるのって一般的?
ネクロノーム以外で見た覚えないんだが

784 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 19:13:52 ID:2kMoTdMc
>>783
むしろネクロノームを知ってる事に驚きだ。

785 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 20:19:08 ID:n0nj3ep9
>>783
うん、自分で振ってなんだがまずネクロノームが出てくるところに驚いた
俺はあれ読んでから陽炎とかライターの火がゆらゆら揺れるのを見て納得したが実際どうだろうね


786 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 21:04:59 ID:911Ohsit
逃げ水とか蜃気楼なんかは光の属性って気もするが。
ネクロノームぐぐってみたが空の属性ってどういうの?

787 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 21:07:13 ID:2kMoTdMc
虚空とかそんな感じだったか。
とりあえず対象を裏返してたよーな気がする。

788 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/08(月) 21:24:37 ID:TPtW/mdX
ネクロノームはラノベ的な魔術じゃなくてリアル世界の魔術の属性を採用してるからわかりにくくてなあ
ゼロ魔とかのラノベ世界だと火の魔術と言えば攻撃か炊事が定番なんだが…
まあジョジョには関係ない話ですが

789 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 00:20:18 ID:kfNAjAFW
時を吹っ飛ばしたッ!

790 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 00:20:19 ID:49VKWtCC
遅くなったが仮面さん&来訪者さんダブルGJ!!
仮面ルイザーと公爵さんの、形は違えど背負う悲しみの深さに俺が泣いたwww

791 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 00:39:24 ID:fOUZbsk5
バーガーディシュ少尉はここに来ていたのか…

792 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 00:41:52 ID:sOOqcm/i
な・・・何てこった・・・・・・
このままだと50レスに到達しかねん・・・・・・
ワルドどころかフーケもまだだってのに・・・・・・
何故・・・コンパクトに・・・まとまらない・・・・・・

793 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 00:44:03 ID:FWy09lnt
>>792
君の情熱ッ! 僕は敬意を表するッ!!


そして、逆に考えるんだ。
50スレ埋めてしまうぐらいなら、いっそ500KB埋めてしまえばいいや、と考えるんだ。

794 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 00:45:29 ID:2AUZnDXC
僕も敬意を表するッ!!

795 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 00:49:52 ID:49VKWtCC
栄光は…お前に…ある…ぞ…>>792

796 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 00:53:58 ID:vLvV1+ui
一レス60行まで入れられるこの板で50レス?
……3000行?
それはアレだ。一度の投下にどれだけかかるのかwww

797 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 00:54:51 ID:MV0+w6PI
50レスか……
聞いたか?感じたか?これが『栄光』だ
そして>>793ッ!50スレを埋める=5000レスの計算になるぞ…この……ドジ野郎がッ!

798 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 00:55:15 ID:aMKCdS6U
投下するときは規制をくらわないように、避難所に書いて報告だけした方がいいかも。

799 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 01:03:49 ID:sOOqcm/i
ドジこいたぁーーーーーーッ
1レス60行までOKだと!?
1レス32行前後だと思っていたがこいつはいかん!
それならもっとコンパクトに収められるぜェーーーーーーッ

フヒホホハハハアヘヘヘヘウヒョヒョヒョヒョヒョホハハハハハハハ

800 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 01:05:21 ID:2AUZnDXC
>>797
50スレを埋めるなら50000レスではあるまいか!?

801 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 01:06:31 ID:MV0+w6PI
>>799
お…俺だけかッ!冷静なのは!
落ち着くんだ>799!!

802 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 01:08:09 ID:MV0+w6PI
>>800
俺もドジこいたァ―――ッ!!

フヘラヘラヘラアヘアヘアヘヘヘ

803 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 01:22:27 ID:6eNlBgP1
>>799
せ、専ブラは ど、どうした?
もしや携帯か?

804 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 01:33:32 ID:+klXyVv4
雪風だからやっぱりバーガディッシュは食べとかないといかんのか


805 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 01:55:33 ID:kl6MmbOM
それか!なんでチキンブロスなのかやっと判ったぜ!

806 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 05:53:33 ID:o2ObYAKB
静かな夜でした。

807 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 08:03:25 ID:Ywhn0VDr
>>804>>805
俺も思い出した。
喉の奥に引っ掛かっていた小骨が取れたような爽やかな気分だ。
でもなんで俺投下時に分かんなかったんだよクソッ!
GJ!とか乙んときに言わねーとあんまり意味ねーだろクソッ!クソッ!!

808 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 09:34:23 ID:UMYYCSUE
なんだって皆して最高にハイ!って感じのテンションなんだww

809 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 14:26:35 ID:MV0+w6PI
そういやフーケいっていないのに、ということは
承太郎・フーゴ・シーザー二つ・イ丈助&トニオ・露伴&静とかか
いや、それとも他の方か?クソッ!わからねえ!

810 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 15:18:17 ID:l1NyYf5m
>>811
君の意見を聞こう!

811 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 15:19:16 ID:tya89MN2
>>809>>810
俺は【露伴&静】に>>812の魂を賭けるぜ!!

812 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 15:29:29 ID:EW3TSmg/
だが断る。
賭けるなら↑の命を賭けな

813 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 16:29:40 ID:gYGnpj0S
グッドッ!

814 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 17:29:08 ID:Ywhn0VDr
>>811の露伴&静に僕の魂を上乗せ(BET)しよう!
「露伴&静に僕の魂を賭ける!!」




これでいいんだな?(ヒソヒソ)
ホントに大丈夫なんだろうな?>>811(ヒソヒソ)

815 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 17:53:46 ID:ITKVzweQ
とりあえず
         _..  - ―‐ - ._
        , '"          \
      /"レ'/  /\_. へ、 ∧lヽ
     / /´ {/ノノ ,ィ爪Yハ`′  ',
   /  / // ノ´    ヽ ', l
   |  /   //   :    ', l |
   | l| l  /     .::     ,,l !l |      
   |l |l |  ド==、、::  ,r='"-| ! |         みんな・・・・・
  ノ|| |l l  |t‐t・ッテ,  ィrt・ッラ|l  |         ここ座んなよ
≦ノノll│ |  |. ´¨~〃 .,,_ ヾ~´ .|l lト、
_./ノ|l | |  l:.   ゙:. ′゙    ,'|l l|ヽヾニ=‐       お茶でも飲んで
‐''"ノ| | |  ト、     `''"__  /:l  l\ー-`ニ=-       落ち着こうや・・・
:::´ノ,l li l  | ヽ、 '‐ニ-'' ,イ:::l  lヾミヽ::l
:::‐"/ / ハ l  | ヽ ヽ、._"_/ l:::! l`ヽ、`二>‐
:::::/ノ/ } i l― -、ヾ三/ __ll l::::::::::::::`>― ---- 、
::::"´:::::::;.' ノ、 ', ⊂) 〈フフ  _,l l::::::::::::r'´ /¨>'"  )
:::::::::::::://::| ヽ ⊂⊃ノ7 '"´l _l. ― 、`='-、/( _,∠ヽ
:::::::::/´:::(cl=  ⊂二ノ   ,r'‐、  ‐= }   `ヽ |   }
:::::::::::::::::::::::`l   ⊆¨l  ハ __ノ} <l ,' ⊂) 〈フフ\-‐'´}
::::::⊂) 〈フフ:::l    ⊂ 」  { `¨´ l_> / ⊂⊃ノ7  ヽ/}
::::⊂⊃ノ7:(cl"´┌i 00 V ム Δ /   ⊂二ノ    l/}
::::⊂二ノ:::::::::l`⊂ ⊃   {` ー''"     ⊆¨l   l/
:::::::::::⊆¨l::::::::l (フl」<)=、‐-∨⌒ヽ     ⊂ 」   /
 ̄ ̄⊂ 」 ̄ ̄ ̄r'rブノ   `  ',   ┌i 00 // ̄ ̄
  ┌i 00'" ̄ ̄} }} ̄ ¨''‐、____ノ_  ⊂ ⊃ //
  ⊂ ⊃ |`` ========''"r==、ヽ-(フl.」<)‐'´
  (フl」<) ',          ノ   } }





816 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 18:02:54 ID:DV8Bv1m9
わざわざすまないな、ではいただこう

817 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 18:18:27 ID:kfNAjAFW
フーケ…ってこたぁギーシュ決闘は終わってるか最中ってことだ
つーわけでナンテコッタ・フーゴにスタプラザワールドのDISCを賭けよう!

818 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 18:23:04 ID:Ky3ZA8Pt
冷静に考えたら、ジョルノ+エロナレフ氏もフーケ戦はま(ry

819 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 18:32:07 ID:tya89MN2
>>814
ちょwww
勝手に乗っかるなwwww

>>815
ああ、いただくよ。
喉が渇いてたんだ。

820 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 19:03:53 ID:MV0+w6PI
ふむ…ではブラフォードに「エニグマの紙(10)」×10と「ハイエロファントエメラルド(99)」を賭けよう。
>>815
ああ、そうだな。いただきます…ッ…!!

821 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 19:25:43 ID:cLFKdy7M
三色コロネにオレっちのコートを賭ける

822 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 19:39:34 ID:PUGNS+6j
仗助に鎌倉カスターを賭けよう

823 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 19:43:19 ID:CqCs3Bwn
ルルルルルルルルルル
「ルイズ」だとッ!そんなもの賭けるのか…!?

824 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 19:54:23 ID:hVPuSL19
なら私は卿の髭を賭けよう










宜しいですよね?卿

825 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 20:04:40 ID:X5cQbmCm
>>824
      , イ             \
     /::::::\                \
      /::::::::::::::ヽ                 ',
      |::::::::::::::::::{              l
      |::::_:::::::::::::〉     、         |
     ).:.:.;=、彡/‐-ニ''_ー<、{_,ノ -一ヾ`~)
    )::.:.:!ハ.Yイ  ぇ'无テ,`ヽ}}}ィt于 `|ィ"~
   ):.:.:.:.:|.Y }: :!    `二´/' ; |丶ニ  ノノ
    ) :.: ト、リ: :!ヾ:、   丶 ; | ゙  イ:}    逆に考えるんだ
   { .:.: l {: : }  `    ,.__(__,}   /ノ
    ヽ !  `'゙!       ,.,,.`三'゙、,_  /´   「すでに髪は賭けて失っている、
    ,/´{  ミ l    /゙,:-…-〜、 ) |
  ,r{   \ ミ  \   `' '≡≡' " ノ        だから髭なんてなくなってもいいや」と考えるんだ
__ノ  ヽ   \  ヽ\    彡  ,イ_
      \   \ ヽ 丶.     ノ!|ヽ`ヽ、
         \   \ヽ `¨¨¨¨´/ |l ト、 `'ー-、__
            \  `'ー-、  // /:.:.}       `'ー、_
          `、\   /⌒ヽ  /!:.:.|
          `、 \ /ヽLf___ハ/  {

826 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 20:16:01 ID:o2ObYAKB
>>792
君の意見を聞こう。

827 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 20:28:44 ID:MV0+w6PI
>>826
本人に聞く気かw

828 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 20:50:55 ID:gFGTtY8c
仮面さん、文章も構成も最高だよっ!
そしてもうパロディを超えて、二次創作だの何だのではなく創作に近い(褒め

829 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 20:52:43 ID:WHWZMMSj
それでは9時から投下します。
>>792じゃないけど構いませんねッ!?

830 :ゼロいぬっ!:2007/10/09(火) 21:02:23 ID:WHWZMMSj

その日、ガリア国境は俄かに騒然となった。
トリステイン王国の勅使が入国を求めてきたのだ。
それも事前の通達もなく、突然にだ。
トリステインへの確認を取るべきか、
それとも本国の指示を仰ぐべきか、
久しく直面しなかった事態に混乱が起きる。
容易に国内に入れては責任問題になりかねない。
しかし相手が一国の勅使である以上、足止めなど出来る筈も無い。

「モット伯爵、この度はどのような御用向きで?」
「……………」
「事と次第によっては入国を許可する事は出来ません。
それだけの権限を私は本国より与えられています」
沈黙を保つモットに入国管理官は真意を問い質す。
何をしに来たのかさえ分かれば手の打ちようはある。
虚言を弄そうとすればそれを逆手に入国を拒否するつもりだった。
しかしモットは平然と答えた。
「では問おう。ラグドリアン湖の氾濫についてだ」
「っ……!」
ぎろりと睨みつけるモット伯の視線に管理官がたじろぐ。
今まで数え切れないほど関を抜けようとした者達を見破り、
不審な人物を残らず捕縛した彼であったがモット伯の威に気圧される。
「あの湖の精霊と我がトリステイン王国は盟約を結んでいる。
ならば事態の解決の為、我が国に交渉を持ちかけるのが筋であろう」
「ですが…それは…」
「自国のみで解決しようというならそれも良いだろう。
だが依然として氾濫は続き、ガリアの民は苦しんでいると聞く。
それなのに未だに連絡一つ寄越さないとはどういう事か!?」
モット伯の怒号に管理官の膝が震える。
伯爵ともなれば国が違えども自分の首を飛ばすぐらいは容易い。
彼を怒らせる事は破滅に繋がるのだ。
「かくなる上は直接ラグドリアン湖に赴き、湖の精霊と対話するのみ!
それを妨げるというのであれば、その行為を以ってガリア王国の正式な回答とする!」
その一言で管理官の背筋が凍った。
もし、自分が彼を入国させなければそれが国の総意となるのだ。
下手をすれば国際問題に発展しかねない。
男にそこまでの責任を取る度胸はなかった。
「わ……分かりました。ガリア王国は謹んで貴方様の入国を歓迎します」
「よろしい」
満足そうに笑みを浮かべるとモットは御者に馬車を進めるよう促す。
馬車は悠然と未だに騒ぎの止まぬ国境を通り抜け、一路ラグドリアン湖を目指す。

831 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 21:02:36 ID:Ky3ZA8Pt
>>829
構わん。やれ

832 :ゼロいぬっ!:2007/10/09(火) 21:03:49 ID:WHWZMMSj

「…しかしアンタもヒデェ事やるよな」
「何を言う。権力は振りかざしてこそ価値のある物だ」
ぴょこんと鞘から刃を覗かせるデルフにモットが返す。
ほとんど強行突破同然に関を抜けたルイズが安堵の溜息を漏らす。
相手に考える時間も機会も与えぬ一方的な叱責。
もし、あの場で足止めを食ったなら入国は不可能になっていただろう。
「随分と口が達者よね。どこで学んだか教えて欲しいわ」
「弁の立たぬ勅使などおらんよ。ましてや宮廷で狸共の相手をしていればな」
そもそも彼女に学ぶ必要はないだろう。
“ヴァリエールの三女”として一言発せばそれで大抵は片付く。
小細工や腹芸など私のような小物がやるべき事だ。
彼女は威風堂々と振舞えばいい、それでこそ付き従う者もいる。
ふと思う、もしアンリエッタ姫殿下の代わりに彼女がいたら…?
それはきっと楽しい事になるだろう、居並ぶ重臣が慌てふためく姿が目に浮かぶ。
(まあ、今より苦労する事になるだろうが…)
しかしそれも遠い日ではない。
彼女とていつかは姫の臣下として王宮に馳せ参じる。
その日を心待ちにして彼は風を感じていた。
それは馬車の窓より吹き込む風ではなく、
体制に固執するトリステインに吹く新しき風だった。


呼吸器が壊れたような荒い呼吸。
疲労のせいで視界がぼやける。
流れ落ちた汗を拭いながら再び湖面へと少女は向かう。
その横で彼はただ戦いに赴くタバサを見守る事しか出来なかった。

最後の任務は困難を極めた。
“ラグドリアン湖を氾濫させる水の精霊を退治せよ”
精霊を殺す事自体、禁忌に当たるというのに、
ラグドリアン湖に住む精霊はトリステイン王国と契約している。
公になれば国際問題となる完全な汚れ役だった。
しかしタバサに断れる訳が無い。
命令に従い、湖の精霊に攻撃を仕掛けた。
だが、いかに魔法に秀でていようとも人の身で精霊に挑むのは無謀。
そしてバオーが今持つ能力では精霊を傷付ける事は出来ない。
単身で挑むタバサが疲弊していくのも無理はない。
湖中を自在に移動する為の空気の球。
更に、それを維持しながら攻撃しなければならないのだ。
彼女の魔力にも限界がある。
せめて他にメイジが居たならば形勢は変わっていたかもしれない。
しかし、極秘裏に行わなければならない任務に救援などない。

833 :ゼロいぬっ!:2007/10/09(火) 21:05:27 ID:WHWZMMSj

襲撃から戻ったタバサが一息つく。
一度に倒すのは不可能、今夜はここまで。
この調子で何度か繰り返せばいずれは倒せる。
それだけの手応えを彼女は感じていた。
彼女達が引き返そうとした瞬間、湖面に巨大な水柱が上がった。
それは降り注ぐ水の槍と化し二人に襲い掛かる。
二人を分かつように間に突き刺さる水の槍。
咄嗟に左右に飛んだ二人に次々と槍が降り掛かる。
それをタバサは旋風の守りで防ぎ切る。
(狙われているのは私。このまま離れていれば危害は及ばない)
そう思っていた彼女の眼が驚愕に開かれる。
逃げ回る彼を次々と貫く水の刃。
その足元に血溜りが広がり彼の体を赤く染めていく。
水の精霊に人間の常識など当てはまらない。
たとえ攻撃したのがタバサだけだとしても関係ない。
仲間ならば同罪であると容赦なく彼を血の海に沈めていく。
自分の甘い考えを呪いながら彼女は詠唱を開始する。
瞬間、ざわりとタバサの背筋に冷たいものが走った。
視線の先には毛を逆立たせ変身していく彼の姿。
既に何度も目にした光景。
しかし彼女の嫌な気配は増していく。
この感覚には覚えがあった。
それは初めて彼の変身する姿を目にした時だ。
敵対する者その全てを悉く滅ぼす異形の怪物。
彼はそれに変貌しようとしていた。

「……ダメ」
旋風の守りを解き、タバサが彼の下へと走る。
彼女は予感していた、ここで彼を変身させたら帰って来れなくなる。
ルイズを好きな、ルイズが好きな彼にはもう戻れない。
大切な人を失ったタバサだからこそ分かる辛さ。
あれを二度と繰り返させはしない。
誰にも経験させたくない。
その一念で彼女は飛び出した。

834 :ゼロいぬっ!:2007/10/09(火) 21:07:18 ID:WHWZMMSj

咆哮を上げ湖そのものともいえる精霊に宣戦布告する。
敵が何であろうとバオーは滅ぼす、たとえそれが世界そのものであろうとも。
降り注ぐ水の矢を避けようと体を踊りだそうとした瞬間、誰かに抱き留められた。
それはタバサだった。
彼女は振り返る事無く杖を振るうと旋風で盾を作る。
何故、こんな事をするのか困惑する彼にタバサは繰り返す。
「……ダメ」
何が駄目だというのか、自分を脅かす敵を倒すのが悪い事なのか。
生き残る為に最善を尽くすのが間違っているのか。
彼女の言う事は辻褄が合わない。
薬の所為でおかしくなっているのだと納得し振り剥がそうとした。

でも、出来なかった。
少女の力なんて障害にすらならない。
しかし体が動かせない。
内より湧いてくる“力”とは別の温かい感覚。
彼を繋ぎ止めていたのはルーンという鎖だけではない。
それは自分と彼女の間にある確かな絆。
タバサは身を張って自分にそれを思い出せてくれたのだ。
そしてもう一つ、彼は思い出した事がある。

弱まった旋風の守りを突破し迫る水の槍。
自分にしがみ付いたタバサを連れ、彼が宙を舞う。
野生の獣をも上回る速度でバオーが駆ける。
それに遅れて水が通り抜けた後を貫いていく。
“タバサの事、お願いね”
ルイズと交わした大切な約束。
忘れるつもりなど無かった。
しかし、いつの間にか見失っていた。
陽の光で星が見えなくなってしまうように殺意に塗り潰されていた。
だけど、二度と忘れない。
自分を守ってくれた二人を笑顔で再会させる。
それがルイズの願いであり、自分の願い。

攻撃を避けながら彼は異変に気付いた。
自分に掴まるタバサの力が弱まっている。
恐らくは魔力を使い果たして気を失ったのか。
このままではいずれ彼女を振り落としてしまう。
迎え撃つしかないと彼は覚悟を決めた。
倒れた彼女を背後にそっと寝かせ、湖に向き合う。
向かってくる水を瞬時に蒸発させる程の炎は作り出せない。
どんな『武器』ならば凶器と化した水を防げるのか?
いや、迷う必要など無い。

835 :ゼロいぬっ!:2007/10/09(火) 21:09:07 ID:WHWZMMSj

彼へと降り注ぐ水の槍。
それを、彼は黙って受け入れた。
強力な水圧で撃ち出されたそれはバオーのプロテクターをも貫く。
ぽたりぽたりと水滴のように落ちる血。
足を踏ん張り彼はその場に立ち尽くす。
そこに容赦なく次の攻撃が襲い掛かる。
水が次々とバオーの体を撃ち抜いていく。
それでも彼は動かない。
『不死身の肉体』それこそが彼に残された最後の武器だった。
自分を盾にしてタバサを守る。
いくら傷付こうとも自分は再生する。
その間にタバサが目覚めてくれればここから脱出できる。
命は捨てない、この命を使ってタバサを守ってみせる…。

幾度も撃たれながらも彼は倒れない。
降り注ぐ攻撃を雨のように受け止める。
流れ落ちた血が乾く間もなく新たな鮮血が彩る。
そんな一方的な攻防が展開されてしばらく経った時だった。
突如、攻撃の手が止んだ。
諦めたのか、それとも許してくれたのか。
そんな希望的な観測を打ち破るようにそれは現れた。
湖面に立つ一際大きい水柱。
先程までの攻撃の比ではない。
一度放たれれば、さながら砲弾の雨と化すだろう。
アレを防ぎ切るのは不可能だ。
自分だけではない、タバサも守れない。
約束も、何も守れない。

堰を切ったように放たれる水。
まるで宙を押し潰す津波。
それを前にしたバオーが吼えた。
自身の内に秘めた力に吼えた。
殺す事しか出来ない力なら殺してみろ。
この全てを押し流す水流さえも殺して見せろ。
自然の摂理さえも捻じ曲げて生存を果たせ。
しかし願いも虚しく押し寄せる水にバオーは飲み込まれた。

836 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 21:10:13 ID:RTn/1KvI
 

837 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 21:10:29 ID:Ky3ZA8Pt
   

838 :ゼロいぬっ!:2007/10/09(火) 21:11:11 ID:WHWZMMSj

その刹那、爆発するように水が弾け飛んだ。
バオーの体から立ち上る蒸気。
押し寄せた水は完全に蒸発していた。
体が高熱を発したのか。いや、それは有り得ない。
そんな熱を放出して体が無事で済む筈が無い。
彼自身も何が起きたのか理解できない。
我に返ったバオーが背後を見やる。
そこには生命の匂いを放つタバサの姿。
それに安堵し再び湖へと向き直る。
再び彼を襲う水流。
だが、それは彼に届きさえしなかった。
上空から降り注ぐ炎が水を蹴散らしていく。
見上げればそこには天空を舞う雄々しき竜の姿。
見間違える筈が無い、彼女の使い魔であり自分の友である者を。
「ダーリン、大丈夫!?」
(お姉さまー!!)
バオーに声を掛けながらキュルケは警戒を怠らない。
飛来する水の槍をフレイムと共に次々と撃墜していく。
その間に着陸したシルフィードはタバサを背負い宙へと逃れる。

炎を扱うキュルケとフレイムの参戦は攻守を逆転させた。
あれが最後の力だったのか、次第に精霊の抵抗が弱まっていく。
このまま倒せるとキュルケが一気呵成に攻め立てようとした時、
湖畔に一台の馬車が突っ込んできた。
「待ちたまえ! 精霊を倒してはならん!」
馬車から降りて出てきたのはモット伯だった。
事情を知らないキュルケ達が目を丸くする。
いかにも“どうしてここに居るの?”と言いたげな視線で彼を見つめる。
ラグドリアン湖に向かう途中、彼はとんでもない物を目にしていた。
それは水柱が上がるわ、炎は降り注ぐわ、戦場さながらの光景。
大慌てで彼は湖畔へと急がせたのだ。
精霊を倒してしまっては『水の精霊の涙』は手に入らない。
それどころか二度と国内に入ってこなくなる。
その損失はどれほど大きな物か、彼はキュルケに丁寧に説明した。
「…そういう事ね。よく分かったわ」
「おお、分かってくれたか!」
魔法薬で正気を失っているので理解してくれるか疑問だったが、
さすがはミス・ツェルプストー。
惚れ薬程度で判断を誤るような理性ではないという事か。
「解除薬が無くてもダーリンへの愛は変わらないわ!
それに私、ゲルマニアの人間だから何の問題も無し!」
…悲しいほどに全然理解してない。
そういえばミス・ツェルプストーって惚れたら盲目的に一直線だった。
「ダーリンだってやる気になってるんだから止め…」
「いいかげんにしなさい! この色ボケ女!」
キュルケの言葉を遮る声。
見ればモット伯の馬車からもう一人誰かが降りていた。
被った帽子を取った瞬間、月明かりを受けて輝く桃色の髪。
それは彼が待ち焦がれていた人。
「……ただいま」
何の変哲も無い一言。
しかし、その言葉は今まで聞いたどの言葉より温かく力強かった。


839 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 21:13:04 ID:gYGnpj0S
わんわんっ!支援

840 :ゼロいぬっ!:2007/10/09(火) 21:13:46 ID:WHWZMMSj

そのしばらく後、彼女等は湖畔近くで勢揃いしていた。
手には杖も持たず、彼も元の姿へと戻っている。
互いの事情を確認したタバサは他に方法があるならと攻撃を中断した。
やる気十分だったキュルケは“ダーリンがそう言うなら”とあっさりと停戦に応じた。
シルフィードも同様に目覚めたタバサに止められた。
“水の精霊の涙”を手に入れるには精霊の協力が不可欠。
そこでモット伯の提案で一向は説得を試みる事になった。
いざとなれば実力行使も辞さない方向で。
(…それは説得じゃなくて脅迫というのだが)
言った所で通じないと判断したモットが水の精霊に呼び掛ける。
ほどなくしてモットの姿を模した水の精霊が現れた。
こちらに攻撃する意思が無い事を確認するとキュルケが告げる。
「貴方は完全に包囲されたわ! 無駄な抵抗は止め大人しく投降……むぐ!」
「…頼むからこれ以上、事態を混乱させないでくれ」
居丈高に水の精霊に降伏勧告をする彼女の口を抑え、
恐る恐るモット伯が伺いを立てる。
「私はジュール・ド・モット、かつて貴公と盟約を交わせし者の一人。
無礼を承知で問う。何故、湖を広げ罪なき民を苦しめるのか? 
その真意を是非聞かせて頂きたい」
「…いいだろう。単なる者よ」
返答も無しに攻撃してくる事も予想していたが、
無益な戦いを避ける為か僅かな沈黙の後、精霊は語りだした。
それによると精霊と長き時間を共に過ごした秘宝が何者かによって奪われ、
湖から身動きできない精霊はそれを取り返す為に水を増大させた。
いずれ大地の全てを覆えばその秘宝も戻ってくる、そう考えての行動だと言う。
随分と気の長い話だ、ミス・ヴァリエールなど三分も待てないというのに。
「その奪われた秘宝というのは?」
「アンドバリの指輪と呼ばれている物だ」
「……!」
自分の何気ない質問に対し、返ってきた答えは驚愕の事実だった。
その可能性を全く考えていなかった訳ではない。
しかし最悪とも思える返答に気が遠くなってくる。
水の力を宿した秘宝『アンドバリの指輪』
死に至る傷を癒し、死者に偽りの魂を与える力に留まらず人の心をも操るマジックアイテム。
手にした人間の使い方次第では国一つ滅ぼす事さえ可能だ。
どの道、放置しておくには危険すぎる。
「では水の精霊よ。その秘宝は我がトリステイン王国が総力を挙げて奪い返す。
だから今は水を引き、我等が誓いを果たすのを待って欲しい」
「…………」
しかし水の精霊は反応を示さない。
代わりに周囲からは驚きの声が上がる。
「ちょっと…! そんな事、約束して大丈夫なの!?」
「もはや一個人の問題ではない。水の精霊の協力は我が国には不可欠。
それに『アンドバリの指輪』が悪用される事態となれば、どれほどの災厄を招くか…」
ミス・ヴァリエールの反論を抑え、事の重大さを説く。
しかし重臣達を説得できるかどうかは甚だ疑問ではあった。
それを見越してか水の精霊は拒否を示した。
「断る。単なる者よ、お前を信じるに足る理由が無い」
「っ……!」
否定されたか、まさか水の精霊まで私の人望の無さを聞き及んでいる事はないだろう。
要は信じるだけの証を見せればいいのか。
まさか生け贄や人質を出せとでも言う気か?

841 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 21:14:14 ID:RTn/1KvI
 

842 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 21:14:14 ID:Hst8xv2T
支援っ!
モット伯頑張ってるよ そして、キュルケ自重っ!w

843 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 21:15:36 ID:blTRV4nP
このモット伯は支援せざるをえぬだろう!!

844 :ゼロいぬっ!:2007/10/09(火) 21:16:33 ID:WHWZMMSj

「私も探すのを手伝うわ、だからもう止めなさい」
「そう、じゃあ私も手伝うわ。ルイズに抜け駆けされたくないから」
「……私も」
三人が一斉に誓いを立てる。
しかし、それでも水の精霊は反応を示さない。
信用できない人間が何人来ても同じという事か。
「わんっ!」
「相棒も約束するってよ」
本来の主の下に戻った二人も誓いを立てる。
しかし人でもダメなのに犬じゃあ…。
「単なる者よ。お前に一つだけ尋ねたい」
無反応だった水の精霊が彼に興味を示した。
何故だ、ひょっとして犬以下の信用なのか、私は!? 
それともデルフの異常な交渉力の賜物なのか!?
困惑するモットを置き去りにして精霊は続ける。

「お前は背後にいた単なる者を身を挺して守った。
お前一人ならば逃げる事も出来た筈。何故そうしなかった?」
問われるまでもない。タバサは大事な仲間だ。
そして彼女を守る事はルイズとの約束でもあった。
それをデルフを通じ精霊へと伝える。
「いいだろう、単なる者よ。
お前は身を以って単なる者との誓約を果たしてみせた。
我は誓約を守る者をこそ信じる。
お前とお前のルーンを信じ、お前達の命が尽きるまで待ち続けよう」
その言葉に一同が沸き上がる。
ラグドリアン湖の氾濫はこれで終わりだ。
タバサも仕事を終え学院に戻る事が出来る。
しかしまだ一つだけ問題が残されていた。
それを解決せんとデルフが動く。
「じゃあ、そのついでと言っちゃなんだが。
アンタの体の一部も分けてくれねえか?
この調子じゃ相棒も自由に動けないからよ」
「……心得た」
彼を抱きしめて頬擦りするキュルケを一瞥し、
納得したように精霊は自らの一部を渡す。
上手いものだと感心しながらルイズは問う。
「しかし何か犯人に繋がる手掛かりのような物はありませんか?」
「盗んだ者が何者かは分からぬ。ただ個体の一人が『クロムウェル』と呼ばれていた」
「クロムウェル…!? もしやアルビオンのオリヴァー・クロムウェル司教の事か!?」
精霊の口にした名に心当たりがあったのか、モットの顔が蒼白になる。
彼の想像は最悪の形の実現していた。
突如として起こったアルビオンの内乱。
圧倒的優位な立場にあった筈の王党派の壊滅。
虚無の力と触れ回るクロムウェルの魔法。
次々と嵌まっていくパズルのピース。
もし事実だとすれば危機にあるのはアルビオンだけではない。
至急、本国に帰還し対策を練らなければ…。
即座に馬車に乗り込み、御者に指示を飛ばす。
しかし、彼の襟をルイズが掴み逃がさない。
「どこ行くのよ!? アンタにはまだ解除薬の調合って仕事があるでしょ!」
「は、離せ! 事は急を要するのだ! トリステインの存亡に関わる…」
「はいはい。誓約の湖でいいかげんな事言ってると舌引っこ抜かれるわよ」
弁明など一切聞く耳を持たない。
止むを得ず馬車はモット伯の屋敷へ針路変更を余儀なくされた。


845 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 21:17:06 ID:blTRV4nP
支援する!

846 :ゼロいぬっ!:2007/10/09(火) 21:18:39 ID:WHWZMMSj

揺れる馬車の中、彼はルイズと顔を付き合わせていた。
互いの横には頭を悩ませるモット伯と、疲れ果てうつらうつら舟を漕ぐタバサ。
密入国のキュルケはフレイムと共にシルフィードでの帰国となった。
言葉も無く見つめ合う二人。
たった数日の事だというのになんだか大分離れていた気がする。
ルイズの唇が声を出そうと動く。
「このバカ犬っ!」
突然の叱責に目を丸くする。
何を怒られたのか判らずオロオロとうろたえる。
その彼に続けてルイズの言葉が投げ掛けられる。
「タバサを守ろうとしたのは分かるけど…だけど!
それでアンタが死んだら…意味ないじゃない!」
怒鳴りながらポロポロと零れる大粒の涙。
それは彼が無事である事を安堵すると共に、
命が失われてしまうかもしれなかった悲しみでもあった。
ああ、そうか。精霊との話で知られてしまったんだ。
出来れば彼女を悲しませたくはないし涙も見たくない。
それなのに心のどこかでは、その姿を見て救われた自分がいた。
自分の為に涙を流してくる人、それがいる限り自分は怪物などにはならない。
そう心から実感できるのだ。

「ばか、ばかっ!」
それでもポカポカ殴られるのは痛いし彼女に泣き顔は似合わない。
何とか彼女を宥める良い方法を模索する。
自分とていつまでも無知ではない。
デルフとのお喋りで色々と学んでいるのだ。
そう、女の子を機嫌を取るにはどんな事を言えばいいのかも知っている。
「わんっ!」
彼はその一つを実践した。
断っておくが彼に悪気はなかった。
悪意があったのは、どういう結果になるのか判って通訳したデルフである。
「何て言ったの?」
「ん? ああ…“その格好、よく似合ってる”ってよ」
「……!!」
次の瞬間、激しい衝撃に馬車が大きく弾んだ。
キャンキャンと逃げ回る彼の悲鳴と、それを追い回す彼女の言葉にならない怒号。
それを耳にしながらモット伯は騒ぎに目を覚ました対面の女性に話しかける。
「私も似合ってると思うんだがね」
「……同感」
しかし言わぬが花であると、目前の光景を眺めながら二人は口を噤んだ。

屋敷に戻ったモットは休む間もなく解除薬の調合に取り掛かった。
イライラと出来上がりを待てぬルイズと、彼を抱き寄せて愛の言葉を囁くキュルケ。
タバサは疲れきったのか本を読みながらウトウトしていた。
以前の倍に当たる妨害を受けながらも彼は薬を完成させた。
そして即座に待機させていた馬車に飛び乗り王宮へと走る。
恐らく彼にとって生涯で一番良く働いた時間だったろう。


847 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 21:18:59 ID:Ky3ZA8Pt


848 :ゼロいぬっ!:2007/10/09(火) 21:20:14 ID:WHWZMMSj

三人が学院に着く頃には既に学生達も里帰りから戻ってきていた。
となると、もはや一刻の猶予も無い。
成分のついでに匂いまで凝縮したような異臭を放つそれをキュルケへと手渡す。
タバサはもうすっかり薬が抜けていた、後はキュルケだけである。
「飲んだって別に変わらないわよ」
「じゃあ飲んでそれを証明して。
そしたら私も二人の結婚を祝福するから」
「そう? じゃあそうさせて貰うわ」
秘薬の匂いには慣れているのか、キュルケは一息にそれを飲み干す。
しかし別段変わった様子は見られない。
“モットの奴、調合失敗して逃げたわね”
そうルイズが解釈する横でタバサがキュルケに歩み寄る。
「……新郎」
「あ、あはははは…」
ぐいとキュルケに手渡すように彼を持ち上げる。
それを目にしたキュルケの顔に乾いた笑いが浮かぶ。
どうやら今までの事を思い出して恥ずかしがっていたが、
私に気付かれたくなくて取り繕っていたようだ。
全く意地張りなヤツと笑みが零れる。
思いがけず大冒険に発展したが、これにて一件落着。
またいつもの日常が帰ってくる。
それはきっと平凡で、それなのに楽しくて仕方がない日々。
そんなのが続いていくのを幸せというのだろう。

「あら? ルイズにキュルケ、それにタバサまでどうしたの?」
突然、掛けられた声に振り向く。
そして戻ってくる学生の中に見覚えのある顔を見つけた。
「モンモランシーじゃない。貴方も帰省してたの?」
「ええ、そうよ。貴方達も今戻ってきた所なの?」
レビテーションで浮かせている大荷物を見れば一目瞭然か。
しかし彼女の顔には旅の疲れは出ておらず、
どこか学院に戻ってくるのを心待ちにしていたような雰囲気が感じられる。

「ところでギーシュを見かけなかった?」
きょろきょろと辺りを見回しながらモンモランシーが尋ねる。
その後ろ手に包装された何かを隠しながら。
恐らくはギーシュへのプレゼントだろう。
何とも微笑ましい光景に思わずキュルケもにやけてしまう。
そういえばギーシュの姿を見かけない。
…というか何か大事な事を忘れている気がする。
当の本人が現れたのは、その違和感にルイズが気付いた瞬間だった。
「あぁ! 会いたかったよ愛しの君!
この張り裂けんばかりの切ない想い、その胸の中で癒してくれ!」
飛び出てくるなり彼に抱きつき頬擦りをするギーシュ。
しかもモンモランシーを前にしても気にも留めず、愛の囁きを繰り返す。
カランと落ちた包みの中から香水の瓶が転がり落ちる。
家から取ってきたのか、それとも向こうで調合した物かは分からない。
その香水の持ち主は顔を蒼くしながら信じられない物を見る目でギーシュを見つめる。
僅かに顔を振りながら現実を受け入れるのを拒む。
しかし、目の前の光景は何一つとして変わらない。
「い…嫌ぁぁぁーーー!! 不潔ーーー!!」
叫びながら脱兎の如く走り去るモンモランシー。
誰も呼び止める事が出来ずに立ち尽くす。
あの誤解を解くのは大変だとルイズは他人事のように思った。
ギーシュがいつもの日常に戻れるのはまだ先の話みたいだ。

後に才人とギーシュを因縁付ける事になる香水は、
何も知らず取り残されて地面に横たわったままであった。


849 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 21:20:35 ID:RTn/1KvI
 

850 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 21:20:52 ID:blTRV4nP
しえん

851 :ゼロいぬっ!:2007/10/09(火) 21:22:02 ID:WHWZMMSj
以上、投下したッ!
次回は激動のアルビオン編!

852 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 21:26:40 ID:blTRV4nP
GJです!!
いぬのモット伯は輝きすぎて困る。
他のキャラクターも十二分に魅力的でさらに困る。

何より、いぬがどうなってしまうか、不安で困りすぎる……

853 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 21:38:53 ID:WI6af6Q3
                            〆⌒'ヾ、
                          γ'《.::::...  'ヽ,
                      _    ミ/'⌒ヽ,::. ヽ
 キングクリムゾンの右腕だッ! ( ゚∀゚)  ヽヽヽ  ヾ,  ヾ,
                     (   J       丿' ..::丿
.                     |  x"⌒''ヽ、⌒ヾ/  .:::/ ヽ
          _, -‐'´〈〈 ̄`ヽ、   | イ ...::   Y-.、   ..:::/ ヽ ヽ
        ∠__     〉〉   \. し     ! :ヽ .:::::/ヽ ヽ ヽ    
       / .ヘt,'/ ̄ ̄ヾ/ ̄ヽ }    `ー=i;;::..   .:ト、 /  )  .)  .)
       レ'ハ/ミl         l-、!      ゝ;;::ヽ  :`i  /  /  /
          lミ! ⌒    ⌒ lミ、.|        >゙::.   .,) /  /  /
          lミl ○    ○ |^)!    ////:::.  /;ノ / /  /
          `ヽ⊃ (^ ⊂⊃i-'   ゞヽ、ゝヽ、_/::   /// /   
           /⌒l, (_, イ-、    `ヾミ :: :.  ゙  _/ 
.          /i~i,,/_|三/ニ/i^iヽ    `ー--‐''゙~
          | l l li i l l lェ=ュ}i l ,,|.   GJ

854 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 21:40:42 ID:FWy09lnt
股間からキンクリの腕が生えているようにしか見えない件w

855 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 21:42:13 ID:r8gEdI/3
MOTTO! MOTTOだ! MOTTO輝けぇええええーーーー!

856 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 21:45:50 ID:2AUZnDXC
モット伯キャラが立ってるなあ。

857 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 21:48:41 ID:RglA1vnl
今だかつて、ここまで輝いているモット伯がいただろうかw

858 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 22:09:15 ID:gYGnpj0S
さすがワンワン!さすがMOTTO伯!さすがいぬ氏でありますッ!GJ

859 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 22:10:45 ID:B5yN5vgT
お犬様GJ!
モット伯がんばりすぎwww
>>855
シェルブリッド自重w

860 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 22:48:42 ID:nSgw+OsU
脂汗を流しつつ駆け回るモット伯がんばれ超がんばれ
GJ

861 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 22:58:52 ID:qA3jICSh
ちくしょう、モットかっこいいなあGJ!!

862 :初代スレ506:2007/10/09(火) 23:20:14 ID:UO3VIg99
30分に投下しても構わないですか?

863 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 23:24:47 ID:nSgw+OsU
支援

864 :Shine On You Crazy Diamond:2007/10/09(火) 23:30:17 ID:UO3VIg99
わたしとヨシカゲ、そしてツェルプストーとその友人は宝物庫いた。その場にはオールド・オスマンを含め、多くの教師が集まっている。
理由は宝物庫に開いている大きな穴が原因だった。この穴は昨日のゴーレムが開けたものだ。
壁には文字が刻まれていた。
『破壊の杖、確かに領収いたしました。土くれのフーケ』
刻まれている文字は明らかに犯人の犯行声明だった。そして犯行声明の通り、犯人『土くれのフーケ』は確かに学院の秘宝『破壊の杖』を盗んでいた。
『土くれ』のフーケと言えば武器屋の店主が言っていた最近巷を騒がしているメイジの賊だ。
貴族の宝を盗みまくっているとは聞いたけど、まさかこの魔法学院に盗みに入るなんて誰も思いもよらなかっただろう。
と、いうわけで教師陣はみな絶賛大騒ぎ中というわけなのだ。
わたしたちが呼ばれたのはフーケの犯行の一部始終、というより最初から最後までばっちり見たからである。呼ばれて当然だ。
むしろこの状況で呼ばなかったらバカじゃないの?
「衛兵はいったい何をしていたんだね?」
「衛兵などあてにならん!所詮平民ではないか!それより当直の貴族は誰だったんだね!?」
「ミセス・シュヴルーズ!当直はあなたなのではありませんか!」
「も、申し訳ありません……」
「泣いたって、お宝は戻ってこないのですぞ!それともあなた、『破壊の杖』を弁償できるのですかな!?」
「わたくし、家を建てたばかりで……」
周りに責められミセス・シュヴルーズが泣きながらその場に崩れ落ちる。これだけきつく大勢に責められれば当然かもしれない。
周りがミセス・シュヴルーズを責め立てる中、オールド・オスマンがミセス・シュヴルーズに近寄りながら擁護する。女性はいじめるものではないと。
その言葉にミスタ・ギトーが興奮したように口を開く。曰く、ミセス・シュヴルーズは当直なのに部屋で寝ていたらしいのだ。
確かにそれはいただけない。自分の職務を怠っていたのだから責任を問われるのは当然のことだろう。
しかし、オールド・オスマンのこの言葉でわたしは驚愕した。
「さて、この中でまともに当直をしたことのある教師は何人おられるのかな?」
その場にいた教師陣の殆んどはお互い顔を見合わせ、恥ずかしそうに顔を伏せた。自分は真面目にしたという教師は一人もいなかった。
それならなぜ、ミセス・シュヴルーズを責められるのだろうか?自分も真面目にしていなかったのに他の人間を責められる権利があるだろうか?
「さて、これが現実じゃ。責任があるとするなら、我々全員じゃ。この中の誰もが……、もちろん私も含めてじゃが……、まさかこの魔法学院が賊に襲われるなど、
夢にも思っていなかった。何せ、ここにいるのは、ほとんどがメイジじゃからな。誰が好き好んで、虎穴に入るかっちゅうわけじゃ。しかし、それは間違いじゃった。
このとおり、賊は大胆にも忍び込み、『破壊の杖』を奪っていきおった。つまり、我々は油断していたのじゃ。責任があるとするなら、我ら全員にあるといわねばなるまい」
それは誰が聞いても自分たちが油断していたのが悪い、一人の責任ではない、というのを心から感じさせた。
わたしの持つオールド・オスマンのイメージというのは入学式のとき、格好をつけて2階の柵から飛び降りテーブルに激突したあのオールド・オスマンしかなかった。
しかし、今目の前にいるオールド・オスマンは過ちを犯した者を寛大な心で許し、自分たちの非を素直に認めるという素晴らしく人ができた行動をしている。
そう、私はそこに学院に入学する前に聞いていた高名な大メイジ、オールド・オスマンの片鱗を見た気がした。
ミセス・シュヴルーズも感激したのかオールド・オスマンに抱きついて感謝の言葉を並べ立てる。
「ええのじゃ。ええのよ。ミセス……、あ〜ミセス……」
オールド・オスマンは抱きついてきたミセス・シュヴルーズを宥めながらお尻を撫で回してた。ついでに名前を忘れているかもしれない。いや、絶対に忘れている。
前言撤回、オールド・オスマンはやっぱり入学式のときのダメさ全開のままだった。高名な大メイジに見えたのもきっと幻覚だわ。
「こほん!……で、犯行の現場を見ていたのは誰だね?」
オールド・オスマンは咳払いをして場を仕切りなおすと、威厳に満ちているかのような声で尋ねる。

865 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 23:30:47 ID:hVPuSL19
道を譲らなくては

866 :Shine On You Crazy Diamond:2007/10/09(火) 23:31:24 ID:UO3VIg99
「この三人です」
わたしたちの前にいたミスタ・コルベールが前に進み出てわたしたちを指し示す。ヨシカゲは使い魔なので当然数には入らない。
「ふむ……、君たちか。詳しく説明したまえ」
わたしは前に進み出ると、あの夜目撃したことを話した。
巨大なゴーレムが現われたこと。そのゴーレムがここの壁を破壊したこと。肩に黒いメイジが乗っていたこと。そのメイジが『破壊の杖』を盗み出したこと。
そして再びゴーレムの肩に乗り城壁を越えて歩き出したこと。最後には崩れて土になったこと。跡にはなにもなかったこと。
「ふむ……、追おうにも、手掛かりナシというわけか……」
オールド・オスマンがヒゲを撫でながらそう呟く。そして何かに気がついたようにわたしたちを見てくる。
「そういえば、なぜ夜遅くにあんなところにいたのかね?」
「え!あ、そ、その……」
そうだった!すっかり忘れたけどわたしたちあのとき決闘してたんだったわ!でもここで答えなかったらなんだかあやしまれそうだし……
というよりわたしたち別に悪いことしてないじゃない!いや、確かに決闘は禁止されてるけど自分の面子を守るためには必要なことよ!必要なことは悪いことじゃないわ!
「……ツェルプストーと決闘してました」
「そうか。まあ、普段なら罰でも与えるが今は事態が事態じゃ。むしろ何もなくてよかったと言わざるを得ぬじゃろう」
よかった。どうやらお咎めはないらしい。あったらしっかり受け入れる覚悟はできてはいたけどね。
「事態が事態で思い出したんじゃが、ミス・ロングビルはどうしたね?」
「それがその……、朝から姿が見えませんで」
オールド・オスマンとミスタ・コルベールがそんな会話をしているところに誰かが部屋から入ってきた。それは今話題に上がっているミス・ロングビルだった。
遅れてきたわけは、どうやらこの事件のことを調べていたかららしい。なんて仕事熱心な人だろう。
「で、結果は?」
「はい。フーケの居場所がわかりました」
「な、なんですと!?」
ミス・ロングビルの報告にミスタ・コルベールが大声を上げる。周りにいる教師陣もミスタ・コルベールほどではないがざわめきたてている。
かく言うわたしもこれにはびっくりだ。動じていないのはオールド・オスマンとヨシカゲとツェルプストーの友人くらいだ。三人とも顔色一つ変えていない。
その胸中で一体何を考えているのだろう?
「誰に聞いたんじゃね?ミス・ロングビル」
ミス・ロングビルの話しでは、近くの農民に話を聞いたところ、近くの森の廃屋に黒ずくめのローブの男が入っていったのを目撃したそうだ。
「黒ずくめのローブ?」
わたしはピーンときた。あのときフーケは黒い格好をしていた。そして見かけられたのは黒ずくめのローブの男!間違いない!
「それはフーケです!間違いありません!」
わたしはオールド・オスマンに自信満々にそう言い切った。

今考えれば自分はとんでもなく浅はかだった。何故ならフーケの罠にまんまと嵌ってしまったのだから。

フーケがいるというその森は徒歩半日、馬で4時間の場所であるらしい。
ミスタ・コルベールが王宮に連絡しようと提案したがその提案はオールド・オスマンに却下された。

867 :Shine On You Crazy Diamond:2007/10/09(火) 23:32:29 ID:UO3VIg99
「王室なんぞに知らせている間にフーケは逃げてしまうわ!その上……、身にかかる火の粉を己で払えぬようで、何が貴族じゃ!魔法学院の宝が盗まれた!
これは魔法学院の問題じゃ!当然我らで解決する!」
その迫力は高齢であるということをまったく感じさせないほど力強いものだった。そしてその言葉はわたしの中の貴族を刺激した。
そうだ!貴族とは敵に後ろを見せない者、困難に正面から立ち向かう者をいうんだ!
オールド・オスマンがなぜ学院長をしているかわかった気がする。普段はダメさ全開だがやるときはやる人なのだ!貴族としての心構えができている人なのだ!
「では、捜索隊を編成する。我と思う者は、杖を掲げよ」
わたしは、きっと大勢の教師が杖を掲げるのだと思っていた。オールド・オスマンのあの言葉に刺激されないものなどいないと思っていた。
しかし、わたしの予想に反して誰も杖を掲げるものはいなかった。みんながみんな、困ったように顔を見合すだけだったのだ。
どうしてだれも杖を掲げないのだろうか?貴族なら、どんなに恐ろしくても立ち向かわなければいけないんじゃないのだろうか!?
「おらんのか?おや?どうした!フーケを捕まえて、名をあげようと思う貴族はおらんのか!?」
名……。もし、わたしがフーケを捕らえたらどうなるだろう?きっとみんなわたしを見返すに違いない。
わたしをバカにしていた連中はもちろん、姉や両親もわたしをたくさん褒めてくれるに違いない。みんなわたしを認めてくれるに違いない!
だれもわたしを『ゼロ』と呼ばなくなるに違いない!
「ミス・ヴァリエール!?」
そう思ったとき、わたしは既に杖を掲げていた。ミセス・シュヴルーズが驚きの声をわたしにかけてくる。
「何をしているのです!?あなたは生徒ではありませんか!ここは教師に任せて「誰も掲げないじゃないですか」……」
その一言でミセス・シュヴルーズは黙ってしまった。
「ツェルプストー!君は生徒じゃないか!」
突然、ミスタ・コルベールがわたしに向かって……、違う。わたしの後ろに向かって驚いたような声をあげた。
後ろに目を向けるとツェルプストーがしぶしぶといった感じで杖を掲げていた!なんとぉ!?
「ふん。ヴァリエールには負けられませんわ」
ツェルプストーに刺激されたのか、ツェルプストーの友人も杖を掲げた。
「タバサ。あんたはいいのよ。関係ないんだから」
ツェルプストーの驚天動地でブリミルも真っ青でありえないほど意外な人に対する気遣いを受けた少女は一言、
「心配」
とだけ呟いた。
どうやらツェルプストーはいい友人を持っているらしい。見た目も性格も全く違うこの二人はとても固い絆で結ばれているようだ。
フーケの捜索は危険だ。あれだけ巨大なゴーレムを作れるのだからトライアングルクラスであることは間違いない。
わたしも一人では正直不安だったが、味方がいるのは心強いものがある。
ツェルプストーの友人、タバサはツェルプストーが心配だからついて来るのだろうが、それは結果的にわたしの助けにもなる。非常にありがたい。
「ありがとう……。タバサ……」
だからわたしはそれを言葉にして表した。自分を助けてくれるものは素直に感謝するのは当然のことだ。
ただし、ツェルプストーは例外だ。感謝なんかするもんか。

868 :初代スレ506:2007/10/09(火) 23:33:41 ID:UO3VIg99
以上。

久々のルイズ編。吉良は来週あたりからまた投下します。

869 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/09(火) 23:40:25 ID:/z5O1gRS
GJ!この後吉良に殺されかけるわけか

870 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 00:13:00 ID:OCA3qDdb
wiki一通りみたけどなかなか凝ってるねこれ
ギアッチョとかよくできてる割に途中で終わってて残念だけど

なにかオススメあります?

871 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 00:15:40 ID:d2cGGmjd
>>870
途中で…?

872 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 00:16:40 ID:drhRQiiH
>>870
???
サブゼロはまだ連載中だが

873 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 00:18:12 ID:OCA3qDdb
>>872
そうなの?よく見るwikiでは2週間更新なかったら停止みたいな扱いだったけど
ここはもうちょい間隔長いのか

874 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 00:20:18 ID:qVxwt9zc
2週間程度更新がなかったからって停止にすんな
1年以上待ってる作品だって普通にあるんだぜ?
ここじゃないがな

875 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 00:21:37 ID:X3VL9h+k
>>873
贅沢すぎるだろ、常識的に考えて……
それだったら更新を半年待ち続けてたり俺はどうなるっつーんだよ
最低でも1年は待たないと停止とはいわんぞ?

876 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 00:21:53 ID:drhRQiiH
>2週間更新なかったら停止
ハードル高すぎワロタ

基本的に作者が完全に連載停止すると明言しない限り連載中と見ていいんじゃないか

877 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 00:25:06 ID:zkrbYzLh
2週間で停止扱いってどんだけ…

878 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 00:27:01 ID:wjnY7mwP
2ヶ月でも早いのに

879 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 00:31:07 ID:wgSxiYYL
遠まわしな催促か嫌味でしょう、ほっとこう。

880 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 00:41:52 ID:r4nLs1p3
2週間なんてニートじゃなきゃ達成できないよ

881 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 00:45:59 ID:kB3C8o7y
そのよく見るwikiとやらはどこなんだろう
ここと姉妹スレでないことは確かだが

882 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 00:50:35 ID:qiFiotxn
>>881
>>1のテンプレにあるまとめサイトの事だろ

883 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 00:52:50 ID:yI2VBzNY
>>882
それ以外のやつだってw

884 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 00:56:16 ID:r4nLs1p3
そしてやっと・・・終盤だ
多分・・・あと・・・5分の一・・・・・・
30レス程度で・・・決着するハズだ・・・・・・



余談だけど上の方で自分が書いてるのは出て無いよ

885 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 01:02:30 ID:yI2VBzNY
>>884
なッ!何ィ!?
二つ以上の意味でウソだろ承太郎!!

886 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 01:18:11 ID:Mgj+jd/4
>>884
その30レスは全体でのだよな?
そうでなきゃ全体で150レスという壮絶なことになるし

887 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 01:19:06 ID:Mp9lqNLT
>>884も驚異的だが……スレの容量も驚異的だ。
そろそろ立てないとマズいんじゃねぇ?

888 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 01:20:27 ID:2j1bxByp
なんというスレの密度


889 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 01:21:04 ID:+8+A3OU/
言われてみればそうだな、今483kbだから立ててこよう

890 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 01:22:00 ID:Mp9lqNLT
頼んだぞ>>889!任せたぞ>>889

891 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 01:32:51 ID:+8+A3OU/
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1191947281/
こ、これでいいんですか?

892 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 01:33:06 ID:Mgj+jd/4
今更だけど>>884ってスネイクの人じゃね?
確かフーケがまだでこれからラングラー戦だった筈だから、レスの数がかさむのつじつまも合う

893 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 01:33:28 ID:Mp9lqNLT
>>891
べネ!ディ・モールト!べネ!

894 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 01:34:28 ID:Mgj+jd/4
>>891
ブラボー・・・おお、ブラボー!

895 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 01:36:03 ID:X3VL9h+k
 で か し た !

896 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 02:03:44 ID:o/WUMhlT
覚醒モット(ゼロいぬっ!)格好良過ぎ。

897 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 02:31:36 ID:TgpUH1TP
ま・・・不味い・・・投下が滞っていたらいつの間にか思い出にされてしまうところだったッ!
はやく投下したいんだがどうにも上手く進まないぜ・・・今週中にはどうにかしたいところだ

898 :ゼロの茨:2007/10/10(水) 03:21:38 ID:+8+A3OU/
埋めがてら気分転換の小ネタ投下。



「ハーミット・パープル」を使い魔にしてはや数日。
ルイズはいつものように授業に出て、いつものように魔法を失敗し、いつものようにバカにされていた。
しかし不思議と心は晴れ渡り、バカにされても鼻で笑い返すほど、彼女の心は満ち足りていた。

今日は虚無の曜日、すなわち休日である。ルイズはハーミット・パープルの能力をより深く図るため、王都トリスタニアに行くことにした。
「五人目ね」
すれ違った男が何かに足を取られ、ブルドンネの大通りのど真ん中で盛大にスッ転ぶ姿を見つつ、ルイズが呟いた。
いくら王都とはいえ、休日で人に溢れている大通りにはスリも多いのだが、ハーミット・パープルで財布を包み込んでいるルイズには通じない。
それどころか、財布をスろうとした貴族崩れのメイジに、ハーミット・パープルで足を引っかけて転ばせるという地味〜な反撃もしているのだ。
しばらく町をぶらついた後、タバサの探していそうな秘薬を見てみようかと、ピエモンの秘薬屋へと足を向けた。

「またのお越しをお待ちしておりやす」
秘薬屋の近くを通りかかったルイズは、フードを被った男性を中心に、いかつい体つきの男達が店から出て行くのを見つけた、店の人間が恭しく見送っているのを見ると、どうやらお忍びの貴族か金持ちの上客らしい。
ルイズは少し考え込んでから、意を決してその店に入ってみることにした。
「いらっしゃいませ、おや貴族様ですか、うちは目を付けられるようなことはしておりませんが」
先ほどのお忍び姿の男と違い、ルイズは魔法学院の制服姿、つまりマントをつけたメイジの姿をしているので、店主は揉み手をしながら卑屈そうにしていた。
「ちょっと見に来ただけよ」
「そうでございましたか。もしや、従者に与える武器武器をお探しでございましょうか?」
「従者?」
ふと思い返すと、先ほどの男達は確かに貴族とその従者にも見える。
「はい、最近土くれのフーケが貴族様相手に暴れ回っているせいか、従者に与える武器の需要も高まっておりまして」
「そうなの」
短く、素っ気なく返事をしつつ、ハーミット・パープルを伸ばして店主の頭に軽く触れると、特に何の思考も伝わってこなかった。…ということは、この男は本心から今の言葉を言っているのだろう。
しかしルイズの態度を見て、この店主は金儲けの算段を思いついたのだろう、悪巧みの思考がハーミット・パープルを通してルイズに伝わってきた。
『こりゃ何も知らないみてえだなあ、見た目の良さそうな剣でも売って、気持ちよ〜〜〜くお帰り願おうか、へへへ』
店主の思考を知ったルイズは、貴族に対し不埒な考えを抱く店主に、少しお灸を据えてやろうと考えた。

「この店で一番上等な剣はどれかしら?」
「へえ!少々お待ちください」
そう言いながら、店主は店の奥から大仰な剣を持ち出してきた。
柄などに宝石がちりばめられた美しい長剣であったが、ルイズの心はそんなものには惹かれない。
なぜなら、ハーミット・ハープルが店主の頭にちょっと触れれば、この刀がどれほどのものかすぐ解ってしまうのだから。
「これはゲルマニアのシュペー卿が練金された名剣でございまして……」
説明を聞いていたルイズは、笑いをこらえるのに必死だった、店主が頭の中で『シュペー卿は実践に使えないガラクタばかり作るんだよなあ』と考えているのだから。
とりあえずルイズは、それをそのまま言い返すことにした。
「シュペー卿は実践に使えないガラクタばかり作るんですって?」
「へっ?え、あ、その……儀礼に使う剣として素晴らしいものでして、はい」
ビクッ、と体を震わせ、少し怯えているようにも見える店主の姿がおかしくて、ルイズは笑いながら呟いた。
「ふふっ、お店の程度が知れるわね」
『ちげえねえ!一本とられたなあ親父よお』
突然、店内から聞こえてきた声に、ルイズはきょとんとした。
「げっ…。デルフ!おめえ余計なこと喋るなって言っておいたじゃねえか!」
『俺は何も言ってねーよ。やるねえ貴族の娘っ子よお、この親父が狼狽えてるのは久々に見たぜ』
きょろきょろと店内を見回したルイズは、声に合わせて一本の剣が振るえているのを見つけた。
「インテリジェンスソード?実物は初めて見たわ」
ルイズはデルフと呼ばれたインテリジェンスソードに近づき、ハーミットパープルで柄を握った。
インテリジェンスソードにも心があるのかと思い、興味本位で這わせただけなのだが、不思議なことにハーミット・パープルの先端に輝くルーンが浮かび上がった。

899 :ゼロの茨:2007/10/10(水) 03:22:54 ID:+8+A3OU/
『おお?おでれーた!こりゃおでれーた、嬢ちゃん使い手か、しかも面白いもん持ってやがる』
「使い手? …あ、それよりも、コレのこと解るの?」
『ああ、ルーンが浮かんでるおめえの使い魔だろ?でもおかしいな、なんか主人と一心同体な気がする』

これはまずい、という考えたがルイズの頭をよぎる。
ルイズがハーミット・パープルの能力に満足しているのは、他人には見られないという点が大きい。
そのため、ハーミット・パープルをすぐに知覚できるようなものが、他人の手に渡るのは何とか避けたい。
意を決してデルフリンガーを持ち上げると、店主に向かって言った。
「これ、値札が付いてないけど、幾らになるかしら」
「それですかい?それなら100エキューでけっこうでさ」
すかさずハーミット・パープルを伸ばして店主の頭に触れる、先ほど高額な剣を売り付けようとした罰として、弱みを握って安く買いたたいてやろうと思ったのだ。
だが、店主の頭には、口の悪いデルフリンガーが返品される可能性への不安や、家族を食わせていくには幾らで売れば丁度良いか…など、予想外に家族思いな一面が見えていた。

「……100エキューね。それぐらいなら払うわ」
「! まいどあり、へへへ、それでしたら鞘もおつけしまさあ、五月蠅いときは鞘に押し込めば静かになりますんで」
ルイズが代金を支払うと、店主は急にニコニコと笑顔を見せつつ、サービスとばかりに鞘と、質の良いナイフを付属品としてルイズに渡した。
デルフリンガーを九割ほど鞘にしまい、綺麗な文様の浮かんだナイフを懐にしまうと、ルイズは代金とは別に金貨を一枚カウンターへ置いた。
「貴族様、ナイフはサービスでございますが」
「今度生まれてくる子供には、ひもじい思いをさせないようにしなさい」

店主は一瞬、呆気にとられたような顔を見せた。
ルイズが店から出て行くと、店主はハッと正気に戻り、金貨を自分の額の前に持ち上げて、心の祖から恭しく礼をした。

『おめえも変わった奴だななあ』
「あんたも変わってるわよ、口が悪いのに”インテリジェンスソード”なんて、何の冗談?」
『俺にだって、デルフリンガーって名前があるんだぜ。ただのインテリジェンスソードだと思わねーでくれよ』
「デルフリンガー?たいそうな名前ね。私は…そうね、ルイズで良いわ。さっき見せたのは私の使い魔『ハーミット・パープル』よ」
『へえ…なるほどねえ』
デルフリンガーは、馬に乗って魔法学院へと帰るルイズの背に負われつつ、ハーミット・パープルの『意識』を感じ取っていた。
(この嬢ちゃんの意識に何か混ざってると思ったが、当然だよなあ、完全に一体化して影響し合ってやがる)
「なにか言った?」
『なんでもねえ、これからよろしくな』



思えばこの時、デルフリンガーをちゃんと問いただしていれば、ルイズは一生残る過ちを犯さずに済んだのかも知れない……

900 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 03:24:30 ID:Mp9lqNLT
支援……そして何だ、ジョセフの意識が影響して起こる過ちって……あー、アレしかないかな

901 :ゼロの茨:2007/10/10(水) 03:24:56 ID:+8+A3OU/
この日の晩、ルイズは風呂に入って疲れを癒し、そろそろ寝ようとしたところで、異変が起こった。
コンコン、と扉がノックされ、『アンロック』で部屋の鍵を開けられたのだ。
「!」
昼間のスリ対峙の興奮が覚めやらぬのか、思わず、ハーミット・パープルを出しつつ身構えるルイズ、だがその緊張と心配は杞憂に終わった。
「はぁい、ルイズ。今暇かしら」
部屋に入ってきたのは、ネグリジェを着たキュルケだった。
「何よもう、そんな格好で……驚かさないでよツェルプストー。 それにアンロックは禁止されてるじゃない」
「そんなこと言わないでよ、貴方の部屋から話し声がしたから、男でもつれ込んでるのかと思ったけど……」
そう言ってキュルケはルイズの部屋を見回す、どう見ても男が隠れそうなところはないし、窓から逃げ出した様子もない、それにベッドも綺麗なままだ。
「あんたじゃあるまいし、男を連れ込むわけ無いじゃない」
先ほどまでデルフリンガーと話していたのを聞かれてしまったのかと、心の中で舌打ちしたルイズは、キュルケが満面の笑みを浮かべているのを見て少しだけ不機嫌になった。
「ふふっ、そうよねえ、男なんかいらないものね」
「何よ、皮肉のつもり? 用がないならとっとと出ていってよ」
「違うわよ、あんな立派な触手があるなら、そりゃあ男なんかいらないと思うわよねえ」
「言わせておけば…!」
キュルケを、窓から外に投げ飛ばしてやろうか、と思ったところで、ルイズの頭の中に声が響いた。

”言ってわからねー女には、体で解らせてやれッ!”

「そうね!その通りだわ」
笑みを浮かべつつベッドから立ち上がったルイズを見て、キュルケは後ずさろうとしたが、自分の体が何かに絡め取られているのに気づいて身を硬直させた。
「ちょっ、ルイ…んっ」
ハーミット・パープルがキュルケの口をふさぎ、そのままルイズのベッドへと引き倒す。
「言って解らないなら、躰で解って貰うしかないわね」
ルイズの浮かべた笑みは、悪戯を思いついた子供のような…言い換えれば『ハッピーうれピーよろピクねー!』といった具合の笑みだった。



翌朝、誰かの肌の感触で目を冷ましたルイズは、窓から差し込む朝日の眩しさに目をこすりつつ、隣を見た。
なぜか一緒のベッドで寝ているキュルケが、やけに熱っぽい視線をルイズに投げかけている。
「昨日は…凄かった……」


頭から血の気が引いていく音って、ホントに聞こえるのね……
そんなことを考えながら昨晩のことを思い出し、ルイズは気絶した。

(続かない)

902 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 03:28:40 ID:Mp9lqNLT
投下終了かな?
茨の人久しぶりにGJ。やったじゃないかルイズ。
何時も寝取られてばっかりのツェルプストー家から寝取るなんて。とりあえずデルフは折檻っぽいけど。
続かないと書いてるけど、続きも是非待っててしまいそうだ。

903 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 03:30:30 ID:nyE9FeC7
GJ!
ジョセフなにやってんすかwwwwwwwwwwww

904 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 03:35:50 ID:d2cGGmjd
さあ皆さんご一緒に。

ハッピーうれピーよろピクねー!

905 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 03:37:16 ID:nyE9FeC7
>>904
IDがmjd!?

906 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 05:57:17 ID:nyE9FeC7
俺が時を止めた…03:37:16の時点でな…

907 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 07:57:26 ID:RO1EuEak
ちょっちょっと!ルイズの部屋だと声駄々漏れじゃない?!
んだがGJ!!

908 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 10:18:27 ID:FeXJsfUc
キュルケの触手好きは異常www

909 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 10:24:34 ID:Zn601WdT
GJ!
デルフは一晩中ルイズVSキュルケを観戦していたということか。

次の立派な触手の餌食は誰だ?

910 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 10:30:58 ID:7w4WJdsl
つまり何故かルイズと友達になろうとする女子が増えるって訳だな。

911 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 10:54:28 ID:XBeY1Wq0
さすがジョセフッ!ご立派ッご立派ッ!そこに痺れる憧れるゥ!

912 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 13:21:41 ID:UebnmLd3
ジョセフの意思が残っているとなると波紋が使える可能性があるな。
ハミパ&波紋&ガンダールヴ&虚無+波紋法の呼吸の応用高速詠唱・・・

究極生物にも勝てそうなルイズだな、おいw

913 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 13:29:15 ID:d2cGGmjd
つまりこういうことか? 俺のIDは…

GO!GO!mjd!!

914 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 13:46:34 ID:8qIWmVLF
Exactory(その通りでございます)

915 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 13:53:04 ID:VovQVpPI
デルフも買っちまったし、
これで『ケティ・モンモランシー』を食っちまったことで決闘がおきれば、
連載もいけるな。

916 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 15:32:09 ID:DV44Q+uu
ルイズ「いいのかい?ホイホイついてきて。私は級友だって喰べちゃうメイジなんだぜ」

917 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 17:09:09 ID:jz0O2IIn
なんという「ご立派なルイズ」・・・

918 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 17:56:25 ID:ZAV+NGQS
>>915
それはつまり…
ギーシュ「よし良い事思いついた。君、僕の尻に『銀色の波紋疾走』してくれたまえ」って事なのか?

919 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:31:47 ID:yI2VBzNY
そろそろ『埋め』に入らなきゃあまずいんじゃないか?容量的に…

920 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:34:03 ID:IxTugozn
ルイズ「ああ。次は山吹色の波紋疾走だ」

921 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:36:02 ID:3GPz6C5U
なんで触手エロ話が薔薇に変わっているんだ?

922 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:40:40 ID:X3VL9h+k
薔薇色の波紋疾走!

923 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:47:15 ID:DV44Q+uu
>>921
ゴルゴムのし……新手のスタンド使いだっ!

924 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:50:20 ID:X3VL9h+k
そういやしぇっこさんやでぃあぼろーんのAAはあるけどチョコラータ先生のはないのかな?
探せばあるのかね?

925 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:51:14 ID:6OU1/sBL
>>922
薔薇色って書いてあるのにくそみそいろとしか読めないのはなんでなんだぜ?

926 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:52:42 ID:DV44Q+uu
マルコヌ「いくぞギーシュぅ!薔薇色の波紋疾走!(くそみそオーバードライアッー!)」

927 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:55:19 ID:Un43F0jD
                __.....  -- ―‐ --  ....__
                filヽ、_        _,r'il゙i
                | ll ll ll`「TT''''''TT"「 ll ll |
                |ヾ ll ll. l l ll  l l l / //|
                |=rヾ ll l l ll   l l l,r''ヽ=|
                |=|  ヾ l l ll  .l.l /   |=|
                |=l    ヾl ll  lレ′  |=|       未来で会おう
                |=l      ヾ,ヅ     |=|      http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1191947281/l50で・・・・
               r、V             Vヘ      
               |ヘl(      、 li r     )lイ|      
                |.ト| `r‐toッ‐ィ_}l_ノr toッ‐ァ゛|ノ|
              l.ト|  " ̄´":i  ヾ" ゙̄` |ノ|
            ヾ|ヽ    { |        / |<      
              ノノll U  ', :L.     U lト,ヽ     
           f⌒>{.ll lU    ヾノ     Ul l } <⌒i
          ヽr゙ |l.| ',l   ー‐--一   l/ l.| ゙tノ
            ,r'"ヾ|   ',   ====="  /  リ`ヽ、
        /   |    ',   t=   /   |   \_
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