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あの作品のキャラがルイズに召喚されました part67

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:16:57 ID:D+kM/7cP
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。

あの作品のキャラがルイズに召喚されました part66
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1190989916/

まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/

--------------------------------------------------------------------------------

    _              ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃 ` ヽ  .   ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
    l lf小从} l /   ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.   ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
   ヽ_/ィヘ_)〜′   ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!
              ・議論や荒らしへの反応は、避難所でやりなさい!

--------------------------------------------------------------------------------
     _
     〃  ^ヽ      ・クロス元が18禁作品であっても、SSの内容が非18禁である場合は本スレへの投下で問題ないわ。
    J{  ハ从{_,     ・SSの内容が18禁な展開をする場合はクロス元に関わらず、本スレではなく避難所への投下をお願いね?
    ノルノー゚ノjし      ・クロス元が型月作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
   /く{ {丈} }つ     ・クロスはお互いを尊重しなきゃだめ。一方的なのはモテないわよ?
   l く/_jlム! |      ・不要な荒れを防ぐには、sage進行もいいんじゃないかしら。
   レ-ヘじフ〜l         ・次スレは>>950から。お願いね?テンプレはwikiの左メニューを参照よ。



2 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:18:48 ID:VHlTdrIY
そこに貫く>>1乙は固く

3 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:20:38 ID:lTRVGL+r
>>1


4 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:20:38 ID:tV4GKc2+
>>1

★お知らせ★★★★★★★★★★★★★★★★
まとめwikiのお絵描き掲示板が正式稼動しました。
それに関連して避難所に絵板スレが立っています。
絵師さんがいましたら是非一度ご確認ください。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

5 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:21:41 ID:Yp63wimt
京大RPG研究会
ttp://www.ku-rpg.org/
ttp://www.ku-rpg.org/trpg/population.html 中世の人口

Dragon's Lair by Water Dragon
ttp://ww2.enjoy.ne.jp/~tteraoka/
ttp://ww2.enjoy.ne.jp/~tteraoka/esse.htm 中世の食事
ttp://wdragon.fc2web.com/fg/index.html 中世ヨーロッパの装い(下着含む)


小説の書き方参考
ttp://www.feel-stylia.com/rc/creative/ ←【重要】

6 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:23:03 ID:VHlTdrIY
>>5
割とどうでも良い気がするんだが、どうよ?

7 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:24:34 ID:g7vthl60
>>1乙。

>>5
かなり割りとどうでも良いリンクじゃないか?

8 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:27:31 ID:WrFsVK16
乙。

>>5
実のところかなり割りとどうでもいい気がする。

9 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:27:56 ID:Yp63wimt
「中世の都市人口」リンク切れを修正


京大RPG研究会
ttp://www.ku-rpg.org/
ttp://www.ku-rpg.org/column/population.html 中世の都市人口

Dragon's Lair by Water Dragon
ttp://ww2.enjoy.ne.jp/~tteraoka/
ttp://ww2.enjoy.ne.jp/~tteraoka/esse.htm 中世の食事
ttp://wdragon.fc2web.com/fg/index.html 中世ヨーロッパの装い(下着含む)


小説の書き方参考
ttp://www.feel-stylia.com/rc/creative/ ←【重要】

10 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:30:33 ID:LGIAm6uO

でも何で軍事板某スレのテンプレ?

11 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:33:22 ID:ddukrIuN
何時もの軍板から来る荒らしだろ。age厨だったっけ?創作系荒らし専門。

12 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:33:59 ID:7GHIMeQE
や・・・やめてくれ。H召喚フラグは立てないでTT

13 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:34:26 ID:Yp63wimt
魔法の産業利用

土系魔法で塹壕掘り、そういう事が出来るなら耕作・開墾作業もできまつ。ファイアーボールのような火系魔法は鉄鋼生産に利用できまつ。
その他各種民生・産業分野に魔法は使え、とてつもない巨利を生みまつ。
そもそも工業製品によるサービスを手に入れる為に必要な手順として、農業を興して余剰生産物から生まれた富で天然資源を採掘し、それを加工するのでつ。
でも、いきなり工業を興すことはできまつぇん。
その前段階の、農業によって生み出される微々たる富では1000年以上に渡る蓄積が必要なのでつ。
鉄を手に入れるには人夫を集め、道具を持たせて山を掘り、採掘した鉄鉱石を砕いて炉に放り込み、薪をくべて、フイゴを吹いて、ハンマーで叩く。
採掘夫の人件費、採掘ノウハウの費用、採掘具の費用、炉の建造費、燃料代、たたら職人の人件費、採掘夫の人件費には求人費・旅費・紹介費が含まれ
採掘ノウハウを持つ人間を育てるには十年以上かかり、その間の生活費は持ち出し、燃料となる木炭も切り出すまでに30年以上人手を掛けている。
これだけの農業に関わらない人間を養うだけの余剰生産力が必要なのでつ。更に言う、ここまでで手に入ったのは 「工業製品の材料」に過ぎない。
工業製品によるサービスを手に入れる為には更なる苦労が必要なのでつ。

これだけのプロセスを個人の内側で処理してしまう魔法使いはまさに万能人型産業機械ともいうべき代物であり、反則級の代物でつ。

14 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:35:18 ID:ddukrIuN
以下、無視で>ALL

15 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:35:26 ID:RMNgseOL
クウガ召還された奴の続きが見たい今日この頃。
1乙。

16 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:35:36 ID:WEPPG4ll
>>1
乙!!

そして>>5だが―――
小説の書き方はともかく、あとはどうでもよくね?
ぶっちゃけ、原作自体「現代日本人がイメージする中世ヨーロッパ(かなり美化済み)+ご都合主義」の世界観だし。

17 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:36:41 ID:D+kM/7cP
つまり>>5の人は黄金拍車とのクロスでリアルな中世世界を描写してくれるんだな。

18 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:37:22 ID:0TeX8OAD
HかSだろ?
特にHは厄介だから召喚しないでくれ
スレが大シスマ起こす

19 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:37:49 ID:9yDfwJK+
某研究者が来たら喜びそうだな

20 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:40:13 ID:HgvgPkX6
>>5

ルイズ「それがどうした」

21 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:42:04 ID:I1DIhq9a
ID:Yp63wimtは荒らしだからこれ以降無視よろ

22 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:48:21 ID:Hd5l2Q9M
全く度し難いな!>by発狂大佐

23 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:53:45 ID:rcczikzT
植物召喚はまだ無いなと思っていたら、天地無用の皇家の樹(ユニット含み)召喚とか思いついた
・・・誰でも契約できる第三世代艦でも反則レベルだから、難易度高すぎてあきらめたけど

植物で召喚して面白いの無いかな

24 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:54:58 ID:D+kM/7cP
ブルーシードから荒神を召喚してみるか

25 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/30(日) 23:57:23 ID:hnLMf0mI
オシリス召喚してタバサ母を治療とな?

26 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:00:10 ID:NIF3vYHy
マップスのシスター・プテリスも植物だな。

あとはマタンゴとかビオランテとか怪獣系もおもろし

27 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:00:23 ID:QdIq2BZv
>>23
天外魔境から暗黒ラン

28 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:03:03 ID:lTRVGL+r
>>23
ダブルブリッドから童子斬り

29 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:04:22 ID:6FZAI2D2
>>23
緑の王からアレトゥーサ

30 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:07:01 ID:ZmbVv1hn
1000 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:05:57 ID:kQiPhQyQ
>>1000なら菊池キャラ召喚を書く

よし書いてくれ

31 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:07:24 ID:aW8g/S7F
1000 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:05:57 ID:kQiPhQyQ
>>1000なら菊池キャラ召喚を書く

わざわざ苦難の道に踏み込むか。

32 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:08:11 ID:wnDLnmHk
菊地キャラで一番安牌っつーと……外谷さん?


33 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:09:38 ID:a6J7VX11
前スレ>>1000
では菊池キャラのマイナー所なんかどうだろう?

つ妖神グルメの主人公

34 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:09:55 ID:W4Jh1sqr
植物ネタかぁ…
怪奇植物トリフィド召喚。資源としてはかなり優秀な使い魔です。

35 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:10:05 ID:ZW0ev0VT
念法シリーズの工藤明彦とか。
たぶん一番の人格者。

36 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:10:56 ID:WYfaLe/q
>>22
雷電、今すぐゲーム機の電源を切るんだ!

37 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:11:15 ID:FmMQsG5h
>>26
ウルトラだと、結構多いよね
ケロニア、グリーンモンス、ワイアール星人にバラサ・・・植物系モンスターってある意味定番なのか?

>>34
駄菓子歌詞、ハルケギニアが結構なピンチに見舞われそうな悪寒

38 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:11:52 ID:xAT4fNLA
菊池かよ! こりゃ大変だ。

どうも、魔界から今晩は。カオスルート松下です。メガテンのカオスヒーローくんの続きはまだですか?
今夜は、『バアルのようなもの』が出て来ますよ。さしあたってテラカオス&グロ注意?
もう、カオスです。メシアってロウじゃあないのかしらん。

39 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:12:50 ID:COo/TIRk
魔界都市の黒豹の旦那は?
あの人だったら、トンでも特殊能力もないし結構いいよ。
あと、ピエールの主人公の秋月さんなんてどうでしょう?

40 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:12:55 ID:N0h5HESh
安牌な菊地キャラ……人形娘とか。
見た目可愛いし家事はできるからルイズは喜ぶかも。

41 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:13:12 ID:vmcGQyq9
せつらがいいなぁ
糸使い万歳

42 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:13:32 ID:Whvp3ovd
>>1スレ立て乙

そして前スレ>>1000幸運を祈る!


43 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:14:05 ID:aW8g/S7F
グロだったら避難所に行った方が良いかも。

44 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:14:07 ID:W4Jh1sqr
>>34
一夜にしてハルケギニアの住民全員が盲目にならない限りは少しばかりの事故ですむんじゃないかなとも。
あと植物つーたら忘れちゃいけないビオランテ。ドクターケイトでも可。

45 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:14:23 ID:pTRPn8EW
>>33
とりあえずマルトー親方がコテンパンにやられるな。
そのまま本筋無視してトリステイン宮廷料理人との対決。
水の精霊を料理したいとか言い出して湖へ。
きゅるきゅるをはじめとする使い魔達は身の危険をいつも感じまくり。

46 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:14:27 ID:9nRZldXI
菊池は菊池できくたけの方かもしれんぜよ?

47 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:14:36 ID:8xRdPXen
植物…

知ってる奴はもうほとんど書かれちゃてるが基本的タチの悪い奴が多い気がする。

48 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:14:46 ID:NIF3vYHy
実は菊池は菊池でも菊地たけしだったりしてw

49 :『使い魔くん千年王国』 第二十六章 審判の日 1/4:2007/10/01(月) 00:14:50 ID:xAT4fNLA
黒雲と雷雨の中、地水火風は再び激しく変動する。大地は揺れ動き、あちこちで稲妻と竜巻が起こる。

「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム」「エロヤマエッサイモ……」「バランガバランガ」「カモーーーイ!!」
「テクマクマヤコン」「マハリクマハリタ」「おらといっしょにぱらいそさいくだ!」「オーーーーーム……」

地下の魔法陣、いや『地獄の門』の周りでは、救出された村人たちが手を繋ぎ、口々に怪しい呪文を唱えていた。
まるで気が触れたかのように、村人の叫びは大きくなる。

「おらの連れ合いを奪った奴らに、死を!!」「父ちゃんを返せ!」「姉さんを返して!」「熱い! 火傷が痛い!」
「あたしの子供を、家を返せええええ!!」「マコト……くん……」「オンゴロ……アラベ・ムニ・オンゴロ……」
「トコイ……トコイ……」「ぐろうりやのぜずさま!!」「いいいひひひhっひひひひひhh」「斉天大聖!!」

地上では、シエスタとコルベールに支えられた松下が、残る魔力を振り絞って。
空の上、タバサの駆る風竜シルフィードの背では、キュルケに支えられたルイズが、溜め込んだ魔力を振り絞って。
互いの口はシンクロして動き、同一の呪文を紡ぎ出す。『門』を開くための禁断の言葉を。

EL  ELOHIM  ELOHO  ELOHIM  SEBAOTH
ELION  EIECH  ADIER  EIECH  ADONAI
JAH  SADAI  TETRAGRAMMATON  SADAI
AGIOS  O  THEOS  ISCHIROS  ATHANATOS
AGLA  AMEN

天と地の間で呪文が完成し、『地獄の門』が大地を突き破って、暗黒の地上へと浮かび上がる。
そして、聞いた者の魂を削り取るような轟音と共に、ゆっくりと開く。


《第五の御使が、ラッパを吹き鳴らした。すると私は、一つの星が天から地に落ちてくるのを見た。
 ……そして、『底知れぬ所の穴』が開かれた。
 穴から煙が大きな炉の煙のように立ちのぼり、太陽も空気も暗くなった。
 その煙の中から『蝗』が地上に出てきたが、地の蠍が持っているような力が、彼らに与えられた。
 彼らは、地の草や全ての青草、また全ての木を損なってはならないが、
 額に印のない人たちには害を与えてもよいと、言い渡された……》
  (新約聖書『ヨハネの黙示録』第九章より)

50 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:15:34 ID:NIF3vYHy
あれいつの間に、急いで支援体制に移行だ

51 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:16:39 ID:pT8GrzoX
> 「テクマクマヤコン」「マハリクマハリタ」「おらといっしょにぱらいそさいくだ!」「オーーーーーム……」
混ざってるよ支援!

52 :『使い魔くん千年王国』 第二十六章 審判の日 2/4:2007/10/01(月) 00:16:39 ID:xAT4fNLA
何万という戦車のような、激しい響きがした。羽音だ。
それは『虚無の深淵』、すなわち『地獄』から沸き起こる、無数の悪魔(デヴィル)どもの羽音であった。

灼熱の黒雲が、『地獄の門』から沸き出す。そしてアルビオン艦隊へ、まっしぐらに向かっていった。

《騎兵の数は二億であった。……
 乗っている者たちは、火の色と青玉色と硫黄の色の胸当てをつけていた。
 それらの馬の頭は獅子の頭のようであって、その口から火と煙と硫黄とが、出ていた。
 この三つの災害、すなわち、彼らの口から出て来る火と煙と硫黄とによって、
 人間の三分の一は殺されてしまった》
  (同『ヨハネの黙示録』第九章より)

黒馬に跨る『獅子頭王』ヴィネが、毒蛇を纏わせた腕から嵐と雷を放つ。
松明を掲げ空飛ぶ大蛇に乗る『火炎公』アイニが、三つの頭から地獄の業火を吐く。
黒い天使の姿をした『浴槽の公爵』ピュセルが、氷の剣を振るって吹雪を巻き起こす。
赤黒い毛皮を持つ『豹公』フラウロスが、爆炎を放って竜騎士を撃墜する。
黒い大鳩の姿をした『死と破滅の伯爵』ハルパスが、嗄れ声とともに浮かぶ魔剣を振り回す。
大蜘蛛の体と三つの頭を備えた『東の王』バエルが、巨大な脚で戦艦に跳び移る。
さらに、さらに、さらに。

暗雲と日蝕の闇の中、松下の魔力とルイズの『虚無(ゼロ)』によって虚空に開いた『地獄の門』から、
名も知れぬ無数の悪鬼(デーモン)が黒雲のように沸き起こり、全長200メイルの巨大軍艦『レキシントン』に取り付く。
『アンドバリの指輪』で魂を失った敵兵の肉体を噛み千切り、貪り、両断し、焼き尽くし、凍結し、押し潰し、爆砕し、
屍山血河を作る。ばらばらと木片や肉片が降り注ぎ、地面を朱に染めた。
貴族も平民も、人間もオーク鬼もトロール鬼もオグル鬼も、火竜も風竜も『平等』に、おぞましき『死』の手に渡される。

53 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:17:10 ID:NIF3vYHy
支援

54 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:17:20 ID:W4Jh1sqr
これより、本スレは支援態勢へとトランスフォーメーションを行います。
住人の皆様は所定のシェルターへと避難してください。

55 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:17:50 ID:FmMQsG5h
>「おらといっしょにぱらいそさいくだ!」
ちょwwww稗田先生吹いたwwww支援!

56 :『使い魔くん千年王国』 第二十六章 審判の日 3/4:2007/10/01(月) 00:18:08 ID:xAT4fNLA
「……うはははははは、やりおったな『東方の神童』に『虚無の担い手』!!
 ならば、この私が相手だ!! かかって来い悪魔ども!!」
『魔眼のワルド』が武者震いして嘲笑い、空中に飛び出すや黒い煤煙が全身から噴き出す。
そして大気と大地が震え、虚空に巨大な『魔眼』が現れた。『バックベアード』である。

『魔眼』のひと睨みで弱い悪鬼は吹き飛ばされるが、悪魔(デヴィル)―――地獄の貴族たちには効果が薄い。
バックベアードは無数の触枝と手足を伸ばし、複数の悪魔と渡り合う。さらにワルドの姿の『遍在』も出すが、
こちらも悪鬼を蹴散らすのが精一杯だ。マンモンとメルコムは、逃げるが勝ちと悪魔の群に合流する。

「陛下、脱出を! このままでは、墜落します!!!」
「しぇ、シェフィールド殿……余は……余は……」
フードを被った黒髪の女が『神聖皇帝』クロムウェルに叫ぶが、彼はあまりの事に放心している。
「ええい、早く!! 行け、鴉よ!!」
翼長10メイルはある大鴉が、シェフィールドの背中から飛び出し、クロムウェルを鉤爪で攫う。
その背中に飛び乗り、シェフィールドもフネから脱出する。

「妖怪よ、立ち去れっ!」
松下の腕から祝福されし『銀の槍』が飛び、『魔眼』をどすりと貫く。
「「ッぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」」
絶叫と共に『魔眼』は煙のように掻き消え、白髪で老人のように痩せこけたワルドが地上に落下する。
それを、先程の大鴉がさっと拾い、ついでに飛び降りたフーケも乗せると、いずこかへ飛び去った。
松下は、ぐったりとシエスタの胸に寄り縋る。

57 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:18:17 ID:a6J7VX11
支援・・・って、悪魔単体じゃなくて軍勢呼んだ!?

58 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:19:36 ID:pT8GrzoX
>「妖怪よ、立ち去れっ!」
一番妖怪じみてる人間が言う台詞としては皮肉の効いたものだ支援

59 :『使い魔くん千年王国』 第二十六章 審判の日 4/4:2007/10/01(月) 00:19:37 ID:xAT4fNLA
ズゥ………ン、ズゥ………ンと、黒雲に包まれた戦艦が次々に墜落していく。
敵艦隊、殲滅。生き残りなど、いるのだろうか。いまや村も草原も、炎と死肉とフネの残骸に溢れている。

「この世の、終わりじゃ……」
「おお……始祖ブリミルさま、どうかお慈悲を……」
「おらもつれてってくだせ、おらもつれてってくだせ」
逃げ延びたタルブの村人たちが地上に出ると、眼下には文字通り地獄が広がっていた。
コルベールの顔色も、蒼白だ。
「メシア……全て、落ちましたよ」
シエスタは松下の小さな体を抱きかかえ、至極冷静に、戦艦の数を数えていた。

松下はよろよろと『右手』を上げ、天を指す。
ざあっと黒雲が左右に開き、黒く翳った太陽と二つの月が姿を見せた。
日蝕の闇の中、夜宴は終わりを告げる。

無数の悪魔たちは、何万もの雷鳴のような物凄い響きとともに天高く舞い上がり、
日蝕が終わろうとする太陽と月の影へと吸い寄せられていく。
そこへ『地獄の門』が飛び上がり、悪魔たちと地上の残骸を吸い込んでいく……。


永劫とも思える時が過ぎ、悪夢の日蝕は終わった。
黒雲は消え去り、暖かな日差しが廃墟と化した地上を照らす。

ルイズと松下は精魂が尽き果て、同時にばったりと倒れ伏した。

(つづく)

60 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:20:12 ID:NIF3vYHy
支援

61 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:20:52 ID:NIF3vYHy
初めての共同作業、おつ!

62 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:21:14 ID:pT8GrzoX
ルイズまで詠唱を…っていうか虚無の門ってオイオイオイイオイGJ!

63 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:21:25 ID:Whvp3ovd
菊池…通隆?
・・・!?・・・麻宮騎亜か!
おっと、支援する!

64 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:21:33 ID:Q/H5HzaC
GJ!!
そしてここで倒れちゃいますか。
ショックを受けている人間ほどカルトに引きずり込みやすいやつらはいないというのに。

65 :『使い魔くん千年王国』:2007/10/01(月) 00:22:34 ID:xAT4fNLA
以上、投下終了! ああ、だいぶくたびれた。
創作上でも悪魔召喚はパワーを消費するもんですね。
次回、使い魔くん千年王国は第一部終了ということで、後片付けを。

66 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:23:30 ID:ZW0ev0VT
甘い生活の江戸伸介召喚。
本筋そっちのけで、パンツはあってもブラの概念がないっぽいハルケギニアの下着事情を改革。
とりあえず出会う女は触りまくって自分に惚れさせる。

でもタバサとルイズは勘弁な。

67 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:26:10 ID:Q/H5HzaC
植物系というと、すでに呼ばれたものなら悪魔の実とか。
一応植物にカテゴライズされるだろう。

ここで、モルボルとか呼んでみてはどうだ?

68 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:27:31 ID:/j/hepFU
あれ?一日で一スレ消化したの?流れ速すぎじゃね?

69 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:28:28 ID:QdIq2BZv
>>67
くさい息で契約さえできない罠……

70 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:29:24 ID:ig2qECgr
>>15きっと帰ってくるさ

俺も書こうと思ったが受験生の上に携帯しかない。ルルーシュ呼びたいのに

71 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:30:00 ID:pTRPn8EW
大スペクタクルGJ!
悪魔軍団召喚スゲー。

じゃ、自分も投下してもいいですか?

72 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:31:47 ID:wnDLnmHk


>>71
来るがよかろうなのだぁーッ!
歩道が空いているッ

73 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:32:00 ID:Whvp3ovd
バッチこ〜い!

74 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:32:38 ID:a6J7VX11
>>71
歩道橋が空いているではないか

75 :虚無の使い魔と煉獄の巨神:2007/10/01(月) 00:33:33 ID:pTRPn8EW
―――ティファニアはアルビオン王弟の娘である。
それが少女にとって「良いこと」であった事は少ない。
もしも父親が「王様の家族」でなければ、ひょっとしたら今も何処か人の居ない山奥か何処かで、
家族三人つつましく穏やかに暮らせていたかもしれないのだから。
けれどそれは夢でしかないと判っている。
どんな事情が父と母の間にあったのかは知らない。
けれどきっと、父が父であったから、母が母であったから、二人は出会って恋に落ちたのだろうと思う。
自分が王家の血筋である事を否定するのは、自分がエルフの血を引いている事を否定するのと同じこと。
自分が自分である事を否定するような事は、ティファニアの思う「正しいこと」ではない。
ならばアルビオン王族である自分、エルフである自分を受け入れて、その上で自分は何をすべきなのか。
朝食の仕度を調えながら、ティファニアは深く悩み続けていた。

一方、サイトとギーシュは今日使う分の薪と水を用意するため、枯れ木や枯れ枝を集めに朝の森を歩いていた。
昨日はうっかり忘れていたが、ワルキューレを使えば水汲みも大きな倒木を運ぶのも簡単なのだ。
そんなワケで女性陣には木の実やキノコでも集めてもらうことにして、
男二人が余計に必要になった5人分を賄うべく地道な労働に精を出しているのである。
だが、そこでサイトとギーシュは恐ろしいモノと出会っていた。
全身がガクガクと震える。汗がふきだす。見開いた目を閉じる事も出来ない。
あんな恐ろしいモノ、今まで生きてきた十数年の間、見たことが無かった。
「ふははははははは! ふあっはあはははははははは!」
それは全裸で哄笑を上げながら飛ぶマッチョなオッサン一人。
「この森はアレか! 水汲みに出ると必ずタイヘンな物に出くわす仕組みにでもなっているのかよ?!」
半分ぐらい泣きが入ったサイトの叫びがマッチョの笑いと響きあう。
昨日のテファのアレはまさにタイヘンなものだったが、今日のコレはむしろヘンタイなモノだ。
「ささささサイト、どうするよ? どうしたら良いとおもうかね?」
「おおおおお落ち着けギーシュ。落ち着いて素数を数えるんだ!」
サイトの国では専門用語でテンドンと呼ばれる会話を繰り広げる二人の頭上で、
天駆けるストリートキングのご立派が強い風に晒されて揺れる。
デルフリンガーを握る手の甲ではルーンがギンギンに輝いていたが、そりゃあ心だって震えると言うものだ。嫌な意味で。
「ふははははははははは!! 空を飛ばずしてなんの人生でありましょうや!」
鍛え上げられた全裸の筋肉が、風を切ってピクピクと蠢く。
コルベール先生を上回る見事なハゲ頭が、爽やかな朝の陽光を反射してキラリと輝く。
立派なカイゼル髭は絶好調の気分を表すかのようにピンと張っていた。
総合すると空飛ぶ変態に他ならないナニかがこっちに近づいてくる。
「「おちつけるかあぁぁぁぁぁ!」」
あんまりと言えばあんまりな光景に、ついにサイトが壊れた。
「いっけえぇぇぇ! デルフリンガー・ミサイル!」
「うわっ、ヤメロ相棒、俺っちだってアンナもん斬りたくねぇよおぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
尾を引くような悲鳴をあげて投げられるデルフリンガー。
見事なピッチングで吸い込まれるように裸人へと飛んだデルフだったが、命中する前に男の全身が魔炎を上げて墜落した。
「ヒドイぜあいぼおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「うわあ……キミの剣、アサッテの方向に飛んでったぞ」
幸い高度を落としていたおかげで、男はクルクルとトンボを切ってサイト達の目前に着地した。
「おおう、いきなり何をするのですか少年達よ!」
「喋った! 喋ったぞサイト!」
空飛ぶ裸人でも喋るのは当然だろうが、完全にテンパってるギーシュは自分でも何を言っているのかわからない。
「うるせぇ! こっから先は女の子や子供も住んでるんだよ! 変態は侵入禁止だ!」
サイトのキレぎみの発言も微妙にテンパっている。
見事な胸筋と腹筋を誇示するように、伸ばした両腕を後ろに回したボディビルダーのようなポーズで立つ天空の変態改め大地の変態。
もちろんフリチンで。
「なぁに、当然知っていますとも、少年。ですからこの辺りで着陸して、こうやって……」
そして取り出したフンドシのような布をエレガントに穿いて見せる裸人。
フンドシ(もどき)は元の世界のパンツは一着しか持っていないサイトも愛用している、この世界の平民用の一般的な下着である。
よく見ると買い出し用のような大き目の、中身の詰まったズタ袋を背中に担いでいたようだ。
「そしてこうして……」
更に袋から出したマントを羽織る。
こうなるともう裸人ではない。

76 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:33:58 ID:NIF3vYHy
>>71
男は黙って中央突破

77 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:34:40 ID:wnDLnmHk
裸人教徒支援

78 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:34:46 ID:QdIq2BZv
支援だ

79 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:34:55 ID:aW8g/S7F
くっ、好きな作品が同時に投下されるとは……『こっちを支援する』『あっちを支援する』両方やらなきゃいけないのが住人のつらい所だな

80 :虚無の使い魔と煉獄の巨神:2007/10/01(月) 00:35:04 ID:pTRPn8EW
そうなって落ち着いてよく見れば、存外理知的で穏やかそうな目をした男だった。
でも所詮元裸人だが。
「ふはは! これで問題は無くなったでしょう、少年達よ!」
「な、なんなんだよアンタは」
気圧されながら聞くサイト。
その問いに、男は紳士的な物腰で答える。
「私はこの先の村でご厄介になっている者でしてな。名を『大気泳者』スピッツ・モードと申します。
それで、アナタ方は何者ですかな、沈黙する地獄人の少年?」
「相似魔術師か!?」
自分を沈黙する地獄人と呼んだモードの言葉に身を硬くするサイト。
咄嗟にデルフを掴もうと思ったが、彼は飛んでいって森の中だった。
相手もサイトが感知している限り魔法は使えないはずだったが、体格差から考えて素手同士では勝てない気がする。
「相似大系? はて、私は錬金体系の魔術師ですが?
それにアナタ、見た所日本人のようですが、公館ではお見かけした事がありませんな?」
その言葉に、緊張していたサイトの全身から力が抜けた。
公館というのは、魔術師の犯罪者から日本を守る仕事をしている政府の機関なのだとグレンから聞いている。
だから、多分戦う必要は無いのだ。
「俺は平賀才人。公館とかの関係者じゃない、です。今は、ティファニアの所に泊まってる……泊まってます」
そう思えば裸人と言えども服を着たのだから年上の人だ。
微妙につっかえながら、サイトは自分の素性を明かす事にした。
そして、一番重要な質問をする。
「あの、アンタ何で全裸なんですか?」
「少年はなぜ全裸ではないのかね?」
逆に聞き返された。
サイトとギーシュは、コイツやっぱり変態だと確信するのだった。

結局、彼の扱う錬金体系の魔術は、物の境界面に魔力を見出す魔法体系であり、その最たるものが体表面であるため、
錬金世界は純粋な『自己』たる全裸をさらすのが恥ずかしいという感覚の無い文化なのだと言う事だった。
また、モード氏の飛行魔術が体表面に触れた大気を水のようにする事で飛んでいるため、全裸でないと使えないという単純な理由もある。
錬金世界の魔術師にとって、全裸になる事はこちらのメイジが杖を掲げる事と同じなのだ。
そのため彼の世界では男も女も裸を美しく保とうとし、それを見せる事に躊躇しないのだという。
羨ましいような恐いような話だった。
「ほうほう、召喚の呪文で偶然こちらに呼ばれたと? それは大変でしたな。
私などは殺されたかと思ったその瞬間、この世界に飛ばされたようでしてな。
ティファニア殿と世界移動の偶然には、一命を救われたと言うべきなのですよ」
『大気泳者(エアダイバー)』は基本的に気のいい善良な人物らしく、村へと帰る道すがら、色々な事を語って聞かせてくれた。
自分が「刻印魔導師」と呼ばれる、罪によって地獄、つまり魔法を消去する住民が住む地球へと堕とされた罪人である事。
罪人とは言っても、モード氏は裕福な商家の出身であったため、政争によって無実の罪で地獄に落とされた政治犯である事。
日本国の『公館』と呼ばれる組織で、地獄人の専任係官と呼ばれる公務員に使われる立場だった事。
刻印魔導師は専任係官の下で100人の犯罪者を討伐しなければ罪が許されない事。
モード氏はただ空を飛ぶ事が好きで、どんな世界でも空を飛べるのならそれなりに満足だった事。
地獄人の作る飛行機械にも大変興味を持っていて、地獄生活もそう悪いものでは無かったという事。
それ以上に、この「空の国」とも呼ばれるアルビオンで暮らすのは自分に合っているのだと感じている事などを話してくれた。
「公館、魔導師公館の専任係官は皆殺しの戦鬼、スローターデーモンと呼ばれます。
その中に、沈黙する悪鬼、サイレンスと呼ばれるヒトがいたのですよ。
私の担当係官は地獄出身の魔法使い『アモン』でしたから、あまり面識はありませんが、
公館に係わる者は誰でも知っています。
ソレは最強ではなく、『アモン』のように最多の魔導師を殺しているワケでも無い。
奇跡の力も持たず、その動きも『鬼火』のように人を超越しているわけでもない。
魔法消去とて、決して万能でもなければ無敵でもない力です。
けれど、公館で最も恐いスローターデーモンは誰がと聞かれれば誰もが口をそろえる。
それは『沈黙(サイレンス)』。確認されているただ一人の沈黙する悪鬼だと」
紳士的な口調に、隠し切れない地獄人への恐れと敵愾心を滲ませながら。
「だから少年に聞くのですよ悪鬼よ。アナタは、何者ですか?」
瞳にサイトへの恐怖を潜ませて。

81 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:37:38 ID:wnDLnmHk
何度見ても猥褻物陳列罪で放逐されたんじゃないかと思ってしまう 支援

82 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:37:49 ID:W4Jh1sqr
ちょ、そいつか支援
とりあえず円環少女3巻まで読んだ。グレンが意外と若くてマジびびった。
てっきり50代とか思ってたんだよ。

83 :虚無の使い魔と煉獄の巨神:2007/10/01(月) 00:38:03 ID:pTRPn8EW
「俺は……」
自分は沈黙する悪鬼になりたいのだろうか?
地獄で犯罪行為を行う魔法使い達に、他の誰よりも恐怖と絶望を植え付けるという存在。
サイレンスと呼ばれるような、あのグレンを倒したという誰かのように。
「俺は、平賀才人ですよ。ただのサイト」
守るために力が欲しい。殺すための力はいらない。
けれど、守るために殺す事が必要なら、自分はどうすれば良いのだろう。
サイレンスと呼ばれた男なら、どうしたのだろう。
無性にグレン・アザレイと会いたくなった。
会ってサイレンスという男と戦った時の事を聞きたくなった。
やはりあの男は太陽に似ているとサイトは思う。
その存在が、離れていてもジリジリと焼け付くように感じられるのだから。

サイト達が村へと向かって歩いている頃、村の方では問題が起こっていた。
マチルダはルイズやキュルケと共に果物や野草を摘みに出て居ないというタイミングで、ガラの悪い客人が現われたのである。
それは十数人の鎧姿に剣や槍を持った男達で、それぞれが剣呑な雰囲気を帯びていた。
「なんだぁこの村は。ガキばっかりじゃねぇか」
「おいガキども、この村に村長は居るか? 居るんなら呼んできやがれ」
子供というのは大抵怖いもの知らずだが、本当に危険な相手に対する嗅覚もまた飛び抜けている。
目の前の兵士崩れ、つまり人殺しを職業にする男達への恐怖に、ある少年は怯えて逃げ出し、ある少女は泣き出してしまう。
「おいガキ、うるせぇぞ。殴られたくなけりゃあ静かにしやがれ」
「やめてください!」
子供達の様子に気が付いたティファニアが駆けつけ、子供達を守るように男の前へと立ち塞がる。
とは言っても、ハタから見ればティファニアこそ守られる必要がある弱者にしか見えないのだが。
大きな帽子で尖った耳を隠した少女は、恐怖で細かく震えているのだから。
「おっ、随分なべっぴんじゃねーか」
「なんなんですか、あななたちは」
「貴族さまに雇われてた兵隊さ。『元』だけどな」
「元?」
「あの馬鹿貴族、なにをトチ狂ったかしらねぇがレコン・キスタと戦うとか言い出しやがった。
そんな勝ち目の無い戦争に連れて行かれておっ死ぬのはゴメンなんでな。
さっさと辞めて、経験を生かして傭兵か山賊にでもなろうと決めたって寸法だ」
ギャハハと下品に笑う男と仲間達。
傭兵も山賊もかわらねーよと、仲間の一人が笑いながら言う。
実際、錬度と装備を兼ね備えた、命知らずのつわもの共などというのは一握りの傑出した傭兵だけであり、
名前を売って目立つ装備に身を固めて様々な陣営に請われて渡り歩くような物語の中に登場するような存在は、
千人の傭兵の中に一人か二人居る程度でしかない。
そんな、平民の炉辺で語られる昔話の「メイジ殺し」の剣士達以外の傭兵とはどんなものかと言えば、
「武器を手にした食い詰め者の集団」という一言でカタがつく。
口減らしや借金のカタに売られた者、地方の寒村から拉致された者、真面目な仕事が身に付かず生活のために傭兵となった者。
剣の振り方や槍の握り方すらよく知らない者すら多い。
戦争の度に兵隊を編成して参加する義務を負った諸侯の中で、農民などを駆り出して生産性を低下させるより、
いくらかの金を払ってならず者を雇った方がマシだと考えた時に雇用されるのが、一般的な傭兵なのだ。
戦争という仕事が無くなれば、一転して盗賊山賊に早変わりする者などめずらしくもない。
「そんなワケで俺達は山賊様なのさ、お嬢ちゃん」
「帰ってください。この村にあなた達にあげられるような物は何もありません!」
「そうでもねぇさ。食料に酒――は、ガキばっかりの村じゃあ有りそうにねえか。
それにアンタぐらいのべっぴんなら、娼館に売ればけっこうな額になる」
「その前に味見をしてもイイんじゃねぇか隊長」
「そりゃあ良い。おい嬢ちゃん、オマエの家に案内しな。そうすりゃベッドの上で優しくシてやれるぜ」
下品な笑みで顔を歪めて隊長と呼ばれた男の手がティファニアに伸びる。
丁度その場に帰ってきたサイトは現場を目撃した途端、デルフリンガーを引っ掴んで飛び出そうとして――
小屋の影に隠れていたマチルダに止められた。

84 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:39:04 ID:aW8g/S7F
支援

85 :虚無の使い魔と煉獄の巨神:2007/10/01(月) 00:39:35 ID:pTRPn8EW
サイトに続こうとしていたギーシュやモード氏も、目線で隠れるように指示されてしぶしぶと従う。
見ればルイズやキュルケも小屋の影に隠れて様子をうかがっていた。
「ハァイ、ダーリン」
「こんな時に何やってるんだよ、お前ら」
「知らないわよ。私達もミス・ロングビルに言われてこうしてるだけなんだから」
「仕方ないだろう。あの子が暴力とか嫌いなんだから。
魔法であの馬鹿共をブチ殺すのは簡単だけど、子供たちの前で人殺しはマズいからね。
あたし達が出ていってややこしくなるより、黙ってテファに任せておけば良いのさ」
ティファニアを信頼しているマチルダの言葉に、しぶしぶながら従うサイト達。
彼等が息を呑んで見守っている前で、隊長の手が彼女の帽子を乱暴にとる。
「な、なんだこの女!?」
「えええええエルフだぁ!」
現われた長い耳に、彼女が昔話でしか聞いた事の無い存在なのだと気が付いて慌てる男達。
ハルケギニアでは人食い鬼よりも恐れられる悪鬼の如き種族が目の前に居るという状況に、完全に浮き足立っている。

ニード・イズ・アルジール……ベルカナ・マン・ラグー……

逃げるか、攻撃するか。
兵士崩れの一団がそれを決定するより前に、ティファニアの呪文は完成していた。
空気が陽炎のようにゆらめいて男達を包み込む。
「ふえ……?」
大気が正常に戻ったとき、男達は呆然と宙を向いて立ち尽くしていた。
「俺達、何をしてるんだっけ?」
「なんでこんな森の中に居るんだ?」
「あなた達は故郷に帰る途中で道に迷ったのよ」
完全に自失している男達に、帽子を拾って被りなおしたティファニアは落ち着いた様子で言う。
「ああそうか。俺は田舎に帰る途中だったんだ」
「他の人もそう。故郷が無い人は、隊長さんと一緒に行くところだったのよ」
「うん。そうだ。皆でカザスの村に行かなくちゃならないんだ」
呆然としたまま呟くと、男達は踵を返して歩み去る。
自分達が村へやってきた目的どころか、ついさっき見たティファニアの耳の事すら忘れている様子だった。
呆然と歩く一団は、おなじく呆然とするサイト達の横を通って森の中へと去っていった。
その背中を見送って、サイト達はホッと息をつくティファニアの方へと駆け寄る。
「すげえな。テファってメイジだったのか」
「あ、うん。でもこの呪文以外は、マチルダ姉さんに教えてもらった簡単な呪文しか使えないんだけど」
ティファニアの持っている小さな杖に気が付いて呟いたサイトの言葉に、ティファニアは恥ずかしそうだ。
「コモンのスペルしか使えないのさ。なぜだか系統魔法は一つも成功しなくてね」
基礎の魔法を教えたマチルダがうんうんと首を振りつつ言い、キュルケも別の意味で首を縦に振って言う。
「そう言えばお父様が王弟殿下だったんだし、メイジであって当然なのよねぇ」
「……しかし、あの魔法はどの系統の魔術なんた?」
ギーシュの疑問にはマチルダすらも答えない。
誰も知らないのだ。あんな風に記憶を奪うスペルも、彼女が唱えた不思議な響のルーンも。
ティファニア自身ですら知らないのだから当然だとも言えるだろう。
答えは、意外な所から聞かされる事になる。
「こりゃあおでれーた。エルフっ子、お前さん虚無の担い手かよ」
サイトの手に握られたままだったデルフの言葉に、メイジ達が眼を剥いた。
「ちょ、ボロ剣、今なんて――虚無って、どーゆーコトよ?」
「おいおい娘っ子よぉ。もうボロじゃねーだろうが」
「ボロとかボロじゃないとかはどうでも良いわよ。テファが虚無の担い手ってのは本当なのかい?」
「おうよ。間違いねぇ。あの呪文は正真正銘『虚無』の呪文さね」
「きょきょきょきょきょ……虚無だってえぇぇぇ!?」
ギーシュが目一杯のオーバーアクシヨンで驚きを表現してくれた。
絶句しているルイズやキュルケの驚きも似たり寄ったりだろう。
唯一冷静でいる事に成功したメイジであるマチルダは、キョトンとしているティファニアを守るようにその肩を抱いて言う。
「とりあえずボロ剣には後で知ってる事を洗いざらい話してもらうとして……
そっちのハゲは何者なんだい、ぼうや?」
「ぼうやって呼ぶなよ」
「ボロじゃねーって言ってるのによぅ」
「ハゲではありません。この頭は空力的に合理的なように剃っているのですよレディ」
返答は三者三様に不服そうだった。

86 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:40:12 ID:LsjovuCY
メシア乙でした

>「マコト……くん……」
言葉様wwwwwwwww

87 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:40:31 ID:xAT4fNLA
へんたいへんたいへんたいとー 支援

88 :虚無の使い魔と煉獄の巨神:2007/10/01(月) 00:42:05 ID:pTRPn8EW

ティファニアの家に戻った一行は、錬金大系魔導師のスピッツ・モード氏は森の中で倒れていた所を助けられた人で、
塩や糸や布などの森では手に入りにくい生活必需品を買出しに行っていたのだと紹介された。
それから朝食がまだたった事を思い出したティファニアが腕を奮ってくれて、質素だがにぎやかな朝食が始まった。
村に住む戦災孤児達はそれぞれ四人組ぐらいで各家に住んでいるが食事の時は全員が集まってくるので、
サイトがお昼の定食屋か幼稚園を思い起こすような大騒ぎとなる。
そんな騒ぎが一段落して各自で食器を洗って片付けた子供達が帰り、サイト達も手伝って鍋などを洗って机や部屋を掃除。
やっと一息付いたと思えば、もう昼前になっている。
トリステインやアルビオンでは平民は昼食をとらないのが普通なのだが、育ち盛りの子供達はすぐにお腹を減らす。
ティファニアとマチルダは慌てて芋と野菜をふかしたり小麦と牛乳を鍋で煮たりを始めた。
タダ飯食いは許されない村なので、他の皆も当然各々仕事が与えられる。
「いやしかし、お前のワルキューレってマジ便利だよな」
「ははは、そんな当然の事、褒めても何も出ないよ」
「って言いながら薔薇出すなよ鬱陶しいから!
ワルドの魔法から助けてもらったから、ありがとうって言おうと思ってたけどやっぱ止めだ!
って薔薇が増えてる! 増えてるっ! やめろってマジ邪魔になるから!」
ギーシュのゴーレムが薪を割ったり畑に水を撒いている間に、子供では手の回らない家の補修などを行うサイト達。
釘打ちの最中にあふれ出した薔薇の花びらのせいで、間違って指を打ったりもした。
また、キュルケとルイズも年少の子供達の世話に借り出されて――
「おねーちゃんすごーい!」
「あら可愛い。ぼうや、あと12年ぐらい経ったらおねーさんの家で下男として雇ってあげるからいらっしゃいな」
火の魔法を見せて子供達をビックリさせるキュルケは、キラキラした目を向けてくる3歳程度の少年に流し目を向けたり。
「アンタ、その頃幾つのつもりなのよ――って、痛い! やめ……髪を引っ張んのやめなさーい!」
「おねーちゃんの髪ってふわふわだぁ」
「ピンク色だし、砂糖のお菓子みたいー」
「いやあー! 口に入れちゃダメー!」
ルイズは世話と言うよりオモチャにされていたり。
そんなこんなで村での仕事が終わり時間の空きができたのは、夕食の片付けが済んでからだった。
「ああ……もうダメ……一歩も動きたくない……」
「だらしないわねヴァリエール。とは言え、子供の相手がこんなに大変だとは知らなかったわ」
「ううむ……平民の生活というのは、父上に訓練を受けた時よりも厳しいものだなぁ」
「掃除機、洗濯機、ガスコンロ、自転車、水道、水撒きホース。どれも凄い発明だったって骨身に染みたぁ」
「なんだいなんだい。若いのが揃いも揃って情けないねぇ。
まぁ、私とテファが二人で修道院にやっかいになり始めた時も、そんなだったけどさ。
なにせ自分で水汲みもした事が無かったからねぇ」
ぐんにゃりと机につっぷした少年少女を見下ろして、昔を懐かしむように、遠い目をしてマチルダが語る。
「ロンディニウム近くの修道院ですよね。姉さんと二人だけになって逃げ込んだあそこで、
お坊さん達が私の耳を見ても受け入れてくれなかったら、きっと今頃……」
ハーブを煮出した疲れに効くというお茶を用意してくれたティファニアも、かつてを思い出しているようだった。
「あの頃は一日仕事を済ませる度に、もうダメだって毎日思ったけどね。
そんな平民の生活を味わってみるのも、悪い事じゃないさ、お坊ちゃんお嬢ちゃん達」
「そうですな。私も生まれは商家の末っ子でしたから、子供の世話なども初めての体験で。
自分にできない事や知らない事などいくらでも有ると知る事は成長に繋がるはずですとも。
特に皆さんのようなお若い時分には尚更に」
今晩のスープの具材になった兎の皮をなめしながらモード氏も言う。
道具も何も使わない、ただサイトの視線が向けられていない事だけ注意しながらの作業。
その手が軽く表面を撫でるだけで、熟練の職人の仕事のように見事になめされた毛皮になってゆく、錬金大系の技だった。
触れるだけで土を水のように変えて、棒でかき混ぜるだけで広い範囲の畑を耕したり、
同様に地面を液化させる事で大木を押してずらし、開墾を行ったり、
あるいは冷水を瞬時に沸騰させたりと、物質の状態変化を操る錬金大系はとても便利な魔術であり、
錬金魔術師であるモード氏は普通の手段では考えられない仕事量をこなしていた。

89 :虚無の使い魔と煉獄の巨神:2007/10/01(月) 00:44:59 ID:pTRPn8EW
材料さえあれば常温であらゆる合金を作って形を整えられるし、錆びや傷みも簡単に修復できる。
農具や家具の破損も木を直接接着する事で修理できるし、土壌の管理などもお手の物だ。
子供達に管理できないほどに増やしても仕方が無いため抑えてはいるが、
彼が来てから畑の面積は二倍近くに増えているのだと言う。
それだけの事を、サイトが日本語を習う程度の学習で誰でもが可能となる世界。
魔術という名の恩寵を神より授かった魔法世界がサイト達の世界よりも圧倒的に豊かだと言う。
二万年前という人類の黎明期に、寒さに震えて肉食獣の食い残しを漁る人類を目にした放浪の魔法使い達が、
その貧しき世界を『地獄』と呼んだ事もあるいは必然だったのかもしれない。
けれど、その恵まれた世界の恵まれた家に生まれた男は、まぶしい頭を輝かせて言葉を続ける。
「こう……ワクワクはしませんかな? 未知の事、未知の物、未知の空があるというのは。
生まれ故郷の空は、それはもう何処までも高く爽快なものでしたが、
電気で輝く夜景に照らされた地獄の夜空も、格別に美しい空でしたとも。
そしてこのような、巨大な大陸が浮かぶハルケギニアの奇想天外な空もまた、素晴らしい。
未だ知らぬ世界、未だ知らぬ物事が、この空の先に広がっていると思う度、私は心がはやるのです。
この先へ、先の先へ、何処までも飛んで行きたいと全身の血がざわめくのですよ」
なめし終えた毛皮を傍らに置き、さめてしまったハーブ茶を錬金魔術で軽く温めなおして、モード氏はそれを一口啜った。
舌の上で転がした後、香りを楽しむように鼻から息をつけば、カイゼル髭がユラユラと揺れる。
このお茶もティファニアや子供達が摘んできた葉を錬金魔術で乾燥熟成させたものだ。
「うむうむ、今回のリーフは美味に仕上がっていますな。
このハーブ茶作りというのも、こちらに来てから始めた事なのですがね。
これが中々難しいものなのですよ」
自分の仕事とティファニアの手際に満足したように目をつむったまま笑む。
この異世界での暮らしを心底楽しんでいる様子に、この人のような人間をカントリー・ジョンブルって言うんだっけ、とサイトは感じていた。

90 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:45:12 ID:CRpYV8IU
支援ゴー

91 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:45:15 ID:W4Jh1sqr
モード氏頼りになるなぁ支援
この人美人のお姉ちゃんがいるんだよね

92 :虚無の使い魔と煉獄の巨神:2007/10/01(月) 00:46:42 ID:pTRPn8EW
「わたし……」
モード氏の態度にふと穏やかな気分になり、誰からとも無く沈黙した少しだけの時間。
その中で口を開いたのは、妖精のように美しいハーフエルフの少女。
「わたし、お城へ行こうと思うんです」
そう、はっきりとした意思を感じさせる声音でサイトに向けて言った。
「え……その、いいのかい、テファ?」
突然の言葉に驚くサイトに、ティファニアははっきりと肯く。
マチルダはそんな二人を静かに見守るだけだ。
「昨日サイトさんは言いましたよね? 
お城の人達の事、ホントはよく知らないけど良い人達だったって。だから助けたいんだって。
わたしもね……わたしも、お城の人達がどんな人なのか、ホントは知らないって気が付いたんです。
知らずに恐がって、嫌って。
それじゃあ本当の事なんて判らないままになっちゃう。
それじゃあ私の耳を見て私の事を恐がる人達と同じになっちゃう。
それじゃあ……ダメなんだって、思ったんです。
知らない事を知らないってわかったら、知ろうとするべきなんですよね、モードさん?
正直に言うと怖いです。
恐いけど、お城の人達に会ってみて、どんな人達なのか自分で判断して、
それでまたどうするのか、自分で決めたい。決めなくちゃいけないって、そう思うんです」
そこまで一息で言い切って、ティファニアはサイトを、マチルダを、貴族の少年少女とモード氏を見渡した。
「わがままだなって、自分でもわかってます。
でもお願い。私が正しい事を見極める、手助けをしていただけますか?」
真剣な表情を芸術品のように整った顔に浮かべてティファニアは問うた。
半分がエルフで、こんな森の奥に暮らしていても、貴族の心は確かにこの少女の中にあるとルイズは思った。
だから、彼女の頼みに否を言う貴族など居ないと確信する。
なんて美しいんだと、電撃を受けたようにギーシュは震えた。
美しいものを手助けするのは僕の義務だと、誓いを新たにしている。
キュルケは面白そうにニンマリと笑い、マチルダは妹分の成長に目を細めた。
モード氏は命の恩人の頼みを断る訳が無かった。
そしてサイトは、ティファニアの目を正面から見つめ返して答える。
「そうだな、ティファニアはきっとわがままなんだと思う」
反論される覚悟はしていたティファニアだったが、実際に言葉にされるとそれが胸に突き刺さって、
親の小言を恐がる子供のように身を硬くしてしまった。
「だけどそれは、素敵なわがままだと俺は思うぜ」
「えっ!?」
ぱっと開かれたテファの双眸に飛び込んでくるのは、イタズラ小僧のような、けれどとても優しいサイトの笑み。
「協力する―――いや、協力してくれる事に感謝するよ、テファ」
言葉とともに伸ばされたサイトの手を、ティファニアは目に涙を浮かべて握り締めていた。

***
以上で本日分投下終了。
タバサ組の方もやりたかったんですが、長くなりすぎたので後日。
支援大感謝。

93 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:48:26 ID:aW8g/S7F
支援

94 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:53:28 ID:pTRPn8EW
>>82
拙作が小説を買う一因となったなら、
一ファンとして死ぬほど嬉しいですよ。マジでマジで。

>>91
でも義姉も全裸w

95 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:54:09 ID:wnDLnmHk
義姉は裸マントの人ジャマイカ。
乙っしたー

96 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:56:03 ID:M1tTKTPt
>>38

カオスヒーローの人は個人的な都合で書き込みができなくなると言っていたはずです。

97 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 00:56:19 ID:aW8g/S7F
乙ー。モード氏色んな意味で凄いな。
雰囲気和やかだが次からまた大変なんだろうな、楽しみに待ってる。
あ、あと三巻まで買いました。積んじゃってますが。

98 :零の雷の人:2007/10/01(月) 01:04:54 ID:CRpYV8IU
乙でした。

投下、よろしいでしょうか。

99 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:05:08 ID:RzxwfVSi
何巻まであるのかわからんがとにかく見つからない
ゼロ魔にしろジョジョにしろ円環少女にしろ買おうとした途端何処の店からも見当たらなくなるのはなんの呪いだ乙

100 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:06:54 ID:NIF3vYHy
>>98
かもん

101 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:07:00 ID:Wx2zxh/a
支援

102 :封仙娘娘異世界編 零の雷 1/10:2007/10/01(月) 01:07:25 ID:CRpYV8IU
 一


『雪風』のタバサは虚無の曜日が好きだった。
趣味である読書にいくらでも没頭できる、貴重な時間だからだ。
邪魔する者には、問答無用で『ウィンド・ブレイク』を叩き込む。
それが彼女のルール。
まぁ、一部の例外を除いて、であるが。
そして都合の悪いことに、『それ』は数少ない例外に属する人間だった。

ドンドンドドン。
静寂を破る無神経なノック。
タバサはとりあえず無視した。
後で「本に集中してて気づかなかった」とでも言い訳すれば問題ない。
デンデケデケデケ、デケデケデデン。
ノックが止む気配はない。むしろ激しくなっている。と言うか何やら珍妙なリズムを刻み始めた。
少しばかり気にならないでもなかったが、それでもやはり読書の方が大事。
『サイレント』で音を消してしまおうと、机に立て掛けた杖を取ろうとしたその時。
「タッバーサー!!」
タッ↓バー↑サー→。
その頓狂な発音に、思わず手が滑る。
倒れた杖を拾おうとしている間にドアが開かれた。
「タバサ! 今から出かけるわよ!!」
『ウィンド・ブレイク』をブチ込まれない数少ない例外――友人、キュルケであった。
『ウィンド・ブレイク』をブチ込まないのは友人だから。でもだからって読書の邪魔をしても良いか、と言うと
もちろんそんな訳はない。
排除できない分むしろ余計鬱陶しいとも言える。
タバサはとりあえず自分の都合を簡潔に述べた。
「虚無の曜日」
つまりは休日である。それだけで十分だ、と言うことで机の上に置きっぱなしの本に手を伸ばす。
――が、手が届く寸前で取り上げられた。
キュルケが本を持った手を高く掲げるだけで、背の低いタバサには取り返しようがない。
「分かってる。虚無の曜日があなたにとってどういう日なのかはよぉ〜く分かってる。
 でもね。今はそんな場合じゃないのよ! これは恋! すなわちラヴなのよ!」
お前は何を言っているんだ。そんなタバサの視線はちゃんとキュルケに届いたようだ。
「分かった分かった。ちゃんと説明するわ。あたし、恋をしているの。悲しいくらい!!
 んで、誘ったわけよ! アレコレ理由を付けて! でも全部華麗にスルー!!
 なぜ!? このあたしの魅力が――」
……はよう本題に入れ。

話はさっぱり見えないが、とりあえず一つだけ言わせていただきたい。
……さっさと本の続きを読ませてほしいのだが。

103 :封仙娘娘異世界編 零の雷 2/10:2007/10/01(月) 01:09:18 ID:CRpYV8IU
 二


トリステインの城下町。
その門の前で、ルイズはうずくまっていた。
息が荒く、頭がぐらぐらと揺れている。
……馬で三時間は掛かる距離を、二時間半で走破してしまったのだ。しかも己の足で。
無理もない話であろう。
「……やっぱり馬を使えば良かった」
疲労感はないが、違和感の方が絶大であった。
それに対して、殷雷の方は平然としたものだ。
「一旦学院に戻って、馬に乗って出直すか?」
そんな皮肉まで飛ばしてくる。
「あ……あんたは何で平気なのよ」
「そりゃお前、俺はお前の身体を操ってただけだからな。疲労は全部お前持ちだ。
 明日から二、三日は筋肉痛で動けんかもなぁ」
「ちょっ!? 聞いてないわよそんな話!?」
往復でもせいぜい一時間程度の短縮のために、その後二、三日を棒に振れというのか。
「冗談だ」
……面白くも何ともない冗談を冗談とは言わない。
全くもって納得のいかないルイズであったが、殷雷はそんな彼女に構わず歩き出した。
「もう休憩は良いだろ。置いてくぞ」
何と身勝手な男だろう。……まぁ、実際もう調子は戻っているのだが、それでも
「大丈夫か? 歩けるか?」とか、せめてその程度に気の利いた台詞は言えないのか。
「――て言うか、町を案内してあげるって言ったのは私の方よ!
 何であんたが先に行くのよ!!」
すると、殷雷は慌てず騒がず懐から一枚の紙を取り出した。
「地図を持ってる」
……ああ、そう。

 *

ブルドンネ街はトリステインで一番大きな通りである。
白い石造りの街には露店が建ち並び、通りは声を張り上げて行き交う商人たちで溢れている。
「大きな街ってのはどこも同じようなもんだな……」
殷雷が感心した声を出す。
「センカイって国もこんな感じなの?」
「ン……いや、仙界とはあまり似てないな」
「ふぅん」
正確に言えば仙界は『国』ではない。だが詳しく説明するのは面倒だし、信じてもらえるとも思えないので
適当にお茶を濁しておいた訳だ。
「まぁ、同じ程度の規模の街には何度も立ち寄っていたからな。どこも大体こんなもんだ。
 ――スリの数もな」
背後からどがらがっしゃん、と激しい音が聞こえた。
バランスを崩した男が屋台に突っ込んだらしい。
「……今の?」
「無視しろ。目を付けられると面倒だ」
そう言ってさっさと先へ進んでしまった。
慌ててルイズは後を追う。
その気になれば追いつけなくもないが、気を抜くとすぐ見失ってしまいそうな殷雷の歩み。
だが、そうなる前に必ず速度を落とし、追い付くまで待ってくれていた。
――きっと、私をいじめて楽しんでるんだろう。
ルイズはそう解釈した。――先に行き先を教えるんじゃなかった。
二人は狭い裏路地へと入っていった。

104 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:10:14 ID:NIF3vYHy
支援

105 :封仙娘娘異世界編 零の雷 3/10:2007/10/01(月) 01:11:17 ID:CRpYV8IU
 *

剣の形をした銅製の看板。一目瞭然、武器屋である。
その扉には木で出来た札が掛けられており、そこにはこう書いてある。

『準備中』

――と。
「開店時間にはまだ早かったな」
「あんたの足が無駄に速すぎるからでしょうが!」
すかさず突っ込む。やっぱり馬で来れば良かった。
「丁度良い。先に俺の用事を済ませてしまおう」
何が丁度良いのだ。最初からそのつもりだったくせに。
今日一日で全ての血管がブチ切れてしまいそうだ。
「――で、その用事ってのは何? 何処で?」
無理矢理に冷静を装うが、少しばかり声が震えているのが自分でも分かった。
「この、斜向かいだ」
あぁ、そう。

――余談。
ルイズは怒ると口より先に手が出る。ある一点を突破すると、手よりも先に足が出る。
キックの鬼と言っても良い。

――そうこうしている間に武器屋が開店してしまったりもしたが、あくまでただの余談である。

 *

武器屋の斜向かい。
看板も表札も掛かっていない、粗末な小屋があった。
扉の向こうから漂うほのかなアルコール臭から、それが酒場か酒屋であることが推測できる。
酒蔵にしては、小さすぎる。
二人は今、その入り口の前に立っている。
殷雷は慎重に気配を探り、周囲に人影がないことを確認する。
小屋の中からも、人の気配は感じられない。
ゆっくりと、扉に手を伸ばす。

まず、一度扉を叩く。
一秒待ち、今度は二度。
さらに二秒待ち、最後にもう一度扉を叩く。

殷雷の不可解な行動に、ルイズは首をかしげた。
「何、それ?」
少しばかり息が荒く、顔にうっすらと汗を浮かべているが、あくまで余談であり特に意味はない。
殷雷は答えず、扉の前から一歩下がる。
――間髪入れず、その扉を蹴破った。
「ちょ、何して――!?」
ルイズの悲鳴じみた文句は、一瞬後響いた『音』によって遮られた。
すなわち。

106 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:12:18 ID:pTRPn8EW
しえーん

107 :封仙娘娘異世界編 零の雷 4/10:2007/10/01(月) 01:12:47 ID:CRpYV8IU
ぼとり。
――猫が屋根から落下したような音と、
「――――ふぎゃっ」
――居眠りして屋根から落下した猫のような悲鳴。

天井の梁から落ちてきたのは、女だった。
病的なまでに白い肌と、色の薄い唇。どことなく儚げな美しさを持った娘。
だが、生命力に満ちた大きな目が、不健康そうな印象を打ち消している。

「……扉を蹴破れ、と書いたつもりはないんだけど?」

恨みがましい視線を送る彼女の名は、九鷲器。
徳利の宝貝である。

 *

『九鷲酒造
 トリステイン城下町 ブルドンネ街 ○○○-××××

 扉を一度叩き、一秒置いてさらに二度、二秒置いて一度叩く。
 これを合図とします』

酒樽に貼り付けられた紙には、そう書かれていた。
「五秒で考えたにしては、いい手だと思わない?」
得意げな九鷲に対して、殷雷の顔は険しい。
「……その五秒のせいで、何人が丸一日苦しんだと思ってやがる」
「あなたは今までに食べたご飯が何粒だか覚えてるの?
 そりゃ、ちょっとくらいは二日酔いもあるかもしれないけど、安いものでしょ」
「ねぇ」
「どこが『ちょっとくらい』だ! 大体、以前は半日もあれば治まったのに、何で伸びてるんだよ!?」
「私だって、回収されてから無為に過ごしていた訳じゃない。己の能力を磨き続けていたのよ」
「あー、そうだな。確かにあの九鷲酒は美味かった。以前より遥かにな。
 だがそれで欠陥部分まで悪化してたら元も子もないだろうが!!」
「ちょっと」
「欠陥ね。でも、そう思ってない人も多いみたいだけど?
 全国から九鷲酒の注文が殺到してるんだから」
「そうやって、世界中に毒をばらまく気か」
「……今、何て?」
「だから」
「お前の酒は、猛毒だって言ったんだよ」
「――猛毒と申したか」
九鷲はゆらりと身を翻し、壁際に置いた水瓶に右手を付ける。
引き抜かれた手には握り拳大の水球――いや酒球が乗せられていた。
その手を一振りすると、酒球は一瞬つららのように伸び、一振りの剣へと変化した。

二人の間に緊張が走る。

――が、その空気は意外な人物によって破られた。

「ちょっとあんたら! 私を無視するんじゃないわよ!!」

ルイズだった。

108 :封仙娘娘異世界編 零の雷 5/10:2007/10/01(月) 01:15:14 ID:CRpYV8IU
「……あ、お前居たのか」
……いい加減、その程度の暴言では怒ることも出来ない。
(――こともないか。ムカつくものはムカつく)
まぁ、それはさておき。
「話が見えないんだけど、私に対して説明はないわけ?」
殷雷と話していた女性――九鷲と言うらしい――は、どうやら彼と旧知の仲らしい。
おそらく、殷雷のことはルイズ以上に詳しいのだろう。
「分かりやすく要約するとだ。俺はこいつに呼び出された訳だ」
「その人は?」
「私は徳利の宝貝、九鷲器。九鷲でいいわ」
『トックリ』と言う初めて聞く言葉も気になったが、それ以上に彼女の存在そのものがルイズには驚きだった。
聞けば、彼女も気づいた時にはこの街にいたらしい。
使い魔にはなっていないようだが、状況は殷雷と似通っている。
「……そのトックリさんがなんで上から降ってくるのよ」
先ほどの光景はルイズの脳裏に焼きついていた。
……見るからに不健康そうな女が、天井から落ちてきたのだ。あまりにもシュール過ぎる。
そもそも、本当に不健康な女は普通天井から落ちない、というかそんな所に登ったりしない。
その事実だけでも、彼女が見た目通りの存在ではないことは明白だった。
「ただ、隠れて様子を見ようと思っただけよ。失敗したけどね」
それはそれで結構なことなのだが、何故わざわざ天井なのか。
……あわよくばこちらから奇襲してやろう、などと考えていたのかもしれないが、
既に日用雑貨の宝貝の発想ではない。
「で、私はどうなるの? また、回収する?」
九鷲は抵抗する気はないようだったが、殷雷は首を横に振った。
「そのつもりはない。必要な宝貝も持っていないしな。
 それに、今お前をふん捕まえるよりは、適当に泳がせて情報を集めさせた方が良さそうだ」
「それはどうも。ま、今はまだ何の情報も入ってないんだけどね。あいにく」
仙界で何が起こったのか。何故我々がここにいるのか。
飛ばされたのは我々だけなのか。
……結局、今はまだ何も分からないのだ。

109 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:17:01 ID:d3Iq2u2a
支援するぜ

110 :封仙娘娘異世界編 零の雷 6/10:2007/10/01(月) 01:17:21 ID:CRpYV8IU
「ま、そのうち和穂か龍華辺りが回収に来るだろうが、その時までは好きにすればいい。
 ――いや、ほどほどにな」
一応付け加えておく。あまり野放しにするのは危険だ。
「ふぅん……ま、あんたの場合使用者も居るみたいだしね」
殷雷の左手を見てニヤニヤと笑う九鷲。この紋様が『使い魔のルーン』である事は知っているようだ。
「やかましい。これはちょっとした事故だ――ん、どうしたルイズ」
黙り込んでいたルイズがはっと気づいた。
そしてまた考え込む。
「……やっぱり、人間にしか見えない」
にわかには信じがたい話であったが、先ほどの酒剣を見る限りやはり事実なのだろう。
九鷲は杖など持っていない。つまり、少なくともメイジではない。
ルイズは素朴な疑問を口にした。
「パオペーってのは、全部で幾つあるの?」
「くだらん質問だな。お前だって世の中に皿が何枚あるか、剣が何本あるかなど把握してはいまい。
 つまりはそういうこった」
……言い方はともかく、内容は納得出来た。
「わかってるだけで、七百二十六個はあるわね。全部欠陥宝貝だけど。
 殷雷を足せば七百二十七個か。
 まぁ、『この世界にある』とは限らないんだけど」
と――
「……欠陥?」
確かにそう言った。……そう言えばさっきもそんなことを言っていた気がする。
仙術の粋を集めて作られたという神秘の道具、宝貝。
その力を、ルイズは既に身をもって知っている。
欠陥があるなど、信じられない。
「その欠陥パオペーに、インライも含まれるの?」
先ほどの九鷲の言葉はそのように受け取れた。
「あれ、彼女には話してないの?」
「……そうベラベラと話すようなことでもなかろう」
殷雷は露骨に嫌な顔をする。――肯定、ということなのだろう。
そうなると芋ヅル式に出てくる疑問。
「インライの欠陥って、何?」
当然の流れだった。
「どうする? 知りたくてたまらないみたいだけど」
「……俺の口から言えというのか」
「他人が言うことでもないでしょ」
「それもそうなのだが」
相当言いにくい欠陥らしい。
……協議の結果、殷雷が自分で言うことになった。
「俺の欠陥は、な。
 ……武器としては致命的に、情に脆いこと、だそうだ」
 
「嘘だッ!」

――思わず絶叫で返してしまった。

111 :封仙娘娘異世界編 零の雷 7/10:2007/10/01(月) 01:19:19 ID:CRpYV8IU
「……い、いや。嘘だと言われてもな」
流石の殷雷もいきなり全力で否定されるのは予想外だった。
ルイズは一気にまくし立てる。
「だって嘘じゃない! 何? 情? あんたは一回『情』の意味を辞書で引け!」
「…………まぁ、信じないなら信じないで、別に良いんだが」
「良くないッ! 今のが嘘なら他に欠陥があるって事じゃない!
 教えなさいよ、早急に!!」
「いや、あのな」
「あー、そう。もっととんでもない、口では言えないような肉体的欠陥があるってわけね!」
「肉体的欠陥ってお前」
「このドエロ野郎! 変態の極み!」
「お前は何を言っているん――」
いい加減殷雷の方も切れかけてきたところで、九鷲が割って入った。
「はいはい。二人とも落ち着いてー。
 そちらのお嬢さんも喉が渇いたでしょ。はい」
と、二人に湯呑みを手渡した。
二人は揃って口を付ける。

……殷雷だけ噴き出した。

「てっ、てめぇ……ッ! ゲホッ、どさくさに紛れて何しやがる!!」
「……美味しい」
「吐け! 味わってないで今すぐ吐け!!」
殷雷は慌ててルイズの背中を叩くが、もう遅い。
九鷲は落ち着いたルイズの様子を見て、満足げに頷いた。
「うんうん。やっぱり九鷲酒の酔いには人を幸せにする効果があるのねぇ」
「うるせえ馬鹿!!」

二人が飲まされたのは、九鷲酒。
地獄の二日酔いによりアルヴィーズの食堂を丸一日休業に追い込んだ、脅威の仙酒である。

……またこのオチか。
今後何かを口に入れる時は、必ず事前に匂いを確かめよう。
そう心に誓う殷雷であった。

それでも飲酒自体を止める気は毛頭無かったりするのだが。

112 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:19:46 ID:pDSQ7jON
支援

113 :封仙娘娘異世界編 零の雷 8/10:2007/10/01(月) 01:22:05 ID:CRpYV8IU
 三


昼間だというのに武器屋の中は薄暗く、ランプの灯りによって照らされていた。
店内には剣や槍、甲冑、盾などが所狭しと並べられている。
そんな中、五十がらみの店主は、顔がニヤけそうになるのを必死で堪えていた。
二人連れの男女の内、一人は貴族の小娘。間抜けにも、「武器のことなんて分からないから適当に持ってきて」
などと言っていた。
もう一人は、平民の男。素性は知れないが、恐らく田舎出身の傭兵か何かだろう。
武器の目利きはできるようだが、相場や貨幣価値には疎いと見た。
しかしこの男、並の品では満足してくれそうにない。
ここは正念場だ。……頼むから、余計な口出しはしないでくれよ。
店主は店の端に積まれた剣の山に視線を走らせた。

「これなんかはどうでしょう。ウチで一番の業物でさ。魔法が掛かってるんで切れ味も抜群。
 ここまでの逸品は他じゃそうそう見つけられませんぜ」
店の奥から店主が持ってきたのは、一・五メイルはあろうかという大剣だった。
所々に宝石が散りばめられ、刀身は鏡のように光を放っている。
殷雷がほう、と声を上げる。
ルイズは殷雷がそれを気に入ったのだと考え、店主に尋ねた。
店一番の業物なら、貴族の従者が持つにふさわしいだろう。
「これ、おいくら?」
店主は指を三本立てる。
「三百?」
「いえいえいえ。三千でさ。新金貨でね。エキュー金貨なら二千」
「高ッ! 庭付き一戸建て買えるじゃない!?」
店主はやれやれと首を振る。
「名剣ってのは城に匹敵するもんですぜ。それが屋敷ですむなら安いもんでしょう」
……ルイズの財布には新金貨で百しか入っていなかった。
残念だが、諦めるしかあるまい。
しかし。
「こいつを買うくらいなら家を買った方がいいな」
そう言ったのは殷雷だった。
「そ、そいつはどういう意味で?」
「魔法のことは俺には分からんし、確かに悪い剣ではないようだがな。
 だが、こいつは観賞用だ。実戦向きじゃない」
図星を突かれ、店主がぎくりとする。
「この宝石の一つ一つに、異なる魔法が掛けられているのか?」
「い、いえ……そういう話は」
「ただの飾りか。なら、研ぐ時邪魔になるだけだ。
 ……金持ちが屋敷の客間にでも置いておくのがふさわしかろう」
店主はがっくりとうなだれた。

114 :封仙娘娘異世界編 零の雷 9/10:2007/10/01(月) 01:23:55 ID:CRpYV8IU
「ひゃっひゃっひゃ! 坊主なかなか見る目があるじゃねぇか!」
どこからか、低い男の声がした。
「ここだよ、ここ」
乱雑に積まれた、剣の山からだった。
「まったくこの親父は、ちょいと金持ってそうな客見るとすーぐ適当なモン押しつけようとしやがる。
 娘っ子よ。そこの坊主がいなかったらボッたくられてたぜ?」
「黙ってろ、デル公!」
店主が慌てて言葉を遮ろうとするが、もう遅い。
そうこうしている内に、殷雷が声の主を探り当てた。
「……ほぉ」
言葉だけ取ってみれば先ほどと同じだが、その声色は明らかに違っていた。
それは薄手の長剣だった。長さ自体は先ほどの大剣と変わらないが、刀身はこちらの方が細い。
「それ、インテリジェンスソード? ……それとも」
「宝貝ではないようだな」
少なくとも、殷雷と面識はない。
「デル公、とか言ったか?」
「違うわ! 俺様はデルフリンガーよ。覚えとけ」
「俺は殷雷刀だ」
「インライトー……んん?」
剣はしばらく黙りこくった。殷雷を値踏みしているのだろうか。
そして静かに喋り始める。
「おでれーた……おめ、同業者か。しかも『使い手』と来たか!」
「『使い手』?」
「ふん。知らねえのか。まぁいい。坊主、とにかく俺を買え」
ルイズは嫌そうな顔をする。
「か、買うの? こんなボロいのを? ……ま、まぁ、あんたが気に入ったなら良いけど」
「こいつなら、百で結構でさ!」
店主がすかさず口を挟む。やかましい商品を厄介払いできる好機に目を輝かせている。
殷雷はふむ、と少し考え――微笑んだ。
初めて見る優しい表情にルイズは驚く。
そしてその表情に似合う優しい声で、殷雷は言った。

「いらん」

そもそも、最初から目当ては剣以外の武器だった。

115 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:24:49 ID:NIF3vYHy
えーーーw

116 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:25:05 ID:pTRPn8EW
で、デルフーww

117 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:25:04 ID:gRx4ttZe
EEEEEEEE!?

118 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:26:10 ID:W4Jh1sqr
ひでえ!(w支援

119 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:27:37 ID:/j/hepFU
なんというドS

120 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:28:16 ID:Gaiir8Iq
情のかけらもねえ!

121 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:30:25 ID:JhKNOCfM
まぁデルフだしなぁ。

122 :封仙娘娘異世界編 零の雷 10/10:2007/10/01(月) 01:30:38 ID:CRpYV8IU
 *

武器屋から出てきたルイズと殷雷を見つめる二つの影。
キュルケとタバサである。
「ゼロのルイズめぇ……プレゼント攻撃とはやってくれるわね」
ギリギリと歯を鳴らすキュルケ。
一方のタバサは我関せずとばかりに読書に集中している。
ルイズたちを探すのには思いのほか難儀し、二人を発見したのは武器屋に入る直前だった。
……それが実はタバサの思いやりであったことを、キュルケは知る由もない。
知らぬが花である。この場合の花というのは、少なくとも薔薇ではない。
だからどうしたという話でもないが。
キュルケは二人の姿が見えなくなった後、武器屋の戸をくぐった。
「へぇ、いらっしゃい……あぁ、また貴族の方か。……はぁ」
店主の声はやけに沈んでいた。
その様子にいきなり気勢を削がれる。
気を取り直して。キュルケは色っぽく微笑む。
「……ねぇ、ご主人。さっきの貴族が何を買っていったか、ご存知?」
店主は、キュルケが期待するような反応は示さなかった。何だこの男。不能者か?
「いえ、特に何も。……はぁ」
そしてまた辛気臭い溜息。
――ふと、気づく。先ほどから何か聞こえる。
地獄の底から漏れる呪詛のような呟き……店の端に積まれた剣の山からだった。

「……そうだよな。そうじゃないかなー、とは思ってたんだよな。割りと最初から。
 でもまさか、買ってすらもらえないとはなぁ……しかし」

……インテリジェンスソード、だろうか。
「……何、これ?」
「あー、あまり気にしないでくだせえ。あ、ご所望とあらばお売りしやすが。新金貨八十で」
「いらないわ、こんなの」
「……ですよねー」
店主は既に諦観の境地に達していた。
結局、ルイズたちは何しにここに来たのだろう。ついでに自分も。あとタバサも。
「……帰るわ。邪魔したわね」
「またどうぞー……」
最後までローテンションな店主だった。

「……今日はもう店閉めるか」
店主はのろのろと立ち上がり、そこにはデルフリンガーだけが残された。


「いいもん。どうせ、いつものことだし。俺一人が涙目になって丸く収まるなら、
 いくらでも涙目になるし。別に寂しくなんかないもん。
 でもやっぱり――」

魔剣のすすり泣きは、三日三晩続いたとか続かなかったとか。

123 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:33:35 ID:qvihX/fU
・・・デルフ、強く生きるんだぞ。
GJでした。

124 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:34:31 ID:UjsHrIt7
強く生きろデルフ…

GJ!

125 :零の雷の人:2007/10/01(月) 01:35:40 ID:CRpYV8IU
以上です。ああ、またタイトル忘れた。
「第三章 どてらい魔剣のゆううつ」です。


あと、訂正というか加筆。
4/10にて。

>酒樽に貼り付けられた紙には、そう書かれていた。――殷雷たちの世界の文字で。

と。肝心なことが抜けてました・・・

126 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:36:16 ID:W4Jh1sqr
ぐっじょぶっしたー。
もっとも不憫なデルフ決定戦に出られるなこのデルフはw

127 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:37:46 ID:ONyNjvf3
GJでした
>>126
他のエントリーはどのデルフなんだw

128 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:38:10 ID:D4ipagna
まっ、一位はとあるのデルフだがな

129 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:42:39 ID:pTRPn8EW
答えのデルフも今回不幸っつーか死ぬなっつーかw

130 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:43:28 ID:2jDRVGUG
逆に優遇筆頭はオデレータか

131 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:45:05 ID:P07ejqx4
リリカルルイズって作者が他のと同時に書いてるて聞いたけどどれと?

132 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:48:35 ID:/j/hepFU
>>131
よしわかったとりあえずsageようか。

133 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:48:49 ID:m6mL6/3u
夜明けのデルフは……普通?
光翼騎士(ディフェンダー)だけど、サイトとコンビのままだし。

134 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:49:06 ID:9Cly2hZo
カービィのやつのとかがノミネートされるんじゃね?

135 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:50:34 ID:odzTNe9X
そもそもデルフが全く出てこない話とか
…あるっけ?

136 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:55:53 ID:R5jFfQ0u
>>135
キタキタは?

137 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:55:56 ID:LLEGw3RT
殺されたデルフもいたな〜

138 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 01:55:59 ID:W4Jh1sqr
>そもそもデルフが全く出てこない話
夜天には出てきてないね。
これから出るかもしれないけど

139 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 02:03:05 ID:2jDRVGUG
カービィの人の新作もこないなあ……楽しみにしてるんだけど。

140 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 02:03:53 ID:T+feUjDi
とあるだとうっかりで幻想を殺されてたな

141 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 02:07:20 ID:8xRdPXen
デルフほど書き手によって扱いの差が変わるキャラはそうないなwww
個人的に落花生のデルフがどうなるか期待w

142 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 02:12:34 ID:/MUM2fmN
それは、デルフリンガーだ。
 無限/無量/無窮の宇宙の彼方より来た、
 無限/無尽/無垢のデルフリンガーだ。

 世界の総てを埋め尽くす、デルフリンガーの大軍勢だ。

 傷一つ無い、新しいデルフリンガーが在った。
 激戦の数々を潜り抜けた、古強者のデルフリンガーが在った。
 未だ完成していない、刀身が剥き出しのデルフリンガーが在った。
 破壊され、最期の魔力を燃焼させるデルフリンガーが在った。

 別の時間軸のサイトとルイズが振るデルフリンガーが在った。
 別の時間軸の使い魔が振るデルフリンガーが在った。
 ルイズとまだ見ぬ誰かが振るデルフリンガーが在った。
 全く別の、見知らぬ誰かが振るデルフリンガーが在った。

 無人で舞うするデルフリンガーが在った。
 人間以外の何かが振るデルフリンガーが在った。
 魔剣ですらないデルフリンガーが在った。
 生身の血と肉を持つデルフリンガーが在った。

 巨大なデルフリンガーが在った。
 小型のデルフリンガーが在った。
 獣の形のデルフリンガーが在った。
 形すら無いデルフリンガーが在った。

 液体のデルフリンガーが在った。
 気体のデルフリンガーが在った。
 電離体のデルフリンガーが在った。
 幽体のデルフリンガーが在った。

 二刀流のデルフリンガーが在った。
 血まみれのデルフリンガーが在った。
 二つの刀身を持つデルフリンガーが在った。
 三面六臂のデルフリンガーが在った。

 無数の兵士を引き連れたデルフリンガーが在った。
 巨大な竜に騎乗するデルフリンガーが在った。
 宇宙翔ける戦艦のデルフリンガーが在った。
 惑星斬る光の剣を執るデルフリンガーが在った。

 神になったデルフリンガーが在った。
 魔に堕ちたデルフリンガーが在った。
 人と融合したデルフリンガーが在った。
 人に生まれ変わったデルフリンガーが在った。

 かつて在りしデルフリンガー。
 今在りしデルフリンガー。
 来たるべきデルフリンガー。

 別の可能性のデルフリンガー。
 可能性すら無いデルフリンガー。
 時空の狭間を流離うデルフリンガー。

 それは輝くトラペゾヘドロンが織り成す綾模様。
 無限の数のデルフリンガーたちが紡ぐ物語の名は――

「――魔を断つ虚の剣」

143 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 02:16:14 ID:mSqZhcUt
だからこっちでやれと
http://live23.2ch.net/livetx/

144 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 02:17:25 ID:mSqZhcUt
って誤爆しちゃったぁぁ

145 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 02:27:33 ID:NG7MgJpc
つまりデルフこそがゼロ魔世界の支えだったのか。
確かに下手するとルイズよか「多く」存在してそうだし。

サイトが一番かわいそうな子なんだぜ。

146 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 02:32:43 ID:aW8g/S7F
>>142
このスレに落とすには捻りが足りない。せめて

幻想を砕かれたデルフリンガーが在った。
異空間に仕舞われっぱなしのデルフリンガーが在った。
亜人に変形するデルフリンガーが在った。
黄金の輝きに心を震わせるデルフリンガーが在った。
青き翼を持つ守り手となったデルフリンガーが在った。

ぐらいはやろうよ。

147 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 02:34:05 ID:9Cly2hZo
>>145
そのうちの約1200ぐらいは某所のルイズが引き取ってるから問題ないんだぜ。
まあ、若干一名精神食われたのがいた気もするが…

148 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 02:34:21 ID:/MUM2fmN
>>146
すまんな。
半分寝た頭でワードで置き換えしてちょっと改造しただけなんだ。


その内ちゃんと改変したの作るよ。

149 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 02:54:50 ID:E3cbqhN8
>>142
つまりデルフは魔を断つ刃と

150 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 03:01:43 ID:RzxwfVSi
断つっていうか喰うだよな能力的に

151 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 03:27:15 ID:/j/hepFU
さぁメイジ、まだ一発魔法が防がれただけだぞ
立ち上がれ、炎を出せ、風を起こせ、礫を放て、氷結させろ
さぁ早く!早く!早く!

「ば、化け物め…」

そうか…お前もそうなのか…
お前は狗(デルフ)のエサだ

152 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 03:42:54 ID:de7Uj1dc
銀魂の神楽召還して声優の実力テスト

153 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 03:50:41 ID:I1J8+45U
大河の強さを見くびってた俺は新たな題材を探しに旅に出る!

154 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 04:05:48 ID:2oU+7cy0
>>153
同じような事を何度も言わんでいいよ。

155 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 04:16:24 ID:A/YquDKM
>>153
そのまま帰ってくんな

156 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 05:58:59 ID:5FHyOmR9
>>153
ひっこんでろ

157 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 07:03:31 ID:b8PRZVZl
この三連続の容赦ないツッコミ
ドラグナーのパイロットの素質があるとみた

158 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 07:23:15 ID:Whvp3ovd
まるで歴代芸人のボケ役の如き、>>153の素養に嫉妬!


159 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 07:48:24 ID:QF4o/s7J
■在日支那人・南朝鮮人を迫害し国内から追放せよ■
周知の事実だが在日支那人・南朝鮮人は「凶悪犯罪者」である。
自国内ではイカれた反日運動を日々繰り返し、「金」の為に日本へ侵入し続け、日本内部でも反日活動を繰り返す。
奴らは「金」の為なら平気で「盗み」や「殺人」を行い女を「強姦」する。
または、公になりにくい「万引き」で入手した商品を売りさばいくことを生業としている。
留学と称し犯罪の為に日本へ侵入し大学等に湧いている工作員である
支那人南朝鮮人を追放しなければならない。
在日は「凶悪犯罪者」である。
南朝鮮・支那はは日本にたかるハイエナ以下のゴキブリである。
南朝鮮は育ててもらった大恩ある日本から独島を奪い、大量の犯罪者を送り込み、
統一教会というイカれた反日組織をつくりあげ日本を侵略しつつある。
日本人は立ち上がり反中・反韓組織をつくらなければならない。

160 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 08:54:43 ID:0st2RVUe
>>39
亀だが秋月はリリスの主人公で
ピエールの主人公は伊達だ

161 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 09:27:14 ID:5/3NTrE0
ピエールだとむしろピエールの妹、舞衣召喚の方が面白そう
あのツンデレっぷりはルイズに通じるってかルイズどころじゃねえw
サイトとセットで召喚されてサイトに地獄どころか異次元の猛特訓を課す舞衣、
どーかんがえてもお前が指一本動かせばレコンキスタごとき瞬殺だろと誰もが思うのに、
あくまでサイトを鍛えることしかしない舞衣。
そして、いざサイトがレコンキスタとの戦いで死に掛けると、ブチ切れて大暴れな舞衣。
むしろ死にかけたはずのサイトが舞衣をなだめてなんとか生き残るレコンキスタの面々。

162 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 10:32:29 ID:/fYVIOPL
流れをぶった切って質問したいんだが
本編開始直後って何暦で何年なんだ?

163 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 11:30:29 ID:EBN7LOBg
十二巻の、才人の反省文の日付は、
「プリミル暦6243年、ウルの月ヘイムダルの週イングの曜日」

ちなみに、ウルの月は五月、ヘイムダルの週は第二週、
イングの曜日は中日で第五曜日となり、五月十三日となる。(はず)
(ラーグの曜日が第四曜日のため。)

才人召還はその前年のプリミル暦6242年となる。
四月ならフェオの月となるが、三月は何の月かは不明。

164 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 12:36:57 ID:b1kXJisc
ルーン文字に対応だとすれば、4月を開始として
4月:フェオ 5月:ウル 6月:ソーン 7月:アンスル 8月:ラド 9月:ケン
10月:ギョーフ 11月:ウィン 12月:ハガル 1月:ニイド 2月:イス 3月:ヤラ
かな、多分。

曜日もルーンだから、
第一:ベオーク 第二:エオー 第三:マン 第四:ラグ(ラーグ)
第五:イング 第六:オセル 第七:ダエグ 第八:ウィアド(空白)
となるかと思ったんだが……ゼロ魔の一週間って七日なんだよなー、確か。

165 :164:2007/10/01(月) 12:41:44 ID:b1kXJisc
よく考えたらウィアドって占い用だった、スマン。
占星術やってた所為かそっちをメインで考えてた。

166 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 12:49:18 ID:pTRPn8EW
いや、ゼロ魔の一週間は八つの曜日だからそれで合ってるっぽいよ。
そんでウィアドが虚無の曜日と当てはめたら完璧でしょ。

167 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 12:58:17 ID:b1kXJisc
あ、そうだったか。
となると残るは週か。こっちもルーンだったら5つ使って、全部のルーンが埋まるんだがなぁ。
ユル、ペオース、エオルー、シゲル、ティールって。

ヘイムダルって神話とか、そっちだよな、確か。

168 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 13:02:17 ID:EBN7LOBg
これ以上は考証スレに行った方がよさそうだからそっちへ行こう。
月の方は合わなかったけど、曜日の方はなんか合いそうだな。

169 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 13:10:43 ID:b1kXJisc
ラジャ。避難所の考察スレに書き込んでくる。
まだ月と曜日の事書いてなかったっぽいし。

170 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 13:15:01 ID:fpMVvVEj
今携帯で検索してて気付いたんだが……67スレが二つ有る。
立てられた時間帯見る限り普通に被ってしまったと思うんだが、
報告されてないよね?

171 :Mr.0の使い魔:2007/10/01(月) 13:16:59 ID:dAc1PTIG
こーんなあやふやな時間にトゥーカ予告。
やったるわよぅ!

172 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 13:18:18 ID:odzTNe9X
来い

173 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 13:20:13 ID:Y+gkH76p
>>167
しかしノボルが何も考えてなければそれを打ち砕くな。

174 :Mr.0の使い魔 第二十五話(1/6):2007/10/01(月) 13:20:39 ID:dAc1PTIG
「撃てッ!」

 包囲部隊の指揮を執る傭兵は、都合七度目となる号令をかけた。最前列
で片膝をついた傭兵達が、弓やクロスボウを一斉に放つ。玄関口の竜巻が
弱まる瞬間を狙ったのだが、入れ替わりに炎が巻き起こり、放たれた矢は
全て塵に還ってしまった。
 後列の者から装填の終わったクロスボウを受け取りつつ、一人が何とも
退屈そうに訴える。

「なぁ、いい加減突っ込んでもいいんじゃねぇか?」
「いや、もう少し追い詰めてからだ。まだ相手には余裕がありそうだからな」

 そう答えて、隊長格の傭兵はあの白仮面の男を頭に思い描いた。
 つい先ほどまで一緒に様子を見ていた白仮面は、突然「獲物がかかった」
とどこかに消えてしまったのだ。去り際に、宿に残ったという相手の情報
を伝えてから。

『全部で三人。うち二人はそれぞれ風と炎のトライアングル。もう一人は土のドット』

 これを聞いた隊長は、とにかく二人のトライアングルを疲弊させるため
射撃を続行したのである。ひたすら矢を撃ち込んで魔法を無駄遣いさせ、
厄介な二人を無力化しておく。土のメイジは、ドットならそれほど恐れる
事はない。高破壊力の上級呪文を使われる心配がなく、有名なゴーレムも
ドットが作り出せる性能はたかが知れている。
 練度の低い若輩ばかり――老獪な者や勘のいい連中は『金の酒樽亭』で
巻き込まれた者を除き、皆警戒して関わろうとしなかった――であるが、
それでも百人近い人数で正面を抑えているのである。弱らせさえすれば、
最後は物量に任せて押し切れると隊長は踏んでいた。
 そいつらが裏口から逃げるのならそれでもいい。今回の仕事では、馬鹿
正直にメイジと一戦交える必要性などないのだから。

「おら、無駄口叩いてないでさっさと構えろ。そろそろあの火が消える頃合いだ」
「へいへい」

 軽装の傭兵がぶつくさ言いつつも前に向き直ったのを見届けて、隊長は
再び視線を『女神の杵亭』に戻した。玄関前で雨水を蒸発させていた炎が、
次第にその勢いを弱めていく。

「よーし、構え」

 号令に従い、前列が武器を構えた、その直後。
 炎を突き破って、青い人影が玄関口から飛び出した。鎧兜に身を包んだ
そいつは、2メイル近いハルバードを手に傭兵達へと襲いかかる。

「う、撃てッ!」

 咄嗟に射撃の命令を出すのと、無数の矢が放たれるのとは殆ど同時だ。
鎧や兜を鏃が穿ち、その人影は敢えなく頽れる。倒れた衝撃で、腕や足の
鎧がばらばらと転がった。
 中身は、ない。

175 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 13:21:08 ID:b1kXJisc
>>171
支援する。
>>173
敢えて考えていなかった事を言わないでくれorz

176 :Mr.0の使い魔 第二十五話(2/6):2007/10/01(月) 13:23:53 ID:dAc1PTIG
「ゴーレムだと!?」

 誰かが驚きの声を上げた時には、既に次の攻撃が始まっていた。今度は
四体、先ほどと同じ型の鎧人形が宿から飛び出す。最前列が矢を射た直後
の隙を突かれたのだ。装填済みのクロスボウは後ろの補充係の手の中で、
射手に受け渡す時間はない。弓は矢を番えて引き絞る時間がない。
 もっとも、射撃の穴を埋める備えは用意していた。驚愕から笑みへ表情
を変えた隊長は、慌てず次の命令を下す。

「近接隊、行けぇ!」

 後ろに控えていた傭兵達が、待ってましたとばかりに躍り出た。その数
およそ六十人。各々剣や斧といった接近戦用の武器を携えて、ゴーレムに
殺到する。
 瞬く間に、戦場は乱戦の様相を呈した。円弧を描くハルバードの軌跡に
大剣が割り込み、受け止める。その隙を狙い槍が突き出され、鎧の関節を
貫く寸前で別のハルバードに叩き落とされた。
 ドットが操っているとは思えないほど流麗な動きをするゴーレム達だが、
如何せん数の差だけはどうにもならない。ついに一体が、大上段から振り
下ろされた大斧で叩き割られる。
 と、他のゴーレム達が一気に下がった。同時に、玄関口に人影が現れる。
キザな笑みを浮かべた金髪の少年――ギーシュだ。間髪入れずに後方から
矢が飛び出すが、それらは悉くハルバードに打ち払われた。間に傭兵達を
挟んだ状態では山なりの軌道で飛ばすしかなく、自然と命中までの時間が
延びてしまう。矢の到達までに時間があるなら、それを見切って切り払う
事はたいした苦労ではないのだ。
 青銅の戦乙女に守られたギーシュは、さっと前髪をかき上げた。

「勇壮な傭兵諸君、君達はよく戦った。が、残念ながらこれまでだ」
「ほざくな、ガキが!」

 激昂した一人が、剣を構えて吠え立てた。
 しかしギーシュは動じない。顔も気迫も、クロコダイルの方が百倍怖い。
あれに比べれば、そこらの傭兵の脅しなど恐るるに足りぬ。
 オーケストラの指揮者のように、ギーシュは薔薇を振り上げる。

「気づかないのかい? 上を見てみたまえ」
「あン?」

 つられて、何人かが思わず見上げた、刹那。


「【錬金】!」


 薔薇が振り下ろされ、傭兵達の足下が崩壊した。


 Mr.0の使い魔
  ―エピソード・オブ・ハルケギニア―

     第二十五話

177 :Mr.0の使い魔 第二十五話(3/6):2007/10/01(月) 13:26:22 ID:dAc1PTIG

 一般的に、メイジの持つ二つ名は、本人の得意な魔法に応じて名付け
られる。自分から言い出す事もあるし、他人が呼び始める事もあるが、
二つ名を聞けばそのメイジがどんな魔法を得意とするかがわかるのだ。
 さて、ギーシュの二つ名は『青銅』である。それはつまり、彼が殊更
『青銅』の扱いに長けている事を示す物だ。【錬金】で青銅を作ったり、
あるいは青銅製のゴーレムを多数使役したりというように、『青銅』に
関してなら、学院ではギーシュの右に出る者はいない。
 が、得意分野というのは、本人の知識と経験に従い、往々にして変化
するものでもある。特に魔法では、本人の意識の持ち様に強く影響され
やすい。例えば、感情を押し殺して冷淡な人間を演じ続ければ、単なる
風ではなく極寒の吹雪を起こせるようになる、といった具合に。
 そして、常日頃【砂嵐】に吹き飛ばされ続け、砂という“モノ”を心身
共に覚え込まされたギーシュは――『青銅』だけでなく、『砂』もまた
己の領分として操れるようになっていたのだ。
 傭兵達が立っていた路面、その岩肌が全て砂礫に【錬金】されて陥没
した。さらに雨水が染み渡って、砂地はあっという間に泥沼と化す。

「だぁあッ!?」
「やべぇ、下がれ!」
「くそ、足が!」

 武器や防具で重量の増した傭兵達が、ずぶずぶと沼の中へ沈み始めた。
駆け出そうとした傭兵が派手に転んで、別の傭兵を引き倒す。そいつが
起き上がろうとした所をまた違う傭兵に踏みつけられ、罵声とともに足
を掴んだ。当然そんな事をすれば相手も転ぶ。後はもう罵り合いと殴り
合い、仲間割れの開始であった。

「何やってんだ、この馬鹿ヤロウ共!」

 後ろで指揮を執っていた隊長が叫ぶが、既に乱闘を始めた連中は聞く
耳を持たない。顔を真っ赤にして怒りを露にした隊長は、殺気混じりの
鋭い視線でギーシュを睨みつけた。同時に、この場にいない白仮面へと
悪態をつく。

(適当な事言いやがって……どこがドットだ!)

 【錬金】で変質した範囲は道幅いっぱいに5メイル、左右にそれぞれ
10メイルほどの長方形である。傭兵達の足が埋まっている深さも計算
に入れると、岩の量は10メイル級ゴーレム一体分とほぼ同じくらいか。
これほど大量の岩に【錬金】をかけるには、ライン以上の実力が必要で
あろう。

(しかもゴーレムを一度に五体……このガキも本当はトライアングルじゃねぇのか?)


 実の所、隊長は一つ思い違いをしていた。ゴーレムを同時に操作する
のはドットとしては破格の技能であるが、【錬金】に関してギーシュは
ドットレベルの物しか使っていない。実際に魔法で変化させた岩の量は、
隊長の予想の十分の一以下なのだ。

178 :Mr.0の使い魔 第二十五話(4/6):2007/10/01(月) 13:29:32 ID:dAc1PTIG
 では、ギーシュは一体どのようにして大量の岩を砂に作り替えたのか。
その答えは、宿の床の穴から顔を出していた。

――もぐもぐ
「ご苦労様、ヴェルダンデ。言いつけ通り、ちゃんと岩を砕いてくれたんだね」
――もぐ、もぐもぐ
「ああ、わかってるとも。帰ったら、まるまる太ったどばどばミミズを山ほど買ってあげよう」

 ギーシュはあらかじめ、ヴェルダンデに一つの指示を出していたのだ。

『大きな音がする地面の下の岩を、できるだけ細かく粉砕してくれ』

 ヴェルダンデは主人の命令を忠実に実行した。ワルキューレと傭兵の
乱戦による足音、そして武器のぶつかり合う音を頼りに、直下の岩石を
砕いて回ったのである。作業の途中で発生する破砕音は、降り注ぐ雨の
音と戦いの喧噪に紛れて掻き消された。ギーシュがやられる事を前提に
ワルキューレを突撃させたのは、ヴェルダンデに掘り返す位置を伝える
ためと、その作業の音を誤摩化すためだったのだ。
 ワルキューレ三体を下げたのは必要量を砕き終わったから。わざわざ
姿を見せて大仰な仕草を披露したのは、足下への注意をそらしたかった
から。仕上げに“蓋”として残っている岩を砂に【錬金】すれば、雨水と
混ざって泥沼の完成だ。
 傭兵達はこの策に見事に引っかかり、沼にはまって右往左往している。
射撃部隊は思わぬ事態に呆然としたまま。唯一隊長格の傭兵だけは、頭
から湯気を出しそうな勢いでギーシュを睨んでいた。
 立て直す暇など与えない。冷静になる前に、畳み掛ける。

「キュルケ、頼む」
「りょーかい」

 宿の中に炎が灯った。上面を開けた樽六個、うち二つに、キュルケが
着火したのだ。あらかじめ宿の中に隠していた二体のワルキューレが、
それぞれ一個の“照明”を抱き上げる。ギーシュが一歩引き下がり、入れ
違いに彼女らが進み出た。

「さて、諸君」

 背筋の凍るような笑みを浮かべるギーシュ。その意図に気づいた傭兵
数人が青ざめるが、もう遅い。

「ローストチキンは、お好きかな?」

 二体のワルキューレは、泥沼目掛けて燃え盛る油をぶち撒けた。
 油と水は簡単には混ざらない。そして、油は水より軽い。
 波打つ沼の上に、深紅のカーテンが翻った。

「ぎゃああッ!!」
「あぢ、あぢいいっ!」

 灼熱の舌に絡めとられ、傭兵達からは悲鳴が上がる。中には火だるま
になって、声も出せずに倒れ伏す者もいた。
 それでも十数秒もすると、雨に晒され続けた火勢が衰える。

「折角だ、遠慮せずに飲みたまえ」

 ギーシュがそう呟くと、空樽を放り出したワルキューレが新たな樽を
運んで来る。それを、炎の中へと投棄。勢いを減じていた炎は、新たな
エサを与えられて歓喜し、膨れ上がった。

179 :Mr.0の使い魔 第二十五話(5/6):2007/10/01(月) 13:31:12 ID:dAc1PTIG

 桟橋である大樹を前に、クロコダイルは一瞬唖然とした。一本の巨大
な枯れ木をくり抜き、高層タワーのように活用している。方々に伸びた
枝には、大きなフネが果実のようにぶら下がっていた。雨さえなければ、
さぞ雄大な眺めだっただろう。

「追っ手が来ないうちに、フネに乗り込みましょう」
「ん、ああ」

 ワルドの先導に従い、一同は大樹の中へと駆け込んだ。仄暗いホール
を抜け、きしむ階段を駆け上がる。人気のない桟橋に、壁を叩く雨の音
が不気味に反響した。
 踊り場の分岐点で一度足を止めたワルドは、枝に通じるゲートを順に
目で追った。行き先を表示する看板の中から、目的の一つを見つけ出す。
最後尾で後方を警戒しながら、クロコダイルが肩越しに声をかけた。

「子爵、どれだ」
「……あそこ、です」

 ワルドが僅かに言い淀んだ。
 緊張の色を感じたクロコダイルが振り向くと、通路の真ん中に人影が
ある。稲光に照らされて、白い仮面が闇の中に浮かび上がった。

「待ち伏せされていたの?」
「出港する便は二つしかないからね。通路を両方抑えておく事も難しくない」

 思わず後ずさるルイズを庇うように、杖を抜いたワルドが前に出る。
相手も同種の杖を構え、三人と対峙した。距離はおよそ15メイル。
階段の上に陣取っている分、敵の方がやや有利か。
 張りつめた空気に、ルイズはごくりと生唾を飲み込む。


 緊張の糸は、突然のデルフリンガーの声に断ち切られた。


「旦那、下だ!」
「ちぃ!」

 クロコダイルが振り向き様にデルフリンガーを抜くのと、階下から
閃光が飛ぶのは全くの同時だった。バチンと弾けるような音がして、
青白い稲妻がデルフリンガーとぶつかり合う。

「ぐ、ぅ!」

 魔力を吸い取る魔法の剣は、物理的な電撃の残照までは防げない。
右腕に強い痺れが奔り、クロコダイルは危うくデルフリンガーを取り
落としかけた。寸前で切っ先を床に突き立て、何とか滑落を防ぐ。雷
の出所に目をやれば、上にいた筈の白仮面の姿。

180 :Mr.0の使い魔 第二十五話(6/6):2007/10/01(月) 13:33:35 ID:dAc1PTIG
 素早く移動したのではない。デルフリンガーの警告は白仮面を視界
に入れている時に発せられたのだし、ワルドは未だに気を張ったまま。
つまり、上の奴とは別に、もう一人敵が現れたという事だ。

「クロコダイル!」

 思わず悲鳴を上げるルイズ。
 同時に上段の白仮面、そしてワルドが魔法を放つ。二人の杖から渦
を巻く暴風が起こり、激突してせめぎ合いを始めた。どちらかが僅か
でも気を抜けば、その一瞬で勝負が決する。
 下段の白仮面はしばし動かなかったが、やがて【フライ】を唱えて
宙に舞う。杖をレイピアのように構え、未だに立ち直る事のできない
クロコダイルへと飛びかかった。
 咄嗟にかぎ爪で受け止めはしたが、白仮面は【フライ】を解除する
とその膂力でもってクロコダイルを押さえ込む。

「やべぇぞ、旦那!」

 デルフリンガーに言われるまでもない。こんな至近距離で攻撃魔法
を撃たれれば、回避も防御もできずにあの世行きだ。だからといって
間合いを空けても、飛び道具のないこちらは一方的に魔法の餌食。
 進退窮まったクロコダイルをあざ笑うかのように、白仮面が詠唱を
始めた。わざとゆっくり時間をかけて、くぐもった声がルーンを紡ぐ。
一節、また一節……全てが終われば、新しい死体が一つ完成している
だろう。右腕は、まだ使い物にならない。

(どうする……何か、手は!?)

 思考を巡らすクロコダイル。
 そこにルイズの怒声が飛んだ。

「くく、クロコダイルから離れなさい! さもないと、ぶっ飛ばすわよ!」

 杖を抜いたルイズは、僅かに震えている。殺し合いを直に体験した事
のない少女では無理もない。
 ルイズを一瞥した白仮面は、すぐに視線をクロコダイルへと戻した。
脅威とはならない、と判断したのだろう。再び詠唱を開始した白仮面は、
そこでようやくクロコダイルが笑みを浮かべているのに気がついた。

「構わねェ、やれ、ルイズ!」
「れ、【レビテーション】!」

 ルイズは、この時ばかりは『ゼロ』の二つ名に感謝した。魔法の成功
確率ゼロ、結果は決まって爆発だけ。つまり、どの魔法を使おうとも、
確実に爆発が起きるのだ。人間一人ぐらいなら軽々と吹き飛ばすほどの
凄まじい爆発が。

「ッ!」

 うめき声。
 【レビレーション】を掛けられた白仮面は、爆煙の中に姿を消した。 


   ...TO BE CONTINUED

181 :Mr.0の使い魔:2007/10/01(月) 13:35:36 ID:dAc1PTIG
以上、二十五話終了よん。支援ありがトゥー!

182 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 14:01:54 ID:Ek7nOWj5
乙&GJでした!

183 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 14:25:54 ID:rCmp5mGL
GJ!
ギーシュが格好良い&ダーティーだ

184 :つかわれるもの:2007/10/01(月) 14:27:51 ID:xosJ0SjE
誰も居ない トウカするなら イマノウチ
って事で第04話を30分から投下しますー

185 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 14:28:24 ID:b1kXJisc
GJ!
ギーシュが大金星。
反面クロコダイルは……雨だしなぁ。

186 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 14:29:28 ID:qriWB2ck
やっぱヴェルダンデは最高。

187 :つかわれるもの:2007/10/01(月) 14:30:09 ID:xosJ0SjE

第04話 懐かしむもの




翌日の早朝。
目を覚ましたカルラはひとつ伸びをすると、目をこすって辺りを見回した。
まだベッドの上で惰眠を貪っているルイズの姿を見て、はぁっと溜め息をつく。
頭をぽりぽりと掻きつつ、二度目の溜め息の変わりに呟きをポツリと一つ。

「夢じゃなかったみたいですわねー」

かといって今更愚痴をこぼしても、状況は好転しない。こんな所に来てしまった理由は元を辿れば自分の好奇心からだ。
トウカまで巻き込んでしまいましたしねー、などと考えた時、ふと気付く。部屋の中にトウカの姿が無い事に。

(どこかに出かけたのかしら?)

ハクオロの御側付であったトウカは、その習慣からか朝は早い。
カルラは大方外に顔を洗いに行っているのだろうと目星をつけ、取り敢えずルイズを起こす事にしたのであった。

「ルイズー、起きなさーい」

カルラはゆっさゆっさとルイズの身体を揺らす。
まぁゆっさゆっさと言ってもルイズの胸は揺れるほど無いのであるが。げふんげふん。
兎にも角にも、なおも身体を揺らし続けていく。そして程なくして、パッチリとルイズの目が見開いた。

「んあー……誰?」
「カルラですわ。まったく、自分で呼び出しておきながらそれはあんまりですわよ」
「そっか、昨日召喚したんだったわね」

ほんの少ーしだけ、嬉しそうにルイズが呟く。
そしてのそのそとベッドから這い出し、大きな欠伸をひとつすると、寝ぼけ眼でカルラに命じる。

「服と下着とってー」
「はいはい」

カルラはクローゼットの中から下着をひとつと、椅子に掛けられていた制服を一着掴むと、ルイズに渡す。
ルイズは気持ち良いくらい豪快にネグリジェを脱ぎ捨て、即座に下着を身に着ける。
そんでもって―――

「服着せてー」
「……それぐらい自分でできませんの?」
「貴族は従者が居る時は、自分で服なんて着ないのよ」

―――というある意味お決まりの流れになる。
ハクオロに迫る際にいつもカルラが纏っているような、言っても無駄な気配を漂わせているルイズ。
自分のことを棚に上げて、やれやれといった感じで服を着せ始める。

(全く、世話の掛かるご主人様ですこと)

カルラは、この世界に来て何度目になるだろう溜め息を、心の底から押し出すように吐いたのであった。

188 :つかわれるもの:2007/10/01(月) 14:31:49 ID:xosJ0SjE


一方その頃、トウカは学院の外できょろきょろと挙動不審な行動を取っていた。それは一体何故か。

「某としたことが……ま、迷ってしまった」

朝、日が昇ると同時に目覚めたトウカは顔を洗うため、寝ぼけ眼で外に出た。
そして暫くぼーっと水場を探し歩く内に、自分が何処を歩いているのかの見当がつかなくなってしまったのだ。
幸いにもその後すぐに水場を見つけ、顔を洗う事に成功するものの、ルイズの部屋が何処なのかてんで思い出せないのであった。なんとも間抜けな話である。
取り敢えずトウカは気を取り直して周囲を見回し、誰か人が居ないかと目を凝らす。
その数分後に第一村人、もとい学院のメイドが三人ほどで歩いているのを発見したのであった。

「もし、そこの御仁。少々尋ねたい事があるのだが……宜しいか?」
「あ、はい。何でしょうか?」

声を掛けられ笑顔で振り向いたメイド達の笑みが、若干引きつった。
トリステインにおいて、亜人とはエルフや吸血鬼を筆頭に恐怖の対象であることが多い。
先日のサモンサーヴァントにおいて亜人が召喚された、という話はいつの間にやら学院中に広まっていたのである。
いくらトウカが優しそうでも、怖いものは怖いのだ。既に三人のメイドの内の二人は、後じさって逃げ出していた。
トウカはどちらかと言えば平民寄り――とは言え化け物じみて強い分には亜人とさして変わらない――なのだが、なんとも偏見というのは恐ろしい。
しかしながら残った一人には、トウカに対して怯えた様子など微塵も無かった訳であるが。
二人に逃げられたのが悲しかったのか、一人が残っている事に気付かずに、トウカは暫く呆けていた。

「何故、逃げる」
「ミス・ヴァリエールの、使い魔の亜人さんですか?」

微妙にショックが抜け切らない様子のトウカに苦笑しつつ、残ったメイド――シエスタが尋ねる。
我に返ったトウカは、内心で人が残っていた事に若干動揺しつつも、あくまで表面上は冷静に返した。

「知ってるのか?」
「はい、亜人が二人も召喚されたとかで、結構学院中大騒ぎなんですよ」
「とすると、某達が呼ばれたのはそれだけ異例の事態なのだな」
「そうですねぇ、長い間こちらに奉公させて頂いてますけど、一度もそんな事ありませんでしたし」

暫くの間、使い魔召喚についての談義と自己紹介に花を咲かせる二人であったが、ふと自分の状況を思い出したトウカが申し訳無さそうにシエスタに尋ねた。

「あーそうだ、シエスタ殿。ルイズ殿の部屋が何処にあるのか知らないか?」
「え?はい、知ってますけど?」
「丁度良かった。某を案内しては頂けないか?少々道に迷ってしまってな」
「あらら……はい、判りました」

そして歩き出した二人は、先程とは打って変わってあまり会話を交わさなくなった。
それは何故かと問うのであれば、答えは簡単。両者とも思考の海に沈んでしまったから、だ。

シエスタに連れられルイズの部屋に向かうトウカは、何故か多少の懐かしさを感じていた。
その原因は彼女の瞳。それはトウカがいつだったかどこかで見たような……そんな懐かしい瞳だった。

トウカを連れてルイズの部屋へ向かうシエスタも、懐かしい気分に浸っていた。
その理由は彼女の口調。それはシエスタが大好きだった祖父の口調に、とても良く似ていたから。

189 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 14:32:35 ID:sk5FaTfd
支援!

190 :つかわれるもの:2007/10/01(月) 14:33:46 ID:xosJ0SjE


はてさて、その頃のルイズであるが、現在の状況を一言で表すと、"とても不機嫌"であった。
その理由はただ一つ、部屋から出たと同時に、憎きツェルプストーと鉢合わせたから、だ。

「おはよう。ルイズ」
「おはよう。キュルケ」

憎きツェルプストー、もとい"微熱"のキュルケは、露骨に嫌な顔をするルイズに軽く笑みをこぼしながら挨拶をする。
ルイズは顔をしかめつつも、嫌そうに挨拶を返した。
その反応に対しキュルケはもう一度笑みをルイズに向けた後、後ろに佇むカルラに声を掛ける。

「あなたがルイズの使い魔さん?私の名前はキュルケよ、よろしくね」
「ご丁寧にどうも、私の名はカルラですわ。あと、正確に言えばもう一人の方が使い魔ですわね」
「あらそう?……亜人を二人も召喚するなんて、"ゼロ"のルイズでもやる時はやるのね」

ルイズは、"ゼロ"という言葉に多少反応したが、一応褒められているようなので満更でもないように胸を張る。

「あ、あったり前でしょ!ツェルプストーの使い魔なんかよりずっと役立つんだから!」
「あら?私の使い魔だってそうそう負けてないわよ?おいで、フレイムー」

キュルケに呼ばれ、のそのそと部屋から這い出てきたのは真っ赤で巨大なトカゲ。口からちろちろと火が漏れ出ている。
その直後に、ルイズの『これってサラマンダー?』発言で、キュルケの使い魔自慢が始まったりもした。
だがカルラはその自慢話には耳を傾けず、サラマンダーを興味深そうに眺める。

(結構可愛らしいですわねー、トウカが見たらどうなるかしら)

恐らくトウカの可愛いものセンサーに引っ掛かるだろう。そして無作為にじゃれついて火でも吹きかけられてしまうんじゃないだろうか。容易に想像できる辺り、なんだかちょっと心配である。
幾ばくかの時間が過ぎ、カルラが意識を二人に移したときには、もう会話も終わりと言った雰囲気に包まれていた。あと、若干ながら険悪な雰囲気も出ている、主にルイズから。

「でも偶然使い魔が召喚できたからって、いい気になるのはおよしなさいな?」
「ぐ、偶然ですって?わ、私だってちゃんとできるわ、絶ッ対に」
「ふーん、他の魔法も成功できたら良いわねー。じゃあまたね、ヴァリエールと使い魔さん」

そういってキュルケが立ち去って行くのを見送ると、ルイズが地団太を踏みながら愚痴愚痴言い始める。
一方のカルラは、去っていくキュルケを見送りながらも、何故か彼女に親近感を覚えていた。
理由に目星をつけるとすれば恐らくはアレだ、自分の同類の匂いを嗅ぎ取ったのだろう。
ルイズを見るキュルケの目。それをカルラの仲間達の誰かが見れば、こう言った筈だ。
『トウカをからかう時のカルラの目だ』と。
恐らくキュルケはルイズを嫌っていない。一々ムキになるルイズの反応が楽しいから、からかっているんだ、間違い無い。

因みにカルラの趣味は真面目な人をからかう事である。
なんとなく彼女らの性格が悪い気がしなくも無いのは、確実に気のせいだ。

なおイライラを募らせたルイズが、丁度その時にシエスタに連れられて戻ってきたトウカに飛び掛り、"ご主人様に黙って出かけた"という名目で躾と称した暴力――八つ当たりとも言う――を始め、シエスタとカルラが生暖かい目でそれを見つめていた事は……


つまるところ完全な余談である。


191 :つかわれるもの:2007/10/01(月) 14:35:43 ID:xosJ0SjE
トウカ完了です。
ギーシュ戦まだですけど、ちょっと書くのが楽しくなってきました

192 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 14:46:16 ID:CKI0TQ0W
Mr.0の方とつかわれの方乙でしたー
どちらも次の展開が楽しみでたまりません

193 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 15:01:27 ID:CeI3AKkU
ご両人、投稿乙です。

一瞬、同じ匂いってばいんばいんの事かと思った。お恥ずかしや。
微熱さん、ライバル視しなかったなー。敗北確定なのかなーばいんばいんで。
えぇい!乳尻太股から離れろ、俺の脳(w

194 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 15:02:37 ID:T4U+CSYw
それはたぶん無理だな

195 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 15:11:02 ID:c4eovg2W
女性の乳尻太腿は男の浪漫で本能だ。
無理に意識を変えようとすれば脳に障害を負うぞ?

196 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 15:13:08 ID:T4U+CSYw
まて、>193がいつ男性であると確定した?
女性かもしれぬぞ

197 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 15:13:31 ID:SZq07zHB
毎日枯れ井戸に向かってチチシリフトモモーと叫ぶんだ

198 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 15:40:41 ID:F4hNmYoT
カルラの同族?まさかあの最強爺か

199 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 15:41:48 ID:b1kXJisc
>>197
それやると女子高生に囲まれても反応しなくなるぞw

200 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 15:48:53 ID:T4U+CSYw
乳尻太腿が涸れ井戸の底に幻視できるようになるからな
涸れ井戸スコープってやつだ

201 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 15:51:59 ID:QWPwQdOq
>>170
まて、それはチャンスだ。
一行に何文字入るかのテストに使いたい。問題ないよね?

202 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 16:04:44 ID:QWPwQdOq
128文字と判明。避難所に報告してくる。

203 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 16:07:58 ID:MKqJNFb8
つ旦~

GJ。

204 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 16:10:42 ID:NIF3vYHy
>>201
それはチャンスでも何でもなく、ほっとけば即死するスレを徒に延命する迷惑行為だ、

と言おうとしたんだが遅かったか。

205 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 16:14:42 ID:QWPwQdOq
>>204
遅かったよ…orz
そんな気がしたんで、五分くらい待ったんだけどね。ほんとスマン。

206 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 16:16:52 ID:CeI3AKkU
何だろう?慰められてるような、哀れまれてるような、生暖かい目で見守られてるような(w
取り敢えず、『イドの怪物』を生みださないよう気を付けます。
色んなネタが出て来るなぁ…ここ。
>>202
乙カレーであります。

207 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 16:52:22 ID:FSL4zbuv
>>204-205
このスレも1〜2日で使いきる事になるだろうし、part68として再利用すれば良いんじゃないかな?

208 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 17:06:40 ID:BYstP3dL
>>207
再利用するのはいいが……、別に使いきってしまっても構わんのだろう?

209 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 17:06:51 ID:de7Uj1dc
ハヤテの三千院ナギと銀魂神楽を召還して釘宮一人で「らき☆すたの使い魔」

210 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 17:15:58 ID:c4eovg2W
>>209
炎髪灼眼の討ち手を忘れるな。
彼女一人でいろんなバランスが崩れる気がしないでもないけれどな!

211 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 17:17:47 ID:NIF3vYHy
>>210
バランスだと?

4人集まってもキュルケに勝てない…

212 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 17:20:18 ID:R5jFfQ0u
>>209
FF4の双子を忘れるなよ


最初聞いた時は冗談と思ったが

213 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 17:23:47 ID:L3OuMhcd
>>209
約束の地リヴィエラからエクセル召喚というのはどうだ?

ヒーローヒロインダブル釘宮になるがw

214 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 17:24:35 ID:5N1tgxlN
>>212
虚無属性にプチメテオとブレイクが追加されました

215 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 17:31:01 ID:b1kXJisc
>>214
前者は本当にありそうで困る

216 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 17:32:10 ID:QIwBvqv5
FF4DSとリヴィエラスペシャルエディションの予約はばっちりだぜ!
何度もハードを変えて移植されまくって金欠気味だけど気にしない!

217 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 17:33:29 ID:9Cly2hZo
小ネタ投下よろしいでしょうか?

218 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 17:33:52 ID:b8PRZVZl
DQの1〜6は声優の外れはなかったけど
FFの場合は成功するかな

219 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 17:34:29 ID:c4eovg2W
止める理由はどこにも無い。
行けぇっ!

220 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 17:34:57 ID:9Cly2hZo
タイトル:何気にブロスより厄介?


ルイズは町に買い物に来ていた。
別に使い魔の武器を買いに来たとかではない。気晴らしだ。
自分の召喚した使い魔は優秀だった…自分がへこむほどに…
なんせ亜人で人語を解すのはおろかメイジでもあるらしいのだ。
最初は疑っていたが召喚した翌日、ギーシュとメイドとの間で起こったトラブルで
使い魔がメイドを庇い決闘になったのだが…




「青銅のゴーレム・ワルキューレがお相手しよう」

ギーシュが作り出したワルキューレが使い魔へと向かう…
使い魔はそれに焦りもせず杖から光を放つ。それがワルキューレに命中する。

「え?」

ギーシュは呆然とした。光に当たったワルキューレがコウモリにかわったのだ。
だが、呆然としたのも一瞬。事態を理解しすぐに6体のワルキューレを生成する。
使い魔は6体すべてに光を放つ。ワルキューレがまたコウモリ、跳ねる星のような生物?、
緑の水玉で目のついた動くキノコ、彼と同じ亜人、跳ねる四角い岩の怪物、金貨に変わる

「そ、そんな…」

さらに使い魔の姿がぶれて消えた。どこに行ったかと辺りを見回す。
と、

「まだやりますかな?」

そんな声が背後から響いた。その眼鏡に隠れた目に射抜かれたときギーシュは己の敗北を認めた。




という風に他人の錬金したゴーレムをただ錬金するどころか生物にまで変えてしまったり
転移などを使えるほど優秀なメイジだったのだ。
やつあたりし様にも若い頃はここに呼び出される前に使えていた国の王の幼少時代の子守をしていたり
その王がよくさらってくるという異国の姫への対処を王の部下は心がけてる
(臣下に女気があまりいないためデレデレしているだけらしいがメイドを庇ったのもその辺の関係のようだ)
とかで応対もしっかりしており非の打ち所がない。
買い物にでもでかけなければやってられないと町へ出かけたのだが…

221 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 17:36:26 ID:9Cly2hZo
「あれ!?」

「どういたしましたルイズ様?」

そう声をかけるのは青い帽子とローブに身を包みグルグル眼鏡をかけた亜人…件のルイズの使い魔である。
何の亜人かというとカメだ。
もっとも、カメたる証拠の甲羅はその青いローブによって隠されているし
肌の出も少ない…辛うじて顔により亜人だということがわかる。
だが、そんなことよりルイズには気になることがあった。

「財布がない!?どうしよう…」

それを聞いた使い魔は一瞬考えるようなしぐさをするがすぐにそれを解き口を開く。

「ルイズ様、お尋ねしますが財布の中にはお金以外で紛失しては困るものは?」

「それはないけど…」

「ならば、ここは私にお任せを…」

そう言うと使い魔は杖を取り出し呪文を唱える

「タダヨ・リータカ・イモ・ノハナシ」

詠唱が終わるとルイズの上には?マークのついた金色の宝箱が浮遊していた。

「そのブロックを叩くと金貨が無限に出ます」

使い魔カメザードは自信を持って答えた。


222 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 17:37:40 ID:9Cly2hZo
数分後…

「ハアハア…カメザード…まだ盗まれた分にはとどかないの?」

ルイズは盗まれた分を取り返すためひたすら宝箱をジャンプして叩いていた。

「まだ半分です…すいません…なにせ一回で一枚しかでないものでして…」

「大体、これ高さ高すぎない!?」

「一応、この世界の方々のジャンプ力に合わせた高さにしたのですが…」

「まだ高いわよ!大体…」

ルイズは大きく息を吸い込む…自身の使い魔に怒りをぶつけんがため…

「何で私がジャンプしなきゃいけないわけ!?こういうのはあんたの仕事でしょ!?」

「ですが、マリオさんも大王様も自力でやってらっしゃいましたし…」

「それだけ!?ふざけんじゃないわよ!!このバカガメ!」

さらにルイズは杖を構える。それをみたカメザードは震え上がり許しを請う。

「ヒィィーー!!ルイズ様お許しを〜!!」

だが、それも聞かずルイズは魔法を行使する。
そして、カメザードは盛大の吹っ飛んだ。
『そういえば幼いクッパ様にもこんなこんな感じでヒップドロップされて潰されたことがあったなあ…
あの頃は苦労した…ぶっちゃけ、カジオーに城を乗っ取られ、奪還に向かうもクッパ様達とはぐれてしまい
単身クッパ城にたどり着いた時よりも苦労した…
モンスタウンに定住したクリジェンヌとマリオ道場で修行中のノコヤン元気かなあ?
なんかノコヤンの手紙やけに変だったんだが点字みたいな感じで点で書いてあったし…
もしかして未だにジャンプ修行してるのか?』
とか微妙に一番苦労していたと認識していた時を思い出したせいで現実逃避気味になりながら…

223 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 17:38:32 ID:3WJB1XPx
カメック(RPG仕様)ーーーーーーーーーー!?
おのれ懐かしいものを!支援!!

224 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 17:38:40 ID:b8PRZVZl
よし支援だ

225 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 17:38:51 ID:9Cly2hZo
しかし、こんな風に抜けたところが合ったが先述の通り使う魔法自体は強力で非常に優秀であった。




・土くれのフーケ事件

今度彼と対峙したのは盗賊フーケ作り出したゴーレムだった。

「カメザード!また、魔法で別のものに変えちゃいなさい!」

「しかし、あのサイズですと一回では変えられそうにありませんな…ここは」

そういいながらカメザードが取り出したのは

「タマゴ?」

ルイズたちがきょとんとする中、カメザードはそれに魔法をかける。と、タマゴが割れ何かが飛び出した。
それはタマゴのサイズからどうみてもおかしいほど巨大な黒くて丸く目のついた何か…
それは飛び出した拍子でフーケのゴーレムの上に落下し動けなくすると大爆発した。
ゴーレムは撃破したものの当のフーケ…学院長秘書のロングビルには宝物庫の中から盗んだマジックアイテムを使い
逃げられてしまったが幸い被害はフーケが逃亡に使用したマジックアイテム一つですんだのだった。




・酒場にて…フーケ+傭兵

「また、あの爆発するのでやっちゃたら?」

「ですが、この混戦で爆発はよろしくないかと」

「じゃあ、どうするのよ!?」

「お任せください。ギーシュ様、少しヴェルダンデさんを借りますよ」

そういうとカメザードはヴェルダンデに向かい魔法となえた。と、
ヴェルダンデが巨大化した。

「ええ!?」

「ヴェルダンデ!!僕の可愛いヴェルダンデ!!ああ、こんなに大きく育っちゃって!!」

「ちょ…育って大きくなったわけじゃないでしょ!!」

その後、フーケはビックヴェルダンデにより…
傭兵部隊はカメザードがタマゴから呼び出したにせジャッキーなる小人とドッシーなる竜
により壊滅させられた。

226 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 17:40:00 ID:9Cly2hZo
・裏切りのワルド

「ワルド様、よくもルイズ様の心を踏みにじりましたな…」

「そこはすまないと思ってるよ。本来ならもっとショックを与えずにこちらに来てもらうつもりだったんだがね。
まあ、今回はウェールズを暗殺できただけでもよしとしよう」

「確かにウェールズ皇子を死なせてしまったのは失態でした…
占いでわかっていたのですが…私の占い…当たるのはいいんですが回避はできないのでしょうか?
ですが…フーケが盗んだものからこれをくすねておいて正解でしたな」

そういうとカメザードは懐からなにか放り投げた…瞬間、視界が歪み…



「なっ!?」

ワルドは唖然とした。いや、その場に居合わせていたルイズ、そして先ほどワルドの手により命を失ったはずの
アルビオン皇子ウェールズも何がなんだかわからなくなっていた。
疑問は一つ…なぜ、ウェールズが息を吹き返している!?
否、息を吹き返したどころか身につけている衣類などにさえ傷がない…これは一体…

「『あのころにもどりたい』…このアイテムは少し前のことならやり直せるアイテムでして…」

そういってカメザードは先ほど放り投げたものをみせる

「さて、どうしますか子爵?」

「…ならば、それを持つ君を即死させればいいことだ…
確かに君は強敵だ。だが、ここは王城…室内で敵は私一人下手に大暴れすれば迷惑を被るのは王党派だよ?
酒場で呼び出した小人を使えばいいだろうが…それでも一回に相手にできるのは1人だし、
呼び出すまでの隙も大きい。仮に呼び出し私に向かわせたとしても…」

カメザード、ルイズ、ウェールズを4つの人影が囲う…囲むのは4人のワルド。
先ほどからいたワルドを含めれば5人となる。

「その間に他の私の攻撃を防げるのかな?鈍間なカメ如きが…」

その言葉に少しカチンとしたような反応を見せるカメザード。だが、すぐに笑みを浮かべ口を開いた。

「カメ一族をあまり馬鹿にしてほしくないものですな…
それはそうとこれでも私は奉仕する相手に対して溺愛気味になりがちでしたな…
幼少時代のクッパ様がお怪我をさせられたときも…」

そういいながらカメザードは杖を振る…ルイズに向かって…

227 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 17:40:51 ID:3WJB1XPx
でーでーでーでーー♪
ポコッ
ばぅーんばぅーん


228 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 17:41:12 ID:9Cly2hZo
数秒後…ニューカッスル城は瓦礫へと変わっていた…

「あ…ああ…」

呆然とするワルド。その視線の先には…

「ウオオオオオオ!!!」

巨大化し咆哮するルイズの姿があった…

「このように…傷つけた相手に見境がなくなってしまい
まわりの被害も省みず城がぶっ壊れるほど巨大化させてしまいまして…」

巨大化したルイズが杖を構える。目標は自分の心をもてあそんだワルド。
杖から爆発が放たれる…完成した虚無の魔法の爆発が…それは一瞬でワルドを消し飛ばす。
カメザードの巨大化魔法はただ、対象を巨大化させるだけではない…凶暴性が増したり
その潜在能力等さえブーストさせるのだ。

「やはりさすがにやりすぎましたかな?すいじょうきばくはつかカチカッチンでも充分だったでしょうか?
…城を壊した件に関しましては貴族派の連中を倒すことで弁償させていただきましょう…
今のルイズ様の力ならたやすいでしょうし…ねぇ、ルイズ様」

そうルイズに向かい言うカメザード。が、

「って!!下からまる見えじゃないの!!このバカガメェ!!!」

我を取り戻したらしいルイズは足でカメザードを潰そうとしていた。

「あ、あの…ルイズ様…踏まれてもペランペランになるだけで死にませんが…それはちょっと…」

「問答無用!!」

箒に乗り逃げるカメザード。
その進路上にいた貴族派は高速で飛行するカメザードにはねられたり
ルイズの爆発と踏み潰しで大打撃を食らい壊滅した。
なお衝撃で吹き飛ばされただけで無事だった連中には「白…」とか呟いてたものがいたらしい…




「それにしてもこっちの世界に来てから結構運が向いて来た様な…
いや、向こうにいたときがついてなさ過ぎたような…
以前はあの恐竜こっぴどくやられたりとかクッパ様のお守りとか…
バカンス中のピーチ姫をさらった時はさらった場所がヨースター島だったから
あの恐竜にやられるのが怖くて砦や城で待ち構えるしかなかったりとか…
レースじゃ参加はぶられるし…
カジオーに洗脳されて赤くなるわ…その後、クッパ様やマリオさんと戦った時なんか
モンスター召喚する前に秒殺されることの方が多いわ…
というかあの時ピーチ姫、クッパ様よりお強くなってたよなぁ…スマ○ラでも普通に強いとか…
そもそも最近全体的にクッパ軍団の威厳とかってなくなってるよなあ…」

―完―



というわけでビッククッパならぬビックルイズ大暴れで投下終了です。
ちなみにフーケが逃げるのに使ったのは『さよならはとつぜんに』です。
スクエニと組んでいただきストリートにマリオ出すならスーパーマリオRPGの方も
ちゃんとした続編出してくれないかなあ…ペーパー系はなんか違うんだよな…

229 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 17:43:34 ID:3WJB1XPx
懐かしすぎGJ!

230 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 17:47:40 ID:b8PRZVZl
しろだな
Gじ(プチ

231 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 17:58:39 ID:QIwBvqv5
GJ!
久しぶりにデータを見たら無限コイン叩くところでセーブしてあったwww

232 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 18:02:21 ID:FSL4zbuv
乙。白いGパン(略称)なのか。

233 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 18:05:01 ID:YujCu03L
おお…、何という事か。あんなに巨(おお)きいのに貧(ちい)さいという矛盾……!

―――某国の名無し魔術師の回想より。

234 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 18:14:49 ID:Q/R3KvW5
カメ一族のカメザードか。
考えていたらこの人ってコクッパたちの面倒も見ていたりしていたのかもしれないな。

235 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 18:24:10 ID:FmhA6Wvw
GJ
どうでもいいけど、カメックって甲羅あるのか

236 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 18:27:14 ID:3WJB1XPx
甲羅の無い亀など居ない!
っつーかいたらそれはトカゲかスッポン・・・

237 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 18:33:48 ID:tmHQxg7t
小ネタ投下させていただきます

238 :魔法学院は今日も平和:2007/10/01(月) 18:35:16 ID:tmHQxg7t
 思えば、始まりはあのサモンサーヴァントであったのだろう。
 と、キュルケは考える。
 他の生徒がおのおのの使い魔を召喚する中、ルイズが召喚したのは、子供だった。
 見たこともないような服装と、おかしげなしゃべりをしていたが、その態度や言動から察するに遠い異国の子供であるらしい。
 これは色々まずいのでは?
 ミスタ・コルベールも、召喚してしまった本人であるルイズも相当困っていた。
 けれど、本人も了承し(ちゃんと使い魔や召喚の意味を理解していたのかは甚だ疑わしいけれど)、無事契約は行われた。
 まあ、その点はめでたしめでたしと言える。
 が、ルイズにしてみればちいともめでたくなんかなかったようだ。
 この使い魔、何の役にも立たないのだ。
 小さな子供なのだからしょうがないのだが。
 感覚の共有はできない(してもあまり意味はないだろうが)。
 この辺は地理はわからないし、ちびっこなのを差し引いても、体力がないにひとしく、ちょっと走ったりするだけでもうのびてしまうので、秘薬の材料採集も無理。
 同じ理由で、主人であるルイズを守ることも無理。
 むしろ、いろんな意味でルイズが保護者にならなければならなかった。
 連れて歩いてもすぐに伸びてしまうので、まるで子守みたいにルイズがおぶって運ばなければならず、その姿をキュルケは当初さんざんからかったりした。
 また、ルイズも落ち込んだり周囲に噛み付いたり、けっこう荒れていた。
 けれど、今ではすっかり落ち着いたようだ。
 というか、落ち着きすぎ。
 キュルケがからかっても半ば無視するようにかわしてしまうようになった。
 とてもつまらない。
 原因は、あの子供使い魔なのだろう。
 見た目はけっこうかわいいが、貴族のせいかかなりわがままなのだ。
 そのせいかトラブルを生み出すこともしばしばだった。
 また、この子供が召喚されてきてから学院に変な虫だの、カラフルな子鬼だのが徘徊するようになった。
 子鬼たちは子供使い魔の持っている変な板切れ(しゃくとかいうらしい)が目的らしい。
 本人はわかってないのだろうが、ルイズは変わった。
 前のようなとげとげとしたものがなくなり、焦りが感じられなくなった。
 相変わらず魔法は失敗ばかり、でも不思議な余裕みたいなものがある。
 胸は貧相なままだけど、少し大人になったようだ。
 それはきっと喜ばしいことなのだろうけど、キュルケはちょっと寂しかったりする。

 「ルイズ、おぶってたも」
 「しょうがないわねえ」

 子供使い魔にねだられると、ルイズはすっかり手馴れた動きで、使い魔を背負ってやる。
 最近はすっぽり入るサイズのかばんに使い魔を入れ、それを背負うようになった。
 首だけかばんからぽこんと出している姿は可愛いけど、間抜け。
 そんなこんなで、魔法学院は今日も平和だ。

239 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 18:36:13 ID:3WJB1XPx
お・・・おじゃる・・・?

240 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 18:38:07 ID:rgLUZ7Bu
おじゃる丸乙!

241 :魔法学院は今日も平和:2007/10/01(月) 18:44:51 ID:tmHQxg7t
投下完了であります
一発ネタ(?)で失礼しました

242 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 18:49:20 ID:W9foWapd
おじゃる丸じゃしかたない支援

243 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 19:04:23 ID:r61qtix2
>>3000
なら人修羅召還

244 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 19:04:51 ID:de7Uj1dc
ハヤテの三千院ナギと銀魂の神楽を召還して魔法学院で釘宮の一人らき☆すたU期

245 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 19:05:11 ID:mNqlqAY7
>>243
そいつは無理な注文だ

246 :243:2007/10/01(月) 19:06:09 ID:r61qtix2
うぉあ!
すまぬ・・・安価ミスしたorz
お詫びに今から書き始める

247 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 19:09:11 ID:2n0cvisR
ID:de7Uj1dc自重しろ。
先日から一度スルーされたネタを何度も繰り返して、いい加減しつこいぞ。

248 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 19:14:31 ID:R5jFfQ0u
>>247
お前こそ荒らしに構うなよ

249 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 19:20:25 ID:3WJB1XPx
全く、仏のように優しい奴もいたもんだなッ!

250 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 19:28:46 ID:x7rTib3i
ああ、優しさで仏契る岩猿が呼ばれそうだぜ。

251 :薔薇乙女も使い魔:2007/10/01(月) 19:50:14 ID:VAfHWObc
あの〜いきなりですが、失礼します

続編かいちゃったんですけど、載せてもいいでしょうか?

一応全部、ハルキゲニアでのストーリーなんですが

252 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 19:52:48 ID:x7rTib3i
悩んでみるなら一旦避難所に投下して、反応を見てみても良いんじゃないでしょうか?
問題ないと住人の多くが判断するのならば、次からは本スレで落とせば良いですし。

253 :薔薇乙女も使い魔:2007/10/01(月) 19:53:34 ID:VAfHWObc
ハルキゲニア間違い

ハルケギニアでしたorz

254 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 19:54:52 ID:3WJB1XPx
バージェス動物群がルイズに召喚されました?

255 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 19:58:42 ID:hZXyTjdT
>>248 くやしいのうwwwくやしいのうwww

256 :薔薇乙女も使い魔:2007/10/01(月) 20:01:49 ID:VAfHWObc
うーん

一応避難所行かなくてもいい内容ではあると思います

予約も無いようなので、投下してみます

257 :薔薇乙女も使い魔:2007/10/01(月) 20:02:49 ID:VAfHWObc
桜田ジュンは、傷つきボロボロで、片膝をついていた。

目の前には青銅製の大きな人形、剣を持った戦乙女-ワルキューレ-が一体
その向こうには、ニヤニヤと余裕をかますキザなヤツ-ギーシュ

周囲の生徒達も、後ろの真紅と翠星石も、ルイズも、事の成り行きを見守っていた

ある者は見下しながら
ある者は同情しながら
ある者は期待しながら
ある者は嘲笑しながら
ある者は心配しながら

ジュンは考えた

どうしてこうなったんだろう、自分はなんでこんなことしてるんだろう




 キュルケと別れて食堂へ向かうルイズ・ジュン・真紅・翠星石達。
 ルイズ以外は皆、トリステイン魔法学院を珍しそうに眺めながら歩いていた。
 既に他の生徒の姿はない。まだ食堂に入っていないのは、お寝坊さんのキュルケと、
ルイズ達一行くらいだろう。既に本塔バルコニーにも、寮塔からやってくる女子生徒を眺
める男子生徒の姿はない。
  ルイズが食堂の扉を開けようとした時、ジュン達はちょっと困った顔をした

「どうしたのよ。さっさと入って朝ご飯にするわよ」
ルイズに声をかけられたものの、3人とも、特にジュンが困惑していた

「あの、ルイズさん。やっぱりまずいんじゃないでしょうか」
「なにがよ?」
キョトンとした顔で、ルイズがジュンに聞き返した。
「いやその、僕らは使い魔って立場でしょ?ここ、教師や生徒用の食堂じゃないですか」
「だから何よ」
「使い魔は外で待ってる見たいなんですけど・・・・」

 といって指さした先には、外で主達を待ってる大きな竜、宙に浮く目玉のお化け、ヘビ
その他色々が居た。

「だからって、あんた達を外で待たしたら、あんた達朝食はどうするのよ」
「うーんそれは困りますねぇ、やっぱり朝ご飯は大事ですぅ」
「そうね。でも、郷に入りては、と言うわ。余計なトラブルを避けたいのも本当よ」
 翠星石と真紅も、果たして入って良いモノかどうか、困っていた。


258 :薔薇乙女も使い魔:第2話:2007/10/01(月) 20:04:08 ID:VAfHWObc

そんな彼らを見て、ルイズは腰に手を当てビシッと言った
「あーのーね、こんなところで気後れしてどうするの?これからあんた達はトリステイン
魔法学院でうまくやって行かなきゃならないのよ。まずはしっかり使い魔として!堂々と
しなさいよ。その後、教室ででも紹介するわ
 でなきゃ、誰もあんた達みたいな正体不明の連中を、まともに相手にしないわよ」
 そう言われてジュンと翠星石は、うーんとうなって顔を見合わせた。

 真紅はため息を一つついて、一歩前に出た
「しょうがないわ。こんな大勢の前に自分から堂々と姿を現すのは初めてだけど、せめて
ローゼンメイデンとして恥ずかしくないようにしましょう」
「そ、そんな、真紅ぅ〜」
 翠星石は未だ決心が付かず、オロオロしている。

 ジュンは、黙って扉を見上げていた。
 彼にとって、その扉は地獄門のように恐ろしげだ。知らず知らず、彼の背中を嫌な汗が
つたう。まるでその扉が、自分にのしかかってくるかのように感じていた。

ルイズは扉に手をかけたまま、話を続けた。
「それに、昨日教室に戻らなかったでしょ?おかげでみんなに使い魔の正式なお披露目を
してないのよ。
 昨日も話したけど、メイジの格は使い魔で分かるっていうくらいなんだから。ちゃんと
みんなに紹介しとかないと、あたしも困るの」
そう言ってルイズはあっさり扉を開けて、中に入った。

「さぁ、早く入ってよね」
 ちょっと苛ついたルイズに促され、真紅は入っていった。
 ジュンは目を閉じ、大きく息をつき、拳を固く握りしめ、ゆっくりと大きく一歩を踏み
出した。
 その後ろを翠星石がこわごわとついて行った。


 アルヴィーズの食堂では、既に全学年が座っておしゃべりしていた。教師達も中階のロ
フトに揃って歓談に興じている。全てのテーブルに豪華な飾り付け、飾られた花、フルー
ツが盛られた籠。周囲の壁際には精巧な小人の彫像。

 ルイズ達が食堂に入ってきた瞬間、全ての視線がルイズ達に、いや、ルイズが連れてい
る使い魔とおぼしき3人に注がれた。一瞬で場を沈黙が支配した。

 ルイズは全ての視線が集まった事を満足げに見渡し、胸を張って歩き出した。
 真紅は、少しひるみはしたものの、すぐに動揺を抑えてツンとすました。そして、ジュ
ンを見上げた。

 彼の足は震えていた。大粒の汗をかき、目を伏せ、今にも逃げ出しかねない姿だった。

「こらチビ人間!なーにをビビッてるですか!?しゃきっとするです!!」
と、ジュンをはげました翠星石は、ジュンの足の後ろに隠れていた。
「そうよジュン。あたし達がこの世界に来た目的を忘れないで」
真紅も彼を前へと促す。

 ジュンは大きく深呼吸した。そしてゆっくりと前を向いた。
 何百人という人間達の視線が、全て自分に集中している。好奇、軽蔑、無関心、様々な
視線が彼を突き刺す。一瞬目を伏せそうになった自分を押さえ込み、前を見続けた。
 ジュンは、震える足を必死で前に進ませ、ルイズの後をついていった。
 そして真紅と翠星石も、そんなジュンを暖かく見つめて、彼の後ろを歩き出す。


259 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:04:41 ID:XHLYe77r
支援

260 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:04:43 ID:3WJB1XPx
紫煙

261 :薔薇乙女も使い魔:第2話:2007/10/01(月) 20:05:29 ID:VAfHWObc
 ルイズは壁に控えるメイド達の方へ行き、ジュン達の分のイスを用意するように命じた。
命じられたメイドは困ってしまった。
「あ、あのミス・ヴァリエール様。ここは学院の教師と生徒の方々の食堂でして、それ以
外の方の使用は・・・」
「そうも行かないわ。平民を使い魔にしちゃった以上、ちゃんと彼らにも食事を与えない
と、主としての義務が果たせないわ」
 そうは言われましても〜と、カチューシャで纏めた黒髪とそばかすが可愛いメイドが、
どうすればいいのかなー?と迷っていた。


 そんな彼らの姿を見て、テーブルの生徒達はひそひそと話していた。

−−なぁ、あいつら、いったい何だ?
−−あの平民のガキは、ルイズが召喚した使い魔だよ。でもあの小さいのは・・
−−コルベール先生が人形だっていってたけど、どうみても生きてるとしか
−−良くできたゴーレムやガーゴイルだろ?メイジがどっかから操ってるだけさ
−−いやそれが、昨日見たのよ!あの人形が自分で勝手に動いてしゃべってるの
−−第一、増えてるわ。緑のは昨日いなかったし。どっから現れたの?
−−じゃあ、あのガキは、どっか近くに住んでる貴族だってだけだろ
−−いや、先生ディティクトマジックで確かめてた。間違いなくただの平民だって
−−すると、インテリジェンスソードみたく自分で考えて、メイジの魔力も無しに勝手に
 動く、生物にしか見えないほど精巧に出来た、人間とおしゃべりも出来る人形!?
−−ありえねー!なんだよそりゃ、周りのアルヴィーズなんか目じゃねえな
−−人間喚ぶわ、あんな人形がついてくるわ、さすがゼロのルイズ?
−−でも、あんな可愛い人形、なんであんな平民の子供が二つも持ってるの

 生徒達のひそひそ話はいつまで経っても終わりそうにない。それを背中で聞いていたル
イズは、初めて軽蔑と嘲笑以外の評価を得て、これでもかと優越感に浸っていた。「いえ、
もう外でいいですよ」というジュンの声も聞こえないほど、悦に入っていた。


「あー、ミス・ヴァリエール。早く席についてくれないと、朝食が始められないのだが」
 そう言って声をかけてきたのは、コルベールだった。教師を代表してロフトから降りて
きたようだ。他の教師達もこっちをじっと眺めている。
「申し訳ありません、コルベール先生。ですが、使い魔達にも食事を与えねばなりません
ので」
ルイズは、さも当然のごとく答えた。
「えーっと、困ったな。しょうがない、君、名前は?」
コルベールに名を尋ねられたメイドは、慌てて名乗った
「あ、はい。シエスタと申します」
「それではシエスタさん。特例として彼らの同席を認めます。でも席がないので、そこの
壁際にでもテーブルを持ってきてもらえませんか?」
「はい、承知しました。少々お待ち下さい」
と言ってシエスタは他のメイド達の方へ駆けていった。


262 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:08:31 ID:aQiKxRJ2
支援

263 :薔薇乙女も使い魔:第2話:2007/10/01(月) 20:08:58 ID:VAfHWObc

「あ、それなら僕も手伝います」
と言ってジュンもメイド達の方へ走っていった。
「ちょっと、ジュンはいいのよ。テーブル持ってくるの待ってればいいわ」
「いや、やっぱ僕らが迷惑かけてるんだし、これくらいしないと」
ルイズが止めるのを聞かず、シエスタ達の方へ駆け寄った。

「すいません、手伝います」
「いいんですよ!これがあたしたちの仕事ですから、気になさらず待ってて下さいな」
「え、でも・・・」
「それに、こういうことしないと、メイドとして立つ瀬がありませんわ」
 と言ってシエスタ達は入り口近くの壁際に、机とイスと食事をささーっと運んできた。

「すいません、ありがとうございます。あ、僕はジュンです。桜田ジュン」
と言ってジュンはシエスタ達にペコリと頭を下げた。
「いえいえ♪私はシエスタです。よろしくお願い致します」
「あたしはローラです。以後よしなにお願い致します」
 メイド達もジュンに礼をした。ジュンはどう見ても貴族ではないし、年下の子供なこと
もあり、メイド達のジュンに対する印象はグッと良くなったようだ。


 ようやくアルヴィーズの食堂に居る全員が席に着いた。しかしやっぱり視線がちらちら
とジュン達に向かっている。教師達はコルベールに何か聞いている。おそらく、あの平民
と人形達はどうだった、とかいってるのだろう。
 ジュン達はイスに座って、豪華な食事を前にしていた。真紅と翠星石は、かなり背の高
いイスに座っているものの、やっぱり高さが足りていなかった。テーブルから頭がちょっ
と出ているだけだ。
「貴族って朝からこんなに食うのかなぁ」
「そんなわけないでしょ、ほとんど残すでしょうね」
「まぁったくもったいないですねぇ。食べ物への感謝が足りんです!」
 ジュン・真紅・翠星石は、目をつむって祈っている貴族への疑問をぶつけあっていた。

「偉大なる始祖ブリミルと女王陛下よ・・・」

 祈りの声の唱和も終わり、ようやく食事が始まった。
 と同時に、ジュン達以外の全員がメイド達も含めて驚いて固まり、次いでざわざわとしはじめた
 真紅がパンを口に入れていた。
 翠星石がハムをほおばっていた。
 彼らは、生まれて初めて、食事をする人形を見た

−−コルベール先生。あれ、やっぱり生き物ですわね
−−いやその!いえ、ミス・シュブルーズ、私が昨日見たとき、確かに人形だったんです
−−どこの世界に、食事する人形がいるんですか。きっと未確認の亞人でしょう

 教師達も、一体彼らは何なのか、と真紅・翠星石から目が離せない。
 だが貴族のプライドと礼法が邪魔して、誰も食事中に彼らへ近寄る事が出来ない

 居心地悪いなーっと思いつつも彼らは食事を続けた。ジュンは胃が痛くなってきた
気がしたが、無理にフルーツを口に押し込んだ。
 ルイズはルイズで、周囲からの質問に「さーねー♪」とツンとおすまししていた。

 そんなこんなで、朝食の時間は落ち着かないまま終わり、ルイズはさっさとジュン達を
連れて食堂を小走りで出て行った。
 後にはどよどよと声を上げる人々が残った。



264 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:09:46 ID:XHLYe77r
支援

265 :薔薇乙女も使い魔:第2話:2007/10/01(月) 20:10:03 ID:VAfHWObc
「ここよ」
ルイズに連れてこられたのは、ジュンと真紅が最初に召喚された広場だった。
「だめですぅ、ローザ・ミスティカの気配はないですぅ」
「でしょうね。もしあったら、最初にここへ来た時に私が気付いたでしょうから」
「うーん、何か手がかりでも残ってないかなー」
翠星石・真紅・ジュンが、広場をキョロキョロと探し回っている。

「ねぇ、そのローザ・ミスティカってどんなの?」
ルイズが歩き回るジュンに尋ねた。
「えーと、紅い宝石みたいなヤツ。結構大きくて、キラキラしてて、ふよふよ浮いてる。
ローゼンメイデンの魂みたいなもんだよ。全部集めたら、お父様に会えるんだってさ。
 召喚した時見なかった?」
「うーん、見なかったというか、召喚の時の爆風で飛んでいったかもしれないし、土煙が
すごかったから」
「爆風って・・・よく俺たち無事だったなぁ」
 しばらく広場を見回っていた真紅と翠星石は「ここにはダメ」とつぶやいた。ジュン達
は諦めて、ルイズと共に授業へ行くことにした。



 大学の講堂のような教室にはいると、生徒達が一斉にルイズ達へ振り向いた。様々な使
い魔達を連れたメイジの生徒達。その中には、周囲に男子生徒をはべらせたキュルケの姿
もある。
 皆、ルイズ達一行を見て、ぼそぼそとささやき憶測を巡らせている。
 ルイズ達が後ろの扉から入ってくると同時に、教師の女性も前の扉から入ってきた。
彼女もルイズ達一行を見つめながら、教壇に立つ。

「さ、席に着くわよ。ホラこっちいらっしゃい」
ルイズはジュンと人形達を促したが
「いや、僕らは生徒じゃないから。邪魔しないように後ろで立ってるよ」
「いーから、ホラいらっしゃい」
やっぱりここでもジュンは前へ行こうとしない。

「もしもし、ミス・ヴァリエール。とにかく席についてもらえませんか?」
「あ、すいませんシュブルーズ先生。この子、遠慮してしまって」
 シュブルーズがルイズに声をかけたのを皮切りに、他の生徒達も声を上げ始めた。

「おーいゼロのルイズ、いい加減その使い魔を紹介してくれよー」
「そーよ。そこの平民はどっかから連れてきたとして、その亞人は何なのよ?」
「つか、人形にしても亞人にしても見たことなくて、いったい何なのかわかんなくて、み
んな困ってるのよ。おまけに増えてるし」
「召喚の後、教室戻らなかったでしょー?もう使い魔紹介してないの、あんただけよ」

そんな声を聞いて、シュブルーズも頷いた。
「そうね。良い機会だから使い魔と、そこの亞人達も紹介して下さいな」

ルイズはここぞとばかりエッヘンと胸を張った。
「しょうがないですわねー♪でも、紹介はこの子達自身でしてもらいますわ
 ほら、ジュン。しっかりしなさいよ!」
 バンッと背中をルイズに叩かれ、ジュンはおずおずと一歩前に出た。下に居並ぶ年上の
メイジ達と、教壇のシュブルーズが、彼を見上げている。
 思わず目を逸らし、後ろへ下がりそうになる。



266 :薔薇乙女も使い魔:第2話:2007/10/01(月) 20:12:03 ID:VAfHWObc

「ジュン、大丈夫よ。緊張しても間違えても、別に構わないわ」
真紅が優しく声をかけ、意を決し、震えてはいるが大きな声で叫んだ。

「は!初めまして皆さん!!ぼ、ぼ、僕は、昨日、るる、ルイズさんに召喚された、さ、
桜田ジュンです!
 よっろろしく、おねぎゃいしますっ!!」

ぷっ

 ジュンのあまりのイッパイイッパイさに、教室中に失笑が広がった。ジュンは真っ赤な
顔でダラダラ汗を流し、ヘロヘロと教室の後ろのカベにもたれかかった。そんなジュンの
情けない姿を見たルイズは「あっちゃー」という感じで顔を手でおおった。

 ジュンのズボンを、真紅が引っ張った。
「机が高くて前から私の姿が見えないの。抱き上げてちょうだい」
 そう言われて、ジュンは真紅を右手に、ついでに翠星石を左手に、力なく抱き上げた。

「初めまして皆様。私の名は真紅。ジュンの人形です。お会い出来て光栄ですわ」
 と言って真紅はすぃっと頭を下げた
「あ、あの・・・私は、翠星石、ですぅ。ジュンの人形です」
 ジュンにしがみつきながら、それだけ言うと、ジュンの胸に顔を埋めてしまった。

「と言うわけでして、皆様、私の使い魔達をヨロシクお願い致しますわ♪」
「ちょっちょっと待ちなさいミス・ヴァリエール!」
 自己紹介を終えようとしたルイズに、 シュブルーズが叫んだ。
「なんでしょうか、シュブルーズ先生」
「その亞人、人形と名乗りましたか?」
「はい、名乗りました」
「冗談はおよしなさい!どこの世界に食事する人形がいるんですか!?」
「ここにいます。二人とも、みんなに見せてあげて」

 ルイズに言われた真紅と翠星石は、それぞれ服の袖をスルスルとまくりあげ、腕の球体
関節を示した。
 生物にはありえない腕の作りを見た生徒達は、おお〜どよめきのこえをあげた。そして
シュブルーズは、あんぐりと開いた口が塞がらなかった。

「みみみミス・ヴァリエール!」
 ようやくシュブルーズが声を絞り出した。
「それが、その子達が、人形だと!?」
「はい、人形です」
断言されて、彼女は二の句が継げなかった。
「あの、先生。そろそろ授業を始めて頂けませんか?」
「あ・・・う・・・そ、そうですね。ともかく授業を始めましょう」
 ルイズにしれっと言われ、シュブルーズはぎくしゃくと授業を始めた




267 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:12:59 ID:XHLYe77r
シュブルーズではなくてシュヴルーズ
支援

268 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:14:52 ID:FmhA6Wvw
支援

269 :薔薇乙女も使い魔:第2話:2007/10/01(月) 20:14:52 ID:VAfHWObc

 昼食前の教室で、黙ってほうきをはくルイズの姿があった。ジュンと人形達も、教室内
に散乱したガラスや燃えカスを片付けている。
 ルイズはシュブルーズに「教壇で練金をしてみなさい」と言われ、周囲が止めるのも聞
かず、意地をはって魔法を使い、大爆発させていた。ルイズは罰として、魔法無しでの教
室掃除を命じられ、ジュン・真紅・翠星石も掃除をしていた。

 ルイズは黙々とほうきをはいている。だがジュンは、そんなルイズになかなか声をかけ
られなかった。もともと小柄なルイズの後ろ姿は、更に小さく弱々しく見えていた。真紅
と翠星石も、何故彼女のあだ名が「ゼロ」なのか、痛いほどよく分かり、どう励まそうか
と思案していた。

最初に口を開いたのはジュンだった。
「あのさ、ルイズさん」
「・・・・なによ」
ルイズは手を休めず、ジュン達に背を向けたまま答えた。
「僕はつい最近まで、学校が嫌いでした。ずっと学校に行ってませんでした」

「へぇ、そうなの」
ルイズは素っ気なく答え、掃除を続ける。

「たった一度、試験に失敗しただけで、耐えられませんでした。自分に絶望して、周りの
人の期待に応えられなかったの許せなくて、恥ずかしくて、自分の部屋から一歩も出ない
生活を続けました。ほんの最近までの事です」
「そう・・・」

ルイズは相変わらず掃除の手を休めない。

「でも、僕のねえちゃんや、真紅や、翠星石や、いろんなみんなが、僕が部屋から出るの
を待っててくれました。こんな僕でもいつか必ず立ち直ってくれるって、信じていてくれ
ました」
「・・・・」

ルイズの手が、ゆっくりと動きを止めた。

「正直、僕は自分に自信は無いです。今日だって見たでしょ?僕は相変わらず、人前に出
るのが怖いんです。過去を思い出して、足が震えるんです。
 でも、僕は人前に出ようと思いました。外の世界にやる事が出来ましたから。いつまで
かかるか分からないけど、とにかく、無駄でも良いから、やってみようと思います」

「ふーん…そうなんだ」
ルイズがようやく、ジュン達の方に振り返った。そしてツカツカとジュンに詰め寄った。
「で、あんたまさか、あたしを励ましているつもり?」
「え?」
 至近距離から面と向かって問われて、ジュンは思わず目をそらした。
 性格はともかく、ルイズはなかなかの美少女。そんなルイズに顔を近づけられて、ジュ
ンは思わず頬を赤く染めてしまう。
「うーんと、まぁ、そうです。つまり、元気出してねって」
頬をポリポリかきながら、つぶやくように答えた。



270 :薔薇乙女も使い魔:第2話:2007/10/01(月) 20:15:52 ID:VAfHWObc
「ふっざけんじゃないわよっ!」
バシィッ!

ルイズは持っていたほうきで、思いっきりジュンの頭をひっぱたいた!
「あいだぁっ!んな、いきなりなにすんですか!」
「このルイズ様が落ち込んでるぅ?バカ言わないで!あんたみたいなガキンチョに同情さ
れるほど、貴族の名誉は軽くないのよ!
 今に見てなさい。ヴァリエールの名に恥じないメイジになって、みんなまとめてギャフ
ンと言わせてやるんだから!そんときは、あんたも、そこのお人形達も、自分から下僕に
して下さいっていわせてやるんだからね!!」

 一気にまくし立てたルイズは、そのままの勢いで掃除を始めた。ジュンはルイズの剣幕
に押され、キョトンとしている。
 そんなルイズとジュンをみて、真紅と翠星石は顔を見合わせてクスクス笑った。

「ちょっとそこの人形達!手を休めるんじゃないわよ。ボサッとしていたらお昼ご飯に間
に合わないじゃない!!」
「ハイハイわかったですよぉ、もう、ちんちくりんは素直じゃないですねぇ」
「誰がちんちくりんよ!?それと、ハイは一回でいい!」
「ハーイですぅ〜」
 そう言って、翠星石も手早く掃除した。そんな彼らを見る真紅の瞳は温かかった。




 昼食
 ようやく教室の掃除を終えた一行は食堂へ向かっていた。
 既に昼食は始まっている。ロフトに教師達の姿はない。生徒達は朝食時より気楽に食事
している。
 さすがに2度目にもなると、真紅と翠星石への視線は減っている。それでも二年生達か
ら広まる「間違いなく人形」という情報は
「誰が何の目的で作ったんだろう?」
「なんで平民があんな人形持ってるんだろう?」
「人形なのにどうして食事するんだろう?」
「食べたモノはどこでどうなって、どこから出ていくんだろう?」
という、ごく自然な疑問へと集中していった。
 入り口横の壁際で食事する彼らの姿は、相変わらず注目の的だった。



271 :薔薇乙女も使い魔:第2話:2007/10/01(月) 20:17:14 ID:VAfHWObc

「可愛いお人形さん達ですねぇ〜」
 ジュン達のテーブルに飲み物を持ってきたシエスタが、ジュンに話しかけた。
「ええ、それにとっても良い娘達ですよ。ちょっと性格悪いけど」
 ジュンの顔に、バターの切れ端が二個飛んできた。真紅と翠星石がジュンを睨んでる。
そんな人形達を見て、食後のデザートを運んでいたローラも目をキラキラさせていた。
「すごいですね、まるで生きてるみたい!これもマジックアイテムなんですか?」
「マジックアイテムだなんて失礼ですねぇ!この翠星石は、れっきとしたお人形です!」
 アイテムと言われた翠星石がイスの上に立ち上がり、腰に手を当ててプリプリ怒っていた。
 そんな姿を見て、シエスタは更に目を輝かせてた。
「うわぁ〜可愛いぃ〜♪平民のあたし達には魔法は分からないですけど、これって凄い高
名なメイジの方が作られたんでしょうね〜」

「ちょっと!無駄話はやめてデザートをこちらに持ってきなさいな」
「「は、はいぃっ!!」」
 突然背後のテーブルから学生に命じられ、二人は慌てて振り返り、駆け出そうとした。
だが、よほど慌てたのだろう、背後に立っていた男子学生達にシエスタがぶつかってしま
った。彼らも好奇心からジュン達に話しかけに来たのだろう。
 その中の一人、金髪にフリル付きシャツのキザなメイジからカターンと音がした。紫の
液体が入ったガラスの小瓶が、彼のポケットから床に落ちていた。

「ん・・・落としたよ」
 と言ってジュンはビンを拾い上げ、薔薇をシャツのポケットに挿した貴族へ手渡そうと
した。だが、その貴族の顔は引きつって汗ダラダラだった。

「あ、それモンモラシーの香水じゃ」
「へぇ〜。ギーシュ、お前モンモラシーと付き合ってたんだ」
「違う。いいかい君たち・・・」
 汗をたらしたキザな貴族は誤魔化そうとした。だが、茶色のマントを着た少女が学生達
のテーブルからコツコツと歩いてきて、ボロボロと泣き出した。
「ギーシュ様・・」
「彼らは誤解してるんだケティ、これは・・・」
 必死に弁解するキザの頬を、ケティと呼ばれた少女がひっぱたいた。
 更に二年生のテーブルから、見事な巻き毛の女の子がやってきた。
「モンモラシー、誤解だ、これは・・・」
「嘘つき!」
 モンモラシーはギーシュの言い訳など耳を貸さず、香水をどぼどぼとギーシュの頭にぶっ
かけて去っていった。

 いきなりの修羅場に、ジュンはあっけにとられていた。



272 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:20:28 ID:FmhA6Wvw
食事に関しては確かに疑問だな支援

273 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:21:12 ID:f13vM3wo
支援

274 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:24:26 ID:XHLYe77r
支援

275 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:24:33 ID:i5U6E1+c
まあドラえもんもメシ喰ってたし

276 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:25:12 ID:joTAsj9y
食事に関してもだが。
ローゼンメイデンは時を巻き戻したり平気でするから不思議だよな

277 :薔薇乙女も使い魔:第2話:2007/10/01(月) 20:26:56 ID:TbJzaaoO
「…きみ」
「…僕、ですか?」
「そう、きみ」
 ハンカチでゆっくり顔を拭くギーシュが、ジュンを指さした。
「君が軽率に瓶を拾ったおかげで、可憐なるレディ達を傷つけてしまったよ」
「…へ?」
 ジュンはキョトンとした。一体何を言われたのか、本気でしばらく分からなかった。

 なんだどうしたと、周囲の視線が更に集まる。

「なぁにを言ってるですかぁこのキザヤローは!どう見てもあなたがふたまたしたのが悪
いです!」
 あっけにとられたジュンにかわって翠星石が叫んだ。
「その通りだギーシュ! お前が悪い!」
 タイミングのいい横槍に周囲からクスクスと笑いが起こる。
 真紅は何も言わず、紅茶を飲んでいる。

「ふん…君はゼロのルイズが呼び出した、平民の使い魔だったな」
 ギーシュはジュン達を一瞥して、バカにしたように鼻を鳴らした。
「…そうだけど、何?」
「その人形達は、君のかい?」
「んー、ちょっと違うけど、そう思ってくれてもいいかな」
「ははっ!さんざん失敗したあげく、呼び出したのは平民の坊やか!しかも片時もお人形
を手放さない、女の子みたいなヤツだ。さすがゼロのルイズだな」

 瞬間、ジュンの顔が紅潮した。それを見たギーシュ達はニヤッと笑い、小声で二言三言
ささやきあった。
 ギーシュはバカにした口調で、ジュンをバカにし続けた。

「ん?どうしたかね平民、顔が赤いよ。お人形遊びをしているのがばれても恥ずかしがる
事はないだろう?まだ子供なんだから」
「僕は確かにこの国で言う平民だけど、名前はあります。ジュンです、桜田ジュン」
「はっ!平民の名前なんかどうでもいいね。君はただの平民、平民の坊やだよ」
「そしてあなたは貴族の恥さらしね」



278 :薔薇乙女も使い魔:第2話:2007/10/01(月) 20:28:05 ID:TbJzaaoO

 今まで黙っていた真紅がイスの上に立ち、ギーシュを睨み付けた。
 ギーシュも顔を赤くして、こめかみに血管を浮かせながら真紅を睨み付けた。

「…どうやらこの平民も、平民の人形達も、貴族への口の利き方を知らないようだね」
「私の国での貴族の礼法は存じております。でも、この国では二股かけてレディを辱める
方を貴族というのでしたら、確かに私はそんな貴族への口の利き方を知りませんわ」
 真紅はギーシュを見上げて言い返した
「し、真紅ぅ、それは言い過ぎですぅ。ケンカしちゃダメです」
 最初に叫んだはずの翠星石が、真紅をおさえようとした。だが翠星石を無視して、真紅
はギーシュを睨み続けた。

 ギーシュはジュンを見下ろした
「ふん、どうやら君たちは礼儀を学ばねばならないようだね。丁度良い腹ごなしだ」
 ジュンはギーシュを見上げた。
「・・・分かった」
 ジュンはギーシュの目を見返した。だがギーシュは、ジュンの足が小刻みに震えているのに気付き、
口の端を下品に釣り上げた。
「ふふん、武者震いと言う事にしてあげよう。ヴェストリの広場に来たまえ」
 そう言ってギーシュ達は、サイトを見張る一人を残して食堂を出て行った。

「あ、あの・・・」
 そういってジュン達に近づいてきたのは、シエスタとローラだった。
「ご、ごめんなさい!もともと悪いのは、仕事をさぼっておしゃべりして、あの方々にぶ
つかった私たちなのに!」
 そう言って思いきり頭を下げた二人を前にして、ジュンはへなへなぁ〜とイスに座り込んだ。
「い、いえ…いいんですよ。気にしないで下さい」
「そんな!あ、あの、その、今からでも謝れば、きっと許してもらえるから、だから、そ
の・・・貴族の方を怒らしたら、平民の私たちは、必ず殺されるから、だから・・・ごめ
んなさいっ!!」
 シエスタとローラは走って逃げていった。

「にげちゃったですねぇ、情けないです」
 翠星石が腕組みして呆れていた。
「まぁいいわ。異世界に来た以上、いずれはこういう事もあると覚悟していたわ。行きま
しょう、翠星石」
 真紅がイスから降りようとした。だが二人の手をジュンが掴んだ。
「いや、二人とも待って欲しい。僕に行かせて欲しい」
「な!ジュン、何いってるのよ」
 叫んだのは、野次馬をかき分けて駆け寄ってきたルイズだった。ルイズはジュンの前に
立ち、腰に手を当ててしかりとばした。
「ジュン!あんたは何の魔法もない、ただの平民なのよ。魔法を使える貴族に勝てるわけ
無いでしょうが!」
「ん〜、魔法の事は分からないけど、多分ボコボコにされるかな?」
 ジュンはルイズに額を指先でツンツンされながら、さも当然のように答えた。
「何言ってるのよ!あんたがボコボコにされただけじゃなく、殺されでもしたら、あん
たを使い魔にしたあたしの面目も丸つぶれよ!
 今なら謝ったら許してくれるから、早く謝ってらっしゃい!」
「そうだね、そっちの方が良いと思う。でもね…」
 ジュンはよっこらせと立ち上がると、広場へ向かって歩き出した。
「行きたいんだ、なんとなく」

「ちょ、ちょっとジュン。待ちなさい」
「どうしたんですか!?ジュン、待つですよー」
 真紅と翠星石がトテトテと後を追う。
「ああもう!ホントに、勝手なんだから。私の立場も考えてよね!」
 ルイズも後を追った。


279 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:30:27 ID:rCmp5mGL
さりげなく漢なジュン支援

280 :薔薇乙女も使い魔:第2話:2007/10/01(月) 20:30:43 ID:TbJzaaoO




「それで、結論を言ってくれんかの。ミスタ・コルベール」

 所変わって、ここは本塔最上階の学院長室。ミスタ・コルベールが泡を飛ばしながら図
書館での調査結果を報告していた。
「あの少年はガンダールヴです!これが大事じゃなくて、なんなんですか!オールド・オスマン!」
「ふむ、確かにルーンが同じじゃ。だが、これだけでガンダールヴと決めつけるのは早計かもしれん。
 それと、人形の方はどうじゃった?」
 コルベールはいくつかの分厚い書物を開いて、調べた結果を示した。
「ご覧の通り、ゴーレムやガーゴイルを専門とするメイジについて様々な名簿や記録を調
べました。しかし、どこにもローゼンメイデンの名はありません。高名な土のメイジも調
べましたが、同じです。
 加えて、あのような精巧な、生きているかのような人形の目撃例自体ありません。とい
いますか、ご飯を食べる人形なんて初めて見ました」
「う〜む、まったく興味深い。ガンダールヴのルーンだけでも一大事だというのに。あれ
ほどの人形を練成出来る人物が、全くの無名だというのか?」
「信じがたいことです」


 ドアがコツコツとノックされた。
「ミス・ロングビルかの?」
「はい。急ぎ報告したい事がございます」
 中に入ってきたのは、凛々しい顔立ちがまぶしい秘書のミス・ロングビル。
「ヴェストリの広場で決闘をしている生徒がいるようです。一人はギーシュ・ド・グラモン。もう
一人はミス・ヴァリエールの使い魔の少年のようです」
 オスマン氏とコルベールは顔を見合わせた。






281 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:32:49 ID:FmhA6Wvw
喧嘩を買ったことより相手の目をちゃんと見たことに涙を禁じえない支援

282 :薔薇乙女も使い魔:第2話:2007/10/01(月) 20:33:01 ID:TbJzaaoO

「・・・平民の坊や。一つ聞いて良いかな?」
「・・・なんですか?」
「なぜこんな無駄な事をするんだい?素直に謝ればいいのに」
「う〜ん、とね・・・」

ジュンは考えていた
どうしてこうなったんだろう、自分はなんでこんなことしてるんだろう
彼は既にボロボロで、片膝をつきながらゼィゼィと肩で息をしていた

「言い忘れていたけど僕の二つ名は『青銅』。だから青銅のゴーレム『ワルキューレ』が
お相手しているんだ」
 ギーシュとジュンの間には、右手に剣を持った青銅のワルキューレが立っていた。しかし、
ワルキューレはまだ剣を使っていなかった。左手と蹴りしか使っていない。

 ギーシュはワルキューレを1体練成し、まず左腕で殴りかからせた。
 それをかわしたジュンがワルキューレに体当たりをかましたが、青銅製の彫像は重く、
ジュンの体重も軽いので、彫像をグラリとさせる事も出来なかった。逆に蹴りを食らって
吹っ飛ばされた。起きあがろうとした所に更に蹴りを腹に食らい、食べたばかりの昼食を
ゲロゲロ吐いた。
 吐き終えたジュンは、片膝をついて、さらに立ち上がろうとしていた。

「・・・あのですね、ほんと、自分勝手な理由だと、思うんです、けどね」
 苦しげに息をつきながら、ゆっくりとジュンは話し始めた。

「僕、今までずっとイヤな事、恥ずかしい事、辛い事から逃げてたんですよ」
「ふ〜ん、それで」
 さして興味なさそうに、ギーシュは適当な相づちをうった
「でも、やっぱ恥ずかしいからって、辛いからって、逃げてちゃダメだと思うんです」
「だから、そうやってはいつくばりに来たって言うのかい?」
 ギーシュは、フラフラになりながら立ち上がったジュンに、呆れていた。

「別にはいつくばりに来たワケじゃないです」
 大きく息を吸い、呼吸を整えた。
「ただ、どんなに恥ずかしくても、どんなに怖くても、どんなに下らなくても、そんな自
分から目をそらさないようにしたいんです。どこかに逃げたり、誰かの後ろに隠れたりし
ないようになりたいんです」
 そう言ってジュンはワルキューレをキッと見据え、ファイティングポーズをとった。

 ギーシュはきざったらしくポーズを決めながら、頭を振った。
「だからって、勝ち目のない戦いをするのは愚か者のやることだよ。きみ、死ぬよ」
「愚かでいいです。優等生ぶって、かっこつけて、もっともらしい言い訳ばかりしてた頃
より、ずっとましです」
「死んでもいいのかい?」
「死ぬのはイヤです。でも、ぶるぶる震えて逃げ出すのはもっとイヤです」
 ジュンは、ワルキューレを見据えたまま、戦闘態勢を崩そうとはしない。


283 :薔薇乙女も使い魔:第2話:2007/10/01(月) 20:35:21 ID:TbJzaaoO
「ハッ!ばからしい」
 ギーシュはくるりと背を向けた
「どんな平民が召喚されたかと思って期待してたんだけどね。ただの意地っ張りでバカな
子供だったのか。相手にして損したよ」
「でも、僕がどんな人間か、ここに居る人たちに少しでも分かってもらえたと思います。
それだけでも、僕にとっては十分です」
 そう言ってジュンは周囲の野次馬を見回した。呆れる者、バカにする者、様々な表情が
あった。ジュンはその全てを、目を逸らさずに見渡した。

「フフッ、どうやらこのギーシュ・ド・グラモンともあろう者が、君の悪趣味な自己紹介
に利用されてしまったようだね」
「あ、いえ、そんなつもりはなかったんです。すいません」
 素直に頭を下げたジュンに、ギーシュも満足げに微笑んだ。
「まぁいいさ。これからは貴族に対する礼儀について、君の主からでも教えてもらうんだ
ね」
 そう言ってギーシュはワルキューレを消そうとした。だが、ジュンの前に小さな人影が
二つ立った。

 右手にステッキを持った真紅
「まだ、私たちの自己紹介が済んでいませんの。お付き合い頂けますか?お若いジェント
ルマン」
 自分の体ほどの大きさもある、見事な装飾がついた金色の如雨露を持った翠星石
「次は私たちの出番で〜す♪ヘナチョコのチビ人間は引っ込んでるですぅ」

 言われたギーシュは、あんぐりと口を開けたまま、たっぷり10秒思考が停止した。

「相手をするって、君たちがかい?」
「ええ」「もちろんですぅ」
「念のため聞くけど、僕のワルキューレと戦いたいっていう意味でかい?」
「そうよ」「相手にとって不足無しですよー」
「…で、その小さな体で、オモチャのステッキと如雨露で戦うっていうのかい?」
「もちろんですわ」「これはオモチャじゃないですぅ。本物の如雨露ですよぉ」

 しばしの沈黙の後

「ブぁアハハハハハッッ!!ハッハハハハハッ!!ギャハハはひハハ!!!」
 ギーシュは笑い転げていた。涙を流して腹を抱えて。
 周囲の観衆も爆笑に包まれていた


284 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:36:53 ID:5FHyOmR9
この後ギーシュは地獄を見る支援

285 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:38:13 ID:mQDEKPpO
そのまま終われば少しは格好良かったのに支援

286 :薔薇乙女も使い魔:第2話:2007/10/01(月) 20:38:29 ID:TbJzaaoO
 翠星石は、ひひひぃ〜っと笑いながら、ワルキューレの足下に如雨露の水をまいた。
「健やかにぃ〜、のびやかにぃ〜、緑の葉っぱをキラキラ広げて…!!」
 爆笑の渦の中、翠星石は水をまき続けた。



       ぼんっ!



      木があった


 何かが破裂するような音と共に、ワルキューレが大木になった


 一瞬前まで青銅の戦乙女が立ってた場所に、見事な大木が突然現れた


     ひゅるるるるるるるるる…
       ぐわっしゃん


 いきなり青銅の塊が降ってきて、地面にぶつかりバラバラになった

         ざくっ

 さっきまでワルキューレが持っていた剣が、続いて降ってきて地面にささった


『目に見えないほど高速で生えた木が、上にいたワルキューレを宙へ吹っ飛ばした』
 その事に人々が気付くまで、たっぷり10秒はかかった。

「んな、なななな、なんですかーーーーっっっ!!」
 ギーシュはアゴが外れそうなほど絶叫してしまった。

「私は真紅。ローゼンメイデン第五ドールの真紅。お相手願うわ、ジェントルマン!」
 真紅の左手から薔薇の花びらが雲のように舞い上がる!
「同じくローゼンメイデン!第三ドールの翠星石です!さぁいくですよ!!」
 翠星石が如雨露を構えて宙に浮く!
 真紅も薔薇の花びらをまとい急上昇した!



287 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:38:43 ID:joTAsj9y
はっきりいってローゼンメイデンは同じローゼンメイデン以外に対しては
絶対的に強いと自分は思う。

288 :薔薇乙女も使い魔:第2話:2007/10/01(月) 20:40:51 ID:TbJzaaoO

−−なっ!『フライ』か!!
−−まさか!あの人形、魔法が使える!?

 一瞬にして騒然となった観衆の声にハッとしたギーシュが、慌てて薔薇の花びらをまい
た。6体のワルキューレが現れた。剣と盾を持つモノが2体、ボウガンを構えたモノが2
体、そして投げナイフを持ったモノが2体。
 高速飛行する人形達に対応した武器を練成したのだろう。盾を持つ2体がギーシュを守
り、残り4体が飛び回る真紅達に狙いを定めようとしていた。

 ヒュヒュンッ
 2本の投げナイフが翠星石へ投げられた!
 カキキィンッ
 翠星石が2本とも軽々と如雨露で撃ちおとした!

 バシュシュッ
 急降下する真紅に向け、ボウガンの矢が2本放たれた!
 真紅はクルクルと体をひねり、たやすく矢をかわしていく

 まるで燕のように軽やかに飛び回り、如雨露とステッキで矢とナイフを見事に跳ね返す
人形達。ワルキューレは振り回されていた。

「お受けなさい、薔薇の戒めを!」
 真紅を包む薔薇の花びらが、疾風となってギーシュを襲う!
「ひぃぃ!」
 ギーシュはワルキューレに隠れ、薔薇の花びらの大半はワルキューレに阻まれた。しか
し小さく大量の花びらは、何枚かがワルキューレをすり抜けてギーシュの頬をかすめた。

 つぅっと一筋の血が、ギーシュの頬から流れた。
「な、なな!花びらなのにぃ!」
「そうれぇ!薔薇にばっか気を取られていいんですかー!?」
 翠星石がボウガンの矢を軽快に避けつつ、ワルキューレ達の足下にサッと水をまいた。

 ブォオオオオオオッ!

 水がまかれた所から、ものすごい勢いでツタらしきモノが伸び出した!
 ボウガンを構えていたワルキューレが、ツタに絡まり身動きを取れなくなった。なんとか逃れようとジタバタするが、ほとんど身動きが取れない。 



289 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:42:07 ID:+c7sDGhH
ローゼンクロイツ支援

290 :薔薇乙女も使い魔:第2話:2007/10/01(月) 20:42:41 ID:TbJzaaoO
「くっくそ!」
 ギーシュは投げナイフのワルキューレに、ナイフでツタを切らせた。しかし
「そーれ!もういっちょですーーー!!」
 翠星石がさらに水をまき、飛び出してきたツタに2体ともからまって動けなくなった。
「そっ!そんなバカなぁ!!」
 想像もしていない事態に絶叫してしまったギーシュだが、彼は既に大量の薔薇の花びら
に包囲され、ワルキューレの影から出る事も出来ない。
 残り2体のワルキューレも、あっという間にツタがからまり動けなくなった。

「さぁ、これで終わりよ!」
 真紅が操る薔薇の竜巻が、ギーシュへの包囲を一気に狭めていく!


「やめろっ!おまえらいい加減にしろ!!」


 突如、絶叫が広場に響き渡った。
 ワルキューレの剣を構えたジュンが、ギーシュを背にして人形達へ吠えていた。

「な!?ちょっとジュン、何やってるですか?なんで邪魔するですか!」
 翠星石は、ジュンの剣幕にタジタジだ。
「そうよ、ジュン。ミーディアムが戦う時は、あたし達ローゼンメイデンも戦う時よ」
 舞い降りてきた真紅も、困った顔だ。
「だからって!誰がこんな事しろって言ったよ!?ギーシュさんだって、もう何もする気
無かったの、お前らだって分かってたろ!?」
「でも!ジュンがバカにされるのは、私達だって我慢ならないわ」
「そ〜ですよぉ、いくらなんでも人としてあれは」
「うるさ−−−−−−−−−−いっっっ!」

 思いっきり怒鳴られた真紅も翠星石、それ以上何も言えなかった。
 二人ともうつむいてしまう。

「二人とも分かってるだろ?僕らはここにケンカをするためにいるんじゃないんだ。わざ
わざ敵なんか作らなくていいんだよ」
 ジュンに諭されて、二人ともさらにしょんぼりしてしまった。視線を落とし、イジイジと
両手を絡ませている。

「・・・わかったわ、ジュン。あたし達が間違ってた」
「…ゴメンです、ジュン」
「ん、分かってくれればいいんだ」 
 ジュンは剣を捨て、二人を抱きかかえ、未だにワルキューレに隠れていたギーシュに頭
を下げた。
「すいませんギーシュさん。こいつらには僕からよく叱っておきます。ご迷惑をおかけし
ました」
 頭を下げられたギーシュだが、既に腰が抜けて口もきけず、動けなかった。


「そこまでっ!」


291 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:42:57 ID:FmhA6Wvw
まあ2対1じゃ仕方ないよタイマンでも変わらない気はするが支援

292 :薔薇乙女も使い魔:第2話:2007/10/01(月) 20:44:32 ID:TbJzaaoO
「そこまでっ!」


 突然上空から声が響いた。
 コルベールが舞い降りてきた。
「この決闘は、そこの少年が己の非を認めて謝罪したので、ギーシュ君の勝利です。さぁ
余興はここまで!皆さん授業に戻って下さい」

 周囲の学生達は、慌てて教室に戻っていった。ギーシュもコルベールに助け起こされ、
ハンカチで頬の血をを拭きながら、立ち去っていった。去り際にちらっとジュン達の方を
見たが、ジュン達にはその表情は遠くてよく見えなかった。

 ルイズだけは教室へ向かわず、ジュン達の方へ来た。
「まったく、ホント無茶苦茶ねぇあんたたちは」
「ハハ…自分でもホントそう思うよ。ッつぅ!いててて…」
 ジュンは痛む腹を押さえた。
「ほら、怪我したんでしょ?医務室へ行くわよ」
「それには及びません。皆、学院長室へ来て下さい。オールド・オスマンが話を伺いたい
そうです。傷は向こうで『治癒』の魔法をかけてあげますよ」
 学院長室と言う言葉を聞いて、ルイズとジュンは不安げに目を合わせ、コルベールを見
上げた。だがコルベールは黙ってジュンを見つめていた。正確には、ジュンの左手のルー
ンを。
 ジュンが剣を握っていた時、ルーンが光を帯びていた事を見逃していなかった。





293 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:44:39 ID:+yaD+x4E
とりあえずギーシュはゴーレム使っているからジュンがローゼンメイデンつかっても何も問題ないな支援

294 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:45:02 ID:c4eovg2W
本気でやれば翠星石一人でも勝てたよね支援

295 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:45:25 ID:b8PRZVZl
支援

296 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:45:55 ID:joTAsj9y
つかジュンがかわいそうだななんとなく。

297 :薔薇乙女も使い魔:第2話:2007/10/01(月) 20:46:57 ID:TbJzaaoO
「まったく、信じられん子達じゃな」
 オールド・オスマンはヒゲをなでながら、目の前のソファーに座るルイズ達4人(正確
には二人と2体)を見回した。机を挟んでソファーに座るコルベールとオスマンは、さて
何から聞いたものかと思案していた。

 オスマンがゆっくりと口を開いた。
「大体の事は鏡から見ておった。メイド達からも事情は聞いておる。まったく、今目の前
にしても信じられん。なんというゴーレムじゃ」
「失礼ながら、私たちはゴーレムなどと言う存在ではありません」
「そうですぅ。私たちはれっきとした人形ですよぉ」
 真紅と翠星石が抗議した。
「そうか、すまんかった。ところで、桜田ジュンというたかな?」
「は、はい」
 ジュンは急に話を振られて、緊張で固まってしまった。
「君は、何者だね?」
「何者って言われても・・・魔法が使えない、ただの平民です」
「その人形達は、きみのかね?」
「はぁ、その、まぁそうです」
「誰が作ったんだね」
「ローゼンという人です」
 オスマンは横のコルベールをみたが、コルベールも首を横に振った。
「誰だね、そのローゼンというのは」
「僕の国では伝説級の人形師です」
「君の国?そういえば君はどこの出身かね」
「えーっと、どこと言われても・・・」
「ロバ・アル・カリイエですわ、オールド・オスマン」
 ルイズが助け船を出した。
「なんと!聖地より遙か東方からかね!なるほどなるほど、ならば我々がまったく知らな
いのも当然じゃな。
 そうかそうか…その、君の国では、こういう人形が沢山あるのかね?」
「うーんと…別に沢山いるワケじゃないんですけど…」
 ジュンは困ってしまった。この込み入った状況を、どこまで話したものだろう?異世界
から来たとか、そういう事を説明しても、あんまり良い事は無い気がする。
「ふむ、なかなか言いにくい事もあるようじゃな。まぁ話せる範囲で構わんよ。それに、
急ぐわけでもないし」
「はぁ、すいません」
 ジュンはポリポリと頭をかいて謝った。
「とりあえず、他の人形ですけど、僕が知る限りでは多分、7体」
「知ってるだけで7体、か…全部ローゼンという人の作品かね?」
「いえ、ローゼンの弟子、とか言ってたヤツも作ってました。いくつ作ったかは知らない
ですけど」
「あーんなヤツをお父様を一緒にするなです!」
「そうね、あんな男とお父様を並べられると不愉快だわ」
 翠星石と真紅がプリプリ怒って文句を言う

「ほ、ほう、そうかねそうかね、うんうん」
 オスマンは毛が抜けそうなほど、しつこくヒゲをなで続けた。


298 :薔薇乙女も使い魔:第2話:2007/10/01(月) 20:49:06 ID:TbJzaaoO
「で!では、私からも質問をして良いかな?ああ、私はこの学院で教師をしているコルベ
ールです。昨日会ったね。君の国ではそのゴーレ、いや、人形だけど、みんな魔法が使え
たり」
「うおっほんっ!ミスタ・コルベール。彼らも疲れているじゃろうから、今日はこの辺にしておきたまえ」
「え!?いや、しかし私も聞きたい事が山ほど」
「まぁまぁ、今日の大喧嘩で彼はフラフラになっとるんじゃから。そろそろ休ませてあげ
たまえ」
「あ…う、そう、ですね。分かりました」
「では、長話に付き合わせて悪かったな諸君。決闘騒ぎの事は、悪いのはギーシュ君のほ
うじゃから、君たちの責任は問わんよ。
 ともかく今夜はゆっくり休みたまえよ」

 急に話を切り上げられて納得のいかないものを感じつつも、ルイズ一行は部屋を後にした。


 残った部屋ではオスマンが窓から空を眺めていた。コルベールはオスマンを不満げに見つめていた。

「オールド・オスマン」

 オスマンは何も言わず、空を見上げていた

「王室に報告しないでよいのですか?」
「何をだね」
「ガンダールヴ出現、それも、超技術で作られた人形達を従えての降臨…で、す…」
 コルベールの声が、どんどん小さくなっていった。

 オスマンは、ゆっくりとコルベールに振り向いた

「伝えたら、どうなると思うね?」
「そ、それは…」
「アカデミーによる人形強奪、量産される魔法兵器、おまけにガンダールヴじゃと!?王
室連中が神様気取りでハルケギニアを火の海にするのが、目に浮かぶわい!」
 オスマンは吐き捨てるように怒鳴った。コルベールも苦々しく唇を噛む。だが、それで
も口を開いた。
「おっしゃる事は分かります。私もその通りだと思います。ですが、状況は…」
「そうじゃ、彼らは自分たちの存在を、能力を堂々とさらけ出した。ギーシュ君を、ドッ
トクラスの土メイジなぞ歯牙にもかけない、彼らの能力をな。人の口に戸は立てられぬ。
アカデミーの耳に入るのも、そう遠くはないぞ」
「せめてもの救いは、あの少年はガンダールヴの能力を使わなかった事です。それだけで
も秘匿しましょう」
「うむ…むしろ、彼のルーンがガンダールヴのそれと似ているだけで、全然別ものだった
と言う事を期待したいのぉ」

 オスマンとコルベールは、空を見上げた。この青空のように澄み渡った明るい未来、そ
んなものは期待できないと思い知らされながら。


299 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:51:01 ID:FmhA6Wvw
魔法の国なら量産できるんだろうか? 支援

300 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:51:16 ID:XHLYe77r
支援

301 :薔薇乙女も使い魔:第2話:2007/10/01(月) 20:52:10 ID:TbJzaaoO
「それで、今夜はどうするの?」
「うーん、それなんだけど…」

 夜
 ルイズの部屋で、今夜はどこで寝るかでジュンは困っていた。
「その〜…この世界に来るのはスッゴイ力を使うんで、出来ればあんまり行き来したくな
いんですけど…」
「んじゃ、ここに泊まるしかないわね」
 ルイズは既にネグリジェに着替えていた。
「でも、その〜…やっぱり外で寝ますよ」
 と言って出ようとしたジュンの首をルイズが、わっしと捕まえた。
「待ちなさいよ。あんた、まがりなりにも使い魔なんだからね。使い魔を部屋からほっぽ
り出すメイジなんて、聞いた事無いわ」
「でも、ベッドは一つだけなんですが…」
「毛布貸すから、床で寝なさい」
「はぁ…う〜、その、そぅ言われても…」
「ウダウダうるさいっ!あたしがいいといってんだからいいのよっ!!」
「は!ハイ…」
 ジュンはルイズから毛布を受け取り、床に敷きながら、ルイズをチラッと見た。薄手の
ネグリジェに、細身のラインが浮き出ている。だがルイズは、ジュンの前でも全っ然恥ず
かしがろうとしない。ただの子供と思われてるのか、腕力で勝ってると思っているのか。
・・・おそらく両方だろう。

 ピシィ!
 いきなり横っ面を、真紅の髪にはたかれた。

「レディの寝姿をジロジロ見るモノではなくてよ」
「うわゎ〜ジュンったらエッチですぅ〜♪」
「そ、そんなんじゃないよ!」
 翠星石にもツンツンつつかれて、ジュンは真っ赤になった。
「だいじょーぶよ、ジュンにそんな度胸無いなんて分かってるモン♪そ・れ・と・も、
おねーさんが子守歌を歌ってあげないと寝れないかのかしら〜?」
「そ!そんな分けないだろ!?お…おやすみ!」
 ジュンはガバッと布団をかぶって横になった。

「ふふ♪むりしちゃって〜。
 ところで、真紅と翠星石は、ほんとにその鞄で寝るの?」
 ルイズは鞄に入ろうとする真紅と翠星石を不思議そうに眺めていた。
「ええ、私たちローゼンメイデンにはこの鞄で寝るのは神聖な行為なの」
「それに私たち、この鞄以外ではねれないですよ〜。それじゃ、おやすみなさいです」
「そうなの?まぁ、それならそれでいいわ。それじゃ、お休みなさい」
「ええ、お休みなさい」

 皆、それぞれの寝床に入り、すぐに夢の世界へと旅だった。


 見上げれば満天の星空。
 せめて彼らの明日に希望の星があらんことを

               第2話  END

302 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:55:00 ID:QIwBvqv5
薔薇乙
こいつらを作った奴って本物の変態じゃないかと時々思……ん、誰か来たようだ

303 :薔薇乙女も使い魔:第2話:2007/10/01(月) 20:55:05 ID:TbJzaaoO
以上で「薔薇乙女も使い魔」第2話は終了です


では、失礼します

304 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:55:57 ID:b8PRZVZl
GJ
さて、ジュンくんは脱引きこもり出来るかに期待

305 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 20:58:55 ID:o1c/bolX
>>302
ローゼンって現実の女性がだめだから
ロリな人形つくってバトルロワイヤルさせて理想の女性を作ってしまおう!
っていうのが俺のなかのローゼンの解釈なんだが

306 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:01:17 ID:c4eovg2W
薔薇の人おつかれさまっしたー。

>>304
すでに引きこもりから不登校にクラスチェンジしてる気がするんだが

307 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:05:13 ID:+c7sDGhH
ギーシュはざざむし

308 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:07:25 ID:xbU5YobG
しかし原作はあの終わり方…

309 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:11:46 ID:b1kXJisc
乙っしたー。
しかし雪華綺晶と薔薇水晶両方と会ってるのか。
アニメの一期・二期しか見てないが、確か原作は雪華綺晶だけだったよな?
避難所で読んでないからなぁ。

>>305
縮尺が問題なだけで人間大にすればロリは
真紅と雛苺と金糸雀位じゃないかと思うんだがどうか。

310 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:12:30 ID:RbEUZ/o/
もものたねがこれ以上極悪出版社を儲けさせない苦肉の策でしょ

…しかし写植うち間違いが当然で、しかも原稿山ほど紛失する出版社って…

311 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:15:31 ID:MPH/Dcvk
乙、と言いながら嘘予告風小ネタだけど、OK?

312 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:15:32 ID:b8PRZVZl
そのうちGFで連載したりして

313 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:15:51 ID:FmhA6Wvw
乙だね!!

>>309
薔薇水晶としか会ってないから7体なんじゃね?


>>307
モンモランシー改造計画と申したか


そして支援

314 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:16:07 ID:+yaD+x4E
>>306
不登校か、確かにw
こっちで人生経験積んだら向こうのいじめっ子フルボッコにしそうだw

315 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:17:51 ID:MPH/Dcvk
「わたしも使い魔のひとつも召喚してみせれば、父上も私に新たな官職をくれるにちがいないわ! ええそうよ、そうにちがいないわ!」

 喜劇めいた悲劇はたった王女の気まぐれから開始する。


「……ありゃりゃ? 私は刺されて死んでたはずだけれど、一体誰のキャストが私をよびだしたのかにゃー?」
「ななな、なんでサモン・サーヴァントで人間が出てくんのよ!?」
「んむむ? 蜜っちゃん? じゃないね。でも目つきの悪さはそっくりだ」

 王女の望んだ其れは、召喚者たる少女と本質的な精神性が相似である者。
 世界の論理、人間の倫理に真正面から唾を吐きかけ、見下すように高笑いをする存在。

「ふーん君がタバサなのかな? ベラちゃんの命令だ。君任務の監督を務めさせてもらうよ」
「きゅいきゅい! お姉さまにちょっかいかけるのは許さないのね!」

 そして運命は流転する。
 稚児が飽きた玩具をそうするように、其の日常さえも純粋に残酷に崩壊していく。

「コココ、コトコ! そんな奴ら早くやっつけて! ごごご、ご主人様を守るのが使い魔の仕事なんだからね!」
「という訳で、ご主人様の命令だ。誰の命令か知らないけど、永久の後悔に苛まれながら、粛々とこの世から消え去るんだね。
私は自我境界線を侵食し、記憶を陵辱し、感情を咀嚼し、その存在の確かさすらも崩壊させる。見せてあげるよ『不発爆弾』!」



元ネタ:レジンキャスト・ミルクから速見殊子を召喚。

電撃の黒い太陽の黒い語彙力は半端ないな。
あの難しい字面を全部表現するのは生半可な語彙力(ATOK辞書)じゃムリですぜ。
どっちにしろこんなもん連載したら、「気さく〜」の劣化とか2番煎じになるのは間違いない。

316 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:19:42 ID:c4eovg2W
>>310
昔から幻冬舎はそういう噂が絶えなかったからなぁ。あとマッグガーデンもアレだとかなんと。

そんなことはさておき小ネタの人、発進ごーですよ。

317 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:20:46 ID:MPH/Dcvk
投下終了。

トリックスターで腹黒で面倒見がいい奴ということで、イザベラ更生人材としてステキなお方です。
問題は奥の手使ったら3日寝ることと、なんかお願いするたびにチュー1回要求すること。

318 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:21:56 ID:b1kXJisc
>>313
……あれ、数え間違った?
銀、蒼、翠、紅、雛、金、雪……って、そうか。
ローゼンが作った7体と薔薇水晶、と読み間違えていたらしい。

319 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:23:45 ID:DiS8Xiu5
小ネタを投下したいのだが……予約はどうですかな?

320 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:24:49 ID:b1kXJisc
>>317
乙ー。

そして>>319カモン。

321 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:27:20 ID:3aaWuPxM
>>314
ガンダールヴの力があればいじめっ子なんてギーシュ以下だからな

322 :剣を探してハルケギニア:2007/10/01(月) 21:28:33 ID:DiS8Xiu5
春の使い魔の儀式、トリステイン魔法学院において二年生に進級する際に行われる神聖な儀式だ。

カエルやモグラ、はてはサラマンダーやドラゴンまで召喚される中桃色の髪の少女、ルイズの呼び出した物は一際異彩を放っていた。
「なにこれ……剣……?」
ルイズの言う通り目の前にあるのは3振りの巨大な剣だった。一本は反りの入った片刃の剣、もう一本は金色に輝く真っ直ぐ刀身の伸びた神々しい剣、最後の一本はその三本の中でもさらに大きい銀色の剣。
「ど、どうすればいいのかしら…?」
ルイズが儀式の立会人のコルベールに相談しようとした矢先……


それは落ちてきた


円を描くように地面に刺さった三本の剣の真ん中に何かが落ちてきたのだ、それは地面に激突するとと轟音とともに大きな土煙をあげた。

「あいたたた……」
巻き上がる土煙の中から声が聞こえた。どうやら落ちてきたのは人語を話せるらしい。
視界が開けた先に立っていたのは奇妙な大男だった。
甲冑等とは違う奇妙な異国情緒の鎧を纏い、幾多の戦場をかけたかのような戦士の風格を漂わせるその男。
一際目にひくのはルイズの胴体ほどあ有りそうな四本の……そう、その男は四本の腕を持っていた。

323 :剣を探してハルケギニア:2007/10/01(月) 21:29:56 ID:DiS8Xiu5
「あ、あんた一体……」
ルイズが男に問いかける。男はやっとそれで誰かに気づき声をあげた。

「ん?その桃色の髪……お前なのかレ……?」
ルイズを誰かと勘違いしているらしい。
「?レ…何?」
ルイズが聞き返すが男はとんでもない行動に出た。
「お前があいつなら俺の剣を凌げるはず!」
男は地面に刺さった銀色の剣を抜き放つ!
「はあ!?あんた何言って……」
「いくぜ!!」
驚きの声をあげるルイズを無視して男は横に剣を凪払った!

「ギニャァァァァァァ!」
奇妙奇天烈な悲鳴を上げてルイズはその剣圧に吹き飛ばされ、気を失った。
「…ありゃ?人違いだったか?」
コルベールと他の生徒が唖然としている中、男は踵を返す。



「どこにあるやら俺の剣……」

男はそう呟くと三本の剣と共に霞のように跡形もなく消え去っていった。


なお、ルイズはこの後再びサモン・サーヴァントを行い、平民の少年を使い魔として呼び出した事を追記しておく。

324 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:31:02 ID:ES4QPWud
これは、ギルガメッシュかw

325 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:31:08 ID:FcYRN+yX
ギルガメッシュ!ギルガメッシュじゃあないか!


326 :剣を探してハルケギニア:2007/10/01(月) 21:32:00 ID:DiS8Xiu5
風と火の塔の狭間にあるヴェストリの広場、その広場は今大騒ぎだった。理由は貴族と平民による決闘が行われていたからだ。

「クソッ…!」
そう吐き捨てるのはルイズに使い魔として呼び出された平民の少年、平賀才人。
この決闘を行っている一人だ。

「やるだけ無駄だよ。降参したまえ」
決闘相手のギーシュが余裕綽々で言い放つ。
ただの平民である才人がメイジであるギーシュに勝てる筈もなく、
才人はギーシュの作り出すゴーレムワルキューレに散々痛めつけられていた。
「冗談…!俺はまだまだいけるっつーの……」
そう強がるも彼の足はガクガクとわらい顔もボコボコである。
「才人!もういいの、だからやめて!」
ルイズが瞳を潤ませ叫ぶもそれは彼には届かない。
ギーシュがトドメをささんとワルキューレ六体を一斉にけしかけたその瞬間!

才人とワルキューレの間に何かが落ちてきた。

「あれは…」
ルイズはそれに見覚えがあった。忘れるはずもない、それは召喚の儀式に現れた三本の剣。
剣の刺さった地面が渦巻き赤く染まる、その地面が隆起しマントのように姿を変えそれを翻して現れたのは……

「なんだ?取り込み中か?」

例の四本腕の男だった。

327 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:32:11 ID:HZAt05Mg
どこにあるやら次元の狭間…

328 :剣を探してハルケギニア:2007/10/01(月) 21:33:31 ID:DiS8Xiu5
男は自分を呆然と見つめる才人に気づき声を上げる。

「ん〜?お前なのかバ…」
才人をまた誰かと勘違いしているらしい。そしてまた回りくどいやり方でそれを確かめ始めた。
……普通に聞けばいいのに。

「お前があいつらならこの剣を使いこなせるずだぜ!」

彼は前回の人違いに反省したのか確かめ方を変えたらしい。

「さあ!好きなの抜きな!」

男は三本の剣を指差し才人にそう促した。
よくわからないがこの男は自分に武器を貸してくれるらしい、そう思った才人は近くにあった銀色の剣を手にとった。
剣の柄を持った瞬間、彼の左手のルーンが輝き出し体が軽くなる。
さらにその剣の名前、そして威力が頭の中に流れ込み彼はその剣の持つ力に戦慄した。

「おい、ギーシュって言ったか?」
才人が剣を構えギーシュに向き直った。
「なんだね平民?」
「これから俺はこの剣を使わせてもらう。死にたくなかったら俺が剣を振った瞬間しゃがめ、いいな?」
「突然なにを言い出すかと思えば……む…?」
その時ギーシュはとてつもなく嫌な予感がした。その才人の険しい顔に、剣の醸し出す只ならぬ気配に彼の内に警報が鳴り響いた。
実質それは正しい、腐っても武門の生まれとでも言うべきか。


「斬・鉄・剣!!どおりゃああああ!!」
才人が気合いと共に剣を一閃させた。

その瞬間ギーシュは無意識に身を低くしてしゃがみこむ。
そしてその目に映った光景に目を疑った。
才人が横一線に剣を一振りしただけで全てのワルキューレが真っ二つに消し飛び、それどころか広場の木や城壁まで容易く両断してしまったのだ。
「そんなバカな…」
ギーシュはその有り得ない光景にショックを受け失神してしまった。


「む〜?人違いか?使い方は見事だがなんつーか、素人っぽいんだよな〜」
男は顎に手を当てて首を傾げている。
「助かったよ。あんたのおかげで。俺は平賀才人」
才人は俺を言って男に近づくが…
「ありゃ、また人違いか?……まああいつがこんな所に入るわけないよな」
男は一人納得してまたどこかにつかつかと歩き去っていく。
「しっかし…どこに落としちまったんだろ……」
そしてそう呟き再び剣と共に霞のように消えた。

329 :剣を探してハルケギニア:2007/10/01(月) 21:35:55 ID:DiS8Xiu5
場面は変わってここは学院の本塔。そこに巨大なゴーレムが現れ宝物庫を襲っていた。

色々と事情はあるがゴーレムに宝物庫を破らせる事を成功させた盗賊、土くれのフーケはお目当ての品、『英雄の剣』を手に入れ今まさに逃げようとしていた。

たまたまそこに居合わせたルイズと才人だが、
彼らがフーケを止めるにはあまりに力不足。指をくわえて逃すしかないのかと思ったその時!

またまたそこに落ちてくる三本の剣!

「待ってました!」
才人が嬉々として男に近寄る。しかし現れた男はフーケの持っている剣に目を奪われ微動だにしない。才人が男に声をかける
「おい、あんた…?」

「見つけた……!」
男は感動したように声を震わせる。
「見つけたぁぁぁぁぁ!返せーーー!俺の剣ーーー!!」
そう言って三本の内日本刀のような剣を引き抜きそれを振り下ろした。
瞬間、巨大なゴーレムは十文字に切り裂かれ四分割されて崩れ去る!!
「おい!どういうことだよ!」
「やっと見つけたんだ!この世界で落としちまったと思ってたがやっぱりそうだったぜ!」

そんな中、崩れたゴーレムから巻き起こる煙の中から剣を構えた人影が出てきた。
「よ、よくも私のゴーレムを…!」
「あ、あなたはミス・ロングビル!?」
ルイズが驚きの声を上げた。土くれのフーケ正体、それが学院長の秘書ミス・ロングビルだったのだ!
フーケは四本腕の男を見やり吐き捨てる。
「これ、あんたの剣って言ったかい?悪いがこいつは渡せないわね。」
そして剣を頭上に振りかぶるように掲げ邪悪な笑みを漏らして言った。
「……そしてあんたの剣なら今の剣みたく凄まじい威力よねぇ?」
才人もルイズも青ざめた。
学院内の至宝と言われる『英雄の剣』。名前からしても凄い剣だとわかる。ましてやその剣の持ち主はゴーレムを一太刀で斬り伏せた剣の持ち主。
もはやこれまでと思われたが…

「いいぜ、斬ってみな!」
男があっさりとフーケに言った。
「なんだって?」
「試し斬りさせてやるって言ってんだよ」
男の挑発にフーケは眉をしかめて怒りを露わにする。
「地獄で悔いるんだね!」
そして剣を男に振り下ろす!
ピシッ!『1』←(ダメージ)
「……え?」
フーケが間抜けな声を上げる。男を斬りつけるも彼は涼しい顔で仁王立ちしている。
「くっ!今一度!」
ピシッ!『1』
「う、嘘でしょ?」
ピシッ!『1』
ピシッ!『1』
ピシッ!『1』
ピシッ!『1』
ピシッ!『1』
ピシッ!『1』
「最強の剣ぢゃなかったのかーーーーっ!?」
男がフーケの首もとに手刀を食らわせ彼女を気絶させた。
「それは最強の剣なんかじゃねぇさ。そんな剣じゃ俺どころかそこのちびっ子一人倒せやしねぇよ」
気絶したフーケに向かって男がつぶやく
「ちびっ子言うな!」
「そいつの名前は『エクスカリパー』。
……伝説の剣『エクスカリバー』のな真っ赤なニセモンよ!!」
ルイズの抗議を無視して男は言った。

330 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:37:06 ID:b1kXJisc
FF8の後なのかもしかしてw支援

331 :剣を探してハルケギニア:2007/10/01(月) 21:38:21 ID:DiS8Xiu5
自分の剣を取り戻した男はルイズの手により学院長室に連れてこられる。
部屋に入ってきた四本腕の男を見たオスマン氏が声を荒げて驚いた。
「おお!お主はあの時の!」
「お?あんた前ワイバーンに襲われてたじいさんか?」
どうやら二人は知り合いらしい。
オスマン氏が言うには昔森を散策していた際にワイバーンに襲われてた時それを救ってくれたのがこの男だったとか。
「しっかしその時にこれを忘れちまってよ〜」
おどけて笑いながら男が言う。
「お主にいつか返せるようわしはこれを『英雄の剣』と名付けて宝物庫に保管しとったのじゃよ」
「感謝するぜ、じいさん!!」
男はオスマン氏と堅く握手を交わした。
「おお!そうじゃ!ぜひともお主の名前を……」
オスマン氏が言い切る前に男はまたまた霞のごとく消え去った。
「やれやれ、慌てん坊じゃのう。……あの時と同じじゃ」
苦笑いしながらオスマン氏がつぶやいた。



アルビオンの礼拝堂、今ここに対峙するのはデルフリンガーを構える才人と、この土壇場でルイズ達を裏切ったレコンキスタの手先ワルドだった。
「さて、ではこちらも本気を出そう。風が最強たる所以、その身に焼き付けるがいい!」
ワルドが呪文を完成させた瞬間、彼の体が4つに分身した
「分身かよ!?」

ワルド一人でさえ強敵なのにそれが4人に……才人が忌々しげに合計5人のワルドを睨みつけた。
「終わりだ!さようなら、『ガンダールヴ』!」
才人を囲むように襲いかかるワルドの遍在。四方から放たれる魔法が才人を襲おうとした瞬間、
四本の剣が舞い降り四方の魔法から才人を守る!
「戦の匂いにつられて来てみれば……。よう!またあったな!」
「あ、あんた!来てくれたのか!」
それはギーシュとの戦いで、フーケとの戦いに助け舟を出してくれたあの男だった。

「敵が多いみたいだな、ここで会ったのも何かの縁だ。手を貸すぜ!!」
男が4本の腕で地面に刺さった剣を全部それぞれに持たせる。

「ふん新手か…?何をごちゃごちゃと……。たかが一人増えたところで勝てるとでも思っているのか?」
ワルドの嘲笑に男はピクリと眉を潜ませて返した。
「上等だぜ三下、てめぇにこのギルガメッシュ様を倒す事ができるかな?」
男が…いや、ギルガメッシュが不適に笑いワルドに返した。
「あんたの名前、ギルガメッシュってのか」
才人がデルフリンガーを構えてワルドに向き直り言った。
「あら?教えてなかったか?」
本人は教えてたと思ってたらしい。大事な剣落っことしたりとギルガメッシュ、腕は立つがおっちょこちょいっぷりもなかなかの物らしい。

「相棒!こいつ何モンだ?」
「安心しろ、味方だよ!それも何度もピンチ救ってくれたな!」
才人の持つ剣から言葉が発せられたのを聞きギルガメッシュが珍しそうにデルフリンガーを見た。
「ほー!おめぇさんも面白い剣もってるじゃねぇか!コレクションに加えたいくらいだぜ!」
才人が笑ってギルガメッシュに言う。
「活躍しつくれたらこいつをやってもいいぞ!」
「ち、ちょ!?相棒ー!ー?」
「おっしゃー!みなぎってきたぁぁぁぁ!」




二人の剣士が5人のワルドを見据え剣を構える!
「いくぜ!ギルガメッシュ!」
「おうよダチ公!」

332 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:40:15 ID:c4eovg2W
まて、何かさりげなく外道だぞサイトw支援

333 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:41:16 ID:CAT2TjlP
サイト=犬=エンキドゥ!?
支援

334 :剣を探してハルケギニア:2007/10/01(月) 21:41:29 ID:DiS8Xiu5
以上!ファイナルファンタジー5いや、8からギルガメッシュでした!
あの人来なくていい時にもくるから結構迷惑ですよね



ちょっと俺つえーしすぎたかな…

335 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:43:31 ID:6B0+S3JK
投下乙です
ちょっ! デルフもってかれる!w

336 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:47:32 ID:pTRPn8EW
不憫なデルフ決定戦にノミネートされるデルフがまた一本w

337 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:49:36 ID:b1kXJisc
乙!
8からっていうのがナイスw
バッツ探して幾つの世界を渡っているのやら……。

338 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:49:49 ID:c4eovg2W
何かほんとに避難所とかで開催されそうだね不憫なデルフ決定戦w。

339 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:52:55 ID:2mwyx67e
声出してクソワロタww
愉快痛快爽快すぎてたまんねぇww

340 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:54:25 ID:ig2qECgr
受験生には辛いなここ。書きたくても書けない。ネタは少し考えてみたが

341 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:56:25 ID:CKI0TQ0W
乙でしたー
あと、ホント、誰かデルフ対談書いてくれねえかなあ
待遇がいいので機嫌がいいオデレータとデルフレンジー
ただの剣と化したとあるデルフ
アレよりは恵まれてるかな……と思う防御アイテムMr.0デルフ
特別ゲストには姉妹スレの二大デルフ
(キラにデレられデルフと二刀流デルフ兄貴)とか
呼んだりしてさー


342 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:56:37 ID:H+3A9Ov1
>>340
大丈夫、来年になってもここはあるさ。受験すんだらまた来なよ。

343 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 21:58:16 ID:XblOY3JO
>>338
今のところはぶっちぎりで、とあるのデルフなんだが、これを超える逸材は現れるのだろうか…?

344 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:03:18 ID:m71eh5wJ
>>340
俺もだよ。ウッソかエドワードでずっと考えてるのあるけど書く暇ないわ。はやく3月になってほしい

345 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:05:57 ID:RzxwfVSi
>>343
やつは出番があった。
そしてその余りのインパクトで住人に焼き付いた
本当に可哀想なのはさらっとイベントを飛ばされて出番すらなかったデルフだ

346 :子守唄:2007/10/01(月) 22:06:32 ID:azx6l28T
別SSに浮気してたせいで遅れてしまったが……箱根のみなさーん! うたわれるものですよー!

347 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:06:53 ID:XHLYe77r
>>343
同感ですね……
あれ以上にデルフを不幸にしそうなキャラって誰がいるでしょうか?

348 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:08:39 ID:VZua/NM0
かもーんなーう道は開いてるぜ

349 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:08:54 ID:H+3A9Ov1
>>346
どれのことか分からんが、一先ず支援するぜ聖上

350 :白き使い魔への子守唄 1/6:2007/10/01(月) 22:08:56 ID:azx6l28T
ふと、見上げた夜空。
黒いキャンバスの中またたく満天の星。
大きな青い月と、小さな赤い月が、夫婦のように寄り添って、学院を照らす。
ひた向きに努力を重ねる者を。
冷たい水に負けじと剣を磨く者を。
復讐のため家族のため世界に抗う者を。

   第7話 賊

「えー、そんなぁっ! どういう事、ダーリン!」
洗濯物の洗い場で、キュルケが豊かな胸に剣を挟んで扇情的に身体を振りながら叫んだ。
そのリアクションに、どうしたものかとハクオロは苦笑いを浮かべる。
「どうもこうも、自分はすでに剣を買ってもらっている」
「でも、そんな錆びたボロ剣より、こっちの方がいいに決まってるじゃない!」
と、キュルケはハクオロの手元に視線を向けた。
ハクオロは地面にしゃがみ込み、桶の中に張った水で、デルフリンガーを洗っている。
「そういう装飾過多な剣は信頼できなくてな」
「錆びてるよりはマシでしょ?」
「だからこうして、錆を落としているんじゃないか」
学院に帰った後、夕食のついでにマルトーから砥石を借りたハクオロは、
すでにデルフリンガーの錆のほとんどを磨き落としていた。
後は水洗いをし、雑巾で拭くだけというところである。
「でもねダーリン。これはゲルマニアの高名な錬金魔術師シュペー卿が――」
「その話ならあの店で聞いた。その上で私はデルフリンガーを選んだんだ」
「デルフリンガー? 何それ、剣に名前なんてつけてるの?」
「別に相棒につけられた訳じゃねーけどな」
「え?」
突然聞き覚えの無い声がしてキュルケは周囲を見回したが、
彼女についてきていたタバサが自分の身長より長い杖で洗われている剣を差す。
「インテリジェンスソード」
「マジ? ダーリンったら、そんな変な物を買うだなんて」
「さすが」
キュルケは困惑しているようだが、タバサは納得とばかりにうなずいた。
額の両側から突起の生えた奇妙なデザインの白い仮面。
こんなのをつけてる男なんだから、相当人と違う趣味の持ち主に違いない。
だからキュルケが買った煌びやかな剣は受け取ってもらえないだろうと予測はついていた。
それでも一応成り行きを見てみたくてついてきたら、インテリジェンスソードときたもんだ。
ただの錆びたボロ剣だと思っていたら、想像の斜め上を行く展開を見せてくれた。
錆びてボロボロなインテリジェンスソードを選ぶ彼のセンス。
間違いない、本物だ。
この人のファッションセンスは、愉快。
「ともかく、自分はこの剣で満足……とまではいかないが、納得している。
 明日になったら試し切りでもしてみようと思っていてな」
「試し切り……そう、それよ! 試し切りをすればいいわ!
 私の剣とそのインテリジェンスソード、どっちが優れているか確かめればいいじゃない!」
「……なるほど」
有名な錬金魔術師が鍛えた剣、装飾用だろうと思っても興味が無い訳ではない。
しかしもしシュペー卿の剣の方が切れ味がよかったら、デルフは?
「相棒。俺の心配ならいらねーぜ。そんな派手なだけのナマクラに俺が負ける訳ねーからな」
「……いや、やはり必要の無い物だ。自分は彼女から無償で高価な品をもらう理由が無い」
試してみて優れている方を、という魅力的な選択肢をハクオロは拒否した。
積極的に迫ってくるこのキュルケから贈り物をもらったら後が怖いというのもあったが、
一番の本音は今口にした通り高価な品を無償で得る事に抵抗があるからだ。
「ダーリンったら、人格者なのね。そんなところも素敵!」
あばたもえくぼの要領でキュルケは贈り物を断られても、逆に好意を深めた。
「さて、デルフを磨き終えた事だし、寮に戻ろう」
学院内とはいえ時刻は夜、若い女性だけで出歩くのは危険だろうと、
ハクオロは二人と一緒に寮へ帰る事にした。
もちろんキュルケは大喜びで腕を組み、タバサは並んで歩く二人の一歩後ろをついてくる。

351 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:09:57 ID:XHLYe77r
支援

352 :白き使い魔への子守唄 2/6:2007/10/01(月) 22:10:23 ID:azx6l28T
本塔の外壁に張りついていた彼女は、人の気配を感じるとすぐに身を隠した。
こんな時間、こんな場所、いったい誰が何の用でと、苛立ちに眉根を寄せながら。
やって来たのは桃色の髪の女生徒だった。
あれは確か、ヴァリエール家のご令嬢、平民を召喚した『ゼロのルイズ』だ。
まさか自分と同じ目的という訳でもあるまいし、いったい何しに来たのか?
彼女は物陰からルイズの様子をうかがった。

ルイズは人気の無い中庭まで来ると、周囲に人がいない事を確認して、杖を取り出す。
「ここなら寮からも離れてるし、大きな音がしても誰にも迷惑かけないわよね」
コモンマジックが使えるようになって『私の世の春が来たー!』状態のルイズは、
真面目にコモンマジックの練習をしてみたところ、全部一回か二回で成功した。
となれば次のステップへ進むしかあるまい。
ルイズが今、一番使ってみたい魔法。
空を自由に、飛びたいな。はい。
「レビテーション!」
穏やかな夜が、爆音で渦巻く、煙が上がる。
希望に満ちあふれていた空気が一転、ルイズはコホンと咳払いをした。
「……そうね、人には系統っていうものがあるものね。私は風じゃないのかも。
 風が駄目なら水よ! トリステインは水の国! いざ!」
水柱を立てるつもりが、新たな煙を立たせる結果に終わったルイズ。
相変わらず失敗して爆発が起こっているが、爆発は自分を綺麗に避けて起こっている。
これもある意味、自己防衛本能が働いたというか、そう、成長の証なのだ。
だから爆発がより派手により強力になってるなんて気にしない。
「ふ、うふふ。平気平気、十六年ずーっとゼロだったんだもの。
 一度や、二度の失敗くらいで、へこたれたりなんかしないわ。
 つつつ、次は、つ、土、やってみようかしら。そうね、錬金よ。錬金するわ」
手近にあった小石を拾い、手のひらの真ん中に置いて、杖を向ける。
さすがに錬金する対象を直触りでやるのは危ないのでは、
などという当然の発想は二度の失敗により空の彼方まで吹き飛んでいた。
ルーンを唱えて錬金をかける。
何を錬金するかのイメージは、ええと、土でいいや簡単そうだし。土、土よ土。
手のひらの上で盛大な爆発が起こり、しかし手のひらには傷ひとつつかず、
けれどススが顔や髪について、ルイズはゴホンと咳き込んだ。
「……け、系統魔法の練習は、ちょっと早かったかしら」
「早いっていうか、まずコモンマジックから練習しなさいよ」
とそこに、呆れた口調で語りかけてくるキュルケ現る。
そのキュルケと腕を組んで、その腕を大きな胸で挟まれているハクオロもいた。
二人の後ろにはタバサがいたけどルイズの眼中には無かった。
「な、ななな……」
「何してるのよ、こんな時間、こんな場所で」
ルイズは、キュルケと腕を組んでいるハクオロを見て、頭に血が上り、
さらに、ハクオロの脇に抱えられたデルフリンガーと、
買わなかったはずのシュペー卿の剣を見つけて、わなわなと震え出した。
殺気を感じ取ったハクオロはしどろもどろになりながら言い訳を開始する。
「ち、違うんだルイズ。この剣は別に贈り物とかではなくて、
 ただ寮まで持ち帰るのに重そうだったから、私が預かっているだけで」
「こここ、この、好色犬ぅぅぅ!!」
杖を振り回しながらファイヤーボールの詠唱をするルイズ。
起こる惨劇を予測して、ハクオロはキュルケをかばうように抱き寄せ、
タバサは素早く防御のための風を自分達の周囲に吹かせる魔法を唱えた。
が。
狂乱しながら放たれたルイズの魔法は狙いを大きくそれ、
本塔の外壁で爆発が起こり、その破片がガラガラと落ちた。
幸い爆発箇所から距離があり、破片も離れた位置に落ちたため、
ハクオロ達三人が負傷するような事態にはならなかった。
幸運だ。
そしてこの幸運を喜ぶもう一人の人物はニタリと笑って杖を地面に向ける。

353 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:11:34 ID:XHLYe77r
支援

354 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:12:44 ID:c4eovg2W
聖上、聞かれもしないうちからそんな怪しい態度をとるから支援

355 :白き使い魔への子守唄 3/6:2007/10/01(月) 22:13:30 ID:azx6l28T
「こここ、この好色犬! 何キュルケに抱きついてんのよ!」
「ダーリンったら、私をかばおうとしてくれたのね。ポッ」
「いや、自分は、その、それより塔の壁が崩れてしまったようだが大丈夫なのか?」
怒り沸騰のルイズ、惚け中のキュルケを正気に引き戻す発言をするハクオロ。
二人は塔を見上げた。
外壁が結構分厚いのか、表面が崩れただけですんでいるが、それでも相当やばい。
修繕費は当然、ルイズの自腹だろうなぁとハクオロは思った。
授業中の事故ならともかく、決闘の時は治療費自腹だったし、今回も。
デルフリンガーを買ったり、クックベリーパイを食べたりと、
他にもちょっと買い物を楽しんだおかげでルイズのお小遣いはゼロに近い。
実家に事情を話してお金を送ってもらうしかないだろう。
ルイズの顔が蒼白になる。
ヤバイ、怒られる、どうしよう。
そんなルイズに同情の視線を向けつつ、キュルケは呆れた口調で呟いた。
「まったくルイズったら、使えもしない魔法を使おうとするから……」
「ち、違うもん! コモンマジックは使えるようになったもん!」
「また強がりを……」
全然信じようとしないキュルケが同情の色を消して胡散臭そうな眼差しを向けた。
こうなったらハクオロを証人に、いや、目の前でコモンマジックを使って見せれば。
ルイズがそう考えた途端、タバサが、
「伏せて」
杖をかざす。
その先の地面が盛り上がって、巨大な土が山のようにそびえ立った。
「な、何なのタバサ!?」
「ゴーレム」
そう、それはゴーレム。
ギーシュのワルキューレとは格が違う、巨大で強力な土のゴーレム。
そのゴーレムの肩に黒いローブを着た何者かが乗っている。
「あれは、まさか」
最初にその正体に気づいたのはタバサだったが、彼女は無口だったため、
最初にその正体を口にしたのはハクオロだった。
「土くれのフーケ」
武器屋で聞いた、メイジの盗賊。
それにしても何という巨体なのだろう、あのゴーレムは。
ギーシュのゴーレムは人間と同じ身長だったというのに、
今目の前にいるゴーレムは大雑把に測っても三十メイルはある。
土くれのゴーレムはルイズ達ハクオロ達には見向きもせず、
外壁を破損した塔に向かって拳を叩き込み、瓦礫の雨を降らせた。
咄嗟にハクオロは剣を振り、自分達に向かって落ちてきた瓦礫をひとつ弾き飛ばす。
甲高い音がして、瓦礫の他に弾き飛んだ物体があった。
「あ」
ハクオロの振るった剣が、根元からへし折れたのだ。
「だからナマクラだって言ったろう」
地面に落っことされていたデルフリンガーが呆れた口調で言う。
折れたのは、シュペー卿の鍛えた名高い剣であった。
で、降ってくる瓦礫はそれ一個ではなく、剣一本ですべて防ぐなど不可能であり、
しかも地面に落ちてるデルフリンガーに持ち替える余裕など無い。
が、ハクオロ達を包むようにして発生した竜巻が防護壁となり瓦礫を吹き飛ばす。
的確に状況判断をしたタバサが詠唱した魔法だった。
その間にキュルケは冷静さを取り戻し、ハクオロの腕を引っ張る。
「早く逃げましょう! タバサも!」
「あ、ああ」
三十メイルのゴーレムなんてとても手に負えない、教師を呼ぶしかない。
ハクオロは折れた剣をその場に放り捨て、デルフリンガーを拾うと、
一足早く逃げ出したキュルケとタバサの後を追おうとし、立ち止まる。
「ルイズ、何をしている!」
立ち止まって、振り返った先では、ルイズが杖をゴーレムに向けていた。

356 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:14:56 ID:XHLYe77r
しえん

357 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:14:58 ID:oggdMQfd
流石僕らの早漏王だぜ!支援

358 :白き使い魔への子守唄 4/6:2007/10/01(月) 22:15:08 ID:azx6l28T
「あいつ、私が壊してしまった壁を殴って、中に入っていったわ!
 私のせいで、だから、あの賊を何とかしなきゃ!」
ファイヤーボールの詠唱をし、ゴーレムの表面で爆発を起こさせるルイズ。
なぜか威力の向上している爆発は、ゴーレムの肩を半分ほどえぐった。
しかしそこにはもう、黒いローブの人物、土くれのフーケの姿は無い。
塔に空いた穴から宝物庫に侵入したフーケは薄ら笑いを浮かべていた。
固定化をかけられた分厚い外壁、自分のゴーレムでも壊せなかったろう障害に、
なぜかあの『ゼロのルイズ』が突破口を開いてくれた。
おかげでこうして宝物庫に入り、お目当てのお宝を盗む事ができる。
宝物庫には様々な宝があったが、フーケはとある黒い箱にしか興味を示さない。
黒い箱の下には『天照らすもの。持ち出し不許可』と書かれたプレートがあった。
念のため箱を開けて中身を確認したフーケは、にんまりと笑う。
「ふふ……美しいわ、なるほど天を照らすと言われるだけの輝きがある」
箱を閉め懐にしまい込んだフーケは、壁に向けて杖を振った。
するとそこに文字が刻まれる。
『天照らすもの、確かに領収いたしました。土くれのフーケ』
その後フーケは己のゴーレムの肩に飛び乗り、
反対側の肩がえぐれている事に多少の困惑を見せたが、
構わずゴーレムを学院の外、森へ向けて歩かせた。
足元でゼロのルイズ達がわめいているようだがどうでもいい。
上機嫌のフーケは森に入るとゴーレムから降りて身を潜め、
そのままゴーレムをしばらく歩かせたところで元の土くれに戻した。
無人のゴーレムを追って頭上を風竜が飛んでいく様を見て、彼女は声を殺して笑う。

使い魔のシルフィードを使いゴーレムの追跡に向かったタバサを案じながら、
ハクオロはルイズの無事に安堵していた。しかし。
「あんな挑発するような真似をして、もし反撃をされたらどうするつもりだった」
ルイズの無鉄砲な行動をいさめたが、ルイズは拳を握りしめて黙り込んだままだ。
場の空気の悪さにうんざりしつつ、キュルケはタバサの帰りを待つ。
しばらくして、事件に気づいた教師達が駆けつけるのとほぼ同時にタバサが帰ってきた。
土くれのフーケを見失った、という残念な結果を持って。

翌朝になって、学院長室に集まった教師陣は責任の押しつけ合いを始めていた。
醜い争いをおさめたオールド・オスマンは、
事件の目撃者として呼び出しておいた四人に説明をするよううながす。
四人とはもちろんルイズ、キュルケ、タバサ、そしてハクオロだ。
ルイズが説明しようとしたのをさえぎって、キュルケが一部始終を話す。
が、その説明の中に『ルイズが魔法で外壁を破壊した』という言葉は含まれなかった。
話を聞き終えたオールド・オスマンが顎ヒゲをさすって思案し出すと、
タイミングを掴んだとばかりにルイズが口を開こうとしたが、
いきなり学院長室のドアが開け放たれ、秘書のミス・ロングビルが駆け込んできた。
ロングビルは事件を知るや即座に調査に向かい、フーケの居場所を突き止めたと報告。
教師達は沸き上がったが『誰がフーケ討伐・天照らすもの奪還に向かうか』に話題が向くと、
全員そろって怯え出してしまう始末。あまりの情けなさにオスマンは深々と溜め息だ。
王室に連絡して兵を派遣してもらうという意見も出たが、
それでは遅すぎてフーケに逃げられてしまうし、
学院の不始末は学院でつけるべきとオスマンは強く主張した。
結果、捜索隊に参加る者は皆無。いっそ自分がとオスマンは思い始める。
ルイズが杖を掲げた。それを見てキュルケも杖を掲げた。さらにタバサも杖を掲げた。
オスマン以外の教師陣が慌てふためいたが、オスマンは彼女達を捜索隊に任命する。
タバサはシュヴァリエの称号を持つ騎士で、キュルケは軍人の家系、
弱虫毛虫教師達よりはずっとマシだとオスマンは言い切った。
で、ルイズ。
「彼女は、えーと、ヴァリエール家の出身でだね、将来有望というか、大器晩成っぽいし。
 あー、うん。彼女の使い魔は決闘でギーシュ・ド・グラモンを倒してるし。んー、あっ。
 そう! 何より錬金に失敗して起こした爆発の威力はすごかったと聞いているぞ!」
褒め言葉じゃない、とみんな思った。ルイズも思った。
(絶ッ対ッ! フーケを捕まえて汚名返上してやるんだから!)
人一倍闘志情熱使命感に轟々と燃えるルイズ。
そんな彼女はまさに、空回りしていた。

359 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:15:17 ID:Xg7oKw4U
しえん

360 :白き使い魔への子守唄 5/6:2007/10/01(月) 22:16:46 ID:azx6l28T
何だかんだで結成される捜索隊。
ゼロのルイズ、微熱のキュルケ、雪風のタバサ。
そして好色犬ハクオロ、あるいは我等が仮面ハクオロ、もしくは平民の使い魔ハクオロ。
この四人、に加えてオスマンの秘書ミス・ロングビルの姿もあった。
フーケの居場所を突き止めた彼女は自ら案内を申し出て、
今は四人を乗せた馬車の手綱を握り街道を進んでいる。
「で、結局キュルケからもらった剣は折れちゃった訳ね」
「あ〜ん、もう、結構高かったのにぃ。ダーリン、慰めて!」
「ちょっと、ハクオロにくっつかないでよ。そいつは私の使い魔なの!」
「ダーリン! メイドにお弁当を用意させたの。はい、アーンして」
ルイズとキュルケ、両手に花というより挟み撃ちにされてハクオロは頭を抱えていた。
助けを請うようにタバサに視線を向ける。読書に夢中。
ならばとロングビルに視線を向ける。手綱を手に馬車を走らせている。
邪魔するのはよくないな、ハクオロは二人に挟まれたまま天を仰いだ。
陽射しが眩しい。
「天照らすもの……か。いったいどのような物なのだろうな」
ふと、呟いたその言葉にルイズとキュルケの喧嘩が止まり、一身に視線を浴びる。
タバサも本から顔を上げ、ロングビルも手綱を握ったまま振り向いている。
「ん? 何だ?」
ルイズは思い出したように呟く。
「そういえば天照らすものがどういう物なのか聞いてないわね」
キュルケは顔をしかめながら言った。
「マジックアイテムよね? どんな形をしてるのかしら」
タバサは誰にも聞こえないような小声で。
「……コッパゲ型?」
それは天照らすものじゃなくて、天に照らされるもの。
とタバサは心の中でセルフツッコミを入れた。
結局誰も天照らすものの能力どころか形状すら知らぬとなって、
ロングビルは残念そうに溜め息をつく。

しばらくしてハクオロ達は無事フーケの隠れ家に到着した。
見つからないよう馬車を遠くに置き、小屋の周囲にある森の中から様子をうかがう。
人の気配は感じられない。
さっそく踏み込もうとルイズは提案したが、ハクオロが待ったをかける。
「真正面から乗り込むのは危険が大きい。
 それに学院からこんな近い場所に潜むなど、何か裏があるかもしれん。……罠か?」
「でも、行かなきゃフーケを捕まえられないわ」
「うーん、フーケが罠を仕掛けている可能性があるのなら、こちらも罠を仕掛けるか」
三十メイルのゴーレムをどう倒すか?
落とし穴だとか、水を引いて泥沼を作るなど、動きを封じる策を提案するハクオロ。
しかそそのどれもが実現不能である。
魔法を使えば何とかできないか、という淡い期待を持っていたのだが。
「やはり作戦を練るだけの時間や人員が無いと、どうにもならんな」
「でもダーリンの作戦、実行できればかなり有利よね。本当に平民?
 何だか考え方とか、どことなく軍人っぽく感じるんだけど」
「軍人? 私が?」
キュルケに言われて、そうかもしれないとハクオロは思った。
それなら戦いのための作戦を自然と考えてしまう己の思考や、
槍や剣といった武器をある程度使えるのにも納得がいく。
しかし今はそんな考察は役に立たないし、作戦も思いつかないのが現状だ。
仕方なくハクオロは、自分が小屋の様子を見に行き、
フーケがいたらルイズ達に知らせて攻撃するという、簡単な策にした。

361 :白き使い魔への子守唄 6/6:2007/10/01(月) 22:18:21 ID:azx6l28T
ハクオロはデルフリンガーを握り、一人小屋へと忍び寄る。
フーケが土系統のメイジという事で地面に何か罠がないかと慎重に歩を進めたが、
特に何事も無く小屋に到着し、窓から中の様子をうかがう。
人気は無い。隠れられそうな場所も見当たらない。
窓から死角の位置にいるのか、それともとっくに逃げた後なのか。
フーケの姿はどこにも見当たらなかった。
ハクオロは合図をしてルイズ達を呼び寄せる。
恐る恐る近づいてくるルイズ達だったが、タバサは物怖じせず小屋の前に立ち、
ドアに向けて杖を振り、魔法で小屋を調べる。
「罠は無いみたい」
そう言うや、ドアを開けて中に入って行ってしまった。
寡黙な少女の意外な行動力に驚きながら、ハクオロとキュルケも後に続き、
ルイズは外で見張りをすると言って残って、ロングビルは辺りを偵察するため森の中に。

小屋に入った三人は、フーケが何か手がかりを残してないか調べ出す。
するとすぐにタバサが黒い箱を発見する。
「天照らすもの」
探し物がいとも簡単に見つかり、ハクオロもキュルケも目を丸くした。
だが果たして本当に本物なのか、とりあえず箱を開けてみる。
と、キュルケは天照らすものの輝きにうっとりと微笑んだ。
「へえ、素敵。澄んだ青空のように美しいと思わない? ダーリン」
「ん……そうだな」
ハクオロも天照らすものを見て『美しい』とは思ったが、
どこかで見た覚えがあるような気がしてならなかった。
装飾だって、どことなく和風というか、ハルケギニアらしくないデザインだ。
もしかして自分の元いた國、あるいは東方の品なのだろうか。
「だがこれが本当に天照らすものなのか? 誰も見た事がないんだろう?」
「それもそうだけど、そうね、ちょっと調べてみましょうか」
キュルケが杖を振って光の粒を天照らすものに振り掛ける。
光は天照らすものに触れると溶けるように消えていった。
「……おかしいわね?」
「どうした?」
「天照らすものっていうくらいだから、マジックアイテムだと思ったんだけど……」
続く言葉は、外から聞こえたルイズの悲鳴にさえぎられた。
さらに轟音を立てて小屋の屋根が吹き飛ばされ、晴れ渡った青空が見えるようになる。
その青空をバックに巨大な土のゴーレム。
ハクオロは叫んだ。
「出たな土くれのフーケ!」

362 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:21:29 ID:H+3A9Ov1
あとがき支援

363 :子守唄:2007/10/01(月) 22:22:36 ID:azx6l28T
投下終了〜。以下NGシーン集。

NGシーン1
ルイズが今、一番使ってみたい魔法。
空を自由に、飛びたいな。はい。
「タケコプター!」
次の瞬間、ルイズの頭上に竹とんぼのような物が現れ、回転した。
そして浮上。こうしてルイズは自由自在に空を飛べるようになりました。

   ドラえもるもの 完


NGシーン2
ルイズが今、一番使ってみたい魔法。
空を自由に、飛びたいな。はい。
「チェェェンジゲッタァァァ! ゥワンッ!! ゲッタァァァウイィィィング!!」
穏やかな夜が、爆音で渦巻く、煙が上がる。
暗闇の空で、盗賊がほほえむ。大地が割れる。
(中略)
ドワオ
その爆発にフーケのゴーレムは消し飛んだ。
そしてその時に発せられたゲッター線やら何やらで、ハクオロの記憶が覚醒する。
「ルイズ……ルイズゥゥゥゥゥゥッ!!」

   これがルイズの最期だ 完


NGシーン3
続く言葉は、外から聞こえたルイズの悲鳴にさえぎられた。
さらに轟音を立てて小屋の屋根が吹き飛ばされ、晴れ渡った青空が見えるようになる。
その青空をバックに巨大な土のゴーレム。
ハクオロは叫んだ。
「出たな泥田坊!」
「酷いですよー、ハクオロ様ぁ……」
赤いマスクに兎の耳を持つ少女が、ゴーレムの額に埋まりながら言った。
「……誰?」
「十傑集のマスク・ザ・サクヤです」
「そのゴーレムは何だ?」
「これは大いなる父(オンヴィタイカヤン)から頂いた忍術、
 その名も素敵、巨大黄金仏像ビッグゴールドといいます」
「はあ……」
「ちなみにお爺ちゃんは素晴らしきゲンジマルといい、刀であらゆるものを一刀両断!」
「指パッチンではないのか?」
「お爺ちゃん、指パッチンができないから……毎晩練習してたんですけど……」
「……そうか。ところで土くれのフーケを知らないか?」
「さっきお爺ちゃんが成敗してくれました」
こうして土くれのフーケをお縄にした彼等は、天照らすものを持って学院に帰ったとさ。

   素晴らしきもの 完

364 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:22:42 ID:Xg7oKw4U
おちかれ

365 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:25:41 ID:c4eovg2W
ちょ、NGシーンさりげにネタバレってないかい!?
けどGJでした。乙ですー。

366 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:26:14 ID:r61qtix2
乙です

そして、先ほどの243でございますが少しばかり書いてきました
投下よろしいでしょうか?

367 :異世界BASARA:2007/10/01(月) 22:26:28 ID:dDy/U5nF
乙にござる。
自分も投下できる時に投下しておくか…
投下よろしいですか?

368 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:28:26 ID:H+3A9Ov1
乙じゅしたー

366(人修羅?)→BASARAの順か

369 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:28:22 ID:RzxwfVSi
書きたくてマニアクス探してる俺が支援する
小説買ったがなにこの哲学者な人修羅
予想外過ぎる性格に盛大に吹いた

370 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:28:51 ID:GKSK3iEV
今回の話みて、ときたま思うことがあるんだけど、このキャラがかわることで変わる学園のアイテム、武器じゃない場合、武器とはとても思えない形状な場合でもフーケ襲ってくるとかわけわからんときあるよね。
使い方が知りたかったとか、どうみても武器に見えないのに襲ってためさせようとするわけわからんのw
白きの使い魔批判とかじゃなくて、純粋に疑問に思うことなだけなんだけどね(ノ∀`)

371 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:29:06 ID:FmhA6Wvw
ほんと せいじょうは おんなのこに よわいなあ GJ

そして支援

372 :タイトル未定:2007/10/01(月) 22:31:24 ID:r61qtix2
では 投下




・・・・・・人に会いたい

魔で満ちた空間の中で、彼はそうつぶやいた

人修羅と呼ばれ、力による支配を良しとせず、静寂を拒み、孤独を嫌った悪魔は今

彼にとっては全く意味を成さない紅い感情の奔流の中で、孤独と静寂に身を蝕まれていた

絶対の孤独

彼の周りには、誰もいない

いつもは聞こえるはずの『声』も聞こえない

彼の周りに居た『はず』の仲魔は何処にも居ない『彼女』が居ない

目覚めたら彼は一人だった

目覚めたら彼はこの場所にいた

神をも倒す力を身につけた人間の少年は、たった一人でここにいた

「人に会いたい。」

何度、つぶやいただろう

何度、『彼女』を探しただろう

何度、出口を探しただろう

会えなかった

居なかった

見つからなかった

だから


『輝く扉の様な魔法陣』が彼の前に現れた時

彼がした行動を避難する事は出来ないだろう

それが、使い魔召喚の為の魔法陣だとしても・・・・・・

そして、それを彼が理解していたとしても・・・・・・


373 :異世界BASARA:2007/10/01(月) 22:31:40 ID:dDy/U5nF
>366
あ、申し訳なかった。
では>366の次に投下します。

374 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:31:57 ID:x7rTib3i
>>370
それは確か、それを使ってワイバーンの群れを退けたって言う
オールド・オスマンの証言が理由になるみたいだな。

375 :タイトル未定:2007/10/01(月) 22:32:48 ID:r61qtix2

一方 その少し前

桃色ががったブロンド髪の少女 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは焦っていた
何度やっても『サモン・サーヴァント』が成功しない
失敗回数はすでに三桁を超えており、本来の授業時間は過ぎ担当教師に頼み込んで追加で監督をして貰っているのに一向に成功しない
春の使い魔召喚の儀式は神聖な儀式、このような状況ですら前代未聞だというのに、召喚すら出来ないのでは留年もやむなし
それだけは避けるべく再度、呪文を唱える ━━━━━━━━━ 爆発
「・・・・・・これで、通算665回目の失敗ですね。」
担当教師のコルベール教師が冷静にルイズの失敗をカウントする
「もう一度! もう一度だけお願いします!!ミスタ・コルベール!!!」
食い下がるルイズにコルベールはゆっくりかぶりを降って、ルイズの肩に手を置く
「残念だが、ミス・ヴァリエール。」
彼女の使い魔召喚の儀式は失敗だ
それは回数が証明している
目の前の少女にはあきらめの顔が見られない
だがそれでも、665回の失敗は覆されない
彼女の使い魔召喚の儀式は失敗だ、それを告げなければならない
コルベールはいくらか気分が重くなり、空を見上げた
二つの月が淡く輝いていた・・・・・・



が、それでも、少女の懇願は止まない
当たり前だろう、自分の進級がかかっている、それよりも何よりもコルベールは彼女が『ゼロ』と呼ばれている事を知っている
だから
「もう一度だけですよ。ミス・ヴァリエール。」
同情からか、そう言ってしまったのも無理はない
そして、ルイズは詠唱を始める


「この世のどこかに存在する・・・もっとも強き我が下僕よ・・・我が呼び声に答え・・・今 ここに姿を現せ!!」



376 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:34:18 ID:FmhA6Wvw
実に素敵な数字で召喚したな支援

377 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:35:13 ID:RzxwfVSi
獣の数字666支援
元々はヨハネの黙示録だったか?

378 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:35:18 ID:c4eovg2W
いい加減声も枯れてるだろうに
さすがは超特級意地っ張り支援

379 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:36:13 ID:TxUuDSbd
がらがらの釘宮ボイスか支援

380 :タイトル未定:2007/10/01(月) 22:38:19 ID:r61qtix2

━━━━━━━━━ 心臓が跳ねた

気持ち悪い  吐き気がする 頭が痛い 殺さないで 手がしびれる 前が見えない 暗い 口の中が生暖かい 紅い

ルイズは己が開いたゲートから紅いナニカが吹き出すのを見ながら意識を失った





理性が言った
構えろ と
本能が言った
膝をついて許しを請え と
教師である自分が言った
横にいる生徒を見捨てるのか と
体が膝ついて言った
立てない と

それでも、コルベールは目の前の、おそらくルイズが召喚したであろう存在を凝視した
ぼんやりと光る人型が見える

ゆらりと、此方に歩いてくる
はっきりと、見える
男だ
相手も此方に気が付いたようだ
立たねば
震える足に力を込める
半ばまで立ち上がったところで足に力が入らなくなる
相手が此方を見た
不味い
口を開けた






「あの・・・・大丈夫ですか?」


出会うはずのない二人 出会った先に待つのは・・・・・・

381 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:40:46 ID:r61qtix2
投下終了でございます
一話どころかコントラクトも済んでない罠orz
これからちょこちょこ書いていくのでおつきあいお願いいたします

382 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:43:57 ID:RzxwfVSi
乙!
しかしあのズボンはどんな材質でできてるんだ?
殴られるとかはまだしも火炎や電撃をまともに食らって無事な服ってのも凄いよな
服まで込みで悪魔なのか?
閣下のサービス?

383 :異世界BASARA 1/5:2007/10/01(月) 22:49:20 ID:dDy/U5nF
では次よろしいですか?

フーケ捜索隊に志願したルイズ、キュルケ、タバサ…
そして真田幸村と前田利家はロングビルの案内で森の廃屋に向かっていた。
馬車に揺られながら利家は腹を擦っている。
「…うぅ〜、朝飯も食わずに行くなんて思わなかったぞ…」
「我慢なさいなトシイエ。フーケに逃げられちゃったら元も子もないでしょ?」
げんなりとしている利家をキュルケはなだめた。

「それにしても、タダカツを連れて来られないのは残念ねぇ。彼がいたらもっと楽なんだけど…」
「目立つ」
タバサは一言そう言って持っていた本に目を落とした。
忠勝はじっとしていても体からうるさい音が聞こえてくるし、あの大きさでは隠れる事も難しい。
だから彼女はこの捜索に忠勝を連れてくるのを止めたのである。

「朝っぱらからいきなり起こされて何かと思えば、盗賊退治とはなぁ」
幸村の背中から声が聞こえてくる、デルフリンガーだ。
幸村は折れた槍の代わりにデルフリンガーを持ってきたのである。
「すまぬデルフ殿、ルイズ殿の為に力を貸して欲しい!」
「わぁーったよ、相棒の頼みなら仕方がねぇ」

「時にルイズ殿、魔法を使えるのは貴族だけであったな?」
デルフと話していた幸村は突然ルイズに尋ねる。
「そうだけど…それがどうしたのよ?」
「ならばあのフーケめ…民の上に立つ身でありながら盗みを働いておるのか…!!」

「メイジが全員貴族というわけじゃありませんわ」
幸村が憤っていると、馬車の手綱を握っている女…案内役のロングビルが口を開いた。
「様々な理由で貴族から平民になった者も多いのです。中には犯罪者になる貴族もおりますわ…」
それを聞いて、利家は自分達のいた戦国の日本を思い出した。
自分の国でも、主君を失った武士が浪人となって悪事を働く事がある…
「…幸村、ここもそれがし達のいた世界とあまり変わらぬかもしれんな…」

384 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:50:32 ID:RzxwfVSi
支援

385 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:50:49 ID:r61qtix2
支援いたす

386 :異世界BASARA 2/5:2007/10/01(月) 22:52:33 ID:dDy/U5nF
途中、一同は馬車を降りて森の中を進んで行く。
「見えました。あれです」
先頭を歩いていたロングビルが前を指差す。
その先には、確かに古びた廃屋がぽつんと建っていた。
「私は周辺を調べてきます。あなた達はあの廃屋を」
そう言ってロングビルは森の中へと消えていった。

「様子を見るだけよ、蹴破って中に入ったりしちゃダメだからね!」
ルイズに念を押され、偵察役を受けた幸村と利家は廃屋の中を窓から覗いて見る。
しかし誰かいる様子はない。
「ルイズ殿!誰もおりませぬぞー!!」
幸村の大声に隠れていた3人は出てきて扉の前に立った。
タバサが杖を振るい、トラップが仕掛けられてないかを調べてみる。
「罠はない」
タバサが中に入っていくのを見て、キュルケも後に続く。
ルイズは小屋の外で見張りをする事となった。
「埃だらけじゃない。本当にこんな所に隠れていたの?」
キュルケの言う通り、ここは長く使われていなかったように見える。
もしや偽情報だったのだろうか。

「あった」
一同の頭にそんな考えがよぎろうとした時、タバサが何かを見つけた。
「破壊の杖」
見つけた物を手に取り、皆に見せる。
「…一度宝物庫の見学で見た事あるけど…本っ当に趣味の悪い杖よねぇ」
それは銀色に光る筒に取っ手が付いたような物で、「Dead or Love」という見た事ない文字が刻まれている。
さらに全体にはハートの模様が散りばめられていた。
3人は怪訝な顔をしている。

だがそんな中、利家だけは違った反応を示した。
「こ、これは…!」
利家はそれを手に取り、真剣な顔つきで見つめた。
「あの南蛮人が持っていた物より小さいが間違いない!何故こんな所に…!」

387 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:54:36 ID:RzxwfVSi
デッド・オア・ラブ?
元ネタがこうなのか?
支援

388 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:55:39 ID:6MZG3qsO
>>387
元ネタがこうだ支援

389 :異世界BASARA 3/5:2007/10/01(月) 22:56:23 ID:dDy/U5nF
ドガアアァァァァン!!!!

突然、轟音が鳴り響くと同時に天井から瓦礫が降ってくる。
「ぬぅ!?彼奴は昨日の…!」
幸村の声に一同が上を見上げると、土で出来た巨大なゴーレムがこちらを見下ろしていた。

タバサが素早く杖を振って竜巻を放つ。
だが、直撃したにもかかわらずゴーレムは平然としている。
続いてキュルケが胸元から杖を取り出し、火の玉を作り出して発射した。
これもゴーレムの表面を焦がしただけで動きを止めるには至らない。
「無理よこんなの!」
慌てるキュルケを余所に、ゴーレムは唸り声を上げながら両腕をキュルケ達に向かって突き出した。


「でやあああぁぁぁ!」
「おぉぉらあぁぁぁ!」


しかし、彼女達を潰さんと突き出された腕は2人の使い魔によって防がれた。
「逃げられよ!ここは拙者と前田殿で!」
地面に足をめり込ませながら幸村は叫ぶ。
それにタバサは頷くと、キュルケを連れてゴーレムから距離を取った。


と、幸村はゴーレムの背後にいるルイズの姿を見つけた。
何故かルイズは逃げず、杖を振るって魔法を唱えている。
「くそ…幸村、こいつはそれがしが相手をする!ルイズを連れて行け!」
利家の言葉に幸村はゴーレムの腕を弾き、ルイズの元へと駆ける。
それを見た利家は槍を頭上で振り回し、ゴーレムへと飛び掛っていった。


「腹が減っても戦は出来るぞっ!!うおおおお!」

390 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:57:31 ID:XHLYe77r
しえん

391 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:58:58 ID:G7+yovs1
支援

392 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 22:59:43 ID:RzxwfVSi
支援

393 :異世界BASARA 4/5:2007/10/01(月) 22:59:49 ID:dDy/U5nF
「何をしておられるか!危険にござるぞ!!」
駆けつけた幸村の言葉も聞かず、ルイズは再び杖を振るった。
だが爆発が起こるだけで、それもゴーレムには致命傷になっていない。
「あれには効かぬ、ここは逃げるのだ!」

「嫌!!」

腕を取る幸村を振り払い、ルイズは叫んだ
「ここで逃げたら、またゼロのルイズって馬鹿にされるじゃない…」
ルイズは睨みながら言う。その瞳に、うっすらと涙を浮かべて。
「…フーケを捕まえれば…もうゼロだなんて言われない…もうゼロのルイズなんて…」
所々で嗚咽を漏らしながらルイズは言った。
幸村も、彼女がゼロと呼ばれる所以は知っている。そしてその名を嫌い、人知れず努力している事も…
「……ならばルイズ殿、尚の事逃げられよ」
「嫌だって言ったでしょ!私は…」


「ルイズ殿が捕らえるのはフーケであろう!あの土人形ではない!!」


幸村の、いつもより大きい声が森の中に響き渡った。
普段からこの大声を聞いているルイズも、目を丸くして自分の使い魔を見ている。
「ここで出来損ないと言われたまま犬死してはならぬ。この幸村があのごーれむを倒し、ルイズ殿の手柄にしてみせましょうぞ」

394 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:00:41 ID:XHLYe77r
支援

395 :異世界BASARA 5/5:2007/10/01(月) 23:02:55 ID:dDy/U5nF
「うわああぁぁぁぁー!!」
その時、戦っていた利家がゴーレムの腕の直撃を受けた。
利家は地面にぶつかると2回バウンドし、最終的にはキュルケの元にまで吹き飛ばされる。
「トシイエ!」
キュルケは気絶している利家を抱き起こし、揺さぶって起こそうとする。
「…むぅ…キュルケ殿か?」
「どうしたのよ、調子が出ていないじゃない」
朦朧とした意識の中、利家は口をゆっくりと開く。

「…は、腹…」
「腹?」
「…腹が減って…もう力が出ない…」

キュルケの体に脱力感が駆け抜けた。朝食を1回抜いただけでここまで弱るとは…
だが思い起こせば数十人分の食事を食べる男、1回抜いただけでも彼にとっては大問題だったのかもしれない。
そんな事を考えながらキュルケはやれやれと溜め息をついた。

利家を倒したゴーレムがゆっくりとルイズ達の方へ振り返る。
次は自分達の番だと、彼等は確信した。
「もう一度御願い申す。ここは退いて下され」
幸村はルイズに再度頼む。
「…分かったわよ、でも…絶対に勝つのよ!負けたら許さないんだから!」
「無論承知っ!!!」

キュルケ達の元に辿り着いたルイズを確認し、ゴーレムに向き直る。
そして右手に槍を持った幸村は余った左手で背中に携えた剣に手を伸ばした。
「デルフ殿、力を貸して頂きたい!」
「お、ようやく俺様の出番って訳かい!抜きな相棒!」
背中の剣…デルフリンガーは景気良く答えるのを聞くと、幸村は一気に引き抜いた。
デルフリンガーを持った左手が、眩い光を発する。



「来い土人形め!真田源二郎幸村が相手だ!!」


これにて終了です。
ちなみに、Dead or Loveは1のザビーの台詞から。

396 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:05:47 ID:TxUuDSbd
乙!

397 :レプリカ・ゼロ:2007/10/01(月) 23:11:36 ID:qdkd+jZA
何方か投下予約あるかしら?

398 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:14:53 ID:odzTNe9X
さっさと来なさいよ空気作家


ば、ばかっ!楽しみになんか、し、してないんだからっ!

399 :レプリカ・ゼロ:2007/10/01(月) 23:15:23 ID:qdkd+jZA
 ルイズとルークは、爆発によりめちゃくちゃになってしまった教室の片付けを淡々と行なっていた。
 まぁ、ルークは小さく何で俺がこんな事しなきゃいけねぇんだ。と、ぐちぐち言っている様だ。
 黙々と淡々と教室を片付ける二人だったが、唐突にルイズは作業の手を止めルークの方を睨む。
 行き成り睨んでなんだよ? と、眉を顰めるルークだったが……

「馬鹿にしてるんでしょ? 私が『ゼロ』だから」

 は? 何いってんの? と、ルイズの言葉に少々呆れを含む表情を浮かべたルーク。
 その表情を見てルイズは、ヒートアップしていく。

「笑いなさいよ! メイジなのに魔法が使えないって!」

 そんなルイズに、ルークはズイッと近寄り怒鳴った為に顔が赤くなったルイズの額に思いっきりデコピンを喰らわせた。
 鈍く大きい音が、ルイズの額から響き余りの痛さに額を押さえ涙目になるルイズ。

「俺は、この世界の人間じゃないからわからないけどさ。魔法ってのは、失敗したら爆発するもんなのか?
 譜術って俺の場所じゃぁ使われてたんだけどさ。まぁ魔法と似たモンだけど……それは失敗したら何も起こらない。
 ジェイドなら、色々お前に対して説明とか明確なアドバイスとかするんだろうけどさ」

 腕を組み眉を顰めながらに言う。

「出来ないから諦めるのか? 出来ないから出来ないんだ! って決め付けるのか? 違うだろ?
 出来ないならなんで出来ないのか? 出来ないなら何が自分で出来るのか? それを探すもんだろ?」

 俺はそうだった。と、告げた後。結局は、進もうとするかしないかだ。と、締めくくりルークは再び片付けに戻る。
 ルークの言葉に、ポカンッといまだ額を押さえたままのルイズを見て、さっさと手動かせよ! と、声をかけると
 ルイズは、分ってるわよ! と、ハッとした様に答え同じ様に片付けに戻った。
 結局、片付けが終ったのは昼前。二人は、片付けた教室を一度見回した後で食堂へと向かったのだった。

400 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:15:49 ID:XHLYe77r
支援

401 :レプリカ・ゼロ:2007/10/01(月) 23:17:09 ID:qdkd+jZA
>>399
 二人が食堂に入るや否や、ルークは食堂の一部分に喧騒が起こっている事に気づきその場所へと歩を進める。
 それを見たルイズが、何処へ行くのよ! と、大声を張り上げて尋ねたのだが……ルークは、そのまま歩みを進めた。
 喧騒の中心たる人物は、メイジを主張するローブを着た少年とその少年にペコペコと頭を下げているメイド。
 そのメイドは、朝方迷惑をかけたシエスタで、どうも飛び交う話を軽く聞けば、どう考えてもメイジの少年に非がある。
 気がつけばルークは、シエスタを庇う様に少年の前に出ていた。
 突然の事に少年は、少々狼狽したようだったが直ぐにそれがルイズの使い魔である事に気づくと、
 手にしていた造花の薔薇を差し向ける。

「なんだい? まさかそのメイドを庇うつもりかい?」

 馬鹿にした笑みを浮かべながら少年は、そう告げた後「そこをどきたまえ」と、更に告げるのだが
 ルークは、腕を組みタンタンタンと軽く足踏みをしながらギーシュを見下ろす様に睨む事で、答えた。
 その態度に、少年は態度には出さないものの、内心ではムッと眉を顰めていた。

「おい、お前。話を聞くと、お前がどう考えても悪いだろ? え? 二股君」
「……君は、貴族に対しての口使いと礼儀がなっていないようだね? 流石、平民だ」
「はん。テメェらの言う貴族なんて貴族じゃねぇよ。権力に御座かいてるだけのクソガキだ」

 まぁそれは俺も一緒だった訳なんだが。と、思いながらため息を吐くルーク。
 その言葉とそのため息に、少年のこめかみに青筋が浮く。どうやら、何か勘違いをした様だが……
 どちらにしろ、ルークの言葉を聞いた時点で、軽く青筋が浮いていたので何を勘違いしたのかはどうでもよさそうだ。

「随分、躾のなっていない使い魔じゃないか。ゼロの使い魔なだけある。
 いや、平民だからかな? まったく、親の顔が見て聞いてみたいよ。どんな躾をしたんだい。と」

 少年の言葉が、終ると同時にブチッと言う短い音がルークから発せられた。
 その音にへっ? と、少年が呆けた瞬間……少年の体は、後方にぶっとんだ。
 床に何度かバウンドし叩きつけられた少年は、突然の痛みと衝撃に訳が分らなく混乱していた様だった。
 それは、この喧騒を見ていた生徒達も同じで、ルークの後ろに居たメイドことシエスタは、ルークの体に視界を遮られていた為
 生徒達以上に何が起こったのかとパニックに陥る。
 そんな周囲を気にせず、ルークは少年の方へと歩き目の前に立つと、今度は完全に見下ろしながらに言う。

402 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:18:26 ID:gYYRhLmL
やはりあのザビー大砲だったかw

そしてレプリカ支援

403 :レプリカ・ゼロ:2007/10/01(月) 23:19:16 ID:qdkd+jZA
>>401
「俺は、世間知らずだし物知らずだからなんと馬鹿にされてもしょうがないって思える。
 だけど、お前……今、俺の父上と母上を馬鹿にしたな? レプリカでも俺を一生懸命育ててくれた両親を馬鹿にしたな?」

 腕を伸ばし少年の胸倉を掴み持ち上げ殺気の篭った視線を向ける。

「親は、関係ないだろうが!!!」

 胸倉を掴んだ手を離した瞬間、掌底を叩きつけ……ズドンッ! と、言う音と共に再び少年が吹き飛ぶ。
 ルークが何をしたのかといわれれば、ただ裂破掌を打ち込んだだけである。
 裂破掌とは、掌底を叩き込み気を爆発させ敵を吹き飛ばす特技であり、少年を吹き飛ばすには十分。
 一体何をしたのかわからない周囲は、どよめきを隠せずに居た。
 平民が、魔法も何も使わずに少年を吹き飛ばしたのだ。エア・ハンマーを使ったと言うのなら分るが……
 どう見ても平民であるルークが、一体何をやったのかなどと分る者は、誰一人居なかった。
 どうにか、床から立ち上がった少年は、憎悪と憤怒の表情を浮かべ造花の薔薇を、力強くルークに差し向ける。

「このギーシュ・ド・グラモン! 君に、決闘を申し込む! 平民の君に、貴族に対しての礼儀を叩き込んでやろうじゃないか!」

 この食堂を戦いで汚す訳にはいかない。ヴェストリの広場で待っている! と、大声で告げギーシュは食堂を出てゆく。
 食堂を出て行く一歩手前で、立ち止まり相変わらず憎悪と憤怒の表情を浮かべたまま、振り向き。
 最後の晩餐でも食べておくんだな! と、告げ今度こそ食堂を後にした。
 ソレを見送るルーク。そして、慌てた様にルークに駆け寄るルイズ。

「ルーク! アンタ何勝手な事してるのよ!」

 ルイズの物言いに、あ? と、ルークは柄悪くルイズの方を見る。其処には、本当に慌てた姿のルイズ。

「何って?」
「ギーシュとの決闘よ! 平民がメイジに勝てる訳ないじゃない!」

 それは、この世界での常識。しかし、ルークの世界の常識ではない。

404 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:19:50 ID:RbEUZ/o/
sien


405 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:20:15 ID:odzTNe9X
支援

406 :レプリカ・ゼロ:2007/10/01(月) 23:20:56 ID:qdkd+jZA
>>403
「お前ら、本当……口を開けば平民、平民だな。なんで貴族や王族が偉いか知ってるか?」

 腕を組んでルイズを見下ろしながらに言う。
 そんなルークの脳裏には、自分の仲間で幼馴染であった王女ナタリアの姿。

「名前もしらねぇ。見たこともねぇ。民の為に、領土を統治し民の為を考え行動し尊敬される。それが、貴族や王族だ。
 権力に御座掻いて、力を振り回すだけのヤツなんて、ただのクソヤロウだ!
 それに……あのクソガキは、俺の親を馬鹿にしやがった。耐えられるか? もしお前の親が家族が馬鹿にされても!」

 その言葉に、ルイズは自分の両親と二人の姉を脳裏に浮かべる。
 魔法が使えない自分を見限る事なんてしなかった両親。
 何時も自分を苛めるが何処か優しかったエレオノール姉さま。
 何時も己以上に自分を心配してくれた優しいちい姉さま。
 それが、馬鹿にされる? それは……絶対に許せない。

「許せない。絶対に」

 ポツリと呟いた言葉。その言葉に、ルークはだろう? と、言葉にしないが口の端を小さく吊り上げた。
 そして、食前の軽い運動だ。と、ルークは、そう言うとルイズにヴェストリの広場って何処だよ? と、尋ねる。
 そんなルークを止めるつもりは、もう無いのかルイズは、こっちよ。と、ルークの道案内をする事になった。
 まぁ、道案内をしている途中で、昼食食べるのを忘れた。と、肩を落としたのは、ご愛嬌である。

 


 ヴェストリの広場。魔法学院の敷地内において『風』と『火』の塔の間に存在する中庭である。
 西側に存在する為、日中でもあまり日が差さず。決闘にはうってつけの場所である。
 だが、食堂に居合わせた生徒や噂を耳にした生徒で、広場は溢れかえっていた。

407 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:21:24 ID:XHLYe77r
支援

408 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:21:28 ID:mTgB+luV
コンボ支援

409 :レプリカ・ゼロ:2007/10/01(月) 23:22:34 ID:qdkd+jZA
>>406
「諸君! 決闘だ!」

 先程ルークに受けた裂破掌の怪我など一つも無いギーシュが、造花の薔薇を掲げ高らかに宣言する。
 怪我一つないギーシュに、眉を顰めるルークだったが、ルイズの「誰かに治癒かけてもらったんでしょ」の言葉に、なるほどと頷いた。

「ギーシュが決闘するぞ! 相手は、ルイズの平民だ!」

 平民、平民うるせぇ! と、ルークは腕を組んで苛立ちを隠さずに眉を顰めた。
 ギーシュは、キザったらしい仕草で歓声に答えるかのように愛想を振りまく。
 そして、やっと気づいた風にルークを見た。その瞬間、ギーシュの顔にはやはり歪んだ表情が浮かぶ。
 ルークとギーシュは、広場の中央に立ちで睨み合う。

「とりあえず、逃げずに来た事を褒めようじゃないか」

 造花の薔薇を弄りながら、歌う様に言うギーシュに対し「うるせぇクソガキ」と、短く答えられ少しばかり青筋を浮かべるギーシュ。

「さてと、始めるか」

 ギーシュが、そう言ったと同時にルークがギーシュ目掛けて駆ける。
 距離にしておよそ十歩。駆けるルークを見て余裕の笑みを浮かべるギーシュは、造花の薔薇を振る……
 前に、ルークの拳が、顔面に直撃し「へなぷっ!?」と、変な声を上げて宙で一度回転して大地と口付けを交わした。
 そんなギーシュを見て、汚い物に触れちまったとばかりにギーシュの顔面を殴った手をプラプラと振る。
 喧騒が渦巻いていた広場が、シンと静まり返り……一瞬後に罵声が爆発する。
 卑怯だ! と言う罵声ばかり。その罵声に、ケッと舌打ちするルーク。
 そんな中、ギーシュが覚束無い足取りで立ち上がる。

「さ、流石、平民、だ。卑怯、じゃぁ、ないか」

 顔面から広がる激痛を抑えながら、途切れ途切れにそう告げるギーシュを見て、馬鹿かお前? と、言う表情を浮かべるルーク。
 そんなルークの表情を見て、ギーシュは顔面を手で押さえながら造花の薔薇を振る。
 造花の薔薇から七つの花びらが宙に舞う。宙を舞ったと同時に七つの花びらは、七体の女騎士を模った人形に変化した。

410 :レプリカ・ゼロ:2007/10/01(月) 23:24:25 ID:qdkd+jZA
>>409
「僕は、メイジ、だ。だから、魔法で、戦う。このワルキューレ、で、君を叩き潰す!!!」

 途切れ途切れの声だったが、最後の力強い叫びと共に七体のワルキューレが、一斉にルークに襲い掛かった。
 対するルークは、突然現れた七体のギーシュ曰くワルキューレに少々驚いたが、直ぐに身を屈め力強く大地を蹴り飛び上がる。
 自分の正面から突撃してきたワルキューレを飛び越え着地間際に、後ろ回し蹴りを丁度頭の部分に撃ち放ち鈍い音を立てて倒れる
 ワルキューレを尻目に着地したと同時に素早く一体のワルキューレの後ろにつき、掌底を打つと同時に体中をめぐる気を爆発させた。
 そのワルキューレは、胴の部分から逆くの字に拉げる。残り五体。と、ルークは、冷静にワルキューレを見据えた。



 所変わって学院の学院長室。
 ミスタ・コルベールが、学院長のオールド・オスマンに、春の使い魔召喚の儀式成功の報告と
 ルイズが、召喚した青年ことルークの報告をしていた。曰く、使い魔召喚で何故人間が召喚されてしまったのかと言う点である。
 そして、まだ見ていないがルイズと契約したルークに刻まれた使い魔のルーンも、気になること。
 そんな、報告を聞いてオールド・オスマンは、詰らなさそうに欠伸を漏らす。
 それより、貴族どもからがっぽりと金を分捕る事を考えんかい。と、オスマンはむっつりとした表情を浮かべた。
 オスマンとコルベールの二人だけが居る学院長室に、ドアをノックする音が響く。

「誰じゃ?」

 扉の向こうから、オスマンの秘書であるミス・ロングビルの声が聞こえてきた。

「私です。オールド・オスマン」
「なんじゃ?」
「ヴェストリの広場にて決闘を行なっている生徒が居るようです。大騒ぎになってます。
 止めに入った教師もいましたが……生徒達の妨害にあって、止められないそうです」

 ロングビルの報告に、はぁ。と、ため息一つもらすオスマン。

411 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:25:00 ID:r61qtix2
支援ですよ


412 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:25:16 ID:mTgB+luV
このルークのレベルはいくらだ?支援

413 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:25:44 ID:TxUuDSbd
支援

414 :レプリカ・ゼロ:2007/10/01(月) 23:25:49 ID:qdkd+jZA
>>410
「まったく、暇を持て余す貴族ほど、性質の悪い生き物はおらんわい。で、誰が暴れて居るんだね?」
「一人は、ギーシュ・ド・グラモン」
「あの、グラモンとこのバカ息子か。オヤジも色の道では剛の者じゃったが……
 息子も輪にかけて女好きじゃ。おおかた女の子の取り合いじゃろう? して、相手は誰じゃ?」
「……それが、メイジではありません。ミス・ヴァリエールの使い魔の青年らしいです」

 コルベールは、驚きの表情を浮かべた後で、オスマンを見る。
 なんてこったい。と、ペチッと額に手を当てるオスマン。

「教師達は『眠りの鐘』の使用許可を求めております」

 ロングビルのその言葉に、オスマンの目が、鷹の様な鋭い眼光に光る。

「アホか。子ども……この場合、子どもはグラモンのバカ息子じゃが……相手は、平民と聞く。
 そんなケンカ止めるのに、秘宝を使ってどうするんじゃ。放っておきなさい」

 わかりました。の言葉と同時に、ロングビルが去ってゆく足音が聞こえた。

「さて、コールベル君」
「コルベールです」
「……まぁいいじゃろ。それより、君の報告にあったミス・ヴァリエールの使い魔の青年の安否が気になるのぅ」
「はい。ですが……彼は、ただの青年では無いでしょう。少なくとも何かしらの訓練を受けています」
「ほう? それは、君の経験から見てかね?」
「えぇ……」

 オスマンの言葉に、苦虫を潰した表情を浮かべながらに頷くコルベール。
 よかろう。と、オスマンは杖を振る。壁に掛かった大きな鏡に、ヴェストリの広場の様子が映し出された。

415 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:26:24 ID:odzTNe9X
>>412
ラスボス倒した後だからそれなりに高いんじゃね?

416 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:27:14 ID:FmhA6Wvw
これでやりこみ後だったらしゃれにならんな支援

417 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:27:14 ID:mTgB+luV
他の技マダー?支援

418 :レプリカ・ゼロ:2007/10/01(月) 23:27:30 ID:qdkd+jZA
>>414
「魔神拳!」

 拳から放たれた衝撃は、地を奔りワルキューレの右足を砕く。其処へ素早く走りかけ追撃の崩襲脚を放ちワルキューレの頭を潰す。
 残り四体! と、ルークは横から突き出された青銅の槍を素早いバックステップで回避し俗に言うヤクザキックで、
 そのワルキューレを蹴り飛ばした。蹴り飛ばされたワルキューレは、ギーシュの真横まで吹き飛び大地に叩きつけられた。
 叩きつけられたワルキューレは、錆びた機械の様に異音を発しながらも立ち上がる。
 そのワルキューレを居れ、四体のワルキューレは、ギーシュを守る様な弓状の陣形を取り槍を構えていた。

「貴様は」

 ワルキューレの後ろから、ギーシュの声が響く。

「貴様は、一体なんなんだ! ただの平民の癖に! 何故、僕のワルキューレが平民如きに!」

 倒された三体のワルキューレの成れの果てを見て、ギーシュは叫ぶ。

「平民、平民うるせぇ!!! お前は、お前らはそれしか言えねぇのか! このクズが!!」

 ギーシュの叫びに答えるかの様に、大声を張り上げルークは、再び走る。

「ワルキューレェエエエ!!!!」

 走り掛けるルークを、迎え撃つ為に四体のワルキューレは、弓状の陣から素早く動き菱形の陣を作り一番前のワルキューレが
 槍を、ルーク目掛けて突き出す。しかし、ルークは突き出された槍をしゃがんで潜り抜けワルキューレの懐に潜り込んだと同時に
 胸部に掌底を叩き込み裂破掌を炸裂させる。それは、そのワルキューレに大きな穴を作りあげ吹き飛ばす。
 もし、ワルキューレの中身ががらんどうではなく、青銅がギッシリと詰っていたならば凹むだけで済んだかもしれない。
 そして、吹き飛んだワルキューレと共に前に走りかけようとして、慌ててバックステップするルーク。
 何故、慌ててバックステップしたかと言うと……もし、そのまま走りかけていたならば、左右のワルキューレの槍に串刺しに
 されていただろう。その証拠に、左右のワルキューレが、先程ルークが居た場所を槍で突いていた。

419 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:28:10 ID:OTgNFs3Z
テイルズは作品によってはやりこむととんでもなく高レベルになるからな。支援

420 :レプリカ・ゼロ:2007/10/01(月) 23:29:07 ID:qdkd+jZA
>>418
「ワルキューレだけが、僕の戦力だと思うなよ!」

 その言葉と同時に、ルークの足元が唐突に陥没する。チッと短く舌打ちをして慌ててその場から後ろに飛ぶ。
 なんなんだ?! と、唐突に陥没した場所を見れば、大きいモグラ。ジャイアントモールが、ひょこっと顔を出した。
 そのジャイアントモールは、ギーシュの使い魔。名前をヴェルダンデと言う。
 ヴェルダンデは、すぴすぴと鼻を鳴らした後再び地面にもぐった。
 再び、陥没する足場それを完全に陥没する前に跳び回避するルークだったが、ヌォッ! と、変な声を出して空中で上半身を反らすと言う
 何故そんな事をしたのかと言えば、いつの間にか傍に居たワルキューレからの槍攻撃をかわす為である。
 油断したならば即串刺し。そして、足場の陥没。
 優位だった状態からかなり不利な状態へと陥るルーク。

「ははは! 降参するかい!? 地べたに頭を擦り付けて許しを請うならば、降参を認めてあげようじゃないか!!」
「ふざけんな!!!」

 再び走り掛けるルーク。そしてそれと同時に次々に陥没していく足場。
 それに構わずルークは、ワルキューレ目掛けて走る。それを見たギーシュは、やけになったのか? と、思うが
 ルークの目には、やけっぱちになった色の光は無い。寧ろ……

「下がれ!!! ワルキューレェエエ!!!」

 しかし、その指示は、遅かった。大地を蹴り跳び上がったルークは、そのワルキューレを足場として更に跳び上がる。
 そして、ギーシュに影が差す。ギリッを歯を噛締めながら見上げれば其処にはルーク。
 丁度、拳を振りかぶる様にして落下してくるルーク。このまま行けばギーシュを捉えられたのだろうが……
 ルークの行動を察していた、ギーシュはワルキューレを自分の前にすぐさま移動させる。
 
「るぉおおおおおおお!!」
「ワァアルキュゥウゥウウレェエエエ!!!!」

 裂破掌を放つ為の気が収束するルークの右手。
 それを迎え撃つのは、何時の間にか作り出された巨大な青銅の盾と槍を構えるワルキューレ。
 結果としては、ワルキューレの槍は、ルークを捉えていた。しかし、それはルークの脇腹を抉るに留まる。
 ルークは、それに顔を顰めるが咆哮を張り上げワルキューレの脇をくぐりぬけギーシュ目掛けて渾身の裂破掌を炸裂させた。

421 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:29:11 ID:mTgB+luV
ルークはムービー基準でも身体スペック高いよな支援

422 :レプリカ・ゼロ:2007/10/01(月) 23:30:51 ID:qdkd+jZA
>>420
 宙を弧を描く様に舞い大地に叩きつけられるギーシュを見てルークは、ふぅうう。と、息を吐いた後で丁度視線に入った金髪カールの女子に
 懐から取り出した、赤色のぷよぷよしたモノ……アップルグミを手渡し。口に放りこんどけ。
 と、ギーシュの方を顎でしゃくりあげた後で、広場から立ち去る。
 この決闘の結果に、唖然としてた広場だったが、ルークが広場から立ち去った後で歓声やら罵声やらが飛ぶのだった。

「脇腹いてぇ……服が台無しだ。なんか変わりの服……その前にアップルグミ食べておこう」

 食堂に続く廊下を歩きながらルークは、そう呟いた。
 ちなみに、決闘を見ていたルイズは、ルークが広場から立ち去ってしばらくしてからハッとした様に、ルークの後を追いかけるのだった。



 オスマンとコルベールは、『遠見の鏡』から見ていたヴェストリの広場での決闘を一部始終見て。顔を見合わせた。
 コルベールは、困惑を隠せない様子でオスマンの名前を呼んだ。

「オールド・オスマン」
「うむ……」
「あの平民、勝ってしまいましたね……」
「そうじゃの」
「ギーシュは、一番レベルの低い『ドット』メイジですが、それが平民に遅れをとるだなんて」
「コルベール君。君はアレを見て彼を『ただの平民』だと思うかね?」
「……思いません。少なくとも彼には戦闘経験があり……かなりの数の戦いをこなしています」

 それに、あの地を奔る衝撃波。エア・ハンマーに似て似ない。
 それに、あの小さな柄も威力のある爆発。どうやって爆発を生み出したのか?

「ふぅ……コルベール君。彼のルーンも何かしらあるかもしれん。調べて報告頼むぞ?」
「はい」



 ルークは『家族思い』の称号を手にいれた。
 ルイズは『家族思い』の称号を手にいれた。
 コルベールは『デバガメ』の称号を手にいれた。
 オスマンは『デバガメ』の称号を手にいれた。

423 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:31:19 ID:+yaD+x4E
とりあえず全クリ後のLVやら経験やら装備だったら大概の相手には勝てるだろう支援

424 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:32:26 ID:WeP/DYxy
>>421
垂直の壁かけあがるからなw
支援

425 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:33:43 ID:odzTNe9X
GJ!!
デバガメwwww

>>423
武器は無くなってるんだぜ

426 :レプリカ・ゼロ:2007/10/01(月) 23:33:47 ID:qdkd+jZA
これで投下終了です。ありがとうございました。
レベル云々の話が、ありましたがネリビム撃破しているので多分Lvは70ぐらいですが……
武器や防具は総て装備しておりません。キャパシティー・コアもありません。

とりあえず、私の中のルークの強さとしては
ギーシュよりは強いが、フーケには苦戦(ゴーレムあり)
と、考えております。

427 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:35:05 ID:c4eovg2W
レプリカの人乙でしたー
ルークは今剣もってないからデルフ大活躍できるね☆

428 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:37:31 ID:WeP/DYxy
超振動はどうなんだ?
秘奥技は使える?

429 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:37:42 ID:f6XIACzD
GJ。

そしてどうにかチマチマ書いてたプロローグと1話が形になったの・・・。
SS初挑戦なので心臓がバクバクいっているが、投下してみてもよいだろうか?

前スレ1000ではないが、菊地秀行作品からのクロスで。

430 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:38:48 ID:mTgB+luV
>>424
スゲー脚力だよなwww
ルークの斬撃をアッシュが受け止めたのに余波で周りのぶっとい石柱が崩壊してたしw

431 :レプリカ・ゼロ:2007/10/01(月) 23:40:29 ID:qdkd+jZA
>>428
一応使える設定で考えてますが……ハルケギニアにはセブンスフォニム等のフォニムが無いと考えてます。つまり、唯一のフォニムはルークを構成してるモノのみで……使ったら……はい。

秘奥義は、使えますが……もう一つのヤツ「ロスト・フォン・ドライブ」は使えません。

ではでは……

432 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:40:35 ID:8uZXx9d7
>>430
石柱崩壊は超振動の影響だと思ってたけど違うのか?

433 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:40:56 ID:RzxwfVSi
>>428
そういうところは見てのお楽しみにしとこうぜ

そして新人さん支援準備

434 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:41:54 ID:BYstP3dL
>>429
嘉門

435 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:42:14 ID:MPH/Dcvk
乙でしたー。
最強装備でデルフいらない子じゃなくてよかった……

>>429
では私はその次に投下することにします。
今までいくつかSS物をやったけど、初めて投下するときは私もそうでした。

436 :クロス バイオニック・ソルジャー:2007/10/01(月) 23:44:24 ID:f6XIACzD
い、い、い、行きまーす。クロス元は魔界行シリーズ。
菊地風の文体なので、ちょっとくどいか、も・・・・。

第0章 最終戦役・そして新たなる道行き

パワー・ライン。
この地球を一個の生命と考えた場合、他のあらゆる生命と同じく、
エネルギーを循環させるための管が存在する。

地球独自のエネルギー伝達経路―――――エネルギー・ライン、レイ・ラインなどとも
呼ばれるそれは、時として地上にそのエネルギーを噴出させるスポットを生み、
そこに居る人間の誰かを『選ぶ』事がある。
ラインに選ばれた人間は、その力を受取る事で一種のスーパーマンと化すのだ。
古来より、このパワー・ラインを巡って熾烈な争いが繰り返されてきた。
200×年、日本・富士山麓で起こった戦いもまた、パワー・ラインをめぐる戦いの一つであった。
ただし、この戦いを引き起こした者の望みは、栄光でも支配でもなかったが。

―――――『反キリスト』
聖者ライアン・グレコ師の中に生まれた『反なる聖』。
キリストの処刑より2000年―――――噂のみは処刑直後から存在したそれは、
現代において聖者の体を苗床とし、ついに降臨したのだった。

その目的は―――――『反キリスト』の言葉を使うなら―――――『救い』。
人類全体を、生者から死者へと変え、遙かな宇宙の果てまで旅立たせる事が、その目的であった。

アジアを走るパワー・ラインを変質させ、一地点に集合させる。
変質したエネルギーはもはや命を育む聖なるものではない。
死して生きる存在を生み出す呪われたエネルギーなのだ。
後は、このエネルギーを解き放ち暴走させれば、津波より速く
世界を駆け巡ったエネルギーが、全人類を不死化させるであろう。
そして―――――不死となった死者たちは宇宙を行く。億千光年の彼方までも。
宇宙にある全ての生命をも巻き込みながら。
それは『救い』の名を借りた完全なる破滅でしかなかった。

許されるべき事ではない。
だが『神』の力に対して、人間が出来る事など何がある?

何も出来はしない。
そう―――――ただの人間には。

437 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:44:49 ID:WeP/DYxy
>>431
わざわざサンクス
そして支援

438 :クロス バイオニック・ソルジャー:2007/10/01(月) 23:46:50 ID:f6XIACzD
南雲秋人―――――生体強化兵士(バイオニック・ソルジャー)
瓜生義龍―――――生ける死者

彼らはこの魔戦に身を投じ、戦い続けた。
決して人類の為などではない。己の望みを・・・・『復讐』を叶えるために。

たった3人の、しかしすべての生命ある者の行く末を決定する戦いは、
富士山麓に収束し、噴出したパワー・ラインの内部において終結しようとしていた。

目もくらむようなエネルギーの奔流の中を、グレコ師が行く。
踏みしめる場所も、上下の区別もつかぬ流れを飛ぶように移動する姿は、
大空を舞う鷲を思わせた。
それを追いかける2羽の大鷹のような影。
南雲秋人と―――――そして瓜生義龍。

と―――――2人はもつれあうように動いた。南雲の右手が、義龍の喉を掴んだのだ。
次の瞬間、義龍はビクリと体を震わせ、口から大量の血を吐いた。

血の色は―――――青い。死人の血であった。

だが全身を痙攣させながら義龍は、ニィ・・・と唇を歪めた。
―――――平凡な死こそ、この決して死なぬ死人の望みであったのだ。
南雲は更に加速した。右手に義龍を掴んだまま、グレコ師へと左手を伸ばす。

右手に掴んだ美貌の死人。左手の先に居るグレコ―――――『反キリスト』。
この2人を殺す。殺しつくす。
それが、南雲秋人の望み。望む復讐。
見れば南雲の全身から、青白い炎とも見えるエネルギーが噴き上がっている。
それは、膨大なエネルギー中にあって尚、他をを圧倒する力に満ち溢れていた。

死なぬ死人を今まさに死の淵まで追いやり、
破壊神たる『反キリスト』にすら悲鳴を上げさせた未知なる力。

神に対抗するもの―――――それは神以外には有り得ない。
言語を絶する魔戦の中で南雲に宿ったのはいかなる神か。
追いすがる南雲に対し、グレコ師が―――――『反キリスト』が向き直る。

南雲を見据えたその血色の瞳よ、迎え撃たんとするその容貌よ。
あまねく全てに呪われた生を与えんとする者よ。
人知を超えた戦いの果て、その決着は―――――!?

439 :クロス バイオニック・ソルジャー:2007/10/01(月) 23:50:10 ID:f6XIACzD
死なぬ死人を今まさに死の淵まで追いやり、
破壊神たる『反キリスト』にすら悲鳴を上げさせた未知なる力。

神に対抗するもの―――――それは神以外には有り得ない。
言語を絶する魔戦の中で南雲に宿ったのはいかなる神か。
追いすがる南雲に対し、グレコ師が―――――『反キリスト』が向き直る。

南雲を見据えたその血色の瞳よ、迎え撃たんとするその容貌よ。
あまねく全てに呪われた生を与えんとする者よ。
人知を超えた戦いの果て、その決着は―――――!?

―――――決着は、つかなかった。
突如として3人の進む先に現れた巨大な『鏡』。
それが輝いた次の瞬間―――――南雲も、義龍も、『反キリスト』も、忽然と消え失せていた。

『鏡』自身も、自らの役目は終えたとばかりにゆっくりと消えてゆき―――――
後には、太古より連綿と続くパワー・ラインの流れが残るのみであった。


第0章―――――了


プロローグ終了。続いて1話を。

440 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:51:50 ID:qdkd+jZA
深遠

441 :クロス バイオニック・ソルジャー:2007/10/01(月) 23:52:33 ID:f6XIACzD
第1章 虚無邂逅

ここ、トリステイン王国トリステイン魔法学校では、学生による春の使い魔召喚の儀式が行われていた。
自分の一生の使い魔を呼び出し契約する、呼び出すことが出来なければ留年という、
メイジとしても学生としても非常に重要な儀式と言えた。

そんな中、学生の1人―――――名門のヴァリエール家の令嬢、
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールが呼び出した使い魔は、
あまりに場違いな存在であった。
今日、彼女は数えきれないほど召喚に挑み、それと同じ数だけ爆発を起こした。
―――――彼女は、歴とした貴族でありメイジでありながら、魔法成功率『ゼロ』として
しばしば他人から嘲笑を浴びていたのである。

ルイズの失敗に野次を飛ばしていた他の学生達も、いい加減飽きて何も言わなくなった頃、
ようやく何かの召喚に成功したのであるが―――――

それは気を失っている人間であった。とりあえず貴族には見えない・・・・平民、か?平民だろう。

再度巻き起こる学生の爆笑と嘲笑。
無論ルイズは教師のコルベールへと再召喚を懇願した。
だが答えは無情なる「NO」。
完全に逃げ場を塞がれた中で、ルイズは眠ったままの男の傍に寄って行った。

(うぅ〜・・ファーストキスが・・・人間の使い魔だなんて・・・しかも平民・・・)
絶望と幾らかの諦観を持って、ルイズは男を改めて眺めた。

上下ともに黒色の、見慣れぬ服装をした男。
背が高い。180は軽く超えている。スラリと長い足が印象的だ。
目を閉じた顔立ちは、端正と言ってもいいだろう。
年齢は―――――30代とも、もっと年上とも見える。

うん、少なくとも不細工じゃない。でも使い魔となると話が別だ。

442 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:53:01 ID:TxUuDSbd
死縁

443 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:53:53 ID:0st2RVUe
ピエールで書こうかと思ってたら先越されちゃったな支援

444 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:53:55 ID:wnDLnmHk
魔天にて 支援

445 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:53:59 ID:RbEUZ/o/
ぶは菊池秀行

446 :クロス バイオニック・ソルジャー:2007/10/01(月) 23:54:57 ID:f6XIACzD
「―――――感謝しなさいよね。
貴族にこんなことされるなんて、普通は一生ないんだから。

 我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ヴァリエール。
 五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ・・・・」

ルイズは意を決して契約の呪文を唱えると、眠る男の顔に自分の顔を近づけ―――――
軽く、唇にキスをした。直後、男の左手の甲に刻まれ始めるルーン。
そのキスと、ルーンの刻まれる痛みが眠りを覚ます魔法だったかのように、
男―――――南雲秋人の意識はゆっくりと覚醒を始めた。

南雲秋人はバイオニック・ソルジャーである。
その存在意義は戦う事にある。
そして彼は人知を超えた戦場に居た。つい先刻まで。
バイオニック・ソルジャーの名にふさわしく。
魔戦の、その僅か一欠片。憎しみと、殺意と。
纏わりついていたそれらの気の残滓が―――――意識と同時に浮かび上がっていた。

ギリィィィィィイイッ・・・!
左手が僅かに浮き、手が握り締められる。
その手の中に物が差し込まれていたなら、鉄であってもねじ曲がっただろう。
直後―――――南雲秋人の両目が見開かれた。

全身から噴出した、鬼気と共に。

それは南雲自身も意識したものではない。
それゆえ放出は一瞬であり、また及ぶ範囲もごく狭いものだった。
ルイズと南雲を遠巻きにして見ていた他の生徒達は気付かなかった。
ルイズから幾分距離をとり、儀式を見守っていたコルベールも同様だ。

ルイズだけが、その気を受け取った。
ルイズだけが、目を見た・・・・見てしまった。

447 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:56:46 ID:mTgB+luV
えー3人来ちゃったのー!?ヤバス支援

448 :クロス バイオニック・ソルジャー:2007/10/01(月) 23:57:13 ID:f6XIACzD
吹き寄せた気は、一瞬で彼女の全身を包み込んだ。
地獄の業火のように熱く、魔界の吹雪のように冷たい。
雷を浴びたかのように痺れ、大地全てが圧し掛かったかのように圧迫される。

そして、その瞳よ。
生も死も、そこには無い―――――完全なる『虚無』。
かつて南雲自身が語ったモノ。死よりも不気味なものがそこにあった。

「あ・・・・あっ・・・・!」
ルイズはその場にへたりこんだ。全身に力が入らない。
自分が、まるで無力な赤ん坊に戻ってしまったかのような感覚。

その黒瞳は、ただ一人―――――ルイズを見つめたまま、
ゆっくりと上半身を起こしていく。

「ここは・・・何処だ」
錆を含んだ低い声は何故か、此処ではない―――――
奈落の底から聞こえてくるかのようだと、ルイズはかき乱される意識の中でそう感じた。

ハルケギニア大陸・トリステイン王国・トリステイン魔法学校。
今ここに、虚無同士は邂逅した。


第1章―――――了

449 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/01(月) 23:57:59 ID:0st2RVUe
南雲ならキスする前に体が反応して首もぎとりそうだね支援

450 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:00:16 ID:QIwBvqv5
>>369
片腕引き千切られてネコマタがくっつけてくれるやつか?

451 :クロス バイオニック・ソルジャー:2007/10/02(火) 00:01:19 ID:MNClGTx4
ええと、投下終了です。
行の割には話が進んでいない・・・。次からはもうちょっとサラリ
とした文章でテンポ良く進めたい・・・・。

とりあえずキリの良い1巻ラストまで書くつもりです。

よく考えたらタイトル決めてないorz
1話のタイトルと絡めて「虚無界行」にしたいと思います。

拙作に多くの支援、ありがとうございました。

452 ::2007/10/02(火) 00:02:07 ID:kdi0CAM5
少女、ルイズはベッドの上に寝転び激しく落ち込んでいた。
トリステイン学院の生徒は二年生の進級時に行われる使い魔召喚の儀式により呼び出された使い魔は召喚主たるメイジに仕える、文字通り運命共同体となる。
このルイズもトリステイン学院の二年生に進級した生徒なのだが、今日の儀式ではいつも失敗しかしない、いや、むしろ、普段学院で普段おこなわれるメイジとしての魔法の授業でも失敗しかしなかった。
風の魔法を使おうとしても、水の魔法を使おうとしても、爆発ばかりを起こしているのだった。それはまさに日常茶判事というべきものだ。
爆発といってもイオNズンのような悪しき魔物を一掃するものではなく、あたりかまわず爆発してしまうのだからたまったものではない。
もちろん、ルイズには制御不可能。そののルイズの心境は某爆弾男のゲームで、見方を爆発に巻き込んでしまった時のショックに近い物と思われる。
担当教師のコルベールは、「もう夜遅いですから」とルイズを強制的に自分の部屋に戻した。彼女の失敗した回数は、69074(ろくでなし)回。
そんなルイズがもう寝ようと思ったとき、突然彼女の机の引き出しがガタガタと動き出した。
彼女は、何が起こっているか確かめるために机に近づいた。
その途端に、引き出しが開いたのだった!
中からはなんと、首輪に鈴をつけた青い狸が顔を覗かせたではないか!
何で机から狸が出るのか分からなかったルイズ。よーく考えてみる彼女。そこで彼女が出した結論、この狸はきっと使い魔。
何とも都合のいい考え方だが、他に机から狸が出てくる理由もない。
何とか使い魔にしようと自分の唇を寄せてみるのだったが、その狸は引き出しの中に顔を引っ込めてしまった。
ルイズは一度は狸を使い魔にしようと思ったのだが、やはりまだ不可解な感じが抜けない。気になったルイズは引き出しを覗こうとしたのだが、また急に引き出しが開き出した。
飛び出してきたのはなんとメガネをかけた猿、いや、よく見ると猿のような人間の少年だった。第一猿がメガネをかけているわけがない。
その少年は引き出しの中に顔を向け「ドラえも〜ん!タイムマシンの調子はどう?」と叫んだ。
この少年の声は耳をつんざくようなうるさいものだった。
それよりさっきの狸が気になる。
(ドラエモン?さっきの変な狸のことかしら?)
「のび太君、だめだよ、完全にいかれちゃってる」
ルイズは腹を決めてこの者を使い魔にする事を決めた。
「ねえそこの君、ちょっとこっちへ来・・・」
ルイズはそう言おうとしたのだが、
「なおったよー!」
という、ドラエモンとかいう狸の大声が耳に飛び込んできた。ルイズはその素っ頓狂な声に腰をぬかした。
ノビタと呼ばれた少年も、引き出しの中に入っていった。
引き出しの中を見てみると、何もいない。
ルイズは怪しい奴がいなくなってほっとしと安心し、使い魔を手に入れられなかった悔しさを胸に、『自分はあまりの使い魔欲しさに、使い魔の召喚成功の幻覚を見てしまったのか?』と考え込んでしまった。
しかし、そんな悩みは一瞬にして吹き飛ばされた。
引き出しが勢いよく飛び出し、ルイズは後ろへ吹き飛ばされた。
髪を左右に束ねた(いわゆるツインテールの)、天使のような輪が頭の上に浮かんでいる、小柄かつ、しかし胸はかなり大きい、鋼鉄の刺のついた棒を持った少女が引き出しから這い出てきたのだった。
・・・悲劇は始まった。

453 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:04:36 ID:FtVH2ek5
あれ?予約済みでしたか?
ではこれの次に投下ということで

454 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:04:44 ID:RMqGWdr9
ぴぴるぴるぴるぴぴるぴー支援

455 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:04:51 ID:d1kssvbe
>>452
とりあえず、sageようぜベイビィ

456 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:05:02 ID:iKt4dYdT
これは・・・ぴぴるぴるぴる?

457 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:06:30 ID:xL5SIsd+
宣言が予約なのですね。
では、私はFtVH2ek5さんの次に投下と言う事で……支援

458 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:07:17 ID:6Utj1F0f
……何がどうなってるんだ? 割り込み?

459 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:07:59 ID:yBL9krrQ
もしかして未来にルイズが不老不死の魔法を作って。
ハルケギニアをロリの世界にするのか?

460 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:09:18 ID:dR/Uq8MG
投下予告くらいしろよ

461 :虚無界行:2007/10/02(火) 00:09:19 ID:MNClGTx4
今見直したら投下ミス発見。見直せよ俺orz

お分かりでしょうが、>>438の下10行が次とかぶってます。スミマセンでした。

そして支援。

462 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:10:32 ID:rvPtoURR
>>450
それそれ
ネコマタ可愛いよね
モスマンもレベル高い割にえらく可愛らしい

463 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:12:35 ID:6Utj1F0f
……10分経過。荒らしか?
とりあえず>>435氏=>>457氏かわからないが、次の人投下で良いんじゃないだろうか。

464 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/02(火) 00:14:02 ID:FtVH2ek5
了解です。では投下します。


 サイトはうめき声を上げながら起き上がると、今いるのが病室であることを確認した。
 目をこすると段々意識がはっきりしてきた。
 ここまで運んでくれたのは誰だろう。
「よう、目が覚めたみてえだな」
「え、ヘイズ?」
 予想外の声に驚く。
 自分を看病してくれたのはヘイズだろうか。ならお礼を言わねば。
「ありがとう、ヘイズ。ヘイズなんだろ? 俺を看病してくれたの」
 それにヘイズは苦虫を潰したような顔になって、
「いや、看病したのはシエスタとルイズだ。感謝しとけよ。お前の高い薬代は全部ルイズのポケットマネーなんだからな。オレはお前の容態が落ち着いてからこってり絞られる役だったよ」
「それはそれはひどい有様でしたよ。私はヘイズがあれ以上の悲鳴をあげるところを聞いたことがありません」
 ハリーが混ぜっ返した。
 こんなに強そうなヘイズに、そこまでの悲鳴を上げさせるとは一体……
 そういえば、そのルイズはどこだろう。サイトが辺りをぐるりと見回すが、病室にはサイトとヘイズしかいない。

「話したいことがあって、あいつらには席を外してもらった。単刀直入に言う。お前もこの世界の住人じゃねえな?」
「も? ……ってことはヘイズもなのか?」
「そうだ。オレはアメリカ大陸でちょいと調査中に、事故で鏡みたいなものに吸い込まれた」
「嘘はいけませんよヘイズ。あれは誰が見ても自分から入ったのが正しいかと。ところでサイト様はどのようにして?」
 俺、この世界で様付けで呼ばれたのって始めてかも、と感動に打ち震えながらサイトは答えた。
「俺の場合は、東京の秋葉原を歩いてたら、鏡みたいなのがあって、それに入って気づいたらこの世界だった」
「なるほど……鏡がキーだったようだな。……ところで、秋葉原って言ったな。それってシティ・東京跡地近辺のプラントの名前か?」
「東京跡地!? 何言ってるんだよ! 東京は潰れてなんかいねえぞ! そりゃ東京大空襲で焼かれたけど、ちゃんと今では大都会が築かれてる!」
「随分古い出来事が出てきたな。何世紀前の話だよ」
「何世紀って……まだ百年も経ってないじゃないか」
 そこまで言って、二人ははたと気づく。
「「違う時代から来てる?」」
 異口同音に言って、顔を見合わせる。

465 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:14:30 ID:6Utj1F0f
フィンガースナップ支援

466 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:15:11 ID:wedJ6gts
そういや誰も言ってないが

>>315乙。
レジミルの連中は比較的まともな世界である
ゼロ魔の皆さんには灰汁が強すぎるよなwwと思いつつ。

467 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/02(火) 00:15:18 ID:FtVH2ek5
 それから二人は情報を交換し合った。
 ヘイズの世界はサイトのいた世界にはないはずの、遮光性の雲で覆われ、極寒のせかいになっていること。
 サイトの世界にシティだのプラントだのは存在していない。そしてヘイズの世界には六つのシティが存在している。
 ヘイズの世界には情報制御技術という学問があり、ヘイズはその力を行使する魔法士という存在であること。
 それほど差異があるのに、二人の世界のおおまかな地名や歴史は同じ。
 つまりそれは二人が同じ世界の、異なる時代から来ていることを如実に示していた。


 決闘に勝ってからというもの、微妙に周囲のサイトを見る目が変化した。
 相変わらずルイズはげしげし蹴ってくるものの、以前と比べて怒声に違う感情が混じっているような……
 そして一番変わったものといえば、
「きたな『我らの銃』!」
 そう呼んで歓迎するのは、コック長のマルトー親父。
 彼は魔法学院のコック長の癖に、貴族もメイジも毛嫌いしている。
 そんな彼は、シエスタを助ける為に成り行き上とはいえ貴族と決闘をし、そしてまさに満身創痍になってまで倒したサイトを『我らの銃』などと呼び、ほとんど王様みたいな待遇で接してくれるのだった。
「お、もう怪我の具合もよくなったみてえだな」
 一足先に席に着いているヘイズはもうすっかり、厨房の仕込み手伝いが板についているらしい。
 決闘騒ぎで銃を貸してもらったこともあり、すっかりヘイズとは打ち解けている。
 同じかまで飯を食った仲、というわけでもないがすでに一種の連帯感が生まれていた。
 そんなこんなで厨房はサイトのオアシス的存在なのだった。
 もはやサイト専用席と化した席――ちなみに隣はヘイズ専用席――に腰掛けると、シエスタが即座にパンとシチューを持ってきてくれる。
「うまい! いつも食ってる汁だけスープとは比べ物にならない」
「そりゃそうだ、そいつは普段貴族に食わせてるシチューだからな」
「「マジか! あいつらこんな美味いもの毎日食ってやがるのか!」」
 サイトとヘイズの声がハモった。
 二人の言葉に、マルトー親父は得意げに胸を張る。
「おおよ! それなのに、あいつらときたら、なに、確かに魔法はできるだろう。土から鍋を作れる。炎の弾は出せる。
しまいにはドラゴンにだって乗る。だが、こうやって、絶妙な味の料理をこさえるのも立派な魔法だろうが!」
 サイトとヘイズは同時に頷く。
「「確かにそのとおりだ」」
「いい奴だな! お前ら本当にいい奴だ!」
 ヘイズも立場上はメイジなのだが、平民な上に厨房の者にはすでに魔法がろくに使えないことがばれているため、マルトー親父に嫌われていない。
 鍋を新調したいんだ、と言えば、「買いに行くから、金を渡してくれ」とのたまう。
 一気に皮むきをしてくれと言えば、「よっしゃ任せろ」と本当に凄い勢いで皮を包丁で剥いた。
 火力が欲しいんだと言えば、「薪を取ってくる」と言い残して薪を取りに行く。
 極めつけに、お前さんメイジじゃないのかと言うと、「俺は普通の魔法が使えねえんだよ」と来た。
 そんなやりとりがあって、魔法が使えないメイジなのに、それを気にした風もなく気さくでよく手伝ってくれるいい人、という認識が厨房内で出来上がっていた。

468 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:15:53 ID:rvPtoURR
支援

469 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:16:47 ID:6Utj1F0f
サイトが居ると来た時代や世界が食い違うと割とそそられるものがある支援

470 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:17:00 ID:wedJ6gts
仲のよい二人だ支援

471 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/02(火) 00:17:49 ID:FtVH2ek5
 その後、マルトーが二人に抱きつこうとして、コックやメイドに止められたり、
 ほぼ同時にシチューを食べつくした二人が、同時におかわりを言ってシエスタを苦笑させたりしたのは、また別の話。




 タバサはその日、量の自室にこもって、朝からずっと書物に向かっていた。
 うるさい騒動もなく――というかサイレントをかけているのだが――、面倒な仕事もない。
 虚無の曜日ということで、自分の世界に好きなだけ浸れるこのひとときを、タバサは確かに満喫していた。
 読んでいるのは、ヘイズの船にあった伝説集。
 子供の頃はイーヴァルディの勇者の本を読んでいたタバサにとって、ヘイズの世界の物語というものには少し興味があった。
 しかし肝心の文字が読めない。どうすればいい? とヘイズに訊ねると、数日のうちにトリステイン語・英語の翻訳機能を持った眼鏡を作ってくれた。
 「自分もこの世界の文字が読めないのは不便だしな」、と言っていたけれど、
 後からハリーに「徹夜をしてまでタバサ様のためにつくったのですよ。手伝いに重労働をさせられた私はいい迷惑です」と言っていた。
 始めて見るハリーの姿にどきりとしたけれど、「そう」とだけ呟いた。
 ヘイズは使い魔だから、ハリーに聞かなくても何をしているか見えるから知っていたのだけれど、それは秘密にしておいた。
 なんとなく嬉しかった。
 心の中の雪風をほんの少しかき消してくれた気がして、それを言ってしまうとこのうれしさも消えてしまう気がしたから。
 ヘイズには小さな声で「ありがとう」とだけ言った。
 タバサはなぜか自分の意思とは関係なく、すぐに駆け出してしまったので、返事はまだ聞いていない。

472 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/02(火) 00:19:28 ID:FtVH2ek5
 タバサにとって他人とは彼女の世界への無粋な闖入者であり、それは数少ない例外であってもよほどのことがない限り、うっとうしいものだった。
 とはいえいつまでもそれが続くとは限らないのが現実である。
 急に扉が開いたかと思うと、どたどたと――聞こえないが――侵入者がやってきた。
 そしてタバサから本を取り上げると、肩をつかんでがっくんがっくん、と揺らす。
 誰かと思い顔を上げると、友人のキュルケだった。
 なにやら凄い勢いでしゃべっているのを見て取り、しかたなくサイレントを解除。

 解除したと同時に、堰を切ったように、大声が室内に響き渡る。
「タバサ! あなたの使い魔、たしか船持ってたでしょ! あれを貸して欲しいの!」
「虚無の曜日」
 それだけ言って、キュルケから本を取り返そうとするが、
「あのルイズがダーリンといっしょに買い物に行ったのよ! きっと何かプレゼントをして気を引こうっていう魂胆よ。
 ツェルプストーの女として、あのヴァリエールの女には負けてられない! ね? だから船を貸して」
 と懇願するものだから、タバサはふうとため息一つ。
 他ならぬ友人の頼みだ。数少ない例外の一人を無下にするつもりはない。
 タバサはゆっくりと立ち上がり、もうひとりの例外の元へ向かった。

473 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:19:36 ID:6Utj1F0f
>数日のうちにトリステイン語・英語の翻訳機能を持った眼鏡を作ってくれた。
ヘイズもだが高性能すぎるぞハリー支援

474 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:20:48 ID:rC5S+bqJ
sien

475 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/02(火) 00:21:31 ID:FtVH2ek5
 Hunter Pigeonの操縦室は今や一種のたまり場となっていた。
 キュルケとタバサが来ると、なぜかギーシュとモンモランシーがいて、ヘイズのとなりには三本線で描かれた顔が浮いている。
 いろいろな有象無象を無視して、キュルケが用件を伝えると、
「そりゃ、無理だ」
 とりつくしまもなく、一言でばっさりと切り捨てるヘイズ。
「な、なんで? こんなに立派な船なのにどうして飛ばないの? まさか風石が切れてるからとか?」
「こいつは風石なんて使わねえよ。ただ演算機関……じゃねえメイン動力の調子が悪くてな。調整が終わるまでは飛べねえ」
 必死に嘆願するキュルケに、「船は飛べません」という動かざる現状を伝えた。
「しっかし、こうなれば本格的になんとかしねえとな……」
「ヘイズ。演算機関の調整は急務となんども申し上げたはずですが」
「ああ。……明日から取り掛かる」
「それに近い言葉は今まで何度も聞きました」
 その光景を眺めていたギーシュがぽつりと呟く。
「随分と息の合った使い魔なのだね、君たちは」
 その発言にキュルケが、今気づいたという風に、
「そういえば、なんであんたたちここにいるのよ。あんたたちヘイズになんの用件があるのよ?」
 と訊ねると、ヘイズは仏頂面で、
「ギーシュはオレに、サイトの力を見抜いた戦術眼がどうたらこうたら。モンモランシーは浮気を繰り返す元彼がどうたらこうたら。オレの船はお悩み相談の駆け込み寺じゃねえぞ」
 と文句たらたらにぼやくが、
「こう言っていますが、ヘイズは頼まれると断れない性格でして。今もギーシュ様にもモンモランシー様にも親身に相談していたところでございます」
 などとハリーがいうものだから、ヘイズはくちをへのじにして黙り込んでしまった。

476 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:23:00 ID:6Utj1F0f
そういや錬金かけられたらピンチじゃないか? フーケさんが欲しがりそうな物も有りそうな気が支援

477 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/02(火) 00:23:17 ID:FtVH2ek5
「ふーん。なるほどねえ」
 などと話を聞いたキュルケは顔をにやけさせる。
 それを見て苦虫を噛み潰したような顔になったヘイズは、
「聞いたぞ。お前サイトを自分の部屋に連れ込んだそうじゃねえか」
 と無理やり話題をそらせようとする。
「な!? 君はそんな大胆なことをしているのかね!? 僕でさえ、まだモンモランシを自分の部屋に招き入れたことはないというのに!」
 まだって何だ、まだって! と言いながらモンモランシーに鳩尾に拳をめりこまされ崩れ落ちるギーシュ。
「なあに? もしかしてヘイズはサイトに嫉妬してるのかしら?」
「いや、部屋の中からいつ出られるか分からないサイトよりも、ほぼ確実にここにいるオレのほうが呼びやすいんじゃないかと思ったんだが」
「あら。私は誰かの一番は取らないことにしてるの。特にタバサの大事にしている使い魔とかね」
 それを聞いたタバサの顔が少し緩んだ気がするのはヘイズの気のせいだろうか。
「それにしても君たちはどうしてそんなに仲がいいのだね? 始業式があってすぐに、決闘騒ぎがあったと聞くが」
 ようやく、苦悶のうめきを乗り越えたギーシュが、疑問を口にした。
「あ、それは私も聞きたいわね」
「ほう、そいつは気になるな」
「私もぜひ聞いてみたいものです」
 と次々に同意の声が上がる。
 キュルケはタバサのほうを見て、
「タバサも言っていいって言ってるから、教えるわね。あたしたちがどうやって、今のようになったか」
 そして訥々とキュルケは、語り始めた。

478 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:25:52 ID:6Utj1F0f
支援

479 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:26:38 ID:MNClGTx4
シエーン。

480 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/02(火) 00:26:52 ID:FtVH2ek5
投下終了です。
今回は若干5巻の話が混ざっています。というかこのタイミングぐらいしか入れるところがないっていうか。
ラスト以外話の流れは何も考えてませんけどね。


>>476
Hunter Pigeonの全演算力を用いた情報強化を持ってすれば、錬金から身を守るなど造作もないことです。

481 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:27:13 ID:pK8Bzrwj
ヘイズがおひとよしで凄い微笑ましいのですよ支援

そして>>462
物凄い亀レスだが、富士見ミステリー文庫から出ている真3の短編集小説もお勧め。
ネコマタがえらい可愛いんだ。



482 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:28:11 ID:RMqGWdr9
しかし一番可愛いのはマニアクスのピクシーだと思うんだ

483 :GTA:LCS-0 第二回:2007/10/02(火) 00:28:23 ID:xL5SIsd+
お疲れ様です。では投下しますね
数は少ないですが、定期的に投下していきます


全く奇妙な状況と言わざるを得ない。仮にも学院の中を走るレオーネ・センチネルと言うのは何とも奇妙なものだろう。運転席に俺、助手席に
コルベール、極めつけは後部座席のど真ん中に腰を下ろすルイズ。
「……凄いな、こんな鉄の塊が快適に走行するなんて」
コルベールの珍しいものを見たと言う感激と、驚嘆な様は横から見ていても少々奇妙な気がする。車を極当たり前のように乗っている俺達から
すれば当たり前と言えば当たり前か。一方のルイズは絶対座りにくい場所であろう真ん中に深々と腰を下ろし、不審そうにきょろきょろと辺りを
見回している。もう少し可愛気持って車窓から風景覗いてれば良いのに、しかめっ面で見ている様は、バックミラーから丸見えな俺に笑いを
十二分に誘ってくれる。
「何笑っているのよ!使い魔のくせに!!」
誰でも笑うぜ。まぁ、リバティーシティじゃそう笑う事も少なかったが、久しぶりに色々な意味で笑わせてもらったよ。暫しの穏やかなドライブは
色々とストレス発散にはなったんだがな。

「……これをガレージに使っていいのか?」
倉庫……にしては結構立派な作りな建物まで案内された俺だが、コルベールはどうぞ使ってくれと言ってきた。条件として俺が使わない時には
色々と調べさせてくれと言う。
「それ位なら構わないぜ……でも部品弄るのは勘弁な。スクラップにされたら直せなくなるからな」
「大丈夫ですよ、外見からしか見ませんから」

484 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:29:01 ID:6Utj1F0f
乙ー。

>Hunter Pigeonの全演算力を用いた情報強化を持ってすれば、錬金から身を守るなど造作もないことです。
クリストフ自重w

485 :GTA:LCS-0 第二回:2007/10/02(火) 00:30:42 ID:xL5SIsd+
倉庫に車を収めるとコルベールと別れ、俺はルイズの後をとぼとぼと付いて行く。寄宿舎にあるルイズの部屋が俺の隠れ家らしい。俺のプライドが
全く持って許さないが、このルイズの使い魔になっちまっている以上こうせざるを得まい。また元の世界に帰る為にも利用せざるを得まい。無駄に
長い螺旋階段を昇る最中、幾人かのこの学院の生徒を見かけるが、俺を見るなり一歩下がってまじまじと見据えてくる。先程ルイズの髪を引っ張り、
ある意味陵辱して大暴れした訳だから当然か。
「入りなさい」
暫く歩くとこのルイズの部屋についたのだろう、扉を開けて俺に入るように指示する。部屋に入ると、本当に良いところのお嬢様と言えなくもない、
中世としては結構高級感のある部屋だった。
「入ったは良いが、俺は何処にいればいいんだ?」
「適当に座っていなさい」
「じゃあ適当にくつろがせて貰うぞ」
俺は横にある木製の椅子に腰を下ろすと灰皿を取り出し、煙草に火を付け、そんな時間は経っていなかったが久々の一服に興じる。しかしながら何だ、
奇妙な空間だよな。この部屋の主はこの小娘と言って差し障りないルイズで、俺はその部屋で煙草を吸うなんてな……。
「げほっげほっ何なのよその煙は……」
すると、煙草の煙で咽ているルイズが多分ネグリジェだろう姿で俺の前に現われる……こいつ、俺を男と思って無いのか?だが同時に、今日着ていた
薄汚れた服を手に持っている。嫌な予感がする。
「私の服を洗いなさい」
「やっぱりか。良いぜ、全てを晒す勇気があるならな」
ルイズから服を奪い取り、机に一つ一つ並べてやった。御丁寧に上下の下着まで含まれてやがる。行き成りの俺の行動にルイズは慌てふためき、服を
取り返そうとするが、腕力で勝る俺から何一つ取り返せなかった。
「色気の無い下着だなぁ……うわ、この上着襟筋真っ黒じゃねぇか……ちゃんと身体洗ってるのかよ」
もうセクハラ以外の何者でもない言葉を嫌味ったらしく並べる。洗ってやっても良いがこう高圧的態度を取られればな、俺もこうなる。最も、服を
洗われるんだぜ?見てないところで同じ事されるぞ。

486 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:31:02 ID:BM/U8doU
テンプレに載ってるわけじゃないけど、前の人の投下終了から5分10分くらいはあけようぜー

487 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:31:41 ID:rvPtoURR
ウィザーズ乙!
順調に溜り場と化してるな
>>481
不死身ミステリーか
わかった探してくる
教えてくれてありがと

488 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:32:37 ID:xL5SIsd+
ごめんなさい

久しぶりのSSだったのでその辺りを忘れていました。
今後気をつけますね

489 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:33:03 ID:6Utj1F0f
まぁ支援するんだぜ

490 :GTA:LCS-0 第二回:2007/10/02(火) 00:34:15 ID:xL5SIsd+
――…ルイズ側。
うわああああっ!!何てことするんだこいつは!!下着に色気がない?身体の洗い方が足りない?余計なお世話よ!!
「服洗って欲しいんじゃないのか?」
何クールに確認してるのよ!……『 躾 』よ!躾てやる!!徹底的に躾てやる!!
「可愛気のねぇ女だな……全く。16歳で貧相で貧しい胸でちっこくてさ、頭悪い性格悪いじゃ男寄ってこねぇぜ?」
「……くっ!!」
事実よ!事実なだけに余計に腹が立つ!!……って、なんでそんな事知ってるのよ!!
「俺は必要な情報をキュルケとか言う胸のでかい女に聞いただけだが?」
おのれ……!!
「あんまりカッカカッカすんな、美容に悪いぜ」
まるで私を諭すかのように言うこいつの目は今まで良く見ていなかったが、雰囲気がそう見せるのだろうか冷たく、冷淡な空気が影のように浮かぶ。
……正直、私が今まで会ってきた人には居ない、何と言うか異質な……上手く表現できないけど、そんな存在感……。
「まあいいわ……そう言えばアンタ、名前聞いていなかったわね……確か……」
「トニー・シプリアーニ」
即答してきた……あれ、確か……。
「え…いや、確かあんたの名前は……アントニオ・シプリアーニではなかったけ?」
「いや……そうは呼んでくれるな。トニーだ、トニー・シプリアーニ。そっちの名前は極身近な人間にしか呼ばせないんだ」
一瞬、こいつの顔が変わった。普通に喋る時は余り感情を露にしないけど……怖い。冷たい感覚が背中に滲んで……あまり触れて欲しく無さそうね。
「洗濯位はしてやるから纏めておけよ」
もう、返す言葉がないわ……。

491 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:34:55 ID:rvPtoURR
支援
たしかに黒くなるけどそんなハッキリ言うかwww

492 :GTA:LCS-0 第二回:2007/10/02(火) 00:35:58 ID:xL5SIsd+
「ところでルイズ、こんな事を聞くのはどうかと思うが、俺の食事はどんな按配なんだ?」
一通りコミュニケーションを取った後、こんな事を切り出してみた。食事を取った後にこの世界に飛ばされてきたが、もう結構な時間が経過した筈だ。
流石の俺も腹が減る。だが、当のルイズは
「え?…食事?」
呆気に取られたような様子でこう聞き返してくる……嫌な予感がしてきた。
「Mr.コルベールに聞いたが、食事はあんたがたメイジが用意するって聞いたんだが……」
「……自分の分も忘れてたわ」
最悪だ、何てこった。突然訳の分からない世界に飛ばされ、金も意味を成さず、右も左も分からんこの状況下で、このルイズが唯一の生命線にも関らず、
自分の食事の事すらも忘れてしまう有様だとは……。
「だ…大丈夫よ!使い魔用の食べ物くらいはあるわ!」
何て言って出て来た袋にはまぁ何とも名状しがたいもので、『人間じゃない』使い魔なら食いそうだろうけどな!!
「こんな不味そうなの、猫だってくわねぇよ」
冗談じゃねぇ!!エル・ブッロのポルノビデオじゃねぇんだぞ!!リアルでSMじゃねぇか!!……おいおい、これは相当クレイジーだな。仕方ない、
コルベールの所に 逃 げ る か !
「………」
俺はルイズが何かを取りにそっぽ向いた刹那、隙を突いて外に出る。この学院内の構造は理解していないが取り敢えず逃げる。今ルイズに捕まっちまっ
たら面倒な事になりそうだからな!
「!?……ま…待ちなさい!!」

493 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:36:47 ID:pK8Bzrwj
そいやルイズたちって毎日入浴してたっけ?支援
大浴場は有るけど毎日入ってるって感じがなぜかしないんだよな。


494 :GTA:LCS-0 第二回:2007/10/02(火) 00:37:53 ID:xL5SIsd+
自分の持っていた手榴弾1個と身近に有った棍棒のような棒切れを咄嗟に取り、無駄に長い螺旋階段を落ちるかのように駆け下りる。冗談じゃない、
黙っていたらあの『お仕置き』とも言えなくもない、あんな得体の知れないイカレた物を喰わされるぜ。後ろからはルイズの絶叫が聞こえてくるが
無視をする。
「……くっ!!」
螺旋階段を降り切った直ぐ先で、共に黒いマントをつけた金髪で胸元を開けている優男とロングヘアの黒髪の女がいちゃいちゃと乳繰り合っている。
マセガキ共が。無視しても構わないが……いや、こいつらメイジだ。ルイズが絡むと厄介、可哀相だがここは 寝 て い て も ら お う か ……!!
「……キャ……ああっ!!」
「……おお!?」
棍棒のような棒切れを手に持って一気に乳繰り合っている二人に近寄る。ロングヘアの女と目が合い、声を上げられそうになったが俺の手の方が
一瞬早かった。棍棒を一閃、フルスイングすると二人纏めてなぎ倒す。殺す気は更々ないので追い討ちで二人共々足蹴で留めた。
「すまんな、後で身体で借りは返すぜ」
気を失っている二人にこう声を掛けると俺は全力疾走で回廊を疾走、なんとか中庭に抜け出る道筋は見えた。だが、肝心のコルベールの部屋の在り処が
わからない。そうこうする内に回廊の奥からルイズの絶叫が聞こえてくる。
「なんてこった」
しかし事態は収まってはいない。目の前の噴水前では、色々と教えて貰ったキュルケとどうしてもオッサンにしか見えない奴と談笑している。流石に
さっきの優男とは行かないだろう。しかも後ろにはルイズが迫ってると分かれば、仕方ない。ここは全力疾走で抜け出る他あるまい……。

495 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:40:20 ID:6Utj1F0f
支援

496 :GTA:LCS-0 第二回:2007/10/02(火) 00:40:22 ID:xL5SIsd+
今日はこれにておしまいです。
定期的に投下したいと思います。

497 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:41:33 ID:0+Lu/pRS
トニー何やってんだw

498 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 00:46:18 ID:/w8yBDk2
これはひどいw 乙

499 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 01:13:21 ID:r2n/uRTM
乙ッス。

ところで既出質問でしょうが、既に小ネタや長編で呼び出されてる人を、
呼び出すのは出来る限り避けた方が良いのかな?

同作品の別な人なら、問題無いとは思うんだけど。

500 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 01:16:22 ID:81b80sk9
>>499
書きにくいかもしれないけど、同じ人でもOKだと思う
たしかカミナとかオーフェンは2作品で召喚されてたはず……

501 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 01:16:51 ID:kaf5/gnu
>>499
構わんよ。

前の作品と比較されるのは避けられないけど、それさえ覚悟の上なら何の問題も無し。

502 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 01:16:54 ID:/w8yBDk2
>>499
書きたいなら書けばいい、としか言えないな
実際同じキャラクターを召喚しているssはある
ただ、どうしても比較はされるだろうし、展開が被る可能性はある
それでも書きたいキャラクターなら書けばいいんじゃないかな、と思う

503 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 01:19:56 ID:r2n/uRTM
>>501
>>502
THK、了解です。
二章分書いたけど、じっくり推敲してから考えます。

504 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 01:33:51 ID:n/12/T7G
便乗して申し訳ないが、キャラ被りOKなら俺も温めてたネタを進めようかな。

505 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 01:38:56 ID:6L2XupVq
別に早いもの勝ちとかじゃないからなんの問題もないよ

506 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 01:39:08 ID:ddoE68JI
>>342>>344遅くなったけどありがとう。
今は勉強に専念する
その時までキャラが残っていればいいが

507 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 01:47:11 ID:xdWgtDBk
GTAの作者乙!

トニーやり過ぎw

508 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 01:48:20 ID:89I9YQ0d
カミナのSSあるの?

509 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 02:51:19 ID:lhqPFKJh
さすがに、平日のこの時間には誰もいないのかな?

510 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 02:58:03 ID:FiV0tnqD
>>509
一応いる。


511 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 03:01:46 ID:TZtCt5Os
深夜アニメとかじゃね?番組換えだしの時期だし…

512 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 03:07:44 ID:+KJZfW7A
>>509
昼夜逆転な俺もいる

513 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 03:09:41 ID:GfkF+k4y
          ,,,-‐''"~     ~゙ヽ、,,----、.,,,,_
         .,,r''~             ゙ヽ、   `ヽ、
        /                 ゙i,     `ヽ、
       /                   i,       ゙i,
~~'''''‐-= /                     i        ゙、
      i'             ;ヘ,     .:.::::i':::..       ゙,
      i                /./     .:.::::/.:.:.:..       i
       ノ                / /     .:::::::/:::.:.:.:.:.       i
    /            /./  .:.:.:.:.:.:/,;.:.:.:.:._____     (<ヽ!}
    /             i^ヾ'i:.:.:.:.:.::::::; '  .:.:.:;'、;:;:;;;;:;;゙i .  ゙iヽ\  ソイヤ!セイヤ!
  /              ..:....:.:゙、_ ゙:、:::::/  ,,,,,....-i'゙i;====ヨ    ,! \\  ソイヤ!セイヤ!
  /;;;;i            .:.:.:.:゙i `ヽ、  :.:..:.:.:.:.:.:! ''゙i;:;:;:;:;;! ,r‐'゙゙'' ,! ヽ、>
 メ;;;;;;;i,           .:.:.:.:.:.:.:、  ゙'ー‐-、,,;---、ゞ ゙''''''i'/   /
/:::i;;;;;;;ヽ、         .:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ、        ゙     ゙`   ,ノ
::::::ヽ;;;;;;;;;\       .:.:.:.:.:.:.:.:.:,イ.:.:.゙''ー-、,,___       ,;. 、 ,ソ
:::::::::::\;;;;;;;;;`ヽ、,_   .:.:.:.:.:.:.:.:.ノ 〉,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:゙i`    ,:;'' i; ヾi′
:::::::::::::::ヽ、;;;;;;;;;;;;;;;;;゙''‐─--‐‐/ ,{;;;;ヽ、.:.:.:.:.:.:.:.:.:|    '"  ;:  ゙|
::::::::::::::::::::::`ヽ-、;;;;;__,,,,,/  /\;;;;;;;;;`'''─--|      ;:   !
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ   i:::::::::゙ヽ、;;;;;;;;;;;;;;;;|       ;;! ,


514 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 03:21:08 ID:vzCUvX9W
>>509
熱が下がらなくてちょっと死にそうな俺もいる。

515 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 03:29:12 ID:rvPtoURR
>>514
布団を敷こう、な!
水分補給と十分な栄養、それから安静にして暖かくするといいぞ
風邪引いてる俺がいうんだから間違いない

516 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 03:31:43 ID:TZtCt5Os
お大事に

517 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 03:57:55 ID:6Utj1F0f
お大事にな。鼻がぐずついてると中々寝付けないかもしれないが、寝ないと回復せんぜよ。

518 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 05:50:02 ID:BZ3YoqWu
スレ住民よりコントロール!!
発進許可を要請する。

519 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 05:51:52 ID:R1tSq9Sw
そいつは今から投下するってことかい?

520 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 06:04:13 ID:BZ3YoqWu
>>519
ヤー!
キャラ的には、避難所行きな気がしないでもないが、取り敢えずこっちに2レス分程。

521 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 06:10:53 ID:IMQPE6iC
Tes

522 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 06:13:15 ID:IMQPE6iC
む、日付変わってるから書き込み一度弾かれると思ったんだが……ageてすまんかった、支援。

523 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 06:19:15 ID:+KJZfW7A
で、まだなのかね

524 :ゼロの使い魔人:2007/10/02(火) 06:23:31 ID:BZ3YoqWu
サンクス! …まわせーっ!

…時に西暦2004年12月24日深夜。
日本国東京都、新宿区私立天香學園高等學校…の地下深く。
「うおおぉぉぉぉっ!!」
一瞬前迄、自分の身体があった所へ、一抱え程もある岩塊が落下し、砕け散る。
止む事無く聴覚を独占する、不気味な地鳴りと不快な振動音。
頭上より落ち続ける土くれと埃の量は増す一方。
そんな修羅場の直中を、振り返らず、足を止めず只駆け抜ける人影……。
何故、彼はそんな状況に陥ったのか……。
――遥か昔。この地には、今は失われた文化と技術に支えられた文明が存在った。
それを神の力だのと思い上がった者達は、驕慢極まる振る舞いの結果、自分達にすら制御の
出来ない存在を生み出し、処置に困った挙句、そいつを『臭い物には蓋を』の如く、地下深くに閉じ込め
『無かった事』にし、事態の収拾を謀り、それは上手くいったものと信じ込んだ。
…が、閉じ込められた方はそれで収まる訳も無く。千数百年に渡って憎悪と執念を抱き、
地上へと這い上がる日々を待ち、奥底にて密かに確実に蠢き続けていた。
刻に浸蝕され、かつては堅牢無比を誇った封印も衰え、至る所で綻び、歪みが生じつつあり、
仮に

525 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 06:26:55 ID:BZ3YoqWu
そんな、命賭けの障害物競走に最高の真剣さで挑み続ける彼の目に、地上へと繋がる
命綱が在る場所へ通じる扉が映ったその瞬間。
目と鼻の先に、鏡に似た光彩を放つモノリス状の物体が出現した。
(っ、な……!!)
衝突を避けようと、全力でブレーキを掛けるも間に合う距離でもなければ、咄嗟に左右へと跳び退く暇も無い。
彼の身体はその光の壁に触れた瞬間、見えざるロープに絡み捕られたかの様に、強引に引き摺り込まれた。
――その光の壁の中は、まるで万華鏡の中の様だった。
ありとあらゆる色が入り交じり、瞬き、消えて、照らしつけて視界を蹂躙する一方、洗濯機に入れられた
衣類の様に、彼の身体を持ち上げ、落とし、回転させて、いいように意識と平衡感覚を翻弄する。
(な、何が、一体、どうなっ、ている、んだ………っ!!)
そんな人間の三半規管の限界を試す、耐久力テストじみた光景と状況下にありながら、彼はそれ迄背負っていた背嚢とその
中身を放さぬ様に抱え込んでいたが、耳道へと流れ聴こえて来るモノが在った。
『――告げる! 我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ヴァリエール!
遍く宇宙のどこかにいる、我が従僕よ! 強く、美しく、そして生命力溢れる存在よ!
私は心より求め、訴えるわ。我が導きに応え、その姿を顕し給え!!』
(く、う…! だ、誰だ、この、声は…!? お、れを、一体、何処、へ……!)
意識を繋ぎ止めるのも、限界に達した。視界が真っ白に漂白される間際、
彼自身が飛び込んだ鏡じみた物体が、再度眼前に現れるのを見取ったのだった……。
――彼の背負いし宿星か、はたまた悪魔の悪戯か。二度に渡り、東京とヒトの世の安寧を護った青年は、
今また新たなる戦いへとその身を投じる。
――その名は、ハルケギニア。
剣と魔法、人とヒトならざるモノ達が生きる、「極めて近く、限り無く遠い世界」へと。
――ゼロの使い魔人、序章。

526 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 06:27:11 ID:HUQXs7NR
2000の技さんマダー?

527 :524訂正:2007/10/02(火) 06:33:06 ID:BZ3YoqWu
コピペミスった…。

…時に西暦2004年12月24日深夜。
日本国東京都、新宿区私立天香學園高等學校…の地下深く。
「うおおぉぉぉぉっ!!」
一瞬前迄、自分の身体があった所へ一抱え程もある岩塊が落下し、砕け散る。
止む事無く聴覚を独占する、不気味な地鳴りと不快な振動音。
頭上より落ち続ける土くれと埃の量は増す一方。
そんな修羅場の直中を、振り返らず、足を止めず只駆け抜ける人影……。
何故、彼はそんな状況に陥ったのか……。
――遥か昔。この地には、今は失われた文化と技術に支えられた文明が存在った。
それを神の力だのと思い上がった者達は、驕慢極まる振舞いの結果、自分自身すら制御の
出来ない存在を生み出し、処置に困った挙句、そいつを『臭い物には蓋を』の如く、地下深くに閉じ込め
『無かった事』にし、事態の収拾を謀り、それは上手くいったものと信じ込んだ。
…が、閉じ込められた方はそれで収まる訳も無く。千数百年に渡って憎悪と執念を抱き、
地上へと這い上がる日々を待ち、奥底にて密かに確実に蠢き続けていた。
刻に浸蝕され、かつては堅牢無比を誇った封印も衰え、至る所で綻び、歪みが生じつつあり、
仮に何も無かったとしても、遠からず封印は力尽きていただろうが、何よりもそれを助長したのは、
外部より訪れた一人の男だった。
巨大な墳墓といえる遺跡を探索し、そこに眠りし失われた叡智を探り、手にせんとする若き探求者。
人呼んで、トレジャーハンター…。
その一方で、彼はそこかしこに漂い、縛られていた過去の魂と念を払い、開放していった戦いの果てに。
遂に青年は、眠りより目醒めた遺跡の主であり、太古の荒ぶる神になぞらえた存在と対峙した。
一つ間違えばヒトの世の存亡にも関わる、語られる事無き熾烈な戦いは青年の勝利で終わり、
遺跡に封じられし存在は、積年の苦痛と妄念から開放されると共に、二度と醒める事無き眠りに付いた。
それと同時に、永い永い「役目」を終えた遺跡は崩壊を始め、青年は地上へ向けて懸命に脱出を計っていたのだった。
前方の地面に亀裂が走り、瞬く間にクレバスと化す。
勢いを落とさず跳躍し、一息に飛び越えて着地。走る。
壊れた扉を蹴破り、眼前に落ちる岩を避け、陥没を乗り越え、急激に盛り上がった地面に取り付き、身を押し上げる。


528 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 06:41:08 ID:BZ3YoqWu
ひとまず投下完了。失敗してすみませんした…。
――てなワケで、東京魔人學園伝奇シリーズから、『陽の黄龍の器』こと、
緋勇龍麻氏がハルケギニアへ召喚されました。

529 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 06:49:59 ID:yttVN406
>>257-301
今更ですが、薔薇乙女も使い魔、更新乙でした。いや、つい今しがた読んだばかりなので。
続きが読みたいと思っていたSSなので、続編はとても嬉しいです。
ギ−シュとの決闘、落とし所がすごくらしくて気に入っています。
あと、本当は怖いのに、ギーシュに立ち向かうジュン勇気にも。
俺が同じ場面考えても、真紅たちが一方的にぶちのめすシーンしか思いつかないです。
続き、期待しています。頑張ってください。

あと、>そう言ってギーシュ達は、サイトを見張る一人を残して食堂を出て行った。
サイトって、誤字ですよね?

>「食べたモノはどこでどうなって、どこから出ていくんだろう?」
原作読者および、アニメ視聴者の多くの方が同じ疑問持っていますよねw

530 :薔薇乙女も使い魔:第2話:2007/10/02(火) 08:24:10 ID:wytpbcyv
ぎゃあああああ

なんつー間違いしちゃったんだー

だ、台無しだ・・・orz

531 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 08:25:40 ID:dR/Uq8MG
まとめに乗っけるときに直せばいいさー

532 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 09:04:17 ID:J+4DFIRL
>>528
GJ!
だけどこいつはマジで人によって千差万別の性格になるからなあ…難しそう。

533 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 10:00:13 ID:T7gBo37I
>>532
アニメ版準拠にしちゃえば良いんじゃね?

534 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 11:44:26 ID:hsb73dy0
闇のパープル・アイから水島麻衣を召喚。
自分に流れる血や出生を話したらルイズはどう思うだろうか。

>>209 神楽って亜人扱いになるのか?


535 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 12:10:19 ID:2homPZto
>>533
アニメなんて存在しませんよファンタジーやメルヘンじゃ(ry

536 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 12:44:21 ID:X3kOnL39
じゃあ漫画版にしよう。>飛勇龍麻の性格

537 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 12:47:25 ID:6BcAk9DL
>>443
とても亀だが、凄く読みたいので書いてはもらえないだろうか?

538 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 12:56:59 ID:iKt4dYdT
ピエールと聞くとどうしてもスライムナイトの方が・・・

539 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 12:59:07 ID:es1vdSng
いやいや、ここはピエール瀧氏の方では?

540 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 13:14:39 ID:zVJMlbYw
ピエールといえば俺の場合真っ先に思い浮かぶのは変体貴族だがそれであってるのかね

541 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 13:22:01 ID:8AEsy5Md
女王騎士のピエールを忘れては困る

542 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 13:24:11 ID:8FwBXoQE
ピエールといえばムッシュ・ピエール^^


543 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 13:27:28 ID:COzqDt2b
女王様に鞭を打たれて多数の動物に変態する変態が真っ先に思いついた……

544 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 13:28:03 ID:yqrT4v0R
エル・シド・ピエールを忘れるなんてとんでもない!

545 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 13:28:36 ID:2homPZto
つ 妖美獣ピエール

546 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 13:29:07 ID:rvPtoURR
ジャン・ピエール・ポルナレフとか

547 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 13:30:22 ID:pK8Bzrwj
ピエール香本

…こいつも十分変態だよなぁ…

548 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 13:30:27 ID:Verz6OKM
ピエールと聞くと、真っ先に“シェフ殺し”が思い浮かぶ。
でも、合わせるのは無理なんだろうな…特にあの文体が。

549 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 13:30:46 ID:awwPXDSD
童貞でお馴染みのマクシミリアン・フランソワ・マリー・イジドール・ド・ロベスピエール?

550 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 13:37:30 ID:LwSLyytN
ピエール祭りだと聞いて飛んできました

551 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 13:41:11 ID:LCghWOgS
ピエールでイメ検して最初に出た奴を召喚

552 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 13:55:57 ID:Lf0JQnG8
ttp://vernonsbar.com/magician/pierrtop.htm
この人ですた

553 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 13:56:00 ID:bFZyKgmU
ピエールといえばスライムナイトだろ

554 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 14:11:53 ID:x1ib/T2B
ピエールという名前で、
END SECTORというゲームの敵魔術師が浮かぶ俺は明らかに異常。


好きなんだけどなぁ、あのキャラクター……

555 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 14:12:16 ID:MwM5bjI8
正直スライムナイト以外知らない

556 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 14:14:59 ID:LwSLyytN
小説版のピエールは文字通り騎士だったなぁ

557 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 14:17:35 ID:orQZ866c
>>541 っミッドナイトピエール

558 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 14:34:18 ID:hsb73dy0
ポケモンのタケシもフランス版ではピエールだ。

559 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 14:37:13 ID:dCvFT6hW
>>534
こんなところで篠原千絵を見るとはおもわなんだwww
自分は最終決戦中の小早川姉妹でも召喚してみようかと思ってる所。

560 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 14:37:20 ID:+KJZfW7A
俺も妖美獣の方だな

561 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 14:40:06 ID:Zsi8SrOv
ピエールといえばジャン・ピエール・ポルナレフな俺は兄妹スレに行った方がいいな

562 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 14:48:58 ID:hsb73dy0
>>559 月が二つもあるからえらいことになりそうだ……。


蒼の封印の蒼子あたりも召喚したら面白そうだ。

563 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 14:54:18 ID:ugQuDDXP
ピエールといえば御坊家の亀

564 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 14:56:53 ID:YbO/bK7I
ぴえーると言えば、トレビア〜ン

565 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 15:43:30 ID:Ailqakrn
つ[三沢岳明(演:ピエール瀧)]

この人が召喚されたら凄く殺伐すると思うんだ良い人だけど

566 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 16:14:02 ID:MdNM62jW
ピエールといえば
ジャン・ピエール・アンドレイ・ジョゼブド・シャトーぶりアンヌ(ぶりぶりざえもん)


567 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 16:21:48 ID:sFKgkPgs
どこでもいっしょの山本ピエール(イヌ型)忘れてるぜ。


……召喚しても数日でお別れだが。

568 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 17:30:09 ID:XOTLyKDY
先生!新顔ですが投下予約しても宜しいでしょうか!
OKなら17:40ごろ投下します!

569 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 17:31:49 ID:AuhlE7V8
来い

570 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 17:35:16 ID:OISEIWY2
アニメ版だの2期だのと言ってる奴等!!
あの程度の改変なら、キャラ名以外一切合財徹頭徹尾改変されたヘルシングよりも遥かにマシなんだぜ?

571 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 17:36:07 ID:tSPgVpcT
呪士ピエール

572 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 17:37:03 ID:QgY6wzmI
目糞鼻糞を笑うという言葉があってだな

573 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 17:39:38 ID:8AEsy5Md
支援だ

574 :ゼロのおかあさん:2007/10/02(火) 17:40:31 ID:XOTLyKDY


視界が黒く歪んでいく。


世界中の音が耳に届かない。


淀んだ空気にむせ返るような事はもう無い。


今まで口の中で染み込んだ錆びた鉄は、とうに消えている。


激しく鳴り続けていた心臓も、振り子時計がその役目を終える様に小さくなっていく。



……最期に手放すのは






    ▽    ▽    ▽



ハルケギニアに存在するトリステイン魔法学校。
外界と学校を隔てる壁と、中央にそびえ立つ学び舎の間にある広場。
そこでは、2年生に進級するのに大切な儀式が滞りなく行われていた。
儀式の内容は、魔法を使うものにとって大切な『使い魔』を呼ぶ事。
何人もの生徒が、期待に胸を膨らませて杖を振るう。
一人、また一人と儀式を終え、呼び出された使い魔を見て満面の笑みを浮かべる。
それが蛙であっても、モグラのようなものであっても。蜥蜴でも小さな竜でも。
一生を共にしていく相手との出会いを、彼らは絶対に忘れないよう心に刻む。
そんな中、桃色の髪の少女が広場の隅で煙を上げて立ち尽くしていた。
少女の名は『ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール』
この儀式の中、未だ笑みを浮かべる事無く何かを呟いていた。
そして、その度に爆発が起こり、ルイズの周囲を黒い煙が包んでいく。
呟いては爆発し、その度に周囲から嘲笑が囁かれる。
だが、何十回目かを迎えた頃からは、その嘲笑すら遠のいていった。
周囲に居た生徒達は普段と同じような爆発に興味を失い、隣に並ぶ使い魔に意識を移す。
それでも、ルイズは呟く事をやめなかった。
何度目の爆発か分からない。数えるのは、とうの昔にやめている。
(お願い! 答えて!)
髪が乱れていても、服が煤だらけになっていても、指が赤く滲んでいても。ルイズは諦めなかった。


575 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 17:41:33 ID:FNTqV/kF
世の中にはキャラ名すら改変されたアニメもあってだな

アニバスターのことだが

576 :ゼロのおかあさん:2007/10/02(火) 17:41:42 ID:XOTLyKDY
「宇宙の……宇宙の果てのどこかにいる私の……下僕よ! 強く、美しく、そして……生命力に溢れた使い魔よ!
  私は心より求め、訴えるわ。我が導きに応えな……さいッ!」

渇いた喉を懸命に動かし、謳い慣れてしまった呪文を叫ぶ。
次の瞬間、今までの爆発のとは明らかに違う量の灰色の煙が、広場全体を覆う。
突然の事に驚く生徒たちを尻目に、ルイズは煙の中に浮ぶ黒い影を見つけた。
それは、ルイズにとっては夢にまで見ていた瞬間だった。
(ようやく成功した!)
目を凝らすが、影の正体は判らない。
それでも、今まで何も無かった場所に黒い影が突然現れた。
しかもそれは、ルイズが呪文を唱え終わると同時に現れたのだ。間違いないだろう。
非難を浴びせる生徒達を無視して、ルイズはその影へと近付く。
(私の! 私の使い魔!)
ルイズが影のそばまで駆け寄るのと、煙が風にまかれて消えていくのは同時だった。
後一歩踏み出せば使い魔の正体が判る。その一歩手前で、ルイズは立ち尽くしてしまう。
眼前に現れたのは、着ている物こそ変わっているが、その姿は間違いなく――
「ほほう。この二本の足。二本の腕。頭は一つ。これはまさか……」
「平民だぁぁーーー! 『ゼロ』のルイズが平民を呼び出したぞ!」
「しかも変な服と変な帽子のオマケつきぃぃぃぃ!」
「なんという結末。このオチは僕らの予想を遥か斜め上をいった」
「せっかくだから、俺は嘲笑う方を選ぶぜ」
「「「「「わははははははは!」」」」」
期待に膨らませていたはずの胸が、いつのまにか自らの胸と同じようにへこんでいく。
召喚に成功したのは素直に嬉しい。けれども、その結果は素直に喜べるものではなかった。
煙の中から姿を現したのは、杖を持たない上に、見かけない服装をした男。
しかも爆発で気絶したのか、先程から指一本動かす事無く仰向けに倒れていた。
顔を見るのも忘れ、ルイズは身体を180度捻って歩き出す。
そして、嘲笑う生徒達を諌めていた中年男性に向かって地響きを立てて近付いた。
「ミスタ・コルベール! やり直しを……儀式のやり直しをお願いします!」
「駄目です。使い魔の召喚は神聖なもの。それを気に入らないという理由だけで、
  契約をせずにやり直しを要求する事など認められません。これは伝統なのですよ」
「そんなっ! だっけあれは――」
「例え人間でも、それが貴女にとって必要だから呼ばれたのですよ。ミス・ヴァリエール」
「くっ……」
顔を真っ赤にして講義するが、ルイズの要求は何一つ通らず、無駄に労力だけが費やされていった。
数分後。ようやく諦めたのか、重い足取りで男のもとへと近付く。



577 :ゼロのおかあさん:2007/10/02(火) 17:43:11 ID:XOTLyKDY
(せっかく成功したのに)
喜んだ分だけ、悲しみも大きい。
陽の光を遮るように男の真上に立つが、瞼が動く様子すらない。
念のため確認したが、杖らしきものはどこにもない。間違いなく平民だろう。
「起きなさい」
声を掛けるが男は全く反応を返さない。
最初は無視しているのだと思ったが、どうやら気を失っているようだ。
嫌ではあるものの、流石に反応が無いのは恐ろしい。爪先で男の頭を小突いてみる。
「ちょっと」
蹴られた事は判るのか男が呻き声を上げる。だが、起きる気配は無い。
いつの間にか隣まで来ていたコルベールと呼ばれた中年が、男の顔を見た途端顔をしかめ、思わず身構える。
だが、そうしたのも一瞬で、次の瞬間にはいつも通りの穏やかな顔になっていた。
「ミス・ヴァリエール。コントラクト・サーヴァントを」
「あ……うぅ」
考えないようにしていたのか、顔を真っ赤にして俯く。
一呼吸置いて男の顔に唇を近づける。吐息が男の鼻に掛かるまで接近する。
(感謝しなさいよ! アンタみたいな平民が、貴族にこんなことされるなんて普通は一生ないんだから)
未だに躊躇いながらも、ルイズは必要な呪文を口早に唱えて顔を男に重ねていく。
ゆっくりと、ルイズの乾いた唇が男の唇に重なる。どちらの唇も、水気を失って乾ききっていた。
二人の唇が静かに離れていく。顔から湯気が出そうなルイズとは対照的に、男の顔は未だ無表情。
だがその直後、男の左手の甲にルーンが浮かび上がると同時に、男の身体が大きく痙攣する。
「ッ!」
「な、なに!」
すぐ傍にいたルイズは、突然の事に尻餅を突いてしまう。
男はそれ以降動きはしなかったが、その反応があまりに突然過ぎたため、ルイズはまだ立ち上がれない。
「大丈夫ですか?」
声を掛けつつも、コルベールは男の左手の甲を見て首を傾げる。
「ふむ。珍しいルーンですね。ところで立てますかミス・ヴァリエール?」
「え、あ、はい」
「宜しい。そしておめでとう。貴女の使い魔の儀式は無事成功です」
「あ――」
何か思い出したように、ルイズは息を漏らす。
そんな彼女に背を向け、コルベールは野次を飛ばしていた生徒達を叱りつつ行動を促す。
コルベールに逆らってまで野次を飛ばすつもりは無いのか、生徒達は次々と空へ飛んで行く。
何人かは、去り際にルイズに向けて普段通りの悪口を残して。
広場に残ったのは、熱心に何かをスケッチしていたコルベールとルイズ。そして未だ動かない男。
「ミス・ヴァリエール」
「は、はい!」
「見たところ彼は気を失っているだけのようです。
  次の授業は構いませんから、彼が目を覚ますのまで傍にいてあげなさい」
「え!? それならミスタ・コルベールが保健室に連れて行って下さったほうが早いのでは?」
「彼は既に貴女の使い魔です。その彼にこれまでの経緯と現状の説明をするのも貴女の仕事ですよ」
「それは、確かに、そうですが」
「どちらにせよ、次の授業は使い魔に関する講義です。問題は無いでしょう……それでは」
「え、あ、ちょ」
笑顔のまま、強引に話を打ち切られたルイズは、飛び去っていくコルベールを怨めしげに睨みながらため息をつく。
コルベールが忘れていたのかは不明だが、ルイズはレビテーションすら使えない。
試しに男の腕を引っ張ってみたが、予想上に重いため背負うのは諦めた。
こうなると、男が目覚めるまで隣にいるか、誰か他の人間を呼ぶしかない。
後者はルイズのプライドに関わるため却下。結果、目が覚めるまでここで待つしかないのだ。



578 :ゼロのおかあさん:2007/10/02(火) 17:44:38 ID:XOTLyKDY
何度目か分からない溜息を吐く。気が付くと、目からは涙が溢れていた。
「せっかく……せっかく成功したのに」
我慢してきたものが零れ落ちそうになる。泣き出したい気持ちを抑え、意識を男に向ける。
その鋭い眼光に視線を逸らしてしまうが、ふと違和感に気付く。
(あれ?)
もう一度男の顔を見つめると、ルイズを睨みつける男の眼球がそこにはあった。
「あ、ああ、あああ、ああああああんた! いつから起きてたのよ!?」
「どこだ……ここは」
舌を噛みそうになるのも構わず、ルイズは男に話しかける。
だが、男は質問を質問で返しただけで、ルイズの問いには答えてくれなかった。
「ちょっと! 私の質問に答えなさいよ! 名前は!? いつから見てたの!?」
「……」
「平民の癖に無視して! 早く私の質問に答えなさい!」
「……」
「ねえ! 聞いてる――「うるせぇぞ静かにしろ!」――ひぅ!」
男の怒声に思わず悲鳴をあげてしまう。
見下ろしている筈なのに、自分を射抜くような男の眼光のせいで、どちらが見下ろしているか分からなくなる。
一方怒声をあげた男も、ルイズの反応が以外だったのか小さく舌を打った。
「名前を名乗るなら自分からしろ。それと、質問は一つ一つしやがれ」
「な、何よ偉そうに! あんた自分の立場ってものが――」
男の鋭い眼光が肌に突き刺さり、最後まで告げられない。
睨み合いでは勝てないと本能が悟ったのか、ルイズは渋々ながら口を開く。
「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。それが私の名前よ」
「ここはどこだ」
「ちょっと、あんたも自己しょ……くっ。ここはトリステイン王国にあるトリステイン魔法学院よ」
「なんだと?」
ルイズの解答が気に入らなかったのか、男は低音で異論を唱える。
正直な所、男の視線から逃れたかったが、どういう訳か身体が動かない。
何事か考えていた男は、何かを思案するような表情を浮かべた後、ゆっくりとルイズに問いかけた。
「月光館学園。日本。無気力症患者。この三つに聞き覚えは」
「知らないわよ。それよりいい加減名を名乗りなさい。私はあんたのご主人様なのよ!」
「……」
男のこめかみがピクリと動いた気がするが、ルイズは構わず言葉を続ける。

579 :ゼロのおかあさん:2007/10/02(火) 17:45:51 ID:XOTLyKDY
「大体、その態度が貴族に対するものじゃないのよ! あんた平民でしょ! あたしは貴族なのよ!
  しかもその態度すら無礼なのに、さっきから私ばかりに質問して、あんたは全然答えてないじゃないの!」
「荒垣だ」
「へ?」
一言だけ喋ると、荒垣と名乗った男は腹部に手を添え顔をしかめるが、直ぐに表情を戻す。
「荒垣真次郎。俺の名前だ」
「アラガキ……シンジロウ? 変な名ま――なんでもないわ」
ルイズが漏らした呟きは、荒垣の睨みであっさりと遮られる。
そんなルイズを無視し、荒垣はゆっくりと立ち上がる。
そして、上着のコートに両手を入れると、ルイズに背を向け歩き出した。
「ちょっと、どこ行くのよ」
「ここがどこだか知らねぇが、お前じゃ話にならない事は理解できた」
その言葉に、ルイズの顔が再び真っ赤に染まる。拳を握り締め、大きく肩を震わせてながら。
「待ちなさい!」
だが、そんな声も無視して荒垣はどんどん離れていってしまう。
慌てたルイズが荒垣の眼前まで回り込むと、両手を広げて遮った。
「さっきから何なのよ! ご主人様が待てっていったら待ちなさい!」
その言葉をきっかけに、今まで静かに凄んでいた荒垣がルイズに顔を接近させる。
先程のコントラクト・サーヴァントを思い出して、一気に顔が赤くなる。
だが、次に起こった出来事はルイズの予想していなかったものだった。
「さっきからゴチャゴチャとうるせぇぞこのガキが!」
「ひゃぅ!」
不意打ちで、しかも真正面に迫った顔から浴びせられる怒気に、ルイズはまたも尻餅をついてしまう。
さらに間の悪い事に、その衝撃で我慢していたものが溢れてきてしまい。
「あ――」
ルイズは、遠くなる意識の中で、下半身だけが冷たくなっていくのを感じた。



「ちっ」
一方気を失って倒れたルイズを見下ろしていた荒垣は、舌打ちをしつつ腰を屈めた。
そして、肩にルイズを乗せると建物の中へと足を運んでいった。
(まさか気を失うとはな)
溜息を吐きつつ、荒垣はルイズを担いで足を進めていた。
経緯はどうあれ、自分の睨みで気を失った以上責任はこちらにある。
見慣れぬ景色に呆れつつも、荒垣は話が通じそうな人間を探していた。
その間に、現在の状況と自身の最期を振り返っておく。
(あの時。あいつを庇って俺は死んだはずだ)
痛みも、残してきた言葉も、見届けてくれた仲間の顔も。全て本物だった。
それに自分の身体が冷たくなっていくのを、荒垣は確かに覚えている。
(って事は、ここは地獄か何かか?)
選択肢に天国など存在しない。自分が進めるのは地獄一択だろう。
だが、地獄にしてはここは穏やか過ぎる。しかも、妙な事に生きている感触が確かにある。

580 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 17:46:44 ID:Zp/j3jH+
ガキさん支援

581 :ゼロのおかあさん:2007/10/02(火) 17:46:53 ID:XOTLyKDY
「魔法……だとよ」
自嘲気味に笑みをこぼす。仲間と共に戦ってきたが、こんな魔法は初めてだ。
どちらにせよ、状況判断するにはあまりにも情報が少なすぎる。
そのためにも誰でもいいから話を聞いて見る事が先決だ。
と、丁度良い具合に一人の女性が視界に写った。
壁に手を当てて何か考えているが、荒垣もやや急ぎであるため遠慮がちに声を掛ける。
「おい。ちょっといいか」
「っ! な、何でしょう?」
誰も来ないと思っていたのか、その女性は驚いた表情で杖を構えていた。
驚かせて悪い事をしたと思いつつも、荒垣は無表情のまま要件を告げる。
「このルイズってガキが気を失ったんだが、どこに連れて行けば良い」
「え?」
身構えていた女性は、予想していなかった用件に呆けつつも、すぐに咳払いをして体裁を整えた。
「ええと、もしかしてその方はミス・ヴァリエールではないでしょうか?」
「ああ……そういや名前の最後に、そんな言葉も付いていたな」
「外傷などありますか?」
外傷などどこにもないが、当人が気付けば負ってしまうであろう傷はある。
だが、そんな事をわざわざいう必要が無いと感じたのか、荒垣は首を横に振る。
「気を失ってるだけで、怪我なんざありゃしねぇよ」
「怪我をしたなら兎も角、気を失っているだけでしたら、保健室か自室にお送りした方が良いでしょう」
「悪いが、そのどちらも場所が分からねぇ」
そこに来て、女性は荒垣の格好に始めて注意が向く。
最初こそ戸惑ったが、その後はずっと自然な流れだったため忘れていたが、荒垣の姿は珍しかった。
「失礼ですが、どちら様でしょう」
丁寧な質問に、荒垣もそれなりに礼儀を込めて返す。
「荒垣真次郎だ。気付いたらこの場所に来ていた。それ以外は分からねぇぞ」
その言葉の嘘を探るように、女性は荒垣を真正面から見つめる。
一方の荒垣も、やましい事が無い以上その視線に真っ向から立ち向かう。
暫く見つめ合った後、女性は面白いものでも見たかのような笑顔を浮かべた。
「失礼。私はロングビルと申します。ミスタ・アラガキ。ご案内しますのでどうぞこちらに」
「そりゃありがたいが、用事は良いのか?」
「ええ。もう済みましたから」
ロングビルと名乗った女性は、荒垣と一定の距離を保ちつつ前に進みだした。
その後ろから、同じように距離を取りつつ荒垣も後ろについていく
「くちゅん!」
肩に担いだルイズのくしゃみだけが、石畳の通路に響き渡っていた。


582 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 17:47:10 ID:c7H0WGuB
もしかして、P3の荒垣さんかな?
とりあえず支援支援。

583 :ゼロのおかあさん:2007/10/02(火) 17:49:23 ID:XOTLyKDY
支援ありがとう御座いました。投下はこれで終了となります。
召喚したキャラは『ペルソナ3』の荒垣真次郎です。

584 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 18:00:29 ID:iwIRc0Pr
短編でSIRENのSDKが召喚されるとかないかな。

585 :BPZ:2007/10/02(火) 18:17:04 ID:YOAY7dYe
えーと、そのーなんだ。
いわゆる投下予約をしてもよろしいか?

586 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 18:19:13 ID:es1vdSng
来い!
受け止めてやる!!

587 :BPZ:2007/10/02(火) 18:20:23 ID:YOAY7dYe
ありがたう、涙がほろりとでてきたよ。


588 :BPZ 1/9:2007/10/02(火) 18:21:38 ID:YOAY7dYe
”土くれ”のフーケという盗賊がいる。
貴族を中心に、高価なものばかりを華麗に、あるいは強引に盗んでいく。そして犯行現場に、
ふざけた犯行声明を残す。
一つ分かっていることは、強力な錬金を使うこと。壁を、床を土に変え、ある時は密かに忍び込み、
ある時は身の丈何十メイルものゴーレムを使って倉ごと破壊する。

神出鬼没な怪盗であり強力なメイジであるフーケは、意外に庶民に人気があった。
メイジ同士の内輪もめという皮肉な視点の観客もいるが、おおむね自分達の支配者層達がターゲットであり
平民には手が出せない階級に一泡吹かせる行いに、ひそかに喝采をあげる者も少なくなかった。
王室衛士隊も血眼になって捕縛しようとしているが、それを嘲笑うように煙のようにすり抜けて行く。
男か女かはっきりせず、錬金の実力から考えてトライアングル以上の力を持ち、被害規模、影響範囲、
それに伴う社会的な影響度を考えてもまさに世紀の大怪盗というのにふさわしかった。


トリステイン魔法学院はメイジが大量に常駐するという特徴的な状況から、ある種の強固な金庫としての
役割を持っていた。
貴重なマジックアイテムや書物などの管理、保存に使用されている。
確かにうじゃうじゃメイジがいる所に好んで盗みに入ろうとする自殺志願者はいない。
いや、居なかった。

ただ、例外がここにいる。

土くれのフーケは今、魔法学院本塔の宝物庫を包む外壁に手を置いて何かを調べるように目を閉じていた。

微かにフーケは舌打ちをした。
長い青い髪だけは黒いローブで隠せなかったのか、夜風に揺られている。
「こまったねぇ。八方塞がりじゃないの!」

さすがにハルケギニアの古王国であるトリステイン。そして、屈指の歴史を誇るトリステイン魔法学院の
宝物庫であった。さすがのフーケの錬金もはじき返し、物理的な防御力も相当なものがある。
事前に入手した情報を大きく上回る防御力に手も足もでなかった。
フーケは状態を検知していた手を壁から離し、忌々しげに吐き捨てた。

ふとフーケは近づいてくる人の気配を感じ、舌打ちをしながら植え込みの影に隠れた。


―― BLOOD+ゼロ 6章――


タバサの足が止まったのは、本塔前の裏庭だった。けっこうな広さを誇ってはいるが、出来るだけ
入らないと言う暗黙のルールが存在する。
タバサが決闘の場所にここを選んだのも、学院内で人気がない所を選んだのだろう。
夜とはいえ、寮の中には生徒がおり、学院内であれば何処で出くわすかもわからない。
青い髪の少女はクラスメートの印象とは異なり意外と細やかな配慮ができる人間だった。

タバサはあたりをきょろきょろと見渡し、落ちている大きな広葉樹の葉っぱを拾った。

「撃ち落とした方が勝ち」

腕組みをして憮然としたルイズと落ち着いたのか悠然としたキュルケの二人を前に、振り返ったタバサが
葉っぱを見せてから手を離した。

「魔法勝負?」

キュルケの言葉にこくんと頷く。


589 :BPZ 2/9:2007/10/02(火) 18:22:40 ID:YOAY7dYe

「へぇ、でもそれってゼロのルイズには不利なんじゃないの?」
「望むところよっ!」

小馬鹿にしたようなキュルケの言葉にカチンときたルイズだったが、正直言うと分が悪い。にっくき相手は
認めたくはないが学院内でも屈指の実力を誇る火のメイジ。方や魔法がほとんど成功したことのない”ゼロ”
だが、ツェルプストーの人間にヴァリエールの人間がこれ以上バカにされるわけにはいかない。
自信も何もなかったが、そのプライドが引き下がることを許さなかった。

「本当に大丈夫?」
「ふんっ、望むところよ!」

二人で話し合って決めたルールが、魔法の種類は自由、タバサが落とす葉っぱに地面に落ちる前に魔法を
当てた者が勝ち。そして、ルイズが先行ということに決まった。

「もう、やめませんか?」
「いやよ」
「だめね」

お互いバチバチと火花を飛ばす二人の前には、いつの間にかそこにいたハジの制止も、効果をなさず、
燃えるための燃料にしかならなかった。
溜息をつきつつハジは諦めたように一歩下がった。

口笛で使い魔を呼び寄せたタバサは、飛んできた立派な体躯の風竜の背に乗って上空へ舞い上がる。
ルイズはその光景をみて、一瞬だけど夢が脳裏をよぎった。
幼いころから夢想していた夢、強力な使い魔と共に一人前のメイジとなること。
姉たちに見劣りのしない程の強力なメイジとなること。
使い魔が竜のような強力な幻獣であれば母にも対抗できるのではないか? 見直してくれるのではないか?
そんな夢があった。

先日の召喚で竜の方は見た、でも誰が呼び出したか気がつかなかった。そこまで周りに気が回らなかった。
でも目の前の現実はタバサという名の目の前の青い髪の少女が、その主ということを示している。
メイジの実力は使い魔を見ればわかる。
であれば、タバサという少女の実力はサラマンダーを召喚したキュルケと同等か、それ以上の実力を
持っているということになるだろう。
翻って自分は、見目は良いとはいえ平民。その差は明らかだと無意識が主張する。
頭を振って妄想を振り払う、ハジは私の唯一の使い魔だ。と。

ただ、キュルケと正反対のような見た目、性格の彼女が怨敵の友達と言う事実はルイズには理解できなかった。

「すごいわね」
「すごいでしょ」

見上げていた竜の圧倒的な姿に思わず呟いた声に、キュルケが我が事のように顔を綻ばせる。
子供のように綻ばせる顔をみて、仇敵の違った一面を垣間見た気がした。次の瞬間、すっかり台無しになった。

「今日も、あんた達を追いかけて、シルフィードに街まで連れて行ってもらったのよ」
「あっきれた、そんなことしてたの?」
「愛がすべてよ、愛が」

呆れたように見つめるルイズの目を、キュルケは愛の一言で片づけた。

*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*



590 :BPZ 3/9:2007/10/02(火) 18:23:41 ID:YOAY7dYe
上空に舞い上がったタバサがライトの呪文を唱えた。夜空に魔法による光が煌く。
開始の合図に、ルイズは知らずに握っていた手が汗でじっとりとしているのに気がついた。
夜空の中から風に流され、ひらひらと舞い降りてくる葉っぱを識別して、それに魔法を当てる。
かなりの精神集中を要する高度な技だった。

どの系統の呪文を使おう? ルイズの選択肢は火か風だった。
いずれもまともに成功したことがない。
ただ、決闘のルールは地面に着くまで。であれば軌跡が見えにくい風よりも、火の玉がとんて行くという
見えやすい系統の方が正しい選択だろう。
当然、キュルケも火の魔法を使うはず。そうなると相手の土俵で戦うことになる。

ルイズはこの上もなく緊張した。ともすれば震える体を必死で抑えつける。
この勝負だけは負けられない。
錬金の授業でのことが思い出される。その身を挺してルイズを守った使い魔・ハジ。
自分の使い魔にツェルプストーの贈り物を使わせる。そんな横取り行為を認めるわけにはいかない。
ハジをあっさりと取られるわけにはいかない。
何が何でも。

ルイズは目を皿のようにして夜空を見つめる。少しの異変も見落とさないように。
その一瞬はそう長くない彼女の人生で、最も集中した瞬間かもしれない。

夜空にはらりと舞う葉っぱが眼の端を横切った。

見つけた!

ルイズは迸る歓喜と共に、ファイヤーボールのルーンを唱え杖を振う。
杖の先から、景気良く火の球が杖の先から飛んで葉っぱを燃やす。

そんなルイズの幻想は、無残にも現実が否定した。
杖からは何も飛ばず。葉っぱも燃えず、代わりに本塔の外壁が爆発した。穴があくほどではなかったが、
それでも夜目にも見える罅が入っている。

呆然とするルイズの隣にいたキュルケ笑い出す。

「やっぱりゼロの二つ名は健在ね! ゼロのルイズ! 葉っぱじゃなくて壁を爆発させてどうするの?
多分そうだろうなと思ってたけど、やっぱり爆発させるのね、あっはっはっ」

ルイズは悔しそうに震えた。
足ががくがくして、不意に視界が歪んだ、目に涙が滲む。
どうしようどうしようどうしようどうしよう
このままだと、取られちゃう

そんな逡巡をよそに再び葉っぱが落ちてきた。
キュルケは茫然としたルイズを横目に、炎はこう使うのよ。とルーンを唱えて杖を振った。
ファイアーボールよりも高度な呪文、ファイヤーウォールがキュルケの選択した呪文だった。
葉っぱが落ちる箇所一帯に炎が舞いあがった。当てるよりも、落ちてくるところを範囲魔法で捕まえる。
という選択をした。
ルールを聞いた時から思いついていた名案。キュルケはそう思っていた。
範囲魔法だろうと、落ちる前に魔法が当てることには違いない。
不安定な空中で不規則に舞う葉っぱを狙うののは愚策、ほぼ落下点が決まった状態、地面に着く直前が
最も狙い目だと。

キュルケは勝ったとほくそ笑んだ。ハジとの甘い生活のイメージが脳裏を駆け巡る。



591 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 18:24:40 ID:BM/U8doU
支援

592 :BPZ 4/9:2007/10/02(火) 18:24:44 ID:YOAY7dYe
「あれ?」
「キュルケッ! まだ決まって無いわね! そうよね!」
「ふんっ! 次は……」

果たして、舞い降りた葉っぱは、キュルケの炎の壁が巻き起こす上昇気流に舞いあげられて
炎にまかれることもなく、風にあおられて飛んで行った。
キョトンとしたキュルケに、生気を取り戻したルイズは喜色満面で飛び跳ねる。
一瞬遅れて、顔をこわばらせたキュルケが口を尖らせる。
負け惜しみを言いかけた途中にその顔が強張った。


フーケはルイズの呪文失敗で本塔の外壁に綻びが生じたことを見届けた。
呪文と効果が異なることに、熟練のメイジである彼女は興味をそそられたが、不可能かと諦めていた自らの
目的の突破口が開いた事に対しては些細な問題だった。
少女らに見つかることを覚悟しながらも、今が千載一遇のチャンスとばかりに長い長い呪文を唱える。
キュルケのファイヤーストームが辺りを明るくすると同時にフーケは大地に向けて杖を振った。

会心の出来。

ついぞ経験した事のない高揚感とともに、呪文が形作る。音を立てて地面が盛り上がる。
爽快な頬笑みを浮かべたフーケは盛り上がる土に身を任せる。


「な、なによ、あれ?」

キュルケの茫然とした声に、ルイズが振り返った、上空で舞っていたタバサも、大地が盛り上がっていくのを見た。
一気に盛り上がった土が徐々に姿を変えて行く。頭部のない土の巨大な象が出来上がる。
見る間に足が形作られ、その足が大きく上がる。まるで、蟻を踏みつぶす様に。

「「きゃぁぁぁぁ」」

咄嗟の状況にパニックになったルイズとキュルケが同時に悲鳴をあげて逃げ出す。
寝る直前の格好であることも影響したが、冷静さを失っている二人は一瞬もつれた足を無理でも動かし、
魔法を使えることも忘れ、ただ駆けだすことしかできなかった。
実践も修羅場も経験した事のない身では仕方がないことでもあった。
二人は必死で走る。

……が、遅い。

土ゴーレムの方が早かった。
二人の頭上に雪崩のように巨大な土のゴーレムの足が落ちた。

二人は、反射的に目を固く閉じていた。
しかしおそれていた衝撃がなく、ぐいっと引っ張られるような感覚の後に聞こえた、静かな声に恐る恐る
目を開けた。
月明かりに照らされた痩せた顔が無表情なまま二人を見下ろしていた。

「大丈夫ですか?」
「「ハジッ!」」

ルイズとキュルケの超音波のような大ボリュームのステレオサウンドに、ハジは顔をしかめた。
ルイズ達が、我に返って辺りを見渡すと、ゴーレムから五十メイルは離れた所にいることに気がついた。
慌ててゴーレムの方を見あげると、上空を舞う風竜やルイズ達の方は一顧だにせずに、本塔の壁にパンチを
打ち込もうと腕を振りかぶっていた。
見る間に腕が振りぬかれ、明らかに金属が打ち鳴らすような音とともに塔の外壁に穴があいた。


593 :BPZ 5/9:2007/10/02(火) 18:25:45 ID:YOAY7dYe

ゴーレムの肩に乗っていた黒いローブの姿がゴーレムの腕を伝って本塔に吸い込まれていく。
三人の近くに風竜が舞い降りる。威容を誇る竜に跨ったまま、タバサが杖で指しながら呟いた。

「宝物庫」

その単語でルイズとキュルケは顔を見合わせた。

「「一時休戦ね」」

何の目的があるのか分からないが、自分達の学院を破壊して、宝物を盗もうとしているのは明らかだった。
トリステイン魔法学院の生徒として、こんな暴挙は許されない。
ルイズはふっと視線を外しつかつかと、ゴーレムに向かって歩いて行く。

キュルケは目を見張った。方向が逆じゃないの?と。

「ちょちょっとルイズ。あんた何してるのよ?」
「危険」
「見て分からない? 止めるのよ」

慌てたようなキュルケの声と、言葉少ないながらも微かにその身を案じているタバサの声に、
ルイズは背中越しに振り返った。
顔は強張っていたが決意に満ちていた。

「止めるってあなた、どうするのよ、あんなでかいの」
「でかくたってメイジを捕まえればいいじゃない。出てきたところを御用よ」
「あんたがそんなこと出来るわけないじゃないの。まともに魔法も使えないのに」
「出来るかも知れないじゃない」
「無理よ」

ゴーレムを操っていた黒いローブの影はまだ出てこない。宝物庫の中を漁っているのだろう。
ルイズは固い声で決心を変えようとしなかった。

「誰が無理って決めたのよ」
「自分が何言ってるか分かってるの? ドットですらない貴方が、あんなゴーレムを作れるメイジ相手に、
歯向えるなんて思ってるの? ゼロのルイズ」
「そうよ、私はゼロよ、魔法もまともに使えないわ。だからと言って、目の前で起きてることに、力が
ないから、どうしようもないからって、諦めるのなんてまっぴら御免よ。
魔法がまともに使えなかったら何? ドットですらないメイジは矜持も誇りも捨ててスクウェアの前からは
逃げ出せって言うの?
そりゃ、みんなは仕方がなかったね。って許してくれるかもしれない。でも私自信が許さないわ
私はヴァリエールの人間なのよ、その名前を持った人間が、おめおめと逃げ帰るわけには行かない。
どんな敵であろうとも後ろを見せない。そんなことで逃げ帰ったら、本当に何もない
只のゼロになってしまうわ」
「ルイズ、あなた……」

ルイズは杖を握りしめて、目をつぶって、かすれた声を絞り出すように叫んだ。
もう、逃げたくなかった。魔法学院に来たのも、バカにされても、逃げたくはなかった。
子供の頃から延々続いた運命に決着がつけたかった。本当に魔法が使えないのか、ただのゼロなのか。
理想があった。
父も母も姉たちも家族達はみんな尊敬できるメイジだった。そんなメイジの中に入りたかった。
だけど一人だけゼロだった。一人だけ魔法が使えなかった。
一年生の間は何もできなかった。諦めかけた。
二年に進級できずに留年したら、学院を続けられるかどうか分からなかった。

そして、ハジを見つめる。自分の使い魔は静かに見守る様に立っていた。どこかやさしい眼をしている。
その静かさに、見た目と違って何十年も生きてきた人のような錯覚にとらわれる。


594 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 18:26:07 ID:BM/U8doU
支援

595 :BPZ 6/9:2007/10/02(火) 18:26:46 ID:YOAY7dYe

2年に進級するには、サモン・サーヴァントによる使い魔の召喚が必須事項だった。
成功するかどうか分からなかった。正直不安だった、失敗したら、呼べなかったらどうしようと思っていた。

でも成功した! 2年に昇格する際のサモン・サーヴァントは成功した。
それは天にも昇る気持だった、わたしの魔法が成功した!!
目の前で水霊の湖のように静かに見守る使い魔。平民かもしれないけど、それでもこれが一つの魔法の証し。
そう、ハジがいるということは、私は魔法が使えるということ。
だったら逃げない。後ろを向かない。俯かない。
逃げないで証明する。自分の誇りに掛けて証明する。

私はゼロなんかじゃない。

私はルイズ、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールであると心に刻む。


「ふん、そこまで啖呵を切られたら、ツェルプストーとしては負けるわけにはいかないわね」
「キュルケ……」
「ま、さっきの決着もまだ付いてないしね」

ルイズの長口上を聞いたキュルケが、豊かな髪を掻きあげながら、にやっと笑う。
その瞳にはいたずらっぽい光が輝いていた。
スタスタとルイズの横にまで歩いてきて、杖をゴーレムの方に向ける。

「で、どうするの? ってかもう出てきたわよ」
「ええいっ! やぶれかぶれのファイヤーボールッ!!」
「っちょ、ルイズ!!」

はっと気がついたルイズが見上げると、筒状のものを構えた黒フードがゴーレムの肩に戻ろうとしていた。
咄嗟に杖を振い、ついさっき唱えていたファイヤーボールの呪文を繰り返した。
こんな状況ながら、思わず噴き出したキュルケもルイズに続く。
狙いの定まらないルイズの失敗魔法がゴーレムの頭を少し吹き飛ばす。ゴーレムはすぐ回復する。
キュルケの巨大なファイヤーボールがゴーレムに向かう、ゴーレムは手を広げて阻止する。


ゴーレムの肩に乗っていたフーケは下の方から飛んでくるファイヤーボールや、得体の知れない爆発魔法が
目触りになってきた。

魔がさした。

これがその時のフーケを端的に示した言葉、そして唯一かつ致命的な失敗。
トリステイン魔法学院の生徒の多くは貴族の子弟。自分の的達が、的達の大事なヒナ達がいる。
それが失われた時にどうなるか。ふっとそんな嗜虐的などす黒い何かが湧いた。
普段はそんなことを考える人間ではないのだが、正直入手不可能と思っていた物を手に入れることでき、
気が大きくなっていた。

獲物は入手できたのだから、そのまま逃走すればよかったのに、相手をしてやろうという気になった。
もうすぐ教師達がやってくる、その時に華麗に逃げれば良いのだ。
ゴーレムの向きを変え、足を振り回す。踏み潰す。


ゴーレムが明確な殺意を持って攻撃し始めた。
巨大な足が振り回され、狙ったように、手が叩きつけられる。
二人はゴーレムの攻撃範囲から慌てて距離を取らなければならなかった。
上空からはタバサが竜巻の魔法で攻撃するが、あまり効果はなかった。



596 :BPZ 7/9:2007/10/02(火) 18:28:59 ID:YOAY7dYe
「ち、やっぱり大地の上の土使いは厄介ね、無理よ、ほんとに」
「あのメイジさえ何とか出来れば」
「無理でしょ、さっきからメイジにめがけて魔法を打ってるけど、ゴーレムに防がれてる」
「……」

キュルケは回避しながらも火系統の呪文を散発していた。
しかし、ゴーレムを破壊することはできなかった。削り、えぐった直後に大地から土を補給して元通りになる。
攻撃力こそ、ゴーレム任せであるが、土メイジの厄介さ、鬱陶しさは他系統に比べランクが一つづつ
上になったかのような気がする。
隣の反応が無くなったのでふと横目で見ると、ルイズは顔を真っ赤にして、ワナワナトふるえ、頬には
光るものが一筋の光る線となっていた。
ちっと舌打ちをして、ルイズに背を向ける。
キュルケは自分と無謀にも張り合うルイズが見たいのであって、ぐじぐじと消沈するルイズは見たくなかった。
そんな深層心理を反映したのか、いらだちを込めた励ましがキュルケの口から紡ぎだされる。

「ちょっとルイズ、しゃきっとしなさい」
「く、くやしぃ、なんで、私は何もできないの! なんで、こんな大事な時に何もできないの!」

ルイズはあまりの無力さに自分が悲しくなった。
なんて無力。キュルケやタバサは巨大な炎や、竜巻を飛ばして攻撃している。なのに自分は何もできていない。
強がっても、粋がっても、やっぱりゼロなのね。そう思うと涙がボロボロとこぼれて行った。
ゴーレムがゆっくりと学院の外に向かおうとしている。
ペタンと大地に力なく崩れ落ちた。
結局何もできないの? 無力感がルイズの全身を襲う。

そんなルイズの肩にひんやりとした、しかし温かい手が置かれた。
見上げると、ハジがそこにいた。
思わず抱きつきたくなった、声をあげて泣きたくなった、でも、そんな泣き顔を見られたくない。
そんな弱みを見せたくない。ルイズの意地があった。
なけなしの意地で、ごしごしと涙を拭いている所に静かな声が聞こえた。
はっと顔をあげたルイズが見たのは、とてつもなく寂しい、透きとおる様な顔だった。

「私は長い間、絶望の中、戦ってきました。希望も、未来も捨てて、たった一人の主の為だけに
戦ってきました。私の命は主の為にのみあり、私のすべては主と共にあります。その誓いは今でも
変わりはありませんし、今後も変わりません。
ただ、この世界にいる間、今しばらくの間は貴方の力になりましょう」
「ハジ……ありがとう」

ルイズは目を伏せた。嬉しかった、寂しかった、悲しかった。
淡々と語る、その言葉と想いの重みが不意に剣のように突きささる。

今のハジを使役してもいいのか、こんな思いを持つ人間を、ただ学生生活を送っていただけの自分が、使っていいのか?
重圧に押しつぶされそうになった。
ハジの目はしっかりとルイズを見ていた。ルイズの逡巡を把握しているかのように微かに微笑む。

「言ってください。戦えと」

ルイズは平民を、自分の使い魔を自らの矜持の為に死地に追いやる言葉がどうしても言えなかった。
それを察したハジは、いつか自分が通った道を指し示した。

「……ハジ、戦って。あのメイジをやっつけて。お願い」
「分かりました」

目に悔し涙を湛えながらルイズは訴える。
ルイズにとっては藁をもつかむ気持だった、あの魔法攻撃を平然と受け流している相手に、とても勝てるとは
思えなかった。でも、それでも信じてみたかった。ハジの力を。

―― メイジの実力は使い魔を見ればわかる。

そんな言葉が脳裏を駆け巡る。

597 :BPZ 8/9:2007/10/02(火) 18:30:04 ID:YOAY7dYe

ルイズの言葉を聞いたハジがすっと立ち上がりルイズに背を向けた、肩にいつものように巨大な
チェロケースを担ぎ、その手にはキュルケが贈った剣があった。

もう既に巨大なゴーレムは逃走に入っていた。
キュルケも魔法を連発しすぎたのか肩で息をしている。
一瞬キュルケに目をやった隙に、ハジの姿が消えていた。

「え?」

ルイズは目をごしごしと擦った、回りを見回してもハジはどこにもいなかった。ただ、ハジが立っていた所に
キュルケが贈った剣だけがキラキラと輝きながら突き刺さっていた。


「調子に乗って長居し過ぎたよ、やばいねぇ、さっさと逃げないと」

一般的にメイジは自分の作業の邪魔をされるのを嫌う。
なので、夜眠る時や自室で書物を読む時はサイレンスの呪文を使って外界の音を遮断する。
これは実力が高くなればなるほどその傾向が強く、実力のある教師達は軒並み同じ行動をとっていた。
長年平和だったこともある。まさかこのトリステイン魔法学院に不届きな行為をするものがいるとも
想像しなかった。
本塔が宿舎塔から遠かったということもある。

結果的に言うと教師達、実力者は外の音に気がつかなかった。盲点である。

しかし、さすがに異変を感じた人間達が、慌ただしく行動を始めた。

それを盗賊の嗅覚で敏感に察知したフーケは、戦闘をあっさりと放棄して逃走に入った。

「しかし、あの子たちは将来とてつもないメイジになるわね」

先ほどまでの攻撃ははっきり言って強烈だった。防御一辺倒に傾注したから無事だっただけ。無駄に攻撃を
掛けていたら、風竜乗りの魔法か、炎に捲かれていたところだ。
ただ、大地の上での土の防御力は他者を寄せ付けない。その意味で自分が土系統であることを感謝した。

「しかし、これが破壊の杖かい? へんてこねぇ」

金属製の長い筒状の杖を両手で抱え、しげしげと見ていた。ずっしりとした冷たい手ごたえがある。
ゴーレムが魔法学院の城壁を超えた時、不意に喉元を絞めるように掴まれた。

手?

フーケは喉に押し当てられたものに無意識に手をやった。その手触りに思わず悲鳴が漏れる。
それは人間の手ではなかった。一番近いものを言えば……、強いて言えば竜の手。
鋭い爪を持った手がフーケの喉にあてられていた。



598 :BPZ@代理 9/9:2007/10/02(火) 18:35:30 ID:LUK2P42C

「ッ!!」
「申し訳ありませんが、動かないでください」
「あ、あんた誰だい」

若い男の静かな声が頭のすぐ後ろで響く。
フーケはぞっとした。いつの間に? そんな気配はなかったのに。
それとその声の気配が持っている吸い込まれそうな虚無感。フーケは全身に地獄の寒気を感じ、鳥肌が立つ。
亜人と会ったこともある。エルフも見たことがある。しかし、いくら亜人であってもここまでの恐怖感は
感じなかった。
異様な手と、理性的な人の声、そのギャップがさらにフーケを幻惑する。
未だかつてこれほどの恐怖を感じたことはなかった。
それは相手が理解できるから。王室衛士隊だろうとも、亜人だろうともある程度の知識はある。
知識があれば怖くない。でも、これは知らない。こんなのは知らない。
不意に背後に現れて首を攫む竜のような手、更に人間の言葉を喋る。
蛇に睨まれた蛙のように、捕食者に捕まった獲物のように、全身ががくがくと震えて行く。
歯がカチカチと鳴る。

人じゃない、これは、化け物、化け物が後ろにいる……
怖い怖い怖い怖い怖い

無意識のうちに、それだけが頼りかのように杖を握りしめる。
集中が切れたゴーレムの体が徐々に崩れて行く。

「杖を渡して下さい」

後ろから伸びてきた手が、握りしめた手の中から杖を取り上げる。
なすがままになっていたフーケの張り詰めていた緊張の糸が、音を立てて切れた。

ほとんど雪崩のように崩れ始めたゴーレムから、黒いローブに包まれたフーケを抱えてハジは飛び終りた。


----------------
以上ですー
支援ありがとうですー


599 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 18:39:08 ID:es1vdSng
乙でした!
いつもは控えめな使い魔がちょっと本気出すとこっていいよね

600 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 18:51:11 ID:o5sRvawS
乙!

>>599

それはいつもはおとなしい子がおこると怖いとかかわいいとかと同じことか?

601 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 18:51:21 ID:T546V11M
レプリカ>>脇腹に一撃貰いましたね
偶然か、必然か(どっちも同じ-_-;)
油断か、カウンターか
アレだけの戦闘を経験したルークと言えど、中空ではしっかりとした回避は取れないか?

602 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 19:01:24 ID:es1vdSng
>>600
>それはいつもはおとなしい子がおこると怖いとかかわいいとかと同じことか?
そーだね、かわいいってトコは限定されるけどねw
怒りんぼのルイズはいつも怖いんだけどね

603 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 19:10:53 ID:OISEIWY2
新ジャンル「地味デレ」乙

604 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 19:34:11 ID:q/j9ABbd
討伐まえに捕まるフーケは初めてみたな

605 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 20:11:18 ID:132fRIkN
バスタードネタで一つ小ネタを投下してみようと思うがOK?

606 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 20:11:37 ID:oAylekLs
乙。

>>604
後はZOZぐらいかな。

607 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 20:17:16 ID:oAylekLs
道は空いている模様

608 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 20:18:15 ID:dJVWeeFI
>>606
「とある魔術の使い魔と主」や「ゼロの答え」でもその場でつかまっていたな。

609 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 20:18:46 ID:LvOoaFF4
GO。そしてその後で俺が出る!

610 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 20:23:23 ID:31744zqY
とりあえず支援する

611 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 20:24:15 ID:dJVWeeFI
支援

612 :605:2007/10/02(火) 20:25:06 ID:132fRIkN
「宇宙のどこかにいる私の下僕よ! 強く、美しく、そして生命力に溢れた使い魔よ!
 私は心より求め、訴えるわ。我が導きに応えなさい!」

 ルイズがこれで十数回目の召還の呪文を唱え終わった瞬間、爆発が巻き起こった。
それ自体はいつもの事だ。珍しくもない。だが、今回はそれだけでは終わらなかった。
爆煙のたちこめる中に浮かび上がる巨大な人影。

「まさか!」
「ゼロのルイズが召還に成功したのか!」
「ありえない!」

 そんな生徒たちの動揺の声を圧して響き渡るのは、

「うわぁっははははははははははははははははひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!」
 
 という力強い高笑い。
力強さと高すぎるテンションのせいか、貫禄や高貴さと言った要素は皆無である。

「何だこの下品な高笑いは!」
「い、いったい、何者だ!」

 口々に発せられる誰何の声に、その人影は笑い声に劣らぬ大音声で応えた。

「ダーク・シュナイダー様の次に美しく!
 ダーク・シュナイダー様の次に強く!
 ダーク・シュナイダー様の次に偉大なる大魔導士!
 忠誠の蒼き爪持つ元・鬼道三人衆筆頭!
 それが私!ダァァァァァァァァァイ・アモォォン!」

 朗々たる名乗りの声と共に、アモンと名乗った人影がマント(どうやら、彼はマントを羽織っていたらしい)を翻す。
たちまち彼を中心として旋風が巻き起こり、たちこめる煙を一気に吹き飛ばしたその瞬間。
「て言うかダークシュナイダー様って誰よ?」と思う暇もなく。

「ってこれは日光ぉぉぉっぉ!昼間じゃねえかYO!ぶぉえぁ!」

 蛙を潰した様な悲鳴とともに人影は消え去り、煙の晴れたあとに残っていたのは白い灰の山であった。

613 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 20:25:54 ID:oAylekLs
美的センス壊滅の吸血鬼来た……って、うぉぉぉぉぉい!?w

614 :605:2007/10/02(火) 20:26:09 ID:132fRIkN
とりあえずただの一発ネタなんでこれだけ。
希望者が居るようなら続きを考えてみる。

615 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 20:26:42 ID:dJVWeeFI
即退場か!

616 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 20:27:43 ID:oAylekLs
ま、正に一発ネタ……とりあえずこの場合、吸血鬼召喚したって事でルイズの評価は上がるんだろうか。
乙。

617 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 20:30:51 ID:Cvg6oXoK
けどハジが召喚されてよかったな
もしアンシェルかカールだったら終わってた

618 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 20:33:12 ID:u3ZOCAUB
一応日の光に当たってもでかい蝙蝠になって生きてるけど……まぁギャグだしね!

619 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 20:34:58 ID:dJVWeeFI
次は>>609氏ですね。
ダイ・アモンであがったテンションのままで支援する。

620 :609・松下:2007/10/02(火) 20:38:16 ID:LvOoaFF4
(カァカァ ギャアギャア ギャア ギャアギャア……)
(カランコロン カランコロン カラン コロン)

やあ、人間の皆さん、今晩は。松下一郎です。昨夜はテラカオスで失礼しました。
今宵も変わらずのご盛況、なにより乙でございます。
……って、いきなり死んでるッ!!? さらば、大亜門!(違う人)

さて、『使い魔くん千年王国』第一部終了ということで、最終の投下に参りました。
思えば初投下が八月の下旬。時の過ぎるのは早いもので、彼岸花が満開ですよ。
ところで彼岸花って、有毒でお墓の周りに咲くから、『死人花』『地獄花』とも、言うんですねぇ……。

(ギャアギャア カァカァ ギャア ギャアギャア……)

621 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 20:40:12 ID:dJVWeeFI
支援

622 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 20:41:13 ID:dJVWeeFI
支援

623 :『使い魔くん千年王国』 第二十七章 悪魔くん 1/4:2007/10/02(火) 20:41:35 ID:LvOoaFF4
「こ……これは、何事です!? 何が、ここで起きたのですか!?」
翌日の午後。アンリエッタ王女は、ユニコーンに跨り魔法衛士隊を率いて、ようやくタルブに到着した。
そこで彼女が見た物は、完全に焦土となったタルブの村であった。
その跡地にいくつか天幕が張られ、生き残った者たちが治療を受けていた。
キュルケが彼女の姿を見かけ、声をかける。

「あなたは、アンリエッタ王女! よくぞお出で下さいました!!
 あの、あちらで、ルイズたちが治療を受けています」
「ええっ、ルイズが!? な、なぜ、どうしたのですか!!?」
「彼女たちの活躍で、アルビオン艦隊は跡形もなく全滅したのですよ。
 お見せしたかったといいますか、ご覧にならなくてよろしかったといいますか……」
あの光景を見たキュルケの顔は、なお蒼白だった。

王女は急いで馬を降り、教えられた天幕へ駆けつける。そこには、力尽きて昏睡しているルイズと松下がいた。
「あ、ああ……ルイズ!!! それに、使い魔さん!」
「いいえ、彼は『メシア』ですわ、王女様」
傍で看護している少女が、毅然とそう言った。
「あの……貴女は、どなた?」
「お初にお目見えいたします。トリステイン魔法学院の使用人、シエスタでございます」

王女は戸惑った顔を見せたが、魔法衛士隊や追って来た重臣たちを集めると、
アルビオンとの緒戦に勝利した事を力強く宣言する。
「我々は、彼女たちの活躍と始祖ブリミルの加護により、奇跡的に敵艦隊を『追い払う事』に成功しました。
 とりあえず、今回の戦いで犠牲になられた方々に、黙祷と哀悼の意を捧げます」

624 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 20:42:22 ID:dJVWeeFI
支援

625 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 20:43:23 ID:dJVWeeFI
支援

626 :『使い魔くん千年王国』 第二十七章 悪魔くん 2/4:2007/10/02(火) 20:43:54 ID:LvOoaFF4
丁重に王宮に運ばれたルイズと松下は、三日三晩昏睡状態にあった。
そして四日目の朝、二人は同時に目を覚ました。
「ふわぁぁあああああ、ああ、よく、寝た」
「ええ、よおおおく寝たわ。かつてなくバッチリの気分よ!」

付きっ切りで看護していたシエスタや『信者』、タルブの村人は、歓呼の声を挙げる。
「メシア! ああ、『我らのメシア』が復活されたわ!!」
「「メシア万歳!! 千年王国万歳!!」」
「「AMEN!! AMEN!! AMEN!!」」

「な、何? いきなり吃驚するじゃない、シエスタ」
「ああ、きみたちか。どうやらアルビオン艦隊は殲滅出来たようだね。
 だがきみたち、今日のところは『トリステイン王国万歳』と唱えたまえ。
 これでアルビオンも、しばらくこの国に手を出そうとは思わないだろうから」

騒ぎを聞きつけ、アンリエッタ王女もいそいそと駆けつけた。
「ああ、ルイズ! ミスタ・マツシタ! やっとお目覚めですね! 本当に……心より感謝いたします。
 あなた方は、『救国の英雄』ですよ!!」
「姫様! わ、私……無我夢中で、何がなんだか、さっぱり」
「姫殿下、ご無事でなにより。今度の褒賞は、この国でもよろしいですか?」
松下は相変わらず、松下だ。

627 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 20:44:23 ID:dJVWeeFI
支援

628 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 20:45:23 ID:dJVWeeFI
支援

629 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 20:46:23 ID:dJVWeeFI
支援

630 :『使い魔くん千年王国』 第二十七章 悪魔くん 3/4:2007/10/02(火) 20:47:00 ID:LvOoaFF4
その翌朝。
論功行賞の結果、ラ・ロシェールの町の収入の十分の一がルイズに、タルブの村一帯の領地が松下に与えられた。
もっとも両方とも手ひどく破壊されたため、復興が急務である。
なにより国防最前線の軍港として、もっと大きくする必要もあった。松下は地図を貰い、シムシティ気分で大張り切りだ。

「早速、復興事業を始めよう。発注業者の入札制度はあるようだ。
 ほとんどの家屋と森林が失われたから、かえって再建が早くなるな。貴族から絞り取った余剰資金を投入しよう。
 住民は今回の件の難民に加えて、国内の商人やあぶれメイジや盗賊・傭兵などを掻き集め、
 厳しい法律と教義で鍛えて、ぼくの私兵集団とする。税金はしばらく免除だ。
 ラ・ロシェール空港のバックアップも行えるようにして、将来は国際的なハブ(主軸)空港としての役割を担わせる。
 竜や『魔女のホウキ』の発着場も作っておこうか?」
お付きの文官連中を率い、8歳の領主さまは様々な青写真を描く。

「……役所をここに建てて、軍港にふさわしい施設と、銀行に病院に歓楽街。
 ファウスト博士とムラシゲルの銅像も、地域の功労者として立派な物にしてやろう。
 そうだ、今回の記念に、ぼくやルイズやシエスタ、ミスタ・コルバアルや火竜たち、
 それに『地獄の門』の銅像も建てておくかな。慰霊碑と戦勝記念碑も必要だ。記念館もあとで建てよう」
「コルバアルって誰よ。コルベール先生でしょ」
つっこみどころはそこだけか、ルイズ。

「それで、結局何がどうなったの? そろそろ説明してよ」
「ぼくは『地獄の門』を呼び出し、きみと協力して悪魔の大群を召喚したのだ。
 ちとやりすぎたかな。本来悪魔が十数体程度で良かったのだが、きみの潜在魔力は予想外のものだったよ。
 やはりきみの系統は、失われた『虚無』だったのだ。ぼくを呼び出しただけのことはある。
 流石にあれほどの大軍団は召喚できないだろうが、幾柱かの悪魔とはコンタクトが可能になった。
 ……もっとも、いちいちタルブの山奥まで行かねばならないから、
 もっとコンパクトな召喚方法はないか、と思っているがね。連れ歩くのも面倒だし」

631 :エデンの中の人:2007/10/02(火) 20:48:30 ID:xY1TSwoc
支援
そして短編で予約

632 :『使い魔くん千年王国』 第二十七章 悪魔くん 4/4:2007/10/02(火) 20:49:15 ID:LvOoaFF4
数日後、タルブの村に復興の槌音が響き始めた。
松下が陣頭指揮を取り、ルイズが呆然と眺めている。王女も『前線基地』を視察に来た。
「やあ姫殿下、ご機嫌麗しゅう。時に今回、あつかましくももう一つお願いがあるのですが」
「まあ、何かしら? ご恩には報いなければなりませんが、この国は差し上げませんよ」
コロコロと王女が笑う。腹黒さではいい勝負かもしれない。この『ビッチ』め。

「ははは、流石にまだ早いですよ。戦争も始まったばかりですから。
 そこでお願いなのですが、戦争に勝利したら『アルビオン全土』をぼくに下さい。
 ぼくでダメなら、誰か高名で誠実な無能者をアルビオンに立てて頂けばよい。
 不肖このぼくが、その者の黒幕としてかの地を支配しましょう。ルイズなどはどうです?」
腹黒王女も絶句する。ここまで図々しい『お願い』があるか。

「……ふふ、考えておきますわ。でも、アルビオンはそのうち王政復古をさせたいのです。
 『レコン・キスタ』との戦争が終結すれば、その国内に貴族として封建するかも知れませんが、何年かかるやら」
「それでもよろしい、言質はとりましたぞ。あと、ぼくはトリステイン王国にではなく、
 今のところは『ルイズに』仕えているという事を、お忘れなく」
互いに『にこやかに』笑い、会談は終了した。

「マツシタ! まさかあんたまた、姫様に変なお願いしたんじゃあないでしょうね!!」
ルイズが鋭く感づき、松下に詰め寄る。
「大体あんた、とうとう領地なんか貰って、これからどうする気?」

松下は、至極冷静に、今後の活動方針を語る。

「そうだなあ、手始めにアルビオン全土を掌握して、やがてはトリステインから正式に独立し」
「それから空軍力でガリアを辺境から蚕食するか、戦力が充実していれば直接王都を空襲して降伏させ」
「ガリアの有力貴族やゲルマニアは、賄賂や手紙やこの『魔酒』で結束を弱めておき」
「各地に諸侯を分立させ、国内がガタガタになるほど揺さぶった後」
「平民や下級貴族たちには、宣教と『白い粉』で革命に賛同させて、流言蜚語で上層部を混乱させ」
「そして『悪魔』の力で一気に無政府状態を作り、最小限の流血を以って、『汎大陸人民革命』を成就させる」
「ぼくは『メシア』となり、きみは『聖母』となるだろう!」
「なあ、ぼくの忠実なる『第一使徒・ルイズ』よ」

ルイズは、がっくりと崩れ落ち、頭を抱えた。


ああ……やっぱりこいつ…………『悪魔』だわ。

(第一部・完)

633 :『使い魔くん千年王国』:2007/10/02(火) 20:50:52 ID:LvOoaFF4
以上、『使い魔くん千年王国』第一部・完! でございます。

中断はありましたが40日もの間、拙作にお付き合い頂き、まことに有難うございました。
これより約一ヶ月の充電期間を頂きまして、11月初旬の第二部としての再開を目処にしております。
その後の投下間隔は、やや開くかと思いますが。

それまで、10月中は週に一度の『趙・華麗なる使い魔』をお楽しみ下さい。(仕事しろ)
計算上、ちょっと松下の再開が『趙』に被りますが、ご容赦のほどを。

しかし、十七世紀英国の偉大な悪魔叙事詩『楽園喪失(失楽園)』の作者ミルトンは、
護国卿オリヴァー・クロムウェルの盟友だったそうですな。なかなか意外でした。

では皆さん、再見!!

634 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 20:54:59 ID:PcmDm/Y/
ダイアモン乙
そして灰から蝙蝠が出てきて契約の際は「血を吸って上げましょうお嬢さん」なわけですな

635 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 20:57:22 ID:hsb73dy0
皆さん乙。

うちはルキア召喚ネタの筆が進まない……。


636 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 20:59:59 ID:31744zqY
使い魔くん乙
目的のためならどこまでも非情になるなあ
アンリエッタとの対話がものすっご怖いよ!

637 :エデンの中の人:2007/10/02(火) 21:01:10 ID:xY1TSwoc
そろそろ大丈夫かしら。

638 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 21:02:19 ID:ATQ1IA3p
キャモン!

639 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 21:02:27 ID:pK8Bzrwj
林檎ごーですよ

640 :ごめん、短編なんだ 1/2:2007/10/02(火) 21:05:56 ID:xY1TSwoc
じゃあ行きます。
CV若本でお楽しみください。
ネタばれだからタイトルはあとで。



 ルイズが春の召喚の儀式で呼び出したのは、明らかに人間ではなかった。
 人語を解しする亜人を引き当てたたと大喜びするルイズ、だがその喜びは徐々に微妙なものに変わっていった。

 確かに彼は強かった。
 理由がまったくわからない理不尽な決闘でギーシュのゴーレムを広場の壁ごとなぎ払い、フーケのゴーレムにいたっては森の一角ごと吹き飛ばした。
 強さだけなら及第点どころが合格ラインを余裕でオーバー。
 そう、強さだけなら。

 彼はあまりに尊大だった。――絶対に頭を下げず、一国の王にも上からの物言い。
 彼はあまりに突拍子もなかった。――いきなり頭と体を分離して飛んでみたり。
 彼はあまりに飛びぬけたセンスを持っていた。――ルイズをショッキング・ボンバーと呼んでみたり。

 そして何より彼はあまりに華麗だった。

 その華麗さのあまり学院中に信奉者が出るほど。
 ギーシュなど彼の説法のどこに感動したのかわからないが、浮気がなくなったとモンモランシーが言っていたのでまあいいことだろう、うん、そう思いたい。

 常に不敵に、常に華麗に、そして常に最強に、彼は今日も葉巻とかいう使い捨てのパイプを吹かしながら笑っていた。


 そして待ち構える裏切りのとき。
 目の前で傷を押さえる傷ついたウェールズ皇太子、不敵に笑うワルド、そしてその間で怒りに震える彼。

「君が何かは知らんが遅かったようだな。ついでだここで消えてもら「黙るがいい!」」

 彼はワルドの言葉をさえぎって、怒りに震えた声を上げる。

「ショッキング・ボンバーのピンチに駆けつければ貴様、貴様、よくもよくもよくも!」

 ああ、やっとまともな感想! 感動の涙を流しそうになるルイズ、無論そんなわけがない。

「よくも我がボディを汚してくれたな!」
「「「へっ?」」」

 彼の怒りの焦点は完璧にずれていた。

「吹き飛ばしてくれるわ!」

 V の字に広げられた両手、その体から発せられる光線にワルドは文字通り吹き飛ばされ、壁の向こうへ消えた。

「逃げるか貴様!」

 逃げてない逃げてない、あなたが吹き飛ばしたんですよ?

 ルイズとウェールズは内心シンクロで突っ込みつつ、彼に続くように壁にあいた穴に駆け寄った。
 その先には漫画のように黒く焼け焦げアフロになったワルドを乗せて逃げてゆくグリフォンの姿。
 それは見る見る小さくなり遠くに見えるレキシントン号の中へ消えてゆく。

「ベリー・シット! 逃がすものか!」

641 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 21:07:16 ID:BM/U8doU
支援

642 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 21:07:33 ID:pK8Bzrwj
ごめん本気で吹いた支援

643 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 21:07:57 ID:ATQ1IA3p
1!2!×2支援

644 :ごめん、短編なんだ 2/2:2007/10/02(火) 21:09:24 ID:xY1TSwoc
 彼はそのまま中に浮き、重力制御飛行で飛び出した。
 信じられないほどの高速度でレキシントン目がけ飛んでゆく。
 周りから聞こえる「アレは何だ!」「UFOだ!」「おお、なんと華麗な!」とかいう声を一切合財無視し、レキシントン近くで彼は停止した。

「怒りのパワーを右腕に!」

 彼の右腕が光をまとう。
 戦艦は動けない。

「我が強さを右肩に!」

 彼の右肩の宝玉が輝きを放つ。
 周りの竜騎兵は動けない。

「我が美しさを股間の紳士に!」

 彼の股間の金た……ゲフンゲフン、宝玉がまばゆい輝きを振りまく。
 傭兵たちは動けない。

「誇り高き心を左肩に!」

 彼の左肩の宝玉が輝く。
 メイジ達は動けない。

「Vの華麗なる力を、頂ぉぉぉ点に!」

 全身がまばゆい光に包まれる。
 そのあまりの華麗さに誰もが言葉を失った。

「今必殺のお! チャーグル・イミスダフッ」

 噛んだ。

「……ブルアァァァ!!!」

 え、言い直さねーの?

 レコン・キスタ全員に共通するだろう感想を抱かせながら、彼はその体から放ったV字の光でレキシントン号ごと戦場をなぎ払った。


 彼はルイズが老衰でこの世を去って契約が切れたのち魔界へと帰還した。
 あとに残されたのはプリミル信仰をはるかに超える信者を抱える宗教。
 彼の華麗さは貴族や平民といった人間だけでなくエルフにまで及び、種族の垣根を越えてその華麗さは広がってゆく。
 その宗教の礼賛の対象は彼をかたどった彫像で、彼らが首に下げるのはV字型のシンボルだった。
 彼をたたえる声がトリステインで、アルビオンで、ガリアで、ゲルマニアで、そしてはるか東の地で、今日も神殿にこだまする。


          おお華麗なるビクトリーム様!


『其は華麗なるガンダールヴ』


以上です。
本がなくても大丈夫なのは魔界から直だからってことで。
楽しんでいただければ幸いです。
タイトルは
其は華麗なるガンダールヴ

645 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 21:10:53 ID:wedJ6gts
ビクトリームさまwwwww

突如電波を受信したので一発ネタを書いてしまった。
正直初めてなので首を釣る覚悟で投下したいがいいかしら?

646 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 21:11:09 ID:oAylekLs
乙。最近若本ボイスだと真面目なキャラでも噴いてしまうのは何で何だぜ?

647 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 21:14:55 ID:pK8Bzrwj
オォォォル・ハァァァイル・ブリタァァァァァァニアァァァァ!支援

648 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 21:14:57 ID:rvPtoURR
>>646
若本だから仕方ない
カラオケではベリーメロンの歌で喉を枯らしたなあ


649 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 21:15:19 ID:oAylekLs
>>645
道は空いている様子

650 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 21:16:56 ID:qk9DF0ti
神殿に捧げられているメロンを想像してしまったwww

651 :ルイズパラドックス:2007/10/02(火) 21:17:41 ID:wedJ6gts
では。

「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
 五つの力を司る五角形(ペンタゴン)。 我の……」

 ルイズがこれで十数回目の召還の呪文を唱え終わろうかというその時だった。
呪文の途中だというのに突如、ルイズの目の前に電流走る。

そこから突然現れたのは、四つんばいになった男だった。
しかし、そのとき偶然目を閉じていたルイズにはそれが見えるはずもなく……

 ……運命に従いし『使い魔』を召喚せよ!」

呪文を唱え終えてしまった。

「ここはどこ…ぬわーーーー!!!」

哀れ、ルイズが杖を振り下ろすと爆音と共に光が炸裂し、
爆発に巻き込まれた男の独白は誰にも聞かれることはなかった。


目を開いたその時、ルイズの瞳に煙の向こうの何かが映った。
まさかと思い、爆発の中心に駆け寄るルイズ。

「……なに?」

煙が晴れ、そこで見たのはまるで人の骸骨のようなスーツを着用した金髪の男だった。
もっとも、爆発にまきこまれてウェルダン一歩手前だったが。
平……民?とルイズが思ったその時

『未来が変わってしまった!!タイムパラドックスだ!』

どこからか渋い男の声が聞こえてきた。
え……?と思考が停止したのもつかの間、

『未来を変えてはいけない!未来を知ることだ!』

渋い男の声とともに、使い魔になる(とルイズが思っていた)男は
電流に包まれ、そのまま消えてしまった。

あとに残されたのは途方にくれるルイズと野次を飛ばす外野、
そして絶句するコルベールのみだった。


…MGS3のシークレットシアターMETAL GEAR RAIDEN snake eraserより、雷電が迷い込み即退場

652 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 21:20:42 ID:wedJ6gts
以上です。

正直スマンカッタ

653 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 21:23:52 ID:vRg5wP6K
ぬわーーー!!
でパパスかと思ってしまった

654 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 21:25:43 ID:mELQS48q
雷電!4でどうみても死亡フラグが立ってる雷電じゃないか!

655 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 21:27:02 ID:UbwX4SZF
雷電はあの予告ムービーの時点で死亡フラグ立ちすぎ。

656 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 21:30:52 ID:ATQ1IA3p
雷電と聞いてバーチャロンが思い浮かんだ私。

657 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 21:31:24 ID:WcjTvmGa
>>656
同士よ

658 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 21:34:34 ID:Eixve0py
>>656
結婚しよう

659 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 21:41:52 ID:132fRIkN
>>656
よし、そのままバーチャロイド召還ネタを書くんだ!

660 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 21:46:18 ID:ATQ1IA3p
>>658
だが(ry

>>659
すまぬ、ゼロの使い魔は買っていないんだorz
むしろこのスレで存在を知ったくらいなんだ

661 :静嵐刀召喚:2007/10/02(火) 21:56:26 ID:bAleZHaP
予約が無ければ投下したいがよろしいか?

662 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 22:00:31 ID:oknnhNx+
バーチャロイドはちょっと心惹かれる。
スパロボで出てきたあの3人くらいしか性格までは把握していないが・・・。

663 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 22:03:05 ID:XEsxnSto
ミンサガのゲラ・ハとか

664 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 22:03:28 ID:31744zqY
支援いたす

665 :零魔娘娘追宝録:2007/10/02(火) 22:05:07 ID:bAleZHaP
                突如として静嵐に戦いを挑みくる
                     悲壮の決意を持つ少女
                         『雪風のタバサ』
                       の目的とはいかに?
                                そして
                       奪われる禁断の宝物


 自室で一人、タバサは回想する。
 思い出すのは苦い、敗北の記憶だ。


『なかなか粘るな、小娘よ。年の割りにはよくやる、と言ったところか。
誇ってもいいぞ、只の人間で俺とここまで渡り合えるやつなんざそうは居やしない。
ま、だからといって俺に勝てもしないんだがな』
『――?』

『そうだ。あいにくと俺は人間じゃないんでね、人間相手に攻めようとしていたおまえはハナから見当違いだったのさ。
こう見えて俺は勉強家だからな。おまえたちメイジ相手の戦い方ってやつもそれなりに研究しているつもりだ』
『――?』

『何故あの男に力を貸すかだと? 理由なんてないさ。
この世界には俺の仇である『ヤツ』はいない。その上帰る方法も見当がつかない。
だからたまには真っ当な宝貝の真似事をしてみるのも面白かろうと思っただけだ。
これでも一応道具の業ってやつを持ってるんでね。使ってくれる分には誰でもかまわんさ。
おまえに運が無いのは俺を手にしたのがたまたまあの男だったということだけだ』
『――!』

『ほう、なかなかいい殺気を放てるじゃないか。少し背筋が寒くなったぞ。
『雪風』の名は伊達ではないというところか。
……いい眼だ。復讐に燃えながらも、殺気で研ぎ澄まされた氷のような瞳だ。
唯一堂々と宮中で杖が持てる機会である御前試合にかこつけて、
憎きあの男を殺してやろうという捨て身の殺意は隠し切れないか。
だがそれは未熟の現れでもある。殺気で人は殺せん。
殺気は闘争には必要。しかし目的を完遂するのには不必要。
戦闘中の覇気と殺気は違う境地にあるってことだな。まして怒気まじりの殺気なんぞとは大違いだ』
『――』

『まぁあまり気にするな。さっきも言ったがいい筋はいってやがる。
精進すればいずれ――おっと、無駄口を叩くなと言われたよ。
どんな手を使ってるのかわからんが、あの黒服の女は俺の状態がわかるようだな。ふん、忌々しい。
……さて、そろそろ終わりにしようか。別に殺せとは言われていないが、
だからといって手加減してやるほど俺は優しくないんでね。
せいぜい上手く負けるよう努力して次の機会に賭けるんだな』
『――』

『まぁ俺がいる限りそうそうお前の目的は達成されないさ。
それでも俺を出し抜こうというのなら、導果先生か静嵐君でも連れてくるんだな。
俺より強力な宝貝なんぞいくらでもあるが、あの二人だけが完全に俺に勝ちうる手段となる。
――では、いくぞ!』

666 :零魔娘娘追宝録:2007/10/02(火) 22:06:57 ID:bAleZHaP

 半年前、ガリアで御前試合が行われた。
 御前試合と言っても、多くの観衆の前で華々しく戦うものではなく、
 あくまでも国の裏側で、自分の力評価されるだけの薄汚いものだ。
 参加しているのは貴族、平民を問わない。それぞれがそれぞれ、望まれるだけの力を持った者たちだ。
 そう、ガリアの暗部、けして公になることはない裏の顔、ガリア北花壇騎士部隊としての力をだ。
 そこで多くの騎士とは名ばかりの戦奴や傭兵たちが、ただでさえ短い命を削りあうのだ。

 だがその日はいつもの『試合』とは違った。ガリア王ジョゼフ自らが、この戦いを観覧すると言ったのだ。
 それはいかなる気まぐれかはわからない。だが、タバサはこの事実に歓喜した。
 憎き仇。父の命を奪い、母を廃人同様へと追いやったあの男が、杖を持った自分の前に丸腰で立つのである。
 無論、ジョゼフとて愚かであっても馬鹿ではない。目に付くところ、つかないところに幾人もの護衛を配置していることだろう。
 その中には自分よりも遥かに卓越したメイジもいるだろう。
 もしジョゼフを狙ったりなどすれば、死は免れ得ないだろう。

 だがそれでも構わない。一太刀、あの男に打ち込み、その命を奪えさえすれば、タバサ自身はどうなってもかまわない。
 そう覚悟を決め、機会をうかがうべく試合に臨んだ。だが、
(結果は惨敗。命を奪うどころか自分が生き延びるのに必死だった)
 あの『武人』。どんな流派とも知れぬ不思議な技と術でタバサを翻弄し、敗北させた男。
 ヤツがいる限り、仇敵を討つ事は叶わないだろう。

 しかし、今の自分ではあの男に勝つことはできない。ならば、あの男自らが言っていた手段、
『それでも俺を出し抜こうというのなら、導果先生か静嵐君でも連れてくるんだな』
 ドウカとセイラン。その名を持つものの力を借りるしかない。
 そして今、自分の前にその一人がいる。
 タバサは窓を開け放ち、下を見下ろす。寮党、自分の部屋の直下。だらけた姿勢でボーっとしている男がいる。
 彼の名こそセイラン。自分が捜し求めるものの一人。

 だがその姿からは何の覇気も感じない。あの敵が見せたような立っているだけで圧倒されるような威圧感など無い。
 本当にこの男が『鍵』なのか? 彼を得れば自分は勝てるのか?
 わからない。だから自分にできることをするまでだ。
「そう。……確かめてみるだけ」

                  *

 満点の青空の下、静嵐は壁にもたれてくつろいでいた。
 気楽な様子とは裏腹に、その表情は晴れやかではない。
「はぁ〜」
『どうした、相棒。溜息なんざついて』
「いや、暇だねえ、と思ってさ」

 そうなのだ。この世界に召喚されてからというもの、どうにも暇でしょうがない。
 一度決闘をしたものの、それ以来は出番が無く。主人であるルイズも自分に戦いではなく洗濯などの雑用を言いつけてくる。
 主人に命じられれば基本的に従うのが宝貝であるが、
 それでも自分の本分とかけ離れた仕事を任せられるのに不満がないかと言えばそうではない。
 あまりそうは見えないが、静嵐は武器の宝貝なのである。

 ならば訓練でもしていればいいものだが、武器の宝貝である静嵐は
 だらだらしていたところで体が鈍るわけでもないし、鍛えたところで能力が伸びるわけでもない。
 なんとも始末の悪い話であった。
 暇だというのには、肩に背負ったデルフリンガーも同意のようで、ぼやくように言う。
『世間は戦争だ反乱だの言ってるみてえだが、
この魔法学院にいるのは戦とも無縁の坊ちゃん嬢ちゃんばっかりだしな。
俺ら「剣」が暇なのも無理はねえよ』

667 :零魔娘娘追宝録:2007/10/02(火) 22:09:06 ID:bAleZHaP

 聞いた話によれば、トリステインの近隣国のアルビオンという国で反乱が起き、
 王族派と貴族派に分かれて相争っているらしい。
 戦況は王族派が劣勢のようで、政権交代も時間の問題だと言う。
 アルビオンの貴族はこの世界の全ての王家を降すことを目的としているらしく、
 このまま戦争が続けばトリステインとて戦火に巻き込まれることもありうるだろう。
 だが、そんな国際情勢は気楽な貴族の子弟には関係ないことらしく、
 皆のん気に学園生活を送っている。

「戦争か……」
 静嵐が思い出すのは、かつて自分が参加したとある『戦』についてだ。
 武器の宝貝である静嵐は、戦うことに対して恐れや不満は無い。
 だがそれでも、戦が好きかどうかと言われるとそんなことはない。
 戦争は嫌だ。とても虚しい気分になる。

 武器の宝貝という「何かを破壊するため」に生まれた存在であるがゆえに、
 そうした行為の愚かさや無意味さは身に沁みてわかっている。
 あの時戦った敵、彼は今どうしているだろうか……。
「――嫌だねえ。戦争っていうのは」
 武器らしからぬといえばそうであるが、ある意味では武器であるからこその言葉に、デルフリンガーも静かに同意する。
『そうだな……。実を言うと俺もあんまり好きじゃねえや』

 そうして二本の剣が、空を見上げていると。メイド服姿の平民の少女、静嵐の友人であるシエスタが通りかかる。
「あ、セイランさん。こんにちわ」
「やあシエスタ。洗濯かい?」
 にこやかに挨拶をしてくるシエスタは、手に大きな籠を抱えている。
 中にはシーツと思しき大量の布が詰まっている。

「ええ。今日はいいお天気ですから」
「そうだね。……よし、なら僕も手伝うよ」
 どうせ暇だったのだ。こんなところで腐っていてもしょうがない。
 そんな静嵐の申し出に、シエスタは困ったように笑う。
「そんな! 悪いですよ」
「いいっていいって。どうせ暇だったし」
 静嵐がそう言うと、シエスタはしばし思案する。

 これだけの量のシーツだ。一人で干すのは大変だし、手伝ってもらえるものならば手伝ってもらいたいものだろう。
 少し迷ったようではあるが、悪戯な笑みを浮かべてシエスタは言う。
「それじゃあ……お手伝いをお願いしちゃおうかな?」
「うん。任せて――あいて」
 笑顔で承諾しようとした静嵐の後頭部に、コツン、と小さな音を立てて軽い何かがぶつかる。
 静嵐は振り返ってみる。自分の頭に当たった何かが地面に落ちていた。

「これは……紙で出来た鳥?」
 手にとって見ると、それは小鳥を模した紙細工だった。
 自分の頭に当たったのは、その鳥の口ばしの部分だったんだろう。
 静嵐の手元を覗き込んだシエスタが言う。
「それはメイジの方々の遊びですよ。紙を折って造った鳥を、風の魔法で飛ばすんです。
誰が一番遠くまで飛ばせるかを競ったりするらしいんですよ」

「ふうん。じゃあどっかから流れてきたのかな? ――ん? 何か書いてある」
 ガサガサと小鳥の細工を開いてみると、文字と思しきものが数行に渡って書かれている。
 こちらの世界の文字を読めない静嵐には、その意味はわからない。
「え? ホントですか? ちょっと見せてください」
「君は字が読めるのかい?」
 いつかルイズが、平民の識字率は低いと言っていたことを思い出す。

668 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 22:09:25 ID:Skn7SQIt
支援

669 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 22:09:32 ID:vmjLjsuf
禁連投即不能規制
支援

670 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 22:10:21 ID:d1kssvbe
将軍がいるのか!支援

671 :零魔娘娘追宝録:2007/10/02(火) 22:10:36 ID:bAleZHaP

「ええ。学院にお勤めさせていただく前に、寺院で習ったんです。――これは!」
 説明するシエスタの顔が驚きに染まる。
「なんて書いてあるのさ?」
「『ヴァリエールの使い魔、セイランへ。本日太陽が沈んだ後、ヴェストリの広場まで一人で来られたし。《雪風》より』です!」
 小鳥の紙細工は、自分に宛てた手紙であったのだ。
「これは……呼び出しだね。雪風ってのは確か」
 そういう二つ名の持ち主がいたはずだ。
「……ミス・タバサの二つ名です」

                  *

「もう! あのバカ剣ったら、どこをほっつき歩いてんのよ!」
 夕刻。日も沈みかけたころ、ルイズは静嵐を探して学院内を歩いていた。
 ちょっと小用を頼もうかと思ったのだが、どうも先ほどから姿が見えない。
 部屋にはデルフリンガーのみが残されており、どうやら一人で出歩いているようだった。

 食堂に差し掛かった時、黒髪のメイドが目に映る。
 そう言えば静嵐はこのメイドとは友人であったはずだ。
 そう思い出し、ルイズはメイド――シエスタとかいう名前のメイドに話しかける。
「あ、そこのメイド。シエスタだったかしら?」
「はい? なんですか、ミス・ヴァリエール」

「私の使い魔の、あのボーっとした男見てないかしら?」
 そう問われたシエスタは少し困ったような顔をする。どうやら居場所を知っているようではある。
 話していいものかどうか迷っているようだが、貴族であり、静嵐の主人である自分に黙っておくことはできないと判断したのか、
 迷いながらも口を開く。
「……セイランさんは今の時間はミス・タバサに呼び出されてヴェストリの広場に行ってるはずですよ」
「タバサが?」

 タバサとセイランという取り合わせが理解できない。
 ギーシュにリベンジを挑まれたとか、キュルケにちょっかいを出されたというならわかるが、
 何故タバサがセイランを呼び出したりするのだろうか?
「はい。今日のお昼、セイランさんに呼び出しの手紙が来てたんですよ。ミス・タバサから

 呼び出しの手紙。それはもしや、決闘の申し込みではないだろうか?
 タバサは見た目に似合わずかなりの魔法の使い手である。
 そんな彼女が、武器の宝貝である静嵐に興味を持ってもおかしくない。
 まさか、ただ因縁をつけてきたなどということはないだろうが、それでもかなりよろしくないことが起こるのではないか?

「なんてことなの……、すぐ行かなきゃ!」
 もし決闘などということになれば、その危険さはギーシュなどの比ではない。
 今度こそ止めなければとルイズは駆け出そうとするが、それをシエスタが制止する。
「だ、駄目ですよミス・ヴァリエール。邪魔をしちゃ悪いですよ」
「タバサはトライアングルクラスのメイジよ! いくらあのバカが頑丈だからって無事じゃ済まないわ!」
「そんな物騒な。逢引きでそんなことをする人なんていませんよ」
「あ、逢引き?

 どうにもおかしい。自分とシエスタとの「タバサからの呼び出し」の解釈には何か齟齬がある。
「え? 違うんですか? てっきりミス・タバサがセイランさんに何か思うところがあって、それで密かに逢おうと思い呼び出したのかと……」
「そんなわけないでしょ! 決闘の申し込みに決まってるわ!」
「ええ!? そうなんですか!」
「あのトンマに惚れる女なんて居るわけないでしょうがー!」


672 :零魔娘娘追宝録:2007/10/02(火) 22:11:38 ID:bAleZHaP

 このメイドの、あまりにお気楽な発想にルイズは惚れる。
 あの間抜けなバカ剣に懸想する人間が居るとすればあの好色なツェルプストーの女くらいだが、
 それでもあの女は今、セイランには興味を持っていなかったはずだ。
 ゆえに、あれに惚れるような人間などまず居まい。
 いるとすればよほどの物好きの変わり者か、さもなきゃ何年も恋人の一人も作れないようなイタい女だけだろう。
 だがシエスタは首をひねる。

「そうかなぁ。けっこう人気ありますよ、セイランさん」
「え?」
 意外な言葉にルイズの目が点になる。
「いえまぁ、仰るとおりちょっとボーっとしたところはありますけど。それでもそういうところが逆にいい、っていう人もいますよ」
「そ、そうなの?」

「はい。私の友人なんかも、『なんだか私が守ってあげなくちゃ』っていう気にさせるって言ってましたし」
「……物好きもけっこういるのね」
 そう言えば貴族の生徒の中にも、ちょっと興味深そうにセイランを見ていた人間も居たような気がする。
 てっきり珍しい格好をした男だから観察していたのかと思ったが、もしかしてそういうことなのか?
「ひょっとしてあんたもそうなの?」
「いえ、私はむしろ守ってもらいたい方なので。お友達としてしか……」
 シエスタは首を振って否定する。

「……私もどちらかといえばそうよね」 
 そんなルイズに、シエスタも同意する。
「ですよね。それが女の子の理想ですよ」
「まったくね」
「はい」
 なんだか妙なところで意気投合してしまう。
 もし自分たちが理想とする男が居たとしたら、彼女とはライバルになるのだろうか?

 などとルイズは詮の無いことを考えて、
「……って! こんなこと言ってる場合じゃないわ! さっさと止めにいかないと」
 そんなことをしている場合ではないと気づく。
 ルイズの剣幕に、シエスタはやや不満そうである。
「えー。逢引きだったらどうするんですか?」
「ありえ無いわよ、そんなの。
百歩譲ってあいつが少しはモテるとしても、相手はあのタバサよ。あの無愛想な子がそんなことするわけないわ」

 キュルケの横でいつも本を読んでいる鉄面皮のタバサ、あれが頬を赤らめ自分の使い魔に告白する。
 ……駄目だ。想像できない。どう考えてもありえない組み合わせである。
 だがシエスタは、うっとりと陶酔するように目を閉じ、詩の一節でも朗読するように言う。
「そこはそれ、ですよ。燃える乙女心を無表情な仮面の下に隠して……
密かに慕い上げるあの人への思い……身分違いな恋に悩む少女が覚悟を決めて恋文を……
というやつかもしれませんじゃないですか!」
「そんな都合いい話!あるわけないでしょうが!」
 一体それはどこの御伽噺だ。

 最近は平民も識字率が上がって、本を読む人間が増えたというが、中にはとんでもないような内容のものもあるという。
 もしかしてこのシエスタという少女もそんな類ではないかと疑いたくなる。
「何騒いでんのよ、あんた達?」
 ルイズたちの騒ぎ声を聞き、うるさそうな様子でキュルケが顔を出す。
「キュルケ! あんたの友達がうちの使い魔を呼び出して勝負を挑んでるのよ!」
 後ろで「逢引きですって」と不満そうにするシエスタを無視し、これ幸い、とキュルケに詰め寄るルイズ。

673 :零魔娘娘追宝録:2007/10/02(火) 22:12:39 ID:bAleZHaP

 このキュルケは、半ばタバサの保護者のようなことをしている。
 タバサに文句があるなら、本人に言うよりもキュルケに言うほうが効果的だ。
「友達って、……タバサが? あの娘が理由も無くそんなことするわけないと思うけど……どこに行ったの?」
 不思議そうな顔をしつつも、何か心当たりがあるのか、それ以上真偽を問わず、キュルケは聞く。
 ルイズは憮然として答える。

「ヴェストリの広場よ」
「……見に行ったほうが良さそうね」
 珍しいことに、わずかに顔を曇らせてキュルケは言った。

                  *

 静嵐の前に現れたタバサは、いつもの感情を見せぬ声で勧告する。
「あなたには二つの道がある。一つは何も言わず私に服従し、私のために力を貸すこと。
そうすれば貴方の生命健康は出来る限り保障する」
 会っていきなりこれとは、と静嵐は思う。

 日も沈んで後、静嵐はタバサに会うためにヴェストリの広場にやってきた。
 一人で来い、という言葉通り、デルフリンガーも置いてきている。
 デルフリンガーを一人、とみなすかどうかは微妙なところだが、それを言うならば武器の宝貝である静嵐とて同じである。
 タバサが自分に何の用事があるのかはわからなかった。
 この前の、ギーシュのように自分に決闘を挑むつもりなのかもしれない、と思ってはいた。
 もしそうならば不味いな、とも思っていた。

 タバサはギーシュなどよりもとても強いことを静嵐は知っていた。
 身に纏う空気が、ただの貴族の子女のそれではなく、
 幾度ものを命をかけた実戦を乗り越えてきた者であることは、武器の宝貝である静嵐にはわかったからだ。
 しかもそれは、敵と真っ当に立ち会う『武人』のものではない、ただ目的のために敵を倒す『刺客』のものである。
 そんな相手との戦闘になれば、静嵐とてどうなるかわからない。

 正面切っての斬ったはったならば人間相手に後れを取るつもりはないが、
 相手は魔法を使うメイジ、言わば彼の創造主たる仙人に近い存在である。
 まともにやりあえば無事では済まないことは想像に難くない。
 それ故に静嵐はタバサとの戦いを避けたかった。
 だが実際にタバサが言ったことは一方的な協力要請。つまりは脅迫行為である。

「……もう一つは?」
 一抹の期待を込めて静嵐は問う。
 タバサはあっさりと答える。
「死」
 ああ、やっぱり。どうせそんなことだろうと思いました。
 予想通りの答えに、半ば投げやりになる静嵐。
 しかしそこで疑問が浮かぶ。
 彼女、タバサは自分の力を借りたいと言った。それは何故だ?
 武器の宝貝らしく、静嵐は駆け引きを仕掛けてみる。

「でも、なんだってまた僕の力を? 見ての通り僕はちょっと腕に覚えのあるだけの『平民』だよ。
君のご期待に添えることはできないと思うんだけど」
「そんなことはない。私は貴方の『正体』を知っている。ただの剣士としてではない、あなたの本当の力が必要」
「……」
 通じなかった。それどころか自分の正体も知られているようだ。
「答えは?」
「……答えは『否』だよ。あいにくと、今の僕の使用者はルイズなんでね。
僕を使うなら、彼女に話を通してくれないと困るよ」

674 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 22:12:42 ID:d1kssvbe
静嵐大帝なら確かに出し抜ける支援

675 :零魔娘娘追宝録:2007/10/02(火) 22:13:42 ID:bAleZHaP
 静嵐の背中に冷や汗が流れる。
 何か、タバサと自分の間には、致命的なねじれがある。
 まずい、この娘は何かを根本的に勘違いしている!

「いや、あの、誰かは知らないけれど、きっとそれは僕を過大評価というか、買いかぶっているのではないかと」
 静嵐は素直にそう白状する。タバサが勝てなくて自分だけが勝てる相手なんて、そうそう居はしないはずだ。
 だがタバサは、そんな静嵐を見て怪訝そうな顔をする。
「……謙遜?」
「違うって!」
「……? ……問答無用」

 考えるのが面倒くさくなったのか、タバサは改めて杖を構える。
 どうやらこのことについて、あまり深く考える気は無いらしい。
 話が通じるかと思ったけど、この娘意外といいかげんだ! と静嵐は戦慄する。
「行く……!」
 そう呟き、静嵐が身構えるのを待つまでも無くタバサは呪文の詠唱を始める。
 そして、すぐに決着はついた。

                  *

「そこまでよ! ……って、あれ?」
 ルイズとキュルケがヴェストリの広場にやってきてみれば、そこに居るのは、
「? ??」
 不思議そうに首を捻るタバサと、
「うう、冷たいなぁ……」
 体の半分を、まるで吹雪にでも逢ったかのように霜で凍らせた静嵐の姿だった。
                  *

「それで? このバカ剣の力を試そうと思って戦いを挑んでみたはいいが? 
剣士としては凄腕かもしれないけどそれまでで? 特に何かできるわけでもないとわかった、と」
 凍っていた静嵐をキュルケの火魔法で強引に解凍させ、ルイズは呆れたように言う。
 未だに勝負の結果、己の勝利に納得がいかないタバサは不思議そうに漏らす。
「こんなに弱いとは思わなかった」
「拍子抜けしちゃったわけね」
 キュルケも苦笑する。

676 :零魔娘娘追宝録:2007/10/02(火) 22:14:45 ID:bAleZHaP

 静嵐にも宝貝としての意地がある。
 たとえ、どんなに冷酷非道な主であっても、使用者を裏切るような宝貝は少ない。
 それは、道具として当然のことであるし、何より主人のために力を尽くすことこそが宝貝の存在意義なのだ。
 静嵐とて宝貝だ。なればこそ、一度主人と定めた者に背くことなどできない。
 覚悟を決め、静嵐は戦いの境地へと心を切り替える。やるしかない。自分と、自分の主人のために。
 静嵐の答えに、タバサはわずかに残念そうな顔をする。

「そう……なら貴方を『破壊』する。あの男が恐れた力、万が一にも他の誰かに渡すわけにはいかない」
「あの男?」
 殺す、ではなく、破壊、という言葉を使った以上。自分が武器の宝貝だと知られていることは間違いない。
 しかし気になるのは、『あの男』という言葉だ。
 どうやらタバサは自分のことを知っている誰かに、自分のことを聞いたようだ。

「貴方を強敵だと言ってた。貴方だけが自分に勝つことができる、と。
私はあの男に勝たなければいけない、だから貴方の力が必要」
「え……?」
 そんな馬鹿な。タバサが勝てないような相手が自分を恐れている? そんなことがありうるだろうか。

 ルイズは苦虫を噛み潰したような顔で、申し訳無さそうに正座している静嵐をゲシゲシと足蹴にする。
 静嵐はその長身をくねらせ「痛い、痛いよルイズ」と無抵抗に悶える。
「あんたも、ちょっとは根性見せなさいよ。いくらタバサがギーシュなんかより格段に強いったって、
手も足も出ないなんてことはないでしょうが。パオペイでしょ、あんた」
「いや、僕も丸腰だったし。殺気が無いから手を出していいものか迷っちゃって。そうこうしてるうちにあれよあれよ、と……」
「情けない話ね……」
 キュルケが茶々を入れると、静嵐は真面目な顔でルイズに蹴られながら言う。

「いや。でも、タバサはとても強いよ。お互い本気でやりあってたならどうかなぁ……、僕も無事では済まなかっただろうね」
「負けといて言う話じゃないわよ!」
 心配させられた割に結果がお粗末だったことが腹立たしいのか、ルイズは静嵐に怒鳴る。
 しかし最もなルイズの言葉に、静嵐は誤魔化すようにして、改めてタバサに向き直る。 
「と、とにかく、詳しく話してくれないかな? 何故僕の力を必要としたのかを。
もし僕の力がどうしても必要だって言うんなら、僕からもルイズに頼んでみるよ。いいだろ? ルイズ」
「……まぁ理由次第ではいいけど」
「だってさ。どうなの?」

 事情があることは間違いない。
 それに自分の使い魔が必要だというのならば、力を貸すこともやぶさかではない。
 頼られれば嫌とは言わない、ある意味ではお手本のような貴族的考えではある。
 筋を通せば話の通じない相手ではないのだ、このルイズという少女は。
 もっとも、そうした貴族的思考と、本人の少女らしい気質が上手くかみ合っていないのであるが。
「……彼が必要だと言われたから」
 仕方なくタバサは、話せる範囲で事情を話すことにする。

「誰によ」
「敵。とても強い」
 簡潔と言えば簡潔な答えに、ルイズは疑わしげに言う。
「……なんでその、強い敵ってヤツがこんなバカ剣を恐れるのよ。
セイラン、あんたは心当たりあるの? その、自分を恐れている敵ってやつに」
 ルイズの言葉に静嵐は考え込み、記憶を辿ろうと首をひねる。

「ううん……? 封印のつづらの中ではいろんな宝貝にあったけど、そこまで僕を大きく見てくれるような宝貝はいたかなぁ?」
「いるわけないでしょ。そんなやつ。あんた自分でも大した力は無いって言ってたじゃない」
 にべもないルイズの言葉に静嵐はうなだれる。
「そうハッキリ言われると辛いなぁ。そりゃま、仰るとおり僕は大した力なんてありませんがね」

677 :零魔娘娘追宝録:2007/10/02(火) 22:15:49 ID:bAleZHaP

 でも、とタバサは不思議に思う。
(でも変。たしかに彼はあの敵ほども強くない。だけど何か底が知れないものがるような気がする)
 戦っていても、妙に手ごたえの無いふわふわとした感覚があった。
 多少の手加減はしてみたが、攻撃そのものはきちんと効いていたし、
 彼が実力的にそれほどのものではなく、さらに何か力を隠している様子もないことはわかった。

 だが、何かがある。彼には何か目に見えず、具体的ではない力が備わっているのではないか、
 そう思わせられているような気がしてならなかった。
 静嵐は何かを思いついたかのようにポンと手を打つ。
「――そうだ。ねえタバサ、その敵は名乗ったりしなかったのかい? そうでなけりゃどんな姿をしていたとかさ」

 名。たしか、それは自分も尋ねた。
 これほどの相手、さぞや名のある戦士に違いないと思ったのだ。
 たしか、

『俺の名か? 正々堂々立ちあった相手だ、名乗ってやりたいのは山々だが、
名は明かすなと言われているんでな……。ま、どうしても呼ぶのなら――』

「……『将軍』と言ってた」
「将軍だって! それは――」
 大声をあげ、静嵐の顔が驚きに変わる。だが次の瞬間、

 ドカンと爆音が響く。
「な、なんだ!?」
 驚いて上を見上げれば、いつの間に現れたのか、巨大な土塊がそこに屹立していた。
 土塊からはずんぐりむっくりとした手足が生えており、
 それが土系統の魔法で作られた土人形、ゴーレムであることがわかった。

「あれはゴーレム! なんて大きさなの……」
 ギーシュなどの得意とする青銅製ゴーレムとは、そもそもからして規模が違う。
 あれが人間大のものであるのに対して、これは見上げるほどもある。
 おそらく30メイルはあるだろう、とタバサは冷静に観察する。
 ゴーレムの肩の上には、術者と思しき人間が立っている。

 フードとマントを被っているため、男か女か、若いか老いているかどうかもわからない。
 だが、大きく動くゴーレムの上で身じろぎもせず立っているところから、只者ではないことが伺える。
 術者が杖を小さく振ると、ゴーレムの拳が鉄へと変化する。かなり高度な錬金の術である。
 ゴーレムは大きく拳を振り上げ、塔に向かって拳を打ち込む。
 タバサの魔法のせいで壁が脆くなってしまっていたのか、あっさりと壁を破壊する。
 
 術者はゴーレムの腕沿いに塔の内部に侵入する。あそこはたしか――宝物庫!
 獲物をあらかじめ定めておいたのか、数秒の間に術者はは再び姿をあらわす。
「何者よ!」
 ゴーレムの暴挙に、ルイズが誰何の声を挙げる。
 術者はそんなルイズを見て、小さくニヤリと笑い、何か紙切れを放り投げる。
 そしてそのまま、ゴーレムを使い、学院の外壁を破壊して逃亡する。
 タバサは紙切れを拾い上げる。そこにはこう書かれていた。

 魔封の札、たしかに領収いたしました。 土くれのフーケ

678 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 22:18:09 ID:vmjLjsuf
支援〜

679 :零魔娘娘追宝録の人:2007/10/02(火) 22:18:23 ID:bAleZHaP
そういうわけで第5話です。次回で一巻分は終了の予定。
なんかシエスタのキャラが原作後半に近くてちょっと変かな。気をつけねば。
静嵐以外の他の宝貝についてもちょこちょこっと出していくつもり。
いろいろと、使用者と宝貝の組み合わせ考えるのは楽しいもんです。
ではまた次回に。

あとコピペミスを発見。>>676
> 静嵐にも宝貝としての意地がある。
から
> どうやらタバサは自分のことを知っている誰かに、自分のことを聞いたようだ。

>>675の序盤に入りますorz こんなんばっかしや、俺。

680 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 22:25:04 ID:vmjLjsuf
GJしたー。
ぽけぽけなセイランがいい味出してるな。

681 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 22:27:37 ID:d1kssvbe
乙っしたー
> 魔封の札、たしかに領収いたしました。 土くれのフーケ
フーケさんがマジ報われないフラグが立ちそう……!
生活には便利そうだけども!!

682 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 22:27:54 ID:WHO1p44e
GJ。

そーいやこの大帝は大帝モードになんのかしら。
そんな地獄絵図もわりと楽しそうだなあと今後に期待。

683 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 22:57:26 ID:4+zwRojV
大帝といえばミキサー大帝

684 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 22:58:48 ID:2homPZto
>>674
一瞬破壊大帝に見えてなんでメガトロン様が?と思ってしまった

685 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:01:16 ID:a23w1V2M
静嵐のひと乙したー。
しかし、じつにろくごっぽくていいですねぇ。
ギーシュ戦のときなんかとくに。ああもう、つぎがたのしみー。

686 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:09:28 ID:MwM5bjI8
ジャングル大帝

いや何でもない

687 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:11:03 ID:4+zwRojV
ズウォーダー大帝

688 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:12:31 ID:d1kssvbe
大帝デッドライ 
「そんな攻撃を受けたらたいてい死ぬ!」

689 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:15:46 ID:qc5v7RvD
ピョートル大帝

690 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:15:47 ID:8TIdKFjX
海陸空で 海陸空で 合体だ!

691 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:17:21 ID:d1kssvbe
陸海空じゃなかった?
しぐましーぐまごーっどしぐま
 
侵略大帝

692 :ドクターウェストの華麗なる実験第二話:2007/10/02(火) 23:21:48 ID:KiTJTi8l
投下☆予告であーる

693 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:23:00 ID:0z8p/8Gc
支援

694 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:23:09 ID:qMoyF6yb
世紀の大天才にして空前絶後のスーパーアイドルの支援であぁぁぁる!

695 :ドクターウェストの華麗なる実験第二話:2007/10/02(火) 23:23:27 ID:KiTJTi8l
 光在る所に闇在り。
 闇在る所に光在り。
 それは人の世において断つ事の出来ない連鎖であり、回り巡る掟である。
 世界もまたそれに然り。
 太陽が空で輝き続けることは無く、闇夜がいつまでも蔓延る事も無い。
 どんなに暗い夜だろうと、やがては朝は来る。
 そこには一つの例外は無く、ハルケギニアにおいてもそうだった。
 暗い空が薄れ、地平線の後ろまで来ている山吹色の光が闇夜と拮抗して赤紫の境界を縁取り、遂には光が世界を満たす。
 隠れていた太陽が昇り、生き物達は動き始める。
 清々しい朝だった。
 やや冷たい空気を感じる者はのさばる眠気の残痕を緩やかに拭い取られ、陽光の暖かさに活力を貰うだろう。
 だが、そんな朝の恩恵を受けていない者がいた。
 ルイズだった。
 昨日思わぬ出来事によって墜落した拍子に気絶してしまった彼女が目を覚ましたのは、日も落ちた夜の自分の部屋だった。
 しばらくぼーっとしていたが、自分の召喚した使い魔の事とそいつが仕出かした事を思い出し、怒り狂って探しに部屋を飛び出した。
 勿論ウェストに怒りの一発をくれてやる心算で。
 だが結局見つかる事は無かった。
 一応食堂でこれでもかというくらいの量の料理を食っていた事は分かったが、それ以降の足取りは何もつかめなかった。
 逃げてしまったんだ。
 ルイズは自然とそういう結論に辿り着き、涙が溢れてきた。
 召喚したのが人間で、しかも逃げられてしまう。
 明日授業に出たときに他の生徒から何と言われて蔑まれるだろうか。
 考えるだけでも憂鬱になり、夢へ逃げるようにルイズは着替えもせずにベッドに横になる。
 ほんの少し前まで寝ていたルイズだが、夜の静寂が慈悲深かったのか僅かにシーツを濡らすだけで寝息を立て始める。
 そして朝まで目を覚ます事無く、なおも眠り続けていた。
 昨日の事で相当疲れたようだった。
 しかし彼女は眠りから覚めなければならない。
 どんなに憂鬱でもそうして授業に出るのが貴族としてこの学院に身を置く者の義務である。
 よって、ルイズに眠りを覚ます声がかけられる。

「ドォクタ――――――――――――――ッ!! ウェ―――――――――――――――ストッ!!」

 メランコリックをものの見事に倒壊させる実に気の利いた電波で狂った声だった。
 ルイズはベッドからシーツごと転がり落ちる。
 突然の事に目をパチクリさせていたルイズだったが、慌てて窓を開けて声の主を探し、そして見つける。
 声の主――――ウェストは朝日をバックにして空を飛行していた。
 背中にはなにやら鉄で出来た巨大な帽子のような物体を背負っていて、そこから突き出した高速回転するプロペラによってウェストは横に回ったり縦に回ったりと悠々と飛行している。

「グッモーニン・エヴリ・ワンダフルデイ!
 やあやあ皆さんおはようございまーすっ!
 本日も我輩、好調好調絶校長につき何ら問題ナッシーーーーングッ!
 この『グレート飛べ飛べガジェット』も、このトリスタインの歴史に燦然と刻まれる我輩の偉業を魁ているのであーる。
 それでは手足の運動いってみよーーーーーっ!!」

 1っ! 2っ! 3っ! 4っ! 5っ! 6っ! 7っ! 8っ!
 2っ! 2っ! 3っ! 4っ! 5っ! 6っ! 7っ! 8っ!
 
 空中に留まりながらウェストは両手を横に大きく振り、それに合わせるように膝を軽く曲げ伸ばしする。
 要は普通のラジオ体操だ。
 お馴染みの音楽とナレーションはラジオが無いのでウェストが自分で言っている。
 ラジオ体操というものを見たことのないルイズにとってその動きは可笑しなものだった。


696 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:23:34 ID:31744zqY
支援予告であーる


697 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:23:58 ID:oAylekLs
本当に続きが来たー!?支援

698 :ドクターウェストの華麗なる実験第二話:2007/10/02(火) 23:25:14 ID:KiTJTi8l
 だが体操をするウェストを見て胸に乗っていた重石が軽さを感じ、同時にウェストに好感を持った。
 何の前触れも無く知らない場所に連れて来られていきなり使い魔になれと言われたのに、ああやって何でもなくいてくれる。
 確かにこのハルケギニアでウェストが頼れるのはルイズ一人だが、ウェストの性格からてっきり何処かへ逃げたと思っていた。
 勿論ウェストがルイズの為に逃げなかったなんて事はありえない。
 それでもルイズはそこに居てくれたウェストに感謝の念を禁じ得なかった。
 そうして空中でラジオ体操と洒落込むウェストを見ていたルイズだが、ふとウェストの後ろに何か在るのを見つける。
 太陽の強い光に目を細くして見つめると、そこには太陽の光よりもう一段階強い光があった。
 あれは一体何なのか。
 ウェストの動きに合わせて同じように縦へ横へと動くその光に、ルイズは一抹の不安を感じた。
 もしあの光が有害な物だったら、ウェストはどうなるのか。
 そう考えると一層に不安は増し、ルイズはウェストに声をかけようと口を開く。
 が、言葉が咽喉を通り過ぎる前に光の正体が判明した。
 それは誰もが目を逸らし、誰もが避け、誰もがあえて触れようとしなかったもの。
 光は遂にウェストと同じ動きを止め、ウェストの横へと並び、そして――――――――――

「素晴らしい! 全く持って素晴らしい!
 ああ、ありがとうウェスト君。
 私は活路が目の前に開けたような気分だよ。
 本当にありがとう。
 君は私の恩人だ」

 ウェストと同じように太陽を背にし、『グレート飛べ飛べガジェット』を背負い一段と頭上を輝かせたコルベールがウェストの両手をしっかりと掴み、まるで旧来からの親友のように握手をする。

「うむっ! 昨夜に我輩の英知を求めて来た時はこんなショッパイ親父に何が分かるのかと思っていたが、貴様は我輩が思っていた以上であった。
 この魔法全盛の時代に、あえて科学を究め極めようというその意気込みに我輩感動したのである。
 君の思い、確かに受け取った!
 我輩に任せておけば、貴様の目指す栄光への道(ロード)は劇的ビフォーアフターの要領でエスカレーター式に早代わり。
 ノックネヴィス(載貨重量564,763トン。全長458.4m。全幅68.9m。原油タンカーで世界最大の船舶)に乗った気分でいるがよい」

 一応言っておくが、コルベールはウェストの胸のルーンを確認しようと訪ねただけで、ウェストの英知を求めに来たわけではない。
 だが確認する前に好奇心に負けてコルベールが『飛べ飛べガジェット』の事を訪ねてしまい、すっかり目的が頭髪と同じ道を辿ってしまったのだった。
 それからコルベールが『グレート飛べ飛べガジェット』を見つけて科学者的チョメチョメが始まってしまい、コルベールのミッションはゲームオーバー。
 誰もが想像出来るだろう。
 『グレート飛べ飛べガジェット』に頬擦りをすると同時に頭皮の何も無い毛穴からガムシロップを垂れ流しそうな程甘いコルベールの未知の技術に対する純愛っぷりを。
 コルベールと謎の美少女(テクノロジー)。
 これ絶対ゲームとか小説できる。
 『私立アキハバラ工業高校』とか『機会天使コルベール』とか『造りかけの黒電話』とか、そういう感じのが。
 とまあ本末転倒から始まって紆余曲折の過程を経て、時系列は現在に戻る。
 
「ノックネヴィスが何なのかは分からないが、大いに期待させてもらうよ」

 ルイズが見たこと無いほど顔を緩ませて賛美していたコルベールは、下を向くと声を張って呼びかけた。

「あなたも早くこっちに来てみて下さい。
 魔法を使わずに、それもこのような未知の技術で空を飛ぶというのは何とも感慨深いものですぞ!」

 ルイズはコルベールが見た方に視線を動かして見る。
 そこにはフラフラとしながら『グレート飛べ飛べガジェット』』で昇っていく老人の姿が。

699 :ドクターウェストの華麗なる実験第二話:2007/10/02(火) 23:27:00 ID:KiTJTi8l

「そう急かす出ない。ワシのような年寄りは物覚えが悪いんじゃ。
 まだ若いお主のようにこの『グレート飛べ飛べガジェット』という奴の操作の仕方は直ぐには覚えられんよ」

「はは、すいません。私とした事が、つい我を忘れてはしゃいでしまって。
 しかし我々は今、この世界の外から持ち込まれた力の恩恵を授かっています。
 これを興奮せずに何と言いましょうか、オールド・オスマン!」

「まったく、君の情熱には恐れ入る。
 君を見ていると、ワシにまで君の情熱が飛び火しそうじゃわい。
 じゃがそれも一興。
 ウェスト君、我々の準備は万全じゃぞ?」

 コルベールとオスマンの視線にウェストは肯くと、白衣の内側からエレキギターを取り出して構える。

「オーケイ、オーケイ。
 貴様らも我輩も準備はオーライというわけか。
 ならば! 我輩たちは全力を持ってやり切るのみ!
 昨夜の血を滲ませた徹夜の特訓の成果、見せてやるがよい!
 ミュージック、GO! GO! GO!!」

 ウェストはギターをテンポ良く演奏し、三人はウェストを中心に横一列に並ぶ。
 そして始まる曲にあわせて踊り始めた。
 曲名はハレ晴れユカイだった。

「ファイヤ―――――ボ―――――――――――――――――――――ルッッ!!!」

 ルイズは絶叫と共に杖を振った。
 するとウェストの『グレート飛べ飛べガジェット』が大爆発し、隣の二人も巻き込んで更に爆発が二つ続く。

「WAWAWA、忘れもNoooooooooooooooooooooooooッ!!」

 突然の爆発に失神して落ちていくオスマンとコルベールに、訳の分からない叫びを残して吹っ飛ぶウェスト。
 安全のためか地面に敷いてある分厚いマットに落ちたオスマンとコルベールは助かったが、一人飛んだウェストは何もない地面に激突した。
 運が悪い事に顔面からモロに突っ込んだウェストは、殺虫剤をかけられたゴキブリのように脚を犬神家フォームで痙攣させている。
 ルイズはウェストを尻目に窓から射す日光に誘われて上を向き、まだ然程高くない位置で輝く朝日の眩しさに思わず目を細める。
 肌を撫でるやや冷たい空気がゆっくりと体の火照りを払うのを感じながら、新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込むと一言こう漏らした。

「今ならわたし、この空を飛べる気がするわ」

 そう言うと窓辺に足をかけて、I can fly!

「朝っぱらから何やってんのよあんた」

 何やら騒ぐルイズが気になって部屋に入ってきたキュルケに声をかけられ、ルイズは飛ぶ前に正気を取り戻す。
 こうしてルイズの朝は過ぎていった。






700 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:27:30 ID:oAylekLs
支援

701 :ドクターウェストの華麗なる実験第二話:2007/10/02(火) 23:29:18 ID:KiTJTi8l
 顔面から落ちたウェストだったが、やはりというか無事に回復してルイズと共に教室に来ていた。
 もっとも無事といってもウェストの首は右を向いたまま元には戻っていない。
 落下の所為らしい。

「ちょっとウェスト。あんたいい加減にその首を直しなさいよ。
 見てて鬱陶しいわ」

「なっ!? き、貴様の所為でこうなったのであろうが。
 それなのに然も当然の如く我輩を罵倒するとは、貴様には他人を思いやるという事を親から教えられなかったのであるか!?
 こんな直滑降な首では、右から来た物を左に受け流す事すら出来ないではないか」

「受け流さなくて宜しい。
 だいたい何だったのよあれは。
 オールド・オスマンとミスタ・コルベールを邪神召喚儀式の生贄に使わないでよ」

「貴様はジャパニーズ・萌え・カルチャーをC計画と同等と申すか!!
 まあ確かにアレにはSF要素やコズミックホラー的形容詞も使われているから一概に関係ないと頭ごなしに言う事は出来ないが―――って話がずれたである。
 とにかく、貴様は我輩に謝れ。
 床に膝をついて手をついて頭をつけて、そのまま三点倒立をするくらいの慎みと反省と萌えを込めて我輩と京アニに謝れ!」

「京アニってなによ京アニって!!
 しかもこの期に及んで謝れですってぇ! 貴族のわたしが平民のあんたにぃ!?
 朝の事はまだ言いとしても、あんたが食堂で仕出かした事でわたしにどれだけの被害が被ったか分かってんの!?」

 ルイズが言っているのはウェストに朝食を出したところウェストが怒り狂って暴れまわった事だった。
 もっとも出されたウェストの食事が犬の餌モドキだった事が最初の原因なのだが、如何せんウェストはやりすぎた。
 白衣に仕込んであった小型ミサイルを所構わず発射して食堂は見るのも無惨なボロボロ。
 造りが頑丈だったのと固定化をかけていたからか、倒壊とまでは被害は行かなかったが、被害は酷い事には変わりない。
 被害額は相当なもので、完全な修復には暫くかかるとの事。
 とりあえず暫くの間は代わりの机が食堂に置かれることになった。
 加害者の主という事でルイズに請求が来て、結局ルイズが実家の両親に泣き付く事で事の次第は終わる事になる。
 そしてウェストは朝食を食べれなかった。
 
「あんたのせいでわたしはお父様とお母様とエレオノールお姉さまに何て言われるか!
 ああ、出来る事なら過去に戻ってあんたの所業を正したい……」

「むう…、そういうタイムトラベル的な事は長門か朝比奈…………」

「黙れっっ!!!」

 間髪いれずにルイズは懇親の右ストレートを叩きいれる。
 ウェストの股間に。

「ずぉぉォォォオオ御尾雄ぉぉぉぉぉぉぉぉおォォォォOOOOOおおぉぉ……ッッ!!
 わ…我輩…の……椰子の木と実が……………………………がく」

 ウェストは悶絶し、泡を噴いて気絶した。

「ルイズ、一応あなたの使い魔でしょ。
 いいの? ここまでして」

702 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:29:25 ID:oAylekLs
感化というか現実逃避というか……ルイズ頑張れ、超頑張れ支援

703 :ドクターウェストの華麗なる実験第二話:2007/10/02(火) 23:31:19 ID:KiTJTi8l

「これは教育よキュルケ。
 礼儀と常識が欠落した無知で無礼で頓珍漢なコイツに世知辛い世の中を生きる為の術を教えてあげるの。
 たとえ渡る世間が鬼ばかりでも、わたしの教えた事によってウェストはどんなに辛い事があっても切り抜けていけるわ。
 そうしてウェストは厳しい教育の裏に隠されたわたしの思いやりに気がつき、感謝の涙に頬を濡らす。
 その流れ出た尊いダイヤモンドはセンチメンタルでフォーリンラブなロマンスと共にウェストの乾ききった心を優しく慰めるの。
 やがてウェストはわたしに絶対の忠誠を近い、見事な使い魔へと成長するのよ」

「ふ〜〜〜ん。
 どうでもいいけど、あんた若干自分の使い魔に毒されてない?」

 キュルケのこの言葉に暫し動きを止めたルイズだが、次の瞬間にこう叫んだ。

「これは庵野と富野の謀略だ!」

 毒され切っていた。

「はいはい、皆さんお静かに!」

 教室のドアが開くと先生が入ってきて全員を静める。
 先生が教室に入ってきたことで騒いでいた生徒も大人しくなって席に座る。
 ウェストは床に放置されたまま。
 先生は席に着いた生徒達を見渡して満足げに微笑むと、軽く咳払いをして喋り始めた

「皆さん。春の使い魔召喚は大成功だったようですね。
 このシュヴルーズ、新学期に召喚された使い魔を見る事を大変楽しみにしております。
 今年もいい使い魔たちが召喚できたようですね」

 いい使い魔、という言葉に教室はクスクスと笑い声に包まれる。
 ルイズはカッと顔が赤くなるのを感じ、反射的に床でのびているウェストを睨みつける。
 そこには相変わらず股間を押さえ青い顔で泡を吹く、意識の無いウェストが臥すのみだった。

「おやおや。随分と変わった使い魔を召喚したのですね、ミス・ヴァリエール」

 とうとうクスクス声は大きな笑い声に変わり、揶揄する声も加わった。
 怒りのあまりルイズは笑う生徒達を睨みつけるがそれでどうなるというわけでもなく、口を固く結んで視線を机に固定した。
 悔しさが呼吸のたびにルイズの鼻腔を抜けていく。

「おやめなさい!」

 ピシャリとシュヴルーズは言った。

「共に勉学を共にする学友を悪く言ってはいけません。
 平気で人を悪く言う人は貴族平民関係なく、一人の人間としての質を問われます。
 わかりましたか皆さん」

 この言葉に教室は静かになったが、まだ少し囁き声が聞こえていた。
 シュヴルーズは憤慨すると、杖を一振りする。
 すると、何所からとも無く赤土が教室内に現れて囁き合う生徒たちまで飛んで行き、その口を塞いでしまう。

「人が話をしている時は黙って聞きましょう。
 それが人に対する礼儀という物です。
 さて、それでは静かになった事ですし、授業を始めるとしましょう」

704 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:33:29 ID:LvOoaFF4
最狂だ! 最悪だ! 支援

705 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:33:46 ID:oAylekLs
ルイズ、侵蝕されちゃダメだ支援

706 :ドクターウェストの華麗なる実験第二話:2007/10/02(火) 23:34:13 ID:KiTJTi8l

 シュヴルーズは教卓の後ろに立つと、また杖を一振りする。
 今度は赤土ではなくて変哲の無い石が教卓の上に現れる。
 どうやらこの石ころを授業で使うらしい。

「私の二つ名は『赤土』。赤土のシュヴルーズです。
 この名でもうお分かりになった筈ですが、これから一年間、私はあなた達に土系統の魔法について講義していく事になります」

 順調に進んでいく授業を、ルイズは受けた屈辱への怒りを抱えながら聞いていた。
 正直シュヴルーズに救われてある程度の怒りは収まりはしたものの、やはり元々の気性か話に集中できていない。
 口に詰まった赤土を張り出すのに苦闘している奴らを横目で見て「ざまあみろ」と胸の内で叫んでみても怒りは中々収まってくれない。
 収まりの悪い怒り。
 この正体がゼロと揶揄される自分自身に自分で向けた怒りだという事を、ルイズは重々承知している。
 優秀で高貴な親の元に生まれ、姉達は当りまえに立派なメイジで、その中で唯一人だけ落ち零れている事実は日々ルイズを苛んでいた。
 何故自分にはこんなにも才能が備わってないのか。
 何故自分はこんなにも惨めな思いをしなくてはならないのか。
 何故―――神はわたしにこの様な仕打ちをしたのか。
 そうやってルイズは自分や偶像を憎んだ事もあったし、今でもそれは続いている。
 このまま一生無能を曝して生きていくのなら、もういっその事死んでしまったほうが良いのではないのか。
 学院に入った当初のルイズは同年代の者達と接し、そう考える回数は増えていった。
 多感な年頃の不安定な心はルイズを暗い沼へと沈めていき、押し潰そうと迫ってくる事はとても耐えれた物ではなかった。
 胸の内でくすぶる怒りを無視し、続けられる講義を聞いていたルイズは、軽快に授業を進めるシュヴルーズを見た。
 目の前では教卓に置かれた石が真鍮に変えられる。
 授業をする事が楽しいらしく、シュヴルーズの表情は満ち足りている。
 その顔に、ルイズは全く似ていない筈の姉の一人であるカトレアを思い浮かべた。
 病気がちでよく床に臥せているカトレアだが、人一倍優しい彼女にルイズはいつも支えられ、慰められ、同時に励まされた。
 大好きな姉の腕の中は暖かくて何より安らぐ事ができ、その温もりはルイズの中に確かに残っている。
 そしてその優しさに抱かれて、ルイズは今まで頑張ってこれたのだ。
 しかし、昨日行われた使い魔召喚の儀式でルイズは中々成功できず、やっと召喚できなのは変な平民なのだ。
 使い魔というものは主人の目となり耳となり、望む物を探し出し、何より害をなす有象無象から身を護ってくれるもの。
 キュルケのサラマンダー然り、タバサの風竜然り、そういうものが相応しいのだ。
 直ぐそこの床で昏倒している馬鹿面はどう見ても相応しく無かった。
 ルイズはウェストの馬鹿面があまりにも馬鹿っぽさに、胸の内にある怒りをありったけ込めて睨む。
 穴が開きそうなほど睨んだ結果、やっぱりウェストは馬鹿面だと結論した。
 軽く鬱った。
 訳の分からない疲れがどっと押し寄せ、ルイズは机に頭を伏せる。
 これから先、旨くやっていける気が全くしなかった。
 唯一期待できそうなのはあの空を飛んだ何かだが、それを持つ本人がこんなのなので期待薄である。
 朝ウェストに好感を持った自分が心底アホに思えた。

「ミス・ヴァリエール。どこか調子でも悪いのですか?」

 はっとしてルイズは顔を上げた。

「いっ、いえ。特に調子が悪いとかはありません。
 失礼しました」

 このルイズの失態に再び教室は笑い声に包まれる。
 普段の自分ならしないだけに、ルイズは更に気を落とす。

707 :ドクターウェストの華麗なる実験第二話:2007/10/02(火) 23:36:10 ID:KiTJTi8l

「お静かにっ!
 いけませんわよミス・ヴァリエール。
 人が話している時はそれを聞くのが礼儀だと私は授業の始めに申しました。
 以後、気をつけるように。
 あらそうだわ。丁度良いので、あなたに錬金をしてもらいましょうか。
 さあ、ミス・ヴァリエール。こちらへいらっしゃい」

 この時、教室中に響いていた笑い声が消え、ルイズとシュヴルーズ以外の全員の顔が青ざめる。

「待ってください先生。
 ルイズに魔法をやらせるのは危険です」

 こう言ったのはキュルケだった。
 他の生徒もそれを肯定するように肯く。

「危険とは何ですかミス・ツェルプストー。
 私はあなたに害が及ぶそうな事を彼女にやらせようとはしてませんよ」

「そういうことじゃなくて、ルイズに魔法を使わせること自体危険――――――

 キュルケが言い終わろうとしたとの時

「ザオラク―――――――――――――――――――――――ッッ!!!
 おお ウェスト よ しんでしまうとはなさけない。
 だけど問題ありましぇーん! 
 たとえ千の風になろうとも我輩の誇る驚天動地の才能を持ってすれば、風となった我輩は世界中はおろか全宇宙に吹き渡り普く森羅万象を暴き尽くして見事蘇る事などチャラチャラヘッチャラ屁の河童。
 この世はでっかい宝島で今こそアドベンチャーと意気込むのは全くの無駄なのであーる。
 故にドラゴンボールを集める必要は全く無いのである。
 我輩のドラゴンボールは百八式まであるぞ、なのであーる!
 さあ、好きなだけ思う存分心置きなくギャルのパンティーの催促をするがよい!!」

ウェストが復活した。
 激しく喋ったのでさっきまで噴いていた泡が唾と一緒に飛んで近くに座っていたマリコルヌの顔にかかった。

「うわっ! 汚ぇぇっ!!
 おいお前! 平民の分際でこの僕に唾を吐きつけるなんてどういうことだ!
 こんな事をしてどうなるか分かってんのか!」

「ほほう。それは我輩に対する挑戦であるな。
 いいだろう。
 その挑戦、受けて立つである!」

「なっ! なんだよ! こ、この僕とやる気か!?」

「イエ――――ス!!
 イッツ! ロケンロ―――――――ルッッ!!!」

 ウェストがそう叫ぶと、白衣の下からガチョンガチョンとマッジクハンドが飛び出してきた。
 その数、実に十二本。
 もはや藪からマジックハンドと言っても差し支えないと思えるほどの唐突さ加減だった。
 そして当たり前に無視される「それドコに仕舞ってたの?」という疑問。
 きっとドラえもんに差し替えわってのび太の元にウェストが来ても何ら問題は無いだろう。道具的な意味で。

708 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:37:15 ID:oAylekLs
相変わらず素っ飛ばしておる支援

709 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:37:35 ID:ft0PWzTH
マジで来れば面白そうだな支援

710 :ドクターウェストの華麗なる実験第二話:2007/10/02(火) 23:38:09 ID:KiTJTi8l

「なんだってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっ!!」

「ひゃ――――――っはっはっはっ!!
 これぞ千手観音フォ―――ム!!
 いざ、貴様をレッツ・フルボッコ☆」

 そう言うとマリコルヌに向けて十二のマジックハンドが繰り出された。
 その瞬間―――

「空気読め」

 何やら冷静―――というか冷徹な声が教室内に響いた。
 その底冷えする声によってウェストとマジックハンドは動き止め、数拍の沈黙が訪れる。
 ウェストを含める教室内にいる全員が声を出した人物に目を向ける。
 視線の先には、ジッとウェストに視線を固定したタバサの姿が。

「なるほど。貴様も我輩に挑むというわけか。
 勝てぬと分かっていても挑むその意気や良し!」

「空気読め」

 タバサはウェストを無視して言った。

「逃げ出すなら今の内であるよはいもう逃がさない〜!!
 もう我輩は貴様を逃がさない。
 たとえ貴様がどんな場所へ逃げようと、我輩は時間の角度と通る今日のわんこのように貴様を追跡するのである。
 我輩の影に恐れ慄きながら、暗澹たる人生を送るがいい!!」

「空気読め」

「な、なんであるか。
 さっきから同じ言葉を繰り返して。
 空気を読むのはそっちである」

「空気読め」

「いや、だから…」

「空気読め」

「その……」

「空気読め」

「…………」

「空気読め」

「……………………」

711 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:38:31 ID:qMoyF6yb
ウェストと一緒なら、人間的に成長できるな。斜め上の意味で。支援

712 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:39:06 ID:oAylekLs
タバサさんが既●外にお怒りのようです支援

713 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:39:21 ID:Okh6r5Aa
空気嫁 支援

714 :ドクターウェストの華麗なる実験第二話:2007/10/02(火) 23:39:41 ID:KiTJTi8l

「空気読め」

「………………………………………………」

「空気嫁」

「………………………………………………………………………………………………フッ」

 ウェストは口元を吊り上げて笑った。

「どうやら、貴様はそこいらの坊ちゃん嬢ちゃんとは一味違うようだな。
 よかろう。
 今回はそこの青髪超ロリッ子眼鏡に免じて許してやる。
 命が惜しくば、即刻立ち去るがいい!!」

 と言っても今は授業中なのでマリコルヌは立ち去れない。
 ルイズは頭を抱えた。

「んっんん!!
 皆さん此方にご注目!
 ほら、ミス・ヴァリエールの使い魔さんもお静かに!」

 この日何度目かになるシュヴルーズの一喝。
 ルイズはウェストを前にして動揺しないシュヴルーズがものスンゴク頼もしく思えた。
 
「なんであるか貴様は。
 この我輩に向かってそのような偉そうな口調で話しかけおって。
 邪魔をするなであーる」

「あんたより偉いのよ!!
 それに邪魔してんのはそっちでしょ!
 今は授業中なの。だから大人しく黙ってなさい」

 そう言い切るとルイズはウェストの相手をやめて石ころに向かい合う。

「ちょっと止めなさい!
 どうせ失敗するんだから無駄な被害を出さないでよ」

「うるさいわねッ!
 やってみなくちゃ分かんないじゃない!」

「お黙りなさいミス・ツェルプストー。
 さあミス・ヴァリエール。錬金したい金属を心の中に強く思い浮かべるのです。
 大丈夫。あなたならきっと出来ます」

 促されたルイズは杖を持ち静かに目を瞑り、真剣な面持ちでルーンを唱え始める。

「ほぅ!
 そういえば我輩、まだ一度も異世界の魔術を見ていなかったであるな。
 ロリッ娘よ! 貴様の魔術、特と拝ませてもらうであーる!」

715 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:39:59 ID:cm5yZgJ1
黙らせた支援

716 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:40:17 ID:L/VXe2T8
西博士がタバサに屈した支援

717 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:40:50 ID:2bGQ7HXZ
>我輩は時間の角度と通る今日のわんこのように
わんこなんて生易しいもんじゃねー!支援

718 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:40:50 ID:nFldoF1B
相変わらずすごいテンション支援

719 :ドクターウェストの華麗なる実験第二話:2007/10/02(火) 23:41:32 ID:KiTJTi8l

 ウェストはルイズの魔法をよく見ようと石ころの近くへ近づいた。
 教卓の周りの三人を除いた全員は机の下に避難していたが、この三人は石ころに集中しているので気付かない。
 短いルーンを唱え終え、ルイズが杖を振り下ろす。
 石ころは反応を示して光り、そして次の瞬間に大爆発を起こした。
 爆風が至近距離で直撃したルイズとウェストとシュヴルーズは吹き飛び、机の下から悲鳴が上がる。
 突然の事に大人しくしていた使い魔たちも驚いて大騒ぎを始め、食った食われた火がついたといった騒動で教室はてんやわんや。
 阿鼻叫喚の真っ只中、ウェストは再び気絶していた。
 その頭には、見事なメロンソーダ色のアフロが一輪、慎ましくも艶やかに咲き誇っておったそうな。











ドクターウェストの華麗なる実験:第二話「これは庵野と富野の謀略だ!」完
次回、第三話「マーラとモーラって、なんか似てね?」につづく……つづく? ―――つづく!!

720 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:42:43 ID:qMoyF6yb
相変わらずの西節GJ!

721 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:43:07 ID:oAylekLs
乙。まだ2話とはいえこのテンション持続させる事が出来る貴方に敬意を表する。
そしてマーラ様とモーラ……名称は似てるが全然別物だわいw

722 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:43:25 ID:cm5yZgJ1
乙でした
題名自重wwwwwww

723 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:43:48 ID:Oqz4i/4E
GJ!!

724 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:45:20 ID:vgtOfuB9
GJ!
この調子でどんどん逝ってほしい

725 :ゼロのおかあさん:2007/10/02(火) 23:45:42 ID:XOTLyKDY
乙でGJです。
このテンションは、寝る前に読むには(ある意味)厳しいw


あと先生!投下が……したいです。

726 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:46:52 ID:d1kssvbe
GJ!西が実に西で良いね!
>>725
諦めたらそこで創作終了ですよ・・・・
支援

727 :ドクターウェストの華麗なる実験第二話:2007/10/02(火) 23:47:13 ID:KiTJTi8l
投下終了なのであーる
よい子のみんな!
ネットばっかやって夜更かしするなよ!
我輩は悪い子だから何ら問題ナッシー
それに夜中でないと俺の脳にウェスト様が降臨しないし〜
さて、そろそろエルザの出番を作らなければ…

728 :ゼロのおかあさん:2007/10/02(火) 23:47:35 ID:XOTLyKDY
    ▽    ▽    ▽



「んん……」
気を失っていたルイズが目を覚ましたのは、陽が完全に落ちた時間だった。
初めに視界に映ったのは、見慣れた自室の天井。次に暗くなった窓の外。
いつの間に着替えたのか、制服が部屋着になっている。
(あれ)
なにか忘れている気がするが、上手く思い出せない。
そもそも、どうやって部屋に戻ってきたのだろう。
授業を受けた覚えも、何の勉強をしたのかも、どんな食事をとったのかも覚えも無い。
(えっと、今日は確か)
ぼやけていた記憶を一つずつ整理していく。
こういう時は、わかる所から始めないといけない。
(そう。使い魔の儀式があったわ。それで、私は……私が呼んだのは)
考えがそこに辿り着いた瞬間、慌てたように起き上がる。
「そうよ! 私の使い魔!」
勢いを付けすぎたせいか、身体がフラフラする。
思わずまたベットに倒れそうになるのを堪え、床に足を着く。
と、タイミングを見計らったかのように扉が小さくノックされた。
「誰?」
声を掛けるが返事は戻ってこない。
不審に思ったルイズが再び声を掛けようとすると、ドアが自動的に開いた。
そこに現れたのは、トレイ片手にルイズを見下ろす荒垣だった。
「よぉ。目は覚めたか」
「あ、あんた」
顔を見て思い出した。ルイズが気を失ったのは、荒垣に睨まれたからだ。
文句を言おうと詰め寄るが、それを遮るように頭を鷲掴みにされる。
「きゃ! ちょ、なにするのよ!」
「いいから座ってろ」
言うよりも先に、鷲掴みのままベットに押し飛ばされる。
ここまでぞんざいな扱いを受けたのは、身内以外では初めての事だ。
荒垣と対峙してから散々な態度を取られていたが、もはや我慢の限界である。
サイドボードに仕舞ってあった鞭を取り出すと、荒垣目掛けて静かに振り下ろす。
風を切って振り下ろされた鞭が、まさに当たるかといった瞬間、鞭は急停止する。
停止した鞭を見ると、鞭の真ん中の部分が大きな手で掴まれていた。
ルイズは、その腕の持ち主を確認すべく視線を動かしていく。
腕。肩。首……そして見上げた先では、鋭い視線をルイズに向ける荒垣の顔がそこにあった。
「何ふざけてんだオメェは」
「くぅ!」
鞭を奪い返そうとするが、引っ張っても動く気配が無い。
なるべく荒垣に顔を見せないように精一杯引っ張るが、微動だにしない。
更に力もうと腹部に力を入れてみたが、それが駄目だった。



729 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:47:52 ID:nFldoF1B
GJ!!!
どうあがいても原作通りの展開は期待できないが、このテンションで押し切るのなら許す。

730 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:48:31 ID:ayjapUn8
西博士、惚れ直したぜ!GJだ!
千手観音フォームの活躍を見たかったw

731 :ゼロのおかあさん:2007/10/02(火) 23:48:42 ID:XOTLyKDY

ぐるぅ〜ぎゅるるぅぅぅ〜ぎゅろろぉぉぉぉ〜〜〜



「……」
「腹が減ってたんだろ。テメェの分はあるから暴れるな」
「……」
「おら、まだ熱いかもしれないから火傷しない様に気を付けろよ」
「……」
「あと、良く噛んで食えよ。消化に良いとは言っても飲み込んだらあまり意味がねぇ」
それから数分間、ルイズは何も喋れないまま俯いて食事をとる事となった。
唯一救いだったのは、食事を始めた途端、無言で背を向けて窓の外を眺めていた事である。
皿に乗っていた料理を食べ終わると、荒垣は音も立てる事無く食器を重ねて立ち上がった。
「ど、どこにいくのよ」
気まずさからか、ルイズの声が幾分小さい。
そんなルイズを尻目に、荒垣は簡潔に目的地を告げた。
「調理場だ。食器を返さなくちゃならねぇ」
そう言うと、無言のまま扉の前まで歩いていく。
荒垣の背中を見ていると、このまま消えてしまいそうな錯覚を覚える。
その幻想を振り払うために背中に声を掛けようとするが、どう声を掛けていいか分からない。
「あ、あの――」
「話は帰ってきてから聞いてやる。まだ横になってろ」
「あ、うん」
それを察したのかは不明だが、帰って来るという言葉に安堵する。
結局、一度たりとも逆らう事が出来ないままのルイズであった。



    ▽    ▽    ▽



食器を厨房に戻しにきた荒垣を待っていたのは、二人の人間だった。
一人は、好敵手を見るような視線を荒垣に送る顎鬚の料理長――マルトー。
もう一人は、そんなマルトーを見て笑うメイド――シエスタである。
「よう兄ちゃん。貴族様は全部食べたかい?」
「ああ」
空となった食器を見せ、荒垣は水場に足を運ぶ。
「アラガキさん。洗い物は私がやっておきますよ」
「いや。大丈夫だ」
シエスタの申し出を断り、荒垣は水の張ってある桶の中に食器を沈める。
そして、手馴れた様子で食器の汚れを落としてった。
「まったく。器用な奴だな兄ちゃんは」
いつの間にか用意したのか、グラス片手にマルトーが笑う。
見れば、グラスの中には並々とワインが注がれていた。
「どうだ兄ちゃん。一杯やるか?」
「悪いが遠慮しておく」




732 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:49:03 ID:d1kssvbe
おかあさん 支援

733 :ゼロのおかあさん:2007/10/02(火) 23:49:52 ID:XOTLyKDY
数時間前。
荒垣とロングビルは簡単な自己紹介をしつつ互いの情報を交換していた。
とは言っても、二人が交換した情報は互いの首を捻らせるだけにしかならない。
荒垣がルイズに質問したような内容と同じ事を聞いてもロングビルは首を傾げ、
ロングビルが貴族や平民、魔法について説明しても首を傾げる結果となった。
どちらにせよ、肩にルイズを担いでいては話に集中出来ないため、話は一旦打ち切りとなる。
そんな荒垣と、幾分距離の縮まったロングビルが廊下を歩いていると、大きな影が視界に映った。
良く見ると、洗濯物が詰め込まれた籠を担いだ何者かが、ふらふらと近付いてきた。
(なんだありゃ)
スカートを履いている姿からして女なのだろうが、こちらが見えているのか怪しい足取りだ。
面倒な事を避けるため、ロングビルに倣って壁に背をつけて道を譲る。
それなのに、少女は狙い済ましたかのように荒垣の方へ足を進めていく。
「おい。こっちは壁だぞ」
「え。あ、きゃぁぁぁああ!」
声が引き金になったのか、籠を抱えていた少女は荒垣の忠告に気を取られ足を滑らせた。
襲い掛かる籠と少女を前にしながら、荒垣はまたも舌打ちしてしまう。
だが、舌打ちしたからと言って目の前の籠と少女が止まるわけも無い。
肩に抱えたルイズを落とさないようにしながら、荒垣は右手で籠を、あまり動かせない左手で少女を支えた。
ここで予想外だったのは、右手に持った籠である。
山のように詰め込んだにしては、全くと言っていいほど重量感がない。
ふと、視界の端にロングビルが映った。
何をしているのかは不明だが、視線が重なったと同時に杖の先端を小さく揺らす。
すると、右手に持っていた籠がひとりでに宙に浮き、ゆっくりと床へと降りていった。
籠が静かに床に着くと同時に、ロングビルもまた杖を振るうのをやめていた。
(こいつも魔法って訳かい)
半信半疑だったが、今の様子を見る限りここでは当たり前の事なのだと理解できた。
少し話を聞こうと思ったが、左手に掛かる重みにが先だと思い声を掛ける。
「悪いが、そろそろ退いてくれや」
「あ、ももも申し訳ありません!」
倒れ掛かっていた少女は、しでかした失態を思い出し、両膝を付いて額を地につけようとしていた。
「お、おい! 何やってんだオメェ!」
「貴族様にぶつかった挙句。支えて頂いたうえ洗濯物まで」
「何を勘違いしているんだか知らねぇが、俺は貴族なんてもんじゃねぇ」
「え? でも、先程洗濯物が浮んだのは」
「そいつは、そこにいるロングビルって女の仕業だ」
「あら。仕業ではなくお陰と言って欲しいですね。ミスタ・アラガキ」
言葉の割りに、どこか子供じみたような口調で訂正するロングビル。
「ミス・ロングビル! あ、あの、ありがとうございました」
「構いませんよ。それより……」
「シエスタです」
「シエスタ。この後お暇でしたら、ミスタ・アラガキをご案内して下さいませんか?」
シエスタが頷くのを見て、ロングビルは荒垣に向き直って言葉を続ける。
「用事を思い出しましたので、あとはこのシエスタにお聞き下さい」
「……ああ。悪かったな」
「いえ。こちらこそ……それでは」
去り際に小さく笑うと、ロングビルはもと来た道を戻っていった。




734 :ゼロのおかあさん:2007/10/02(火) 23:50:58 ID:XOTLyKDY
「えと、ミスタ・アラガキ……とお呼びして宜しいでしょうか?」
「そのミスタってのはいらねぇ。荒垣でいい。俺もアンタの事をシエスタって呼ばせてもらう」
ぶっきらぼうに告げたのだが、シエスタは怖がる事も、嫌悪の表情を浮かべることもしない。
ただ、優しそうな瞳で荒垣の言葉に頷くだけであった。
「はい。それで、アラガキさんはどちらに行かれるおつもりだったのですか?」
「ああ。このガキの部屋までと思ったんだが」
荒垣が肩を指差すと、そこには未だ気を失ったままのルイズの姿。
シエスタは、ルイズの足が荒垣の着ている服の模様だと勘違いしていたのだ。
それほど自然な状態で担がれていたため、本当に気付いていなかった。
「き、貴族様……ですか? ど、どうしてその」
どうして担がれているのか。どうして気絶しているのか。どうして股間が濡れているのか。
聞きたい事はたくさんあったが、貴族に関わると大変だと思い出し踏みとどまる。
「その……貴族様のお名前は分かりますか?」
「確か、ルイズなんたらヴァリエールとか言ってたな」
「ああ。ミス・ヴァリエール様ですね。それでは、まずはこの籠を戻してきますので
  それが終わり次第すぐお調べします。ですから、アラガキさんはここでお待ちください」
そういって慌しく籠を抱えると、シエスタは足早にどこかへ立ち去ってしまった。
残された荒垣は、未だ目を覚まさないルイズを担ぎ直して長い溜息を吐いた。
「どうやらこのガキの仕業みてぇだな」
自分は確かに死んだ。だが、ここにいる自分は間違いなく生きている。
ロングビルの説明からすると、召喚の儀式とやらで自分は呼ばれたらしい。
聞けば聞くほど、地獄のほうがマシだったのではと荒垣は思ってしまう。
呼び出されたものは契約して使い魔となり、主に尽くすのだと言う。
その証拠として、左手の甲には不思議な刺青が掘ってあった。
そんな契約などした覚えはないが、もしそうなのだとしたら、恐らく気絶していた時。
怒りもあるが、それ以上に後悔の方が強い。
(ようやく安心して死ねると思ったんだがな)
心の枷となっていた少年にも、自分の思いを伝えきった。
そばにいた親友ならば、きっとその後の面倒を見てくれるだろう。
喧しい後輩たちも、面倒見のいい同級生も、あの犬も……未練などどこにも無かった。
最期の瞬間を思い出し腹部をさするが、傷はおろかコートも無傷のままだった。
そこだけが頭に引っかかっているのだが、後でまとめてルイズに聞けばいいと納得する。
(このガキがご主人様ってか)
肩の上で伸びているルイズをみて呆れてしまう。
恐らく天田と同じくらいの年齢であろう子供が主など、笑い話にしかならない。
年相応な傍若無人ぶりもさることながら、言葉の端々に見える見下した表現も気に入らない。
自分を救ったのだとしても、彼女を主とする事は荒垣には認められなかった。
熱くなりかけた頭を振り、大きく深呼吸して気持ちを落ち着ける。
と、籠を運び終えたシエスタが手を振りながら走り寄ってきた。




735 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:51:00 ID:d1kssvbe
大きいです・・・・・・ 支援

736 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:52:25 ID:fmrzE/NC
まあルイズの体型とか身長だと、同じくらいの歳だとは思わんわな支援w

737 :ゼロのおかあさん:2007/10/02(火) 23:52:31 ID:XOTLyKDY
「おまたせしました」
「いや……それじゃあ頼む」
「はい!」
その後、学校の関係者からルイズの部屋を聞き出し、二人は言葉を交わしながら並んで歩く。
とは言っても、喋っていたのは殆どシエスタで、荒垣は相槌を打つだけだったが。
(いつもの俺だったら、こんな嬢ちゃん適当に追い返すんだがな)
案内を頼んだと言う理由もあるが、なにより無邪気な笑顔で話しかけてくるのが一番の理由だった。
その言葉一つ一つが打算的で無い分、荒垣としてはただ頷くだけしか出来ない。
邪険にして、シエスタの笑顔を凍りつかせるような怒声をあげる程外道でもない。
結果。何をするでもなく黙々と話を聞き続けるしか選択の余地がないのであった。
「ここです。えっと鍵は」
失礼しますと呟き、シエスタがルイズの服に手を入れる。
「くふっ、うく」
小刻みに震えるルイズを無視しながら、シエスタは手を動かし続けた。
「あ、ありました」
手に握られていたのは、小さな鍵だった。
それをドアノブの下にある鍵穴に差し込むと、扉ごとゆっくりと回した。
「失礼します」
頭を下げながら、部屋の中へと入っていくシエスタ。
荒垣も、若干躊躇いつつ部屋の中へと足を踏み入れた。
ようやく到着した事に安堵した荒垣は、ルイズをベットに寝かせようとする。
「あ、ちょっと待って下さい」
シエスタは荒垣の袖を掴み、ルイズをベットに下ろすのを止める。
「その。非常に言いにくいのですが……」
ルイズの股間にちらちら視線を送るシエスタに、荒垣は即座に理解を示す。
そして、近くにあった椅子に座らせると、無言で部屋を退室した。
「あの。直ぐ済みますので」
扉越しに届いた言葉の意味を理解しつつ、荒垣はやれやれと首を振った。





738 :ゼロのおかあさん:2007/10/02(火) 23:53:34 ID:XOTLyKDY
その後、シエスタと別れて暫くルイズの部屋の前で目が覚めるのを待っていたが、
一向に起きる気配は無く、気付けば空は薄暗くなり始めていた。
そんな荒垣の下に、周囲を気にしながら近付いてくるシエスタの影があった。
「何のようだ」
周囲を気にしていると言う事は、あまり見られたくはないのだろう。
若干警戒しつつ、荒垣は小声でシエスタに問いかけた。
「えっとミス・ヴァリエールのご夕食をどうしようかと。
  それと、アラガキさんをお食事に誘いにきました。お腹、空いてませんか?」
「いや……第一俺は金を持っちゃいねぇ」
腹が減っているのは事実だが、無銭では腹を満たすことは出来ない。
だが、その答えにシエスタは小さく笑って言葉を返した。
「大丈夫ですよ。私達の賄いだけでも十分ありますから。お金なんて要りません」
「……」
暫く思案した後、荒垣はゆっくりと言葉を紡ぐ。
「ここの夕食は時間制限があるのか?」
「あ、はい。そろそろお時間となってしまいます」
「なら、もう少し待ってガキが起きなけりゃ、俺だけでも行く。場所は」
食堂までの道のりを簡単に説明してもらい、シエスタに別れを告げる。
出来れば目覚めてくれる事を願ったが、結局時間ギリギリになっても起きる事はなかった。
下の階からは、部屋に戻ってくる人間の話し声が聞こえてきた。
うっかり顔をあわせて騒がれるのも面倒である。
(仕方ねぇ)
荒垣は暗闇に身を潜めると、静かに食堂まで進んでいった。
すでに夕食の時間は終わったのか、いるのは後片付けをしているメイド服の姿だけだった。
「アラガキさん!」
入ってきた荒垣に気付いたシエスタは、嬉しそうな表情で駆け寄ってきた。
「どうぞこちらへ!」
そして荒垣の隣に並ぶと、調理場の方へと足を進めていった。




739 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:53:36 ID:d1kssvbe
紳士 支援

740 :ゼロのおかあさん:2007/10/02(火) 23:54:44 ID:XOTLyKDY
「マルトーさん。この人が」
「おお、話は聞いてるぜ。シエスタを助けてくれたんだってな! ありがとよ! さ、困ったときはお互い様だ」
マルトーと呼ばれた男は、両腕を組んで豪快な笑い声をあげると、強引に荒垣を椅子に座らせた。
「ほれ、遠慮しないで食いな!」
「……ああ」
強引な押しに困惑しつつも、荒垣は目の前に並べられた料理を口に運ぶ。
「どうだ?」
「美味い」
興味深そうに感想を求めるマルトーに、荒垣はただ一言だけを告げた。
だが、その簡潔な言葉が気に入ったのか、マルトーは自信たっぷりに頷いた。
「そうだろそうだろ。なんたって、このマルトー様の料理だからな!」
自分で自分を褒め称えるくらいだ。よほど自信があるのだろう。
何かを思い出したのか、二口目を含む前に荒垣はマルトーに尋ねた。
「ガキ……ルイズとか言う奴の分は無いのか?」
「ああ。理由はどうあれ、自分から来ない貴族に食わせる料理はねぇ!」
その言葉を聞いて、荒垣は何かを考えるように目を瞑る。
「もう火は落としちまったのか?」
「いや……だが、調理器具はあらかた片付けちまったぜ。
  あと食材もな。今すぐ出せるっていったら、調味料ぐらいだな」
返ってきた答えを聞いて、荒垣はゆっくりと瞼をあげた。
「マルトーさんよ。悪いが調理場を少し貸してもらえないか」
やや不満げなマルトーをよそに、荒垣は手際よく調理を開始していた。材料は先程食べていた料理の残り。
それを躊躇い無くフライパンに乗せると、迷う事無く調味料を振りかけ火に通す。
数分後には、残り物であつらえた胃に優しい料理が完成していた。
好奇心から試食をしたマルトーだったが、次の瞬間には厳しい目をして荒垣を見つめていた。
「やるな兄ちゃん。あの残り物でここまでやるとはな」
「……俺じゃねえ。アンタの料理が美味いから出来ただけだ。食器は下げに戻ってくる」
そう言い残すと、荒垣は食堂から消えていく。
「そうは言っても、それを変えるだけの力が、兄ちゃんにはあるんだろうよぉ」
マルトーの呟きは、荒垣に届く前に消えていった。
荒垣は苦笑いを浮かべながら料理を運んでいた。
(まさか、率先してこんな事するとはな)
自分でも良く分からないが、気付けば身体が先に動いていた。
どう取り繕っても、面倒を見たがる性格は直せないらしい。
階段を登りつつ、荒垣は何度目か分からない大きな溜息を吐く。
気付けば、誰に会うことも無くあっさり目的地まで到着していた。
変に考えるのを止める。
何事も無かったかの様に、荒垣はルイズの部屋の扉をゆっくり叩いて、その返事を待った。




741 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:55:03 ID:DDXH9Bt7
GJ!

742 :741:2007/10/02(火) 23:55:55 ID:DDXH9Bt7
ごめん
リロードし忘れて誤爆

743 :ゼロのおかあさん:2007/10/02(火) 23:56:34 ID:XOTLyKDY
支援ありがとうございました。
ゼロのおかあさん二話目投下終了です。

横道ばかりで、実はまともにルイズと会話して無い……orz
次こそはきちんと会話させたいなぁ

744 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:57:45 ID:c7H0WGuB
・・・・・・む、待て。
この荒垣さんは、撃たれた後だよな?
って事は、薬ないとペルソナ暴走しない?
とりあえず支援

745 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:57:51 ID:d1kssvbe
四つんばいになれば…
じゃなかった、おかあさん乙ー

746 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:58:21 ID:9XeKTqPs
ホンマ荒垣さんはおかあさんやで… 乙

747 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/02(火) 23:58:33 ID:XOTLyKDY
それと、少し一呼吸置いて投下するべきでした。すみません。
以後気をつけます。

748 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 00:04:01 ID:1NC6WaDy
ガンダールブのルーンがペルソナを武器と解釈してくれれば暴走しないだろう。
大丈夫なんじゃないの。たぶん。

749 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 00:15:33 ID:rzWz1827
是非ともバス停を入手して欲しい。

750 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 00:18:31 ID:YLmPHoVX
>>749
破壊の標識か!

751 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 00:21:12 ID:wsocAK5J
すげえ。一日見なかっただけで続きを望んでた作品のほとんどが投下されてる。

752 :虚無の王:2007/10/03(水) 00:25:55 ID:RhIr1LBb
トーカ ヨカデスカ?

753 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 00:32:20 ID:UilrJwmB
ヨカヨカ

754 :虚無の王 Trick6 1/7:2007/10/03(水) 00:33:12 ID:RhIr1LBb
 トリステイン魔法学院の図書館を訪れた空が最初にした事は、頭上を見上げる事だった。天井が高い。無闇に高い。大聖堂だって、ここまでは高くは無いだろう。なにより驚くべきは、立ち並ぶ本棚だ。ざっと見た所、高さは30m余。
 これは最早、凄いと言うより馬鹿げている。
 学院の図書館は当然、メイジの為に在る。平民が立ち入る場所では無い。司書は空を見咎めたが、結局、何も言わなかった。約束通り、コルベールは話を通しておいてくれたらしい。
 取り敢えず、閲覧席を探す。
 オスマンやコルベールとの約束――――自分が元の世界に戻れる様、協力する――――を、空は当てにしていない。
 ルイズの使い魔を自分に押し付けた時点で、オスマンにとって、この面倒な問題は解決済みだろう。コルベールにしても、唯一話が合う相手との別れを、積極的に望むとは考え難い。
 帰る方法は自力で見付けなければならない。その為にも、文字の読み書きを憶える必要が有る。学習課程で、ルイズにテキストを書いてやるのも良いだろう。彼女がその気になれば、だが。

 閲覧席では、一人の女の子が読書に耽っている。昨日、車椅子を起こし、帽子を拾ってくれた子だ。よほど夢中なのだろう。青い瞳をキラキラと輝かせている。

「よ、嬢ちゃん。昨日はアリガトさん」

 その挨拶に、タバサは何の反応も示さなかった。

「もしもーし」

 返事無し。肩を叩いても、振り向かない。

「おーい」

 タバサは本を閉じた。満足気な吐息が漏れる。数秒、読後の余韻に浸ると、立ち上がり、杖を振るった。レビテーションの魔法だ。今し方手にしていた本を大きな大きな本棚に収め、次なる一冊を物色している。
 その姿を真下から見上げつつ、空は図書館に人が居ない理由が何となく判った。この構造では、女生徒は使用を控えるだろう。当然、男子生徒にも来る意味が無くなる。タバサの様な幼女を目当てとする、特殊な趣味の持ち主も居ない、と言う訳だ。

「しっかし、とことんシカトかい」

 少し、気分が悪い。あの仏頂面から、どんな物でもいい、リアクションを引き出してやれないものだろうか。取り敢えず、タバサが使用していた椅子を退けて、席を占拠する。
 数冊の本を抱えて、タバサが戻って来る。さて、彼女はどうするだろう。使っていた席には、空が居る。断固自分の権利を主張して、退くように要求するのか、衝突を避けて、別の席を選ぶのか。その時には、どんな顔を見せるのか――――
 結論から言うと、空の予測はどちらも外れた。タバサは何事も無かったかの様に元居た場所へ座り、何事も無いかの様に本を開いた。


755 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 00:33:45 ID:UilrJwmB
支援

756 :虚無の王 Trick6 2/7:2007/10/03(水) 00:34:55 ID:RhIr1LBb
「あんな、嬢ちゃん――――」

 ちょこんと膝の上に座り、黙々、読書を始めたタバサに、空は言った。驚くべきマイペースぶりだ。

「ちょいと、頼みが有るんやけど」

 返事が無い。視界の両脇に収まる様に、両手の指をうねらせて見せる。卑猥な動きだ。伊達に、女を悦ばせて来てはいない。それでも無反応。超マイペース人間同士だが、今は互い、相手の奇行に動じてはやらぬと、意地になっているきらいも有る。
 しゃあない――――空は人差し指を立てる。
 タバサはピクン、と身を強張らせた。空の指先が、触れるか触れないかのタッチで背筋をなぞったからだ。

「何?」

 漸く、返事が返って来た。これでも振り向かないのは、天晴れと言うべきだろうか。

「嬢ちゃん、字の読み書きを教えてくれへん?」
「読み書き?」
「せや。ワイ、この国の字読めへんで、ごっつう不便しとってな。な、頼むわ」

 タバサは少し考え、

「条件が有る」

 昨日の使い魔召喚儀式。空は体をまるで動かさずに、契約の儀に及ぼうとするルイズの下から抜け出した。その時、足下の草原が靡き、舞い散った事を、タバサは見逃していない。
 空は“風”を操った。杖も持たず、いや、魔法さえ使わず。

「それを教えろ、て?」

 タバサは無言で頷いた。

「別にええで。せやけど、ここでやったら、大変な事になりよるからな。今度、て事でええか?」

 また、頷く。

「そう言えば、教室で嬢ちゃんの顔を見いへんかったけど、サボリ?」
「昨日は合同」
「なるほど。別クラスやったか」

 タバサとルイズはクラスが違う。とは言え、彼女のクラスを訪ねた所で、やはりその姿を見る事は出来なかっただろう。尤も、それはいちいち言う必要も無い事だ。

「教材」

 短く言うと、タバサは一番薄い本を開いた。


757 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 00:36:50 ID:UilrJwmB
支援

758 :虚無の王 Trick6 3/7:2007/10/03(水) 00:39:24 ID:RhIr1LBb
 アルヴィーズの食堂――――
 ルイズはぼんやりと匙を進めていた。味が判らない。そもそも何を食べているのかも判らない。先刻の会話が、頭をぐるぐると回っていた。

 ワイが“空”の飛び方、教えたるっ――――

 空はそう言った。ルイズは即答出来なかった。気付いた時、言っていた。

「……イカロスに飛び方を教わる程、馬鹿じゃないわよ――――」

 自分は何故、あんな事を言ってしまったのだろう。
 空がイカロスの話を口にしたのは、同級生がフライの魔法で、教室に向かう所を目撃した時だ。あの時は、単純に馬鹿な平民の、馬鹿な話だと思っていた。
 だが、空は言った。飛び方を教える、と。
 空の言う“飛ぶ”は目標の実現だ。だとしたら、あのイカロスの寓話は、単純に愚か者の話では無く、夢を追いかけ、挫折した男の話ではないのか。そして、空は自分をイカロスに準えているのではないだろうか。
 空にとっての、蝋で固めた翼は、あの脚ではないだろうか。
 そこまで考えた時、大きな笑い声が耳を刺した。デザートを待つ間、気の早い歓談に興じる生徒達の声だ。

「なあ、ギーシュ!お前、今は誰とつきあってるんだよ!」
「誰が恋人なんだ?ギーシュ!」
「つきあう?僕にその様な特定の女性はいないのだ。薔薇は多くの人を楽しませる為に咲くのだからね」

 そこでは、金の巻き髪にドレスシャツのキザ男、ギーシュ・ド・グラモンが冷やかす友人達をあしらっていた。

(馬鹿みたいっ)

 内心でルイズは唇を尖らせる。
 年頃ながら、ルイズは色恋沙汰に興味を示さない。婚約者のワルド子爵に比べたら、同級生など子供っぽく見えてならないのだ。そんな彼女の態度を、女生徒達はお高く止まっている、と忌み嫌う。
 加えて、ルイズは容姿端麗、学問優秀な優等生で、態度も至って強気。おまけに公爵家の四女と来ている。魔法を使えない事を徹底的に馬鹿にされるばかりか、お為ごかしに庇って見せる友人の一人も居ないのは、当然と言えば当然だった。

 正面に向き直ると、ルイズは再び考え込む。
 召喚。そして契約から、未だ二日目だ。自分は空の事を殆ど知らない。判っているのは、おかしな事に詳しい事、弟が居る事、犬を三匹飼っている事、
異世界から来た事(自己申告)、系統に相当する“道”を極めた元“王”である事(かなり疑わしい)、そして恐らく、過去に大きな挫折を経験している事。それだけだ。
 空の住んでいた国は、どんな場所なのだろう。そこで、どんな生活を送っていて、どんな人生を歩んで来たのだろう。自分が召喚する事で、その全てを奪ってしまった。事の重大さに改めて思いが至り、ルイズは睫を伏せる。
 その事について、空は恨み言の一つも言わない。それ所か、自分が認められるように協力する、とさえ言う。

 爆発はお前にしか起こせへん。お前だけの魔法やろ――――

 思えば、そんな風に言ってくれたのも、空が始めてだ。今までは、家族も、クラスメートも、誰もが自分の失敗を笑うだけだった。 自分を馬鹿にしない相手。自分を認めてくれる相手。空の言葉が嬉しくないと言えば嘘になる。
 だが、その申し出を受けるか、となると別問題だ。
 何か系統に目覚めたのか――――そう父に問われた、とする。

「はい。爆発の系統です」

 そんな風に答えられる訳が無い。
 常に革新を追い求める、アナーキズムの権化ストームライダー。
 伝統を継承し、秩序を担う封建貴族。
 両者の間には埋め難い溝が有る。
 だが、今のままでは空が言う通り、10年経っても何の成果も出ないかも知れない。


759 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 00:41:58 ID:hTyqmC9h
専ブラだと456kbって出てる支援

760 :虚無の王 Trick6 4/7:2007/10/03(水) 00:42:44 ID:RhIr1LBb
 そこまで考えた時だ。突然の鋭い音が、ルイズの思考を断ち切った。無視しようとした時、どこかでガラスが砕けた。グラスを落としたにしては大きく、必要以上に重い音――――何事だろう。
 割れたのは、ワインの瓶だった。割れた場所は、ギーシュの頭だった。キザ男が自らの血と赤い葡萄酒にまみれて、頭をフラフラと揺らす中、暴行犯モンモランシーは寧ろ自分が被害者であるかの様な顔で走り去った。
 どうせ、恋愛ゴッコの末の、馬鹿馬鹿しい痴話喧嘩だろう。無視して、考え事を続けようとした時、

「おい、君!君が軽率に、香水の瓶なんかを拾い上げたおかげで、二人のレディの名誉が傷付いた!どうしてくれるんだね!」

 ギーシュの怒鳴り声がした。貴族らしからぬ、粗暴な声だった。

「あー、もうっ!っるさいわねっ!」

 人が考え事をしていると言うのに、なんと言う事だろう。怒りに駆られて、ルイズは立ち上がった。




「なんか、下が騒がしないか?」
「気のせい」

 図書館――――二人は相変わらずの状態で、勉強を続けていた。タバサが単語の一つ一つを指差しながら音読、空は要点をメモしながら、携帯に録音する。

「やっぱり。食堂で何か起きとる」

 実の所、その声はタバサにも聞こえていた。空と言う闖入者は居るにしても、本の世界に入り込んでいた彼女は、敢えて無視したのだ。だが、食堂と聞いて考えが変わる。
 読書に夢中で、昼食を忘れていた。よく有る事だ。だが、健啖家のタバサにとって、一食抜きは辛くは無いにしても、極めて無念な事だった。

「ちょいと様子、見に行こか」

 一も二も無く同意すると、空は出入り口に向かう代わりに、窓を開けた。車椅子がジャンプする事に驚く間も無く、外に飛び出す。
 ここの高さはどのくらいだっただろう。自身の使い魔シルフィードを呼ぶべきか。杖を振るうべきか――――直後に、タバサはそれが必要無い事に気付いた。
 車椅子の車輪が、塔の壁を捉える。その瞬間に加速。地面が恐るべき速さで近付いて来る。
 落ちているのでは無い。エア・トレックの初歩、壁走り〈ウォール・ライド〉。
 車椅子は確かに、壁面を走っていた。


761 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 00:43:14 ID:orjGSX/o
>>749
野バスがやってきたりしてな!
支援

762 :虚無の王 Trick6 5/7:2007/10/03(水) 00:44:13 ID:RhIr1LBb
 目の前にルイズが居る。肩をいからせ、眦をつり上げている。

 何故、こんな事になってしまったのだろう――――

 ギーシュ・ド・グラモンは内心、困惑していた。
 事の発端はポケットから転げ落ちた香水の瓶だ。モンモランシーから送られた、紫色の香水。メイドの娘がそれを拾い上げて、テーブルに置いた。
 御陰でケティに二股がばれた。連鎖反応でモンモランシーにも浮気がばれる。頬を張られ、ワインの瓶で頭をカチ割られた。
 心臓の鼓動と、髪を濡らす流血のリズムは、完全に一致していた。人体の不思議に思いを馳せている時、飛翔の靴を履いたメイドは、遙か彼方に走り去っていた。
 正直、あの時は頭に血が上っていた。文字通りの意味だ。金髪の半ばが赤毛に染まる。

「おい、君!」

 大声でメイドを呼び戻し、説教をした。君の軽率な行動が、二人のレディの名誉を傷つけた。どうしてくれるのだ――――
 メイドはひたすら頭を下げ続けた。頭から血の気が抜けた御陰か、徐々に冷静さが戻って来ると、自分のしている事が、なんとも馬鹿らしく感じて来た。平民に貴族の機知を要求してどうする。

「もういい。行きたまえ」

 そう言おうとした。それで終わる筈だった。その時、間に割って入って来たのだ。ゼロのルイズが。

「あの二人の名誉を傷つけたのはあんたでしょ。恥知らずにも二股をかけたあんたよ。それを平民のメイドに八つ当たり?馬鹿じゃないの?」

 ルイズは何時にもまして毒舌だった。どうやら、虫の居所が悪いらしい。そう言えば、どこかの教室から爆音が聞こえた記憶が有る。とにかく宥めよう――――拍動する頭で考えた時、友人達や周囲の女生徒が声を上げた。

「そうだ!お前が悪い!」

 ここで、ギーシュはカっとなってしまった。貴族同士の私闘は禁止されている。もし、引くに引けない状況に陥りそうになったら、まず、周囲で煽る人間を黙らせろ――――そんな兄達の教えも、すっかり頭から消えた。
 言い争いが始まった。あまりの烈しさに、実はギーシュは三股をかけていて、その相手がルイズなのでは、と囁く声さえ出る始末だ。

「何故、そのメイドを庇って、僕に噛みつくんだい?そうか、君はゼロだからな!同じ様に魔法を使えない平民を、お友達とでも勘違いしたんだろう!」
「ふん!あんたなんか、一生薔薇でもしゃぶっていればいいんだわ!」

 こうなれば、売り言葉に買い言葉だ。言い争いが、罵詈雑言の応酬に変わるまで、さしたる時間は必要無かった。
 暫くすると、形勢は目に見えて傾き始めた。元々、ギーシュはボキャブラリーに乏しい。対して、ルイズは怒ると多弁になるタイプだ。ナルシストの少年は忽ち追い詰められた。
 ギーシュの手が懐に伸びた事で、罵り合いは無言の睨み合いに変わった。決闘は禁止。だから、なんだ。ここまで言われて、黙って引き下がれるものか。相手の雰囲気を察して、ルイズも杖に手を伸ばす。
 すわ、決闘か――――野次馬達が固唾を飲んだ時だ。二人の間に一陣の“風”が滑り込んだ。


763 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 00:48:12 ID:d69OJRHq
支援

764 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 00:48:45 ID:AUItWAQZ
支援

765 :虚無の王 Trick6 6/7:2007/10/03(水) 00:48:53 ID:RhIr1LBb
 小さな悲鳴が、立て続けに上がった。室内に小型の風竜が飛び込んでくれば、誰だって平静ではいられない。巻き起こる風がナプキンを、テーブルクロスを舞い揚げ、燭台を倒し、皿を、グラスを粉砕する。

「到着――――」

 車椅子がカーペットを引き裂き、片輪状態で急停止。空転していたモーターホイールが停止した時も、食堂の生徒達は唖然としたままだった。
彼等にとって、車椅子とは、塔の外壁を駆け下り、石段を一っ飛びに跳び越え、時速100リーグで走れる様な代物では無い。
 一番、驚いているのは眼前でその姿を捉えた二人だ。ギーシュも、空の膝に腰掛ける女の子を発見したルイズでさえ、声も無い。
 タバサは何事も無かったかの様に車椅子から降りると、自分の席に向かう。良かった、食事は片付けられていない――――何事も無かったかの様に祈りを捧げ、何事も無かったかの様に食事を始める。

「あんた、何してたの?」
「彼に本を読んで上げていた」

 その光景を想像して、キュルケは吹き出した。誰がどう見ても、タバサ“が”本を読んで貰っている様にしか見えなかっただろう。
 取り敢えず髪を整えてやる。勉強中、何か新しい発見がある度に空が撫で回した御陰で、水色の髪は乱れ放題乱れる所か、所々絡んでいた。
 一方――――

「なんだ、君は?――――ああ、あの時、召喚された平民か」
「お、兄ちゃん。昨日はドモな」
「君。貴族の間に割って入るとは、どう言うつもりだ?どうやら主人からまともに躾を受けていないと見えるな」
「まあまあ。で、ルイズ。何が有った?」
「大した事じゃないわ――――」

 激高するギーシュをよそに、ルイズは説明する。

「なるほど、そら兄ちゃんが悪いわ。たかだか二股バレたくらいでフラレる、てだらし無さ過ぎやろ」

 空は当然の結論を出したが、理由があまり当然では無かった。何、あいつ――――その言葉は当のギーシュよりも、寧ろルイズを始めとする女生徒達の反感を買っていた。

「まあ、兄ちゃん薔薇やってからなあ。しゃあないわ。薔薇一輪やったら、奪り合いになるの決まっとる」

 ――――だが、自分は違う。空は続ける。

「その点、ワイは“空”やからな。誰もが仰ぐ、でっかい“空”や。モテたでー、悪いけど」

 冷たい目線の幾つが、生暖かい物に変わった。そうか、こいつは“馬鹿”なのだ。ギーシュに輪をかけた馬鹿だ。この時、別の意見を持った30人弱、ルイズのクラスメートはその殆どが姿を消していたが、それを見咎める者は居なかった。


766 :虚無の王 Trick6 7/7:2007/10/03(水) 00:50:18 ID:RhIr1LBb
「ま、失恋もまた楽し。兄ちゃんもめげすに気張れや」

 そう肩を叩く手を、ギーシュは乱暴に払い除けた。空は苦笑を浮かべた。自分が戯ければ戯ける程、生真面目に目を釣り上げるその態度は、嘗ての僚友を彷彿とさせた。

「どうやら、貴族に対する口の利き方を知らない様だな」

 声が、怒りに震えている。

「オイオイ……ま、兄ちゃんには一度世話なっとるし、怒らす気、無かったさかい。取り敢えず、同じ平民のシエスタと、不肖の御主人様に成り代わって謝っとくけど……ゴメンチャイ♪」

 笑顔の一言は、ギーシュの神経を鉋の様に逆撫でした。無意識の内に薔薇を象った杖を抜き放ち、気付いた時には迷わず、相手の鼻先に突きつけていた。決闘禁止令など、最早頭のどこにも残っていない。土台、法で慣習を駆逐するにも限度が有る。

「よかろう!君に礼儀を教えてやろう!丁度いい腹ごなしだ」
「ギーシュ!決闘は禁止されている筈よ!」

 これは何の冗談だ。そう尋ねようとした空は、ルイズの一言で納得した。それにしても、決闘を挑むのに薔薇を使うとは、おかしな作法も有る物だ。やはり、この国は変わっている。

「冗談やない。決闘つーのは、一人前の男がやるもんやろ。半人前を相手に出来るかい」

 純情な少年の勇敢な申し出を、空はすげなく断った。

「逃げるのか!なるほど、魔法を知らないメイジの使い魔が、礼儀も、勇気も、名誉も知らないのは当然だな!さすがは、ゼロのルイズの使い魔だ!」

 傍から見ていたキュルケは、思わず額を抑えた。空から笑顔が消えている。どうやら、ギーシュは狼の尻尾を踏んだらしい。

「……ま、ワイも臆病風に吹かれた、言われるんは不本意やし……ほんなら、ワイから申し込もか」
「なんだって?」
「そや。こないなんどや?なんたら言う推定二人のお嬢ちゃんと、シエスタと、まあついでに御主人様の名誉回復の為に――――!」

 空の手が、不意に肩を叩いた。マントの肩章。グラモン家の家紋が縫い付けられた場所だ。ギーシュは反射的に目を落とし、愕然とする。そこには、見た事も無い紋章が上張りされていた。

「賭けい。誇り〈エムブレム〉を」

 食堂中にわっ、と声が広まった。ルイズは驚きのあまりに声を失い、当のギーシュは真っ青な顔で身を震わせている。家紋を汚された――――貴族にとって、これ以上の屈辱は無い。

「け、けけけ……――――っ」
『決闘だ――――っ!!』

 怒りのあまりに、声も出ないギーシュに代わって、生徒達は一斉に叫んだ。


 ――――To be continued


767 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 00:51:33 ID:d69OJRHq
仕掛けるのはめずらしいな。
GJ!

768 :虚無の王:2007/10/03(水) 00:52:18 ID:RhIr1LBb
支援どうもー

今回は以上です

769 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 00:54:28 ID:kOUL3Hs+
むしろ励ます方向で行くのは初めて見た気がする
GJ!
エアギアを古本屋で探し始めたら途端に見当たらない
なにこれなんの呪い

770 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 00:57:34 ID:rzWz1827
王の人、乙。

>>761
メタルマックス系の召還も楽しそうだなあ。

771 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 01:02:42 ID:bj3G7v/R
残り50KBを切ったんで、次スレへの誘導。

あの作品のキャラがルイズに召喚されました part67(実質part68)
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1191161837/

772 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 01:06:31 ID:nth0xns6
む、支援が少なかったのか?それとも少なかったのは雑談か。
なんにせよ乙。

773 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 01:06:58 ID:czWYtDSO
亀だがバーチャロンからならフェイ=イェン(オリジナル)とか。
確か人間⇔バーチャロイドの双方向変身が出来るんだよな?

774 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 01:11:02 ID:D4OyIOyy
>>772
素直に投下が多かった、と取れよw

775 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 01:20:33 ID:v6mOKUHO
>>773
ハッター軍曹を召還とな!?

776 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 01:27:26 ID:cHuD6QW4
>>773
○VR形態から人間少女になれるのは
 フェイ・エン(オリジナル)とエンジェラン(オリジナル)だけ。

○エンジェランのあだ名は「アイスドール」だけど本名は不明
 「長い監禁生活で誰に対しても心を閉ざしていた」とある。

○ヤガランデのコアともいえるガラヤカも自意識を持つが、
 人間幼女形態に変身するかは不明

 ヤガランデの正体は異空間に封印されていた破壊神
 実体化すれば太陽系が吹っ飛ぶぐらいの破壊力を振るうといわれる。
 ガラヤカは、ヤガランデの破壊衝動の中から幼女的人格を抽出してVR化したもの。

つまりガラヤカたんを召還すると、
ルイズ世界も危ない……

777 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 01:28:01 ID:czWYtDSO
>>775
ハッターの「ハ」の字も出してねぇってのw

778 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 01:31:25 ID:czWYtDSO
>>776
ああ、エンジェランもか。
ヴィンだな、間違いなく。

俺に書くだけの技量があったらシエスタが持っていたトレーでギーシュの
ゴーレムを撃破するフェイ=イェンが実現するというのに……orz

779 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 01:33:06 ID:ViRCWqEZ
投下よろしいかしらん?

780 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 01:36:13 ID:hUmZ1QRO
来いやぁ!

781 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 01:36:25 ID:rzWz1827
>>779
おk

782 :フーケのガンパレード:2007/10/03(水) 01:38:58 ID:ViRCWqEZ
その訪問者の名前を聞いた時、
ヴァリエール公爵夫人カリーヌ・デジレの顔に浮かんだのは困惑だった。
確かにそれは夫人の友人の名ではあったが、
彼女は数年前に心を殺す毒を呑んだと聞いている。
執事のジェロームに目線で真偽を尋ねるが、彼も判断つきかねると言った表情をしている。
名を借りるには不適切な事この上ない相手であるし、
ましてやカリーヌとの間柄を知っている者など早々いない。
してみると本人か。
しかし、エルフの魔法薬とも噂される毒からどうやって回復したのか。
そしてなぜ自分を尋ねて来たのか。
それは解らない。
解らないが、もし彼女だとしたら。
彼女が回復したのだとしたら。
もしかしたら、と期待が胸に膨らむ。
もしかしたら、娘の身体を治せる手がかりになるかもしれないと。



/*/



執事の開けた扉から応接間に入る。
思わずその足が止まり、長椅子に座る麗人に目がひきつけられた。

「お久しぶりね、ヴァリエール公爵夫人」
「ええ、本当に、お久しぶりね、オルレアン公爵夫人」

緩やかにカリーヌの時間が逆向きに流れ、かつての時代を思い出す。
まだ自分が“烈風”カリンであり、彼女がガリアの姫将軍だったあの時代。
何度も戦場で出会い、戦い、肩を並べた。
夜会では何度もダンスを踊った。
二人きりの場所では、礼儀も身分もどこかに置いて語り合った。
戦友という名の好敵手。宿敵という名の親友。
それは懐かしい、遥か昔に失われた若葉の時代の物語。
分別すらも青臭く、情熱に身を焦がしていた頃の遠い記憶。

「ごめんなさい、お待たせしてしまったわね」

微笑み、旧友の正面に腰を下ろす。
室内には他に二人の女性がいた。
一人は緑の髪に眼鏡をかけた女性で、もう一人は室内だと言うのに帽子を被った少女である。
無作法なと咎めようとしたが、旧友の目配せを受けて思いとどまる。
おそらく何がしかの理由があるのだろう。

「いいのよ。急に押しかけてきたのはこちらだもの。
 まだ用事があるのなら、後にしてくれても構わないわ」
「用事はあるけど、急ぎじゃないからいいわよ。
 主人に相談しないといけないことだし」

厳格なヴァリエール公爵夫人ではなく、年頃の少女のような口調でかつての友人と笑いあう。
働き口を求めて尋ねてきた傭兵たちには悪いが、今しばらく待っていてもらうことにしよう。

783 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 01:39:31 ID:NJjWiys4
>>779
まさか妲姫!?

784 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 01:40:04 ID:rzWz1827
私怨

785 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 01:40:34 ID:hUmZ1QRO
支援

786 :フーケのガンパレード:2007/10/03(水) 01:41:27 ID:ViRCWqEZ
「それにしても、本当にあなたは変わらないわね」

本当に変わらない。
ガリア王族の証の青い髪も。
戦場でも日に焼けなかった白い肌も。
全て、懐かしいあの頃の、ま……ま……?
冷たいものが背筋を走った。
目の前の旧友は、あの頃と本当にまったく変わらないのだ。
もう三十年近い時間が過ぎている筈なのに、
自分がこんなにも年老いたと言うのに、なぜ彼女はあの頃のままなのか。

「伝説よ、カリーヌ。
 伝説がわたしの心を治してくれた。
 この身体も、その力を借りているの。
 病み衰えたわたしの身体では無理があるから」
「伝説?
 “虚無”と言うこと?」

カリーヌが身を乗り出した。
その瞳には友人の言葉を疑う色は無く、ただ希望にも似た光が見て取れる。
彼女の脳裏にあるのは、愛する自分の娘、カトレアの姿。
生まれつきの奇病に冒され、領地から一歩も外に出たことのないわたしの娘。
彼女のためなら、どんなことでもしてやると誓うその気持ちに嘘はなかった。

「そのどれでもないわ。
 けして人の目には留まらず、人の口には上らない伝説よ。
 とじめやみに顕われて、明日の夜明けを告げる伝説。
 あけめやみに消えうせて、声のみ残す豪華絢爛たる伝説よ」

旧友の言葉に眉を顰める。
そんな言葉遊びが聞きたいわけではない。
欲しいのは娘を癒せるかもしれない何かなのだ。
視線を移せば、眼鏡の女性は楽しそうに頬を緩め、
帽子の少女は困ったように目を逸らしている。
一度深呼吸をすると、カリーヌは正面から旧友を睨みつけた。

「病み衰えた身体では無理がある、と言ったわね。
 あなた、いったい何をするつもり?
 いえ、違うわね。
 わたしに何をさせるつもりなの?」
「何をするかは、娘の手伝いよ。
 何をしてほしいかは、トリステイン中枢への繋ぎと、助っ人ね」

そう言いつつ、懐から二通の書状を出して見せる。
その文面を追ったカリーヌの体が強張った。

787 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 01:41:35 ID:B28OPufV
支援せずにはいられまい

788 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 01:41:40 ID:v6mOKUHO
友よーっ!!支援。

789 :フーケのガンパレード:2007/10/03(水) 01:44:27 ID:ViRCWqEZ
「わたしの娘、シャルロットはあなたの娘と一緒にアルビオンに向かったわ。
 内乱中のあの国へね。
 ただ、解らないのは、なぜそんな危険な場所へ行ったかということよ」
「それを確認したい、と?」

ええと頷き、眼鏡の女性を指し示す。

「彼女は魔法学院のオールド・オスマンの元秘書なのだけれど、
 その時の記憶からすると、彼は学生をそんな場所に行かせる様な性格ではないそうよ」
「オスマンだけじゃなく、他の教師についても同様だね。
 言ってはなんだけど、あそこの連中は甘すぎる。
 学生たちが戦場へ向かうなんて言ったら止める筈さ」

カリーヌは手の中の書状に目を落とした。
末尾に記された書名を確認する。
トリステイン宰相、マザリーニ枢機卿。
あるいは、彼がルイズやシャルロットにアルビオン行きを命じたのか。

「今のわたしに欲しいのは、情報と戦力よ。
 いざ会った時にシャルロットの目的を知らずに邪魔したなんてことは御免だわ。
 そして、わたしとこの二人だけで内乱の中に飛び込むのは危険すぎる」
「……情報については、協力するわ」

唇を噛みながらカリーヌは言った。
今の自分はトリステインに隠れもなき大貴族、ヴァリエール公爵夫人である。
正当な理由もなしにアルビオンの内乱に関わることなど出来るわけがない。

「その協力にしても、まずはオールド・オスマンに会ってからよ。
 彼の話の内容次第では、その後の協力は出来かねるわ」

だが、その答えを予想していたかのように旧友は笑った。
カリーヌの性格は知っている。
何よりも“鉄の規律”を重んじた、誇り高き魔法衛士隊の隊長“烈風”カリン。
ならば彼女を動かすには、情ではなく律をもってしなければならない。

「それでも、わたしはあなたに戦力としても協力を要請するわ。
 あなたの好きな“規則”でもってね。
 わたしたちには、あなたの力が必要なのよ」
「規則?
 まさか、わたしにガリアの法に従えと?」

それこそまさかよ、とガリア王家に繋がる女性は言った。
トリステインの貴族にガリアの法は通じぬし、そもそも自分は既に王族ではないと。

「わたしが掲げる規則は、ガリアよりも旧い規則よ。
 ガリアよりもトリステインよりも、いえ、
 始祖ブリミルよりも旧い規則。
 この世の始まりから存在する旧い旧い規則」

そして青い髪の女性は胸を張り、堂々と彼女の信じる規則を口にした。

「全ての母親は、我が子の幸せを願い、それに尽力する権利がある。
 それはどの王にも、どの法にも、始祖ブリミルにすら侵すことの出来ない権利。
 天地が生まれ、母と子が生まれた時から存在する最も旧い規則よ」

790 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 01:46:01 ID:rzWz1827
支援

791 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 01:47:06 ID:YLmPHoVX
・・・まさかちぃ姉さままで・・・支援

792 :フーケのガンパレード:2007/10/03(水) 01:47:25 ID:ViRCWqEZ
絶句したカリーヌの脳裏に娘たちの姿が浮かぶ。
エレオノール、カトレア、そしてルイズ。
何よりも愛しい、世界の全てよりも大切なわたしの娘たち。
彼女たちのためならば、どんなことでもしてやると誓うその気持ちに嘘はない。
確かに娘のためならば、自分は始祖ブリミルとだって戦えるだろう。
我知らず頬が緩む。
ああ、本当に彼女は変わっていない。
彼女はいつもこうやって、全てを思うがままに動かすのだ。
そして何より腹立たしいのは。
誰もがそれを不快に思わず、自分から彼女の思うがままに動いてしまうと言うことだ。

「……相変わらず運がいいわね」

一度目を伏せ、そして開く。
ただそれだけで、カリーヌはかつての自分を取り戻した。
別室で待たせている傭兵たちを思い、運命の不思議を感じる。
ルイズの評判を聞いてこの家に来たのだという傭兵たちに、そのルイズ自身を助ける依頼をするだなんて。

「今日は特別でね。
 いますぐ動ける傭兵たちがこの屋敷に来てるのよ」

その言葉に青い髪の女性は目を見張り、
カリーヌは楽しげに頬を緩めた。

「世の中には、全ての損得を抜きで子供の幸せを願う者がいる。
 世の中には、全ての子供を守る守護者がいる。未来の護り手がね。
 それはただの人間で、ただの人間の集団で、ただの人間が作った物だけど、
 まぁ、結局現実なんてそんなものさね」

眼鏡の女性の言葉を聞き、本当にそうなら素敵ねと二人の公爵夫人は気高く笑った。
伝統ある貴族の奥方としてではなく、戦場の雌豹と表現して差し支えない表情で。



/*/



二人の公爵夫人によって結成され、後には名高い軍人や貴族の妻女によって率いられた傭兵部隊。
国も信仰も派閥も越えて、ただ子供の幸せの為に戦い続ける誇り高い独立部隊。
誇りも名誉も必要とせず、守り抜いた子供の笑顔のみを報酬とした母たちの部隊。
敵対する誰もが畏れ、共に戦う誰もが誇りとした、
その名も高き“奥様戦隊”の、これが誕生の瞬間だった。


793 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 01:49:43 ID:ClplYIEk
やっぱり最後が台無しだぁー!? 支援

794 :フーケのガンパレード:2007/10/03(水) 01:50:05 ID:ViRCWqEZ
以上です。
そして今回も最後でいろいろと台無しな気がしますねごめんなさいごめんなさい。


あじゅじゅしたー

795 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 01:50:32 ID:B28OPufV
あじゅー

796 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 01:50:49 ID:2ixH73G4
奥様戦隊か!
支援

797 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 01:52:37 ID:H6tekuzB
今回も最後で台無しなのがGJ!w

それにしても奥様戦隊か…それって年増  うわっなにするやめokwp

798 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 01:52:50 ID:G/FPVxpe
どこかの誰かの笑顔のために支援!!
奥様戦隊誕生に感動した俺は悪しき夢と戦う伝説に加わります!!

799 :フーケのガンパレード:2007/10/03(水) 01:53:26 ID:ViRCWqEZ
そして一箇所訂正。

タバサママの台詞
「そのどれでもないわ」→「いいえ、違うわ」


「虚無か?」と尋ねられて「どれでもないわ」ってなんだよorz


800 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 01:54:02 ID:sJ/R1rUV
あじゅじゅしたー。
いや、もうダイナシになるのがフーケのガンパレードだって俺悟ったよ!w

801 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 01:56:16 ID:rQG36pb3
奥様戦隊って人の恋路を邪魔してる印象しかないww

802 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 01:59:34 ID:rzWz1827
>>801
奥様戦隊善行か!

803 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 02:01:18 ID:hUmZ1QRO
あじゅじゅしたーー
台無し加減さえGJ!と言いたい

804 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 02:18:21 ID:6Ryz7jLV
最後で台無しにww 
だがGJ

805 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 04:07:53 ID:TJ5YQJ23
ここまで毎回台無しにしてくれるフーケのガンパレード。

ま さ に 本 編 を 名 乗 る の に 相 応 し い

次回のフーケガン外伝、ゼロのガンパレードを楽しみにしていまつw

……いやしかし、奥様戦隊をこう使うとは。
まさにケンタッキーをむしゃぶり尽くした後にトリガラでスープを作るぐらいの再利用振りだな。スゲェ

806 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 05:49:49 ID:ZKlQGIdz
そういや完全オリジナルな話だよね。
そんなのまったく思いつかなかったくらいうますぎるGJ

807 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 05:56:41 ID:I4geswCg
あじゅじゅしたー
コレでもしカリーヌ様までハンターネームを冠するようになっちゃったらどうしようw

>>758
>おまけに公爵家の四女と来ている
多分誤字ですよね? ちぃ姉と17歳の他にはいないはずだし

808 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 07:08:39 ID:+QNxU9E7
>>807
行き遅れを忘れるな

809 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 07:12:54 ID:iM2g0OD3
行き遅れが17歳だろ…常識的に考えて……。

810 :807:2007/10/03(水) 07:17:00 ID:I4geswCg
うん、すまない。「他の姉妹は」が抜けてたよ
809は判ってくれたが

811 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 08:21:07 ID:y2oX890z
フーケ〜〜!!とか叫んどく。
このスレ見てて色々とつられて書いてしまった、も少し暖めようかと思ったが投下してみる
正直文章を書くのは初めて、その癖に風呂敷広げておまけに一巻どころか6巻まで見つからず困ってるけど簡便な。
完結は期待せずに…


812 :人形の召還:2007/10/03(水) 08:23:45 ID:y2oX890z
それはとある教室での出来事。
「……至高の使い魔よ現れなさい!」
その言葉に導かれ銀の鏡があらわれる。
コルベールはその鏡から現れるはずの使い魔を、見定めるべく目を細めた。
----------めったに無いことですがサモンサーバントで暴れる生物もいる、毎年思いますがこの儀式は髪に悪いですね…
本来その様な出来事が起こる可能性は万に一つだ、しかし炎術士は警戒を緩めない。
----------最近、手に負えないような使い魔ばかりを相手にしている気が…
何やら沸いてくる注意感がいやがおうにも注意を促す。
そうして現れたのは…

「え…?」「なんだ」「生きてるのかあれ…」「腕…?」
そう、腕だ。しかし生きているもののそれではない、あれは等身大の人形だろう
その様に考えている間に人形は全身を表す。
それは、少女の人形だった。贅沢な衣装、精巧な造形、完全な状態なら思わず見とれてしまうかもしれない。
その人形は半壊していた。ちぎれた右手、奇妙な方向に折れた右足、そして長い年月放置されたと思われるボロボロの体。
「ミスタ.コルベール、どうしましょう、私はあれと契約をするのですか?」
不安げなルイズの言葉でコルベールの思考は現実に引き戻された、あわててコルベールは返答を返す。
「ふむ、アンティークドールのようですね。魔力を動力とするマジックアイテムかもしれません、ヴァリエール家なら十分な修繕も出来るでしょう。
 あれだけのマジックアイテムの修理は多大な経費を必要としますが、使い魔として悪いものではありません。」
不安を払拭するその内容に、しかしルイズは強張らせていた体の緊張を解けない。マジックアイテムの有効性「しか」語ってないコルベールの言葉は
、逆に単なる人形であったときには大ハズレという意味だ。なんだか泣けてきた。
「ではミス.ヴァリエール、契約を。」
ええい、これで唯の人形なら承知しないんだからね。
そんな思いとともに唇が触れた瞬間、人形が目を開けた。


813 :人形の召還:2007/10/03(水) 08:25:20 ID:y2oX890z

「ここはどこで、おまえは誰で、今はいつだ?ついでに何をしているのか説明してもらおうか。」
「は…?」
いきなりといえばいきなりすぎる質問にルイズが固まっている間にも事態は進行する。
「言えないのか?無断でオレを運び出したのなら窃盗罪・誘拐罪…そのほか諸々で30年は硬いぜ。」
「ちょ、まままま待ちなさいよ!」
マジックアイテムなのは喜ばしいがいきなり犯罪者呼ばわりだ、この人形は一体なんなのだろう。
「あんたはこの私に呼ばれたの!サモンサーバントで契約を結んだんだから、今日からあなたの所有権は私にあるの!いい!?」
「ああん?なに言ってやがんだ、このオレにサモンサーバント?契約?宮廷術士ふぜいがが寝ぼけたことを言ってやがると…」
そこまで言ってこの人形は急に言葉を詰まらせてしまった、そこに近くまで来たコルベールがルイズをさえぎり声をかける
「此処はトリスタン魔法学院です。君は服装から察するに相当優秀な…王族のようなメイジに使えていたのだと思う、しかし君の体はずいぶんとボロボロになっていた。
 恐らくその主はもうすでにこの世にいない。どうだろう、此処で彼女を主に第二の人生を歩んでは?」
その問いに人形はポツリと質問を返した。

「今はいつだ、そんでアバロンって言う国に聞き覚えはあるか…?」
「いや、残念ながら聞き覚えがない。そして今はプリミル暦6242年になる。」
(やっぱり様式が根本的に違うわけだぜ…聞いたこともねえ年暦に地名、おまけに未知の魔術か。)
本来何百年経とうと根本的に魔術などが変わることはありえない、しかし人形にはその様な自体に心当たりがあった。それは代々の皇帝とその重鎮しか知らない話。
(7英雄が目ざした土地…あるいは7英雄がさまよった異世界か、あの小娘も呼んだって言ってたしな。)
何千年も経ち、まったく別の技術体系が発達したとも考えられるが。それはもはや異世界と呼んでも差し支えあるまい。。
「そうか、オレは…そうだなそれも良いかもな。」
どちらにしろあの時代における自身の役割は終わっている。
「詳しいことはミス.ヴァリエールに聞くと良いでしょう、では解散とする各自使い魔には最善の注意を払うように。」
最後に左手に浮かびあがったルーンを確認して、召還の儀は終了した。
ルイズはどこか疲れたような人形に向かって、声をかけた。
「いい、これからは私ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールがご主人様なんだから。
 前の主人なんて考えずに、しっかり働きなさいよ。」
「ああ、こちらからもお願いするぜ。」


そうして皆が去っていく中、残った人影があった
彼らは一様にうっとりとしていた、まるで恋する乙女に出会ったかのように。

814 :人形の召還:2007/10/03(水) 08:27:47 ID:y2oX890z
-朝-
夢を見ていた、それもやたらハッキリとしたやつだ。
その夢の中で私は部隊長だった、周りを固めているのは一流の戦士達。剣の経験の無い私にも何故かそれが解った。
「ムーフェンスだ!」自分が叫ぶ。その瞬間防御の構えすらなぎ払う、烈風が走った。
激闘は1時間に及び、ついに相手は膝を付く。
「此処までです・・・、直接の怨みは有りませんが決着をつけねばなりません。」突如不協和音が酷くなる、自身の声も聞き取りにくい。
「おい」
「・・・、私達は目・・・・・いる。あなたは・・・を願っている?あなたは・・・・資・など無・・」
「わ、私はアバ・ンの平・・の為・・・・・を注いできた!」
「それは本当にわれわれと同じものなのか?・・・・に過ぎな・・・」

「おい!」
瞬間、画面が暗転する。今度は王宮だ。
複数の騎士と大臣、それに王が対談を開いている。しかしこの構図はまるで王を…

「おい!いい加減に起きやがれ!!」
「ぶ!?」
その声とともに私は地面とキスをする羽目になった。あれ?何か夢を見てたはず…って、この無礼な人形はなに!?
「いいいいいいきなり何するのよ!こんな悪戯を仕掛けるのはキュルケッ!?見てらっしゃいあの牛女!!」
「落ち着け、俺はあんたの使い魔のコッペリアだぜ。」
「ん…ああゴメン、あんたのことすっかり忘れちゃってたわ。んじゃあ着替え手伝って、脱いだものの洗濯もね。それと今日の食事は抜き。」
痛々しげに顔を抑えながら起き上がると、ルイズは当たり前のように命令を出した。この起こし方に対する反撃も忘れない。
「それはかまわねえが、着替えぐらい自分でやら無くても大丈夫なのか?」
嫌がらせの部分も「かまわないと」切り捨てられたルイズの額に青筋が浮かぶが。コッペリアは気にしない。
出自が出自でもあり着替えの手伝いすら、相応の地位ならば「それもあり」と考えて流した。
「そういえばあんたドールだったわね……食事は必要ないか。」
「んじゃあいって来るぜ。」
騒がしい人形は、そうして出て行ってしまった。
「…手際いいじゃない。」思いのほか早く、着替えの手伝いを終えてしまったその手際にひそかに感心したルイズだった。


「朝からいやな夢を見ちまったな…」
文句をたれながらも手は動く、4代前の皇帝ベアーが保有していたスキルである。
そのスキルに任せながら、コッペリアは今後について思いを寄せてた。
「あら、新入りさんですか?こんにちは。」

815 :人形の召還:2007/10/03(水) 08:30:00 ID:y2oX890z

「ああ、よろしく」突然声をかけてきた少女にコッペリアは反射的に返答を返す。
「私シェスタっていいます。あ、人形…ミス・ヴァリエールの使い魔の?」
「…………」
急に黙ってしまったコッペリアにシェスタは何か失礼をしたのではと思い、コッペリアの顔色を伺う。
「え…」そして持っていた荷物を取り落とす、体が硬直して上手く息が出来ない。
目の前のコッペリアが洗濯板を掲げた、酷くこっけいなその姿が笑えない。突如現れた殺気に気圧され失神しそうになって。
洗濯板が振り下ろされた-----------シェスタ---の荷物から膨れ上がった「何か」に向けて。「え?」
それは獣のように後ろに飛びのいた、体がうねうねと脈打ちハリネズミのような形態に変化していく。
コッペリアはスタズタになった洗濯板と、僅かな傷が付いた左手をみて苦々しげにうめく。
「ゴーレムか…この野郎。」
ゴーレム…彼女の世界にもあった古い技術だが、この様な物は初めて見る。
ゴーレムがはねる、その小さな体からは考えられない俊敏性だ。あわててシェスタを抱えて横に飛ぶ。
右足が軋みをあげた、構わない。どうせ自動修復である程度までは直る。今はシェスタだ!

「なめんなぁ!!」

更に追撃を加えようとするゴーレムに拳向ける、その拳がゴーレムに触れた瞬間爆発的な衝撃が響いた。
「きゃあ!」シェスタの悲鳴をも飲み込んで、それはゴーレムを吹き飛ばす。
しかし、ゴーレムはそれに耐えた。耐えて今度は反撃を許さない位置から、体を変形させ無数のトゲを打つ形状に変化した。
「そこに隠れてるやつ出てきやがれ!!何が目的かしらねえが唯で済むと思うなよ!!」
せめて、足が動けば…絶望的な状況を怒りに変えコッペリアは怒鳴りつけた。

その言葉に答えて現れたのは「ミス・ツェルプストー?」
シェスタの呆然とした声を無視して、キュルケは興味深そうな声をかける
「良くわかったわね、あの子にしてはまともな使い魔を呼んだじゃない。」
「てめぇ、どういう理由でこんなもん仕込みやがった。返答によっちゃ唯じゃ置かないぜ。」
虚勢を張るが絶体絶命の状況、高い魔力を持ちそうな魔術師に。先ほどから苦戦して今両方を警戒しているゴーレ…両方を警戒??
次の瞬間ゴ−レムが燃え上がる。「な!」コッペリアの驚きを無視してキュルケは言葉をかけた。
「言っておくけど私じゃないわよ?ツェルプストーの誇りと「微熱」のキュルケの名に掛けて、勝負も恋愛も正面から堂々と行うわ。
 土の系統も一応使えるけどそんな陰気な物に頼ってまで貴方達を害する理由は無いしね。」
「それに私は今やってきたの」と、付け加えた。その言葉を受けて、コッペリアは殺気を抑える。

「確かにオメエじゃなさそうだな。疑って悪かった、助けてくれた礼を言わせてくれ。」
「ふうん、それならもっと親睦を深める為に私の部屋に来ない?ああ、あなたとってもキレイね…気に入っちゃった。」
その意味ありげな、視線にコッペリアは瞬間的に凍りつく。
「え、遠慮しておくぜ…」そう言いながらシェスタに助けを求めるが…
「ええっ、とその。が、がんばって…」などと顔を真っ赤にしてまともな判断など期待できそうに無い。
「言ったわよね、勝負も恋愛も正面からだって。」
「人形相手な時点で、すでに変化球だぜ…。って、おい来るな!やめろ、やめてくれー!!」
せめて、足が動けば…

816 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 08:30:16 ID:R+96a0I8
パリィ支援

817 :人形の召還:2007/10/03(水) 08:31:35 ID:y2oX890z
終了〜
今更ロマサガ2です、コッペリアの口調がズレまくってるけど突っ込まないでw

818 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 08:37:57 ID:d69OJRHq
シエスタね。シェスタじゃないよ。
ともかく乙。書くんなら完結させるつもりで書くんだぜ

819 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 08:43:05 ID:y2oX890z
OK、善処する。
ちょっと昨日PC触っとけば良かったって事があってへこんでてな、ポジティブな考えが放逐されてる
一応プロット(大まか過ぎるが)はあるんでがんばりますわw

後初歩的なミスの指摘サンクスw

820 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 08:58:27 ID:lSTP+4W3
コッペリアに見とれるのか・・・。

821 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 10:06:19 ID:91DdTbrW
教室で召喚って
せめて青空教室にしようぜ

822 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 10:14:08 ID:z8tffdH9
残り10KBを切ったんで、重複スレへ誘導。

あの作品のキャラがルイズに召喚されました part67(実質part68)
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1191161837/

あと500KBなら俺がEAT-MANのボルトネタを書く。

823 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 11:13:06 ID:vQHk3uPr
梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅
梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅
梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅梅
500KBで無いならヴァリエールのいき遅れは俺の嫁

824 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 11:23:12 ID:WiV1vOjd
500KBならタバサ父召喚

825 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 11:32:40 ID:tA7HUQ9r
500KBなら大空魔竜召喚

826 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 11:36:45 ID:doEOcgdr
500KBなら悪魔城シリーズのレギオン召喚

827 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 11:37:38 ID:LNZhbhSV
500ならサボテン君召喚

828 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 11:47:02 ID:y2oX890z
500ならキュルケがレイアース召喚



829 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 11:50:02 ID:LobCXr/s
500KBならキュルケがダルシム召喚
ヨガ・テレポートでアルビオンまで一瞬さ!

830 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 11:51:45 ID:5jHSwlji
              ___ _
            , ィ´,. - ´  `>
             /  !/      i  `丶、
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          ′ .|   |  `メ、./ !  /   ヽ._
       /    !  ィォ=ミ、′/  /__ィ !`T´
.      /  /| |   弋zり  /-‐'"_ /`/ ./
.       /  /∧∧ \ ヽ     fリノイイ/
     / /,. -- 、ヘ  ト、!,.へ._  ' / イ      ,、__
,. ---一'´ /::::,. -‐:ミ|   !、{__)ノ _,ノ /!      / ,.、,   `ヽ
     , -/::::/::::/::\|   |ヽエT::´:|  ∧ヽ    /ノ//,.ィ ,ハ: ̄`ヽ
    / ハ:::::|:::/:::::::::::!   !:::::f⌒ヽ! | |、` ̄! ./,/_/_/´/_/:::::ヘ:::::::::ヘ
  /|  / ヽ:l:/::::::::::::::|   l::::::ゝ._,ハ! ! \! //./::l:::::::::::::::::::::::ヘ:::::::::ハ
  ヾ、    ./:::::::::::::::::|  |:::::,.イ|:|\ヾ //ァ/:::::l:::::::::::::::::::::::::ハ:::::::::キ
\   \  /:::::::::::::::::/ | l/ l|||   // |/ .ハ:::::::ヽ:::::::::::::::::::::::ハ:::::::::i
. __二ニュ ヽ!::::::::::::::::/  '.|  ||||//l ! l .ハ:::::::::::ヘ:::::::::::::::::::::::ハ::::::::!
´     ノl:::::::::::::::/    ヽ、 ljく/、 _| ',.! .ハ:::::::::::::::ハ::::::::::::::::::::::ハ:::::::!
    / /::::::/:/`ヽ \  !`'.    | \ .∨:::::::::::::::::::ハ:::::::::::::::::::::::ハ:::::|
   ,.イ  /::://  /|`T i ノ ノ   ! ヘ  ヽハ::::::::::::::::::::::ヘ:::::::::::::::::::::::ハ:::!
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831 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 11:55:44 ID:4mi0cBCQ
500GETなら超越系破綻機体他召喚

832 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 12:04:37 ID:eOXXlKll
俺が500KBGet!

833 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 12:05:44 ID:d69OJRHq
500ならちゅるやさんよぶにょろ

834 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 12:07:03 ID:Yg1d9MmU
500なら終わクロの飛場と美影が召還されました

835 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 12:08:48 ID:WiV1vOjd
500ならス−パー使い魔大戦

836 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 12:09:33 ID:d69OJRHq
 -、
(  ヽ
 ヽ,_ \
 /゙i、`゙""゙ヽ           -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/   `'i   ゙、       / /" `ヽ ヽ  \
l,  _/ヽ  .入      //, '/     ヽハ  、 ヽ
 ヾ、   / .ノ      〃 {_{\    /リ| l │ i|500ならあたしがこっちの世界にスモークチーズ求めてくるにょろ
   `ー'く /.\.     レ!小l●    ● 从 |、i|
         \\_. ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃  |ノ│
            ( __ノヽ__|ヘ   ゝ._)   j /⌒i !
.             \\::| l>,、 __, イァ/  / │
              /\\ | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧. |
.             `ヽ<\\  ヾ∨:::/ヾ:::彡' |


837 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 12:13:36 ID:H6tekuzB
500ならsetoの花嫁の政さん召喚!

「つかぬ事をお聞きしやすが、ここはいったいどこですかい?」

838 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 12:15:25 ID:wnlumTOU
500ならのんびりしよう

839 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 12:16:05 ID:mmRHHhse
埋め

840 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 12:16:20 ID:H6tekuzB
500KBなら青き星のルーシア召喚

841 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 12:19:42 ID:z8tffdH9
500KBなら米が家に届く

842 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 12:24:05 ID:fTpxwiaA
500KBなら、止まっている連載が再開される。

843 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 12:25:26 ID:QXxtoClR
500なのにまだ書き込むことができるんだな
埋め埋め

844 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 12:25:36 ID:YDisjzB8
500KBなら、俺のチンコが大爆発

845 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 12:26:13 ID:2wHlu6eL
500だったら死蔵中のネタで書く

846 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 12:27:41 ID:t/eLnY/S
500kbなら

847 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 12:28:08 ID:WiV1vOjd
最後なら真ドラゴンがハルケギニアにシャインスパーク

848 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 12:30:28 ID:5Wu+UqVX
kayu


849 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/03(水) 12:34:20 ID:QXxtoClR
結局最初に500取ったのは誰なんだ?
ていうか何か意味あるのか、これ?

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