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あの作品のキャラがルイズに召喚されました part71

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 03:44:55 ID:L/tGNjOm
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。


あの作品のキャラがルイズに召喚されました part69(実質70スレ目)
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1191599178/

まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/

--------------------------------------------------------------------------------

    _              ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃 ` ヽ  .   ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
    l lf小从} l /   ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.   ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
   ヽ_/ィヘ_)〜′   ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!
              ・議論や荒らしへの反応は、避難所でやりなさい!

--------------------------------------------------------------------------------
    _
     〃  ^ヽ      ・クロス元が18禁作品であっても、SSの内容が非18禁である場合は
    J{  ハ从{_,      本スレへの投下で問題ないわ。
    ノルノー゚ノjし      ・SSの内容が18禁な展開をする場合はクロス元に関わらず、
   /く{ {丈} }つ      本スレではなく避難所への投下をお願いね?
   l く/_jlム! |      ・クロス元が型月作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
   レ-ヘじフ〜l        ・スレタイと違う内容になったり、痛い展開になったりする場合も、避難所に投下した方が無難ね。
              ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。

--------------------------------------------------------------------------------

   ,ィ =个=、       ・お互いの作品を尊重して下さいね。一方的なクロスはダメですよ。
   〈_/´ ̄ `ヽ      ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。
    { {_jイ」/j」j〉      これ以上だと投下できないそうです。
    ヽl| ゚ヮ゚ノj|      ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
   ⊂j{不}lつ      ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
   く7 {_}ハ>      ・次スレは>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
    ‘ーrtァー’       ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。

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2 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 03:49:10 ID:L/tGNjOm
                    |
                    |  ここが新しいスレです 仲良く使いましょう ...
                    |
             ____   .|                 ミ /〉__人__
         / ̄      `  、 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  // )  ( ピシッ ̄ ̄ ̄ ̄
       ,. ‐'            ` ー-、     人_     ミ//  `V´
      /  / /    /   i       \   `Y´      //
     /  / /  / /    |   \  ',   _!_        //
     |  |  T ´厂 「`メ / i_」_    i   |    !       /,イ  _!_
人    |  |  |r坏テミリiイ/ / 「ノ `メ、  | | |          _///   !
'Y´   |  |  | トr:::リ  ∨ rテi{∨/  / |/リ       ///,イ
.    /  ∧ ハ ゝ‐'    ハr:リイ/__ノ/        ノ//.ノリ  _!_
 * /  / .∧  ヽ    __ ' `'´ ハ   \      {〈/レレヘ}   !
 __/  / / ∧   ', {  ノ   .ハ \   \      | / ` /
´    / /⌒マi   ',.    _. ィ  \ \  \    |` ー-く   *
     __/::::::::::::i i  i` f´、::>'⌒::<ヽ ヽ   ヽ rへ _/
-‐  /::::::::::::::::::::ノ  i   |.>r‐r|:::::レ-―┴'  ____,ノ |     〉 *
.  /:::,. ―‐' ´ -‐ ''   |::\女|::/     ,<  (  |     |__
/ {:::::|  /´  ,. -―::く::\ X::|     {:::::::>、`ー|     |、  \
  /:::::ハ  i.  (::::::―:::―::‐- !::∧     \:::::―`ー|ノ|从   |__ヽ  \
. /:::::::::::ヘ. \ \:::::::::_:_::://\\       ̄ ̄   /  |:::::::> 、 i
/:::::::::::::::::∧  \. \ー::‐:/i!   `r\      ̄  /   /:*:::::::::::\
::::::::_::_:::::::-:i}   ヽ. V/  .|!  i.  i!  '>、____/    |:::::::::人:::::::::::\
::/::::::::::::::::::レ   i  i!   i!  ,},._ __ ∨:::::::::::::>:..、__ノ:::::::::`Y´:::::::::::::::\

3 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 03:50:59 ID:5Fo1YYJP


4 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 03:54:09 ID:loAYJUn2
            , -―  ――-、
             /に    (ニ==\
         //')      に二) (ヽ   新スレを立てやがったなッ!
         〃____,r^)__,r、(ニユ|  よく立ててくれたよなぁぁぁぁぁぁ
         i!   ● / /●  ヾヽヽ,!      >>1鬱!……
          ヽニ⊃,// ⊂⊃}:}ソi   …じゃなくて>>1モツ!
        /⌒ヽ__ ヘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~/⌒ヽ
      \ /:::::  >,、 __, イァ/   /
.          \     |三/ []「/__ /
         `ヽ「ミヾr‐ 、[]「ヾ三/


            , -―  ――-、
             /に   u (ニ==\   …は違う…
         //')  u    に二) (ヽ  うぐぐ………
         〃____,r^)__,r、(ニユ|  >>1己…じゃない……
         i!   ● / /● uヾヽヽ,!  >>1没でもなくて……
          ヽニ⊃,// ⊂⊃}:}ソi
           ヘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~`=ーノ
           /⌒l,、 __, イー-<
.          /lilili/ |三/^ oOo,ヽ
          |三 lキヾr-、[] 「! (ニ }


5 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 03:55:13 ID:Mp9lqNLT
>>4
設子……じゃなくてセッコさん、ここ姉妹スレですよー?

6 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 04:00:56 ID:loAYJUn2
>>5
            , -―  ――-、
             /に   u (ニ==\ 
      Σ  //')  u    に二) (ヽ ・・・!?・・・
         〃____,r^)__,r、(ニユ| 
         i!   ○ / /○ uヾヽヽ,! 
          ヽニ⊃,// ⊂⊃}:}ソi
           ヘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~`=ーノ
           /⌒l,、 __, イー-<
.          /lilili/ |三/^ oOo,ヽ
          |三 lキヾr-、[] 「! (ニ }


            , -―  ――-、
             /に   u (ニ==\
         //')  u    に二) (ヽ   
         〃____,r^)__,r、(ニユ|   知ってんだよオオォォッ!!分身しやがってエェ!!
         i!   ◎ / /◎ uヾヽヽ,!   ロリペドか うう…うう… うおお おっ おっ オメーラはよォォォォ!
          ヽニ⊃,// ⊂⊃}:}ソi   
        /⌒ヽ__ ヘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~/⌒ヽ
      \ /:::::  >,、 __, イァ/   /
.          \     |三/ []「/__ /
         `ヽ「ミヾr‐ 、[]「ヾ三/




7 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 04:04:26 ID:Xw4ZCORi
>>1

>>4-6
ワロタwwwwwwww

8 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 04:07:48 ID:Mp9lqNLT
>>6
設子……じゃないや、セッコさん。それはあっちの新スレのブチャラティさん達に言ってやって下さい。
俺分身してないですから。

9 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 04:45:35 ID:wng1hye/
__________________________________________
     ヽ ,,,,,,,,  ;;,;;;;;;;;;;;;;,,,/            ヽ       /|
     フヽ_ ∪"'=,,,,;;;;;;;;;;/ 丿 |  !-,,,,,____,,,,--;;;フ=|\_WW/ |WWWWWWWWWWWWW/
     彡>;,,,,__..│   / 丿 |;;;;;;;;;;;;;;ン-彡彡=|≫     極地法など       ≪
              ノ     「,二,,"""   彡|≫    登山家の恥だっ!    ≪
          __,,,-‐`゛      V、 '''ひ`=-,,,_ノ_ ≫                   ≪
                     ヽ\,,,_  .丿 |/MMMMMMMMMMMMMMMMM、\
                    .│  ゛゛゛~  ノ
            -‐-ヽ    . | ヽ    丿/   中国山岳部隊の燐隊長が>>9に単独登頂したぞっ
 \         ,,___       |      / /    >>1ようこそ、白龍の地獄へ!
  //      /r′     /  │       /  :  >>2共産党は仏より上にあるのさ。
 /        ( t;;--;;,,_.  ..、 .|      ./   :   >>3チョモランマをお前の白い墓標にしてやるっ!!
            ~ ""` ^''''_.丿     ./  :   >>4アルパインスタイルなら七日まで生存できる
               ,r'′ ̄ ''ヽ   ,,,,ノ/  :   |>>5いいか、水分は一日四リットル必要だ
   ,, ,__,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,、  ‘        / ./  ;    |.>>6七千超えたら意識が弱まる。気を引き締めろ!
   ‖ (       `゛‐-‐'、,,_     / ./  /   / >>7…眠れぬ絶望の夜を過ごしたか…
   '  ゛゛`=─--.,,,,,,_   ./    ./ ./  /   / .>>8未熟者めっ
             ゛''''  ''       '   .'    /

10 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 05:25:42 ID:TBw0bz4B
>>1
乙ー。

11 :ゼロのおかあさん:2007/10/10(水) 06:31:42 ID:Qu3Nz/zr
>>1

それでは、投下を開始します。
投下できなかった分は代理スレに投下しておきますので。

12 :ゼロのおかあさん:2007/10/10(水) 06:33:02 ID:Qu3Nz/zr


    ▽    ▽    ▽



アルヴィーズの食堂と呼ばれる場所は、昨夜とは違い活気に満ち溢れていた。
割合で多いのは、揃いの色のマントを纏った少年少女達。おそらく生徒だろう。
三色のマントと纏った者の雰囲気から、荒垣は学年を意味しているのだと理解する。
ふと隣に居るルイズのマントを確認すると、背中のマントは余す事無く黒一色で染まっていた。
最初はルイズのマントが一番低学年なのかと思ったが、先程出会ったキュルケと言う少女を思い出す。
去り際だったので絶対とは言い切れないが、彼女も黒いマントを付けていた気がする。
(飛び級……ってやつか)
再び隣を見下ろすが、視線に気付いたのかルイズに睨み返される。
今にも噛みつきそうになっている姿から視線を外し、再び歩みを進めそうになって気付く。
腹立たし気に踏み鳴らしていた足音が、突然聞こえなくなった事に。
何かあったのかと思い振り返ってみると、ルイズは複雑な表情を荒垣に送っていた。
「座らねぇのか」
「なんでアンタ私の座る場所を知っているのよ」
「……あそこの嬢ちゃんに聞いた」
荒垣が顎を動かすと、その先ではシエスタが真剣な表情で給仕をしている姿があった。
一応世話になったルイズだが、気を失っていた時の事なので覚えていない。
と、こちらの視線気付いたのか、シエスタはこちらに気付くと遠慮がちに頭を下げた。
そして素早く頭を上げると、また元の仕事へと戻っていく。
肩を震わせながらルイズは口を震わせた。
「ず、随分親しげね。ななな、何があったのかしら」
(原因はテメェだけどな)
「何か言った!?」
「……いいから早く座れ」
面倒臭そうに促し席の前に到着したものの、背を向けたルイズは腹の虫が治まらないのか腕を組んで立ち止まる。
が、勢いよく頭を振ると、即座に眉の位置を正して後ろに居た荒垣と向き合う。
呆れた表情を浮かべる荒垣など気に掛けずに、背筋をピンと伸ばしたルイズは自信満々に鼻を鳴らす。
「椅子を引いて頂戴。ご主人様からの命令よ」
「……」
完全に上からものを申すその態度に、荒垣は拒否の意思を瞳に乗せて叩き返す。
二人は数秒間動こうとせず、ただひたすらに視線だけを交錯させ続けた。
その間に座っていた小太りの少年は、青い顔をしつつも迷惑そうに座っている。
その空気に伝染したのか、騒がしかった周囲が少しずつ静まり返っていく。
「聞こえなかったのかしら。椅子を引いて頂戴」
何も言わない荒垣を見て、ルイズは心の中でガッツポーズをとる。
沈黙を守るその態度を、ルイズは萎縮したのだと勝手に思い込んでいた。
しかも、これぞ好機と言わんばかりに、今までの鬱憤を言葉にして荒垣に浴びせる。
周りが自分に注目しつつあるというのを知らず、意識を荒垣だけに向け続けて。
ある程度吐き出し終えると、どうだと言わんばかりに胸を張る。
が、その渦中の一人だった荒垣は、一度だけ視線を床に落とすと、何も発言する事無く踵を返した。
「あ、あれ?」
「小言は済んだみてぇだな。俺は外に居る」
「あぅ、あ、いや、ちょっと! 待ちなさいよ!」
罵声や他に居た生徒達の視線をものともせず、荒垣は一人食堂を退出して行く。
残されたルイズの足元には、ひび割れた小皿が寂しそうに置かれていた。




13 :ゼロのおかあさん:2007/10/10(水) 06:35:11 ID:Qu3Nz/zr
    ▽    ▽    ▽



腹は減っているものの、すぐに何か詰め込まねばならないほど切羽詰っていない。
ルイズから開放されたのもあってか、静かに息を吐き出し空気を入れ替える。
そして、壁に背を預けたままゆっくり首を捻って肩の張りをほぐす。
(これから毎回こうだと面倒だな)
ルイズから提供される衣食住のうち、しっかりと提供されたものは今の所一つも無い。
寝床は、学園の最高権力者にでも掛け合って、馬小屋あたりを借りればクリアだろう。
衣類や身の回りのものに関しては、着の身着のままで問題はない。
そして唯一頼らざるを得ない食だったが、去り際の皿を見てその考えを改めた。
ルイズの席のすぐ傍に置かれていたひび割れた皿は、おそらく荒垣の為に用意されたもの。
食堂の光景を思い出すが、彼女の左右も正面も既に埋まっており、自分に用意された椅子など見当たらなかった。
もともと、まともな扱いを受けられるとは思っていなかったが、この処遇は予想の遥か斜め上である。
(陽がくれる前までには、どうにかするか)
突然に暇になったものの、特にする事が無いため荒垣は空を眺めていた。
寂しくなった手が、自身の上着のポケットを這いずり回る。
と、使用頻度の少ないポケットまで手が伸びた所で、妙なふくらみを感じる。
その正体を確認しようとした時、食堂の扉が突然開いた。
出てきたのは、ルイズよりもさらに小さな、青い髪の少女だ。
少女は荒垣など居ないような顔で、目の前を通り過ぎていく。
が、お互い声が届くか届かないかの位置で立ち止まると、少女は振り向かずに呟いた。
「昨晩シルフィードと寝たのは貴方?」
その問いかけに、荒垣は淡々と言葉を返す。
「悪ィが、そんな奴は知らねぇ」
「竜の幼子」
その単語に、世話になった生き物を思い出す。
「ああ。あの小屋に居た竜の事か。そいつになら確かに世話になった」
「そう」
それだけ聞くと、少女は何事もなかったかのように足を踏み出した。
特に感慨もなく見送ろうとした荒垣だったが、何かを思い出したのか壁から背中を離す。
「あの竜に言っといてくれや。助かったってな」
振り返らず頭だけを小さく下げる。おそらく頷いたのであろう。
今度こそ、少女は廊下の奥へと消えていった。
それが合図だったかのように、食堂から次々と生徒達が退室してくる。
先程の少女と違い、出る生徒の殆どが荒垣を嘲笑うかのように立ち去っていく。
うち何名かは、「ゼロのルイズの使い魔が……」と同じような事を吐いて。
どれだけ居たのか分からなかった生徒達も、数分後には途切れ途切れになっていた。
その最後尾の方に、未だ怒りの表情を浮かべるルイズの姿があった。
荒垣を見つけた途端、ルイズは小走りで近寄ってくる。
そして、周囲の目も忘れて荒垣目掛けて容赦なく文句を飛ばし続けた。
それを無視して、荒垣は黒マントの生徒達の後に続く。
「授業なんだろ。早くしろ」
「だから、ご主人様の話を聞きなさぁぁぁぁぁああああああいい!!」
いつの間にか二人きりとなっていた廊下に、ルイズの叫びだけが響いた。



    ▽    ▽    ▽




14 :ゼロのおかあさん:2007/10/10(水) 06:37:55 ID:Qu3Nz/zr
教室に入った二人を出迎えたのは、明らかに嘲笑と理解できる生徒の声だった。
荒垣は気にするでもなく部屋の隅に背を預けると沈黙を守ったのだが、
一方のルイズはその言葉一つ一つに対して、丁寧にも反撃を行っていた。
部屋の中に居た生徒もルイズも、お互いばかりに意識が向いている。
それを尻目に、後ろで控えていた使い魔達は荒垣の周りに集まると構って欲しそうに彼を見上げた。
この面白い光景に気付いたのは、先程の青い髪の少女だけである。
他の生徒はみな、先生らしき女性が来るまでルイズをからかい続けていた。
恰幅のいい女性は、使い魔と生徒達を見比べると、柔らかな笑みを浮べながら口を開いた。
「おはようございます皆さん、春の使い魔召喚は大成功のようですね。
  このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に様々な使い魔を見るのが、とても楽しみなのですよ」
着席していた生徒達の殆どが誇らしげに顔を上げるが、ルイズだけは顔を俯かせていた。
使い魔を順番に見ていたシュヴルーズは、荒垣の存在を確認してやや困惑の表情を浮かべる。
「これはまた、変わった使い魔を召喚しましたね。これは確か」
「ゼロのルイズの呼び出した平民です!」
どこかから飛び出した野次を皮切りに、ルイズ目掛けて嫌味や嘲笑が飛び掛る。
そして、食堂で隣に居た小太りの少年は、仕返しとばかりに先程の恨みを込め大声で野次を放つ。
「ゼロのルイズ! 召喚もろくに出来ないくせに、メイジなんて名乗るなよ!
  どうせあの平民も、何処かを歩いていた所を買収でもして連れて来たんだろ!」
あまりにも失礼な物言いに、ルイズは敵意を剥き出しにして反論する。
「違うわよ! 成功したからアイツが出てきちゃったのよ!」
「見え透いた嘘を! やっぱり『サモン・サーヴァント』に失敗したんだろう?」
面白くなってきたのか、周囲に居た生徒達の笑い声も大きくなっていく。
「ッ! ミセス・シュヴルーズ! あのかぜっぴきのマリコヌルが私を侮辱しました!」
「かぜっぴきじゃない風上だ! ゼロと違って立派な二つ名なんだぞ!」
おどけていた顔を真っ赤にさせ、マリコヌルは席から立ち上がる。
一方のルイズも、負けてなるものかと立ち上がって睨み返した。
座っていた周囲の生徒達も、見世物が始まったとばかりに声援を送る。
が、その生徒達の口に次々と赤い粘土の様な物体が張り付いていく。
最後残ったルイズとマルコヌルは、上から何かに押されるように席に着いた。
部屋の隅からそれを眺めていた荒垣は、何かを見て納得している。
視線の先では、シュヴルーズが杖を指揮棒のように振っていた。
(こういった事も出来るのか)
そのシュヴルーズが何か喋っているが、荒垣はそれを目を閉じて聞き流していた。
自分の居た世界では、札付きとして覚えられていたためか、そういった処世術は上手い。
小言を向けられたのが自分で無いにしろ、そういった話題は聞いていて楽しいものではない。
ようやくして授業が始まると、荒垣は話の要所を頭に叩き込む。
仮にこの世界で生きていく場合、常識というものはかなり重要となる。
この世界の他の人間が普通にする事を、荒垣は今から覚えないといけないのだ。
四つの属性や失われたもう一つの属性。
魔法がどういったものであるか。
互いが何に強くて何に弱いのか。
魔法を使うためには何が必要なのか。
とにかく必要な単語を覚えようと、頭の中で反芻していた荒垣の耳に聞きなれてきた単語が飛び込む。
それと同時に、周囲が授業が始まる前ぐらい騒がしくなっていく。
何事かと目を開いた途端、閃光と煙幕が教室中を一気に包み込んだ。
パニックになる生徒達と同様に、使い魔達も興奮状態になる。
その一匹一匹の頭を撫でながら、荒垣は爆発の中心に目を向ける。
そこには、肩から白い肌を覗かせたルイズの姿だけがあった。
スカートがボロボロになっており、やや大人びた下着には煤が付着している。
未だ気絶しているシュヴルーズを見ないようにして、ルイズは小さく漏らす。
「ちょっと失敗したみたいね」
その言葉が聞こえた他の生徒達が、今までと違う怒りの声をルイズに向けて叫ぶ。
(これをあのガキがやったってのか)
隅で静観していた荒垣は、何か考えながら教室の外へと出て行く。
結局、他のクラスから応援が来るまで、混乱は止む事はなかった。




15 :ゼロのおかあさん:2007/10/10(水) 06:40:42 ID:Qu3Nz/zr
    ▽    ▽    ▽



爆発で酷い状態になった教室を、荒垣とルイズは黙々と掃除していた。
最初は荒垣一人に全て任せて、他の生徒と合流しようとしていたルイズだったが、
荒垣が抑えていた苛立ちも爆発させてしまい、初日と同じような怒気を浴びるはめとなった。
もっとも、ルイズも負けてはおらず、着替えをする事だけはしっかり認めさせた。
着替えが済んで逃げ出そうかと考えたルイズだったが、荒垣の目を思い出しそれをやめる。
結局、すでに掃除を始めていた荒垣のもとへ帰ってくる事となった。
戻ってきたルイズを確認する事無く、荒垣は掃除を手早くこなす。
最初こそ怒鳴ったものの、それ以降口を閉じて視線を合わせない荒垣。
いつ馬鹿にされるかと警戒していたルイズだが、その時は未だやって来ない。
(もしかしてこいつ、心の中で馬鹿にしてるんじゃ)
そう思った途端、背中を向けている男が今、見えないように笑っているのではと思い始める。
事実を確認すべく、ルイズは大股で荒垣に近付き顔を覗き込む。
だが、その顔はルイズを馬鹿にする笑みも、理不尽にも掃除を任せられた怒りすらない。
あるのは、ただひたすら壁を磨く無機質な顔だけしかなかった。
ルイズが接近した事など気に掛けず、黙々と掃除を続ける荒垣。
耐え切れなくなったルイズは、不安を誤魔化すために、張り付いた唇を無理矢理動かした。
「アンタも、私を馬鹿にしてるんでしょう」
「……」
「ねぇ、何か言いなさいよ!」
「……」
「私は魔法が使えないの! だからみんな私をゼロって呼ぶのよ!」
「……」
「アンタもどうせ「魔法が使えないのに貴族なのか?」って思ってるんでしょ! 言ってみなさいよ!」
「……」
「私は、私はッ……ぅぅ」
二人居るはずなのに、ルイズは自分一人しか居ないような錯覚に陥った。
目の前に居る男は、自分の存在など無いような態度をとる。
返ってこない言葉を待ちきれず、ルイズの目から透明な雫が零れ落ちていく。
静かな教室に、ポタリポタリという音だけが響き渡った。
そんな中、荒垣は動かしていた手を休めて、掃除用具入れに手を掛ける。
「オメェは……魔法が使えるようになったら何がしたいんだ」
「え?」
「自分は貴族だって宣言するためか? 馬鹿にした奴を見返すためか?
  プライドか? 金銭目的か? 将来のためか? 力を誇示したいだけか?」
「それは……」
馬鹿にした人を見返したい気持ちもある。だが、それが全ての理由ではない。
貴族である事を証明するだなんてもってのほかだ。
その考え方は、ルイズの目指す貴族の生き方ではないから。
他に挙げられた理由も、彼女を突き動かすほどの理由ではない。
荒垣の突然の問い掛けに、ルイズは答えを出せないでいた。
「何を期待してるか知らんが、俺にテメェの気持ちなんざ解からねぇ。
  それ以前に、テメェ自身が自分の気持ちを掴めてないんじゃあなおさらだ」
「あ……」
侮蔑でも怒りでもない、嘲笑でも哀れみでもない。
特別期待するでも、全てに失望したのでもない。
ただ淡々と、荒垣は背を向けたまま窓の外に向かって言葉を吐き出す。
「まずはテメェがどうしたいのか考えろ」
それだけ呟くと、荒垣はルイズと顔を合わせる事無く立ち去っていく。
残ったのは、いつの間にか綺麗になった教室とルイズだけだった。



    ▽    ▽    ▽




16 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 06:42:02 ID:ypKS2UGt
支援

17 :ゼロのおかあさん:2007/10/10(水) 06:43:37 ID:Qu3Nz/zr
すでに昼食の時間らしく、食堂は生徒達で一杯になっている。
その食堂の中で、荒垣は黙々とデザートの配膳作業にあたっていた。
こうなった理由は簡単で、起こった事を簡潔に述べるとこうだ。
昼食の準備をしていたシエスタは、偶然にも荒垣を発見。捕獲。
朝の出来事を聞いていたシエスタが、荒垣を心配して賄いを提供。
本人はいらないと拒否するが、あの手この手で交換条件までこぎつける。
交換条件とは、荒垣に賄いを食べさせる代わりに配膳を手伝わせる。以上。
このやりとりにより、荒垣は配膳作業を任される事となった。
一度は渋ったものの、先に賄いを食べた以上仕事を放棄する訳にもいかない。
てきぱきと音を立てないように皿を並べていくと、話に夢中な集団が近付いてきた。
中心に居る金髪の少年が、耳障りな言葉を並べているが無視する。
そして特に気にする事無く配膳を続けていたのだが、集団の中心だった少年から何かが落ちるのに気付いてしまう。
無視しても良かったのだが、少し考えた末、仕事中という事もあり声を掛ける事にした。
落ちた小瓶を拾いつつ、集団へと足を向ける。
「おい、そこの金髪のガキ」
「なんだと? 僕にはギ――」
「落し物だ。受け取れ」
言うより先に、拾った小瓶を少年に投げつけた。
「な、何を言ってるのかな君は。これは僕の香水なんかじゃ――」
「おいギーシュ。なんでこの小瓶が香水だって判ったんだ?」
「あれ、この香水……確かモンモランシーが同じものを持っていた気がするぞ」
「い、いや、これは偶然同じものを――」
「そう言えば、モンモランシーは自分のためだけに香水を作るって言ってたな」
「やっぱりギーシュが付き合っているのはモンモランシーで確定か!」
「違う違う。いいかいみんな、彼女の名誉のために言っておくが……」
髪をかき上げ、薔薇をあしらった杖を高々に掲げた所で、ギーシュと呼ばれた少年は固まった。
視線の先には、茶色のマントを纏った少女。その目には、溢れそうなくらいの涙が溜まっている。
「ギーシュ様……やはりミス・モンモランシーと……そうなんですね」
「違うんだよケティ! どうかその美しい瞳に浮かぶ悲しい輝きを消しておくれ!
  そう……これは試練なんだ! 僕達の愛が、今ここで試されようとしているのさ!」
「ぐすっ、ううっ」
「ほら、迷わず僕の胸の中へ飛び込んでおいで。そしてあの森の時と同じ様に一緒に愛を語り合おう」
「……へえ、なら私もその胸へ飛び込んでみても良いかしら。それと、森って何かしら」
「ももももも、モンモランシー! いや、これはそのっ! 誤解なんだ僕だけのモンモランシー!
  彼女はあれだ、その、たまたま森で出会ったから、一人の紳士として馬で送ってあげただけなんだよ!」
「ギーシュ様の嘘つきぃ!」
「あ! いや! 待ってくれケティィィィィィィィィィィィィィ!」
と、いちいち芝居がかった発言を続けていたギーシュの頭に、赤黒い液体が垂れていく。
「ぎゃぁぁぁぁああああ! 痛い! 痛いよモンモランスィィィィィィイイ!!」
「さっき厨房で借りてきた調味料だけど、貴方には刺激が強すぎたかしらね」
「み、水を! モンモランシーの得意な水で僕を助けておくれ!」
「良いわ……ただし、水じゃなくて濃い目の食塩水だけれど……ね!」
「アッー!!」
慌しいやり取りが終わり、その場に残っていたのはびしょ濡れのまま股間を押さえ痙攣するギーシュと、
痙攣こそしないものの、同じように股間を押さえる仲間の姿だけであった。
ケティと呼ばれた少女も、モンモランシーと呼ばれた少女も、いつの間にか食堂から姿を消していた。
ちなみに小瓶を投げて返した荒垣は、その騒動の最中黙々とデザートの配膳を続けている。
そうこうしている内に配膳が全て終り、厨房へ帰ろうとしていた荒垣の身体を一本の腕が遮った。
腕の主は、まだ若干湿っているギーシュである。

18 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 06:45:20 ID:ypKS2UGt
結局こうなるのかギーシュ、支援

19 :ゼロのおかあさん:2007/10/10(水) 06:46:39 ID:Qu3Nz/zr
「君の軽率な行動のせいで、二人のレディの名誉が傷付けられた。どう責任を取るつもりだい?」
「責任も何も、全部テメェのしでかした事だろうが」
「そうだぞギーシュ! 男の敵め!」
「そうだそうだ! このモテない男の敵が!」
「ああ、なんて野郎だ! このモテないブ男の敵ィィ!」
「というか、本音を言えば俺達にも紹介して下さいよコンチクショォォォォォォウ!」
涙を流しながら走り去っていく仲間たちに唖然としつつも、次の瞬間には冷静さを取り戻したギーシュ。
「と、とにかく、給仕ならば給仕らしく……ん、君は確かゼロの」
一瞬だけ荒垣のこめかみが痙攣するが、ギーシュはそれに気付かず話を続ける。
「やれやれ。飛んだ礼儀知らずだと思いきや、ゼロのルイズの使い魔だったとはね。
  主人が主人なら、使い魔もしょせん使い魔って事か。もういい、さっさと消え去りたまえ」
馬鹿にした表情を浮かべながら、ギーシュは荒垣を追い払うように手を振るった。
そんなギーシュの手首を掴んだ荒垣は、敵にしか見せた事無い目でギーシュを睨み付けた。
「テメェのケツも満足に拭けない奴が、他の奴をどうこう言うんじゃねぇ……このバカ野郎がッ!」
「うぁッ」
腰が抜けそうになるのを堪えつつ、目を逸らしたギーシュだったが、相手が平民だったと思い出して怒りを露にする。
「平民の癖によくも……いいだろう。ここは貴族らしく、決闘を申し込もうじゃないかッ!」
その言葉に周囲がどよめく、ギーシュはマントを翻すと、荒垣を外へと促す。
言わんとすることを理解した荒垣は、周囲の騒音を無視して食堂の外へと足を向けた。
ただ食堂から出る途中で出会ったシエスタは、泣きながら表情を曇らせ呟く。
「逃げて下さいアラガキさん。あなた、殺されちゃいます」
だが、荒垣はその申告を無視して食堂の扉を潜る。
廊下には、物言いたそうなルイズの姿があった。
「どうするつもり? ギーシュ、相当怒ってたわよ!」
「なんでそんな事聞く」
「なんでって、私はアンタのご主人様よ! 使い魔が怪我するのを黙ってみてられないわ!」
「……」
「聞いて。あれでもギーシュは一応メイジなの。アンタは平民なんだからメイジに勝てないの!」
「……」
「ちょっと、こんな時ぐらいちゃんと返事しなさい……よ」
何を思ったのか、荒垣はルイズの顔をジッと見る。
いつもとは違う視線に、感情の行き場を持て余したルイズは視線を逸らしてしまう。
「さっきの答えは出たか」
「え?」
「……魔法が使えたらってやつだ」
ほんの少しだけだが、ルイズには荒垣が纏っていた空気が柔らかくなった気がしていた。
見た目も表情もいつも通りなのに、今までの様な排他的な雰囲気が薄らいでいる。
だが、そんな事は決闘には何の関係も無い。
「まだだけど、今はそんな事より決闘をどうにかする方が先よ!
  ギーシュに謝りましょう! 私も口を添えるわ。だから謝っちゃいましょうよ!」
その答えを聞いて、大きな息を吐いて肩を竦める荒垣。
「……」
「何で言う事聞かないのよ馬鹿!」
気付いたら普段と同じような空気を纏った荒垣は、無言で去っていく。
またも残されたルイズは、やりきれない気持ちでそれを見送っていた。



    ▽    ▽    ▽




20 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 06:51:34 ID:ypKS2UGt
荒垣の言う事はもっともだ

21 :ゼロのおかあさん:2007/10/10(水) 06:52:10 ID:Qu3Nz/zr
ギーシュが残した案内を辿り、荒垣は広場に立っていた。
いつのまに聞きつけたのか、周囲には大勢の生徒達が並んでいる。
そんな中で、ギーシュは観客の心を掴むのに必死になっていた。
だが、一見優雅そうに振舞っているが、瞳の中で燻る怒りは隠しきれていない。
「僕はメイジだ。だから魔法で戦う。まさか文句などあるまいね」
「……」
無視を肯定と受け取ったのか、ギーシュは持っていた薔薇の花びらを宙に散らす。
そして、再びギーシュが薔薇を振るうと、そこには甲冑を着た女騎士が姿を現していた。
幅はともかく、身長は荒垣よりもやや大きい。
女騎士はギーシュの前に立つと、向かい側で立っている荒垣目掛けて突撃する。
「いけ! ワルキューレ!」
「!」
ワレキューレは右腕を突き出すと、荒垣の腹部目掛けて潜り込ませる。
線上に並んでいたギーシュは、その光景を見ながら髪をかき上げると、薔薇を咥えて身をよじった。
「自己紹介が遅れたね。僕の名はギーシュ・ド・グラモン。
  二つ名は『青銅』さ青銅のギーシュ。ご覧の通り、このワルキューレが君の相手……を?」
言葉を続けようとして唖然とする。
筋書き通りでは、地に伏した荒垣の悔しそうな視線を背に名を名乗る予定だった。
それなのに、ワルキューレが全力で殴った相手は、地に伏せる事無くこちらへ歩いてくるのだ。
おそらく命令を間違えたのだろうと無理矢理納得するギーシュ。
薔薇の杖を振るい、再びワルキューレに突撃の命令を下す。
もう一度ワルキューレの拳が荒垣の腹部にめり込むが、意に介した様子もなく足を進ていく。
周囲の観客達も、さすがにおかしいと気付いたのか騒然となる。
「わ、ワルキューレ!」
気味が悪いその光景を払拭するため、合計七体のワルキューレも呼び出す。
うち一体だけを脇に控えさせると、残りの六体に突撃させる。
「ど、どうやら平民にしては頑丈なようだが、この数には勝てまい。
  さあ行けワルキューレ達よ! その美しい拳であの平民を地に沈めるんだ!」
号令と共に、ワルキューレ達が荒垣を囲む。そして、全方向から一斉に突撃を開始した。
周囲から「おいおいやりすぎだぞー」と声が掛かるが、耳を貸したりはしない。
手を緩めたら危険であると、ギーシュの本能が必死で告げていたからだ。
荒垣がこちらに接近しようとするたびに、青銅の拳が足や腹部にめり込む。
右足が出れば懇親の一撃を振り下ろし、左足が出れば鋭い一撃を見舞う。
そうしてしばらく殴りつけていたためか、砂埃が巻き上がっていった。
視界が不明瞭になるのを恐れたためか、全ての攻撃を停止させ砂埃がおさまるのを待つ。
そこへ、今までのやり取りを見ていたルイズが飛び出してきた。
ずっと握っていたのか、掌には爪の後がしっかりと残っている。
「もう良いでしょうギーシュ! もう十分よ!」
「邪魔だぞルイズ! そこをどいてくれ!」
「なんでそんなにムキになってるの? アンタおかしいわよ!?」
「うるさい! 退かないなら君ごと潰れてもらう!」
「な――」
恐怖に心が支配されつつあるギーシュには、ルイズの諌める声は届かない。
信じられないと言った表情を浮かべるルイズ目掛けて、ギーシュは杖を振るう。
杖の動きに合わせる様に、残っていたワルキューレが動き出した。
「ルイズ!」
どこからか悲鳴が上がるが、ルイズは動けずにワルキューレの接近を許してしまう。
あまりの出来事に腰が抜けてしまったのか、視界が下がり身動きが取れなくなる。
(あっ……)
殴られると思った瞬間、思わず目を閉じた。
だが、いつまで経ってもルイズの身体に痛みは走らない。

22 :ゼロのおかあさん:2007/10/10(水) 06:54:57 ID:Qu3Nz/zr
「何やってんだバカ野郎が!」
聞きたかった声が耳元で響いて驚く。
ルイズの視界一杯に、無事とは言えないが生きている荒垣の姿が映る。
ルイズとワルキューレの間に入ったのは、囲まれて地に伏したと思われていた荒垣だったのだ。
絶対に立っている筈が無いと人物を見て、そこに居た全員が愕然とした。
口の端から血を垂らしながらも、二本の足でしっかり立っている荒垣の姿に。
「あ……」
「危ないから出てくるんじゃねぇ。下がってろ」
背中に受けた青銅の拳など気にする様子もなく、荒垣はルイズの腕を取った。
駆け足の様な展開にようやく感情が追いついたルイズは、思わず泣きそうになる。
「もぉ、やめなさいよぉ。アンタ、死んじゃうわよ」
「……」
「駄目なの。アラガキが死んじゃったら……またゼロになっちゃう。
  せっかく召喚が成功したのに、死んじゃったら無くなっちゃうのよ」
その言葉を受けて、荒垣はルイズを近くに居た生徒に預ける。
「初めて……いや、二度目か」
「え?」
「テメェは……ルイズが俺の名前を呼んだのがだ。
  もっとも、そっちは姓だ。俺の事を呼ぶなら……シンジにしろ」
「シンジ……」
「心配するな。すぐ済む」
「べ、別に、心配してるんじゃ、ないん、だから」
ルイズの呟きを背に、荒垣は広場へと足を戻す。
ちなみにルイズを預けた生徒は何処かで見た気がするが、荒垣にとってはどうでも良い事だった。
思考を完全に戻した荒垣は、ギーシュに冷たい視線を送る。
その瞳には、心なしか怒りの色も混ざっているようにみえた。
「こないなら、こっちから行くぞ」
しっかりとした足取りで、視線をギーシュから外す事無く歩き出す。
「く、来るなぁ!」
突然の出来事に意識が飛びかけていたものの、ギーシュはすぐに持ち直した。
先程と同じように、ワルキューレで荒垣の進行を食い止める。
だが、それを障害ともせず荒垣はギーシュの耳に届くように呟く。
「もう終わりか」
抑揚のない言葉を投げかける荒垣。
それを切っ掛けに、ギーシュは乱暴に薔薇の杖を振るった。
「わ、わ、ワレキューレェェェェッ! あいつを止めろぉぉぉ!!」
命令と共に、機械的な動作で荒垣を殴りつけるワレキューレ達。
その拳は腹部だけでなく、脇腹や背中、足や腕を容赦なく襲う。だが……
「もう終わりか」
先程と変わらない口調で、荒垣は歩みを止めず接近する。
死んでもおかしくないほど殴っているのに、倒れる気配を感じさせない。
「もう終わりか」
周囲もその一挙一動に固唾を呑んで見守っている。
ギーシュの耳に聞こえてくるのは、先程から一言一句変わることの無い言葉。
しかもその音は、着実に大きくなっている。
否、声の音量は同じ。違うのは、二人の間の距離。
「もう終わりか」
気付けば、ワルキューレが荒垣を殴る音が聞こえなくなっている。
ゆっくりと視線を動かすと、どのワルキューレの身体も大きくへこんでいた。
酷いものでは、動けないくらいボロボロになっている。
その事実が、ギーシュをさらに混乱させた。
(なんで、僕はあの男をずっと見てたんだぞ!?)
ワルキューレのへこみ具合は、丁度ワルキューレの拳と同じ大きさだ。
だが、荒垣の拳は握った気配すらない。

23 :ゼロのおかあさん:2007/10/10(水) 06:56:10 ID:Qu3Nz/zr
「もう終わりか」
「ひぃ」
お互いの細かい表情の変化が分かるくらいまで、距離は縮んでいた。
何かされた訳でも無いのに、膝が笑って足に力が入らない。
そのままあっけなく、二人の距離は手の届く距離までとなっていく。
殴られる覚悟をしたギーシュだったが、飛んできたのは暴力のかけらも無い言葉だった。
「もう終わりだな」
「あ、ぁあ……」
肉体を攻撃されたのでも無いのに、ギーシュは大量の汗をかいていた。
手に握っていた筈の薔薇の杖は、いつの間にか地面へと放り出されている。
数十分前に平民と罵った男は、現在鋭い視線を向けたまま自分を睨み続けている。
視線に耐えられなくなったギーシュが地面に座ろうとするが、荒垣に腕を捕まれ無理矢理立たされた。
「な、なにを」
「テメェのケツぐらい拭け」
そう言って身体をずらした向こう側では、不安げな表情を浮かべる三人の少女がこちらを見ていた。
ケティとモンモランシー、それに腰を抜かしたままのルイズ。
「わ、分かった。彼女達にはきっちり謝る。約束する……で、頼みが」
真剣な表情で、荒垣の耳元で小さく呟く。
「あ?」
「ここは引き分けと言う事に――」
言い終わる前に、腕を持ち上げていた手が離れる。
その拍子に、ギーシュは地面に尻餅をついてしまう。
見上げた荒垣の視線には、明らかに怒りの色が滲み出ていた。
「いい加減にしろこのバカ野郎がッ! 仕舞いにゃぶん殴るぞ!」
「ひぃぃぃぃぃぃ!」
ギーシュが悲鳴を挙げて気絶したと同時に、周囲に居た人々が一斉に歓声をあげた。
突然行われた決闘に、幕が下ろされた瞬間である。



24 :ゼロのおかあさん:2007/10/10(水) 06:57:51 ID:Qu3Nz/zr
以上でゼロのおかあさん第四話の投下終了となります。
こんな早朝から支援してくださったみなさん、ありがとうございました!


25 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 07:01:44 ID:ypKS2UGt
荒垣、無茶しやがって、てな訳でGJ!!

26 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 07:06:48 ID:IxTugozn
GJ!
ガキさんは相変わらずタフガイだなぁ〜

全然関係ないが、てっきり投下するのは前スレだと勘違いして、支援すべく待ち続けていたのも私だ。

27 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 07:24:36 ID:rbeg4v9e
反撃は全てカウンタか……
無傷なのは回復促進かな。それにしても、荒垣さん堅え〜

28 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 07:37:33 ID:wXU48rVu
カウンタに治癒促進だろうけど、斬撃打撃無効でも新たに習得したんじゃねーかっていう硬さだなw

29 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 08:02:56 ID:1jRR1yv9
ガキさん、GJです
堅さは……純粋に耐ステータスの高さじゃないかな

ほら、ギガス系のシャドウに比べると、ギーシュのワルキューレじゃ……

30 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 08:20:10 ID:821s8KO2
つまりこのガキさんはレベルが高いんだな

31 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 08:35:19 ID:o1wapM4c
ふむ・・・・
ガキさんって、斧とか槌とか鈍器系しか装備できなかったよね?
・・・・・・デルフ、ちょういらない子?
それはそうとおつっした。

32 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 08:52:14 ID:l8ZKSY/J
乙でした
破壊の杖がバス停な予感がするwww

33 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 09:02:46 ID:BMtqF9Rx
前スレからの流れでスマンが、これだけ言わせてくれ。

オレの2時間……orz

34 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 09:02:49 ID:LibVLmDj
前スレやっと埋まったな

35 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 09:03:10 ID:TBw0bz4B
亀だが乙したー。

前スレ埋まったぜー。
AAで埋められたんだぜーorz

36 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 09:07:10 ID:COOMnxlS
まあいいんじゃね?
荒らしってほどでもないだろw

37 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 09:12:17 ID:BMtqF9Rx
もう笑うしかないww
夜勤明けのオレは寝ます。同士よさらば。

38 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 11:26:55 ID:L/tGNjOm
…まあ別に誰がどんなコメントでラストを取ろうが
全く関係ないですよ。と実も蓋も無いことを言ってみる

39 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 11:51:09 ID:mJuwtfCl
つうか、ネタもなく無理やり埋め立てんでも。

40 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 11:54:54 ID:sCovd3gS
>>32
フイタ
シュールすぎるwww

41 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 12:01:36 ID:SKxdvSEn
時々思うのだが、破壊の杖は作品よって変わるのだが。
例え、それがどんな物であっても盗もうとするフーケさんは少々節操が無さ過ぎると思う。

42 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 12:03:33 ID:qg0y6EyO
希少価値がありそうなら何でもいいんだろう。

43 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 12:04:50 ID:YnQX4OxM
>>41
基本、名状からどんな物か想像し辛いんだからしょうがないじゃないか。
何にせよお宝には違いないんだし。

44 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 12:07:13 ID:gs1QWZL+

 フーケさんの目的って

1)テファを養う
2)いけ好かない貴族連中をきりきり舞いさせる

の二つだから、欲しいのは破壊の杖そのものじゃなくて、
『学園で破壊の杖に安置されていた破壊の杖』
って言う名前なんだよね。
売るときの為に使い方は知りたいけど、ソレが何であっても問題は無い。

45 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 12:08:48 ID:RbKiVnNY
盗まないフーケや決闘しないギーシュに存在価値なんてありませんよ

46 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 12:20:39 ID:b4Eyt0L3
フーケさんとギーシュはヒロインだから見せ場が必要なのです

47 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 12:28:13 ID:ypKS2UGt
>ガキさんって、斧とか槌とか鈍器系しか装備できなかったよね?
>・・・・・・デルフ、ちょういらない子?

いや、それはそこ、荒垣さん『ガンダールヴ』にクラスチェンジしたから、
ありとあらゆる武器を使えるようになったという事でw

48 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 12:29:24 ID:ufv/pb3d
まて ギーシュがいつからヒロイン化した?

49 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 12:33:22 ID:4HIXDtTT
>>48
え?
何言ってるんだい?
最初からだろ?

50 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 12:34:54 ID:g5BzdKtc
ときメモ0じゃ、ヒロインじゃないか。

続きはまだかのう?

51 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 12:50:29 ID:b4Eyt0L3
ギーシュは決闘から始まる二人の恋のヒストリーだと思うんだ

52 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 12:52:14 ID:xUr9savu
今マガジン本誌ではネギ君がハルきゲニアに来ているようだな


53 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 14:00:45 ID:ZSypgLud
じゃあ、デルフはインテリジェンスハンマーとかアックスとかバス停とか
そんなのに変更で良いんじゃないか?

54 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 14:08:46 ID:8qIWmVLF
>>47

ついつい気になってしまうのだが、『ガンダールヴ』補正は装備できないものにも効くのだろうか?
いや、破壊の杖がガラテア反物質砲やロケットパンチだったらと思うと、つい。

55 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 14:12:58 ID:4HIXDtTT
>>53
神の左手ガンダールヴ
勇猛果敢な神の盾
右手に握った大槌と
左手に握った斧槍で
導きし我を守りきる

こんな感じに記述がかわってるのか?

56 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 14:35:45 ID:4YwH/I0k
>>54
もし有効なら『高嶺の花』を装備したガキさんとかも有り得る訳か。似合わねえw

57 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 14:36:17 ID:JYJgC2HO
もういっそのこと

右手にジェノサイド砲
左手にライサンダーZでいいじゃない

弾体加速装置と重力子放射線射出装置でも可

58 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 14:37:34 ID:83LhJBPA
いやてゆーか「あらゆる武器を使いこなす」のがガンダールヴの能力なんだから、
ガンダールブになった時点で装備制限なんて外れてるんじゃないの?

59 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 14:40:53 ID:IxTugozn
この流れを見て、左手にロケラン。右手に標識。口にデルフなガキさんが思い浮かんだ。

60 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 14:52:07 ID:bms+aVUB
ルイズとテファがダブルエクスプロージョンで
レキシントンを塵も残さず爆破
小ネタにすらならない妄想をしてたら
何故かこんなことになった

61 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 14:53:20 ID:lhNh4sRr
すばらしい作品群に、ついつい自分もと思ってしまうが……ゼロの使い魔読み込んでないからなぁ。
まずは読んでから出直すとする。
ああ、勇者ロボ喚ばせたいw

62 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 14:54:09 ID:mJuwtfCl
前に居たよーな。

63 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 15:36:24 ID:DV44Q+uu
いやまて、勇者はたくさん居るぞ!
>>61が呼びたいのは、きっと俺の大好きなジェイデッカーに違いない!

64 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 15:37:33 ID:0PooiOUe
超竜神がいたな。
勇者ロボ呼ぶならゴルドランとかかなぁ……。強くて金ぴかで礼儀正しくてルイズご満悦。
そしてイザベラを宇宙海賊に。

65 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 15:50:00 ID:FWy1slmS
何を言う!
ゴルディマーグ召喚で、ルイズが超無理矢理なハンマーコネクトしてのゴルディオンハンマーに決まっている!
そして、その後デルフが巨大化してのゴルディオンクラッシャーが待っているんだ!

66 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 15:50:04 ID:l8ZKSY/J
俺の中で勇者ロボと言えばマイトガインだな

67 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 15:56:44 ID:PCtZG7Rk
>>64
キャプテンイードというのも捨てがたいぞ、名前的に考えてw

68 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 15:56:57 ID:TFMyDoDh
>>65
サイトが7万を光にするのなら妄想したことがある

69 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 16:06:51 ID:bms+aVUB
ショタだけでは飽きずロリにまで手を出すとは
このペドフォッグめ!
とスレ住人に罵倒されるパトカーが見えた気がした

70 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 16:08:01 ID:15Qqu1fT
姉妹スレにアナベル・ガトーの続きが来てたぞ
これって、こっちの保管庫では補完しないのん?お預かり作品みたいに

71 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 16:10:52 ID:UYHDelzf
>>69
だいじょうぶ、ヤツは実年齢12歳以下じゃないと反応しないから(根拠レス)

72 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 16:23:58 ID:UebnmLd3
>>67>>64
イードをキャプテンに、イザベラをワルドに恋しながらイードにも惹かれつつある少女にする。
つまり挟み撃ちの形になるな。


しかしこの流れだとタバサがシリアスか?
髪の色とか共通点はあるけどさ

73 :61:2007/10/10(水) 17:31:04 ID:lhNh4sRr
>>64大当たり
ザ・パワーの恩恵が受けられる「ゼロの双竜」以外だと、整備の必要な連中は召喚させづらいし。
キスで人生踏み外す勇者と言ったらやっぱり!

しかしキャプテンイードの発想はなかったわ……

74 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 17:40:59 ID:d5tM2uw4
>>70
たしか『ガンダム系クロスSS』のまとめサイトがあったはずだから、そっちの管轄だな。
このスレのまとめwikiで預かってる作品は、類似スレでまとめwikiの無いスレだけだから。

75 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:04:08 ID:bvuG6UQB
キャプテン出すならこれも語らねばな…
許婚と元祖ハンマーなピンクのウサギは?

76 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:04:32 ID:65m2NbVK
辛口の批評・感想などは毒吐きスレに書き込めばいいのでせうか?

77 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:11:32 ID:CpBWyQLO
類似スレてガンダムもあったのか。ハガレンとベイダーとジョジョしかしらんかった。

78 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:19:39 ID:b4Eyt0L3
ガトー召喚ならシーマ様も召喚せねば

故あれば裏切るんだよ!

79 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:20:32 ID:DV44Q+uu
>>77
と言うより、たしか「ガンダムと別作品をクロス」って事だから
細かいジャンルの中の一つと言う分け方をされてるっぽい。

80 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:22:14 ID:SKxdvSEn
ロボ系の話はたびたび出るが、実際に連載してるSSはあまりないな。
やっぱりハードルが高いのかな…。

81 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:24:15 ID:Ledi0IYS
シーマが召喚された作品はお預り作品としてあるんだからガトー召喚作品もお預りで良いんじゃない?

82 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:27:04 ID:PCtZG7Rk
「ハガレンとベイダー」を一瞬「ハカイダー」と読み間違えて一瞬の内に
「貴様が正義なら俺は悪だ」とレコンキスタに向かって言っているハカイダーを妄想してしまったw

83 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:30:37 ID:fDE2jwlp
>>80
メンテが大変だしね…

メンテ不要というと
司馬宙とかバスターマシン7号とかが有るが…

7号は人間相手だとバスターマシンとしての力は使えないみたいだし
(襲われた時には人間の女の子並みの抵抗しか出来なかった)
決闘イベントが難しい
モグラにじゃれ付かれて
ノノ「止めてください!止めてください!止めろこの馬鹿モグラ!」
ギーシュ「何するだー!許さん!」
とか
決闘イベント無しでいきなり宝物庫を
ノノが「割る」ことになりそう…


サイボーグ宙なら…
「レコンキスタめ!全滅だ!」
しか思いつかない…



84 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:30:55 ID:mJuwtfCl
ていうか、保管ってのは頼まれたからするものであって、
こっちが預かるとか勝手に決めるものじゃないよーな。

85 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:31:10 ID:d8xPCdz8
・「ザブングル」のアイアン・ギアーを艦載機ごと召喚、移動学園となる
ザブングルを操るルイズはドングリ眼のちんちくりん
途中でウォーカーギャリアに乗りかえ、ザブングルはシエスタに下げ渡し

・「マクロス」を召喚して空中大陸ならぬ超時空要塞トリスティンとしてハルケギニアを制覇
歌で戦争を止めるのが釘宮か堀江か、音大優等生の川澄か・・・と思いきや能登

・「ボトムズ」のスコープドッグを召喚してすごく泥臭く汗臭い異世界ファンタジー

86 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:39:32 ID:Qsm9ieja
ロボ系か……
三重連太陽系に閉じ込められた勇者王&召喚とか
光になったはずのソール11遊星主召喚とか
未来永劫の彼方に旅立ったチェンゲのゲッターチーム召喚とか
聖ドラゴンor神と戦い続けてる新ゲ竜馬召喚とかなら想像したことあるな

87 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:44:22 ID:CpBWyQLO
メンテいらずってわけでもないがゾイドとかメダロットならいけそうか
でもロボ系のむずかしいとこはそのでかさもてあましそうなところだよなぁ

88 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:44:22 ID:DV44Q+uu
ロボじゃないけど、人造人間関連(ライダーではない)は見てみたいな。
ワルキューレをハニワ幻人と勘違いしてやっつけたりw


89 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:45:57 ID:o11Hn6oQ
黒の聖刻なら一度。
ルイズがダム・ダーラの代わりでしかなくなるので断念。

90 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:46:07 ID:SKxdvSEn
>>83
やっぱり、メンテが大変か。

しかし俺の知っている限りの話だが、
メンテ不要っていう奴だと途端に性能が跳ね上がる印象があるな。(真ゲッターだとかイデオンとか、つまり惑星破壊クラスのロボ)

ここまで強いと逆になぁ…。

91 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:46:40 ID:Qsm9ieja
>>87
ZOIDSならデススティンガーなら整備する必要ないと思う
アニメも原作も自己進化する怪物だから

92 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:50:09 ID:5f1hezn2
>>85
確かアーマードトルーパーってエンジンが無いんだよな
マッスルシリンダーという特殊なシリンダーとポリマーリンゲル液の化学反応で動くわけだからリンゲル液の錬金さえ出来れば…
本編でもキリコがスクラップを寄せ集めて一人で製造してたくらいだからセンサー類以外なら何とかなるかもしれん
何より人が搭乗できるロボットとしては最小サイズだし

93 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:51:04 ID:DV44Q+uu
>>90
グランゾートとか龍神丸とかはどうよ?

94 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:52:18 ID:JoVT8LNQ
ロボ系だとギリシャ神話の青銅のタロスならギーシュが錬金で修理できるけれども
ワルキューレとのかぶってるよね・・・
帝都物語に出てきた学天則ぐらいのロボならハルケギニアでもメンテナンスができそう

95 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:53:00 ID:53rIpLXp
>>85
移動学園でダイソード思い出したw

96 : ◆2I.KyaPTFM :2007/10/10(水) 18:53:43 ID:9zMVnH4o
何でまとめwikiが見れんの?
http://www35.atwiki.jp/anozero/

97 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:54:22 ID:1ON7B8eW
レプリスってロボットは整備は要りません……が、あれをロボットと呼ぶべきか否か。
まあ脳に量子コンピュータ使われてるからロボットでいいかと。

A型はすぐ死ぬので量産型C型必須ですが。

98 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:54:28 ID:UYHDelzf
>>91
たしかにメンテフリーな機体だが…
迂闊に乗り込むとルイズがラスボスになってしまうんじゃ

99 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:55:22 ID:wgSxiYYL
>>96
荒らしたか荒らしに巻き込まれたかだろう

100 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:55:54 ID:isBeyHnb
今更だが前スレの埋め、「月は東に日は西に」(わかつきめぐみ)の梅子かーさんとは
渋いところをついてる奴がいたなぁ。

101 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 18:59:43 ID:C1zKXTkc
メンテ不要のメカだと、今まで出た以外ではゴーグ。
休眠なのか稼動していない時期もあったけど、
それでも何万年たっても問題なく何機も稼動しているし戦闘でも壊れていなかった。
後は補修マシンが完備していれば、壊れても自動的に直る。
例えばダグオンだと変身機構などは、救急車が直してくれそうだし、
本体のジャンボは海底で勝手に自己修復をした。

102 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:02:01 ID:0uCE2BTt
>>87
メダロットはリミッターかかってるから人間相手にゃ戦えなくないか?
ゴッドエンペラーとか意図的に外されてる奴ならともかく

103 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:02:41 ID:yCyNOm1O
>>100
その題名だとプリン先生召喚しか思いつかないw
ヴィンダールヴあたりで

104 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:03:40 ID:nSvUIdL7
ここで鋼鉄ジーグを!

105 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:04:51 ID:nSvUIdL7
しまった既出だった

106 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:04:52 ID:ZAwVN6P6
ギャグタッチにでもしないとジーグは性格的に最悪の部類に入るのでは?

107 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:05:18 ID:fDE2jwlp
∀ガンダムもメンテ不要。

ナノマシンの集合体だから粉々にされても何年かたてば
髭の欠片からでも再生
強力な敵に出会って本気を出さなければそれほど強くない

ブレンパワードは生き物なのでメンテ不要
ブラシで磨いてあげると喜ぶよ

キングゲイナーのオーバーマンは適当なメンテで良さそう…


ボスボロットは多分ボスが居ればメンテできる。

108 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:07:25 ID:CpBWyQLO
デスステとかならともかく飛行ゾイドなんて惑星Ziじゃないととべないしな。そもそもワルキューレとか相手に・・・

>>メダロット
そうかリミッターあったな。ルーンの力で書き換わりました〜とかはさすがにぶっ飛びすぎか?
そもそも原作でもリミッター外れてる奴て人間に敵意むき出しになってるからあつかいむずそう

109 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:07:32 ID:fDE2jwlp
>>102
ただの「剣を持った人間」としてなら戦えるかも?

バスターマシン7号も人間相手には人間並みの力しか出せないみたいだし。

>>104
「エルフと言うだけで十分だ!死ねぇ!」
こうですか!

110 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:08:50 ID:6L4KOrpO
とらハのノエルとイレイン


と思ったがたぶんどっちも電池で動くから無理だな・・・

111 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:09:23 ID:ebMizAS+
>>107
メンテナンス不要の奴は基本オーバースペックだな。


112 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:12:04 ID:6L4KOrpO
逆にゼロ魔世界でもメンテと動力源をどうにかできそうなロボはないか?

113 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:12:44 ID:5bcSDESc
>>110
ノエインに見えた

ついでにカラスかきれいなアトリ召喚なんて思いついたけど
どう頑張っても消滅ENDになっちまう

114 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:13:19 ID:MeJOHpT+
>>88
悪胡瓜は中身空洞だからハニワ的な作りだからな

115 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:14:01 ID:fDE2jwlp
>>111
と言うかゼロ魔世界だと
身長が
10メートルを超えれば走ったり跳んだり出来るだけで
30メートルを超えれば歩いて殴ることが出来るだけで
オーバースペックな悪寒。

ただのロケランでも物凄い力を持つマジックアイテムになる世界だし…

116 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:16:16 ID:7hU1zsZO
>>112
ゼロ戦がどうにかなったんだから、機神兵団なら多分なんとか…。マイナーだがw

117 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:16:54 ID:EsDoJxPC
メンテも動力源も「これも次元連結システムの応用だ」で済みそうなゼオライマー

118 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:18:26 ID:ebMizAS+
メンテナンス不要じゃないけどゼロ魔世界でもなんとかなりそうなものか……
るろうに剣心に出てきた人形とか?


119 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:18:39 ID:fDE2jwlp
>>112
オーラバトラー
ゼロ魔世界のドラゴンとかを解体してパーツに使う
サコミズ王ならやってくれる。
 
エウレカセブンのニルバーシュ
生き物だからメンテ不要 でもスカブコーラルが無いから飛べない?



120 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:19:41 ID:6L4KOrpO
ちょっと毛色が違うが某所の有名フラッシュキャラ、
ガラ○タノ○ミサマこと麻生ケ○スケとか。

121 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:20:20 ID:CpBWyQLO
ニルバージュは後半ボードなしで飛べたからなんとかなるかも

いっそ巨神兵・・・・・・いやなんでもない

122 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:21:37 ID:2uy2EtmL
>>116
つまりゼロ戦ではなくタルブには風神が有ると申したか?

123 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:23:14 ID:qgU/T7/E
ゼノギアスのクレスケンスとか?
ナノマシン集合体だからメンテ必要なしの機体だったハズ
エメラダが居ないと意味無いけど

124 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:23:58 ID:muDaTVrM
メンテナンス不要


つ「ガーディアン エイト」

125 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:23:58 ID:KtGp78ee
>>117
『ゼロの冥王』とか『冥王の使い魔』とかってタイトルが付きそうだなぁ…。

126 : ◆gkM6IolliA :2007/10/10(水) 19:24:26 ID:4rwqXKT9
空気読めなくてすまない。型月のアーチャー(赤)はどうなったの?

127 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:25:22 ID:6L4KOrpO
GAシリーズ(ゲーム版)の紋章機。
たぶん精神力の続く限り飛べそう。

128 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:26:01 ID:4HIXDtTT
ハカイダーってメンテどうなってたっけ
脳みその血液を交換したりする必要があるんだっけ?

129 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:26:16 ID:/CDMh7C8
>>102
ギーシュ戦フーケ戦はゴーレムだけ相手してりゃ無問題。
ワルド戦も「遍在」は人間じゃない理論で撃退する。
オーク鬼も人間じゃないからと言って攻撃。
再生皇太子も死者だから大丈夫とこじつけて、
対7万辺りでやっと、怒りとかそんなカンジのパワーで
自らリミッターを破壊して戦うとかどーよ?

130 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:27:27 ID:0uCE2BTt
>>108
ビーストマスターとかゴッドエンペラーとかプリミティベビーとか

起動前の最終調整中に召喚
ルーンを刻んだ拍子に起動
契約による洗脳で暴走は起こらず主人に絶対服従

これならいけんじゃね?

131 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:27:52 ID:8h3lwoev
>>121
巨神兵呼んだら途中から学院の人たちが
原因不明の病に倒れて死んでいくホラー物になるな

132 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:28:41 ID:LibVLmDj
>122
原作小説版か?漫画版か?それともアニメ版か?
一番派手な漫画版を希望したいんだが

133 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:28:45 ID:fDE2jwlp
>>128
キカイダーで出て来た時には必要
01のギルハカイダーは不要っぽい

映画のハカイダーは完全なメカ

>>129
でも「偏在」は区別が付かないんじゃない?

134 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:31:11 ID:qteGZgEg
成恵の世界の機族はナノマシンで構成されてるからメンテナンス要らないだろう

機族の本能とやらでほぼ確実に子供は攻撃できんだろうが

135 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:31:24 ID:WjtWCkso
スプリームコマンダーの指令ユニットを召喚
メンテ必要なし、補給必要なし

136 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:31:28 ID:198TkXhN
ファンタジーロボの方が楽かも。
ダイソードなら意思もあるし7回制限を使えばバランスも壊れない
パイロットは魔力が高い方がいいみたいだし

137 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:32:07 ID:wgSxiYYL
良心回路と服従回路を併せ持ったキカイダーを召還してもらいたいぜ
って言っても漫画版知ってる人少ないだろうな。

138 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:33:36 ID:C5I0A3+J
リューナイトとかもメンテフリーだがアデュー単独召喚はちょっと…

139 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:33:38 ID:6L4KOrpO
月光のカルネヴァーレのアンナはどうだ。
アシモフは糞して寝ろだぜw

140 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:33:47 ID:5Fo1YYJP
萌え系とかエロ要素とか無かったけ(新の方だが)

141 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:34:53 ID:FrGDJcp/
機巧奇傳ヒヲウ戦記 or 巨大からくり・雷神王

巨大からくり人形なら、技術レベルは何とか

142 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:35:12 ID:SKxdvSEn
>>129
漫画版かアニメ版でかなり変わるな。
漫画版のメダフォースはかなり危ない代物だったな。

143 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:35:53 ID:LibVLmDj
>141
だんじりの意味がわかる人間がハルケギニアにいるだろうか

144 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:36:11 ID:/CDMh7C8
>>133
そこで見分けをつけるために『空気』のギトー先生にも活躍してもらってだな。
一度は敗北してルイズを連れて命からがら逃げ出すんだが、
学園でギトー先生を相手に遍在を見分けて1対多で戦う新必殺技を編み出すんだよ。

なんかアニメ版メダロットっぽい展開になりそうじゃね?

145 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:36:41 ID:YvQRABzo
スパロボJのオリロボはメンテナンスフリーだった気が
動力も謎エネルギーだし

問題は、喚んでどうする?ということ……orz

146 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:38:22 ID:d8xPCdz8
>>137
キカイダーのサイドマシンにルイズが乗ってる姿は絵になりそう
次男坊のジローとルイズでは通じる物も多いだろうし

しかしジョゼフが召喚したハカイダーに人気を乗っ取られる

147 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:38:45 ID:Wr799L6t
>>145
大昔フューリーを負かした連中が実はゼロ魔の祖先だったとか
しかし、そうなると敵は完全オリキャラだな

148 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:42:11 ID:fDE2jwlp
>>137
キカイダーって人間を殴れたっけ?

メタルダーも自制回路のせいで敵でも人間は殺せなかった気がする。


149 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:42:44 ID:sCovd3gS
ラガンとか螺旋力ひとつで何とかなりそうだ
>>139
アルジェントはメンテいるぞ?
ペルラさんのみいらなそうだが

150 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:43:25 ID:0uCE2BTt
ガチャボーグなんてどうよ?一応生き物だし心の力で動くし
「大大決戦!たおせサイバーデスドラゴン!!」中のサイバーデスドラゴン召喚
ビルよりでかくて、空を飛べて、ファンネル搭載してるし、強力な必殺技も数秒間隔で連発可能
問題はどうやって契約するんだよって事だけだが、それが非常に難しいね

151 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:43:28 ID:Qsm9ieja
>>120
個人的にそいつを召喚よりはナイトメアバスターのギコのほうが(ry

152 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:43:38 ID:MxNmkDA2
ワイルドアームズのロンバルディアならメンテ不要?
アレは竜?ロボ?かは置いといてW

ただ戦闘に勝ち、質問に正確に答えないとルイズ達全滅な罠。

153 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:45:36 ID:wgSxiYYL
>>148
元が人間のミュータントのイナズマン(人間名忘れた)を殺そうとはしてたし、
漫画版のキカイだーは01やビジンダーとも一人の弟も殺せるようになってた。
ジェミニとイエッサーで人間と同じように善悪の心を持ったんで、殺せるんじゃないだろうか。

154 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:45:38 ID:198TkXhN
空を飛べない巨大ロボはアルビオン編をどうするかが最大の問題だな

155 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:46:11 ID:d2cGGmjd
>>152
あれはロボっぽい生き物。そういう種族。

156 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:47:41 ID:5f1hezn2
>>112
ウォーカーマシンかな、燃料はガソリンだし
シビリアンでも整備できるくらいだからコルベール先生なら何とかなるかもしれん

157 :ゼロのgrandma:2007/10/10(水) 19:47:47 ID:uQrAmlSj
ちわ。空いてます?

思ったより筆が進んだので、行ってみようかな。

158 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:48:06 ID:Wr799L6t
GOGO!

159 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:48:46 ID:qgU/T7/E
>>152
ハルキゲニアだとロンバルディアさんは火韻竜になるのか?
先住魔法を使えない代わりに単機でレキシントン落としそうだけど

160 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:48:52 ID:WmQ6nsWL
>>157
バッチコイ!

161 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:49:09 ID:fDE2jwlp
>>154
レビテーションを掛けて牽引

10メートル前後の奴なら船に積めるかな?


162 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:50:31 ID:SKxdvSEn
支援

163 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:51:02 ID:5G4Z0U1i
>>157
進路クリア!どうぞ!!

164 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:51:32 ID:UYHDelzf
支援しえーん(ルパンルパーンのリズムで)

165 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:51:40 ID:sXGpofqg
支援

166 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:52:13 ID:4HIXDtTT
支援

167 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:52:14 ID:5Fo1YYJP
sien

168 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:52:18 ID:ebMizAS+
ばっちこーひ

169 :ゼロのgrandma 1/6:2007/10/10(水) 19:53:19 ID:uQrAmlSj
「ば、場所はヴェストリの広場だ! ――と言うよりも、君は決闘の意味を、本当に判っているんだろうね?」
「判ってますよー。それでは武器を用意してきます。後から参りますので、少々お待ちくださいねー」
なかばヤケクソ気味に怒鳴るギーシュに、リンディはひらひらと手を振り返した。
実に楽しそうな笑顔だ。意味が判っているとは、とても思えない。
彼は呆れたように肩を落とした。
「平民は愚かだと思っていたが、ここまで愚かだとは思わなかったよ。……まあいい。とにかく僕は、先に行ってるよ」
疲れたように歩き出すギーシュ。同時に席を立った友人が、彼に何かを耳打ちした。
一瞬立ち止まり、誰かを捜すように周囲を見回した。が、見つけられなかったらしく、再び歩き始める。
そこかしこから、あの平民はルイズの使い魔だろ、だから考えがゼロなのか、などと声が上がっているので、ルイズを捜したのかもしれない。
噂をしていた学生たちも、見物のためか、移動を始めているようだ。

「ちょ、ちょっとリンディ! あんた何考えてんのよ?」
人混みを掻き分けるようにして、ルイズは自分の使い魔に近寄った。
ギーシュが平民と決闘すると聞いて、色々と想像してしまったわけだが、まさか最悪の物が当たるとは思っていなかった。
ちなみに聞いた瞬間、飲んでいたお茶を盛大に噴出してしまったのは内緒である。
そのリンディは、運んでいたトレイを平然と片付けていた。
「あら、ルイズさん。ヴェストリの広場ってどこかしら?」
「中庭よ。西の方の。ってそうじゃないでしょ!」
顔を近付け、小声で話しかける。
「何だって決闘なんて事になったのよ?」
「そうねえ。あれくらいの子って見栄っ張りでしょ? 一生懸命背伸びしてるトコが、なんか可愛くって」
つい、からかい過ぎちゃった、と照れるリンディに、ルイズは大きな溜息を吐いた。
マイペースだという事は理解していたが、これは幾らなんでも予想外だ。
第一、決闘するという事は、魔法を使わなければいけないという事でもある。
彼女の光る羽は消えたままだ。この状態で、先住魔法を使えるのだろうか?
「心配しないで。何とかするから」
不安そうな色を見て取ったのか、リンディは穏やかに微笑んだ。
「……あんたね」
撫でるように頭に置かれた彼女の手を、ルイズは少し強めに振り払う。
子ども扱いされているみたいで嫌なのだ。
「目立ちたくないって言ってなかった? みんなの前で先住魔法でも使うつもり?」
「魔法? だってわたしは『平民』なのよ? 魔法なんて使えるわけないじゃない」
「え?」
平然と言われた内容に絶句する。
「だ、だってギーシュはメイジなのよ? 魔法を使わないで勝てるわけないでしょ?!」
「武器の使用は許可してもらったもの。何とかなるでしょ」
指を立て、楽しげにくるくる回すリンディ。
悪戯っぽい笑みを浮かべると、ルイズの額に、とん、と触れた。
「大丈夫だから。わたしはちょっとしたら行くから、先に行って待っててね♪」

   ◆  ◆  ◆




170 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:53:36 ID:ta7SNlFx
ジェフティなんて良さげなのに
装甲の修復にはメタトロンを必要とするけど、動力その他は永久機関だし
ていうかシールドのおかげで実弾は殆ど効かないから『俺つえー』そのものなのに

171 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:54:15 ID:MxNmkDA2
支援ですよ

>>155
アレ、やっぱり生物なのね。ミサイル打ってた記憶があったもんで……

172 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:54:28 ID:sXGpofqg
支援

173 :ゼロのgrandma 2/6:2007/10/10(水) 19:54:33 ID:uQrAmlSj
「ルイズ、君は使い魔の教育がなってない。もう少し、どうにかならないのかい?」
「ダメ。ならない」
困惑気味のギーシュに、ルイズは不貞腐れたように言った。
「わたしにだって、何考えてんだか判らないもの」
「しかしだね」
彼は周囲を見回した。
ヴェストリの広場は、見物しようとする学生で鈴なりになっている。今更中止とは、自分の方からは言いにくい。
大体、決闘を申し込んだのがどちらか、あやふやなのだ。
確かに結論付けたのは相手だが、話を振ったのは自分である。申し込みを受けた、と取られているなら、逃げるわけにはいかないのだ。
とは言え。
彼には、非力な平民、しかも妙齢の女性をいたぶる趣味は無かった。
「一言謝れば、許してあげないこともないのだがね」
「直接言ってみたら?」
譲歩してみせたが、またも素っ気無い返事が返ってくる。
どうやら、ルイズ自身が使い魔に対して拗ねているらしい。
(言っても無駄のようだね)
ギーシュは、主人による使い魔の説得を、諦めるしかなかった。

やがて、ざわめきと共に人垣の一角が割れ、二人の人影が現れた。
先に立つのは先程の使い魔だ。改めて見れば、随分と変な格好をしている。
後ろにいるのはメイドの少女だ。顔色は真っ青で、何故かティーセットと敷物を抱えていた。
そして。
「お待たせしましたー」
にこにこと笑みを浮かべた使い魔は、手にしたフライパンを振ってみせた。

呆然となる一同の前で、リンディは受け取った敷物を広げる。
その上にティーセットを置くと、怯えた表情のシエスタに、大丈夫よ、と一言かけて下がらせた。
「き、君、それは何のつもりだい?」
なんとか口を開いたギーシュ。
「もちろん、決闘の準備ですよ?」
「そ、それがかい?」
どう見たって、ティータイムの準備を整えているようにしか見えない。
「いいい、一体、君は何を聞いていたんだい? 僕は決闘だと言ったんだぞ?」
「そうですよ?」
心底不思議そうな彼女の様子に、ギーシュは二の句を告げられなかった。

ぱくぱくと口を開け閉めした後、彼はふっと自嘲した。
「平民に言葉を理解させるのが、こんなに難しいとは知らなかったよ。じゃあ、これならどうだい?」
彼が手にした薔薇を振ると、花びらが一つ地面に落ち――瞬く間にゴーレムが出現した。甲冑を着た女性を模している。
「僕はメイジだ。『青銅のギーシュ』の二つ名を持っていてね。そしてこのワルキューレが、君の相手をするんだよ?」
どれだけ愚かでも、ここまでしてやって状況が理解出来ないはずはない。
そう確信して使い魔を見ると、何故か彼女は、頭痛をこらえるように額を押さえていた。
「す、少しだけ、お待ちいただいてもよろしいですか?」
「ああ。主人と相談でも何でもしてくるがいい」
ようやく理解出来たらしい相手に、ギーシュは鷹揚に頷いた。




174 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:54:57 ID:d2cGGmjd
>>171
生まれながらのサイボーグみたいな感じ。
でも生き物としての機能もあると。

175 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:55:00 ID:5juCAWVx
>>132
いずれにしても一回動かすたんびに大量の真空管が吹っ飛ぶんだが。

176 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:55:07 ID:Wr799L6t
支援

177 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:55:12 ID:UYHDelzf
ミントさんやミカヤ姉さま(おひ)以上ににルイズを子ども扱いしてる…
さすがは妖精さんだ!支援

178 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:55:28 ID:GhqBL0Bu
雑談を一時停止して支援に徹しましょう。
支援

179 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:55:39 ID:5Fo1YYJP
支援

180 :ゼロのgrandma 3/6:2007/10/10(水) 19:55:51 ID:uQrAmlSj
「ル、ルイズさん」
「何よ、今更怖気づいたの?」
引きつった顔のリンディに、ルイズは呆れたような顔を向けた。
「あの子の持っている薔薇って」
「ああ、あれはギーシュの杖よ。造花なの」
「もの凄く重かったりする?」
「そんなわけないじゃない。そりゃあ、本物よりは重いだろうけど」
何を当たり前のことを、とルイズが言うと、リンディはこめかみを指で押さえた。
「何て言うか、その、造花の花びらが、ああなったんですけど」
「まあ、ギーシュは土のメイジだからね。ゴーレムが作れるのは当たり前よ。授業でも得意そうにしてたから」

ふらふらとした足取りで戻ってきた使い魔は、暫くぶつぶつと呟いた後、気合を入れ直すように向き直った。
「勝負はどうやったら決着がつくんですか? 時間制限とかはあるんでしょうか?」
「杖を落とした方が負けだが……って、君はまだ判らないのかい?」
ギーシュは目を剥いた。
慌ててルイズの方を見ると、彼女は肩を竦めて見せた。説得は無駄だったということだろうか?
「時間制限は無さそうですね。でも困りました。わたしは杖を持っていませんし」
「き、君が謝れば済む話なんだが」
果てしなく無駄な気がするが、一応言ってみた。徒労感が降り積もってくる。
それよりも、先程からどうしても気になっていた事があるのだ。
「それは何だい? まさかそれが君の武器ってことはないだろうね?」
と、フライパンを指差した。
どこからどう見ても、ただの調理道具だ。その鮮やかな赤は、この場で最も浮いている。
「ええ。だってこれ、マジックアイテムなんですもの」
「何だって?」
ざわ、っと周囲がどよめいた。
使い魔がこれだけ自信を持っているのだ。もしかすると、とんでもない力を持っているのかもしれない。
「それは、一体どういう――」
多少、緊張を浮かべたギーシュの質問と同時に、
「なんとこれは、油を使わなくても焦げ付かないんです!」
能天気なリンディの声が響き渡った。

「……ちょっと、ルイズ。あなたの使い魔って大丈夫?」
「聞かないで」
いつの間にか側に立ったキュルケに聞かれ、ルイズは力無く首を振った。

「ですから、このフライパンは『焦がさない』効果があるんです。先祖代々から伝わる家宝で、ご家庭での最高の武器なんですよ」
「き、き、き」
「わたしの愛用品でもありますし、使ってもいいですよね?」
「き、君は」
「いいですよね?」
「ああ!構わないさ! そんな事より、君は僕を侮辱しているのかね?侮辱しているね?!」
「いいええ」
体を震わせて怒鳴り散らすギーシュに、リンディは微笑みかける。
「じゃ、始めましょう。いつでもいいですよ?」
「――!!!」
とん、とリンディがフライパンの柄を地面に突き立てるのと同時に。
頭に血が上ったギーシュは薔薇を振り、彼のゴーレムが動き出した。

   ◆  ◆  ◆




181 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:56:11 ID:Wr799L6t
支援

182 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:56:45 ID:DxxCQ3p4
あぁ、物理法則無視に頭が痛くなったのか支援

183 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:56:53 ID:5Fo1YYJP
心理戦じゃギーシュかなわないな支援

184 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:57:09 ID:sXGpofqg
支援

185 :ゼロのgrandma 4/6:2007/10/10(水) 19:57:10 ID:uQrAmlSj
「あなた、これ、知ってたの?」
「し、知ってたわよ」
「ふーん。そうよねえ。自分の使い魔だものね」
全く信じていない口調で、キュルケは傍らのルイズに目を向けた。
その表情に、自分と同様に驚愕の色が張り付いているのを確認すると、改めて前方に顔を向ける。
「どこから、あんな物持ってきたんでしょうね?」
彼女は呟くように口にした。答えを期待しない問いであることを自覚して。
――ルイズからの、返事は無かった。

「くそ、どうなってるんだ」
ギーシュは最後の花びらをまいた。
七つめ。自分が操れるワルキューレの最大数であり、この場に全て揃ったことになる。
その七体のワルキューレは、今や同じ青銅製の剣を振るい、あるいは体当たりをし、地面を穿っている。
「一体、あれは何なんだ」
後悔と共に吐き捨てる。
使用することを許可してしまったのは自分だ。今更文句は言えないかもしれないが、まさかあんな物だとは思ってなかった。
まるで歯が立たない。
目標までたった2メイル。その2メイルがひたすら遠い。
緑色に淡く光る半球体には、どこにも隙が無いのだ。ワルキューレがどの方向から打撃を加えても、壊れる気配すら無い。
境界線の地面を穿ってみたが、壁が地下にまで続いていることが理解出来ただけ。
彼は額の汗を拭いた。
自分がこれだけ苦労しているのに、中に座る女は涼しい顔をしているのだ。
ギーシュは、この状況に至った経緯を思い返していた。

最初に歩き出したゴーレムがリンディに近付いた時。
突然、辺りは緑色の光に包まれたのだ。
「わっ?」
一瞬目を閉じたギーシュは、周囲から溢れる、驚愕の叫びと共に目を開けた。
前方にはワルキューレが、あの使い魔と向き合っている。
(向き合ってる?)
前進し、あの無礼な使い魔を捕まえるように命じたはずなのに。何故足を止めているのだろう?
視線を下げ、彼はようやく気付いた。
「な、何なんだそれは?!」
「言ったじゃないですか」
リンディはにっこりと笑いかける。
彼女を中心とした地面に、煌々と光る半径2メイル程の円盤が回転している。そこには複雑な模様、いや、見たことも無い文字が描かれている。
そしてその上には、淡い光が半球体を構成していた。極めて薄い膜状のそれが、ゴーレムの前進を止めたのだ。
つまり彼女は、球状の壁に完全に覆われていることになる。
「このフライパンは『焦がさない』力があるって。だから、こうやって使えば中の物を守ってくれるんです。火事でも平気なんですよ」
「そ、そんな物、今まで聞いたことないぞ?」
「門外不出でしたから。世の中には、色々不思議な物があるんですねえ」
呆然とするギーシュに軽く会釈すると、リンディは腰を下ろし――
「では、頑張ってくださいね?」
お茶の用意をしながら、済ました顔でそう告げた。

   ◆  ◆  ◆




186 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:57:32 ID:MxNmkDA2
支援

187 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:57:46 ID:4HIXDtTT
某RPGではお姫様も愛用武器支援

188 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:57:47 ID:Wr799L6t
支援

189 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:58:09 ID:SKxdvSEn
支援

190 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:58:14 ID:sXGpofqg
支援n

191 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:58:28 ID:UYHDelzf
ちょ、リンディさん放置はひでぇw支援

192 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:59:14 ID:5Fo1YYJP
支援
ひでぇ

193 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:59:16 ID:sXGpofqg
支援

194 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 19:59:34 ID:DxxCQ3p4
料理も出来てその上焦げない、鈍器としても一級品のフライパン支援

195 :ゼロのgrandma 5/6:2007/10/10(水) 19:59:52 ID:uQrAmlSj
リンディが、なかば強引に決闘に持ち込んだ目的は、三つある。

一つめは、自分が魔法を使える状況を作り出すこと。
貴族以外が、しかも杖を使わずに行使される魔法は、ほぼ全て先住魔法として恐れられている。
当然ながら自分の魔法も含まれる。使用すれば注目を浴びるだろう。
その場合、この学院に留まれる確率は不明だし、ルイズにどのような迷惑がかかるかも判らない。
だが、最低でも防御魔法ぐらい行使出来なければ、不測の事態に対処出来ないのだ。
自分は公に魔法を行使出来ない。では、貴族以外で、魔法に関わる存在は他に無いのだろうか?
それがマジックアイテムだった。
昨日のシエスタや、今朝のルイズ、厨房でのマルトーたちの反応を見て確信する。
様々な種類があるらしい『それ』なら、少々不可思議な現象を作り出しても許容されるはず。
つまり。
マジックアイテムを所持している限り、所有者であるリンディの魔法行使に、理由がつけられるのである。

二つめは、周囲の注目を逸らすこと。
一つめに付随することでもある。
マジックアイテムの能力が不可解であればあるほど、所有者に対する注目度が、そちらへ移る。
自分が探知魔法の対象になる可能性も、格段に減るだろう。
その代わり、フライパンは注目の的になるだろうが、どれだけ探知しようがフライパンはフライパンである。
これが、この世界にある何の変哲も無い調理器具なら、疑われる可能性もあるかもしれない。
しかし、このテフロン加工されたフライパンは『油を使わなくても何故か焦げない』という、目に見える形の不可解さを持っている。
解明したい者の意欲をそそるはずであり、解明されない限り注目から外れることも無い。
さらに。
これを公で披露することで、自分は変なマジックアイテムを所有していると知れ渡った。
自身が改めて探知魔法の対象になった時、バリアジャケットも服のマジックアイテムだと、誤解させる事が容易くなる。

そして三つめ。
この世界における魔法行使を、至近で観察することだった。
決闘ということは、攻撃性のある魔法が行使されるということだ。
学生が行使するのであれば、危険性はかなり少ないだろう。
もちろん、決闘が命懸けで、さらにはその威力が、こちらの想定以上という可能性もあった。
だが、それに対応出来ないようなら、自分がこの世界では無力だという証明になる。どのみち長くは生きられまい。
それ故、これは避けては通れない選択肢だったのである。


まあ、どんな理由があるにしても。
出汁にされたギーシュにとっては、災難でしかなかったが。

   ◆  ◆  ◆




196 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 20:00:38 ID:Wr799L6t
支援

197 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 20:01:38 ID:4HIXDtTT
支援

198 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 20:01:52 ID:ebMizAS+
しぇん

199 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 20:01:54 ID:sXGpofqg
ギーシュの出汁……不味そうだ。支援


200 :ゼロのgrandma 6/6:2007/10/10(水) 20:03:04 ID:uQrAmlSj
(申し訳ないとは思うんだけどね)
お菓子を摘みながら、リンディは苦笑する。
こういう事ばかり上手くなるのは、世間の荒波が厳しいからで。
大体、権謀術数渦巻く職場がいけないのだ。自分の周りなんて、一癖も二癖もある連中ばっかり。
(こんな素直な女なんてそうそういないのに。虐めようとする人が多過ぎるのよねえ)
などと愚痴を呟きながら、彼女はお茶を啜っていた。

ちなみに防御結界の外では、既にかなりの時間が過ぎている。

「こんな物、聞いたことがあるかね?」
「いえ、ありません。オールド・オスマン」
本塔の頂上、学院長室の大鏡の前で、二人は首をひねっていた。
片方の老人――学院長であるオスマンは、先程からさっぱり代わらない状況に飽き始めていた。
映し出されたのは、中庭で行われている決闘の様子である。
飛び込んできたコルベールから話を聞いたとき、オスマンは秘書のミス・ロングビルを退出させた。
場合によっては、他言出来ないような対処を考えねばならないからだ。
緊張感と共に映像を注視していたわけだが――先程から極めて退屈な光景が続いていた。
見物人も十人以下になっている。
「ミセス・ハラオウンは、先住魔法の使用を自重して下さったようですね」
「いらんじゃろ。あんな便利な物持っとるんじゃから。それにな」
肩を撫で下ろしたコルベールに、オスマンは呆れたように言った。
「注意しておかねばならんことには、変わりないからの」

「いや、凄いもんだね」
マルトーは目を丸くした。
さっき見たフライパンに、あんな力まであるとは思ってなかったのだ。
仕込みが終わった合間に外に出てみれば、例のフライパンがそこら中の噂になっていたのである。
未だに続いている決闘?とやらを遠目に見ながら、マルトーは感心するように頷いた。
「平民にだって、何とか出来る場合ってあるんだな」
隣に立つシエスタに話しかける。
「いや、最初に聞いた時にゃ、酷い話だと思ったんだよ。使い魔っていやあ、死ぬまで貴族と一緒にいるんだろ」
給金も無いし、里帰りも出来ない。
しかも故郷には家族を残しているのだ。
食いっぱぐれは無いかもしれないが、ある意味、平民以下ではないか。
「まあ、あんな物持ってるってんなら、いつか家族の元に戻れるかもしれないけどな」
「違います」
俯いていた彼女が、ぽつりと呟く。
「お、おい、どうしたんだ?」
狼狽するマルトーの横で、シエスタは涙に溢れた顔を上げた。
「――あれは、ただのフライパンです」

201 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 20:03:08 ID:sXGpofqg
支援

202 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 20:04:50 ID:Wr799L6t
乙です

このフライパンは 優 れ も の だ!!

昔、NHKで流れた恐竜の家族のドラマより

203 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 20:04:57 ID:MxNmkDA2
しえん

204 :ゼロのgrandma:2007/10/10(水) 20:05:29 ID:uQrAmlSj
投下完了です。


海千山千なリンディさんを書くのは楽しいですね。

次は、本当に週末です。

205 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 20:06:13 ID:ebMizAS+
乙&GJ!
ギーシュの出汁はいりませんからアン様のアンアン分をください。

206 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 20:06:19 ID:fDE2jwlp


207 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 20:06:54 ID:UYHDelzf
伊達に提督なんていう要職に就いてませんな
gjでしたー。
シエスタの動向が気になるー。

208 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 20:07:21 ID:angVoqy6
>>148
メタルダーは自制回路のせいで殺せないというより
自制回路によって殺そうとしないといったほうが正しいとおも
「争いを好まぬ僕に武器はない」とか言ってるし

どっちにしろメンテ必須だから召喚は無理だな

209 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/10(水) 20:09:17 ID:t6GTmV5G
gjでしたー。なんという魔法熟女……


予約がなければ、15分ごろに投下を開始します。
今回はいつもよりちょっと長めになります。

210 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 20:09:34 ID:angVoqy6
って、忘れてたGJ

211 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 20:09:41 ID:53rIpLXp
雷電「むぅっ、あれは!?」
富樫「知っているのか雷電!?」

  富雷板(ふらいぱん)…その源流は古代中国の宮廷料理人が
  当時の低い鋳造技術や火力さなどの問題を克服するため、
  調理器具の鍋自体に体内を流れる静電気を通し、
  その際金属の抵抗により発生する熱でそれを補ったという調理法!
  しかし賊が主の命を狙い、夜半に忍び込んできた際、
  唯一賊の侵入に気づいたその料理人はとっさに鍋に電気を通し、
  たった一人でその賊を撃退したと言う…!
  後にこの故事がヨーロッパに伝わり、主に焼くために使われる鍋に
  「フライパン」という名前を与えたのは有名な話である。
      (民明書房刊 「食の千年帝国、中国」 著 至郎田正影 より抜粋)

212 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 20:11:50 ID:d2cGGmjd
>>211
>著 至郎田正影
おいwww

213 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 20:12:47 ID:GhqBL0Bu
おつかれ様です
お茶ドゾー

つ旦

214 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 20:14:25 ID:wgSxiYYL
シエスタの涙が気になる引きだが…GJ!!

215 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 20:14:30 ID:sXGpofqg
支援

216 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/10(水) 20:15:09 ID:t6GTmV5G
 一行がしばらく歩くと、森の中でそこだけ開けている広場になっている場所に出た。
 広さは学院の中庭とだいたい同じくらい。一五〇メートル級のHunter Pigeonがぎりぎり降りられるかどうかといったところか。
 ヘイズが視線を廻らせると、なるほど広場の中央付近に、元は木こりが使っていたらしき廃屋然とした小屋がある。
 その小屋のほうを指差しながらミス・ロングビルは、
「フーケらしき人物は、あの小屋の中に入っていったという話です」
「にしちゃあ、随分とボロボロの小屋だな。とても雨風しのいで寝泊りできるようには見えねえ。隠れ家にしても変装でもして、
辺境の宿でも取ったほうがいくらかマシだろうに」
 ヘイズの指摘に、「確かにそうだよな」と答えるサイトとキュルケ。
 窓は外れているわ屋根は穴だらけだわで、お世辞にも隠れ家に使えそうには見えない。
 むしろどちらかと言えば、
「罠」
 タバサの呟きに、首肯する一行。
 フーケの能力は三十メートルを超える巨大な土ゴーレム。小屋に誘い込んで殲滅するつもりであれば、オトリとなる小屋はボロければボロいほどいい。
「しかし、フーケが中に潜んでいる可能性も否定できません」
 そう発言したミス・ロングビルの意見ももっともだ。あくまでも一時しのぎ的にここを選んだだけ、という可能性も否めない。
 小屋の外から大魔法で一蹴、というルイズの意見も「『隠れ身の衣』ごと吹っ飛ばしたらどうするのよ」というキュルケのツッコミで却下。
 ということで、サイトたちは作戦会議を始めた。
 タバサは可愛らしく地面に正座して、作戦を説明するために、地面に枝で図を書いた。
 まず、偵察役が小屋の中に入る。
 そして中にフーケがいた場合、そのまま倒してしまう。小屋の中には巨大なゴーレムを作るのに必要な量の土がないから、不意を付けば倒すのは容易なはず。
 万が一逃げられたとしても、外に待機しているメンバーが、フーケがゴーレムを作る前に集中攻撃で沈める。
 中にいなかった場合は、小屋の中を調べ万が一『隠れ身の衣』があった場合、奪還してすぐに脱出する。
 他のメンバーは小屋の周囲に待機、ゴーレムの襲撃に備える。

217 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 20:15:54 ID:sXGpofqg
支援

218 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/10(水) 20:16:12 ID:t6GTmV5G
 フーケを確実に倒すことを主眼とした二段構えの作戦。
 フーケがいてもいなくても偵察役にとって、この作戦が最もリスクが少ないはずだ。
 とそこまでタバサが説明したところで、サイトが手を挙げて質問した。
「その作戦だと、フーケが外に居た場合はどうするんだ? 目的は奪還だから、やっぱり逃げるのか?」
「いや、恐らくだがオレ達が誘われてるとしたら、逃げるのは不可能だと思ったほうがいいな。見せしめか警告かわからねえが、
オレ達が二度と追ってこないようにするぐらいはあるかも知れねえし、もしかすると口を封じる気かも知れねえ。顔は見えなかったが、
ここにいる全員が奴の姿を見たわけだしな。学院を真正面から襲った手口を見ても、大胆な行動に出るのは十分に予想できる」
 作戦についての話し合いが終わったところで、首をかしげながらルイズが、
「でその作戦、偵察役は誰がやるの?」
「すばしっこいの」
「機動力が高く、杖を持ったメイジが相手でも最速で先手がとれる奴、ってこったな。となりゃあ、この中で一番適任なのはサイトだ」
 タバサの短い返答にヘイズが補足する。ヘイズの指摘に目を丸くしながらサイトは、
「俺かよ!」と飛び上がるが、「ゴーレムの出せないゴーレム使いは、騎士剣を奪われた騎士と同じでちっとも怖くねえよ」というヘイズの励まし。
 ミス・ロングビルは辺りを偵察してきますと言って、森の中に消えてしまった。
 「頑張ってねダーリン」と笑顔で肩をばしばし叩くキュルケとは対照的に、「とほほ」と呟きながらサイトはがっくりと肩を落とした。

 サイトはデルフリンガーを抜き放った。と同時に左手のルーンが輝きだし、体が羽のように軽くなったのを自覚する。
 皆が定位置に付いたことを確認してからため息一つ、一息に小屋の入り口まで駆け抜ける。
 スパイ映画でやっていたように入り口から中を覗き込むと、部屋の中には長い間放置されて荒れ放題となった炭焼き小屋の様相が見えた。
 部屋の真ん中に置かれた机には埃が積もっているし、そこらじゅうに空けられた酒瓶が散乱している。そして酒瓶の間を縫うように椅子が転がり、
暖炉は見るも無残に崩れてボロボロだ。
 部屋の片隅に積み上げられた薪だけが、唯一「ここは炭焼き小屋ですよー」ということを主張している。
 そして肝心のフーケだが、どこにもその姿が見えない。小屋のどこかに潜んでいるのかとも思い、油断なく隅々まで視線をめぐらすも、
この小屋には人一人が隠れられそうな場所が一つも見当たらない。
「相棒。中からは魔力が微塵も感じられねー。やっこさん、ここには居ないみたいだぜ」
 踏み込もうか躊躇しているサイトに、デルフリンガーのお墨付きが出た。
 恐る恐る扉を開き、小屋の中に侵入する。
 そしてきょろきょろと小屋の中を見渡すが、
「『隠れ身の衣』なんて、それらしいものはどこにもないじゃないか。っていうか『隠れ身の衣』って一体どんなのなのか、知らないんだよな俺」
 名前が『隠れ身の衣』というからには、やはり衣っぽいものを探せばいいのだろうか。しばらく埃まみれの棚を漁っていたサイトは、そこだけ周囲と違う雰囲気の箱を見つけた。
「もしかしてこいつが『隠れ身の衣』かな」
 サイトが箱の中身を確認しようと開けた時だった。
 何かが落ちる轟音が響き、それに呼応するように外からルイズの悲鳴が聞こえた。
 サイトは中から白いローブのようなものを掴み、踵を返してすぐさま小屋の外へと駆け出した。

219 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 20:17:29 ID:sXGpofqg
支援

220 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/10(水) 20:17:34 ID:t6GTmV5G
 サイトが小屋から飛び出してくるのと同時に、ゴーレムの腕が振るわれ、小屋の屋根が一息に吹き飛んだ。
 ヘイズの読みどおり、小屋は囮でフーケは外に待ち伏せていたようだ。
「サ、サイトーッ!!!」
 サイトまでもがいっしょに吹き飛んだのではないかと、ルイズは目に涙をためながら大声で叫ぶ。
「盗賊風情がやってくれるじゃない!?」
 キュルケも興奮を抑えきれないように、口汚く罵った。
 叫び声を尻目に、ヘイズはサイトが持っているのが、ローブらしきものであることを確認した。
 ――サイトの持ってる奴、あいつはもしかすると――
 大パニックとなった中、ゴーレムにいち早く反応して、攻撃を加えたのはタバサだ。杖を振ってエア・カッターのルーンを唱える。
 圧縮された空気の刃が、唸り声を上げながらゴーレムの右肩を強襲する。
 エア・カッターはわずかにゴーレムをよろめかせ、その体表にちいさな窪みを作った。
(――予測演算成功。「破砕の領域」展開準備完了――)
 続くようにしてヘイズは、両手をオーケストラの指揮者のように構え、両の指を次々と打ち鳴らす。
 打ち鳴らされた音に従って、空気中の分子がビリヤードの球のようにぶつかり合い、次々とその配列を変更していく。
 やがて空気分子は最初にトレースされた配置をつくりあげ、空気分子によって出来た論理回路を形成し、その論理回路は騎士に似た情報解体を引き起こす。

 ――世界は情報で出来ている。
 ヘイズの居た世界で三人の科学者により提唱されたその理論は情報制御理論と呼ばれ、その力を行使するものをウィッテン・ザイン式情報制御能力者――通称、魔法士と呼称された。
 情報制御理論によれば、世界というものは物質でできた世界であると同時に、情報によってできた世界でもある。
 情報と世界は表裏一体、物質に何か変化を与えれば情報の海では情報が書き換えられ、情報を書き換えれば物質に影響が与えられる。
 そして物質的な強固さは、情報的な強固さと必ずしも比例しない。
 物質的な強度に関わらず、情報的な硬さはその物質の思考速度に依存する。
 実際には強固なはずの岩や鉄塊でも、情報と言う側面では紙切れ一枚分の防御力にすぎない。
 反対に物体としては脆い人間やコンピュータは、情報という面から見れば城よりも堅固な強度を持つ。
 ――例えば騎士という魔法士が居る。
 五十倍速という出鱈目な速さで動き、剣型デバイス騎士剣によって氷塊の盾や金属の腕による防御を情報解体で切り刻み、騎士剣による一撃を与える。
 そんな騎士でも最後の一撃は、必ず直接斬りつけるという方法を取る。決して情報解体によって、人体を崩壊させようとはしない。
 何故ならそんなことは不可能だからだ。
 世界最強クラスの騎士が十人束になっても、魔法士ではない普通の人を情報解体することは出来ない。
 これは根性論などで超えられるものではなく、大脳生理学や物理学など、体系付けられた明確な理論によって明らかにされている定理だ。
 だがいかに大質量とはいえ所詮は土の塊ならば、それがたとえ青銅だろうが純銀だろうが、紙切れが人の形をして動いているに等しい。

221 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 20:18:49 ID:sXGpofqg
支援

222 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/10(水) 20:19:01 ID:t6GTmV5G
 タバサがつくった窪みに従って、線状に情報解体をかけていくと、ゴーレムの肩が一瞬震えて砂のように崩れだす。
 そこだけひときわ細くなった肩に、タバサが駄目押しのエア・ハンマーをぶつける。
 ゴーレムの右腕が地面に落下し土くれへと変貌するが、昨夜のように土くれがむき出しの肩へとうごめき、腕を修復しようとする。
「させるもんですか!」
 間髪入れずに胸元から杖を抜き放ったキュルケが、呪文を唱えゴーレムを炎で包み込んだ。
 炎がゴーレムの全身を嘗め回るが、結果はわずかに修復を阻害するだけ。
 その身を炎で焼かれているにも関わらず、ゴーレムは意にも介さないように巨大な足を一歩踏み出した。
 しかしそこに一陣の風が駆け抜ける。
 ゴーレムの行く手を阻むように、弾丸となって飛び出したサイトが足に斬りつけ、返す刀で抉るようにデルフリンガーを突き入れる。
 そこへ援護するように破砕の領域を打ち込んで、振り上げられた左腕の拳を解体するも、気にした様子も見せずサイトに拳が叩きつけられた。
 とっさにデルフリンガーを両手で構え防御するも、正面から叩き込まれたその質量の前に容赦なく吹き飛ばされるサイト。
「サイトッ!」
 吹き飛ばされたサイトを見てルイズは怒りのままにファイア・ボールを唱えるも、爆発となってゴーレムの胴体をほんの僅かへこませただけだった。
 ゴーレムは攻撃を受け、魔法を撃ったルイズを攻撃対象とするためか顔をぐりんと向ける。
「サイト! そのローブを寄越せ!」
 ヘイズの叫び声にサイトは踵を返し、ヘイズのほうへと歩を進めようとするが、再生を終えたゴーレム右腕がサイトを襲う。
「足止め」
「了解よ。今助けるわダーリン」
 タバサとキュルケの魔法が右腕に殺到。僅かながらもゴーレムを足止めする。
 その隙にヘイズとルイズの傍まで戻ってきたサイトが、ローブをヘイズに渡した。
「よし、ルイズこのローブを被ってろ。あとこの通信機を手放すんじゃねえぞ」
 ヘイズは通信機とローブになにやら細工をし、ルイズに無理やり被せる。
 ヘイズがローブの一部をなにやら弄ると、一瞬ルイズの周辺が蜃気楼のように揺らめくと、ローブがルイズごとその姿を消してしまった。
「な、なんだこりゃ!? ルイズが消えた!?」
「説明はとりあえず後回しだ。ここから動くなよルイズ。サイト、あのゴーレムを止めるぞ」
 タバサとキュルケの二人だけでは、いつまでも持たない。今はまだ耐えているが、すぐに精神力が枯渇してゴーレムに蹂躙されることは明白だ。

223 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 20:20:02 ID:sXGpofqg
支援

224 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/10(水) 20:21:07 ID:t6GTmV5G
「ちょーっとマズイわね。これじゃあジリ貧よ」
 キュルケが辛そうに呟く。
 足止め程度とはいえ、この巨体だ。生半可な魔法では足止めどころか、表面に傷一つつけることすらできない。
 タバサは緊張に全身が震えるのを感じた。ガリア北花壇騎士としての仕事に匹敵する大物だ。
 とはいえ全く手がないというわけではない。
 ――異世界の学問、か
 昼間ヘイズから借りて読んでいた本の内容を思い出す。
 「分子運動とエントロピーについて」――たしかそんな内容だった。
 物質と言うのは小さな粒で出来ていて、それが早く動いたり遅く動いたりすることで、温度が変化するらしい。
 そして極端に温度差がある物を、一息に混ぜると――。
「策がある」
 タバサはそう言って、本日何回目かになるファイアーボールを放つキュルケに耳打ちした。
 タバサの提案した作戦に、キュルケは愉快そうに頷き、
「おもしろそうじゃない。このままじゃ埒が明かないし、それに賭けてみるのも悪くないわ」
 などと笑みを浮かべた。
 二人並んで立ちルーンを唱える。
 杖を振りタバサが唱えたのは、タバサが最も得意とする呪文「ウィンディ・アイシクル」だ。
 しかし呪文によって作り出される氷柱の色は、通常のウィンディ・アイシクルの範疇に収まらない。
 タバサが空中に従えるのは、三本の淡青色の槍。
 今のタバサの精神力でほぼ限界に近い魔法だ。「雪風」の冷たさを限界まで込めた、量ではなく質に特化しきった窒素と呼ばれる気体の結晶の槍。
 殺傷力では氷でも十分だったため作った事のなかった、極限まで冷たさを追求した結晶。
 だが通常ではここまで温度を低下させることは出来ない。通常では。
 「温度と言うものは体積と圧力に反比例する」そう本に書いてあった。
 だから、まず一定の空間で出来る限り空気を取り除き、空気を薄い場所を作った。
 タバサが本を読むときに使うサイレントの応用である。
 そうしてからウィンディ・アイシクルで結晶の槍を作り上げたのだ。
「行け!」
 小さな声で叫び、杖を振り下ろした。淡青色結晶の槍が、ゴーレムの胴体に殺到し串刺しにする。
「お次は私の番ね。くらいなさい、とっておきの炎球よ!」
 キュルケがとびっきりの笑顔で、その杖を振った。
 そして生まれた炎球はタバサの槍に正確に到達し、
「うわあ……これは拍手喝采ものねー……」
 大爆発を起こしてゴーレムの上半身が跡形もなく吹き飛んだのだった。

225 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/10(水) 20:22:29 ID:t6GTmV5G
 「私も戦う!」と言い張るルイズを宥めすかして、タバサたちのもとにたどり着いたヘイズが見たものは、下半身だけになりながらも再生を続けるゴーレムの姿だった。
「おい、話が違うじゃねえか。一度倒せばそれで終わりじゃねえのかよ。オレの目には再生してるように見えるんだが」
「俺にもそう見える」
 ヘイズとサイトは軽口を叩き、ついで疲労困憊ですでに立つのが精一杯という感じのタバサたちの様子を見る。
 再生し続けるゴーレムを眼前にして、もはや逃げる体力も残っていないようだ。
 急ぎタバサたちの元に駆け寄る。
 杖を支えにして必死に立つタバサと、もはや起き上がるのもつらそうなキュルケは、
「……予想外」
「……ちょっと……あれは……反則よ」
 と息も切れ切れに、恨めしそうに唸った。
 ――こりゃ今が使い時、か――
「サイト、オレがあいつを始末する。一発限りの大技だ。使ったら三時間は普通の人間になるが、その後にフーケが現れたらお前に任せる。ほぼ確実にフーケは精神力切れのはずだ」
「ああ、分かった」
 神妙な面持ちで了承するサイトにすべてを任せ、ヘイズは左手をオーケストラの指揮者のように構え、胴体の半分まで再生したゴーレムを睨みつける。
(稼働率を百パーセントに設定。予測演算成功。「虚無の領域」展開準備完了)
 ヘイズが指を打ち鳴らすと、場は静寂に包まれた。
 打ち鳴らした音に従って、空気分子が論理回路を構築するところまでは「破砕の領域」と同じ。
 一定の配列に並んだ論理回路は、情報制御演算を行いさらに一回り大きな論理回路を構築する。そしてその論理回路がさらに大きな論理回路をと、断続的にそのサイズを増大させていく。
 そして極限まで膨れ上がった論理回路は自己崩壊を起こし、その際あらゆる情報防御を突破して対象を解体する。
 それがヘイズの切り札――「虚無の領域」だ。
(I−ブレイン、オーバーフロー。再起動まで三時間の休息が必要)
「嘘」
 再生を続けていたゴーレムの体が一瞬振動したかと思うと、キュルケの呟きと共に砂となって崩れ去った。
 後には疲労困憊の一同と、森の静寂だけが残った。
 そのはずだった。ある人物の声が響くまでは。

226 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 20:23:40 ID:UYHDelzf
支援

227 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 20:23:43 ID:GhqBL0Bu
支援

228 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/10(水) 20:23:49 ID:t6GTmV5G
「剣と杖を遠くに捨てな。ああ、そこのアンタは隠し持ってる銃もだよ」
 ヘイズたちが見たものは、ローブを奪い、ルイズの首筋に杖を突きつけているミス・ロングビルの姿だった。
「まったく、無理して再生させたのに、二度までも私のゴーレムを倒すなんてね。まさかアンタが先住魔法の使い手だとは思わなかったから、こんな展開は予想外だよ」
 タバサたちには昨夜の戦闘後に、破砕の領域がどういうものか説明したが、ミス・ロングビルことフーケには何も説明していない。
 だから杖もなしにゴーレムを倒したヘイズを、先住魔法の使い手と勘違いするのは不思議ではなかった。
「その口ぶりからすると、あのゴーレムを操ってたのはアンタで、つまるところお前の正体はフーケだったってわけか。あと一応言っとくが俺のは魔法じゃねえ」
 嘆息しながらヘイズは吐き捨てた。
 武器はなし。通信機はルイズの襟元で、義眼の中に仕込んである薬品は取り出せそうもない。さらにI−ブレインは向こう三時間は動かない。
 ――完全にお手上げってことか。
「私はこれでおいとまさせてもらうよ。このローブが姿を透明にするマジックアイテムだと分かったしね。困ってたんだよ。
魔力を込めても身につけても動かない、この『隠れ身の衣』の使い方をさ」
「つまり、オレ達を襲って使わざるを得ない状況に追いやって、使い方を知ろうとしたってことか。それが狙いだとは考えてなかった」
 ヘイズの言葉にフーケは肩をすくめて首肯した。
 ようするにヘイズ達はまんまと踊らされていたということだ。
 タバサとキュルケは元から身動き一つ出来ない。ルイズは杖を持ってはいるものの杖を突きつけられて動けないし、サイトとヘイズは丸腰だ。
 現状としてフーケをどうこうするのは、逆立ちしても無理。
「じゃあね、お馬鹿さん達」
 フーケに突き飛ばされて、ルイズが地面に投げ出される。

229 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/10(水) 20:25:10 ID:t6GTmV5G
 フーケは『隠れ身の衣』を翻しその身を包むと、襟元にあるボタンのようになっているところを押すが、
「な、なんだ!? 何故透明にならない?」
 慌てたようなフーケに、唖然とする一同。
「そりゃあオレの世界の発明品でな。大戦初期に開発された試作品だから、なんらかの演算機関の補助がねえと使い物にならねえんだ。たとえば通信機とかな」
 驚愕に支配される中で一人だけ、動ける者が居た。
 ルイズである。
 今の今までたいした活躍もなく、邪魔者扱いされるわ人質にされるわ今地べたに這いつくばされるわで、ルイズの鬱憤は溜まりに溜まっていた。
 慌てるフーケが杖を構えるよりも早く、ルイズの魔法が解き放たれた。
「もおーっ!! 何なのよ、バカーーーーーーー!!!!」
「ちょ……待って……ッ!」
 フーケの発する悲鳴などもはや聞く耳持たず。ルイズはこれ以上ない怒りを込めた叫び声と共に、ファイア・ボール……になるはずだった大爆発をぶつけた。
 ――後にはペンペン草も生えませんでしたって、こういうことを言うんだな。
 ヘイズはとろんとした目で、ルイズに知れたら半殺しではすまないことを思い浮かべた。
 そして後には昏倒して時々うめき声を上げるフーケと、勝ち名乗りを上げるルイズ、そして疲れがどっと出て言葉も出ない一同の姿があった。

230 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 20:27:20 ID:UYHDelzf
単純な物理被害ならトップクラスですねこのフーケさんは支援

231 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 20:28:46 ID:sXGpofqg
虚無の領域のI−ブレイン稼働率は120パーセントですがwikiに載せる際修正してもよろしいでしょうか?
支援

232 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/10(水) 20:29:20 ID:t6GTmV5G
投下終了です。
今回はウィザブレっぽく理屈臭い展開にしてみました。
多分1巻の話は次で終了です。
ごめん、ルイズ。非殺傷兵器だと名台詞を言うシーンが作れないんだ。
よく頑張った、フーケ。君が頑張らないと虚無の領域が撃てなかったんだ。

執筆時BGM:MASSIVE WONDERS

233 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 20:30:41 ID:UYHDelzf
お疲れ様でした。
MASSIVE WONDERS は名曲だね!
くやしたい〜♪(違)

234 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 20:31:15 ID:GhqBL0Bu
>>232
乙かれ様です


いきなりだが
作者は、ねぎらいの言葉が一つあるだけでやる気が起こる


235 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/10(水) 20:31:36 ID:t6GTmV5G
>>230
しつこさと森の物理被害だけはトップクラスと自負してます。

>>231
手元に資料がなくて間違えてしまいました。是非そうしてください。

236 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 20:36:29 ID:SKxdvSEn
GJ。
なんか久しぶりに手ごわいフーケだった。

237 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 20:44:42 ID:t17iTTHv
>>235
乙です!
フーケ哀れw

238 :夜天の使い魔 ◆Rein4tm63s :2007/10/10(水) 20:55:54 ID:bIkz+LzS
こっそり投下予約しに来ましたよ。
予約ないみたいなんで九時あたりから投下します。

239 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 20:57:05 ID:ffzB0/PO
支援準備!

240 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 20:57:22 ID:UYHDelzf
進路クリア!投下どうぞ!

俺、この支援が終わったらパインサラダ食うんだ…

241 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 20:58:23 ID:/U6OL0zN
支援全開!

242 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 20:59:47 ID:0E02lhNh
支援

243 :夜天の使い魔 1/7 ◆Rein4tm63s :2007/10/10(水) 21:00:08 ID:bIkz+LzS
「見ろ、艦長。一撃だ! 一撃で敵は総崩れだぞ!」
 自らの横で驚喜するサー・ジョンストン――トリステイン侵攻軍総指揮官――を、冷え切った感情でボーウッドは見つめていた。
 総崩れ。なんと控えめな表現だろう。レキシントン号主砲の直撃を受けた敵の旗艦は文字通り欠片も残さず吹き飛んでいた。哀れな骸を晒す権利すら失い、この世から消滅したのだ。
そしてその余波で巻き起こった爆発に巻き込まれ、艦隊を形成していた残りの戦艦も2隻を残し全滅。その残った2隻も戦闘可能とは思えぬ程損傷していた。それは最早戦闘とは言えぬ、虐殺としか言い様の無い一方的な光景だった。
 レキシントン号の主砲の威力は圧倒的であった。射程は既存の砲門を軽く3倍は超え、破壊力は一撃で艦隊を殲滅せしめる。もしこれを地上に向ければ、目の前に広がるような小さな村など一撃で消えうせてしまうだろう。確かにこれは戦局をも変えうる超兵器に相違無い。
唯一の弱点と言えば連射が効かない事で、どういう機構なのか知らないが一度打てば次弾まで一時間以上の装填時間を取られてしまう。しかしそんな事は些細な問題と言えた。なにせ、一撃打てば問題なく目的は達せられる事間違い無いのだから。
 甲板上では、兵達が「アルビオン万歳! 神聖皇帝万歳!」と驚喜の喝采を上げていた。誰もが皆この圧倒的な力に酔っていたのだ。この時、末端の一兵卒に至るまで、誰もアルビオンの敗北を疑ってはいなかった。
 
 アルビオン艦隊は毛ほどの傷すら負うことなく堂々とトリステインの地に降り立った。タルブの村の近くにある草原に停泊した艦隊からは次々と兵が地上へと降下し、甲板からはアルビオンが誇る竜騎兵が飛び立って行く。
 まずはトリステインとアルビオンを結ぶ玄関口であるラ・ロシェールを押さえ、橋頭堡を築く。そしてこの地を足がかりにさらに兵を送り込み、兵団を以ってトリスタニアに攻め上がるという筋書きだ。
 
 これが、後の歴史に永く語り継がれる「タルブ会戦」の始まりであった。しかしそれは神聖アルビオン帝国の圧倒的勝利を謳ったものではない。誰もが知る御伽噺の最初の一幕。その始まりこそが、今この時であった。
 
 同時刻――ルイズは何時もと変わりなく授業を受けていた。シエスタが居なくなってから数日、一人で目覚める朝が少し寂しいと感じながらも、彼女は平凡な毎日に戻っていた。教師の解説を聞きながら真面目に勉学に励む、何時も通りの授業風景。
 だがその時、机に置かれた彼女の使い魔がぶるり、と震えると共に――天啓のような何かが彼女の頭の中を走りぬける。
 教師の声だけが響き渡る教室の中、いきなりルイズが音を立てて立ち上がり一気に出口へ向かって駆け出していった。いきなりの行動に皆は呆気に取られ身を固まらせ、しばらくすると一体どうしたのかと教室内は騒然とした雰囲気を作り出していった。
 
 ルイズは全力で走り塔の外に躍り出ると真っ直ぐに北の方角を見つめる。その空は僅かに白んでいるように光り、輝いていた。それは丁度ラ・ロシェールのある方であった。
 手に抱えた己の使い魔からは未だ僅かな振動が伝わってくる。それは言葉を介さぬ漠然とした感覚ながらも彼女に明確な何かを伝えていた。おそらく、それは「脅威」。恐るべき何かが起こりつつあると彼女の使い魔はルイズに必死に伝えていた。
 そして、先程頭の中に浮かんだ光景。見知らぬ村が燃える光景と、その中に立ち尽くすシエスタの姿。炎に包まれながら、彼女は必死に助けを求めていた。
「これは、あなたの力なのね。あなたが、わたしに伝えてくれたのね?」
 物言わぬ使い魔は、彼女の手の中でそうだ、と言っているように思えた。きっと、今見たものは現実だ。ただの幻覚とは思えない。それほどの現実感を持って、その光景はルイズの脳裏に展開されたのだ。
今確実にシエスタの故郷で何かが起こり、彼女は必死に助けを求めている。
 
 ルイズは厩舎に向かうと、馬の背に乗り一目散に駆けだした。一秒でも一瞬でも早く、タルブに向かわなければならない。その時の彼女はそれ以外の何も考えてはいなかった。

244 :夜天の使い魔 2/7 ◆Rein4tm63s :2007/10/10(水) 21:01:16 ID:bIkz+LzS
 街道を全力疾走で北上するルイズとすれ違うように、早馬が魔法学院に向かって駆けていった。馬は全精力をかけて突き進み、信じられぬ速度で目的地へと辿り着いた。
その背に乗った男もまた、馬の背から飛び降りると全力で一路駆けて行く。目指すは魔法学院本塔の遥か高くに居るオールド・オスマンの下だ。
 オールド・オスマンはその時王女の婚礼に参加する為の準備に忙しく動き回っていた。
一週間程留守にする予定であったのでその間学園の運営に差し障りが無いように書類を片付け、ゲルマニアへの長旅の為の荷物をまとめているところであった。そんな忙しい老人の部屋が勢い良くノックされたのは、オスマンが大量の書類を前に悪戦苦闘している時のことであった。
 扉を叩く音はノックというより激しい殴打音と形容して差し支えなかった。そしてその音の主はオスマンが誰何する前に部屋の中へと飛び込み、大声で口上をまくしたてる。
「申し上げます! アルビオンがトリステインに宣戦布告! 王軍は現在ラ・ロシェールに展開中! 魔法学院の各員に於きましては、安全の為に禁足令を願います!」
 途端、オールド・オスマンは顔色を変えた。
 何時かはこうなると思ってはいたが、まさかこんなに早く事が起こるとは。国を興したばかりのアルビオン帝国は暫く内政に専念し国力を安定させる事を計るだろうと読んでいたのだが、甘かったか。
まさか政権を転覆させた勢いそのままに他国に攻め入ってくるとは。余程の馬鹿なのか、それともそんな馬鹿を突き通すだけの何かを持っているのか。
 
「現状はどうなっているのかね?」
「敵軍はタルブに陣を展開し、ラ・ロシェール付近に展開した我が軍と睨み合っている形であります。しかし敵艦隊の奇襲を受け我が航空戦力は壊滅、対して敵は旗艦レキシントン号を始め十数隻がまったくの無傷で完全に制空権を奪われた形となっております。
また戦の準備が整っていなかった為我が軍の兵力は掻き集めた二千のみ。敵軍は先遣隊だけで三千を超える数だと推測されます」
「ゲルマニアは動かんのか?」
「……それが」
 使者はその言葉に顔を曇らせる。
「まるでアルビオンの動きに呼応するかのようにゲルマニアは同盟の破棄を通達してきました。それに伴い王女殿下のご婚約も……」
「全てが消え去った、と言う事か」
 これが奴らの切り札か! オールド・オスマンは歯噛みした。ゲルマニアとの同盟を切り崩せるのなら、精強な空軍力を持つアルビオンにとってトリステインなど敵ではあるまい。
 ゲルマニアの支援を頼る事が出来ない以上、トリステインは最早為す術が無い。幾らメイジの数を抱えていようと絶対的な兵力の差を覆す事など出来ないのだから。
 そして今の状況を見るに地上兵力の数で劣っている事を始め、制空権を奪われてしまったのは何より痛い。地上に居る兵達は空からの砲撃に対し抵抗する術など無いのだから。居並ぶ艦隊からの砲撃は容易く地上の者たちを吹き飛ばして行くだろう。
そして緒戦の勝利の勢いのままに敵はトリスタニアへと侵攻、労せずして王都を落とすに違いない。状況は絶望的であった。
 オスマンは一つ溜息をつく。これは覚悟を決めなければならないかもしれない。もし生徒達に害が及ぶような事態になったならば、老骨に鞭打って自らが矢面に立つ所存であった。学院長の矜持にかけて、決して生徒達に手は出させない。オスマンは一人で密かに決意を固めた。
「この向かい風は、余りに厳しすぎるのお。お主もそう思うじゃろ?」
 オスマンの呟きに、使者は何も応えなかった。部屋の中に漂う沈黙は重く、二人の男はただ言葉無く向かい合うのみであった。
 
 全力でひた走るルイズの頭上を、ふと黒い影が覆う。その影は彼女を追い越し、その遥か前方で彼女の行く手を遮るようにして地に舞い降りた。
「ツェルプストー」
 キュルケとタバサ、そしてシルフィード。二人と一匹がルイズの目の前に立ちふさがった。シルフィードの背から降りるキュルケの姿を見て、ルイズもまた馬の足を止めその背から降りる。
「一体何の用かしら。わたしは今急いでいるのよ。道を空けて頂戴」
「アルビオンがトリステインに戦線布告したわ」
 告げるキュルケの表情は張り詰めていて、何時もの余裕が感じられなかった。
「アルビオン軍は今タルブって村に陣を敷いている。そしてトリステイン軍もラ・ロシェールに陣を展開してるそうよ。……この先は戦場なのよ、悪い事言わないから引き返しなさい」
「そう」

245 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 21:01:26 ID:0E02lhNh
しえーん

246 :夜天の使い魔 3/7 ◆Rein4tm63s :2007/10/10(水) 21:02:36 ID:bIkz+LzS
 返事を返すルイズの表情もまた、張り詰めていた。今のキュルケの言葉を聞き顔の緊張は一層高まり、視線は鋭くなったようであった。
「有益な情報をありがとう。なら尚更帰る訳には行かなくなったわ。さあ、そこを退けて頂戴」

「なっ……」
 予想もしない答えに、キュルケが返答に困ったように言葉を詰まらせた。そして次の瞬間、怒鳴るように言葉を捲くし立てた。
「あんたね、あたしの言う事聞いてたの!?」
「聞いていたわ、十分にね。今タルブにはシエスタが居る。そして彼女が助けを求めている。なら、わたしが退く理由なんて無いわ」
 シエスタ、という名にキュルケは聞き覚えがあった。確か先週までルイズの世話をしていた給仕の名前がそうだったはず。彼女はその給仕の為に戦場へと赴こうと言うのだろうか。

「タルブは今敵の本拠の真っ只中になっているのよ。そんな中に一人行ってどうするって言うの? たった一人、出来る事なんて何も無い。まさか一人で軍隊に喧嘩売りに行くつもりじゃないでしょうね」
「別にアルビオン軍と戦いに行く訳じゃないわ。ただシエスタを助けに行く、それだけよ」
「同じようなもんでしょ! タルブへ行ったなら必ずアルビオンの連中と鉢合わせになる、そうしたら無事に戻れるとは限らないのよ。……どうしてあんたは何時も何時もそうやって危険な所に飛び込んで行っちゃうのよ」
 フーケの討伐も、ニューカッスルでの出来事も、危険に満ち溢れていた。しかし今回はそれを更に上回る事態だ。戦場の最中に無謀に飛び込んだというのなら、その先に待っているのは死しか無い。
それだけは辞めさせたいとキュルケは思っていた。今回ばかりは、どうにもならないと。

 そんなキュルケの胸の内を知ってか知らずか、ルイズは静かに語りだす。
「あんたの言う通り、わたしが出来る事なんて何も無いのかもしれない」
 それは穏やかで、静かで、それでいて意思の篭った声であった。
「きっとどんなに頑張ってもどうにもならなくて、傷付いて、こんなはずじゃなかったってまた後悔するんだと思う。
でもね、だからってそれが諦めて良い理由にはならない。後悔が自分を傷つけると臆病になるよりは、後悔の中に飛び込んで傷付く方が良い。それが、わたしの選んだ生き方」
 ルイズは空を仰ぐ。真っ直ぐと、輝く太陽を見つめるように。
「だからわたしは行くわ、タルブに。何も出来ないかもしれない、でもそんな中でもきっと僅かでも出来る事があるはずだから。私はそれをする為に行くのよ。大きな後悔の中にも、きっと何かを見出せる、そう思うから」
 ルイズはニューカッスルでの一夜を思い出す。何も出来なかったと絶望した自分。その沢山の後悔は今も胸の内に残っている。
それでも、最後に笑っていたウェールズ皇太子の顔は満足そうで、きっとそれは自分のした事がまったくの無駄では無かったという証だと今はそう思えるから。
 ――もう、迷わず進んで行ける。
「だからお願い、そこを退いてツェルプストー」
 だがキュルケはそこを退こうとはしない。未だルイズの行く手を阻むように立ち尽くし、彼女を睨み付けている。
 ルイズもそれに負けじとキュルケを睨み返す。二人の視線が激しくぶつかり、交錯した。お互い一歩も譲らず、己の主張を通そうと我を張り続ける。

「あんたって本当に馬鹿よね。底無しの、とんでもない大馬鹿」
 やがて根負けしたようにくるり、とキュルケが背を向けた。
「そんな馬鹿、一人で放っておけないでしょ。あたしも一緒に着いて行ってヘンな事しないように見張っててあげる。それに、馬じゃタルブに着くのは明日になるわよ。シルフィードの足なら、もっと早く辿り着ける」
 本当は、どうやっても行くのを止めたかった。でも判っていたのだ、きっと止める事は出来ないと。彼女は他人の説得で己の意見を曲げるような性根の持ち主ではない。
これと決めたらとことん突き進む、例え待ち受けるのが不可能という壁であっても。それがルイズ・フランソワーズなのだから。
 本当に手のかかる娘だ、キュルケは心の中で嘆息する。一人だときっと無茶をし過ぎる。だから、一人にはしておけない。ほんと、何時もの展開ねとキュルケは呆れ、そして――やはりこうでなくちゃと諦観混じりにほんの少しだけ笑った。

 シルフィードの背に乗るルイズをタバサとシルフィードは無言で迎えた。だがその瞳が彼女の行動を肯定すると告げていた。ルイズはただ一言、「ありがとう」と告げてそれに答える。

247 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 21:03:33 ID:yOJKA570
仲良きことは美しきことかな支援

248 :夜天の使い魔 4/7 ◆Rein4tm63s :2007/10/10(水) 21:03:41 ID:bIkz+LzS
 三人の少女達を乗せ、風竜が空に舞う。風を切って飛ぶ速度は、並の風竜のものを遥かに超えていた。韻竜であるシルフィードが先住魔法で風の精霊の加護を得て飛んでいる為だ。
ニューカッスル城へと突入した時に迫る速度を出しながらも、体の受ける抵抗は遥かに少ない。おそらく、これはシルフィードの気遣いなのだろう。
一刻も早くタルブへ向かいたいと願うルイズの為に、彼女がしてくれた精一杯の事。ルイズは心の中で再びありがとう、と感謝を告げた。

「近くまで行ったら、一度速度を落として低空で進入する」
 タバサの提言に、ルイズとキュルケが肯く。詳しい話は判らないが、タルブ近郊にアルビオン軍が展開しているのは確からしい。
恐らく村の近くには兵士もメイジも沢山居るだろうし、空には竜騎兵が展開しているだろう。このような状況で上空から突っ込むのは自殺行為に等しい。なんとしても見つかる訳にはいかない。見つかったら最後、確実に生きては帰れない。

 ルイズはシエスタの事を想う。たった一週間という短い期間を共に過ごしただけの彼女。それなのに、もっと長い時間を共有したような感覚をルイズは覚えていた。それはきっとシエスタが本当に親身になって自分に尽してくれたからだと思う。
シエスタは、塞ぎこんだ自分の為に必死に頑張ってくれた。だから今度はわたしが助ける番だ。きっと、シエスタを助けてみせる。例え向かう先に居るのが恐るべきアルビオン軍の本拠であろうと、ルイズの心に恐怖は無い。ただ変わらぬ決意だけが胸の内にあった。
 
 僅か二時間という時間でシルフィードはラ・ロシェールの近郊まで辿り着く。ここまでくればもうタルブは目の前だった。予定通りシルフィードは高度を落とし、見つからぬように身を隠す。
 タルブの南には広く森が広がっていた。その木の高さすれすれを這うようにしてシルフィードは進む。既に上空には何騎もの竜騎兵が当たりを見回っているのが見て取れたが、幸い森の方に目を向けるものはなく、今の所は気付かれている様子は無かった。
そしてもう一つ、嫌でも目に入るのは炎上する村の光景だ。遠目からも建物が激しく焼かれ、燃え上がっている様子が判る。おそらく示威行為の一環として村を焼き討ちしたのだろう。余りに無残な光景を前にして、ルイズは静かに怒りを覚えた。
 
 森と村との境目、そこに隠れるように一行は降り立つ。間近で見る村の様子は酷いものだった。家々は殆どが炎に包まれ、または燃え尽き墨となり、破壊の限りを尽されていた。
「これからどうするの?」
「逃げ遅れた人が居ないかどうか確かめながら、シエスタを探すわ」
 キュルケの問いにそう応えるルイズ。シエスタの事も心配だが、この村の有様を見た以上、放ってはおけない。シエスタを探すのと同時に村の人たちも可能な限り助ける。ルイズはそう方針を決めた。
「じゃああたしとあんたの二人で探しましょ。タバサはここで待機。もし重症の人が居たらシルフィードに乗せて運んで欲しいの」
 こくり、とタバサが肯く。そう広い村でも無い、二人で手分けして十分に探しきれるだろうと彼女も判断し、ここで待機するのが一番だと考えたのだ。
「それじゃ、早速手分けして行きましょ」
 タバサを残し、少女は二人、燃え盛る村へと足を踏み入れて行った。

 タルブの村の住人の大半は既に避難しているようで、人の姿は殆ど見られなかった。しかし全員が避難できたという訳では無い。この非情な焼き討ちに巻き込まれ、怪我をして動けなくなったものも少なからず存在した。
火傷を負い動けなくなったもの、崩れる家の木材で怪我をした者、若しくは元から体が不自由で逃げるのに手間取り取り残されてしまった者。
村を覆い尽す炎の中、ルイズは彼等を人と同じ大きさのゴーレムを使いタバサの元へと運び、そして必死にシエスタの姿を探す。既に避難していてくれるならそれで良い。だが――。
 目の前には、倒れ伏す母親に縋りつき泣く少女の姿があった。子を庇ったのだろう、血にまみれ焼け爛れた肌を晒した姿は一目で息が無いと判った。少女もそれは判っているのだろう、それでも尚目を醒まして欲しいと縋りつき、嗚咽を漏らす。
 奪われた命は、決して零では無い。その中に、どうかシエスタが含まれて居ないで欲しいと祈った。

249 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 21:04:47 ID:yOJKA570
支援すたを探せ

250 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 21:04:49 ID:/U6OL0zN
まさかこれはいつかの夢のシーンか支援

251 :夜天の使い魔 5/7 ◆Rein4tm63s :2007/10/10(水) 21:04:48 ID:bIkz+LzS
 ルイズは少女に近付くと、優しく抱きとめる。
「ここは危ないわ。わたしと一緒に逃げましょう?」
 少女は、ルイズの腕の中でただ泣いた。ルイズは少女を背負うと、ゆっくり森へと向かい歩き出す。このような少女を一人にしてはおけない。少しでも長く傍に居てあげたいと、そう思った。

 ――タルブの村はラ・ロシェールから本当にすぐの所にあるんですよ。他には何も無いところですけど、村の周りに綺麗な草原が広がっていて、私にとっては一番の故郷です。きっとルイズ様も気に入りますよ。
 嬉しそうにそう話すシエスタの顔は輝いていた。彼女はきっとこの村が大好きだったのだろう。ここにはシエスタの幸せや思い出が沢山詰まっていたはずなのだ。それが今、燃えている。
 戦争だとか、外交だとか、そんな事は関係無い。ただ、ここで平和に暮らしていた人々の幸せが無残に奪われた。今背中で悲しみに暮れる少女のように。それがルイズの怒りを呼び起こす。
 何時だってそうだ。この連中は何時も何かを奪っていく。沢山の人から何かを奪っていく。己の友人の想い人を奪い、無辜の人々の安らぎを奪い、この上さらに何を奪おうと言うのか。限界を超えて湧き上がりそうになる怒りを、ルイズは必死に堪えた。
 
 少女をタバサに預けると、再びルイズは村へと戻る。タバサが待機している森の付近には他にも多くの避難民が居たようで、逃げ遅れた人達を家族と巡り会わせるのもそう難しい事ではなかった。
その中には、勿論シエスタの家族も居たのだが、シエスタの父曰く「娘は一度は避難したのだが、何かを取りにまた村へと行った。そしてまだ戻ってきていない」というのだ。おそらく家に戻ったのだろう、という言葉を頼りにルイズはシエスタの家へと向かう。
 
 一度は無我夢中で避難したシエスタが自宅へと踵を返したのには訳がある。たった一つだけ残された曽祖父の遺品。それだけは、どうしても手元に残しておきたかった。彼女の曽祖父は余りものを持たない人で、死んだ時も殆ど何も残らなかった。
そんな中、残された数少ない遺品の一つが今彼女の手の中にある奇妙な眼鏡だった。つけると顔にぴったりとくっつき目を覆うそれは、曽祖父が生前唯一大切にしていたものだ。この眼鏡と、村の外れにある竜の羽衣、それだけが曽祖父が生きた証なのだ。
それを炎に焼かせてしまうのはシエスタにとって赦し難い事だったのだ。故に彼女は危険も顧みずこうして燃え盛る家の中へと戻ってきたのだった。
 眼鏡を手に入れて、安堵した時――シエスタは如何に自分が馬鹿なのか思い知らされた。無我夢中であった為に気付かなかったが、既に周りは炎に包まれ、外に出るのは困難な状況であった。
入る時は辛うじて耐えられる位の火の勢いだったのが彼女にとっては不幸だった。眼鏡を探す内に火の手は勢いを増し、家を包み込んで彼女を閉じ込める炎の牢獄を形成した。
 炎は容赦なくシエスタの体を炙り、澱む空気が彼女の喉を苦しめる。ああ、と彼女の心を絶望が支配した。最早彼女には為す術が無い。曽祖父の形見を胸に抱きながらシエスタは祈った。誰か助けて、と。
 
 刹那、部屋の壁が吹き飛ぶ。ぽっかりと穴を開けたその場所にシエスタが見たのは、巨大な土くれの人形と、信じ難い人の姿。だが、見間違えるはずも無い。炎の中、まるで熱を感じさせないように堂々と立つ姿は紛れも無くルイズ・フランソワーズのものであった。
「ルイズ様……一体どうして……」
「そんな事聞くまでも無いでしょ」
 そう答えるルイズの姿は、凛々しく、力強く、まるで御伽噺の英雄のようで。
「あなたを助けに来たのよ」
 シエスタは我を忘れ小さな貴族の少女に抱きついた。

「どうしてまた家に戻ったりしたのよ。危険だって判ってたんでしょ?」
 少し嗜めるような口調のルイズに、シエスタはすっと眼鏡を差し出す。
「これは……」
「私の曽祖父の遺品です。たった一つの。これがもし燃えちゃったら、曽祖父が生きた証が消えてしまうようで悲しくて、それでどうしてもこれだけは守りたかったんです」
「そう、そうなの」
 それだけ聞けばルイズが納得するのには十分だった。シエスタが曽祖父に思い入れがあるのは、その話を聞いたルイズには良く判っていたからだ。
「シエスタ、一人で戻れる?」
「ルイズ様はどうなされるんですか?」
「もう一度、村を回ってみるわ。ちゃんと全員避難出来たか見てくるから。シエスタは先に戻って待っていて」
 ルイズの言葉にシエスタは不安そうな顔を見せたが、わかりました、と言うと皆が避難する森へと駆けて行った。

252 :夜天の使い魔 6/7 ◆Rein4tm63s :2007/10/10(水) 21:06:39 ID:bIkz+LzS
 シエスタを探すまでの間に村の殆どの場所は回りつくした。おそらくもう誰も居ないのだろうが、念の為にもう一度村を回ってみる事にしたのだ。
 家々を燃やす炎の勢いは既に頂点を超え徐々に衰えを見せ始めて来ていた。この炎が消え去った後、残るは嘗て村だったものの残骸と、悲しみだけ。それは余りにも理不尽だ、とルイズは思った。
ただの見せしめの為だけに、この村は焼かれたのだ。例え戦争だとは言えそれは赦し難い。

 怒りを抱えながら村の中央を行くルイズの行く手にある炎が、ゆらり、と揺れた。赤き炎の中、浮かび上がる影は徐々に人の形を取って行く。
「タルブの村でゴーレムが出現したという報告があったので、念の為と思い直々に確かめに来て見れば、まさか君に出会う事になるとはな」
 その声、その姿、忘れるはずもない。燃え盛る炎を物ともせずに現れた人影は、彼女の良く知る人物のものであった。
「子爵さま……」
 畏れ、驚き、恐怖。様々な感情がルイズの呟きには籠められていた。
「ニューカッスルで死体は見つからなかったから、生きてはいるだろうと思っていたが……再びこうして死地に赴いてくるとは、まさに愚か者のする事だな。命は大切にした方が良いぞ、ルイズ」
「お構いなく。わたしはわたしがするべき事をしに来たまでです。子爵さまにどうこう言われる筋合いはありません」
 その物言いに、ワルドはおかしそうにくくく、と笑う。
「相変わらず気丈な事だ、流石は僕のルイズ。だが言葉は繕えても足の震えまでは隠せないぞ?」
 見透かされていた――その事実が、さらに彼女の震えてを増大させる。そう、彼女の体は震えていた。幾ら傷が癒えようと、圧倒的な力で蹂躙された記憶までは消す事が出来ない。
ジャン・ジャック・フランシス・ワルド。この男の絶対的な実力に自分は抗う事が出来ないと、彼女は嫌と言うほど実感させられていたのだから。それは恐怖となって彼女の体に現れ、無様に体を震わせていた。

「ああ、余り恐れないでくれ、僕のルイズ。僕は君の実力を高く評価しているんだ。あのニューカッスルでの戦いの事を思い返すとね、君には何か不思議な力があるように思えてならないのだ。僕はそれが欲しい。勿論、君自身のメイジとしての実力も高く買っている。
どうだ、我が神聖アルビオン帝国へと来る気は無いかね? はりぼてのようなトリステイン王家では君の実力は正しく評価されまい。我がアルビオン帝国ならば実力に見合った地位も富も掴む事が出来る。どうだ、悪くない話だろう?」
「丁重に、お断りさせていただきます」
 考えるまでも無く、即答。そのルイズの様子に理解出来ない、と言った面持ちで呆れたようにワルドは頭を振った。
「何故だ? このままトリステインに残った所で何処か知らぬ男の所へ嫁にやられてつまらぬ一生を終えるだけなのだぞ?
 だがアルビオンに来れば自由にしたい事をして生きる事が出来る そして力に見合った評価を受ける事が出来る。それはとても魅力的な事だろう。断る理由などあるまい」

「あなたは、わたしの事を何一つ理解していないのね」
 ルイズは静かに言い放つ。これから放たれる言葉がどういう結果を招くのか、彼女には判っていたが、それでも言わなければならなかった。恐怖に屈し、阿りの言葉を並べるような恥ずべき事はしたくない。これから放つのは決別の言葉。
「わたしにとって、地位とか富とか名誉とか、そんな事はどうでも良いのよ。大事なのはたった一つ、この胸に宿る誇りに恥じぬ生き方だけ。それを貫く為なら、わたしは何も要らない」
 そしてそれは、思慕を重ねた相手への、宣戦布告であった。
「あなたの語るものはわたしにとって全て無価値だわ。そんな詰まらないものでわたしを釣れるとでも思ったのかしら? 余り安く見ないで欲しいわ」
 その言葉に、ワルドは大きく顔を歪めた。少女の言葉は、あの男を思い出させる。自分の右腕を奪い去った忌まわしい存在、ウェールズ・テューダー。
 ――君は屈したのだ、我が誇りと覚悟の前に。君の内にある欲望では、決してこの輝きを超える事など出来ない。
 ウェールズの言葉が脳裏に蘇る。それは実に不快な響きを以ってワルドの心に反響していく。

253 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 21:07:15 ID:yOJKA570
役者が揃ったようだな支援

254 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 21:07:30 ID:0E02lhNh
支援

255 :夜天の使い魔 7/7 ◆Rein4tm63s :2007/10/10(水) 21:07:53 ID:bIkz+LzS
「誇りだと……そんなものが何を与えてくれる!? 下らん、下らんぞ。そのような自己満足で得られるものなど何も無いわ!」
 苛立ちを隠せぬまま、ワルドは叫ぶ。そうだ、誇りなど無価値だ。そんなものを持つだけで何かを為せるのなら、誰も苦労はしない。
「嘗て婚約者だったよしみ、出来る事なら温情を以って場を納めようと考えていたのだが、それも無駄だったな。さよならだ、ルイズ。呪うのならば、そのような愚かな生き方に至った己自身を呪うが良い!」

 杖を掲げるワルドの姿が、心底恐ろしい。ルイズの頭脳の内には勝機など欠片も無く、過去に受けた苦痛の記憶がじくじくと心を苛む。恐怖は手足の力を奪い、彼女を屈服させようとしてくる。
 だが、彼女は退かない。
「呪ったりなんか、するもんですか」
 ぎゅっと己の使い魔を胸に抱き、震える手に有らん限りの力を籠めて、小さなタクトを振り上げた。
「自分で選んだこの道を……胸を張って進んでみせる!」

256 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 21:07:59 ID:wgSxiYYL
読ませるなぁ支援

257 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 21:10:19 ID:PvYZTEGa
支援

258 :夜天の使い魔 ◆Rein4tm63s :2007/10/10(水) 21:10:45 ID:bIkz+LzS
以上で投下終了。
納得出来ない話その2な感じなので、後で改訂入れるかも。
がんばって弄くったけど今の自分ではこれが限界だった……。
やはり体調が微妙だと文章の出来も微妙になると思い知った話でした、皆すまぬorz

259 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 21:15:29 ID:G09budi5
投下乙でした
シエスタの爺さんの遺品・・・
誰だろ

260 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 21:15:36 ID:UYHDelzf
お疲れ様でした。
ほんに夜天さんのルイズは男前やのう…。

261 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 21:15:53 ID:/U6OL0zN
投下乙っした!
ルイズかっけぇぇぇぇ!あんたすげー輝いてるよ!
さて、次回あたりにはいよいよ彼女が登場するかな?

262 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 21:16:39 ID:lXvBFAuK
乙したー。

さあ、そろそろずっとリィンフォースのターン!&ワルドフルボッコタイムの始まりだ。
wktkしながら次回を待て。

263 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 21:19:03 ID:PvYZTEGa
乙だね
とりあえず眼鏡で思い浮かんだのがクアットロだった・・・orz

あと>>240パインサラダとステーキは死亡フラグだよね

264 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 21:21:06 ID:yOJKA570
乙であります。
まるでダンガードAのようになかなか出てきてくれないリィンさん。
首を長くして次回を待つですよ。

265 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 21:22:40 ID:w77qlcnR
>>263
クアットロはやめれ……

266 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 21:22:50 ID:NlcFK/C6
眼鏡の爺といえば、リィン繋がりでエロいぬこを使い魔にしてたあの人かねえ。

267 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 21:23:02 ID:yCyNOm1O
夜天の人GJ、そろそろリイン登場ですか。

>>264
Ζガンダムも題名になってるくせに中盤まで出なかったなw

268 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 21:23:01 ID:jnxnvKb2
乙であります(`・ω・´)ゞ礼!

旧シャアにガトー少佐がきてたyo


269 :259:2007/10/10(水) 21:24:44 ID:G09budi5
誰だろう、と思ったが原作どおりの零戦乗りじゃないかと気が付いた
眼鏡は風防のゴーグルだし

270 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 21:26:41 ID:JcliGZSy
ワルドのリンカーコアで、リィンフォースがルイズと意思疎通ができるようになりますように

271 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 21:36:15 ID:oQO6VVs/
ルイズが無事に風のスクウェアにクラスチェンジできますよーに。

272 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 21:38:06 ID:4mtQ3yLC
夜天の人投下乙&GJ

ところで予約ってされてます? されてるようなら予約ー

273 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 21:39:02 ID:/CDMh7C8
死してなお存在感の強いウェールズ皇太子様カッケー! GJ!!

「そしてキミに会いに行く」の庸子召喚という毒電波を受信してしまった。
召喚された庸子とルイズが元の現代日本に戻って来て新宿とか歩いたり、
ルイズがアニメゼロ魔を見てショックを受けてアイデンティティが崩壊したり、
未来から二次元ハンターが来て逃げたり戦ったりとゆー……

ネタがマイナーで古過ぎる上に厳密には三次だしガンダムだが。

274 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 21:39:09 ID:p3Qd7Yah
投下乙〜
ウェールズがメチャ格好良かったとはいえ、
ここまで主従の活躍が無くてフラストレーションが溜まってただけに、リィンの爆発が楽しみなのです。

275 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 21:41:38 ID:X3VL9h+k
>>272
道は空いてるんだぜ?

夜天の人乙!
ルイズがカックエー!
そして死して尚大活躍のウェールズ!いい漢だ!

276 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 21:42:31 ID:0+4R1+4v
夜天さんGJ!
嘗てこれほどまでにwktkしたことがあっただろうかってくらいwktkしてます。

277 :ダブルクロス ゼロ 1/10:2007/10/10(水) 21:43:17 ID:4mtQ3yLC
空いているようなので投下いきますー。

 ルイズは死に瀕していた。

 体は倒れ、四肢に力は入らず、呼吸すらままならない。
 ヒュウヒュウと口から毀れる音が、なんとか息を吸い、吐いていることを証明してくれている。

「ヒュ、ぅ……ッカ……けぷ……」

 声を出そうとするが彼女の口から流れたのはいつもの流麗な言葉ではなく、ドス黒く変色した血液であった。
 空気も混じったのか、気泡を浮かべながらルイズの口から血はだらだらと流れていく。
 息苦しくなり唐突にやってきた嘔吐感に咳き込むと、溜まっていた血溜りがビシャリと飛び散った。
 その堰にすら力が篭らない。再び再開した弱々しい呼吸をしながら、彼女は朦朧とする頭を必死に動かした。

 ――何で私はこんなところで仰向けに倒れてるんだっけ。

 空に浮かぶ二つの月が、憎々しいほどに輝いている。夜の闇の中燦々と輝く星の中に二つ、寄り添う様に輝く月を見上げながらルイズは考える。

(ああ、そうだ。ハヤトがゴーレムと戦ってて、やられそうになっちゃって、学院の時みたいに死んじゃうって思って。
 あ、おなかが痛い、でも抑えたいけど両腕が動かないわ。どうしよう、ハヤトは無事かしら。キュルケも、タバサも、ギーシュも、大丈夫かしら。
 でも足も動かないわ。体を丸めようにも、全身に針が刺さってるみたいで動かない。ゴーレムっておっきいのね。
 ギーシュのゴーレムとは段違いなのね。やっぱり、魔法って、凄い――私はゼロなのに。きっと、足が動かないのもゼロだからね。
 ちぃ姉さまもこんなに苦しい思いをしたのかしら。あ、でも私、病気じゃないわ。元気だもの。
 でも、馬鹿ね私。わかってたのに……キュルケもきっと呆れるわ。タバサも馬鹿だと笑うわよ。ギーシュだって、下らないっていうかもね。
 ――それでも、譲れないじゃない。
 …………あ……そういえばミス・ロングビルはどうしたの?
 ねぇ、そうよ。ハヤト、私の使い魔は無事?)

 ぐるぐると思考が回る。まるで飛び石のように考えることは変わり、ルイズは少しずつぼやける視点に恐怖を感じた。
 夜の帳が落ちてくる。木々の間から見えていた星の明かりが、月の輝きが少しずつくすんで見え始めていた。
 それはルイズの焦点が合わなくなってきたのだけが理由ではない。

 彼女は泣いていた。

 死の恐怖に泣いていたのか、夜の恐怖に泣いていたのか、激痛に涙を流したのか。
 それとも――貴族として立ち向かうも敗れ、さらには魔法も使えないという、情けない思いで涙を零したのか。

「う……ぐ、ふぅ……く、うぁぁ……」

 声にもならぬ声を口から漏らしながら、ルイズは泣いた。


 力の篭らぬ四肢を動かそうとするが、地面の上を多少這いずるだけに留まった。
 彼女の体は、既に死に体だった。それでもルイズは動こうとした。
 動かない、動かない、動かない。どんなに彼女が願っても、どんなに彼女が力を込めても、ゴーレムに殴られ宙を舞い地面に叩きつけられた体は動かない。

「う〜〜……っ! ふ……ぅう〜〜……っ」

 だが諦めない。口から漏れる血も、体に刻まれた傷も、何もかもルイズには関係がなかった。
 傷があろうと、血が溢れようと、体が動かなかろうとも、それでもルイズは立ち上がらなければならないからだ。

 ゼロのルイズと呼ばれる事に慣れてしまった、といえばそれまでだ。
 だがその言葉に憤りを、情けなさを、惨めさを感じなくなったわけではない。自分は結局ゼロだゼロだと呼ばれて平常で居られるほど、ルイズは強くなかった。
 魔法が使いたい。ゼロと呼ばれたくない。

278 :ダブルクロス ゼロ 2/10:2007/10/10(水) 21:44:24 ID:4mtQ3yLC
 貴族とは、魔法を使えるものを指すのではない。それでも、魔法を使えるものが貴族と呼ばれるという一面があるのだ。
 ルイズは魔法が使えない。それでも彼女は貴族で、その志を胸に抱く一人の少女であった。

 魔法が使いたい。使えない。だが、その事実があっても、ルイズは貴族なのだ。

 力を込めて、意思を込めて、ルイズは必死に体を動かし――そして、その右手の指先に何かを掴んだ。

「――〜〜っ!」

 掴む。動かないと思っていた右手は、すぐさま”それ”を掴んだ。
 殆ど感覚のない手でもわかる、――杖だ。ルイズが長年振るい続けてきた、彼女の杖。
 魔法が使えないのを杖のせいにするなんて事はなかった。八つ当たりをしたことはあっても、彼女は杖を捨てなかった。
 いつか魔法が使えたときに、きっとこの杖が傍らにあるのだと信じて振るってきた彼女の杖が、そこにあった。
 殴り飛ばされたときに手からこぼれたのだろう杖は、ルイズの手に帰ってきたのだ。
 魔法使いの杖が手元にあるのならば、あとは立ち上がるだけだ。ルイズは最早動くこともかなわぬであろう四肢に力を込め、立ち上がろうとした。

 立ち上がろうともがくその姿は、はたから見れば滑稽に映ったかもしれない。
 血を流し、震える両手で体を支え、魔法も使えないというのに杖に縋り立ち上がろうとする。
 滑稽と笑うのならば、笑えばいいだろう。無意味だと詰るのなら、彼女はそれも受け入れる。

 ――だがその瞬間、ルイズは暗がりの中でも輝くほど高貴で、何よりも誇り高かった。

「ゴホ、ゴホッ! うっ、ふぅ……」

 なんとか上半身を起こしたルイズは激しく咳き込んだ。その拍子にまた血が溢れるが、それを無感情な瞳で見つめ、すぐさま視線を上げた。
 流れた血を見つめていたところで、立ち上がれるわけではない。
 あれほどの怪我で、しかも年端も行かない少女が体を起こしたというだけで奇跡に近い。だがそれで足りないのだ。ルイズは立ち上がろうとする。

 ――それは本来ならありえない事である。
 何故ならば彼女の体はすでに死に体であり、身動き一つ取れぬほどの重傷なのだから、ここまで動けるのはおかしい。
 そう、おかしい。ありえない。
 ルイズは気づけというのも無理な話だ。確かに体は熱を失い、意識は途絶えそうになっている。外傷からは血が溢れ、止まらない。
 それでも”内面の傷は僅かながら再生”を始めていたのだ。無論、その事実を彼女は知ることなどないのだが。

 ぼやける視線。震える体。少しずつ抜けていく熱さ。総てを自覚しても、ルイズは立ち上がらなければならない。
 先ほどまでぐるぐると回っていた思考も今は立ち上がるという事のみに向けられている。
 そんなルイズの耳に、悲鳴が走った。

「ミス・ヴァリエール!!」

 のろのろとそちらを見ると、顔面を蒼白にした一人の女性がいた。
 一瞬誰かはわからなかったが察しはついた。この場にいて自分をそのように呼ぶのはただ一人だけだ。
 彼女の様子を見ると、自身がいかに酷い姿をしているのかがよくわかる。少しだけ苦笑いを浮かべ、ルイズは声を出そうとした――が、思いとどまった。


 ルイズの知る彼女は、オールド・オスマンの秘書であり、そして教師の一人でもある。
 そんな彼女が、今まさにフーケと戦っているであろう生徒、キュルケとタバサを無視してこちらに来るだろうか。
 いや、怪我をした自分を助けるためにこちらに来たという考えも否定できない。
 血が流れまともな思考能力が抜けているはずのルイズの頭は、そうとは思えないほどの速度で回りだした。
 一瞬彼女の頭に場面が浮かぶ。それは走馬灯に近いもので、ルイズの命は燃え尽きる寸前の輝きを放っていたのかもしれない。

 暗い夜の中。ぼやける視界。それらが作用したのかはわからない。

279 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 21:44:28 ID:bIkz+LzS
バトンタッチ支援DAZE

280 :ダブルクロス ゼロ 3/10:2007/10/10(水) 21:45:37 ID:4mtQ3yLC
ヒギィッ ageてました。申し訳ない……
 だが心配そうに、そして必死に自身に語りかける彼女が、ルイズにとってミス・ロングビルという人物ではなく、


「土くれの……フーケ……っ!?」


 黒いローブを纏い、学院でゴーレムの肩に飛び乗った盗賊に映った。


 瞬間、喉元に何かの衝撃を受け、ルイズは血溜りを吐きながら倒れた。傷ついた体が更に悲鳴をあげ、一瞬止まった呼吸はルイズの意識を刈り取るのに十分すぎるダメージを与えた。

「……っ!? く……は、ぁ……っ!」

 ブラックアウトする意識の中、それでも杖を手放さずにルイズはロングビルを……土くれのフーケを睨み付けた。
 疑問はある。戸惑いもある、が、今は何よりも怒りと、そして使命感が勝った。

 だが、抵抗もそこまで。
 杖をあげようと右手を動かそうにも、何かをされた衝撃で動かない。

 ルイズは自身の情けなさに唇をかみながら、気を失った。


 もし、もしもの話ではあるが。

 彼女が破壊の筒の使い方を心得ずとも、偶然にそれを使うことができたのならば状況はどうなっていただろうか。
 その弾丸は偶然にもゴーレムに当たり、それを砕いたとしたらどうなっていただろうか。
 結局はIfの領域を出ない問題ではあるが――そうなっていれば、彼女は抗うことが出来ていたのかもしれない。

 ダブルクロス。
 裏切りを意味する、その言葉。何をもって何を裏切るのか、それはわからない。
 だが少なくともこの瞬間、「偶然」と言える、ある種の必然と思えたかも知れない運命は裏切られた。
 ならば、この状況を寧ろ必然と呼ぶべきなのかもしれない。

 ルイズがタカサキハヤトという使い魔を召喚した、その瞬間からの。




    ダブルクロス ゼロ 12




 少年はそれを見ていた。


  ・  ・


 ルイズが死んだ。いや、確実とはいえないかもしれない。だがあの状況で生きているはずがないだろう。
 キュルケはシルフィードの背の上でそれを見ていた。無防備にゴーレムの拳を受け、枯葉のように跳ねたルイズを。
 無防備――いや無防備だっただろうか。彼女は杖を振っていた。破壊の杖と呼ばれるそれを振っていた。それでも奇跡は起こらず彼女は跳ね飛ばされた。
 拳が当たる瞬間まで彼女は前を見ていた。
 ルイズの言葉に、瞳に飲まれたキュルケはずっと彼女を見ていた。地上に降りた、暗い夜の世界に降りたルイズをじっと。

281 :ダブルクロス ゼロ 4/10:2007/10/10(水) 21:46:48 ID:4mtQ3yLC

 ――私が貴族であるために、背中を向けないって――

 その言葉が頭に響く。
 死の瞬間、ルイズは縮こまるわけでもなく、怯むわけでもなく、前を見て、杖を振るっていた。
 ゴーレムが近寄るまで、拳を振りかぶるまで、唸りを上げるまで、死が眼前に飛び込むまで、ずっと彼女は使っていたのだ。
 一体何を――? 簡単だ。
 杖を、魔法を! 破壊の杖の力がゴーレムを砕くと信じて! 自身の使い魔を救うと信じて!
 最後まで彼女は貴族だったのだ。
 キュルケはルイズより年上で、十分な分別がある。彼女のように盲目的なまでの理想を抱いているわけではない。だが、それは本当に単なる理想だったのか。
 わからない。わからないが、悲しみ以上にキュルケの中に渦巻く感情があった。

 ルイズのことを嫌っていたわけではない。家のシガラミなど、彼女にとっては単なるスパイスでしかなかった。
 それを抜きにしてもキュルケはルイズを嫌いになれなかった。魔法の使えない落ちこぼれというレッテルは、彼女の輝きをぼやけさせる程度でしかなかった。
 使い魔が人間だと見た時は流石に笑ってしまった。だが同時にうれしくもあった。彼女は魔法を使ったのだ。彼女の輝きがまた大きく増すのだと感じたキュルケは、自身の練磨に一層の力を入れることを誓った。
 ルイズは決して格下などではなく、だからといって自分より優れているわけでもない。そう、面と向かって言うのは癪だが――ライバルというのが、一番正しいかもしれない。
 そしてさらに彼女の召喚した使い魔はただの平民ではなかった。使い魔は召喚した人間に引っ張られる。ルイズもきっと、ゼロじゃない。
 だから期待していた。馬鹿ね、猪突猛進なんだから。そう笑うことはあっても、嘲ることはなかった。

 そのルイズが死んだ。

 胸が軋み、体に熱が籠る。ああ、とキュルケは理解した。
 これは悲しみだ。
 これは嘆きだ。
 これは寂しさだ。
 これは悔みだ。

 これは、これは――怒りだ。

 杖を握っていた。折れるかもしれない。だがそんな意識は遠くに飛んで行った。
 その感情を理解したキュルケは心の中でだけ苦笑いを浮かべた。表にも出そうとしたが、きっと今、とんでもない顔になってるだろう。
 男の人に見せたら怖がっちゃうかしら。そんなことを考える余裕は、まだあった。

 だから自分の腕を掴んだ親友の心の中だってわかった。

 視線を横に向ける。そこにはいつもと同じ表情の親友、タバサがいた。
 タバサは静かに首を横に振り、口を開く。

「ダメ」
「……タバサ」
「ダメ」

 同じ言葉の繰り返し。だがそこに絶対的な意志を感じ――キュルケも、タバサと同じように首を横に振った。

「ごめん。私は――」
「今は引くべき」
「タバサ!」
「お願い」
「…………っ!」

 その言葉にどれだけの言葉が籠っていただろうか。
 その思いをどれだけキュルケは受け取れただろうか。

 タバサとて怒りを、悲しみを感じていないわけではない。だが彼女の瞳は氷のように冷たい。
 それが歴戦にメイジを連想させた。その歴戦のメイジですら、怒っていた。
 だがタバサはそれを押しとどめている。

282 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 21:47:29 ID:bIkz+LzS
SIEN

283 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 21:47:51 ID:UYHDelzf
こいのぼり支援!大丈夫ですよ、支部長。俺は立派に支援して見せますって。
これでも選ばれた精鋭なんですよ俺たち!



284 :ダブルクロス ゼロ 5/10:2007/10/10(水) 21:47:55 ID:4mtQ3yLC
 何がそうさせているのかキュルケにはわからない。わからないが、彼女の言葉は聞くべきだと心の何所かが呟いた。
 確かに降りたところで何もできないだろう。だがルイズはそれでも飛び込んだのだ。
 もしかしたら魔法が使える自分ならば破壊の杖を使えるのかもしれない。そんな期待もある。
 タバサはそういった願望も、期待も、希望も全て押し殺していっているのだ。
 「引こう」と。

 逡巡、迷い、後悔、怒り。
 すべてが綯い交ぜになり、キュルケは杖を握りしめ、そして――

「…………わかってる」

 ここは引くべきだ。引いて、学院の指示を仰ぐべきだ。
 安心したように、しかしどこか悲しそうにタバサは頷き、己が使い魔であるシルフィードに声をかけようとした。
 ルイズのことは残念だ。残念だ、で終わるほど簡単なことではない。今はそうとしかいえないのだ。キュルケは下唇を強く噛んだ。それこそ血の滲むほどに。
 だがフーケは必ず捕えてみせる。その覚悟だけは確実にキュルケの中に根付いていた。


 しかし彼女たちは忘れていた。この場にもう一人いたことを。

 そして更に忘れていた。その”少年”もまた貴族であったことを。

 ルイズの言葉を聞いていたことを。
 ハヤトの友達だと臆面もなく言ったことを。
 一部始終を見ていたことを。
 怒っていることを。
 嘆いていることを。

 だから彼は、止められる間もなく飛び出した。
 シルフィードの背中から、涙を流し、大声をあげながら。


「ぼぼぼぼ僕は! 僕は! ギーシュ・ド・グラモンはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


  ・  ・


 それを見た少年は自身を恥じて涙を流した。
 涙を流すだけでは終われなかった。


  ・  ・


 怒り狂う。

 それはどれだけの力を消耗することだろうか。
 体中のレネゲイドが喜びの声をあげているように感じる。隼人はその身を衝動に任せ、オーヴァードの力を解放しようとしていた。
 それはジャームへと堕ちる道。
 だが隼人はそれに逆らおうとは思わなかった。寧ろ身を委ね怒りのままに力を振るいたかった。

285 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 21:48:28 ID:sCovd3gS
支援

286 :ダブルクロス ゼロ 6/10:2007/10/10(水) 21:50:07 ID:4mtQ3yLC
 付き合いは確かに短かったかもしれない。
 それでもこの異世界で自分に手を伸ばしたのは彼女だった。
 一番長い時間を共に過ごしたのは彼女だった。
 何だかんだいいながら気にしてくれたのは。デルフリンガーを買ってくれたのは。自分と似ていたのは。守ろうと思ったのは。
 この世界の日常を、守ろうと思ったのは。誰よりも何よりも、少女の日常を守ろうと決めた。

 それがルイズだったのだ。

 それを壊したゴーレムが、フーケが憎かった。力を使うのを躊躇った自分が憎かった。早く走れぬ、ハヌマーンの名を冠するはずの自身が憎かった。
 憎い、憎い憎い。

 憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い。

 過去の後悔が溢れる。ダインスレイフの自分。仲間を切り殺す自分。誰も守れない自分。

 ――守れない?

 守ったじゃないか。世界を、日常を、自分の世界を。

 ――救われない?

 救われたじゃないか。少なくともあの研究所の仲間たちは、斬られようとも自分を助けようとしてくれた。

 恨みも受けた。憎しみも受けた。後悔も憐憫も同情も憎悪も何もかも身に受けた。
 だが守ってくれた仲間がいた。守れた日常があった。

 ――――だけど、ルイズを守れなかったじゃないか。

「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 レネゲイドが暴走を始める。周囲の物質が”変換”され、体中の血液は異常なまでの速度で巡り、体温が上昇する。
 蒸気をあげながら隼人は睨んだ。ゴーレムを、それを操っているだろうこの場にいないフーケを。

 そうだ、壊そう。壊してしまおう。
 全部なくなれば戻ってくるさ。ルイズだって喜ぶ。俺も楽しい。血を見よう。赤く世界を染め上げよう。
 そうさ全部染め上げればいいそうすれば何も見えない。
 全部全部全部全部全部全部斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って殺して殺して殺して殺して殺して回れば世界は赤く染まってきっとそれで。

 ルイズだって喜ぶさ。


 ――――本当に?


 歯止めがかかる。UGNのチルドレンとして教育を受けてきた隼人の中で、レネゲイドを抑制しようとする力が完全に堕ちるところを押しとどめていた。
 だが隼人の中にあるダインスレイフはそれさえも削り取ろうとする。

 怖い。故に楽しい。でも恐ろしい。だが愉快だ。きっと、気持ちいいぞ――

「相棒っ!!」

 ビクリと、隼人の体が震えた。

287 :ダブルクロス ゼロ 7/10:2007/10/10(水) 21:51:26 ID:4mtQ3yLC
 右腕に持ったデルフリンガーが、刀身を震わせ、金属片を鳴らし大声を上げたのだ。

「落ち着け相棒! まだ終わってねぇ! 嬢ちゃんも死んでねぇ!」

 だから止まれ、相棒!
 彼の言葉に確証はない。もう既にレネゲイドは戻れぬところまで侵食していたのかもしれないし、無論、ルイズが生きている確証もない。だがそれでも彼は声をあげる。
 そして恐らくはこの世界に来て最も気を許しているであろうデルフの言葉を聞いた隼人の目に理性の色が灯った。
 それと同時に隼人は全身を駆け巡るレネゲイドと、そして発光し、灼熱のような熱さを放つ左手の紋章に苦悶の表情を浮かべる。
 何故かはわからない。だが隼人の感情に呼応するように輝いた左手の紋章は、理性を取り戻してなおその光を失わず、寧ろ殊更に輝けと言わんばかりに光を増す。
 併せてレネゲイドウィルスも活性化する。まるで互いが互いを相乗させるように、二つの力が隼人の中で暴れている。

「グ、ガ」

 声を漏らすが、それは人が出せるような音ではない。それを耳にした隼人は、かつてない状況に身を置いている事を自覚した。
 理由は不明だが左手の紋章と隼人のダインスレイフが「噛みあった」のだ。
 左手は武器の最適な「使い方」を提案し、ダインスレイフは最適な「殺し方」を唱和する。
 二つの声はせめぎあい、互いを高めあう。感情の呼応も便乗し、隼人はそれを抑えようとするだけで精一杯であった。
 まだ完全に正気に戻れたわけではない。後何か一つか二つ、この世界に繋ぎ止める何かがほしかった。
 何かねぇか、何かねぇか。デルフは必死に頭を回転させながら隼人に声をかけ続ける。

 その時隼人の左目は本来の光景とは別のものを見ていた。

 空が見える。木が見える。暗い森が世界を覆う。レネゲイドの暴走と感情の高ぶりがそれの理解を止めようとするが、隼人はその光景をじっと見た。
 その視線はゆっくりと動き、自分の体を見、そして動こうとしていた。傷が酷いのがその視線からも分かる。
 不意に赤いものが走った。この光景が”誰かの目”なら、今、きっと吐血をしたのだろう。それを考える余裕が出来た隼人の頭に、何か走るものがあった。

「ルイ、ズ……ッ!」

 これはルイズの視点だ。何故見えるかはわからない、理由も不明だし、もしかしたら幻覚なのかもしれない。
 しかしそれで十分だった。生きているかもしれない。その事実は隼人の魂を揺らした。
 ぷつりと唐突に視界が戻る。視界の共有。それが主の危機に反応したのかもしれない。全く持って出来損ないの使い魔だな、俺は。と、思う程度の余裕は戻った。

「どうしたよ相棒!」
「……っ生ぎ…………で、る……ぜ…………っ!」

 濁音交じり。しかも途切れ途切れの言葉ではあったが、デルフリンガーは理解した。

「なら気張れ相棒! そのままなのはやべぇぞ!」
「………………――――――っ!!」

 レネゲイドを制御せんと隼人は暴走する体を押さえつけようとする。
 しかし血液の奔流は止まらず、近くの大地は「別の何か」に変換される。
 体は動かず、棒立ちに近い。そのような隙をゴーレムが逃すはずもなかった。

 チカチカと明滅する視界の中で、ゴーレムが拳を振り上げる。
 まずい。直感が告げた。すでにレネゲイドの侵食率は100%を超えているだろう。超えてなお、レネゲイドは体中を駆け巡る。
 この状況で攻撃を受けるのはまずい、まずい、まずい。
 そう思うも体は言うことを聞いてはくれなかった。隼人自身、動けと命じても、その命令だけが精一杯であった。

 拳が振り上げ終わる。

 未だ沈静化しない感情。高ぶる衝動。全てを破壊しろというレネゲイドの声と、全てを染めよというダインスレイフの声が頭の奥でひりひりと鳴っている。
 だがその中でも統一の意識が一つの言葉を紡ぐ。

288 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 21:51:40 ID:UYHDelzf
さあ、ファルコンブレードの支援だ!

289 :ダブルクロス ゼロ 8/10:2007/10/10(水) 21:52:51 ID:4mtQ3yLC
 それは生き延びるための意志であり、隼人の意地でもあった。

 ――ふざけんじゃねぇ。こんなところで、俺は――っ!

 せめてもの抵抗か、隼人は鋭い眼光をゴーレムの拳に向ける。
 覚悟は決まった。来るなら来い――――!


 そんな中。一人の少年の叫びが耳を突いた。


「ぼぼぼぼ僕は! 僕は! ギーシュ・ド・グラモンはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


  ・  ・


 だから少年は、ギーシュは飛び出した。

 怒りではキュルケに及ばないだろう。後悔ではハヤトに及ばないだろう。悲しみもタバサほど抱えてはいない。
 しかしギーシュはそれら全てを抱えてなお燃え上がった。
 立て、立ち上がれギーシュ・ド・グラモン。軍人の子よ。
 自身の声に従ってギーシュは立ち上がる。足を前に、力を込めて、飛び出す。
 躊躇はあった。恐怖もある。だがそれを塗りつぶすほどの怒りと、そして使命感が彼を覆った。

 彼はハヤトと友人だと言った。貴族が平民の友人なんぞ、と、笑われても彼は気にしなかった。
 その友人が、主をなくし怒りに我を失い、その体を硬直させている。そしてそこをゴーレムが狙っているのだ。
 彼の主は貴族だった。紛れもない貴族だった。後ろを見せぬ、弱きを助けんとする貴族であった。
 そんな貴族の最期を見てギーシュは泣いた。
 だから足が前に出る。だから杖を握る事が出来る。だから大きく声を張り上げられる。だから自分にしか出来ないことを理解できる。出来るのだ。

 シルフィードから飛び降りる。それと同時に、彼は名乗りを上げ、そして続けた。


「ギーシュ・ド・グラモンはぁぁぁ! ここに! 友の窮地を見て! 貴族の”生きる場所”を見たぞ!! 土くれえええええええええ!!」


 レビテーションを唱え、未だに蹲るハヤトとゴーレムの拳の間に降り立つ。
 足が震える。地面に落ちた衝撃だけではない。これから来るであろう恐怖に身を震わせていた。
 視線の先にはハヤトがいる。血まみれで、体から煙を上げながら呆然とした瞳でギーシュを見上げるハヤトがいた。
 それを見てギーシュは恐怖に強張る顔に笑みを浮かべた。ぎこちないが、それは確かな笑みだった。
 すぐさま杖を構え、振るう。
 それと同時にギーシュは振り向き、ゴーレムを見上げる。
 大きい。まずそう思った。次に強大だ、とも思う。だが怖くない、恐ろしくない。

 いけるだろう! ギーシュ・ド・グラモン!

 その決意だけでは足りない。足りないが故に、ギーシュは再び声を張り上げた。


「かかってこぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉい!!」


 同時に拳が振り下ろされた。

 ギーシュは吹っ飛んだ。

290 :ダブルクロス ゼロ 9/10:2007/10/10(水) 21:54:09 ID:4mtQ3yLC


  ・  ・


「あ、あ、あ、あぁぁの馬、鹿!!」

 わなわなと震えながらキュルケは悪態をついた。
 それもしょうがないだろう。我慢したら我慢できなかった馬鹿が突っ込んで、また吹っ飛ばされたからだ。
 また誰かが死んでしまった。それよりも、ルイズに感化されて飛び込んだギーシュに腹が立った。自身のことを棚に上げているのだが、別段キュルケは気にしない。ここら辺に彼女の強みがある。
 何故自制できなかった、とか、本当に死んでしまったのか、とか、そういった意味のわからない感情がキュルケの内面を嵐の様に渦巻き始める。

 もうあの馬鹿、信じられない。
 そう思ってキュルケは天を仰いだ。一気に色々なことが起こりすぎて、彼女の精神状態はむちゃくちゃだった。
 そんなキュルケをチラリと見たタバサは再び地上に視線を戻す。ゴーレムの動向を見定めるつもりで、である。
 だからまさか、その視界の中に彼がいるだなんて全く持って信じられなかった。

「キュルケ」
「何よ…………」
「キュルケ。見て」
「だから何をよ!」

 苛立ちを吐き出そうと大声をあげたキュルケは珍しいものを見た。仰天している表情を見せるタバサを、だ。彼女は普段の無表情の上に驚愕を載せ、地上を指差していた。
 眉根を寄せて指の指す場所に視線を合わせる。
 暗くてよく見えない、が、それに気づいた瞬間キュルケは呆然と口をあけた。

「はい?」

 もうあの馬鹿、信じられない。
 先と同じ言葉をキュルケは思った。よく目を凝らしても、擦っても、その事実は消えない。


「な、な――……何で、生きてるの?」


 視線の先に、血まみれのハヤトを抱えたギーシュと、そして五体のワルキューレが立っていた。生きていた。ゴーレムの拳を受けてなお。
 ギーシュはハヤトを抱えたまま、何事かを叫んでいた。
 決意の咆哮。戦うと決めた、男の声だった。


  ・  ・


 咄嗟にルイズの喉元を蹴り飛ばし再び昏倒させたフーケは軽く息を吐いた。
 なんという執念だろうか。なんという誇り高さだろうか。
 彼女は死に体であったというのに、その身を起し杖を握り、再びゴーレムに、自分に向かってこようとしたのだ。
 ルイズの眼光を見た瞬間フーケの体は動いていた。盗賊としての勘がまずいと感じたのだ。

「やれやれ。あんな状態から動くなんて、とんでもない子だよ」

 心底からそう思う。
 まともに杖を振るえるはずもない。杖を振ったところで”ゼロ”のルイズは魔法を使えないだろう。
 その安心があったが、彼女からの言いようもない「覚悟」が、フーケにその行動を起こさせた。

 ルイズを見る。もう、死んでいるだろう。

291 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 21:54:34 ID:ZkWNznoK
これは支援せざるを得ない

292 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 21:55:32 ID:lXvBFAuK
熱き支援の風が吹く

293 :ダブルクロス ゼロ 10/10:2007/10/10(水) 21:55:43 ID:4mtQ3yLC

 申し訳ない、可哀そうなことをした、悪いとは思う。
 そういった感情をフーケは殺した。だが、慈悲に近い感情は残っていた。
 同時に彼女にはやることがあった。丁度いい。そう、状況が揃ったのだから、やることは決まっている。
 フーケは懐に手を入れ、小瓶を取り出した。
 中身は無論――――

「悪魔の、秘薬」

 効果はわからない。だが人体になんらかの影響を及ぼすものであるのは、確実だ。
 使おう。
 フーケは少しだけ中身を別の容器に移す。すべてを使うつもりはない。自分の分になるか、それとも売り払う分となるのか。
 ルイズに近づき顎を掴む。無理やり口を開いた。
 中には血が溜まっている。これでは無理かと、フーケはルイズに口づけをした。
 してから離れ吸い出した血を吐き出す。せめて体の中には入っておかないと効果はないだろう。口の中の血だまりに落としたところで意味はない。
 血の味がする口元を拭い、今度こそフーケは悪魔の秘薬をルイズへと飲ませた。
 そのままフーケはルイズから離れ、彼女の様子を見ることにした。無論杖を構えることも忘れない。

 十秒、二十秒、三十秒。

 待ってはみたがまだ変化はない。

 四十秒、五十秒、一分。

 変化はない。
 体を治すようなものではないのか、とフーケはため息をついた。
 今度は生きている人間に飲ませてみるか。そう考え、フーケはルイズに背を向けた。

 だから彼女はルイズの瞳が開いたことに気付かなかった。


  ・  ・


 ルイズの瞳が開く。

 言葉は発せない。意識も残っていない。だが彼女は瞳を開いた。
 その眼の色はどこか虚ろで、ぼやけている。だが彼女の眼は、月を映していた。
 異常なまでに鮮明に。そしてその中に何かの粒を見つけた。だが彼女はそれを見ているだけだった。”今はまだ”。
 ルイズの瞳は映している。月を。二つの寄り添う大きな月を。


 ――――月の”光”を映していた。

294 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 21:56:02 ID:UYHDelzf
良かった、ホントにギーシュ死ぬんじゃないかと思った支援

295 :ダブルクロス ゼロ:2007/10/10(水) 21:57:02 ID:4mtQ3yLC
以上で今回の分投下終了です。支援してくださった方、ありがとうございました。
毎度の捨て台詞ですが「次はもっと早く投下したいです」いやホント。
それでは。

296 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 21:58:21 ID:bIkz+LzS
なんという熱い展開、これは間違いなく燃える。
そして次回にwktkしちゃうよ、GJ!

297 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 22:01:20 ID:NltZQ9+u
エンジェルハイロゥか!?
ともあれGJ!

298 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 22:04:44 ID:UYHDelzf
お疲れ様でした!
ルイズのシンドロームはエンジェルハイロゥ確定かな?
もう一つはノイマンかバロールがイメージ的に思い浮かぶ。

299 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 22:06:36 ID:Cj3VfuX/
今日入ったある情報に押されるように、短編を一本書き上げた。
初投稿になりますが、投下してもよいでしょうか?

300 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 22:08:20 ID:qteGZgEg
>>229
フーケが驚き過ぎじゃね?
ルイズに衣を使う必要性もあんまり感じなかったし

301 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 22:08:23 ID:4HIXDtTT
構わん、やれ
支援準備万端

302 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 22:09:03 ID:bIkz+LzS
何時でも支援する準備は出来ている、さあ来るんだ。

303 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 22:10:20 ID:vo2Y6puE
支援開始

304 :ゼロヒーロー(1/5):2007/10/10(水) 22:10:36 ID:Cj3VfuX/
 びゅうびゅうと吹き付ける乾いた風が、桃色の長く柔らかい髪をぶわっと巻き上げる。
 その持ち主が慌てて自分の髪を押さえようとする前に、真っ赤なマントと大きな背中が風を遮った。
 軽く手櫛で撫でつけ、まとわりついた砂埃を払い終えた髪を整えると、その桃色の髪の少女は優しく微笑んで口を開いた。
「ありがと」
 返事はない。当然のことをしたまでだと言わんばかりに微動だにせずに、赤いマントの持ち主は前を向いて立ちつくしている。

 少女は――ルイズは、少しだけ昔を思い出した。
 彼女の決して長いとはいえない人生の中、ほんの少しだけ昔の話。
 こうして彼女の前に立つ背中は、大きくなってもあの頃から何一つ変わっていないなと、思い出を重ねる――。



 全ての始まりは春の使い魔召喚の儀式だった。
 魔法成功率ゼロ、学院始まって以来の落ちこぼれ『ゼロのルイズ』と呼ばれ、蔑まれ続けてきたルイズ。
 彼女が報われない努力を積み重ねるだけの地獄から抜けだし、新たな一歩を踏み出す切欠となったのである。

 一度、二度、三度と繰り返されたサモン・サーヴァント。
 現れた『ゲート』が爆発を繰り返すのみで、使い魔の影も形も見えない様子に、周囲の生徒たちは嘲笑を込めて囃し立てる。

 ――もう諦めて留年したらどうだ。
 ――やっぱりゼロは何をやってもゼロだな。
 ――いくらダメだからって、平民を連れてきたりするなよ。

 だが彼女は諦めなかった。むしろ、背後でさんざん騒いでいるボンクラ共は一体何を見ているのかと憤慨していた。
 一度目も、二度目も、三度目も、そしてたった今詠唱をしている四度目も『ゲート』はちゃんと出現しているではないか。
 爆発したのは……そう! きっとなにか『爆発してしまうモノ』が喚び出されただけなんだと。
 あれちょっと待て、じゃあ何か、私はそれを爆発させずに呼び出さなければいけないのか――と思わず詠唱に詰まってしまうルイズ。
 しかし、すぐさま「そんなことはない」と気を取り直して詠唱を続け、魔力をゲートに流し込む。
 やがて完全に安定したゲートが、今までとは違った緑色の不思議な光を放ち――。

 光が収まったとき、そこには『彼』がいた。


 ゼロヒーロー
  〜ルイズはいかにしてゼロマスターと呼ばれるに至ったか


305 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 22:11:55 ID:lWEnQ0/j
支援

306 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 22:11:57 ID:bIkz+LzS
しえ☆すた

307 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 22:12:19 ID:4HIXDtTT
支援

308 :ゼロヒーロー(2/5):2007/10/10(水) 22:13:05 ID:Cj3VfuX/
 白い肌に緑色の髪、白いズボンに緑の靴、そして白い弓に緑のジャケット。
 見事なまでに白と緑のツートン・カラーで染められたその使い魔は、人の姿こそしていたが背は小柄なルイズの半分しかなかった。
 ルイズが爆発を起こさずに召喚を成功させた。驚きで呆然としていた観客は、我に返ると一瞬にしてざわめきに満ちあふれた。
 だがそのうちの何割かは、相変わらずルイズをゼロと見たままの悪意の籠もったものであった。

 ――いくら召喚ができないからって、子供を誘拐してくるなんてひどいゼロよね。

 あまりにも失礼な物言いに、サモン・サーヴァントを成功させた達成感も吹き飛んで沸騰するルイズ。
 事実、それは幾度も苦労してはっきりと成果を上げた学友に対する言葉としては、あきらかに貴族として相応しいものではない。
 教師として監督役を担っていたコルベールが、言い過ぎた生徒を叱責しようと口を開く。
 さきほどまでは、召喚中のルイズが雑音を意に介さない程に集中していたため黙っていたが、すでに結果は出たあとだ。
 失敗こそあれ、最終的には見事に使い魔の召喚を成し遂げた生徒を賞賛こそすれ、中傷するというのは礼節以前の問題だろう。
「ちょっと、アンタ――」
「言い過ぎですよ、ミス――」
 ルイズとコルベールが振り向いた瞬間であった。二人の間を、風切り音が通り抜けた。
「ぎゃっ!」
 次いで悲鳴。今しがたルイズとコルベールが苦言をぶつけようとした金髪で見事な巻き髪の少女が、腰を抜かしてへたり込んでいる。
 その視線の先には一本の矢。腕に深々と突き刺さり、傷口からはだくだくと血が流れている。それを見てさらに周囲から悲鳴が上がる。

「ああっ! マリコルヌがやられた!」
「……いや、今……誰か僕を突き飛ばs」
「どこから飛んできた矢だ!」
「……聞いてよ、ねえ、犯人はギーs」
「犯人はそこだ!」

 混乱の中、びしっ! と一本の薔薇を突きつける学生が一人。
 その指し示す先にいたのは、たった今ルイズが喚び出したばかりの使い魔の姿。
 いつの間にか弓につがえた二の矢で弓弦を引き絞りつつ、油断無く彼を見つめる生徒たちを見返している。
「ゼロのルイズが喚び出した使い魔が!」
「いきなり暴れたぞ! やっぱりゼロはゼロだ!」
 向けられた敵意に、慌てて戦闘態勢を取る生徒たち。周囲に、今にも魔法が飛び交いそうな一触即発の空気に満ちあふれる。
 慌てたのはコルベールである。自分の油断から生徒に怪我を負わさせてしまった。
 色めき立つ生徒たちに、落ち着くようにと声を張り上げ、いざとなればやむを得まい、と前に出、ルイズの使い魔に向けて杖を構える。

 だが、もっと慌てたのはルイズであった。
 せっかく喚び出した使い魔が、生徒を、貴族を傷つけた。
 ――殺されちゃう!
 そう思った瞬間、ルイズは咄嗟に使い魔をかばうように前に出た。
 両手を広げ、無数の杖から自分が喚び出した使い魔を背に守るように立ちはだかる。
「いけない! ミス・ヴァリエール!」
「え……?」
 慌てたコルベールの声に、一瞬、きょとんとするルイズ。

 まずいまずいまずい。
 コルベールの脳裏に、一瞬後の最悪の光景がよぎる。
 サモン・サーヴァントで喚び出された使い魔は、通常は契約を――コントラクト・サーヴァントを終えるまではおとなしくしている。
 だがルイズの喚び出した使い魔は……ええと、なんと言ったか、ちょっと太めの生徒を矢で射抜くほど攻撃的になっていた。
 さらに次の矢をつがえた状態の、そんな使い魔の前に急に飛び出したりしては、はずみで矢が放たれてしまってもおかしくはない。
 最悪、背後から心の臓を射抜かれて絶命――と、そこまで考え、なんとか間に合えとばかりに彼が詠唱を始めた瞬間である。
「え……」
 今度は、その使い魔が弓を構えたままルイズの前に出てきたのである。
 つがえたままの矢の先は、もちろんルイズではなくコルベールの方を向いている。
 詠唱を中断し、真剣な表情でルイズの前に立つ使い魔を油断無く観察する。


309 :ゼロヒーロー(3/5):2007/10/10(水) 22:15:39 ID:Cj3VfuX/
「守って……くれてるの?」
 ルイズがかばおうとしたはずの使い魔が、逆に彼女を背にかばっている。
 彼女よりも小さくて、あきらかにメイジでもないのに、弓一本と矢が数本で、この使い魔はルイズを守る気でいる。
 驚いたことに、コントラクト・サーヴァントもしていないのに、だ。
「ミス・ヴァリエール! 使い魔にその弓を下ろすように言ってください!」
 コルベールの指示で我に返る。そう、状況はあまり変わっていない。
 言われたとおりに、慌てて目の前の使い魔に指示を出す。
「大丈夫よ! みんなは敵じゃないわ! その弓を下ろしても大丈夫なのよ!」
 その言葉を聞いて、使い魔はちらりとルイズの方を振り向いた。こくりと頷いて、弓を下ろす。
 その瞬間、張りつめていた空気がすっと和らいだ。足の力が抜けて思わずへたり込んだルイズが、背中から使い魔を抱きしめる。

「驚きましたね……コントラクト・サーヴァント前に主人を守ろうとする使い魔がいるとは」
 撃たれた生徒の手当が無事に終わっていることを確認したコルベールが、ルイズとその使い魔を見て呟いた。
 あの緑色の使い魔は、あきらかにルイズを守るために動いていた。
 最初に射られた矢は――恐らく、自らの主人を侮辱されたことに腹を立てたのだろうと推測する。
 怪我人が出てしまった以上、後処理に時間を取られることは確かだが、ともあれ、今しておかなければならない事を済ませる。
「ミス・ヴァリエール、そのままコントラクト・サーヴァントを済ませてしまいなさい」
「え……あ、はい」
 言われて初めて気づいたかのように、こくりと頷くルイズ。
 ルイズがへたり込んだ状態で、お互いの頭も丁度良い高さにある。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール――」

 こうして、その緑色の使い魔は、正式にルイズの使い魔となったのである。



 使い魔召喚の儀式により、二年生へと進級した生徒たちの興奮冷めやらぬ翌日のこと。
 ルイズの使い魔は、突如として決闘を挑まれていた。
 決闘場所はヴェストリの広場。午前の授業が終わった昼食後、一人の生徒が昨日のことで食って掛かってきたのだ。
 不幸な事故のことは謝るから――とルイズも頑強に抵抗したが、周囲の生徒たちの悪ノリもあり、引き離されてしまったのである。
「昨日、危うくキミが怪我を負わせるところだった僕の一輪の花、香水のモンモランシーのために」
 決闘を仕掛けてきた生徒、ギーシュの口上を黙って聞くルイズの使い魔。
 携えた弓は、いつでも矢を放てるように。片手に矢こそないものの、臨戦態勢にあることはあきらかに見て取れた。
「そして彼女をかばい名誉の負傷を負った我が友、鼻紙のマリコルヌのために!」
「かぜっぴきでも鼻紙でもなくて風上だよっ! って、キミが突き飛ばs」
 ギーシュの口上が終わった瞬間、周囲の歓声は最高潮に達した。

 それを決闘の始まりの合図と判断したか、ルイズの使い魔は素早く矢をつがえ、ギーシュに向けてそれを放つ。
 だが、ギーシュはそれを見透かしていたかのように手に持った薔薇を一振りする。
「矢が来るとわかっていれば、防ぐ手段はいくらでもあるんだ」
 薔薇の花弁が一枚舞い、ギーシュの目の前で女戦士の姿を取る。
 ギーシュによって『錬金』された青銅の女戦士は放たれた矢を受け止めると、ルイズの使い魔を目掛けて殴りかかった。
「言い忘れたが、僕の二つ名は『青銅』。青銅のギーシュだ。従ってこの青銅のゴーレム『ワルキューレ』がお相手するよ」
 殴りかかってくるワルキューレに対し、大きく飛び退いてさらに矢をつがえるルイズの使い魔。
 こうして、決闘は始まった。

310 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 22:15:41 ID:K48M2trf
支援

311 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 22:15:47 ID:4HIXDtTT
支援

312 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 22:16:10 ID:a0sr++vg
支援


313 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 22:16:42 ID:K48M2trf
支援

314 :ゼロヒーロー(4/5):2007/10/10(水) 22:17:22 ID:Cj3VfuX/
 ルイズがやっとのことで決闘場であるヴェストリの広場に辿り着いたとき、目の前には傷だらけの自分の使い魔の姿があった。
 少し離れた場所には、幾本もの矢が突き立ったギーシュのゴーレムが倒れ伏している。
 にわかには信じられないことだが、この使い魔は弓一本でメイジの作り出したゴーレムを倒したのである。
 いくらギーシュが魔法使いの中で最低ランクの『ドット』ランクだとしても、この使い魔にはそれと渡り合える実力があるのだ。
 ほんの少しの優越感と、それ以上に使い魔の怪我を案じて、ルイズは使い魔の前に出て叫んだ。
「ギーシュ! あんたのゴーレムは倒したわ! こっちの怪我もひどいし! もう引き分けでいいでしょう!」
「やあゼロのルイズ。残念ながらそうはいかないんだ」
 軽く嘯いて、もう一度手の中の薔薇を振るギーシュ。
 すると、薔薇から散った一枚の花弁が、無傷の『ワルキューレ』となって広場に降臨する。
 勝ち誇った表情で、ギーシュは堂々と絶望を宣告する。
「あいにくと、僕が作り出せるゴーレムは一体だけではないのだよ」
「そんな……!」
 ゴーレム一体を倒すだけでこれだけボロボロにされたのである。
 それがさらに一体――いや、ギーシュの持っている薔薇の花弁の数だけ作り出せるとしたら、どうやっても勝ち目はない。
 もう、これ以上使い魔を傷つけさせるわけにはいかない――と、歯を食いしばってルイズが許しを請おうとした時である。

 再び、使い魔はルイズの前に出た。
 主人の誇りを守るべく、傷だらけの身体をおして前へ、前へ。
「ダメ……もうやめて!」
 必死に手を伸ばし、自らの使い魔を止めようとするルイズ。その手が、急に熱を持った。
 熱い――と叫びかけて、そうではないと気づく。彼女が伸ばしたその手から、使い魔に向けて魔力が流れているのだ。
 ボロボロになりながら、一体の敵を打ち倒した使い魔。
 そしてそこに、彼の主人が辿り着いた。間に合った、と言ってよい。
「これは……」
 ルイズから流れた魔力が、敵を倒した経験を混じり合い、使い魔の肉体を急速に活性化させる。
 負っていた傷はあっという間に消え去り、ややひ弱な印象があった小さな身体には、とにかく力に満ちあふれている。

「何だ……? 行け、ワルキューレ!」
 なにやら異変を感じ取ったギーシュが、勝負を決めてしまおうとワルキューレに指令を下す。
 ボロボロだった使い魔など、あと一撃も加えれば抵抗する気もなくすに違いないと。
 だが次の瞬間、その表情が凍り付いた。

 轟音――いや、それが矢の音だとすぐに気づけた者がどれだけいるだろう。
 ルイズの使い魔が放った矢が、向かってくるワルキューレを貫き、そのままギーシュの背後の壁に突き刺さったのである。
「え……」
「嘘……」
 ギーシュとルイズ、そして周囲を囲むギャラリーの呆然とする声。
 青銅製のワルキューレが、たった一本の矢で貫かれただけで、胴体に大穴を空けて行動不能になったのである。
「わ……ワルキューレェェっ!」
 一瞬でギーシュは恐慌状態に陥った。彼が操れるだけ全てのワルキューレが、彼を守る壁となったまま一斉に襲いかかる。
 その数は――もう数える必要すらなかった。
 いくつのゴーレムが並んでいたのだとしても、その全てがわずか一矢で貫かれ、大穴を空けて広場の石畳へと転がったのだから。

315 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 22:18:56 ID:UYHDelzf
ギーシュ、友人の二つ名くらい覚えておいてあげようよ支援

316 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 22:19:47 ID:4HIXDtTT
支援

317 :ゼロヒーロー(5/5):2007/10/10(水) 22:20:22 ID:Cj3VfuX/

「……他にもあったわよね、フーケのこととか、……ワルドのこととか」
 今もこうしてルイズの目の前に出、彼女を背に庇っているのは彼女の使い魔だ。
 ルイズの半分しかなかった背は、彼女が見上げる必要があるほどに高く伸び、変わらず緑と白の出で立ちは、赤いマントで飾られている。
「それじゃ行きましょうか」
 ルイズの言葉に頷いて、一歩前に進む使い魔。
 その名を、ルイズはとびっきりの愛情を込めて呼ぶ。
「ジャレス……いいえ、ジャレットの方がいいかしら?」
 どちらの名を呼んだ時も背中が嬉しそうだった。呼び方は特に気にしないらしい。

「それと――ボムノスケたち」
 なんと、ルイズの後ろにはさらに三体の使い魔が控えていた。
 どれも真っ赤な丸い胴体に手足と目がつき、王冠をかぶり、真っ白いヒゲと眉をつけた奇妙な姿をしている。
 彼らは、ルイズが失敗したと思っていた、最初の三回の召喚で喚び出されていた使い魔である。
 彼女がここに至るまでにいろいろ……本当に色々あって――とにかく、今は無事にこうしてここにいる。

 目の前から、轟音が聞こえてきた。
 敵は、アルビオン軍七万。
「それじゃ、いくわよみんな!」
 返事はない。その代わりに数限りない爆音が、ルイズの約束された勝利を前祝いするかのように轟いていた。

 これは後世にゼロヒーロー、あるいはゼロマスターと呼ばれる、一人の少女の物語である。


318 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 22:21:09 ID:zXLK+9Wu
女の子を庇うなんて見直したぞマルコメミソ

319 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 22:22:46 ID:d2cGGmjd
カードヒーロー!
懐かしいなあ。駒のやつに勝てんで諦めたわw

320 :ゼロヒーロー:2007/10/10(水) 22:23:18 ID:Cj3VfuX/
以上、『DS「高速カードバトル カードヒ−ロー」が12月発売決定』
の報を受け、GBあるいはTCG『カードヒーロー』より、ジャレス(+α)召喚でした。

祝復活、カードヒーロー万歳!

321 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 22:23:58 ID:3fwoqQr/
grandma>>その通り!リンディさん程おっとりした母親はいません!
・・・・一人を除いて
微妙に二つ目の理由が強引でしたけど;

メイドのお嬢さん、余計な事口走るなよー

322 :MOZ―ザ・ミラクル・オブ・ザ・ゼロ:2007/10/10(水) 22:26:38 ID:fGsV3DGa
カードなバトルと聞いてはカードゲームを題材としてる人間としては嫉妬心。
そんな訳で久方ぶりすぎるほどですが、予約なくば三十分より投下します。

323 :Zero ed una bambola:2007/10/10(水) 22:27:41 ID:IlMNDcaY
>>322さんの後に投下予約したいです…

324 :MOZ―ザ・ミラクル・オブ・ザ・ゼロ第二十二話:2007/10/10(水) 22:31:13 ID:fGsV3DGa
アルビオンから撤退するレッドドラゴンの背に座る七人。
しかし、そこは重苦しい沈黙だけが支配する空間となっていた。
尤も、その沈黙は別の意味で切り替わる事となった。
アルビオン王国の誇ったニューカッスル城。
それが轟音と共に、ピンクの肉の塊のようなもので包まれ始めたからだ。

「……我がアルビオンは、貴族派より先に、魔王の手に落ちたというのか……」

ギシリと、ウェールズが歯を噛み締める。
歯が砕けそうなほど噛み締めたそれは、ニューカッスル城から次々と逃げ出す兵たちを見つめていた。
貴族派相手ならば、戦って死ぬのも良しとした王党派であったが
しかし、大魔王ファットバジャーが現れたとなれば、逃げ出すのも仕方あるまい。
元よりブリミルですら倒せず、封印にとどめた相手なのだ。
如何な勇将猛将といえど、逃げ出した事は決して恥ではない。
何より、この場においてならば、逃げて体勢を整える事の方がよほど大切なのだ。

「だが覚えているが良い、大魔王ファットバジャー!
白き国は決して闇の手には落ち等せぬぞ!
ワルド子爵の勇気に答えるために、私は生き延び、その城を取り戻す!」

ウェールズが涙をこらえながら、宣言をする。
最早亡国の皇太子となってしまった自分は、どこに身を寄せるべきか。
いや――もしや

「もしや、キラーとか言ったか。君は」

ウェールズが何かに気付いたかのようにキラーを見つめる。
ウェールズは一国の政治を担う立場である。
その際、関係の深いトリステインとも何度か連絡を取り合う。
かつて、ポロリとトリステインの枢機卿がこぼした言葉。
そして、ルイズやレクスと顔見知りの様子。
つまるところそれは、キラーがトリステインに縁あるものだと言う事。
では、そんな男が陥落寸前の王宮に現れる理由は――

「マザリーニ枢機卿よりの伝言を伝える。
『此度の陥落、貴族派に対する遺憾を感じると共に、お慰み申し上げる。
ついては、トリステイン王国はアルビオン王家に対し、援助を行うと共に、大魔王ファットバジャーを復活を目論む
悪魔崇拝軍団、貴族派に対し、宣戦布告を行うものとする。
その際のご協力をどうぞお願いしたい』」

325 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 22:31:34 ID:821s8KO2
支援だ!

326 :MOZ―ザ・ミラクル・オブ・ザ・ゼロ第二十二話:2007/10/10(水) 22:32:49 ID:fGsV3DGa
ウェールズが唖然とする。
他の五人についても、それは同様だ。
今、ここでキラーがこのような伝言を伝えるという事は、マザリーニは少なくとも三つの情報を掴んでいる事になる。
一つは、既に王党派は貴族派に陥落させられかけていたという事。
二つ目は、ファットバジャーが復活するという事。
そして三つ目は、貴族派がファットバジャーと何らかの繋がりを持っていたという事。

「だが、今現在枢機卿はトリステインには居ない。
ウェールズ皇太子、よければ俺と来てもらおう」

キラーが首だけで促す。
スカイドラゴンを召喚できるキラーの事だ。
移動する術はあるだろう。
しかし、今トリステインにいないとはどういった理由か。
ふ、と。
ウェールズが気付いたかのように顔をハッとする。

「まさか、枢機卿は我がアルビオンに……?」
「情報網は自分に近いところにあればあるほどいい。
まさかにアルビオンまで行った訳はないが、ラ・ロシェールまでは来ていた」

これにはルイズやキュルケが呆れるほど驚く結果になった。
仮にも一国を預かる枢機卿が、ラ・ロシェールなどという場所まで行くとは。
だがしかし、ウェールズはその二人に首を振り

「呆れているようだが、それは半分だけ間違っている。
確かに、迂闊に中枢から離れる事はどうしようもないが、こういったキラー君のような諜報活動を行えるものが居る場合
また、今回の……大魔王復活のような、一人の判断が全てを左右する場合、指示を出すものが近くに居る事は悪い事ではない」

つまり、枢機卿は今ならば政治の雑務を行うよりも、キラーに指示を出し、アルビオンの動向を知る事が第一だと行動したのだろう。
このあたりは、下っ端の貴族が口を出して良いことではない。
マザリーニがどのような仕事を行い、どの程度ならば処理できるのか。
ルイズもキュルケも知らぬ事なのだ。
まして、先王が無くなって以来、政治を一手に引き受けてきたマザリーニである。
その手腕や、処理速度は疑うべきではないだろう。

「枢機卿の手腕は、遠く白の国まで響いてきている」

同行しよう、と頷くウェールズ。
キラーはそれに満足すると、レクス達に向かい、別行動を取る、と告げた。

327 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 22:33:21 ID:lXvBFAuK
支援に貴賎無し!

328 :MOZ―ザ・ミラクル・オブ・ザ・ゼロ第二十二話:2007/10/10(水) 22:34:21 ID:fGsV3DGa
ではどうしようかと悩むルイズ達。
報告に向かわなければならないのは確かなのだが、こんな事を馬鹿正直に告げに行けば、大混乱が起こるのは必至だ。
出来ればアンリエッタやマザリーニだけに内密に伝えたい。
するとキラーが、学院で待つように指示を出した。
成る程、確かに、ルイズ達が直接王宮に赴くよりも、すべての事実を探ったキラーが伝えた方が正確だろう。
アンリエッタより直接依頼されたとはいえ、王宮から勅命という訳ではないのだ。
無闇に王宮に入るよりも、その方が正しい。
どうするべきか、とルイズ達が悩んでいると、キラーとウェールズが、ならば学院で待つように、と指示をだした。
アンリエッタやマザリーニにはこちらから話を通すし、その際の連絡も居場所がわかる方がいい、というのだ。
キュルケやタバサなど、外国からの留学生もいる以上、それがいいと全員が判断し、ここで別れる事になった。

「……レッドドラゴン」
『何だ、レクス』

レクスがレッドドラゴンに話しかける。
その大きな背中には、今はレクスを含めて五人。
しかし、レクス以外の四人が沈黙を保っていた。

「レッドドラゴンは、大魔王時代のファットバジャーと戦った事は……?」
『――良く聞くのだ、五人とも』

レッドドラゴンが不意に動きを止め、五人へと語りかけた。
その重低音の声が、自分たちをも対象にしているとわかり、顔を上げる四人。

『確かにあやつは、大魔王ファットバジャー。
シェルドラドを幾度も大混乱に陥れ、恐らくはこちらの世界でも同様の事をしていたのだろう。
しかし――そこで挫ける様では、まさしく大魔王の思う壺だ』

だがしかし、あのような恐ろしい敵に、くじけるなという方が無茶ではないか。
四人が暗い顔をしたままそう思っていると

『――今はまだ、仕方あるまい。
だが、勇者でなくとも、覚えておくと良い。
大魔王に対抗するのに必要なものは、たったの二つだけなのだ』

そう、力や知力ではない。
大魔王に必要なものは、二つだけ。

『愛と勇気。陳腐に聞こえるかも知れぬが、ファットバジャーに対抗するものは、その二つだけなのだ』

かつて、シェルドラドで大魔王ファットバジャーを倒した火の貝が用いたものは、愛の名を冠した剣と
そして、圧倒的なファットバジャーの力にも屈しなかった勇気。

『あのワルド子爵とやらは、その二つを持ち合わせていた。
ならば、それに答えるのが――生き残った、お主達の役目だ』

五人が黙り込む。
しかし、もう暗い顔にはならなかった。
レッドドラゴンも黙り、学院へと向かう。

329 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 22:35:43 ID:4mtQ3yLC
ミラクル支援!

330 :MOZ―ザ・ミラクル・オブ・ザ・ゼロ第二十二話:2007/10/10(水) 22:35:57 ID:fGsV3DGa
蠢く音がした。
質実剛健を誇ったニューカッスルの城に、数人の男が佇んでいる。
石造りの頑強な、しかし職人の力強さが見て取れた壁は無残にもひび割れ、そこから肉が脈打つのが見て取れる。
床にも壁にも天井にも縦横無尽に、まるで血管の如く張り巡らされたそれは、この城が最早人間の住処ではないという事を示していた。
ぐちゃり、ぐちゃりとそれらを踏みながら歩く男達。
城に住んでいたのだろうネズミの死骸が、肉に取り込まれ、骨だけになりつつあるのを一瞥すると、ニタリと嫌な笑いを浮かべる。
勇猛果敢で名を馳せたアルビオンの竜騎士部隊。
王党派の大多数の竜騎士は既に討ち死に、または寝返ったが、残された竜は数頭程度ではあるが、城につながれて居たのだ。
男達が目指していたのはそこであった。
扉を開ければ、肉に侵され、既に死に絶えた火竜や風竜達。
一人の男が大仰に腕を振り、その手に嵌められた指輪が光る。
――途端、死に絶えていた筈の竜達が次々と生き返っていく。
ここぞとばかりに鎧に身を固めた残りの男たちが竜に跨っていく。
恐らくは熟練の竜騎士なのか、死から甦ったばかりの竜達をすぐさま手なずけてしまう。
それを見て頷いた男は、男たちに宣言するかのように大きく腕をあげ

「時は来たれり!
始祖ブリミルの時代より連綿と続いてきた偽りの神話は今宵より崩れ去る!
始祖ブリミルが封印した大魔王ファットバジャーこそが、始祖ブリミルの遣わせた滅びのラッパなのだ!
既に偽りの王家は倒れた!
我らが始祖ブリミルの使い魔ファットバジャー様に、我らが始祖ブリミルに捧げる忠誠と同様の忠誠を!
今ここに! アルビオン王国は倒れ! 神聖アルビオン共和国設立を宣言する!」

慟哭。
男の言葉に、竜騎士と竜の轟音が響く。
更に呼応するように、城を揺るがすかの如き唸り声が響いた。

「ファットバジャー様も喜んでおられる!
余の名はオリヴァー・クロムウェル!
神聖アルビオン共和国の初代皇帝にして、ファットバジャー様の忠臣である!」

男が、歓喜に打ち震える声で、宣言を――終えた。

331 :MOZ―ザ・ミラクル・オブ・ザ・ゼロ:2007/10/10(水) 22:38:49 ID:fGsV3DGa
そんな訳で二十二話でした。
長い間ここより離れ、ようやく復帰……
そして今回より三巻分突入です。

332 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 22:39:25 ID:rwEep9P6
乙でしたーーー!

333 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 22:40:16 ID:ebMizAS+
おちゅー!
そしてアンジェカモーン

334 :Zero ed una bambola:2007/10/10(水) 22:42:20 ID:IlMNDcaY
>>331さん乙でした!

ちょっと時間空けて23時より投下したいけど後に投下しようとする人とかいないよね?

335 :Zero ed una bambola:2007/10/10(水) 23:01:06 ID:IlMNDcaY
ルイズはアンジェリカを抱きしめたまま眠りについていた。

「アンジェ…泣いているの?」

朝日が昇るほんの少し前に目を覚ましたルイズはアンジェリカが寝ながら涙を流しているのに気付く。ルイズはアンジェリカを自身の胸元にギュッと抱きしめる。

「ごめんねアンジェ。わたし、こんなことしか出来ないの」

ルイズはアンジェリカが目を覚ますまでずっと抱きしめ続けるのだった。


アンジェリカが目を覚まし以前のように水汲み場へ行ってもそこにシエスタの姿はない。

「ルイズさん。シエスタちゃんがいませんよ?」

きょろきょろと辺りを見回しながらルイズに尋ねる。

「そ、そうね。どうかしたのかしら?」

分かっていた事だった。シエスタがアンジェリカを避けていることなど……。

「時間が惜しいから早く洗濯済ますわよ」
「はいルイズさん」

あのモット伯の屋敷で何かがあった。シエスタがアンジェリカを避ける決定的な何かが……。

「ねぇアンジェ…」
「どうかしましたかルイズさん」

アンジェリカがルイズの瞳を覗き込む。

「やっぱりなんでもないわ」
「?」

やっぱり怖くて聞けない……。
しばらくの間二人は何もしゃべらずに黙々と洗濯を続けるのであった。



336 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 23:01:49 ID:ebMizAS+
支援!

337 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 23:02:13 ID:WIkkCpbH
支援っ

338 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 23:02:20 ID:ybvG40Gz
紫炎

339 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 23:03:01 ID:loAYJUn2
アンジェ…。支援

340 :Zero ed una bambola:2007/10/10(水) 23:03:23 ID:IlMNDcaY
ルイズは洗濯が終わり厨房へ向かおうとするアンジェリカを引き止める。

「今日から食堂で一緒に食べましょ」
「え?」

足を止めルイズの方へ振り返ったアンジェリカ。

「だから、一緒にご飯食べるって言ってるの!」

顔を赤くしてアンジェリカにぶっきら棒に言い渡した。アンジェリカはそんなルイズをみて笑顔を浮かべるのだった。

二人そろってテーブルに着いたが、ルイズは食事を取る前にある人物を指差しアンジェリカに問いかけた。

「あいつのこと覚えてる?」

そういってモンモランシーとギーシュを指差す。

「モンモランシーさんと…あと一人は何方ですか?」

首をかしげながら答えるアンジェリカ。

「じゃあ、あいつは?」

次いでキュルケとタバサを指差した。
アンジェリカはしばらくその方向を眺めながらも……力なく首を左右に振った。ルイズはそれをみて考え込む。
『アンジェはこのことを自覚しているのかしら…』

「ルイズさん…」
「何アンジェ?」

アンジェリカの呼び声にハッとして答える。アンジェリカはルイズの瞳をじっと見つめながら口を開いた。

「あの、私忘れてるんですか…大切な人を忘れてたりしていませんか?」

そういうアンジェリカの顔には不安がありありとでていた。

「大丈夫よ。ちょっと聞いてみただけよ。だから気にしないで」

少しでもその不安を和らげようと気休めの言葉をかける。
本当はもっと色々聞きたいのだがそれをしてしまえばアンジェリカを傷つけてしまうのではないか。そんな不安からこれ以上聞くことも出来なかった。

「さあ早く朝食を済ませましょう」

気が滅入ってしまう……この話題を打ち切り目の前の朝食に取り掛かるのであった。




341 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 23:03:38 ID:ybvG40Gz
紫炎

342 :Zero ed una bambola:2007/10/10(水) 23:05:53 ID:IlMNDcaY
Zero ed una bambola   ゼロと人形



何事もなく時間は過ぎていく。そして日が暮れ始めた頃、アンジェリカとルイズに向かってキュルケが声をかけた。

「ルイズ! まちなさいよ!」

キュルケの大きな声にピクッと反応するルイズ。それを最初は無視しようかとも思ったがさすがにそれは出来ない。しぶしぶその足を止める。

「何か用?」
「何か用じゃないわよ。アンジェちゃんが起きたんでしょ?何であたしに言ってくれないのよ」
「別にあんたには関係ないでしょ」

ぶっきら棒に答えるルイズ。だがキュルケはそんなルイズを無視してアンジェリカに話しかけた。

「はぁい。アンジェちゃん久しぶり〜。元気? あたしのこと覚えてるかな?」
「ちょっと、わたしを無視してるんじゃないわよ!」

騒がしい二人をよそにアンジェリカは静かに答える。

「ごめんなさい。覚えていないです。お名前教えていただけますか?」
「は?」




343 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 23:06:26 ID:AooTA8JN
支援


344 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 23:06:45 ID:TBw0bz4B
支援

345 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 23:07:46 ID:K48M2trf
支援

346 :Zero ed una bambola:2007/10/10(水) 23:08:48 ID:IlMNDcaY
アンジェリカの回答に声が出ないキュルケ。思わずルイズに詰め寄る。

「ヴァリエール笑えない冗談を吹き込むのはやめて貰えないかしら?」
「冗談じゃないのよ…」

ルイズは少し怒ったようなキュルケに向かってぼそりと呟くように答えた。

「あなた何言ってるの?」

ルイズは自分をからかっているのではないだろうか。キュルケはそう思いながら呆れたように言った。

「そうよ、冗談だったらいいのに…。アンジェリカが記憶を失うなんてわたしも信じたくないわ」

ルイズは俯きブツブツと呟く。

「アンジェだって自分の症状のこと自覚しているし……」

その声はだんだんと小さくなり次第に聞き取りにくくなっていく。

「ちょっとルイズ何言ってるの?」

ルイズは俯いたまま小さく声を上げるがよく聞き取れない。

「ああもう! ここじゃ何だから外にでも行って散歩しながら詳しく聞かせてもらうわよ」
「わかったわ」

ルイズも気分転換になるかもしれないと同意する。

「アンジェちゃんもそれでいい?」

キュルケは笑顔でアンジェリカに話しかけた。

「ルイズさんが行くのであれば私も行きます」

それにアンジェリカも笑みで返す。

「それとね、あたしの名前はキュルケよ。もう忘れたら嫌よ?」

優しい声で名前を再び教え、アンジェリカにウインクをする。

「はい、キュルケちゃん」



Episodio 21

Insegni un nome
名前を教えて


347 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 23:09:43 ID:ebMizAS+
乙!
もうバットエンドのにおひしかしにゃい。
だがそれがいい。

348 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 23:10:01 ID:ybvG40Gz
紫炎


349 :Zero ed una bambola:2007/10/10(水) 23:10:25 ID:IlMNDcaY
NGシーン


「ねえアンジェ。ちょっと聞くけど…」
「ルイズさんどうかしましたか?」
「あのデルフリンガーって剣はどうしたのかしら?」
「あっ……忘れてました…てへっ」

アンジェリカはごめんなさ〜いとおどけて答えるのであった。


一方その頃、デルフリンガーは一人(?)寂しく医務室でさめざめ泣いてたのだ。

「おでれーた…普通に存在を忘れられてたぜ」

ほんとーにゴメンナサイ orz



350 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 23:10:52 ID:rwEep9P6
投下乙!

351 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 23:11:52 ID:K48M2trf
乙じゅしたー

352 :Zero ed una bambola:2007/10/10(水) 23:12:43 ID:IlMNDcaY
投下完了!中々話が進まない・・・ともかく次回はフーケ出ます。ほんとだよ?


では次回予告

「今日でお前らは蛆虫卒業だ」
無事訓練を終えたモット伯……だが彼の乗った輸送機がベトナムへ向かう途中、輸送機が攻撃を受け砂漠へ不時着したのだ。
何とか助かったのはモット伯一人だった。途方にくれるモット伯の眼前に砂漠の中から巨大な戦車のようなマシーンが現れる。しかもそのマシーンはモット伯に狙いを定めているのだ。
全てを破壊尽くす戦車のようなマシーンは過去からやって来た殺戮者。モット伯は過去と未来の争闘の渦に巻き込まれていくのであった……。
次回、完璧なモット伯〜奴はそこにいる〜



353 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 23:13:46 ID:ebMizAS+
モットはいったいどこに向かっていくのだろうかwww

354 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 23:15:09 ID:xnZVxcc2
乙っしたー
戦車のようなマシーン……ハイペリオンのシュライクは違うだろうし、
だが、争闘の渦て
マジMOTTO伯SUGEEEEEEEEEEEEE!!

355 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 23:24:47 ID:z2kWa1Nq
完璧な涙?

356 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/10(水) 23:35:19 ID:EpXMe30x
このモットはそのうちマヘルシャラハシバズに乗って酒飲みそうだな

357 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 00:05:14 ID:n/otMFf7
GJ

兄弟スレでも活躍してるし時代はモット伯なのか

358 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 00:18:52 ID:CGAFUV4E
職人の皆さん乙。

技量云々というより、継続した投下には心の震え・・・もとい、
テンションの維持が不可欠なんだなぁ。前回の投下から遅遅として進まない・・・。



359 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 00:22:59 ID:Sja8V1uS
もっとシンプルに考えればいいのにどうしても難しく考えてまう
って話を書いてると良くあるよね

・・・弾薬の補充はどうすっかなぁ

360 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 00:28:30 ID:ycJQ50YO
話蒸し返すが、ハルケギニアの技術でもメンテ出来る巨大ロボ、
バァン召喚でタブル村にエスカフローネなら行けるんじゃね?
龍の心臓がハルケギニアのドラゴンでも行けるかどうかは不明だが、
なにか特別に強力な種類の竜ならば……

にげてー! シルフィードにげてー!

361 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 00:40:37 ID:m5QCAjpM
ライディーンとかなら行けるんじゃないかなぁ。
あれダメージとか勝手に直るし。

362 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 00:42:18 ID:gVfoH+P+
ソール11遊星主

363 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 00:43:54 ID:Z9Avduul
>>359
だよなあ…。と、現に銃器を使う奴を召喚しちまった俺が言ってみる。
取り敢えず戦力不足解消の為、先生とつるんで〇ト〇グ〇セ〇〇等、何かとヤバいブツををカンパン(調合)するのはケテーイ済なんだな、これが。

364 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 00:44:28 ID:V8TCVF8C
意外とメンテや修復を自分で出来るロボットは多い
問題はそいつらは強すぎて話のバランスがとりにくいことだ
レコンキスタとか2巻で壊滅しちゃうじゃん。オリ展開にするにも急展開過ぎますがな

365 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 00:44:31 ID:+oz1sX9w
>>361
超者ライディーンと申したか

ラーゼフォンも自己再生してなかったっけ?

366 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 00:46:08 ID:O5db3WAZ
なんでブレンパワードとかグランチャーとかバロンズゥが話題に上らないんだ……

367 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 00:46:30 ID:OyqWxN6s
ギガンティック・フィギュア……というかスサノヲ十式も一応自己メンテ可能かな。
最終話だと精神攻撃+他のロボの射撃兵器多数というデタラメっぷりだったが。

368 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 00:47:56 ID:sfw01+gZ
>>359
実弾兵器なら
余裕を持たせた弱装弾で良ければ比較的簡単に作れそう

>>364
ライバルを無能王その他に召喚してもらってバランスを取る必要が…


369 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 00:48:06 ID:hzYnQ4GC
ロボはサイズがでか過ぎて、ギーシュもワルドも相手にならない。
かといってロボに合う様に敵を強化したら、今度は味方側の人間が活躍できない。

370 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 00:48:36 ID:+oz1sX9w
>>366
ブレンパワードは何回か話題に上ってるべ。
かならずデッキブラシで磨いてあげましょうという一言が付いてくる。

371 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 00:50:07 ID:XI3T9agg
エヴァの人は無茶やってんだなぁとしみじみ

372 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 00:51:05 ID:m5QCAjpM
修理はともかく燃料のほうが問題だよな。
ガソリンですら必死こいてるのに光子力エネルギーとかゲッター線とか核融合炉どうせいっちゅうねん。

373 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 00:51:20 ID:sfw01+gZ
>>369
そこで鋼鉄ジーグから
サイボーグ宙

一見ただの頑丈な平民
(レースで事故って後続の車数台にはねられたり轢かれても無傷なぐらい)

変身後はどう見ても悪役な姿になるのが味噌

374 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 00:53:39 ID:0mJRBEXh
されば、とりあえずここで召喚されてるロボットを挙げてくれぬか。
ロボットなのか微妙な連中もいるし。

375 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 00:54:00 ID:lZKiG1Hz
>>372
ゲッター線は、ハルケギニアがゲッターの作中世界と同じ宇宙にある解釈でどうにかなるかな。

376 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 00:54:15 ID:ycJQ50YO
>>368
実弾兵器の場合薬莢が作れないと先生が言ってたから、
毎回薬莢拾って帰ってコンコン叩いて修理して作らなきゃだなw
硝石からニトロ→火薬は知識があればコルベール先生に頼めるか?
ケースレスまで進化してると逆に弾薬製造が難しいけど、
リボルバーなら薬莢回収も含めて比較的楽かもね。

377 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 00:54:17 ID:hdNkUx10
MSサイズ以上だと、相手になりそうなのがゴーレムか戦艦かヨツンヘイムくらいしかないからな。
あと、ルイズたちとの『人間関係』が築きづらい。
やるならパイロットごととかかな?所有物扱いなら持ち込めるだろ。

378 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 00:54:25 ID:ZWkyvYst
>>366
奴等は本格的な損傷は再生不可能だからか。

379 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 00:54:26 ID:+GISfdqa
ブレンはテファがいるから18禁になってしまう。 こう、In My Dream 的に。

380 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 00:55:46 ID:YSzGTuuE
>>373
シエスタの村にはビッグシューターとパーンサロイドがあるんだな

381 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 00:57:55 ID:bNWttL2R
サイズがでかすぎるとロボ連中の中で、ある程度何でもありなトランスフォーマーから召喚された奴がいるじゃあないか。
ほら、あの反逆癖のある奴。
それにしても大きさが変わっても納得できるのが初期トランスフォーマーの凄さだなあ。

382 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 00:58:08 ID:lZKiG1Hz
>>374
とりあえずアースガルズ

383 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 00:59:25 ID:KaJs4F1T
ロボットと言っていいのかどうかわからない上に何で動いてるのかサッパリだが
つ 偶神クスィ・アンバー

384 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 00:59:40 ID:sfw01+gZ
>>378
人間で言う所の普通に治る怪我ぐらいなら
自然に治るよ。

>>379
胸が薄くてもOPでは平等に…



385 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 01:00:57 ID:Z9Avduul
>>368
撃った後の空薬莢は、専用の工作機械さえあれば、調整して再利用が利くんだけど、
雷管と装薬の二つが問題なんだよな…。
あっちの世界は、黒色火薬しか無いからな。質や相性的に、現用銃で使うには不適当だ。
無理して使ったら、良くてジャム。悪けりゃ銃身寿命が縮んだり、撃発不良ないし動作不能。最悪暴発しかねんし。


386 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 01:01:03 ID:LDjfXqlf
個人的にメンテフリーのロボだと最初にガルディーンが出て来るんな
ある程度勝手に直って動き 漫談なんかもできる
古いしマイナーなんかな

387 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 01:01:05 ID:ZWkyvYst
>>380
ブリミル=マシンファーザーか?

>>384
それのどこが本格的なのかと。
腕がのいたら義手じゃねーか。

388 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 01:02:33 ID:+oz1sX9w
>>374
G1よりスタースクリーム&フレンジー(デルフリンガーを名乗ってるけど)
実写映画版TFよりブラックアウト&スコルポノックおよびジャズ
ガオガイガーより氷竜&炎竜
ぱっと思いつくのはこのあたり
Z.O.EアヌビスからAIDAもあるけど…あれロボって言っていいのか

389 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 01:03:18 ID:KaJs4F1T
>>385
>無理して使ったら
敵に銃を奪われて暴発、みたいな使い方ができるじゃないか

390 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 01:04:20 ID:0mJRBEXh
うーん、スパロボやってても判らん連中ばっかりだぜ

391 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 01:05:11 ID:+GISfdqa
エイトロンなんかいい気がするけど……ドラマが思いつかん。

392 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 01:09:45 ID:XI3T9agg
>>388
短編ならザク改・グフカスタム・SガンダムA、BパーツとALICE、
あと某大統領のアレにさっき書いたエヴァ

戦闘妖精、ターミネーターにユリア100式
銀英伝のヤンと一緒に来た船とか蜻蛉のリリーマルレーンは違うか

393 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 01:10:49 ID:sfw01+gZ
>>387
ぶっちゃけブレンは
そのまま地球に居ても
ハルケギニアに呼ばれても
バイストンウェルに迷い込んでも
出来る修理は同レベルで大差なし

と言ってみる。

394 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 01:12:07 ID:DM83OrgK
龍神丸も有った気がする。まー厳密にロボットじゃないけどな。
ドラもロボットだな

395 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 01:13:40 ID:ZWkyvYst
>>393
さてそれはどうだろう?

396 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 01:15:51 ID:CRGcKGNO
トランスフォーマー連中は自己完結能力が高すぎる気がするんだよなぁ。
ボディの損傷ならあっと言う間に修復しちまうし、
必要なら己の身一つで発電機から工業プラントまでこさえやがる。
そんで自力で恒星間航行可能。寿命は十万年単位。
ゼロ魔世界を滅茶苦茶に掻き回すのは易いが、一緒に物語を展開しよう
ってのには向いて無さそう。

397 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 01:16:57 ID:XI3T9agg
>>394
あー、あった!あとロックマンゼロにデモベも

398 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 01:24:17 ID:DhXiYxVj
ブレンって生体マシンで基本的に掃除以外のメンテっていらなかったような?

399 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 01:26:25 ID:Aa3xLlsX
ゼノギアスの緑の子はどうだろう
メンテいらずだし。 

400 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 01:29:41 ID:CiXAKf0O
原作に登場したブレンではなく、ハルケギニアに呼び出されたプレートが
リバイバルになるのでしょうか…それだとオリキャラ扱いなのでしょうか?

中盤くらいに致命傷なら、ハルケギニアで眠っていたプレートだとか何とかで
ネリーブレンの如く再リバイバルで修復&パワーアップとか

…それと、やはりルイズブレンって薄いピンク色になるんでしょうか?w

401 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 01:29:57 ID:+oz1sX9w
>ブレンパワード
オーガニックエナジーと呼ばれる、動植物の生体エネルギーで動く。
人間で筋肉に相当する部分は、多層積層の板ばねのようになっており、弾性力を蓄勢させて行動する。
バイタル・グロウブ(=オーガニックエナジーの流れ)に乗って、超高速移動「バイタル・ジャンプ」を行う事ができる。
移動する距離が長いほど、エネルギーの消費は大きくなる。
一見いわゆる「巨大ロボット」だが、多少の傷なら自然に治癒したり
(ただし、足や腕を失うなどの大怪我を負った場合は元には戻らず、義足や義手をつけて運用される)、
意思を持っていたりと生体のような特徴を持っている。
〜以上、wikiよりコピペ〜

掃除はメンテというよりは趣味嗜好の一種みたい。

402 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 01:30:39 ID:sfw01+gZ
>>398
オーガニックエナジーで周囲の動植物を元気にしつつエネルギーを分けてもらう
永久機関な生物。



403 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 01:33:22 ID:xrr1c7cd
>>363
装薬に使われてるのはニトログリセリンじゃなくて、ニトロセルロースな。
黒鉛でコーティングして静電気対策も忘れるな

404 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 01:33:54 ID:sfw01+gZ
>>400
ブレンに致命傷を与えられるような存在が
ゼロ魔世界に有るかと言うと…

オーガニック的なバリアとか
オーガニック的な瞬間移動も出来るし…


405 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 01:36:51 ID:hdNkUx10
しかしあれだな、何故かここのルイズは非生物に対しては妙に優しいよな。


406 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 01:39:02 ID:m5QCAjpM
大本から変えてメイジの杖にあたるのがブレンなりグランチャーで乗ってなきゃ魔法が使えないとか。


407 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 01:40:40 ID:DhXiYxVj
ツンデレる必要がないからな、物や動物が相手だと

408 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 01:42:10 ID:sfw01+gZ
>>406
そしてアルビオン大陸は始祖ブリミルの説得で
旅立つ事を止めてその辺を漂う事にした
巨大なオルファンさんとな?



409 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 01:43:18 ID:PPXS2Q/t
>>405
人間じゃなかったら使い魔っぽく見えるからじゃね

410 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 01:46:40 ID:Sja8V1uS
やっぱり技術レベルが劣ってるって物語を作るうえでかなりのネックになるねぇ・・・
そこをどうにかするのも腕だろうけど

411 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 01:51:13 ID:ycJQ50YO
>>410
むしろ技術レベルが合わずに困って工夫する主人公もクロスの醍醐味だと思うよ。
その意味でメンテナンスが出来ないからこそ燃える展開の戴天神城とか良いよねぇ。

412 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 01:51:42 ID:HoDe2ywt
何もいきなり出す必要も無いんだし
爆熱とか明らかに長い長い前振りがあってワクテカ待ち中

413 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 01:54:38 ID:WRUY4OFn
>>405
守られる側になると反発するけど、守る側になると母性本能に目覚めるよーな感じ?

414 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 01:56:20 ID:KaJs4F1T
ハルケギニアの文明レベルで十二分なメンテが出来るやつとかいないのかな
ただし方法がわからなくて戦いの度にボドボドに
そしてタルブ村にマニュアルやらパーツやらがゴロゴロと……みたいな

415 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 02:00:03 ID:hzYnQ4GC
結局、生身でも対抗できる程度の強さのロボットでないと、話のバランスが取れないんだよな。
戦闘ではロボだけが活躍して、キュルケもタバサも後方で観戦モードで構わないってのなら別だけど。

416 :ネオシャドームーン:2007/10/11(木) 02:00:23 ID:i5SbaZ9W
もしも「スターウォーズ」のダース・ベイダーがルイズに召喚されたらどうなるんでしょうね
それが気になります


417 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 02:09:15 ID:5XD2x/f0
ttp://www33.atwiki.jp/darthvader/

418 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 02:26:08 ID:hab1FkAF
つ合衆国大統領とメタルウルフ
弾薬?修理?
心配いりませんよ、なぜなら彼は「合衆国大統領」だから。

419 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 02:34:02 ID:uff2Yazm
俺様キャラが召喚されたらどうなるか気になる。
鋼のロイとか魔法に対抗出来るし、
ルイズとのやりとり想像すると萌えるな。

420 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 02:34:44 ID:HoDe2ywt
合衆国大統領は短編あった筈だ
読んでくるんだ

421 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 02:43:12 ID:Fcqs1rLs
マリみての瞳子を召喚して盾ローールッ!!






うん。いろいろとゴメン。

422 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 02:56:27 ID:YzfMyI1+
>>419
大佐は、コッパゲ先生とキャラが被りまくるのが…
いや、方向性は最終的に真逆なんだが
従軍してからが野望の見せ所か

でも、ハガレンの錬金術はギーシュ、フーケには相性良すぎだと思うんだ

423 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 03:04:39 ID:uff2Yazm
>>422 なるほどな。一緒に戦ったらおもしろそうだ。
いや、主人より偉そうとか
落ち着き払ってて強いとかに直目したルイズ見たいなと。しかも大分年上を召喚したらどうなんだろうとか。
これは腐っぽいがな。

424 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 03:15:13 ID:JD7e1aKH
深夜ですが、作品を投下します。
宜しいですか?

425 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 03:16:16 ID:HoDe2ywt
そうだな腐がどうとかの前にだな
まずはsageてだな

426 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 03:18:31 ID:KwrZezqQ
早朝支援!!

427 :GTA:LCS-0 第九回:2007/10/11(木) 03:18:34 ID:JD7e1aKH
――朝。俺はこいつら貴族よりも早く食事を済ませると、ルイズの汚れた洋服の洗濯をしてやる事にした。俺に色気のない下着と
言われた影響もあり、男の俺では理解できないが……と言うよりは穿きづらいだろうと率直に感じるフリルのショーツが数多く
出て来る。いやいやいやいや……逆に子供っぽいんだよ。まぁ、本人は本人なりに努力しているのだろうが。
「……しかし、目立っているな……」
洗濯が終わり授業に付き合うと、昨日のように後ろの席ではなく《意図的》に真ん中の席に座る。これは恐らく昨日の一連の騒動が
原因で、全員俺を見張っているのだろう。加えて教室を見渡してみると優男の姿はない。
「なぁルイズ、あの優男いねぇな」
「ギーシュ?……魔法で治療したけど、心が挫けて今日は休みよ」
ああ、なるほど。こいつらメイジだったな……だが、心の傷までは治せねぇか。

「今まで《属性》が一つも……あっ…!」
シュヴルーズの授業の最中《属性》の話になった時、ルイズを指差してモンモランシーが言おうとしたが寸前で口を閉じる。これは
キュルケから聞いた事なのだが、どいつもこいつも俺が恐ろしいらしい。ルイズに何か言うものなら殺されかねない、何をされるか
分からないという恐怖心から、一歩下がって様子を見ている。何だ、まるで俺は《腫れ物》じゃねぇか。まぁいいか、結構ルイズに
向けられる野次はきついからな。それ位の威圧があったほうが、こいつもやりやすくなるだろう。

428 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 03:18:55 ID:qHzfmLuU
支援

429 :GTA:LCS-0 第九回:2007/10/11(木) 03:20:22 ID:JD7e1aKH
「すまないなマルトー、今日も酒まで頂いちまってな」
「気にするな」
夜になりマルトーから結構豪勢な夕食を振舞われると少し庭を散歩して『隠れ家』に帰る。だが、今日はちょっとした異変に遭った。
帰り道に見覚えのある火の点いたトカゲが横たわっている。こりゃキュルケのヤツじゃねぇか。
「ん?……おいおい冗談はよせ……おおお!?」
俺を見かけるとすぐさま寄ってきて、トカゲが取らないであろうモモンガのような姿になって俺を包み込むように被さってきた。
突然の事に何も出来なかった俺は押し倒され、がぶっと噛み付かれてそのまま口に咥えられながら拉致された。
「バカお前何すんだ、咥えるなっ!」
何とも格好悪い姿で運ばれると、さも当然のようにこのトカゲは手を使ってドアを開けて俺を恐らくキュルケの部屋だろう薄暗い
……いや、相当暗い部屋に押し込み、絨毯の上で解放する。
「……生まれて初めて、動物のように運ばれたな……」
ある種の屈辱的な運ばれ方をされた俺は少々現状の把握に苦しむのだが、目の前にはネグリジェ姿のキュルケが月光を背に立っていた。
何か本気で嫌な予感はするものの、好意的に接するキュルケには恐怖心は感じない。しかしながら、16歳にしては色気があるものの、
俺からすれば幼く見えてしまい、どうにもこうにも対応に苦慮する。
「色っぽい格好だな」
「ふふふ……」
誉められたと思ったのだろうか初めて見るような微笑をみせる。そこには恍惚とした表情があるのは気のせいだろうか。

430 :GTA:LCS-0 第九回:2007/10/11(木) 03:22:46 ID:JD7e1aKH
「ようこそ私のスゥイートルームへ、トニー・シプリアーニ」
色目を使ってる?……マジか。
「そう言えばどちらが本名?トニー?アントニオ?」
「どちらも間違っていないが、トニーと呼んでくれたほうが嬉しい」
俺は多分変わらない表情でこう返した。恐らくこんな状況でも、多分俺はにやける事は無いだろう。
「分かったわトニー、いけない事だとは思っているけど、でも私の二つ名は『微熱』……たいまつみたいに燃え上がりやすいの」
目を潤ませながらこんな事をのたまう。お前本気で言ってるか?16歳のガキの台詞じゃねぇぜ……。キュルケは胸を寄せる仕草や
背を伸ばして色っぽく見せる仕草は最早恋愛馴れしていないガキが出来る芸当ではない。手馴れているな……。
「お分かりにならない?……恋しているのよ私、貴方に」
……正気か?今日日のガキはどこでこんな事を覚えてくるのだろうか不思議でならない。
「恋は全く突然ね」
待て、一歩間違えばそれは自分の股が緩いと言う事を意味しかねないぞ。やれやれ、キュルケの眼はマジだ。
「貴方がギーシュを倒した姿……格好良かったわぁ……あれを見て、『微熱のキュルケ』は『情熱のキュルケ』になってしまった……」
そう言って顔を近付けてきた刹那、目の前の窓から二日前に噴水の前でキュルケと一緒にいた老け顔のメイジが顔を覗かせる。
……こいつは……やれやれ。

431 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 03:22:47 ID:LzDYDe6n
支援

432 :GTA:LCS-0 第九回:2007/10/11(木) 03:25:05 ID:JD7e1aKH
今回はこれにて終了です。

『mission completed!』は、『GTA:LCS』の音楽を知っていれば
より楽しめると思います。

では失礼します。

433 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 04:25:05 ID:PGT4Lz3F
微熱は18歳じゃなかったか?

434 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 06:35:12 ID:zNS4hUM2
キュルケは17歳じゃなかった?あ、進級して18歳か。

FSSからファティマ召喚とか考えたが誰を召喚したら良いのか分からない。

435 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 07:10:35 ID:3v1wRlis
朝からお疲れ様です。

>>434
ヒュートラン辺りいんじゃね?

436 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 07:20:34 ID:Ds6dWuIu
ルイズが呼んだ使い魔がキョンだったら
っての少し書いたんだけど‥。
何せ初書きなんでどうしようかと。

437 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 07:20:47 ID:SZE4OPiM
>>434
パルスウェットあたりでいいんじゃね?

438 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 07:34:07 ID:++Xwmiww
>>436
まずはsageを覚えよう
出来ればROMって空気を読んでみるべきかもしれん
そしてもう一度自分の作品を読んで大丈夫だと思ったら投下しよう


>>434
パルテノがいい気がするな

439 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 07:45:49 ID:UFOtyfnf
完成度<sgae

440 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 07:49:03 ID:KFHGFlLB
ハルヒってところがまったく期待できないだろ・・・

441 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 07:49:04 ID:UC4vAvSk
sgaeじゃないsageだ
ついでに未確認飛行物体ハケーン

442 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 08:01:10 ID:7vJPgJGg
メンテ不要どころか修理まで勝手にやってくれて
対人インターフェイスでルイズとのコミュニケーションも完璧な
すてプリの竜機神はどうだろ?
人間には攻撃できないという深刻な問題を孕んでるがな

443 :436:2007/10/11(木) 08:14:24 ID:Ds6dWuIu
もし携帯から投下したらどうなるだろうか?

444 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 08:20:26 ID:JXQT9/LH
>>443
君はもう少しROMってからにした方がいい。
トラブル起こすだけのような気がする。

445 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 08:23:56 ID:19AgVyWV
そうだな、1年くらいROMってから投下してはどうだろうか?

446 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 08:24:34 ID:3v1wRlis
>>437
マリコルヌと一緒に【名前間違えられコンビ】結成しそうだなwww

447 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 08:25:05 ID:gVfoH+P+
地雷臭がプンプンするぜぇ

448 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 08:27:03 ID:Ds6dWuIu
>>444
そうですね。
このアンドロイド論議が終わって過疎った時にでも。また。

449 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 08:29:31 ID:cIX/VcF4
>>434
K.O.G.付きで行方不明になったラキシスとか

というか騎士の居ないファティマは人間に対して攻勢行動を取れないものが大半だぞ
かといって騎士は基本的に超帝国の血だからブリミルの設定を弄って貴族に騎士の血が流れてるようにしないとまずい
騎士無しで召喚するならバランシェファティマの中でもアトロポス、ラキシス、クローソーぐらいしか選択肢はないと思う
それ以外なら設定を弄るか騎士ごと召喚するかだな

450 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 08:30:09 ID:ij02+ift
>>448
タイミングの問題ではないと思うんだがw
本当に空気読めてないみたいだね。

451 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 09:25:36 ID:QJzJHblD
アンリエッタ陛下の使い魔がラザール・カルノーだったりナポリオーネ・ブォナパルレだったりしたら


452 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 09:38:16 ID:m1shsdZT
>>451
カルノーならトリステインの現状を見て革命は時期尚早と考えて、女王の補佐に専念しそう。
ブォナパルテは軍事的成功を最優先するだろう。

453 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 09:45:45 ID:mVwk6TVV
ロボット的部分もあり、この世界とルイズへの影響も大きそうで
何よりもゼロつながりの召喚者として「戦闘機人タイプゼロ−ギンガ」を思いついたが
元ネタへの知識に疎いゆえ作品には出来そうにない

ギン姉ェがガンダールフのルーン輝くドリルハンドでルイズを守りながら
違う世界に置いてきた妹達のようなトリスティンの生徒を成長させていく話とか

454 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 09:50:48 ID:bjJF5sB6
8マンいけるんじゃね?無印のほうじゃなくてインフィニティのほう
マシナリーは基本的に自己修復可能だし
ただ問題はその気になったら戦艦が木っ端にされるくらいのバランスブレイカーなとこか

455 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 10:55:40 ID:nefUDm/u
ゼロと柳田

爆発を数十回起こした後に破れかぶれでルイズは召還を行った
「宇宙の果ての何処かに居るわたしの僕よ! 神聖で、美しく、そして強力な使い魔よ! わたしは心より求め訴えるわ! わたしの導きに答えなさい!」
シュゴー
半径数メートルの球形がその空間に割り込むと何が起こるか皆さんご存知であろうか
まず、空間が割り込むのだから強力な重力波が発生する これは人体にはあまり影響は無いがなんだかとっても内臓が揺れて気持ちが悪くなる
そして空間が安定すると気圧差により突風が発生する
魔法学院の気圧と日本の気圧が完全に一致することはまずないのである
日本の気圧が高ければ、膨張してその区域の気温が下がる なんだか神秘めいているがついでに耳の鼓膜がツーんとするのである
日本の気圧が低ければ、周囲から風邪が吹き込み小規模な竜巻が起こるかもしれない

そして実際に起こったのは後者であり、柳田理科雄は竜巻に煽られて目を回してルイズとの初邂逅を果たしたのだ。

たまたまT大のリニアコライダーを見学していた柳田理科雄は
長超光速で衝突する電子と陽電子の実験に立ち会っていたわけだが
これは秒間何十万個という衝突であるわけで、その衝突後の
宇宙論的微視時間において宇宙創成期の条件を満たす空間が発生したとしても
不思議ではないのである

そこにルイズ宇宙から空間の干渉が起こり、柳田を中心とした空間をルイズ宇宙に移動せしめたのだろう

456 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 11:00:09 ID:3v1wRlis
>>449
ハルゲキニアとFSSの世界では法則が違うが故に騎士の血はメイジの力として発現するとか?

457 :455 ◆jvBtlIEUc6 :2007/10/11(木) 11:05:17 ID:nefUDm/u
「むむむ、私はいったい」

柳田が意識を取り戻すと、中世風の建物の中に居るのに気がついた
「・・・いったいここはどこだろうか」
寝ている間に契約を済まされ、ルイズの部屋まで拉致された柳田であったが
学院側が使い魔としておじさんはどうだろうかと物議をかもしだしたので
当人である柳田は軟禁状態に置かれているのである。

柳田が時計を見ようと腕時計を見ると、いつのまにか刺青のような物が入れられているのに気がついた。
(なにか大変な事が起こっているに違いない)
取りあえず、ドアを開けて辺りの様子を伺いこっそり逃げ出す柳田であったが
彼は学園好色1代男であるギーシュに見つかったのである

「そこに居るのはルイズの使い魔か、挨拶くらいしたらどうだい」
「使い魔?取りあえず、こんにちは」
鼻をならして、不快げな表情を作り、ワルキューレを使う練習を再開するのギーシュ
もちろん狭い場所でワルキューレを出すと動かしづらいので、学校のグランドで練習しているのである。
ギーシュは一見さえないおっさんが実は魔法使いの天敵であるとは気がつかず
”うっかり”そう、うっかり彼の前でワルキューレを出してしまったのが彼の魔法使いとしての
オワリであった。

「錬金!」
ギーシュがバラの花を振ると花びらからワルキューレがいつものように作り出される。
そして多少ぎこちなく縦隊を作り整然と歩く青銅人形達。

それをじっと見つめて何やら考え込んでいる柳田

458 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 11:08:16 ID:nhH9thy8
猫柳田理科雄か支援
いやいや猫違う猫違う

459 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 11:08:31 ID:OaINUY4b
猫柳田愛吉かと思った。

460 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 11:09:01 ID:ij02+ift
んじゃあ、ジョゼフは山本弘を召喚してそうだなw

461 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 11:09:58 ID:H7FPaKtr
これも実在の人物召喚に入るんだろうか

462 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 11:10:37 ID:cIX/VcF4
>>456
それよりはハイブレンの血も色濃く入っていて
ハイブレンで自分の騎士の血の部分が無意識下で完全制御下に置かれてるため表には出ないとかどうよ?

463 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 11:10:52 ID:7L2d7fS3
書きながら投下してるっぽいな〜
投下宣言もないし

464 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 11:12:54 ID:1XclYC5q
投下宣言なしじゃ荒らしと変わらんがな。

465 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 11:26:35 ID:uH+XU5lm
つうか他作品からのキャラなら猫柳田が正解じゃね?

466 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 11:30:18 ID:bX+WS7eI
根本的な問題として相手が寝てる間に召喚出来るなら2回目の召喚の時にサイトが呼ばれている訳で

467 :455 ◆jvBtlIEUc6 :2007/10/11(木) 11:33:24 ID:nefUDm/u
ゼロと柳田

「ちょっと、君、いったいその人形はどうやって動かしているのか教えてくれないか?」
生来好奇心の強い柳田
「なんだ、魔法も見たことも無いような田舎ものなのか・・・。これは魔法で動かしているのさ、わかったらさっさと部屋に戻るがいい」
「魔法?ちょっと待ってくれ、青銅人形が人間と同じ体積であると見積もって、比重が確か8.70 単純計算して、50g*8.7 435kg!
間接部分に掛かる力を考えたらとてもじゃないが歩けるわけがない!」

ワルキューレが突然止まり足の関節が体重を支えられずにゆがんでいく
「え、ちょ、わ、ワルキューレ!」

「そもそもその青銅はどこから作っているのか、よく考えて欲しい、まさかこの辺りの地面には銅が多く含まれているというのかい」

地面から大きなモグラが顔を出し、痙攣を起こしている

「銅は生物にとっては毒であり、銅で汚染された土で育つ生き物は全て汚染されている、さらにそのもぐらのようにミミズを大量に食べているのならば」
「ちょ、ベルダン、デ」
「銅による毒で普通は死んでしまう」

「うわぁ、こ、これは、夢だ、夢なんだ、あわわわわ」

もはやギーシュはワルキューレを動かす事も出来ず、使い魔であるベルダンデも
瀕死である。

「計7体、3.045トンを一メートル動かすのに必要なジュールは
 3045kg*1m≒3045J」
「さらに言わせてもらえれば、どうやって土中の銅やら錫やら亜鉛を抽出し青銅に作り変えているのか」

ギーシュは倒れてしまった

柳田は地面に計算式を書いて、なんとか答えを得ようとしているが
何回計算しても現象を否定する答えしか出てこないので
部屋に戻る事にした。

468 :466:2007/10/11(木) 11:36:19 ID:bX+WS7eI
ゴメン、読み間違えてた。
>>466は無かった事にしてくれ。

469 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 11:37:10 ID:8dKqey80
ある意味で『幻想殺し』な使い魔だなw


470 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 11:38:16 ID:mMUg/kfH
>>455
なぁ、一旦投下中止して、メモ帳にまとめて後でまとめてお願いできないか?


471 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 11:40:49 ID:kdeKBPct
猫柳田好きなんで応援はするぞ

472 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 11:41:29 ID:H7FPaKtr
>455
俺も>470と同じ考え
そうしてくれないかな

473 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 11:43:00 ID:xeqU7vFR
空想化学読本の理科雄先生か?


474 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 11:44:54 ID:1XclYC5q
まとめてほしいのもあるけどさ。
テンプレぐらい読めよ。

475 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 12:50:37 ID:BBOsIonO
同じキャラが複数作で使われた事って無いよね?

クロスさせたいキャラがいて実際書いてみるんだけど
文才が虚無の俺がそのキャラを消費しちゃったら
後でもっと上手い人が書いてくれるチャンスを潰して
しまうと思ってなかなか投下できない


476 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 12:51:25 ID:MH/4IQSp
>>475
あるぞ。ハヤテとかオーフェンとかキースとか

477 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 12:53:28 ID:pbahjT42
>>475
まとめの長編(五十音順)を眺めれば、多分ちょっとした勇気をもらえると思う


478 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 12:55:06 ID:mMUg/kfH
>>475
大丈夫、後に上手い奴が出てきたら『俺』が悶え苦しむだけだから。
それもまた一興

479 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 12:57:37 ID:Ds6dWuIu
乱馬なんか面白いんじゃない?



480 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 12:57:40 ID:yLUiEYaK
>>478
あれ、俺いつ書き込んだっけ?

それはともかく475氏のを楽しみにしてみます。頑張ってください。

481 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 13:00:30 ID:pDAAXPZe
ティファニアが伊達直人(タイガーマスク)を召喚。
孤児院の子供達のために戦う(何と?)タイガーマスク。


いろいろあって2代目タイガーマスク誕生!
ティファニアorマチルダがマスクを被る。


ルイズが召喚したサ○○からこう言われる。
「マスク越しに表情を出せ!」


482 :475:2007/10/11(木) 13:18:14 ID:BBOsIonO
なるほど
書けたら推敲して推敲してもいっぺん全巻読んで推敲したらまた来ます

483 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 14:02:41 ID:fj/GApCJ
トレーズ閣下のスレにガトー少佐召喚SSが来てた。
ジオン軍人の誇りに魂が震えた。

484 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 14:15:17 ID:IVYK6z5c
>>482
またおこしやす

485 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 14:24:35 ID:Z9Avduul
別板じゃ才人以下、女性陣含めたレギュラー陣全員が、持ち込まれた始祖の遺産の暴発で、現代日本に強制転移。
しかも混乱が収まらん内に、何故かこちらへと転移してたヨルムンガントとその使い手に遭遇。
交戦に入る所で、不運にも巻き込まれた(かに見える)サラリーマンが登場。しかし…、
その実力と正体は……! な、文が投下されてたぜ。

486 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 14:30:16 ID:NG76joN0
通りすがりのサラリーマンと仰るか

487 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 14:40:45 ID:O5db3WAZ
サラリーマンてニンジャの上級職だろ?
たかだかファンタジー巨大ロボとの戦いに巻き込まれても見切りとビームサーベルで楽勝じゃんよ。

488 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 14:49:19 ID:mVwk6TVV
忍者カムイの召喚ってのはちょっと考えたことがある
外伝や第二部の逃亡中のカムイの一幕ってことで

ルイズ「あんたなんて平民よ!分をわきまえなさい!」
カムイ「非人のおいらを平民として扱ってくれるなんて、なんて優しいんだ・・・」

489 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 15:03:38 ID:AFPV26FU
ちょっと笑ったけど考えてみると哀しくて重い展開だよな・・・

490 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 15:03:56 ID:uHyE4FYB
平民なんて言葉がないのに普通に通じるのがおかしいなw

491 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 15:19:15 ID:sfw01+gZ
>>488
ガチな封建社会から来るとルイズの仕打ちが
良い人になりかねないから困る…

492 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 15:25:45 ID:QRur3vdz
読みたいけど読みたくないな…

493 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 15:31:34 ID:KFHGFlLB
>>485
詳しく
っていうか板名だけでもいいから教えてください

494 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 15:36:02 ID:/dSlTzRH
ガチな封建社会の平民だとルイズの方がヤバいは
か弱い民衆なんて物語にしか存在しないからな
隙を見せて被支配民にくびり殺されて財産奪われた領主なんて数え切れないし

495 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 15:40:30 ID:KFHGFlLB
マジレスするなら何千年も貴族>平民っていう体制が続いてるってことは相当根が深いんだと自分では解釈してる
まぁ都合の良い解釈なんですけどね

496 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 15:50:03 ID:KFHGFlLB
>>485
自力で見つけましたwサーセンwww

497 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 16:01:59 ID:bjJF5sB6
ふとガンダールヴ:岩鬼将造
ヴィンダールヴ:久留間慎一
ミョズニトニルン:神隼人
はばかられる:ゲッター
という電波が

498 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 16:03:23 ID:ZxVr8FNm
非人とかそういう扱い受けてきた人は平民は貴族に使える人間だと説明されたら
人として扱ってくれることに感動するよな
寝るところもあるし少ないとはいえ飯もくれるんだぜ

499 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 16:47:33 ID:YnKeDKLi
しかしカムイは自由を求めて抜けた罠

500 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 16:50:55 ID:sfw01+gZ
>>497
ギーシュは岩鬼の舎弟1号になるのか?

皆目玉グルグルになるのか?



501 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 17:04:06 ID:+JkKyNyr
>>497
とりあえず、マシンガンとかガトリング砲の弾を作れるぐらいにハルケギニアの技術を進歩させる必要があるな。

502 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 17:15:38 ID:19AgVyWV
柳田って計算間違いしかしてないし、人体の生理現象や一般常識すら全く把握してないから
あんなのに突っ込まれたところでゼロ魔キャラは余裕ですよ

503 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 17:21:15 ID:oXE1bXAq
>>485
ごめん、さっぱり分からない。
ヒント下さい。

504 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 17:23:33 ID:Y5qlO4Q2
>>502
柳田理論は真面目に読むもんじゃなくて
ギャグの一種として読めばかなりおもしろいもんだと思うけどな

505 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 17:26:37 ID:H7FPaKtr
>504
それをギャグとして笑えない人もいるのだ。
ちょっとばかし野暮だがそれは理解しとこう。

506 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 17:27:13 ID:xk3Pd85U
>502
設定をよく読んでなかったり、改ざんして
出来ない、無理を前提に描かれてるのが残念だけど
アニメや漫画を科学的に検証する路線を大きく広めた人ではあるよね

猫柳田は雰囲気が違って好き

507 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 17:35:05 ID:Y5qlO4Q2
エヴァのヤシマ作戦だっけ?を検証してたときに
使徒を敵ロボットって書いてたのはさすがに呆れたけどな
改訂されたときは「敵」だけになってたけど
確か使徒ってロボットじゃないよな?俺もエヴァ知らんから詳しく言えないが

508 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 17:35:09 ID:mVwk6TVV
強力な武器や特殊スキル持ちとは毛色の違う柳田召喚は楽しみにしている
知恵者の召喚ならスレのネタでBTとかマクガイバーがあったけど
他に誰か召喚するなら、森博嗣キャラを召喚するか、京極堂を呼んで妖怪話で埋め尽くすか

509 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 17:37:15 ID:lrbfrySj
ここに定期的に湧いて無能ぶりをさらしてるゼロ魔叩き厨みたいな連中には人気なんじゃね?>柳田

510 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 17:37:54 ID:TONmwHUB
柳田の場合肯定方向じゃなくて否定方向にしか理論使わない上理論が大間違いなんで、芸としてもおもんないのよね。
仮に、あり得ないとは思うがマジでやってるとしたらかなり可哀想な人のレベルだし。

召喚したはいいけど、話に関われず役に立たずってな流れになっちまいそうなんだがどうなんだろう。

511 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 17:39:51 ID:OaINUY4b
Dr.猫柳田ならハルケギニアでもクリのイガを研究し続けるのだろうか。

512 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 17:42:04 ID:NSor7XzX
>>502
計算間違い云々以前に、ハルケギニアの人間には物理学や化学の概念すら無いんだがな
言ってることの欠片も理解できんだろ

513 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 17:44:29 ID:CLeNCjPp
アニメやら特撮やらの科学がどうしたとかで語ってる本なら
「凄い科学で守ります」がお勧めだな。

正しい妄想力とはどういうものか教えてくれるw

514 :名無しさん@お腹いっぱい:2007/10/11(木) 17:45:50 ID:Mag+t+FV
>>485

すいません私はどうしても見つけられません(TT)。

515 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 17:46:48 ID:CnZW/jFr
>>503
ヒント:ルイズの髪の色&メル欄

>>505
俺の友人は、趣味で書いてた小説のヒロインに
「身長57mで体重550tの人型ロボットは、実は張りぼて」
と言わせたが、表に出す前に柳田が出たんで、このネタは封印せざるを得なくなった
とぼやいてた。

ちなみに、オチは、
「ああ。だから巨体が(反響で)うなって、(殆ど風船だから)空飛ぶんだ」

>>507
光子力エネルギーは、太陽光発電じゃねぇぞ!!
も追加。

516 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 17:48:08 ID:xZQu4E/o
どうせDrを呼ぶなら岸和田の方がいいなー

517 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 17:56:51 ID:voYaIe3h
Drならセンベエ博士を

518 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 18:01:00 ID:KFHGFlLB
DrウェストだろJK

519 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 18:02:08 ID:ZxVr8FNm
Drと見るとどうしてもライトかワイリーを想像してしまう
まあ、召喚するには難易度が高すぎるが…

520 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 18:08:33 ID:CLeNCjPp
完全な無から宇宙最強最悪と言われたフリーザより強いスーパーサイヤ人より強い17号より強い16号を作れたドクターゲロの出番だ!!

マジで天才過ぎるよな、この人はw

521 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 18:11:10 ID:OM9Pga/9
Drメフィスト……いや言ってみただけだ
女嫌いだから契約拒むだろうなぁ

522 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 18:12:13 ID:46BExr1M
Drでなくドクトルクリフ呼んでガチ正論でいろいろ(なぜか変換ry)ぶち壊しにして欲しい。
ドクトルは人をカチンとさせることに関して天才だと思う。

523 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 18:14:45 ID:wXKxeB2G
ドクター・ジャッカルさんなら……
駄目だ。召喚と同時に生徒を皆殺しにする光景しか想像できない

524 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 18:16:13 ID:M0zXQ7WB
ドクター・ノオ

525 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 18:16:41 ID:T9AbJFox
いやいやここは魔法研究者の第一人者であり、弱った魚を摂取し続けると衰弱死するDrシドをですね

526 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 18:16:48 ID:F7dQYBjk
ドクトルというとマンボウとG(ゲーだっけ?)しか思いつかない

527 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 18:27:13 ID:ywkpQIuS
>>522
ガナドゥールとストレーガ作ったDの人だろうか。

528 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 18:28:08 ID:CnZW/jFr
ドクター・カウフマンだったら……

ルイズが無痛症の始末屋になる
「灰は灰に……塵は塵に……土は土に……」

529 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 18:35:54 ID:j0YO7WRZ
なら、ドリトル先生は? 紋章一つ被るけど。

530 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 18:38:58 ID:3XD3RDc0
ドクター……モローとか……賽の目繁盛記の続き読みたい……

531 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 18:39:25 ID:cLYcerQZ
……Drモヒカン。

あの人少女趣味だし、カトレアさん治していつのまにか恋人同士になって、
森の中、花畑に囲まれた白壁赤屋根の水車の付いた家動物に囲まれて二人末永く幸せに暮らしてしまったりして転々。

なんか頭の中で想像したら、異常に似合ってて笑った。


532 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 18:41:32 ID:H7FPaKtr
>531
悪夢のような幸せな光景だな

533 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 18:42:07 ID:3XD3RDc0
ドクターK。
大リーグのピッチャーだっけ?よく知らない。

534 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 18:43:38 ID:T9AbJFox
Drヒルルクとか

535 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 18:46:19 ID:/zaclfLn
曲芸ツインテール石馬戒厳フォーシーズンズとか

536 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 18:48:20 ID:19AgVyWV
そろそろ雑談スレに行こう

537 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 18:48:50 ID:s0eSEzpg
召喚されたのがちょこ。人造妹キャラだから何でも素直に言う事を聞くが
戦争の際には当然何の役にも立たず、死にに行くルイズを泣いて見送るだけ。

538 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 18:51:56 ID:2FzjWmwL
>>534
カトレアもタバサママンも医療過誤で死にそうだな

>>536
一応スレの主旨にあった内容だろ。ここはSS専用スレじゃあない。
投下中とかならともかく、投下宣言も無い無風状態でまで見当違いの自治しようとするな。

539 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 18:52:14 ID:bjJF5sB6
>>521
カトレアさんは大丈夫なはず。患者になれば
あとメフィストは女嫌いだが一応貧乳派だったはずだから
億に一つくらいの可能性は……ないな

540 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 18:56:32 ID:CnZW/jFr
>>535
ルイズが平行世界のルイズを召喚したら。

「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・マリポーサ!」
「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・ソルジャー!」
「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・ゼブラ!」
「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・ビッグボディ!」
「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・スーパーフェニックス!」

更に――

「インドア派令嬢、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!」
「人型ホムンクルス、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!」
「炎髪灼眼の討ち手、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!」
「かぶき町の女王、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールアルヨ」
「大江戸ロケット、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!」
「ザールブルグの錬金術士、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!」
「オンカミヤムカイ第二皇女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!」
「魔王の友達、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!」
「ヴォル君の恋人、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールなのヨ」

ルイズ!
ルイズ!!
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!!!

ルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズ
ルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズ
ルイズルイズルイズルイズルイズルイズルイズそしてルイズ!!!!

こうですか(ry

541 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 19:01:43 ID:xeqU7vFR
え〜と>>540、それはルイズたちで「THE ONE」をするのかい?


542 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 19:02:40 ID:8dKqey80
>「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・ビッグボディ!」
大将戦がかなりヤバイw
俺は次鋒でいい。


543 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 19:02:46 ID:RgtJPrCk
>>540
上の連中はヴァリエール家爵位争奪戦をやるのか
スパークとインフェルノとアベンジャー使って

544 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 19:03:32 ID:x6VwDWOV
博士なら最凶最悪の岸和田博士をしょうかんだ


545 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 19:03:45 ID:KJY2Ny7R
ちょうど考えてた
ユーロウ(ザ・ワン)を召喚
125の平行宇宙にいる自分を倒すたび、力を得る事ができると語るユーロウ。
使い魔にそそのかされ、全ての自分自身を倒し神にも等しい存在にならんとするルイズ。
他SS作品に侵攻しルイズ狩りを始めるのだった。

そしてバビルイズに追い払われ、江頭ルイズに同情し、ガンパレルイズに憧れて
結局何もできないまま帰ってくるヘタレルイズなのでした まる

546 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 19:03:54 ID:bkPEB9Ft
そして最後に勝ち残ったルイズが「ルイズ・ザ・ルイズ」を名乗れるのか

547 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 19:03:56 ID:bjJF5sB6
>>528
見逃してたがちょっとまて、ゼロが無痛症になったのはカウフマンのせいじゃない
>>542
「やめてくれー!あたしはただ虚無の力にそそのかされただけなんだー!!」
「いけないなあ虚無のことを悪く言っちゃあ」
こうで(ry

548 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 19:05:25 ID:TM8LmTXA
博士ってんならゴードンさんに(バールのようなもので殴られた

549 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 19:08:43 ID:s0eSEzpg
メルヘヴンのベル召喚。釘宮つながりで。

550 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 19:09:54 ID:/zaclfLn
>>540
テラ永遠に魔を断つルイズの大軍勢wwww

551 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 19:09:55 ID:TE44UqD6
>>547
盛大に吹いたw
誰かゆでキャラ召喚してくんねーかな…

552 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 19:11:03 ID:WXFdVq5w
のだめガンダールヴ

脳裏を過ぎったけど既出だろうなぁ

553 :540:2007/10/11(木) 19:11:10 ID:CnZW/jFr
>>541
元ネタに倣って、エクスプロージョン零零零式(アイン・ソフ・オウル)

…………ハルケギニアオワタ



554 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 19:17:19 ID:/zaclfLn
>>541
元ネタはニトロロワイヤルの石馬戒厳エンド参照

555 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 19:22:17 ID:7SFeuzJU
>>549 じゃ便乗して、ハガレンのアルフォンス召喚とかw

556 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 19:25:27 ID:8dKqey80
>>552
いいねソレ!
語呂がいいし、書いてみないかい?

>>555
ハガレンなら専用スレがあるよ
まとめにリンクもあるし行ってみなよ

557 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 19:26:23 ID:s0eSEzpg
一方、その頃サイトは・・・
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/asaloon/1192010469/

558 :540:2007/10/11(木) 19:27:36 ID:CnZW/jFr
>>549
爆発繋がりで、『りぜるまいん』のりぜるはダメですか?

559 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 19:30:04 ID:Ds6dWuIu
話しがよく分かんないんだがここ見てるのは何歳が多いんだ?

560 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 19:38:42 ID:+GISfdqa
>>556
いじめかっこわるいw

561 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 19:39:21 ID:gVfoH+P+
下は10歳、上は50歳くらいじゃないか?

562 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 19:53:18 ID:s0eSEzpg
>>560
??いじめに見えぬが・・・・

563 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 19:55:59 ID:61Epd/+S
声つながりならティオ召喚で
心の力が弱くてレベルの低い魔法しか使えないとか?

564 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 19:57:40 ID:jTx1nHUm
>>449
これで我慢せい
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1073403

565 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 19:59:40 ID:7SFeuzJU
>>556 行ってきたよ。結構面白いものがあったし、よかった。d。

566 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 20:05:43 ID:ceZukJ9g
声繋がりなら、サイトの中の人を……って悠二ぐらいか?
しかも零時迷子あんまり意味なさそうだしなぁ

567 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 20:07:40 ID:61Epd/+S
ttp://www.uploda.net/cgi/uploader4/index.php?file_id=0000020789.jpg
声つながり、知らないキャラがいるorz

568 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 20:14:16 ID:Ds6dWuIu
ここはいったい何を議論してるんだ

569 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 20:17:40 ID:CnZW/jFr
上段左から

アリサ カミュ ヴィクトリア ティオ

イクト ナギ 神楽

シャナ ルイズ

? アルフォンス りんご

か?

570 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 20:19:36 ID:UBC57ssl
>>566
声つながりならマリアさんやヴィルヘルミナだな

571 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 20:33:07 ID:KaJs4F1T
関係ないが特撮によく出る戦闘員の類はどうだろうか
普通の人間よりは強いし(ショッカー戦闘員で人間の十倍とかどっかでみた)沢山いるから呼ばれても元の世界の方でもさほど困らないし
時々特殊技能持ってる奴いるし(ショッカー戦闘員は穴ほりや変装が出来ます。ある戦隊ものの戦闘員は組体操で巨大ロボと渡り合いました。)
なにより普通に命令に従うし。

572 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 20:37:26 ID:sfw01+gZ
>>571
ショッカー戦闘員はちびっ子に絞殺されたり
数人いてもバイク屋の親父に突き飛ばされるし
プロレスラー相手だと蹴散らされるからなあ…



573 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 20:37:46 ID:hdNkUx10
声ネタやるなら終わりのクロニクルの新庄くん。
新庄ボイスで罵られて悶えつつ録音する佐山とか書こうとしてたけど、川上節は難しい。

574 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 20:40:22 ID:d/sCxang
>>573
あの独特のカンバセーションはすごいよなぁ
完結した今でもたまにおわクロ読みたくなる

575 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 20:47:44 ID:lKEM6yuw
>>571
普通に一般人に戦闘員が撃退されたジャマンガと言う組織がありまして・・・
戦闘員の強みは物量だと思うんだ

576 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 20:49:54 ID:O5db3WAZ
終わクロは縦に積むとバベルを建造できたなぁ

577 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 20:50:05 ID:KaJs4F1T
終わりのクロニクルつったら七巻で完結してると言われ手頃な薄い文庫本七冊を想像してた俺の予想を棒高跳びしたあの鈍器か

578 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 20:51:29 ID:+GISfdqa
>>562
ご自分の目でお確かめくださいw
ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1181052298/

579 :つかわれるもの:2007/10/11(木) 20:52:45 ID:w/ZhUC90
さてさて、歩道も広いみたいなんで55分頃にトウカ行きますー

580 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 20:54:44 ID:SD3eVtSE
支援

581 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 20:54:50 ID:hab1FkAF
実際は一つの話に付き二つを除き上下巻。例外の二つの内一つもも上中下。
しかも一冊目から300Pオーバーで最終巻は一冊だけど脅威の千ページ越え。

流石に最終巻店頭で見たときは噴出したwwwww

582 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 20:55:06 ID:+JkKyNyr
支援

583 :つかわれるもの:2007/10/11(木) 20:55:12 ID:w/ZhUC90
 
第05話 見つめられるもの



ルイズの暴力が止んだきっかけは、シエスタの発した「ミス・ヴァリエール、そろそろ朝食の御時間ですよ?」という言葉だった。
若干夢中になっていたルイズは我に返り、少々焦りながらトウカとシエスタを交互に見つめると、

「シエスタだったっけ?食堂で食べさせる訳にもいかないから、この二人に厨房で食べさせてあげて!頼んだわよ!」

などと言い残して、アルヴィーズの食堂へと駆け出して行った。
その暴力を受けていたトウカはどうなっていたのか、と言えば、考え事をしていた事と少なからず油断していた事によって、初撃をまともに喰らってしまっていた。
その後マウントポジションを取られ、回避に専念したとは言え数発の拳を身体に受け、寝起きに思い切り動いた事と相まって、たいへんにお疲れ気味であった。
そして力で振り解けばすぐ逃げられましたのに、とカルラに囁かれ、その発想は無かったと少々落ち込んだりしていたりもするのである。
まぁいくら落ち込んでいても腹は減る、と言う事でシエスタに連れられて厨房へと向かうトウカとカルラ。
その途中、どこか腑に落ちないように首を傾げているカルラの様子に気付いたトウカが、小さく声を掛けた。

「どうした?カルラ。何か考え事でもあるのか?」
「あ……いえ、シエスタの事なんですけど、何処かで見たような気がしますの……気のせいかしら?」
「いや、某も何処かで見たことがある気がするのだが……どうもな」

どこかに違和感、というか既視感を感じつつも、取り敢えず余計な事は意識から掻き消す。
そして不意にシエスタが立ち止まったそこが、目的地である厨房の前であった。
トウカが取り敢えず中に入ろうと覗いた厨房は、活気に溢れるとかを軽く超越し、戦場と言って良いほどの喧騒を醸し出していた。
数多の戦場を駆けてきたトウカとはいえど、これは流石に専門外。唖然として立ち尽くす他無かった。

「あの、お二人はちょっと待ってて下さいな。今はちょっと騒がしいですけど、もう少し経ったら落ち着きますからー!」

二人に向かって一言だけ叫んで厨房の中に駆け込むシエスタ。
厨房の喧騒がおさまったのは、シエスタが厨房に入ってから10分が経過する辺りであった。



584 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 20:55:23 ID:WeBRsb1I
終クロは佐山が人を馬鹿にするとき「貴様右翼か?」とか言ってたのに萎えた覚えがあるな。
異国の軍人つかまえて自分に従わなければ右翼とか、どこのアホかと。

585 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 20:56:06 ID:5zPGBlL2
>>567
その絵みるとまとめ役がアルとりんごそれにカミュくらいしかいねえw
全員召喚したら大変だ
つーか以前メイジキャラが全員声優ネタ召喚ってネタを書こうと思ったが
キュルケが不憫で断念した


586 :つかわれるもの:2007/10/11(木) 20:56:33 ID:w/ZhUC90
「トウカさーん!カルラさーん!入ってもよろしいですよー!」

厨房の中が落ち着いてさらに数分経過した頃、ようやくシエスタからお呼びの声が掛かった。
待ってましたと言わんばかりの勢いで入ってきたのはトウカ。
やれやれと言った風にゆらりと入ってきたのがカルラ。
態度に多少の違いがあっても、久々の食事と言う事でどちらもなかなか嬉しそうだった。

「ようやく食事にありつけますわねー」
「そういえば暫く何も食べていなかったしなぁ……」

厨房内は多少ざわついていたが、二人の登場で一気に静まり返った。
場に流れる空気が一気に重たくなった。が、それを一切気にしない――というか気付いていない――のは、椅子に座って料理を待つ二人と、シチューの入った皿を持つシエスタだけであった。図太い。

「はい、これ余り物で作った厨房での賄いですけど、沢山あるのでどうぞー!」
「かたじけない、ありがたく頂戴するとしよう」
「んー、中々いけますわね、これ」

シチューが目の前に置かれると、同時にがっつくトウカとカルラ。
その光景を微笑ましげに眺めるシエスタに、状況を把握しきれない料理長のマルトーが尋ねた。

「なぁ、シエスタ。あの亜人さん達は何もんだ?」
「えーと、ミスヴァリエールの使い魔さんで……私の友人です」

ほぉ成る程な、と納得するマルトーを尻目に、カルラとトウカはシチューを早々と完食した。
しかし、シチューの一杯で満足するような二人ではなかった。ついでに言うと彼女達は遠慮する気もさらさら無かった。

「「シエスタ(殿)、おかわり!」」
「あ、ちょっと待ってて下さい。すぐ用意しますから!」

余程腹を空かしていたんだろう。その後もおかわりが何度か続き、両者が七杯ずつ平らげたところで、ようやくスプーンが置かれる。
二人はその食べっぷりを見て嬉しそうなマルトーとシエスタとその他厨房の皆さんに感謝を告げ、ルイズを待つために食堂の前に移動した。


587 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 20:56:44 ID:L8ITF9mW
仮面ライダーになりたかったとかいうの無かったっけ?
あ、アレは偽ライダーか。


588 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 20:56:52 ID:SD3eVtSE
支援

589 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 20:57:45 ID:L8ITF9mW
うわ、失敗失敗、すんません……支援

590 :つかわれるもの:2007/10/11(木) 20:57:51 ID:w/ZhUC90

食事を終えたルイズが二人を連れて向かったのは、立派な石造りの教室だった。
扉を開けてルイズが中に入った途端、一気に場が静まりかえる。
彼女が召喚した使い魔がただの平民ならば、野次の一つや二つも飛んだだろうが、召喚したのは亜人である。
なんと言うかぶっちゃけた話、トウカとカルラが怖くて、いつもみたいにからかう気にならなかったのだ。
そのおかげだろうか、ルイズは少々機嫌が宜しいようで鼻歌をこぼしながら席に着く。
一方の二人は、他の使い魔達を物珍しそうに眺めていた。

「変な生き物が一杯ですわねー」
「これが他の生徒の使い魔か。某達もこれと同類の扱いなんだろうか?」
「達じゃなくてトウカだけじゃありませんこと?私にはルーンがありませんもの」
「……いや、それはちょっと酷くないか?」

トゥスクルでは……と言うか、ウィツァルネミテアでは一度も見たことの無い生き物達。
興味は尽きないのか、二人は飽きる様子も無く観察している。恐らく初めて動物園に行った子供も、こんな反応をするんだろう。
そうして二人が使い魔達とじゃれているところに、小太りの女教師が入ってきた。
彼女は教室を一通り見回し、二人を見て若干顔が引きつったが、一先ず満足そうに微笑んで言った。

「皆さん、春の使い魔召喚は大成功のようですわね。このシュヴァルーズ、こうやって様々な使い魔達を見るのがとても楽しみなのですよ」

そう言って、そのまま授業が開始された。
授業の内容は生徒達にとっては基礎の復習程度の内容であったが、異世界からの来訪者である二人には一切馴染みの無いものであり、その多くは興味深いものであった。

「四大系統ねぇ……こちらで言う属性と考えれば良いのかしら?」
「多少の差異はあるだろうが、根本的なものは同じなんじゃないのか?」
「んー、差し詰め"虚無"は"大神"かしらね」
「"光"と"闇"の扱いが判らんが、そんなところだろう。まぁ無理矢理こちらの常識に当てはめるのが、間違っていると思うがな」

こそこそと会話を繰り広げる二人だが、その話に興味を持った人物が居た。
言わずもがな彼女らの主人、ラ・ヴァリエール嬢である。

「ねぇ、属性とか大神とかって何の話よ?」
「いや、某達の元居た世界の話だ。こちらとの似ている点について、な」
「ふーん、そう言えば詳しい事は聞いてなかったわね」

591 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 20:58:02 ID:T9lsVumW
しえ☆すた

592 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 20:58:07 ID:L1tXlTHX
支援

593 :つかわれるもの:2007/10/11(木) 20:59:10 ID:w/ZhUC90

くるりと後ろに顔を向けて二人の会話に加わるルイズ。
だがしかし、それを見逃してくれるほど教師が甘い訳でもなかった。

「ミス・ヴァリエール!授業中です、私語は慎みなさい」
「す、すいません……」
「お喋りしている暇があるのなら、この錬金はあなたにやって貰いましょうか」

何の気無しに言ったであろうシュヴァルーズの言葉。
しかし、この場にいる生徒達のほぼ全員が、顔面を蒼白に変えていた。
教室中の心の内を代弁するように、キュルケが立ち上がる。

「先生、危険です」

その場のほとんど全員が一斉に、首を縦に振る。
すでにキュルケは、いつものようなからかいを含む口調では無くなっている。
しかし当のシュヴァルーズは、心底不思議そうな顔をして生徒達に言い放った。

「錬金の何処が危険なのです?それに失敗を恐れていては何も始まりませんよ。ミス・ヴァリエール、前に」

何とも教師の鑑だと言わんばかりのセリフだが、生徒達にとっては死刑宣告に等しい。
ルイズが前に歩いて行くのをキュルケが引き止めようとしたが、既に覚悟を決めたルイズの前では無意味だった。
観念した生徒達は次々に机の下に潜っていく。約一名は、既に教室の外への退避を完了させていた。

「二人とも、隠れた方が良いわよ?大変な事になりたくなければ」

現在の状況が判らずに首を傾げる二人に、キュルケの忠告が聞こえて来る。
何が危険なのだろうかと考えながら机の影に隠れた途端、前方から爆音が轟いた。

「ッ!何が起こった!?」

内心でキュルケに感謝し、トウカは一声叫んで机の影から飛び出る。
教卓が"あった"方向を見ると、黒焦げになって倒れているシュヴァルーズと、煤で体中を真っ黒にして立っているルイズが見えた。

「ちょっと失敗したみたいね」

教室の惨状を意に介した風も無く、淡々と呟くルイズ。
その一言がきっかけとなって堰を切ったように流れ出る罵声と中傷。
ようやく彼女の二つ名"ゼロ"と、その二つ名の持つ意味を理解する事となった二人であった。

ただそんな事は些細な事だと言いた気に、カルラはルイズを見て顔を綻ばせながら、トウカにだけ聞こえるような声で呟く。

「あの子……将来大物になりますわね」
「……全くもって同感だな」


594 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 20:59:19 ID:SD3eVtSE
支援

595 :つかわれるもの:2007/10/11(木) 21:00:46 ID:w/ZhUC90
トウカ終了です
なんで心臓がバクバク鳴ってんだ、俺は

596 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 21:01:53 ID:L1tXlTHX
乙ー。
そして心臓がバクバクしてるのはきっと恋ですよ恋。

597 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 21:03:00 ID:L8ITF9mW
トウカが終わってしまうのか……乙です!

598 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 21:06:00 ID:KaJs4F1T
ぐっじょーぶ
心臓?
朝起きたらドドドドと何かの効果音の如く激しく速くハートがビートを刻んだりかと思えばいきなりトクントクンとしぼんだように弱くなったりする俺よりはきっと大丈夫

599 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 21:09:49 ID:+JkKyNyr
GJ。

それは不整脈です。病院に行きましょう。

600 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 21:15:23 ID:bjJF5sB6
>>598
ギリシャの教皇さまから不死の秘法とか賜っていませんか?
それならば心臓の鼓動が一年にわずか十万回になって一年で一日しか年を取らなくなります

601 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 21:28:39 ID:xnANgDm8
GODHANDのジーンとかが召喚されたら面白いと思うんだけどなぁ。

602 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 21:36:46 ID:PdoJEuEt
GODHAND違いでスランやボイドを呼ぶルイズ

603 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 21:37:52 ID:KD/Z13Vb
GODHANDなら輝しかいないだろ。

604 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 21:38:03 ID:l2w9ecTP
おまえ達の敵は おまえ達のすぐ隣にいる
お前か…いやお前だったか…
このハルケギニアは、無数の信管を突き刺した巨大な爆薬のようなものだ
世界は、たやすく壊れてしまう
たった一発のエクスプロージョンで
いやただ一発の銃弾で
いたぞ…
敵だ!

605 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 21:45:30 ID:muaPOpto
>>569
?のとこはぴたテンの小星

606 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 21:48:19 ID:pEUHFutB
ゴッドハンドと聞いて真っ先に稲妻ヅモの人を思い浮かべた

607 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 21:51:43 ID:qHzfmLuU
ゴッドハンドと言ったら精霊手

608 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 21:51:40 ID:hab1FkAF
>>604
若本wwww

609 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 21:53:01 ID:5qlB590r
ゴッドハンドと聞いてルイズが家族を贄として捧げるシーンを思い浮かべた

610 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 21:54:37 ID:d/sCxang
>>604
そのジーンちがうww
あ、でもこいつなら7万の大軍を丸まる洗脳して手先にできそうだなw
不要になったら恐怖をあおって自滅させることもできるし

611 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:02:50 ID:bkPEB9Ft
シャア少佐だって戦場で手柄を立てて出世したんだ、俺だって!

612 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:03:39 ID:TCD8LZNZ
とりあえず七万の大群を相手にできるやつを考えようぜ。

613 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:05:06 ID:hzYnQ4GC
七万の大軍を、弁舌一つで翻弄できる奴を考えようぜ。

614 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:06:07 ID:0wG+IJNi
ゴッドハンドっつったら医者を思い浮かべた

615 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:07:38 ID:wXKxeB2G
トリブラのディートリッヒなら余裕。
疑心暗鬼にしまくって、同士討ち起こりまくり

616 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:08:09 ID:cquNJD6Z
ゴッドハンドで始祖の遺跡・遺品を次々に発見するルイズ

617 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:08:46 ID:G4jJunSD
マサルさん呼ぼうぜ。
7万総立ちでガビーン! してくれるよ

618 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:09:22 ID:z+0FQHv5
7万人とガチで最後に一人がぶっ倒れるまでやりあうと考えると、
等身大限定だったら、かなり限られてくるな。
バスタードだったら、D.S、カル、新月限定時でネイ、アビゲイル。
あと高位天使・高位悪魔のみなさん。

シャドウスキルのGが召喚されたのはもうあるけど、その他のセバールでも何とかなるかな。

星矢とかいけるかな?セイントって戦争でどれほど役に立つんだろ。奴ら私闘禁止だからなぁ。

619 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:11:05 ID:hzYnQ4GC
>>618
「何、聖地(サンクチュアリ)? アテナがそこにいるのか!」

と無理やり聞き間違えてエルフを蹴散らして吶喊

620 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:12:00 ID:qHzfmLuU
つセガール

この方ならなんとかしてくれる

621 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:13:04 ID:61Epd/+S
ロト紋の勇者ご一行
モンスター相手だけど似たようなことやってたし

622 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:13:12 ID:/PFlpE+5
設定をいじくってハーデスの力を借りて作り出した7万の亡者とかにすれば良いんじゃないか?


623 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:15:57 ID:U2ZmsaBp
せがた三四郎を召喚
貴族も平民も使い魔も7万の大軍も投げ飛ばして
「セガサターン、シロ!」

624 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:16:57 ID:hzYnQ4GC
7万の大軍を、歌一つで止めてしまうリン・ミンメイを…

ヴィンダールヴってことにすれば騎乗用の馬やドラゴンくらいなら止められそうだが。
アンドバリの指輪で操られてる兵士の心を元の戻すとか。

625 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:17:22 ID:0wG+IJNi
前方のヴェント(とある魔術のインデックス)
自分に「敵意」を持つ者を容赦なく昏倒させる魔術の使い手

こいつなら7万だろうが敵じゃない。
科学嫌いだからコッパゲとの相性悪いけど。

626 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:19:33 ID:Om8hadDj
数万の悪魔だったらZ-MANのナナシと仲間たちならいける気がしないでもない

627 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:20:08 ID:PdoJEuEt
エガちゃんは七万の目の前で何をやったんだろうか


628 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:22:12 ID:61Epd/+S
ギャグでよければジャイアン
あの歌声で

629 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:23:12 ID:ptofze3x
FEからファを召喚
宝物庫には『竜の石∞』があれば戦いもどうにかなるはず
まあ、単にお姉さんぶるきゅいきゅいが見たいだけなんですがね


630 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:23:55 ID:EgT1Sfn1
自律型超戦士とか

631 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:24:34 ID:qHzfmLuU
ガンガン繋がりでパッパラ隊の水島

時間はかかるが倒すことは出来ると思う

632 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:25:36 ID:TCD8LZNZ
デジモン02のブラックウォーグレイモンはどうだろ。

633 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:26:42 ID:xnANgDm8
七万の大軍でもストーム1なら勝てる…はず。

634 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:26:50 ID:AFPV26FU
奈良重雄とか変態仮面とかアホーガンだと
周囲が恐慌状態に陥るかもしれん

635 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:27:20 ID:bjJF5sB6
ここで久留間慎一ですよ
辺り一面「ぐわ!」「ぎゃん!」「ドォ!!」で
通った後にはぺんぺん草も生えません

636 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:31:39 ID:xeqU7vFR
HALOのマスターチーフなら余裕な気がする。


637 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:32:02 ID:KaJs4F1T
戯言遣い
七万に対峙するとかそれ以前になにもかもしっちゃかめっちゃかになります。
ギーシュは更生していい感じになって来た所で死ぬ。
フーケはあとから仲間入りして死ぬ。
ワルドは死んだと思わせて仲間入りして死ぬ。
ウェールズは助かったと思ったら死ぬ。


638 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:32:07 ID:0wG+IJNi
まあどんな敵がいようがアックマンのアクマイト光線で(ry

639 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:32:50 ID:gVfoH+P+
流竜馬

640 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:32:56 ID:bkON/9we
ドっカーン!!!!

641 :ディセプティコン・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 22:33:32 ID:hzYnQ4GC
代理投稿に入ります。

642 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:33:46 ID:lqf0cy4b
代理投下しますがよろしいですか?

ディセプティコン・ゼロ:2007/10/11(木) 21:52:51 ID:kjI62Z16
久しぶりに投下しようとしたら規制を喰らってしまいました。
これから書き込ませていただきますが、どなたか本スレに投下して頂けると幸いです。


643 :ディセプティコン・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 22:33:46 ID:hzYnQ4GC


目標を射程圏内に捉えるや否や、『それ』は唐突にブラックアウトの擬似視界内へと表示された。

自身のものとよく似た、機械生命体の頭部を模した紋章。
しかし、自身のそれが口部の存在しない無機的なデザインであるのに対し、目標の分析結果と共に表示されたそれは幾分生物的なデザインである。
そして―――――ブラックアウトは、その紋章に厭というほど見覚えが在った。



『セイバートロン』星での誕生以降、実に数百万年もの時間を敵性体という形で共有してきた存在。
各種戦略兵器郡制御系を祖とするディセプティコンとは異なり、脆弱な民間工業用機械郡制御系を祖とする個体群でありながら、急激な自己進化を繰り返しつつ戦闘に適応した機能を獲得し、敵対的存在に対し常に互角以上の戦いを繰り広げてきた、危険な存在。
戦闘と破壊のカタルシスを否定し、所謂『建設的な理想論』に凝り固まった、自身達とは決して相容れない存在―――――



自律的ロボット組織体―――――『オートボッツ』。



瞬間、ブラックアウトは目標をロック、スポンソンより計4発のミサイルを発射。
空中へと弾き出されたそれらは瞬時に、『地球』のそれと比して遥かに先進的な技術体系によって構築されたロケットモーターに点火、目標へと飛翔を開始する。
その音に、漸く異変に気付いたルイズ達が身構えるのと同時。



青い砲弾が、ミサイルの弾頭を貫いた。



644 :ディセプティコン・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 22:34:03 ID:hzYnQ4GC

「何……きゃあぁぁッ!?」
「うわ……! グッ!?」

機体直下にて4発全てのミサイルが爆発、破片と衝撃が機体下部を襲い、ブラックアウトは直上へと実に3メイル近く弾き飛ばされた。
その急激な機体の動きに内部では悲鳴が上がり、4人とデルフは壁、そして床へと叩き付けられる。
鈍い音、押し殺した呻き。
続けて警告音と、細かい振動が機内を埋め尽くす。
4人が何とか身体を起こすのと同時、機内にデルフの電子合成音が轟いた。

「攻撃だ! 脱出しろ!」

ルイズ達がその言葉の意味を理解する間も無く、右舷の扉が開放される。
その向こうでは景色が上下に激しく揺れ動き、緑の地平と灰色の空が目まぐるしく入れ替わり続けていた。
その様子にルイズは、ブラックアウトが制御を失い掛けている事を理解する。

もう、時間が無い。

「キュルケ、タバサ、ギーシュ! 飛び出すわよ!」

返事は無かった。
無かったが、その言葉の意味を全員が正確に理解していた。



645 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:34:06 ID:3GhmI2BX
支援


646 :ディセプティコン・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 22:34:19 ID:hzYnQ4GC

一瞬、ほんの一瞬だが、ブラックアウトが安定を取り戻す。
その瞬間を逃さず、先ず咄嗟にデルフを掴んだキュルケが機外へと飛び出した。
一拍置いて、2丁の銃を背負ったギーシュ、ルイズ、タバサが続く。
ルイズはレビテーションを発動したギーシュによって受け止められ、更にタバサによって一方の腕を抱えられて地表へと降下。
先に飛び出したキュルケと合流、4人は黒煙を引きつつ高速で離れ行くブラックアウトを呆然と見詰める。
元々低空で飛行していた上、攻撃によって更に高度を落とし、森の表層擦れ擦れを飛ぶブラックアウト。

一体何が起こったのか、攻撃とは何処からか。

ルイズ達が、デルフへとそう問い掛けようとした矢先―――――



森から飛び出した銀の巨人が、ブラックアウトへと組み付いた。





全員の脱出を確認したその時。
ブラックアウトの擬似視界に映り込む眼下の森、その深い緑の下を貫く小道を疾走する、銀の車体をセンサーが捉えた。
甲高い音と共に泥を巻き上げつつ、ブラックアウトの直下を目指し奔る、明らかに『地球』製の車体―――――ソルスティス。
ブラックアウトの思考が、ルイズ達の脱出に時間を取られ過ぎた事に至った時には、既に手遅れだった。



647 :ディセプティコン・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 22:34:32 ID:hzYnQ4GC

減速すらせずにハンドルを切り、バランスを失って横転するソルスティス。
しかしその側面が地面へと叩き付けられる直前、外装が一瞬にして分解され、内部機構が露となる。
そして10分の1秒か、はたまた100分の、1000分の1秒か。
その瞬きすら出来ない時間の内に、腕を、脚を、頭を形成したそれは地面に手を着き、見事な体捌きで宙を半回転。
外装が装甲を形成すると同時に着地、バイザー型の視覚装置が黒煙を引きつつ迫り来るペイヴ・ロウを捉えるや否や、踵部のホイール、そして膝部のアクチュエータが爆発的な力を解放し―――――



10メイル程も飛び上がったそれは、飛来したブラックアウトと正面から衝突した。



金属的な轟音と共に、銀と灰色の破片が宙を舞う。
巨大なペイヴ・ロウの下部に取り付いた、全高5メイル程のメカノイド。
翼部の付け根に左手を掛け、右腕を大きく振り被り機体下部の装甲を殴り付ける。
1度では飽き足らず、2度、3度、4度と、連続して殴る。
各種センサーが伝える警告と共に、敵性メカノイドの詳細な情報がブラックアウトの擬似視界へと表示される。

敵勢力認識―――――『オートボッツ』。
敵個体認識―――――『ジャズ』。



648 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:34:51 ID:HMZ84NrF
支援

649 :ディセプティコン・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 22:35:33 ID:hzYnQ4GC

5度目の殴打と共に、装甲に生じた亀裂の隙間へとマニピュレーターが侵入、警告のレベルが上がる。
ブラックアウトは瞬時に変形シークエンスを開始。
同時にこの危険なメカノイドを引き剥がすべく急旋回、凄まじい遠心力にジャズの腕が振り解かれ、上半身がブラックアウト下部を離れる。
それを確認し、ブラックアウトはシークエンス実行速度を加速。
メインローターを展開したまま人型へと移行、落下する敵へと20mmを―――――



瞬間、ブラックアウトの擬似視界に、翼部に掛けた脚を支点に振り子の如く飛び掛る、ジャズの姿が映り込んだ。
その右腕はまたも大きく振り被られ、その拳を突き立てんとしている。
そう、敵は振り落とされてなどおらず、ただ加速を付ける為に曲芸じみた行動を起こしたのだ。
理解すると同時、ブラックアウトは激しくジャズへと掴み掛かる。
それは演算でも、センサーが発した警告でもなく。
言うなれば、無数の戦場を戦い抜いてきた、戦士としての直感というべきものだった。



―――――敵は、致命的な一撃を狙っている。



半ば強引に身を捻り、ジャズを空中へ投げ出そうと試みる。
しかしそれすらも―――――オートボッツ最速を誇るジャズの前には、起き出したばかりの亀も同然の動きでしかなかった。
更にもう1つ、ブラックアウトは思い違いをしていた。



650 :ディセプティコン・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 22:35:46 ID:hzYnQ4GC

ジャズには、ブラックアウトを殴り付けるつもりなど更々無い。
先程は幸運にも、装甲の薄い箇所に亀裂を入れる事が出来たが、そんな幸運が何度も続くとは考えていなかった。
彼が狙っていたのは、まさにこの瞬間。
ブラックアウトが人型へと変形する、その僅かな隙だった。

上半身の捻りと振り被った右腕。
それらによって秘められたエネルギーが瞬時に解放され、人智を超える速度の一撃が放たれる。
同時に腕の側面、格納されていた砲身が弾丸の如く伸長。
腕の動きと併せ、衝撃波すら伴ったそれは、まさに槍としか形容出来なかった。

そしてそれは狙い違わず、変形したブラックアウトの、人間でいえば喉に当たる部分へと突き立てられる。
幾本ものケーブル、無機合成筋組織が引き千切られる鈍い音の後、漸くブラックアウトの腕がジャズを捕らえた。
しかしそれと同時、目前のオートボットから声が発せられる。
吐き捨てる様に、嘲笑う様に。



『ノロマが』



返されるのは、怒りに満ちた電子の咆哮。
直後、砲声と共にブラックアウトの喉、その内部で青い光が爆発した。

鋼板を打ち抜いた様な音が周囲一帯に響き渡り、森に生息するあらゆる生物が巣穴に逃げ込み、或いは飛び出す。
それは巨大な音に対する反射というだけでなく、大気を満たす怒り、そして異質な存在が放つ憎悪に反応したからでもあった。



651 :ディセプティコン・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 22:36:04 ID:hzYnQ4GC

ブラックアウトが稼動部の限界まで喉部を仰け反らせ、感電したかの様に全身を引き攣らせる。
砲撃の瞬間、喉部前面からは火花が滝の様に噴き出し、背面からは無数の破片が火山弾の如く弾け飛び、それらを振り切って青いエネルギー弾が天へと消えていった。
ブラックアウトの左視覚装置が火花を散らし、微かに点っていた赤い光が消えて失せる。
第1光学センサー、ダウン。

しかし、この凶悪なまでの攻撃を成功させたジャズもまた、無事では済まなかった。
砲撃の瞬間、ジャズを捕らえたまま硬直したブラックアウトの剛腕は、不気味な金属音と共に小柄なメカノイドの身体を圧迫したのだ。
背面装甲が文字通り握り潰され、胴体の内部機構をモニターしていたセンサー郡の反応が軒並み途絶える。
胴部に深刻なダメージ、損傷箇所の詳細不明。

それでもジャズは攻撃を続行。
捻り込む様に砲身の角度を変え、ブラックアウトの頭部を根こそぎ吹き飛ばさんとする。
無事なセンサーから送られる警告を無視し、左腕を巨大な敵性体の装甲間隙へと打ち込み、力任せに内部機構を掴んで固定。
そのまま敵性体頭部を内部から砲撃しようとしたその瞬間、喉部に突き立ったままの砲身すら無視し、ジャズを掴む両腕がブラックアウトの頭上へと振り上げられた。
その先には、先の砲撃による被害を奇跡的に回避し、高速で回転を続けるメインローター。

次の瞬間、またも周囲に、金属が引き千切られる耳障りな音が轟いた。



652 :ディセプティコン・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 22:36:16 ID:hzYnQ4GC

けたたましい音と共に右指部マニピュレーターが根元から折れ飛び、それでも防ぎ切れなかったブレードが胸元の装甲を剥ぎ飛ばす。
咄嗟に砲身を収納し、腕でガードを取った事がジャズを救った。
マニピュレーター、そして胴部の装甲板と引き換えに、スパークごと胴を両断される事だけは避けられたのだ。
胴部装甲を打ち砕いたところで漸く、メインローターがその動きを止める。
ブラックアウト、落下開始。
ジャズはその腕から逃れられない。
時速230リーグ、地表まで8メイル。

ブラックアウト、右手でジャズの頭部を鷲掴みにし、損傷箇所を軋ませつつ大きく振り被る。
ジャズ、砲身再展開。
ブラックアウト頭部、第2光学センサーへと照準。
砲撃直前、音を立てて腕が振り下ろされる。

轟音。
ジャズ、秒速90メイル前後で前方の森林表層に落下、数十本の木々を薙ぎ倒して停止。
ブラックアウト、ペイヴ・ロウへと再変形、ローター収納。
落下継続のまま、一時的なシステムダウンに陥ったジャズへと機首から突入。
ジャズ、機能回復と同時に回避行動に移行するも、回避は叶わず。

衝突。



653 :ディセプティコン・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 22:36:28 ID:hzYnQ4GC

衝突点より半径15リーグに轟音、続いて振動。
ジャズ、ブラックアウト、共にシステムダウン0.4秒、再起動。
ブラックアウト、零距離より20mm発砲。
ジャズ、腕を蹴り上げて砲身を逸らし、踵部のホイールにてブラックアウトの下より脱出。
20mm弾幕を紙一重で躱し、泥を巻き上げつつ高速で木々の間へと姿を消す。
ブラックアウト、広範囲制圧射撃開始。
しかし木々を貫通、粉砕しながら飛来したエネルギー弾の直撃を受け、砲撃が中断する。
そして深い森の中、敵意を孕んだ電子合成音が響く。



『来いよ、ウスノロのデカブツ! 撃ち返してみろ!』



咆哮。
怒りの電子音と共に20mmを乱射、更にミサイルをノーロックのまま発射。
無数の木々が弾け、吹き飛び、炎に捲かれて四散する。
その様は怒り狂う鬼神そのもの。
しかし、それはポーズに過ぎない。
怒りに我を忘れての乱射を装いつつ、ブラックアウトはその瞬間を待つ。

元より、障害物の多いこの地形で、あの危険なオートボットに勝てるとは微塵も考えてはいない。
この様に障害物が多い地形での戦闘に於いては、機動力に富んだ小柄なメカノイドの方が圧倒的優位だ。
プラズマで周囲一帯を消し飛ばす選択肢も在ったが、最悪、主達を巻き込みかねない為に却下。
しかし、20mmでは無数の木々により威力が減衰され、有効打とは成り得ない。
ミサイルをホップアップで撃ち込んだところで、迎撃されるのは目に見えている。
ならばどうするか。



654 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:36:29 ID:3GhmI2BX
支援でおじゃる

655 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:36:38 ID:lqf0cy4b
支援。
後、代理の人、被ってすみません。

656 :ディセプティコン・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 22:36:43 ID:hzYnQ4GC

簡単な事。
障害物の影響を受けず、敵を急襲出来る存在に任せれば良い。
幸い、己の共生者はその任に打って付けだ。
地中から敵の背後に回り、自身とで挟撃する。
スコルポノックの爪は、原生植物の地中器官に遮られるほど脆弱ではない。
問題無く掘削を行い、高速で移動出来るだろう。

そして遂に、待ち侘びた瞬間が訪れる。
吹き飛んだ木々の破片、その先で、銀の光が瞬いたのだ。
同時に、擬似視界に対象の分析結果が表示される。



対象よりナノマシン反応検出。
標的照合結果98.91%合致。



その瞬間、標的から隠す様に位置した背面より、無数のフレアと共にスコルポノックが射出され―――――



ほぼ同時、『背後』より飛来した3発のエネルギー弾により、地中の支配者は地面に触れる事も無く、20メイル余りも吹き飛ばされその機能を緊急停止した。



ブラックアウト、左旋回172度。
砲身展開、プラズマ発射―――――被弾。
プラズマ砲、暴発。
正常発射時には遠く及ばないとはいえ、超高熱の爆発が至近距離で発生する。
左腕部、機能停止。
機能回復まで140,400秒。
右腕部兵装保護の為、右旋回と同時に移動。
その際、標的と認識していた『それ』の正体が視界に入った。



657 :ディセプティコン・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 22:36:55 ID:hzYnQ4GC

『ウィング』だ。
根元から倒された木の幹に、取り外された車両形態時の『ウィング』が立て掛けられている。
センサーの大半が使用不能となり、視覚装置すら片方しか機能しない状況の中、その場に据え置かれたパーツの一部を敵本体と誤認してしまったのだ。
そして敵は狙い通り此方の背後へと移動し、予測した通りか或いは偶然か、射出されたスコルポノックを砲撃、一瞬にして機能停止へと追い込んだという訳だ。

そして今。
敵は、無防備な此方へと狙いを定めているのだろう。
今にも、あの恐るべき威力を秘めた、青い砲弾が飛来する―――――



その瞬間、金属音と共にブラックアウトの胸部から、二又の槍を思わせる砲身が出現。
凶悪としか形容出来ない、暴力的なエネルギーが瞬時に収束し、青い光球となって地面へと射出される。
そして、光球が泥に覆われた地面へと接触、直径20メイル程の半球状の壁となって前方を薙ぎ払った。

両腕のそれに比べ出力こそ劣るものの、れっきとしたプラズマ砲―――――胴部予備格納砲。
永きに亘るオートボッツとの戦いの中でも、数える程しか使用した事の無い奥の手である。
流石にこれには驚いたのか、小柄なオートボットは即座に全ての攻撃行動を中断し、回避行動を取った。
ルイズ達の向かってくるであろう方向を確かめ、その方角と射線が45度以上離れている事を確認した上で、ブラックアウトは右腕のプラズマ砲を放つ。



658 :ディセプティコン・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 22:37:11 ID:hzYnQ4GC

木々を消し飛ばし、大音響と共に業火の線を引くそれすら回避したジャズは、長距離戦は不利と判断したのか、凄まじい速度で距離を詰めてくる。
時折放たれる砲弾は的確にプラズマ砲身を狙ってくる為、ブラックアウトはその防御に追われ追撃のプラズマを放てない。

そして十数秒後、突然業火の中から姿を消したジャズが、木々を薙ぎ倒しつつブラックアウトの左側面を突いて飛び掛った。
迎え撃つブラックアウト。
共に雄叫びを上げ、正面からぶつかる。
その余りの突進力に巨大なブラックアウトの体躯が僅かに浮き上がり、ジャズ共々背後の木々を押し潰して転倒。
そのまま、至近距離での凄まじい殴り合いが始まった。

ブラックアウトの巨大な拳がジャズの装甲を砕けば、ジャズの神速の一撃がブラックアウトのスパークを守る胸部装甲の隙間へと突き立てられる。
強力だが大振りの一撃が外れる傍ら、小振りで威力こそ小さいものの神速の打撃が内部機構を打ち据える。
両者の擬似視界を無数の警告表示が埋め尽くすも、共にそれをキャンセルする。

第1冷却システムダウン。
無視。
防御フィールド出力低下。
無視。
フライトシステム異常発生。
無視。

長距離照準装置故障。
無視。
スパーク防御壁コンディション悪化。
無視。
右脚部ホイール損傷。
無視。



659 :ディセプティコン・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 22:37:24 ID:hzYnQ4GC

金属の巨人達が、互いを殴り付ける轟音。
その暴力的な空気の振動が、ウエストウッドの森を震わせる。
転げ回り、木々を薙ぎ倒し、地面を抉り。
それでも離れる事無く、互いのスパークが放つ灯火を消し去ろうと、凄絶な格闘戦を繰り広げる2体のメカノイド。
森に生息するあらゆる炭素生命体が恐慌を来し、この金属生命体同士の戦場から逃避を図る。



そんな中、敢えて戦場へと侵入する炭素生命体の一団が在った。
彼等の手には、杖、剣、そして銃。
ブラックアウトの主、ルイズ達の一行だった。

「っ……何だってのよ! 何が起こってるの!?」
「戦闘に決まってるじゃない! さっきのが聴こえなかったの!?」
「誰と!?」
「だから『お友達』とでしょ、銀色の! 人間相手にしちゃ派手過ぎるわよ!」

轟音に掻き消されぬよう声を張り上げつつ、ブラックアウトが戦闘を行っているであろう地点へと向かうルイズ達。
デルフは止めたものの、おとなしくブラックアウトの帰還を待つつもりなど、彼等には欠片も無かった。
そして、意図的に避けているとしか思えない―――――事実、ブラックアウトによって、その様に誘導されていた―――――20mm、プラズマ、エネルギー弾幕の間隙を縫って戦域へと辿り付いた、その時。
彼等の目に飛び込んできたのは―――――



ブラックアウトに馬乗りとなり、凄まじい勢いでその胸部を殴り付ける銀の巨人、その姿だった。



660 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:37:27 ID:HMZ84NrF
支援

661 :ディセプティコン・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 22:37:35 ID:hzYnQ4GC

「ギーシュッ!」

ルイズが叫ぶより先に2体のワルキューレが錬成され、巨人へと向かい走り出す。
ブラックアウトに気を取られていたのか、ジャズは跳躍したワルキューレに組み付かれるまで、その存在に気付かなかった。

右腕の砲身を再度ブラックアウトへと突き立てようとしたその時、左側面の脚部、腕部、そして頭部に人型を模した魔法制御兵器が組み付いた事によって漸く、敵の増援としてメイジ達がやってきた事を認識。
次の瞬間、それら3体の人型が轟音と共に爆発した。
脚部アクチュエータ、損傷。
左腕部、損傷軽微。
光学センサー、ダウン。

1秒と経たずに視覚装置が再起動した瞬間、強烈な焔が光学センサーを遮る。
同時に、四肢の関節を狙い氷の矢が飛来、着弾。
砕け散った氷の破片が機構間隙に侵入し、内部で氷塊として成長、稼動を阻害する。
ジャズ、思わぬ攻撃に堪らず離脱。

メイジ。
まさかこの自分が、魔法如きに遅れを取るとは。
貴族派にこんな手練が居たのか?
この攻撃は明らかに、此方の構造的弱点を突いてきている……!

20mm砲弾飛来、回避。
回復した光学センサーを左前方の森へと向ける。
メイジを確認、総数4。
先程の攻撃から予測するに、敵の系統は其々、火、土、水、不明。
特に水は、稼動を制限される恐れが在る為、優先的に排除する必要性在り。

ジャズはその右腕を翳し、砲口を向ける―――――ブラックアウトへと。



662 :ディセプティコン・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 22:37:52 ID:hzYnQ4GC

彼等を狙う必要は無い。
彼等には、彼等に相応しい相手が居る。
自分の敵は、この忌々しいデカブツだ。



ワルキューレの爆発により、皹の入ったバイザー。
その視覚装置の片隅に、彼がこの世界で最も信頼する2人の片割れ、重武装にて敵集団へと向かい駆ける『相棒』の姿が映り込む。
その走りが敵集団を完全に射程へと捉えた事を確認し、ジャズはブラックアウトへと突撃した。





逸早く『それ』気付いたのは、デルフだった。
ルイズ達の注意がブラックアウトと銀の巨人との戦いに向けられている中、急速に接近する人影を認めたのだ。
その手には、一振りの剣。

「敵だ!」

叫ぶと同時、亜人型へと変形、跳躍。
銃口を展開し―――――しかし間に合わない。



一閃。
人間離れした神速の横薙ぎがデルフに直撃、その身体がボールの様に吹き飛ばされる。
漸くルイズ達が事態に気付いた時には、デルフは巨人達の戦いの真っ只中へと放り込まれ、銀の巨人に蹴り飛ばされて、破片を散らしながら木々の間へと消えていったところだった。



「デル……!?」

その名を、最後まで呼ぶ事は出来なかった。
彼女の目に飛び込んだものは、折れた剣を降り抜いた体勢のまま、殺意の滲んだ目で此方を見据える、1人の少年。
どうやらその手に持つ剣は、デルフを殴打した際に砕け散ったらしい。
しかし剣が折れているにも関わらず、目前の少年から発せられる鬼気は微塵も薄れはしない。



663 :ディセプティコン・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 22:38:05 ID:hzYnQ4GC


なんだ、この男は?
剣を持っているという事は『平民』か。

正面から覗き込んだ彼の目が湛える冷たさに、ルイズは背筋が凍り付くのを自覚した。

『平民』だと?
メイジに向かって、隠し様も無い殺意を向けるこの少年が?
あのデルフを、不意を突いたとはいえ一撃で排除した人間が、『平民』?



考える暇など無かった。
少年がナイフを抜いたのだ。

その時、ルイズを庇う様にして青髪の少女が、『ウィンディ・アイシクル』を唱えながらその前に躍り出る。
攻撃などさせない、一瞬でけりを着ける。
明らかにそれを意図した、迷いの無い行動だった。
余程手練のメイジでなければ、この距離から放たれる無数の氷の矢を躱す事など不可能だろう―――――



その予想は裏切られた。
ルイズも、キュルケも、ギーシュも、魔法を放ったタバサさえも。
『平民』が至近距離から放たれた魔法を回避するなど、考えもしなかったのだ。



少年はもう一本、小振りのナイフを抜き、それを投擲したのだ―――――タバサが、鍛えられたその動体視力を以ってしても追えない速度で。
ナイフは見事にタバサの手首を貫き、彼女は杖を取り落とす。

―――――『回避』ではない。
『発動させなかった』のだ。

驚愕に目を見開く一同を無視し、少年は驚くべき跳躍力でタバサへと飛び掛る。
タバサも咄嗟に身を躱そうとしたものの、少年の速度に反応し切れるものではなかった。



664 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:38:15 ID:3GhmI2BX
支援なのね〜〜

665 :ディセプティコン・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 22:38:17 ID:hzYnQ4GC

一撃。
一欠片の容赦も無く、少年の膝がタバサの鳩尾へと突き刺さる。
身体をくの字に折り曲げ、僅かな呻きと共に、タバサの意識は闇へと墜ちた。

不運な事に、角度の問題からキュルケには、少年がタバサをナイフで突き殺した様に見えたらしい。
ほんの数瞬、呆けた様にタバサと少年を見遣った後―――――



「……ッ! フレイムボールッ!」



鬼気迫る形相にて、それこそ通常の6倍、否、8倍は在ろうかという『フレイムボール』を、タバサから離れ、此方へと駆ける少年へと放った。

今度こそ、躱せる筈が無い。
既に魔法は放たれているのだ。
しかも、少年の背後からは何時の間にか、2体のワルキューレが槍を手に迫っている。
例え火球を躱したとしても、その瞬間にワルキューレによって突き殺されるだろう。

少年が腰に手を回し、それを引き抜く。
分厚い革に包まれた何か。
そしてそれを庇う様にして、正面から火球へと突っ込み―――――



その下方右側をすり抜けた。



「なっ!?」

キュルケは信じられなかった。
まさかこの火球を前にして、自ら突っ込んでくる者など居はしないと思っていたのだ。
事実、今までにもそんな話は聞いた事が無い。

少年は足先から地面に倒れ込み、泥の上を滑る様にして、火球の斜め下、地面との僅かな隙間を潜り抜けたのだ。
火球はそのまま背後のワルキューレ1体に直撃、四散。
そして少年はその手に抱えた革の袋から、それを抜き出した。



『フリントロック・ピストル』。



666 :ディセプティコン・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 22:38:28 ID:hzYnQ4GC


地面を滑りつつ、自身へと銃口を向ける少年の姿を捉えながら、キュルケは現実感に乏しい思考を働かせる。

何なのだ、こいつは。
この身のこなしといい、武器の扱いといい、まるで御伽噺の登場人物―――――『イーヴァルディ』ではないか。
槍は無いが、代わりにナイフと銃―――――如何にも現実らしい。

そして今更、今更だが、心臓を鷲掴みにされる様な恐怖が全身を走る。

自分達は、何を相手にしているのか。
『平民』な訳が無い。
こいつは『平民』なんかじゃない。
こいつは……こいつは―――――



『メイジ殺し』。



乾いた音と共に、キュルケの腹に灼熱の衝撃が走る。

―――――撃たれた。

少年がキュルケへと銃を投げ付ける。
グリップが額に当たり、鈍い音と衝撃が頭を揺さぶった。
視界に赤いものが映り込み、顔全体に温い液体の感触。
次いで再び、腹に衝撃が走った。
逆手に持ち替えたナイフの柄による突き。
キュルケの意識が沈む。

「キュルケッ!」

叫び声。
突如、傍らの枝が爆発する。
突然の事に反応が遅れ、木片に全身を切り刻まれる少年。
足元のキュルケに被害はなし。

木片の散弾に切り刻まれ、血塗れとなった少年が振り返る。
その視界には、無数の花弁―――――薔薇。
吹雪の様に舞うそれらは、格闘戦を繰り広げる巨人達をも覆わんばかり。

「何だ……これ」



667 :ディセプティコン・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 22:38:40 ID:hzYnQ4GC

呆然と呟いた瞬間、背筋を走った悪寒に従い身を捻る。
その空間を突き抜ける、青銅の槍。
その凄まじい刺突に目を見開き、躱せた事に安堵したのも束の間。
剛腕から繰り出される槍の横薙ぎに、彼は10メイル近くも弾き飛ばされた。

「グゥッ!?」

木の幹に叩き付けられ、激痛に呻く少年。
視線を落とせば、右腕が在り得ない方向へと捻じ曲がっている。

「ちっ……くしょ」

その言葉も終わらぬ内に、彼はその場から飛び退く。
一瞬前まで背を預けていた箇所を見遣れば、太いとはいえない木の幹を貫いて、青銅の槍が生えていた。
己の顔から血が引くのを感じつつも木の裏に回り、槍を放棄して徒手にて迎撃の構えを取るゴーレムの首を、左手に持ち替えたナイフで刎ね飛ばす。

その時、少々離れた位置で杖を構える、桃髪の少女が目に入った。
彼女は何かをその視界に捉え、小声で何かを呟いている。
その視線を辿った先には―――――

「クソッ!」

自身が刎ねた、ゴーレムの首。
彼は咄嗟に、それを蹴り飛ばす―――――ルイズへと。

「え?」

自身へと向かって飛んでくる『爆発物』に、ルイズが戸惑った様な声を上げる。
しかし、既に杖は振られていた。

爆発。
視界が煙に閉ざされる。
状況を判断し切れず、軽い恐慌状態に陥るルイズ。
その側にギーシュと、2体のワルキューレが駆け付ける。

「ルイズ、しっかり!」
「あいつは? あいつは何処!?」
「いいから早く! 此処を離れるん……」



668 :ディセプティコン・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 22:38:53 ID:hzYnQ4GC

ギーシュの背後、ワルキューレの首が飛ぶ。
その音に振り返ったギーシュが、煙の中から突き出された脚によって蹴り飛ばされ、数メイルも吹き飛んだ。
ルイズは咄嗟に杖を構え直し、それまでの位置から飛び退く。

直後、煙を突き破って少年が追い縋る。
ルイズは杖を向け―――――

「錬金ッ!」

彼の腰元、ナイフの鞘を爆破した。

「うあぁッッ!?」

叫び声。
やった、と喜色を浮かべるルイズの前方で、少年が無事な左脚を使い跳躍。
ルイズへと飛び掛る。

目を見開き、驚愕の表情を浮かべるルイズ。
その目前の空中で、彼はナイフを捨て拳を握り、大きく左腕を振り被ると―――――



「ッがああぁッッ!」



渾身の力で、ルイズの右頬目掛け振り抜いた。



鈍い音。
ルイズの小柄な身体が吹き飛ばされ、もんどりうって地面へと叩き付けられバウンド、其処で漸くその動きを止める。
数秒しても、その身体が動き出す気配は無い。

「やっ……たの、か?」

荒い息と共に、呆然と呟く少年。
声を返す者は居ないが、己以外に動く人間が存在しないという現状こそが、その答えだった。

「……ザマ見ろ、貴族が」

そう呟くと、彼は相棒の戦いへと目を遣る。
目を離してから2分程しか経っていない。
もう暫く決着は着かなそうだ。



「サイト!」



と、轟音の中、聴こえるはずの無い声が耳に届いた。
慌てて其方へ目を遣ると、帽子を被った金髪の少女―――――テファの姿。



669 :ディセプティコン・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 22:39:06 ID:hzYnQ4GC

「テファ! 危ないだろ、どうして来たんだ!?」
「だ、だって凄い音がしたし……サイト、その腕……!」

テファは少年―――――才人に走り寄るとその腕を見遣り、青褪める。

「ん、ああ……折れちまった。それよりテファ! 早く此処から離れろって! まだジャズが……ぎぁッ!?」
「サイトッ!?」



突然だった。
全く突然に才人が吹き飛ばされ、木へと打ち付けられる。
見れば、才人の立っていた地点に、青銅製のゴーレムの姿が在った。

―――――ワルキューレ。

「やって……くれたじゃないか……」

その背後、口に当てた指の隙間から血を溢しながらも、金髪の少年が立ち上がる。

「レディに向かって物を投げ付けるに留まらず……顔を殴るとはね……」

震える膝を叱責しつつも確りと立ち上がると、血を拭って杖を構えるギーシュ。
恐怖を滲ませた目で此方を見るテファへと視線を固定すると、彼は凄惨な笑みを浮かべた。

「……ま、僕も他人の事は言えないか」
「ぐっ!?」

軽く杖を振ると、ワルキューレがテファの首を掴む。
そのまま力を込める事無く、ただし逃げ出す事も出来ぬ様に押さえ付ける青銅の像。
それを見届けると、ギーシュは軽く咳き込みつつ声を張り上げた。

「もう起きてるんだろう、タバサ! キュルケとルイズの傷を見てくれ!」

その声に、伏していたタバサがのろのろと起き上がる。
顔色は、お世辞にも良いとは言えない。

「大丈夫かい?」
「……あまり」



670 :ディセプティコン・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 22:39:19 ID:hzYnQ4GC

此方も咳き込みながら答え、キュルケへと歩み寄る。
程無くして、彼女も目を覚ました様だ。
血の滲む腹部を押さえつつも、何とか立ち上がる。
ルイズは、まだ暫く掛かりそうだ。

「さて」

其処でギーシュは、ワルキューレに押さえ込まれたテファへと歩み寄ると、杖を見せ付ける様にして語り掛ける。
才人が心配なのか、テファの目には涙が滲んでいたが、それを見るギーシュの心は不思議な程に冷め切っていた。

「テファ、だったかな? 今のところ、君に頼みたい事はひとつだ。君はあの巨人と知り合いなんだろう? 彼を止めるのに協力して欲しい」

テファ、涙を零しながら首を振る。
ギーシュは溜息をひとつ。

「だろうね。だから、こうさせてもらう」

突如、ワルキューレがテファを抱えたまま、ジャズの方へと向き直る。
急な動きに思わず目を閉じた彼女が再び瞼を上げた時、その視界には一振りの剣が映り込んでいた。
自分の首筋に添えられた、それが。

ジャズ、戦闘中断。
剛腕の一撃をまともに受け、20メイルほど吹き飛ぶ。
身を起こすと同時、眼前に20mmを突き出され、静止。

「解って貰えた様だね」

満足げに頷き、テファの帽子を杖で弾く。
その行為自体は、軽い脅しのつもりだった。
しかし。



「っ!」
「なッ!?」
「うそ……!」
「……!?」



その下から覗いたものは、ギーシュ達に予想もしなかった衝撃を与えた。
長く、尖った耳―――――



『エルフッ!?』



671 :ディセプティコン・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 22:39:34 ID:hzYnQ4GC

一様に叫び、咄嗟に杖を構え直す。

エルフ。
その存在はこのハルケギニアの住人達にとって、恐怖以外の何物でもない。
強力な先住魔法を操り、数十人規模のメイジですら歯が立たない怪物。
そして同時に、始祖ブリミルを信仰する者達にとっては忌むべき存在。

―――――今なら、或いは。

「タバ……サ……ッ! このまま……やるわよッ!」
「……!」

キュルケが『フレイムボール』の詠唱に入り、その隣ではタバサが『ジャベリン』を放つべくテファへと杖を向ける。
激しく首を振り、必死にワルキューレの拘束より逃れようとするテファ。
ジャズが飛び出そうと試みるものの、至近距離からの20mmを受け、更にはブラックアウトに圧し掛かられて動きを封じられた。
必死に抵抗するテファに向け、詠唱を終えたキュルケは荒い息と共に語り掛ける。

「おとなしく……してなさいッ……すぐに、終わるわ……ッ」



杖が、ゆっくりと振り上げられた。



『テファッ!』



ジャズが叫び、その声が20mmの砲声に掻き消される。
テファがくぐもった叫びを洩らし、涙を流しながらジャズの方へと手を伸ばすが、それすらもワルキューレに押さえ込まれた。



そして、遂に詠唱が完了し、キュルケとタバサが一歩を踏み出す。
悲痛な電子音。
20mmの発砲音。



その様子を見たギーシュは、少しだけ、ほんの少しだけ居た堪れない心境となり、ふと目を逸らし―――――



―――――無い。



姿を消した『それ』に気付き、硬直した。



672 :ディセプティコン・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 22:39:46 ID:hzYnQ4GC



そんな馬鹿な。
さっきまで、さっきまで其処に在ったのに。
確かに『2つ』あったそれが、今は『1つ』になっている―――――!

「……まさかッ!」

最悪の予想に至り、振り返ったその時。



連続した重々しい銃声と共に、キュルケ、そしてタバサが血を噴き出し、倒れた。



「……ぅぁあぁぁぁッ!」



雄叫び。
ワルキューレは間に合わない。
足元のそれ―――――デルフが『ヒトラーの電動鋸』と呼んだ、『地球』製の銃―――――『MG42』を拾い上げる。
一通り、扱い方は聞いておいた。
安全装置を押し込み、構える。
こんな物を立ちながらに撃てばどうなるか、凡その予想は付いていた。
しかし、他の手段など考えている暇は無い。
今すぐにやらねば、皆、殺されるのだ。

背後に、物音。
ギーシュは咄嗟に振り返り、『それ』を構えた人影を捉えるや否や―――――





「……う……んぅっ」

目を覚ましたルイズは、頬から首筋に掛けて走る電流の様な痛みに呻きを洩らした。
口の中に違和感を覚え、それを舌で弄ると硬い物に触れる。
吐き出してみれば、それは血塗れの奥歯だった。

そうだ。
自分はあの少年に、頬を張られ―――――違う。
殴られたのだ―――――拳で、全力で。

頬に触れる。

熱い。
腫れている。
それも尋常ではない大きさに。
頬骨が砕けているのかも―――――

その時、ごり、と音を立てて頭に何かが押し付けられる。



673 :ディセプティコン・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 22:40:03 ID:hzYnQ4GC

恐る恐る―――――ゆっくりと。
視線を、上げる。



其処に佇んでいたのは、あの少年。
頭から、口端から、全身から。
至る所から血を溢しつつ、それでも憎悪の滲んだ闘志はそのままに―――――否、より一層密度を増し、見覚えの在る銃をルイズの頭へと突き付けている。

と、其処でルイズは、仲間達はどうなったのかと周囲を見渡し―――――



「……! キュルケ! タバサ! ギーシュ!」
「動くんじゃねぇッ!」
「ひ、ぎッ」



血塗れで転がる級友達を目にしたルイズは反射的に走り出そうとし、銃床による一撃を受けて地面へと転がる。
更に腹部へと爪先が突き刺さり、有りっ丈の空気を吐き出すと共に血の味が口内に拡がった。
余りの苦しさに涙を浮かべ、鳩尾を押さえて地面に蹲るものの、更に脇腹を蹴られて転がる。
そして再び銃口を突き付けられたその時、またも少年が叫んだ。

「くそったれが……良く解ったよ。テメエらにとっちゃ、ハーフエルフだってだけで殺す理由になるんだな」

何を言って、と言い掛けたルイズの脇腹に、再度爪先が減り込む。
今度こそ悲痛な声を上げて転げ回るルイズを冷たい目で見据え、少年は声を張り上げた。

「テファはな……何時だって、誰も死なない様に気を配ってきたんだ。下衆な傭兵だろうと、むかつく貴族サマだろうと、子供達を狙ったクソ盗賊どもだろうとな! なのに!」



674 :ディセプティコン・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 22:40:15 ID:hzYnQ4GC

全体重を掛け、白い手を踏み潰す。
悲痛な、聴くに堪えない悲鳴が森に響き渡る。
少年―――――才人の叫びは止まらない。

「テメエらは何様のつもりだ!? テファの家族を奪っただけじゃ気が済まないってのか!? 命まで差し出せってのか!? ただ静かに暮らす事も許されねぇってのかよッ!」

手を押さえて啜り泣くルイズの頬を、才人は容赦なく蹴り上げる。
もう、悲鳴すら上がらない。
ただ、ルイズの目からは涙だけが止め処無く流れ続けている。



手よりも、頬よりも、目の前の少年の叫びが痛かった。
詳しい事は解らないが、ただ必死である事は痛い程に伝わったのだ。
そして恐らくは自分達が、彼が命を賭して護ろうとしていたものを踏み躙ろうとしていた事も。

彼はテファ、と言った。
その人物が恐らくはハーフエルフであり、誰からも存在を許されなかった生涯を歩んでいる事を窺わせる事も。
似ている、と思った。

ただ生きたいだけなのに、許されない。
頑張ったのに、認めてもらえない。
汚らわしいハーフエルフ。
出来損ないのメイジ。

似ていると、自分にそっくりだと、そう思った。



「……今更、そんな顔すれば許されると思ってんのかよ」



そのルイズの表情が気に入らなかったのか。
才人は『地球』製の銃―――――『StG44』の銃口をルイズへと向けたまま、吐き捨てる様に言った。
そして動きを止めたブラックアウト、ジャズの方へと顔を向けると、心底凍り付く様な声を発する。



675 :ディセプティコン・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 22:40:25 ID:hzYnQ4GC

「おい、其処のデカブツ。ジャズに向けてるそれを引っ込めろ……引っ込めろっつってんだよッ! こいつぶち殺されても良いのかッ!」

―――――ブラックアウト、20mm収納。
その瞬間、ジャズがブラックアウトの顔面を殴り飛ばし、更に胴部を蹴って地面へと倒し、その胸部へと砲弾を2発、連続して同じ箇所に撃ち込む。
ブラックアウト、胴部予備格納砲破損。
ジャズ、砲身をスパーク防御壁周辺へと突き付け、静止。

「ジャズ、そいつ任せた」
『了解。中々上手くやったな、サイト』
「止せよ」

そんな言葉を交わした、次の瞬間。

テファの悲鳴が上がった。



「……テファ!?」
『くそ!』



その方向へと振り返った才人とジャズの視界に映ったのは、木に寄りかかって眠っていた筈のテファと―――――



「……テメェ」
「銃を捨てな。この娘っ子の内臓の色なんか、見たくねーだろ?」



半ばから折れ曲がった右腕でテファの首を押さえ付け、左腕の刃を喉下に突き付ける、小さなメカノイドの姿だった。

「それとも脳ミソの方が好みか?」

微かな金属音と共に、その左腕から銃口が覗く。
テファが怯えと絶望を滲ませた視線をそれへと向け、小さく首を振りながら逃れようと試みるものの―――――

「動くと為にならねーぜ」
「……!」



676 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:40:31 ID:T9lsVumW
支援

677 :ディセプティコン・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 22:40:42 ID:hzYnQ4GC


ぷつり、と音を立てて、刃先がテファの喉下、白い柔肌に突き刺さる。
そのままじわじわと深く突き刺さってゆく刃を、彼女は恐怖に揺らぐ瞳で呆然と眺めていた。
痛みすら感じられないのかもしれない。

その時―――――



『其処までだ』



ジャズが、砲身を向けていた。
―――――意識の無い、ギーシュ、キュルケ、タバサへと。



「こいつ、どうなっても良いってのか?」



そしてサイトもまた、再度『StG44』の銃口をルイズへと突き付けていた。
その目に迷いは無い。
デルフが妙な真似をすれば、即座に引き金を引くだろう。

デルフが、忌々しそうに電子音を鳴らす。
その時、ブラックアウトが在らぬ方向へと右腕を翳した。

「相棒……?」

そしてデルフを含め、皆が訝しげな表情を浮かべる中―――――



『止めろッ!』



ジャズの叫びと同時、プラズマが森の一画を薙ぎ払った。



『……!』

その方角に何が在るかを知る才人、テファの表情が青褪める。
ウエストウッド村。
微妙に異なる方角ではあるが、村に被害が全く無いとも言い切れない。
才人は反射的に、憎悪の叫びを上げようとした。

「テメ……」
「お、おにいちゃん……」

その時、微かに耳へと飛び込んだ幼い声に、才人はその方向を向いた。
それはテファ、ジャズも同様で、その先に在った子供の姿に、呆然とした声を洩らす。



678 :ディセプティコン・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 22:40:54 ID:hzYnQ4GC

「メアリ……どうして……」
「だって……だって、テファおねえちゃんも、サイトおにいちゃんもいないし……フィルが、大きな音して、こわいって……」

その言葉通り、メアリと呼ばれた少女の背後から、更に幼い男の子が恐る恐る姿を現す。
更に背後の暗がりに目を凝らせば、少なくとも4人の子供達が居る事を確認出来た。

「ごめんなさい……ごめんなさい、おにいちゃん……」
「メアリ……ッ!」



金属の擦れ合う音。
咄嗟に金属の怪物へと視線を移せば、それは子供達へと、その殺戮を為す為の兵器を内蔵した右腕を向けていた。
20mm、再展開。
凍り付く才人。

その視界の端に、金属の亜人がテファから離れ、彼へと向かってくるのが映り込んだ。
抵抗はしない―――――出来ない。
『StG44』を弾き飛ばされ、喉元を押さえられ地面へと倒される。




「……もしや、とは思ったが……まさか『大当たり』とはな」



亜人が何かを言っている。
しかし才人には、それに注意を払う余力など無かった。
意識が、急速に薄れてゆく。

見れば、すぐ側に桃髪の少女の姿。
どうやらまたも意識を失ったらしい。
だが、どうでも良い事だ。

亜人の嗤いが轟く。
狂嗤だ。

「……おでれーた! 皮肉なモンだ! こんな所で、こんな形で『使い手』に出会うたぁな! おでれーた!」

嗤う。
狂った様に嗤う。
心底楽しそうに、狂った様に嗤う。



679 :ディセプティコン・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 22:41:05 ID:hzYnQ4GC


「一緒に来てもらうぜ、『ガンダールヴ』! オメーはこんな所でくたばっていい人間じゃねえ! イヤだと言おうが何と言おうが、無理矢理にでも連れてくからな!」

疲れた。
眠りたい。
でも……

「おい! ジャズとかいったな。村とやらには何人居るんだ……そうか。 相棒、直ったらすぐに出発だ。 ガキどもも、そいつも連れてくぜ。吊り下げれば大丈夫だろ? おい、少しは喋れよ相棒……」

テファは。
テファはどうなった?
子供達は?

「……マジかよ。弱ったな……まあ良いや、喋れなくても問題は無ぇしな。おい、エルフの娘っ子。荷物を纏めな。猶予は5時間しか無ぇぞ、急げ!」

駄目だ、もう睡魔に逆らえない。
でも、テファも子供達も無事な様だ。
後は任せればいい。
相棒に―――――ジャズに。

今はもう―――――眠りたい。



業火に紅く照らされ、巨人の影が揺らめく森の中。
闇に墜ちる才人の意識に、これまでで最高の狂嗤が飛び込んだ。





「ははははは! 楽しいったらないぜ! こんな楽しいのは6000年振りだ! ええ、おい、6000年だぜ! これでこそ退屈に耐えてきた甲斐が在るってもんだ! そう思うだろ? 相棒!」



680 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:41:14 ID:3GhmI2BX
使い手にであえたデルフ支援

681 :ディセプティコン・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 22:41:17 ID:hzYnQ4GC

この日、レコン・キスタは王党派を打倒し、アルビオン全土を統治下に置いた。
王党派の篭城するニューカッスル城を『陥落』させた彼等は、新国家の樹立を宣言する。
即ち―――――『神聖アルビオン共和国』の樹立を。

無数の屍の上に築かれた新国家は、着々と他国への侵略計画を整え始めた。
彼等の起こした戦乱については、ハルケギニアの後世に於いて永く語られる事となる。



しかし。
一般に知られる彼等の勝利の陰に、ニューカッスルにて散った21,000名もの将兵、ロサイスにて焔の中へと消えた1,600名の将兵と85名の民間人の存在が在った事は、歴史上からほぼ完全に抹消されている。
これがレコン・キスタの情報操作によるものか、それとも他の要因によるものかは定かではない。



そして―――――



浮遊大陸アルビオンの一地方、サウスゴーダに点在する小さな村々のひとつ、ウエストウッド。
この村の住人達が一夜にして忽然と消え失せた事、そしてその周囲が、まるで『悪魔』が降臨したかの様に徹底的に破壊されていた事、ロサイスに轟いた爆音と空を照らした青い閃光もまた、歴史の陰に葬られ、日の目を見る事は無かった。

『虚無の鋼鉄の使い魔』と『鋼鉄の蠍』が、表の歴史上でアルビオンの土を踏むのは、暫く後の事である。



682 :ディセプティコン・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 22:41:27 ID:hzYnQ4GC


ブラックアウト、トリステインへの帰還経路に就く。
意識の無い主達と同胞、そして敵を乗せて。
消える事の無い怨嗟と、想像を絶する数の死をアルビオンの大地へと齎して。
誇るでもなく、恥じるでもなく。
目的の為、ただ目的の為に、『勝利』の為に。
ブラックアウトは帰路に就く。
ただひとつ、たったひとつの野望を秘めて。





ディセプティコンに、栄光あれ。



683 :ディセプティコン・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 22:41:57 ID:hzYnQ4GC


572 名前:ディセプティコン・ゼロ 投稿日:2007/10/11(木) 22:31:08 [ kjI62Z16 ]
投下終了です。

アルビオン編終了。
ルイズ一行に無傷な奴は1人も居ません。

そして短編消えた……orz
俺の超兄貴がッ!

やはりこれは、おとなしくウォルター・サリバンかパクストン・フェッテル、もしくはJAMを召喚しろとのお告げなのか



==========

以上、代行終了です。

684 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:42:00 ID:HMZ84NrF
やべー、どうなるか先が読めない……
GJっしたー

685 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:44:55 ID:G4jJunSD
これから酷いことになりそうなサイトにGJ

686 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:46:28 ID:mklmD2Nk
GGGGGGJJJJJJJ!!!!!

支援も忘れて読みふけってしまった。

687 :BPZ:2007/10/11(木) 22:46:45 ID:fMFesGx0
話題作の後で、とっても身の竦む思いを感じながら投下予約ですー
22:50頃からということで。

688 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:49:10 ID:FHY3M4Ik
作者さん&代理の方、乙です!

いきなり攻撃した挙句拉致…
ルイズ一行ほんと悪役だな〜 
サイト達がこれからどうなるのか心配だ

ん? ウエストウッド壊滅となるとマチルダ姉さん再登場フラグが立ったか!?


689 :BPZ 1/7:2007/10/11(木) 22:50:41 ID:fMFesGx0
モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシという名前の少女がいる。
”香水”の二つ名で呼ばれる少女にはお気に入りの場所がある。
そこは日差しが穏やかに差し込み、風がそよぐ気持ちのいい場所。そこに設置された瀟洒なベンチに座って、
所狭しと小瓶を並べたモンモランシーは恋人であるギーシュの為に香水の配合に余念がなかった。
ここ魔法学院の中庭は東西南北にそれぞれ設置されている広場ほど広くはないが、それなりに観葉植物が
配置され、小さいながらも噴水がある。
普段は自室で香水を作るのだが、気分次第で香水の調合に微妙に差が出るモンモランシーは、恋人に贈る
大事な香水を作る時、この場所を選んだ。
香水にはそよぐ風、静かな木漏れ日のイメージを作っている香水に込めた。爽やかで、静かな落ち着いた香りとなるように。
ふと気がつくと、周りに人の気配がなく、授業が始まっている雰囲気がある。

「あら、またやっちゃった」

熱中し過ぎて、昼の休憩時間を大幅に超えたらしい。
焦ったように立ち上がって辺りを見回したが、諦めた様に腰をおろした。
どうせ、今から行っても間に合わない。さぼっちゃぇ、たしか昼一番の授業は水系統の授業だったはずだし。
昼の授業のスケジュールを思い出しながら、モンモランシーは自分を納得させて出席をあきらめた。

出来上がったばかりの香水の小瓶を開けると、程良く香りが漂ってくる。
熱中しただけに、我ながらいい出来だと思った。

店じまいを始めたモンモランシーが、ふと耳をそばだてる。
流れてきたのは、授業中に時折聞こえる音楽。
確かあの音楽を弾いているのはルイズが召喚した使い魔だったっけ? 頭の片隅で記憶をたどる。
調合用の器材を片付けつつ聞いていたが、静かな夜のような曲、流れる旋律と心に響く音色に
ついふらふらと音源を辿って行った。
中庭の奥まった場所で、観葉植物に囲まれるようにベンチに座り、目を閉じて無心で弓を繰っている
ハジの姿がそこにあった。
ここにいない誰かに聞かせているような演奏に、モンモランシーは邪魔したら悪いと思い、そのまま
立ち去ろうとした。
チェロを抱えて無心で弓を繰っていたハジが、手を止めてふっと目を開いたのは、まさにそんな時だった。

「あ、あの、特に用はないんだけど、音楽が聞こえたから。」

ハルケギニアでは珍しい黒眼に見つめられ、無性に気まずくなったモンモランシーは問われる前にあたふたと
言い訳を始めた。
平民だと言う噂だが、ずば抜けた長身がそうさせるのか、落ち付いた雰囲気がそうさせるのか、
いざ本人の前に立つと委縮して言葉づかいも平民相手のものでなくなってしまう。
その姿をじっと見ていたハジは、興味を失ったように視線を外して演奏を再開した。
居心地が悪くなって、立ち去るタイミングを失った少女は、そのまま手近なベンチに腰をおろした。

ハジの演奏が静かな中庭を物悲しい色に染め上げる。

無心に演奏を続けるハジに対して、モンモランシーはなんとなく話すきっかけが欲しかった。
思い出されるのは、十日ほど前のフリッグの舞踏会でのこと。

多分にもれず、ルイズのことをゼロと見下していたモンモランシーだったのだが、舞踏会では非常に珍しい
黒の衣装で正装した、ハジに連れられたルイズを見て正直うらやましかった。
ごちゃごちゃと飾り付ける貴族子弟と異なり、喪服かと見まごうばかりのシンプルな黒と花嫁かと目を
疑いそうなルイズの純白。

その対比が眩しかった。あくまでもルイズの影になり、主人を引き立てるハジという使い魔。
モンモランシーは、脳裏でその姿を自分と恋人のギーシュに置き換えて消沈した。
あそこまで影になる必要はないが、せめてもう少し落ち着いて、ルイズの使い魔の様に私だけを見てほしい。
私だけをエスコートして欲しい。そう思うとなんだか無性に自分に腹が立ってきた。


690 :BPZ 2/7:2007/10/11(木) 22:51:45 ID:fMFesGx0

軽薄なギーシュが嫌だったら私が変えてみせる。ゼロのルイズになんか負けてなるものですか。
あと数年もすれば結婚しても可笑しくない。その時、隣に並ぶのがハジの様に落ち着いたギーシュだったら、
いいえ、落ち着いたギーシュにしてみせるわ。
心の奥底でメラメラと闘志を燃やし、握った拳を天高くつき上げる。

そんな思いを込めて作っていた香水。それが今、手元にある。
ふと、モデルにした当の本人に香水の出来を聞いてみようと思い立った。
ルイズがいればプライドが邪魔して、とても意見など聞きたくないが、ハジだけとなれば別、意地を張ることもない。

演奏を終えたのか、ハジがチェロを片付け始めた。
その動きに反応するように、モンモランシーは立ち上がって声を掛けていた。

「あ、あの、私が作ったこの香水の意見を聞かせてほしいの」

ふっと振り向いたハジの黒瞳に見据えられ、問いたげな質問に、あたふたと釈明じみた説明を始める。

「あ、あの、この間の舞踏会でのあなたのイメージを香りにしたのよ。私の恋人に、あの時のあなたみたいに
落ち付いた大人になって欲しくて、それで作ったわ。でも、せっかくだからあなたの意見も聞きたいの。
どうかしら?」

赤の他人に”私の恋人”という言葉を使うのが妙に気恥ずかしくて、一気に顔に血が昇って熱くなる。
胸の前で両手を握りしめ、火照った顔でハジにずいっと詰めよった。

「私に香水の香りは分かりません」
「いいの、意見を言ってくれたらそれだけでいいわ。だから手を出して。手首につけるから」

その迫力に押されるように、のけぞったハジに、モンモランシーは追い討ちをかけた。
戸惑ったようなハジを強引に押し切って、モンモランシーは自分の人差し指に香水を含ませて、
ハジの手を取り手首に擦りつけた。


「どうかしら?」
「しっかりした感じですね。カイを思い出します」
「カイって?」

モンモランシーの感想を待つキラキラとした目を見ながらハジは手首を鼻に近づけた。
その場に広がる香りは光と風。
カイ。小夜の兄。太陽と潮風で育った決して折れない炎のような心の持ち主。そんな幻想を呼び起した。
無性に帰りたくなった。あの沖縄の地へ、小夜が眠る地へ。全てを投げ捨てて、ただ、帰りたくなった。
ふっと目を開けると、じりじりと感想を待っている少女の顔がどアップで映る。
ゆっくりと幻想を振り払って自分の置かれた状況を思い出した。
深呼吸をして、少し気分を落ち着け、目の前の少女の質問を丁寧に黙殺した。

「いい匂いだと思います」
「ありがとう、あなたにそう言ってもらえたら自信が持てるわ」

ハジは、内心の葛藤を隠して淡々と告げる。
モンモランシーは、その言葉を聞いて大きく頷いてから跳ねるように去って行った。
その姿を見送ってから、ともすれば止まりそうな手を無理やり動かしてゆっくりとチェロを片付けた。
ルイズの授業はまだしばらく続くはず。
どっかりと腰を落としたハジは、暗い気持ちのまま空を見上げた。

沖縄の空と同じく、澄んだ青い空を。




691 :BPZ 3/7:2007/10/11(木) 22:52:50 ID:fMFesGx0
―― BLOOD+ゼロ 8章――


午後の最初の授業をさぼる形になったモンモランシーが教室に入ったとき、ギーシュは別の女の子と話していた。
モンモランシーの姿を見かけたギーシュがまずい所を見つかった様に慌てて近づいてくる。
そんな姿も、今のモンモランシーにとっては溜息がでる軽薄この上ない行為だった。
ギーシュの修飾過多な言葉を聞き流す様に席に座る。当然のようにギーシュも横に陣取った。

「ねえ、ギーシュ」
「なんだい、愛する麗しいぼくのモンモランシー」
「それはいいから、私、あなたに香水を作ったの。ちょっとした自信作だからつけて」
「ああ、なんという、ぼくの為に麗しの姫が香水を作ってくれるとは」
「いや、もういいから、だから、さっさとつけて」

教師の一本調子の授業が始まってしばらくした時、モンモランシーは隣に座ったギーシュに
出来上がったばかりの香水を渡した。
午後最後の授業とあって、かなりの人間がだれているが、教師はそんな生徒のことを完全に無視したように
授業を続けている。さすがに大きな声で雑談している訳ではないが、教室の空気の大半は声を殺した
ざわめきで包まれていた。
その中で、ギーシュが上げた声はひときわ大きく響き渡り、生徒達の呆れた様な視線と、教師の非難を込めた
視線が集中する。
モンモランシーは顔を真っ赤にして俯き、ギーシュは香水の小瓶を片手に意気揚揚としていた。
ギーシュが香水を軽く嗅いでから耳の後ろにつける。

「なんだか、今日のはいつもと違うけど、いい匂いだ」
「そう? 自信作なんだから」

目を閉じれば、漂ってくる匂いが鮮明に見える。いつものギーシュに特別製の香水が相まって、
”大人”になったイメージが浮かんでくる。
その夢のギーシュは静かな微笑みを浮かべて両手を差し出し、薄絹に包まれた自分はその胸に飛び込み、
優しく抱きしめられる。

ゆっくりと眼を開けると、鼻の下をのばしたギーシュがふんぞり返っていた。
思わず、後頭部をしばいてしまった。

「これはひょっとして、失敗作かしら」

涙目になって抗議するギーシュをあしらいながら、そう考えている間に授業が終わった。
授業の終わり頃から男子生徒と雑談に興じているギーシュを置いてさっさと教室を後にした。

§ § § § § § § § § § § § § § § § §

教師に色々質問をしていたせいで、ルイズが教室を出たのは最後の方だったが、いつものようにハジは廊下の
壁に寄り掛かる様に立っている。
この光景は日常の一部となっていた。ミセス・シュヴルーズの最初の授業以外では授業中に使い魔を連れて
行くことは無い。従ってハジはルイズの授業中はどこかで自由に行動し、授業が終わるころになると
いつの間にか入口近くにいるというパターンが定着していた。
ただ、その日は違っていた。

「そこの使い魔の君、なんで君がその香水をつけているんだっ!
これはモンモランシーが僕の為にわざわざ作ってくれた香水だぞっ!
どういうことだっ! 説明したまえ」

金髪巻き毛のギーシュが、ハジに掴み掛らんばかりの勢いで問い詰めていた。
対するハジは、いつものように無表情にギーシュを見つめている。
その様子を野次馬な生徒達が遠巻きに輪を作っている。


692 :BPZ 4/7:2007/10/11(木) 22:53:57 ID:fMFesGx0

「なに? どうしたの?」
「ああ、ゼロのルイズ、君の使い魔が、僕のモンモランシーの香水をつけているんだ、どういうことだい?
説明してくれないか?」
「香水くらいつけたっていいじゃない」
「普通の香水であればかまわない。だけど、この匂いはついさっきモンモランシーが僕の為に、と、わざわざ
作ってくれた香水と同じものだ」


口を挟んだルイズに矛先を向けて、目をぎらつかせたギーシュが喚く。その剣幕と血走った目に圧倒された
ルイズの足が一歩下がった。
ギーシュが嗅いでみろと香水の小瓶を突き付けてきた。どうしようかと思案しつつハジを見るとハジが
困った顔をしながら、そっと左手を出してきた。嗅いでみろと言うことらしい。
モンモランシーがギーシュに送った香水と同じというハジの匂いを嗅いでみたが、まったく違うものに感じる。
「どれよ、全然違うじゃない」
「君の鼻は飾りものか?」
「うっさいわね」

首をかしげながら感想を言ったが、我にかえってみるとハジの手をずっと握っていることに気が付き、慌てて
手を振り払う。後ろを向いて深呼吸して、一気に上気した顔を落ち着かせる。

「あら、ほんと、同じ香水ね」
「キュルケッ!」

胸に手をあてて、始祖ブリミルの難解な詩を暗唱してルイズが心を落ち着かせていると、横合いから豪奢な
燃える赤の髪がにゅっと突き出た。
しっかりとハジの手を取って、あまつさえその手のひらを自分の頬に添えようとする天敵から、ハジの手を
取り戻す。
けち。という表情のキュルケにアッカンベーを返す。
キュルケのこめかみがぴきっと引きつり、わなわなと握った拳が上がってくる。
そんな一触即発の状況を止めたのはギーシュの勝ち誇ったような能天気な声だった。

「ほら、見てみろ!」
「まあ、つける人によって匂いって変るからねぇ、ハジの方がよっぽど上品、あなたのは匂いに負けてるわね」

不機嫌になったキュルケは情け容赦ない感想をギーシュに叩きつける。
じろりと赤い目で睨まれたギーシュは言葉を失って口をぱくぱくと魚のように動かすだけだった。

「なななっ」
「もしかして、モンモランシーに愛想尽かされてんじゃないの? ギーシュ」
「まあ、ハジはいい男だからぁ、モンモランシーも乗り換えたんじゃないの? あんた浮気症だし」

辛うじて再起動しかけたギーシュに向かって、同じく不機嫌なルイズもここぞとばかり、辛辣な言葉を
投げつける。
ルイズの言葉は青年に足を踏み入れかけている少年の胸に大きな傷をつけ、キュルケがとどめを刺した。
かしましい二人の少女に翻弄されたギーシュは、もやもやとした感情のはけ口を、
口では分が悪い少女達ではなく、目の前の使い魔に向けた。

そもそも、お前がいるから悪いんだ。お前がいるから僕がこんなに責められるのだ。と。

妄想力豊かな彼の心の中で、自分の恋人を弄び襤褸切れのように捨てた間男と化したハジに向かって、
叩きつけるように叫んだ。

「くっ、そこの使い魔! 僕と決闘しろっ! どちらがモンモランシーに相応しいか見せてやるっ!」


693 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:54:08 ID:hzYnQ4GC
支援

694 :BPZ 5/7:2007/10/11(木) 22:55:05 ID:fMFesGx0

その言葉で遠巻きに、いまかいまかと様子を見ていた生徒達がわっと歓声を上げた。
彼らのとって”決闘”とは、刺激的な娯楽であって、当事者達も本来の決闘とは異なる意味で使っていた。
ちょっと肉体的苦痛を伴うかもしれないゲームとして。また、学院の医務室に行けば治療に長けた水の
メイジがいる。多少の怪我でもすぐ直してくれる。その事も気楽に考える一因となっていた。
殺傷を禁じた学院の規範と貴族としての幼い矜持が”決闘”という単語を安易に口にさせていた。
これはルイズやキュルケにも当てはまる。そしてギーシュも何の認識も持たずに”決闘”を口にした。

「誰が相応しいかですってっ? ハジは私の使い魔よっ! モンモランシーなんか相手にしないわ!」
「私と言うものがありながら、モンモランシーなんか相手にしないわ!」
「キュルケッ! ハジは私の使い魔であって、あなたとは関係ないわ、何度言えば分かるの!」
「うるさいわね、使い魔とか身分とかは情熱の愛の前には関係ないって、何度言えば分かるの!」

ただ、ギーシュの失敗は、敵が目の前の相手だけではなかったことに気がつかなかった点にある。

ハジが反応する前にルイズとキュルケがギーシュの両方から、それぞれの耳を引っ張って力いっぱい叫んだ。
サラウンドで音波攻撃を喰らったギーシュが、一瞬意識が遠くなってくらくらする頭を抱えて崩れ落ちる。
目の前でぎゃんぎゃん言い合いを始めたルイズとキュルケを放心状態で見ていたギーシュが、ようやく
我にかえって立ち上がり壁をバンと叩いて二人を黙らせる。
胸に指している金属製のバラを模した杖をハジにつきつける。

「うるさいうるさいうるさいっ! 外野は黙ってくれ、とにかく決闘だっ!」
「ギーシュッ!」

声を張り上げたギーシュの元に金髪縦ロールの少女が飛び込んできた。騒ぎを聞きつけて慌てて駆け付けた
らしい。その必死な表情を見て、だらしなく相好を崩すギーシュ。
とっても妄想力豊かな、彼の頭の中には胸に飛び込んで泣きじゃくる少女のイメージが形作られていた。
虐げられた姫とそれを救う颯爽とした自分。大作恋愛劇が彼の脳裏で眼んぐるしく駆け巡る。

「ああモンモランシー、可憐なぼくの妖精。ああ、そんな心配はいらないよ。見ててくれ。君に相応しいのは
ぼくだと証明してみせるよ」

脳裏に浮かぶイメージ通りにギーシュは両手を広げ、少女を向かい入れる。
ギーシュの幸せな想像は次の瞬間崩壊した。

「モンモランシー?」

小気味良い乾いた音と主に、ギーシュの顔が横を向く。
熱い頬に手をやって茫然としながらギーシュが呟く。目の前に涙をこらえた少女の顔が映った。
周りで囃し立てていた生徒達も、その様子を見て、触らぬ神になんとやらとばかりに、こそこそと立ち去り
始め、あっけにとられたルイズとキュルケだけが残った。

「ばかっ、ばかばかばかばか、ばかっ!
私がどんな気持ちで、この香水を作ったのか知ってるのっ!
私がどれだけこの香水に想いを込めたか知ってるの? そんなことも考えずにっ!
私の事もなにも知ろうともしないでっ!
何よ、何よ、何よ、決闘騒ぎなんか起こして!
それもよりにもよってルイズの前でっ! ルイズの使い魔が相手ですって!? 冗談じゃないわよっ!
そんな事の為に作ったんじゃないわよっ」
「え……?」
「もう、いいわっ、決闘でもなんでもしなさいよ、あなたなんかとは絶交よっ! ふんっ!!」
「モ、モンモランシー?」



695 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:56:01 ID:SD3eVtSE
支援

696 :BPZ 6/7:2007/10/11(木) 22:56:15 ID:fMFesGx0
よりにもよって貶しているゼロのルイズ、そして目標としているルイズ・ド・ラ・ヴァリエール達の前で
自分の必死の想いを崩されたモンモランシーは、悔し涙を流しながらギーシュの持っていた小瓶をひったくる。
自分の作った香水が何の役にも立たず、無力感を感じたモンモランシーは、窓から投げ捨てて走っていった。
余りにも自分の想像とかけ離れた展開にギーシュは頭がついて行かず、きょろきょろとあたりを見渡していた。
今、何が起こっているのか正確に把握できていないように。
ギーシュは右を見た、ルイズが渋い顔をしている。左を見た、キュルケが呆れたように溜息をついていた。
正面を見た。モンモランシーに道を譲ったハジがいた。
目の前の青年の目に微かな同情が見られるのは気のせいだろうか。
えーと、と、ポリポリ頭をかき始めたギーシュに、キュルケが救い船を出した。

「ギーシュ? なんかあんたの早とちりか誤解みたいよ? さっさと行ってきたら?」
「そ、そ、そうだねっ、モンモランシー! 待ってくれ」

その一言に、張り詰めたゴムが弾けるように、一目散にギーシュがモンモランシーを追いかけて行った。

「何あれ?」
「さぁ?」
「「あはは」」

顔を見合わせていたルイズとキュルケも、いがみ合う気力を失ったのか、乾いた笑い声をあげる。
空虚な笑い声だけが廊下に響いた。
観客がそそくさと逃亡し、ギーシュが走り去った後に残ったのは、痴話喧嘩に巻き込まれて気まずい
思いをしている三人だった。
一番の被害者であるハジはげんなりしたように、チェロケースを担ぎなおした。

「で、実際のところはどうなの? ハジ」
「いえ、香水の感想を聞かして欲しいとのことでしたので」
「で?」
「それだけです」
「は?」
「あははっ、そんなことだろうと思ったわ。あなたも災難ね、ハジ」
「いえ」

二人の視線が、憐憫の色で染まり、同時に溜息をついた。
キュルケが頭をがしがしと掻いてから、気分転換にと誘ったお茶会にルイズも素直に首肯する。

翌朝、教室の中は一種独特の雰囲気だった。朝の食事にも出てこなかったモンモランシーを見つけたギーシュは
一目散に駆けよって御機嫌をとっていた。

「モンモランシーッ、機嫌を直してくれないか?」
「いやよ。この際だからはっきり言うわ。
私。軽薄で、何も考えてなくて、ただその日を過ごしてるだけの、おバカな人はもう嫌なの。
もっと大人で落ち着いた人がいいわ」
「モンモランシー」

つんと顔を背けられ、情けない声を上げるギーシュを見たルイズは、前に座っているキュルケの赤い髪を
見ながら呟いた。

「まだやってる」



697 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:56:29 ID:T9lsVumW
しえーん

698 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:57:00 ID:hzYnQ4GC
ありゃりゃw 支援

699 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 22:57:21 ID:SD3eVtSE
支援

700 :BPZ 7/7:2007/10/11(木) 22:57:59 ID:fMFesGx0
この気まずーいオーラで暗くなった教室を救ったのは、担当教師のコルベールだった。
手を叩いて注意を促しながら入ってきたコルベールの、あまりにもな衣装に教室が沈黙の魔法がかかったように静かになった。
気まずーいオーラ発生機の二人ですら同じくキョトンとした顔をしている。
ローブはいつものような地味なものではなく、レースの飾りや、複雑な刺繍の入っている貫頭衣を上から被り、
儀典長がつけるようなロールの入った巨大なかつらをかぶっていた。
コルベールが教壇に立った途端、ざわめきが教室中に広がった。
恥ずかしそうに顔を赤らめたコルベールがもう一度パンパンと手を叩き、声を張り上げる。
一瞬裏返った声と、風に吹かれてずれたカツラがコルベールの緊張を表し、教室が爆笑の渦に巻き込まれた。
淀んでいた教室の空気が一気に明るくなる。
だが教室はコルベールの話の内容に今度は別の意味でどよめきが上がった。

「皆さん、静かにー、静かにしてください。突然ですが、今日の授業はすべて中止です。
ゲルマニアご訪問からお戻りになるアンリエッタ姫殿下が、是非にと言うことで、
ここトリステイン魔法学院においでになります。
急な話ですが、姫様たってのお願いと言うことでもありますので、我々は全力を持って歓迎式典の準備を
行います。
そのために本日の授業は中止。生徒諸君は正装し、使い魔を連れて門に整列することとします。
よろしいですね」

「へぇ、お姫様がなんの用かしらね」

キュルケは面白くもなさそうに聞いていた。隣のタバサを見るが、青い少女もあまり興味がなさそうだった。
後ろに座っているルイズに何気なく声をかけた。
なんの反応もないことに訝しく思ったキュルケが後ろを振り向いた。

「アンリエッタ姫様が……」
「ルイズ?」

そこには、放心したように、不安そうに呟くルイズがいた。
キュルケにはその姿が脆いガラス細工のように危うく見えた。


----------------

これで終了ですー
題して「モンモランシーの憂鬱」・・・嘘です。

支援、ありがとうございました。

701 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 23:02:23 ID:HmrBfshC
>>623

しかしアンドヴァリの指輪で蘇った奴らが相手だと
「こいつら人間じゃねぇ!!」と取り囲まれるせがた三四郎

702 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 23:06:08 ID:UBC57ssl
>>700
グッジョブ!

ところでどうすればそんなに高い文章力得られるんでしょうか?ボキャブラリー無い俺涙目で嫉妬

703 :男達の使い魔:2007/10/11(木) 23:08:33 ID:lqf0cy4b
次空いてますかー?
ようやく避難所での間章が終了しましたので、本スレに投下したいのですが

704 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 23:09:50 ID:/FX4KjL7
GJ!
アルビオン編のはじまりですねー。ぶっちゃけ、ワルドが霞みそうな予感。ガンバレ空気。


DCSで有名な至郎田召喚! ・・・・だめだ、マルトーにヤられる。

705 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 23:10:08 ID:pbahjT42
投下前支援っ

706 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 23:10:30 ID:UBC57ssl
>>703
お、お前は!男達の使い魔〜!

恐ろしい者よ…オリジナルの展開ながらに我々を楽しませるとは……!

707 :男達の使い魔:2007/10/11(木) 23:10:52 ID:lqf0cy4b
「皆さん!ここがわたしの故郷のタルブ村です。」

シエスタが満面の笑みを浮かべて情景を眺めていた。
金色に光り輝く農村の風景は、それはそれは美しかった。

「へえー。凄いじゃないの!」

お気に入りの飛燕の近くによったキュルケもまんざらではなさそうだ。

「これが邪鬼先輩の守った景色ですか。」

飛燕が塾生達を代表するかのように発言する。
塾生達は、みな一様に目を細めてその風景を眺めていた。

「そうだ!おじいさまの墓参りの前に一度家に寄っていきませんか?歓迎しますよ。」

シエスタが振り返って皆を見つめる。
誰も異存の声など上がろうはずがなかった。

708 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 23:12:24 ID:SD3eVtSE
支援

709 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 23:12:32 ID:KaJs4F1T
ゼロ魔の連中に男塾フィルターがかかって頭の中で大変なことになる支援

710 :男達の使い魔:2007/10/11(木) 23:13:03 ID:lqf0cy4b
「かあー!こりゃうまいのう。」

一号生達の中でも極めつけの酒好きである、松尾が率先して村の名物のワインを飲む。

「行儀良くしなさい!ここはシエスタの家よ。」

そこへルイズの鋭い声が飛ぶ。

「構いませんよ。いい呑みっぷりですね。
 きっと父も喜んでいますよ。」

ニコニコと擬音が出そうな笑顔を貼り付けたシエスタの父が言う。
この男、風貌こそ邪鬼そっくりであるが、その性格は温厚そのものである。

最初こそその風貌に戸惑った一号生たちではあるが、もはや慣れたようだ。

「まあ、そういうことだからお言葉に甘えましょうよルイズ?」

「……この料理も美味しい。」

そんなキュルケとタバサを、ルイズは恨めしそうに見る。
誰かがストップ役にならないと、騒ぎが止まらないことをよく知っているがために、騒ぐ側に回れないのだ。

そこへこっそりと忍び寄ったシエスタがルイズに耳打ちをする。

(いざとなったら私が止めますのでルイズ様も楽しんでくださいね。)

思わずシエスタの方を向くルイズ。だが、即座に納得した。
シエスタがこっそりと視線を向けている先には、富樫に虎丸、田沢に松尾のお祭り男カルテットが立っていた。
確かに、酔っ払ったあいつらなら真空殲風衝で簡単に止めることができそうだ。
そのことに納得したルイズは、自分も言葉に甘えて楽しむことにした。
夜はまだ長い。


「押忍!一番松尾、マイケルジャクソンのスリラーを歌います!」
「下手くそ!少しは面白くしなさいよ。」
「……(無言で首を縦に振っている)」「確かにあれじゃイマイチね。」
「ぬぬ!それでは塾歌をピンクレディーの振りつきで歌います。」
「ちょっと!なにいきなり脱ぐのよって、何よそれーーー」
いきなり脱ぎだす松尾。
その下には女物の下着が着想されていた。
「エクスプロージョン!」


一番騒いでいるのがルイズのため、注意しきれないシエスタがいたような気がするが、それは気のせいである。

711 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 23:13:16 ID:fMFesGx0
紫煙


712 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 23:14:06 ID:SD3eVtSE
支援

713 :男達の使い魔:2007/10/11(木) 23:14:31 ID:lqf0cy4b
そして翌朝。

「うーーーー。頭いたーい。」

ルイズが頭を押さえながら起きてきた。
どうやら二日酔いらしい。

「ルイズ様。二日酔いにはこの薬がよく効きますよ。」

即座にシエスタが緑色の飲み薬を手渡す。
良く見ると、その左手には、お盆の上に飲み薬を入れたコップが立体的に積まれていた。
類まれなバランス感覚をようするシエスタだからできるわざである。

受け取ったルイズは、小さな声でシエスタに感謝の言葉を捧げると、一息で飲み干した。

「ッッッッッ!にっがーい!これなんなの?」

その味に思わず涙目になったルイズがシエスタに問いかける。

「これはハシバミ草から作った特製のお薬です。苦いのは当然ですよ。
 そうでないと二日酔いを後悔しないから、とおばあ様が良く言ってましたし。」

思わずルイズは納得した。これ程苦いならば、そういう効果もあるだろう。

「それでは、他の方にもお薬を配ってきますね。」

ルイズは、そうして立ち去ろうとするシエスタの後ろを、タバサが付いていっているのに気がついた。

「余ったら全部もらう約束。」

ルイズの隣を通り過ぎる瞬間、聞いてもいないルイズに、タバサが呟いた。
一瞬絶句して、思わず振り返ったルイズであるが、その時には二人はすでに外に出ていた。

「まさか、アレを全部飲むつもりなの?」

ルイズの疑問である。

714 :男達の使い魔:2007/10/11(木) 23:15:34 ID:lqf0cy4b
時は昼過ぎ。
小さなタルブの村にはあまりにも不釣合いなほど大きい墓の前に、塾生達が集合していた。
ルイズ達は気を利かせて墓の外にいる。

まずはシエスタが簡単な報告をしていた。

「おじいさま。私はおかげさまで元気に過ごしています。
 ようやく真空殲風衝も使いこなせるようになりました。
 おじいさまから見れば、未熟もいいところではあると思いますが、
 大豪院流の系譜を絶やさないように努力をしていくつもりです。」

シエスタの近況報告が続く。
学院に入ってからのこと。知り合いができたこと。真空殲風衝が使えるようになった決闘のこと。
次々と話が続いていく。
そうして、最後に一号生達の方を振り返って祖父に紹介した。

「それにおじいさま。今日は珍しいお客様が来ていますよ。」

そう言ってシエスタは、墓の前から退いた。
学ランを着用した塾生達が、無言で前へと歩み寄る。
秀麻呂は、幻の大塾旗を挙げていた。

ピタリと邪鬼の墓の前で全員が歩みを止める。

そんな中、桃が一人前へと進み出た。

715 :男達の使い魔:2007/10/11(木) 23:18:26 ID:lqf0cy4b
邪鬼の墓をじっくりと見つめる桃。
ここに邪鬼の遺骨などは何もないことは知っている。
しかし、この墓地に漂う雰囲気は、まさしく邪鬼のそれであった。
故に、

塾生達はここに邪鬼の魂が眠っていることを確信していた。

「押忍!邪鬼先輩、報告します!」

そうして桃もまた報告をしようとした。
ようやく念願かない、宿敵藤堂兵衛を打ち倒したことなど、報告すべきことは山ほどあった。

(だが、)

桃は思う。
その全てを報告することに何の意味があろうかと。
彼は、邪鬼先輩は、俺達を信じて男塾を託したのだ。
ならば、

「俺達は日々男を磨いています。
 近い内に必ずや男塾に戻り、後輩達にも男塾の魂を伝えていく所存です。
 以上、失礼します!」

短い言葉ではあったが、桃は全ての想いを載せたつもりであった。
ふと桃は、否一号生達は不思議な声を聞いた気がした。

(大義であったな。これからも男塾を頼んだぞ。)

短い台詞ではあったが、それは紛れもなく邪鬼の声であった。
ふと、全員の目に熱いものがはしる。しかし、誰もそれを放とうとはしない。
今ここで涙を見せれば、邪鬼先輩に怒られるのは火を見るよりも明らかなのだ。
だからこそ桃は

「全員、邪鬼先輩に敬礼!」

声を張り上げることにした。
あらかじめ打ち合わせをしていたかのように、全員の敬礼が綺麗にそろう。
それはそれは色気のある敬礼であった。

男達の使い魔 第十六話 完

716 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 23:19:18 ID:CnZW/jFr
>>701
「ルイズさーん」
と落ち葉舞い散るポプラ並木でルイズと二人してキャキャウフフする
せがた三四郎。

#実写版ではくぎみー本人がルイズのコスプレ。

717 :男達の使い魔:2007/10/11(木) 23:19:43 ID:lqf0cy4b
NGシーン

雷電「むう、あ、あれは!」

虎丸「知っているのか雷電!?」

雷電「あれぞまさしく古代中国において伝わる環韻(わ・いん)!」

最近のワインブームにおいてワインを楽しむようになったかたも多いだろう。
一般にワインの起源は、古代ギリシアやメソポタミアのあたりと言われているが、これは事実とは異なる。
かつて古代中国は殷の時代、蒲党主(ふ・とうしゅ)と言われる武道家がいた。
彼は晩年ある技をひたすらに練っていたことで知られる。
その技は、果物の蔓を使って敵を拘束する技であるが、鍛錬に鍛錬を重ねた彼の技は格が違った。
彼が一度蔓を手に持つと、それは一瞬にして大きな円環を描き、敵が言葉を発するまもなく縛り上げたという。
故に人々はその技を環韻と呼ぶようになった。
彼がこの技を練習する仮定で、たまたま落ちた葡萄が発酵し、今で言うワインとなったという。
なお、この際に彼の技名が西洋やハルケギニアに伝わりワインとなり、
人名が日本に伝わり、音を変え葡萄酒と呼ばれるようになったのは、諸君等もご存知の通り、実に有名な話である。
余談ではあるが、中国の東北地方において、いつまでも泣き止まない子供に
「環韻にするぞ」
と言って怒鳴りつけるのはこの故事から来ていることは言うまでもないであろう。

民明書房刊 「お酒と武術の歴史」(平賀才人著)

718 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 23:20:31 ID:fMFesGx0
押忍! GJであります!

719 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 23:21:03 ID:TM8LmTXA
才人ww
GJっす

720 :男達の使い魔:2007/10/11(木) 23:22:16 ID:lqf0cy4b
というあたりでキリが良いので、今回の投稿はここまでです。
皆様ご支援いただきまして誠にありがとうございました。
なお、避難所に来ていない皆様のために、避難所での展開を一言でまとめますと

「平賀一号生が暴れてルイズが帰った」

というだけの話になります。
他にも助っ人四号とか細々とした登場人物は増えていたりしますが、あまりお気になさる必要はありません。

それでは皆様また近い内に会いましょう。

721 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 23:22:17 ID:H7FPaKtr
この才人、知識の幅がハンパじゃないな

722 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 23:22:48 ID:sR8uw57l
才人www
お前は男塾でハンマー振り回してるはずだろうがwwww
GJ!!

723 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 23:25:12 ID:U2ZmsaBp
>>701
フリッグの舞踏会でみんな投げ飛ばす。


724 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 23:29:20 ID:lZKiG1Hz
このサイト、男塾の中でも特にむさ苦しい外見になってるのにインテリだよなwww

725 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 23:33:31 ID:H7FPaKtr
肉体はかつインテリ……室伏並にスゴイやつってことか

726 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 23:39:33 ID:KaJs4F1T
インテリ肉体派で鎬紅葉が浮かんだ
その次にビスケット・オリバが浮かんだ
足して割ったらサイト男塾仕様のイメージが出来上がった

727 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 23:40:02 ID:mAgPDHev
>>725
なぜかタフの静虎を連想した

728 :ソーサリー・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 23:41:02 ID:hzYnQ4GC
代理投稿行きます。

729 :ソーサリー・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 23:41:26 ID:hzYnQ4GC

三一〇
 
 君はルイズとギーシュに、当初の予定どおり北西へ向かうと告げる。
「あんたねぇ。さっきのおじさんの話、聞いてたの!?」
 食って掛かるルイズに君は、男爵の屋敷は焼け落ちたそうだが、そこになにか手掛かりが残されているかもしれぬと説明する。
「焼け残ったものだって、どうせ略奪されつくしちゃってるわよ。王党派の軍隊を探して、男爵の居場所を訊いたほうが手っ取り早いわ」と、
納得のいかぬ様子でルイズは言う。
 ギーシュもルイズに同意し、
「無駄足だと思うけどなぁ」とぼやく。
 君はふたりに、嫌なら好きにしろと告げて背を向けると、リビングストン男爵領へと向かう道を進む。
 ルイズは
「ま、待ちなさいよ!行かないとは言ってないでしょ!」と叫んで、
君に追いすがる。
「あんたってば、人の話を聞こうともしない、わがままな使い魔なんだから!でも、こうなったらとことんまで付き合ってあげるわ。
感謝しなさいよね!」
 そう言ってルイズは、君の横に並んでで歩く。七四へ。



730 :ソーサリー・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 23:41:37 ID:hzYnQ4GC

七四
 
 このアルビオン大陸は雲の上を漂っているだけに、高原のように涼しく、空気も爽やかだ。
 周囲にはよく手入れされた畑や牧草地が広がり、この国を二分する醜い戦争のことなど忘れてしまいかねないほどの、牧歌的な風景だ。
「どうせ来るなら、観光で来たかったな」とギーシュが言うと、
「わたしは昔、家族で来たことがあるわよ。王都ロンディニウム…古都サウスゴータ…あの美しい町並みも、戦争で汚されてしまっのかしら」と、
ルイズが溜息をつく。
 
 内乱の真っ最中だけに、街道上で旅人や商人と出会うことは少ない。
 道の向こうからやって来るのは反乱軍の隊列ばかりであり、何台もの馬車を連ねた輜重(しちょう)部隊や、牛に大砲(君にとって未知の武器だ!)を
牽かせた砲兵隊が進んでくるため、君たちはそのたびに脇に寄って道を空けなければならない。
 
 やがて日が傾いてきたが、地図を広げたルイズの説明によると、もっとも近い村まで徒歩で四時間はかかり、到着するのは真夜中になってしまうという。
 今夜は、屋根の下で眠ることをあきらめたほうがよいかもしれない。
 街道を外れ、野宿に適した場所を探すか(二〇七へ)?
 それとも、道を歩き通して村へと向かうか(一四八へ)?



731 :ソーサリー・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 23:41:53 ID:hzYnQ4GC

二〇七
 
 君たちは野宿できる場所を探して、街道の西側に広がる森に踏み入る。
 朝まで眠るつもりならば木陰などではなく、洞窟のような場所のほうが安心感があるだろう。
 しばらく森の中をさまよい歩いた君たちは、望んでいた以上のものを見つける。
 それは、小さな木造の小屋だ。
 おそらく、炭焼き小屋か森番の小屋だろう。
 作りは粗末だが、一晩を過ごすには最適の場所だ。
 ルイズなどは
「もう歩くのはたくさん。早く入って休みましょう」と言いながら、
君の袖を引っ張って小屋の扉まで導こうとする。
 この小屋に泊まるか(七三へ)?
 他に野宿できそうな場所を探すか(一〇九へ)?



732 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 23:41:59 ID:HMZ84NrF
支援

733 :ソーサリー・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 23:42:07 ID:hzYnQ4GC

七三
 
 警戒しつつそっと扉を開けるが、小屋の中には誰もいない。
 埃の積もった様子からして、内乱が勃発して以来、誰も踏み入ったことはないようだ。
 渋るギーシュを半ば無理やりに薪拾いに行かせ、君は床にどっかりと腰をおろす。
 
「ねえ、ちょっと」
 そんな君にルイズが話しかける。
「この先、反乱軍の兵隊と出会うことも増えるわよね。それで揉め事になって、ごまかすことも逃げることもできなくなって、命が危なくなったときには
…その…相手を…殺すの?」
「あったりめえだろ、娘っ子」
 君に代わって答えたのは、近くの壁に立てかけられていた、意思を持つ魔剣であるデルフリンガーだ。 
「この国は戦争の真っ最中なんだろ?そこをうろつこうってんだから、火の粉を払うくらいはできねえとな。相手の生き死には、そんときの運次第だ。
相棒はなかなかの腕前だが、相手を殺さねえように手加減して闘えるほどの達人じゃねえ。そうだろ、相棒?」
 君はデルフリンガーの言葉にうなずき、ルイズに告げる。
 自分は一刻も早くリビングストン男爵と会って、元の世界に戻り、任務を達成しなければならない。
 その目的の妨げになる相手は、何者であろうと実力をもって排除する。
 反乱軍だけではなく、たとえ王党派でも、必要とあれば剣と魔法で叩き伏せる、と。
「そんな!正しいことのために闘っている人たちにまで、刃を向けるっていうの!?」
「娘っ子。戦争してる奴らってのは、どっちも自分たちこそが正しいと思っているもんだぜ?」
「わたしは娘っ子じゃなくてルイズよ!この戦争は、どう考えたって反乱軍のほうが悪いじゃない!死んだ人をさらし者にするような奴らよ?」
「王様の軍隊は、んなことしてねえって証拠でもあんのか?」
「『やった証拠』ならともかく、『やってない証拠』なんて出せるわけないでしょ!」
 話はいつの間にか、ルイズとデルフリンガーの口論になってしまう。
 
 薪を抱えて戻ってきた(生木も少なからず混ざっていたが)ギーシュを加え、三人で食事をとる。
 体力点一を加えよ。
 食事を終えた君たちは毛布にくるまって眠るが、ルイズもギーシュも、固い床の上では、なかなか眠れぬとぼやく。
 君が、石の床と藁束を≪使い魔≫の寝床に指定した者の言う台詞かと皮肉ると、ルイズはすぐに口をつぐみ、ギーシュは
「それは…ひどい」と小さくつぶやく。
 
 君は、はっと目を覚まして飛び起きる。
 かすかな地響きと、木の枝の折れる音は、夢の続きでも空耳でもない!
 なにか巨大なものが、君たちの泊まっている小屋に近づいているのだ。
 君は慌ててルイズを揺り起こしつつ、ギーシュを蹴飛ばす。
「ん…まだ真夜中じゃない」
「な、なんだ?敵襲か?」
 目を覚ましたふたりに事情を説明し、荷物をまとめるよう命じる。
 迫り来るなにかと対決するか(一六八へ)、それとも、ふたりを連れてこの場から離れるか(二二四へ)?



734 :ソーサリー・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 23:42:19 ID:hzYnQ4GC

二二四
 
 目の覚めきっていないルイズを引きずるようにして小屋を飛び出すと、そこから二十ヤードほど離れた藪の中へと潜り込む。
 眠りを妨げられたルイズは
「どうせ猪かなにかでしょ…もっと寝かせてよ」と言って、
大きなあくびをするが、途中で息を呑む。
 小屋の前に姿を現したのは、身の丈十六フィートにも達する巨大な人影だったからだ。
 それも、一体ではない。
 その怪物は七体は居て、それぞれが地響きを立てて歩き、獣のような唸り声を発している。
 夜の森なので細部まではっきりとは見えぬが、それは、多少いびつな人間に似た姿であり、手には人の身の丈ほどもある槌矛や戦斧を握っている。
 どの怪物も腰布一枚の半裸だが、何体かは大鍋のような兜をかぶっているようだ。
「トロール鬼だ…どうしてこんなところに」
 小さくささやくギーシュが震えているのは、夜の寒さのせいだけではなかろう。
 あれがトロールだと?と、君は眼を丸くする。
 トロールといえば、七フィート前後の大柄で愚かな乱暴者だが、あの怪物は丘巨人ほどもあるではないか!
 小屋を取り囲んだ『トロール』どもは、窓から小屋の内側を覗いていたが、中に誰も居ぬことを確認すると急に腹立たしげな様子を見せる。
 呼吸する音が荒々しくなったと思うと、数体がめいめいの得物を振り上げ、そのまま小屋の天井に振り下ろす。
 小屋は蝋細工のようにあっさりと砕け散り、十秒と経たぬうちに木片の山と化す。
 小屋を叩き潰して気が晴れたのか、巨体の怪物どもはもと来た方向へと引き返し、足音が遠ざかっていくので、君たち三人は安堵の息をつく。
 三人がかりで魔法を使ったところで、あのトロール鬼の集団を相手に生き残るのは、まず不可能だっただろう。 
 君は正しい判断をして、自分だけではなく仲間の命をも救ったのだ。
 
 君は、恐怖に言葉を失っているルイズとギーシュを森の奥まで導き、そこで寝直すように言う。
「ね、眠れるわけないでしょ。またあんなのが来たらどうするのよ!」と言うルイズに君は、
自分が朝まで見張りにつくと告げる。二〇五へ。



735 :ソーサリー・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 23:42:29 ID:hzYnQ4GC

二〇五
 
 空に朝日が昇り、浮遊する大陸を照らす。
 君たちの居る森の奥にも木の葉越しに日光が射し込んだため、君はルイズとギーシュを揺り起こす。
 ふたりは数時間だけとはいえ、眠ることができたようだ。
 トロール鬼どもによって眠りを妨げられ、その後は一晩中寝ずの番をした君は、体力点一を失う。
 
 荷物をまとめて再び出発した君たちは、森を抜け街道に出る。
 歩き続けていた君は、東の方向に幾筋もの黒煙がたなびいているのを認めて、はたと立ち止まる。
 王党派と反乱軍がせめぎ合う前線はもっと遠くのはずだが、火事だろうか?
 煙のあがる方向へ行ってみるか(一二二へ)、それともこのまま街道を北西へと進むか(二三一へ)?



736 :ソーサリー・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 23:42:41 ID:hzYnQ4GC

一二二
 
 黒煙に導かれて三十分ほど歩いた君たちが眼にしたものは、なんとも凄惨な光景だ。
 そこは小さな村―――だったものと呼んだほうがふさわしい―――で、全ての建物が炎を吹き上げており、いたるところに死体が転がっているのだ。
 首を斬り落とされた農夫が壁にもたれかかり、少年とも少女ともつかぬ小さな死体が道の真ん中で煙をあげてくすぶっている。
 女の死体は老若を問わず衣服を失っており、殺される前に辱められたと見て間違いないだろう。
 この村は家々、路地、広場、果ては井戸の底まで死体だらけという、地獄めいたありさまなのだ。
 
 「そんな…そんな…」
 顔を蒼白にしたルイズが夢遊病者のようにふらふらと歩く一方、ギーシュは塀に両手をつき、咳き込みつつ激しくもどしている。
 君は、自分の迂闊さを呪う。
 このような惨状は≪旧世界≫ではそう珍しいものではない―――オークの襲撃を受けた僻村と同じだ―――ため、深く考えもせずに、死体に免疫のない
ルイズたちまで連れてきてしまったのだ。
 ふたりにこれ以上悪影響を与えぬうちに村を出ようとする君だが、自分たち以外の人の気配を感じて周囲を見回す。
 家が燃え上がる音に混ざって聞こえてくるのは、鎖帷子や武器がかちゃかちゃと鳴る音だ。
 武装した兵士たちがやって来る―――おそらくはこの惨状を作り出した張本人どもがだ!
 物陰に隠れるか(二五二へ)、それともルイズたちを先に逃がすため、人殺しどもの前に立ち塞がるか(二八四へ)?



737 :ソーサリー・ゼロの代理人:2007/10/11(木) 23:43:11 ID:hzYnQ4GC


587 名前:ソーサリー・ゼロ 投稿日:2007/10/11(木) 23:40:03 [ ApidYq8o ]
今回は以上です。
次回、焼き討ち民間人虐殺といえば…?
そう、あの人です。


==========

以上、代理投稿終了です。

738 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 23:47:31 ID:ptofze3x
ディセプティコンの方BPZの方男塾の方
皆さんGJでした!
どれも続きが楽しみです!
何かふと、白雪姫の魔法の鏡召喚の電波を受信した
「鏡よ鏡、この方はだぁれ?」
「マザコンでロリコンでトリステインを裏切るつもりの
下衆野郎ジャン・ジャック・ワルド子爵です」
冗談で聞いたルイズとその場の面々硬直
出発前に裏切りがバレるワルドが見たいだけですがね

739 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 23:49:16 ID:ptofze3x
リロ忘れたorz
ソーサリーの方乙でした

740 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/11(木) 23:59:36 ID:bhXrwyQh
乙、麺のびるか

741 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 00:04:50 ID:V1KAlKjH
なんか一話完結の小ネタを書いてみたら
無駄に長くなったわりにオチがつかなくなってしまった

742 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 00:06:34 ID:GzBQNZQR
>>738
かちかち山の兎を召喚してもおもしろそうだ。
背後から火をつける→悪意ある医療ミス→事故に偽装した殺人

恐ろしい。


743 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 00:06:46 ID:oDkY43yr
>>741
神があなたに試練を与えているのです。

長編に挑めと。

744 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 00:07:02 ID:ewCYHqan
乙ー。
ソーサリーの主人公って万国ビックリ人間ショーなこのスレの使い魔連の中じゃあ
随分と「普通」の範疇のキャラだからナァ。強敵の相手はキツイよね、色々と。

745 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/12(金) 00:07:07 ID:4VX4xqp8
投下準備できました。
今回で1巻の話は最終回です。

746 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 00:08:52 ID:V1KAlKjH
>>743
いや、書ける実力があるなら書こうとも思うけどさ、
……菊池ネタだぜ?短編にしとかないと
ひたすら俺tueeeeeeeeeeeeeeeeで話が書けるとは思えん

747 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/12(金) 00:09:28 ID:4VX4xqp8
 学院に戻ってきた五人は、オスマン氏に詳細を報告していた。
「ふむ。まさかミス・ロングビルがフーケじゃったとはのう。美人なもんじゃから何の疑いもなく採用してしもうたが、まさかこんなことになってしまうとはのう」
 立派な髭をしごきながら、遠い目で反芻するオスマン氏。
「一体どこで知り合ったんですか?」
 と傍に控えていたコルベールが尋ねると、
「居酒屋で出会ったんじゃよなあ。わしは客で彼女が給仕……こうつい手を伸ばして尻を触ったら、何も怒らないどころか、妙に愛想よく酒を勧めるものじゃから、
ついついその場で口説いてしもうてのう……。魔法も使えるということで、秘書に採用したんじゃが、今思えばあれはフーケの周到な策略だったんじゃなあ……」
 いい尻の持ち主だったんじゃがなあ……とオスマン氏は、幸せいっぱいの感慨深げな表情になった。
 とそこで、オスマン氏を除いた全員が、オスマン氏に冷ややかな視線を送っているのに気づく。
 特にルイズなんかは、これ以上無いジト目だ。
 コルベールにいたっては、小さな声で「死ねばいいのに……」などと呟いている。
「と、とにかくじゃ! 『隠れ身の衣』も帰ってきたし、フーケは衛士に引き渡した。一件落着じゃ!」
 オスマン氏は無理やりごまかすように、厳めしい面で五人に向き直った。
「君たちの『シュヴァリエ』の爵位申請を、宮廷に出しておいたぞ。おいおい宮廷から連絡が下るじゃろう。ミス・タバサはすでに『シュヴァリエ』の爵位を持っとるから、精霊勲章の申請をしておいた」
 三人はその言葉を聞いて、いっせいに破顔した。キュルケなどは興奮交じりにはしゃいでいる。
「いいのじゃ。君たちはそれに値する活躍を収めたのじゃからな。だが、すまんのう。サイト君とヘイズ君は貴族ではないでな。じゃが、ヘイズ君は便利屋を営んでいると聞く。
じゃから報酬という形でいくらか渡すことになるじゃろう。もちろんサイト君にもじゃ」
 「わしのポケットマネーじゃよ?」といたずらっ子のような笑顔で言うオスマン氏。
 こほん、と咳払いをひとつ。オスマン氏はまた五人に向き直ると、
「さて、今宵は『フリッグの舞踏会』じゃ。今日の主役は君たちじゃぞ。用意をしてきたまえ」
 三人は一礼し、ドアに向かった。
 ルイズの心配そうな表情と、タバサの何かを慮った表情がこちらを見つめてくるが、
「ルイズ、先に行っててくれ」
「オレも後で向かう。少しばかり話があるだけだが、多分その間はハリーとの通信も無理だ」
 タバサはヘイズに渡されて、制服の襟元につけた通信機を撫でながら、わずかに逡巡したのち退出した。
 ルイズも何か言いたげな表情だったが、サイトの表情を見てから頷いてタバサの後を追った。

748 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 00:10:03 ID:ewCYHqan
お客様(筆者)のご要望とあらば。
支援

749 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 00:12:05 ID:w2uR/Zuz
支援

750 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/12(金) 00:12:22 ID:4VX4xqp8
「さて、私に何か話があるようじゃな。君たちは学院の宝を取り返した英雄じゃ。できるかぎりの力を貸そう」
 それからヘイズは、コルベールに退席を促した。これから話すことは、あまりこの世界の人にほいほいと話す内容ではない。
 目を光らせて少年のような笑顔で待っていたコルベールは、嫌々ながらといった表情で名残惜しげに退席した。
「あー、『隠れ身の衣』なんだが、こいつはオレの世界の道具でな。マジックアイテムとかそういう不思議パワーとは、真逆の道具だ」
「なんと……! 元居た世界とな?」
 ヘイズの説明に、きらりと眼光を鋭くするオスマン氏。
「ああ、オレとサイトはこことは異なる世界から呼ばれたらしい。そしてオレはサイトの居た時代の、はるか未来から来てる」
「俄かには信じられんが……」
「俺たちも信じられなかったですけど、召喚されてこの世界に来たんです」
 そしてヘイズは『隠れ身の羽衣』の説明に戻り、
「こいつは大戦初期に製作された偏光迷彩っていうデバイスで、周囲の光景をリアルタイムでローブに投影して、周りの人から見えなくするって一品だ。
ただし初期型だから、なんらかの演算機関の補助がなければ動かねえし、投影の精度も低い。ちなみにオレは、こいつの最新型であるチョーカー型を持ってる。
似合わねえから付けた事はあまりないが」
「データライブラリーによると、大抵は隠密行動中の空間曲率制御特化型魔法士『光使い』か、混戦時の分子運動制御特化型魔法士『炎使い』が使っていたようです」
 ハリーが説明に補足を加える。
「信じられねえ。俺のいた時代じゃ、偏光迷彩なんて研究中で、実用化なんて夢のまた夢の代物だったのに……」
「ところでその『光使い』とか『炎使い』というのは何なのだね? 魔法士というのが、君の居た世界のメイジのようなものだというのは推測できるが」
「それは私が説明します」
 驚愕を吐露するサイトとオスマン氏に、ハリーがデータライブラリーの情報を伝え始めた。

 ――光使い。D3というデバイスを操り、空間を捻じ曲げ、荷電粒子砲の火力で主に対艦戦闘で活躍した、戦場で最も人を殺した魔法士。
 ――炎使い。分子運動を操り、氷を作ったり熱量を加えて爆破することができ、高レベルになると物質の合成すら可能とする、大戦で最も作られた魔法士の一つ。
 そして情報制御理論と、それによってできた魔法士のあれこれ。
 大気制御衛星の暴走による永久の冬の到来と、勃発した大戦の傷跡――。

751 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 00:14:04 ID:w2uR/Zuz
支援

752 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/12(金) 00:15:45 ID:4VX4xqp8
 話が終わると、オスマン氏もサイトも、なんだか納得できたようなできないようなあいまいな表情を浮かべている。
「なんとも面妖な世界があるものじゃな」
 とオスマン氏は心情を吐露した。サイトも頷く。
「俺のいた世界の未来で、そんなことが起こっていたなんて……」
「オレからすりゃ、魔法なんてミョウチキリンなものが、何の違和感もなく溶け込んでいるこの世界のほうが不思議だけどな。
オレの世界にも『発達しすぎた科学は魔法と見分けが付かない』なんて、小洒落た言葉があるけどよ」
 「サイトも多分知ってるだろ?」と言いながら、嘆息するヘイズ。
「そういや、『隠れ身の衣』はどうやって、学院の宝物庫に入ったんだ?」
 ふと思いついた疑問を口にする。するとオスマン氏は重々しく口を開き、

「あれは十年と少し前じゃったかのう……わしが近くの森を散策しておると、不覚にもワイバーンに襲われてのう。なすすべもなく、
あわや「このまま死ぬか」とそう思い始めたそのときじゃった。突如として青年が現れ、わしに衣を被せたかと思うと、ワイバーンはわしの姿を見失った。
そしてその隙に青年が氷の弾丸でワイバーンを退治したのじゃ。青年は「東からはるばる来たら、襲われているのが見えて助けた」と言い、
わしは命の恩人である青年を学院に連れて帰った。
青年は毎日のように「早く帰らないと七瀬中佐をお助けできない」と嘆いておった。そしてある日スヴェルの日――二つの月が重なる夜に彼は
空へ昇っていき、月の中へ吸い込まれ二度と帰ってくることはなかった。今思えば彼は、恐らくもとの世界へ帰ったのじゃろうな。そしてわしは青年がのこしたローブを『隠れ身の衣』と名づけ、宝物庫に保管することにしたのじゃ」
 厳かな口調で訥々と語ったオスマン。

753 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 00:15:55 ID:w2uR/Zuz
支援

754 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/12(金) 00:17:19 ID:4VX4xqp8
 オスマン氏の長い逸話を聞き終えたヘイズはハリーに、
「間違いねーな」
「ええ。踏破能力・生存力・氷の弾丸――間違いなく炎使いです。七瀬中佐というのは、シティ神戸の紅蓮の魔女のことでしょう。オスマンさま、その青年は黒尽くめの軍服ではありませんでしたか?」
「そのとおりじゃ」
 オスマン氏の言葉に「やはりな」と頷くヘイズ。
 黒一色に染め上げた軍服は、かつてシティ・神戸自治軍で正式採用されていた制服だ。数々の状況証拠を含め、その青年がヘイズの世界の人物だったことは間違いない。
 となれば、どうしてもとの世界に帰ることができたのか。はるばると言うほど東からやってきたのなら、何度でも月が重なる日があったはずだ。
 それにもかかわらず、オスマン氏と出会ってから初めて月の重なる日に帰ることができた。
「これはわしの憶測なのじゃが、彼はわしの命を救うためにこの世界にやってきたのではないじゃろうか。そして彼は使命を果たしたから、元の世界に帰って行ったのではないかのう」
 「わしの希望でもあるがな」とオスマン氏は笑う。
 だが、なるほど。何かを任されこの世界に呼ばれても、使命を果たせば帰ることができる――。
「ってことは、オレ達にも元の世界に帰る希望はあるってことか」
 指をぱちんとならし、ヘイズは表情を明るくした。
「しかし、その使命が何か分からなければ、帰ることはできんわけじゃがな」
 がくんとヘイズとサイトはずっこけた。そうであった。使命が一体何なのか、皆目見当が付かないのだった。

「しかし、サイト君についてはなんとなく分かっている。その『ガンダールヴ』のルーンによってな」
「そうだ、このルーンだ。武器を持つとこいつが光って、何故か体がいつもよりよく動くんだ」
「それは伝説の使い魔のルーンじゃ。あらゆる武器を操り、主の身を守ったという」
「てことは……」
 そこでサイトが首をかしげた。嫌な予感がする。
「ミス・ヴァリエールを守り抜くこと。それがサイト君の使命じゃろう」
 やはりであった。それはつまり「ルイズが死ぬまでは帰れませんよ」と言っているに等しい。
 ヘイズは「頑張れよ」と言ってサイトの肩を叩くし、オスマン氏は「住めば都じゃ。なんなら嫁の貰い手も探すぞ」などとのたまっているし。
 頭を抱え込みながら、サイトはとうとう脱力してへたり込んでしまった。

755 :通常の名無しさんの3倍:2007/10/12(金) 00:18:15 ID:WoCYWGSn
>>485
亀レスだけど、どこの作品か教えてください・・・。
515のヒントから探したけど、それらしいスレが見つからない・・・。

756 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/12(金) 00:19:11 ID:4VX4xqp8
 アルヴィーズの食堂は二階が大きなホールになっていて、そこで舞踏会が行われていた。
 着飾った生徒や教師達が、豪華な料理の周りで歓談している。
 本当ならヘイズは場違いなはずなのだが、
「お似合いですよヘイズ。返すのを忘れた軍服が思わぬところで役に立ちました」
「うるせえ。オレはもう二度と、こいつを着る事はないと思ってたんだがな」
 ため息混じりにヘイズは呟いた。
 今ヘイズが着ているのは、シティ・ロンドン自治軍に所属していた時に着ていた軍服である。
 もっともあの時は、状況が状況だったために、ヘイズの意思とは無関係に配属になったわけだが。
 せめてもの抵抗と、本来は白いジャケットとスラックスを真っ赤に染めなおした一品で、ヘイズとしてはあまりいい思い出のない品物であった。
「さてと、オレはとりあえず会場に溶け込めてるわけだし、あるのは合成品でないワインだ。飲めるうちに飲まないとな」
 と本日すでに四杯目となるワインに口をつけた。
 視線を廻らせると、サイトもバルコニーでワインを飲んでいる。少々やけになっているように見えるのは気のせいだろうか。あ、また注いだ。
 そしてキュルケは最初はサイトと何か話していたが、パーティーが始まると男児生徒に囲まれ歓談が始まった。
 ギーシュを見ると、モンモランシーを執拗に誘っては断られている。まだ仲直りはしていなかったようだ。あ、ギーシュの横面を張り飛ばした。
 さてタバサはというと、黒いパーティードレスを身に纏い、料理の皿と格闘中だった。特にサラダの消費に余念がない。

「ようタバサ。それ美味いのか?」
「極上」
 タバサの傍に歩み寄ったヘイズが尋ねると、タバサは食事優先なのか短く返した。
 ヘイズはグラスを傾けながら口を開いた。
「院長のじいさんが言うには、オレは何かの使命を受けて呼ばれたらしい」
「そう」
 聞いているのかいないのか、タバサは黙々と皿の上のサラダを減らし続ける。
 こちらのほうを向こうともしない。
「そんでだ。その使命ってやつを果たせば、オレは元の世界に帰れるらしい」
「そう」
 相変わらずサラダを食べている為、その表情がどのようになっているのか確認できない。
 しかしヘイズは微妙に、タバサの返答の声が違ったような気がした。
「まあ、今は使命がなんなのか分からねえから、どうしようもねえんだけどな」
「そう」
 ヘイズは二人分のグラスにワインを注いだ。
「というわけで、これから長くなりそうだ。オレたちのこれからの無事を祈って、ここはひとつ乾杯といこう」
 タバサは頷き、グラスを手に取ると「乾杯」と小さく呟いて、ヘイズとグラスを合わせた。
 とそこでホールの扉が開いて、衛士がルイズの到着を叫んだ。

757 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/12(金) 00:20:59 ID:4VX4xqp8
 主役が揃ったところで、楽士が演奏を奏で始める。
 最後にやってきたルイズは、次々にダンスの相手を求められている。
 無理もない。曲がりなりにもフーケを倒したのは彼女だし、今体を包み込んでいるドレスが彼女の美しさを際立てていて、高貴なお姫様のように見せている。
 しかしルイズはそんな誘いを全て断りながら、バルコニーに居る人物――サイトに向かって歩を進めていく。
「嬢ちゃんのお相手はサイトか。じゃあうちの姫さんのお相手は、オレの役目ってことかな?」
 ヘイズは指をぱちんと鳴らし、タバサの手を恭しく取った。
「ヘイズがやると、妙に違和感がありますね」
 ハリーが茶化すが、
「そうでもない」
 とタバサはその手を握り返した。

 ルイズとサイト、タバサとヘイズというふたつのペアが、ホールの雰囲気を支配した。
 優雅にステップを踏み、時に緩やかに時に激しく華麗に舞い踊る。
 ギーシュは目を丸くしながら、モンモランシーと顔を見合わせた。
 キュルケは口元を押さえて「まあ……」などと感嘆した。
 誰も彼もが華麗に舞う四人の姿に、視線を奪われていた。
 たしかにそれはホールでもっとも素晴らしい光景であった。
「おでれーた!」
 デルフリンガーが叫ぶ。
「主人のダンスの相手を務める使い魔を二人も見るなんて、こんなことを見るのは初めてだ!」
 その声はやがてホールを包み込む歓声と拍手にかき消されて……。

758 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 00:22:19 ID:gL7bLjie
支援

759 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 00:23:13 ID:w2uR/Zuz
支援

760 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/12(金) 00:24:19 ID:4VX4xqp8
投下終了です。
これで1巻の話は終了。次から2巻の話に移ります。

以下ウィザブレの後書き風に次回予告。
次の舞台は風の大陸アルビオン。
「悲愴な女王」の下、「虚無」は「神の右腕」と「青銅」と共に、「閃光」に連れられて風の大陸を目指します。
一方「雪風」と「微熱」は「異端なる空族」の力を借りて「虚無」の足跡を追いかけます。
表の歴史に書かれなかった「雪風」たちの物語。そして使命を知らされることになる「異端なる空族」
とまあ多分こんな話になる予定です。プロットと言う名の脳内妄想で。

執筆時BGM:プラスチック・スマイル

761 :ウィザーズ・ルーン:2007/10/12(金) 00:31:24 ID:4VX4xqp8
×神の右腕
○神の左手

僕が格好つけるとろくなことがありません

762 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 00:33:50 ID:HSYt4522
乙です。やっぱ皆、面白い文章書けるんだな………


ターボレンジャーに出てくる流れ暴魔のヤミマルとキリカってやっぱり東の地の亜人ってことになるんだろうか。
同じような出生のテファと会話させたら面白そうなんだけど。

763 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 00:35:51 ID:HW40BbZO
小ネタしか書けない俺から見たら長編書いてる人の文章力は変態クラス

764 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 00:36:36 ID:cptlkWyO
GJです。更新ご苦労様でした。

>>755
2ch検索で、『ゼロの使い魔』で検索、ピンク系のスレに行ってみて下さい。
スレが500K超えで新スレに移行しているので、落ちる前に行った方がいいかも。
俺はもう保存した。
タイトルは、『平賀さんちへいらっしゃい』だったですよ。

765 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 00:39:10 ID:l1oQQJbN
>>760
お疲れ様、ウィザーズ風次回予告、いいねw
応援してるよ〜

>>764
宙の湯……かや?

766 :764:2007/10/12(金) 00:48:12 ID:cptlkWyO
もっとわかりやすく書くと『エ○パロ板』です。
……いいのかな、ここまで書いて
18歳未満の良い子は行っては駄目ですよ。
問題のSSは、ちっともエロは無いですけどね。

767 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 00:51:50 ID:MDbHk1aa
駄文投下しますよー。


768 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 00:57:10 ID:BxZRkKT4
支援〜

769 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 00:57:19 ID:a0ld3kKh
支援します

770 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 01:00:32 ID:8cctm1sC
サテライト支援

771 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 01:00:37 ID:MDbHk1aa
「ちょ‥これ‥落ちてんじゃねーのか」
 
いや、こんな当たり前なセリフを言ってる間にも
万有引力の法則により見る視るうちに地面は近付いていくるのだ。
 
この状況を整理し理解するに当たって俺は色々考えたね。
もう有りと在らゆるパターンをだ
やれハルヒや古泉の粘密なドッキリ計画、やれ閉鎖空間の影響、やれ俺の夢だの他にも色々考えたのだがここでは省くとしよう。
 
しかし、そんな俺の思考は背中を突くするどい痛みによって停止された。
 
「ぐはら‥先に最適な受け身の方法を考えるべきだった‥」
そんな馬鹿の後知恵とも取れるセリフを言いながら状況を確認するべく周りを見渡した。
 
「なんだ‥ここは‥」
 
広大な草原に謎の集団
もっと驚くべきは、多数の未確認動物‥そうオカルト好きなら誰もが夢見るUMAと言うやつだ
 
目を疑うような‥いや脳を疑うような景色を見て口を開けてる俺は、
俺の人生の中でも三本の指に入るぐらいマヌケな顔をしていたであろう
ちなみに1位は朝比奈さんの着替えを見‥(省略)
 
しかしながらこんな顔をハルヒや古泉に見られなかったのは不幸中の幸いか。
 
そんな矮小な事を考えている俺が自分の身に起こっている事態の大変さを知るのはもう少し先の話しだ。


772 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 01:02:30 ID:MDbHk1aa
「もう‥なんであんなこと言っちゃったんだろ‥」
 
――ここは始祖ブリミルに愛された地ハルゲニア。
 
長い歴史を誇るトリステイン王国の、これまた由緒正しき魔法学院。
その敷地の外れの草原で、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは顔を曇らせていた。
 
『見てなさい、あんたたち全員でも及ばない神聖で美しくそして強力な使い魔を呼び出してみせるわ!!』 
昨日の失言がついさっきの事の様に思い出せれる。
 
次々と生徒が使い魔を呼び出していく中ルイズは自分の順番が最後であるのを知り更に顔色を曇らせた。
 
「ルイズ・フランソワーズ君の番だよ」
「は、はい!‥」
ルイズが返事をし、然るべき場所に移動する頃には、召喚を終えた生徒達が野次馬となっていた。
 
 
 
緊張しながらも一縷の望みに賭けて
少し息を吸い込み声高に呪文を唱える
 
「宇宙の果てのどこかにいる僕よ!神聖で美しく、そして強力な使い魔よ!!私は心より訴え、求めるわ!私の導きに答えなさい!!」
 
チャンドーン!!‥‥
 
またいつもの爆発を起こしたのかと思われるような、爆風と土煙を見て聴衆達は早くもルイズを侮蔑する言葉を吐いてる。
 
しかし土煙の中には明らかに物陰が見え、今ルイズの使い魔が明らかになろうとしていた。


773 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 01:02:56 ID:SrL3TjMj
みんな支援しなさい!!
団長命令よ!!

774 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 01:04:05 ID:HbL7gK45
いや団長命令で支援はしちゃ駄目だろ……団長はキョンを取り戻す手段を考えないと
取り敢えず支援

775 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 01:06:27 ID:MDbHk1aa
「こここ、こんなのが神聖で美しく、そして強力な‥?」
 
そこには神聖でも無けりゃ、美しくもないであろう普通の人間が奇妙な体勢で着地‥いや落下していた。
これから使い魔になるその人間であろう生物は辺りを見渡した後露骨なマヌケ面を見せた。
 
 
「なにあれww?」
「ちょww人間かw?」
「さすがはルイズww」
「し か も 平 民 で す か (爆)」
 
少しの沈黙の後ルイズとその使い魔を野次る生徒。
笑いを堪えきれない生徒。呆れる生徒。
多種多用な反応を見せるが、誰一人としてルイズを褒めようとするものはいない。
 
「こ‥これは?」
これには学院の中でも最も博学であろう、ミスター・コルベールも首を傾げた。 
「ふふ‥さすがはゼロのルイズね(笑)‥期待を裏切らないわね‥くくっ」
腹を抱えながら笑いに耐える赤髪のキュルケがルイズを挑発する。
 
「う、うるさい‥これは練習よ!もう一回すればちゃんとした‥」
恥ずかしさを隠しきれないルイズに
「使い魔の召喚は一生に一回です。早く誓いの義を」とコルベール氏から更なる追い討ちが。
「そんなぁ‥‥」
ルイズは落胆と恥ずかしさでいっぱいになり。
そのどうしようもない感情を自分が呼び出した使い魔に向けた
「あなた平民!?‥どこからきたの!?」
ポカン顔の使い魔に言いよる
「もう!何とか言いなさいよ」
使い魔を責めたてるように近付くと、ほんの少しであるが目に涙を溜めている事に気付く。
「ちょっと‥泣きたいのは私の方よ!もう‥こんなの早く終らせるわ!光栄に思いないさいよ!」
この場をすぐに去りたいのかルイズは目を閉じて、驚く使い魔を外にマニュアル通りに契約の契りである口付けを不本意ながら終らせた。


776 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 01:06:30 ID:n8Em+JND
本当に駄文とは思わなかった支援

777 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 01:08:23 ID:MDbHk1aa
どうなってるんだ?
なぜか周りの奴ら全員こっち見ているような‥
 
それは自意識過剰では無く珍しい物を見らるような視線を確に感じていた。
 
いや、落ち着け俺
これが何か壮大なドッキリだったらこの観衆の多さも視線も納得がいく。
などと自分を納得させ、この状況を整理するために頭をフル稼働させた。
 
冷静に物事を考えようとする男を裏腹に周りの謎の集団の談笑が大きくなる。
 
「ったく‥煩いな‥こっちは考えごとしてるんだよ‥‥‥ん?」
そう言えば周りの奴らから笑い声や何やらしてやったりの歓声も聞こえる。
 
やはりこれは‥ドッキリだな‥俺を羽目るならもっと設定を工夫するべきだったな、大方古泉とその機関が仕掛け人だな。
と、そんな事を頭の片隅で考えているとき局部に鋭い痛みを感じた。
着地の際に打ち所が悪かったのであろう。
局部の痛みは下腹部の痛みに変わり。
その痛みはこのドッキリの仕掛け人である人物に対する怒りへと変わった。
 
今の怒りを全てぶつけようと思ったが
肩をすくめ悪気が無いかのように微笑み謝罪する古泉の様子が脳に浮かび、俺は悔しさと怒りと不条理さで少し泣いた。
 
考え事をしていると周りが見えなくなるのは俺の悪い癖だ と妹に指摘されたことがあるが、その時の俺もどうしようもなく周りが見えていなかったんだろうな。
それは不意打ちだった、
何が不意打ちかと言うと全てが不意打ちだったと断言する。
桃色の髪をなびかせる少女も、その少女の可愛さも、いきなりのキスも。
これから起こるファンタジーのようなものも。
 
しかしながらそれからが大変だったように記憶している。

778 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 01:11:22 ID:cptlkWyO
キョンを召喚してしまって、元の世界は大丈夫か?支援

779 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 01:12:06 ID:MDbHk1aa
とまぁ処女作だから、本当に駄文だとは思わなかったなんて言わないで下さいね。
その、勉強しに来たわけです。

780 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 01:14:03 ID:MrPrlIXa
面白いとは思うけど、「勉強しに来た」っていうのはちょっとどうかと思う。
勉強したいんなら避難所へ行ったほうがいいぞ。

781 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 01:14:15 ID:MDbHk1aa
>>778
現実ではキョンが居なくなった事にハルヒが気付いてキョンの居る世界を作るんだけど、あれやこれやのトラブルが後々にあります。

782 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 01:14:29 ID:2BHkEVbf
>>779
本当に駄文だとは思わなかった

783 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 01:14:37 ID:HW40BbZO
>>779

>>776

784 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 01:15:45 ID:MDbHk1aa
>>780
すいません。
これからは自他共に納得のいく文が出来たら投下する事にします。

785 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 01:16:17 ID:uN+aQSFR
避難所に確か練習用のスレがなかったかな?

786 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 01:17:50 ID:MDbHk1aa
>>782-783
式には呼んで下さい。

787 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 01:17:51 ID:n8Em+JND
そういや前にもキョンが召喚されたSSあったけどそっちも駄文だったよな

788 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 01:18:44 ID:cptlkWyO
え?、終わったの?、だったら投稿終了宣言しないと。
GJは言いません。まだそこまで話は進んでいませんしね。
いずれ、ハルヒか長門たんあたりが、キョンを取り戻しに来る展開でも期待しつつ。

789 :755:2007/10/12(金) 01:19:47 ID:WoCYWGSn
>>764
ありがとう、確認できた!
あと、ウィザーズの人、投下中に質問レスつけて申し訳ない。

790 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 01:20:57 ID:MDbHk1aa
>>788
すいません。
投下終了言ってませんでした。
手元にまだあるんですが止めておきます。


791 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 01:23:49 ID:n8Em+JND
個人的にキョンより長門やちゅるやさんの方が(ry

792 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 01:26:23 ID:IvkF5fYY
とりあえずお疲れ
半年ほどいろいろ勉強するといいよ

793 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 01:30:02 ID:MDbHk1aa
>>792
見て下さってお疲れ様です。
文章を読んで勉強します。 
 
それでわ。

794 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 02:23:22 ID:GzBQNZQR
キョンは思ったより難しいキャラだと思うよ。
もう少しハードルの低いので練習してみよう。

795 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 02:29:16 ID:0NOHD7HB
71スレコントロール!!
夜間作戦だが、出撃準備が完了した!!
発進許可は如何に?

796 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 02:42:03 ID:eWqZFUR+
ぷらら規制されてるんで、携帯から支援

797 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 02:44:10 ID:cgskmUTK
>>795
オールグリーン

798 :ゼロの使い魔人:1:2007/10/12(金) 02:46:59 ID:0NOHD7HB
サンクス!

「チキュウ? トウキョウ? シンジュク? …変わった地名ね。聞いた事ないわ」
「…ハルケギニア大陸のトリステイン王国、だったか。一晩に月が二つも昇る夜、
というのも有り得ん話だが、何より魔法なんて代物は、俺の世界では表向き、完全に否定されたからな」
「そもそも、あんたのいた世界ってなによ? 月が一つだけ? しかも、魔法が無いだなんて信じられないわ」
…その夜。
学院生寮内、ルイズの私室にて両者は話合いの場を持っていた。
部屋の主は、天蓋付きのベッドに腰を下ろし、龍麻はその対面にて椅子に座り、足を組んでいる。
「別の世界から(無理やり)呼び込まれた」と言う龍麻の主張に対し、ルイズは露骨な不信…を通り越して、
『頭がちょっと可哀想な人』という視線を向けっ放しだった。
相棒ともいえる、小型多目的情報端末(通称H.A.N.T)を始めとする『証拠』を見せて、どうにか納得させようとした龍麻だが、
「ふーん、でも、これだけじゃ、わかんないわよ」
「わからん奴だな…。なら、お前達には出来ない事が、当たり前に出来る場所が有る…。とでも考えておけ」
これ以上、説得と説明を続けても無駄と感じ、龍麻は本題を切り出す。
「――回りくどいのは無しだ。俺が、此処から元の世界へと帰る方法は有るのか?」
「無理よ」
「予想通り…。と、言いたいが、どういう理由でだ?」
「召喚の魔法…つまり『サモン・サーヴァント』は、ハルケギニアの生き物を呼び出すのよ。
普通は動物や幻獣なんだけどね。人間が召喚されるなんて初めてだわ。
そして…、あんたはわたしの使い魔として、契約しちゃったのよ。あんたがどこの田舎モノだろうが、
別の世界とやらから来た人間だろうが、一度使い魔として契約したからには、もう動かせない」
「…なんつー横暴かつ、一方的な話だ…! 大体、意に沿わん相手が来たなら、
無理に契約せずとも、送り返すなり、別の相手を探すなりするのが自然だろうが…!?」
こめかみに指をやって、怒りと偏頭痛を抑えながらの龍麻の言葉に、ルイズは頭を振る。
「それも無理」
「…即答かよ。キッチリ説明してくれるんだろうな?」
「だって、あんたの世界と、こっちの世界を繋ぐ魔法なんて無いもの。そして、『サモン・サーヴァント』は
呼び出すだけ。使い魔はメイジにとって、生涯のパートナーよ。それを元に還す呪文なんて、存在しないし……」


799 :ゼロの使い魔人:2:2007/10/12(金) 02:48:39 ID:0NOHD7HB
「…で、何と続くんだ?」
「一度呼び出した、その使い魔が死ぬ迄、『サモン・サーヴァント』を唱える事は出来ないのよ。
例え、それがどんなに強いメイジであってもね」
「…………。つまりは、帰る途など無く、このまま一生かそれに相応する時間を、お前に付き合え、と」
ぎり、と言葉の最後に歯ぎしりが混じる。
「…俺もよくよく、運の無い男だが、それにも増して巫山戯ているのは、この世界と魔法だな……」
と、心の底からの悪罵を吐く龍麻に、ルイズもルイズでジト目を向ける。
「ほんとに…、なんであんたみたいなのが召喚されちゃったのよ! このヴァリエール家の三女が……。
由緒正しい旧い家柄を誇る貴族のわたしが、なんだって平民なんかを使い魔にしなくちゃなんないのよ?」
「…五月蠅い。その科白、熨斗と引き出物付けて返す。後先考えず、下手糞な術を使いやがって。
誰が好き好んで、こんな貴族や魔術師なんぞがのさばる世界に来て、従僕(サーヴァント)になるものか」
我の強い者同士、深刻かつ多大な互いへの失望と苛立ちをぶつけ合う。
既に両者の間に漂う空気は、リアルファイト勃発迄の秒読み段階といっていい。
「――で、だ。お互いこれ以上無い程、不本意かつ現状に対し、不満と怒りを抱え込んでいる訳だが」
「それがなによ」
「話が進まんからな。一方的な従属など真っ平だが、条件によっては、俺は妥協しないでも無い」
「わたしに従うって事?」
「何を聞いてんだ。――いわば、取り引きだ。お互い、持っている物を出し合う。俺は労働力なり、技能を出す。
お前は、衣、食等の俺が動くのに必要な物を出す。…決して理不尽なモノでは無いと思うが?」
聞きながら、ルイズの眉が段々吊り上がって行くのが見て取れるが、気にせず続ける。
「俺は絶対に帰るつもりだが、その為には、この世界の情報が必要る。片やお前の方も今迄の話を総合するとだ、
形はどうあれ魔術師である以上、俺という使い魔がいない事には、此処での生活なり立場に支障をきたす…違うか?」
龍麻の声に、む、とルイズの表情に不機嫌そうな色が浮かぶ。
『……………………』
それきり、睨み合う二人。
この場合、先に視線を逸らした方が負けだというのは言うまでも無い。


800 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 02:50:21 ID:BWp63E7Z
支援

801 :ゼロの使い魔人:3:2007/10/12(金) 02:55:44 ID:0NOHD7HB
「重ねて言うが、一方的な従属はせん。だが、仁義なり道理や良心に背かん限り、
そちらの指示や意思は尊重した上、希望に対しても善処するさ」
「――わかったわよ! 色々気に入らないけど、家僕の声を聞き入れるのも又、主の器量よ。
いいわね? これからは、わたしがあんたの主人よ」
「交渉成立…だな。短い付き合いだろうが、それ迄宜しく頼むよ、マスターさん」
椅子から立つと、軽くではあるが龍麻は頭を下げて見せる。
「なによ、そのマスターって言葉は?」
「俺の世界で言う所の、主君なり師匠等、目上の人物を指す言葉だ。
人前で名前や姓を呼び捨てにするのは、無礼に当たるんだろう?」
「そんなの当たり前じゃない」
「なら、それでいいだろう。…で、だ。使い魔として、俺に一体、何をさせるつもりでいるんだ?」
との龍麻の質問に、ルイズはぴっ、と人差し指を立てる。
「まず、使い魔は主人の目となり、耳となる能力を与えられるわ」
「つまり、感覚または認識の共有…。と、いう訳か」
「そうよ。でも、あんたとじゃ無理みたいね。現に、何にも見えないし、聞こえないわ」
「それは無条件で成立する物なのか? 小動物ならまだしも、確たる自我を持つ人間相手なら、
相互の相性なり、魔術師側の技倆に依る可能性も在ると思うが?」
と、龍麻は知り合いの陰陽師や魔女らとの付き合いから得た、知識を持ち出す。
が、龍麻の疑問を無視したルイズは、別の話題を持ち出した。
「それから、使い魔は主人の望むものを見つけてくるのよ。例えば秘薬とかね」
「秘薬?」
「特定の魔法や儀式を行う時に必要な触媒よ。硫黄とか、コケに…、ある種の鉱石、宝石も含まれるわね」
「成る程」
「あんた、トレジャーハンターだったっけ? そういうの、得意なんじゃないの?」
「…不可能では無いが、すぐには無理だな。俺の持つ知識が、そのまま『こちら側』でも通用するとは限らん。
やるなら、『こちら側』での下調べ…、偏に時間が必要るな」
「そう。期待はしてないから。最後に、これが一番なんだけど…。使い魔は、主人を護る存在であるのよ!
その能力で、主人を敵から護るのが一番の役目! …出来ないとは言わせないわよ」
「この六年で、一対一で負けたのは一度きりだな。後は常に一対多数の状況で生き残って来たが」


802 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 02:56:57 ID:y6y3XdZt
スクランブル!
スクランブル!
各機可能な限り支援せよ!


803 :ゼロの使い魔人:4:2007/10/12(金) 02:57:25 ID:0NOHD7HB
「あんたが何と戦ってたかは知らないけど、ウソや口からでまかせで無い事を祈ってるわ。
…強い幻獣だったら、並大抵の敵には負けないし、こんな心配をせずにすむんだけど」
「言ってろ」
「――そうそう。部屋の掃除や洗濯とかもあんたの仕事だからね。さてと、喋ってたら、眠くなってきちゃったわ」
その声で話は終わりと判断した龍麻は、椅子を元の場所に戻すと部屋の壁際に陣取り、
ルイズに背を向けて所持品を確かめる。
…バックパックに穴が開いていたとかいうベタな展開は無く、詰め込んでいた物品が床に並ぶ。
此処に持ち込めたのは、銃火器が大小合わせて三梃。鞭が一振りに、手甲一つ。
永久電池を含む希少品(オーパーツ)に始まり、銃器に対応した弾薬類はそれなり。爆薬類は…僅少。
後は緊急医療キットと某国難民も喰わんと揶揄られる野戦食に、護符や雑具の類いで全てである。
「――あの三連戦が響いたなぁ…。こんな事になるのなら、銃器は弾の共有が利く奴を用意するんだった…」
ついついぼやく龍麻の頭にばふっ、と投げかけられる物がある。
何かといえば、ルイズが先程迄身に着けていた、制服のブラウスやスカートに肌着。最後に薄手の毛布である。
「これ、明日になったら洗濯しといて。後、ベッドは駄目だからこれを使いなさい」
「汚れ物を他人に投げるな! そこらに一纏めにして置いておけ! …で、洗い場はどこだ?」
「ここに仕えるメイドか、使用人にでも聞けば解るわよ」
興味なさげに言い捨てると、指を鳴らす。
同時にランプの灯が落ち、室内を照らすのはカーテン越しに差し込む双月の光だけとなる。
――部屋の主は眠りの国へと旅立とうとしていたが、居候にはまだ、確かめるべき事があった。
結跏趺坐に組み、瞼を閉じて精神を研ぎ澄す。
息を継ぐ毎に、身体の奥底より湧き出す《力》を全身に行き渡らせながら、一点に導き、高めながら望む形へと錬り上げる。
「……巫炎」
短く呟くと、開いた掌の中で『炎氣』により生み出した、鮮やかな焔が小さく躍る。
(ふう…。世界や法則が異なる上、龍脈との繋りが無い今は、《黄龍の力》は駄目だが、
普通に《力》を使う分には、異常が無い事は不幸中の幸いだな……)
手を振り、焔を消す龍麻。
(――地図も羅針盤も無い旅だが、俺の採る道は決まっている。この世界の魔術師共が存在しないと断言しようが、

804 :ゼロの使い魔人:5:2007/10/12(金) 03:02:14 ID:0NOHD7HB
関係無い。何がなんでも、還る手段を探り当てて、生きて日本の土を踏んでやる…!)
口に出す事無く、決意を己が裡に刻み込むと、壁に寄り掛かって毛布を被る。
睡眠に優る疲労回復は無し。腕時計のアラームをセットした龍麻も目を閉じる。
――こうして、彼と彼女の長過ぎる一日は終わったのだった。

ハルケギニア24時…
双月の輝きは語るを知らず、
歴史の流れは人には見えず、
希望は全ての心の中に…
時は静かに命を刻む。



―――これで投下終了です。
ホント、展開遅いな…。いつになったら決闘になるんだが……。
後、続き分も、このままこちらへ投下し続けていいですか?

805 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 03:02:18 ID:L+hK6ade
ん?終わりか?

806 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 03:02:57 ID:cgskmUTK
>>804
予約が入ってないようだからどうぞ

807 :803:2007/10/12(金) 03:18:23 ID:0NOHD7HB
ふう、やっと繋がった…。
一応、こちらへも投下終了を宣言しときます。
次の方、どうぞ〜〜。

808 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 04:09:14 ID:HW40BbZO
ところでちょっと聞いてくれ
俺は明日の朝9時提出の宿題が2つ控えてるのに小説を書いてるんだ
コイツをどう思う?

809 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 04:14:51 ID:0NOHD7HB
>>808
すごく…現実逃避です。ほんt(ry

810 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 04:44:03 ID:HW40BbZO
そういや明日じゃなくて今日だったな

811 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 04:54:56 ID:Xqo0wSwh
宿題の量に依るな。そうでもない量なら登校後、HR中に済ませるんだ!

812 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 04:56:42 ID:IvkF5fYY
友達からコピペだ

813 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 05:28:48 ID:Xqo0wSwh
ところで俺は前にサガフロ2から鋼の13世召喚云々と書いた奴なんだが、
ギュス様死亡時ってコルベールより年上なんだよな……何時から喚ぼう?

814 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 05:39:47 ID:HW40BbZO
大学だからHRとかなs
つか現実逃避しすぎやべえw

815 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 05:54:13 ID:a6MKEH70
>>813
やっぱ南の砦の所から呼ぶのがベストじゃないかな?
その方が死体が見つかっていないっていう設定も生かせるし

というかコルベールより年上だとマズいことってあったっけ?

816 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 06:03:24 ID:Xqo0wSwh
>>815
いや、特に問題は無いんだがな。
プロットの幾つかのイベントを差し替えれば済む。
口調も老人っぽい訳じゃないし。って言うか口調に特徴が無い。
とりあえずボケとツッコミならツッコミだという事が分かった。

817 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 07:06:06 ID:iD1kj+vd
>>779
ここは人にものを教える小学校ではない。

818 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 07:26:24 ID:HSYt4522
地球へ…のトォニィが召喚されたら貴族とかの言葉にめっちゃ反発して暴れそうな気がする。
ハルゲキニアでもミュウの力は気味悪がられそうだし。
自分の出生とミュウについて話せば
「じゃあ亜人ね。亜人なんだから人間のメイジに服従しなさい」
って言われるのは目に見えてるし。

ちなみに原作ではオレンジの瞳と髪も気味悪がられてた。

819 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 07:38:42 ID:i/wi57nK
>オレンジの瞳と髪

それはピンクや青の髪が普通にあるハルケギニアではものともしないな

820 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 07:41:52 ID:HW40BbZO
ということは綿貫緑丸でも問題ないってことだな

821 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 08:02:11 ID:KKoHJo5e
ゲーム機の電池が切れるときついぞ

822 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 08:04:41 ID:4VX4xqp8
>>813
やはりヴァイスラントの砦焼き討ちからが一番違和感がないかな。
「ギュスターヴと海賊」みたいに、これは歴史には描かれなかった物語とかなら、若い時のギュス様が呼べるけど。

823 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 10:22:44 ID:4fy9av7Q
いっそGSのアシュタロスとか洒落にならんほど強いけど
なにげにシリアス一辺倒でない人(?)を呼んで見るとか

824 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 10:46:38 ID:fjT0//Rl
>>828
いぬかみっ!から赤道斎とか

825 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 10:53:17 ID:4xRAsE9N
>>779って>>436だろうけど、その後の流れが読めなかったのかね

826 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 11:13:00 ID:5phBZmBQ
デッドライジングから超人ジャーナリスト、フランク・ウエストLV.50を召喚
ルイズに洗濯を任された服は自分で着て「フゥーン フゥーン ハァーン ハァーン パーフェクッ!」
ギーシュは決闘で臓物を引き出されて死亡。

827 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 11:14:28 ID:bpNaCRIx
天然戦士Gからゴキヴリ・オブ・ゴールドを召喚
ルイズがゴキヴリマンに変身…


古いしマイナーだし誰も知らんだろなぁ

828 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 11:15:22 ID:YvoL+Q4/
>>823
きーやん、さっちゃんあたりを召喚したら良いんでない。



829 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 11:17:08 ID:HW40BbZO
V&Bからブラッド・ボアルを召喚

「俺は……死んだのか……」
「……き……いよ…………おき………よ……
 起きなさいよ!」
「俺が死ぬはずないか……リリー、どうしt…誰だお前」

そして元の世界は滅亡
はいはいマイナーネタマイナーネタ

830 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 11:19:51 ID:OSziosc5
>>827
ギーシュ戦>ゴキヴリダイヴで撃破
フーケ戦>スパイラルダイヴで撃破
ワルド戦>遍在に対抗するためにゴキヴリ1to30で7体に分裂、スパイラルダイヴズで以下略



831 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 13:14:17 ID:DluXKNbw
ちまちま構想しているブレイクエイジクロス難しいぜ……

832 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 13:26:31 ID:HSYt4522
>>818 の続きを考えてみた

ギーシュ「杖もなく魔法を使うなど気味が悪いぞ!」
トォニィ「道具に頼らなければサイオンを使えないミュウもどきの人間のくせに!」

833 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 13:45:56 ID:JKbh5TbN
>>831
ここに楽しみにしている人間がいることを心の支えにしてくれたら幸い

834 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 13:50:21 ID:2BHkEVbf
ナースウィッチ小麦ちゃんからあんぐらーとムギまるを召喚。
あんぐらーに乗っ取られたシエスタはまじかるメイドとなる。
一方ムギまるはあんぐらーの悪事を阻止するため、ルイズは進級のために契約を結び、貧乳ナースウィッチルイズちゃんとなった。

第一話はあんぐらーの力により才人が掲示板を荒らしまくった影響でAAキャラがハルケギニアに出現!
第二話は某魔法学院がロボット化、ビッグトリステインガー現る!


ここまで書いてやはり俺には文才と独創性が無いと改めて実感した。

835 :ゼロの使い魔異聞〜お前の魔法で天を突け!〜 ◆8UUBmpsizk :2007/10/12(金) 13:56:54 ID:Kb7YEiU5
久々の投下だけど、穴を掘る準備はできてるかい?

836 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 13:57:52 ID:/KIV26oT
最終回はきちまったけど、まだ熱は冷め切らないぜ!支援

837 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 13:57:58 ID:UVFMJ0Ov
>>835
ウホッ!いいドリル…

838 :ゼロの使い魔異聞〜お前の魔法で天を突け!〜 ◆8UUBmpsizk :2007/10/12(金) 13:59:44 ID:Kb7YEiU5
これは未だ訪れる己の運命を知らぬ女の物語
多次元宇宙の枝の一つの話
サモン・サーヴァントで血まみれの男を召喚したマチルダ
彼女はその男を貴族と勘違いし看病した
しかし、気づいた男はただの平民
だが、ただの平民ではないようなそうであるような男
目覚めた男とマチルダは話し、一つの決断をした
それがもう一つの物語となることを彼女は知らない


第3話「俺の名前はカミナだ!」


「はあ? てめえ、何言ってんだ?」
「言ったじゃない、召使いって」
カミナは目の前の自分より頭一つ小さい緑髪の少女を見下ろした。
当然じゃない、と言った面持ちで胸を張っている。
「貴族のすぐ側で仕えることができるなんて早々ないことよ? それに、あなた
 何処にも行くところないんでしょ? だったら――」
「断る」
「はあ?」
マチルダの顔が歪む。可愛い顔が台無しである。
「助けてくれたのは感謝する。だが、誰かの下で働くなんてえのは
 俺の生き方に反するんでな」
カミナはふんと腕を組み少女を見下ろす。
「断る」
物凄い態度である、しかも偉そうである、平民なのに。
唖然としているマチルダをよそに、カミナはシルクの服を脱ぎ捨てると
ズボンにマント、腹にサラシといつもの出で立ちで部屋を出て行こうとする。
「ま、待ちなさいよアンタ!!」
「あん?」
その行動が余りにも突然すぎて一瞬惚けてしまったが、駆け出し、マチルダは
男の前に立ちふさがる。
「アンタ、何処に行くつもりなのよ?!」
「篭りっきりてえのは俺の性にあわねえ。穴ぐら暮らしじゃねえんだからな。
 だから俺はここから出て行くぜ!」
意味不明である、理解不能である。
というか、まだ怪我だらけなのに何を考えているというのか。
「怪我は!?」
「死んじまったはずが蘇っちまったんだ。こんなの怪我のうちにゃあ入らねえさ。
 それにだ、見たことねえ場所なんだ、ぐるりと見てみてえ」
「って待ちなさい!」
机の上においてあった奇妙な色つき眼鏡をかけ、自分を押しのけ出て行こうと
する男をマチルダはぐいと押し留めた。
「だから何だよ? 召使いとかそういうのはお断りだってだな――」
「あんたね、分かってる?」
「あん?」
首をかしげ、眼鏡の奥の瞳が疑問符を浮かべた。まったく分かっていないらしい。

839 :ゼロの使い魔異聞〜お前の魔法で天を突け!〜 ◆8UUBmpsizk :2007/10/12(金) 14:01:55 ID:Kb7YEiU5
マチルダは頭が痛くなるのを感じた。
「アンタを治療するためにお金かかってんの。たくさん水の秘薬使ってるの。
 ま、私が太守の娘だからそんなの大したことじゃないんだけどね。
 でもね。これ、平民が払えない額のお金よ?」
これで理解できるだろう、そう思ったマチルダ。だが、次の言葉は
そんな彼女の考えを一瞬で吹き飛ばす。
「なんだ、『オカネ』って?」
「え?」
マチルダの思考は止まった。ついでに周囲が凍り付いた。
「『オカネ』っっつーのはなんだ?」
「は………は………はいぃぃぃぃぃぃぃぃ?!」
首をかしげる男のまん前で、マチルダは貴族の娘らしからぬ素っ頓狂な
叫び声をあげた。
「あん?」
だが、そんな彼女の驚愕の理由を知らぬカミナは首をかしげて疑問符を
浮かべる。
目の前ではよっぽどショックだったのか、ぶつぶつと唸ってる少女の姿。
もっとも、カミナが金の概念を知らないのも当然である。
いわゆる自給自足でサバイバルな生活が基本の世界で金など糞の役にも
立たない、というかそんなの存在するはずがない。
ゆえに、『カネ』なんて知らないのである。
まあ、目の前であんぐり口を開けてる少女を見ているのもおもしろいが、
やっぱり外の方が興味がある。
「んじゃ、行くぜ」
何度か手を目の前で振ってみたが、こちらには全く気づかない様子なので
カミナはあうあうと呻いてる少女の横を通り過ぎ、ドアの外へと出た。


「やっぱ………ちげえんだよなぁ?」
ううむと、カミナは顎に手をやる。
ジーハ村の複雑怪奇に捻じ曲がって入り組んだトンネルと比べれば、
単純極まりない造りの建物の中をすたこら通り抜けつつ、うむむとカミナは呟く。
直感的にだがカミナはここが自分のいた世界と何かが違う事は気づいていた。
それは論理とか道理とかそういった細かい事や理屈で説明できるものではない。
口で説明できるようなものではないのだ、こう、漢としては。
ただ、なんというか空気が違うとしか言いようがない。
緑いっぱいのこの風景だけじゃない、肌に感じるものが違う。
だが、だがそれにも関わらず、何かがカミナの中で同じだと告げている。
違うように見えるがどこかが同じだと言っているのだ。
違うのに同じだが同じで違う、同じが同じで違うが違う?
同じは同じで違うは同じで違うは同じだから違うは同じ?
「あー………わかんねえ」
悩むのは性に合わない、堂々巡りでぐるぐる螺旋模様になりそうな頭を
ボリボリ掻きながら、カミナはひょいと近くにあった窓から飛び降りた。
着地は鮮やか且つ完璧だった。
獣人との大喧嘩でさんざん暴れまわっただけの体力筋力があるのだ、飛び降りた
としても建物2階分くらいの高さはカミナにはたいした問題ではない。
腕やら腹やら痛むのは仕方なし、漢は黙って我慢なのだ。
つーんと来る痛みを堪えカミナは再び歩き出す。
ぶらりぶらりと歩いていると、さっきまで寝ていたでかい建物は木々に
隠れて見えなくなる。
「…………」
カミナはくいっと首だけ振り返った。
そういえばあの建物、獣人の乗ってたデカブツ、たしかダイガンザンだったか、
あれと良い勝負したでかさだった気がする。
顔はなかったが、もしかしてあれも動き出すんじゃなかろうか?
そんなことをううむと顎に手を当てカミナは考える。
腕が生えて、足が生えて、どっすんどっすん歩き出す。

840 :ゼロの使い魔異聞〜お前の魔法で天を突け!〜 ◆8UUBmpsizk :2007/10/12(金) 14:03:33 ID:Kb7YEiU5
うん、ものっすげえでかくて良い感じだ。
しかし、だ。
カミナは後ろにやった首を今度は天辺へとぐいっと伸ばした。
「……へへっ、やっぱお天道様っつーのは気分が良いもんだよな、おい」
さんさんと自分に照りつける太陽に手をかざし、カミナはにっかりと笑う。
死んだはずの自分がこうやって、こうして、再び自分の二本の足で立って
歩いている。
嬉しいか嬉しくないかと言えば、嬉しくないと言ったら嘘になる。
嬉しいのだが、ただ、寂しさはある。
あの後シモンやヨーコ達、大グレン団の仲間達がどうなったのかも気になる。
自分が死んだ事で涙を流すシモンやヨーコの姿を夢にも見た。
「だがよ」
そんな寂しさや不安なんて拭いただけで吹き飛んでしまう瑣末なものだ。
カミナは信じている、自分の信じた仲間達がそんな事で膝を折るわけが
ないと確信している。
自分の強がりを支えてくれたシモンが皆を引っ張ると確信している。
自分に「進め」をくれたシモンが立ち止まるわけがないと理解している。
はは、と軽く笑う。
少し感傷的になりそうな目頭をくっと押さえ、カミナはまた歩き出す。
今の自分はただのカミナだ。
たった一人の、ただのカミナだ。
自分の強がりを押してくれる奴もいない、すっぴんのカミナだ。
だからこそ。
「俺は俺なりにまた最初っから始めてやるぜシモン、ヨーコ………!」
マントを翻し、カミナはかっこつけてみた。
お天道さまに手をぐいっと突き出し、にんまりと笑った。
しかし、

「勝手にどっか行こうとしてんじゃなぁぁぁぁぁあぁい!!」

「何だァァァ!!??」
なんと、カミナの目の前に空からあの少女が降ってきた。
木々の間から、ドザザザザッと降ってきた。
そう、その様はまるでジーハ村にあの牛面ガンメンが落っこちてきた時や
アダイで落っこちてきたガンメンを思い返させるようで。
というか、大体落っこちて来てるのがガンメンというのが驚きだ。
ついでに人間が空を飛ぶというのは見たことがない、これも驚きである。
獣人の中には空を飛べるのもいるかもしれないが見たことがないので
知らない、なので驚きである。
驚く・驚き・驚いたと驚が三つと驚き尽くしの三連発ときたものだ。
「おおぅ!? いきなり空から人が降ってくるたあ何だァ!?」
「黙りなさい! あんた、私を放置するとは良い度胸してるじゃないの!」
ぐいと、少女が目の前によってきた。
「人が唖然呆然してるのを良いことに出て行くとは最高よ、笑えるわ。
 しかもお金を知らない? どこの蛮人だってえのよ、ええ!?」
どうやらこの少女、普段は普通に喋るらしいがキレると口が悪くなるタイプ
のようだ。
あの銭湯で獣人どもが人間に化けたように人間というやつもころころ変われる
らしい。今更ながら裏表のない個性的メンバーに囲まれていたカミナは
案外冷静にそんな人間の心の機微に触れ感心した。
もっとも、今考えるべき問題はそうではないのだが。
「ちょっと、聞いてるの!?」
「ん、なんだ?」
「なんだ、じゃないわよ!」
さっきと同じく自分の顔面にビシっと指をさす少女。

841 :ゼロの使い魔異聞〜お前の魔法で天を突け!〜 ◆8UUBmpsizk :2007/10/12(金) 14:05:15 ID:Kb7YEiU5
「ホント、アンタふざけてるわ。人がお情けで召使いにしてやろうというのに
 無視して、あまつさえ逃げ出すんだから。
 でも、よくよく考えたら仕方ないわよね、アンタお金も知らない平民で
 野蛮人だもの」
いきなりカチンときた。
これまた酷くむかつく言い草だった。
冗談やなんかで言ってるならまだしも、本気で人を馬鹿にしている言い草だ。
少女の目つきにカミナはぐっと眉間に皺を寄せた。
この目つき、あのジーハ村の村長と同じだ。
あの気に食わない、テメエ勝手なオヤジの目つきだ。
「良い? アンタのいたとこがどんだけ野蛮で未開の蛮族の土地か知らないけどね
 ここではお金がないとな何にもできないの。アンタを治したような薬だってね、
 普通はアンタみたいな奴には買えないの、分かる?」
こういう鼻持ちならない言い草、女であっても気に食わねえ。
驚きなんてどこへやら、カミナは憤懣覚めやらぬ感情が腹の中で煮えくり
かえるのを感じた。
てめえのバカで罵られるのは仕方ねえ。
しかし、見下すのと罵るのはまったく違う。
ついでに出来ない、無理だ、も気に食わない。
「ああ、そうよ! そもそも私は貴族、アンタは平民。平民が貴族の言う事を
 聞かないなんて馬鹿げてる話だわ!」
腹が立つ。
気に食わない。
こめかみの部分で血が激しく脈打つのを感じる。
少女の言葉はなお続いている。
やれ貴族がどうだ、平民がどうだ、身分の違いがどうだこうだ。
意味の分からない事、道理云々、正直耳に一つも入りやしない。
しかし、その一句一句にカミナは頭のてっぺんあたりが火山のように
煮えたぎるのを感じた。
そして、
「もう分かったでしょ? さ、そういうことだからアンタは私の―――」
「オゥオゥオゥオゥオゥオゥッッ!! さっきから聞いてりゃずいぶん
 気にくわねえことばかり言ってくれんじゃねえかッッ!!」
ばん、と大地を踏みしめ叫んだ。
頭の火山が大噴火、男だ女だ関係ない、んなこたあ知ったことじゃない。
『すっげえ気に食わない』でカミナの頭の中はいっぱいだ。
「な、何よ……!」
たじろぐ少女をしっかり見据え、でんと構えて仁王立ち。
カミナは少女をぐいっと見下ろした。
「上だ下だの関係ねえ! 偉かろうがなかろうが関係ねえ! 知ってようが
 知らなかろうが関係ねえ!!」
ギンと自慢のサングラスが輝く。
丁度良く切り株があったのでそこに片足をぐいっと乗っける。
「てめえの道理なんて知ったこっちゃねえ! 俺は俺の道を行くだけよ!!
 邪魔をするってえなら邪魔者全員踏みつけて! 飛び越え、くり貫き、
 押し通るのみ!! 退けい、俺の道を塞ぐんじゃねえ!!」
「なっ……!! 貴族にアンタ歯向かう気?!」
「はん! キゾクだかマンゾクだか何だか知らねえが、歯向かうってえなら
 上等よ!! でけえ顔面/ガンメンのさばらせるってえならぶっ飛ばすまで!!
 それに俺はアンタじゃねえ、俺の名前はカミナだ!!」
阿呆だ、こいつは相当の阿呆だ。
マチルダはこのどうしようもない阿呆に頭の髄が痛むのを感じた。
まるでトリステインの貴族みたいに芸がかった口ぶりもあれなのだが、
この頭の痛くなるような怒りの理由はこれだけじゃない。
目の前の男を見る。
「だが、俺は漢だ女は殴らねえ!! このまま行かせてもらうぜ漢道!!」
ふんと胸を張り、腕をがしっと組んでこちらを見下ろしている。
この態度、とても気に食わない。

842 :ゼロの使い魔異聞〜お前の魔法で天を突け!〜 ◆8UUBmpsizk :2007/10/12(金) 14:06:44 ID:Kb7YEiU5
助けてやったたうえに情けで召使いにしてやろうと言ったのに、こいつは
それを断った。
まるで自分なんか屁でもないと言わんばかりに断った。
酷い屈辱だ。
自分が太守の娘だからというのもあろうが誰も逆らう事なんてなかったのに
それをこいつはいとも簡単に断ったのだ。
こいつをこてんぱんに叩きのめして自分の前に跪かせたい、そんな嗜虐的な
感情がマチルダの中でむくむくと湧き上がる。
東には魔法がないのだろうか? だからここまで見栄を張れるのだろうか?
少し疑問に思うが、そんなのどうでも良い。
今ここでたっぷり教えてやる。
包帯だらけで可哀想だが現実というやつを叩き込んでやる。
「ふふっ」
自分自身でも驚くほどの好戦的な感情にマチルダはにまりと笑んだ。
熱でもかかったかのように身体の芯の部分がかあっと熱くなる。
「言ってくれるじゃないの。それじゃ、逆にあんたをぶっ飛ばしてあげるわ!」
マチルダは手に握ったタクトをびしっと男に向けた。
だが、
「…………あん?」
思いっきり憐れみの視線で見られた。
どうやらこのカミナという男、本当に魔法を知らないらしい。
「あー……あのよ。喧嘩を買うっていう心意気は買うんだがよ、なんだ? 
 そんなちっぽけな枝じゃ俺を殴っても意味ねえぜ?」
だとしたら更に良いではないか。
「東の方では魔法を教わらないようね。でも、丁度良いわ。貴族に
 歯向かう事の恐ろしさってのを教えてあげる」
カミナとかいう目の前の男にマチルダはさっき以上にふつふつと怒りが
湧いてくるのを感じる。
既にルーンは紡いでいる、あの男の真下からゴーレムの腕を錬金して
ドカンと殴り飛ばしてやる。
情けない叫び声をあげる姿を想像しつつタクトを振り上げようとするマチルダ。
しかし、
「危ねえ!!」
「え!? あ! わ! き、きゃあっ!?」
いつの間にというのか、10メートルはあったかその距離を一瞬で詰められ
マチルダはカミナに抱き抱えられ空を舞っていた。
ゆっくり時間が過ぎていく。
ほんの3秒かそこら、なのにその間が万にも億にも思える長さ。
そして、マチルダはカミナ越しに自分のいた場所を見た。
ゆっくりじわりと過ぎる時の中じんわりと爆発していく大地を見た。
吹き飛び巻き上がる砂塵を、刻々と砕けて征く土塊を見た。

843 :ゼロの使い魔異聞〜お前の魔法で天を突け!〜 ◆8UUBmpsizk :2007/10/12(金) 14:07:44 ID:Kb7YEiU5
【次回予告】

殴り合いには得物はいらねえ! 殴りあうならステゴロだ!
殴り・殴られ・殴り合い!! 漢(オトコ)は語れ、拳で語れ!!
分かる奴なら拳で語れ!!
分からねえ奴にも拳で語れ!!
拳で語ればなぁぁぁんにもいらねえッッ!!

次回!! 『ゼロの使い魔異聞〜お前の魔法で天を突け!〜』!!

「ド偉い口たたいてんじゃねえッッ!!」


844 :ゼロの使い魔異聞〜お前の魔法で天を突け!〜 ◆8UUBmpsizk :2007/10/12(金) 14:09:27 ID:Kb7YEiU5
投下終了。
俺の中で少女フーケはでこっぱち娘、これは譲れない

845 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 14:34:45 ID:wMrvniCz
GJ

 そんなアンタには、デジタライズドゲームブック『長靴を履いたデコ』をお勧めしとくぜ。

 

846 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 14:41:22 ID:bvmCdE4t
『長靴を履いたデコ』
・ ・ ・ ・ ・ ネタだと思ってたのに、ホントに有るんだ^^

847 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 14:47:11 ID:ZBlVgR5k
そもそも、デジタライズドゲームブックって存在自体ネタみたいなもんだよな

848 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 14:57:34 ID:z+iZJZ5W
小ネタの投下等はノープロブレムですか?

849 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 15:04:57 ID:z+iZJZ5W
どうも開いているようなので不肖ながら粗品等を投下をさせて頂きます。


薔薇の男と鞭の男

僕、ギーシュ・ド・グラモンの使い魔にして
強敵と書いて悪友と読む存在は人間の男だ。
そんな彼との出会いをふと思い返してみる事もたまにはある。
たまには少し昔を振り返ってみるのも良いものさ。
出来ればお互いに忘れたい事までも思い出すのが玉に瑕だけど……

最初、彼を召喚してしまった時にはラフな服装をしていて
腰のベルトには投擲用のナイフとおぼしき刃物が複数付けられており、
鞭を片手にしていたから流れ者か傭兵でも召喚してしまったと思ったものさ。
しかも自称ヴァンパイアハンター、それも最強のとか言っていたから
実に胡散臭く感じられたっけ。だが、それすらも目の前の相手に
コントラクト・サーヴァントしなきゃならない事に比べれば些細事に思えたよ。
だって相手は人間の男だからね、男。

「公衆の面前で何故?男相手に何故!?」
「もし目の前の男が変な性癖の持ち主で変な勘違いしたらどうするんです!?」
「僕が実はホ○なんていう不名誉な噂が立ったら責任取れますか!?」
「神聖な儀式だからこそこの異常事態を
偉大なるオールド・オスマンに報告するくらいの事をするべきなのでは?」
とかそんな事をミスタ・コルベールに半分涙目で訴えたけれど彼は少々動揺しつつも
「う〜ん…でもこれは伝統なので道徳的な問題も無い…
と思うから君の要望には答えられない。諦めたまえ」
と即座にかつ華麗にスルーしてくれた。
あれだけの非常事態がノープロブレムですか?
ああ、なんて模範的なお役所的対応…

せめて目の前のが何気に良いガタイの若い男じゃなくて美女や美少女だったら
とも思ったけど今考えてみるとそれはそれで修羅場と泥沼に
漬かる毎日になっただろうからやはりこれで良かった……という事にしておこう。

コントラクト・サーヴァントの次の瞬間に
聞こえた鼓膜を突き破るような断末魔と言ってもいい叫びは
ルーンを刻まれる熱さとそれ以上の精神的な衝撃による彼の絶叫と
さらにその次の瞬間に反射的にぶん殴られた僕自身の絶叫のどっちだったんだろうね?

850 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 15:05:50 ID:RFnJFyiR
>>848
見たところ予約は入っていないよ

851 :薔薇の男と鞭の男:2007/10/12(金) 15:07:07 ID:z+iZJZ5W
その後は涙を流しながら怒る彼とやはり同じく涙を流しながら
怒る僕が周囲の人間お構い無しに始めた決闘が彼の…
最強の使い魔にして最強のヴァンパイアハンター、ジョナサン・モリスの実力を
学院中の人間と僕自身に知らしめる事になったのは今や有名な話。
ワルキューレもプライドもあっという間にズタズタにされたのは
僕にとっては苦い良薬のような思い出だ。

その後はミスタ・コルベールやオールド・オスマンの執り成しで丸く収まったし
その後も言い合いは何度もやったけど結局は
「お互いにアンラッキーだった」という意見に落ち着き、
二人してため息吐きながら愚痴を言い合っているうちに
お互いに妙な親近感が湧いたものだよ。

お互いを理解しあうのは良い事だろうけど、
でも使い魔品評会の時に僕の声真似をやったのは少々いただけないし
他にも色々と悪気無く痛い言動をやってくれるのがねぇ……

「なあ、ジョナサン。時々勝手に息子呼ばわりするのはやめてくれないか?」
「そうか…それなら」
「あ、そうそう、兄弟とかもボツだからね」
「…だったら舎弟という事にしとくか?」
「なんでそうなる…っていうかどっちかというとそれって君だろ!?」

と、こんな会話がしょっちゅうで
退屈などしないけど時折頭が痛くなる日々などを送っている。

終 
悪魔城ドラキュラ ギャラリーオブラビリンスからジョナサン・モリス

852 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 15:07:36 ID:RFnJFyiR
支援

853 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 15:09:26 ID:z+iZJZ5W
これにて投下終了しました。
イッツプロブレムな部分もあるでしょうがそこも
笑って突っ込んで頂ければ幸いです。

854 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 15:57:03 ID:Opqg6zpC
伊藤誠が召喚されました。

855 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 16:01:53 ID:wMrvniCz
そいつなら避難所で召喚されてるぜ

……首だけだがなぁ

856 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 16:05:06 ID:OhXet3Wa
並行世界のルイズを召喚してルイズ・ド・ラ・ヴァリエール・アートレータ・アエテルヌムをだな………

857 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 16:29:17 ID:2BHkEVbf
マイナー作品はお呼びでない感じだな。まあ知らん作品はリアクションに困るしな・・・

858 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 16:34:17 ID:Np4g6+/U
ヒント:時間帯と量
マイナーだからだけじゃないかもしれないけどね。

859 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 16:37:35 ID:2BHkEVbf
まぁ時間帯に関しては仕方無いわな。しかし夜の流れはぷらら規制されてるから携帯だと追いつきにくい

860 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 16:44:04 ID:2BHkEVbf
よく見たら俺のID>>782と一緒だ、初めて見たぞ同一ID

861 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 16:49:34 ID:NBrt0lU/
マイナーだろうがメジャーだろうが、あんまり関係ないよーな。

862 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 16:51:35 ID:UVFMJ0Ov
>>861
だなー

マイナーとは少し違うけど知らなかった作品のクロス見て興味もったのもあるし

863 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 16:53:30 ID:w2uR/Zuz
>>862
そうですね。僕はここを見てアトリエシリーズ始めました。

864 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 17:12:47 ID:2BHkEVbf
知らない作品もあるからその作品のwikiへのリンク貼ってくれると読みやすいね

865 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 17:33:36 ID:DluXKNbw
>>833
頑張るよ。
ただ、現時点で既に戦争が起こりそうに無いんだwwww

866 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 17:38:04 ID:fG+U6EX6
戦争なんて、作品内の一要素に過ぎないさ
気にすることはないよ

867 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 17:53:58 ID:DluXKNbw
>>866
なるほど。
じゃあ頑張ってVP名を考えてくるよ

868 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 17:59:58 ID:iIhqQCho
パトリック・コーラサワーを召喚。

869 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 18:01:20 ID:Xy115cBr
まだ一話しか放送されてません><

870 :異世界BASARA:2007/10/12(金) 18:11:28 ID:YYuXXPLm
誰も予約がないなら投下します。
よかですか?

871 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 18:16:30 ID:H8QJd3yO
よろしいならば支援だ

872 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 18:17:40 ID:w2uR/Zuz
支援

873 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 18:17:57 ID:v/n2zZ9W
支援

874 :異世界BASARA 1/4:2007/10/12(金) 18:18:13 ID:YYuXXPLm
「た、忠勝殿!?」
突如空から降って来た忠勝に、タバサを除く一同は驚く。
だがフーケはその顔に笑みを浮かべると、破壊の杖を忠勝に向けた。
「今更あんたが来て何になるの?こっちには破壊の杖が有るんだよ!」
そう言ってフーケはスイッチに手を掛ける。

ところが、忠勝は一歩踏み出した。
そして「撃ってみろ」と言わんばかりにフーケを見下ろしている。

その様子にフーケは苛立った。
「そうかい、そんなに吹き飛びたいならお望み通りにしてやるわ!!!!」
吐き捨てるように言い放ち、フーケはスイッチを押した。
再び砲弾が発射され、忠勝に直撃する。

この時、フーケ及びキュルケやルイズは誤解をしていた。
忠勝が単に「空を飛べるゴーレムもどき」と勘違いしていた事である。
そう、思い起こせば忠勝はトリステインに召喚され、使い魔となってから一度も戦っていない。
誰も彼がどれだけ強いかを知らなかった。
ただちょっと大きくて変わった平民だろうと、最近ではそう考えるようになっていたのだ。
フーケもその1人である。あれを受けて無事な筈がないと…
だから彼女はそれを見た時、言葉を失った。
ゴーレムすら一撃で倒した破壊の杖を受けたにもかかわらず…



まったくの無傷で、表情も変えずにこちらを見下ろしていた事に…

875 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 18:20:09 ID:vpAsoYgC
紫煙。

876 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 18:20:29 ID:w2uR/Zuz
支援

877 :異世界BASARA 2/4:2007/10/12(金) 18:21:12 ID:YYuXXPLm
「馬鹿な!?傷一つないなんて…そんな筈が!」
目の前で変わらず佇んでいる忠勝に皆は驚きを隠せない。
…いや、よく見ると何か違う事にフーケは気づく。肩に何か…まるで盾のような物が付いているのだ。
実はこの時、忠勝は形態変化をしていたのである。

『防御形態』
背中から葵の紋所が描かれた盾を取り出し装着。
機動力を犠牲にする代わりに、自身の防御力を向上させる形態である。

「……………」キュピーン
目を光らせ、再び歩き始めた忠勝にフーケは混乱する。
「う、動くんじゃない!!こっちには人質がいるのを忘れ…!」


ゴンッ!!


「あがっ!?」
言い終わるより早く、何者かがフーケの後頭部を叩いた。
何とも妙な声を上げ、フーケはうつ伏せに倒れる。
突然自分に倒れかかってきたフーケをどかし、ルイズは立ち上がった。
「…あれ?あんたって確か…」
フーケを背後から殴った人物を見てルイズは誰だったかを思い出す。
(この人は確か…学院長室にいた…)



「フォーッフォッフォッ!やったぞ!わしが盗人を成敗してやったわい!!」

878 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 18:21:37 ID:vpAsoYgC
私怨…違った。支援w

879 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 18:23:11 ID:KyE81ZYT
>>555
デルフリンガーと良いコンビになるな。
甲冑と剣で・・・・・

880 :異世界BASARA 3/4:2007/10/12(金) 18:23:54 ID:YYuXXPLm
(あんな小娘共の方が頼りになるなど…やはり納得がいかん!)
「…うぅ〜、朝飯も食わずに行くなんて思わなかったぞ…」
(それにしても何処まで行くんじゃろうか…こっちは歩きじゃからのぅ…)

「見えました。あれです」
(ゼヒ!ハヒィ!こ、こんなに歩くとは思わなんだ!!素直に頼めば良かったわい!)

「無理よこんなの!」
「逃げられよ!ここは拙者と前田殿で!」
(ななな何じゃあの化け物はぁ!?あんなの聞いておらんぞ!)
「来い土人形め!真田源二郎幸村が相手だ!!」
(う…よし、ここは幸村に任せるとしよう。それがいい!)

「た、忠勝殿!?」
「今更あんたが来て何になるの?こっちには破壊の杖が有るんだよ!」
(ううむ、あの女が盗人じゃったとは…あいつめ、色仕掛けに騙されよったな…ん?)



(あれ?ちょっと待て……これって好機じゃね?)



「…と、いうわけで油断しておった彼奴を後ろからガツン!とやったわけじゃ!」
すべて話し終えた氏政はさも嬉しそうに胸を張った。

881 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 18:24:22 ID:vpAsoYgC
@@@@

882 :異世界BASARA 4/4:2007/10/12(金) 18:26:25 ID:YYuXXPLm
「あんたねぇ…見てたんなら助けなさいよ」
「何じゃお主!今まで隠れていたからこうやって隙を突けたんじゃろうが!」
呆れているルイズに氏政は反論する。
まぁよく考えてみればこいつがゴーレムに太刀打ち出来るか怪しいものだ。
それに、結果的にはフーケを捕らえる事が出来たので良いだろう。

「これで盗まれた2つの宝は取り戻せたわね。じゃあ戻りましょう」
破壊の杖と禁断の聖書を抱えてルイズは言った。
「タダカツ、フーケを」
タバサに頼まれた忠勝は片手でフーケを掴むと、起動形態に変化する。

「あ!ちょっと待て忠勝!」

だが飛び立とうとした所で氏政に止められた。
「わしは忠勝と一緒に後で行く。お主等は馬車で戻るんじゃ」
氏政はルイズ達を帰らせると、忠勝に一度フーケを降ろすように頼んだ。
氏政は降ろされたフーケに近づくと、気絶している事を確かめる。
そして、フーケの“ある物”を確認したのであった。


「ふむ、黒か…しっかしこれの何が良いのかのぅ…」



流石忠勝だ!砲撃を受けても何ともないぜ!!
ここで投下終了です。

883 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 18:33:37 ID:v/n2zZ9W
戦国の人乙です
氏政wwwwwwwwwてめぇwwwwwwwwwwwwwwwwwww

884 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 18:41:00 ID:ZG+h2fqV
戦国の方乙でしたー
氏政自重しろwww

885 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 18:43:34 ID:hT/FhqTL
ええいっ徳川の新兵器は化け物か?


乙でした。

ホンダム頑丈過ぎ!

886 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 19:20:58 ID:l1oQQJbN
乙です。

まぁ、ホンダムだからなぁ……ダウンしないから
集団からぼっこされるとつらいけど(ゲーム的な意味で)

あと氏政、そこになおれ!wwwwww

887 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 19:59:46 ID:J5D58FTb
乙ー。

そして氏政自重w
むしろ俺が見たい。

888 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 19:59:55 ID:0Hmk2NkW
戦・国・最・強 GJ!

889 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 20:57:07 ID:5KbkSozj
氏政アホスwwwwww

890 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 21:16:57 ID:5KbkSozj
>■ おすすめ2ちゃんねる 開発中。。。 by FOX ★
>このスレを見ている人はこんなスレも見ています。(ver 0.20)
>HELLSINGのキャラがルイズに召喚されました part2 [漫画サロン]
>もしルイズが召喚したのがトレーズ様だったら [旧シャア専用]
>LAS小説投下総合スレ15 [エヴァ]
>ドラゴンボール風に就職活動を語る [就職]
>【@】平賀才人が召喚されなかった世界 [アニメサロン]

>もしルイズが召喚したのがトレーズ様だったら [旧シャア専用]
何故かここが『トレマーズ様だったら』に見えた

891 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 21:17:33 ID:IAhXbF4s
なんというヴェルダンデ

892 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 21:23:37 ID:hT/FhqTL
>>890
逃げて〜!空を飛べない使い魔さんたち逃げて〜!

でもアレは変態して空も飛べたっけ?

893 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 21:27:14 ID:EcIDg0Lr
>>892
三作目だったかで飛んでたような記憶がw
とりあえずあの作品の影の主役は銃マニアの夫婦だと思う

894 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 21:27:22 ID:TdxoMwvr
ヴェルダンデの方が土中での機動力はあるけど、数に押されそうだな。
飛行タイプが出だしたら、学園の連中涙目すぐるだろw

895 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 21:29:03 ID:NBrt0lU/
>>890
LASってまた懐かしい響きだなw

896 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 22:14:23 ID:EMZC3+gK
>>895
それ(>>890)に引っかかったの多分俺w

897 :ゼロのおかあさん:2007/10/12(金) 22:24:23 ID:HaIE9+NJ
「予約する!」と思ったら、既に行動はおわ(ry
と言う事で、誰もいらっしゃらなければ22:30ぐらいに投下します。

898 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 22:27:45 ID:LXMBG2OI
外道「支援」。コンゴトモヨロシク。

899 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 22:27:55 ID:VjSj74W+
支援

900 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 22:28:13 ID:w2uR/Zuz
支援

901 :ゼロのおかあさん:2007/10/12(金) 22:30:14 ID:HaIE9+NJ



    ▽    ▽    ▽



広場で決闘が行われる少し前、学園長室では二人が隣り合って並んでいた。
部屋が狭いわけでも、物で溢れているでもない。
それなのに、二人は身体を密着させてお互い嫌そうな顔で会話を交わしていた。
「なぁんかのぉ〜、なんでここにいるんじゃミスタ・コル……ゴルゴム?」
「コルベールですオールド・オスマン。と言うか、コルまで言ってなぜ言い直すんですか。
  それと、なぜここにいるかと言う理由は、昨日お伝えしたつもりです……お忘れですか?」
隣から届く息に顔を顰めつつ、距離を取ろうとするコルベール。
だが、その動きに合わせるかのようにオスマンと呼ばれた老人もまた動く。
「そんなムキになるでないゴルゴ君」
「いい加減出だしから間違っている事に気付いてください。
  あと、先程から貴方の手が私の尻を揉んでいるような気がするのですが気のせいでしょうか」
「うむ。本来なら今の時間はミス・ロングビルの尻をこっそり堪能している筈なんじゃが
  用事があるとの事で出払って追ってな。だから仕方なく、君の汚い尻を揉んでみたんじゃ」
仕方ない理由が全く持って理解できないが、そこを言及する事は無い。
だが、触られた以上感想が聞きたくなるのが人間である。
「……一応聞きますが、揉んでみた感想は?」
「最悪だね。もう本当に酷いもんだよ貴様の尻。なんかこう、汚された気分じゃ。
  しかも、なにこれ? なんか無駄に筋肉質じゃね? 老いぼれの純情を返せこのはげ!」
本気で怒りをぶつけてくるオスマンに対し、呆れた様子でそれを宥めるコルベール。
オスマンの意味不明な文句にめげる事無く、ひたすら落ち着くように暴れるのを制す。
だが、頭に残っている僅かな髪の毛が床へと落ちていくのは止められない。
「話を戻しますオールド・オスマン、先日召喚された青年なのですが……これを」
「おお、そう言えばそんな事言ってたの。どれどれ」
コルベールが机に置いた本を見ると、僅かながらオスマンの表情が曇る。
数秒の沈黙の後、開かれたページを見つめながらオスマンが慎重な声で呟く。
「見間違い……という可能性は?」
「ええ。もちろんその可能性もあるかもしれませんが、
  私の記憶違いやスケッチミスでなければ、このルーンだけが一致します」
「ふむ。その青年は誰が召喚したんじゃったかのぅ」
「ミス・ヴァリエールです」
その名前を聞くと、オスマンは再び黙り込んでしまう。
コルベールの方も、判断を仰ぐべく口を開くのを静かに待つ。
「どちらにせよ、その青年とそのルーンを直接見ん事には何ともいえんな」
「確かに、いささか早計だったかもしれまんせん」
反省するコルベールに背を向け、オスマンは窓の外を眺めて愚痴をこぼす。
「ゼロと呼ばれる少女の使い魔が、かの始祖ブルミルの使い魔『ガンダールヴ』とはのぅ……むっ!?」
何者かの気配を感じたオスマンは、扉の方に意識を向ける。
コルベールもそれに倣い、本を閉じながら扉に注目した。
その直後、扉をノックする音が学園長室に響き渡る。
「誰かの」
「私です。オールド・オスマン」
扉の向こうから聞こえてきたのは、待ち望んでいたロングビルの声だった。
「おうおう。用事は済んだのかな?」
それまで重苦しかった雰囲気から一転して、のんびりとした空気が室内に流れる。
気分転換にロングビルの素晴らしい尻を揉むべく、オスマンは扉が開くのを待っていた。
が、扉が開く事はなく、代わりに届いたのは扉越しのまま報告をするロングビルの声だけだった。
「それが、ヴェストリの広場で決闘を始めたものがおりまして、大騒ぎとなっております。
  途中止めに入ろうとした教師もいたのですが、生徒達に邪魔されているとの事。
  教師陣からの伝達と報告が先だと思いまして、私用を一時中断して参りました。」
話の内容に肩を落としながら、オスマンは露骨に嫌な顔をして続きを促した。
もっとも、その顔はロングビルに向けたのではなく、広場の教師達に向けたものなのだが。
「生徒もろくに抑えられんとは……で、その中心となって暴れとる馬鹿な貴族は誰と誰じゃ」

902 :ゼロのおかあさん:2007/10/12(金) 22:31:22 ID:HaIE9+NJ
「一人はギーシュ・ド・グラモンです」
「ああ、あのグラモンの息子か。ならどうせ女絡みじゃろうて。
  親子揃ってこういった話題には事欠かんのぉ。で、相手は誰じゃ」
「それが……相手はミス・ヴァリエールの使い魔のようです」
「何じゃとッ!」
数分前に問題となっていた人物の名が挙がり、強い口調で驚きの文句をあげる。
隣に居たコルベールも、何か思案するような顔で顎に手をやっていた。
「教師達は、決闘を止めるべく『眠りの鐘』の使用許可を求めていますが」
「いらん。子供の喧嘩に秘宝を使う馬鹿が何処におる。放っておく様に伝えなさい」
状況を把握したオスマンは、興味が無いと言った装いのまま伝達を頼む。
返事をして去っていったロングビルの足音が完全になくなったのを確認すると、
オスマンはコルベールに視線を送り壁にかかった鏡に意識を向ける。
鏡の中では、今まさに青銅の像に向かって歩き出そうとする荒垣の姿がそこにあった。
二人は荒垣の一挙一動に細心の注意を払って観察を続ける。
が、鏡に映った数分間のやりとりを見て複雑な表情を浮かべた。
事実だけを言えば、決闘は誰も怪我を負う事無く終わりを迎えた。
だが、その過程が余りに異常であったため、答えを認めるのをよしとしない。
「見ましたかオールド・オスマン。彼を攻撃したゴーレムが逆に破壊されたのを」
「うむ」
「私が見た限りでは、彼が何か特別な事をした様には見えなかったのですが」
「うむ」
「あのギーシュとてメイジの端くれ。彼がもし普通の平民であればこんな結果はありえない。
  私の予想では、あのゴーレムを破壊した力は『ガンダールヴ』の能力の一つなのでは無いかと!」
「うむむ……」
ひたすら唸り続けるオスマンとは対照的に、コルベールは興奮気味に拳を握る。
何度も学園長室を往復したコルベールは、ある事を思い出す。
「王室に報告しましょうオールド・オスマン! 指示を仰いで、それで――」
「落ち着かんか」
子供のように興奮し続けるコルベールを抑えると、顎のヒゲを摩りながら椅子に座る。
「王室には報告せんよ」
「何故ですか!?」
「君が思っている通り、『ガンダールヴ』とはただの使い魔では無い。その理由は分かるかね」
コルベールは頷く。『ガンダールヴ』の姿形は伝承されていないが、
その性能は主人の長い詠唱時間を守るために特化した存在と言うのは何度も調べた事だ。
しかも、その力は千人もの軍隊を一人で壊滅できるほどの力で、並みのメイジを寄せ付けないと。
「その理由が分かるなら、何故王室に報告をしないかと言う理由も分かるじゃろ」
言葉の真意に気付いたコルベールは、苦々しい表情でオスマンの言わんとする事を理解した。
もしこれが事実だとしたならば、王室の姿勢は大きく動く。
「上からものを見ておる連中は戦ごっこが大好きだからの。そんな奴らには格好の餌じゃよ」
「申し訳ありません。少々興奮しすぎました」
「それに、まだ『ガンダールヴ』と決まったわけではない。
  よって、この件は全て私が預かる。お主は引き続き『ガンダールヴ』について調査しなさい」
「わ、分かりました! それでは、失礼します」
「うむ。くれぐれも他言無用でのぉ」
本を抱えて去っていくコルベールを背中で見送りながら、誰に言うでもなくオスマンは呟いた。
「しっかし、本当に『ガンダールヴ』だとしたら大変じゃの」
そのまま普段通り手を伸ばした所で、ロングビルの尻が戻って来てない事を思い出し、寂しく泣いた。



    ▽    ▽    ▽

903 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 22:32:01 ID:iblLQzOr
sienn

904 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 22:32:22 ID:w2uR/Zuz
支援

905 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 22:32:40 ID:3AYLFP7E
ゼロの配管工


906 :ゼロのおかあさん:2007/10/12(金) 22:33:21 ID:HaIE9+NJ



未だに騒がしい広場から離れた荒垣は、誰も居ない場所まで辿り着くと腰を下ろした。
周囲に居た生徒達は、すぐに目を覚ましたギーシュによる女性陣への謝罪に注目し始めたため、
荒垣がいつのまにか居なくなっていた事には殆どが気付いていなかった。
石の壁に背中を預けると、腹部を押さえながら大きく呼吸を吐いた。
「ちっ、痛いもんは痛いか」
上着の中を覗くと、肌は一部紫色に腫れていたり、酷い所は赤黒い丸になっている。
呼吸をするのは苦しいが、骨が折れているような痛みは無い。
太腿に触れてみると、面白いように痙攣している。
こちらは歩くのは支障ないが、激しい運動は難しそうだ。
帽子を被り直し、腕を地面に垂らして呼吸だけに専念する。
(呼べなくても、カストールの力は残ってるって事か)
召喚器が無いため呼ぶことは出来ないが、恩恵だけは受けられるようだ。
腹部や足にあった痛みだが、時間が経つにつれその痛みが徐々に薄まっていく。
すぐに完治というわけにもいかないが、何も無いよりはマシである。
と、陽の光が差していた荒垣の全身を、突如影が覆う。
誰か来たのかと目を見開いてみると、昨日ルイズを背負って一番最初に出会ったロングビルが立っていた。
「足音はしなかったはずなんだがな」
「『フライ』の魔法で来ましたので」
あからさまに不機嫌な声をする荒垣とは対照的に、ロングビルは愉しそうな笑みを浮かべる。
「これで昨日の仕返しが出来ましたわ。しかも同じ場所で」
それを聞いて、荒垣は昨日のロングビルを思い出す。
声を掛けた時、彼女は自分の接近に驚いていた。それを根に持っていたのだろうか。
「趣味が悪ぃなアンタ」
「ふふふ」
見上げて苦虫を潰した表情を浮かべる荒垣。
それを無視したまま、ロングビルは太陽を背に受けながら愉快そうに口を開く。
「まさか、手を出さずに勝つとは思いませんでした」
「……見てやがったのか」
「ええ。あんな面白い見世物はなかなかお目に掛かれませんから」
「ちっ」
聞こえるように舌打ちすると、荒垣は素早く立ち上がった。
そして、服に付いた汚れを落とすと、ロングビルに背を向けながら歩き出す。
「あら、ごめんなさい。言葉が過ぎましたね」
すました顔で謝罪をするが、荒垣は足を止める事無く前に進んでいく。

907 :ゼロのおかあさん:2007/10/12(金) 22:35:26 ID:HaIE9+NJ
肩を竦めながら、その数歩後ろを付かず離れずで歩くロングビル。
しばらく歩いてようやく、荒垣は足を止めた。
「何の用だ」
「先程申し上げたとおり、ここでは興味深い出来事などそうはありません。
  だから、その興味深い事を成し遂げてくださったミスタ・アラガキにと思いましてね」
袖から小さな瓶を取り出すと、荒垣の隣まで近寄り手に握らせる。
「なんだ?」
「秘薬です。名前の通りよく効きますよ」
「……何が狙いだ」
あからさまに不審な表情を浮かべる荒垣。握らされた瓶に視線を落とすと、
次には差し出されたロングビルの手と顔を睨みつけた。
だが、その睨みを受け流しつつ、ロングビルは不敵な笑みを浮かべる。
「ただの好奇心ですよ。ミスタ・アラガキが、どうやってゴーレムを破壊したのかと」
互いの視線が交錯する。
時間としては数秒にも満たないが、お互い長い時間睨み合う感覚に陥る。
先に折れたのは、頬の肉一つ動かさない荒垣に溜息を付いたロングビルだった。
「どうやらこれ以上お聞きするのは難しそうですね。ここは引き下がります」
「そうしてくれ」
「では、今回はこれだけお渡しして失礼しますわ」
荒垣に瓶をしっかり握らせると、昨日と同じようにまたも来た道を戻っていく。
手元に残された瓶を持て余していた荒垣は、ふと言葉を漏らしてしまう。
「自然に治るだがな」
その言葉に一瞬だけ目を光らせつつも、次の瞬間には普段通りの顔に戻るロングビル。
「それでは失礼しますわミスタ・アラガキ」
「そのミスタってのはいらん。次からは荒垣だけにしてくれや」
「……分かりました」
最後にそう交わすと、二人は背中を向け合いながら別々の場所へと去っていった。



    ▽    ▽    ▽




908 :ゼロのおかあさん:2007/10/12(金) 22:36:44 ID:HaIE9+NJ
ルイズは、去っていった荒垣を追えずにその場で座り込んでいた。
ギーシュの必死な謝罪も耳に入らないくらい、呆然としている。
その視線だけが荒垣を捉え、必死に追いかけ続けていた。
が、周囲が騒がなるにつれ、荒垣の背中もどんどん遠くなっていく。
声を掛けようにも、周囲がうるさ過ぎて相手まで言葉が届かない。
(シンジ……そう呼べって言ったわよね)
思えば、彼がルイズの名前を読んだのもこれが初めてだった。
自分の使い魔をやらないと突っ撥ねた平民。
睨むと怖いが、する事はキチンとこなす平民。
これだけならば、世話係の様なものだと納得できたかもしれない。
だが、今回の事でその考えは大きく覆った。
メイジにも一歩も引かずに勝利した平民。しかも、戦わずして。
隣でモンモランシーに謝罪するギーシュを尻目に、ルイズはワルキューレに視線をやった。
(あれ?)
そこで違和感に気付く。
荒垣を殴っていたワルキューレが、歪んで破壊されているのを。
周囲は既に気付いていたが、荒垣だけに意識が向いていたルイズは今初めてそれに気付いた。
もう催し物は終わったと引き上げていく生徒達の中、ルイズはギーシュに声を掛ける。
「ねえギーシュ。アンタのあれ、どうなったの?」
声を掛けられたギーシュがルイズの指先を追っていくと、そこには壊れかけたワルキューレが鎮座していた。
「それが、僕にも良く分からなくてね……僕こそ理由を聞きたいよ」
どこかおどけた表情だったが、最後まで言い終わると真剣な表情へと戻っていた。
「ルイズ。彼は本当にただの平民なのかい?」
「そう、本人から聞いてるわ」
「そうか……」
何か考えるようにして腕を組むギーシュだったが、隣にいたモンモランシーが不機嫌な顔をしているのに気付かない。
忍び寄せた指をギーシュの頬に当てると、それを力の限り捻りあげた。
「いががががががががッ! うぉ、うぉんうぉうぁんひー!」
「まだ話は終わっていないのよギーシュ。こっちに来なさい」
頬を捻られたギーシュも、モンモランシーと共に広場から去っていく。
最後までその場に残っていたのは、誰も居なくなった広場を見つめるルイズだけだった。



    ▽    ▽    ▽




909 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 22:37:54 ID:m88+U+YY
  

910 :ゼロのおかあさん:2007/10/12(金) 22:38:07 ID:HaIE9+NJ
決闘が終わり、休める場所を探していた荒垣は、いつの間にか厨房に連れ去られていた。
夕食の準備が終わったばかりなのか、厨房の中は香ばしい匂いで一杯である。
その隅にある椅子に荒垣を座らせると、マルトーはテーブルに料理を並べだした。
「見てたぜ兄ちゃん! 凄かったなぁ!」
荒垣を褒めつつ、次々と料理を並べていく。
他の使用人らしき人物達も、その様子を満面の笑みで見届けている。
唯一笑っていないのは、反対側の隅に座るシエスタだけだ。
「さあ食え! 遠慮はいらねぇぞ!」
マルトーの言葉に、シエスタ以外の全員が大きく頷く。
「……悪いが、頭から説明してくれや」
渋い表情を浮かべながら、荒垣は視線だけをマルトーに送った。
だが、その態度に嫌な顔をせず、テーブルの反対側に座ると腕を組んで笑った。
「悪い悪い。実は、兄ちゃんが貴族を降参させるのを直接見てな。
  いやー! あの時の光景を思い出すだけで、胸がスカッとするぜ!」
酒でも飲んでいるのかと言うぐらいに、マルトーのテンションは高まっている。
その巨体が笑うと、振動でテーブルの上の料理が揺れるほどに。
「だから、その貴族を降参させた兄ちゃんに礼がしたくてよ!」
「この料理、これから貴族に出すものなんです!」
「あんな奴らに食わせるより、貴方に食べてもらったほうが!」
マルトーの横に居た料理人達が、途切れる事無く言葉を続ける。
言っても聞かないと判断した荒垣だったが、最後の抵抗をと言葉を投げる。
「別に、お前らのためにやった事じゃねぇぞ」
「それでもだよ兄ちゃん! 理由なんざ関係ねぇ!
  俺達は礼がしたいのさ! 進むべき道を記してくれた『我らの道標』にな!」
「……」
頭痛が酷くなっていく荒垣だったが、純粋な好意である以上、下手に断れない。
何か意味不明な単語も聞こえてきたが、悪意があるわけではないのだろう。
第一、せっかく温まっている料理を冷ましてしまうのは、礼儀に反するのだ。
覚悟を決めた荒垣は、置いてあったスプーンを手に取り料理へと伸ばす。
「ありがたく頂く」
その言葉を聞いた途端、周囲はワッと盛り上がった。
注目されるのは好ましくないが、それでもお釣がくるくらい料理がうまい。
マルトー達も、荒垣がこういう性格だと言うのを理解したのか、
話を流されても、構う事無く喋り続けていた。
そんな荒垣を遠くから見ていたのは、ずっと暗いか顔をしていたシエスタだった。
周りの仲間が楽しそうにしている中、輪から外れてただそれを眺めている。
そうなった原因は、昼間の決闘前の事にあった。

911 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 22:38:27 ID:0tjknZa4
支援!! そして、予約はある?

912 :ゼロのおかあさん:2007/10/12(金) 22:40:34 ID:HaIE9+NJ
(私が、アラガキさんにお手伝いを頼まなければ)
あの時、ただ単純に荒垣自身に興味を抱いたシエスタは、自分と同じ配膳の手伝いを頼んだ。
そうすれば、仕事の合間で彼と話が出来るかもしれないと考えたからだ。
一見すると無愛想に見えるが、仕事は丁寧にこなす。
昨日の件もあってか、マルトーも了解を出してくれた。
予想通り無愛想ながらも、荒垣は丁寧に作業を続けていく。
そんな背中を見ながら、いつ話しかけようかと思っていた所に事件が起きた。
流れるように進んでいく展開に付いていけず、シエスタは逃げる事を勧めた。
だが、荒垣はそんな言葉に耳を傾ける事無く広場へと足を運んだ。
結果を知る事が怖くなったシエスタは、それ以上何も言えず逃げ出してしまった。
その心の中に出来た罪悪感が、俯いている原因である。
そんな事に気付く事無く、マルトーは豪快に笑いながら質問を続けていた。
「しっかし、兄ちゃんは頑丈だな! どうやって鍛えたんだ?」
「……特に何かした覚えは無いな」
「聞いたかお前ら! さすが『我らの道標』だ! これぞ俺の好敵手ッ!
  言いかお前ら! 本当に耐える事を知っている漢は、その凄さを決して誇らない!」
「「「その凄さを決して誇らない!」」」
「いい漢は黙って道を作る!」
「「「いい男! いい男!」」」
テンションがあがっていく仲間を他所に、シエスタは一人寂しそうにしていた。
(大丈夫って言っても、あれだけ殴られて……)
少なくとも、裏方に回ってもらっていればこんな事は回避できたかもしれない。
そう思うたびに、シエスタの気持ちはどんどんと暗くなっていく。
こんな事になってしまった謝罪をしようと思うが、どうしても身体が動かない。
「世話になった」
「おう! 食事が必要になったらいつでも言ってくれ!」
そうこうしている内に、食事が終わってしまった。
覚悟を決めて立ち上がり、去っていく荒垣に声を掛けようとするが、見送るマルトーに遮られてしまう。
勇気の足りない自分に嘆きながら、出て行った向こうを寂しそうに見つめる。
「ああ、何も言えなかった……」
「きゅるきゅる」
いつの間にか隣に居たフレイムが、元気を出せと言いたげに小さく鳴いた。



    ▽    ▽    ▽




913 :ゼロのおかあさん:2007/10/12(金) 22:41:59 ID:HaIE9+NJ
洗濯物を回収しルイズの部屋に届けにきたものの、部屋の主は留守であった。
鍵が閉まっているのを見ると、どこかに出掛けたのかもしれない。
そう考えた荒垣は、洗濯物を扉の前に置くと階段へと足を向けた。
が、踏み出そうとした足が何かに引っかかる。
「きゅるきゅる」
進行を妨げたのは、燃える尻尾が特徴的なフレイムだった。
フレイムは荒垣に顔を擦り付けると、こちらに来てくれという素振りを見せる。
多少強引なその仕草に困惑しつつも、素直に言う事を聞く。
フレイムに連れて行かれた先は、隣にあるキュルケの部屋。
そこまで密着していたフレイムは、するすると荒垣から離れて部屋へと入っていく。
(入れって事か)
部屋の主でなくフレイムが呼びに来たと言う事は、何かあったのかもしれない。
そう考えた荒垣は、細心の注意を払いながら部屋へと足を運ぶ。
部屋の中は暗くなっており、フレイムの尻尾だけがゆらゆらと揺れていた。
香を焚いているのか、鼻に入る匂いに思わず顔を顰める。
「扉を閉めて下さるかしら?」
暗闇の奥、ベットの方から声が聞こえた。
確かに夜は冷える。わざわざ開けておく必要も無いので、荒垣は扉をそっと閉めた。
「何の用だ」
「用件の前に、もっとこっちへ来て下さる?」
聞こえてくる吐息はやや荒い。
荒垣が声のした方に近付くと同時に、指を弾くような音が部屋に鳴り響く。
すると、部屋に飾られていたロウソクが、次々に光を灯していった。
部屋を巡るように点灯していくろうそくの終着点は、キュルケの隣らしい。
暗闇から現れたキュルケの姿は、年頃の男ならば間違いなく劣情を抱くような姿。
その豊満な肉体を包んでいるそれも、やり場に困るベビードールのような下着だ。
艶かしく足を交差させながら、キュルケは待ちきれないといった表情で荒垣を見つめる。
「で、一体何のようだ」
そんな姿に目もくれず、荒垣は早くしろと言いたげな目をキュルケに送った。
が、何を勘違いしたのか、その視線を浴びてキュルケは身体を震わせ悶える。
「貴方はあたしをはしたない女だと思われるでしょうね。
  でも、この熱い想いを抑えることなんて誰が出来るかしら? いえ、出来ないわ!」
荒垣を下から覗き込むようにしながら、キュルケは再び身をよじる。
「だって、あたしの二つ名は『微熱』ですもの! そしてこの熱い感情は――」
全てを言い終わる前に、キュルケは荒垣によってベットへと寝かせられてしまう。
「あ、あら?」
予想よりも速い展開に驚いたものの、向こうがその気ならこちらも遠慮はいらない。
その身体に抱きつこうと手を伸ばすが、それより先に荒垣の手がキュルケの額に当てられる。
「確かに、少し熱っぽいな」
「え?」
そして何事もなかったかのようにキュルケに毛布を被せると、淡々とした様子で言葉を吐いた。
「寝るときに着ている服は何処にしまっている」
「ぇと、そ、そこよ」
思わず答えてしまったキュルケをよそに、荒垣は衣装棚からタオルと衣類を取り出すと、
寝ていたキュルケを支えながら上半身だけを起した。
「喉が痛いとか鼻水が出るとかはないか?」
「だ、大丈夫……じゃなくて、私はッ」
キュルケに上着だけ被せると、言葉を聞く事無く再びベットへ押し戻す。
そんな時、誰かが外から窓を叩いた。

914 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 22:42:27 ID:w2uR/Zuz
しえん

915 :ゼロのおかあさん:2007/10/12(金) 22:43:44 ID:HaIE9+NJ
「キュルケ……待ち合わせにこな――」
「うるせぇぞ! 病人の部屋の前で喚くな!」
「ひぃ!」
「丁度いい、手が空いてるなら氷を袋に入れて持って来い!」
「は、はいィィ!」
現れた男は、窓を開けた途端浴びせられた怒声に臆してしまい去っていってしまう。
「キュルケ! そのおと――」
「がたがたうるせぇだろう! 夜中だろうが!」
「ひぇあ!」
「お前はさっさと保険医をつれて来い!」
「り、了解しましたッ!」
二人目の男も、怒る前に怒鳴られてしまい萎縮して去っていく。
ちなみに二人とも顔も声も違うが、荒垣からしてみれば同じようにしか見えなかった。
「ったく、てめぇも風邪なら風邪と隣に言えばいいだろうが」
悪態をつきながらも、タオルでキュルケの首や背中の汗を拭いていく。
誤解を訂正しなければならないが、その行為にはまんざらでもない様子のキュルケ。
そこに、何も知らない男子生徒三人が顔を覗かせる。
「「「キュ――」」」
「病人の部屋だって言っただろうが! 失せろバカ野郎どもッ!」
「「「ご、ごめんなさいぃぃ!!」」」
三人の悲鳴と同時に、今度は扉のほうが勢いよく開く。
そこには、肩を震わせ怒りの表情を浮かべるルイズの姿があった。
「あ、あああ、あああああアンタ! 何やってんのよ!」
「病人のいる部屋で大声出すんじゃねぇ!」
「びょ、病人? 誰が?」
怒鳴ったら怒鳴り返されたため、思わず逃げ出しそうになる。
だが、含まれていた単語が気になったため逃げるのはやめにした。
「え? キュルケ?」
ベットに座る荒垣の横に、恍惚とした表情を浮かべるキュルケの顔があった。
何かあったのかと荒垣のほうも確認するが、着衣が乱れた様子はない。
そもそも、呆れた表情以外は普段と全く変化は見られなかった。
「一応聞くけど、何やってたの?」
「そいつに呼ばれたんだが、どうやら主人が風邪なのを知らせたかったらしいな」
ルイズが荒垣の視線を辿ると、明後日の方へ視線を向けているフレイムがそこにいた。
「お前の部屋の前に居たから、本来はお前を呼ぶはずだったんだろう」
「え!?」
キュルケに視線を送るが、違う違うと言わんばかりに首を振る。
「で、こんな時間までテメェは何をやってたんだ」
急に飛んできた質問に、ルイズは思い出したように荒垣に近付く。
「わわ、私は、しししし……シンジを探してたのよッ!」
「夜中に騒ぐなバカ野郎が!」
一番煩いのは実は荒垣の様な気がするが、そんな事は口に出せない。
「探してた理由はお前の部屋で聞く。ここに居たらこいつも寝れないだろう」
「あ、まっ――」
「次からはもっと厚着して寝ろ。それと、小まめに水分をとるようにな」
すがろうとするキュルケを無視して、荒垣はベットから立ち上がる。
そして、未だ不満げな表情のルイズの襟を掴むと外へ出て行った。
静かになった部屋で、キュルケは拳を握り締める。
「ふふ、ふふふ……確かに私は病気になったわ……」
ベットから立ち上がり、ルイズの部屋のほうの壁を撫でる。
「その病気は、貴方という恋の病よ!」

916 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 22:44:19 ID:m88+U+YY
  

917 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 22:44:38 ID:YR5t7bFi
支援

918 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 22:45:31 ID:0tjknZa4
この展開は新しい支援。

919 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 22:45:34 ID:L+hK6ade
支援

920 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 22:46:15 ID:pjaeiHc9
朴念仁ガキさん支援w

921 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 22:46:30 ID:w2uR/Zuz
支援

922 :ゼロのおかあさん:2007/10/12(金) 22:46:36 ID:HaIE9+NJ
部屋に戻ったルイズは、キュルケの部屋に居た荒垣にお仕置きをと考えていたのだが、
当の本人は至って真剣な表情でキュルケの世話をしていた事を思い出し踏みとどまる。
「で、俺を探してた理由はなんだ」
扉に寄りかかりながら、荒垣は先程の続きを促す。
胸にもやもやを抱えたまま、ルイズは聞こうと思っていた事を言葉にする。
先に昼間の決闘の事を聞くべきか悩んだが、それよりもやる事があるので後回しにする。
その用件が通れば、これからいくらでも話が出来るのだから。
「だ、だから、その、し、シンジは、その……」
「……」
何度も頭の中で組み立てた会話なのに、上手く噛み合わない。
顔を真っ赤にしながら、ルイズは思わず叫んでしまった。
「昨日は何処で寝たのよ!」
「静かにしろ。寝てたのは外にある小屋でだ……確か、竜みたいなのがいたな」
「ええ!? あの小屋って……だ、だって、あそこ壁が無いわよ?」
「みてぇだな」
てっきり誰かの部屋で寝てたのかと思っていたのだが、予想外の解答で戸惑う。
「あぅ。あ、だから、その、あぇと」
「それだけなら俺は行くぞ」
「寝なさい!」
「あ?」
主語が抜けた言葉の真意が分からず、荒垣は普通に聞き返す。
「だからその、寒いから、外、その、わ、私の部屋……私の部屋で寝なさい!」
「……」
「そこに、予備の毛布があるわ! 壁もしっかりしてるし! ゆ、床だけど」
「……」
「わ、分かったら返事する!」
捲し立てるルイズと毛布を交互に見ながら、荒垣は肩を落とす。
理由は不明だが、寝床を提供すると言うなら悪い事ではない。
小屋からこの部屋まで来ることの手間を考えると、かなり仕事が楽になる。
「分かった。ここで寝る」
そう呟くと、荒垣は扉へと手を掛けた。
「ちょっと、どこに行くのよ?」
「最初に貰った毛布を小屋に置いてきた。そいつを取りに行く」
(それに、一日だけとは言え世話になった礼もしておかねぇとな……)
要件だけ告げると、荒垣は扉の外へと抜けていってしまった。
「全く……相変わらず言う事聞かない奴ね!」
わざとらしく大きな声で文句を言いつつも、拒絶されなかった事に安堵するルイズであった。





923 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 22:47:25 ID:LXMBG2OI
荒垣の兄貴……良い人なのに天然だ支援!!

924 :ゼロのおかあさん:2007/10/12(金) 22:48:29 ID:HaIE9+NJ
以上。ゼロのおかあさん投下終了しました!
支援してくださった皆さん、ありがとうございます。
しかし、本筋よりも横道書いてるほうが楽しいなんて……くやしい

925 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 22:49:20 ID:pjaeiHc9
真田、みちゅる、ガキさんは必ず入れてました支援

926 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 22:51:10 ID:m88+U+YY
乙。こいつは珍しい展開だなw
ガキさんが相変わらずのおかんでワラタwww

927 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 22:52:18 ID:BsXHABRe
意外な展開にGJ!!を送るw

928 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 22:58:12 ID:iCtejqv0
これは某デネブに匹敵するいいオカンGJ

>本筋よりも横道書いてるほうが楽しい
あるあるw

929 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 22:58:16 ID:0tjknZa4
テレッテはいらない子GJ

930 :夜天の使い魔 ◆Rein4tm63s :2007/10/12(金) 23:06:25 ID:s8daVj6t
投下予約……したいがスレ容量的にかなりギリギリ。
入りきらなかったら次スレに継続して投下します。
誰も居ないなら10分から投下で。

931 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 23:06:43 ID:rsKpCpaj
これはよいお母さんGJ
俺は美鶴さんとアイギスor真田さんでパーティ組んでたな。

932 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 23:07:01 ID:Xy115cBr
42kも使うような超大作なのか
wktk

933 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 23:07:18 ID:pjaeiHc9
道がテレッテではないか。行け。

934 :夜天の使い魔 1/12 ◆Rein4tm63s :2007/10/12(金) 23:10:03 ID:s8daVj6t
 タルブ領を治めるアストン伯は行動の早い男であった。アルビオン艦隊の動きを察知するや否や即座に伝令を飛ばし、自らも出陣の用意を整える。彼の優秀さがあったからこそ、トリステイン王宮の面々は早々にアルビオン侵攻を知る事が出来たのだ。
 しかし、その第一報が入った時、王宮では既に会議が開かれている真っ最中であった。それはアルビオンに対してどうするか審議する為のものでは無い。
アルビオン急襲が報じられる僅か一刻前、突如送られてきたゲルマニアよりの書簡の内容を議題として開かれたものだった。その内容を要約するなら、婚姻と両国の同盟の破棄、並びにアンリエッタ王女に対して釈明を求めるものであった。
 この場に集まる王宮貴族達の大半はアンリエッタがウェールズにしたためた手紙の存在を知らない。故に彼等はこの突然の成り行きに対する理不尽さ、そしてアンリエッタ王女に対する不信感を持っていた。一体このお姫様は何をしでかしたのだ?と。
 口々に王女を責める席上で、マザリーニ枢機卿は鎮痛な面持ちをしながらその光景を眺めていた。彼は王女の手紙の存在を知る数少ない存在の一人。それを知ったのはアルビオンが帝国と名を変えてすぐの頃だった。
誰も居ない夜闇の中そっと王女から告げられたその事実に、彼は顔色を変えた。アルビオンの侵攻が懸念される今、ゲルマニアとの同盟関係は命綱に等しい。それが崩れかねない要素の出現に、彼は目の前が真っ暗になる思いだった。
しかし嘆いてばかりはいられない、最悪の事態を想定して枢機卿は密かに軍備拡充を急ぐ事とした。同盟が崩れ去った後、それでもアルビオンを牽制するだけの力をなんとか備えようと考えたのだ。
 しかしそんなマザリーニの考えとは裏腹に、一向に件の手紙がゲルマニアの手に渡ったという気配が伝わってこない。婚姻の話はつつがなく進み、ついに式が三日後にまで迫っていた。
一体アルビオンの連中は何を考えているのか、と思った矢先にこの報せ。マザリーニにはアルビオンの意図がさっぱり読めなかった。一体何故、このタイミングで破談になるように仕向けたのだ? この日にそれをしたのは何故?
 思考を巡らす彼は、ふと思い出す。そういえば今日はアルビオンの艦隊が親善訪問の為に艦隊を寄越してくる予定になっていたはずだ。まさか――。
 
 当たって欲しくない予感程良くあたるものだ、というのをマザリーニは最悪の形で味わう事になった。紛糾する会議室の中へ、ノックもそこそこに飛び込んでくる兵の姿を見た時、自体は最悪の方向へと向かっている事を知った。
「申し上げます! アルビオン艦隊の攻撃によりトリステイン艦隊全滅! アルビオン艦隊はそのまま地上に降下、兵を展開しております!」
 その瞬間、会議室の空気が変わった。耳に入るその話は、余りに信じられない事態であったからだ。
「アルビオンとは不可侵条約を結んだばかりではないか! 一体何故このような事態になったのだ?」
「それが、アルビオン艦隊は先に我等が攻撃をしかけてきたとの一点張りで。どうも答砲を打った際、先方の艦の一つが偶然同時に火災を起したらしく、それを我が方が攻撃したと誤解したようです」
 うろたえながら報告する兵の言葉に、何が誤解なものか、とマザリーニは心の中で毒づいた。ゲルマニアとの同盟の破棄、それと合わせたかのように起こったこの事故。
それは綿密に機会を計り仕掛けられたものなのだろう。アルビオンははなからこの瞬間に攻撃を仕掛けようと狙っていたのだ。
 
 ゲルマニアへの対応を審議する会議はそのままアルビオン侵攻対策会議へと姿を変えた。
 会議室には、次々と報せが入ってくる。タルブ領主アストン伯並びにその指揮下の兵の全滅、斥候として放った竜騎兵の未帰還、そしてタルブの村の炎上。事態は急展開を告げていた。
 マザリーニは、この事態をどう収めるべきなのかと思案していた。彼は戦を好まぬ性であったので、基本的には外交を以って事態を収拾するのが望みであった。
だがアルビオンのこの侵攻、確実にトリステインという国を滅ぼしに来ている。そんな相手に交渉など、出来ようはずも無い。ならば最早取り得る手段は一つ、徹底抗戦のみ。
 平和ボケしている宮廷貴族達はこれが単なる小競り合いで、話し合いでカタが付くと思っているようだ。今自分達の首筋に刃を突き立てられているとも理解せずに堂々巡りの水掛け論を展開している。
これは一つ現実を想い知らさなければなるまい、とマザリーニが発言しようとした刹那、彼の言葉は意外な人物の発言によって遮られた。

935 :薔薇の人:2007/10/12(金) 23:10:14 ID:0tjknZa4
それでは、その次に私が予約するとしよう。

936 :夜天の使い魔 2/12 ◆Rein4tm63s :2007/10/12(金) 23:11:23 ID:s8daVj6t
「あなた方は恥ずかしくないのですか! 今我が国土は侵され、民が蹂躙されているのですよ。このような先の見えぬ議論を交わす前に、する事があるでしょう!」
 会議室内に、アンリエッタの毅然とした声が響き渡る。
「しかし、これは些細な偶然と誤解から起こった小競り合いですぞ。直に誤解も解けましょうぞ」
 宥めるような貴族の言葉に、アンリエッタは頭を振る。
「誤解? これの何処が誤解だと言うのです。ゲルマニアからの同盟破棄、それを見透かしたかのようなアルビオンの行動。全ては彼等の筋書き通りなのです」
 静まりえる会議室の中、彼女はさらに言葉を続ける。
「経緯がどうであれ、今無辜の民の血が流されているのは事実なのです。これを守らずして、何が貴族、何が王族か。我々が今すべき事は、卓上で無駄に言葉を交わしあう事では無く戦地に赴き戦う事なのではないですか?」
「その通りで御座います」
 王女は己に追従するその言葉に、はっと振り返る。言葉を発したのはマザリーニであった。彼女は思いもよらぬ人物からの支援に、驚きを隠せなかった。
「今動かねば、トリステイン王家は後の千年先まで物笑いの種になりましょう。民を守る事こそ貴族の務め。今は何よりも先ず彼の侵略者どもを迎え撃つのが肝要でありましょう」
 マザリーニの言葉に、アンリエッタは深く肯く。そして凛とした声で宣言した。
「もし貴族の務めを果たさんとするのならば、わたくしに続きなさい!」
 大股で会議室を去る王女。皆は言葉もなく呆けていたが――一人、また一人と王女の後に続き会議室を飛び出して行く。
 
 元はといえば、このアルビオン侵攻は自分の咎なのだ、とアンリエッタは思っていた。あの手紙を書いたのは紛れも無く自分。ならば、全ての責は己にある。決着は、自分の手でつけなければならない。
それが自分が愛した人と、自分に尽してくれた友人への精一杯の手向けなのだ。
 たった一人の友人が精一杯戦ったように、今度は自分も。アンリエッタは決意を胸に、歩き出した。
 
 
 ワルドが振り上げた杖の動きに呼応するように、巻き起こる風刃。己を食らいつくさんと向かい来るその刃を、ルイズは周りの土を隆起させ、己を囲むように壁を作り遮った。
(やはり……一方向からだけじゃない!)
 壁を削る気配から、ルイズはそう察した。おそらく自分を囲むように三方向から同時に魔法は放たれている。それは彼が「一人」では無い事を示していた。
 壁を即座に四対のゴーレムに変化させ、彼女は身構える。即座に追撃が来るだろう、という彼女の予想と裏腹に、目の前の男は攻撃を仕掛ける素振りを見せなかった。
「流石だよルイズ! 良く今の攻撃を防ぎきったな」
「貴方が遍在を得意とするのは、ニューカッスルで良く思い知ったもの。必ず数を揃えて攻めてくると思ったわ」
「ふむ……やはり手品の種というのは一度バレてしまうと役には立たないようだな」
 そう肩を竦めるワルドの仕草を見て、初めてルイズは気が付いた。今まではマントがはためき判らなかったが、子爵の右腕が、綺麗さっぱり無くなっている。ルイズの視線に、何を見ているのか察したワルドは苦々しく呟いた。
「この腕か? ウェールズを仕留める時に失ってしまってね。まあ名誉の負傷という奴だよ。この僕の腕と王子の首ならば、丁度釣り合いが取れる位だ」
 その言葉に、ルイズはウェールズが戦い抜きこの男を追い詰めたのだという事を悟った。彼は戦ったのだ、言葉の通り、勇敢に最後まで。
 未だ、ルイズの心には恐怖が残っていた。しかし、それを覆い隠すように今闘志が湧き上がってくるのを彼女は感じる。わたしも負けられない。皇太子さまのように、勇敢に戦い抜く!

937 :夜天の使い魔 3/12 ◆Rein4tm63s :2007/10/12(金) 23:12:43 ID:s8daVj6t
「良い目だ。そうこなくては面白く無い。折角の舞台だ、派手に行こうじゃないか」
 ワルドは面白そうに顔を歪める。
「さて、もう気付いているかと思うが……こうして君の目の前で話す僕は遍在だ。勿論後ろに居る二人もね。本物の僕はこの村の何処かに居る。その僕を見つけて倒す事が出来れば君の勝ちだ」
「一体、何が言いたいの?」
「余りに戦力差が有り過ぎるからね、ちょっとした親切心って奴さ。これで君にも勝ち目が出てきただろう? さあ、精一杯頑張り給え」
 何が親切心だ。ルイズは余りの屈辱に怒りが爆発しそうだった。完全に舐められている。自分など脅威たりえないとワルドはそう言っているのだ。その上で、さあ来てみろと挑発してくる。
(とことん、馬鹿にしてくれるわね)
 だが怒りを抱えながらも、ルイズは冷静さを失わぬように自らを律する。圧倒的に実力が劣っているのは事実だ。相手はスクエアクラスの中でも、さらにトリステインでも有数の実力者と言われる歴戦の勇士。
ちょっと前まで満足にコモンマジックすら使えなかった自分の相手としては余りにも強大すぎる。そのような相手に我を忘れて我武者羅に向かっていっても軽くいなされるだけ。心は熱く、頭脳は冷ややかに、そうやって勝機を窺うしか勝ち目は無い。
 
 ワルドは依然何も仕掛けては来ない。こちらの出方を待っている、いや何が出来るのかやってみせろと言う事だろう。ならお望み通り、思いっきりやらせて貰うわ、とルイズは杖を振り上げた。
 次々と生まれるゴーレム。その数は軽く20を超え、大きさも5メイルと巨大なものから30サント程度の小さなものまで様々だ。
「ほお、これは凄い」
 ワルドが感嘆の声を上げる。
「ここまでの数のゴーレムを制御する力、稀代のものと言っても良いだろう。流石だルイズ、見事に期待を裏切らないでくれる」
 だがルイズはそんなワルドの声に耳を貸さずに心を集中させる。相手が数で来るのなら、こちらはそれを上回る数で。自分が唯一相手に勝る事の出来る点はそれだけだ。際限なく再生するゴーレムの集団で押し切れれば、勝機はある。

「行け!」
 号令と共に、ルイズが作り出した土の僕たちは一斉に三人のワルド目掛け突進していく。燃える家々の下から作り出したものもあった為か、何体かのゴーレムは身に炎を纏いながら突き進んでいった。
数多くの巨人が男を囲む光景は、どう見ても男が蹂躙される側にしか見えない。しかし――。
「確かに数は素晴らしい。だが、遅い!」
 男が杖を振るう度、土巨人たちは下の土くれへと返って行く。
「そして脆弱だ! まるで手応えが無いぞ! こんな人形、幾ら居ようと物の数では無い!」
 突き穿たれ、砕き散らされ、次々と破壊されて行くゴーレム達。しかしルイズも次々とゴーレムを作り出し、ワルドの元へと攻め入らせて行く。
 ルイズが作り、ワルドが壊す。延々と同じ光景が繰り返される様は、千日手を思わせた。
 
「昔のあなたは、優しくて、誠実で、努力を怠らない素敵な人だった。一体何が貴方を変えたの!?」
 ルイズが叫ぶ。
 彼女の記憶の中にあるワルド子爵は、何時でも優しく自分を包み込んでくれる紳士だった。どんな時でも笑顔で導いてくれる憧れの人。
「努力すれば叶わない事は無い……そう言って何時も励ましてくれるあなたが大好きだった。わたしはその言葉を胸に、ずっと頑張ってきた。なのにそう教えてくれたあなた自身がその言葉に背いている」
 ゼロのルイズ、そう呼ばれ続けても必死に努力を重ねてこられたのは、ワルドの言葉が胸にあったからだ。努力すれば叶わない事なんてない。そう信じていたから頑張れた。それが何故、このような事になってしまったのか。

938 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 23:13:35 ID:oDkY43yr
支援

939 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 23:13:48 ID:bptb5GLU
sien


940 :夜天の使い魔 4/12 ◆Rein4tm63s :2007/10/12(金) 23:14:05 ID:s8daVj6t
「背いてなどいない、僕は変わらず僕のままさ!」
 そう答えるワルドの一撃は唸りを強め、僅かに感情を帯びたかのようであった。
「亡き父の名に恥じぬよう、ひたすらに我武者羅に僕は国に尽くしてきた。戦地を飛び回り、困難な任務を遂げ、ひたすらにだ! だがそんな僕に国は何をしてくれた? あれこれと理由をつけては褒章を渋り、仕舞には地位を与えてやったから満足しろと言ってきた」
 振るわれる杖の軌跡は一層速度を上げて行く。彼の昂ぶりに呼応するように、それは旋風となりゴーレムを砕き散らしていった。
「僕のただ一つのささやかな願いも聞き届けず、僅かな餌で尻尾を振れと言われるこの屈辱、君に判るかルイズ! だから僕は決めたのだ、貴様等が僕の忠誠と努力を踏み躙り、それを認めないと言うのなら……」
 振るわれた杖より起こる烈風が、一気にゴーレム達をなぎ払う。何体もの土巨人がそれに巻き込まれ、無残に消えていった。
「この国を食らい尽くし、糧として己の願いを叶えてやるとな!」
 ワルドの激情は、ルイズのゴーレムを悉く土くれへと変えていった。拮抗していた戦況は徐々にワルドの方へと傾き始める。
 
 ――不味い。
 ルイズは自分の算段に致命的なミスがあったのを自覚した。物量で押し、ワルドに魔法を使わせ精神力を削り取る。それがルイズの狙いだった。鈍重なゴーレムではきっとワルドを倒す事は出来ない。
しかし数に任せて囲めば幾ら彼でも魔法を使わずに切り抜ける事は難しいだろう。そうやってじわじわと相手の力を削ぎ、競り勝つ。そういう狙いだったのだが。
 目の前で杖を振るうワルドは、殆ど魔法を使っておらず、純粋な杖捌きのみでゴーレムと渡り合っていた。時折魔法を使いはするものの、あくまで最小限だけ。無駄な威力を出さず、効率良く場を制している。
こうやって向かいあって改めてワルドという男は歴戦の猛者であると思い知らされた。自分の思いつきの策など、簡単に破られてしまう。やはり、この男はべらぼうに強い。
 ルイズの頬を、一筋汗が流れた。ルイズがゴーレム作成に要する精神力は大した物ではない。しかし、まったくのゼロではない限り、少しづつではあるがルイズの精神力は減っていくのだ。
魔法を殆ど使わないワルドと、次々とゴーレムを作り出しているルイズ。どちらが先に精神力を切らせるかなど、問うまでも無く判りきった事だった。
 不味い不味い不味い。徐々にではあるが、ゴーレムを作る速度が落ちてきている。矢継ぎ早にこれ程ゴーレム作成をする事など、ルイズにとって初めての事だった。故に予想外の疲労が蓄積され、それが魔法に反映されつつある。このままでは、負ける。
「どうしたルイズ、キレが無くなってきているぞ?」
 ワルドもそれを見抜いたのだろう、不敵な言葉を彼女に投げかける。どうした、ここで終わりなのか?言外にそう言っているようだった。
 
 ルイズは必死に思考を回転させ、次の手を探る。最早当初の目論見は崩れた。このまま持久戦を仕掛けても競り負けるだけ、こちらが力尽きる前に勝負を決めなければならない。
 それならばご丁寧にワルドが言ったように、彼の本体を探し出し、叩くしかない。だが一体何処に居るのだろう?
 この燃え盛る村の中に身を潜めているとでも言うのか。しかし短期決戦を挑むのなら目の前の遍在を相手にしていても仕方が無い。遍在は消え失せようと、また作る事が出来る。死力を尽して一体倒した所で労力の無駄、と言う訳だ。
何がなんでも、本体を探し出す。それしか方法は無さそうだった。
 ルイズは気力を振り絞り、ゴーレムの作成速度を速める。疲労を覚える前よりも更に速く、多く。次々とゴーレムを作り出し、ワルド達へと差し向けて行く。この遍在のワルド達を抑えて移動するには拮抗している程度では駄目なのだ。
完全に押し止められる状態にしていなければ、即座に魔法で狙い撃ちにされてしまう。無理をしてでもこの男の攻めを凌駕する程の物量を投入し、活路を開く。
 再び勢いを増したゴーレムの猛攻の前に、今度は逆にワルドが押され始める。砕く速度を僅かに上回るように迫り来るゴーレムに、必死の形相でワルドは杖を振るい抵抗する。

 ――行ける!
 全ての遍在がゴーレムに釘付けになった瞬間、ルイズは走り出した。

941 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 23:14:21 ID:oDkY43yr
支援

942 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 23:14:23 ID:rsKpCpaj
私怨するなり。

943 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 23:14:48 ID:J5D58FTb
ここで支援せずに何時支援するのか

944 :夜天の使い魔 5/12 ◆Rein4tm63s :2007/10/12(金) 23:15:32 ID:s8daVj6t
 目論み通り、遍在達はこちらを気にする余裕はなさそうだ。あとはこの作成速度を維持して遍在の追撃を振りきり、何処かに居るはずの本体を探す。もし先程の話が嘘だったら?と一瞬不安が過ぎるルイズだったが、それは無いはずだ、と思い直す。
先程の言葉は、彼の余裕の表れだ。出来るはずが無い、そう思ってるからこそ敢えて自らの弱点を明かし、そこを突いて来いと挑発したのだ。それは絶対的な自信があってこその言葉、そこに嘘を含ませるとは考え辛い。
村の中に居る、と言った以上必ず居るはずだ、そう思い村の中を見渡す。辺り一面は炎の海ばかりで、人影や人が潜めそうな場所などまったく無さそうだった。一体何処に居る? このような状況で身を潜めるのなら何処?

 思考に埋没していたルイズがその一撃を回避する事が出来たのは、偶然と言っても良かっただろう。ぞわり、と背中を走る悪寒に逆らう事無く、反射的に横へと飛び退り、転がった。
刹那、先程までルイズが居た場所を走るのは凶悪なる風の刃。もし少しでも飛ぶのが遅れていたら、今頃ずたずたに体を引き裂かれていただろう。
 転がりながらも素早く呪文を詠唱し、身を守る為のゴーレムを作り出す。
「……まさか、もう一人居たとはね」
 果たして、彼女の眼前に居たのはワルド子爵であった。こうやって姿を現した以上、目の前の男も遍在だろう。これで遍在は計4体。この数の遍在を作り出せるのは、おそらくトリステインの貴族の中でもこのワルド位なものだろう。
4人のスクエアメイジを、ついこの間までろくに魔法が使えなかった自分が相手をするなんてまるで悪い冗談みたい、と思わず苦笑が漏れた。正直3人ですら荷が重い。人数が一人増えた事で、既に勝負は決したも同然だった。
4人を相手に圧倒出来る程のゴーレムを作るのは、ルイズであっても不可能だ。最早チェックメイトを迎えたに等しい。
 ワルドの方もそれは良く理解しているのだろう、ゆっくりと、威圧するよう徐々にルイズの方へと歩を進めて行く。
 目の前のワルドにルイズが裂ける戦力は僅か一体。それ以上の数をこちらに裂こうものなら、瞬く間に今押し止めている遍在達がこちらにやってくる事になる。最早八方塞がりだ。あらゆる手が塞がれ、完全に詰んでいる状態だ。
 だが、だからと言って諦める訳にはいかない。最後の最後まで死力を振り絞り、活路を見出してみせる。決して、絶望なんかに屈しはしないとルイズは己の心を奮い立たせた。
 この場を切り抜ける事が出来るとするなら、それはワルドの望外となる攻撃しかない。しかしそれは諸刃の剣、一気に彼女を危機に追い込む可能性も高いが、それでもこのままでは座して死を待つのみ。
何もせずに散るよりは、僅かばかりでも可能性のある方に賭ける。ルイズは起死回生の一撃を放つ覚悟を決めた。
 ゴーレムがワルドに迫る。しかし鈍重なそれはワルドの動きをほんの僅か止める事しか出来なかった。神速で振るわれた杖が土の体を粉々に砕き、散らす。間近で見るその行為はあまりに馬鹿馬鹿しく、そして恐ろしかった。思わず目を奪われる程に。
 ルイズが我に返った時、既に仕掛ける機を逸していた。
「これでお仕舞だ、ルイズ!」
 ワルドが杖を大上段に構え、必殺の一撃を放たんと力を溜めながら迫ってくる。おそらく無駄だろう、と判ってはいたが、それでもルイズは少しでも抗おうと身構える。
 だが――その杖は彼女へは振るわれなかった。杖が振り下ろされんとした刹那、ワルドは驚愕したように目を見開くと強引にその軌道を横薙ぎに変え、己の側面を激しく切り裂いた。衝撃音と、砕け散る炎。
その余波は杖を握る腕の表面を焦がし、痛烈なる苦痛にワルドの顔が歪む。
 ワルドに放たれたのは一塊の火球であった。それは一度に止まらず、二度三度と続けざまに男へと襲い掛かり、彼を苦しめる。ワルドは素早く詠唱すると杖に風を纏わせ、それを次々と弾いていく。
 
「まったく、さっぱり帰って来ないと思ったら……」
 場を支配する炎にもまったく劣らぬであろう、燃えるように赤い髪を振り乱し駆けつけてくるその姿に、ルイズは軽い驚きと安堵を覚えた。彼女は悪態をつきながらも、杖を振る腕は次々と矢継ぎ早に火球を生み出し、見事ルイズの元へと辿り着いた。
「あんたはどうしてこういつもいつも厄介事に巻き込まれんのよ!」
 キュルケ・ツェルプストーはルイズにぴったりと寄り添いながらも、目の前の男から視線を外さない。油断なく杖を構え、その出方を窺っている。


945 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 23:15:56 ID:oDkY43yr
支援

946 :夜天の使い魔 6/12 ◆Rein4tm63s :2007/10/12(金) 23:16:37 ID:s8daVj6t
「状況は?なんて聞くまでもないか」
 目の前の男の顔はキュルケも良く覚えている。嘗てのルイズの婚約者にして、トリステインを裏切った男。あの夜の出来事の中心に居たと言っても良い人物。そんな男とルイズが出会ったのならどういう結果になるのか、彼女には容易く想像がついた。
 
「僅かに命を永らえたなルイズ。しかし一人が二人になった所で対して状況に変化は無いぞ? その程度では、僕を倒す事など出来はしない」
「あら、随分な言い草ね、オジサマ」
 不遜なワルドの物言いに、キュルケも不敵な笑みで応えを返す。
「わたくしをその辺の小娘と一緒にしては火傷しますわよ? この『微熱』、貴方に受け止める事が出来て?」

 二人の不敵な笑いが戦闘再開の合図だった。同時に振りぬかれた杖から放たれた風と炎が中空でぶつかり合い、激しい音と振動が彼等の間を支配した。
「あたしが攻めるから、あんたは防御! あたしじゃああの風は防ぎきれない!」
 キュルケの言葉にルイズが肯く。次々とゴーレムを生み出しワルドにけしかけ、また素早く壁を作り相手の魔法を遮った。キュルケはその間隙を縫うように的確にワルドへと火球を放ち、または周りの炎を巧みに操り男を焼き尽くさんと攻め立てる。
 しかしワルドは二人の攻撃を見事に捌いていく。ゴーレムを砕き、炎を吹き飛ばし、隙あらば二人へと必殺の一撃を叩き込もうとしてくる。手数では圧倒的に劣っているはずなのに、まるでそう思えないような戦い方は伊達に
トリステイン随一の使い手と言われていた訳では無いという事の表れであった。
 
 遍在が一人増えた事によって崩れるかと思われた場の均衡は、キュルケの参戦により再び保たれた。ワルドと二人の攻防は、またしても千日手の様相を見せ始めていた。
しかし、先程と大きく違う点が一つある。それはワルドが魔法を使わざるを得ない状況であると言う事。キュルケの放つ強烈な火の魔法を何もせずに防ぎきる事は如何にワルドが優れた使い手であっても不可能であった。
彼は襲い来る炎から身を守る為にどうしても魔法を使わなければならず、それは彼の精神力を徐々に削り取っていった。
 しかし、それはルイズやキュルケにとっても同様である。ルイズは百体を超えるゴーレムの連続作成、キュルケは休み無く火球等を作り出し次々と放っているのだ。彼女達の精神力ももう長くは持たないだろう。
 この分だと、おそらくほぼ同時に全員が精神力切れになる。だがそうなった場合、不利になるのはルイズ達の方であった。
例え数の上で上回っていようと、正式な訓練を受け多くの戦場を潜り抜けた男の格闘能力に追随するような力を少女二人は持っていないのだから。おそらく為す術無く振るわれる杖の前に命を散らす事だろう。
「こりゃあちょっとヤバいわね」
 軽く言ってみせるキュルケの顔には汗が球となって浮かんで、次々とこぼれ落ちて行く。言葉とは裏腹に相当に無理をしているというのがルイズには一目で判った。
「目の前に居るのは全員遍在よ。本人を探し出して叩かなければ、埒が開かない」
「で、何処に居るのよ、本人は?」
「それが判れば苦労しないわ!」
 叫びながらもルイズは思考する。いったいワルドはこの村の何処に居る?
 彼女は先程の事を思い出す。3体の遍在の包囲を抜け出し、4体目が現れた時の事。最初から4体の遍在を作り出していたのなら、最初から投入しない理由は無い。
あれは、明らかに止めを決める為に新たに作り出されたものだ。つまり、本体は自分の動きを把握出来る場所に居たという事になる。ワルドはずっと何処かに潜み、遍在と戦う自分の姿を見てほくそえんでいたのだ。
 この戦いを眺めるのに一番適した場所。そして一番安全な場所。溢れんばかりの自信で向かってきてみろと挑発さえ出来る程に余裕が持てる、そんな場所。それはこの村の何処にある?
 ルイズは考える。深く、深く考えを進める。

947 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 23:17:28 ID:oDkY43yr
支援

948 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 23:17:34 ID:bptb5GLU
しえーん

949 :夜天の使い魔 7/12 ◆Rein4tm63s :2007/10/12(金) 23:17:42 ID:s8daVj6t
 ――ああ、そうか。
 この戦いを見るのに、絶好の場所。この炎に包まれた村の中、最も安全で悠々と眺める事の出来る場所。そんな所があるじゃないか。どうしてこんな簡単な事に気付かなかったんだ、とルイズは歯噛みした。
「判ったわよツェルプストー。本人の居場所が」
 この村の中の何処に身を潜める事が出来るのか、と言う発想自体が間違いだったのだ。ワルドは、最初から潜みも隠れもしていなかった。堂々と姿を現し、この戦いを観戦していたのだ。
「文字通り、『高みの見物』を決め込める特等席、それは……」
 ルイズは空を見上げる。自らの遥か頭上を。
「わたしたちの頭上、遥か空の彼方!」
 彼女の目に映るのは、遥か高くを旋回する一匹の竜の姿。その距離凡そ50メイル、そこにワルドは居た。
 遥か遠景から村を望んでいたのなら直ぐに気付いたかもしれない。
しかし炎に包まれ陽炎揺らめく中、さらに目の前の相手と戦いながらでは完全に死角となる場所であった。激しい攻防を繰り広げる最中、誰が頭上を見上げようとするだろうか? まさに相手の目から逃れるのならば絶好の場所であった。
 
 遂にワルド本人の居場所を割り出したが、しかしそれは新たな絶望を彼女達に与えるだけだった。ワルドが竜に乗り旋回する高度は50メイル。
フライの魔法で直に近付こうとした所で風竜の速度に追いつける訳も無く、ワルドが魔法を放てば抵抗する事すらできずにあっけなく打ち落とされるだろう。かと言ってこの地上からあの高さまで届く攻撃をするのは至難の技だ。
キュルケがフレイムボールを放った所で軽々と避けられるだろうし、ルイズのゴーレムではあの高度に届きようが無い。フーケが行ったように土塊を投擲すれば届かせる事は可能であろうが、あの素早い風竜を捕らえる事は到底不可能だろう。万事休すであった。

「どうすんのよ、あの高さじゃあたしたちには手も足も出ない」
 キュルケの声にも焦りが含まれていた。このペースで魔法を行使し続ければ遠からず魔法を打つ事が出来なくなると自覚していたからだ。このままでは、確実にやられてしまう。
「タバサとシルフィードが居てくれれば……」
 シルフィードの足ならば並の風竜に遅れは取らないだろうし、学生では屈指の実力者のタバサなら、今の状態のワルドとなら魔法戦も互角に戦う事が出来るだろう。
しかしその二人は今タルブの避難民の中でも重症を負った者たちを近くの村へと運ぶのに忙しく飛び回っているはず。手助けは期待出来ないのだ。
 そんな事は重々承知だったが、それでもそんな言葉が口を突いてしまう。それは、少女達の心が徐々に余裕を失いつつある証拠であった。

 疲れと焦りを見せる少女達と対照的に、遍在達は疲れた素振りも見せず、舞うように戦い続けている。遍在は姿形こそ術者の似姿であるが、その実態は風によって作られた紛い物。
風である身が疲労を覚えるなど、有り得ないのだ。彼等は術者の精神力がある限り動き続ける。逆に言えば、精神力が切れるまで万全の状態で戦い続ける事が出来るのだ。
 
「ねえツェルプストー。あんた博打は好き?」
 唐突に放たれたルイズの言葉に、一瞬虚を突かれたようにきょとんとしたキュルケだったが、すぐにその真意を理解して表情を強張らせる。
「嫌いじゃあないけど……自分の命を賭けるようなデカイのは流石に躊躇うわ。……何か手があるの?」
「ある、と言える程確実な手段じゃないけど」
 歯切れの悪いルイズの口調は、彼女自身それ程良い手だとは思っていないのだろうという事がありありと判った。
「ほんとうに、万に一つって感じの奴よ。私の殆ど全力を使うから失敗したらもうどうしようも無い、それでいて成功確立はお世辞にも高いとは言えない、そんな馬鹿な手。でも今の私にはこんな馬鹿馬鹿しい方法しか思い浮かばなかった」
 だから、強制は出来ない。ルイズの瞳はそう語っていた。


950 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 23:18:43 ID:bptb5GLU
しえん


951 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 23:18:57 ID:oDkY43yr
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part72
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1192198712/


支援&次スレ

952 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 23:19:08 ID:vwBnSJtv
支援

953 :夜天の使い魔 8/12 ◆Rein4tm63s :2007/10/12(金) 23:19:13 ID:s8daVj6t
 だが、そんなルイズの様子にキュルケは堪らず笑い出す。
「なあに、ヴァリエール? あんた怖気づいてるの? らしくないじゃあないの」
 戦いの最中だと言うのに、構わずにキュルケは笑い続ける。
「無茶と無謀はあんたの専売特許でしょうが。今更しおらしい事言ったって冗談にしか聞こえないわよ。それにあたしにはこの状況を打開するような考えはまったく浮かばない。だから、一つでも策があるなら乗らせて貰うわ」
 この絶望的な状況の中、多少の無茶位やってくれないと逆に困る、とキュルケは思った。無茶で無謀で、突拍子の無い行動はルイズ・フランソワーズの十八番。そしてそれは目の前の男にとっても驚くべき行動であるはずだ。きっと、意表がつけるに違いない。
「やろうじゃないの、伸るか反るかの大博打」
「ならわたしから絶対に離れないで。でかいのをやるから」
 ルイズの目が細められ、鋭さを帯びる。この一手を打ったなら、目の前のゴーレムを維持する事は出来なくなる。全ての遍在の攻撃の際を見極め、一瞬あるはずの隙を狙って仕掛ける。急く心を抑えながら、ルイズは機会を見極めようと全神経を集中させた。
 
 やがて、時は訪れる。四人の遍在の刻むリズムが重なり、虚となる一拍が。
「行くわよツェルプストー! あたしに捕まって!」
 その言葉に、キュルケは肯く事もせずにルイズの体にしがみつく。ルイズもまた、それを確認する事もせずに裂帛の気合と共に杖を振る。
 ルイズはイメージする。それは、嘗て宝物庫を襲った巨大なゴーレムの姿。30メイルを超える、強大な土巨人。何度練習しても彼女はこの大きさのゴーレムを作り出す事は出来なかった。最も大きくて15メイルが限界。
それでも、十分に大きく素晴らしいゴーレムである事には間違い無かったが、やはりあのフーケのような巨大なゴーレムを作ってみたいという欲求はあった。だから密かに何度も練習したのだが――結局、一度だって作れた事は無い。
しかし今は必要なのだ、その大きさのゴーレムが。
だから彼女は必死に思い出す。あの日、眼前に現れた見事な土巨人の姿を。あの森で自分に襲い掛かってきた恐ろしい姿を。過去の記憶を掘り起こし、その細部に至るまで明確に思い起こし、今、形と為す。
 私はルイズ・フランソワーズ。無茶と無謀が専売特許だって言うのなら――そいつで道理を引っ込める!
 
 微かに大地を揺らす振動に、遍在達は何事か?と首を傾げる。ここに来て何か仕掛けるつもりか。相手の立つ大地を変質させるというのも土メイジの常套手段だが、その程度では裏はかけんぞ、とワルドはほくそえむ。
そうやって無駄な策を弄して精神力を消費するのは、ただ死に近付くのみだと。
 
 ルイズが杖を振り下ろすのに呼応して、彼女達が立つ大地が隆起し始める。土が盛り上がり、それはやがて大きな掌のような形を取って少女達の体を何メイルも押し上げた。
その掌の後より現れたのはやはり巨大な腕、そして大地を揺るがし巨大な頭がせり上がり、首と腕とが連なる大地はそのまま彼の者の上半身を形成した。
流れは止まる事なく直に完全な土の人型が土より生まれ、形を為した。その身の丈は30メイル以上、メイジが作り出すゴーレムとしては最大級の大きさであった。
 やった。遂にやりとげた。多大な精神の消費にへたりこみそうになりながらも、ルイズは心の中で喝采をあげる。
 だが喜びに浸っている時間は無い。作り出すのはまず第一歩、次への攻撃の準備に過ぎない。ルイズは作り出した僕に指令を送る。その内容はこうだ。
 ――走って、全力で跳べ、と。

 巨大なゴーレムが現れた時、遍在達は己の勝利を確信した。
巨大とは言え所詮は土から作られたもの、4体で一斉に魔法を浴びせかければ決して壊せないものでは無い。手を誤ったな、とせせら笑う彼等であったが、巨人は彼等の思いもよらない行動を取り始め、その事が行動を鈍らせる結果に至った。
 てっきり攻撃を仕掛けてくると予想していたゴーレムが、遍在達など眼中に無いかのように明後日の方向に動き出したではないか。一体どうするつもりなのだ!?

954 :薔薇の人:2007/10/12(金) 23:19:18 ID:0tjknZa4
そろそろ次スレの季節です支援

955 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 23:19:49 ID:oDkY43yr
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part72
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1192198712/

薔薇の人、かもーん

956 :夜天の使い魔 9/12 ◆Rein4tm63s :2007/10/12(金) 23:20:17 ID:s8daVj6t
 ワルドの強さの一つは、その経験であった。あらゆるメイジと戦いその戦法を熟知している為、焦らず落ち着いてどのような攻撃にも対処出来る。
しかし、その反面、まったく予想外の行動を取る相手に対して覚える驚愕もまた人一倍であった。常識の物差しで計れぬ行動は、彼を混乱させるのだ。
 まさに今目の前での出来事がそうだった。故にワルドは混乱し、思考を停止させる。己の脳髄の引き出しに納められていない行動に対しどのように対処すれば良いのか激しく逡巡し、身を固まらせていたのだ。
 
 そんな遍在達の混乱など眼中に無く、ルイズはゴーレムの制御に集中する。己の限界を超えた大きさのゴーレムの制御は、彼女の精神力をどんどん削り取っていく。
あと少し、あと少しだけ持って。幾度となく意識を手放しそうになる瞬間を覚えながら、それでもルイズは歯を食いしばり耐えた。
 地響きを立てながら駆けていた巨人が一気に身を屈める。そして曲げられた足に十二分に力を蓄え、一気にそれを放出し――跳んだ。
 30メイルもの巨人が全力で駆け、勢い良く跳躍する。その速度は一体どれ程のものか。それは誰もが思いもよらぬ凄まじい速度であった。
 風竜にまたがり、地上での不可思議なゴーレムの行動に混乱していたワルドにとってもそれは同様であった。巨大な土の塊が砲弾のような速度で自分目掛けて飛んでくる。
それを認識し、咄嗟に逃げようとした時には全てが遅かった。引き絞られた巨人の拳が、さらに加速して風竜を捕らえようと放たれた。その一撃は、竜の体を捉えるのには僅かに距離が足りなかったが、それで十分であった。
2メイル近い大きさの拳が巻き起こした拳圧は触れもせずに竜の腹を引き裂いていったのだ。風竜は声もなく力を失い、地上へと落下していった。
 土巨人もまた、轟音を立てて大地へと倒れこみ、ばらばらに砕け散った。無理な加速と跳躍、そして着地はゴーレムに多大な負荷を与えていたのだ。
その衝撃はタルブの村一帯に地震を引き起こす程大きなものであった。大地は大きくぐらぐらと激しく揺れた。
 ルイズとキュルケも落下の衝撃でゴーレムから大きく投げとばされる。咄嗟にキュルケがレビテーションを使い衝撃を緩和しようと試みたが、それでも激しい勢いで二人は大地に叩き付けられ、苦悶の声を上げた。
 
 朦朧とする意識の中、キュルケはぐったりと力なく倒れるルイズの姿を見た。自分より3メイル先に投げ出され、なんとか立ち上がろうと努力している。しかし先程のゴーレム作成が力を奪ったのか、その動作は緩慢で危なっかしい。
 キュルケ自身の体の方は大した損傷は無いようだった。投げ出された衝撃で多少頭がくらくらするが、それ以外は大したことは無い。
さあ、速く立ち上がらなければ。ワルド子爵の乗った風竜は墜落したようだが、子爵自身はどうなったのだろうか?あの一撃で倒せていれば良いが。
 
 立ち上がろうとした瞬間、キュルケはそれに気がついた。ルイズの背後に迫る影、それは間違いなくワルドのもの。憤怒の形相で走り、風の刃を纏わせた杖を振り上げ、一直線に彼女の元へと向かっていた。
 ルイズが危ない、そう思った瞬間、キュルケの体は自然に動いていた。
 
 鈍い音と、ぴちゃり、と頬にかかる液体。それがルイズを覚醒させる。誘われるように振り向いたルイズの視界に入ったもの、それは。
 胸を貫かれたキュルケと、燃え行く遍在の姿であった。
「ああ……」
 遍在が風に返るのを見届けたように、キュルケの膝が崩れ落ちる。その体を、ルイズは夢中で抱きしめた。
「ああああああああああああああああああああ!」
 口から漏れる慟哭は、止まる事を知らない。心が黒く、絶望で塗りつぶされた。
 
 そんなルイズの姿を、キュルケは満足そうに見つめていた。
 ――良かった、どこも怪我してない。
 彼女が見てきたルイズ何時だって傷だらけだった。そんな姿を見るのが悲しくて、辛くて、変わってあげたいと思っていた。だから、今こうして彼女の代わりに傷を受ける事が出来て、本当に良かったとキュルケは思う。
(この子ばっかり傷だらけになるのは不公平だもの……これでおあいこよね)
 満ち足りた感情に包まれながら、キュルケの意識は闇へと落ちていった。

957 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 23:20:46 ID:oDkY43yr
支援

958 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 23:20:48 ID:J5D58FTb
支援だッ!

959 :夜天の使い魔 10/12 ◆Rein4tm63s :2007/10/12(金) 23:21:24 ID:s8daVj6t
「予想外にてこずらせてくれたが……もう頼みの綱の友人も死んだぞ? これでおしまいだ」
 そんなワルドの声が、堪らなく煩わしかった。黙れ、今はそんな下らない言葉を聞いている暇は無い。
「僕の方も大分疲労しているがね、君を殺すのには十分だ。だが君にはもう力が残っていないだろう? 無駄な抵抗はよして、大人しく殺されて友達の下へ行くが良い」
 ルイズはキュルケの体をきつく抱きしめる。消え行く命が、少しでもこぼれないように。必死になって、抱きしめた。
 
 彼女の心の中は、既に一つの感情で塗りつぶされていた。それは純粋な怒り。限界を超えたそれは、一つの思考を形作る。
 ――赦さない。そのへらず口を、黙らせてやる。
 
 ルイズの周りの大地が蠢く。また馬鹿の一つ覚えのゴーレムか、そう思うワルドであったが、次々と隆起していく大地の様子に驚愕し目を見開いた。
 それは形を持たず、水のように蠢いていた。また風のように疾く流れていた。それでいて、大地のように確たる存在を持って存在していた。
 やがて、壁のようにそそり立った土の波がルイズの背後に出来上がった。
 ルイズが、咆哮する。嘆きと、怒りとを備えて。それに呼応するように、波が一斉にワルドへと押し寄せていった。まるで津波のように怒涛の勢いで、圧倒的な質量を持ってのしかかっていく。
 ワルドはそれを必死になって魔法で押しのける。風で作った防護壁の周りを、土が取り囲み押しつぶそうとしてくる。
 馬鹿な、こんな土の魔法は知らない。このようにして土そのものを動かし、攻撃に使うなど、僕は知らない! 圧倒的な質量の前に、彼は震えた。
 ルイズは真っ白な思考の中思う。より速く、強く。相手が抗えぬ程圧倒的な攻めを。ただそれだけを考えていた。
 
 数十秒も続いただろうか、土の津波が勢いを無くし、消えうせる。
 ワルドもルイズも、満身創痍であった。ワルドは既に遍在を維持する精神力も失い、大きく肩で息をしながら立っている。ルイズも既に精神は限界のようで、膝ががくがくと振るえ立っているのがやっとのようであった。
 
 精神力が切れたなら、あとは人の力での殴りあいだ。ルイズはキュルケの体を優しく横たえると、なけなしの精神力を振り絞り、短剣を錬金する。これが正真正銘、最後の魔法だ。
 そのルイズの様子にやる気ありと見たのか、ワルドが杖を構えた。
「さあ来いルイズ。この手で捻じ伏せてやるぞォォォォォォォ!」
 その声に答えるように、ルイズが剣を振り上げ踏み込む。言葉は無い。だが瞳に宿る意思が、全てを物語っていた。
 剣が振るわれる。縦に横に、縦横無尽、疾風怒濤の勢いを持って。それは、まるで達人が振るうような威力を持ってワルドに襲い掛かる。
 その太刀筋が、さらにワルドを混乱させる。これはまるで熟練した達人のようだ。ルイズが剣を使えるなどと、聞いた事も無い。
それにこの威力、少女の細腕で出せるものではない。なんだ、なんなのだこれは!
 利き腕を失い、隻腕の身で凌ぎきれる攻撃ではなかった。振るわれる剣が杖を切り落とし、返す勢いで手首を両断する。その切り口から、勢い良く血が吹き出た。
 その時、ワルドは見た。ルイズの背後に浮かぶ、一冊の本の姿を。それが淡く光っている事を。彼は全てを悟った。ルイズの周りで起こる数々の不可思議な現象、それはこの本が原因だったのだと。この本が、ルイズを守り、力を与えていたのだ。

960 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 23:22:03 ID:oDkY43yr
支援

961 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 23:22:07 ID:Igrxv/AX
支援だ

962 :夜天の使い魔 11/12 ◆Rein4tm63s :2007/10/12(金) 23:22:35 ID:s8daVj6t
 切り込んだ勢いのまま、ルイズはワルドを押し倒す。そのまま馬乗りの形になり、ワルドを睥睨した。
ワルドは必死になってルイズを押しのけようとするが、手首を失った腕は同時に力も失ってしまったように空しく少女の体を撫でるだけだった。

 ルイズが短剣を掲げる。それは真っ直ぐに、ワルドの喉を狙っていた。
「やめろ…やめるんだルイズ。仮にも婚約者だった僕を、殺そうと言うのか」
 必死の懇願にも、ルイズは耳を貸さない。ただまっすぐと、ワルドの瞳を見つめ続ける。それがワルドには何よりも恐ろしかった。
「キュルケが居なかったら、きっと最後まで持ちこたえられなかった」
 それは、目の前のワルドに語りかけた言葉では無かった。己自身に問いかけ、全てを終わらせる為の言葉。
「なら助けてくれルイズ! 僕にはやらなければならない事がある。どうしても、聖地へと赴かねばならないんだ。だから、殺さないでくれ」
「皇太子さまがあなたの右腕を切り落としてくれなければ、こうして組み付く事も出来なかった」
「頼む、元々は婚約者同士じゃないか! お願いだ、助けてくれぇ!」
「わたし一人では、決してここまで来る事が出来なかった。この勝利は、わたしの勝利じゃない。皇太子さまと、キュルケがくれた勝利」
「やめろ、やめろ、やめろおおおおお」
 ワルドの哀願など、彼女の耳には入っていない。もう、止まらなかった。目の前の男は色々なものを奪いすぎた。許す事は、出来ない。
「さようなら、ワルドさま」
 振り下ろされる刃。手から伝わってくる感触は鈍く、苦かった。
 ――さようなら、ワルドさま。わたしの、大好きだった人。
 
 ルイズはゆっくりと立ち上がると、満足に動かない体を引き摺って歩く。向かったのは血に伏せて倒れる少女の下。
「馬鹿ね、あんた。どうして私なんか庇ったりしたの。本当にもう、おせっかいなんだから」
 手から伝わる感触が、キュルケの命はもう失われつつと伝えていた。だがルイズにはどうする事も出来ない。胸に空いた大穴は、一目で致命傷と理解出来るものだ。もう、助からない。
「お願い……目を開けて……死なないで……」
 力を振り絞り、キュルケの体を持ち上げる。体中が悲鳴を上げたが、そんな事は意に介さずに限界を超えて彼女は力を籠める。死なせたくない。彼女を、助けたい、だって――。
 
 ルイズの頬を涙が伝う。やっと、やっと判った。
 
 ――だって、彼女はわたしの友達だから。
 そう、友達だったのだ。両家の因縁だとか、そういうので意地を張っていたけれど、わたしたちは友達だった。ずっとずっと本当は判っていたのに、判らないふりをしていただけだ。
 友達だったから、キュルケは何時もわたしを助けてくれた。何時だって、支えてくれていた。それがどれだけ嬉しかった事か。
 だから、わたしも助けたい。強くルイズは願った。友達を、助けたいと。
 
 死に行くキュルケの体を抱きしめながら、ルイズは炎の中を彷徨った。
 僅かな希望に賭けて、彼女は歩く。森まで行けば、きっとタバサが居る。急いで医師の所へ行けば、きっと助かる。
 ――それは嘘だ。もう数分もしない内に、この命は潰える。
 頭の冷静な部分がそう囁く。だがルイズは歩みを止めない。一歩、一歩、死力を振り絞って進む。
 これは何時か見た夢の光景だ、とルイズは思い出す。紅蓮の炎の中、地獄のような光景が繰り広げられ、友人の亡骸を手に彷徨う自分の姿。
まるでその夢の光景そのものだ。しかし一つ違うのは、夢の中の自分は絶望に全てを嘆き諦めきっていたが、今の自分はそうではない事。決して絶望せず、最後まで諦めない、不屈の心がここにはあった。

963 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/12(金) 23:22:40 ID:J5D58FTb
きゅ、キュルケー!?

964 :夜天の使い魔 12/12 ◆Rein4tm63s :2007/10/12(金) 23:23:39 ID:s8daVj6t
 だが限界を超えた体は少女の想いを裏切るように力を失い、地へと倒れ伏す。最早立つ事すら出来なかった。
 朦朧としてくる意識の中、ただ一つだけを願う。キュルケを助けたい、死なせたくない。無意識に、ルイズはキュルケの手を握り締めた。もう片手には己の使い魔を握り、ただひたすらに、純粋に、それだけを願う。それはすでに願いではなく、祈りとなっていた。
 
 揺るぎ無き意思だけでは駄目だった。切なる願いだけでも駄目だった。その二つが一つとなったからこそ、奇跡は起こる。
 
 ルイズの使い魔が主の手を離れ、宙へと浮かび上がる。その頁が激しく捲れ上がり、本は開かれた。それはまるで何事かを為さんと腕を広げるような、そんな姿だった。

 キュルケの体が、光になっていく。きらきらと輝き、細かな光の粒となって、それはやがて本の中へと吸い込まれていった。
 
 ――Absorption――
 
 声と共に、ばたん、と閉じられる本。
 目の前で繰り広げられた光景を、ルイズはただじっと見ていた。余りにも不可思議な出来事だったが、何の不安も無かった。きっと、彼女がキュルケを害するような事はしないと、そう確信していたから。だって、彼女はわたし自慢の使い魔なのだから。
 
 本が、ルイズの目の前にやってくる。何かを待ちわびるように、誘うように、ルイズの前で静かに浮いている。
 ルイズは力を振り絞り、本を手に取った。
 少女の手と、金の十字が触れ合った瞬間。
 
 ――Anfang――
 
 声と閃光が、辺りを包み込んだ。

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