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あの作品のキャラがルイズに召喚されました part77

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 00:37:21 ID:sRLnWma+
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。

(前スレ)
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part76
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1193226466/

まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/

--------------------------------------------------------------------------------

    _              ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃 ` ヽ  .   ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
    l lf小从} l /   ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.   ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
   ヽ_/ィヘ_)〜′   ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!
              ・議論や荒らしへの反応は、避難所でやりなさい!

--------------------------------------------------------------------------------
    _
     〃  ^ヽ      ・クロス元が18禁作品であっても、SSの内容が非18禁である場合は
    J{  ハ从{_,      本スレへの投下で問題ないわ。
    ノルノー゚ノjし      ・SSの内容が18禁な展開をする場合はクロス元に関わらず、
   /く{ {丈} }つ      本スレではなく避難所への投下をお願いね?
   l く/_jlム! |      ・クロス元が型月作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
   レ-ヘじフ〜l        ・スレタイと違う内容になったり、痛い展開になったりする場合も、避難所に投下した方が無難ね。
              ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。

--------------------------------------------------------------------------------

   ,ィ =个=、       ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
   〈_/´ ̄ `ヽ      ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。
    { {_jイ」/j」j〉      これ以上だと投下できないそうです。
    ヽl| ゚ヮ゚ノj|      ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
   ⊂j{不}lつ      ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
   く7 {_}ハ>      ・次スレは>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
    ‘ーrtァー’       ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。

2 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 00:40:27 ID:AMs7FJB+
>>1乙などさせるか!

3 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 00:41:54 ID:oO5dl+/i
NG推奨ワード

STEALTH & Aegis
ゼロと聖石


4 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 00:44:00 ID:xatHKRIL
>ID:oO5dl+/i
それはお前の勝手なヘイトリストじゃねーのかと(ry

>>1

5 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 00:46:32 ID:NQLXm2c+
乙!
最近1000いかなくなったからアンとアンアンで1000ゲットできなくて悲しい。

6 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 00:47:31 ID:iOWXVlBE
落ち着け
スルーの魔法を使うんだ
そして>>1

7 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 00:47:53 ID:oO5dl+/i
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/9616/1193339674/114-121

114 :名無しさん:2007/10/26(金) 23:13:50 ID:5RcXR/.2
聖石にGJしてる奴はID見ると聖石の話ししかしてないな
凄い自演臭い


115 :名無しさん:2007/10/26(金) 23:31:02 ID:De3M24e.
>>114
お前のせいで自演にしか見えなくなったwww


116 :名無しさん:2007/10/26(金) 23:35:59 ID:xnbS8d3g
そんなまさかハハハ…(゚д゚)


綺麗に聖石ばっかだ…
てか他の人の作品投下後に即投下とかちょっと…


117 :名無しさん:2007/10/26(金) 23:37:51 ID:j8ExBfHE
主役陣営を強化するとすっげーストーリー進めるの楽、つまり何も考えなくていいというのを聖石が体現しているな。


118 :名無しさん:2007/10/26(金) 23:39:54 ID:LOaC6bU6
そらま、興味の無いブツにまでお義理でレスするほど酔狂じゃねえってことだろ。
特に今夜は不作だしな。


119 :名無しさん:2007/10/26(金) 23:40:50 ID:xnbS8d3g
…避難所感想スレについた2レスもなんか怪しく見えてきた件


120 :名無しさん:2007/10/26(金) 23:42:42 ID:xnbS8d3g
>>118
不作ねぇ…んじゃ豊作ってなんだ?


121 :名無しさん:2007/10/26(金) 23:43:37 ID:edIxkjbc
さすがにそこまでうがった見方をするのはどうかと思うんだぜ。



・・・と聖石をNGに放り込んだ俺が言ってみる。

8 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 00:49:37 ID:ElUh34vT
1乙

そして>>7
毒吐きに行ってくれ、ここに出す内容じゃない。



9 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 00:49:51 ID:NQLXm2c+
ID:oO5dl+/i
オマエをNGに入れるよ。

10 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 00:54:29 ID:f//u3R9x
聖石好きだけどなぁ・・・。そんなに悪い?

11 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 00:55:14 ID:/o6lrtD1
虚無の魔法が奥義!スルー(無想転生)!!

12 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 01:01:59 ID:MbojAloB
入れ食いだな

13 :ゼロのgrandma:2007/10/28(日) 01:21:58 ID:BdFw1DQ5
>>1 乙です。

こっちに投下、でいいのかな。
予約します。1:25から。

14 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 01:22:41 ID:2m5xCQAm
支援しちゃいますよー

15 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 01:23:00 ID:KyxBq8t+
視界良好!どうぞ!

>>1
乙!!!

16 :ゼロのgrandma 1/6:2007/10/28(日) 01:23:51 ID:BdFw1DQ5
部屋の中を観察するように見回した少女は、つい最近知己となった姿に目を留めた。
「あなたは確か、オールド・オスマンの秘書の――」
「ロングビルと申します、姫殿下。こちらの部屋には、所用にて参っておりました」
彼女は膝をつき、深々と頭を下げる。
「え? ……あ!」
それを見たシエスタは、部屋の隅で慌てて床にひれ伏した。見れば肩の辺りが震えている。
(……無理ないわね。王女さまなんて)
リンディは、その様子に同情した。
それなりに会話するようになった今でも、シエスタが貴族を畏怖する気持ちに変わりは無い。
同じ室内で、まさか王族を直接目にするなど、生涯で想像もしなかった衝撃だろう。
(それに、どういう事かしらね?)
「ひ、姫殿下! なぜ、こちらに?」
全員の疑問を代表したルイズが、膝をつきながら声をかけた。
「――あなたに会いに来たの。懐かしい、わたくしのお友達に」
ふわり、とフードを外した少女は、膝をついたルイズを抱きしめる。
「お久しぶりね。ルイズ・フランソワーズ」

(なるほど、大したもんだ)
ロングビルは、元貴族としての眼で王女を眺めていた。
細面で気品のある顔立ち、上品な挙措と身に纏った高貴な雰囲気。
鮮やかな青い瞳に白い肌――非の打ち所のない美女だ。
先ほどオスマンの横で見させてもらった儀礼的な場での姿よりも、魅力が感じられる。
おそらく、こちらの方が彼女の素なのだろう。

旧交を温め合う幼馴染、といった風情だが、
(それにしちゃあ、夜中に護衛も付けずに一人でってのは、どうもねえ)
内容の良し悪しに関わらず、内密の話がありそうだ。
無関係な平民は、知らない方がいい――そう勘を働かせたロングビルは、リンディと視線で会話する。
「シエスタさん。じゃ、明日もお願いね?」
「は、はい」
意を汲んだリンディが声をかけると、シエスタは緊張に震えた顔を上げた。
ルイズたちの視線を避けるように扉まで辿り着き、出来る限り静かに扉を開けようとして――
「ひっ!?」
「うわっ?」
鍵穴から中を覗き込んでいたギーシュと鉢合わせをした。
おそらく、アンリエッタ王女がこの部屋に入ったのを目撃したのだろう。興味を抱くのも無理はない。
が、時と場所は選ぶべきだ。
「……何をしているのかしら?」
「いえ、その」
学院長秘書としての顔でロングビルが睨み付けると、ギーシュは引きつった笑顔を見せた。
「姫殿下に失礼な振る舞いをするようなら、学院長に報告しますよ?」
「も、申し訳ありませんでしたっ!」
勢いよく頭を下げた彼は、そのまま全力で走り去っていった。

「あの、こ、これ」
残されたのは、驚いた拍子に食器を落としてしまい、注目の的になってしまったシエスタだった。
恐慌状態に陥り、半泣きになっている。
「仕方ないわね。これはこっちで片付けておくから、部屋に帰りなさいな」
ロングビルは、彼女をそっと部屋から押し出し、肩を掴んで回れ右させる。
「じゃ、明日ね」
扉が閉まった途端、シエスタは腰を抜かしたように床に座り込んだ。

   ◆  ◆  ◆



17 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 01:26:40 ID:VEGbAdoG
STEALTH & Aegisって俺大好きなんだが・・・
なんかあったの?


18 :ゼロのgrandma 2/6:2007/10/28(日) 01:26:51 ID:BdFw1DQ5
「手紙?」
「そうです。それがアルビオンの貴族たちの手に渡ったら……」
(王女の不義を大々的に発表して、トリステインとゲルマニアの両方のメンツを潰せる、と)
手紙の内容を伏せてるつもりかも知れないが、あれでは言っているのと同じだ。
部屋の隅で割れた食器等を片付けていたロングビルは、アンリエッタとルイズの会話を漏れ聞いていた。
最初は退出すべきかとも思ったのだが、王女自身に引き留められたのだ。
(ま、この話の結果を、学院長に伝えろってことなんだろうけど)
人を介して伝えるべき話ではなさそうだ。

現在、アルビオンでは王家が滅びようとしている。民衆の代表という体裁を整えた貴族たちによって。
それだけならただの内紛で、トリステインとは直接関わらない事である。
だが、問題はその後だ。
アルビオンの貴族たちは、外征を公言しているらしい。
つまり、トリステインが侵略の危機にさらされる可能性が、跳ね上がりつつある。

――対抗策として、トリステインとゲルマニア、両王家の縁組による同盟話が進行中なのだが。

(当事者の王女が、他に好きな男がいるってのは仕方ないけどさ)
そう。
嫁ぐ予定のアンリエッタ王女が、密かにアルビオンのウェールズ王子と恋仲だったというのは構わない。
表にさえ出てこなければ。
国にもよるが、貴族等の上流社会は交流関係が複雑だ。寝取り寝取られもあるだろう。
見えない場所で、どんな恋愛模様が描かれていても不思議ではない。
しかし、それが名誉を傷つけるような事態を引き起こした場合、責任の取り方は厳しいものになる。

(これから嫁いでくる女の、他の男に書いたラブレターが表沙汰になったとしたら)
女を妻にした男は、世間の笑い者だ。
ましてや平民でも一貴族でもない、王族なのだ。国の威信に関わってくる。
どんなに必要だったとしても、そんな女を娶るわけにはいかなくなる。

男に惚れるのは仕方ない。運が悪かったというのもあるだろう。
内紛さえ起こらなければ、トリステインとアルビオンの縁組みが成立したかもしれない。
とは言え、現実は異なるわけで。
(さて、どうなるかねえ)
些か冷めた目で――彼女としてはアルビオンに因縁もある――事態を見守ることにした。

   ◆  ◆  ◆



19 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 01:29:08 ID:QeySrBLz
具欄間支援

20 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 01:29:25 ID:xatHKRIL
支援

21 :ゼロのgrandma 3/6:2007/10/28(日) 01:29:25 ID:BdFw1DQ5
部屋までお送りします、とルイズがアンリエッタ王女と扉の向こうへ姿を消した後。
「予想通りっちゃ予想通りかね?」
「そうね」
リンディたちは溜息を吐いた。
結局、ルイズがアルビオンまで手紙を確保しに行くと宣言してしまったのだ。
明日早朝には、ここを発つつもりらしい。
「ってかさ、あのお王女さま、最初っからそのつもりだったかね」
「騙すつもりにも見えなかったけどね。御自分の演技に酔っちゃったのかしら」
幼馴染みの同情心を引き出しただけ、と言えるかどうか。
「それとさ、あんたがベッドにいるのを見た表情については?」
「一瞬だけど、残念そうだったわね」
「つまりそういう事?」
「そういう事ね」
ロングビルは、あー、と呻いてから苦笑する。
「ま、とにかくこの件は、あの子に加担する事としようかね」
「あら、随分と積極的ね?」
意外そうな相手に、彼女は真顔で呟いた。
「王族が、自分の都合で人を振り回すってのが、どうもね」
「それが『善意』でも?」
「悪意なら良く見えるから分かりやすいけどさ」
ロングビルは口元を歪める。
「落とし穴ってのは、善意から生まれる事も多いんじゃないのかい?」
「……否定してもいいかしら?」
眉を顰めたリンディに、彼女は嫌な笑い方をしたまま腕を組んだ。
「――出来るの?」
「さあ?」
二つの複雑な視線は、絡み合ったまま暫く動かなかった。

ルイズが部屋に戻ってきたのは、それから間も無くの事だ。
「さて、どうするのさ?」
「そうね」
緊張した面持ちのルイズを見やってから、リンディは指を立てた。
「多少強引だけど、前提だけ確定しましょう」
「前提?」
「問題点が多過ぎるネタの場合、まず話を単純化してみるのさ。そうしないと、いつまでも結論が出せないんでね」
ロングビルは肩を竦めた。
ルイズと視線を合わせると、そのまま話を続ける。
「王女が個人的に信頼する人間に国の運命を託した、これが外形ってことだね」
「そうよ」
「その人間が失敗すると、国が滅ぶかもしれないわけだ」
「そうなる、わね」
「頼んだ王女も責任を追及されるね」
「そ……それは」
「そもそも、そこまで信頼されるからには、その人間は相当凄いんだろうね。色々と」
「う」
「もしくは、王女がその人間をやたらと過大評価してるかだね」
「…………」
徐々に俯いていくルイズ。
更に続けようとしたロングビルは、リンディの非難めいた視線に気付いた。
「っと、話がずれたね。まあとにかく、ここまでで分かる事が一つあるだろ?」
「わかる……こと?」
恐る恐る顔を上げるルイズに、ロングビルはにやっと笑った。
「基本的に、この話には無理があるってことさ」

   ◆  ◆  ◆



22 :ゼロのgrandma 4/6:2007/10/28(日) 01:32:02 ID:BdFw1DQ5
リンディとロングビルが上げ、ルイズが即座に却下した前提は一つだけだ。
内容に関する悪意の存在について。
アンリエッタ王女は自分に悪意を持っていない――ルイズの意見はこれに尽きる。
つまり。

「善意、ねえ」
胡散臭そうな感じを露骨に示すロングビル。
「あ、当たり前でしょ! 姫殿下がわたしに悪意なんて――」
「いや、そうじゃなくてさ」
彼女は、降参するように手を挙げた。
「善意ってのは、過度な期待や、相手の身勝手な思い込みも含むって事。何となくわかるでしょ?」
「それは……」
ルイズは反論しようとしたが、言葉を続けられなかった。
アンリエッタ王女が自分に対して含むところは無い――絶対に無い。それだけは断言できる。
だが、自分が王女の中で過大評価されていないかというと、それは否定できないのだ。
そうでなければ、こんな大事なことを打ち明けるわけがない。
しかし、そうなると評価の根拠はなんだろう?
――そう考えたとき、ルイズは自分自身が抱える利点に気付いた。
「……姫殿下は、リンディの事を誰かに聞いてるってこと?」
「そんなトコ。見たことも無い使い魔の能力をアテにするってな、余程切羽詰ってるのかね?」
手駒が少ないんだねえ、とロングビルは肩を竦めた。

「ま、とにかく王女が命令したことは本当で、底意が無いってのは構わないさ」
彼女は苦笑しながら問題を提起する。
「任務は、内緒な上に博打同然――これが前提。さて、考えなきゃいけない事は?」
「え、えっと?」
「簡単だろ? さっさとアルビオンに行き、相手から確実に手紙を手に入れ、王女に直接届けりゃいいのさ」
「は?」
ルイズは、ぽかんと口を開けた。
「あ、当たり前の話じゃ……?」
「――敵味方全ての干渉を、排除したいっていうことね?」
リンディが、簡潔にフォローした。

リンディとロングビルの二人が危惧した事。
それは、この任務が失敗を前提に与えられたものではないか、という事だ。
王女の独断を知りながら放置したか、それに乗じた謀略を組み上げている者はいないか?
意図する者は不明だが、ルイズの死亡という結果が望まれているのではないか?
望むのは、王女の立場失墜、政略結婚による同盟の破棄、有力貴族ヴァリエール家の離間、等々。
方法は、任務の直接妨害、または結果の略取。

「行きも帰りも危ないね。特に、偉そうな奴が一番ヤバイ」
「嫌な考え方だけど、王女さまの周囲にいる人が一番怖いって事ね?」
ルイズは慌てて怒鳴る。
「ちょっと、それって姫殿下の近いところに、悪巧みをしてる人がいるかもしれないってこと?」
「当然だろ。そうでなきゃ手駒を外部に求めるかい。ま、ネタがネタだから、身内にも隠したかったのかね?」
「少なくとも、お城の中で打ち明ける相手がいなかったのは、間違いないでしょうね」
と、あっさり言い負かされ、彼女は口を噤んだ。
「それで、アルビオンっていうのは?」
「ああ、ちょっと厄介かね。要するに空に浮いてる――」



23 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 01:33:32 ID:QeySrBLz
支援支援。リンディ倫理支援

24 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 01:33:44 ID:Roy5Zia+
支援

25 :ゼロのgrandma 5/6:2007/10/28(日) 01:34:07 ID:BdFw1DQ5
話を進める二人を、ルイズは呆然と眺めていた。
もちろん、世の中は表から見えない事の方が多い。両親も姉たちも厳しい世界を知っているはずと思う。
ただ、それでも身近でここまで生々しい話をされた記憶は無かった。
それに。
(二人とも、変な風に手慣れてるのね)
ルイズが一番気になったのは、二人の態度だった。
リンディも、盗賊だったロングビルでさえも、アンリエッタ王女の悪口は言ってない。
王女が何らかの意図をもって人を使うことについては当然という判断で、色々と考えているらしい。
考えるのは結構だ。
しかし、姫殿下に対する敬意も感じられないのが気にかかる。
確かに二人ともこの国の人間ではないのなら、納得は出来る。出来るが、
「……もうちょっと、その、失礼っぽい態度、何とかならない?」
ぼそぼそと口の中で呟いた言葉は、二人の耳には届かなかった。

   ◆  ◆  ◆

いつの間にか話は終わったらしい。
「ルイズさん。アルビオンって行ったことある?」
「え? あ、うん。昔、姉さまたちと旅したことあるわ」
ふくれっ面で座っていたルイズは、リンディからの質問に慌てて答えた。
「じゃあ、その辺りの問題は無し、と。わたしはここから離れちゃいけないんだろ?」
「ロングビルさんには、お願いしたいことが別にあるしね」
「……あーなるほどね、分かった。けどさ――」
ベッドから降りて立ち上がったリンディに、ロングビルは目を細めた。
半日寝ていたはずなのに、顔色はさほど良くなっていない。やつれた印象すら感じさせる。
食事だって固形物はほとんど取っていないはずだ。熱も引いていないだろう。
「大丈夫なのかい? 結構高い位置にあるんだよ」
「大丈夫よ」
にっこりとリンディが微笑んだ瞬間、真下に光る魔法陣が描かれる。
輝いた、と思った瞬間、彼女はいつものバリアジャケット姿になっていた。
「――ね?」
「い、いやその、元気だってんなら、別にいいんじゃない?」
引きつった笑みでロングビルは後ずさった。この姿や魔法陣は、どうにもトラウマを刺激する。

「あ、え?」
戸惑うルイズの前で、リンディはデルフリンガーを手に取った。
「急いで準備してね? ニ、三日分の着替えと、お金くらいでいいと思うから」
「な、何言って」
「ほら、早く早く」
立ちつくしている横では、ロングビルが戸棚を開けている。旅装の吟味も始めたようだ。
「馬鹿正直に、明日の朝に出る必要は無いだろ?」
「――まさか」
ようやく理解したルイズが視線を向けると、
「そ。今すぐ出発よ♪」
リンディは楽しそうに指を立てた。

   ◆  ◆  ◆



26 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 01:36:21 ID:QeySrBLz
リンディとか、政治的判断はお手の物だよなあ。


27 :ゼロのgrandma 6/6:2007/10/28(日) 01:36:25 ID:BdFw1DQ5
「それじゃ、行ってきます」
「はいよ」
手を振ったリンディに、ロングビルは笑いをこらえながら手を降り返す。
背負われたルイズの様子が可愛いのだ。
何も考えられなくなったのか、不可解な表情で背中にしがみついている。
「ほ、本当に大丈夫なんでしょうね? た、高いのよ、すっごく」
「本当に大丈夫ですよー」
じゃ、と最後に目礼を交わすと、リンディたちは凄まじい速度で空に上がっていった。
と思ったらもう見えない。微かに聞こえたルイズの悲鳴に同情したり。

「はー……」
ロングビルは呆れたように首を振った。
「今更だけど、やっぱ化け物だね」
闇夜に消えた彼女たちが、アルビオンにつくには半日とかからないらしい。
とすると、今からなら昼前には到着するという事になる。
「いや、下手するともっと早いかもしれないね」
誰がどんな策略を目論もうが、対応するのは不可能だろう。
本来なら、むこうに辿り着いてからが大変だろうが――その辺は全く心配していない。
いざとなれば、例の結界を使えばいい。そうすれば王子の寝室にだって入り込めるはずだ。
「……ほんと、化け物もいいトコだけどさ」
一番気になるのは。
(あいつが一番最後に見せた笑顔、今までで一番気分が悪かったじゃないか)
儚げな笑みなんざ、全く似合ってない。
葬式で故人を見送ったような気分に、ロングビルは首を振った。
「とにかく、こっちはこっちでやる事があるんだ」
ルイズの学友数人とシエスタに、数日不在することを伝える。後は――

「さて、どんなヤツが、あの子たちの所在を確認しに来るか見物だね」
役者次第では脚本を書き換えなければならないが、それはそれで、やり甲斐のある仕事になりそうだ。
彼女はロングビル――いや、フーケとしての顔で、嗜虐的な笑みを浮かべていた。

28 :ゼロのgrandma:2007/10/28(日) 01:39:10 ID:BdFw1DQ5
投下完了です。
夜分に遅くの支援、ありがとうございました。
次は、来週前半に。

29 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 01:40:18 ID:QeySrBLz
GJGJGJGJ
何気に心配性なフーケさんがいい。


30 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 01:41:56 ID:oO5dl+/i
乙です。
アンアン相手だとリンディとマチルダさんがいいコンビで面白いな。
素顔が怖カッコイイぜ。

さーて、オーフェンが3人も召喚されたとjころで意表をついてラッツベイン召喚でも書くか。
ワニの杖を持ってるし魔力もあるから、いきなり平民扱いはさせられないな。

31 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 01:51:50 ID:xatHKRIL
リンディとマチルダさんのかっこよさに惚れそうだ
この展開なら完璧に惚れさせてくれそうで何より

32 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 01:59:21 ID:Ak+Ga38L
くしくも前スレからの流れで「スーパーなのはタイム」なカンジに双方GJ!

そっか、そういやこの話ではフーケことマチルダ姉さんは味方として存在してるんだよなと
結構今後に期待です。
もしかしたら早期のティファ登場もありえるんだろうか・・・。

33 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 02:03:22 ID:GYLJ7idz
しかし経験豊富なリンディさんだったからまだよかったものの、もし召喚されたのがなのはやフェイトだったりしたら…
ガクガクブルブル

34 :使い魔!!俺?:2007/10/28(日) 02:05:28 ID:jwYL8/Lp
すいません
2:10くらいに投下していいですか

35 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 02:05:52 ID:j3KB7zBG
「ルイズ・キングダム」のルイズに教えてやりたい。
1ターンしか持たないけど建築費用が安く済む方法(ルール)が
あると。たしか手抜き工事とか、そういう名前のルール。
まあ、たぶんこの突っ込みだれかやってると思うけど……。

36 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 02:08:40 ID:eavr+4X5 ?2BP(1)
>>34
モーレツに投下!

37 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 02:10:04 ID:kbTFNcMI
>>35
下手すると学園ごと壊れるけどなwwww
そんなことよりも、タバサがいるのだからら賭場で増やそうぜw
個人的に学校(学園)が在るんだし、鐘で民の声で稼げばいいと思うがw

38 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 02:10:27 ID:9p3ng1+x
>>33
なのフェとかは召喚したとしても正直色々と扱いづらい気がするな
キャラ間のパワーバランスとか、魔法の指導とかになったとしてもゼロ魔となのはの
魔法って色々違うから難しいし、立場的にも安易な召喚、契約には色々問題が
つか、フェイト辺りは基本的に自力で帰れちゃうからなぁ

そして>>34は投下どうぞー

39 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 02:10:43 ID:eavr+4X5 ?2BP(1)
支援!!

40 :使い魔!!俺?1/5:2007/10/28(日) 02:10:49 ID:jwYL8/Lp
ではいきます

「何じゃこりゃ!」
食堂で自分の昼食を見た暁はこう叫んだ。
小さな肉がほんの少し入ったスープと一切れのパンだ。
「ルイズー、これじゃぜんぜん足りないよ」
暁はルイズに抗議をする。
「ゼータク言わないの。ご飯を食べられるだけ有難いと思いなさい」
しかし抗議は受け入れられなかった。
朝食のときに何があったのか問い詰めたが、
暁は口ごもってしまい答えを聞くことが出来なかった。
そのためルイズは少しご機嫌斜めだ。
やましい事でもあるのだろうか。暁に対する疑いが昼食を質素なものに変えてしまった。
さらにルイズは続ける。
「だいたいね、使い魔は本来外なの。でも私はとってもやさしいからアンタは特別に中なのよ」
「とってもやさしいから床に座らせて、たったこれだけの量なの?そっちの肉とか分けてよ」
「もう、ワガママね。じゃ、この鶏の皮あげるわ。肉はクセになるからダーメ」
そんなやり取りをしている時、暁はつい先ほど世話になったシエスタが厨房の奥へ入っていくのを見つける。
暁は立ち上がりその後へついていこうとした。が、ルイズに呼び止められる。
「ちょっとドコ行くのよ」
「いやー、たいした事じゃないんでお構いなく」
何だか暁は嬉しそうだ。その態度にルイズは先ほどの疑いと同じものを感じた。女の勘か。
「何よ、ご主人様にも言えない事なの?」
少し語気を荒くして暁に尋ねるが当の暁は変わらぬ調子で言い返す。
「とってもやさしいご主人様なら寛大になんなきゃ。これくらい許さんかい」
そういって暁は厨房の奥へ消えていった。
残されたルイズは暁に怒りをぶつけた。
「何よ、後でお腹空いたって言ってもあげないわよ!」


「よっ、シエスタちゃん。今大丈夫?」
「あ、アキラさん」
急に声をかけられたシエスタはちょっとびっくりしたが暁に笑顔を見せる。

うーん、やっぱりいいなあ。この笑顔

暁はそんなことを思いつつ今朝のことを話題にする。
「ねえ、今朝のお礼のこと考えた?」
「いいえ、まだ全然思いついてないですよ」
「何でもいいんだよ。例えば一日デートするとか」
暁の言葉を受けシエスタは少し赤くなる。
「デ、デートなんてそんな…あ!そうだ」
シエスタは何かを思いついたようだ。
そして暁のテンションも上がる。
「お、何々?」
「あのアキラさん、何でもいいんですよね?」
「うんうん、もちろん。シエスタちゃんみたいなかわいいコの頼みなら何でも聞いちゃうよ」
期待に胸を膨らませる暁は中年のおっさんのような返事をする。
「じゃあデザート運ぶの手伝ってくれませんか?」
にっこり笑いながらシエスタは自分の希望を伝える。
それを聞いた暁はテンションが一気に下がった。
自分としては、お付き合いして下さい!とか
そういうものを期待していたのだが。
自意識過剰である。
妄想はとりあえず置いといてここはいい所を見せるべきだろう。
「ああ、もちろんいいよ!」
少々引きつった笑顔で暁は返事をした。

41 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 02:11:46 ID:eavr+4X5
色々ミスったorz支援!!

42 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 02:12:21 ID:IwfOooF1
軽い軽いよアキラ支援

43 :使い魔!!俺?2/5:2007/10/28(日) 02:12:49 ID:jwYL8/Lp
さて、ルイズの方は。
「まったく、どんな性格してんのよアイツは」
勝手に居なくなった暁に対して文句を言っていた。

掃除の時に少し見直したかと思えばいきなりコレ?
ほんとにアイツは何を考えてるのか全くわからないわ

ルイズが考えていると目の前にデザートが配られた。
「失礼します、こちらに置いてよろしいでしょうか」
ウェイターに声をかけられて考えるのをやめる。
「ええ、そこで…ってアンタなにやってんの!」
ルイズにデザートを出したウェイターは暁だった。
「これはご主人様。いやー、ちょっと奉仕の精神に目覚めまして」
しまりの無い顔で暁は答える。
その答えにルイズはすかさずツッコむ。
「ウソおっしゃい!洗濯もしなかったくせに」
「あ、ゴメン。お仕事の途中だから後でねー」
そう言うと暁はルイズの元から離れていってしまった。
しかしデザートを女の子にしか配っておらず、給仕の少女に何か注意を受けているようだ。
その様子を見ていたルイズは怒るのもバカらしくなり、呆れてため息をついてしまった。

しかたなく男子生徒にも配り始めた暁。
すると近くの男子生徒のポケットから小瓶が落ちる。

ドジな奴

そう思いながら暁は瓶を落とした金髪の生徒の肩をたたき声をかけた。
「もしもし、落としましたよ」
しかし振り向いた生徒はすぐにそれを否定する。
「これは僕のじゃあない。君は何を言ってるんだい?」
「へ、あんた何言ってんの?今ポケットから落としたじゃないの」
不思議に思った暁は生徒に聞きなおす。
するとその生徒ではなく周りの友人たちが騒ぎ始めた。
「おい、それってもしかしてモンモランシーの香水じゃないか」
「ギーシュ、お前今モンモランシーと付き合ってるのか」
「え?いや違う。彼女とは…」
ギーシュが否定しようとしたとき一人の女子生徒が涙を浮かべながらやってきた。
「ギーシュ様、あなたはミス・モンモランシーと…」
「誤解だ、ケティ。僕は君が」
その女子生徒ケティはギーシュが言い訳を終える前に頬を平手打ちした。
「うわ!」
自分が殴られたわけではないのに何故か暁は痛がる。
「さようなら!」
涙を流しながらケティは立ち去っていく。
すると今度はまた別の少女がギーシュの元に現れた。
「あなた、あの一年生に手を出してたの」
「違うんだ、モンモランシー。彼女は」
しかし彼女も最後までギーシュの話を聞こうとはしなかった。
「この嘘つき!」
モンモランシーもまたギーシュに平手を放って去っていった。
「あちゃあ、修羅場だなー。ま、お大事に」
暁はギーシュに声をかけて、その場を去ろうとする。
「待ちたまえ」
しかしギーシュに呼び止められる。


44 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 02:12:53 ID:eavr+4X5
超まぼろしの支援!!

45 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 02:14:13 ID:eavr+4X5
しえん

46 :使い魔!!俺?3/5:2007/10/28(日) 02:15:12 ID:jwYL8/Lp
暁は面倒くさそうにギーシュに聞き返す。
「なぁに?」
「僕はさっき、この瓶を知らない振りしたんだ。話を合わせてくれたっていいだろう」
理不尽な要求を述べるギーシュだが
それに対してやれやれとオーバーなリアクションを取って暁は答える。
「あのねぇ、そりゃ二股がバレたあんたが悪いんでしょ。」
その言葉にふき出すギーシュの友人たち。
だが二股をかけるのが悪いのではなく、バレるのが悪いと言ってしまうのはどうだろうか。
飄々とした暁の態度にイラつきながらギーシュは問い詰める。
「とにかく君のせいでレディを傷つけ泣かせてしまった。どうしてくれるんだい?」
しかし暁は反論する。
「アホか。女ってのはね、泣きたいときに泣ける生き物なの。」
「そ、そうなのか?」
「そうそう。いちいち気にしてたら身が持たないでしょ」
一瞬納得してしまいそうになるギーシュだが言葉を返す。
「そんなことはない!アレは本当に悲しんでいる涙だ!」
「ギーシュとかいったな。俺はお前のために言ってるんだぞ。そんなんじゃこの先苦労するぜ」
「君なんかに心配されなくても僕だってグラモン家の男だ。本物か偽物かの涙は見分けられる!」
両者一歩も引かずに自論を展開し、意見をぶつけ合う。
これが普通の議論ならすばらしいものなのだが如何せん原因は二股なのだ。
バカらしいことこの上ない。
それを見ていたギーシュの友人たちも呆れてしまい二人を止めようとする。
「おいギーシュ、そろそろ…」
「もうやめとけって」
しかし二人はヒートアップし、そんな制止は受け付けない。
さらに論戦はくだらないものになっていく。
「だいたいなんだい。さして似合うとも思われないその長髪は。」
「何!そっちだってその胸のバラ、全然似合ってねえぞ」
「何を言う!僕は多くの人を楽しませるために咲くバラだ。まさにぴったりじゃないか」
「うわ、ダサ!今時そんなこと言うのお前くらいのモンだ!」
何かもう子供のケンカレベルにまで下がっている。
ギーシュが大人気ないのか、暁がもっと大人気ないのか。

もう止める気にもならない。勝手にやってろ。

友人たちがさじを投げかけたその時である。
「もう怒ったぞ!貴族に対してその態度!君に決闘を申し込む」
「おもしれえ、受けてやる!」
なんと悪口の言い合いから決闘に発展してしまった。

47 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 02:15:39 ID:eavr+4X5
支援!!

48 :ガンパレード代理:2007/10/28(日) 02:17:20 ID:uUBq70zs
代理予約しますー。

支援支援

49 :使い魔!!俺?4/5:2007/10/28(日) 02:17:23 ID:jwYL8/Lp
本来なら退屈しのぎにちょうどいいと囃し立てるところだが理由があまりにもアホらしいので友達はギーシュを止める。
「ギーシュ、ここは抑えろ!」
「止めるな、僕のプライドが許さない!」

安いプライドだな

そんな言葉をかけられないほどギーシュは興奮していた。
「ヴェストリ広場で待つ」
ギーシュはそれだけを言い、暁に背を向け食堂から出て行った。
騒ぎを聞きつけシエスタがやってきた。
「ア、アキラさん。貴族を怒らせたら殺されちゃいますよ!」
震えながら暁に忠告をするシエスタ。
それを見た暁はシエスタを落ち着かせるように話しかける。
「心配ないって。何てったって俺は」
言いかけたときに別の人物に声をかけられる。
「アンタ正気?メイジと決闘なんて何考えてんの!」
ご主人様のルイズであった。
その口調は怒っている。
勝手なことをしたのと暁が心配なのと半々のようだ。
「アンタはただの平民でしょ、メイジには絶対に敵わないわ!」
そのルイズに対して暁はまたもやさしく話す。
「ルイズ、心配してくれるのは嬉しいけどさ」
「べ、別にアンタが心配ってワケじゃ…」
暁の言葉にルイズは少し赤くなる。
その様子を見ながら暁は続ける。
「男にはやらなきゃならないときがある」
この上なくカッコつけて言い切ったが決闘の理由がしょーもないのでイマイチ決まっていない。
「あ、ちょっといい?ヴェストリ広場ってドコ?」
ギーシュの友達に声をかけ広場の場所を教えてもらう。
「ああ、こっちだ」
案内され着いていく暁にルイズは声を上げる。
「バカ、どうなっても知らないわよ!」
暁は振り返りそれに答える。
「だから大丈夫だって。何たって俺はヒーローだからな」
「はぁ?」
ルイズは暁の答えにポカンとなってその場に立ち尽くした。

50 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 02:17:35 ID:eavr+4X5
支援を超えて

51 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 02:19:17 ID:eavr+4X5
支援

52 :使い魔!!俺?5/5:2007/10/28(日) 02:19:59 ID:jwYL8/Lp
暁が広場に着くとギーシュは大声で叫んだ。
「諸君、決闘だ!」
その言葉に見物人のテンションは上がらずにまばらな拍手だけが起こった。
アホな理由の決闘ではそうなるのも仕方ないだろう。
そんな薄い反応に構わず、ギーシュは決闘の始まりを宣言する。
「では始めよう。ワルキューレ!」
ギーシュがバラを振ると一枚の花びらが舞い上がる。
すると甲冑を纏った戦士が現れた。
「うわ、魔法ってそんなことも出来んのか!」
暁は大きなリアクションをとって驚く。
その反応に気を良くしたのか、ギーシュは暁に説明をする。
「言い忘れていたが僕の二つ名は青銅のギーシュだ。したがってお相手はこの青銅のゴーレム、ワルキューレがするよ」
ワルキューレは身構えてから、暁に突進をする。
さっきまでつまらなそうにしていたギャラリーも何時の間にか食い付いていた。

しかしこの平民はどうするのだろう。
剣も杖も持っていない。
もしかして逃げるのだろうか。

そんな観客の予想を暁は大きく裏切った。
「あ、ちょっとタイム!」
暁は突然ストップをかけた。
その行動に観客だけでなくギーシュとワルキューレもずっこけた。
「なんだい、一体」
呆れたようにギーシュは暁に聞き返す。
悪びれずに暁は答える。
「ちょっと待ってて。準備が必要だから」

何の準備だ?

みんながそう思っていると暁は構えを取り、そして叫んだ。
「燦然!シャンバイザー!」
その声に応じて暁の額にはティアラのようなものが出現した。
途端に観客からどよめきが起こった。
暁はティアラ、シャンバイザーのゴーグルを下げる。
すると彼の頭は光り輝き、装甲に包まれていく。
首、上半身、下半身とやがて全身が覆われた。
そして最後は額に力の源である赤い宝石シャイニングストーンが出現する。

光が消えるとそこには今までの暁はいなかった。
全身を水晶の鎧で包み、胸には丸い鏡のように輝くシャンディスク
目は黒いゴーグルで覆われ、頭の横には羽を思わせる装飾が付いた戦士が立っていた。


燦然――
それは涼村暁がクリスタルパワーを発現させ
超光戦士シャンゼリオンとなる現象である


53 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 02:20:46 ID:eavr+4X5
支援!って、あっさり変身したww

54 :使い魔!!俺?:2007/10/28(日) 02:22:14 ID:jwYL8/Lp
以上シャンゼリオン投下話でした
支援&読んでいただきありがとうございました
サバどうしよう

55 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 02:23:19 ID:GYLJ7idz
>38
いや魔力制御しくじって暴走するかと

56 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 02:24:15 ID:eavr+4X5
GJ!
やっぱ暁いいなw
あっさり燦然するのも奴らしいw

57 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 02:24:48 ID:IwfOooF1
シャンゼリオンおもろそうだなぁ
DVDあるかな

58 :ガンパレード代理:2007/10/28(日) 02:25:47 ID:uUBq70zs
では代理投下はじめますー。

59 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 02:27:34 ID:j3KB7zBG
>>37
レスサンクス。マヨキン、色々コンボあっておもしろいよな。
ルールブックそのうち買おう。
ルイズキングダム、そろそろ最新の国ステータスを見てみたいものだ。
同盟にギーシュだのタバサだのいそうだ……。

60 :ガンパレード代理:2007/10/28(日) 02:28:09 ID:uUBq70zs
 暗い室内に声と楽曲が響く。
 王都トリスタニアの劇場、タリアリージュ・ロワイヤル座の客席に腰を下ろし、その男は不満げに鼻を鳴らした。
 初老と言って差し支えない年齢であり、若い女性が多いこの場においてはかなりの異彩を放っている。
 だが場所が劇場なだけに彼の容姿に気を配る者もおらず、密談には最適の場所であった。
 その横に座っているのもまた男であり、こちらは先の男の半分以下の年齢だろう。

「その話は確かなのか。いや、ラ・ロシェール中の傭兵が証人なのだったな」
「御意に。あの者たちが素人などということはありません。……本当にご存じなかったので?」
「ああ。鳥の骨め、そんな懐刀を隠し持っておったとは」

不快そうに老人が眉を顰めた。鳥の骨ことマザリーニ枢機卿は彼の政敵と言ってもいい。
正確に言えば彼が一方的に嫌っているのだが。

「おそらくは此度の婚姻、その気に乗じて一気にこの国を手中に収めるつもりなのだろうな」

歯軋りが聞こえた。
アンリエッタ王女とゲルマニア皇帝の婚姻はすなわち亡国の策だと若者は信じて疑ってはいなかった。
故にその推進者であるマザリーニ枢機卿も売国奴に他ならない。
不快感を隠そうともしない若者に、老人は内心の笑いを面には出さずに口を開いた。

「婚姻の儀が成れば、王女殿下はゲルマニアにお輿入れされる。
 そうなれば、トリステインの国政は摂政に一任されるだろうな」
「……馬鹿な。ではあの鳥の骨めがこの国を牛耳ると?
 そんなことは許される筈はない!」
「如何にも。許されるべきでない。
 そして、そのことはあやつも知っているだろう。
 そして無理を通すためには力が要ることも」
「その為に学院の戦力を隠していたと?」

如何にも、と老人は頷いて懐から何枚かの紙片を取り出し若者に差しだした。
訝しげにそれを見た顔が驚愕に強張る。
それは二十年も前にトリステインを騒がした“反乱”とその弾圧についての資料だった。

「“ダングルテールの虐殺”……まさか、枢機卿があの件に絡んでいたと?」
「さ、それはどうかな。
 ただ、その事件の立役者、“炎蛇のコルベール”が魔法学院に奉職していることは確かだ。
 鳥の骨の友人であるオスマンが学院長であるあの学院にな」

表情と血の気を無くした若者を横目に、頬を歪めながら老人が言った。

「ああ、それと。
 どうも最近、アルビオンから傭兵たちが我が国に入ってきているという知らせがあってな。
 ひょっとしたら、そのうち数人にはレコン・キスタの息がかかっているかも知れん。
 ラ・ロシェールでの騒動をそいつらが聞いたら、どうなるかな?」

若者が息を呑んだ。
老人の言葉の裏にあるモノを察したからだ。
レコン・キスタの名をかたって学院を襲わせることを老人は示唆しているのだ。

「鳥の骨めは当てにしていた戦力を失う。
 平和ボケした連中は学院が襲われたことで危機感を募らせる。
 あとは、ああ、オスマンの責任も問えるかもしれないな。
 卑しくも貴族の子弟が通う学び舎の警護が不足していたとは問題だとな」


61 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 02:29:37 ID:9p3ng1+x
>>55
ま、何にせよ書く難易度は高い部類に入るだろうな

そしてシャンゼリオンの人乙ー

62 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 02:29:38 ID:j3KB7zBG
支援マーチ


63 :ガンパレード代理:2007/10/28(日) 02:31:49 ID:uUBq70zs
言い置き、自分の息のかかった傭兵たちの隠れ場所を告げた老人はゆっくりと席を立って劇場を後にする。
残されたのは己の取るべき道に迷う若者が一人だけだった。
彼は若く、そしてそれ故に誇りと怒りとを持っていた。
国を愛し、その為に手を汚す覚悟もあると思っていた。
だが、これは本当に必要なのことなのか。あの売国奴の鳥の骨の権勢を殺ぐ為とはいえ、
傭兵たちに本来大人が守るべき子供たちを襲わせるなどということが?
椅子に深く腰掛け、息を吐く。
その耳に聞きなれた響きの名が聞こえてきた。
舞台では侍女頭の役の女優が女主人公である小国の姫に抱きついている。
女主人公の名はプリンセス・アントワージュ。親しい者はアン王女と彼女を呼ぶと言う。
婚姻の為に大国を訪れた小国の王女アントワージュ。けれど彼女は婚姻の前に逃げ出し、市井の若者に匿われる。
頭を上げ、芝居を見つめた。
その歯が食いしばられ、熱いものが胸に湧き出す。
アントワージュは自国の国民の為に自分を殺し、愛した男の下を離れて婚姻の場に赴いた。
男はそれが誰かを薄々と察しながらも自分から去った娘の為に詩を作り、いつか彼女の元に届けと毎晩歌った。
それはどこにでもあるような恋物語。
そして、いまこの瞬間にもどこかで進行しているかのような恋物語。
劇は終幕近く、周囲はアン王女に感情移入した女性たちの啜り泣きで溢れている。
若者にはそれがこの国の総意のようにも思えた。
望まぬ結婚を強いられる王女アントワージュへの涙。それはすなわち王女アンリエッタへの涙だと感じられた。
ならば、と若者は思った。
これが皆の意思だというのならば、自分は貴族としてその総意に従わねばならぬ。
売国奴の鳥の骨めの力を殺ぎ、ゲルマニアとの婚姻を防がねばならぬと。
例えその為に、魔法学院の生徒たちが犠牲になろうとも。



/*/



一体なぜこんなことになったのだろう。
元東薔薇花壇騎士団団員にして現北花壇騎士八号ことバッソ・カステルモールは、
杖を奪われて押し込められた空賊船の一室でもはや何回目になるか解らぬ自問を再び繰り返した。
視線の先では同じような青い髪をした二人の少女が睨み合っている。
彼の建前上の主人であるイザベラと、彼的には真の主人であるシャルロットことタバサだった。
タバサの連れらしき何人かと、彼らを部屋につれてきた船員がいきなり立ち上がってタバサを怒鳴りつけたイザベラを目を丸くして眺めている。
確かにタバサの為に彼とイザベラはアルビオンに向かったが、まさかこんなところで会うことになろうとは。
困ったことになったと息を吐く。
杖は奪われ、しかも今の自分はとても魔法が使える状態ではない。
『もっと早く!』と命じるイザベラの為に船を加速させようと魔法を使い、打ち止め状態なのだ。
なにしろ昨日の夕方から連続して魔法を放っては回復しの繰り返しだったのだから。
その甲斐あってか通常以上の速度でアルビオンに近づけたのはいいのだが、よもや空賊に会おうとは思いもよらなかった。
何よりも速度を重視したイザベラの為に彼が選んだのは小型の軍船であリ武装にも乏しい。
本来は艦隊間の伝令として使われる船なのである。さらには急な徴発ということで火薬すら積んではいなかった。
空賊ですら呆れ帰り、我が侭な主君を持つと大変だなと同情までされたくらいなのである。
幸いにして今のところは危害を加えてくるつもりは無いようだが、だからと言って油断できる筈もない。
イザベラ一人ならともかくもシャルロットまでを守らねばならぬのだから。

「はっはぁ! こんなとこで会うとは思わなかったな! 久しぶりですなイザベラ殿下?」
「なんでぇ、知り合いか?」

声が響く。明らかに男性のものであるそれにタバサ一行の男性たちを見るが、彼らは二人とも喋ってはいない。
慌てたように周囲を見回す船員にワルドが苦笑を浮かべた。ラ・ロシェールで彼自身も姿なき声に混乱したからだ。
マリー・ガラント号に搭乗後に教えて貰うまで、随分と頭を悩ませたのを憶えている。
タバサは手に持った二本の剣を指し示して見せた。




64 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 02:32:39 ID:jwYL8/Lp
感想ありがとうございます
DVDはでてますよ

そして支援

65 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 02:34:19 ID:9p3ng1+x
支援

66 :ガンパレード代理:2007/10/28(日) 02:34:21 ID:uUBq70zs
「この二つ」
「インテリジェンス・ウェポン? かー、こりゃまた珍しいモノを持ってるなお嬢ちゃん」

呆れたような感心したような口調で言う船員に、果敢にも食って掛かったのはイザベラだった。
カステルモールも驚いたように目を見開く。見れば確かにタバサは剣を持っているし、ワルドやキュルケも杖を持ったままである。

「ちょっと! 
 わたしたちの杖は取り上げておいて、この娘は剣を持たせたままってのはどういうことだい!?」
「それもそうね、わたしが言うのもなんだけれど、本当に持ったままでいいの?」

見下すような文句に不快げに眉を顰めた船員に、それをとりなすかのようにルイズが尋ねた。
捕らえた相手の武装解除もしないと言うのはいくらなんでもおかしいだろう。
それに対し、かまわんよと船員は答えた。ルイズだけに向かって。

「お頭も承知してるさ。
 それに、あんたらが誇りを知る貴族だってこたぁこの船の全員が知ってる。
 貴族の誇りは杖だし、戦士なら剣だろうよ。
 誇りを知ってる人間からそれを取り上げるなんて真似はできねぇな」
「ちょっと! わたしらに貴族の誇りはないっていうのかい!?」

無視されて頭に血を上らせるイザベラを見ながら、しかしカステルモールは誇らしげな気持ちを覚えた。
真の主であるタバサが空賊までにも評価されていることに満足を覚えたのだ。
幸いなことにイザベラはそれに気付かないようではあったが、一人だけ気付いた者がいた。
キュルケである。
何時如何なる時でも自分らしくあるのがルイズ症候群の症状の一つではあるが、
その患者たるキュルケにはもう一つの病気があった。
水のメイジでも治せぬ不治の病、すなわち突発的好感症候群、いわゆる恋の病である。
今回もそれに従い、先客の品定めをしていたというわけだった。

「誇りも何も、ただわめき散らすだけなら餓鬼と変わらねぇだろうが。
 このお嬢さん方の爪の垢でも煎じて飲んだらどうだ」
「なっ……!」

絶句するイザベラにふんと鼻を鳴らし、船員はルイズに向き直ると頭を下げた。

「申しわけねぇが、ここでしばらく待ってもらいてぇ。
 本当なら客室に案内すべきだろうが、そんな気の利いたもんはこの船にはねぇからよ。
 どうやら知り合いらしいし、かまわねぇだろう?」
「かまう」

間髪入れずのタバサの言葉に苦笑しつつもルイズはその申し出を受け入れた。
ついでに空賊の頭と話がしたい旨を告げるがこちらは多忙を理由に断られる。
まぁこの船の正体がルイズたちの想像通りであれば、ボロを出さないために接触を減らそうとするのは当然の事だが。

「やれやれだね、足枷をつけなくても僕たちは逃げないよ?」
 
薔薇を持って格好を付けながらギーシュが言った。
もしこの船から逃げ出そうとすれば、杖を持たないイザベラとカステルモールは足手まといになる。
そして自分たちが彼らを見捨てるなどと言うことは有りえない。
それを見越してこの部屋に自分たちを連れてきたことなど、ギーシュにしてみれば見えすいた考えでしかなかった。

「いや、それについては、心配してねぇさ。
 あんたらに期待してんのは別のことさね」
「ほう、なんだい?」
「いやぁ、さすがにそこの娘っ子は貴族としてどうかと思うからよ。
 あんたらに教育して貰えねかなぁと」

言いながら哀れみの視線でカステルモールを見る船員にギーシュは噴出し、満面の笑みで頷いた。


67 :ガンパレード代理:2007/10/28(日) 02:36:50 ID:uUBq70zs
「いや、君たちの長は実に人を見る目があると見える。
 任せたまえ、誓って彼女をルイズ症候群に感染させて見せよう」
「――――人を病気持ちみたいに言うんじゃないわよっ!」

キュルケやタバサまでもが自覚のないルイズの言葉に苦笑を浮かべたのは言うまでもない。

68 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 02:38:15 ID:j3KB7zBG
しえーん


69 :ガンパレード代理:2007/10/28(日) 02:39:07 ID:uUBq70zs
以上、ゼロのガンパレード代理させてもらいましたー。

以下、作者様からの補足です。
以上です。
ちなみに、作中で演じられていた芝居の元ネタは

ttp://www.amazon.co.jp/%E3%83%AC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%92%E3%81%95%E3%81%8C%E3%81%97%E3%81%A6-%E6%B0%B7%E5%AE%A4-%E5%86%B4%E5%AD%90/dp/4041740010

だったりします。

あじゅじゅしたー

70 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 02:53:21 ID:i7GCns38
カステルモール君、不幸!

71 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 03:03:58 ID:tdOxBuxZ
ガンパレードの方GJです。

しかしまぁ今回の「若者」は旧日本軍の青年将校のようですなぁ
視野狭窄に陥って「正義」と「理想」という狂気に呑まれてますね

72 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 04:27:26 ID:FgIJqL9e
マザリーニ「話せばわかる」
カステルモール「問答無用!」

73 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 04:44:22 ID:pZAdfcm+
ガンパレの人GJ!

>>72
言いたいことは分かるが、何故カステルモールがマザリーニを狙うんだよwwww

74 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 05:18:43 ID:mEEeKJ2Y
ちょっと遅レスですが、ゼロのgrandmaの人、乙です。
アルビオン行き、速めに出発ってパターンのSSって、他にもありましたが、
今回のは、今のところ最速ではないでしょうか?
ワルドの出番ってどうなるのやらw、アルビオンに着いた後の立ち回りは?
何にせよ、続きが非常に楽しみです。

75 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 06:41:55 ID:FujwduUg
>>74
翌朝にグリフォンで学院正門前に乗り付けられる範囲にいるのが基本だとすると、どうあがいても追いつけませんな。
初期配置でこの範囲から外す必要がありますが、原作での上(アン王女かマザリーニらしい)からの指令のことを勘案すると迂闊にずらせません。
つまり、上からの指令無しで国外、アルビオンにいてかつ「偶然」ルイズ達に遭遇し助力を申し出る、と言う無茶も良いところな行動に出ないと同行は不可能です。

これはもうどう出現するのか期待せざるを得ません。

76 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 09:13:48 ID:PU0VvoCK
ガンパレGJ
オオゥプリンセェス感染期待


77 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 09:22:16 ID:iqDEsgCm
ガンパレとおばーちゃん乙です。


クロスファイアの青木淳子召喚したら、という電波を受信した。

78 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 09:53:48 ID:wiAaZpYA
個人的趣味でいうとサイトより一見はずれ風がツボです。
薔薇乙女のジュン、侍の銀時なんかがいいですね。
まあ両方ともサイトの比でないくらい強いのですが。

79 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 10:06:44 ID:iqDEsgCm
>>78
ごめん、淳子はかなり強い。多分、火系統のスクウェアは行く。
炎の弾を跳ばすだけでなく、燃やしたいと思ったものを直接燃やすことができるから。

別の人の作品にあったように、先住魔法だと思われないようにイミテーションの杖持たせて、
火系統しか使えないメイジだと誤魔化したり、
ルイズの婚約者の筈のワルドと思想的に通じるものがあるからかいい感じになるが……とか。
色々考え中。

80 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 10:08:40 ID:4vt5muhk
>>78
いや、薔薇乙女のジュンは、明らかにサイトより弱いぞ
 元引きこもりで体力無い上に、背も低くて体重軽い
 パワー不足分、デルフリンガーの威力が確実に落ちるぞ
 おまけにちょっとひねくれてる

 もし人形無しで召喚されたら、間違いなく大ハズレ

81 :聖石の人:2007/10/28(日) 10:11:06 ID:Z94kjpd7
昨日はバイトで一日中拘束されてバタンキューでした。
おかげでぜんぜん書けなかった…投下よろしいですか?

82 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 10:19:43 ID:4vt5muhk
かもーん

83 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 10:19:48 ID:awV51oqP
>81
嘉門!!!!!!

84 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 10:21:01 ID:9zVHFfXl
>>80
ジュンって頭は良くないか、頭は
>>81
支援する

85 :ゼロと聖石9:2007/10/28(日) 10:21:50 ID:Z94kjpd7
わが道を突き進むだけというわけで投下開始!

二人の決闘が終わったあと、私は町を散策していた。
ヴァルゴを見てもいつもの様に静かな光を湛えるだけ。
アルテマは何も言わない。
空は、雲が飛んでいるだけだった。


そして、夜。
さすがに昨晩ははしゃぎ過ぎたので今晩は静かに過ごす。
反省を生かし、ガチンコ! 雑学コラム対決をやっている時に事件は起きた。
いきなり地震が起きたのだ。
いや、地震というよりはゴーレムが動くような―――
入り口から外を確認しようとした瞬間、シエスタが入り口に向かってテーブルを投げつけて入り口をふさぐ。
先ほどまで食事をしていたテーブルは黒壇製の頑丈かつ非常に重たいものだ。
それを投げつけるなんてなんという腕力、シエスタ恐るべし。
次の瞬間、テーブルに何かを叩きつける音が響く。
メイジと傭兵の混成部隊、狙いはアンリエッタ様から預かった密書と見る。
とりあえず皆と合流し、シエスタが同じタイプのテーブルを横倒しで設置。
ここでの作戦はタバサ、キュルケ、ギーシュが囮、私はワルド一緒に港へ、シエスタが正面突破をかけて港へ。
方針が決まった瞬間、キュルケが化粧を始め、シエスタが軽くステップを踏む。

「じゃあ、後でまた、シエスタ」
「ルイズ様もお気をつけて」

シエスタが入り口のテーブルを切り割って敵陣に突入。
それを見届けた後、私達は裏口へと走っていった。



シエスタが外に出て気が付いたのは、ゴーレムの作成者がフーケだということだ。
作りもそっくりだが、何よりゴーレムの肩にフーケを見てしまった。
それでも足を止めずに、進路を阻む傭兵を切り伏せながら進む。
その間に宿を攻撃し続けるゴーレム。
何とかしなくては。
有る程度安全圏に離れた瞬間、ゴーレムに狙いを定め、

「氷天の砕け落ち、嵐と共に葬り去る滅びの呼び声を聞け! 咬撃氷狼破!」

地面からの刃でゴーレムの右足を破壊しておく。
直後に崩れ落ちていくゴーレム、ルイズ様の金の針効果だろう。
それを見届けて更に加速、一気に港を目指した。

86 :ゼロと聖石9:2007/10/28(日) 10:22:50 ID:Z94kjpd7
テーブルの影からフレイムボールを撃って相手を牽制。
ギーシュがワルキューレで押し入ってこようとする傭兵を抑え、タバサがエアハンマーでなぎ倒す。
その間にもゴーレムが店を攻撃し、そのたびに壁に亀裂が走る。

「こういうゴーレム相手には、ルイズがくれた金の針で―――」

取り出した瞬間に、再度衝撃が襲う。
その衝撃で金の針を落とし、前列で戦っているワルキューレの足元へ。
そして、傭兵の攻撃で一歩後退したところで思い切り踏みしめ、暗黒回帰発動。

「なにもしていないのに僕のワルキューレが!?」

さすがにこればっかりは悪いと思った。
強度的にまだまだ持ちそうなワルキューレを一体無駄にしたのだから。

「ごめん、ゴーレム殺しのマジックアイテムが間違って発動しちゃった!」

土と土と火のトライアングルスペルで、地面から襲い掛かる炎を出しつつギーシュに謝る。

「そのアイテムはどうやって使うんだ!? それ次第では形勢を逆転できるかもしれない!」

乱戦の最中にどんな策を思いついたのかは知らないが、乗ってみるのも一興。
この針を刺せばいいと教えるとその針をひったくって床に突き立てる。

「ヴェルダンテ、なんとかゴーレムの体勢を崩すからチャンスをうかがってそいつを刺してくれ!」

その言葉に反応してジャイアントモールが床板を破り登場。
金の針を抱えて床下へ消えていった。

「いつの間に使い魔をつれてきたのよ?」
「最初からだ。言い出す暇が無くてね、伏せ札として利用してみた」
「体勢を崩すのは困難」
「そ、そこはほら、団結すれば何とか…」

タバサの冷静な判断が作戦に駄目出しをする。
それでも意見には賛成なのか氷の塊をゴーレムの足にぶつけて体勢を崩そうと狙う。
しかし、質量差で効果は無きに等しい。
さっきと同じスペルで援護しつつ、体勢を崩す方法を考える。

単体で崩すのは困難、質量体をぶつければ崩せるかもしれない。
ギーシュのワルキューレなら条件を満たしているが、勢いが足りない。
そこで名案を思いつく。
これならうまくいくかもしれない。

思いついた方法をタバサとギーシュに伝える。
ワルキューレを一体作ってもらい、足を片側だけ折って傾斜のつけたテーブルにそのワルキューレを寝転ばせる。
タイミングは、ゴーレムが壁の一部を壊した瞬間。
直後、壁の一部が崩れてゴーレムの姿が見える。

87 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 10:23:38 ID:awV51oqP
支援


88 :ゼロと聖石9:2007/10/28(日) 10:24:23 ID:Z94kjpd7
「タバサ、ワルキューレ射出!!」

その言葉にタバサがエアハンマーでワルキューレを足から叩いて発射。
青銅の質量体がゴーレムの頭部付近に命中、その瞬間にゴーレムがよろける。
しかし、倒れるまで至らない。
駄目か、と思った瞬間、ゴーレムの右足が地面から出た巨大な刃に貫かれて崩壊。
シエスタが援護してくれたのだ。
更にギーシュのヴェルダンテが金の針を刺した。
暗黒回帰によって崩れるゴーレム。

それをチャンスにつなげるために、ギーシュにワルキューレを量産させ、タバサがエアハンマーで撃ちだす。
猛スピードで飛来するワルキューレに傭兵団が後退した瞬間、地面が燃え上がった。
ワルキューレ内部に油を錬金し、地面に当たって砕けた時に流れ出すようにしておいた。
燃え上がる炎に混乱している最中、タバサが氷を何個も撃ち込む。
水蒸気が発生し、視界をさえぎったところで全員が女神の杵亭を脱出した。



ワルド様が所々に出てくる傭兵の待ち伏せを切り倒しながら進む。
私は今出来ることをするために、詩を歌っている。

「その心は闇を払う銀の剣、絶望と悲しみの海から生まれでて―――」

良く分からない異国の歌だが、精神が昂る。
走りながら歌うのは辛いが、これも早く港に着くための手段。
おかげで本来なら十分かかるような道を五分で踏破した。
そこで歌うのをやめ、息を整える。

「それも君の魔法なのかい、ルイズ?」

首を振って、私はただ歌っただけよと付け加える。
ちょっとだけ特別で、全くといって効果の無い歌を。
港の桟橋に着くと、シエスタが待っていた。
正面突破だけあってさすがに速い。

ワルド様が船を早く出すように交渉し、出港。
こうして、何とか無事にアルビオンに向かって出発したのだった。
ところでキュルケたちは無事に脱出できたのだろうか?
気になるが気にしても仕方が無いと割り切って月を見上げた。

89 :ゼロと聖石9:2007/10/28(日) 10:26:44 ID:Z94kjpd7
以上で投下終了。
今気が付いたんですが、吟遊詩人って男限定のジョブでした。
―――ヴァルゴって男でもOKなんだなと自分を納得させつつ、
支援してくれた方に感謝を。応援してくれた方にも感謝を。

90 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 10:30:28 ID:awV51oqP

「吟遊詩人」にジョブチェンジは出来ないが
「詩う」びアクションアビリティはつけれるってことにしておけばおk

91 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 10:33:50 ID:y3Jhl50E


それと思うのだが、JUNみたいな虚弱なキャラを、わざわざガンダールブに
する意味があるのかね?
JUNの傾向的には、ミョズニトニルンに設定を変えても良いんじゃあないかと
考えたんだが。
他にもガンダールブなら不自然なキャラが左手にルーンを刻まれてるしね。
自然系なキャラなら、ヴィンダールブにしても面白いと思うのだが。

92 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 10:34:08 ID:4vt5muhk
ゼロと聖石乙!

その通り!周囲の雑音など気にせず我が道を行くのがSS作家の道なり!

さぁ今後も遠慮無く投下したまえ!!


>>84
 あー、確かに。ついでに手先が無茶苦茶器用な仕立屋さんだったな

 ミョズだったらぴったりなのに・・・

93 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 10:43:21 ID:/o6lrtD1
>>91
敵さん大幅改変になって話難しくなるからじゃないかな?
アンドバリの指輪が使えないw

それに引きこもりのJUMがガンダールヴを得て派手に暴れまわるってのも一興

94 :ゼロのおかあさん代理:2007/10/28(日) 10:44:19 ID:7zyLVO70
代理投下、50分から始め升

95 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 10:50:32 ID:4vt5muhk
おー!支援支援

SSの続き書きながら支援しちゃうぜ

96 :ゼロのおかあさん代理 1/12:2007/10/28(日) 10:51:39 ID:7zyLVO70
    ▽    ▽    ▽



荒垣がギーシュの再戦を受けていた頃、別の場所でも小さな決闘が起ころうとしていた。
風の音を遮るかのように並んでいるのはルイズとキュルケ。
お互い見ている場所は一緒らしく、塔にぶら下がった何かに意識を集中させる。
二人から少し離れた場所に立ち、興味なさそうにその様子を眺めるタバサ。
もっと月明かりがあれば本も読めるのだが、空を見る限りまだ雲は動かないようだ。
ルイズはとキュルケは、お互い肩を並べるようにして杖を構えている。
春先とは言え、夜の風はまだまだ冷たい。
それなのに、二人の周囲だけは熱したように暑くなっていた。
「いいわねルイズ。買った方がこのプレゼントを渡す」
「ええ。構わないわ」
「内容は簡単。あの塔にぶら下げた的を射抜いたほうが勝ち。
  ハンデとして、あなたは二回続けて魔法を使って構わないわよ」
真剣な表情を浮かべるルイズを尻目に、キュルケは勝ち誇ったように胸を反らす。
あえて魔法と言う部分を強調して、反応を愉しんでいるようだ。
眉をひくつかせながらも、ルイズは平然を装って腰に手を当てた。
頑張って胸を張るが、現実は希望に答えてはくれない。
「ふん! そんなこと言って、あとで「さっきのはナシ」とか言わないでよね」
「ええ。そんな言葉を言うつもりは無いし、必要もないもの」
「ぐぐ……」
会話では主導権を握れないと悟ったルイズは、舌を動かすのを止め前を見た。
眼前にそびえ立つ塔の先端から、一本のロープが垂れている。
下へ辿っていくと、その先には一辺が20サント程の四角い板が括りつけられていた。
板の表面には簡単な円が描かれているが、ルイズはそこまで気が回っていない。
(勝負に乗っちゃったけど、何の魔法を唱えればいいのよ!?)
いつかは成功すると信じていても、現時点での魔法の成功率は限りなくゼロ。
錬金もフライもレビテーションすら爆発する。どれもこれもが爆発。
負けるつもりなどなかったが、勝てる未来図もまた思い浮かばない。
(そもそも、なんで私がこんな勝負)
予定から大きく外れ始めている今日を振り返り、心の中で息を漏らす。
(文句を言うのは、あの的に魔法を命中させてからだわ)
気持ちを現在まで引き戻して、軽く呼吸を置いた。
手に持った杖を振りつつ、頭の中で描いた魔法を言葉に乗せる。
風に揺れる的を目で追いながら、ルイズは唇を小さく動かす。
唇が閉じるのに併せ、杖の動きもピタリと静止する。
(いけっ!)
杖の先に視線を集中するが、暫く待っても変化が起こらない。
しかも今回は、爆発すら起こらないのだ。
失敗したと肩を沈ませようとした瞬間、前方で物凄い衝撃音が響く。
「え?」
音の中心に視線を向かわせると、驚くような光景が飛び込んできた。
ひび割れているのである。吊るしてある板ではなく、塔自体が。
次の瞬間ルイズが考えたのは、結局爆発したと言う事より、してしまった場所についてだった。

97 :ゼロのおかあさん代理 1/12:2007/10/28(日) 10:52:55 ID:7zyLVO70
「ねえルイズ。ちょっとマズいんじゃない?」
隣に居るキュルケも、どこか不自然な笑みを浮かべている。
彼女達がロープを垂らした塔は、魔法が効かないというお墨付きだったはず。
なのに、あろう事かルイズの失敗魔法でひびが入ってしまったのだ。
まさかこんな展開になるとは思わず、ルイズの顔が青くなっていく。
「どどど、どうしよう」
「どうしようって、こうなったら逃げるしか……タバサ?」
混乱気味な二人の前に、いつの間にかタバサが立っていた。
それも、二人に背を向けつつ、杖を構えながら。
「くる」
「え――きゃぁぁあ!」
何がと尋ねようとした瞬間、三人から少し離れた土が、突然盛り上がっていく。
土は見る見るうちに形を整え、大きなゴーレムへと姿を変えていった。
「ゴーレム!?」
「ちょっと、何よこれ」
未だ現状が掴めていないルイズとキュルケを庇うように、タバサは杖を構える。
幸い、ゴーレムはこちらを攻撃してくるような事はないが、安心は出来ない。
タバサがシルフィードを呼ぼうと、口に指を当てる。
下での動きなど気にしていないのか、ゴーレムはひび割れた部分に拳を打ち込む。
その衝撃で、三人の足元も大きくうねりを上げる。
「きゃぁ!」
「ちょ、きゃっ」
足を滑らせたルイズが、近くにあったキュルケの腰に掴まり、
耐えられなくなったキュルケもそのまま尻餅をついてしまう。
その間にも、拳を振りかざしていたゴーレムの腕が塔の内部へと捻じ込まれていく。
ひび割れた塔の外壁は砕け、その欠片は塊としてルイズ達の頭上へと降り注ぐ。
「きゃぁぁぁぁぁあああああああああああ!!」
空を埋め尽くすような瓦礫の雨に、身体が硬直したルイズは動けない。
潰される。と思った瞬間、物凄い速さでシルフィードが急下降してくる。
瓦礫がルイズ達のいた部分に余す所なく突き刺さるのと、
シルフィードが三人を咥えて飛び去っていくのはほぼ同時。
「は、ふぅ」
あまりの事に脳が追いつかなかったのか、今頃になってルイズの全身から汗が流れてくる。
キュルケも同じようで、喉を鳴らすのが精一杯のようだ。
そんな中、タバサ一人だけがゴーレムをジッと見据えていた。
視線の先にいるゴーレムは、空を舞うシルフィードなど気にも留めない。
ただ塔の中に伸ばした腕を引き戻すと、学園の外へと歩いていってしまう。
(逃げられる)
タバサは判断に迷ってしまった。追うべきか、追わざるべきか。
これが自分だけならば、即座に追っていたかもしれない。
だが、今シルフィードの背中にいるのは、自分を含め三人。
足手纏いとは言わないが、無理して危険な目に合わせる訳には行かない。
結果、タバサは追撃を諦め近くの広場へとシルフィードを着地させ、二人を下ろす。

98 :ゼロのおかあさん代理 3/12:2007/10/28(日) 10:54:16 ID:7zyLVO70
「おーい!」
そんな三人に向かって、ゴーレムの去っていった方向から誰かが近付いてくる。
一瞬警戒して杖を傾けたタバサだったが、来たのがギーシュだと知って杖をおろす。
「はぁはぁ。無事かい?」
全力で走ってきて荒い呼吸なのだろうが、ポーズを取るのは忘れない。
けれども、そんなギーシュを見ているものは誰一人いなかった。
三人とも遠くへ去っていくゴーレムを眺めていたのだから。
「どうやら、君達以外に人はいないようだね」
髪を掻き上げながら、ギーシュは三人に流し目を送る。
腰から下がかなり震えているが、三人は見てみぬ振りをする事にした。
「やれやれ。彼は人使いが荒い……後で言っておいてくれよルイズ」
「どういう事?」
「だから、君の使い魔の事だよ。頼みを聞いたのが僕だったからいいものを――」
「シンジが? で、そのシンジは何処よ」
「ああ。彼なら」
ギーシュはゴーレムがいた方向を指差して薔薇を咥える。
「あっぢがわぶッ」
指差した瞬間、ルイズはギーシュを張り倒してその場から立ち去ろうとする。
が、ルイズが頑張って足を踏み出そうとも、一歩も前に進まない。
後ろを見ると、シルフィードが器用にもルイズのマントを咥えている。
「こら! 離しなさい!」
マントを咥えるシルフィードに文句を言うが、聞く耳を持たないようだ。
咥えられ宙吊りとなっているルイズの前に、タバサが静かに立ち塞がる。
「行っても危険」
「うるさいわね! 使い魔が追っていったのに、私だけここにいる訳には行かないでしょ!」
無表情のタバサと、頬を紅潮させたルイズの視線がぶつかりあう。
すでにかなりの時間が経っている。最悪の可能性だってあるのだ。
けれども、ルイズの瞳にはそんな可能性など考えていないと書かれている。
数秒後、タバサは何も言う事無くシルフィードの背中に乗ると、
シルフィードが咥えていたルイズもその背に乗せる。
「へ?」
「こっちのほうが早い」
主語が抜けているが、どうやら一緒に来てくれるらしい。
この申し出に、ルイズは俯きながらも小さな声を絞り出した。
「あ、ありがとう」
そんな二人に気にする事無く、キュルケがシルフィードの背にまたがる。
「ど、どうしてアンタまで付いて来るのよ」
付いてきたら危険なのだと睨みつけるが、あっさりと流されてしまう。
一番後ろに乗ったキュルケは、気負う事無く明るい笑みを浮かべた。
「貴女達だけじゃ心配だもの。ね」
「キュルケ……」
どう反応していいか分からず、ルイズは感情を持て余す。
「出発」
タバサが呟くと、シルフィードは一声鳴いて翼をはためかせる。
「ルイズ、タバサ、キュルケ……僕は……その……」
本当は自分も名乗り出たいが、ギーシュの足は前に動こうとしない。
ギーシュが同行を辞退しようとする前に、ルイズは胸を張って口を開く。
「アンタは学園長にこの事を報告してきて」
「だ、だが」
「頼んだわよ!」
「あ、ああ! 任せてくれ。その、君達も無事で!」
飛び去っていくシルフィードを見送りながら、ギーシュは顔を曇らせる。
どうして自分に勇気が無いのか。付いて行くと言えなかったのか。
後ろ向きになりそうな自分の頬を両手で叩くと、次の瞬間には普段通りの顔に戻す。
「まずは頼まれた事からやろう。うん」



    ▽    ▽    ▽

99 :ゼロのおかあさん代理 4/12:2007/10/28(日) 10:55:26 ID:7zyLVO70
ゴーレムが学園の外に出てから、かなりの時間が経過していた。
デルフを握りながらフーケを追っていたものの、荒垣が自らの足一つなのに対し、
ゴーレムはその巨体で距離を離していく。そのためゴーレムとの差は開く一方だ。
来るまでに馬でも拝借するべきだったかと考えた荒垣だったが、
今更そんな事を悩んでも遅い上、上手く乗りこなせない可能性も考えやめた。
本来ならば道の真ん中を走れば離されずに終えるのだが、そうすると見つかる可能性がある。
だが、逆に道を挟む森には光が届いておらず、そのため森の中に入れば見つかり辛い。
多少の遅れは覚悟しての選択だったが、こうも後れを取るとは思っていなかった。
結果、見つかることはないものの、双方の距離は離れていく。
(いっその事、こっちに気付かせるか?)
地響きが凄いが、叫べば何とか気付かせる事が出来るかもしれない。
が、仮にこちらに気付いたとして、対応策があるわけではないのだ。
下手をすれば、後ろを振り返って潰されるのがオチだろう。
やはり可能な限り付いて、進行が停止した瞬間を攻めるべきだ。
「そもそも、何で俺が走ってんだか」
『どうしたんスかガキさん』
握り締めたデルフから、呑気な声が飛んでくる。
「なんでもねぇ……それよりデルフ。この力もテメェの仕業か」
うっすらと光る左手の甲を見せつけながら尋ねる。
本当はそのルーンの力なのだが、昼間そう答えた以上嘘をつくしかない。
『そ、そッス。ははは、すげーでしょ』
あからさまに動揺した口調だが、荒垣は特に気にした様子も見せずデルフを担ぐと、
再びフーケの後を気付かれないように追いかけた。
それから数十分後、好機は突然訪れる。
移動を続けていたゴーレムの足が止まり、そのうち形が崩れて土の山となったのだ。
なぜこんな場所でと思ったが、すぐにその答えが分かった。
一つ目は、道の真ん中に土の山を放置する事で、追っ手の足止めが出来る。
二つ目に、すぐ近くの木に待機させてあった馬だ。恐らく第二の移動手段だろう。
もっとも、一つ目に関しては荒垣が魔法を使うという可能性を考慮していないのだが。
出来上がった小山から軽快な足取りで地面に降り立つと、フーケは被っていたフードを脱ぎ、
頭を振りながら髪の埃を払い、隠していた顔を月の下に現す。
フーケの正体は、荒垣の見間違いではなくロングビルその人だった。
何か呟くと、左手に持ったケースに向かって杖を振るが、特に変化は見当たらない。
やがて諦めたのか、ロングビルは待機させていた馬の縄を解くと、その鞍に手を掛けた。
あのケースが、ギーシュの言った通り盗んだ品だろうか。

100 :ゼロのおかあさん代理 5/12:2007/10/28(日) 10:56:52 ID:7zyLVO70
(今しかねぇな)
森の中で静かに体勢を落ととすと、一気に駆け出し距離を詰める。
「なっ――」
加速した足を止めずに、驚愕の表情を浮かべるロングビルに頭突きを喰らわす。
が、反射的に盾にしたケースに弾かれてしまい、防がれてしまう。
その隙に距離をとったロングビルは、襲ってきたのが荒垣と知って素直に驚く。
「これは……また驚かされてしまいましたわ」
眼鏡は掛けているが、その奥の眼光はやけに鋭い。
荒垣の担いでいるデルフを確認すると、右手に持っていた杖を構える。
一方の荒垣は、デルフを担いだまま全神経を張り巡らせてロングビルを睨む。
「ふっ!」
艶やかなフーケの唇が僅かに動いた瞬間、荒垣は杖目掛けてデルフを振り下ろす。
だが、半歩後ろに下がったロングビルはそれを難なく避けると、最後の呪文を唱える。
『下ッス!』
デルフの助言からワンテンポ遅れて、荒垣の居た地面が一瞬にして裂ける。
地面に広がっていく亀裂に行動を制限され、思わず方膝を突いてしまう。
こうしている間にも、地面は塊となり、ゴーレムの姿を形成させていく。
このままでは振り落とされてしまえば、追撃のチャンスは失われる。
デルフを盛り上がっていく土へと突き刺し、バランスを保ちながら立ち上がる。
そしてデルフを土から引き抜くと、バランスを取るようにデルフを担ぎ上げ、
その体勢のままゴーレムの上を駆け抜け、ロングビルの元まで距離を詰めた。
だが、突撃に気付いていたロングビルは、慌てる様子なく笑みを浮べ、
完成したゴーレムの腕で荒垣を地面へと叩き落す。
「うおあっ」
「くっ、なにをッ!?」
二人の叫び声が綺麗に重なる。荒垣は衝撃で、ロングビルは予想外の事に。
荒垣は自分とゴーレムの腕が衝突する直前、荒垣はロングビル目掛けてデルフを投擲したのだ。
飛来するデルフは持っていたケースとぶつかり、森の中へと弾き飛ばされていく。
だが、等身の何倍もあるゴーレムの腕を真正面から受け止めた荒垣は、
回避する事も出来ないまま急スピードで地面まで落下していき、容赦なく大地に叩きつけられた。
「ぐほッ」
予想以上の衝撃に、肺から空気が漏れ、内臓が千切れていくような錯覚を覚えた。
全身が波を打ったように痙攣し、空が渦を巻いたように歪んでいく。
そんな仰向けで無防備な荒垣目掛けて、ゴーレムの足が徐々に迫り来る。
「ッ!」
身体が悲鳴を上げるが、それを一切無視して森の中へと飛び込む。
口から垂れてくる血を地面に吐き捨て、デルフを投げ捨てた方向に走る。
「無事かデルフ!」
『へーきッス!』
すこし離れた場所から聞こえてくる声を聞くと、即座にその場に駆け寄る。
樹木に突き刺さったデルフの真下には、蓋の開いたケースと中身が転がっていた。
「こいつはまさか……」
『ガキさん?』
無造作に転がるそれを掴み取ると、頭の中に様々な情報が流れ込んできた。
(ロケットランチャーってやつか? しかも、このケース)
同時に、左手のルーンが暗闇の中を一気に照らす。
デルフを持った時と同じように、身体に力がみなぎっていくのを感じる。
「こいつはどういうこった?」
『ぅえ?』
「テメェを持たなくても、同じように光るみてぇだがよ」
『いや、それはその……あ、危ないッス!』
デルフの掛け声の直後、頭上から激しい石の雨が降り注いできた。
視線を上に向けると、ゴーレムがこちらを探して森へと侵入してきている。
このままくれば、すぐに見つかってしまうだろう。
「ちっ、話は後だ。とりあえずアイツをどうにかするぞ」
『う、ウス』
左手に持ったロケットランチャーを見つかり辛そうな茂みに放り込むと、
逆にケースだけは後で見つかり易いようにその場に隠しておく。
そして再びデルフを構えると、森を抜けて道へと飛び出した。

101 :ゼロのおかあさん代理 6/12:2007/10/28(日) 10:58:01 ID:7zyLVO70
森の中から出て来た荒垣に向けて、一瞬厳しい目を見せるが、
その手にケースが無いのを確認すると、あくまで冷静に言葉を吐いた。
「破壊の杖は、一体どこへ隠したのでしょうか?」
「破壊の杖? 悪ぃが、知らねぇな」
「しらばっくれるんじゃないよ!」
激しい口調に変わったのを確認すると、荒垣は面白い物を見たかのように笑う。
この瞬間、纏った空気はロングビルからフーケへと完全に変わった。
「そいつが『地』かロングビル……ああ、フーケだったか」
「へぇ、たった三日間でよくその名前を耳にしたこと。
  けど、あの学園でアタシが話題に上っている光景を見たことはないよ」
「……」
荒垣がフーケと言う名前を知ったのは、ギーシュ経由だ。
この場合は、たまたま知っていたギーシュを褒めるべきだろうか。
「さて、もう一度聞くけど、破壊の杖を出してもらうかしら。
  素直に渡してくれりゃ、アンタの命は見逃してやろうじゃないかい」
「何度も言うが、俺ぁ破壊の杖とか言うものは知らん。
  もしさっきのケースの中身を言ってるんだったら、アレは破壊の杖って名前じゃねぇ」
その言葉に、フーケの眉間が微かに上下する。
荒垣の口から出てくる言葉を聞き漏らさないようにと、神経を集中させて。
一方、荒垣のほうもフーケの微妙な変化に気付いて言葉を選ぶ。
「あれの名前はな「シンジィィィィィ!」」
全てを言い終える前に、大きな叫びがそれを中断させた。
声の方向を見ると、そこにはシルフィードに乗った三人の姿が確認出来た。
「あいつら、何でここに」
背中に乗っていたのは、タバサとキュルケ。そして顔を真っ赤にしたルイズだった。
この隙を逃す事無く、フーケは森の中へと飛び込んでいく。
「くそッ!」
ケースから中身は抜き取っておいたが、重さですぐに気付かれてるかもしれない。
追いかけようとするが、腕を大きく払うゴーレムに阻害され足止めを喰らう。
その腕をデルフで叩き落とすが、すぐにまた再生してしまった。
この間に、シルフィードに乗った三人は荒垣のすぐ上まで近付いていた。
「テメェら、なにしてやがる」
早く帰れと手を振るが、ルイズはシルフィードの背中から飛び降りると、
そのジェスチャーを無視して荒垣目掛けて飛び掛ってくる。
「それはこっちの台詞よバカ! なんで勝手な真似するのよ!」
飛び降りてきたルイズを受け止め、なおも暴れようとするその身体を担ぎ上げる。
その間に、説明を求めるべくキュルケとタバサに視線を送る。
「ギーシュ」
「あたし達、あのゴーレムが現れた時、そばにいたのよ。
  その時は追いかけるか迷ったんだけれど、ギーシュからダーリンの事聞いてね」
どうやら、咄嗟の判断でギーシュを向かわせたのがマズかったようだ。
フーケの残した土の山も、空を飛んでいては障害にならない。
荒垣としては即刻帰って欲しいものだが、ルイズを見る限りそれは無理だろう。
言いたい事をグッと堪えて、担いだルイズを背中のほうに立たせて隠す。
今こうしている間にも、フーケはロケットランチャーを回収してしまうかもしれないのだ。
「とりあえずオメェはシルフィードの背中に乗ってろ」
「命令しないでよ! 第一、シンジはどうするのよ!?」
「……野暮用だ。おいタバサだったな」
荒垣に呼ばれ、タバサはコクリと頷く。
「倒さなくていい。俺が森から出てくるまで時間稼ぎしといてくれ」
告げられた言葉に込められた勝算を理解したのか、タバサは何も言わず頷く。
「あ、コラ、シンジ、待ちなさいよぉ!」
ルイズの叫びに止まる事無く、荒垣は森の奥へと駆けて行った。



    ▽    ▽    ▽

102 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 10:58:24 ID:XUUesEue
デルフ脂汗支援

103 :ゼロのおかあさん代理 7/12:2007/10/28(日) 10:59:40 ID:7zyLVO70
ゴーレムに荒垣達を倒す命令を下たフーケは、盗んだケースを探すべく森に入っていた。。
荒垣が出て来た方向を目安に踏み込んだのだが、どうにも暗すぎる。
明かりを灯す事も考えたが、余分な魔力の消費は避けたいが、
この暗闇の中でそんな事をすれば、見つけてくれと言っているようなものだ。
(くそッ、何処に隠したのさ!)
荒垣の前では余裕の表情だったものの、内心では苦々しい気持ちで一杯だった。
そもそも、破壊の杖の使用方法が解からないと言う点から出鼻を挫かれている。
逃亡中、試しにディテクトマジックを掛けてみたものの、杖からは何の反応も無い。
だが、宝物庫に置かれていた以上、これが破壊の杖であるのは確実。
ならば使用方法の分かるものを連れてくるべきだろうかと、
計画を練り直していたところ、荒垣に襲われたのである。
フーケの見立てでは、目撃者はいても追撃者はない筈だった。
それほど、学園の大人達は役に立たない。だから余裕を持って逃亡できると踏んだ。
だが現実はどうだろう。追ってきた使い魔に破壊の杖を奪われ、
さらには学園の教師でなく、生徒の方が自分を追いかけてきている。
唯一つ、幸運だったのは、荒垣が破壊の杖の使い方を知っている素振りを見せた事か。
もちろん、ブラフである可能性は十分あるが。
(とにかく、見つけるのが先決だね)
後方では、風を切る音と衝撃音が轟いている。
油断などはしていないが、世の中何が起こるか分からない。
早くケースを回収しようと奥に進んだ所で、自分以外の足音に気付く。
木の後ろに隠れ、杖を取り出し詠唱を始める。
万が一見つかったとしても、こうしておけば即座に魔法が撃てるからだ。
その土を踏み鳴らす音と間隔で、相手の人数を把握する。
(どうやら一人みたいね)
少しずつ近付いてくる足音に合わせるように、フーケは呼吸を整える。
この場所を確実に目指してこられるのは、あの中では荒垣だけ。
鴨が葱を背負ってくるというのはこの事を言うのだろう。
上手く捕らえて破壊の杖の使用方法を聞き出せるチャンスがすぐそこまで来ているのだ。
確かに身体能力だけ見ればかなり飛び抜けた部類に入る。が、それも限界があるだろう。
それに引き換え、こちらには魔法と言う絶対的に優位な武器がある。
距離さえ間違えなければ幾らでも対処できるし、なにより辺り一面が土だらけ。
属性の『土』を得意とするフーケにとっては、まさに願ったり敵ったりの場所なのだ。
だが、足音はフーケのすぐ傍まで来て停止すると、すぐに遠ざかっていってしまった。
(ちっ、そういやだったね!)
直前まで荒垣はフーケを追ってきたものだと勘違いしていた。
だが、荒垣が森に入ってきた本来の目的は、ケースの回収だけだったのだ。
目的が達成できると興奮して、ありえるであろう可能性をすっかり忘れていた。
慌てて足音のいた所まで辿り着いたフーケは、目の前に放置されたものを凝視する。
何度目を擦ってみても、地面に転がっているそれは自分が盗んできたケースであった。
「……どういうことだいこりゃ?」
罠があるかもしれないと、周囲にディテクトマジックを掛けてみるが反応は無い。
ゆっくりとケースに近付き、杖で軽く小突いてみる。
(罠……も無いみたいだね)
警戒しながら、ゆっくりとケースを持ち上げて気付く。
「ッ! そう言う事かい」
ケースの中身が、既に持ち去られた後であった事を。



    ▽    ▽    ▽

104 :ゼロのおかあさん代理 8/12:2007/10/28(日) 11:00:54 ID:7zyLVO70
空中からゴーレムを牽制していたキュルケは、ゴーレムの頑丈さと再生速度に舌を巻いていた。
いくら自慢の炎で表面を焦がしても、すぐに下から新たな表面が顔を出す。
今のキュルケの力では、新陳代謝を活発にする程度しか効果がないのだ。
タバサの方も、牽制と囮を同時にこなしつつの攻撃であるためか、決定打に欠ける。
本来の実力を考えれば倒せるのだが、状況が悪すぎた。
その二人の後ろに乗っているルイズだが、魔法を唱えようにも何も思い浮かばず、
ただひたすらに杖を握り締め、悔しそうにゴーレムを睨みつけている。
「あっ!」
真ん中に座っていたキュルケが、森の方を見て指を差す。
その指の先に視界を絞り込むと、ここ数日で見慣れた顔が姿を現した。
「シンジ!」
荒垣は右手にデルフを構え、左肩には目的の物がぶら下げている。
足元の小さな存在を確認したゴーレムは、ルイズ達に攻撃するのをやめて荒垣のみに切り替えた。
巨大な拳を地面に振り下ろすが、それよりも早くゴーレムの足元まで潜り込む。
拳が地面を叩きつける瞬間を見計らい、荒垣はその腕に飛び乗る。
ゴーレムは片腕に乗った異物を払い落とそうと、もう片方の手を横薙ぎに払う。
「ふっ……オラァ!」
縄跳びをする要領でそれを飛び越えつつ、荒垣は空中でデルフを頭上に構える。
宙に飛んだ荒垣の身体が、地面に吸い寄せられるように落下していく。
その速度を利用し、一気に剣デルフをゴーレム目掛けて振り下ろした。
悲鳴を上げられないゴーレムの巨体がぐらりと傾く。
その隙に、荒垣は距離を取ってデルフを鞘に仕舞うと、ロケットランチャーを構えた。
が、それを邪魔するかのように、再生したゴーレムが荒垣目掛けて足を伸ばしてくる。
構わずロケットランチャーを構えていたが、突然荒垣の周囲に強烈な砂埃が巻き起こる。
「くそっ」
『ガキさん! ここはマズいッスよ!』
砂埃に視界を遮られ、狙いが上手く定まらない。
その間にも、鋼鉄となったゴーレムの足が荒垣を押しつぶさんとしていた。
ゴーレムと荒垣の距離が、ゆっくりと縮まっていく。
「シンジッ!」
今まで様子を見ていたルイズの体は、今までで見せた事の無いような素早さだった。
いつの間にかシルフィードの背から飛び降り、気が付けば杖を構えいたのだ。
落下していく最中に、タバサがレビテーションを唱えなければどうなっていたか。
そんな事は考えていなかった。頭の中は、目の前の窮地をどうにかする事で一杯だったのだから。
杖を構えたルイズは、思いつく限りの魔法を叫ぶ。
唱えた魔法全てが爆発を起し、ゴーレムの表面を削り取っていく。
致命的な一撃にはならないが、ゴーレムの動きがほんの少しだけ遅くなった。
効果があると一瞬喜んだルイズだったが、すぐにその顔が青く染まる。
足を上げたままのゴーレムが、今度はルイズ目掛けて腕を伸ばしてきたのだ。
そのあまりの圧迫感に、心が恐怖で埋め尽くされていく。
「ひっ」
前のめりのまま倒れてくるゴーレムの大きさに、ルイズの瞳が大きく開く。
やがてルイズの体をゴーレムの影が覆わんとした時、
前方から駆け寄ってきた荒垣に抱きかかえられ、間一髪でその場から離れた。
すぐ横に振り下ろされたゴーレムの拳にも驚いたが、
必死な形相でルイズを抱きかかえた荒垣の姿に対する驚きの方が衝撃的だった。

105 :ゼロのおかあさん代理 9/12:2007/10/28(日) 11:02:04 ID:7zyLVO70
「バカ野郎! 何してんだオメェはッ!」
「だって、だってあのままじゃシンジが!」
「あれで良かったんだよ」
砂埃で目標が定まらない以上、ギリギリまで接近を許して撃つしか無かった。
いかにロケットランチャーと言えど、これの場合外してしまえば終わりなのだ。
もっとも、その時荒垣の身に起こる危険性は全く考慮していなかったが。
ぶっきらぼうなその態度に文句を言おうとして、言葉が詰まる。
「ちょっと、その怪我!」
降り注いだ幾つかの破片が荒垣の肩に突き刺さっており、破片を中心に赤く濡れていく。
さらに、遠目では気付かなかったが、上着の隙間から切り傷や赤黒い痣が見え隠れしている。
カストールの恩恵はあるが、それでも庇いきれなかったらしい。
何時どうやって傷ついたかは不明だが、肩の怪我だけは自分を抱きかかえた時に出来た傷だと理解できた。
ルイズが無傷なのは、荒垣が体を張って庇ってくれたからなのだ。
困惑したような表情のルイズとは違い、傷付いた体の持ち主は相変わらずの表情でゴーレムを睨んでいた。
「なんで……そんな怪我してるのよぉ」
口を開いた途端、思い出したかのように涙が溢れてくる。
「気にすんな。すぐ直る」
「駄目よ、すぐに手当てをしなきゃ……」
今にも大泣きしそうなルイズの頭を掴み、ゴーレムの方に向けさせた。
体勢を整えたゴーレムが、ゆっくりと二人に近付いてくる。
「いいかルイズ。何でもいいからあのデカブツに魔法を唱えてやれ」
「無理よ……さっきだって知ってる限りの魔法を唱えたのに、全部爆発したんだもの。
  そんな事より、早くキュルケ達の所に行かなくちゃ! その怪我を治さなくっちゃ――」
「それでいい」
「え?」
言葉の真意が理解できないルイズの頭を、荒垣は軽く撫でる。
「テメェの……ルイズの魔法が、俺には必要なんだ」
生まれて初めて誰かに頼られている。しかも、普段から自分に対して何一つ頼ってこない男にだ。
ルイズの芯に熱いものが込み上げてくる。
全身から余計な力が抜けていき、震えていた唇に生気が戻っていく。
消極的になりかけていた瞳は、普段と同じような積極性な色を取り戻す。
「やれるか?」
荒垣とルイズは真正面から向き合う。
「ふんっ、見くびらないで頂戴。私を誰だと思ってるの? 
  ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。シンジのご主人様よ!」
「いい返事だぜ」
二人が話している間にも、拳を鋼鉄に変えたゴーレムが、ゆっくりと両腕を空に振り上げる。
振り下ろされれば、二人は抵抗する間もなく潰されてしまうだろう。
けれども、ルイズは荒垣の後ろで余裕の表情で魔法を詠唱し、荒垣はロケットランチャーを構え直す。
ゴーレムの両腕が背中で輝いている双月を隠した。
ルイズは同じように魔法を唱え、ゴーレムを爆発させている。
ピタリと停止した腕が、重力に引き摺られるように振り下ろされていく。
眼前に迫ってもなお、ルイズは詠唱をやめない。
鋼鉄の拳が眼前まで来たその時、荒垣の口が小さく動く。
「上等だ!」



    ▽    ▽    ▽

106 :ゼロのおかあさん代理 10/12:2007/10/28(日) 11:03:15 ID:7zyLVO70
森と道の境目に隠れていたフーケは、目の前で起きた光景に唖然としていた。
自慢のゴーレムは、一辺も残らず消し飛ばされてしまったのだ。
しかも、立っていた地面すら削り取っているではないか。
フーケは改めて、自分の盗んだ品の名前を思い出した。
(破壊の杖……ねぇ)
視線を横にずらすと、そこには腰を抜かして座り込んでいるルイズと、
破壊の杖を床に放ったまま、服に付いた埃を払う荒垣の姿があった。
上空には二人に向かって降りてくるシルフィードの姿。
(やるなら、今しかないね)
影に隠れ、杖を握って魔法を詠唱しようとしたフーケを遮るかのように、荒垣が声をあげる。
「お前ら! こいつをさっさと持って帰れ! こいつはもう使い物にならねぇ」
(なんだって?)
もしやこちらに気付いているのかと警戒を強めたフーケだったが、
荒垣がこちらに来る様子はなく、降りてくるシルフィードだけを見ていた。
荒垣よりやや高い位置まで来たシルフィードの背から、キュルケが顔を覗かせる。
「ダーリン。それってどういう事?」
「こいつぁ単発式でな。そもそも破壊の杖っつう名前じゃねぇ」
用済みだと言わんばかりに、空の筒を放り投げる。
受け取ったキュルケは、熱の残る筒に首を傾げたが、荒垣の言葉の方が気になるのか続きを促す。
「ロケットランチャーって言ってな。俺のいた所の武器だ。魔法じゃねぇ」
「嘘……」
武器と縁がある生活はしていないが、それでもキュルケの目は信じられないと訴えている。
ハルケギニアの何処を探しても、こんな武器など無いだろう。
「あなたのいた所はどこか」
会話を聞いていたタバサが、ポツリと言葉を漏らす。
別の世界だと説明するべきか悩んだが、下手な事を言っては不審がられるかもしれない。
結局、本当の事を言わずに、荒垣は遠い所だと答えておいた。
その解答に納得したかは不明だが、それに関してタバサが追求してくる事はなかった。
「それより、お前らはこれも持って帰れ」
これと言って渡されたのは、腰を抜かして座り込んでいたルイズだった。
先程起こった出来事に頭が追いつかず、未だ呆けている。
緊張の糸が切れてしまったのか、呼びかけても返事をしない。
そんなルイズを受け取りつつ、キュルケは不思議そうな顔をした。
「ダーリンは?」
「フーケとやらがいるかもしれないからな。少し探してみる」
「そんなッ! 危険よ!」
普段とは違い、やや真剣な表情で反対だと述べた。
が、そんなキュルケを無視して、荒垣は森の一点を見つめる。
「心配すんな。一人なら適当に逃げられる」
森から視線を外さない荒垣に、タバサが抑揚のない声で問いかける。
キュルケは気付かなかったのだが、タバサも荒垣と同じ場所をジッと見つめていた。
「帰りは?」
質問に答える事無く、荒垣は顎だけを動かす。
その先では、若干怯えた様子の馬が一頭だけ木に繋がれて待機していた。
「じゃあ、任せた」
二人に視線を戻す事無く、荒垣は森の方へと足を踏み出していく。
一緒に帰るつもりは無いと気付いたキュルケは、諦めたように肩を竦める。
「それじゃ、必ず帰ってきてよね」
背中から届く言葉に、荒垣は手だけを振って了解の意を示した。

107 :ゼロのおかあさん代理 11/12:2007/10/28(日) 11:04:20 ID:7zyLVO70
シルフィードが飛び去り、学園の方へ戻っていくのを確かめた後、荒垣はやる気の無い様子で口を開いた。
「で、どうするんだ?」
「気付いてたのかい」
森の影から、フーケが姿を現す。
相変わらず余裕の表情だが、杖の先端は荒垣を向いている。
「そりゃ、あんだけ敵意剥き出しにされりゃあな」
「ふふ。そいつはどうも」
木の間から漏れる月明かりに照らされたフーケを見た荒垣は、一瞬眉をしかめる。
「ケースはどうした」
「中身が無いケースなんかあったって、大した価値にはならないよ」
つまるところ、捨てて来たと言いたいのだろう。
暗がりの中、一瞬だけ笑みを零した荒垣に気付かずに、フーケは言葉を吐く。
「で、あれが単発式ってのは事実なのかい?」
「ああ。信じる信じないは任せるがな」
お互い緊張感の無いような会話を続けるが、視線だけは鋭く光っている。
全神経を張り詰め注意深く見つめる先は、お互いの武器。
「実はさ……アタシ」
立ち位置はずらさずに、杖だけを小刻みに揺らす。
一方の荒垣も、鞘に入れたままのデルフを肩に背負う。
フーケから言葉が飛び出す前に、交錯していた視線がほんの僅かにぶれる。
次の瞬間、荒垣の眼前には鉄の礫が、フーケの手首にはデルフの先端が迫っていた。
「盗めなかったものは!」
荒垣は迫っていた礫を真正面から受け止めて血を噴き出す。
対するフーケも、手首に掛かる重い一撃に耐え切れずに杖を落とす。
それでも、双方止まる事なくぶつかり合った。
荒垣の額とフーケの額が火打石を打つようにぶつかり合う。
双方とも強烈な衝撃に膝をつきそうになるが、歯を食いしばって堪える。
「「ッ!」」
互いに両足で立っているのを確認すると、二人はまた額を突撃させる。
二度に渡る衝撃に耐えられなかったのは、フーケの方だった。
ゆっくりと地面に膝をつきながら、荒垣の足にもたれかかる。
「なかったんだ……よ」
最後にそれだけ呟いて、フーケの視界は真っ黒に染まっていった。



    ▽    ▽    ▽

108 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 11:05:40 ID:WGYIaif1
支援

109 :ゼロのおかあさん代理 12/12:2007/10/28(日) 11:05:55 ID:7zyLVO70
フーケが目を覚ましたのは、それからしばらくしての事だった。
最初に目に飛び込んできたのは、美しく輝く二つの月。
次に視界に入ってきたのは、隣に座っている、自分が倒れる原因となった男だ。
「目が覚めたか」
荒垣は視線を遠くに向けたままで、フーケには視線を戻さない。
こちらを見て話さない事に腹が立ったが、すぐに体の異変に気付く。
額から手首に至るまで、痛みが全く感じられないのだ。
最初は神経を切断されたかと思ったが、すぐに違うと判断する。
試しに手首を動かしてみたが、感触があるからだ。
ゆっくりと起き上がり、他に異常が無いか確かめる。
が、気だるいだけで肉体的には問題はない。
「何をしたんだい?」
その疑問には答えず、荒垣は上着のポケットから小瓶を取り出し放る。
「テメェが渡したのと似たようなやつをたまたま持っててな」
空になっている小瓶を凝視しながら、フーケは呆れたように肩を竦めた。
「どうやって?」
質問の意図に気付いたのか、座っていた荒垣はフーケを一瞥し、また遠くに視線を向ける。
「その鼻を摘んだら、涎垂らしながら口を開けてくれたんでな」
具体的に返ってきた答えに、フーケは思わず口を拭う。
からかわれているのか真剣なのか判別できないが、
フーケとしては、やられた以上どうにかやり返してやりたい。
わざわざ荒垣の真正面に立ち、屈みながら胸を寄せ付ける。
「ホントかい? 何か悪戯したんじゃないの?」
そんな誘惑を前にしても、荒垣の視線は一切動かなかった。
精神的な何かが抉られたような気がして、フーケは力なくその場に座る。

110 :ゼロのおかあさん代理 13/12:2007/10/28(日) 11:07:02 ID:7zyLVO70

しばらく無言の時間が続いたが、打ち破ったのは以外にも荒垣だった。
「あの時。なんで魔法を使わなかった」
荒垣が言っているのは、ゴーレムを倒してからの話だ。
あの時馬鹿正直にど突き合いなどしなければ、フーケは勝っていただろう。
少し躊躇いながらも、自虐的な笑みを浮かべてフーケは呟く。
「実を言うとね。あの時点で、殆ど精神力が切れ掛けてたのさ」
「精神力?」
「そんな事も……って、アンタ知らないんだったね」
初日に交した会話を思い出し、小さく溜息をつく。
「つまり、魔法が使えない状態で、しかも立ってるのも辛かったって事。
  あの場の空気に流されてあんな事したけど、良く考えたら大間抜けよね」
傷の残っていない額を擦りつつ、子供の様に足をバタつかせる。
こんなのはアタシのキャラじゃないんだけどねと呟くが、その表情は爽やかだった。
と、フーケの方も何か気になったらしく、荒垣の隣に座り直して疑問を尋ねる。
「アンタこそ、なんでアタシを殺さなかったんだい?」
荒垣が鞘を抜いたのは、ゴーレムの時だけだ。
向かい合った時も、敵意はあっても殺意は感じられなかった。
仮に鞘から抜いていれば、もっと優位な戦いに持ち込めたはずだ。
そもそも、気絶していた自分ならば、なんの抵抗もなかっただろうに。
「殺したりしねぇ……絶対にだ」
重い口調で、自分自身に言い聞かせるように声を絞り出した。
空気が変わった事に気付いたフーケは、何も言わず同じ方向を見つめる。
「で、これからどうするんだい?」
「……」
「アタシを捕らえて王宮に突き出す? それとも逃がしてくれるのかい?
  前者なら、ちょっとは抵抗させてもらうよ……って一人でどこにいくのさ」
フーケの質問に答える事無く、荒垣は馬の方へと歩いていく。
いつの間に回収したのか、その手にはケースが握られている。
「ちょっと、返事してくれたっていいじゃないのさ」
拗ねたような態度を演じるフーケに振り返らず、荒垣は空を見上げた。
「好きにしな。俺がここに来たのは、たまたまだ。
  別にテメェをどうこうしようとは思わねぇし、言うつもりもない」
もう用は無いだろうと呟くと、今度こそ馬のほうに消えていってしまう。
返ってきた答えを持て余していたフーケだったが、何か決心したように後に続く。
「あの馬はアタシのだよ。勝手に乗っていかないでおくれ」
少しずつ近付いていく荒垣の背中を、フーケは愉しそうな表情で眺めていた。
その顔には、これからどうやって荒垣に仕返ししてやろうかと書いてある。
「何が借りは返しただい」
フーケの掌には、秘薬の入っていた小瓶が握り締められていた。

111 :ゼロのおかあさん代理:2007/10/28(日) 11:08:26 ID:7zyLVO70
代理投下終了!
支援してくれた方々ありがとうございます。

二番目に投下した分のナンバリング間違えました。
すいません('A`)

112 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 11:14:01 ID:QeySrBLz
代理の人乙!

113 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 11:32:49 ID:iqDEsgCm
おかーさん乙!


自分で書きたいクロスファイアネタ、自分が召喚した使い魔と自分の婚約者が仲良くなったらルイズは……

114 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 11:40:38 ID:GVFKVWaF
作者&代理の人乙!
久しぶりのガキさんキてたーーーーーーー!待った甲斐があったぜ!
ガキさん相変わらず格好いいよガキさん。てっきり盗まれたのは召喚器とかかなぁと思っていたが違ったか。

115 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 11:43:00 ID:aAf7aLp7
>>113
nice boat! な展開しか思いつきませんw

116 :ロード・オブ・ナイトメア:2007/10/28(日) 12:01:13 ID:1FeV8ZMv
あら?あたしのしらない世界があったなんて
じゃあこの世界に新しく魔族と神族産み出して戦わせないと
命を持たない魔族と命ある神族の戦い。この世界の人間はどう動くかしら?

117 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 12:04:38 ID:1FeV8ZMv
はずっ誤爆ったorz

118 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 12:05:23 ID:pc1GiGmM
pgr

119 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 12:13:42 ID:CPwT7LCn
L様森にお帰り。

120 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 12:14:51 ID:7zyLVO70
>>116
m9(^Д^)プギャー

121 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 12:39:49 ID:7t30BycV
これはまた、痛い誤爆だな

122 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 12:45:13 ID:/o6lrtD1
>>116
L様ルイズに召喚されてみないか?

123 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 12:53:09 ID:GqGdOBj0
リナ召喚
「世界」と「世界」を貫く魔法を唱えるルイズの虚無の魔法はL様の力を借りたものだとリナは気付く
エクスプロージョン放って髪の毛真っ白になるルイズ
なんて妄想

124 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 12:53:27 ID:lEWMDZLD
投下よろしいでしょうか?

125 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 12:58:30 ID:nb45MHyl
予約はあったっけ?

126 :ZEROのスペシャリスト:2007/10/28(日) 12:58:46 ID:lEWMDZLD
反応がない、投下するなら今のうち…(4レス予定)

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ZERO. プロローグ

仕事とは言え、風を切って飛ぶのは楽しい。
眼下に広がるのは無人の原生林。
ここ数年、休む間もなく敵地での任務に携わっていたのだ。
それを考えれば休暇も同然、リラックスして故郷の妻子に思いを馳せる。

だから、とは言わない。

突如目の前に現れた銀色のゲート、それを避けるのは物理的に不可能なことだった。


爆発の煙が晴れる。
度重なる爆発で、散々に痛めつけられた大地。そこに、鳥がいた。
力なく伏せたそれは、体長半メイルのワシ・タカによく似た猛禽。

そばで張り詰めた、泣きそうな顔をしていた少女の目が驚きに見開かれる。
桃色がかったブロンドの長髪を振り乱して駆け寄り膝をつき、恐る恐る抱き上げ、その体温と微かな胸の動きを確かめて。
その少女はようやく笑顔を浮かべた。

「ルイズが成功した!?」「でも爆発してたぞ?」「ゼロじゃなかったのか」「明日は嵐…」
周囲の声に反応を示さぬ少女に中年の男が声をかける。
「ミス・ヴァリエール、契約を」
「あ、はいっ」
びくっと背筋を伸ばし呪文を唱え始めたその時、膝の上の鳥が息を吹き返す。
戸惑ったように周囲を見渡したあと、少女を威嚇するかのように大きく嘴を開ける。
「――この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
その大きく開かれた嘴の間に、ルイズは躊躇わず口付けした。


ルイズの足取りは軽かった。
これまで失敗に失敗を重ねてきた魔法が、16年の人生で初めて成功、連続で成功したのだ。
召喚されたのはカエルとかヘビとかのヌメヌメした生き物じゃなく、貴族のペットとして見ても十分に立派な猛禽。
フライが、レビテーションがどうこうなんて悪口なぞ聞こえる訳がない。
残りの授業だってどうでもいい。
再び気絶した己の使い魔を抱いてゆっくりと歩き、語りかける。
「コントラクト・サーヴァントは爆発しなかったし」
ルーンを確認できずコルベールは不満そうだったが、使い魔の様子を見れば契約に成功したことは間違いない。
そもそも嘴や足など確認しやすいところにルーンが刻まれるとは限らない。
そして鳥の羽をむしってまでルーンを調べる馬鹿もいない。
「わたしね、貴族のくせに魔法が使えなかったの」
使い魔をなでる。
「今日だって、何度も、何度も失敗してた」
ふと立ち止まる。

「召喚に応えてくれてありがとう」


127 :ZEROのスペシャリスト:2007/10/28(日) 12:59:55 ID:lEWMDZLD
自室に戻ったルイズは机の上にハンカチを敷いて使い魔を寝かせ、窓の鍵を確認してから部屋を出た。
扉を閉めて走り出しそうになるのをこらえ、足早に厨房へ向かう。
「エサは生の肉でいいのかな?」
すぐ上の姉のことを、動植物に溢れたその部屋を思い出す。
「かごはともかく止まり木は必要よね」

色々と手配して、水と肉を手に部屋へ戻ったのは夕暮れ時だった。
バスケットには自分の夕食も入れてある。
パンの他にはチーズとワイン、簡素だが食堂で無駄な時間を過ごす気にはなれなかったのだ。
使い魔はハンカチの上で身を起こし、ルイズを見つめている。
少し離してバスケットやらの荷物を置き、椅子に座って。
「ルイズ」
まずは名前を決めないとね、と首をかしげる。
「――ミス・ヴァリエール!」

びくりとして目の前の鳥を見つめるルイズ。
「しゃべった!?」
使い魔として召喚された動物が人語をしゃべるのはそれほど珍しいことではない。
事実、ルイズの実家にもトゥルーカスというしゃべるフクロウがいる。
しかし決してありふれたことでもない。
これってアタリ?アタリよねぇ、わたしってスゴイ!
とあっちの世界に行きそうになるルイズをよそに、ぱちりと小さな、聞きなれない音が机に響く。

そしてルイズの目の前で。

鳥の胸元が縦に大きく裂け、中から2本の棒、いや人の足が、胴体が、ひとりの人間があらわれ。
身長20サントぐらいの緑色の小人がハンカチの上に降り立ち、非の打ちどころのない動作で敬礼をする。

「わたしはレミー・デンジャー少佐。USOのスペシャリストだ。ミス・ヴァリエールに頼みがある」

ルイズは椅子から崩れ落ちた。

128 :ZEROのスペシャリスト:2007/10/28(日) 13:00:59 ID:lEWMDZLD
1. 報告 レミー・デンジャー

わたしの名はレミー・デンジャー、USOのスペシャリストとして名を知られた存在。
階級は少佐だがその肩書きにあまり意味はない。スペシャリストの方がはるかに貴重だから。
わたしは同年代のシガ星人ではヘビー級となる身長222.11ミリメートル、体重852.18グラムの体躯を誇るが、それすら馬鹿にするような品の悪いでかぶつ達も、わたしがUSOのスペシャリストだと知ると態度を改める。

我が母星シガとシガ星人の同胞についても語りたいところだが、残念ながら時間がない。
次の機会に譲ろう。

 ◇◇◇

休暇の前に指示された仕事は新型マスクの運用試験だった。
年単位での長期潜入任務に耐えられるよう、さまざまな工夫を凝らしたプロトタイプ。
さすがに1年とはいかないが、2ヶ月程度はかかりっきりになる。
故郷の妻と子供を待たせることになるが、普段世話になっているUSO技術部の同胞に頼まれたのでは嫌とは言えない。
装備の完成度が仲間やわたし自身の生死に直結するのだ。

無人の惑星に小型艇で降り立つと、テラのワシを模した新型マスクに収まって飛び立つ。
各種装備を限界まで積載した身体は2キログラム近いうえ、この惑星の重力は1.3Gとノーマルより大きいが、それでも飛行に支障はない。
上昇気流を捉え、翼のメカニズムを停止させて滑空しながら上昇する。
計測機器に目をやるがエネルギー反応は小型艇の他には何もない。
リラックスしてはばたき、十分に高度をとったことを確認して急降下に移る。
ぐんぐん近づく樹木の海。
ぎりぎりのところで機体を引き起こし、木々をかすめるように飛行する。
感触は良い。
満足して仲間に無線コンタクトを取ろうとした瞬間、目の前に何の前触れもなく鏡面状のフィールドが発生した。


複数の人間の声で目を覚ます。
避ける間もなく正体不明のエネルギーフィールドに突っ込み、強烈なショックに意識を失ったことを思い出すが、時計を見る限り気絶は数十秒で済んだらしい。
機器をチェックすると予想どおり構造走査機が故障、というか溶け落ちている。
そう、ここはさっきまでの惑星とは違う。
計器を見るまでもない、なにしろ重力がノーマルなのだ。
あれは転送機のゲートだったらしい――しかも何もない空間にだ!まるで伝説のフィクティヴ転送機ではないか。
かつて不死者「それ」からローダンが譲り受けたという、既に失われて久しい超技術の産物を思い出す。200年も前の話だ。

首を振り、気を取り直して周囲を見回す。
ノーマルサイズのヒューマノイド達に囲まれているようだ。なるほど呼吸可能な大気があったことも頷ける。
テラナーもしくはアルコン人の派生種族か、外見に目立った特徴はなく判断は保留しておこう。
身につけている衣装は独特だが素朴で、技術レベルはそれほど高くなさそうだ。退化した植民惑星だろうか?
しかし、それにしても。
少女の膝の上に抱かれているこの状況に改めて困惑する。
ルイズと呼ばれているこの少女を傷つけずに飛び立つのは難しい。もう少し腕を緩めてくれればいいのだが…
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン――」

驚愕する。彼女はインターコスモをしゃべっているのではない。
まったく未知の言語をしゃべっているのに、それをわたしが理解しているのだ!

多彩な装備を搭載した新型だが、翻訳機なんてものはついていない。
そもそもこんな短時間で完璧な翻訳を実現する翻訳機なんてあるはずもない。
そうなのだが。
混乱していたのだろう。わたしはどうしても生の音声を自分の耳で確認するという無意味な衝動を抑えきれなかった。
マシンの嘴を開くと偽装咽喉を引き上げて隙間に己の頭を突っ込む。

目の前には、少女の巨大な唇が。
避ける間もなかった。

129 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 13:01:26 ID:YwB9kycR
支援

130 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 13:01:38 ID:JKKVBH+u
>>91
自分はむしろ、元々強いキャラ呼んでガンダールヴにするのもったいなくね? と思ってたが。
だってガンダにしなくても強くて剣使えるんなら、キャラ性は大幅に変わらないもの。
むしろそーゆーヤツほどミョズやらヴィンにした方が強化になる。
まぁ強化するのが全てってワケじゃ無いし、キャラ性を変えないためにあえてって選択も有るけど。

131 :ZEROのスペシャリスト:2007/10/28(日) 13:02:09 ID:lEWMDZLD
でかぶつ達とのコミュニケーションには様々な困難があるが、これはかなり酷い方だった。
ずぶ濡れになった訳ではないが、鼻から口にかけてべったりと粘液、少女の唾液が付着している。
慌てて頭を引っ込めて偽装を元に戻し、少女が顔を離したことを確認してから嘴を閉じる。

何か拭くものはないかと戦闘服のポケットを探ろうとした瞬間、全身に強烈な痛みが走った。
身体が熱い。
感染症?いや急性症状から神経毒の類か、ここで意識を失っては致命的だ。
効果のありそうな薬品は何がある?
考えはめまぐるしくまわるが、身体は痺れてまったく動かない。
幸いなことに苦痛は1分もせずに治まったが、そのまま身動きせずに様子を窺う。
少女には害意があったのか。
そもそも彼らは何者なのか。
情報が不足していた。


マシンを布の上に横たえると、少女は部屋を出て行った。
慎重に起き上がり羽を広げ軽く動かして異常がないことを確認する。
今のうちに情報を整理しなければ。
子供達の発言と行動、そして少女、ルイズの言葉から集めたピースをわかる範囲で組み上げる。

この世界ハルケギニアには貴族と呼ばれるミュータント集団が存在する。
彼らは超能力を魔法という形で系統立てられた技術として学び、行使する。
計測機器によれば核エネルギー反応はなし。つまり科学技術は発展していない、おそらく支配者階級である貴族によって抑制されているのだろう。
無線機もハイパーカムも沈黙していることから宇宙とのコンタクトも難しい。
こちらから一方的に救難信号を発することは可能だが、現状でそのような行為はためらわれる。

貴族。

これが恐るべき存在であった。
彼らはサモン・サーヴァントという力により転送機を用いずに転送ゲートを成立させるのだ!
色々と制約は厳しいらしいが、とてつもない脅威だ。我々にも、彼らにとっても。
その存在を知ればアコン人やバアロル教団、いや銀河中のならず者がよってたかって、己の支配下に置こうと大艦隊で押し寄せることになりかねない。
第三者の注意をこの世界に引き寄せることは最優先で避けねばならない。
そしてその一方で、なんとしてもこの世界の情報をUSOに伝えるのだ。
銀河の火消したるUSOのチーフ、政務大提督のアトランならハルケギニアという名の火薬庫もうまく片付けてくれるはずだ。

溜息をつき、水を飲んで火照った頭を冷やす。
その手段がない。
窓越しに輝き始めた星空を見上げるが、見慣れた星座はひとつとしてない。
この星のポジションがまったくわからないのだ。

通常の技術的手段での目的達成は不可能と考えてまず間違いはない。
なにしろ科学技術によって作られた製品は、この世界にはわたしが持ち込んだものしか存在しないのだ。
どうしても貴族の、魔法の助力が必要だ。
つまり味方を作らねばならない。
しかし法は、このような未開惑星への干渉を禁じている。
現地人とのコミュニケーションがすべて違法となる訳ではないが、慎重に行動せねば禍根を残す。

貴族でありながら政治的なバックボーンがない存在。
貴族でありながら柔軟に信じられないような事実を受け入れられる存在。

少女、ルイズを思い浮かべる。

この世界におけるわたしの身分は彼女の使い魔だ。
彼女にばれないように行動する方が難しいし、現時点では使い魔としての地位を破棄して単独行動するだけのメリットはない。
学校の生徒である以上、各方面の研究者との接触もしやすいはず。
ハルケギニア人と接触するなら、彼女がもっとも条件に即してはないか?
未成年であることだけが気がかりだが、別に危険なことをさせるつもりはないのだ。

わたしは彼女に、自分の正体を明かすことを決意した。

132 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 13:04:07 ID:JKKVBH+u
うおっと投下中にスマンです。支援!

133 :ZEROのスペシャリスト:2007/10/28(日) 13:05:21 ID:lEWMDZLD
以上、宇宙英雄ローダン・シリーズよりUSOスペシャリストのレミー・デンジャー召喚でした。
書いてる最中に「豆粒ほどの小さな使い魔」が投下されて、微妙にネタがかぶる!と焦ったり。
マイナーではないと思いますが、古いのは確か。
我ながらむちゃな選択だ…

134 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 13:09:33 ID:xatHKRIL
元ネタ知らないけど乙でした!

135 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 13:13:55 ID:h/FQP2pz
ローダンって、タコ・カクタとかタマ・ヨキダなんて名前の日本人が出てくるやつだろ。

136 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 13:16:05 ID:1A+AteUn
ローダンシリーズって言うとあれか。
400巻以上続いてる奴か。

137 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 13:17:16 ID:mEEeKJ2Y
荒垣さん乙、GJです。
ガキさんも、マチルダさんにフラグ立ててるっぽいですね、最近の流行かなあw

>>91-93
俺も、ジュンは能力や目的から見たら、ミュズニトニルン向きだと思っているが、
ミュズニトニルンはガリア王の使い魔ですでに埋まっているし、
イメージのギャップでガンダールヴで良いと思う。ていうか、俺はジュンのガンダー好きだぞ。
不足分は、真紅と翠星石が埋めてくれるだろうし。(そっちがメインという説もあり)

ガリア王やシェフィールド(ミューズ)が、ジュンや薔薇乙女たちの存在を知ったら、
どんな反応をしてくれるのか、実はそれを楽しみにしているんですけどね。
かなり興味を持つとおもうのですが。
(俺の妄想では、ジュンの目的を知ったミューズが、味方に引き込もうと取引を持ちかけるが、
ジュンに断られる、という展開もあるのですがw)

138 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 13:36:34 ID:B+Pb5C8M
もともと弱いキャラを召喚して強くすると、やれ魔改造だとか俺TUEEE とか言われないか?

139 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 13:49:46 ID:xCCgsbIy
弱くないのに言われる事もある。
誤解によるもの。

140 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 13:53:23 ID:lEWMDZLD
>>135
そう、変な名前の日本人が初期のうちは大活躍。
検索したらこんな深読みしすぎなネタがあった。
ttp://echoo.yubitoma.or.jp/weblog/appleseedcyberlabo/ym/20040428/

>>136
直接的な元ネタである75巻「USOのスペシャリスト」の奥付を見てみた。
昭和56年11月…26年前ですか、そうですか。
リアルタイムで読んだ訳じゃないけどさぁ orz

141 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 13:54:23 ID:NQLXm2c+
>>138
俺TUEEEEEEEEE!は大抵は元から強い奴呼んだ場合のほうが多い気がする。
魔改造ってのは強さではないと思う。ありえないキャラだったりとかじゃね?

142 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 13:55:13 ID:iOWXVlBE
ヘクター・ドイルを呼んでみたいな
もちろんルーンはガンダールヴ
カキンと隠し武器のスイッチ入れた途端にルーンが光輝いて奇襲をかけたいのにピカピカして戸惑うドイル

そういやルーンの発動って強制?

143 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 13:56:25 ID:JKKVBH+u
言う人は言うし、好きな人は好きでしょ。
より問題になるは、単純に強くした上で性格まで変わってる時じゃない?
慎重とか後ろ向きとか冷静とか平和主義者とかの性格設定のキャラが、
サイト同様に調子に乗ったり、そのクセしっぺ返しもくらわなかったり、しまいには
「やめてよね。ボクが本気になったらワルドなんか相手になるワケないじゃない」
とか言い出したら、魔改造と言われても反論出来ないと思うし。

逆に調子に乗る性格のキャラが、特に理由も無く慎重に行動して、
イベント全部完璧なクリアするとかも、また魔改造だと思う。

144 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 13:58:54 ID:aAf7aLp7
>>143
>「やめてよね。ボクが本気になったらワルドなんか相手になるワケないじゃない」
吹いたw

145 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 14:02:39 ID:2m5xCQAm
つまり奴は大気圏突入後魔改造されたんだなw

146 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 14:03:43 ID:iOWXVlBE
サイトがワルドとの決闘でキラ風味に「やめてよね」とワルドを捻り上げるシーンを想像した
ワルドを応援したくなった

147 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 14:04:10 ID:tXzvio7u
自爆されて消えたX人目を召喚!



148 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 14:05:51 ID:5p0PwvYU
>>145
あれは2人目のクローンだろ?
オリジナルは最初の大気圏突入で死んだよ。

149 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 14:13:00 ID:aAf7aLp7
>>148
真面目な話召喚するんだったらヘリオポリスをザフトが襲撃するより前辺りが適当な気がする
というかその方が彼にとっては幸せだろう


150 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 14:13:14 ID:2m5xCQAm
>>148
その二人目もイージス自爆で死ぬんですね

151 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 14:14:37 ID:HWbU1pTI
MS乗れないなら意味ないだろ
MSあってもそれはそれでヤバイし

152 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 14:15:49 ID:tXzvio7u
まあ生身だとキラが強いんじゃなくって
サイが弱いんだけどね…

確かゲームでは腕相撲だと
カガリ(ナチュラル女性)以下だし…

153 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 14:16:33 ID:oC3FnFeE
いやあのお姫様は趣味が筋トレだぞ?

154 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 14:16:44 ID:NgDqmhgx
福ちゃん「キラはドモンより強い」

155 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 14:17:11 ID:2m5xCQAm
キラはコッパゲと仲良く慣れそうじゃね?

156 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 14:17:37 ID:5p0PwvYU
もうラクス呼んじゃえよ!

157 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 14:18:27 ID:xatHKRIL
奴がガンダールヴになってもJUNといい勝負だとは思うが
ないよりはマシレベルだろう
あれ?

158 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 14:18:53 ID:iOWXVlBE
時々忘れるけどカガリってナチュラルなんだよな
普通にコーディネーターだと思ってた放映当時

159 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 14:21:30 ID:oC3FnFeE
結局種を持つ条件って何なんだろうな?
詳細な設定がわからないと話に組み込み辛いよ

160 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 14:22:02 ID:DltFRnyC
>>154
足洗邸の福ちゃんかと思った
福ちゃんは人死にダメだから召喚は出来ないな

161 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 14:24:23 ID:B+Pb5C8M
>143
>「やめてよね。ボクが本気になったらワルドなんか相手になるワケないじゃない」

くっ!!!むしょうに読んでみたいw

162 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 14:24:39 ID:tXzvio7u
>>153
ナチュラルの女性が鍛えたところで
Gガン世界じゃないんだから知れている悪寒…

マリューもコーディネーター兵士倒していたような気がするし
生身の身体能力は殆ど差が無いような気が…

>>155
そこでジャンク屋召喚ですよ。

163 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 14:29:31 ID:oC3FnFeE
>>162
ゲームではキラにも腕相撲で勝ったらしいぞw

164 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 14:32:08 ID:YnAvakEM
>>154
言ってねえよ
設定の森田が(∀の設定もしてた)ガンダムファイターの力は
ナノマシンの影響と過去の遺伝子操作された人々の因子が源
って奴をアンチの方々が何時ものごとく改変しやがって
伝言ゲームになったのが真相
因みにストライクがデビルガンダム倒すって言ったのもこの人
というわけでま爆熱まだかねえ

165 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 14:33:58 ID:kG1ECxfr
種のコーディは単に多目に才能を組み込まれた人間で、別に人間を超えてはいないが…
キラは反則レベルみたいなので必要に応じて強くなっちゃうだろう。
生身で弱いのは、アスランやマリューが守ってくれるからだw

166 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 14:34:07 ID:INCxrAwE
>>161
怖いもの見たさに敵は無し((((;゜д゜)))ガクガクブルブル

167 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 14:37:21 ID:2m5xCQAm
むしろ生身で弱いままの方がクロスした時面白い

168 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 14:42:41 ID:eavr+4X5
スペランカー先生召喚か・・・

169 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 14:43:02 ID:ryrBPb+h
一番タフそうなヒイロが公式設定で歴代最弱と聞いた時は驚いたもんだw
G、W、Xのキャラは純粋にコーディより強い印象がある。何故だろう

170 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 14:44:02 ID:2m5xCQAm
>>169
わかってるくせにwww

171 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 14:44:32 ID:oC3FnFeE
ガロードのほうが強いとか・・・

172 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 14:45:29 ID:tXzvio7u
>>163
そこでこう考えるんだ

「キラが強い」のではなく
「サイが弱い」だけではないか?



「やめてよね」も
例えるならクラス一の運動音痴で腕力も女の子並みの奴が
殴りかかってきた時の反応だと考えると辻褄が合う。

173 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 14:45:49 ID:qUL/o53X
>>169
サンライズがそんなランキングしたのかあ?

174 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 14:47:47 ID:tXzvio7u
>>169
ヒイロはしぶといが任務成功率が低いような…

GやWの化け物はコーディネイターの子孫で
肉体強化の遺伝子が開花しました。(もしくは更に進化した)

と言ってみる。

175 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 14:54:57 ID:GCdBhMm6
流れを切って投下予約。

176 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 14:59:01 ID:i7GCns38
支☆援

177 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 14:59:06 ID:ryrBPb+h
>>171
ガロードは核の冬を生き残るバイタリティと自給自足出来るサバイバリティの持ち主だぜ
そんじょそこらのNTやコーディには真似出来ない芸当じゃないかw
あとタフ度(強さでなく)トップ3はヒイロ、シーブック、キラだそうだ

流れ断ち切り支援

178 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 15:00:20 ID:xatHKRIL
支援。
変換一つ目に私怨が出る俺のPC(´・ω・`)

179 :趙・華麗なる使い魔 第6回 趙・好敵手登場!! 1/4:2007/10/28(日) 15:00:31 ID:GCdBhMm6
トリステイン王国魔法衛士隊、グリフォン隊の隊長、ワルド子爵。
全貴族の憧れの的、王国の花形スタア参上だ。趙公明は嬉しそうに目を細める。

「ほほう、なかなかの使い手のようだね、ミスタ・ワルド。
 その通り、僕はプリンス・趙公明。ミス・ルイズ・フランソワーズを守護する、華麗なる騎士さ!」
「初めまして、プリンス。改めて名乗りましょう、『閃光』のジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド。
 爵位は子爵に過ぎませんが、ルイズとは許婚の間柄です」
なんと、ルイズの許婚とは。三女とはいえ公爵家令嬢、逆玉の輿だ。

「わ、ワルド様……何年ぶりでしょうか、お懐かしゅうございますわ」
ルイズが彼の存在を思い出す。歳は二十台半ば、優雅なプリンスとはまた違った、精悍な男性になっていた。
長身長髪で口髭を生やし、目つきは鷹のように鋭く、黒い衣装も羽帽子もビシッと決まっている。
「久し振りだな! 僕のルイズ!」
ワルドは破顔して駆け寄り、ルイズを抱き上げてグリフォンに乗せた。
「きゃあ!」
「ははは、キミは相変わらず軽いな! 羽のようだ」

「さて、そちらの淑女たちと紳士のお名前も伺っておきたいのだが……」
「ギーシュ・ド・グラモンであります! 魔法衛士隊の隊長殿と同行できるとは、光栄です!」
「『微熱』のキュルケとお呼び下さいな、素敵な方」
「……タバサ。この風竜は、使い魔のシルフィード」
「きゅいきゅい」
「了解した。それでは諸君、いざ出発だ!」

一行六人は、タバサ・キュルケ・ギーシュ・趙公明がシルフィードに。
ワルドとルイズがグリフォンに乗って、まずは港町ラ・ロシェールを目指すことになった。
早馬なら二日かかるが、風竜とグリフォンなら一日で着くだろう。
キュルケとギーシュがでかい使い魔を連れて来ているので、さしもの風竜も重そうだが……。

道中、シルフィードの背中で密談するのは、キュルケとギーシュ。
「……なんか目が冷たいのよねえ、あの子爵。情熱ってもんはないのかしら?」
「ルイズへの情熱はあるんじゃないか? プリンスと恋の鞘当てでもするのかな」
「どう見てもプリンスが格上よ! 実力的にも、人格的にも」
「いやいやどうして、彼は強そうだ」

アレは我が好敵手、太公望くんの宝貝『打神鞭』だ。まさか、あんなものまで来ているとは。
『太極図』は流石に付いていないし、仙人骨の霊力というより、『魔力』で発動できるようだが……。
キュルケくんが『火竜の杖』を使え、土メイジのフーケが使えなかったのならば、
あのワルドくんは風のトライアングル以上の実力者。愉しいじゃあないか。
「ワルドくん! 不躾で悪いのだが、僕は強い相手を見つけると腕がムズムズするんだ。
 港町に着いたら、是非とも一度手合わせ願いたいのだが?」
「おおプリンス、お手柔らかに願いますよ。大事な任務があるのですから。
 とは言え、僕も好戦的な方でしてね。僕のルイズをお守りするという方の、実力を拝見させて頂きますかな」

「おお、やはりプリンスも、ミスタ・ワルドに挑戦されたよ!」
「恋愛関係は卒業したみたいな、変わった方なんだけどねえ……面白いじゃないの!」
趙公明は道中至極上機嫌で、鼻歌を鼻ずさみながら辺りに花粉を撒き散らしていた。
道端には無数の山百合が咲き乱れ、さやさやと歌い始めた。

180 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 15:00:52 ID:NQLXm2c+
しえんするよー

181 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 15:02:21 ID:tXzvio7u
支援!


182 :趙・華麗なる使い魔 第6回 趙・好敵手登場!! 2/4:2007/10/28(日) 15:02:54 ID:GCdBhMm6
その日の夜、港町ラ・ロシェールにはあっさりと着いた。狭い峡谷の間に築かれた、岩の街だ。
しかし、浮遊大陸アルビオンへのフネ……飛行船は、まだ出ない。

「アルビオン行きが出るのは明後日ですって? こっちは急ぎの用事なのよ、もっと早く出航出来ないの?」
「いやあ、そう言われましてもね。まだ飛ぶための『風石』を積み込んじゃいませんし。
 明後日の朝、双月の重なるスヴェルの月夜の翌朝が、最もこのラ・ロシェールにアルビオンが近づくのを、
 知らないわけじゃあございませんでしょう?」
「早く来過ぎたかな。まあいい、上等船室を予約しておくよ。代金はこれで、前払いで頼む」

ワルドとルイズが乗船の交渉を行ったが、アルビオンへ行くのは明後日と決定。
その日と翌日は、ラ・ロシェールの一番上等な宿『女神の杵』亭で泊まる事になった。
シルフィードとグリフォンが疲れきっていたので、厩舎も上等なものにする。
趙公明の『福の神』効果なのか、千客万来状態なのには閉口したが。まあ、派手にやれば密使とは誰も思うまい。

「ねえプリンス、貴方もルイズにお熱なの? ワルド子爵というライヴァルが登場したからって、
 いきなり決闘を申し込まれるなんて……ふふっ」
「そういうわけではないさ。ただ、僕は華麗なる戦闘狂! 強い相手こそ望むところ。
 安心したまえ、任務を忘れはしないさ。ちゃんと手加減して闘いを愉しみたい」
「あら、女性の気持ちをお忘れなのかしら? ルイズはきっとそうは取りませんわよ。子爵だって」
「華はあらゆる人のために咲くもの。来るものを拒みはしないさ。自由と博愛が僕のモットーだ」
キュルケと酒場で高級ワインを傾けたのち、趙公明はアール・ヌーヴォー様式にリフォームした自室に戻った。
同室のギーシュが、部屋の中で呆然としている。

翌日未明。ルイズとワルドの相部屋を、何者かが訪ねてノックする。
目覚めたワルドが薄く扉を開けると、その人物は瞳を輝かせた趙公明であった。朝からこの顔はくどい。
「やあワルドくん、お早う!! 昨夜はよく眠れたかな?
 麗しのルイズはまだお休みのようだが、早速手合わせをしようじゃないかっ!!!」

ワルドは、流石に苦笑する。まるで子供だ、この貴公子は。
「お早うございます、プリンス。少々疲れましたのでね。朝食をとってからにしませんか」
「おやおや、そんな事では愛しのルイズを守れないよ? 許婚くん」
挑発のつもりなのか、趙公明は上から見下すように言った。身長はワルドと同じくらいだ。

「……貴方は伝説の使い魔『ガンダールヴ』になられた方、とお見受けいたしますが」
「おや、どうして急にそんな事を?」
「その、左手のルーンですよ。僕は歴史に興味がございまして。
 貴方を使い魔としたルイズは、伝説の『虚無の担い手』の一人、という事ですね」
ワルドは挑発に乗らず、牽制球を放る。

「なるほど、勉強熱心だね。時にワルドくん、キミのその『杖』は、どうした由来の物かな?」
「……ああ、この杖ですか。家宝として代々、我がワルド家に伝えられていた品です。
 特別な『風』の魔法が付与された、強力なマジックアイテムですよ。
 伝説では『神の鞭(フラゲルム・デイ)』とさえ呼ばれ、城壁を根こそぎ崩すほどの竜巻を起こすとか。
 僕の力ではそれほどの威力は出せませんが、普通の杖よりはよほど強力なもので」
それでも彼、『閃光』のワルドは、国内でも数少ないスクウェア級のメイジなのだ。
プリンス・趙公明とはいえ、相手にとって不足はない。

183 :ゼロの人形遣い:2007/10/28(日) 15:03:30 ID:yvYMOlck
この後に投下予告いいします。

支援☆

184 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 15:03:57 ID:iOWXVlBE
支援
携帯だから「し」の時点て変換候補にシエスタが出てくる支援

185 :趙・華麗なる使い魔 第6回 趙・好敵手登場!! 3/4:2007/10/28(日) 15:05:13 ID:GCdBhMm6
「……フフフフフ、『神の鞭』か! 素晴らしい! 『それ』を使いこなす人物がいたとは、実に素晴らしい!
 僕は遥かな昔、それを振るう好敵手と闘って、敗れた事さえあるのだよ!
 いいだろう、キミを我が好敵手と認識する! 存分に闘おう!!」

趙公明とワルドは、寝起きのルイズを介添人とし、宿の中庭にやってきた。起きてきたキュルケたちも野次馬として参加する。
「この宿は昔、アルビオンからの侵攻に備えて築かれた砦でしてね。
 ここは貴族たちがフィリップ三世陛下の閲兵を受けたという練兵場です。
 ……今は、ただの物置場に過ぎないようですが」
中庭には樽や木製の空き箱が積まれ、石の旗立台が苔むしている。
「古き良き時代、貴族は名誉と誇り、多くの場合は淑女の奪い合いのため、杖を抜きあっては決闘したものです」
「何処の世も同じ。貴族とは、戦う事が第一義の悲しい生き物なのさ」

状況がよく分からず、居眠りを始めたルイズはキュルケたちに預けられ、貴族二人は対峙する。
「では、始めようか! 遠慮は要らない、全力で来たまえワルドくん!!」
「不器用ですから、手加減は出来かねますぞプリンス!!」
ワルドは『神の鞭』を引き抜き、一足飛びに飛んで、切りかかった。
趙公明は『縛竜索』でワルドの杖を受け止め、後ろに下がって驚くほどの速さで突きを放つ。

「そおれ、アン・ドゥー・トロワ!!!」
ワルドは趙公明の突きを杖で切り上げ、黒いマントを翻して飛び退り、構えを整える。
「どうした、魔法は使わないのかい?」
「我々魔法衛士隊では、詠唱さえ戦いに特化されております。
 杖を剣のように扱いつつ、詠唱を完成させるのが軍人というもの」
趙公明は縛竜索を伸ばしてヒュンヒュンと振り回すが、ワルドは紙一重で避けながら詠唱を続ける。
自慢の羽帽子が弾き飛ばされ、頬を薄く血が伝う。樽や空き箱が粉々になる。

「デル・イル・ソル・ラ・ウインデ……」
ワルドが閃光のような突きを繰り出すと、杖から巨大な『風の槌』が放たれ、趙公明に襲い掛かる!
だが、趙公明の強固なバリアーは『エア・ハンマー』を無効化する。
「なんと!」
「フフフ、詰めが甘いねワルドくん。その『神の鞭』の実力はそんなものではないよ!
 勿論、キミ自身の実力もだ! 三度目は言わせないでくれよ、全力で来たまえ!」

趙公明は、鞭をワルドの右足に絡みつかせると、空中高く放り投げた!
ワルドは体勢を立て直し、『神の鞭』を振り上げると、風の魔力を集中させる。
「疾ッ!!」
ただ一音節の言霊で、『神の鞭』はワルドの魔力を吸い上げ、鋭い風の刃を趙公明へと放った!
それはバリアーを切り裂き、趙公明の右頬に少し傷を付けた。

「そこまで! よく僕のバリアーを破ったね。勝負は引き分けだ、いずれ決着をつけよう」
「流石にプリンス、冷や汗ものでしたよ。その鞭もマジックアイテムのようですが、貴方ほど強固な盾はありますまい。
 『ガンダールヴ』は『神の盾』とは、よく言ったものです」
息を上げたワルドがふわりと着地し、帽子を拾い上げる。慇懃だが、趙公明を遠まわしに使い魔扱いだ。
性格の悪いところも、『彼』に似ていなくはない。打神鞭をまだ充分に使いこなしてはいないらしく、消費が激しいが。

186 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 15:05:35 ID:tdSAdR8w
私の支援は凶暴です

187 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 15:07:40 ID:iOWXVlBE
なんだか生き生きしてるなあ支援

188 :趙・華麗なる使い魔 第6回 趙・好敵手登場!! 4/4:2007/10/28(日) 15:08:02 ID:GCdBhMm6
いよいよ明日の朝、アルビオンに渡る。日中は宿で出発準備と警戒をしたが、夕方から一行は酒場で騒いでいる。

「あら、プリンスは、お肉はお好みではないの?」
「生憎僕は基本的にヴェジタリアンでね。ワインとサラダ、野菜料理とデザートなら頂くよ。
 うん、この『ハシバミ草のバーガンディ風サラダ』は美味しいじゃないか。ミス・タバサもどうかね」
「十皿目。量が少ない」
「二人とも、よくそんな苦いものを食べられるね……僕もワインをもう一本。炙った鳥の脚もくれ」
「ほら僕のルイズ、熱々のクックベリーパイができたようだよ。キミの好物だ」
「頂きますわ、ワルド様。ワインは少しで結構です」

夜も更け、皆も正体無く酔い潰れる。
趙公明は、岩作りのベランダで一つになった月を眺めている。二つの月が重なる夜の翌朝、フネは出港するという。
と、背後から声をかけられる。そこには、酔いで顔を赤くしたルイズが立っていた。困ったような顔だ。
「プリンス。皆から聞きました。今朝、私を巡って、ワルド子爵と決闘されたって……私は眠っていましたが」
「彼がツワモノだったからね。大丈夫、二人でキミを護ることになったよ」

「この任務が終わったら『結婚』しようって、彼に申し込まれたのです……。
 わ、私、どうしましょう!? 婚約したのは小さな子供の頃だし、憧れてはいたけどずっとお会いしていなかったし……
 プリンス、あ、貴方は、どう思われますか? まだ早いのでは……」
「キミの気持ち次第さ。僕は不老不死だから、キミが年老いて息を引き取るまで、この姿で付き添っていられる。
 ワルドくんは強いが、あくまで死すべき人間の身。キミがヒトであろうとするなら……」
趙公明は『妖怪仙人』であり『神』。彼が愛するのは、美とツワモノと華麗なる戦い。そして自分自身。
女性を愛さないわけではないが、人間(ヒト)とは時間の有り様が違うのだ。

「……分かりました。私、ワルド様のプロポーズをお受けします」
「きっとそれが一番さ。勿論、僕も二人を祝福しよう。……もっとも、不倫も貴族や貴婦人の嗜みだが」
おどけるプリンスに、ルイズは少し寂しそうに微笑んだ。そろそろ寝る時間だ、戻るとしよう。

「……いい雰囲気なんだけど、邪魔はしなくっちゃあね。『レコン・キスタ』からカネは貰っているし。
 しかし、どうしたもんかね。あのいかれた殿下には、『土くれ』じゃあ通用しないしさ」
闇深いラ・ロシェールの岩山の上に、黒いフードを被った女が一人。脱獄したフーケである。
白い仮面の男に救出された時はほっとしたが、プリンスに再戦を挑めと言われても、正直困る。
「……それに、なんだか知らないが、もう何百回も『同じ事』を繰り返している気もするんだよね。
 相手はプリンスじゃあないけど、いつもここで碌な目に遭わない事になっている予感が……」

「まごまごしていてもしょうがないぞ。岩ならば土くれよりは強固だし、表面を鉄に変えればツタでも刺さるまい。
 プリンスは倒せなくとも、あの餓鬼どもを足止めできればいいのだ。私も加勢する」
傍らに立つ仮面の男が、フーケを急かす。
「はいはい、下手の考え休むに似たり、ってね! ちょいと暴れさせてもらおうかい!!」
フーケが呪文を詠唱すると、ズズズンと地面が揺れ動き、巨大な影が一つになった月を覆い隠した。
崖を刳り貫いて、強大な『岩のゴーレム』が創り出される。

「ム? あれは……ゴーレム!?」
轟音に振り向いた趙公明が、異変に気付く。ルイズが驚愕する。
「嘘!? 貴族派の刺客!? でも、こんなに早く気付かれるハズは」
「内通者だな。王女の側近にも、すでに『レコン・キスタ』の長い手が伸びているようだ」

(つづく)

189 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 15:10:53 ID:GCdBhMm6
投下終了、支援に感謝します。
やはり貴族は戦ってこそ貴族なのですよ。公明様大喜び。
そして、この世界は何巡目の世界なんでしょうか。アレは流石に出ませんが。

では次の方、どうぞー。

190 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 15:11:38 ID:xatHKRIL
支援乙であります!
しかし、人型形態で花粉とか撒き散らせたのか・・・ちょっと読み直して来る。

191 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 15:15:24 ID:xatHKRIL
支援乙 ×
投下乙 ○

俺は一体何を・・・吊ってくる

192 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 15:18:47 ID:ryrBPb+h
ごひ、教えてくれ。俺はあと何回『乙』と『支援』を繰り返せばいいんだ

193 :ゼロの人形遣い:2007/10/28(日) 15:19:39 ID:yvYMOlck
投下開始しまーす
人がいるなら支援してもらえたら嬉しいです


194 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 15:20:12 ID:awV51oqP
おk、支援

195 :ゼロの人形遣い:2007/10/28(日) 15:22:11 ID:yvYMOlck


ゼロと人形遣い 4


阿紫花は窓から差し込む朝日を感じて目を覚ました。

「んんっ?・・ああっ、そういやそうでしたね。」

まだ寝ぼけ気味の頭を回して思い出す。
自分はまた訳の分からない事に巻き込まれ、今度は異世界のような所に召喚されたのだった。

「今度お祓いでもしてもらいましょうかねぇ。」

そう言いながら煙草に火をつける。
一口吸ったところで、

「あっ!やっちまった!」

煙草に限りがあることを思い出した。
しかしいまさら火を消すわけにもいかず、そのままゆっくりと吸い続けることにする。

煙草が半分くらいまで減ったところで、すぐそこに散らばる衣類に気がつく、だが一瞬見ただけですぐに天井に目を向けた。

フィルターのギリギリまで吸ったところで、自分の対面にあるベットの上で毛布がモゾモゾと動き始めた。

「ふぁ〜あっ・・・ん、あっあんた誰よ!?」
「さあ、アタシも訊きたいですねぇ?」

寝ぼけたことを言うルイズに、適当に返しながらほとんどフィルターだけになった煙草を揉み消す。

「ああっ、そうか昨日私が召喚した平民か。・・・はぁ、なんでよ。なんで私の使い魔が平民なのよ!そりゃドラゴンやグリフォンなんて言わないけど、せめて犬でも猫でもネズミでもいいから、もっとまともな使い魔が良かったのに!!」

阿紫花は、いきなり怒鳴りだしたルイズを『元気だねぇ』と思いながら眺めていた。

しばらくして落ち着いたのか、


196 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 15:22:53 ID:awV51oqP
支援

197 :ゼロの人形遣い:2007/10/28(日) 15:24:14 ID:yvYMOlck
「・・・服。着替えの制服を取って。」
「・・・お嬢ちゃん、そりゃアタシに言ってるんですかい?」
「当然でしょ!あんた以外に誰がいるってゆうのよ。さっさと着替えを取りなさい。そこのクローゼットに入ってるから。」

断ったら五月蝿いであろう事は昨日からのやりとりで分かっていたので、大人しく言うことに従い服を持って行ってやる。

「着せて」
「・・・」

おもわずため息を吐いてしまう。

「そんくらい自分でできるでしょう?」
「当たり前よ。あんた私を馬鹿にしてるの!」

ひたすら偉そうに言いながら睨みつけてくる。
その視線を受け流しながら、

「だったら自分でおやんなせぇ。」
「口答えするんじゃないわよ。貴族は使用人がいるときは自分で着替えはしないのよ。」
「そうは言ってもねぇ。その時には女が手伝うもんじゃないんですか?」

その言葉を鼻で笑って、

「使い魔に男の女も無いわ。ペットの前で着替えたってどうもないでしょう?それと同じよ。」

阿紫花はその言葉に一瞬目を細めたが、すぐに呆れた表情をした。

「生憎とアタシは脱がす専門でしてね。人様に服を着せたことなんてないんですよ。」
「へっ?」

ルイズは間の抜けた表情をしたが、すぐに意味を理解したのか、

「なっ、なな、なに言ってんのよ!」

急に真っ赤になって慌てだした。
その様子を黙ったまま見ていると、

「いいいっ、いいわ!着替えくらい自分でやるからいいわ!」

赤い顔のまま着替えに手を伸ばした。

「そりゃ良かった。そんじゃアタシは外に出てますぜ。」
「わかった。わかったから、さっさと出て行きなさい!」

言われるまでもなく部屋の外に出る。
その時、まるで計っていたかのようなタイミングで向かいの部屋の扉が開いた。


198 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 15:24:31 ID:iOWXVlBE
アシハナ支援
からくりサーカス早速古本屋で読んで来た
「お代はいかほど頂けるんで?」は個人的に名シーンだと思った

199 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 15:25:21 ID:awV51oqP
支援

200 :ゼロの人形遣い:2007/10/28(日) 15:25:55 ID:yvYMOlck

「あら、ルイズかと思ったら使い魔の平民じゃない。」

いい加減平民扱いにも慣れてきたので、特に気にしないことにした。

「はぁ、そうゆうアンタはどちらさんで?」
「私?私はキュルケ、『微熱』のキュルケよ。それで使い魔さんはなんて名前なの?」
「アタシですか、アタシは阿紫花ですよ。」
「アシハナねぇ、変わった名前なのね。ところであなたのご主人様はどこかしら?」
「ああ、嬢ちゃんならそろそろ出てくるんじゃないですか。」

そう言うと同時に、ルイズの部屋の扉が開いた。

「ちょっとアシハナ!あんた洗濯物を・・・
「あら、おはようルイズ。あなたは朝から元気ね。」
「・・・おはようキュルケ。」

ルイズは不機嫌そうに挨拶を返した。
キュルケはその態度を気にした様子も無く。

「それにしても、さすが『ゼロ』のルイズね。まさか平民を使い魔にするなんて前代未聞じゃない。」
「ふっ、ふん。うるさいわね。私だって好きで召喚した訳じゃないんだから。」
「へぇ、そうなの?あなたにはお似合いだと思うけど。でも、やっぱり使い魔はこうゆう子じゃないとね。フレイム〜。」

キュルケに呼ばれ部屋の中から巨大なトカゲのような生き物が這って出てきた。

「サラマンダーよ。すごいでしょう、ここまで鮮やかで大きい炎の尻尾は間違いなく火竜山脈のサラマンダーね。好随家が見たらよだれを垂らすわよ。」
「・・・まあまあね。良かったじゃない。」
「あら?『ゼロ』のルイズに誉めてもらえるなんて光栄ね。さすが平民を召喚する人は見る目があるわね。」
「なっ!」

そのままくだらない口喧嘩を始めてしまう。
そんなやりとりを横目に、阿紫花はフレイムと呼ばれたトカゲを観察する。

「きゅる?」
「見た目割にかわいいもんだねぇ。」

しゃがみこんでからゆっくりと手を伸ばし、頭を軽く撫でてやる。
スベスベとしていい手触りだ。

「きゅるきゅる。」

フレイムも嬉しそうに声を出したので、そのまましばらく撫で続ける。

それに気がついたキュルケが、

「フレイムがすぐに懐くなんて珍しいわね。やっぱり使い魔同士で気が合うものなのかしらね。」


201 :ゼロの人形遣い:2007/10/28(日) 15:27:26 ID:yvYMOlck
そう言ってから、またルイズを見る。

「よかったわねルイズ。いちおうちゃんとした使い魔みたいよ。」
「うるさいわね!私が召喚したんだから当然でしょ。」

また再開しそうになるが、

「それはそうと嬢ちゃん達、時間は大丈夫なんですか?」

阿紫花が声をかける。
そこでやっと思い出したように、

「確かに、そろそろ食事の時間ね。じゃあねルイズ、それから使い魔さん。行くわよ〜フレイム」
「きゅる、きゅるきゅる。」

キュルケはウィンクをして歩いていってしまった。
フレイムは一度だけ阿紫花を見てから、その後に付いて行った。

彼女らの姿が見えなくなると、

「き〜〜〜、悔しい!なんでキュルケの使い魔がサラマンダーで、私の使い魔が平民なのよ!」
「さあねぇ、日頃のおこないじゃないですか?」
「うるさい!私のどこが悪いっていうのよ!そもそも平民の癖に口答えばっかりするんじゃないわよ!」
「はいはい、わかりましたよ。」
「わかってないわよ!」

まだ何か言いたそううだったが、思いとどまったように、

「まあいいわ。確かに時間もないしね、さっさっと食堂に行くわよ。」

不敵に睨みつけてから先に歩き出した。

『こりゃ、なんか変なことでも考えてんな。やっかいなガキに捕まったもんですねぇ。』
そう思ったが、腹が減っているのも確かなので大人しくついて行こうとする。
そこでふっと思いつく。

『そういや、あたしの災難は子供がらみばっかりだなぁ』

おもわず苦い顔をしてしまう。


「この世界にもお祓いしてくれる場所はあんのかねぇ・・・」



そう呟いた阿紫花の顔には小さいが確かな微笑があった。



まるで楽しかった過去を思い出しているかのような・・・。


202 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 15:28:38 ID:awV51oqP
支援

203 :ゼロの人形遣い:2007/10/28(日) 15:30:17 ID:yvYMOlck
今回は以上です
支援どもです

204 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 15:51:51 ID:nb45MHyl
乙でした。
阿紫花のダンナには、こちらの世界で幸せになってほしいもんですな。


205 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 17:23:48 ID:QeySrBLz
げ、げしょげしょ…?

206 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 17:58:51 ID:Geg6abRw
ふと浮かんだテッカマンブレードのスペースナイツ召喚。Uの
割とみんな学院に馴染みそう

207 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 18:37:24 ID:i7GCns38
以前男塾二号生召喚で批評してた人も居たが、やはり大人数召喚は難しいと思う。
ボケとツッコミの二人までが精々じゃないか?それでも原作キャラの出番が減るが。

208 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 19:05:18 ID:J2wKcYWG
宝具て仙人以外が使ったら死んでしまうはずでわ?

209 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 19:08:22 ID:awld1VA8
そこらへんはメイジなら大丈夫とかそんな感じだろ

210 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 19:27:53 ID:lVrgJDx2
×宝具
○宝貝

文学の読みすぎですか?

211 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 19:28:37 ID:IAR4+ZzW
ルーン的な意味じゃなくて召喚された側の性格とかが
ゼロ魔キャラの影響受けまくって変わる作品というと何があったっけ?


212 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 19:39:44 ID:L/pOWf9T
>>209
仙骨は?

213 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 19:42:47 ID:jUElX59X
>>211
ベイダー卿

214 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 19:44:07 ID:tAAuQbmm
>>212
それは仙人になる資質だし、メイジなら仙人でなくても宝貝を扱えるってんなら必要ないでしょう

215 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 20:01:22 ID:G8qiC/bz
メイジの精神力は仙力の代わりになる、というのが書き手の解釈なんだろうな。
まぁ、お互い原作にないものを登場させているのだから、そのあたり多少は大目に見ないと、
クロスオーバー系二次創作なんていう地雷原をわたることはできないぞ。

216 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 20:01:38 ID:V3Xyr6xR
ルイズ「特技はイオナズンとありますが?」
サイト 「はい。イオナズンです。」
ルイズ「イオナズンとは何のことですか?」
サイト 「魔法です。」
ルイズ「え、魔法?」
サイト 「はい。魔法です。敵全員に大ダメージを与えます。」
ルイズ「・・・で、そのイオナズンは使い魔として働くうえで何のメリットがあるとお考えですか?」
サイト 「はい。敵が襲って来ても守れます。」
ルイズ「いや、私には襲ってくるような輩はいません。それに人に危害を加えるのは犯罪ですよね。」
サイト 「でも、魔法衛士隊にも勝てますよ。」
ルイズ「いや、勝つとかそういう問題じゃなくてですね・・・」
サイト 「敵全員に100以上与えるんですよ。」
ルイズ「ふざけないでください。それに100って何ですか。だいたい・・・」
サイト 「100ヒットポイントです。HPとも書きます。ヒットポイントというのは・・・」
ルイズ「聞いてません。帰って下さい。」
サイト 「あれあれ?怒らせていいんですか?使いますよ。イオナズン。」
ルイズ「いいですよ。使って下さい。イオナズンとやらを。それで満足したら帰って下さい。」
サイト 「運がよかったな。今日はMPが足りないみたいだ。」
ルイズ「帰れよ。」

217 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 20:02:23 ID:KYs1JoSr
>襲ってくるような輩はいません
いや、いるだろw

218 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 20:05:19 ID:sRLnWma+
>>216
イオナズンネタではもっと上手い改変が既にあるよ

219 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 20:26:53 ID:iqDEsgCm
舞-HiMEの舞衣や舞乙のアリカ召喚。
マシロ君ネタで二つの月のどっちかが媛星ってあったから能力には問題ない筈。

スター・レッドの星を召喚とか考えたけどアルビノだから、ラスティの時と一緒で
ルイズから「アカデミー行きになっちゃう」って言われるかな?
アルビノってことでアカデミーで実験台にされそうになり、更に超能力者だとバレ……とかやりたいなって。

220 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 20:39:41 ID:jUElX59X
>>218
アレ保管されてなかったよな
何スレ目だっけ?

221 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 20:45:21 ID:sRLnWma+
>>220
part63の134

「職業はガンダールヴとありますが?」
「はい。ガンダールヴです。」
「ガンダールヴとは何のことですか?」
「使い魔です。」
「え、使い魔?」
「はい。使い魔です。武器を取ると覚醒します。」
「・・・で、そのガンダールヴは当社において働くうえで何のメリットがあるとお考えですか?」
「はい。敵が襲って来ても守れます。」
「いや、当社には襲ってくるような輩はいません。それに人に危害を加えるのは犯罪ですよね。」
「でも、ワルドにも勝てますよ。」
「いや、ワルドごときとかね・・・」
「竜の羽衣にも乗れるんですよ。」
「ふざけないでください。それに竜の羽衣って何ですか。だいたい・・・」
「人殺しの道具です。ゼロ戦とも書きます。ゼロ戦というのは・・・」
「聞いてません。帰って下さい。」
「あれあれ?怒らせていいんですか?帰りますよ。日本。」
「……いなくなったらやだ。……なにしてもいいけど、それだけはダメなんだから。」
「運がよかったな。12巻は東方に行かないみたいだ。」
「あんたの忠誠に報いるところが必要ね!めめ、面接官の体、一箇所だけ、好きなとこ、ささ、触ってもいいわ!」

222 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 20:46:39 ID:ORHtt28T
>>221
なにげにルイズ分が入ってるところがうめぇwwwwwwwwwwwwwwwwwww

223 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 20:48:03 ID:jUElX59X
>>221
わざわざありがと

しかし改めて見てもニヤニヤしてしまうwww

224 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 21:04:05 ID:NaksvCgp
ガッツとか来たら面白そう

225 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 21:04:45 ID:GCdBhMm6
面接ンデレ! 面接ンデレじゃないか!
懐かしいなあ!

226 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 21:16:19 ID:L4nk0RLZ
1ヶ月とちょっと前の筈なのにやたら昔の事のように思えるw

227 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 21:16:59 ID:mGLf50kM
>>211
夜天の使い魔じゃね?

タルブ会戦の対艦戦で、原作ルイズは人を殺す事を躊躇してその気になれば全艦完全破壊出来た
のに、わざわざ艦の風石だけを狙って破壊したけどルイズとユニゾンしたリィンは少しの躊躇い
も見せずに数千人を一瞬で大虐殺。捕虜すら取って無い。

…多分、数あるゼロ魔クロスの中で一番人を殺したルイズじゃね?

228 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 21:18:20 ID:QPTIR07d
なあ、SDKって駄目か?
ヤツなら良い感じで理不尽なんだが。

229 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 21:19:47 ID:aAf7aLp7
>>224
蝕後なら何としても戻ろうとするだろうから、召喚するなら鷹の団抜けた直後だろな

230 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 21:19:49 ID:FA/enOEB
ダメと言う理由は無いがどうした

231 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 21:19:53 ID:KYs1JoSr
だからスーパードンキーコングにしか見えんw

232 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 21:19:55 ID:WAOvoX0q
そういえばマフィアの人間召喚のSSはあるがヤクザの人間召喚のSSってあったっけ?

233 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 21:20:46 ID:HvZJYVwQ
>>229
石松だよ

234 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 21:21:05 ID:wphxtCjm
童貞もきっとヤクザだ、任侠だし。

235 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 21:21:42 ID:hwCpP2Tu
使い魔「特技はガンダールヴの左手とありますが?」
喋る剣「はい。ガンダールヴの左手です。」
使い魔「ガンダールヴの左手とは何のことですか?」
喋る剣「伝説です。」
使い魔「え、伝説?」
喋る剣「はい。伝説です。六千年生きて沢山の使い手に使われてきました。」
使い魔「・・・で、その伝説は当社において働くうえで何のメリットがあるとお考えですか?」
喋る剣「はい。系統魔法が襲って来ても吸収できます。」
使い魔「いや、当社には魔法にあたるような輩はいません。それにルイズの爆発は回避できないですよね。」
喋る剣「でも、ワルドにも勝てますよ。」
使い魔「いや、勝つとかそういう問題じゃなくてですね・・・」
喋る剣「相談相手にもなるんですよ。」
使い魔「ふざけないでください。それにネコミミって何ですか。け、けしからん・・・」
喋る剣「伝説なんてそんなものです。俺ぁただの剣だ。振るうのはお前さんだよ」
使い魔「聞いてません。帰って下さい。」
喋る剣「あれあれ?怒らせていいんですか?体を操りますよ。吸収した魔法の分だけ。」
使い魔「いいですよ。好きにして下さい。鞘にいれとくからな。それで満足したら黙って下さい。」
喋る剣「ガタガタ(おでれーた。今日は出番が足りないみたいだ。)」
使い魔「黙れよ。」

236 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 21:22:21 ID:jUElX59X
>>228
スーパードンキーコング?

237 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 21:22:55 ID:/o6lrtD1
>>232
ヤクザと魔法少女分(でも男)が入ってる人が最近召喚されたはず

238 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 21:24:15 ID:QPTIR07d
いや、SIRENの方だが・・・。
ゴリラの方でも面白いかもな。

239 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 21:25:02 ID:G8qiC/bz
>>233
よんでどーする。

まぁ冗談だとは思うが、歴史上の人物ならともかく現在進行形で生きている実在に人物はまずくないか?

240 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 21:27:06 ID:QeySrBLz
>>239
エガちゃんが既に居る

241 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 21:28:43 ID:IAR4+ZzW
>>227
なのは見てないのでわからんのだがリィンはもともとどんな性格なん?

242 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 21:34:50 ID:9p3ng1+x
>>232
「ゼロの人形遣い」の阿紫花がその類の一人だな

243 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 21:39:26 ID:iqDEsgCm
・吉祥天女の叶 小夜子召喚。ギーシュ転落死。
・時空異邦人KYOKOから朱臣響古を召喚。耳がとがっているのでエルフと間違えられる。
・ウルトラマニアックからニナ召喚。ルイズとよく似た境遇から仲良しに。
・海の影 月の闇からルナウイルス召喚。ルイズや仲の良いキャラとフーケだけ生き残る。


少女漫画も思い付くだけで結構ネタに困らないな。

244 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 21:39:41 ID:rS4wDnlm
サイバスター召喚とか考えてみた。
ファミリアがシロとクロでも問題ない気がする。

245 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 21:40:32 ID:qRO77rd1
オスカル様呼んだらどうなるかなぁ。
アンやルイズをマリーと重ねて見ちゃったりすんのかなあ。

246 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 21:47:12 ID:G8qiC/bz
>>227
なのは世界の魔法には非殺傷設定という便利なものがあってな。

まぁ、魔力ダメージ受けて地面に墜落したら普通に死ぬと思うが、
高高度リカバリーはなのは世界じゃ必須技能(新米陸戦魔導士ならともかく、それ以上ならできて当然)みたいだし、
リィンフォースの常識ではあの程度なら死なないと思っていたのかも。

247 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 21:50:04 ID:oB+pJotz
俺は伝説の使い魔の続きを待っている。

248 :聖石の人:2007/10/28(日) 21:50:38 ID:Z94kjpd7
みっくみくにされています。
投下よろしいでしょうか?

249 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 21:51:04 ID:QeySrBLz
大体原作でも風石なんて浮かぶための力生み出してる素をいきなりなくせば
そのまま墜落して乗員皆殺しになりそうな気がするよねー。
いやメイジだけは飛べるし生き残るって考えか?

250 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 21:51:10 ID:sk4DvBR2
>>232
岩鬼将造を呼べばいいじゃなーい

251 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 21:54:13 ID:QeySrBLz
聖石支援っするっぜ

252 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 21:54:38 ID:cICTwTUN
>>241
主(あるじ)至上主義者
第一が主の生命の保全
第二が主の精神の保全
第三が主の命令の厳守

253 :ゼロと聖石10:2007/10/28(日) 21:55:52 ID:Z94kjpd7
ついに二桁突入、燃え尽きないでまだまだ投下!

ワルド様が必死になって風石の代わりに魔力を使っている。
その姿を見つつ私はティータイムとしゃれ込んでいた。
シエスタは紅茶を淹れたあと、床で『メイソウ』とかいう精神統一法を行っている。
シエスタ曰く、『見えなかったものが見える』そうだ。
視野を切り替えるとかそういったものだろうか?
そんな風に過ごしていると、船員が慌しく走り回る。
事情を聞くと、空賊が現れたみたい。
甲板に上がり、その姿を確認する。
黒塗りの船体、側舷についている二十数門の大砲。
―――これは勝てないわ。アレだけの規模ならメイジ乗っていそうだし。
完全アルテマで吹き飛ばしていいが、それだと…最悪乗っ取られる。
やめよう、聖天使の力を引き出して正気でいられるか分からないし、まだ死にたくも無い。

その数分後、空賊たちが乗り込んできた。
ワルド様のグリフォンはあっという間に空賊のメイジに眠らされる。
私も杖を没収され、シエスタはデルフと盾を没収されていた。
そして、倉庫の一室に押し込められた。
ワルド様は静かに何かを考え、シエスタは相変わらず
狭い船室の中、この空賊たちについて考えていた。
まず、目的。
彼等はマリーガランド号の積荷が硫黄だと聞くと、目を輝かせていた。
今は貴族派が幅を利かせているため、硫黄などの火の秘薬はよく売れる。
それは劣勢の王党派も同じこと。
仮にこの船が貴族派の物だとして、そこまでして硫黄を入手する必要が無い。
本物の空賊だったら硫黄だけ奪って後は証拠隠滅で片がつくはずだ。

結論は一つ。
決まったら即行動。

254 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 21:56:56 ID:QeySrBLz
まとめwiki上だと11話で大台なんだぜ支援b

255 :ゼロと聖石10:2007/10/28(日) 21:57:14 ID:Z94kjpd7
「シエスタ、船長のところに行くわ。手伝って」

ワルド様が困惑している中、シエスタが鎧の内側に仕込まれた剣を抜き、構える。
私も鉄で出来た東方のオウギという、風を起こす道具を取り出す。
シエスタがドアを蹴破り、それに私が続く。
その音に空賊が武器を構えて襲い掛かってくるが、シエスタの敵ではない。
私はというと、後ろから来る敵に対して、役に立つと思っていなかった魔法を唱える。

「命ささえる大地よ、我を庇護したまえ。止めおけ! ドンムブ!」

通路の狭い船の中では最高に相性のいい魔法、対象をその場から動けなくする。
それを何人も繰り返し、あっという間に封鎖線が出来上がる。
歩く先には倒れ付す空賊、後方にはなすすべも無く見守る空賊。
そんなことを繰り返しながら空賊頭目の前までたどり着く。

「アルビオン王国の貴族とお見受けします。
 私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、アンリエッタ姫殿下の命により馳せ参じました」

後ろの空賊たちとワルド様が驚きで目を見開き、シエスタはだから手ごわかったのかみたいな顔をしていた。
頭目は一瞬唖然としていたが、すぐに顔を引き締め、居住まいを正した。

「これは大変な失礼をした。私はアルビオン王国皇太子、ウェールズ・テューダーだ」

今度は私が驚く番であった。
お偉方が一人は乗ってると思ったらまさか総大将方向の人間が乗ってるとは。
我に返えると、ウェールズ皇子がしてやったりの表情をしているのを気づいた。



ニューカッスル城。
アルビオン王国の権力の象徴だった城。
今は砲撃によって煤け、あちこちに瓦礫が落ちている。

「すまないね、騒がしい場所で」

鹵獲されたロイヤル・ソヴリン号が砲撃を続ける。
その巨体はその場にいるだけで威圧を続け、空に君臨していた。
砲撃音と着弾音が響く中、私はウェールズ皇子にアンリエッタ様から預かった手紙を渡す。
それをひとしきり読んだあと、小さな宝箱を取り出し、古ぼけた手紙が渡される。
内容は聞かずとも分かった。
それを懐にしまいこみ、一応亡命を勧めておく。
ウェールズ皇子はそれに対して首を振り、名誉に殉じると言った。
そこまで言われたら、何も言えない。だから、私はウェールズ様に一つだけ魔法をかけておく。

「大気に満ち、木々を揺らす波動。生命の躍動を刻め! リレイズ!」

光がウェールズ皇子を纏い、消える。
部屋を去る直前に、一言だけ言っておく。

「女を泣かせると後が怖いですよ。せいぜいアンリエッタ様を泣かせないように」
「これは手厳しい。忠告として受け取っておくよ」

その直後に、ありがとうと聞こえた気がしたが、聞こえていない。
ウェールズ皇子の独り言など、聞かなかったのだ。

256 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 21:57:32 ID:nOJ41lUR
>>228

思い立ったら即特攻!んで、聖石タソ支援



257 :ゼロと聖石10:2007/10/28(日) 21:58:43 ID:Z94kjpd7
最後の晩餐会で国王の言葉を聞く。
やはり、彼等はここで全員死ぬつもりなのだ。
戦争とはいえ、誰かが死ぬのは悲しい。

「アルテマ、あなたも悲しいの?」

アルテマからの回答は無い。
彼女は必要なときに必要なことだけ告げていくのだから。
それでも、誰かの声が聴きたい瞬間があるから話しかけてみた。

寂しく思った瞬間、聖石が一瞬だけ煌いた。

「ありがとう、アルテマ」

暗い気持ちを払い、戦士の皆と酒を飲んでいるシエスタの元へ向かう。
シエスタがワインをジョッキで一気飲みをしている。
それに負けじとワインをジョッキで飲むおっさん。
そこに私も乱入するのだった。


そして明くる朝。

「頭いたーい、気持ちわるーい、絶対吐く………」
「大丈夫ですか、ルイズ様………うぉぇっぷ」

二人揃って二日酔いになる。
ワルド様に起きたら聖堂に来てくれと言われているのに。
こうなったら仕方が無い。
こんな状況で使う予定じゃなかったのだが、緊急事態だ。仕方が無い。

「天駆ける風、力の根源へと我を導き、そを与えたまえ! エスナ!」

効果があるかどうか疑わしかったが、どうやら効果はあったようだ。
頭痛と吐き気がすぅっと去っていく。
横にいるシエスタにも使わないと、部屋が大変なことになる。
すさまじい速度で詠唱を始めるのだった。

258 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 21:59:16 ID:mGLf50kM
>>246
いきなりディアボぶっ放しといて殺す気がなかったは無いだろ…

どー見ても塵も残さず皆殺しにする気満々です本当に(ry

259 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:00:18 ID:QeySrBLz
二日酔いにエスナってw

260 :ゼロと聖石10:2007/10/28(日) 22:01:41 ID:Z94kjpd7
以上で投下終了。
シエスタいろいろぎりぎりです。
次回、アルビオン編佳境。
次回もルイズにリリカルラジカルアルテマル!
聖天使アルテマルイズがワルドをお仕置きしちゃうぞ?
※内容は変更になる恐れがあります。
支援に感謝御礼大感激! ありがとうございましたー。

261 :Zero ed una bambola ◆EFV8AnGeLs :2007/10/28(日) 22:05:55 ID:f0GLNJte
投下予約。
10分後に投下します

262 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:06:10 ID:Geg6abRw
>>245
アンドレがいないと可愛そうすぎる(´;ω;`)
サイトも一緒に呼ばれてればアンドレとサイトがいい友達になりそうだ
>>250
「ゴーレムがなんじゃあ!攻撃し続ければいつかはくたばる!!」
「遍在かなんか知らんが無駄に増えやがって!まとめて潰すからそこに並ばんかい!!」
とりあえずアルビオン墜落は確定だな

ガンダールヴ:岩鬼
ヴィンダールヴ:久留間慎一
ミョズニトニルン:美勒
はばかられる:ゲッター
で始祖はより強力な兵器を作るためにハルケギニアの進化を促進させて
その結果がメイジと

263 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:06:33 ID:Z94kjpd7
あんじぇ支援

264 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:06:43 ID:gByXou6j
>>228
> なあ、SDKって駄目か?

SGGKに見えた


265 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:08:18 ID:Geg6abRw
やっべ書いてる間に聖石さんがきてたんじゃないかGJ
そして次に対して支援

266 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:09:44 ID:QeySrBLz
FFTやってないとアルテマのキャラがつかみづらいぜ乙〜


267 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:10:00 ID:cICTwTUN
まてエスナが使えるって事はタバサの母ちゃん治せるんじゃまいか?
エスナは万能状態異常回復魔法だぞ(混乱も毒も直る)

しかしリレイズまで使えるのかよ……なんでもありすぎだ……

268 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:10:13 ID:Iij+QUL8
>>264
すぐに吹っ飛ばされるじゃないか

269 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:12:24 ID:ueVFQ34X
イベントに対しては魔法もアイテムも無力ってのが相場だ
ガラフにはレイズもフェニックスの尾もエリクサーも効かなかったんだぜ

270 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:13:00 ID:Zk3Q6KHB
>>268
ゴールポストのほうが役に立つからなぁ
仮に召喚されたら以前に見たマダオみたいな扱いになるなw

271 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:14:07 ID:G8qiC/bz
>>249
船内にいる人は逃げ遅れる可能盛大。
そもそも、爆発に巻き込まれて死んだ人も大勢いたはず。

まぁ、一撃で撃沈するよりは、死者の数は少なくてすんだだろうけど、所詮はただの偽善。
とはいえ、精神状態が結果に直で影響するメイジという職業と、虚無使いという希少性を考えると、一概に悪いとは言えない。
その程度の自己満足で次からも虚無魔法を撃ってくれるのなら、それくらいは周りがフォローしてやってもいいとおもう。

まぁ、細かい話はハルケギニアの戦争がどういう形で始まり、続き、終わるのかによるから一概には言えない。
ただ、飛んで逃げたメイジはかなりの精神力を消費するはずだし、おそらくそのまま戦線に立つのは難しいと思われる。
加えて、アルビオンという浮遊大陸の敵を相手にしている以上、船を壊したらしばらくは侵攻能力を消失するはずだから、
船を壊した時点で乗組員は全員無力化したと考えてもいいので、あまり問題にはならないんじゃないか?

まぁ、どこか地上に陣を築かれたらその限りでもないが。

272 :Zero ed una bambola ◆EFV8AnGeLs :2007/10/28(日) 22:15:30 ID:f0GLNJte
アンジェリカはフーケに言われるままにM16を手渡した。

「これは…」

フーケは笑みを浮かべてそれを繁々と眺める。後は破壊の杖を回収するだけだと考えをめぐらす。
だがそんなフーケの左手がアンジェリカにグイっと引っ張られる。

「アンジェリカさん、どうかしましたか?」

まさか正体に気付いたわけではあるまい。なら何故腕を掴むのか。

「どうかしましたの?」

再びフーケが問いかけるもアンジェリカは俯いたままだ。冷や汗をだらだらと流している。

「ぐっ!?」

掴まれた腕に激しい痛みが走る。アンジェリカは掴んだ腕に力を入れているようだ。
痛みに思わず小さな悲鳴をあげたフーケ。その力はとても子供の力とは思えない。

「あ、アンジェリカさん? いい子だから放して…そんなに握ったら痛いわよ」

フーケにはアンジェリカが必死に助けを求めているように見えた。腕を掴む手を振り払おうとも考えたが優しく、諭すようにアンジェリカに話しかけた。
だがアンジェリカは耳を傾けない。それどころかますます力を込めらてくるだ。遠くからルイズたちの声が聞こえる。

『このままでは拙い』

業を煮やしM16を地面に捨て杖を掲げたフーケ。だがそれを振り下ろすことができない。
何故だろうか。アンジェリカの姿が似ても似つかぬ、故郷に残してきたあの子のことを思い出させるのだ。

『何をしているの! このままじゃお宝を奪えない!』

自分を叱責するも掲げた右腕が動かない。やがてフーケは静かに杖を下ろした。

「何やってるんだか…」

フーケは自らの行為を自嘲する。このままでは何も盗めやしない。
アンジェリカに捕まれている腕がますます痛み、ついにパキリという乾いた音が響き渡る。


273 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:16:54 ID:26HgV72k
>>246
描写からして非殺傷ですらなかったような。
まぁ、夜天の場合大分前にゴーレムが踊って山賊がミンチになってるからそんなに違和感はなかった。ユニゾン直前にワルドをルイズ自ら殺ってもいるし

274 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:17:30 ID:QeySrBLz
アンジェを激烈支援だっ

275 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:18:23 ID:iOWXVlBE
>>271
偽善の二文字に自動的にキラ・ヤマトとルビを振る俺は病んでいる

支援

276 :Zero ed una bambola ◆EFV8AnGeLs :2007/10/28(日) 22:18:25 ID:f0GLNJte
Zero ed una bambola   ゼロと人形



「ミス・ロングビル! 廃屋には誰もいませんでした。それと破壊の杖も取り返しました!」

ルイズが嬉しそうな声を出しながら戻ってきた。
そしてルイズの声を聞いたアンジェリカはようやくフーケの腕から手を放した。

「ミス・ロングビル、どうかされましたか?」

青い顔をしているロングビルにキュルケが気付いた。

「いえ…何でもありませんわ。それよりもアンジェリカさんを…」

左腕を押さえながらアンジェリカへと視線を移す。

「アンジェ! どうしちゃったの?」

見るからにおかしいアンジェリカにルイズが駆け寄る。

「ルイズさん。お薬…お薬下さい」

アンジェリカはうわ言のように呟いた。

「薬? 薬って何よ!」

ルイズは混乱して怒鳴り始めた。

「ルイズ落ち着きなさい! 怒鳴ってもどうにもならないわよ」

キュルケがルイズを窘める。

「ともかく…学院に戻りましょう…」

フーケではなくロングビルとして口を開いた。

「ミス・ロングビル、何かあったのですか?」

苦しそうなロングビルにアンジェリカを抱きかかえたルイズが尋ねる。

「何でもありません…そう悪いのはいつだってわたくしたち大人なのですから…」

ロングビルは朦朧とする意識の中故郷に残してきた妹を思い浮かべた。

「ミス・ロングビル! ルイズ、あたしが馬車の手綱をとるわ。早く戻りましょ」



Episodio 25

Abbandonato oltre la gentilezza
捨てきれぬ優しさ



277 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:18:55 ID:RcoOt24I
支援。これはいいフーケ

278 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:18:56 ID:Hh4kFLge
総員、マスかき止め!支援に集中しろ!

279 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:19:41 ID:26HgV72k
割り込みごめんなさい支援

280 :Zero ed una bambola ◆EFV8AnGeLs :2007/10/28(日) 22:20:10 ID:f0GLNJte
Intermissione



ルイズたちの上空をシルフィードが飛ぶ。
タバサはじっとルイズたちを眺めていたが馬車に乗り込むのを確認し、シルフィードの頭を学院に向けさせた。

「アンジェちゃんが心配なのね」
「…」

シルフィードがタバサに話しかけるもタバサは何も答えない。
タバサは一足早く学院に戻るのだった。



281 :Zero ed una bambola ◆EFV8AnGeLs :2007/10/28(日) 22:21:40 ID:f0GLNJte
短いですが投下終了。

次回予告とかはもうありませんよ?

282 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:24:43 ID:QeySrBLz
アンジェの人乙&GJ
そういえば薬漬けなんだったよね。

283 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:25:34 ID:i7GCns38
そうか、モット伯はもう・・・(涙

284 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:31:40 ID:1LfKxJ63
>>258
デアボリック・エミッションは純粋魔力攻撃なので、物理破壊力はない。
はずなんだが、夜天の描写じゃきれいさっぱり吹き飛んでるな……。

285 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:32:11 ID:G8qiC/bz
GJ!!
ここでフーケが正体を現さないのは珍しい。

>>273
まぁ、ハルケギニアの文化水準から考えて、
「襲ってくる敵を殺して何が悪い」ぐらいに考えているほうがむしろ自然ですしね。

>>275
俺も書いていてそいつを思い出した。

286 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:32:53 ID:RcoOt24I
確か、肉体強化に条件付けだったか
コントラクトサーバントと大して変わらん外道な事してるよな

287 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:32:54 ID:W2s4ImKX
ガッツと言うと、いつも自分は筋肉ムキムキバディの
肉体労働者なお姐さんが思い浮かんでしまうよ。
まあ、あっちもガンダールブ向きだが。

『ザ・ガッツ!ハルケギニアでガッツ!』

288 :子守唄:2007/10/28(日) 22:39:27 ID:7aMton02
箱根の歩道は開いてますか皆さーん! 投下するものですよー!

289 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:39:35 ID:RcoOt24I
ハルケギニアの文化や貴族の教育はともかく
一介の少女が数千人を虐殺する決断なんて出来ないと思うんだけどね
>287
タカさん自重汁

290 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:39:46 ID:sRLnWma+
>>287
ギーシュは即日逆レイプ確定だな

291 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:40:11 ID:NaksvCgp
レガードがゼロ魔のキャラで新GUNGーHOーGUNSを結成する話が浮かんだんだけどどう?

292 :白き使い魔への子守唄 1/5:2007/10/28(日) 22:41:01 ID:7aMton02
徐々に、戻りつつある記憶。
それは自分と、自分ではない誰かの記憶だった。
「ハクオロ様」
トゥスクルという美女が彼の名を呼ぶ。
「ハクオロ」
トゥスクルという老婆が彼の名を呼ぶ。
「ハクオロさん」
エルルゥという少女が彼の名を呼ぶ。
「おと〜さん」
アルルゥという少女が彼の名を呼ぶ。
だから彼は、自分がハクオロなのだろうと思った。
しかし。
「汝はこれより、ラルマニオヌの皇を名乗るがいい」
これは。
「力が欲しいか。ならばくれてやろう、エヴェンクルガのもののふよ」
これは。
「アヴ・カムゥ。これが、汝等に与える力の名だ」
これは。
「ハクオロ……今はそう名乗っているのだったな」
誰だ?

   第12話 禁忌

タルブの村から帰って数日後、事件は起こった。
誰が悪いのか、と言えばみんな悪いとも言えるし悪くないとも言える。
一番悪いのは間かもしれない。
まず、自分の出生の秘密を知ってしまったシエスタは、
正体を他人に知られる事を恐れて普段以上にハクオロの側にいるようになった。
「仮に切断された耳を見られたとしても、最初私に説明したように話せば問題はない。
 聞けばハルケギニアの亜人は先住魔法とやらを使うらしいが、君はそんな力ないだろう?
 それに万が一、正体が知られたとて、マルトーさんや他のみんなが君を迫害するだろうか。
 しない方に、私は自分の首をかけてもいい。みんな君の友人であり仲間であり家族だ。
 それに……だな、オールド・オスマンに話せば力になってくれるだろう。
 詳しい事は話せないが、彼は私や君の母君の故郷と縁あるからな」
と、ハクオロが励ましたおかげでだいぶ元気になるシエスタだが、
不安が励まされた喜びに代わっただけで結局ハクオロに寄り添っていた。
ルイズがちょっと不機嫌になる。
タルブの村で得た知識をキュルケはさっそく手紙にまとめ実家に送った。
すると実家からご褒美とばかりにキュルケに宝石やドレスや香水などが送られてきた。
その値段、実にキュルケのお小遣い一年分を越えるほど。
今まで以上にオシャレして色気を振りまいてハクオロに迫るキュルケ。
ルイズがちょっと不機嫌になる。

293 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:41:31 ID:RZcvrstV
支援

294 :白き使い魔への子守唄 2/5:2007/10/28(日) 22:42:12 ID:7aMton02
そのキュルケが急に顔を見せなくなるや、ハクオロはキュルケを探し始めた。
「タルブの村への足を用意してくれた件で、改めて礼をしようと思ってな。
 だがタバサもキュルケも見当たらない。何か知らないか?」
「私が知る訳ないでしょ!」
ルイズがちょっと不機嫌になる。

そして運命の夜。
厨房の皿洗いを手伝いに行ったハクオロの帰りが遅いのでルイズが様子を見に行ってみたら、
双月の下でハクオロとシエスタが仲睦まじく語り合っていた。
「ハクオロさんと、お母さんの故郷……遠いですね」
「……ここに来て、ある程度の記憶を思い出した私だが……いい記憶ばかりともいえない。
 重税をしいられ、あるいは奴隷として扱われる民もあった。
 種族の違い、領土の拡大、様々な理由で戦乱の絶えぬ世でもあった。
 私も、平和のためと称して戦に身を投じ、多くの命を奪った……そんな記憶すらある」
「……でも、トリステインは平和ですから、大丈夫ですよ。
 ここで、ずーっと平和に暮らしていけたら……いいですよね……」
「……しかし、自分は……」
「……ごめんなさい。ハクオロさんには、待ってる人もいるんですよね」
「おぼろげだが、友と、家族と……。そして子守唄が私の胸を掻き乱す……」
「ハクオロさん……」
何か、いい雰囲気だし。
ルイズはちょっと不機嫌になる。
ちょっとの四乗、すなわちスクウェア不機嫌となったルイズはその発散元を探していた。
ギーシュとモンモランシーが外で月見をしながらワインを飲もうとしていた。
スクウェア不機嫌のルイズは喉の渇きを感じたため、ギーシュのワインを一杯もらう。
モンモランシーが何か慌ててたけど気にしない。
ワインを一気に飲み干したルイズは、軽いめまいを起こしフラついた。
そこに。
「おーい、こんな所で何をしているんだ?」
シエスタと話し終えたハクオロがやって来て、ルイズが振り向いて。
「ルイズ? 顔が赤いぞ、熱でもあ……」
「好き、抱いて」
その場で押し倒される好色犬。こうなった時のハクオロは滅法弱い。
されるがまま、ルイズに服を脱がされていき胸のルーンもあらわになり、
このままでは朝チュンで誤魔化すしかないという勢いにまでなったところで、
モンモランシーが大慌てでルイズを止めてくれた。
さて、ワインを飲んだ途端という事でルイズ変貌の理由の第一候補はワインだ。
ハクオロはギーシュに頼んでワインを調べてもらう。
探知の魔法をかけてみたら、ルイズの飲んだワインから、
つまりギーシュのワイングラスから微量ながら魔法の反応があった。
そして、モンモランシーの懐の中からも。

295 :白き使い魔への子守唄 3/5:2007/10/28(日) 22:43:28 ID:7aMton02
「……惚れ薬よ」
観念したモンモランシーはすぐ白状した。
ギーシュの浮気癖を何とかしたくて作ったというモンモランシーであったが、
なぜかハクオロはギーシュの浮気癖を強く責める事ができなかった。
(失われた記憶が言っている……好色、逆レイプ、早漏、3クリックと……)
ともかく惚れ薬のせいでハクオロを逆レイプしようとするルイズを放ってはおけない。
何とかしようと三人で相談する。モンモランシーが解除薬を作るという流れで解散となった。
そして自室に戻ったルイズとハクオロ。
(ルイズの)貞操の危機再びである。
その時ハクオロの脳裏に稲妻が走った。これだ。
「ルイズ。私の國に伝わるとっておきの子守唄を歌ってやろう。聴いてくれるかい?」
「聴く」
「子守唄なのだから、ちゃんとベッドに入って、静かにして聴いてくれ」
「うん」
こうしてハクオロはルイズのみをベッドに寝かせる事に成功し、
静かに子守唄を歌い始めた。それはとても懐かしい、心の琴線を震わせる唄。

   静かに訪れる 色なき世界
    すべての時を止め 眠りにつく

   悲しみ喜びを 集めて人は
    流れし時の中 安らぎ見る――

最後まで歌い切った頃には、ルイズは静かな寝息を立てていた。
それに安堵しながらも、ハクオロはもう一度、子守唄を口ずさむ。
自然と思い出す事ができたこの唄、とても、大切な唄だった気がする。
大切な誰かが歌ってくれていた、そんな優しい唄。

朝になって、ハクオロはルイズの泣き声で目を覚ました。
どうしたのか訊いてみると、怖い夢を見たらしい。
黒い霧に覆われて、一人ぼっちで、さみしくて、ハクオロの名前を呼んだ。
そうしたら、化物が出てきて自分を追いかけてきたのだと。
「ルイズ、それはただの夢だ。大丈夫、そんな化物ここにはいない」
「……いる。いると思う。どこか深く暗い場所から、私を見つめてる」
「……大丈夫だ。そんな化物がいたとしたら、私が君を守る。絶対に」
こんな状態のルイズを授業に出すと彼女が恥をかきそうなので、
ハクオロは解除薬ができるまで二人でのんびりすごす事にした。
何度か襲われそうになったが「君を大切にしたい」「そういう事は結婚してから」と、
何とか乗り切るハクオロだった。そして日が暮れて、ようやくモンモランシーがやって来た。

296 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:43:36 ID:QbZVY/V+
支援

297 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:44:37 ID:G8qiC/bz
支援

298 :白き使い魔への子守唄 4/5:2007/10/28(日) 22:44:40 ID:7aMton02
「作れない?」
「ええ。材料不足なの。水の精霊の涙が手に入らなくて……。
 ガリアとの国境にあるラドクリアン湖の水の精霊となぜか連絡がつかなくなったそうなの」
材料が無ければどうしようもないとモンモランシーは言った。
「仕方ない。こうなったら……」
「あきらめるのね?」
「水の精霊とやらに直接交渉を試みよう」

翌日、馬を使ってラドクリアン湖に行くハクオロ、ルイズ、モンモランシーと、ギーシュ。
なぜか水位の上がっているラドクリアン湖を不審に思いつつ、
モンモランシーの使い魔、カエルのロビンを使って水の精霊を呼び出す。
モンモランシーはもちろんハクオロさえ交渉がすんなりいくとは思っていない。
なぜ水位が上がっているのか、人に涙を分けなくなったのか、疑問点は多々ある。
それでもハクオロはまず、自分の願いを精霊に告げた。
「水の精霊よ。できるなら、あなたの涙を分けて欲しい」
「……いいだろう」
あっさりと水の精霊の涙を手に入れるハクオロ。これにはみんなビックリだ。
「……いいのか? こんなあっさり」
「構わぬ」
「しかし、人間に涙を分けなくなったと聞いた。なぜ我々にはこうもあっさり……」
「我には、汝がなぜ疑問を持つのかが解らぬ」
「なぜだ。あなたは私が忘れている私の何かを知っているというのか」
ちんぷんかんぷんの物言いに、ハクオロの中で不安がふくれ上がる。
「我は誓約を守らねばならぬ、『うたわれるもの』を口にする事ははばかれる」
「……では、私に関係の無い問いになら答えてくれると受け取って構わないな?」
「うむ」
「道中、ラドクリアン湖の水害を受けた民に出会った。
 できるなら上げた水位を戻して欲しい。できぬなら理由を話して欲しい」
「……よかろう、水は元に戻す。それから汝等になら理由を話しても構うまい。
 だがそこの賊にまで聞かせる話ではない」
賊という言葉にいち早く反応したハクオロはデルフリンガーを抜いた。
「いやー、久し振りだね相棒。全然出番が無くて、空気と一体化してた気分だよ。
 まあ抜かれたからには、俺もやる事やらねーとな。張り切って行こうか」
と、デルフリンガーが喋ってる最中、茂みの中から人影が現れた。
「ちょっとちょっと、賊って言い方はないんじゃない?」
聞き覚えのあるその声はキュルケのもので、
彼女の後に続いて出てきた小柄な人影はタバサのものだった。

299 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:45:33 ID:gBGLOjeX
支援

>>291
ナイブズから離されたら正気を失うと思うが
いやもとから狂気か

300 :白き使い魔への子守唄 5/5:2007/10/28(日) 22:45:47 ID:7aMton02
キュルケとタバサは水の精霊の退治に来て、
先に来ていたハクオロ達の成り行きをこっそり見ていたらしい。
退治に来た事を正直に話していいのかという疑問はすぐに解決される。
ラドクリアン湖の水位が上がったため、タバサの実家の領地に被害が出た。
そのため水の精霊を退治に来たのだが、
水を元に戻してもらえるようなのでもう精霊を退治する理由は無くなったのだ。
事情を聞き終えた水の精霊は、二人にも水を増やした理由を聞かせる事にした。

湖底より盗まれた秘宝、アンドバリの指輪。
死者に偽りの生命を与えるそれを探すため、世界を水で満たそうとした。
手がかりは、賊のうちの一人の名がクロムウェルというのみ。

水位を元に戻してはアンドバリの指輪を探せなくなってしまうが、
なぜかハクオロの言葉には従うつもりらしい。
さすがにそれでは悪いと、ハクオロはアンドバリの指輪を探す協力を申し出た。
水の精霊は指輪の件をすべてハクオロ達に任せ、精霊の涙を分け与えると湖底へ消えた。

お目当ての涙を手に入れたモンモランシーはさっそく解除薬を調合しルイズを元に戻す。
ルイズはハクオロに迫った自分を恥じ、悶絶する。

目的を果たした一行は近場に宿がないか探そうとしたが、
タバサ曰くこの周辺に宿泊施設は無いらしい。
どうしようかと悩んでいると、タバサはルイズ達を自分の家に泊めてもいいと言い出した。
小声でキュルケが「いいの?」と訊ねたが、タバサは無言で肯定を示す。
家に泊めると、タバサの秘密を明かす事になってしまうが、
自分の代わりにラドクリアン湖の件を解決してくれたハクオロ達への感謝の気持ちがあった。
ただ、親友のキュルケ以外に『母』の秘密を知られないようにしようとタバサは考える。
屋敷の門に刻まれた王家の紋章も、この闇夜の中では見えないだろうし、
明日屋敷を出る時には馬車を用意させて、
門を出る時に紋章を見られないよう注意すればいい。
それだけの事。

301 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:46:16 ID:QbZVY/V+
支援

302 :子守唄:2007/10/28(日) 22:46:54 ID:7aMton02
投下終了。次回はタバサのお家にお泊りです。


NGシーン1
こうしてハクオロはルイズのみをベッドに寝かせる事に成功し、
静かに子守唄を歌い始めた。それはとても懐かしい、心の琴線を震わせる唄。

「箱根の皆さーん! うたわれるものですよ〜!」
 うったわ〜れる〜もの〜 俺達うったわ〜れる〜もの〜♪
  ヘヘイヘ〜イ ランラランラ〜ン♪
   ウォウウォウウォウウォウ イェイイェイイェイイェ〜イ♪

「……あれ? 何か違うな……」
「こんな威勢のいい子守唄なんて初めて! 黒小山、素敵!」
「いや、自分は黒小山では……はっ!?
 いつの間にか私の下着が勝負パンツの赤ビキニになっている!
 しかもベッドの横の棚には勝負ドリンク、マカビンビンがぁぁぁっ!!」
「ハクオロ……好き! えいっ」
「ちょ、ルイズさん? こ、これは、いかんですよ、このパターンは……」
「ハクオロ……んっ……」
「アッー!」

   真・白き使い魔への子守唄(X指定ver) 完


NGシーン2
「我は誓約を守らねばならぬ、『うたわれるもの』を口にする事ははばかれる」
「口にする事もはばかれる? 具体的にどの辺が?」
「浪川」

   はぶられるもの 完

303 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:47:32 ID:StOwdope
すまんが合わないと思う。ゼロ魔キャラとガンホーに求められる精神性に共通項皆無だろ支援

304 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:48:14 ID:AUI+c+FB
5クリック自重乙w

305 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:48:15 ID:Z94kjpd7
ちょ、NG浪川かよ。
乙です。

306 :お山の大将:2007/10/28(日) 22:51:59 ID:zyfFts7l
爆発の煙がおさまったとき、そこにいたのは山のようにたくましい体格の
「猿!?」
類人猿だった。

「サルだ、ルイズがオサルさんを召喚したぞ!」
「さすがはゼロのルイズ、使い魔のおつむもサル並みか」
カエルとかモグラとか召喚してる連中が好き勝手にはやし立てる。
「でもデカクね?」
そうかなり、大きい。
外野のヤジが聞こえぬ様子でコントラクト・サーヴァントのために近づいたルイズだが、その頭は巨大猿の膝上にしか届かない。
「ちょっと、アタマを下げなさい!」
叫ぶ方にちょいと目をやるが、すぐに興味をなくし周囲を見渡す。

ぎらり、と目が光る。

足もとのルイズを無視して走り出す巨大猿。
「え?」
目的は赤毛のぼん、きゅっ、ぼんっ。
「な、なに!?」
炎を吹きかける火トカゲをジャンプして軽々と飛び越えると、グラマラスな美女、キュルケを小脇に抱えて走り去る。
「あーれぇーっ」
悲鳴はドップラー効果つきだった。

キュルケを抱えた猿は宝物庫の壁にへばりつき、するすると登って屋根の上。雄たけびなんかあげたりして。
フライで近寄ろうとするとレンガを引っぺがして投げつけてくるし、長距離での攻撃はキュルケを人質に取られてる以上難しい。
杖を落としたキュルケには反抗手段などありはしない。
つーか、そもそも奴は何をどうしたいのだ?
猿だけに犯行目的がまったくわからず、オールドオスマンを座長とした対策本部は頭を抱えて黙り込む。

「わたしが行きます!」
そう、ルイズはまだコントラクト・サーヴァントを終えていない。このままだと落第間違いなし、迷う余地はないのだ。
「塔の天井には窓が見えます、つまり内部から階段を上がって近寄れるはずです」
宝物庫の鍵を預かり、ルイズは巨大猿のもとへと立ち向かう。
しかし敵も猿もの。
ごろん、ごろん。
「あれって、タル!?」
何処にそんなモノがあったのかさっぱりだが、螺旋階段の上から転がり落ちてくるタル、またタル。
「なにくそっ」
ぴょーん、ぴょーん。
魔法は使えずとも、ルイズには乗馬で鍛えた身体能力がある。
変な効果音は気にするな。

がんばれ、僕らのルイズ。
たとえ負けても投入するコインは100枚ある。
けっしてくじけるな、お姫様だっこなキュルケを取り戻せ!
「ああん、この逞しい胸板。ピュアな眼差し。こーゆーのもなんかいーかも…」

あー、その、なんだ。
がんばれ、僕らのルイーズ。使い魔候補のクチビルを取り戻せ!


>>231を見て書きなぐった。反省はしていない。

307 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:53:25 ID:RcoOt24I
ナイヴズ様がレガートの全てだから自殺すると思う

308 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:54:28 ID:mGLf50kM
>>289
『百人殺すのは大悪人だが百万人殺したら英雄』だったっけ?

夜天のルイズは一番初めにリィンとシンクロして誰もが憧れる英雄になる夢を見てたしなぁ…
夜天のルイズは、英雄になる為なら敵兵数千名程度サクッと殺す事になんの痛みも感じない
メンタリティの持ち主なのかもしれん。

309 :ゼロウシャナ日記:2007/10/28(日) 22:54:53 ID:6of3hKRl
23:10頃で小ネタの続きを投下したいのですがよろしいですか?

310 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:56:41 ID:jUElX59X
T-ウイルス召喚


はもうあったか支援

311 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 22:58:51 ID:uVz4X3PA
ビーファイター無印のカミキリ虫のやつ召喚とか。
死人だから呼びやすいと思って。

312 :虚無の王:2007/10/28(日) 22:59:53 ID:ZWFJ1zJZ
ではアッシは「ゼロウシャナ日記」さんの次に、
投下させていただきてぇと思いやす。
へい。

313 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 23:00:18 ID:G8qiC/bz
>>289
そういう考え方自体が現代日本的だといっている。
メイジがいて、ルイズママのように当代最強が女性ということもある世界なら、
必ずしもそうなるとは思えないんだが―――
まぁ、原作を見る限りそういう文化のようだから仕方がないし、そろそろ脱線しすぎだからこれで終わりにするが、
文化が違うということは常識が違うということだということはわかってほしい。

そういえば、ハルケギニアにおける倫理観の根底ってなんだろう?
やっぱり欧米風に宗教? それとも、日本風に「村意識」?

314 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 23:00:44 ID:26HgV72k
>>308
流石にそういうのは毒吐きで言った方がいいと思うのだが

315 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 23:02:41 ID:L4nk0RLZ
子守唄の人GJでした、そして早漏皇自重しろw

>>244
サイバスターはタバサっぽいなw
ギーシュがザムジード召喚してあの3匹を猫かわいがり
あれ?違和感が無い。

>>312
支援します

316 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 23:04:59 ID:Geg6abRw
>>311
ブラックビートのことか……ブラックビートのことかーッ!!!
当時子供向けのテレビ番組雑誌で連載してた漫画が面白かったな
ブラックビートと聞くと普通に漫画版のほうを思い出す

317 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 23:05:15 ID:L4nk0RLZ
ごめん見逃した…
>>309さんも支援します

318 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 23:05:32 ID:StOwdope
>>307

契約交わしても、ルイズへ何らかの友愛感情持つ可能性は限り無くゼロかと。
仮にそんな気持ちがある事を自覚したら、その全てをナイブズへの忠義への
揺らぎを生じさせた怨敵とでも見なして、襲い掛かってきそうな気も。

「使い魔」とか「ダメ犬」とかの発言をウッカリ言ってしまい、鬱陶しいと
判断されて虐殺されてしまうとか、そんな危険度一杯の光景しか思い浮かばなかったり。




319 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 23:10:34 ID:RcoOt24I
>308
ちょww殺しすぎwww
何パターンかあるらしいけど百万は初めてみたぜ
>313
平和ボケした日本人的な考えってのは自覚してる
やっぱ殺し殺され当たり前ファンタジーなのかねぇ

320 :ゼロウシャナ日記:2007/10/28(日) 23:10:33 ID:6of3hKRl
では投下しますね〜


5月15日


今朝、ヴィロウシャナと出発しようとしたらキュルケとタバサとギーシュが待っていた。どういうことよ? 
詳しく聞くと、私が寝た後に部屋に来てアンリエッタ様から今回の任務を聞いたうえで同行の許可を頂いたとの事。
キュルケは、この前のフーケ討伐の時は気絶したままだったから今回は何が何でもついて行くと息巻いてるし、タバサは淡々と「心配」とだけ言って本読んでるし、
ギーシュは(ヴィロウシャナと似たような服装で頭ツルツルなのは気にしないでおこう)胡坐かいて瞑想してるし… このメンバーで大丈夫かしら?
瞑想していたギーシュがとつぜん立ち上がって、ぜひ連れて行きたいと使い魔のジャイアントモール呼び出したんだけど私に襲い掛かってきた。
昨日アンリエッタ様から貰った水のルビーを指にはめてたからそれにつられたんだって。まぁ、ヴィロウシャナがすぐに吹っ飛ばしてくれたんで助かったけどね。
とりあえず、タバサのシルフィードに全員乗ってラ・ロシェールに出発したわ。キュルケは使い魔連れて行かないのかしら?
目的地に着くまでの間、ヴィロウシャナに皆色々質問していた。そこで色々な事がわかったんだけど… 
別の世界では神様だった(はいはい、ワロスワロス)とかここに来る前の世界では敵になったり味方になったりしていた(誰のだよw)とか言ってるし。て言うか、他の皆は何故に納得してるのかしら?
そんなこんなで、ラ・ロシェールに到着して宿に泊まる事にしたのね。さすがにアルビオンまで無休憩で飛ぶのはシルフィードでも厳しいから明日朝出発って事。まぁ、しょうがないわね。
夕食が終わる頃に吃驚する事が起きた。なんとワルド様が宿に現れたの。なんでも姫様から警護を仰せつかったんだって。

あれ?魔法衛士隊の隊長が来るなら今回の任務は私で無くてもいいんじゃない? と思ったが気のせいにしておこう。

最初はワルド様が来てくれて嬉しかったんだけど… 
やたら触ってくるし二人っきりになった時に私が欲しい的な事言うし、しまいには部屋割で婚約者だからと私と同部屋にと言ったりしたので正直最後の方はドン引きしてしまった。
ワルド様はロリ○ンなんですね〜。


寝る前に、タバサに注意するように言っておいた。キュルケも協力してくれるらしい。




321 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 23:11:04 ID:EaB4ibnX
>>313
ルイズママは騎士時代に女性だということを隠してたんだが。

322 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 23:11:14 ID:ZWFJ1zJZ
支援

323 :ゼロウシャナ日記:2007/10/28(日) 23:11:57 ID:6of3hKRl

5月16日

ワルド使えねぇ… 
ワルドが朝食の時こんな事言い出した。

・ 僕はグリフォンに乗ってきたがアルビオンまで飛ぶのが無理なので船で行こう
・ 船は明日でないと出ないのでもう一泊ここに泊まろう
・ ヴィロウシャナの実力が知りたいので手合わせしたい
・ 今日はルイズと同部屋にしてもらいたい

コイツは一体何なんだ… 上の二つはイミフだし一番下は欲望ですか。もうワルドの前ではタバサがキュルケに隠れて出てこなくなったわ。
あまりに腹が立ったので三番目だけはかなえてあげたわよ。ヴィロウシャナは気絶に留めてくれたけけど全員舌打ちしてたわ。
夕食まで宿でダラダラしてたらワルドが起きてきた。
「さすが魔法衛士隊の隊長、体力と回復力は素晴らしいですわね。」
と皮肉でも言おうかと思ったら突然宿に傭兵が襲撃してきたのね。
テーブルを盾にしてワルドが皆に「こういう任務の場合は…」とか戦術論を展開しようとしていたのでヴィロウシャナがもう片付けた事を教えてあげたわ。
「お、追手が来るかもしれないのでこの宿からは離れて桟橋まで行こう」
帽子から矢を抜きながらそう言うワルドに、皆で舌打ちしてたわね。
桟橋までシルフィードとヴィロウシャナとグリフォンにそれぞれ乗って行ったんだけど、船は明日じゃないと出ないんじゃないの?
とか考えていたら風石が足りない分は僕の魔力で補うとワルドが一言。
あれ?それなら今朝出発できたんじゃないの?
正直、コイツは思いつきで行動してるんじゃないのかと疑いたくなる。


途中で盗賊に扮したウェールズ殿下と配下の兵と合流できて良かったわ。危うくヴィロウシャナが全滅させるところだったけど。




324 :ゼロウシャナ日記:2007/10/28(日) 23:13:47 ID:6of3hKRl

5月19日

とりあえず何から書こうかしら。そうね、順を追って書きましょう。
アルビオンの城の殿下の部屋でアンリエッタ様の手紙を殿下に渡した後、色々お話をさせて頂いたんだけど戦況は最悪、明日には玉砕を覚悟されていた様子だったのね。
それなのに殿下は笑って今夜は盛大なパーティーを開くから是非参加して欲しいとおっしゃられて… 
殿下から手紙を受け取って何ともいえない悲しい気持ちになって部屋を出たんだけどワルドが突然結婚しようと言い出した。もうね、バカかと。アホかと。小一時間説教する代わりに股間蹴り上げて皆のところへ行ったわ。
皆と話をしていたらヴィロウシャナが何とかしましょうと言い出したのね。そうか、前の世界でも戦っていたみたいだからいい戦術でもあるのかな〜とか期待していたら自分が5万の軍勢を何とかしましょうとの事らしい。
私はがっかりしてたんだけど他の皆は素晴らしい名案だとか言ってるし。
夜の晩餐会に出席したら殿下が突然ワルドと私の結婚式を始めるとか言い出したのね。どうやらワルドが殿下にあらぬ事を吹き込んだのが原因らしい、どうりで借りたドレスが純白で結婚式用なわけだ。
思いっきり断ったらワルドが突然暴れだして殿下まで襲って… こういうタイプは怖いわね。
とりあえずヴィロウシャナにコテンパンにしてもらったんだけどグリフォンに乗ってどっか逃げちゃった。こんなのが魔法衛士隊の隊長だとは… 
殿下が殺されて動揺していた家臣達だったんだけど、ヴィロウシャナが見事に生き返らせてくれたのね。全員が驚いてるその流れで戦況打開策をヴィロウシャナが話し始めたのでとりあえず食事だけ持って部屋に戻ったわ。

それからギーシュのジャイアントモールで城内から離れた場所まで穴を掘ってもらってそこからシルフィードに乗ってアルビオンを脱出して… 何度も休みながらトリステインまで戻ってアンリエッタ様報告して。
バタバタして疲れて寝て今に至るんだけど。ヴィロウシャナはアルビオンで殿下をはじめ皆様に迷惑かけてないかしら?それだけが心配だわ…


書き終わって振り返ったらヴィロウシャナがフワフワ浮いていた。本人は上手くいったと言っているんだけど、殿下を始め全員が頭ツルツルの姿がなぜか頭に浮かんだわ。気にしない事にしよう…



325 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 23:15:13 ID:ZWFJ1zJZ
紫煙

326 :ゼロウシャナ日記:2007/10/28(日) 23:15:49 ID:6of3hKRl

5月27日

ヴィロウシャナ〜
好き好きだ〜〜〜い好き〜〜〜!!


327 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 23:16:11 ID:AUI+c+FB
ワルドが頭のかわいそうな人扱いっすかw

328 :ゼロウシャナ日記:2007/10/28(日) 23:16:54 ID:6of3hKRl
以上で投下終了です
ご支援ありがとうございました

329 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 23:17:27 ID:cICTwTUN
ちょっ?!
8日間の間になにあったルイズ?!

330 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 23:17:52 ID:79KzTobl
うわあああルイズまでー!?

331 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 23:19:19 ID:AUI+c+FB
一体何がw

332 :虚無の王:2007/10/28(日) 23:19:30 ID:ZWFJ1zJZ
乙ス!

5分程したらイキマス

333 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 23:20:27 ID:L4nk0RLZ
しまった、読みふけってたら支援忘れた…orz

334 :虚無の王 Trick12 1/17:2007/10/28(日) 23:24:53 ID:ZWFJ1zJZ
 タバサは図書館の常連だ。
 “ヌシ”と言っても良い。
 30mの高さを誇り、レビテーションの使用を強要する本棚。
 大抵の女生徒は、足下に陣取ろうとする男子生徒との争いに疲れ果て、やがて使用を断念する。
 女子生徒の姿が無くなると、男子生徒の姿も見られなくなる。一部、真面目な男子も、有らぬ疑いをかけられては叶わじと、近寄らない。
 だから、図書館は半ば、青髪の少女の独占物だ。
 いや、独占物だった、と言うべきか――――
 図書館に入ると、タバサは真っ先にいつもの閲覧席へ向かう。鞄で席を確保すると、今日読む本を纏めて調達する。
 読書を始める前に、辺りを見回す。
 良し。空の姿は無い。タバサは安心して本を開く。
 何故だろう。
 あの異世界人は、図書館に自分を見付ける度に、ちょっかいを出して来る。もう、読み書きは完璧であるにも拘わらず、だ。
 と、出入り口の扉が開いた。
 入って来たのは、車椅子では無かった。タバサは無表情に杖を取る。松葉杖の音が近付いて来る。

「よっ、チビっ子」

 空は馴れ馴れしく話かけて来る。呼称もさり気なく格下げしている。一瞬、杖を握る手に力が篭もる。
 タバサは無視する事にした。場所を慮った訳では無い。
 一度、あまりにしつこいのて、ウィンド・ブレイクで吹き飛ばそうとした事が有る。
 空が掌を翳すと、不可視の一撃はあっさり逸れて、たまたま通りすがったコルベールを直撃したのだ。
 そう言えば、あの技術は未だ教わっていない。いつ、約束を守ってくれるのだろう。

「ワイな、これからコッパゲの案内でフェニアのライブラリーを覗いて来るんや」

 無視無視。
 そのつもりだった。空の言葉に、決意が崩れた。貝殻の樣な耳たぶが、ぴくりと動く。
 フェニアのライブラリー。教師だけが入室を許される区画だ。当然、タバサも入った事が無い。

「珍しい本がぎょうさん有るやろなあ。へへー。羨ましいかい?」
「別に」
「いいやろーっ」
「別に」
「なんや。素直やないなあ」
「別に」

 どうやら、自慢する為に話しかけて来たらしい。タバサは相も変わらず、抑揚の無い声で答える。
 出入りしたい場所ではあるが、羨やむ気持ちが無いのも確かだった。他人は他人。自分には関係無い。
 と、空が横から覗き込んで来た。

「何?」
「んー、お前のそう言う所、少し心配やわ」

 お節介な口調に、お節介な言い種だった。タバサは今度こそ無視する事に決めた。

「お前、この学校が、本来の居場所やない、思うとるやろ。そう言う面しとるわ」
「……」
「どんな目標有るんか知らへんけどな。一人で出来る事なんて、高が知れとるで」
「……」
「どうせ、自分だけの問題、とでも考えとるんやろ」
「貴方には関係無い」
「阿呆」

 空が軽く小突いた。

「関係有るも無いも、損か得かも、ええ事か悪い事かかて、どうでもええ。一生懸命な奴見たら、誰だって応援したくなるし、手助けだってしたくなる物や。でっかい目標有るなら、仲間作らんでどうする」

 タバサは本に向き直る。
 仲間は要らない。空の言う通り、手助けしてくれる人間は居るかも知れないが、そんな人間を、巻き込みたくはない。


335 :虚無の王 Trick12 2/17:2007/10/28(日) 23:26:15 ID:ZWFJ1zJZ
「ま、お前には世話んなったさかい。なんか有ったら、言いや。なんぼでも手貸したる」

 空は立ち去る。
 タバサは本を閉じて考える。
 誰も危険な事には巻き込みたくない。だが、危険を伴わない範囲なら?
 学院の教師には頼み難い事も、ハルケギニアの貴族社会に疎い空が相手なら、大丈夫なのでは?

「……待って」

 小さな決心を固めると、空を呼び止めた。


   * * *


「諸ぉ君っ、最強の系統は知っているかね――――?」

 授業中。
 教壇ではミスタ・ギトーが熱弁を振るっている。生徒達は半ばうんざりとした顔で、聞き流す。
 ギーシュは一人、考え込んでいる。
 車椅子を練金したのは、大きなヒントになった。早速、ワルキューレの改良を思案する。
 だが、ギーシュは機械に疎い。練金した車椅子も、辛うじて使用に耐える、と言う程度に過ぎなかった。
 そこで、シエスタに相談する。
 平民に決闘で勝つ為、平民に相談する。一月前には、想像もつかなかった出来事だ。
 全く、人生は驚きに満ちている。

「それは“風”だ!私は、とある人物との出会いにより、一っ層、その確信を深めた!」

 相談と言っても、軽い気持ちだった。
 “飛翔の靴”同様、車輪を使う物だから、ちょっとしたアトバイスが欲しい――――その程度のつもりでいた。
 シエスタはそう受け取らなかった。
 目の前で車椅子に乗ったワルキューレを練金して見せた時こそ、大げさに驚いて見せたが、気を取り直すや、各所の分解を要求。
 微に入り、細を穿ち分析、欠点を指摘し、改変を提案する。
 二人のミーティングは毎日の様に続いた。数日して、高速型ワルキューレは車椅子に乗ったゴーレムから、精緻な魔法機械へと化けた。
 自分は空を倒そうとしている。シエスタと同じ平民を、だ。
 なのに、何故、彼女はあそこまで自分に協力してくれるのだろう?
 それは判らない。
 だが、一つだけ判る事が有る。
 シエスタはいい娘だ――――

「では、風の系統が最強たる所以を証明しよう。ミス・マンシーニ、それにミス・モンタレー、ミス・ベルヌアン、ミス・ブリエンヌもだ。前に出給え」

 ワルキューレは遠隔操作が出来ない。コントロール出来るのは、目に見える範囲だ。
 その為、高速型には、ギーシュが搭乗出来る様、踏み台を用意した。
 試験走行。ワルキューレの力に、レビテーションをプラス。
 高速型は恐るべき速さを見せた。本当に恐ろしかった。命の危険を覚えた。
 シエスタは自分の助言が招いた結果を目の当たりにして、真っ青になった。
 本気で自分の身を案じてくれた。決闘など止めて欲しい、と。
 本当にいい娘だ――――

「見たかね、諸君っ!これこそ、風が最強たる――――ぎにゃあぁあっっ!」

 恐ろしい悲鳴が、ギーシュの思考の断ち切った。
 なんだ、なんだ、何が有った?
 ミスタ・ギトーが燃えている。文字通りに燃えている。
 男子生徒が必死になって鎮火している。
 何があった?


336 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 23:26:31 ID:L4nk0RLZ
支援

337 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 23:28:11 ID:iOWXVlBE
疑いをかけられても構わない
むしろ望むところだ支援

338 :虚無の王 Trick12 3/17:2007/10/28(日) 23:28:03 ID:ZWFJ1zJZ
「君は見ていなかったのか!?」

 言ったのは、隣席のレイナールだった。
 空に敗れた後も、変わらぬ態度で接してくれる、数少ない一人だ。
 物事が巧く行かない時こそ、本当の友人が誰か判る。

「何が有ったんだ?」
「ミスタ・ギトーが“風”こそ最強である事を証明されたのだ!」
「何だって?君は本気で言っているのか?」
「本気だとも!悔しいが、火の系統であれは出来ない!本当に、君は見ていなかったのか!?」

 教壇が燃えている。なかなか鎮火しない。女子生徒が妨害所か、延焼を目論む為だ。
 そして、教壇の隅、スカートを抑えて頬を染める、清楚可憐なミス・ブリエンヌを発見した時、ギーシュはミスタ・ギトーが如何にして、最強の系統を明かにしたのかを理解した。

「畜生〈ブリミル〉!」

 ギーシュは生まれて初めて、始祖を呪う言葉を叫んでいた。
 教師に聞かれたら、鞭打ちでは済まされないが、当のギトーはそれ所では無かった。

「見逃した!完全に見逃した!何と言う事だ!」

 教壇の騒乱は何とか収まりつつあった。
 女子生徒達が僅かばかりの慈悲と自制心とを働かせたのは間違いない。
 どうして、あんなのが教師になったのかしら、全く!――――どこかから悪態が聞こえた。

「それは実に興味深い」

 耳聡く聞きつけたレイナールが言った。復活したギトーに、早速質問する。

「ミスタ・ギトーはどの様な理由で、教職を志されたのですか?」
「うむ。いい質問だ。実に本質的かつ、核心をついた質問だな、ミスタ・レイナール」

 アフロのキトーは、大げさに頷いて見せた。

「時に、君は最強の“属性”はなんだと思う?」
「最強の……“属性”?……ですかっ?……??」
「うむ。これは永遠の命題だ。無理に答えを出そうとしても、不幸な、哀しむべき争いの元になるだけだろう。だが、諸君は幸福だ!何故なら、我が学院に国中の貴族令嬢が集まる以上、殆ど全てを網羅出来るのだから!」
「で、でも、ミスタ・ギトー。例えば、妹系は……」
「馬鹿者!ミスタ・レイナール!君は何の為、二年生になったのだ!」

 この時、レイナールの体に、雷の様な衝撃が走った。

「それは、一年生女子にセンパイと呼んで貰う為ではなかったのか!?先輩では無い!セ・ン・パ・イ、だっ!そして、ああ!諸君は何と幸福なのだっ!畜生!死ね!諸君には後輩と先輩とが、同時に存在するのだっ!」
「ミ、ミスタ・ギトーっ!!」
「だが、良いか!よく覚えておくがいいっ!二年生でいられるのは、たった一年!たった一年しか無いのだっ!いいか!悔いの無い一年を過ごすのだっ!決して第二の私になるなっ!」

 その言葉に、男子生徒達は一斉に立ち上がった。目からはらはらと涙が零れ落ちる。

「ミスタッ!」
「ミスタ・ギトーっ!」
「僕達、ミスタを誤解していましたっ!」
「な、なのにミスタは、そんなにも僕らの事を考えていてくれたなんてっ!――――」
「ご、誤解するんじゃないっ!諸君はさっさと消えろ!退学しろ!死ね!そうすれば、代わりに可愛い貴族令嬢が入学して来るかも知れんからなっ!」
「ミスタっ!!」

 男子生徒は教壇に殺到する。胴上げが始まった。


339 :虚無の王 Trick12 3/17:2007/10/28(日) 23:28:13 ID:ZWFJ1zJZ
「君は見ていなかったのか!?」

 言ったのは、隣席のレイナールだった。
 空に敗れた後も、変わらぬ態度で接してくれる、数少ない一人だ。
 物事が巧く行かない時こそ、本当の友人が誰か判る。

「何が有ったんだ?」
「ミスタ・ギトーが“風”こそ最強である事を証明されたのだ!」
「何だって?君は本気で言っているのか?」
「本気だとも!悔しいが、火の系統であれは出来ない!本当に、君は見ていなかったのか!?」

 教壇が燃えている。なかなか鎮火しない。女子生徒が妨害所か、延焼を目論む為だ。
 そして、教壇の隅、スカートを抑えて頬を染める、清楚可憐なミス・ブリエンヌを発見した時、ギーシュはミスタ・ギトーが如何にして、最強の系統を明かにしたのかを理解した。

「畜生〈ブリミル〉!」

 ギーシュは生まれて初めて、始祖を呪う言葉を叫んでいた。
 教師に聞かれたら、鞭打ちでは済まされないが、当のギトーはそれ所では無かった。

「見逃した!完全に見逃した!何と言う事だ!」

 教壇の騒乱は何とか収まりつつあった。
 女子生徒達が僅かばかりの慈悲と自制心とを働かせたのは間違いない。
 どうして、あんなのが教師になったのかしら、全く!――――どこかから悪態が聞こえた。

「それは実に興味深い」

 耳聡く聞きつけたレイナールが言った。復活したギトーに、早速質問する。

「ミスタ・ギトーはどの様な理由で、教職を志されたのですか?」
「うむ。いい質問だ。実に本質的かつ、核心をついた質問だな、ミスタ・レイナール」

 アフロのキトーは、大げさに頷いて見せた。

「時に、君は最強の“属性”はなんだと思う?」
「最強の……“属性”?……ですかっ?……??」
「うむ。これは永遠の命題だ。無理に答えを出そうとしても、不幸な、哀しむべき争いの元になるだけだろう。だが、諸君は幸福だ!何故なら、我が学院に国中の貴族令嬢が集まる以上、殆ど全てを網羅出来るのだから!」
「で、でも、ミスタ・ギトー。例えば、妹系は……」
「馬鹿者!ミスタ・レイナール!君は何の為、二年生になったのだ!」

 この時、レイナールの体に、雷の様な衝撃が走った。

「それは、一年生女子にセンパイと呼んで貰う為ではなかったのか!?先輩では無い!セ・ン・パ・イ、だっ!そして、ああ!諸君は何と幸福なのだっ!畜生!死ね!諸君には後輩と先輩とが、同時に存在するのだっ!」
「ミ、ミスタ・ギトーっ!!」
「だが、良いか!よく覚えておくがいいっ!二年生でいられるのは、たった一年!たった一年しか無いのだっ!いいか!悔いの無い一年を過ごすのだっ!決して第二の私になるなっ!」

 その言葉に、男子生徒達は一斉に立ち上がった。目からはらはらと涙が零れ落ちる。

「ミスタッ!」
「ミスタ・ギトーっ!」
「僕達、ミスタを誤解していましたっ!」
「な、なのにミスタは、そんなにも僕らの事を考えていてくれたなんてっ!――――」
「ご、誤解するんじゃないっ!諸君はさっさと消えろ!退学しろ!死ね!そうすれば、代わりに可愛い貴族令嬢が入学して来るかも知れんからなっ!」
「ミスタっ!!」

 男子生徒は教壇に殺到する。胴上げが始まった。


340 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 23:28:17 ID:bxA9vIOC
高速型支援

341 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 23:29:35 ID:6of3hKRl
寝る前支援

342 :虚無の王 Trick12 4/17:2007/10/28(日) 23:30:07 ID:ZWFJ1zJZ
「良いか、諸君っ!人と言う字は前屈みだっ!」
「ミスタっ!」

 その光景に、女子生徒達は黙って教室を後にした。揃って杖を取る。
 この日、教室の一つが、中身ごと全焼した。


   * * *


 放課後――――
 空とルイズは何時もの様に、特訓に励んでいた。
 スペルと爆発の関連については、ほぼ調査を終了。杖の構え方による変化も、概ね掴んだ。
 当面、目標物を確実に捉える訓練を行いながら、同時に、杖の形状が爆発に与える影響も調べる事にする。
 とは言え、杖はコロコロ気軽に変えられる物では無いので、外装品で変化を付ける。
 何時も通りの光景。
 だが、最近は少しばかり変化が生じている。

「こいつは、おでれーた」

 まずはインテリジェンスソード、デルフリンガーの存在だ。
 鞘に収められると喋れないので、抜き身のまま、空が乗る車椅子の後に括られている。

「いいじゃない。しゃべらない方が」
「せやかて、喋らんデル公はただのクズ鉄やで」
「ひでえっ!」

 クズ鉄、と空が断言するのには根拠が有る。
 砥いでも砥いでも錆が落ちない。それ所か、途中、痛い痛いと喚き散らす。握りを交換しようにも分解出来ない。
 結局、デルフリンガーは今も錆びたポロ剣のままだ。

「本当、ダメな剣よねー」
「けっ。魔法一つ満足に使えねえ小娘が何言ってやがるっ。それで貴族?おでれーたっ。笑わせんなっ!」
「空、その剣貸して。的にするわ」
「冗談じゃねーっ!」
「好きにせい」
「あ、相棒!俺を見捨てんのか!?」
「砥いでも駄目、て事は削れてへんからやろ。お前の頑丈な所、見せてみい」
「相棒ーっ!」

 地面に突き立てられたデルフリンガー目がけて、ルイズは爆発を連発する。同じ数だけ悲鳴が上がる。
 空は満足そうに眺めている。
 魔法の狙いは正確さを増して来ているし、口汚いインテリジェンスソードは無傷だった。

「キュルケ。参加し」
「ふふ。全てを焼き尽くす情熱の炎。とくと御覧になって」

 二つ目の変化。
 二人の特訓を嗅ぎ付けたキュルケが、見学と称して顔を見せる事だ。
 彼女の動き一つで、ルイズの爆発は威力を増し、相対的に精度は下がる。
 これも、今後研究した方が良いかも知れない。
 キュルケが火炎の魔法を放り込む。ルイズがムキになって対抗する。デルフリンガーの悲鳴は爆音に紛れて聞こえない。
 剣が倒れた。
 無傷を確認して、空は立て直す。


343 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 23:30:20 ID:AUI+c+FB
お前ら授業しろ支援w

344 :虚無の王 Trick12 5/17:2007/10/28(日) 23:31:14 ID:ZWFJ1zJZ
「チビッ子。お前もやったれ」

 三つ目の変化。
 今日はタバサも居た。軽やかに着地すると杖を振るう。風と氷の魔法が哀れなインテリジェンスソードを直撃する。
 それでも無傷だ。
 いや、寧ろ魔法を幾分、吸収しているかの様にすら映る。

「お前、盾に生まれた方が良かったんと違うか?」
「うるせーっ!俺の勝手だっ!」

 デルフは震えながら悪態を吐く。
 タバサは元の場所に戻って、本を開いた。

「あ、そうそうチビッ子。例の薬やけどな」
「何?」
「ワイ、例のライブラリー、自由に出入り出来る事なったさかい、調べてやれると思う」
「そう。お願い」
「せやけど、端から端まで調べとったら、キリ無いわ。もう少し、条件絞ってくれんか?」
「判った」

 と、小声で囁き合う二人を、ルイズが見咎めた。

「誰よ、その子?」
「誰、て。私の友達だけど」

 答えたのはキュルケだ。

「なんでアンタの友達が、ここに居るのよ」
「いいじゃない、別に」
「よくないわよっ。なんで、そ、そんな所で本読んでるの?」
「定位置」

 タバサは短く答えた。

「て、定位置?ててて、定位置、てっ――――それに薬、て何?人の使い魔を変な事に巻き込んでないでしょうね?」
「あー、心配要らへん。大した物や無い」

 薬の件が聞かれた事を、空は大して気に止めていない。
 最も肝心な部分が知られなければ大丈夫。そう言うタイプなのだろう。
 タバサは今後の、情報公開の判断材料として記憶する。

「チビっ子はまあ、ルイズと同じ様な悩み持っとる。それでな」

 空は適当な事を言った。
 その内容が、引っ掛かった。
 同じ?聞き捨てならない一言だ。

「違う。同じじゃない」

 タバサはきっぱりと否定した。

「私は“ゼロ”じゃない」
「!……何が言いたいのかしら?」

 ルイズはタバサを睨み据える。
 訓練の成果がそこそこ出ている御陰で、以前より態度に余裕が有るが、それでも腸が煮えくり返っている事には変わりが無い。


345 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 23:31:43 ID:L4nk0RLZ
支援

346 :虚無の王 Trick12 6/17:2007/10/28(日) 23:32:24 ID:ZWFJ1zJZ
「……そりゃ、あんたは魔法得意だけど――――」

 キュルケは怪訝な顔した。タバサがこうした言い方をするのは、あまりに意外だ。

「違う」

 と、タバサは再び否定した。

「魔法じゃない」

 この時、キュルケは咄嗟に友人の元へと駆け寄った。

「私は生え――――」

 慌てて、その口を塞ぐ。

「ほ、……ほほ……何、言い出すのかしら、この子は」

 全く。本当に何を言い出すのだろう。
 ひきつった笑みを浮かべながらも、タバサを解放。

「ちょろ――――」

 即座に黙らせる。

「“ゼロ”じゃない」

 ルイズの表情が、大魔神の鮮やかさと迫力で変わる。
 キュルケの御陰で半ば聞き取れなかったが、それでもタバサが何を言わんとしたかは明白だ。
 タバサはどんな表情も浮かべていない。それがルイズには、勝ち誇っているかの様に見えた。
 魔法ならいい。努力次第だ。実力も証明出来る。
 だが――――
 ルイズの顔が真っ青になり、続いて真っ赤になる。こめかみが痙攣する。

「決闘よー――――っ!」

 そして、ルイズはキレた。


   * * *


 ギーシュが三度、空に決闘を挑むに当たり、最も頭を悩ませたのが、相手を見付ける手段だった。
 何しろ、空は神出鬼没。はっきりと居場所が分かるのは、食事の時間くらいと来ている。
 その上、最近はそれも怪しくなって来た。どうやら、活発に学院の内外を動き回っているらしい。
 一体、何をしているのだろう。
 その悩みは、思わぬ所で解決した。
 風上のマリコルヌ。空に敗れて以来、寧ろより親密になった友人が、教えてくれたのだ。

「この時間、師匠は決まって、学院から少し離れた岩場に居る」

 と。

「師匠?」
「うむ」

 平民相手に躍起で決闘を挑む自分も自分だが、師匠と崇め奉るマリコルヌの態度も、極めて異常な物だ。
 一体、何が有った?


347 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 23:33:38 ID:iOWXVlBE
>>342

> 「良いか、諸君っ!人と言う字は前屈みだっ!」
新し過ぎるwww
こんなに素晴らしいギトーは初めてだ支援

348 :虚無の王 Trick12 7/17:2007/10/28(日) 23:33:47 ID:ZWFJ1zJZ
「最初、僕は師匠をただの平民と侮っていた。間違いだった。そして、師匠を極めて恐ろしい人物と考える様になった。間違ってはいないが、完全では無い。
そして、或る日だ。師匠の大変有り難い話を聞いて、僕はすっかり心酔してしまったのだ。ああ、この人になら、一生着いてゆける!」
「それはどんな話だったんだ?」

 ギーシュを空の元に案内しながら、マリコルヌは得意気に話し始めた。
 息が荒い。目が血走っている。
 二人は空の居る岩場に向かう。
 前屈みで向かう。

「な、なるほど……しかし、その内容は……その……色々と問題が無いかね?」
「安心しろよ。少女等の表現はあったけれど、登場人物の全員が18歳以上である事は想像に難くない」

 爆音が聞こえた。
 なんでも、マリコルヌが言うには、ルイズがあちこちを爆破しているらしい。憂さ晴らしか?

「しかし、ミス・ヴァリエールも居るのか。さすがに、この姿勢で行くのは……」
「素数を数えて落ち着こうか」
「1……2……3……5……7……」
「11……13……17……19……23……」
「沢山……沢山……沢山――――」
「おい、ギーシュ。何、手抜きしてんだ」
「僕は教養諸科の類は苦手なのだ」
「それで大丈夫なのか?土のメイジ」
「……魔法だ!貴族は魔法が出来れば良いのだ!さあ行こうか」

 二人は背筋を伸ばして歩き出す。
 この時、彼等は七面倒な数学の授業に初めて感謝した。
 目的の岩場には、ルイズばかりでは無く、二人の女生徒が居たからだ。



 ルイズが杖を構える。
 タバサは車椅子から降り立つと、ゆっくりと杖を回す。
 どちらも、やる気は十分だ。

「る〜い〜ず〜っ。あんなあ……」
「空、止めないでっ!女にはやらなければならない時が有るのっ!」
「同意」

 空は両拳へ交互に息を吐きかけ――――
 声にならない悲鳴が上がった。二つだ。
 ルイズもタバサも、頭を押さえて蹲る。

「ダーリン?」
「なんか、こーせんとアカン気がしてな」
「こいつは、おでれーた」

 デルフリンガーが呆れた声を上げる。

「俺も長い事生きてるがね。こんな下らねー理由での決闘なんざ、初めてだ」
「正に毛っ闘……あら、御免なさい。外したわね」

 おほほ……空に睨まれて、キュルケは誤魔化す様に笑う。

「うーっ……何するのよお」
「っ……」

 ルイズは涙混じりの声を上げる。


349 :虚無の王 Trick12 8/17:2007/10/28(日) 23:35:34 ID:ZWFJ1zJZ
「やかましいわっ、全く」
「まあまあ、そんなに怒らなくてもいいじゃない」
「はあー。ま、ワイかてガキンチョ同士のキャットファイトなんぞ見とうも無い。ルール、こっちで仕切るで。ええな」
「あら、結局やらせるの?」
「ちょーど、ええ機会や」
「誰にとって?」
「パーツ・ウォウFランク“ダッシュ”〜」

 キュルケの問いに答える代わりに、空はやる気の無い声を出した。

「……パーツ・ウォウ?」
「ダッシュ?……」
「あら、この前の?」
「飛び道具持ちのメイジ同士や。ちょい、ルール弄ろか」

・先に目標を手に入れた者の勝ち。
・戦闘不能、コースアウトで負け。
・後退禁止。背後に向かって移動も禁止。
・停止状態で相手を攻撃してはならない。

 目標は“創世神〈ジェネシス〉”のエムブレム。
 空は二人によく見せると、離れた所に先端を覗かせる、一際大きな岩へと貼りに行く。

「師匠!」

 戻って来た時、人数が二人増えていた。

「おう、ピザ!なんや、ボーズも一緒かい」
「ああ。貴方に勝つ算段が出来たのでね。また、決闘を挑みに来たのだよ」
「は。偉い自信やないか」
「ああ……だが、何が起きているんだ?」

 ルイズとタバサが睨み合っている。ただならぬ雰囲気だ。

「ああ、決闘や」
「決闘!?何故?」
「聞かん方がええ」
「はあ?……まあ、女の子同士だ。色々有るのだろうな」

 ギーシュは薔薇の花びらを一枚落とす。
 練金――――

「へえ」

 キュルケは感歎の息を漏らした。
 新型のワルキューレ。腰から上は、今までと変わらない。
 著るしい変化を見せているのは下半身だ。前一輪、後二輪の三輪で、長いホイールベース。
 キュルケもギーシュ当人も知らない事だが、トラック競技用の車椅子にそっくりだった。

「ほお……」

 空はあちこちを覗き込む。
 極めて精巧な作りだ。コルベールが見たら、仰天するだろう。


350 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 23:36:19 ID:hwCpP2Tu
アフロのキトー支援

351 :虚無の王 Trick12 9/17:2007/10/28(日) 23:36:46 ID:ZWFJ1zJZ
「やるやん」
「脚が無いのね」
「車輪で移動するからね。必要無い」
「それ言うたら、腕も要らんのと違うか?」
「それでは、どうやって車輪を回すのだね?」
「こうやって」

 空はモーターホイールを回すと、片輪を持ち上げて見せた。
 空転する中輪に、ギーシュは腕を組み、続いて首を傾げる。
 どうも、車輪が単独で回る、と言うイメージは作り難いらしい。

「んー?……まあいいっ。これなら、貴方とも互角の勝負が出来ると思う。さあ、勝負の方法を」
「じゃ、Eランク“ハードル”」

 ん?――――
 空の言葉に、ギーシュは内心で首を傾げた。
 ハードル?どんな競技だ?――――ダッシュではないのか?

「キュルケ。そっちの立会、任せてええか?」
「それは構わないけど、そちらも是非拝見したいわね」
「そか。ほなら、そっち済んでからにしよか。ボーズ、ちょい待ちや」
「あ、はあ……」

 ギーシュはすっかり戸惑っていた。
 ダッシュでの勝負ばかりを考えていて、他の可能性を考えていなかった。
 高速走行に特化したワルキューレ。これで対応出来る競技なのかどうか。

「じゃ、そろそろ始めるか。立会人はワイとキュルケ――――どっちかが反則こいたら、ウェルダンな」

 空がキュルケに物騒な指示を出している。その間も、ギーシュは悩み続けた。

「見付けたっ!」

 と、突然の声に、ギーシュは振り向いた。

「あんた、こんな所で何してるのよっ!」

 それはこちらの科白だ。
 何故、こんな所に居る?何をしに来た?

「モンモランシーっ!」


   * * *


 鋭い声に、空は振り向く。
 金髪の少女が居る。
 見事な巻髪は、高校生の身でありながら、部員達に“婦人”と呼ばれてフケ顔を論われていたテニスプレーヤーを連想させる。
 また、一人増えた。千客万来だ。

「ギーシュっ!動かないで!そこに居なさい!」

 お蝶婦人擬きは怒りの形相で歩み寄る。

「ボーズ。知り合いか?」
「ああ。彼女はモンモランシ家のモンモランシー」


352 :虚無の王 Trick12 10/17:2007/10/28(日) 23:38:14 ID:ZWFJ1zJZ
「ギーシュ!平民なんかと話してないでっ。こっちを向いて」

 モンモランシーはギーシュを無理矢理振り向かせた。

「どうしたって言うんだい?モンモランシー」

 ギーシュは戸惑った。
 葡萄酒の瓶で頭をカチ割られて以来、モンモランシーとは会っていない。
 それが、いきなり、こんな所にまで訪ねた来た。
 一体、どうなっている?

「ねえ、ギーシュ。貴方、こんな所で何をしているの?」
「決闘だっ。先の汚名を雪ぐ為、ミスタ・空に戦いを挑むのだ」
「何、言ってるのよ、馬鹿っ!」

 モンモランシーは大声で怒鳴り付けた。

「あんた、今、自分がなんて噂されてるか、知っているの?ギーシュ・ド・グラモンは平民に負けて、平民に成り下がった、よっ!」
「その不名誉を返上する為にも、僕は勝たなければいけないのだ」
「何言ってるのよっ!貴族と平民で決闘が成り立つ訳が無いじゃないっ!放っとけば、皆忘れるのよっ!そんな風に言われるのも、平民なんかを追い回してるからだわっ!」
「モンモランシー!ああ、判ってくれ、モンモランシー!僕は貴族だ!決して後を見せない者だ!決闘における不名誉は、決闘で雪ぐ事しか出来ないのだ!どうして、噂が過ぎ去るのを、背を丸めて待つ事が出来るだろう!」
「それだけじゃないでしょっ!私、知ってるのよ!」

 その一言を聞くと、未だ何も言われていないのに、ギーシュは息を飲んだ。恋多き男の、悲しい性だ。
 私、知っているのよ―――― 一体、何度同じ言葉を聞いた事か。

「あんた、毎日の様に、あのへんてこな靴履いたメイドの所に通っているじゃない!どう言うつもりなのよ!」
「み、ミスタ・空に勝つ為にも、彼女の助力が必要なのだっ!」

 ギーシュは叫んだ。
 そう。
 その為だけですよ。
 決して他意は無いのですよ?

「ああ!ギーシュ、私見ていられないのよ!貴方がそんな風にして、不名誉にまみれて零落して行くのを見るのは耐えられないの!」
「モンモランシーっ?」

 おや――――これはひょっとして!?……ギーシュの胸に、淡い期待が湧く。

「ねえ、お願いよ、ギーシュっ!約束してっ!もう、平民を追い回す様な事しないってっ!」

 モンモランシーが戻って来てくれるなら、それでも――――そんな風に考えて、空に振り向く。
 車椅子の男はにやにやと成り行きを見守っている。
 その横に鎮座するワルキューレ。青銅の車輪が光沢を放つ。

「……すまない、モンモランシー」
「ギーシュっ?」
「それは出来ない」

 ギーシュは言った。苦渋の表情だった。
 モンモランシーが戻って来てくれれば、確かに嬉しい。
 だが、今までして来た事はどうなる?
 このワルキューレは、彼女が言う様に、平民を追い回したからこそ生まれた物なのだ。

「ギーシュっ!どうしてよ!どうしてっ!?」
「許してくれ、僕の愛しいモンモランシー。これは僕の名誉の問題だ。誇りの問題だ。悲しいかな、男には、例え行く手に何が待ち受けていようとも、成し遂げなければならない事が有るのだ」
「ギーシュ……」

 何時にない真剣な眼差しに、モンモランシーは言葉を失った。


353 :虚無の王 Trick12 11/17:2007/10/28(日) 23:39:26 ID:ZWFJ1zJZ
「そうね……私が間違っていたわね」
「モンモランシーっ!」

 ギーシュは喜びの声を上げる。
 良かった。彼女も許してくれた。判って――――刹那、モンモランシーの形相が鬼女のそれに変わる。

「あんたが話せば分かるお利口さんだなんて一瞬でも考えた、私が間違っていたわね〜〜っっ!」
「ひっ!――――」

 マズイ!
 マズイマズイマズイ!
 本気で怒らせてしまった!

「も、モンも……」

 怯むギーシュに、モンモランシーは叫ぶ。

「決闘よっっ!」



「あら、そっちも決闘なの?」

 キュルケは言った。
 呆れているのか、面白がっているのか、どちらともつかない口調だった。

「モンモランシー!そ、そんなっ……!」
「私が勝ったら、馬鹿な事は金輪際、止めて貰うわよっ。さあ、勝負の方法を決めて。私は平和主義者だから、平和的な方法がいいわ」

 ギーシュは説得の不可能を悟った。元より、貴族が発言を取り消せる訳も無い。
 平和的な決闘……どんな決闘だ?

「なんや。そっち、先に済ませた方が良さそうやな」
「ミスタ……」

 その声に、ギーシュは振り向く。
 そうだ。ダッシュは攻撃が許されているとは言え、双方無傷の決着もあり得る勝負。
 ここ数日、その為だけに魔法を磨いて来た自分がそれを言い出すのはアンフェアかも知れない。
 だが、空ならモンモランシーが要求する、平和的な決闘を他にも提案出来るのではないか。

「なんや、こっちもワイが仕切ってええのか?せやな……Dランク行こ。“キューヴ”や」

 どうやら、パーツ・ウォウとやらは難易度別に別れているらしい。少なくとも、ダッシュよりは複雑な競技だろう。
 5m四方の空間を岩山に掘れ――――空の要求は、ヴェルダンデがこなした。
 内部の補強。これから決闘に臨むギーシュがやる訳にはいかない。
 そこでマリコルヌが担当する。土メイジならぬ肥満児でも、簡単な作業なら出来る。

「ほな、二人とも入り。決着まで、外出るの禁止な」

 ギーシュはワルキューレ共々飛び降りる。
 新型は構造が複雑だ。2体は楽勝だが、3体は厳しいかも知れない。無駄には出来ない。
 モンモランシーも黙って続く。

「勝負の方法は?」
「何でもアリ。死んだら負け」
「えっ?」

 ギーシュは凍り付いた。


354 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 23:40:17 ID:J3LsZe4Z
支援

355 :虚無の王 Trick12 12/17:2007/10/28(日) 23:40:32 ID:ZWFJ1zJZ
「み、ミスタっっっ……――――!」

 これで面倒が一つ片づいた。
 そう言わんばかりに、空は悲痛な叫びを無視して振り向いた。

「あーあ」
「なんや、キュルケ?」
「少し、彼に同情するわ」
「あの、オンモランシーたら言う娘、強いんか?」
「水メイジよ」
「そう言えば、水、てあんまり聞かへんな。珍しいわ」
「水はえげつないわよ。彼女の得意はブラッディ・クェイク。相手の体液を震動させて、内部から殺傷するの」
「まるで、王蟲の“泡爆滅殺〈バブルガム・クライシス〉”やな……」

 平和主義者と違ったんかい――――空は態とらしく震えて見せる。

「口先だけよ。当たり前でしょう」

 ルイズが呆れた口調で振り向いた。

「卑劣な平和主義者がトリステイン貴族に居る訳が無いわ」
「卑劣かい」
「平和主義者が平和を謳えるのは、彼らの代わりに誰かが戦い、血を流しているからだわ。そんな人達を、被害者の様な顔で野蛮と罵るのが、彼らのやり方。卑劣その物じゃない」
「やっぱ、ルイズは頭ええわ」
「もうっ……また、そうやってバカにして……」

 ルイズは拗ねた様に、唇を尖らせる。

「褒めてるんやで?」
「もう、いいわ。それより、こっちも始めましょう」

 ルイズとタバサ。二人の視線が交錯する。
 合図の帽子が舞った。


   * * *


 ルイズの事は、直接知っている訳では無い。だが、その話は友人であるキュルケから聞いている。
 彼女は魔法についても、“ゼロ”であるらしい。 
 タバサは呪文の詠唱を始める。フライだ。
 魔法成功率ゼロ。それなら、一息に目標まで飛ぶだけで片がつく。
 問題はあの爆発だ。
 魔法の失敗で爆発が生じる話を、タバサは一例しか知らない。仮に意図した場合、どの程度コントロール出来る物なのだろう?
 飛翔――――。
 目の前に“置く”様にして爆発が生じたのは、その時だ。空気が弾け、突風が頬を叩く。
 タバサは着地した。
 ルイズを見据えつつ、ゆっくりと歩を進める。
 相手がどこまで正確に爆心点を設定出来るのか判らない。爆発の範囲が広ければ、狙いの甘さは帳消しになる。
 なにより恐るべきは、爆発が直接空間に作用する事だ。ファイアボールの様に、杖から飛来すると言ったプロセスが無い。
 これでは、外させる事は出来ても、回避は不可能。
 想像以上に、厄介な相手だ。
 ルイズも前進する。小さな杖を突き出し、タバサの一挙一投足に注意を払いながら、ゆっくりと、ゆっくりと。


356 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 23:41:55 ID:J3LsZe4Z
支援

357 :虚無の王 Trick12 13/17:2007/10/28(日) 23:42:03 ID:ZWFJ1zJZ
「?……何故、飛ばないの?」
「後から撃たれるやろ」

 疑問を呈するキュルケに、空は説明する。

「余程、スピードに自信が無い限り、前は取らない。“ダッシュ”の鉄則や」

 本来、飛び道具の無いストームライダーでさえそうだ。メイジ同士ともなれば、尚更だった。
 停止中に攻撃禁止のルールが無ければ、間違いなく、単純な火力の応酬になる。

「そうなれば、ヴァリエールに勝ち目は無い……少し身贔屓が過ぎるルールじゃなくて?」
「今回はな。“ハードル”や“エア”やったら、圧倒的に不利になるやろ」
「まるで、次回が有るみたいな言い方よ?」
「実戦の機会が欲しい。どっちにとっても、悪い話や無いと思うで」

 戦況に変化が生じた。
 タバサの杖が回る。身長よりも長い、節くれ立った杖の回りに、氷の矢が生まれる。一本、二本、三――――五――――八本。
 ルイズがコモンルーンと共に、短い杖を振り下ろす。
 ルイズは走った。相手を睨み据えつつ、全力で走る。
 タバサ得意のウィンディ・アイシクル。氷の刃が次々加速。空気を切り裂き、地面に爆ぜ、岩を断ち、マントを貫き、ピンクの髪を斬り飛ばす。痛みに似た冷感が背筋に走る。
 タバサは飛んだ。宙に浮いた。
 後背の空気が膨張、破裂。音速を超える衝撃が、小さな小さな背中を突き飛ばす。筋骨の至る所に激痛。
 タバサは着地。細い脚が岩盤を蹴る。
 杖が旋回。ウインド・ブレイク。エア・ハンマー。魔法を連発。
 巻き起こる風の余波を捉えて、マントがはためく。しなやかな体が、羽と化してリズミカルに舞う。空中を一転――――。
 ルイズはひた走る。目標へ近付かなければならないし、的を外さなければならない。タバサの様な、移動と攻撃を両立する技も無い。
 不可視の打撃が肩を掠める。視界がグルリと回る。マズイ――――慌てて眼前に爆風の壁を張る。氷と風の刃が纏めて弾け飛ぶ。

「凄いっ」
「ああ、チビッ子やるわ。風を巧く掴んどる」

 自分や弟の宙、そして現風の王であるイツキ以外にも、同じ能力を持つ人間が居る事に、空は素直に驚く。
 まさか、風のメイジは全員こうなのか?

「ヴァリエールもよっ。あんな至近で爆発起こして、自分は無傷じゃないっ」
「指向性爆発――――言うても未だ甘い。チビッ子優勢やな」

 タバサが速い。まるで鳥だ。弾む様に移動。魔法を連発。
 ルイズは的を絞れない。自然、魔法は迎撃に費やされる。
 そして、杖の回りに生まれる氷の矢―――― 一発が風を断つ。
 あれは貰ってはいけない。ルイズは互いの間に爆発。コモンでも発動する爆発は、極めて詠唱時間が短い。
 タバサの前方へ、更にもう一発。これで脚を止める。そこに三発目を叩き込む。
 と、足下がズルリと剥がれた。
 ルイズはトドメの三発目を放てなかった。あっと思う間も無く、肩から岩場に叩き付けられた。割れる様な痛みが胸にまで走り、息が止まる。
 タバサが攻撃に使った氷の矢は一発だけ。
 二発目、三発目は前方の地面。
 自らの爆発に視界を奪われたルイズには、それが見えなかった。凍り付いた岩に足を取られて転倒。
 タバサの足を止められたのは、一瞬だけだ。そして、氷の矢は未だ五発残っていた。

 タン――――

 タン――――

 タン――――

 間を置いて発射。
 一つの爆発では防げない。勿論、転倒しているルイズには、相手を攻撃、妨害する事は許されない。
 ルイズは勢いよく杖を振るう。空気が小さく弾ける。一、二、三、四――――立て続けに矢を逸らす。


358 :虚無の王 Trick12 14/17:2007/10/28(日) 23:43:15 ID:ZWFJ1zJZ
 キュルケは声を失う。
 ルイズは確かに、複数の魔法を連発した。どうなっている。何故、あんな真似が出来る。

「ああ――――ルイズは最後まで呪文唱えんでも爆発起こせる。威力低いけど、単音でもいける」

 キュルケは今度こそ驚死する。ルイズの爆発は、系統魔法としてあまりに規格外だ。
 と、ルイズが苦悶の声を漏らす。
 逸らし切れなかった最後の一発が、打ち付けた肩を捉えた。
 目標は目前。タバサは一発だけエア・ハンマー。フライ。
 ルイズは必死で踏み出す。攻撃可能なのは移動中だけだ。
 一歩――――肩にズキンと響く――――痛くないっ――――やせ我慢と共に二歩、三歩。
 背後にエア・ハンマーが着弾。
 タバサがエンブレムへと飛ぶのが見える。
 フラつく足取りで爆発――――

「あっ……――――」

 声を出したのは、誰だっただろう。
 エンブレムが、貼られた岩ごと、木っ端微塵に吹き飛んだ。


   * * *


「えーと……この場合、引き分け?」

 キュルケの問いに、空は頭を振った。
 そんな訳が無い。詰み寸前で、将棋盤をひっくり返した様な物だ。

「と、なるとやっぱり……」
「ウェルダン」
「仕方無いわね〜。私、本当はこんな事したくは無いんだけどね〜」

 喜々と呟きながら、キュルケは呪文の詠唱を始める。
 タバサが近付いて来る。無表情だが、上機嫌で無い事だけは、誰にでも判る。
 ルイズは、真っ青な顔で肩を落としている。

「……ちゃうねん」

 力の無い声が漏れた。

「何が違う?」
「あのね、私はあの子を狙ったの。断じて、ズルをしようとした訳では無いの。ホントよ」
「なら、チビッ子に言う事あるやろ」

 ルイズは唸ったが、仕方が無い。不可抗力とは言え、自分が目標物を破壊してしまったのは事実なのだ。

「ゴメンナサイ」

 消え入る様な声で、頭を下げた。

「もう一つ」

 タバサが無表情に要求する。
 言わんとする所を察して、ルイズはまた唸る。

「……ま、参りました〜っ――――」

 心底、悔しそうな声だった。


359 :虚無の王 Trick12 15/17:2007/10/28(日) 23:44:55 ID:ZWFJ1zJZ
 キュルケは残念そうに杖を収めた。
 まあ、ルイズがこれだけ小さくなっている姿を見る事が出来たのだ。良しとしよう。

「ヴァリエールも想った以上に頑張ったけど、順当な結果ね」

 タバサは胸を張る。小さな胸を張る。無い胸を張る。
 ルイズは顔を引きつらせる。
 なによっ!私より小さい癖に!小さい癖に!色々小さい癖に!
 ルイズも胸を張る。
 二つの鳩胸が重なり合い、視線が交錯する。

「はいはい。小さい物……じゃなくて事で張り合わない」

 キュルケに言われては、仕方が無い。
 タバサは何も言わず、ルイズは歯噛みしながら引き下がる。

「くやしいーっ!」

 ルイズは叫んだ。何だか、色々と悔しかった。

「大丈夫」

 タバサはそんなルイズの肩を、慰める様に叩く。

「私もついこの前」
「何の話よっ!」



 一方、ギーシュとモンモランシーの決闘も決着していた。
 立会人のマリコルヌはふて腐れて、岩を蹴っている。
 理由はすぐに判った。二人は互い無傷で、おまけに小指を繋いでいたりした。

「なんだか、平和的に解決したよ」

 ギーシュは照れ笑いを浮かべる。
 狭い場所でじっくり話し合った事で、ヨリを戻す事になったらしい。

「さすが、ミスタっ!こうなる事を予想していたのだね。貴方は僕らの恩人だっ!」

 別にそんなつもりは無かったが、空はそう言う事にしておいた。
 日が傾こうとしていた。そろそろ、学院に戻った方が良い。
 それを引き留めたのが、タバサだった。

「そろそろ、約束を果たして欲しい」
「約束?」
「ここは何も無い」
「ああ。あれか。“風を掴む”方法やろ。チビッ子は才能有るかも知れへんしな」
「“風を掴む”?」

 ルイズが声を上げる。

「あれでしょ。ギーシュのワルキューレを弾き飛ばした」
「ああ、あれね」
「あれは素手では無かったのか?」

 一同は口々に言った。風と聞いて、マリコルヌまで興味を示す。


360 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 23:44:57 ID:J3LsZe4Z
支援

361 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 23:45:06 ID:L4nk0RLZ
支援

362 :虚無の王 Trick12 16/17:2007/10/28(日) 23:46:34 ID:ZWFJ1zJZ
「せやな――――このままでもいけるけど、真っ平らな方がやり易いし、説明もし易い」

 その要請に従って、ギーシュは岩盤を平面に変える。
 空は飛んだ。
 空中で一転。車椅子ごと逆立ち状態になる。この時点で、歓声が上がる。

「ここからが本番――――」

 空は指を放す。そして、体を脚側へと伸ばす。
 一同は声を失う。
 腕立ての姿勢で、脚を浮かせている様な体制。しかも、車椅子を乗せたまま。
 超人的な膂力は勿論だが、掌を地面に固定でもしない限り、こんな事は出来る筈が無い。
 物理に反している。

「アカン、年や。もうもたん」

 空が潰れた時、一斉に驚きの声が挙がった。

「な、何だ今のは?」
「どうやってやったの?」
「まさか、先住っ?」
「おでれーた」

 空は上体を起こすと、説明する。
 真空溶接と言う技術が有る。平面同士を重ね、間の空気を完全に抜くと、両者は溶接された様に離れなくなる。

「今のは、その応用。大切なのは“面”で風を捉える事や。“空”は柔らかい。ほんのちょっとした条件で流れを変えよる。こうして、風と風の隙間、密度の境界に掌を添えてやると――――」

 刹那、悲鳴が上がった。
 不意に突風が巻き起こり、魔法学院の制服、学院長の趣味を丸出しにした、短いスカートが纏めて捲れ上がった。

「こんな事も出来る」

 どや、凄いやろ――――その声に答えたのは、当のタバサでは無かった。

「ワンダフルッッ!!」

 マリコルヌが叫ぶ。

「やはり“風”の系統こそ最強!この風上のマリコルヌ、今日ほど始祖に感謝した日は無い!」
「悔しいが、確かに認めなくてはいけないっ。」

 ギーシュは声の通りに悔しそうだ。
 タバサは例によって反応無し。見たければ言ってくれれば良いのに――――キュルケは身をくねらせる。
 と、

「そ〜っら〜っ――――!」

 地の底から響く様な声。ルイズだ。
 モンモランシーも身を震わせている。

「あー、あんな。今のは、風の悪戯やで。事故や事故」
「相棒、その言い訳は苦しいと思うね」

 デルフが言うまでも無い。


363 :虚無の王 Trick12 17/17:2007/10/28(日) 23:48:05 ID:ZWFJ1zJZ
「この犬〜っ!」

 地べたの空を、ルイズは蹴る。蹴る、蹴る、蹴る。

「や、やめっ!――――」

 空は悲鳴を上げる。
 ルイズは更に蹴る、蹴る、蹴る。

「全く!なんのつもり!」

 そこにモンモランシーも参加する。と、

「ちょっと!待ちなさいよ!」

 その前に、ルイズが立ちはだかった。

「どきなさいよ、ヴァリエール!」
「何、言ってるのよ!私の使い魔よ!勝手な真似はよして!」
「侮辱されたのよ!」
「躾は私がするわ!」
「どっちが蹴った、て同じでしょう!」
「なら、引っ込んでなさいよ!洪水のモンモランシー!」
「私の二つ名は“香水”よ!」

 いきなり始まった二人の言い争いに、男子生徒コンビはこそこそと逃げ出した。
 空もそうしたかったが、ルイズの回し蹴りが逃走を阻む。

「いい!とにかく、私の使い魔には、絶対に手を出さないで!」
「彼を蹴っていいのは、自分だけだ、て事?」
「当然でしょっ!」

 あっ――――
 ルイズは口元を被った。
 キュルケがにやにやと笑っている。不意の声に、注意が働かなかった。
 モンモランシーも生温かい笑みを浮かべている。

「あら、そーう。そう言う事。いいんじゃなくて。お似合いだわ」
「なな、なによ。か、勝手に勘違いしてればいいんだわっ」
「ダーリンも大変ねえ。主人がおかしな性癖持ってて」
「うるさいわねっ!ツェルプストー!」
「ルイズはたまに激し過ぎて、叶わんわ」

 空がぼやく。ルイズの顔が真っ赤に染まる。

「うるさいうるさいうるさい――――っっ!」

 悲鳴にも似た声が、高らかに響き渡った。


 ――――To be continued


364 :虚無の王:2007/10/28(日) 23:48:57 ID:ZWFJ1zJZ
今回は以上でーす。

御支援御協力どうもー

365 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 23:49:45 ID:J3LsZe4Z
乙ですた

366 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/28(日) 23:50:47 ID:L4nk0RLZ
乙&GJです、腹が捩れるw

367 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 00:05:31 ID:8r7DtaMI
なんという素晴らしいミスタ・ギトー。
ブラボー、おお、ブラボー。

368 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 00:07:37 ID:dW5c/VeC
ここまで生き生きとしたギトーが、かつてあったろうか・・・いや、無いwww!
GJ!!

369 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 00:10:58 ID:XudHuZuO
「どうして先生になったんですか?」
「貴族令嬢とか好きだから!!」

こうですね><

370 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 00:13:47 ID:fe9L2cCK
むしろ

「どうして風の系統なのですか?」
「パンチラとか好きだから!!」

だと思う。

371 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 00:16:39 ID:ixRHV9nm
このギトー、そして原作でもロリコンワルドにエロコルヌ…
風のメイジは変態ばかりかっ!?

372 :ゼロの(オンドゥル)使い魔:2007/10/29(月) 00:16:50 ID:1valf5nD
投下、今大丈夫でしょうか?

373 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 00:21:19 ID:gJkdpKPI
ザヨゴー! 支援です

374 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 00:21:59 ID:OWcbLZ33
タバサが何かを言いたそうに>>371を見ている。

そして>>372に支援開始。

375 :ゼロの(オンドゥル)使い魔:2007/10/29(月) 00:23:31 ID:1valf5nD
それでは、投下。


決闘はあっさりと幕を引いた。
 「拍子抜けだ・・・と言いたいが、彼も先ほどの戦いで、疲れが残っていたのだろう。この決闘、引き分けにしてやる」
 二本の足で、しっかりと地面に立っているのはギーシュ。
 彼は、正直なところ、この決闘に勝てると思ってはいなかった。
 自分を一撃で倒した派手な服装の平民は、どうやらあの後、謎の怪物へと変身したらしい。
 ギーシュは気絶していてその姿を見なかったが、自分を看病してくれていたモンモラシー曰く、「見たことがない生物」らしい。
 その未確認生物との戦闘中、給仕は一瞬で甲冑をまとった紺色の戦士になったそうだ。
 なにがなんだかさっぱりだが、あんな平民に倒されたとなっては、グラモンの末代までの恥だ。ここは、死んでも食らいついてやるつもりだった。
 名誉挽回のために。
 しかし、決死の覚悟で挑んだギーシュの予想を裏切った男がいた。
 剣崎である。彼は、好き放題殴られると、ぐったりと気絶してしまった。
 「僕には本気を出せないとは言わせないよ・・・今度、また機会があったら改めて決闘しよう」
 ギーシュは颯爽と広場をあとにする。
 にやけている顔を隠すのに精一杯だ。
 ああ、僕ってば、なんてかっこいいんだ。
 ルイズと剣崎が、広場から立ち去ったのを確認したあと、ギーシュの行動は早かった。
 急いで広場に戻り、片っ端から女の子を口説き始めたのだ。
 みんな、僕、格好よかったろう。
 僕が本気をだせば、あんなものさ。
 なんだい、ケティ?見直した?いいんだ。水に流そう。
 はははは!本当は、あの侵入者も倒せたんだ。
 だって本気を出したら、かわいそうだろう?
 仕方ないよ。たまには平民にも花を持たせる。そんな寛大な心も必要さ!
 ギーシュはいまや英雄気取りだ。その顔はとても満足そうである。
 まあ、数秒後、冷めた表情のモンモラシーに殴られ、彼は夢の世界へ旅立つことになったのだが。



376 :ゼロの(オンドゥル)使い魔:2007/10/29(月) 00:25:48 ID:1valf5nD
 学院長室に戻ったオスマン氏は、コルベールに目をむけた。
 「どうしたものかね」
 「はぁ・・・私にはどうとも・・・・・王室に判断を委ねてみては」
 「まぁ、確かに君はあの謎の侵入者には驚いたじゃろう
・・・しかし、私たちはあの使い魔の戦闘を見ていない」
 オスマン氏は、よっこらせと椅子に腰掛けた。
 ふたりは、広場で繰り広げられた剣崎とキングの激闘を見ていない。
 ルイズに呼ばれて、急いで向かうと、すでに決着がついた後だったからだ。
 「確かにそうですが・・・あれほどの防御力をほこる者を、数分間のあいだ足止めしていたことは脅威です」
 「じゃが、負けた」
 コルベールは押し黙った。
 「彼が『ガンダールヴ』だ、と決めつけるには早すぎるのかもしれんの。
もう少し、様子を見るのはどうじゃ?彼には色々聞きたいこともある」
 「・・・そうかも、しれませんね」
 「問題は・・・」
 オスマン氏はこめかみに人差し指をそえ、ため息をついた。
 「・・・問題は、召喚者じゃが」
 「ミス・ヴァリエール・・・さきほど、私たちを呼びにきた生徒ですか?
彼女の能力は・・・その、あまり優れているとは言いがたいのですが」
 「それじゃよ。仮にあの青年が『ガンダールヴ』としよう。
じゃが、なぜそんな伝説の豪傑が、能力の低いメイジに召喚される?」
 「そういえばそうですね」
 そうじゃろうて、そうじゃろうて。オスマン氏はもう一度ため息を吐いた。
 「とりあえず、このことは他言無用だ。いいか。王室なんぞに与えてみろ。いつ戦がはじまるかも分からん」
 「は、はい!」
 オスマン氏は杖を握り、窓の外を見た。
 少し、薄暗くなりつつある。あの青年はもう回復したろうか。
 ぼんやりと、青年の姿がまぶたに浮かんだ。


377 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 00:25:54 ID:AJ7HRZTX
当時は普通に聞き取れてたのに今になって録画してたビデオを見返すと完璧にオンドゥル語にしか聞こえない
不思議だなあ
支援

378 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 00:27:07 ID:JN1BKfxn
エースくらいは残してやれよキング支援

379 :ゼロの(オンドゥル)使い魔:2007/10/29(月) 00:28:00 ID:1valf5nD
 
 
 ばたん、と扉が閉まる音を聞き届け、ルイズは安心したようにひと息ついた。
 やっとの思いで、気絶した剣崎を自室まで運び終えたのだ。
 と、言っても、自分の小さい体で、この使い魔の無駄に大きな体を引きずって連れて来ることなんて無理なので、適当な生徒に頼んで『レビテーション』をかけてもらった。
 「なんで、ご主人様の言うことを聞けないのよ」
 ほんとにバカだ。なんにもできないはずの平民なのに。
 ルイズは、自分がオスマン氏らを呼びに行っている間、広場でなにが起こったかを、キュルケに聞いた。
 いけ好かないヤツだが・・・今回はそんな場合ではなかった。
 自分の足元に、傷だらけで横たわる使い魔を見ると、なんだかかわいそうになってきた。
 「バカなんだから」
 軽く、蹴っておく。
 「ウェ・・・」
 妙な呻き声をあげるが、目覚める気配はない。
 仕方ない。傷ついた使い魔に、慈悲の心を見せるのも、寛大な私の役目よね。
 『治癒』の呪文をかけてもらうために先生を呼びに行くことにしよう。
 文句を言うのはそれからだ。


 剣崎は、窓からさしこむ朝の光で目が覚めた。
 どうやらルイズのベッドに寝ているらしい。
 「・・・・そうか」
 そういえば、キングと戦ったあと、ギーシュにやられたんだった。
 でも、あの後どうなったんだろう。
 必死になって、思い出そうとしていると、扉をノックする音がした。
 「あら、お目覚めですか?」
 入ってきたのは、パンと水をのせた銀トレイを持ってきたシエスタだった。
 「ああ」
 「ミス・ヴァリエールがあなたをここまで運んできたんです
・・・それで、先生に『治癒』の魔法をかけてもらったようですよ」
 「『治癒』っていうと、回復の魔法?」
 「そうですね。怪我や病気を治す魔法です」
 自分を使い魔をしか見ていないと思っていたルイズが、まさか広場から連れてきてくれるなんて。
それに、わざわざ『治癒』とやらもやってくれたのか。
 あの、ルイズがねえ・・・。


380 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 00:28:02 ID:ueyEX388
変身できるままだとデルフがいらない子になるからだろ
支援!

381 :ゼロの(オンドゥル)使い魔:2007/10/29(月) 00:32:23 ID:1valf5nD
 世の中には、不思議なこともあるものだ。
 「治癒の呪文のための秘薬の代金は、ミス・ヴァリエールが出してました。だから心配しなくていいですわ」
 「い、いくらするんだ?」
 「う〜ん・・・少なくとも、平民で出せるような金額ではない、とだけ言っておきます」
 そんなにするのか。
 財布を確認しようとして、はたと気づく。
異世界だったんだな。じゃあ、無理。
 「三日三晩、寝ていましたね」
 「俺が?」
 「ええ」
 「みなさん、心配してましたわ」
 みなさん?
 この世界に、俺の知り合いはそんなにいたろうか。
 シエスタは、剣崎の挙動を見て微笑んだ。
 「貴族の方々です。なんでも、怖い侵入者に、勇敢に挑んだそうですね」
 「いや、勇敢というか・・・」
 無謀、というか。
 「でも、あなたのこと、みんな気にしていますよ」
 やはり、あんな大勢の前で仮面ライダーになったのは不味かったか。
 「厨房のみんなも・・・あなたのこと褒めていました。そこらへんの、貴族より数倍立派だ、ですって」
 「そ、それは・・・まぁ。相手が、俺の知り合いだったってこともあるし」
 シエスタの輝く瞳を見ると、剣崎は赤面した。
 いや、ライダーはアンデットと戦うのが義務だし。
 そりゃ、褒められたことなどあまりなかったけれども。
 今まで当然のことのように行ってきたことを賞賛され、剣崎は気分がよくなった。
 そこで、ふと疑問を口にした。
 「と、ところで。シエスタ・・・ちゃん」
 内心は呼び捨てにしていたが、この子の名前を呼ぶのは初めてだ。
 少し緊張しながら、こほん、と咳払いをする。
 「ずっと、俺を看病してくれてたのって、きみ?」
 さっき気づいたのだが、体には包帯が巻かれている。
 「いいえ。ミス・ヴァリエールが・・・」
 「ルイズが?」
 「ええ。寝る暇もなく、熱心に看病してましたよ」
 そういえば、ルイズは机に突っ伏して寝ている。
 まさか、高額な『治癒』の魔法とやらをかけてくれただけでなく、看病までしてくれるとは。
 剣崎は、いままで虐げられてきたこともあり、思わず涙を流しそうになった。
 よかった。
 俺、使い魔じゃなくて、人間扱いされるようになったんだな。
 「ど、どうしたんですか?ケンザキさん、どこか痛むんですか!?」
 「いや、違う。違うんだよ・・・」
 うれし泣きなんて、流したことあったかな。
 いいよな。今日くらい。
 祝、人間復活。



382 :ゼロの(オンドゥル)使い魔:2007/10/29(月) 00:33:41 ID:1valf5nD
 

 自分が、まだまだ甘い、と実感したのはルイズが起きてからだった。
 可愛らしいあくびをしたルイズは、目覚めた剣崎に気づいた。
 まいったな。
 剣崎は、キングを単身、追い詰めたことを賞賛されると確信した。
 なにせ、剣崎は人間に戻ったのだ。
 しかし、悲しきかな。
 ルイズの口から出てきたのは、「かっこよかった」でもなければ、「よくがんばったわね」ですらない。
 「役立たず」
 であった。
 「うぇ?」
 ぽかん、口を半開きにした剣崎に、ルイズは大量の洗濯物を投げてよこした。
 「あんた、やっぱり足止め程度にしか役に立たなかったわね。しかも、私のいうこと無視して、ギーシュにボコボコにされるわ・・・『治癒』にいくらかかったと思う?」
 「そ、それは・・・」
 まるで、年末に売れ残った商品を見る店長の目である。
 「では、ごゆっくり」
 シエスタはとばっちりを恐れ、早々に出ていってしまった。
 「じゃ、これ」
 「これって・・・洗濯物?」
 「そうね。洗濯しなさい。掃除もよ」
 「怪我いたくて、動けない」
 「それだけ話せりゃ十分よ!いいから、早くしなさいっ!」
 服の袖を引っ張られ、剣崎はベッドから引きずり下ろされる
 ルイズは毛布をもはぎ取り、ベッドに、どすん、と座った。
 「・・・」
 つまり、俺はまだ使い魔なわけか。
 看病してくれたのは、ただ便利な使い魔がいなくなると面倒だったからだったのだろうか。
 非情な現実を突きつけられ、尻餅をついた剣崎は、ルイズを見上げた。
 「なに?」
 「・・・なんでもないです」
 人間にもどるのは、いつの日になるだろう。


383 :ゼロの(オンドゥル)使い魔:2007/10/29(月) 00:35:47 ID:1valf5nD
 この世界に来て一週間。
 剣崎はルイズの傍若無人な性格にも慣れてきた。
 だんだんと、彼女の怒るポイントが分かってきたのだ。
 「ふう」
 朝、ルイズを起こしてから、着替えさせて朝食に行く。そして帰ってきたら、掃除。
 その後は洗濯。
 それらを短時間で済ませ、ルイズと教室に向かう。
 そのあいだ、ルイズのとなりを歩きながら辺りをキョロキョロと見回しキングを探す。
 キング戦での活躍もあり、前ほど剣崎を馬鹿にするような発言は聞かなくなった。
 まぁ、それでもたまにあるのだが。
 そんなある日。
 「そろそろ傷も癒えたころじゃろう。君と話をしたい」
 と、オスマン氏に呼び出された。
 ルイズは同行しようとしたが、オスマン氏に断られた。
 

 いかにも強そうな魔法使いに呼び出されたので、剣崎は緊張していた。
 学院長室に入ると、中には綺麗な女性がいた。同じくらいの年齢だろう。
 眼鏡をかけ、理知的なオーラを出している。
 「あの・・・話ってのは、この前のことですか?」
 「うむ。ミス・ロングビル」
 オスマン氏が名前を呼ぶと、ミス・ロングビルは一礼し、部屋を出てしまった。
 ついにこのボス的魔法使いとふたりきりである。
 「さきほどの・・・ミス・ロングビルに、頼んで、君のことを調べさせてもらった」
 「俺を・・・ですか?」
 「うむ。なんでも、広場でのいざこざで、一瞬のうちに鎧をまとい、不思議な魔法を使ったとか」
 ライダーに変身したことは、やはり魔法を使える世界といえど見逃してはくれないらしい。
 そういえば、この世界では『魔法』がある代わりに、科学に乏しいようだ。
 「・・・あの、俺が今から言うこと、誰にも言わないでくれて・・・信じてくれますか?」
 「うむ。信じよう」
 流石に、これからもずっと秘密を守り続けるのは無理だろう。
 帰れる手立てもなければ、使い魔とやらになったせいで、ルイズを危機から救い出さなくてはならない。


384 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 00:36:16 ID:spF3WSb2
そーいやルイズは変身したところを見てなかったんだっけ?支援

385 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 00:36:53 ID:aauUjSyJ
ハヤクニンゲンニナリタイ!!
支援…

386 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 00:37:48 ID:gJkdpKPI
( 0w0)<ナズェナンディスカー!
支援

387 :ゼロの(オンドゥル)使い魔:2007/10/29(月) 00:37:53 ID:1valf5nD
 いつかはばれるのだ。なら、今言ってもいいじゃないか。
 「そうですね・・・まず、俺のいた世界について話します」
 剣崎は、自分の世界について話した。
 魔法なんて存在しないこと。代わりに科学が発展していること。
 仮面ライダーという仕事に、アンデットのこと。
 ライダーについては、対アンデット用の鎧、としか伝えていない。
 科学の結晶であるそれは、こちらの文明では理解できないだろう。
 アンデットについては、なるべく真実に近いものを教えた。
 「そういうわけで、俺が戦っているアンデットは不死身なんです。だから、もしこの前の少年を発見したら、俺に教えてください。そうすれば、生徒たちの身も守れます」
 「うむ。興味深い話じゃった・・・が、君は、この前のアンデットとやらに勝てるのかね?」
 オスマン氏は痛いところをついてきた。
 確かにあれほど上手くことを運んだのに、キングを倒せないなんて思わなかった。
 でも、今度こそは封印する。
 「大丈夫ですよ。ほら、鎧をつけるための道具もあるんです」
 先日、広場に落ちているのをギーシュが持ってきてくれたのだ。
 「ふむ。なら、安心じゃな・・・時間をとらせてすまなかった。もう帰ってよいぞ」
 剣崎はブレイバックルをポケットにしまい、学院長室の扉の前まで歩くと、オスマン氏へと向き直った。
 「それじゃ、俺はこれで」
 ぺこり、と軽く頭を下げて部屋をあとにする。
 廊下に出てから、ふう、と深呼吸する。
 そして、ポケットからブレイバックルを手にする。
 「・・・変身できない・・・なんて言えないよな」
 今の自分はライダーであってライダーではない。
 カテゴリーAまで奪われてしまった。
 剣崎は肩を落とし、今度はため息を吐く。
 そして、とぼとぼと廊下を歩き出した。


388 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 00:40:35 ID:p9Y9C/M1
(OMO)<ニゴリーAはオデノモノダー!! 支援。

389 :ゼロの(オンドゥル)使い魔:2007/10/29(月) 00:42:41 ID:1valf5nD
 
 ルイズの部屋まであと数メートルというところで、部屋の前にシエスタがいるのに気が付いた。
 「シエスタちゃん。どうしたんだ?」
 「あ、ケンザキさん。あの、これがあなたに届いてましたよ」
 「俺に?」
 シエスタは白い封筒を差し出した。
 なんだろう、まさかラブレターじゃないよな。
 わずかに期待しながら封をきると、中から一枚の絵札が現れた。
 「これは・・・!」
 緩んでいた頬が引き締まる。
 絵札はラウズカードらしきものだった。
 いや、ほぼ同じと言っていい。
 異なる点といえば、見たことがない文字で記されていることだろうか。
 シエスタが覗き込むと、ぽつりと言った。
 「え〜と、『進化』ですか?」
 「読めるのか?」
 「はい。これでも、貴族にお仕えする身です。文字は習いました」
 シエスタは頷いて、すらすらとカードの文字を読み始めた。
 「やっぱり・・・」
 間違いない。これはプライムベスタだ。
 しかも、そこにはそのキングが封印されたカードまで含まれている。
 「一体、誰がこんなもの・・・」
 「差出人は書いてありませんね」
 本当に、誰なんだ。
 それに、何故カードの文字が、この世界のものになっているんだ。
 キングは誰かに封印されたのか。
 どんどん頭に情報が入り込んでくる。これじゃ、頭が爆発する。
 やめよう。
 あとで、毛布にでもくるまりながら考えよう。
 ただでさえ、今は混乱しているのだ。落ち着いてからでも、いいだろう。
 「ありがとう、シエスタ。おかげで助かったよ」
 剣崎はがしっ、とシエスタの両手を勢いよく握った。
 「あ、いえ・・そんな。私は部屋までお持ちしただけですし・・・
そ、それと。私のことは、シエスタとお呼びください」
 シエスタは、はにかむように呟いた。


390 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 00:45:35 ID:aauUjSyJ
今回の剣崎カブト虫じゃないのか支援

391 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 00:46:08 ID:ueyEX388
デルフ・・・やっぱりいらない子になるんだね・・・

392 :ゼロの(オンドゥル)使い魔:2007/10/29(月) 00:46:58 ID:1valf5nD
以上で投下終了です。支援ありがとうございます。

それと、以前指摘があった、ブレイドのラウズカードは本編でキングに奪われたのでは、ということについて補足。
剣崎は33話のキング戦の折に召喚されたことにしているので、カードはQまで所持しています。
自分の記憶が正しければ、剣崎のカードが奪われたのは34話のキング戦だったはず。



393 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 00:49:52 ID:gJkdpKPI
デルフを上手く使えそうなライダーって、坊ちゃまくらいしか思い浮かばんが。
草加さんはフェンシング出来るけど細剣じゃないしなあ

394 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 00:53:04 ID:S8Y1KuPy
王GJ!
噴出して春雨ヌードルが台無しだ

オンドゥルグッゾブ

>>393
そこでオデレタロスですよ
あの話はよかった

395 :ゼロのぽややん:2007/10/29(月) 00:56:51 ID:KwQkqbTw
乙でした。
次の投下予約ってある?
なければ投下したいんだけど。

396 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 00:57:42 ID:AJ7HRZTX
クウガならドラゴンフォームやタイタンフォームの度に出番があるさ
ペガサス? ほらボウガンとか弓矢とか
アニエスから銃を借りてもいいかもな

397 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 01:00:27 ID:q+qqteD5
>>395
コンディション オールグリーン、いつでも行けます!

398 :ゼロのぽややん:2007/10/29(月) 01:01:37 ID:KwQkqbTw
では、いきます。

「おお! 皆、よく無事で戻ってくれた!!」
 学院長室で、オスマン氏は両手を広げながら、にこやかに出迎えた。
 しばらくその体勢でいたのだが、ぼそりと呟く。
「……なんじゃ、誰もハグしにこんのか」
「じゃあ、僭越ながら僕が」
 アオが進み出ようとするのを、オスマン氏が止めた。
「男を抱きしめてもつまらん」
 女性陣の視線が冷たい。
「あーこほん。オールド・オスマン。とりあえず『破壊の杖』を回収しておいては」
 隣に控えていたコルベールが、場の空気を変えようと軽く咳払いしながら、オスマン氏に促した。
「ん? ん、そうじゃな。というわけだから渡してもらえるかの」
 アオとタバサ以外は、冷や汗を流しながら思わず視線をあさっての方に逸らす。
「? どうかしたかの?」
 どうかしたのである。

「ガラクタって、ちょっと、それどういう意味よ!」
 痛めた左足にタバサの治療の水魔法をかけてもらっているアオに対し、噛み付かんばかりの勢いで、ルイズが詰め寄る。
「詳しい説明は省くけど、これは単発使い捨てなんだ」
「それは、一回使えば、お終いって事ですか?」
 ミス・ロングビルが複雑そうな表情で、アオに問う。
「その通りだよ、ロングビルさん。その証拠に」
 アオは言いながら、手早く『破壊の杖』を展開すると、空に向け、スイッチを押して見せた。
 なにも起こらない。
「ね? もうこれは、ただの筒みたいなもんだよ」 
「……まったく、あなたという人は」
 悪びれもせずに言うアオに、ミス・ロングビルは呆れたようにこめかみを押さえた。
 だがその口元は、微かに笑っている。

399 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 01:02:13 ID:sfKM51r8
ぽややんの人キター!

支援するッ!!

400 :ゼロのぽややん:2007/10/29(月) 01:02:59 ID:KwQkqbTw
「ねえダーリン。それってすごーく不味いような気がするんだけど」
「そ、そうよ!? わたし、そんな貴重な物を使っちゃったていうの!?」
 キュルケとルイズが青い顔をする。
 とくにルイズは、完全に血の気が引いて真っ青だ。
「べ、べ、弁償? やっぱり弁償しなきゃいけないのかしら?」
 半べそになって、おろおろするルイズ。
 秘宝『破壊の杖』の額など、正直、想像もつかない。  
 いったい幾ら支払えばいいのか、考えるだけで目の前が暗くなり、胃が痛む。
「ルイズ。こうなったら一蓮托生よ。あんた一人に背負わせやしない。あたしも覚悟を決めたわ」
 キュルケの言葉に、頷くタバサ。
「キュルケ、タバサ……」
 感動のあまり、涙がこぼれる。
 ルイズは『ありがとう、ありがとう』と言いながら、二人に抱きつく。
 三人はひとしきり抱きしめ合った後、そろってミス・ロングビルを見た。
「す、すみません。あ、あの、わたくしはその、あまり蓄えが……」
 ミス・ロングビルの腰が完全に引けている。
「大丈夫だって。そんな事にはならないと思うよ」
 アオは、元に戻した『破壊の杖』肩から吊し、さっきまでの雰囲気を笑い飛ばした。
「なんでそんな事が言えるのよ!」
 そのあまりにもあっけらかんとした調子に、ルイズは半ば殺意を抱く。
「だって考えてもごらんよ。単発使い切りとは言うけどね。使用済みかどうかなんて、使った人間にしかわからないんだ。今回、これが使えたのが良い証拠だよ」
 まあ、使い方がわからなかったていうのもあるんだろうけどね。
 アオは心の中で付け加えると、にやりと笑った。
「つまり、これが使用された事実を知らない人たちには、これこそ紛れもなく『破壊の杖』って事なんだ」
 ずいぶん長い間、沈黙があった。

「詐欺」
 タバサの漏らした一言に、アオ以外の全員が頷いた。

 その鉄壁のポーカーフェイスゆえ、皆を代表してタバサが、無言でオスマン氏に『破壊の杖』を手渡した。
 ルイズたちは、その様子を固唾を呑んで見守っている。
「おお、ご苦労じゃったな。ミス・タバサ」
 受け取ったオスマン氏は、感慨深げに『破壊の杖』を一頻り愛でた後、『宝物庫に収めるように』と言って、コルベールに渡す。
「フーケを取り逃がしたのは残念じゃったが、こうして『破壊の杖』は無事、我が学院に戻ってきた。一件落着じゃ」
 その言葉に、アオを除いた全員、さすがにタバサも、心から安堵の息を漏らし、胸をなでおろした。「さてと、とりあえずこの場はこれでお開きとして、今日の疲れを癒すがよかろう。
 ちょうど明日の夜は『フリッグの舞踏会』じゃ。労いも兼ねて、君たちを主役に盛大にとり行う事にしよう」
 アオを除いた三人が誇らしげに礼をすると、ドアに向かった。
「アオ?」
 部屋から出て行こうとしたルイズが、部屋に留まっているアオに気づいて立ち止まる。
「先に行っていていいよ」
 アオの様子に、ルイズは怪訝そうに見つめていたが、頷いて部屋を出て行った。

401 :ゼロのぽややん:2007/10/29(月) 01:04:09 ID:KwQkqbTw
 オスマン氏はアオに向き直った。
「こうして面と向かい合うのは初めてじゃな、使い魔殿。なにか、私に聞きたい事がおありのようじゃな」
「じゃあ単刀直入に。あれは、『破壊の杖』は、あと何本あるんですか?」
 何本?
 あまりにも意外な言葉に、コルベールとミス・ロングビルが息を呑む。
「なぜ、そう思われるのかな?」
 オスマン氏は驚く様子もなく、柔和な笑みのまま逆に聞きかえす。
「あれを『破壊の杖』と名づけたのは、あなたなんですよね」
「いかにも」
「だったら、一度はあれ以外の物が使われるのを見ているはず。じゃなければあなたに、いやあなたたち全員と言ってもいい、あれに破壊だなんて名前をつける発想がうかぶわけないんだ」
 『破壊の杖』は単発使い切り。
 アオの言葉を思い出し、納得したようにミスロングビルが頷く。
「おぬしはこれについての事情を色々と知っておるみたいじゃな。……交換条件というわけでもないが、ぜひともそこら辺のところを聞かせてもらえんかな?」
 オスマン氏がコルベールに退室を促そうとするのを、アオが制止した。
「かまいませんよ。いずれ分かる事だし、こちらとしても色々と情報は欲しいですからね。
 ですが、ここだけの話、と言うことにはしておいてください」
「ええ、ええ! もちろんですとも!」
 コルベールは、年甲斐もなく興奮で顔を赤くしながら、了解した。
「おぬしがかまわんと言うのなら、それでいいがの」
 ミス・ロングビルの方をちらりと見る。
「では、私は席を外したほうがよさそうですね」
 オスマン氏の視線を察したミス・ロングビルが、ドアに向かった。
 かなり後ろ髪を引かれる話だったが、さすがに教師でもない自分がここに留まっているのはまずいだろう。
「いや。ロングビルさんもいてください。あなたも当事者なんですから」
「そういえばそうじゃの」
 ミス・ロングビルが、今度こそ本当に驚いた顔をする。
「さて」
 三人を前にアオは軽く咳払いした。
「『破壊の杖』だけど、そいつは魔法の杖なんかじゃない。そいつの本当の名前は『M72LAW』。
 旧式の武器だよ……僕の世界のね」
 元の世界の事。
 ルイズの『召喚』で呼ばれた事。
 多くは語らなかった。ごく表面的な事を、ごく簡単に。
 だがそれでも、この世界の住人たちには驚愕に足る内容だった。
 ミス・ロングビルの、かけたメガネを持ち上げる手が震えている。
 コルベールなど興奮で失神しそうな勢いで、『素晴らしい!』を連呼している。
 オスマン氏は、深々と溜息をついた。
「なるほどの。にわかには信じがたい話じゃ。
 しかし、この『破壊の杖』がお前さんの世界の物だとして、なぜ他の物の所在を知りたいのかね?」
「できるなら、回収して、処分します」
「な……」
 さすがにオスマン氏を含めた全員が言葉を失う。

402 :ゼロのぽややん:2007/10/29(月) 01:05:23 ID:KwQkqbTw
「なぜです!! こんな素晴らしい物を処分するだなんて!!」
 『破壊の杖』をアオから守る様に抱え込み、わけが分からないといったように首をふりながら、コルベールが叫ぶ。
「不要だから。
 あの娘の願いの前に、あんな物が存在していたらダメなんだ」
「あの娘……ミス・ヴァリエールの事ですか?」
「……ねえ、コルベールさん。あなたは教師なんですよね。魔法の」
「は、え、ええ、その通りです」
「あの娘は、ルイズは、そんなあなたから魔法を習うために、メイジとして……貴族として一人前だと認めてもらうためにここにいる。努力をしている」
 アオの言葉に、コルベールが押し黙る。
「でも『破壊の杖』は、僕たちの世界の武器は、そんな彼女の夢を、希望を、努力を、意味の無いものにしかねないものだ。だから、いらない」
「……うん、そうじゃの。使い魔殿の言う通りじゃ。
 所詮、『破壊の杖』は私らには過ぎた物だった。そうは思わんかね、ミスタ・コルベール」
「はい、僕とした事が、好奇心に目がくらんで、己の本文を忘れるところでした。お恥ずかしい限りです」
「さて、そういう事なら、協力は惜しまんよ。確かにおぬしの言うとおり、『破壊の杖』はもう一本、存在しておる」
「それはどこに?」
「恩人の墓の中じゃ」
 オスマン氏は目をつぶり、感慨深げに語りだした。
「三十年前、森を散策していた私は、見た事もない怪物に襲われた。そこを救ってくれたのが、あの『破壊の杖』の持ち主じゃ。
 彼は、もう一本の『破壊の杖』で、その怪物を吹飛ばすと、ばったり倒れおった。ひどい怪我をしていたのじゃ。
 そして、そのまま……」
「死んだんですね」
「うむ。私は、彼が使った一本を墓に埋め、もう一本を『破壊の杖』と名付け、宝物庫に収めたのじゃ。恩人の形見としてな……だが、事情が事情じゃ。ミスタ・コルベール。その破壊の杖を使い魔殿に渡して差し上げなさい。もう一本もかならず引き渡しましょう」
「あ〜その事なんですけど」
 こめかみを指でかきながら、アオは遠慮がちに口を開いた。
「実は、今の話を聞いて解決しちゃいました」
「へ?」
 アオは、ルイズたちにしたのと同じ説明を、今度はオスマン氏たちに聞かせる。
 すなわち、『破壊の杖』が一回使えばお終いの代物である事を、だ。
 コルベールは口をあんぐりと開けている。
 黙って聞いていたオスマン氏だったが、終いには笑い出していた。
「つまり、使い魔殿は、知っていて使用したわけですな」
「ええ。実際、使用しないとゴーレムの撃退もできなかったし。ルイズに使わせて撃退すことができれば、わずかなりともあの娘の自信につながると思って」
「で、処分を兼ねて使用したと。まったく、おぬしはきれいな顔をしてずいぶんな策士じゃな、まったく。ミス・ヴァリエールは良い使い魔を持ったもんじゃ。
 だが、ありがとう。生徒の為に尽力してくれて。それに、形だけのものとは言え、恩人の杖を取り戻してくれた。
 それが私には、ただただ嬉しい」
 そう言ってオスマン氏は、アオを抱きしめた。

403 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 01:05:46 ID:iVXzsFsT
支援

404 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 01:07:29 ID:q+qqteD5
支援します。

405 :ゼロのぽややん:2007/10/29(月) 01:08:40 ID:KwQkqbTw
「ですがオールド・オスマンを襲った怪物とは、一体どんなものだったのでしょう?」
 齢百とも三百とも言われ、長き時を生きた偉大な魔法使い。
 そんな彼ですら知らない怪物。
 コルベールは難しい顔をして、首を捻る。
「わからん。怪物の死骸は幻のように消えてしまっての。だが、今でも鮮明に思い出すことができる。あの異様、あの紅い瞳を」
 空気が変わった。
 アオ以外の三人の体が硬直する。
 息をするのにも苦労するほどの重圧。死そのものを予感させる感触。
 その中心にアオがいた。
 彼は笑っている。
 ひどく楽しそうに。
「ああ、すみません」
 皆の様子に気づき、その雰囲気が和らぐ。
 重圧から解放されたコルベールとミス・ロングビルが、床にへたり込む。オスマン氏はどっと冷や汗が噴き出るのを感じた。
「ありがとうございました。とても有益な情報が得られた」
 アオは深々と頭を下げると、部屋から出ようと背を向けた。
「ま、待ちたまえ」
 背後から声をかけられ、ドアに手をかけた状態で立ち止まる。
「……おぬしは、一体何者なんじゃ」
「絢爛舞踏」
 アオは誇るでも、自負するわけでもなく。ただ淡々と告げると、そのまま部屋を出ていった。
 ドアが閉まるのを見て、ようやくコルベールが立ち上がった。
「ケンランブトウ……一体どういう意味でしょう? 僕には、彼が恐怖そのものに見えました。やはり彼は、伝説の使い魔。『ガンダールヴ』なのでしょうか」
「わからん。だが彼が『ガンダールヴ』だろうが、そうで無かろうが関係ないじゃろうて。……ミス・ヴァリエールは相当な当たりを引いたのかも知れんな」
「伝説の使い魔『ガンダールヴ』」
 ミス・ロングビルが噛み締めるように呟いた。
 コルベールとオスマン氏が、しまったと言う顔でお互いの顔を見合す。
 ミス・ロングビルの存在をすっかり忘れていたのだった。
 コルベールが大慌てで、誤魔化すようにまくしたてる。
「み、ミス・ロングビル。伝説の使い魔とかそういう事じゃなくて、そうだ、明日の『フリッグの舞踏会』。僕と踊りませんかと、はい」
「な、ずるいぞミスタ・コルベール。どさくさにまぎれてなにを口ばしっておるんじゃ。ミス・ロングビルが明日踊るのは、私とに決まっておるじゃろう!」
「あなたこそ年を考えてください! 老い先短い貴方より、未来ある僕に譲るのが当たり前でしょう」
「おま、なんちゅうことを」
 醜い、じつに醜い争いだった。
 言い争いが頂点に達し、拳による肉体言語でのやり取りに代わろうとしたその時。
「盛り上がっているところ申し訳ありませんが、少々お話が」
 なぜか晴れ晴れとした笑顔で、ミス・ロングビルが口を挿んだ。
 そのすぐ後。
「なんじゃとー!!」
「なんですとー!!」
 学院に、二人の男の嘆きの絶叫が木霊した。

406 :ゼロのぽややん:2007/10/29(月) 01:10:08 ID:KwQkqbTw
 トリステイン魔法学院の早朝は、白い霧に滲んでいた。
 微かに湿った石畳踏みしめ、ローブを纏ったミス・ロングビルが、石でできたアーチの正門、その手前で立ち止まった。
 霧の中に、彼女のよく知る顔を見つけたからだ。
「あんたかい」
 口調が、フーケに戻る。
「やあ。やっぱりここを去るんですね」
 手に持った包みを持ち上げ、アオはにこやかに挨拶した。
「お宝が無いのなら、ここに長居は無用だしね。しかしまあ、良くこのタイミングがわかったもんだ。見送りを頼んだ覚えはないんだけどね」
「なんとなく」
「なんとなく、か。あんたらしいね。で、なんの用だい」
 フーケは、くすりと笑うと、腰に手を当ててアオを見据えた。
「はい、これ」
 アオは手に持つ包みを、フーケに手渡した。
「サンドイッチ。道中お腹がすいたら食べてください」
「敵だった人間に弁当って……まさか毒入りじゃないだろうね」
 ま、こいつがそんな事はしないだろうけどさ。
 短い間ながらも、多少はアオの人となりがわかってきたフーケだったが、訝しげに包みとアオを交互に見た。
「僕の敵は、あの娘を害するもの全て。今のあなたは敵じゃない。それに、憧れを殺すことはできないよ」
「憧れ?」
「誰かのために生きるって生き方は、たとえやり方が正しくなくても僕の憧れなんだ。だから、あなたは死んじゃだめですよ。護るべき者たちのためにもね」
 アオは遠い目になった。
「あの時、わざわざ私にあんたの事を聞かせたのも、私が憧れだったからかい」
「まあ、フーケさんの過去やら事情を無理やり聞いちゃったし、そのお詫び、かな」
「で、これから私が盗んだ物の中に『破壊の杖』の様な物があったら処分してほしいと」
 フーケの言葉に、アオは黙って微笑んだ。
「いいわ、覚えてたらやってあげる……なんか上手く乗せられた気がするけどね」
「ありがとう」
 嬉しそうに笑うアオ。
 その笑顔に、フーケが顔を真っ赤にして視線を逸らした。
 おもしろくない。
 裏社会でもまれ、酸いも甘いも噛み分けた自分が、終始いいように翻弄されているのが、じつにおもしろくない。
 なんとか目の前の小憎らしい男に、一泡吹かせることはできないものか。

407 :ゼロのぽややん:2007/10/29(月) 01:11:35 ID:KwQkqbTw
「ねえ、ちょっと目を閉じてくれないかい。それとも、私の前で目をつぶるのは怖い?」
 なんの躊躇もなく、目を閉じるアオ。
 フーケはちょっと驚いたが、すぐさま悪戯っぽく、微笑んだ。すっと手を伸ばして、アオの髪を撫でる。
 その顔に、ふわっと柔らかなものが触れた。
 唇が、唇に。
「!」
 目を開く。
 すでに、フーケの姿は霧に消えかけていた。
「あはは、ちょっとは驚いたかい。あのお嬢ちゃんには悪いけど、手ぶらで去るのも癪だったからね」
 フーケは人差し指を唇にやって、くすくす笑った。
「まあ、代わりにそれをあげるよ」
 タイミングよく、アオの頭に載っていたメガネがずり落ちて、彼の顔にかかる。
 フーケが、ミス・ロングビルの時にかけていたメガネだった。
 度は入っていない。
「フーケさん」
 去ろうとしたフーケが、一度振り返る。
「マチルダ。それが本当の名さ。まあ、もう会うことはないだろうけどね」
「本当の、名」
 アオの声が詰まる。
「じゃあね、アオ」
 そして今度こそフーケ、いやマチルダは、霧に消えた。
「本当の名、か」
 ひどく虚ろな声で呟くと、メガネを外し、それをじっと見つめる。
 今の自分はこのメガネのようなものだな。
 そう思うと、なんと皮肉が効いている事だろう。
 再びメガネをかける。ようやく差し始めた日の光が、レンズを輝かせた。

 そして、なんと今の自分に合っている事だろうか。


「そ、そんな、ミス・ロングビルとアオさんが……」
 その一部始終を、家政婦(メイド)は見た。

408 :ゼロのぽややん:2007/10/29(月) 01:13:04 ID:KwQkqbTw
終了。
とりあえず、次で原作一巻分のエピローグってところですね。

409 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 01:14:10 ID:5K6fKJHm
何と言うことだシエスタが市原悦子にッ支援

410 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 01:32:54 ID:J6ohe+2+
乙だが学園付きのメイドは家政婦だろうか

しかしワルドといい
マチルダさんは恋愛フラグが死亡フラグで不幸フラグっぽいのが、何だ
萌ゆるな

411 :ゼロの黒騎士 第十回:2007/10/29(月) 01:34:29 ID:P0F1QP3t
投下したいのですが、進路はクリアでしょうか?
クリアでしたら、1:40から投下を開始します。

412 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 01:37:18 ID:sfKM51r8
戦車が通れるほどに空いている。

413 :ゼロの黒騎士 第十回 1/11:2007/10/29(月) 01:40:44 ID:P0F1QP3t
眼下には、ラ・ロシェールの町並みが広がる。
街の灯りが、水底に沈んだ宝石のようにも見える。
その光を遮る、人影と呼ぶにはあまりにも大きな何か。

――何だあれは? ゴーレム?

とにかく、ラ・ロシェールで騒動が起こっているのならば、そこに彼らが追っているワルドが関わっている可能性が高い。
翼を傾けて急降下する。
後続の二騎が、隊長騎に続いた。


数十分前――『女神の杵』亭にて

「あら、お帰りなさいまし、子爵」

「日は既に落ちているとはいえ、こんな時間から酒盛りかい? あまり感心はしないな」

「堅い事は言わないで下さいな。何しろ、明日は出立するんですもの。
 朝一番の船に乗ったら、敵地アルビオンへ一直線。
 騒げる時に騒いでおかなければ、もしもの時に未練を残しますわ」

「なるほど。まあ、そういう事なら仕方ないか。
 しかし、明日に残さないように」

「話の分かる方で良かった。さ、子爵様も一献」

「いや、僕は……」

「寂しい事を仰らないで下さいな。
 魔法衛士隊の隊長ともなれば、ご見聞も広いのでしょう?
 軍務の話など色々お聞かせくださいまし」

「あ、それは僕も聞きたいな」

「参ったな」

「……ちょっと席を外す」

「タバサ嬢、何処へ?」

「手水」

「……それは失敬」

――上手くやりなさいよ、タバサ。



414 :ゼロの黒騎士 第十回 2/11:2007/10/29(月) 01:41:56 ID:P0F1QP3t
予想はしていたが、部屋の扉には当然のように鍵が掛かっていた。
タバサは何事もないかのようにスカートのポケットから細い針金を一本取り出すと、鍵穴に差し込む。
だが、手の中で弾かれるような感覚。

――施錠の魔法。

手の込んだことだ。思わず舌打ちが出る。
ここから入るのが無理だとすると残るは……ベランダの窓。
ちょうど良い事に、隣の部屋を確保してある。
上手くすれば、そこからフライを使うことなく侵入できるはず。

そこまでは良かったのだと思う。
計算違いは、部屋にルイズがいた事。
ルイズは寝台に腰掛けて、伏せるノワールの頭を撫でながら、ぼんやりと考え事をしているようだった。
さすがに事情を知らないルイズのいる前で、隣の部屋に侵入するわけにはいかない。
かといって、顔を見た瞬間部屋を出るというのも、失礼極まりない話だ。
少し考えた結果、タバサは本を取りに来た事にする。
実際、寝巻きのポケットの中にもう一冊本を持ってきている。
何しに来たのかと問われたならば、その本を取りに来たのだと答えれば問題はないはずだ。
そうと決まれば長居は無用。
幸いと言っていいのか、キュルケが買ってくれたこの服はフリルだけではなく、ポケットも多い。
本の一冊くらいなら、そこに入れておけば行動に支障はないだろう。

だが、ごそごそと自分の寝巻きを漁るタバサの背中に向かって、ふと思いついたように、ルイズが尋ねた。

「そういえば、キュルケはまだホールにいるの?」

タバサは本を探す手を止めると、ルイズに向かってコクリと頷く。

「そう……ギーシュやワルドも一緒?」

同じように頷き、さらに一言付け加える。

「宴会」

下で飲んでいてくれるなら、こちらとしても好都合と言う本音はそっと無表情の下に隠した。
ルイズは、どこか困ったように微笑む。
学院では見ないような、どこか大人びた表情。

「そういう気分じゃないの」

そう、とだけ返す。
しばらくの間、部屋の中を沈黙が満たす。


415 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 01:42:36 ID:6nThuhU6
支援

416 :ゼロの黒騎士 第十回 3/11:2007/10/29(月) 01:42:59 ID:P0F1QP3t
「キュルケがさ、タバサといつも一緒にいるの、ちょっとわかる気がする」

唐突に、ルイズが口を開いた。
小首を傾げるタバサ。

「自分じゃ意識してないのかもしれないけど、タバサの傍って意外に居心地が良いもの」

タバサはじっとルイズの顔を見つめる。
何の表情も浮かべていないはずのその顔が、どこか驚いているようにも見えた。
しばらくそうした後、くるりと背中を向けて、寝巻きのポケットを探る作業を再開する。
その姿勢のまま、ポツリと答えを返した。

「よく分からない」

多分それは、キュルケもわたしもある意味では似たもの同士だからだ、とルイズは思う。
つい最近、薄々感じていたことが、ここに来てはっきりとした形に像を結ぶ。
物凄く認めたくない事実ではあるのだけれど、お互い我が強く、そして、敵が多い。
ルイズは魔法が使えないことで、キュルケはその男性遍歴で。
だから、そういう部分で人を判断しないタバサの傍が心地良い。

「もっと早く気がつけばよかった。そしたら、友達になれたのに」

友達、とタバサは呟く。
それに気づかないまま、ルイズは続ける。

「今からでも、遅くはないかしら?」

ふと、手が止まった。
タバサが何かを答えようとしたそのとき、ノワールの耳が立った。
がばりと起き上がる。

「ノワール?」

「静かに」

不思議そうな顔をするルイズをタバサが制する。
そのただならぬ様子に、ルイズも口を閉ざした。
緊張した空気が流れる。
その瞬間、部屋のドアが叩かれた。タバサは無言のまま立ち上がり、油断なく杖を構える。
凍りつくような沈黙の中、むしろのんびりとさえした声が響いた。


417 :ゼロの黒騎士 第十回 4/11:2007/10/29(月) 01:44:03 ID:P0F1QP3t
「ルイズ、僕だ。入っても良いかい?」

ワルドだった。
緊張した空気が霧散する。

「ワルド? ちょっと待って。構わないわよね、タバサ?」

杖を下ろし、コクリと頷くタバサ。
ルイズはワルドを招き入れるために寝台から立ち上がった。
どうやら、ワルドはルイズをホールの宴会に誘いに来たらしい。
さきほどまでの反動なのか、何処か弛緩した空気が漂う室内で、しかし、ノワールだけが警戒を解いていない。
この若さにして、幾つもの修羅場を潜ってきた経験が、その事をタバサに気づかせた。

――外?

先ほどまでおぼろに差し込んでいたはずの月光が翳っていることに気がついた瞬間、短く呪文を詠唱。
タバサが渦巻く風に身体を突き飛ばされるようにして部屋の入り口まで飛び退り、ノワールも一足で後退する。
次の瞬間、ベランダから突き込まれたる巨大な岩の拳が、室内に置いてあった何もかもを破壊しつくした。

「岩のゴーレム!?」

ワルドに抱きかかえられて難を逃れたルイズが叫ぶ。
壁が破壊され、見通しがやたらと良くなった部屋の外、中天にかかろうとする二つの月を隠すようにして、
二十メイルはあろうかというゴーレムが立ち上がる。
その肩には、二人の男女。
片方は白い仮面を被った男。もう一人は……。

「『土くれ』のフーケ! チェルノボーグの監獄に収監されてるはずじゃなかったのっ!?」

「あたしくらい才能豊かだと、スカウト先が引きもきらなくてね。
 雇い主が救い出してくれたのさ!」

その言葉に合わせるように、ゴーレムが拳を振り上げる。

「こいつは、素敵なバカンスの返礼だよ。
 釣りは要らないから、受け取っておくれ!」

「いかん! 一時撤退する!」


418 :ゼロの黒騎士 第十回 5/11:2007/10/29(月) 01:45:08 ID:P0F1QP3t
一階へ通じる階段へ三人と一匹が駆け込むのと、拳が唸りを上げて叩きつけられるのは、ほぼ同時だった。
砕けた破片が降り注ぐのを、頭を屈めてやり過ごす。

「フーケの雇い主って、アルビオンの貴族派なのかしら」

「恐らく、ね。
 さて、困ったな。どうやら我々は囲まれたらしい」

「嘘!?」

「本当さ。さっき一瞬だが、通りの方から近寄ってくる連中が見えた。
 弩を持ち歩く連中がただの野次馬とも思えないしね。そろそろホールに踏み込んでくる頃だろう」

「合流」

「いや、それは上手くない。このような任務では、半数が目的地にたどり着ければ成功とみなされる。
 キュルケ嬢やギーシュ君には悪いが、派手に暴れて敵の目を引き付けて貰おう。
 タバサ嬢。君もここに残ってくれないか?」

逡巡は一瞬。
タバサはワルドの提案に、こくりと頷いた。
無論、タバサはワルドの潔白を信じてはいない。状況的にあまりにも怪しい点が多すぎる。
だが、仮にキュルケの疑惑が真実だとして、ここで拒絶した時、果たしてワルドはどう出るだろうか。
最悪の場合、杖を抜く。
魔法衛士隊の隊長を務める人間と、この状況下で一騎討ちして勝つ自信があると言い切れるほど、
タバサは自信過剰な人間ではない。
ならば、ここは一旦引き、キュルケ達と合流して、状況を仕切りなおした方が良いと判断する。
実を言えば、一番の親友であるキュルケの事も心配だ。
二人だけでは荷が重い可能性が高い。
それに、何よりもルイズとワルドを二人きりにするわけではない。
吠えもせずじっと伏せているノワールに目をやる。
ルイズの袖をクイと引っ張った。

「ノワールに乗っていくと良い。あなたが一番足が遅い」

「え? あ、ええ、そうね。確かにそうだわ。ありがとう、タバサ」

「気をつけて」

その一言に、万感の思いを込める。

「タバサも無事で。
 ギーシュも守ってあげてね。多分一番弱いから。
 あー、あと、ええっと……その、ツェルプストーにも気をつけるように言っておいて。
 べ、別に心配してるわけじゃないんだからね。その、死なれたら寝覚めが悪いじゃない!」

「分かった」

一つ頷いて、ホールに向かって駆け出す。
その後姿を見送ると、ルイズはノワールに跨った。

「行きましょう、ワルド」

騎乗姿も凛々しいルイズに、何故か痛々しげな眼差しを送るワルド。

「その、ルイズ、下着が……」

「そ、そそそそれ以上は言わないでっ! それに、そんな事言ってる場合じゃないわっ!」

二つの影が、裏口を目指して走り出す。

419 :ゼロの黒騎士 第十回 6/11:2007/10/29(月) 01:46:15 ID:P0F1QP3t

表通りを横切り、細い裏道を抜け、一散に桟橋へと向かう。
足取りに迷いはなく、目的地はこれ以上ないほどはっきりとしている。
あっという間に世界樹の根元に辿り着いた。
昨晩も訪れたエントランスを抜け、一瞬視線を彷徨わせるワルドを尻目に、
ノワールは速度を緩めることなく、目的の階段を駆け上る。
追随するワルド。ノワールは決して脚を緩めようとしない。
遥か下方にラ・ロシェールの街の灯り。
今にも崩れそうな手すりが、足音にあわせてパラパラと木屑を舞い散らす。
きしむ階段のたわみさえも、階段を駆け上がる速度に変換する。
後方からワルドの制止の声。
見上げる視線の先、階段の向こう、踊り場に黒い人影。
わだかまる闇に浮かび上がるような白い仮面。

――危ない、止まれ。

だが、ルイズは抱きしめる腕の下で、ノワールの筋肉が更にうねる膨れ上がるのを感じる。
これは、ノワールが加速するときの兆しだ。

――飛び降りろ、ルイズ!

諸腕に力を込める。
闇の中に流れる髪が、何かに引っ張られたのではないかと思うような大加速。
叩き付ける様な向かい風の中で目を凝らせば、ボロボロのはずの手すりが、
滑らかな一繋がりの流体のように視界の端を後方に流れ去っていく。
階段の踏み板が、蹴り脚の勢いに耐え切れず、一足ごとに踏み砕かれる。
とても階段を駆け上っているとは信じられない。闇の底に向かって落ちていくよう。
だが、ルイズに恐怖はない。
階段の上で仁王立ちをする白仮面の脇を、とても曲がり切れるとは思えない速度ですり抜けた。
白仮面は咄嗟に詠唱を中断してルイズに手を伸ばす。しかし、その手は空しく宙を掴む。
そのまま物理法則に従い踊り場の手すりをぶち破って、
一人と一匹は放物線を描いて中空へと投げ出され……たりはしない。
ノワールは手すりのギリギリ手前で方向転換。
慣性を嘲笑うかのようなバランス感覚で体勢を整えると、体が流されるままに、
手すりを思い切り蹴りつける。逆方向への加速。
崩壊寸前だった手すりはその一撃で完膚なきまでに破壊されるも、
その僅かな一瞬を文字通りの足がかりにして鋭角にターン。
メイジなど真正面から相手にしていられないとばかりに、さらに階段を駆け上がる。
走り去る背を見送る形になった白仮面は、それでもルイズの桃色がかった金髪が闇の中に消える前に呪文を再詠唱。
完成した魔法をノワールめがけてに叩き付けた――エア・ハンマー。
階段の端から端まで叩きのめすに十分な大きさの空気の塊がルイズに迫る。
だが、それが見えているかのように、ノワールは階段の外へと飛び上がると、
垂直に切り立つ壁――世界樹の幹の内側――を、ルイズを背負ったままひた走る。
ルイズが腕の力を弱めるなんて、欠片ほども考えていない機動。
斜めに傾いだ視界の端で、ワルドが白仮面をエア・ハンマーで吹き飛ばすのが見えた。
そのまま、枝に停泊する船まで走り抜ける。

思う。
聞いたぞ、確かに聞いた。
更に思う。
間違いなく、中断前と後で違う魔法をお前は詠唱した。
止まると思ったのだろう?
ルイズが降りると思ったのだろう?
脚が止まったら俺だけ始末しようと思ったんだろう?
当てが外れて、ルイズを巻き込まんでも良いように殺傷力の低い魔法に切り換えたな?



420 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 01:46:47 ID:spF3WSb2
でもワルドの目はルイズのぱんつに釘付けなのでした支援

421 :ゼロの黒騎士 第十回 7/11:2007/10/29(月) 01:47:17 ID:P0F1QP3t
タバサがホールにたどり着いてみると、そこは酷い有様だった。
魔法の範囲外から、数十人がかりで射掛けられては身動きも取れない。
据えつけられたテーブルの脚を錬金して横倒し、バリケード代わりにしているが、
そうでなければ、ギーシュとキュルケは今頃針鼠になっていただろう。
タバサは、低い姿勢で転がるようにテーブルの影に走りこむ。

「タバサ、無事だったのね! ルイズは!?」

「分断された。ワルド子爵と一緒」

裏口の方を指差す。
その仕草で全て了解したとでも言うように、キュルケは一つ頷いた。

「予想してしかるべきだったわ。これがあるから、わたしたちの同行を許したのね」

確実な証拠を押さえようなんて考えたのが不味かった。
とっとと全部ばらして正面から対決すべきだったか、と後悔しても後の祭り。
認めよう。手回しの速さはワルドの方が一枚上手だ。

「よ、よく分からないが、ルイズはワルド子爵と一緒なんだろう?
 なら、彼に任せて、ここを何とか切り抜ける方が先決だと思うんだが」

「そのワルドと一緒だって言うのが、問題なのよ。
 でも、確かに今はこれを切り抜ける方が先決ね」


422 :ゼロの黒騎士 第十回 8/11:2007/10/29(月) 01:48:26 ID:P0F1QP3t
魔法で牽制することで押し込まれる事だけは辛うじて防いでいるが、このままではジリ貧だ。
絶え間なく射掛けて足を止め、精神力が尽きた所で押し込む。
常套手段だが、実に有効な選択だ。有効すぎて、こちらに打つ手がない。
ちょっとは山っ気だしなさいよね、と顔も知らぬ傭兵たちに八つ当たり。
となると、撤退するが上策だが、それにしても、傭兵の足を止めるために最低一人は残る必要がある。
ドットメイジのギーシュは論外。足止めにもならない。
となると、残るのはキュルケかタバサ。
どちらが残るにせよ、残った一人は確実に死ぬ。
いや、そこで死ねればまだマシだ。浚われでもしたら、どうなるかなど考えたくもない。

「ん……?」

「ちょっと、ギーシュ! 危ないわ、頭引っ込めなさい!」

「あ、いや……見覚えのある顔がちらほらいるんだ」

キュルケはタバサに牽制を任せて、ギーシュに向き直る。

「見覚えのある顔?」

「ああ……僕は昨日、生き残った傭兵を尋問しただろう?
 流石に昨日の今日だからね。顔くらいは覚えてる。
 参ったな。やっぱり貴族派に雇われてたんじゃないか」

知っていれば、こちらが先手を打てたのに、と悔しそうに呟くギーシュ。
でも……

「でも、これは使えるな。傭兵だけなら、何とかなるかもしれない。
 追い払うだけでいいなら、だけどね」

「何か名案があるなら、早くしていただけるかしら?
 正直、あまり時間がないの」

はやくどうにかして、ルイズとワルドを追いかけなくてはならない。
焦るばかりで、思考が空回りする。

「出来れば、僕にも事情を説明して欲しいんだが……まあ、良いか。
 さて、ではとくとご覧じろ」

ギーシュは薔薇の造花を模った杖を一振りする。
花びらが舞う。

「こいつは、ク・ホリンとでも名付けようか」


423 :ゼロの黒騎士 第十回 9/11:2007/10/29(月) 01:49:37 ID:P0F1QP3t

戦線はしごくあっさりと崩壊した。
青銅製の犬の姿をしたゴーレムを見た瞬間、昨夜生き残った五人が泡を食って逃げ出し、後は酷いものだった。
一人欠け二人消え三人が連れ立って逃げ出し、気が付けば、矢ぶすまに切れ目が出来るようになり、
中のメイジ――多分、キュルケという学生――が放った火球の魔法が傭兵たちのど真ん中で炸裂した時、
もはや敵前逃亡を押し留める術はなくなっていた。
恐怖に囚われた集団のなんと脆いことか。
それを食い止めるべき白仮面はもういない。
五人が逃げ出す直前に、後は好きにしろと言い残して、世界樹の方へと飛び去ってしまった。
自らが作り出したゴーレムの肩の上で、『土くれ』のフーケは切なく溜息を吐く。

さて、どうしたものかな、と考える。
傭兵をゴーレムで脅して、もう一度酒場に押し込む事も出来ないわけではない。
だが、昨夜の一件で心底恐怖を刷り込まれた五人の狂態を見た傭兵たちの士気は最低も良い所だ。
パニックが感染しかけていると言っても良い。
最悪の場合、ボウガンがこちらを向く可能性さえある。
あの犬コロと直接対峙していない連中なら、恐怖を新たに刷り込む事で統制を取る事も可能だろうが、
その場合はゴーレムで何人かの傭兵をミンチにする必要があるだろう。
また、無理に傭兵を頼らず、ゴーレムの力押しで中の連中を黙らせるという手もある。
二十メイル超のゴーレムの制圧力は、あんな急ごしらえのバリケードなど、物ともしない。
宿屋の入り口から手を突っ込んで叩きのめすだけで事は終わる。
終わるのだが……

……正直、そこまでする必要はあるかなぁ、とも思う。
大体、自分は盗賊であって、少なくとも、今はまだ殺し屋ではないのだし、
あのノワールとかいう犬ならともかく、キュルケやタバサ、ギーシュという学生を恨んでいるかと言うと、
そこまで深い接点があったわけでもない。
確かに、キュルケとタバサが、フーケが破壊の杖を盗み出そうとする現場に居合わせたのは事実だが、
何かされたわけでもないのだ。
そもそもフーケの中で、あの一件はどちらかといえば自分のミスで起きたのだという意識が強い。
学生だと侮ったりせず、三人娘がいなくなるのを待ってから宝物庫の壁を破壊すれば、
あんな目に遭わずにすんだのだから。
降って湧いたチャンスに、思わず先走った所為だと言える。

雇い主も用は事足りたと言ってるわけだし、これ以上ドンパチする必要はない、か。
それじゃ、今日のところはこの辺で消えさせてもらうかな。

フーケはフライを詠唱。
ゴーレムを解体する手間もそこそこに、夜の闇へと消えた。
結果として、あくまでも結果としてだが、フーケのこの判断は彼女の命を救う事になる。
何故ならば、この直後、マザリーニの放った追っ手――三騎の竜騎士が、ラ・ロシェールの街に到着したのだから。


424 :ゼロの黒騎士 第十回 10/11:2007/10/29(月) 01:50:48 ID:P0F1QP3t

「ワルド、見て! 竜騎士よ!」

舷側から身を乗り出すようにして、ルイズが叫んだ。
船長との交渉を終え、船――『マリー・ガラント号』という――が出港するのを確認していたワルドは、
思わず安堵のため息が漏れそうになる。逃げ切ったか、という思い。
見栄えのしないトリステインの宰相を、鳥の骨と侮る者は決して少なくない。
だが、その傍に仕えてきたワルドは、マザリーニの有能さを嫌というほど目の当たりにしてきた。
だから、もし仮に誰かが自分の行動の不自然さに気がつくとしたら、
必ずマザリーニが最初に気づくことになるだろう、とそう思っていた。

だが、それにしても、追うと決めたら躊躇わず最速の手段を選ぶか。
偶然とはいえ、『スヴェル』の月夜絡みで、時間的余裕はまだあると偽装できていたはずなのだがな。
つくづく抜け目のない男だ――だが、今回は俺の勝ちだ。

「……ワルド?」

怪訝そうなルイズの声。

「あ、ああ、すまない、ルイズ。 少々を考え事をしていてね。
 恐らく、変事あることを察した近在の領主が向かわせたのだろう。
 後の事は彼らに任せて、僕たちはアルビオンへと急ごう」

そっとルイズの肩を抱き寄せる。
腕の中で、わずかにルイズが身を強張らせたが、拒絶はしない。

「空の風は君が思うよりも身体に障る。今夜はもう船室で休んでいたほうが良い。
 もしも、可愛いルイズが風邪など引いてしまったら、僕の胸は心配で張り裂けてしまうよ」

大げさね、とルイズがわずかに笑みをこぼす気配。

「大袈裟でも何でもないんだがね」

ワルドは心の底からそう答える。


425 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 01:53:07 ID:spF3WSb2
マチルダさん勘が良くなってる?支援

426 :ゼロの黒騎士 第十回 10/11(代理):2007/10/29(月) 01:57:10 ID:leyDwuQt
やられたわ。見事に置いてきぼりね」

アルビオンへと向かう『マリー・ガラント』号は、もう豆粒ほどの大きさにしか見えない。
ゴーレムが突如動かなくなったことで、フーケが退散したことを知ったキュルケ達三人だったが、
全力で急いだものの、結局『マリー・ガラント』号の出航には間に合わなかった。

「でも、まだよ、まだ手はある!」

だが、キュルケは諦めようとしない。
諦めるのは、ツェルプストーの女には似合わない。

「シルフィード」

ポツリとタバサが呟く。
そう、まだタバサの使い魔であるシルフィードという手がある。
今すぐ出発すれば、アルビオンに船が到着する前に……。

「あー、すまないのだが、お嬢さん」

いきなり背後から声を掛けられた。
うるさいわね、今忙しいのよ! と言いかけた所で、その声の主が、タバサでもギーシュでもない事に気づく。

「『女神の杵』亭の主人が言うには、君達が、ワルド子爵の同行者だそうだね。
 そして、傭兵とゴーレムに襲われたそうじゃないか。ちょっと事情を聞かせてもらえないかな?」

「……え、どちら様?」

キュルケに声を掛けたのは、磨き上げられた胸甲も眩い一人の騎士だった。
腰には実用一辺倒の無骨な鉄ごしらえの杖が無造作にぶら下がっている。
そして、その男を何よりも特徴付けているのは、その後ろを守るように佇む一匹の風竜。

「トリステイン空軍竜騎士隊の者だ。
 マザリーニ枢機卿から、ワルド子爵とその同行者を保護するように命じられている」

更に二匹の風竜が、その背後に舞い降りる。
翼の生み出す風圧で、砂埃が舞った。

「こちらも事情が分からなくて困っているところでね。
 君達から詳しい事情が聞けるものだと、そう期待しているんだ」

穏やかな表情とは裏腹に、その言葉には否とは言わせない迫力があった。
キュルケ達にとって、この夜の騒動は、まだもう暫く終わりそうにもなかった。

427 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 01:59:30 ID:vrM+Q1yt
支援

428 :ゼロの黒騎士 第十回 (代理):2007/10/29(月) 01:59:33 ID:leyDwuQt
以上です

429 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 02:07:22 ID:sfKM51r8
代理の方、投下乙であります!

430 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 02:07:22 ID:spF3WSb2
作者さまも代理人さまもお疲れ様でしたー

…ノワールの不信ゲージがぎゅんぎゅんと上昇してますよ

431 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 03:23:38 ID:qyFHyqs6
不信どころか処刑フラグが立ちつつあるような

432 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 03:34:55 ID:Iyd5ad20
絢爛舞踏>>盗賊戦編、読ませて頂きました(_ _)

率直に言うと、あっちゃんの弱体化の感が否めません
足枷付きとは言え、魔王状態で無い事を差し引いても、もう少しスマートに行けるかと・・・・
経験と戦略眼が何よりの武器ですし

描写から察するに、ゴルゴーンクラスと見ました
歩兵用のロケラン一発でミノが撃破出来るとは考えにくいので
(ステータスにも因りますが)

続き、楽しみにしています(_ _)

433 :Mr.0の使い魔:2007/10/29(月) 09:12:25 ID:9EQQeZA1
遅まきながら、あっちゃんの人もノワールの人も、代理の人も乙でした。

さて、こんな時間だけどトゥーカしちゃうわよう。

434 :Mr.0の使い魔 第二十八話(1/5):2007/10/29(月) 09:15:26 ID:9EQQeZA1
 砲列甲板では、間もなく人員の交代時間であった。先にこの場にいた
五人と交代要員の四人、合わせて九人の荒くれ者が雑談に興じている。
本当ならばもう一人、交代の者がここにいる筈なのだが。

「デニスの奴、相変わらず便所がなげーなぁ」
「自覚が足りないんだよ。時間に間に合うよう動けないんじゃまだ半人前って事さ」
「おいおい、それなら遅刻常習犯のエドワードは何人前だ?」
「あいつも先輩なんだから、もう少し規範になるような行動を」

 笑いながら、ふと一人が視線を持ち上げて、怪訝な顔をした。

「どうした?」
「いや、天上で何か動いたような……」

 目を凝らす男。天井から吊るされたカンテラは、下方を照らすよう、
光を集める傘が取り付けられている。その分上向きの光が遮られ、天井
には殆ど光が届かないのだ。影になるそこの様子は、一目見ただけでは
とても判別できない。
 もっとよく見ようと目を細めた、直後。

「おっと」

 彼はさっと身を退いた。天井から木片が落ちて来たのだ。床に転がり
乾いた音を立てた欠片は、親指の先ほどの小さなもの。
 破片を目にし、男達は一様に感慨深げな表情を浮かべた。このフネが
就航してから随分経つ。戦闘も幾度となく経験した。その都度傷付いた
所を修繕し続けてはいるが、いい加減ガタが来てもおかしく――。

 突然の雨音。同時に視界が闇に覆われる。
 一瞬の闇が晴れた後には、目の前に男が佇んでいた。商船から連れて
来た剣士だ。咄嗟に後ずさろうとして、全身が動かない事に気づく。

「な、これは!?」

 視線を下ろせば、足先から首元までこびり付く大量の砂。他の八人は
頭の上まで茶色い粒に梱包されている。土系統の魔法で捕縛された、と
顔を歪めていると、剣士の男が口を開いた。

「二つだけ聞こう。宝物庫と船長室はどこにある?」

 あからさまに見下した視線と嘲るような口元の歪み。空賊相手で優位
だからとはいえ、あまりにも不遜な態度だ。この状況下でその二カ所を
聞き出そうというのなら、狙いは宝の横取りと船長の命だろう。前者は
ともかく、後者はとても許せるものではない。

「貴様のような奴に、誰が教えるものか!」

 だからこそ、気丈な態度で拒絶した。自分が殺されても構わない。命
惜しさに頭を差し出すなど、そんな恥知らずなまねをするくらいならば
死んだ方が百倍もマシだ。
 拒絶された男は、激昂するかと思いきや平然としたまま。路肩の石を
戯れに蹴り飛ばすように、何とも味気ない別れを告げた。

「そうか。なら、てめェも死ね」

 再び視界を闇が覆う。今度こそ、その闇は晴れる事はなかった。



435 :Mr.0の使い魔 第二十八話(2/5):2007/10/29(月) 09:18:15 ID:9EQQeZA1
 Mr.0の使い魔
  ―エピソード・オブ・ハルケギニア―

     第二十八話


 歓談していた九人の者が九つの物に変わるまで、要した時間は三十秒
にも満たない。あまりにも一方的で理不尽な殺戮劇を演出した張本人は、
車座に並ぶ屍の中央に悠然と佇んでいた。
 砂を踏みしめる唯一の生存者、クロコダイル。最期に空賊達が聞いた
雨のような音は、大量の砂が降り注ぐ音であった。前後に長い砲甲板、
その前側の階段から、砂になったクロコダイルは天井を這うように進み、
何も知らぬ空賊達の真上から襲いかかったのである。御丁寧にも、先に
木片を落として注意を逸らしてから。
 情報を引き出すために一人を残したが、口を割りそうになかったので
すぐに殺した。尋問に長々と時間を割くよりは、ここでの仕事を終えて
探しに行く方が楽でいい。
 力なく項垂れるミイラ達を一瞥すると、クロコダイルは自分の降りて
来た階段の方へ呼びかける。

「もういいぞ。片付いた」

 声に応じて、階上で息を潜めていたワルドとルイズが姿を現した。
 現場を目にしたルイズは、先ほどのように顔を歪めはしない。船倉の
一件で多少なりとも慣れたのだろう。

「大砲はどうするの?」

 しかしながら、声は幾分弱々しかった。空賊のものであっても死体は
死体、やはり近づくのはいい気分ではないようで、ワルドの隣にぴたり
と寄り添って離れようとしない。
 そんなルイズの問いを受け、クロコダイルは口の端をつり上げる。

「壁の穴を広げて放り出す」
「乱暴ね。下に人がいたら危ないじゃないの」
「空の上で戦争やってんだ。たまには大砲が落ちてくる事もあるだろうさ」

 他人事のようにいけしゃあしゃあと言ってのけるクロコダイル。
 ルイズは呆れとも諦めともつかないため息を零した。空賊とはいえ、
人を実に十人以上殺しても平然としている冷酷さ。そして他人の迷惑を
まるで顧みない厚顔さ。クロコダイルが『王下七武海』などと大それた
名を持つ海賊集団の一角であった理由は、彼がとんでもない悪人だった
からかもしれない。
 ルイズの様子を見てもなお普段通りの態度で、クロコダイルは二人に
階段を見張るように命じる。

「誰か来たらすぐに知らせろ」
「わかりました」
「早く済ませなさいよ」

 素直に頷くワルドと、あくまでも強気な所を見せようとするルイズ。
 持ち場に分かれる二人の対比を楽しみながら、クロコダイルは近場の
壁に手を伸ばす。大砲は全部で五十近くあるので、手際よく処理せねば
作業の途中で見つかってしまう。もっとも、その時は逃がすつもりなど
ないのだが。

「さて……いつまで恐怖を知らずにいられるかな」

 頭目の顔を思い浮かべながら、まず一カ所、壁の木材を砂礫に変えた。


436 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 09:20:07 ID:UfIkkpkw
支援!

437 :Mr.0の使い魔 第二十八話(3/5):2007/10/29(月) 09:20:54 ID:9EQQeZA1
「何よ、あの言い草は。使い魔だって自覚が薄れてるんじゃないかしら」

 階段の上に座り込んだルイズは、誰に言うでもなく呟いた。今更では
あるが、愚痴をこぼしでもしていないと不安で潰れそうになる。学院を
出る時には任務を果たそうという使命感で一杯だった。ところがどこを
どう間違ったのか、今は空賊に捕まって脱出に奔走しているのだ。
 アルビオンを目前に周囲は敵だらけ、頼みの綱はたった二人の男達。
その二人も、ワルドは杖を奪われてコモンクラスの魔法すらも使えず、
クロコダイルに至ってはそもそも人格面で信用や信頼とは無縁である。
仮にも己の使い魔なのだから見捨てられる事はなかろうが、仮に主従の
関係でなかったとすれば、戦力外のルイズは真っ先に放り出されるか、
あるいは殺されているだろう。

「というより、あいつなら今すぐにでもわたしを捨てそうね」

 自嘲するように言って、ルイズはますます不安になった。
 今までの人生、『ゼロ』と蔑まれ続けた自分。己を変える切っ掛けは
クロコダイルの言葉だった。相変わらず魔法が爆発するのは仕方ないと
しても、それを認めた、認めてくれた彼がいるからこそ悲観的にならず
にすんでいる。
 が、しかし。あの打算的で狡猾なクロコダイルが、内心でどう考えて
いたのかまではわからない。まして今のルイズは唯一の武器たる『爆発』
すらも使えない、本格的に足手まといの小娘だ。もしもクロコダイルが
使えないと、不要だと判断したら、その時自分はどうなるのか。

「ッ!」

 思考に没頭していたルイズは、不意の足音に目を見開いた。空耳では
なく、はっきりと廊下を走る音が聞こえて来る。しかも、それは段々と
こちらに近づいていた。

「知らせなきゃ」

 ルイズは階段を駆け下りた。壁という壁が取り壊され、随分風通しの
よくなった砲甲板。真ん中辺りにクロコダイルの姿がある。床に溢れた
砂を波打たせ、大砲とついでにミイラも外へと押し流していた。
 死者を放り捨てる、というのはあまりにも礼節を欠いた行動であるが、
ルイズは怒りよりも先に“捨てられる事への恐怖”を感じた。ミイラ達は
クロコダイルにとって全く無益な存在であり、故に大砲と共に無造作に
処分されたのだ。回収し利用するだけの価値が見出せなかったから。
 このフネで、クロコダイルにとっての『必要』から外れた存在の辿る
末路。邪魔だと判断されたモノの行く末に、例外はない。

「クロコダイル!」

 ルイズの口から、自分でも思ってもみなかったほど大きな声が出た。
クロコダイルがうるさげに顔を顰めているが、そんな些細な事は二の次
である。今は自分に割り振られた役目を果たすのが最優先だ。

「敵よ。人数はわからないけど、走って近づいて来る」
「ふん、やっと脱走に気づいたか」
「戦うの? それとも、移動するの?」
「退くさ。ここでやる事はもう終わったからな」

 外套を翻し、クロコダイルはワルドの待機する後方の階段へと向かう。
 慌ててルイズも後を追った。引き離され、置き去りにされるのが恐い。
自分の内心に気づいたとて、どうする事もできなかった。一刻も早く杖を
取り戻し、再び有用な力を手にする――それ以外に、今の恐怖を振り払う
手段はないのだから。


438 :Mr.0の使い魔 第二十八話(4/5):2007/10/29(月) 09:22:51 ID:9EQQeZA1
「やばい、また遅刻だ!」

 デニスは慌ただしく廊下を走っていた。
 当年とって二十歳、癖の強い赤毛の青年である。このフネに配属され
間もなく一週間になるが、他の面々に比べれば一番の若輩だ。そんな彼
は、どうにも仕事の前になると緊張して催してしまう。おかげで交代の
時間に遅れる事が何度もあるのだが、いくら気をつけていてもなかなか
改善しなかった。
 いつものように分かれ道を曲がり、いつものように甲板前側の階段を
駆け下りて、いつものように先輩にどやされ――。

「あれ?」

 妙だ。いつもなら足音に気づいた先輩に“お出迎え”される場面なのに、
今日は誰も姿を現さない。
 一瞬安堵したデニスは、すぐに考えを改める。普段から規律に厳しい
先輩方が、見逃してくれる筈がない。多分“出迎え方”を変えたのだろう。
階段に駆け込んですぐの拳骨がこなかったのがその証拠。下では新たな
仕掛けか新たな技が、手ぐすね引いて待ち構えているに違いない。
 ぶるりと身震いしたデニスは、それでも一歩ずつ歩を進める。どんな
モノが待っていようとも、仕事から逃げるわけにはいかないのだ。

(どうか拳骨以上に悲惨なものじゃありませんように!)

 一縷の望みにすがって、一段一段慎重に横板に足を下ろす。突然板が
抜け落ちたり、あるいは荒縄が張ってあったりといった罠はない。それ
でも最後まで気を抜かず、ゆっくりと足を動かすデニス。最後の段から
床に足を着け――じゃり、と響いた音と靴底の奇妙な感触に、デニスは
背筋を凍らせた。
 思わず目を閉じてしまったが、それでも何を踏みつけたのか確かめる
必要があろう。恐る恐る瞼を開いたデニスが見たものは。

「す、な?」

 それは、何の変哲もないただの砂。別に火薬を踏んだのでも、誰かの
体を足蹴にしたのでもない。
 ほっと胸を撫で下ろしかけて、デニスは気づく。

(ここは、フネの中だぞ!?)


439 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 09:23:24 ID:N+STyg2b
しえーん

440 :Mr.0の使い魔 第二十八話(5/5):2007/10/29(月) 09:24:18 ID:9EQQeZA1
 空に浮かぶフネとはいっても、時には陸地に停泊して積み荷の出納、
乗員の乗り降りをする事はある。その時樽の裏側や誰かの靴底についた
土が船内ではがれ落ち、船室や廊下の隅に溜まる事も多い。
 だが。
 目の前のように――“床一面に広がる砂”など、絶対にあり得ない。
 おまけに壁は至る所に大穴が空き、冷たい風が吹き込んでいる。整然
と並んでいた筈の大砲は影も形もない。風に吹かれてゆらゆらと揺れる
カンテラの明かりが、デニスの心を激しく揺さぶった。

「先輩、どこにいるんですか!?」 

 恐怖を紛らわそうと金切り声をあげるが、返ってくる声は皆無。
 何か、得体の知れない異変が、このフネに起きている。それはとても
想像の及ばない奇怪な現象。砂に覆われた砲列甲板、消えた人間と大砲。
まるで悪魔の仕業だ。
 そこまで考え、デニスはかつて小耳に挟んだ東方の伝承を思い出した。
砂漠に棲む精霊『ジン』――筋骨隆々とした褐色の体躯を持ち、風と砂
を自在に操るそいつは、エルフに捕らえられた人間の魂を糧として育つ
という。また、ひとたび怒れば何もかも砂に変えてしまう、とも。
 所詮古臭いお伽噺、とは思えなかった。目の前の光景は、そのジンが
現れた何よりの証拠ではないのか。そして姿の見えぬジンは、今もまだ
このフネのどこかに……。

「う、うわああアアアッッ!!」

 悲鳴と共に、デニスは元来た通路を駆け戻った。


   ...TO BE CONTINUED

441 :Mr.0の使い魔:2007/10/29(月) 09:26:50 ID:9EQQeZA1
以上で二十八話終了。支援ありがトゥー!

442 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 09:51:01 ID:f0Kjhiig
黒子の人乙


剣持ちキャラで剣無い状態で召喚されたらデルフいらない子状態を少しは改善出来ると思うんだ。例えば、空の軌跡のレーヴェとか、

443 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 10:01:10 ID:spF3WSb2
スナスナのひと乙でした。

>>442
ドラクエ2のローレシアの王子とか?

444 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 10:26:23 ID:TFrK1wCQ
乙でしたー。

>>442
レーヴェは強すぎるからアガットぐらいにしておくべきだと思うんだ。
アネラスさんにしてルイズやタバサを可愛がらせるのも有かも試練

空の軌跡キャラだとカシウスや執行者クラスはバランスブレイカーになっちゃう気がする
あと、アーツの扱いをどうするかも微妙だし……

445 :聖石の人:2007/10/29(月) 10:46:43 ID:MZ3y6xnc
レベルを上げすぎてザルエラより赤チョコボが怖い今日この頃です。
投下してもよろしいですか?

446 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 10:48:06 ID:J2j6x6Bb
チョコメテオ支援

447 :ゼロと聖石外伝 昼下がりの戦い:2007/10/29(月) 10:56:31 ID:MZ3y6xnc
チョコアタックでラムザ一撃死亡投下開始!

虚無の曜日。
中庭にテーブルと椅子を並べてお茶会としゃれ込んでいる。
シエスタが給仕をし、皆で談笑を続ける。
そこで、私は疑問に思っていたことを口にした。

「ねぇ、シエスタってメイジくらいなら余裕で倒せる気がしない?」

その言葉にタバサとキュルケが同意する。
風のラインスペルでようやく持ち上げられるような重りがついた棒を振り回し、
デルフリンガーの効果で飛来する魔法を叩き落し、お返しとばかりに剛剣技で反撃してくる。
しかも、冥界恐叫打で杖破壊されたら完全に無力化できる。

やばい、相当な数で襲い掛からないと絶対倒せない。
しかも最低ラインがトライアングルで。

当の本人は否定していた。
そりゃそうだろう、この世界においてメイジは最強だと言われ続けている。
シエスタを目の前にした私達に言わせて見れば、ミスター・ギトーの発言と同じだ。

そこで面白いことを思いついた。

「じゃあ、模擬戦やりましょ? 私達もシエスタも自分がどういう風に技術を伸ばせばいいか分かるでしょ?」

シエスタ以外が同意。
キュルケは杖を素振りし、タバサは本を閉じる。
私も作っておいたエーテルを飲み、リレイズを全員に掛ける。

シエスタも仕方が無いと言った感じで準備してきますと部屋へ戻っていった。
フーケ討伐の時ですら見せなかったフル装備がついに見られるのか?
そう思ってワクワクしながらヴェストリの広場で待つ。
そういう私も出来る限りの装備を整え、キュルケは破壊の魔銃まで持ち出している。
タバサは以外にも杖以外はいつものまま。

シエスタが出てきた。
頭全体を覆う兜に、がっしりとした作りの鎧。
腰にはデルフが差してあり、左手には見たこと無いつくりの盾を持っている。
手には薄手の皮手袋、全身に闘気をみなぎらせてこちらに向かってくる。

これに遭遇したらメイジでもドラゴンでも逃げ出すわ。

「さて、一対一でやるんでしたね。誰からいきますか?」

全員が固唾を飲み込み、キュルケが一番手を名乗り出た。

448 :ゼロと聖石外伝 昼下がりの戦い:2007/10/29(月) 10:59:04 ID:MZ3y6xnc
―――キュルケの場合―――

開始の合図と共に片手でグレイシャルガンを連射。
シエスタはそれを避け、デルフで弾きながら進む。
その間に一つ仕掛けをし、グレイシャルガンを射撃。
そこで、シエスタはとんでもない手段に出た。
放たれた魔力弾を、

「チェストォオオオオ!!」

両手で挟んで止めた。

「「な、なにそれーーーーー!!!」」

図らずともキュルケと同じタイミングで叫び声をあげる。
そう、目にも見えない魔法の弾丸を、両手で挟んで止めた。魔法すら発動させずに。
そのまま一気に距離を詰めようとして、シエスタの足元が爆発した。

「成功! こういうときのために開発しておいた土と火と火のトライアングル、トラップファイヤ!」

爆煙が晴れ、そこにシエスタの黒焦げになった姿が―――無い。
と思った瞬間、太陽が一瞬陰る。
一瞬その方向に目が行き、全てを理解し、キュルケに叫ぶ。

「その場所からはやくはなれて!!」

キュルケはその言葉が聞こえる一瞬前にそこから飛びのいた。
次の瞬間、そこにデルフが突き刺さっていた。
約10メイル、上。そこで何かを投げたようなシエスタがいた。
重力に引かれる形でシエスタが着地、デルフを引き抜いてキュルケに突きつける。

「トラップファイヤの発想はよかったですが、それを切り札にするんじゃなくてもう一手必要ですね」

キュルケ、敗北。
ただし、収穫は大きかった模様。

449 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 11:00:15 ID:J2j6x6Bb
このシエスタのBraveは間違いなく97w

450 :ゼロと聖石外伝 昼下がりの戦い:2007/10/29(月) 11:01:07 ID:MZ3y6xnc
―――タバサの場合―――


まず牽制にウィンディアイシクルを山ほど出して順次射出。
それをシエスタがデルフで弾きながら前進。
ここでタバサが突撃。
杖に氷を纏わせた氷と氷のラインスペル、アイスブランド。
それを振りかぶって突撃。
シエスタはそれに気が付くと盾で受け止め、デルフで切ろうとする―――が受け止められる。
タバサの反対の手には氷のラインスペル、アイスシールドが張られていた。
どうやら接近戦の練習を行うようだ。

シエスタが攻撃するのにあわせてタバサがそれらを防ぎ、あるいは反撃する。
膠着状態かと思った瞬間、シエスタが驚きで目を見開く。
タバサのアイスシールドが変化し、今まさにシエスタを突こうとしている。
瞬間的にシエスタは盾を放り投げる。
右手はアイスブランドで止められている。
そんな状況で何をするのかと見ていると、鎧の内側から一本の剣を逆手で抜き、その一撃を弾いた。
更に追撃で盾の部分を一瞬で切り裂き、首元に剣を当てる。

「接近戦慣れしていないメイジには有効です。今度はお互い本気で戦いましょう?」

その言葉にタバサはうなずき、シルフィードの待つ木陰に歩いていった。

451 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 11:01:36 ID:YnlLKuAZ
ムスタディオをやっつけろ支援

452 :ゼロと聖石外伝 昼下がりの戦い:2007/10/29(月) 11:02:42 ID:MZ3y6xnc
―――ルイズの場合―――

真っ先にマバリアを使用し、シエスタの突撃を待つ。
速度を計算し、詠唱を調整。

「地の砂に眠りし火の力目覚め、緑なめる赤き舌となれ! ファイラ!」

行動自体はキュルケのトラップファイヤと同じ。
しかし、絡みつく炎がシエスタを阻害し、飛ばせない。
デルフで炎自体を無効化したのを確認すると、テレポでシエスタの背後を取るように跳ぶ。

「身の盾なるは心の盾とならざるなり! 油断大敵! 強甲破点突き!」

強甲破点突きが私の腹部に命中、しかし、前と違って服が破壊されない。
アルテマの知識にあったメンテナンスが役に立った。
お互い有利になるようなポジションを求めて跳び、跳ね、あるいは走りだす。
その間にも相手を牽制するかのように飛び交う魔法に剛剣。
その状態を崩してしまったのはルイズだった。
牽制のために放ったサンダラが外れ、シエスタに接近させるチャンスを与えてしまう。

そして私は接近してくるシエスタに―――





決着だけで言うと、私はシエスタに勝った。
勿論見直す点も多く、シエスタも精進が必要ですと笑っていた。
こうして、私達の昼下がりは過ぎていった。

この経験が、あのワルドとの戦いに役に立つなんて思ってもいなかった。
ともあれ、私達はいつもどおりの休日を過ごすのだった。

453 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 11:03:32 ID:f0Kjhiig
主人公の名前をアーサーにしてたから違和感ありまくり支援

454 :ゼロと聖石外伝 昼下がりの戦い:2007/10/29(月) 11:04:11 ID:MZ3y6xnc
以上で投下終了。
どうやってシエスタに勝ったかは次回の聖石で明らかに。
それにしてもこのシエスタ、強すぎである。
支援ありがとうございましたー。

455 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 11:05:41 ID:AJ7HRZTX
シエスタが虎眼流に見えてくるGJ!

456 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 11:08:07 ID:f0Kjhiig
成績の人乙。

>>444
レーヴェにしたいのはただ単に、銀の意志が似合う話を見たかったので。
交差する銀の矢〜

457 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 11:31:00 ID:TByUkazq
出たか剛剣の天敵メンテナンスw

普通のメイジ相手の場合
つけるサポートアビリティは消費MP半減かショートチャージだな

聖剣技及び暗黒剣の取得が無いとルイズには勝てんな、こりゃ

458 :サイヤの使い魔:2007/10/29(月) 12:27:43 ID:1WgI7Z9Q
コンコン
開いてますか〜?

459 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 12:28:29 ID:8cYSUxQn
あんたか。
開いてるぜ。

460 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 12:28:44 ID:UfIkkpkw
きゃもんなう

461 :サイヤの使い魔:2007/10/29(月) 12:33:33 ID:1WgI7Z9Q
真っ先に反応したのはタバサだった。
素早く呪文を唱え、巨大な竜巻を作り出し、ゴーレムに叩き付ける。
しかし、ゴーレムはびくともしない。
キュルケが胸にさした杖を引き抜き、呪文を唱えた。
杖から伸びた炎がゴーレムの上半身を包み込んだが、ゴーレムが腕を一振りさせると、風圧で全て消し飛んだ。

「無理よこんなの!」キュルケが呻く。

ギーシュが8対のゴーレムを生成し、片足に4対ずつ纏わり付かせる。今度はパワー重視型なのか、それによりゴーレムの足が止まった。

「今のうちに逃げろ!」
「ギーシュのくせにやるじゃない!」

4人は小屋の残骸から走って逃げた。悟空がルイズの姿を探す。
ルイズはゴーレムの背後にいた、ルーンを呟き、杖をゴーレムに振りかざすと、ゴーレムの表面に火花が散った。失敗魔法で少しでもダメージを与えようとしているのだろうが、その効果たるや微々たるものだった。

「ルイズ、おめえじゃ勝負になんねえ! 逃げろ!!」
「嫌よ! あいつを捕まえれば、誰ももう、わたしをゼロのルイズとは呼ばないでしょ!」

目が真剣だった。ルイズは片時もゴーレムから目を離さない。
悟空はルイズの元へ飛んだ。

「おめえ、そんなにゼロって呼ばれるのが嫌なのか」
「わたしにもプライドってもんがあるのよ。ささやかだけどね! ここで逃げたら、ゼロのルイズだから逃げたって言われるわ!」

とはいえ、今目の前にいるのは、腕の一振りで木造家屋の屋根を粉砕してしまう馬鹿でかいゴーレムだ。
生身であれを相手にして、逃げる以外の選択肢が浮かぶ人間が果たしているだろうか?
結論から言えば、それはイエスだ。
そしてその人間こそ、今この場でゴーレムと対峙している2人であった。

「わたしは貴族よ。魔法が使える者を貴族と呼ぶんじゃないわ」杖を握る手に、力がこもる。「敵に後ろを見せない者を、貴族と呼ぶのよ!」
「駄目だ! もうこれ以上食いとめられない!」

警告の叫びを発し、ギーシュもゴーレムから退却を始める。
見ると、ゴーレムはワルキューレを1体ずつ抓んではポイ捨てしていた。

「……ルイズ、あいつはオラに任せろ」
「え?」
「確か、メイジの実力を見るには使い魔を見ろ、だったよな?」
「え、ええ……」
「見てろ。おめえが凄ぇヤツだって事を、オラが証明してやっから」

そう言うと悟空は、ゴーレムに向き直った。既にギーシュのワルキューレは、最後の1体がゴーレムによってつまみ出されているところだった。

「だりゃあっ!!」

全身に気を纏った状態で突進し、一蹴りでゴーレムの右足を破壊する。


462 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 12:34:16 ID:MOADGgY3
支援

463 :サイヤの使い魔:2007/10/29(月) 12:34:41 ID:1WgI7Z9Q
重心を崩されたゴーレムが地面に倒れた。だが、すぐに破損箇所が周囲の土砂によって修復されていく。
そして、悟空の狙いはそれだった。
修復のために、フーケの気が再び上昇する。
フーケの居場所を掴んだ。
悟空は両手首を合わせて手を開き、一旦前に突き出した後、腰だめに構えた。

「か…」両手の間に青白い光の球が生成され、
「め…」一声ごとに大きくなっていく。
「は…」修復を終えたフーケのゴーレムが立ち上がり、
「め……」目の前の悟空を踏み潰そうと、片足を上げる。

そして、

「波―――――っ!!!!!」

悟空が再び両手を前に突き出すと、凝縮された悟空の気が、光の奔流となってゴーレムの上半身を包み込み、地面に残した片足の膝から下を残して跡形も無く吹き飛ばした。
すかさず悟空は瞬間移動でフーケの気の元へと移動する。
そこにいたのは、杖を持った手を前に突き出したままの姿勢で呆然とゴーレムのいた辺りを見つめている、長い緑髪の「女」だった。

「なっ!!」
「やっぱりおめえがフーケだったんだな」

素早く杖を奪い取り、それを片手でへし折りながら悟空が言う。
ゴーレムを操っていた杖の持ち主は、ミス・ロングビルその人であった。
メイジにとって命にも等しい杖を失ったフーケは、予備の杖を用意していなかった事を後悔したが、それよりも何とかしてこの状況を打開するべく行動する事が先決だと考えた。
馬鹿な生徒共は、この男を天使だの何だのと騒ぎ立てているが、ここへ来るまでの道中、密かにディテクト・マジックをかけた結果、そこらの平民と大差無い奴だという事は判っている。
少々腕っ節は強いかもしれないが、杖を奪ったことで油断している筈だ。
一歩。
一歩踏み込むだけで懐に入れる。
殺るなら今だ。
フーケは左脇に隠していた革鞘から短刀を引き抜きつつ、素早く悟空との間合いを詰め、左肺目がけて短刀を突き出した。
ぱきん。

「折れた!?」

悟空の皮膚に阻まれた刃は、ガラス細工で作られていたかのように、根元からあっさり折れた。
最近碌に手入れしていなかったから、金属疲労でも起こしたのだろうか?
フーケは冷や汗を垂らしながら愛想笑いを浮かべ、後ずさるふりをして再び間合いを計ると、今度は悟空の股間を渾身の力で蹴り上げた。
だがフーケの予想に反して、悟空は顔色ひとつ変えない。
この程度、合体した人造人間13号に足を掴まれて金的を食らった時に比べれば(思わず超サイヤ人への変身が解けてしまうほどの激痛だった)、蚊が刺したほどにも感じないのだ。
その代わり、フーケの足首がじんじんと痛み出した。

「悪ぃことは言わねえ、無茶すんな」
「そ…そのようね……」

フーケ は にげだした!!
しかし まわりこまれてしまった!!


464 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 12:36:02 ID:J4BLzAeE
昨日のコードギアス見てたら

ジェレミアが寝言でオレンジと言ったのを聞いたルイズが
「オレンジが好きなのかしら?」と勘違いして
ルイズが懐の広さを分からせるせるため朝食でオレンジを付けたら
「オ、オレンジだとー!」
と、ジェレミアが激怒してルイズと数十分に亘る口論の末
ジェレミアは「オレンジ」「オレンジ君」などと呼ばれ続けるのであった。

という電波を受信した。

465 :サイヤの使い魔:2007/10/29(月) 12:36:12 ID:1WgI7Z9Q
「な…なな……」

ありのまま、今起こった事を説明するとこうなる。

『フーケが踵を返して逃げ出したらいつのまにか目の前に悟空がいた』

何をされたのかわからなかった。4〜5回それを繰り返したフーケは頭がどうにかなりそうだった。
ネタを明かせば、単に超スピードでフーケの移動先に回りこんだだけなのだが、フーケはもっと恐ろしいものの片鱗を感じていた。
謎の光でゴーレムを跡形も無く消し飛ばしたのはこいつかもしれない。
不思議と、フーケはその考えが間違ってない気がした。

「…殺しなさいな……」

唇を噛み、屈辱を血に滲ませて敗北宣言をする。
男がこちらに手を伸ばしてくるのを見て、フーケは、故郷に残してきたハーフエルフの少女に心の中で詫びながら、そっと目を閉じた。



ルイズは立ち上がろうとしていた。
だが、足に全く力が入らない。
あのゴーレムが光に飲み込まれる様を間近で見て、腰が抜けてしまっていた。
ゴクウは何処にいっちゃったのよ。使い魔なんだから、こういう時はまず主人を助け起こすもんでしょ。
ついでにおぶってくれたっていいわよ。お…お姫様抱っこでも許してやらなくも無いんだから……。
ルイズが想像の中の悟空に愚痴っていると、お決まりの「ピシュン」という音を伴って悟空が現れた。
ミス・ロングビルをいいこいいこしている。
(…じゃなかった、一緒に連れてきたのか…。……って、何で?)

「ゴクウ? あんた一体何処に――」
「ルイズ、やっぱこいつがフーケだったぞ」
「え?」

ルイズはぽかんとした顔でミス・ロングビルこと土くれのフーケを見つめた。
フーケも同様にぽかんとした顔をしているが、こちらは今体験した瞬間移動を頭が理解していないからだろう。

「ゴクウ! ルイズ! 無事かい!?」

茂みの中からギーシュ達がやってきた。
木陰に隠れて様子を伺っていたが、いきなりゴーレムが光の中に消えてしまったので、何が起こったのか判らないでいたのだ。

「おめえら、ケガはねえか」
「大丈夫だ。それより、さっきの光は一体なんだったんだ……?」
「オラのかめはめ波だ」
「カメハメハ…それも君が言うところの『技』ってやつなのか?」
「ああ」
「ちょ、ちょっと待って! …あれは『破壊の杖』でやったんじゃないの!?」

我に返ったフーケが面食らった顔で問い詰める。
タバサが一歩前に踏み出し、『破壊の杖』が入ったケースをフーケに見せた。

「違う。『破壊の杖』は私がずっと持ってた」
「じゃ、じゃあ……」
「知らなかったの? わたしの使い魔はすっごく強いんだから」


466 :サイヤの使い魔:2007/10/29(月) 12:37:31 ID:1WgI7Z9Q
無い胸を懸命に反らしてルイズが勝ち誇る。
フーケは力なくその場にへたり込んだ。
それを見て、ギーシュがある事に気付いた。

「さて、一件落着と行きたいところだが、ちょっと訊きたいことがあります」
「……なによ」
「その様子だと、貴女は『破壊の杖』の使い方を知らない。違いますか?」
「あなたの言う通りよ。だからあなたたちにそれを使わせて、使い方を知ろうと思ったのよ」
「それで、あたし達をここまで連れて来たってわけね」
「そうよ。魔法学院の者だったら、知っててもおかしくはないでしょう?」
「わたし達の誰も知らなかったら、どうするつもりだったの?」
「その時は、全員ゴーレムで踏み潰して、次の連中を連れてくるわよ」
「……なるほど。ついでにもう一つ訊きたいことがあります。元ミス・ロングビル」
「その呼び名やめてくれないかしら…。で、何よ」
「単刀直入に訊こう。『破壊の杖』を折ったのは、貴女ですね?」
「えぇ!?」

ルイズが大声を上げる。『破壊の杖』が折れているなんて、一体どういうわけだ?
タバサにケースの中を見せてもらう。確かに、一見何の変哲も無い木製の杖が、中心からぽっきり折れている。
これでは『破壊の杖』というよりも、むしろ『破壊された杖』の方が呼び名としては相応しい。

「本当だ、折れてる……」
「いけませんなあ、元ミス・ロングビル。秘宝を盗み出しただけならいざ知らず、あまつさえそれをへし折ってしまうとは」
「ちょ、ちょっ…、ち、違うわよ! それは最初から壊れてて……!」
「嫌ねえ、この期に及んで言い訳なんて」

もはや弁解が通じる空気ではなかった。

「こーわしたーこーわしたー」躾のなってない駄犬を見るような目つきでルイズが歌い出す。
「せーんせぇーにーいってーやろー」屠殺場の豚を見るような目つきでキュルケも加わった。
「あーりゃーりゃーこーりゃーりゃー」無表情のまま、タバサが後を引き継ぎ、
「いーけないんだーいっけないんだー」苦笑いを浮かべながらギーシュが締めくくる。

メイジ達による大人気ない言葉責めの合唱は、フーケが止めてくれと泣いて頼むまで続いた。
その際、「かがみん」なる謎の人物名が浮上したが、本筋と関係ないので割愛する。



「はあぁ、結局何の活躍もできなかったなあ……」

学院へ戻る道中、フーケの代わりに御者役を買って出たギーシュが愚痴を吐いた。

「何言ってんだ、フーケのゴーレムを足止めしたじゃねえか」
「時間稼ぎになった」
「そうよ。それに今だって、御者役として立派に役立っているじゃない」
「……そ、そうかい? い、いやあ、光栄だなあ」
「単純…」
「……ちょっと待ちなさいよ」

馬車の隅っこに放って置かれていたフーケが口を開いた。
その両手はギーシュが錬金した青銅の枷に嵌められている。
元々細かいものを造形するのが得意なギーシュは、悟空との修行の成果で、こういったものを作るのがお手のものになっていた。


467 :サイヤの使い魔:2007/10/29(月) 12:38:36 ID:1WgI7Z9Q
「何ですか、元ミス・ロングビル」
「だからその呼び名は止めなさいと……。さっきも言ったけど『破壊の杖』を折ったのは本当に私じゃないわよ」
「まだそれを蒸し返しますか」
「お願い、信じて…。私が宝物庫でそれを見た時は、もう折れてたのよ」
「嘘おっしゃい。何処の馬鹿が折れた杖なんか宝物庫にしまっておくのよ」
「こっちが訊きたいわよそんなの!」
「ふう…。戻ってからオールド・オスマンに訊いた方が早そうね」
「訊きたいといえば、もう一つ思い出したぞ。あの杖が折れてると知ってて、何で盗み出そうとしたんです?」
「ふん、どうせ『破壊の杖』の実物がどんなのかなんて誰も知らないでしょ?
 だから箱を開けられなくして、『破壊の杖』盗難の噂が立った頃に高価く売り飛ばすつもりでいたのよ」
「いかにも盗賊のやりそうな薄汚い手だわね」
「うるさいわね…。私にはどうしてもお金が必要なのよ……」



学院長室で、オスマン氏は戻った5人+フーケの報告を聞いていた。
「ふむ…ミス・ロングビルが土くれのフーケじゃったとはな…。美人だったもので、何の疑いもせず秘書に採用してしまった」
「いったい、どこで採用されたんですか?」隣に控えたコルベールが尋ねた。
「街の居酒屋じゃ。私は客で、彼女は給仕をしておったのだが、ついついこの手がお尻を撫でてしまってな」

(やっぱり亀仙人のじっちゃんと同じタイプだ……)
悟空は、昨日抱いた第一印象が間違っていない事を確信した。

「で?」
「おほん。それでも怒らないので、秘書にならないかと、言ってしまった」
「…なんで?」
「カァーッ!」
「都合が悪くなると、すぐ怒鳴るのはやめて下さい」

ミス・ロングビルの口調に戻ったフーケが言った。
言ってしまってから、しまった、といった表情を浮かべ、自分が今置かれている立場を思い出し、頬が赤くなった。
彼女の両手は、未だギーシュの作った枷で封じられている。
予想外のツッコミを受け、軽く咳払いをして真顔になったオスマン氏は、コルベールに向き直り、重々しい口調で言った。

「今思えば、あれも魔法学院に潜り込むための手じゃったんだな」
「ええそうよ。そうでなかったら、誰が好き好んでじじいに尻を撫でられるもんですか。あんたに売った媚の分、余分に給料を請求したいくらいだよ」
「うぐ…」

黙りこくってしまったオスマン氏を見て、コルベールも自分が昨日宝物庫でフーケにあれこれ喋ってしまった事を思い出した。
あの事を今この場で暴露されてしまうわけにはいかない。
ここは何とかやり過ごさなければ。


468 :サイヤの使い魔:2007/10/29(月) 12:39:37 ID:1WgI7Z9Q
「……ま、まったく、美人はただそれだけで、いけない魔法使いですな」
「その通りじゃ! 君は上手い事を言うな、コルベール君!」

盛り上がる2人を、悟空達は呆れた顔で見つめていた。
ふと、『破壊の杖』の惨状を思い出した悟空がオスマン氏に尋ねた。

「…なあ、じっちゃん」
「ゴ、ゴクウ! オールド・オスマンと呼びなさいよ! 本当あんたって奴は――」
「ああ、よいよい。で、何じゃね」
「フーケがよ、『破壊の杖』は最初っからぶっ壊れてたっつうんだ。本当なのか?」
「本当じゃ」

場がどよめいた。
フーケは床に目を落とし、「だからそう言ったのに…」とブツブツ呟いている。

「オ、オールド・オスマン!? それはいったいどういう……?」
「うむ、杖を取り戻した功労者に対し隠し立てするのもアレじゃろうからのう、話しておくか。無論、これはここだけの話じゃ」

皆が真剣な顔になり、オスマン氏の言葉を待った。

「かれこれ10年ほど前になるかのう……」遠くへ思いを馳せるように、目元が穏やかになる。
「森を散策していた私は、ワイバーンに襲われた。いや、襲われたというのは正しい表現ではないな。ワイバーンとメイジの戦いに巻きこまれたのじゃ」
「巻き込まれた?」
「相手が、その杖の持ち主じゃった。奇妙な格好をした老人での、鳥の頭の生えた帽子を被って、黒く塗られた眼鏡をかけておった」
「鳥……?」
「おまけに、髪の毛がまるで鳥の翼のように広がっていてのう。まるで頭全体が鳥を模しているようじゃった」

タバサの脳裏に「師の師は我が師も同然!」とか「絶対零度までいかなくても、カミュ! あなたの位までは凍気を高めてみせる…」などという単語が飛び交い、タバサは首をかしげた。

「勇敢なメイジじゃった。フライでワイバーンを翻弄し、今にも食らいつかんとするワイバーンの口にその杖を突っ込んでつっかい棒にしたと思ったら、見た事も無い魔法でワイバーンの顔を吹き飛ばした。その時に杖が折れたのじゃ」
「そ、それはどんな魔法だったのですか?」
「確か『ドドン』いや『ドドンパ』じゃったかのう…? 詠唱無しにあれだけの破壊力を持つ魔法は後にも先にもあれっきりしかお目にかかっとらん」

そこまで聞いた悟空が、その人物の正体に気付いた。
杖は持っていなかったはずだが、恐らくワイバーンの口をこじ開けたまま固定するために、そこらで拾った棒っ切れか何かを杖だと勘違いしたのだろう。

「な、なあ! そのじっちゃんどうなった?」
「うん? 何でその恩人が老人だと判った? もしかして知り合いか?」
「多分な。そのじっちゃん、鶴仙人だ」
「ツルセンニン? そうか、あの恩人はそんな名じゃったのか…。死んだよ」
「え?」
「既にワイバーンとの戦いで致命傷を負っていたのじゃろうな。ひどい怪我じゃった。学院に連れて帰って必死に治療を施したんじゃが…。最後までパイパイがどうのとうわ言を言っておったのう。
 死んだ後は墓を作って埋めてやった。持っていた杖も一緒に埋めてやろうかと思ったが、結局は宝物庫に保管する事にした。勇敢なメイジの杖じゃ、奉ってやった方がよかろうと思ってな」


469 :サイヤの使い魔:2007/10/29(月) 12:41:11 ID:1WgI7Z9Q
キュルケが聞き取れないほど微かな声で「うあ、馬鹿がいた……」と呟いた。
?マークを顔に浮かべ、ルイズがオスマン氏に訊いた。

「じゃ、じゃあ、何だって『破壊の杖』なんて名前に……」
「うむ。さっきも言った通り折れてしまってたからのう。そのまま展示したって事情を知らん者には何の事かさっぱり判るまい。要するに…」
「要するに?」
「ほんの洒落っ気じゃ。てへっ」

オスマン氏を除く全員がズッこけた。
その中に、彼が求めて止まない漆黒の三角地帯を見つけ、オスマン氏が目を見張った。

「おお、ミス・ロングビル! とうとうこの哀れな老人の望みを聞いてくれたのか!! 思った通りじゃ、やはり貴女には黒がよく似合う!」
「死ねやこのクソジジイ―――――!!!!!」

器用に足だけで立ちあがったフーケの右足の踵が、感涙にむせび泣くオスマン氏の顔面に突き刺さる。
それは『破壊の杖』強奪を阻止され、『破壊の杖』をヘシ折った容疑を着せられ、そして今、フーケとして活動する時にのみ着ける勝負下着を見られた彼女の魂の叫びであった。

ミス・ロングビルこと土くれのフーケ――『破壊の杖』盗難、器物損壊、及びオールド・オスマン殺人未遂の現行犯により逮捕。現在は魔法衛士隊の管理下。
オールド・オスマン――鼻骨骨折、首の鞭打ち、全治1週間(セクハラ癖が強く、治療担当の水メイジの女性が次々と逃げ出してしまったため)。
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール――オールド・オスマンの計らいにより、宮廷にシュヴァリエの爵位を申請される。
キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー――上に同じ。
ギーシュ・ド・グラモン――上に同じ。
タバサ――オールド・オスマンの計らいにより、宮廷に精霊勲章の爵位を申請される。
孫悟空――食堂でお腹一杯ご飯を食べる。本人は至って幸せ。



「さて、遅くなってしまったが……」

その夜、コルベールの部屋に、悟空とルイズが呼ばれていた。
悟空の手には、先日購入したデルフリンガーが握られている。

「結論から言おう。私は君が、伝説の使い魔『ガンダールヴ』の幽霊ではないかと睨んでいる」
「そんな!」
「何だ、それ?」
「始祖ブリミルに仕えたという、伝説の使い魔だ。君の左手に刻まれたルーンは、文献に記されたガンダールヴのルーンと一致する」

そう言って、机の上に置かれた本を悟空達に見せた。
確かに、同じルーンがそこに記されていた。


470 :サイヤの使い魔:2007/10/29(月) 12:42:26 ID:1WgI7Z9Q
「で、でも、ゴクウはこの世界の人間ではないんですよ?」
「というと?」

ルイズは、悟空から聞かされた彼の身の上話と、彼を召喚してからの生活で気付いた事をコルベールに話した。
最初は面食らっていたコルベールだが、話を聞くにつれ、その表情は真剣になっていった。
全て聞き終えると、コルベールは、まじまじと悟空を見つめた。それから感じ入ったように頷き、「なるほど」と呟いた。

「確かに君は『ガンダールヴの幽霊』では無いかもしれん。まあ、『幽霊』というのは間違い無かったが」
「驚かないんですね」
「驚いたさ。けど、生前の君の活躍振りの方が驚いた。ミス・ヴァリエールはとんでもない当たりクジを引いたようだな」
「そ、そうですか……?」

正直、ピンとこない。
確かに凄い使い魔を召喚したのは確かだが、自分はといえば、未だに召喚前と変わっていないように感じる。

「思えば、君がミス・ロングビルをフーケだと見抜いた時に、もう少し信用しておくべきだったのかもしれんなあ」
「まあ、オラも半信半疑だったからしょうがねえさ」
「うむ、では、そういう事にしよう。それで本題だ」

コルベールは、デルフリンガーを指差した。

「伝説によれば、ガンダールヴは、あらゆる武器を使いこなしたと言われている。それを持った時に、何か変わった様子はなかったかね?」
「こいつだけじゃねえんだけど、武器を持ったらルーンが光ったぞ」
「ほう! それでそれで?」
「あと、オラの気が上がったんだ。まるで界王拳使った時みてえに」
「何だね、そのカイオウケンというのは」
「体中の全ての気をコントロールして瞬間的に増幅させる技だ。上手く行けば、力もスピードも破壊力も防御力も、全部何倍にもなんだ」
「ふむ……。興味深い話だ。いや、その技だけではなく、武器を持ったことでそれが起こったと言う点にだが。
 結果だけを見れば、やはりそのルーンはガンダールヴのものだと言わざるを得ない。恐らく君の身体が、その武器を如何無く扱えるように調整されたのだろう。
 この件は、オールド・オスマンの怪我が全快したら改めて相談するとしよう」
「それで、この武器はどうすればいいんですか?」
「なるべく携帯しておいてもらいたい。そして、何か変わった事に気付いたら教えてくれ」
「判った」
「判りました」


471 :サイヤの使い魔:2007/10/29(月) 12:45:03 ID:1WgI7Z9Q
本日は以上です。支援ありがとうございました。
次回で一旦〆ます。

元ネタで杖を持ってないキャラに持たせるのは反則な気もしますが、本編からフェードアウトしたキャラで
違和感無くワイバーンと戦えそうな配役を考えた結果、彼に決定しました。
桃白白はセルゲーム直前に悟空と会ってるので対象外でした。


472 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 12:46:22 ID:UfIkkpkw
読んでて支援できなかったorz
乙!マチルダ姉さん泣くのかわいいなw

473 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 12:51:33 ID:YjrRnoMf
サイヤの人乙!
哀れフーケ(笑)

破壊の杖は桃白白愛用の石柱だと思ってたぜw

474 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 13:06:49 ID:ovEE8NpT
乙。
いじめっ子4人に囲まれたマチルダちゃんカワイソスww
そういえば小学校でよく見る光景だよな、ハモハモ4重奏とかww

475 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 13:09:20 ID:UBlyPL3U
鶴のじいちゃんが深手を負うとかワイバーン何者だ?
ギランなぞ問題にならん強さじゃあないか。

476 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 13:16:09 ID:U9OU4f+f
ワイバーンTUEEEEEEEEEEEEEE!!

477 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 13:23:12 ID:mD6NmTBh
おそらくワイバーンの姿をした……というか姿をかえたこの世界最強の生物
先住魔法も自由自在にあやつる奴だったと予測

478 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 13:23:30 ID:f0Kjhiig
お前ら忘れているようだが、鶴仙人は地球人だぞ。
サイヤ人みたく年をとっても常に戦える訳ではない

479 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 13:28:32 ID:0jQiwZQ8
「年をとっても」って、初登場時点で既に数百歳だろ。
それからせいぜい20年くらいしか経ってないのに、ワイバーン程度と相打ちになるくらいいになってるの?
亀のライバルってことは、月を吹き飛ばすようなレベルの武闘家なのに?

480 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 13:28:44 ID:EEJPlW7D
多分、この鶴仙人は老衰寸前で召喚されたんだよ。

481 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 13:34:21 ID:tmSGd+wU
若しくは召喚前にダメージを負っていたとかだな。後、召喚された(と言うか迷い込んだ)場所がちょうど火竜山脈の溶岩の中だったとか

482 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 13:57:35 ID:eNA9jbAj
>>479

ほら、エリア88なんかでも生還して普通の生活に戻れたのに、
空港で引ったくりに刺されて死んじゃった奴がいたろ。

「嫌だ。俺は運が強いんだ。こんな所で死にたく…」

で死んじゃった気の毒な奴。流石にそれよりは鶴仙人の方が強いだろうが、
思わぬ不覚というものはあるんじゃん?んで、たまたま、その相手がワイバーン
だったとでも思っておけば良いんじゃね?

それに案外、そのワイバーンが鶴仙人に匹敵するような竜王チックな凄い奴だったのかも
しんないし。でもなかったら、480タソ、481タソの言うような事状況だったんだろ。きっと。

483 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 14:02:23 ID:5quIbisr
まあ戦隊シリーズの中にも最終回で引ったくりに刺されて死んだ人もいたし

484 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 14:15:27 ID:x3JYF5hI
>>438
結城さんのことかー!!

485 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 14:51:12 ID:EeETIq8I
>ワイバーン
ラドンとかギャオスって名前だったのかもな。

486 :豆粒ほどの小さな使い魔:2007/10/29(月) 15:09:11 ID:wM5ve/Sh
こんにちは。
投下してもいいですか?

487 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 15:11:59 ID:ovEE8NpT
GOGO!

488 :豆粒ほどの小さな使い魔5 1/5:2007/10/29(月) 15:12:07 ID:wM5ve/Sh
食堂につくまでに、席についてからも何度か周りから悪口を投げかけられるルイズ。言い返すのは同じだけど、その度に小さく、これじゃだめなのにと呟いていた。
変わろうとしているらしい。それが難しいことを私も知っている。だから、尊敬に近いものを感じた。
ルイズに言われたから、私は部屋においていくつもりでいた木の実の殻のコップも持ってきた。ドングリよりも皮が少しだけ薄い。
愛用の工具があれば取っ手をつけたり彫刻をしたりするんだけど、当分は無理だろう。他にもしないといけないこと沢山あるし。

シエスタに、おべんとうのお礼を。コップを見せたとき、自分も子供の頃お人形遊びで同じような物を作ったと。
「そうよ! 人形の家具があるじゃないの」
なるほど、ここでも人間の女の子はお人形遊びをするのか。違うようでいて、ニホンと似てるところも意外と多いのかもしれない。
早く探索を、ガッコウの中だけでもしたい。考えるのには、正確な情報が、沢山いる。
野菜だと思ってたら、すごくにがい。灰汁抜きをしたら少しは食べやすくなると思う、けど、これは。
ルイズも私も残してしまった。ただこの匂いは、虫除けの香草に似てる。
「るいず、コレハ、ヤクソウ?」
「え? さぁ、知らないわ。薬に使うなんて聞いたことないから」
パンの欠片を浸して食べた羊のシチューはとても美味しかった。

* * *

部屋に戻って、どこにハヤテのお部屋を作るか決めようとしたんだけど、その前にハヤテが小さな声で、窓を薄く開けておいてくれないかと言ってきた。
まぁ構わないけど。
「それで、どんなところがいいのかしら」
連絡員の部屋が隠されてるのは、人間にその姿を見られないようにするため。だけどハヤテが私の使い魔だということは隠してない。
「こそこそする必要もないんだから、大事なのはハヤテが過ごしやすい場所であることよ」
自明の理なのに、ハヤテの方が少し、照れてるのかな? 遠慮することなんてないのに。


489 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 15:13:36 ID:UfIkkpkw
お豆支援

490 :豆粒ほどの小さな使い魔5 2/5:2007/10/29(月) 15:13:46 ID:wM5ve/Sh
「デモ、るいずノ仮ノ連絡員ナンダカラ、連絡員ラシクシタイ」
照れてるんじゃなくて、何かこだわりがあるみたい。
言いたいことをちゃんと言ってくれるのは、分かりやすいし、何よりすっきりする。また一つ、ハヤテの好きなとこが見つかった。
クローゼットや引き出しの中は、出入り口を作るのがちょっと大変そうだから、今は無理かな。人形の家をそのまま使うのはいや。さて、
「るいず、小サイ明カリッテ、ナイ?」
「あっ、そうか、中が真っ暗になるようじゃ困るんだ」
それってかなり条件が難しくないだろうか? それともコロボックルは、暗くても平気なの?
「夜目ハ利クケド、部屋ガ暗イト、困ル」
ハヤテは、自分の顔くらいの円を作って、彼女の国には、そのくらいの大きさの明かりがあるって。
「ごめん、そんな小さな明かりは私には用意できそうにないわ」
隠れ家を作るのって、難しいのね。
「難シイ、ダカラ楽シイ」
ハヤテは、ちょっと自分でも探してみる、と、その一言を残して一瞬で姿を消した。小人の視点で見たら、また違った答えが出るのだろう。
何しろ人間の目に触れることなくここまで来た種族なんだから。
私は、使い魔を守る義務がある、ううん、ハヤテを誰にも渡したくない。
ベッドに背中から倒れこんで、天井を見据える。
昨日今日と、クラスメイトとはまともに話してない。考えてみれば、運がよかった。だからこの先の態度を今決めないと。
珍しい、希少な使い魔を迎えられたことを、自慢してやりたかった。声を大にして皆に向かって叫びたかった。
だけど、それで得られるのは? 子供の満足感だけだ。
ハヤテがそこにいるのが当たり前だという態度。自然に。そう思うと浮かんでくるのは、ちい姉様。
ちい姉様の部屋にどれだけ珍妙な動物がいようと、あのほんわかした癒しの空気に触れると、どうでもよくなって、あたりまえのように思えてしまう。
ハヤテの本当のことを知るのは、ハヤテが信用した相手だけでかまわない。

491 :豆粒ほどの小さな使い魔5 3/5:2007/10/29(月) 15:15:50 ID:wM5ve/Sh
もしかしたら、これは自分が変わることの第一歩になるんじゃないだろうか。
ちい姉様は、どうしてあの動物たちを相手に自然でいられるんだろう。正しい問いは答えをその内に含んでいる。ちい姉様にとって、彼らが自然な存在だからだ。
きっと人にそのまま言ったら、ふざけるなと言われそうだけど、でもそうなんだ。
昨夜よりも今朝、今朝よりも今、段々にハヤテを相手に緊張しなくなってきてる。
ハヤテのことが少しずつ分かってきて、ハヤテも私のことを少しずつ分かって……もっと潜る……私のことを、知りたいと思ってくれたから、だ。
今日の遠乗り、もの凄く大きな意味があったと、今更ながら。
それともう一人。私は、ハヤテと同じ髪の色をしたメイドに、少し興味を抱いた。話して、どんな人かなってちらっと。
シエスタは? 私を、学院の生徒の一人から、ルイズ・ド・ヴァリエールと見てくれるようになっただろうか。


途中から、取りとめのない空想に入ってた枕元に小さな影がとんと飛び降りてくる。
「あ、ハヤテお帰りなさい。どう? いいところは見つかった?」
「本棚ノ、一番上ノ段、アソコニ、はんかちデ仕切リヲ作リタイ。ダメ、カナ?」
「あそこに?」
ハヤテを肩に乗せて、指差された本棚に行ってみる。
ここも自分で掃除してるし、奥行きもそこそこあるんだけど、こんなに簡単なところでいいのか、逆に不安になった。
「アノネ、るいず、一回、入口ニ行ッテミテ」
そうして、ドアのところから部屋を振り返って……
「……あ」
ドアの開く向き、それに私が机に座ってれば余計に、入ってきた人からは本棚の中は全然見えない。
それに、ハヤテが指し示した場所は、はっきりと意識してじゃないと、まず目を向けない場所なんだ。
ちょっと、ぞくりとした。

492 :豆粒ほどの小さな使い魔5 4/5:2007/10/29(月) 15:17:41 ID:wM5ve/Sh
ハヤテの小さな姿を見て、彼女の中にどれだけのものが詰まっているのか、予測できる人は殆どいないんじゃないだろうか。ただ珍しいと思うだけで、その中身までは。
ハヤテは、人間のことをよく知ってる。
ドラゴンやサラマンダーとは、方向性が全く違う、もの凄い大当たりだ。自分の幸運に眩暈がした。
「必要なのは、凄い工夫とかじゃないのね」
魔法も、本当は、もしかしたら、そうなんじゃないだろうか。必要なだけの速さ、必要なだけの強さ、杖を持っていない右手が、自然に握られる。
今、何かヒントが頭の中をすり抜けた気がする。後で思い出してみよう。
「参った、降参だわ。一回本を全部どけて、ちゃんと掃除するから、ハヤテはどのハンカチがいいか選んでてくれる? 他にも欲しいのがあったら」
元々一番上の段は半分も使ってなかった。手を伸ばすのがちょっと面倒だったから、普段あまり読まない本を入れてただけだし。
本を机に移して、水拭きと乾拭きを、奥の仕切りも背伸びしてちゃんと拭いた。
これ以上は、ハヤテが自分で掃除すると思う。私の目には奇麗でも、ハヤテにはゴミが見えてるだろうし。
「本は、左側に寄せておけばいいのよね」
「ウン」
返事の度に私の肩まで戻るのでは、ハヤテが大変だ。かと言って頷いたり手を振ったりしても、ハヤテじゃ小さすぎて見えない。
「ダッタラ、コレ、ドウカナ」
ハヤテが右手を口にやる。そこから、
ピュイッ
けして大きくないけど、鋭い口笛の音が響いた。節を変えながら、もうニ回。
「最初ノ音ガ、『ハイ』、次ノ音ガ、『イイエ』、最後ノガ、『るいず』ッテ呼ブ音。ドウ?」
聞いて思った。まるで、鳥の囀りだ。
「ばっちりよ! ハヤテって何でもできるのね」
これも、マメイヌ隊の合図だとか。囀りに似てると思ったのも正解で、もっとずっと沢山の節回しがあるんだって。

493 :豆粒ほどの小さな使い魔5 5/5:2007/10/29(月) 15:19:47 ID:wM5ve/Sh
試しに、長めのを拭いてもらったら、耳に馴染みはないけれど、こんな鳥もいるかもと思わせるくらい上手だった。
「ねえ、今のは何を伝える合図なの?」
ぱちぱちと拍手をしながら聞いてみた。
「『さくらノ技師ガマタ実験ニ失敗シタカラ、大至急後片付ケヲ手伝ウコト』 私ガ最初ニ覚エサセラレタ合図」
真面目な顔で言うものだから、笑っていいのか一瞬迷ってしまった。
「さくらノ技師ハ、国デモ一番ノ技師。デモ一番沢山シッパイスル技師。トッテモイイ人。ヨクオ菓子クレル」
余計分からなくなってしまった。ただ、ハヤテはそのサクラノ技師のことがかなり好きなんだということはよく分かった。


「明日外で、合図がどれくらい離れても聞こえるのか、試してみましょうね」
ハヤテがカーテンの代わりに選んだのは、地味な色合いのハンカチだった。ピンで端を止めれば外からは見えないし、重りを置けば風でまくれることもないだろう。
キュルケが部屋に飛び込んできても、まずハヤテの部屋だとは気づかれないと思う……私が変な態度をしなければ。
「まだ寝床とかもないし。あ、この小物入れあげるから使って」
中に入っていたイヤリングを別の小箱に移して、ハヤテにプレゼントする。
まだ持ち物はないけど、その内増えるはずだし、くつろぐときには剣とか外してもいいと思う。
「アリガト、るいず」
一番白くて目の細かいハンカチも一枚進呈。
「これは、切り取って、布として使ってもいいからね」
肌触りのいい上等のそれなら、ハヤテの肌を傷つけないし、私のお気に入りをハヤテが身近に使ってくれると思うと、胸の辺りがこう、あったかくなる気がする。


もしも、今日、誰かが私の部屋の音を聞いてたら、私の独り言と鳥の囀りがまるで話してるみたいに聞こえたんじゃないかな。

494 :豆粒ほどの小さな使い魔:2007/10/29(月) 15:23:18 ID:wM5ve/Sh
投下終了。
ルイズ色々深読みしてますけど、コロボックルはできないこと沢山あります。
例えば隙間を開けてもらわないと部屋から出られない。
(実は部屋の中を見て回るついでに、外にお花を積みに行ってたかもしれないとは名言しないでおきます)

495 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 15:33:29 ID:spF3WSb2
豆粒の人乙っしたー!
ハヤテかわいいよハヤテ。ルイズちゃんと頭使えば回転は鈍くないんだよなぁ。

496 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 16:25:56 ID:b2U6GoAe
乙です〜
力はなくとも知恵と勇気でがんばろうとするのはいい感じですねぇ。
ルイズも視点を変えたことで少し目覚めたようですし。けど決闘イベントで
ハヤテがアサシンぽくクマンバチで戦う姿が(笑)

497 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 16:37:32 ID:sscAFKF1
そういや、オンドゥルのやつって最後キングのカードが届いたけど、他のカードも一緒?

498 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 16:37:39 ID:z//cZkDN
豆粒の人乙です。
>国デモ一番ノ技師。デモ一番沢山シッパイスル技師
いつかこの言葉はルイズにもハヤテにも深くその意味を考える日が来るのでは無いかという気もする。
二人とも頑張り屋な所がある分比較的早くに。

ちなみに中世のある男が言った言葉で今でもよく使用される言葉にこんなのがある。
「何も失敗しない者は何もしようとしない者ばかりだ」

499 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 17:51:56 ID:BLovKZ8n
聖石支援と言うことでFFTのステ画面っぽいの作ってみた。
かなり… 改良する必要あるな

ttp://vista.jeez.jp/img/vi9364772742.png

500 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 17:53:58 ID:BroaAt2Y
>コロボックルはできないこと沢山あります。

デルフ・・・・

501 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 18:02:10 ID:3XyonHIv
ところで初期の勇次郎ぐらいならコルベール先生が相打ち狙いで挑めば
何とか勝てそうな気がするんだがどう思うよ?

502 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 18:21:11 ID:eG6HbUlx
設定考察とかの方が向いてるんじゃない?

503 :豆粒ほどの小さな使い魔:2007/10/29(月) 19:01:48 ID:wM5ve/Sh
原作を読まなくても分かるよう書くつもりでしたけど、
何だかコロボックル物語って私が思ってたよりもマイナーだったみたいなので(汗)
簡単な用語説明しようと思います。

504 :豆粒ほどの小さな使い魔 用語説明:2007/10/29(月) 19:03:42 ID:wM5ve/Sh
【コロボックル】
平均身長は3センチとちょっと。人間のそのまま縮小ではなく、脚力はとても強くて、腕力はそれほど強くありません。
机に貼りつけたセロハンテープをはがせないくらい非力。
ネズミくらいなら簡単に撃退できますけど、猫やカラスだと危険、特にモズは天敵。
反射速度は人間の数倍。本気で走れば肉眼では捉えられません。
早口すぎて「ルルルッ」としか聞こえませんけど、低速再生を掛けるとちゃんと日本語になります。

【コロボックルの名前】
植物の名前に男ならヒコ、女ならヒメをつける(例、ヒイラギノヒコ、サクラノヒメ等)
家族親戚みんな同じ名前なので、お互いにあだ名で呼び合っている。
特技とか、関ったイベントとかから付けられる。あだ名が変わることも珍しくない。
ハヤテ(クルミノヒメ)はマメイヌ隊で一番すばしっこいことからそのあだ名がついた。かなり名誉なことだと思う。

【矢印の先っぽの国 コロボックル小国】
市街地から少し離れた小山に古くから隠れ住んでいたコロボックルが、開発の波に脅かされる中、一人の人間と友誼を結んだのを機に建国した秘密の国。
コロボックルの希望と協力もあって、最終的に小山はその人間が購入する形になった。
コロボックルの町は地下にあるが、その人間が若い頃一時住んでいた手作りの山小屋がコロボックルたちに譲渡され、城(役場)として使われている。ちゃんと電気も通ってる。

【世話役】
コロボックルの纏め役で、空になった古いインク瓶が彼の椅子(ミンナノトモダチから贈られた物)
ハヤテがルイズの机の上のインク瓶に座りたがるのは実はそのせい。
補佐として何人かの相談役がいる。

【クマンバチ隊】
人間や野生動物など敵の多いコロボックルは、すばしっこい者たちを集めて、それらに対する見張りと撃退を任せている。
隊名の由来は、いざというときの武器として、クマンバチの毒を塗った毒針を使うことから。
剣の他に標準装備として灰汁につけて粘りを取った上質の蜘蛛の糸などがあります。

【マメイヌ隊】
クマンバチ隊内の一部隊。マメイヌと呼ばれる小さな犬と共に色々な役目(迷子の捜索から他集落のへ使者まで)を果たしているかなり有名な隊。
ハヤテの父親(元マメイヌ隊隊員)に言わせると、レスキュー隊のようなもの。
ハヤテは半年前に入隊したばかり。
ちなみにマメイヌの好物はカタツムリと魚の肝油。

【トモダチ】
特定の人間をそう呼ぶ場合、コロボックルから信頼されている証拠。
大抵は、誰か特定のコロボックルと友誼を結び、そのコロボックルが連絡係となる。
連絡係の許可がないと、他のコロボックルはトモダチの前に姿を見せることはできない。
ミンナノトモダチは、コロボックル全体のトモダチというとても希少な存在。
ルイズの場合、お互いの努力にルーンの助けもあって順調に信頼度を高め中。

【連絡係】
基本的には、トモダチと友誼を結んだコロボックルがそのまま連絡係になる。
うっかり人間に見つかったコロボックルがそのまま連絡係になるケースもないわけじゃないけど、殆どはトモダチになるのは無理と判断されてそのまま姿を消してしまうとか。
それだけに種族を超えた信頼というのには皆憧れるようで、クマンバチ隊などと並んで子供たちの憧れです。

505 :豆粒ほどの小さな使い魔:2007/10/29(月) 19:09:30 ID:wM5ve/Sh
ここまで。
あとはこっちの世界に来てからの話ですので、大丈夫だと。

>>495
ゼロって呼ばれると思考が短絡しちゃうから、まだまだ修養が足りないです。

>>496
格好よくは戦いません。もっとこそこそとやるつもりです。

>>497
ただ面と向かってそう言ってもだめでしょうけど、
でも仰るとおりです。

>>500
>デルフ
ごめんなさいっ

506 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 19:11:07 ID:UfIkkpkw
ほほう。ちっこいのかわいいな。

507 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 19:16:59 ID:iT22glk1
>>499
普通にFFTのユニットかと思ったwいい仕事してますねーw
でも、時々でいいから避難所のお絵かき掲示板の存在も思い出してください
ラファやマラークと同じくらいの頻度でいいですから

508 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 19:52:37 ID:cuMrgZPz
懐かしいな、「だれも知らない小さな国」
子供の頃、本気でコロボックルを探したっけ(笑)
あと、コロボックル小国の場所が何処かを考えたりしたっけ…いい思い出です。

509 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 19:57:32 ID:G8ozutRC
コロボックル物語ってこれの事?
全く知らんかった罠
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A0%E3%82%8C%E3%82%82%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84%E5%B0%8F%E3%81%95%E3%81%AA%E5%9B%BD



アニメにもなってたらしいが相当マイナーだったみたいだね

510 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 20:24:43 ID:j+/ymBen
新品でコロボックルが見つからない……しかしこの豆粒のできのよさに誓って新品を見つけ出してやる!
ようはGJ

511 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 20:33:53 ID:FTRqYJFh
>>306 で連想…

「スーパーマリコルヌブラザーズ」
「ルイーズマンション」
最新作「触るメイドインワルド」

512 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 20:33:54 ID:sq/N1yrI
カエル雨合羽とかもでてくるかな、あれがあればカエルのふりできるし
しかし合羽つくるにはカエル狩って皮を加工する必要が……

逃げてーロビン逃げてー

513 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 20:35:27 ID:7q1XSkoV
>>479
あくまであの爺さん、「かつてのライバル」だし。
亀仙人が「天下無敵の武天老師」って言われてたあたり、強さ的に水を開けられてた事は
ほぼ間違いなかろう

514 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 20:41:12 ID:3lUSseCV
>>511
マンションはタバサだろ……

515 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 20:47:18 ID:fe9L2cCK
>>514
タバサだと入り口で挫折すると思う

516 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 20:51:15 ID:iGt19Kfg
>>479
弟子(天津飯と餃子)に見捨てられてショックで衰弱していたんじゃない?
悟飯も弱くなってたし…


517 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 20:51:50 ID:EEJPlW7D
>>514
タバサはペーパーじゃね?

518 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 21:03:48 ID:2N97kJ/p
>>513
天下一武道会で天津飯が変装した亀仙人の強さを
「鶴仙人様に匹敵する」といってたから互角じゃないか?

519 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 21:16:16 ID:7q1XSkoV
>>513
いや、確か匹敵じゃなくて「鶴仙人様の上をいくぞ…!」だったはず

520 :518:2007/10/29(月) 21:18:21 ID:2N97kJ/p
>>519
現物が手元にないんで勘違いしていたようだ
訂正感謝

521 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 21:19:12 ID:7q1XSkoV
>>519
アンカーミス
×>>513
>>518

まあスタミナが切れてたりしたんじゃね?
亀仙人でもRR軍と戦うとスタミナ切れするらしいから、そこまでスタミナないっぽいし、
見知らぬ場所を何日もかけて彷徨った所で襲われたとか

522 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 21:21:59 ID:GfAU5nPI
最近随分とカオスな思考になって
我が使い魔は天地に一つ。故に使い魔など無くともいいのです。
という電波を受信したw

523 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 21:23:05 ID:Iyd5ad20
悟空>>セル戦の後ですよね

手加減してても吹っ飛ぶじゃ済まないんじゃ・・・・?

しかし、界王拳ですか
確かに、純強化系はアレで最後でしたからね
超サイヤ人時の闘気は余剰エネルギーの排出みたいな物ですし

524 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 21:26:49 ID:ycoa1dq2
>>522

ギーシュ君が何回戦っても杖を奪われた上に説教されてしまうのですねww
グラモン新陰流の誕生という蝶展開に期待しませう

525 :薔薇乙女も使い魔V−1:2007/10/29(月) 21:33:17 ID:e4oCDuBY
あの〜失礼します

第三部、書いてしまいました

投下していいですか?

526 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 21:34:30 ID:y6XzfqNX
>>525
GO!

527 :薔薇乙女も使い魔V−1:2007/10/29(月) 21:37:16 ID:e4oCDuBY
  薔薇乙女も使い魔   第3部

          第一話   禁じられた遊び…?



 幼いルイズは屋敷の中を逃げ回っていた。
 迷宮のような植え込みの陰に隠れ、追っ手をやり過ごす。
 二つの月の片一方、赤の月が満ちる夜。

「ルイズ、ルイズ、どこに行ったの?ルイズ!まだお説教は終わっていませんよ!」

 遠くから母の声が聞こえる。いつものように、出来の良い姉たちと比べられ、叱られて
いた。
 探しにくる召使い達。皆が私の出来の悪さを噂している。
 哀しくて、悔しくて、誰にも見つかりたくなくて、『秘密の場所』へ逃げ出す。
 あまり人の寄りつかない、中庭の池へ。

 池の周囲には季節の花が咲き乱れ、小鳥が集う石のアーチとベンチがあった。池の真ん
中には小さな島があり、そこには白い石で作られた東屋が建っている。島のほとりには、
小舟が一艘浮いていた。
 
 ルイズは小舟の中に忍び込み、用意してあった毛布に潜り込んだ。


「泣いているのかい?ルイズ」


 霧の中から声が聞こえる。
「子爵さま、いらしてたの?」

 島の岸辺に現れたのは、マントを羽織った若くて立派な貴族。憧れの子爵。
 つばの広い、羽付帽子に隠れて顔は見えない。
 でも、帽子の下でニッコリ笑った。
 島の岸辺から、そっと手を差し伸べてくる

「子爵さま・・・」
「また怒られたんだね?安心しなさい。僕からお父上にとりなしてあげよう」
 ルイズは頷いて、その手を握ろうとした。

 その時、風が吹いて霧が晴れた。
 東屋の中に人がいた。
 貴族を背後からジッと見つめる、子供の姿があった。
 子供は両手に人形を抱き、背中に皮布で包んだ長剣をさしている。


     みんな・・・


 幼いルイズは、子供と人形達に呼びかけようとした
 だが、声が出ない。誰も答えない
 月明かりの下、ただ無表情にジッと貴族を見つめていた。

 ルイズはさらに声をかけようとした。
 やはり声がでない。体も動かない。



528 :薔薇乙女も使い魔V−1:2007/10/29(月) 21:38:37 ID:e4oCDuBY

 子爵が子供に向き、杖を構えた。
 子供は手に長剣を構える。
 人形達も宙に浮き、手にステッキや如雨露を持った。


     やめて


 ルイズは叫んだつもりだった。だがどうしても声にならない。
 顔も分からない貴族と、表情のない使い魔達が、睨み合う。


    「やめてっ!」


 ようやくルイズは叫んだ。
 だが、その叫びを合図にしたかのように、彼らは駆け出した。


 人形達は貴族の杖で、一瞬で粉々に砕かれた
 杖と、剣が、ゆっくりと交差する
 そして互いの武器は、相手の胸を貫いて




「いやああああっ!」
 ガバッ!
 ルイズは飛び起きた。

    はぁっはぁっはぁっ・・・

 肩で息をする。布団を握りしめる手が、いや、全身が冷たい汗で濡れていた。
 ルイズは外を見た。まだ夜明け前、空に光が差してきていた。
 額の汗をぬぐうルイズの周りを、小さな赤と薄緑の光がクルクルと回っていた。

「ホーリエ、スィドリーム・・・大丈夫、ちょっとうなされただけよ」
「どしたい?ちょっとって感じじゃなかったぜ?」
 壁に立てかけたデルフリンガーも声をかける。

「そ、そう・・・でも、もう大丈夫よ」
 大きく息をつき、汗でじっとりと濡れたネグリジェを脱ぎ捨てる。ベッドを降りて、ク
ローゼットの一番下の引き出しから下着を取り出した。

「なんで・・・なんであんな夢見たのかしら・・・」

 少しずつのぼていく太陽を横目に、ノロノロと服を着始める。
 ぼんやりと、さっきの夢を思い出す。
 そして、ふと鏡台に視線を移した。
 そこには、不安げな自分の顔があった。

 そんなルイズを心配するように、二つの光球はふよふよと彼女の頭上に浮いていた。


529 :薔薇乙女も使い魔V−1:2007/10/29(月) 21:40:08 ID:e4oCDuBY


 アルヴィーズの食堂には、まだ人影はまばらだ。
 ルイズは自分の席に着き、ぼんやりとしていた。
 彼女の目の前には二つの光球がふよふよ漂っている。

「おはよう、ルイズ」
「おはよう、キュルケ」

 珍しく早起きしたキュルケと、相変わらず無表情なタバサが彼女に寄ってきた。

「今朝はどうしたのよ、いきなり悲鳴なんか上げて。おかげであたしまで目が覚めちゃっ
たわ」
「ああ、ごめん…ちょっとね、イヤな夢をみてね」
「ふーん。あんたでも悪夢なんか見るんだ」
「それくらい見るわよ」

 軽く挑発したキュルケだったが、ルイズは浮かない顔でため息をついた。
 二人は入り口横に置かれたテーブルを見た。イスには誰も座っていない。

「ところで、あんたの使い魔達はどうしたの?」
「あ、今はちょっと用事をいいつけててね。しばらく帰って来ないわ」
「あ〜、なるほど。大好きな坊や達がいなくて寂しいんだぁ♪」
「ばっバカ言わないでよね!あんなヤツら、ちょっといないくらい・・・」
 赤くなって否定したルイズだったが、その声はだんだん小さくなっていった。
「まぁまぁ、いいじゃないの。あたしだってフレイムがいなきゃイヤだもの。
 ・・・さっきから気になってるんだけど、それ、何?」

 キュルケは、タバサがさっきからじっと見つめている二つの光球を指さした。

「ん・・・ホーリエとスィドリーム」
 ルイズは、ぼんやりと二つの光球を見つめながらつぶやいた。
「えっと、名前は分かったけど、何なのそれ?」
「使い魔」
「使い魔…誰の?」
「あたしの」
「…はいぃ?」
「あたしの、というか、真紅と翠星石の」

 キュルケの口があんぐりとあいた。
 タバサは、目が僅かに見開いた。

「使い魔・・・あのお人形達の?」
「ええ、使い魔、だと思うわ。あたしもよく分からないけど」
 ルイズは魅入られたように、宙を舞う二つの光を見つめている。

「…え〜っと、それってつまり、ルイズはぁ…その光のタマを使い魔にするお人形を使い
魔にする平民の少年を使い魔にした、て…事?」
「うーん、簡単に言うとそうなるかな?」
 ようやくルイズはキュルケ達に向き直って答えた。
「ぜんぜん簡単じゃないわ・・・あんたの使い魔って、どんだけ増えてくのよ!」
 ルイズはアゴに人差し指をあて、首をかしげた。
「えっと〜、今のところ、これ以上増える予定はないかな?」
「普通、使い魔は増えないんだけど・・・」
 絶句するキュルケと、やっぱり無表情なままのタバサをよそに、ルイズはぼんやりと考
えていた。

 地球の学校って、どんなのかな・・・

530 :薔薇乙女も使い魔V−1:2007/10/29(月) 21:41:27 ID:e4oCDuBY




 焼け付くような日差しに照らされたアスファルトの道路を、セーラー服と学生服の二人
が並んで歩いていた。

「みんな、ビックリしてたわね」
「まぁ、しょうがないさ。しばらくはヘンな目で見られるだろうなぁ」
「大変ね。でも、梅岡先生はとても喜んでいたわ」
「別に、そんなの関係ないよ。あれこれ気を使われて、鬱陶しいだけだ」
「そうね、しばらくは我慢ね。トリステインでも色々と注目されてるんでしょ?」
「うん。でも、いい加減慣れてきたよ。まだ油断は出来ないけどな。
 そっちはクラス委員、やっと辞めれたな」
「ええ…後は、部活も辞めて、受験勉強に専念したいわ」
「受験、かぁ」

 ジュンは、空を見上げた。
 季節は、まだまだ夏。もくもくと天に昇る入道雲。
 始業式と、二学期のクラス委員選挙を終え、ジュンは柏葉巴と帰るところだった。

「ねぇ、桜田君の家に行っていい?雛苺に会いたいの」
「…ああ、来なよ。あいつもきっと喜ぶ」
「…うん」


 桜田家のリビングにはトランクが二つ、テーブルに置かれていた。
 ソファーに座る巴は、雛苺を膝に乗せ、髪をすいていた。ジュンも蒼星石を抱えて、並
んで座っている。
 TVはワイドショーを映していたが、見てはいない。二人とも人形達をじっと見つめて
いた。

 いつも無邪気に笑っていた雛苺も、生真面目で常識的な意見ばかりを言っていた蒼星石
も、今はもう、その口を開く事はない。二人とも瞼を閉じたままだ。あれほど元気に飛び
回っていた彼らの体は文字通り、ただの人形になっていた。

「ねぇ、ハルケギニアの人形も、雛苺みたいに笑うの?」
 雛苺の大きなリボンを直しながら、巴が尋ねた。
「いや、こいつ等みたいな人形は、ハルケギニアでもありえないんだってさ」

 巴は、僅かな失望を含む目でジュンを見つめる。

「でも、ガーゴイルっていう、ローゼンメイデンに近いモノはあるんだ。特にガリアって
いう魔法先進国では、すごいのになると擬似的な自我を持たせた、人間と見分けのつかな
いモノもあるってさ」
「あ、それじゃぁ」
 巴の表情に光がさす。
「ん〜、それでもローゼンメイデンにはほど遠いと思う。やっぱり、エルフの技ってやつ
が鍵かもしれないなぁ。でも、ハルケギニアの連中って、エルフとすごく中が悪いんだっ
てさ」
「エルフまでいるんだ。本当にファンタジーの世界なんだね」
「ああ。どんな姿の連中かまでは知らないんけどな。それにオークとかサラマンダーとか
もいるし。でも、ファンタージって言うほど、夢のお伽話じゃぁないよ。現実世界なのは
地球と同じさ。なんでも魔法でお手軽解決、とはいかないな」
「そっか・・・先は長そうだね。ローザ・ミスティカも見つからないし。」
「うん。出来る事から少しずつやってくしかなさそうだなぁ」
「そう・・・」

531 :薔薇乙女も使い魔V−1:2007/10/29(月) 21:43:08 ID:e4oCDuBY

 二人はそれぞれの人形を膝に乗せて、しばらく庭を眺めていた。
 TVのワイドショーでは『・・・の上空を飛び回っていた謎のトランクは、ここしばら
く目撃情報が無く、警察では単なる愉快犯という可能性を・・・』というレポートを流し
ていた。ジュンと巴は、薔薇乙女達がトランクに乗って街を飛び回っていた頃を思い出し
ていた。
 今はもう、ジュンの部屋のガラスが突っ込んできたトランクで、めったやたらに割られ
る事もない。だが、そのホッとして良いはずの事実が、ジュンの胸に針を刺すような痛み
を生む。

 ジュンが、ふと口を開いた。
「まずは、協力してくれそうな『治癒』の使い手を捜そうと思う」
「ああ、水銀燈が探していた件ね」
「僕たちの秘密を守ってくれて、しかも心臓移植しか助かる手が無いような病気を治せる
ような水のメイジとなると、そうそういないけど。それでもまだ、他に比べれば見つかり
やすいと思うんだ」
「あらぁ、つまんないこと覚えてるのねぇ。もう忘れてると思ってたわぁ」

 二人の背後から声をかけたのは、何時のまにやら来ていた水銀燈だった。

「ああ、お帰り水銀燈。捕まえた?」
「ええ。本当に手間かけさせるわねぇ。まったく恥知らずだわぁ」
 ジュンに問われた水銀燈は、ヤレヤレという感じで廊下の方を振り向いた。廊下からは


 きゃーきゃーごめんなさいーだってだって私だってハルケギニア見たかったのー
 ごめんかしらーゆるしてー命ばかりはお助けなのかしらー


 という情けない叫び声が聞こえてきた。
 そして、真紅と翠星石に廊下をズルズルと引きずられてきたのは、ツタでぐるぐるまき
にされ、薔薇の花びらと黒い羽に埋もれた金糸雀と草笛みつだった。
「なーにを考えてるですかあんた達はー!あたし達の苦労を全部パーにするですかっ!」
「おまけに、わざわざ私達が帰ってきた時を狙うなんて、悪質にも程があるわ」
「だって、だって、見つかったら怒られるかしら?」
「か、カメラマンは時には命を賭けて写真を撮るのよ!芸術に妥協は許されないの!」
「あんた達の命なんか賭けなくていいのよぉ、おバカさぁん。真面目にやんなさぁい」

 真紅と翠星石と水銀燈にとっちめられる二人を見て、巴はプッと吹き出した。ジュンは
本当にこんなんでやっていけるのかなぁ、と思いつつも顔はほころんでいた。
 ふとジュンと巴は目が合い、さらに二人でクスクスと笑い出してしまった。




「それじゃ姉ちゃん、みんな、行ってくるよ」
「うー、でもジュンちゃん、たった一晩しか休んでないでしょ?今日も学校で色々疲れた
んでしょ?出発は今でなくても、もう一晩休んで、土曜の朝からでも」
「ダメよ、のり。あたし達には使い魔としての役目もあるの。ルイズとの約束よ」
「そうですよぉ、その事は何度も説明したですぅ。あんのちんちくりんはスッゴイ寂しが
り屋のクセに意地っ張りなんですからぁ。あたし達がついていてやらないとダメダメなヤ
ツなんですぅ」
「うう、ジュンちゃん・・・」

 ジュン達との再びの別れを寂しがるのりの肩に、ポンっと手が置かれた。
 巴が真剣な顔で、首をふる。


532 :薔薇乙女も使い魔V−1:2007/10/29(月) 21:44:30 ID:e4oCDuBY

 桜田家の倉庫、大鏡の前には、彼らが初めてハルケギニアから帰還した時と同じく、何
人もの人と人形がいた。
 その時と違うのは、今度はジュン達の出発を見送るために集まった事だ。
 水銀燈は、相変わらず倉庫の外で背を向けている。黒い翼がパタパタとはためいてる。

 水銀燈は肩越しに鏡前の真紅を睨み付けた。
「ふんっ、何をゴチャゴチャ言ってるのよ。鬱陶しいわね、さっさと行きなさぁい」
「分かってるわ水銀燈、後の事はよろしくお願いするわ」
 水銀燈は悪態をサラリと返した真紅を見て、忌々しげに顔を背けた。その頬は、少しだ
け赤かった。

「それじゃ、またな」
「心配しなくても、また戻るわ」
「あたし達がいなくてもしっかりしやがれですよー!」

 輝く鏡面の中へ消えていく三人の背に、激励の言葉が贈られる。
「ジュンちゃーん!体にだけは気をつけるのよー!」
「頑張ってね。こっちの学校の宿題は任せてね」
「しっかり勉強するんじゃぞ、ジュン君。蒼星石を頼むぞい」
「あの、あの!向こうの写真、沢山取ってきてね!そのデジカメ小さいけど、メモリーは
8Gだからムービーも沢山入るからね!」
「頑張れかしらーっ!悪い魔法使いなんかに負けたら許さないかしらー!」

 光の波が広がる異空間への扉は、ただの鏡へと戻っていった。





「頑張ってと言われてもなぁ。何からやったもんだろ」
「おいおい、しっかりしろよなぁ」

 トリステイン魔法学院の早朝。
 ちらほらと朝食に向かう貴族達を遠目に眺めつつ、広場でジュンは途方に暮れていた。
 背中に皮布で包まれたデルフリンガー、腰にナイフ。服装は、先日街でデルフリンガー
を買った日に一緒に買った小姓の服。人形達やルイズはいない。
 珍しく一人で行動しているジュンの姿に気付く貴族もいたが、特に気にするでもなく食
堂へ歩いていく。

 今はもう学院の中にジュンを知らない者はいないので、不審に思われる事はない。武器
を身につけていれば、ルーンの力で少々の危険からは自分で身を守れる。ルイズや真紅・
翠星石も学院内にいるので、すぐに駆けつけれる。何より、『巨大ゴーレムと戦える剣技
を持つ平民』『マジックアイテム使いの少年』として知られたため、無意味に挑発される
事もないだろう。学院から出れば、小姓の服を着た彼は、どこかの貴族に奉公する平民の
少年にしかみえない。
 そんなわけで、ようやくジュンも一人で堂々と行動出来るようになった。なので、朝の
着替え中なルイズの部屋から逃げてきた。


 ジュンはストレッチをしながら、朝メシまで何しようかなぁ〜っと考えていた。
「うーん、朝メシまで時間あるけど、今できる事は・・・」

 ふと目を横に向けると、朝食の準備をするメイド達がいた。

「よし、仕事手伝うついでに情報収集」
「おめーさんは真面目だねぇ」
 ジュンは厨房へ行く事にした。

533 :薔薇乙女も使い魔V−1:2007/10/29(月) 21:45:47 ID:e4oCDuBY




「まさか・・・ホントにあるんですか?」
「ええ、『竜の羽衣』って言うの。地元の皆は、えと、タルブっていう村で、ラ・ロシェ
ールの向こうにあるんだけどね。寺院に飾って拝んでるのよ」
「おいおい、いきなりだな」

 ジュンは食堂の皿を並べるのを手伝いながら、シエスタに、何か珍しそうな『秘宝』を
知らないか尋ねていた。コルベールから頼まれた『異世界召喚物探索』について、軽く学
院の人々から情報を集めるため、とりあえず学院の人々の中で一番話しかけやすいシエス
タに尋ねてみたのだった。
 だが、いきなり『秘宝』の情報が出た。

「それって、どんな秘宝なんですか」
「えっとね、それを纏った者は空を飛べるっていうんだけど…まぁ、ぶっちゃけインチキ
よ。ひいおじいちゃんは、あっと、『竜の羽衣』を持ってきたのは、あたしのひいおじい
ちゃんなんだけどね。飛んでみろって言われても飛べなかったんだもの」
「なーんだぁ」
 高価そうな花瓶に色とりどりの花を挿しつつ、ジュンはがっかりした。
「まぁそんなもんさ。お宝なんて、そじょそこらに転がってるもんかよ」
 デルフリンガーの意見は、とってももっともだった。
 だがジュンは花の配置を整えながら、せっかくの情報だし少し詳しく聞いてみよう、と
考え直した。
「あの、それってどんな形なんですか?」
「え?えーっとね、すっごく変わった形をしているの、あのね…」

 と言ってシエスタは、花瓶の水を少し手につけて、水で秘宝の形を描いてみた。
 だんだんと形になる『竜の羽衣』を見たジュンは、次第に目を見開き、最後には絶句し
た。

「あのっ!これ、今でもあるんですか!?」
「え?もちろんあるわ。父が管理してるの。固定化の魔法もかけてあるのよ」
「見せて下さい!ぜひ、急いでお願いします!」

 唐突に頭を下げたジュンにシエスタは驚き、だが何故か哀しそうに目を逸らした。

「う…ん、みせてあげれればいいんだけど…ちょっとすぐには無理だと思う」
「あ、すいません。それほど急いでませんから、いずれ暇が出来た時でいいですよ」
「あ、あの、そういう事じゃなくて…」

 シエスタは、うつむいて唇を噛み、苦しそうにつぶやいた。

「あたし…ここを辞めるの。モット伯のところで奉公することになったの…」

 それだけ言って、シエスタはトボトボと厨房へ去っていった。
 ジュンは、何も言えず彼女の背中を見つめていた。


「辛いねぇ、シエスタも」
 ジュンに声をかけたのは、籠いっぱいのフルーツを抱えたローラだった。
「あの子、あのモット伯に目をつけられてねぇ。可哀想に…おっと、子供に言う事じゃな
かったわね」
 口を手で塞いだローラは、さささっとテーブルに果物を置いていく。

534 :薔薇乙女も使い魔V−1:2007/10/29(月) 21:47:16 ID:e4oCDuBY

「目をつけられて…デル公、もしかして」
「ああ、ボウズの想像通りだろうさ。貴族に泣かされるのは平民の常だけどよ。むごいわ
なぁ」

 ジュンはハルケギニアの身分制度に対する怒りと悔しさで、肩が震えそうになる。だが
同時に、モット伯という名に引っかかるモノを感じた。
 彼はルイズの部屋に戻った。


――ルイズの部屋  翠星石・ルイズ・真紅
「え〜っとですねぇ、モット伯…確かに聞いたですねぇ。ルイズ、分かりますかぁ」
「ええ。王宮の勅使として時々トリステイン魔法学院に来てるわ。平民の若い娘に目を着
けると自分の屋敷に買い入れてる、ドスケベな中年貴族よ」
「でも、私やジュンはそんな事知らないわ。なのに名前は覚えてるのよね…なんだったか
しら?」
 頭を捻った彼らは、ふと隣の部屋を見た。


――キュルケの部屋  キュルケ
「ああ、モット伯ね。ほら、『召喚されし書物』を欲しがってたっていう貴族よ。書物コ
レクターなの」
 ルイズ達は顔を見合わせた。


――アルヴィーズの食堂  コルベール
「なるほどなるほど、そういう事ですか!では、私からモット伯に話してみましょうぞ。
急いでモット伯に連絡しましょう」
 ルイズ達はコルベールに頭を下げた。


――教室前  コルベール
「先ほど返答がありましたぞ、申し出に応じてくれましたぞ!」
 ルイズ達は明るい顔で、キュルケを探した。コルベールも一緒に。


――本塔バルコニー  キュルケとタバサ
「え?あの本ならオールド・オスマンが資料にって」
 ルイズ達もコルベールも呆れ果てた。


――学院長室  オールド・オスマン
「いやじゃいいやじゃい!これは、大事な研究資料なんじゃー!」
「えーい!恥を知りなさい!」
 オスマン氏は、エロ本をコルベールに奪われた。見苦しい学院長の姿に、ルイズ達も、
キュルケも、冷たい視線を送った。タバサは半泣きの老人を指さし、「セクハラ」とつぶ
やいた。


――モット伯邸執務室  モット伯
「おお!これだよコレッ!うむ、感謝しよう。約束通り、シエスタは諦めるとしよう」
 ルイズ達は胸をなで下ろした。同時に、スケベなオヤジがエロ本をニヤニヤ読んでる姿
を、ルイズ達もコルベールもキュルケも、彼らを風竜で乗せてきたタバサまで、白い目で
見ていた。

535 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 21:48:00 ID:N+STyg2b
sien

536 :薔薇乙女も使い魔V−1:2007/10/29(月) 21:48:25 ID:e4oCDuBY



――――そして、次の日の朝。学院正門前
「それじゃ、いきましょー」
「ボウズの事はまかしときな」
「では、タバサどの。頼みましたぞ」
「うわあああ、すっごおい、あたし、竜の背中に乗ってるぅ〜!」
 いつものように本を読むタバサと、デルフリンガーを背負ったジュンと、コルベールと
シエスタを乗せて、ルイズと人形達とキュルケに見送られて風竜は翼を広げた。


「ああんもう!なぁんであたし達は居残りなのよう」
「しょうがないでしょ、キュルケ。私達は授業があるんだから」
「だってタバサはどうなのぉ〜特例だなんてずるーい!」

 残されたキュルケとタバサは不満げだ。そして真紅と翠星石は不安げだ。

「一人で大丈夫ですかねぇ?あのチビだけじゃ不安ですぅ」
「まぁデルフリンガーもいるし、ルーンの力もあるし、大丈夫とは思うわ。それに、狙わ
れるとすればあたし達ローゼンメイデンの方よ。あたしと翠星石が離れるのは危険だわ」
「うう〜でもですねぇ〜」

 そんな彼らの想いをよそに、風竜は飛んでいった。





 そして、タルブの村――――

 素朴な小さな村。上空から見ると、広大な草原が海のようで美しい。
 そんなありきたりな村に、ありえない程場違いな建物が見えた。上空からでも一目で分
かるほど、ありえない。
 このハルケギニアにしめ縄と鳥居なんて、絶対あり得ない。なのに、あった。


 『竜の羽衣』は、明らかに和風な寺院の中に鎮座していた。
 ジュンは、その姿に驚愕した。シエスタからの話で予想はしていたが、まさかコレだっ
たとは。
「これが『竜の羽衣』ですな!?これが飛ぶのか!はぁ!素晴らしい!」
「これは、飛行機です。いえ…信じられないけど、これはゼロ戦って言います。僕たちの
国の、空を飛ぶための道具ですよ。
 まさか、セスナとかじゃなくて、これだったのか…」
「へぇ〜!それじゃ、ジュンさんとあたしって、同じ国の血が流れてたのねぇ」
「いやまったくおでれーた!奇遇も奇遇、しんじらんねーな〜」

 ゼロ戦が、くすんだ濃緑の機体が作られた当時のままに、静かに佇んでいた。
 コルベールが、うーむ見た事もない金属だ翼は羽ばたかないのかうーむ、と唸ってる。
 タバサはやっぱり無表情で無言だが、興味があるらしく機体をじっと見ている。
 ジュンが機体に触れると、左手の包帯から光が漏れる。

    なるほどな、これも確かに『武器』だよな

 ジュンは感心しながら、機体をなで続ける。
 中の構造、操縦法が、ジュンの頭の中に鮮明なシステムとして流れ込んでくる。僕はこ
れを飛ばせるんだ、と理解した。
 燃料タンクを探し当て、そこのコックを開いてみた。なるほど、案の定そこはからっぽ
だった。どれだけ原型を留めていても、ガス欠じゃ飛ばす事は出来ない。

537 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 21:49:56 ID:Kqa9/ZsS
支援

538 :薔薇乙女も使い魔V−1:2007/10/29(月) 21:50:29 ID:e4oCDuBY

「そ!それではジュン君!さっそくこれを飛ばして見てくれんかね!?」
 コルベールが手を興奮で振るわせながら、ジュンににじり寄ってくる。ジュンは困った
ように頭をかいた。
「いえ、これを飛ばすにはガソリンがですね。えと、ほら、この前研究室でぴょこぴょこ
とヘビの人形が動いてたでしょ?」
「愉快なヘビ君の事かね?」
「油で動かしてましたよね。あれが、いえ、あれとはまた違ったガソリンというのが必要
なんです」
 と言ってジュンは燃料タンクのコックから、コルベールに臭いをかいでもらった。
「この中に、ほんのちょっとだけどガソリンが残ってるようです。これを…樽五本分くら
いあれば。まぁ、これが壊れてなければ、ですけど」
「おお、そう言う事か!なに、大変そうだが、必ず練成して見せよう!それにしても、僅
かな量が暖められもせずにこれだけ臭うとは、相当の爆発力だな…これだけでも素晴らし
いというのに…それに翼の風車を回転させるという発想は…ううむ…」
 コルベールはもう、ゼロ戦に釘付けだ。

「なぁ、ジュンよ」
「なんだいデル公」
 背中のデルフリンガーがつぶやいた。
「このままほっとくとあのハゲ、ゼロ戦とやらをバラバラにしちまうかもな」

 コルベールは、ベタベタと機体に触りまくり、舵面をキコキコ動かし、プロペラを回そ
うと

「ちょ、ちょっと先生!あの、今日はこれくらいにして、どうやって学院に持ち帰るか考
えましょうよ」
「え?あ、いや、でももう少しだけ」
「あの〜これはシエスタさんちの家のものですから、まずはシエスタさん家のご主人に言
わないと」
「う〜うむ、そうですな。ではシエスタさん。君のお父さんに会わせてもらえますか?」
「はい、承知しました。おそらく父も快く譲ってくれると思いますわ」



 村の共同墓地。
 白い石で出来た幅広い墓石が並ぶ中に、黒い直方体の墓石があった。

「これですよ、旦那様方。この墓は生前、祖父さまが自分で作ったモノです。この墓碑銘
を読めた者に『竜の羽衣』を渡せと言う遺言でした」

 シエスタの父に連れられて、コルベールとジュンは共同墓地へ案内されてきた。
 ジュンは墓石の前に座り、手を合わせ目を閉じた。
 デルフリンガーが不審そうに尋ねてくる。
「んー?ジュンよ、そりゃ何の呪いだ?」
「僕の国の、日本でのお参りの仕方なんだ」

 目を開けたジュンは墓石を読む。

「海軍少尉佐々木武雄 異界ニ眠ル・・・日本語だ。あの、この人はいつ頃亡くなられた
んですか?」
「ん?じーさんが死んだのは、もう随分前だよ。うーん、何年くらい前だったかなぁ」
「いや、いいですよ。間に合わなかったのは同じなんだし」
「ジュン君…故郷が懐かしいのかね?」
「いえ、そういうわけじゃないんですよ。ただ、会えれば…と思って」
 コルベールが気遣ってくれるのはジュンも分かっていた。タバサも黙ってジュンを見つ
めている。だが、まさか『すいません、昨日自宅に帰ってました』とは言えない。


539 :薔薇乙女も使い魔V−1:2007/10/29(月) 22:00:26 ID:lOJw17UF

  佐々木武雄が死ぬ前に会う事が出来れば、地球に連れて帰れたのに。そう思ってシエ
スタの父に尋ねたジュンだったが、もはや意味のない考えと思い直した。

「ともかく読めましたから、『竜の羽衣』は持ち帰っていいですね?」
「ああ、構わんよ。どうせ管理費も高くて困ってたし」
「ではついでに、形見の品を見せて頂けませんか?僕の国のやり方で供養しようと思うん
ですが」
「ふむ、どれでも持って行ってくれて構わんよ。同じ国から来た人になら、じーさまも喜
ぶだろうよ」

 一行はシエスタの家に戻る事にした。ジュンは『地球から新たに持ってきたデジカメと
かは、この佐々木さんの遺品やゼロ戦の中にあったモノなんだよー、て言う事にしよーっ
と。これでかなり自由に地球からの品を持ってこれるぞ。しめしめ…』とか考えて、ほく
そえんでいた。



 夜
 今夜はシエスタの生家で泊まる事になった。
 こんな村で貴族を迎えるなどめったにないし、その後シエスタから詳しい経緯を聞いた
シエスタの父は『そ、そんな事情だったとはつゆしらず、娘の恩人に対して無礼の数々、
平にお許し下さい!』とコルベールに平身低頭して恐縮しまった。
 ぜひ村長の家で村を挙げての歓迎会を、と村長まで挨拶に来たが、ジュンもコルベール
もタバサも、騒がしい事は望まなかった。
 シエスタの家で歓迎の夕食を囲み、シエスタ達八人兄弟と父母を紹介された。久しぶり
に家族に囲まれたシエスタは幸せそうで、楽しそうで、ジュンは羨ましくなった。


 最後に家族がみんな揃ったのって、いつだったろう


 ジュンの周りには、以前とは比較にならないほど沢山の人がいる。
 姉ののり、真紅、翠星石、ルイズ、幼なじみの巴、金糸雀、草笛さん、水銀燈・・・
 なのに何故か、ずっと会っていない両親の事が思い出される。

 ふとジュンは横のタバサを見た。
 いつもと同じ、無口で無表情。なのに、何故だろう、自分と同じ目をしている、いや自
分より遙かに寂しく暗い目だ、ジュンはそう感じていた。

「おっほん。二人とも、故郷からも家族からも遠く離れて寂しいとは思う。だが、今は学
院で、仲間達に囲まれておるのですぞ。決して寂しいだけの毎日ではないことを忘れては
いけませんぞ」
「そーだぜ。第一ボウズ、おめーにゃあんな可愛いご主人様までいるじゃねーかよ」

 二人に気を使って、コルベールと、壁に立てかけられたデルフリンガーが励ましてくれ
る。

「そだな、うん、そーですよね。んじゃ、とにかく食べるとしましょう!」
 食事に手をつけるジュン。もちろん、学院の貴族向けな食事とか、地球のジャンクフー
ドに比べれば、質素で味気ないモノばかりだ。それでも、何故かジュンにはとても美味し
く思えた。
 タバサは何も言わず、黙々と食べていた。どこにそんなに入るのかというくらい。





540 :sage:2007/10/29(月) 22:01:24 ID:OVM/qGmH
待ってたよ支援

541 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 22:01:31 ID:N+STyg2b
しえん

542 :薔薇乙女も使い魔V−1:2007/10/29(月) 22:01:58 ID:lOJw17UF

 夕食後、ジュンは村はずれに腰をおろし、草原を眺めていた。
 月明かりの下、草原の中を風が渡っている。
 風が吹いている所だけ草が頭を垂れ、月明かりをキラキラと反射する場所が移動してい
く。まるで波打つ海原のように、草原が煌めいていた。
デルフリンガーもシエスタの家に置き、今は腰のナイフしかもっていない。

「静か、だな」

 ジュンは、久々に一人っきりになった事に気がついた。
 ローゼンメイデンが来て以来、常に彼の周りには誰かがいた気がする。一人になったの
はトイレと風呂くらいだろうか。
 特にハルケギニアに来てからは、真紅と翠星石と共に、ルイズの後をついていっていた
し、背中のデルフリンガーも四六時中しゃべりっぱなしだ。

「不思議だな、あれだけ一人でいたいと思ってたのに。今は一人が寂しいや」

 ジュンは、草の中に大の字で寝っ転がった。
 目の前には、地球の都会ではありえない星空が広がっている。


「どこに行ったかと思ったら、ここだったのね」

 声の方を見ると、シエスタが立っていた。
「あ、探しに来たんですか。すいません、勝手に外に出て」
「いえいえいーのよ。横、いいかな?」
「ええ、いですよ」

 シエスタは、ジュンの横に腰をおろした。
 茶色のスカートに木の靴、草色の木綿のシャツ。広がる草原のような姿だった。
 なら風に揺れる黒髪は、この星空だろうか。

「あの、本当にありがとう。助けてくれて」
「こっちこそ助かりましたよ。ゼロ戦が手に入るなんて」

 シエスタは、草原を見渡した。

「この草原、とっても綺麗でしょ?」
「うん…こんな広い原っぱ、生まれて初めて見たよ」
「ジュンさんの国にはないの?」
「無いよ。僕の国は山だらけ、草原はほとんど無いんだ。平地は全部街と畑だから」
「へぇ〜。ねぇ、ジュンさんとひいおじいさんの国の事教えてよ」
「ん・・・と、僕の国の事、かぁ」

 ジュンは、当たり障りのない範囲で、日本の事を話した。
 シエスタは目を輝かせながら、彼の話を聞いていた。

「凄いなぁ。ひいおじいさんもジュンさんも、そんな国から来たんだ」
「いや、別に凄い国でもないよ。むしろ僕にはハルケギニアの方が凄いよ。特に魔法がホ
ントに」
「あら、あなたのお人形さん達って、ハルケギニアのゴーレムとかより凄いって噂じゃな
いですか。なら、ジュンさんの国の魔法の方がもっと凄いですよ。『東の世界』かぁ、凄
いなぁ、憧れちゃうなぁ」
「あー、う〜…」

 ジュンは、なんだかロバ・アル・カリイエについて誤った情報が一人歩きしそうで困っ
てしまった。とはいえ、次元の壁を越えて来ましたとも言えない。


543 :薔薇乙女も使い魔V−1:2007/10/29(月) 22:03:45 ID:lOJw17UF

「それにしても」
 シエスタはジュンをじっとみつめた。
「ジュンさんって、14歳だったんですね」
「そうです・・・あの、言っときますけど、僕の国では同年代の子は、これで普通なんで
すよ。みんな大体あと数年で、もう少し、30サントくらいは伸びると思います」

 そんな保証はないけれど、つい言ってしまう。

「へぇ・・・そうなんだ」
 シエスタは、ジュンの顔を覗き込んだ。彼女とジュンとの間が、すすっと狭まる。
「驚いたなぁ、あたしと3つしか違わないなんて」

 シエスタの瞳に、何かゆらめく焔の様なモノが見えた気がした。

「ねぇ、ジュンさん」
「は…はい、なんでしょう?」

 と答えつつ、ジュンはゆっくりとシエスタから間を開けようとする。
 だが、同じようにシエスタも寄ってくる。

「今、好きな人とか、いるの?」
「え?えと、その、あの、まだ、いない、はい、いません・・・」
「そっか、いないんだ・・・」

 しどろもどろで、目が泳ぐ。
 そんなジュンにシエスタが、ピッタリと身を寄せた。

「あ、あの、その・・・」
「助けてくれたお礼、まだしてなかったよね」
「…え?」

 ジュンの上に、シエスタが覆い被さった。
 細い指が少年の頬を捕らえ
 しなやかな腕が彼の体に巻き付き
 柔らかな胸が乱暴に押しつけられ

 彼女の唇は、彼の唇と重ねられた。


544 :薔薇乙女も使い魔V−1:2007/10/29(月) 22:04:55 ID:lOJw17UF

 二人の鼓動が、早鐘のように鳴り響く拍動が、互いに伝わる。


 一瞬か、永劫か。どれくらいの時が過ぎたか、ジュンには分からなかった。


 ようやく唇を離したシエスタは、硬直するジュンを熱い目で見下ろしていた。
 ゆっくりと、名残惜しそうに体を離す。

「風邪、ひくわ」

 シエスタに手をひかれ、ぎこちなく立ち上がるジュン。これ以上ないほど赤面して、言
葉も出ない。うつむいて、シエスタの顔もまともに見れない。

「うふふ…確か『契約』の時やってるから、まだ2度目かな?」
「う・・・」

 ジュンはモジモジして、答える事も出来ない。今起きた事が、シエスタの唇の感触が、
ふくよかな胸が、からみついてきた腕が、シエスタが頭の中を駆けめぐり、他に何も考え
られなかった。

「さ、帰りましょ。・・・キスとか、したい時は言ってね。待ってるわ」
 そういってシエスタは、ジュンの腕を取って家へと戻っていった。


 そんな彼らを遠くから見ていた影が4つ、正しくは二人と一本と一匹。

木陰のコルベール「いいですなぁ若いって。羨ましいですぞ」
屋根の上に伏せるタバサ「ショタコン」
タバサの横に置かれたデル公「かー!情けねー。それでも男か!?最後まで行けっての!」
家の影から頭だけ出した風竜「きゅいきゅい」


                 第一話   禁じられた遊び…?   END

545 :540:2007/10/29(月) 22:05:32 ID:OVM/qGmH
sage書くところ間違えた
吊ってくる

546 :薔薇乙女も使い魔V−1:2007/10/29(月) 22:06:39 ID:lOJw17UF
というわけで、第三部を書き始めてしまいました

こんな駄文でよろしければ、またよろしく



547 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 22:10:03 ID:P4AURGbt
シエスタとのイイ雰囲気がすごくドキドキなんだ。
しかも
>『すいません、昨日自宅に帰ってました』
これは卑怯だ!笑った!

548 :MtL:2007/10/29(月) 22:17:41 ID:vqdfzbKS
10時30分から投下しますー。

549 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 22:22:57 ID:spF3WSb2
デュエルファイター刃支援

550 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 22:23:47 ID:l7ahCSgb
タシロ達自重しろw
GJしたー
そして支援

551 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 22:25:36 ID:HMn+0iU6
薔薇の人乙。

そしてMtL支援準備。

>>549
ブラスさんカード化されないものか。プレインズウォーカーとかで。

552 :MtL:2007/10/29(月) 22:30:52 ID:vqdfzbKS
マジシャン ザ ルイズ (22)ウルザの時計

ルイズは霧の中にいた。
濃い白乳色をした、濃密な霧。
視界は白、その他の色は一切何も見えない。

――誰かいないの?――

彼女がそう口にすると、目の前に突如人影が現れた。
先ほどまで影も形も無かった場所に突如現れた人物にルイズは驚きの声をあげる。
ましてや、目の前にいる人物の姿を目にしてはなおさらであった。
目の前に現れたのは小柄な少女。髪は桃色のブロンドに目は鳶色、身には魔法学院の制服を纏っている。。
そう、それはルイズ自身であった。

「この次元に来るのはとても久しぶりね、懐かしいわ」
こちらの反応を見て、さもおかしそうに口元を隠して笑う少女。
――あ、あなたは一体だれ!?何で私の姿をしているの!?――
くつくつと笑いながら彼女は答えた。
「最初の回答、私はあなたの先祖、始祖って呼ばれてるみたいね」
――!!――
驚きで声も出せないルイズを愉快そう笑う少女。
「次の回答、私に姿なんて無いわ。面倒だからあなたの姿や声や喋り方を借りてるだけよ」
自分の胸に手を当てながら答える仕草は、確かにルイズもたまにしてしまうものであった。
――わ、分かりました。けれど始祖様はどうして私めにお姿をお見せ下さったのですか――
その言葉を聴いて始祖は明らかに機嫌を崩したようだった。
「ちょっと、そういう口調はやめて貰えないかしら。なんだかムズムズするわ」
腰を折り曲げて上目遣いに睨みながら片手にもった杖でルイズつんつんと突きながら言う少女。
――は、はい。わかりました……――
「わかった、でいいわ。じゃあ次の回答ね、面白そうだっただからよ」
あっけらかんと言う始祖、流石にこの言葉にはルイズも言葉が詰る。
「何をしようと思った訳でもないのだけれど……。そうね、あなたの疑問に答えてあげるわ」
ふふん、と薄い胸を誇示するように胸をそらす始祖。
――疑問?――
「そう、疑問。どんな疑問にでも答えてあげるわ」
神の如き、いや、神そのものと時に称される存在が、ちっぽけな存在である自分の疑問に答えるという。
一体何を聞けばいいのか、自分の未来?それとも虚無について?あるいはあのワルドについて?
頭が混乱して何を聞けばいいのか分からない、けれどルイズの口はすっと一つの疑問を紡ぎ出していた。
――ミスタ・ウルザはどんな人間?――
言ってからはっと気付いて両手で口を塞ぐルイズ、聞き届けた始祖はにやにやと笑っている。
「そんなことは本人に直接聞けばいいことじゃない」
そう前置きしてから
「でも、この際だから本人にも分からないことを教えてあげるわ」
杖を高々と振り上げた。




気付くと、空の上にいた。

――きゃああああああ!?――
落ちる、と慌てて手足をバタつかせるルイズだったが、落下の浮遊感はいつまでたっても訪れない。
恐る恐る目を開くと、そこにはルイズと同じように宙に浮かんだ始祖の姿。
「大丈夫、落ちたりなんてしないわよ。それよりほら、始まるわ」
まるで劇場に足を運んでいる客のような口ぶりで、彼女はある一方を指差した。

553 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 22:30:56 ID:P4AURGbt
支援

554 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 22:31:31 ID:HMn+0iU6
そういや昨日は都道府県選手権だったか支援

555 :MtL:2007/10/29(月) 22:33:49 ID:vqdfzbKS


そこには、闇があった。


闇に触れるだけで草木が、大地が、空気までもが腐り果てた。
黒、漆黒、この世にこんな色が存在することに驚くほどの、光を全て吸い込むような黒。
それが広がっていく。全てを巻き込んで、人も街も巻き込んで。
――何、あれ――
顔色を失ったルイズが呟く。
「あれは■■■■■」
――え?――
始祖の声を聞き取れなかったルイズが聞き返した。
「だから■■■■■よ」
再び顔に疑問符を浮かべルルイズ。
「ああ、もしかしたら聞こえないんじゃなくて分からないのかもしれないわね。だとしたら、それはあなたの防衛本能だから無理に理解しようとしなくていいわ」
ルイズには始祖の言うことの半分も分からなかったが、『アレ』が理解するだけで穢れる存在であることは何となく察することができた。

――ここは、どこなんですか?私、あんなもの見たことが無いわ――
「この次元は『ドミナリア』という世界よ。アレについては見たことが無くて当然、『ハルケギニア』にあれが現れたことなんてないもの」
『ドミナリア』。
ルイズもその単語には聞き覚えがあった。確かウルザが自分の生まれた世界だと語っていた名前だ。
「そう、あなたの使い魔として呼び出されたプレインズウォーカー・ウルザのいた世界よ。そして…」
再び始祖の少女は暗黒を指差す。
「あれこそが、彼が立ち向かっていた邪悪よ」


それから二人は、次々と時間と場所を跳び回り、様々な場面を目にした。
そしてルイズが目撃したものは、悲惨の一言に尽きた。

世界は荒廃していた。
森は腐り、山も腐り、草原も腐り、島も河も腐っていた。
国も、街も、人も、全てが腐り果てていた。
人間、エルフ、ミノタウロス、ドワーフ、トカゲや猫の姿をした亜人、それらは団結して恐るべきファイレクシアの異形の兵達と戦っていた。
けれど彼らも傷つき倒れ、やがて最後には腐れていった。


――何が、起こっているの?――
「侵略/Invasion よ」


次に場面を移した時、ルイズが目にしたのは一人の勇士の姿であった。
彼の全身は汚らわしい血に塗れている。
その周囲には数え切れないほどの、ファイレクシア人の亡骸。
鬼神の如き勇猛でもって人々に希望をもたらすであろう、勇者。
だが、そんな希望など、■■■■■は認めない。
「――――――!!」
邪悪を討つべく立ち向かった彼を

 闇が呑み込んだ。

それからは繰り返しだった。
様々な場所で、様々な勇者によってそんなことが繰り返される。
「アレ」と始祖が呼ぶものは、どんなものでも貪欲に呑み込んだ。
全てが食らい尽くされる。


556 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 22:35:58 ID:X2xkIsKY
支援

557 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 22:36:05 ID:HMn+0iU6
■■■■■の行動計画支援(検閲済み

558 :MtL:2007/10/29(月) 22:36:26 ID:vqdfzbKS
そのような光景が何度か繰り返され、次にルイズが目にしたのは風変わりな老人であった。
彼は闇がすぐそこまで迫っていることを知りながらも、一心不乱に手に持った本を修正している。
――彼は何をしているの?――
「彼は予見者、未来を知るものよ。彼はその力で歴史書を書いていたの。
 そして、今彼はその歴史書を修正しているところよ」
――早く逃げなくちゃ、闇に飲みこまれてしまうわ!――
「そうね。でも、彼にとって歴史書に書かれた『世界の終焉』を書き直すことこそ、最も重要なことなの」
そう言った始祖は、闇に覆われようとしている男を見た。
彼は必死に自分が視た歴史を修正しようとしている、けれど……

 『黙示録』の予言を修正する直前、彼は暗黒雲に呑み込まれてしまった。

ルイズが余りに救いの無い結末に絶句する。
けれど始祖の少女はさして気にしたふうも無く杖を振るった。
次にルイズ達の前にいたのはモジャモジャのあご髭を備えた海の男だった、
彼は海から汲み上げた膨大な青色をした魔力で、暗黒雲に抵抗していた。
けれど、それが徒労であろうことは明らかである。
――さっきの人と同じような感じがするわ――
「ふぅん。分かるのね、まあいいけど」
――この人もまた、飲み込まれてしまうの?――
「いいえ、彼の場合は少し違うわ」
ルイズが改めて髭の男を視たとき、調度彼は何かを決意したようであった。
彼は迫る暗黒に対峙し、その直後、呑み込まれた……ように見えた。

――闇が、海を避けてる?――
「いいえ、拒絶しているのよ。
 彼はその身を生贄に捧げて、彼が最も愛した友人達と海を守ったの」

次に場面を移した時、そこは多少風変わりな光景が広がっていた。
大樹の枝の上、そこには一組の男女がいた。
二人とも背が高い、男性は勿論、女性も一八〇サントはあるだろうか。
光景が風変わりだったのは、男女がいたからだけではない。
上空からはあの闇が迫っていたが、同時に彼らの足元では激しく業火が猛っていたのだ。
下に燃え盛る赤、空の青、樹木の緑、そして暗黒の黒、そして寄り添うように抱き合う二人。
なんとも美しい、同時に哀しい光景であった。
――あの二人は恋人同士なの?――
「ええ、そうよ。男性はエルフ達の王、そして女性は人間の英雄よ」
――エルフと人間?――
ルイズは驚いて男を見た。確かにそこには噂に伝え聞く、エルフを表す長い耳があった。
「彼らにとって種族の違いなど些細なことなのよ」
確かに、人間の女性はエルフの男を心から信頼しているようだった。
「そんなことよりも、見なさい」
エルフの男が、女性になにごとかを語りかけた。
彼女は男に寄りかかり、最後のキスをする。
そして微笑み……

 闇に飲み込まれるより先に、二人は身を投げた。

泣きそうな顔で、ルイズは二人を見届けた。

酷い、余りに酷い。
世界中が悲しみに包まれている。
闇が広がる速度は速い。これまでルイズが目にしたものは悲劇のほんの一部分。
ほんの一部分でも分かる、この世界は悲劇に満ちている。


559 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 22:37:30 ID:N+STyg2b
支援

560 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 22:38:53 ID:HMn+0iU6
ガフ提督、ボウ・リヴァー、エラダムリーとリン・シヴィーだっけか。
シヴィーにはお世話になりました支援

561 :MtL:2007/10/29(月) 22:39:29 ID:vqdfzbKS
「次で最後よ」
そう言って跳躍を行ったルイズ達。
そこでは激しい口論が行われていた。
「何故ジェラードがやらなけばいけないのですか?
 貴方の眼からパワーストーンを取り出すぐらいなら私だけでも出来ます!」
そう言ったのは、銀色に輝いた驚くほど表情豊かなゴーレム。
「ジェラードはただの相続人ではない、彼もレガシーの一部なのだよ」
こう喋ったのは、ジェラードと呼ばれた男に抱えられた切断された人間の頭部であった。

――ミスタ・ウルザ!?――
目をむいて驚くルイズ。
頭だけの姿で喋っていたのは、なんと彼女の使い魔であったのだ。
驚くルイズを見て、始祖の少女はきゃらきゃらと声を出して笑う。
「悪かったわ、うん、つい面白かったから。
 ええと、そこにいる銀のゴーレムがカーンという名前、首はご存知ウルザね。そしてもう一人はジェラードという名前よ」

カーンが苦しそうに呟く。
「我々にどんな選択肢があると言うのです?」
それは本当に辛そうな声色で、彼がゴーレムであることを忘れてしまいそうなほどであった。
ジェラードが返す。
「この選択しかない。勇士の選択さ」
その表情は、笑っているようで泣いているようでもあった。

――ねぇ、彼らは何を相談していたの?――
会話から緊張と悲壮な決意を感じ取ることはできたものの、ルイズにわかったのはそこまでであった。
「あの闇を滅ぼす唯一の方法について、彼らは話し合っていたのよ」
――あれを?あの闇を滅ぼすことができるの!?――
ルイズがこれまで見てきたのは絶望ばかりである。
そんな中で始祖の少女の口から零れた希望、それを聞いたルイズは顔を輝かせた。
それを見た少女は、口の端を吊り上げて面白そうに囁いた。
「ええ、たった二人の犠牲でね」
――犠牲?――
その様子に不安なものを感じたルイズは、始祖の少女に聞き返す。
少女は、ルイズの耳元に口を近づけ、静かにこう答えた。
「ウルザとジェラード、二人の命」
ルイズの映し身の少女が、指をパチンと鳴らした。



結果として『ドミナリア』は救われた。
自らを生贄に捧げたウルザとジェラードの二人の犠牲によって。
清き白きマナを用いて邪悪なる暗黒は洗い流され、世界は救われたのだ。

『さようなら、ドミナリア』

それが、ウルザの遺した、長い生涯で最後の言葉であった。



――うう、うっ……ああっ、ぁ、う、うううぅぅっ、わああああぁ!!――
ルイズは最初に目にした白乳色の霧の中で泣いていた。
――どうしてっ!?どうしてよっ!?あんなに頑張って、あんなに戦って!それなのにあんな最後なの!?――
ジェラードはウルザの瞳を抉り出し、無事に闇を打ち払った。
そしてその代償として、二人は命を落とした。
英雄譚、これこそがウルザのサーガの結末。
――どうして!?どうしてよっ!? ねぇ、答えて!――
喚き散らすルイズ。
彼女の声は始祖の少女だけに向けたものではない。
ウルザ、そして彼を取り巻く世界へと向けたものであった。

562 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 22:42:14 ID:HMn+0iU6
支援

563 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 22:42:14 ID:y6XzfqNX
支援

564 :MtL:2007/10/29(月) 22:42:36 ID:vqdfzbKS
「どうしてって、それはウルザが望んだからよ。
 彼は望み通り、■■■■■を討ち滅ぼした。
 例え命を失ったとしても、それはきっと彼の本望だったはずよ」
――そんなこと――
あるだろう。
ウルザという男の最奥を、あのキュルケの部屋で視たルイズには分かる。
彼は、目的のためならどんな犠牲も厭わない。
例えそれが自分自身であろうとも。
――狂ってるわ――
「プレインズウォーカーとはそういうものよ」
そう即答した始祖は、先ほどに比べて存在感が気迫であるように感じられた。
「そろそろ目覚めの時間みたいね。
 今まで見ていたものは全て泡沫の夢、とるに足らない幻想のひとかけら。
 でも、折角の経験ですもの。何かに活かしてもらえたら私としても嬉しいわ」
存在感だけでなく、姿までも薄れていく桃色のブロンドをした始祖。
――まって!――
笑顔で手を振って何処かへ去ろうとする始祖に、ルイズは咄嗟に声をかけた。
――あれがミスタ・ウルザの過去なの?あれはもう既に過ぎ去った事実なの!?――
その言葉を聞いて、存在の希薄化がピタリと止まった。
「いいえ、違うわ。あなたに見せたものは『起こりえた未来』よ。
 あるいは『起こるはずだった未来』かもしれないわね」
――え?――
「あなたの召喚によって、あなたも、そして彼も、既に『決められた未来』の道筋からは外れているわ」
ルイズはその言葉をゆっくりと噛み締める。
――つまり、あの未来はもう起こらない未来ってこと?――
「それは分からないわね。あなたが召喚によってあっちの世界にどんな歪みが生じたかも分からないし。
 何よりも、彼が望むのなら結果として同じような結末を迎えることになるでしょうね」
――つまりはまだ、何も決まってないってことよね――
「そうかも知れないし、そうじゃないかも知れないわ。
 折角なんだし、あなたの目指す最善の未来を目指せばいいんじゃないかしら」

その言葉を最後に、白乳色に包まれた世界が弾けた。




ルイズが重いまぶたを持ち上げると、そこはランプの灯りに照らされた豪奢な部屋であった。
天蓋付きのベットは兎も角、高価な調度品類や家具が目に付く。
そこはいつも寝起きしている、魔法学院の寮の自室ではないようだった。
そして、ルイズの寝ているベットの横、ランプに向かい合うようにして座っているウルザ。
「あ……」
朦朧とした意識が立ち直り、それまでの記憶が怒涛のように蘇る。
魔法学院からの脱出、船やドラゴンとの戦い、メンヌヴィルと名乗った男、空に浮かぶワルド。
虚無の呪文を唱えようとしたところまでは覚えているが、次の記憶はあの自分と同じ姿をした始祖ブリミルを名乗る少女との出会いであった。
ルイズが必死に記憶を掘り起こそうとしていると、横から静かな声がかけられた。
「目が覚めたかね」
彼は手元で何かを弄りながら、そうルイズに話しかけた。
「ミスタ、ウルザ……」
彼の名前を呟くと、ルイズの脳裏に先ほどまでの記憶がさまざまと蘇った。
言葉を続けられないルイズに、ウルザは作業を中断せずに語りかける。
「君に、伝えなくてはならないことがある」
静かに紡がれるその言葉。
ルイズはその言葉の裏側にある感情を感じ取りながら、黙って次を待った。
やや間を置いてから、ウルザは口を開いた。

565 :MtL:2007/10/29(月) 22:45:50 ID:vqdfzbKS

「君に残された時間は長くない」

告げられた、その言葉。
そこに隠された感情が、今のルイズには手に取るように分かった。
それは苦悩。


重苦しい沈黙が訪れた。

けれど、一方でルイズは言葉を冷静に受け入れるている自分に驚いた。
突然に自分の余命を告げられたというのに、どうして自分はこんなにも落ち着いているのだろうか。
ルイズは顔を横に向けて、ウルザを見た。
そして理解する。
(ああ、こんなに悲しい顔をしている人がいてくれたからね)
仮面のような無表情、それこそがこの男の知恵に他ならなかったのだ。
どんな時でも、常に背中を向けていたことも同じ理由。

つまり、彼はこうなることが分かっていたのだ。
自分の目的の為に犠牲にするであろう少女を、彼は最初から悼んでいたのだ。




「ミシュラと、タカシア、それにカイラ。どんな人達だったの?」
床に伏せたままのルイズが発した、その言葉にウルザを驚いた。
「あなたが倒れているときに、口にしていたの」
そんな変化も一瞬のこと、ウルザは再び手元を目を向けて作業を再開した。

それから、長い時間が過ぎた。
あるいは一分ほどだったかもしれない。
その沈黙はルイズには十分にも一時間にも感じられた。
やがて忙しく手を動かしていたウルザの手が止まった。

「これを、君にあげよう」

そう言ってウルザがルイズに差し出したのは、小さな懐中時計だった。
丸い、無骨な時計。
洒落っ気や色気とは無縁な、ただ時を刻むだけの時計。
まるでそれ自身が自分とウルザの関係を表わしているようで、ルイズは小さく笑った。
そして、大切そうに両手で抱いた。


「……トカシアだ」

唐突に、ぼそりと口にされたウルザの言葉。

「……え?」



「トカシアだ。彼女は私の育ての親でもあり、教師でもあった女性だ。
 ミシュラは私の弟。そしてカイラは私の妻だった女性の名だ」



                   時間は大切。でもね、私は時間に追われるような生き方は真っ平よ。
                                  ―――ルイズ

566 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 22:48:10 ID:PV0cWJ5I
しえん

567 :MtL:2007/10/29(月) 22:49:05 ID:vqdfzbKS
投下終了です。

ご指摘のとおり、アポカリプスのシーンです。
色々ぼかして書きましたが、原作の雰囲気が少しでも伝わったらいいな、と思います。

568 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 22:50:39 ID:HMn+0iU6
乙。ルイズに死の宣告ががが。

569 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 22:56:39 ID:5C9dN9tG
投下準備します。宜しいでしょうか?

570 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 22:57:47 ID:IX1bCXJv
ドウゾドウゾ

571 :GTA:LCS-0 第16回:2007/10/29(月) 22:58:59 ID:5C9dN9tG
mission:『ギーシュ・ド・グラモン:I Scream You Scream』

――翌日。
朝食を済ますと早速優男がやって来る。全く下半身に忠実な野郎だ。
「で、今回はどうするんだ」
「街に行って薬を買ってくるのだけど、それに纏わる護衛とアドバイスが欲しいんだ」
薬?護衛?……急にいかがわしい方向になったぞ。この優男はこう見えてもいいとこの貴族なのだろ?何も俺に仕事を依頼するよりも実家に
何人か気心知れた人間を寄越した方が早いだろう?
「そんなもの、実家から人を寄越して貰えよ」
「いや……そうもいかないんだよ。だからこそ、トニーにお願いしてるんだよ」
嫌な予感がしてきた。
「お前なぁ、これは高くつくぞ……それはそうと、街までどうやって行くんだよ。片道3時間の道を行くのに、何も用意してないと言う事は
 ないよな?」
「いや…そこまで頭が回らなかったんだよ」
最悪だ、そこまで俺が手配するのかよ。いやマジでどうするんだ。

――移動手段を探せ。

正直行き位は楽にしたい。やっている事が余りにいかがわしいだけに、ルイズには頼みたくはない。とは言え、キュルケに頼むとルイズが
余りにもうるさい事になるので頼みたくはない。モンモランシーや教師たちは論外とすると、残っているのはあの『御嬢様』しか居ないか。
「タバサを探すぞ。なるべくキュルケやルイズ、モンモランシーに見つからないようにな」
「ああ……でも、どうして見つからないようになのか?」
「面倒な事になるからだ、察しろ」

572 :GTA:LCS-0 第16回:2007/10/29(月) 23:00:26 ID:5C9dN9tG
「今、お前がここに居るって事は、学生達は自室に居る可能性は高いのか?」
「その可能性は高い、タバサは一人で本を読んでいる事が多いからな」
それは好都合。事情を知っているルイズだけになら見つかっても良いかも知れないが、最悪な位に他の面子に見つかるのは面倒臭い事になる。
中でもキュルケとモンモランシーは後々酷い事になりそうだからな。
「部屋知ってるなら、案内してくれ」
「わかった」
急いでタバサの自室に走る男二人。一見すると物凄く妖しい光景に違いないが、本気なだけに性質が悪い。幸いと誰にも見つかる事無く、
目的の人物の部屋に辿り着いたのはよしとしよう。
「タバサ、すまないが邪魔するぞ……ギーシュも一緒だが」
ノックをしながらタバサの名を言うと、小さな声で『入って』と言われる。俺ら男二人はいそいそと、それこそ誰にも見つからないように
神速で部屋に入る。タバサはベットに横になりながら本を読んでおり、俺達を見ると本を読むのを止める。
「すまない、ここから街に行く良い手段は無いか?」
「……ギーシュ」
「いや、このバカ、俺に仕事頼んでおきながら前もって何も用意してなかったんだよ。出来れば手助けしてくれると嬉しいんだが」
俺がそう言うと、タバサはベットから立ち上がって窓を開ける。暫く様子を見ていると、またも自分の目よりも正気を疑う光景を見る。
「マジかよ」
もうそうそう、何が起こっても驚かないが、流石にこれには驚いた。窓の奥にそれこそ神速で青い……これはドラゴンとか言う奴か……が
目の前に現れやがった。
「乗って」
「あ…ああ……」

573 :GTA:LCS-0 第16回:2007/10/29(月) 23:01:53 ID:5C9dN9tG
リバティーシティに戻ってこれを話しても、俺はおかしい人間だと思われかねない光景だな、これは。
「……最早、これは何かのファンタジー物語かビデオゲームとしか思えん……」
タバサに促されてこの竜の背に乗ると意外と物凄く乗りやすく、そして速い。馬なんか目じゃない速さだ……。
「全く目を見張る状況だ……この竜に名前あるのか?」
「シルフィード」
ぽつりと呟く程度だが、タバサは答える。本当に俺の世界の常識で物事考えると死ねるな。

――約30分後、郊外。
馬で3時間掛かる距離が僅か30分かよ、流石は空飛んでいる竜だな、驚く事ばかりだ。
「タバサ恩に着るぜ」
礼を言わなそうな優男が礼を言っても、タバサは軽く頷くだけだった。本当に物静かな娘だな。
「愛してるぜ、ありがとうよタバサ」
悪戯の意味と礼の意味を込めてこう言うと、顔を真っ赤に紅潮させた。無表情なくらいな普段を見ているから面白かったりする。
「ト…トニーなんて事を……!」
「いや、本当に礼を込めた挨拶だ。ありがとうよ」
シシリアンって結構こう言う事をさらりと言うもんだぜ。唖然としている優男を無視して彼女に手を振ると、小声で『バカ』と呟いて
学院の方に向って飛んでいった。
「さてと、用事を済ませに行こうか」
「タバサが居た方が良くなかったか?」
「こんないかがわしい事に、これ以上足を突っ込ませる訳にはいかんだろ……さて、馬車を調達するかな……」

574 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 23:03:09 ID:FiYqQIfs
鳥肌が立つほどの文章・・・乙です

ギャザの小説読みたいわ・・・

575 :GTA:LCS-0 第16回:2007/10/29(月) 23:03:44 ID:5C9dN9tG
今回はこれにて終了です。

では失礼します。

576 :聖石の人:2007/10/29(月) 23:05:03 ID:MZ3y6xnc
GTAの人乙です。
2310頃から投下開始したいのですが、よろしいか?

577 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 23:12:18 ID:fe9L2cCK
ドンと来い

578 :聖石の人:2007/10/29(月) 23:15:33 ID:MZ3y6xnc
ステータス画像マジで感謝します。ありがとう投下!

聖堂。
テンプルとも言うニューカッスル城のそこは、城にふさわしい規模を誇っていた。
絢爛豪華に造られた其処は、アルビオンにおける生誕から葬儀まで喜びと悲しみを見届けた場所。
ここだけ空気が澄んでいる気がする。
同時に死者の臭いも感じることが出来る不思議な空間だ。

そんな神聖な場所の祭壇前にウェールズ皇子が祈りを捧げていた。
私もそれに習い、始祖に祈りを捧げる。
祈るのは私にとっての平穏な日常。
ちょうど、あの時のやさしい夢。
全員がほほえましく笑いながら過ごしたあの夢を。

不意に、ウェールズ皇子が立ち上がり、指から指輪を抜いた。
それを私に握らせ、

「これを、アンに。これを渡せば分かってくれるはずだから」

泣きそうな私を叱責し、その指輪を懐に収める。
必ず、アンリエッタ様に、何があっても渡そう。そう決心した。
そして、ワルド様遅いなとか考えていたら―――
空を裂く音が響く。
私は反射的にウェールズ皇子を弾き飛ばした。
音は聞こえない。
私の体に風の刃が食い込む。
痛みを堪え、詠唱をしようとした瞬間、私はワルド様に抱えられていた。

「私の目的を何か教えよう、プリンス・ウェールズ」

次の瞬間、ワルド様が三体現われる。
風の偏在だ。

「一つは密書の奪取、もう一つは君を殺すことだ!」
「貴様、レコンキスタか!!」

私を抱えたまま偏在をけしかけるワルド様、いや、ワルド。
おそらく、聖石とその使い手を同時に手に入れて手柄としようとしているのだろう。
そんな彼に気が付かれないようにケアルを詠唱。
止血程度に傷が回復。同時に私はある一つの魔法を詠唱。

「ひるがえりて来たれ、幾重にもその身を刻め…ヘイスト!」

対象を地点に設定し、ワルドに掛からないように私だけ時間の流れが速くなる。
即座にテレポで脱出し、アルテマで偏在を一体消す。

「やってくれたわね、そう簡単に死ねると思わないことね、ワルド!!」

その言葉に反応したのかは分からないが、偏在が二体追加、これで五対二、いや、

「コイツ偏在か? おでれーた、こんなに偏在見たの久しぶりだぜ」

偏在の一体にデルフが刺さっている。
背後のステンドグラスにヒビと剣一本分の穴。
その穴を中心にステンドグラスが割れる。
降り注ぐ乱反射した光とガラス片。
シエスタがデルフを床から引き抜いて構える。

「さぁて、皇子様を狙う悪役を倒すヒロイン様の登場だぜ!」
「あ、あの、お助けにきました!」

579 :ゼロの聖石11:2007/10/29(月) 23:17:13 ID:MZ3y6xnc
以前やった大跳躍で飛び込んできたのだろう。
それにしてもなんてタイミングのいい。
ワルドも一瞬だけ驚きの表情を浮かべ、すぐに余裕を取り戻す。
シエスタが一度戦い、勝利した相手だからだろう。
その自信という名の慢心を、ぶち壊そう。

三人が突撃するのに合わせ、ワルドが更に偏在を追加。
そしてシエスタにはワルド本体、ウェールズ様と私に二体が付いた。
さあはじめよう、死の舞踏を。

シエスタが盾を捨て、鎧の内側から剣を抜いてワルドの剣を受け止める。
私は瞬発的な詠唱でサンダラを詠唱、牽制しつつテレポで隙をうかがう。
ウェールズ皇子は剣に真空の刃を纏わせ、偏在と打ち合っている。

シエスタに向かって風の刃が飛ぶ。それをデルフで打ち消しながらワルドを追い詰める。
偏在が詠唱したのに合わせてブリザラで障壁を作り、ウィンドブレイクを弾く。
さすがに二対一は厳しいのか、防戦一方のウェールズ皇子。

そして、シエスタがワルドを壁際に追い詰める、これで詰みだ。
こっちも仕上げとばかりにウェールズ皇子が苦戦している偏在の真後ろにテレポ。
それを追いかけるように私について来た偏在が射程に入る。
その直後にテレポ、一気に指定範囲から離れる。

「鏡なす心に問いて魔の流れ鎮めん…ミュート!」

魔力を失った偏在が掻き消え、シエスタが剣を突きつける。
そしてワルドの杖を落そうとして、

後ろから現われた偏在に腹部を刺される。
声を上げる暇すらない。
駆け寄ろうとして、ウェールズ様が偏在に杖を破壊され、刺される。

怪我自体は深くなさそうだが、戦闘に参加できるような状態ではない。

髪をかきあげ、更に偏在を二体追加。
これで形勢は逆転。
私の魔法は発動が遅いから唱えても先手は確実に向こう。
覚悟を決めるしかない。
突進してくる偏在に私は、あの時の訓練を思い出す。


―――サンダラを外してしまい、シエスタが突撃してくる。
   私は本能で詠唱を必要とせず、即座に効果があり、威力が高い魔法を選んでいた―――


突進してくる偏在の杖にはエアスピアーという接近戦用の魔法だ。
アレに刺されたら確実に傷はえぐられるだろう。
だから、私は迷わなかった。
たとえ、これを使った事で再び、

「ゼロと呼ばれようが、私は生きるのよ! 錬金!!」

錬金の魔法が偏在の杖に作用、昔のように魔法が失敗し、爆発。
衝撃は凄まじく、偏在をかき消す。

580 :ゼロの聖石11:2007/10/29(月) 23:19:10 ID:MZ3y6xnc
「やはり君の魔法は聖石の力か、残念だが君を殺して聖石をいただいていくよ!!」

偏在が三方向から襲い掛かる。
幸いにも偏在に力を注いだのか魔法は使ってくる気配は無い。
私はコモンマジックで偏在の一体を爆破。
そのままその偏在に近づいて杖ごと爆破。
残り二体。
振るってくる剣にタイミングを合わせ、杖でガード。
お返しとばかりに帽子を錬金。
偏在はそれに反応、即座に帽子を投げて回避。
もう一体がこちらに対して振りかぶってくる。
テレポで跳び、更に追加で偏在の手袋を錬金。
手を中心に偏在が吹き飛ぶ。
残り一体。
即座にテレポで飛びながらワルド本体に向かってテレポ。
一瞬で目の前に来たことに驚いたかどうか知らないが、即座に範囲指定して離れる。
タイミングを伺い、再度ワルドに接近。今度は真横。
杖で脛を思いっきり叩く。
横に偏在が迫ったところでテレポ。
そこでミスしてしまった。

跳んだ先は先ほどワルドから離れるときに跳んだ場所。
そこにテレポで着地。
目の前には新たに作られた偏在。
エアスピアーで思いっきり腹部を刺される。
同時に錬金で爆破。
これで、ワルドの偏在は残り一体。
しかしこちらは重傷。
あのワルドがこちらの詠唱を許すわけが無い。
錬金を警戒して、ある程度の距離をとって、エアニードルを連打。
急所はかばったが、このままだと確実に死ぬだろう。
そこで偏在を解除し、悠然と歩み寄ってくる。
朦朧とする意識の中で、私は必死に呟いた。

「君は確かに強かったよ、ルイズ。しかし、『ゼロ』ごときが『閃光』に挑むなど無謀だった。
 あのメイドもたかが平民のくせに貴族に歯向かうからこうなった。我々レコンキスタに歯向かうとこうなるのだよ」

「―――恨み、あります」

「まぁ、ゼロごときにこの石はもったいないな」

「―――呪い、あります」

ワルドが私の体に手を伸ばす。

「レコンキスタが有効活用してあげよう。なに、君は尊い犠牲となるだけだ」

「―――貴方にあげます! ライフブレイク!」

581 :ゼロの聖石11:2007/10/29(月) 23:22:20 ID:MZ3y6xnc
間一髪で詠唱が間に合う。
ルイズの体から放たれた暗い魔力の波動がワルドを包み込む。

「こ、これは!?」
「貴方が散々いたぶってくれたおかげでこの術の効果は抜群よ、
 私が受けた痛みを、この恨みを、すべて受け止めろ! ワルド!!」

その魔力波動は容赦なくワルドの体を蹂躙しつくす。
圧倒的な破壊の渦に飲み込まれたワルドは、立っていた。

「こ、の…ゼロがぁああああ!!」

残った魔力を振り絞った偏在なのか、若干存在感の無い偏在が三体。
私に襲いかかろうとした瞬間、

「大気満たす力震え、我が腕をして閃光とならん! 無双稲妻突き!」

凛々しいシエスタの声が、響く。
偏在が、地面から空に落ちる雷の刃に突かれて消え去る。
そのことに驚いている間も無く、ワルドの左腕が切り落とされる。

「これが、平民が戦うために鍛え上げた、牙の力です―――!」

更に冥界恐叫打で杖を破壊する。

「く、引くしかないのか―――貴様だけはこの私が倒してくれる、平民!!」

そう言って、シエスタが割ったステンドグラスから外へと飛び出していった。

「覚えておけ! 私はシエスタ。シエスタ・オーラン! 貴様の首を貰い受ける者の名だ!
 そして、刻め! 私は幾多の騎士の頂点に立つ『剣聖』を目指すものだと!!」

そう、シエスタは叫んでいた。

「覚えておきなさい! 私は『ゼロ』にして全てを極めんとする無限の知識の体現者!
 『ゼロのグランドマスター』ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール! その使い魔聖天使アルテマの名を!!
 私達二人が、貴方と『レコンキスタ』に無間地獄を見せるものだと!! 心に刻め!!!!」

この場において、『ゼロ』と呼ばれたメイジも、平民の給仕など居なかった。

其処には、勇壮なまでの騎士と、全ての知識を極めようとするメイジが二人で立っていた。

その直後、二人は仲良く床に仰向けになった。

582 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 23:22:31 ID:9N2SDlI8
支援

583 :ゼロの聖石11:2007/10/29(月) 23:25:18 ID:MZ3y6xnc
おまけ
現時点でのルイズとシエスタの装備とアビリティ

ルイズ
メイジ
解説:全てを極めんとする無限の知識の体現者『グランドマスター』を目指す魔法使い。
   その異世界魔法は道を阻むもの全てをなぎ倒す。
特性:MP吸収

右手    ヴァリエール家の杖
左手
頭     リボン
体     制服
アクセサリ ヴァルゴ

アクション  異世界魔法
       系統魔法
リアクション なし
メリット   ショートチャージ
ムーブ    テレポ

シエスタ
メイド
解説:幾多の騎士の頂点に立つ“剣聖”の道を進むメイド。
   あらゆる剣技の集大成である『全剣技』をくりだす
特性:魔法吸収
右手    デルフリンガー
左手    コピーエスカッション/ルーンブレイド(鎧内の仕込み剣)
頭     カチューシャ
体     メイド服/マクシミリアン
アクセサリ サジタリウス

アクション  全剣技
       体術
リアクション 白刃取り
メリット   攻撃力アップ
ムーブ    なし

本当はまったくといっていいほどこんなこと考えていなかったのだが、
>>499
に触発されて作ってみた。
シエスタ本当に化物だな。
支援ありがとうございましたー!!

584 :ゼロの聖石11:2007/10/29(月) 23:26:19 ID:MZ3y6xnc
忘れていました、以上で投下終了です。
最初の名前欄も聖石の人のまんまだし。うむ、反省反省。

585 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 23:29:41 ID:Iyd5ad20
実はタクティクス知らない者参上
やろうと考えてもいる者参上
ちなみにこの作品は無関係です

586 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 23:30:57 ID:/65ep/ZA
オーラン・デュライは
オーランが名前でデュライが苗字のはず。
アラズラムもフルネームはアラズラム・デュライ
この場合はシエスタ・デュライとなるのでは?
何はともあれ乙ス。  

587 :ゼロの聖石11:2007/10/29(月) 23:31:57 ID:MZ3y6xnc
し、しまったぁあああああ!!
ここにきて痛恨のミス、マジ穴があったら入りたい……

588 :585:2007/10/29(月) 23:34:28 ID:Iyd5ad20
スミマセン、書き忘れてました

聖石の方、乙です(_ _)

589 :T‐0:2007/10/29(月) 23:42:31 ID:Gkd3grxn
45分から投下予告!今回は前半です。
……道は開いてますよね?

590 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 23:44:25 ID:fe9L2cCK
開ければよかろうなのだァーッ!

591 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 23:44:32 ID:l7ahCSgb
道を開け支援

592 :T‐0:2007/10/29(月) 23:45:17 ID:Gkd3grxn

「ふう……。『情熱』が激しいのも、少し考えものね」

 燃えるような紅い髪を上品な動作で掻き揚げ、石畳式の長い廊下をキュルケは歩いていた。
 ばつの悪そうにはぁと熱もった息を吐くも、その足取りは軽く、体の調子はいつも通り上々としている。
 キュルケは今しがた、傾いた『情熱』によってお付き合いしている男たちを、軽くあしらって来た所だ。
 朝っぱらからペリッソン、続いてスティックス。
その後もマニカン、エイジャックス、ギムリ――みな『情熱』もとい、キュルケに絡めとられ、
 魅了されていた者たち――と、
 絶え間なく迫る男たちをキュルケは闘牛士のようにひらりひらりとかわしてきていた。  
 
 キュルケに対して高まった好意と方向性の違いゆえに、物言いにしろ態度にしろしつこい奴もいて
 なかなかあしらうのに苦労した。結果、久しぶり――と言うほどでもないけれど、気分的には結構疲れていた。
 部屋に戻って一息つけると気持ちを建て直し、探し物を見つけに学院内をぶらぶらと歩き回った。
 せっかくの虚無の曜日。自分の好きなことに時間を潰さねばもったいないのは自明の理。
 男たちにとっては残念無念だろうが、男たちは今のキュルケにとって、どうでもいい存在なのだった。
   
 さて――そんなキュルケが探しているものとは、あの小生意気で可愛げある『ゼロのルイズ』だった。

 理由はごく単純。今日のキュルケは男たちと戯れるよりも、あの小生意気なライバルで遊ぶことが楽しいと思ったからだ。
 正直、付き合っている男達には誰も彼も『情熱』が醒め始めていた。暇そうにする自分を見て、
 彼らが口々にするのは「どうしたんだい、キュルケ? 悩ましげな顔をする君も素敵さ」と青臭いセリフ全般。
 誰も彼も言うことが同じで――厳密に言えばそれぞれ少しずつ違うのだが、
 キュルケには全てそう聞こえている――、誰一人としてこちらの本心的な気分や気持ちを理解しようとしてくれないのだ。

 つまらないわ、同じ種類の『情熱』なんていくつもいらない。


593 :T‐0:2007/10/29(月) 23:46:42 ID:Gkd3grxn

 ……しかし、男達を考えから省くと、どうしても消去法で浮かぶのがあの小生意気なライバルだった。
 勤勉で、努力家で、口減らずで、
 コトあるごとに突っかかってきてあたしと競い合おうとする。 

 ……なんと可愛いことだろうか。 

 ルイズは本当に鼻につくようなセリフも吐かないし、見栄は張るけど下手にかっこつけたりしない。
 どんなことにも真っ直ぐな心で一生懸命に挑み、そして失敗す(敗れ)る。
 そんなルイズの様が、キュルケには『対等と思っているつもりだけど、
 どう見ても憧れの存在に近づきたいから一生懸命背伸びしてる子供』にしか見えなかった。
 喜怒哀楽がコロコロ激しく入れ替わり、いつも違った状況を生み出してくれるから見ていて飽きない。
 それに、それがまた、なにより可愛いかったりする。
 涙目で悔しがる顔は母性本能というものを刺激し、『情熱』とは違う胸のときめきを教えてくれるのだ。
 
 それに……、キュルケの気掛かりとなっている唯一の男は、今彼女のそばにいるはずなのだ。
 
 考えをまとめた彼女が真っ先に向かったところは、隣にあるルイズの部屋だった。
 呼んでも返事が無く、閉じられた扉をアンロックで開けると朝日の差し込む静かな部屋だけがキュルケを迎えた。
 一目でルイズも『あの男』も部屋にいないと悟った。財布が置き去りにされてるから出かけたわけではないようだけど、
 まぁ、すぐに見つかるでしょう。


594 :T‐0:2007/10/29(月) 23:47:45 ID:Gkd3grxn

「のう、ホントのホントのホントーにっ! 覚えとらんのか?」
「…………」

 オスマンが何度促しても、ターミネーターは何の反応も示さない。
 戸惑った様子も無く、首を捻る事もせず、一切の感情をどこかに置き忘れた廃人のように
 無関心で濁りのない目をオスマンに向けている。
 ――だが、仮に彼が人間である――もしくは、人と同様の感情を持っていた――としたら、
 執拗に疑問を投げかける目の前の老人に対し、一種の呆れとある種の不安を心の奥に抱いているところだった。
 しかし、そんなターミネーターの内面までは読み取れず、
 オスマンはたっぷり三十秒は何らかの反応を待っていたのだが、
 外見上何時までたっても変化の無い状況に飽きたのか呆れたのか、
 腕を組んでむーっと唸ると椅子の背にもたれかかった。

「聞いとるかね? 私のこと――」
「答えていいと、許可が出ていない」
「?」

 ターミネーターが短く言い、言葉を遮った。
 オスマンははじめ言葉の意味がわからずしばらくの間頭をかしげていたが、
 思い当たる節を頭に浮かべると息をつき、部屋の扉へと視線を移した。  

「……なるほど、わかった。そこにいるんじゃろ? 出てきなさいミス・ヴァリエール」

 扉が開いた先に、してやったり! とでも言いたそうな、満足感溢れる顔のルイズが立っていた。
 彼女は扉の向こうで先ほどのやりとりを聞いたときから、きっとこんな顔をしていたんだろう。
 『彼はミス・ヴァリエールの言うことしか聞かない』。かつての経験から分かっていたことだが、
 まさかここまで素直に従うとは考えが及ばなかった。
 ミス・ヴァリエールは、この部屋を出たときからこうやって堂々と話を聞くことが狙いだったのだろう。
 いたずらっぽく微笑むルイズを見て、オスマンは思った。
 ルイズはターミネーターの隣に並ぶと、オスマンを意識してやはり堂々と胸を張った。 

「では、改めて聞こう。君は私と――会ったことがあるかな?」

 ターミネーターは一回ルイズを見て、彼女が頷いたのを確認してからオスマンへ向きなおした。 


595 :T‐0:2007/10/29(月) 23:49:03 ID:Gkd3grxn

「ない。会うのは初めてだ」

 と短く、機械的に言った。
 オスマンは何が感慨深いのか、浅く目を閉じて体を横に回すと2、3回うん、うんと頷いた。 
 彼が一体何を考えているのか見当がつかず、ルイズはもちろん、ターミネーターまで軽く首をかしげた。
 
「突然じゃが――」

 それまでの飄々とした態度からは考えられないほどまじめな口調で、
 オスマンはゆっくりと口を開いた。 

「今から約30年ほど前、私はとある森を散策中にワイバーンに襲われたことがある。
 しかも一般的に考えられとる平均よりかなりでかくて凶暴な奴に、じゃ」
「? それがターミネーターと何の関係……」
「まぁ、黙って聞いとりなさい。 そのとき、わしは死を覚悟した。もう助からない、との。
 そのときじゃった。わしの前に、いくつかの黒い箱を肩に下げた、黒い服を着た男が現われたのは……」 
「黒い服……?」

 ルイズはつぶやくと、横目でターミネーターの方を見た。
 まだ話は終わっていないけれど、ここまで聞けば『それ』が誰なのか簡単に予想できる。
 だが、オスマンは赤子に話しかけるように優しげな声色で、まったくずれた話をルイズに問いかけた。

「ところでミス・ヴァリエール。『銃』というものはご存知かな?」
「そのくらい知っています、オールド・オスマン。
 現在銃士隊の基本装備でもある、あの杖みたいに長い、変な筒のコトです」

 胸を張ったわけではないが、ルイズは滑らかに言ってのけた。
 銃のことは授業じゃあまり習わないけど、ルイズは教科書の内容全てを見ずに言えるほどの勉強をこなしている。
 (あたりまえだが)実際の銃は見たこと無いけど、この程度のことならば予備知識として脳の片隅に納めていた。
 オスマンが感心したように、小さな拍手を送る。

「そのとーり、そのとーり。ちなみに現段階のハルケギニアの技術では
 『銃』はどれも単発式で近距離専門。メイジからしてみても大した脅威ではないわけじゃ」

 無邪気に言うと、いつの間にか手に持っていた杖を一振りする。
 机の下、ルイズたちの見えない角度から真っ白い布に包み込まれた長い『何か』が現われ、
 オスマンが同じように杖を振るとゴトリと鈍い音を一つだけたて、机に降りた。
 いきなり出てきたなぞの物体に、ルイズは首をかしげた。


596 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 23:49:05 ID:fe9L2cCK
量産型支援

597 :T‐0:2007/10/29(月) 23:50:54 ID:Gkd3grxn

「なんですか、これ?」

 好奇心から思わず近寄って、全体をなめるように見まわす。
 見た感じ、杖の類を思い出す形状だが、布越しに見える凹凸の多さや
 机に降りたときの鈍い音を考えれば、おそらく金属か岩かの硬いものだと思えた。
 
「マジックアイテムの一種だろうけど……はじめて見るわ。なんだろう、これ……?」
 
 ルイズはオスマンの話の続きも気になっていたが、
 目の前の物体はそれ以上に好奇心を刺激してきた。
 恐る恐る手を伸ばし、包んである布をとってみようとそれに触れる寸前、
 それまでただ突っ立っていただけのターミネーターが急に動き出し、
 小さな両手は大きな片手に包まれると、あっけなく止められてしまった。 
 そして、ルイズが「放して」と命令するよりも速く、
 ターミネーターは手を握ったままルイズを押しのけると、物を包んでいる布をもう一方の手で乱暴に剥ぎ取った。 
 自身を覆うもの失い、あらわになった『物』がルイズの目に飛び込んだ。 
 
 『物』は全身真っ黒で、凹凸の多いシルエットは
 箱のようなものをいくつか繋ぎ合わせてあるような胴体のせいだとわかった。
 箱の先端と思わしき部分から、長さの違う二本の筒が伸びていた。
 逆の一番端には、一本の短い棒が延びており、付け根の部分に輪がある。
 『物』は若干杖に似てはいるものの――――案の定、見たことも無いものだった。
 ターミネーターが『物』の短い棒を握り、私の手を放すとそのまま胴体の出っ張っている部分を掴んだ。
 手を持ち上げ、『物』を目線と水平になるように構えると、輪に掛けている人差し指を曲げる。
 私は何が起こるのかと一瞬身構えたけど、かちっ、と乾いた音がしただけで、何も起こることは無かった。
 

598 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 23:51:02 ID:JN1BKfxn
日曜洋画劇場支援

599 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 23:51:59 ID:MZ3y6xnc
地獄で会おうぜ支援

600 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 23:52:22 ID:OVM/qGmH
今度は間違えないよ支援

601 :T‐0:2007/10/29(月) 23:52:59 ID:Gkd3grxn

 ターミネーターにしては珍しく、怒りの篭ったような強い声で言った。
 彼は『物』を水平に構えたまま、今度はオスマンに向かってかちりと音を鳴らした。

「それは黒服の男が持っとった、『銃』じゃよ。
 彼がワイバーンと格闘した際に落としたものを、私がそのまま持って帰ったんじゃ!」

 それまで落ち着いていたオスマンの口調が、
 興奮の影響でわずかに高ぶったのをターミネーターは冷静に捕らえた。
 ……そう、自身のCPUは何時も通りだ。冷静に働き、常に新しい情報を取り入れることで
 人間で言うところの『進化』を起こしている。 
 今回のこの『感情』も、そうやって得た一つの進化であろう。 
 

 ――彼はロボットが可能な限りの、おそらくは『驚き』を感じていた。


 目の前に差し出されたものは、名称を【フランキ・スパス12】という。
 疑いようも無く、自分のいた世界の武器。
 紛うことなく、『最初のターミネーター』が使用していたショットガンだった。
 

602 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 23:54:00 ID:fe9L2cCK
台詞抜けてない?支援

603 :T‐0:2007/10/29(月) 23:55:56 ID:Gkd3grxn
投下終了。面白い支援感謝です。
自分で言うのもなんだが……前半ゼロ魔成分薄い。

604 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/29(月) 23:57:29 ID:Rx++z3hx
乙ー。
ショットガン……バイクに乗って片手で使ってたのは2だっけ?

605 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 00:02:42 ID:99gciWfW
乙!スパスってことは1のシュワちゃんか。
別物だね〜

606 :T‐0:2007/10/30(火) 00:08:23 ID:QPKEB5+B
あ、しまった! 602氏のとおり、601冒頭にシュワのセリフ
「どこで手に入れた?」が抜けてました、申し訳ない。
指摘感謝、ありがとうございます。 

607 :双月の女神:2007/10/30(火) 00:49:05 ID:fwMipzDR
乙でした。
どーも、BS(投下)です。
5分後いいですか?

608 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 00:53:10 ID:99gciWfW
かもんにゃー

609 :双月の女神:2007/10/30(火) 00:55:14 ID:fwMipzDR
感謝です。では逝きます。






ファイアーエムブレム外伝 〜双月の女神〜

第一部 『ゼロの夜明け』

第六章 『神の頭脳(ルイズの章)』






ギーシュは恐怖の表情を浮かべていた。
今、起こっている現象は自身の知識に無い。
ミカヤを中心に、意思を持つかの如く乱舞する光。探知出来た魔力は『スクウェア』に届くか、凌駕する。
ああ、僕はなんと命知らずなことを、とルイズを愚弄し、ミカヤを挑発したことを後悔した。
だが、グラモンの家訓に、「命を取らず、名を取れ」とある。
貴族の誇りを明け渡さないことを謳った、不退転の心。

「いざ・・・・・!」

その家訓に従い、覚悟を決めた。

「かかれぇぇぇっ!!」

振り絞った気迫と共に杖をミカヤに向けて振り、『ワルキューレ』を嗾けた。

盾と槍を持つ3体を自身の壁にしつつ、残る4体が前へと駆ける。
剣を持つ2体、斧を持つ2体が、金属音を鳴らしながら襲い来る。
それを冷静に長杖を構え、迎え撃つミカヤ。

「ふっ!」

先の1体からの唐竹に振り下ろす一撃を左に体を捻りつつ、長杖で受け流す。
青銅の剣が滑り、火花が散る。

610 :双月の女神:2007/10/30(火) 00:57:11 ID:fwMipzDR
立て続けに、左右に回り込んだ2体のゴーレムが斧を、細腰めがけて十文字に払い抜けようとする。

「っ!・・・―――・・、―――――・・・・・。」

バックステップを踏み、斧の間合いから離れ、『古代語』で詠唱を開始。
魔法を唱えさせまいと斧を持つ2体の後方から、剣を持つ残る1体が間を抜け、間髪いれずに切り込んでくる。
更にはミカヤの背後に受け流された1体が挟み撃ちを掛ける。
それを見越し、右に横飛び。
そして、契約の呪文が完成。
杖を後方の『ワルキューレ』に向け、引金の呪文を唱えた。

「『ライト』!」

光点が眼前に出現し、それが弾ける。
数条の光線となって『ワルキューレ』の全身に突き刺さり、粉々に破砕した。

「ぐっ!」

一撃だった。
未知の魔法により、発現した光線の威力を目の当たりにし、ギーシュはうめいた。
自身が受ければ一たまりもない。
テリウスにおいては初級の光の精霊魔法だったが、『ミョズニトニルン』のルーンに増幅された一撃は、同じ属性の中級魔法
である『エルライト』の増幅詠唱時よりも威力を発揮した。

(初級魔法でも殺傷力が高すぎる・・・!)

元々魔法の鍛錬は怠らず、精霊に呼びかけていた為、魔法を行使する力は身体能力に比べて衰えていない。
更には魔導書を手にしていることにより、ルーンの影響で魔力は増大していた。
ほんの手違いで、ギーシュを殺めかねない。
さらに運の悪い事に、力を抑える『手加減』の戦技を習得していなかった。
尚の事、ギーシュを傷つけるわけにはいかなくなった。
優勢な戦況とは裏腹に、ミカヤは苦い表情を浮かべつつ、次の詠唱にかかる。

611 :双月の女神:2007/10/30(火) 00:59:31 ID:fwMipzDR





「わお・・・。」
「・・・・・。」
「嘘・・・・・。」

一方、離れて見守っていたキュルケとタバサ、そしてルイズは驚愕していた。
未知の魔法をもって、ゴーレム1体が葬られる様を見せ付けられたからである。

「あれが・・・・・、精霊魔法・・・・・。」
「!?」
「ええ!?」

呆然と呟いた、ルイズの台詞を聞き逃さなかった二人は更に絶句する。
精霊魔法は、このハルケギニアにおいて、人間の間では失伝して久しく、それを行使できるのは人間の天敵とされている、
『エルフ』を含む先住種のものだった。

「じゃあ、ミス・ミカヤはエルフなの?」
「あ・・・・・!」

キュルケの質問に、口が滑ったことに気がついたルイズは顔を青くした。

「・・・・・ミス・ミカヤはエルフじゃないわ。私、ミスから直接聞いたから。」

観念したように、うつむきつつ、そう答える。
気まずくなりかけた雰囲気を打ち切るように、一つの影が飛来すると、タバサの後に控える。
ルイズとキュルケも気づき、振り返る。

「・・・シルフィード?」

タバサの髪と同じ、空色の鱗に身を包んだ、体躯は立派ではあるが、顔立ちには幼さを感じさせる翼竜の名を呼んだ彼女。
彼女の使い魔である、対外的には厄介事を避ける為に風竜としている、太古の韻竜の、雌の幼体。
真名を「そよ風」を指すイルククゥ、与えられた名をシルフィードと言った。
きゅいきゅい、と強く鳴き、タバサにはその「言葉」の意味を伝える。
先住種である彼女は、風の精霊と契約出来る。精霊が活性化していた為、飛んできたのだと言う。

「・・・そう。」

シルフィードの「言葉」に頷くと、視線を再び決闘に戻す。


612 :双月の女神:2007/10/30(火) 01:01:41 ID:fwMipzDR
「あの子は何て?」
「・・・様子を見に来た。」
「あら、そうなの?」

キュルケの問いにただ、軽く返すタバサ。
後は3人は意識を、ミカヤの姿を追うことに向ける。
いなした流れを利用して回り込み、長杖で1体のゴーレムの膝後を払い上げ、転倒させ、もう1体が振るう剣の背を
打ち据えて、攻撃を止める。

「危ないッ!!」

まだ体裁きにブレがあるのか、上段から振るわれた斧が左頬を掠め、ルイズが悲鳴を上げる。
それでも一つ捌く度に体のキレは増し、光の魔法で着実に1体ずつ破壊していく。





「くそ・・・・・!」

光が再度、網膜を焼く感覚にうめくギーシュ。
完全に追い詰められた。
たった今前衛全てが消し飛ばされ、残るは槍を持つ直衛の3体のみ。
対してミカヤは、やはり感覚が追いつかなかった為か不覚を取り、メイド服の肩口やエプロンが裂け、身体に数箇所の掠り傷を
作っているものの、決闘には何ら支障はないように見受けた。
もはや手詰まりと言える。

「・・・・・、ふぅ・・・・・。」

ミカヤにしても、実の所、かなり疲弊していた。目立たぬようにしてはいるが、大きく息をしている。
戦時に比べると、明らかに持久力が落ち、これでは戦を潜り抜ける事は困難だった。
これ以上時間を懸ければ、互いに怪我では済まない。
ミカヤは決着をつける為、詠唱を開始する。

「―――――っ、させるものか!
かかれ、『ワルキューレ』!」

唱えさせては最後。
そう判断したギーシュは、残る『ワルキューレ』を杖を振るい、向かわせた。
しかし、これこそがミカヤの狙いだった。
ギーシュの傍についていたゴーレムを引き剥がすことにより、彼を怪我させること無く、破壊するために。

「・・・・・――――・・・。」

魔道士が敵に囲まれた際に唱える、複数の相手を攻撃可能にする、多目標詠唱から、契約の呪文の詠唱へ移行。


「・・・―――・・・。」

迫り来る3体が到達するよりも早く、呪文が完成し、長杖を掲げ、振りぬいた。

613 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 01:02:13 ID:Qc7op4ib
支援

614 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 01:03:36 ID:Qc7op4ib
支援

615 :双月の女神:2007/10/30(火) 01:03:50 ID:fwMipzDR
「『ライト』!」

―――――瞬間、閃光。

今までとは比較にならない量の光線を放ち、3体同時に撃ち抜いた。
その余波に、ギーシュは思わずもんどりうち、杖を落としてしまった。

「如何なる者にも等しく、女神の導きがあらんことを・・・。」

ミカヤはテリウス大陸の創造神のあるべき姿の時の名―――――アスタテューヌに祈りを捧げた。
その祈りの言葉を聞きながら、自身が杖を落としたことに気づくと、ギーシュは俯きながら諸手を上げ、敗北を宣言した。

「参った・・・、いえ、参りました・・・・・。」

その言葉を聞き、『ライト』の書を収納すると、彼女に纏っていた精霊達が自然へと戻っていき、霧散した。
すると、両膝をつき、地面にぶつけるかと思う勢いで頭を下げ、平伏するギーシュ。

「申し訳ありませんでした!
ミス・ミカヤとは露知らず、ミス・ヴァリエールも含めた無礼の数々、どうか、平にご容赦の程を!
命で贖えと仰られるなら、その裁きの光、甘んじて、甘んじて・・・・・!」

心からの謝罪をするギーシュの元へ歩み寄ると、彼の高さまで屈み、慈愛の笑みをもって声をかける。

「ミスタ・グラモン、どうかお顔を上げて下さい。」

その言葉に顔を上げるギーシュ。

「その心からの謝罪だけで、私は充分です。」
「で、では・・・・・?」

仮にも乙女を大切にするグラモンの血族、女性への無礼に償いをせねばならないと強く思っているギーシュ。
太陽のように暖かな笑みを向けられ、心が洗われていくのを感じる。

616 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 01:05:27 ID:Qc7op4ib
支援

617 :双月の女神:2007/10/30(火) 01:06:22 ID:fwMipzDR
「まずは彼女達に、申し開きと謝罪を。今のミスタならば、分かりますね。」

ミカヤの見る方を確認すると、後ろからは、此方を心配しながら駆け寄って来たモンモランシーとケティ。

「・・・・・はい・・・・っ、・・・・・はいっ!」

申し訳無さと自らの行いを悔い、涙を流し、何度も頷く。

「では、失礼いたします。」

それを見て微笑み、立ち上がると、生徒達から喝采の声が上がった。
その間を縫うように、ルイズが飛び出し、ミカヤに抱きついて、この勝利を我が事のように喜び、はしゃいだのだった。





人の目につかない、それでいて中庭の中央に近い木陰。
そこにシエスタはいた。
彼女の身の丈には不釣合いな、身長より一回り長い両刃の大剣を握り締めていた両手から力を緩めた。
中庭の中央の様子に安堵すると、背中に背負った固定器に収める。

「よかった・・・。」

彼女の後頭部には、無理矢理リボンのように蝶結びした、赤い鉢巻き。
シエスタが剣を取る時、覚悟の証に結わえるそれは、大剣と同じく、亡き祖父の形見。
彼女の祖父は、このハルケギニアにおいても、傭兵業でならし、メイジには恐れられ、平民からは英雄と慕われ、その蒼い髪と
瞳から『蒼炎の狼』と呼ばれた男。
奇しくも、テリウス大陸で『蒼炎の勇者』と謳われている、『暁の巫女』と肩を連ねる救世の英雄―――――アイクだった。
始終を見届けたシエスタは、誰にも気づかれないよう踵を返し、気配を絶ちつつその場を後にした。






「見事、でしたな。」
「うむ」

『遠見の鏡』から、全てを見ていたコルベールとオスマンもまた、生徒が傷つく事無く終わったのに対して、安堵の息を
漏らしていた。
しかし、同時に表情が暗くなる。

「どうやら、わしらの推測は当たってしまったようじゃな。」
「はい、オールド・オスマン。あの力は間違いなく、神の頭脳『ミョズニトニルン』のもの。」

叶うならば当たっては欲しく無かった。
二人の気持ちを表すならば、その一言に尽きる。
もし、この事実が外に漏れることがあれば、虚無の担い手である事が確定したルイズと、その使い魔であるミカヤは
王宮の貴族らに利用され、戦争の道具になるか、アカデミーに身柄が渡れば人体実験の標本にされかねない。

「この件はわしが預かる。他言は無用じゃ、ミスタ・コルベール。」
「はい、仰せのままに。」

鏡から映像を消し、窓際へと向かうオスマン。
コルベールに聞き取られない程の呟きで、過去に思いを馳せた。

「・・・・・テリウスからの来訪者。わしが確認できただけで二人目じゃな。
貴女は瞬きの間にあちらへ帰られたが、我々の二つの世界は限りなく近いかもしれませんなぁ、ミス・サナキ・・・・・。」

618 :双月の女神:2007/10/30(火) 01:09:14 ID:fwMipzDR
以上です。独自解釈が多々出ました(汗)。
冬眠が長くなりましてごめんしてください。
では、失礼をば。

619 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 01:30:55 ID:zKIchkTC
聖石の人、ルイズのリアクションアビリティは装備武器ガードじゃないの?
>振るってくる剣にタイミングを合わせ、杖でガード。
とあるからてっきり…

620 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 02:06:33 ID:kK3Ap2MB
>>501
レビテーションで終わるという結論がしばらく前に出とった。

621 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 02:07:23 ID:RQpLacGs
まずは聖石の人、乙
>499
ttp://roofcity.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/upload/src/up0012.png
作り直したヤツ

ルイズ作れたら作ってみるか


>双月の女神
あせらずじっくり書いて下さい、次の投下も待ってますよ〜

622 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 02:11:52 ID:7vrc4ueV
投下準備完了、投下しますね

623 :GTA:LCS-0 第17回:2007/10/30(火) 02:13:10 ID:7vrc4ueV
★★★★★☆
「わ…わしの馬車あああぁぁあぁぁぁぁ!!」
「ト…トニー!!何やってるんだ!?」
「ギーシュさっさと馬車に乗れ!!」
主人と御者を蹴落とすと馬車を奪い、馬車を調達する。ギーシュはその光景に唖然としていたが、首根っこを掴んで後部座席に放り
投げると、何事も無かったかのように馬車を走らせる。はっきり言って野郎二人で歩いて行くプランは無い。
「何で馬車盗むんだ!」
「黙って乗ってろ!俺の町ではよくある事だ……さて、薬屋の道を案内しろ」
ギーシュを黙らせると、俺はギーシュに薬屋を案内させる。こんないかがわしい仕事、さっさと終らせたいからな。
「ここの路地を入るんだ」
ここは確か、ルイズが俺の傷を治す為に用いた薬を買った店では無いか。横の武器屋で思い出した。ここならば……まぁおそらくは
モンモランシーを振り向かせる為の『媚薬』だろうが……効果は期待できるのだろう。
「ここで待ってるからな、早く買って来い」
ギーシュに薬を調達に行かせると、直ぐに戻ってくる。予め薬屋が用意していたのだろう。これで仕事は終わりか。
「後、もう一軒あるんだ。そっちにも行って欲しい」
「はぁ?薬屋にもう一軒行くのか!?」
薬なら、この薬屋で事足りるのじゃないのか!?何だよ、面倒だなぁ……。
「そう言わずに……頼むよ。色々と試したいのだ」
「仕様が無い」
本気で面倒臭いのだが、仕事である以上仕様が無い。ギーシュに案内を続けさせて向う事にする。

624 :GTA:LCS-0 第17回:2007/10/30(火) 02:14:31 ID:7vrc4ueV
「なぁ……ここはスラム一歩手前じゃないのか」
「そうだな、でも此処なのだ。薬屋」
ギーシュに再び案内された場所は、一般人が知識無しに入ってはいけない良い言い方をすれば雑居な歓楽街、悪い言い方をすれば治安の
悪いスラム一歩手前とでも言うべき地区だった。入った瞬間胡散臭さが漂うのだが……本当に大丈夫か?ギーシュよ。
「じゃあ買ってくる。待っててくれ」
「待て、今回は俺も行く……あのワルキューレを出して馬車を守らせとけ」
俺は持って来た『軍用ショットガン』を直ぐに出せる準備をして、ギーシュの後に付いていった。

「グラモン様、お待ちしておりました」
俺とギーシュが入ると、店そのものは怪しくは無いものの、どうにも形容し様の無い胡散臭いオヤジに出迎えられる。
「注文していた物、用意できたか?」
「ええ……少々お待ちください」
怪しいオヤジが対応すると、そのまま裏に下がっていく。だが俺は見逃さなかった、このオヤジの口元を。
(……トニー、大丈夫そうだぞ)
(油断するな……何か来る!!)
ギーシュが余裕の笑みを見せた瞬間、俺の懸念は的中する。右の勝手口より2名、入り口より2名、奥の口よりオヤジ含めた3名計7人、
レザーアーマーに剣携えて突入してきた。
「こんな事だろうと思ったぜ!!」
「出来れば生け捕りにしろ!!幾らメイジでも多勢に無勢なら勝てるだろ!!」
オヤジは叫ぶ。野郎、数的優位に粋がってやがるな……。

――全員始末しろ!!

625 :GTA:LCS-0 第17回:2007/10/30(火) 02:16:32 ID:7vrc4ueV
チンピラ共は突入したのと同時に剣を抜く。数的優位にある為、全員余裕すら感じられる。
「平民殺しちまえば後は貴族だけだ!!掛れ!!」
「野郎……ギーシュ、右のチンピラ共をバラせ!」
「分かった!」
立ち上がったのと同時に黒光りしている『軍用ショットガン』を取り出し、急いで入り口に向って発砲。響く銃声と共に入り口側の
チンピラ2名が吹き飛ばされて転倒、出血の量から見て絶命しただろう。
「なっ…何が起こったんだ……ええいっ早く始末しろ!!」
一気に二人を倒されたオヤジはうろたえる目の前の二人を一喝し、俺を殺そうとけしかける。
「うおおぉぉぉぉぉ!!死ねえぇぇぇ……グオッ!!」
半ば半狂乱になって掛ってきたチンピラに再度ショットガンを発砲、同じように後ろに吹き飛ばされるように転倒し、絶命する。
至近距離で撃たれて無事では済まない。もう一人のチンピラはこの光景が止めになったのか、剣を持って一歩足を出したものの、
後ろからショットガンを再度発砲し仕留めた。咄嗟に右を見ると、ギーシュはチンピラにをワルキューレをけしかけて嬲っている。
格好つけて戦ってやがるな……。
「ギーシュ何モタモタしてるんだ!!格好つけてないでさっさと始末しろ!!」
「分かってる!!」
余りの状況にオヤジはとうとう戦意喪失、後ろを振り向いて逃走を試みる。だが逃さない。
「待ちやがれ」
「ひいっ!!」
後ろから殴りつけて転倒させると、額にショットガンの銃口を向けた。

626 :GTA:LCS-0 第17回:2007/10/30(火) 02:17:45 ID:7vrc4ueV
今回はこれにて終了です。

おやすみなさい。

627 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 03:17:24 ID:sbFAU1Uq
乙です

至近距離からショットガンは挽肉になっちゃいますよ

628 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 05:09:32 ID:O8bSKg1K
皆さん、乙でした。

>至近距離からショットガンは挽肉になっちゃいますよ
そう言えば、同じような事が、空想何とかって本に書いてあったような・・・
確か、大門団長の射撃はあり得ないって。

629 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 05:42:56 ID:RQpLacGs
>>583
ttp://roofcity.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/upload/src/up0013.png
「ゼロと聖石」FFT風ステータス画面風のルイズ版

マントの塗りがイマイチ…、キュルケ、タバサも描きたいトコだが
如何せん技術力が…

アイテムアイコンが見つかっってうまく描けたらまたアップしてみます

630 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 05:53:29 ID:5qImrIjU
http://www35.atwiki.jp/anozero/pages/2513.html
この話の中でプリミルって書いてあるけど正しくはブリミルだと思うぞ

631 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 05:55:47 ID:5qImrIjU
あ、ツェルブストーになってるけど確かツェルプストーだぞ
この作者の人にプとブを見間違えるくせがあるのかも

632 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 09:18:14 ID:PHXXqFfP
>>631
私もそれ、よく見間違える
 つか、よく見ないとわかんないよ、小さくて

633 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 09:33:42 ID:uGuc3ofG
しかし悪口にも聞こえるな
ツェル ブス トー

634 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 09:47:20 ID:4S3zGCTs
軍用ショットガン持ち出した時点で挽き肉ミンチマシーンになる気満々ですよ
空気を吸うように馬車を強奪してるし、指名手配は近いなw

635 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 10:18:31 ID:nC6Vw1Bh
>>634
既に手配レベル5な件www

636 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 10:55:11 ID:i/gLi9aw
ゼロの使い魔ってクロスさせるのは簡単だけど完結させるのは難しいな
原作未完でわからない設定多いし
最終的には「俺達の戦いはこれからだ」で締めるか
クロスした話の流れに持っていって終わらせるかしかないのかな

637 :聖石の人:2007/10/30(火) 11:11:33 ID:CkO8MX5D
確かにこういうのって完結難しいですよね。
シナリオ考えても途中展開でそぐわないところとか出てきますし。
というわけで15分頃から投下してもいいでしょうか?

638 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 11:15:38 ID:/MOl5N0P
でも、まだ原作12巻に追いついたのってないはずだぞ。
まだ完結を話すには早いんじゃないか

639 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 11:16:37 ID:kmx0LPnS
聖石の人のハイペースっぷりには脱帽だぜ支援

640 :ゼロと聖石12:2007/10/30(火) 11:20:28 ID:CkO8MX5D
実はゼロ魔3〜5巻が行方不明につき、更新ペースが落ちる罠投下開始!

倒れこんだ状態でハイポーションを使う。
とりあえずは応急処置といった感じか。
同じく倒れこんでいるシエスタにはエクスポーション。
元から体力の桁が違うのだ、材料費が高く回復量も高いものを使うのが道理だ。
それでも完全に回復していないところが怖い、というか化物ですか?
さようならエクスポーション。作成費金貨三枚、貴方のことは忘れない。

同じく倒れこんでいるウェールズ皇子の容態を調べる。
リレイズの発動まで後三十秒弱。
これは、皇子がアンリエッタ様に再び会えるように掛けたおまじない。
今ここで使わせるわけにはいかない。
万が一のために用意しておいたフェニックスの尾。
鳥形使い魔の抜け落ちた羽をベースに薬を混ぜて作った気付け薬。
細かく砕いて水と共に飲み込ませる。しめて金貨十枚なり。
即効性が売りの薬だ。効果はすぐに現われ、ウェールズ皇子も起き上がる。

「この水の秘薬は、一体なんだ? 先ほどまでは動けそうも無かったが、今は少しなら動けるぞ」
「ちょっとした薬です。完全に回復したわけではないので、こちらも飲んでください」

そう言って、渡す薬はエクスポーション二本とエーテルにハイエーテル。
これだけ飲ませれば完全回復するだろう。
さようならエキュー金貨で十八枚。
この旅だけで金貨三十枚以上は無くなっている。
私の財布は悲鳴を上げるのであった。

「少なくとも五分は動かないでくださいね。傷がふさがる前に動くと痕が残りますから。
 ついでに本来の回復量に達しませんから絶対に安静にしていてください」

ここまで釘を刺しておけば確実に動かないだろう。
その間に、手持ちの材料からポーション三つとエーテル二つを作っておく。

「もう動いても大丈夫です」

その言葉に、軽くストレッチする形で体を確かめるように動く皇子。
この感じなら完全回復だろう。

と、そこで爆音が響く。
レコンキスタの攻撃だろう。
予告された攻撃時刻よりも早い。
つまり、奇襲。

「少しだけ、私が時間を稼ぎます。皇子は非戦闘員の脱出を」
「眠りの雲よ……」

予備の杖から放たれた雲は、いともたやすく私の意識を奪っていった。



「シエスタ、といったね。君は彼女を連れて脱出するんだ」
「しかし、皇子は! ―――分かりました。アンリエッタ様には名誉に殉じたと、伝えます」

皇子様の決心は硬い。
騎士にとっての名誉をお爺様から教えられた私には、止めることなど出来なかった。

641 :ゼロと聖石12:2007/10/30(火) 11:22:09 ID:CkO8MX5D
「せめて、こちらをお持ちください。これならば契約をしていなくても触媒として申し分ないと」

鎧の内側に仕込んでおいたお爺様の剣の模造品、ルーンブレイドを手渡す。
お爺様曰く、魔力を高める効果に魔法触媒としても有効だと。
さらにルイズ様が準備しておいたポーションとエーテルを渡す。

「御武運を、ウェールズ皇子様」
「君に、アルビオンから吹く風の加護があらんことを。
 それと、宝物庫に君達が持っているのと同じ石が有る。それを持っていってくれ」




それだけの言葉を交わし、私はルイズ様を背負って駆け出した。
途中で遭遇したレコンキスタは全部切りながら進む。
宝物庫にたどり着く。
扉を開き、中を確認すると殆どのものは運び出され、残っているのはガラクタばかり。
部屋の中央で小箱を見つけ、中を開けると聖石が入っていた。
淡い水色の、やはり似たような文字が刻まれている。
サジタリウスが共鳴し、名前を教えてくれる。

「アクエリアス? 宝瓶宮? よくわからないけど聖石なのね?」

それに反応するように、サジタリウスが煌く。
爆音と怒号が響く。
ここらもそろそろ人が入り込んでくる。
急いで脱出しないと。

脱出艇が出港を始めている。
しかし、周りのメイジが攻撃を始め、撃沈の危機にさらされている。
私はそいつ等の注意をひきつけるために、技を放つ。

「命脈は無常にして惜しむるべからず…葬る! 不動無明剣!」

まとまっていたメイジが氷の刃に貫かれ、絶命。
桟橋を離れた脱出艇へ駆けると同時に技を放ちつつメイジの数を減らす。

「間に合え、間に合え、間に合えぇーー!!!」

最大速度、ルイズ様を抱えた状態での大跳躍。
距離は大体五十メイル。
ぎりぎり届くか届かないか!
甲板で援護をしていたメイジたちが一斉に着地スペースを作る。
ここまでお膳立てされたら確実に成功する。
そう思った刹那、足に鈍い衝撃が走る。
骨を砕いて風の針が突き立っていた。
それが原因でバランスを崩す。
目算で十メイル足りない。
だけど、人一人なら問題ない!

642 :ゼロと聖石12:2007/10/30(火) 11:24:17 ID:CkO8MX5D
たどり着けないと計算した私は、背負っていたルイズ様を船に向かって、

「ルイズ様を、お任せいたします!!」

全力で放り投げた。
慣性の法則で私は失速、ルイズ様は甲板に到着。
これでいい。
私が居なくても、あの方は強いから。
空中で無双稲妻突きを繰り出して、港のメイジを蹴散らす。
ますます遠くなる船。
私に向かって飛来する魔法をデルフで弾きながら、メイジを撃ち落す。
そして、港も見えなくなる。
下は霧がかっていて見えない。
確実に助からないだろう。

「ゴメンなさい、デルフ。あなたまで巻き添えにしちゃった」
「まぁ、相棒は使い手じゃないくせに使い手以上の動きしたから楽しかったぜ」

デルフを抱きしめる。
初めて持たされたとき、その重さにふらついたっけ。
喋り始めたときは怖くて思わず泣いたっけ。
最高のご主人様に、最高の相棒を持つことが出来、

「お爺様、剣聖へは至れなかったですが、シエスタは、幸せでした―――」
「じゃあまだ幸せは続くな相棒。剣聖もまだ目指せるぜ」

へ? と思う間も無く、背中に衝撃。

「まったく、ルイズ以上に無茶なのは貴方だと思うわ、シエスタ」
「それには同意」
「まぁ、間に合ったんだからよかったじゃないか」

キュルケ様にタバサ様にギーシュ様、という事はここはシルフィードの背中か。
ラ・ロシェールからここまで飛んできたのか?
だとしたら凄い長旅だろう。

「迎えに来たわよ、シエスタ。ルイズはあの船?」

私は満面の笑みで、はいと答えた。

お爺様、先ほどの言葉は訂正します。
私は、こんな素晴らしい方達に囲まれて剣聖を目指せることを、誇りに思います。

643 :ゼロと聖石12:2007/10/30(火) 11:27:16 ID:CkO8MX5D
以上で投下終了。
シエスタの幸せはまだまだ続く。
ついでに能力強化もまだまだ続く。

支援ありがとうございましたー。

追伸
>>629
画像大感謝です。マジ感動で涙が止まりません。

644 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 11:31:36 ID:RQpLacGs

シエスタの能力を見ると
ムーブアビリティにJump+2あたり追加だな、こりゃ

3巻以降の展開といえば、ルイズの虚無覚醒の展開と竜の羽衣って…
…まさか、て… ゲフン、ゲフン!

645 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 12:30:27 ID:2Hx3MkAX
思い付きでワンシーンだけ。


ルイズが召喚したのは真っ直ぐで艶やかな金髪の、異国の美少女だった。
着ているものは風変わりな意匠ではあったが、質や装飾からして名のあるメイジの娘だろうと誰もが思った。
しかし、彼女が言うには両親も弟も騎士ではあるが剣士で、さらに彼女の居た国の名を誰も知らなかった。
両親がメイジではないのに娘がメイジというのは有り得ない筈である。


流石に自分より幼く見える少女を床に寝かせるのは気が引けたのでベッドをもう一つ部屋に置いた。
隣から寝言が聞こえてくる。
「デプレ、とうさま………………ママ」

聞いた話では、彼女の母は彼女が幼い頃に敵対国の王に殺されてしまったという。
ルイズには彼女の抱える、母の居ない寂しさは感じたことはないが理解はできる。
まして、家族から引き離されて見知らぬ異国の地で一人きり………。


ルイズはそんなことを思いながら静かに眠りに入った。横で眠る少女の金髪を眺めながら。

646 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 12:36:58 ID:2Hx3MkAX
というわけで、星団最強のくらっしゃーずのお姉ちゃんの方召喚。
時間軸としてはヤーボの死〜魔導大戦前くらい。ダイバーパワーは確実に先住だと思われるでしょうね。


でもやっぱり、デルフの出番が無いから弟のどっちかがよかったかな?

647 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 12:39:24 ID:P/UY0rnZ
聖石氏速いな。しかしなんだ、もうちょいまとめてから投下しても十分だと思うんだぜ?

648 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 13:02:09 ID:uGuc3ofG
早けりゃいいってもんじゃないよ

649 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 13:12:29 ID:1TIfrKh/
作者のペースを尊重しようじゃないか

650 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 13:52:50 ID:pOyHk5aS
速さをとるか質をとるかじゃね?
余程、質が低くなければ速さをとるのも良いんじゃない?


651 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 14:49:14 ID:Uoa16izF
聖石氏の速さは異常
あれだけのペースで投下するとか、未だプロットすらまとめきれてない俺には不可能だ

652 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 14:55:10 ID:nWVBNZzW
でもさ、一応だが一つのスレに書き込める量や回数は限られてるんだよね。
あんまり一人で投稿しすぎると、他の書き手の人達がその分割を食うと言う
明らかな実害がある訳で。


653 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 15:00:58 ID:2edzH9SF
まあ、SS書く人間>議論するだけ。だわな。
とりあえずこれ以降は避難所でしようぜ。

654 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 15:39:00 ID:TzglUfaX
一日一話、三日で三話。

655 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 15:47:34 ID:jdmjLah5
三話進んで二話消える

656 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 15:48:50 ID:6QjmUCcw
予想通りのレスがついててワロタwww

657 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 15:52:18 ID:1TIfrKh/
お前らいったい何歳だ

658 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 15:52:50 ID:sOqAJGlC
何より速さが足りない人種だぜ

659 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 16:11:09 ID:fXnM2Xve
>>654
つらかとぶぁい

660 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 16:43:31 ID:UZMkJ/ZC
とにかく職人さんたち乙です。

ようやくここに書き込めるネットカフェが見つかったし、
俺も明日あたり投下できるといいなぁ。

紙とペンにぶつけた、このリビドーを・・(1話分ではあるが)

661 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 17:09:09 ID:i/gLi9aw
>>638
原作の流れに沿うことを前提にしてればその通りなんだけど
クロスさせて原作の流れから脱線する場合、どう落とせばいいのかがわからない

例えば現状で黒幕がジョゼフだということが明らかになっているが、
だからと言って強キャラ召喚してジョゼフを倒してもいいのか、とか
虚無の担い手が四人集まると何が起こるのかわからないから
ジョゼフが何をやらかしてもうかつに殺すことは出来ない

662 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 17:50:22 ID:rePVNODr
別にサイト以外召喚してる時点で原作改変なんだから
結末や未公開設定なんぞ原作から剥離してナンボという気はするが。
これも読み専だからの戯言かね。

663 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 17:59:05 ID:Bpax8GL+
>>661
クロスさせた時点で落とし所考えるのが普通なんじゃ?
書いてる最中にどんどん予定から外れていくのは仕方ないけど
最初から結末を想定してないのは戴けないと思う。
>>638
完結していない作品でクロスやってるからそこら辺はどうしようもない。
現時点で解っている敵キャラ黒幕を上手く使いこなすしかないんじゃないかな?

664 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 18:00:01 ID:5ff/z/KX
>>661
俺たちの戦いはこれからだ!
      
       完

665 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 18:31:08 ID:qNBEy4Hg
私はようやくのぼりはじめたばかりなのよ
このはてしなく遠い貴族坂をね…

未完

666 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 18:37:45 ID:i/gLi9aw
>>663
一応考えてる
それが「クロスした話の流れに持っていって終わらせる」というもの
ただそれで原作と矛盾が生じたら嫌だなあという、まあ愚痴だね
忘れて

667 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 18:48:54 ID:cg/LBv9t
ゼロの使い魔自体原作が終わってない上にまだ明らかになってない設定も多いからな
四つ目の使い魔の正体とかジュリオはほんとうにヴィンダールブなのかとかワルドは今何しとんねんとか

668 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 18:49:52 ID:V9B6M/97
>>667
それはノボルと編集が現在進行形で考えてるから待とうぜ!

669 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 18:51:53 ID:UqJxXAo8
>>667
ジュリオは知らんが、ワルドならゲーセンでQMAやってんの見かけたよ。



670 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 18:55:13 ID:VapSRcDq
ジュリオならこっちのローマのパパに召喚されてたぜ


671 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 18:56:07 ID:V9B6M/97
>>670
新たな暗黒卿の誕生だな…!

672 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 18:58:30 ID:P/UY0rnZ
昨日ガチャガチャの箱の前に張り付いて100円玉何枚も入れてたよ。
「300円出させといてこのクオリティは無いわ」って怒ってた。

673 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 19:11:04 ID:AkuVslpo
>>672

海洋堂の中心で愛を叫んでたのも見かけたぞ。警備員さんにお説教されとった。

674 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 19:13:22 ID:w/TxYdaV
ベネディクト16世教皇聖下がこのスレに興味を持たれたようです

675 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 19:15:56 ID:KuOdYXQm
つーかこの時点で既に450kbオーバーか…今回もまた>>1000に行く事は無さそうだな…。

676 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 19:40:14 ID:DU38g/fT
みんなこっちに召喚されすぎだw

677 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 19:45:47 ID:GLLQcFzr
俺が見たジュリオはスコタコのプラモ買ってた

678 :ゼロのgrandma:2007/10/30(火) 19:58:21 ID:7ez4OoLx
こんばんわー。

予約に来ました。空いてますよね?

679 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 19:59:34 ID:DU38g/fT
これより支援を開始する

680 :ゼロのgrandma 1/7:2007/10/30(火) 19:59:59 ID:7ez4OoLx
黎明。
眼下に流れるは朝霧に包まれた大地。
そこかしこに見える仄かな明かりは、動き始めた人の営み。

僅かに見える地形を確認しながら、リンディたちは雲を縫うように進んでいた。
「寒くない?」
「寒くないどころか、暖かいくらいね」
フィールド内の温度調整をしてるから、とリンディが言っていたがよく分からない。
「……凄いわね。なんかこう、世界を見る目が変わりそうな気がする」
「そうね」
初めの方こそ目をつぶってしがみついていたルイズも、今は風景を眺める余裕を持ち始めている。

なにしろ絶景なのだ。
見渡す限りに広がる大地は、見覚えのある山々でも全く違って見える。
照らし始めた日の光に、吹き払われるように薄れていく霧。
それでも残った、大地の起伏が作り出す長い長い影の中には、未だ夜が漂っている。
遥か先では――何かが光を反射していた。
「あれが海なのね。あんな風に輝くなんて思わなかった」
「鏡みたいでしょう。夕方の海も、また別の良さがあるわよ」
目に痛いくらいの鮮烈な赤、と言われて期待したくなったが、
「残念ながら、今回は海の船に用は無いけどね。……空の船にも、かな」
「わたしが船の変わりだものね」
「船って言うより飛竜じゃない? それにしても――」
目的地のアルビオン――浮遊大陸の人たちは、毎日こんな光景を見ているのだろうか。
「ちょっと羨ましいわね」
「あら、トリステインにも良い所はいっぱいあるんでしょう?」
「うん」
ルイズは、思い出の中の風景をいくつか思い浮かべる。
壮大な光景は幾つかあったのだが、何故か今思い出されるのは、領地にある屋敷の中庭だった。
東屋のある小島が、池の真ん中に一つ。周りには季節の花々。
幼い頃の気分を思い出してしまう。あの頃の自分は小さかったが、今見るとあの池はどうなのだろう。
(それほど長く帰ってないわけじゃないけど)
多分、とても狭く感じるに違いない。
自分が大きくなったという実感を得るのか、思い出を汚された気分になるのか分からない。
では、今なお屋敷に留まっていたら?
そう考えた途端、ルイズは少し悲しくなった。
「……あるわ。リンディと一緒に行きたい所もいっぱいある。でも」
「でも?」
寂しそうに呟く。
「毎日見える景色って、慣れてしまうと、良さが分からなくなる人も多いのかな」
「そういう人もいるけど」
リンディは、肩のデルフリンガーを少し引き抜いた。
「あなたはどう?」
「……忘れた。忘れちまったけどよ」
デルフは感慨深げに、しみじみと言う。
「何度見ても、いいものはいいんじゃねえのかなあ」
ほら、と頷いたリンディに、ルイズはつい笑ってしまった。
涙が出そうになったが気にならない。
それにリンディの楽しげな、デルフの呆れたような笑い声が重なった。



681 :ゼロのgrandma 2/7:2007/10/30(火) 20:02:27 ID:7ez4OoLx
「あれが港町、ラ・ロシュール」
「帰りに寄れたらいいけど……今回は遠慮しましょう。一番怖いところだし」
「だな」
眼下に特徴のある町並みが並んでいる。
峡谷の合間に土を穿って建てられた家々。そして最も目立つのは巨大な樹木だ。
「あれが桟橋なの」
「凄いわねえ。まるで世界樹みたい」
「世界樹?」
「そう。わたしの読んだ物語の中に、とても大きな樹の話があったの」
確か、娘が学校の図書館で借りた神話にあった樹――イルミンスール。
「ふうん。中も見せてあげたいとは思うけどねー」
「いつでも来れんだろ? ヤメとけって」
デルフが念を押すように言う。
現状では、アルビオンへの唯一の玄関口となる場所だ。
当然、何らかの網が張られているはずである。この地にだけは立ち寄らないほうが無難だろう。

「そろそろ明るくなってきたから、高度を上げるわね。見られちゃうと困るもの」
この世界で飛行する存在は珍しくないが、これほど速く飛べる人間はいないだろう。
隠密行動という今の状況で、不特定な相手に無駄な話題を提供する危険は避けたかった。
「うーん……大丈夫だとは思うけどね」
「なぜ?」
「アルビオンが港に近付くのには周期があるの。再接近まで、あまり船は出ないのよ」
ほら、とルイズが指差すと、桟橋の各所に実のような物が見える。
「あれが船なのね?」
「そ。いつだったか忘れたけど、まだってのは確実」
スヴェルの月夜前後だったかなー、とルイズが首を捻る。
確かに、地上からだけなら見つかりそうに無いが、どちらにせよ高度は上げなければならない。

目的地は、雲の上にあるのだから。

   ◆  ◆  ◆

「あの、ミス・ロングビル。これで良いでしょうか?」
「あーそうそう、そんな感じでいいわ」
二頭の馬を正門脇に繋いだシエスタは、鞍を降ろしながら聞いてみる。
「なぜ二頭も、お一人で使われたんですか?」
「多少なりと状況証拠だけは作っておかないとさ、色々と大変なのよ」
それに、とロングビルは笑った。
「こんな朝方に、ここで待ってる理由も欲しかったし」
「理由?」
シエスタは首を傾げた。
「来るかどうか分からない相手を待ってるなんて、不自然もいいところだからね」



682 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:02:50 ID:c8JXBZY0
この投下が終わったら俺、スレ立てするんだ

683 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:03:34 ID:+WFh5XPv
支援

684 :ゼロのgrandma 3/7:2007/10/30(火) 20:03:42 ID:7ez4OoLx
彼女が起こされたのは、まだ夜も明けきらない早朝のことだ。
寝惚け眼のまま、言われた通りに馬の準備を手伝い、さらには先程から門前で立ち話に付き合っている。
「可能性としては低いけど、誰か来たら何も知らない振りをしてて」
「わ、分かりました」
疑問符を浮かべたシエスタに、ロングビルは幾つかの指示を出す。
「――でも、わたし、馬丁ではないんですけど」
「ま、そこがネックだけど、あまり関わる人を増やしたくなかったのよ」
ロングビルは肩を竦めた。
「だからあの子の指示ってことにしておいて。秘密にしろって言われたってさ」
「はあ」
馬を撫でている彼女の横で、シエスタは門の外の街道を眺めた。
昨日の王女一行が残した轍の上に、微かに加わった馬の足跡。
ロングビルが馬を順番に、それも二回使って残したものだ。この先の三叉路まで続いているらしい。
「それで、どなたを待っていらっしゃるんですか?」
「いないかも知れない『誰か』さ。来ないなら来ないでいいんだけど」
第三者の介入があるなら、最初と最後だけは学院が基点となる。
出立直後、または到着寸前に現れる者は、どんな相手でもマークすべき対象だった。
無駄に終わるなら、それに越したことは無いが、
「どうせ向こうに着くまでは、わたしの知ったこっちゃないんだし」
取り合えず、最初だけは気合を入れておいても、損は無いだろう。

――と。
頭上が暗くなったかと思った瞬間、目の前に大きな影が舞い降りる。
「……!」
シエスタは息をのんだ。
見事な毛並みのグリフォンを、精悍な顔立ちの男性が操っている。
かなりの長身だ。羽帽子も服も立派で、まさに絵に描いたような貴族である。
魔法衛士隊、グリフォン隊隊長のワルド子爵。閃光のワルド。
ロングビルは、昨日、学院長と共にその顔を見た記憶がある。
二つ名の『閃光』は、王女に同行していたマザリーニ枢機卿が語ったものだ。おそらくは相当な使い手。
思わず舌打ちした彼女を、シエスタが不思議そうに眺めていた。



彼はグリフォンから降りると、軽く会釈をする。
「これは――子爵様」
目の前の女性は、戸惑った風に頭を下げた。
「ミス・ロングビル――と申されましたな」
彼は周辺を見回した。
「申し訳ありませんが、ミス・ヴァリエール一行を見かけませんでしたか?」
「彼女とその使い魔でしたら、本早朝外出したようですが……」
そこで言葉を飲み込んだロングビルは、不審といった面持ちで相手を睨み上げた。



685 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:04:52 ID:RQpLacGs
支援

686 :ゼロのgrandma 4/7:2007/10/30(火) 20:05:08 ID:7ez4OoLx
「彼女らに、どんな御用でしょうか?」
「いえ、ちょっとした用件で探していたのです。どこに向かったかご存知ありませんか?」
「残念ながら」
厳しい目付きの相手に、彼は一瞬訝しげな表情を浮かべたが、
「これは――なるほど」
ワルドは苦笑した。
「あなたは、ミス・ヴァリエールが姫殿下から内密に伺った内容を、ご存知のようですね」
「な、何の話です?」
「ご心配なく。実は姫殿下より彼女らを護衛するよう仰せつかったのですよ」
「え!?」
驚いて目を見張ったロングビルは、慌てて頭を下げた。
「子爵様が。こ、これは失礼いたしました」
「いいえ。知らなかったのでしょうから、警戒するのも無理はありませんが」
ワルドは側の馬を見やった。平民の女が身を竦ませるが――どうでも良いことだ。
「それで、ミス・ヴァリエールは?」
「実は、その」
ロングビルは困ったような顔で言う。
「既に出立した後なのです」

彼女が説明した内容によると――
夜も明けぬ早朝、ルイズは馬を二頭用意させた。その際、彼女に同行を依頼したとの事だ。
街道をしばらく進むと、平民が乗るような荷馬車が待機していた。
夜中に先行した使い魔が、どこからか確保したらしい。
そこでルイズは馬を乗り捨て、ロングビルに学院への返却を依頼したというのである。

「片方の馬を引きながら戻ってくるのは、とても大変でしたわ」
馬丁を連れて行けば良かったのですが、とロングビルは不満そうだった。
「どこで合流されたのです?」
それは――と街道が幾つか分岐する直前の、ちょっとした広場になっている場所を伝える。
「ふむ。それにしても荷馬車とは」
「平民の姿に、身をやつしたのではないでしょうか?」
「まさか」
ヴァリエール家の者が、と信じられないという顔のワルドに、ロングビルは不愉快そう顔を歪めた。
「あの使い魔が、任務の大事さをくどくどと並べ立ていましたから。随分と口が回る平民ですわ」
「それほどに?」
「ええ。それに、夜中に荷馬車を手に入れに行ったり、裏街道のことをしつこく聞いたり」
「それは困りましたな」
知恵の回ることだ、とワルドは思案げに顎を撫でる。
既に夜は明けている。朝から賑わう街道筋の荷馬車を、全て確認するわけにもいくまい。
しかもルートすら不明確だ。街道は踏み固められている。
(荷が空だとすると、轍も追えんか)



687 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:06:27 ID:RQpLacGs
支援

688 :ゼロのgrandma 5/7:2007/10/30(火) 20:07:09 ID:7ez4OoLx
思っていたより小賢しい女だ、と彼は使い魔の見方を改めた。
元々先住種族の可能性もあるのだから、見かけ通りの歳でもあるまい。
(各街道には、傭兵でも雇って伏せさせるしかないが)
派手に足止めさせれば、自然と合流出来る確率が高くなる。
万が一発見出来ない場合は、帰途を狙うしか道は無い。が、その時は目的の幾つかを捨てねばならなくなる。
(出来る限り避けたいが――どちらにせよ、港町までの数日が勝負か)
それにしても、だ。
「姫殿下が、アルビオン貴族の妨害について大げさに語ったのかも知れませんが、些か警戒の度が過ぎる」
残念そうに溜息を吐くワルドに、ロングビルが恐る恐る声をかけた。
「きっと臆病なのでしょう。ああいう風に口が回る者は、大抵そういうものですわ」
「臆病も、時と場合によっては役に立ちますが」
彼はグリフォンに再び跨ると、ロングビルに声をかける。
「とにかく、追いつけるよう努力してみます。このままでは姫殿下に顔向けできませんのでね」
「分かりました」
深々と頭を下げる彼女に目礼を返し、彼のグリフォンは大空へと舞い上がった。



「……あの、ミス・ロングビル?」
頭を下げたままの彼女に、シエスタがそろそろと近付いた。
不思議なことに、笑っているように見える。
「――いや、こりゃ参ったね!」
「わ」
いきなり頭を上げたロングビルは、笑いをこらえるように口元を抑えた。
シエスタが転びそうになるのを、あっさりと片腕で引き上げた。妙にテンションが高い。
「見たかい? あの冷たい眼。あれこそ慇懃無礼の見本だよ」
「え、え?」
「話半分だと思って待ってみりゃさ、あんなのが引っかかるなんて」
さっぱり話についていけないシエスタの前で、彼女は歪んだ笑いを浮かべている。
呆れた話だ。
最初からアレが手駒なら、他は全て足手まといだ。ルイズに頼む意味が無い。
王女が護衛を依頼したというのが嘘か、それとも王女に上手いこと言わせたのか。それは分からない。
分からないが、底意があるのは確実だ。
善意で行動する者は、あんな目の光は持たない。任務に対する厳しさとは根本的に違う。
(大体、シエスタには何の疑問を持たなかったじゃないか)
頭が回らない、というわけでもない。傲慢で、自己の能力や判断に絶対の自信を持っているということ。
おそらく彼の目には、何の力も持たない平民の女はゴミとしか映らなかったのだ。
それにしても。
「いくらなんでも大物過ぎるだろ。お姫さま! もしかすると黒幕は――」
枢機卿かい、と口走りそうになって慌てて止めた。よく考えれば、既に国政を牛耳っている彼には利が無かろう。
つい考えに沈みそうになるが、不安そうなシエスタの様子に気付いた。
「……あ、あの」
「ああ、朝早くから手伝ってもらって悪かったね。結局、頼んだお芝居は必要無かったけどさ」
さあ片付けるよ、と声をかけてから、彼女は考え直す。
背景の詮索は後回しでもいい。
目的がルイズの暗殺か、それとも手紙の横取りかは分からないが、判断するには情報が根本的に足りない。
それに――あれほどの相手に対して、直接自分が動かねばならぬほどの義理は無かった。
(まだ死にたくはないし。……足を引っ張るくらいがせいぜいだね)



689 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:07:20 ID:+WFh5XPv
支援

690 :ゼロのgrandma 6/7:2007/10/30(火) 20:09:12 ID:7ez4OoLx
頼まれた事の九割は、先ほどの小細工で終わっている。
そもそも、リンディたちが帰りも飛んで帰ってくるなら、対応策など必要無いのだ。
(なのに、あんなの見せられると色々と考えちまうじゃないか)

『帰り道はお願いね?』――そう微笑んだ顔を思い出す。

色々と経緯があったにも関わらず、あれほど信頼を込めた表情を見せるなんて、どうかしている。
その信頼に応える義理こそ無いが。
「帰りの道程に何があるか知らないけどさ。露払いでもしておくかね」
しかも、あのワルド子爵とやらに出くわしても、自然に誤魔化せる方法は無いか?
ロングビルは、ルイズの友人たちを思い浮かべていた。

   ◆  ◆  ◆

「……これは凄いわね」
リンディは素直に感嘆の声を上げていた。
「でしょう? わたしも、初めて見たときは感動したわ」
何故、とか疑問を浮かべる必要の無い、圧倒的な存在感が目の前にある。
雲間に見える、巨大な浮遊大陸。
上には地上と同様の自然が広がり、川すら流れている。
流れ落ちる先は天空だが、それは細かい霧となって大陸の下を覆っている。実に幻想的に。
なるほど、別名通り『白の国』だ。

「このまま真っ直ぐ行くと見つかりそうね」
遠目ながら、数隻の船が浮いているのが見えた。一際大きい船の舷側には、ここからでも分かるほど大砲が並んでいる。
「あれが貴族の軍?」
ルイズの呟きに、リンディも同意するように頷いた。
「船から見えない位置に下りて、そこから歩くという手もあるけど」
「時間がかかるわ」
「そうね。それに、お城の周辺は兵隊だらけだという事には変わりないし」
少々遠回りしても、あまり意味は無いだろう。
「じゃあどうすんだ?」
デルフの疑問に、リンディは真上に向かって指を向けた。
「雲の上から行くしかないわね」

「確かに、ここからなら見えるけど」
ニューカッスルの城上空で、ルイズは首を傾げた。
雲の中なので、下から見上げても見つかる可能性は低いだろう。
しかし。
「どうやって降りるの? 近付いたら発見されるって事には変わりないんだけど」
「大丈夫。この距離で、しかも目視出来る場所なら、確実に転移出来るから」
「転移?」
「瞬間移動みたいなものね。お城の死角に、直接行けばいいでしょう?」
真上から見ると、横からでは気付かない死角がいくらでも見つかるものだ。
転移後に中距離探索魔法を実行、対象を特定した後に結界を展開する。その後は、ゆっくりと対面すればいい。



691 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:11:37 ID:+WFh5XPv
支援

692 :ゼロのgrandma 7/7:2007/10/30(火) 20:12:01 ID:7ez4OoLx
「……ちょ、ちょっと。瞬間移動って本当!?」
さりげなく言われた説明をルイズが理解するには、少々どころではない時間がかかった。
「おでれーた。何でもアリなんだな、仮の相棒は」
感心するデルフ。
「そ、そーね。今更リンディに驚いても仕方ないわ。……なによ、仮の相棒って?」
「そいつ剣士じゃねえだろ。だから本当の相棒じゃなくて、仮さ」
「なるほどね」
リンディは納得したように頷いた。剣にとっては、剣士こそが相棒だろう。
「と、とにかく行きましょ。場所はリンディに任せるから!」
ルイズが開き直ったように怒鳴る。
「ええ。でも、ちょっと待って」
「なんで?」
睨み付けた彼女に、リンディはもう一度上を指差した。

「…………」
ルイズとリンディ、それにおそらくデルフも、声を立てずに見下ろしていた。
有史以来、これほどの高みからアルビオンを見た者は、いないかもしれない。
巨大な浮遊大陸が、白い軌跡を描きながらゆっくりと進んでいく。
しかし、巨大なはずのそれも、遥か彼方まで広がる大地からするとちっぽけなものだ。
(なぜ、これを見せたいって思ったんだろう)
そっとリンディの顔を覗き込んだ。
優しげな横顔が、静かに眼下の光景を見つめている。――いや、本当に見ているものは何だろう?
答えを知りたかったが、それが人に聞くべきことではないのは分かっていた。
いつか。
(自分で見つけられた時に、リンディに話してみよう)
その時には、自分がとても小さいって事を、素直に認められるようになっていたい。
ルイズは、とても穏やかな気持ちで、アルビオンを見つめ続ける。

――それが、どれほどの痛みを伴ったとしても。
この日、『三人』で見た光景を、彼女は生涯忘れなかった。

693 :ゼロのgrandma:2007/10/30(火) 20:14:08 ID:7ez4OoLx
投下完了です。
支援ありがとうございました。
次はまた週末に。

694 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:14:38 ID:c8JXBZY0
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part78
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1193742864/

695 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:18:11 ID:ANSQpp4z
>>693-694


696 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:19:22 ID:T2HS1qVE
俺、このレスが490KBだったらSS作家になるんだ・・・

697 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:20:11 ID:1hiNXLs1
やる気ねーなw

698 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:20:14 ID:QJvGPXCa
>>696
それは死亡フラグだ

699 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:26:00 ID:gTyRzkf1
>>693


>>694
新スレ乙


>>696
もうちょっと現実的な値でお願いします。
……というか、くだくだ言わずに書いてください、お願いします。

700 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:27:09 ID:UqJxXAo8
>>696
題材は何だい?
投下するときは知らせてくれよ。
支援するからさ。

701 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:29:51 ID:w+EU8TpU
500KBなら原作3巻買ってくる

702 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:31:59 ID:lrRQTHO5
「今○○でネタを考えてるんです」だ?
このスレの住人はそんな言葉を使わないね!
「投下した」なら言って良い。
そう考えた時、既に行動は終わっているのがあのゼロスレ住人ってもんだからな!

703 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:32:01 ID:mE9a1t47
ラストなら原作が手に入る
……古本も新品も俺が探しにいった店に限って売り切れってこれなんのいじめ?

704 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:34:54 ID:zCBFLvTY
レス番が706だったら……ルイズは俺の嫁

705 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:34:59 ID:UqJxXAo8
>……古本も新品も俺が探しにいった店に限って売り切れってこれなんのいじめ?
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
>>703の背後には最後の在庫を手にした>>703を見つめる新手のSS書きの姿が…、
ドドドドドドドドドド

706 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:37:58 ID:zCBFLvTY
>>703
俺も今日作品の参考と読書のために三巻を探し回って遂に駅の中にある本屋で見つけたぜ……

というか原作売ってるところ明らかに少なすぎる。
そして初めてicocAを頼もしく思った。

707 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:38:23 ID:UqJxXAo8
>最後の在庫を手にした>>703を見つめる新手のSS書きの姿が…、
やべ、ここんとこ変だw
>>703の背後には、>>703を見つめる最後の在庫を手にした新手のSS書きの姿が…、
こうか?

708 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:40:34 ID:+WFh5XPv
500KBだったら長編を書き始める。
495KBだったら小ネタを書き始める。
490KBだったら過去作を改訂する。

709 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:41:32 ID:3oAZ42Am
お前らやる気無さ過ぎだろう

710 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:44:07 ID:+74CxiaY
埋まらないんで普通の500k取りをします。

>>500kならバック・トゥ・ザ・フューチャーのドク召喚。

もちろんデロリアンとともに。コルベールが大喜びで手伝いそうだ。

711 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:44:20 ID:CkO8MX5D
711だったら今夜はSSの為に費やす

712 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:45:56 ID:DU38g/fT
500KBなら三千院ナギ召喚

して何の役に立つかは聞いてはいけないお約束だ

713 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:46:00 ID:8EmgqRpj
500kbだったらハックルボーン神父召喚。

714 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:53:38 ID:P+EUbikK
487KBなら特に何もしない。

715 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:53:57 ID:oDi2PoDE
レス700ちょいでこの容量って早すぎだろ。
雑談が減ったのか投下が増えたのか。

716 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:57:02 ID:044JU9hM
489KB〜490KBなら「俺」召喚。
異世界に呼ばれた影響で超パワーアップ。
邪気眼覚醒。
必殺魔法はエターナルフォースブリザード

717 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 20:59:06 ID:ZEi/5XEI
500KBなら無名世界系のSSに何らかのアクションが

718 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 21:01:19 ID:+wefQ7rI
500kbなら「ふっ、いくら進化したといえど至近距離からのボルテッカには……何ィ!?」の人召喚。

719 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 21:01:44 ID:/ChpjC7n
500KBならワルドが世界を手に入れる

720 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 21:02:07 ID:bjHuFJKu
500ならおいらがすばらしい次の話を書ける

721 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 21:02:41 ID:o9pwp68R
490KBなら天野河リュウセイ召喚

722 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 21:03:56 ID:+p/5OoO0
500kbなら柊蓮司を召喚。
「あそこまで飛ばされたら見つける事は不可能なのです。これは、決められた事なのです」
「ふぅん、不可能なの…。いいわ、なら向こうに見つけさせるわ」

723 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 21:03:57 ID:c8JXBZY0
>>716
真面目な話、オリジナルでもキモオタ召喚はありだと思うぞ

724 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 21:08:51 ID:7KLH1pQ5
>>723
確かエロ同人でキモヲタなサイト?が召喚されて大活躍するやつがあったな

725 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 21:10:16 ID:GLLQcFzr
500kbならコッパゲ先生が2323に

726 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 21:11:01 ID:IT8+hKXI
ゼロのgrandma、更新乙です。
ワルド、思いっきり置いてけぼり、良い面の皮だねえ。

727 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 21:12:11 ID:bjHuFJKu
ワルドも結構ひどい目に遭っているのにデルフほど同情が集まらないのはなぜだ

728 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 21:12:37 ID:za0/NXEZ
500kbなら結城凱・草加・木野さん・木場・ラディゲ・ブラックビート・クジラ怪人
のどれかを召喚

729 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 21:12:45 ID:+SNTJSie
490kbならソリダス召喚
あのスーツ付きで

730 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 21:13:48 ID:cLPAbzhp
490KBだったらEAT MANからボルト・クランクが来訪

信じる信じないはお前の自由さ

731 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 21:15:17 ID:TzglUfaX
490kbだったらプレイした事の無いゲームから脇役を召喚させる

732 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 21:16:59 ID:oTFKjkMv
            ,. -‐ ''"  ̄ ̄ ``丶、
           i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i      |
         カ ヽ:::_; ‐--、、 、---、 ;;_:|      |
         チ   `!;{   |トNヽ  }.:.:.:|    |ヽ'  要
        カ     lf へ、| 、,. へ、ヽ;|      |    チ
        チ    ,.-!. <(')'   '(')>  '=、    |    ェ
       カ    .{{〉,|  '" , , `   ム }〉 、   |     ッ
       チ    /ヾ‐l   ,.---、 u i、..イ  ``'|   ク
      カ ,.ィ_"   |`''i、 〈ヨ ̄´,〉 / /     |   や
      チ/,ノr:}   ヽ ヽ `'三'"/  /    ム    !!
      / /,.⊥L_   \l! ` -‐' / /     /|
    / /  ─‐〈    `ヽ、一r''"         ! |/ ̄ !ヽ
  r''" .ノ 'ー─〈 __ -─‐=ニ二二)    l /   |
  /  (  、 二.フ |-ニ ̄ -──-   |    |     i


733 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 21:18:30 ID:LfxDopq2
>>715
SS投稿をメインとしたスレならむしろ遅いくらい。

734 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 21:19:23 ID:WwSMEYPW
>>731
期待しているぞ?

あと草加、木野さん、ブラックビート、クジラ怪人は見たい。
結城凱はさらに不幸を呼びこみそうだからそっとしておいてやってください。

735 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 21:29:54 ID:c8JXBZY0
>>724
そりゃ是非とも読んでみたい一品だ。

736 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 21:30:46 ID:za0/NXEZ
>>734
ラディゲが一番面白そうなのに。反逆的な意味で
あと凱は子供は射程外だったんでフーケとのラブロマンスが展開される

737 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 21:37:21 ID:imXK6sH2
>>710
半月くらい前にネタでデロリアン召喚を書いた気がする
無題ゆえ未収録

738 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 21:51:10 ID:Zi1oxQ4a
500kbだったら誰かがいってた鋼レンのエルリック兄弟召還。

739 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 21:53:02 ID:pCM7PcCm
500KBだったらカブトの天道召喚。
すげえ偉そうな使い魔w

740 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 21:56:22 ID:K93Pj+l4
500kbならドラえもんのポケット召喚

741 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 21:59:20 ID:v3i0IWDY
500KBだったら惑星のさみだれから雨宮夕日召喚
・・・マイナーか?

742 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:06:06 ID:k6C5uiNR
500Kだったらネイキッド・スネーク召喚

743 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:09:30 ID:0iwIUjzo
500kbなら夜明けの使い魔の投下を明日にまわす

744 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:10:50 ID:+wefQ7rI
>>743
じゃあ回さないように応援してみよう。

745 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:13:57 ID:bjHuFJKu
代わりに俺がバク転しておく

746 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:14:34 ID:0SaUeI6S
埋めついでに嘘予告

トリステイン魔法学院へと向かう一台の馬車に乗る一人の老人と、一人の男。
「30年ぶりの再会じゃというのに、お主はまったく変わっておらんのぉ。ボルト・クランク」
「他人とは食生活が違うんでな」
そう言いつつ男は新しく取り出したネジをかじった

学院を襲う土くれのフーケ。そして盗み出される『破壊の杖』。破壊の杖奪回に志願するルイズたち
「世界一の冒険屋のお主に依頼を頼みたい。依頼の内容は『破壊の杖』奪回任務への参加じゃ」

フーケの潜伏地へと向かう馬車。
「あなたも大変ね。傭兵さん」
「俺は傭兵じゃない。冒険屋だ 」

蘇るデルフリンガーの記憶。
「なんで、なんでお前が生きてるんだ・・・・『四人目』!!」

ルイズたちを襲う巨大ゴーレム
「敵に背を見せない人間を、貴族と言うのよ!!」そう高らかに宣言する少女
そして一瞬だけ生まれた沈黙の時に響くネジをかじる音。

「カリッ・・・・・完成だ」

ACT-XX EAT-MAN:魔法の国  近日公開(できたらいいなぁ)

747 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:15:14 ID:TzglUfaX
>>734
ブラウザの違いによる表示の誤差が起こった様だ。
が、言ったからには守ろう。

何から喚べばいい?

748 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:16:44 ID:+wefQ7rI
>>746
がんがれ。

>>747
……>>734じゃないがブラックビート希望しておく。

749 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:17:04 ID:WYCxPY0x
500KBなら幽遊白書から桑原静流かカルトの三人を召喚

750 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:20:38 ID:ssUFA/2u
500KBならロードス島伝説からナシェル召喚

751 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:21:31 ID:2Hx3MkAX
>>749 カルトはハンタのキャラで、ゾルディック五兄妹の末妹じゃなかった?

752 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:21:43 ID:7S2LTY5M
500kbまであと6kbだぞ

753 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:23:33 ID:+adhWb+U
500KBなら八神和麻か神凪綾乃を召喚

754 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:23:38 ID:kW9hbzZ0
500KBなら天地無用の魎呼が干物状態で召喚

755 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:24:43 ID:+adhWb+U
500KBならドリトル先生を召喚

756 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:25:02 ID:zCBFLvTY
500KBならルイズ無重力巫女さんの作成を頑張る

757 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:25:46 ID:3oAZ42Am
次スレのURLを張る作業に戻るんだ

758 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:28:16 ID:egJrCaQP
>>753
むしろ500kbなら煉を召喚

ショタに目覚めるキュルケしか浮かばない…

759 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:28:49 ID:TzglUfaX
>>748
ビーファイター?
ゲームにしてくれ、ゲームに。
……それとも俺が知らないだけか?

>>751
末弟じゃなかったか?

760 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:29:59 ID:L1K5h0FO
>>759
本気で言ってるなら氏ね。

761 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:30:11 ID:+wefQ7rI
>>759
うぉぁ、物凄く間違った。すまん超すまん。


762 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:31:49 ID:2Hx3MkAX
>>759
え?あれおにゃのこじゃないの!?
小説にはおもいっきり娘とか妹って書かれてたし、
舞台でも中の人が演じてるメインキャラは例外とすればちゃんと女の子が演じてたし……

763 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:32:05 ID:RmTIyNTM
一つ質問なんだが、原作はおろかアニメ版ですら
まともに見たことも無い俺みたいなのでも書いてもおk?

764 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:33:21 ID:2Hx3MkAX
びーふぁーいたー びーふぁいたーかぶとー

765 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:33:26 ID:KuOdYXQm
めい☆おー

766 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:33:26 ID:k6C5uiNR
>>763
とりあえずせめて原作読もう。話はそれからだ。
俺は原作を探してるのに見つからないがゆえにロム専だしw

767 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:33:32 ID:+wefQ7rI
>>763
これから原作全部読むなり、アニメ版見るなりすれば良いだろう。

768 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:33:38 ID:0SaUeI6S
>>763
やめろと一言だけ言っておく

769 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:33:55 ID:+adhWb+U
500KBなら創竜伝の四兄弟を・・・・

770 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:34:00 ID:L1K5h0FO
>>763
良い訳ないだろう・・・常考・・・

771 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:34:36 ID:3oAZ42Am
   ■ ■ ■                   ■
  ■    ■                ■  ■  ■■ ■
 ■        ■■   ■■  ■■■   ■ ■    ■
 ■ ■■■ ■  ■ ■  ■ ■  ■  ■ ■ ■ ■
  ■  ■ ■ ■  ■ ■  ■ ■   ■  ■  ■
   ■■ ■  ■■   ■■  ■■■   ■   ■■■
                      ■
                    ■■

772 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:34:36 ID:k6C5uiNR
500KBならポケスペのレッドを……

773 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:34:43 ID:+wefQ7rI
次スレ誘導
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1193742864/


そして500kbなら絶対無敵可憐な声のノエルをエンディングから召喚。
……やるとあのエンディングが大惨事だけどな。

774 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:34:46 ID:c26bQAu4
500kbなら俺終了

775 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/10/30(火) 22:34:50 ID:g7uPMrJj
>>763
     /  /   l /    ハ      \  、   ヽ  ヽ
    i  /l   l /l   / /  \ ヽ   、 ヽ  i   i i ヽ l
    l  i l  __l_l_l_|i___| ll.    リ i   li__A-ナ、  l l lリ
    l  l  i   l l ヽ\ ¨ヾー-- レl  ナレ l /l / /l/ /
     l ハ  ヽ  ヽ,ヽ- ,==-_   ノ /_,∠、l/ //ノ
     l l ヘ  ヽ  iヾ`(::ヽ-ー)`   ̄ '7ヽつ,ヾィ' '/イ
     リ ヘ  \ ヽ  ̄ ̄ ̄      `ー-'  / / l       
     /  ∧ ヘ  \ヽυ       丶     .i / lヘ
   / / ヘ i  ヽヽ   __         / / il \
  / ´    〉 l   ヽヽ  '、二二ン     / /   l   \
./      / ヘl    ヽヽ 、 _ ¨¨  , ・ '/   /   ヘ   \
    , - 、/  l    ヽヽニ―=、' l¨¨, `l  /    ヘ    \
   /      l     i i\ /ヘ l / l i      ヘ、_    ヽ
  /       l      l l  \ゝ'-'-- 、l l      \ヽ  l l


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