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あの作品のキャラがルイズに召喚されました part81

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 11:35:18 ID:bKj1OLk8
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。

(前スレ)
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part80
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1194312254/

まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/

--------------------------------------------------------------------------------

    _              ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃 ` ヽ  .   ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
    l lf小从} l /   ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.   ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
   ヽ_/ィヘ_)〜′   ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!
              ・議論や荒らしへの反応は、避難所でやりなさい!

--------------------------------------------------------------------------------
    _
     〃  ^ヽ      ・クロス元が18禁作品であっても、SSの内容が非18禁である場合は
    J{  ハ从{_,      本スレへの投下で問題ないわ。
    ノルノー゚ノjし      ・SSの内容が18禁な展開をする場合はクロス元に関わらず、
   /く{ {丈} }つ      本スレではなく避難所への投下をお願いね?
   l く/_jlム! |      ・クロス元が型月作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
   レ-ヘじフ〜l        ・スレタイと違う内容になったり、痛い展開になったりする場合も、避難所に投下した方が無難ね。
              ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。

--------------------------------------------------------------------------------

   ,ィ =个=、       ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
   〈_/´ ̄ `ヽ      ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。
    { {_jイ」/j」j〉      これ以上だと投下できないそうです。
    ヽl| ゚ヮ゚ノj|      ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
   ⊂j{不}lつ      ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
   く7 {_}ハ>      ・次スレは>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
    ‘ーrtァー’       ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。

2 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 11:39:15 ID:2Sbz/Gg7
>>1

3 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 12:10:16 ID:8B3HvGWh
いちもつ

4 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 12:28:43 ID:CBcqhGso
>>1
乙か霊夢

5 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 13:49:26 ID:ScAwY1wN
乙!

6 :使い魔初心者:2007/11/10(土) 17:16:00 ID:1T5hhwZu
前スレより来ました。
では投稿します〜。

7 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 17:18:54 ID:WEy5vFpe
どうぞどうぞ

8 :使い魔初心者:2007/11/10(土) 17:18:56 ID:1T5hhwZu
ACECOMBAT ZEROの使い魔

「撃て!」
叫び、正面から猛スピードで接近してきた両主翼を青に染めたF-15Cイーグルとすれ違う。
その瞬間、機体に衝撃が走り、コクピットのラリー・フォルクは舌打ちした。
―これまで、だな。
唯一、ECM防御システムが及んでいないエアインテークを撃ち抜かれた愛機ADFX-01"モルガン"は
あっという間に速度が低下、右エンジンの内部温度が異常値に達しており、どす黒い煙を吐いていた。
これでよかったのかもな―。
電気配線が焦げだしたのか、異様な匂いのするコクピットでラリーは深くため息をついた。
思えば核で世界を恐怖で支配したところで、結局争いは無くならないだろう。国境の有無に関わらず。
アヴァロンダムから発射された核弾頭―V2はこの機体から発信されている信号が消滅すると自爆するよう
セットしてある。ちょうど高度1万kmに達した頃だろうから、今自爆すれば地上に被害はない。
「じゃあな、相棒」
自身を撃墜したF-15Cのパイロットに向けてそっと呟き、ラリーは目を閉じた。

次の瞬間、モルガンは四散。はるか高度1万kmにてV2は自爆した。

―俺は死ぬはずだった。けど死ねなかった。
―目が覚めたらそこは・・・。



9 :使い魔初心者:2007/11/10(土) 17:22:23 ID:1T5hhwZu
「あんた誰」
目が覚めるとそこは、見知らぬ大地。まだ外の世界も知らないガキだった頃に習った歴史の授業で中世
と言う時代があったが、なんとなくそんな雰囲気があるような気がした。仮にここが死後の世界だとしたら
えらく穏やかである。
「・・・聞いてるの?あんた誰?」
はっとラリーは問いかけてきた目の前の少女を見上げる。
桃色かかったブロンドの髪の毛に鳶色の目をしていた。
「・・・俺は、死んだんじゃないのか?」
「はぁ?何言ってるの?」
どうやら死んではいないらしい。怪訝な表情でこちらを見下ろす少女が何よりの証拠だ。
立ち上がろうとして、ラリーは痺れて上手く身体に力が入らないことに気づいた。
「無駄よ、サモン・サーヴァントで召喚された者はみんな一時的に動けないわ・・・で、あんた誰」
ご丁寧に力が入らない訳を説明してくれて、しかし少女はしつこく名を聞いてきた。
「・・・ラリー・フォルク」
渋々、ラリーは名乗った―途端、我慢できなくなったのか少女の周りにいた少年少女たちが笑い出した。
「ルイズ、サモン・サーヴァントで平民を呼んでどうするの?」
「ちょ、ちょっと間違えただけよ!」
「間違いって、ルイズはいつもそうじゃないか」
「さすがゼロのルイズだ、俺たちには出来ないことを平然とやってのける、そこに痺れる、憧れるぅ!」
笑い声はさらに大きくなった。ルイズ、と呼ばれた少女は何かと言い返しているが、よく見ると涙目だった。
―状況はよく分からんが。
ラリーは苦戦しつつもどうにか立ち上がって、彼女をかばうように最初に笑い出した小太りな少年に言った。
「おい小僧、なにがなんだか知らんが、よってたかって言いたい放題は感心しないな」
「いいだろう、ルイズは魔法成功率ゼロなんだ。だからゼロのルイズなのさ」
そういった少年を中心にまた笑い声が上がる。ルイズは唇をかんでじっと黙っていた。
「・・・気にくわんな」
「・・・なんだと?言葉に気をつけたまえ平民」
ぼそっと呟いてみたが、少年には聞こえたらしい。
はっきり言って胸糞悪い―ラリーは彼らの中に覚えのある怒りを感じた。
言うことを聞こうとしない足を無理やり引っ張り、ラリーは少年の下に歩み寄る。
「ちょ、ちょっと・・・」
ルイズは呼び止めてみたがラリーが聞く訳がなかった。
気づいた時にはラリーの平手打ちが炸裂し、少年は受け身も取らず地面にひっくり返った。
「ぐ、が、き、貴様・・・!」
地面に叩きつけられて、顔を汚された少年はもちろん怒っていた。だが―。
「さっきの発言を取り消せ、貴様みたいなのを見ていると腹が立ってしょうがない」
傭兵として幾多もの修羅場を潜り抜けてきたラリーに睨み付けられた少年は一瞬びくりと震えて立ち上がり後ずさった。
「いったい何事かね?」
その時、騒ぎを聞きつけたのかいきなり年配の男性が現れた。静まる一同。少年もしぶしぶながら引っ込んだ。
「いえ、何でもありません・・・」
そういったのはルイズ。彼女もあまり騒ぎは大きくしたくないようだった。
年配の男性―おそらくは教師―はふむ、と頷いて
「ではミス・ヴァリエール、彼と契約の儀式を」
と言った。
ところがルイズは困った表情を浮かべた。何故かはラリーには分からない。
「いや・・・でも・・・彼は・・・」
「ミス・ヴァリエール、気持ちは分かる。しかし、どうするにしても彼と契約をしてもらわなければならない・・・・規則なのだよ」
「・・・・分かりました」
ようやくルイズは意を決したようで、ラリーの元に歩み寄った。
「はぁ・・・まったく、なんでこんな目に」
ため息交じりでつぶやくルイズに、ラリーは怪訝な表情を浮かべた。
「・・・なんだ?」
「いいから、ちょっとじっとしてて・・・我が名はルイズフランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、5つの力を司る
ペンタゴン。この者に祝福を与え、我が使い魔と成せ」
「・・・・・・!?」
突然の口付け。いい年した大人であるラリーもさすがに驚いた。
「・・・いったい、どういうことなんだ?」
「使い魔との契約の儀式よ」
それだけ答えて、頬を赤く染めていたルイズはぷいっとそっぽを向いてしまう。
いったい何が何なのか―ラリーは怪訝な表情を浮かべる以外なかった。

10 :使い魔初心者:2007/11/10(土) 17:24:57 ID:1T5hhwZu
以上で今回は終了です。
エースコンバットを知ってる方が居られればいいんですが・・・。

11 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 17:26:14 ID:8B3HvGWh
知らないわきゃねえだろおおおおおお!!
乙!題名まんまで吹いたw

12 :使い魔初心者:2007/11/10(土) 17:31:58 ID:1T5hhwZu
知ってる方がいてよかったw
題名はまぁ、「ゼロ」繋がりってことで。
次に投稿できるのは明日か来週か・・・。

13 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 17:35:01 ID:CBcqhGso
>>12
初めての上にはなかなか出来てるぞ。GJ!

作品の品質を良くしたいのなら来週くらいがおすすめなんだぜ?

14 :使い魔初心者:2007/11/10(土) 17:37:58 ID:1T5hhwZu
>>12
ありがとうございます。
ネタを暖めて来週・・・この方がよさそうですね、やっぱり。

15 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 17:39:46 ID:aTtY3BRn
作家のチャット行為は嫌われるぜ

16 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 17:40:37 ID:+KWOMYGS
まず前スレ埋めようぜ

17 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 17:57:33 ID:8B3HvGWh
前スレ>>960

なぜか避難所向けのSSが浮かんだ。 ふぅん

18 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 17:59:22 ID:UgBOTmi6
イーグルアイ《ZEROの使い魔の作者投下終了。GJと言う他ないな》

イーグルアイ《次の投下までゆっくり休んでほしい》


19 :前スレ958:2007/11/10(土) 18:02:24 ID:m16Fajug
乙です。

>>20なら前スレ958を第一章から地道にやる。
じゃなかったらギーシュとモンモンとジュリオ達のルビサファエメ編からやる

20 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 18:18:01 ID:u6c+jLWz
>>14
ゼロ戦ゲットまでがんばってくれ!

21 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 18:23:05 ID:Id0NB/lM
乙です。

22 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 18:40:08 ID:TkXM4IWv
>>14
いま丁度ピクシー戦の俺が通りますよ

23 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 18:50:03 ID:FO8upqzK
>>20
むしろA−10で。竜騎兵相手にマゾプレイ開始。
燃料気化爆弾でタルブ炎上。

24 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 19:01:37 ID:K6ayMChE
たしかA-10は撃墜記録あるぜ

そして投下乙。エスコンで書くのは難しいぜ?
ラリーさんは思想が打ち破られたテロリスト的な状態だから、
そういう思考展開で頑張ってくださいな

25 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 19:05:31 ID:F9Hg7Gug
オーカニェーバ《ラララ〜初陣にしては良い腕だ》

オーカニェーバ《しかし、召喚だけなのは少々危険だ、次回はもう少し先までお願いする》

26 :魔法少女リリカルルイズ:2007/11/10(土) 19:10:08 ID:WEy5vFpe
投下してよろしいでしょうか
何もなければと受かってことで

27 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 19:12:44 ID:F9Hg7Gug
オーカニェーバ《全機、支援開始》


28 :魔法少女リリカルルイズ:2007/11/10(土) 19:14:24 ID:WEy5vFpe
ゴーレムの肩に乗るフーケはいつになく高揚していた。
ロングビルと名乗り、秘書を続けて、おまけにオスマンのあの行為に我慢してまで調査を続けた成果がこれから出るのだ。
それに今日はいつになく魔力が充実しているような気がする。
それは気のせいかもしれないが心躍らずにはいられない。

ジュエルシードは脈動するように明滅を始める。
明滅とともに魔力が少しずつ湧き出していく。
魔力は、宝を願う者のためにゴーレムの中に広がっていく。
それはジュエルシードの力の正しい現れ方でもあった。

巨大なゴーレムの腕が、宝物庫の壁にめがけて振り下ろされた。
その壁は強固なはずであった。
建築に使われた材料、技術、そして固定化の魔法。
いずれをとってもこれ以上の物はハルケギニア中を探してもそうはない。
その壁がいともたやすく砕け散り、大穴を開けた。
「なんだい。見かけの倒しの噂だけかい。これならとっととやるんだったね」
そうは言いながらも、フーケは自らの魔法の威力に満足する。
もっとも、その原因はゴーレムの中にあるジュエルシードが原因なのだが、彼女にはそれに気づく術はない。
周りには予想通り、衛士はもちろん人影すらない。
とはいえ、ここでぐずぐずしているとすぐに見つかるのは目に見えている。
フーケは慣れた様子で円柱状のゴーレムの腕の上を走り、壁に開いた穴から宝物庫の中に走り込んだ。
中には様々な宝があるが、フーケのねらいはただ一つ。破壊の杖だ。
ロングビルとして目を通した資料の中には、宝物庫の図面もあった。
その図面を思い出しながら、壁を順番に見回したフーケは目当ての物を見つけた。
青い紋章入りの長方形の箱。それには『破壊の杖。持ち出し不可』と書かれたプレートが下がっている。
間違いない。この中に破壊の杖があるはずだ。
フーケはそれを抱え上げ、急いでゴーレムの元に走る。
穴から外に出る前に一度振り返り、杖と降った。
『破壊の杖、確かに領収いたしました。土くれのフーケ』
魔法が壁にそう刻んだ。


29 :魔法少女リリカルルイズ:2007/11/10(土) 19:15:27 ID:WEy5vFpe
ルイズは走りながらゴーレムが壁から腕を引き出す様子を見ていた。
素早く首を見回し、周囲を確認する。あたりには誰もいない。
ルイズはレイジングハートを手にし、小さくつぶやいた。
「レイジングハート、セット・アップ」
「stand by ready.set up.」
瞬きする時間もかけずにルイズはバリアジャケットで身を包む。
その横では人間の姿に変身したユーノがルイズと歩調を合わせている。
ルイズは足下にフライアー・フィンをつくり、ユーノとともに空に飛んだ。
空を飛べばゴーレムにはすぐに追いついた。
「ジュエルシードは、まだ暴走していないみたいだ。今なら被害も少ないはずだよ」
「そうね。早く回収しましょう」
レイジングハートと視線を塔から離れていくゴーレムに向けた。
「大きい……」
上空から見下ろした方がゴーレムの巨大さがよくわかった。
身長はおよそ30メイル。
以前、ギーシュが暴走させたゴーレムよりずっと大きい。
暴走させずにあれを作り上げているのだとしたら、そのメイジはギーシュとは比べものにならない腕の持ち主なのだろう。
その巨体の中にジュエルシードがあるのは、広域サーチを使うまでもなくわかる。
あとは、ゴーレムの中からジュエルシードを取り出すだけだ。
「ディバインバスターを使えばいいんだけど……どうしよう」
ゴーレムを砲撃魔法で粉砕すればジュエルシードは見つかるだろう。
問題はゴーレムの肩に乗っている深くローブをかぶった人だ。
おそらくゴーレムを使い、宝物庫から何か盗み出した盗賊なのだろう。
──いいのかな
人間をミッドチルダ式の魔法でジュエルシードの怪物同様に砲撃していいかどうか逡巡がある。
ユーノの顔をちらっと見る。使っていいかどうか聞きたいが、うまく切り出せない。
そんなルイズにレイジングハートがアドバイスを送った。
「No problem.Shoot Buster.Master.」
「それなら、そうしましょう」
問題がないのなら、それでいい。
「ルイズ、慎重にね」
ユーノはそう言うが撃っていいのなら盗賊だし、ゴーレムごと撃ち抜いてもかまわないだろう。
方針の決まったルイズは、ためらうことなく呪文を唱える。
「リリカル・マジカル」
ゴーレムもそれに乗った盗賊もルイズを気にすることなく、壁に向かって歩いていく。
その間にもルイズは魔力を溜めていく。
レイジングハートに魔力が満ち、その先に作られた魔力球がまぶしいほどに輝く。
「ディバイン・バスターーーー、シューーーーートっ」
光となった魔力が一直線に飛び、ゴーレムの頭部に直撃する。
爆発を起こしたゴーレムは少したたらを踏んで、その場に止まった。
吹き飛んだ頭部の跡には、青いジュエルシードが光っていた。

30 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 19:16:04 ID:F9Hg7Gug
航空支援

31 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 19:16:17 ID:5ctx0bZz
 

32 :魔法少女リリカルルイズ:2007/11/10(土) 19:16:44 ID:WEy5vFpe
フーケに残された仕事は学院から逃げることだけだった。
塀を乗り越えて、少し行ったところでゴーレムをおとりにすれば誰にも見つかることはない。
上空に白い服を着たメイジがいるが、手をこまねいているだけだ。
あの距離で、しかもフライを使っているのなら攻撃魔法を使えるはずもないし、森の中に入ってしまえば簡単に隠れることもできる。
「さて、と」
独りごちるフーケは突如、いやな予感を感じた。
根拠はない。だが、今まで盗賊を続けてこられたのは、この予感というやつを軽視しなかったためでもある。
フーケは空に顔を起こし、目をむいた。
そこにはピンクの、明らかに魔法で作られた球体が輝度を増しつつあるのだ。
「なんだいあれは」
フライを使いながらの魔法、しかも輝きからわかるようにただごとでなく強力な魔法を使おうとしている。
見ているうちに球体はさらに輝きを増し、ついにはゴーレムに向かって降ってきたのだ。
光はゴーレムの頭部を押しつぶし、粉砕し、そして爆発を起こした。
巨大なゴーレムが頭部だけとはいえ、たった一撃で粉砕されたのだ。
「どんな魔法よ」
見たこともない魔法だ。
トリステインにあるアカデミーが開発した新式の魔法かもしれない。
いずれにせよ、上空にいるメイジが油断できない相手であることは間違いない。
「どうすりゃいいんだよ。いったい」
ゴーレムの一番大きな破損は頭部だけだが、動けるように修復するには少し時間がかかる。
その間に学院の衛士や王女の護衛が駆けつけるはずだ。
そっちは何とかなっても、空のメイジがいる。あのメイジがまたさっきの魔法を使ったらどうしようもない。
「あいつから何とかしないとね」
だが、フーケにはその手段がない。
フーケにはあの高さまで届く魔法はないのだ。


新たな願いを受けたジュエルシードは強く脈動を始める。
願いを叶えるには、このゴーレムだけでは難しかったが、ジュエルシードはその手段をすぐに見つける。
だが、それを使うにはさらに魔力が必要なはずだ。
そのためにより強く、より多くの魔力を作り出していく。
そしてジュエルシードは暴走した。


33 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 19:16:52 ID:yk9tWuG4
超ゴーレム支援

34 :魔法少女リリカルルイズ:2007/11/10(土) 19:17:50 ID:WEy5vFpe
ゴーレムの頭部があった場所でジュエルシードの輝きが増す。
「これは?」
それに気づいたフーケはジュエルシードに近寄り、それをとろうと手を伸ばした。
泥が動く音がした。
フーケの周りで泥が波を打ち、盛り上がっていく。
ゴーレムの頭部が急速に修復していっているのだ。フーケを巻き込んで。
フーケは泥の波から逃れるために走ろうとしたが、泥を強く踏んだとたんに膝まで沈んでしまう。
「こ、この、何が起こってるんだい!」
フーケは、徐々に泥の中に埋まっていく。
膝から、腰へ、腰から胸へ、胸から首へ。
「この、この」
もがくたびに、沈んでいく。
沈むたびにジュエルシードの輝きが増していく。
「こいつが……まさか」
フーケにはジュエルシードが何かはわからないし、何をしているのかもわからない。
それでも、青い光を放つ宝石がこの異変の元凶だということは疑いようもなかった。
これをどうするのか、どうやればいいのか。そんなことはわからない。
わからないが、フーケはジュエルシードに手を伸ばした。
それをつかめばどうにかできると信じて。
その動きがさらにフーケを泥の中に埋めていく。
──もう少し。
指先がジュエルシードにかかった。
フーケは目まで泥に埋まる。
──もう少し。
フーケの頭が泥に埋まる。
そして、フーケの全ては泥の中に沈んでいった。
最後までもがき続けた腕も、ジュエルシードをつかむことなく泥の中に消えた。

****************************************
ここまでです。
きりのいいところで切ろうとしたら、やたらとレス数がかかってしまいました。

彼女のことはもう故郷には伝わらないかもしれない。


35 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 19:19:40 ID:F9Hg7Gug
サンダーヘッド《グッドジョブ、リリカルルイズ》


36 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 19:20:35 ID:Dql+jmEK
34 :コテつけ忘れてたwikiの人 ◆pLTNYd6DxQ:2007/11/10(土) 12:44:50 ID:TcSaAEHE
>>621>>622
御免、いつもの癖で忘れてた・・・
なんであんな言い方したかって、あれだ。

改竄者=今回の削除依頼者(更新スレ800)ってのは間違いなさそうなんだが
どうやら更新スレ770で召喚されたキャラを指摘したのも同じ人っぽいのね?

つまり「本当に騙りなのか?」って疑問が湧いてきたわけだ。


だが一晩ぐっすり寝て頭を冷やしてみれば
独断専行な荒らし的行為をした事実に変わりはないという事に気付き
そんな子にはお仕置きだぁ〜!って千葉トロンの声で言いつつ

規 制 執 行

37 :薔薇乙女も使い魔三−3:2007/11/10(土) 19:41:17 ID:G481cldf
えー、誰もいないのであれば、投下したいのですが

道は空いてますか?

38 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/10(土) 19:43:15 ID:g8I0Vm6Q
支援を開始

39 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 19:44:41 ID:NDRARdsJ
支援する

40 :薔薇乙女も使い魔三−3:2007/11/10(土) 19:46:43 ID:G481cldf
 第三部
       第三話      アルビオンへ

 街道を、金の冠を御者台の隣につけた四頭のユニコーンに引かれた馬車が、静々と歩ん
でいた。
 馬車の所々には金と銀とプラチナでできたレリーフ。そのうちの一つ、聖獣ユニコーン
と水晶の杖が組み合わさった紋章は、この馬車が王女の馬車である事を示していた。
 王女の馬車の後ろには、さらに立派で風格のある馬車が続いていた。先帝無き今、トリ
ステインの政治を一手に握る、マザリーニ枢機卿の馬車だ。
 二台の馬車の四方を、三つある王室直属の近衛隊が固めている。魔法騎士隊の一つたる
グリフォン隊もいた。

 街道に並んだ平民達が、口々に歓呼の声を投げかける。
「トリステイン万歳!アンリエッタ姫殿下万歳!」
 そしてたまに「マザリーニ枢機卿万歳」という歓声も。
 馬車のカーテンがそっと開き、うら若くて美しい王女が顔を見せると、街道の観衆達の
歓声が一段と高くなる。王女は優雅に微笑みを観衆に投げかけた。だが、その微笑みは、
どこか憂鬱な影を含んでいた。


 しばらくして窓から、丸い帽子を被った痩せぎすの40男、マザリーニが顔を出した。
骨張った指で、警護する騎士隊の中から腹心たる貴族を呼ぶ。
 呼ばれたのは、羽帽子に長い口ひげが凛々しい、精悍な顔立ちの若い貴族。グリフォン
をかたどった刺繍が施された黒マントを身につけるグリフォン隊隊長、ワルド子爵だ。

「お呼びでございますか?猊下」
「ワルド君、殿下のご機嫌がうるわしゅうない。何か気晴らしになる物を見つけてきてく
れないかね?」
「かしこまりました。もしお許し頂けるのであれば…」
 ワルドは、枢機卿と王女に何事かをささやく。
 枢機卿は真っ白な口ひげを捻りながら頷いた。王女アンリエッタも、頬を緩ませ瞳を輝
かせた。
 ワルドは副隊長に護衛任務の引き継ぎを命じ、自らはグリフォン隊から3騎を率いて、
王女一行の行き先へ飛び去っていった。




 ところ変わって魔法学院、ミスタ・ギトーの風系統の授業中。
 漆黒のマントをまとった『疾風』の二つ名を持つ教師ギトーから、『風が最強なのを証
明しよう』と挑発されたキュルケが炎の玉を教師に放ち、それを烈風でかき消されたつい
でに風でキュルケが吹っ飛ばされていた。
 そんな中、今日もルイズとジュンは並んで座って授業を受けていた。真紅と翠星石も二
人を挟んで、机の上に腰掛けている。さすがに授業中は、ジュンの傍らのデルフリンガー
も黙っていた。
 ギトーが更になにか呪文を唱えようとした時、教室の扉がガラッと開き、緊張した顔の
ミスタ・コルベールが現れた。金髪のカツラを被り、レースや刺繍が踊るローブを纏って
いるなど、妙にめかし込んでいた。
 授業の中止を告げた拍子にカツラが落ちて笑われたり、タバサに「滑りやすい」とから
かわれて怒ったりしつつも、コルベールは授業中止の理由を告げた。

「えーおほん。皆さん、本日はトリステイン魔法学院にとって、良き日であります。恐れ
多くも、先の陛下の忘れ形見、アンリエッタ姫殿下が、本日ゲルマニアご訪問からのお帰
りに、この魔法学院にご行幸なされます」
 教室がざわめきに包まれる。
「そのために本日の授業は中止。生徒諸君は正装し、門に整列する事。それと…」
 コルベールは教室の外にいる人物に声をかけた。
「これに先立ち、グリフォン隊からこちらのワルド子爵が…」
 と言ったところで、コルベールが教室の中を見渡した。

41 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 19:47:10 ID:5GIIO8TD
支援

42 :薔薇乙女も使い魔三−3:2007/11/10(土) 19:48:03 ID:G481cldf

 ルイズの横には、不自然に開いた空席がある。
 教室の後ろの扉は、いつのまにやら開け放たれていた。



 慌てて教室を飛び出して、階段を駆け下りるジュン。両手に真紅と翠星石、背中にデル
フリンガーを背負っていた。
「うひゃー、まさか王女様が直接くるなんてなー!」
「まったく予想外だわ」
「面倒な事になる前に、さっさと逃げるですー!」
「まぁ後の事は嬢ちゃんに任せて、ほとぼり覚めるまでトンズラだな」
 ジュンは彼等を抱えたまま、塔から飛び出した。

 急いで広場に出て寮塔に向かう足が、急に地面から離れた。真紅も翠星石も一緒に、宙
にふわふわ浮いてしまっていた。
「えっ!?うわ、な!なんだぁ!??」
「これは、『レビテーション』だな。捕まっちまったか」
 冷静かつのんきに解説するデルフリンガー。
「ジュン!あっちですぅ!あれですよ!!」
 翠星石が広場を指さす先には、三人の騎士がジュン達に向けてレイピア風の杖を構えな
がら駆けてくる姿があった。

「真紅!翠星石!」
「分かったわ!」
「騎士さん達、ちょっとゴメンですー!」
 真紅はステッキを、翠星石は如雨露を構える。同時に真紅の掌から薔薇がわき出した。
薔薇の帯が疾風のごとく騎士達へ向かっていく。
 だが、騎士の一人が杖を薔薇の帯に向けて振り、火炎を投げつけた。襲いかかろうとす
る薔薇の花びらは、ほとんど焼かれていく。
「こっちはどうですかー!?」
 翠星石が思いっきり如雨露から騎士達の周囲に水をまいた。とたんに、わさわさと草や
ら雑草やらが一面生い茂り、騎士達の体すら覆ってしまう。騎士達は視界を塞がれ足を取
られてしまう。
 しかし、もう一人の騎士が杖から『エア・カッター』を放った。周囲の草を一気になぎ
払い、視界と足場を確保する。
 『レビテーション』を、残る一人が保ち続け、ジュン達の動きを封じ続けている。

「魔力が弱まったわ、飛ぶわよ!」
「オッケーでぇす!」
 真紅と翠星石が、『レビテーション』から一気に抜けだし、左右へ飛翔した。気付いた
騎士達も、急いで次のルーンを唱える。
  『ウィンド・ブレイク!』
 二人の騎士は突風を、飛来する人形達に打ち出した!
「遅いわ!」「残念ですねー♪」
 真紅と翠星石は軽々と突風をかわし、火と風を放った騎士達へ突っ込んでいく。騎士達
は人形を迎撃しようと杖をフェンシングのごとく構えた。
 だが、人形達は騎士達の間合いに入る直前で、いきなり方向を変えた。

 カンッ!
 『レビテーション』をかけ続けていた騎士の杖が、真紅と翠星石に叩き落とされた。
 どさっと地面に落ちたジュンは、慌てて腰のナイフに手をかけた。同時に左手の包帯か
ら光が淡く漏れ出す。

43 :薔薇乙女も使い魔三−3:2007/11/10(土) 19:49:26 ID:G481cldf
「よし!」
「分かってるわ!」
「行くですよ!」
 ナイフを構えるジュンのかけ声に、真紅と翠星石もステッキと如雨露を構え直した。騎
士達を包囲するように位置を取る。
 騎士達3人も、改めて杖を彼等に向ける。
 そして!
 ジュンは逃げてった。
 真紅と翠星石も飛んでった。
 騎士達は一瞬呆然とした後、慌てて三人を追いかけていった。

「なんで俺を使わねえの?」
 背負われたままのデルフリンガーが残念そうだ。
「だってデル公抜いたら、シャレにならないじゃん。向こうも殺しに来たワケじゃないん
だし」
「いや、そりゃそうだけどよぉ…」
 そんなおしゃべりをしつつも、ジュンは寮塔に向かって駆けていた。

 ジュンが寮塔入り口を視界に入れた時、ちょうど真紅と翠星石も降りてきた所だった。
三人が寮塔入り口に集まろうとした。
 その瞬間、寮塔入り口に突然生まれた竜巻が、竜のごとく天へ駆け上る!
「うわあっ!」「たっ竜巻!?」「まだいたですかーっ!」「うひょ、こりゃでけえ」
 集まろうとしていた三人は、竜巻に巻き上げられ、宙へ投げ出された。

 きゃあ〜〜・・・

 人形の真紅と翠星石は軽いので、彼女らは悲鳴だけ残して、遙か高くまで一気に巻き上
げられてしまった。

 ガシッ!
 ジュンは巻き上げられながらも、寮塔の石の隙間にナイフを突き立て、逆さまで壁に張
り付いたまま下を見た。
 地上には、羽帽子に黒マントを身につけた、長い口ひげの若者が杖を構えていた。
   あいつか!?
 竜巻が弱まった瞬間、一気に壁を駆け下りた。地面に着地するや、勢いそのままでナイ
フを構えて男に突っ込んでいく!
 男も杖でジュンを突く!

 カキィンッ!

 ナイフが手から払われ、宙を飛んでいた。
「くっ!?」「俺を抜けっ!!」
 うめいたジュンが、慌てて背中のデルフリンガーに手をかけようとした。
   ガシッ
 男の手が、ジュンの右手を掴んでいた。
「なかなかやるな!少年」
「いたっ、いてて!」
 腕をひねり上げられて、苦痛に顔を歪ませる。

 まってー、みんなちょっと待ってー!


44 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 19:49:44 ID:5ctx0bZz
 

45 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 19:50:21 ID:NDRARdsJ
支援

46 :薔薇乙女も使い魔三−3:2007/11/10(土) 19:50:38 ID:G481cldf
 遠くから、ルイズが駆け寄ってきた。後ろにはさっきの三人の騎士がついてきている。
真紅と翠星石も上空から降りてきた。男もジュンから手を放す。
「ルイズさん、待つって何をですか!?」
「ごめんなさい、ルイズ。私達は捕まるわけにはいかないわよ」
「だ、大丈夫!ぜーぜー…、この方達は、あなた達を、捕まえに来た訳じゃないのよ!」
 ジュンと人形達は眉をひそめて、一番立派そうな姿の羽帽子の男を見上げた。
「この方はワルド子爵。王室直属の近衛隊、魔法騎士隊の一つたるグリフォン隊隊長で、
私の婚約者なの」
「え…婚約者!?」
 目を丸くして仰天するジュンへ、ワルドはきさくに語りかけた。
「君が噂の、ルイズの平民使い魔だね。僕の婚約者がお世話になっているよ」
 慌てて3人とも一歩下がり、恭しく礼をした。
「ルイズ様の婚約者とは、知らぬ事とはいえ失礼致しました。僕はルイズ様の使い魔を勤
めさせて頂いております、桜田ジュンと申します」
「同じく、ローゼンメイデン第五ドール、真紅と申します」
「同じく、第三ドールの翠星石ですぅ、初めましてですぅ」 
 頭を下げる三人を見て、ワルドも満足げに頷いた。
「お初にお目にかかる。僕はジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド。ルイズの婚約
者だ。あんまり、かしこまらないで欲しい。僕の事はワルドとでも呼んでくれればいいか
ら」
「承知致しました、ミスタ・ワルド。して本日の来訪は、いかなるご用件でしょうか?」

 ジュンの口調は礼儀正しくても、視線は鋭くワルドに向けられていた。真紅と翠星石も
ステッキと如雨露を手放してはいない。

「ふふふ、そう怖がらなくて良いよ。君たちを捕らえるとか分解するとかいう気はないの
だから。
 実は本日、殿下が君たちの拝謁を許して下さるのだよ。だが話では君たちは、王室や魔
法研究所に誤解を抱いているらしいからね。だから先に僕たちが来て、君たちに害が及ぶ
事はない、と伝えに来たんだ」
「そういう事なの。だから、みんな安心して一緒に来て欲しいのよ」
 ジュン達は不安げに視線を交錯させたが、ルイズの言葉に従ってそれぞれの武器を収め
た。



 学院長室では、ソファーに座るアンリエッタ姫の前に、オスマン氏はじめ全教員が跪い
ていた。その最前列にはルイズとジュンがいた。
 アンリエッタが伸ばした左手に、真紅と翠星石が口づけていた。

「なんと愛らしいお人形でしょう。ルイズ、大儀でした」
「光栄至極にございます、殿下」
 普段はおてんばなルイズも、さすがに姫の前では礼節を尽くしている。
 真紅と翠星石はアンリエッタに頭を下げたまま、ジュンの横まで下がり、跪く。
 そしてアンリエッタは、涼やかな笑顔をジュンに向けた。
「そなたが、ルイズの使い魔ですね?」
「はい。桜田ジュンと申します」
 ジュンは平静を装いつつも、手に汗を握っていた。
「噂では平民ながら、数々の東方の技を身につけ、メイジに並ぶ力を示す、とのことです
ね」
「恐れながら、噂には尾ひれがつくモノです。僕はただの平民に過ぎません」

 内心、あんまり突っ込まないでくれー、と必死で祈ってた。


47 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 19:51:22 ID:NDRARdsJ
支援

48 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 19:52:32 ID:NDRARdsJ
支援

49 :薔薇乙女も使い魔三−3:2007/11/10(土) 19:52:32 ID:G481cldf
「これはこれは、大きな力を持ちながら、謙虚な少年ではありませんか。そちらの美しく
も高い魔力を秘めた人形達といい、ルイズはよい使い魔をお持ちですね」
「はい、身に余る程に素晴らしい使い魔達にございます」
「使い魔はメイジの力を示すもの。あなたはいずれ、ハルケギニアに名を知らしめる立派
なメイジになるに違いありませんわ。私も、幼き日を共に過ごしたそなたを誇らしく思い
ます」
「もったいないお言葉にございます。その時が訪れた暁には、殿下のしもべとして忠義を
尽くす所存にございます」
「期待していますわ。ところでその時には、そなたの使い魔達も共に忠義を尽くしてくれ
るのでしょうか?」

 アンリエッタの言葉に、使い魔達には一瞬緊張が走った。

 ジュンがゆっくりと、必死に言葉を選びながら、言葉を紡ぐ。
「我らはルイズ様の使い魔にございます。ゆえに、ルイズ様が忠誠を尽くす方には、我ら
も忠誠を尽くします」
「よろしいですわ。その時には期待しています」
 ルイズと使い魔達は、どっと汗をかきながら安堵した。

 その後マザリーニに時間を告げられたアンリエッタは、少し名残惜しそうにしながら、
来た時と同じように静々と学院を去っていった。



「ぐはぁ〜、つっかれたぁ」
 ジュンはルイズのベッドに大の字で寝っ転がっていた。

「やれやれ、俺もその美人の姫様とやらを見たかったな。そんなにべっぴんさんだったの
かい?」
「そりゃーすごい美人だったよ。つーか、ホントにお姫様って感じだったよ。清楚で、可
憐で、青い瞳なんかそりゃあもう!」
「あーくそ、そんなんなら俺も持ってってくれりゃいいじゃねぇか」
「しゃーねーだろ、王族の前に出るのに武器なんか持てるかよ」
「しょうがないですよデル公さん。でも、本当に綺麗ですよねぇ。しかもルイズさんと幼
なじみなんですってねぇ」
「ええ、あの美しさは素直に認めるしかないわね」
「ところでルイズさん、さっきからどうしたですか?」
「本当に変ねぇ、ぼんやりしたままだわ」

 ルイズの部屋に戻ると、皆アンリエッタの美しさを口々に讃えていた。
 だがルイズは椅子から立ったり座ったりと落ち着きが無く、視線も宙に彷徨わせている
ばかりだ。
 ジュンが頬をつついても無反応。
 翠星石が頭の上に乗っても気付かない。
 真紅が薔薇の花びらを顔にペタペタ貼り付けてもぼんやりしたまま。

 三人は、大きく息を吸って、ルイズの耳元に口を寄せて…
「「「「わっ!」」」」
「うわっひゃあっ!?・・・な!なによ、ビックリさせないでよ」
 ようやくルイズは我に返った。

「ルイズ、どうしたの?ぼーっとするなんて珍しいわね。せっかく幼なじみの姫様に会え
たのに」
「あ、うん、真紅…あのね、ワルド様の事を考えてたから」
「ああ、あなたの婚約者の事ね」
「こいつはおでれーた!お前さんみたいなおてんばにも婚約者がいたのか!」
「デル公!もう、茶々入れないでよね。
 でも、婚約したのは10年前だし、お父様も戯れにしただけだから、もう反故になった
と思ってたわ。・・・まさか、覚えててくれただなんて」

50 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 19:53:41 ID:NDRARdsJ
支援

51 :薔薇乙女も使い魔三−3:2007/11/10(土) 19:54:01 ID:G481cldf

 腕を組んでツンとすましてはいても、顔はちょっと赤かった。そんなルイズを見たジュ
ンは、ちょっと複雑な表情だ。

「そっかぁ〜、ルイズさんには婚約者がいたんだぁ…そうだよなぁ、貴族って普通そんな
もんなんだよなぁ」
「あら、なあに?ジュン、もしかして、妬いてるんだあ♪」
 ルイズにツンツンつつかれて、ジュンも焦ってしまう。
「そ、そんなワケないだろ!?からかうなよ」
「そーだぜ!なにせジュンにはあのシエス」
「わーっわっわっわー!」
 ジュンは慌ててデルフリンガーを押さえつけようとした。でも、どこが口か分からない
ので、とりあえず剣を抱きしめていた。
 その様を女性陣はニヤニヤしながら眺めていた。

「な、なんだよ!ほら、遊んでないで、そろそろ帰るぞ!」
「あらあら、いいのですかぁ〜?でも早く帰らないと、地球では巴さんも待ってるですも
んね〜♪」
「す、翠星石!バカ言ってないで、ほら、急ぐぞ!」
「そうね、それじゃ私達はそろそろ帰らせてもらうわ。また明日」
 そういってジュン達は、輝く鏡面から地球へ帰って行った。
 ルイズの部屋にはルイズとデルフリンガー、そして二つの光玉、ホーリエとスィドリ−
ムが残った。


 その日の夜。
 ルイズの部屋をノックする者がいた。初めに長く二回、それから短く三回…。
 はっとしたルイズがドアを開けると、真っ黒な頭巾をすっぽりと被った少女がいた。




――そして次の日の朝、ルイズの部屋。
 カーテンが引かれて薄暗いルイズの部屋を、鏡台から生じる光の波が淡く照らす。
「ルイズさーん、こんちはー・・・って、誰もいないや」
「おいおい、俺はいるぜぇ」
 壁に立てかけられたデルフリンガーに出迎えられ、鏡から出て来たのはジュン達だ。
「デルフリンガー、ルイズはどこへ行ったの?」
「おう、実はお前等に急ぎの伝言があるんだ。」
「どうしたです。何かあったですか?」
「おう!俺もおでれーたよ、いいかよく聞け、実はな・・・」

 デルフリンガーから語られた事実と伝言の内容に、一同言葉を失った。


――学院長室
「うむ、そうじゃ。ミス・ヴァリエールは姫殿下の密命を受けて、今朝アルビオンに向け
て旅だったのじゃ」
「すまねぇな、なにせ急な事でよぉ」
「そ、そんな!ルイズさん、無茶だよ…」
「あーに考えてるですかぁ、あのちんちくりんはぁ!人工精霊だけ連れて行ってもだめで
すよぉ」
「困ったわ、どうやって追えばいいのかしら」

52 :薔薇乙女も使い魔三−3:2007/11/10(土) 19:55:16 ID:G481cldf

 鏡から出てきたばかりの三人は、ルイズが昨夜アンリエッタ姫から『以前、アルビオン
王家ウェールズ皇太子にしたためた手紙を回収して欲しい』という密命を受け、ワルド子
爵とギーシュを共にしてアルビオンに向かった事を告げられた。三人には『後から飛行機
で追いかけてきてね』というルイズの伝言がデルフリンガーに託されていた。
 しかも学院長から伝えられたアルビオンの状況――反乱軍レコン・キスタの『革命』に
より、王軍は敗北寸前――という事実が、更にジュン達の顔色を青く塗りつぶしていく。
ルイズ達は、既に敵軍が完全包囲しているであろう王軍のウェールズ皇太子と接触しなけ
ればならないのだから。
 第一、追えと言われても行く方法が無い。

 行く方法がない、と困っているのを見て、ジュンの背中のデルフリンガーが不思議そう
に聞いてきた。
「なぁジュンよ、あのぜろせんってヤツで飛べばすぐじゃねえのか?道分かるヤツを後ろ
に乗せればいいだろ。ルイズもそう言ってたぜ」
「それダメ!飛行機は滑走路の無い場所じゃ離着陸できないんだ…そうか!ルイズさんは
それを知らなかったんだ」
「なんと!そうか、そうじゃった、じゃから『かっそうろ』を作ったンじゃった。うむ、
ではどうするか」
 頭を捻ったオスマンが、声を上げた。
「よし、ここはひとつ風竜の出番じゃ」


――タバサの部屋
 既にもぬけの殻だった。ついでにキュルケの部屋も。
「ううむ、留守です。困ったですねぇ」
「うむ、困ったのぉ…良い手はないじゃろか」
「コルベール先生に燃料が出来てるか聞いてみよう。もしかしたら、ラ・ロシェール近く
に、ゼロ戦で着陸できる場所があるかも知れない。無ければ、ちょっと離れるけどタルブ
の草原へでも」
 ジュンの提案に一同頷いた。


――コルベールの研究室
 研究室の前には、エンジンが取り外されたゼロ戦があった。
 機首のエンジンは地面に降ろされ、見事バラバラにされていた。
「そ、その・・・どうしてもこの、『えんじん』というのが知りたくて・・・」
 ぼそぼそと言い訳するコルベールの前に、全員がっくりと膝をついた。
「だ、大丈夫ですぞ!ミスタ・グラモンに頼めば、竜騎士隊を貸してくれますぞ!」
「コルベールよ…ギーシュ君なら、ミス・ヴァリエール達と一緒に出て行ったんじゃ」
「・・・申し訳ない!」


――結局、再び全員学院長室へ戻ってきた。
 オスマン氏はずっとウンウンうなっている。
「うーむ、これは密命じゃからのぉ。学院から竜騎士隊とかに依頼する事は出来ん。同じ
ように姫殿下とも連絡はとれん。フーケの件もあるし…」
「フーケ?」
 ジュン達がキョトンとなる。
「おお、そういえば話しておらんかったか。実はの・・・」

 オスマンから語られる『フーケ脱獄。恐らくはレコン・キスタ派貴族の手引き』という
事実に、ジュン達はもはや青いというより白い顔だ。

53 :薔薇乙女も使い魔三−3:2007/11/10(土) 19:56:32 ID:G481cldf

「と、ゆーことは・・・王宮や軍に『飛竜貸して』なんて頼んだら」
「おそらく、そのまま暗殺されるじゃろ。少なくとも合流はできんな」
 オスマンの冷酷な予想に、ジュン達は力が抜けていく。
「ど…どうするですかぁ?」
「こうなったら、最後の手段ね!」
 真紅の言葉にぎょっとして、ジュンが耳打ちする。
(おい真紅、まさかnのフィールド通って行く気か?)
(まさか、それこそ無理よ。だって、どこを通ればラ・ロシェールに着くか知らないもの。
それに、nのフィールドから出てくる所を、誰かに見られでもしたらやっかいよ)
「ふむ、ミス・シンクには何か妙案がおありか?」
 身を乗り出したオスマン氏に、真紅が胸を張って答えた。
「馬よ!」



――そんなこんなで、もうお昼の正門前。
 馬に跨ったシエスタは前に真紅と翠星石、後ろにジュンを乗せていた。
「それじゃシエスタさん、急いでお願いします!」
「分かったわ、ジュンさん!みんな、急ぐわよ!」
「頼むですぅ!」
「おでれーた…やれやれ、馬でグリフォンを追いかけようだなんて、俺はおでれーたよ」
「手段は選んでいられないわ。私達だけじゃ道が分からないし」
 四人を乗せた馬は、ラ・ロシェールに向けて駆けだした。


 さほど乗馬が上手くない田舎出のメイドと、乗馬の経験すらほとんど無い少年と、人形
達を乗せた馬は、それでも必死に南へ駆けていた。魔法学院からは馬で2日ほどの距離に
あるラ・ロシェールを目指し、休みもほとんど取らず、宿場町の安宿で泥のように眠り、
きしむ関節と悲鳴を上げる筋肉に鞭打って、どうにかこうにか次の日の夜にラ・ロシェー
ルへ到着した。

 そして丘の上に昇った彼等の目の前には、いや頭上に、『桟橋』があった。東京タワー
並の枯れた巨木に、巨大な木の実のごとき『船』がぶら下がっていた。
「な・・・なんでこんな山の中に港が、て思ったら、こういうことだったのか・・・」
「さすが魔法の世界ですねぇ・・・ビックリですぅ」
「なんでえ、お前等の世界じゃ船ってこういうのじゃねえのか?」
「地球の船は、みんな海に浮いてるわ…全く驚きだわ」
 使い魔達は天を突く巨木を見上げ、口をあんぐり開けっ放しだ。

 枯れた大樹の根元をくりぬいたホールから、シエスタが小走りで戻ってきた。
「ついてるわ!船はまだ出てないって。明日の朝にならないと船は出る事が出来ないんで
すって!」
 その報告に一同安堵のため息をついた。
「良かったわ。ならルイズ達は、どこかの宿に泊まっているわね」
「シエスタさん。この街に貴族向けの高級な宿屋って、幾つかありますか?」
「ああ、それなら『女神の杵』亭ね。ほら、あそこの・・・あれ?」
 ラ・ロシェールの街を指さしたシエスタは、怪訝な顔で目をこらしていた。
「どうしたですかシエスタさん・・・なんですか?あれは」
 街の灯りにぼんやりと浮かび上がるのは、巨大な人型だった。街の建物より背の高い人
型が、一際立派な建造物の前に立っていた。

 どぅん・・・
 地響きの様な轟音と共に、人型が建造物の入り口を吹き飛ばした。


54 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/10(土) 19:56:38 ID:g8I0Vm6Q
支援

55 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 19:57:49 ID:NDRARdsJ
支援

56 :薔薇乙女も使い魔三−3:2007/11/10(土) 19:58:00 ID:G481cldf
「あれは、フーケですぅ!フーケのゴーレムですよぉ!」
「ということは…あれが『女神の杵』亭!?」
「ルイズ達が襲われているんだわ!」
「シエスタさんはここにいて下さい!僕らはルイズさんの所へ行ってきます!」
「はっはい!」
「おっとジュンよ、その必要は無いようだぜ。こっちに走ってくるのはルイズと、ああ、
ワルドって隊長さんじゃねえか?」
 デルフリンガーの言うとおり、月明かりに照らされた丘を駆け上ってくるのは、ルイズ
とワルドだった。赤と緑の人工精霊が人形達の下へ飛んでくる。

「おーい!ルイズさん、大丈夫だった〜!?」
「みんな!まったくもう、一体どうしたのよ!?ずっと待ってたんだからね!」
「諸君!話は後だ、今は船へ!」
 そう叫ぶや、ワルドはホールへ駆け込んでいった。
「分かったですぅ!それじゃシエスタさん、ありがとでしたよ」
「は、はい!皆さんも、どうぞご無事で!」
 手を振るシエスタを残し、一同はワルドに続いてホールへ飛び込んでいった。

 ワルドは各枝につながる階段の中で、目当ての階段が示されたプレートを見つけると、
一気に上り始めた。ワルドとルイズに続いてジュンもデルフリンガーを握って駆け上る。
真紅と翠星石はトランクに乗ってジュンの後ろを飛んできていた。

  木の階段をきしませながら、途中の踊り場に差し掛かった時、きしむ音にもう一つの
足音が混じっていた。ジュンが振り向くと、黒い影がさっと翻り、人形達とジュンの頭上
を飛び越し、ルイズの背後に回った。長身で黒いマントを纏った、白い仮面の男だった。
「ルイズさん!?」
「きゃあっ!」
 一瞬で男はルイズを抱え上げる。
 ジュンは男を斬りつけようとした。だが、ルイズが邪魔で剣を振れない。
 男はそのまま地面に向けてジャンプした。

「翠星石!行くわよ!」「オゥですぅ!」
 真紅と翠星石がステッキと如雨露を構えてトランクから飛ぶ。
 燕のように宙を舞い、急降下で仮面の男に襲いかかる。
 だが、仮面の男は落下しながらルイズを離した。軽やかに身を翻し、ステッキと如雨露
をかわす。ルイズは地面に真っ逆さまで落下していく。
 間髪入れずにワルドは階段から飛び降り、急降下して落下中のルイズを抱き留め、空中
に浮かんだ。
 男はそのまま階段の手すりにつかまったが、更に真紅の薔薇が襲いかかる。『フライ』
で高速飛行しながらかわし、ジュンから少し離れた場所に降り立った。そして薔薇に向け
て杖を振る。
「『ウインド・ブレイク』!」
 突風に薔薇が吹き飛ばされてしまう。
「うぉあっ!」ジュンは間合いを一瞬で詰め、仮面の男に向け突きの連撃を放つ。
   カカカカキィンンッ!
 だが男は黒塗りの杖で華麗に突きをさばいていく。
 その男の口からは、一定のリズムでつぶやき声がもれていた。男の頭上の空気が、ひん
やりと冷え始める。
「ジュン!構えろ!!」
 デルフリンガーの叫びに、とっさにジュンは剣を正中に構えた。
「『ライトニング・クラウド』!」
 空気がパチンッっと弾け、男の周囲からジュンへ稲妻が伸びる。
 だが、電撃は全て刀身に吸い込まれていった。
 仮面の男も、ジュンも予想外の事に一瞬たじろいでしまう。


57 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 19:58:49 ID:NDRARdsJ
支援

58 :薔薇乙女も使い魔三−3:2007/11/10(土) 19:59:18 ID:G481cldf
「スキ在りですぅっ!」バゴッ!
 仮面の男は、飛んできた翠星石の如雨露で思いっきり頭をどつかれた。
「終わりよっ!」どすっ
 さらに、真紅のステッキが男のみぞおちにめり込んだ。
「とどめだぜっ!」「応!」
 ジュンは、上段突きで一気に踏み込む。
   ぼごんっ!
 だがデルフリンガーが突き立つ前に、破裂音と共に仮面の男は消滅してしまった。

「あ、あれ?…デル公、どうなったの?幻影か?」
「いきなり、消えた、です。…もしかして、逃げられたですか?」
「偏在、だよ」
 口にしたのは、『フライ』で飛び上がってきたワルドだった。
「風のユビキタス(偏在)。風の吹く所、何処と無くさ迷い現れる。敵は極めて強力な風
系メイジのようだね。
 そして、君の剣は魔法を吸収できるとはな、驚いたよ」
「デルフリンガーってんだ、よろしくな!」
「ああ、よろしく。さて、おしゃべりはここまでだ。次の追っ手が来ると不味い」
 一同はさらに階段を駆け上る。

 階段を駆け上がった先の枝には、一艘の船が停泊していた。枝からタラップが甲板に下
ろされている。一行は甲板に駆け降りた。甲板で寝込んでいた船員達が、驚いて飛び起き
た。
「な、なんでぇ?おまえら!」
「船長はいるか?」
 ワルドが船員達と交渉する。
 その間にルイズ達は、この二日間の事を伝え合っていた。
 襲い来る傭兵達とフーケを、ギーシュ・キュルケ・タバサが食い止める間に、桟橋へ向
かった事も。
「おでれーたな、あの貴族の3人がフーケを足止めしてくれてたとはよぉ」
「みんな大丈夫ですかぁ?無事だと良いですけど…」
「だーいじょーぶよ!タバサのウィンドドラゴンもいるんだから、危なくなったらさっさ
と逃げるわよ」

 だがジュンは、浮かない顔で考え込んでいた。
「うん、キュルケさん達は大丈夫と思う…けど…」

 何かにひっかかっているジュンに、真紅が怪訝な顔をする。
「ジュン、どうしたの?何か気になる事があるの?」
「あ…うん、大したことじゃないんだ。
 うーん、何かヘンな感じがしたんで、なんだろうって思ってたんだけど、やっぱりよく
わかんないや」
 そこへ船長との交渉を終えたワルドが駆け寄ってきた。
「すぐに出航だ。ただ、今出航すると、途中で風石が足りなくなる。だから僕の魔法で補
う必要がある。その間は僕は戦う事が出来ない」

 ワルドはジュンの肩に、ぽんっと手を置いた。

「その間は、君達がこの船『マリー・ガラント』号を守って欲しい」
「え…僕たちが、ですか?」
「そうだ。学院で剣を交えた時といい、さっきの戦いといい、君と人形達なら十分に戦え
る。話に聞いたとおりだね。君達なら、トライアングルクラスのメイジも相手にならない
だろう」
 ワルドの言葉に、3人は誇らしげに胸を張った。
「分かりました。頑張ります」「承知致しましたわ」「任すですよー♪」

 ワルドは口笛を吹き、飛来したグリフォンを甲板に呼び寄せた。
 帆が張られ、もやいは放たれ、風に乗って船は出航した。
 二日間の馬での強行軍に、桟橋での戦闘。疲れ果てていたジュン達は即座に熟睡してし
まった。

59 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 20:00:24 ID:UkB9bn7X
しえんb

60 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 20:00:30 ID:NDRARdsJ
支援…終わったか?

61 :薔薇乙女も使い魔三−3:2007/11/10(土) 20:00:42 ID:G481cldf


「アルビオンが見えたぞー!!」
 鐘楼の上に立った見張りの船員が叫ぶ声で、ジュンは目が覚めた。
 早速、舷側から下を覗き込む。船の下には白い雲が広がっている。トランクからもそも
そと出てきた人形達も下を覗き込むが、見えるのは白い雲海だけ。どこにも陸地など見え
はしない。
 3人の隣に立ったルイズが「あっちよ」と空中を指さした。
 ルイズが指差す方向を振り仰いで、ジュン達は息をのんだ。
 巨大な…まさに巨大としか言いようのない光景が広がっていた。雲の切れ間から、黒々
と大陸が覗いていた。大陸は遥か視界の続く限り延びている。地表には山がそびえ、川が
流れていた。
「驚いた?」
 ルイズがジュン達に言ったが、3人とも声が出ない。
「すごいわ…」「…信じられんです」「うん。こんなの、見たことないよ…」
 ようやく声になったものの、口はあんぐりと開きっぱなしだ。

 使い魔達が『アルビオンは白の国と呼ばれてて…』と聞かされている時、鐘楼に登った
見張りの船員が大声を上げた。
「右舷前方の雲中より、船が接近してきます!」
 ルイズは言われた方を向く。なるほど、大きな黒い船が一艘近づいてくる。後甲板でワ
ルドと並んで操船の指揮を取っていた船長は、見張りが指した方角を見上げた。
 黒くタールが塗られた船体、片舷側に突き出た二十数個の大砲。その全てがこちらをピ
タリと狙っている。

 後甲板からは「返信無し」「旗を掲げて無い…!」「空賊!?」「逃げろ!」と言った叫
び声に近い報告と命令がが飛び交う。
 ぼごんっ!と鈍い音と共に、黒船が撃った大砲の弾が青空に消えていく。
 黒船の威嚇砲撃数発を見た船長は、助けを求めるように、隣に立っているワルドを見つ
める。
「魔法は、この船を浮かべるために打ち止めだよ。あの船に従うんだな」
 ワルドは落ち着き払って言った。

 ジュンはデルフリンガーを構えた。左手の包帯から光が漏れる。真紅と翠星石も手にス
テッキと如雨露を構えた。
「ちょ、ちょっとあなた達!まさか、戦艦相手にやり合う気!?」
 使い魔達の行動に、ルイズは驚きを通り越して呆れてしまう。

 その様子を見たワルドも駆けつけてきた。
「やめておけ。既にこの船は敵の大砲の射程範囲内だ。メイジだっているかもしれない。
確かに守ってくれとは頼んだが、勝てない戦いをする必要はない。20以上の大砲を同時
に撃たれたら、終わりだよ」
「はは!なるほどそいつぁごもっともな意見だぜ。けどな…」
 正中に構えられたデルフリンガーの刀身は、心なしか輝きを増していく。
「あんたと嬢ちゃんは敵だけじゃぁなく、味方の力量もしっかりとわきまえてた方がいい
ぜぇ?」

 ジュンの左薬指の指輪が、紅く輝き出す。そして、真紅と翠星石の体からも、紅と緑の
光があふれ出す。

「ミスタ・ワルド。船をお願いします。…それじゃ、頼むぜ!」
「ええっ!」「ぶっとばすですよっ!」
 叫ぶが早いか、真紅の手の平から紅い竜巻の如く薔薇が舞い上がる。翠星石は緑に輝く
光の尾を残して、上空に舞い上がった。


62 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 20:01:49 ID:NDRARdsJ
もうちょい?支援

63 :薔薇乙女も使い魔三−3:2007/11/10(土) 20:02:08 ID:G481cldf
  ゴウッ!!
 薔薇の巨大な竜巻が、一気に黒船へ襲いかかる。異常事態に気付いた砲手が、大砲を発
射しようとした。
 だが、出来なかった。全ての大砲が沈黙した。
 大砲の砲身に、飛来した薔薇の花びらが一瞬でギッチギチに詰め込まれ、その勢いで砲
身もあさっての方向を向いてしまったからだ。
 間に合わずに導火線へ火を移してしまった数名の砲手が、慌てて曲刀で導火線を切り落
とす。
 黒船の舷側に並んだ海賊数名が、魔法を放とうと杖を構えた。
   ドドドドドッ!!
 しかし魔法が発動する前に、その全員が頭部を鈍器で殴られたような衝撃を受け、甲板
に倒れてしまった。黒船の上空から、翠星石が如雨露から水をまいたのだ。ただし、甲板
に穴が開くほどの水圧だ。
  ぶううぅおおおっっ!!
 翠星石が水をまいた箇所から、ツタのような植物が一気に生え育った。甲板はおろか、
舷側にも飛び出したツタで穴が開き、マストも傾く。
 重量バランスが崩れ、黒船は大きく『マリー・ガラント』号側へ傾いてしまった。

 海賊船内は既にパニック状態だ。甲板上の箱や海賊達が、傾いた甲板を滑って行く。雲
海へ落ちそうになる者もいる。
 それを見ている『マリー・ガラント』号の人々も、開いた口が塞がらなかった。

「ミスタ・ワルド!」
「…え?」
「逃げるんですっ!!」
 ジュンの叫びに、あっけにとられていたワルドが我に返った。同じく呆然としていた船
員達も。
 大混乱に陥る海賊を尻目に、船は再びアルビオンへ向けて走り出した。



64 :薔薇乙女も使い魔三−3:2007/11/10(土) 20:03:19 ID:G481cldf
 海賊船が見えなくなった頃、ようやくアルビオンの港、スカボロー港が見えてきた。
 近づいてくる港を見つめるジュンの背を、ワルドがぽんっと叩いた。
「まったく、大したものだ。恐らく君たちの力は、スクウェアクラスにも引けを取らない
だろう。目的を忘れず、敵の足を止めてすぐに立ち去るという冷静さも、若いのに大した
物だ」
「お褒めにあずかり光栄です」
「はははっ!かしこまるのはよしてくれ!僕とルイズが結婚したら、君とも家族の様なも
のになるんだからね」
 バンバンと背中を叩かれて、ゲホゲホとむせてしまう。
「ぐへごほっ…あ、あの、結婚って、結局、婚約の件は、今はどうなっているんでしょう
か?」
「まぁ、ルイズが卒業した後の話だ。
 実はラ・ロシェールで泊まった時にプロポーズしたんだが、卒業まで待って欲しいと言
われたよ」
「卒業まで…待つ…」

 ジュンは、しばし考え込み、次第に顔を伏せていく
「多分、おめーら使い魔連中に気ぃ使ったんじゃねぇか?」
 背中のデルフリンガーの言葉に、ジュンは何も答えられない。

「はっはっはっ!君が気にする必要なんか無いよ!」
「ごふっ!げふぅっ!」
 バンバンバンバンッと背を叩かれ、更にむせこんでしまう。
「僕もルイズも10年くらい会っていなかったからね。婚約者とはいえ、今すぐ結婚と言
われても困るだろう?ルイズもまだ書生の身だしね。お互いの事を分かり合う時間に丁度
良いよ。
 そういうわけなので、ジュン君。君の人形達、シンクとスイセイセキと共に、これから
よろしく頼むよ!もちろんデルフリンガー君もな」
「は、はい!こちらこそ、よろしくお願いします」「おう、よろしくな」
 ジュンはワルドに深く頭を下げた。ワルドはジュンを笑顔で見下ろしていた。

 だが、目が笑っていなかったことには、船上の誰も気付かなかった。


                第三話      アルビオンへ   END


65 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 20:06:42 ID:UkB9bn7X
表面的に好青年ワルドに乙!
背中バシバシ叩く手に必要以上に力が籠もってるぜ!

66 :薔薇乙女も使い魔三−3:2007/11/10(土) 20:07:01 ID:G481cldf
というわけで、「薔薇乙女も使い魔」第三部 第三話 終了です

前回の反省から、なるたけ余計なモノは省いたつもりなんですが
今度はダッシュしすぎた気がする

SSとか、人を楽します文章を書くというのは
報告書や論文を書くようにはいきませんねぇ・・・

67 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 20:10:24 ID:NDRARdsJ
薔薇乙女の人、乙ッす

確かに肉付きが不足してテンポ速かったけど

勢いがあって面白かった


68 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 20:10:30 ID:UkB9bn7X
少し急ぎ足だったけど、話を一気に動かしたいときは、このぐらいでも何とかなるさ。
今回は分量とキリの良さがその分をフォローしてくれたからトータルでマルですわ。

69 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 20:23:03 ID:m9sU+pIN
薔薇乙女感想の人

更新乙です。
先に出発したルイズたちを、ジュンたちが追いかける、こんな展開もあるんですねw
いや、ワルドに決闘を申し込まれても、ジュンなら断るだろうなあ、
という予測をたてていた者としては、予想外の展開に、「やられた」と感じております。
ついでに、空賊をふりきってしまった後の展開に、この後どうなるのか興味深々です。

続きも期待しています。

70 :薔薇乙女も使い魔三−3:2007/11/10(土) 20:24:48 ID:G481cldf
お褒めにあずかり光栄です。
ニューカッスルまでの通過点に過ぎないし、これくらいがいいのかもしれませんね

さて、こっからがかなり難しい展開になると思うので、次は少々先になります
忘れられないうちに、第四話を投下できるといいなぁ

ではではー

71 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 20:32:34 ID:OKLaIXO6
薔薇さん乙です。
ワルドが大人げなくてワロチw

72 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 20:42:46 ID:BADl65M+
薔薇乙女の人乙&GJ
駆け足気味に感じるが面白かったぜ

73 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 20:46:55 ID:mcs0h15B
アレ、偏在だっけ?遍在だっけ?

74 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 20:48:46 ID:oFm/6CGF
遍く存在する、なので遍在

75 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 20:50:59 ID:UkB9bn7X
偏在すると一人に戻る

76 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 20:51:17 ID:WEy5vFpe
偏って存在したら意味ないよな

77 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 20:58:06 ID:FYcsYwTQ
偏ったら押し競饅頭状態だな

78 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 21:09:01 ID:FX7Aofh/
俺たちは偏在しているのだ

79 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 21:11:23 ID:nEFsgxQ3
女性の胸は偏ざ…
ん?来客が

80 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 21:22:18 ID:b3owjRcV
もしかして、重要度がルイズの使い魔>レコンキスタってなったらワルドは祖国を裏切る必要が無くなる?

81 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 21:26:30 ID:IuzLPvx+
ルイズとセットでお持ち帰りぃ〜になるだけじゃないか。

82 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 21:28:04 ID:+D2A7X0p
>>81
そんなワリオ見たくねぇwww

83 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 21:29:06 ID:Hn1QvUZT
原作って、面白い?
ファンタジーはトールキン位しか読んだ事無いんだけど。
アニメだけを見ても解る?

84 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 21:30:40 ID:UbsjM6Ow
>ファンタジーはトールキン位しか読んだ事無いんだけど。
そんな珍しい人間がなんでこんなスレを覗いているのかと。
しかもアニメは見てるのかよ!

85 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 21:32:29 ID:hCzrjlm7
恐らく他の自分の好きな作品との絡みを読んだ奴じゃないの?
もしくは構ってちゃん?

86 :CM:2007/11/10(土) 21:37:15 ID:4A8vSAfm
特攻野郎Zチーム

ダングルテールで鳴らした俺たち魔法実験部隊は、濡れ衣を着せられ当局に逮捕されたが、牢獄を脱出し地下に潜った。
しかし、地下でくすぶってるような俺たちじゃあない。
筋さえ通りゃ金次第でなんでもやってのける命知らず、
不可能を可能にし、巨大な悪を粉砕する、
俺たち特攻野郎Zチーム!

「俺は、リーダー、炎蛇のコルベール。通称お禿げさま。
奇襲戦法と変装の名人。
俺のような天才策略家でなければ百戦錬磨のつわものどものリーダーは務まらん。」
「俺はギーシュド・グラモン。通称バラの貴公子。
自慢のルックスに、女はみんなイチコロさ。
ハッタリかまして、ブラジャーから杖まで、
何でもそろえてみせるぜ」
「マリコルヌ・ド・グランドプレ。通称マルコメX。
風の天才だ。皇帝でもブン殴ってみせらぁ。
でも風の韻流だけはかんべんな。」
「よぉ!お待ちどう。俺様こそデルフリンガー。
通称クレイジーデルフ。剣としての質は天下一品!
魔剣?聖剣?だから何。」

俺たちは、道理の通らぬハルキゲニアに敢えて挑戦する、頼りになる神出鬼没の 特攻野郎Zチーム!

助けを借りたい時は、いつでも言ってくれ!”

87 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 21:42:14 ID:hCzrjlm7
>>86
飲んでた暴々茶を返せwww
お禿さまとかマルコメXじゃねえだろwww

88 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 21:42:33 ID:IZ9s/wOX
>>86
富山さん(´・ω・`)
銀英伝でそのネタのMADがあったな

89 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 21:43:22 ID:y+tN4EzL
ハルキゲニア乙

90 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 21:44:02 ID:Hn1QvUZT
>>84
>>しかもアニメは見てるのかよ!
見てないよ。
だから「アニメだけを見ても解る?」って聞いたの。
>>85
>>恐らく他の自分の好きな作品との絡みを読んだ奴じゃないの?
シグルイの奴を偶然見つけて、それからまとめサイトの好きな作品の奴を幾つか読んだら結構面白そうだったから。

91 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 21:44:31 ID:FYcsYwTQ
ハルキゲニア
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%AB%E3%82%AD%E3%82%B2%E3%83%8B%E3%82%A2

92 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 21:49:29 ID:hHf2JOWn
>>90
原作、アニメ共にも見たほうがいい、なるべくね。
片方でもいいが内容が違うからな。
というよりここでそんなこと訊くな、場違いだ

93 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 21:49:36 ID:S76ikJRi
じゃあ俺の執筆活動手伝ってくれ。
>>19
前スレのやつ見たが、レッドとゴールドがサイトだと
バトルフロンティア編がおかしなことになるぞ。

個人的には
レッド:ウェールズ
グリーン:
ブルー:キュルケ
イエロー:テファ
ゴールド:サイト
シルバー:イザベラ
クリス:ルイズ
ルビー:ギーシュ
サファイア:モンモン
エメラルド:ジュリオ
なんだが。グリーンどうしよう。

で、アン様がカスミ、ワルドがマチス、コッパゲがカツラ。

94 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 21:49:45 ID:FX7Aofh/
張る毛ギニア

95 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 21:50:28 ID:nahol4cf
ちょwwwギーシュこっそり犯罪者宣言してるwwwww

96 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 21:50:57 ID:kdUYNq3J
確かにハルキゲニアには道理が通じなさそうだ
上下前後すら通じそうにない

97 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 21:51:21 ID:U3Ex1QZy
>>93
モンモンが野生児w

98 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 21:51:45 ID:UkB9bn7X
ハルキゲニアがハルケギニアに召喚されました
http://www.nrc.gamagori.aichi.jp/w_muse/enjoy/cambrian/haluki/chapter01.html

>>90
小説というより、ノリと萌えと燃え優先の文字媒体のコミックみたいな感じ。
とっても軽くてかっぱえびせんみたいな後口がある。

99 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 21:54:55 ID:S76ikJRi
グリーンはマチルダにしようかと思ったがナツメはフーケだよなぁ、とも思う。

100 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 21:57:45 ID:U3Ex1QZy
ウェールズのライバルになりそうな奴かぁ……

101 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 21:58:43 ID:4dfwghga
ただキャラだけ変えて原作なぞるだけじゃ叩かれる悪寒

102 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 22:01:10 ID:S76ikJRi
まあ、書くのは>>19さんだしなぁ。
ポケダン逆召喚のほうが興味あるけど。

103 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 22:02:06 ID:2ZcVn3XL
塊魂から王子with塊召喚とか考えてみた。
ワルキューレもフーケのゴーレムも七万の兵もゴリゴリ巻き込んでいく。
最終的には王様レインボーで帰還、「ファンタジーナ塊ダネ」とか言われます。

104 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 22:15:01 ID:Hn1QvUZT
>>92
>>98
ありがとうございました。

105 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 22:15:05 ID:jcTZ+p+3
誰も居ないようなら投下よろしいかしらー?

106 :ゼロのガンパレード:2007/11/10(土) 22:19:30 ID:jcTZ+p+3
目の前の光景に、カステルモールは我知らず微笑を浮かべていた。
金髪の少年に食って掛かる桃色の髪の少女と、それを見守る友人たち。
その一人である青い髪の少女が浮かべたその表情。
それは満面と呼ぶには遠いほど微かで、しかもすぐに消えてしまいはしたが、
少女を真の主と仰ぐ派閥の者にとっては充分すぎるものだった。
姫が、シャルロットが笑った。笑うことが出来た。
ガリアでその少女と会った時の事を思い出す。
イザベラに王冠を被せられても、自分に魔法をかけられても動かなかったその表情。
人形娘と呼ばれても何も言い返さず、忠誠を告げるその声にも何ら動揺を見せなかったその瞳。
主君のその姿に、カステルモールはどれだけ心を痛めたことか。
無意識に手に力が入り、掌に触れた何かを握り締める。
これまで彼は主君がトリスタニアの魔法学院にいることを快く思ってはいなかった。
そうまでして厄介払いがしたいのかと腹立たしくも思っていた。
だがそれは今や初雪のように消えうせ、彼女が魔法学院に赴いたことを、友人を得ることが出来たことを、
そして何よりも彼女が再び笑みを浮かべるようになったことを始祖ブリミルに感謝した。



/*/



一方、イザベラは同じ光景に我が目を疑った。
あの人形娘が笑みを浮かべるだなんて。
今までどれだけ嫌がらせをしても、どんな任務を与えても無表情だったあの子が、
しかもイザベラはその笑顔に見覚えがあった。
それはまだ彼女とシャルロットとが幼かった頃の思い出。
困ったように自分を見ていた優しい、活発な従妹姫がよく浮かべていた苦笑だった。
背筋を冷たいものが走る。
イザベラは確かにシャルロットを嫌ってはいたが、それはここ数年のことに過ぎない。
アルビオンに赴く前に父ジョゼフが言ったように、確かにイザベラとシャルロットが仲睦まじかった頃もあったのだ。
それが壊れたのは一体何時のことなのか。
イザベラはその時のことを今でも憶えている。
優しかった叔父の葬式。国を挙げての式典。
警護の目を盗んでシャルロットの元へ赴いた幼いイザベラ。
伯母やその侍従は式典の準備で忙しく、その部屋に居たのは無言で椅子に座る少女だけだった。
近づいて声をかけた。泣いているなら慰めてやろうと思った。
なぜなら自分はシャルロットよりも年上で、お姉ちゃんは妹を守るものだからだ。
伯父上はそう言っていつもわたしの頭を撫ぜてくれたのだから。
だから、今度は自分がシャルロットにそうしてやる番なのだ。
ところが、従妹姫からは何の返答も帰ってこなかった。
声をかけても何も答えず、肩を掴んで揺さぶっても、なんら動こうともしなかった。
それがイザベラとシャルロットの終わりであり、イザベラとタバサの始まりだった。

107 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 22:22:21 ID:iyaJohpY
支援

108 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 22:22:32 ID:4dfwghga
支援

109 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 22:24:14 ID:3BJo/YWE
支援

110 :ゼロのガンパレード:2007/11/10(土) 22:24:17 ID:jcTZ+p+3
笑わせようとしても笑わない少女にイザベラは怒り、やがてなんとかしてその無表情を崩してやろうと躍起になった。
初めは歌を聞かせ劇を見せ、それでも無表情を崩さぬ少女に激昂した。
何度も叩き、嫌がらせのようなことを始めた。
笑わないならば、せめて嫌がる顔を見てやろうと思った。
人形ではなく、人間としての顔をもう一度見たかった。
周囲の人間はそれを見て、イザベラは従妹を嫌っているのだと信じた。
昔の二人を知っている者は彼女の周囲にはいなかった。
その人々はシャルロットの父シャルルを知っており、それゆオルレアン公派として蟄居あるいは解雇されてしまったからだ。
新しくイザベラに仕えた人々は噂した。
魔法の才能がないイザベラは、才能豊かなシャルロットを嫉んでいるのだと。
やがて時間が過ぎ去り、イザベラもまたかつての自分を忘れた。
従妹の笑顔を見たいと言う気持ちは、鉄面皮を崩さぬ従妹に対する苛立ちに取って代わられた。
姉として妹を見る優しさは、自分の気持ちを受け入れぬ少女への憎しみに成長した。
周囲の人間の態度もそれを助長した。
彼らはイザベラのシャルロットへの態度を良しとせず、しかし諫言することもなかった。
ただ彼らは、機械的にイザベラに仕えた。
前任者たちの末路を知る彼らにとって見ればそれが最も賢いやり方だったからだ。
そんな彼らでも、事あるにつけシャルロットを庇う姿勢を見せた。
彼らにして見れば我が侭な姫に嫌がらせをされる少女に同情するのは当然のことだった。
だがイザベラはそうは見なかった。
なぜ自分とシャルロットを見る家臣の目が違うのか。
同じ王家に生まれながら、なぜ皆はシャルロットを選ぶのか。
同じ血筋を持つ自分と彼女の違いは何なのか。
イザベラに思いつけたのは魔法の才能の有無だけだった。
才能に恵まれぬ自分とは違い、シャルロットは若くしてトライアングルメイジの力を持った。
それ故にこそ、皆はあの人形娘を敬うのだ。そうに違いない。
イザベラは父に願い出て、北花壇騎士団長の地位を得た。そしてシャルロットを部下にした。
従妹よりも自分が上位なのだと公式に示したのだ。
なのに、誰も自分を敬おうとはしなかった。
それどころか今まで以上にシャルロットに同情的な姿勢を見せた。
もはやイザベラの味方は誰もいなかった。

「シャル、ロット――――?」

泣きそうな、か細い声が聞こえる。
イザベラはそれが自分の声だとは信じられなかった。
騎士団長である自分が、一国の姫である自分がそんな声を出すだなんて。
まるで拭われたようにシャルロットの顔から笑みが消えた。
いつも通りの鉄面皮で、人形のようにイザベラを見た。
ぐらり、と視界が揺れるような感覚が彼女を襲った。
恐ろしい考えが頭を過ぎる。
もしかすると、シャルロットは自分のいない場所ではかつてと同じ笑みを浮かべていたのか。
自分の、人形ではない彼女を見たいと言う気持ちを、踏みにじって笑っていたのか。
もしもそうだというのならば。
それでは、自分は、とんだ道化ではないか――――!
ふらつく足元に我知らず伸ばした手がカステルモールの掌に触れ、次の瞬間には握り返された。
驚いて顔を上げれば、微笑を浮かべる彼女の騎士の姿があった。

「――――カステル、モール」


111 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 22:24:38 ID:BNL0CbI0
支援せよ!

112 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 22:26:10 ID:NDRARdsJ
ガンパレードktkr

支援

113 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 22:27:42 ID:3BJo/YWE
支援

114 :ゼロのガンパレード:2007/11/10(土) 22:29:13 ID:jcTZ+p+3
その瞳は未だにシャルロットを見ており、意識してイザベラの手を握ったのかすら定かではなかったが、
それでも彼女には伸ばした手を握り返してくれる存在がいたことで充分だった。
そっと目を伏せる。彼がシャルロットを気にかけているのは知っていた。
オルレアン公派だということだって解っていた。
なぜなら彼が自分の配下になってからというもの、イザベラはずっとカステルモールのことを見ていたのだから。
アルトーワ泊の園遊会で、自分を抱きしめた腕のたくましさを、かけられた布の優しさを思い出す。
誰もが嘲りながら薄汚れた視線で自分を見ている中で、誰も自分を助けてはくれなかったあの時に、
カステルモールただ一人だけが自分の為に動いてくれたのだ。
それがどれだけ嬉しかったか、どれだけ喜ばしかったか。
例えそれが本来は自分に化けたシャルロットに向けられたものだと知ってはいても関係はなかった。
彼が自分を助けてくれたことに代わりはないのだから。
カステルモールを想うこの気持ちに嘘はない。
そして、カステルモールがシャルロットを想う気持ちにも嘘はないだろう。
深く息を吸い、吐き出すとイザベラは背筋を伸ばした。
解っていたのだ、自分のこの想いが実らぬことなど。
その証拠にカステルモールは、何時だって困ったように自分を見ていたのだから。
抱き上げて運ばせても、呼び捨てにしろと言っても、その態度は変わらなかった。
イザベラの想いに気づかぬ振りをし続けた。
実際は本当に気づいていなかったのだが、彼女にはそこまでは解らなかった。
だがそれでも、カステルモールが傍にいてくれた日々は彼女にとって何物にも替え難い日々だった。
一度だけ目を伏せ、そして開いた。いつも通りの、野卑と称して差し支えない笑みがその頬に浮かぶ。
求めたものはこの温もり。ならばそれを胸に抱いて、最後の時までこの日々を楽しもう。
笑みを浮かべたイザベラを見やった大猫が、楽しげに片眉を上げた。
目に見えぬ、音には聞こえぬ、だがそれでも確かに耀きだしたそれを感じ取ったのだ。

「さて、じゃれあうのはいい加減にしな」

声をかけて一座の注目を集めると、ガリアの王女は常のように傲慢な口調で言った。

「わたしの従妹が世話になってるようだね。まずは自己紹介といこうじゃないか。ええ?」



/*/



ガリアの王都リュティスの東端、ヴェルサルテイル宮殿。
さらにその中心に位置するグラン・トロワと呼ばれる建物の一室で、
現ガリア王ジョゼフ一世は小姓からの報告を面白げに聞いた。

「“両用艦隊”旗艦『シャルル・オルレアン』号。東薔薇花壇騎士団の方々と共に無事出航なされた由にございます」

そうかと手を振って小姓を下がらせ、机の上においた葡萄酒の杯を飲み干す。
その唇が笑みの形を取リ、抑え切れぬ声が洩れた。
今回の騎士団の出陣の名目は、アルビオンに向かったガリア王女イザベラ姫の保護である。
ジョセフには他に子供もおらず、自身の即位後の粛清によって主だった王族はほとんどいない。
唯一の例外が姪に当たるシャルロットだが、彼女もまたアルビオンの地にある。
ガリアとしては王の血が絶えるかも知れぬ事態を静観する事など出来ず、止むに止まれず兵を出したと言う筋書きである。
既にアルビオンを除く諸国の大使にはそのような説明文を送っており、今頃は本国への早馬が走っていることだろう。
なぜ当事国であるアルビオンに説明文を送らぬかといえば、内乱中で政情が定まっていないからに他ならない。
王党派に向けて書状を送っても貴族派に向けても、後々の政治を考えればよろしくない。
例え十中八九貴族派が勝つだろうと言う事が予測できていたとしても、
未だ結果の出ていないこの時期に旗幟を明確にしてしまえば何らかの裏取引があったのではないかと勘繰られる元になるからである。

115 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 22:31:02 ID:NDRARdsJ
支援

116 :ゼロのガンパレード:2007/11/10(土) 22:32:22 ID:jcTZ+p+3
それに、とジョゼフは新たな葡萄酒を注ぎながら思考する。
もしも『シャルル・オルレアン』号が内乱に巻き込まれれば、シャルロットとイザベラが傷でも負っていれば。
それはガリアがアルビオンの内乱に干渉する絶好の口実となるだろうし、
そうでなくてもトリステインの責任問題を追求できるかも知れぬ。
魔法学院がシャルロットの出発を見逃さなければイザベラがアルビオンに向かうことも、
ガリアが騎士団を派遣することも無かった筈なのだから。
隠してはいるが、東薔薇花壇騎士団の面々がオルレアン公派であることなど知っている。
であるならば、ここで戦力が削がれようとも問題はない。
捨てても惜しくない駒で打てる布石ならば打つのを躊躇う必要などどこにもなかった。
笑いながら手を伸ばし、机の端に置かれた将棋盤を引き寄せる。
駒を弄びながらジョゼフはかつて共に歩んだ指し手を思い出した。

「ああ、シャルル」

弟の名を呼びながら、その葬儀の時に見た娘の瞳を脳裏に思い描いた。
憎悪に染まった、あの青い瞳を。
今にも流れ落ちそうな涙をこらえ、それでもこちらを睨みつけていた幼い瞳を。
憎むべき宿敵に情けをかけられることは、あの娘には耐えようもない屈辱だろう。
イザベラがシャルロットに厳しく当たり、嫌がらせを繰り返していることは知っている。
それを報告された時、ジョゼフは思ったものだ。
我が娘ながらなんとも甘いことだ、と。
彼は知っている。
本当の屈辱とはどういうものなのかを。
それをもたらした者を殺さずにはおれぬ憎悪と怒りを。
今も忘れえぬその声が、彼に屈辱を与えた声が胸に響く。

『おめでとう。兄さんが王になってくれて、ほんとうによかった。ぼくは兄さんが大好きだからね――――』

ああシャルル、我が弟よ。
ジョゼフはもはや思い出の中にしか存在しない弟に語りかけた。
誰からも愛され、尊敬された、我が誇るべき弟、真にガリア王に相応しかった弟よ。
お前には想像もつかなかったのだろうな。
憎み、嫌い、呪っている相手にかけられた情けが、どれほど人に屈辱を与えるかを。
だから俺は、決めたのだ。
あの日、あの時、あの場所で、俺に情けをかけたお前を殺すことを。
そしてその屈辱を知るが故に、その資格のない者に情けなどかけてやらぬと言うことを。

117 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 22:32:43 ID:NDRARdsJ
sien

118 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 22:33:54 ID:2qhWZazK
し☆え☆ん

119 :ゼロのガンパレード:2007/11/10(土) 22:34:41 ID:jcTZ+p+3
怒りと憎しみで綴られたそれは誓約。
実の弟すらも手にかけた男が、自らと始祖に誓った約束だった。
その誓いに従い、男は国内に粛清の嵐を巻き起こした。
オルレアン公派と呼ばれる貴族たちを官位から外し、あるいは蟄居を命じた。
涙ながらに忠誠を誓う連中を始祖の御許に送り込んだ。
そしてその内の幾人かは貴族としての誇りある死すら認めず、平民の罪人のように処刑台に立たせた。
お慈悲を、と叫ぶ貴族を男は心底から嘲笑った。
かつては王の資格がないと蔑んだその口で、俺の慈悲を乞うか。
誇りよりも生命を取るか。だが誇りを捨てた者は既に貴族ではない。
ならば貴族を僭称した罪はその命で贖ってもらおうか。
逆に従容として意に従った者は勿論のこととして、
あくまでジョゼフではなくオルレアン公こそを主として仰ぐ貴族たちには死を与えず、最低限の生命だけは保障した。
なぜなら彼らは生命よりも誇りを選んだ貴族であり、ガリア王ジョゼフが情けをかけるに値する者たちだったからだ。
結果としてオルレアン公派は地下に潜って今も活動を続けている。
オルレアン公が残した種にジョゼフによって屈辱と言う肥料を注がれた苗木は、その根をガリア全土にはびこらせようとしていた。
そしてその華を咲かせるのは、今は遠くアルビオンにいる彼の姪シャルロット・エレーヌ・オルレアンである筈だった。
いや、そうでなければならなかった。
もう何年も前に失われた、自分自身の手で葬り去った愛しい弟の一人娘。
彼女のことを思えば心が躍る。父にそっくりなあの髪の色、あの瞳。
その彼女を迎えに行くのに、父の名を冠した艦以上に相応しいものがあるだろうか。
あの艦を見た時、その名を知った時、そして何よりも父の仇がそれを命じたと知った時、あの娘は一体どのような表情を浮かべるのだろう?
一体どのような瞳で、この俺を見るのだろう。
どのような憎悪を俺にぶつけるのだろう。
どのような怒りを俺に見せるのだろう。
ぞくりと背筋が震え、熱いものがこみ上げる。

「ああ、そうだ、それでいい。それでこそだ……」

唇の端が吊りあがり、男の顔に笑みが佩かれる。
幸せな、この世の悪意を知らぬかのような少年の微笑み。
夢想の中で、憎悪に染まったシャルロットの顔が弟のそれに重なった。

「シャルルよ、俺は、お前のその顔が見たかったのだ」

かつて愛した者の面影を胸に、ジョゼフは心の底から楽しそうな笑い声を上げた。


120 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 22:35:14 ID:NDRARdsJ
sien

121 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 22:37:49 ID:UkB9bn7X
>>119
このジョゼフ……いい…… (;´Д`)ゾクゾクハァハァ

122 :ゼロのガンパレード:2007/11/10(土) 22:38:26 ID:jcTZ+p+3
今回は以上です。
親子揃って歪んでるなぁはっはっは。




今回の没ネタ
「ところでイザベラ様、芝居はもう終わりということでよろしいですね?」
「……芝居、芝居ね……ああ、かまわないよ……orz」



「ねぇ、キュルケ。あの二人ってもしかして……」
「もしかしても何も、見たら解るじゃないのよ」
「カステルモール、でかした(親指を立てながら)」



123 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 22:40:49 ID:2qhWZazK
ぐっぢょぶ! ぐっぢょぶ!! ぐっぢょーぶ!!!
やっぱりジョゼフは変態だなぁハァハァ。

124 :とあるの人 ◆3WQsphoeLI :2007/11/10(土) 22:45:51 ID:gyEywLuR
ジョゼフGJです!w
『禁書目録』フェスティバルに便乗〜
5分後投下しますー

125 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 22:48:06 ID:UkB9bn7X
>>122
ぐっじょ!
いいとしか言えない。期待とかニヤニヤとかワクワクが止まらんですわ。
満足しちゃうと逆に言葉がでないわコンチクショーって感じで。

126 :とあるの人 ◆3WQsphoeLI :2007/11/10(土) 22:51:57 ID:gyEywLuR
「うー、お腹が減ったんだよ」
 可愛いお腹の音が、ご飯を食べさせるようインデックスに命ずる。
 ここはとある船室、物置場であるが故に人の気配が感じられない。目的地にたどり着くまで、ここで身を隠そうと思っていたが、どうやらその考えは危うくなっている。
 確かに時刻は昼過ぎ、朝食も取っていない分余計に空腹感が襲ってくる。
「そう言われてもにゃー……」
 土御門は、そんなインデックスの願いに対して、困った表情を浮かべた。
 この物置場はガリア王国とやらに売り出す交流品だとは思うが、残念ながら食糧らしき物は置いてない。
 ならば、食糧がある場所に向かえばよいという発想も出て来るが、その案もすぐに却下となる。
 もともと無賃乗船している身。他の船員に見つからず、昼食を有り難く頂戴できる自信はあいにく持っていない。
 となると、このまま我慢しなければならないのだが……、
「空腹でもう一歩も動けないんだよー」
 ドテー、と体力がなくなったインデックスが床にへばり付く。腹ぺこシスターにとっては、どうやら一分一秒を争う問題なのだ。
 長い銀髪が、インデックスの周りに散らばる。なんとなく、腹の音が激しくなったような気もする。
 これがあのインデックスなのか? と土御門は思う。
 今まで幾多の魔術師から逃れてきたプロであったはずだが、まさかこんな腹ぺこシスターだとは誰が予想できるだろうか。
 もしかしたらあの幻想殺しがいろいろと彼女を変えてしまったのでは、と考えながらも、土御門は口を開く。
「仕方ないにゃー。目的地にたどり着かないとここから動けないんぜよ」
「くうくうくうー! 何か食べないとこのまま飢え死にしちゃうんだよ!」
 バッ、と咄嗟に土御門はインデックスの口を塞ぐ。
 二人は、誰にも気付かれずにこの場をやり過ごさなければならない。
 もし見つかったら犯罪者として捕まるであろう。異世界で牢屋に放り込まれるのはお決まりのパターンではあるが、そんなのは願い下げだ。
(待てよ?)
 土御門は、むがむがと動かそうとするインデックスの口を未だに塞ぎながらも、ある事に気付く。
 そう、自分達は何故このような状況に陥っているかだ。
 考えれば考える程その辛さがわかってくる今回の任務。一発はぶん殴るであろうアレイスターがこの場にいない事を憎みながらも、大きなため息を一回吐いた。
「どうして俺は損な役しかまわってこないのかにゃー?」

127 :とあるの人 ◆3WQsphoeLI :2007/11/10(土) 22:53:52 ID:gyEywLuR
「フゴ?」
 どうしたの? と言ったつもりなのだろう。インデックスはキョトンとした目で見つめた。
(……こいつはどう思っているんだろうな)
 天然、と言ったら怒るだろうが、とてもじゃないが事の重大さに気付いているとは思えない。
 おそらく、上条当麻という少年をただ助けたい一心なのだろう。
 三沢塾陥落戦、絶対能力実験阻止、御使堕し。幾多の戦いにおいてインデックスが関わっていない事件も多い。だから、今回自分が関わる事ができてうれしいのだろう。
 その気持ちは土御門にはなんとなくわかる。

 この世で絶対に守らなければならない義妹を持っている土御門だからこそだ。

 瞬間、自然と笑みがこぼれた。
 少し自分は考えすぎなのかもしれない。別に急ぐ必要性はないし、あの上条当麻の事だ、なんとなくうまくいっているに違いないと感じられる。
 ならば、少し好きにやらしてもらおうではないか。
 その時だ。
 突然ドン! と扉が開くと、がたいのいいお兄さんを筆頭に、ぞろぞろと人がなだれ込んで来た。
 その数、五人程だ。
『テメェラ! なに人様の船に勝手に乗っているんだゴラァ!』
 今にも飛び掛かりそうな勢いで怒鳴ってくる。もっとも、土御門には彼がなんと言っているかはさっぱりだ。
のへー、と腹を空かしているためか、緊張感が全くないインデックス。それに対し、土御門は至って冷静に、まるで第三者としての目線から様子を眺める。
『おうおうあんちゃん、澄ました顔しやがって生意気なんだよ!』
 そんな態度に手前の船員がキレたのか、自分の手に持っている剣を思いきり振り上げた。
 リーチが多少ある両刃の剣、一メートル強はあるなと土御門は判断する。
 轟ッ! と空気を切り裂きながら、そのまま侵入者を一刀両断しようとした。
 しかし、
 土御門は別段気にする事なく、インデックスを抱えて後ろにへと下がった。
 バキッ! と剣が木で出来た床に刺さる。つまり、敵は床から剣を取り出すという余分な動作を行わなければならない。
 その隙に、土御門は周りを見渡す。元より物置場、それなりにスペースのある空間は、荷物で半分ぐらい埋まっている。
「甘いな」
 土御門の口調が変わった。三馬鹿の一人『土御門元春』から、必要悪の教会『土御門元春』へと変わった瞬間だ。
「侵入者には有無を言わさず最初から殺すべきだ」

128 :とあるの人 ◆3WQsphoeLI :2007/11/10(土) 22:55:47 ID:gyEywLuR
 まるで船員に評価を与えるかのように、冷たく言い放つ。今自分達が襲われているのにも関わらず。

「まっ、これから倒れる人間には関係ない話かにゃー」

 日本語、という聞いた事もない言葉を耳にして、一瞬面食らう船員。しかし、その僅かな時間が土御門を彼の懐へと運んでくれる。
 瞬間、
 ゴッ! と土御門の拳が船員の顎を捉え、その右足が鳩尾を狙おうとした。
 敵を文字通り粉砕するには十分な攻撃だ。
「ふん、わざわざ二撃目を放つ必要もなかったな」
 二発目の蹴りが寸前の所でピタッと静止する。一撃で意識が飛んだ屈強そうな男は倒れ込んでしまった。
 後ろにいた他の船員を黙らせるのには、今ので十分過ぎる効果を与えたようだ。誰もが土御門から一歩以上後ずさる。
「ほらインデックス、早くお前の頼みを言うんぜい」
 土御門達は何も持っていない。つまりは無一文。至極冷静に考えれば、そんな自分達に飯を好意で与えてくれる場所などかなり限られてくる。
 しかし、どうやらこの腹ぺこシスターは我慢する余裕がないようだ。家事を全て舞花に任せている彼は当然料理はできない。
 時間をかければ策などいくつか見つかるであろうが、めんどくさい。

 いっその事、実力行使でここから食糧と通貨を手に入れようと。
 それが一番楽であった。

 が、あいにく土御門にはこちらの言語は未だにわからない。
 ここはインデックスの出番だとくるっと後ろを振り返り、助けを求めようとしたのだが、
 その光景にあんぐりと口を開けるしなかった。
 いない。べったりと床に預けていたインデックスが、忽然と姿を消していた。
「…………………………………………………………」
 またかにゃぁぁぁあああああ!? と絶叫するのに数秒かかってしまった。
 その声を攻撃する合図だと思われたのか、船員達は物置場から我先と言わんばかりに逃げ去っていった。


「お腹ー……減ったー。早くありつきたいんだよー」
 キュルルル、と可愛い音を抱えて、インデックスはゆったりとした歩幅で船内を進んでいく。
 彼女のご飯に対する嗅覚は敏感だ。居候してもらってる少年の作る料理をフライングしようと何度も死闘を繰り広げた努力の賜物である。
 本来なら歩く力も残されていないのだが、後少しでゴールにたどり着くと聞いて頑張ろうとする想いと同じだ。
 目的地に近づくにつれて、香ばしいニオイも少しずつ、はっきしと感じてくる。

129 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 22:56:05 ID:4dfwghga
支援

130 :とあるの人 ◆3WQsphoeLI :2007/11/10(土) 22:58:02 ID:gyEywLuR
 そして何十分にも感じられた時間を経て、彼女はようやく香りの出所にたどり着いた。
「つ、着いたんだよー」
 ガチャリとドアを開き、そのまま崩れ去る。
「ん?」
 突然の来訪者に、その場にいた一人のコックらしき男が怪訝な表情を浮かべた。
 ここは部屋の面責こそ小さいが、どうやら厨房である。時刻は既にお昼を廻っていたのだろうか、本来なら腹を空かせた船員達が料理にありついているのだが、とある事情により今はがらんとしていた。
 当然だがこのコックは外で何が起きているかはわからない。ただ、小さい白いシスターが恐らく空腹でいるだろうその姿を見過ごす程悪ではない。
「お、おい! なんでこの船に乗っているんだ? というか大丈夫か?」
「も、もうダメかも……。早くご飯という名の補給が欲しいんだよ……」
 ちなみに言語は違うのだが、なぜか互いに何を言っているかは理解しているようだ。耳ではなく、心で感じるとはこの事なのかもしれない。
「飯……だよな? まぁシスターさんの願いとなりゃあ断るわけにはいかないな」
 インデックスは知らないが、彼はよく寺院に身を運ぶ人だ。そのため、幸いな事にも、シスターの助けになるなら喜んで手を貸すような人でもあった。
 そういうと、コックは机に並ばれてある料理の一品をインデックスに差し出した。
 これが土御門であったら違った展開になったかもしれないが、生憎彼は腹を空かしていない。
 なぜなら、彼は追っ手から絶賛逃亡中であり、そのような余裕などかましている暇なんてなかったからだ。
「ちっ、めんどくさいのに追われてるな」
 人数は一人。先の人間より強いやつはあいつだけなのかもしれない。
 そこそこできる奴かもしれない追っ手に追われる土御門は、不利な要素が多々あった。
 一つに地形。
 飛行船という名の檻に閉じ込められているのに加え、迷路のように複雑に入り組んでいる廊下。とてもじゃないがうまく振り切るのは不可能であり、行き止まりになったらおしまいだ。
 一つにツレ。
 空腹で倒れている(であろう)インデックスを敵の手に渡すわけにはいかない。おそらく食糧がある場所にいると思うのだが、どこに食糧があるかまではわからない。
 故にそれらしきと思う部屋の扉を開き、誰かいないかを確認するという時間が必要となっていく。下手すると、そのまま敵に捕まる可能性もあるからだ。
 そしてもう一つは、
 敵が紡ぐ、呪文の詠唱である。

131 :とあるの人 ◆3WQsphoeLI :2007/11/10(土) 22:59:32 ID:gyEywLuR
「!?」
 魔術が発動したのか、ちらりと後ろを見ると、
 轟ッ! と通常ではありえない空気の圧力が土御門目掛けて襲ってきた。
 正確に言うならば魔法だ。しかし、そんな事は関係ない。
 左右の幅をちらりと見る。狭い廊下に逃げ場は存在しない。
 しゃがんだり、飛んだりして避けようとも考えたが、敵の攻撃の範囲がどの程度のものかは判断がつかない。
 となると残された道は一つ。もとよりそれしかやる気はなかったが。
 土御門はドン! と全身を使って横の扉をぶち破った。そこはとある船員の部屋らしく、色々な物が辺り一面散らばっている。
 瞬間、廊下を渡っていく風の刃が視界に入った。通常の空気とは違う圧力が、目に映る存在へと変わる。
 同時、バネのように溜めていた力を爆発させる。もとより長居するつもりはさらさらない。向こうからも敵が追って来ているのだから、このタイムロスは出来るかぎり小さくに、だ。
 扉がないドアをくぐり、一歩で再び廊下へと舞い降りる。その踏み込み足にかかっている力の向きを真横に変更し、サイドステップのように横へと飛ぶ。
 その際に敵の位置を確認する。距離は大体数メートルと判断した。
 男がまた杖を振り、呪文を紡ぐ。何を言っているかはわからないが、先と同じリズム、発音から同魔法だと予測する。

 時間にしておよそ一秒。振り返り、反撃し気絶させる時間としては十分である。

「魔術ばっかに頼って身体ができてないんだにゃー」
 ダン! と足に釘を打ち付けたかのように床をへこませ、動きを止める。男も慌てて急ブレーキをかけようとしたが、その前に彼の視界は土御門の足で埋まった。
 ゴッ! と鈍い音がしたと思いきや、男が横に吹っ飛び、壁にめりこんだ。
 カラン、と床に落ちた杖を土御門は拾いあげ、そのまま折ってしまう。
「どうやらこいつで魔術を発動してるようだが……」
 どうやら強度の方は微妙だな、と感想を述べた所で、

 廊下にぎりぎり入るくらいの大きさの炎球が、迫って来た。

 気付くのがワンテンポ遅かった。
 今から逃げ込める扉はない。
「ッ! 青キ木ノ札ヲ用イ我ガ身ヲ守レ!!」
 素早くポケットから折り紙を取り出すと、叫ぶ。何もない空間から主を守るべく盾が形勢される。
 ドゴォン! という爆発音が鼓膜を刺激すると、炎球が盾に弾かれるように散らばっていき、壁を燃やしていく。
「……燃えてる?」

132 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 23:00:09 ID:qdg46F+n
支援

133 :とあるの人 ◆3WQsphoeLI :2007/11/10(土) 23:01:52 ID:gyEywLuR
 メラメラと燃え盛る炎は止まる気配がない。早々にこの場を去るため、呆然と立ち尽くしている男に目もくれずに走り去る。
 つー、と土御門の唇から一筋の血が流れた。
 超能力者である土御門には魔術が使えない。無理矢理に魔術を使うと、自身の身体が傷つかなければならない。
 が、いつもの事だ。むしろそれよりも気にしなくてはならないのは背後から迫り来る炎だ。
 おそらくこのまま全域に広がって航行不能となる。
「ったく、自分達の船なんだからもう少し考えて欲しいかにゃー!?」
 まだ、インデックスは見つからない。


「ぷはー、生き返ったんだよー」
 そんな中、わりと物置場から近い場所に位置した厨房で、インデックスの機嫌はよくなっていた。
 言って気付く。つい日本語で言葉を発してしまった。料理を作ってくれたコックが首を傾げてるのを見て、ハハハと苦笑いをとる。
「え、えっと。とても、おいしい、料理を、ありがとね」
 覚えているとはいえ、今まで使った事のない言語だ。手違いがないように、一言一句丁寧に伝えてみた。
 すると、コックは求めていた答えを貰えたのか、笑みを浮かべる。
「おう! そういってくれてサンキューな。つかなんでこんな所にいるんだ?」
 ギクリ、とインデックスの背中から嫌な汗が吹き出る。本来土御門とインデックスは招かざれる客――侵入者なのだ。
 自分がシスターであるというのが幸いしたのだろう。下手に詮索されてしまっては困る。
(あれ?)
 そういえば土御門はどこにいるのだろう。
 無我夢中でご飯を求めた自分だが、その足取りは遅かったはずだ。何かついていけない理由でもあったのだろうか。
「ちょっと、迷い込んじゃってね……。もう一人いるから探しにいくんだよ」
「ん、そうか。まぁ気をつけるんだな」
「うん、ご飯を食べさせてくれてありがとね」
 ぺこりとかわいらしくお辞儀をして、そのまま立ち去ろうとする。
 しかし、
「おい! 侵入者が火をつけやがった! 緊急着陸して逃げるぞ!」
 先程自分が静かに開いた扉がドバン! と勢いよく開かれ、そのまま一人の男が声を荒げてズカズカと入ってきた。
 瞬間、
 インデックスはすれ違うように全速力で駆け出した。
「あ、おい……」
「あいつも侵入者か! お前は荷物運びを任せる!」
 何か言葉を出そうとする前に、仲間の声が先に割り込む。

134 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/10(土) 23:02:03 ID:g8I0Vm6Q
支援

135 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/10(土) 23:02:26 ID:g8I0Vm6Q
支援

136 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/10(土) 23:03:09 ID:g8I0Vm6Q
支援

137 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 23:03:14 ID:2qhWZazK
しえーん!

138 :とあるの人 ◆3WQsphoeLI :2007/11/10(土) 23:03:20 ID:gyEywLuR
 再び走り去る男。沈黙が支配する厨房。
 一体何が起こったかわからないコックは、呆然と立ち尽くしてるしか他なかった。


 この船は密輸船であった。
 故に、他の船にはいないメイジや兵士がいた。もっとも、それらはただの素人レベルであるが。
 メイジは杖がないと魔法が発動できない。
 故に、炎球を使ったメイジが見た光景は不可解であった。
 杖も持たない、青く輝く不思議な眼鏡をつけているただの少年が炎球を打ち消したのだ。
 そんなのがありえる事など一つだけ。
 即ち、先住魔法だ。
 こうして土御門はエルフと認定され、逆に逃げられる対象となった。

「ハッ、ハッ。もとはるは一体どこなのかな……」
「くそっ! あいつなんであんな早いんだ……」
 他の者は皆、物置場に置いてある色々な物を甲板にへと運んでいる。本来なら自分も参加しなければならないのだが、侵入者にやられっぱなしも釈に触る。
 なんとしてでも捕まえたい一心なのだが、小柄なシスターはしかし、自分と同じぐらいのスピードを出している。
 が、男はそれでも笑みを浮かべていた。
(甘いな! あっちは確か火が出ている場所!)
 その証拠に、煙がもくもくと上がっている。それは、進めば進ほど大きくなっていく。
 相手もわかっているに違いないが、追われているこの状況により反転することは不可能だ。
 そして、行き止まりは思っていた以上に近かった。
「くっ!」
 轟ッ! と燃え盛る炎に、インデックスが急停止。そのまま後ろへと後ずさる。
 そこに、男がガシッ! と両脇の下から腕を通して身体の自由を奪う。
「なっ……離してよ!」
「へへっ、離せと言われて離す奴がいるかってんだ」
 じたばたと暴れるが、所詮は子供。大人の前には成す術がない。
「こっちは船すらも失おうとしてるんだ。大人しくついてこいよ」
 ニヤリと獰猛な笑みを浮かべた男は、そのまま炎バックにインデックスを連れ去ろうとする。
 そこに、
「黒キ色ハ水ノ象徴。其ノ暴力ヲ以テ道ヲ開ケ!!」
 ジュゥゥウウ! と水で火を消す特有の音が後ろから聞こえたと思うと、そのままドン! とバットでも打ち付けられたかのような衝撃を男は味わった。
 数メートルは吹っ飛んだであろうその男は気を失っている。もそもそと力を失った腕から脱出したインデックスに、手が差し延べられた。

139 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/10(土) 23:04:01 ID:g8I0Vm6Q
支援

140 :とあるの人 ◆3WQsphoeLI :2007/11/10(土) 23:04:33 ID:gyEywLuR
「まさか行き止まりで引き返さなければならないとはな……。流石に全部は消化しきれなかったにゃー」
 同時、ごぷっ、と血の塊を漏らす土御門であった。


「ホントに大丈夫なの?」
「平気平気だにゃー。一応肉体再生という能力を持ってるから大丈夫なんぜい」
 インデックス達が甲板に出た時には、もう船は緊急着陸していた。
 おそらく他の船員は去ったのだろう。人の気配がまるでない。
 とりあえず気絶させた男と共に、船から脱出する。後数分もすれば全域に燃え広がるのかもしれない船とおさらばだ。
 場所は森の中、このまま連れていくのもどうかと思い、男を適当な所で捨てた。その際、彼のポケットマニーから半分程頂戴したのはお約束だ。
 そんな彼らの視界に村が見えてきた。
ぽつんとある小さい村。最初にこの地に降り立った村と似たような場所である。
 結局降り出しか、と落胆な表情を土御門は浮かべる。
「仕方ない……あそこで一晩泊まるんぜい」
「うん。わかったんだよー」
 正しい道からではなく、裏山から突然とお邪魔する二人。村の入口であろうその看板には、『サビエラ』と書かれていた。

141 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/10(土) 23:05:02 ID:g8I0Vm6Q
支援

142 :とあるの人 ◆3WQsphoeLI :2007/11/10(土) 23:06:57 ID:gyEywLuR
以上です〜。
禁書キャラしか出なくてすみませんorz
他の二組もどんどん動かしていきますね

143 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 23:07:38 ID:4dfwghga
GJ!!

144 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 23:10:58 ID:2qhWZazK
ぐっじょぶー!
善良なコックさんかわいそうにw

145 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/10(土) 23:16:59 ID:g8I0Vm6Q
GJ
土御門の陰陽術は世界の力を利用する魔術だから先住魔法という意見もあながち間違っていないな。


146 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 23:19:08 ID:CUeEw9kB
GJ!
土御門はとあるの中でも大好きだから参戦するのがすごく嬉しい。

147 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/10(土) 23:19:43 ID:g8I0Vm6Q
よく考えたら、精霊の力を借りるのだから神道の方が近いのか?

148 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 23:26:01 ID:2qhWZazK
フィクションの陰陽道は神道と修験道のチャンポンだからイイんじゃなーい?
実際の陰陽道については……「陰陽師は式神を使わない」とか読むとイイんじゃなーい?

149 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 23:32:42 ID:HuqPEA52
もしもカイジ、アカギ、天、ひろゆき、森田、銀、黒沢、涯、零の全員が来たらどうなるだろうか?

150 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 23:36:31 ID:2qhWZazK
とりあえず二卓立てる。

151 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 23:39:42 ID:hHf2JOWn
その後鷲頭マージャン

152 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 23:41:41 ID:hCzrjlm7
そしてハブにされる黒沢

153 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 23:42:35 ID:wZCYN+VF
アニメ化するけど決着はうやむや、とか

154 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 23:44:04 ID:LX8ylpgR
wikiで誤字発見したんだが、勝手にやったら不味いよな?

155 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 23:45:22 ID:2qhWZazK
誤字修正して避難所の該当スレに報告するとよかんべ。

156 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 23:45:40 ID:UbsjM6Ow
ツモるたびに長考、ひとりだけテンポの悪いカイジ


157 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 23:46:43 ID:GJD6yVng
>>152
仕方ないから一人で「ざわ・・ざわ・・」とか呟いている黒沢

158 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 23:47:12 ID:yON83jsi
ざわっ…
                 ざわっ…
        ざわっ…

159 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 23:50:38 ID:B5B11byb
俺TUEEEEキャラじゃなくてしかもルイズなしだと3巻のタルブ戦地獄だなあorz
どうするかなあ…。

160 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 23:51:04 ID:4A8vSAfm
T トリステイン
M ミステリー
R レポーターズ
(西川さんじゃないよ)

「こ、この爆発は!」
「コルベール先生、この爆発は一体!」
「通常召還においてこのような爆発現象は起きない、さらにルイズくんの魔法の失敗による爆発も他の術者には見られないものだ」
「ごくり・・・」

「な、なんだここは!俺はレジデンドオブサンの尻尾をようやく掴んだと思っていたのに!」

召還された我らがキバヤシは既に錯乱気味である

「いきなり見たこともない所に来たと思ったら言葉が通じない!これはバシャールのスターゲイトか!それとも異次元世界か!」

「ははは、ゼロのルイズが変なおっさんを召還したぞ」
「なんか変なおっさんが喚いてるけどあれが使い魔なのか」

「つまり第五の力が働いているんだよ!」

「「「えええええええええ?????????????」」」

コルベールの独自理論によりルイズは虚無の魔法使いであることが判った

「くっ、見た目はロリっぽい女の子がから毒物を経口摂取されたのか!腕がおかしい!」

しばらく立ち、ギーシュを口先でやり込めたキバヤシはワルドを見るやいなや突然手遅れだーと頭を抱えた

「ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド!これだけでは何の事だがさっぱり判らないが、まずフランシスに注目しよう 最近暗躍しているレコンキスタを後ろにつけるとフランシスレコンキスタ これを並び替えるとシスコン フラレタ キスン」

「な、なんだって!!!」
「一体どういうことなのキバヤシ!」

「まぁまぁ慌てるな」

161 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 23:53:15 ID:2qhWZazK
どういう支援なのキバヤシ!

162 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 23:54:45 ID:LJ0VL4B7
>>159
敵が強くてタルブが地獄になる?
逆に考えるんだ
敵が弱くてタルブに何の損害もない状況を創りだしちゃえばいいんだ

163 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/10(土) 23:54:46 ID:UbsjM6Ow
>シスコン フラレタ キスン
既に何を言いたいのかさっぱりだぞキバヤシ!

164 :聖石の人 ◆FIXARUtWLY :2007/11/11(日) 00:00:10 ID:wDPTM+4J
前スレで500kb取れなかったから今夜中に投下することになりました。
>>160の投下が終わった後、投下開始したいです。

165 :キバヤシ:2007/11/11(日) 00:02:11 ID:eT01D/K7
「シスコンはルイズの事だろう」
「ふむ、一理ある」

「そしてキスン これはンは最後なのでピリオドだと考えるとキスになる」
「キスがどうかしたのかい」
「使い魔との契約でキスをした」

「つまりルイズがキバヤシに振られる?」
「それはミスリードを誘う罠だ!騙されるな!」

(いったいこの平民は何を喚いているんだ)
ワルドが変な生き物を見る目でキバヤシを警戒している

「フランシスつまり、ワルドとレコンキスタがルイズとキバヤシに振られるって事じゃないかしら?」

「「「!!!」」」

(ま、MAZUI!とんでも理論で核心まで迫るとは恐ろしい奴だ!)

「しかし俺たちにはどうする事も出来ない」
「「「な、なんだって!!!!!!!」」」

166 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 00:04:24 ID:9cBvSHR0
ΩΩ Ω<支、支援だってー!!!!

167 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 00:04:43 ID:VKwzk8WP
いや、なに、この魔空間w
支援支援

168 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 00:13:02 ID:btRS95kg
(規制なのか)

169 :キバヤシ:2007/11/11(日) 00:13:09 ID:eT01D/K7
「そのグリフォンをよく見て欲しい」

「普通のグリフォンじゃないの?」
「いや、わずかだが爪と嘴に擦った様な傷があるが、よく見るとこう書いてある」

「下克上 霊魂鬼守蛇」

「「な、なんだって!!!」」」

(オロオロ)

「これは甲骨文字に非常によく似ているが、現代語に直すと革命万歳 レコンキスタと解読出切る」

その後ワルドは急に気分が悪くなったといい、城に帰ったが
数日後行方不明になったのは何かの陰謀だったのだろうか

ワルド氏は謎の失踪を遂げ、関係者は口をつぐんだが
これにはレジデンドオブサンの陰謀が隠されているに違いない


つづく

170 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 00:16:18 ID:bjG2VDdu
GJwwwwwwwwwww
書いたからには続けよwww

171 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 00:17:38 ID:YIYxp+VR
GJ!
不覚にもオロオロするワルドに萌えたのはナイショだ。

172 :聖石の人 ◆FIXARUtWLY :2007/11/11(日) 00:17:42 ID:wDPTM+4J
乙です。
なんというカオス、恐るべしはMMRなのか…
投下は30分前後に開始します。

173 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 00:19:13 ID:02NOtyzJ
>>下克上 霊魂鬼守蛇
これなんて暴走族wwwwwGJwwww

174 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 00:19:19 ID:jlPFzGwc
ひでぇ

良い意味で

続いて聖石の人に支援

175 :蛇の使い魔:2007/11/11(日) 00:20:50 ID:hH5p5s+X
今から投下大丈夫ですか?
聖石の人と被らないとは思いますけど…

176 :聖石の人 ◆FIXARUtWLY :2007/11/11(日) 00:24:44 ID:wDPTM+4J
じゃあ、更に五分遅らせて35分位に投下しますね。

177 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 00:26:21 ID:vjhLYh9e
>>175
だそうだ。それと、投下自体は少し間を空けて落とした方が住民他に対して優しいと覚えておくといい。次の機会では活かしてくれ

178 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 00:26:56 ID:s9GZYjYC
支援

179 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 00:28:49 ID:60m9U7kp
これほどひどいのは久しぶりだwww

180 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/11(日) 00:30:11 ID:++C6cWNI
支援

181 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/11(日) 00:30:12 ID:++C6cWNI
支援

182 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 00:30:39 ID:5/ol/9kf
両者支援

183 :蛇の使い魔:2007/11/11(日) 00:31:59 ID:hH5p5s+X
「見てたわよ」
「おおルイズ、丁度よかった」
「なにが、おお、よ?バカじゃないの?貴族と決闘したらただじゃすまないわ。わかってる?」
「心配してるのか?」
「だ、誰が!?いい、あんたは私の使い魔なんですからね。勝手なことしないで!」

腕組みをして顔を背けるルイズ
若干顔が赤い気がする。
だが今は気にしている場合じゃない

「そうか。ところでルイズ、聞きたいことがある」
「なによ?」
「魔法についてだ。俺はこの世界について知らない
 下手をすると本当に死にかねないからな」

魔法についての知識が無いのが弱点
敵の情報は多いほど良い
それによって立てる作戦も変わってくる
戦いである以上、失敗は許されない
そういうところはやはりプロだ

「どうして?」
「戦場はシビアな場所だ。一瞬の隙も許されない
 射程、力の源、何をしてくるか、何でもいい。教えてくれ」

184 :蛇の使い魔:2007/11/11(日) 00:33:07 ID:hH5p5s+X
ヴェストリの広場
風と火の塔の間にある中庭だ
決闘の噂を聞きつけてか既にギャラリーが大勢集まっていた
ギーシュの元にスネークが無限バンダナを風になびかせ、颯爽と到着する

「待たせたな!」
「来たか。その覚悟だけは認めてやろう」

さっと薔薇の花を振る
すると地面から青銅のワルキューレが現れた

「僕はメイジだ。だから魔法で戦う。何か問題は?」

ギーシュが薔薇を振る
それに呼応してワルキューレ達が攻撃を開始した

―スネーク、ギーシュの二つ名は【青銅】よ。青銅のワルキューレで戦ってくるに違いないわ

攻撃は遅い訳ではないが、避けられない訳でもない
後ろに飛んで拳をよける
フォックスのカタナの方が遥かに速かった

―ワルキューレも魔法のひとつよ。魔法には杖が必要なの。杖が無ければギーシュなんてただのガキだわ

先ほどから振っている薔薇
おそらくアレが杖だろう
さてアレをどうやって叩き落すか
銃の類は使うつもりはない。子供に説教するだけだ。武器は必要ないだろう

―でもワルキューレは一体とは限らないわ。でもそれを操っているのはギーシュって事を忘れないで

一体のワルキューレが振り下ろした拳をローリングでよける
すると近くにいたワルキューレの頭に当たり、頭が吹き飛んだ
全部のワルキューレを自由自在に動かすのはかなり集中力がいるはずだ
初めは攻撃を避け続ける。そうすれば段々頭に血が上っていくはずだ
その状態で数々のワルキューレを操るのは困難
攻撃を避けるのは簡単だ。ギーシュは戦いのプロではない
攻撃をするとき必ず目が動く。その方向にいかなければいいだけの話だ

―あと魔法は無限につかえる訳じゃない。魔力が底を突けば使えなくなるわ

いつになるか分からないものをあてにする気は無い
しかし、ギーシュは自分の魔力を知っている
時間が過ぎるほど焦りが見えてくる

「どうした、若いの?」
「余裕なのも今だけだ!」

攻撃のスピードが上がる
降り注ぐ拳の雨。大きく跳んで、ワルキューレの群れから脱出する
徐々にワルキューレが遅くなってきている

「そろそろだな…」

185 :聖石の人 ◆FIXARUtWLY :2007/11/11(日) 00:33:13 ID:wDPTM+4J
とりあえず、蛇さん先に投下お願いします。
強烈な腹痛のためトイレに篭ってきます。

186 :蛇の使い魔:2007/11/11(日) 00:34:11 ID:hH5p5s+X
所変わって学院長室
二人の男がなにやら話し合っている

「確かにルーンが同じじゃな。だが、結論を急いではいかんよ
 あの男が『ガンダールヴ』と同じルーンを持っていても同じ能力を持っているとは限らん」
「ですが…」

スネークのルーンについて話しているようだ
部屋の扉が叩かれる
オスマンの秘書、ミス・ロングビルが入る

「私です、オールド・オスマン」
「何じゃ?」
「ヴェストリの広場で決闘をしている生徒がいるようです」

大きくため息をつくオスマン

「全く暇をもてあました貴族ほど厄介なものは無い
 で、誰が暴れているのかね?」
「一人はギーシュ・ド・グラモン。もう一人はミス・ヴァリエールの使い魔の男のようです
 教師達は『眠りの鐘』の使用許可を求めています。許可を」
「阿呆か。その程度のことに秘宝を使ってどうするんじゃ
 あの使い魔なら殺しても死ななそうじゃし、問題ないわ」
「…分かりました」

部屋を出て行くミス・ロングビル
確かに部屋を出たのを確認した後、オスマンが杖を振る
鏡にヴェストリの広場が映った

187 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 00:34:26 ID:vjhLYh9e
>>185
そんな貴方の心遣いがステキ

あんど支援

188 :蛇の使い魔:2007/11/11(日) 00:35:56 ID:hH5p5s+X
ポーチからスタングレネードを取り出す
安全ピンを抜こうとしたそのとき―

「何だこれは!?」

左手のルーンが輝きだした
その直後、目の前のワルキューレの動きが遅く見える
そして身体が軽くなった
なんだか知らないが好都合だ
ピンを引き抜き、投げつける
すぐに耳をふさぎ、投げた方向と逆の方向を向く

―バシュッ!

3秒ほどして、強烈な閃光と轟音が響く
手には次にいつでも投げられるようにスタングレネードを持ってギーシュの元へ走った
まともにスタングレネードを食らったらしい
ワルキューレの指揮系統が狂っている
闇雲に攻撃をしている
ルーンがさらに輝く
一瞬でギーシュに近づき、右腕を掴み、捻る

「ぐっ…!?」

思わず薔薇の花を落とすギーシュ
その花を遠くへ投げ飛ばすスネーク
スタングレネードをしまい、視覚と聴覚が戻ったギーシュに言う

「戦いの基本は格闘だ。武器や装備に頼ってはいけない」
「貴様…!」

杖とギーシュの間に割って入るスネーク
スネークを抜けようと殴りかかってくるギーシュ
その右腕を左手で掴み、右足をギーシュの背中側へまわす
右手でギーシュの顎を押し―投げ飛ばす

「ぐっ…」
「確かに魔法はすごい。だが、指揮官が混乱してしまっては部隊は壊滅する」
「…」

息も絶え絶えなギーシュ
そして、最後に一言

「それともうひとつ、男なら女を全力で守れ!
 傷つけるようなマネをするな。それが漢のダンディズムだ」

ギーシュが意識を失い、スネークの勝利が決まった



以上です
聖石さん、ご迷惑をおかけしました
>>177 次からは気をつけます

189 :豆粒ほどの小さな使い魔:2007/11/11(日) 00:37:08 ID:gQ68O/Eu
支援

それでは私は聖石さんの次、
45分くらいになったら投下させていただきます。


190 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/11(日) 00:37:10 ID:++C6cWNI
支援

191 :聖石の人 ◆FIXARUtWLY :2007/11/11(日) 00:39:28 ID:wDPTM+4J
蛇さん、乙です。
地の文に『。』をしっかり使うとより一層見やすいと思います。

それでは、42分(手持ちの時計)頃に投下開始します。

192 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 00:39:51 ID:kqskoFVZ
豆の人…
45分投下とか微妙ではと…
支援

193 :蛇の使い魔:2007/11/11(日) 00:41:23 ID:hH5p5s+X
>>191
ありがとうございます
次からは意識して行きたいと思います

それでは支援

194 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 00:41:24 ID:oFWUFoez
気になる…!SS職人の人達は普段は仕事しているのかと

195 :ゼロと聖石16 ◆FIXARUtWLY :2007/11/11(日) 00:42:34 ID:wDPTM+4J
久しぶりです、腹痛でトイレに駆け込んだの。投下開始!

その日、タルブ村は地獄だった。

逃亡したチョコボを連れ戻すための作戦。
その下準備のために集められたハシバミ草。
民家ほどの山になって積まれている。

それらが抽出され、鼻詰まりも一発で治りそうな臭いが立ち込める。
全身がハシバミ臭に犯される。

誰か、この状態を解決してください。
それだけが、私たちの望みです。

―――デュライ家日記帳・通称デュライ白書より





むせ返るようなハシバミ臭。
旅人も鼻をつまみながらこちらを見る。
私だってこんなことやりたくない。

目を瞬かせながら、一心不乱にハシバミエキスを作る。
タバサだけ嬉々として作っているのは気のせいだろう。
気のせいだと信じたい。

順調にハシバミ草が無くなり、樽にして五つ分のハシバミエキスが完成。
夕方のことだった。
どの道、村にハシバミ臭がする限りチョコボは寄ってこない。
つーか私たちも離れたい。
タバサだけはなんだか心なしかうっとりしている。
おーい、かえってこーい。




村のハシバミ臭を消すために奮闘したら、時間は夕方。
今から森に入ると危険なので、作戦決行は明日にして、今日はゆっくり休む。
シエスタの家では鶏肉を中心とした食卓で出迎えられた。
シチューやソテーを皆で食べる。
これはうまい。
今までの鶏肉とは一味違う、濃厚でコクのある味だ。

「シエスタ、この鶏肉おいしいわね。なんていう料理なの?」

私たちは思った。
世の中知らなくていいことはいっぱいあると。
昔、旅行先で蜂の子のフライを食べさせられたとき以来の思いだ。

「チョコボのシチューです。栄養がいっぱいでおいしいですよ」

196 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 00:42:35 ID:vjhLYh9e
>>188
乙!
>>あの使い魔なら殺しても死ななそうじゃし、問題ないわ
あるだろwwwwwwエロジジイちっとはメイジのパワー自覚しろwwwwwwwww
スタングレネードとか、手加減しつつもさりげにめっさ辛い攻撃しかける奴にワロタ

197 :豆粒ほどの小さな使い魔:2007/11/11(日) 00:43:10 ID:gQ68O/Eu
様子見て時間遅らせますので支援。

198 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 00:43:31 ID:hH5p5s+X
支援

199 :ゼロと聖石16 ◆FIXARUtWLY :2007/11/11(日) 00:43:39 ID:wDPTM+4J
ちょっと、マジですかシエスタ。
地獄を見る羽目になった動物の肉ですか。

ギーシュとタバサ、キュルケの顔色が青ざめたものに。

って、ちょっと待て。
たしか鶏肉のソテーもあったはずだが―――

「タルブ名物、チョコボ料理です。おいしいですよね」

食べてしまったものは仕方が無い。
冥福を祈りつつ、残さず食べよう。

「あー、僕はちょっと節制中でね」
「逃がさない」

逃げようとするギーシュを捕まえ、席に座らせる。
ナイス、タバサ。
キュルケは偏見を捨て、おいしく頂いているようだ。
思い出さなければ、味はいいのだ、味は。




全員がチョコボ料理で満腹になり、思い思いの夜を過ごしている中、私は散歩に出た。
外は満月、月明かりが気持ちいい。
森と反対側には草原が広がっていて、今は月明かりの舞台となっている。

「ねぇ、アルテマ。貴女はどうしてこの世界に来たの?」

「それは、貴女がヴァルゴの、血塗られた聖天使の魂を受けるにふさわしい者だったから」

背後からの声。
けれど、振り向かない。

「血塗られた聖天使って?」
「万物を支配する真理より解き放たれた存在、それが聖天使。『血塗られた』は神に逆らった際につけられた」

今までに疑問に思っていたことが、あふれ出る。

「あの、死んだ都は?」
「海中に沈んだかつてのミュロンド。死せる都ミュロンド」

彼女の姿は見ない。
一方的な質問は続く。

「じゃあ、今の貴女はアルテマなの? それとも私なの?」
「全ては虚栄の闇が払われ、力の塔の頂にたどり着いた時に解る」

聞くべき事は聞いた。
最後に、一つだけ呟く。

「魂が融合した果てに出来るのはアルテマかルイズか、そういう二択ね」

200 :ゼロと聖石16 ◆FIXARUtWLY :2007/11/11(日) 00:44:40 ID:wDPTM+4J
「あるいはそのどちらとも取れない、まったく新しい半人半天か」

振り向き、顔を合わせる。

赤いレオタードをイメージさせるような服。
服に合わせた赤いブーツには、羽をあしらった二本の剣。
そして、背に純白の翼と頭に生える二つの翼。

目の前にいるのは、四対の翼を持つ天使。

「初めまして、それが本来の姿なのね」
「この姿で話すのは久しぶりだ」

月明かりの下、一人の人間と天使が顔を合わせる。
お互いの表情は穏やか。

アルテマの喉元に杖が突きつけられ、ルイズの両肩に剣が乗せられる。

「悪いけど、そう簡単に負けるつもりは無いの」
「それでこそ、私が選んだ肉体だ」

ルイズが杖を引き、アルテマが剣を地面に突き立てる。

「我が魂の器が、接近戦の一つも出来ないのは腹立たしい」
「心遣い感謝します」

剣を引き抜き、柄を支点に一回転。
驚くほど軽い。

「次に会うのは、おそらく戦場ね」
「いずれ、この世界に大きな戦いが襲う。そう遠くない時に会えるだろう」

瞬きをした瞬間に、アルテマの姿は消えていた。

「あ、ルイズ様!」

代わりに、町の方向から走ってくるシエスタ。
多分、私が抜け出したことに気が付いたのだろう。

戻ろう、私の世界に。

アルテマが降り立った、幻想の舞台を後にし、シエスタの元へと歩いていった。
アルテマが存在した証の剣を持って。

201 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 00:44:57 ID:lVILFAja
>>185
それはモスフングスの毒のせいだ支援!

202 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 00:45:59 ID:0ZbGHZzK
さすがスネーク
戦闘のプロだ

203 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 00:46:19 ID:l3BZbeBf
支援

204 :ゼロと聖石16 ◆FIXARUtWLY :2007/11/11(日) 00:48:09 ID:wDPTM+4J
翌日早朝。
朝もやのかかる森の中。
チョコボの縄張り外周に撒かれる液体。
風を起こし、液体の持つ刺激臭を縄張りの中心に送り込む。
数秒後に響くチョコボの鳴き声に、成功を確信する。

村のチョコボ農場に誘導するようにハシバミエキスを撒き、行動を徐々に限定させる。
その様子を、私は村から眺めていた。

私の予想が正しければ、あのチョコボだけここに来る。
あの赤いチョコボは、絶対に。

念のためにハシバミエキスを撒いて、寄り付かないようにしてある。
対チョコボ用の結界が張られた空間に、一匹のチョコボが入り込む。
赤い羽根のチョコボ。

お互いの姿が確認できた瞬間に、勝負は決まった。

「命に飢えた死神達よ」

チョコボが羽を振り下ろすと同時に現われる巨大な岩。
対するルイズは詠唱の大部分をあらかじめ終わらせた魔法が発動する。

「汝らにその者の身を委ねん…デス!」

岩が着弾する瞬間にシエスタが私を突き飛ばして割り込む。
私の魔法が赤いチョコボの命を刈り取り、シエスタが巨大な岩を受け止める。

シエスタのパワーで吹き飛ばされた私も、岩をまともに受け止めたシエスタも相当なダメージを負う。

倒れたまま首だけを動かして作戦の成否を見る。
チョコボ達が、チョコボ専用の牧場に入って行くのがよく見えた。

それを確認して、ゆっくりと眠り始めた。





「お、戻ってきたな。仕事の成果を話してもらおうか」

以前、仕事を斡旋した貴族の子供達が結果報告に来た。

「私達は王都トリスタニアを出発して、タイニーフェザー退治に出発したわ」
「いい予感がしてた」
「圧倒的な数のタイニーフェザーが群れを形成している中、がんばって仕事をしたんだ」
「その結果、無事に退治することと、新しい道の開拓に成功しました」
「近くのタルブ村の住民がお礼として宝箱を持ってきた」
「私がその中身を確認すると…タイニーフェザーの卵が入っていたわ!」
「よって、この仕事は大成功したと言えるわ!」
「今回の仕事の結果報告は以上よ」

成果:チョコボ(タイニーフェザー)の卵二個。
   古代の船と機関部

「おっ、凄いもの見つけたな。それは財宝って言って、とても価値があるぜ!」

とりあえず卵は大事に育てて、船はコルベール先生に復元してもらおう。
今後が楽しみな卵を抱えながら、どんなチョコボが生まれるのかを思うのだった。

205 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 00:48:49 ID:vjhLYh9e
はしばみの臭いがついちゃってブルーなアルテマとか一瞬想像した支援

206 :ゼロと聖石16 ◆FIXARUtWLY :2007/11/11(日) 00:50:29 ID:wDPTM+4J
以上で投下終了です。
キノコが生えた代で家が途切れるキノコは食べてないですよ。
いや、でも昨日食べた鍋に見たこと無いキノコが…
支援ありがとうございましたー。

207 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 00:51:13 ID:l3BZbeBf
実はチョコボの卵じゃなかったりして支援

208 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 00:51:49 ID:9qR60Hj6
>>207
うりぼうとか?

209 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 00:52:24 ID:vjhLYh9e
>>206
乙! やはり最後の定石セリフがとても良い感じ、というか嬉しいね何かコレ

210 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 00:53:50 ID:9qR60Hj6
>>208
GJ忘れてたorz

211 :豆粒ほどの小さな使い魔:2007/11/11(日) 00:54:48 ID:gQ68O/Eu
赤いチョコボ死んでしまったか。ちょっと残念。
1時になったら投下します。

212 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 00:55:04 ID:DQpb8shx
聖石タバサはハシバミ草の青汁の目覚めの一杯が
日課になってしまってド顰蹙なのでは支援。

213 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 00:57:42 ID:w+Sb4P/N
エイリアンが召喚されるのは短編で一つあったけど、プレデターが召喚されるのはまだ無いよな?


214 :豆粒ほどの小さな使い魔:2007/11/11(日) 01:01:03 ID:gQ68O/Eu
それでは投下します。


215 :豆粒ほどの小さな使い魔16 1/5:2007/11/11(日) 01:02:11 ID:gQ68O/Eu
ルイズは、幾つかの魔法を使えるようになった。
けれど火や風の魔法は、やはり使うことができなくて、ルイズのことをゼロと呼ぶ人間はまだ多い。多分、あの人たちにとっては、ルイズがどう変わろうとゼロのままなんだろう。
あまりいい気持ちはしないけど、本人に気にしてないからと言われたら、私には何も言えない。
シルフィードは、タバサに許してもらえたから、と私を相手に色々な話をするようになった。
韻竜と言うらしい、とても珍しい竜なので、他の人間にはしゃべれることを知られてはいけないと。だから私もルイズには言えないでいる。
キュルケは、ルイズをよくからかうけれど、魔法が使えるようになったことは、とても喜んでくれた。ただ、囃し立てすぎて、ルイズが拗ねてしまったけれど。
私は、ちょっと苦手だ。あまり聞かれても、話せないことの方が多いから。私個人のことならともかく、コロボックルに関ることは、言いふらして欲しくない。


最近になって、行動範囲を少しずつ学院の外まで伸ばしている。
ルイズの部屋の窓の桟を少し削って、小さな穴を開けて出入り口を作ってもらった。茶色に縫った布を貼ってあるので、見た目ではわからないし、風も入らない。
この細工は、実はシエスタがやってくれた。もちろん、ルイズに許してもらった上で。
日中は殆どルイズと一緒にいるから、探索をするのは夜だ。
木の根を飛び越え茂みを走り抜けると、昨夜残した目印の蜘蛛の糸が、月の光を弾くのが見えた。
夜の動物は、視界は鈍くても、耳と鼻が鋭い。だから一瞬も気が抜けない。
誰にも見られる心配がいらないんだと気がついてから、夜は服も簡単にした。集めてきた野草の煮汁で染めた布を、胴体と、二の腕と脛に巻きつけてる。動きやすいけど、冬は寒いだろう。
今悩んでるのは靴だ。隊の靴は上質のモグラの革を重ねたものだけど、こうして毎日のように走り回っているのだから。
一人になってよく分かる。見えないところでも、皆に支えられてきたんだと。
びりっと、うなじの辺りが緊張した。考えるよりも速く落ち葉の中に潜り込んで息を止めた。
右手は剣の柄に、左手を毒針に伸ばす。
……いる。
やり過ごせるだろうか。
相手がばんと地面を蹴った瞬間、私もまた空に向かって跳ねた。
木を蹴って方向転換、黒い獣がさっきまで隠れていた茂みを抉った。悔しそうな唸り。猫よりもずっと大きい。金色の目が光を――


* * *

216 :松下:2007/11/11(日) 01:02:45 ID:9EkDUC3d
GJ! 今日も混み合っててなにより。
じゃあ、豆粒氏の次に予約しようか。氏の投下終了から10〜15分後に投下する。
そして支援

217 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 01:04:22 ID:wDPTM+4J
SS大豊作祭支援。

218 :豆粒ほどの小さな使い魔16 2/5:2007/11/11(日) 01:04:33 ID:gQ68O/Eu
夜中、ハヤテが探索に行くのは心配だけど、たった一人でも自分はマメイヌ隊なんだからと言われると、引き止めるのも難しくて。
気をつけて、怪我をしないようにと祈ることしかできないのがもどかしかった。
心配していても眠くなるのは、自分でも呆れちゃうけど、魔法の練習やらコルベール先生と話したりキュルケに振り回されたりで疲れてるんだからしょうがない。
そして、夜気を切り裂いて走っていく夢を見た。
夢と言うには、自分の息遣いや鼓動、草や地面の匂いまでがやけに鮮明で、
視点の低さから、ようやく、これが夢じゃなくて、ハヤテの感覚と繋がってるんだと思い当たった。
寝ていると、頭の働きも鈍るらしい。起きてたらすぐに気がついただろうに。
以前、走ってるハヤテの視界を感じようとしたときには、あまりの速さに目が眩んでしまったけど、私が寝てるときなら、平気みたい。
きっと、私の体からの五感が途絶えてるから、ハヤテだけに集中できるんだろう。
どこをどう走ってるのかなんて、分からない。
時々、木の幹に剣で傷を刻んだりして、きっと目印なんだろう。
最後に、するすると木に登って、一本の枝に、複雑によじれをつけた細い糸を結び付けてた。風に漂うように揺れると、月の光を弾くの。
トリスティンの騎士隊に、これほど巧みに動ける騎士なんていないんじゃないかと思う。
安心したら、何だか暗くなって、
ハヤテの笛の音に起こされた。
人が散々心配したのに、すっきりした顔してる。
誤魔化しながら聞いてみたら、やっぱり夢で見たのは、本当にあったことらしい。

ハヤテが無茶をしてないことが分かったのと、それから毎晩じゃなくて時々だけど、夢でハヤテと繋がれるようになったから、心配しすぎないようにしようと思った。
それに、ハヤテと一緒に走ってるみたいで、わくわくするし。

ただ、今日はいつもと様子が違った。
じぐざくに、目まぐるしく景色が変わる。ハヤテらしくない乱暴な走り方だ。
一体何がと思ったとき、すぐ側を大きな何かが掠めた。弾き飛ばされたみたいに転がって、素早く立ち上がってまた走り出した。


219 :蛇の使い魔:2007/11/11(日) 01:05:22 ID:hH5p5s+X
支援

220 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 01:05:24 ID:hMGzhUzk
今日もSS豊作祭りだ支援

221 :豆粒ほどの小さな使い魔16 3/5:2007/11/11(日) 01:06:01 ID:gQ68O/Eu
ちらりと見えたのは、とてつもなく大きな口と光る目。
自分なんて一飲みにされそうで。もし私なら凍りついて動けなくなるだろうに、ハヤテは全然止まらない。それどころか、右に左に、相手を翻弄してる。
ふっと、足元が消失した。違う、飛び降りたんだ。と思った瞬間、ハヤテが剣を引き抜いて、今踏み切ったばかりの足場に突き刺した。がくんと全身が引っ張られるその上を、獣が飛び越えて行った。
ばきがさとそれほど遠くない所で音がしたから、さして高くない崖なんだろうけど、でも一度落ちてしまえば、こちらにすぐ戻ってくることはできないだろう。
ハヤテは、しばらく剣にぶら下がったまま、暗い下方を見ていたけど、ようやく安心したのか、崖の上に戻った。
勘弁して欲しい、こんなに怖い思いをさせられるとは思わなかった。
頼むから、今夜はもう部屋に帰ってきて欲しい。
帰ってきたハヤテに怒ってやろうと思ったんだけど、気が抜けたせいか、そのまますとんと眠ってしまった。



「るいず、ドウカシタ?」
「どうかしたって……ハヤテこそ、昨夜は何かあったんじゃないの?」
どうして平然としてるのよ。
「ン、追イカケッコ、シタヨ。アレハ、ヤマネコカナ」
そんなことよりも、こっちの方が気になるんだと、悲しそうに靴に手を突っ込んでる。
怒る気も失せたわ。
「ああいうのが、マメイヌ隊の日常なわけ?」
「ソンナコトナイヨ。タダ、アアイウコトモ、タマニアル」
そこまで来て、あれ? とハヤテが首を傾げた。
「モシカシテ、昨日モ、見タ?」
「見たわよ。繋がった途端、キシャーッて追いかけられて、めちゃくちゃ驚いたんだから」
寝てる間は、意識して繋げたり切ったりできるわけじゃないから、ハヤテのせいでもないんだけど。


222 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 01:07:12 ID:p/PYZ6dR
支援

223 :豆粒ほどの小さな使い魔16 4/5:2007/11/11(日) 01:07:30 ID:gQ68O/Eu
「本当に、心配したのよ?」
ハヤテに掌に乗ってもらう。ここにいるんだって、安心できるから。
「アリガト、ソレニ、ゴメン。本当ハ、モット早ク振リ切レタンダケド……」
そう言って差し出したのは、さっきから弄ってた靴。
あ、靴底から、ハヤテの指が、ぴょこんって飛び出してる。
「穴ガ開イチャッテ、上手ク走レナカッタノ」
あれでまだ本気の走りじゃなかったのか。
呆れるしかない。それなら確かに、ヤマネコも怖くないかも。
「怖イノハ、最初ノ襲撃ヲカワシソコネルコト。ソレサエ凌ゲバ、大抵ハ振リ切レル」
「でもその靴じゃ難しいのよね」
だからあんな離れ業が必要になったわけだし。
「自分で直せそう?」
必要なのは、薄いなめし皮と、馬の尻尾の毛が何本か。
ただ、ハヤテは裁縫が苦手なので、失敗してもいいように、少し多めに欲しいと、すまなそうに言った。
大喰らいの使い魔に比べたら、ハヤテが必要とするものなんて、本当に僅かなものなのに。
なめし皮は、皮手袋用の豚皮でいいのかしら。あれなら薄いのもあるから。
「タバサに頼んで、今度トリスタニアに買いに行きましょうか」
風竜に乗せてもらえると楽だしあの高さから見下ろす景色も最高だから。
お願いすると、意外に簡単に乗せて貰えるんだけど、いつか本当にちゃんとお返しをしたいな。


シエスタは残念ながら来れなかったけど、代わりにキュルケが混じった。いなくていいのにとつい口の中で毒づいたら、ハヤテに指笛で叱られた。
そうね、タバサの友達なんだし、そういうこと言っちゃだめか。
タバサが魔法で風を遮ってくれるので、私たちは安心して空の行程を楽しめる。
ハヤテは小さな帳面を持ってきていた。ちょっとでいいから、人間の靴屋を見学したいから、その間私たちには時間を潰していて欲しいと。
なるほど、隠れていればばれないだろうし、全く同じ作り方ではないだろうけど、確かに参考になるかもしれない。


224 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 01:07:45 ID:hH5p5s+X
支援

225 :豆粒ほどの小さな使い魔16 5/5:2007/11/11(日) 01:09:04 ID:gQ68O/Eu
自分の腕に自信がないのなら尚更。
「時間はいいけど、合流はどうするの? 私たちが靴屋に迎えに行きましょうか?」
「目ヲ繋ゲバ、追イカケラレナイカナ?」
「ううん、多分だめね。通りはどこも似たような造りだし、お店に入ってたら余計見つけられないと思うわ。二時間くらいしたら迎えにいくから、それまでしっかり見学してなさい」
指を立ててハヤテを諭してたら、キュルケに笑われた。お姉さんぶってるって。
喧嘩にならなかったのは、空の上だったから。シルフィードが急降下して喧嘩どころじゃなかった。
二度とタバサの読書の邪魔はしちゃいけない。


結果として、ハヤテの靴は、本人も驚くほどいいものができた。
ここの人は、靴を手作業で作っているので、もの凄く参考になったって。
だったらハヤテの故郷ではどうだったのかと聞いたんだけど、要領を得なかった。キカイが自動で作るって言われても。
コロボックルは手作りなので、私たちに近いんだとか。
私から見てもよくできてると思う。二種類の皮を貼り合せてあって、水も漏らないそうだし。
慣れてないせいで手を少し怪我しちゃったみたいだけど、とにかく、ここしばらく靴作りに励んでいたハヤテは、嬉々として外に飛び出していった。
あの様子なら、本当に心配はいらないんだろう。
それにしても、上手く行かなくて癇癪を起こすハヤテとか、普段見られない彼女が見られたのはよかったと思う。

穴の開いた靴は、ハヤテの部屋に、大切に仕舞われている。

226 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/11(日) 01:09:42 ID:++C6cWNI
支援

227 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 01:10:30 ID:YIYxp+VR
し・え・ん! し・え・ん!

228 :豆粒ほどの小さな使い魔:2007/11/11(日) 01:10:52 ID:gQ68O/Eu
投下終了
ハヤテにはヤマネコよりも穴の開いた靴の方が切実なんです。

229 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 01:11:39 ID:vjhLYh9e
>>228 乙!
>>穴の開いた靴は、ハヤテの部屋に、大切に仕舞われている。
こういう発想が大好きなのです

230 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 01:13:34 ID:AFzsUGj7
デルフ君華麗にスルーwww
戦闘のないこのSSには不要な存在だなw

231 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 01:16:36 ID:YIYxp+VR
もう何度も言った。また何度も言う。これからも何度でも言おう。
ハヤテカワイイよハヤテww

232 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 01:16:53 ID:lVILFAja
溶かして何かに流用できないかな?>デルフ

233 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 01:24:43 ID:jj7syrWm
こんばんわ。
作品を投稿したいと思う。
前一回だけ短編を投稿したことがあるが、その時はボコボコに叩かれた。だから、実力は期待しないで欲しい。

召還するのは、「機神大戦ギガンティック・フォーミュラ」の「十式オニクス」。

書いてたら案外「召還→一日目終了」までが長くなってしまった。
今回はほんと、さわり。
ていうかGF自体あんま掘り下げなかった作品だったので、オニクスにはかなり俺解釈入ってる。

234 :松下:2007/11/11(日) 01:24:53 ID:9EkDUC3d
今晩は、松下です。善良な豆粒の後に悪魔くんって、なんか気がひけちゃうなぁ!
先日、鳥取は境港の水木しげるロードに行って来ました。鬼太郎ばっかりで悪魔くんがあんまりいない事に糸色望した。
ブロンズ像やポスターになっているのは、山田真吾版とメフィストだったし。
でも『水木しげる記念館』内のキャラ集合絵には、ちゃんと松下も描かれていましたよ。山田とは別に、あのキューピー頭が!
それはさておき、投下します。

235 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 01:25:03 ID:p/PYZ6dR
デルフよ、気合で縮め!

236 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 01:26:33 ID:YIYxp+VR
>>233
悪魔訓が予約入ってるのでその後にカモン!

237 :新約・使い魔くん千年王国 第三章 水と風 1/5:2007/11/11(日) 01:26:46 ID:9EkDUC3d
『水の精霊』の頼みを受け、一行はガリア側の岸辺へ向かう事になった。
とりあえず村に戻って事情を説明し、準備を整える。一周すれば200リーグはあろう湖の対岸に向かうのだ。
舟で行けば、数時間はかかるのではないか。空を飛ぶ『魔女のホウキ』はあるのだが。

「それにしても、水底まで襲ってくるメイジなんて、かなりの使い手よ」
「系統は、なんだろうな。二年半前にも同じような事があったのかも知れない」
「おそらく、『風』ね。火は当然水中では使えないし、土は沈んでしまうだけ。
 水メイジなら水中でも呼吸できるけど、『水の精霊』は水に触れただけで相手を操れる。
 でも『風』なら、周囲に空気の球を作って水に触れずに行動できるもの」
風か。ワルドの件もあり、手強いイメージがある。トライアングル級だろうか。

「だけど、いくら相当の使い手でも、『水の精霊』のテリトリーまで降りていって喧嘩を売るなんて!
 スクウェア級のメイジか、よほどの命知らずか。空気の球を潰されたら確実に死ぬのよ!」
ならば、『水の精霊』やヴォジャノーイの助力も仰げるという事かも知れない。
とは言え、独力で解決する方が望ましいだろう。

ぱしゃぱしゃと足音をさせて、松下は湖面を歩き出す。濡れているのは靴底だけだ。
「ちょ、ちょっと! あんた、そんな事もできたの!?」
「ぼくを誰だと思っている、『東方の神童』だぞ。これぐらいの術はできて当然だ。
 湖の様子を見がてら、歩いて渡ってみる。差し渡し30リーグほどだろう、半日で着く。
 きみはモンモランシーやギーシュたちと一緒に、ホウキで渡ってきたまえ」


《…逆風のために弟子たちが漕ぎ悩んでいるのを見て、夜が明けるころ、
 (イエスは)湖の上を歩いて弟子たちのところに行き、そばを通り過ぎようとされた。
 弟子たちは、イエスが湖上を歩いておられるのを見て、幽霊だと思い、大声で叫んだ。
 …しかし、イエスはすぐ彼らと話し始めて、「安心しなさい、私だ。恐れることはない」と言われた。
 イエスが舟に乗り込まれると、風は静まり、弟子たちは心の中で非常に驚いた》
 (新約聖書『マルコによる福音書』第六章より)

238 :新約・使い魔くん千年王国 第三章 水と風 2/5:2007/11/11(日) 01:28:12 ID:9EkDUC3d
その前の夜、トリスタニアの王宮にて。
新女王アンリエッタは無数の公務に忙殺され、しばらく寝る暇もない日々だった。
ようやく仮眠が取れる。亡き父王の寝室にある巨大なベッドで、アンリエッタはうつ伏していた。
明日の朝も早い。ゲルマニアの大使との折衝が控えている。疲労を顔に出しては見くびられる。
この頃は栄養ドリンク代わりに酒量が増えた。二日酔いは水の魔法で消せるが、積もる疲労は癒し難い。

「はぁ…………疲れた」
さしもの腹黒女王も、人間だ。弱音の一つも吐きたいが、吐き出す相手がいない。
枢機卿は厳しいし、護衛や女官に吐けば外国の間諜に伝わるだろう。幼馴染の友達は、外出中だという。
年頃の娘だというのに……私は、ほとんど色恋もした事がない。王族に、まして女王に滅多な恋愛はできない。
すぐスキャンダルの種にされ、戦争の道具だ。結婚は政治の一環でしかない。
王座の重圧に精神が擦り切れそうになり、またワインの杯に手が伸びる。

扉が、ノックされる。また仕事か。億劫そうにガウンを羽織り、誰何する。
「ラ・ポルト侍従長? それとも枢機卿? 名乗りなさい、また厄介ごとですか?」
だが、返事はない。すっと杖を引き寄せ、語調を強める。
「誰ですか? 名乗りなさい! こんな夜更けに女王の寝室を訪問するのです、名乗らないという法はありませんよ。
 無礼者、と叫んで人を呼びましょうか?」

「僕だよ、アンリエッタ。この扉を開けておくれ」
………幻聴だ。酒の飲み過ぎだ。彼は確かに、死んだと報告されたのだから。
しかし、アンリエッタの胸には期待もあった。この声は確かに、あの恋人、愛しの皇太子。
「ウェールズだ。きみの従兄、アルビオンのウェールズだ」
「本当に、ウェールズさま? いいえ、あの方は裏切り者の手にかかって、亡くなられたはず」
形見の『風のルビー』もここにある。嘘だ、嘘だ、敵の謀略だ。

「死んだのは影武者さ。きみの大使、ミス・ヴァリエールの使い魔くんは、たいした策士だったよ。
 敵を欺くにはまず味方から。では、僕がウェールズだという証拠を『聞かせよう』」
アンリエッタは震える。おお、この声、この瑞々しい命の波動は、間違えようはずがない。
「風吹く夜に」
「水の誓いを」
ラグドリアンの湖畔で、何度も交わした、二人しか知らない合言葉。
アンリエッタが扉を開くと、懐かしい笑顔が待っていた。

239 :233:2007/11/11(日) 01:28:14 ID:jj7syrWm
>>234
お先にどうぞ

240 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/11(日) 01:28:33 ID:++C6cWNI
支援

241 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/11(日) 01:28:48 ID:++C6cWNI
支援

242 :新約・使い魔くん千年王国 第三章 水と風 3/5:2007/11/11(日) 01:29:34 ID:9EkDUC3d
「おお、ウェールズさま……よくぞ、ご無事で」
あとは、声が震えて話が続かない。胸に顔を埋め、若き女王は泣き暮れる。
「心配をかけたね、アンリエッタ。相変わらず泣き虫だ」
「てっきり貴方は死んだものと……。もっと早くにいらして下されば、よかったのに」
「敗戦の後、巡洋艦に乗って大陸へ落ち延びた。敵に居場所を悟られないよう、ごく僅かな部下とともに、
 何度も隠れ家を変えながらトリステインの森に潜んでいた。城下にやって来たのは、二日前さ」

皇太子の手紙を届けてくれたのは、あのルイズの使い魔であるマツシタ少年だった。
彼は偽の手紙を敵に取らせ、本物を持ち帰った。ならば、この殿下も……。
「きみが一人でいられる時間を調べるため、待たせてしまったね。まさか白昼堂々と、謁見待合室に並ぶわけにもいかないだろう?」
「意地悪ですわ、ウェールズさま。どんなに私が悲しみ、寂しく辛い日々を送ったか、男の方には分からないのね」
「分かっているから、こうやってお忍びで来たんじゃあないか。愛しているよ、アンリエッタ」

二人はしばし抱き合う。やがてアンリエッタが口を開いた。
「ご遠慮なさらず、この城にご滞在下さいな。艦隊に大ダメージを受けた『レコン・キスタ』には、
 今のところ我が国に攻め込む力はございませんもの。やがては情勢を整えて、貴方を旗頭に押し立て、
 各国と連合して王政復古の義軍を起こし、誇り高きテューダー王家の旗を再び翻らせましょう!」
勇ましい女王に、ウェールズも苦笑する。
「おお、アンリエッタ。すっかり女王陛下が板についたじゃあないか。
 けれど、トリステイン一国では、遠くアルビオンへ攻め込むことは不可能だ。
 だから僕は、ゲルマニアやガリアとも連合しなければならないと思っている」
「そのために、現在私が寝る間も惜しんで折衝中ですわ。貴方さえいれば、各国もノンとは言えませぬ」

ウェールズは肯いて、続ける。
「僕も、ガリアのさる高位の貴族と連絡を取ることに成功した。信頼できる相手さ。
 国境の『ラグドリアン湖』で密かに会見する手筈になっている。ついてはきみも臨席して欲しい」
「ああ、貴方と誓約したあの湖で、王政復古を誓えるのですね。万一に備え、近衛兵もお付けしましょう。
 今夜はゆっくりお休み下さい。愛を語らいたいのは山々なのですけれど……」
「明日出発では間に合わないんだ。今すぐ行こう」

ウェールズはアンリエッタをぐいっと抱き寄せ、唇を奪うとともに魔法の秘薬を含ませる。
幸せな気分のまま、女王は眠りに落ちた。

243 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/11(日) 01:29:51 ID:++C6cWNI
支援

244 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/11(日) 01:30:16 ID:++C6cWNI
支援

245 :新約・使い魔くん千年王国 第三章 水と風 4/5:2007/11/11(日) 01:30:59 ID:9EkDUC3d
深夜。ラグドリアン湖の広大な水面に、双月が映える。
「ルイズ。何か気配がする、注意しろ。『占い杖』も動き出した」
湖畔の森の中、小声で松下が呟く。ルイズも無言で肯き、モンモランシーたちを制する。
敵だ。相手はおそらく、風のトライアングル級。何人いるのかは、『全にして個』なる精霊には分からなかった。
だが、そう大人数でもないだろう。

人影が岸辺に現れた。漆黒のローブを纏い、深くフードを被って顔を隠している。
人数は二人。やや長身のメイジと、かなり小柄なメイジ。二人は水辺に立って、小柄な方が風の系統魔法を唱え始める。
「あれだな。よし、奇襲をかけよう。ギーシュとヴェルダンデは、地中から奴らの足元に陥穽を掘るのだ。
 モンモランシーはお得意の水中戦に持ち込むため、そこから湖の中に入っていろ。やばそうならヴォジャノーイを呼べ。
 ルイズは……ロビンと連絡係をしていろ。重要な役だ」
「私、蛙は嫌いなんだけど……まあいいわ、行ってらっしゃい。事情を聞きたいから、殺しちゃダメよ」
「言われるまでもない」

松下は、茂みに巣を張っていた『蜘蛛』を何匹か捕まえていた。
それらに何事か呟き、ぱあっと空中に放り投げる。蜘蛛たちは一斉に糸を噴き出し、丈夫な網がふわりと二人を襲う。
「『エア・ハンマー』!!」
「『ファイアー・ボール』!!」
小柄な方から風の槌が、長身の方から火の玉が飛んで、網を破壊する。
声からすると、二人とも女性。しかもまだ若い。
その足元に、ガボッっと大穴が開く。二人は咄嗟に飛びのき、距離を取る。

「待ち伏せとはね! ヴォジャノーイたちも、知恵をつけてきたってわけ!?」
「排除する」
二人は杖を構えるが、その声音は確かに聞き覚えがあった。
「待て! きみたちは、タバサとキュルケか!?」
「え? まさか……マツシタくんと、ルイズ!?」
呆気に取られ、一同は顔を見合わせた。


「………なるほど、そう言うわけだったのね。二人とも、すっかり人間をやめてしまって……。
 まるで実家で見た『東方』の絵巻物ね。トバ大司教の筆だなんて書いてあったけど、大司教があんなの描くのかしら」
「まあ、きみたちで良かった。事情は知らないが、精霊を攻撃するのは中止してくれ」
「……任務。この一帯には、私の実家の領地もある」
「ええっ、そうだったのタバサ! でも、精霊から事情を聞き出せれば、きっと水も引くわよ。ね、マツシタ」

本当はガリア王家からの任務で、『水の精霊の涙』を持って来いという難題だったのだが、タバサは隠した。
それに、かの秘薬があれば、母の毒も除去できるかも知れない。タバサにも『水』系統の心得はある。

246 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/11(日) 01:31:04 ID:++C6cWNI
支援

247 :新約・使い魔くん千年王国 第三章 水と風 5/5:2007/11/11(日) 01:32:38 ID:9EkDUC3d
「……と言うわけで、きみを襲撃するメイジは攻撃をやめた。さあ、『誓約』を果たしてくれ」
《よかろう。その、青い毛の個体が密かに所望する『欠片』も、ついでにくれてやる》
精霊の体から、《涙》が三滴切り取られ、ふわふわと落ちてくる。松下とタバサは、それを用意しておいた小瓶に入れる。

「さて、もう一つ。きみが水嵩を増やしていたのは、いったいなぜだ?
 事と次第によっては、我々が協力できるかも知れないぞ」
精霊はぐねぐねと蠢き、躊躇うような動きをする。
《……話して良いものか、我は悩む。しかし、我との誓約を護ったならば、信用して話すとしよう。
 ……我が悠久の昔より護りし秘宝、『アンドバリの指輪』を、お前たちの種族が盗んだのだ》

秘宝盗賊か。フーケといい、どうも縁がある。まさか土メイジではなかろうが。
《我が暮らす最も濃き水底より、秘宝が盗まれたのは、月が30ほど交差する前の夜であった。
 個体の一人の呼称は、確か『クロムウェル』と発音されていた》
「クロムウェル、か。例の『レコン・キスタ』の親玉だな」
「おおよそ2年半前ね。それ以来、水嵩が増えだしたってわけ……」

《我は復讐したいわけではない。無礼者には怒るが、そのような無益な感情を我は持たぬ。
 ただ、秘宝を取り戻したいだけ。水が大地を再び覆い尽くすその夜には、我が体が秘宝の在処を知るであろう》
なんとも気の長い話だ。年に10メイルずつ侵食したところで、ハルケギニア全土を水没させるのに何千年かかるのだ。
《我とお前たちでは、存在と時間に対する概念が異なる。
 我にとって全は個、個は全。過去も未来も、我は変わらず存在する。死も消滅も我にはない。
 いつから我が存在していたか、我も他も知らない。お前たちの始祖、ブリミルさえも》

哲学的な精霊だ。黄金の種子でも撒いて、梵天を懐胎させてやろうか。
世界の初めに水(海)があり、創造者が水底から土を引き上げて大地とする神話は、世界中にある。
この『水の精霊』がいるからこそ、トリステイン王家には『水のルビー』が伝えられたのだろう。

「『アンドバリの指輪』ね。確か、偽りの生命を死者に与える、先住の力のマジックアイテム……」
キュルケが呟く。先住魔法と呼ばれる精霊の力は、ハルケギニアの人類にとって、始祖以来の脅威なのだ。
《然り。死を恐れるお前たち定命の存在にとって、魅力的なものではあるのだろう。
 しかしながら、旧き水の力が与え得るのは、所詮仮初の命であって益にはならぬ。
 指輪を使った者に個々が従い、同一の意思を持つように動くという。お前たちは、不便なものだな》

クロムウェルが一介の司教から神聖皇帝に成り上がったのも、それが絡んでいるのかも知れない。
松下は両手を掲げ、精霊に呼びかける。
「よかろう、クロムウェルは我々の敵でもある。いずれ指輪を取り戻してくるとしよう」
《溜め込んだ水の力を使い果たせば、指輪の宝石は溶けて蒸発する。まあ、それでもかまわぬ。
 お前たちの定命が尽きるまでに持って来れば、よしとしよう。明日も千年後も我には変わらぬ……》

言い終わると、精霊は波音を立てて水底へ去って行った。

(つづく)

248 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 01:33:01 ID:vjhLYh9e
支援君

249 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 01:33:57 ID:9EkDUC3d
投下終了。恒例の聖書引用、つい『マルコメによる福音書』と書こうとしてしまった。
なんか、いやな教義が説かれてそうだな。引用に問題があれば自重しますが。
そして腹黒女王陛下がなんとなく『武装錬金』の早坂桜花のイメージなんだぜ。CV生天目。
では、次の方どうぞ。少し間隔をあけた方がいいかもな。


250 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 01:43:50 ID:Q4BT8UJq
悪魔くん乙でしたー。

今日はすごい賑やかですね。

251 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 01:47:59 ID:vjhLYh9e
>>249
乙! やっぱり書き手によってそれぞれのキャラクターの受け取り方が違うもんなんだな〜とか思った
アンリエッタ殺る気すぎてワロタ

252 :ゼロの使い魔〜我は魔を断つ双剣なり〜 ◆vJSgYFYC6o :2007/11/11(日) 01:55:51 ID:Gu/HQpxf
ときめくな、俺の心
揺れるな、俺の心
投下への不安は覚悟を鈍らせる

覚悟完了、当方に投下の用意あり!

253 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 01:57:59 ID:AurMd8xM
>>252
>>233の人がいるのでしばし待たれよ

254 :ゼロの使い魔〜我は魔を断つ双剣なり〜 ◆vJSgYFYC6o :2007/11/11(日) 02:00:04 ID:Gu/HQpxf
>>253
承知、座して待とう

255 :233:2007/11/11(日) 02:03:16 ID:jj7syrWm
>>233
すまない、もう眠気に勝てない
>>252の人にゆずり、明日また来る
マジごめん

256 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 02:07:05 ID:3csi4gPu
悪魔くん乙
だがしかし、腹黒女王いうなw

257 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 02:09:38 ID:iYzRvKFV
悪魔君乙です

>>254氏が終わったら投下します


258 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 02:11:29 ID:ul+MRCjY
タイミング的にgrandma の人も控えてそうだもんなあ

259 :ゼロの使い魔〜我は魔を断つ双剣なり〜 ◆vJSgYFYC6o :2007/11/11(日) 02:11:39 ID:Gu/HQpxf
では、改めて

覚悟完了! 当方に投下の用意あり!

260 :ゼロの使い魔〜我は魔を断つ双剣なり〜 ◆vJSgYFYC6o :2007/11/11(日) 02:14:24 ID:Gu/HQpxf
ヴェストリの広場とは真逆の日当たりの良い広場、そこに大の字になり
九朔は空を見上げていた。
給仕や調理場の手伝いも今の時間帯は生徒が授業中でありやることがない。
ルイズもまた授業を受けているのでこの場にはいない。
よって今の時間は休み時間であり、完全なる手持ち無沙汰状態。
あい仕方なしと、他の使い魔やメイド達が休んでいる日あたりの良いここで
少々仮眠を取ることにしたのだが、
「きゅい、きゅい」
「………」
さきほどから寝ようとしている自分のマントの裾をぐいぐい引っ張るこの
青色の竜の存在はいったいどうしたものか。
「きゅい」
「……………」
無視を決め込み寝返りを打つがそれでも諦める気配はない。
遊び相手ならば側で寝ているギーシュの使い魔やあの赤毛の少女のサラマンダーが
いるというのに、しつこく九朔だけを突っついてくる。
「きゅいきゅい」
「…………」
「きゅいきゅい、きゅい」
「…………」
「きゅい、きゅきゅきゅいきゅい。きゅいきゅいきゅい!」
「…………………………………」
「きゅい、きゅいきゅいきゅいっきゅいきゅいきゅ〜〜〜〜い〜〜〜〜〜!!」
「でえええええええええええい!!! いい加減にせぬか、汝ぇ!!」
しっかり咥えられたマントの端を取り上げ立ち上がる。
そして感じる重さに眼をやれば口で引っ張ってられていたせいか涎やらで
ぐしょぐしょになった自前の紅の外套。
なんだか欝だ。
「きゅい!」
だが、そんな九朔などお構いなしな様子で目の前の竜はまん丸の黒いつぶらな
瞳を輝かせこちらを嬉しそうに見下ろしている。
「シルフィード……汝、先ほど飯を食ったばかりだろうが」
溜息をついて九朔は目の前の竜を見上げる。
シルフィード、先日自分に何者かと尋ねてきた少女タバサの使い魔の竜。
マルトーの手伝いで使い魔達の食事の世話をしているおかげで覚えた。
ちなみに一回の食事量はざっと通常の三倍、青色なのに理不尽である。
「きゅい! きゅい!」
と、腹が空いたわけではないと言いたげにシルフィードが首を
大きく横に振った。
使い魔は時に人語を解するという。なるほど、犬が主人の命令どおりに
アーカムアドバタイザーの朝刊を庭先から拾ってくるのとは訳が違うと
いうわけか。
「きゅいきゅい!」
つまらない事を考えていると今度は上着の肩口を食まれた。
いい加減涎だらけになるのは勘弁したいというのに。
「分かった、分かったから我の肩口を食むのを止めろ。いったい何の用だ
 というのだ、汝は……」
今度は逆を食もうとするシルフィードの鼻先を制して九朔が叫ぶ。
「きゅい!」
ようやく聞いてくれたとでも言いたげに嬉しそうに鳴くと、シルフィードは
頭で自分の背中を指した。
「乗れ、とでも言う気か?」
「きゅい!」
首を大きく縦に振るシルフィード。
さて、自分はこの竜とたいした面識がなく、これの主人とも一言二言言葉を
交わしたに過ぎない。
それが、何故こんなことを?

261 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 02:14:29 ID:c3RiIVKg
こいやー

262 :ゼロの使い魔〜我は魔を断つ双剣なり〜 ◆vJSgYFYC6o :2007/11/11(日) 02:15:44 ID:Gu/HQpxf
「きゅいきゅい!」
「ああ、ああ、わかった。わかったから止めろ」
またもそんな事はお構いなしと襟口を食もうとする口を押し留め、仕方なしと
九朔はその背に乗る事にする。
こうもしつこく食まれるのは堪ったものではないというのもあるが、
悪意を感じられぬ者にいらぬ詮索は不必要であるし、用があるならそれは
それで付き合うのも暇つぶしになるかもしれないと思ったからだった。
何かしらの問題が起きればその主人に言えば良いことだろうし。
どうにも牧歌的な空気に毒されたのか危機感が欠如している九朔であった。
「乗ったぞ」
背にあぐらをかき九朔がシルフィードに声をかける。
そしてきゅいと一鳴き、両者は空へと舞い上がった。

****

クザクがシルフィードと空へと舞い上がる様子をタバサはしっかり窓から
見ていた。
いったい何をするつもりだというのかと考えるが、いや、考えるまでもなかった。
『きゅいきゅい! わたしみつけた! 精霊のちからをつかえるおとこのこ!』
『はなしたいーはなしたいー。あの子とはなしたいー』
『ずっとにんげんに変化できるなんてすごい! だからはなしたい!』
『はなすーはなすー、はなしたいー』
『ずっとずっと遠いところならおはなしー』
『人のいないところならおはなしー』
『仲間だよ、仲間なかまー。とおいところでおはなしー』
『雲のうえでおはなしー』
以上、シルフィードの独り言百選より抜粋の後導き出される答えは
一つしかない訳で。
授業をしている教師に気づかれないようにタバサは教室を抜け出す。
同じ使い魔同士の会話をタバサは禁じていない。
しかし、彼に関しては別だ。
他の使い魔とは人語を使わずに会話できるであろうが、彼は人だ。
絶滅したといわれる古代種の韻竜それこそが彼女の真の姿、人語を解し
先住の魔法を使う幻獣である。
そんなシルフィードの正体がばれれば、ひどく面倒な事になるのは確実である。
それはダイジュウジクザクも例に漏れない。
はっきりいって、そんな面倒ごとを抱えるのはまっぴらごめんだ。
ああ、こんなことなら彼との会話を禁じておけばよかったと今更思う。
ガリア北花壇騎士らしからぬ失態である。
風竜の飛ぶ速度は馬とは比較にならないので追いかけるならば早いうちに
しておかないと取り返しのつかないことになる。
馬屋へと早足で駆けるタバサだったが、その肩をいきなり後ろから掴まれ
行動を阻まれた。
「どこに行くのかしら、タ・バ・サ?」
振向けばにまにまと楽しそうな笑顔をこちらに向けるキュルケの顔。
頭痛の種が増えた。
「トイレ」
「うそばっかり」
笑顔で即答。
「だめよタバサ。あなたってば、そういう嘘をつくのって下手なんだから」
ちっちっち、と指を振るキュルケが更に楽しげな笑顔を浮かべる。
そして、
「アンタ達、授業を抜け出して何のつもりなの?」
「あらら、ヴァリエールじゃない。授業を抜け出すなんて悪い子ね」
「それはアンタもでしょツェプルストー!」
桃色の髪の少女を見て更に厄介な頭痛の種が追加された。
ダイジュウジクザクの主人、ルイズ・ド・ラ・ヴァリエール。

263 :ゼロの使い魔〜我は魔を断つ双剣なり〜 ◆vJSgYFYC6o :2007/11/11(日) 02:17:47 ID:Gu/HQpxf
なんなのだろうか、今日の自分はとことんツキから見放されているのでは
と考えたくなった。
そんな彼女の目の前にキュルケの笑顔がやってくる。
「で、どこに行くの?」
「外」
「へえ。使い魔を追いかけるんだ?」
どうしてばれてる? そう言いたげな視線を送るとにこりと邪気を感じさせない
ような笑顔でキュルケが微笑んだ。
「うふふ。私もダーリンを見てて気づいただけよ。さ、目的は一緒だし
 外へと出かけましょうか」
そういうことかと得心するが、いざ行かんと肩を抱き寄せぐいぐい引っ張る
のは勘弁したい。そういうのはシルフィードだけで充分だ。
「ちょちょちょちょっと待ちなさい! まだ授業中だって言ってるでしょ!」
そんな目の前にまたもルイズが立ちふさがる。
だが、それもまたお構いなしとキュルケがふっと笑んだ。
「仕方ないじゃない、恋しちゃったんだもの」
「はぁ?」
キュルケの言葉に嫌な予感再び。キュルケは自他共に認める恋多き女だ。
それは彼女の友人をしている自分が一番良く知るところであるが、見上げた
先にある彼女の瞳はまさしくその恋する時の瞳の色である。
先ほどの『ダーリン』発言と、目的が一緒だということから考えうる
答えは一つしかない。
「そう……ダイジュウジクザク。私、彼に恋しちゃったの」
ああ、やはり。
「ななな、なんですって!? ツェプルストー、あんたってばまたなの!!」
「良いじゃない。それに今の彼は空の上、タバサの使い魔と一緒。
 彼を追いかけるなら絶好のチャンスね」
「待ちなさい、私も行くわ」
今日は厄日だ、タバサは確信した。そんな彼女の頭の中では道化師の格好をして
踊る自分の姿があった。


*****


森林を下に臨み九朔は感嘆の溜息をこぼす。
しかしそれは初めて見る景色に対しての感慨ではなく懐かしい風景に
出会えた郷愁のようなもの。
それが失われた記憶に関係するのかと考えるが、穴抜けにしか出てこない
イメージのそれから類推できる単語は何もない。
ウィンフィールドは執事だが、誰に仕え、そして誰のためにあの拳を
振るっていたのか思い出せないのと同じだった。
「まったく……中途に記憶を失った我はあれか? 虫食いの書物か?
 呆れる事この上ないではないか」
自嘲してみるが誰もその言葉を返す者はここにいない。
いや、いることにはいるが相手は人語を解せども喋る事かなわぬ幻獣だ。
愚痴をこぼせる相手がいないことがこうも空しいとは。
やるせない溜息がこぼれる。
「きゅい、自分をせめるのだめ。心がずーんって重たくなっちゃうのね」
「ん? ああ、確かにそうかもしれんな」
「うん、くらいことを考えたらずっとずっとくらくなっちゃうのね。
 だからそういう時はごはんとか楽しい事をかんがえよう、きゅい」
「飯のう………そういう問題ではないのだが―――ん?」
そこでようやく気づいた。

264 :しえん:2007/11/11(日) 02:18:57 ID:f7XyvhJ3
 

265 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 02:19:06 ID:c3RiIVKg
きゅいきゅい支援

266 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 02:19:14 ID:YIYxp+VR
支援仕る!

267 :ゼロの使い魔〜我は魔を断つ双剣なり〜 ◆vJSgYFYC6o :2007/11/11(日) 02:19:13 ID:Gu/HQpxf
「シルフィード、汝しゃべれるのか」
「きゅい? わかっててお話してくれたんじゃなかったの?」
「いや、自然と会話が成立しておったから気づかなんだ」
「えっとそれはつまりシルフィの正体とかわかってないとか……」
「正体? 汝は喋る竜であろう? 珍しくもないものかと思ったが」
「え゛!?」
「ん?」
両者の間に沈黙が流れた。
シルフィードは羽ばたきを止め、ゆっくりと下へ下へと下降していく。
薄雲を潜り抜け、魔法学院をやや後方数キロに臨み、人里離れた森の中へと
更に降りていく。
そして着地。沈黙したまま硬直するシルフィードに異変を感じ、九朔はその背
から降り彼女の目の前に立った。
見た目にはまるで良く出来た蝋人形の様に静止したままのシルフィード。
気になり声をかけようとするが、その前に首がこちらへと向けられ
シルフィードの口が開いた。
「すこししつもんします」
「ああ、構わぬが」
「クザクは韻竜ですか?」
「『いんりゅう』? なんだそれは?」
「ク……クザクは精霊の力をつかえますか?」
「世界が世界であろうし精霊はいるのであろう。が、我は精霊ではないな」
「ぅ……クク、クザクは、変化の魔法を使ってます」
「変化の。我は妖怪変化や魑魅魍魎、ましてや百鬼夜行の類ではない」
「………………」
「どうした、シルフィード?」
首をぐいっとあげて空を見上げるシルフィードの様子にさすがに何かおかしいもの
を感じ取るが、一体全体先ほどからの質問の意図が掴めずどうしようもない。
「クザクはうそをついてるのね。うん、だだだだってシルフィの勘は
 どこまでもまるっとお見通ししちゃうものね」
「いや、嘘などついておらぬが」
「ううう、うそをつつつ、ついてもだめなのねっ! うんうん、シルフィが
 みつけたなかまが違うとかありえなーい、なーいなーい……」
「自信満々に言うのは良いが木に頭をぶつけるのは止めるのが得策と思うぞ」
頭を胴の肥えた古木にぶつけるシルフィードをたしなめるが届いた様子はない。
約一分ほど続いたであろうか、哀れ古木の表面はぼっくりと凹んでいた。
「落ち着いたか?」
「うん」
「そうか。では、ここに我を連れて来た理由をだな――」
「我をまといし風よ。我の姿を変えよ!」
九朔の言葉を遮り流れた唄の調べ、シルフィードを中心に森の中を空色の
風が渦を巻いた。
「な、何だっ!?」
吹いた風が地面の落葉を巻き上げ、九朔を巻き込む。
落葉に視界が遮られ目の前のシルフィードを見ることが出来なくなる。
いったい何が起きたのか、皆目見当つかず混乱するがしかし風は
突然吹き止み、落葉は力を失い再び大地へと落ちていく。
「なぁっ!?」
そして九朔はその落葉の雨の中にあるものを見て、絶句した。
白い肌、青い髪、青い瞳、すらりと伸びた腕、脚線美。
豊かなふくらみ、艶やかなくびれ、引き締まった臀部。
彫像のような美しさを持つ全裸の女が九朔の目の前に立っていた。
しかも生まれたばかりの子じかのようにおぼつかない足取りでこっちに
向かって来るではないか。

268 :ゼロの使い魔〜我は魔を断つ双剣なり〜 ◆vJSgYFYC6o :2007/11/11(日) 02:20:22 ID:Gu/HQpxf
「っ!」
さすがに刺激が強すぎた、顔面に熱を感じ九朔は後ろを振向き耐える。
しかし、
「きゅい! せっかくクザクとおんなじになったのに見ないとはひどいのね!」
あろうことかわざわざ目の前にその女はやってきた。
いやおう無しにその翡翠の瞳に裸身をしっかりと眼に焼き付けてしまう九朔。
しかも全裸だ、本来隠れているはずの部分まで丸見えだ。
ああ、子女との付き合いなど終ぞない九朔にそれは余りにも厳しすぎた。
幼少より女性に囲まれて育った身ではあるがこういった部類には滅法弱い。
強引に押し倒されたりとか、無理矢理キスの嵐を受けたりとか、突然
素っ裸を見せられたりとか、とにかく色々。
記憶から失われた半身の色々なアレに散々な目にあうのも仕方ないのかも
しれない…がもしかすると父親譲りのマゾ体質のせいなのかもしれない。
とにかくだ、目の前の女がシルフィードと同じ声をしているというのにも
気づかず突然の艶事まがいの事態にでくわした九朔の末路は如何かと言えばだ。
「きゅい! クザク鼻から血が出てるのね!!」
鼻血だった。
なんと微笑ましく悲しいことだろうか。


嗚呼―――それは、男の性。




269 :ゼロの使い魔〜我は魔を断つ双剣なり〜 ◆vJSgYFYC6o :2007/11/11(日) 02:21:50 ID:Gu/HQpxf
投下完了!

作者近況:『大十字九朔残酷無惨絵巻:祟り殺し編』
     

270 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 02:24:12 ID:c3RiIVKg
橋から突き落とさないでー 内臓捌かないでー乙

271 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 02:27:11 ID:hMGzhUzk
どんな近況なんだ乙

272 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 02:32:24 ID:iYzRvKFV
>>269氏、乙です

投下よろしいでしょうか?

273 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 02:34:01 ID:bjG2VDdu
おk

274 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 02:34:50 ID:vjhLYh9e
>>269
全裸乙! そうだよな、シルフィード全裸はやっとかないと、うん。べ、べべべべつに裸体が好きな訳じゃないよ、まじでまじで

275 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 02:35:15 ID:iYzRvKFV
それじゃあ、投下します。

276 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 02:35:51 ID:DLHeykTt
全力で支援をさせてもらう

277 :アカイロマジカル:2007/11/11(日) 02:37:39 ID:iYzRvKFV
アカイロマジカル
――ぼくとゼロと赤い色――



「結局の所さ。何も持たない奴、いや、この場合平均的にしか達してない奴が一点に突出した才能を見分けることなんて出来るわけないんだよな」
それはそうかもしれない。自分を絶対的な平均に割り当て、それに劣る者を下に見ればそれが安心であるのだろう。
そうならば、宇宙の果てのなどの観測しようもない物を認めはしない。
 それがどうしようもない劣情であると理解して行使できるか、行使出来ないのか。
 まあ、このぼくに他人を測るなんておこがましい事は出来ないけれどね。
「はは、つまんねー奴だなお前。あたしは面白いが、お前や周りの奴からしたら最悪なんだろうな」
彼女は指をぼくに向け笑った。余計なお世話だ。
 ぼくに似ているという人は、何をしていたのだろうか。自分が生きているという事を、どう思ったのだろうか。
「確認しようが無い事ってのは、認めたくないんだ、普通はな。数値化されたゼロすらわからないんだぜ。ゼロと零は割れ無いって事実だけが先に来るのさ。あたしなら無理矢理百くらいに……」
解らない物を解りたくはない。認めたくない物を認めたくない。

278 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 02:38:09 ID:BggkEGoW
>>269
クザクよ・・・あんたは世界一かっこいいロリコンの血を引いてるんだぜ・・・。
手をだすのはyはりルイズのようなぺた胸でなければ(以下邪神による検閲削除

279 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 02:39:08 ID:YIYxp+VR
クビツリキター!
でも1回60行まで投下できるんだぜ支援!

280 :アカイロマジカル:2007/11/11(日) 02:40:08 ID:iYzRvKFV
 普通に生りたい。平均値に成りたい。
卑下されたくない。孤独になりたくない。
それが、そんなものが虚無?――――いや、違う。
 それは……それは。

「ちょっとずれたな。あの子は間違い無く虚無だぜ。あたしが保証してやる、完全に完璧にだ。ただし魔法の資質という点だけどな」
 ぼくは何も考えなかった。考えてはいけなかった。
 彼女は、にやり、とシニカルに笑い。
「……じゃあ、お前はなんなんだろうな? 薔薇か?バラバラか?青銅か?制動か?」

ぼくは答えられなかった。



281 :アカイロマジカル:2007/11/11(日) 02:43:08 ID:iYzRvKFV
点対象(天概症)





そら、死人が歩いていくぞ。
そのへんにしてくださいよ。




窓からは、柔らかな光が降り注ぎ、ぼくの頬を照らす。そしてぼくは、目を覚ました。
 部屋はまだまだ薄暗い、多分六時頃くらいか、まだ起きるには早い時間だろう。
 しかしあまりに寝過ぎるとモンモランシーに叱られる。そうなると、本日のぼくの生命活動が著しく不調をきたすことは間違いない。
 それは太陽が登り、そして沈むという確定事項と同意であり。罪を犯した囚人は天井から伸びた荒縄からは逃げられず、只々神に救いを求めるようなものだ。と、くだらない自分へのいいわけを考えたり考えなかったり。まあ、主に考えなかったり。
 ぼくはため息を一つついた。
「つまり、起きなきゃいけない、という事だよね」
そしてぼくは思考を寝ぼけ状態から通常に切り替える。
 春の使い魔召喚を終えたぼくは、惰性ともいえるような変わらない日を、いや、使い魔が増えたという暮らしを曖昧に過ごしていた。
正直な所、ぼくは自分の使い魔ヴェルダンデが苦手である。唾液の洗礼や突進はなかなかに不愉快であり。
そして、何よりも――――――
その時唐突に、部屋のドアが爆発した。嘘だけどね。
 ドアがノックされた。
「起きてるかい、ギーシュ?」


282 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 02:44:07 ID:hMGzhUzk
>>274
馬鹿野郎!衣服があってこそ萌えるんじゃないか!
そして支援

283 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 02:46:17 ID:vjhLYh9e
でもマックス60行やると、1行の長さ次第では投下不可になるんだぜ支援!

284 :アカイロマジカル:2007/11/11(日) 02:48:04 ID:iYzRvKFV
寝ていたら聴こえるはずが無いだろう。という非難は心のドアにしまっておく。そして、ぼくはドアを開ける。そこには頬を染めたマ……えーと、マリコルヌが居た。
「聞いてくれよ。僕は……僕は、恋をしたんだ」
開口一番にこれか?いやドア開けてすぐだから開閉一番とでも言えばいいのか。で――
「えっ、と……じゃあぼくはシャワーを浴びて待ってるよ」
「いいのかい?僕はノンケでも……って、何でだよ!!」
乗り突っ込みだった。
「そうかい、君は乗り突っ込みをするために、朝早くからぼくの所に来たわけか。よし、解った、これからは乗り突っ込みのマリコルヌに改名したまえ」
「何でだよ?」
「………………」
「………………」
「……ちっ」

「うん。まぁ、そうなんだ」
マリコルヌはクネクネと気味の悪い動きをしだした。
 ぼくは思い出した。『くねくね』なる物を。直視すると気が狂う。そんな村伝説を、この目で見る事になるとは。と―――閉話休題。
「それで、誰に? ぼくが知っている人かい?」
「うん。まぁ、そうなんだ」
マリコルヌはクネクネと気味の悪い動きをしだした。
 ぼくは思い出した。『くねくね』なる物を。直視すると気が狂う。そんな村伝説を、この目で見る事になるとは。と―――閉話休題。
「それで、誰に? ぼくが知っている人かい?」


全世界が停止した。
 実に使い古された表現だと思う。だけどぼくの心象世界は、確実に、完全に、完膚なきまでに停止した。
だって、さ……獣だぜ? そりゃさ、代替物でしかないぼくが愛を語るなんて、はっきり言って百万年早いよ。解ってる、理解してる。


285 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 02:50:10 ID:Gb8BCtq7
支援

286 :アカイロマジカル:2007/11/11(日) 02:52:36 ID:iYzRvKFV
>>284コピペミス

寝ていたら聴こえるはずが無いだろう。という非難は心のドアにしまっておく。そして、ぼくはドアを開ける。そこには頬を染めたマ……えーと、マリコルヌが居た。
「聞いてくれよ。僕は……僕は、恋をしたんだ」
「そうかい、君は乗り突っ込みをするために、朝早くからぼくの所に来たわけか。よし、解った、これからは乗り突っ込みのマリコルヌに改名したまえ」
「何でだよ?」
「………………」
「………………」
「……ちっ」

「そうだね。これからは風上の2つ名を改めて乗り突っ込みのマリコルヌにするよ。って、何でだよ! 何でだよ!」
やりやがる、乗り突っ込み突っ込みか。まぁ、あまりボケても話が進まないので、本題を聞くことにしよう。
「で、恋をしたんだって?」
「うん。まぁ、そうなんだ」
マリコルヌはクネクネと気味の悪い動きをしだした。
 ぼくは思い出した。『くねくね』なる物を。直視すると気が狂う。そんな村伝説を、この目で見る事になるとは。と―――閉話休題。
「それで、誰に? ぼくが知っている人かい?」


287 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 02:52:41 ID:vjhLYh9e
>>282
柔肌の美しさがわかんねーのかコラ、てめーとは一度腹割って話す必要がありそーだな支援

288 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 02:54:48 ID:jlPFzGwc
しかしここのきゅいきゅいってロクなのと絡まないよな、と言いつつ支援

289 :アカイロマジカル:2007/11/11(日) 02:56:11 ID:iYzRvKFV
「うん。まぁ、そうなんだ」
マリコルヌはクネクネと気味の悪い動きをしだした。
 ぼくは思い出した。『くねくね』なる物を。直視すると気が狂う。そんな村伝説を、この目で見る事になるとは。と―――閉話休題。
「それで、誰に? ぼくが知っている人かい?」
マリコルヌはバツが悪そうに。小さい声で。
「それが、さ。……ルイズの――」
 ふーんルイズか。まあ、なかなか面白い娘だとは思うけどね。敵対心が愛情に変わるとかいうのは幼少期に「――使い魔なんだ。」

全世界が停止した。
 実に使い古された表現だと思う。だけどぼくの心象世界は、確実に、完全に、完膚なきまでに停止した。
だって、さ……獣だぜ? そりゃさ、代替物でしかないぼくが愛を語るなんて、はっきり言って百万年早いよ。解ってる、理解してる。
だけど、そんな……世の中解らない事だらけだけど。まさか、マリコルヌに、友達に、そんな性癖が有るだなんて。ぼくは言葉を選びながら問いかけた。
「あの、さ。決して馬鹿にしてる訳じゃあないんだけどさ。その……どんなメスなんだい?」
「『メス』って、君らしくない言葉だな。まぁ、いいや。……そういえば君、ルイズの使い魔を知らないのかい?」
 ぼくは答えた。
「ぼくは自分の使い魔を呼んですぐに帰ったから、見てないんだ。昨日の授業も休んだしね。あぁ、それより特徴を頼むよ」


290 :アカイロマジカル:2007/11/11(日) 02:59:27 ID:iYzRvKFV
「そうだね、端的に表すなら。綺麗で、格好良くて、赤いんだ」
赤色? 火蜥蜴とか、火竜かな? いずれにせよ、酷い生物しか思い浮かばないのは、ぼくの知識不足だろう。
マリコルヌは、目を閉じ、その娘への想いにふけっているようだ。正直、少し気持ち悪い。
「で、ぼくに何をして欲しいんだい?」
「僕に、女の子を口説く策を教えて欲しい」
キッパリとした口調だった。覚悟した眼だった。……たぶん。
まあ、獣姦しようって人間が覚悟していない事はないよな。別の意味で食される可能性も有るはずだしね。
しかし、なぜぼくにそんな事を聞くんだろうか? 確か、ぼくは動物の言葉は喋れないはずだしな。
そして、マリコルヌは、ぼくの思考を阻む様に畳み掛ける。
「ギーシュ。君、言ってたよな? 自分は薔薇だって。女性を楽しませるって。」
言ったような、言わないような。まぁ、ぼくなら言ったような気もする。
「だから、僕に、協力しろ!」
なんて理論だ。これは暴論と言ってもいい。


291 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 02:59:41 ID:BMgXC/x4
きゅいきゅいと九朔がデモンベインに乗ったらあれだな………



真ドラゴン?

292 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 03:00:45 ID:BMgXC/x4
そして支援

293 :アカイロマジカル:2007/11/11(日) 03:00:58 ID:iYzRvKFV
 『恋は人を変えるのよ』と、どこかの誰かが言っていたのを思い出す。少しは変わらない周りの人間の事を考えてくれ。しかし、マリコルヌはぼくの心にはお構い無しに。
「いいよなっ!!」
 と、叫んだ。
「は、はい」
 ぼくは、あまりの迫力に、ついつい頷いてしまう。
うーん、情けない。誰か、断れる強さをぼくにください。ぼくはあげませんが。
「とりあえず。ルイズの使い魔を見てみないと、ぼくは何も言えないよ」
マリコルヌは、納得したように頷くと。
「そうだね。ジュンは今日の授業にも多分出てるから。それを見て判断するなり、策を練るなりしてくれよ。以上」
暴風は、風と共に走り去った。
とても疲れた。大体さ、薔薇だって言ったような気もするけど。この場合、友達としてフラグをバラバラにしたいよ。
「……面倒くさいなぁ」
ぼくはベッドに横になる。
そして、眼を閉じ。再び眠りに落ちた。


294 :アカイロマジカル:2007/11/11(日) 03:02:54 ID:iYzRvKFV
投下終了です。


295 :ゼロのgrandma:2007/11/11(日) 03:06:22 ID:Q4BT8UJq
乙でしたー。

>258 見透かされてるw

こんばんわ。
他に予約が無ければ、10分後くらいから投下します。

296 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 03:07:21 ID:vjhLYh9e
>>294
投下乙! マリコルヌが珍しくスポットライト浴びてる。その扱いも大変よろしく、奴が暴れる様が今から楽しみです。マジでw

297 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 03:08:48 ID:+QBc9DD5
伏線と戯言だらけじゃねーか乙

298 :ゼロのgrandma 1/7:2007/11/11(日) 03:13:51 ID:Q4BT8UJq
港町ラ・ロシェールまでは、馬を替えながら飛ばして一日弱。
早朝に出れば、夜半には着く計算になる。
無論、タバサの風竜が空を駆ける速さは馬のそれとは比較にならないが、三人も乗せていれば負担も大きい。
――か、どうかは。
背中で弾む会話に混ざりたそうな顔の、風竜本人に聞かねば分からないが。

「昼前には、アルビオンに着いてるんでしょ?」
「らしいね」
「で、その任務とやらで半日かかったとしても、また飛んで帰ってくるとしたら」
タバサが、ぱたんと本を閉じる。
「夕方くらいに、港町で合流する可能性もある」
「そうよねえ」
あるか分からない横槍を、防ぐ暇や必要なんてあるのだろうか?
「知らないけどさ」
疑わしげな視線を向けられたロングビルは、肩を竦める。
「それならそれでいいんじゃない? 合流出来るなら護衛って肩書きに変わるだけさ」
姫殿下のお墨付きだし、と彼女は笑った。
確かに、公には出来ない話だとしても、トリステイン王家の危機を救う事に関われる。
自尊心を刺激するが、
「わたしはこの国の人間じゃないしねー」
「同じく」
とキュルケとタバサは同じような表情で呟いた。
国の裏事情に他国の者が絡んで、良い結果になる事はあまり無いのだ。国によっては口封じされかねない。
「そういや、わたしもこの国の出じゃないんだよね」
「あら、そうなの」
キュルケは目を丸くした。
「その割には随分と馴染んでるし、こんなに乗り気なのは変ね。リンディだって嫌いなんでしょ?」
「嫌いというか……わたしからすりゃ、あんたたちの方が信じられないよ」
何であんな化け物と平然と話せるのさ? そう問われてタバサも首を傾げる。
「悪い人じゃない、から?」
「いやそんな疑問形で返されてもさ」
ロングビルは顔を引きつらせた。叩きのめされた経験を持つ身としては、頷けようはずもない。
「まあ、わたしが今回の件に手を貸すのは、あの子の為かもね」
「あの子――って、ルイズ?」
キュルケは予想外の答えに身を乗り出した。
「まさか結婚してない理由って、女の子の方が好きだから?」
「……もう一度言ってごらん。地べたに叩き落とすよ」
ギッ、と音が聞こえるような目で睨むロングビル。
「そうじゃなくってさ。あの位の子が王族だの裏だのに関わっても、良い事は無いってこと」
「ふうん。まるで妹の心配をするような口振りね」

「そうかも、しれないね」
意外なほど神妙な声に、キュルケは思わず口を噤んだ。
遙かアルビオンの方へ向けられた彼女の視線は、含まれた感情が多過ぎて本音は見えない。
(盗賊なんてやってたんだから、色々あるのかしら)
視線で同意を求めると、タバサは無言で頷いた。

途中、ついに拗ねて飛ばなくなった風竜をタバサが宥めていたのは、以前にもあったような光景だが。
やはり以前の様に余談である。



299 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 03:15:35 ID:Gb8BCtq7
支援

しかし今日は投下多いなあ
投下予約しようかと思ってたけど、少し時間を置いた方が良さそうだね
感想書く時間もあった方が良いだろうし

300 :ゼロのgrandma 2/7:2007/11/11(日) 03:16:10 ID:Q4BT8UJq
「さあて」
キュルケは眼下の様子に、楽しげに頷いた。
港町入口付近の高台に見えるのは、物騒な人影が多数。
様々な武器を抱えており、夜も深まっていないのに物々しい。どちらかと言えば傭兵の類か。
少なくとも、こんな場所で得られるような成果で、賄える人数ではないだろう。
「一応、山賊に見えるわね。……あれって、やっぱり偶然だと思う?」
「貴族を襲わないってんなら、偶然だろうね」
欠片も信じてない口調の返答がくる。
「それは経験からなの? 平気で貴族の屋敷を襲ってたって聞いたけど」
「わたしは逆だったけどさ、普通は相手を選ぶもんなんだよ」
いくら盗賊でも、メイジに喧嘩を売るリスクは理解しているはずだ。
金は手にはいるだろうが――それ以上の確率で命を投げ出すとあっては、誰でも二の足を踏む。
精々、飛び道具を用いた遠距離からの奇襲ぐらいか。
「盗賊の中にもメイジはいるから、全く無いとは言わないけどさ」
少々無理があり過ぎる。

しかも、このタイミングで港町に来る相手を待ち構えるような布陣。

「どうするの?」
議論を完全に聞き流していたタバサが、淡々と言った。
彼女からすれば意味がないのだろう。この状況を予想してたからこそ、迂回して港町上空から背後に回ったのだから。
限りなく怪しいし、そうでなくとも追い払う以外の選択肢は無い。
こちらがいる山の方が少々高い位置にある。しかも薄暮に背後からだ。奇襲には好条件である。
「やるなら早い方がいい」
「ただ、あれが誰かさんが雇った連中だとは思えないんだよ」
「そうなのよねー。グリフォンが先に到着してたとしても、雇う時間があったとは思えないし」
結局の所、問題点はそれである。

先行したワルドが雇ったにしては、展開が早過ぎる。
おそらくは港町に潜伏していた協力者がいるはずだ。だが、いたとして、どうやって情報が伝わったのか。
王女がルイズに依頼したのが昨晩。どう考えても間に合わない。
以前から王女がルイズに頼む事を決めていて、それが外部に漏れていたのなら?
その場合、この対応では余りにお粗末だ。殺す気なら他の方法や機会は幾らでもあった。
さらに言うなら――ワルドがここまで愚かな男とは思えない。
衛士隊長は愚人には務まらないのだから。

「あー、やめやめ」
頭を掻きながら、キュルケが諦めたように言う。
「誰が雇ったかとか、組織だって動いてるのかとか、ワルドがどこにいるのかとか――面倒よ」
捕まえれば分かる、と同意したタバサと軽く拳を合わせる。
風竜に飛び乗った二人に、ロングビルは苦笑した。
「中にはメイジがいるかもしれないよ。あたしを後詰めに回したからには、上手くやってみせな」
「そっちこそ、後ろから撃たないでよ?」
軽く交わされた言葉を残し、彼女たちはそれぞれ大地を蹴った。

   ◆  ◆  ◆



301 :ゼロのgrandma 3/7:2007/11/11(日) 03:18:40 ID:Q4BT8UJq
同じ夕刻。
トリステイン魔法学院の外れ、学舎の影が重なる間隙に、学院長オスマンは足を踏み入れた。
人目を避けるには絶好の場所だとは思うが、些か寒い。
「ふーむ」
彼は髭を撫でながら嘆いた。
目の前には、平伏した平民が一人。草の上とは言え地面に直接では足が痛かろう。
「とにかく顔を上げてくれんか。これでは話もできん」
「……は、はい」
か細い声の返事。
だが、恐怖のせいで身体が震えているのが分かる。顔を上げる気配も無い。
当然だ。そもそも貴族というだけで畏怖の対象なのだ。
その貴族が大勢集うこの学院の、頂点に立つ存在を前にしているのである。
こんな失礼な方法で呼び出したのだ。一つ間違えば、この場で処分されてしまうかもしれない。
――などと、それ程の恐怖を感じていてもおかしくなかった。

「ま、仕方なかろ」
オスマンはあっさり言うと、持っていた細長い包みを彼女の前に置いた。
「約束じゃからな。『破壊の杖』の代わりに預かっていた物だが、杖自体も元々は預かり物じゃった」
意味を知る者に対して、こうして渡すことは随分昔から決まっていた事だ。
事情も理由も、聞くつもりは全くなかった。
「じゃがな」
安堵しかけた肩が、再び震える。
彼は目の前の少女が、最近ミス・ヴァリエールの使い魔とよく一緒にいる事を思い出した。
(無関係と考える方が不自然じゃな)
聞かぬとは決めたが、言わねばならない事もある。
「それは使う者にも極めて危険な代物だと聞いておる。『極めて』じゃ。この意味が分かるかの?」
「――け、怪我じゃ済まないかも、と聞いてます」
(ほう)
オスマンは少し驚いた。
恐怖に震えている少女が、死への覚悟を見据えている事に。
それが例え単なる虚勢だとしても、言葉の響きに嘘は無かった。
「ならばもう何も言わんよ。それで何を起こしてもかまわん。後は任せなさい」
彼はそう言うと、来たときと同じ歩調で歩き始める。

背後からの、少女が駆け去っていく音を聞きながら。
――どうせ墓を作る位じゃろ、という言葉を、オスマンは胸中に飲み込んだ。

   ◆  ◆  ◆



302 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 03:19:34 ID:1mJlI6CH
支援

303 :ゼロのgrandma 4/7:2007/11/11(日) 03:20:21 ID:Q4BT8UJq
(何て言えばいいのかしら。早く帰れ、でもないし)
ルイズはぶつぶつと呟きながら、寝室の扉の前に立っている。
客間は質素な雰囲気とは言え、それなりに広い。本来は国賓用なのだろう。
確かに立場的には妥当だが、部屋の入口から寝室の扉までに距離があるのは、今日に限っては困るのだ。
せっかく決心したのに、色々と考えてしまうではないか。
案内してきたウェールズに礼をして下がって頂いた後、彼女は緊張した面持ちのまま動けなくなった。

リンディを故郷に帰すという事は、使い魔としての契約を破棄するという事だ。
言うは簡単。しかし。
使い魔と主人が別れるのは、死んだ時だけのはず。
(な、なんか他の方法ってあるのかしら)
少なくとも、自分と、あの場に居合わせたコルベール教師は知らない。

使い魔のまま帰ってもらうという選択は?
それだと自分はもう一生、使い魔を持てない可能性がある。それは残念ながら我慢する……けど?
ルイズは自分の部屋で一人で寝る光景を思い浮かべた。
何故だろうか。その、やたら寒々とした雰囲気に身を震わせる。
使い魔のいない生活とは、それほど寂しいものなのだろうか。
そこまで考えて、彼女は頭を抱え込んだ。
(そうじゃないでしょ。何よ、わたしったら。さっきから言い訳ばっかりしてる)

いなくて寂しいのは『使い魔』ではない。
いつもベッドで一緒に寝ている、姉のような女性。
寝るまでの時間、柔らかい表情で黙々と編み物をしている姿は、不思議と心を穏やかにしてくれる。
授業中の愚痴にも付き合ってくれるし、食後はお茶を入れてくれたり。かなーり甘めで。
シエスタと一緒にお菓子を作っては、楽しそうに配り歩いていたりもしてる。
一番先に味見させて貰うのは、いつも自分だけど。

僅かな時間に、これだけの思い出が心を占めている事を改めて実感する。
先程から、二の足を踏んでいるのは当たり前だ。
リンディ・ハラオウンは、既に使い魔じゃないのかもしれない。
家族――それが浮かんだ瞬間、ルイズは自分の頬をぱちんと叩いた。

「バカじゃないの? リンディはただの使い魔。だから、いなくなっても平気なんだから!」
口から出た言葉が本音かどうかなんて知らない。知りたくもない。
とにかく、誓ったのだから。
そう自らに言い聞かせて、扉に手を掛けた時。

「――?! やべえ、開けんな!」
「開けちゃダメ!」

狼狽したようなデルフの声。
そしてリンディの、今まで聞いたことのない、悲鳴のような声に愕然として。
「リンディ?!」
ルイズは、忠告を無視して扉を開けた。

   ◆  ◆  ◆



304 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 03:20:34 ID:iYzRvKFV
支援ッ

305 :ゼロのgrandma 5/7:2007/11/11(日) 03:21:23 ID:Q4BT8UJq
突風が襲った。
転びそうになり、慌てて開けたばかりの扉にしがみつく。
ついでに、襲いかかってきた強烈な違和感にも気付いた。これはつい最近経験した感覚だ。
「結界――なんで?」
「あいつ、しくじりやがった」
横を見ると、部屋の隅にデルフが転がっている。まるで投げつけられたかのように。
床に広がるのは、部屋一杯の大きさに描かれた魔法陣だ。
いつものようにゆっくりと回転しているが、その輝きは一際強い。
そしてその中心点には。

「何よ、あれ」
前方に見えるベッド。その上で蹲るのは、胸を苦しそうに押さえたリンディだった。
押さえた箇所を中心に、小さな魔法陣が幾つも回転している。まるで内側の物を封じ込めるように。
何を封じ込めようとしているかは一目瞭然だ。
この強烈な風。
風、と言うより緑色の光の帯が、彼女から辺り構わず吹き出している。

近付こうとしたが、頭の脇を通り過ぎた光に驚き、すぐに屈み込んだ。
そのまま這ってデルフと合流する。
掴み上げ、鞘から完全に抜き払って問い詰めた。
「ど、どうなってんのこれ」
「いや、本当は一人で結界に閉じ籠もるつもりだったらしいんだが、部屋丸ごとに張っちまったらしい」
「じゃなくって、この状態の事を聞いてんのよ!」
「あー……」
一瞬、彼は沈黙した。
リンディの方に意識を向けたが、既に意識が朦朧としているのか、こちらの会話は全く耳に入っていないようだ。
「……体調が悪いって言ったろ? 仮の相棒は今、そのせいで魔力制御が難しくなってんのさ」

「わたしの、せい?」
ルイズは衝撃で声を震わせた。
確かにリンディには無理をさせている。あまりにも彼女が平気そうな顔をしているから、結局頼ってしまったのだ。
だけど、そんなに体調が悪いっていうなら、素直に言って欲しいのに。
何で彼女は、そういう事で自分を頼ってくれないんだろう。
そんなに自分は、子供に見えるんだろうか。

罪悪感と悔しさに思考が沈みそうになるが、無理矢理そこから引き上げる。
今は考える時じゃない。
「制御が難しくって、何だってこんなことになるの?」
「詳しくはオレだって知らねえ。とにかく貯め込んじまった魔力が、不完全な魔法となって吹き出してる」
このままだとヤバイ、との言葉に、ルイズは顔を引きつらせた。
口調で分かる。危険なのはリンディだけではない。この結界内全体だ。
いや。
背筋を冷たいものが流れていく。
今の口調だと、リンディが大怪我とか――最悪、それ以上の事態もあり得る?
「な、なんとかなんないの?」
「仮の相棒は、意識を失いかけてる。この状態で完全に気絶しちまうのは最悪だ」
つまり。
「じゃあ、意識をはっきりさせれば、何とか出来るっていうのね?」
「今だけな。それも、あいつの頑張り次第だけど」



306 :ゼロのgrandma 6/7:2007/11/11(日) 03:24:14 ID:Q4BT8UJq
「お、おい?」
無言で立ち上がったルイズは、そのまま一気に走り出した。
襲いかかってきた光を必死に避けると、さらに距離を詰めようとして、
「ちょ、ちょっと、何これ?」
身体全体を襲った風に足を止める。
どうやら目に見える光の帯は激流というだけで、中心部も全方位に渡って――
「きゃあっ?!」
動きを止めてしまった彼女を、別の光が直撃する。
まるで風の魔法を食らったかのように吹き飛ばされ、壁に叩き付けられた。
「〜〜〜〜!!」
床に転がった彼女は、息すら出来ずに転げ回る。
が、強引に身体を立て直すと、
「い、痛くなんかないわよっ!」
と雄叫びを上げた。
「元気だね、お前さんは」
真横から、感心したような声が掛かる。
「そんなことはどうでもいいのよっ! 何あれ? リンディの周り、嵐みたいになってて近付けないわ」
「参ったな、そりゃ」
「しし、しかもよ」
ルイズは憤然と周りを見回した。
あれだけの風が吹いているのに、客間の家具は微動だにしていない。極めて理不尽だ。
八つ当たりされたデルフが、以前聞いたことを伝える。
「ああ、何でも仮の相棒は、魔法の使い分けが出来るんだと。物をぶっ壊す時と、そうでない時で」
「そうでない時って?」
「非殺傷設定、だっけか。生き物とかだけに干渉して、気絶させたり出来るってよ」
魔力を削られて、さっきよか疲れてねえか? と聞かれたルイズは、足に震えが来ている事に気付いた。
怖いわけではなく、長距離走った直後のような疲労感によるものだ。
「まずいわね……」
唇を噛んだ。あの嵐を突破するには、この足じゃ厳しいかもしれない。
次にもう一回光の帯に当たったら、言われた通りに気絶してしまう可能性もある。
(だいたい反則なのよ。あんな派手な光なのに、物を壊さないで生き物だけにって――)
「あれ?」
首を傾げる。
「リンディが投げたわけじゃないわよね。なんで、あんたまで飛ばされてんの?」
「あ?」
「あんた、物でしょ? 干渉されないはずよね」

沈黙。

返事を諦めたルイズが走り出そうとした瞬間、
「思い出したあ!」
「び、びっくりさせないでよ!」
怒鳴り返した彼女に、デルフは興奮したように続ける。
「魔法の直撃なんざ久しぶりだったから、思い出せなかったんだよ。相棒にも恵まれてねえし!」
「だから何なのよ」
「いいから、おめ、オレを構えろ。何とか出来るかもしれねえぞ」
「は?」
妙な事を言いだしたデルフに、ルイズは混乱した。



307 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 03:26:27 ID:vjhLYh9e
デルフ役に立つ時がきたか!? 支援

308 :ゼロのgrandma 7/7:2007/11/11(日) 03:26:49 ID:Q4BT8UJq
言われた通りに、取り敢えず手に取った。構え方と言われてもよく分からない。
「次に光の帯が来たら、オレをかざしてみな」
「何言ってんの、あんた」
「不完全っつーても、あれだって魔法だかんな。不本意だが面白い状況には違いねえ」
「だから――」
「ほら、来たぜ!」
気付くと、眼前には波打った光が迫っていて。
思わず目を閉じたルイズは、悲鳴を上げながらデルフを振りかざしていた。

   ◆  ◆  ◆

予想された衝撃は来なかった。
(ど、どうなったの?)
恐る恐る目を開けると。
光り輝く刀身が視界に映った。今まさに研ぎ上げられたばかりのような長剣。
それは自分が無様に掲げている物で。
「あんた、デルフ?」
「おうよ。これがオレのほんとの姿さ。聞いてくれるか? 昔飽き飽きしてた時に――」
「とにかく!」
話を叩っ斬ると、ルイズはリンディの方へと向き直った。
「あんたは魔法を防げるのね?」
「お、おう。あいつの魔法は少し変わってるから、半分も吸収出来ねえが――斬るくらいは出来るかもな」
デルフは即答した。
愚痴を聞いてもらえなかった不満は、彼女の剣幕に流されたのだろう。
「それなら。――待ってなさいよ」
「行くか? よっしゃ。おーい相棒、『仮』は取ってやるから、ご主人様の為にもう少し頑張んな!」
視線と声が、前方へと向けられた。

二人の意志が揃う。
小柄な体格に見合った敏捷さで、ルイズは床すれすれまで姿勢を下げて走り出した。
そのタイミングを合わせるように、前方に新たな光が出現する。
無論、動揺している暇すら無く。
唐突に吹き出してきた帯を、彼女は転がるように避けた。
急いで身を起こした途端、右! との声に無我夢中で剣を向ける。
斬った、のだろう。
余波だけが身体の脇を通り過ぎた。

そして前には、嵐のように渦巻く風の壁。
これに真正面から逆らっては、おそらく這うような速度でしか進めない。
とても剣一本でどうにか出来るとは思えなかった。
だが。
目に映るのは、苦痛に顔を歪め、苦しんでいる彼女の姿。
「任せたわよっ!」
ルイズは大上段に振りかぶると、デルフを叩き付けた。

風が止んだのは、ほんの一瞬。
すぐにも新たな魔力流で覆われてしまうだろう僅かな間隙。それは子供一人が入れるほどの小さな空間。
それでも、彼女にとっては充分だった。

「――リンディ!」
剣を投げ捨てたルイズは、己が使い魔を全身で抱きしめていた。

309 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 03:27:08 ID:1mJlI6CH
まさか、吸収できるの?支援

310 :ゼロのgrandma:2007/11/11(日) 03:28:10 ID:Q4BT8UJq
投下完了です。
感想レス、本当に嬉しいです。書く気力が湧いてきます。
次は、水曜を目標に。

311 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 03:30:55 ID:c3RiIVKg
晴れ舞台の口上をスルーされたデルフに乾杯。
ついにルイズにばれちゃったねー。どうなるのか楽しみです。
ずっと様子のおかしいシエスタの動向も気になるし、期待が高まります。

312 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 03:32:42 ID:Gb8BCtq7
デルフ大活躍乙
しかしセリフも最後まで言わせもらえないとはw

313 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 03:33:44 ID:3csi4gPu
何気にオスマン、ひとでなしだなw

314 :名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/11(日) 05:32:37 ID:d0u5lfew
時がとまっとる・・・!ゴルゴムの仕業かっ!!!

315 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 06:06:56 ID:6RyixpZ7
ゴルゴムはあんたが滅ぼしたでしょ!

316 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 06:41:37 ID:GzpApNhL
ルイズが虚無に目覚めたら、『ディスペル』で
リンディさんの魔力を消すか、散らす事ができないかね?

317 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 07:04:29 ID:6RyixpZ7
ディスペルの原理がわからんからなんとも。
デルフはディスペルを身にまとうなんて器用なことをやってみせるし。
ビダーシャルとの対決シーンをみると、どうにも対消滅っぽい描写がなあ…
ヘタするとリンディの蓄積した魔力と等しいだけの魔力が必要になりかねん。
しかも時間稼ぎにしかならないし。

318 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 07:31:58 ID:ul+MRCjY
理屈的に可能性ありそうなのは
なのは世界のAMFシステムだろうけどな

319 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 07:35:49 ID:aPzjjeWX
う〜ん、シエスタにワルド。どのタイミングでかかわってくるのか続きが気になるな〜w
このタイミングでルイズにばれたって事は好転材料だと信じてるぞ! 乙でした!!

ちなみにこの設定の場合、ルイズがなのは世界に行ったらカートリッジをロードできる回数はなのはさん以上w

320 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 08:31:02 ID:ul+MRCjY
逆になのはさんがハルケギニアに行ったら
ノーロードのディバインバスターがブラスター3スターライトブレイカー並になるぞ
それもヴィヴィオが食らったAMF環境下レベルじゃない素の状態の

ハルケギニアのメイジはなのは世界へ行ったら
燃費悪すぎて魔法使えなくなったりする危険の方が大きいと思うんだが

321 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 08:38:48 ID:/CrG4qT3
作者さん書きにくくなるかもだから考察は別なところでやろうぜー

322 :罪深い使い魔:2007/11/11(日) 09:21:57 ID:Gb8BCtq7
太陽も昇ったので投下予約
9:30頃から投下始めます

323 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 09:24:00 ID:sKoQDlQr
支援させていただきます

324 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/11(日) 09:30:46 ID:++C6cWNI
支援

325 :罪深い使い魔:2007/11/11(日) 09:31:13 ID:Gb8BCtq7
それでは投下開始します



「その使い魔の左手に刻まれたルーンについて調べたら」

トリステイン魔法学院の院長にして偉大なる魔法使い(と、言われている)オールド・オスマンは
慌しくやって来た学院の教師、コルベールがもたらした報告を聞いていた。

「始祖ブリミルの使い魔『ガンダールヴ』に行き着いた、というわけじゃね?」
「そうです! あの少年の左手に刻まれたルーンは、
伝説の使い魔『ガンダールヴ』に刻まれていたものとまったく同じであります!」
「で、君の結論は?」
「あの少年は、『ガンダールヴ』です! これが大事じゃなくて、なんなんですか!
オールド・オスマン!」

興奮するコルベールに対し、オスマンはどこまでも冷静だった。
オスマンはコルベールの持ってきた資料に目を通す。

「ふむ……。確かに、ルーンが同じじゃ。ルーンが同じということは、
ただの平民だったその少年は『ガンダールヴ』になった、ということになるんじゃろうな」

本当に『ガンダールヴ』が召喚されたなら、これは国を――
いや、ハルケギニア全体を揺るがしかねない大事件である。

「……じゃが、それだけでそう決めつけるのは早計かもしれん」

伝説の使い魔『ガンダールヴ』を呼び出したのは、オスマンもよく知る稀代の『劣等生』ルイズだと言う。
それを考慮すると「なにかの間違いなのではないか?」という疑惑がどうしても拭えない。

「念のため、それとなく行動を監視しておくことにする。
じゃが今の時点では他にするべきことはないのう」
「……そうですね。すみません、私も少し騒ぎすぎました」

今はまだ、事を荒立てるべきではない。
奇しくも当の本人と同じ結論に達した二人だった。

326 :罪深い使い魔:2007/11/11(日) 09:33:29 ID:Gb8BCtq7
達哉は午後の授業にも同席し、最後の授業が終わった後はルイズに断ってから、
学院を探索がてらある場所に向かうことにした。
ここが学校なら、必ずあるはずだと信じて。

「……あった」

その場所は思いのほかすぐに見つかった。
というより達哉が今いる、本塔と呼ばれるこの建物の大部分がそれだったのだ。

「これが……図書館……?」

達哉の目的は図書館で、『向こう側』へ帰るヒントがないか調べることだった。
学院の教師達に聞いた方が早いかもしれないが、
『平民』の自分が聞いて満足な答えが返ってくるとは思えない。
この世界に来てからまだ一日しか経っていないが、
貴族の平民に対するものの考え方は嫌というほど理解できたからだ。
なのでそちらはルイズに頼むとして、自分は本を漁ることにしたのだが……

いくらなんでも、大きすぎないか……?

まさかこれほどとは思っていなかった達哉はその威容に圧倒される。
入り口から見える図書館内部はかなり広い空間だった。
その全体像は、ここからではとても把握できない。

「……探し出すのは骨だな」

とは言え諦めるわけにはいかない。今この瞬間にも、ニャルラトホテプはこの世界に目をつけるかもしれないのだ。
それに蔵書量が多いということは、それだけ目的の情報が埋もれてる可能性が高まるとも考えられる。
すぐに取り掛かろうと、達哉は入り口を踏み越え、中に入った。

「ちょっと」

しかしすぐに、入り口脇にいた司書に呼び止められる。

「ここは平民は立ち入り禁止よ」
「……そうなのか?」
「当たり前でしょ。中には秘薬のレシピやらなんやら、門外不出の資料でいっぱいなんだから」
「…………」

もちろん達哉はそんなことは知らない。
自分と入れ替わるようにして中に入っていく青い髪の少女とすれ違いながら、
達哉はおそらく自室にいるであろう、ご主人様の元へと歩き去っていった。

327 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 09:34:40 ID:/CrG4qT3
四円

328 :罪深い使い魔:2007/11/11(日) 09:35:29 ID:Gb8BCtq7
果たしてルイズは自室にいた。
しかし――

「図書館に入りたい」
「無理よ。平民は入れないわ」
「どうにかならないのか?」
「諦めなさい」
「なら本を借りてきてくれ」
「嫌よ。面倒だわ」

ルイズは達哉の要求を一蹴した。
ベッドの上で足を組んでくつろいでる様から、別に忙しくて手を貸せないと言っているわけではないはずだ。
なので達哉も当然引き下がらない。特に今回は最大の目的のためなのだ。

「ルイズ、たしかに言ったよな。俺が『向こう側』に帰れるように協力すると」
「あんたまだそんな妄想……ええ、言ったわよ」

達哉に睨まれてルイズは渋々認める。

「『向こう側』に帰るための方法がないか図書館の本で調べたい。だから協力しろ」

「してくれ」ではなく「しろ」。そこに達哉の意志の強さが見て取れた。
それでもルイズはぷい、と顔を背ける。見る者が見ればそれは可愛らしい仕草なのだが、
生憎彼女の使い魔に対してはまったく効果がない。
達哉は「ルイズ」と少し口調を強めて言った。

「……どうせそんな資料ないわよ」
「探してみなければわからないだろ」

うー、とルイズが唸る。
なぜそんなに嫌がってるんだ?
達哉は疑問に思ったがあえて触れない。ルイズが何を言おうが彼の意思は変わらないからだ。

「……わかったわよ。ついて来なさい、タッちゃん」

ルイズはゆらりと立ち上がると、そのまま部屋を出て行った。
あだ名で呼ぶのはせめてもの嫌味なのだろうが、一体何がそんなに気に入らないんだ?
多少気になりつつも、達哉はすぐに後を追った。

329 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 09:36:25 ID:sKoQDlQr
支援です

330 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 09:36:55 ID:YbJPJK3N
支援

331 :罪深い使い魔:2007/11/11(日) 09:37:31 ID:Gb8BCtq7
「そちらの平民は――」
「私の使い魔よ」

入り口はそれだけでフリーパスだった。
門外不出の資料がどうとか言ってたが、元々ここのセキュリティはさほど厳重ではないらしい。

しかし中から見るとやはり大きな図書館だった。
本がぎっしりと詰められた本棚が上に向かって延々伸びている。高さは何十メートルあるのだろうか。
そんな図書館の中を何人ものメイジが『フライ』で飛び交う様は圧巻だった。
これだけの図書館、元いた世界にもないかもしれない。

「で、どんな本が欲しいの?」

ルイズの言葉にはっと我に返った達哉は、しばし黙考する。
適当に漁ってみようという考えだったので具体的なジャンルを決めていなかったのだ。

何が必要か? そうだな、まずは……

「……地図はないか? できるだけ広い範囲が載ったやつだ」
「そんなもの何に使うの?」
「俺はこの世界の地理を知らない。ここがハルケギニアとやらの、どの辺りに位置するのかもだ。
まずはそれを知りたい」
「あっそ」

最早つっこみすらない。ルイズは戯言と信じてる達哉の言葉を聞き終えると、
本棚のひとつを目指してさっさと歩き始めた。達哉もついて行く。
これから達哉は、なぜルイズが図書館へ行くことを渋ったのか、その理由を知ることとなる。


「……こっちじゃないわね。さ、次はあっちへ行くわよ」
「……ああ」

ルイズに言われて、達哉は階段を下りる。

これだけ高い本棚があって、なぜ上が見通せるのか。
それを考えるべきだった。

332 :罪深い使い魔:2007/11/11(日) 09:40:07 ID:Gb8BCtq7
地上は良かった。床を自由に移動できるからだ。
問題は二階から先だった。

上の方の本棚を物色するため、二人は本棚脇に備えつけられた、傾斜のきつい階段を上った。
そうして二階に上がると、待っているのは本棚から突き出した、人間二人がやっとすれ違える狭い足場。
『フライ』で降り立つのに邪魔だからと、手すりすらない。
そこで背表紙のタイトルをざっと眺め、目当ての本がないと知ると上の階に移動する。
ついには頂上まで上り詰めたが地図は見つからず、今はまた階段を下りている。

「…………」

達哉は下を見下ろした。そこは絶景だ。なにせ地面までの間に遮蔽物が一切ない。
落ちれば一巻の終わりだろう。
ルイズ曰く、景観を重視しているとかで、離れた本棚と本棚を繋ぐ『橋』すらない。
だからひとつの本棚を上まで登りきって、その後別の本棚に行こうと思ったら
また急な階段を長々と下りて、地上まで戻らなければならない。

おそろしく移動が不便な図書館だが、メイジにとってはそれで問題ないのだ。
彼らには『フライ』がある。そしてこの図書館は学院にあり、ほとんどメイジ専用なのだ。
移動の整備がなされていないのも、ある意味彼らの優越感の表れなのかもしれない。

だが、それに付き合わされる『ゼロ』と『平民』はたまったものではない。

「……ダメね、次は向こうよ」
「…………」

そうしてまたひとつの本棚を制覇する。
本は一応ジャンルごとに分けられてるらしいが、
そのジャンルも大雑把で明確な区分けがされているわけではないと言う。
ひとつのジャンルだけで複数の本棚を占有しているものまであるらしい。

つまり、この図書館で目当ての本を探し出すのは非常に難しい。
これではルイズが図書館行きを渋るのも当然だった。


二人とも次第に無言になっていく。
何十メートル分の階段を上り下りするのはそれなりに体力を消耗するからだ。
ルイズなどは足元が微妙にふらついており、時折階段に躓いて転びそうになった。
そのたびに達哉は手を貸したのだが、ルイズはそれを鬱陶しげに跳ね除け、先へ進んで行く。
達哉もそれを咎めたりしない。
こんな状況を作り出したのは達哉なのだ。そして、今なおルイズに図書館めぐりをさせているのも。

ヒュンッ

達哉達の頭上を、数人のメイジが『フライ』で飛び去っていく。
彼らは階段を移動する二人を見て何事か囁きあい、クスクスと笑っていた。
それを見て達哉は鼻を鳴らし、そして視線を前に戻す。
するとそこには、達哉をじっと睨みつけるルイズの姿があった。

333 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 09:40:43 ID:sKoQDlQr
シエン

334 :罪深い使い魔:2007/11/11(日) 09:42:35 ID:Gb8BCtq7
「悪かったわね、空飛べなくて」
「……そんなこと、言ってないだろ」
「目が言ってるわよ!」

ルイズの形のいい眉がつり上がる。
ルイズはルイズなりに尽くしてくれている。それがわかっているから達哉には何の不満もなかったのだが、
達哉の仏頂面を見ていたルイズはそう受け取らなかった。

「ていうか別について来なくてもいいのよ。あんた、下で待ってなさい」
「ルイ……」
「命令よ、とっとと下へ降りなさい!」

取りつくしまもないとはこのことだった。
達哉は大人しくルイズの言うことに従った。

まだ上り始めたばかりだったので、達哉はすぐに地上に着いた。
見上げると、肩を怒らせたルイズがドシドシと階段を上っている姿が目に映る。
その様を見て、達哉は心の中でルイズに謝罪した。


何よあの使い魔! これ見よがしに『フライ』使ってるメイジなんて眺めて!
文句があるなら言えばいいでしょ!!

ルイズはぶつぶつと、達哉に対する罵詈雑言を並べ始めた。

「大体使い魔のくせに主人を呼び捨てにするし! 平民のメイドと仲良くなってるし!
変な髪形だし性格暗いし妄想癖あるしあだ名が合ってないしあと変な髪形だし!!
なにより、全然役に立たないくせに口ばっかり偉そうにして!!」

そうして愚痴をこぼしながらも、目当ての本を探す意思はかけらも失われていない。
ただ地図を渡すだけならもっと簡素なものが他にいくらでもあった。
それを渡して済ますことも出来た。
しかし「協力する」と約束した以上、半端な対応を見せることは彼女自身のプライドが許さなかった。

色々不満はあるが使い魔は一応、使い魔としての体裁を見せている。
ならば主人である自分は、主人としての義務を果たさなければならないのだ。
ルイズは疲労を怒りで吹き飛ばし、ひたすら本を漁っていった。
そして――

「あった!」

それを見つけた時、彼女の顔に一瞬だけ喜びの笑みが浮かぶ。
しかしすぐに「なんで使い魔のためにここまで苦労しなくちゃいけないのよ!」と怒りの形相に戻る。
ルイズはそれを持ってさっさと戻ろうと、本を掴む……が、本はビクともしない。

335 :罪深い使い魔:2007/11/11(日) 09:44:52 ID:Gb8BCtq7
「……何よコレ?」

本棚にはギチギチに本が詰まっていた。そのせいで本が抜けにくくなっているのだ。

「本の分際で私に逆らう気!?」

ルイズの怒りが爆発した。
両手を本にかけ、さらに片足で他の本を踏みつけると力任せに引っ張った。
とても淑女の行動とは思えなかったが、それを咎める者はこの場にはいない。
んぎぎ、とルイズは歯を食いしばって本と格闘する。

「この……早く抜けなさいよ!!」

願いが通じたのか、次の瞬間本はあっさりと抵抗をやめ、本棚から外に躍り出た。
ただ、それがあまりにも唐突のことだったので、ルイズは勢いあまって後ろに転がりこむ。

そして……背に感じるはずの足場の感触がないことに気がついた。


何を騒いでるんだ?

上からルイズの怒声が聞こえ、何事かと上を見上げた達哉はそこで奇妙なものを目撃する。
宙に漂う桃色の塊。
よく見るとそれはゆらめく髪の毛であり、マントを着た人間であり、
その顔は先ほど別れた彼の主人そのままだった。
つまり――

「きゃあぁぁあああ!?」

ルイズは本棚から転落していた。

「ルイズ!?」

達哉は驚愕した。
ルイズのいた足場からここまでの距離は10メートル以上ある。
このまま地面に叩きつけられたらただでは済まない。

故に、達哉の行動は素早かった。

――『来い』!

336 :罪深い使い魔:2007/11/11(日) 09:46:52 ID:Gb8BCtq7
ルイズは焦った。
すぐに魔法を使おうと懐にしまってあるはずの杖をまさぐっているのに、上手く取り出せないのだ。
しかし取り出したところで、どうにもならないことをルイズは頭の隅で察している。
自分は『フライ』が使えない。『レビテーション』も使えない。
このタイミングで都合よく使えるなどと、楽観視はできなかった。
だから偶然目撃していた誰かが魔法を使ってくれない限り、自分は地面に衝突してしまう。
そして、そうなる可能性はかなり高い。
今自分がいる本棚は奥まった場所にあり、人通りもほとんどないのだから。

「…………!」

恐怖のあまりルイズは目をつぶる。
そして心の中でとある人物を罵倒した。

あんたのせいよバカ使い魔!
あんたが私をこき使うから!
あんたが私を妄想に付き合わせるから!
聞いてるの!?
なんとかしなさいよ――タツヤ!!

ボフッ

軽い衝撃。地面に激突したにしてはあまりにも軽い。
予想外の出来事に、ルイズの思考はさらに混乱する。

何?
何が起こったの!?

ルイズは自分の身に起こったことを確認するため、ゆっくりと目を開け――

ガス!

――ることなく、意識を失った。


「ッ……!」

達哉は自分の詰めの甘さを呪った。
とっさに落ちるルイズを『受け止めた』まではよかったが、
直後に、ルイズと共に落下していた本が、ルイズの頭部に命中してしまったのだ。
達哉はすぐにルイズを『下に降ろした』。

「ルイズ……!」

ルイズは気絶していた。
頭に小さなコブができていたが、命に別状はないだろう。
しかし念のため、医務室に連れて行くべきだ。
達哉は図書館の出口を目指して駆け出した。

337 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 09:47:01 ID:llXqsZTD
sienn


338 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 09:47:29 ID:i8dY6jcf
出したのか?
支援

339 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/11(日) 09:48:23 ID:++C6cWNI
支援

340 :罪深い使い魔:2007/11/11(日) 09:48:54 ID:Gb8BCtq7
「……ん」

今度こそ、ルイズの目が開く。

「あれ……私……」
「気がついたのか!?」

なぜか、使い魔が心配そうな顔をして私を覗き込んでいる。
何をそんなに慌ててるのよ、変なの。
……って、あれ?

「私、たしか足場から……」
「済まなかった。俺がついていれば、こんなことには……」
「べ、別にあんたのせいじゃないわよ。私の不注意じゃない。それより私、落ちたのよね?」

妙に優しい使い魔の態度にドギマギしながら、ルイズは疑問符を浮かべた。
別段、体に痛みはない。少し頭がズキズキするけど。
あの高さから落ちてこの程度で済むとは思えないのに……

「ああ……」
「なんで無事なの?」

なぜか辛そうな顔をする使い魔。

「その……俺が受け止めたんだ。お前が落ちて来たのを見て……」

……?
わけわかんない。

「だったらそんな顔をすることないでしょ。おかげで私、助かったみたいだし……」

まあ、使い魔にみっともない所見られちゃったのはちょっと、その……アレだけど。
私の言葉を聞いて、使い魔はなぜか驚いたような顔になった。

「見てないのか……?」

見る? 何を?

「なんのことよ?」
「……なんでもない」
「なんでもないってことはないでしょ?」
「いや、大したことじゃない。……それより、どこか痛むところはないか?」
「え? ええ、どこもなんとも……!」

341 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 09:50:43 ID:r4hXrhFf
ペペペペペペ!支援!

342 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 09:50:45 ID:i8dY6jcf
しぇん

343 :罪深い使い魔:2007/11/11(日) 09:51:50 ID:Gb8BCtq7
そこでようやく、ルイズは自分の体が地についていないことに気づいた。
彼女の体は二本の腕によって抱えられており、その腕は彼女の使い魔のもので……

つまりルイズは、助けられてから今までずっと達哉に『お姫様だっこ』されていたのだった。

「おい、あれルイズじゃないのか?」
「本当だ、何やってんだあいつ?」

しかも場所は図書館じゃない。図書館を出た先の、廊下の一角だった。
人目の多さは、図書館の比じゃない。

「そうか、だが念のため医務室で看てもらった方がいい。場所はさっき聞いた。もうすぐだ」
「あ……」

クスクスと笑いながら自分達を見つめる生徒達。

「何だ? 自分の使い魔に甘えてんのか?」
「男ができないから使い魔に手を出したんだろ」
「使い魔くらいしか相手してくれないからって、普通そこまで思い切れないよなあ」
「さすがゼロのルイズ」

「あ……ああ……」

ルイズは口をパクパクさせながら達哉を見て、周囲を見て、
そしてもう一度達哉を見た後、わなわなと小さく震え始めた。

「お……お……お……」
「お?」

やっぱりどこか痛むのか?
達哉がそう聞こうとした矢先に、ルイズの絶叫が学院を揺るがした。

「降ろしなさいよ、バカァッ!!」

キ――――――――ン

耳元で怒鳴られ、硬直した達哉の腕を振り解いて着地したルイズは、
そのまま達哉の脛をゲシゲシと蹴り始めた。

「誰が! いつ! どこで! ご主人様に触っていいなんて許可を出したのよッ!!」

衆人環視の目の前で、ルイズによる使い魔の虐待ショーが繰り広げられる。
痛みをこらえながら達哉は、ルイズが元気なことに安心するとともに、
そう感じる自分の心にわずかな戸惑いを感じていた。



以上、図書館を舞台にしておきながらタバサの出番がほとんどない変な話をお届けしました
支援ありがとうございます

…これで書き溜めてた話は残り二話

344 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 09:53:08 ID:r4hXrhFf
お疲れさまっしたー
…ルーンの効果が…っ!

345 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 09:56:01 ID:i8dY6jcf
乙ー!&GJ!
しかしたっちゃんは耐えるなーw


346 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 10:16:24 ID:/ZvuarJT
たっちゃん乙っす
はやくカタルシスを味わいたいものです
次回も楽しみにしてるっす

347 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 10:23:54 ID:CgHHOoC1
乙!
ペルソナまとめてリメイクというかPSP辺りにそのまま移植してくれないだろうか

ところで見るものないからプリキュア見たらガチバトル系だったんですが何この少女向けアニメ
無印の頃もやたら格闘戦だったりSSでも元気玉みたいなのブチかましたり最近はこういうのが流行りなのか

348 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 10:31:00 ID:Gi+FIUJV
ttp://armkawakami.blog43.fc2.com/blog-category-9.html

……ついでになのはネタも探すと非常に愉快だなあ。
川上氏が二次創作やるとどうなるのか非常に気になる。

349 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 10:37:05 ID:Ks7vXXJi
>>347
ルイズが本編一話直前のココ&ナッツ召喚して、キュルケ、タバサ、シエスタ、モンモン加えて
プリキュア5を始める。

まで読んだ。

350 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 11:15:54 ID:ZScV1zf6
 とりあえず、現在MGS3で書いてるとだけ宣言しておく。
 
 それでさぁ、とりあえずアニメ一期見たけど、原作も読んだ方が良いかな?

351 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 11:17:47 ID:AurMd8xM
>>350
原作を全部そろえてない俺はまったく書き始められない。
つまりそういうことよ。

352 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 11:18:44 ID:i8dY6jcf
強く読む事を推奨する。
原作>>しょうがないの壁>>アニメ一期>>>>>>>>越えられない壁>>>>>>>>二期



353 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 11:23:43 ID:oKXm2UDc
原作読まなくても問題は無い。アニメ版オンリーであってもかまわんだろう。
アニメ版準拠、原作準拠、あるいはそのチャンポン。どれでもウェルカム。
まあ読んだほうがいいのはいいんだろうがな。逆もまた然り。アニメはアニメであれはあれで参考になる。

何も見ないで書くってのだけは勘弁な!

354 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 11:23:49 ID:ZScV1zf6
刃物板住人の俺から見たら何という反応の早さ。
>>352
やっぱりそうか、何となく端折ってるなぁとは思った。

OK ちょと読んで見る

355 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 12:14:24 ID:wmgSenQj
キバヤシが召喚されました

356 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 12:21:06 ID:tnB8+Bys
な、ナンダッテー!?

357 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 12:34:40 ID:aDOaIdr4
読まずに書こうとしてるやつってなんなの?

358 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 12:54:04 ID:XpKT0HB7
黒ヤギさんたら読まずに書いた♪

359 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 12:55:14 ID:BDOD48DQ
>>357
上手くは言えんけど、二次創作作品やアニメ等でゼロ魔世界を理解したと思ってるんじゃないかな?
実は自分もアニメ第一期を見ただけで『理解したような気分』になっていたんだが
(本編の方もゼロ戦に乗って虚無ぶちかましたところで終わってるんだと解釈してた)

360 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 13:00:47 ID:cy4kVplO
ワッハマンのやつって保管されて無いの?

361 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 13:18:35 ID:/ZvuarJT
>>357
よくあることなんだよな
二次創作を見てわかった気になってるやつってのはどこにでもいる
某U-1SSとかさ

362 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 13:29:38 ID:HERW7rqS
>>361
二次創作の二次創作みたいな、オリジナルというより捏造な設定の上に
さらに捏造設定されてる、たこ足配線みたいなネタなどネット上にいくらでもあるらしいな。

363 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 13:33:04 ID:aLHqoCmr
>>362
それ何て東方プロジェクト?

364 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 13:33:06 ID:r4hXrhFf
ま、原作小説で12巻+2冊と意外に刊行冊数多い作品だからな、ゼロ魔は。
これに加えてクロス先の作品も読破なり何なりで把握しとかなきゃいけないわけで…。
たとえばFF7をクロスさせようと思ったらゲームを何本プレイしなきゃいけないんだか。
そうなると楽したいと思うのもまあ自然な感情ではある。

もっとも、こういうところから手を抜かない、というのは良作の必須条件だよな。

365 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 13:38:18 ID:ocp10dEN
>>362
yo!東方創想話でググってみなYo!!

366 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 13:38:38 ID:JWhhpQF4
>>363
まりさが俺だったりパッド長だったり蓬莱ニートだったりスッパテンコーだったり?

367 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 13:44:07 ID:ocp10dEN
まぁ東方に関しては全ての元凶がイオシスだと俺は思う。

368 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 13:45:37 ID:r4hXrhFf
イオシスってそんな初期から色々やってたのか?<東方歴2年余りの若造

369 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 13:48:20 ID:ocp10dEN
>>368
あいつらが作曲した『魔理沙は大変な物を盗んでいきました』のせいで
ニコニコ動画では「アリス=魔理沙・魔理沙=アリス」という解釈になってるとかなってないとか…


370 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 13:54:10 ID:594xsdLg
ニコニコってリア厨の集まりだろ

371 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 13:57:53 ID:ocp10dEN
まぁ確かにリアル厨房の集まりだからこそ変な解釈が生まれる。
その解釈は次のリア厨世代に感染する。

しかも姉妹スレで見かけた原作やアニメ見てましぇん。とか言う奴もこちらに現れてるし。
やはりスレがパート化するに連れていろんな奴らが集まるな。

372 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 13:58:55 ID:aJE64Ez0
>370
いい年した、アル中ニートもいる(俺とか)

373 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 14:01:58 ID:uINqThji
プロの酔っ払い乙

374 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 14:08:55 ID:IItVVH2m
シグルイ→ツカイマグルイの流れでこのスレに興味持って
他のSS読んでいって、原作に嵌ったオレもいる

375 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 14:12:53 ID:qo6eswor
途中までブックオフで立ち読みしたが、ラブコメ臭が強くて原作はいいやと思った俺参上。
面白いネタを思いついて、ここに投下するつもりになったら買う。

376 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 14:15:13 ID:r4hXrhFf
はいはい、一ヵ月半ほど前に三年ぶりに帰省したら高校生の従弟がニコニコ厨になっててリアルに凹んだ俺が通りますよー。
まあ、パット長とかスッパテンコーとかはずっと前からあったネタらしいしなー。

377 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 14:16:49 ID:tHr84hxf
誰か、アニメ二期でSSをやろうという猛者はおらんかのぅ。
一回ぐらいは見て見たいな。

378 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 14:20:17 ID:ocp10dEN
ニコニコはプレミアやらID制になる前はいろいろと面白かったけどな…

>>375
最低三巻だけでも買えばある程度の参考にはなるぜ?

379 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 14:25:57 ID:JWhhpQF4
とりあえず3巻までは買った

380 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 14:35:30 ID:/o/srcft
>>379
アニメの第1期が原作の3巻までだからいいと思いますよ
かなり違うところがあるけど両方見てその違いを楽しむのもいいと思う。


ネタバレになるけど3巻のワルドの扱いは笑える
アニメだとゼロ戦相手にかなりいい戦いするけど、
原作だとサイト達は相手がワルドだということも気がついてないんじゃないかな?
あっというまに機関砲で撃墜されて終わる。その他の雑魚竜騎兵と同じような扱いだね。


381 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 14:37:00 ID:ocp10dEN
>>380
アニメでもゴッドエネルやマリクもびっくりの顔芸で死んだ(?)と思うのだが

382 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 14:38:01 ID:s9GZYjYC
機関砲で撃たれても原型保ってる時点で化け物だよ

383 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 14:43:07 ID:r4hXrhFf
原作だと間違いなくワルドと認識せずに撃ち落してる。ちょっと手ごわかったくらいにしか思ってないはず。
サイトはワルドが生きているということを忘れてるんじゃないかな。2巻以来顔会わせてないし。

…まあ、そもそもワルドの出番自体無いわけだけどね…最後に出てきたのいつだよ…。

384 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 14:46:45 ID:lVILFAja
しかも、ワルドさんメンヌヴィルと初対面した時、何かビビッてませんでした?
その後、輸送員扱いされたことに不満を漏らすあたりも情けなくて可愛かった希ガスw

385 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 14:47:07 ID:CgHHOoC1
>>381
顔芸と聞いて地上最強の生物のアクリル壁強行突破思い出した
あれはもう勇次郎ボールとして売れるくらいに吹く

386 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 14:47:17 ID:SHZ45d9h
最後の出番って…VS7万戦前にでたような気が…。

387 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 14:50:25 ID:F/kRRY8K
とあるやMtLでのワルド優遇っぷりがよくわかるな

388 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 14:52:07 ID:CgHHOoC1
>>384
流石にパイロマニアに対面したら普通は引くんじゃないか
実力的に勝てるとしても不気味さとかは拭えない

389 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 14:55:12 ID:/o/srcft
ワルドは最初はかなり存在感あったんだけどね〜
2巻読み終わったときは、
こいつはこの後ライバルキャラとしてたびたび出てくるのかなと思ったのに。

逆にコルベール先生はここまで重要なキャラになるとは思わなかった。
6巻のメンヌヴィル戦と9巻の死んでたと思ったのに助けに来たところはほんとに感動した。
私の中ではコルベール>>>>>>越えられない壁>>>>>>ワルドだね。

390 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 15:01:13 ID:Gi+FIUJV
神音魔導師になったワルドがいた。
プレインズウォーカーになったワルドがいた。



……ごめん。いつぞやのデルフリンガー=アートレータ・アエテルヌムネタをワルドでやろうとしたけど、二つしか思いつかなかったw

391 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 15:02:56 ID:5X/ZARbe
>>383
たしかシェフィールドとフーケとワルドが
トリステインとゲルマニアの連合軍を操るために
泉に行った時が今のところ最後だな

392 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 15:15:00 ID:ocp10dEN
MGS2とかやってるとシェフィールドやジョゼフがどうにも『らりるれろ』的な存在だな。
なんというか…黒幕というか全てを裏で操っているという感じが。

393 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 15:15:54 ID:Ooo6+iVF
お前らが言ってるワルドって誰よ?
二巻とか読んでると、毎回三文字ぐらい空欄があるんだが、それの事か?

394 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 15:17:06 ID:ocp10dEN
>>393
ちょwwwwww

しかしシェフィールドのアニメのデザインはどう見ても悪です。本当に有り難うございます

395 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 15:25:59 ID:GtKOFsH0
>>393
おい!■■■の文字が見えないというのか!■■■の名前が!
あれ?■■■としか打ち込めない

396 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 15:31:57 ID:6scC1dG2
>>395
ばっか、■■■だろ?

397 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 15:32:05 ID:lVILFAja
早くも原作スレと同じ扱いになって参りました!>記すことも憚られるワの字の人

398 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 15:33:11 ID:JWhhpQF4
あの人ヒゲにあってない

399 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 15:33:52 ID:F/kRRY8K
丸ではなく四角な辺り風のスクウェアの面目躍如と言った所ですかな

400 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 15:39:15 ID:cmn5+LA4
>>399
■ワルド「目的地に半数が辿り着いたから任務達成不可能な問題は回避した」

401 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 15:40:27 ID:ocp10dEN
>>400
しかしその半数には『閃光』の姿はなかった……

402 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 16:05:54 ID:kqskoFVZ
そろそろ林檎の人降臨とかないかな…ライチ ライチ ララライチ
ギーシュの活躍を楽しみにしてるのだが…

403 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 16:07:08 ID:zBBdyGuP
■■■はいつ死んだんだっけ?メンヌヴィル運ぶ船で出てきた後見た覚えないんだが

404 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 16:07:56 ID:+9s4vaW9
マチルダさんのヒモがナントカって名前だったよな

405 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 16:09:03 ID:KnJShXx9
■■■は■■■であって■■■以上の何者でもないだろ、常識で考えて

406 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 16:24:58 ID:BMgXC/x4
おやおや?おかしいなぁ、僕は彼の存在を検閲した覚えはないんだけど

407 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 16:26:25 ID:YIYxp+VR
這い寄る混沌自重

408 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 16:28:04 ID:JWhhpQF4
西尾さんの小説思い出した

409 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 16:36:59 ID:zUsVmjSq
ニャル様の仕業かw

410 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 16:37:05 ID:LwKLN2ye
■が2.0にしか見えない

411 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 16:50:09 ID:dQXHquT5
何でそんなに■■■って大人気なんだ?
ってあれ?

412 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 16:57:30 ID:j0Vbft3n
■■■と見るとどうしても禁書の■■■■を思い出s・・・・
あれ?

413 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 17:00:26 ID:BMgXC/x4
みんなして■■■■■■■■■■たる僕の事を呼んでくれるなんて……いやぁ、嬉しいなぁ

414 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 17:00:36 ID:CgHHOoC1
なんという検閲の嵐
これは間違いなく這い■■混■の仕業

415 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 17:00:52 ID:GtKOFsH0
>>412
それは姫■?真・■■?それともイ■■ッ■?

416 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 17:02:10 ID:+9s4vaW9
この調子だと、いつの間にか■■■はヨルムンガントMk2に脳移植されてそうだ

417 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 17:02:19 ID:wXpdAUZF
空欄自重
それよりマチルダさんがどうしてシェフィールド達に従ってるのか理由考えようぜ
全くメリットが見あたらない

>>408
眼球なんたら論だっけ
今講義で扱ってるマクルーハンが元ネタだろうか

418 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 17:04:01 ID:JWhhpQF4
>>417
ホリックの小説版な
ルイズ達の世界にアヤカシはいるんだろうか

419 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 17:04:37 ID:AurMd8xM
とうとう太陽のプロミネンスが発した電磁波によって
人間の言語表現能力が破壊される幻象が起きたか……

420 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 17:05:09 ID:Rw9ydk+h
>神音魔導師になったワルドがいた。

ママが聖霊騎士(ホーリーアヴェンジャー)だから
まさに空気

421 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 17:06:50 ID:Rw9ydk+h
>419
「暗黒太陽の浮気娘」だっけ?

422 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 17:09:21 ID:Gi+FIUJV
>>420
……投下時はまだ六巻出てなかったよなw
そういや、鬼火先生とガンダールヴ才人はどっちが強いんだろうか?
身体能力はともかく、ルーンで技術がどこまで補正されるか原作で描写されてたっけ?

423 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 17:12:12 ID:ZwTwJtrm
神の左手ガンダールヴ。勇猛果敢な神の盾。
左に握った大剣と、右に掴んだ長槍で、導きし我を守りきる。

神の右手がヴィンダールヴ。心優しき神の笛。
あらゆる獣を操りて、導きし我を運ぶは地海空。

神の頭脳はミョズニトニルン。知恵のかたまり神の本。
あらゆる知識を溜め込みて、導きし我に助言を呈す。

そして最後にもう一人……。



……あれ?誰だっけ、ガンダールヴ知って「俺の名前を言ってみろ
ヴィンダー「絶対にノゥ!」。えっと、ミョズニ「だが断る」
つまり……その……。


記すことさえはばかれる……。



三人の僕を従えて、我はこの地にやってきた……。



                  ブリミル・ル・ルミル・ユル・ヴィリ・ヴェー・ヴァルトリ

424 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 17:13:40 ID:BDOD48DQ
>>419>>421
パタリロでも良く似た内容のエピソード(月刊花とゆめの方の最終話)あったの思い出した
あっちは言語表現能力が破壊されて下ネタしか喋れなくなってたがw

425 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 17:20:09 ID:s9GZYjYC
4人目ラスボスっぽいな

426 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 17:24:48 ID:aDOaIdr4
四人目=ノボル・ヤマグチ

427 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 17:25:29 ID:AurMd8xM
>>421>>424
うん、俺的にはパタリロのつもりだったw
マリネラでは表現しようとした言語が全部×になるという地味だが恐ろしい異常事態。

428 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 17:32:18 ID:ocp10dEN
四人目=ビッグ・ボス

戦う者全てを従える

429 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 17:33:52 ID:c3RiIVKg
4人目は、歌作る時にホントにど忘れされた使い魔説

430 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 17:46:51 ID:EmSyVicl
四人目=エイジ・ウサツカ

431 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 17:57:21 ID:YIYxp+VR
キバヤシ「つまりワルドこそが四人目の使い魔だったんだよーっ!!」

432 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 17:59:17 ID:0Qkff93y
4人目=グイード・ミスタ

433 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 17:59:26 ID:y5AGjtQd
Ω ΩΩ<な、なんだってーーーーーーーー!!

434 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 18:01:04 ID:BDOD48DQ
>>432君だっけ? 立ってるのも何だからここ座んなよ。
お茶でも飲んで…その後姉妹スレに帰ろうか…


435 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 18:15:02 ID:2gPIE1sX
・・・4人目は『ご立派さま』でないことを祈ります・・・(汗)

436 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 18:17:21 ID:mRXxF981
マチルダさんはワの人に惚れてるから・・・

437 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 18:18:04 ID:c3RiIVKg
ワリオの事か

438 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 18:24:42 ID:F/kRRY8K
>>437
ああ、あの帽子かぶってる髭の人

439 :ゼロの人形遣い:2007/11/11(日) 18:25:51 ID:wZF+nD/T
誰もいないかも知れませんが、ひっそりと投下させてもらいます。

440 :ゼロの人形遣い:2007/11/11(日) 18:30:15 ID:wZF+nD/T

ゼロと人形遣い 5


「こりゃたまげた・・・。」

阿紫花は、おもわずそう呟いてしまった。
その呟きを聞いたルイズは、勝ち誇った顔で自慢してきた。

「ここが『アルヴィーズの食堂』よ。普通は平民が入るなんて一生無理なんだからね。でもアンタは私の使い魔だから特別に許してあげるわ。」

そんなこと言われても、誰が感謝なんぞするものか。
ここに来るまでの説明では、この食堂は夜になると人形が踊りだすらしい。
別の世界に来てまで自動人形とかかわるのは正直勘弁願いたいものだ。
勝手に動く人形の相手など、もうやり飽きてしまった。

そう考えながら、改めて辺りを見渡してみる。
そこは無駄なまでに豪華絢爛な作りの部屋があり、これまたでかいテーブルがいくつか並べられている。
テーブルの周りの席にはマントを付けた生徒らしき人間が座って談笑しており、その間をメイドの少女らが忙しそうに歩き回っている。

「ぼっとしてないでさっさと席に行くわよ。」

ルイズは先に食堂へと入っていく。
それに気づいた生徒らが、ルイズと阿紫花を見ながらニヤニヤと笑いながらなにやら囁きあっている、中にはこちらを指さしている者さえいる。

それらの嘲笑を受けながらルイズはずんずんと進んでいく。
表情こそ不満そうだが、騒ぎ出す様子は無い。
その後をゆっくりと追いながら、違和感を覚えた。

「んんっ?」

いままでのルイズから考えたら異状な反応だ。
他の生徒が昨日の使い魔召喚の失敗で馬鹿にされるなら、彼女は即座に爆発するはずだ。
それなのに、彼女はそれを受け入れている節がある。

そこで朝のキュルケとのやりとりを思い出した。
二人を見ていた限りでは、ルイズは半分本気で噛み付いていたが、キュルケは楽しんでいる感じだった。
しかし、会話の端々に普段から馬鹿にしている様な響きがあった。

「ああっ、そういうことですか・・・。」

どこにでもいるものだ、いわゆる落ちこぼれという奴は。

ルイズの反応からして、これが彼女の日常なのだろう。

どこの世界に行っても変わらないものもあるのだ。
学校という閉鎖された空間の中では、常に弱者が求められる。
どんな些細なことでもいい、とにかく自分と比べて少しでも劣っている部分を探し、それと自分を比べて悦に入っている輩はどこにでもいるものだ。

そんな嘲笑の中を、ルイズは堂々と歩いていく。

強い子供だ、しかし頑なすぎる。
あの手のタイプは、目標がある内は大丈夫だが、目標を失ったとたんに潰れてしまいやすい。


441 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 18:31:09 ID:c3RiIVKg
お代はいかほど支援

442 :ゼロの人形遣い:2007/11/11(日) 18:32:23 ID:wZF+nD/T

そこまで考えたところで、おもわず頭を抱えそうになってしまった。

『いつからこんなにやさしくなっちまったのかねぇ。』

こんなのは、自分の性分ではない。
どうにも元雇い主の二人の影響を受け過ぎている気がする。


「ちょっと!ノロノロしてんじゃないわよ。早くこっちに来て、椅子をひいてちょうだい。」
「はいはい、わかりましたよ。」

とりあえずは、大人しく言うことを聞いてやる。
ルイズは満足そうに椅子に座った。

「それで?嬢ちゃんアタシの食事はどこですか?」

ルイズはニヤリと笑って、

「あんたの食事はそれよ。」

そう言って、床を指した。
そこには、粗末な皿に冷えた不味そうなスープと硬そうなパンが二切れのっていた。
呆れた顔にしてしまったが、大方の予想通りだった。

その表情に満足したのか、勝ち誇った顔で言ってくる。

「感謝なさい。普通の使い魔は外で食べなくちゃいけないけど、特別に食堂の中で食べさせてあげる。」

言い返すのも面倒だった。
その時、いままでとは違った視線を感じて、そちらに振り返る。

視線の先には、すまなそうな顔をした黒髪のメイドがいた。
阿紫花と目が合うと、無言で食堂の奥の方へ視線を向けた。

彼女の意図が理解できた。
こちらも無言のまま、小さく頭を下げた。

意図が伝わったのを理解して、少女も小さく微笑んで仕事に戻っていった。

『社会的弱者の結束が固いのも変わんないもんだねぇ。』
「ちょっとあんた!何回私を無視したら気が済むのよ!」

声の方に視線を戻すと、憤怒の表情をしたルイズがいた。

「いい、今度から私の命令を無視したら餌抜きにするからね。」

そう言い切ると、また勝ち誇った顔になった。


443 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 18:32:42 ID:qo6eswor
投下があるなら仁義をもって支援する

444 :ゼロの人形遣い:2007/11/11(日) 18:34:38 ID:wZF+nD/T

「でも今回だけは勘弁してあげる。慈悲深いご主人様に感謝しなさい。」

『餌ねぇ・・・。』

その明らかに人間扱いしていない言葉に、おもわずぶん殴りたくなった。
だが、これ以上に酷い扱いは何度も受けてきたので我慢することにした。
それに、いま手を出すといろいろと不味いことになりそうだ。

しかし、やられっぱなしは性に合わない。

「まあ、どうしてもって言うなら肉の一切れくr
「せっかくのご好意ですが、遠慮させてもらいますよ。」

続きの言葉を切って捨てる。
目を丸くするルイズを見ながら、悠々と煙草に手を伸ばす。

「へぇ?ちょ、ちょっとあんた何言ってんのよ。」

予想だにしていなかった言葉に、ルイズは狼狽している。
対して、阿紫花はゆっくりと煙草に火をつけ、

「だから遠慮するって言ってんですよ、嬢ちゃん。誇れるもんなんてなんにもないですが、これでも多少のプライドくらいはあるんでね。」

そう言いながら紫煙を吐きだす。

「そんじゃ先に外に出てますよ、心配しなくてもいなくなったりなんかはしませんから。」

言い捨てて、背を向けて食堂の出口に歩き出す。
呆けていたルイズが気がついて、怒気で顔を真っ赤にして叫んだ。

「あっ、あああんたなんかずっと餌抜きなんだから!わかってんの!」
「へいへい、そんくらい自分で何とかしますから。嬢ちゃんも食いすぎて太っちまうんじゃないですよ。」
「〜〜っ、この馬鹿犬―――――――!!!」









食堂から出た阿紫花は後悔していた。


445 :ゼロの人形遣い:2007/11/11(日) 18:36:47 ID:wZF+nD/T

「あ〜あ、おもわずやっちまった。」

とぼとぼと目的地へ歩きながら呟く。
そこで、あることに気つき足を止めた。
いままで吸っていた煙草が、もうフィルターだけになっている。

「はぁ・・・、これで残り一箱か・・・。」

そう呟いて、揉み消した煙草と空箱を捨てる。

「せめて葉っぱだけでもありゃあな〜。」

その呟きも誰もいない廊下へ消えてしまった。



446 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 18:37:26 ID:c3RiIVKg
ニコチンが無いのは死活問題支援

447 :ゼロの人形遣い:2007/11/11(日) 18:42:48 ID:wZF+nD/T
すみません。
>>445
は間違えてました。正しくは↓です。



「あ〜あ、おもわずやっちまった。」

とぼとぼと目的地へ歩きながら呟く。
そこで、あることに気つき足を止めた。
いままで吸っていた煙草が、もうフィルターだけになっている。

「はぁ・・・、これで残り一箱か、あんな事で吸うんじゃなかった・・・。」

そう阿紫花は先ほど反抗したことを悔いているのでなく、煙草を消費してしまったことを後悔していた。
揉み消した煙草と空箱を捨てる。

「せめて葉っぱだけでもありゃあな〜。」

その呟きも誰もいない廊下へ消えてしまった。



448 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 18:43:18 ID:W1goXmjp
そういえば、ルーンのある手を切ったりしたら効果ってなくなるのかな?

449 :ゼロの人形遣い:2007/11/11(日) 18:44:55 ID:wZF+nD/T
以上投下終了です。
更新は亀以下ですが、つき合ってください。

450 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 18:45:00 ID:tTZYWf1K
テンプレ展開だなあ

451 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 18:51:27 ID:hH5p5s+X
>>449
いいよーいいよー
毎回おもしろい

452 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 19:02:44 ID:NaqstUwq
ルイズが釘宮ボイスな虚無の使い魔を四人全部召喚してしまったようです

月の眷族、天より来たりしガンダールヴ
吉兆の知らせ手、黒き神獣ヴィンダールヴ
幼き鎧、錬金の使い手ミョズニトニルン

記すことすら憚れるのは各自で。

453 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 19:04:42 ID:JWhhpQF4
>>452
ヴィンダールヴだけわからない自分がにくい

454 :ゼロの雷帝:2007/11/11(日) 19:10:22 ID:v5Us+qyK
今から投下してもよろしいでしょうか?

455 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 19:12:07 ID:qo6eswor
了承

456 :ゼロの雷帝(1/4):2007/11/11(日) 19:13:46 ID:v5Us+qyK
それでは投下します。

ルイズの案内なしに先をスタスタ歩いていき、正しく部屋に辿り着いた事にルイズは驚く。

「何であんた、わたしの部屋がどこにあるのかわかってるのよ」

部屋に入り、ベッドに腰掛けてルイズはゼオンにたずねる。
窓に腰掛け、相変わらず偉そうな態度でもってゼオンは答えた。

「ある程度はさっき読み取ったからな。詳しいところは知らないが貴様のことは大体知ってる」
「読み取った?そういえばさっきも言ってたけど、読み取ったってどういうことよ?」
「さっき、貴様の頭に触れただろう。オレは記憶を奪ったり与えたり、覗くことができる。
 …覗く能力はつい最近偶然手に入ったものだがな」

 ユノさん…本当のお母さんはどこ?お父さんは?
 そんなものはお前にはいないよ。

 私には、お兄ちゃんがいる。

 何故「バオウ」をガッシュに与えたのですか!

 父上よ!そこまでオレが憎かったか!!?
 「バオウ」を受け継いだガッシュがそこまで大切か?

口端に自嘲の笑みが零れる。

愚かだった自分。
弟を憎み続けた弱い心。
そんな事に自分は誰も憎まなかった弟の記憶を見てようやく気付いた。
この能力はある意味自分の愚かさの象徴でもある。

一方でルイズは驚いていた。

「嘘!?記憶を操るってあんた、ひょっとしてそれって魔法!?」

記憶を操るという事はひょっとしてゼオンは治療や精神を操る水系統のメイジなのだろうか?
実は杖をあのマントの下に隠し持っているのでは、それならば貴族の自分に対してもゴーイングマイウェイな傲岸不遜態度も納得がいく。
問いにゼオンは暫く黙考して

「違うな。オレは杖なんて持ってない」

違うと答えた。この能力の行使に杖など必要としないし、第一記憶を操るのは術ではない。

457 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 19:15:13 ID:hH5p5s+X
支援

458 :ゼロの雷帝(2/4):2007/11/11(日) 19:16:51 ID:v5Us+qyK
「じゃあ何だって言うのよ。そんなの魔法以外ないじゃない、先住魔法ってわけでもないんでしょ、あんた耳尖ってないからエルフじゃないみたいだし」
「オレが持つ能力だ。よくわからないこと全て魔法で片付けるってのはやめておくんだな。バカに思われるぞ、女」
「いちいちいちいち一言多いのよあんたは!大体前から貴様だの女だのって何よ、主人に向かって!」
「貴様や女で十分だ」
「ああああああああんた、わわわたしをどこまでバカに〜〜〜!」

声が震えるほど怒り狂うルイズを尻目にゼオンはふん、と鼻を鳴らす。
誰がまともに呼ぶものか、とゼオンは胸中で吐き捨てる。
何故かはわからないが、ルイズからはある気配がする。

自分の本を読める者から受ける気配だ。

弱い魔物ならばともかく、一定以上の強大な魔物ならば察知できる気配である。
本とは魔物に眠る力が目覚めた時、術が刻まれる本であり、魔物の王を決める戦いにおいて最も重要なアイテムだった。
既に燃やされ、本の存在しない今では何の意味もないが、ルイズからその気配がするという事実はゼオンにとって非常に不愉快だった。

(オレのパートナーはデュフォーだけだ。こいつにオレのパートナーの素質があるなど絶対認めん)

「お前」や「ルイズ」などとまともに呼べばそれでルイズをパートナーと認めてしまったように思えてしまうのである。
まともに呼ぶくらいのことでそこまで考えなくても良いのだが、そこはそれ、いくら頭が良くても彼はまだ6歳の子供だった。

「聞いてるのゼオン!」

うがーっと吠えるルイズを無視し、ゼオンは腰掛けた窓から立ち上がる。

「それで寝床は?オレはどこで寝ればいい?」

無視されたルイズは更に血圧が上りかけるが、意趣返しの方法を思いついてにんまりと笑う。

「あんた床。使い魔だもん当然よね」

毛布一枚もなしな徹底振りである。
これで少しは態度を改めるだろう、と思ったらゼオンはマントにくるまって窓にまた腰掛けた。
どうやら寝始めたらしい、マントにくるまっているので姿は見えないが。
とことん思い通りにならない使い魔にルイズはうむむむ…と唸っていたが、おかしいことに気付いた。

(あれ?ゼオンのマントってあんなに長かったっけ?)

聞いてみようかとも思ったが、もう寝ているようだし、今から起こして聞いてもまともな話にはならないだろうと彼女は諦めた。
というか、あのとんでもなく生意気な子供相手ではどの状態でもまともに会話できる自信がない。
彼女も寝るべく、手早く寝巻きに着替える。
ベッドに入り、シーツを被ったところで―――手に当たるものに気付いた。
何かと思ってシーツをまくって見てみるとそこには、

「あ…」

銀色の本があった。

459 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 19:18:01 ID:OGQj83Vt
しえんー

460 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 19:18:02 ID:hH5p5s+X
支援

461 :ゼロの雷帝(3/4):2007/11/11(日) 19:18:59 ID:v5Us+qyK
昨日の事を思い出す。ゼオンと契約した後の事を。

コルベールが重症を負ったゼオンの身体を慎重に抱え上げる。

「それでは私はこの子供を医務室へ…おや?」

どさり、とゼオンのマントから何かが落ちる。
たまたま近くにいた、見事な巻き髪とそばかすを持った女生徒、モンモランシーがそれを拾い上げる。

「これ…本?やけに大きいわね…?」

ぱらり、とめくってみる。

「何これ?」

本の中は見たこともない文字で埋め尽くされており、彼女には文字通り一つも読む事が出来なかった。
本、と聞いて食指が動いたのか青髪の少女が手を出す。

「貸して」
「タバサ?いいけど」

手渡すと、タバサは暫くの間本をパラパラとめくってじっと見つめていたが、

「駄目。読めない」

パタン、と本を閉じた。

「本の虫のタバサでも読めないの?これはお手上げね」

ご丁寧にも手を上げてそう言うモンモランシー。
どんなものかと生徒達の興味が集まり、にわかに騒ぎ始めたところでコルベールが割って入った。

「もういいでしょう。皆さんは学院に戻り、その本はミス・ヴァリエールに渡してください。彼女の使い魔の持ち物ですからね」
「はい、わかりました。ほら、ルイズ」
「ん…」

ショックで忘我状態に近いルイズは鈍い反応だったが、何とか受け取った。
そんな彼女を尻目にコルベールはゼオンを抱えた状態で、他生徒達はいろいろと喋りながらフライの呪文で飛んで行った。

(その後は良く覚えていないけど、確か学院に戻ってベッドの中に放り込んだんだっけ)

あの時は酷い状態だったので、しばらく記憶をたどってようやく思い出した。
しかし今思い出してみると好奇心がむくむくと湧いてくる。
何せあのタバサにも読めなかった本なのだ、何と言うか、興味がある。

(どんなヘンテコな文字なのかしら、それにしても誰にも読めない本って事はゼオンはよっぽど未開の土地から来たってことよね)

内心で含み笑いをしながら本をめくる。
確かに変な文字だった―――1ページ目を除いて。いや、1ページ目も確かに変ではあるのだが。

(え…?これ、読める、わよね…?)

彼女には1ページ目だけだがそこに書かれた内容を読み取る事が出来たのだった。
そこにはページ全体に

(…ざ…け…る…ザケル…?)

ザケル、と書かれていた。

462 :ゼロの雷帝(4/4):2007/11/11(日) 19:20:44 ID:v5Us+qyK
一方、ルイズは寝たと思っていたがゼオンはまだ起きていた。

(オレは何故、こんな立場に甘んじてる?)

自分でもおかしいと感じる。使い魔などという屈辱的立場に同意したことに。
かつてリオウという魔物と戦った時のことを思い出す。

「お前みたいなバカに従うってのは、たとえ演技でもオレのプライドが許さねえ」

あの時言った言葉に偽りなど全くない。使い魔など、はっきり言って部下以上の屈辱だ。そんなものに何故自分は同意した?

(実際バオウの傷の治療なんて大した事ではない…確かに治りは遅くなっただろうがオレなら二、三日ほっとけば回復した)

傷の治療など大した恩ではない。むしろこんな見知らぬ世界に連れてこられた事で相殺どころかマイナスだ。
しかし何故かあの時自分はその大した事のない恩で、プライドとの葛藤の末とはいえ、使い魔となることを受け入れていた。
少なくとも自分はあの場でルイズを殴り倒していてもおかしくなかった。いや、むしろその方が自分らしい。
ガッシュのパートナー、清麿とも口論を繰り広げたがその際に彼は口どころか手も足もマントも術も出していたのだ。
やはり自分らしくない。弟に敗れ、憎しみが消えた事で丸くでもなったか?と自問する。
答えは否だ。確かに多少丸くなった面はあるだろう、しかしそれくらいでプライドを安売りなんぞしない。

(あえて挙げるならコレか)

左手に刻まれたルーンを見やる。
このルーンにどのような意味があるのかは知らないが、このルーンから自分の精神への干渉感覚はずっとあった。だが。

(ふん、こんなもの)

一笑にふす。このルーンからの干渉の力は弱すぎる。ただの人間相手でも大した効力は得られないだろう。
こんな程度のもので自分の行動に影響があったとは、とてもではないが思えない。

(あとはあの女にやった、または受けたことで思いつくのは…記憶、か)

覗いた記憶に思いを馳せる。全てを覗いたわけではないが、ゼオンはルイズの過去を含め大体の内容を掴んでいた。
故に、自分が倒れている間に起こったルイズの錬金失敗による教室爆破事件も知っていたのである。
ルイズの記憶で自分が取り立てて何か行動に影響が出るものはなかったはず…と思う。
しかしこれ以外に当てがないのも事実、順番に思い返す。

どれだけ努力しようとも一向に魔法が使えない事に泣いていた幼少。
「ちいねえさま」と姉に懐く、コンプレックスを感じつつも両親を、家族を愛し、大切に思っている姿。
トリステイン魔法学院への入学、ゼロと馬鹿にされ続ける日々。
そして、使い魔の召喚―――

(……!?)

思い返しているうちに自分の感情の一端に気付き、ゼオンはかぶりをふった。

(バカな、こんなどうでもいい記憶で…!)

胸中で激しく否定し、ゼオンはこれ以上このことについて考えるのをやめた。
所詮どうでもいいこと、今考えねばならんのはどうやって魔界に帰るかだと自分に言い聞かせる。

(記憶ではコルベールとかいう教師が一番いろいろと知ってるそうだな…明日そいつから情報を集めるか。チッ、研究者畑の奴にはムカつく思い出しかないんだがな)

とにもかくにも、魔界への帰還方法を探さなければならない。
ガッシュが王となった後の補佐や、その前にはガッシュを虐待していたユノとかいうゴミの始末を魂化する前に行わねば。
そこまで考えてゼオンはようやく身体を休め、眠りへと落ちていった。

そう、絶対に間違いなのだ。

―――ルイズの記憶を見て、それを眩しいと思ってしまったことなど。

463 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 19:22:53 ID:hH5p5s+X
支援

464 :ゼロの雷帝:2007/11/11(日) 19:23:13 ID:v5Us+qyK
以上です。
支援ありがとうございました

465 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/11(日) 19:24:05 ID:++C6cWNI
sien

466 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 19:24:25 ID:hH5p5s+X
乙ー
術はザケルだけかな?
なんにせよwktk

467 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 19:26:21 ID:NaqstUwq
乙でした〜。
ルイズの呪文にチャージル・サイフォドンがあってもおかしくはないとオモタ。

>>453
釘宮ボイスのキャラを片っ端から調べれば分かるぞ

468 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 19:32:45 ID:tTZYWf1K
雷帝乙です
あのマント便利だなー
ゼオンの本でザケル以外読めないってのはなぜだろう。
呪文を制限する方法としてはちょっと無理があるような。
ルイズがボトルネックになってるせいかな?

それともゼオンの魔界帰還を好ましく思わない「本の製作者」にして「戦いの主催者」が何かしたかな?

469 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 19:34:04 ID:CgHHOoC1
乙!
ガッシュかあ……皆の力が結集というあの場面でのV様乱舞には感動するやら吹くやらで立ち読みなのに相当変な顔になったなあ

470 :ゼロの雷帝:2007/11/11(日) 19:46:47 ID:v5Us+qyK
>>468
一応理由はあります。ルイズは関係なく、ゼオン自身に理由があるのですが。
理由を明かした時に「そんなこと起こるわけねーだろ」と言われかねない理由なので
少々怖いですが

471 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 19:53:31 ID:hH5p5s+X
>>470
なぁに大丈夫だ
そのままがんばってくれ

472 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 20:06:17 ID:tTZYWf1K
ゼオンの記憶操作が間接の原因になってガッシュがバオウザケルガを使えるようになったみたいな感じかな

473 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 20:12:47 ID:OGQj83Vt
>>472
いまいち分からないんだが

474 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 20:24:43 ID:aA89zVPX
口に出さなくてよかった。ゼオンのザケルなら校舎ぶち抜きかねん。
……第一話のザケルもそのくらいあったような気もするが、気にしない。

475 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 20:30:05 ID:ww1oLvdZ
ハルゲキニアの言葉は日本語じゃないから「フザケルナ」暴発の心配も無いな

476 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 20:38:54 ID:qo6eswor
>>475
普通の日常会話に、ザ、ケ、ル、と続く言葉があったりして。

ルイズ「ワルド様」→なぜか発動!!
という感じで。

477 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 20:41:52 ID:S0Z0Rs0T
ハルケギニアでは、女性は語尾にザケルをつけるのが一般的です、とかか

478 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 20:46:30 ID:CgHHOoC1
ワルド様と呼んでる時はどうもないのにワルドと呼び捨てるとザケル発動だな
ワルド様ワルド様言ってたのが裏切りに際しワルドと呼び捨てた途端ザケル発動。


479 :233:2007/11/11(日) 20:47:10 ID:uNy2nNku

こんばんわ、233だ。
昨日は失礼した。

もう一度言うが、召還するのは
「機神大戦ギガンティック・フォーミュラ」の「十式オニクス」。

書いてたら案外「召還→一日目終了」までが長くなってしまった。
今回はほんと、さわり。
ていうかGF自体あんま掘り下げなかった作品だったので、オニクスにはかなり俺解釈入ってる。

じゃ、いいか?

480 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 20:50:56 ID:h8fAPgng
HAHAHAHA
長い分には文句ないぜ

481 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 20:53:52 ID:oKXm2UDc
すっごいなぁ支援

482 :ゼロの機神 ギガンティック・ゼロ EP0.5「招来」:2007/11/11(日) 20:55:49 ID:uNy2nNku
消えゆく命の中、「彼」は思考した。反芻した。

きっとそれは年頃の子供が抱く「目上の人間に対する劣等感」みたいなモノで、一時的なモノだったのかも知れない。

自分はゼウスによって作り出され、捨て石となるために生まれた。
アレスを滅ぼすための先触れ。
つまり、自らには「死」の運命が確定する。

彼は捨て石である故に、感情は持っていなかった。自らを起動しようとする人間を全て抹殺し、日々を過ごしていた。
自分に流れ込む人間達の意志は、無意味な記号でしかなかった。彼を道具としか認識しない彼らの感情など、雑音に等しかった。
だが、ある日それが変わった。
ある時、とても軍人とは思えない少年少女が、彼に乗り込んできた。今まで触れたことのない少年少女の若い感性は、彼を刺激した。それはもともとゼウスの一部であった彼を、覚醒させるのに十分であった。
不安、喜び、憤り、悲しみ。
ある時彼らは、彼に語りかけてきた。彼を「モノ」としてでなく、「彼」として認識した人間は、彼らが初めてであった。
彼は少年少女に、親しみを覚えた。そして、交流を図ろうとした。だが、皮肉にも彼が少年少女と深く繋がるごとに、彼らの体は蝕まれた。
彼は悲しんだ。

------------カナ。マサヒト。

彼は、この矛盾に激怒した。
そして、自らに死の運命を与えたゼウスに、激怒した。
そして、この運命を生み出す元凶となったアレスに、激怒した。
それらは無垢な彼を怒りに染めるのに十分なパワーを持ち、そしてその怒りは単純なゼウスへの憎悪に変じた。
やがて、彼は少年少女を道具のように扱うようになった。深く自らの根を下ろし、自分の手足とした。
ゼウスへの復讐だけが、彼を突き動かすようになった。

思えば、あの時あの戦いを静観していれば、何も起こらずにすんだのかもしれない。スサノヲはジュピターに破壊され、彼は役目を終えて解体される。それだけのことですんだのかもしれない。
だが、ゼウスへの憎悪が勝った。


483 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 20:56:54 ID:oKXm2UDc
そうね、すわくん支援

484 :ゼロの機神 ギガンティック・ゼロ EP0.5「招来」:2007/11/11(日) 20:57:51 ID:uNy2nNku
ジュピターの頭部を握りつぶした時、復習を満たした満足感と共に、虚ろなものと、もう戻れない、という自責の念が流れ込んできた。
コドモの劣等感は異常な程肥大化し、ついには他人を巻き込んだ。ここで戻ることは出来ない。そして彼は、もう一人の憎悪の根源、アレスにその剣を向けた。世界の新生を謳って。
負けることは許されない。
例えそれで何も得るものが、なかったとしても。
彼は剣を抜いた。
思えばあの時から、アレスの剣に自らの命が絶たれることを、望んでいたのかもしれない。

走馬灯のように逆再生された記憶が途切れる。
景色が白く霞んでいく。

俺は、あんなことがしたかったんじゃない

コピーという烙印を押されるのが嫌だっただけ

劣化複製として死にたくなかっただけ

アレスの代用品と

ゼウスの代用品と

いわれたくなかっただけ。

不意に景色が黒く暗転した。それと同時に、目の前で剣を掲げるアレスの姿もまた、消えた。周囲のいっさいは消失し、彼は無に放り出された。
どこが手で、どこが足なのか、わからない。わずかに生きる視覚を総動員し、状況を、把握しようとする。だが、わからない。何もかもが、わからない。

-------ここが、地獄なのか?

-------ちがうよ。

声。その声は、厳格な老人の声にも、妖艶な女性の声にも、無垢な子供の声にも、しわがれた老婆の声にも聞こえた。

-------君は必要とされている。まだ、誰かに

その言葉が終わるか終わらないかのうちに、銀色の視界が開け、彼の意識は失われた。



485 :ゼロの機神 ギガンティック・ゼロ EP0.5「招来」:2007/11/11(日) 21:01:01 ID:uNy2nNku
何十回目かのサモン・サーヴァントは、成功した。沸き上がる魔力の奔流。風は周囲の物体を吹き飛ばすばかりの勢いで荒れ狂った。そして、数秒のうちに止んだ。

ルイズは儀式は成功した、と確信する。間違いはない(ハズだ)。この手からほとばしり、杖に至り、その先端から大気へと放出される魔力を、感じ取れた(気がする)。
今の自分なら、きっと神とて一撃で打ち倒せるだろう。そうおもえるほどの高揚感が、今の彼女を満たしていた。
「……来た、私の使い魔が」
煙が晴れる。ゴーレムか。飛竜か。それとも亜人か。ルイズの期待は高まる。
煙の向こうに見える使い魔の姿を、ルイズは想像した。そしてそれを従える自らの姿も。
サイッコーの使い魔とサイッコーのアタシが、今に学園のトップになってやる。

そして、煙が晴れる。

煙の向こうに見えたのは、石像だった。
しかも、頭だけの。
「………」
ルイズも、周囲の人間も、言葉を失う。それがただの頭なら、即刻周囲の生徒はルイズを笑い飛ばしたことだろう。だが、それはただの頭ではなかった。
大きい。
それの全高は、軽く2メートルを超えている。小さなルイズからしてみれば、さらに巨大に見えたことだろう。
「…なにこれ」
アーティファクトの類だろうか。ルイズはゆっくりとそれに近づいていく。周囲は押し黙ったままだ。頭は動かない。
ルイズは近づく。頭は動かない。ルイズはさらに近づく。頭は動かない。ルイズはそれに、手を触れようとした-------

「危ない!」
誰が叫んだのか。途端に、石像の目が光った。ルイズは突然の事態の急変に、腰を抜かして座り込んでしまった。赤い輝きが、石像の目からほとばしる。
一部の生徒は既に逃げの体勢に入っている。場の空気は緊張から危険へと変じた。
「え、え、えぇぇぇええ!?」
だがルイズは動けない。目の前の石像の動向を、見守ることしか出来ないのだ。石像は動かないが、目の光は止まず、真昼よりも明るくその場を真紅に染めた。
だが、それだけだった。光は次第に収束し、灯った時と同様、また静かに消えていく。ルイズも、周囲も安堵した。
「……ほっ」
ルイズが息をついた瞬間。事態は再び急変する。石像から触手が伸びた。黄緑色に輝く触手。触手は石像の上で、絡まるように暴れた。
「下がりなさい!」
儀式の監督に当たっていたコルベールが、生徒達の前に踊りでて、自らの杖を構える。これは使い魔と呼ぶに相応しくない、単なる魔物だと判断したのか。既に詠唱を始めている。
だが、触手の主はこれに気付いたのか、頭上で暴れていた触手は突如規則的な動きに変じ、コルベールの杖を叩き落とした。
さらに触手は向きを変えて伸びる。先ほどまで無秩序に暴れていた触手が、一方向へと、加速する。ルイズはその触手の行く先を見やった。
観衆のほうに向かっている。その方向に集まっていた生徒達の一部は蜘蛛の子を散らすように逃げ出す。触手はこれを個別に追った。生徒の悲鳴が響き渡る。
その追われる生徒の一人があしをもつれさせ、派手に転んだ。
「モンモランシー!」


486 :ゼロの機神 ギガンティック・ゼロ EP0.5「招来」:2007/11/11(日) 21:03:23 ID:uNy2nNku
その少女は、立てロールの髪を何本もさげ、いかにも「貴族」と言ったカンジの少女だった。そのモンモランシーに触手が迫る。
一方のモンモランシーは恐怖に顔を引きつらせ、杖を構えることすらままならない。触手は速度を緩めることなくモンモランシーに到達した。
「いっ、いや、ひやぁあああああっ!!?」
昼間の学園に響き渡るモンモランシーの悲鳴。触手はモンモランシーに吸い込まれるようにして内側へと侵入し、消えた。
同時に他の触手が消失し、モンモランシーは弓なりにビクビクと痙攣して震えている。依然顔は恐怖で固まったままだ。
前代未聞の事態に、コルベールもうかつに手を出せずに固まっている。足腰の調子が戻ったルイズは立ち上がると、石像を仰ぎ見る。
「あんたが…あんたがやったの!?」
その声とほぼ同時に、病気の発作のように震えるモンモランシーの動きが止まり、モンモランシーはがくりとたおれこんだが、緩慢な動作ですぐに立ち上がった。
だが、その顔はうつむき、無表情で固まっている。
「な、直ったのか?」
生徒の一部が彼女に語りかけるが、彼女は反応を返さない。うつむいたまま、固まっている。見かねたコルベールが彼女に近づき、肩を揺すった。
「大丈夫ですか?」
何度か肩を揺すられるモンモランシー。だが、顔はうつむいたままで反応は全くない。コルベールは再び揺すった。
「返事を返しなさい」
『…うるさい』
モンモランシーは、声を発した。
だが、それはそこにいる人間が知っているモンモランシーの声ではなかった。どす黒い、邪気に満ちた声。
まるで、ファンタジーに登場する魔王のような。モンモランシーはコルベールの腕を振り払うと、コルベールが反応するより早く、掌底をコルベールに叩き込んだ。
コルベールは凄まじい勢いで吹き飛び、3メートル程空中を舞った。心配した生徒がコルベールに駆け寄る。
この時、ほとんどの生徒の視線は、当然ながらそのモンモランシー…否、「モンモランシーかどうか疑わしい何か」に向けられている。
驚愕で動けない、というのもあるが、やはりそうさせるのは、恐いもの見たさなのだろうか。モンモランシーは、次にルイズを指差した。


487 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 21:03:51 ID:sbK5exkh


488 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 21:04:07 ID:rXMWE8jL
おっと支援。

489 :ゼロの機神 ギガンティック・ゼロ EP0.5「招来」:2007/11/11(日) 21:05:42 ID:uNy2nNku
「…わたし?」
『俺を呼んだのは、お前か』
「そ、そうよ。わたしがあんたを呼んだのよ。あんたはわたしの使い魔なんだから、わたしの言うことを聞きなさい」
ルイズは精一杯の威厳を混めて言い放った。だが、それはこの場では逆効果だった。
『ふざけるな…』
トーンの低い声でモンモランシーは言った。怒気がこもっている。怒気を通り越して、殺気の域にまで来ているかもしれない。
困惑するルイズを尻目に、モンモランシーは右手をスッ、と天にかざした。途端、モンモランシーの腕から先ほどモンモランシーを襲った触手のようなものが数本のび、モンモランシーの掌の上で収束した。
形態を失い、一個の個体に変じた触手は、一本の剣となり、モンモランシーの手の中に収まる。鈍い輝きを放つ剣は、殺意の証。
『死人をおいそれと起こすな』
どんっ。
モンモランシーが踏み込んだ。まるで彼女とは思えない。達人の域にまで達したその動作はルイズに身構える暇を与えない。
わずか4歩で、モンモランシーはルイズのまさに目の前まで肉薄し、それと同時に剣を振りかぶり、それと同時に空いた腕でルイズを殴りつけていた。
顔面にまともに入ったパンチに、ルイズはふらりとよろけて後退し、豹変したモンモランシーを見据えようと顔を上げる。
目の前にあったのは、剣の刀身だった。鈍い輝きが、目の前に、ある。

だが、それ以上にはならなかった。剣はルイズの目の前でまさに「停止」していた。モンモランシーもまた、石像のようになり、動きを止めている。
ルイズもまた、極度の緊張感と何が起こったかわからない不安と、死の恐怖が先ほどまで目の前にあった故の緊迫感により、動けない。
そのまま数秒が経過した。

『…クソ…この少女の魔力量では、やはりライトニングソードは…無理か』


490 :ゼロの機神 ギガンティック・ゼロ 次回予告:2007/11/11(日) 21:07:31 ID:uNy2nNku
次 回 予 告

呼び出されたものが何かもわからぬままに、
混乱は増大する。
ゼロの少女が呼んだものは、
神か、悪魔か。
次回「前世」 機械をまとった神々の戦いが、始まる。

491 :ゼロの機神 ギガンティック・ゼロ :2007/11/11(日) 21:13:37 ID:uNy2nNku
終了。
しばらく書き溜めた分があるので、たぶん今日中にもう一回来ることになると思う。
期待しないで待っていてくれ。

じゃ、次のかた。

492 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 21:18:51 ID:W1goXmjp
世界を滅ぼしかねないヤバいの来たGJ

493 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 21:25:38 ID:c3RiIVKg
まださわりで何とも言えんけど、おつ

494 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 21:32:21 ID:MDNJed3F
今日は良い日だったなぁ、この上りんごの人まで投下したら明日あたりおれしぬかもしれんね

495 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 21:33:23 ID:7UAui8QW
パイロット、結局ギリシャ組しか氏んでない作品で誰を呼ぶのか気になったがこう来ましたか。
GJ!

496 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 21:35:14 ID:rXMWE8jL
では、投下いいですか? 小ネタですが。

497 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 21:38:58 ID:2PaKZi/h
一瞬ギガンティックドライブかとオモタ。

498 :ダイナマイト・エクスプロージョン 1/2:2007/11/11(日) 21:39:06 ID:rXMWE8jL
私の使い魔は、はっきり言ってかなりの変人だ。ある種の変態と言っても良いかもしれない。
口が悪く、一見喧嘩っ早そうにも見えるが、自分の方から手を出した事は一度もない。
いつだったか。ギーシュに妙な言いがかりを付けられ、決闘騒ぎにまで発展したのだが。
あの時も、結局最後まで手を出さず、向こうが根負けするまでずっと攻撃を躱し続けていた。
まぁ、それだけなら別に良いんだけど。
その間ずっと歌い続けていたのに息切れ一つしないとは、どういう肺活量だ。

何を考えているのか全く分からないし、聞いても教えてくれない。
肝心なことは何も言わず、ひたすら『ギター』とか言う楽器をかき鳴らし、歌い続けるばかり。
睡眠時間より歌ってる時間の方が長いような気がする。

「熱いハートを叩きつける! それが歌だ!!」

意味がわからない。
さらに分からないのは、段々と彼に固定ファンがついてきたこと。
……まぁ、キュルケやギーシュはまだいい。
が、タバサが無表情のまま「ボンバー」とか口走った時は、流石に正気を疑った。
……私自身の。

それにつけても、土くれのフーケによる『破壊の杖』盗難事件。
あの時は本当に参った。
迫り来るゴーレムに対し何をするのかと思えば、彼はやっぱり歌うだけ。
何か「今日こそ動かしてやるぜ!」とか妙なことを口走っていたが。

何というか、私が抑えに回るようになっちゃお終いだと思うんだ。自分で言うのもなんだけど。

……あぁ、結局フーケは私が倒した。
いや、私が倒したと言うか……『破壊の杖』を適当に弄ってたらゴーレムが勝手に吹っ飛んだと言うか。
まぁ、単なる偶然なんだけど。勝ちは勝ちかと。

でも何故か怒られた。納得いかない。

499 :ダイナマイト・エクスプロージョン 2/2:2007/11/11(日) 21:40:50 ID:rXMWE8jL
さて。ここで話が一気に飛ぶがご容赦を。
色々あって、敵はアルビオンの軍勢。その数はなんと七万。
どうしろと言うのか、というかむしろ清々しい程にどうしようもない。
そして、こんな時にやたら気合いが入っているのがウチの使い魔。
一体何をする気なのやら。

と、ここで出番となるのが『火竜の羽衣』。

うん。何それ? とか言われても困る。私だって全然分からない。
見た感じ、鋼鉄で出来た真っ赤な鳥、いや竜? ……と言ったところか。
何故だかさっぱり分からんが、彼はこいつを動かせるのだそうだ。

「七万人の観客とはな……燃えてきたぜ!!」

何か言ってる。……とにかく、戦う気になってくれた、のか?
ついに、この男の隠された実力が明らかになる時が来たわけだ。

『火竜の羽衣』は天高く舞い上がり、操縦者の声を地上の我々の元へと送り届けた。


「戦争なんてくだらねえぜ! 俺の歌を聴けぇぇ――――ッ!!」


……まぁ、そんな気はしていた。



『マクロス7』より、熱気バサラを召喚。

500 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 21:41:42 ID:gdPYZTx1
支援

501 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 21:42:21 ID:rXMWE8jL
終了。
駄目だこいつ。どこに行っても歌ってる以外の姿が想像できない。

502 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 21:43:53 ID:mlTgs7tl
ルイズ冷めてるなぁw

503 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 21:44:22 ID:gdPYZTx1
この「なんの解決にもなってねえYO!」臭いがいい
まさに熱気バサラだ

504 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 21:47:19 ID:c3RiIVKg
この突き抜けた馬鹿さかげんが奴の魅力だwww
そして貴重な冷めてるルイズとのコントラストがGJ!

505 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 21:50:57 ID:CgHHOoC1
なんだかよくわからんがくらえ!
GJ!

……マクロスを知らないおいらはバサラというキャラクターが戦場やらなにやらに突っ込んで「○○なんてくだらねぇ! 俺の歌を聞けぇ!」を毎回繰り返すアニメだという偏見ができつつある

506 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 21:51:33 ID:qo6eswor
ガンダールブよりヴィンダールヴの方が似合うな。
操縦技術に関しては確かだから、ルーン無しで動かせるだろうし。

507 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 21:52:35 ID:W1goXmjp
>>505
ぶっちゃけそれは偏見じゃ無い。バサラはそういうヤツだ。


508 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 21:53:24 ID:ul+MRCjY
突撃ラブハー

509 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 21:54:21 ID:WlvPK5IT
>>501
GJ!
光景が容易に想像できるから非常に困るw

>>505
言って置くが、それ偏見じゃないぞ
マクロス7好きの俺が言うんだから間違いない

510 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 21:54:52 ID:KnJShXx9
>>505
  / /  /  ,. ‐'''""~´ ̄ ̄\
 V /   /  /             }
  ∨ /  / ,,.. -一ァ',二二二{
   V  ,..,/ ,.ィ彳 f==<r'二二二{、    | ̄ ̄              __|__ |
   ∨| ヘ`<=~   弋ッ-ミ'テ~ナ/    |ー― \/ ´ ̄| 「 ̄`  |   | \/
    〉'| | ト、   i{   ,..`二/ =|/''′     |__ /\ 匚]__ !__,  |_ |  __/
   //ヽヽぅ   ヽ     {   =|
   //匚 ̄]〕       丶,-‐ ,>      ( そ の と お り で ご ざ い ま す )
  /´r┐|__,|ト、       、____`7´
__人..二.」'   l>、    ヽ`,二/
     ´"''ー-論\  ∠三ノ
―-、__        ``ヾニ='′
     `ヽ      /、

511 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 21:56:32 ID:Gb8BCtq7
その内ミレーヌとガムリンも後を追ってきそうだ
召喚直後からわけもわからずゲリラライブに付き合わされる二人w

512 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 21:58:48 ID:WlvPK5IT
>>506を見て、バサラを乗せたシルフィーが
飛び回りながらるーるー歌ってる姿を幻視した

513 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:00:40 ID:KnJShXx9
>>512
想像してコーラ吹いたw

514 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:01:08 ID:AurMd8xM
マジでwwww

515 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:02:08 ID:p6rswZNj
そういえばジョジョの誰かが召還ってのはまだ無い?

516 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:03:45 ID:qo6eswor
>>512
間違いなく一番最初に仲良くなっているな。

517 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:04:03 ID:i8dY6jcf
姉妹スレに池
いっぱいいるから

518 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:04:06 ID:wDPTM+4J
>>515
まとめスレのリンクを見れば幸せになれると思う。

519 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:04:20 ID:6QfjAcgF
ジョジョは専用のスレがあるZE!

520 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:06:13 ID:c3RiIVKg
>>505
いやそれ事実だからw
もうホントにそれしかないと言ってもいい。

>>512
俺にも見えた。なにその自然さw

521 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:06:38 ID:CgHHOoC1
>>515
ゼロの奇妙な使い魔
で調べると幸せになれるよ

そしてマクロスだがあってるのか
……なんかちょっと興味沸いた

522 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:08:40 ID:Fv6M1zyt
>>505
その認識は正しい。
>>512
しっくり来過ぎるw

523 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:09:23 ID:s1pYstxa
>>505
しかも操縦技術が優れてるから攻撃があたらないあたらない。
夏の夜の蚊並みに嫌なやつだ

524 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:11:34 ID:W1yiIeUd
>>505
スパロボに登場はしたが、敵に通常攻撃できないってくらいに正しい。

525 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:11:42 ID:T897axP0
バサラは最終的に誇張なしで歌で宇宙を救っちゃうのも素晴らしいところだw

526 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:14:09 ID:qo6eswor
一応ミサイルは搭載されているが、思わず撃ってしまった後自己嫌悪で落ち込むぐらい正しい

527 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:16:09 ID:2PaKZi/h
歌が通じずいらいらして相手にミサイル撃ったらガムリンに「お前は歌うんだろう!」と止められるぐらい正しい。

528 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:16:14 ID:LXNt8E0E
>>526
タカシ・オオトリ?

529 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:16:14 ID:BMgXC/x4
プロトカルチャー!!バサラの歌、ゾクゾク美!!

530 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:18:06 ID:bTb1YnyY
懐かしいなマクロス7か

でも一番のボーカリストはアカペラで突撃ラブはーとを歌った
金竜大佐だと思っているw

531 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:18:32 ID:BMgXC/x4
いかん、興奮のあまり俺の中のゼントラーディとプロトデビルンがでてきちまったぜ、GJ!!!

532 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:19:32 ID:btRS95kg
バサラの歌はバランスブレイカー
愛の核ミサイル以上

533 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:21:01 ID:QWx3ql6K
αVだと原作中の敵兵士なら撃破(実際は撤退)させる事が出来るんだが、
マップ上のエフェクトは爆発だったのも良い思い出だ

534 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:21:47 ID:T897axP0
>>530
金龍隊長ならギーシュに正しい二股のかけ方を伝授できるな
ブリッジクルーの女の子二人を同時に一人で引き連れてデートとか甲斐性ありすぎるw

535 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:22:46 ID:oKXm2UDc
ルイズだけなんで熱いハート伝わってないんだよw

536 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:25:36 ID:xhR9cyzr
最後にはガムリンばりにルイズも毒されて「私に歌わせやがって!」とか言うんだろうなw

537 :虚無<ゼロ>の旋律:2007/11/11(日) 22:28:38 ID:iKwvcUhI
もし予約が無いのなら、鳴り響いて(投下して)も良いでしょうか?

538 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:29:49 ID:rXMWE8jL
ほいでは支援開始。

539 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:29:55 ID:sbK5exkh


540 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:30:02 ID:/CrG4qT3
gogo


541 :ゼロの機神 ギガンティック・ゼロ :2007/11/11(日) 22:30:51 ID:gLJWYpDc
>>537
それ終わったら、次2話目行きます。
さらに一時間後(あたり)に三話目行きます。

542 :虚無<ゼロ>の旋律:2007/11/11(日) 22:31:50 ID:iKwvcUhI
では投下します。長いので支援していただけると有難いです。

543 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:32:48 ID:dQXHquT5
支援しようじゃないか

544 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:33:44 ID:s9GZYjYC
支援

545 :虚無<ゼロ>の旋律:2007/11/11(日) 22:33:55 ID:iKwvcUhI
◇4:命を惜しむな、名を惜しめ《下》◇

 軍人の道を志す、1人の貴族が居た。
 多くの軍人を輩出してきた名家に生まれた彼は、持つべきモノを数多く持ち合わせていた。
 弛まぬ鍛錬を行える熱意。
 死をも辞さない覚悟。
 戦いを恐れない勇敢な心。
 だが。残念ながら、彼には魔法使いとして、そして軍人としての才能が欠けていた。
 何時までたっても名を上げられず、遅々として出世出来ない毎日。
 にも関わらず、貴族としての対面を重んじる彼は見栄を張り出征の度に大量の出費を重ねた。
 その度に、玉葱の皮を一枚一枚剥いていく様に少しずつ家の材は削り取られていき、いつの間にか周囲から『貧乏な没落貴族』の烙印が

押された。
 それでも挫けず、歯を食いしばって己を鍛え忠実に軍務を全うする彼。
 全ては、家名と家族の為に。その一念だけが心の支え。
 迷わず初志貫徹し続けたわけではない。他に出世の方法を考え付く程器用な人物では無く、他人を蹴落とせるような奸知に長ける人物で

もなかった彼には、それ以外に出世に繋がる道を見出せなかったのである。
 けれど、そんな想いを嘲笑うかの様に、彼の努力は実を結ばない。
 自分が1歩先に進んだ時、周りの人間は10歩進んでいた。
 追いつこうとさらにもう10歩進めば、100歩先に進まれていた。
 それはある意味仕方の無い事だった。やる気と熱意さえあれば全て順調に事が運ぶ程、世の中は都合良く出来ていない。
 光が射せば影が出来る様に、栄光を掴む勝利者が居ると言う事は、同時に絶望の闇に叩き落とされる敗北者が存在するという事に他なら

ないのだから。
 彼はその敗北者の側に居続ける事しか出来ない類の人種だった、ただそれだけの事だ。
 そんなある日。
 自室で、彼は力無く立ち尽くしていた。くたびれ果てたその姿は、うち捨てられた案山子の様。
 俯き、疲れの滲むかすれた声で彼は呟く。

「……コレでもう何年も、出世どころか昇給も無い。息子達が貧乏だって苛められてるの、知ってるんだよ。
ボロの服や杖を馬鹿にされてるんだよ」

 それは、誰に向けられたモノだったのだろうか。
 理不尽な現実?
 立身栄達の気配が無い、不甲斐ない自分?
 自分を認めず嘲笑を浴びせる周囲の人間?
 この世界を造りたもうた神? 
 あるいは、そのどれでもなかったのかもしれない。その答えは彼にしか分からない。

「末の息子がお下がりの趣味の悪い服着せられて、それを流行の服って言われたのを信じきってはしゃいでるんだ。
そんなのを見ると、胸が痛いんだよ」

 呟きは次第に悲痛な嘆きへと変わって行った。胸の内を澱ませるやるせなさが慟哭となって口をつく。

「……なんで少しも報われない? 妻に、息子達に幸せの1つ位与えてやりたいんだ……!」

 自分以外無人の室内で、彼の声に答える者はいない。
 最も、誰もいないからこその独白。誰かにそんな弱音を聞かれる事は屈辱であり、言った所で詮無い事は重々承知の上だ。
 それでも、云わずにはいられなかった。そうでもしないと、擦り切れすっかり萎靡してしまった心を支えることができなかったから。
 だが――

「――なら、私達がお手伝いして差し上げましょうか?」

 答える者達が現れた。現れて、しまった。
 それは慈悲ある救いの手では無く、奇跡的に訪れたチャンスを告げる福音でもない。
 強いて一番適切で且つ陳腐な言い方をするならば、それは悪魔の囁きと言われる類の甘言。

546 :虚無<ゼロ>の旋律:2007/11/11(日) 22:35:07 ID:iKwvcUhI
「誰だ!?」

 突如聞こえた声に、弾かれた様に振り向く彼。

「ケティと申します。ミスタ・グラモン」

 そこにいたのは栗色の髪の少女。可愛らしい顔を微笑の形に歪めている。
 そんな表情に、彼はどこか人間離れした薄気味悪さを覚えた。

「『幸せの1つ』だなんて、名門と謳われたグラモン家の人間が、そんな慎ましい事言わないで下さいな。富・名声・地位・幸せ……。
貴方が望むのであれば、私どもは全て差し上げる事ができますわ」
「良く分からないが……もしそれが本当だったら何だってするさ。本当に出来るんなら、だけど」

 瞳に警戒と疑惑の色を浮かべながら彼は言った。
 間違い無く、先程までは室内には誰も居なかった。近くに、誰かの気配すら。
 ならば、家の人間にも気取られずこの部屋に一瞬で入り込んでのけたと言う事だ。只者ではない。
 
「簡単ですわ。但し、ある条件さえ聞き届けて貰えるのなら」

 ゴクリ。その言葉に彼はやはりな、と思いつつ緊張に生唾を飲み込んだ。
 彼女が要求しているのはそう簡単で単純なモノではない、と。
 
「なぁに、そんな難しい話ではございませんわ。私の上に立つ御方は、この国とより親密な繋がりを持ちたいとお考えです。そこで、貴
方様に少々助力して頂ければ、と」
「……確かにかつて名家と持て囃された事もあるが、今は単なる没落貴族だ。貴方の期待に答えられるとはとても思えない。口利きなら
他のもっと有力な貴族に頼む事だ」
「承知の上でございます。ですがそれについては貴方が十分な地位と権力を手に入れてからで十分ですわ。そうではなく――」

 ケティの次の言葉に、彼は己の予想が的中していた事を確信した。

「私達がこの国と繋がりを持つ為に行う、あらゆる事に対して己と周囲の人間の目と耳を塞いでいただければと」
「……何をする気だ?」
「この国を、貴方達と私達双方にとってより住み良い場所に変えるのですわ。私達に従い要求に答える事で、貴方達に豊かな生と繁栄を与

えられる、そんな楽園――いや、理想郷<シャングリラ>と呼んだ方がよろしいのかしら」

 自分の言葉に陶酔しているのかうっとりとした顔で、ケティ。

「協力して、いただけますわよね?」

 問う彼女に浮かぶは、変わらぬ微笑み。
 彼―後のグラモン元帥―には、頷く以外に選択肢など無かった。
 それがどんなにおぞましく、凄惨な行いに手を貸す事になるとしても。

547 :虚無<ゼロ>の旋律:2007/11/11(日) 22:36:30 ID:iKwvcUhI
 小百合は、ルイズに案内されヴェストリの広場に足を踏み入れた。
 魔力の象徴たる5つの系統を表す塔の内、『火』と『風』の塔の間の中庭がその広場だ。
 魔法学院の中では西側にあたるそこは、日中でもあまり日が刺さず薄暗い。
 その為普段は人数も少なく決闘にうってつけの場所なのだが、今は多くの生徒で溢れかえっていた。ぐるりと円を書く様に、広場の
中央に立つギーシュを取り囲んでいる。
 一見、彼らは決闘の噂を聞きつけそれを観戦しようとしてきた様にも見えるが、興味本位でやってきた野次馬のものとは様子が事な
っていた。
 無言で小百合とルイズを見つめる彼らの顔には、ニヤニヤと不快感を覚える薄ら笑いを浮かんでいる。
 その濁った瞳は、同じ人間を見るものとは2人には思えなかった。
 小百合とルイズが丁度ギーシュと向かい合う位置に辿り着いたその瞬間。2人が入ってきた場所が、間に入った生徒達で塞がれた。
 まるで、彼等自身が2人が逃げ出さないように設置された柵であるかの様に。

「何よ、こいつら……。気持ち悪い」

 キョロキョロと周りを見渡し、吐き捨てる様に言うルイズ。嫌悪感を隠そうともしない。
 一方、小百合は顔を引き締め押し黙っている。
 小百合は召喚された時に着ていた、緑色で袖の無いタイトミニのワンピースに着替えていた。
 何時までもそうしていそうだとルイズには思われたが、やがて小百合は口を開き、彼女の名を呼んだ。

「ルイズ。これから何があっても、私の傍を離れないで」
「……解ったわ」

 置かれている状況の異質さに、ルイズは顔を強張らせつつも素直に頷いた。
 無意識のうちに、小百合の服の裾を掴んでいた。皺になる位、強く、強く。

「とりあえず、逃げずに来た事だけは褒めてあげようじゃないか」

 薔薇の花弁を弄りながら、ギーシュ。その言葉とは裏腹に苦味の篭ったその声は、何処か非難の色が混じっていて。
『どうして来てしまったんだ』と、此方を責めている様に小百合には聞こえた。

「余計なのが1人くっついて来たようだけど……まあいい、始めようか」

 決闘の開始を告げる声と共にギーシュが薔薇を振った。その花弁が一枚ひらひらと宙を舞うと。
 陽光を照り返す甲冑が眩しい、女戦士を象った青銅像が小百合とルイズの前に立ち塞がった。あの薔薇は、どうやら杖らしい。

「コレが……貴方の魔法」
「そうだ。僕の2つ名は『青銅』のギーシュ。僕に代わって、この青銅製のゴーレム『ワルキューレ』が相手をしよう」

 次の瞬間、ギーシュの宣言に呼応する様にワルキューレが2人に向かって突進してきた。

「……っ!」
「きゃぁっ!」

 ルイズを抱えた小百合がその場を飛び退った瞬間、ワルキューレの拳が先程まで小百合の頭部が在った位置を通り過ぎる。

「私には戦う意思は無い、といっても聞いてはくれないのよね」
「此処にのこのこと来て置いて、何をっ!」
「……私は、貴方と戦う為に此処に来たワケじゃないわ」

 ワルキューレの攻撃を交わしながら、訴える。けれど彼の操るゴーレムの動きは止まず。

「貴方は馬鹿か!? 自分を殺そうとしている相手に、今更話が通じるとでも!?」

 業を煮やした彼は再度薔薇を振る。すると、新たにもう6体のワルキューレが存在した。
 コレで、計7体。彼女が後に聞く事になる事だが、それが彼の召喚できる最大数であり、それだけ彼がその時本気だったと言う事で。
 それだけ、彼が追い詰められていたと、言う事だった。

548 :虚無<ゼロ>の旋律:2007/11/11(日) 22:39:16 ID:iKwvcUhI
「降参しろと言うなら降参するし、謝れというなら謝るわ。だから話を――」
「話は聞かない! 聞けない! 聞くわけには行かない! 僕は貴方の命を奪う! ただそれだけだ!」

 小百合が辛抱強く呼びかけるも、ギーシュの叫びが遮った。搾り出すようなその声からは悲痛さが伝わってくる。

「なぜ、私を殺そうとするの?」

 面識もそうない自分には心当たりが無い、という至極真っ当な問いかけに答えたのはギーシュではなく。
 代わりに聞こえてきたのは、鈴を転がすような女性の声。

「それは、私が彼に貴方を殺すようお願いしたからですわ、戦士様」

 小百合達を取り囲んでいた生徒達の群れが割れ、1人の少女が姿を見せた。
 1年生である事を表す茶色のマントに栗色の髪。可愛らしい顔立ちのその少女が声の主らしかった。
 確か、食堂でギーシュと喧嘩していた――

「ケティ……」
「あら。御名前を覚えて下さったなんて、嬉しいですわ」

 クスクスと嗜虐的な笑みを浮かべるケティを見て、小百合は顔を顰めた。
 その邪悪な気配。暗く歪んだ愉悦の篭る侮蔑の視線。かつて、彼女はこんな視線を数多く向けられた事があった。
 そう。それはあの異形の怪物との戦いにおいて、自分達と力の劣る下等生物と見なす“奴ら”が向けてきたものだった。
 
「貴方、人間じゃないわね」
「その通りですわ戦士様。ああそういえば、御紹介がまだでしたわ」

 ケティは思いだしたようにポン、と手を叩き。スカートの裾を両手でちょん、と摘み優雅に一礼した。

「私はモンスターキング様の配下たるモンスターが1人、ケティ・ド・ラ・ロッタ。2つ名は、《燠火》。どうぞお見知りおきを」

 小百合の心に、苦い物が広がっていく。
 目の前の少女は、理解しがたい生物であり、戦士の力以外いかなる武器も持ってしても及ばない、人間を喰らう怪物だった。
 自分が元いた世界で戦っていた、自分達の宿敵。そして、その戦いにおいて自分を殺した相手。
 
「この世界にも、モンスターが居るなんてね」
「サユリ! モンスターとかモンスターキングって何!? 『この世界』ってどう言う事!?」

 自分を問い質そうとするルイズにどう説明しようか思案し――止めた。今はそんな場合じゃないから。
 ルイズを落ち着かせる為に、淡々と抑揚の無い口調でこう言うだけに留めた。

「後で話すわ。今はこの状況をどうにかするのが先決よ」
「あらあら、どうにかできると思ってまして? 貴方は武器もない。その上相手は杖を持ったメイジ。かてて加えて――」

 ケティは小百合たちを取り囲む生徒達をぐるりと見渡した。
 いつの間にか彼らは杖を構え、むき出しの殺気を2人に向けていた。

「これだけ、大勢の人間の協力者が! 私達は『モンスターユニオン』と呼んでおります」

 モンスターユニオン。
 自分達の世界において、人間達が己の誇りを捨てモンスター達に忠誠を誓い、自ら走狗となった姿。
 彼らは、モンスター達から生活の保障や莫大な富を分けてもらうのと引き換えに、彼らに仇なす者達に牙を向く。


549 :虚無<ゼロ>の旋律:2007/11/11(日) 22:41:06 ID:iKwvcUhI
「さあ皆さん! 私達の同胞、ギーシュ・ド・グラモン様が苦戦していますわ! 力を合わせ、メロスの戦士とその主を打ち倒しましょ
う! 我らが主、モンスターキング様の理想郷<シャングリラ>の為に!」

 周囲を見渡しながら、芝居がかった大仰な仕草で両手を広げるケティ。
 高らかに呼びかける彼女に、生徒達は声を揃え斉唱した。

「「「「「ビバ! モンスターユニオン!」」」」」

 直後、彼らは小百合達に向かって杖を振り上げ、呪文の詠唱を開始する。
 呪文の一節を聞いたルイズがその眼に怯えの色を映し出す。恐らくは危険な攻撃呪文の類なのだろう。

「止めなさい! ここにはルイズも居るのよ!」

 血相を変えた小百合の叫びに、誰1人として答える者は無く。
 
「諦めなさいな。此処に居る人間に貴方達の味方はおりませんわ」

 代わりに返って来たのは、ケティの無慈悲な言葉と、自分達へと殺到する無数の魔法による攻撃だった。
 降り注ぐ無数の炎・氷・石礫・風。だが、その何れも小百合達を傷つける事は敵わなかった。
 2人にそれらが達する寸前で、目に見えない何かにぶつかったかの様に止まったからだ。
 その時聞こえたのは、小百合の声。見えたのは、彼女の左肩から発せられた光。

「どうやら、そのようね」
「サユリ……なによ、なんなのよ……コレ……!?」

 恐怖にガタガタと震え、答えの出ない問いを呟くルイズ。
 小百合は彼女を巻き込んでしまった事に慙愧の念を覚え、恐慌状態になっていないだけまだマシだと思い直す。

「戦士の力による障壁……。流石はメロスの戦士。ですが、この四面楚歌の状況でどれだけ持ち堪えることができるのかしら?」

 再び彼女達に襲い掛かる無数の攻撃魔法。それを小百合は紙一重で交わす。
 だが、全方位からの攻撃を、ルイズを抱えたままでは完全に交わす事が出来ない。
 服がボロボロになり、全身に無数の傷が作られていく。 少しずつ、しかし確かに彼女の力は削られていった。

「ルイズから聞いたわ。貴族っていうのは、誇り高い人達だって。なのに、貴方達は自らその誇りを売り渡すの?」
「いちいち煩いんだよ! 何でお前みたいな平民の言う事をいちいち聞かなきゃいけない!? モンスター様はな、そこらへんの平民の
子供を1人さらって来ただけで目の玉が飛び出るような大金をくれる! それさえくれりゃあ話は違うがな!」
「私は憎いライバルを排除してもらったわ! 今頃、モンスター様のお腹の中でしょうね! あはは、いい気味!」
「どんな高価で貴重な秘薬の材料でも、どんな珍しいマジックアイテムでも望めば与えてくれる! どんな願いでも叶えてくれるんだ!」

「「「お前に、それが出来るのか、平民!!」」」

 醜い欲望で塗り固められた反論をぶつける貴族達に、小百合は諦念を覚えた。
 彼らに話は通じない。彼らに自分の言葉は届かない。だが、目の前の少年の瞳は、欲望に濁ってはいない、なら――

「ギーシュ。貴方も彼らと同じなの?」

 せめて彼は、と問うた小百合からギーシュは目を逸らし、俯き。
 震える声で、小百合が一番彼から聞きたくない一言を紡ぎだす。 

「ビバ……モンスター……ユニオン……」
「――ッ!」


550 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:42:29 ID:p/PYZ6dR
支援

551 :虚無<ゼロ>の旋律:2007/11/11(日) 22:42:38 ID:iKwvcUhI
 ギーシュの脳裏には、何もかもすっかり諦め切った父親が、自分に言いつけた言葉が浮かんでいた。

 ――モンスター達に逆らうな。そうすれば、皆幸せに暮らせる。この家を、落ちぶれさせずに済む。家名を護れるんだ。いいか、ギ
ーシュ。命を惜しむな、名を惜しむんだ。自分の命も、他人の命もだ。

 その言葉があったから、今まで耐え忍ぶしかなかった。
 モンスター達の存在に勘付き警戒する者達を処分し、その事実を隠蔽するのを手伝った。
 或いは、規模の小さい平民達の村に赴いたモンスター達の“食事”に付き合う事も合った。
 逃げ出さないように村の門をアンロックで硬く閉ざし、逃げようとする村民をワルキューレで捕まえるのが彼の役目だった。
 今でも耳にこびり付く、門を叩く音。恐怖に震え、助けを求める人達の声。それが、苦痛を訴える物に変わり、それが怨嗟に、そして
断末魔に変わって行った。ギーシュが耳を塞ぎ頭を振っても、“食事”が終るまでそれは耐える事無く、彼を苛み続けた。
 
「こんな事間違ってるって分かってるさ。でも」

――貴方ノ家、潰レテモ、イイノ?

 立ち塞がる現実と幾つものしがらみ、そして何より……モンスター達への恐怖。
 それらが彼らに逆らう意思を根こそぎへし折ってしまう。

「僕は、モンスターユニオンなんだ」

 再び薔薇を振り、7体の内、1体のワルキューレを小百合に嗾ける。再び彼女に振り下ろされる青銅の拳。周囲を残りのワルキューレ
に包囲され、先程の様に飛び退って回避する事もままならない。小百合はルイズを背に庇い、ワルキューレを見据える。

「小百合ッ!」
「うふふ……。楽しいものを見せて頂きましたわ。さようなら、戦士様」

 悲鳴を上げるルイズと、愉しそうに哂うケティ。
 しかし、小百合はそんな2人など一顧だにせず、無言で右手を上げ。
 ミシ、という何かが軋む様な音。小百合の掌から僅かに滴る、赤い血潮。
 生半可な衝撃ではないその一撃を、小百合は確かにその手で受け止めていた。

「そんな……ゴーレムの攻撃を、素手で!? ひ、退け! ワルキューレ!」

 驚愕するギーシュの声に、後ろに下がるワルキューレ。
 小百合は右手を軽く振り血を払い、静かな口調でギーシュに語りかける。

「貴方は、それで良いの? 私は、貴方の本音が訊きたい。出来なくても、叶わなくても良い。私を襲いながらでも構わない」
「なっ……!」
「貴方は願う生き方は何? 貴方にとって大切な事は? ギーシュ・ド・グラモンと言う1人の人間は何がしたいの? 訊かせて、
ギーシュ」
「……そんなの」

 真摯な小百合の言葉に、堰を切った様に押さえ込んでいた想いが溢れだす。
 語るべきは言葉は只1つ。出せなかっただけで、心に秘めていた想いは一度たりとて変わらなかったのだから。

「そんなの、決まってる――」

 ギリ、と折れんばかりに噛締め、腹の底から搾り出すように、ギーシュは己の願いを口に出す。

552 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:44:01 ID:c3RiIVKg
なんか燃えてきた支援

553 :虚無<ゼロ>の旋律:2007/11/11(日) 22:45:27 ID:iKwvcUhI
「僕はグラモン家の人間として、1人の貴族として気高く在りたい!」
「それが、貴方の志?」
「そうさ! 貧乏でもいいから、己の誇りと正義を貫きたいんだ! 誰かに利用されてまで、信念や道理を捻じ曲げてまで家名を保った
ってそんなの意味が無い! 『命を惜しむな、名を惜しめ』って言葉はそう言う事だ!」
「でも、それが今は出来ない」
「……分かりきった事を言わないでくれたまえ。出来るのなら、とっくにしてるさ」
「そうね。誰かに従って生きる方が楽に決まってる。そうではなく、何にも縛られることも流される事も無く、自分の志を貫きたいと
貴方は言った。そんな生き方を選ぶのは、とても辛く苦しい事だもの。……でも」
「でも?」
「貴方が本気でそう思うのなら、私はそのきっかけを作る事が出来る。貴方を縛るモノの1つから、解き放つ事が出来るわ」
「そんな事、出来るワケがない。所詮、苦し紛れのハッタリか」

 失望も顕なギーシュに、小百合は不敵な笑みを返す。

「ハッタリに聞こえる? 私がその場しのぎの虚言を弄しているように、貴方には見える?」
「もしそうでないのなら、やってみるがいいさ。……その前に貴方は殺されるだろうがね」

 捨て鉢な調子で言うも、小百合の本気の眼にもしかしたら、と言う一縷の望みを言外に滲ませるギーシュ。
 果たして、その望みは、叶えられることとなる。

「そう。それなら」

 ポケットから取り出すは、自分の名前がアルファベットで彫られている、トレードマークのサングラス。
 それを掛けた刹那、周囲の人間には小百合がその場から消えた様に見えた事だろう。
 ダン、と踏みしめる音ともに、小百合は一息でギーシュに肉薄していた。ルイズを左手で抱えたまま。

「――やってみせるわ」
「……え?」

 間の抜けた声を出すギーシュを開いていた右腕で抱え、自分達を包囲する生徒達の一角に向けて疾駆し――跳んだ。
 呆然とする生徒達の向こう側に着地した小百合は、そんな彼らに背を向け走り出す。
 生徒達は小百合の予想外の行動に慌てるばかりで、対応出来るものは誰も居ない。
 既に其処にはいない、栗色の髪の少女を除いて。
 
「ねえ、小百合、どこ、まで、行く、の?」

 流石に抱えられる人間に伝わる揺れまでは殺しきれないらしい。舌を噛みそうになりながらも、途切れ途切れに、ルイズ。
 だが、走る事に集中している小百合は答えない。しばしの後、漸く止まりルイズ達を下ろす小百合。
 やっと人心地の付いたルイズはほう、と小さく溜息をつき周りを見渡した。
 目に映るは、見慣れた景色。自分が使い魔を召喚した、あの広場だった。

「大丈夫、ルイズ?」
「だ、大丈夫よ。っていうかまず自分の心配をしなさいよ、サユリ!」

 無数の傷や火傷を体に負いながら、尚も自分を気遣う小百合に、ルイズは思わず声を荒げる。
 思い返してみれば、不平不満の類をこの使い魔から聞いた覚えが殆ど無かった。
 あっても、それは己の失敗を咎めたり、物事の正否を教える為の説教の様なものばかり。
 彼女から聞いた。生前は力に目覚めたばかりの、未熟な戦士を導く先生の様な事をしていたと。
 だからだろう。教師の職務とは生徒を指導する事であり、不満をぶつける事ではない。
 良く出来た使い魔を召喚したと自惚れることも出来るが、ルイズはそこまで御目出度い思考回路を持ってはいなかった。
 何かあるたび理不尽に癇癪を起こし、ヒステリックに文句を垂れ流すばかりの自分と比べてしまい、気落ちするばかりだ。

554 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:45:51 ID:p/PYZ6dR
支援

555 :虚無<ゼロ>の旋律:2007/11/11(日) 22:47:01 ID:iKwvcUhI
「……なによ、私が子供みたいじゃない」
「何か言った、ルイズ?」
「……別に」

 頬を膨らませ拗ねるルイズ、きょとんとした様子の小百合。
 ギーシュはそんな2人を胡乱な眼で見つめる。

「何をしようと言うんだ、貴方は」
「言ったでしょう? 『貴方を縛るものの1つから、解き放つ』って」
「その答えが只その場から逃げるだけかい? 何の解決にもなっていないじゃないか」
「逃げたわけじゃないわ。単に、周りに居た生徒達が邪魔だっただけ。此処なら、彼女だけを相手に出来るもの。ねえ、ケティ?」

 小百合は微笑み、ルイズとギーシュは驚愕し、それぞれ振り向く。
 そこには、苛立たしげに眉を顰めるケティが居た。

「全く、事をややこしくしてくれますわね。直接私が手を下さなくてはいけないなんて、ああ面倒ですわ」
「その心配は要らないわ。だって、貴方は此処で私に――倒されるんだから」

 言い放つ小百合をケティは鼻で笑い、大袈裟に肩を竦める。

「それは随分と素敵な冗句ですわ! モンスターである私に、貴方が? その力を使って掠り傷位は与えられる、の間違いでは?」

 小馬鹿にするような口調のケティ。小百合を舐め切り嘲る彼女はしかしながら完全に、彼女の実力を見誤っていた。
 愉しそうに嘲笑を浴びせる間に、ケティの視界から、小百合の姿は消え。

「――御高説はそれで終わり?」

 ケティの真後ろからそんな声が聞こえて来た。
 そんな馬鹿な。愕然としながら首を動かし背後を見ると、そこにはサングラスを掛けた女戦士の姿が其処には在った。

「嘘……」
「だめよ、ぼんやりとしてちゃ。人生何が起こるか分からないんだから。ああ、そうそう」
「何を、」
「コブシで殴りあった、経験はある?」

 唐突な小百合の質問に、ケティはどう反応して良いか分からない。
 そんな彼女に構わず、小百合は言葉を続ける。まるで世間話をするような気安さで。

「ないかしら? 奇遇ね、私も無いわ。だから、コレは教え子からの受け売りなんだけれど――」

 ズドン、と鈍い音。硬く握り締めた小百合の拳が、ケティの腹部に勢い良くめり込んでいた。
 背中が拳の形に盛り上がってしまいそうな位、とても深く。

「がっ……あ……」

 苦悶の声を上げるケティ。彼女の体が「く」の字の形に折れ曲がる。

「喧嘩で最初の定石は、先ずはお腹から攻撃するらしいの。そうすれば、相手は動けないんですって」

 小百合の説明を、ケティは聞いては居なかった。激痛に脂汗を流し、ピクピクと痙攣しながら悶絶していたからだ。
 それでも辛うじて立ち続ける彼女を見やっても、彼女の微笑みは崩れない。
 最も、その瞳はこれっぽっちも笑ってはいない。小百合の心は、これ以上無く怒りに震えていた。

「あら、本当に動けないのね。なら後は、頭部をタコ殴りするだけね」

 ドンドンドンドンドン!!!!!
 やはり軽い口調で小百合は腕を振り上げ、ケティの顔面に殴打の雨を降らせる。
 その一発一発に己の怒りや彼女に苦しめられた人間の思いを込めるかの様に。
 何度も、何度も、首がもげそうな勢いで頭を吹き飛ばされるケティ。
 その様子に眉1つ動かすこと無く、小百合はケティを殴り続ける。

556 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:48:19 ID:CgHHOoC1
支援支援
このギーシュ鋼の錬金術師のアームストロング(イシュヴァール戦)とダブった

557 :虚無<ゼロ>の旋律:2007/11/11(日) 22:49:46 ID:iKwvcUhI
「……少しやりすぎじゃないかしら」
「忘れたのかい、ルイズ。ケティは人間じゃないんだ。……見るといい」

 成す術無く小百合に殴られるがままに見えたケティだったが、

「こ……のォ! 人間風情が調子に乗るなァァッ!」

 激昂し、力まかせに腕を振るうケティ。軽やかなバックステップで距離を取る小百合の髪が数本、宙を舞った。
 ケティの指先には、鋼鉄でも易々と引き裂けそうな鉤爪が生えていた。その鋭さに、ルイズは猛禽類のそれを連想した。

「地が出てきたわね、お嬢様」
「うっ……だ、黙りなさい! 幾らこんな事をしても、無駄ですわ! 大人しく死になさい!」

 飛びかかるケティ。それをかわしながら小百合は攻撃するが――効果は薄かった。
 呻き声を上げ、怯むも直ぐに体勢を立て直してしまう。

「何でよ! どうしてアレだけ痛めつけられて、平気なの!?」
「あれがモンスターに人間、いやメイジが太刀打ち出来ない理由だよ。奴らには、大抵の魔法や武器による攻撃は意味をなさないんだ」
「その通りね。だから、ギーシュ。私に武器を作ってくれないかしら。私の力を発揮する為の、武器を」

 あんなゴーレム作った貴方なら簡単でしょう、と戦いながら器用にギーシュとルイズの会話に割り込む小百合。

「……それで、貴方は勝てるのかい? なら幾らでも造るさ。剣か、それとも槍かい?」

 薔薇を振り上げようとするギーシュに、小百合は首を横に振った。大きく後ろに跳び、ケティと距離を取る。

「弓と矢を、お願い」

 簡潔な要求に、ギーシュは返答の変わりに薔薇を振り、二枚の花弁を振りまく。
 次の瞬間、ワルキューレの時同様地面から青銅製の弓矢が姿を表した。
 余計な飾りの無い簡素な造りで、それで居て大雑把で無骨だったそれを、小百合に向け投げ渡す。
 弓矢を受け取った小百合は、弓を構え具合を軽く確かめた。彼女の左手のルーンが、淡く光りを放ち始める。

「済まない。急ごしらえだったから、こんな物しか造れなかった。一発撃てば、壊れてしまうかも、しれない」

 申し訳なさげに弁解するギーシュに、大丈夫、と小百合はケティに向けて居たものとは違う、優しい微笑みを返す。

「1発撃てれば、十分よ」
「同じ冗句を何度言っても笑えませんわよ、人間。どれほどの力を持つのか知りませんが、この私をたった一矢で倒せると?」
「疑わしいのなら、私の戦闘力を計ってみたら? 貴方もモンスターの1人なら、それが出来るのでしょう?」
「大した自信ですわね……。どうせ大した事は無いのでしょうが、一体どれほどのものか――」

 言い、ケティは眼を凝らし――絶句した。目の前に立つ女性の持つ力の総量が、予想はおろか自分の力を易々と上回っていく。 
 彼女の体に緊張が走り、掌からは異様な汗が吹き出す。信じられないものを見るような目で、小百合を見る。

「6000、8000、10000、12000……」

 顔色が青ざめ、次に血の気が引き、紙の様に真っ白になっていく。
 全身を包みこむ恐怖に震えが止まらない。その所為で歯と歯がぶつかり、カチカチと乾いた音を立てる。

「15000、18000、21000……嘘、まだ上がりますの……!?」

 ……嗚呼、自分は何と言う思い違いをしていたのだろう。
 怪物とは、自分の様な、只人間ではないモノの事を言うのではない。
 自分の前に立つ、とてつもない力を持つナニカこそ、その言葉が相応しい。
 狩られるのを待つだけの無力な子兎。そう思っていたそれは、今や獰猛な肉食獣<プレデター>にすら見えた。
 彼女は、自分達モンスターを殺す為の力を極限まで研ぎ澄ませた本物の戦士。
 ケティは、漸くその事実を思い知ったのだった。

558 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:50:20 ID:p/PYZ6dR
 

559 :虚無<ゼロ>の旋律:2007/11/11(日) 22:52:20 ID:iKwvcUhI
「鳴り響け――」

 戦士の紋章が、今までとは比べ物にならない眩い光を放ち始める。
 それに呼応する様に、左手のルーンも強く輝き出していたが、其処にまで目が行く者は誰もいなかった。
 ケティは恐怖に駆られ、小百合は只相手を見据え、ルイズとギーシュは紋章が放つ光に魅せられていたから。
 それは、強い強い心の光。自由を求める強い意思が放つ、解放への道標。
 小百合の全身に力が漲る。ヒッ、と息を呑み、踵を返し脱兎の如く逃げ出そうとするケティの動きが、彼女には妙に遅く感じられた。
 紋章の光に鏃を翳す。そうする事で、粗末な出来の青銅の矢が無敵の武器と化していく。
 それは容赦無く、区別無く、苦痛を覚える暇も無く。ただただ無慈悲にあらゆるモノを撃ち貫く。

「た、たす、け」

 たどたどしい命乞いの言葉を意に介する事無く、小百合は無言で矢を番え、そして。

「鳴り響け!! 私のメロス!!!」

 矢を放つ。
 裂帛の叫びとともに、圧倒的な破壊の力が目の前の空間を蹂躙していく。

「――――――ッ!!!!!!!」

 声にならない、断末魔の悲鳴。
 この瞬間、ケティ・ド・ラ・ロッタと言う名の異形の怪物は、この世界から塵1つ、影すらも残さず消滅した。
 力に耐え切れず、青銅製の弓の弦が、音を立てて千切れた。
 全く現実味の無い光景。だが、ルイズはもう確信するしかなかった。
 この使い魔は、強い。他の生徒が召喚した、どの使い魔よりも。

「言ったでしょ。腕には、自信があるって」

 2人を振り返り、ニッコリと笑う小百合に、ギーシュは陶然と見惚れていた。
 彼女こそ、自分にとっての戦乙女<ワルキューレ>だと――

To be continued……

560 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:52:58 ID:p/PYZ6dR
支援

561 :ルイズのおとーさん ◆HrwJDuCDSA :2007/11/11(日) 22:54:44 ID:W4Nmib6z
投下乙です〜

そして久々の投下予約

562 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:54:53 ID:c3RiIVKg
GJ!!
読み応えも密度もある良作だった。
そして鳴り響けギーシュのメロス!(ぇ

563 :ゼロの機神 ギガンティック・ゼロ :2007/11/11(日) 22:55:56 ID:gLJWYpDc
じゃ、2話目行っちゃっていいですかね?

564 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 22:57:23 ID:i8dY6jcf
gJ!
白熱したいい展開だった。

565 :虚無<ゼロ>の旋律:2007/11/11(日) 22:58:50 ID:iKwvcUhI
以上です。ちなみに劇中で出た戦闘力とは忘却の旋律世界における
力を数値化したものです。要はドラゴンボールのアレです。
単位はメロスで1メロス、2メロス、と数えます。
ただDBの様に戦闘力の数値が絶対的な基準になるワケでは無いのですが。
数値が自分より高い格上の相手にやり方次第で普通に勝っちゃったりしますし。

解りやすく例としてを挙げてみます。
全て、原作準拠です。

成人男性:50〜200メロス

象:400メロス

ティラノサウルス:5000メロス

ボブサップ:350

音無 小百合:32000メロス。

それでは、またの投下まで。

566 :聖石の人 ◆FIXARUtWLY :2007/11/11(日) 22:59:23 ID:wDPTM+4J
じゃあ、今現在予約が入っているものが終了しだい、小ネタ投下しますね。
17話書いてるつもりがまったく別なものに化けました。

567 :虚無の王:2007/11/11(日) 22:59:47 ID:3YSo+oBx
では私は、561氏の次に予約させて頂きます。

568 :虚無の王:2007/11/11(日) 23:00:16 ID:3YSo+oBx
あ、聖石氏の後で。

569 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:00:48 ID:i8dY6jcf
ラッシュキター。
虚無の王さん支援するよー。

570 :ゼロの機神 ギガンティック・ゼロ :2007/11/11(日) 23:00:48 ID:gLJWYpDc
じゃ落ち着いてきたんで、2話目行きます。

571 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:01:43 ID:dis5ViP1
アナルほじり虫

572 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:02:01 ID:s9GZYjYC
支援

573 :聖石の人 ◆FIXARUtWLY :2007/11/11(日) 23:03:20 ID:wDPTM+4J
あ、虚無の王さん先にどうぞ。
こっちのは落差の激しいギャグ系なんで後に回ります。

574 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:03:53 ID:kCcpir+V
>>570
待て待て

575 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:04:56 ID:OUXKrbwD
投下多くて、嬉しい悲鳴がw

576 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:05:06 ID:c3RiIVKg
>>565
ボブサップ待てw

577 :ゼロの機神 ギガンティック・ゼロ Ep1「前世」:2007/11/11(日) 23:05:17 ID:gLJWYpDc
剣が粒子化して消失する。か細く絞り出された声の後に、モンモランシーはルイズに向かって倒れこんだ。
さらにそれに押されて、ルイズもまた地面に後ろから倒れ込んだ。
ルイズは、脳内で情報の収拾がさっぱりつかなくなっていた。

(何、なんなの?普通に召還の儀式をしてて…なんでこんなことになるの〜っ!?)


…地獄から生還したと思えば、また現実に戻ってきたようだ。

眼を覚ますと、何も見えなかった。眠い。暗い。そして自らの力を、読み取れない。
寝起きのようにふらついたこの状態が原因なのかもしれないが、彼にはわからなかった。
すぐに彼は自分がオニクスの躯体のシステムから、切り離されていることに気付いた。
視覚、聴覚、全てのセンサー、五肢と切り離され、彼はいまスタンドアローンに等しい状態で、見知らぬ地に放り出されていた。
彼はゼウスのコピーにすぎず、さらにゼウスとも微妙に異なる存在である故に、神話の世界にて持っていた肉体は存在しない。ゆえに、原型である頭像の姿で現界してしまったようだ。
このまま静寂に放り出されたままだと、気が狂ってしまいそうなので、彼は行動を起こすことにした。
取り出せる限りの力でナーブケーブルを展開し、視神経、聴覚を急場しのぎ的に創造する。ナーブケーブル先端に視覚と聴覚を集中し、緊急のセンサーとした彼は、周囲の様子を観察する。
今度の世界は、神々の世界に近い世界のようだと彼は思った(もっともこの自分が思う「神々の世界」も、ゼウスの記憶なのだが)。
量こそ少ないが、大気に魔力が満ち人々の中にも魔法の才気が感じられる。あの鋼鉄に覆われた世界とは大違いだ。
『…』
周囲の人間はこちらを興味深そうに見つめている。その人々の輪の中心にピンクの髪をした幼女が立ち、こちらに近づいてきている。
-------彼女が俺を呼んだ。
何かはわからなかったが、とにかくそれが一瞬でわかった。それがわかると、彼は無性に腹が立った。
寝起きに近い状態に置かれていたのも、それを加速させる一因だったのだろう。
さらに根底に根ざしていたゼウスへの怒りの残滓とその新たな怒りは直結し、彼を動かす原動力となった。
ようやくすべてから解き放たれたというのに、また誰か、俺を使役しようというのか。俺を縛り付けようというのか。
そう思うと、イラッとした。


578 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:07:24 ID:lSSy0LMo
>>565

象が弱すぎるぞ支援〜

579 :ゼロの機神 ギガンティック・ゼロ Ep1「前世」:2007/11/11(日) 23:08:17 ID:gLJWYpDc

ナーブケーブルを伸長して,一人の少女を捕らえる。その少女を臨時のトランスレータとし、彼は使役することにした。
少女には悪いが,これでしか外界と話す手段がない。
少女と繋がった途端,少女の感覚が流れ込んでくる。
(なに、なに、なんだっていうの!?私を動かすのは誰?これは私の体よ!?)
それを無視してかれは躯体の状況をチェックした。魔力量は凡庸。力を行使するには心許なかったが、今は元々あまり力が使えない。
それに、この体で慣らしていけばいいだろう。問題はなかった。
驚きと悲しみ。久しぶりに触れた人間らしい「負」の感情が、彼の意識をさらに呼び起こす。とにかく俺を縛り付けようとする人間を、今は抹殺したい。

オリジナルたるゼウスの使った剣、ライトニングソードを喚ぶ。雷光の剣の力は、彼を呼んだか弱い女を殺すのに十分すぎるものであろう。
だが、ここで彼は新たな問題に直面した。
捕らえた女の魔力量は予想以上に少なかった。神代の力を振るうには少なすぎる。現に彼女の魔力は既にレッドゾーンに入り、剣の維持だけで魔力を全て使い切ってしまいそうだ。
…殺せれば十分か。後のことはどうでもいい。
かすかな激情に駆られていた彼は、後のことを考えなかった。疾駆し、剣を叩き付ける。その動作のみに特化した戦闘機械として、少女を使役した。
だがわずかに力は足りなかった。

剣は消失し、瞬間的に膨大な魔力を使用したことにより彼女は意識を途絶えさせた。
その延長上に位置する彼の支配権もまた消失し、彼はモンモランシーのコントロールを失った。ナーブケーブルを回収し、新たなナーブケーブルを展開すると、彼は周囲の様子をうかがった。
視線はモンモランシーと、気絶したモンモランシーをどけ、立ち上がろうとする二人目の少女…彼を呼んだ少女-------ルイズと呼ばれているらしいその少女に注がれている。
二人の少女に注視する人間達は、石像本体-------彼に、全く注意を向けていない。彼は再び触手を伸ばし、誰かを使役しようとした。

「おやめなさい」


580 :ゼロの機神 ギガンティック・ゼロ Ep1「前世」:2007/11/11(日) 23:11:08 ID:gLJWYpDc
声がひびく。モンモランシーとルイズに注視していた生徒達は声の主コルベールを見、そしてコルベールの視線の先に目をやった。
新たに生成されたのか、石像から伸びる触手の一本がある生徒の後頭部まで迫っていた。生徒達は渦中の二人に注視するあまり気付かなかったようだが、コルベールは見逃さなかったようだ。
「あなたは何です?」
コルベールの鋭い声が再び庭に響く。その問いかけは石像に。石像は語ることなく、ただ静寂を貫いていた。

「!」
コルベールの方が早かった。動き出した触手は狙いの先を生徒からコルベールに変え、コルベールを狙い伸びる。すかさずコルベールの構えた杖から弾丸が生成され、触手を叩き落とした。
次々と新たな触手がコルベールを狙い、別角度から飛来する。コルベールはそれを的確に捉えて叩き落とす。
触手は馬鹿の一つ覚えのように弾かれては襲いかかり、弾丸を喰らって後退した。そしてまた襲いかかり、弾丸を喰らって後退する。
直径数サントの触手に攻撃を命中させるコルベールの達人の業に、生徒達はそれが非常事態であることも忘れて見とれる。
「!」
烈昴の気合いと共に繰り出される弾丸は衰えることなく触手を叩く。一方の触手も弾丸にひるむことなく悠然と突進をくり返す。その終わりのない撃ち合いが、百発目あたりに達したあたりだったろうか。
不意にコルベールが雷に撃たれたかのように動きを止めた。
「っは!?」
悲鳴とも苦悶ともつかない音がコルベールの口から漏れる。それと同時にコルベールと相対していた触手は動きを止め、石像へと戻っていく。
誰もがコルベールの動きが止まった原因を、探った。そして立ち上がりかけていたルイズが、それを発見した。

苦悶の姿勢のまま固まったコルベールの足下の地面から触手が伸びていた。触手は心臓あたりに到達し、だれもがそれがコルベールの動きを止めた原因と断定する。そして次に、周囲の生徒達は「コルベールの生死」を気にし始めた。
百人中誰もが納得するであろう心臓への直撃打。外見から判断するならば、誰もが「彼は死亡した」と、納得するであろう。

『殺してはいない』

コルベールの声。ふたたび生徒達の視線はコルベールに集まる。彼はぐらりと前に倒れかけたものの、不自由なく立ち上がった。
そして周囲を一瞥すると、完全に立ち上がったルイズをゆっくりと指差した。


581 :虚無の王:2007/11/11(日) 23:11:55 ID:3YSo+oBx
聖石氏、どうも

では「ルイズのおとーさん」氏の次で

支援

582 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:12:21 ID:i8dY6jcf
支援!

583 :ゼロの機神 ギガンティック・ゼロ Ep1「前世」:2007/11/11(日) 23:13:14 ID:gLJWYpDc
『もう一度確認する。貴様が俺を呼んだのか』
指差されたルイズは一瞬とまどったものの、すぐに気丈な表情に戻り、コルベールに憑いた「彼」に返した。
「何度も聞かないの!私が呼んだっつってるでしょ!?」
『何故俺を必要とする』
「魔法使いに使い魔がいなくてどうすんのよ」
『俺にお前の使い魔になれというのか』
「そうよ、召還の儀式は絶対。で、あんたが呼ばれちゃったんだから仕方ないことと思って諦めなさい?」
『元の世界に思い入れなどない、それ以前に俺にとっての元の世界など存在しない』
「なら好都合じゃない、さっさと契約しなさい」
『拒否権はないのか、小娘』
「なっ…あんた使い魔のくせに、『小娘』とはなによ!?」
『…まだ契約とやらをしていないのだから、俺は貴様の使い魔じゃない』
「…ぁ。そうだったわね。それはうかつだったわ。質問に答えるけど、あんたに拒否権はないわ。あったとしても、
この学園を出れば危険だってわんさかあるし、あんた自分じゃ動けないじゃない。それに人の体を借りなきゃしゃべれないみたいじゃない?それでどうやって生きていくのよ」
『もう俺は…誰にも束縛されたくない。それだけだ』
コルベールの中の『彼』は、怒りをかみ殺していたのだろう。ルイズの無慈悲な宣告が届く度に、声に怒りがにじみ出てくる。
「もうって…あんた昔も使い魔だったの?」
『そんなものならばまだいいだろう』
「は!?」
その時だった。ルイズがそれを言い切るか言い切らないかのうちに、「彼」はルイズの目前まで接近してきていた。そして襟首を掴んで、「彼」はルイズを悠々と持ち上げた。
『最高神のコピーとして生まれ、捨て石の烙印を、コピーの烙印を押され、誰も俺を俺として認めず、ただ捨て石としての人生しか用意されなかった俺に、まだ束縛されろというのか!?』
とうとう「彼」の怒りが、爆発したようだ。
「そんなのっ…私が知るはずないでしょっ!」
『考えてみろ、味方の勝利のために用意された捨て石に、意思があったと、想像してみろ!それがとても非情なことだとわからないのか?!
無条件で何とも引き換えることなく死の運命が確定してなお気丈に振る舞えるほど俺は完成していない!ゼウスにもアレスにもなりきれなかったコピーだからな…俺はっ!』
そう言い切ると、「彼」はルイズを投げ飛ばした。横っ飛びに投げ飛ばされたルイズは観衆の波にぶつかり、山をなぎ倒す。
『それでまだ…俺を従えようというのか』


584 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:13:36 ID:wDPTM+4J
皆まとめて、一気に支援だ!

585 :ゼロの機神 ギガンティック・ゼロ Ep1「前世」:2007/11/11(日) 23:16:03 ID:gLJWYpDc
「痛ったたた…あんた…『最高神』って言ったわよね…」
ルイズは「彼」の問いに質問で返した。まだそれだけの余裕があるのか、それとも命知らずなのか。
「…神様なの?あんた」
『前の質問は先延ばしか』
「そうしとくわ。あんた神様のコピー…」
「彼」が再びルイズに神速で接近した。そしてまだ立ち上がることも出来ていないルイズの頭を掴み、強引に立ち上がらせる。このとき観衆は思った。
ルイズが余裕の持ち主なのか、命知らずなのかどちらかと聞かれたら、間違いなく後者。

彼がそのコルベール、に乗り移ったとき、驚いたことにコルベールの精神状態は冷静そのものであった。彼のメルトダウンした感情はその冷えた感情によっていくらか冷やされ、彼の感情はいくらか冷却された。
そして冷静さを幾分か取り戻した彼は、彼を召還したらしいルイズという少女にいくつか質問をした。
だが彼女のものいいは傲慢そのもので、ふたたび彼の怒りは再浮上し、やはり彼女を殺さなければ済まないという負の心が少しづつ心を支配し始めた。

そして彼は彼女をついに痛めつけた。コルベールには豊富な魔力のストックがあり、短時間なら神代の力も行使出来た。武器を喚びこそしなかったが、彼は少女にはキツすぎる暴行を加えた。
だがそれでも彼に取っては足りないくらいで、ライトニングソードを喚んでこの小娘の四肢を切り飛ばし、臓物をえぐり出し、神の力で生きながらえさせ、痛みながら生き続けることを強制させようかともかんがえていたが、それはかろうじて思いとどまった。
せっかく手に入れた端末をすぐに失うわけにはいかない。

「その単語で俺を呼ぶなっ」
彼は沸点まで達しかけた怒りを収め、少女を怒鳴りつけ、再び投げ飛ばした。コピー、贋物。彼が最も忌み嫌う言葉だ。
「もう俺は役目を終えている。放っておいてくれ…お前は擦り切れたマッチを召還したに等しい」
彼はそのまま、コルベールの制御を解いた。そして意識は再び頭像へと戻る。感覚こそ再び失われたが、きっと倒れたコルベールに群衆が群がっていることだろう。

彼はコルベールから奪い去った魔力ストックと、ようやく取り戻してきた神の力で『オニクス』を再構成することにした。
そしてこの地ともピンク色の少女とも別れよう。そう思った。少なくとも、その時は。その時は後のことなど考えていなかった。
自分の手で自分を葬ることは簡単だったが、それはどうも気が進まなかった。何がそうさせたのかはわからない。
だが、それはきっと、あの鋼鉄の世界から彼が知らず知らずのうちに引きずってきた、彼自身の宿命がそうさせたのかもしれない。
ギガンティック・フォーミュラの、戦神アレスに似せて作られた故の彼の人格が。


586 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:17:25 ID:i8dY6jcf
しえんせざるを得ない

587 :ゼロの機神 ギガンティック・ゼロ Ep1「前世」:2007/11/11(日) 23:18:12 ID:gLJWYpDc
次 回 予 告

少女が呼んだのは黒き機神だけではなく、
また新たな敵をも呼び出していた。
今、彼女らの目のまえで、
神々の戦いの再現が始まる。

次回 「鉄神」 機械をまとった神々の戦いが、始まる。

588 :ルイズのおとーさん ◆HrwJDuCDSA :2007/11/11(日) 23:19:42 ID:W4Nmib6z
投下乙です〜

10分後に投下しますね〜

589 :ゼロの機神 ギガンティック・ゼロ:2007/11/11(日) 23:19:53 ID:gLJWYpDc
終わりです。
12:30ごろ俺再び参上します。
無事にこっちの予定が終われば。

590 :使い魔!!俺?:2007/11/11(日) 23:21:44 ID:IjHBXaDB
乙かれです
今の予約分が終了したら投下してよいですか

591 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:22:56 ID:rXMWE8jL
週末は相変わらず盛況だな……ってレベルじゃねえぞ!?

592 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:23:00 ID:i8dY6jcf
こんなラッシュが続くのは久しぶりだな。うれしくなっちゃうぜ。

593 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:23:26 ID:wDPTM+4J
激ラッシュですな。キャサリン台風支援。

594 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:24:09 ID:a7isyQUk
予約状況

おとうさん→虚無の王→聖石

これでおk? 

595 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:24:52 ID:b6oA59Zj
投下多すぎww
おとーさん>王>聖石>ギガントorシャンゼ?

596 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:27:07 ID:435aUac/
>>589
次の人がいるから時間じゃなくて順番で予約入れた方がいいんでないかい

597 :ルイズのおとーさん ◆HrwJDuCDSA :2007/11/11(日) 23:28:20 ID:W4Nmib6z
では、ぼちぼち投下しま〜

598 :罪深い使い魔:2007/11/11(日) 23:28:32 ID:Gb8BCtq7
では>>595の後に一本予約しておきます
しかしなんという盛況w

599 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:28:36 ID:W/T4O/J/
支援

600 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:29:50 ID:wDPTM+4J
ちょ、投下祭りかよ支援!

601 :ルイズのおとーさん ◆HrwJDuCDSA :2007/11/11(日) 23:30:18 ID:W4Nmib6z
土くれのフーケには勝算がありました。さきほどまで戦わせていたゴーレムを小さめに作る事で魔力消費を抑え、今回も小さめですが作る事が出来ました。
相手の魔力が尽きたのも計算の内。ルイズの使い魔が大きくなって襲ってきたら土のゴーレムをぶつけて逃げればよし。
ただ、欲を言えば破壊の杖の使い方が分かれば申し分無かったかなと考えていました。
デルフリンガーをルイズに渡したおとーさんは、ルーンの光で全身を包みその光を広げていきました。
(やはりそうなるわね… ゴーレムをぶつけてトンズラだねぇ)
フーケはほくそ笑んでいましたが、光が収まると先ほどとは少し違う鎧に身を包んだおとーさんが立っていました。
(まぁいい。ゴーレムぶつけてトンズ…)
ゴーレムを動かそうとした瞬間、フーケは眩暈を起こし意識を手放しました。

「おとーさん… これ何をしたの?」
ルイズは不思議そうな表情でおとーさんにたずねました。フーケのゴーレムが居た部分が、正確に言うとその後ろの木も含めて削り取られたようになっていました。
「クーカンハサイホウ? 一時的に弾き飛ばした??? よくわからないけど暫くしたら元にもどるのね?」
「げしょ」
おとーさんの説明をキュルケ達に伝えようと振り返ったルイズは吃驚しました。


602 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:30:41 ID:rXMWE8jL
さらに来たー!?

603 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:32:08 ID:aDOaIdr4
こんな連続投下久しぶりじゃないか支援

604 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:32:11 ID:a7isyQUk
久々にすごい量の投下だw
支援

605 :ルイズのおとーさん ◆HrwJDuCDSA :2007/11/11(日) 23:32:19 ID:W4Nmib6z
なぜならば、タバサの頭だけが2メイルくらいの大きさになってユラユラ揺れていたからでした。
ルイズの表情でタバサの異変に気がついたキュルケがタバサの元に駆け寄ろうとしました。
しかし、あれよあれよと言う間に30メイルに達するでっかい顔のタバサが誕生しました。
「ターバーサー!! 大丈夫なの〜〜〜?」
と、キュルケが大声で叫んでいます。タバサは大きな頭をゆっくり揺らして頷きました。
武装を解いたおとーさんが呆然としているルイズに耳打ちしました。
「え?うんうん。タバサー、一歩踏み出してみて〜!」
この大きな頭をよく支えられるなと思う小さな身体が一歩前に足を踏み出すとしゅるしゅると頭の大きさが元に戻っていきました。
「これもクーカンハサイホウの影響らしいわ。吃驚させてごめんなさいね」
「楽しかった」
「「え?」」
その後、暫くの間周辺をウロウロしていたタバサでした。

「あ、そうだ。フーケを捕まえなきゃ…」
ルイズが思い出したようにそう呟いて辺りをキョロキョロ見回すと、少し離れたところにフードを着た人物が倒れていました。
ルイズを含めた全員でそこへ走っていきました。キュルケが一番乗りしてフードに手をかけました。
「さぁ、土くれのフーケの正体。見せてもらうわよって、うえへぇぇぇ???」
フードを剥ぎ取ったキュルケは少し泣きそうな顔で全員を見ています。ルイズとタバサは固まっています。おとーさんはフーケを抱き起こして「かんかんのう」をしました。
おとーさんが皆から怒られていると、森の方からガサガサと音がしました。
「来た」
全員が構えていましたが、出てきた顔を見てまた吃驚しました。
「ミス・ロングビル!あなたが土くれのフーケだったんですね」
一瞬あっけにとられるフーケでしたが、気を取り直して猛禽類のような目で全員を睨み付けました。
「ばれちゃしょうがないねぇ。顔を見られたからには生かしちゃ… って、なんで私がそこに倒れているのよ!」
キュルケがそっと手鏡をフーケが写る様に差し出しました。鏡を見て自分の身体を見たフーケは悲鳴を上げて気絶してしまいました。
実は、おとーさんの空間破砕砲の影響で、フーケとフレイムの頭部が入れ替わっていたのでした。
暫くすれば元に戻るのですがそんな事を知らないフーケはそのおぞましい状態に精神が耐え切れなかったのでした。


606 :ルイズのおとーさん ◆HrwJDuCDSA :2007/11/11(日) 23:33:59 ID:W4Nmib6z
シルフィードに乗って帰ったルイズ達は衛兵にフーケ(帰る途中で元に戻った)を引き渡すとすぐさま学院長室へと呼ばれたのでした。
最初は勝手にフーケを追跡した事を厳しく怒ったオールド・オスマンでしたが、盗まれたアイテムを取り戻した事とフーケを捕まえた事で逆に褒められる事となりました。
ただ、オールド・オスマンはミス・ロングビルを雇う経緯についての説明で三人から冷ややかな目で見られました。嫌な空気を読んだ学院長は咳払いをしてこう言いました。
「ミス・ヴァリエールとミス・ツェルプストーは『シュヴァリエ』の申請を。ミス・タバサは既に『シュヴァリエ』を持っているので『精霊勲章』を申請しておこう」
タバサがシュヴァリエを持っていたことに驚くキュルケを他所に、ルイズは学院長に質問しました。
「あの、おとー… いえ、私の使い魔への褒美は無いのでしょうか?」
学院長は少し考えましたが、意外な所から声が上がりました。
「なぁ、俺を褒美としてこの旦那に渡すってのはどうだい?」
声の主はデルフリンガーでした。
「正直、宝物庫に居るのはもう飽き飽きなんだ。それにこの旦那なら使ってくれそうだしな」
デルフリンガーの提案に目を瞑り考えていた学院長は静かに話し始めました。
「剣は使われてこそ真価を発揮する物。まぁ、問題ないじゃろ」
デルフリンガーを貰った事で嬉しそうなおとーさんにルイズも満足していました。
「さぁ、色々バタバタしたが今日はフリッツ舞踏会じゃ。3人とも今日は着飾って楽しむがよいぞ」
学院長の言葉に3人は頭を下げた後、学院長室を出て行きました。
静かになった学院長室では、遠見の鏡を見ながらオールド・オスマンが首を傾げていました。
「ミスタ・コルベールはいつまであそこに突っ立っておる気なんじゃ?」



607 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:34:11 ID:wDPTM+4J
歪曲した空間でター君が遊んでたの懐かしい支援

608 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:34:30 ID:OUXKrbwD
おとーさん・おかーさんのコンボまだー?

609 :ルイズのおとーさん ◆HrwJDuCDSA :2007/11/11(日) 23:35:06 ID:W4Nmib6z
豪華絢爛な舞踏会会場のテラスでは、おとーさんがデルフリンガーを抜いて遊んでいました。
「うふふふ」
この人大丈夫かな〜?とか考えながらデルフリンガーはさっき言った事を少し後悔していました。
「おとーさん。剣貰えて良かったね」
いつの間にかドレスに身を包んだルイズが傍に来ていました。
ルイズの姿を見たおとーさんは「かわいい」と言いながらデルフリンガーで壁に(豆腐り)と書いていました。
「これがおとーさんの所の字なんだ〜。でも壁に傷つけちゃだめよ」
突っ込みどころが間違っていますが、ルイズに分からないのは当然でした。
「ねぇ、おとーさん踊ろうよ」
ルイズはおとーさんをホールまで連れて行くと手を取って踊ろうとしました。
しかし、なぜかおとーさんはルイズを両手で高い高いするように持ち上げるとそのままくるくる回り始めました。
「ちがう、おとーさんそうじゃなくて。もう…」
最初は少し怒っていたルイズでしたが、その内に楽しそうに笑い始めました。
その様子を見ていた会場の全員がこう思いました。
「まるで親子」


〜Fin〜


610 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:37:30 ID:i8dY6jcf
お、終わってしまったのか。さびしい。けどGJ!

611 :ルイズのおとーさん ◆HrwJDuCDSA :2007/11/11(日) 23:37:51 ID:W4Nmib6z

これにてすべての作品投下を終了させていただきます。

いままでご支援頂きまして本当にありがとうございました。



612 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:38:17 ID:wDPTM+4J
本棚からカールビンソン全巻引っ張り出して読んでる支援

613 :虚無の王:2007/11/11(日) 23:38:42 ID:3YSo+oBx
「ルイズのおとーさん」氏、お疲れ様〜

45分くらいから投下します

614 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:39:53 ID:ul+MRCjY
フーケあたりで終わらせるのも一つの手法だしねえ
流石に濃ゆいにも程があるキャラ召喚して長話は色々きついから
書き手にとっても読み手にとっても

615 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:41:50 ID:MfvrP1ra
ほのぼのでじんわり暖かい終わり方GJ!
おとーさんの人、お疲れさまでした〜☆

616 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:42:27 ID:hH5p5s+X
皆に質問なんだが…
どの辺までの設定改変なら許せる?

例えば使い魔が乗るのが戦闘機じゃなくなるのは無理だ、みたいなの

617 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:44:00 ID:mlTgs7tl
>>616
いや、それ位は平気だろ。
タルブに元々無いのか、あるけど使わないかは知らんが。
前者だとシエスタの血筋じゃ変わるかもしれんね。

618 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:44:07 ID:s1pYstxa
>>616
何に乗るかによるな。
おれが許せるのはダイターン3くらいか

619 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:44:32 ID:JIb+eo6W
おと〜さんの方GJ!
そしてお疲れ様でした!

620 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:44:49 ID:i8dY6jcf
>>616
設定云々はやりすぎてもまだ許せるが
別キャラになってるのはちょっとアレだと思う。
そして虚無の人支援するよ!

621 :虚無の王 Trick14 1/12:2007/11/11(日) 23:45:43 ID:3YSo+oBx
 王宮への出仕に当たって、モット伯爵が利用している邸宅は、トリステイン魔法学院から徒歩で一時間の距離に在る。
 その距離を、高速型ワルキューレのステップに飛び乗ったギーシュは、五分足らずで駆け抜けた。
 そこまではいい。
 あっと言う間に目的地へ到着したギーシュは腕を組み、首を捻る。
 移動にかけたのと、同じ時間だけ悩む。

 さて、どうやってモット伯と面会しよう――――

 土産物のエスカルゴは良い口実だった。勢いに任せて、空に渡して来た事を、今更ながらに後悔する。
 もう一つ、重大な問題が有る。

 会ってどうする――――?

「……僕は何をしに来たのだ?」

 シエスタが連れて行かれた。
 そう聞いた途端、居ても立ってもいられなくなった。
 さて、その時、自分は何をするつもりで飛び出したのだろう。
 ギーシュは悩む。悩み、悩んで、その首が正面に向き直ったのは、問題が解決したからでは無かった。

「誰だ!何をしているっ!」

 誰何の声が鋭く響いた。
 門前で右に左に首を捻る怪しい人影を、門衛が見咎めたのだ。
 カンテラの灯が目を貫く。

「……おや、これはこれは、グラモンの御子息じゃありませんか!」

 名乗る前に、相手が気付いた。
 グラモン伯爵家とモット伯爵家は極めて親密な間柄だ。但し、紳士に限って。
 両家の婦人達は、自身の夫が、息子が、素行不良の悪友に汚染される事を、いたく気に病んでいる。
 そんな女性達の良識に満ちた警戒心が、益々漢の友情を煽り立てる。どんな時でも、どんな階級でも、悪友とは女房を謀ってでも守る物だからだ。
 案内の最中、衛士は何やら誤解に満ちた笑みを浮かべていた。モット伯はこの邸に家族を連れて来ていない。
 この500メイル四方の空間は、モット伯のモット伯によるモット伯の為の自由なる王国なのだ。勿論、性的な意味で。

「やあ、ギーシュ君。どうしたね、こんな時間に。そうか!蝸牛を持って来てくれたんだね!」

 モット伯はグラモン家と違ってお金持ち。相応に食い道楽だ。
 舌なめずりせんばかりの声に、ギーシュは約束の土産を持参出来なかった事が、なんだか申し訳なくなった。
 事実、客人が手ぶらである事に気付くと、伯爵は見るからに落胆する。

「しかし、だとすると、本当に君は何をしに来たのだね。この時間だ。夕食も抜かして来たのだろう」

 一体、何事なのか。
 モット伯爵は優雅さを失わない程度に、表情を強張らせる。
 彼にとって、食事に優先する程の緊急事態とは、王命と女以外には考えられなかった。

「実は……こちらの御屋敷で、シエスタと言うメイドが御世話になっている筈ですが――――」
「ああ。耳が早いね。今日、魔法学院から引き抜いたんだ。あのメイドがどうしたね」
「あの娘は僕等学生に大変良く仕えてくれまして……それで、その……」
「なるほど!挨拶の一つ、労いの言葉一つもかけてやれずに、別れる事になったのが心苦しかった――――そう言う事だね。いや、ギーシュ君。君はお父上に似て義理堅いな!
丁度いい。食事は未だなんだろう。食べて行き給え。シエスタに給仕をさせる」

 モット伯はギーシュの肩を大袈裟に叩きながら、満面に笑みを浮かべた。

「お心遣い、有り難うございます。所で、伯爵。彼女が働くのは、御領地の御屋敷ですか、それとも――――」
「勿論、ここだよ」

 つまりは、そう言う事だ。


622 :617:2007/11/11(日) 23:46:36 ID:mlTgs7tl
シエスタの血筋じゃ→シエスタの血筋が
支援するぜ

623 :虚無の王 Trick14 2/12:2007/11/11(日) 23:46:45 ID:3YSo+oBx

   * * *


「早かったじゃない。どうだったの、お祭りは?楽しかった?」

 アルヴィーズの食堂――――
 明るい瞳のルイズに、空は軽い驚きを覚えた。
 一日放ったらかし、酔って帰った身。不機嫌に眉を釣り上げる顔を想像していたから、これは正直に意外だった。

「特訓。あんたが居ないから、往復が大変だったんだから」

 特訓で某かの成果を得たのだろう。
 いかにも、聞いてくれ、と言わんばかりの口振りだった。

「で、どや。なんか、手応えの一つも有ったか?」

 ルイズは悪戯っぽい瞳で空を覗き込む。
 なんや?――――怪訝に返すと、クスクス笑い始めた。

「明日ね。明日見せて上げる」
「自信あるみたいやん」
「どうかしら?ふふ……」

 殆ど無意識の内に、笑みが零れ落ちる。
 表情の一つ一つ、仕草の一つ一つが、自信と言うより、無邪気な期待と希望とに満ちている。
キュルケが言う所の、短気でヒステリーでプライドばかり高く、おまけに嫉妬深いトリステイン女性の典型とも言えるルイズが、こうにも無表情な表情を晒す。
 これは、余程の事が有ったに違いない。
 小柄な体躯に似合わず、ルイズは健啖だ。正規の前菜と共に、空が持ち帰った蝸牛を一ダース半、ペロリと平らげる。
 そう言えば、タバサも良く食べる。
 恐らく、メイジは全員、こうなのだろう。

「殻ん中の汁もイケるで」
「やーよ。服が汚れるじゃない」

 ルイズは皿の中に零れたガーリックバターをパンで拭う。
 公爵家の三女と言う地位故だろうか。他の学生達と比べても、その立ち振る舞いは一つ一つが、洗練されているし、どこか気取っている。
 それが、“ゼロ”の二つ名と相俟って、桃髪の少女を同級生の中でも一際浮いた存在にする。

「そう言えば、あのメイド居ないわね」
「ああ、シエスタか?」

 “飛翔の靴”で食堂狭しと飛び回るメイドだ。居なくなれば、さすがに気付く。
 何人もの男子生徒が視線を巡らせ、チラリと覗く白い脚が拝めない事に落胆する。


624 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:47:34 ID:0Trz8Nyi
おとーさん、今まで乙でした

>>616
例えばシエスタのひいじいさんとか破壊の杖なんかは変更しやすいけど、
大きい変更部分に関しては、SS内でちゃんとそうなった理由の説明と説得力がないと難しいな。
あと、相当な変更を加えるつもりなら避難所に行った方がいい。

625 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:47:55 ID:i8dY6jcf
支援!

626 :虚無の王 Trick14 3/12:2007/11/11(日) 23:48:10 ID:3YSo+oBx
「なんでも、どっかの貴族に引き抜かれたらしいわ」
「物好きが多いのね。全く」

 それで、シエスタの話題は終わった。
 ローラーメイドに恨みは無いが、捲れ上がるスカートの中を、後から覗こうと身を屈める紳士達の姿は、見ていて気分の良い物では無かったし、貴族に引き抜かれた、と言うなら栄転だろう。
 その事実を、ルイズは素直に喜んだ。
 食事を終えて、部屋に戻る。
 空は汚れ切ったシャツを着替える事にする。
 ルイズは後を向いている。
 使い魔は人間では無い。男性では無い。貴族の乙女が人知れず定めたルールは、とっくの昔に崩壊している。
 食後は座学の時間――――。
 と、言っても、最近は講義するべき内容も乏しくなっている。
 ルイズが燃焼科学や、応用技術を学ぶのは、あくまで魔法に応用する為であり、それ自体の追求が目的では無い。
 今では簡単おさらいと、今後の方針を少し話し合って、後は雑談で時間を潰すのが常になっている。
 教訓めいた話や、地球での偉人伝は、割合受けが良い。ルイズも貴族として共感する所が有るのだろう。
 反対に、ネタさえ選べば、ジョークの類もイケる。
 四コマ漫画の内容を、適当にアレンジして語りながら、空はふ、と重力子〈グラビティ・チルドレン〉の仲間達を思い出す。
 初代眠りの森〈スリーピング・フォレスト〉のメンバーは、揃って漫画好きだった。寄り場は漫画喫茶。
 空が『魁!クロマティ高校』を片手に大笑いしている時、スピット・ファイアは気取った様子で『花より男子』を斜め読み、キリクのむっつりは真っ赤な顔で『魔法先生ネギま!』を読み耽っていた。

「あら?」

 ルイズが声を上げる前に、空が気付いた。
 扉の前に人の気配。そして、戸板の下から、紙片が一枚滑り込む。

「ワイ宛や」
「何?誰から?」
「呼び出し。差出人は不明」
「ギーシュかしら?また、決闘?」
「違う気するけどな。最近、あいつとはよう会うさかい、こないな回りくどい事する意味無いやろ」
「じゃあ、誰?まさか、また他の誰かから決闘?」

 ギーシュが幾度と無く空に敗れている事を知り、決闘を挑んで来た生徒が居た。
 以前、空にそう聞いた事が有る。相手はヴィリエ・ド・ロレーヌ。
 ヴィリエは友人の仇を報じようとしたのでは無い。その逆だ。空を倒す事で、ギーシュを辱めようとした。
 結果は語るまでも無いだろう。

「さあ、どうかなあ?」

 ともあれ、急ぎの用事らしい。指定の場所は例によって例の如くヴェストリの広場。

「……まさか、ツェルプストーじゃないでしょうね?」
「さあな。キュルケやったら、もう少し気の利いた遣り方するんと違うか?」

 じゃ、ちょっと行って来るわ――――空は部屋を出ると、廊下の窓から飛び降りた。


627 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:48:13 ID:IjHBXaDB
おとーさんの方乙
終わっちゃって残念

そして虚無の方支援

628 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:48:16 ID:c3RiIVKg
>>611
お疲れ様
暖かい作品に癒されたよ

629 :虚無の王 Trick14 4/12:2007/11/11(日) 23:49:28 ID:3YSo+oBx
 広場では、意外な人物が待ち受けていた。

「我等の風!」

 料理長のマルトーだ。
 近付く車椅子を認めるや否や、どすどすと重量感溢れる足音で駆け寄った。

 何の用だ――――?

 実の所、空はマルトーが好きでは無い。
 魔法学院に高給で雇われ、並の貴族など及びもつかない金持ち。それが貴族嫌いを気取っている。
 職人としての気概から衝突するならともかく、この男の場合は陰に籠もる。

「我等が風!おお、よく来てくれた!たまたま、貴族の小娘に用事を言い付けられた、てメイドが居たんで、手紙を持たせたんだ。届いたか!良かった!良かった!」
「で、何の用や?」
「ああ、他でもねえ。シエスタの事だよ」
「あいつがどうした?」
「さっきも言っただろう、我等の風よ!シエスタは貴族に連れて行かれちまった、て!」
「拉致された、とは聞いとらん。引き抜きやろ。正当な雇用契約や。連れて行かれた言わんわ」
「畜生!契約だって!冗談じゃない!相手は貴族なんだぞ!あいつら、平民は貴族に逆らえねえと思って、好き勝手やりやがって!」

 空は呆れ返っていた。と、言うよりも白けていた。
 この男は貴族制度の旨味だけを吸い取り、肥え太りながら、権力に蹂躙される弱者を装っている。
 その御都合主義的な生き方は、空が日本に於て散々利用しながら、同時に軽蔑もした“クズ”その物だ。
 ルイズが絶望の縁で尚、杖を磨き、ギーシュ等グラモンの一族が生活を切りつめながら国家王権の為に血を流し、タバサが誰にも語る事の出来ない運命に立ち向かっている時、この肥満体が一体、何をしていた?
 中世欧州には腕一本で貴族にまでのし上がった料理人が何人も居る。
 魔法至上主義のトリステインでは無理でも、ゲルマニアならその目も有る。
 貴族や、その子弟風情に嘗められるのが嫌なら、勝負に出ればいいのだ。こんな所で何をしている?
 正直、付き合っていられない。

「シエスタは奴隷やない。無理に連れてこ言う貴族が居ったら、守ろ言う貴族かて居るやろ」

 いや、奴隷でもそうだ。自身の財産が掠め取られるのを黙って見ている貴族は居ない。
 勿論、シエスタが“断れない”と誤解する事は有り得る。気の弱い小娘相手なら、幾らでも脅し様は有る。

「連れて行かれた、言うたな。シエスタは本意やなかった。お前、それ知っとったな」
「勿論、俺だって止めたさ!だけど、仕方ねえじゃないか!所詮、俺はただの料理長だ。何が言える、て言うんだ?」
「誰か貴族に相談したか?する様に勧めたか?」
「貴族が俺達平民を助ける訳無えだろ!」
「お前、オスマンの爺さんや、コッパゲが何もしいへん、て本気で思っとるんか?」

 黙り込むマルトーに、空は少し腹を立てた。
 結局、この料理人を“マルトーの親方”と呼んでいたコルベールの友情は、一方通行だったらしい。


630 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:50:08 ID:ul+MRCjY
キリコが(異端以降)呼ばれてゼロ戦の代わりにターボカスタムがあった
レベルの改変はアリだな、辻褄合わせが出来るから
小ネタでないと纏まらない気がするが

631 :虚無の王 Trick14 5/12:2007/11/11(日) 23:50:19 ID:3YSo+oBx
「もうええ。兎に角、要件言え。愚痴に付き合わせる為、呼んだんや無いやろ」
「だから、シエスタの事だよ!」

 空の反応は、予想外だったのかも知れない。マルトーの声が焦燥を帯びる。

「シエスタの話がここから、どう続く?」
「シエスタを連れてったのは、モット伯、て貴族だ。最低の助平野郎だよ!魂胆は見えてるじゃねえか」
「ま、若いメイドをいちいち引き抜くんに、他の理由も無いやろな」
「俺はよう、あの娘にだけは幸せになって欲しいんだよ。シエスタは貴族の妾なんて柄じゃねえんだ。平凡な結婚をして、幸せに暮らすべきなんだ。あんただって、そう思うだろ?」
「異論無いけど、手遅れの願望聞かされても困る」
「だからよ!完全に手遅れになっちまう前に、シエスタを助けてやりてえんだ!頼む、我等の風よ!力を貸してくれ!」

 それは、意外な申し出だった。

「助ける?……その貴族ん所押し入って、シエスタを連れ戻そう、て腹か?」
「そうだよ!その通りだ!」
「で、その後は?」

 連れ戻したからと言って、それで万事解決とはいかない。
 拉致されて来たメイドを、王法に背き、モット伯と事を構えてまで魔法学院が再雇用する訳が無い。
 どの様にしてモット伯に報復を諦めさせる?どうやってシエスタの生活を保障する?

「それは……正直、判らねえ。でも、黙ってられねえんだよ。シエスタはいい娘だ。本当にいい娘だ。あの娘が助かるんなら、俺はどうなったって構わねえ」
「お前かて、家族居るやろ――――なんでそこまで?」
「あの娘の為、てのも有るけどよ、俺の為でも有るからさ。ああ、俺はケチな男だよ。料理人連中は俺の腕を知ってるし、慕ってくれてるけど、他の平民達が俺を馬鹿にしているのは知ってるんだ。
蝙蝠野郎、てさ。陰で貴族を馬鹿にしながら、小金を貯め込んで貧乏人を馬鹿にする。貴族でも平民でもねえ、蝙蝠野郎、てさ」

 人間は身近な成功者を妬む。ハワード=ヒューズの伝記を有り難がり、ブラウン管の向こうの青年実業家は褒めそやすが、ベンツを乗り回す隣家の親父は成金、最低の俗物だと吐き捨てる。
 マルトーが貴族を嫌う様に、貧しい平民がマルトーを嫌うのはあり得る話だ。

「でも、あの娘はそうじゃなかったっ。ここで黙って見過ごしたら、俺は一生、仲間がどんな目に合わされてても、見て見ぬフリして陰口だけは一丁前の、ケチな男で終わっちまう。そんな気がするんだよ。頼む!我等の風!」

 マルトーは這い蹲ると、地べたに頭を打ち付けた。

「手貸してくれ!あの娘を助けてえ!蝙蝠だって暗い夜の中だけじゃねえ、青空の下を飛べるんだ、て信じてえんだ!」

 その姿を、空は黙って見つめていた。
 脳裏では、前風の王を構成する、相反する二つの性質が鬩ぎ合っていた。
 頭の足りない暴風族の若者達を私兵として操り、最終的には体制転覆さえ目論む、冷酷無慈悲な革命家としての側面。
 創世神〈ジェネシス〉内部に超獣〈ベヒーモス〉と言う巨大派閥を作り上げ、将来の政敵とも成り得た前“牙の王”。宇童アキラの逮捕を惜しんだ、純粋なるストームライダーとしての側面。
帽子の位置を直した時、内心で決着は付いていた。

「……マルトー。人数集めぃ」

 ドスの利いた声で言った。


   * * *


632 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:50:38 ID:hH5p5s+X
>>617
>>618
>>620
わかった。ありがとう
参考にさせてもらうよ

それと支援

633 :虚無の王 Trick14 6/12:2007/11/11(日) 23:51:15 ID:3YSo+oBx
 ギーシュは高速型ワルキューレに揺られて、帰路を急いでいた。
 モット伯邸での出来事が、脳裏を過ぎった。
 自分は一体、何をしに行ったのだろう。
 して来た事と言えば、夕食を御馳走になり、給仕についたシエスタの胸の谷間を鑑賞しただけだった。
 モット伯と父とが友誼を結び、一門の紳士達が親しく付き合っている理由を、ギーシュは改めて知った。
 モット伯がこの邸に限って採用しているメイド服。赤を基調とした彩色は頂けないが、胸元を大きく開いたデザインは秀逸だった。
 ああ!――――全く、貴族の子弟に過ぎない自分は、所詮、本物の貴族に及ばないのだ。
 シエスタの胸元に実るたわわな果実。彼女は着痩せする体質だった。その事に、自分は愚かしくも全く気付かなかった。
 ぶ厚いメイド服に秘匿された真実を、モット伯は一目で見抜いたに違いない。
 食後、退出する段になると、シエスタが一人、屋敷の外まで見送ってくれた。父の友人は気を利かせたつもりらしかった。
 よく手入れされた庭園が、規律正しく並ぶ魔法灯と月明かりとで、ぼんやりと浮かび上がった。
 二人は無言だった。
 言いたい事が有る筈なのだが、それをどう言って良いか判らず、また口にして良い物かどうかも判らなかった。

「あの……――――」

 口火を切ったのはシエスタだった。噴水に二つの月が揺れていた。

「ありがとうございます。ミスタ・グラモン」
「え?」
「伯爵からうかがいました。私の事を心配して、様子を見に来て下さったんだって」
「ああ……」

 確かにその通りだ。だからと言って、何が出来ると言う訳でも無い。

「ふふ。でも、私、てそんなに見ていて不安ですか?そりゃあ、自分でも少しドジな所が有るとは思いますけど」
「あー、いや……そのなんだ。そう言う訳では無くてね……僕が心配しているのは……」
「心配しているのは?」

 ギーシュは言葉に迷った。
 自分の心配事は極めて口にし辛い上、当のシエスタも判っている筈だった。

「……私、大丈夫ですから」

 正面を向いたまま、シエスタは言った。

「私、今まで貴族が怖かったんです。魔法を使えない私達には、メイジはとても恐ろしくて、いつも怯えて暮らしていました」

 その言葉は、世間知らずな魔法学院の少年を当惑させた。
 平民達が異国の軍隊に蹂躙される事も、オーク鬼の餌にされる事も無く、平穏な日常を営めるのは、貴族が身を張り、血を流しているからだ、と言う自負が有る。
 平民が貴族を畏怖するのは当然としても、恐怖されていると言うのは、意外であり不本意でもあった。

「貴族は別に――――」

 獲って喰いはしない。
 そう続けようとして、ギーシュは言葉を飲む。この娘は今正に、獲って喰われようとしているではないか。
 ああ、モット伯よ。
 貴方はどうして、もっと相手を選ばなかったのだ。
 どうして、こんなにも性急な方法を選んだのだ。
 階級間の対立が王権に益する事など有りはしないのに。

「でも、今は怖くありません」
「何故?」
「ミスタ・グラモンと話していて判ったんです。貴族にも沢山、怖い物が有るんだ、て。苦しい事、辛い事が有るんだ、て。私達と変わらない、人間なんだ、て」
「……貴族が恐れるのは、不名誉だけだよ」
「ええ。判っています。例え、どんなに怖い物が有っても、ミスタ・グラモンは絶対に逃げないんですよね。だから、私も怖くありません」

 私は大丈夫ですから――――シエスタは同じ言葉を繰り返した。


634 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:51:57 ID:i8dY6jcf
支援がおっつかねえ支援

635 :虚無の王 Trick14 7/12:2007/11/11(日) 23:52:18 ID:3YSo+oBx
「心配なさらないで下さい。あの……きっと、伯爵も大事にして下さると思いますし……その……大丈夫ですから」
「シエスタ……?」

 その言葉に、シエスタは俯く。
 名前で呼ぶのは初めてである事に、この時、ギーシュは気付かなかった。

「すみません」

 顔を上げた時、シエスタは笑顔を浮かべていた。

「もう、お手伝いが出来無くなってしまいまして。でも、大丈夫。ミスタ・グラモンなら、絶対、空さんに勝てます」

 どこか、ぎこちの無い笑みだ。

「頑張って下さい。ミスタ・グラモン!」

 そして、門衛が門扉を閉じた。
 ギーシュは嘆息する。
 自分は何をしに行ったのだろう。本当に、判らない。
 厨房から飛び出した時、何をしたかったのかは判る。シエスタを取り戻したかったのだ。
 そこに有るのは衝動だけで、どんな思慮も計画も有りはしなかった。
 シエスタはモット伯が正規に雇用している。
 実の所、彼が進んでその契約を破棄してくれる方法を、ギーシュは知っている。
 だが、取引の材料となる物が手に入れられるかどうかは、判らない。
 そして、その後は?

「結局――――」

 自分がいまいち、踏ん切りを付けられないのは、相手が誰になるにせよ、最終的にシエスタを手元に置いておけない事が、判っているからだろう。妾にするなら、現状と変わらない。
 では、愛を囁く?

 冗談ではない――――

 ギーシュは内心で頭を振る。
 身分が違う。住む世界が違う。人品卑しからぬ紳士は、相手を選ばず膝を折ったりはしないものだ。
 そもそも、ギーシュの様な相続権を持たない貴族にとって、結婚とは一つの武器であり、立身出世の道具だ。
 平民の娘が自分の将来に約束してくれるのは、身の破滅でしかない。

「忘れ給え。ギーシュ・ド・グラモン」

 ギーシュは独白した。
 青春よさらば。
 脳裏にシエスタの笑顔が浮かぶ。
 頑張って下さい――――あべこべに、自分を励まし、見送った顔が浮かぶ。

「よし。決めた――――」

 結論を得ると、とっ散らかっていた頭が、すっきりした。


636 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/11(日) 23:53:28 ID:++C6cWNI
支援

637 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/11(日) 23:53:28 ID:++C6cWNI
支援

638 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:53:42 ID:W4Nmib6z
支援

639 :虚無の王 Trick14 8/12:2007/11/11(日) 23:53:43 ID:3YSo+oBx
「あの娘を助ける!」

 例え、自分の物にはならないにせよ、あの娘は相応の相手と結ばれるべきだった。凡庸だが誠実な男と契りを交わすべきだった。
 それは、断じてモット伯では無い。
 善は急げ。善でなくとも急げ。レビテーション。ワルキューレに鞭を打つ。三つの車輪が土を蹴立て、小砂利を跳ね飛ばす。
 時間が無い。
 時間が無い。
 急げ。
 急げっ。
 急げっ!
 魔法学院の門へ、ギーシュは文字通り飛び込んだ。バンプを拾った際に、コントロールに失敗した。ワルキューレは横転。ギーシュも地面に投げ出される。
 これは兜を被った方が良いのだろうか。
 苦鳴と共に立ち上がりながら、そんな事を考えた。
 眼前には杭が立っている。後、1メイル前で転倒していたら、頭を打ち付けた事だろう。
 これでは遠からず、事故死しかねない。
 ワルキューレを起こして、夕暮れの女子寮塔に向かう。

「あら――――」

 途中、ルイズに出会した。

「ねえ、空を知らない?」
「ミスタがどうかしたのかね?」
「誰かに呼び出されてから、帰って来ないの」

 誰だろう?
 ヴィリエが決闘を挑んだ、と言う噂は聞いている。彼の仲間か?
 ともあれ、今はそれ所では無い。

「所でミス・ヴァリエール」

 お願いが有るのだが――――その先を言う必要は無かった。
 連絡を取って貰おうとした目当ての人物が、本塔の方から現れたからだ。

「どうなってるのかしらね、全く」

 豊かな胸を反らせて、キュルケはぼやいた。

「夜食にと思って、蝸牛を料理させようとしたのに。厨房に誰も居ない、ですって。本当にどうなっているのかしら」

 その言葉に、ギーシュは青くなった。
 空が居ない。呼び出し。料理人が居ない。そして、シエスタは主に厨房で働いていた――――それらの事実か、頭の中で綺麗に繋がる。
 恐らく、シエスタを連れ戻しに行ったのだ。
 モット伯は自分の様な学生とは違う。本物の貴族だ。
 万が一、平民に敗れでもしようものなら、何としてでも相手を殺すか、さもなくば自ら命を絶つ事を強いられる。
 何故なら、力を以て君臨するメイジが無力な平民に敗れると言う事は、家名ばかりでは無く、全ての貴族の名誉を、ひいては王権を汚す事に他ならないからだ。
 故に、貴族は自身に刃を向けた平民を、絶対に許さない。
 空が自分とモット伯爵との区別も付けられない人間とは思いたくない。そこまで無分別な人間とは思いたくない。
 だが、分別の有る男が、学生とは言え貴族に決闘を申し入れる物だろうか。
 思えば、あの男は常に異質だった。
 まるで、異世界から来たかの様に、社会の規律も秩序も顧みない。
 反骨それ自体を旨としているきらいさえ有る。

「ミス・ツェルプストー!」

 ルイズと二、三、皮肉を応酬。どことなく余裕を感じさせる相手の態度に、聊か戸惑いを見せながらも立ち去るキュルケを、ギーシュは慌てて呼び止める。
 急がねばならない理由が、一つ増えた。

「済まない。実はお願いが有るのだが……」


640 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/11(日) 23:53:53 ID:++C6cWNI
支援

641 :虚無の王 Trick14 9/12:2007/11/11(日) 23:54:39 ID:3YSo+oBx
 街道から僅かに外れた草むらを、奇怪な一団が進んでいる。
 先頭は車椅子。更に長短太細まちまちな覆面男が計六人。
 薄闇の中、緊張感と殺気とを撒き散らしながら進む。
 草むらの中を、街道と併走する様にして剥き出しの地面が続く。まるで道路だ。
 それは、そうだろう。つい、この間までは街道だった場所だ。
 馬蹄に踏み荒らされ、ぬかるんだ足場を嫌って、騎手が、御者が外れを選ぶ内に、街道は少しずつ移動する。

「こいつは、おでれーた」

 車椅子の背で、デルフが身を震わせる。

「たったこれっぽっちの平民引き連れて、貴族の邸にカチ込もうなんて。正気かい、相棒。どうなるか判ってるんだろうね?」
「さてなあ」

 空は暢気に嘯いた。
 シエスタ奪回を、空はそれ程、難しい事と考えていない。問題は、その後だ。
 まさか車椅子を含む平民集団にしてやられた、とは言えないから、表立った裁きは無いだろう。
 だが、力を以て君臨する貴族が、不逞の輩をそのままのさばらせておいては支配が揺らぐ。必ずや、裏で報復措置に出る。
 マル風Gメンや暴力団、某国や米軍の間を立ち回って来た空にとっては何でもない事だ。
 しかし、今、後にゾロゾロと着いて来ている料理人供は、一人も助かるまい。家族縁者に累が及ばぬ様、自ら首を差し出す羽目になる公算が大きい。
 それを避ける為に、最もてっとり早いのは、目撃者全員を消してしまう事だが、それはそれで話が大きくなる。
 噂話に聞いた、“土塊のフーケ”とやらはミスリードに使えるかも知れないが……。

「ま、楽しみにしとき、デル公。たっぷり血い、吸わせたるからな」
「相棒。なんだか、俺の事を誤解してるみたいだねえ」

 後にはマルトー始め、緊張した面持ちの料理人達が続く。筋者の事務所に殴り込む素人衆の心境だろう。
 邸が近付く。
 茂み深くに入ってベースを張る。道具と撤退の手筈を確認。

「ええか?今回はシエスタを連れ戻したら、それで勝ちや。ここに居る全員帰れへんでも、シエスタ一人帰ればええ。状況によっては、ワイはお前等見捨てて、あいつ一人連れて逃げる。それで文句有る奴は帰れ」

 全員が堅い動作で頷く。異論が有ろう筈も無い。

「お前らに難しい作戦言うても無理やろ。シンプルに行く。ワイが先導するから、少し間置いて着いて来い。目に付いた奴は速攻でどつき倒せ。躊躇すなや。相打ち上等で突っ込め。メイジ相手に迷ったら死ぬで。ええな」

 空は武器を配る様に命じる。
 太い麺棒や脱穀の棒、スコップ。扱いに熟練を要する刃物を避けて、鈍器で統一する。

「良し。気合い入れて行くでっ……!」
『ブッ殺ッッッ!!』

 凶悪な平民達の物騒な唱和が、闇苅に溶けた。


   * * *


642 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/11(日) 23:55:16 ID:++C6cWNI
背イン

643 :虚無の王 Trick14 10/12:2007/11/11(日) 23:55:47 ID:3YSo+oBx
「秘宝の魔道書?」
「何それ?」

 その名を口にすると、キュルケばかりでなく、ルイズも興味を示した。

「前に話してくれたじゃないか。召喚実験で偶然、呼び出された魔道書。ツェルプストー家の家宝を、君は持っているんだろう?」
「ああ、あれね。嫁入り道具として持たされてるのよ」
「どんな魔道書なの?」

 深く追求しないでくれ。
 心の中でギーシュは嘆く。あまり女の子に聞かせられる内容では無いのだ。

「殿方を高ぶらせる魔力を帯びた魔道書」

 苦悩する少年と対照的に、キュルケはさらりと言った。

「まあ、私には必要無いんだけどねー。色気も“ゼロ”なあんたには、正に秘宝かも知れないわね」
「ななな、何言ってるのよ!不潔よ!不潔!さすが、色ボケのツェルプストーの家宝ね。サイテーだわ」

 蔑む様なルイズの目に、ギーシュは頭を抱える。自分はマリコルヌとは違う。女の子に蔑まれたり、踏まれたりして悦ぶ性癖は無いのだ。
 そう。薔薇に白い目を向けたり、あまつさえ踏み躙る様な少女が居るものか。熱烈な視線、黄色い歓声こそ我が本望。
 その点でケティは理想だった。ちょっとした事でも驚き、ささやかな事でも喜んでくれた。幸せを享受する天性に恵まれた女の子だったのだが……。

「いやいやいや。今はそれ所じゃないっ!」

 不意に頭を振って叫ぶギーシュに、二人は目を瞬いた。

「ミス・ツェルプストー。君にとって、それが必要な物で無いなら、都合が良い。その魔道書を、譲ってはくれないか?」
「……不潔――――」
「誤解しないでくれ給え、ミス・ヴァリエール!僕は疚しい目的で言っいるのではない。ある重大事の解決に、なんとしても、それが必要なのだ。事によったら、君の使い魔だって、関係しているのかも知れないのだよ」
「空が?」
「ダーリンが?」

 モット伯爵は以前から言っていた。
 ツェルプストー家に伝わる魔道書が欲しい。手に入るのなら、全財産を費やしても構わない、と。メイド一人の身柄と引き替えなら安い物だろう。
 空が無茶をする前に、シエスタを連れ帰る。それしか無い。

「空が?ねえ、どう言う事よ?」
「済まない。今は説明している閑が無い。どうだろう、ミス・ツェルプストー。たった今、必要なんだ」
「……別にいいけど、貴方お金有るの?」
「う……無い。無いが、後日なんらかの形で、必ず恩は返す。何でも言ってくれ給え」
「なんでも?」

 キュルケの瞳が、怪しく光った。

「何でもだ」
「そう。なら、私と付き合って。そうしたら、魔道書は差し上げるわ」


644 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:56:34 ID:a7isyQUk
支援


645 :虚無の王 Trick14 11/12:2007/11/11(日) 23:56:39 ID:3YSo+oBx
 その一言に、ギーシュは凍り付いた。
 嫁入り道具である魔道書を差し上げる。だから、付き合いなさい――――その意味する所は何か。
 つまりは、ただの交際では無いのだ。恐らく、結婚を前提として、と言う枕詞が付く。
 ギーシュは震えた。顔色がみるみる青くなり、体中から汗が噴いた。
 こちらは嫁入り道具をくれ、と言っているのだ。決して不当な要求では無い。当然と言っていい。
 それに、ゲルマニアの大貴族にして大資産家のツェルプストー家令嬢なら、伯爵家の四男坊としては望外の相手。全く申し分無い。申し分無いのだが……。
 目線がストンと落ちる。褐色の乳房に引っかかって止まる。
 本当に彼女は申し分が無い。申し分無いおっぱいだ。
 だが、何故だろう。ギーシュはキュルケがどこか苦手だった。
 薔薇を観賞するばかりで無く、摘み取った挙げ句、押し花にしてしまいそうな勢いには、一種の恐怖を覚える。

 ええい、何を迷っている、ギーシュ・ド・グラモン!――――

 ギーシュは自らを叱咤する。
 シエスタの貞操が危ういのだ。
 空の身だって危ういのかも知れないのだ。
 危急の時、グラモン家の男が、おっぱいを怖がっていてどうする!
 勇気を持つのだ!
 突撃!
 突撃!
 突撃!

「――――判った」

 杖を持たずに尖塔から飛び降りる気分で、ギーシュは答えた。古びたアルヴィー人形のぎこちなさだ。
 途端に、笑い声が弾けた。

「冗談よ、冗談。今、私はダーリン一筋だもの。秘宝の魔道書ね。ちょっと待っていなさい」

 フライで自室に向かうキュルケを、ギーシュは呆然と見送った。
 安堵の吐息が漏れ、思わずその場にへたり込みかけた。

「助かった――――」

 と思ったのも束の間だ。

「ねえ、空がどうしたの?」

 今度はルイズが絡んで来た。

「だから、今は時間が……」
「ツェルプストーが戻るまでの間に、説明しなさいよ」
「えーと、シエスタと言うメイドが居るのだが……」
「あの、変な靴履いたメイドでしょう。それがどうかしたの?」
「そのメイドが、モット伯に引き抜かれてだねえ」
「“あの”モット伯爵?」

 絶妙な口調だった。
 モット伯に関する悪い噂と、ルイズが彼を軽蔑する所以が、余すこと無く、たった一言に集約されている。
 モット家と親交が有るギーシュとしては、少し複雑な気分になった。

「どうも、穏便ならざる方法も使ったらしい。そこで――――」


646 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:57:10 ID:hH5p5s+X
支援

647 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:57:28 ID:i8dY6jcf
支援!

648 :虚無の王 Trick14 12/12:2007/11/11(日) 23:57:51 ID:3YSo+oBx
「お待たせ」

 と、キュルケが戻った。
 手には羅紗の袋。中身を取り出す。表紙は極めて扇情的なイラストだ。
 ルイズは耳まで赤くして顔を背け、ギーシュは食い入る様に眼を開く。

「確かに」
「一つ貸しよ」
「判っている」

 再び袋に収められた魔道書を手に、ギーシュは高速型ワルキューレのステップを踏む。

「ちょっと、待ちなさいよ!話がまだ……」
「ミスタ・空がモット伯の邸に乗り込むかも知れない!」
「!……なんですって!ちょっと……!――――」

 ルイズの声を置き去りにして、ギーシュはワルキューレを加速する。
 道を急ぎながら、ギーシュは魔道書の表紙を思い出す。
 凄い。本当に凄い。
 現実をそのまま切り取ったかの様な画風。写実主義の絵画など問題にならない精緻さだ。
 どんな画材を使えば、あの発色が得られる。
 あの印刷技術は一体なんだ。 
 いかなる神技が、あの奇跡を実現したのかは判らない。だが、なるほど、モット伯が執心するのも頷ける。
 モット伯の邸が見えて来る。様子がおかしい。喊声が聞こえて来る。
 遅かった――――!
 どうする?
 どう話をつける?
 身の程知らずな料理人供はともかく、空は助けたい。
 そう考えているのは、ギーシュ一人では無かった。
 ルイズとキュルケだ。いまいち事態は飲み込めないが、空が本当にモット伯邸へ乗り込もうとしているなら捨て置けない。
 二人は女子寮塔を、タバサの部屋へと駆け上る。
 丁度、その時、タバサは自室で逆立ちしていた。続いて、脚を曲げ、体を腕立ての要領で後に伸ばし――――

「無理」

 潰れた。
 “風”を面で捉える。その技術が極めて難しいだけでは無い。
 仮に、両掌を床に固定出来たとしても、空と同じ姿勢を取るには、並外れた腕力が要る。

「タバサ!居る!」

 目の前で、扉が勢いよく開いた。
 頭上を見上げると、そこにはキュルケと、ルイズが居る。

「黒――――」

 返事をする代わりに、タバサは呟いた。


 ――――To be continued


649 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/11(日) 23:57:56 ID:++C6cWNI
支援

650 :虚無の王:2007/11/11(日) 23:58:34 ID:3YSo+oBx
今回はここまでです。

御支援どうも〜

651 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/11(日) 23:58:56 ID:IjHBXaDB
しえん

652 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/11(日) 23:59:21 ID:++C6cWNI
支援

653 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/11(日) 23:59:21 ID:++C6cWNI
支援

654 :聖石の人 ◆FIXARUtWLY :2007/11/11(日) 23:59:44 ID:wDPTM+4J
王の人乙です。
こっちの投下は10分前後に開始します。

655 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 00:00:06 ID:AurMd8xM
ドキドキしてくる展開だぜ!
そして期待期待

656 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 00:00:31 ID:FknucrYA
乙&GJ!支援途中までおっつかなかったw
モットに人数をかけて乗り込む展開は初めてだ。
いつも期待して待ってますぜ。

657 :豆粒ほどの小さな使い魔:2007/11/12(月) 00:01:42 ID:m1o9PH2u
では聖石さんが終わった10分後くらいに投下します。

658 :名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/12(月) 00:02:44 ID:bJyoQ4X7
メロンのように〜支援

659 :聖石の人 ◆FIXARUtWLY :2007/11/12(月) 00:02:51 ID:Uoowi820
>>657
待った、その後に二人ほど投下予約入ってたはずです。

660 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 00:03:31 ID:XsVY3omD
ギガンティックの人とシャンゼリオンの人が予約中

661 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 00:04:01 ID:smwcQeC9
うるせーぞ精液の人 ◆FIXARUtWLY

662 :豆粒ほどの小さな使い魔:2007/11/12(月) 00:04:06 ID:gQ68O/Eu
むう、では朝に回します。

663 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 00:05:13 ID:KQBzeRRg
GJ!


664 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 00:05:24 ID:7eeAOuG1
GJ!

> 蝙蝠だって暗い夜の中だけじゃねえ、青空の下を飛べるんだ、て信じてえんだ!
荒川弘じじゅうしろwww

665 :聖石の人 ◆FIXARUtWLY :2007/11/12(月) 00:10:44 ID:Uoowi820
眠気と怒りで不機嫌になりながらも籐野らんボイスに癒されつつ投下開始。
あと、意味の無い下品な言葉じゃなくて、真正面から気に入らない理由とその根拠を示してくれたほうがいいと思うな。

数十回の召喚儀式の末、一本の棒が地面に突き刺さっている。
そのほか、トランクケースが一つ。
召喚したものが無機物で、絶望もした。
だけど、その絶望は契約したその棒によって砕かれた。

夜、部屋にてトランクを開ける。
トランクの中に、手紙と見たこと無い衣装が入っていた。
見たことも無い文字だったが、ルーンの効果なのか内容がなんだかほんわかした声で再生される。





 異世界のまじかる☆候補へ

 ほんらいだったら私がいくべきだったんだけど、
 明日から魔法の国(温泉)にいくから召喚に答えられません。
 ごめんね〜。
 代わりに、清く正しい心の持ち主のみ使える、
 『まじかる☆すてっき』と『まじかる☆すーつ』をわたしておくね。
 変身の手順は二枚目に書いてあるからね。
 あなたならきっと、立派な魔法少女になれるよ。
 いつか会える日を楽しみにしています。

 まじかる☆ひよりんより

 追伸、その杖はほかの資格者の人に『魔法の呪文』を唱えさせることによって、
    持ち主の服を『まじかる☆すーつ』にすることが出来るよ。






魔法少女!?
異世界の言葉だからうまく変換できなかったみたいだけど、メイジだということは解った。
つまり、二枚目を見れば私もメイジになれる。
意気揚々と二枚目をめくり、始祖ブリミルの与えた試練に全力で抗議した。

666 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 00:12:12 ID:UQTA+JHV
支援

667 :まじかる☆るいずん ◆FIXARUtWLY :2007/11/12(月) 00:12:44 ID:Uoowi820
私ことキュルケは困っていた。
何が困ったかというと、晩御飯に出てきたハシバミ草のサラダが嫌いなのである。
あの臭いに口に広がる苦味。
考えるだけでも嫌だ。

「はぁ、困ったな」
「お困りのようね?」

その声はルイズ?

「そんなときは私におまかせ!」

後に語る、『人生最大の恐怖』との出会いが待っていた。

確かにルイズだ。
しかし、格好がおかしい。
メイド服をミニスカにし、フリルをたくさんつけた感じ。
それに合わせた形のマントを羽織り、手にはよくわからない……杖?
やたら派手派手した杖を持った、ルイズが立っていた。

「はぁーい、まじかる☆るいずんよ〜!」

刻が、見えた。
じゃなかった、時が止まった。

「何してんのよルイズ?」
「はぁーい、まじかる☆るいずんよ〜!」
「いやだからルイズ」
「まじかる☆るいずんよ〜!」


雪希「説明しよう!
   魔法少女の資格を得て変身したルイズ、まじかる☆るいずんは、
   釘宮ボイスで入った状態で、口調は若干ルイズ混じりのひよりんとなったのだ!
   変身後の性格も若干ルイズが混ざったひよりんだよ!
   以上、説明終わり!」


これは、とりあえずルイズに付き合うしかないのか?
意を決して、名前を呼ぶことにする。

「ねえ、るいずん」
「お困りのようね?」

そうだ、私は困っていたんだ。
だったらるいずんに頼んでみよう。
……ダメモトで。

「実は…」
「ふむふむ、それは困ったわね」
「いや、まだ何も言ってないし」

何がふむふむなんだろう。
というか伝わったのか?

「よぉーし、魔法でなんでも解決よ〜!」

668 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 00:14:11 ID:bz6MZFtW
ゼロの精液

669 :まじかる☆るいずん ◆FIXARUtWLY :2007/11/12(月) 00:14:12 ID:Uoowi820
ルイズが? ゼロのルイズが魔法を?
るいずんが杖を構える。
凄く派手だが、構える姿を見るとサマになっている。

「ぴんぷるぱんぷるろりぽっぷん、まじかるまじかるるんらら〜」

訂正。
だめだこりゃ。
成功する気配ゼロ。

「そーれ、にゃ☆う〜ん!」

まぶしい光が走り、そして―――

「うーん、やっぱりおいしくないわ〜」

サラダのハシバミ草を食べてる、るいずんがいた。
ちょ、魔法で消すとかじゃないの!?

「はい、ハシバミ草は無くなったわ、これで解決だね〜」
「ちょっと、それって魔法じゃないんじゃないの!?」

今思えば、それがあの惨劇の引き金だった。
この日私は学んだ、口は惨劇の根源だと。

「やっぱりゼロはゼロね!」
「うぅ〜…」
「こんな魔法でもなんでもないものでメイジなんて」
「うぅ〜うぅ〜!」
「やっぱり所詮は」
「うわぁぁ〜ん!!!」



雪希「説明しよう!
   るいずんにはひよりんと同じく、魔法に関して攻め立てられて泣いてしまったとき、
   そのステッキと、なんだかよくわからないうちに強化された力を持って暴れるのだ!
   以上、説明終わり!」



振るわれるルイズの杖。
それは私を余裕で吹き飛ばし、壁に激突させる威力を持っていた。

「痛ぅ―――! 少しは、手加減しなさいよ!!」

火の二乗スペル、フレイムボールを放つ。
今までの怒りと今の恨みを込めて放った火球はステッキの一振りで消された。
るいずんの暴走に巻き込まれた生徒達も魔法を放つが、全部消されていく。

雪希「説明しよう!
   いまのるいずんはギャグキャラ補正に作者の権限でチートモードなのだ!
   だから魔法を弾き返すぐらいわけないのだ!
   説明終わり!」

結局、るいずんが止まったのは食堂が壊滅した後だった。
この事件は『まじかる☆事件』として長き間語り継がれるのだった。

「魔法のステッキで、何でも解決よ☆」
「はぁ、これからこの学園はどうなるのかしら?」

670 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 00:16:28 ID:8nLUc/Vo
改変がきついから嫌いな人も多いんだろう

671 :まじかる☆るいずん ◆FIXARUtWLY :2007/11/12(月) 00:16:29 ID:Uoowi820
以上で投下終了です。
ネタはねこねこソフトの『麻雀』で出てきた魔法少女判定の棒と魔法少女の服です。
支援感謝します。


672 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 00:19:25 ID:lG4888a/
おーけい、リアクションに困った奴手を上げろ
ものすげー不意打ち喰らった。脳が反応してくれねwwwwwwwwwwww

673 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 00:19:41 ID:oJGvMn9s
投下乙〜

674 :使い魔!!俺?:2007/11/12(月) 00:24:01 ID:VEPnyxtt
乙でした
ギガンティックの方がいらっしゃるまで
待ったほうがよいでしょうか

675 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 00:24:31 ID:xlbm0ZSH
聖石の人乙。

>>670
いやいや、どう見ても聖石が肌に合わない人を貶める確信犯だろ。

676 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 00:26:43 ID:dyBLqmBU
聖石は平日の昼間から投稿している暇ニートだからさっさと学校行くか就職しろと思う

677 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 00:30:12 ID:Qj+V2yc4
予約が多すぎて状況を把握しきれないぜ支援

678 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 00:30:13 ID:FknucrYA
るいずん吹いたwwww
GJ!w

679 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 00:31:28 ID:+k1DregT
>>676
明日も刺身にタンポポ乗っける仕事と、サンドイッチにパセリを挟む仕事を頑張ってね^^

680 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 00:33:02 ID:N0hpZ1ho
・議論や荒らしへの反応は、避難所でやりなさい!
するーしなさいよ

681 :ゼロの機神 ギガンティック・ゼロ:2007/11/12(月) 00:33:24 ID:hVTm5Syc
俺、参上。

三話投下、よろしいならば行きます。


682 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 00:35:03 ID:FknucrYA
いいのかな?なんか投下状況がカオスっててわかりにくい。

683 :使い魔!!俺?:2007/11/12(月) 00:36:48 ID:VEPnyxtt
どうぞやっちゃってください

684 :ゼロの機神 ギガンティック・ゼロ EP2「鉄神」:2007/11/12(月) 00:41:17 ID:hVTm5Syc
投げ飛ばされ倒れたルイズとに集まるものと、倒れたコルベールに集まるもの。バラバラになった観衆は、二つのグループに分かれた。
キュルケとタバサは前者に入り、ルイズを抱え起こす係になっていた。
「ルイズ、ルイズ、しっかりしなさい!」
「痛たたたた…あいっつ、とんでもない馬鹿力よ。レディに手加減しないなんて最低の使い魔ね」
「…なんだ、元気じゃない。これなら助けは必要ないわね」
額に怒りマークを浮かべるルイズを放り出すと、キュルケの思考はそのルイズを叩き伏せた「頭像」に移った。コルベールが解放された今、奴の本体は頭像に戻った。
触手は出ていない。もう乗り移る気はないということだろうか。なら次の行動は?キュルケは予想する。予想する。だが、予想すればする程それは混線し、予想を困難にした。
目線を頭像にやる。それは静謐を保ったまま動かない。
(何が狙いだってのよ、あんたは)
頭像の口が、歪んでこちらをあざけっているように一瞬見えた。

コルベールが覚醒して最初に見たのは、沢山の生徒の心配する顔だった。コルベールはゆっくりと顔を上げると、自分の体に異常がないことを確かめた。
「アレ」に乗っ取られていた時、彼の意識はなかったが、「アレ」の感情は、記憶としてしっかりコルベールに刻まれていた。
(…理解した)
悲劇。怒り。彼の中にはそれだけしかなかった。普通の感情はすみっこに押し込められ、彼の無意識は前世の記憶に囚われている。あれでは使い魔をするのは、酷な仕事かもしれない。
だがこの学園に続く伝統を破るわけにはいかない。あれに「ゼロ」の使い魔をやらせるべきかやらせざるべきか、かれは正直な所迷っていた。
体を上げる。両腕を動かし、両手を動かす。全く体に異常はなかった。「アレ」に、コルベールを殺すつもりは本当になかったようだ。
周囲を見渡すと、生徒はルイズに集まったり、石像に集まったりして、無秩序になっている。
私がいないと、すぐこれだ。だが、異常な雰囲気よりはとてもマシだ。コルベールは久しぶりに、この喧噪がいいものに思えた-----

視界の隅で、何か光った。

コルベールはすぐに視界を固定、光の方向を見据える。空の中に輝くひとつの点は見る見るうちに大きくなり、光がこちらに飛来していることをコルベールに教えた。そしてそれは見る間に分裂し、その正体をコルベールに教えた。
高速でこちらに飛来する、炎の尾を従える弾丸。数、16。

コルベールは詠唱を開始。紡ぎ出される異能の言葉を聞いた生徒達は、ふたたびコルベールに注視した。
「下がりなさい!」
自然にコルベールの声は大きくなった。詠唱は完成し、その場に巨大な障壁を展開した。生徒を包み込むように守りの陣は展開され、弾丸を待ち受ける。やがて生徒らも弾丸に気付き、コルベールの行動の意図を理解した。


685 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 00:41:40 ID:Mf8TukEK
支援

686 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 00:42:11 ID:ZI7lOVcp
現在の状況は
ギガントorシャンゼ→罪か?
他にもあったら教えておくれ

687 :ゼロの機神 ギガンティック・ゼロ EP2「鉄神」:2007/11/12(月) 00:42:31 ID:hVTm5Syc

着弾。轟音。盾は一撃の下に砕けた。コルベールは驚愕した。自身の軽く本気で張った防壁が、一撃の下に破壊される。それは想定していない事態であった。
このような芸当は、自分以上に高度な魔法使いでなければ不可能。
あるいは、人でないものが、自分の敵だとでもいうのか?コルベールは弾丸の飛来した先を見つめて、思考を巡らせる。第二波は、来ない。
危機は去ったのか。さらに思考は巡る。敵は?なにが、起ころうとしているのか?

衝撃波。空中から吹いた強風が、急にその場にいた全員を襲った。目を開けていることすら出来ない。この世界ではあり得ないが、まるで空中から突如ヘリが飛来したかのような衝撃。
叩き付けられるような強風に、生徒の半数は正常な姿勢を保てなかった。
敵。
コルベールはそんな予感がした。この風を吹かせている誰かが、あの弾丸の使い手で、そして我々に危害を加えようとしている。もはや直感というレベルではなく、それは確信としてコルベールの心の中に存在した。

そして案の定、直感は当たった。

風が止む。

「よぉ、魔術師。おったまげたぜ」

うしろ。

コルベールは振り向けなかった。人間ではない。敵は。だがエルフでも亜人でもない。
機械的な声が、コルベールに語りかけていた。
「俺のハンマーを防ぐなんて、やるじゃねぇか、人間にしてはさ」
「…我々に何か、用事ですか」
「簡単なことさ。ここに俺の『ご同類』がいらっしゃる。同類と呼ぶのもためらわれる劣化複製のモドキだがな。そいつを、見かけなかったか?」
コルベールは冷静に対応する。こんなとき生徒を引っ張っていく教師が、冷静でなくてどうするのか、その一念で震える心と体を支える。
「それは、あなたの姿を見なければわかりませんね」
「おおっとぉ、そうだったな。じゃ、後ろ向いてくれねーか」
コルベールはゆっくりと後ろを向きながら後ずさりし、その姿を眼に入れた。真紅の躯体は細く、鋭角。だが両の腰に据え付けられた巨大な鉄のかたまりとその手に携える鉄槌が、あたかもその体にボリュームがあるかのように見せていた。
「…ゴーレム」
「あんな低俗なもんと一緒にしてくれるなよ魔術師。とにかく、俺みたいに『この時代じゃあり得ない』ようなカッコしてる奴だ。ここに来てるはずなんだがな」



688 :ゼロの機神 ギガンティック・ゼロ EP2「鉄神」:2007/11/12(月) 00:43:43 ID:hVTm5Syc
「…知りませんね」
コルベールは素直に答える。
「うそはいかんぜ、魔術師。こっちじゃ、反応だけなら既に捕捉してんだ」
「知りませんね。本当に知りません」
「ケッ、そうかい」
赤い躯体は、地面を滑るように移動した。そしてバラバラになった観衆を一瞥すると、声を上げて観衆に問いかけた。
「お前らは知らないか?」
観衆は皆一様に首を振る。赤い機体はやれやれ、とでもいうかのような仕草を見せた。
「こっちのセンサーがいかれてるってのか?」
「ここにいるぞ、探し物は」
予期しない方向から、声が聞こえた。赤い機体はそちらへと振り向き、観衆とコルベールも自然とそちらに顔を向けた。
そこに立つのは漆黒の機体。
「いよぉ、『オニクス』。否、ゼウスと呼んだ方がいいかね?」

ルイズはその機体を凝視した。あれはこんな所にはいなかった。ならば、テレポートでもしたというのか。アレの仲間か?ルイズの思考はこんがらがり、彼女はすぐに考えられなくなった。
(なんなのよ…召還の儀式で終わるはずだったのに…)
「その必要はない『ヘファイストス』」
「しっかし本当に『アレス』と瓜二つだな」
「私が先に作られた。当然のことだ」
「そうかいそうかい。可愛げのねぇ野郎だな」
「…それより、貴様もこの地に現界したのか」
「俺は『ズル技』でな、むしろ『せざるを得なかった』」
彼らの会話の意味を、理解出来るものはあまりいなかった。だがルイズらは理解した。
黒い機体の名は「オニクス」。
中々に厳つい名前だ。彼らの会話は続く。
「どういうことだ?」
「『呼ばれた』んだよ」
「魔術師にか。お前も使い魔になれ、と言われたのか?」
「まぁそんなところかもな。だがこんな若ぇ魔術師なんかに、俺は呼べねぇよ」
依然として彼らの会話は掴めない。彼らは同族であり、訳あってこの地に降り立った。そんなところだろうか、とルイズは頭の中でまとめる。
だがここで彼女はあることに気付いた。
オニクスの喋り方、誰かに似ている。
ルイズは答えを導くのに少々かかった。
「では高位の魔術師が?」
「ノンノン。魔術師って考えを先ず捨ててもらわねぇとな」
「?」
「もっと高貴で、そんじょそこらの魔術師とは比べ物にならないほどの強大な奴に、呼ばれた」
ぶっきらぼうで、トーンが低くて、常に物事を他所から見ているかのような喋りかた。誰だ、誰だ?
ふと、頭の中のピースがあるべき場所に嵌り、ルイズは答えに到達した。
頭像だ。
自らが召還したあの頭像と、話し方も声もそっくり同じだ。それはつまり、あの「オニクス」が、あの頭像であることを意味していた。


689 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 00:44:17 ID:Mf8TukEK
支援


690 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 00:44:49 ID:VEPnyxtt
支援です

691 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 00:45:12 ID:Hy7TLlY9
支援支援

692 :ゼロの機神 ギガンティック・ゼロ EP2「鉄神」:2007/11/12(月) 00:45:12 ID:hVTm5Syc
「それは何者だ?」
「今は言えないなぁ」
「…そうか、それより俺に何の用だ」
「そうだな、本題に入ろう」
「ヘファイストス」と呼ばれた赤い躯体は、「オニクス」と呼ばれた漆黒の躯体に、前ぶれなくその手に持った鉄槌を突きつけた。
「死ね」

(力を貸してくれ!)
判断は一瞬。相手とほぼ同時だった。敵のボルカノ・ハンマーのハッチが開くのとほとんど同時に、自らの肉体に宿る、ヘルメス…玄武神三号の力を呼び出す。
幸いなことにすぐにヘルメスの応答があり、一瞬で盾…亀甲盾を左腕に召還出来た。直後にハンマーからはミサイルが射出され、盾はフィールド・エフェクトを展開した。
直撃弾。
エフェクトは弾丸を全てブロックし、こちらにダメージは無し。すぐにバックステップで距離を取り、更なる武器を召還した。背中のスラスターより、金色の羽を展開する。
バード・オブ・プレイ・ウイングス。
アポロンの宿る機神が装備していた金色の羽は、飛翔する力を機体に付加すると共に、強力な弾丸を放つ能力を与える。
「借りモンの武装ばかりでよくやる!」
ウルカヌスもまた距離を取り、両腰のフライト・ユニットのハッチを開き灼熱のレーザーを放った。オニクスは飛んでかわす。
「ええぃ、どいつもこいつも俺の邪魔をするッ!」
さらに空中で軌道を変え、再び飛んできたレーザーを器用にかわしつつ、ケーシングからミサイルランチャーを数発はなった。ウルカヌスは高速で前進を行い、これを見事にかわしつつ、オニクスの真下に潜り込んだ。
オニクスは下降しつつ相手を正面に捕らえ、光弾をBPWから射出。放たれた光弾は急旋回した直後のウルカヌスを急襲する。だがウルカヌスはハンマーから弾丸を放ちこれを相殺した。

「アポロンにヘルメスか…正規の武器を使う気はさらさら無さそうだな」
「今は少し調子が悪いだけさ」
「やっぱり寝起きは誰でも調子悪いよなぁ?」
「その通り」
二機は相対する。再びの静寂がその場を支配した。
「何故殺す必要がある?」
「気に喰わんからじゃないのか」
「この世界に俺の存在を知る人間がいるものか」
「いるんだよ、これが。むしろ人間じゃないかもな」
「聞けば聞く程わからんな」
「スゲェ奴だよ。いつ見ても感心させられる程に」
「…吐く気は毛頭ないようだが」
「ない!」
「なら実力を行使するまで」
二機の間の緊張が解かれ、一気に戦いへと戻ろうとした…丁度そのとき、ピンク色の何かが2機の間に割って入った。それは大声を上げて、2機に叫ぶ。
「あんたらちょっとやめなさいっ!!」


693 :ゼロの機神 ギガンティック・ゼロ EP2「鉄神」:2007/11/12(月) 00:46:33 ID:hVTm5Syc
ピンク色のそれ--------ルイズは、2機に向かって呼びかけた。2機は動きに急ブレーキをかけ、再度バックステップする。ウルカヌスはあきれた顔でルイズを見つめた。
「あんだよこのょぅじょは?」
「幼女じゃないわよ!ゴーレムのくせに!」
「ったく、何だよこいつはよ?」
ウルカヌスはオニクスに聞いた。
「俺を呼んだ張本人だ」
「ほっほう。ニセモノとはいえ、神様を呼びやがったのかコイツは。そりゃ相当な大魔術師様なんだろうなァ?」
「偽物と言うな!今すぐ殺してやろうか貴様」
「けっ上等だ。返り討ちにしてやるよ 贋 作 !」
「いいだろう、勝負の続きだ」
「だぁーっ!私を無視して話進めないでよっ!」
ルイズがまた怒りマークを一個増やしながら怒鳴りつける。
「うるっせぇガキだな…大魔術師なんだろ、静かにしろよ、風格がねぇ」
「ぐううっ…」
途端にルイズは黙り込んでしまった。ウルカヌスが言葉を続ける。
「おお、なんで黙るんだよ『大魔術師様』」
「う…うるさいっ」
「そこの聴衆に聞いてみれば良かろう?」
オニクスがいつの間にか固まって移動していた観衆の方を指差し、ウルカヌスに言った。納得したウルカヌスは聴衆の方に呼びかける。
「そりゃいいな。おい、なんでコイツは黙ってるんだよ?大魔術師なんだろ、神様呼び出すぐらいなんだからさぁ!?」
だが観衆は続く緊急事態などのお陰ですっかり緊張してしまっており、ほとんど答えられるものはいない。ウルカヌスがもう一度聞いた。
「おいおい、緊張しないでいいから答えてくんな?」
すると、赤い髪の美しい長身の女性…キュルケが進み出てウルカヌスに返した。
「ウルカヌスさん?」
「おうよ」
「そいつ、大魔術師なんかじゃないわよ?むしろ、大魔術師から遠っくかけ離れた存在、かもね」
「き…キュルケーっ!!」
途端に固まっていたルイズがキュルケに向かって怒鳴る。だがそれを見たウルカヌスは、そこに隠れた事情があると、悟ってしまった。そしてウルカヌスは続いてキュルケに問いた。
「美人さん、じゃこいつはただのボンクラ魔術師ってことかぁ?」
「いやいや、そんなもんですらないわよ」
「ハ?」
「キュルケっ…その先続けたら…承知しないわよおっ!!」
「なんかこのクソガキが言ってるけどいいのかよ」
「いいのいいの、慣れてるし。そいつはね、貴族のくせに魔法が『使えない』のよ」
「魔法が使えないならどうやってこいつを呼んだ?」
ウルカヌスはオニクスを指差し、キュルケに質問を続ける。
「さぁ、神様が哀れんで、奇跡でも起こしてくれたんじゃない?」
キュルケの言葉に、ウルカヌスの中の何かのフタが外れたのか、ウルカヌスは急に笑い出した。腹を抱えて笑うその姿は、ただ「浮遊している」という点をのぞけば、人間と大差はない。

694 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 00:47:05 ID:Hy7TLlY9
しえええええええええええん。するんだっぜ

695 :ゼロの機神 ギガンティック・ゼロ EP2「鉄神」:2007/11/12(月) 00:48:34 ID:hVTm5Syc
「っはははははははは!!オニクス、てめぇ奇跡なんかで呼ばれたのか!やすい奇跡だな」
「奇跡ではない。むしろ、悪魔の気まぐれかもしれんぞ」
オニクスは冷静に返す。
「そりゃそうかもしれねぇなオニクスよぉ。だってお前こんな魔法も使えないクソチビの使い魔になって一生惨めに暮らすんだぜ!?
使い魔になればこいつからは離れられねぇ、つまりはてめぇの魔力尽きるまでこのおばかさんにお仕えしなきゃなんねぇわけだ!」
「幸いなことにまだ契約はしていない。ここから逃げるつもりだったのさ、貴様の邪魔さえ入らなければな」
「むしろここで死んで楽になっちまうって手もあるがどうだい?」
「それは遠慮しよう」

このオニクスとウルカヌスの会話を、黙って聞き流せない人物が一人いた。
「ちょっとあんたら、いい加減にしなさいよっ……!!」
「…本当のことを言って何か悪いのか。お前も本当のことだけをお前に告げた。その意趣返しだ」
「うるさい!うるさい!あんたら、私だって魔法のひとつぐらい使えるわよっ!!」
「ほほう、見せてみろよおちびちゃん」
怒りに燃えるルイズを、ウルカヌスとオニクスは挑発する。ルイズの怒りは限界を振り切って、もはや成層圏まで到達しているに違いない。
だがウルカヌスはその限界を読めなかった。ルイズは杖を構えると、オニクスにびしっと先端を向けて、詠唱を開始した。二人は興味深い眼でそれを見つめており、この後に起こる恐怖を、予想すらしていない。
「おもいしりなさい、アタシの実力っ!!」
「はっ!鳩を出すのがせいぜいだろ」
ウルカヌスが挑発の言葉を放ち、それが引き金だったのか、ルイズは詠唱の最後の言葉を言い終えた。途端、魔術は発動する。いや、正しくは発動しなかった。少なくとも、詠唱の通りにはならず、また鳩も出なかった。

爆音。

「ぐああっ!?」
ウルカヌスが後方に吹き飛んだ。
「!?」
オニクスは驚愕する。ウルカヌス氓フ装甲は薄いとはいえ、現代の兵器が意味をなさない程度の装甲は持ち合わせている。まぁ、この世界ではそれがどれだけの基準になるのかは見当もつかないが。少なくともコルベールの先ほどの防壁よりは硬いだろう。
楽に例えるならば、AEUへリオンとティエレンぐらいの差。
だがルイズはその防護をいとも簡単に破り、ウルカヌスにダメージを与えた。先ほどの言葉が嘘だったのか。
「…なんでアイツにあたんのよっ!!」
もっとも、当の本人は不満な様子だが。一方のウルカヌスはやんわりと浮き上がると、ルイズを見据えた。
「てめえ…っ!」
「ど、どうよ人形細工!アタシだって魔法を」
ルイズはその言葉を言い終えることは出来なかった。


696 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 00:49:23 ID:z9LXq81R
支援します

697 :ゼロの機神 ギガンティック・ゼロ EP2「鉄神」:2007/11/12(月) 00:49:51 ID:hVTm5Syc
「フザけんなっ!」
ウルカヌスは高速接近の後に、ルイズをボルカノハンマーで殴りつけた。観衆とは逆の方向に吹き飛ぶルイズ。さらに墜落したルイズにウルカヌスはハンマーを展開し、攻撃を加える。最も、射撃はさすがに意図して外したが。
「人間風情が俺にダメージを与えるだと!?」
ウルカヌスは怒り狂っていた。いきなりの計算外の出来事に、プライドを傷付けられたのだろう、その怒りは外にまで伝わってくる。
「あによ突然…っ」
「もういい…民間人に死傷は出さないつもりだったが、お前だけは殺してやる!」
「え!?」
ウルカヌスはルイズの首を掴んで持ち上げる。そしてギリギリと首を絞め始めた。
「ぎっ…!!」
「死ね、死ね、死ねっ!!」
それを傍目から見ていたオニクスは、ふと現在の状況を思い出した。先ほどのお笑いじみた雰囲気のせいで、気が緩んでいたのだ。そしてウルカヌスの背中に声をかける。
「なぁ、そいつを殺したらお前俺を殺すのか」
「決まってるだろうがよ、二人まとめて地獄に送ってやる」
「なら、死ね」

開いた右手に合う武器を作り出す。手にした武器は長銃、かつてゼウスの妻と呼ばれたヘラが駆っていたものだ。
それをおもむろにウルカヌスに向けると、オニクスはそれを連射した。背中に直撃弾を受け、ウルカヌスはルイズを離して前のめりに倒れた。オニクスは銃を捨てると、次なる武器を作り出す。
杖状の武器が生成され、杖と盾を持ち、背中に羽をはやすその姿は神話の神を思い起こさせる。
「蛇槌か…!」
「そうだとも」
「卑怯者め…!ぶっ殺してやる!」
「気が変わるのが早い奴だなお前は!」
こうして戦いは、再開された。

ウルカヌスに絞める手を離され、ルイズはウルカヌスの少し前に倒れた。なぜ助かったのかと視線を上げれば、そこにあったのは、銃を持ったオニクスの姿であった。
(助けた…!?)
首を絞められていた時、オニクスにまで意識が廻らず彼女はオニクスとウルカヌスのやり取りを聞いていない。
つまりルイズは、この射撃を、オニクスの善意の攻撃と思い込んだのだ。
オニクスは新たな武器を召還し、ウルカヌスもそれに応じるかのようにハンマーを構える。ルイズには、一瞬そのオニクスの姿が頼もしいものに思えた。そしてルイズの目の前で、死闘が始まった。


698 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 00:49:55 ID:Hy7TLlY9
間接支援砲撃

699 :ゼロの機神 ギガンティック・ゼロ EP2「鉄神」:2007/11/12(月) 00:51:31 ID:hVTm5Syc
次 回 予 告

赤い機神と黒い機神。
錬鉄の神と偽りの全能神。
砲撃手と剣士は武器を交え、
やがて決着は緩やかに。

次回「重複」 機械をまとった神々の戦いが、始まる。

700 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 00:51:38 ID:y2q4mtrS
なんか、ここでのギガンティックのサイズがよくわからんが支援

701 :ゼロの機神 ギガンティック・ゼロ :2007/11/12(月) 00:53:28 ID:hVTm5Syc
終了。
次は明日かあさってになります。

次の方、どうぞ。


702 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 00:54:01 ID:Hy7TLlY9
ゼロの機神 ギガンティック・ゼロの人GJ!
wikiへ登録時に文頭「-------」を書き換えてるんでちょっとチェックしてやってください。
詳しくは避難所wiki更新スレに…

703 :使い魔!!俺?:2007/11/12(月) 00:55:15 ID:VEPnyxtt
ギガンティックの方乙かれでした
10分位したら投下します

704 :使い魔!!俺?1/6:2007/11/12(月) 01:06:57 ID:VEPnyxtt
それでは投下させていただきます

学院長室は静寂に包まれていた。
コルベールとロングビルは広場で見物していた生徒同様に驚きで言葉を失っていた。

やっと口を開いたのはコルベールだった。
「見ましたか、ミス・ロングビル」
その言葉に我に返ったロングビルも口を開く。
「はい、たしかに」
コルベールは興奮気味にしゃべり始めた。
「すごい。武器だけではなく、杖もなく変身魔法を使うなんて。やはり彼はタダモノではなかった!」
そのコルベールとは対照的にロングビルは冷静に分析する。
「でも杖も使わずに魔法を使うなんてもしや彼はエルフでは?」
ロングビルの問い掛けにコルベールも少し落ち着きしばらく考える。
「そういえばそうですな。一度彼を呼び出して調べたほうがいいかもしれません」
「私もそう思います」
その意見にロングビルも同意する。
「よろしいですか、オールド・オスマン」
コルベールはオスマンの方を向きながら問い掛ける。
しかし返事がない。
不思議に思ったコルベールはオスマンに近づいてみた。
オスマンは驚きのあまり意識を失いかけていた。
それに気づいたコルベールは慌ててオスマンを揺さぶる。
「オールド・オスマン、しっかりしてください!まだ逝くのには早すぎます!」
しかしオスマンは訳のわからないうわ言を話し出す。
「おお、あの埋蔵金は裏山の祠に…」
「いかん、早く治療をしないと。ミス・ロングビル、水のメイジを呼んできてください」
ロングビルは急いで部屋の外に出ようとしたがドアに手をかけたところで、はたと動きが止まる。
「どうしたんですか?ミス・ロングビル。早くメイジを」
「いえ、さっきの埋蔵金ですが見つかったら、いくらか貰える権利があるかと思いまして」
「ひどい!ちょっとはわしの心配をしてくれてもいいのに!」
「気が付いてたんですか!紛らわしいマネをしないでくださいオールド・オスマン」
「あ、オールド・オスマン裏山ってどこですか」
その後話題は埋蔵金に移ってしまい、暁のことはいつの間にか忘れられていた。

705 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 01:07:30 ID:zWsaOn3s ?2BP(1)
支援

706 :使い魔!!俺?2/6:2007/11/12(月) 01:09:05 ID:VEPnyxtt
一方そのころ

「すごかったな、お前さんの戦いっぷり!」
マルトーのおっさんは暁にバナナパフェのおかわりを出しながら上機嫌に声をかける。
暁は厨房の人たちに手厚いおもてなしを受けていた。
「剣だけじゃなく銃も使い、おまけにあの分身魔法。相当の使い手だな。」
「大したもんだ、平民でありながら魔法を使って貴族のガキを負かすなんて」
先ほどの決闘を見ていた人は口々に感想を述べている。
パフェを食いながらその会話を聞いていた暁は盛り上がっているみんなに意見する。
「まー、そういうなって。ギーシュだって悪いやつじゃないんだから」
その暁の意見にマルトーは感激した。
「おお、自分の敵にまで敬意を示すとは!ますます気に入ったぜ」
そういうと暁にキスを迫ってきた。
暁は死に物狂いでマルトーを引き剥がす。
「やめろ、男はいらん!俺はシエスタちゃんみたいなコのほうがいい!」
逃げ回っていた暁だがついには厨房の隅に追い詰められた。
そしてマルトーは一歩また一歩と暁に近づいてくる。
暁は手を合わせて必死に感謝の言葉を口にする。
「わかりました!マルトーさんの気持ちはじゅーぶんに伝わりましたから、もう結構です!」
しかしマルトーはそんなことはまったく気にしない。
「遠慮するな。感謝の印だ」
ついにマルトーは暁の両肩を掴んだ。
そして
「ギャアアアアアアアアアア」
暁の叫びは学院に響き渡った。

707 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 01:09:47 ID:zWsaOn3s
支援

708 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 01:10:46 ID:u8xAy/ni
埋蔵金>>>>>>(越えられない壁)>>>>>暁支援

709 :使い魔!!俺?3/6:2007/11/12(月) 01:11:29 ID:VEPnyxtt
「あ、こんなところにいた」
暁を探していたルイズはついに彼を広場で見つけた。
何故か知らないが暁は疲れきった表情をしている。
「とりあえず全部話してもらうからね」
そんな様子を見てルイズは少し躊躇するものの
暁の手を引いて自分の部屋まで連れて行った。

ルイズはベッドに腰掛け、暁は向かい合うように座る。
「じゃあアンタのこと全部話しなさい」
真剣な表情のルイズに対し、暁は相変わらずの調子で答えた。
「俺のこと?そうだな、好みのタイプは」
「ふざけてないで真面目に答えて。だいたいアンタは女の子ならだれでもいいでしょ。
まずあの変身は何?魔法じゃないわよね」
ルイズの雰囲気に押され暁はちゃんと答える。
「ああ、アレは魔法じゃないよ」
「じゃあなんなのよ」
「うーん、それじゃ実践してみますか」
そういうと暁は立ち上がり構えをとる。
「燦然!シャンバイザー!」
ギーシュとの決闘の時のように再び暁はシャンゼリオンに燦然した。

「ちょ、ちょっといきなり変身しないでよ!」
びっくりしたルイズは暁に文句を言うが暁はどこ吹く風で自分の姿を見せびらかす。
「どお?すごいでしょ」
その姿を見たルイズは興味津々といった感じだ。
暁の周りを回りながら全身を見ている。
「魔法じゃないのよね?」
「しつこいねルイズも。違うって言ってんでしょ」
「じゃ、なんで変身なんかできるのよ」
「んー、それじゃこの力を開発したサイドックのことから話そうか」

710 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 01:13:34 ID:z9LXq81R
支援支援

711 :使い魔!!俺?4/6:2007/11/12(月) 01:14:27 ID:VEPnyxtt
特務機関S.A.I.D.O.C.
政府高官や財界の一部の者しか知らないその組織は人類を脅威から守るために設立された。
しかし政府から見放された隊長の宗方は己の私財を投げ打ち、紆余曲折を経てひとつの成功をおさめる。
そして開発されたのが浴びたものをシャンゼリオンに変えるエネルギー、クリスタルパワーである。

「つまりアンタはそのエネルギーを浴びてシャンゼリオン?になったってわけね」
「そ。シャンゼリオンになったのは偶然だったけどね」
暁はシャンゼリオンの姿のまま話を続ける。
「で、脅威ってなに?」
「ああ、ダークザイドのことだよ」

ダークザイド
滅びゆく自らの故郷である闇次元を捨て人間界に侵略を始めた人類の天敵である。
彼らはラームと呼ばれる人間の生気を食料とする。
そして多くのダークザイドは人間に姿を変え、社会に溶け込んでいるのだ。
ただこのダークザイド、人間にも食べ物に好みがあるように好物の人間のラームというものが存在する。

「んで、これが花嫁のラームが好きだったりワガママで気の強い女のラームが好きだったりで
いろいろいたわけだ」
「ずいぶん個性的な天敵ね」
ダークザイドの特徴を聞いたルイズはちょっと呆れてしまった。
少しは真面目な話になるかと思っていたのだが何だか妙な侵略者だ。
「そーでしょ。しかも人間に溶け込むうちに人間とおんなじ趣味をもつようになったヤツもいたんだよ。
例えば箸袋を集めるのが趣味のヤツもいたなー」
ハシブクロという聞き慣れない単語を聞いたルイズは暁に聞き直す。
「ハシブクロってなに?」
「箸袋ってのはね」

箸袋
日本人や中国人などが使う伝統的な食器のひとつである箸。
二本の棒状のものを片手、主に利き手で持ち使用するこの道具をしまっておくものが箸袋である。
箸の先だけを覆ったものや全体を密閉するものなど様々なタイプが存在する。
使用されるお店によって柄が違うため食卓をちょっと明るくする作用がある。

「ちょっと使いにくそうね、その食器」
「でも慣れれば肉でも魚でも豆でも掴めるんだよ」

712 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 01:14:40 ID:ZI7lOVcp
シャンゼリオンってなつかしいなwww
支援

713 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 01:14:50 ID:OQyyL3Y7
家屋敷を担保にして作ったクリスタルステーション支援

714 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 01:17:12 ID:zWsaOn3s
そして梅干を食って変身する奴は来るだろうか?
支援

715 :使い魔!!俺?5/6:2007/11/12(月) 01:17:27 ID:VEPnyxtt
一通りの話を聞いたと判断したルイズは一息ついて暁の話を振り返る。
「それじゃ昨日の話もまとめるとアンタは探偵をやってて、そのサイドックとかいう組織の開発したパワーで
シャンゼリオンっていうヒーローになって、ダークザイドっていうやつらと戦って、ハシでごはん食べてたと」
「箸はあんまり関係ないけどそういうこと。信じてもらえた?」
シャンゼリオンから元の姿に戻った暁は相変わらずの調子だ。
そんな暁を見てルイズはコイツがヒーローだということを信じたくはなかった。
信じたくはなかったのだが。
「まあ、アンタの変身したカッコを見たら信じるしかないわよね」
「お、さすがルイズ。飲み込みが早い」
暁は拍手のジェスチャーでルイズを称える。
そんな暁の調子を見てルイズは少し遠い目をする。
「それにしてもアンタみたいのがヒーローなんて。
自分の財産まで使って頑張ったそのムナカタって人が気の毒だわ」
「うっさい。大きなお世話だ」
「でも今までその侵略者と何度も戦ってきたんでしょ。アンタが結構やるヤツだってのはわかったわ」
ルイズの褒め言葉に暁は上機嫌になる。
「いいこと言うじゃん。よし、ルイズにもう一つおもしろいもの見せるよ」
そういうと暁は懐から一本の棒状のものを出す。
「なにコレ?」
「コレはCGペンって言ってサイドックの支給品のひとつなの」
そういって暁は何やら弄っている。
そしてCGペンをルイズの口元に持ってくる。
「さあ、ルイズ何か喋ってみてよ」
突然そんなことを言われてルイズは戸惑う。
「いきなり何を言い出すのよ」
「よっしゃOK。んじゃ再生するよ」
暁はまたもペンを弄りだす。
すると
「いきなり何を言い出すのよ」
なんとペンが勝手に喋り始めた。
驚いたのはルイズだ。
ただの金属の棒から声がしたのだ。
「わっ、ビックリした。マジックアイテム?」
「だから魔法じゃないって。ルイズの声を記録してそれを繰り返してるだけだよ」
暁はルイズにCGペンを渡して説明を続ける。
「ちなみに俺も同じの持ってんだけどコレ通信機としても使えるから」
また聞いたことのない言葉だ。
「ツウシンキって?」
「離れててもお互いお話できる道具だよ」
それを聞いてルイズは感心する。
「へー、アンタのいた世界ってすごいものがあるのね」
「おもしろいでしょ?コレはルイズにあげるよ。親愛の印だ」
「いいの?こんなすごいもの貰って」
「遠慮すんなって。人から貰えるモンは何でも貰っとけ」
そんな暁の言葉を聞いてルイズは大きくため息をついた。
「アンタじゃなくてそのムナカタって人に悪いって思ったのよ」

716 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 01:17:35 ID:Qj+V2yc4
日本のお箸は優れた食器なんだよ!支援

717 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 01:17:51 ID:Hy7TLlY9
スッパマン支援

718 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 01:19:16 ID:XsVY3omD
かるーいヒーロー支援

719 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 01:19:38 ID:ZI7lOVcp
最終回がなぜか爆発を背にしてのラストだったことに疑問を感じる
支援

720 :使い魔!!俺?6/6:2007/11/12(月) 01:20:08 ID:VEPnyxtt
次の日の朝

目を覚ましたルイズは自分の使い魔の寝床の方を見る。
そこに暁の姿はなかった。

逃げ出したのか?

そんなことを思い周りを見回すと自分の洗濯物がなくなっていた。
もしかして洗濯をしてくれている?
あのグータラは心を入れ替えたのか。
そしてルイズは枕元のCGペンを手に持ち、昨日の暁の言葉を思い出していた。

親愛の印だ

使い魔の方からそんなこと言うのだろうか。
普通は逆のような気がする。
ホント調子のいいヤツだ。
「バーカ…」
少し笑みを浮かべたルイズは一言だけ呟いて寝巻きから着替え始めた。

「そんなことがあって俺は人類を守るスーパーヒーローをやってたってワケ」
「すごいですアキラさん!憧れちゃいます」
ここは洗濯場。
ルイズが暁の評価をちょっと改めているころ、暁はシエスタに洗濯のやり方を教わっていた。
働く気になどなった訳ではない。
目的は洗濯を通じてシエスタと親しくなるためだ。
そして昨日の変身のことを聞かれ、得意気になって自分の事を説明していた。もちろん少し脚色して。
「人間を守るために悪と戦うなんてとってもかっこいいですよ」
シエスタに褒められ暁はしまりのない顔をしている。
そして
「そうだ、シエスタちゃんにいいものあげるよ」
すると暁は懐から一本の棒状のものを出す。
「なんですかこれ?」
不思議なものを取り出した暁にシエスタは首を傾げながら質問をする。
「コレはねCGペンって言って」
暁はCGペンの使い方を説明しはじめた。
ふんふんと頷いて聞いているシエスタを見ながら暁は

こりゃ明日も洗濯が楽しみだ

そんなことを考えながらシエスタとおしゃべりを続けるのであった。

721 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 01:20:13 ID:zWsaOn3s
超まぼろしのあれ的支援

722 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 01:21:19 ID:VjnB35GT
なんでだろう
七星闘神ガイファード思い出した
支援

723 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 01:23:51 ID:N0hpZ1ho
暁はホント軽いなwGJ
!>>719
シャンゼリオンとスピルバンの最終回は理解しがたかった。


724 :使い魔!!俺?:2007/11/12(月) 01:23:53 ID:VEPnyxtt
以上シャンゼリオン召喚話でした
支援&読んでいただきありがとうございました

725 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 01:25:12 ID:ZI7lOVcp
>>723
うんうん
あの最終回の
「そんなお前がいるならぜひ見てみたいよ」
だっけか?
なんか笑えたんだよなー

726 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 01:26:10 ID:zWsaOn3s
乙!
面白なんだ。シエスタ、あまり褒めるなw
調子に乗るからww

727 :罪深い使い魔:2007/11/12(月) 01:31:32 ID:z9LXq81R
ヒーローらしからぬヒーロー乙
それでは1:40頃から投下始めます

728 :罪深い使い魔:2007/11/12(月) 01:41:01 ID:z9LXq81R
それでは投下開始します


「君も忙しい男だね、ミスタ・コペルニクス」
「どこの誰ですか! オールド・オスマン! いや、それより……」

コペルニクス、もといコルベールは両手で机をバン、と叩いた。

「やはり! 彼は伝説の『ガンダールヴ』です! 間違いありません!」
「静かにしたまえ、ミスタ・コルベール」

年長者の威厳を発揮してコルベールを押しとどめるオスマン。
「ちゃんと覚えてるじゃないですか!」というつっこみも綺麗に無視し、静かに告げた。

「彼が『ガンダールヴ』だというならなおさら冷静にならねばいかん。どこに目があるかわからんからな」
「は、はい……」

これを聞いてコルベールも落ち着きを取り戻す。
それを見てオスマンは満足し、しかし悩みの種が大きくなったことに眉根を寄せた。

「まったく、監視すると決めた矢先にこれか……しかし『光』とな」
「ええ、本当に突然のことでした。私があの本を返しに図書館へ行きましたら、
そこに丁度ミス・ヴァリエールと使い魔がおりまして。
早速監視を始めるとなんと、ミス・ヴァリエールが本棚から転落を……」
「彼女でなければ起こらない不幸じゃな。普通は直後に『フライ』か『レビテーション』を唱えて
事なきを得るが、彼女の場合は貴重な本が爆発するだけじゃろうて」
「ええ、ですから私も慌てて『レビテーション』をかけようとしたのですが、
それよりも早く使い魔が……」

それは本当に突然のことだった。
ミス・ヴァリエール――ルイズが転落したのを見たコルベールが杖を構えた直後、
その下にいた彼女の使い魔――目下『ガンダールヴ』と目されている少年――の足元から青白い光が立ち上った。
直後に少年の体からルイズ目掛けて、赤い『光』が駆けて行ったのだ。
どことなく人の形をしているようにも見える『光』は落下するルイズを受け止め、
そのまま下降して使い魔の体に溶け込むようにして消え去っていった。
足元の光も消え、後にはルイズを抱きかかえる少年の姿だけが残されていた。

コルベールは自分が夢を見ているのではないかと疑った。
いや、今でも半信半疑だ。
だから見たままのことをオールド・オスマンに報告し、その指示を仰ごうとしている。

「『ガンダールヴ』は千人もの軍隊を一人で壊滅させるほどの力を持ち主だと伝えられておる。
あらゆる『武器』を使いこなしたともな。じゃが……」

オスマンは自慢の髭をなでた。
そしてすっと目を細める。

「『ガンダールヴ』が『光』を放ったなどという記述はどこにもない。
しかし『ガンダールヴ』だからと言って、必ずしも伝説の『ガンダールヴ』と同じ力があるとも限らん。
所詮伝説じゃからな。わからんことの方が多いわ」
「……それで、どうしましょうか?」

コルベールの問いにオスマンは目を閉じ、考えを巡らせた。

「まず、他に目撃者は?」
「……生徒が一人、その場に居合わせておりました。こちらには気づかず、すぐにその場を立ち去りましたが……」
「誰じゃね?」
「ミス・ヴァリエールと同じ学年の少女――ミス・タバサです」

729 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 01:41:04 ID:Uoowi820
ジッポ支援

730 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 01:42:08 ID:y2q4mtrS
オバケコワイ支援

731 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 01:42:20 ID:ZI7lOVcp
太陽神支援

732 :罪深い使い魔:2007/11/12(月) 01:43:12 ID:z9LXq81R
さんざん暴れまわって周囲の失笑を買ったルイズは、その後達哉の静止も振り切って図書館に戻ると、
自分と一緒に落っこちてきた本を達哉に手渡した。

「はいコレ。地図の他に、その地域に関する簡単な説明が書いてあるわ」
「……ああ、ありがとう」

足の痛みを堪えながら、達哉はルイズから本を受け取る。

色々と面倒なことはあったが、こうして本が手元に来るならそれは喜ぶべきことなのだろう。
……痛いのは簡便願いたいが。
そう思い、達哉は手元にある本を何気なく開いた。そしてあることに気づく。

「済まない、ルイズ」
「別に良いわよ。もうお仕置きは済んだもの。」
「いや……」
「ほ、本当は死刑なんだけど、ちゃんと助けてくれたし……だ、だからその……」
「そうじゃなくて……」
「忠誠にはその……何よ?」

ここでようやく達哉の異変に気づくルイズ。
一方の達哉は苦虫を噛み潰したような渋面を作り、非常に申し訳なさそうな声で、言った。

「字が……読めない」


かくして急遽『ルイズ先生の折檻授業』がスタートすることになった。

もう一度達哉の脛を蹴りつけたルイズは所謂『こくご』を勉強するのに使えそうなテキスト数冊と、
先の地図帳を図書館から借り出し、「ここじゃ集中できないから」と言って、達哉を連れて自室に戻った。
本音は……やはり、あんなことがあった図書館に長く篭るのは居心地が悪いのだろう。

それにしてもとんだ盲点だった、と達哉は考える。
普通に会話ができるので文字も読めるだろうと、勝手に思い込んでしまっていた。
しかし改めて考えてみれば、『会話ができる』というのがそもそも異常なのだ。
なぜ自分は話せるのか。そして読めないのか。
達哉はそのまま疑問をルイズにぶつけてみた。

「知らないわよそんなの」

ルイズ先生は横暴だった。今に始まったことではないが。
しかし、本当にこのハルケギニアはわからないことばかりだ。

自分は今日本語をしゃべっているのか?
それともハルケギニアの言葉を無意識に使っているのか?
それすらわからない。

「考えるだけ無駄か……」

こんな言葉を聞いたことがある。『気にしたら負け』だと。
ならば「そういうものだから」で納得するするしかないのだろう。達哉はそう結論付けた。

733 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 01:45:05 ID:ZI7lOVcp
たっちゃんって高校生にしては落ち着きすぎだよな支援

734 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 01:45:06 ID:N0hpZ1ho
寝ないとやばいが支援

735 :罪深い使い魔:2007/11/12(月) 01:45:25 ID:z9LXq81R
「どうしたの?」
「……なんでもない。ただファンタジーの便利さと不条理さについて少し考えていただけだ」

ルイズの言葉で達哉は思考を切り替える。
とにかく俺は文字が読めない。これでは本を読むなど雲を掴むような話だ。
ならば、覚える。普通一朝一夕で言語は学べないが、やるしかない。


今回ばかりはとルイズの机と椅子を借り、そこに先ほど借りてきた本を並べる。
達哉が本を開いてみると、なにやら絵本のような漫画絵にごく簡単なものと思われる会話文が挿入されていた。
なるほど、これなら勉強しやすそうだ。
なんとなく達哉は、中学生のときに使っていた英語の教科書を思い出す。

「英語、か……」

アメリカ人の血を引きながらも英語がまったくできず、それをコンプレックスにしていたギンコ。
怪しげな英語を使っていたミッシェル。
会話の端々に完璧な発音の英語を含んでいたエリーさん。

「……フ」

思わずため息が漏れる。
達哉自身は英語に関してこれと言った思い入れはないが、
こうして思い返してみると英語は割と身近にあるものだったと気づく。

そうやって物思いにふけった達哉の頭を、ルイズは容赦なくはたいた。

「っ!?」
「なにボケッとしてるのよ。文字を教えて欲しいって言ったのはあんたでしょ!?」
「……ああ、済まない」
「さあ、ビシバシ行くわよ!」

心なしか嬉しそうなルイズを横目に、達哉はため息をついた。


「――は、――で」
「と言うことは、――は――なのか?」
「そうよ。ここの――が――ってなって」
「――にかかるのか。なら――も……」

結果から言えば、達哉が予想していたほどの苦労はなかった。
ルイズに一度聞けば単語の意味はすぐに覚えられたし、始めて一時間ほどで簡単な文法も理解することができた。
これにはルイズのみならず、当の達哉も目を丸くする。
元々エリート高の七姉妹学園に通っていた達哉は、実は英語に関してそこそこ上位をキープしていた。
英語は体育に次いで得意な科目だったのだ。
しかしその達哉でも、自分の学習の早さがここまでとは思っていない。
それに学ぶというよりは、ド忘れしていた暗記内容を思い出すような、そんな感覚に似ていた。
達哉は「そういうものだから」のありがたみを実感した。

736 :罪深い使い魔:2007/11/12(月) 01:47:40 ID:z9LXq81R
ペラ……

ペラ……

ペラペラと、ページをめくる音だけがBGMとなった部屋で、無言で読書する二人。

ペラ……

「……ところでさ」
「……なんだ?」
「さっきの図書館……あんた、よく私を受け止められたわね」
「ああ……」

達哉は当時の状況を思い出す。

あの時はもう、バラすバラさないという問題は頭からなくなっていた。
ただ「助けなければ」という衝動に従い、『能力』を発動させたのだ。
結局ルイズにバレることはなく、人もいなかったようで騒ぎにはならなかったが
これは運が良かったとしか言いようがなかった。
今後も隠すつもりなら、あんなことが起こらないように注意しなければ。

「まあ、鍛えてるからな」
「なんで?」
「それは……」

昨日話したのはこの世界に来るまでの大まかな経緯だけだったので、
今回はもう少し詳しい説明――戦いの日々について語る。
ただその相手である、悪魔やらカルト宗教じみた集団やら軍隊やらを説明しても
どうせまた疑われるだけなので、具体的に何と戦っていたかは適当にぼかしておく。

「ふーん」

納得したのか、してないのか。そんな微妙な返事。
しかしこちらの説明も微妙なものなので、ここはお互い様と言うべきだ。
達哉は再び手元の地図に目を落とした。


ペラ……

「……ならあんた、強いのね?」
「……どうかな」
「なによ、その曖昧な返事」
「メイジと比べて、どの程度強いのかわからないからな」

達哉のその言葉は、謙遜ではない。
見も蓋もない言い方をすれば、勝負なんて時の運だ。勝てる時もあるし、負ける時もある。
しかし人間がアリ相手に負けることなどほぼ100%ないように、絶対と言い切れるほどの確率で勝てる相手というのはいる。
そういうものの数は、多分普通の人間よりは多い。
それに戦闘時のメイジがどの程度の力を発揮するのかも未知数だ。現時点では答えようもない。
しかしルイズにとって、その答えは呆れるものだった。

「メイジ相手に勝てるわけないでしょ。あんた平民なんだから」
「ああ……」

気のない返事をする達哉。ルイズもそれっきり何も言わなくなる。

737 :罪深い使い魔:2007/11/12(月) 01:49:44 ID:z9LXq81R
ペラ……

「……でももしかしたら、傭兵には勝てるかもしれないわね」
「傭兵?」

どうでもいいが、さっきからやたらと話しかけてくるな。
そう思いつつもしかし、本を読む片手間に会話するのは苦じゃないので、達哉も普通に相手をした。

「金で雇う兵隊よ」
「そいつらも魔法を使うのか?」
「使うのもいるけど、大半は使えないわ。使えるのは貴族崩れの傭兵だけね。
魔法が使えるのは王家か貴族の生まれだけだもの」
「そうか」
「で、どうなの? 勝てそう?」
「魔法が使えない傭兵相手なら勝てると思うが、実際に戦ってみないとわからないな」

魔法が使える傭兵については触れない。その答えは先ほど聞いたばかりだ。

「まあそうよね」

ルイズもそれで納得した。


ペラ……

「……でもあんた、戦うって言ったって武器持ってないじゃない」
「……こっちへ来る時に武器も防具も置いてきたからな」

正しくは「持って来れなかった」のだが、この際どちらでも一緒だろう。

「ああ、でもひとつだけ持ってこれたものがある」
「なによ?」
「これだ」
「なにコレ?」
「カルマリング。持ち主の攻撃力を増強させる、まあマジックアイテムみたいな物だ」

理屈はわからないが、なぜかこれだけは持って来ることができたのだ。本当になぜだかわからないが。

738 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 01:50:52 ID:VjnB35GT
メイジに平民が勝てるわけないっていうけど三寸切り込めば人は死ぬのだ
支援

739 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 01:51:05 ID:ZI7lOVcp
これは・・・支援

740 :罪深い使い魔:2007/11/12(月) 01:52:00 ID:z9LXq81R
「ふーん。ちょっと貸して」
「ああ」
「……えい!」

どっかん

「っ、いきなりなんだ……!?」
「いや、本当に効くのかと思って、でも凄いわねコレ。あんたの体が吹っ飛ぶなんて」
「遊びで使うな! さっさとそれを返せ!」
「嫌よ。使い魔の物は主人の物。これはあんたへのお仕置き用に使わせてもらうわ」
「ルイズ!」
「心配しなくても、戦う時には返してあげるわよ」
「……本当だな」
「あんたがお行儀良くしてたらね」
「…………」

……言うんじゃなかった。

達哉のSTRが15下がった。
ルイズのSTRが15上がった。


ペラ……

「……それでさ」
「……なんだ?」
「睨むんじゃないわよ、生意気ね。それはそうと結局、あんたは何で戦ってたの?
この、カルマリングっていうの持って」
「…………」
「……素手?」
「いや……剣だ」
「何よ、今の間?」
「なんでもない。『主に』剣だ」
「……なんか引っかかる言い方だけど、まあいいわ。ふーん、あんた剣使えるんだ」
「ああ……」

741 :罪深い使い魔:2007/11/12(月) 01:54:10 ID:z9LXq81R
ペラ……

「……そう言えばさ」
「……今度はなんだ?」
「あんた、一緒に戦ってた仲間がいたって言ったじゃない。
やっぱりみんなで剣持って突撃、とかやってたの? 傭兵みたいに」
「剣を使っていたのは俺と、あと二人だけだな」
「じゃあ他は何使ってたのよ」
「……まず一人は、拳」
「素手!?」
「あと……銃」
「……ああ、あの平民が使うやつね」
「この世界にも銃があるのか?」
「だからこの世界って……ええ、あるわよ。もっとも弓より射程が短いし、
一発一発撃つのに時間がかかるからあんまり人気ないけど。それで他には?」
「他には……銃」
「銃はさっき聞いたわ」
「結構多いから、仲間になった順に思い出してるんだ。次は……また拳」
「……お金なかったの?」
「いや、その方が戦いやすかったらしい」
「ふーん、変なの」
「次は……花」
「花?」
「花を投げて使うんだ」
「花なんて投げたって痛くもなんともないでしょ」
「いや、ちゃんと茎が刺さるんだ。威力もかなり高かった」
「……どうなってるの、それ?」
「俺にもよくわからない。他は……そうだな、一気にいこう」
「あら、どうしたの急に?」
「一度に仲間になったんだ。残りは拳、銃、コインだ」
「……コイン? ていうかまた拳が含まれてたわよ」
「二人ともそういう武器だったんだ。そして、とても強かった」
「……で、コインやら素手やら花やらで戦ってる人達がいる中で、あんたは剣振り回して戦ってたわけ?」
「ああ」
「…………」
「どうした?」
「どんな集団よそれ!?」
「…………」

742 :罪深い使い魔:2007/11/12(月) 01:56:26 ID:z9LXq81R
…………

「どうしたの?」
「…………」
「なんとか言いなさいよ!」
「…………」
「あーその、仲間のことを悪く言ったことは、謝るわ。そうよね、あんたにとっては大切な仲間だもんね」
「…………」
「……タツヤ?」


「……改めて考えるとわけがわからない。本当、凄い集団だ」
「……あんたもその中に含まれてることを忘れるんじゃないわよ」


ペラ……

ペラ……

ペラ……

「ていうか剣使う二人はいつ仲間になったのよ?」

この日はそんなやり取りが、二人が夕食を食べ損ねたことに気づくまで続けられた。


投下は以上です
支援ありがとうございました
今回の話は幕間みたいなものなので、あまり深く考えないでください



743 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 01:58:41 ID:ZI7lOVcp
罪の人乙
一つ突っ込むと
ゆきのさんがいない
あの人投具だし

744 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 02:03:43 ID:z9LXq81R
ああ、そうだったorz
慣れないことはするもんじゃないな…
まあ、後日修正するとして今日はもう寝ます
おやすみなさいノ

745 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 02:05:00 ID:y2q4mtrS
お休みなさい

746 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 02:06:31 ID:ZI7lOVcp
おやすみなさーう

747 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 02:07:38 ID:bBStfMw1
こうして並べると、ペルソナ使いって奴らはとんでもねえ変態集団だなw

748 :小ネタ:2007/11/12(月) 02:07:58 ID:fiLraCP5
「使い魔のしつけくらい、ちゃんとして欲しいものだねゼロのルイズ」
「貴族だから、魔法が使えるからなんだって言うんですか!」
「な…!」
「魔法が使える人でも、二股かけずに本命一人に絞ってる人は沢山います!
あなたは自分のしたいことをしているだけです!
自分が二股かけて怒らせたことを、他人や生まれのせいにしないで下さい!」
「くっ…、そこまで言われて黙っているわけには…!決闘だっ!」
「魔法が使えないのに決闘だなんて…!危険です!」
「大丈夫」
「!!」
「ルイズ様は負けません!」

………

「「「「アンタが戦うんじゃないの!!??」」」」


*********

幻想水滸伝5のリオン召喚
…カッとなってやった。今は反省している

そして罪の人乙
お休みなさい

749 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 02:08:53 ID:FknucrYA
罪の人乙!
ペルソナメンバーは変体揃いだなwww

750 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 02:10:53 ID:R+b81ZOc
旋律>>乙です

小百合先生のスペックは、登場人物中2nd

アルフレッド・ココの51000が1st
黒船が確か25000
奏王ホルが確か23000

751 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 02:13:13 ID:ZI7lOVcp
変態じゃなくて個性的なだけだと思うんだ。

752 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 02:13:30 ID:NFvGmibP
今書いてる物語でサイトをだしてくてキュルケにサイトを呼ばせてみたんだけど
なんかサイトがフレイムのごとく堕落したキャラになってしまったorz
素直に別の虚無の人に召喚させるべきか…。

753 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 02:15:37 ID:ZI7lOVcp
でかちちエルフかガリアのおっさんだな
サイトが喜びそうなのは言わずもがな

754 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 02:15:52 ID:NFvGmibP
おっと言い忘れてた。
罪の人乙。

755 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 02:23:38 ID:xYlZkq2F
>752
ガリアのオッサンにパソコンでチェスの相手してやったら喜ぶかもよ
そのあと「オレの敵」扱いされてバシバシ刺客がやってくるのをかわしながら
タバサと手を取り合ってガリアを転覆するんだ

ジョゼフは自分の中じゃ、某かみとかそんな感じ

756 :ドラ魔 ◆G7cjqMkpbg :2007/11/12(月) 02:46:31 ID:rCr/lmKW
お久しぶりの投下予告

予約はあるかね?

757 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 02:46:57 ID:FknucrYA
 か ま ん

758 :ドラ魔 ◆G7cjqMkpbg :2007/11/12(月) 02:51:39 ID:rCr/lmKW

それではザーボンさん、上部投下ハッチを開けなさい


夜 トリスティン魔法学院・通路

コッ、コッ、コッ…

廊下に足音を響かせて、ミス・ロングビルは自分の寝室に戻る途中だった

「まったく…あのスケベ爺の相手は疲れるもんだねぇ…」
呟きながらも彼女は足を止めず、そのまま進む
今日やった仕事の他にオスマンへの制裁が加わり、一刻も早くベッドで寝たいのである
ちなみに、オスマンは学院長室の椅子ですでに三千世界へと旅立っていいる
この爺、まったく懲りていない

「……ま、愚痴言ってもしょうがない。明日も早いしとっとと」


     ズウン…!


「…寝よう、って時にィィィィ!!」

そう言って、ロングビルは窓の外の巨大ゴーレムに怒りの視線を向けた


ドラが使い魔 「『土くれ』のフーケ」前編


759 :ドラ魔 ◆G7cjqMkpbg :2007/11/12(月) 02:54:38 ID:rCr/lmKW
同時刻、ルイズの部屋では

「大体何よ、その貧相な体つきは?16にもなって凸凹がほとんど無いなんて笑わせるわ」
「フン、アンタがありすぎなのよ!それに、貧乳はステータスよ!希少価値よ!
 アンタみたく無駄に腫れてるほうがよっぽどおかしいのよ!」
「あら、男性がもっとも好むのは ボン!キュ!ボン!のグラマーな女性なのよ?
 そんなことも解らないなんて、やっぱり「ゼロ」ね」
「ムキー!なぁんですってぇーーーー!!」
ルイズとキュルケが激しく口喧嘩をしていた
何でこんな事態になったかというと

― 10分ほど前 ―

町から戻ったマタドーラとルイズは部屋で話し合っていた

「で、どうやってその剣の錆を落とす訳?」
「ああ、こいつを使うんだ」
そう言ってポケットをあさると、一本のスプレー缶を取り出した

「【瞬間錆取りスプレー】!」
あさっての方向を向いて道具の名前を告げるマタドーラ

「こいつを錆びてる部分にシューッ、と吹きかけると錆が泥みたく落ちてくんだ」
「へー、そいつぁ便利だな。よし、やってくれや」
マタドーラの説明を聞き、感嘆の若干混じった声で促すデルフ
その言葉を聞いてスプレーをデルフの錆びた刃に向ける

「…ただ、若干しみるからちょっと我慢しろよ」
「ちょっとってどんぐらいだ?」
「……俺も前に手入れを怠って角が錆びたことがあってな
 そのとき使ってみたんだが…」
「…どうだったんだ?」
「……」
デルフの問いに、マタドーラは答えない


760 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 02:58:40 ID:G+GY0ngl
支援

761 :ドラ魔 ◆G7cjqMkpbg :2007/11/12(月) 02:58:47 ID:rCr/lmKW
「な、何とか言ってくれよ相棒!?」
「…許せ、デルフ……」
「ちょwwおまwwwww 待っt(ry」


       ぷしゅー


空気の抜けるような軽い音の後

「……GNYAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」
女子寮内に、哀れなインテリジェンスソードの断末魔が響いた

「ちょっと!うるっさいわよルイズ!」
その数秒後、キュルケが文句を言いに部屋に入ってきて―――

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
     いま
「―――現在に至る、ってわけか」
マタドーラの言葉に、その隣で彼と同じく桃毛と赤毛の口論を見ていた
蒼い髪の少女がコクン、と頷く
彼女は偶然キュルケの部屋にいて、この騒ぎに巻き込まれたらしい
ちなみにデルフは放置されている

「ところで青い髪のセニョリータ、君の名前は?」
「…タバサ」
「苗字はないのかい?」
「事情があって言えない」
「…ん、そうか。ならいいや」
「…助かる」
マタドーラの質問に無表情で答えるタバサ
ルイズとキュルケの口喧嘩大バトルとあわせて、第三者が見ればさぞかしカオスな光景だろう

「しっかし二人ともよく飽きずにやってられるよなぁ
 タバサ、お前はキュルケの友達だろ。いつからこうなんだ?」
「1年生のころからこう」
「ふーん。ま、そんなころからこの状態ってことはあれだな。昔からよくいうやつ」
「…多分、それだと思う」

「「喧嘩するほど…」」

「「仲良くない!!」」

マタドーラとタバサの揃った声に、同じく揃った声で答えるルイズとキュルケ


762 :ドラ魔 ◆G7cjqMkpbg :2007/11/12(月) 03:01:25 ID:rCr/lmKW
「ほら、息ぴったり」
コクン、と頷くタバサ

「「だから違うってb…」」


     ズウン…!


彼女達の否定の言葉を遮って、地響きの音が聞こえた

「な、何!?」
「私に聞かないでよ!」
パニックに陥るルイズとキュルケ(やはりと言うか似たもの同士である)に対し、
タバサとマタドーラは冷静に、しかし警戒しながらも音のした窓の外を窺う

「な、何だありゃぁ!?」
マタドーラの視線の先には巨大な土の人影があった
呆然とするマタドーラとルイズ、キュルケとは別に、それの正体を見抜いたタバサが呟く

「ゴーレム…!」
「あれが!?ギーシュの奴の倍以上はあるぜ?」
「恐らく、あれを作ったのは「トライアングル」クラス…
 そしてギーシュは「ドット」クラス…」
「…比べ物になんねぇって訳か」
二人が会話している間にも、ズシン、ズシンと音を立てて校舎のある場所へ向って行く

「宝物庫の方へ行く…」
タバサのその声に、ハッ、とするルイズ

「…泥棒か!ルイズ、急いで……」
先生に知らせに、とマタドーラが言う前に

――ザッ

窓の縁に足をかけ

「なっ…!?」
外に飛び出したのは――

「…ルイズ!?」
タケコプターを頭に付けた、桃色の髪の、マタドーラの主人の姿だった


763 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 03:04:09 ID:z6QUmq5N
sien

764 :ドラ魔 ◆G7cjqMkpbg :2007/11/12(月) 03:07:35 ID:rCr/lmKW
短いけど、とりあえず投下終了ーー
支援あじゅじゅしたー
さーて寝るべ

765 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 03:07:47 ID:soBD405n
ドラ魔の人ずっとまってたぜ!!支援

766 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 03:21:56 ID:e+a78RLE
ドラ魔の人、乙でしたー

今、投下よろしいですか?

767 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 03:30:54 ID:cU/Q/frh
ドラ魔の人お久しぶり&お疲れさまっした!
でもって投下かもんなう

768 :アカイロマジカル:2007/11/12(月) 03:35:08 ID:e+a78RLE

それじゃ誰もいない様なので投下しますね。

第二幕
虚言妄想(狂言盲壮)





白状させれば勝ちっていうゲームをしよう。
いいよ。なにを白状させる?




窓からは、結構な量の光が降り注ぎ、ぼくの頬を焼く。そしてぼくは、驚き、目を覚ました。
「えっ?」
 部屋は……明るっ!ぼくは窓の外を見ると、太陽は憎々しげに斜め上に輝いていた。大体十時頃だと思う。確実に寝すぎだった。
 ぼくは確実にモンモランシーに叱ら(シバか)れる。そうなると、本日のぼくの生命が終演を迎える事は間違いない。
 それは何度も行使されたことだ。すなわち、ぼくの私刑は確定。身体がぼくの意思に反し震えた。
ぼくは只々、神に救いを求める。何故にこの善良なぼくが……善良は言い過ぎか。 やり直し。何故にこの少々有害なぼくが、こんな悩まなくてはならないのか。
 まぁ、ぼくが神ならお前が有害だからだよ。と言う事はあえて考えない。
と、自分へのいいわけを考えたり考えなかったり。まあ、主に考えなかったり。
 ぼくはため息を一つつく。
「不覚だ。こんなに寝てしまうなんて」
と、何となく、規視感、つまりはデジャブを感じる……なんか朝方に暴風が舞い込んできた気がする。しかし窓は閉まってるし。寝ていたのに起きる筈もないしなぁ。
まぁ、いいや。大抵こういう感覚は気のせいなんだよね。

とりあえず、ぼくは着替えを済ませる。ぶっちゃけた話、とても面倒くさい。
 この作業をすると。ぼくは実家に居た時の事を、たまに思い出す。


769 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 03:37:39 ID:z6QUmq5N
しえん。

770 :アカイロマジカル:2007/11/12(月) 03:38:36 ID:e+a78RLE
 あの高慢な父や母や兄達。彼等は何もおかしくはないのだろう。……ただ、ぼくが。いや、ぼくだけが異端であり異常であるだけ。だから、代替物か。
 最低な気分だ。
 ぼくは気分を変えるため、本日の薔薇を胸に差す。
 よし、気分転換完了。
 しかしなぁ、我ながら単純な思考だな。と、ついつい自虐的になりそうになる。――自重。

……さて。今日はどうしようかな?
1、今から教室に急ぐ。
2、とりあえずほとぼりが覚めるまで退避。
選択肢にした意味は無い。ぼくは迷わず2を選んだ。朝から私刑は流石に、キツいんだ。
 だが、その時ぼくの脳に天恵が下った。
……ああ、そうだ。ヴェルダンデに餌とかをあげないと。うん。どばどばミミズは見つけにくい物だよね。うん。
いやぁ、まさかこんなに時間が掛かるとは。しかし、ぼくは妥協をしない。だって大切な使い魔じゃないか。多分。

ぼくは使い魔用の厩舎に向かった。
わりと全速力で。






使い魔に餌をあげ終わり。水場に移動していたぼくは。自分の考えの無さを呪った。
 やはり唾液の洗礼は凄まじく。髪から上着に掛けては、まるで洪水の後の難民の様な様相だった。
そういえば、モンモランシーの実家に近いラグドリアン湖はなかなかに綺麗だった。少し休みが出来たら、モンモランシーを誘って行ってみようかな。
 ちなみに。洪水でモンモランシーを連想する事は、彼女には言えない。ぼくだって自殺はしたく無い。
そして水場についたぼくは、髪と上着を洗う。そうこうしている内に、後ろから声を掛けられた。
「どうかなされましたか?」
振り向いて確認すると、洗濯物を大量に抱えたメイドだった。


771 :アカイロマジカル:2007/11/12(月) 03:43:33 ID:e+a78RLE
 どうしてくれるんだ、きみは! もしぼくが後ろに立たれたら即死する病に侵されていたら、確実に死んでいたんだよ! 軽率じゃあないか! 決闘だっ! とは常識人のぼくは言わないのであった。
 ぼくは、彼女を見た。年の頃は多分、ぼくと同じ位だと思う。
 まあ、別に歳がずれていたって口に出さなければ、誰かに迷惑を掛ける訳では無いはずだ。……しかし、何となく気になる。なんだろう?
ぼくは、なるべく貴族足るように気取りながら答える。
「少しね髪の毛と服を、汚してしまったんだよ」
 べ、別にぼくはこのメイドの気を引こうとか常軌を逸したメイドマニアとかそういう類いじゃないんだからねっ!薔薇なんだから!何となく眼が気になるだけなんだから! と、句読点を一切廃したかの様な廃人思考をしていると。
「あの。もし宜しければ、上着だけでも洗いましょうか?」
 多少の気遣いが嬉しいかも。しかし実は、彼女はぼくに邪魔だから退けよ、この童貞野郎! と、思っているに違いない。うん。被害妄想万歳。
「いや、いいよ。もうすぐ終わるしね。それより隣どうぞ。重いでしょ、それ」
 事実、上着は洗い終わったし。
ぼくは洗濯物を指差す。そして彼女はにこやかに笑いながら。
「はい。実は少し重いんですよ」
と、言った。やっぱり違和感。なんなのだろう、この子。
ぼくは、彼女に話し掛けた。
「いつもそんなに量が有るのかい?」
「大体こんな物ですよ。あぁ、でも今日はジュンさんの服がある分少し多いですね」
ふうん。大変だね。ん、ジュン? ううむ。なんか聞いたことが有るような。って、何だ、その赤一色の服?
「ジュンさんは凄いですよね? こんな格好良い服とかも、ちゃんと着こなせますし……普通の人だったら浮いちゃいますよね?」
疑問系で聞かれても困る。第一ぼくは、こんな赤い服を着ている人を見たことがない。
 いくら記憶能力に少々問題があるぼくでも。そんな派手な人は忘れないはずだ。
ぼくが反応を返せないでいると。
「……ええと。もしかして、ジュンさんの事を知らないのですか?」
「知ってる知ってる。アレだろ?アレ。やたら槍とかを避ける奴」はぐらかしてみる。


772 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 03:44:08 ID:z6QUmq5N
支援

773 :アカイロマジカル:2007/11/12(月) 03:49:12 ID:e+a78RLE
「……知らないのですか?」
 目が、冷たい。
「知ってるよ! 知ってんだよ! 多分!」
 逆切れしてみる。しかし、多分が付いたせいで説得力は皆無だろう。
彼女は、倒置法を駆使し。ぼくを追い詰める。少々気持ち良くなってきた。はい、降参。
「……はい。知らないのです。どうか、この愚民であるぼくに教えたまえ。フハハ」
 もう、なにがなんやら。ぼくは、考えるのを止めた。のは、真っ赤な嘘である。もしくは、嘘じゃないのかも。
彼女はぼくを見つめ微笑んだ。……ああ、なるほど。そういう事か。
そして彼女は口を開く。
「ジュンさんは、ミスヴァリエールの使い魔ですよ。さらに、なんと平民なのですよ」
 彼女は、まるで自分の事を自慢するかの様に。腰に手を当て胸を張った。ちょっと可愛い。
「ふーん。そうなんだ」
「反応、薄っ!」
きみの反応が大きいんだよ。それに、その件に関してはあり得ない事でもないかな。
「うぅ。じゃあ、これでどうですか?―――――ジュンさんは天才であり、人類最強なんです!」
「な、なんだってー!!」
ぼくは驚きを隠せずに叫んでしまう。ま、まさか、天才で人類最強でもあるなんて。
「反応大きっ! って、信じていませんね?」
「信じてる、信じてる。世界における格差社会の完全撤廃の可能性くらい信じてるよ。本当、ほんと」
「つまりは、人間絶滅しろと!」
うぅん、面白い。飛躍したなぁ。
「ああ、いけない。厨房に行かなきゃならないのでした」
 昼を知らせる鐘が鳴った。
彼女はぼくに礼をし身を翻し厨房に向かう。
 ぼくは彼女を引き止めた。
「名前を聞いていいかい? ぼくはギーシュ」
「申し遅れました。私は、シエスタといいます。ギーシュ様」
「ギーシュでいいよ。ねぇシエスタ、一つ失礼な質問していいかな?」
 ぼくは彼女に聞かなくてはならない事がある。そのジュンって人も気になるけど。
「ええ、構いませんが」
 シエスタは頷いた。



774 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 03:51:03 ID:z6QUmq5N
赤い人からぎーたんと呼ばれるのだろうか支援。

775 :アカイロマジカル:2007/11/12(月) 03:52:06 ID:e+a78RLE
「ねぇ、シエスタ。きみは生きていて楽しいかい?」

シエスタは、まるで空洞の様な深く暗い瞳を、ぼくに向け。
「やだなぁ、ギーシュ様。『楽しい』なんてある訳ないじゃないですか」

 と、言った。そして続ける。

「それでは。貴方はどうなのですか?」

 ぼくは、その言葉に揺れた。
そして、シエスタはぼくの返答を聞かず。厨房に向った。

 ぼくは。誰にも聞こえない様に、呟く。


「楽しいよ。すごく、ね」


言葉は、誰にも届かなかった。


776 :アカイロ:2007/11/12(月) 03:53:33 ID:e+a78RLE
投下終了です。
支援ありがとうございました。

777 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 04:10:48 ID:buLPpXvo
赤い制裁乙
ぎーたん次は決闘カナ?

778 :豆粒ほどの小さな使い魔:2007/11/12(月) 04:47:16 ID:m1o9PH2u
人類最強って世界が変わろうと規定事実なんですね。

道が開いてたら投下します。

779 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 04:50:11 ID:6+InsXYt
>778
夜中に乙です! 支援!

780 :豆粒ほどの小さな使い魔17 1/4:2007/11/12(月) 04:51:23 ID:m1o9PH2u
シルフィードが、つい口を滑らせたこと。
タバサのお母さんが、重い病気に掛かってるって。
思わず振り返って、こちらに気づかずに話してるタバサとルイズを見た。
私はルイズが病気のお姉さんのことで心を痛めていることを知っている。自分を追い詰めるほどに魔法に執着してたのも、その人にこれ以上心配をかけたくなかったからだということも。
本当に優しくて、意地っ張りな二人だ。
ああ、分かってるシルフィード。言わないから。
ルイズがもどかしい思いをしているのは知ってる。本当は水の、治術魔法を使えるようになりたいんだって。
タバサも、もしかしたらそうなのかな。
奇麗に隠し切ってるつもりでも、図書館から持ち出した古い治術の本を、読みにくいと怒りながらあんなに一生懸命覗き込んで。
二人とも、心の奥底では気がついてるんじゃないかな。
「デモネしるふぃーど、るいずハ、少シズツダケド、誰カニ甘エルコトモ、悪イコト違ウッテ、分カッテクレタヨ」
「おねえさまも、ルイズさんがシエスタさんたちと一緒なの、羨ましそうに見てたりするのよ」
だから余計に見てて切ないのだと尻尾を捩る。
魔法があるのに、魔法でも治せない病気があるなんて、私の知ってる人間の世界と一緒だ。こうして大切な家族のために頑張ろうとする人がいるところも。


「るいず」
「なぁに、ハヤテ」
魔法の練習に、キュルケやタバサ、時にはシエスタまで混じるようになったおかげで、今日みたいに練習そっちのけで白熱することもある。けどルイズは口では文句を言いながらも、それはそれで楽しそう。だから私も嬉しい。
「きょむニモ、治術アルノ?」
「……知らない。分からないわ」
「ソッカ」

781 :豆粒ほどの小さな使い魔17 2/4:2007/11/12(月) 04:53:15 ID:m1o9PH2u
先生も資料が殆ど見つからないって言ってたし。
「私、治術を調べてるって前に話したっけ?」
「ドウダッタカナ? デモ、言ワナクテモ、見テタラ、分カルヨ」
ルイズは、真っ直ぐだから。
それって褒め言葉に聞こえないとぶつぶつ言ってるルイズの頬が赤い。
ふと、視線を遠くに向ける。
「見てたら分かる……か」
考えてるのは、多分、タバサのこと。
タバサも真っ直ぐだもんね。
邪魔しちゃいけないから、黙ってルイズの肩に座ってた。

頼まれたら、調べることできる。
でも、タバサはルイズの友達だから、きっと自分で話しに行くんだろうな。


* * *


タバサとは、少しずつ仲良くなって来てる。本人のことはそれなりに分かってきたけど、、でも背景については殆ど知らないまま。
言いたくないのと、言えないのが混ざってるみたいで、時々口を噤む姿に、そうさせてしまったことに自己嫌悪する。
ちい姉様。他家ならどうだっただろうと想像すると、とても嫌な唾が口の中に。
家名を重んじる家なら、ちい姉様のことを家の恥として幽閉するかもしれないって。
ちい姉様はヴァリエール家からは出られないけど、それは幽閉じゃないもの!
お父様やお母様、エレオノール姉様だって、一日でも早くちい姉様に外を歩けるようになって欲しいって願ってる。
私は、タバサと自分を重ねて見ようとしてるのかな。
もうすぐ聖エヴェングルドのお祭りがある。虚無の曜日と合わせれば、五日間の連休。
生徒たちも家に帰る。二年生は家族に使い魔をお披露目する意味もあるし。
そのときに、タバサを招待したい。
ちい姉様に会って欲しい。私では届かない、悔しいけど、きっとちい姉様なら。



782 :豆粒ほどの小さな使い魔17 3/4:2007/11/12(月) 04:55:22 ID:m1o9PH2u
「カトレア姉様は、子供の時から身体が弱くて、殆ど寝たきりなの」
朝の散歩のときに、タバサをヴァリエール家に招待したいと言ったら、無言で真っ直ぐな視線を向けられた。
「私が治術を調べているのは、もう知ってるでしょう。私に何ができるか分からないけど、でも何かをしたいから」
何も言わなくても、タバサが共感してくれてるのが分かる。
無表情で何を考えてるのか分からないとか冷たいとか陰口を叩かれてるけど、そんなことない。
「ちい姉様は、私たちに不満をぶつけたことは一回もないし、ありがとうといつも言ってくれる。だけど家族以外とは殆ど会えないから、きっと本当は寂しいんだと思うの」
だから、タバサに来て欲しい。
「……キュルケとシエスタは?」
言外に、私をゼロと呼ばない人を、と言うのが伝わったんだろう。
「もちろん呼ぶわ。来てくれるかどうかは分からないけど」
滞在は無理でも、寄り道はしてくれるかもしれない。キュルケなんて隣領なんだから。
「返事は今じゃなくてもいいから。考えておいてくれると嬉しいわ」


手を差し出すのは、勇気がいる。
もしも、撥ね退けられたらどうしようとか、色んなこと考えちゃうし。
もっと違う言い方した方がよかったかな。何も祭りの時期だからって焦らなくてもよかったんだし。
「ハヤテ、私のはお節介だった?」
窓辺で笛を吹いていてくれたハヤテが、ぴょんと机に跳んで来る。
「るいずハ、ヨクバリダカラ、全部イッペンニヤロウッテ頑張ッテルンダネ」
かくんと頬杖を着いていた手が外れる。ちょっと、それどう言うことよ!
「スゴイナッテ、思ッタンダケド」
欲張りなんて、褒められてるような気がしないわよ。
「るいずハ、オ姉サンノコトガ、大事デショウ?」
「当たり前じゃない」
「ソレニ、たばさノコトモ好キ」


783 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 04:56:56 ID:6+InsXYt
支援!

784 :豆粒ほどの小さな使い魔17 4/4:2007/11/12(月) 04:57:24 ID:m1o9PH2u
い、言い切らないでよ。そりゃ嫌いじゃないけど。で、それとどういう関係があるのよ。
「ダカラ。るいずハ、好キナ人ミンナニ笑ッテ欲シインダネ」
私は、そんなハヤテが言うみたいな良い子じゃないのに。
頑張ってるときに、よく頑張ったねって、褒められたみたいで、目がちょっと、潤みそうになった。
ちい姉様のことを考えてるときにタバサのことが頭から離れなくて、タバサのことを考えてるときにちい姉さまのことを、
二人を蔑ろにしてるみたいで、罪悪感みたいなのを感じてたんだ。
「欲張りでも、いいのかな」
あの二人に悪いなって思ったのは、きっと、私が魔法の階梯を一歩登ったから。
自分がゼロから抜け出したのはもの凄く嬉しい。でもだからこそ、ちい姉様が部屋に閉じ込められてるのが、タバサが一人きりで頑張ろうとしてるのが、見てるのが痛くて、何かしたかったんだ。
欲張りで、我侭だ。こんなのちっともタバサのためじゃない。
「るいずハ、恥カシガリヤ、ダネ」
うるさいっ
「モシるいずガ、ころぼっくるダッタラ、アダ名『恥かしがりや』ニナッテタト思ウヨ」
やだっ もう見ないでよー
制服のままだったけど、ベッドに逃げ込んだ。シーツを頭から被る。
違うんだから。私は我侭でタバサを誘ったの。その方がちい姉様が喜ぶから、だから――
ふわ、と。本当に軽い感触、小さな手が、私の頭を撫でてくれてる。
子ども扱いされてるのに、振り払う気にならない。
制服、しわになっちゃうなってちょっとだけ思ったけど。今日はこのまま……


「行く」
「本当? よかった、ちい姉様きっと喜ぶわ!」
キュルケとシエスタも、帰郷を一日遅らせて、ヴァリエール家に来てくれることになったし。
何だかピクニックの延長みたいねとキュルケが言ってたけど、実際そんな感じだ。
手紙、書かなきゃ。ちい姉様に。

友達を紹介します って。

785 :豆粒ほどの小さな使い魔:2007/11/12(月) 04:58:27 ID:m1o9PH2u
投下終了。
>『ハズカシガリヤ』
実際コロボックルには『キムズカシヤ』というあだ名の人もいます。
もしくは『ツンデレ』でも可(笑)

それと、いつも感想ありがとうございます、すごく嬉しいです。
ちゃんとコピペして、疲れたときに見返してます。

786 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 05:00:58 ID:6+InsXYt
>785
乙です!
うーん、ほのぼの感がいいな〜
タバサ&キュルケが、ちぃ姉さまと会う展開は楽しみ


787 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 05:03:10 ID:cU/Q/frh
おつかれさまでしたー
深夜というかもはや早朝と言っても差し支えない気もしますがw。

しかしつくづくこの話はほのぼのとしてて和むなぁ。
アンリエッタやワルドが絡まないとこんなに平穏なのか魔法学院。

788 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 06:48:10 ID:0dVF+A90
クリトリスほどの小さな使い魔!!
クリトリスほどの小さな使い魔!!

789 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 07:53:12 ID:pG0rKm2F
今日のワ■■の時間

790 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 08:09:17 ID:KSuay4ts
わんこ?

791 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 08:16:33 ID:oAukZFrq
平賀太一が召喚されましたってのを書いてみるか
平賀違いだが

792 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 08:21:15 ID:XlzNkMSd
あの人、素でガンダールヴですからw

793 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 08:22:20 ID:A6oGAlSB
どんなものでも武器にするし・・・

794 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 08:23:01 ID:fbAoTJPt
ルイズとの契約のシーンで

マルコメ「タ、タイチ〜〜……!」

となって彼との因縁が続くわけでスね

795 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 08:26:42 ID:3ZQq4913
ならば平賀源内が召喚されましたってのはどうだ
R.O.D の

796 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 09:00:03 ID:+Rq9xe0v
ハルケギニアでもキートンは古代文明発掘とかやりそう。
そういえばSASに入ったり
戦争にも行ったりしてるんだよな。

797 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 09:05:31 ID:NmHCgZGJ
食堂でのゴタゴタの中、落ちてた香水瓶をいつものクセでポケットに入れてしまうタイチ
そしてそれが後日の勝利の鍵に

798 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 09:21:42 ID:yYBhrZq+
>>797

「こういう風の日には銃器より投擲の方が効果が高いことがあると教えたでしょう?」

と、香水を投擲するキートンに一撃必殺されてしまうわけかwwキートン、異様に投擲物の
命中率いいんだよな。大リーガー並

799 : ◆m9.upBLdeg :2007/11/12(月) 09:25:14 ID:epvtDvgX
1分後に投下します

800 :ゼロの使い魔ももえサイズ−3 ◆m9.upBLdeg :2007/11/12(月) 09:26:51 ID:epvtDvgX
拝啓、私の王子様<br>
すごいです。私、王子様の顔を見ただけですごくどきどきしてしまうんです。<br>
この思いを王子様に伝えたい………でも私は臆病だからそれをいまだに伝えられずにいたんです。<br>
だから私、この思いをチョコレートにこめました。私の愛の手作りをどうか召し上がってください。 しらとりく……死神ももえ<br><br>
「で、それが愛の手作りチョコなわけ? 明らかにシエスタに作ってもらってたけど。」<br>
「そーだよ。これが愛の手作りチョコレート 私料理下手だから。」<br>
リボンで梱包されたチョコレートをさも自分のものかのように扱うももえであった。<br>
「いいんですよ。私はモモエさんのお世話をすることが数少ない生きがいなのですから。」<br>
「………! ねぇちょっと、あんたシエスタに何したのよ! 何したのよーーー!!!!」<br>
にっこりと曇りない表情で微笑むシエスタをよそに、ルイズはももえの襟首をつかんでがくがくと上下させ続けた。<br><br>
これが投稿されたらうどん食べて寝る「ゼロの使い魔死神フレイムデルフリンガーシルフィード二年生ももえサイズ」<br><br>
馬に乗って帰ってきたルイズは、先に帰ってきてたももえ達から自分達が学院内でしばらくの謹慎を命じられたことを知った。<br>
仕方ないとはいえルイズは思わず肩を落とした。しかしももえは相変わらずの様子だ。悪魔はこの学院内にまだ潜んでいるらしいが………<br>
「洗濯をしてきなさい。」<br>
翌日、ももえの前に大量の下着やら何やらが渡された。御主人様と使い魔の主従関係を示すのが先決だとルイズは考えたのだ。<br>
「これは?」<br>
「見れば分かるでしょ。私の下着よ」<br>
「………」<br>
「こらぁ! いきなり臭いを嗅ごうとするなぁ!」<br>
思わずルイズは下着をひったくった。<br>
「………ったく、いい加減にしなさい! その洗濯が終わるまでこの部屋に戻ってきちゃだめだから。いいわね?」<br><br>
「とはいっても………」<br>
大量の洗濯物を持ってももえは頭を抱えた。ももえは洗濯などしたこと無いのだ。メイドのメイちゃんが全部してくれたから。<br>
「メイド、メイド、メイド…………メイド!」<br>
するとたまたまメイドがちょうど通りかかってきたのでその娘にお願いすることにした。<br>
「そこのおっぱい星人!」<br>
「誰がおっぱい星人ですか! しかもなんで初対面の人にいきなりそんな事を言われなきゃいけないんですか!」<br>
メイドは胸をぷるんぷるんとゆらしながらももえに近づいた。<br>

801 :ゼロの使い魔ももえサイズ−3 ◆m9.upBLdeg :2007/11/12(月) 09:28:11 ID:epvtDvgX
「どうでもいいけどとりあえず名前を聞いておくわ。そうしないと話進まないし」<br>
「私の名前はシエスタで、このトリステイン魔法学院で給仕を中心にメイドの仕事をしています。で、あなたはミス・ヴァリエールの………」
「生き別れになった双子」<br>
「いやいやいやいや、確かあなたはミス・ヴァリエールの使い魔のモモエさんだったはずでは……」<br>
「だから早くこの下着を洗ってね☆」<br>
「だから って何ですか! この下着を私に洗えと!?」<br>
「だってあんたさー、本編のみならず幾多数多のSSで召喚されてた奴と友情やらなんやら育んでたし」<br><br>
???ものしり館???<br>
※幾多数多のSS【いくたあまたのえすえす】<br>
「幾多」とは数多くの、「数多」とは数の雅語的な表現。つまり数多くのという意味で今回は使われている。<br>
ゼロ魔本編でのヒロインぶりは勿論のこと、「召喚されました」SSでもシエスタが召喚された者の味方になるケースが多い。<br>
そして今回の場合幾多(ryでのルイズとシエスタとの友情も含まれていたため、イメージ図での大きさは5mぐらいの大きさと思われる。<br><br>
「いきなり何わけのわかんないこと言ってるんですか! いくら私が人のいいメイドとはいえ、こんな勝手な人の頼みなんて知りません!」<br>
シエスタは怒ってしまってこの場を去ろうとしている。<br>
その時ももえには『幾多数多のSSで培ってきた友情』のイメージ図がシエスタの体からふわふわと離れていくのが見えた。<br>
「あ、そうだ!!」<br>
ももえはカマを取り出すとそれをばっさりと真っ二つに斬った。すると、<br>
「モモエさん だーい好き!」<br>
くるりと振り返ったシエスタはももえに抱きついたのであった。<br>
『ももえのカマで斬られた物の存在はももえが肩代わり』<br>
「じゃあ、洗濯してくれる?」<br>
「はい! 下着からミス・ヴァリエールとの鬱陶しい関係までなんでも洗い流して差し上げますよ!」<br>
「あははははは」<br>
「あははははは」<br>
シエスタを抱きかかえたももえはしばらくその場を回り続けた。<br><br>
翌朝、ルイズの部屋の元にシエスタがチョコを持って訪れた。それを受け取ったももえはたいそう喜んだのだけど、<br>
「それで、このチョコレートは誰にあげるつもりなのかしら?」<br>
ルイズは作られたチョコを見てそう尋ねた。形も整っていて真心が感じられる物だと思う。その相手に向けられてないのは確かだが<br>
「憧れのギーシュさまに………」<br>

802 :ゼロの使い魔ももえサイズ−3 ◆m9.upBLdeg :2007/11/12(月) 09:30:24 ID:epvtDvgX
「ぶっ! あっ、あんたみたいなのがあんなのに興味を持つなんて、い、意外ね。」
ルイズの声は上ずっていた。正直驚きを隠せなかったのだ。趣味を疑う的な意味で
「実は昨日、女の子を一人斬っちゃってさー」
「え」
「いやー、でもあれは仕方なかったよ。ねー、シエスタちゃんもそう思わない?」
「思います、思います。 本当あれは相手が圧倒的に悪かったですから。」
ルイズはこの二人が真実を語っているとは到底思えなかった。そして腕組みをして考え込んでいたら、ある答えがひらめいた。
「その娘って、もしかしてケティの事じゃないかしら?」
ケティはルイズたちの1年後輩で最近ギーシュと付き合っている女子のことである。
「あー確かそんな名前だったような」
「すごい洞察力ですね、ミス・ヴァリエール。」
シエスタはルイズのことをほめたのだが、明らかに棒読みだったのでルイズを苛立たせただけだった。
「それが臭くってさ〜」
「あははー臭いですよねー」
二人が別次元の会話をしているのをよそにルイズはまた腕組みをして考え込んでいた。
「たしかにギーシュはもてるわよねぇ………」
ギーシュは女の子に甘ったるい言葉をかけたりするなど、女子には優しかったから人気はある。
 しかしギーシュには前から恋仲であるモンモラシーという女子がいたはずだ。恐らくあいつの事だから二股でもかけてたんだろうかと思いをめぐらせてるとまたある答えがひらめいた。
「もし、あんたが後輩を斬ったって事は………下級生?」
「「あ」」
「わあ、超人的洞察力ですね、ミス・ヴァリエール」
『ももえのカマで斬られたものの存在はももえが肩代わり
後輩のケティが斬られたのでももえの学年が1年下がります』

???ものしり館???
※肩代わり【かたがわり】
本来他人が背負わなければならないものを自分が代わりに背負うこと。
このSSでの「肩代わり」の解釈は能力的なものから肩書き的なもの、物理的なもの等、時と場合と都合に応じて変化する。
つまり前々回は上級生の「称号」だけ肩代わりされたにもかかわらず今回性格的なものも肩代わりされているというのは作者のご都合主義に他ならない。
しかしクロス先の「ももえサイズ」はそのような枝葉末節など吹き飛ばしてしまうような漫画なのでそれに倣ったまでである。ご容赦いただきたい。

とうとうその時がやってきた。ももえはいてもたってもいられなくなって空を飛んでギーシュの元へと向かった。
「きゅいきゅい」
『シルフィードの能力』
そして上にはシエスタとルイズが乗っていた。
ルイズも結局この騒動に巻き込まれたからには必ず元を取ってやろうと思うようになったのでももえについてきたのだ。
「わぁ、私達って今、空をとんでいるんですね。」
「言いたいことはそれだけなの!?」
シルフィードの能力を無駄遣いしつつも素早くギーシュを発見し急降下した。
「いやああああああぁぁぁあぁぁ!!!!」
「あはははははは。あっははははははははは」
「むしろそれは中原よね………」
ギーシュは友人達に恋人とはなんであるかを偉そうに解釈していた。
「…………であるからして僕は薔薇一族を作るのが夢なんだよ。」

???ものしり館???
※薔薇一族 【ばらいちぞく】
ローザネイから派生する競走馬一族である。ローズやローザなど薔薇に関する名前が付けられることからきている。
GU、GVは勝てるのにGTになるといまいち勝てなくなることで有名。
そんな成績のためか、この牝系にはファンが多い事で知られている。

803 :ゼロの使い魔ももえサイズ−3 ◆m9.upBLdeg :2007/11/12(月) 09:32:06 ID:epvtDvgX
友人達が上空の異変に気づき逃げようとするものの時すでに遅し。ももえ達は思いっきり突っ込んだ。
「うわあああああああ!!!!!」
「きゃあああああああ!!!!!」
そしてそんないざこざの間にギーシュの胸ポケットから香水の瓶が飛び出した。
「落ちる!」
ももえはおもわず手にしたカマでそれをキャッチしようとしたが、
ざしゅっ
小さな瓶はきれいにまっぷたつに割れた。
「つまり、これは………」
いち早く立ち上がったルイズが横になったまま動かないももえを見てまたしてもあることに気づく。
「ギーシュさまぁ」
「ごほっ………ごほっ、なっなんだい君は。」
「私、ギーシュさまの落とした香水ですよー。だから拾ってくださーい」←使い魔死神友情フレイムデルフリンガーシルフィード香水下級生
「なっ、何を言っておるのだ。僕はこんな大きな香水は落としてないぞ。じゃ、じゃあ僕は用事があるからこれで」
そんな事を言うとギーシュは逃げるように去ってしまった。
「じゃ俺も用事があるし。」
「あっ、俺も。」
「俺も俺も」
ギーシュの友人達もそれに続いた。後に残されたのは寝転がったままのももえとそれをじっと見つめるルイズとシエスタだけだった。
ももえは懐から取り出したプラカードとマジックで「拾ってください」と書いて自分の首に巻きつけたのだが一向に効果は見られなかった。
そしてルイズがあきらめかけたその瞬間!
「あら、こんなところに私の香水が落ちてるわ」
たまたま通りかかったのはギーシュの香水を作った女子、モンモラシーであった。
「でも、こんなに大きい香水ははじめてみたわ。どうやって持って帰ろうかしら。」
モンモラシーはももえの前でうんうんと唸り始めた。見かねたシエスタが声をかける。
「あの、これって実は
「私が手伝うわ。」
「あら、いいの? ミス・ヴァリエールが人の手伝いを進んでしてくれるなんて珍しいわね。」
「私の気が変わらないうちにとっとと済ませるわよ。」
モンモラシーの憎まれ口にも反応する暇など無い、ルイズは渡りに船とばかりに実行に移すことにした。
とりあえずモンモラシーは足を持ってルイズは首を持った。試しに持ち上げてみると意外と軽かった。これならいけそうだ。
「いっち、に、さん、し」
「えっほ、えっほ」
「いっち、に、さん、し」
「えっほ、えっほ」
遠くに連れて行かれるももえを見てシエスタはとりあえず大声で聞いてみることにした。
「その香水今度使わせてもらってもいいですかーー?」
「ええ、いいわよーー!」
すぐさまルイズの返事が返ってきたのであった。

「ただいまー!」翌朝、何事も無かったかのようにももえがルイズの部屋に戻ってきた。
「モンモラシーとの生活はどうしたのよ」
「いや、私より彼女のほうが香水"向け"だったから。」
「?」
「ところでさー、知ってる? エッチな気分になる香水って女の子の脇の臭いとおっさんの脇の臭いを混合させて作ってるんだよ。」
「知らないわよ、そんなこと。」
するとももえが急にルイズの脇元に鼻を近づけた。
「なっ、なな何するのよ!」
「いやー………やっぱりあんたのほうが香水向けね。マニアックな臭いがする。」
「マニアックな臭いってどんなのよ! って私の脇を指差すなぁ!! 
わ、私の脇はそんなに臭ってないわよ。臭ってないんだからね!」

※おわり これまでのご愛読、ご支援ありがとうございました。
※次回からはじまる「ゼロの使い魔死神友情フレイムデルフリンガーシルフィード香水下級生ももえサイズ」に乞うご期待!!! 

804 :ゼロの使い魔ももえサイズ−3 ◆m9.upBLdeg :2007/11/12(月) 09:33:44 ID:epvtDvgX
以上です。またミスってしまった……申し訳ありません。
ルイズの脇は臭くないと思います。何の根拠もありませんが
いつの間にかももえが臭いフェチになっているような気がしないでもないですが、これも何も根拠はありません。

では

805 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 10:03:16 ID:DmTwHgoQ
そんなルイズにはこれを つ8×4


806 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 10:20:00 ID:XlzNkMSd
ゼロの臭い魔さん、投下乙ですw

807 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 10:41:13 ID:NNAVyyWN
>>791
戦略、戦術、戦闘に人様への気遣い
嫁さんへのフォロ−と政略以外の全てを極めてると言っても
過言じゃないですな

808 :ゼロの女帝:2007/11/12(月) 11:26:12 ID:NNAVyyWN
予約あるですか?
無いなら一本行きますが

809 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 11:29:24 ID:9IM6HqZz
へいかもんなう!
つづき?つづきなのか?

810 :ゼロの女帝:2007/11/12(月) 11:30:48 ID:NNAVyyWN
ゼロの女帝 前章 その一

明日はトリステイン魔法学校生徒全員によるサ−ヴァント召喚の儀式があるという日。
虚無の日である今日、生徒達はある者はくつろぎ、ある者は予習と準備を行い、そして・・・
ある者は魔法の基礎を記した書物を図書館にて読んでいました。

そんな彼女にかけられたひとつの声。
「よろしいですか、ミス・ヴァリエール」
「コルベ−ル先生・・・」
陰気な表情で教本に穴を開けんばかりに読み込んでいた学園始まって以来の劣等生と
称されるルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは
気分を変えたかったのでしょう、教本を閉じて恩師に向かい合う。
「ひとりで唸っていてもどうにもなりません。明日に備えてここはひとつ、補習といきませんか?」
「先生がみてくださるのですか?」
「はい。あなたの魔法の性質や個性を見極めねばなりません。
 正直貴方自身が自分でそれを見極めねば、と思い今日まで見守るに留めて来たのですが
 流石に明日という日を迎えてそうも言ってられません。
 ミス・ヴァリエ−ル。
 貴方が宜しければ、ですが」
「嫌もおうもありません!是非にお願いします!」
その鬼気迫る表情にかなり引きながらも温厚だけがとりえと陰口を叩かれる教師は
柔らかな笑顔で頷いた。
 
「失礼とは思いますが、流石に私の研究室でするわけにもいきませんので」
庭に置かれた机と椅子。
そしてコルベ−ルの教卓。
ただそれだけ、という補習場に、ルイズは自らの立場と評価を思い知らされる。

「失敗を正す最善の方法は、失敗の原因を理解する事です。
 そしてミス・ヴァリエ−ル。あなたの系統を把握しなければ。
 まずは『レビテ−ションを唱えてみてください』  ドン
「次は・・・『フライ』を」            ドドン
「ケホン、それでは『錬金』を」          ドカン
「ケ、ケホ・・・じゃあ・・・           ドドン
 
「次はより魔力を、気合を込めた『フライ』を」
「魔力ですか?それに何の意味が」
「貴方の爆発が『ただの失敗』なのか『なにか別の要素で爆発してしまう』のかを見るためです」
 
どっかん
どっかぁん
どんどんどどん
ちゅど−ん

811 :ゼロの女帝:2007/11/12(月) 11:32:00 ID:NNAVyyWN
「・・・次は系統別に唱えてみましょう。まずは風を。
 大抵の術の呪文は暗記されてますね」
当然だ。何時の日か、自由自在に魔法を使えるようになった時の為に大抵の呪文は
頭の中にある。
「『エア・ハンマ−』を」             ちゅどん
「・・・・・・『エア・ニ−ドル』」        どっかん
 
 
真っ黒焦げになりながら、手元の紙に色々と書き込むコルベ−ル。
「ここまでにしましょうか」
「せ、せんせえ!何かわかりましたか!」
愉快な髪型になりながら必死の形相で、掴みかからんばかりにコルベ−ルに詰め寄るルイズ。
しかし、残念そうな表情で首を左右に振る教師。
「・・・・・・・・」

絶望の極み、といった表情で肩を落とし、とぼとぼ、という擬音が聞こえてきそうな
雰囲気で自室へと戻っていくルイズ。 
後片付けをしながら、彼女を見送るコルベ−ルは、しかし内心で彼女に喉も枯れ果てよ、と言わんばかりに謝罪をしていた。
(ミス・ルイズの魔法は・・・『火』でも『水』でも『風』でもない。
 もちろん『土』でもない。
 ならばおそらく・・・)

許して欲しい、ミス・ルイズ。
私は教師失格だ。
貴方の能力適正を把握しながら、貴方をより良く導こうとはしない。
貴方はわたしを恨むだろう
憎み、呪い、無能教師と蔑むだろう
しかし・・・貴方の能力は他の誰でもない、貴方自身にとって危険なのだ
わたしは貴方を、その特性から遠ざけ、歪め、貶めるように貴方を指導していくつもりだ
戦乱の世ならまだしも、平和な世において貴方の術は、多分貴方をよくない道へと誘うだろう
ならば無能メイジとして・・・王宮で官僚あたりになって生きていくのがおそらく最も平穏なのだろう

許して欲しい、などとは言わない
理解してくれ、などと贅沢は請わない
 
 
ただ・・・

       いつか・・・・


812 :ゼロの女帝:2007/11/12(月) 11:35:54 ID:NNAVyyWN
ここまでです

小ネタでしかなかったものを、いきなりこのような外伝もどきを書いてしまいました
しかし、この先の展開でどうしてもこの情景が必要だったのです。

コルベ−ルが、ルイズの能力をほぼ正確に把握し、その上で彼女を間違った方向へ
導こうとしているという事が

二話目以降も考えております
御静聴有難うございました

813 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 12:09:44 ID:KakE/iwS
前回投下したモノの前の話か。コルベールがなんか黒い。
はてさてどうなっていくのやら、投下乙です

814 :サイヤの使い魔:2007/11/12(月) 12:24:57 ID:IGJw4m6F
女帝の方、投下乙でした
12:30から投下します

815 :ゼロの女帝:2007/11/12(月) 12:26:07 ID:NNAVyyWN
ありがとござました 
サイヤの人、期待しております

816 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 12:27:33 ID:nnqT7nUw
女帝にGJを送りつつゴクウ支援

817 :サイヤの使い魔:2007/11/12(月) 12:33:23 ID:IGJw4m6F
「やっぱ、どう考えてもこれしか…地球が助かる道は思い浮かばなかった…」
 (ここは、どこ……?)
「え…!?」
「バイバイ、みんな…」
 (あれは、誰……?)
「ご…悟空…、おまえ、ま…まさか………」
 (ゴクウ? これが…?)
「え!?」
「ここまでよくやったな、悟飯。すごかったぞ!」
「お…おとうさん…」
「母さんに、すまねえっていっといてくれ」
 (何……わたしは何を見ているの……)
「き…消えた…。……悟空の気が……」
「悟空―――――――――っ!!!!」
「おとうさ――――ん!!!!!」



二つの月が煌煌と室内を照らす部屋で、ルイズは目を覚ました。
身に着けている薄手のネグリジェが、冷や汗でぐっしょりと濡れている。

「夢……?」

奇妙な光景だった。
見た事も無い場所、見た事も無い人達。皆が絶望に打ちひしがれていた。
あの見にくく膨れ上がった化け物は、一体何だったのだろうか。
それと共に消えた、自分の使い魔によく似た背格好の男。
皆から「ゴクウ」と呼ばれていたから、やはりそうなのだろう。
ふと気配を感じ、自分の使い魔を見やると、彼も目が覚めたのか、部屋の隅に置かれたマットの上で上半身をむっくりと起こしているところだった。

「あんたも起きたの…?」
「ああ…。何か、変な夢見ちまってよ……」
「もしかして、あんたがいたっていう世界の夢?」
「よくわかったな」
「多分、私も今同じ夢を見ていた気がするの……」
「どういう事だ?」

ルイズは自分が見た夢の内容を話した。
始めは驚いた顔でそれを聞いていた悟空だったが、次第にその表情は確信めいたものに変わっていった。
間違い無く、ルイズの見た夢は自分が見た夢の内容と寸分違わず一致していた。
その理由は何だろうか。ルイズは考えた。

「そりゃあ、アレじゃねえのか」

悟空の寝床の脇から声が上がった。
大枚叩いて買ったものの、全くもって使用機会に恵まれないインテリジェンスソード、デルフリンガーである。

「アレって?」
「主人と使い魔ってのは、本来は主人が使い魔の目や耳を通してものを見たりするんだろ?」
「そうよ」
「相棒よ。おめえさん、人の心を読んだり念話の類ができたりするんだよな?」
「ああ」
「だったら話は早ええわな。要は相棒が見た夢を主人のおめえが一緒になって見てたってワケだ」
「そうなの?」
「そうなんか?」
「結果から見りゃそう思えるけどな。お互いの関係が一歩前進したって事なんじゃねえのか?」

釈然としない様子で、ルイズは悟空の顔を見た。
使い魔が見ているものを見られるようになったのは、確かに喜ばしいことかもしれないが、それが夢の中だけではいまいち使い勝手が良くない。


818 :サイヤの使い魔:2007/11/12(月) 12:34:39 ID:IGJw4m6F
だがルイズはそれ以前に、あの夢の内容が気になった。
自分がゴクウと同じ夢を見たという点に関してはこの際無視しよう。問題は、その夢に出てきた登場人物の顔ぶれだ。
何故、あの金髪碧眼の男が『ゴクウ』と呼ばれていたのか。

「…ねえゴクウ」
「何だ?」
「夢の中に、あんたと同じような背格好の人がいたんだけど、あれ誰?」
「オラだ」
「ええ? だって髪の色も眼の色も、まるで違うじゃない」
「?…ああ、そういう事か。見てろ」

悟空はやおら立ち上がると、両手を軽く握り、気合いを込めた。
ぼう、という音と共に悟空の身体が眩い金色の炎に包まれ、方々に広がっていた髪の毛が一斉に天を向く。
今まで漆黒だった髪や瞳の色が、夢で見たのと同じ金髪碧眼へと変わり、目つきも眼光で敵を威圧しそうな険しいものになった。
全身の筋肉が張り詰め、まるでオークのような頑強さを見せている。
使い魔の豹変に、ルイズは目を見開いた。

「な、何したの…?」
「超サイヤ人だ」
「スーパーサイヤ人……? これが………」

悟空から話には聞いていたが、こうも外見が変わるものだったとは。
ビリビリと周囲の空気が震えている。見るからに強そうだ。

「つ、強そうね」
「こんなもんじゃねえぞ」

悟空が更に力を込めると、身体を覆う炎の勢いが更に激しさを増し、悟空の身体を中心として突風が巻き起こった。
着衣を乱され、吹き飛ばされそうになったルイズが慌てて止めに入る。

「っ! わ、わかった! わかったからもう止めて!!」

悟空は超サイヤ人への変身を解いた。炎が掻き消え、髪と瞳の色が純サイヤ人であることを示す黒に戻る。
デルフリンガーが興奮した口調で捲くし立てた。

「こいつぁおでれーた! 相棒! お前さん本当に普通の人間じゃねえんだな!」
「何だ、まだ疑ってたんか」
「そうだわ!」突然、ルイズが大声を上げた。
「な、何だ!?」
「ゴクウ、今度の品評会で今の奴やってみせてよ!」
「品評会? 何だそれ?」
「いやー迂闊だったわ〜…品評会のことすっかり忘れてた」

ルイズによると、毎年、使い魔を召喚した2年生は学院中に御披露目するための会に出なければならないらしい。
特に今年は、この国を治めるトリステイン王国の姫君が御出でになるとの事で、生徒一同気合いが入っているそうだ。
フーケ襲来のために今日まで日程が延期になってしまっていたが、その分使い魔に芸を仕込む時間が増えたとの事で生徒には却って歓迎され、キュルケなどはかなり気合いの入った調教を施していた。
もっともオスマン氏などは、優秀な秘書がいなくなってしまったおかげで書類仕事の手間が増えてしまったと嘆いていたが。

「うん。決めた! よかった〜危うく出し物を決めかねるところだったわ……。そうだ、ゴクウ。夢の続き聞かせてよ」
「続き?」
「あれからどうなったの? あの化け物は?」
「あの後はなあ……」



その頃………
トリステイン魔法学院から遠く離れた城下町の一角にある、チェルノボーグの監獄。
その中にある独房の一室で、不貞腐れた表情でみすぼらしい造りのベッドに横たわり、天井を見つめている人物がいた。
土くれのフーケである。


819 :サイヤの使い魔:2007/11/12(月) 12:35:48 ID:IGJw4m6F
「あ〜あ、暇だねぇ……」

あのクソジジイに踵をキメることができたので、とっ捕まった事にそれほど悔恨は無いが、裁判が始まるまでの間ずっとここに閉じ込められっ放しかと思うと、身柄上仕方ないとはいえ退屈を覚えてしまう。
戯れに脱獄でもしてみようかと思ったが、食器類は木製、その上杖も取り上げられては手の出しようが無い。
時間をかければ木製の杖をこしらえる事は不可能ではないが、その前に判決が出てしまうだろうし、よしんば出来たとして、壁や鉄格子に張り巡らされた魔法の障壁を突破するには力不足だ。

「まったく、かよわい女一人閉じ込めるのにこの物々しさはどうなのかしらね?」

苦々しげに呟く。
とりあえず寝ようと思い、目を瞑ったが、すぐに開いた。
何者かがこちらに向かってくる足音が聞こえる。牢番だろうか? いや、この足音には拍車の音が混じっている。牢番は馬に乗らない。
フーケはベッドから身を起こした。
鉄格子の向こうに、長身の黒マントを纏った人物が現れた。白い仮面に覆われて顔が見えないが、マントの中から突き出た杖を見る限り、どうやらメイジのようだ。

「こんな夜更けにお客さんなんて珍しいわね。でも、お生憎。見ての通り、ここには客人をもてなすような気の利いたものはごぜいませんの」

おおかた、貴族連中の寄越した刺客だろう。自分が盗んだものの中には、そういった連中が盗まれた事を明るみに出されると困るような代物がいくつかあった。
裁判なんてまだるっこしい事をやっていては面倒なので、口封じでもしようというのか。
フーケはこんなところでむざむざ殺されるつもりは無かった。かといって、鉄格子越しに魔法をかけられては手も足も出ない。油断させて、言葉巧に独房の中へ引き込もうと考えた。
男が口を開いた。年若く、力強い声だった。

「『土くれ』だな?」
「誰がつけたかしらないけど、確かにそう呼ばれているわ」
「話をしに来た」男は敵意がない事を示すためか、両手を広げた。
「話? 弁護でもしてくれるっていうの? 物好きね」
「何なら弁護してやってもいいぞ、マチルダ・オブ・サウスゴータ」

フーケの顔が蒼白になった。何故、この男がその名を知っている?
かつて捨てる事を強いられたその名を知る者は、もう一人もこの世には存在しないはずだった。

「あんた、何者?」平静を装ったが無理だった。声の震えは隠しきれない。
「再びアルビオンに仕える気は無いかね? マチルダ」
「まさか! 父を殺し、家名を奪ったお受けに仕える気なんか更々無いわ!」

フーケは冷たい態度をかなぐり捨てて、怒鳴った。

「勘違いするな。何もアルビオンの『王家』に仕えろと言っている訳ではない。アルビオンの王家は崩れる。近いうちにね」
「どういうこと?」
「革命さ。無能な王家は潰れる。そして、我々有能な貴族が政を行うのだ」
「でも、あんたはトリステインの貴族じゃないの。アルビオンの革命とやらと、何の関係があるっていうの?」
「我々はハルケギニアの将来を憂い、国境を越えて繋がった貴族の連盟さ。我々に国境は無い。
 ハルケギニアは我々の手でひとつになり、始祖ブリミルの光臨せし『聖地』を取り戻すのだ」
「バカ言っちゃいけないわ」フーケは薄ら笑いを浮かべた。「それで、その国境を越えた貴族の連盟とやらが、このコソ泥に何の用?」
「我々は優秀なメイジが一人でも多く欲しい。協力してくれないかね? 『土くれ』よ」
「お断りだわ」

フーケはひらひらと手を振った。
今自分が事を起こせば、十中八苦あの忌々しい使い魔に察知され、現行犯で現場を押さえられるだろう。


820 :サイヤの使い魔:2007/11/12(月) 12:36:56 ID:IGJw4m6F
それに、国を一つにまとめるなんて夢物語には、正直興味が無い。おまけに『聖地』を取り戻す? あの強力なエルフどもから?
最終的にエルフを敵に回すつもりが本当にあるのなら、この男は正直言って、相談を持ち掛ける相手を間違えている。
どうせなら、自分よりもあの使い魔を味方につけた方が余程戦力になるだろう。
そう考えたフーケは、ひとつ提案をした。

「……と言いたいところだけど、どうせこのままじゃ極刑は免れないだろうしねえ…。条件次第で戦力に加わってもいいわ」
「言ってみろ」
「ある人間をこちら側に引き込んで欲しいの」
「何処のメイジだ?」
「メイジじゃないわ、本人曰くね。でも私クラスのメイジじゃ太刀打ちできないほどの実力を持った相手よ」
「そんな平民がいるとは信じられんな」
「信じる信じないはあんたの勝手だけど、彼を味方につけなかった場合、間違い無くこちらにとって脅威になるわ。断言してもいい」
「ふむ……そこまで言うなら、考えん事も無い。では、その条件さえ飲めば我々と一緒に来るのだな?」

フーケは腕を組むと、尋ねた。

「あんたらの貴族の連盟とやらは、何て言うのかしら」
「来るのか来ないのか、どっちだ」
「これから旗を振る組織の名前は、先に聞いておきたいのよ」

男はポケットから鍵を取り出し、鉄格子についた錠前に差し込んで言った。

「レコン・キスタ」



数日後、品評会前日。
教壇に立っているのは長い黒髪に漆黒のマントを纏った教師、ミスタ・ギトー。
はっきり言って、生徒からの評判は宜しくない。学院で何か事件が起これば、真っ先に犯人に疑われそうな人物だった。

「では授業を始める。知っての通り、私の二つ名は『疾風』。疾風のギトーだ」

教室中が静まり返った。その様子を満足げに見つめ、ギトーは言葉を続けた。

「最強の系統は知っているかね、ミス・ツェルプストー」
「『虚無』じゃないんですか?」
「伝説の話をしているわけではない。現実的な答えを聞いているんだ」

いちいち引っかかる言い方をするギトーにカチンと来たキュルケは、不適な笑みを浮かべて言い放った。

「『火』に決まってますわ、ミスタ・ギトー」
「ほほう。どうしてそう思うね?」
「全てを燃やし尽くせるのは、炎と情熱。そうじゃありませんこと?」
「残念ながらそうではない」ギトーは腰に差した杖を引き抜き「試しに、この私に君の得意な『火』の魔法をぶつけてきたまえ」と言い放った。

キュルケはギョッとした。仮にも今は授業中だ。基本的に攻撃魔法である『火』の系統魔法を使えとはどういう訳だ?
尚も彼女を挑発すギトーの物言いに、キュルケの形のいい眉が吊り上がる。

「どうしたね? 君は確か『火』系統が得意なのではなかったのかな?」
「火傷じゃ…すみませんわよ」
「構わん。本気で来たまえ。その、有名なツェルプストー家の赤毛が飾りではないのならね」

キュルケの顔から、いつもの小馬鹿にしたような笑みが消えた。
胸の谷間から杖を引き抜くと、彼女の赤毛が炎のようにざわめき、逆立つ。
杖を振り、目の前に差し出した右手の上に炎の球を出現させる。


821 :サイヤの使い魔:2007/11/12(月) 12:38:00 ID:IGJw4m6F
尚も呪文の詠唱を続けると、球の直径はみるみる大きくなっていき、ついには直径1メイルほどになった。
珍しく授業に参加していた悟空が、「おー、凄ぇ」と感嘆の声を漏らした。
キュルケが手首を回転させ、ギトー目掛けて炎の球を押し出した。ギトーは唸りを上げて自分目掛けて飛んでくる炎の球を避けるどころか、杖を横振りに薙ぎ払う。
烈風が舞い上がり、一瞬にして炎の球は掻き消えた。風の勢いは凄まじく、その向こうにいたキュルケの身体を教室の隅まで吹き飛ばした。

「諸君、『風』が最強たる所以を教えよう。簡単だ。『風』は全てを薙ぎ払う。『火』も、『水』も、『土』も、『風』の前では立つ事すらできない」
「なあ、オラもやってみていいか?」
「あんたのは系統魔法じゃないからダメ」
「ミス・ヴァリエール?」
「は、はい」
「系統魔法ではない…とは?」
「彼はメイジじゃありません。何でも無いんです。聞かなかった事にして下さい」
「興味が沸いた。最強である『風』が、系統魔法を使えぬ輩に遅れを取る訳が無い。それを証明して見せよう」
「あの、考え直して下さい本当お願いします」
「やらせてあげなさいよ」

立ち上がり、自分の席まで戻って来たキュルケがルイズに向き直り、言った。

「せっかくの機会じゃない。あんたの使い魔の実力をちょっとくらい披露するのなんて、訳無いでしょ」
「あんたは黙ってて」
「Hurry up、ミス・ヴァリエール。授業時間が終わるまでお茶を濁しているつもりかね?」
「あら、待ち時間まで疾風なんですのね。男の早いのは自慢になりませんわよ」
「ああもう何でそうやって火に油を注ぐような真似をするのよあんたわ」
「だって『火』ですもの」

ルイズは頭を抱えた。フーケ討伐以降「ゼロのルイズ」と呼ばれる事がめっきり減ったので、このまま目立たないようにしようと思っていた矢先に、よりによって嫌味ったらしい教師の前で目立ってしまうなんて。
焚き付けたキュルケに非難の睨みをきかせ、ルイズは諦めた口調で悟空に促した。

「……しょうがないわ、軽くやっちゃって。あ、でも、例のスーパーなんちゃらは品評会までとっといてね」
「任しとけ」

悟空はルイズの隣に立つと、とりあえず脅かしてやろうと思い、両腕に力を込めて気を開放した。
身体が白い炎に包まれ、溢れ出すパワーが烈風となって教室中を駆け巡る。
実際には違うのだが、まさか使い魔が自分と同じ『風』系統だとは思わなかったギトーは慌てたものの、すぐに余裕を取り戻した。

「むお…! ふ、ふん。やはり『風』ではないか。私の自説に間違いは無いようだな」
「『風』系統に、自分を炎で包むような魔法なんてありましたかしら?」
「『火』系統に、このような風を起こす魔法があった記憶も無いがね」
「火は勢いを増せば増すほど、周囲の空気を取り込んで熱風を巻き起こしますわよ」

悟空をネタに、再びキュルケとギトーの舌戦が始まった。
放っておけばいつまでも続きそうな二人の応酬に悟空が割って入る。

「なあ、もう攻撃していいか?」
「え? あ、ああ。構わん。来たまえ」

悟空は右手を開いてゆっくりと前に突き出し、ごく低威力の気功弾を放った。
ギトーが先程同様に杖を振るい、風で気功弾を掻き消そうとするが、消えるどころか軌道すら乱れないそれは一直線にギトーの頭頂部を掠めた。
通り過ぎた際の摩擦熱でギトーの髪が焼け落ち、後には赤く熱せられた頭皮が顔を覗かせた。
いわゆる、逆モヒカンというやつである。
一瞬遅れて、熱が刺すような痛みとなってギトーの神経をちくちくと刺激し始めた。

「ほ…ホーッ! ホアー!! ホアア―――――ッ!!!」

文字通り頭から湯気を出したギトーが白目をひん剥いて悲鳴を上げ、モンモランシーが慌てて水を浴びせた。

「おお、さすがは洪水のモンモランシー。見事なぶっかけっ振りね」ルイズが誉める。
「ぶっかけ言うな! それに私は洪水じゃなくて『香水』よ! あんた知っててワザと間違えたでしょう!」

822 :サイヤの使い魔:2007/11/12(月) 12:39:13 ID:IGJw4m6F
新たな舌戦の火蓋が切って落とされようとしていたその時、教室の扉がガラッと開き、緊張した顔のミスタ・コルベールが現れた。
珍妙ないでたちをしていた。頭に馬鹿でかい、ロールした金髪のカツラを着けている。ローブにもレースの飾りやら刺繍やらが踊っていた。
教室中の視線が一斉に彼に向く。コルベールは、呆けた様子で教壇にへたり込んでいるギトーに気付いた。

「やや、ミスタ・ギトー! これはいったい……?」
「な、何でもありません。ところでまだ授業中ですが…」
「おっほん。本日の授業は全て中止であります」コルベールは重々しい口調で告げた。
「いかなる理由があってのことですかな?」
「それが……」

ごにょごにょと密談を始める男二人。やがて、納得したのかギトーが「それでは、私もこの頭を何とかしなければ」と呟いて足早に教室を後にした。
残されたコルベールが代わりに教壇に立った。

「えー、皆さんにお知らせですぞ」

もったいぶった調子で、コルベールはのけぞった。その拍子に、頭に載った馬鹿でかいカツラが取れて床に落下する。
通気性が悪かったのか、彼の頭は若干蒸れていたようで、頭皮に汗が玉になって浮いていた。それが陽光に煌き、普段以上に彼の頭を眩く照らしている。
教室中がくすくす笑いに包まれた。
一番前に座ったタバサが、コルベールの頭を指差して、ぽつんと呟いた。

「太陽拳」

教室が爆笑に包まれた。その言葉が意味するところを知っている悟空は一際激しく笑い転げていた。
キュルケが笑いながらタバサの肩をぽんぽん叩いて「あなた、たまに口を開くと、言うわね」と言った。
顔を真っ赤にさせたコルベールが怒鳴りちらし、その剣幕に、とりあえず教室が大人しくなった。
ぜいぜいと息を乱したコルベールが再びカツラを被り直し、あらためて説明する。

「突然ですが、アンリエッタ姫殿下が王宮を出発したとの連絡が入りました。そこで急な話ですが、今から全力を挙げて、歓迎式典の準備を行います」
「あれ、出発は明日早朝の筈ではなかったんですか?」
「先方に急な予定変更があったのでしょうな。とにかく、生徒諸君は正装の上、門に整列するように。
 ああそうそう、品評会は明日、予定通り行います」


823 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 12:39:17 ID:2nYozZOG
支援

824 :サイヤの使い魔:2007/11/12(月) 12:40:35 ID:IGJw4m6F
今回は以上です。支援ありがとうございました。
ミスタ・ギトーが何故か脳内でスネイプ先生に変換される今日この頃です。

825 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 12:40:46 ID:fiLraCP5
太陽拳爆笑www
支援

826 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 12:41:19 ID:2nYozZOG
支援

827 :サイヤの使い魔:2007/11/12(月) 12:44:33 ID:IGJw4m6F
あと、遅れましたがまとめwiki第8話の修正ありがとうございました。

828 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 12:51:02 ID:KTgCndUW
太陽拳クソワロタwwww

829 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 12:52:00 ID:mgkCM58Z
[sage]

やっと追いついた!皆さんGJそして乙です!
っつーか投下速度早すぎっす!


830 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 12:58:23 ID:n8Y9VxxI
sageを入れる場所が圧倒的に間違ってるぞ

831 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 12:58:43 ID:uN1C0QC+
さすがだぜコッパゲ先生!やぱあんたの太陽拳は最高だ!
眩しくて目が明けてらんねーや!!

>>829
残念だがsageになってないぞ。
本文に入力しても仕方ない。メール欄に記入するんだ

832 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 13:43:27 ID:mV46Lgvx
GJでした
だけど盲目のメンヌヴィルには効かないんだよな

833 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 13:52:06 ID:FknucrYA
太wwwww陽wwwww拳wwwww

タバタンいい事言うじゃないか。GJ!

834 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 14:32:40 ID:Mty7aVP6
GJでした、相変わらず面白かったっす!
あと細かいですが、「見にくく」は「醜く」の方が正しいのでは?

835 :サイヤの使い魔:2007/11/12(月) 14:37:21 ID:IGJw4m6F
>>834
…オオゥ、ジャ(ry
指摘ありがとうございました。まとめwikiの方にて修正しました。

836 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 14:48:50 ID:2HqPvN/k
小沢代表がルイズに召喚されました

・・・今飛んできた電波だ

ごめん聞かなかった事にして下さい

837 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 15:01:50 ID:p0XrQ5Ep
太陽拳wwwww

838 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 15:15:03 ID:qkgwft+r
>>836
壊し屋の彼を呼んでトリステインをどうするつもりかね?

839 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 15:37:12 ID:WOpxwteC
>>838
レコンキスタに送り込む

840 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 15:41:06 ID:O7FjWHbE
>>839
そしてガリア、ロマリアとたらい回しにしたあとトリステインに帰ってきちゃうのか。
小沢新国誕生w

841 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 15:44:15 ID:kidqGVuJ
ちょwwwタバサGJwwww

842 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 16:02:08 ID:rofVbe+k
これから、コルベール先生が活躍する話のときは
太陽拳支援をせなばなるまい

843 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 16:02:18 ID:GZPgt1a/
小沢代表は敵にすると頼もしいけど
味方にすると厄介だな

844 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 16:03:03 ID:kidqGVuJ
>>843
まるで多数のデフォ朝鮮人だな

845 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 16:06:53 ID:kxkJ4unC
レコンキスタにブーメランしそうだろwww

>>サイヤの使い魔
GJ!!

846 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 16:07:36 ID:O7FjWHbE
>>844
小沢先生を馬鹿にするな!
味方にしたらちゃんと役に立つぞ!!
ただ目を離すと敵になってるだけだ!

847 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 16:08:54 ID:kidqGVuJ
>>846
まるで嘘つきコウモリだなww

848 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 16:11:48 ID:tmX/VWAb
>>843
> 小沢代表は敵にすると頼もしいけど
> 味方にすると厄介だな
橘さん…

849 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 16:35:49 ID:wKG5eli4
いまだにカードキャプターが召喚されてないなんておかしすぎるな

850 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 16:40:32 ID:14EiA3lk
>>849
バランスの取りどころが難しくないか?

851 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 16:46:16 ID:hQiEWMWE
ねらーに比べれば……
敵に回すと恐ろしいが、味方にすると頼りない連中だ

852 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 16:46:22 ID:bgTCC//V
難しいのは話の持って行きどころだろう
そっちがしっかりしてればバランスは後から付いてくる

853 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 16:46:58 ID:HnH7w3Hz
杖はあるだろ。
衣装によってはマントもあるだろ。
しかも四系統は使いこなすし、時間すら操る。
貴族でないと判断する理由がない。

854 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 16:59:12 ID:AeznHGxQ
……うん。時を操るって時点で色々恐れられそうな気がする。桜は…。

855 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 17:02:43 ID:HnH7w3Hz
あ、もう一つ。
さくらは使い魔も持っている。
しかも、翼の生えた言葉を話す獣という立派な幻獣だし。
ハルケギニア基準でも外見からしてすごい魔法使いだ

856 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 17:02:58 ID:KTgCndUW
ねらーなんて敵に回しても恐ろしくないだろ

857 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 17:05:03 ID:clL+ueEX
恐ろしいというか、果てしなくうざいって感じかね

858 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 17:09:08 ID:sr5/uE7A
ねらーはうざいだけだけど、数だけは多いからなぁ。

ときに、そろそろ480kbだが。

859 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 17:15:43 ID:NNAVyyWN
そーいえば・・・セラムンって呼ばれてないなぁ

860 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 17:15:44 ID:JpQ4izke
さくらが召喚された場合、小狼がさくらを探す旅に出て別の冒険物語が派生しそうだなw

861 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 17:16:55 ID:yrV2iMlT
そんなこと言うならサモンナイトも・・・

862 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 17:18:51 ID:sr5/uE7A
ストレイト・ジャケットのレイオット&カペルをモールドキャリアごと・・・

863 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 17:19:33 ID:2zOrItv1
サクラは別の小説投稿サイトに召喚されてます。

864 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 17:22:59 ID:sr5/uE7A
>863
なんかカタカナでサクラと書かれると、餓狼伝の泣き虫サクラを思い出してしまう。

865 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 17:32:45 ID:W//bxaX9
「君のお仕置きには愛もある、悲しみもある……、だが……虜辱がないでしょッッッッッッ!!」

866 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 17:34:16 ID:Mf8TukEK
真宮寺さくらを召喚!
木之本桜を召喚!
綺堂さくらを召喚!
春日野 さくらを召喚!
佐倉魔美を召喚!
佐倉愛衣を召喚!

これがほんとのサクラ大戦

867 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 17:34:58 ID:gUwwGCn+
2分後ぐらいに小ネタを投下したいのだが、よかですか?

868 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 17:37:35 ID:6RFwfNAS
>>865

「年老いたお前のお仕置きはその様の何兆倍も何京倍もエロかったというのに。なんて醜い様だ」

869 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 17:37:42 ID:uvwaQgeo
よくないです

嘘です大歓迎ですごめんなさい

870 :ゲームセンター0X(ゼロエックス):2007/11/12(月) 17:39:05 ID:gUwwGCn+
――ルイズ、薄い緑色の服を着た、老け顔の中年男を召喚。


「そんなの見れば分かるわよ。って言うか、この声、どこから聞えてくるのかしら」

有野:えー、今回、挑戦するのはこちら! 久々のファミコンですねー。


――ゼロの使い魔。
大人気のライトノベルを題材にしたアドベンチャーゲーム。
ファミコンの限界に挑戦した綺麗なグラフィックが話題を呼んだが、高すぎる難易度のせ
いで、途中で投げ出すプレイヤーが続出。エンディングを見たものは少ない。
今回の使命はもちろん、エンディング画面を見ること。


有野:これ、やった事無いなー。でも、ファミコンやから楽勝やろ。


――ファミコンだからといって、余裕を見せつつ、有野、挑戦開始。


有野:ゲームセンターゼロエーックス! 課長オーン!

「ち、ちょっと、勝手に進行しないでよ」

有野:おっ、ええやん。可愛いやん。でも、髪の色きついなー。ピンクは無いやろ。

「う、うるさいわねぇ」

有野:胸無いなー。まな板やん。もー、まな板ピンクでええわ。

「人が気にしてる事、いちいち言うなっ!」


――正直な有野の一言に、まな板ピンクもキレる。


「まな板、まな板って、うるさい!……まぁ、いいわ。それより、あんた名前は?」

有野:名前入れられんのか。


――有野、とりあえず『かちょう』と入力。


「『かちょう』って言うんだ。変な名前」

有野:で? この後、どうなんねん。

「うう、無視された……とりあえず、コントラクト・サーヴァントを済ませなきゃ」


871 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 17:40:13 ID:jq9nv8Ny
有野なにやってんのw支援

872 :ゲームセンター0X(ゼロエックス):2007/11/12(月) 17:41:24 ID:gUwwGCn+
――有野を召喚してしまったルイズ。果たして、コントラクト・サーヴァントは無事に成
功するのか!?


「えっ? 何? 中断?」





<アイキャッチ>

有野の挑戦 ゼロの使い魔(ルイズのイラストに、有野の顔が合成してある)


「気持ちわるっ! なに勝手に合成してんのよぉぉぉ!!」





「さぁ、今度こそ、コントラクト・サーヴァントを済ませるわよ」


――と、そこへ…




873 :ゲームセンター0X(ゼロエックス):2007/11/12(月) 17:43:29 ID:gUwwGCn+
井上:有野さん、ちょっといいですか?

有野:何や? イノコMAX。

「あ、あんた! どっから出てきたのよっ!」

井上:あのですね。今からこのルイズって子と契約するんですよ。

有野:契約ぅ? 書類か何かにサインすんの?

井上:いえ、違います。

有野:じゃ、何?

井上:実はですね……キスするんですよ。

有野:マジで? 何か恥ずかしいなー。

「わ、私だって恥ずかしいわよ」

井上:それでですね。この部分だけ、僕にやらしてもらってもよかですか?

有野:えー、そうしようかなー。

「そうよ、勝手に決めないで」

有野:そんなにキスしたい?

井上:……はい。

有野:じゃ、ええよ。

井上:ありがとうございます。

「あっさり、決めるなぁぁぁぁぁ!!」


――井上、ルイズと無事に契約完了。そして、井上はここでお役御免。


874 :ゲームセンター0X(ゼロエックス):2007/11/12(月) 17:46:22 ID:gUwwGCn+
「何で、こんな事に……」

「コントラクト・サーヴァントは無事に済んだようだね。じゃあ、皆、教室に戻るぞ」

「いえ、まだ済んで無いんですけど……って、行っちゃった…」

有野:やっと、パターン入ったな。

「もう訳分かんない。とにかく、私達も戻るわよ」

井上:有野さん、ちょっといいですか?

有野:何や? イノコMAX。

「また、あんた!? って言うか、どっから出てくんのよ!」

井上:実はですね。スタッフの帰宅時間が迫ってまして、要はタイムオーバーです。

有野:えー? もう、そんな時間?

井上:はい。それで、今回の挑戦なんですけど、次回、コンティニューされますか?

「もちろん、コンティニューよね? 続けるわよね?」

有野:お断りします。

「はやっ!」

有野:だって、これ以上やったら、きっとゲーム嫌いになるもん。


――有野、まさかの挑戦失敗。


有野:えー、今回は残念な結果に終わってしまいましたが、次回こそは、必ず皆様にエン
ディング画面を見せたいと思います。

「残念な結果って何よ! 勝手に終わるな! って、誰もいないじゃないのぉぉぉぉ!!」


――まな板ピンク、まさかの契約失敗。次回こそは契約できるか!?


「だから、まな板って言うなぁ!! それに、あんたはいったい誰なのよぉぉぉぉ!!」


875 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 17:48:51 ID:gUwwGCn+
投下、終了したとです。

876 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 17:53:02 ID:jq9nv8Ny
げぇっ!有野なんもしてねえ!!GJ

877 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 17:58:37 ID:R+b81ZOc
S.ジャケット召喚するのは賛成だが、
大気中に満ちているのが魔素ではなくエーテルもしくはマナだからなぁ・・・・

体内に蓄積されている魔素だけで、魔族化するか(出来るのか?)

悟空>>夢の共有、サーヴァントか

878 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 18:06:45 ID:fiLraCP5
そろそろ次スレの季節ですね

879 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 18:15:06 ID:fbAoTJPt
>>877
むしろ平民でも使える魔法が大流行して、何十年か後に……

880 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 18:18:46 ID:qbRQiIZ3
>>868
「所詮この世はSの巷の一夜の夢だ。
一睡!!
一酔!!
私はSM女王の一夢の残骸だ。
私はこの夜明けの刹那に遂にSM女王となった!!」

881 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 18:19:11 ID:NmcHuTpi
んじゃ次スレ立てて見ますか。

882 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 18:25:18 ID:NmcHuTpi
■次スレ
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part82
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1194859393/

883 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 18:36:32 ID:uvwaQgeo
課長GJです

世界観が支離滅裂なのに台詞が完璧に脳内再生されるから困るw


500KBなら獲ったどー召喚

884 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 18:49:04 ID:2HqPvN/k
500kbなら、「小沢代表召喚」で小ネタ書く

885 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 18:50:08 ID:jq9nv8Ny
500なら特撮ボスキャラ召喚を書く

886 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 18:51:55 ID:u3gBt5Bx
500kbなら中原スナコを召喚。

887 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 18:54:20 ID:27XQzpbR
>>877
名前が違うだけで同じも乗って事にすればいいんだよ
破壊の杖とロケットランチャーみたいに

888 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:05:29 ID:pIWhkn9o
500kbなら全盛期のイチロー召喚

889 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:08:40 ID:9fNgOGXQ
500kbならシャロンアップル召喚

890 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:09:41 ID:KlqxpYhu
500kbならカービィの人復活

891 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:10:58 ID:54wdlXQC
500kbなら>>886が有言実行
499kbなら俺がスナコ書く

892 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:13:30 ID:Iff1ttHr
>>887
ちょwwwルイズ達が魔族化するwwwww

500kbなら駒犬銀之助召喚

893 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:13:33 ID:N9cb+2cV
お前ら500取る気無いだろw

894 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:14:41 ID:L+l/kdf5
500kbなら武者頑駄無召喚ww

895 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:15:08 ID:O7FjWHbE
んじゃ500kbならカルドセプトサーガから書く

896 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:15:17 ID:Qj+V2yc4
まあ落ち着いて埋めようぜ
つ旦

897 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:16:43 ID:jq9nv8Ny
500なら粉砕!玉砕!大喝采!召喚

898 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:21:12 ID:C6WnVoiz
500kbならプリゾナーNO.6召喚
毎回、学院から脱走を図るが失敗

899 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:21:23 ID:xlbm0ZSH
500kbなら大!粉!砕!!を召喚
もちろん生身で

900 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:23:29 ID:zLjWn5Cc
500kなら東鳩2のまーりゃん先輩召喚。


901 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:25:18 ID:8+tDLqQx
500kならエリートヤンキー三郎軍団召喚

902 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:26:23 ID:mV46Lgvx
500kbならクロノトリガーのカエル召喚

903 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:26:58 ID:XJ+Cii9w
500ならディードリッヒ・高原を誰かが召喚

904 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:27:02 ID:yd0d6F3W
500ならオボンヌ……じゃなかったライナー召喚

905 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:27:06 ID:oJGvMn9s
500Kならえーりん召喚

906 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:32:33 ID:HnH7w3Hz
500ならとかちつくちて

907 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:32:54 ID:F0Htab6T
女帝が来たという事で

500KBなら神武召喚

908 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:34:18 ID:AeznHGxQ
500kbなら、リナ=インバース召喚

909 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:34:27 ID:QvsaOMNX
500kbなら『されど罪人は竜と踊る』から召喚。

イーギーとかラルゴンキンとかジオルグとかクエロとか。

910 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:36:46 ID:VF6BWTH7
500kbならブレイド・オブ・アルカナから魔神を召喚、短編で。

911 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:37:15 ID:HprD1r8R
500kbならちょっと気合い入れて続きを書く。三日以内に投下する。

912 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:37:41 ID:GgB+JJmS
500kbならディードリットを召喚 !?


913 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:38:04 ID:q2IIbank
500kbならGTOの鬼塚英吉を召喚。

914 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:38:25 ID:5Zg5+Anw
500kbなら大輔をガンダールヴ、京をヴィンダールヴ、伊織をミョズニトニルンとして召喚。

915 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:39:56 ID:AeznHGxQ
500kbなら、『ムシウタ』のかっこう召喚。

916 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:41:10 ID:GgB+JJmS
500kbならセリザワ隊長と宇宙剣豪を召喚!?・・・無理がある


917 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:41:23 ID:AeznHGxQ
500kbなら、グレートゼオライマー(次元連結システム無し)&幽羅帝召喚。

918 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:42:19 ID:hw9R+RoE
500kbならアジア支部から方船使って江戸へ行く途中のアレン・ウォーカー召還。何故か江戸に居るティムキャンピーも一緒に。

919 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:42:48 ID:uvwaQgeo
500KBなら世界平和

920 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:43:10 ID:5tnyW4ci
500kbならバカラ大将召喚

921 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:43:22 ID:j6ZrqHDd
500kbならプレデター召喚

922 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:43:33 ID:AeznHGxQ
500kbなら、『コーセルテルの竜術士物語』のマシェル召喚。

923 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:43:43 ID:G6gpKMW2
500kbなら魔界村からアーサー召喚

924 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:44:16 ID:GgB+JJmS
500kbならアルルゥとカミュ召喚


925 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:44:52 ID:MKiR5Gfg
このままの流れだったら、500kbじゃなくて1000取りになるかもわからんね

926 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:45:23 ID:5Zg5+Anw
>>920
500kbなら嫁と娘も一緒に召喚。

927 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:46:22 ID:AeznHGxQ
500kbなら、『あねちっくセンセーション』からさくら先生召喚。

928 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:46:31 ID:VF6BWTH7
>>915 ならば500kbなら大喰い召喚、おいしそうな夢がいっぱいですよ

929 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:47:20 ID:C6WnVoiz
500kbならマタンゴ召喚…はやばいよな、やっぱり

930 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:47:23 ID:jEzB/kQK
500kだったらサンダーフェロウと合一状態のヒオと、搭乗している原川召喚
ハルケギニアで冒険が、救世者の因子へと繋がるとか何とか

931 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:47:54 ID:hw9R+RoE
500kbならファンタシースターユニバースからイルミナス加入後のイーサン・ウェーバー召還

932 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:48:33 ID:4KVsa169
500kだったらラプたん召喚

933 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:49:28 ID:aqawvL87
500だったらこれまで上にあがったもの一つずつ召喚

934 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:49:30 ID:VjnB35GT
500kbならラストの速水隆介召喚

935 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:49:38 ID:PH7mE/iY
500kbならアトラク=ナクアから姉様を召喚。
濡れ場は省略して「きのうは おたのしみでしたね」的な表現にとどめる。

936 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:49:51 ID:AeznHGxQ
500kbなら、『LIVEALIVE』よりブリキ大王召喚……って念動力使えなきゃ意味ねぇ…。

937 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:49:53 ID:nl20jg4S
500kbならメソ召喚

938 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:52:52 ID:VjnB35GT
500kbならレイモンド・F・バウム召喚
パット役どうしよう。

939 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:53:20 ID:VF6BWTH7
500kbならクドリャフカ召喚

940 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:53:21 ID:L+l/kdf5
500kbならガンダム(パイロットなし)召喚

941 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:53:38 ID:5Zg5+Anw
1000ならハンタのマチ召喚。

942 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:54:02 ID:Irf2hzL5
500kbなら今書きかけて途中放棄してる奴を再執筆

943 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:55:38 ID:C6WnVoiz
500kbなら『ドウエル博士の首』よりドウエル博士の首もしくは合成人間ビルケ召喚

944 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:55:46 ID:LjeRE6oP
500kbならドラクエから、キングスライムが……

945 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:57:02 ID:5Zg5+Anw
1000ならGT終了後の18号召喚。

946 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:57:14 ID:yd0d6F3W
501ならいい加減続き投下する

947 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:57:30 ID:AeznHGxQ
500kbなら、『夜明け前より瑠璃色な』からリースリット・ノエル召喚。

948 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:58:46 ID:ASVFWimX
500kbなら
ルーツとラスカ召喚

949 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:59:20 ID:XJ+Cii9w
>>950ならディードリッヒ・高原召喚

950 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:59:26 ID:ovSYdbs9
500kbなら……EDF2のペル子で小ネタ

951 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 19:59:59 ID:QvsaOMNX
>>928
最初の犠牲者は確実にルイズだな……

952 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 20:00:21 ID:AeznHGxQ
>>1000 or 500kbなら、氷室美久&ゼオライマー召喚。

953 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 20:01:20 ID:uvwaQgeo
500KBなら肩こりが治る

954 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 20:01:57 ID:VF6BWTH7
>>951 続いてタバサからも頂く訳ですよ。どんな蟲になるかさっぱりだが。で、500kbなら侵父召喚。

955 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 20:02:04 ID:0x9kcGLb
500なら、サイヤの使い魔にブロリー乱入

956 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 20:03:22 ID:ik/KJi/z
 / .:./       \       ヽ    i      |i:.   i
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  {:i:} _ノ   j | /  ヽ、{:!:i    //.:. .:./  l:.:.:.:.\  ヽ       ゲテモノばかり召喚させられる私の気持ちにもなりなさい
_-―ニ     ソ    ‐テ=―‐ ´ /:.:. .:./   /.:.:.:.:.:.:.ヽ、 \
   ‐´               U /:.:.:.:./    ト、.:.:.:.:.:.:.:. \  ヽ、
         ,           /.:.:.:./.    {::ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:. \  ヽ
               _ノ、  /.:.:.:/:      ト、::ヽ‐、.:.:.:.:.:.:.:.:. ヽ ヽ
   ___,  ----―‐=_ニソ /.:.:.:./:.      l:::l::::l::::ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:. ヽ ',
‐-、 `ー==-------―  ̄   _-/.:.:.:/.:.       ',:::i:::|::::::::',.:.:.:.:.:.:.:.:.  ヽ l
  ヾ ‐ 、     ̄    ィ ´ /.:.:.:/:.:.          !:::/::r、::::l.:.:.:.:.:.  .:.:. ヽl
   \ ` ゝ‐ - ‐ ´ /   〈.:.:.:,':.:.:.         ヾ::/:::ヽ::ト、 .:.:.:.:.:.:.:. リ

957 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 20:04:04 ID:5Zg5+Anw
500kbならプリンセス・カレルナ、じゃじゃ馬娘カレンちゃん召喚

958 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 20:04:20 ID:Yq3VS14G
500KBならアシダカ軍曹召喚

959 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 20:04:33 ID:AeznHGxQ
500kbなら、スレイヤーズからゼロス召喚。

960 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 20:04:40 ID:69jfqckh
>>853-855
ケロちゃんも本気を出せばスクウェアクラスのメイジと渡り合えそうな強さだからな
正直ハルキゲニア基準では十分厨性能か
ルイズとケロちゃんの掛け合いは楽しいことになりそうなので期待するならそっちになるだろうなw

961 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 20:05:26 ID:QQ0uvpxj
500kbなら人類最強の請負人召喚

962 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 20:05:31 ID:5Zg5+Anw
500kbならヴィンダールヴでイエロー・デ・トキワグローブ召喚。

963 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 20:06:02 ID:AeznHGxQ
500kbなら、大魔法峠からぷにえ召喚。

964 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 20:06:22 ID:2UXWzBHH
500kbならジャパニーズビジネスマン召喚

965 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 20:07:07 ID:5Zg5+Anw
500kbなら京とホークモン召喚。ヴァルキリモンになって七万の兵に勝つ。

966 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 20:08:17 ID:HprD1r8R
500ならカオスフレアとその他の……いや、何でもない。
デュラララ! からセルティが召喚される。

967 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 20:08:42 ID:AeznHGxQ
500kbなら、デッドオアアライブからリュウ・ハヤブサ召喚。

968 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 20:08:51 ID:yrV2iMlT
500kbならハルゲニアにサモンナイトから碧の賢帝シャルトス降臨
・・・カルマエンド後の先生もいいなー
けどルイズの抜剣覚醒も捨てがたいwww
亜人ルイズでゴー

969 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 20:09:37 ID:5Zg5+Anw
500なら>>965が実現

970 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 20:10:10 ID:ovSYdbs9
500kbなら続きを二三日中に投下する

971 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 20:10:17 ID:54wdlXQC
500kbなら>>883-970が一斉に自分で挙げたキャラを書き始める。特に>>962には期待している。

あと>>953の肩こりが治る

972 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 20:10:42 ID:AeznHGxQ
500kbなら、ムシウタより詩歌召喚。

973 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 20:10:48 ID:Qj+V2yc4
500ならば
ひまわりのチャペルできみとより
仁時一沙香

974 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 20:10:58 ID:h3CSImtr
500kbなら続きを今週中に投下する

975 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 20:12:00 ID:LjeRE6oP
500kbなら、「足洗邸の住人たち。」からバロネス召喚


976 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 20:12:06 ID:AeznHGxQ
501kbなら、るろうに剣心より剣心召喚。

977 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 20:12:25 ID:Z/HTS1HK
ならまずはその態度から悔い改めような。

978 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 20:12:44 ID:ajg7b89e
500kbならMADLAXから誰か召喚

979 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 20:13:10 ID:nl20jg4S
500kbならシノブ召喚

980 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 20:13:34 ID:AolpnKcS
500kbならゾイド召喚

981 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/12(月) 20:14:12 ID:8+tDLqQx
500kbならジェイムズ・ボンド召喚

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