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あの作品のキャラがルイズに召喚されました part86

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 00:46:00 ID:HoIxz+TO
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。

あの作品のキャラがルイズに召喚されました part85
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1195592885/

まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/


    __              ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃  `ヽ  .   ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
    l lf小从} l /   ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.   ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
   ヽ_/ィヘ_)〜′   ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!
             ・議論や荒らしへの反応は、避難所でやりなさい!


     _
     〃  ^ヽ      ・クロス元が18禁作品であっても、SSの内容が非18禁である場合は
    J{  ハ从{_,      本スレへの投下で問題ないわ。
    ノルノー゚ノjし     ・SSの内容が18禁な展開をする場合はクロス元に関わらず、
   /く{ {丈} }つ     本スレではなく避難所への投下をお願いね?
   l く/_jlム! |     ・クロス元が型月作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
   レ-ヘじフ〜l      ・スレタイと違う内容になったり、痛い展開になったりする場合も、避難所に投下した方が無難ね。
              ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。


   ,ィ =个=、      ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
   〈_/´ ̄ `ヽ      ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。
    { {_jイ」/j」j〉      これ以上だと投下できないそうです。
    ヽl| ゚ヮ゚ノj|      ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
   ⊂j{不}lつ     ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
   く7 {_}ハ>     ・次スレは>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
    ‘ーrtァー’      ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。

※2chへの負荷軽減のため、また閲覧や書き込みのため専用ブラウザの導入をお勧めします。

2 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 00:46:13 ID:mrSud7ot
NG推奨ワード

STEALTH & Aegis
ゼロと聖石

3 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 00:50:59 ID:mlPSLt71
>1
スレ立て乙

4 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 00:51:42 ID:FX27s+Z2
スレ立て乙

NG推奨ワード
>>2を書いたヤツ
ID:mrSud7ot

5 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 00:52:08 ID:ZL0Eh1p2
>>1


6 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 00:53:09 ID:mlPSLt71
>4
それを書くのだけは自重してたのにw

7 :蛇の使い魔:2007/11/25(日) 00:55:31 ID:ZL0Eh1p2
こちらスネーク
投下地点に到着した
大佐、支持をくれ

8 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 00:56:16 ID:mrSud7ot
面白っ!!

>>2
>>4

が見えないww

9 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 00:57:14 ID:HoIxz+TO
大佐ではないが支援

10 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 00:58:43 ID:4ClhmnEn
>>7

スネーク、これは潜入任務だ。
武器、弾薬、食料、全て現地調達だ。
君のいた痕跡は投下という形以外で残す事は許されない。

以上だ、スネーク。

11 :蛇の使い魔:2007/11/25(日) 00:58:48 ID:ZL0Eh1p2
『土くれのフーケ』
いつ誰がそう呼んだのか知らない。
その盗賊はそう呼ばれていた。
由来はその侵入方法。
壁や扉を粘土や砂に変え、穴を開けて侵入するからだ。
そして侵入した先でマジックアイテムを盗み出す
そして「秘蔵の○○、確かに領収いたしました。土くれのフーケ」とふざけたサインを残していく

そんな話をルイズから聞いた。

「まるでアルセーヌ・ルパンみたいな奴だな。」
「だれそれ?」
「俺の世界の架空の大怪盗だ。盗む前に予告をし、それを必ず盗み出す、という怪盗だ。」
「へぇ。」

学園に戻ってきた二人。
スネークが本塔の外壁に人影を見つける。

「ルイズ、アレは?」
「なに?」
「あそこだ。本塔の壁。五階ほどの高さ。」

目を凝らしてみてみると確かに人がいるようだ。
静かに近づいていく。息を殺し、足音に気を配って、慎重に近づいていった。
壁に対して垂直に立っているようだ。

「ここからでは男か女かも分からんな。」
「ええ。でも、怪しいわ。お日様の下を大手を振って歩けそうな奴じゃないわね。」

小声で話したつもりなのだが、こちらに気がついたようだ。
詠唱が一瞬で終わらせ、地面から30メイルほどのゴーレムを呼び出した。
その大きな拳が振り下ろされる。
ルイズを小脇に抱えて走る。間一髪、避ける事が出来た。

「あんた主人を何だと思って!」
「そんな事を言っている場合か!?当たれば死ぬぞ!」

だが、ゴーレムは目標を変更したのか、本塔の外壁を叩き始めた。
少しはなれたところでルイズをおろし、様子を見る。

「何やってるのかしら…」
「…ルイズ、あのあたりには何がある?」
「えっと…多分宝物庫があったと思うけど…。まさか!」
「ああ。多分フーケだろう。」
「だったら捕まえないと!」
「どうやってだ?あいつに対抗できそうな武器は無い。」

そうやって見ている間にゴーレムは外壁を破壊していく。


拳を強く握る。くやしい。見ている事しか出来ない。
だから私はゼロと呼ばれる。無能だから。
目の前に盗賊が盗みをしているのに、見ている事しか出来ない。

「私は、無力ね。」

ぽつんと呟いた。
魔法がつかえないメイジなんて、ただのガキよ。


12 :蛇の使い魔:2007/11/25(日) 00:59:53 ID:ZL0Eh1p2
ゴーレムがこっちに向かって歩いてくる。

「まずい、こっちに来るぞ!」

またルイズを抱えて走るスネーク。

「うぉおおおおおお!!!」

全力で走る。走る。走る。
何とか踏まれずに済んだ。

「危なかった…。」
「…。」


翌朝、学院は大騒ぎになっていた。
何処に行っても、フーケ、フーケとその話で持ちきりだ。
二人は第一発見者として教師達に質問攻めにあい、ようやく落ち着いたところだ。
結局たいした手がかりにはならなかったが。

「ふむ、どうしたものか。時に、ミス・ロングビルはどうしたかね?」
「存じません。朝から姿を見ておりませんな。」
「この非常時に一体何処へいったのかのう?」

噂をすれば影がさす、といった具合に丁度ロングビルが帰ってきた。

「おお、ミス・ロングビル。一体何処へ行っていたのじゃ?」
「申し訳ありません。調査をしておりましたの。
今朝方起きたらこの騒ぎじゃありませんか。そして宝物庫の壁にフーケのサインを見つけたので、すぐに調査をいたしました。」

調査の結果、フーケらしき人影がここから馬で四時間ほどの森の廃屋に逃げ込んだらしい、とわかった。

「では、捜索隊を編成する。誰か立候補はおらんかね?
 我と思うものは杖を掲げよ。」

教師は誰も杖を上げない。
ルイズは俯いていたが、すっと杖を掲げた。
その場にいた誰もが驚いたようだ。
フーケ討伐にゼロのルイズ。どう見ても勝ち目は無い。

「ヴァリエール、正気ですか?貴方は生徒ですよ?ここは教師に任せて…。」
「誰も掲げないじゃないですか。」

きっぱりと言い放った。
だが、視線が定まらず、自信が感じられない目つきをしている。
一度見た事がある目、新兵特有の目だ。

13 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/25(日) 00:59:57 ID:EHF4YE5q
sienn


14 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/25(日) 01:00:19 ID:EHF4YE5q
支援

15 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 01:00:31 ID:gH9z14rj
いちもつー

16 :蛇の使い魔:2007/11/25(日) 01:00:53 ID:ZL0Eh1p2
「俺も行こう。」

ルイズが振り向く。

「何考えてんのよ?」
「心配なもんでね。俺が行った所で力になれるかどうか分からんが、行かせてもらう。」

軽口を叩く。先ほどまでキッと結んでいた口が少し緩んだ。
目にも余裕が戻ってくる。

「…ありがと。」
「なぁに、気にするな。」


フーケ討伐のメンバーが決まった。
《ゼロ》のルイズ
《微熱》のキュルケ
《雪風》のタバサ
《伝説の傭兵》ソリッドスネーク
の四人。少々心もとない気がするが、ほかに誰もいないので仕方が無いじゃろう。
あの使い魔君にはわしも期待しておる。それにガンダールヴもある。何とかなるじゃろう。

「さて、君たちに依頼する任務を確認しよう。
 君たちに依頼する任務は二つ。
 フーケの逃げ込んだ小屋へ侵入、『破壊の杖』を奪取すること。そして可能ならば、フーケの討伐だ。
 そして交戦規定はただひとつ。生き残れ!無言の帰還は許さん。幸運を祈る。」

オスマンに見送られ、捜索隊が出発した

「オールド・オスマン、彼らだけで大丈夫でしょうか…?」
「…君は、彼、いやスネークが厨房の連中になんと呼ばれているか知っているかね?」
「いえ…。」
「『不可能を可能にする男』と呼ばれているそうだよ。」

17 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 01:01:31 ID:7Yb8zeTy
>>982
誤解させてすまない
>>980>>978宛なんだ

18 :蛇の使い魔:2007/11/25(日) 01:02:00 ID:ZL0Eh1p2
投下終了です
支援ありがとうございました

19 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 01:05:02 ID:7Yb8zeTy
>>18
乙です

なんかおかしいと思ったらこっちに誤爆してたか…orz

20 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 01:07:40 ID:0hI8ms7J
998 名無しさん@お腹いっぱい。 sage New! 2007/11/25(日) 01:02:37 ID:0hI8ms7J
>>1000、もしくは500KBなら985の通りに。


999 名無しさん@お腹いっぱい。 sage New! 2007/11/25(日) 01:02:41 ID:mrSud7ot
>>1000なら>>985が一方通行召喚


1000 名無しさん@お腹いっぱい。 sage New! 2007/11/25(日) 01:02:43 ID:6bNcjGzQ
>>1000
ならポケスペのイエロー召喚

ボクっ子ねぇ…。

21 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 01:08:19 ID:ZL0Eh1p2
>>20
ボクっ子は大好物だ

22 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 01:08:43 ID:mrSud7ot
乙です!

>厨房の連中
別の意味想像しちゃった

23 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 01:14:53 ID:PmLcATeK
乙です。
トラップの仕掛け甲斐のある森でスネークがどう活躍するかが楽しみw

では続けて二十分から小ネタを投下して構いませんか?

24 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 01:25:16 ID:DtSgVyo4
まだー?

25 :覆面の使い魔:2007/11/25(日) 01:25:31 ID:PmLcATeK
“互いに代表選手を出しての時間無制限一本勝負”
それが神聖アルビオン共和国の提示した『代理戦争』だった。
自分達の戦力を損なう事なくトリステイン王国を手にしたかったのだろう。
もし敗れれば私達は無条件でアルビオンの支配下に置かれる事になる。
相手の代表は勿論、世界屈指のスクエアメイジであるワルド子爵。
その彼を一体誰が倒せるというのか? とても呑める様な条件ではない。
だけど、任務に失敗し、手紙を奪われゲルマニアとの同盟も破綻した私達に選択肢は無かった。
中には全面降伏すら已む無しという貴族までいるのだ。
この最後の機会に全てを賭けるしかトリステインの生き残る道はない。

代表選手を選抜する式典の日。
アンリエッタ姫殿下直々の命にも関わらず、
誰一人として名乗りを上げようとはしなかった。
皆名立たる実力者揃いだというのに、ワルド子爵を恐れて戦おうともしない。
姫殿下直属の魔法衛士隊の隊長達もだ。
見るに耐えかねた私が立ち上がろうとした瞬間、
それを遮って私の使い魔が自ら手を挙げた。

「手紙を奪われたのは私の責任だ。
この借りは必ずリングの上で返すと約束しよう」

そう力強く宣言する彼の背中が頼もしく映る。
でも、それは気の迷い。
だって彼はメイジでさえない、ただの平民。
野良犬に追いかけられ、子供からは石を投げられる、
私と同じで、何一つとして取り得の無いダメ使い魔。


だから、これはきっと夢なのだろう。
そんな使い魔がワルド子爵を相手に一歩も譲らずに善戦するなんて。

ラ・ロシェールに作られた特設会場。
上空には自国の応援団を乗せたアルビオンの大艦隊までいる。
場内に響き渡る、割れんばかりの大歓声。
その中心に設けられたリングで、白熱した二人の戦いが繰り広げられていた。
処刑を観賞する面持ちで来賓席に座っていたクロムウェル議長も、
ワルドの思わぬ苦戦に困惑を隠しきれずに立ち上がっていた。
その横でアンリエッタ姫殿下が祈るようにして試合の展開を見守る。
私はリングサイドに立ち尽くしたまま、使い魔の戦いを見続けていた。
如何なる苦境に立たされようとも逆転する、彼の奇跡のファイトを。

「今だ!」
多数の偏在から攻撃を受けながらも私の使い魔が突進した。
突き立てられるエア・ニードルも鉄壁の防御の前に弾かれた。
肉のカーテンと名付けられた彼のガードは鋼鉄の強度に匹敵する。
そして、彼は這うような姿勢のタックルでワルドを捕らえた。
「へへ…遂に捕まえたぜ! おまえが本物のワルドだな!」
それは実体を含む五人の中で一番後方にいた相手。
彼の攻撃をなるべく受けない位置に移動していたのか。
五人と同時に闘うのは不可能と判断し、彼はやられながら本体を探していたのだ。

「これがキン肉ドライバーじゃい!」
残された力で彼はワルド子爵を抱えたまま、天高く舞い上がる!
その跳躍の最頂点で自分とワルド子爵の上下を入れ替えた。
いや、それだけじゃない。
両足で相手の腕関節を極めながら、両腕は同じく相手の股関節を裂いていく。
腕を封じられては杖を振るう事さえ出来ない。
そして脱出不能となったワルドは脳天からリングへと叩き付けられた!

26 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 01:25:45 ID:HoIxz+TO
投下まで ワクテカしながら 支援する

27 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 01:25:46 ID:OyBKveHI
>>21
同志よ!!

28 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/25(日) 01:26:23 ID:EHF4YE5q
支援


29 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 01:26:43 ID:dlxCw5Ya
>>25
ちょっ!なんて人を召喚してるんだw
支援

30 :覆面の使い魔:2007/11/25(日) 01:27:13 ID:PmLcATeK
素人の私でも一目で判った。
両腕、股関節、頭、複数の部位を同時に破壊するアレは必殺の技。
まともに受けてはスクエアメイジだろうと立ち上がる事は出来ない。
マットに崩れ落ちていくワルドの姿を見たクロムウェルの顔が蒼白に変わっていく。
しかし次の瞬間、倒れ伏したワルドの姿が消え失せていく。

「なに!?」
「フッフッフ、惜しかったなあキン肉マンよ。
お前が最後の賭けに出てくる事はお見通しだった。
五分の一の確率でやられては元も子もないので利用させてもらったよ、お前の浅知恵を」
残された四人のワルドが同時に声を上げる。
キン肉マンが仕留めたのは本体ではなかった。
あえて本体を危険に晒す事で、偏在への攻撃を誘ったのだ。
力や魔法だけではない、彼は頭脳戦においても優秀だった。

「もはや…ここまでか」
彼の片膝が力なくリングに落ちた。
死力を振り絞ったにも関わらず失敗に終わった。
その落胆が彼から気力さえも奪っていく。
そこに止めを刺さんとワルドが歩み寄る。
その光景を見つめたまま、私は言葉を発しようとした。
だけど、なんて言えばいいの?

“平民なのに良く戦ったわ”
“ワルド子爵相手に頑張ったわね”
“誰でも結果は同じだったわ”

違う、全然違う!
私が言うべきはそんな事じゃない!
アイツは言っていた。
リングの上に立つのは自分だが、一人で戦うんじゃない。
セコンドについた私も、アイツを信頼して応援する者も一緒に戦うんだって。
諦めずに最後の瞬間まで逆転勝利を信じて!

「立ちなさいよ! アンタ、私の使い魔なんでしょ!?
なら立って戦いなさい! 私が諦めてないんだから…先に諦めるなァ!!」
主人の絶叫にキン肉マンは振り返った。
そこで眼に飛び込んで来たのは涙を零すルイズの姿と、
背後の観客席で自分を応援する人達の姿だった。
風系統の魔法の対抗策を一緒に練ってくれたタバサ。
スパーリングパートナーにフレイムを貸してくれたキュルケ。
ボロボロだったキン肉一族の勝負服を裁縫してくれたシエスタ。
無理を聞いて試合前に牛丼を作ってくれたマルトーさん。
他にもギーシュや多くの仲間や知り合い達がそこにいたのだ。
ワルドに敗れ、今も生死の境を彷徨うウェールズの魂さえも。
各自、自分に思い思いのエールを飛ばしてくれている。

「そうだったぜ。これは自分一人の戦いじゃない。
トリステイン王国全てを背負った戦い、ここで投げ出しちゃ皆に合わせる顔が無いぜ」
そう言いながら彼はロープを掴み、自分の身体を引き起こす。
死に体同然だったキン肉マンの身体から闘気が立ち上っていた。
疲労が溜り硬直していた筋肉が元の張りを取り戻し膨張していく。
まるで巨人と遭遇したかのような眼でワルドは彼を見上げた。
自分が優勢の筈なのに、完全に気圧されている。
ワルドは知らない。
これこそが彼が最強と謳われた所以。
友情パワーに後押しを受けた、火事場のクソ力の存在を!

31 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/25(日) 01:28:48 ID:EHF4YE5q
支援

32 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 01:29:17 ID:SsTY0Dcz
支援

33 :覆面の使い魔:2007/11/25(日) 01:29:36 ID:PmLcATeK
「だが風は偏在する! 誰にも風を捕らえる事は出来ん!」
負けじとワルドも声を張り上げて吼える。
互いの精神力が勝負の鍵となるならば、スクエアメイジの自分が負ける筈が無い。
過信ではない、これは自信に裏打ちされた確信だ。
だが、それをキン肉マンは笑った。
「果たしてそうかな? 今、おまえの言葉で閃いたぜ!」
「なに!?」
「行くぞ、これが最後の勝負だ!」
合図と同時に彼はワルドの周りを走り出す。
それはマッスル・ランニングという彼の戦闘技術。
相手の攻撃から逃げ惑っているように見せて、
その実、あらゆる角度から相手の構えを見て隙を探す技法。
しかし、この終盤に来てそんな事をして何になるというのか。
いずれ力尽きるか、攻撃をしてくるしかないのだ。
それを待って迎撃すれば十分だ。
動き回る相手を下手に攻撃して避けられるよりは、
残された力を温存すべきだとワルドは判断した。

しかし、止まるどころか彼の動きは更に加速していく。
その速度は、もはや突風と呼ぶに相応しい。
気が付けばワルドを覆い隠すように竜巻が巻き起こっていた。
魔法ではなく力のみで引き起こされた嵐にワルドが絶句する。
だが、これでどうするつもりだというのか。
風の壁に触れさえしなければワルドが傷付く事はない。
ここからでは相手も攻撃する手段など無いだろう。
無駄な体力を浪費するだけだと相手の行動を鼻で笑った瞬間だった。

「なんだと!?」
自分の偏在が解かれて風の中に消えていく。
精神力が尽きたのではない。
では、どうやって魔法が解除したのか?
その疑念の答えは竜巻の向こうから聞こえてきた。

「嵐の中心は空気が巻き上げられ、真空に近い状態になる。
空気が無ければ風も吹かない、つまりは偏在も出来ない。
どうやら私の予想は的中したようだな」
「貴様…!!」
「今度は私の“風”を受けて貰うぞ! 48の殺人技の一つ、風林火山!」

直後、風を裂いてキン肉マンがワルドへと駆ける。
杖を振るう腕を絡め取り、サイクロンホイップを仕掛ける。
そのまま腕をロックした状態でリングを縦横無尽に駆け巡る。

34 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 01:29:52 ID:mrSud7ot
支援

35 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 01:30:15 ID:uwKak8gu
ゲ、ゲェーーッ!支援だとー!?

36 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/25(日) 01:30:25 ID:EHF4YE5q
支援

37 :覆面の使い魔:2007/11/25(日) 01:31:30 ID:PmLcATeK
「迅き事風の如く!」
最大限に加速をつけた所でワルドをロープへと投げ飛ばす。
腕が自由になった瞬間、ワルドは杖を振ろうとした。
だが完全に平衡感覚を失った状態では抵抗さえ儘ならず、
その衝撃で跳ね返ってきた所を今度は両脚を絡め取られる。

「静かなる事林の如く!」
転がりつつ相手の股関節を破壊するローリングクレイドルを掛けながら、
相手の勢いを利用してキン肉マンが再び天へと昇っていく。

「侵掠する事火の如く!」
最頂点で再びワルドの頭を下に向けたまま両膝で固定。
天地を射抜く雷のように彼がリングへと舞い戻る。
放たれたツームストンパイルドライバーが今度こそワルドの脳天を貫いた。
腕、両脚、頭と相手の体を流れるような連続技で完膚なきまでに破壊していく。

「動かざる事、山の如く!」
そして倒れたワルドに最後のフィニッシュが決まった。
両腕を掴み後ろへと極め、両脚にも自分の脚を絡ませて極めたその技は、
残虐超人をして本当の殺人技と言わしめたロメロ・スペシャル。
両腕、両脚、背骨を破壊する複合関節技。
吊り上げられたワルドの背骨が弓の如く曲がり軋みを上げた。

「が…はっ……」
苦悶を上げてワルド子爵はリングに倒れ込んだ。
その横には彼を見下ろす私の使い魔。
勝敗は誰の眼にも明らかだった。
予想だにしなかった結末に、会場がしんと静まり返る。
その沈黙を破ったのは高らかに鳴り響くゴングの音。
大歓声と共に、勝者の名が告げられた。

「両国の運命を賭けた世紀のデスマッチ!
それを制したのはトリステイン王国代表、キン肉マンだァァー!!」
舞い散る紙吹雪の中、第三国から選抜されたジャッジが彼の腕を掲げる。
だが彼の視線は倒れたワルドへと向けられたままだった。
そして呟くように彼は言った。
「いい勝負だったぜ。いつかまたやろう、次は国の将来なんか抜きにしてな」
「…………」
ワルドは何も答えない。
代わりに来賓席から悲鳴のような声が上がった。

38 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/25(日) 01:32:47 ID:EHF4YE5q
支援

39 :覆面の使い魔:2007/11/25(日) 01:33:36 ID:PmLcATeK
「バカな…! こんな筈はない! この勝負は無効だ!」
叫び声を上げているのはクロムウェルだ。
万に一つとて敗れる事はない。
そう信じていた彼には目の前の出来事が悪夢に映った。
自分の敗北を認めず、見苦しく喚き散らす姿にワルドさえも呆れる。

「…皇帝陛下。恐れながら、この結果は我が未熟が招いた事とはいえ負けは負け。
ここは約定を違える事なく潔く軍を退かれるのが宜しいかと…」
キン肉マンの肩をを借りて立ち上がったワルドが諭す。
この会場には両国のみならず、ゲルマニアやガリアの王族も来ているのだ。
こんな所で決まりを破ればどうなるかは明白。
ましてや不正の戦に兵達の士気が上がる筈もない。
しかし、それを受け入れずクロムウェルは全軍に指示を飛ばす。
「ええい黙れ! 茶番は終わりだ!
どうなろうと構わん! 全軍攻撃を開始しろ!」
「陛下!」

突然の命令に困惑しつつも軍船が砲撃を始めた。
次々と撃ち込まれる砲弾に、観客席にいた民衆が絶叫を上げて逃げ惑う。
その光景を眼に焼き付けながらアンリエッタが警護の兵に逃がされる。
代理戦争の意味は無く、無抵抗な者達を踏み潰す侵略者がそこにはいた。

「おのれー! 生かしては帰さんぞクロムウェル!」
知り合い達を避難させながらキン肉マンが怒号を上げる。
その彼の視界の端に一人佇む影があった。
見れば、その人物はリングに立ち尽くすワルドの姿。
まさかダメージを負い過ぎて動けなくなったのかと駆け寄る。
しかし、それを手で制しながら彼は詠唱を始めた。

瞬間。ラ・ロシェールの空に暗雲が立ち込め稲妻が走った。
続けて礫のように雨が降り注ぎ船の視界を奪った。
加えて吹き荒れる風が航行を妨げ、互いの船を衝突させる。
雷鳴が轟き、雷に打たれた軍艦の火薬庫が誘爆した。
この天候では、もはや戦闘の続行など不可能であった。
引き上げていくアルビオン艦隊を見届けた後、
ワルドはゆっくりとその場に倒れ伏した。
駆け寄ってきたキン肉マンが彼の身体を抱える。
触れた身体には体温は感じられず氷のように冷たくなっていた。

「何故じゃ、ワルド!
あれだけ精神力が残っているなら、何故もっと魔法を使わなかった!?」
「フフ…。キン肉マン、お前は不思議な男だ。
平民に傷を負わされるなど屈辱でしかない筈なのに、
お前と戦う度に少しずつ忘れていた貴族の誇りを思い出したよ。
だから、どうしても対等の勝負で決着をつけたかったのさ。
互いの全てを出し切る戦いとは、かくも素晴らしいものだったとは…」
使い魔と同じく、ワルドに駆け寄っていたルイズが見下ろす。
憑き物が落ちたような穏やかな微笑み。
そこには今までの彼ではない、幼き日に出会ったワルドがいた。

40 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/25(日) 01:34:17 ID:EHF4YE5q
支援

41 :覆面の使い魔:2007/11/25(日) 01:35:05 ID:PmLcATeK
「…これを」
ワルドが懐から指輪を差し出す。
それはクロムウェルの『アンドバリの指輪』だった。
戸惑う私達にワルドは説明する。
「その指輪ならウェールズ皇太子を生き返らせる事が出来る筈だ」
「何故じゃ!? 何故、敵だった私達にそこまでしてくれる!?」
「聞け、ルイズは今、途方も無い敵に狙われている。
僕はルイズを守る為に、已む無くクロムウェルに協力する事で彼女を守ろうとした。
だが、それも過ちだった。僕は戦いから逃げようとしたに過ぎない。
頼む、彼女の使い魔として…ルイズを…守っ…」
それがワルドの最期の言葉だった。
使い魔に向けて伸ばされた手は力尽きて地面に落ちた。
ワルドの名を叫びながら、わんわん泣く彼の背中で私は泣けずにいた。
悲しいのに、どうしてか涙は零れなかった。

「…もう大丈夫なの?」
「ああ。いつまでも泣いてちゃワルドに笑われちまう。
それに誇り高い貴族として死ねたんだ、アイツも満足してるさ」
やがて涙を出し尽くしたのか、泣き終えた彼に問いかける。
それに答えながら彼はワルドの遺体を抱き上げた。
指輪と共に懐から零れ落ちたロケット。
それを開いたまま、私の使い魔は彼の胸の上に乗せた。

「さあ、帰ろうワルド。
お前の父と母が愛し、そしてお前が愛したトリステインに…」

ラ・ロシェールから麓を見下ろす。
そこには見渡す限りに広がるトリステインの大地。
嵐の過ぎ去ったそこには天国に届かんばかりの七色に輝く虹の橋が架かっていた。


42 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 01:35:13 ID:MOjbWMwZ
ありえないものを召喚したなあww

支援

43 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/25(日) 01:35:22 ID:EHF4YE5q
支援

44 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2007/11/25(日) 01:35:55 ID:EHF4YE5q
支援

45 :覆面の使い魔:2007/11/25(日) 01:37:17 ID:PmLcATeK
投下終了です。
最初はワルドに「ロッテンピッサン…」と怪しげな詠唱をさせようかとも。
流石に両方の世界観を合わせるのは難しいなあ。

46 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 01:37:57 ID:nWaTtirQ
筋肉ドライバーがフェイバリットホールドだとすると、
悪魔将軍戦以後か。
でもマッスルスパーク使ってないから王位継承戦以前といった所か。

47 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 01:39:06 ID:kkrbp+U4
ワルドはこの後、普通にピンピンして登場しそうだな。何の説明もなしに。

48 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 01:39:18 ID:SsTY0Dcz
GJ!
なんていうか面白かった

49 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 01:41:27 ID:vzbQouKI
渡された指輪使えばワルド復活できるだろというのは無粋ですね

50 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 01:43:30 ID:7VgQSrWu
フェイス・フラッシュを使えばワルド復k(ry


つか、いきなり加齢臭のするスレになったなw

51 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 01:44:47 ID:uwKak8gu
風林火山を使ってる時点でアニメ版のキンちゃんでしょ
個人的には風林火山スペシャルを見たかった…

52 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 01:46:01 ID:MOjbWMwZ
勢いだけだったが原作もそうなので親和性がすごいな。
ゆでたまごが書いたのかと勘違いするぐらいに。

53 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 01:46:55 ID:mrSud7ot
ワルドかっこええ〜

54 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 01:46:57 ID:hCb9Aa4L
M・U・S・E・L・E マッソー

55 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 01:50:27 ID:uwKak8gu
案外後日の展開でワルドが生き返って登場したりしてw
グレートっぽいマスクを被ったキン肉マンワルドとかw

56 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 01:52:10 ID:LDCNCX7D
>>51
ん?漫画版でも風林火山は使ってるが。

57 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 02:09:31 ID:uwKak8gu
>>56
漫画での風林火山はジェシー・メイビア戦のみだろ?
アニメ版のように頻繁には使用してなかった筈だが…

58 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 02:10:03 ID:mBy6UsKm
ゆでだからの一言で全て済むから問題ない

恐るべしゆで

59 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 02:17:43 ID:B3GkRG8G
もの凄く懐かしい記憶を引っ張り出されてしまったw

60 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 02:27:53 ID:rYBpc+/7
胸の炎がマットを焦がす乙
懐かしいなあ
パロスペシャルはロマン。

ところでキュルケに初めて会った時に変な名前と軽く笑われるよな
この時点でブッツンするくらいに名前にこだわりとかのあるキャラって何かいる?

61 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 02:34:03 ID:LsX4AUe1
>>60
専用スレがあるのでここに出してもいいのかビミョーだが
ジョジョの奇妙な冒険のシーザーが思いついた。

62 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 02:35:29 ID:4dWr3HuU
と言うか何を基準に変な名前にすればいいんだ。
とりあえず和名以外で。

63 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 02:39:48 ID:2k+uUQCr
ヨーロッパ語圏以外の名前とか? 中東系みたいな

64 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 02:44:56 ID:rYBpc+/7
>変な名前の基準
ハルケギニア的に聞き慣れない(和名とか)又は無茶な発音を要求されるような名前(ニルチッイとか)とか?
あとはハルケギニアに存在するが人名に使うものではない言葉とか
とりあえずラフラ・リフラ思い出した

65 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 02:49:21 ID:4dWr3HuU
とりあえずルイズの名前の元のルイーズ=ド=ラ=ヴァリエールがフランスだろ。
ゲルマニアは今はドイツ。ガリアはイタリアで、アルビオンはイングランドの事。
となるとゼロ魔世界の『普通』はヨーロッパか、やっぱり。

66 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 02:50:48 ID:cpLcsWiN
長編で読みてえな
ロビンマスクとか喚んだらどうなるんだ
最初は亜人扱いされちまうかな間違っちゃいないけど
個人的に悪魔将軍がフーケをワルドを無能王を断頭台にかける話とか読みてえな
将軍様が大人しく使い魔になる姿なんざ想像できないが

67 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 02:54:10 ID:7VgQSrWu
イタリア語で「カツオ」はティンコの意味だとか・・・そんな感じで?

68 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 03:00:47 ID:4dWr3HuU
>>67
……あー。「変態!」と罵られる長男坊が脳裏を過ぎった。
人名とか固有名詞以外は翻訳かかるんだよなー。
そうなると話が噛み合わないなw

多分使い魔側でゼロ魔言語を理解すれば、ゼロ魔言語で聞こえるんだろうけど。

69 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 03:05:25 ID:X0CUqh6b
>>65
ガリアはフランスでロマリアがイタリアじゃない?
トリステインは小国みたいだし

70 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 03:08:55 ID:4dWr3HuU
>>69
んー、地図上の場所じゃなくて名称と名前からの判断なんだけど。
まぁ、地図を基準にした方が自然か?

71 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 03:16:13 ID:X0CUqh6b
>>70
ローマ時代は、フランスあたりをガリア地方って呼んでなかったっけ


72 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 03:30:04 ID:4dWr3HuU
>>71
おお……そうだったか。
スマン、俄仕込みの知識なんだ。勉強し直す事にしよう。

ところでマテリアルゴーストから主人公を幽霊少女込みで召喚、
をプロット考えているんだが、読んだ事ある人ってどれだけいる?
どうも名前とか能力が厨っぽいとか思わなくもないが好きな訳で。
しかしあの作風を俺の技術で出来るか不安だ。

73 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 03:33:32 ID:ZnyUoX1v
ガリアと聞くと、ガリア戦記ぐらいしか思いつかんなぁ。

74 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 05:07:40 ID:CamQ0Wgd
誰も居ないー投下するなら今のうちー(AA略)

75 :虚無の使い魔と煉獄の虚神:2007/11/25(日) 05:09:14 ID:CamQ0Wgd
その戴冠式は前代未聞と噂され、ハルケギニアの歴史にも長く残る事となった。
始祖より伝わる3つの玉座の一つ、アルビオン王家の冠を戴くのは少女ティファニア。
尖ったエルフの耳をもつ、異相の王女である。

電光石火の勢いでハヴィランド宮殿を陥落させ、主立ったレコン・キスタ上層部を捕縛した王党派が、王権の復活を宣言してから一週間。
わずかな期間の間に、レコン・キスタはほぼその軍門に下っていた。
5万の兵士を擁した艦隊を全滅させ、8万を超える兵士を中央突破で破った武勇。
ありえない速度での司令部撃破によって、反乱軍上層部の殆どが一網打尽で縄についた。
レコン・キスタ内部を飛び交うの噂には、それを成した伝説の存在が常に付いて回っている。
伝説の虚無を操る始祖の継承者と、それを守る最強の『神の盾』。
転移魔法による進軍をしていたため、本拠地から遠く離れた土地で日干しになっていた主力部隊は元より、
アルビオン各地に散らばっていた部隊は恐れをなして次々に投降する。
特にガンダールヴの鬼神の如き戦いぶりを、戦艦を撃ち落す虚無の魔法を見た主力軍の兵士が抱かされた恐怖は深く強い。
実際の被害は全軍の十分の一にも満たなかったが、王軍の生み出した戦果と勇名、
特にその先陣であるサイトへの畏怖を刻まれたレコン・キスタに、組織的な反撃をする余力は無かったのである。
既に主だった指揮官は捕縛され、賞罰の徹底と国軍の再編成が急ピッチで進められていた。

反乱軍という位置付けで敗戦を迎えたレコン・キスタ将兵の不安は、当然ながら大きかった。
王軍によって意図的に流された風説には、全員が斬首、あるいは家族にすら累が及ぶとするものも有ったのだから。
だが、不安が最高潮に高まった彼等へと発表された処分は、常識を疑うほどの温情的な処置だった。
反乱軍貴族のうち、指導者格は領地財産没収の上でアルビオン追放。
無領の下級貴族は免職の上で再度の仕官を望む者は平等にとりたてる。
平民は特に積極的に反乱に加担、先導をした者を除いて、全員を無罪放免。
希望者は降格の後、引き続き国軍兵士として仕える事を許すという破格のものだ。
それはティファニアが温情処置を望んだ事と、あまりにも反乱軍の数が多く国軍の数が少なかった事から採られた異例の措置だったが、
結果として復活した王家は将兵達から歓呼を持って迎えられる事となった。

その中で発表された新国王の即位は、すべての国民から驚きをもって迎えられる事となる。
王家の血とエルフの血を、二つながらに持つ少女。
しかもその少女こそが、始祖ブリミルに連なる系譜の正当な証たる『虚無』を操ると言うのだ。
圧政者たるレコン・キスタからの解放。
正当なる血脈。
少数で多勢を打ち破った、伝説級の実績。
それらをもってしても、万民を納得させる戴冠とはなるまい。
そう予想しながらもティファニアを擁立した貴族達の予想は、驚きをもって覆される。
それはロマリア教皇、聖エイジス32世の戴冠式出席の報によってであった。

そも王権とは始祖ブリミルの名によって神から与えられるものである。
ために、時に成り上がりの蛮族と誹られるゲルマニアにおいてさえ、皇帝の戴冠を行うのは聖職者の役割であった。
その点は、始祖を始まりとするアルビオン王家ならばなおの事。
敬虔なとは言えないものの、祭壇に祈りを捧げる事も知っているティファニアは、
逃亡時代に世話になった修道院の院長に話を通して、その伝手で戴冠式をおこなってくれる司祭を見つけるつもりだった。
だが、その儀式を教皇直々に執り行ってくれるという。
それはもちろん、純粋な信仰の発露やアルビオン王家への好意というワケではなく、
始祖の正統の証『虚無』の使い手である新女王をとりまく様々な政治的判断と妥協、そして思惑ゆえの事なのだろうが……

ともかく、その事実はティファニアの正統性を主張する錦の御旗となる。
各国の王もその意向を無視するわけにはいかず、ゲルマニアやトリステインからはその代表が、ガリアからも大使が到着した。
いずれ玉座に座り女王となるのでは無いかと噂される王女アンリエッタ。
ゲルマニアの至尊の王冠を戴く皇帝、アルブレヒト三世。
唯一国王が欠席となったガリアからは王ジョゼフの一子、王女イザベラが。
それぞれの国が誇る最新の戦列艦とその護衛を引き連れて、ハルケギニア王権の担い手達が王都ロンディニウムに集う。
錚々たる列席者に、歓迎は内戦で疲弊したアルビオンにかなう最上級の用意がなされ、王都はお祭騒ぎに包まれた。

街には時ならぬ市場が建ち、内戦に疲弊していた住民達の顔にも笑顔が戻った。

76 :虚無の使い魔と煉獄の虚神:2007/11/25(日) 05:10:40 ID:CamQ0Wgd
商魂たくましい商人達が浮遊大陸の方々から集まって、珍しい商品を露店に幾つも広げて見せる。
物々しく兵士が巡回する街角を子供達や着飾った女達がさざめきながら行き交う。
街角で旅芸人が歌を披露すれば、道化が踊り、街娘が男達の手をとって踊り出す。
ロンディニウムのそこかしこで「女王陛下万歳!」の叫びが上った。
それは本当に女王の即位を祝う声ではなく、戦争という抑圧から開放された衆愚の無責任な叫びではあったが、
それでもエルフの血を引くティファニアの即位を心底嫌悪してはいないという、その現われではあった。
そんな大騒ぎの中の戴冠式3日前。
国賓として宮殿へと訪れたアンリエッタに、ルイズは再会したのであった。

「お久しゅうございます、姫様」

毛足の長い赤絨毯に膝をつき、ルイズは深々と頭を下げる。
驚くほど広く天井の高い部屋を、魔法の明りとクリスタルを組み合わせたシャンデリアが照らしている。
その輝きにも負けない気品を持った生まれながらの王族の少女は、水晶のついた王家の杖を手に堂々と立っていた。
アンリエッタの隣に控えるのは宰相マザリーニ卿。
背後をルイズは名前も知らないヒポグリフ隊の隊長と近衛騎士達が直立不動で固めている。

「姫様におかれましては御身おかわり無く、まことにお喜び申し上げます」

平静な声が口から滑り落ちる。
ルイズの声の調子に単なる貴族の子女以上の何かを感じたのか、マザリーニ卿のみがわずかに眉を動かした。
ルイズはアルビオン王政府から借りた、ごく薄い桃色の礼服を身につけてアンリエッタを迎えている。
桃色の髪が映える衣装によって、ルイズの生まれ持った気品が普段以上に強調されて、一種の風格にまで高まっている程だ。
その指に光るのは水のルビー。
不思議な感覚だった。
幼い頃共に遊んだとは言え、自分にとって最も敬愛する王女アンリエッタを前にして、ルイズは平静な気持ちを維持している。
しかも辣腕で知られる枢機卿や屈強な魔法衛視隊の歴々までもが控えるその正面で、堂々としていられるのだから。
そう。ルイズは今から戦うつもりだった。
それは槍の替わりに意思を、魔法の替わりに言葉を交わす、けれど命を賭けた戦いである。
自分と、そして己が使い魔の命を賭けた戦い。
なぜかマントをつけていないルイズの姿を見て不思議そうにしながら、アンリエッタは親友の手をとって立ち上がらせる。

「まぁルイズったら……まだあれから10日しか経っていないわ。
けれどあまりにも色々な事があったから、つい長い時間が過ぎたと勘違いしてしまうのね。
お願いよ、私の大切なおともだち。
どうかこの10日間になにがおこったのか、私に話して聞かせてちょうだいな?」

顔をあげたルイズの瞳を正面から見つめて、アンリエッタはそう言った。
その潤んだ瞳には、ウェールズ皇太子がどうなったのかを聞きたいという感情が浮かんでいる。
親愛なる王女の望みを汲み取ったルイズは、王宮の一室に与えられた自分の部屋へとアンリエッタを案内する。

「では姫様、こちらへ。わたくしが見聞きした全てを、お話させていただきます」

それは部外者には聞かれたくないという意思表示。
王女の目配せを受け取って、マザリーニ枢機卿を含めた全員が部屋で待つ。
どうせ魔法なりの手段で盗み聞きはされるのだろうが、それはアンリエッタの立場上言っても仕方の無い事だろう。
慣れた様子で宮殿付きのメイドにお茶を淹れさせたルイズは、アンリエッタと向かい合って椅子に座る。
用事を済ませば静々と退出する、教育の行き届いたメイドが樫材の扉の向こうへと姿を消した。
それからルイズは、アンリエッタに向かって日が沈むまで語った。
伝説と伝説と伝説に彩られ、異世界の魔法が乱舞する10日間の記憶の全てを。

【虚無の使い魔と煉獄の虚神】

虚無の使い手とは、歴史上、信仰上の問題として決して無視できない重みを持っている。
古い時代と比べれば始祖への尊敬など薄れてしまった、聖職者すら信仰を見失いがちな現代においても、決して軽視は出来ない伝説だ。
それが表ざたにされずに隠されているのならともかく、新女王がその担い手であると発表されればなおの事。
まして、伝説の虚無が一軍を破るほどの実質的な「戦力」であるとなれば、各国の王とて無視はできまい。
事実、それによってアルビオン王家は起死回生を果たし、ロマリア教皇すらも動いたのだから。

だからこそ、ルイズとサイトの立場は微妙だった。

77 :虚無の使い魔と煉獄の虚神:2007/11/25(日) 05:13:07 ID:CamQ0Wgd
その存在と力は既に風説となってアルビオンは元より他国にまで流布している。
それどころか、5万の空軍を壊滅させたのも、虚無とその使い魔の仕業だと噂されているのだ。
無かった事には出来ないだろう。
一国の軍隊に比肩しうる伝説の存在が三人。
1人はアルビオンの女王であり、2人はトリステインの貴族とその使い魔。
異邦の魔法を操る錬金大系の魔導師がアルビオンに居て、神の如き力を振るう相似の魔導師はガリアのメイジの使い魔だ。
更に、死者たる大系魔導師達を操る謎の第三勢力。
戦いをひっくり返す事も出来る未知の戦力の分散と集中は、為政者にとって決して見過ごせるものではあるまい。

既にアルビオン王政府はヒラガ・サイトとグレン・アザレイに爵位と領地の授与を打診している。
王党復活に特に尽力の有った二人を、自国の貴族として迎え入れると言うのだ。
それどころか、ルイズとタバサ、それにギーシュやキュルケに対しても同様の叙勲を申し出ている。
ただし、各国の貴族としての立場を鑑みて、それぞれの実家や国家に了解を得てから、という話にはなっているのだが。
他の三人がどうするのか、ルイズには分からない。
領地継承の目が無い三男であるギーシュにとっては渡りに船だろうし、断る事はあまり考えにくい。
キュルケは確か一人娘だったとは思うが、ゲルマニア貴族が勢力拡大のチャンスを棒に振るかどうかは五分だろう。
タバサの立場は更に微妙だ。
彼女の実家がどのような家系かは知らないが、あからさまな偽名を名乗って留学してきたガリア貴族で、
しかもトライアングルクラスの実力者となれば只者ではあるまい。
その上、あのグレン・アザレイの主人となれば、無能で知られるガリア王とて放任すると云う事は考えられなかった。

そしてルイズとサイト。
二人を系譜の面から考えれば、その戦力はトリステインが保有するのが筋となる。
しかしサイトはあくまでルイズと個人の契約によって結び付けられているワケだし、ルイズの実家ヴァリエール家とて、
一つ事あれば反旗を翻して王軍と伍す気概と実力は持っている大貴族。
国際的な視点、そして国内の火種として考えても、ルイズの存在は微妙に過ぎる。
だからと言ってアルビオンに二人の下駄を預けて済ませるには、あまりにも危険で魅力的過ぎる武器なのだった。

つまるところ、ルイズ達はうっかり救国の英雄となってしまったため、軍事バランスのコントロールという
国際間ゲームのカードに否応無くされてしまっているのが現状なのだ。
アルビオン首脳部はあくまで貴族としての信義から恩賞を与えたいと言っているが、
それもテファとモードと言う強力なカードを二枚、既に手中にしている安心感からの発言であることは否めまい。
また、彼等は自分達が与える爵位等を各国が拒否した場合、それと同等の栄誉を与えるべしとの圧力もかけていた。
つまり、グレンやサイト、そしてルイズを我が物としようと言うのなら、それ相応の格を与えて遇せよと言うのだ。

かくして、戴冠式を控えた3日間の宮廷は、きらびやかな見た目とは裏腹に、
多大な緊張感を孕んだ外交戦の舞台となっているのだった。

笑顔でもって各国の客人をもてなしながら、様々なカードを切る事に余念が無いアルビオン。
新女王ティファニアが座る玉座の隣で指揮を執るのは、宰相に抜擢されたマチルタ・オブ・サウスゴータその人である。
世事と交渉に長けて世慣れた彼女は、盗賊時代に集めた貴族の醜聞すら利用して、既に頭角を現し始めていた。
反乱貴族から巻き上げた潤沢な資金と、美貌の辣腕宰相の姿に、新生アルビオンは一筋縄では行かぬと政治屋達は噂しあう。

一方、タバサとグレンを当然のように侍らせるのはガリア王女イザベラ。
王宮の一角にて国許から連れて来た使用人達を使って豪華の極みのような生活をしているものの、
あまり派手に姿を現すことも無く、傍観者ぶった態度で静観を決め込んでいる。
その沈黙から他国に侮られる面もあるものの、グレンという最強の鬼札を手にしている状況にアルビオンの警戒は深まっていた。

法王本人までもが出張ってきたロマリアは、しかしガリア同様の沈黙を守っている。
美貌の青年、聖エイジス32世は不思議な微笑みの下に本意を隠したまま、
ただ水面下で「始祖の恵児たる虚無の担い手に、相応の敬意を払うべし」との意思を伝えるのみ。
ただ、その忠実な配下である各国の司祭達を通して、秘密裏に働きかけがあったとも無かったとも噂されていた。

ある意味で最も蚊帳の外に居るのがゲルマニア皇帝であろう。
大貴族であるツェルプストーの判断には、皇帝であっても横槍の口出しはできにくい。

78 :虚無の使い魔と煉獄の虚神:2007/11/25(日) 05:14:29 ID:CamQ0Wgd
実の娘の参加した騒ぎに、一大事と駆けつけたツェルプストー当主が居る現状では尚更だろう。
それに、英雄の1人とは言えキュルケは端役に過ぎないのだから旨味は少ない。
その上、レコン・キスタの脅威が去ったため、手の平を返したトリステインによってアンリエッタとの婚約は立ち消えになった。
結局、国政から開放されたのを幸いと食べて呑んで狩りや遠乗りの話しに花を咲かせる、
ただのヨッパライ貴族のオヤジと化した皇帝陛下であったという。

そして最後の一国トリステインは、決断を迫られていた。
最大の焦点はサラガ・サイトの処遇。
平民だが、伝説の存在であるガンダールヴの彼を貴族として叙するべきか否か。
その決断しだいでは、アルビオンが彼を自国の貴族として迎えるだろう。
虚無の担い手とその使い魔は一組だとも考えられるが、
それならばアルビオン女王ティファニアがガンダールヴを従えてもかまわないのだから。

いや、ヒラガ・サイトの処遇に注目しているのはトリステイン一国では無い。
アルビオンは元より、ロマリア法王もガリア国王も、息を潜めて事態の推移を注視している。
8万の大群を先陣にて貫き穿つ『神の盾』にして『アルビオンの槍』。
4大国の要人達から注目される少年はけれど―――暗い部屋の中で独り沈み込んでいた。


赤と青の月明かりが、分厚いカーテンの隙間から差し込む。
この広い部屋にある明かりはそれだけだ。
サイトが一声かければ、隣室に控えたメイドが蜜蝋のロウソクに火を灯して現われるはずだった。
蜀台やランプを用意し、豪勢な食事を持ち込み、浴びるほどの酒や招かれている芸人や楽士を呼んでくる事も出来るだろう。
けれど、サイトは暗い部屋の隅で床に座り込んで、膝を抱えるだけだった。

暗闇の中でじっと手を見る。
その手の中に残るのは、巨大な鎚と槍を投げた感触。
高揚しきっていたあの戦いの最中では気がつかなかったが、今は小刻みにその手が震えている。
自分は人を殺したのだ。
自分の手で、自分の意思で、自分と同じ人間を殺したのだ。

ギーシュのゴーレムやワルドの遍在を切り捨てるのとは意味が違う。
水の秘術で動かされていた死者を斬ったのとも意味が違う。
裏切り者のワルドの腕を落とした時でさえ……もしも殺していたら、平静で居られた自信は無い。
それは、人殺しを罪悪とする平和な日本で育った少年には重過ぎる事実だった。
回転する巨大な鉄槌に飲み込まれて挽肉になった兵士と軍馬。
電柱よりも巨大な槍に貫かれて串刺しになったメイジ。
その命を奪った感触は手の中に残っていなくても、込み上げてくる嫌悪感は止める事ができなかった。

「母ちゃん……父ちゃん……」

アンタ達の息子は人殺しになっちまったよと、サイトは小さく呟いた。
それは少年の知る社会の常識において、許されないような怪物になったという意味なのだ。
どうでもいいような学校での毎日だとか。
どうでもいいような日曜日の過ごし方だとか。
母親の味噌汁の味だとか、新聞を読みながら屁をこくような父親との団欒だとか。
そんなどうでもいい、けれど掛け替えのない日々に、殺人者になったサイトはもうきっと戻れない。
俯いたまま、下唇をきゅっと噛む。
そうやって我慢しようとしたのに、せつなくて涙が溢れるのを止められなかった。

「…………サイト」

ほんの半月で聞き慣れた優しい声に、真っ暗な部屋へと目を上げれば、そこに桃色の髪の少女が立っていた。
ルイズ・フランソワーズ・ド・ラ・ヴァリエール。
サイトのご主人様の姿は、闇の中にあってなお輝くように美しかった。

「ルイズ?」
「ごめんねサイト……私のせいで……私のために、そんな風に傷付いて……」

泣き出しそうな潤んだ瞳。

79 :虚無の使い魔と煉獄の虚神:2007/11/25(日) 05:15:38 ID:CamQ0Wgd
細く頼り無い体を罪悪感に絡み獲られられながら、けれどルイズの頬はどこか上気したように朱に染まっている。
膝をつき、サイトを抱きしめたルイズの身体からは、甘い少女の香りと女の鼓動が伝わってきた。

「大丈夫だから。アンタは私の使い魔だもの。だから、サイトの罪は私のものよ。
死んでまで操られていたかわいそうな魔導師を斬ったのも私が命令したから。
たくさんの兵隊に向かっていったのも私がそう望んだから。
魔法で増えたワルドに向かっていってくれたのも私のためだもの。
サイトは悪い事なんてなにもしていないわ。
貴方の罪は私から生まれたものだから、全部私が引き受ける。
貴方の痛みは私の責任で生まれるものだから、全部私が引き受ける。
だからサイト。貴方を罪深くして、貴方を痛くするのは私だけよ?」

少女の瞳が熱くゆらめく。
愛でもって全ての罪を浄化する慈母のように。愛でもって全てを奪いつくす娼婦のように。
ガンダールヴ・サイトという存在が各国の要人達から注視されている現在に在って、
ルイズはサイトに自分だけのナイトで居て欲しいと望んでいた。
誰かに、例えばティファニアに奪われたくない。
離れ離れになるのも絶対に嫌だ。
それはある意味で、ボタンの掛け違いのような偶然によって生まれた感情だったかもしれない。
サイトが本来の、もっとお調子者で年相応にスケベな一面を見せていたら、今ほど抵抗無く惚れ込む事は無かっただろう。
けれど幸か不幸か、グレン・アザレイの存在がサイトから余裕を無くさせ、
結果として本来よりも幾分か慎重で苦悩する少年へとサイトを成長させていた。
ワルドの裏切りからもう少し時間を置く事が出来れば、ルイズももう少し冷静になれただろう。
けれど嵐のような事態の推移が、そのための時間を少女から奪い取った。
間髪入れずに目の前に晒された『虚無の担い手』という自身の価値が、少女により強く負担を与えた事も影響しているだろう。
だから不安定な少女は求めた。
強く、優しく、自分のためだけに戦ってくれるナイトを。

「ねえサイト。私は貴方と一緒に居るわ。
そのためにトリステインを、ヴァリエールを捨ててもかまわない。
誓って。貴方だけが私を捕まえて、貴方だけが私を痛くするんだって。
そうしたら貴方の罪も罰も痛みもすべて、私だけが引き受けてあげるから」

少女は告げる。少年がどの陣営に連れて行かれる事になろうと、自分はそれに同行するのだと。
それは甘やかな堕落の蜜。
そこに縋ればあらゆる罪から逃れる事ができるだろう。
サイトの手がルイズの抱擁に答えようと持ち上がり……そして力無く落ちた。

それは、それだけは出来ない事だった。
自分の罪を使い魔と主人という関係性に縋ってルイズに押し付けるなど、男として出来る事では無い。
それ以上に、サイトには目標があったのだ。
倒すべき、いつか戦うべき目標。
5万の人間を一瞬で滅ぼし、その虐殺を虐殺であると受け入れた神に似た男。
自分自身の罪をルイズに押し付けるような男が、その前に立つことなど出来ないだろう。

だからサイトは泣いた。ただどうにもならない事に泣いた。
その涙を、愛しそうにキスで拭うルイズ。
誰よりも近くに居ながら、二人の心は誰よりもすれ違っている。
けれどその日。
二人の身体だけはベッドの中で重なるのだった。


雲が高い。
ここはハルケギニアから遠く離れたコンクリートとアスファルトで固められた世界。
排気ガスの充満する空を割いて、ギラギラと輝く真夏の太陽が地上を照らす。
反射熱で大気は炙られ、陽炎のように視界を歪めていた。
そんな灼熱の東京で、ほんのわずかに見える小さな緑地の中に、その施設は建っている。
神社でありながら、いかなる宗教でも無いとされるその施設の名は靖国神社。
戦争によって没した死者を英霊として祭る、巨大な慰霊碑。
その境内に、1人の男が立っていた。

80 :虚無の使い魔と煉獄の虚神:2007/11/25(日) 05:17:00 ID:CamQ0Wgd
一見して西洋人とわかる男の姿は、この場所では奇異かと言えばそうでも無い。
あまり知られていないが、靖国神社には戦没した西洋人の御魂も祭られているため、ここを訪れる外国人も皆無では無い。
だが、その男のいでたちは、やはり奇異だと言わねばならないだろう。
突き刺すような日差しを無視した、まるで男自身が逃げ水であるかのような印象を与える白いスーツ。
白い帽子の下には、道化を連想させるうさんくさい笑顔。
なにより奇異を感じさせるのは、右目を覆う銀の眼帯の存在だ。
彼を不思議そうに見る、境内を掃除した帰りの老人は知るまい。
この男が、東京を核爆弾で滅ぼそうとしているテロリストの協力者だなどとは。
大きな黒い目を不思議そうに眇める、老人の孫らしい少年も知るまい。
この男が、百年以上の時を日本の歴史と共に過ごした『悪い魔法使い』である事など。
男の名は王子護ハウゼン。
自身の感覚を起点に世界を認識した形に変える完全大系の魔導師にして『マジシャン』の異名を持つ魔人である。

だが王子護はその時、ただ静かに眠る魂に哀悼の意を捧げていた。
彼が日本という国に現われて百年。
政府の裏の顔に携わる時間も長かった男は、軍人の指導教官という立場だった時代もある。
もっとも生徒は異世界から追放された犯罪者達であり、彼等の乗る飛行機には片道分だけの燃料しか積まれていなかったが。
つまるところ、特攻隊のパイロットの養成が王子護ハウゼンの仕事だったのだ。
だから此処には彼の教え子も奉られている。
他の多くの刻印魔導師には別の、専任係官や犯罪魔導師も共に埋葬されている寺があるのだが、
日本という国家を守るために南海で散った彼等の御霊だけはこの靖国に眠るとされたのだ。
本当にこの地が核によって更地になるかもしれないからと一度だけ手を合わせに来たのは、
長すぎる時間を生きる怪物の中に残った、わずかばかりの人間性の表れだろうか。

炎天下の境内に立ち尽くすハウゼンは、じっと靖国本殿へ視線を向けたままでいる。
その中に有るのは整然と並べられた無数の木札。
そこには一枚一枚に1人ずつ、戦没者の名前が余さず記されている。
ここにあるのはこの札と魂、それにわずかな遺品のみで、遺体や骨は一切無い。
そもそも死体が残るような死に方をした者など、あの悲惨な戦争に駆り出された魔導師の中には1人も居なかったのだから。
だが、だからこそこの靖国という形こそが、魔法世界の中で唯一神無き地、奇跡に見放された世界と言われる地球で
罪人として命を落とした魔法使い達の死を弔うのに、あるいは相応しいのかもしれないと王子護は皮肉気に思う。
その皮肉な笑顔を崩さぬまま、無数の札の中から一つ一つ教え子の名を読み取っていく王子護。
高位魔導師である彼にとって、悪鬼による魔法消去さえ受けなければ境内からでもその全てを読む事に支障は無いのだ。
その中の一つを目にした時、ふと魔法使いの視線が止まった。
書かれているのは教え子の名では無い。

「シラヌイ……キミは本当に死んだんデスかね?」

『不知火』と呼ばれたその男は、公館において刻印魔導師を統率する専任係官の1人だった。
スローターデーモンと恐れられ、魔導師を死地に追いやる悪鬼の中の悪鬼。
魔法も使えず特殊な能力も無く、しかし極まった剣の技で不知火の如く眼前から消え失せ、相手がそうと気づかぬ内に殺害したという。
その技の冴えは、当代で最強と噂される『鬼火』のそれにも匹敵するか。
魔法を使えず、感知も出来ず、治療魔術の恩恵も受けられないがゆえに、この世界の戦闘技術は奇形的な鬼子となった。
その限界を極めた、一匹の剣鬼。

で、ありながら、不知火は刻印魔導師だけを特攻機に乗せて戦場へ送る事に反対した。
そして専任係官は刻印魔導師を管理監督する者だと言って、自らもゼロ戦に乗り込み―――当然の如く帰還しなかったのだ。
だが、王子護は不知火が死んだとは感じていない。
自身も選任係官として公館の歴史と共に歩んできたその中で、最も死ぬ姿が想像出来なかった男が彼だ。
認識によって世界を書き換える魔法使いにすら、死を空想できない戦鬼。
太平洋で戦死したとして木札一枚奉られているのが彼の知る不知火だとは、王子護には思えなかった。

「ササキ・タケオ……そう言えばキミはそんな名前でしたっけネ、シラヌイ」

数十年ぶりに同僚の本名を確認するように呟いて、王子護はきびすを返した。

81 :虚無の使い魔と煉獄の虚神:2007/11/25(日) 05:18:13 ID:CamQ0Wgd
感傷はここまでで、この先は『仕事』を十全に片付けねばならない。
周囲の視線が途切れる瞬間、王子護は転移魔法を発動させた。
目の前の空気の揺らぎを空間の歪みと認識して、そこに無理矢理転移の扉を作り出したのだ。
不知火のように消え失せる白スーツの魔法使い。
後にはただ、セミの鳴き声と真夏の日差しだけが降り注いでいた。


そんな、真昼の東京から遥か次元を隔てて離れたハルケギニアの夜。
二つの月が照らす水面は、美しい赤と青の月光に染まる。
地球の月よりも位置が近いのか、あるいは惑星そのものが大きいのか。
この世界で満月の夜は、夜半を過ぎて街の明かりが消えた時間でも十分に明るい。
フラフラと水面の月を覗く少女の顔もはっきりと見えるぐらいに。

まだ若い、綺麗な顔立ちをした娘だった。
笑顔を見せれば誰もが好感を抱くだろうその顔は、しかし今は絶望の色に染められている。
大切な何かを失った表情だった。
失いすぎて、なにもかもを見失った表情だった。
悲しみが、苦しみが深すぎて、自分自身のありかさえ見失い―――彼女は目の前の河に身を投げた。

大きな水音が夜陰を裂く。
水を吸った衣服は瞬時に重苦しい拘束具になり、このまま沈めばわずかな時間で少女の命は失われるだろう。
だが、冷たい水に身体を絡めとられ、意思が決した自分の死に肉体が従おうとしたその時、強烈な恐怖が生存本能を呼び起こした。
死にたくない。生きたい。
自殺のために飛び込んでいながら、少女は死を恐れてもがく。
喉に流れ込む川水を吐き出し、酸素を求めて浮上すべく手足をめっくらぽうに振り回した。
死ぬのは嫌だ。そう、本当は死にたくなんて無かった。
辛い思いもした。大切なたった一人の父親を亡くした。だけど死にたくない。死ねない。
父を自殺においやった、あの憎い貴族がのうのうと生きているのに、死ねるものか。
狂おしく生を望む必死の形相に、怒りと憎しみの色が加わる。
と、その身体がフワリと浮力を得た。
誰かが河に飛び込み、溺れている自分を抱きかかえてくれたのだと少女が気付いた時には、その逞しい腕で河原に引き上げられていた。

強く咳き込んで肺に侵入しかかっていた水を吐き出す少女。
その咳は、いつのまにか嗚咽へと代わっていく。
ずぶ濡れになった頬を涙がこぼれ落ちる。
悔しかった。悲しかった。
なによりも大切な人を亡くして絶望しながら、それでも生を望む浅ましさが。
だれよりも大事な人を死に追いやられながら、復讐も出来ない無力さが。

幸せだったのに。母親を早くに亡くして、父親と二人だけで暮らしてきたけれど、自分達は幸せだったのに。
誰に迷惑をかけるわけでもなく、ただ平穏に暮らしていた。
街の片隅でごく普通の居酒屋を営んでいた父と、ちょっと引っ込み思案なウエイトレスだった自分。
父が腕を振るった料理が評判で、近所の家族連れなども多く訪れたこじんまりとした店。
酔っ払うといつも歌声を披露する昔楽団員だったというオジサンや、会うたびに飴玉をくれたお爺さんが常連だった。
親子の小さな生活は、たった1人の貴族の、ほんの気まぐれで壊される。

半年前、たまたま徴税官のチュレンヌという貴族の不興を買った父の店は、ありえない額の税金を掛けられて潰されたのだ。
役人によって差し押さえられた店の前で親子は途方にくれた。
正当な手続きなど行われていない。
文句を言っても聞いてもらえない。
それどころか、店の前を通りかかったチュレンヌに縋りついて直訴した親子の目の前で、
徴税官はとりまきに命じて無数の攻撃魔法を店へと放たせたのだ。
それは圧倒的な、平民などにはどうしようもないメイジの力。
何もかもを奪われ、恐ろしい力を見せ付けられ、父は心身を病んだ。
病に倒れ、日がな一日床についたまま呆けたように壁を見つめるだけの父。
変わり果ててしまった、料理が上手くて、働き者で、いつも笑顔だった大好きな父親。
その父が、昨日首を吊って死んだ。
賃仕事から夕方遅くに帰宅した娘の目の前で、バラック小屋の柱からぶら下がった父親の足が揺れる。

82 :虚無の使い魔と煉獄の虚神:2007/11/25(日) 05:19:19 ID:CamQ0Wgd
カーテンも無い窓から差し込む夕日で真っ赤に染まったその光景を見て、少女は全てが終わったのだと知ったのだ。

嗚咽が慟哭に変わり、少女は喉も千切れよとばかりに泣きじゃくった。
彼女を水中から引き上げた太く逞しい腕は、ただ静かに肩を抱いてくれている。
分厚い胸板。温かい体温。それと、河に跳び込んだせいで流れてしまった微かな香水の残り香。
散々泣いて泣き疲れて、見上げた顔には見覚えがあった。
撫で付けた黒髪と割れた顎。
いまはベットリと顔に張り付いてしまっている、瀟洒な口髭と顎髭。

「どうやら落ち着いたみたいね、ジャンヌちゃん?」

体格に似合わないオカマ言葉の優しい声。
穏やかそうなつぶらな瞳の中年男性は、少女の小さな幸せだった店と同じ通りで酒場を営んでいる人物だった。

「スカロンさん……」
「もうっ、びっくりしたわよ。貴女を探してたら、こんな所で溺れてるんだもの!」

なぜ探していたのかは言われなくても知れた。
父の死体が見つかって、その場に居なかった自分を心配した知り合いの大人達が探して回ってくれたのだろう。
そう思ってみれば、何処かからおーいだとか、見つかったかーだとか言う声が聞こえる。
スカロンは「見つけたわよー」と大きな声で叫んでから少女、ジャンヌを抱き上げた。

「大丈夫だから。苦しい日も悲しい日もあるけれど、生きていればきっと良い日は来るから。
諦めちゃダメよ。絶望しちゃダメよ。なにより、貴族の横暴なんかに負けちゃダメ。
神様は見ていらっしゃるもの。悪い人にはきっと天罰が下るわよ」

優しい声が耳元に響く。
ポンポンと背中を叩く大きな手に、ジャンヌは元気だった頃の父親を思い出してまた泣き出してしまった。
泣いたままの少女を『魅惑の妖精亭』へと連れて帰るスカロン。
それからジェシカに付き添われて身体を拭いてもらい、桶に張った温かな湯で身体を洗ってもらった。
優しさが疲れ切った心と身体に染みこんでくる。
「ウチに来ると良いよ。私達と家族になろう?」と言われながら、ジェシカのベッドで並んで眠るジャンヌ。
その一瞬前、大きなコウモリかカラスが飛び立ったような変な幻を見て、少女は重いまぶたを閉じるのだった。


大きなコウモリかカラスが舞い降りる。
徴税官チュレンヌは二つの月の光の下で、目の前に影が降り立った時にそう感じた。
いや、違う。
魔獣幻獣が跋扈するハルケギニアにとて、人ほども大きなカラスやコウモリなどそうは居ない。
ましてやトリステインの首都トリスタニアという大都会に、そんな未開の怪物など現われるはずが無いのだ。

「人間!?」

誰何の声をあげれば、思った通りにソレは人間であった。
ただ黒いマントを身に付けているために、カラスやコウモリの類に見えたのだ。

「何者だ貴様!?」
「このお方を徴税官チュレンヌ様と知って行く手を阻むか?」

周囲のとりまきが詰問口調の声をあげる。
今の今まで街の酒場でタダ酒を飲んでいた男達は、気が大きくなっていた。
だから逆に、注意力や判断力は最低中の最低にまで低下している。
男はマントこそ付けていたが杖は持っていなかったので侮ったのだ。
その腰に一振りの曲った大剣を提げている事も気が付かずに。
目深に被った奇妙な形の帽子のツバの下の眼光が、尋常な物では無い事も気付かずに。

「もちろんチュレンヌ様と知っててトオセンボしてるわよん。
アンタが悪徳徴税官で、どうしようも無い下衆って事もね。

83 :虚無の使い魔と煉獄の虚神:2007/11/25(日) 05:20:26 ID:CamQ0Wgd
でもタダ酒たかる程度ならまぁ見逃すかと思ってたのよ?
その程度の小悪党、貴族に限らず何処にでも居るもの。
だけど―――アンタのせいで人死にが出たとあっちゃあ捨ててはおけないわ。
たとえ王女殿下と始祖ブリミルが見逃しても、アタシのご先祖様が許さないのよ!!」

男の……それとも女なのか、やたら野太い声だが女言葉の口上に、チュレンヌのとりまきは嘲笑と共に杖を構えようとして―――
首が落ちた。
一瞬で5人のメイジが、抵抗も出来ずに真紅の飛沫を上げる噴水と化す。
呆然とする仲間達。
目の前のマントの男が不知火のように消え失せたかと思った次の瞬間、
抜く手も見せずに振るわれた異国調の剣で切り殺されたのだと理解出来ただろうか。
限界まで研ぎ上げられた技量はまさに魔法の領域。
おそらく痛みも感じる隙無く死んだ5人がぐらりと揺れて倒れるよりも前に、更に3人が斬殺される。
ここに至ってようやく漆で朱に塗られた鞘をカラリと石畳の上に投げ捨てて、八艘の形に剣……否、カタナを構える男。
長さは子供の身の丈ほどもある刀は、俗に胴田貫と呼ばれる大物。
特に朱鞘のソレは鎧すら断ち切ると言われ、カブトワリの異名をもって知られる大太刀である。
豪腕でもってその刀を軽々と振り回す怪人は、低い声でたった一人生き残ったチュレンヌに向かって滔々と宣告する。

「護国の戦鬼ササキタケオの遺志によりて、無辜の人々を脅かす犯罪魔導師を狩らん。
―――アンタはやりすぎたのよ、死んであの娘の父親に謝りなさい」
「ヒッ!?」

慌てた徴税官チュレンヌの舌が回転する。
だが、男の動きはメイジが呪文をつむぐよりもなお高速だった。
魔法を持たず、治癒魔法の恩恵も受けられぬ平民だからこその鍛え上げられた四肢。
そこから生み出される決死の意を伴った剣の業は、奇形的とも言えるだろう。
人が言葉を発するよりもなお速いという、まさに迅雷の剣閃。
ある種の論理体系にて編まれた足の運び、腰の捻り、一刀を振り抜く腕の動き。
その全てが一体となった刀は、白光となってチュレンヌを袈裟に切り裂いた。
呪文を唱えるための肺と、生きるための心臓、そして杖を握った腕を一瞬で切断されて、徴税官は単なる肉の塊と化す。

8人分の血溜まりの上にビシャリと音をたてて転がる男の上半身。
見開いた目が、自分を殺した剣鬼の姿をうつろに写す。
死の間際に気がついただろうか。自分を殺した男が、何度もタダ酒を飲んだ酒場のオカマ店主だという事に。
そしてもう一つ。
黒に見えたマントは年代を経て返り血を浴びたため黒ずんでいるだけで、元々はカーキ色だった事に。

剣鬼が見に纏うのは襟に少尉の階級章が縫い付けられた大日本帝国海軍の外套。
第二次大戦中の南海にて消えた公館の専任係官、スローターデーモン佐々木武雄の遺品であった。

84 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 05:23:07 ID:CamQ0Wgd
早朝投下終了ー。
グレンさんこれっぽっちも出てねぇw
ちなみにジャンヌちゃんは5巻の後書きにも出てたチップレース2位の娘さんですw

85 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 06:13:51 ID:RwJq+HUA
GJ!朝早くからいいもん見せてもらいました

86 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 06:30:05 ID:qKw8PQ7w
GJ!
なんというスカロン・・・

87 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 06:52:06 ID:DQvuHzn3
待ってたぜ。
あんたの書くオリ展開は大好きだぜ。

88 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 06:56:20 ID:dDpJCEMW
スカロン、何時かその覚悟をもってサイトの心を救ってやってくれ!

89 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 06:59:14 ID:RVN5I1b3
乙です。朝から燃えました。
テファ女王即位でアルビオン国内はおっぱいブームになってたりして……。
後の世にはテファの逸話に尾鰭が付いて、妖精だったとかいろいろなってそうだ。


デジモン02から召喚ネタを書いてるんだが、北欧神話のワルキューレって
ハルゲキニアではどう表現したらいいのだろう。
ついでに、タバサの青い髪は珍しいそうだが、紫の髪も珍しい?

90 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 07:32:02 ID:CamQ0Wgd
つ【ギーシュのゴーレム】
つ【アンアンの髪の色】

エロカワイイルイズを書こうと思ったらいつの間にかビッチになってた!
ナニを言っているかわからねーと思うが以下略

91 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 07:32:42 ID:trdFKtpv
朝から&前スレ1000GJ!!!!
>>89
京召喚?彼女の髪は実際には黒髪だという話をどっかで聞いた。
ワルキューレはあの世からの遣いでいいとオモ。
つかヒカリも召喚しないと戦闘力低いじゃないか。

92 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 08:35:48 ID:zbuAuZD+
ブレスオブファイアWとのクロス書こうと思ったら
すでに先を越されていたのか……orz

93 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 08:47:03 ID:iEOpCiYj
召喚したいキャラや書きたいシチュも被ってたの?

94 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 09:08:23 ID:3qaurOAE
同じキャラ召還したって良いんですよ、
まるっきり内容かぶるってのならともかく。

95 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 09:09:10 ID:CamQ0Wgd
また投下して良いー?

96 :ゼロの看板に偽り有り:2007/11/25(日) 09:10:40 ID:CamQ0Wgd
ハルケギニアは狙われている。
それは、二つの月が交差する時に現われる魔。
はるかなる異界から次元歪曲路を通って現われる、超次元からの侵略者。
その不安定な存在を補うため、ハルケギニアの生命体と融合する事で出現する恐るべき寄生体。
その名はZONE(ゾーン)。
それは歴史上幾度と無く現われ、この地の住民達と苛烈な戦いを繰り広げ、辛くも退けられ続けた敵。
ブリミル以前の神話に語られる神々の戦いすら、彼等との戦いの記録の断片にしか過ぎない。
恐るべき破壊。恐るべき殺戮。時に恐るべき天変地異すら巻き起こす存在。
メイジの使う魔法の力では倒す事が困難な―――世界を滅ぼす者なのですヨ?

……てな話を、ルイズは目の前の変なのから聞いていた。
青くて透明でフワフワ浮く、なにやら液体っぽい二頭身の女の子のようなモノ。
ソレは自身を水の精霊、「ウンディーネ」と名乗っていた。

「と、ゆーワケで、ルイズちゃんには世界を守る魔法少女になってもらいたいのヨ?」
「えっと、どういうワケで?」

夕方、ドクロ仮面の姿にショックを受けて部屋に帰るなりベッドにつっ伏して眠ってしまったルイズ。
それが夜中に起こされたかと思うと、目の前には精霊を名乗る変なの。
更に加えて魔法少女。
ルイズが混乱するのも当然だと言える。

「アナタには力があるのですヨ? ハルキゲニアが生み出した外敵からの守りの力。
世界免疫機能……ソレがアナタに隠された<虚無>の魔法力ヨ?」
「虚無!? わ……私が?」
「その通りヨ? さあ、この水のルビーと魔法のステッキを持って呪文を唱えるのヨ!」
「わ、わかったわウンディーネ! エオルー・スーヌ・フィル・ヤルンサクサ―――」

変なモノからとは言え、なんだか自分が凄いもののように言われて、ルイズは高揚した。
いい気分になった所で勢いに乗せられたルイズは、杖を手にポーズをとる。
くるくる回ってぴかぴか光りながら唱えるルーンは、なぜか胸の内から湧き出してくる。
これが自分の力。
感動を覚えながら、ルイズは両腕を複雑かつ優雅に動かして振り上げて―――

「ちょっとルイズー、アンタうるさい……わ……よ?」

ノリノリの姿を向かいの部屋から文句を言いに来たキュルケに目撃されてしまった。
杖を振り上げたアレなポーズで硬直するルイズ。
膝を曲げて爪先でチョンと床を突いたポージングの右足とかが地味に痛い。
その姿を正面から見ているキュルケも、言葉も無く固まっていた。
ちなみにウンディーネは素早くベッドの裏あたりに隠れている。

「…………………………」
「…………………………」
「…………………………」
「…………………………」
「…………………………」
「まぁその……使い魔召喚の儀式で契約しそこなってショックなのは分かるけどね……
ハジけるのは程々にしときなさいよ、アンタ慣れてないんだし。お休み」

パタンと閉じられる扉。
バツが悪そうなキュルケの言葉が印象的だ。

「ふー、あやうく姿を見られるところだったわヨ? って……ルイズちゃん?」
「……見られた。ツェルプストーに……しかも気を使われた……」
「ま、まぁ変身した所を見られたワケじゃ無いのヨ? だから安心して……」
「……もう寝る」

先程までの高揚した気分は何処へやら。

97 :ゼロの看板に偽り有り:2007/11/25(日) 09:12:19 ID:CamQ0Wgd
杖を机の上に投げると、制服のまま天蓋付きの大きなベッドに身を投げる。

「あ、あの、ルイズちゃん? 魔法少女の事は……」
「どっかテキトーにメモしといてよ。お休みー」
「あのその、世界が狙われてるのヨ?」
「ぐーぐーぐーぐーぐー」

かくしてフテ寝してしまったルイズと困っているウンディーネを、窓の外の二つの月だけが見下ろしていましたとさ。

<ゼロの看板に偽り有り>

その頃、トリステイン魔法学園・夜の中庭。
美しい月光の下でワインを傾けながら、一組の恋人達が逢引していた。
とは言っても、爛れまくった昼間のカップルとは違って健全なモンである。

「おおぅモンモランシー! キミの美しさはあの月すらも霞ませる!」
「ギーシュ……」

大げさなポージングでダダ甘なセリフを吐いているのはギーシュ・ド・グラモン。
ちょっとアレな言葉にも頬をポッと染めているのはモンモランシー・ド・モンモランシ。
双方名門貴族の子息息女にして、ちょっぴりユルいカップルである。

「ああギーシュ。貴方にこれを受け取ってもらいたいの」
「いったいなんだい、僕の愛しのモンモランシー?」
「私が作った特製の香水よ。これを私だと思って、いつも身に付けていてね?」

一瞬だけギーシュの笑顔が引きつった。
モンモン特製香水などいつも付けていたら、他の女の子を誘う時に困るではないか。
しかし美しき薔薇であるギーシュ・ド・グラモンに、女の子のお願いを断るという選択肢が無いのもまた事実。

「ありがとうボクの可愛いモンモランシー。この香水はいつも身に付けておくよ!」

ギーシュはモンモランシーの差し出す小瓶ごと彼女の手を握り、歯をキラリと輝かせて受け取った。
ただし香水を使用するとは決して言っていない。
いつも「持ち歩いて」おけば嘘をついた事にはならないはずだと、素早く考えたのである。
ギーシュは小瓶の蓋を外すと、その香りを軽く嗅いでから言葉を紡ぐ。

「モンモランシー! 『香水の』モンモランシー!!
この香りに包まれていると、まるでキミ自身に包まれているようだよモンモランシー!
ああ、こんなステキな贈り物を受け取る事ができるなんて、僕はなんて幸福な男だろう!」

もちろん舞台役者のようなポーズをとる事も忘れない。
一歩間違うと道化役者のようなポーズだと言うのは、言わぬが花だろう。
そのポーズで固定のまま、閉じていた目をチョロリと開いてモンモランシーの姿をチラ見するギーシュ。
彼の計算ではモンモンは感極まったように瞳を潤ませて自分を見ているはずなのだが……
残念ながら、彼女の視線はギーシュを通り越してその背後へ向けられ、
薔薇色になっている予定の頬は真っ青な血の気の引いた色に染まっていた。

「うん?」

不信に思ってその視線を追うギーシュ。
器用に首だけを回して視線の先、つまり自分の背後を見れば、そこに巨大なゴーレムが立っていた。
女の子がママゴトに使うようなお人形をそのまま巨大化させたゴーレムは、はっきり言って怖い。
特にその無表情かつツブラな瞳が、不気味極まりなかった。

98 :ゼロの看板に偽り有り:2007/11/25(日) 09:13:27 ID:CamQ0Wgd
しかもその身の丈20メートルはあろうかと言うゴーレムは、拳を高く振り上げている所だったりする。

「うひいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」
「っきゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

仲良く悲鳴をあげるカップル。
しかしギーシュとて腐ってもメイジ。
素早くモンモランシーを守るように抱きかかえて跳びながら、薔薇の造花を模した杖を振る。
舞い散る花びらから現われる7体のワルキューレ。
それらは一瞬で伍隊を組み、巨大ゴーレムに立ち向かうように槍を構えると……パンチ一発でヘコまされる。

「全然ダメだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「全然ダメじゃないぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

ご丁寧にも、異様になめらかな動きでワルキューレをグシグシ踏みつけるゴーレム。
7体のワルキューレは数十秒で青銅の金属板に変えられてしまった。
もっとも、そのおかげで逃げ出す時間を稼ぐ事ができたのも事実。
ギーシュとモンモンは手に手を取って、宿直の教師が居るはずの本塔を目指して走った。
だがしかし、ゴーレムは「中に人が入ってんじゃね?」と思わせる動きで大きくジャンプ。
ヒラリとギーシュ達の前方に飛び降りて立ち塞がった。

瞬間、ギーシュとモンモランシーは死を覚悟した。
青銅のワルキューレを一撃でひしゃげさせるパンチなど食らったら、自分達の死体すら残らないかもしれない。
それでもせめて、貴族らしく戦って散ろうと、魔力の切れたギーシュは造花の杖を掲げる。
背中に恋人を庇い、なんとしても彼女だけでも生き延びさせるのだと決意をもって。
その横顔に一瞬見惚れたモンモランシーもまた、恋人に倣って杖を掲げた。
水の壁でわずかなりとも拳を逸らせれば自分達が……それがダメならギーシュだけでも生き残らせる事ができるはずだと信じて。

振り上げられるゴーレムの右腕。
魔法によって生み出される水の壁。
それを易々と貫いて迫り来る巨大な拳に二人が目をつむった瞬間、中庭に閃光が走った。
否。それは閃光と見紛うほどの高速移動から放たれた掌打の一撃。
二人の前に飛び込んで来た赤いマントの怪人の手から放たれた一撃が、ゴーレムの拳を迎撃したのだ。

一瞬の拮抗。
それは異様な光景だったろう。
ガイコツを納める頭部ポットをもった怪人と言えども、その体格は尋常な人間のソレと変わりは無い。
にもかかわらず、その掌が20メートル級の巨大なゴーレムの拳を受け止めているのだから。
だが、そんな事など瑣末と思える異常事態がそこから起こった。
打ち付けられたドクロ仮面の掌打を中心に、ゴーレムの体表面に亀裂が入ったのだから。

右拳前面から手に、そこから更に腕にまで伝わった亀裂は、ついに胴体と頭部にまで達する。
そしてその亀裂から、内圧に耐え切れなくなったかのように砕け散るゴーレム。
ズシンと地響きを立てて、残った下半身と左腕が地面に倒れた。

「な、ななななななな……」
「―――危ない所だったな」

安堵からか腰を抜かしてヘタリ込むギーシュの前で、たのもしい背中に赤いマントをなびかせて振り返るガイコツ頭の怪人。
月光に照らされるその姿は、正直超コワイ。

「あ、あ、あ、あのっ―――」
「若者よ、夜の外出は危険が多い。気をつけるように。さらばだ!」

ギーシュの震える声には答えず、それだけ言ってドクロ仮面はその場を去った。

99 :ゼロの看板に偽り有り:2007/11/25(日) 09:14:39 ID:CamQ0Wgd
だってベホイミちゃんは明日もメイド仕事で早いので、さっさと寝たかったから。

「……な……なんだったんだろう…………今のは」

後に残されたギーシュとモンモランシーはしばらく呆然としていた。
昼間にルイズに召喚されたアレが何者なのか?
なんでイキナリ中庭にゴーレムが現われたのか?
わからない事だらけである。
やがて考えても仕方が無いかと頭を振って、ギーシュは恋人の方を振り向いた。
まるで敵わなかったとは言え、結構良い所を見せたかもしれないので、モンモランシーから惚れ直されているかもしれないと期待して。
だがしかし。

「ああっ、ドクロ仮面さま……」

恋する乙女の表情で、モンモランシーは怪人が消えた辺りを見つめていたり。

「なっ!? ちょっ、僕のモンモランシー!?」
「颯爽と現われて敵を倒して、お礼も言わせずに去るなんて……ステキ」

かくして命の危機が去ったものの、カップルには別の危機が訪れる。
あんまりな展開にギーシュが騒ぐものの、モンモランシーはこれっぽっちも聞いちゃいない。
負けるなギーシュ。がんばれギーシュ。君の恋敵は強大だぞ!
中身は性別・女だけどナー。

そんな風に騒いでいたから、二人とも気がつかなかった。
いつのまにか、自分達を襲ったゴーレムの残骸が消えている事に。
そしてその代わりに上半身が砕けた小人、アルヴィーズ人形が草むらの中に転がっていると云う事に。

第二戦
――●巨大アルヴィーズVSドクロ仮面○――決まり手は掌打
新感覚癒し系魔法少女ベホイミちゃん、第三話へ続く!


100 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 09:16:08 ID:CamQ0Wgd
投下終了っス。
さぁこの先ジャンジャンとグダグダになるっスよーw

101 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 09:17:45 ID:zbuAuZD+
召喚される人が違うからまるっきり同じ物にはならないと思う。

なんか良いっぽいんで書いてみます。

ついさっき書こうと思って他に書いてる人がいないか確認しただけなので
書き始めるのはこれからなんだ。

さて、資料探しにネットの中を巡回してきますか……。

102 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 09:22:15 ID:3qaurOAE
ぽにぽにでしたっけ?見てなかったけどドクロ仮面好きだなー
GJでした!

103 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 09:32:29 ID:N1z0FMbg
ベホイミの人乙!
モンモンが同性愛にw

それと遅いが煉獄の人もお疲れ様です。
スカロンがギガカッコヨスwww惚れたぜ兄貴。

104 :魔法少女リリカルルイズ:2007/11/25(日) 09:42:42 ID:OgG7gk21
今更ですが、設定メモをあさっていたら前回に投下した話のNGシーンもどきが見つかってしまいました。
このまま肥やしにするのも悔しいので投下するだけしていいでしょうか。

105 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 09:47:38 ID:rMhLYZvb
>>104
どんとこい

106 :魔法少女リリカルルイズ:2007/11/25(日) 09:53:33 ID:OgG7gk21
朝っぱらから寝落ちしてた……
一発ネタなのでかるーくって事で怒らないでくださいね。


「で、学院長。宝物庫から盗まれたのはいったい何でしょう」
「うむ。それはな。破壊の少女じゃ!」
「破壊の少女?」
「と言うわけで、こちらがその破壊の少女、高町なのはさんじゃ」
「こんにちわ」
「はて。少女と言うには歳が……」
「ディバインバスター」

じゅっ
コルベールリタイア

「な、なのは?なんでこんなところにっ」
「ユーノ君。私、すごく探したよ。なんでこんなところにいるの?いきなりいなくなってみんな困ってるんだよ」
「あ、あのそれは……」
「少し、お話ししようか」
「ルイズー、助けてー」
「ユーノ。この人とはどういうお知り合い?私も少しお話しにいれてもらうわ」
「え?あ?ちょっと待って。待ってよ二人とも」

ユーノ、なのは、ルイズ退場。

「うわああああああああああああああああああああああああああああああああ」

「さすが破壊の少女じゃ」



やっぱ、こっちをしまう物じゃないな。

107 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 09:59:34 ID:fDlt9E8k
うーむ、専用ブラウザからしか見れない

この状況では、なかなか作家も投下しにくいか

108 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 10:12:08 ID:zI2E4t/i
>>106
え?破壊の魔王じゃな(ry

109 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 10:17:39 ID:hCb9Aa4L
小ネタとして非常にオモロイが
ムリムリだろそれは
ルイズ形無しどころの話じゃ済まんし
完全に天の(ゲフンゲフン)じゃないか

110 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 10:21:56 ID:4QGPbnJx
>>106
原作見たときから常々思っていたんだが

ちったあ自重しろよ『 魔 法 少 女 ! 』
どう成長すればそんな破壊大帝メガトロン様みたいな性格に成長すんだ!?



111 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 10:26:45 ID:gm8CUwV4
リリカルなのは未見なんだが、こういうネタ見るとなんだかとんでもない作品なんだろうなぁと思う。

石川ゲッターとかスクライドとかGロボOVAとか見たこと無い人も、
たぶんそれぞれの評判見て同じようなこと思ってるだろうw

112 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 10:27:53 ID:760i8RrP
環境のおかげです。 

113 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 10:38:46 ID:ZnyUoX1v
なのはVer19なら無敵を通り越して喜劇にしかならんな。
その気になればOTH砲撃とかやりかねんし。

114 :虚無の使い魔だよ!ドクロちゃん!:2007/11/25(日) 11:00:47 ID:K2I7Xm83
こちらも一発ネタですが投下おk?

115 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 11:03:34 ID:rYBpc+/7
リリカルなのはは知らないがその元になった作品では主人公(リリカルなのはではなのはの兄貴?だっけ?)が銃弾を撃たれてから避けるくらいの事を魔法どころかなんの不思議な力も使わずやってのけるNINJAみたいな生き物だとは聞いた事がある
いやまあ多分に偏見混じってるだろうけど


116 :虚無の使い魔だよ!ドクロちゃん!1,5:2007/11/25(日) 11:06:55 ID:K2I7Xm83
投下します

これは、使い魔のドクロちゃんが加わった新しい生活に慣れ始めたある日の僕の話。

僕は常々思っていた疑問をドクロちゃんに聞いたんだ。
「ねぇ、ドクロちゃん。確か僕の属性は土だった気がするんだけどね。虚無って重複とかしたりするのかな?」
ドクロちゃんは可愛らしい声で。
「分かんない!」と言った。
知らないのかよ。
ドクロちゃんはガサガサとベッドの下を探しだしたんだ。
「でもね、先生が保証してくれたんだよ!」
僕はベッドの下に隠していたやましい物が発見されないかとひやひやしてたのだよ。
すると、ドクロちゃんは肌色の紙切れっぽいものをを取り出し僕に突き付けた。
「えーと、なになに。『ギーシュ君は虚無です。間違いありません。ギトー』って、何で既に念書をとってあるんだい!」
ドクロちゃんは、えへへと笑いながら。
「きっと必要になると思ったの!」
「でも、何でそんな幻の属性分かるん……あれ? ……これ……これ」
「どうしたのギーシュ君?」
「待ってくれよ、これ……紙じゃないよ!! 皮膚だよ!! なめしてない皮膚だよ!!」
ドクロちゃんは頬を赤らめ言った。
「なめなめしてない?」
「何でそうなるんだよ! おかしいよ! あ行が、《あいおうう》になる位おかしいよ!」
「じゃあ、ま行は?」
「えーと、まりこるぬ。 って、子音だけしかあってないよ! 何でだよ!!」
「じゃあ、体言止め!」
「マリコルぬっ!! って、違うよ! 意味深に文法無視かよ僕は! ……ねぇ、ドクロちゃん?」
「なぁに?」
「ギトー先生は不遇な人なんだよ。大体のssでも忘れられたり、ぼこぼこにされるけど。頑張ってる人なんだよ! 先生に一体何をしたんだい!?」


117 :虚無の使い魔だよ!ドクロちゃん!:2007/11/25(日) 11:09:50 ID:K2I7Xm83
「水の魔法って凄いね! みるみるうちに背中の皮膚が……」
「いい! やっぱりいい! 聞きたくない! っていうか躊躇なく話さないで! 天使だろ君!? 先生に拷問みたいな事をして念書を書かせるなんて駄目だよ!」
「駄目じゃないもん! ギーシュ君の為だもん!!」
言ったと同時に、ドクロちゃんの万能バット《エスカリボルグ》が振り降ろされたのさ。
僕の肩口から侵入したバットは、いまだ誰も到達していないまるで新雪の様な臓物を踏み荒しながら地面にぶつかった。
「ぎぃぃやぁぁあ!」
すなわち、真っ二つ。僕と僕だった物はまるで噴水の様に色々な物を吹き出した。
「きゃっ、いっけなーい!」
君はそんないけない事を軽々しくやるのかい?
ドクロちゃんはバットをステッキの様に回転させました。


ぴぴるぴるぴるぴぴるぴー♪


僕は魔法のきらめきに包まれた。
すると僕と僕だった物達は飛び散った具を吸い込みながら戻りました。
「大丈夫、ギーシュくん?」
「まぁ、大丈夫だけど。……ねぇ、ドクロちゃん?」
ドクロちゃんは可愛らしく笑う。
「なぁに?」
「あのね。大体の人間は、二つに分裂したら死ぬんだよ。分かった?」
「おっけぇ!」


おしまい

118 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 11:10:10 ID:spuh9gjG
ここで唐突にギトー先生の名がw
支援

119 :虚無の使い魔だよ!ドクロちゃん!:2007/11/25(日) 11:13:15 ID:K2I7Xm83
短いですが投下終了です

120 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 11:21:20 ID:CamQ0Wgd
ぎっ、ギトー先生えぇぇぇ!!
魔法少女が三連発なのに誰一人としてマトモなのが居ないよね(自分の含む)
それはそれとしてドクロちゃんの人GJ!
あとキン肉マンの人GJ。きれいなワルドがステキ過ぎました。

>>103
しかし同一作者だったと言う。
スカロン怒られなくて安心したわー。

121 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 11:26:05 ID:rYBpc+/7
真似できないというかしたくないGJ!
一瞬水の魔法の応用でめりめりはがしたのかと思った
はがして治したんだよな?
……まさか前者じゃないよね?

122 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 11:33:15 ID:6kzVQQ4V
>>121
めりめり剥がす→悶絶している所をぴぴるぴるぴるぴぴるぴー

それで何事も無かったように復活じゃないの?

123 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 11:34:45 ID:K2I7Xm83
うまく剥がれなかった。って可能性もあるんだぜww

今日の魔法少女達は大人達に恨みでもあるのかね?

124 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 11:40:47 ID:xG7nUjmn
キン肉マンwww
肉から召喚するならサンシャインやプラネットみたいな非人間的なタイプのほうが面白そう

125 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 11:43:18 ID:7o65ekVr
強キャラ呼んでるのに原作の展開をなぞるだけなのはもう飽きた。
だったら10巻以降のサイトでも召喚すればいい。


126 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 11:44:49 ID:7o65ekVr
要するに、強くてニューゲーム。

127 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 11:48:40 ID:0uMz7TuW
肉キャラが召喚されると

「ゲー!!アルビオンが五つに分裂してそれぞれにリングが出てきたー!!」
でそれぞれに出てきた魔法超人とかと戦うというそんな展開に
ワルドの笑い声が「バゴアバゴア」とか「ゲッパゲッパゲッパ」な感じでおかしいのはデフォルト

128 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 11:49:10 ID:F9VdZ7Jf
逆にルイズを召還しちまえばいいのにな。
そういうのも一個ぐらいあったじゃん

129 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 11:50:23 ID:lxFFWMZ6
某所の某MADで知ってここまで来ました
縛熱の使い魔とナンダイが面白かった
次はメビウスと黄色とラーズグリーズと失恋1と灰色の男たちも出して欲しいなとか言ってみたり
>>106を読んでなのはさんがルイズに召還されるというのを見てみたくなった


130 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 11:54:22 ID:CamQ0Wgd
とりあえずラ・ロシェールの特設リングは世界樹の天辺に作られているはず。
メンヌヴィルとかきっと「ヴィールヴィルヴィル!」とか笑うんだぜ。

あと謎の覆面超人キン肉マンファイヤーの正体はコルベール。

131 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 11:56:50 ID:K2I7Xm83
ほう、ルイズが五分割されると申すか。

ゲェー、ルイズのパーツが魔法超人にー!

132 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 12:04:49 ID:OyBKveHI
>>131
どこの小栗だよwww18禁ってレベルじゃねーぞwww

133 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 12:10:34 ID:trdFKtpv
ドクロつながりでリボーンからクローム髑髏を………
同時に骸が召喚されているか、ルーン補正なら臓器なくても大丈夫だし。

134 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 12:10:51 ID:k2y1niBW
ルイズはミート役かwww

135 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 12:10:55 ID:mFo01RX2
>>125
どのくらいが強キャラ?
ある程度戦闘経験あるやつがガンダールヴの力を得ると、どうしても強キャラになってしまうような……
それを解決するために、敵方にさらに強力なキャラを配置はしてるけど難しい

>>131
超人硬度10の御方じゃないかw

136 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 12:20:25 ID:Iv1GIdiH
とりあえずコブラを召喚すれば全キャラが劇画タッチ&小洒落た言葉使いになるな

137 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 12:21:59 ID:rYBpc+/7
肉体的にはガンダールヴついてやっと見た目通りになりそうなドルチルを召喚
ガンダールヴ発動してデルフを構えたまま「テンション上がってきたぜー!」
そして突撃。もちろんデルフは持ってるだけ。
「相棒ォォ! 頼むから俺を使ってェェ!」

138 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 12:30:11 ID:3RvPy5aN
強いキャラで原作をなぞらないと言うと……
と考えて菜食主義で平和主義者なドラゴンである『ドラゴンズウィル』のスピノザを召喚ってのが浮かんだ。
巨大な黒い韻龍を召喚して喜んだのも束の間、スピノザが戦いを放棄したため不戦敗で枕を涙で濡らすルイズってのを幻視した。

139 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 12:36:51 ID:trdFKtpv
韻竜の子供と思われそうなすえぞうは………数百年しないと話にならないよな……
おばあちゃんになっちゃったビルトの側に居た、きれいな動物くらいになれば大丈夫だけど。

最終決戦でジュノーンに倒された金ぴかとふぁちま兄妹……は強すぎるし……

140 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 12:52:03 ID:vdc0QEbK
『フォーチュンクエスト』のシロちゃん(ホワイトドラゴンの子供)とか。
使い魔っつーか愛玩動物扱いされそうだが。

141 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 13:05:52 ID:eUvmxNY3
>>139
剣聖様は…やっぱり強すぎだな。
ギリギリまで貧弱騎士の“ヒッター子爵”をしてないとバランスが……。


142 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 13:11:52 ID:mFo01RX2
剣聖って聞いてビルゲニアが浮かんだ。
だめだ、絶対ルイズのいうこときかないだろうし、時空を超えて「許さん!」が来る可能性がある

143 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 13:15:46 ID:mFo01RX2
30分から投下投下行きますんで、支援お願いします

144 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 13:24:31 ID:wJYrUxrz
sien

145 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 13:25:15 ID:hCb9Aa4L
FSSのツワモノ系存在って必ず時系列に空白あるから呼ぶ分には困らんからなあ
その代わり話の成立に致命的問題がある、桁が違いすぎて

146 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 13:27:39 ID:lxFFWMZ6
剣聖でシドルファス・オルランドゥが浮かんだ
カオスブレイド&デルフなんて誰も勝てない

147 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 13:27:50 ID:o923vgVD
>>140
いざというときはでかくなれるし便利だな

148 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 13:28:38 ID:MVJ5G2rV
FSS系はまず地球時間で56億7千万年分の年表が必要だからムリ

149 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 13:29:38 ID:7EWom9ns
支援

150 :力を求める使い魔:2007/11/25(日) 13:30:04 ID:mFo01RX2
―――トリステイン王国 草原

朝霧の濃い中、2頭の早馬が走る。
まだ夜明け切っておらず、暗いうちに彼と彼女は学園を離れた。
それほどに早急に取り組まねばならない用事であるのと同時に、人目につかぬようにという配慮もあってのことだ。
アンリエッタの言では、もう一人は道中合流するとのことだったが、今のところそういった人影は見当たらない。
夜遅く蠢く者たちも静まり、朝早くから動き始める人々もまだ布団にくるまっている。
そんな空白の時間の中、誰ともすれ違うことなく、馬の蹄の音が足の高い草が生える草原に響いていた。
話では、馬でも一泊せねばならぬ距離にあるらしい。それも正確に言えば、船着き場までで、だ。
さらに出港の日取りの関係もあり、それでさらに一泊する。つまり、アルビオンに着くまでに、片道3日かかる計算。

―――3日。 それは長いのか短いのか。

彼は、心中靄をかけたまま、慣れない馬を操る。
もちろん、この話がなければ一人で行くつもりだった。そうなれば、もっと時間がかかっただろう。
頭では、それがわかっている。だが、一度走り出せば、どうしようもない気持は抑えきれないほど大きくなりつつあった。
出発までも、その道中にかかる時間も、予想していたより早い。それが逆に彼の心を逸らせた。
朝靄が晴れ、眼前に広がる広大な自然と青い空。
彼はその向こうにある、見たこともない、見えるはずのないアルビオンを凝視する。それにかかるように浮かぶロウヒーローの顔。
手綱を握る手にも、無意識に力が入る。

「―――あ?」

遠くを見つめていたが故に、彼のほうが気付くのが早かった。空の青の中に、小さくはっきりしない点が浮かんでいる。
その点は、走っていると徐々に大きくなり――何かの動物とそれにまたがる人間だということがわかった。
「おい、あれが最後の一人か?」
馬をルイズのそれと並ばせ、ルイズの肩をトントンと指で叩く。
前方を見ていたため気付いていなかったのか、彼が指さすと、彼女は空を見上げた。
見た瞬間、急ぐのに何、と億劫そうな様子が激変。アンリエッタが入ってきたときのように、驚きで口をあけたままポカンとしている。
空の獣魔が、バサリと翼を羽ばたかせ、風を起こす。ゆっくりではなく、その翼で風を切り、急降下。
ルイズの馬と彼の馬は、目の前に降りる獣魔とぶつからないようになだめられ、走るのを止める。
とはいえ、馬たちも、自分たちよりも巨大な生物の突然と登場に、興奮している様子だった。
「久しぶりだね、ルイズ」
獣魔に乗った男は、ルイズの馬の横まで行き、彼女の手を取った。ルイズは、今度は顔を赤くしてもじもじしている。

151 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 13:31:02 ID:LDCNCX7D
だから伝説の因果を逆転させれば良いんだって。
ガンダールヴが強者になるんじゃなくて、強者だったからガンダールヴに選ばれたっていう。
前例が一度しかないからどっちだったかは本人にしか定かじゃないし。

152 :力を求める使い魔:2007/11/25(日) 13:31:26 ID:mFo01RX2
なんだその似合わない態度は、と彼が顔を歪ませてその光景を見ていると、帽子をかぶった男はルイズと二言三言話したのち彼のそばに寄ってきた。
帽子に髭にアイパッチ……という姿のせいで、分かりづらいが、おそらく若い。20代後半といったところだろう。
「君が、彼女の使い魔で今回の協力者かな? フーケを捕まえた話は聞かせてもらっているよ。
杖を使わず魔法を使い、人間はずれた動きをする剣士だと言うじゃないか。よろしく頼む」
礼儀正しい態度でそういうと、その男は握手を求めて手を伸ばした。しかし彼は、握手の手を差し伸べる前にこう言い放つ。
「人に世辞を言う前に自分の名を名乗ろうって気はないのか?」
その言葉を聞き、ややオーバーに肩をすくめると、男は答えた。
「君の言う通りだ、失礼した。 女王陛下の魔法衛士隊、グリフォン隊隊長、ワルド子爵だ。短い間だが、よろしく頼む。」



―――トリステイン王国 渓谷

「まだ、つかねぇのか?」
一人やや後ろを走る彼が、気だるい声で前に話しかける。
「まだ、もう少しだ! この渓谷を抜ければ、あとは20リーグといったところかな!?」
軽やかに前を走るグリフォンから、ワルドの声が流れてきた。
20リーグっつーことは……あと20kmってことか? 頭の中で、そんなことをぼんやりと考え、余計に気落ちさせる。
車だったらあと何時間も乗り続ける自信があるが、慣れない馬で既に結構きついところまできていた。
馬だって、すっ飛ばし続けて走らせている上に、既に2頭もつぶしてしまい変えている。
それでも、まだ20リーグ。さらにため息の出る話だ。
しかも、加えてルイズの方はワルドのグリフォンに相乗りさせてもらっている。
おそらく、自分がいなければ、ワルドの獣魔――グリフォンはもっと飛ばしているだろう。
自分ひとりが、足を引っ張っている。その事実が、とことん気持ちを沈める。
ただ馬を走らせる以外ほとんど変化のない単調な道のり。そのため意識が一瞬この場から離れた。

その瞬くほどの時間。

突如、敵襲が、はじまった。

ワルドが何かを言った。一気に引き戻される意識。背筋に冷たいものが走り、はじかれるように彼は咄嗟に馬から飛び降りた。
次の瞬間、大量の矢を受け絶命する馬。走る勢いに引きずられ、数メイル進んで倒れる。
デルフをつかむ。ルーンが光るまでの時間も惜しいと、岩陰へと転げるように走りこんだ。
どうにか第弐射をかけられるより早く、谷の直下の位置する岩陰に入れた。そこで、周囲を確認する。
ワルドたちは、もう少し奥にある岩陰にいる。襲撃した連中は、谷の上、両サイドから矢を射かけているらしい。
谷の真下の位置する場所には入れたのは、幸いだろう。その真上からでは矢をかけづらく、反対からでは届きづらい。
とはいえ、相手が上にいる以上、こちらからあまり手が出せない。無理に手を出せば、雨あられと降り注ぐ矢の集中打を受けることになる。

153 :力を求める使い魔:2007/11/25(日) 13:32:36 ID:mFo01RX2
かといって、仕掛けないのでは、ただでさえ貴重な時間をどれだけとられるかわからない。

―――まさか、それが目的か?

ただの物取り、という可能性もある。しかし、もしもこのアルビオン行きが知られているとしたら……
この世界、メイジに勝てるのはメイジだけだ。だが、平民、つまりこういったごろつきでも使い方では、十分に足止めはできる。
しかし、勝てるというわけではない。メイジは避けようとするはずだ。
チラリと、ワルドの後ろで足をたたみ座っているグリフォンを見る。しかも……こういった高位の幻獣を連れた相手をわざわざ狙うだろうか?
これを日々の稼ぎにしているとしたら、リスクを測ることが何よりも重要であることは知らなければおかしい。
一歩間違えば、死に至る可能性もありうる相手を狙うメリットが、少なすぎる。
舌打ちする。だとしたら、なおさら時間をかけていられない。岩陰から腕だけ出し、声を張り上げる。
「おい、ルイズ! 岩のあのあたりを爆破できるか!?」
指さすのは、突き出た形の崖上の足場。
「え………できるわよ、そのくらい!」
ルイズも、その声に叫び返す。さらに何か不満の言葉を言おうとしているようだったが、彼はそれを聞かず走りだした。
「今すぐ爆破しろッ! 子爵さま、落ちてきた連中の露払い頼むぜ!」
ルーンの輝きを受け、音のように速く駆けだす。その姿を見てあわててルイズが詠唱する。
突然、相手が飛び出すことなど予想外だったのだろう。撃つまでのわずかなタイムラグの隙に、一気に先ほど隠れていたのと逆の崖下へ。
到達の1秒前、ルイズの爆発が弓を射かけようと身を乗り出していた連中の足場を吹っ飛ばした。
「うおおぉぉッ!!」
咆哮と同時に跳躍。落ちてくる大岩と、人間。人間の隙間を抜け、落下中の岩にたどりつく。
そこを足場に、2段跳び。図書館の本探しで身につけた感覚が、結果として妙な形で戦闘の役にたっていた。
突然の爆発に動揺する男たちの中、コートをはためかせ彼が降り立つ。どよめきたつその最中、彼は凶悪な笑みを浮かべた。

「さぁ、全員灰になる覚悟はいいか?」

近場の男が、慌てて愚かにも弓を彼にひいた。
弓は、あくまで遠くの敵を射るもの。この距離では……彼のほうが圧倒的に速い。
次の瞬間、ズブリ、とデルフリンガーが、男の胸に突き立てられた。彼の灰色のコートが、男の吐血で赤く汚れる。

154 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 13:33:18 ID:K2I7Xm83
コンゴトモ支援

155 :力を求める使い魔:2007/11/25(日) 13:33:47 ID:mFo01RX2
意識を失った手から放たれた矢が、力なく明後日の方向に飛んでいく。
そこで男たちは慌てて弓を放り出し、腰につけていた短剣を抜こうとした。抜こうとしたのだ。
だが、20人近くいたが、半数はそれができなかった。
血を滴らせ、デルフリンガーが振り切られる。弧を描くように血が飛び散り、首が跳ね飛ばされた。
なまじ、デルフリンガーがなまくらだったせいで、すっぱりとした断面ではなく、潰れ、背骨の一部が露出した首。
血とそれ以外の液体をまき散らしながら、地面を濡らす。ぴちゃり、という水音。彼はそれを踏み割り、さらに加速。
もたついたものから、容赦なく首を刈り取り、頭に火をつける。……顔色一つ変えず。

―――これが、彼の本来あるべき姿なのだ。
平和ボケした世界と、非人間ばかり相手にしていたがゆえに、発露していなかった負の側面。
いや、CHAOSの側面とでも言おうか。地獄の底の廃墟を延々と一人歩いていた頃の彼。どちらが、本当の彼か、ではない。
そのどちらも、合わせて彼だ。往々にして求道者が見せる、目的のためにどこまでも残酷になる姿と、日常の友人や共感者をいたわる姿。
どちらも、根底にあるものは同じだ。だから、その両面が行動に生じる。

「―――さぁ、崖のこっち側はお前だけだぜ? 誰の差し金かはいてもらおうか?」

腰をぬかし、手で地面を掻き、這いずる男を見下ろし、笑顔で彼は言った。
死屍累々。まだ熱のある人間の残骸を無造作に踏みしめ、這って逃げようとする男を追う。
男の進路上、眼前の地面にデルフリンガーを突き立てる。
「ひぃぃぃいぃいいいッッ!!」
化け物を見るような眼で、彼を見る。そのおびえる男は、早口で、質問に答えた。
「し、しらねえ! なんかよくわからねえ女と仮面の男に、襲えって言われただけだ!
 だっ、誰かなんてわからねえ!金しか受け取ってないんだ!本当だ!本当なんだ!」
彼はその言葉を冷たい視線で無表情に聞いていた。どうもこの調子だと、それ以上知らないのだろう。
これ以上、何か頭を搾らせる必要もない。
「そうか」
逃げようと、立ち上がろうとする男。すっと、手を水平に上げる。もちろん、手の先にあるのは――

「じゃあな」

火球が、男の頭を飲み込んだ。

「―――!、?―――――――ッ!!、―――ッッ!!?!?!?」

何やら聞き取れない苦悶の声を上げる男。両手を振り上げ、踊るようにのたうち、木や地面に頭をぶつけていた。
その滑稽な姿に彼は、失笑した。そんなことで消える魔法の炎ではない。
意外と長く、3分近く踊った後、男は動かなくなった。炎はすでに、全身を覆っている。
「………えぐいねぇ、相棒」
「何を言ってんだ?」
デルフの言葉に、飄々と彼は答えた。

「俺を襲ったツケは、命で支払ってもらう。 それだけだろ?」


156 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 13:34:48 ID:AWHRPJfr
雑談ウゼエ、投下が最優先だ。支援

157 :力を求める使い魔:2007/11/25(日) 13:34:50 ID:mFo01RX2
下を見れば、一部落ちた連中も、打ちのめされていた。
あの子爵さまもやるもんだな、と思いながら、逆の崖にいる連中に視線を向ける。
どうも、林のせいでこっちの惨状を知らないのか、押せ押せで相変わらず矢を放っていた。
さてどうしようかと頭をかき―――

風が起こった。
視界を下に向ける。あの子爵さまの魔法かと思ったが、違った。
矢を放つ男たちも、下のメイジの魔法と思い、下を覗き込んだ。それが、命取り。
男たちの背後、背中に大量の氷柱が顕現し、嵐のような風に乗せられ殺到する―――!
次々と倒れていく男たち。ちょうどそのとき、大きな影が彼の上を通り過ぎた。
それで、上に何かいると気付いて見上げる。
4メイルはある風竜と、その背に乗る小さな少女の姿が見えた。


―――トリステイン王国 上空

2匹の幻獣が、風を切って空を飛ぶ。普通の農家が、ミニチュアのようにしか見えない高さだ。
彼らの助けに入ったのは、タバサだった。彼女の助太刀に、ワルドとルイズが礼を言うと、彼女は、驚く発言を口にした。

「ついていく」

ルイズがなぜここに来たのかと文句を言っていたものの………
結局ワルドは『タバサが3人の事情は一切聞かない』という条件で同行を許したせいもあり、共に行動していた。
何しろ、風竜がいれば、高く飛んで、安全に行くことができるのである。加えて、先ほど彼の馬は死んでしまった。
グリフォンで3人乗りができない以上、向こうが事情を聞かないのであれば、この降ってわいた話を断る理由はほとんどない。

「なんで気付いた?」
タバサは、座っている場所を指差した。今現在、タバサと彼が座っているのはシルフィードである。
つまり……シルフィードが見ていた、ということだろうか。
そういえば、使い魔の厩舎は、乗用馬の厩舎の近くにある。見ていてもおかしくないだろう。
どうやってこの竜が、彼女にその情報を伝えたかは謎だったが……真に仲の良い悪魔と主人は、言葉を介さずとも完璧な意思疎通ができるという。
パスカルとあいつという、その実例を目にしたことがある彼は、それで納得しておいた。
「じゃあ、なんでついてきた?」
むしろ、そちらのほうが重要である。この質問を先ほどワルドとルイズがした際、彼女は沈黙していた。
だから、どうせ今回も沈黙だろう……シルフィードの上に寝そべりながら、そんな気楽な気持ちで聞いた。
「知りたい」
「何を、だよ?」
空を見上げながら、彼は言った。タバサは口を閉じている。
別に、別にそう気になるわけでもない、別にいい―――そう彼が思った頃。

158 :力を求める使い魔:2007/11/25(日) 13:35:52 ID:mFo01RX2

「あなたの世界の人物や、力」

起き上がり、タバサの顔を覗き込む。
「………どうして、知っている」
低い声で、彼は言った。タバサは、事実と推測をただ列挙していった。

あの舞踏会の時、彼女は隣のテラスに出ていたこと。その時、話を一部聞いていたこと。
彼が、急に『レコン・キスタ』について調べだしたこと。それは、調べ始めて日付を考えれば、おそらくその話絡みだろうということ。
そして、その彼がアルビオンの方向に周囲を忍ぶように去っていったこと―――

なるほど、それらの情報を知っていれば、事実を浮かびあげるのは、簡単だろう。
「……誰かに話したか」
ゆるゆると、彼女は首を横に振る。答えは、否定。
「誰にも、離すな」
舌打ちすると、それだけ言ってまた横になった。まさか、こうも早く色々と露呈するするとは。
興味本位で首を突っ込んでくるなら、速攻燃やしてやるところだが……そういう目的では、おそらくないのは以前の件で分かった。
全く逆の状況が起これば、確実に自分もこっそり勝手についていくだろう。
なにしろ、この世界のだれも手にしたことがない力を得られるかもしれないのだ。見逃す手はない。
「ひとつ言っておく。 命を落とすことも覚悟しろ。 ……パスカルでも、歯が立たない連中が最悪5人出てくる」
首を縦に動かす。今度は、肯定。
……余計最悪だ。命を賭けてでも、というならもう止めようがない。
だが、逆を返せば、命を賭け続けなければ手に入らないほど彼女の力への渇望の原因は深いのであろうか?
分不相応なほどの実力を宿す小さな体。その核は……いったい?

―――まあ、俺が考えても仕方ないか。

青空を見上げたまま、彼は別のことを考えていた。



―――トリステイン王国 女神の杵

アクシデントはあったものの、風竜の登場で予想よりもいくらか早く到着した。
おかげで、深夜ヘトヘトで到着して寝る――というのは避けられそうだ。
彼は、薄暗い、飲み屋の延長のようなものを予想していたが、その予想ははずれることになる。
「ずいぶんと豪華だな、おい」
入ると、一枚岩から削り出された、高そうなテーブルに、これまたさらに高そうな料理。
どう見ても庶民向け、といった感じではない。
「貴族向けに経営してる、この街で一番上等な宿だからな」
ワルドはそう言うと、部屋の割り振りを説明する。2階の2人一部屋の部屋で、ワルドとルイズ、タバサと彼という組み合わせだった。
めいめいが荷物を置きに――といってもタバサも彼も、ほとんどなにも持ってないので、そこまで言うほどでもないが。
そのあと、一階に下りてさっき見たテーブルに座って、食事をとる。
4人で食べきれるのか?そう思うほどの量だったが、意外にも、あっさり片付いた。
小食と言っていい彼の分含み、そのプラス2,3人前はあった料理のほとんどを、タバサはほとんど全部平らげたのだ。
いったいどこに入るんだ、と思わず考えてしまうほどの量を平然と食べている。


159 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 13:36:01 ID:AWHRPJfr
支援を行う。

160 :力を求める使い魔:2007/11/25(日) 13:36:54 ID:mFo01RX2

それからしばらくして、ワルドが船の手配をするために出ていった。
彼は、残った3人をタバサと彼の部屋に集め、話を切り出す。
「アルビオンに、世界を動かす兵器か道具か……なんでもいい、なにかあるのか?」
その質問の意図を把握しきれず、ルイズは怪訝な顔をした。
「何故、アルビオンなんだ? どうして、そこで蜂起した?」
「それは『レコン・キスタ』の中核がアルビオンだったからよ。軍事的にも、あそこは空からにらみをきかせられるから……」
ルイズが、この世界の常識論で、アルビオンで始まった理由を挙げた。しかし、それが間違いだと、彼は知っている。
4セラフと、『神人』メシア……ロウヒーローの5人の力と人心掌握術があれば、どこでもいいはずだ。

何故、アルビオンを選んだのか?

アルビオンとほかの国の違い。必ず、なにかあるはずだ。だが彼には空を浮いていることくらいしかわからない。
「秘宝なら、ある」
タバサが口を開いた。
「でも、世界を変えるほどのものではない」
「なんでもいい、教えろ」
ルイズが、眉をしかめていった。
「それって、『3つの4』?」
やはり、タバサは首肯。ルイズは彼のほうを向くと、指を立てた。
「世界は、ブリミルという一人の始祖から始まった、ってことぐらいは知ってるでしょ?
 この始祖ブリミルには4人の弟子がいて、その4人に平等に秘宝と知識と禍を授けたって言れてるの。
 その弟子たちが一つずつ国を作ったの。それが、アルビオン、トリステイン、ガリア、ロマリアの4つの国。
 秘宝が、風、火、水、土の4つのルビー、
知識はよくわかってないんだけど……最近だと『知識を閉じ込めたもの』だと思われてる。香炉とかオルゴールらしいわ。」
といっても、だれも知識の引き出し方を知らないんだけどね、とルイズは追加した。
あのルビーもそれの一つか、と言いたかったが、タバサがいるので向こうも話さなかったのだろう。
彼も、そのくらいの気転はきく。さらに、続きを促した。
「最後の一つが、禍<わざわい>。 これは、鎧、兜、具足、籠手だったと思うわ。
 なんでも、ブリミルでも手を焼く代物だったらしいの。ちなみに、これと対になる神の鎧が、聖地には残ってるって話もあるのよ」
「………『神の力』を受け継ぐ『神の使徒』が、『神の反逆者』とならん時、我力を授けん」
ルイズの言葉に続いて飛び出したタバサの不可解な言葉に、ルイズまで顔をしかめる。タバサは説明を加えた。


161 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 13:38:12 ID:rYBpc+/7
間に合うか?
支援

162 :力を求める使い魔:2007/11/25(日) 13:38:24 ID:mFo01RX2
「ガリアにある禍の鎧の表面に書き込まれた言葉」
ルイズの話を、壁にもたれて聞いていた彼は、難しい顔をしたままだ。
「結局、どれも4つ集めなきゃ意味のないような代物じゃねぇか」
「当たり前でしょ、そんなものあったら世界が大変なことになるわ」

―――結局乗り込んで直接聞くしかないか。

やはり、この世界の常識で測れないことをやろうとしているのだろう。そうなれば、自分で行くしかない。
そう結論づけ、一日を終わらせようと思った時だった。

ぐらりと、旅館が揺れる。




―――今日2度目の敵襲の始まりだった。


163 :力を求める使い魔:2007/11/25(日) 13:40:43 ID:mFo01RX2
投下終わりました、支援ありがとうございます!
とりあえず、2巻のネタはあと2話で終了かな?
大分オリジナルの複線はさみまくりなんで、頭ひねるかも知れませんが、待っててください。
全部、意味がありますんで、生暖かく見守っていただけると幸いです。

164 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 13:41:04 ID:T1rBA3hN
test

165 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 13:41:58 ID:mFys5N2l
支援


166 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 13:42:12 ID:AWHRPJfr
乙でした。

167 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 13:48:18 ID:rYBpc+/7
乙!
公式には真1がニュートラル真2がロウ真3がカオスがそれぞれテーマになってるんだっけ?
真3の主人公がカオスヒーローならさぞエンジョイしたろうな

168 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 13:55:01 ID:mFys5N2l
乙です

169 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 14:09:05 ID:V/8N0IDI
乙。

マニアクスをダンテに惹かれて買って、
次はどの作品に手を出そうか考えあぐねている俺w

170 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 14:11:31 ID:hO2Bli3p
人として軸がぶれている(カオス側に)

我は 住人オツ=グッジョブ 今後ともよろしく

171 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 14:35:41 ID:hKpfBZN9
カオスヒーローの職人さんGJです

172 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 14:50:53 ID:F3VfABoB
乙っすー。
これでこそカオスヒーロー。コレでこそメガテン。この殺伐とした空気が実に肌に馴染む。

>>169
アバタール=チューナー1・2を勧めてみる。
ヒロインはビッチだがゲームとしては面白い
ヒロイン以外は魅力的なキャラばかりだし。
…ほんとヒロインさえ…

173 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 14:59:23 ID:K2I7Xm83
カオス乙です!


174 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 15:36:16 ID:8a0EBYiW
カオスの人GJ
見事なゼロ魔とメガテンの融合です。
精霊よりも強力な神と悪魔の力にタバサが多大な興味を持つのも納得ですよ。

でも対4大セラフ・ロウヒーロー戦で足手まといにならないか心配

175 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 16:15:32 ID:nWaTtirQ
確か真2にロウカオスだと手に入る防具類があったけどそれかな?

176 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 17:11:32 ID:ew4/cGwK
>>174
ゼロ魔世界の魔法は精霊魔法だから天使相手には確かにきつい。
しかしタバサなら悪魔合体してでも力を得ようとするかも。

177 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 17:14:44 ID:qKw8PQ7w
人がいないな・・・

デュープリズムのミントをジョゼフが召喚して、一緒に世界征服を企むとか妄想

ミントにミョズニトニルンつけたら危険だと思うが

178 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 17:20:58 ID:XSV7+jxD
なんとかして一巻の内容にヨルムガントを絡ませる方法ってないか?

179 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 17:28:24 ID:trdFKtpv
デジモン02のキャラ召喚、
物理的に消し去るインペリアルドラモンやグランクワガーモンならともかく、
斬ったデジモンの魂をうんぬんするヴァルキリモンがメイジを斬ったらどうなるんだろう。

180 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 17:40:08 ID:mFys5N2l
魂をデータ化してどうにかするんじゃない?

181 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 17:44:35 ID:Rmhvr/yj
そういえば、魔法戦士リウイ、話のネタすらまだでてないなあ。

182 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 17:51:08 ID:hQj8Mou+
>>181
エウシュリーのあの『勇者』?

183 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 17:54:29 ID:Gy8MRx04
そっちの半魔じゃなくて水野先生のじゃないか?

184 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 18:04:04 ID:trdFKtpv
>>180
メイジの魂をデータ化できるんだろうか……。
データ化できるんなら京とホークモンは記すのを憚られるやつになりそうだな。

185 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 18:21:17 ID:wJYrUxrz
リウイ・マーシルン呼んだら両世界大騒ぎだろ・・・・・・
特にリウイなんて王様なんだし

186 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 18:22:35 ID:Q0bdDNp+
ソードワールド好きからはキウイと馬鹿にされ、
水野良好きからはロードスの頃の水野はもう居ないんだなぁ、
と遠い目で見られたあのリウイですかな。

187 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 18:35:59 ID:oc0rA2oX
>>186
ロードスも最終シリーズは酷い出来だったしなあ。
作者がもうシリアス書けなくなったんでしょうな。

ロードスから召喚するならカシューか。
剣の腕は凄いけど特殊技能無いし。

188 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 18:38:24 ID:YVsvovNk
>>175
俺はレベル65以上じゃないと取れない真1の属性装備が思い浮かんだ

>>176
魔人 タバサ

力  12
知恵 23
魔力 26
速さ 18
運 9

ウィンディ・アイシクル ジャベリン マカラカーン マハムド マハザンマ

こんな感じになるんじゃないか?w

189 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 18:40:54 ID:7VgQSrWu
なんか久しぶりに幻燐2やりたくなったな。
リンをアイテムで強化して、一軍で使ってたなー

190 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 18:54:23 ID:mFys5N2l
五竜亭シリーズからプロの冒険者たちを召喚するのも面白そうだ。

191 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 18:58:10 ID:OgG7gk21
ここは五竜亭ごと召喚で

192 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 19:12:05 ID:lxFFWMZ6
>>187
ファーン王とかベルド皇帝はどう?とか言ってみる

193 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 19:16:26 ID:kjN3kztb
いっそ、魔神王呼ぼうぜ

194 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 19:20:23 ID:7o65ekVr
サイド3コロニーを召喚。

195 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 19:21:39 ID:oc0rA2oX
>>192
ベルドもファーンもルイズには荷が重すぎな気が。
カシューも強すぎかな。ガンダールヴ補正と相性が良すぎだから。
若い連中ならバランス的に何とかなりそう。

剣士ならシーリスくらいで充分かもね。

196 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 19:21:58 ID:mFys5N2l
ブリティッシュ作戦かよ!!

197 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 19:28:39 ID:f2AKoQa9
ジオンがコロニーに取り付けた毒ガスタンクを召喚。

198 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 19:30:06 ID:Ga76H1Zb
>>187
ウォートとかティエル(邪笑)


199 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 19:30:20 ID:7o65ekVr
時代劇のキャラを召喚した場合って、
口調の表記はどう書けばいいんだろ?
魔法による翻訳が自動で行なわれるわけだから、
全員を時代劇口調にするか、
逆に呼ばれたキャラを標準語にしないと駄目だよね?

あるいは地域訛りのあるキャラはどうすればいいんだ?
関西弁とか。

200 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 19:32:20 ID:OyBKveHI
>>197
馬鹿野朗!
シーマ様の姉御分がなくなっちまうじゃないか!!

201 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 19:38:08 ID:avrfBGdE
もともと剣が得意な奴にガンダールヴ持たせてもあんまり意味なさそうだよな。

202 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 19:40:56 ID:7o65ekVr
ガンダールヴのルーンのせいでかえって弱くなるってのも良いかも。


203 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 19:41:34 ID:gm8CUwV4
「妙に時代がかった言い方をするやつだ」とかでいいんじゃないの。
関西弁は「と、少し訛りのあるい言い方をした」みたいなので。
どっちにしろあんまり深く考える必要はないと思うけど。

そういやアニメの関西弁キャラって、メリケンに輸出されたときは南部訛りになるとか聞いたことがある。
だから、たぶんハルキゲニアにおける「関西弁」的な地域の話し方に翻訳されてるんじゃないかと想像してみる。想像、な。

204 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 19:42:04 ID:NU/LajRR
ツァーリ・ボムが召喚されました

205 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 19:42:37 ID:4s43vw1u
まさか幻燐が分かる住人がいたなんて……

206 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 19:44:43 ID:0uMz7TuW
魔装機神のロドニーのどう聞いても関西弁な喋りはどこの訛りだったかな

207 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 19:47:18 ID:lxFFWMZ6
>>195
正に鬼神だろうなぁ

ペガサス級強襲揚陸艦7番艦は名前かぶってるからダメですか?

208 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 19:57:26 ID:1tRChK6N
>>200
コロニー落し直後のシーマ召喚したらどうなるだろ?
元の世界よりは幸せに生きていけそうな気もするが

209 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 19:58:30 ID:f2AKoQa9
>>199
前者はネタとして面白そうだが後者はキャラ性がなくなってしまう。

210 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 19:59:48 ID:mcj8MTzj
>>206
確かトロイア訛りだっけ

211 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 20:00:05 ID:f2AKoQa9
>>202
ククルス・ドアンの出番だな。

212 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 20:01:33 ID:NU/LajRR
>>199
ワルドに向かって「余の顔を見忘れたか!」

213 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 20:09:08 ID:0hI8ms7J
今日は投下ないのか?

214 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 20:10:11 ID:7o65ekVr
ルイズ「いかに宗高、あの扇の真中射て、ツェルプストーに見物せさせよかし」

215 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 20:17:08 ID:/Eih4FhB
>>212
そのセリフ違和感ねえw

216 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 20:22:59 ID:0hI8ms7J
今この場に何人いる?

217 :Zero ed una bambola ◆EFV8AnGeLs :2007/11/25(日) 20:24:48 ID:yUbQp+l4
投下予約
10分後くらいに投下します

218 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 20:25:34 ID:0hI8ms7J
ではその後にこのスレ初投下。

219 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 20:29:48 ID:gH9z14rj
アンジェ支援するぜ。

220 :Zero ed una bambola ◆EFV8AnGeLs :2007/11/25(日) 20:35:22 ID:yUbQp+l4
「では授業を始める」

教室にギトーの声が響いた。彼が声を発するまで騒がしかった教室が静まり返った。
ギトーはそれを満足気に見詰め、授業を始めた。
尊大で生徒達を見下すような声が聞こえる中、キュルケは隣の空いた席を眺めていた。教室にはルイズの姿がないのだ。

「ミス・ツェルスプトー、最強の系統は知っているかね?」

余所見をしていたキュルケにギトーは質問をするが、キュルケは特に興味なさそうに答えた。

「さあ? 何でしょうね……『火』でしょうか?」

いかにも適当に思いついたかのような返答を気にもせず、それを否定する。

「ほう『火』かね? だが残念ながら最強は『風』なのだ。『風』は全てを薙ぎ払う。どうだ、ミス・ツェルスプトー。君の得意な『火』の魔法をぶつけてきたまえ」

ギトーは教師らしからぬ、挑発するような口調だった。しかし、興味がわかないとでも言いたそうなキュルケは然したる関心を示さない。

「どうでもいいですわ。何が最強かなんて興味がありませんもの」

馬鹿にされた。そう思ったギトーは激怒する。

「何だと! 君は教師を馬鹿にしているのか!」

そのとき唐突に教室の扉が開き、激昂するギトーとは対照的な、珍妙な格好をしたコルベールが入ってきた。

「みなさん。今日の授業は全て中止です」


221 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 20:36:17 ID:gH9z14rj
しぇん

222 :Zero ed una bambola ◆EFV8AnGeLs :2007/11/25(日) 20:37:57 ID:yUbQp+l4
Zero ed una bambola   ゼロと人形



「ルイズ、いるの?」

キュルケはノックをすると、返事が返る前に『アンロック』の魔法で鍵を開けて部屋に入った。
部屋の中にはルイズとアンジェリカがいた。特に変わった様子もない。

「何か用?」
「何か用じゃないわよ。あなた、授業サボったでしょ?」

体調が悪くもなさそうだ。ならば何故授業に出ないのだろうか。

「練習とか訓練はきちんとしないと駄目ですよ?」

アンジェリカが可愛らしい声でルイズを嗜める。

「上手にできたらみんな褒めてくれるんです」
「アンジェちゃんの言うとおりよ。ちゃんと授業に出ないと…」

キュルケはアンジェリカの頭を撫でながら嫌味ったらしくルイズに言った。

「…アンジェ……」

だがルイズはアンジェリカを見詰めたままキュルケの言葉に全く反応しない。

「ちょっとルイズ、聞いているの?」
「うるさい! うるさいうるさいうるさい!」

キュルケがルイズの肩に触れたとたんに猛烈な勢いで怒り出した。
ルイズは理解していた。アンジェリカが何を上手にしたら褒めてもらえると言っているのかを知っていた。だがキュルケはそれを知らないのだ。

「あんたには関係ないでしょ! 放っておいて!」

何も知らないわけではない、それなのに何事も無かったかのように振舞うキュルケの姿がそこにあった。それが非常に恨めしい。
ルイズにとってもはや見て見ぬ振りのできないアンジェリカの性質。己の望む姿をキュルケに見い出しルイズを苛立たせる。
だがキュルケとて何も考えていないわけではない。ルイズを取り巻く周囲の環境の変化を感じ取り、あえて以前と変わらぬ様子で振舞っていたのだ。
同情心はルイズの自尊心を傷つける。倒れても倒れても挫けずにいずれ立ち上がり前に進みだす。そう思っていた……。だから故意に対立するのである。
しかしそれは違った。今のルイズは立ち上がっても前に進むことができない。進むべき道を見失っているのだ。ルイズが必要としているのは対等な者、あるいは彼女を庇護し守る者が必要なのかもしれない。

「そんなに怒ることないじゃない。用件だけ伝えるわ。今日の授業は全て中止よ。トリステインの王女様がいらっしゃるそうよ」

心の中でルイズを心配していても表には出さない。それがルイズを一層孤立させる。

「そうなの。用が済んだらっ…て、今なんて言ったの?」

キュルケを追い出そうと適当に聞き流していたが再度問う。ルイズの求めていた人が来ると言ったのだ。

「トリステインの王女様が表敬訪問するっていったのよ。それでね、生徒は門に集合することになってるわ」
「早くそれをいいなさいよ! アンジェ、部屋で待ってるのよ」
「はい。ルイズさん」

キュルケに対する苛立ちは何処へやら、ルイズは杖を持たずにに部屋を出て行った。

「全く…何なのよ…。じゃあね、アンジェちゃん。またね」
「またね。キュルケちゃん」

キュルケは少し呆れながらもその後を追う。


223 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 20:39:13 ID:gH9z14rj
支援

224 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 20:39:32 ID:mFys5N2l
支援

225 :Zero ed una bambola ◆EFV8AnGeLs :2007/11/25(日) 20:40:03 ID:yUbQp+l4
「トリステイン王女、アンリエッタ姫殿下のおなーりー!」

整列した生徒達が杖を掲げる。衛士の声が高らかに響き渡った。馬車から降りてくる王女の姿。それを見た生徒の歓声がうるさい。
杖を持っていないルイズは生徒の列からはずれ、後ろから食い入るようにそれを見ていた。

「杖持ってないけど、どうしたのよ?」
「別に…」

あれほど魔法に拘っていたルイズが杖を持たないなんておかしい。聞いてみても生返事が返って来るだけだった。
それが面白くないキュルケはルイズをからかってみることにした。

「ふうん。王女様よりあたしの方がきれいじゃない? ルイズもそう思うでしょ?」
「……」
「ねえ聞いてる?」

ルイズの視線の先にはアンリエッタの姿があったが、煩いキュルケを一瞥するとすぐに視線を戻した。

「つれないわね」

ルイズの相手をするのを諦め、キュルケはタバタを探した。すぐ傍でタバサがいつもと変わりなく本を読んでいたのを見つけた。

「タバサはいつもと変わらないわね」

タバサはキュルケに顔を向け、それからまた手元の本へ意識を没頭させた。

Episodio 30

La visita della principessa
王女様の来訪


226 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 20:40:55 ID:mFys5N2l
支援

227 :Zero ed una bambola ◆EFV8AnGeLs :2007/11/25(日) 20:42:11 ID:yUbQp+l4
Intermissione



「高飛びですって?」
「そうじゃ。わしらが君がフーケと気付いたんじゃ。アカデミーの連中がそれに気付かんとも限らん」
「ほとぼりが冷めるまでここから離れた方がいいでしょう」

確かにその通りだ。些細なことから尻尾が掴まれるとも限らない。何より自分の正体に気付いた人間がここにいるのだから。
ならば魔法学院からしばらく離れるのが得策だ。

「何処に行くかね? やっぱりゲルマニアかのう? それともロマリア? ガリアという手もあるのう」

オスマンが何処に行くかと尋ねてくる。だが行き先など決まっている。迷わずに答えた。

「アルビオンですわ」

行き先はアルビオンと聞いてコルベールは慌てて口を開いた。

「あそこは今、内戦状態なんですよ!」

そんなことは百も承知だ。

「知っています」

端的に答えた。だがコルベールが尚も食らいつく。

「危険です! ここは無難に…」
「コルベール君落ち着きたまえ」

大きな声を上げるコルベールをオスマンが嗜めた。

「ミス・ロングビルはそのことは百も承知じゃ。そうじゃろ?」

オスマンの問いに頷く。この爺は全てお見通しということか……。何処へ行くかなんて隠しても無駄だろう。

「しばらく故郷に帰っていませんでしたので、一度帰ろうと思っていますの」
「ふむ、内戦状態にあるのに?」

わざわざ確認するかのように聞いてくる。

「だからこそ帰るのです」

内戦状態に陥り政情不安定なアルビオン。ここから金品を送っても届くかどうかも怪しい。
それに治安状態も悪化していることが懸念される。あそこには信頼できるような人間などいないし、何よりあの子自身も世間知らずなところがあるから悪い虫がついていないか心配だ。
姉の立場から贔屓目無しに見ても、ハーフエルフという点を除けばその容姿はトリステインのヘンリエッタかアンリエッタか忘れたけど……ともかくあの王女様よりいけてるし何よりあの胸は何だ反則だろ。あの子を目にしたら大抵の男は陥落するっていうか手篭めにされちゃう!
ああ! テファ待っててね! お姉ちゃんすぐに帰って悪い虫追い払って上げるから!


228 :コッペパンの使い魔:2007/11/25(日) 20:42:18 ID:0hI8ms7J
GJ!

ではこれより投下します。

229 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 20:42:48 ID:mFys5N2l
支援

230 :コッペパンの使い魔:2007/11/25(日) 20:42:54 ID:0hI8ms7J
失礼。先走りです。

231 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 20:43:42 ID:T1rBA3hN
支援

232 :Zero ed una bambola ◆EFV8AnGeLs :2007/11/25(日) 20:44:16 ID:yUbQp+l4
「ミス・ロングビル?」

はっ!私は何を…。
コルベールの言葉によって現実に引き戻された。

「と、ともかくそういうことですから!」

オスマンもコルベールもどういうこととあえて突っ込まなかった。

「それで、いつここを発つんじゃ?」

元々ここを出て行くつもりだったのでいつでも発てる。気懸かりなのこの腕の怪我だけだ。

「怪我のことが心配かね。大丈夫じゃよ。わしが治療費を払ってやるわい。治療を受けてから行くといい」

それはありがたい。お金を節約するために簡単な治療しかしていなかったが一先ず安心だ。

「それとこれが旅費じゃ」

オスマンが目配せするとコルベールが金貨の入った袋を渡してきた。
そんなに物欲しそうな目をしていたかしら? 貰える物は貰っておくけどね。

「…セクハラ」

ボソッと呟くと効果覿面。コルベールがオスマンをすごい形相で睨んでいる。

「帰ってきたら給料二割アップじゃ!」

大粒の冷や汗を流しながらオスマンは答えた。
よし、これで何の憂いもなくここを発てる。そうだ一つ聞いておかなければならないことがあった。

「一つお聞きしたいのですが…」
「何じゃ?」
「わたくしがこのまま逃げて戻ってこないとは思いませんの?」

当然の疑問だった。だがオスマンはそれを笑い飛ばした。

「何をいっとる。わしは君を信じておるからのう」

さも当たり前のように言ってくる。もはや呆れるしかない。

「わたくしの何処に信じるに値する根拠があるというのですか?」

自嘲気味な私に諭すようにオスマン口を開いた。

「人を信じるのに理由はいらんよ」

全く……御人好し過ぎる。


233 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 20:44:32 ID:mFys5N2l
支援

234 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 20:45:07 ID:T1rBA3hN
支援

235 :Zero ed una bambola ◆EFV8AnGeLs :2007/11/25(日) 20:45:45 ID:yUbQp+l4
投下完了です。支援に感謝します。


236 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 20:45:54 ID:VqfnwLTq
支援なれどsage進行忘るるべからず
投下するからageると言う発想は不要どころか害悪
人大杉ゆえ今はそれほど酷い事にはならないが

237 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 20:47:08 ID:MihEaSux
>>187
カシューには特殊能力あるぞ
一騎打ちだと絶対に勝つっていう

238 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 20:47:11 ID:T1rBA3hN
支援

239 :コッペパンの使い魔:2007/11/25(日) 20:47:17 ID:0hI8ms7J
先ほどは本当にフライング失礼しました。
…では投下しますゆえ。

240 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 20:47:42 ID:j0vtmuiH
ちょっとくらい時間置け

241 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 20:49:30 ID:T1rBA3hN
支援

242 :コッペパンの使い魔:2007/11/25(日) 20:50:23 ID:0hI8ms7J
ドッグォオォン!!!


彼女が行ったはずの召喚。
だがそこで起こったのはいつもどおり失敗の爆発。
やがて土煙が晴れるがそこにはだれもいない。 
彼女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールはその失敗に歯噛みする。
周りの野次も大分疲れ気味になっていた。
「おいおい!もう903回も失敗してるじゃないか!」
「すこしは待たされるこっちの身にもなってほしいわ!」
「いいかげんにしろ!ゼロのルイズ! 」
やがて担当のコルベール先生が心配そうに話しかける。
「ミス・ヴァリエール。今日はもうやめよう。また後日召喚をやりなおすと言う形で…。」
「いいえ!せめてあと一回!あと一回でいいですからやらせてください!」
コルベールがため息をつく。
「わかりました。しかし、あと一回ですよ?」
ルイズは安堵し、強く思う。
(お願いだから出てきて…!周りを見返してやれるほどのすっごい使い魔…!)

「宇宙の果てのどこかにいる私のシモベよ…
 神聖で美しく、そして、強力な使い魔よッ
 私は心より求め、訴えるわ
 我が導きに…答えなさいッ!!」

そして爆発が巻き起こる…。だがこれまでと違うのは、土煙の向こうにだれかがいたと言うことだった。


243 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 20:52:08 ID:T1rBA3hN
アンジェリカ早く死なないかなー
もう他に見所が思いつかん

244 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 20:52:22 ID:mFys5N2l
支援

245 :コッペパンの使い魔:2007/11/25(日) 20:52:26 ID:0hI8ms7J
・・・さて、ここで一旦時を遡ると同時に舞台が日本へと変わる。
とある道を女子高生が歩きながら何気無い話をしている。
「それがまたくさくってさぁー。」
「「アッハハハハハ!!」」
その時リボンを頭につけた女子――――つかさが違和感に気付く。
「あれ?ゆきちゃんは?」
「あら?いないわね。ついさっきまで傍にいたのに。」
姉のかがみも異変に気付きあたりを見回す。
彼女はたまに近くにいないこともあるが今日はいっしょに帰っていたはずだ。
礼儀正しい彼女が突然挨拶も無く消えるとは思わない。
「あっちゃぁー。コレはみゆきさん途中で迷子になっちゃったかな?」
一番ちっこくて長い髪にアホ毛が目立つこなたが頭に手をあてて言う。
「いや、いつも帰ってる道なのに迷子はないでしょ。」
「いやいやわからないモンですよかがみさん。天然かつ歩く萌え要素のみゆきさんなら
途中で何かに気を取られて、気がついたら誰もいなくておろおろするくらいは考えられるっしょ。」
「アンタ流石に失礼だろ。ソレ。」
と来た道を戻ってみゆきを探そうとした。

だが、みゆきは思っていたより近くで足止めを喰らっていた。


246 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 20:54:31 ID:mFys5N2l
支援

247 :コッペパンの使い魔:2007/11/25(日) 20:54:33 ID:0hI8ms7J
結論から言おう。みゆきはナンパされていたのだ。
こなたのカンは半分だけ当たっていた。
みゆきは歩いている途中で鼻に蝶が止まったのに驚き、
おまけに鼻がムズムズして「くちゅん!」とくしゃみをしているうちに
ほんのわずかだがこなたたちより遅れてしまった。
すぐに追いかけようとしたが、そこでナンパに会ってしまったのだ。
「こなちゃん。ゆきちゃんいた?」
「いやー。驚いたなー。見てよつかさ、かがみ、みゆきさんがナンパされてるんだよ…。」
そういうこなたの顔は少し驚いて引きつっている。ナンパされていたからではない。
高良みゆき。かわいくって頭もよく、胸もこのメンバーの中で一番大きい。
性格も優しく、時にドジで天然なところを見せてくれるこなた曰く、歩く萌え要素。
ナンパと言う手口に意表をつかれたのは確かだがみゆきのような美人ならそれも
無理はないと思えてしまうものだ。
そうじゃない。こなたが驚いたのはそこではない。
「あの、えと、私は…。」
驚いてあたふたしているみゆきをナンパしていたのは…。

「へいへい彼女!オラといっしょに世界の平和をお守りしてみない〜?」

こなたの腰にも届かないほど小さな少年だったからだ。

248 :コッペパンの使い魔(嘘です):2007/11/25(日) 20:56:10 ID:0hI8ms7J
「えっと、その、ボクどこの子ですか?」
みゆきが考えた末そう聞いてみる。
「オラは野原しんのすけ、5歳!好きなラーメンの味は味噌!どうぞよろしくだゾ。」
そう言ってしんのすけはきりっとした顔でみゆきを口説いている。
「はいはーい。君。そのみゆきさんは私たちの友達だからナンパはほかの人にしてねー。」
「あ、泉さん!」
こなたが止めに入るとしんのすけはこなたを一目見て、
「うーん、オラ女子高生より年が下な子には興味ないぞ。」
「女子高生だよ!!」
こなたがプンスカと怒っているところでしんのすけの頭に
ガンッ! と言う音と共に『げんこつ』が叩き込まれる。
そしてコブが出来た頭をグーで挟み、

ぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐり!!

と頭にドリルのように拳を食い込ませてしんのすけを弱らせる。
「うおおおおおおお・・・。」
「しんのすけ!アンタはまた綺麗な女の子についていったりして!
ごめんなさい。ウチの子がまたオホホホホ…。」
そう言ってしんのすけの母、みさえは逃げていく。
後に残っていたのはボーゼンとしているかがみ、つかさ、みゆきと
「どうせ私は子供みたいだよ…。」としょんぼりしているこなただけだった。

ここ埼玉県春日部市に住む彼、野原しんのすけ5歳。
女好きでおバカで今、ぐりぐりされている彼こそが

――――――――大冒険へと旅立つ主人公である…。

     クレヨンしんちゃん    伝説を呼ぶ使い魔

ちなみに物語のコンセプト上、例の4人はもう出てこないと思う。



249 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 20:56:35 ID:dM5WXiqK
ちょwwwwwww支援wwwwwwwwwww

250 :伝説を呼ぶ使い魔 :2007/11/25(日) 20:57:39 ID:0hI8ms7J
ところ変わって野原家。
昼ごろになってもごろごろしているしんのすけ。
「しんのすけー!シロの散歩に行ってきなさーい!!」
「えーめんどくさーい。水くさーい。ところで『めんど』ってどんなニオイ?」
などとテレビの前で尻を掻いている。
「今日は天気もいいんだしあったかいんだから散歩日和でしょ!」
「オラは今アクション仮面ムスメ見るので忙しいんだぞ。
しんのすけの目がテレビに向く。
『スクラップの時間だぜェ!クッソ野郎がッ!!』
『やめろユリ!目を覚ましてくれ!!』
白い髪の怪人がアクション仮面ムスメに牙をむく。
『ハーハッハッハ!無駄だアクション仮面ムスメ!お前の友達はすでにこの私の幻惑改造で怪人と化しているのだ!」
『おまえは!ジミテロ団アンチマナー6人衆の一人!ローズ・ドンソン子爵!!』
薔薇の花を手にするキザっぽい幹部クラスの怪人が現れる。
『元に戻すには倒すしかないのだ!お前には友と傷つけあう運命しか残されてはいないのだ!
全てはギスギスした社会のためにな!!ハッハッハッハッハッハ!!』
『この…卑怯者め!!』
『さあ行け!最強の怪人、白い悪魔アクセラ…』

ブツンッ!!

「どうせ再放送なんだからもう見たんでしょ!?」
「もう一度みたかったんだも〜ん。」
みさえがおもちゃぼこからヘルメットとバッチを拾いしんのすけに付ける。
「野原隊員!!町に怪人が出現!これよりシロとともに退治する任務を申し付けます!!」
「ほっほーい!!出撃準備かんちょー!!」




251 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 20:58:10 ID:mFys5N2l
超色物ww支援

252 :伝説を呼ぶ使い魔 :2007/11/25(日) 20:59:05 ID:0hI8ms7J
玄関を出て庭の犬小屋にいくとわたあめのような毛を持った犬が現れる。
「アン!アン!」
「おお、シロ。そうかそうか。今日は散歩に行きたくないか〜。」
「アン!アン!!(首を振りながら否定の意思を伝える。)」
「しょーがないなー。行きたくないならオラは家でごろごろ…。」

げんこつの音が響く。衝撃がヘルメットを貫く。

「とっとと行ってこんかい甲斐性なしボーズ!!」

「お散歩なんてめんどくさいゾ…。むさえちゃんにいかせればいいのに…。」
しんのすけが不満たらたらでシロのリードを持って歩く。
「今日はいつもの公園にでもいくゾ。」
公園にいったら適当にフリスビーキャッチボールをやってお姉さんの方向へ走っていってしまう
のを知っているシロは呆れ気味に「ファ〜…。」とため息をつく。
その時だ。異変に気付く。
「アン!!アン!!アン!!」
「ん?どうしたシロ?」

シロが吼える方向には不審な鏡がある。


253 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 20:59:25 ID:T1rBA3hN
支援

254 :伝説を呼ぶ使い魔 :2007/11/25(日) 20:59:41 ID:0hI8ms7J
「おおー。」
鏡に近づいて見る。
「おお?おー。ほうほう。」
ヘルメットとバッチをはずしてシロに付ける。
「シロ隊員!レッツゴー!!」
「クーン…。」
シロにためさせるつもりだったようだ。もちろんシロは行きたがらない。
しんのすけがやれやれと言った感じで手を横にやる。
「んもーわがままだなあ…。」
近くにあったぼうっきれを使ってつついてみる。
「つんつん…おお!?」
ぼうっきれが鏡の向こうに入っていく。
「おおー。入れるのかな?」
触ってみたら中に入れた。だが。
「おお!?戻せないゾ!うーん!うーん!」
シロが異変に気付きしんのすけのズボンに噛み付いて引っ張る。
「ウーーーー!!」
「うーんうーん!うーーーーーーーーん!!!!!」




255 :伝説を呼ぶ使い魔 :2007/11/25(日) 21:00:15 ID:0hI8ms7J
プゥ

力んだあまりおならが出た。しかもけっこう臭い。
シロが思わず怯むのも仕方が無いと思う。
「ウワン!?」
「おお、ゴメンゴメン出ちゃったぞ。」
そうしているうちにしんのすけは鏡に吸い込まれていく。
「アン!!アン!!」

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

しんのすけが向こう側へと引きずり込まれていった。

「あんた誰?」
目を覚ましたときにしんのすけの前にいたのはピンク色の髪の女の子だった。
黒いマントにブラウス、短いスカートの女の子。けっこう可愛い。
でも胸が小さかったのでしんのすけの射程距離外の娘だ。
「おお、あんた誰?」
「聞いてるのはわたしのほうよ!いいから名乗りなさい!
怒っている女の子を周りが囃し立てる。
「ルイズ、『サモン・サーヴァント』で平民を召喚してどうすんだよ!」
「しかも子供じゃねーか!ゼロのルイズには非力な子供がぴったりってか!!」
「さすがはルイズ、俺達には出来ない事をやってくれるぜ!」
「なっ、うるさい!」
顔を赤くして怒り出す。
「やーいやーい『ゼロのルイズ』!!」
「ほうほういろいろ大変ですな。」
「原因はアンタよ!!」



256 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 21:00:18 ID:DlUAACCG
なんと言う予想外www支援

257 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 21:00:47 ID:mFys5N2l
シロ萌え支援

258 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 21:01:00 ID:dM5WXiqK
まさかの尻だけ星人召喚支援

259 :伝説を呼ぶ使い魔 :2007/11/25(日) 21:01:35 ID:0hI8ms7J
中年の男が彼女に言う。
「さあ、ミス・ヴァリエール。契約を行いなさい。」
「そんな!ミスタ・コルベール!やり直させてください!」
しかしコルベールと呼ばれた男は首を横に振るう。
「それはダメだ。使い魔召喚とは神聖なもの。やり直しは一切認められない。」
コルベールの言葉に対しまだ食い下がる。こんな子供が使い魔なのが
どうしても認められない。
「でも平民、それも子供ではないですか!」
「それでも、だ。召喚された者がいかなる者であろうと、呼び出された以上君の『使い魔』に
ならなければならない。さっ、早くしないと次の授業が始まります」
「おお!はげ頭!!」
「なっ失礼な!!」
しんのすけの容赦ない台詞に顔を赤くして頭を抑えるコルベール。
ルイズがくやしそうな顔をしていると周りが騒がしくなる。
「そうだそうだ!早くしろよ!」
早くしろーと野次を飛ばしてくる人を、ルイズと呼ばれた少女はキッと睨み、
その後ため息をつきながらもしんのすけに向き合う。
「あんた、感謝してよね。こんな事平民は絶対に受けないんだから!」
「ほうほう。VIP待遇ってやつですな。で、なにくれるの?」
ルイズが顔を赤くして言う。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
 五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
「え?」

ルイズとしんのすけの唇が重なる。




260 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 21:02:30 ID:mFys5N2l
支援

261 :伝説を呼ぶ使い魔 :2007/11/25(日) 21:02:46 ID:0hI8ms7J
唇を離し、ルイズが真っ赤な顔をしかめてとがった口調で言う。
「終わりました。フン!よかったわね!こんな名誉は世界広しといってもアンタだけよ!!
さぞかしうれしいでしょ・・・。」
しかししんのすけは固まったままだ。
「ちょっと!聞いてるの!?」
「あら?この子…。」
顔を覗かせたのはキュルケだ。顔を見てみたら口を押さえた。

「やだこの子鼻血出しながら気絶しているわ!」

ドテッ!!と音をたててすっころんだ。
そのときしんのすけが左手を押さえて言う。
「うおっアチチチチチチチチチ!!!お湯がかみついたゾ!!」
「あ、目覚めたみたいね。心配しないでも使い魔のルーンが刻まれてるだけだから大丈夫よ。」
「アチチ…。お、おさまったゾ。」
終わったあとしんのすけは手を見てみる。そこには文字が刻まれていた。
コルベールがそれを見て何かに気付く。
「ふむ・・珍しいルーンだな。調べさせてもらおう。…どうしたんだい?」
しんのすけはルイズのほうを向いている。
「…?何よ。」
「い…い…。」
「い?」

「いっやーーーーーーーーーーーァん!!!けだもの〜〜〜〜!!」
「ハァ!?」


262 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 21:02:49 ID:VqfnwLTq
なんというオラはにんきもの

263 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 21:03:59 ID:mFys5N2l
しんのすけのリアクション上手ぇww

264 :伝説を呼ぶ使い魔 :2007/11/25(日) 21:04:27 ID:0hI8ms7J
しんのすけは顔を赤くし、くねくねしながら言う。
「オラのクチビルは風間君にしか許してなかったのに!!やめてぇ!手篭めにしないでぇ〜〜ん!!」
これにはルイズも怒らざるをえない。
「だ・れ・がアンタなんか手篭めにするかぁーーーーーーーーーッ!!!!」
回りもそれに合わせて囃したてる。
「ルイズが使い魔を手篭めにするだとよ…。」
「見境いない奴!『けだもの』だ!『けだもののルイズ』だ!!」
「けだもの!けだもの!!」
ルイズが睨み返してしんのすけに向き合う。
だがしんのすけは顔を赤らめて止めを刺す。

「オラ始めてだから…。優しくしてねん♪」

プッツン。

「だから…だれがけだものだっつーのッ!!!!」
ガンッ!!
こうしてルイズとしんのすけの伝説は、周りのけだものコールとともに
キレ良く放たれた拳骨とともに 静かに幕を開けた。


第一話 「女の子に召喚されちゃったぞ」

おわり じゃ、そういうことでー。

265 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 21:04:51 ID:wJYrUxrz
ある意味最強キャラ支援

266 :伝説を呼ぶ使い魔 :2007/11/25(日) 21:05:09 ID:0hI8ms7J
投下終了。
はい。突然ですが嘘をつかせていただきました。

ではまた。

267 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 21:05:53 ID:mFys5N2l
乙でした!!
久々に強烈ギャグが期待できそうだ。

268 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 21:05:59 ID:T1rBA3hN
>「ほうほういろいろ大変ですな。」
>「原因はアンタよ!!」

ワロスww

269 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 21:06:39 ID:0uMz7TuW

能力的にはおそらく最弱なのに誰も勝てる気がしないw

>>237
ああ「一騎打ちをしている相手を矢で射殺すとは何事だ!」か
漂流王状態のアシュラムを召喚して
契約したら一時的にアシュラムが体を支配してってネタを考えたけど
ほとんど話の内容覚えてない上にピロテースがかわいそうすぎるので却下

270 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 21:07:51 ID:dM5WXiqK
投下乙

>>265
ツッコミとしての攻撃は受けるけど
銃や剣などの攻撃はすべて避けたり尻で受け止めたりするからなwwwwwwww

271 :ゼロHiME:2007/11/25(日) 21:08:42 ID:ZdSfLbEh
8話後編できたので投下します。
進路オールクリア?

272 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 21:09:21 ID:wJYrUxrz
支援だ

273 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 21:11:24 ID:VqfnwLTq
明らかにデルフ使用不能だな

274 :ゼロHiME:2007/11/25(日) 21:15:01 ID:ZdSfLbEh
んでは、いきます

275 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 21:15:13 ID:a1fg+bW+
>>273
その時はぶりぶりざえもんがなんとかしてくれるよ!

そして支援

276 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 21:15:52 ID:dM5WXiqK
支援

277 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 21:17:40 ID:kyPv+oal
ぞうさん踊りしつつも支援

278 :ゼロHiME:2007/11/25(日) 21:17:50 ID:ZdSfLbEh
 「ふう、なんとか侵入できた……施術の弱い部分があって助かったわ」

 ゴーレムが開けた穴から宝物庫に侵入したフーケは、ぶつぶつとつぶやきながら目当ての『破壊の杖』を探して様々な杖が飾られている一角に近づく。
 
 「……ふふふ、見つけたよ」
 
 フーケはニヤリと笑うと、『破壊の杖、持ち出し不可』というプレートが貼られた棚に置かれた全長1メイルぐらいの金属で出来た棍棒のような杖を手に取った。

 「くっ、結構重いね」

 意外とずっしりとした質感の『破壊の杖』を小脇に抱えると、フーケは急いでゴーレムの肩に乗った。
 離れ際に杖を振り、壁に文字を刻み込む。

 『破壊の杖、確かに領収いたしました。土くれのフーケ』


 その様子を呆然と見ていたルイズとキュルケは、ゴーレムの肩に乗った怪しい人影が出てきたのが、宝物庫のあたりだと気づいて我に返った。

 「キュルケ、大変だわ! あれは盗賊よ!」
 「ええ、土ゴーレムを使ってるってことは、武器屋で聞いた『土くれのフーケ』に違いないわ」

 そう言うとキュルケは、胸の谷間から杖を取り出して魔法を唱える体制に入る。

 「ちょっと、何する気?」
 「何って、盗人を魔法で叩きのめすに決まってるでしょ! あんたも何でもいいから魔法を撃つのよ!」
 「何でもいいからって……いいけど、どうなっても知らないわよ!」

 ルイズはキュルケの言葉にムッとしながらも、共に並んで魔法の詠唱を始めた。
 その間にも人影を肩に乗せたゴーレムは、二人の行動などまるで意に介さずに本塔から離れ、ゆっくりと学園からの逃走行動に移る。

 「いくわよ、ルイズ!」
 「わかってるわよ!」

 詠唱が終わると同時にキュルケとルイズは魔法を放った。キュルケの炎球とやや遅れてルイズの魔法失敗の爆発がゴーレムに炸裂し、周囲がまばゆい閃光と爆風に包まれる。

 「きゃあ!」
 「……くっ!」
 
 キュルケは爆風に悲鳴を上げてしゃがみ込んだルイズを地面に押し倒すと、かばうように覆いかぶさった。

 「ルイズ様、キュルケはん、無事どすか!」

 閃光と爆風が収まった後、騒ぎに気づいて中庭におっとり刀で駆けつけた静留が二人に声をかける。

 「いたたた、大丈夫よ……キュルケ、盗賊は?」
 「残念、逃げられたみたい」

 ルイズの問いにキュルケは覆いかぶさったままの姿勢で、ゴーレムがいた場所を指差して答える。
 そこには人の姿はなく、土の小山になったゴーレムの残骸だけが残されていた。

279 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 21:21:51 ID:ZL0Eh1p2
sien

280 :ゼロHiME:2007/11/25(日) 21:26:50 ID:ZdSfLbEh


 翌朝……。
 トリステイン魔法学院では、昨夜から秘宝『破壊の杖』が盗まれたということで蜂の巣をつついた騒ぎになっていた。
 宝物庫に集まった学院中の教師は壁に空いた大穴を見て、口をあんぐり開けていたが、壁に刻まれた『土くれ』のフーケの犯行声明を見た途端、口々に好き勝手なことを喚き出した。

 「おのれ土くれのフーケめ! 貴族達の財宝を荒らすだけでは飽き足らず、魔法学院にまで手を出してきたか!」
 「衛兵はいったい何をしてたんだ!」
 「衛兵など所詮は平民だぞ、役に立つものか! それより当直の貴族は一体誰だったんだね!」
 「ミセス・シュヴルーズ! 確か昨晩はあなたの担当でしたな? この責任どうされるおつもりか! 免職どころではすみませんぞ!」

 その教師の発言をきっかけに、当直担当であったミス・シュヴルーズに非難が集中し始める。

 「ああ、一体どうすれば……」

 皆の非難を受け、よよよとシュヴルーズが崩れ落ちたところで、ようやくオスマンがやって来た。

 「これこれ、彼女を責めるでない。当直なんぞ随分前から形骸化して久しいのじゃからな。
責められるべきは、賊への対応を疎かにした我々自身の慢心じゃろう……で、賊を目撃した生徒は誰だね?」
 「この二人です」

 オスマンの問いに、コルベールが一歩前に進み出て、自分の後ろに控えていた二人を指差した。
 そこにいたのはルイズとキュルケ、そして、何故かそれぞれの付き添いと称してついてきた静留とタバサの四人だった。

 「ふむ、君達だったか……詳しく説明したまえ」

 ルイズが進み出て、自分が見ままを述べる。

 「大きな音がして中庭に飛び出したら、大きなゴーレムがここの壁を破壊していました。そして宝物庫から何か……たぶん『破壊の杖』――を抱えた黒いローブ姿の怪しい人影が現れて、ゴーレムの肩に乗って逃走しようとしました。
それを阻止すべく魔法を放ったのですが、命中と同時に閃光が起きて……ゴーレムの残骸だけが残っていました」
 「なるほど……後を追おうにも手がかりなしということか……」

 オスマンは髭を撫でながら顔をしかめると、ふと思い出したようにコルベールに尋ねた。

 「ときにミス・ロングビルの姿が見えんようだが……この非常時に一体どこへいったのじゃ?」
 「さ、さあ? どこへいったのかは分かりませんが……あ、ミス・ロングビル」

 ロングビルの所在をオスマンに問われたコルベールが答えに窮していると、そこに当の本人が姿をあらわした。

 「ミス・ロングビル! どこへいっていたのですか! 他の教師達はとっくに集まっているというのに!」

 興奮したコルベールがまくし立てるが、ロングビルはそれを無視してオスマンに告げる。

281 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 21:27:04 ID:avrfBGdE
しえーん!

282 :ゼロHiME〜嬌嫣の使い魔〜 第八話(後編)3/3:2007/11/25(日) 21:29:50 ID:ZdSfLbEh
 「申し訳ありません。朝一番にここへきてフーケのサインを見つけ、直ぐに情報収集に出ておりましたもので」
 「ほう、仕事がはやいのう、ミス・ロングビル。して、その成果は?」
 「はい。フーケのアジトと思われる場所を特定しました」
 「なんですと!」

 コルベールが素っ頓狂な声をあげる。

 「誰から聞いたのじゃね?」
 「近在の農民に聞き込みを行ったところ、学院近くの森の廃屋に黒ずくめのローブをまとった人物が出入りしているの見たそうです。おそらくそれがフーケのアジトかと」
 
 ロングビルの言葉にオスマンの目つきが鋭いものに変わった。

 「なるほど、目撃した生徒の証言とも合致するの。そこは近いのかね?」
 「徒歩で半日、馬で四時間という所でしょうか」
 「では、すぐに王室に報告して衛士隊の出動要請を!」

 そうコルベールが叫ぶと、オスマンは目を向いて怒鳴りつけた。

 「馬鹿者! 王室なんぞに知らせる内にフーケは逃げてしまうわ! 身に振りかかる火の粉を払えないようでは何が貴族じゃ! この学院で起きた事件なら当然、我らで解決せんでどうする!」

 そう一気に言い切り、オスマンはごほごほと咳込んだ後、有志を募った

 「では、捜索隊を編成する。我こそはと思う者は杖を掲げよ」

 教師達は皆困ったように顔を見合わせるだけで、杖を上げたのは生徒であるルイズとキュルケ、タバサだった。

 「はあ、勇気だけは生徒の方があるということか……すまんが、この件は君らにまかせようと思う。諸君らの努力と貴族の義務に期待する」

 オスマンは教師達の不甲斐なさに渋い顔をした後、すまなそうに静留を含めたルイズ達四人に頭を下げる。

 「杖にかけて!!」

 ルイズ、キュルケ、タバサは共に高らかに唱和すると、スカートをつまんで恭しく礼をした。
 
 「では、馬車の用意を! 魔法を温存するために、それで目的地に向かうのじゃ。ミス・ロングビル、彼女達を手伝ってくれたまえ」
 「もとよりそのつもりですわ」

 そう答えるロングビルの瞳には嘲笑の色が浮かんでいたが、それに気づくものは誰もいなかった。

283 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 21:31:59 ID:m8L5Q4Z3
GJ
避難所でルイズがかすかべに召喚されてるのがあったなとか思ってたら
そっちの春日部市民かよw
そして支援。

284 :ゼロHiME:2007/11/25(日) 21:32:21 ID:ZdSfLbEh
終了です。
何か題字抜けてグダグダ;

285 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 21:32:27 ID:avrfBGdE
春日部wGJGJ

286 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 21:51:18 ID:7o65ekVr
いつもみたいに後から両親もギニアに来るんだろ?


287 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 22:00:47 ID:DcTO+oCs
ヴァッシュなら…
ヴァッシュなら天使銃でアルビオン崩壊させてトラウマになる…!

288 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 22:02:01 ID:QQr6+SZg
>273
使ってもらえるとしても、ほぼ確実にシリかマタに挟まれる事になるデルフは
涙目だな


289 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 22:45:43 ID:Zf1Tc377
しんのすけにはゼロ戦は扱えないなw
主に身長的な意味でww

290 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 22:48:16 ID:mFys5N2l
何度も書き直しても、結局一番最初に書いたヤツに戻っちゃうんだよな

291 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 22:58:43 ID:wOBlDXUm
ジャンク同然のSSだが補給物資を持参した。
貴艦への着艦許可を貰いたい。

292 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 23:01:20 ID:wJYrUxrz
水銀の人に怒られぬよう支援

293 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 23:01:49 ID:VsMRXiED
だが断る!
・・・うそです支援

294 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 23:01:58 ID:hO2Bli3p
レッツ&豪。

295 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 23:02:01 ID:gbylMC2F
ヨォーソロー
無事着艦されたし

296 :聖石の人 ◆FIXARUtWLY :2007/11/25(日) 23:03:41 ID:mAYWLMmG
では、それに続く形で予約します。支援準備ヨーソロー。

297 :ゼロのミーディアム:2007/11/25(日) 23:04:55 ID:wOBlDXUm
特別OPテーマ『行け!銀様』

おーい銀様〜。聞こえるか〜い?
おーい銀様〜。飛んでこい〜
SOS!SOS!SOS!SOS!
シエスタが〜あぶーない
SOS!SOS!SOS!SOS!
銀様ー!銀様ー!
ジャンク!スパァァァァァーーーーク!!


今回の話はそんなお話。はっきり言ってアホです。おまけに前後編。
こんなノリについていけるか!
って方はスルーされて下さい。
今回読まなくても後のストーリーはわかると思いますので…


↓これより下、本編

王都トリステインの裏町にある、とある酒場。
時刻はちょうど日が西に沈んだ頃である。

酒場には仕事帰りの一杯を求めた者や、夕食を摂りに来た者、昼間っから今まで酒盛りをしているグータラ等、各々の理由で人に溢れていた。

テーブル席の客が木製のジョッキを片手に談笑している
「おい、聞いたか?あの土くれが捕まったって話」
「ああ聞いた聞いた。残念だよなぁ〜。いけ好かない貴族どもを引っ掻き回す面白い奴だったのに…」
「まったくだぜ!ここだけの話。俺、密かに応援してたのに〜」

国のお偉いさんが聞いたらしょっぴかれそうな事を大声で話す客達。
最悪その場で魔法で吹き飛ばされても文句は言えない。

平民にとって貴族はそう言う絶対者なのだ。
故にフーケ捕縛を惜しむ声と、周りの者の賛同具合からして、平民の貴族に対する不満はかなりの者とわかる。

威張り腐るボンクラ共にお灸を据えるフーケは彼等にとってはちょっとした憧れだった。

(その土くれが何故かここにいるのよねぇ……)
そこにカウンターの席でワインを口にしながら、心中でそう呟く目深にフードを被った妙齢の女性が一人。
その言葉が示す通り、それは今の話題の渦中の人物。

引っ立てられてチェルノボーグ監獄送りになった筈の、土くれのフーケがそこにいた。

背後で自分が話題になっているのを無視し、フーケは昨日より監獄から脱獄した経緯を思い出す。

298 :ゼロのミーディアム:2007/11/25(日) 23:06:13 ID:wOBlDXUm
破壊の杖の一件で水銀燈以下、
その(愉快な)仲間達の活躍により捕らえられた土くれのフーケが送られたのがチェルノボーグ監獄。
凶悪犯と呼ばれる者が投獄される、厳しい監視と強固な防備を兼ね備えた事で有名な、
犯罪者にとっては恐怖の象徴と言ってもよい場所だ。

フーケはベッドに座り険しい顔つきで俯いている。
思い出すのは自分を捕らえた禍々しくも美しい黒翼を持つ、漆黒の天使の事。
「…私の完敗だったね」
小さな体に不釣り合いな錆びた大剣を携えゴーレムの剛腕を幾度と無く切り落とし、
最後は異形の翼より放たれる黒龍のブレスで、跡形も無くそれを消滅させた人形。

「大したもんだよ……。私だって『あの子』の為に戦ってたんだけどね。この気持ちはあの人形にだって負けてないつもりなのに……」

フーケは別に水銀燈を恨もうとは思わなかった。
寧ろそのひたむきな姿は今考えれば賞賛に値する。
身を挺して主人の剣となり盾となり必死で戦っていた強い意志の浮かんだ人形の顔を、フーケは思い出していた。

「ま、盗賊なんて外れたやり方してる時点で、私の負けは決まってたのかもしれないわ……」
フーケは俯いた顔で自嘲気味な笑いを浮かべる。
「気に入らない貴族の奴らをギャフンと言わせたかったからやってた盗賊家業だったのだけれど…。
あーあ、今度は真っ当な職にでもつこうかしらねぇ……」

もっともそのチャンスは来そうにないけど。と、フーケは付け加えた。
あれだけ散々、国中の貴族をコケにしたのだ。良くて遠島、悪けりゃ縛り首。
どの道彼女の言う『あの子』を養うことなど出来なくなるだろう。

「さてと、どうしたものやら……」
むざむざ刑を受け入れるつもりなど毛頭無い。自分の大事な妹をほっておけるものか。

しかし杖が無い以上、得意の錬金を使うのは不可能。
仮にあったとしても、強力な固定化がかけられた壁や鉄格子は錬金を受け付けない。
脱獄できる可能性は0に等しい。いや、断言してもいい。――0だ。
だが……

「私は諦めないよ」
フーケは自分に言い聞かせるように呟き、爪を噛みながら脱獄の手段を模索した。

往生際が悪いと言うこと無かれ。フーケにもまた彼女を待つ人が、帰る場所があるのだから。

299 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 23:06:47 ID:760i8RrP
( ゜∀゜)o彡○銀様!銀様! 支援

300 :ゼロのミーディアム:2007/11/25(日) 23:08:42 ID:wOBlDXUm
何か脱出に使える物が無いかと牢の中を見回していたその時。

フーケの収容された監獄の上の階から誰かが降りてくる足音がしてきた。
牢番の見回りか?と思い、急いでベッドに横たわる。脱獄の意志を見せるのは何かとまずい。
壁側を向いて目をつむり、聞き耳を立てながら狸寝入りを決め込んだ。

その足音がフーケの牢の前で止まった。どうやら彼女に用があるようだ。
「『土くれ』だな?」
年若く力強いその声。
牢番ならばそんな事は百も承知。つまり牢番ではない。
牢番以外で自分を訪ねてくるの可能性があるのはもう一つ考えられた。

「……刺客ね」
フーケは起き上がって鉄格子の向こうにいる声の主を睨む。
フーケに痛い目に合わされ貴族は数知れない。故に買った恨みも星の数。
裁判など待ってられるか。ましてや、判決で万が一生き長らえでもしたら納得いかないと思う者は少なくないだろう。

今死ね!すぐ死ね!骨まで砕けろ!
アイテムなんざ盗んでんじゃねぇぇぇぇぇぇーーーー!ぶるァァァーーーーッ!!
って事なのだろう。

「言っとくけど囚われの身と言えど、大人しくやられるつもりは無いの。最低限抵抗はさせてもらうわ」
身構えて刺客らしき、仮面を付けた長身の黒マントの男を見据えた。

それに対し男は両手を上げて敵意の無いことを示す。
「まあ待て。話をしにきた」
「話?」
フーケは怪訝な声で切れ長の瞳をさらに細める。
「弁護でもしてくれるっての?物好きね」
「なんなら弁護してやっても構わんが?」

フーケの冗談にくっくっくと含みのある笑いをもらし男は言葉を続けた。
「――マチルダ・オブ・サウスゴータよ」
「あんた…何物よ!?」
フーケは顔面蒼白になり声を荒げる。かつて捨てた…いや、捨てる事を強いられた貴族の名。それを知る者はもう、この世にいない筈なのに…。

「それを教えるのは私の話を聞いてからだ。……再びアルビオンに使える気は無いかね?マチルダ」
「……その名を知っててよくもそんな下らない事が言えたものね。家名を奪い、父を殺した王家の名前なんざ聞きたくもない!!」
「だから待てと言っている。無能な王家は間も無く滅ぶ。
有能な貴族が、ハルケギニアの将来を憂い、国境を超えて繋がった選ばれし我々が政(まつりごと)を行うのだ」
「その有能で選ばれた貴族様がこのこそ泥になんの用?」

301 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 23:09:26 ID:avrfBGdE
支援支援!

302 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 23:09:48 ID:760i8RrP
オシシ仮面支援

303 :ゼロのミーディアム:2007/11/25(日) 23:09:53 ID:wOBlDXUm
フーケは薄ら笑いを浮かべそれを一笑に付したが、構わず男はその目的を語り出す。

「我々貴族の連盟はハルケギニアを統一するため、始祖ブリミルの光臨せし『聖地』奪還のため、
優秀なメイジが一人でも多く欲しいのだよ。協力してくれないかね?」

フーケの笑みが消えた。真剣に聞いてる訳ではなく、呆れて物も言えないといったひどく冷めた顔だ。
「馬鹿馬鹿しい事この上ないね。夢の絵は寝てから書く物よ」
時間の無駄だと言わんばかりにフーケは肩をすくめる。
「私は貴族が嫌いだし、ハルケギニアの統一なんかに興味は無い。聖地だってほっとけばいいじゃない」

フーケはそのまま、もう話す事など無いととれる仕草で男に背を向けた。

「土くれよ。お前は選択することができる」
すると男の声とともにフーケの背中に何かが突きつけられる。
背後から聞こえる呪文の詠唱、つまりこれは魔法の杖。
思わずフーケのその背に冷や汗が流れた。男は言葉を続ける。

「我々の同士となるか……」
もう一つの選択肢は背に当てた杖が物語る。フーケがあえて引き取った。
「さもなくば死…ね。そんな計画知った私を生かしてはおけないもの」
「理解が早くて助かる」
「ほんと、これだから貴族って好きになれないのよ。……他人の都合等お構いなし。何が選択できるよ、これはもう選択とは言えないわ」
「そうだ。これは…強制だ」
再び男は再びくっくっくと重い声で含み笑いをした。

(なんだか好かない奴だし、貴族の連盟なんざ興味は無い。だが…)
フーケは思う。ここを脱出するチャンスは今しかないと。
そして盗賊をやってまで生きてきたのだ。自分に残されたのはアルビオンに残した妹分のみ。

(もはや落ちるとこまで落ちた。あの子が知れば好としないかもしれない。……でもこれもまたあの子のためさ)

今の自分が優先するのは故郷の妹を守る事だけだ。フーケは間をおいて男に向き直る。

「あんたらの貴族の連盟の名は?」
その言葉を肯定の意と受け止めたらしい。
仮面の下でニヤリとほくそ笑んでいるであろう黒マントの男は牢の鍵を開け、フーケの杖を投げてよこした。

眼前に投げられた杖を手慣れたように掴むフーケ。杖を取ったパシッという乾いた音が牢内に響いく。
杖を手にした事で、フーケが仲間となる事を明確に確認した男は、その連盟の名を口にした。


「我々はレコン・キスタ」

304 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 23:10:27 ID:avrfBGdE
蓮根キスした支援

305 :ゼロのミーディアム:2007/11/25(日) 23:12:03 ID:wOBlDXUm
――以上、これがフーケ脱獄の経緯にして彼女がこの酒場にいる理由である。

「我々の決起までにはまだ少し時間がある。それまではお前の好きにするがいい」
そう言って男はフーケを置いてどこへ行ってしまった。

「好きにしろって……えらく大ざっぱな貴族の連盟じゃないのよ……」
呆れたようにフーケは呟いた。

「まあいいさ。ちょうどやり残した事があったしね……。本当は破壊の杖をいただいた後にやるはずだったんだけど……」

そのフードと眼鏡の奥に光る双眸が、さらに危険な光に満ちる。
獲物を見据えた仕事人の顔。トリステインの貴族達を震え上がらせた、『土くれ』が再び動き出すのだ。

「楽しみに待っていなさい」
そして口の端が妖しくつり上がった。

「……ジュール・ド・モット伯爵殿」
それが彼女の、土くれのフーケの狙うターゲットの名前だった。

手元のワインを飲み干したグラスが、音も無く砂のようにサラサラと崩れていく。
いつの間にか彼女のもう片方の手に、杖が強く握り締められていた。

306 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 23:14:56 ID:avrfBGdE
モ〜ット伯支援

307 :ゼロのミーディアム:2007/11/25(日) 23:15:07 ID:wOBlDXUm
一夜あけてトリステイン魔法学院。

朝の清涼な空気の中、学院の中庭でバシャバシャと洗濯桶に手を突っ込んで洗濯物をするメイドの姿があった。

――でもこのメイドさん、なんだか黒い、鳥みたいな翼が生えてるんですけど……。おまけに人にしてはえらく小さいような……。

「ふぅ、お洗濯完了よぉ〜」
鼻の頭に付いた泡を拭って一息つくメイドさん。
ん〜と腕を上げて背伸びをし、背中の翼も大きく広がる。

何を隠そう、このお方こそ我等が誇り高きローゼンメイデンの第1ドールにして、
ルイズ・フランソ(長いので以下略)の使い魔をしておられる我等が党首、水銀燈であらせられる!!
者共、頭が高い!頭が高ーい!!

彼女が着ているのはいつもおきまりの逆十字の刻まれたゴシックロリータではなく、メイド服。

メイドのシエスタが作業着としてくれた物だ。
本当はお父様のドレス以外のあまり着たくは無いのだが、
それ以上にお父様から頂いたドレスを汚す事を嫌い、水銀燈は使い魔の仕事はこれを着て行っていたりする。

しかし、なかなかこれが似合った物で。仕事も意外と順当にこなしているとこから、彼女にはメイドとしての資質がある。と、言ったっても良いかも知れないくらいだ。

もっとも、これに調子に乗って「銀ちゃん紅茶を入れて頂戴」なんてオーダーした日には、
ニッコリした水銀燈に、熱々の紅茶を頭から注がれ、お客様は熱さにのたうち回る羽目になる事間違い無しだろうが……。

「あ、水銀燈。いたいた!」
甲高い少女の声に呼ばれ水銀燈は振り返った。
その先には桃色の長いブロンドの髪揺らし走ってくる少女の姿。
「なぁに?ルイズ」
彼女こそが格式高きヴァリエール公爵家が息女にして、ツンデレ三闘神が一人、大平原の小さな胸!ツルペタオブツルペタ!
虚無の…ゲフン!ゲフン!口が滑った!今の無し!!

とにかく水銀燈の主にしてミーディアム(契約者)、ル(長いので以下略)様であらせられる。
者共、頭が高い!頭が高ーい!!

そのルイズが水銀燈を訪ねてきた理由はこれだ。
「時間が出来たから、以前お弁当作ってくれたメイドの子に一言お礼いいたくてね」

細かい説明は省かせてもらうが、ルイズは餓死寸前(少々大袈裟)のところを彼女のサンドイッチで命を繋ぎ、
破壊の杖奪還任務でも、これまたサンドイッチで空きっ腹のルイズ達の腹を満たしたと言う功績があるのだ。

「この任務が終わったらお礼に行かなきゃね?」
とはその時の馬車の中でのルイズの弁。
彼女はこれを実行すべくシエスタの居場所を知るであろう水銀燈を探していたのだ。

「貴族が平民にお礼を言うの?」
水銀燈はルイズに不思議そうに尋ねる
「そうよ。なんか悪い?」
「なんとなく貴族って「平民なら貴族に尽くして当然!」みたいなイメージがあったから珍しくって」
「大概のはそうでしょうね。間違ってるとは言わないけど、私は義理堅いのよ!」
平たい胸をえっへん!とはってルイズは言った。
良い心がけだ。貴族嫌いな平民もこういう貴族がいれば少しは変わってくるだろうに……。

だが先程言ったがこの世界、貴族は平民に対する絶対者だ。そんな考えを持つ者は極々一部いるかいないかだろう。

308 :ゼロのミーディアム:2007/11/25(日) 23:16:21 ID:wOBlDXUm
この時間シエスタが働いているのは厨房だと水銀燈は言う。二人は厨房へと足を運んだ。

お喋りしながら食堂の裏まで来た水銀燈とルイズだが、何やら様子がおかしい事に気づく。

「シエスタ…?」
シエスタが見知らぬメイジ達に連れられ厨房を出る所だった。
何事かと声をかけようとした矢先、水銀燈とルイズに気づいたシエスタが、こちらを向き人差し指を自分の口元に立てる。
お静かに。騒がないで下さい。と言ったジェスチャー。シエスタはどこか疲れたような表情を笑わせて目配せした。

二人はよくわからないが何か用事でもあるのだろうと勝手に判断しそれを見送る。
「なんだか忙しそうね…。仕方が無いわ。お礼を言うのはまた後にしましょ」
ルイズはそう言って来た道を引き返した。
水銀燈はせっかくここまで来たのだからと、料理長のマルトーに会いに行く。
…もしかしたら摘み食いでもさせてくれるかもしれないし。

「親父さぁん。いるかしらぁ?」
開いてあったドアをくぐり水銀燈は厨房に足を踏み入れた。
「……おう。我らの天使よぉ」
呼ばれたマルトーがずぅんと沈んだ様子でその顔を出す。
「らしくないわねぇ。なに浮かない顔してどうしたのぉ?」

日頃豪快に「ガハハハハ!!」と笑うマルトー親父らしからぬその元気のなさに水銀燈も小首を傾げる。

「ああ、シエスタがな…」
「そうそう。そのシエスタ、忙しそうだったけどいつ戻ってくるの?」

マルトーは溜め息を吐き忌々しそうに言った。
「シエスタは……もう戻らねぇよ……」
「なんですって?」
水銀燈も聞き捨てならねその物言いに剣呑な顔つきをマルトーに向けた。
「どういう事なの?説明して頂戴」

マルトーが言うにはシエスタは王宮の勅使であるジュール・ド・モット伯に仕えるためここを出て行ったらしい。
それも今朝突然、声をかけられて即決だったらしい。彼女らに面識など有るはずもない。
無論その横暴をマルトーは良く思わなかったが、残念ながら彼は平民。
文句を付ければそれは魔法で帰ってくるだろう。
自分は何もできずシエスタが連れ去られるのを黙って見てるしかなかった。と、マルトーは暗い顔で呟く。

「結局俺ら平民は貴族の言いなりになるしか無いんだよ。我らの天使……」
そう言ってマルトーは「さーて仕事仕事…」とやる気なさそうに呟き厨房の奥に引っ込んだ。

「シエスタも災難ねぇ……」
水銀燈もシエスタが居なくなったのを残念に思うも厨房を後にした。

理不尽とは思うも、それがメイジが支配するこの世界の理。異世界から来た自分がとやかく言う資格等無い。
水銀燈は勝手にそう納得した。
……少なくともこの時点では。

309 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 23:16:28 ID:avrfBGdE
水銀灯がすっかり所帯じみてるのぅ。

310 :ゼロのミーディアム:2007/11/25(日) 23:18:51 ID:wOBlDXUm
「モット伯爵は王宮の勅使を務める有力な貴族なの。時々学院にも来るわ。
いっつも偉ぶってるから私はあまり好きじゃないけどね」

夕刻のルイズの自室。水銀燈がシエスタの事をルイズに伝えると彼女はそのモット伯の事を、顔をしかめてそうコメントした。
「王宮の勅使?」
「王宮で決まった達しを伝えたり、各地の行事に王族の代理で出席する貴族の事を勅使と言うの。
国のトップの伝達事項を伝える時なんか、その人相応の身分で扱われるから、位の高い貴族も迂闊に手を出せないくらいの役職よ」

「そんな人がなんでシエスタを連れていったのかしらぁ…」
自分の鞄の上に腰掛けた水銀燈は人差し指を頬に当てて、疑問の眼差しをルイズに向ける。
「…モット伯は勅使をこなす有能な貴族である反面、何かとよろしくない噂が絶えない男でね、」
ベッドに腰掛けたルイズは嫌悪感丸出しな顔を使い魔に向けて苛立つように言った。

「権力を傘に若い女性を囲っては手篭めにするって言われる黒い貴族なのよ」
「そんなのがなんで王宮の顔役みたいな大役を……
って待ちなさい!手篭めって何よ!?手篭めって!!」

水銀燈が慌て聞き、ルイズはそれに顔を少し赤くして困った顔つきになって答える。

「そりゃあ、なんと言うか……。あの人好色な貴族って噂もあるし…。あんな事やこんな事をやりたい放題……」

「おおおお乙女のピンチじゃないのよそれぇ!」
まさかそんな話になるとは思いもしなかった。
知人がそんな人間の所に連れて行かれたと知って気が気でないらしい。
男は狼なのーよー!気をつけなさーい!

「ねぇ、なんとかならないの?」
「……どうにもならないわね。あいつに口出しできるのは王族や枢機卿クラスの地位の貴族ぐらいだもの」

諦めの入ったミーディアムの答えに水銀燈は呆然と立ち尽くした。

311 :ゼロのミーディアム:2007/11/25(日) 23:19:56 ID:wOBlDXUm
「まさかこんな事になるなんて……」
水銀燈は今朝見せたシエスタの顔を思い出す。
そうだ、あれはもう、二度と会えないと言った諦めの入った寂しげな笑顔だったのだ。

ミーディアムであるルイズを除けばシエスタは、初めて水銀燈にできたこの世界の友人。
いや、あっちの世界でも一匹狼だった彼女にとっては生涯初めての友だったのかもしれない。

シエスタは飢えている彼女に手を差し伸べ、今着ているこの服を提供してくれた気の利くやさしい友人だった。

メイド姿の堕天使の内面に、何かフツフツと激しい感情が湧き上がる。

「そう…それじゃあ仕方ないわよね」
一言そう呟いて水銀燈はふぁさぁっと翼を翻し、窓辺に飛んで引き戸を開く。
「水銀燈?どこ行くのよ」
「気晴らしにちょっと散歩してくるわ」

そう言って水銀燈はオレンジ色の光の向こうへと飛び立った。

「前みたいに遅くなっちゃだめよー」
ベッドに腰掛けたままルイズはそれを見送る。
時刻は黄昏時、振り向いた使い魔の表情は逆光で暗く見えなかったためルイズは気づかなかった。
もしそれが見えていれば止めに入っていたかもしれない。
仕方ないと言っておきながら……水銀燈のその表情は何かの決意に満ちた険しい表情をだったのだ。

散歩と称して部屋を飛び出した彼女。その目的はただ一つ。
「まさかこの私が正義の味方の真似事をする羽目になるなんてね……」

自分の性格でやる事では無いと思う。似合ってもいないと思う。
だがこの湧き上がる感情を、否定は出来なかった。

「シエスタを連れ戻すわ」
水銀燈は小さく、しかし確かに力強く、そう呟いた。

312 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 23:21:01 ID:avrfBGdE
支援ですよ!

313 :ゼロのミーディアム:2007/11/25(日) 23:21:36 ID:wOBlDXUm
でものっけから躓いた。
「そもそもモット伯ってどこにいるのよぉ?」
場所がわからないのに連れ去られた者を助けになど行ける筈もない。

どうしたものかと腕組みする天使がアウストリの広場に差し掛かかる。
ふと目を向けた木の下に人間がいるのを見つけた。
それは水銀燈の盟友ならぬ迷友、ギーシュ。
だが様子が変だ。彼は踏み台に乗り、木の枝にかかったロープの輪っかを首にかけ…

「早まっちゃだめぇぇぇーーーー!!」
「へぶーーっ!?」
それにびっくりして一目散にそっちに飛んでいく水銀燈。勢い余ってギーシュに体当たりをかまし、踏み台を吹き飛ばす。
ギーシュはブラーンと首だけでロープにぶら下がり、手足をばたつかせた
はい!お約束その1。首を吊ろうとしてる人間を止めようとして裏目に出るケース。

「何やってるのよぉ!!」
背中から鋭い羽が風を切って飛び、ロープを切った。地面にぼてっと落ちて肩で息をするギーシュ。血走った眼で水銀燈を見る。

「死んだらどーするッ!?」
はい!お約束その2。首を吊ろうとしてたのにこの言いよう。通称『グッバイ デスペレイトティーチャー』

「貴方こそなんでこんな真似してるのよぉ!」
「ほっといてくれ!フリッグの舞踏会を寝過ごしてモンモランシーを誘えず、怒らせてしまった僕は死ぬべきなんだー!」
説明臭い台詞ご苦労様。どうやらあのまま起きる事無く、ヴェルダンデと一夜を共にしてしまったらしい。

「私なんかより使い魔のほうが大事なのね!最っ低!!」
と、渾身のアッパーカットを放ち、ギーシュを車田カットで天高く吹き飛ばすモンモンの様子が易々と想像できる。

「絶望した!舞踏会を寝過ごした自分に絶望した!!」
「そんな事より貴方、モット伯の館の場所を知らなぁい?」
「モット伯?ああ、知ってるには知ってるけど?」
そんな事扱いされたけど、ギーシュは丁寧にそれを教えてあげた。
聞いた話によると、少し遠いが彼女の翼でも行ける距離。

「そう、わかったわ。ありがと」
「いやいや、何を言うんだ。君は僕と同じ薔薇を愛でる同志じゃないか」
ギーシュはフッとニヒルに笑い薔薇の杖を掲げる。

「お取り込み中、邪魔したわね。さ、続けなさい」
自分に酔いしれるギーシュに構わず、彼にロープを手渡して水銀燈は飛び去っていった。
場所さえ聞ければもうどうでもいいらしい。
まさに外道!!

ギーシュはポカーンと口を開けたまま黄昏の中、小さくなっていく黒翼の天使の後ろ姿を見つめた。
頑張れギーシュ!負けるなギーシュ!生きてれば必ず良いことあるからさ!

314 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 23:22:00 ID:8v4JjPI3
そういえばハヤテアニメで水銀燈コスあったな支援

315 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 23:22:56 ID:avrfBGdE
ギーシュはナニやってやがるw支援

316 :ゼロのミーディアム:2007/11/25(日) 23:23:29 ID:wOBlDXUm
日が沈み始め、間も無く夜が落ちてくる。東の空から、闇夜が街を覆い始めるその景色。

空を駆ける水銀燈の瞳には、まるでシエスタにだんだんと危機が迫っているように映った。
羽で造った剣を片手に飛翔する翼の生えたメイド。
少しでも早く着くようにと、ガンダールヴのルーンを発動させ彼女はモット伯の屋敷に急いだ。


一方、こちらは水銀燈を探して外をウロウロしているルイズ。
辺りは暗くなったのにも関わらず戻ってこない使い魔に業を煮やし彼女自ら探し始めたのだ。

「まったく、前も散歩だなんて言ってなかなか戻ってこなかったのよね。あの子!」
ルイズは頬を膨らましブーブー文句を言いながら黒翼のメイド服を探す。「遅くなっちゃだめって言ったのに!」

そこに、ちょっと前まで広場でてるてる坊主の物真似をしていたギーシュが通りかかった。
結局、あの世でモンモランシーにわび続けるのはやめたらしい。
「やあルイズ。どうかしたのかい?」

先程の陰鬱な表情が嘘のようにギーシュは気さくに、キョロキョロしながら何かを探している桃色髪の少女に声をかけた。
「ねえ、水銀燈見なかった?」
「ああ、さっき会ったよ。何故かモット伯の屋敷の場所を聞かれたけど」
モット伯の屋敷…ルイズは青ざめた。何故そんな事を聞く必要があるのか?
そう言えばあの時の水銀燈の口調はいつもの妖しい猫なで声では無かった。
日頃人を小馬鹿にした口調の彼女も、真剣になるとそれが無くなる。

とどのつまりは…
「あの子、シエスタを助けに言っちゃったの!?」
間違い無い。それ意外モット伯の館を尋ねる理由など考えられない。
時間も惜しいとばかりにギーシュに背を向け、ルイズは馬の納屋に駆け出す。
そこで出来るだけ速い馬を調達し、手綱を手に取るといきなり全速力でそれを走らせた。


限界まで弦を引き絞られて放たれた矢の如く、学院の門からルイズの馬が勢い良く飛び出す。

水銀燈が屋敷に討ち入りをかけるまでに止めなければならない。
「早まった真似するんじゃないわよ、水銀燈……!」
奥歯をぎりっと噛み締めミーディアムは使い魔を止めるべく、馬に鞭を打った。

317 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 23:24:15 ID:K2I7Xm83
支援!

318 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 23:24:57 ID:1sIAy7Qg
規制解除支援

319 :ゼロのミーディアム:2007/11/25(日) 23:25:34 ID:wOBlDXUm
とりあえずここで投下完了。銀様身内には意外と優しいと思うんです俺。
アルビオン編じゃねーの?と意外に思ってる人もいるでしょうが、ちょっと寄り道。
むしゃくしゃしてやった反省はしている。けど…
ただの一度の後悔は無く
ただの一度も自重しない

続きもきっとこんなノリで、いやもっとアレな話になるかもしれません。それでもよろしければ後半をお待ち頂きたい。


その体はきっと、暴走で出来ていた。

今回も支援に感謝を!
…逃げるぜ!

320 :聖石の人 ◆FIXARUtWLY :2007/11/25(日) 23:27:11 ID:mAYWLMmG
銀様乙です。
かわいいですなぁ…それでは、40分前後から投下開始します。

321 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 23:27:40 ID:iaJ2c7Ww
銀様の人乙
いや銀様が素でいい奴だから応援

322 :ゼロと聖石21 ◆FIXARUtWLY :2007/11/25(日) 23:45:15 ID:mAYWLMmG
ストーブが消え、室温が下降していく最中に投下開始します。

戦いが終結してから、三日が経過した。

あの日、ルイズ様が放ったアルテマを切っ掛けに、レコンキスタを追い払えた。
しかし、その代償は大きかった。

ルイズ様とアルテマの半融合化。
アルテマの魂がルイズ様の魂に混ざり合った。
現在の割合としてアルテマの魂半分、ルイズ様の魂半分。
ベースこそルイズ様だが、髪の毛の色は完全に侵食された形になる。

目が覚めたとき、ルイズ様は、ルイズ様なのだろうか?
あの約束を、守ってくれるのだろうか?

タイムリミットは近い。
今回の一件で、タルブ村の存在そのものが大きく広まってしまった。
貴族に対抗しうる力を持つ、平民達が住む村。

領主には認められていたが、この戦いでその力が示されてしまった。
近接系のジョブは技術を教えるだけで済むだろうが、魔法が使えるデュライ家はアカデミー送りだ。
チョコボも本来生息していない生き物だ。
どちらにせよ、捕まれば確実に生きて帰れないだろう。

それでも、私たちは人間だからいい。
問題はルイズ様だ。
外見上の変化はないが、人間じゃないと知られたとき―――

皆にはまだ伏せてある。
このことを知ってしまったらどうするのだろうか?
でも、決めるのは私の役目じゃない。
ルイズ様が、自分で考えることだから。

外は晴天、青空がまぶしい。
横を向くとルイズ様が起き上がるところだった。

私は嬉しくなって、声をかけようとした。


―――約束が果たされたのなら、どんなに幸せなことか。
   そして、果たされない約束はどんなに過酷なことか。



「あの、どちら様でしょうか? それと、ここはどこでしょうか?」

323 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 23:46:21 ID:bVgcAcvl
聖石ってウザいよねー
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       ∧_∧
       ∩ ´∀`) 
□………(つ   )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|

324 :ゼロと聖石21 ◆FIXARUtWLY :2007/11/25(日) 23:46:40 ID:mAYWLMmG
明るい日差しを感じて目を覚ます。
目の前には少女。
私が起きたのを喜んでいるみたいだ。
でも、貴女はだれ? ここはどこ?

―――私は、誰なの?

「あの、どちら様でしょうか? それと、ここはどこなのでしょうか?」

率直に、思ったことを伝えた。
よく解らないが、見ず知らずの人に助けてもらったのだ。
名前くらいは聞いておかないと。

「る、ルイズ様。そんな冗談、やめてください…」
「ルイズ? それが私の名前なの?」

この子の名前は解らなかったが、私の名前はルイズと言うらしい。
じゃあ、貴女はルイズという存在にとっての何だったの?
わからない。

「―――冗談じゃないの、ですね」
「ゴメンなさい、私、自分が何者かすらわからないの」

わからない、ここがどこか、わたしがなんなのか、何をしていたかも。
だから、せめてわからないことを、聞くことで埋めていこう。

「貴女の、名前は?」
「シエスタ………と、申します」

うん、シエスタね。
ちゃんと覚えたわ。





ルイズ様が目覚めてから三日が経った。
当然ながらキュルケ様にタバサ様、ギーシュ様も驚いていた。
本来なら側に居て下さいと言いたかった。
しかし、タバサ様は実家からの呼び出しで戻らなければいけなかった。
キュルケ様もそれに付いて行き、ギーシュ様も一度学院に事情を説明に行くそうだ。

ルイズを学院につれて帰るか? との言葉に、私は首を振った。
起きたばかりで、心身の負担が激しい為だ。

そのルイズ様は自身の記憶を思い出せずに、今日もチョコボと戯れている。
でも、アルテマの封印という意味では最高なのかもしれない。
常に身に着けているヴァルゴは光を放たない。

本来であれば、ずっとお世話をしていたかったが―――

「ここに私たちがいると、迷惑になってしまいますから」

オーラン・デュライが技を教え、貴族と対等に渡り合った末に出来上がった私の故郷。
領主に対して、冒険者による収益という形で認めてもらった村の拡大。
貴族などには一切伝えず、冒険者にのみ伝える村の存在。
それらの一つ一つが、私たちの記憶だ。
家族はゲルマニアの方へ、私は魔法学院の奉公としてひっそりと身を潜めるつもりだ。
鞄に最低限の衣服や装備を詰め込む。

325 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 23:46:53 ID:YpL69RKl
連休終わりだ支援。

326 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 23:47:37 ID:K2I7Xm83
切る→払う→けさ斬り→支援


あと銀様gjです

327 :ゼロと聖石21 ◆FIXARUtWLY :2007/11/25(日) 23:47:49 ID:mAYWLMmG
広くなった部屋を見る。
柱に刻まれた傷は、私の成長の証。
天井に残る傷は、素振りの最中に出来た思い出。

―――さようなら。

ドアを閉め、思い出を振り切って私は前に進む。
とりあえず、休暇が残っているからラクドリアン湖に行ってみよう。
家を出て、ルイズ様にお別れを言おうとした瞬間、私は固まった。

ルイズ様が、複数の傭兵に囲まれていたからだ。






「あの、何か御用でしょうか?」

チョコボと遊んでいたら、鎧を着込んだ人たちが私に近づいてきた。
彼等は銀髪がどうとかということを口に出していた。
そして、その中でもリーダーっぽい人が、私の前に立つ。

「間違いない。こいつがあの時の天使だ!」
「こいつを連れて行けば俺等は強制労働を免除なんだな!?」

天使? 私のこと?
それよりも、この人たちの目が、

―――怖い。

腕を掴まれ、引っ張られる。
なに? どういうことなの!?

「こっちへ来い!」

必死に抵抗するけど、私と相手の力の差は覆せない。
怖い、怖い、怖い―――!

「助けて! シエスタ!」

328 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/25(日) 23:48:36 ID:22+3qlxX

あの日、ルイズ様が放ったアルテマを切っ掛けに、レコンキスタを追い払えた。
しかし、その代償は大きかった。

タイムリミットは近い。
今回の一件で、タルブ村の存在そのものが大きく広まってしまった。
貴族に対抗しうる力を持つ、平民達が住む村。

領主には認められていたが、この戦いでその力が示されてしまった。
近接系のジョブは技術を教えるだけで済むだろうが、魔法が使えるデュライ家はアカデミー送りだ。
ルイズ様とアルテマの半融合化。
アルテマの魂がルイズ様の魂に混ざり合った。
現在の割合としてアルテマの魂半分、ルイズ様の魂半分。
ベースこそルイズ様だが、髪の毛の色は完全に侵食された形になる。

目が覚めたとき、ルイズ様は、ルイズ様なのだろうか?
あの約束を、守ってくれるのだろうか?

チョコボも本来生息していない生き物だ。
どちらにせよ、捕まれば確実に生きて帰れないだろう。

横を向くとルイズ様が起き上がるところだった。

私は嬉しくなって、声をかけようとした。

―――約束が果たされたのなら、どんなに幸せなことか。
   そして、果たされない約束はどんなに過酷なことか。
それでも、私たちは人間だからいい。
問題はルイズ様だ。
外見上の変化はないが、人間じゃないと知られたとき―――

ストーブが消え、室温が下降していく最中に投下開始します。

戦いが終結してから、三日が経過した。


皆にはまだ伏せてある。
このことを知ってしまったらどうするのだろうか?
でも、決めるのは私の役目じゃない。
ルイズ様が、自分で考えることだから。

外は晴天、青空がまぶしい。



「あの、どちら様でしょうか? それと、ここはどこでしょうか?」

329 :ゼロと聖石21 ◆FIXARUtWLY :2007/11/25(日) 23:48:59 ID:mAYWLMmG
「一体何のつもりですか!? いきなりこんなことをして!」

男の下へ走り、手首を叩いてルイズ様の腕を自由にする。
同時にルイズ様と男の間に割って入り、かばうようにする。

「邪魔をするな、俺達はその女に用があって来たんだ」
「用があるのなら口頭で伝えればいいじゃないですか、それなのになぜいきなり乱暴を?」

男達の目が鋭くなる。

「トリステインのアカデミーの連中から、タルブ村に現われた天使を捕まえてくれば強制労働を免除してくれるってな」
「幸いにも特徴自体は覚えていたからな。さて、そこをどいてくれ」
「何も命まで取らないさ。ただ、どかないと痛い目見るぜ?」

湧き上がる怒りを抑え、デルフを抜く。

「そんな理由のために、この方を渡すものですか」
「止めておけ、一人でこの人数を相手に出来ると思うなよ?」

―――邪魔だ。

デルフを振り、男が剣を抜く直前に鎧を破壊する。
返す太刀で抜かれた剣を破壊。

「ルイズ様は、全てを賭して守るべきものを守り抜いた」

他の男達が剣を抜くが、それよりも速く聖光爆裂破で全員をなぎ払う。

「そのルイズ様に、これ以上触れさせるものか!」

口笛を吹き、トウホウフハイとミメットをを呼ぶ。
ミメットにルイズ様を乗せ、私はトウホウフハイに跨る。

「ルイズ様、出かけましょう」
「うん、シエスタ」

トウホウフハイが飛ぶのと同時にミメットも飛び上がる。
とりあえずは、親戚の所に行こう。
彼女なら事情を聞かずにかくまってくれるはず。
先ほどの恐怖も忘れ、眼下の景色にはしゃいでいるルイズ様を見ながら、私は決心した。

330 :ゼロと聖石21 ◆FIXARUtWLY :2007/11/25(日) 23:50:47 ID:mAYWLMmG
以上で投下終了です。
話の性質上、今回から数回は本気で批判が怖いです。
それにしても部屋が寒いです。
それでは、支援ありがとうございましたー!

331 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 00:08:15 ID:cLE+GK0W
ボトムズのキリコを呼びたい

332 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 00:29:50 ID:U7Ik2V/I
…GJ

半融合…ルイズが勝つかアルテマが勝つか…

ルイズ勝利→スタイルがアルテマ→ルイズ歓喜

…と考えて「けれども、それはただの夢や」と凹んだ俺ガイル

FFTつながりでドラグナーのレーゼ召喚
人間との会話が通じないからってシルフィードに竜語
→通じてシルフィードに韻龍と勘違いされて懐かれるレーゼ

とか

ガンダールヴの雷神シド…7万全滅ッ

とか

…浮かんだだけで文にできんが

333 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 00:33:06 ID:yn4/5CuV
>>331
"呼んだ"なら可


334 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 00:35:20 ID:tZAr5SA7
>>332
レーゼは呪いがなければ普通に喋れるだろ。
むしろドラゴンの状態で呼び出されてベイオウーフ涙目とかw

335 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 00:39:51 ID:UyY7MDeS
マラークを呼んでみるとか?
裏真言は、ハルケギニアの人間には効果が薄そうだが、エルフには効果が高そう。

336 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 00:41:01 ID:FuQAVBMc
ところで、いつ十二人の妹が召喚されるのかね?

337 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 00:41:55 ID:zwBvhvZv
>>336
君が書き上げた時に。

338 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 00:42:39 ID:ns5Lriti
>>336
もれなく沢越止が付いてきます

339 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 00:51:52 ID:hGXNYq/x
>>332
はやてちゃん自重してなの

340 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 00:58:58 ID:ClLo3d0B
シスプリの姉妹って止の血族だからたちがわるい

341 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 01:07:34 ID:GJ3aZ8CF
ゼロミーGJ
ゴッドマンって正直らきすたの歌でしか知らないんだぜ

342 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 01:09:16 ID:HWVyt6pc
一応裏設定なんだから、その辺は少し自重しようぜ

あの設定を見た時は、久々に知らなきゃよかった物があると思ったもんだ…

343 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 01:12:59 ID:OjeafkIe
>>340
……なんだって?(´゚ω゚`;)

344 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 01:17:23 ID:d92wbBru
おいおいネタを引きずるなよ

345 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 01:30:39 ID:Bcn+ZM33
いいかげんデジモンがきてもいいと思うんだが

346 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 01:40:51 ID:BEKM8YLe
いつか言ってたデジタマ召喚はまだですか?

347 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 01:50:56 ID:f8pZIhHE
>正直らきすたの歌でしか知らないんだぜ


ttp://www.youtube.com/watch?v=wqidnr7dJrw&feature=related

348 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 06:55:30 ID:boM4Ta1W
もし、森下信衛大佐が召喚なされたらどーよ

349 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 07:35:51 ID:7CuNbqKc
>>345
ガンダールヴがインペリアルドラモン、
ヴィンダールヴがグランクワガーモン、
ミョズニトニルンがヴァイクモン、
記すのを憚られる使い魔がヴァルキリモン
で今考え中だから待つがよろし。


………究極体、テイマーズ方式にするかなぁ。
テイマーズのキャラ召喚でもいいけど、02の方が動かしやすそうだし。

350 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 08:14:34 ID:VLcNlQwL
メガドラモン召喚は黒歴史か……ルイズが可愛いのはよかったんだがなぁ

351 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 08:16:07 ID:5gRa/YkT
ワームモンとかレナモンとかガオモンとかみたいな尽くすタイプだとますます調子乗っちゃいそう
テリアモンは容赦なく毒吐きそうだし
ギルモン……はキレたらやばい
合体進化でもいいけど、オスと女の子が合体はアウトな気が

352 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 08:21:42 ID:u0wfpzyH
ワームモン呼んでデジモンカイザーになるルイズ?

353 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 08:40:00 ID:MPm+wWm3
いったいいつになったら回復するんだよ!

SS投下できねぇじゃねぇか!!

354 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 08:50:06 ID:DQ2YCnUN
さっさと投下! しばくぞ!

355 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 08:57:20 ID:MPm+wWm3
無理!!

というわけで、どんどん推敲と続きを進めよう

356 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 09:47:20 ID:CZ+5OY7k
タバサって使い魔召喚に参加してたっけ?シルフといつも一緒にされてるから
どうもわからん。
実際に呼ぶつもりはなかったのに幽々子様が出て来てタバサ大パニックとか旧作の
岡崎夢美が魔法調査のためにサイト召喚に乗じて訪れるとかネタは浮かぶんだが・・・

357 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 09:48:44 ID:mO8Tu1bw
what?


358 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 11:11:33 ID:9AZn2QIH
>>356
同学年だから参加してるだろ?

本編に名前だけ出て、ふらりとどこかにいってしまった魂魄妖忌が召喚はちょっと考えたことあるなぁ

359 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 11:12:14 ID:Ct6B8Cy1
そういやさ、キュルケって火+火+火のトライアングルスペルって使った事あったっけ?
つーか奴が魔法で活躍した場面ってあまし記憶に無いんだが。確かコルベールがすげー火の魔法使ったのは覚えているんだが

360 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 11:23:20 ID:ZxYktHbw
ぶっちゃけ、火って要らないよな
コルベールのやつだって、火x2+土より、土x2+火で可燃物と酸素の大量散布のが強いだろ

361 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 11:25:26 ID:CLfGeCpw
火は攻撃力があからさますぎて、工夫のしどころがないからかえって書きにくいんじゃないかって気はする。

362 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 11:34:35 ID:c5KAx2mG
風風風土で『地殻破断(アースブレード)』……はい、自重します

363 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 11:37:23 ID:TTI0PWFE
昨日、外出した時に見た鉄塔を見てふと思った。
建築家の父によると、通常の高圧送電線用の鉄塔は50〜60mらしいのだが、
フーケのゴーレムがその鉄塔の半分の大きさの30mだとしたって、
そのあまりのでかさに「こんなの絶対に勝てっこねぇw」と思わず噴いた。
ロケランとか現代兵器があってもかなりシビアだろw

364 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 11:43:43 ID:d37dZo5F
>>362
禁書?

365 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 11:50:26 ID:7CuNbqKc
>>352
カイザー覚醒の原因は暗黒の種を埋め込まれ、更に色々あって絶望したことだったはず。

ちなみに、未来の嫁に殴られたこともある。

366 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 11:50:34 ID:ZxYktHbw
>>363
そりゃなあ…だいたい通常のビルの1階の階高(下の階の床から上の階の床までの高さ)が3.5〜5mで
だいたい6,7階のビルと同じ高さ、人間が剣持って立ち向かうとか無理無理w
その規模のビルなら柱でも1辺1.2〜1.4mだ。2本足で支えて、しかも歩くんなら直径で4,5mくらいいくんじゃない?
まして、それを頭の上まで駆け上がろうとか傾斜角5%の坂でも走るのきついのに、ロッククライミングのせかいだろ


367 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 11:59:01 ID:1VmBouTg
>>360
火を+しても火力と効果範囲が同時にアップするだろうから、室内戦闘メインのゼロ魔では使いどころが難しいんだよねえ。
戦争なら広範囲高火力で便利だろうけど、防御方法も多いんだよねえ。

368 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 12:13:12 ID:3/1AnYfV
>>366
一応小金井 薫が牙石王に勝利してるぜ。
でもまぁ、ロケラン一発で破壊できるとは俺も思わんが

369 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 12:19:41 ID:YykFzRsS
>>363
1 中身はスカスカ
2 ロケランは実は「デイビークロケット」 ルイズたちは後数年以内に謎の奇病を発症して…

タリバンが壊した石仏だってもう少し頑丈だったような気がするし…

>>366
ルパン3世の五右衛門並だね…
そのうち夜空の流れ星すら斬ります。

370 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 12:33:24 ID:CLfGeCpw
3 でかい爆発に驚いたフーケが思わずゴーレムの魔法をやめてしまった

371 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 12:34:33 ID:tzFphSuu
>>370
人間という部品が一番脆弱というオチは有りそうだな。

372 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 12:43:00 ID:7CuNbqKc
>>351
テイル姉さんならルイズを叩き直してくれるに違いない。

373 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 12:50:09 ID:SLI9y5zU
4 ただ破壊の杖の威力を調べるためにゴーレムを出した

374 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 13:04:30 ID:mXA5D/OE
5 ノボルが深く考えてなk(ry

375 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 13:11:35 ID:6IISCulg
6 とってもファンタジー、科学と言う異世界の論理による事象にハルケギニア世界が反応した為。
7 一番つまらない、あらゆる武器の最適最高の使い方を使い手に齎すガンダールヴのルーン効果。

376 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 13:32:21 ID:qZ0hYnHn
そういやアニメだとどう見ても30mもなかったな

377 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 13:34:40 ID:ZxYktHbw
あー、確かに本当に30mのゴーレムを画面に出すとカメラワークや演出が制限されるよね

378 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 13:42:00 ID:YykFzRsS
>>376
プロレスラーとかの身長みたいにさばを読んでます…

〜に全長20mの大蛇を見た!(実際は7mぐらい)


379 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 13:46:08 ID:tgc9r1uo
ワンダと巨像みたいになりそうだな

380 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 13:48:27 ID:2KQ3BB4N
>>374でFAだろ。大体、あれの弾頭は成型炸薬弾で、最新型ならまだしも、旧式の奴にあんな派手な爆発効果は基本的に無い。
まあ、某「戦車をひっくり返す熊」がいい例で、一部を除けば、物書き諸氏が兵器やその威力に無知&いい加減
ってのは、もはや読み手にとっちゃ常識なんだけどな。
自分もフーケ戦時は、ゴーレムを少しダウンサイジングさせるかも知れんしな。


381 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 13:51:28 ID:ZxYktHbw
そういえばゼロ魔の世界って空調ダクトや衛生配管を天井内に入れることは無いんだし、階高は3m以下でもいいのか
それを考えれば5階にパンチするのに20mくらいの身長でいいのか
……それでも白兵戦を挑むには絶望的
「一撃で膝を両断し〜」とかって文章にするのは楽だけど絵がイメージできねぇ…もうちょっと推敲しよう……

382 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 14:02:00 ID:r6iyEteX
>>381
ガッツなら一撃でヒザを斬り飛ばしても普通に想像できる
サイトでは途中で剣が引っかかって抜けなくなる所が想像できる
得物がもっと見た目からゴツイと(扱う奴ももっと剣に慣れてるキャラだと)考えやすいんだがなあ
何書いてる人か知らんが頑張ってくれ

383 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 14:42:37 ID:U7Ik2V/I
>>334
いやいや人間に言語の違いで会話がうまくいかないから
竜ならしスキルでシルフィードじゃね

384 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 14:42:48 ID:tgc9r1uo
実はデルフはライトセイバー並の切れ味ということで

385 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 14:56:31 ID:qcJdWjIz
デビルメイクライシリーズから
バージル召喚なんてどうなんだろうか

386 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 15:19:25 ID:DQ2YCnUN
そもそもそれ以前にギーシュのゴーレム斬ったじゃん。
ギーシュの出した、たぶん青銅の剣で。


387 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 15:20:41 ID:dSB/wL+b
青銅の剣で青銅のゴーレムは切れるのか。切れる。切れるのだ。

388 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 15:24:01 ID:YykFzRsS
達人は鉄の刀で鉄兜を切る
それと同じだ

と言ってみる。



389 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 15:32:29 ID:ZxYktHbw
最後の剣客といわれた榊原鍵吉が天皇陛下の前でやった明珍桃形南蛮鉄兜の兜割りは、刀が三寸切り込んだ結果で大成功と言われた
兜割りっていっても本当に真っ二つにするわけじゃないんだよ…

390 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 15:38:45 ID:iR+6cnk8
三寸入ったら脳まで入ってるから成功でいいんじゃないの

391 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 15:41:20 ID:qcJdWjIz
虎眼流は最小の斬撃で斃す
三寸斬り込めば人は死ぬのだ


そういやツカイマグルイの人最近見ないな〜

392 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 15:42:53 ID:ZxYktHbw
です。「これなら相手は死んだ」ってことで成功らしい


393 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 15:43:10 ID:iR+6cnk8
三寸って9センチだぜ?
頭蓋骨の厚さが10cmある人なら助かるぜ

394 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 15:45:06 ID:dSB/wL+b
頭骨10pとはでかいハードルだな

395 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 15:46:09 ID:RaRrEDok
10cm以上の頭蓋骨の厚さを想像したらぬらりひょんになったwwww


396 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 15:51:12 ID:YykFzRsS
>>393
デビルリバースとか?

確かにアレなら…

フーケゴーレムを殴り壊すデビルリバース…


397 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 15:55:05 ID:ZSaibOQz
3寸≒9センチ

体内に異物が9センチ刺されば
人間大サイズの生き物なら十分致命傷だ



398 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 15:55:07 ID:TTI0PWFE
>>393
キ・アディ・ムンディとか近衛近右衛門ならあるいは……。

399 :名無しさん@お腹いっぱい:2007/11/26(月) 15:55:25 ID:CIqscZ8u
>>380
バキのことかー!!!

400 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 15:57:27 ID:DQ2YCnUN
>>397
なるほど、それであの民族は…

401 :ほしをみるひと:2007/11/26(月) 16:14:13 ID:2NnBgIMh
16:20頃から投下よろし?

402 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 16:15:34 ID:dSB/wL+b
よろし

403 :S−02 星の使い魔 17話:2007/11/26(月) 16:19:51 ID:2NnBgIMh
 夕日を受けて静かに揺れる馬車を眺める女性が一人。
 形の良い濡れた唇が嬉しそうに吊り上がる。
 無邪気にして妖艶なその笑みを何も知らずに目にしたものは
 一目で心奪われるか、恐怖に凍りつくかのどちらかだったろう。

「魔法が使えないメイジ……やはり、ということかしら」
 独り言のように呟くその表情は、まるで恋に胸を焦がす乙女のよう。
 うっとりと夢を見ているようで、それでいてどこか寂しげ。
 自分の存在を気づかれてはならぬという制約が、忍ぶ恋心にも似た感覚を生み出しているのだろうか。

 魔法の使えぬ彼女の主。
 可愛い姪っ子のお話にあった、初めて見つけた自分の同類。
 それを耳にした時の主の様子は忘れられない。
 表面上は平静を装っていたものの、契約を通じて感じ取るその心は、抑え切れぬ愉悦に激しく震えていた。
 今の仕事を一時放り出してでも彼女の様子を探ってきて欲しいと言われた時には、流石に苦笑するしかなかった。
 全く、思春期のお坊ちゃんでもあるまいに。
 もっとも、今の自分も人のことは言えないだろうが。

 何はともあれ、彼女たちは見事『土くれのフーケ』を退けた。
 いざとなれば死なせぬよう助力することも考えていたが、取り越し苦労だったようだ。
 そして、あの戦いの中でとりわけ彼女の目を惹いたのは、彼女の使い魔。
 異国の服を纏い、光の剣を手にゴーレムに立ち向かう少年。
 自分と同じく、異能の僕として生きる者。

 限りなく近しいものは、惹かれ合うか憎み合うかのどちらかだという。
 愛と憎しみは表裏一体という言葉をも踏まえれば、結末は一つということか。

 この胸の高鳴りは自分のものなのか、それとも主のものなのか。
 この先、彼女たちはどんな道を歩んでゆくのか。
 それは果たして自分たちと重なるのか、それとも違えることになるのか。
 先の見えぬことが、これほど楽しいとは。
 これから先、子どものようにワクワクして眠れぬ夜を何度過ごすことになるのだろう。
 ああ、と、甘い吐息を一つ吐き出して、艶のある声で小さく呟いた。

「いずれまた、ゆっくり逢いましょう、ガンダールヴ……」






404 :S−02 星の使い魔:2007/11/26(月) 16:21:14 ID:2NnBgIMh



「さて、ズリョー君。話とは?」
「クロードです、オールド・オスマン」
 げんなりするクロードの横で、コルベールはズレた眼鏡を直す。
 正直言って、こちとら突っ込みを入れる気力もロクに残ってないんです。
 まだ倒れたままのルイズのことも心配なのに、これ以上ボケんでください。
 キュルケとタバサの二人を一足先に下がらせ、学院長室に残ったクロードが盛大に溜息をつく。

「ええと……。まずは『破壊の宝玉』を勝手に使ってしまったことをお詫びします。申し訳ありません」
「なに、全ては命あってこそ。その件に関して責任を問うつもりは無いよ。
 たかが宝物一つと生徒の命を天秤にかけたとあっては、トリステイン魔法学院の名折れ。
 彼女たちこそ、生徒たちこそがこの学院の真の宝なのじゃからな」
「ありがとうございます。……それでは、率直に伺います。
 あの『破壊の宝玉』をどこで、どうやって手に入れたのか教えてください」

 一瞬の沈黙。
 驚いた様子のコルベールとは対照的に、
 オールド・オスマンは質問の内容におおよその察しがついていたのか、
 思いのほか穏やかな声で答える。

「その様子では、君はあれが何か知っているようじゃな」
「知っているというより、理解していると言うべきですね。
 知識と技術と材料さえあれば、作ること自体はさほど難しいものじゃない。
 ただ、あれだけの威力のものは、専門の技術と施設が必要になるとは思いますが」
「それは凄い! 詳しく教えてくれないか、クロード君!」


「……本当に、知りたいんですか?」


 興奮して思わず口を挟んだコルベールに、氷のような冷徹さで切り返すクロード。
 自分の半分も生きていないであろう少年の放つ威圧感に、コルベールは言葉を失う。
 そこには『知る者』としての義務感に裏打ちされた、有無を言わせぬ凄みがあった。
 一つ大きく息をつき、クロードは言葉を続ける。

「残念ですが、僕の世界の規則では、
 必要以上に知識や技術を伝えないように決められています。
 それが軍事目的に転用できるものならば、なおさらです」
「……すまない、私もいささか興奮しすぎていたようだ」
「技術のことになると見境が無くなるのが君の悪い癖じゃな」
 苦笑してコルベールの背中をポンポンと叩くオールド・オスマン。

「ふう、やっぱり男を慰めても面白うないわい。
 これが綺麗なおねーちゃんなら、やる気も出るんじゃがのう」
「んなこと私に言われても。華が無くなって寂しいのは私も同じなんですよ」
「あの〜、僕としてはとっとと話を進めて欲しいんですが」
「今時の若者はせっかちじゃのう。
 実はな、こういうことだったんじゃよ……」






405 :S−02 星の使い魔 17話:2007/11/26(月) 16:23:03 ID:2NnBgIMh
 トリステインむかしばなし

『オスマンくんのぼうけん
 ワイバーンとふしぎなおんなのこ─────しんりんのだいけっせん』


 むかしむかし、あるひのこと。
 オスマンくんはもりをさんぽしていました。
 おひさまはぽかぽか、かぜはそよそよ、ぜっこうのおさんぽびよりです。
 するとそのときとつぜん!

「ギャオオオオオオオ!」
「うわあああああああ!」

 ワイバーンがおそいかかってきました!
 これにはオスマンくんもびっくりぎょうてん、いそいではしってにげだしました。

 さすがのオスマンくんでも、ワイバーンにはかないません。
 おまえにいわれんでもスタコラサッサとにげますが、あいてはひりゅうワイバーン。
 ひっしにはしりましたが、たちまちおいつかれてしまいました
 ああ、なんてことだろう。ざんねん、ぼくのじんせいはこんなところでおわってしまうのだろうか。
 しぬのはきれいなおんなのひとのおなかのうえときめていたのに。
 ワイバーンのきばがギラリとひかり、オスマンくんはぎゅっとめをとじました。
 するとそのとき、ふしぎなことがおこりました!


    どっか〜ん!


 とつじょとしてまきおこっただいばくはつ。
 オスマンくんはとびあがっておどろき、ぎゅっととじていためをみはりました。
 ワイバーンのまえには、めずらしいふくをきたおんなのこがたっています。
 そして、そのおくでワイバーンのかたほうのつばさがふきとんでいるではありませんか!

「フッ、はんごろしのつぎはぜんごろしよ!」

 ぶっそうなきめぜりふとともに、おんなのこはふしぎなボールをふところからとりだします。
 おおきくふりかぶって、じくあしだけをのこし、ワイバーンにせなかをみせつけるようにぜんしんをおおきくひねりました。
 ああ、あれこそはひっしょうのかまえ。ぜんべいをしんかんさせたトルネード。
 かのじょのゆびからはなたれたこんしんのストレートは、どうみてもデッドボールです。ほんとうにありがとうございました。


    キノコぐもがあがりました。


「さいごのさいごでドラゴンにかてなかったワイバーンなんて、わたしのてきじゃないわ。
 それにわたしは、あいてがだれであっても、まけるわけにはいかないの。
 あのひのかりをかえすまではね!」

 ひだりのこぶしをこしにかまえ、みぎのこぶしをかおのまえにかざします。
 かみのけはこんがりとファンキーでオウイエーにしあがっています。
 そして、そのえがおは、じしんとほこりでふてきにまぶしくかがやいていました。

 すすまみれでげろっぱなオスマンくんはかのじょにおれいをいおうとおもい、かのじょにちかづきました。
 ついでにおちゃのさそいでもしようかとおもっていたのですが、
 かのじょはオスマンくんがひきとめるまもなく、はしっていってしまいました。

          ドテッ

 こけました。

406 :S−02 星の使い魔 17話:2007/11/26(月) 16:25:15 ID:2NnBgIMh





「……で、その時に彼女が落としていった、と」
「……それにしてもノリノリですね、オールド・オスマン」
「……遊び心の解らんやっちゃのう、そんなことでは神託は受けられんぞ」

 こめかみを押さえるクロードと眼鏡を拭くコルベールを尻目に、
 いそいそと紙芝居を片付けるオールド・オスマン。

「彼女は一体、何者だったのでしょう?」
「解らぬ、そのときに一度会ってそれきりじゃ。
 少なくともゲルマニアやガリアなどの人間ではなかろうな。
 名前は……むう、タフィじゃったか。それともミルフィーじゃったか」

 私は○阪国籍の助っ人外人でも、未来から来たエスパー少女でもないわよーっ!!

「ん、どうかしたのかい、クロード君?」
「いえ、気のせいです、多分」

 まぬけ時空の誘惑を振り払い、顎に手を当てて考え込むクロード。
 とりあえず、この爺さんが何故彼女の名前に心当たりがあるのかは突っ込まないことにしておく。
 どうせ碌なもんじゃないだろう、電波のお告げとか。

 何はともあれ、問題なのは『破壊の宝玉』と彼女のことだ。
 魔法という絶対的な攻撃手段が存在するハルケギニアにおいて、
 兵器体系が地球と根本的に違っていることはクロードも承知している。
 化学的なアプローチが殆ど為されていないこの世界において、使える火薬はせいぜい黒色火薬レベルだろう。
 いくらルイズの魔法の合わせ技とは言え、そんなものでゴーレムを粉砕できるとはとても思えない。
 それどころか、そもそも単体の手投げ弾サイズで数十メートルの構造物を破壊できる爆弾など、聞いたことが無い。
 先ほどの寸劇と絡めて考えても、個人で運用する火器としては常軌を逸しすぎている。
 あこぎな武器商人のテストか、それともテロリストの類か、はたまたもっとおぞましい何かか。

 ともあれ、このことに関してこれ以上考えていても仕方が無い。
 肝心のブツは既に失われてしまったし、持ち主の行方もわからない。
 この星に何らかの形で接触した人間が居る可能性がある、という情報だけでよしとするべきだろう。


「あ、あの、失礼します」
 後ろから蚊の鳴くようなノックとともに、ひどく緊張した声。
 オールド・オスマンの促しを受け、学院長室にやってきたのはシエスタだった。
 普段はとても足を踏み入れられるような場所ではないせいか、視線は泳ぎっぱなしで足どりはバタバタと地に付いていない。
 だが、その中でクロードの姿を見つけるといつもの笑顔に戻り、駆け寄ってきた。

「どうかしたのかい、シエスタ?」
「あ、クロードさん! ミス・ヴァリエールが目を覚ましたんです!」
 今度はクロードの表情が変わる。
 振り返れば、二人の大人が穏やかに微笑んでいた。
 行ってあげなさい、と顔に書いて。


407 :S−02 星の使い魔 17話:2007/11/26(月) 16:26:57 ID:2NnBgIMh
「……申し訳ありませんが、一度失礼します。お話は、また別の機会に」 
 クロードは深々と頭を下げ、シエスタに連れられて学院長室を後にした。


「若いとはいいものじゃな。ミスタ・コルベール」
「本当に眩しいものです。私も、たまらなく羨ましくなりますよ。
 ですが時折、それと同時に恐ろしくもなります」
 コルベールの表情が曇る。

「自らと同じ轍を踏ませぬことも教師の務め。
 振り返らぬ若さが、時に取り返しの付かぬ過ちとなることもあるのじゃからな」
「承知しています、オールド・オスマン。
 だからこそ、私は今ここに居るのですから」










 石の天井が、ひどく遠く感じる。
 全身はやたらに重く、節々がぎしぎしと軋む。

(ええっと……確か、あのゴーレムを吹っ飛ばして……)
 ぐらつく頭で状況を整理する。
 窓の外を見ようと首を動かすと、首の関節がポキリといい音を立てた。
 夕暮れの赤に染まった太陽は既に地平線に半ば沈みかけ、薄暗い空には双月が朧に浮かんでいる。
 フーケとの戦いが昼間だったことを思い返せば、割と長いこと眠っていたらしい。

「ルイズ、大丈夫!?」
「ん……クロード?」
 揺れる脳よりも先に、ひび割れた唇が使い魔の名を呼んだ。
 その傍らではシエスタがなにやらこまごまと働いている。

「フーケは、フーケはどうなったの?」
「ああ、ちゃんと引き渡したよ。
 君とキュルケには『シュヴァリエ』の称号が授与されるんだって」
 それを聞いて、ルイズの顔がぱあっと明るくなり、
 それに釣られるようにクロードも表情を綻ばせる。

「やった……やったんだ、私……!」
「本当におめでとうございます、ミス・ヴァリエール」
「それと、お疲れ様、ルイズ」
 ルイズの額のタオルを取り上げ、シエスタが差し出した洗面器に浸す。
 ぎゅっと水気を絞り、それを改めてルイズの額へと戻す。
 ひんやりとした感触が、ぐらつく頭に心地よい。

「はふぅ……」
「そう言えば、今夜は『フリッグの舞踏会』があるらしいんだけど、どうする?」
「あー、舞踏会ねぇー……え、舞踏会!? やだ、そういえば今晩じゃない!」
 ガバッという擬音もかくやという勢いで、全力で跳ね起きるルイズ。
 勢い余って立ち眩みを起こし、へろへろと崩れ落ちる。


408 :S−02 星の使い魔 17話:2007/11/26(月) 16:30:20 ID:2NnBgIMh
「あ、あうあう」
「だ、大丈夫ですか?」
「無理しちゃ駄目だってば」
「きゅう……って、た、倒れてる場合じゃないのよっ!
 早く支度しなきゃ! ああもう、服は砂埃まみれだし、髪はバサバサだしっ!」
「そんなに無理しなくても、休んだ方がいいんじゃないか?」
「なに馬鹿なこと言ってんの、フーケを捕まえた主役が舞踏会に出なくてどーすんのよ!
 ちょっと、シエスタ! 水浴びするから手伝いなさい! クロードは私の部屋からドレスを取って来るっ!」
「は、はいっ!」
「と、取って来いって、どれを持ってくればいいんだよ!?
 それに第一、ドレスなんてどこに入れてあるんだ!?」
「クローゼットの奥に入ってるわよ!
 ゴチャゴチャ言ってないでとっとと行きなさい!」
「だーっ! 結局最後はこうなるのかよ、コンチクショー!!」




   ……数時間後。




「ヴァリエール公爵が息女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール嬢……おぬあぁぁぁあぁぁるぃぃいぃぃぃぃぃぃぃぁ」


「お疲れさん、相棒」
「お前もな、デルフ。……何だろう、ゴーレム相手にするよりも疲れた気がする」
 バルコニーに腰掛け、穴子の白焼きを齧りつつ溜息を一つ。
 どよめきの渦の中、シルクのドレスに慎ましく身を包んだルイズの姿は、まさに公爵令嬢のそれ。
 ほんの数分前まで、バタバタと慌しく準備をしていた様子などおくびにも出さない辺り、流石と言うべきか。
 それとなく視線を辺りに向けると、キュルケは誰ぞ男子生徒の腕の中。
 タバサは黙々と皿に盛られたサラダを平らげているし、ギーシュはモンモランシーに頬を引っ張られている。
 呆れるくらいにいつも通りの友人たちだ。

(『友人』だって?)

 ふと、頭をよぎったフレーズに、クロードは静かに笑う。
 この異郷の地で、そんな風に呼べる人間に出会えるなんて。
 まだハルケギニアにやってきて数ヶ月と経っていないのに。
 そしてそれと同時に、その『友人』たちに自分のことを何一つ話していないことに胸が痛んだ。

 父が星間戦争を終結させた立役者であること─────自分が『英雄の息子』であること。
 その重みはこれまで19年間の人生で、嫌というほど思い知っている。
 たとえ彼女たちには直接関わりの無いこととは言え、
 それを聞いた彼女たちが態度を豹変させないという保証は……いや、そうならないという自信が無い。
 話さずに済むのなら、それが一番なのだろう。

(……僕にとって、ね)
 そこまで考えたところで。自分がひどいエゴイストになったように感じ、クロードは顔を顰める。
 正直に全てを話したいという気持ちと、その一方で話すことを恐れ、抵抗を感じずにはいられない自分。
 その矛盾を矛盾のまま受け入れられるほど、クロードは自分自身を達観出来ていない。

 そっとフェイズガンを懐から取り出し、双月の光に透かすようにかざしてみる。
 左手の紋章は何の反応も示さず、トリガーを引いてみても何の反応も無い。
 ゴーレムとの戦いで、完全にバッテリー切れを起こしていたらしい。
 あの激戦で最後まで持ったことを喜ぶべきだろうか、それともこの先使えないことを嘆くべきだろうか。
 とは言え、所詮はこれも父からの預かり物。
 このくらいのタイミングで使えなくなる方が良かったのかもしれない。

409 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 16:31:51 ID:qcJdWjIz
支援

410 :S−02 星の使い魔 17話:2007/11/26(月) 16:32:18 ID:2NnBgIMh
「こんなトコで何やってんのよ、あんたは」
「おう、娘っ子」
「ん、ルイズ?」
 ふと視線を戻すと、目の前にルイズが立っていた。
 優雅なドレスに身を包んでいても、腰に手を当ててジト目で睨むその表情はいつもの彼女だ。
 こうして改めて近くで見ると、顔色の悪さを化粧で誤魔化しているのが丸解りで何だかちょっと可笑しい。

「なに笑ってんのよ」
「ううん、何でもない。ドレス、似合ってるよ」
「当然よ。公爵家の娘を何だと思ってるの?」
「馬子にも衣装だよな」
「クロード、そのアンポンタンソード寄越しなさい」
「力みすぎて肩を痛めないようにね」
「すいません調子こいてました許してごめんなさい」

 礼儀知らずのインテリジェンスソードをとりあえず黙らせ、
 フンと鼻を鳴らしてルイズはクロードの隣に腰を下ろす。

「どーせあんたのことだから、ダンスなんか出来ないって逃げてきたんでしょ」
「あ、あはは……」
「おめーが言うかね、娘っ子。さっきから膝が笑いっぱなしじゃねーか」
「う、うっさいわね! ちょっとワインに酔っただけよ!」
「あれ、ルイズ、料理に手を付けてたっけ?」
「いちいちそんなとこまで見てるんじゃないーッ!!」
「ちょ、声が大きいってば!」

 クロードの指摘に思わずルイズは自分の口を押さえるが、
 どうやら誰も舞踏会に夢中で、さらに離れということもあって見咎める者はいなかったようだ。
 ほっと胸を撫で下ろす二人。


「……やっぱり、帰りたい?」
 しばしの沈黙のあと、珍しくしおらしく尋ねるルイズ。

「……どうなんだろう。正直言って、ここの生活も悪くないと思い始めてる」
 クロードは星空を見上げて答える。

 それを聞いたルイズの表情が明るくなるのを横目で認め、少し胸が痛んだ。
 今の自分の言葉に嘘は無い。
 だが、それがクロードがハルケギニアに留まり続けることの保証にはなりえない。

 捜索隊に発見されれば、おそらく必要な連絡事項を伝えた上で転送され、そのまま地球に帰ることになるのだろう。
 ここに来たときと同様に、ここを去ることにもクロードの意思が介在する余地は無い。
 果たしてそれが3日後なのか、1ヵ月後なのか、10年後なのか。
 それを宣告するのが懐に入った小さな通信機というのも、今思えば不思議な気分がする。
 地球にいた頃はごく普通のことだったはずなのに。

「そういえば、あんたってよく星を見てるわよね」
「え、そうかな?」
 ルイズの指摘に、クロードは意外そうに目を丸くする。

「そうよ。それに、そんな風に周りを見ないでに考え事することも、ね」
 そう言うと、やにわにルイズは立ち上がってビシィッ! とクロードの鼻先に指を突きつける。
 突然の展開とプレッシャーに、思わずどぎまぎするクロード。

411 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 16:33:12 ID:qcJdWjIz
支援

412 :S−02 星の使い魔 17話:2007/11/26(月) 16:34:03 ID:2NnBgIMh
「ル、ルイズ……?」
「あのね、クロード。この際主人として言わせて貰うけど、
 そんな風に空ばっかり見て、一人で考え込むのは止めなさい。
 私はあなたの主なんだから、少しくらいは、その……
 そう! ほ、ほんの少しくらいなら、アテにしても構わないんだから!
 でなきゃ、私が頼りにならない、駄目な主人みたいじゃない」

 所々で言葉に詰まりながらも、一息に言い切るルイズ。
 少しくらいは、という部分を必要以上に強調しているように聞こえたのは気のせいか。
 変に格好を付けすぎたせいか、ちょっぴり息が上がっている。


「……うん。ありがとう、ルイズ」
 感謝の言葉が、自然に口から零れ出た。
 声が少し震えていたかもしれない。

 それはとても不器用だったけれど、それは紛れも無く自分に向けられた暖かな感情。
 真っ直ぐすぎる愛情ばかりを受け続けてきたせいか、その不器用さがむしろ心地良い。
 大きく息を吸いこむ。言葉が胸に沁みていく。満たされてゆく。
 気を抜いたら、うっかり感極まって泣いてしまいそうだ。

「か、勘違いするんじゃないわよ!
 主が使い魔の面倒を見るのは当然のことでしょっ!」
「……そのくらいこっち向いて言えっつーの」
 デルフの指摘通り、あからさまに視線を逸らして言い放つルイズ。
 その顔色は夜の帳と化粧に阻まれてよく見えない。

「あんたもいちいちうっさいのよ、刃無しのくせに!」
「刃は無ぇけど舌は回るってか?」
「誰が上手いこと言えってのよ!」
「まあまあ、ルイズも落ち着いて。デルフもあんまり余計なこと言うなよな」
 再び始まる一人と一本の罵りあい。
 蚊帳の外に放り出されたクロードは苦笑して宥めるばかり。


 クロードはまだ、気付いていない。
 ルイズがクロードのことを知らないのと同じに、クロードもルイズのことを知らないことに。
 自分のことを知ってほしいのならば、相手のことを知らなければならない。

 そしてそのとき、きっと気付くだろう。
 まるで鏡合わせの絵のように、自分たちがとてもよく似た存在であることに。




「ねえ、ルイズ」
「何よ、もう!」
 デルフの挑発で機嫌は絶賛急降下中、眉間に皺を寄せたルイズにクロードは問う。




「もしも、僕があの空の星のどれかから来たと言ったら……どうする?」





413 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 16:35:15 ID:qcJdWjIz
支援

414 :ほしをみるひと:2007/11/26(月) 16:35:31 ID:2NnBgIMh
以上、投下完了。
ようやく一巻分が終わりました。
ルイズみたいな娘っ子はエクスペルやネーデ、テトラジェネスには居ないタイプだったけど、
思いのほかツンデレとの親和性が高くて書いてて自分でもびっくり。やるな、クロード。

「自分で帰る手段を探す必要が無いどころか、むしろ強制送還される可能性がある」

という点でクロードは特殊な位置づけに居ると思っているので、
この辺を生かしてストーリーを作っていければいいなぁなどと考えております。
拙い作品ではございますが、今後も長い目で生暖かく見守っていただけるならば幸いです。

PS.何だかんだで締め切り守って書き上げるプロ作家って凄ぇと思います。


415 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 16:36:40 ID:tb/spv+O
GJっしたー

416 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 16:39:33 ID:9SJ6zfPR
パフィー何やってんのwww支援

417 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 16:43:17 ID:EGzsaL1m
GJ
原作でのとんでもないタイミングでの強制送還もよかったし、こっちも期待しまっす!

418 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 16:58:19 ID:OjeafkIe
グッジョーブ!

あ〜、パフィか!
確かに破壊力は比類するものがないわな、あの爆弾……

419 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 17:15:30 ID:dXgA2sX7
投下していい?

420 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 17:16:44 ID:SLI9y5zU
>>419
どうぞどうぞ。いつでも気がねなく。

421 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 17:16:49 ID:KX0xCzP0
拒否する理由はないな

422 :ベルセルク・ゼロ4:2007/11/26(月) 17:20:54 ID:dXgA2sX7
 ガッツたちが出て行ってからしばらく時が経ち―――
 一人部屋に残されたルイズはぐい…と涙をぬぐった。
 嗚咽は既に止んでいる。
(泣いてる暇なんてない…使い魔召喚に失敗したっていうんなら、もう一度、成功するまで何度でもやるだけ…それだけよ……!)
 失敗することにはもう慣れた。それでもルイズは何度でも立ち上がる。
 貴族のプライド、ヴァリエール公爵家のプライド、そしてそれらを超越した自分自身の根幹にある何かを守るために。
 ルイズはベッドから降りるとサモン・サーヴァントの呪文を唱え始めた。
 サモン・サーヴァントは本来なら教師立会いの下で行わなければならない呪文である。
 だが、『ゼロのルイズは実はサモン・サーヴァントに失敗していた』なんてことが知られてしまうと、いよいよ自分の学生としての立場は危うい。
 今までも失敗魔法でさんざん学校の備品や施設を破壊してきたのだ。
 いくらトリステイン魔法学院が王宮からの援助で豊かに経営しているとはいえ、無駄な出費は抑えるものだ。
 今まで一度も魔法が成功していないダメダメメイジが学院に一年間も在学出来たのも、ひとえに自分がヴァリエール公爵家の出身であるからにすぎないのだろう。
 であるならば、今度のこの失敗はおそらくとどめとなる。
 これをきっかけに自分は本当にやめさせられる。その可能性は高い。
 ルイズはそう考えていた。
 実際のところ、学院長であるオールド・オスマンにそんなつもりはまったく無い。
 偉大なる魔法使いは成績が悪いからといって生徒を切り捨てるような真似はしないのだ。
 しかし度重なる失敗とそのたびに伴う劣等感は、ルイズの思考をずいぶんとネガティブな方向に向かわせていた。
 それでもめげずにルイズは前へと進む。進もうとする。
 そんなルイズをあざ笑うかのように、サモン・サーヴァントは失敗した。
 ルイズが呪文を詠唱しても、部屋にはシンとした静寂が広がるのみ。
「……爆発すらも起きないなんて! じゅ、じゅもんの詠唱を間違えたんだわ、きっと!!」
 ルイズは机に駆け寄ると一冊の教科書を取り出し、パラパラとページをめくった。
 その時だった。

 バァン―――――!!!!

 ドアがけたたましい音を立てて開き、トリステイン城下町に向かったはずのガッツが飛び込んできたのは。


423 :ベルセルク・ゼロ4:2007/11/26(月) 17:24:20 ID:dXgA2sX7

 突然の音にルイズはビクッ!っと肩を跳ね上げ、慌てて部屋の入り口を振り向く。
「な、なに? アンタ戻ってきて―――」
 『戻ってきてくれたの?』
 突発的な出来事に自分を取り繕うことも忘れ、思わず飛び出してしまった本音。
 しかしその言葉は最後まで言い切られることは無かった。
 ガッツはドアを開け放った勢いのままルイズへと歩み寄り、その胸倉を思いっきり掴みあげた。
「ふぇ…? ……ッ!!」
 あまりの事態にルイズの口から間抜けな音が漏れる。
 そして自分の目の前に迫ったガッツの形相に言葉を失った。
 ―――憤怒。
 ガッツの表情には、まさしくその感情がありありと表されていた。
「ガッツ! ちょっと落ち着けってばあ!!」
 パックの声が部屋に響いた。



 ―――月明かりの下。
 魔法学院を出て、ガッツは草原を歩いていた。
「こっちこっち!」
 ガッツを先導するために、パックはほのかに輝きながら前を飛ぶ。
 歩きながら、ガッツはずっと考えていた。
 戻るまでにどれくらいかかるか。急いで戻らなければならない。
 だがガッツはそれほど今の状況に絶望しているわけでは無い。
 今の自分には仲間がいるのだ。
 シールケがいる。セルピコがいる。ファルネーゼも、ついでにイシドロとイバレラも加えてやってもいい。
 あいつらなら自分がいなくてもきっとキャスカを妖精郷に無事送り届けてくれるだろう。

 ―――俺以外の誰かがお前を救う

 ―――今はそれでいい

 ―――俺ではお前を傷つけるだけだ

 自嘲するように笑い、それからガッツはずっと感じていた『疑問』について思考する。
 ―――なぜ悪霊が現れない?
 自分の首筋、烙印のある辺りを指でなぞる。
 この時間になれば悪霊共に反応し、じくりと痛むこの烙印が、今はまったく静かなものだ。
 後方に聳え立つあの建物―――ルイズ曰く『トリステイン魔法学院』―――の中にいるうちは、あまり気にしていなかった。
 なにしろあの建物には魔法使いがうじゃうじゃいる。
 シールケの師である魔女フローラの館でも、張られた決壊によって刻印は悪霊を引き寄せなかった。
 つまりあの建物にも何かそういう処置がなされているのだろう―――と、ガッツはあたりをつけていたのだ。
 だが、実際魔法学院を出ても刻印は何の反応も示さない。
(こんな離れた所までカバーしてるってのか? ……意味がねえ)


424 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 17:24:24 ID:bgpuzuHx
支援

425 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 17:24:37 ID:TTI0PWFE
「(支援を)捧げる……」

426 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 17:26:35 ID:f8pZIhHE
>張られた決壊
壊れてどうする、「結界」だろそれは支援

427 :ベルセルク・ゼロ4:2007/11/26(月) 17:28:16 ID:dXgA2sX7
 ガッツの脳裏にルイズの顔が浮かんだ。
(あのガキは刻印のことを知らなかった……多分知ってるやつは一人もいねえ)
 もし知っている者がいたとしたら自分を放っておくような真似はしないだろう。
 フローラから聞いた話によると、確か魔術師にとって刻印(コレ)は最も探求すべき物のひとつとして数えられていたはずだ。
 魔法学院にいる魔法使いがすべからく無知であり、誰一人として刻印を知らない―――そういう状況であるならば『刻印の呪いを中和する結界』など張れようはずも無い。
(この辺りには悪霊がいないってのか?)
 ケッ、とガッツは口を歪めて笑う。そんな場所は『有り得ない』。
 ならば、では、どうして―――
 そんなことを考えていると、目の前にいたパックが声をあげた。
「あった! あったよ、ほら、あそこ!!」
 パックが指差す方向に目を向けると、なるほど、風でたなびく草原の中に黒々とした塊が横たわっているのが見える。
 ―――それにしても、明るすぎる。
 今まで思索に没頭しすぎて気にする暇が無かったのだが―――『夜に』『数十メートル先の』『黒い鉄の塊』が視認できるほどの明るさなど、今まで経験したことは無い。
 ガッツは顔を上げ、空を見上げた。

「な…んだ…と?」
 ガッツの目が大きく見開かれる。

 ―――その空には月が二つ存在していた。

 空を見上げ、固まってしまったガッツを、パックは怪訝そうに伺う。
「なになに? 急に上向いてどしたん…って月がふたつある!!」
 この妖精も今ようやく気づいたらしい。
「月ってのは見る場所によっちゃあ二つに見えたりすんのか?」
 ガッツの問いにパックはぶるぶると首を振った。
「ううん、昔、旅一座に居たときに星占いのばあちゃんからよく星の話とか聞いてたけど、月ってのはひとつしか無いはずだよ」
「じゃああれはなんだ? こりゃどういうことだ?」
 パックは8ビットの脳みそをフル回転して記憶を探った。
「うん、やっぱりここおかしいよ…! だって…星の位置も全然違う……!」
「だから…! そりゃあどういうことなんだ!!」
 ガッツは頭を抱えながら叫ぶ。つい、声が荒くなる。
 まったく聞いたことの無い国。
 誰一人知らないミッドランド。
 二つある月。
 反応しない刻印。
 あまりにも普及している様子の魔法。
 あまりにもおかしい。あまりにも自分が知っている世界とズレ過ぎている。

『もしかするとどこか異界につながっているのかも―――』

 シールケの言葉が甦る。
「は…冗談だろ?」
 異界(クリフォト)なんて生易しいものじゃない。
 まるでここは自分が居たところとはまったく違う『別の世界』のようではないか!
「ガッツ……」
 パックは心配そうにガッツに声をかけた。
 ガッツは右手で頭を抱えたままふらりとよろめいた。
「じゃあ…あいつぁ…どこだよ……」
 何度も何度も数え切れないくらい夜を這いずり回ってようやくたどり着いたはずだった。
 ようやく同じ大地に立ち、自分の剣が届くところに『あいつ』を見つけたはずだった。
 だが、今ここに―――この世界に『あいつ』はいない。

 バリリ―――!!

 ガッツが奥歯を強くかみ締める音が聞こえた。
 ガッツはドラゴンころしを拾い、背中に担ぐときびすを返し、魔法学院に向かって駆け出した。

428 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 17:29:29 ID:fWKKryKF
支援

429 :ベルセルク・ゼロ4:2007/11/26(月) 17:32:09 ID:dXgA2sX7
 ルイズはガッツのあまりの変貌振りに言葉を失っていた。
 先ほど、部屋を出る前の落ち着き払った様子は見る影も無い。
(息が…苦しい……!!)
 破壊的な握力で胸倉を掴まれたルイズは喉を圧迫されていた。
 苦しそうなルイズの様子を見てもガッツに力を弱める気配は無い。
「今すぐ俺を元の世界に戻せ……!!」
 喉から搾り出すような声だった。
 ルイズは抗議するようにガッツの右手を両手で掴みながらなんとか声を漏らす。
「む、無理よ…! さ、さっきも言ったじゃない…! 呼ぶ魔法はあっても返す魔法なんて無いのよ……!」
 ガッツはその答えを聞くと掴んでいた胸倉をグイッ!っと押し離した。
「キャッ!」
 ルイズはそのまま尻餅をついてしまう。
「ちょっとアンタ!! 貴族にこんな真似してただで済むと……!!」

 ビタァ―――!

 ルイズの目の前にあの大剣が突きつけられる。
 ふざけるな―――とガッツの目が言っていた。
 大剣を突きつけられたルイズは「ひっ…!」と小さくうめき声をあげた。
「出来るかなんて聞いちゃいねえ……やるんだよ。知らねえなら調べろ、やれねえんならやれる奴を探せ……!」
 出来なければ殺す。目の前に突きつけられた大剣がそう言っている様だった。
「あ……う―――」
 あまりの恐怖に思考が纏まらない。ただ、涙がまた目に溜まっていくのはわかった。
「ガッツ! ちょっとやりすぎだぞ!! 小さな女の子相手に!!」
 パックの言葉には答えず、ガッツは大剣を背中に戻すとドアに向かった。
「ガッツ!!」

 バタン――!

 ドアが閉まる。
 閉まったドアをパックが複雑な面持ちで見つめていると―――
「ひっく…ひっく……うぇ……」
 ルイズの泣き声が聞こえてきた。
 パックはルイズの目の前まで飛ぶと頬をかきつつ頭を下げた。
「ごめんね〜。あいつ、怒るとちょっと見境無くなっちゃうからさ……だいじょぶ?」
 しばらくパックはルイズをあわあわと慰め続け、ルイズが落ち着いてから、事情の説明を始めたのだった。

 ルイズの部屋を後にしたガッツは魔法学院生徒寄宿舎の外壁を背にし、大剣を抱えて座り込んでいた。
 思うのはキャスカのこと、仲間たちのこと、そして―――グリフィスのこと。
 今はこんな所で足止めを食ってはいるが―――必ず、この鉄塊をぶちこんでやる。
 決意を新たにガッツはドラゴンころしを握りこむ。
「………?」
 ふと、何か違和感を覚えたが―――それがなんなのか、答えはわからなかった。


430 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 17:32:58 ID:OjeafkIe
ルイズ真っ二つの危機だったな支援

431 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 17:33:00 ID:fWKKryKF
支援

432 :ベルセルク・ゼロ4:2007/11/26(月) 17:35:02 ID:dXgA2sX7
以上、投下終了です。
はい、ギーシュ出ませんでした。
嘘つきました。
>>426
しかも誤字しました。
……orz

訂正サンキューです!

433 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 17:38:18 ID:TTI0PWFE
>>432
今宵、彼なりしあの時、あなりし彼の地によくぞ投下した。
ギーシュは義手で殴られ涙目かなw

434 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 17:55:33 ID:GzzYYSQm
ギーシュはイシドロ化するところしか思いつかん、GJ

435 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 18:00:52 ID:3SGN4NEQ
ギーシュに決闘挑まれて、八つ当たり気味にワルキューレをバラバラにしそうだなガッツ。

436 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 18:16:43 ID:ZSaibOQz
八つ当たりでドラゴン殺しの平の部分でぶん殴られて
場外ホームランになりそうだなぁギーシュw

437 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 18:18:12 ID:59IZ4TyF
乙ー


438 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 18:22:14 ID:vrFMTgjW
>>432
投下乙でした!
それにしても、ルイズはファルネーちゃんみたいに
口の中に短剣ぶち込まれたりしなくてよかったなあ。
ガッツが丸くなっててよかったよかった

439 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 18:24:35 ID:Ct6B8Cy1
馬に襲われるルイズを見たいと思ったのは俺だけじゃないと思いたい

440 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 18:33:30 ID:iK+66WDY
……ドラゴン殺し背負ったガッツに八つ当たり出来るんなら
ギーシュの勇気に感嘆するね、俺は。
あと拾った香水を届けるガッツが想像出来ないのはなぜだろう?

441 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 18:34:57 ID:ZSaibOQz
落ちていた香水を知らずに踏み割って
気づきもしないガッツなら容易に想像できるがな

442 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 18:35:34 ID:vrFMTgjW
>>440
というかそもそもデザートを運んでる場面が想像できん。
ガッツみたいなウェイターがいたら、客がこねーよ多分ww

443 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 18:37:28 ID:YykFzRsS
>>442
どう見ても「用心棒」です有難うございました。


444 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 18:38:54 ID:SYU/33y3
某有名美少女ヒロインアニメから某キャラを召還
投下してもよかですか?

445 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 18:40:35 ID:ZSaibOQz
来る者拒まずが当スレの心得なり

いざ!まいられい!

446 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 18:47:39 ID:bzE2No/P
大丈夫だよ 支援

447 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 18:49:26 ID:SLI9y5zU
このスレは初書き手を歓迎する。
それはとても残酷だが支援準備


448 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 18:56:00 ID:opfCx1LD
支援の覚悟完了ナリ

449 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 18:56:12 ID:qcJdWjIz
遅いッ!!

450 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 18:59:20 ID:vakHkHx8
とんがったガッツが早く見てー!

451 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 19:02:55 ID:SYU/33y3
ルナが使い魔

「にゃおーん」
「ルイズが普通の猫を召還したぞ!」
「普通じゃないか!」
「オチ無しかよ!」

ルイズが始めて行ったサモンサーバントは成功し、黒猫を使い魔とする事が出来たのだが前世からの宿命の戦いが待っているとは誰も知らなかったのである。まる

「ルイズちゃん、あなたの前世はシルバー・ミレニアムの王女プリンセス・セレニティだったのよ」
「・・・」

そしてなんだかんだでフーケが宝物庫を襲撃し、その現場に居合わせた
ルナとルイズは初の変身をするわけでもなく

「ルイズ、ここは私に任せなさい! バーニングマンダラー」
実際は只のファイアーボールなのだが、いつもより1.3倍ほど大きい
「あのゴーレムの弱点は足」
タバサが冷静に分析している

そんなこんなでセーラー戦士二人はフーケを撃退し、
宝物庫を守る庫とができたのでした。

「・・・これは極秘なんじゃが、ダークキングダムという組織が暗躍している、やつ等の目的は不明じゃがこれから先 困難な戦いになると思う だが、頑張ってくれ」
「ミスタ・オスマン・・・(こいつまで前世系なのか・・・)」

ルイズの誤解は解けるのか!つづく!

452 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 19:12:46 ID:opfCx1LD
えっとおわりなのかにゃ?

う〜ん 状況から見るに 携帯かなんかから直に入力したってとこか。

とにかく乙なのであります。

453 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 19:12:51 ID:59IZ4TyF
…………

454 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 19:13:58 ID:SYU/33y3
ルナが使い魔

「ルイズちゃん、いい加減変身しましょうよぉーーー」
「リーダーは私、ルイズはいらないわ」
「・・・(だめだこいつら)」
「ルイズが前世の記憶に目覚めない限り、変身は不可能」
「・・・(目覚めなくていいわ)」

そしてアンリエッタ王女から下されるアルビオンへの派遣
そこで婚約者であるワルドとの再会

「ははは、お団子頭は元気かい?」
「・・・(団子じゃないんですけど)」

そして盗賊に襲われ、絶対絶命かと思いきや
盗賊の目の前に突き刺さる薔薇(青銅製)
「いまだ、セーラールイズ!」
「・・・(何で仮面被ってるのよ)ギーシュ」

「純情な二人の恋を邪魔するなんて許せない 愛と正義の、セーラー服美少女戦士、セーラールイズ! 月に代わっておしおきよ(棒読み)」

ワルドの裏切りが発覚し、今までのフラストレーションが爆発してしまったルイズはもうどうでもよくなったのでルナに言われるまま
ワルドにムーン・ティアラ・スターダストを食らわせて洗脳を解くと
取りあえず学院に帰還するのであった。
--------
きょうはこれで終わり

455 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 19:18:16 ID:59IZ4TyF
乙とも言えない出来だなこれ。

456 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 19:21:58 ID:GzzYYSQm
こ れ は ひ ど い

457 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 19:25:56 ID:qcJdWjIz
味噌汁で顔洗って出直して来い

…書きたいなら避難所の練習スレでな

458 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 19:26:03 ID:SLI9y5zU
とりあえず乙とだけ言っておく。
酷すぎて何も言えないわこれ…


せめて頭で何回か練って書いた方が良いよ。

459 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 19:27:56 ID:N8iDW4bg
何気に俺が知る中じゃ最も酷いんだが……


460 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 19:29:39 ID:FuQAVBMc
サメの話でも……いや、なんでもない

461 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 19:36:34 ID:tUV/RHDK
どうみてもダイジェスト。
次は年表か……?

462 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 19:41:23 ID:uzsk5WTW
今晩は。初めまして。公明と申します。
只今書きためを行っているのですが、予告編だけでも数時間中に投下して宜しいでしょうか?
KY言われそうで怖いんですが、きちんとやった物なら投下するなら空気的にここと言われたもので。


463 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 19:43:45 ID:vrFMTgjW
>>462
失礼ながら、予告編だけ投下する意味が分かりかねます。

464 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 19:45:21 ID:DQ2YCnUN
まあとりあえず改善の方針だけでも助言してやれよ。


465 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 19:46:58 ID:qcJdWjIz
>>462
【代理用】投下スレ【練習用】
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/9616/1184422324/

466 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 19:48:12 ID:SLI9y5zU
>>460
サメwwwwwwwwwwwwwwwwwww
http://www.vipper.net/vip396920.jpg

467 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 19:51:12 ID:iK+66WDY
むしろSSスレで予告編は不評であり
匿名板で名前を名乗るのは不要であり
きちんとやったものならその本編の投下をお願いしたい次第。

468 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:03:50 ID:TTI0PWFE
First Resから香ばしい リア厨の自慰のHistory
このスレに凍結魔法かけた >>462が突然現れた

469 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:04:31 ID:XA3bez+h
最近このスレも格が落ちたな…いなか者が増えたようだ
(ホテルのレストランで女の子といちゃつきながら、ボソッと)

470 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:05:27 ID:qcJdWjIz
もうすぐ冬休みだしなぁ…

そう云えば今日はサイヤの人来なかったね。
風邪でも引いたのかな…

471 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:05:55 ID:0AZuhata
田舎者?誰のことかな?

472 :ゼロのgrandma:2007/11/26(月) 20:07:10 ID:FqG4CR2/
こんばんわ。
予約します。先週末分という事で。
いつもより少し多目です。

問題無いようでしたら、2分後より投下します。

473 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:08:01 ID:9czIVc9T
んまあ予告編じゃなくて最初の部分から普通に投下してけば問題ないかと。
あと、数時間中って曖昧な予約は他に投下する人たちに迷惑がかかるぜよ。

474 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:10:25 ID:5KXehqrv
granmaキター。
おっしゃばっちこーい。

475 :ゼロのgrandma 1/11:2007/11/26(月) 20:10:39 ID:FqG4CR2/
「口は達者だな」
ワルドは啖呵を切った相手に対し、感嘆――と言うより嘲りに近い感想を述べる。
「あれが効かなかったとは。実に非常識な生き物だ」
「いいえ。結構な気付けにはなりましたよ」
リンディは肩を竦めた。
実際、バリアジャケットの無い常人なら即死だっただろう。
「まあ、魔力の電気変換という事なら、娘や孫の方が遙かに上ですけどね」
言い捨てると、軽く目を閉じた。

視力代わりの探査魔法で、目の前の野心家を観察する。
才気溢れる顔立ち。長身で均整の取れた体格に、如何にも貴族然とした立派な衣装。
瞳から感じる絶対の自信と、自分自身に必要な事以外を切り捨てる非情さ。
心中の明確な目的に向けて、走り続ける人間。
成程。
善悪は理解しつつも、自分の行動を絶対とする男の典型だ。

――だからこそ、無力な少女を何の躊躇いも無く殺害する事が可能なのか。
その上、ルイズとは旧知の間柄であったようだから、彼女の心が受けた傷は大きいはずである。
(人間不信になったら、どうしてくれるのかしら)
と、心の奥が疼くのを自覚する。

本来であれば。
犯罪者を一々憎んでいたら、管理局の上級職など務まらない。
老若男女を問わず犯罪レベルで厳格に判断し、凶悪犯罪者であれば――子供でも終身、牢へと収監する。
無論、事案や事態に対する基準を維持するだけではない。、
全てに於いて、冷徹な判断が求められるのだ。
リンディ自身も、かつて養女とする前の娘の苦境を、見捨てようとした事もある。
結果的に他の者の介入で事態は好転したが、判断自体に誤りは無かった。
それだけの判断が出来るからこそ、艦を任されていたのである。

そして、私人としての彼女も、怒りを表に出す事は滅多に無い。
今現在にしても、ワルドを見る眼差しは平常と変わらないのだ。
だが。
それでも、彼女は怒っていたのだろう。
理不尽な死を与えられようとしていた少女の顔が、脳裏に焼き付いて離れないから。

――敢えて言うなら、それは『母親』としての感情かもしれなかった。


「何れにせよ、だ。主人が庇わねばならぬような死に損ないに、大した事が出来るとも思えんな」
「素手の女の子相手に本気を出さねばならない男性も、大した事は出来そうにないですね」
互いをすり抜ける、感情の乗らない言葉。
「ふむ」
間合いを計るように、ワルドは少し位置を変える。月を正面にするのを嫌ったのだ。
手の内の分からない相手の初撃を、見逃さぬ為だろう。
だが、リンディは微動だにしなかった。ルイズの前から動く気配も無い。
「まるで人形だな。動かぬのか?」
「さあ?」
素っ気ない声に、彼は微かに口を歪める。


476 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:12:03 ID:59IZ4TyF
おかあちゃん支援

477 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:12:38 ID:LgChZ3mL
grandmaキター!支援

478 :ゼロのgrandma 2/11:2007/11/26(月) 20:13:08 ID:FqG4CR2/
詠唱。
無造作に放たれた突風は、土煙を上げたものの――リンディの髪一筋揺らさなかった。
彼女の前に描かれた、煌々と光る魔法陣に遮られて。
「そうですね。別に、動く必要もありませんし」
彼女は呟く。
浮かび上がるのは光球――魔力スフィアが四つ。
それが剣の様な魔力刃に形を変えるのを見て、ワルドは唸った。
「マジックアイテム使いと聞いたが……やはり先住魔法だな。人間の中に潜り込んで何を企んでいた?」
「企むも何も」
リンディが腕を振り上げるに合わせ、回り込むようにワルドが走り出す。
「わたしはルイズさんの、ただの使い魔ですから」
――追うように放たれた魔力刃が、彼の周囲で爆煙を上げた。


この夜の、僅かな時間の中。
何種類もの積み重ねられた感情に、あまりにも左右され過ぎたからだろうか。
目の前の光景を、ルイズは呆けたように眺めていた。
憎悪と侮蔑を浮かべたワルドの顔。いつもとさして変わらぬリンディの横顔。
素早く動き回る相手に対し、それを追って彼女の魔力刃が次々と射出される。
弾速は信じられない程速く、地面に当たれば爆発して、周囲に衝撃を撒き散らしている。
以前、ロングビル――フーケの巨大ゴーレム相手に使用していた魔法だ。
(凄い……けど)
四本。
使われてる魔力刃は、以前は八本同時に撃っていた気がする。

(手加減してる?)
回らぬ頭でぼんやりと考えていると、
「おい、呆けてる暇なんてねえぞ。しっかりしろって」
「え――あ、うん」
小声で話しかけてきたデルフに、彼女は反射的に頷いた。
不思議と、さっきまで呼吸も出来ないほど胸が苦しかったのに、それが消えている。
悲しみだとか恐怖だとかが、綺麗に心の中で散らばってしまったような感じ。
何だろう。
壊れかけていた精神が、変な方向に叩き延ばされた感じがする。
足に力が入らないのは、さっきから変わらないけど。
ついでに、涙で酷い顔になっている事に気付き、慌てて袖口で擦った。
「なによ」
「早いとこ逃げる準備だ。馬が残ってるからよ」
「馬?」
確かに、荷車が吹き飛ばされた際に一頭は怪我をしてしまったようだが、もう片方は無傷の様だ。
残骸に引っかかった手綱を引っ張りながら、じたばたと藻掻いている。
とは言え、この状態からワルドに気付かずに逃げられるとは……?

「……なんで?」
聞いた内容が頭に届く前に、彼は次々と指示を出す。
「相棒が頑張ってる内に、気持ちだけは準備しとけよ。俺を握ってりゃ、魔法だけなら何とかなる」
さっきみたいに杖に直接かけられたのは無理だけどな、と彼は補足した。
「じゃなくて、何で逃げるのよ?」
何故そんな必要がある。
前だって、巨大ゴーレム相手に圧勝してたのだから。本気になったリンディに勝てるメイジなんて――
そこまで考えたとき、ルイズは違和感に気付いた。



479 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:13:49 ID:XA3bez+h
波紋入りのスパゲッティ・ネーロをマカロニで防御しつつ支援

480 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:15:18 ID:v7bcB2NO
デルフ・危険予知 成功
支援

481 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:15:25 ID:FuQAVBMc
大英帝国に進撃しながら支援

482 :ゼロのgrandma 3/11:2007/11/26(月) 20:15:44 ID:FqG4CR2/
リンディは、最初以降、一歩も動かずに魔法を撃っている。
間断を置かない早さだが、それでも同じ射撃魔法の単調な繰り返し。
一方、ワルドの方は必死に避けているように見えるが、結局は時折土砂を被る程度。
魔法も牽制代わりのウインドブレイクばかり。
反撃の機会は確かに少ないけど、それでも様子が変なのは間違いない。
ほら――彼はあんなに余裕の表情を浮かべている。

(ああ、そういうことか)
ルイズは黙ってリンディの後ろ姿に目をやった。
振り上げられた右手の下方に見える、微かな血痕。やはり怪我をしていたのか?
いや、それだけでは無かったはずだ。
いつの間にか自分の周りの地面にも、大きな魔法陣が回っている。
「……わたしを、守る為よね」
溜息を吐いた。
一生懸命、足を擦り始める。触れた感覚が無いけど、座ってる場合じゃない。
せめて、立たねばならないのだ。
「頑張っちゃいるが――ついさっきまで、くたばる直前だったのは事実だかんな」
「だから、今のうちにって?」
どうにも足腰が立たないから、デルフに手を掛けた。
もちろん、地面に突き立てられた剥き身の剣に、体重が支えられるはずもない。
「役に立たないわね」
「杖じゃねえからなあ。……で、お前さん。もう一回言ってもいいか?」
「無駄よ」
立つのを一時的に諦めたルイズは、あっさりと問いを切り捨てる。
「逃げないわ」
「だよなあ」
「リンディを信じてるし、使い魔が頑張ってる以上、主人であるわたしも動かない」
ここで彼女が力尽きるとしても、それは主人の責に帰するものだから。
その後でどうなるかなんて関係無い。
「ちょっと勿体ねえけど、仕方ないわな」
納得したように、デルフも同意する。
本音としては非常に残念なのだ。ルイズの才能が失われてしまうとすれば。
昨日、彼女に使われて分かったことが一つある。
随分長いこと忘れていたが、ようやく思い出したその内容。

ルイズの『系統』は――ほぼ間違いなく。

(……にしちゃあ、何だって相棒は、ガンダールヴじゃないのかねえ)
それだけが不審で不服だが。
「もう少しぐらいは付き合ってやりてえからな。……頑張れよ、相棒」
覚悟を決めた少女の横顔を内心で褒め称えながら、彼は使い魔の健闘を祈る。
(立派な主人の前で、無様な真似を見せるわけには、いかねえもんな)

   ◆  ◆  ◆

僅かな動作でそれを避けると、ワルドはさらに飛行魔法――フライを唱えた。
風系統のスクエアである彼の魔法が、爆発的な加速を与える。
数瞬前にいた場所に着弾する使い魔の攻撃。
その爆発は地面を抉り、土砂を周囲に散らす。煙幕のように視界を遮るが――意に介さず加速した。
(解せんな……もう少しは手強いはずだが)
ある程度こちらの動きを予測してはいるようだが、一つ覚えのように撃たれるだけの物に当たるはずもない。
気付いた事は、上下の動きに等しく左右の動きについていけない事か。
普通の人間なら差異が生じるのだが――
(知った事ではないな)
多少は訝しくも思ったが、彼にとってはどうでも良い事だ。



483 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:17:01 ID:qVfr6sT/
>>479にシーザー乙しながら
支援ノキワミ、アッーー!

484 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:17:47 ID:v7bcB2NO
支援 状況的にはこっちが圧倒的に不利です;

485 :ゼロのgrandma 4/11:2007/11/26(月) 20:17:59 ID:FqG4CR2/
飛行魔法を解除、余勢を駆って位置を進めながら別の魔法を詠唱。

相手の防御が現状で鉄壁である以上、彼がすべき事は一つだけである。
時間を稼がねばならない。
例え一人では倒す術が見つからずとも――そして例えこの『自分』が倒されようと問題は無い。
所詮、ガタが来ている使い魔だ。
さほど長くは保つまい。
そう判断すると、彼は攻撃の合間を縫って、風の槌を叩き込んだ。


(時間稼ぎに入られちゃったみたい……どうしようかしら)
三つ目のディレイドバインド――設置型捕獲魔法を発動させたリンディは、相手の足下に魔力刃を撃ち込む。
散乱した瓦礫を直撃させたが、ほとんどダメージにはならないだろう。
照準が致命的に甘い上に、微細なコントロールも出来ていない。これで当たる方がどうかしている。
(時間、かあ)
表面上は微笑みながらも、彼女は焦慮の念を深めていた。

非殺傷設定を解除したのは、別に相手の殺害を主目的としたわけではない。
他に、選択肢が無かったからである。
使用している攻撃魔法スティンガーブレイドは、弾速と着弾時の爆散に利点がある。
――その僅かな利点に頼らねばならない程、彼女は追い詰められていた。

現状、リンディが運用する膨大な魔力リソースの大部分は、リンカーコアの制御と身体維持に回されている。
それはアルビオンからの帰途の途中で、既に限界水準に達していた。
学院まで自分の生命維持を最優先とする――それが精一杯だったのだ。
それ故に、今現在のような魔法行使する為には、禁じ手を使うしかなかった。

自己ブーストと呼ばれる、魔力付与による能力強化。

元々、高度な制御能力を持つリンディが一時的な能力強化を行っても、さほどの効果は得られない。
出力や効率が多少上がるにせよ、身体に加わる負荷も増えるからだ。
しかも、現状ではその負荷を抑える為にリソースを割いている。逆効果の部分は大きい。
それでも敢えて、彼女はそれを行った。
得られた分から逆効果分を差し引いて残る、僅かな効果を得る為に。

ところが、そうして得られた力の大半すら、探査魔法を維持する為に使用されていた。
(組織なんて言ってたものね。時間が経つほど不利なのは分かってるけど)
少なくとも、ロングビル達が対応した連中を手配した者が、近くにいるはずなのだ。
このワルドという男に、たった一人で待ち伏せや捜索、手配等が出来る訳がない。
いつ来るか分からない援軍の可能性が、どうしても懸念として残る。

そう――結局、攻撃魔法に回せる余力など、無いに等しかった。
周囲の索敵とルイズ用の防御魔法維持、不調を訴える自律神経と代謝機能の維持と補填。
既に生身の視覚では、相手を追い切れない。

それに。
(どうせ、逃げる力も残ってないもの)
彼女は認めざるを得ない。
結界を構築しても、長時間維持出来る程の力は残っていない。力尽きれば、残るのは無防備なルイズ一人だ。
捕獲魔法で相手を捕捉しようにも、この世界の環境下で、精密な遠隔操作を出来る力も無い。
置きっ放しの設置型を数個並べるのが精々だ。
そこへ追い込むように撃ってはいるのだが、上下左右に動ける相手では偶然を期待するしかないだろう。
こちらは、立っているだけがやっとの状態なのだから。



486 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:19:44 ID:v7bcB2NO
sien

487 :ゼロのgrandma 5/11:2007/11/26(月) 20:20:01 ID:FqG4CR2/
同じ理由で対象の強制転送も使えないとなれば、最後に残るのは、転移魔法による脱出。
――だが、この位置から学院まで跳ぶ自信も無かった。
(本当、手詰まりの見本みたいな状況……!)
爆音の中で微かな手応え。
今の一撃は、相手のマントを切り裂いたようだ。――ほとんど運任せだったが。
リンディは焦りを感じながらも、冷静に残り時間を数えていた。
能力強化を維持出来る時間は、そう長くない。
ある程度制御を肩代わりしてくれるだろうデバイスも、彼女は保有していないのだ。

とにかく確証が欲しかった。
残る全ての力を注いだ時、ルイズの安全が確保出来るという確証が。
それが得られない限りは、現状維持を崩せない。
無論、このまま限界時間を迎える可能性も高かった。
その場合の最終手段は、転移魔法となるだろう。一歩でも学院に近付く為の最後の賭け。



そう考えた矢先の事だ。

(やっぱり来ちゃったか。悪い予感ばかり当たるのは嫌な癖ね)
リンディの探査魔法は、空中から飛来する生物を捉えていた。
見せてもらった書物で知った、グリフォンという幻獣の一種。それに騎乗した人影が一つ。
それはどこか見覚えのあるような――

「――え?」
一瞬、彼女は思考を止めた。
その隙をついてワルドの魔法が襲うが、防ぐのが精一杯で反撃する余裕も無い。
もう一度、魔法を併用して相手の男を観察する。その体躯や服装、手に持った杖の形状まで。

同じ?
(ちょ、ちょっと待って)
有り得ない。
自然成長を遂げた上で寸分違わず同じという人間は、例え双子でも存在しないのだ。
「幻術魔法? いいえ、そんなはずは……」
知人の使う魔法――例えばフェイク・シルエットという幻影は、あくまで攪乱用である。
この場で援軍を装わせる意味はほとんど無い。

目の前の男は実体。魔法で攻撃し、杖で物理衝撃を与えてきていた彼は本物だろう。
では、上空のグリフォンから飛び降りてくる存在は何なのか?



呆然と立ち竦むリンディの前に、男が一人舞い降りる。
先程から居る者と、全く同じ容姿の男が。

後方から、ルイズの呟く声が聞こえた。
驚愕に彩られたそれが一つの単語を告げ、リンディも聞き覚えのある『魔法』を思い出した。
彼女は理解しておくべきだったのだ。
数日前の教室で、ギトーなる教師が行使した魔法の本質を。
そして。
風系統の魔法――『遍在』は、幻影などとは根本的に異なる存在だということを。

   ◆  ◆  ◆



488 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:20:28 ID:XA3bez+h
ううッ!すわったままの姿勢で支援を!

489 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:21:31 ID:v7bcB2NO
支援

490 :ゼロのgrandma 6/11:2007/11/26(月) 20:22:28 ID:FqG4CR2/
「さっきの、リンディ?」
「じゃないかしら……ねっ!」
ロングビルの構築した土壁が次々と相手を襲うが、難なく避けられてしまう。
だが、直後に放たれたタバサの突風で動きを止める事に成功。
このタイミングでキュルケが魔法を撃ち込めればいいのだが――残念ながら彼女は後方警戒に回っている。
一歩遅れて更に風の刃が飛ぶ。しかし、相手は既に後方へと下がっていた。

結局、この繰り返しだ。
近接戦闘に自信がありそうな相手が、踏み込んで来ようとするのを追い払うだけ。
お互いに決め手を欠いている。

「どうにも腹立つわね」
愚痴りながらも、キュルケは警戒を崩さない。
付かず離れずで攻撃してくる相手は、三人の内二人で対処すれば何とかなる。
だが、一人は必ず背後を守らねばなるまい。
ちらり、と横を見れば、周囲を同じように警戒しているタバサの使い魔が見えた。
(タバサに指摘されるまでもないわね)
こうまで露骨に牽制ばかりを繰り返されれば、誰だって伏兵の存在を疑う。

「それしたってさ、忙しい最中にああいう事をされると困るっての」
ロングビルは、再び距離を置いた相手を見ながら文句を言った。
先程、一瞬だけ視界に重なるように映った幻覚の事である。

自分の前で、青白く光る杖を振り上げたワルドの姿。
見上げる視点の低さは、座り込んでいるからだろうか。
これは……ルイズの視界?

その内容は、今更説明されるまでも無い。
「危ないって事は分かるんだけどね」
キュルケも同意する。
彼女が危機を迎えているという事実を、十二分に理解出来たからだ。

――おそらく、リンディが何らかの魔法で伝えてきたのだろう。

「多芸多才なヤツだよ、あの化け物は」
「聞いたこともない魔法だけどね」
再びタバサと位置を交代したキュルケが、不思議そうな顔で呟いた。
「それにしても、あっちがああいう状況って事は」
「こちらは足止め……だとは思うけど、一緒に始末する気ってな可能性も高いね」
あれは確かに、ワルド子爵だったはずである。
だとしたら、こちらが彼の行動を攪乱した意図にも気付いている。処分を考えて当然と言えた。
「確かにいい男だったけど、目つきがイヤらしいわ。冷たいっていうよりトカゲみたい」
「本性丸出しって感じだったね。執念深そうな……だけどそうなると」
ロングビルは冷や汗を浮かべた。
直接騙した事になっている自分は、かなり危険である。
早いとこ学院に戻り、引き籠もるか――あるいはこの機会に、ワルドを確実に始末しないと?
(暗殺されるのはゴメンだよ)
攻撃的な思考に切り替えようとした時、再び微かな幻影が目に映った。



491 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:24:41 ID:v7bcB2NO
支援 死ぬなよ、まちる(ry

492 :ゼロのgrandma 7/11:2007/11/26(月) 20:24:59 ID:FqG4CR2/
背中を見せたリンディの前方に立つ、二人の男。

「なんだい、ありゃ……」
思わず呟いた瞬間、背後から上がる焦りを帯びた声。
「しまった、遍在」
「え? あ……ああ?! そっか、しまった!」
タバサに続いてキュルケも叫んだ。
全員が気付いたのだ。
ワルドが風系統のスクエアなら、協力者や部下だのを必要としない可能性がある事を。
学院とは相当距離の離れた港町に出現させる事が出来るなんて、想像の範囲外ではあったけど。

さらに言うなら、目の前の男はもしかすると?

代表するように、ロングビルが問い掛ける。
「あんたまさか……ワルド子爵様かい?」

沈黙は僅かだった。
「ほう。ようやく気付いた――と言ってもいいのかな」
男が、ゆっくりと仮面を外す。
それはまさしく、想像通りの顔を持っていた。
「ついでに言っておこう。遍在とは――」
彼は、実に楽しそうな表情で付け加える。
「風の吹くところ、何処にでも現れる。無論それは一人に非ず。ここにいるのは――さて何人かな?」


「こいつはどうも」
「拙いわね。タバサの予想が完全に当たってたって事か」
舌打ちしたロングビルに、キュルケも同意する。
ワルドが幾つ遍在を作り出せるか知らないが、確実に始末する気なら後一人は潜んでいるはずだ。
場合によっては、さらに増える可能性すらある。

隙を見せれば、それこそあっという間に殺されかねない。
キュルケはあっさりと撤退を決めた。
「タバサ、逃げる準備!」
目配せで理解したのか、ロングビルが大規模な魔法の準備を始めている。
一瞬でも相手の視界を広範囲に遮る事が出来れば、風竜に飛び乗る時間を得る事が可能だ。
逆に、無防備になるその瞬間が一番危険になる。
「タイミングを合わせて、一気に行くわよ。いい?」
そう言われたタバサは、頷こうとして動きを止めた。

それは違和感だった。
風系統のスクエア。圧倒的な実力。最初にいたもう一人。
牽制しかしてこない相手の行動と、今の挑発と脅迫を兼ねたような言い回し。
別の場所で対決中らしいリンディとワルド。
――そして、リンディの能力とルイズの危機。


「違う」
「タバサ?」
後方警戒をしていたタバサが正面に向き直るのを見て、キュルケが訝しげに応じる。
「二人も三人もいるなら、こんな事はしてない」
そうだ。
最初だけは確かに二人いた可能性はあるが、今は間違いなく一人だ。
数で圧倒出来るなら、さっさと終わらせていたはずだから。



493 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:26:19 ID:v7bcB2NO
sien

494 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:26:38 ID:FuQAVBMc
ふえる支援

495 :ゼロのgrandma 8/11:2007/11/26(月) 20:27:05 ID:FqG4CR2/
と言うことは。
「やられた……最初っから混乱させる事が目的だったのかい」
「一番の目的はルイズだもんね。わたしたちの始末は、後からでも良いわけだし」
最小限の戦力でこちらを足止めするには、二人以上存在すると思わせるのは悪くない手だ。
おそらく本体とそれ以外も向こうだろう。
ついでに言えば、こちらが少しでも負担を引き受ければリンディの方が楽になる。
幾ら化け物でも、病身の上に主人を守りながらでは、スクエアの相手は厳しいはず。
「あっちが負けた途端、こっちに全力が回ってくるってわけだし」
「それは願い下げだね。――わたしが後に回るよ」
ロングビルは見せかけの後方警戒の為に、立ち位置を入れ替える。
タバサの視線を受けた使い魔が、その大きな翼を広げた。

大地より飛び立つ風竜を、ワルドの視線が追っている。
逃げ出す準備だと判断して、隙を狙ってくれるというのであれば――
「じゃ、いくわよ」
キュルケがフレイム・ボールを。
タバサがウィンディ・アイシクルを。
そして背中を向けたロングビルが、何事かを唱えて。

青白く光る杖を構えたワルドが、猛然と走り出した時。
彼女たちは、一斉に杖を振り上げた。

   ◆  ◆  ◆

「風の魔法が最強たる所以がこれだ。お前が先住魔法の使い手だとしても、対応出来まい?」
「……そうですね」
ワルドが意気揚々と説明を終えたとき、リンディは頭を抱えていた。

何故だろう。
絶望的な事態なのに、苦笑しか浮かんでこないのは。
(高度なレベルで構築された力場なら、物理干渉もあり得るけど……それが魔法も使えるって何?)
冗談にも程がある。
本人と同じ姿ではなく、本人と同じ存在を作り出せるなんて。

実際、彼女は呆れ返っていた。
杖で殴りかかれるような分身を構築する事は、何とか理解してもいい。
だが、それが本人と同じ魔法を使えるとなると、根本的な部分で理解を超えている。
しかも高度な術者が使うというのだから話にならない。ただでさえ強力な存在がそのまま増えるのだから。
対抗する方としては――まあ、言えるのは一言ぐらいか。

「反則ですね」

ぽつりと漏らした言葉に、ワルドは嘲るように応える。
「今更後悔しても始まらぬだろう? 己の小賢しさこそを悔やむがいい」
「御高説、ごもっともですが」
リンディは首を傾げた。
「一人増えた位では、わたしは倒せませんよ? 貴方の魔法は届きませんから」
「だがそれも、限界があるはずだな」
彼は、にやりと笑った。
「先程からお前は、ほとんど動いていない。病を得た身なれば、既に体力も残っておらぬのだろうが」
そう言い当てた彼から、更に分身が増える。
二人。
本人を含めて四人のワルドが、彼女たちを取り囲むように歩み始めた。



496 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:28:31 ID:v7bcB2NO
支援

497 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:28:49 ID:ac9PN7iA
支援

498 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:29:40 ID:L10jI799
リアルタイム支援

499 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:30:04 ID:lIYrtLPW
支援

500 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:30:07 ID:RaRrEDok
初支援


501 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:30:26 ID:SLI9y5zU
ガトチュ☆支援☆ターイム!!(期間限定)

502 :ゼロのgrandma 9/11:2007/11/26(月) 20:30:36 ID:FqG4CR2/
「それで全てですか?」
四方へ散った姿を気にせず、正面の男へと話しかける。
問われたワルドが鼻で笑う。
「さて。そこまで手の内を晒す必要は無いが――これだけは教えてやろう」
大気の震える音。
後方からルイズ目掛けて放たれた風の槌を、リンディの防御魔法が防いでいる。
「少なくとも、お前の策に乗った愚かな女共は、直に死ぬことになる」

リンディは目を細めた。
「どういう事です?」
「学院の秘書殿を誑かして、助力させたのはお前だろうが。――ああ、ついでにルイズの友人もいたようだ」
ロングビル、それにキュルケとタバサの事だろう。
だが、今この場にいる彼が殺意を語るには、随分と断定的だ。
「わたしたちを始末した後に、彼女たちも狙うという事ですか」
「違うな。直に、と言ったはずだ」
「まさか――」
彼女は理解した。ロングビルたちに危機が迫っているのは現在――今まさにこの時なのだ。

「私の意志の力を侮るな。言っただろう? 距離は力に比例すると」
「何度も思った事ですが……本当に凄まじいですね。『ここ』の魔法は」
彼の遍在とやらが、何体彼女たちを襲っているのかは分からない。
だが、内二人は学生に過ぎないのだ。
そしてこの男は、子供相手だからといって容赦などしない。


何故だろう。
――――――どうして、このワルドという人は。


「腹立ち紛れに余計な殺生を行うとは、情け無いですね。貴方の狙いは、わたしたちと手紙でしょう?」
「違うな。この件に関わった者、全ての口を封じる必要が生じたのだよ」
彼は語る。
ウェールズの殺害には失敗したものの、アルビオン王家が滅びることは決定済みだ。
逃げていたとしても、再起には時間が掛かるはず。当面は放置しても構わない。
そうなると次は、トリステイン王家の番だ。
新しいアルビオン軍がトリステインに侵攻する際、最高の舞台の幕が開くだろう。
アンリエッタ王女と、マザリーニ枢機卿の暗殺。
今の立場さえ維持しておけば、ほぼ確実に成功する。――その結果。
国全体が混乱し、組織だった抵抗も出来ぬまま、この国はアルビオン傘下へと降ることになる。

その為には、連中の処分は必要不可欠である。
手紙さえ残れば、アルビオン貴族派の手に掛かったルイズたちの死を、美談として伝える事も可能だ。
悲しみに沈んだ王女は、より多くの信頼を寄せてくるかもしれない。
「あの女共が死ぬのは、全てお前の責任という事だ。愚かな上に無関係な者を関わらせるとは」
実に無様な生き物だ――そう彼は笑った。

リンディは一言も反論しなかった。
彼女たちを巻き込んでしまったのは事実だから。そして、愚かだという事も否定出来ないから。
それでも一つだけ――深い溜息を吐いた。


――――――自ら、全ての選択肢を断ってしまうのか。
こちらにはもう、捕らえて連れ帰るような力は残っていないのに。


「もう結構です」
ぴしゃり、と言い放ったリンディは、一瞬だけルイズの方を振り返った。
が、すぐに向き直る。
「貴方を倒せば、彼女たちも救える――そういう事でしょう?」


503 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:31:39 ID:qcJdWjIz
sien

504 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:32:39 ID:qcJdWjIz
支援

505 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:32:41 ID:v7bcB2NO
支援

506 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:32:47 ID:59IZ4TyF
こう見るとワルドはホントいい悪役だよね支援

507 :ゼロのgrandma 10/11:2007/11/26(月) 20:33:21 ID:FqG4CR2/
「そうだな。出来る事とも思えんが」
話す最中も、絶え間なく左右から魔法が降り注いでいる。彼女の力を削る為に。
「それと気付いた事が一つあります。貴方ほどの自信家なら、他人に仕事を任せる事はしませんね」
「何が言いたい?」
「彼女たちが相手をした人の手配をしたのは、貴方自身ですね? つまり」
背後に誰がいようとも――この件においては最初から最後まで、実働部隊は彼だけという事。
協力者など存在しない。
ルイズとロングビルたちの生命を脅かす者は、唯一人。

指摘されたワルドは、無言で肩を竦める事で肯定した。
「それで、どうする? 命乞いでもして見せるかね」
「いいえ」
リンディは首をゆっくりと振った。

「折角ですから、ご披露しますね。――リンディ・ハラオウン、今生最後の一撃です」

そう告げた彼女は、微笑みながら魔法陣を描く。
そして。
身体維持に回されていたリソースの、ほぼ全てが解放された。

   ◆  ◆  ◆

ルイズは息を飲んだ。
振り返ったリンディが浮かべたもの。
それを見た瞬間、これから何が起きるのか分かってしまったから。

(そう。そういう事なのね)
大きく息を吸った。
胸が痛む。まるで抉られるかの様に。
今まで、あんな透明感のある微笑みを見たことは無かった。
――あれほど言葉に代わるものがあるだろうか。

「泣かないわ……絶対に」
呟きながら、ルイズは震える足で立ち上がる。
剣を掴むと、落とさないように握りしめた。――そう、握ったのだ。縋ったわけじゃない。
己の使い魔が、命を懸けようとしている。
悲しむ暇なんて無いし、そんな権利も無い。
最後まで見届けて、もし最悪の結果となったら自分が一矢報いねばならない。
主人に出来る事なんて、それ以外に何があるというのだろう。

(リンディ……!)
無言で目の前の光景を睨む彼女は、己の頬を濡らすものを最後まで認めなかった。



「何をやらかすかと思えば」
ワルドは肩を竦めた。
他の遍在も、観察するように動きを止める。
リンディが描いたのは、先程までとは比較にならないほど広大な魔法陣。
――大仰ではあるが、上に浮かんだ魔力刃は四本のままだ。
「どんな芸を見せてくれるのかね?」
「これは、元々息子が使用していた魔法です」
彼女は静かに語った。
保有する多くの魔法の中から、敢えてこれを選ぶのは感傷からかもしれない。
「多くの努力の上に積み上げたもので――そうですね。十年程前にはこれくらいかな」
両腕を、招き入れるように開いた。



508 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:34:25 ID:v7bcB2NO
支援

509 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:34:28 ID:qcJdWjIz
支援!!!!

510 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:34:30 ID:ac9PN7iA
支援

511 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:34:37 ID:XA3bez+h
その身尽きてもその支援は死なず…

512 :ゼロのgrandma 11/11:2007/11/26(月) 20:36:01 ID:FqG4CR2/
魔力スフィアが次々と出現する。
四つ、八つ、十六、三十二――――輝く魔法陣の上を、その光が次々と彩っていく。
そして生み出される魔力刃。
先程と同じ物。形状は何一つ変わらない。
違うのは――

「馬鹿……な」
ワルドは茫然と目を見開いた。
四本が二倍となってもほぼ無意味だ。十倍となっても遍在で攪乱する事で、何とかなるだろう。
どちらにしても――これが最後だと言うなら、これさえ避ければ後は幾らでも料理出来る。
だが。

百を超える光を、リンディは懐かしげに眺めていた。
「子供の頃でこうでしたから……今なら遙かに多く制御出来ると思います」
魔力量に秀でた面を持たない彼が、どれほど苦労を重ねてきたか。重ねているか。
母親である自分ですら、本当に理解出来ているか分からない。

残念なことに、自分と息子には大きな違いがあったから。

「今なら、これくらいでしょうか?」
さらに光は増える。およそ倍近い数に。
息を飲む気配に続いて、ワルドから引きつり笑いに似た声が漏れだしている。
それは、何かを呪うような。

「そして、申し訳無いとは思うのだけど……今のあの子でも」
リンディは、ほんの少しだけ躊躇った後。

「わたしの力には、届かないんです」
そう口にすると、慈しむように空を見上げた。その先にあるのは懐かしい世界。
周囲を輝きが包んでいく。
増え続ける数多の光が、彼女を幻想のように浮かび上がらせた。



化鳥の様な雄叫びが上がる。
眼前を埋め尽くした無数の光から、ワルドは全力で逃げ出した。遍在がそれを守るように続く。
彼は心の中で、ひたすら叫んでいた。
化け物。
あんな物がこの世に存在しているはずがない。存在していいわけがない。
本能が今更ながらに理解したのだ。あれは本来、都市一つ滅ぼせるような存在なのだと。
必死に飛行魔法を唱える。
ようやく体が宙に浮いた。まだ相手からの攻撃は来ない。
一歩でも離れないと――そう思考した瞬間。

「スティンガーブレイド――――」

彼の耳に、涼やかな声が響いた。
穏やかで冷厳な。――それは、文字通りの執行を告げるもの。

「――――――――エクスキューション・シフト」

細い腕が振り下ろされる。
引き絞られた弓が、矢を放つように。
同時に全ての環状魔法陣が稼働し、保持した刃の照準が定められた。
最後に囁かれるのは――彼と自分自身への終焉の言葉。

そして。
悲鳴が響き渡る中――撃ち出された無数の魔力刃が、雨の様に降り注いだ。

513 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:37:48 ID:fWKKryKF
ワルド南無

514 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:38:02 ID:v7bcB2NO
GJびっくり仰天

515 :ゼロのgrandma:2007/11/26(月) 20:38:15 ID:FqG4CR2/
投下完了です。
支援感謝ー。
次は、週末です。

516 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:38:41 ID:qcJdWjIz
死んだな…ワルド

HAHAHAHAHAHAHAHA!!!!!

GJ!

517 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:39:00 ID:L10jI799
この世界でもしStarlight Breakerを撃ったら水爆どころの話じゃない爆発が起きそうだな・・・

518 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:40:15 ID:ac9PN7iA
悪役が悪役な作品はよい作品だ、そして悪役な悪役が私は大好きだ。
GJ!

519 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:42:28 ID:OjeafkIe
何この根絶の流星雨 乙!

悪役といえば某Extreme佐山様を思い出すなぁ

520 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:42:37 ID:7CuNbqKc
GJ!!まさにがばいばあちゃんwwww



FSSからクリスティン・Vを召喚……は
彼女自身は元の世界から消えたくないんだよな

521 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:42:49 ID:f8pZIhHE
>水爆どころの話じゃない爆発が起きそうだな・・・
片道14万8千光年の旅に出たあの艦の決戦兵器クラスは確実だろ
アルビオン浮遊大陸ごと消滅は堅い

522 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:44:47 ID:wtadzCca
GJ!
殺傷設定だから、ワルドは間違いなく死んだな。

523 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:45:29 ID:L10jI799
>>521
下手したら地殻津波が・・・

524 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:49:10 ID:c5KAx2mG
GJ!
今生最後……リンディさん、貴女の白タイツ姿一生忘れません!


>>460
くだらん小ネタもどきがシャークに触る

525 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:49:56 ID:qVfr6sT/
GJ!!
ところで、アルビオン編でワルドが死ぬSSっていくらくらいあるかな?

526 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:52:01 ID:VV8nBnce
GJ!
最高だったぜ。

ところで、るるるってタイトルをみてると、
才人と一緒また一緒才人が戻ってくるるるるるるるるるるるる
を、思い出してしまう・・・・・・。

527 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:52:15 ID:rNcrUrGV
さすが母親属性がチート気味の補正がかかる世界から来たお方だGJ!!

528 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:55:55 ID:f8pZIhHE
これでオーバーブースト耐性のあるカートリッジ使いが召喚されてたら
マジ虚無も形無しだな
特にあの三人娘、トリプルブレイカーで星砕きぐらい出来そうだ

529 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:57:04 ID:L10jI799
スレ違いかもしれないが別の魔法世界にルイズが召還されたらどうなるんだろ

530 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 20:59:34 ID:XA3bez+h
うおう、GJ! さようなら、ワルド子爵…

531 :爆炎の使い魔:2007/11/26(月) 21:01:28 ID:lPxWjpE4
投下予約したいのですが、よろしいですか?

532 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 21:02:37 ID:r6iyEteX
>>528
いや待て
星の規模にもよるがやつらなら多分一人で星を砕ける

533 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 21:05:36 ID:L10jI799
>>531
丁度読み返してた所にキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!
デルと一緒にリアルでおでれーたおでれーた言ってます
今度サインください

534 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 21:06:29 ID:ClLo3d0B
イヌオウで支援だ

535 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 21:07:47 ID:r6iyEteX
おっと職人が来た
支援する

536 :爆炎の使い魔:2007/11/26(月) 21:08:32 ID:lPxWjpE4
では、いきます。

ヴェストリの広場は魔法学院の西側にある広場である。西側にあるそこは、日中でも日があまり差さない場所のため、普段はあまり人もいない場
所となっている。
しかし、本日はギーシュの決闘の噂を聞きつけた生徒たちで、広場は溢れ返っていた。
「諸君!決闘だ!」
ギーシュが薔薇の造花を掲げると周りから歓声が上がる。
「ギーシュが決闘をするぞ!相手はルイズが召喚した、あの平民だ!」
そんな声に対して、ギーシュは腕を振っている。
ひとしきり歓声に対して応えた後、ヒロのほうを振り向いた。
ギーシュはヒロのほうをぐっと睨む、しかしヒロは目を瞑ったままで立っている。
「とりあえず、逃げずに来たことは褒めてやろうじゃないか」
「・・・・」
何も言わないヒロ、その無言を怯えと受け取ったのだろう。ふふふ、と笑いながらと薔薇の花をいじっていた。
「さて、では始めるか」
「まて」
無言だったヒロが言葉を放つ。
「なにかね?」
「決闘だそうだが、何か明確なルールはあるのか?どうすれば勝ちになる?いや、違うな、どうすれば貴様は負けを認める?」
「何を言うのかと思えば・・そうだな。僕はメイジだ。メイジは杖がなければ魔法が使えないからね。僕の杖はこの薔薇だ。この薔薇を君が奪え
たら勝ちにしよう。君が泣いて謝ればその時点で終了でもかまわないよ」
「わかった」

「こんなの見ようと思うなんて珍しいわね。タバサ」
「別に・・・」
広場にはあのキュルケもやってきていた。そしてその横には短い青髪の少女、名をタバサと言うようだ。
「まあ、なんとなく、普通の人間とは違う感じがするけど、所詮は平民でしょ?ギーシュには勝てないんじゃないかしら・・・」
「ただの平民ならそうかもしれない。けれど、何か変な感じがする」
「ふーん」
この戦いに、というよりヒロに何かを感じるタバサ。
キュルケはあまり興味がないようだった。

537 :爆炎の使い魔:2007/11/26(月) 21:09:20 ID:lPxWjpE4
「よし、開始だ!」
ギーシュは言うないなや、薔薇の花を振った。
花びらが1枚宙に舞う。
すると甲冑を着た女戦士の人形が現れたのだった。
身長は人間と同じくらい、硬い金属製らしく陽の光を受けて、甲冑がきらめいていた。
(金属製のゴーレムか。サイズは人間とほぼ同等・・・さて・・・)
「僕はメイジだ。だから魔法で戦う。文句があるかい?」
「まさか」
「ふふん、いい覚悟だ。そうそう言い忘れていたね。僕の二つ名は『青銅』。青銅のギーシュだ。従って、青銅のゴーレム『ワルキューレ』がお
相手するよ」
言うが早いか、女戦士の形をしたゴーレムがヒロに向かって突進してきた。
ゴーレムの右の拳がうなりをあげて、ヒロの腹に放たれる。
ヒロはそれをなんなくかわす。次々と拳を突き出すゴーレム。それを紙一重で避けるヒロ。
「くくく、どうした?青銅のゴーレム。発想は悪くはないが、動きが単調すぎるな。操る物体の動きは、そのまま使い手のセンスが問われるもの
だがな」
悠々とゴーレムの攻撃をかわしながら、そんなことを言うヒロ。
「くっ。平民が調子に乗るなよ!」
ゴーレムの攻撃は休むことなく続いていく。しかし、ヒロにとってはこの程度の攻撃、避けることは造作もないことであった。
そんなことが10分ほど続いただろうか。
「おーい、ギーシュ。いつまで遊んでるんだ?」
「つまんないから早く終わらせろよ。ギーシュ」
攻撃する。かわす。の繰り返しに次第に退屈さを感じてきている生徒たちが野次を飛ばす。
(遊んでるんじゃない!本当に当たらないんだ。かすりすらしない!)
飛んでくる野次などどこ吹く風か、ギーシュは戦いに集中することで精一杯だった。


「あふ・・・粘るわねー・・・飽きてきちゃった。そりゃ平民にしちゃよくやるけど、避けるばっかりじゃねぇ」
退屈さが溜まってきたキュルケ。
「ねぇ、もう帰らない?」
「まだ、あの使い魔、全然疲れてない」


538 :爆炎の使い魔:2007/11/26(月) 21:10:14 ID:lPxWjpE4
そして、突然動きを止めるヒロ。
「は、はははっ頑張ったようだが、避け続けるだけでは体力を消耗するだけだね。さすがにこれだけの時間動いていれば、そりゃ疲れもするだろ
う」
動きが止まったヒロを、ギーシュは疲労によるものだと判断したのだろう。ギーシュは笑い声を上げた。
その時、人ごみの中からルイズが飛び出してくる。
「ギーシュ!」
「ルイズじゃないか。悪いけど、君の使い魔をお借りしているよ」
「いい加減にして頂戴!大体、決闘は禁止されてるはずでしょ!?」
「決闘が禁止されているのは貴族同士の場合のみ、だけじゃないか。平民との決闘が禁止されてるなんて、そんな決まりごとはありはしないよ」
ルイズは言葉に詰まる。
「そ、それは・・・そんなこと、今までなかったからであって・・」
「ルイズ・・・」
ヒロがルイズの肩を掴む。
「ヒロ、決闘なんてやめなさいよ!貴方はせっかく呼び出した。初めての私の成功そのものなのよ!」
ヒロは困ったような笑みを浮かべる。
「おやおや、わが主人は心配性だな。だが、そこまで言われては、なおさらやめるわけにはいかぬな。不本意ではあるが、使い魔として呼び出さ
れた以上、期待に応えねば、私の名が廃ると言うものだ。そういうわけで少しは信用して下がっていろ」
「もう、知らないんだから!」
そう言って下がるルイズ。そんなルイズを見届けると、
「さて、ようやく体が温まってきたところだ。避けるのも飽きた」
「はっ減らず口もそこまでだ!行け!ワルキューレ!!」
ギーシュが杖を振ると、突進するワルキューレ。ヒロは動く気配がない。
(これで終わりだ!)
ギーシュは勝利を確信した。
ワルキューレに対し、ヒロは着ていたローブを翻す。そして、ヒロの姿がローブに隠れた。しかし、ワルキューレはかまわずに突っ込んでいく。


その時、ローブを突き破り、巨大な腕がワルキューレの胴体を掴んでいた。


539 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 21:10:58 ID:ac9PN7iA
支援

540 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 21:11:05 ID:vESXcRQW
支援


541 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 21:11:31 ID:r6iyEteX
支援

542 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 21:11:35 ID:9bwP9MD1
ウェイブ支援

543 :爆炎の使い魔:2007/11/26(月) 21:11:53 ID:lPxWjpE4
学園長室に舞台は移る。
ミスタ・コルベールは、唾が飛ぶ勢いでオスマン氏に説明している。
ルイズが呼び出した平民の少女のこと、ルイズがその少女と『契約』した際に現れたルーン文字が・・
「始祖ブリミルの使い魔『ミョズニトニルン』に行き着いた。というわけじゃな?」
「そうなんです!あの少女の額に刻まれたルーンは、伝説の使い魔『ミョズニトニルン』に違いありません。従って、あの少女は契約したことに
よって『ミョズニトニルン』に覚醒した。と考えるべきです」
「ふむ、確かに同じルーンじゃな。しかし、それだけでその少女が『ミョズニトニルン』だと決め付けるのは、早計ではないかね?」
「そうかもしれません。ですが・・・」
すると、ドアがノックされた。
「誰じゃ?」
扉の向こうから、ミス・ロングビルの声が聞こえてきた。
「私です。オールド・オスマン」
「なんじゃ?」
「ヴェストリの広場で決闘をしている生徒がいるようです。一人はギーシュ・ド・グラモン」
「もう一人は?」
「それが、メイジではありません。ミス・ヴァリエールの使い魔の少女のようです」
オスマン氏とコルベールは、顔を見合わせ頷く。
「教師たちは『眠りの鐘』の使用許可を求めておりますが」
「アホか、たかが子供の喧嘩に秘宝を使うなんぞ、放っておきなさい」
「わかりました」
ミス・ロングビルの足音が遠ざかっていくのを確認すると、オスマン氏は杖を振る。
すると壁にかかった大きな鏡にヴェストリの広場の様子が映し出された。



「な、ななな、なんだそれは」
ギーシュはうめく。
「な、なによあの腕・・・」
ワルキューレの胴体を掴んでいた腕は、ルイズも初めて見る左手であった。
ワルキューレは空中に持ち上げられて、じたばたともがくが、ヒロの手は離そうとしない。
そして、ヒロは短く詠唱を終え、呟く。
「ファイア」


『ファイア』ネバーランドにおける火属性の魔法の1つである。ネバーランドでは、種族、職業にかかわらず魔法が使える。その中でも『ファイ
ア』は火の属性の魔法の中でも初歩中の初歩。しかし、母親から火魔法の素質と父親から受け継いだ膨大な魔力。その2つを持ったヒロの左手か
ら放たれたソレは、とてつもない威力をもってワルキューレに襲い掛かった。

544 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 21:13:04 ID:r6iyEteX
支援

545 :爆炎の使い魔:2007/11/26(月) 21:13:22 ID:lPxWjpE4
ヒロの炎を受けたワルキューレは、燃えることなく、熔けて地面にどろりと落ちた。
そんなワルキューレを見て、ギーシュは戦慄する。
「な、何だ今の!?」
「ま、まさか先住魔法!?」
周りの生徒たちも、平民だと思っていた少女がいきなり魔法を、しかも杖を無しで行使したことに驚きを隠せないでいた。
「先住魔法?残念ながら私が使うのは『普通』の魔法だ」
そう言うと、ギーシュの方を向くヒロ。
ギーシュは慌てて薔薇の杖を振る。花びらが舞うと、新たなゴーレムが6体現れた。最初に出した1体とこの6体をあわせた7体がギーシュの最
大の武器である。最初に1体しか出さなかったのは、単純に侮っていたからである。
「全員でかかれ!ワルキューレ!」
6体中5体のゴーレムがヒロに踊りかかる。6体現れたゴーレムを見ても、ヒロは動じない。またも詠唱をワルキューレたちが来る前に終える。
「クリムゾンエッジ」
ワルキューレたちがヒロに触れようとした瞬間、ヒロの周りを炎の竜巻が舞う。その衝撃で5体いたワルキューレはばらばらになり、吹き飛んだ。
そして、ヒロはギーシュに向かって駆け出す。
「ワルキューレ!!」
最後の一体を盾にするギーシュ。しかし、ヒロの炎をまとった右足の蹴りで粉砕。さらに返す左足の踵でギーシュの顔面を蹴る。
「ギャッ」
顔を蹴られたギーシュは、吹っ飛んだ後地面に転がる。
眼前にヒロの顔が見え、やられる!と思って顔を抱える。すると、先ほどのワルキューレと同じように、ヒロの左腕はギーシュの胴体を掴み空中
に持ち上げていた。
「な、な、な」
「さて、次はとっておきだ」
ギーシュは自分を掴んでいる腕が熱を帯びてきたことを感じる。そして、先ほど熔けた自分のゴーレムが脳裏に浮かんだ。
「わ、わかった!降参だ!参った!ごめんなさい!!」
なりふり構わず喚くギーシュ。
そんなギーシュを見て白けるヒロ。手を離すとギーシュは地面に落ちた。
ヒロはギーシュから離れ、歩き出す。
周りで見物していた生徒たちは、驚愕と畏怖の表情でヒロを見る。ルイズも怯えたような目でヒロを見ていた。
(まあ、しょうがないな・・・私は所詮魔族、こいつらから見れば化け物のようなものだ。しかし、ルイズにもついに見せてしまったからな。さ
て、今日からどうやって寝床を確保するか)
異様な視線で見られる中、ヒロはヴェストリの広場から出て行こうとするヒロ。そんなヒロを見ていたルイズはヒロに向かって駆け出した。
「ヒロ!」
そのままヒロの背中に抱きつくルイズ。
「ルイズ・・・」
「あ、あんた、ちゃんとギーシュに勝ったわね。やるじゃない。さすがは私の使い魔ね」
「ああ、私はルイズの使い魔だからな」
抱きつきながらも偉そうなルイズ。そんなルイズを見て笑みを浮かべるヒロ
「ね、ねえ、アンタのその左手・・・」
ヒロの左手を指すルイズ。
「ああ、この左手は、ちゃんと自分の腕だ」
「あんた、以前平民でも人間でもないって言ってたわよね」
「ん・・そのことか。まあ、長い話になるし、いずれ話す時がくる」
「そう、じゃあ話してくれるまで私、待つわ・・・立ったまんまで疲れたし、帰りましょう」
「そうだな・・」
そう言うと、ルイズとヒロは話しながらヴェストリの広場から出て行ったのであった。集まっていた生徒とギーシュを置き去りにして。
腰が抜けているのか、1人では立てないギーシュを数人の生徒たちが支える。
「い、一体彼女は何者なんだ・・・?」
ギーシュの呟きはこの場にいる全員の思いを代弁していた。

546 :爆炎の使い魔:2007/11/26(月) 21:14:47 ID:lPxWjpE4
「す、すごいわね・・あの炎、私より扱いうまいじゃない・・ねぇタバサ、あんたならあの使い魔に勝てると思う?」
タバサはヒロが去った方を見つめながら呟く。
「やってみないとわからない」

オスマン氏とコルベールは秘宝『遠見の鏡』で一部始終を見終えると顔を見合わせた。
「オールド・オスマン、ギーシュは1番レベルの低い『ドット』のメイジですが、それでも、ただの平民に後れを取るとは到底思えません。そし
てあの動き、あの魔法、あんな平民は見たことがありません!」
「そりゃ、あんな腕しておる平民はおらんじゃろうな。魔法も使っておったし」
オスマン氏のもっともな突っ込みに思わずたじろぐコルベール。しかしくじけない。
「し、しかし、彼女はおそらく『ミョズニトニルン』に違いありません!」
「とはいえのう・・・『ミョズニトニルン』とは『神の頭脳』と言われる使い魔じゃ、なんでもあらゆるマジックアイテムを使いこなすとか・・
マジックアイテムを持っていないようじゃから確かめようがないがのう」
「ともかく、これは一大事ですぞ。早速王室に報告して、指示を仰がないことには」
「それには及ばん」
「な、なぜですか?これほどの事実、世紀の大発見ですよ?」
「確かにな、しかし王室のボンクラ共に『ミョズニトニルン』・・伝説クラスのオモチャなんぞ与えてしまっては、すぐにでも戦になるじゃろう。
宮廷で暇をもてあましてる貴族ほど厄介なものはおらぬからな」
「なるほど、私が浅はかでした」
「この件はワシが預かる、他言無用じゃぞミズタ・コルベール」
オスマン氏が目を光らせる。
「は、はい。かしこまりました」
そういうとコルベールは、では失礼します。と学園長室から出て行った。
オスマン氏は戦っていたヒロの姿を思い出す。
(ふーむ・・・っていうか、ぶっちゃけあの使い魔、ワシより強くね?)

それぞれの思いが交錯する中、騒々しい1日は幕を閉じたのであった。

547 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 21:15:40 ID:ac9PN7iA
支援

548 :爆炎の使い魔:2007/11/26(月) 21:15:52 ID:lPxWjpE4
ようやく6話目、仕事の合間に書いておりますが中々筆が進みませんね。
フーケ戦はもう少し格好いいヒロが書けるように頑張ります。
では、支援してくれた方々に感謝しつつ失礼します。

549 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 21:16:12 ID:9bwP9MD1
IFゲーは地雷支援

550 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 21:18:55 ID:ac9PN7iA
圧倒的な力の差!格好良いですよホント!GJ

551 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 21:18:57 ID:ClLo3d0B
GJ
カオスネクストがおもしろかったから学園都市買ってヌボーになった

552 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 21:19:37 ID:1qe372JB

ジャドウとリトルスノー出ないかなーと淡い期待をしてみたり

>>529
・マジレンジャー世界なら
「弾ける虚無のエレメント!マジゼロ!」
微妙に語呂悪い
・FF6世界なら
「記憶をなくした……俺が守ってやる!絶対だ!」「記憶はあるんだけど」
「さすがに犯罪か……やめとこう」「ちょっとそれどういう意味!?」
使えるのはメルトンのみ

553 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 21:20:07 ID:1KRj1yGl
よし、皆でキングダムオブカオスやろうぜ!

554 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 21:20:51 ID:HklIapTf
gjー

555 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 21:21:00 ID:9bwP9MD1
>>551
その調子でOVAも見るんだ!

556 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 21:21:26 ID:OjeafkIe
そういえば小ネタにケフカがいたな。

557 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 21:30:27 ID:L10jI799
タイトル思いっきり勘違いしてた・・・ごめん○| ̄|_

558 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 21:30:35 ID:fkUlENuc
>(ふーむ・・・っていうか、ぶっちゃけあの使い魔、ワシより強くね?)
オスマン気は若いな!GJ!

559 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 21:31:50 ID:IlU+3baA
ギコナビが何故か使えなくて困った

代わりに、Jane Style入れてみました。

書き込めるかどうか、ちょっとテスト

560 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 21:34:44 ID:HklIapTf
【アニメ】ゼロの使い魔3期製作決定!【ゼロ魔】
http://society6.2ch.net/test/read.cgi/river/1194202032/

561 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 21:41:20 ID:LgChZ3mL
>560
ちったあ頭を使え

貼るならこっちにしろ
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anime3/1157102320/

562 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 21:43:01 ID:DQ2YCnUN
アニメ版のルイズって顔がムカつく。
内容は観てないから知らん。
原作の兎さんも(アニメ版に影響されて?)画風が変わっちゃったけど。

563 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 21:44:10 ID:DQ2YCnUN
口が滑ったゴメン。
漫画版は好き。

564 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 21:46:48 ID:TihHemU0
文章かけないんでFSSのキャラどうやったらバランス壊すことなく組み込めるか
考えてみた。

1 アマ公(大神)呼び出し 「異国異形の(ry 

2 56億700万年後でもログナーはいると思うのでイェッタとセットで
  パラライズワーム装備で貸し出し

こんなもんでバランス崩れはなくならないだろうか

一応パラライズワームつけられるとカイエンでも普通の人間より動きがいいぐらいなんで
ログナーだとちょうどいい強さになるかも



565 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 21:50:05 ID:lroEU+tI
>>564
カイエンだって言って実はアララギ=ハイトでも召喚すればいいだろうに。
設定的にも噛み合うぜ?

566 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 21:50:44 ID:ns5Lriti
>>563
同感
望月奈々のシエスタの可愛さは異常

567 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 21:52:30 ID:opfCx1LD
FSS的には 魂と名前が同じだけの別人

って、パターンもあるかもな。
あとラキシスの場合は、 物理法則とかの関係でKOGが動かない とか
できるだけ干渉を避けるために、ダイバーパワーは極力使わないとか。

568 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 21:54:37 ID:iglWmGc4
>>564
FSSだと大概のキャラでパワーバランスもへったくれもなくなると思う。
つーかログナーはカイエンよりも強くなかったか?


どうしてもって言うんだったら、いっその事ちゃあでも呼ぶと吉。
まあ、あれもある意味バランスブレイカーだが。
ダメな方向に。

569 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 21:57:51 ID:opfCx1LD
>>568
ちゃあ召喚して

「女王様やってるお姉ちゃんは大食いだから ちょくちょくお店では特売品に目がないんです。」

とか・・・言動もかなり面白いことになりそうだ♪

570 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 21:58:42 ID:DoIaoCP/
>>564
レディオスソープとかそこらへんのはた迷惑に引っ掻き回すキャラなら問題ないんじゃないの?

571 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:03:04 ID:opfCx1LD
スパーク姐さん召喚で速攻で喰われるルイズ
その後 マドラと化して以後スプラッタムービー状態とか

たとえばそんな原作をなぞらない系なら凶悪キャラ召喚もありかもしんない

572 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:08:16 ID:TihHemU0
能力抑制ってことでパラライズワームって書いてみたけど
あれってどのぐらい抑制されるんだろう
原作だと並みの騎士だと倒れたまま呼吸するのもつらくなるとか
言ってた記憶があるけど

573 :薔薇乙女も使い魔W−1:2007/11/26(月) 22:12:29 ID:IlU+3baA
すいませーん、失礼します
どうやらブラウザ上手く動いたので、投下したいと思います

結局第四部、書いてしまいましたので



予約はありますか?

574 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:12:40 ID:f8pZIhHE
放浪期ならラキシスとK.O.Gセット呼びに何の問題も無いわけだが

問題ないのは呼ぶ理屈だけと言うのが痛いな、色々と

575 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:13:27 ID:SFAtAP82
>>568
ログナーは確か「設定上最強の騎士」で、「星団最強」のカイエンより強いんだっけ?

576 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:14:19 ID:fkUlENuc
支援支援

577 :薔薇乙女も使い魔W−1:2007/11/26(月) 22:15:14 ID:IlU+3baA
第四部
        第1話   男と少年


 トリステイン魔法学院の医務室は、水の塔3〜6階まである。
 その最上階一番奥のベッドで、一人の若い男が眠り続けていた。髪は黒く鼻は低い。異
国の民の様に見える
 ベッド横には数人の教師と生徒が杖を掲げてルーンを唱える。男の頭を、杖から放たれ
た青白い雲が包む。
「眠りの雲を、これだけ厳重に重ね掛けだなんて…一体この人、誰なのかしらね?」
「さぁ…見た事無いなぁ。ルイズ達が連れてきたんだろ?」
「そうなんだけど、あいつら何にも話さずどっかいっちまったよ。学院長も、とにかく眠
らせ続けろっていうばかりだし。グリフォン隊の騎士も王宮帰っちゃったしなぁ」
 幾つもの疑問符が、男を見つめる彼等の頭に浮かぶ。

 男の名はウェールズ。亡国の王子。
 眠ったまま学院に運ばれた彼は安全のため、すぐに風と水を組み合わせた高度な系統魔
法『フェイス・チェンジ』で変装させられた。そして、アンリエッタが来るまで絶対に目
覚めさせないため、『眠りの雲』を使える教員と生徒が総動員されていた。
 ウェールズ皇太子は、眠り続ける。




「ふぅわぁ〜…。それじゃ、おやすみぃ〜。お姫様来たら呼んでねぇ〜」
「ええ、それまで休んでいてね」
 キュルケは眠そうにあくびをしながら、部屋に入っていった。タバサはやっぱり無言で
部屋へ帰った。
 ルイズと使い魔達も、部屋に戻る。

「それじゃルイズさん、オールド・オスマンへの報告を願いしますね」
「スィドリーム残すです。すぐ戻るですから」
「おーいジュンよぉ、タマには俺も地球とやらにつれてけよぉ」
「ダメよ、デルフリンガー。あなたもルイズのそばにいてあげて」
「うぅ〜、しゃーねぇなぁ」
「いいから早く行きなさいよ。お姉さん心配してるんでしょ?」
 ルイズに促され、使い魔達は鏡台の中へ消えていった。




 日本、夜明け前。
 桜田家の倉庫奥に置かれた大きな鏡が、淡い光の波を放つ。
 鏡面から、大小三つの人影がわき出した。

「ぐはぁ〜っ!やっと帰って来れたぁ〜!」
「はうぅ〜、疲れたですぅ〜」
「本当に、今回は大冒険だったわ。のりはまだ寝てるかしら?」
 ジュンは倉庫の扉に手をかけて開けようとした。

  どたたたた、バンッ!

 彼が開けるより早く、廊下を駆けてきた人物が開け放った。
「はぁっはぁっはぁっ・・・ジュンくん?」
 のりがパジャマのまま、息をきらして飛んできていた。目の下にはクマがある。
「あ、ああ。ただいま姉ちゃん」
「ジュンくん・・・う、うわあああああんっっ!」

 のりはジュンに抱きつき、声を上げて泣き出した。

578 :薔薇乙女も使い魔W−1:2007/11/26(月) 22:16:57 ID:IlU+3baA

「ちょ、ちょっとねえちゃん、そんな大げさな」
「だって、だって!もう、何日たっても、ぐす、帰ってこないから!学校だって、せっか
く戻ったのに、うう、また休んじゃって…あたし、もう、心配で、心配で・・・。
 ふ、ふえ、ええええぇぇん!」
 のりは、ジュンに抱きついたまま泣き続けた。
 ジュンは、のりを優しく抱きしめた。
 真紅と翠星石も微笑みながら、のりの背をさすっていた。


「ふぅ〜ん・・・そんな大変な事があったんだぁ」
 ようやく泣きやんだのりは、朝食を作りながらジュンの話を聞いていた。彼はソファー
に座って紅茶を飲んでいる。
「ああ…でも、おそらくこれから、もっと大変になる。あのレコン・キスタっていうのは
トリステインに侵攻する気らしい」
「そ!そんな・・・」
 のりの顔は、もう蒼白だ。顔を手で覆い、わなわなと震えている。

 ジュンの横に座り、沈痛な声で語りかける。
「ジュンくん、もう、やめようよ…ね?」
「…」
 ジュンを見つめるのりの瞳からは、溢れそうなほど涙がたまっていた。

「やめようよ、ハルケギニアに行くの・・・。
 雛苺と蒼星石の事は残念だけど、ローザ・ミスティカ、全然見つからないんでしょ?魔
法の勉強だって、何年かかるかも、使いものになるかも分からないんでしょ?
 ねぇ、死んだら、何にもならないのよ」
「死んだら、何にもならない…か」
 カチャッとカップを皿に戻し、体を背もたれに預ける。

 しばしの沈黙の後、彼は口を開いた。
「でも、ここで諦めたって、やっぱり何にもならない」
「ジュンくん…」
「何か、したいんだ。出来る事があるんだ。もう、怖いからって、逃げたくないんだ」

 のりの目から溢れる涙が、膝の上に握りしめられた手を濡らす。

「ごめん、姉ちゃん。本当に、心配ばっかりかけて…。
 でも、戦う事は生きる事だって真紅は言ってた。僕も、戦う。あいつらと、ローゼンメ
イデンと一緒に生きるために…。いや」

 少年の瞳は、まっすぐ前を見据えた。

「ルイズさん、巴、シエスタさん、草笛さん、コルベール先生…姉ちゃんとだけじゃなく
て、みんなと一緒に生きるために、僕は戦う。それが、生きるという事だから」

 その瞳は、まっすぐだった。ただ、まっすぐ前を見つめる。
 何の迷いも偽りもない目。
 姉は、そんな弟のために精一杯強がって、ぎこちない微笑みを作る。

「ジュンくんも、男の子なのね…」
「…ああ」
「そうよね、男の子はいつか、どっかに旅立っちゃうのよね。でも、まさか異世界に旅立
つなんて思わなかったなぁ」
「へへ、僕も想像もしなかったなぁ」

 弟も、そんな姉のために笑顔を作った。


579 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:17:04 ID:lroEU+tI
はい、考察雑談停止ー 支援

580 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:17:53 ID:lroEU+tI
アカのドン百姓どもめ、支援をすると言え!

581 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:18:36 ID:qcJdWjIz
支援

582 :薔薇乙女も使い魔W−1:2007/11/26(月) 22:18:39 ID:IlU+3baA

「大丈夫だよ、さすがに死ぬ気はないから。ホントにやばくなったら、さっさと逃げてく
るよ。あ、でもそん時はもしかしたら、ルイズさんやデルフリンガーも連れてくるかも知
れないんだ」
「もちろん大歓迎よ!ステキな紅茶を入れて待ってるわね」
 ようやく姉弟は、心からの笑顔を送りあえていた。

「ちょっとぉ〜、そろそろいいかしらぁ?」
 廊下から水銀燈が、面倒そうに声をかけた。ジュンとのりが振り向くと、真紅と翠星石
と、金糸雀も瞳に涙をためて立っていた。
「す、水銀燈…ちょっとそれはデリカシーない、かしら?」
「あぁ〜ら、時間が無いんでしょう?急がなくていいわけぇ?」
「そうね、水銀燈の言う通りよ。ジュン、急ぎましょう」
「のり…ゴメンです。でもジュンは必ず無事に連れて帰るです。全部終わったら、地球の
学校も普通に行けるです。安心するですよ」

 ジュンは立ち上がり、歩き出す。
 涙を拭って手を振る姉に見送られ、弟は再び異世界へ旅立った。




 ハルケギニアは、既に深夜だ。
 雲の多い夜空に二つの月、ゆるゆると流れる雲に隠れたり現れたりしている

 鏡台の放つ光が、暗いルイズの部屋を照らし出す。
「よー。やっと帰ってきたか」
 のんきなデルフリンガーの声が三人を迎えた。
「ぶへぇ〜・・・やっとついた。さすがにこんな急にとんぼ返りすると、きついなぁ」
 ジュンがずるずると重い体を引きずって、鏡から這い出してきた。
「本当にお疲れ様ですねぇ。でも、のりにお前の顔を見せれて良かったですよぉ」
 翠星石もひょこっと飛び出し、這いつくばるジュンの頭に着地した。
「本当ね。ジュンも本当は、のりが心配だったのでしょう?」
 今度は真紅がジュンの背中に降り立った。
「ふん、何言ってンだよ…別に僕は…」
 口を尖らせ否定するが、二人を頭と背に乗せたまま、未だに立ち上がろうとはしない。

  ぎゅむっ
 翠星石が、ジュンの後頭部を思いっきり踏んづけた。
「えーい!いつまでもウジウジしてるじゃないですよっ!しゃっきり目玉開けて立ち上が
るです!」
「踏むなぁーっ!」
 いきなり立ち上がり、人形達は跳ね飛ばされた。




 真紅と翠星石を両手に抱え、長剣を背に担いだジュンは、学院長室に駆け込む。
「すいません!遅くなりました」
 部屋にはオスマン氏とルイズがソファーに座っていた。ルイズの上をクルクルとスィド
リームが飛び回っている。
「ジュン、遅いわよぉ。間に合わないかと思ったわ」
「うむ、もうすぐワルド殿が姫殿下を連れてくるとの事じゃ」
「そう、よかったわ。間に合ったのね」
 真紅が胸をなでおろす。

 ワルドはウェールズが学院の医務室に運び込まれたのを確認すると、すぐに王宮へ向け
てグリフォンで駆けていった。夜に紛れ、秘密裏にアンリエッタを学院へ連れてくる手は
ずになっている。

583 :薔薇乙女も使い魔W−1:2007/11/26(月) 22:20:08 ID:IlU+3baA

「皇太子はどうしているです?」
「まだ寝ているわ。姫様が来られたら、すぐに起こす手はずよ。ジュン、あなた達もそれ
まで部屋で休んでいていいわ」
「えっと、ルイズさんは?」
「まだオールド・オスマンと話があるの。終わったら戻るわね」
「「「はーい」」」
 使い魔達はルイズの部屋に戻っていった。


 ルイズの部屋の窓からは、月が流れる雲に見え隠れしている。
 ジュンは、ルイズのベッドの上で寝っ転がっていた。
 別に寝てはいない。今夜これから起きる事を想像し、神経が高ぶって寝れないのだ。
 それは、トランクの中に入って休んでいる真紅と翠星石も同じだった。
 それでも彼等は、少しでも休むべく目を閉じて横になっていた。
 デルフリンガーも何も語らず、黙って壁に立てかけられている。

  コツ…コツ、コツ
 何かが窓を叩いた。と同時にガバッと三人は飛び起きる。
 小さな紅色の光が、窓ガラスにコツコツとぶつかっていた。

「ホーリエ、お帰りなさい」
 真紅が窓を開け、紅い光を部屋に入れる。己の半身である人工精霊を小さな手の中に招
き入れた。
 その瞬間、真紅の顔がこわばった。

「おうシンクよ、どうだったんだぁ?」
 デルフリンガーの声に、真紅は何も答えず立ちつくし続ける。
「真紅、どうだったんだ?」
「やっぱり、ジュンの予想どーりだったですか?」
 ジュンと翠星石の問いかけに、ようやく真紅は重い口を開いた。
「良い知らせと、悪い知らせがあるわ・・・まったく、物事というのは本当に思い通りに
行かないものね」

 真紅からホーリエの報告を語られたジュンも翠星石も、その内容に凍り付いた。
  ガチャッ!
 ドアがいきなり開けられた。
「みんなー!姫様が着いたわ!早く医務室へ来てちょうだい!…どうしたの?」

 扉を開けて中を覗いてきたのは、ルイズだ。仰天して飛び上がった使い魔達を、不思議
そうに眺めていた。

「い、いや、いきなり開けられたからビックリしただけだよ」
 ギクシャクとぎこちなく答えるジュン。
「?…なにかヘンね。まぁいいわ、とにかく早く来て」
「わ…わかったよルイズさん、今行くよ…あ、み、みす、ミスタ・ワルドは…まだ、いる
かな?」
「えっと、また王宮に戻るって外へ…どうして?」
「い、いや、何でもないよ。そ、それと、手紙は?例の手紙」
「ああ、あれならもう姫さまに渡したわよ。今頃、灰になってるわ」
「そ、そっか!よかった。んじゃすぐ行くから、先行っててくれるかな」
「??、何かよく分からないけど、まぁいいわ」
 急ぎなさいよー、という声と共に、足音が遠ざかっていった。

 だが、部屋の中の人々は急ぐ事はおろか、動けなかった。
 しばし、沈黙が部屋を支配する。

584 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:21:25 ID:qcJdWjIz
支援

585 :薔薇乙女も使い魔W−1:2007/11/26(月) 22:21:36 ID:IlU+3baA



「まぁ、これも世の常ってやつだ。戦乱の時代だからな、しょうがねぇかもよ?」
 ようやく口を開いたデルフリンガーの軽い語り口調も、この場の雰囲気を和らげられな
かった。
「困ったです…どうするですか?」
「ジュン…、こんなの、とてもルイズには言えないわね…」
 困惑する人形達に、しばらく逡巡したジュンは、やがて意を決して顔を上げた。
「…言えない、よな。でも、このままじゃルイズさんや、いや、学院のみんなが危険だ。
やるしかない…行こう!」
「おーっ!」
 元気な声を残し、彼等は部屋を飛び出した。



 時は既に夜明け前。
 白々とした薄明かりが、6階医務室内部にも差し込み始めていた。
 開け放たれた窓は、涼やかな風と小鳥のさえずりを招き入れる。
 一番奥のベッドにはウェールズがいた。既に『フェイス・チェンジ』も『眠りの雲』も
解除されている。あとは目覚めを待つばかりだ。
 そして、ベッド横の椅子には、アンリエッタが座っていた。その後ろには、ルイズとオ
スマンが、部屋の入り口にはタバサとキュルケとギーシュが控えている。

 アンリエッタの足下には、燃えかすがあった。既に焼かれて灰になった、アンリエッタ
の手紙だ。

 アンリエッタが、震える手でウェールズの頬に触れる。
「・・・うん・・・うぅ」
 僅かにうめき、顔を逸らす。ただそれだけで、その姿を見ただけで、王女は大粒の涙を
こらえられなかった。
 細く白い指が王子の頬を、額を、首筋を、いとおしげに優しくさする。

「ウェールズさま、起きて下さいまし、ウェールズさま」
「うぅん…、ん?アンリエッタ…?」
「はい、アンリエッタに…アンリエッタにございます。ウェールズさ、ま…」
「…これは、夢、か」
「いいえ、いいえ!現にございます、ウェールズさま」
「ふふふ、妙な夢だ。夢でなければ、このような甘い時を過ごせるはずもなかろうに」
「おお…ウェールズさま!」

 王女は、王子に力の限り抱きついた。声の限りに、涙の尽きんばかりに、泣き続けた。
ウェールズは、一瞬驚愕し、そしてゆっくりと、震える手でアンリエッタを抱きしめた。

「これは、まさか、私は生きているのか?亡国の王子が、まさか、このような至福の時を
過ごしてよいというのか!?」
「良いのです、良いのです!ああ、愛しのウェールズさま!たとえ国を失おうと、たとえ
ハルケギニアの全てを敵にしようと!どうかアンリエッタと共に、生きて下さいまし!」
「だ、だが!私は、アルビオン王家の者として」
「お忘れ下さい!アルビオン王家はもう、滅んだのです!あなたはもう王子でも何でもあ
りませぬ!」
「違うっ!私はアルビオンの」
「ただのウェールズさまにございます!ただの、ただの、わたくしの愛しいウェールズさ
まに、ございます…」

 アンリエッタを抱きしめるウェールズの手が、次第に力を込める。


586 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:23:07 ID:qcJdWjIz
支援

587 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:23:21 ID:9DLVEve9
支援

588 :薔薇乙女も使い魔W−1:2007/11/26(月) 22:23:55 ID:IlU+3baA
「なんという、なんということだ!あのラグドリアン湖で願った事が、二人で全てを捨て
て、庭付きの小さな家をと、願った事が、まさか、本当に」
「はい、はい!叶ったのでございます、今、わたくし達の願いは、叶えられたのでござい
ます!」
「これも、水の精霊の、『誓約の精霊』のご加護なのか…ああ、アンリエッタ!もう放し
たくない、離れるものか!」
「離れませぬ、ああ、愛しいウェールズさま!」
「今こそ誓おう!始祖ブリミルの名において、あなたを永久に愛すると!」
「わくしもです!今一度誓います!始祖ブリミルの名において、ウェールズ様を永久に愛
しますわ!!」

 二人は、力の限り抱きしめ合った。滝の様に涙を流し、声を限りに愛を誓い合った。
 オスマンも、ルイズも、キュルケも、ギーシュも涙を流していた。タバサですら、顔を
伏せている。
 窓の外の人も感動したようだ。
「いやぁ〜、まったく、泣かせるじゃないですか!」
「本当だな。我々も若い二人の門出を祝福しよう」

「――――――なっ!?」
 その場にいた老若男女は、絶句した。
 開け放たれた窓の外には、二人の男が浮いていた。
 一人は三十過ぎの、長身長髪で目つき鋭い黒ローブの男。
 もう一人は皮のコートを着て、腕に鳶を乗せた、両の目元に大きな火傷のある大男だ。
無骨な鉄棒を右手に持っている。

「ああ、しばし待たれよ」
 二人は外壁の出っ張りに降り立った。火傷の男が悠々と鳶を空に放すと、鳶は空高く飛
び去った。
「失礼した。今のは、ゲルマニアのお偉いさんの使い魔でね。ちょっと借りてきてたのだ
よ」
「な!なっ!なななっっ!!」

 それが誰の叫びだったか、もはや誰にも分からなかった。だが誰にも分かったのは、使
い魔を通して先ほどの会話全てが、ゲルマニアに送られた事だ!

「『ジャベリン』」
 ルイズ達の後方から窓に向け、氷の矢が飛んだ。それも特大の矢が。
「『火球』」
 だが、火傷の男の鉄棒から打ち出された炎で、一瞬にして溶かされた。
「『ファイア・ボール』!!」
 間髪入れず、今度は火球がカーテンやベッドを焦がしながら飛ぶ。
「危ないですよ、火事になったらどうすんですか」
 長髪の男は軽く杖を横に払う。と同時に生じた烈風が、火球をかき消した。さらに窓か
ら飛び込んだ烈風は、室内のベッドも机も人間も、全てまとめて吹き飛ばした。

 未だ立っているのは扉の影に隠れた二人――キュルケとタバサだけだ。ギーシュは廊下
まで飛ばされた

「強いわねぇ。恐らく、レコン・キスタの傭兵ね」
 キュルケの言葉に、タバサは頷く。
 ギーシュは薔薇の杖を手に立ち上がり、部屋へ駆け込もうと走り出した。
「くっくそ!今こそ忠義の心を示す時!諸君、突撃だ!とつげ!」
  ぼてっ
 キュルケが出した足にひっかかってすっ転んだ。
「落ち着きなさいっての!」


589 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:24:08 ID:qcJdWjIz
支援

590 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:25:08 ID:qcJdWjIz
メンヌヴィルか!? 支援

591 :薔薇乙女も使い魔W−1:2007/11/26(月) 22:25:54 ID:IlU+3baA
「ああ!もしもし皆さぁん!抵抗しない方がいいですよぉ!」
 長髪の男が窓から、空を指さしながら叫ぶ。
「だってねぇ!ホラ、お空の上を見てくださいよ!」
 キュルケとタバサは、烈風に吹き飛ばされた室内の四人もよろよろと体を起こし、窓か
ら外を見た。ついでに顔面から床に突っ込んだギーシュも。

 そこには、船があった。
 上り始めた太陽に照らされた、真っ黒な船が浮いていた。
 さほど大きくないが、それは確かに軍艦だ。主力の戦列艦を補助する目的で作られた、
小型高速艇――フリゲート艦。

「なりはちっちゃいんですけどねぇ、あれも一応軍艦なんで。大砲はちゃ〜んと積んでま
すよ。もちろん、学院を狙ってますから」
 7人は、戦艦の砲列が学院を、自分たちを狙っているのを目にして、うかつに動く事が
できない。
「な!なぜじゃ!?わしの学院を狙うとは…何が目的じゃ!」
 立ち上がって叫んだオスマンだったが、自分で言っててバカバカしくなった。聞くまで
もない。

 レコン・キスタは手紙の奪取より、更に確実な方法をとった。
 愛し合い、将来を誓い合う王子と王女の姿を、直接ゲルマニアに送ったのだ。
 そして、アルビオンの王子が、トリステイン王女と愛を誓い合うという事は――

 火傷の男が、朗々と語り出した。
「我らの目的?聞くまでも無かろう!ゲルマニアとトリステインの同盟を妨害する。アル
ビオンの王子を匿うトリステインを、レコン・キスタの敵として討ち滅ぼす事。
 じじい、説明せねば分からぬ程に呆けていたか?」
「あ、隊長。もう一つ、忘れてますよ」
「おっと、また失礼した。これは説明せねば分からんな。もう一つの目的は…お前だ」

 火傷の男は、まっすぐルイズを指さした。
 ルイズは、もはや恐怖と驚愕で起きあがる事も出来ない。

「お前、というよりお前の使い魔だ。何でもお前は、一人で沢山の使い魔を引き連れてい
るらしいな。おまけに、風竜より早く飛ぶ巨大な鉄の鳥を操るとか。
 …今ひとつ信じがたいが、まぁいい。そいつ等を連れてこい」
「な、なな、なん、なんであんた達が、そんな事を!」
「どうして知っているかは、どうでもいい。早く連れてこい。でないと、こうなる」

 火傷の男は、手に持った無骨な鉄棒を高く掲げた。
 同時に、フリゲート艦の大砲がいくつか光った。

  ドドドンッ!!
 砲弾が広場に、門に、そして本塔に当たった。
 固定化の魔法も虚しく、壁には大きくヒビが入る。広場に大穴が開く。
 学院のあちこちから悲鳴や使い魔達の鳴き声がわき起こる。
 船からは、さらに何人もの人影が降りてくるのが見える。

「さて、次は全砲門で一斉射撃だ。船へ運ぶのは、こちらで部下達にさせるから、早く連
れてこい」
「あ…あぁ、あう…」

 ルイズは、動けない。
 ジュンが、真紅が、翠星石が、そして自身が一番恐れていた事態が、目の前にある。
 使い魔達の存在を、力を狙われてしまった。奪い去りに来てしまった。
 目の前の二人を倒しても、意味がない。今度は砲撃が、船から降りた傭兵達が来る。
 同じようにオスマンも、ウェールズも、アンリエッタも、キュルケも、タバサも、ギー
シュも動けなかった。
 今、学院の全てが人質となっているのだから。

592 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:27:18 ID:qcJdWjIz
何かスゲェ急展開だな…支援

593 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:27:23 ID:TihHemU0
支援

594 :薔薇乙女も使い魔W−1:2007/11/26(月) 22:28:52 ID:IlU+3baA

 火傷の男が、長身を窮屈そうに縮めて窓から入る。
「やれやれ、これだから貴族の娘というのは・・・恐怖で口もきけぬとは、な」
 そういって、ルイズの襟首を左手で掴み、軽々と持ち上げた。
「まぁ使い魔だけに、主人が危機になれば、向こうから来るだろうな」
「き、来ちゃ…ダメ!」
 ルイズが、息も絶え絶えになりながら、必死でつぶやく。
「ふむ?これはこれは、意外に気丈だな。だが…」

 右手の鉄棒から、小さく、だが青く激しく輝く炎が燃え上がった。

「顔を焼かれても、まだ同じ事が言えるかな?」
「くぅ!誰が…誰があんたなんかに!わ、渡さない…あの子達は、あの子達は!あたしが
守る!!」
 ルイズは襟首を締め上げられつつも、必死に胸元の杖に手を伸ばす。
 だが、窓の外の男が杖を振り、ルイズの杖を胸元から取り上げた。ルイズの杖がふわふ
わと、わざわざルイズの目の前で宙を漂っている。
 火傷の男はニヤニヤと笑い、楽しそうに青い炎をゆっくりとルイズに近づける。
「や…やりなさいよ、いくらでも、焼きなさいよっ!でもね、あの子達は、あたしの、友
達よ!大事な友達なのよ!絶対に、絶対に渡さないんだからぁっ!!」
「うむ、良い言葉だ。お前はきっと灼ける臭いも素晴らしいに違いない」
 ルイズの髪が、ちりちりと焦げていく。

しゅぽっ

 窓の外で、栓が抜けるような音がした。
 長髪の男は、何気なくその音の方を、本塔最上階の学院長室を見た。
 最上階の窓から、何か羽の生えたモノが、白煙を引いて飛んでいく姿があった。
 それは、まっすぐ飛んでいった―――船へ向かって、まっすぐ。

  ドゥンッ!

 爆音が響いた。
 M72 LAWの成形炸薬弾が、フリゲート艦に直撃し、炸裂した。
 300mm以上の装甲を貫通できるロケット弾にとって、木製の船など、紙に等しい。
 船に大穴が開いた。
 そして、大砲の火薬に引火した。

  ズドドドドドドド…

 誘爆が続いた。
 フリゲート艦は内側から連続して爆発、四散する。
 煙と炎が一瞬で船を包み、吹き飛んだ木片やマストや大砲弾が地面へ落ちていく。
 煙が晴れた時、空には何も残っていなかった。


 学院長室には、大小二つの人影があった。
「やれやれ、宝物庫の鍵を持ち出して『破壊の杖』を盗むなんて…私もフーケと同じ盗人
になってしまいましたぞ」
 溜息混じりにぼやいたのは、コルベールだ。
「そして僕は、人殺しです」
 消えゆく煙を見つめるのは、ロケットランチャーを肩から下ろしたジュンだ。
「まぁ、ハルケギニアじゃ当たり前の事だ。気にする事ぁねぇぜ」
 床に置かれたデルフリンガーが、ジュンを彼なりに励ました。

595 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:28:57 ID:qcJdWjIz
ぬぅ 支援

596 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:29:03 ID:r6iyEteX
支援

597 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:29:30 ID:CvxthPEM
レコンキスタ情報が速いなあ。支援だっぜ

598 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:29:58 ID:qcJdWjIz
ここでロケランか、うまいな

支援

599 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:29:59 ID:r6iyEteX
こう来たか!
支援

600 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:31:33 ID:r6iyEteX
支援

601 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:32:11 ID:qcJdWjIz
支援

602 :薔薇乙女も使い魔W−1:2007/11/26(月) 22:32:18 ID:IlU+3baA

「さて、それじゃ行ってきます。…頼むぜ、デル公」
「任せな!んじゃオッサン、下まで降ろしてくれや」
「ああ、皆を頼むよ」
 窓から飛ぶジュンに、『レビテーション』がかけられる。
 朝日にきらめく白刃を手に、少年は地上へ降下する。

 水の塔を見ると、六階の窓からは、滝の如く水が溢れだしていた。火傷の男と、窓際に
いた目つきの鋭い長髪男は、水に流され落ちていった。
 水の塔の屋根から、薔薇が紅い嵐となって地上へ襲いかかる。



「おーい〜、おまえら大丈夫ですかぁ〜」
 緑の光に包まれた翠星石が、如雨露片手に叫んだ。
「あううう…ちょっとぉ、もう少し優しくしてよねぇ」
 情けない声をだしたのはルイズだ。部屋中にビッシリ枝をはったツタに足を絡まれ、逆
さづりにされていた。おまけにずぶ濡れだ。

「やれやれじゃのぉ、桁外れの魔力じゃわい」「ウェールズさま、ご、ご無事ですか?」
「無事、と、いうか…これは一体!?」「あぁんもぉ〜お!びしょ濡れじゃないのぉ!」
「ひ、ひめ、姫殿下はご無事かぁあ〜〜」「冷たい」
 医務室内の7人全員がツタで体を絡め取られ、宙づりになっていた。でも、おかげで外
へ流されずに済んだ。

「助けてやったんですから、感謝しやがれですよー」
 と言い残すや、緑の光が尾を引いて外へ飛び去った。
 外からは、轟音と衝撃音が鳴り響いてくる。




  カカカカカカンッ!キィンッ!
 火傷の男はジュンの剣を、鉄棒でいなす。
 残像しか見えない連撃を、無骨な鉄の棒で受け止め続けていた。
 男の背後から、幾筋もの紅い薔薇の帯が、竜の顎の如く襲いかかる。
「『火球』!」
 男は後ろも見ずに、後方へ炎を幾つも飛ばした。炎は正確に薔薇の竜へ飛び、焼き尽していく。さらに残った一つの火球が、紅い光に包まれる真紅に襲いかかる。
「無駄よ!」
 真紅の手から吹き出す薔薇の渦は、燃やし尽くされる前に火球を切り刻み霧散させた。

 長髪の男もようやく起きあがり、杖をジュンに向けた。
  パシュン!
 何かが長髪男の前を横切ったように見えた。
 見えたと同時に、杖が真っ二つになっていた。切られた杖の先が、虚しく地に落ちる。
 男の頭上にいた翠星石が打ち出した水流は、ウォーターレーザーの如く杖を切り裂いた
のだ。
「まだ、やるですか?」
「ひっ!ひええぇ・・・」
 長髪の男は、門から外へ逃げていった。


603 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:33:27 ID:qcJdWjIz
さぁて、どぅなる?

支援

604 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:34:02 ID:r6iyEteX
支援

605 :薔薇乙女も使い魔W−1:2007/11/26(月) 22:34:26 ID:IlU+3baA
 ジュンの長剣と真紅の薔薇に挟まれ、火傷の男は確実に押され、消耗していた。加えて
翠星石も如雨露を向ける。
「くっ!どうやらここまでだな!」
 いうが早いか、男は杖を突き出す。
  カッ!
 杖の先が、真昼の太陽の如く光り輝いた。
 小さい炎だ。ただし、とてつもない熱量で光り輝く炎。
「くぅっ!」「め、目が!」「や、ヤツはどこですかー!」
「さらばだ!お前達の温度は覚えたぞ!」
 彼等の耳には、遠ざかっていく足跡が聞こえていた。

 やっと視力を回復した三人は、パジャマやネグリジェにカーディガンを羽織った教員生
徒、メイド達にもに囲まれていた。
 口々に「おい、さっきの爆発音はなんだ?」「ここ、何故こんな水浸しなの?」「なん
か、あっちこっち焼け焦げてるし」と、疑問を投げかけてくる。
「行くぞ!」「ええ!」「後は船から降りてきたヤツらですぅ!」
 三人は野次馬を無視して、風の如く去っていった。


 そのころ医務室では…
「誰かぁ〜おろしてよぉ〜」「皆、外へ行ってしまったようですね…」「く、不覚…よもや杖を流されてしまうとは…」「うむむ…濡れそぼった少女達も、ええのぉ」「ひめぇ〜、今、たすけにぃぃ〜」「化粧がぁ、全部おちちゃったじゃないのぉ」「寒い」
 つたに絡まったまま、7人は宙ぶらりんになっていた。


 門から飛び出た三人は、船が滞空していた方を見る。学院近くにある森の辺りだ。森の
入り口周辺に、船の残骸がくすぶっている。
 その森の中には、何故か巨大な竜巻が踊り狂っていた。土砂や木々が巻き上げられ、周
辺に降り注いでいる。
 三人は、森を目指す。



 森の中には、幾つもの死体が転がっていた。
 むき出しになった地面には螺旋状のひっかき傷の様なモノが残っている。周囲の木々も
円形になぎ倒されている。竜巻の跡だ。
 そしてその向こう、池のほとりでは二人の男が立っていた。一人は学院から逃げた長身
長髪の黒ローブ。もう一人は、白い仮面に黒マントと黒塗りの杖を持った男だ。

「ぐほぁっ・・・」
 仮面男の黒い杖が、黒ローブの男の胸を貫通していた。杖を引き抜くと同時に血が噴き
だし、地面に崩れ落ちた。白い仮面と黒マントが、返り血で朱く染まる。
 そして、仮面の男は学院の方を見た。そこには、ジュンがいた。長剣を手に、無表情に
歩いてくる。
 仮面の男は、マントを翻し立ち去ろうとした。

「ワルド!」
 ジュンの言葉に、男は足を止めた。

 ゆっくりと振り返り、仮面を外す。
「いつから、気付いていた?」
「いやぁ、話せば長くなるんですけどね。
 実をいうと、今朝まで、ぜーんぜん気付いてなかったんです。あなたがレコン・キスタ
派だったなんて」


606 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:34:27 ID:qcJdWjIz
支援

607 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:35:24 ID:CvxthPEM
ガンダーさんの剣を受け止めるメンメンもすごいなあ。支援

608 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:35:53 ID:qcJdWjIz
おっおっお?

支援

609 :薔薇乙女も使い魔W−1:2007/11/26(月) 22:36:21 ID:IlU+3baA
 ワルドは、不敵な笑みを浮かべた。
「ほほぅ?だが、お前は襲撃を見事に迎撃した。知らずに出来る事ではあるまい」
「それは、ホーリエよ」

 ワルドの右後方、暗い森の中から真紅の姿が浮かび上がる。

「あなたの背中に、ホーリエがずっと張り付いていたのよ。気付かなかった?」
 ワルドはハッとして自分の背中を見た。そのワルドの左後方から、翠星石の姿も闇に浮
かび上がる。
「ホーリエのお話、ホントびっくりこきましたです。まっさか学院にウェールズさんがい
る事を、そこの黒ローブの男にペラペラしゃべってるだなんてぇ!」

 ワルドは、唖然としていた。そして俯き、肩を震わせる。
「・・・く、くくくっ!くはははははははっあははははっはあはっははは!!」
 腹を抱え、涙を流しながら爆笑する。

 そして突然真顔で、ジュンに向き直った。
「大したものだ。いつから私を疑っていたんだ?」
 ジュンは、ワルドから5メイルほどの所で、立ち止まった。
「いや、実は、疑っていたのは、あんたじゃないんだよ。姫さんと枢機卿なんだ」
「なに?どういう事だ?」

 ワルドは、本気で訳が分からない風で、首をかしげた。

「つまり、『偉い人の秘密を知った平民は、どうなるか』て事だ。普通、口封じに殺され
ちゃうんじゃない?」
「ああ、そうだな」
「おまけに僕を殺せば、真紅と翠星石も奪えるかもしれない。
 そう考えて、あんたを監視していたんだよ。恐らく口封じを命じられるのは、枢機卿や
姫さんの信用があって、腕利きで、僕の油断を突ける人…つまり、あんただ」

  チャキッ
 ジュンがデルフリンガーを、中段に構える。そのデルフリンガーも、のんきにしゃべり
だす。
「でもまぁ、おでれーたよなぁ!実は姫さんも枢機卿も、ジュンを殺す気は全然無くて、
近衛隊隊長は国を売ってたなんてなぁ!ほーんと、こいつはおでれーたわ!」

 ワルドも、すぅっと杖を構える。
「くくく、王家のマヌケ共にそんな知恵はない。だからこそ、アルビオンは内憂を払えず
潰えたのだ」

「さて、お話はこれくらいにしましょうか」
 真紅が、ステッキを構える。
「ですねぇ、でもメイドの土産とやらを言うなら、今のウチですよ」
 翠星石も、如雨露を構える。

「くくっ…冥土の土産というわけではないが、ジュンよ。どうだ、レコン・キスタについ
てみないか?」
「ふん…やっぱりその話か」

 ジュンとワルドは、しばし睨み合う。その場にいる全員が、刻を待つ。

「なぁ、冥土の土産というわけじゃないけど、教えてくれよ」
「…何だ?」

 男と少年は構えを解かず、睨み合ったまま言葉を交わす

610 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:37:44 ID:r6iyEteX
支援

611 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:37:47 ID:qcJdWjIz
どうなるどうなる?

支援

612 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:37:48 ID:gxpDEjjQ
支援


613 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:38:33 ID:CvxthPEM
シエスタの土産…ヨシェナベ支援

614 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:38:47 ID:qcJdWjIz
支援

615 :薔薇乙女も使い魔W−1:2007/11/26(月) 22:38:47 ID:IlU+3baA

「あんた、何が目的?」
「目的、か」
「ハッキリ言って、あんたの目的が、よく分からない。
 ラ・ロシェールではフーケに宿屋を襲わせたクセに、桟橋では分身使ってルイズさんを
掠うような動きを見せた。
 地位だの名誉だのなら、あんたは元々が魔法衛士隊、グリフォン隊隊長だ。ルイズさん
と結婚するだけで、ラ・ヴァリエール公爵家も手にはいる。その気なら、この国裏から支
配出来るんじゃない?
 レコン・キスタにいくら勢いがあっても、ゲルマニアとの同盟があれば攻め込めないん
だから、わざわざトリステインを裏切るなんてリスクはいらない。
 さっきだって、自分で情報を流したクセに、襲撃してきたレコン・キスタの連中を、自
分で倒しちゃった。
 あんた、何考えてるの?」

 ワルドは、口を閉ざしたままジュンを睨み続けた。強大な力を持つ使い魔達に包囲され
ても、未だ恐怖の欠片も見せていない。
 やがて、ようやく口を開いた。

「聖地…と言ったら、信じるか?」
「聖地?」
「そうだ。エルフに占領された、我らの聖地だ。そこに、俺が求めるものがある」
「だから、レコン・キスタ…聖地回復運動、か。まさかあんた、意外と信心深い?」
「ふ、まさかな。坊主共の寝言に興味はない。俺の個人的理由だ。ともかく、力が要る。
エルフから聖地を取り戻す力が」
「で、僕らも必要なんで、ルイズさんから奪われたら困る、と」
「その通り。これは、ルイズにもお前達にも悪い話ではないぞ。
 お前達には王家も貴族も、どうでもよかろう。要は、魔法を勉強するのが目的、と言っ
ていたな?
 もはや、トリステインがレコン・キスタに滅ぼされる事は疑いない。ならばルイズと共
に、早くこちらにつくがいい」
「なるほど、ね…」

 ジュンはワルドの眼光を正面から受け止める。そこにはもはや、引きこもりだった少年
の目はない。
「あんたの言う事はもっともだ。レコン・キスタが勝てば、あんたを頼ってアルビオンへ
行くのも構わない。でも、ね…」

 ジュンは、構えを解いた。デルフリンガーを逆手に持ち、腰に当てる。

「ふむ?まだ何か納得出来ないのか?」
 ワルドは、未だ杖を下ろそうとはしない。

 少年の腰が、すぅっと下がる。スタンスも僅かに広まる。
「あんたは、ルイズさんを利用するつもりだろう?」
「…否定はせんよ。だが、見たところ、お互い様だな」
「まぁね。でも、何より大事なのはね」

 一閃―――片刃剣が抜き放たれた。
 横一文字に、後ろへ!


  キィンッ!



616 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:40:16 ID:r6iyEteX
支援

617 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:40:23 ID:CvxthPEM
ラマーズ呼吸法支援

618 :薔薇乙女も使い魔W−1:2007/11/26(月) 22:40:44 ID:IlU+3baA
 デルフリンガーの輝線が、半月を描く。
 背後に立っていたワルドの杖と交わり、火花を散らす。
 耳障りな金属音が森に響き渡る。
「僕らはルイズさんの使い魔だけど、それ以上に、ルイズさんは僕らの大事な、友達だっ
て事だよ」

  チュンッ!
 緑に光る翠星石の如雨露から、細い水流が放たれた――背後へ、振り向きざまに。
 ドサドサドサと、切り落とされた枝や木が地に落ちる。
 地面には、腰を落としてウォーターレーザーをかわしたワルドが伏せていた。
 その遙か後方で、爆発的に植物が生え出す。
「遍在、ですかぁ…幾つも作れるなんて、すんごいですねぇ」

  ドドドド…
 紅に光る真紅の背後では、小さな竜巻が激しく風音を響かせる。
 背後に立つワルドが、真紅の薔薇を竜巻で吸い込んでいた。
「見事に後ろを取られたわ、さすがね」

 池のほとりに立っていたワルドが、背を向けるジュンに向けて杖を向け続けている。
 ジュンの左から、更にワルドが森から現れ、杖を向ける。
 三体のワルドは口の端を釣り上げた。

 だが、それでもジュンは、怯えを見せない。
「ルイズさんを泣かせるヤツは、許さない。あんたが、ルイズさんを利用するだけだとい
うなら、殺す!」

 絡み合う剣と杖を挟み、男と少年は睨み合う。

「くっくっく…この期に及んで愛を求めるとは。まったく、子供でもあるまいに」
「いや、僕は子供だし」
「ほざけ」
 二人の間で、大気が凍り付く。小鳥のさえずりも、そよ風も消える。
 真紅と翠星石も、それぞれにワルドと向かい合ったまま、睨み合う。


  おーい!みんなぁ〜大丈夫ぅ〜どこよ〜
 森の向こう、学院の方からルイズの声がした。他にも沢山の声が聞こえる。

 男と少年は、ニヤッと笑い、そして同時に
 剣と杖を納めた。
 ぼごんっ!と爆発音を響かせて、ジュンと剣を交えていた本体を残し、全ての分身が消
える。

「ルイズさんの使い魔と婚約者が殺し合えば、悲しむのはルイズさんだ」
「うむ。そしてそれは、ここにいる誰のためにもならん」
「あんたの裏切りの事は、今さらどうこう言っても遅い。黙っててやる。一つ貸しだ」
「素直に感謝する。しばらく身を隠すとしよう」

 ワルドは黒マントを翻し、ジュン達に背を向ける。

「そうそう、最後に一つ、良い事教えてやるよ」
「うん?なんだね」
「僕らも、いずれ聖地に向かうつもりなんだ。エルフの先住魔法を知るために」
「ほほぅ!それは奇遇だな。となると、エルフと争わずに行くわけか」
「もちろん。武力でごり押しより、良いと思う」
「なるほど、それは面白い。覚えておこう…では、また会おう」
 ワルドは、森の中へ消えていった。



619 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:41:20 ID:qcJdWjIz
ジュンがスゲェかっこいいな

支援

620 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:41:33 ID:ac9PN7iA
支援

621 :薔薇乙女も使い魔W−1:2007/11/26(月) 22:42:09 ID:IlU+3baA
「…ぐはあっ!はあっ!はっ!はあ、はぁはぁ、はぁ…ふぅうぅ〜」
 突如息を乱したジュンは膝をついてしまった。

「大丈夫ですかぁ!?よく頑張ったですよ!」
「本当に見事だったわ!…危なかったわ、この数日は無理が過ぎたわ。もう力は限界に近
かったわね」
「へっへ!おでれーたなぁ、こりゃ。チビのボウズかと思ってたら、あっという間に男に
なっちまったぜ」

 駆け寄る人形達は口々にジュンの健闘を褒め称えた。デルフリンガーも、持ち主の成長
が信じられない風だ。

「ともかく、一段落ついたけど、これでよかったのかなぁ?…はぁ、ルイズさんには言え
ないよな」
「しょうがないわ、あの男は今は争う気が無いのだし」
「ケンカせずに済んだなら、最高ですぅ!みんな無事で良かったですよ!」
「そだな。んじゃ、帰るとしようか」
 剣を支えに、よろよろと立ち上がる。


 そして森の奥でも、ワルドが膝をついていた。その体を若い女性――フーケが支える。
「全く、大したガキ共だわ。この数日の無茶で疲れ果ててたあんたじゃあ、相手にならな
かったろうね」
「くははは…本当だな。全く、素晴らしい」
「で、これからどうすんだい?」
「聞いた通りだ。今はトリステインには戻れん。レコン・キスタへ行けば、あの使い魔達
と戦わねばならなくなる。
 ほとぼりが冷めるまで、身を隠すとしよう」
「そうかい。あたしも戦争に巻き込まれるのはまっぴらだしね。しばらくあんたに付き合
おうかね」
 ワルドは、フーケに支えられ、去っていった。


 悲壮な顔で森の奥へ、池のほとりへ踏みいってきたのは、ずぶ濡れのままのルイズ。
 並んで歩きだした使い魔達は、主の笑顔で迎えられた。

                   第1話    男と少年   END

622 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:42:20 ID:qcJdWjIz
支援

623 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:42:57 ID:3dLjpq+K
これはきれいっぽいワルド?

624 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:44:00 ID:CvxthPEM
かああっちょええええ
乙ですよーGJですよーー

なんだジュンがむちゃくちゃかっこよく見事に描かれていますなあ

625 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:44:16 ID:r6iyEteX
どっちもギリギリの状況を見栄と意地で対峙してたのか
支援

626 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:44:17 ID:ac9PN7iA
やはりシリアスワルドはいいGJ!

627 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:45:29 ID:qcJdWjIz
GJッス!!

いやぁこれからの展開がますます楽しみだ

628 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:46:08 ID:uWnduSLC
>>623
時には敵、時には味方として登場する強敵(とも)ワルドです

629 :薔薇乙女も使い魔W−1:2007/11/26(月) 22:47:06 ID:IlU+3baA
はぁっはぁっはぁ・・・

ぎ、ギリギリなのは、こっちだって同じですよ


やっと書き終えたぞぉ・・・
というわけで、投下終了です。



630 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:48:08 ID:CvxthPEM
なんだこのwikiへの回収速度は…w

631 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:48:42 ID:TTI0PWFE
ローゼン閣下、投下乙です。
息切れワロタw

632 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:49:13 ID:r6iyEteX
乙!
GJ!
もーホントにワルド素敵。

633 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:51:38 ID:7CuNbqKc
乙っす。

>>571
いっそのこと一家全員召喚してハルゲキニアを阿鼻叫喚の渦へ。

634 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:53:58 ID:7CuNbqKc
>>529
赤ずきんチャチャの世界で大人チャチャに弟子入り。
人狼や魔族や人形だのの亜人が身近にいてびっくりするルイズ。

635 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:56:51 ID:boM4Ta1W
地震キターーーーーーーーーーーー支援

636 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 22:56:52 ID:SFAtAP82
wikiに登録した人も今頃息切れしている予感w

637 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 23:04:28 ID:o0BTHIcU
くそう!支援しそこねた!

grandmaの人乙!リンディ死なないで!

薔薇乙女の人乙!ジュン達かっこよすぎだ!

638 :薔薇乙女も使い魔W−1:2007/11/26(月) 23:19:50 ID:IlU+3baA
支援ありがとです

んで、ですね。かなり話が進んだし、オリジナル設定もいくつかある事だし
当たり障りのない範囲で、明文化してないのでよく分からないかもしれない設定を
説明しておこうと思います

・時差
 現在、日本とトリステインで、昼夜がひっくり返ってます
 また、自転周期の差から、どんどん時差は変化しています

・nのフィールド
 ジュン達は、nのフィールドという人間の精神−無意識世界を経由する事で、
自在に地球とハルケギニアを往復出来ます。
 このnのフィールドを通れる事は、薔薇乙女の基本能力です。

・ルーンと指輪
 ジュンは、契約の指輪を通し、意識的に薔薇乙女へ自己の力を送れます。
 送れる力の量は、当人の体力精神力に比例します。だから病人が力を送ると、死にます
 このため逆に、ガンダールヴ発動時は、薔薇乙女もブースト状態になります

・ルーンの洗脳効果
 薔薇乙女達の力により、消されてます。

・ジュンの服装
 本編と異なり、地球の服を脱いでハルケギニアの、小姓の服を着ています
 具体的には、アニメ版ローゼンメイデン〜トロイイメントOPラストの、あの服です
 「きもい」とニコニコ動画で評判の、あれです


さてさて、これから先は、更に話が難しく、ややこしくなります
続きはかなーり先なので、ご勘弁を

639 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 23:20:03 ID:HklIapTf
支援

640 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 23:21:06 ID:HklIapTf
GJ
しかしよく書ける…

俺には絵くらいしか描けないぜHAHAHA

641 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 23:22:41 ID:ns5Lriti
>>640
俺なんてかなり前に書くと言ってまだ1話も書きあがってないorz

642 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 23:24:22 ID:D70mhCzG
>>640
ならその道を極めろ。

643 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 23:24:52 ID:r6iyEteX
>>640
よし
今すぐに真紅と翠星石とJUMとルイズを描く作業に入るんだ

644 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 23:30:22 ID:Dcqdfngj
この薔薇乙女のジュンさんってアニメ版の方ですよね?
アニメ版は原作版より色々と成長が速かったし。

645 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 23:32:15 ID:7CuNbqKc
サモン・サーヴァントが結局できなくて、その日の夜にキュルケを呪い殺す魔術をしたルイズは、
『波長のあう何か』を召喚してしまいました。



白鳥鞠生召喚。

646 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 23:38:43 ID:KX0xCzP0
ジュンの服装思い出してワロタ

647 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 23:52:17 ID:L10jI799
サモン・サーヴァントでアニメ版ウルトラザウルス召還!
とか
レディレックスも目じゃないな
ナイト2000も真っ青だ

648 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 23:54:12 ID:HHEJQEgy
投下したいのに…
投下したいのに…
パソコンから煙がぁ〜
>>638
乙です

649 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 23:55:55 ID:o0BTHIcU
>>648
待て。どうやって書き込んでるんだ

650 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 23:56:52 ID:r6iyEteX
>>649
つ 携帯
つ ネットカフェ

651 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/26(月) 23:57:00 ID:HHEJQEgy
携帯電話からです

652 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 00:01:02 ID:kYB5Ulv3
携帯サーバからブラウザでも見れるだろ。
見れない見れない言ってる奴はアホか。

653 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 00:02:26 ID:kYB5Ulv3
おおと勘違い。
すまんね。

654 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 00:03:47 ID:r6iyEteX
>>651
もう使ってるかも知れないが携帯用2chビューア使うと見易いよ
べっかんこやorz(ガックシ)とか。

655 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 00:06:46 ID:6S/Etw66
ウルトラザウルスは無理だけどアニメGF編終了直後で帝国へ帰還するルドルフ皇帝陛下ご一行がホエールキングごと召喚されるという電波を受信した。
しかし同時にルドルフ一人だけ召喚という電波も受信した。
書くとしたらどっちだろう…?

656 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 00:17:03 ID:oeqpxzHp
もうアニメデスザウラー召喚してしまえよ

657 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 00:18:36 ID:Ykuy3U01
ゾイドイブがいないから即停止

658 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 00:18:55 ID:u99lwUZo
ゴジラの息子のミニゴジラを召喚するのはどうだろうか?
ルイズと一緒に成長するってことで

659 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 00:19:48 ID:7V4+lOI8
>>655
いっそライガーゼロでも召喚してしまえ

仮面ライダー響鬼より響鬼を召喚
勘違いでフレイムたち使い魔を音撃で清める響鬼
そしてルイズが響鬼の弟子となり鬼化
なんて電波を受信しちまった…orz

660 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 00:19:50 ID:qCIQFhTJ
>>641
がんがれ…(´・ω・)

>>642
うむ
しかし憧れみたいなのはあるのよw

>>643
残念、おにゃのこ専門外なんです><
戦列艦とフリゲート、カロネードにキャノンあたりなら(ry



戦列艦とか言ってたらDOLやりたくなってくるから困る

661 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 00:25:28 ID:7V4+lOI8
>>658
飯の問題はどう解決するつもりなんだ?

662 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 00:37:04 ID:3wZ8zLpq
>>645
ワルドとモンモンが兄妹で、
ルイズは魔法衛士隊の姐さんで、
カリン様はかつて魔法学院でも指折りの才媛で表彰状が大量に残ってたり、
マリアンヌ大后は元ヤンで憲兵の靴音が嫌いだったり、
アン様の記憶では母の使い魔のユニコーンが改造単車みたいだったり、
モンモンがギーシュを半殺しにしたり
コルベールがメガネを取るとカッコいいのか。

663 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 00:45:01 ID:El84Ehlo
ヴァッシュを呼びたい

664 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 00:48:23 ID:4UkkEr8O
のっぺらぼう召喚。口が無いから契約できない。

665 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 01:02:11 ID:qCIQFhTJ
つ モルボル

口はあるが臭い

666 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 01:05:54 ID:NzxvB8Bi
>>665
実は召還された事があったが大惨事。
カエルの死体が……いくつもね。

667 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 01:08:18 ID:BnfTziIa
触れるだけで何らかの能力の対象になる奴はいないかと考えて
ラウラ・シルヴァ・グロウリー思い出した
ルイズは一ヶ月寝込みました。

668 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 01:09:19 ID:LqT8JBZl
「のっぺらぼう」で思い出したが『ばいばい、アース』のベルを召喚と
いう電波が。復刊版の三巻途中までしか読んでないが…デルフが
いらない子になりそうなので慌てて破棄。

669 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 01:12:04 ID:qCIQFhTJ
>>666
そうか、既出かぁ・・・

670 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 01:13:11 ID:hkGQk9bX
モルボルグレイト…、沙耶の二の舞に。

671 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 01:14:00 ID:oeqpxzHp
ならデススティンガー召喚すれば

672 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 01:31:28 ID:J3BegDxf
自衛隊を召喚ry

673 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 01:44:31 ID:7V4+lOI8
米軍を召喚してみる

674 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 01:46:30 ID:XTNdErr8
米軍に対抗してシェパード伍長とゴードン(ry
バールとレンチは聖剣です!

675 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 01:50:31 ID:QMc/0YAE
テスト

676 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 01:57:05 ID:g8YzCmco
そういうものは軍板でしような!

677 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 02:00:01 ID:qCIQFhTJ
孔明でも召喚
風起こしたりビーム撃ったり・・・

678 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 02:06:10 ID:QC3KUmcc
@ < 五つの力を司るペンタゴン! 我の運命に従いし使い魔を召喚せよ!

@.c

@.c < 五つの力を司るペンタゴン! この者に祝福を与え、我の使い魔となせ!

@c

`c
 


679 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 02:10:31 ID:qNir7XPf
NetHackかよ!?どれだけの人間に通じると思ってんだ!

宝物庫に納められているのは軟化の杖ですか?


680 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 02:16:03 ID:21SjNx0p
グレンラガンのコアドリルを召喚とか。

最初はギーシュのゴーレムにコアドリルを刺して奪って
今度はギーシュのゴーレムを使ってフーケのゴーレムと合体して
最後はガリアの鎧付けたゴーレムと合体だ!

681 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 02:20:43 ID:3SiBacBu
おいおい、グレート・アルビオン・ラガンを忘れちゃ困るぜ。

682 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 02:23:51 ID:AkoY0AI/
>>663
強すぎるだろ…

683 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 02:26:01 ID:QC3KUmcc
パトラッシュ召喚。

684 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 02:29:06 ID:J3BegDxf
>>683
ルイズ死んでしまうん?

685 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 02:30:10 ID:80QgB+Ab
「前の主は私を並の人間として扱った。だから私もそれなりに報いた。
だが今の主は私を国士として遇してくれた。だから私も国士として報いなければならない。」

かつてこう言った予譲という侠客がいたが、召喚されたのが彼だったら…ルイズあっさり見捨てられるな。

686 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 02:30:11 ID:97SNK5DB
>>681
ゼロ魔の世界観ですら宇宙に飛び出せそうだから困る。穴掘りルイズは遂に天まで突き抜けるか
異常に進化の早いメカニックコルベール、おっぱい担当支援火力のキュルケ、そして同世代なのに何故か子役のタバサ

ごめん、大グレン団初代団長は流石にゼロ魔の世界にゃいねぇ……テンション高けりゃやれるってポジションでもねえしさ

687 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 02:30:54 ID:udw7KwG2
>>674
HALF-LIFEと来たか。

ルイズに召喚されてる時にG-MANに『目覚めなさい云々』言われて、ハルケギニアに挿入されるのを幻視した。

688 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 02:42:04 ID:hkGQk9bX
>>686

それだと、キュルケのキスはデスキッスの死亡フラグたてガールになるな。

689 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 02:43:24 ID:KKot9zEP
>>686
そこに颯爽と「君の魔法は天を突く!」とかいいながら現れるワルド兄貴が!

690 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 02:45:05 ID:r0rfAhgj
>>681
超聖地グレンラガンも忘れちゃいけないぜ

>>686
そこでシエスタが初代団長ですよ
「私を誰だと思ってますか!」が口癖なメイドさん
この口癖、彼女のお爺さん譲りだとか

691 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 02:58:57 ID:97SNK5DB
むう、それだとワルド兄貴が僅差で勝るな
シエスタには「これが螺旋の力……(略」でぼかーんと突貫してもらう方向で ヴォウォウバイツァパゥア
ぬう、螺旋王ジョゼフは鉄板だな。そしてこの無法者共の相手は最強エルフ軍団でひとつ

692 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 03:15:47 ID:QC3KUmcc
作品世界を破壊したらクロスの意味が無い。

693 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 03:27:29 ID:r0rfAhgj
>>691
それだとイザベラがヒロインにw

まぁシエスタなら爺さん関連で多少、いや相当変わっていてもしていても不思議じゃないが、
それ以外のキャラを弄るのはどうかなぁと思ったんだ

694 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 03:47:00 ID:emlTyvIf
>>552
ツンデレジャドウとルイズの喧嘩を仲裁するリトルスノー…

封印ごと呼んで杖持ってるスノーと契約するとか?

ジャドウ「俺の眠りを妨げた蛆虫め あのまま夢の世界の住人であろうとしていたものを…」
気圧されたルイズ「あっアンタ一体何者なのよ?」
と誤解されそうな所に
スノー「この人は口が悪くてぶっきらぼうだけど優しくて人との付き合い方がわからないだけなの」
とフォローするスノー



695 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 04:14:07 ID:MSNnFQph
もうグレン団(大グレン団じゃなくて)全員召喚でいいじゃん

696 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 04:14:38 ID:g8YzCmco
全員にキスして回るのか

697 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 04:17:15 ID:+1LnKEBU
やはりフーケさんがカミナだな


フーケとカミナの人……………待ってます

698 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 06:51:39 ID:atsbfLn8
生き様を見せるカミナ
風穴開けて導くシモン
まだシモンのほうが書きやすそうではあるが、コアドリルとかどうするか……ゴクリ

699 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 08:03:46 ID:U5C5kbMm
シモンがコアドリル所持で召喚されて破壊の杖がラガンタイプで零戦が以前から話に出たキングキタンとか妄想した。

700 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 09:06:19 ID:zTSpHqMa
ロボネタで盛り上がってたがラインバレルの人はどのタイミングで召喚するかが気になる。

701 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 09:57:08 ID:QC3KUmcc
最後まで来なかったらワロス

702 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 10:02:05 ID:emlTyvIf
ロボアニメからロボ無しだと
十傑集とかガンダムファイターとか迫水王とかギンガナム
最低でもジャンク屋(漫画版)ぐらいに濃くないと地味すぎて面白くなさそう…



703 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 10:03:17 ID:QC3KUmcc
レイアースなら来ない方がいいかも。

704 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 10:21:17 ID:BnfTziIa
>>702
つまり自力で平行世界移動なんてやらかす子供が大好きなおじさん(漫画版)を召喚?

705 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 10:24:17 ID:SDFE54Y5
来たけれど何もしないロボットなら来ても問題ないな
バランスブレイカーにならない、ものぐさロボw

706 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 10:32:06 ID:emlTyvIf
>>704
おっぱいエルフ辺りに呼ばせて

ルイズは人相の悪いロボを…
ルイズ「私を守りなさい!」
おじさん「虚無の力に目覚め世界の敵となった君を守るために
ロボは世界を焼き尽くすことにした!彼が納得しない限り新しい命令を受け付けることは無い!」

あのおじさんだったらフーケゴーレムもワルドも7万も「はああっ!!!」で何とかなってしまいそうだから困る
と言うか7万とかワルドがおじさんを何とか出来ている姿を想像できない…

無能王が中条長官でも呼び出す?


707 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 11:04:23 ID:gi4jnfPs
>>705
治療や超高速移動、忠告なんかはしてくれるけど人(及び人だったもの)相手には戦えない
アーフィM4竜機神シリーズと言うモノが居りまして……

708 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 11:08:25 ID:emlTyvIf
>>707
そういう意味ではトップ2のノノもいけるね。

人間以外相手にはバスタービームやイナズマキックを使えるが
人間相手だとお姉さま(ルイズ)のために女の子として剣を振り回すだけ…




709 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 11:45:36 ID:3wZ8zLpq
ルイズなら彗王丸を制御できるんじゃね?

HIGH SCOREの藤原愛実なら女王がいるトリステイン以外の国は滅ぼせるんじゃね?

710 :魔法少女リリカルルイズ:2007/11/27(火) 11:55:15 ID:SkIEymcg
投下予約させてください。

元ネタがかぶるとちょい怖いことになることを今回発見しました。

711 :魔法少女リリカルルイズ:2007/11/27(火) 12:15:49 ID:SkIEymcg
すいません。急用ができたので、また後で投下します。

712 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 12:39:37 ID:fUbPztcH
「21エモン」のゴンスケ?召喚
トリスティンでもイモ作りに励み
いつしかヴァリエール家を大陸一の旅館にするが
時々若女将ルイズの言う事を聞かず暴走する

713 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 12:50:30 ID:Gv0/90UH
ルイズが才人と共に、紺碧の艦隊の日本と第三帝国を召喚した、と電波した

714 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 12:57:30 ID:El84Ehlo
喪黒福造とかは?

715 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 13:03:29 ID:Ob+rbLwU
心の隙間を埋められちゃうw

というか、あの人は楽しんでるだけだな
愉快犯だよ

716 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 13:04:42 ID:QC3KUmcc
深泥明日香召喚。
ぎぼぁー!

717 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 13:12:40 ID:BnfTziIa
ルイズがこまを召喚
食堂で2p使った見開きでチャーハン作るよ!

718 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 13:15:06 ID:FuJ6O9+6
>713
コミックの新・旭日の艦隊の方が派手な展開を期待できるかも。

719 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 14:20:44 ID:H8qK3/lh
>>718
あれは派手すぎw

720 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 14:30:36 ID:FuJ6O9+6
派手さを度外視しても、飛行戦艦華やかななりしハルケギニアで海上しか動くことのできない戦艦がどのくらい役に立つかは大変疑問ではあるな。

721 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 14:39:18 ID:Gv0/90UH
大丈夫、航空戦力も充実してるし、対空射撃も強力だし、的もでかくて、航空機より遅いから

722 :草壁桜:2007/11/27(火) 14:43:20 ID:qzpRzn8E
埋めてください!今すぐに!(・∀・)

723 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 14:59:00 ID:vK7XuSt9
>>711
無理せずに。
気長に待ってます。

724 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 15:21:12 ID:yQvDe4vx
イエス、ケストレル

725 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 15:34:12 ID:2225/VdR
ハルケギニアのすっとろい戦艦なんてそれこそ「空飛ぶ的」だろうw
七面鳥撃ちってレベルじゃねーぞー!(><)

726 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 15:40:18 ID:5lQTxVAU
3式弾と対空ミサイルで軍団単位で撃ち落されていく姿しか想像できん・・・

727 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 15:41:45 ID:yQvDe4vx
シルヴァーナでも召喚するか
ラストエグザイルの

728 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 15:42:30 ID:FuJ6O9+6
そうか
さすがに空を飛ぶフネに主砲たたき込むのは無理だと思ったが、別に主砲じゃなくてもいいわけか

729 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 15:42:48 ID:emlTyvIf
>>720
中に風石詰め込んでメイジいっぱい乗せてレビテーション使えば浮くかもよ?


730 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 16:00:20 ID:/sLIATp/
>>727
エグザイルと聞いて、昔日本テレネットから発売されたゲームソフトを思い出したのは多分俺だけだな
んでエグザイルの主人公、イスラム暗殺教団の指導者であり最強の戦士のサドラー召喚とか言ってみる

真面目な話イスラム系の人召喚したら、仇敵のキリスト教圏に近い文化のハルケギニアで馴染むのは
難しいだろうな…

731 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 16:04:12 ID:emlTyvIf
>>730
イスラム過激派以外は比較的穏健だから大丈夫かも?

(と言うか中世ヨーロッパがイスラム過激派が穏健に見えてくるレベルだから…)
経典の民としてキリスト教やユダヤ教には信仰の自由を納税と引き換えに認めていたし

某漫画のカトリックの首切り神父から見れば
極めて温い



732 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 16:06:32 ID:yQvDe4vx
XZR(エグザイル)
〜破戒の偶像〜

今じゃ許されないゲームだなw
いろんな意味で

733 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 16:10:04 ID:3wZ8zLpq
鴇羽舞衣とカグツチや、蒼天ローブのアリカなら一人でレコン・キスタ壊滅できそうだな。


ラキシス召喚マダー?

734 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 16:10:39 ID:+1LnKEBU
ならばイデオンだ

735 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 16:11:07 ID:jRV1CMmp
>>734
世界が終わってしまうわwww

736 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 16:11:28 ID:WiYs2XxW
>>729
そういえば、風石で浮かぶ、とは書いているけど「風石でどう動くか」は描写がないよね
風石をバルーン代わりにするのか、燃料にして船底から噴射するのか、レビテーションの強化用触媒なのか…
そもそも消耗品かどうかも描写あったっけ?

737 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 16:12:36 ID:FuJ6O9+6
消耗品ってのは明らかだろう。
いちいち積み直しているみたいだし。

738 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 16:16:45 ID:WiYs2XxW
>>737
そいいやそだね。消耗品じゃないとワルドと船長の取引のシーンがあれだし

739 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 16:28:21 ID:2225/VdR
あの船でのエピソードだけど、
いつも偏在したワルドさんが必死に車輪を漕いで船を飛ばしてる姿を想像して噴くw


ルイズ「本当に大丈夫、ワルド様?」
ワルド達「「「「ぜーはーっ! ぜーはーっ! な、何てことはないよ。 僕は、風の、スクウェア、だからね!」」」」
サイト「鳥人間コンテストかよ!? きめぇwwww」


空賊襲来時にガス切れになるのもむべなるかなw

740 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 16:31:44 ID:FuJ6O9+6
そこまでがんばるんだったら、むしろ尊敬する

741 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 16:33:46 ID:emlTyvIf
>>739
「風石」とは風のメイジに力を与える炭酸の入った黄色い液体で
飲むと「ファイトー!」「イッパーッツ!」と元気が出てくる。

召喚する作品によってはこんなノリに…




742 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 16:36:32 ID:v0DkoNDi
消耗品っていうかバッテリーみたいなものだと思ってた

>>739
お前のせいでキーボードがオシャカになりかけたじゃねーかwwwwww

743 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 16:56:04 ID:V/zFbcAo
戦艦の話で何故アラハバキが出て来ない!



ドリルが二倍 浪漫も二倍

744 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 16:59:17 ID:Fy6RVG8w
>>736
平民しか乗ってない船で飛べるのだからレビテーション強化はないんじゃね?
あとはワルドが『メイジだ』でも『スクウェアメイジだ』でもなく、『風のスクウェアだ』と言った辺りから、風属性が関与していると見るべきじゃないか?
レビテーションはコモンだったよな確か。フライって風か?

745 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 17:29:58 ID:3SiBacBu
7万と戦えるヤツ〜と考えてて、ふと「ブライ〜八玉の勇士伝説」から主人公召喚とか電波受信。
なんせキャッチフレーズが「敵は2億4千万!」だけに、7万ぐらいなんともないぜ!
車田正美キャラデザでさ。RPGなのに終盤なんか一撃で100人単位でザコがが死ぬんだよ。
問題は誰も知らない(多分1992年発売)どころか、俺の記憶すらおぼろってトコロだがな!

746 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 17:34:10 ID:ckp3pp2D
>>745
年がまだ一桁だったころにオカンの友達の家に遊びにいったときだけやらせてもらった覚えがある
その後借りてやったけど結局クリアできんかったな

747 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 17:39:01 ID:H2j+8xW6
>>718
内陸国だからドンナー師団と申したか
紺碧&旭日は見てみたい事は見てみたいが基本海戦だからなぁ
内陸国(だと思われる)ハルケギニアには使いづらそう
>>721
対空燃料気化弾、レールガン、防空航空機
どう見てもオーバーキルです 本当にありがとうございました
ミッドウェー前の史実の連合艦隊でも十分そうなんだが

748 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 17:40:07 ID:61esbVsk
あれのキャラデザって車田正美だったっけ?
アニメ聖闘士星矢のキャラデザの人だった気が。

749 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 17:41:53 ID:Zfo0QXFy
>>745
正確には、雑魚集団はHPがわりに人数になってるのな。
だから、雑魚集団を攻撃すると、○○人死んだってなる。

750 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 17:50:29 ID:/sLIATp/
>>748
荒木伸吾さんだな
あと一人居たんだがそっちの方は名前が思い出せん

751 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 17:58:42 ID:SkIEymcg
>747
別に、トリステインは内陸国じゃない。
ガリアやゲルマニアもしっかり海岸線持ってる。
名前が出てきた国で海岸がないのはアルビオンくらい。
だから、海軍もあってもいいんだが、海戦があるかどうかは非常に怪しい。
空海両用の船艦が山ほどあるような世界だし、海戦やる間には空戦やりそう。

だから、召喚された側の戦艦が内陸に動けませんというのはほどよいハンデかも知れない。

752 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 18:04:36 ID:GGju3F0W
海軍戦力が無い可能性もあるよな。
海は海洋性の怪物に支配されてるとか。
その為に空陸が発展したとか。

753 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 18:07:33 ID:2225/VdR
紺碧とか旭日の世界って、地球半周して戦略爆撃するようなチート爆撃機出てきたよね?
戦闘機も史実のそれよりも遥かに底上げされた厨スペックを誇っていたような。
「内陸国? 空母から航空部隊差し向けてフルボッコにしてやんよ!w」を地で行くかと。
結局、敵は補給だけだと思う。

754 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 18:24:58 ID:Cf8QC3ua
まーそのなんだ…
軍オタ
自重

755 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 18:28:30 ID:Gv0/90UH
ガリア王がヨルムンガンドを視察しに行ったとき、海上戦力がある的な事が書いて有った様な気がする

756 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 18:34:09 ID:w+SCb9+I
A−10でいいよ
重巡航空中管制機でも落とせるし

757 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 18:42:12 ID:H8qK3/lh
最終的にヒトラーが宇宙船から爆撃しだしたときは爆笑したなw

758 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 19:03:57 ID:jRV1CMmp
>>756
ルーデルの魂が宿っているらしいからな

759 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 19:07:50 ID:wWWhQMXL
つ【新・海底軍艦】

760 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 19:08:09 ID:F/KQx9Q0
ルーデル閣下を召還とな

761 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 19:15:15 ID:Gv0/90UH
無論、スツーカでな

762 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 19:16:48 ID:+6NzFR4D
ところで妙な質問だけど、ルイズって実際人ぶっ殺した経験あったっけ?

763 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 19:21:09 ID:H2j+8xW6
>>753
インドを東西から空母艦載機で挟み撃ちしてたりするしなぁ
>>758
個人のブログだけど
ttp://blogs.dion.ne.jp/hoge/archives/5312741.html
>>760-761
逃げて地上軍逃げて

764 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 19:23:24 ID:Fy6RVG8w
七万に勝て、かつ他の戦闘のパワーバランスが変わらないヤツを考えてみて思いついたんだが

デュラララの園原杏里と妖刀罪歌

相手が刃物さえ持っていれば(多分)切り付けて操れるから、相手が多ければ多いほど大混乱

みたいな、本来勝てそうもないのに相性で勝てるヤツを探すのも楽しそう

765 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 19:36:37 ID:QC3KUmcc
>>762
3巻のあれで死んでないの?

766 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 19:42:02 ID:+6NzFR4D
>>765
うーん、奇跡的に死傷者は少なかったらしいし、『生』で見たわけじゃなからなぁ……
やっぱ、想像で描くしかないか。回答サンクス

767 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 19:49:45 ID:5RV5n2MK
少なくとも爆破対象には入ってなかったはずだから、死んだにしても二次災害的なものなんじゃないか?

768 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 19:56:35 ID:2225/VdR
爆発ではただ一人の人死も出ませんでした。
ただし、爆発炎上する戦艦から我先に脱出しようとして墜落死した敵兵が多数おりました。
さらに戦艦の残骸がタルブ村の避難民や地上に布陣していた敵味方の軍の上に降り注ぎ壊滅的被害を受けました。

だったら悲惨w
きっと炎上する戦艦も墜落しそうになった人も虚無パワーでふわりと風のように地面に着陸出来たんだよ。

769 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 19:57:09 ID:UHA76Hvf
ゴリアテみたいな感じだったら、ルイズがショックで・・・

770 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 20:04:00 ID:El84Ehlo
つまりムスカを呼ぶのか

771 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 20:05:12 ID:QC3KUmcc
それはちょっと都合良すぎね?
あれで大量に死んでなきゃうそだろw
キラじゃあるまいしw

772 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 20:11:01 ID:ckp3pp2D
つまり後にルイズにとってラインハルトのヴェスターラントばりのトラウマになると

773 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 20:12:44 ID:udw7KwG2
>>756
アイガイオン(いい男)の事かーーーーーっ!

気化爆弾の株が上がったステージだったなぁw


774 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 20:18:56 ID:w+SCb9+I
>>773
≪挟まっちまったぜ!≫

黄色中隊、アークバード、グレイプニル、フレスベルク、アイガイオン・・・
すべて気化爆弾で落としたといったら驚きますか?

775 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 20:27:07 ID:3DXPnELQ
>>774
よくあること

776 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 20:29:54 ID:ZnuIvYli
>>771
やめてよね、本気の僕ならあんな酷いことするわけないでしょ。

777 :魔法少女リリカルルイズ:2007/11/27(火) 20:34:00 ID:SkIEymcg
昼には失礼しました。
改めて投下予約させてください

778 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 20:34:30 ID:w+SCb9+I
ですよねー

779 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 20:36:57 ID:+6NzFR4D
んじゃ、俺は>>777さんの次に投下します

780 :魔法少女リリカルルイズ:2007/11/27(火) 20:38:36 ID:SkIEymcg
ある夜、トリステイン王国とその近郊で4つの事件が起きた。
平民から搾取をするメイジ、あるいはドラゴンなどの幻獣が突如、気を失ったという事件である。
だが、この4つの事件を結びつける者は誰もいなかった。
それも当然で、4つの事件が起こった場所はあまりにも離れていたし、被害者にも共通点がなく、その上誰にも知られることなく終わったものもあったからである。
これは、その4つの事件の中の1つのあらましである。


深夜のヴァリエール公爵の屋敷。
そこに屋敷の庭に作られた花の迷路を駆ける土くれのフーケの姿があった。
なぜ彼女はヴァリエール領にいるか。
それは、それは盗賊としての仕事のためである。
トリステイン魔法学院での盗みに訳もわからぬうちに失敗したフーケは学院に帰るに帰れなくなり、かねてから次の目標と定めていたヴァリエール公爵所有の宝物を頂戴すべくこの地を訪れた。
では、なぜ今、その土くれのフーケがヴァリエール公爵の屋敷に作られた花の迷路を髪を振り乱し、服を汗で体に貼り付けながら、息を切らせて走っているのか。
それは、彼女が盗みに失敗したからである。
学院の時とは違い、夜陰に乗じて邸宅に侵入した──ケチがついた学院の時と同じ方法を使う気にはなれなかった──フーケはあらかじめ調査しておいた通りに、宝物のある部屋に足音を忍ばせて急いだ。
目当ての部屋まであと少し。
そこで少女が一人、フーケの前に立ちはだかった。
「お前、泥棒か?」
赤毛の、まだ少女と言っていい歳の少女が気の強そうなつり目を向け、フーケの前に立っていた。
立っていた、と言う言い方は正確ではないかもしれない。
むしろ、立ちはだかっていた、と言う言い方の方がいいだろう。
「おとなしく捕まるんなら何もしねえよ。そうでないんなら、ちょっと痛い目にあってもらわねえとな」
「はっ」
フーケは鼻で笑う。
たかが子供に、たかがメイドになにができるのか。
「それは、私の台詞だよ。お嬢ちゃん。平民がメイジに何ができるって言うんだい?」
そう、少女は杖を持っていない。マントも着ていない。
フーケのような貴族崩れですらない。たかが平民なのだ。
たった一人の平民の子供がメイジのフーケに何かができるわけがない。
「おとなしくしてるなら何もしないであげるよ。でも、そうでないんなら痛い目にあってもらわないとねえ」
フーケは少女の言葉を真似て嘲り、そして杖を構える。
少女との距離は離れている。
人間の脚力ではどうやっても一気に飛び込める物ではない。
つまり剣や素手の間合いではないのだ。
それなら魔法で少女をどうとでもできる。殺すも生かすも思いのままだ。
故に、これで大抵の平民は黙ってしまう。
「なら、しかたねえな」
だが、少女は怯みもしなければ怯えもしなかった。
つり目を離さずに、やや半身に構える。
「少し、痛い目にあってもらうぜ!」
地面を蹴る少女は低くフーケに跳ぶ。
「は、バカだねえ」
フーケは落ち着いて杖を振り、ルーンをとなる。少女は確かに速いが、杖の一振りで魔法を使えるメイジ相手には不十分だ。
木の床は練金で瞬時に泥沼に変わり、天井は土となる。
──終わりだよ
素手の少女がフーケに何かをするには、泥となった床を踏まなければならない。
そして泥を踏めば足を取られ、土となった天井が少女を生き埋めにする。
勢いのついた少女は今更止まらないはずだ。
フーケは三日月のように唇をゆがめ、嘲笑を少女にくれてやる。
「たあああああああああああああああああああっ」
泥に埋まる少女が叫び声をあげる。
それは、やむことなくフーケに迫り、彼女の嘲笑をわずかなものとした後に驚愕へと変えた。
少女は床に足をつきはしなかったのだ。
「なっ」
空を飛び、いつの間にか握っていた槌のような杖でフーケに横一閃。
間一髪、床に転げたフーケの頭上を槌が通過する。
少女の細い腕でふるわれたとは思えない威力を持つ槌が屋敷の壁を粉々に粉砕した。
「冗談じゃないよこんなの!」
フーケはその穴から転がり出る。
壁が砕け散ったときに出た音が屋敷の隅々まで響いている。

781 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 20:39:27 ID:jEk01a7i
支援します。

782 :魔法少女リリカルルイズ:2007/11/27(火) 20:39:38 ID:SkIEymcg
この盗みは失敗だ。
フーケは、あらかじめ予定していた経路に向かい走った。


そして今、フーケは屋敷の庭に作られた花の迷路を走っていた。
庭木で作られた迷路の壁は高く、また密集しているためフーケを見つけるのは非常に困難になっている。
しかもフーケは脱出のための経路をあらかじめ調べている上にいざとなったら土の魔法で庭木の壁に穴を開け、またふさぐこともできるのだ。
だれも追いつけるはずがない。ここまで来ればもう脱出したも同然だった。
「まちやがれ!」
はっきりと声が聞こえた。
──見つかった?
振り返るが、誰もいない。
声の大きさから考えて、遠くにいるわけではない。ならどこに?
声が聞こえた方向をもう一度思い出す。
声は……
──上?
追っ手は上にいた。
先ほどの壁を粉砕したメイドの少女が槌のような杖を持ち、そしてなぜか赤い服──それはどこか戦装束を思い起こさせた。両脇に不気味な怪物の顔がつけられた帽子など、他の何に使うというのか──を着て空を飛びフーケめがけて急降下してくる。
「さっきは驚いたけど馬鹿なことをしてるもんだよ」
フーケはルーンを唱え、魔力を通した足で地面を蹴る。
学院の時と同じだ。地面はあっという間に盛り上がり、人型を作る。
「ここまでフライを使って、精神力を使い果たして何しようってんだよ」
土のかたまりはゴーレムとなり、赤い少女を握りつぶさんと手を伸ばす。
赤い少女は止まらない。さらに速度を上げ、そして一言叫んだ。
「アイゼン!」
火薬の爆ぜる音、そして金属がぶつかり合う音がした。
少女は槌を振り上げ、ゴーレムに振り下ろす。
人間が振り回せるような槌で30メイル物ゴーレムがどうにかなる物ではない。
だが、少女の槌は腕を粉砕し、再び振り下ろせばゴーレムの全てを吹き飛ばす。
その後ろにいたフーケもろとも。
「きゃああああああああああああああ」
吹き飛ばされたフーケは迷路の壁を作る庭木に抱き留められた。
枝が頬や腕にひっかき傷を作ったが、それは優しい方だったかもしれない。
少なくも、目の前にいる赤い少女よりは。
「カトレアに知れたら事だからな。人間相手にはあんまりつかわねえんだが、泥棒なら別だ」
少女は手を掲げる。
睨むフーケの目の前で、不思議なことが起こった。
フーケの胸元から、光る弾が浮かび上がっていくのだ。
何が起こっているのかはわからない。だが、その原因が赤い少女にあることは確実だ。
「な……何をする気……」
「蒐集」
フーケの腕から力が抜ける。
視界は闇に閉ざされ、意識は沈んでいった。

783 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 20:39:51 ID:w+SCb9+I
しえん

784 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 20:40:56 ID:hq7QO2Tr
支援

785 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 20:41:19 ID:+6NzFR4D
支援

786 :魔法少女リリカルルイズ:2007/11/27(火) 20:41:59 ID:SkIEymcg
ルイズが勲章を賜ってから数日後のことである。
その日はルイズにとっては久しぶりの授業だった。
あの後、ルイズは水のメイジの秘薬を使っても回復がかんばしくなく、寝込んでいた。
ルイズはその間、ずっとおかんむりだった。
とくに、フリッグの舞踏会当日は
「私も出るー」
と、ふらつく体を引きずって無理矢理起き出してユーノを困らせたほどだった。
これはこの数日でユーノが2番目に困ったことだった。
ちなみに1番困ったのはルイズの毎日の着替えである。
体が疲弊して、ろくに体が動かないルイズの着替えをユーノが手伝ったわけで……。
いやまあほとんどはシエスタが手伝ってはいたんだけど。
何はともあれ、久しぶりの教室は前に比べて少し騒がしい。
女生徒たちが固まってお喋りをしているようだ。
ルイズは、その集団をちょっと見ただけで席に着いたのだが、向こうからルイズに近寄ってきた。
「ねえねえ。ルイズ。ちょっと教えて欲しいんだけど」
どうやら、この集団のリーダーはモンモランシーらしい。
「何を?」
「そりゃあ、今評判の女騎士様の事よ」
「女騎士?なんでそんなの私に聞くのよ」
「ああ、そうか。ルイズはずっと寝てたから知らないのよね。わかったわ。おしえてあげる」
そして、モンモランシーは蕩々と語り始めた。
「ちょっと前にね。土くれのフーケが捕まったのよ。どこで捕まったと思う?なんと、ヴァリエール領。
そう、あなたの故郷のヴァリエール領よ。土くれのフーケはあなたのとこのお屋敷に泥棒に入ったんだけど、見つかって逃げたんですって。
それを追跡して、死闘の果てに捕まえたのがヴァリエール公爵の次女、カトレア・イヴェット・ラ・ボーム・ル・ブラン・ド・ラ・フォンティーヌ様とその騎士団ってわけよ」
「……はぁ?」
モンモランシーの説明には最後の部分にとても聞き捨てならないところがあった。
「ちょっと待って。誰と誰の騎士団?」
「だから、カトレア・イヴェット・ラ・ボーム・ル・ブラン・ド・ラ・フォンティーヌ様とその騎士団よ。黄金の杖を持って、白銀の鎧に身を包み、桃色がかったブロンドをなびかせ白馬に乗った女騎士。カトレア様。あぁ、きっと、とても素敵な方なんでしょうね」
「え?あ?その……どこのカトレアでどこのヴァリエール領よ」
「あなたのところに決まってるじゃない。だから、あなたに聞きに来たのよ。カトレア様がどんな方か」
「いやいやいやいや。それ、絶対ないから」
いや、もうあるわけがない。
ルイズはまず、自分の姉であるところのカトレアが白銀の鎧を着たところを想像する。
間違いなくつぶれる。
次に、カトレアが黄金の杖を持って土くれのフーケと闘うところを想像する。
間違いなく倒れる。
ここでちょっと考え方を変える。
土くれのフーケが得意な魔法はゴーレムだ。
カトレアも優秀な土の系統のメイジでゴーレムを作る魔法もかなり上手い。
なら、これでゴーレム大決戦をやったら……どう考えても似合わない。
このことからルイズは一つ結論を出した。
──何が起こったかはわからないけど、尾ひれがつきまくってるみたいね。
「絵姿も出ているのよ。見る」
「見せて」
モンモランシーが丁寧に折りたたまれた絵姿を取り出す。
それを見たとき、ルイズの目は点になった。
「これ、姉様じゃないわよ」
「は?」
「じゃあ、誰のよ!」
「知らないわよ。でも、とにかく、これは姉様じゃないわ。だまされたんじゃないの?」
「きーーーーーーーっ」
激しく悔しがるモンモランシーとこの前できたばかりのカトレアファンクラブ一同。
だが、実のところルイズは嘘をついていた。
その絵姿には見覚えがあった。
おそらく何十年も前に書かれた物を模写して、少しだけ加筆修正した物だろう。
絵姿の人物がヴァリエール領にいるのは間違いない。
そして、その人物ならばフーケを地の果てまで追いかけて捕まえるくらいできるであろう事もわかっていた。
その人物は烈風の2つ名を持つあの人なのだから。

787 :魔法少女リリカルルイズ:2007/11/27(火) 20:43:03 ID:SkIEymcg
その人が捕まえたのならば、カトレア姉様が捕まえたというのよりはずっと信憑性がある。
だが……しかし……
──あの人と死闘を演じるなんて……フーケって、どういうメイジなのよ。
話半分に聞いても無茶を通り越して、フーケの事がとても心配になる。
ルイズは悲鳴を上げるファンクラブを尻目に、しばらく頭を抱えていた。


*******************************************
今回はここまでです。
伏線回でした

788 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 20:44:03 ID:w+SCb9+I
gjgfj−

789 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 20:46:08 ID:+6NzFR4D
>>787
投下乙かれさまです


んじゃ、俺投下いきますー
一つ先に言っとくと、激しくメガテンテイストです。暗いです。死人でます。

790 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 20:47:01 ID:97SNK5DB
乙! 闇の書キタコレwwwww
すんげー続きみてー。幼女はさりげにファンなので、地味に嬉しかったーよ

791 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 20:47:50 ID:+6NzFR4D
―――トリステイン王国 草原

「久しぶりだね、ルイズ」
目の前に現れた男性が、顔をほころばせる。
王女アンリエッタは、腕ききをつけるとは言っていた。しかし、まさかの腕ききというのが彼だなんて。
そんなことを、彼女は一言も言っていなかった。今回の一件は、国難にかかわる出来事だ。だから、極力内密にする必要がある。
だが、まさか彼が選ばれるなら、言ってくださればよかったのに、とルイズは思った。
きっと、自分の顔は赤くなっているだろう。
二人が会うのは、はじめてではない。いや、はじめてではないどころか……よく見知った間柄なのだ。
そう多くない幼いころから、自分に優しく接してくれた人の一人。許婚の約束を結んだ、隣の家の貴族。
自分が好意を向ける男性。幼きころからの彼女の心の支え。
「ワ……ワルドさま……」
子爵様ではなく、彼の名前を。落ち着いていったつもりが、声が震えている。
「おお、ルイズ! 僕のルイズ! 盗賊を捕まえたと聞いたが……怪我はないかい?」
そう言って、ルイズの手を取ると、軽く握った。自分の心臓の音が、さらに大きくなる。
彼は、優しい。こうして久しぶりに会ったときでも、まっ先に自分の体の心配をしてくれていた。
何を、伝えればいいのだろう?
学院に行ってからの様々な出来事……何か、言いたいことを探そうとするが、逆に多すぎて、何から話せばいいのか。
「お久しぶりでございます、子爵さま」
浮ついた心を、どうにか、戻して、先ほどの言葉に対する返礼を。今度は、うまく言えた……と思う。
「本当に久しぶりだね、ルイズ。 会いに行きたいとは思っていたのだけど……」
「め、めっそうもないです!」
今の彼は、魔法衛士隊のグリフォン隊の隊長なのだ。
風の噂だが、数多くの功績を立て、姫殿下にも認められるようにすらなったらしい。そんな彼が、自分のために時間を割くなど。
またどもってしまったことに、恥ずかしさを感じ、顔をうつむかせる。その様子を、ワルドは父親のような温かな表情で見ていた。

―――瞳は氷つかせたままで。

しかし、ワルドの顔を直視できないルイズに気づく由などなかった。
ワルドが『彼』と話す姿を、彼女は、まとまらない散り散りになった心で、ぼんやりと見ていた。
『彼』と話すのが終わると、ワルドはルイズに馬から降りるよう促した。
ルイズは馬をここでおき、ワルドのグリフォンに乗ることになる。
落ちないように、ワルドの体が自分を支えている。子爵様の体の温かさが、彼女に伝わる。長い道中、ルイズは様々なことを話した。長く会っていなかったため、溜まっていた何かが噴き出したのかもしれない。
自分から話しだすのは気恥ずかしかった。それをワルドも分かっていてくれているのだろう。
色々なことを向こうから聞いてくれた。ひとたび彼女が話し出すと、今度は静かに聞き手となってうなずいていた。
そして、自分のことのように喜んでくれもした。
あってなかった6年の時を反復するように、ワルドは過去のことから順繰りに聞いていった。
学園で会った様々な出来事。入学式で、ツェルプストーの娘に会ったこと。
『ゼロ』のルイズなどと呼ばれても、1年間魔法を一生懸命練習したこと。
そして、一回だけ魔法が成功したこと。

792 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 20:48:38 ID:XTNdErr8
だれだろ、動けない人。
何気にA'sまでやろうとする作者さんにGJ

793 :力を求める使い魔:2007/11/27(火) 20:48:59 ID:+6NzFR4D
「なるほど、その初めての魔法が、サモン・サーヴァントで……飛び出されたのが彼というわけか」
ワルドが、後ろの彼を見て、興味深そうにひげをなでた。
「それから、もっと魔法を練習をすることにしたんです」
半分怪しくなっていた古い記憶より、新しいことのほうが、詳細を細かく長く話せるのは当然だ。
彼女の話は、そこから長くなっていた。
前の自分は、半ば眠った意識で過ごしていた、だから他人の言葉を受け流せた。けれど、召喚されたあの男の言葉を受け、自分は変われた。
いや、変わらなければいけないと思えた。本当に、他人に……いや自分が自分を認められるように。
そして今、変わるために行動していることも。
彼女は、自分が急に饒舌になったことに気がついていなかった。
「フーケの討伐隊に志願したのは、そのためかい?」
「はい」
大きくうなずく。そのための自分の行動で最たるもので――はっきりとその功労を認められた出来事。
あの一件は、彼女にとって、とても誇らしい出来事だった。彼女は、このときもワルドはうなずいてくれると思っていた。
しかし、このときだけは、ワルドは顔をしかめていた。
この反応に、ルイズは、自分は彼の気分を悪くすることを言ってしまったのかとあわてて訂正しようと思ったが……
結局何を訂正していいのか分からず、結局オロオロするしかなかった。
言葉を選んでいるのか、躊躇しているか……少し口動かしたあと、ワルドは言った。
「僕のルイズ、君は誰よりも崇高な魔法の才能を持っていると、僕は知っているつもりだ。
それに、確かに君の行動は素晴らしいし……君を貴族たらしめんものだとも思う」
でもね、と逆説の言葉を挟み、ワルドは言いたくはないが、といった調子で続けた。
「君の体は、君だけのものじゃないんだ。 もし、君の身に何かあれば家族や……僕がどれだけ悲しいかわかるかい?」
ワルドの言葉が、ルイズを撃つ。
「お節介かもしれないが、なまじ戦いというものを知っているからそう思ってしまうんだ。
誰も、おとぎ話の勇者のようにはいかない。もしも、取り返しのつかないことになってしまったら……
それに、君は軍に入って身を立てる必要だってないんだ。僕の言っていることは、わかるね?」
ルイズは、うなずいた。うなずくしかなかった。
自分は、自分一人で成り立つわけではない。それに、自分がやろうとすること――いや、したことには……死が裏に張り付いていたのだ。
一つに一生懸命だったあまり、そのことに気が付いていなかった。そう思うと、自分が打ち立てた功績が、急に色あせて感じられた。
戦って、強くなって、功績を立てる。もちろん命をかけて。なるほど、確かに軍人の仕事だ。自分である必要などどこにもない。
ふと、自分が軍隊に入る姿を想像してみる。
……………思いつかない。
下級貴族が、領地や褒章のために、戦場で命を懸けて武功を得ようとするのは知っている。
母だって、軍人として末代まで語り継がれるような功績を数多残してる。
だが、いざ自分がと言われると、思い浮かばなかった。
しかし、それ以外に自分を他に認めさせる方法が、あるだろうか?
長女のように、アカデミーで大きな功績を打ち立てる? 法王庁に入り、布教を進め、自分の名の寺院を作る?
何か、違う。そもそも、そんな方法では自分の心が埋まらない。魔法が使えないことには、変わらないではないか。
ワルドが、自分の頭をなでた。自分をなでてくれる手は、今でも変わらず優しく大きな手だった。
「急ぎすぎることはないんだ、僕は今のままでも構わないよ」
昔と変わらない、包み込むような優しさ。それはルイズの胸を喜びで満たしていく一方で、違和感を浮き出していた。

こんなことは、以前にもなかったか?

胸に手を当てても、思いつくはずがない。そもそも、ワルドとは何年も会っていない筈だ。
昔は、こんなことは考えていなかった。違和感の原因がない。なのに、どうして?

―――致命的になる。

誰かが、そう頭の中で囁いた気がした。この違和感の原因。その理由。放っておけば、毒のごとく体の奥を蝕む。


794 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 20:49:09 ID:XTNdErr8
支援。いつにもまして流れが、は、早い・・・。

795 :力を求める使い魔:2007/11/27(火) 20:50:01 ID:+6NzFR4D
そんな直観。強烈な、既視感。焦る。だが、どこをどう洗っても、そんな記憶はない。

―――毒などあり得ない、相手は彼ではないか。 

理性がそういった。

―――目覚めろ、気付け。『壁』を打ち破れ。

けれど、心はそう囁く。

尾を噛む蛇のように、出口のない思考が同じころを回り続ける。ワルドは何も言わない。優しい……そう、優しい微笑をたたえている。
あれほど話すことがあったはずなのに、気付けば無言で時間は過ぎて行った。

「敵だッ!」

奇しくも、後ろにいた『彼』と同じく、ワルドの声で一気に現実に引き戻される意識。
グリフォンの羽ばたきでおこった風が、敵の第一射の軌道を捻じ曲げる。矢はふらふらと地に落ちた。
素早くワルドが、グリフォンを操り、岩陰へと誘導する。視界の端に、『彼』も馬から飛び降り後方の岩陰に入るのが見えた。
ルイズは、杖を抜き魔法を唱えようとした。それをワルドが手で制する。
「よせッ!今身を乗り出したらハチの巣にされるぞ!」
ルイズが、その声で体を硬直させる。岩陰から出ていた、彼女の頭のすぐ上に矢が数本突き刺さった。
「矢を番えるときに隙ができるはずだ。その瞬間が読めるまで身を隠しておいたほうがいい」
ワルドの発言は、的確だった。咄嗟の状況でも、冷静にその場の対処法を他者にまで伝達できる判断能力は、一朝一夕で身に付くものではない。
ルイズとはっきり違う、実戦経験の差。

『当り前だろうが。どれだけ実戦経験に差があると思ってるんだ。少しましになっただけで自惚れるな』

以前、『彼』が言った言葉の意味。実戦経験の重み。それを、否応なしに感じさせられた。
事実、ワルドがいま彼女のそばにいなければ、彼女は矢に撃ち抜かれ、絶命していただろう。
いや、それどころか岩陰に入ろうという判断すらできなかったかもしれない。

自分一人では、どうにもならなかっただろう。

ルイズは、胸もと――の正確に言うなら服――を握りしめた。妙に、胸が苦しい。
葛藤、矛盾、相反……どちらも、間違ってない筈だ。でも、どちらが正しいのか分からない。何かが間違っている。なぜ間違っているか分からない。
『彼』が以前感じた苦しみが、ルイズにも今訪れていた。
なにかを選び取るなら、必ず感じるジレンマ。今日、明日の生活ではなく、人生を決める信念の選択の大きさ。
それは闇の中、手を伸ばすようなものだ。一歩踏み出すことすら苦痛を感じる。……その一歩の先に何もなくても、だ。
同時に、強烈な誘惑が付きまとう。それは、安易な自分の根本の否定。現状の自分の肯定。
今を受け入れてしまえば、前に進まなくていい。それは、楽な選択だ。

「おい、ルイズ! 岩のあのあたりを爆破できるか!?」
「え………できるわよ、そのくらい!」
「今すぐ爆破しろッ! 子爵さま、落ちてきた連中の露払い頼むぜ!」

しかし、そんなものは第三者だからこそいえる真理であり、渦中の人間に自分を客観視する余裕などあるはずもない。


796 :力を求める使い魔:2007/11/27(火) 20:51:02 ID:+6NzFR4D
『彼』が、駆け上がる最中、足場を失った男たちは逆に下に転がり落ちる。
落ちてきた男たちが、立ち上がり、短刀を抜いた。距離を詰められては、勝ち目がない。ルイズは、一番正面の男の横を、爆発させた。
うまく自分が狙ったところが爆発したことに内心安堵しながら、さらに続けて2人の人間の間を爆破し、まとめて吹っ飛ばす。
ワルドは、身を乗り出したルイズを矢から守るため、障壁を張るように、風をドーム状に強く吹かせていた。
矢に対し気を割く必要さえなければ、こっちのものだ。ルイズは、うまく男たちのそばを爆破し、吹っ飛ばしていった。
昔は、無軌道でどこで起こるか、どっちに被害が及ぶか分からなかった失敗魔法の爆発。
それが、日々あった言わば『戦闘訓練』の末、ほぼ完璧に制御できていた。彼女もそれについて自負があったのだ。
少しでも成長した自分をワルドに見てほしい、認めてほしい――そんな気持ちがあったのだろう。
ルイズは、すべての敵を自分一人で倒そうと必要以上に気負っていた。ただ、敵を打ち倒す。
それに集中……いや、熱中していた。
だから、起こった。
最後に残った2人が正面から走りこんできた。2人の間は空いている。まとめて、爆破で吹き飛ばすことはできない。
ルイズは、まず右の男の、1メイルほど横に狙いをつけた。
そこならば、大きく吹き飛ぶだろうが、大やけどや、強力な衝撃で死ぬことはないはずだ。
そのあと、最後に残った一人を、迎撃すればいい。『戦闘訓練』でいくらか身に付いた、なめらかな判断力だった。
しかし、それは崩れ去る。
突然、左の男が腰から短銃を出したのだ。いくら風の力でも、銃弾を止めることはできない。
ルイズは、咄嗟に右から左の男に対象を変えた。銃が、放たれる。結果として走りながら狙いもろくに付けられなかった弾は外れた。
だが、ほぼ同時にルイズも左の男に魔法を放っていた。相手に対応しようとしての、瞬時の行動で。

左の男の側の空間ではなく、左の男に。

内側から、爆ぜた。それ以外形容しようがなかった。文字通り……人間が内から爆ぜたのだ。
太めの男だったためか、爆破された腹からは血よりも先に、黄色いぶよぶよしたものが飛散した。
そのあと、腸が涌き出すように溢れてくる。男の体が倒れた。その下敷きになって、腸が砂と男の体でひきつぶされ、血をまき散らす。
体を痙攣させ、口からだらしなく唾液をこぼす。その唾液も、血へと変わっていき、自分で作った血のなかに自分で沈んでいく。
眼球が外れ、音をたてた。最後に、男は誰かの名を呼んだ。女の名だ。娘か、嫁か……それはもうわからない。
『錬金』のかかった壁すら破砕するその一撃に、人間が耐えられるはずがなかった。
ルイズは、その様子を一部始終見ていた。いや、見ざるをえなかったというべきかもしれない。
一気に、今まで考えていた思考が吹き飛んだ。背杉が急に冷たくなる。足が、震えた。
空白の頭が、考えることを拒否していた。ルイズは呆けた顔のまま、腰が抜け、へたり込んだ。

「横だ―――!」

ワルドの声。ひどく遠くに感じる。錆びた機械のような動きで横を見る。そこには、怒りをあらわに剣を振り上げる右の男。
頭をかち割ってやると、頭に剣が迫る。やたら、スローに感じた。
死ぬ? 自分が?

―――あそこで転がっている人のように?

嫌だ。 嫌だ!  嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!!


797 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 20:51:31 ID:jEk01a7i
はて、烈風の二つ名は、お母様でなかったっけ?
いったいどのように話がつながるやら、ともかく更新乙です。

798 :力を求める使い魔:2007/11/27(火) 20:52:04 ID:+6NzFR4D
ただ、純粋な生身の心がむき出しになる。本質、彼女は、清らかで優しい女性だ。
だから、この現状にすぐに反応することができなかった。
目から、涙がこぼれる。頭を抱えてしゃがみこんだルイズの頭上10サントもいかない距離に剣が迫った時―――

ワルドが、動いた。威力はなくとも、ほぼ無詠唱のエア・ハンマーが、男をのけぞらせた。
剣は、ルイズの頭から離れて地面に落ちる。続いて、エア・ニードルが男の胸に打ち込まれ、円形の穴が男の胸に空いた。
………心臓をくりぬかれ、男は当然絶命した。
「ルイズ! しっかりするんだ!」
最後の一人を打ち倒し、慌ててワルドがルイズを抱き上げる。
ルイズは、ワルドにしがみついたまま何も言わなかった。

―――誰もが、勇者のようにうまくいくわけじゃあない。

おとぎ話の様に、戦っておきながらきれいなまま終わる。そんなことはありえない。

………それが、残酷な真実。

この数分後、戦いは決した。
林側、崖上にいた男たちは『彼』により一人残らず死亡した。
もう一方の崖上も、タバサのウィンディ・アイシクルで全滅した。
崖下にいた男たちは、2人を除き全員が味方の矢を受け、絶命した。

―――生きる者は、誰もいなくなった。



―――トリステイン王国 上空

「気にやまないほうがいい、ルイズ。 あまり泣かないでくれ」
「わかってる、わかってるの……」
飛びはじめて数刻、ようやくルイズは落ち着きを取り戻した。グリフォンの中で、ワルドに抱きすくめられている。

―――戦場では、死人がつきもの。

そんなことはわかっていたつもりだった。戦死者という言葉がある通り、そんなことは、子供でも知っている。
けど、それは違った。言葉で、机上で、漠然と知っていただけだった。
現実は……まったく違っていた。自分の魔法を受け、見るも無残な姿になった男の姿。
あの生々しさが脳裏に焼き付いて離れない。
体の震えは、思い出すたびにやってくる。
「やはり、君はこんな任務に就くべきじゃなかったんだ。 今からでも戻るべきだ」
ワルドのルイズの心情を察しての言葉。
「駄目よ、私は姫殿下の密命を受けて……ここにいるの。あの人は、そのための犠牲者だもの。
 今帰ったら……それこそ駄目になっちゃうもの」

口調が、ワルドの前で使っていた丁寧なものではない。元に戻っている。
それは、そこまで彼女が追い詰められていることの証明だろう。

はたして―――『駄目になる』とは、その犠牲者の意味ということであろうか。
それとも―――彼女の心の支えとなる正当化の理由、ということだろうか。

おそらく、後者だろう。
だからこそ、タバサが同行を願い出た時、ついてくるなと言ったのだ。

799 :力を求める使い魔:2007/11/27(火) 20:53:08 ID:+6NzFR4D
―――これは、自分の任務だ。
              ……だから、あの死者も許される。
そこまではっきり彼女が考えているかは不明だが、そういったものが根底にあるだろう。
結局、タバサも付いていくこととなり、その一件は特にふれるべきこともなく終わった。
『彼』は、彼女の変化に気付きもしない。自分の考えることに精一杯で、ろくにルイズの様子など見ていなかった。





―――トリステイン王国 女神の杵

部屋の割り振りが終わり、ルイズは疲れた顔で荷物を部屋にまとめておいた。
今日の朝、姫殿下に直接頼まれたという誇りも、ワルドの言葉に違和感を感じたことも……全てもう記憶の果てに飛んでいた。
ひどく、疲れた。
体が重い。
何もしたくない。
そんな思いで、彼女はベッドに倒れこんだ。
「下に、食事がある。 行こう、僕のルイズ」
ワルドのほうを向かず、枕に顔を押し付けたまま、横に振った。
とても、何かを食べる気じゃない。たぶん、食べてもすぐに吐き出してしまうだろう。
何もしたくない。何も考えたくない。このまま、静かに温かい布団の中でくるまっていたい。
ワルドがベッドまで歩いてきた。ひどく空虚な心のためか、それでもルイズはワルドに顔を向けなかった。
「今の君を、放ってはおけない。そんなこと、僕はできない」
沈黙するルイズに、ワルドは言葉を紡ぐ。

「ルイズ……アルビオンについたら、式を挙げよう。 僕が、どんな時も一緒にいよう」

初めて、ルイズが顔をあげた。瞬間、ワルドがルイズの背中に優しく手を伸ばす。
昔のように、ルイズはワルドの胸に顔を沈め、泣いた。ワルドは、彼女に足りていなかったぬくもりを与えていた。
人は暗闇の中、光が現れると自然にそれに惹かれていくという。……その先が、どんな谷底でも気付かずに。
彼女は、下に降り、食事をとった。やはりいつもよりは食べれなかったが……それでもさっきまでより、はるかに良くなった。
『彼』とタバサの部屋で、彼の質問に答えた時―――今日2度目の敵襲が始まった。


彼女は、道を見失いつつある。自分で、振り返ること―――違和感を感じることすら忘れた。
現状を肯定し、先に進むのを否定しつつあった。
だが彼女にとって、とても幸福なことが2つ。
それは……この時ワルドが側にいなかったこと、そして『彼』とタバサがいたことだった。


―――力を、求めよ。

その声は、決して消えていない。


800 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 20:54:00 ID:i0zg487X
>>774
<<驚かないね。飛んでいる大型兵器なんて地面同然だからね>>

というか黄色中隊をFAEBで墜とすのは凄いと思うが

801 :力を求める使い魔:2007/11/27(火) 20:55:05 ID:+6NzFR4D
支援ありがとうございました!
あと2巻分は2話とか言ってましたが、多分あと3,4話かかります。
今回と言い、前回と言い、暗いです。
死人が出て、一回へこんでこそ活躍はひきたつって主義者なのでどうしてもこんな形に……

802 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 20:56:33 ID:w+SCb9+I
しえん

はええwww

803 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 21:06:11 ID:udw7KwG2
《力を求める使い魔の作者GJ!次を楽しみにしているよ》




>>774お前と一緒ならどんな戦場でも生き残れそうだ!w》


804 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 21:12:29 ID:dB+7dEPN
メガテン作者GJ

やっぱりレコンキスタはロウ勢力の支援を受けてるのかな?

805 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 21:14:54 ID:w+SCb9+I
>>800>>803
≪黄色はな。だがあれを見たとき冗談かと思ったぜ≫
≪気化爆弾でアニ機とモルガンを落としてやがる≫
≪あぁ これは本物だってな≫

そろそろスレ違いだな、通信終わり

806 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 21:33:30 ID:VNYprn8O
りりかるぐっじょぶ!

807 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 21:38:56 ID:66H76HC5
>>772
つまりこうだな。

「タルブ村を忘れたか! 
 貴様が生きながら焼き殺した20万の兵士のことを、もう忘れたのか!?」
 俺の仲間は、船の中で生きながら焼かれて死んだ!
 ここにいる、お偉いやつら!  この中にもあの光景を見た者がいるだろう!?」





808 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 21:49:59 ID:ckp3pp2D
>>807
そうそう
それで夜に慰めにきた相手と一晩を共にして
家族に「それにしてもあの二人、ちゃんとやれたのだろうか」と心配されると

809 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 21:52:05 ID:35dOT/cO
力の人GJ
このワルドは得体の知れない不気味さがあるな
ただのやられ役では終らない気がする。

810 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 21:54:26 ID:66H76HC5
>>808
そうなるとサイトは花束抱えてヴァリエールの実家まで行かなきゃならんのか?


殺されるなw

811 :伝説を呼ぶ使い魔 :2007/11/27(火) 21:55:07 ID:Br202Sqs
10:00より投下。

812 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 21:55:31 ID:NbsoryLf
>>797
> はて、烈風の二つ名は、お母様でなかったっけ?

もう1度、読み直した方がいいと思う

リリカルの人&カオスの人、GJ!!

813 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 21:57:49 ID:66H76HC5
>>811
かもん

814 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 21:58:02 ID:H2j+8xW6
ホーフカイザーリン吹いた
しかし、銀英伝キャラの身体能力は程度のいい人間クラスが最高だから大活躍・・・
サイトがあれだし出来るか
軍師としての方が生かせそうだけど

815 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 21:59:16 ID:w+SCb9+I
しえん

816 :伝説を呼ぶ使い魔 :2007/11/27(火) 22:01:02 ID:Br202Sqs
第2話  「使い魔にされちゃったゾ」

ズズズと砂糖を多く入れたミルクティーをすする音がルイズの部屋に響き渡る。
「うーん、今日もお茶がおいしいですねぇ。フォフォフォ。」
「ジジくさいわね…。っていうかそれ私が自分で飲むために作ってたお茶じゃない!!
もう茶葉ないし砂糖こんなに使って!あーもうこのバカ使い魔!!」
カンカンになったルイズに怒られているこの小さな少年の名は、『野原しんのすけ』5歳。
彼はつい先ほどこのルイズに召喚されてしまっていたのだった。
「で?アンタはそのカスカベっていう町から来たわけ?」
「そうそう。」
「カスカベなんて聞いたこと無いわよ。どんだけ田舎から来てるのよアンタ。」
「うーん。オラもハルマキヤなんてとこ聞いたことないゾ。カスカベにはお月様も
一つしかないよ。二つもあるなんてまるでタマタマみたいだぞ。」
「なっ!アンタ図々しくてワケわからない上に、なんて下品なの!!
あとハルマキヤじゃなくてハルケギニア!!」
ルイズは顔を真っ赤して叫ぶ。だがしんのすけはそんなことおかまいなしに
周りを見回す。
「ところで、オラそろそろ帰らないと母ちゃんに怒られるから帰っていいかな?」
「ダメよ。アンタの故郷がどんなのか知らないけど、少なくともカスカベなんて町はこの近くには無いから。
きっとうんと遠いところから来てしまっているんでしょうしね。送り返す呪文もないし、
何より使い魔になった以上もうアンタを返すわけにはいかないわ。」
「ええ!?今夜は返さないですって!?」
「いちいちそういう方向に受け取るな!!」
軽いジョークだゾ。と言ってルイズのツッコミを流しながらルイズの部屋にあった地図を見る。
その地図にはよくお姉さん目当てで見る天気予報に出てる日本列島はなく、ルイズは大陸のトリステイン王国を
現在地として指差していた。
(さっきみんなが魔法でお空を飛んでいたけど、もしかしてオラごほんの世界に来ちゃったのかな…。)
つまり異世界に。そしてルイズは送り返す魔法はないと言っている。
しんのすけは手を横にやって言う。
「フゥ。やれやれ、また帰れなくなっちゃったゾ。」



817 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 22:01:21 ID:35dOT/cO
支援

818 :伝説を呼ぶ使い魔 :2007/11/27(火) 22:01:38 ID:Br202Sqs
ルイズが思い出したように言う。
「とにかく私の使い魔になったんだからそれなりには役に立ってもらうわよ。
まずはアンタの名前を聞いておかなくっちゃね。」
「おお、オラは野原しんのすけ。5歳!好きなふりかけはアクション仮面ふりかけのり玉味!!
どうぞよろしくだゾ。」
「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ。」
「おおおお…。長すぎて覚えきれないぞ。そんな名前で自己紹介のとき疲れないの?
えっと、ルイズちゃんでいい?」
「口の利き方には気をつけなさいよ。ご主人さまと呼びなさい!!」
しかししんのすけはご存知の通りマイペースな幼稚園児である。
まるで気にしないように話を続けるのがこの野原しんのすけという少年なのだ。
「ルイズちゃん、使い魔ってなにする人?」
「アンタ人の話を聞かないわね!!使い魔とはメイジ(魔法使い)と一心同体の頼れるパートナーよ。
アンタは運がいいわ。このヴァリエール家の三女である私の使い魔に選んでもらったんだから。」
「ええ〜。オラそれならもうちょっと大人なお姉さんに呼ばれたかったゾ。ルイズちゃんまだ女子高生じゃない
みたいだしおムネなんかオラの母ちゃんより無いゾ。」
そのときしんのすけはルイズの一番気にしていたコンプレックスを突いてしまった。
「な、な、な、な、なんですってぇ〜〜〜!!!!」

ぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐり!!!!!

ルイズの回転する拳がしんのすけの頭をえぐるように攻める。
「お、おお、母ちゃんくらいうまいゾ…。」




819 :伝説を呼ぶ使い魔 :2007/11/27(火) 22:02:20 ID:Br202Sqs
「ハァ、ハァ、ゼェ、ゼェ…。」
「でもオラやっぱりもっと大人の綺麗なお姉さんに呼ばれたかったゾ。おムネも大きいのがいいな。」
ルイズはそう聞いて頭にまた血が上ると同時に隣の部屋を見る。自分より大人で胸の大きいメイジに心当たり
があり、またその人物はすぐとなりの部屋にいるのだ。
(いけないいけない。ツェルプストーの行動には気をつけなくっちゃ…。)
ルイズは仕切りなおすように使い魔の話題に戻した。
「まずは使い魔は主人の目となり耳となる能力が与えられるの。」
「目となり耳となる…?」

しんのすけの脳内には今自分が耳や眼球となってルイズにセットされるところを想像していた。

「お・おお・・おおおおお・・・・・。」
「でもあんたには無理みたいね、私何にも見えないもん!…どうしたの?何震えてるの?」
「え?あ、なんだそっちか。」
しんのすけはほっと胸をなぜおろし、話を続ける。
「で、他は?」
「そうね、他に、使い魔は主人の望む物を持ってくるのよ。たとえば秘薬とか。」
「ほい!!」
しんのすけが何かをルイズに渡した。それは何かのお守りのようだ。
しかしルイズには日本の文字が読めないのでしんのすけに聞いてみる。
「えっと、何コレ?」
「父ちゃんがひまを生む前に母ちゃんに買ってあげた『安産祈願』のお守りだゾ!
おなかの赤ちゃんがすこやかに育つようにってね。」
「そっかー。私のおなかの子もこのお守りにこめられた願いが届いて元気に生まれてきますようにって
私は身ごもってないしそもそも『利益(りやく)』じゃなくて『秘薬(ひやく)』!!」
「ほうほう、そうとも言うー。」


820 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 22:02:31 ID:w+SCb9+I
しえん

821 :伝説を呼ぶ使い魔 :2007/11/27(火) 22:03:39 ID:Br202Sqs
マイペースなしんのすけに翻弄されっぱなしのルイズはがっくり来ていた。
――なんでこんなのが私の使い魔なのよ。
「そして、これが一番なんだけど・・、使い魔は主人を守る存在であるのよ。
 その力で主人を敵から守る、でもあんたじゃ無理っぽそうね」
そう聞いた瞬間しんのすけがピクリと態度を変えて言った。
「それってオラがルイズちゃんを守るってこと?」
「そうだけど。」
「おお!よーし!オラ、ルイズちゃんをお守りするぞ!!」
急にしんのすけがはりきりはじめたので、ルイズも驚く。
「ちょっと!どうしたのよ急に張り切ったりして!」
「正義の味方はカワイイ女の子をお守りするもんだと父ちゃんは言ってたぞ!
オラいつかアクション仮面のようなスーパーヒーローになりたいんだぞ!ワッハッハッハッハッハ!!!!」
そんな無邪気なしんのすけを見ていて、さっきまで変な使い魔を呼んでガックリ来ていたルイズの心は
いつしか安らいでいたのに気がついて照れ隠しするように言った。
「とっ、とにかくあんたにはできそうなことやってもらうから。洗濯、掃除、その他雑用ね。」
「えー。オラめんどくさーい。」
「やりなさい。絶対よ。」

822 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 22:05:12 ID:aZX90/FF
支援&投下予約

823 :伝説を呼ぶ使い魔 :2007/11/27(火) 22:05:14 ID:Br202Sqs
寝る時間になり、ルイズが服を脱いで下着姿になる。ここで某平賀才人及び他作品の主人公の
方々ならこの時点でうろたえるものだが5歳児のしんのすけは特に動揺していない。
――まあ、ルイズの体系が子供っぽいのが根本の原因なんだが。
今一瞬こちらをルイズが冷たい目で睨んだような気がするが気にしない。脱いだキャミソールとパンティ
をしんのすけに投げつけた。
「おお、すけすけおパンツ!!それも母ちゃんのより派手だゾ!」
「それ、明日に洗濯してね。」
そう言うとしんのすけは面倒くさがって言う。
「えー。オラお洗濯なんかやった事ないゾ。」
大きなネグリジェを頭から被ろうとしているルイズがツリ目ぎみの目をさらに吊り上げて言う。
「あんたね!これからは私がアンタを養うんだからそれくらいの礼儀は持ち合わせたらどうなの!?」
「ほーい…。」
ルイズがネグリジェを着終わってふと思い出したようにしんのすけに振り返って言う。
「あ、そうそう。あと明日私より早く起きて私を起こしてね…。」


824 :伝説を呼ぶ使い魔 :2007/11/27(火) 22:05:47 ID:Br202Sqs
「プップスー!プップスー!私の名前はケツ顔マンだ!プップスー!」
描いておいてなんだがこのイベントがある以上絶対やると思ってた。
しんのすけはルイズのパンティを目までかぶって頬をふくらませているのだ。
ルイズがこめかみをピクピクさせて言う。
「シンノスケ…。ア・ン・タ私の下着で何やってるのかしら…?」
「わたしはしんのすけではない!ケツ顔マンだ!!
気をつけたまえ胸なしガリガリマン!!プップスー!!」
「なんですってぇ!!このエロ犬〜〜〜〜!!」

ぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐり!!!!!!!!!!!!

回数を重ねるごとにルイズのぐりぐりはうまくなっていくのだった。
「もう寝る!!おやすみ!!」
「おやすみなさい……。」
しんのすけも疲れたのかそのまま眠ってしまった。

朝日が差し、ルイズの顔を照らす。しんのすけの使い魔ライフの2日目が始まる。
「んん…。いいお天気じゃない。」
さて、少し思い出していただきたいことがある。某平賀才人及び他作品の主人公の
方々なら寝る前に寝床の場所を聞き、『アンタは床。』とルイズが返すシーンがあったはずだ。
しかし、ルイズはそれを今回言わなかったが、それならしんのすけはどこで寝ていたのか。
「あーあ。今日もがんばらなくちゃ…あ?」
目の前に何かがあるのに気がついた。
ぼうず頭に太い眉毛、餅のようにやわらかい頬に今まさに自分に『う〜〜。』と
キスされてしまいそうな唇…唇!?
「んぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。」
目の前には今まさにルイズに口付けしそうなしんのすけの顔があった!


「イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」

その朝はルイズの鉄拳制裁から幕を開けた。

じゃ そういうことでー。

825 :伝説を呼ぶ使い魔 :2007/11/27(火) 22:07:11 ID:Br202Sqs
投下終了。
繋ぎの回だから今回短いです。

本作品ではぐりぐりはサイトに対する鞭と同意義として
使います。

826 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 22:09:47 ID:RWWWlEJn
先行きが全く読めないw
GJ

827 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 22:12:13 ID:qMD8+Fpq
乙でした
タバサが服の中からイザベラ人形を取り出す姿が見えるw

828 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 22:12:33 ID:w+SCb9+I
gjj−

829 :宴はまろやか:2007/11/27(火) 22:13:49 ID:aZX90/FF
しんちゃんGJでした。ルイズが不憫…。
20分から投下します。

ラッキー「口を開けば延髄チョップ、一体おいらの何がいけないと言うの!?」

830 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 22:14:35 ID:2225/VdR
乙でした。
ルイズのノリ突っ込みが原作らしくて噴いたw

>>827
もちろん母親からの遺伝だよな? な?

831 :宴はまろやか 1/7:2007/11/27(火) 22:20:26 ID:aZX90/FF
 目や耳が気まぐれに捉えるものを選ぶ、自分の五感が信じられない世界、そんな例え話
をされたら、多くの人はどんな世界を連想するだろうか。
 並び立つ木の枝々が揺れ、葉を散らしているのを見なければ、風が吹いていることに気
づけないときがある。耳元で吹いている風が音を立てるかどうかは、世界の気まぐれだ。
常日頃から日の強さに気を配っていなければ、空を見上げても今日が暑い日か寒い日かも
解らない世界。誰かが自分に向かって今日は暑いねと言ってくれれば、今日が暑い日だと
解るのだろうか。
 遠くで誰かが呼んでいても、肩を叩かれるまで気づけないのかもしれない。あるいは突
然そちらに目を向けねばならない、というような焦燥感に駆られて目を向けてみれば、丁
度自分を呼ぶために誰かが口を開けるところだったりする。
 夢の世界というのは、そういうものだ。
 
 ルイズは夢の中で、長姉に杖の振り方を教わっていた。
「何回やっても駄目ねぇ」
「も、もう一回! エレオノールねえさま、おねがいします。やらせてください!」
「良いわよ。はい、もう一回」
 十にも満たない年頃のルイズが、誕生日に父親から与えられた子供用の杖を必死に振っ
ている。すぐ傍には、それを監督するエレオノールの姿がある。
 水を張った桶の上に木の板が浮かべられ、その上に一粒の石ころが置かれていた。ルイ
ズが何度も魔法を失敗し、そしてその度に火と煙を出すので、エレオノールが従者に言っ
て用意させたものだ。
「はい、もう一回」
 再びエレオノールが石ころを、板についた焦げ目を目安にでもするように浮かべた。同
じ板の上で既に三度失敗しているので、そろそろ取り替える必要があるだろう。
 ルイズが呪文を唱え終わり、そして杖を振ると同時に、エレオノールの視線を受けてい
た板が真ん中からぽきりと割れた。
 目元に涙を浮かべたルイズが控えていた従者を見る。彼はすぐさま新しい板を桶に浮か
べようとしたが、エレオノールが手を振って遮った。
「ルイズ、今日はもうやめにしましょう」
「でも、エレオノールねえさま」
「我慢しなさい。魔力にだって限りがあるのよ」
「で、でも!」
 末の妹は格段に幼いのだから、エレオノール自身の魔力量、体力、精神力で考えてやら
せるわけにもいかない。不満そうな顔をするルイズは、まだ自分に余力があることが解っ
ているのだろう。だが、エレオノールにはそのぎりぎりのところが解らないのだから、少
し早めに止めさせるべきだ。
「そう焦らないで。続きは明日、良いわね?」
 少しだけ、優しげな声色で語りかける。それから、ぷうと頬を風船にしたルイズの頭を
優しく撫でた。
 頬を元の大きさに戻したルイズが言った。
「エレオノールねえさま」
「何? ルイズ」
「わたし、早くつかいまが欲しいです」
 唐突にこの子は何を言いだすのか。エレオノールは口にはせずに、土に膝がつくのも構
わずに屈みこむ。そして目線をちびのルイズに合わせた。
「使い魔の召喚は、十六になったらになさい」
「はい。でも、欲しいんです」
「どうして?」
 ルイズはエレオノールから目をそらして、それから少しだけ顔を紅色に染めた。
「わたしが召喚するつかいまは、ちいねえさまのご病気が治るような、もの凄い秘薬を取
りに行ってくれるんです」
 その言葉に、エレオノールはこの草場を見下せる位置にある、次女カトレアの部屋の窓
を見上げた。今日の陽射しが体に害を与えぬように、昼間だというのにカーテンすら締め
切ってあった。
 エレオノールはそっと目を伏せる。
「そう、そんな使い魔が召喚できると、良いわね」
「はい! そうしたらわたし、つかいまの頭をなでてあげます。よいこ、よいこって」
 そしてルイズは真っ赤になって言った。
「いま、エレオノールねえさまがわたしにしてくれたみたいに」
 

832 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 22:20:46 ID:ZLsr4Q2O
なんつーか、「らしさ」がすげぇなしんのすけw

833 :宴はまろやか 2/7:2007/11/27(火) 22:21:40 ID:aZX90/FF
 宴はまろやか
 「ゴブリンの焼きトウモロコシ」
 
 
 その日の朝、部屋を出たルイズの前に真っ先に現れたのは、大柄な火トカゲを引き連れ
たキュルケだった。彼女は素敵な挨拶と共にやってきた。
「おはようルイズ、貧相な使い魔ね!」
 出会い頭にこれでは誰だって怒るだろう。とりわけ堪忍袋と胸囲のサイズが比例するル
イズが相手なら酷いことになる。最もキュルケには、どこかそれを楽しみにしている節が
あるのだが。
「うるさい! 貧相って何よ!」
「そうだそうだ! おいらを馬鹿にしたら大将が黙っちゃいねえぞ!
 大将、ですよね?」
「ラッキー」
「へい!」
「あんたが黙ったら考えてあげるわ」
「へい! わかりやした」
 そのまま口を縫い合わせ、しゃちほこばってルイズの隣に直立したラッキーを尻目に、
キュルケは言う。
「見なさいルイズ、あなたこんなに尻尾の炎が大きい火トカゲは見たことある?」
「たった今、あんたのお陰で心行くまで拝ませて貰ってるわ」
「そうでしょ、そうでしょう! あなたのその、ラッキーって言ったかしら。彼よりも
ずっと頼もしいわね。こんなに逞しくて」
 ぶさいくな顔をしてルイズがラッキーを見た。
「あんたあの火トカゲに勝てる?」
 ラッキーは黙ったままだ。
「喋っても良いわよ」
「へい! そいつの足を捕まえるおいらが四匹、それから尻尾を捕まえるおいらが二匹、
あと首と牙を捕まえるおいらが二匹と、あとそいつの顔をなぐるおいらが一匹。それなら
勝てます」
「つまり勝てないのね」
「へい!」
「良く口の回る使い魔ちゃんねぇ。ルイズ、それって凄い取り柄よ。私思うんだけど、あ
なたにぴったりね」
 流石に我慢ならなかったのだろう。ルイズはキュルケに人差し指を突きつけると、朝食
前の時間であるにも関わらず勢いに任せて高々と言った。
「使い魔の仕事は主人の護衛だけじゃない。秘薬の材料集めなら、ラッキーの方が優秀だ
わ!」
「勝負する?」
「いいわよ。ラッキー、聞いたわね?」
「へい! このトカゲと勝負ですね。大将があと十三匹だけゴブリンを召喚してくれれ
ば……」
「増えてるじゃないの!」
 またぎゃあぎゃあと騒ぎ始めた主従に向かってキュルケは、期限は今日の夕飯後ね、と
言ってその場を後にした。
「ら、ラッキー、あんた絶対にツェルプストーの使い魔よりも凄いやつを見つけてくるの
よ! わかった?」
「へい! わかりやした」
 ちなみに、ラッキーにはもちろん、この世界の貴族が作る秘薬やその材料に関する知識
などないのだが、ルイズがそれに気づくことはなかった。
 
 
 
 主人の下を離れたラッキーは、秘薬の材料とやらを探すために学院の庭まで出てきてい
た。思えば随分無茶な命令だったが、特に当てがあるわけでもない。
 トリステイン魔法学院の空は今日も燦々としていた。
 太陽が気持ち良いあたりまで昇っている。正午までは幾分か時間があった。食堂では奉
公人たちが、コック長マルトーの号令と共に昼食の準備に取り掛かるころだ。ラッキーは、
昨日の夕食をルイズと共に抜いたのを思い出す。意識したせいか、腹の虫が盛大に鳴り始
める。

834 :宴はまろやか 3/7:2007/11/27(火) 22:22:45 ID:aZX90/FF
「そうだそうだ。大将に喚ばれてから、碌なもん食ってなかったような」
 ラッキーは思い出したようにそう呟くと、手近な石を手に取った。彼の故郷、活火山の
聳え立つ土地シヴでは見ない色の石だった。
 おもむろに空中に放り投げ、口を大きく開いて受け取る。そのまま歯と石で異音を立て
つつ嚥下した。
「うまいなこれ! ここの岩は味が良い。ちょっとぬるいのがいただけないけど」
 ゴブリンの味覚は宇宙なので、ラッキーに味の良し悪しなど解らない。そもそも何を
齧っているのかと言えば、そのあたりに落ちている石である。上手いも不味いもなかろう。
「食い物だけにいただけない、なんちて」
 ぬるい食べ物は火で温めるのが一番だ、とラッキーは呟いて来た道を戻り始めた。ちな
みにゴブリンはかなりの雑食だが、彼の健康を気遣うなら人間と同じものを食べさせるの
が望ましい。
 
 
 
 拳大の岩をいくつも抱えたラッキーが、昼食の調理の最中にある厨房にひょっこり顔を
出した。
「失礼しやす! 火ぃ借りに来やした」
「あん? 貴族どもの使い魔かい。帰りな、今の厨房はお前たちの主人に出す料理で忙し
いぞ」
 ラッキーの相手をしたのはマルトー親方だった。ラッキーは厨房の入り口でしゃちほこ
ばって挨拶をしたのだが、彼ににべも無く断られる。
「そいつをなんとか」
「駄目、駄目だ。悪いが他を当たってくれ」
 この親父がいる限り無理だろう。ラッキーは神妙な顔で引き下がると、マルトー親方の
注意が自分から逸れるのを待った。元来厨房の責任者なのだ。すぐに仕事に戻る。
 ラッキーはその小さな体躯を生かして、こそこそと調理器具の影を歩いて中に入り込ん
だ。そして、ひょこりと顔を出して、火にかかっている鍋の一つに、地面の上に移動して
もらう。ラッキーは満足げに少しの間だけ火を見つめてから、直に石をくべ始めた。
「バツをブンと振れ! マルつまめ!」
 赤銅色をちろちろと見せ始めた石に気を良くしたのか、ラッキーが歌いながら薪をくべ
だす。もちろん歌えば見つかる。
「あってめえこら! 何してやがる!」
「何してやがるとは何事でい! 見てわかんねえのかい」
「スープの鍋どかして何やってんだって聞いてるんだよ!」
 顔を真っ赤にしたマルトー親方と、ゴブリン主観で上手そうに焼けた石を前にしたラッ
キーが睨み合う。マルトー親方の部下である料理人たちはどうすれば良いのかと一人と一
匹を見守っていたが、気の短い一人が、火から離されて長いであろう土の上の鍋を掴んで
他所の場所の火にかけようとした。
「待て! この石が邪魔なだけだからな。すぐにどかす!」
 マルトー親方が火かき棒で石を弾き飛ばす。石畳に転がった焼け石は幸い何かに火をつ
けることもなかったが、ラッキーがそれを見てかんかんに怒った。
「やいやい! てめぇやってくれやがったな畜生!」
 ラッキーだってご飯が食べたい。
「めしの神様と王と大将に謝れ!」
 逆上してラッキーがマルトー親方に襲い掛かる。
 しつこいようだが、マルトー親方は石を床に置いただけだ。
「な、なんだと!? 料理人に向かってめしの神様に謝れってのは何だ!」
「うるせいやい。いい按配に焼けてきたところだったのに……。神の怒りだ!」
 勿論ただのゴブリンパンチだった。
 突然殴られたマルトー親方は半歩だけたたらを踏んだが、すぐに持ち直す。なんてこと
ない、ただのひ弱な、しかも体長は彼の半分ちょっとしかない貧相な亜人の拳だった。特
にダメージらしいダメージはない。
 だが、マルトー親方にラッキーの拳が当たるのと同時に、その亜人の背に現れた光る鏡
が、酷く彼の不安を煽った。直径一メイルほどで、楕円の形をしている。
 マルトー親方の不安を形にするように、ラッキーが勢い良く叫んだ。
「さぁ来い! "モンスのゴブリン略奪隊"!」
 ゴブリンの中には、稀にだが特殊な能力を持った者が居る。ラッキーもその一人だ。自
分の攻撃が相手に突き刺さったとき、仲間を喚び出すことができるのだ。サモン・サー
ヴァントに似ているが、それとは異なる。

835 :宴はまろやか 4/7:2007/11/27(火) 22:23:46 ID:aZX90/FF
 最大の違いは、召喚者への絶対服従を強いるコントラクト・サーヴァントとセットの能
力ではないということだろう。
 
 現れたのは、やはり緑色の肌をしたゴブリン、それも一度に五匹の大所帯だった。
「よお、略奪隊の連中ども! 戦争だ!」
 モンスのゴブリン略奪隊は、五匹一組の夜盗集団である。全員が腰に大振りな剣を差し、
それを振り回して略奪を行う。
 ところが、ラッキーの声と共に現れた五匹は腰に剣など差していなかった。全員が王宮
に仕える奉公人のように、きちんとした礼服を着こなし、中には立派な口ひげまで生やし
ている者も居る。
「おおいおいお前ら、何だその格好。剣はどうした?」
「いや、オデたちなぁー……、そのよ、夜盗やめることにしたんだ。昨日みんなで決め
た」
 モンスのゴブリン略奪隊、有名な夜盗である。月の光を背に現れる五匹のゴブリンのこ
とは、彼らが住処を構える山の近くの者なら誰でも知っていた。だが、非道な振る舞いや、
立つ腕によって名前が広がっていた訳ではない。なんとこの五匹、致命的に夜盗の才能が
ないのだ。
 自分で持った片刃の剣で怪我をする。逃げる獲物を追いかけようとして転ぶ。敵と味方
を間違う。なにせ殴り合いをすれば、ラッキー一匹と彼ら五匹が良い勝負というとんでも
ない弱さであった。
「はやりの転職っていうやつだな。オデたち、ウェイターになったんだよ」
 そう言って、モンスのゴブリン略奪隊改め、モンスのゴブリン給仕隊の五匹はずれても
いない蝶ネクタイを直してみせた。今ので五匹とも、整っていたはずのそれが照らし合わ
せたようにずれてしまったのはご愛嬌だろうか。
 それから彼らはきょろきょろと周囲を見回し、ここが厨房であり、そしてラッキーが
やっちまえと指差した男が立派なコック帽を頭に乗せているのを見た。
「コックだ、コックがいる!」
「うまそうな匂いがする!」
「た、大将! オデたちに料理を教えてください!」
「うまいめしが作れるようになりてえんです!」
「お願いしやす!」
 戸惑うラッキーを他所に事態は進行していく。どうやら五匹の真摯な態度にマルトー親
方は心打たれたようだった。五匹は早速皿洗いを始めだした。
 ラッキーは悪態を吐いて、ぬるい石を齧りに外へ出た。
 
 
 
「いま、厨房から出てきたヴァリエール様の使い魔さんとすれ違ったんですが、何をして
いたんですか?」
 ナイフとフォークの配膳が終わったのか、トレイだけを胸に抱いたメイドのシエスタが
ひょっこりと顔を出す。彼女は昨日、主人の寝間着を抱えて彷徨っていたラッキーに洗濯
道具の調達をしたことで、ルイズから一言礼を貰ったばかりだったので、走り去る姿だけ
で彼だと判った。
「いや、ちょっと料理の邪魔をしていたんで追い出したんだが……。どうかしたのか?」
 後ろ頭を掻きながらマルトー親方が言う。シエスタは、壁をはさんで向こうの食堂を指
差した。
「いつも凄く早く来る男子の貴族様のグループがあるじゃないですか。その方たちが、
ヴァリエール様とツェルプストー様の使い魔が、どちらが上等な秘薬の材料を見つけられ
るか勝負している、という話をしていて」
 それからシエスタは、ラッキーさん、洗濯は上手なんですけど、と心配そうに言ってか
らトレイを仕舞った。
「それより、後ろの緑色の方々はラッキーさんのお友達ですか?」
「あ、ああ。その使い魔とやらが呼んだら突然現れて、それで料理を教えてくれって言う
もんだからつい」
「へぇ、そういうこともあるんですね。……ってちょっと! そんなもの食べたらお腹壊
しますよ!」
 突然声を上げるシエスタに驚いて、マルトー親方は慌てて給仕隊を見た。一匹が、ラッ
キーが持ってきた、床に転がったままの石を口に入れるところだった。
「す、すいやせん。ちょっと小腹が空いちまって」
 ごりごりと咀嚼してから、そのゴブリンは慌てて頭を下げる。マルトー親方は、そのゴ

836 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 22:24:08 ID:/CHLNQiG
紫煙

837 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 22:24:40 ID:CppY02Ze
モンスwwwwwwwwwwww

838 :宴はまろやか 5/7:2007/11/27(火) 22:24:48 ID:aZX90/FF
ブリンが訝しげに彼を見返すまでじっと彼を見つめてから、悔しそうに言った。
「もしかして、いたずらで石をつっこんだんじゃなくて、その、その、お前らってのは石
を食べる種族なのか?」
「へい、もっぱらこいつがオデたちのおやつです」
「なんてこった」
 マルトー親方はコック帽を脱いで手近な椅子に座った。知らなかったとはいえ、知らな
かったとはいえだ。食べ物を無下に床に転がしたのは自分だった。力なく項垂れる。
 彼の料理人としての熟練度は誰もが認めるものだったが、彼には経験に裏づけされた腕
の他に、自分が自分を気に入らないとき、躊躇いなく新米に戻る直向さがあった。
 悔悛するように少しの間だけ目を瞑って、それから決心したように立ち上がる。
「調理器具の使い方は、俺が責任を持って監督する。今日中にどれも使えるようにしてや
る。ただ、俺の舌は、人間の好みしかわからねぇ」
 今日の夕飯、あいつのために飛びっきり豪華なやつを用意してやりたい、とマルトー親
方は語った。給仕隊の五匹はそれに、景気良く頷いた。
 
 
 
 閑古鳥が鳴いている。
 ラッキーは腰に巻いていた布で集めた石を見た。一つ、二つ、三つ。他にもいくつか
拾ったのだが、腹が空いて食べてしまった。
「とりあえず珍しいもんを集めてみたものの、この数じゃなぁ……」
 厨房を追い出されてから、午後を丸ごと使って必死に走り回った。ラッキーは今の大将
が好きだ。良く殴られるのは前と同じだったが、彼女の拳骨は前と比べて格段に痛くない。
自分への気遣いというか、なんというか愛のような物を感じるのだ。彼女の命令はきっち
りとこなしたかったし、そして彼女に褒められたかった。
「大将、あの赤髪にばかにされんのかなぁ」
 そのときは、普段より痛くても良い。気が済むまで殴られよう。
 ラッキーは決心して、主人の待つ部屋に戻った。
 彼の主観で珍しい石が、ハルケギニアではどこにでもある石だということを、彼の名誉
のためにも弁解してくれる誰かが必要だが、ここには居なかった。
 
 
 
 秘薬の材料集め、勝負はキュルケのフレイムの勝ちで終わった。部屋にこもったルイズ
は今、枕に顔を押し付けて泣いている。
 ルイズは、ラッキーを殴ることはしなかった。怒鳴り散らすこともしなかった。ただ、
申し訳なさそうに何の変哲も無い石を差し出した自分の使い魔を見て、とても似合うとは
言えない儚げな笑みを浮かべただけだった。そして彼女は一瞬だけ、十にも満たない少女
が夢から醒めたような顔をした。
 すいやせん、と萎縮するラッキーの頭に、それからルイズはそっと手を乗せた。ぶたれ
る、と身を竦ませたラッキーだったが、何を考えているのか、彼女は彼の頭を軟らかい手
つきで二度、撫でた。
 
 コンコン、と景気の良いノックの音がした。ルイズは誰であれ応対したくないのだろう。
枕に顔を伏せたままだった。もうずっと部屋の中で気まずい思いをしていたラッキーは扉
を開けたかったが、主人を尊重した。
 居留守を決め込んだものの、再びノックの音がする。それもルイズは無視したが、ノッ
クの音はどれだけ我慢しても止む気配がない。ルイズは堪えかねたのか、片手だけ出して
扉を指差した。ラッキーはドアに駆け寄って開ける。
「へい、どちらさまですかい?」
「メイドのシエスタです。給仕隊の皆さんと一緒に、ラッキーさんにと夕飯を持ってきま
した」
 ラッキーがベッドを伺うと、ルイズは好きにしなさい、とでも言うように手をひらひら
と振った。シエスタを押しのけて、雑な靴音を立てて五匹が上がりこむ。
「へいお待ち、モンスのゴブリン給仕隊です。今日のディナーはこちら!」
「ルフ鳥のポーチドエッグ」
「岩」
「調理済み岩」
「うっさいわね! 外でやんなさいよ!」
「へい! すいやせん」

839 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 22:25:12 ID:B7xEao2v
脳噛ネウロが召還されたら

マルトー「ドーピングコンソメスープだ!」
使い魔用の貧しいスープにおかしな物が入っていたので、コックを問い詰めたら突如豹変しバンプアップしたマルトーの親父

ワルド「トリステイン反吐がデマース」
ルイズにふられた腹いせに宿屋でルイズを襲ったワルドが
はしばみ草を食べないと窒息する病気に掛かる

ちらしの裏支援

840 :宴はまろやか 6/7:2007/11/27(火) 22:25:50 ID:aZX90/FF
「へい! すいやせん」
 ラッキーが謝って、五匹を外に出す。シエスタがそっとドアを閉めて出て行くのを認め
てから、ルイズは一層強く枕に顔を押し付けた。
 
「お前の大将、機嫌悪いのな」
「ああ、ちょっとヘマしちまってなぁ」
 廊下に座り込んだ六匹が、かちゃかちゃと食器の音を立てながら話し込む。気落ちした
様子のラッキーを励まそうと、五匹は彼に話をさせた。
「大将に、何か珍しいもんを取って来いって言われたのにおいら、できなくて」
 ラッキーはそう言ったっきり、唇を噛んで黙ってしまった。困惑する五匹にシエスタが
事の経緯を推測で語る。それから暫くの間、暗い雰囲気を廊下に充満させていた一人と六
匹だったが、ふと何か思いついた風のシエスタが、私は詳しくありませんけど、と前置き
して言った。
「そういえばその、ルフ鳥のポーチドエッグって、とても卵で作ったようには見えないん
ですけど……。その卵とか、珍しいものじゃないんでしょうか?」
 給仕隊の皆さんが持ってきた材料は、どれも見たことが無いものばかりでした、と床に
直に並べられた皿を見る。
 六匹は一度顔を見合わせてから、今度は勢い良くルイズの部屋をノックした。
 
 
 
「へいお待ち、毎度どうもモンスのゴブリン給仕隊です。今日のディナーはこちら!」
「ルフ鳥のポーチドエッグ」
「死んだら卵に戻る、全身岩で出来た不思議な鳥、ルフ鳥の卵をふんだんに使った高級品
です」
 突然部屋に雪崩れ込んだ不届き者を怒鳴りつけるため、勢い良く枕から顔を離したルイ
ズはぽかんとして固まった。彼女のその表情を見て、六匹は楽しそうに笑いながら続ける。
「岩」
「ただの岩です」
「調理済み岩」
「ケチャップの風味が食欲を誘います」
 そして一匹がもったいぶって皿を出す。
「ユニコーン・オン・ザ・カブ」
「角のある不思議な馬、ユニコーンの角を贅沢に丸齧りできます」
 その言葉を聞き、ぎょろりと強く剥いたルイズの目が、皿の上に載せられた消し炭を凝
視して離さなくなる。
「寄生牙の亀スープ」
「土と海水に取り憑く亀型ナイトメア、寄生牙の亀を細かく砕いたスープです。奥様もお
子さんも大満足の海水味」
 それから給仕隊の五匹はそれぞれ一品ずつ、シエスタがルイズの執務机に敷いたラン
チョンマットの上に並べた。
 まさか、信じられない、でも、いや、どうしよう。目をまん丸に開いたルイズは暫くの
間、口のなかでぶつぶつと何か唱えていたが、やがて決心したように給仕隊の面々を見て
言った。
「あああああああの、わ、わわわたくし、その不死鳥の卵と、ゆゆユニコーンの角、なな
なな生でいただきたいんだけど、めめメニューには置いてるのかしら」
「へい! 少々お待ちください!」
 ルイズは慌ててペンと紙を取り出して、一通の手紙を書いた。真っ先に埋めた宛先には、
王立の研究機関、アカデミーで働く長姉エレオノールの名があった。
 
 
 

841 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 22:26:59 ID:rd66ZPFn
ゴブリン可愛いなw支援

842 :宴はまろやか 7/7:2007/11/27(火) 22:27:18 ID:aZX90/FF
 その日の晩、ルイズはラッキーを連れて寮の隣、ツェルプストーの部屋の前に立って大
声を出した。
 
「ねぇツェルプストー、よーく聞きなさい!」
「そうだそうだ、よーく聞けい!」
「あんたのサラマンダーなんかよりも、ずっとずっと!」
「ずっとずっとだ!」
「うちのラッキーはね、凄い使い魔なんだから! 覚えときなさいよ!」
「そうだそうだ、覚えとけい!」
 そしてルイズは、ぐりぐり、と力強くラッキーの頭を撫でた。

843 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 22:29:21 ID:aZX90/FF
投下終了です。支援ありがとうございました。
2話から銀枠かよ!っていうつっこみにはすみませんでした。
避難所の書き込みは全部読んでます。みなさんありがとうございます。


つーかお前ら銀枠好きだなチクショウwwwwwwwww俺も大好きですwwwwwwww

ルフ鳥のポーチドエッグはルフ鳥の卵/Rukh Eggから、
寄生牙の亀スープは寄生牙の亀/Wormfang Turtleから、
Unicorn-on-the-CobはCorn-on-the-Cobの言葉遊びだと思われます。
どのメニューもモンスのゴブリン給仕隊/Mons's Goblin Waitersに書いてあるんですが、
こんなもん店で出すなよゴブリン……

844 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 22:32:32 ID:CppY02Ze
銀枠GJ! 今日の夜食は卵焼きにするぜ!

845 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 22:49:54 ID:H2j+8xW6
アンビジドかっ!
ゴブリンの底力を見た
そしてラッキースライを思い出してちょっとノスタルジー

846 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 22:53:07 ID:BnfTziIa
GJ!
だがカオスにも程があるwww
これは間違いなく病気も吹っ飛ぶ料理ですね(昇天的な意味で)
カトレアはカードに直すとパワータフネスともに0だな
何らかの手段を講じないと召喚しただけで死ぬ

847 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 23:16:02 ID:ckp3pp2D
>>814
ロイエンタールとかどうよ
シェーンコップクラスの白兵能力・銀河のトップ5に入る艦隊指揮能力・
総督をやれる政治力・黙ってて女が寄ってくる美貌を持つ野心家な若本と
作者は何を考えてるんだと言わんばかりの完璧超人
ただキュルケが酷い目に合うのは確実

848 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 23:16:10 ID:3DXPnELQ
やかま進・・・いやなんでもない
GJ

849 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 23:27:17 ID:aZX90/FF
>>848
一本だけ色の違う麺が入っているとワンダフル!とてつもなくラッ……
いやごめんつまんなかった。なんでもない。

850 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 23:28:50 ID:fo9NkHXn
カラオケに夏と冬両方入っててびびったよ

851 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 23:29:41 ID:3wMGA9ip
サイキックフォースのキャラクターなんてどうよ?
と思ったが怒涛の不幸力でゼロ魔キャラを悲惨な運命に巻き込んでいきそうだな。
不幸じゃないやつらは邪悪なのばっかりだし。

852 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 23:36:25 ID:wpwLWbKq
そういやターちゃんが召喚されたらどうなるやら


853 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 23:37:07 ID:H2j+8xW6
>>847
ちょっと読んでみたい・・・
キュルケはHARAMIと申すか

854 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 23:37:21 ID:YpAmhVH/
>>852
前に小ネタで見た記憶が
ルーンがタマタマに刻まれてたよ

855 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/27(火) 23:47:06 ID:El84Ehlo
だからヴァッシュがレガートがハルケギニア中から集めた新生ガンホーと戦う話をだな

856 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 00:03:48 ID:Upu1icYy
>>853
いやその前に散々弄ばれて捨てられるとおも

857 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 00:11:55 ID:mToRH5ym
>>855
ワルドとフーケとメンヌヴィルとヨルムンガンド(ミョズニトニルン)と地下水と吸血鬼と……コルベール?

858 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 00:12:19 ID:/st6KcmK
>>851
連中のサイキック能力はメイジ以上だよ。
時間を止めるキャラまでいるし

859 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 00:22:26 ID:r8orlCKl
>>858
時間を停めるといえば時空異邦人KYOKO。

あれは召喚された場合、全員亜人扱いだな……。全員が族長だけど。
人と竜の二形態をとれる竜人とか、体に常に花びらを纏わりつかせている妖精みたいなやつとか。
主人公の響古に至っては女神様(ただしとんがり耳)。

860 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 00:23:06 ID:WtnA9pf8
ブラド・キルステンとか面白そうじゃね?
普段は温厚で女性に優しくてちょっとした念動力くらいしか使えない気弱な青年
しかし人格が入れ替わるとえっらい事に。
たぶんギーシュもフーケもワルドも
温厚ブラドを気絶させた後で狂気ブラドにズッタズタにされるな。

861 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 00:30:30 ID:+9vW2QFq
一作目の頃のエミリオとか

862 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 00:31:00 ID:o+gkATYp
>>814,847
しかし問題は、彼らの指揮作戦能力を描ききれる職人がいるかどうか。
敵側にバカな行動をとらせることで相対的に味方の有能さを表現するっつーのもあれだし。

863 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 00:31:09 ID:tSE1oa4t
Sci-Fi-HARRYのハリー召喚なんかを考えてみたが、マリコルヌあたりの首がへし折れそう・・・

864 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 00:33:39 ID:e8zY0Wt0
>>862
原作が正にそれじゃん。
作戦能力は御世辞にも褒められた物じゃないし。

865 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 00:35:03 ID:mToRH5ym
そうだおじいちゃんを呼ぼう
ルーンの効果でルイズを孫のように可愛がる(ジジイ主観)
そしてルイズのためにしゅーまっはをぽんぽん作り出す
クックベリーパイから妹が出来ます。


866 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 00:35:34 ID:r8orlCKl
浜のシンデレラがガンダールヴとして召喚されました。
ルイズと灰音は共通点が多くて書きやすそう。問題は原作がマイナーだということだが。

867 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 00:35:42 ID:rh99GVfL
続き書けたはいいが、ちいと長くなってしまった。なんだかんだで20レス分くらいになっちゃったんだが。
容量を鑑みるに、この場合最初から避難所に落としたほうが無難かな?

868 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 00:36:24 ID:QRyDckUT
ああ…使い魔なんて…
なんて卑しい職業なんだ…

869 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 00:37:31 ID:wjGCYK7W
>>851
マイトなんぞうっかり呼び出した日には

何らかの魔法を見る→メイジを全員サイキッカーと勝手に判断→サイキッカーは全て斬る→魔法学院終了のお知らせ

と言う展開が起こりそうだw

870 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 00:50:53 ID:bxQ9MP9M
>>867
まだいけるんじゃね?
もし途中で一杯になっても次スレへまたげばいいと思う

871 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 00:54:31 ID:mPtlJcXp
>>862>>864
それを料理するのが難しいんでないかね?
あとは銀英伝の台詞回しは結構独特だと思う
>>869
旋風寺舞人が真っ先に浮かんだ

872 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 00:56:07 ID:QV/GVbDa
桜井が浮かんだ俺は異端か?

873 :零魔娘娘追宝録11 1/19:2007/11/28(水) 00:56:25 ID:rh99GVfL
うーん。まだいけそうか。それじゃあできるだけ投下させてもらおうかな。予約はないよね?
んでは投下。
---------------------------
                     戦火渦巻くアルビオンにて
                           『閃光のワルド』
                       の凶刃が振るわれる中
                              悲劇の王子
                     『ウェールズ・テューダー』
                 その死に様に少女は何を思うか?


 遠くから喧騒が聞こえる。底抜けに明るい、だがどことなく悲痛なものを含んだ笑い声だ。
 ここはニュー・カッスル城。アルビオン王党派最後の砦であり、明日にも喪われようとしている王国の最後に残った国土だ。 
 先ほどから聞こえてくる喧騒は酒席のもの。明日にもここは戦場となり、彼らは死地へと赴く。
 つまりあれは、最後の晩餐というわけだった。
 騒ぎの場から少し離れ、ウェールズは酒瓶を一本抱え込んで一人で酒を飲もうとしていた。
 静かな場所、それも月が見えるところがいいとバルコニーに出たのだが、そこには先客が居た。

「やあ、使い魔くん」
 藍色の外套を羽織った長身の青年。あまり見覚えの無い顔だが、誰であるかはすぐに思い当たる。
 トリステイン大使の少女、ミス・ヴァリエールの使い魔。セイランだ。
 気安い笑みを浮かべ、静嵐はいきなり現れた自分――皇太子ウェールズに挨拶をしようとするが、
「あ、どうも。ええと、ウェールズ様……でしたっけ?」
 どうにも自分の名前はうろ覚えだったらしく、自信なさげだ。

「たしかに私はウェールズだが……名前を覚えられなかったのは初めてだな」
「いや、その、なんというか……すいません」
 仮にも一国の王子の名前を忘れるという失態に、申し訳無さそうにする静嵐。
 下手ではあっても卑屈ではなく、間抜けであっても愛嬌のある態度だ。そんな静嵐に好感を覚え、ウェールズは笑って言う。
「かまわんさ。明日にも潰える王朝の皇太子の名前など、覚えていようがいまいがどうでもいいことだ。
――と、そんなことよりミス・ヴァリエールはどうしたのかね? 姿が見えないようだが」

 先ほどまで、家臣たちにいろいろと過剰なまでの歓待を受けていたことは覚えている。
 年若い少女には鬱陶しくもあるだろうと思い、絡むのもほどほどにしておけと釘を刺しておいたが。
 どうにも最後の酒席で気分が高揚しているらしく、あれやこれやと酒や料理を勧めていた。
「今は一人にしてくれと言って今は部屋で休んでます。何かいろいろと考え込んでるみたいだけど、どうかしたのかなあ?」
「ふむ……。先ほどの話、ミス・ヴァリエールには少々ショックが大きかったようだな」
 彼女が考え込むであろうこと。それはおそらく自分の話が原因だろう。

「先ほどの話とは?」
「明日にも私は討ち死にする、という話さ」
 不思議そうに問う静嵐に、自嘲気味になりながらウェールズは答える。
「……はあ、そりゃルイズにはちょいとばかし衝撃的かもしれませんね」
 目の前の男が明日にも死ぬ、という言葉にどう答えたものかと静嵐は戸惑っているようにも見える。
 彼ですらそうなのだから、あの感受性の強そうな少女がどれほどショックを受けただろうか。
 それでも語らずにはいられなかった。そうしておくことが彼の義務であったからだ。
 彼女には悪いことをした、と思いながらウェールズは言う。

「仕方あるまい。男の生き様、王族の責務……どちらにせよ彼女には理解し難いだろう」
「そんなもんですかねえ」
「そんなものさ。君も男ならばわかるだろう?」
 たとえ立場は違えども同じ男。『生き様』というものにこだわることに違いはないだろう。
「え? ええ、まぁ、わかります。はい。すごく」
 静嵐はぶんぶんと大きく首を振り、大げさに同意する。――だがどうも怪しい。
「……本当に、かね?」
「え、ええと……」
 目が泳いでいる。それだけでもう彼が何か嘘をついていることはわかる。
 少し半目になって睨んで見ると、観念したのか彼は肩を落として言う。
「…………実を言うとあんまり」


874 :零魔娘娘追宝録11 2/19:2007/11/28(水) 00:57:50 ID:rh99GVfL
 その言葉にウェールズは吹き出す。
「ぷっ、くくく……あはははは!」
 思わず腹を抱え、笑い転げてしまう。彼は何とこちらの期待を裏切ってくれる男であろうか!
 これでは、王子として精一杯格好をつけていた自分が馬鹿みたいに思えてくるではないか!
 だがしかしそれが、何処か捨て鉢になっていた己を冷静に見つめさせる。
 そうだ。おまえの覚悟なぞ、結局はその程度のものだ。何も、特別なものではない。
 そうだ。何も無理をして格好つけなくてもいい。彼のように思うまま、気楽にしていればいいのだ。
 悲劇の主人公ぶるのはなんとも格好悪いことである。

「……君は不思議な男だなぁ。なんというかな? 私の心の中にある『風』に触れるものがあるようだ」
「『風』ですか?」
「そう、『風』さ。我が心に吹く一筋の風。アルビオンの男ならば誰でも持っている風。何ものにも囚われない、自由を愛する心!」
 皮肉な話だ。死に囚われ、愛する者のところへも行けない男が自由を語るなど。
 だが語ってみてわかる。自分が久しく『自由』などというものを意識していなかったこと。
 そしてそれは彼の中の、封じ込めていた一つの思いを爆発させる。
 
        ああ、そうさ。認めるよ。俺は自由になりたい。
        俺は今すぐにでも、こんなくだらない争いを放りだして、アンリエッタのところへ行きたい!

 彼女への思い。それが今何よりも強い感情だ。
 それを募らせることがいかに無為か。それはわかっている。どんなに理屈をつけても、気持ちが高まっても。
 己はアルビオン王国のウェールズ・テューダーであることは変わらない。それが動かしようの無い事実だ。
 自分がやらねばならないこと。やってはいけないこと。そんなものはわかりきっている。
 だが、ひどくすっきりした。王子だ男だと誤魔化さない。自分の本音を認めた。それだけでいい。
 「自分は愛する女を『嫌々』諦めて、『渋々』死ににいく」
 それでいいではないか。どうせやらなければいけないことが同じなら、気持ちだけは素直でいたい。

 ウェールズは静嵐に感謝する。本人は全くそんなつもりはなかったであろうが、
 彼の一言がなければ自分は後悔を重ねたまま死んでいったことだろう。それはただ死ぬよりもなお辛いことだ。
 彼が自分の心に『風』を思い出させてくれたのだ。
「自由、か。ひょっとしたらそれは、僕が人間じゃないからかも知れませんけどね」
「人間じゃない? ……そうか、君も『パオペイ』なのだな」
 浮世離れした言動。見たことも無い風体の格好。聞きなれない響きの名前。彼が宝貝であることの証拠だ。

「はい。静嵐刀といいます。すいません、隠すつもりはなかったんですが。
欠陥宝貝が使い魔をやってるメイジの大使だなんていうと失礼かな? と思いまして」
「いや、かまわんさ。君がパオペイであろうとそうでなかろうと、君が君であることには変わりはない。
それに私は、パオペイというものが嫌いではない。命を救ってもらったこともある。むしろ宝貝には、感謝してもしきれないほどさ」
 嘘ではない。パオペイというマジックアイテムが多々問題を抱えた存在であることは承知しているが、
 それでもなおウェールズが所持していた天呼筆や――静嵐には感謝している。
 認められたことが意外だったのか、少し照れたように静嵐はぽりぽりと頭をかく。

「そりゃあ……同属としては嬉しい話です」
 ウェールズは微笑む。
「……もっと早く出会えていたらと思うよ。私には愛しあった女性も、命を惜しまず身を投げ出してくれる臣下もいる。
だが、友と呼べるようなものにめぐり会う機会は今まで数えるほども無かった。王族とは、孤独なものだ」
 それを不幸だと思ったことは無い。だが、友を望むことは贅沢ではないはずだ。
 ウェールズはグラスを取り出し、酒を注ぐ。グラスの数は二つ。自分と、彼の分だ。
「最期に飲む酒が、君と飲める酒でよかったよ。ありがとう、セイラン君。――我が友よ」

875 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 00:58:18 ID:k7+l73JJ
sien

876 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 00:58:21 ID:Qix8u2Yf
支援

877 :零魔娘娘追宝録11 3/19:2007/11/28(水) 00:59:08 ID:rh99GVfL

                  *

 翌日。ニュー・カッスル城内にある礼拝堂にて、ウェールズが立ち会う中ルイズとワルドの結婚式が執り行われようとしていた。
 ルイズはウェールズより貸し与えられたアルビオン王家伝来の花嫁衣裳を身に纏っていた。
 魔法によって枯れることなき花を飾られた新婦の冠と、新婦しか見につけることを許されぬ乙女のマントである。
 華やかにして由緒正しきその衣装は、魔法学院の制服の上であっても十分に少女の魅力を引き立たせるものであった。
 しかしそれを纏うルイズの表情は晴れない。暗く、沈んだままだ。

(本当なら、この花嫁衣裳はアンリエッタ様が纏うべきなのに)
 自分はワルドに言われるままこれを着せられ、人形のように立ち尽くすのみだ。
 礼拝堂の中には自分達のほかに静嵐がいるのみで、城の者は誰も参列していない。
 目前にまで迫ったレコン・キスタ軍を対応するため、戦えるものは戦いの準備を、戦えぬものはすでに城から避難している。
 自分達はそのどちらでもない。お遊びのような結婚式に興じているだけだ。
 そしてルイズは――未だ迷っていた。

「新婦ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール……」
 立会人であるウェールズは朗々と詔の言葉を唱える。ルイズはそれを聞くともなしに聞いていた。
 このまま自分は迷いを抱えたままワルドと結婚するのか?
 ……いや、それはできない。そんなことをすれば一生の後悔を抱えることとなるだろう。
 ならば、とルイズは決心する。

「さあ、ミス・ヴァリエール。誓いの言葉を」
 誓いの言葉。だがそれには答えず、ルイズはワルドに向き直る。
「ねえ、ワルド。誓いの言葉の前に、一つだけ教えて欲しいことがあるの」
「……何かな? ルイズ」
「何故あなたは今、私との結婚を望むの?」
 それが今最大の疑問だ。

 自分はヴァリエール公爵家の娘ではあっても、未だ権力も財力も無い。
 容姿にしても、顔はまだしも体つきは痩せて貧相。とても魅力的であるとは思えない。
 そして何よりも自分は『ゼロ』のルイズ。魔法も使えぬ落ちこぼれのメイジでしかない。
 そんな自分が何故こうも、地位も力もある男ワルドに求婚されるのか。それが不思議でならないのだ。 
 ルイズの質問に、ワルドは困ったような顔をする。……その裏側に、小娘の気まぐれに辟易する男の表情が見えた気がする。
「私との結婚は嫌なのかい?」
「そうじゃないわ。私はただ知りたいだけ。……だからワルド、正直に答えて」

 ワルドの顔から表情が消える。真剣な面持ちとは似ているようで違う。どこか派虫類めいた表情の無い表情。
 自分が何か、聞いてはいけないことを聞いてしまったのかと思い。ルイズは言い知れぬ恐怖にかられる。
 ワルドは平坦な口調で言う。
「それは、君には才能があるからだよ」
「才能? そんなもの私には……」
 自分の才能だって? それは何の才能だというのか。
 ルイズには何も思い浮かばない。まさか、魔法の才能だとでも言うのか。

「いや、君が気づいていないだけだ。君にはとても強い力、この世界全てを手にすることができるほどの力がある! 
私はずっと昔からそれに気づいていた。私だけだ、私だけが君の力を上手く使うことができる」
 先ほどとは打って変わった様子で、熱っぽく語り始めるワルド。しかしそれに反してルイズの心は冷えていく。
「そんな……そんなのって」
 たしかにルイズは、自分が何の利も無く愛されるほど魅力的な女ではないことは承知している。
 しかしこうもストレートにそれを口に出されるショックは隠せない。
 あまりにも無粋である上、少女の心を一欠片も考えない発言。それに対し、ウェールズは気色ばむ。


878 :零魔娘娘追宝録11 4/19:2007/11/28(水) 01:00:25 ID:rh99GVfL

「子爵、その言い様は余りにも……!」
「殿下には黙っていただきたい。亡国の王子に何がわかるというのです」
「……貴様!」
 ふん、と息を吐き、小ばかにしたような言い方をするワルド。あまりの侮辱にウェールズは怒りで顔を赤くする。
 ルイズは戸惑う。何故彼はこうもいきなり態度が豹変してしまったのか。
「ワルド、どうしたの? あなた、おかしいわ。昔はそんなことを言う人じゃなかったのに」
「ルイズ。私はもう昔の私とは違うんだ。君もいずれわかる。さぁ、私と――」
「嫌っ!」
 ルイズは肩に伸ばされたワルドの手を振り払う。
「ルイズ!」
 ワルドが怒鳴り声をあげるが、ルイズは聞きたくないとばかりに耳を塞ぎいやいやをするように強く首を振る。

「嫌よ、そんな理由で結婚なんてできるわけない! 世界を手にする力なんて知らない! 
そんな在りもしないような力が目当てだなんて、そんな馬鹿な話あるわけがないわ!」
 悲しかった。ルイズはただ、誤魔化しでもいいから優しい言葉をかけてほしかっただけなのに、言われた言葉は『力』だ。
 自分の無力さ、宝貝の意味、悲劇の王子、そして結婚。
 アルビオンへの旅で様々なことを思い、落ち込んでいたルイズにはワルドの無慈悲な言葉はまさにトドメとなったのだ。
 そしてもはやルイズの気持ちはワルドに傾くことは無くなっていた。
 それを悟ったワルドは数秒押し黙り、重々しく口を開く。
「……ならば仕方無い。君が私のところに来てくれないというのなら、他の用事の一つを果たすとしよう」
 そう言ってワルドは、ゆっくりとした動作で腰にさした杖を引き抜く。

「!? セイラン、ミス・ヴァリエールを!」
 ワルドの動きに気づいたウェールズはいち早く杖を振るい、呪文を唱える。
 同時に、それまで客席で事の成り行きを見守っていた静嵐が、ウェールズの言葉に促されルイズの前に割って入る。
 詠唱が完了し、ウェールズの杖から放たれた一筋の風がワルドの杖を叩き落す。
「子爵っ、そこに直れ! 貴様は私が成敗する!」
 言われたワルドはウェールズの言葉など聞こうともせず、大仰に肩を竦めて見せる。貴様ごとき眼中に無い、とばかりに。
 だが今のワルドは無手。杖が無ければいかに魔法衛士隊隊長であるワルドといえど、満足に実力を発揮することはできないはず。
 ゆえにワルドからの反撃の無いに等しい。あとはウェールズが一方的にワルドへ攻撃を加える――はずであった。
 ウェールズが再び詠唱を完了し、呪文を放とうとしたまさにその時。

「――っ!?」
 ウェールズの顔が驚きに染まる。馬鹿な、と。ウェールズが震える瞳で下を向けば、彼の胸にはポッカリと穴が空いている。
 比喩ではなく、己の左の肺腑を貫く位置にまさに空洞があるのだ。穴の中からは、己の血肉が覗いている。
 ウェールズがそのことに気づいたとき、思い出したかのように大量の血が流れ出す。
 ワルドの魔法が彼を刺したのか? しかし彼が取り落とした杖は床に転がったままだ。ならば何が彼の胸を貫いたのか?
 相変わらずワルドは無手のまま。――いや、その手は何かを握るような形となっている。

 正確に言うならばウェールズの胸に空洞が空いているわけではない。
 いかに鋭い風の魔法であっても、こうも綺麗に人体に穴が空くわけがない。
 傷口を押し開くように、何か透明なものが突き刺さっているのだ。
 それは鋭く、硬い、槍のようなもの。それがウェールズを刺したのだ。
「これが用事の一つだ」
 ワルドはそう言って、握っていた手を開く。
 支えを失ったようにウェールズの体は崩れ落ちていった。


879 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 01:00:41 ID:Qix8u2Yf
支援

880 :零魔娘娘追宝録11 5/19:2007/11/28(水) 01:01:43 ID:rh99GVfL

                  *

「み、見抜けなかった……?」
 驚愕の表情のまま、静嵐は呟いた。
 仰向けに倒れ、血を流すウェールズ。
 いかなる手段を用いたとしても、それが人間の為しえる技であれば武器の宝貝である静嵐に見抜けないはずがない。
 何もウェールズは静嵐が守護する対象ではないが、それでもただ殺されるのを黙って見過ごすほど浅い関係ではない。
 だが現実に致命傷を受けたウェールズがそこにいる。静嵐がわからない方法で攻撃されたのだ。

 傷は胸部への鋭い一突き。肺腑を貫かれ、失血はひどい。
 もはや彼が助かる見込みはないだろう。たとえメイジの治癒魔法を駆使したとしても、だ。
 そこで静嵐は一つの可能性に思い当たる。
 武器の宝貝の洞察力を持ってしても見抜けない攻撃手段。
「もしかしてそれは……!」
 静嵐の叫びにワルドは嗤う。

「ご明察。これは暗器の宝貝、シンエイソウだ。何、勿体つけて晒してみたはいいが、実態は大したことが無い、
ただの『見えない槍』というだけさ」
 暗器とは大まかに分類するならば武器の宝貝に入る。しかし暗器が通常の武器と違うのは、それが隠し武器であるということだ。
 剣や刀のように、通常目に見えるところに持ち歩き使用するのとは違い、暗器は普段懐の内などに隠されている。
 敵は当然こちらが武装しているとは気づかないから油断してしまう。暗器の宝貝とはその油断を突く宝貝なのである。
 卑怯だと言えば卑怯な武器ではあるが、暗器とはその存在が暴露されてしまうと途端に脆くなってしまう性質がある。
 隠すという部分に重きを置くが故に、武器としての攻撃力は二の次三の次となってしまうからだ。
 弱いが故に鋭いという矛盾を併せ持った存在。暗器とは相手の駆け引きという一瞬のせめぎ合いに輝くものなのだ。
 だがこの、シンエイソウ――『震影槍』は違う。

 たしかに言葉にしてみれば『見えない槍』というだけである。それ自体は驚くに値しない仕掛けだ。
 だが、その内実が単純であるがゆえに、それが洒落にならないほど強力であることがわかる。
 相手に存在を気づかせないという暗器の特性と、槍という高い攻撃力。
 静嵐はこの宝貝の欠陥に思い当たる。これは卑怯すぎるのだ。
 暗器という『非道』の理よりもさらに外れた『外道』の武器。おそらくは試しに作ってみたはいいが強力すぎたのだろう。
 正々堂々を旨とするあの龍華仙人がこのような武器の存在を許すわけが無い。
 故にこの震影槍は欠陥宝貝として封印されたのだろう。
 さしもの武器の宝貝も、発動する前の暗器までは見抜くことができない。

「くっ」
 呻く静嵐を他所に。ワルドは悠然と自身の杖を拾い上げ、言葉を続ける。
「そして貴様にはもう一つ都合の悪い事実をプレゼントしよう」
 言って、詠唱を始める。静嵐はそれを遮るため斬りかかるべきかと判断する。だが、
「……」
 背後のルイズは呆然と立ち尽くしたままだ。下手に動いて彼女を危険に晒すわけにはいかない。
 結局静嵐は黙ってワルドが詠唱を完了するのを待つしかなかった。
 静嵐はワルドの攻撃魔法、エア・カッターやウインド・ブレイクとかいうものを警戒する。
 だが、完成したワルドの魔法は予想外の物だった。

「ぶ、分身した!?」
 ワルドの体はいきなり五つに分身する。ぱっと見ても、どれが本物かはわからない。全員が全く同じに見える。
 気配もまた五つとも同じもので、これが幻術やまやかしの類でないことは確実だ。
 そして五人のワルドの一人が、懐から白い仮面を取り出して顔につける。その姿には見覚えがあった。
「仮面の男!」
 ラ・ロシェールにて静嵐と切り結んだあの男。鬼神環という宝貝を所持していたあの男。
 つまりヤツこそがワルド自身であったのだ。


881 :零魔娘娘追宝録11 6/19:2007/11/28(水) 01:03:07 ID:rh99GVfL
「分身の……魔法ってやつかい?」
 静嵐の問いに、五人のワルドたちは口々に言う。
「そういうことだ」「これぞ我が『風』の魔法」「『風』は何処にもありて」「『風』は何処にも吹く」「すなわちこれこそが」
『遍在だ』
 五人のワルドを前に、静嵐は後ずさる。
 あれほどの強敵であった白い仮面の男、その正体が強力なメイジであるワルドだというのならば納得できる。
 その敵が今まさに静嵐たちを襲おうとしている。それも五倍の人数で。

「不味いな……。ルイズ! ここは一端引いて――ルイズ?」
 ルイズは、白仮面の男の正体を見てもなお、未だ立ち尽くしたままだった。その表情は静嵐からは見えない。
 ポツリと呟く。
「……何故なの?」
 それは心の奥底から搾り出すような声だった。
「殺す必要なんて無いじゃない……。何故そんなに……殺したり殺されたりする必要があるの?」
 ルイズはじっと、もはや魂魄が体から離れようとしているウェールズを見つめる。
 青白い、を通り越して土気色となった美貌の王子。それを見つめる花嫁姿の少女。
 それは、何か性質の悪い冗談のような光景だ。

 ワルドは、ワルドたちは言う。
「……」「それが『力』の本質だからだ」「殺し壊す」「それこそが『力』の存在意義」
 ワルドたちの表情は無機質なままで、しかし少しだけ哀愁を含ませたものだった。
「そして私には『力』を求める理由がある。故に私は……王子を殺した!」
 ルイズは首を振る。
「『力』……『力』ですって? 私の中にもあるという『力』? それが理由だというの? ――くだらない、くだらないわ!」
 あらん限りの力で、吐き捨てるようにして叫ぶ。

「ワルド、あなたは間違っている。世界を手にする『力』? そんなものがあって何になるというの!」
 ルイズの握り締めた拳の中には一本の筆、天呼筆がある。
 一度はウェールズの命を救い、だがその命を最後まで救いきるには足りぬ『力』しかなかった宝貝。
「たとえ街一つを壊すような力だって、愛し合うもの同士が離れ離れになるのを止めることすらできないのよ?」
 かぶりを振る。そしてぐっと顔を上げて、涙を拭う。
 毅然とした態度でワルドを真正面から見据え、その眼差しに爆ぜる炎のような激情を見せながら、
 燃えるような瞳をしたルイズは言う。

「そんな『力』に何の意味もありはしない。――だから私は、力を追い求めるだけのあなたを止める!」
「……!」
 一瞬、その迫力に気圧されるワルド。だがすぐに立ち直り、
「しかし、どうするというんだい、ルイズ?」「今の君には何の『力』もない」「ただの少女の君に何ができると言うんだ!」
 ワルドは嗤い、ワルドは冷静に判じ、ワルドは激情に叫ぶ。
 ルイズもまた彼を恐れない。すっと右手を挙げ、彼女の前に立つ『使い魔』へ手を伸ばす。

「今の私にも――『力』なら、ある。あなたを止めるに足る『力』が!」
 そして彼女は、己が『力』の名を呼ぶ。
「静嵐刀!」

 呼ばれたモノ、そう、彼。静嵐はルイズの言葉に頷き。手に持ったデルフリンガーを地に突き立てて空中へ跳ぶ。
 瞬間。彼の体が爆煙に包まれ、その直後、一本の剣――いや、一振りの刀がルイズの手に納まる。
「!」「その剣!」「やはり彼は」「パオペイか!」
 鞘から刀を引き抜き、ルイズは頭に被った冠を投げ捨てる。
「王子様を殺してまで得ようというのが私の本当の力だと言うのなら、あなたの言う力なんて要らない」
 鞘を一撫ですると、ぶるりと震えた鞘は再び静嵐の外套へと姿を戻す。
 ルイズは肩から真っ白な乙女のマントを外し、その代わりに静嵐の藍色をした外套を羽織る。
 その背中には荒々しい雄牛の刺繍が躍り、巻き起こる風が外套をはためかせる。 

「この手の中の一本の刀。それが今の私の力なら、私はそれだけでいい! それだけで十分よ!」
 ルイズが示すのは『意思』だ。『力』は彼が、静嵐が担ってくれる。 
 ならば、あとは告げるだけだ。
「ワルド、あなたを――斬る!」


882 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 01:03:23 ID:S7Hwet1C
激しく支援

883 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 01:04:23 ID:S7Hwet1C
その苦しみ、私も記憶にある支援

884 :零魔娘娘追宝録11 7/19:2007/11/28(水) 01:04:24 ID:rh99GVfL

                  *

 それはルイズが静嵐刀を手にした瞬間の刹那、光よりも速い言葉で交わされた意思疎通。

『――やるわよ、セイラン。私とあんたで、王子様の仇を討つ。ワルドを倒す』
『いいのかい? 敵はワルドだよ』
 かつての思い人を敵にする。その重圧に彼女の心は耐えられるのか?
『……彼が何を思って、あんなことを言ったのかはわからない。昔はとても優しい人だったのに。
だから何か、事情があるのかもしれない。優しかった彼にああ言わせるだけの何かが。でも』
『でも?』

『彼は取り返しのつかないことをしてしまった。もう戻れないところまで行ってしまった。
なら、私が、彼のことを好き――好きだった私が、彼を止めるしかない!』
『ルイズ……』
 ルイズの覚悟は本気だった。一時の激情や戸惑いで出た言葉ではない。
 人を斬るという重さ、それに対する責任を持つ言葉だ。

『力を貸して、静嵐刀。私の『意思』を通す為、私の『力』になって!』
『……ああ! わかったよ! この静嵐刀、全てを尽くして君の『力』になろうじゃないか!』
 静嵐の心は震える。静嵐の内側から力が沸いてくる。
 そしてその力を、自らの主人に使用者のために振るえるという喜び!
 それがまた、新たな力となっていくことを感じながら――

                  *

 ルイズの体を操り、静嵐は敵に向かって駆ける。
 彼を、彼女を迎撃せんとしてワルドたちは次々と呪文を放つ。
 あまりの魔法の弾幕に、静嵐たちは回避行動の連続を余儀なくされる。 
「くっ、近づけない……!」
 一発一発の呪文はさほど強力なものではない。おそらく、ドットかラインクラスに値する魔法だろう。
 だがそれとて、五体という数が完璧な連携において放たれるものであれば、数字以上の威力を見せるのは当然のことだろう。
 それがワルドの戦い方。大威力の魔法で『圧倒』するのではなく、小威力の魔法で『制圧』するのだ。
 余裕の表情を見せながらワルドは言う。

「君はいけない娘だな、ルイズ」「黙って私について来ればいいものを」「これでは君を殺さねばいけないではないか!」
 言いつつも、ワルドは一分の隙も見せない。一人が喋っていれば、他の四人はすべて攻撃に回るのだ。
「ふざけないで! 誰があなたなんかに!」
 せめて意気だけは負けぬよう、ルイズは叫び言い返す。その間も静嵐はルイズの体を操り回避行動を取り続ける。
「君も所詮は力無き愚か者か」「であれば私の言うことが理解できないのもわかる」「私の期待に背いたことを後悔させてやろう」
「何を勝手な! 己の目的のために、国を売ろうとする男の言うことじゃないわ!」

 かろうじて一閃、ワルドに斬撃を加える。だが浅い。
 一人に気を取られている間に、他のワルドは飛び退り距離を開ける。
 ルイズを囲むような配置。それは彼女に向けて呪文の十字砲火を加える陣形だ。
「しかし!」「その男に!」「追い詰められているのが!」「今の君だ!」
 四人のワルドは詠唱を開始する。それは確実にルイズたちを殺傷しうる必殺の魔法。
「――現実を理解することだな」

 ぐ、と歯を食いしばり。包囲網からなんとか隙を見出そうとする静嵐。だが、予想外の場所から声がかかる。
『娘っ子、相棒! 俺を使え!』
「デルフ!?」
 いつの間にかルイズたちは、静嵐がデルフリンガーを突き立てた場所まで後退していた。
 熱に浮かされたように、何かを思い出そうとするかのようにデルフリンガーは声を発する。
『だんだんと思い出してきたぞ、そうだ、俺は――』
 言葉は途中で途切れる。ルイズと静嵐、そしてデルフリンガーに向けてワルドたちが魔法を放ったのだ。
 風の刃が、雷光が、空気の槌が、風圧の槍が、ルイズたちを襲う。


885 :零魔娘娘追宝録11 8/19:2007/11/28(水) 01:05:45 ID:rh99GVfL

「!」
 静嵐は左手でとっさにルイズの左手で引き抜いたデルフリンガーを、盾のようにして目前にかざす。
 論理的な行動ではない。たかが剣一本であれだけの魔法に耐え切れるはずはない。
 だが、静嵐の操るルイズの左手はそれをごく自然な動きとして行わせた。まるでそれが、当然のことであるように。
 そしてそれは、相応の結果をもってルイズたちに応える。
「! 魔法を……吸収した!?」
 ワルドの驚きの叫びが聞こえる。
 殺到する魔法の威力が霧散する。ルイズの体を切り、焼き、潰し、貫くはずだった威力は全て無くなっている。
 到達点には、右手に静嵐刀を構え、左手にデルフリンガーを握るルイズの姿があった。

 デルフリンガー――その姿は変化し、錆びついていた刀身は抜き身の刃が持つ白銀へと変わっている――は叫ぶ。
『そうだよ、それこそが俺の力なんだ! ガンダールヴはこの能力で……この俺の力でブリミルを守ったんだ!』
「ブリミルを!? なら、あんたは……」
 ルイズは己の手の中の長剣を見つめる。長い年月を戦いとともに駆け抜けてきた刃が光る。
『そうさ! 俺はデルフリンガー……神の盾、ガンダールヴの剣だ!』

                  *

 ルイズは驚く。ただの古びたインテリジェンスソードだと思っていたデルフリンガーが、あのガンダールヴの剣であったとは。
 始祖ブリミルがこの地、アルビオンに降り立ったのは六千年前。普通に考えて、その頃の刀剣が現存しているとは考えにくい。
『どうだ、娘っ子! 見直したか!』
「ホント……掘り出したモノだったみたいね!」
 なるほど、この光り輝く刀身は伊達ではない。そして何より、デルフリンガーの魔法吸収能力は確かだ。しかし、
 ワルドは苦々しく言う。
「なるほど」「厄介な剣だな」「しかし受け切れなければ同じこと」「貴様の敵は一人ではないのだ!」

 そう、ワルドは遍在の魔法を使っている。一対一であれば、魔法を封じた時点で圧倒的有利に立てるであろうが、
 ワルド『たち』は連携して攻撃魔法を使ってくる。先ほどはちょうど十字砲火の形となっていた為射線が把握しやすかったが、
 今度は真横や背後、あるいは上空と、次々に死角から魔法を放ってくる。一人の方を向けばもう一人が、という具合である。
 武術の達人の技を持つ静嵐のこと、それらを的確に捌いていくが、やはり反撃には至らない。
 反撃の糸口を見つけなければならない。そして、それができるとすれば自分なのだ。
 今静嵐が追い詰められているのは、静嵐が魔法に対する知識を持たぬがゆえである。
 ならば答えは簡単だ。ルイズの持つ魔法の知識を利用するのだ。


 ルイズは静嵐の力で強化された視力を持って周囲を見渡す。
 周囲には様々な光、ルイズがルイズ自身の力だけで見ているときは違った光が見える。
 静嵐が言うには、それは目に見えない空気の流れなどを視覚化したものであるらしい。
 無論、その一つ一つの意味や利用法などルイズにはわからない。
 しかし、強化された視力は利用できる。
 ルイズはワルドの一人、その口の動きを見る。杖を構え、一言一言を刻むように呪文を唱えている。
 それは通常時であれば、とても追いきれる速さの動きではない。
 だが今の、静嵐刀を手にしている状態のルイズであればその口の動きを読むことは容易い。
 ルイズは心を通じて直接静嵐に訴えかける。

『左、ライトニングクラウドが来るわよ!』
『なんだって?』
『ライトニングクラウドよライトニングクラウド! あの電撃! あんた一回食らったんだからわかるでしょ!?』
『あ、ああ!』
 言われるがまま、左のワルドが放った電撃を静嵐はデルフリンガーで受ける。
 静嵐刀を握ることで一心同体と化し、光よりも速く会話できるが故にできた芸当だった。
『次、右からエアカッター!』
『あの風の刃か、なら!』


886 :零魔娘娘追宝録11 9/19:2007/11/28(水) 01:07:08 ID:rh99GVfL

 静嵐はライトニングクラウドを受けた紫電の光を背後に置き、右のワルドへと向き直る。
 同時にワルドは風の刃を静嵐に向けて放つ。だが静嵐はそれを、防ぐのではなく紙一重で回避する。
 風の刃、という鋭くはあるが攻撃範囲の狭い攻撃であったから、そしてそれを事前に察知できたが故の芸当だ。
 防いでいては隙が大きくなり、反撃は覚束ない。しかし回避したのなら、あとは斬るだけ。
「ぐぅっ!」
 袈裟懸けに静嵐刀でワルドを斬る。斬られたワルド、その遍在は魔法の力を散らされて掻き消えるように姿を消す。
 これで一人。だがルイズは気を抜かない。
『続けて前から二人、杖にはエア・ニードル!』
 斬られたワルドの背中から、同時に二人のワルドが飛び出し、それぞれの杖を以って斬撃を繰り出してくる。
 ルイズはそれをデルフリンガーと静嵐刀で受け、一瞬の鍔迫り合いの後、弾け跳ぶように後方へと下がる。

「何故、こうも先を読むことができる」「私の二つ名は『閃光』」「私の高速詠唱を見切ることなどできるはずがない!」
 完全に相手の動きを読んでの対応に、ワルドは吠える。
 ルイズはお返しとばかりにさきほどのワルドに似た嗤いで言う。
「たしかに普通の私じゃ詠唱を見切ることなんてできないわ。だけど、セイランを手に持っている今ならば話は別よ」
 静嵐刀は使用者の力を増幅させることはできない。だが、人間が本来持っているだけ能力を引き出すことはできる。
 野生に近い環境で育つ人間の中には、地平線にある獣の姿を見ることができるものもいるという。
 それにも匹敵するだけの能力。この場合ならば視力をルイズは得ていた。

 だがそれは見えるというだけの話。詠唱の見切りには繋がらない。
 詠唱を見切るだけの知識、それは……
「そして私の二つ名は『ゼロ』。落ちこぼれの二つ名。――だけどその分、勉強だけは怠ってこなかったのよね」
 あまりに魔法が上手く使えないがため、『ゼロのルイズ』という不名誉な二つ名で呼ばれたルイズ。
 彼女が常に自分に対して課してきたこと、それは「自分に出来ることと出来ないことを見極める」ことであった。
 魔法が使えないというのならば、自分が何の系統の魔法を使えないのか? 自分が何の系統のどの魔法を使えないのか?
 それを全て見極めていくには、全ての魔法に対する知識が必要だった。

「四大系統の主だった魔法の詠唱と効果くらい。丸暗記済み。
さすがにスクウェアクラスのまでは承知していないけど、トライアングルくらいまでなら余裕だわ」
「……!」
 ワルドは絶句する。それが言うほど容易いことではないからだ。
 普通のメイジであるならば、自分の得意系統の魔法のみを勉強するだろう。
 しかし彼女は『ゼロ』だ。得意の系統など無い。なればこそ、全ての系統の魔法に通じることができたのだ。
 たとえ自分の使えないものであっても学んでいく。その『努力』、それこそがルイズのもっとも得意なことと言える。
 静嵐は感心したように言う。

『そっか。魔法の実技で軒並み落第点なら、せめて筆記での成績は上位で居なくてはならないよなぁ』
『うっさいわね! そういう目的も…まぁ…ちょっとはあるけど』
 そしてルイズは微笑む。少し意地の悪い笑みで。
「でもホント、人生何が幸いするかわからないわよね?」


887 :零魔娘娘追宝録11 10/19:2007/11/28(水) 01:08:35 ID:rh99GVfL

                  *

 そして再び仕切りなおし。また戦場はぐるぐると動き回る。
 ルイズが魔法の先読みの種明かしをしたせいか、ワルドの動きはより慎重になっている。
 ある程度自分の動きを読まれることを前提とし、どう動いても全体を攻めれるようにしたもの。
 しかしそれはどこか硬直的であり、それまでの流れるような動きとは違う。
 静嵐はそこにつけこもうとし、ワルドもまたそれを誘いにしようとしていた。

『来るわよ、セイラン。右前方、ウインドブレイク! デルフを――』
 ルイズの言葉に反応し、静嵐がデルフを掲げようとする。だがその静嵐に迫るものがあった。
「させん!」
 白仮面をつけたワルドが空気の渦を纏った杖で静嵐に斬撃を浴びせる。
 静嵐は咄嗟にそれをデルフリンガーで受け、そのまま弾こうとする。だが、

「ぐっ……!」
 相手の攻撃が重い。ルイズの膂力では受け止めきれない力で押さえつけられる。
 これは魔法ではない。白仮面の手には血の色をした指輪が光る。
『鬼神環か!』
 鬼神環は己の生命力と引き換えに、限界までの力を引き出す宝貝だ。
 ルイズとて静嵐の機能で本来以上の力を発揮してはいるが。ワルドとルイズではもともとの力、文字通りの腕力が違う。
 なんとか全力で相手の剣戟に押し切られぬよう拮抗するが、それは一対多の戦いでは致命的な隙だ。

『デルフを封じられたわ!』
 それがワルドの狙いだ。デルフを使えない状態にさせ、その隙を突いて魔法で攻撃するつもりなのだ。
 空いている右手の武器、静嵐刀は使えるが、それで魔法を防ぐことはできない。
「吹き飛ばされるがいい!」
 白仮面は言い、別のワルドが唱えた魔法。ウインドブレイクがルイズに迫る。だが、
「……なん、のっ!」 

 静嵐は自らの刃でウインドブレイクの魔法を『斬る』。この世のいかなる剣より鋭い武器の宝貝の刃は、
 それが実体を持たぬものであってもその力と速さで叩き斬ることができる。
 二つに分かれた『風』はそのまま静嵐を襲い――すり抜ける。
 そして静嵐は、すっと己の体の力を抜く。
 それまで全力で相手を押し切ろうとしていた白仮面のワルドは肩透かしを食らったようになり、体勢を崩す。

 機を逃さず、ルイズは白仮面のワルドを斬り、
 さらに必殺であったはずのウインドブレイクをすり抜けられ、棒立ちになっていたワルドを斬る。
 二人のワルドがその魔法を維持できず掻き消え、白仮面のワルドが見につけていた鬼神環が宙を舞う。
 それすら逃さず、静嵐は返す刃で鬼神環を破壊した。
 三度、またしても予想外の方法で魔法を防がれたワルドは驚く。

「か、風を受け流したというのか?」「だが、いくら武器のパオペイの切れ味でも完全に魔法の威力を殺すことはできんはず!」
 そう。これが他の武器の宝貝であれば斬った『風』にそのまま飛ばされ、致命傷とはいかなくても傷を受けることは免れない。
 だが静嵐刀は違うのだ。
「これが僕の宝貝としての特製さ。僕は、自分の周りの空気の動きをある程度制御できるんだ」
 それは静嵐と、静嵐とよく似た手法で生み出された三本の刀たちに共通する能力。
 すなわち、ある種の自然現象の一部を微弱に、しかし自由自在に制御できるのだ。
 そして全く都合のいいことに、静嵐が操れるのは『風』。ワルドの得意とする魔法系統であった。

「流石に『風』の魔法そのままを逸らすわけにはいかないけど、ぶった斬って弱めた『風』くらいならなんということはないよ」
 純粋な威力で迫る魔法を受け流すことはできない。しかし、斬ることによってある程度弱められた『風』ならば制御可能だ。
 肩を竦め、得意げに静嵐は言う。
「デルフやルイズに負けていられないからね。静かなる嵐の刀……武器の宝貝、『静嵐刀』の名は伊達じゃないってことさ!」


888 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 01:09:09 ID:Mm1FyDu+
紫煙

889 :零魔娘娘追宝録11 11/19:2007/11/28(水) 01:09:53 ID:rh99GVfL

                  *

 残ったワルドは二人。一人は遍在、一人は魔法を使った本体だ。
 ワルドはごくりと唾を飲み込み、結論づける。
(認めなければならん)(この相手は『最悪』だ……!)
 ワルドは事ここに至り、ある致命的な事実に気がついたのだ。
 彼の敵対しているもの、すなわち『ルイズ』、『デルフリンガー』、そして『静嵐刀』。
 どれもそれほど大した相手ではない。だが、それぞれの持つ役割が厄介だった。

 ルイズが対メイジの知識を持ち、デルフリンガーが対魔法能力を持ち、静嵐刀が達人の技を持つ。
 これが上手く噛みあっている。噛みあいすぎている。

 それがただの対メイジの知識を持った少女であったならば、ワルドは簡単にねじ伏せただろう。
 それがただの魔法を封じる剣であったならば、ワルドは己の卓越した剣技をもって圧倒しただろう。
 それがただの達人の技を持った剣士であったならば、ワルドは魔法でそれを追い詰めるだろう。

 だが、今ワルドの前に立つ敵はそのどれでもあり、そしてどれでもない。
『究められた技』と『有効な道具』、そしてそれらを統べる『高い知識』。
 能力の組み合わせの妙とでも言えるだろうか。それぞれの長所と短所が完全に補われ、一つの強力な『力』となる。
 つまり、静嵐刀とデルフリンガーの二つの剣を持ったルイズは――

            『風』のメイジ、ジャン・ジャック・フランシス・ワルドの天敵であるのだ。

 ワルドの経験則は語る。このままではマズイ、と。
 他の相手ならばいざ知らず、この敵を相手にしていては勝ち目が全くと言っていいほど無い。
 ちらり、とワルドは祭壇を見る。
 祭壇の上では、震影槍にその身を貫かれて血を流すウェールズ皇太子がいる。
 目的の一つは果たした。目的の二つは果たせていない。
 二つの目的、すなわち『ルイズ』と『手紙』だ。

 この二つのうち『ルイズ』はもう手に入らないだろう。彼女が未だ精神的にも幼い子供であることを失念した自分のミスだ。
 それは仕方無いと諦められる。そしてもう一つ、『手紙』だ。
 これは彼の属する組織『レコン・キスタ』にとって優位に働く、トリステインとゲルマニアの同盟を阻止する材料となる。
 だがこれは必須のものではない。もっと他の、搦め手を用いれば十分に達成可能である。
 よって、『手紙』に固執する必要は無い。ウェールズを殺したことで、レコン・キスタへの手土産は十分なのだ。
 もはやここにとどまる必要は無い。だが――

 ワルドは歯軋りする。
「こうまで虚仮にされて…………!」
 杖を振るい、もはや最後の精神力となった精神力を消費し、今果たしうる最大の魔法で奴らを殺す!
「引けると思うかっ!」


890 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 01:10:57 ID:S7Hwet1C
そして支援

891 :零魔娘娘追宝録11 12/19:2007/11/28(水) 01:11:14 ID:rh99GVfL

                  *

 前方に巨大な空気の渦が巻き起こる。それは先ほどのまでの単発的な『点』の攻撃ではない、逃げ場ない『面』の攻撃だ。
 その魔法、見ただけで何の魔法かは簡単に判別がつく。
 驚きと焦りとともに、ルイズは言う。
「エア・ストーム……!」
 それは『風』のトライアングルスペル。
 巨大な竜巻でもって敵を捻り潰す、攻防両方に優れた『風』の魔法の中でも折り紙つきの攻撃力をもったものの一つだ。

 左手のデルフリンガーが言う。
『かなり強力な呪文だな。俺一本じゃとても吸収しきれないぜ』
 右手の静嵐刀が意思を送る。
『デルフ一本じゃないさ。こっちには』
 そしてルイズは叫ぶ。
「静嵐刀がある!」
 腰だめにデルフリンガー、そして静嵐刀を重ね合わせるように構え、抜き打ちの姿勢を取る。

 ルイズは左手を見る。白く輝く刃、ブリミルを守りし伝説のガンダールヴの剣がある。
「ボロ剣――デルフ」
『おう』

 ルイズは右手を見る。鋼色の刀身、異界の仙人が鍛えし尋常ならざる道具、武器の宝貝がある。
「バカ剣――静嵐」
『何だい?』

 ルイズは笑う。勝ち目なんか全く無いと思っていたワルドを追い詰め、この最大の攻撃すら引き出させて見せた。
 それはかなりの危機であることに変わりはないというのに、ルイズは歌いだしたくなるほどの上機嫌だ。
 少し前までの、悩んでいた自分がバカらしい。
 何を悩む必要があった? 力がどうだのと考える前に、剣一本握って走り出せばよかったのだ!
 ルイズはにやけてしまいそうな自分の表情を抑え、しかし笑みを浮かべ言う。
「何か、何かね――私達って、けっこう『いい』じゃない?」
 左手の剣と右手の刀も笑う。
『だな』『かもね』

「じゃあ、行くわ――!」
 そしてルイズは駆け出す。その様を見たワルドが唸る。
「バカな……! 真正面だと!?」
 真正面。エアストームの渦に向かって全速力で突っ込んでいく!

 実質、狭い屋内での戦いの場においてルイズとワルドの位置は十数メイルしか離れていない。
 そこを駆け抜けるのには一秒もかからないはず。だが妙に、ゆっくりとした感覚でルイズはそれを見ていた。
 エアストームの渦がルイズに触れるその時、まずは跳ね上げるようにデルフリンガーを逆袈裟に振るう。
 輝く刃はエアストームの魔力を吸収しながら渦の中を進み、振りぬかれる。
 だがそれでもエアストームは消滅しない。いかに伝説の剣デルフリンガーといえど、ただの一撃でトライアングルの魔法は消せない。
 しかしその勢いは若干弱まる。そしてルイズにはもう一本の刀、静嵐刀が手にある。
 デルフリンガーを振り抜いた勢いをそのままに、くるりとエアストームの渦に逆らうよう身を回転させ。
 一回転して体勢を立て直し、再びエアストームに向き直り。静嵐刀を渦の中心に刺し入れる。
 静嵐刀は己の周囲の空気の流れを操り。エアストームに「穴」を空ける。
 そしてルイズの身はその穴に突入し――完全にすり抜けた。


892 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 01:11:41 ID:S7Hwet1C
心の底から支援

893 :零魔娘娘追宝録11 13/19:2007/11/28(水) 01:12:25 ID:rh99GVfL

 エアストームを抜けた先には二人のワルド。一人は祭壇の上で魔法を放ったもので。
 もう一人はエアストームの影でルイズを迎撃せんとしていたものだ。その顔は驚愕に染まっている。
 ワルドとて、エアストームがルイズたちに通用するとは思っていなかったのだろう。
 こちらがエアストームを大きく回避したその一瞬を突こうとしていたのだ。
 だがルイズはあえてその渦に真っ正面から飛び込み、すり抜けて見せた。それがワルドにとって予想外だったのだ。
 驚き。それは戦いの中では致命的な隙になる。ルイズはデルフリンガーを投擲し、ワルドの胸に突き刺す。
 遍在のワルドはそれだけで消滅。デルフリンガーは金属音を立てて落下する。

 そしてルイズ自身はそのまま、ワルド本体へと駆け寄る。
 最後のワルドにはもはや精神力は残っていない。ただの一発の魔法をも打つことができない。
 あとは悪あがきのように、ただの杖でルイズを打とうとする。
 ルイズの体を操った静嵐は、それを悠々と回避し、自身の刃でワルドを狙う。
 静嵐刀がワルドの左腕を切断し――

                  *

 静嵐刀がワルドの左腕を切断するその刹那。
 切っ先が彼の腕に触れた時、ルイズは静嵐から己の体の制御を取り戻す。
『ルイズ!? 一体何を!』
 突然に体の制御を戻された静嵐は戸惑いの声を上げる。
 ルイズは静かに告げる。
『これが私なりのけじめ。ワルドを斬るのは『静嵐刀の操るルイズ』じゃない、私が私自身の意志で彼を斬る』
 ぞぶり、と肉を切り骨を断つ感触がルイズの身に、ルイズの心に伝わる。
『さようなら、ワルド』
 静嵐刀を振りぬいたルイズは、即座に静嵐へと体の制御を任せ、

                  *

 ――返す刀で静嵐刀は彼の杖を両断する。片腕と杖を失ったワルドにはもはや戦闘能力は残されていない。
 それが、静嵐刀とデルフリンガーを持った『ゼロ』のルイズと、『閃光』のワルドの戦いの終焉であった。
 その結果は言うまでも無く、

 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの完全な勝利だった。

                  *

「……!」
 左腕を斬られたワルドは残った片腕で傷口を押さえながら言う。
「今は素直に負けを認めよう。――だが、二度は無いと思え……!」
 怒りに顔を歪ませながら、どこにそんな体力があったか一気に壁際まで跳躍し、壁に空いた穴へと身を投じる。
 追おうにもルイズの体はもう満足には動かない。エアストームを突破した際の衝撃が今になって響いてきたのだ。 
「そして静嵐刀! 貴様は私が必ず破壊する」
 飛来した自らの使い魔、グリフォンに飛び乗り。ワルドは逃亡する。

「逃げた、の……?」
『みたいだね。追撃する余裕はないか。……ひょっとしてまたなんか余計な恨み買っちゃった?』
「かもね。……それよりむしろ問題はここからどうやって逃げ出すか、だけど」
 こうしている貴族派による攻撃開始の時間は迫っている。逃げ出そうにもここは大陸の突端の城。
 空と敵に挟まれた状態だ。船で逃げようにも、すでにイーグル号もマリー・ガラント号も避難民を乗せて出発している。
 当初の予定ではワルドのグリフォンに乗せてもらうつもりであったが、それももはや叶わない。


894 :零魔娘娘追宝録11 14/19:2007/11/28(水) 01:13:41 ID:rh99GVfL

「攻撃開始までまだ時間はある。だけど……もう逃げ出す余裕は無い、か。ここまで、なの……?」
 もはやこれまで、とルイズが覚悟を決めたその時。
「――諦めるのはまだ早いんじゃないかしら?」
「!?」
 何処からか、若い女の声が響く。この声は――
「キュルケ!」
「はぁい。下から失礼するわね」
 ゴトリ、と礼拝堂の床石を下から持ち上げてキュルケが顔を出す。
「……」
 続いてタバサが無言で顔を出す。土まみれになったのが不快なのか、どこか不機嫌そうだ。

「タバサまで……あんた達どうやって」
「どうやってもこうやっても無いよ。下からここまで穴掘ってきたのさ」
 そして最後に顔を出したのがギーシュだ。
「ギーシュ! ……あんたも居たの?」
 すっかり忘れていた。そう言えば旅に出た当初から着いてきていたのだ。
 ルイズの、失礼と言えば失礼な言葉にギーシュは苦虫を噛み潰したような顔をして言う。
「人をオマケみたいに言わないでくれないか! この僕が居なかったらここまで辿り着けなかったよ」
 その言葉をタバサとキュルケは否定する。
「役に立ったのは貴方じゃなくてこの子」
「そうよね。ヴェルダンデちゃん?」

 そう言ってタバサとキュルケは穴の中で待機しているモグラ――ギーシュの使い魔ヴェルダンデを撫でる。
 なんというモグラだ。学院からの移動に遅れずについてきていたのか? それも早駆けの馬や空を飛ぶ竜に追いついて。
 静嵐やシルフィードなんかより、よっぽどこのモグラのほうが凄いんじゃないかしら? とルイズは慄く。
 痛いところをつかれたギーシュは呻く。
「うぐっ……。そ、そうだ。そんなことよりあの手紙は? ウェールズ皇太子様はどうしたのかね?」
「そ、そうだわ! 王子様!」
 慌ててルイズは祭壇の上に倒れた王子の元に駆け寄る。それを追ってキュルケたちも走る。
 祭壇の上の血塗れの青年を見て、キュルケが驚く。
「この人は、ウェールズ皇太子!?」
「ワルドに……殺されたのよ」
「あの子爵が!?」
 血の池にあるウェールズに物怖じせず、体を検分していたタバサが声を上げる。

「! ……まだ息がある」
「なんですって!」
 ルイズとキュルケもまた、ウェールズを覗き込む。
 その顔はひどい土気色をしていて、とても生気があるようには見えない。
 しかしかろうじて、穴の空いた胸はかすかに上下している。

「急所が微妙に外されているせいね。これはたぶん、故意に外したんだわ。……趣味が悪い」
 暗器の宝貝を用いれば、急所を外すなどということはまずありえない。
 ならばこれはわざと外されたものに違いない。暗器に限らず武器の宝貝ならば人一人生かすも殺すも自在である。
 だがこの傷は違った。傷の位置は即死する急所を外してなお致命傷となる場所であったのだ。
 しかも、槍を抜き取れば出血はさらに拡がるようにされている。
 その意図はおそらく嬲り殺しにするためのものであろう。
 ルイズは何か手は無いかと考える。このままでは以下に高位の水のメイジであろうとも治療は間に合わない。


895 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 01:15:26 ID:zj/vGjCU
支援いたす

896 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 01:16:32 ID:S7Hwet1C
後少しだ頑張れ支援

897 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 01:17:37 ID:bxQ9MP9M
支援

898 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 01:18:49 ID:Mm1FyDu+
支援、タイミング的に規制な予感

899 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 01:19:09 ID:S7Hwet1C
ここまで投下しきったやり方を知りたい。俺は11個めでサルった支援

900 :零魔娘娘の者 携帯:2007/11/28(水) 01:23:14 ID:MZGjoBKf
連投規制されますた。無茶とはわかっていたが、やはり無理だたか……。
ということで、続きは避難所のほうにさせてもらいます。
たくさんの支援、ありがとうございました

901 :代理 零魔娘娘追宝録11 15/19:2007/11/28(水) 01:23:44 ID:zj/vGjCU
「血が止まらないわ――そうだ、静嵐! あなたなら体内の血流を制御できるんでしょ!? それで止血できる!」
 武器の宝貝である静嵐は、使用者の体を制御することができる。
 それは何も筋肉や関節の動きだけにとどまらず、呼吸や血流など、
 本来は人間が自分の意思で制御しきれないものも制御することができる。
 であればこそ、メイジ五人を相手にあのように立ち回りも可能なのだ。
 普通の人間であれば、いかに技が優れていようも体の動きがついていかなくなる。
 ルイズはそんな静嵐の能力を利用して、ウェールズの止血をしようと言うのだ。

『ルイズ。だけどもう彼は……』
 ルイズの願いに静嵐は言いよどむ。武器の宝貝である彼には、ウェールズがもはや助かりようもないことが見て取れるのだ。
 だがルイズは聞き入れず、懇願する。
「お願い!」
『……わかったよ。僕を彼に握らせて』
 彼女の願いに折れる形で、静嵐は了承した。

 ルイズは静嵐を手放し、ウェールズの指を開き刀を握らせる。
 意識も朦朧としているウェールズは静嵐の制御に対して抵抗もできない。
 静嵐はウェールズの体の血流を支配し、出血を留めて鼓動を制御する。
「……ミス・ヴァリエールか。……敵は、し、子爵は倒したのかね?」
 静嵐を握ったことで意識を取り戻したのか、ウェールズは問う。
 ほんの少しはマシになったとはいえ、やはりその顔色は優れない。本来ならば喋ることなど到底適わない体なのだ。

「ウェールズ様! 喋らないでください! 今は静嵐が止血をしてくれています、このまま医者のところへ……」
 ルイズの言葉に、ウェールズはゆっくりと首を振る。
「いや……、その必要はない。私はもう助からない……」
「そ、そんなことは……」
 必死になって否定しようとするが、ウェールズの様子はもはや素人が見ても危ういことは瞭然だ。
 せめてもの意地とばかりにかっこつけ、ウェールズは笑う。

「ふふ……月並みな台詞だがね、自分の、体のことは……自分が一番よくわかるさ……それよりも、頼みがある」
「……なんなりと」
 それがもはや、最後の願いだということはわかってしまった。
 だから、ルイズは素直に頷く。
「この教会の裏に火薬と油がある。それで、私の骸を……、焼き捨てて欲しい」
「!」
 驚くルイズ。仮にも一国の王子の亡骸をそのように無惨に扱わねばならぬことなど無い。

「奴らのことだ……。私の屍を、晒し者にして、それで対トリステインへの、戦意を上げる道具にするだろう……。
私が、嗤われるのは、いい。だが私の死がそんなことに利用されるのは……我慢がならない……!」
 もはや余命幾ばくも無い王子の言葉に、強い怒りが篭められる。
 自身への嘲笑は甘んじて受け入れるが、それを利用され無辜の民が戦禍に晒されるのは看過できないというのだ。
「殿下、貴方は……!」

 最期まで、残されたもののことを考えている。改めて彼の、王族としての凄まじさに息を呑む。
 だが、それは王子としてのこと。彼個人の最後の願いは。
「そして、伝えて欲しい。姫に――あの誓いは守れぬ、と……」
 それが彼の、最後の言葉の一つ。
 もう一つが――



902 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 01:24:34 ID:Qix8u2Yf
支援

903 :代理 零魔娘娘追宝録11 16/19:2007/11/28(水) 01:25:11 ID:zj/vGjCU

                  *

 再び刹那の時。ウェールズが静嵐刀にしたその瞬間。
 静嵐は、彼を友と呼んでくれた男と会話する。
『そういうわけだ。セイラン、会えたばかりで残念だがここでお別れだ』
『王子さん……』
 ウェールズは笑う。

『何、そう湿っぽくなる必要はないさ。これも、悪くない。これで私は、もう自由なのだからな。
静嵐刀、異界の『風』の剣よ。このアルビオンの『風』を、私の誇りを守ってくれたことを感謝する。――ありがとう』
『……僕は何も。全部ルイズが決めたことです』
『いや、彼女の決断もまた君あってのことだ。これからも、彼女の事を守ってあげたまえ。
彼女はきっと、これから大きな存在になるだろう。そして願わくば――アンリエッタのことを頼む……!』
『――はい』
『では、君達の行く先に『風』の守りがあらんことを……さらばだ、静嵐刀よ!』
 それがもう一つの言葉だった。

                  *

「…………」
 ルイズは事切れた王子の亡骸の前に、じっと立ち尽くしている。
 そんな彼女の肩に手をかけ、キュルケは言う。
「ルイズ。気持ちはわかるけど、今は王子様の最期の願いを聞いてあげなくちゃいけないわ」
「っ! ……そうね」
 キュルケの言葉にルイズはかぶりを振り、逡巡の後、迷いを振り切るように顔を上げる。

「私たちがちゃんとやらなくちゃ、ウェールズ様も安心できない、か。よし! ――キュルケ、ギーシュ。手伝って!」
 こと火付けということに関してなら、土と火のメイジに任せるのが最適だ。
「ええ! 一国の王子をブリミルの許へ送る『火』は、この『微熱』のキュルケが見事務めてみせようじゃない」
 普段の険悪さをも捨てた素直な願いに、キュルケは笑って答える。情の深い、彼女らしい態度だ。
「ぼ、僕も手伝おう! ここで何もしないとあらばグラモン家の名折れだ。あ、油の錬金は任せてくれ!」
 王子の死に様に何やら感じ入るものがあったのか、瞳を滂沱の涙で濡らし、鼻をすすりながらギーシュは言う。
 あるいは彼がこの中で一番感受性が強いのかもしれない。それは死に逝く者に対して流す、純粋な涙だ。

「タバサ、貴女はここで出口の確保をお願い。まだ敵が来るとは思えないけど、準備には時間がかかるから」
 コクリ、とタバサは頷く。
「あんたも行くわよ。静嵐!」
 ルイズはウェールズの手から静嵐刀を抜き取って握りしめ、礼拝堂の裏へ駆け出して行く。
 それを追ってキュルケとギーシュも走り出す。
 そして……


 礼拝堂に一人きり残されて。血塗れの王子を前に。囁くようにタバサは言う。
「――アルビオン王国皇太子。ウェールズ・テューダー。貴方の最期は私が見届けた」
 タバサは彼とは直接言葉をかわしてはいない。彼の存在は知っていたが、彼は自分のことなど知らなかっただろう。
 ましてや、今の自分のことなど。



904 :代理 零魔娘娘追宝録11 17/19:2007/11/28(水) 01:26:30 ID:zj/vGjCU

「……少しだけ、貴方が羨ましい。私の生き方は、貴方のように立派なものではない。貴方に比べて私は……」
 彼の最後の言葉を思い出す。王子として、そして人間として精一杯生きた者の言葉だ。
 無論、彼とていきなりの死はさぞかし無念であろう。だが、あのように最後まで誇りを持ち続けれる人間が、どれほどいるだろうか。
 タバサは視線を下げる。王子の胸には、ワルド子爵が凶刃として振るい、彼の命を奪った槍が刺さったままだ。
 槍。暗器の宝貝、『震影槍』。それもまた、一つの力。
 自分が、タバサが渇望してやまない、戦い抜く為の力。
 それが今、目の前にある。ならば自分がすべきことは一つしかない。

 タバサは目の前の不可視の槍、その柄があると思しき場所へ手を伸ばし。掴み取る。
 冷たい槍の柄はおそろしいほど彼女の手に馴染んだ。
 それは、震影槍が宝貝であるからか、それとも彼女が『そういう存在』だからなのか。
 タバサは心中で自嘲する。
 隠された殺意。抜き身の刃。外道の武器。
 なるほど、自分に近いと言えるだろう!

「貴方の命を奪った血塗られた槍。それを使おうとする私は、外道なのかもしれない」
 それでもかまわない。この身がどんなに堕ちようとも、その本懐を遂げられるのであれば……。
 ぐっ、と力を込める。それだけで槍は、悲運の王子の体内からするりと抜け出る。
 引き抜いた震影槍を虚空で一振りする。それだけで、槍についていた血は完全にぬぐわれる。
 最初からそんなもの、存在していなかったかのように。
「それでも私には為すべきことがある。だから私は――」
 ルイズがワルドとの戦いにおいて、ウェールズの死を目にしたことで覚悟を決めたように。
 タバサもまた、ウェールズの死に己の決意を新たにした。


「たとえ外道と言われようとも戦い続ける」

                  *

 アルビオンを離れ、風竜シルフィードは夜空を滑るように飛んでいく。
 タバサはいつものように風竜の背の上に陣取り、星を読み方角を定めていた。
 キュルケはその後ろに座り、小柄な彼女の体が夜風で冷えぬよう抱きしめている。
 ギーシュは泣きはらした目のまま、珍しく真剣に何かを考えている。
 静嵐はシルフィードの負担を少しでも軽くするため、刀の状態のままルイズ手の中にある。
 そしてルイズは夢を見ていた。

 夢の中のルイズは六歳の少女に戻っている。
 夢の舞台は故郷のヴァリエールの領地、実家の庭の彼女が大好きだった秘密の場所だ。
 中庭の池に浮かぶ小船。そこは彼女の王国だった。
 そこでは彼女はお姫様で、王子様は彼だった。
「ルイズ、ここにいたのかい? お母様やお姉さまたちが心配しているよ」
 彼女より十も年上の、優しく立派な貴族の子爵様。
 彼はルイズを、魔法の練習がちっとも上手くいかなくて逃げ出した自分を探しに着てくれたのだ。
 小船の中に隠れるようにしているルイズに、彼は優しく手を伸ばす。
 しかしまだ幼い彼女は駄々っ子のように首を振る。


905 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 01:27:10 ID:Qix8u2Yf
支援

906 :代理 零魔娘娘追宝録11 18/19:2007/11/28(水) 01:27:43 ID:zj/vGjCU

「もう魔法の勉強なんていや! わたしはお姉さまたちみたいになんかできないの!」
 姉二人もそして父も母も、魔法を得意としている。その中で、自分だけが何もできない。
 その疎外感、無力感は、それをまだ言葉にすらできない幼い少女にはとても辛いことだった。
 子爵様は苦笑する。
「そうだなぁ……そんな時は目標を決めるといいんじゃないかな?」
「もくひょう?」
「そう、目標さ。こうなりたい、こうでありたい、そんな自分を考えてそれを目指してがんばれば、きっと魔法も上達するさ」
「私のもくひょう……」
 彼はこれ以上ないというほど優しく微笑む。

「僕の小さなルイズ、君は何になりたいんだい?」
 いつも優しくかっこよく、自分のことを気にかけてくれる子爵様。ルイズは彼のことが大好きだった。
 だが、彼女の幼い恋心は自分自身を否定する。今の自分はまだまだ彼とつりあうような存在じゃない。
 幼く、弱く、何も知らず、そして何より魔法も使えない。
 ならばそう、自分がもし彼と並んで歩けるようになれたら……それはどんなに幸せなことだろうか。
 そんな未来のためならば、どんな難しい勉強でもがんばっていけるだろう。

「じゃあ……私も、子爵様みたいに立派な『風』の使い手になる!」
「私のようにかい?」
 驚く子爵。だがルイズが彼に憧れるのも無理はない。
 彼はすでに高位の魔法を使いこなす、優秀な風のメイジなのだから。
 それと、それと、とルイズは指折り数えていくように思いつくまま『夢』を語っていく。

「剣術だって覚えるの。それで、お母様みたいに魔法衛士の隊長になって……」
 今は引退したとはいえ、母は元魔法衛士隊隊長だ。数多くの伝説級の武勇伝を残し、今でも多くの人から尊敬されている。
 口うるさい母親は苦手だが、それでもルイズにとっては偉大な母なのだ。
「アンリエッタ様の騎士になってね、姫様のために……」
 姫は、ルイズのかけがえのない友達だ。公爵の娘と王女、どちらが格上かは言うまでもない。
 しかし姫様は、自分を友達だと言ってくれる。そりゃあ、喧嘩することもあるけれど、大事な大事な友達だ。
 いずれ、彼女のためになりたいとルイズは常に思っていた。

「悪いやつを、子爵さまといっしょにやっつけるの!」
 それはなんとも楽しそうではないか!
 すでにルイズの中では、自分が子爵とともに悪人どもをばったばったと薙ぎ倒す姿が浮かんでいる。
 目を輝かせ、夢を語るルイズを子爵はまぶしそうに見つめる。
「『風の騎士』というわけかい? それはなんとも素敵だね、ルイズ」
「はい!」
 満面の笑みでうなずくルイズ。そして――


「そうか……」
 十六歳のルイズはそれが夢だと気づいた。
 気がつけば小船の上には一人、十六歳の彼女が居るだけになっていた。
 子爵……ワルドの姿はもう無い。彼女が、ルイズが彼と戦うことを選んだから。
 すでに、彼女は全てを思い出していた。あの日、小船の上で語った小さな夢。
 それこそが自分を動かす原動力となり、そして彼を斬る力となったその皮肉を。
 さらにもう一つ思い出したこと。『風の力を使い』『剣を持って戦う』それもまた自分の夢。ならば――
 

「『風』の剣、静嵐刀――それは私が望んだものだったんだ」



907 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 01:27:45 ID:+aFe0KZE
支援 そしてテスト

908 :代理 零魔娘娘追宝録11 19/19:2007/11/28(水) 01:29:06 ID:zj/vGjCU
 パチリ、とルイズは目を開ける。
『あ、ルイズ。おはよう』
 手の中の剣が意思を送ってくる。声ならぬ声ではあるが、どこかの間の抜けた青年の声のように感じた。
「おはよ……。私、寝ちゃってたみたいね」
『魔法学院まではまだまだみたいだよ。もう少し寝ていたら?』
 アルビオンへの強行軍に加え、ワルドとの死闘で疲れこんでいた彼女を気遣い、級友達は寝かせておいてくれたのだろう。

「ううん、起きているわ。姫様への報告も考えないといけないし」
『それはご苦労様だね』
 のん気に言う使い魔に、半目になってルイズはぼやく。
「……あんたもいっしょに考えなさいよ。正直、何から報告すればいいか見当もつかないわ」
『いろいろあったからねえ』
 あれだけのことを『いろいろ』の一言で済ます能天気。
 はぁ、とわざらしく溜息をついて見せる。
「……やっぱり、あんたには期待しないわ」
『ひどいなぁ』
 空の上を風が流れ。
 ふと静嵐が、思い出したかのように言う。

『あ、そうだ。ねえ、ルイズ』
「何?」
『夢の中でか、寝言でかはわかんないけど。――僕のこと呼んだかい?』
「――!」
 ルイズは息を呑み、答える。

「……ええ、呼んだわ。貴方のことをずっと……ずっと前から、ね」
『やっぱりか。何か用事でも――って、え?』
 聞き返す静嵐に、ルイズは優しく笑い。
「なんでもないわよ」
 その目からは一滴だけ。一滴だけ涙がこぼれて空へと消える。
 誰も、ルイズ自身も、その涙には気づかなかった。 


 そして。戦い疲れた少年少女達を乗せたシルフィードは、トリステインへと翼を向けて飛んで行った。

                                第二章 嵐を招くメイジたち 完



909 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 01:29:42 ID:6P9F0rgq
おつおつー

910 :代理 零魔娘娘追宝録:2007/11/28(水) 01:30:29 ID:zj/vGjCU
859 名前:零魔娘娘追宝録の者[sage] 投稿日:2007/11/28(水) 01:27:55 ID:eg5jNsDg
以上です。多数の支援、本当にありがとうございました。
そういうわけで第二章、原作第二巻アルビオン編相当の『嵐を招くメイジたち』をお送りしました。また中途半端に長くなった。
今回登場の宝貝は、ドクリドクリのベロンベロンこと暗器の宝貝『震影槍』です。また地味なのが……とは言わないで。
そんで当のワルド戦。これは当初から書きたいネタでした。
これの盛り上がりを続けてお見せしたいがゆえ、今回チト長くなってしまったのです。

そして次回からは原作第三巻分『虚無を操るいくじなし』編。これまた何のヒネリも無いタイトルですが。
そろそろ静嵐と将軍以外の人型になれる宝貝も出していきたいもんです。
あとあれ、奮闘編ネタとかタバサの冒険ネタもやってきたい。
『タバサとバラの酔っ払い』とか『ルイズ奮闘編』とか。甚来旗の平行世界ネタとかも考えるのも楽しみだ。
うむ。これぞネタ師の本懐よ。


てなところで紙数も尽きた。ではまた。
-----------------------------------------------------
というわけで避難所分、以上です。代理の方、まことに、まことにありがとうございまするorz


以上、代理投下 終了いたします〜

911 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 01:32:24 ID:S7Hwet1C
乙! 超乙! そうだよな〜、最初っから考えてた一番書きたい所はこーなるべー
代理さんも含めてお疲れ様でした

912 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 01:33:09 ID:Qix8u2Yf
作者の人も代理の人もGJ&乙!

次スレ
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1196181082/

913 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 01:35:28 ID:HQCcbBgZ
作者&代理人乙
この前代理の代理が出たのって何の作品だっけ?w

>>912

914 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 01:38:12 ID:MZGjoBKf
代理の方。誠にありがとうこざいました。
そして容量がギリギリだ。紙数つきるどころじゃねぇ。
新スレ、混乱なく移行できればいいが。……次からはもちっと自重しまさぁ。

915 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 01:38:33 ID:+C+Fcw0f
乙ー。
そしてスレ立て人も乙。

916 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 01:39:46 ID:4/xYs2uz
>>871
昔、オスマンが出くわしたのが勇者特急隊の関係者で
結果学院の地下に…とか浮かんだ

917 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 01:45:20 ID:zj/vGjCU
さて・・・ そろそろ500取りの時間かなw

500なら、つい先日お亡くなりになられた
ケンイチより、叶翔を召喚

918 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 01:46:31 ID:6P9F0rgq
あと2kb

500ならディリータ召喚

919 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 01:47:51 ID:umTfU1oW
500ならカイジより安藤を召喚

920 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 01:48:19 ID:+C+Fcw0f
500kbならブレイド・オブ・アルカナより魔神オルクスを召喚、短編で「ある女公の物語」を書く。

921 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 01:48:26 ID:Qix8u2Yf
500なら明日とどくアンヒンジドのBoxに
Little GirlのFOILが入ってる

922 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 01:54:19 ID:kZRDQmFV
500ならデロリアンとマーティー召喚

923 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 01:55:07 ID:6Ah9DRCT
500なら・・・・・・・・・・・・・・・

924 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 01:55:31 ID:+C+Fcw0f
500ならトラン召喚SSの復活を祈願

925 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 02:02:31 ID:6puYaxTq
500なら大鉄人17召喚

926 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 02:02:48 ID:gESdVsff
500なら有栖零児か小牟召喚


927 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 02:03:42 ID:/WwI657V
500ならザン・ハヤテ召喚

928 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 02:04:06 ID:umTfU1oW
500なら柊蓮司を召喚
全てを下げまくってくれ!

929 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 02:04:13 ID:6P9F0rgq
500なら500レースの全部召喚

930 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 02:04:19 ID:+C+Fcw0f
500kbならノエル・グリーンフィールド召喚。ノエルと虚無の魔法使い連載開始?

931 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/11/28(水) 02:05:26 ID:+C+Fcw0f
500kbならブレイド・オブ・アルカナよりスーペルス=マーキナ降臨……はバッドエンド確定なので取り止め。

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