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シンジとアスカの夫婦生活 4日目【仮面夫婦】

1 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/26(月) 21:46:59 ID:???
前々スレ
シンジとアスカの夫婦生活 二日目
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1127564504/
前々々スレ シンジとアスカの夫婦生活
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1107046347/
前スレ
シンジとアスカの夫婦生活 3日目【倦怠期】
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/eva/1155856539/
まとめサイト
http://www29.atwiki.jp/aaabbb


ここはシンジとアスカの夫婦生活を果てしなく想像するスレです。
もう自分の妄想の赴くままに書き込んじゃって下さい。

2 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/26(月) 21:49:24 ID:byQNk6Zx
2ゲット!

3 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/26(月) 23:27:36 ID:???
3get!

4 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/26(月) 23:36:30 ID:???
スレタイ仮面夫婦って・・・

新手の嫌がらせか・・・

LASを入れてないし

5 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/26(月) 23:36:43 ID:???
>>1乙。
しかし、そこはかとなくアンチなスレタイだな。










そりあえず、保守。

6 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/27(火) 00:49:42 ID:???
ホントに重複の新スレ立てやがった…
どうしようもねえな

7 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/27(火) 06:22:03 ID:???
>>6
まぁ仕方ないんじゃね?住民ほとんどLAS人だろうから。

8 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/27(火) 20:51:46 ID:???
ケンスケ厨をこっちに誘導すりゃいいんじゃね?

9 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/28(水) 01:25:02 ID:???
向こうは甘々、こっちはドロドロと使い分けすんのか?

10 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/29(木) 00:39:32 ID:???
糞スレ終了
とりあえず削除依頼出しとけよ

11 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/29(木) 06:34:40 ID:???
本スレ?のFF投下したがってるやつはこっち向けだと思うんだがw

12 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/30(金) 03:12:25 ID:???
このまま埋もれさせるのは惜しい。
今度、何か適当に書いてみるか。

13 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/02(月) 00:09:19 ID:???
本スレでも人がいない

14 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/02(月) 00:28:20 ID:???
あれじゃいなくてもしかたないだろ

15 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/08(日) 01:47:57 ID:???
ネタが無いな。

16 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/30(月) 09:40:40 ID:IxOmuRsi
記念

17 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/18(金) 01:14:39 ID:???


18 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/20(日) 19:46:14 ID:???
鬱物です。駄目な方は世界をNGでお願いします
投下します

19 :世界:2007/05/20(日) 19:47:45 ID:???
「ねぇ…シンジ。」

私の髪を潮風が凪いでいく。夕焼けが妙にまぶしい。海に沈む夕日は紅く水平線の向こうに沈み始めていた。
私の顔は夕日に照らされ赤く、そして…

「ねぇ…シンジ。」

私はもう一度呟く。愛しい人の名を…かけがえのないシンジの顔を思い浮かべながら。
少し肌寒くなってきた。暑くはなってきたがやはり夜が近づくと半袖では寒い位だ。私は両手で肩を抱き身体を小さく丸め込む。この寒さは果たして宵闇のせいか…
それとも…


「ねぇ……シンジ。」

これで何度目か。私の唇から紡がれる言葉をもう日も落ち、暗くなった海から吹く風が言葉を破壊していく。
寒い…
そんな感情を心に浮かべ、上を見上げた。空を覆い尽くす星々…都会では観ることの出来ない景色。しかし、私の心には何の感情も浮かびはしない。
色褪せた世界…
もうこの世界に価値はない…

「ねぇ………シンジ…」

彼と見れば美しいと想えただろう。肌寒さなど感じなかっただろう。
でも…


彼は…シンジはもう居ない…
シンジの居ない世界などに生きてる価値など…

20 :世界:2007/05/20(日) 19:50:43 ID:???
私はそっと、立ち上がり歩き出す…
海に向かって…

「シンジ…今そっちに行くね」

私の足に波が触れる。一歩、また一歩。この先にはシンジがいる。私の歩みは止まらない。もう何も考えたくない。
早く…シンジの元へ…

―その瞬間

「アスカッ!」

嘘よ…聴こえるはずない。あの人は…シンジは。
波が私の腰にぶつかる。もうすぐでシンジに逢える…
でも、私は立ち止まり後ろを振り向いた。

誰も居ない浜辺。漆黒の闇に砂浜だけが白く私の瞳に映る。

「まだ駄目なの?…シンジに逢いに行ったら駄目なの…」

何も無い砂浜に一瞬、微かな煌めきが…
私は急いで光の元に向かう。水に濡れた服がまとわりつくのも気にせず。ただ光の元へ…真っ直ぐに。

煌めきの正体は私の指輪だった。大事な結婚指輪…いつの間に外れたの?片時も外すことのなかった身体の一部ともいうべき私達の愛の形。

始めて気付いた…

「愛するアスカへ」

リングの内側の文字。私は指輪を握り締め泣き叫んだ。もう涙など枯れたと思ってたのに……
【終り】

21 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/20(日) 19:52:51 ID:???
乙乙乙乙乙乙

22 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/20(日) 19:53:52 ID:???
>>19&20
GJ?
向こうで投稿しても良かった気はするが。
作者イタモノっぽいがイタガリータの俺が全然痛く感じないくらいだから大概の人は痛く感じないだろうし。

23 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/20(日) 20:06:36 ID:???
GJですねん
個人的にもっとドロドロしたのもみたい!w次回にワクワクテカテカ


>>22向こうは セリフの前に名前〜とかしか言わないバカ猿とスルーできないアホ猿で荒れてる

24 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/20(日) 23:56:16 ID:???
gjです^^
感じでてますね
シリアス系の隠れファンとしてはもっ〜〜とゾクゾクする感じのが読みたいですw
ドロドロ系もw

25 :惣流キョウコ:2007/05/21(月) 18:03:18 ID:???
あっ>>24は私です。

このSSは華麗なるのSSにまとめますね^^

26 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/02(土) 00:36:18 ID:???
今は、どこもシリアスを投下する職人はあまりいないね

27 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/02(土) 00:42:39 ID:???
アスカがギャンブルで借金しまくり
シンジにバレる

離婚

までの話が読みたい

28 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/02(土) 02:45:07 ID:???




「今日も、もやしか…。」
借金の事考えると嫌になる。僕はなにもしていないのに…
でも、与え続けなきゃ彼女はきっと僕を見捨てる
頑張らなきゃ




「アスカ…そんなに買って大丈夫…??」
「ダイジョブダイジョブ♪(限度額まであと30万…余裕ね)」

29 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/07(木) 03:01:56 ID:???
「…じゃあ、いくね」
「…うん」
ドアを半開きにしたまま、こちらを振り向いて微笑んだ後、
彼女は出て行った。

なんでこんなことになっちゃったんだろう、
と僕はドアを閉めた後がらんとしたリビングの床に直接座り、
発泡酒を開ける。

毎月増える請求書、カードの督促、果ては職場への電話。
全て僕には身に覚えのないことだったけれど、
彼女の持っている服が日増しに増えていくことに、
高そうなアクセサリーや鞄が増えていくことに、
僕は気づかないふりをしていた。
頑張れば、なんとかなる。月の残業をもうちょっと増やして、
夏のボーナスまで耐えられれば、なんとかなる。

でも、僕の思いは呆気なく打ち砕かれた。
ある日ミサトさんに呼ばれて、現実を突きつけられた。
そこには300万を超える僕名義のカードローンと
山のような督促状と
どこから用意したのか、きちんとした身なりの弁護士さんが1人。



30 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/07(木) 03:06:05 ID:???
「あんた、アスカにいいようにやられちゃってんじゃないの?
このままじゃ、シンちゃんだけじゃなくてアスカまでダメになるわ」
「え…でもミサトさん、アスカはそうしてあげなくちゃ…」
「それが甘いのよ。あんた自分の今の状況分かってて言ってるの?
利息だけで月の給料殆ど飛んでいくのよ、借金返す為に借金してるのよ、
破滅寸前なのよ!このままじゃネルフにだっていられなくなるわ…」

その後のやりとりはあまり覚えていない。
アスカには私から話してあげるから、とミサトさんが言ってくれたのに
ちょっとほっとした自分がいた。
それが、ショックだった。


今僕は自己破産手続きを終え、ネルフが用意してくれたアパートにいる。

お金も地位もなくしたけど、僕がなくした一番大きなモノ。
廊下を去りゆく彼女をただ見送ることしかできない自分。

「アスカ、なんでこんなことになっちゃったんだろう?」
「は?あんたバカぁ?そりゃああんたの稼ぎが私の予想以上に
悪かったせいよ」
「で、でも僕は僕なりに頑張ったんだよ、君を失いたくなかったから…」
「…」

アスカは何も言わなかった。けれど、僕には分かった。
彼女は心の中で泣いていることを。自分のおこないを後悔していることを。
彼女が押した離婚届の印鑑は少し滲んでいた。

でも、もう元には戻らない。

床に座り込んだまま、僕はマズイ酒に頼るしかなかった。


31 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/07(木) 11:43:44 ID:???
イタモノか・・・

32 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/07(木) 22:23:58 ID:???
コレもまとめに乗るのかな?
個人的には乗せないか、注意書きをして欲しいところ

33 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/07(木) 22:25:03 ID:???
まだ完結もしてないんだから待てw

34 :29,30続き:2007/06/08(金) 00:42:11 ID:???
あれから季節が一回りしたのが僕には信じられない。
月や太陽は毎日同じような軌跡を巡り、
僕やミサトさんやネルフの同僚たちも1つずつ平等に歳を取った。
アスカは、ネルフも辞め、連絡先もわからない。
そのもやもやが、僕を1人、時間が止まった状態に押しとどめている。

休みの日、珍しくトウジが訪ねてきた。
彼は今では第2新東京市でパン屋を経営、
数年前にヒカリと結婚、今や2児のパパだ。
「久しぶりだね。どう?」
僕の挨拶もそこそこに彼は切り出した。
「おまえ、アホちゃうか?あの子、ボロボロやで」

最初はなんのことかわからなかった。
そんなきょとんとした僕の顔をたっぷり3秒は眺め回し、
トウジは大袈裟な溜め息をつく。
「こんな甲斐性なしやからアスカもおまえを見捨てるんや」
「え?アスカ?アスカを見たの?」
思わずトウジの襟を掴んで詰め寄ってしまう。

「ちょ、ちょい待ち。おまえ、わしを殺す気か?」
7階の廊下で突き落とさんばかりの勢いで襟を掴んで詰め寄ったら
確かにそう言われても仕方がない。
「ご、ごめん。」
慌てて手を離す。
彼はまた大袈裟に溜め息をついてから襟元をなでて、僕の顔を見る。
鋭い視線が僕の心を貫く。
「いや、会ってはおらんよ。ただかみさんのところに連絡は来てる」
僕はまた襟を掴んで詰め寄りそうになるが、すんでの所でこらえる。
「それよりシンジ、中にあげてくれんか?ここにおると殺されそうや」
トウジが笑いながら言う。
確かに僕はあまりのことで彼を家にあげることすら忘れていた。

35 :29,30続き:2007/06/08(金) 00:55:15 ID:???
「なんや、随分と殺風景な部屋やな」
トウジの言うことももっともだ。簡素なテーブルに椅子は2つ。
テレビはない。食器類も棚を必要とするほどあるわけでもない。
壁にはアスカとの写真が一枚額に入れて飾ってある。それだけだ。
僕にはもう他に必要なものなんてないから。

「さて」
トウジは居住まいをただして僕に向き合う。
僕は今淹れたばかりのコーヒーを飲むこともできずに彼を見つめる。
「かみさんが言うにはな、こうや…」

トウジの話を総合するに、アスカは今「半ば自暴自棄に」なっているらしい。
ネルフの監視下にあるものの、夜の仕事を転々とし、酒浸りの毎日らしい。
で、よく酔っぱらって泣いてヒカリのところに電話をしてくるらしい。
「私がみんな悪いの。こうなっちゃったのは私のせいなの」
と泣くという彼女の姿を僕は想像できなかった。
あのアスカが?信じられない。

「おまえ、ほんまにアホやなぁ…」
トウジが僕の気持ちを見透かしたように言う。
「あの子の面倒、おまえ以外に誰がみれるんや?おまえしかおらんちゅーねん。
まあ確かにいきさつは聞いとる。けどな、おまえもあの子の気持ちの
奥底をちゃんと見てやっとらんかったのとちゃうか?」

そう言われてみれば、僕は仕事にかまけていつも夜は遅かったし、
だからアスカが色々な買い物をしてくるのを止めることはできなかった。
「寂しかったんよ、あの子は。もっとしっかり見といてやらにゃ…」
そういうとトウジは立ち上がった。
「そういうわけじゃ。ほな、またな。帰り遅れるとかみさんうるさいねん」
僕はあまりのことで、アスカの居所や連絡先を聞くことすら忘れていた。

36 :29,30続き:2007/06/08(金) 01:02:01 ID:???
以下、チラ裏レベルの注意書きみたいなもんです。
>>28さんに触発されて酔っぱらった勢いでその場で作りました。
ちょっとディープな感じにしたかったので、こちらのスレにしました。
別にまとめサイトには載せて頂かなくて構いません。
というか、完全に想定外でございます。

本当はあれで終わりにするつもりだったのですが、
今さっき見たらレスが付いていたのでシンジとアスカの再生まで
書こうかな、という気になって、また勢いで書いてしまいました。
始めちゃったので、とりあえずしっかりとした終わりにはするつもりです。
すいませんこんなんで。


37 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/08(金) 01:04:30 ID:???
イタモノはいいとして、この手の話ってなんでシンジが責められるんだろうなw
もうお約束だけど吹いた。

38 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/08(金) 01:30:57 ID:???
・・・まぁ、理不尽LASなんて言葉もあるくらいだしナ。
でもまだ終わってないんだから、この展開も理由有りかも知れんし待とうぜ兄弟。

>>36
がんがれー

39 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/08(金) 01:47:20 ID:???
>>37
シンジが内罰的であるとこと、実際の客観的な罪悪の区別ができん人が多いからだろ。きっと

40 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/08(金) 02:01:03 ID:???
たぶんアフターEOEなんだろうけど、シンジがアスカに対して負い目を感じている理由が
作中に出てこないから、シンジへの扱いの理不尽さが目立つんだろうね。

作中のキャラ同士の断罪と作者のキャラへの(ほとんど私怨じみた)断罪がごっちゃに
なっている作品も過去にいくらでもあったから、余計にそう感じるかも。

>>36
とはいえ今後の展開には期待してます。
トウジの言葉づかいやアスカやヒカリのことを名前で呼ぶことへの違和感はあるけど、そんな
卑下するほど悪くはないですよ。がんがれ。

41 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/08(金) 02:06:33 ID:???
理由が出てきても、あくまでシンジ視点での話であってトウジの言い分がめちゃくちゃな事へのフォローにはならないだろ。
いや、40が優しく、できるだけ好意的に解釈してあげようとしてるのは伝わるんだが。

42 :33:2007/06/08(金) 02:28:55 ID:???
>>34-36
乙。
28も同一人物と思い込んで、28と29・30では投下日が違うから、続き物なのかと勘違いしてしまった。
無理に続きをひねり出させてスマンかった。

今回の感想は・・・正直皆と変わらないw トウジの言動、箇条書きにすると長文になりそうなほど突っ込みたくなった。
重ね重ねスマンが、シンジもアスカも好きなLAS人であってアスカ厨(アスカ人とは区別)ではないので、察して頂きたい。

けど、まだ今が評価の終着点ではないので、先に指摘があったのを利用して修正しながらどうにか頑張って欲しいです。

43 :惣流キョウコ:2007/06/08(金) 03:16:36 ID:???
投下されてる…!!ノーマークでしたわ
むちゃくちゃ続き楽しみ!!!!w
>>32なにかしら方法考えときます^^

44 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/08(金) 03:23:26 ID:???
終わり方によっては普通に載せちゃっていいんじゃね?
ともかく色々様子見。

45 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/08(金) 03:37:35 ID:???
とことんシリアスにしちゃえよ
楽しみにしとく

46 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/08(金) 11:07:22 ID:???
投下させて頂きます。
離婚物ですが…
NGな方は『再生』でお願いします

47 :再生:2007/06/08(金) 11:09:35 ID:???
始まりがあれば終わりもある。
目の前にある一枚の紙…人生の重要な岐路はこんな紙切れに判子を押すだけで決まってしまう。
始まりは歓喜に震え幸せを感じながら判子を押した。しかし…今はどうだ。同じ動作に連なる感情は喪失感と軽い安堵…

彼女の顔には一切の感情も見ては取れない。紙には彼女の書くべき事が既に書かれ、押されているのだから。能面の様に白く美しい顔を唯、まっすぐに僕の方へ向け僕が彼女のとった行動を真似るのを待つだけ。


「書けたよ…」
「そう…」

彼女は不備がないか紙に目を通し自分の鞄にしまいこむ。お互い納得はしている。終わりという現実は酷くあっさりと終焉に向かって進む。

「アスカ」
「何?」

短い。ただのいらえ。この事からも未練なんて物は感じられない。この終わりには別に浮気など外的な要因は一切無い。

ただ…

僕は彼女に幸せになって欲しかった。苦労はかけさせたくないと仕事に没頭した。彼女に裕福に暮らして欲しかった。
しかし…現実には彼女は疎外感を感じ、心を閉ざしていった。久し振りに家に帰る僕の顔を見て嬉しそうに笑うアスカも段々とその顔を曇らせていく。

48 :再生:2007/06/08(金) 11:11:55 ID:???
当たり前だ、幸せを願っていた人の手を『仕事で疲れてる』と邪険に振り払っていたのだから…
当然、アスカも解ってくれていた。生活の為には仕事が必要な事を。けれど彼女の幸せにはそれは当てはまらなかった。彼女は裕福など求めてはいない。アスカは僕と過ごす時間が大切だったのだ。
僕が価値観の違いに気付いたのが彼女が心を閉ざしきった後だった…

「アスカ…すまなか…」

「謝らないで!シンジと結婚した事は嬉しかったんだから…」
「でも…もう辛いの…」

「わかったよ…」

アスカの大粒の涙を僕は見つめながら
「今までありがとう」と…

始まりがあれば終わりもある…
でも終わりがあれば始まりもある…
また始まりを信じて…

【終わり】

49 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/09(土) 04:02:30 ID:???
ちょいとクサいってかLOAっぽいってか
うん 乙乙 (・∀-)
新鮮だな離婚も+

50 :キョウコ:2007/06/11(月) 19:49:03 ID:???
イイ感じっ!おっつ

51 :36:2007/06/19(火) 02:41:58 ID:???
レスがたくさんついていてびっくりしました。
正直逃げ出したくなりましたけど、逃げちゃダメだ逃げちゃ(ry、
と呟いて構想を練っております。
まだ全部は書いてなくて、大体おおざっぱな枠組みができてきたんですが…
長そうなんです。
とは言っても10〜20レス位で終わる予定ですが。

このままこっちに投下しちゃっていいでしょうか?
小説スレに行った方がいいでしょうか?

52 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/19(火) 03:12:53 ID:???
移る必要性ないし、こっちでいいんじゃね。
あと先に言っとくと、よほどの良作じゃない限り多少なりとも叩かれるのはデフォだから、「誰がやってもそんなもん」と思って気楽に構えていいと思うよ。

(※批判がダメとか外れてるという意味でもないので悪しからず)

53 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/19(火) 05:38:21 ID:???
2ちゃんやってると、どんな事も批判的ってか否定的になるよな
これが2ちゃん脳w
スルーすればいいさ
取りあえず

 早 く 投 下 し ろ 

スルーしてもいいよ

54 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/19(火) 23:53:01 ID:???
別に否定的になるという訳ではないと思うが。
見る人が多い → 好みも色々 → 受け入れられない人も出てくる
こんな感じでは。
まあ、万人受けする作品なんてプロでも無理なので、
否定的な人が出てくるのは仕方の無いことかと。

55 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/20(水) 00:02:10 ID:???
その理屈だけだとあらゆる作品が「否定されても作品のせいではない」と言えてしまうけどな

56 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/20(水) 00:38:34 ID:???
>>55
どういう解釈をしたらそうなるのか詳しく。

57 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/20(水) 00:40:22 ID:???
多分ポイントは「その理屈だけだと」という条件

58 :36:2007/06/21(木) 03:30:02 ID:???
途中までしか書いてませんが、とりあえず投下します。
以降、「子供達の歌は終わらない」と題します。
NG指定される方はそれでよろしくお願いします。

一応、私もLAS人の端くれなので、バッドエンドにはしたくないし、
この場はそういうのに相応しくないのもある程度理解はしているつもりです。
まあ、そういうことで、生暖かく見守ってやって下さい。

59 :子供達の歌は終わらない:2007/06/21(木) 03:32:24 ID:???
>>35
「…」
「ちょっとシンちゃん、聞いてるの?」
「え?は、はい。ごめんなさい…。」
「全くもう〜。ちょっと最近仕事しすぎて疲れてるんじゃないの?」

ミサトさんに怒られるのももっともだ。
急な来客と突然の情報に驚いてからもう10日は経つ。
本来ならばミサトさんに有休届けを叩きつけてトウジ、
正確に言えば彼の奥さんの元へアスカの事を訊きに行くべきなんだろう。
でも、それができなかった。

 あの忌まわしいサードインパクトがあって、日常は戻ってきたけれど、
僕の中にはまだ眠っている罪の意識がある。
あの日、僕はアスカの首を絞めて殺そうとした。
一端、地球上60億人の命を全て奪っておいて、
それでいて結局戻ってきた僕が最初にしたことは、
自分の大事な人を殺そうとすることだった。

「気持ち悪い」の一言。
アスカは見事にその一言で、僕を射抜いた。
随分逆説的だし、遠回りだったけど、あれで僕たちは
お互いにお互いを必要としている、とわかった。
彼女は彼女なりに自分の気持ちに整理をつけ、
僕は僕のやり方で自分の気持ちに気づいて、彼女に永遠の愛を誓った。


60 :子供達の歌は終わらない:2007/06/21(木) 03:36:23 ID:???
>>59
けど、あの時の罪の意識は消えない。あの時の感覚は、消えない。
だから、日常が戻ってくるにつれ、僕は目の前の仕事に没頭した。
仕事に集中していれば、そういったことが逃れることができた。
アスカの倍以上に膨らんだ残業手当。当然帰宅は毎日零時過ぎ。
アスカは、その間、独りで僕を待っていてくれた。
それがまた、だんだん僕の心に重くのしかかっていた。

 ある時、久しぶりにデートをした。
とあるデパートで彼女が見つけたバッグ。
アスカの目があれだけ輝いたのを見たのはいつ以来だったのだろう?
普段使っているデイパックが10個以上買えるような値段に驚き、
手持ちがなかったせいもあって、カードで払った。
「高すぎるからダメだよ」とは言えなかった。言えるわけもなかった。
僕はアスカに嫌われるのが怖かったから。
それが始まりだったんだよなぁ…。

 そして、今もそうだ。僕は仕事に没頭することで、
とりあえず目の前に横たわる巨大な影から逃れようとしている。
この10日間、家に戻っていない。
不眠不休で働いていた。自分の仕事が半ば尽きてしまってからは、
青葉さんや日向さんの仕事を無理矢理手伝わせてもらっていた。
そうでもしないと、押し潰されそうだった。


61 :子供達の歌は終わらない:2007/06/21(木) 03:38:05 ID:???
>>60
「っ痛て!」
バインダーの角で頭を思いきり叩かれて僕はその場に悶絶する。
目の前に父さんや綾波の姿が見えて、これは走馬燈か?と思えた。
ああ、僕はこれで死ぬのかな?でも死ぬのも悪くないかもな…。
「シンジ君!」

 目の前が明るくなってきて、僕はこちら側に戻ってきた。
見上げると血管を浮き上がらせて眉をひきつらせたミサトさんが…。
「だ・か・ら・私の話を聞いていたのかしら?」
語尾に明らかに殺意が含まれている。どうしよう、まるで聞いていなかった。
「ご、ごめんなさい…」
ミサトさんは何も答えずに、僕をはたいたバインダーを投げてよこした。
そこには「エヴァ初号機追跡観測所新設における現地説明会@第2新東京市」
とミサトさんの字で書かれていた。
「一週間、ホテルに缶詰めにされてきなさい♪」
ミサトさんはまだ怒っている。

 エヴァ初号機は、地球を飛び出した後、長期周回軌道に乗り、
地球の周りを回る「衛星」になった。
半年以上かけて地球を一周する。
今のネルフの仕事の一番大きなものは、この初号機の監視と管理だ。
リツコさんあたりは、僕に初号機と交信させて
なんとか地球に戻す計画を立てているみたいだけど。
多分、この新しい観測所もその計画の一環なんだろう。
とりあえず、僕は第2新東京市に出張に行く、ということになった。

…これは、僕にとって何を意味するんだろう?


62 :子供達の歌は終わらない:2007/06/21(木) 03:40:35 ID:???
>>61
その夜。

その夜に起きた事を僕は多分一生忘れないだろう。
奇跡が多分、起きたんだから。



63 :子供達の歌は終わらない:2007/06/21(木) 03:41:46 ID:???
>>62


ここは、どこ?
自分で夢を見ていることに気づくのに、随分と時間がかかった。
僕は、真っ暗な部屋の中で、独りで膝を抱えて座っていた。
目を開けても閉じても脳には何も認識されない。真の暗闇。
だけど、誰かがいるのがわかった。
そして、その人が近づいてくることも。

不思議と怖くなかった。
なんだろう、この感覚。
ネルフが戦自に襲撃された時に階段の下で縮こまって隠れていたことを思い出す。
あの時とはまた違う感覚。孤独なんだけど、何か暖かい。
匂いとも言ったらいいのだろうか。
ふと、誰かの手が僕の頬に触れた。
その手は柔らかく、しなやかで、暗闇にも関わらず、
僕にはその手が白くて艶やかな爪を持っていることが分かった。

その手は頬に触れ、唇をかすめ、首から鎖骨のあたりまできて、止まった。
と、同時にもう片方の手が背後から伸びてくる。
抱き留められた。

そのまま、その人の体重が自分の背中にかかってくるのを感じた。
はっきりと、感じた。夢なのに。
そして、その次の瞬間、僕は誰かを抱きしめている自分に気づいた。
僕がさっきまで抱き留められていたのと同じ格好で。
あれは、僕?いや、違う。

「…アスカ?」


64 :子供達の歌は終わらない:2007/06/21(木) 03:45:33 ID:???
>>63
その瞬間、僕たちの足下にあった地面が消えた。
僕たちは、立ったままの格好で浮いていた。
眼下には蒼い星が見え、心地良い風が僕たちを包んだ。
「アスカ?」もう一度囁く。いつの間にか、僕は彼女の手を握りしめている。
振り向こうとして、また僕は自分が抱き留められている番になっていることを知る。
彼女の顔は見えなかった。でも、僕には確信が持てた。
この人はアスカだ。僕は独りではなく、アスカも独りではなく、
僕たちはいつもおんなじなんだ。傍にいなくちゃいけないんだ。
僕がアスカであり、アスカは僕でもあるんだ。
今僕は、どこかで眠っているだろう、アスカも同じ夢を見ていることを疑わない。
「アスカ、」僕は自分が今度は彼女を背中から抱き留めている番になってから、言う。
「待ってて。もう一度、君を迎えに行く。」
彼女が振り向いた気がした。
でも、顔が見える寸前に、目が覚めた。



65 :子供達の歌は終わらない:2007/06/21(木) 03:48:06 ID:???
>>64
しばらく天井にぼんやりと焦点を合わせていたが、
ふぅ、と溜め息をついてもぞもぞと起きあがる。
ふと、左手に熱いものを感じた。
まだしている、左手薬指にはまっている指輪。
今や、アスカとの唯一の絆とも思えるこの指輪。
熱い。火傷をしそうなくらい、熱を帯びている。
思わず洗面所に駆け込み、指輪を抜いて指を冷やす。

ふと、気づく。
抜かれた指輪には、刻印がしてあって、
そこには、「We need each other」と。
何故か、その文字が光ったように見えた。
そうだ、アスカの指輪にはこう彫ったんだ。
「We believe in one another」
それは、その時聴いていたお気に入りの曲の歌詞から採ったもの。
その歌はこう続く。
「I know we're going to uncover」


顔をばしゃばしゃと勢いよく洗い、僕は決めた。


66 :子供達の歌は終わらない:2007/06/21(木) 03:51:33 ID:???
とりあえず、今日はここまでです。
次はいつになることやら、さっぱりわかりませんが、
多分そう遠くない時期に投下できるかと思います。
反省も後悔もしておりますが、脳味噌振り絞って良い物を
書きたいとは思ってます。

67 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/21(木) 05:44:39 ID:???
>>58-66
ともかく乙です。
前回で指摘されてた点は特に解消されてないので、そこは相変わらず。
(でも皆が言いたいこと書いてくれてたから俺は直接レスしなかったよスマン)

ただ本スレは別にあるから、
終わりがハッピーかバッドかはどっちでもいい・・・気を遣わなくていいよ。
今のところバッドエンドはNGって人もいないようだし。
勿論ハッピーエンドも歓迎なので、好きにしちゃって。

68 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/21(木) 12:03:44 ID:???
これのトウジは糞野郎だな

69 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/21(木) 19:50:42 ID:???
endなんて気にするな
バットでも俺はおいしくいただける
君には続きを書く義務がある。存分にやりたまえ

70 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/21(木) 20:42:13 ID:???
なんか、ドラマが全くない作者の愚痴って感じだな。
何でもかんでもシンジが悪いと書いてるだけだし。
あと、その原罪をEoEに求めるのも安直じゃないかと。

71 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/21(木) 21:10:01 ID:???
>66
乙です。
気長にどぞ。

>70
いや、俺は前回ちょっと待てと書いた内の一人だけど、
今回のみ見ればシンジの内面描写だから、内罰的なのもOKとオモタ。
トウジは氏んでいい。まぁ続き待ちで。

72 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/22(金) 00:44:59 ID:???
問題はアスカの側の気持ちの整理だな。いくら置かれた状況がきつかったとはいえ
それが無茶苦茶していい理由にはならないし。シンジを自己破産にまで追い込
んでいるからね。必要なのは対立ではなく対話だよな。
トウジは…ヒカリあたりにシメてもらおうかw

続きも期待してるよ>66
無理のない範囲でがんばってね。

73 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/22(金) 01:40:49 ID:???
実際貧乏人はきついぜ
自己破産なんかしたらまともな職つけないし

もっとどん底に落としていいよ

74 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/22(金) 07:29:58 ID:???
>>72
尺の長さからして>>66はアスカ側のことは考えてないんじゃないか?

75 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/22(金) 20:46:56 ID:???
なんでトウジが責められてるんだ?

76 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/26(火) 01:29:36 ID:???
アスカが責められる話が見たいなあ。

77 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/26(火) 02:12:13 ID:???
いや誰かが責められないといけないわけじゃないだろw

78 :36:2007/06/26(火) 03:25:16 ID:???
えーすいません。嘘つきました。
10〜20レスで終わるなんて、無理でしたごめんなさいorz。

色々と感想批評ありがとうございます。
物語を肉付けしていくのに非常に参考になります。

所用で明日から週末までちょっと留守します。
なので、ちょっと間が空くのもなんなんで、
出来てるところまで投下します。
もうちょっと推敲したかった面もあるのですが、
2週間も空くと筋を忘れそうなのでw

ということで、どうぞ。

79 :子供達の歌は終わらない:2007/06/26(火) 03:28:24 ID:???
>>65
しかし、退屈だ。
僕は頬杖をつきたいのを必死にこらえながら、
そしてアクビをもう何十回も噛み殺しながら、
説明会をただぼんやりと聞いている。

ミサトさんから命じられてこの場にいるものの、
なんで僕がこの場に座っていなくちゃいけないのかがわからない。
土地買収だとか、アンテナ設置に対しての日照権の問題とか、
それはそれで重要な話なんだろうけれど、
僕には完全に対岸の火事でしかない。
「責任者」のバッジを付けた初老の男性がパワーポイントを駆使して、
同じ説明をもう3日も繰り返している。
そしてまだこの「説明会」という名の拷問はあと2日続くのだ。

その間、外に出ることも何故か許されず、食事もホテル内での簡素なもののみ。
ネルフの予算は以前とは比べモノにならないくらい少ないけれど、
それでもこの囚人食のごとき貧相な食事には辟易する。
え?話を聞いていろ?って?無理だよ。
もう聞き飽きたし、僕の興味はそこにはない。
彼らの声は僕の耳には届かない。
僕は焦点の合わなくなってきた視線を無理矢理に修正し、
天井のシャンデリアを睨み付ける。

アスカ、君は今、どこにいるんだ?


80 :子供達の歌は終わらない:2007/06/26(火) 03:30:06 ID:???
>>79
その夜、また夢を見た。
今度は夢と気づくのにだいぶ時間がかかった。

僕は眠れなくて、レンドルミンを何錠も自棄気味に口に放り込み、
部屋にあったビールでそれを喉の奥に流し込んだ。
パンツ一枚でベッドに横になり、天井をぼんやりと見つめる。

この一週間の「精神鍛錬」に出発する時、
僕はミサトさんに長めの休暇を申請した。
ミサトさんは、以前よりは丈の長くなった、
それでもタイトなミニスカートから伸びる
すらりとした年齢を感じさせない足を組み直しながら
僕の申請を一瞥し、あっさりと許可をくれた。

僕には、時間ができた。この出張の後にとりあえず2週間。
もう1年もの間、逃げていた。今度は逃げない。
アスカを、迎えに行く。
きっと、あの夢の中で、彼女にもそれは伝わっている筈だ。
待っててくれるよね、アスカ?



81 :子供達の歌は終わらない:2007/06/26(火) 03:31:13 ID:???
>>80
何か、囁き声が聞こえる。バスルームの方からだ。
防音がなっていないなぁ、と思いながらも気になってそちらに向かう。
声はバスルームではなく、廊下から聞こえてくるようだ。
そっと扉を開ける。
誰もいない。
けれど、声は聞こえてくる。

「この囁き声が一体どこから聞こえてくるのか、確かめなくてはならない。」
急にそういった義務感に襲われる。何故だろう?わからない。
それでも僕はとりあえずジーンズをはき、上にTシャツを被って、部屋を出た。
廊下を音もなく進む。厚手のカーペットは僕の靴の音を完璧に吸収してくれる。
その吸音性の高い廊下で、響くこの声。
角を何度か曲がったところで気づく。
このホテル、こんなに部屋は多くない。廊下だって真っ直ぐ一本の筈。
じゃあ、ここはどこだ?
そう思った瞬間に、その部屋に辿り着いた。


82 :子供達の歌は終わらない:2007/06/26(火) 03:32:35 ID:???
>>81
なぜその部屋だと分かったのか、それはドアがわずかながら開いていて、
そこから声が漏れているのが明らかだったからだ。
僕は何のためらいもなく、ドアを開ける。音はしない。
中は薄暗くて、ちょっとした恐怖感を僕に与えてくれる。
一歩一歩、ゆっくりと前に進む。

ふいに何かにぶつかる。壁?いや、目の前には何もない、はず。
だが、それ以上前に進むことが出来ない。
部屋は遮光性ばっちりのカーテンで閉め切られ、
誰がそこにいるのかもわからない。
けど、声は続く。女の声だ。

僕は先に進もうとする。でも跳ね返される。
ゼリーのような透明のねっとりした物体が僕の前に立ちはだかっている。
なぜか僕はスプーンを持っていて、
それで必死になってそのゼリーを掻き出そうとする。
そのゼリー状のものは、何か懐かしい匂いがした。


83 :子供達の歌は終わらない:2007/06/26(火) 03:34:57 ID:???
>>82
「あんた、自分で何をやったかわかってるんでしょ?」
「…」
「ここまでヒドイとは思わなかったわ。あたしの監督責任も大きいけど、
あなたももう子供じゃないんだし…」
「だって…」
「何?」
「だって、私を見てくれないんだもん…」
「え?」

最後の「え?」は僕が発した。でもその言葉は何故か「え?」という「形」になって、
そのゼリーに吸収されてしまった。
話は続く。

「私、我慢したわ。愛していたし、愛されているのもわかっていた。
大事にしてくれたと思う。けれど、私は、その『大事にされ方』じゃイヤだったの…
もっともっともっともっと傍にいて欲しかった。私に安心を与えて欲しかった。
私はそれ以外何も要らなかったのに…」
その女は泣き出した。

部屋は相変わらず絶望的に暗くて、僕は前に進めず、
傍観者であることを強いられている。
でも。
顔は見えなかったけれど、僕には分かった。彼女はアスカだ。
そして向かい合っているのは、きっとミサトさんだ。


84 :子供達の歌は終わらない:2007/06/26(火) 03:40:15 ID:???
>>83
「アスカ!」
僕の叫びはまたもやこのくず餅のようなゼリーのような壁に吸収されて
ぼとん、と床に落ちる。
スプーンを投げ捨てて、クロールのように僕は必死になって前に進む。
「アスカ!」
ぼとん。
「アスカ!」
ぼとん。

「だからって、あなたのやった事の言い訳にはならないでしょ?」
幾分声を落ち着けた感じでミサトさんが言う。
アスカは、ゆっくりとうなづく、と思った刹那、立ち上がって叫んだ。
「なによ、あんたはいいわよ、加持がいてさ、なんだかんだ言って
うまくやってんじゃないの!あんたたちが仕事中に仲良くじゃれてるの
見てて私が何を感じていたか、あんたには絶対わかんないわよ!」

瞬間、スゴイ音がした。ミサトさんがアスカの頬を叩いた、
という事が分かるまでしばらく時間がかかった。
「あんた、いつまでも人のせいにしてるんじゃないわよ!」
泣き声?ミサトさんは泣きながら、続けた。
「シンジ君の気持ちを考えたことあるの?彼は、確かに鈍感よ、
けれど、あの子、一生懸命アスカを愛していたじゃない、
一生懸命自分が手にした幸せを守ろうとしていたじゃない、
あんたが甘えていただけなの、それがわからないの?」



85 :子供達の歌は終わらない:2007/06/26(火) 03:41:39 ID:???
>>84
「違うよミサトさん、アスカは悪くないんだ!」
僕の声はまたしてもゼリーに吸収される。ぼとん。
必死になって両手で掻き出しても掻き出しても、
その生暖かい壁は崩れようとしない。
僕の存在は、彼女たちには届かない。
暗闇の中で、2人の啜り泣く声だけがしばらく続いた。
「アスカも、ミサトさんも、落ち着いて下さい」
もう1人、いた。気づかなかった。

「アスカは寂しかったのよね、けど、その寂しさの埋め方を間違えた。
決定的になる前に、私たちがなんとかしなくちゃいけなかったんだけど、
気づくのが遅くなってごめんね。」
聞き覚えのある声だけど、思い出せない。誰だろう?
僕は、思い切ってそのゼリー状の壁の中に頭を突っ込み、
体を押し込んだ。何か、全身がねっとりとした嫌な感触で包まれる。
あと一歩で壁をぶち破れる、その確信があった。

「とにかく、ここは私に任せて、あなたは少し距離を置きなさい。」
ミサトさんが鼻をすすりながら、アスカに諭すように言った。
「イヤ。私は彼がいなくちゃ駄目なの。シンジは私のものよ。
誰にも渡さないし、離れない。私とシンジは1つのものなのよ。」
僕は足を思わず止めて、その言葉に聴き入ってしまった。
そんな風に想っていてくれたなんて…

「大丈夫よ、アスカ、私たちがなんとかするから…ね?」
3人目の影が動き、アスカの肩を抱く。
誰だろう、この声、この聞き覚えのある声…。
そこで僕は目が覚めた。
目が覚める瞬間に、気づいた。
あのゼリーはLCLの匂いがしていた…。


86 :子供達の歌は終わらない:2007/06/26(火) 03:42:34 ID:???
>>85
時計を見ると午前2時半を少し回ったところ。
僕はそのまま眠る気にもならず、起きあがってお茶を飲み、
しばらく、この「夢の意味」を考えた。
この前、似たような夢を見た。
あれは僕からアスカに宛てたメッセージだとしたら、
今回の夢はアスカから僕に宛てたメッセージなんだろうか?

ミサトさんは以前「アスカには私から話しておくから」と言っていた。
その「話」の内容を僕は知らない。
聞こうともしなかった。
ただ、命令に従うかのように、淡々と離婚届にサインをし、ハンコを押した。
アスカもそうした。
僕は単純に失意に打ちのめされていて、何も考えられなかった。
僕たちは、きっととんでもない間違いをどこかでしたんだ。
どこかでとんでもない「貸し」を作って、今それを返さなくちゃいけないんだ。

何か物音がして、僕の過敏にしてすり減った神経を逆撫でする。
バスルームの方だ。
ゆっくりと歩いて行く。
ドアをそっと開けると酔っぱらいが廊下をフラフラと歩いていた。
何か、その背中が自分自身に見えた。


87 :子供達の歌は終わらない:2007/06/26(火) 03:43:58 ID:???
とりあえず、ここまでです。
続きは…週明け?わからん。

88 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/26(火) 12:22:47 ID:???
gj!
早い続きを頼むよ。

89 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/26(火) 16:10:40 ID:???
バットエンドキボン

90 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/26(火) 21:09:05 ID:???
トゥルーエンドも

91 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/26(火) 22:38:19 ID:???
余計なコメントはウザイ。
投稿だけしてろ。
構ってちゃんは嫌われるぞ。

92 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/26(火) 22:46:18 ID:???
>>91 いつもどこでも同じコメント乙。
大丈夫、俺はお前が嫌いだから

93 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/26(火) 22:52:41 ID:???
顔真っ赤w

94 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/27(水) 04:06:04 ID:???
>>91 のバッドエンドキボン

95 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/27(水) 17:53:42 ID:???
バットマンギボン

96 :子供達の歌は終わらない:2007/07/07(土) 02:11:23 ID:???
>>86
残りの2日をなんとか乗り切って、
僕はとりあえず2週間の自由を手にした。
朝、ベッドから起きあがり、顔を洗い、ヒゲを剃る。
歯を磨き、身支度を整える。
冷蔵庫を開け、エビアンを1本、タオルにくるんで鞄の中に。
僕が外に出ることを止める人間はもういない。
そのまま僕は眩しく焼けるような日差しの中へ身体を溶け込ませた。

向かったのは「あおば小麦工房」
トウジ、いや鈴原夫妻が経営しているパン屋だ。
何度かアスカと遊びに行ったこともあり、場所は覚えている。
第2新東京市の郊外に、彼ら夫婦の住居兼店舗はあった。

でも、「あおば小麦工房」はシャッターが閉まり、
人の気配などミジンコほども感じられない。
「留守」を辞書でひいたら「この家のこと」と書いてあるんじゃなかろうか、
と思われるくらいに。
シャッターには「都合によりしばらく休業いたします 店主」の張り紙。
その張り紙は剥がれかけ、字は滲んでいる。
この直射日光の当たる場所で半ば黄ばんだA4の無機質な一枚の紙は、
彼がそこに貼られてから少なくとも1週間は経っていることを教えてくれた。
僕の数少ない友人一家は一体どこへ行ったのだろう?
いきなり僕は途方に暮れてしまった。


97 :子供達の歌は終わらない:2007/07/07(土) 02:12:04 ID:???
>>96
両隣の家はトウジ一家の不在に関して何も知らず、
トウジの携帯は留守電のままで、
(奥さんの携帯番号も聞いておけば良かったと後悔した)
その日は1時間かおきに、繋がらないと分かっていながらも
彼に電話をかけ続け、
「メッセージをこれ以上お預かりできません」
という音声ガイダンスを聴くに及んで
僕はその日の行動が徒労に終わったことを知った。

冷房の効きが悪いレンタカーのせいで、
たっぷり2リットルは汗をかき、
途中で買ったエビアンも3本目が空になる頃、
僕はホテルにようやく辿り着いた。

シャワーを浴びてから僕は翌日からの行動計画を練る。
とは言っても、唯一アテにしていた手がかりに肩透かしを喰らった今、
残された選択肢はそう多くはない。
でもこのまま帰るわけにはいかないんだ。
明日またあの場所へ行ってみよう。
ここで諦めちゃ駄目なんだ。とにかくもがいてみよう。
僕は翌日に備え、睡眠薬を飲むと早めにベッドにもぐりこんだ。
アスカ、また君の夢を見たいよ、僕に何か伝えておくれよ。

僕の儚い希望は、その夜は叶えられなかった。
その代わりに、ふと気がついたら、ベッドの前に、初号機が立っていた。
カラダは動かない。目だけが初号機を見つめる。
その初号機は確かに初号機なんだけど、身長は2メートルくらい。
綺麗に部屋に収まっていた。なんの違和感もなかった。
「…母さん?」
次の瞬間、初号機は消えていて、僕は夜が明けているのを知った。
夢?それとも今のは…?

98 :子供達の歌は終わらない:2007/07/07(土) 02:13:18 ID:???
>>97
翌日は両隣だけでなく、周辺一帯の住宅、
近所の公園、保育園にも「聞き込み」をおこない、
結果、不審人物として警察を呼ばれる羽目になった。
ネルフの身分証を見せたら彼らは最敬礼して立ち去ったけど。
夕方には疲れと焦りから苛立ちも増して、
ついついそのへんの電信柱に八つ当たりでもしたくなる。
蹴飛ばしてやろうか、と足を上げた瞬間、
携帯が鳴った。
トウジからだった。

「すまんすまん、ちょっと10日ばかり家族で旅行しとった。
携帯家に忘れて行ってしもうてな、今留守電聴いたわ」
相変わらずの声にほっとしつつも
僕のイライラはまだ完全に解消されたわけではない。
「ねえ、訊きたいことがあるんだけど」
との僕の声に彼はすぐに
「センセェの嫁はんのことか?」
と反応してくれた。

僕は話をしながらとにかく彼の家に向かってクルマを走らせた。
冷房の効きが悪いことなんて忘れて、
アクセルを目一杯踏み込む。
型遅れの安物レンタカーが悲鳴をあげた。


99 :子供達の歌は終わらない:2007/07/07(土) 02:14:17 ID:???
>>98
トウジが詳しい話を知っているわけではなく、
彼が知っているアスカの近況は
この前聞いたものとたいして変わらなかった。
「まあ詳しい話はうちの嫁に聞いてくれ」
その言葉が終わるか終わらないかのうちに、
僕は彼の家の前に辿り着いていた。

タイヤのスキール音で気づいたのだろう、
インターホンを押す前に、トウジが出てきた。
「まあ、入りな」
言葉少なく、僕を招き入れる。
店舗の裏が住居になっていて、
彼ら4人家族はそこで慎ましやかな暮らしを送っているようだった。
リビングの向こうでは子供たちの笑い声が聞こえる。
「ミズホ君とサクラちゃんは元気?」
「ん?ああ、もうご覧の通りや。うるさいったらしゃーない。」
そういう彼の口調には微笑みが浮かんでいて、
子供のいない僕に何か嫉妬のようなものを感じさせる。

「いらっしゃい、シンジ君」
かつて委員長だったしっかり者の奥さんが
台所から声だけかけてくれた。
すぐにアイスコーヒーとクッキーを持って現れる。
「これな、うちで売ってるクッキーや。最近はパンだけでなく…」
僕はトウジの説明が耳に入らなかった。


100 :子供達の歌は終わらない:2007/07/07(土) 02:15:51 ID:???
>>99
そこにいた彼の奥さんは、
以前僕が知っていた「委員長」ではなかった。
なんだろう、この感じ。
そうだ、リツコさんだ。あの冷静とも冷酷とも取れる、冷ややかな視線、声。
僕の脳裏で何か警告音のようなものが鳴る。
「何か、おかしいぞ…」

瞬間、僕は何を見たのだろう?
アスカが、泣いている。
ベッドの中で枕を濡らしている。
アスカが僕を呼んでいる。
行かなくちゃ!

「どうしたの?シンジ君?大丈夫?」
ふと我に返ると目の前には「委員長」がいた。
いつの間にか、2人の兄妹が僕の膝の上に乗っている。
兄はエヴァ参号機、妹は弐号機の小さなフィギュアを握りしめている。
お気に入りのようだ。
僕の視線に気づいたヒカリが笑いながら言う。
「そうなのよ、この子たちったら、いつも『エヴァごっこ』してるのよ」
そこには、先ほど見せた氷の視線はもうない。
ヒカリは「委員長」の頃のヒカリだ。
「へー、こんなおもちゃ売ってるんだね」
僕はクッキーを1つつまみながら、ヒカリを見た。
やっぱり「委員長」だ。
気のせいだったのかな?




「いや、気のせいじゃないぞ。」

101 :子供達の歌は終わらない:2007/07/07(土) 02:17:48 ID:???
>>100
その夜は子供たちとわいわいと夕食を共にし、
トウジは良きパパであることを僕に見せつけ、
一緒に歌など歌いながら風呂に入ったり、
「早く寝ないと使徒がさらいに来るぞぉ」
と脅かしたりしながら子供達を寝かしつけた。
静かになってから、改めて鈴原夫妻と向かい合う。
先ほどまでの喧噪が嘘のような静寂。
なぜかそこにある緊迫感。

「アスカのことでしょ、」
口火を切ったのはヒカリだった。
その声は、やっぱり「委員長」のものではない気がした。

さすがに詳しい動向はネルフの機密事項ということで
話してはくれなかったらしいが、
それでもアスカは時々ヒカリにメールを送ったり、
電話をしてきたりしていたらしい。

僕はアスカはネルフを辞めたと聞いていたんだけど、
実はそうじゃなくて、
アスカは僕と別れてすぐにドイツ支部に出向になり、
1年あまり向こうで任務をこなした後、
最近帰国してきたようだ。
彼女は僕の知らない事をたくさん知っていた。
僕には見せなかったアスカの癖とか、
僕には見せなかった愚痴っぽくて泣き虫な面とか。
女同士の親友というのは、
男にはわからない心の繋がりがあるようだ。
いや、そもそも僕が鈍感なだけなのかもしれないけど。



102 :子供達の歌は終わらない:2007/07/07(土) 02:19:12 ID:???
>>101
そして、新しいメールアドレスと電話番号。
最後に彼女は「委員長」の顔になって僕にそのメモを手渡してくれた。
「アスカはシンジ君を待っているわ。」
帰り際、彼女は僕の背中に向けて、そう言ってくれた。

僕もそう思っているんだよ。
恥ずかしくて口には出せなかったけど。

103 :子供達の歌は終わらない:2007/07/07(土) 02:22:12 ID:???
遅くなりましてすいません。
今日はここまでです。
ここへ来て方向性がちょっとぐらついて、書くのに手間取りました。
質問なんですが、
他スレに投下した自分のネタを引用しちゃってもいいもんでしょうか?

104 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/07(土) 02:36:17 ID:???
乙。
自分のなら引用してもいいとは思うけど(マナーの面では)、
そっちも読まないと分からないなら誘導はしといて欲しいかも。

105 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/11(水) 12:23:18 ID:???
ほす

106 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/11(水) 19:16:49 ID:???
昼ドラage

107 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/13(金) 19:27:38 ID:???


108 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/15(日) 21:41:58 ID:???


109 :子供達の歌は終わらない:2007/07/16(月) 01:47:08 ID:???
>>102
 その携帯の番号は、勿論以前のアスカの番号とは違っていて
メールアドレスも、アスカの面影は微塵も感じられない、
無機質な数字とアルファベットの羅列だった。
アスカならきっとそれらしいメアドにするだろうに。
こんなところにも彼女の傷を感じて、僕は携帯の画面を開いたまま、
しばらく身動きが取れなくなる。

深呼吸をして、一気にダイヤルする。
繋がるか、繋がってくれ…。
4コール、5コール、6コール…
7コール目で呼び出し音が途絶えた。
無言。
「ア、アスカ?僕、だけど…」
無言。
「連絡遅くなってごめん。なんて言っていいか分からないけど、」
「…」
「え?」
ブツン。
途切れた、電話。成り立たなかった、会話。
向こうにいたのはアスカだよな?
それすらも疑ってかかる僕の心。

ためらっている暇はない。躊躇なく再ダイヤル。
今度はすぐに出た。
「アスカ?」
ツー。ツー。切れている。
何度か試してみても、電話はすぐに切られた。
彼女に拒否されていることに気づいたのは、
だいぶ時間が経ってからだった。


110 :子供達の歌は終わらない:2007/07/16(月) 01:49:09 ID:???
>>109
その晩、また夢を見た。
シャワーを浴びている中学生のアスカ。
何か口ずさんでいる。
ドイツ語は結局結婚してからもさっぱり上達せず、
だから今の僕でも彼女が何を歌っているのかわからない。
けれどその旋律は有名なもので、
僕でも知っているものだった。

カラリ。乾いた音がして浴室のドアが開く。
そこには、中学生の僕がいる。
瞬間、僕を見、カラダを隠し、悲鳴をあげ、
何かを叫ぶアスカ。
あれ?聞こえない。
けれど、彼女の歌は続いている。
直接、僕の脳裏に響いている。

その夜の僕がしたことは、簡単で、決定的なものだった。
使徒との戦いも終わり、
僕たちは既にお互いの気持ちを分かっていたけれど、
アスカにしてみれば心の準備も何もなく、突然に訪れた瞬間。
黙って痛みに耐えながら、僕の背中に爪を立てながら、
僕を受け入れたアスカ。
僕はあの時、何を考えていたのだろう。
今となっては、よく思い出せない。
青春の甘酸っぱい思い出というには、やや残酷な形で、
彼女は血を流した。

そして朝、不快な感触で目覚めた僕は、
何年かぶりにバスルームで下着を洗う羽目になった。


111 :子供達の歌は終わらない:2007/07/16(月) 01:50:19 ID:???
>>110
「碇君もさぁ…」
言葉が続かない。僕の目を見てはぁっと溜め息をついて、
彼女はようやく続けた。
「鈍感だからねぇ…。」
ぐうの音どころかぱーもちょきも出ない。
ヒカリはお昼時の忙しい時間帯を終えた後に
またいきなり訪れた僕を黙って迎え入れ、
お茶を出すのとほぼ同時に、そう言ったのだ。
何か、僕が言い出そうとした事は全て分かっていて、
その上で最初に結論を言われたかのようで、
僕はなぜだか顔を赤らめてしまう。もういい歳なのに。

「そもそも遅いわよ。」
そんなに責めるような目つきで言わなくても。
「わ、わかってるよ。」
僕は中学生に戻り、彼女も中学生に戻っている。
僕は内気で自省的な少年で、彼女は責任感が強く、
面倒見のいい「お姉さん」だった。

「私がアスカでもそうするわよ。」
ちょっと意地悪そうな目つきで追い打ちを喰らう。
「そ、そんなぁ」
僕は完全に中学の頃の僕で、迷える子羊だ。
先生、僕にはアスカが必要なんです、助けてください。


112 :子供達の歌は終わらない:2007/07/16(月) 01:53:05 ID:???
>>111
「いい、碇君、諦めちゃ駄目よ。
拒否されてもいいから電話し続けなさい」
「え?でも僕の携帯からじゃ…」
僕の携帯は着信拒否されている。
「何言ってるの。電話は碇君の携帯だけじゃないでしょ?」
確かにそうだ。そんなことにも気づかなかった。
瞬間、頭を抱えて自分の馬鹿さ加減を呪いたくなる。

「アスカはね、絶対に碇君を待っているから。
あの子、拗ねているだけなのよ。」
彼女にそう言われると自信が回復してくる。
そうだよな、1年も待たせちゃったんだし、
僕がこれくらいでへこたれてどうするんだ!
ヒカリに相談するつもりが、散々慰められて、
僕は2度目のカウンセリング?を終えた。
ちょっと元気になり、自信が出た。

でも、ホテルの部屋から電話しても、
公衆電話から電話しても、
果ては近くの交番に電話を借りても、
彼女は僕だとわかると会話を拒否した。

まだ、僕は彼女の声を聞いていない。
彼女の声だけでも、欲しい。

113 :子供達の歌は終わらない:2007/07/16(月) 01:55:20 ID:???
なにやら規制されていたらしく、
しばらくここに来られませんでした。
今日になってようやくここを見ることができ、
スレが存続していたことに安堵しております。

あと2〜3回で終わるかと思います。自信はないですけど。
もうしばらくお付き合い下さい。

114 :子供達の歌は終わらない:2007/07/16(月) 01:58:45 ID:???
すいません。追記です。
自分のネタを使おうかと思っていたのですが、
勢いで書いたものだったため、ログも何も保存しておらず、
見られませんでしたorz
具体的には大好きだスレ12の最後の方に書いたやつだったんですけど、
まあとりあえず記憶を頼りになんとかします。
>>104さん助言ありがとうございました。

115 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/18(水) 19:12:38 ID:???
もっとドロドロに

116 :キョウコ:2007/07/19(木) 04:54:45 ID:???
ttp://www36.atwiki.jp/aaabbb2/

職人様がんばってくださいな


117 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/20(金) 02:48:28 ID:???
>>114>>116
乙。悲しいけど続きが気になる俺ガイル

118 :子供達の歌は終わらない:2007/07/22(日) 03:19:58 ID:???
>>112
 翌日はホテルの部屋から一歩も出なかった。
いや、出られなかった。
考えあぐねた末に、メールアドレスの存在を思い出し、
しかし、こういう時にメールで用件を済ませていいものだろうか、
でもメールにはメールの良いところがあって、
確実に僕の言いたいことは伝わるわけだし、
でも僕の言いたいことって何だろう?このこんがらがった鎖のような
僕の気持ちをうまくメールで伝えられるんだろうか?
ヘタをしたら逆効果になるんじゃないのか?
そもそもメールは届くのだろうか、
またヒカリに相談してからの方がいいんじゃないのか、
でも彼女のところに3日連続で押し掛けるのも何か気が引けるし、
やはり電話という手段が手詰まりな以上、メールで済ませるべきか
でも、…と延々と思考の海をループして、
気が付いたら、ウィスキーのボトルを1本空にし、
外は既に明るく暑くなっていた。

はぁ、と僕は溜め息をつく。
こんなところで立ち止まっていても何も変わらない。

そして、僕はメールの文章を考えるために、
その後ビールを半ダースと12時間を費やすことになる。

まったく、これじゃミサトさん以上だ。


119 :子供達の歌は終わらない:2007/07/22(日) 03:21:51 ID:???
>>118
「アスカ、元気ですか?
僕は…聞いているかもしれないけれど、
君がいなくなってから、抜け殻のままでした。
僕は、君に謝りたい。
いろんな事が目の前を通り過ぎていって、
僕も君も色々なものを失ったのは確かだと思う。
けれど、またこれから取り戻せる。
2人で取り戻せる。
そう思うんだ。
もう遅い、なんて言わないで。
今でも君を愛している。
Because we need each other.
We believe in one another.
I know we’re going to uncover
Sleeping in our soul….
お願いだから、返事を下さい。
待っています。」

意を決して、送信ボタンを押すと、全身の力が抜けた。
まだ、終わりじゃないのに。
これからスタートラインに立てるかどうかもわからないのに。
でも、これが最後のチャンス。
そのスタートボタンを、僕は押したんだ。
パッドエンドか、ハッピーエンドか、
とにかく、もう後戻りはできない。

僕は、そのままベッドに横たわると、
2日分の睡眠を取り返すべく、即座に眠ってしまった。

だからメール着信のランプに気が付いたのは、
それから半日以上経ってからだった。

120 :子供達の歌は終わらない:2007/07/22(日) 03:23:01 ID:???
>>119
「私の気持ち、考えたこと、ある?」

送信時間から10分後に送られてきていた、彼女の声。
たったそれだけの言葉。
それは僕の臓腑を鋭くえぐり取る。
僕は読んだ瞬間に冷や汗が吹き出し、
貧血を起こしかけてそのままベッドから転げ落ちた。

でも、例えようもなく、嬉しかった。

僕は単純にアスカから返事が来た、
それだけでこの1年間味わうことの無かった充足感を、
ここ数日の苦労が報われたような達成感を、
味わっていただけだったのに、
それに気づくのが致命的に遅れた、
ということにも気づかずに、
床から起きあがった僕は、ちょっとした躁状態だった。

「とにかく、会いたいんだ。
君が来いと言えば、地球上のどこにだって、
例え月の裏側でも
木星の衛星でも、
どこへでも行くよ。
とにかく、会って話がしたいんだ。
お願いだから、僕の話を聞いて欲しい…。」

送信した後で、
彼女の返信の答えにまるでなっていないことに気づき、
僕は目の前が暗くなった。

予想通り、その後2日待っても、返事は来なかった。

121 :子供達の歌は終わらない:2007/07/22(日) 03:24:21 ID:???
>>120
「奥さんは、いないよ。」
結局、鈴原夫妻に頼ることになる。
そう思いながらもまたやってきた。
そうしたら、バイトらしき学生にそう言われた。
「奥さんは普段は店には出てこないよ。あなたネルフの人なんでしょ、」
バイトの兄ちゃんは見るからに人なつっこく、
憔悴しきった僕に同情してか、話しかけてきてくれた。
「ネルフに聞けばいいんじゃないですか?」
いや、ネルフはそんな探偵屋じゃないんだから…って?
「え?それってどういう意味?」
思わずカウンター越しに身を乗り出して僕は叫んだ。
店内にいた親子連れは子供との場違いなスキンシップを急停止し、
僕の方に恐怖感の入り交じった視線を送っている。
1組のカップルは僕の声に驚いて、
クリームパンを床に落とした。後で弁償する羽目になった。

「え?知らなかったんですか?奥さん、ネルフの諜報部に…」
と言いかけたところでそのバイト君は顔色が変わった。
どうやら、と僕が推察するまでもなく、
それは完全な守秘義務違反のはず。
ヒカリがネルフ関係者だったことに驚いたが、
それと同時に何故それを黙っていたんだろう?
という疑問が僕の中でふつふつと沸き上がってきた。

「ねえ、君、」
僕は賭けに出た。
「今のは黙っていてあげるからさ…」
人生経験のまだまだ薄っぺらそうなその学生バイトの
怯えたような表情を見て、
僕は賭けに勝つ自信を深めた。

122 :子供達の歌は終わらない:2007/07/22(日) 03:28:13 ID:???
>>121
そのバイト君は、バイトではなく、正社員で
実は歳が僕の3つ下でしかなく、ここには開店以来ずーっと勤めている、
という情報は、この際どうでもいい。
何度か来ている僕が全く覚えていなかったのだから。
でも、彼がセカンド〜サードインパクトの動乱の中で、
ご多分に漏れず、生き残ったものの障害者になってしまった母親を抱え、
今この仕事をクビになるわけにはいかない、という話は重要だった。
きっと彼から見れば、僕は太平洋戦争中の特高か何かに見えたろう。
僕も特高の怖さは知らないけど。

「あおば小麦工房」は、実はネルフの松代支部にパンを納入していた。
社長(つまりトウジだ)はそっちの仕事に忙しく、
奥さん(つまりはヒカリだ)は社長と結婚した関係で、
ネルフに採用され、抜群の成績で諜報部の幹部への道を歩んでいる、
これらは絶対ナイショの話で、つい数年前までは、
来るバイト来るバイトが「うちはネルフにパンを卸してる」
と言うだけで次の日から消息不明になってたらしい。
最近は「あそこは仕事がキツイ」と噂が立って、
就職難のご時世なのに、バイトを募集してもなかなか来ない。
自分も昨日まで夏休みだったが、
それが半年ぶりの休みだった。云々。

「あの…、お願いします。まだ母を泣かすわけには…」
げっそりとした表情で呟く彼の肩を叩いて、僕は言った。
「大丈夫。僕がなんとかしますから。意外とこう見えて、
僕はネルフでの地位も高いんです。」
一転、勝利宣言。
ますます浮かれた僕は、
この脇道にそれた情報で満足してしまい、
ホテルに帰ってから、肝心な事を聞いていないことに気づき、
頭を抱えた。

123 :子供達の歌は終わらない:2007/07/22(日) 03:31:41 ID:???
>>122
 ほら、今度は君の順番だと思っていたよ。

僕の飲みかけの麦茶が入ったコップを見つめる14歳のアスカ。
使徒との戦いの頃の彼女。僕の知らない光景だ。
次の瞬間、まるで万引きでもするかのように、
コップを引ったくって、自室に引きこもるアスカ。

僕の知らないところで、アスカがこんなことしていたなんて…。
僕は俯瞰的な立場で、彼女の頭の上から彼女を見ている。
「落ち着け、落ち着くのよ、アスカ…。」
彼女の呟きが明瞭に聞こえる。

トイレから出てきた僕は、飲みかけの麦茶がないことに気づき、
台所や自室を探している。
「変だなぁ…アスカ、いる?」
ノックもせずに襖を開けた僕の前に広がっていた光景を
僕は今、はっきりと思い出す。

あの日はなかなか大変だったなぁ。
あたふたと昏倒したアスカを介抱している14歳の僕を
僕は微笑ましい気持ちで眺めている。
そう、ここで彼女が僕のシャツの裾を掴むんだよな。
彼女の上気した表情が、たまらなく可愛く、愛しい。
アスカの手を握り、彼女の枕元でじっとしている僕。

どこかで音楽が聴こえる。
こんな音楽鳴っていたっけ?
バッハのカンタータだ。

ふいにチャンネルが切り替わる。

124 :子供達の歌は終わらない:2007/07/22(日) 03:33:35 ID:???
>>123
あたしが、そのコップを手に取って部屋に戻ったのと
シンジがトイレから出てきたのはほぼ同時だった。
そのコップには、飲み残しの麦茶が少しと、
縁にシンジの付けたものと思われるリップクリームの跡がうっすらと。
「落ち着け、落ち着くのよ、アスカ」
なんで自分がこんな行動を取ったのか、自分でもわからない。
けれど、あたしの脳に過去を振り返る余裕はなく、
これからの展開を天才少女の名にかけて猛スピードで
シミュレーションする私の脳細胞。
この瞬間の計算速度はおそらくMAGIに匹敵していたに違いない。
だが、そんな時間はあっという間に強制終了させられる。

「アスカぁ、僕のコップ知らない?」
突然の闖入者。一番見られたくない場面を、
一番見られたくない人物に見られた。
瞬間、あたしの全ての思考活動はフリーズする。
もう、シンジの声はあたしには届かない。
何かシンジが叫んで、あたしを抱きかかえる。
抱きかかえる?ちょwwww何すんのよ?
でも、そんな声が出るはずもなく、硬直したあたしのカラダと心は
そのままベッドに横たえられる。


125 :子供達の歌は終わらない:2007/07/22(日) 03:34:48 ID:???
>>124
瞬間、あらぬ期待と不安と恐怖が交錯するが、
シンジは踵を返し、すぐに氷枕を持って部屋に戻ってきた。
横になったことで、多少の余裕ができたのか、
あたしの脳細胞は活動を僅かながらも再開する。
あたしはその時、顔どころか、おへその下あたりまで真っ赤になっていて、
ただ、足の裏だけが冷たく、ひんやりとしている。
抱きかかえられちゃったよぉ…。
恥ずかしさに血圧は急上昇しながらも、その瞬間を反芻するあたしを、
あたし自身は止めることができない。
シンジはどこかに電話をしているようだ。
多分保護者であるミサトのところだろう。
え?今なんて言った?
「薬探してくるから、ちょっと待ってて」
イヤだ。瞬間、脳に言葉が届くよりも早く、
脊髄反射であたしの手(当然真っ赤だ)がシンジの服を掴む。
驚いた表情であたしを見下ろすシンジを、あたしはまともに見返せない。
あああああああ、恥ずかしい…。ますます熱が上がる…///。

けれども、次の瞬間、シンジはふっと、微笑んで、
枕元に座り直し、あたしの手を優しく包み込んでくれた。
そして、保護者気取りのミサトが帰ってくるまで、そうしていてくれた。
それだけで、あたしは、最高に幸せだった。


126 :子供達の歌は終わらない:2007/07/22(日) 03:36:02 ID:???
>>125
お世辞にも、あたしは「よい子」とは言えない。
我が儘だし、プライドも高いし、なにより、ひねくれている。
世間的に見たら外見が良いだけで、中身はサイテーの女だ。
けれど、この瞬間に悟った。
あたしは、シンジの前でなら、素直になれるかもしれない。
あたしの全てを見せても、この人はあたしを受け止めてくれるかもしれない。
子供扱いすることなく、1人の女として、
あたしを見守ってくれるかもしれない。

あたしは、あたし自身が気づかぬ位、
深い深い傷を負っている。
この傷は誰にも癒せない。だから誰にも見せない。
1人で生きるんだ。
それだけの力があたしにはある。
だってあたしは、選ばれた人間、セカンドチルドレンなのだから。
この傷を見せない、そう決めた瞬間に、答えは出た。

けれども、この答えを修正してもいいかもしれない。
シンジと出会って、そう思えた自分がいた。

そう言えば、まともに言ったことなかったな…。
シンジに「愛してる」って…。
シンジ…。
会いたいよ…。
まだあたしには素直になれる余地が残っていると思う?
何重にも塗りつぶされたキャンパスには
まだ真っ白な部分が残っていると思う?

教えて。

127 :子供達の歌は終わらない:2007/07/22(日) 03:58:12 ID:???
まずは、>>116惣流キョウコ様へ
まとめページ2って畏れ多い…((((;゚Д゚)))ガクガクブルブル
とりあえず、ご期待に沿えるよう、頑張りますです。
他の職人さんより拙文であるし、遅筆でもありますが、
気持ちだけは芥川賞取るくらいの気合いで書きますwww

で、2点だけ、贅沢というか、お願いがあります。
まとめページの第1話は、私ではありません。
別のどなたかが書き込まれたのに触発され、勢いで始めて、
今やご覧の有様です(^^;
その点ご留意頂ければと思います。
あと、投下毎に自分では章立てをしているつもりですので、
その点もご留意頂けたら幸いです。
参考までに、
>>29-30「僕は僕でなければならなかった筈なのに」
>>34-35「在原業平の気持ちがわかるような気がする」
>>59-65「Acquiesce」
>>79-86「いっそ頬に痣でもできればよかったんだけど」
>>96-102「スター・チャイルド」
>>109-112「BWV167」
>>118-126「BWV147」
次章仮題「あなたをお姉さんと呼ぶのは勿体ない気がその時はしたんです」
以降未定ですwww


128 :子供達の歌は終わらない:2007/07/22(日) 04:01:24 ID:???
改行多すぎエラーが出たので、もう1回だけ。

また嘘つきました。あと2〜3回で終わりそうにありませんorz。
もう狼少年になるので「あと何回」って書くの止めます。
また、>>123->>126は以前大好きだスレ12で自分が投下したネタに
加筆・訂正したものです。ログ保管していなくて誘導できずすいません。
当該スレの最後の方に投下した記憶があるので、
もし見られる環境にある方がいらっしゃったら、参考までにどうぞ。

129 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/22(日) 13:55:34 ID:???
>>128
あのネタの人だったのか( ゚Д゚)
気長にwktkして投下待つよ

130 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/22(日) 17:23:56 ID:???
文章自体は悪くないけど、内容的にはシンジがただのバカにしか見えない。
スラップスティックコメディならともかく、もう少しきちんと考えさせ、悩ませてやろうよ。

131 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/22(日) 17:45:04 ID:???
構ってちゃんレスがウゼェ。
グダグダ余計なレス付けんなよ。
そういうのやりたいのなら個人サイトでやれよ。

132 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/22(日) 20:37:55 ID:???
乙〜〜

一人キャラクター殺したら??
もっと追い込もうぜ

133 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/22(日) 22:53:20 ID:???
>>131
またお前か・・・

134 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/23(月) 05:13:08 ID:???
>>130
バカじゃなくてきちんと考えたら、このアスカとかは見切ってまともな人生歩き始めちゃうよ。
それは困るので多少バカでも仕方ない。

135 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/23(月) 15:20:03 ID:???
俺は普通に面白いと思うな

136 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/25(水) 00:21:37 ID:???
ここまで読んだ限り、見事なまでの典型的な理不尽LASだな。
作者の意図がまだ分からないけど、
どこかでアスカ教の教祖とその信者達(シンジ、ヒカリ、トウジ)
を引っぱたいて正気に戻してやれるキャラが出てこないと、
こいつらだけだとこの気色悪い世界観のままで完結しそう。

137 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/25(水) 00:31:38 ID:???

そこでケンスケですよ

138 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/25(水) 03:01:33 ID:???
エヴァ自体おかしい世界観だった

139 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/25(水) 03:06:52 ID:???
それはまた話が違うけど、ある意味正しいなw

140 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/25(水) 03:38:27 ID:???
ここまで読んだ限り、見事なまでの典型的な理不尽アニメだな。
作者の意図がまだ分からないけど、
どこかでアスカ教の教祖とその信者達(オタク、オタク、オタク)
を引っぱたいて正気に戻してやれる人間が出てこないと、
こいつらだけだとこの気色悪い世界観のままで完結しそう。


141 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/25(水) 05:33:18 ID:???
その文はなんか違うな

142 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/25(水) 07:36:18 ID:CGm88SkH
ギャラガー兄弟もびっくりだぜw

143 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/25(水) 07:54:34 ID:???
あまりのすごさに脱糞

144 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/26(木) 03:32:44 ID:???
ここにも湧いたかw

145 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/26(木) 20:20:50 ID:???
夏だからねぇ

146 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/27(金) 20:40:28 ID:AqdaO/ms
保守

147 :子供達の歌は終わらない:2007/07/28(土) 01:48:41 ID:???
>>126
携帯のバイブの音で目が覚めた。
アスカの夢。アスカの心。
直接、僕の中に流れ込んできた、アスカの今の気持ち。
あの想い出は、確かに僕の中でも大切なもの。
アスカの気持ちに気づき、僕の気持ちに気づいた、
その瞬間が同じ時、同じ場所だったなんて、
僕はしばらくその想いに耽り、バイブレータを全く無視していた。

ふと、その音源に焦点を合わせる。
「ミサト携帯」と表示されているのを見て、僕は反射的に携帯に飛びつく。
「おはよー、しんちゃん。休暇、楽しんでる?」
相変わらず脳天気な声だ。
でも、その声になんとなく癒される。
だから僕やアスカはこの人を姉と慕い、母と慕ったのかもしれない。

「え…、まあ、はい。で、どうしたんですか?」
寝ぼけた声は出したつもりはなかったのに、一発でばれた。
「あら、お姉さんモーニングコールしちゃった?ごめんね起こしちゃって」
ミサトさんは、申し訳ないんだけど、できればちょっと戻ってきて欲しい、
それだけ告げて、電話を切った。
理由は、教えてくれなかった。


148 :子供達の歌は終わらない:2007/07/28(土) 01:50:00 ID:???
>>147
そりゃそうだ、真剣に、若干深刻に、「戻ってきて」と言いながら、
理由がこんな事ならば、例え僕だって断っていただろう。
そして、しばらくミサトさんの携帯を着信拒否にしていただろう。
「ミサトさん…、いくらなんでも汚しすぎですよ…。」
その日3度目の掃除機のフィルター交換をしながら、僕は言った。
「ごみん…。ちょっち、散らかし過ぎちゃったかな…。」
その笑顔は何年経っても昔のままで、目尻の皺が多少増えた、
なんてことは口が裂けても言い出せない。

「はい、これで終了。燃えないゴミは明後日ですからね。
さすがにそこまで面倒はみられないから、自分で出して下さいよ。」
所要5時間半。燃やせるゴミ4袋、プラスチックゴミ7袋、ペットボトルと空き缶は…
数が多すぎてよく分からない。頑張ったぞ、僕www

「サンキューしんちゃん。ありがとう。恩に着るわ。」
と言ったところでミサトさんのお腹が鳴る。
「…。」
顔を見合わせた後、思わず吹き出した。

「そう言えばもう夕方ですよね。ついでに晩ご飯作りますよ。」
そう言うとミサトさんの目が明らかに輝いた。待ってたな、この台詞を。
「さっすがぁ〜。しんちゃん、サービス満点ね!お礼に今度お昼ご馳走するわ♪」
お昼ご飯って言ってもネルフの不味い社食でしょ。
「とりあえず…パスタでいいですか?」
収納庫や冷蔵庫の中を一通り眺めてから、僕は言った。


149 :子供達の歌は終わらない:2007/07/28(土) 01:54:20 ID:???
>>148
言いながら既に鍋に水が張られ、冷蔵庫からベーコンとほうれん草が出ている。
ミサトさんが断るわけがないことを知っているから。
「ありがとう〜。なんでもいいわよん。それより早くぅ〜。」
浴室から返事が返ってくる。いつの間にかシャワーを浴びているらしい。
相変わらず早技だ。

そして測ったように、料理完成と同時にえびちゅを片手に風呂から出てくるミサトさん。
「きゃー美味しそうだわぁ」
「また、加持さんとは喧嘩ですか?」
「そーなのよ。またあいつ出て行っちゃってさ。」
ミサトさんと加持さんは、結局籍を入れたりすることなく、「事実婚」状態を続けている。
しょっちゅう喧嘩もするし、喧嘩すると交代で僕とアスカのアパートに
転がり込んできたりしていたのを思い出す。
加持さんが出て行くと、掃除や片づけをする人間がいなくなる。
つまり、僕の出番だ。もはや人生の半分を超えるほどの時間の付き合い、
ここまでは言われなくてもわかる。
でも今、加持さんはどこに泊まっているんだろう?

「ん?加持なら大丈夫よ。多分副指令のところで飲んだくれてるわよ。」
ミサトさんは、ちゃんとわかっていて、先回りして答えてくる。
どうでもいいけど、口の中のもの飲み込んでから喋った方がいいですよ…。
そこには心配とか不安とか焦りとかは微塵もない。
なんだかんだ言って、お互い信頼しきっているのがわかる。
それが、ちょっと羨ましい。
ミサトさんは、よほどお腹が空いていたのか、黙々とパスタを平らげ、
えびちゅを3本空にしたところでようやく満足そうな吐息をついた。
「はぁ〜。久しぶりにまともな食事をしたわ。ありがとう、シンジ君。」


150 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/28(土) 01:57:26 ID:???
更新キタキタ wktk

151 :子供達の歌は終わらない:2007/07/28(土) 01:57:47 ID:???
>>149
ミサトさんは、別に僕のことやアスカの事を聞こうとはしなかった。
それがこの人の優しさなんだよなぁ…。
僕が話すまでは黙って待っていてくれる。そんな人だ。
だから僕やアスカはこの人を姉と慕い、母とも慕った。

夜も更けて、僕が帰ろうとすると、
玄関先まで見送りに来てくれたミサトさんは
「でも、シンジ君が元気そうでよかったわ」
と微笑んでくれた。
「ごめんね、こんな理由で呼び出しちゃって。休暇もあと少しだけど、
うまくいくといいわね。」

僕にはわかった。
ミサトさんは全て分かっていて、だから僕を心配してこのような形で
僕を元気づけてくれたことを。
不器用なりに、一生懸命僕のことを考えてくれていることを。

「ありがとう。ミサトさん。」
僕はその後の言葉を出そうかどうしようか悩んで、結局止めた。
ミサトさんも何か言いたげだった。
その瞬間の表情、どこかで見たことがある。
普段のミサトさんはあまり見せない、悲しげな辛そうな表情。
でも、僕は何も気づかないふりをし、ミサトさんも次の瞬間は笑顔に戻っていた。

その日、僕は自分のアパートに帰ってみた。
ここを発ってから、そんなに日も経っていないのに、
自分の部屋が随分と殺風景な景色に見えた。


152 :子供達の歌は終わらない:2007/07/28(土) 02:03:37 ID:???
>>151
時計の針はもう3時を回っていたけれど、
僕は眠ることができずに、横になってぼんやりと天井を眺めていた。
これからどうすればいいだろう…。
どこかに突破口はあるはずだ。
簡単に考えを整理してみる。
まず、目的は、アスカに会うこと。
最終的な目標は、その後のことになるから、とにかくアスカに会うこと。
彼女が僕に救いを求めているのは間違いない。
アスカを救えるのは、僕しかいないんだ。
だから、僕はなんとしてでもアスカに会いに行く。

そのために何が最善の手段たりうるか。
1つ目。鈴原夫妻のところに行き、今までのことを話して情報提供をお願いする。
これが一番僕としてはやりやすい。
2つ目。ちょっと乱暴だけど、ネルフのどこか(おそらくMAGIの中だろう)にある
アスカのデータをなんとかして見て、居場所を掴む。

「ネルフに一度関わった人間は、終生ネルフから逃げることはできない。」
以前、リツコさんからそんな話を聞いたことを思い出す。
そうか、考えてみればトウジもあんな事故がなければ、
今でも第3新東京市でネルフの一員として、僕と同じように働いてる筈。
片足を失い、幸いそれはネルフの技術の結晶の賜物で、見た目殆どわからない
義足と彼の必死のリハビリの成果によって、克服することはできたけれど、
彼の心の傷とあの時の恐怖と苦しみ・痛みは、絶対に癒えない。
「なんやこれ、ダース・ベイダーみたいやな」
古いSF映画を引き合いに出し、自分の義足を撫でながら
精一杯の愛想笑いをする当時の彼を、
僕はまともに見ることすらできなかった。

153 :子供達の歌は終わらない:2007/07/28(土) 02:05:37 ID:???
>>152
だから彼はここを離れたし、ミサトさんも無理に止めようとはしなかった。
そんな彼でも、松代支部に出入りをする形で、関係者としてまだ留まっている。
それを考えたら、アスカが簡単に自由になれるわけがない。
絶対に間違いなく、ネルフの管理下におかれている筈だ。

1つ、気になること。
なぜ、ヒカリは自分がネルフ関係者であることを黙っていたのか。
守秘義務があるとは言え、同じ関係者である僕とアスカとの関わりの中で、
黙っている必要があるとも思えない。

「…うまくいくといいわね。」
「ネルフの諜報部で…」
瞬間、ミサトさんとバイト君(いや、バイトじゃないけど)の言葉を思い出し、
さっきのミサトさんの表情を思い出し、
それと同時に1つの推論が天井から降ってくる。
それが僕の中に取り込まれる頃、僕の中でその推論は半ば確信に変わっていた。

決めた。明日、ヒカリの所に行こう。
「あおば小麦工房」じゃない。
ネルフの諜報部だ。
そこに、鍵がある。きっと。


154 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/28(土) 02:06:15 ID:???

 ァ    _, ,_ ァ,、
 ,、'` ( ゚∀゚) ,、'`
  '`  ( ⊃⊂)  '`

155 :子供達の歌は終わらない:2007/07/28(土) 02:10:19 ID:???
「あなたをただ『お姉さん』と呼ぶには勿体ない気がその時はしたんです」了
次章仮題「The scientist」

未だにラストを決めかねている私はどうしたらいいでしょうか…orz
もう少し続きます。次回目標は来週末。

156 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/28(土) 02:19:12 ID:???
まだ読んでないが乙はいっとくぞ

157 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 16:59:22 ID:???
殺せ!ひかり殺せ!

158 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/29(日) 21:58:50 ID:???
乙!
俺的には大団円で締め括って欲しいが、そこは俺達読者がとやかく言う事でもない。そこらへんは、作者氏の思いのままに書き綴って下さい!

159 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/29(日) 22:10:04 ID:???
>>158
>俺達読者が
いや、勝手に決め付けるな。
お前がそう思って黙るのは勝手だが、他の人まで巻き込むな。
大体、そう思ってるなら2行目の最初の方を消しとけよ。

160 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/29(日) 23:08:21 ID:???0
どっちにしろ
期待してるぞ

161 :158:2007/07/31(火) 16:26:19 ID:???
>>159
ただの感想だ、深い意味はない

162 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/31(火) 17:56:54 ID:???
迂闊な失言を謝罪する政治屋みたいなレスだな。

163 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/31(火) 23:32:08 ID:???
>>147
>僕はしばらくその想いに耽り、バイブレータを全く無視していた。

もし普段からアスカとの生活でもこんなことを繰り返していたら、そりゃ離婚されても
文句言えんわな。
カード破産にまで追い込むアスカも相当アレだけど。

164 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/01(水) 05:42:02 ID:???
いや比べ物にならんだろw

165 :子供達の歌は終わらない:2007/08/03(金) 03:37:55 ID:???
>>153
 なんで僕は道に迷っているのだろう?
ジオフロントに通うようになってから、もう何年経っていると思っているんだ?
もう人生の半分以上をここに費やしているのに、それなのに…。

僕は迷子になっている自分を認めたくなかった。

「ネルフ諜報部」正確に言えば「ネルフ広報部情報分析課」。
でも、「広報部」のくせに副指令直轄の「部隊」だから、みんなからは「諜報部」と呼ばれている。
トップは今は…リツコさんがやっている筈。
メンバーが何人いるのか、どんな活動をしているのか、
全くわからない。ミサトさんぐらいの地位にいるとわかるらしいけれど、
僕はこの部署に関しては、その存在くらいしか知らない。
でも、スタッフルームがどこにあるのかは知っている。…筈だった。
今僕は、そこへ向かっている、筈…。

不安が増幅される中、あるところで角を右に曲がると、そこには暗闇があった。
これは駄目だ、引き返そう、そう思って振り向いた僕は愕然とした。
背後は壁だったのだ。
正面に向き直ってみると、暗闇がどんどん浸食してくるのがわかった。
あっという間に指先さえ見ることのできない真っ暗闇に。
一瞬、過去の出来事を思い出し、パニックになりかけるが、おしとどまる。
ここは、どこ?

166 :子供達の歌は終わらない:2007/08/03(金) 03:39:23 ID:???
>>165
目を開けても閉じても脳に認識される風景は変わらない。
完璧な、闇。
僕は目を閉じ、深呼吸をする。

この空気の重たい感じ、埃っぽい匂い、僕は突然気づいた。
ここは、僕がアスカの心の流れを感じた、あのホテルの廊下だ。
どこかで、僕はそこへ通されたんだ。
だとすると、これは夢なのか?
僕の自問自答は、カタン、という音によって中断することになった。
この廊下の先、きっとあの部屋で、誰かが待っている。多分、アスカだ。
そう思うと、怖くはなくなった。
今度は僕は何を見、何を聞くことになるのだろう、
それを考えながら、壁伝いに廊下をゆっくりと進んだ。

167 :子供達の歌は終わらない:2007/08/03(金) 03:41:19 ID:???
>>166
何回か廊下を曲がり、やはり僕は以前目にしたことのある部屋に辿り着いた。
ドアは、やはり少し開いている。
ゆっくりとドアを開け、ゆっくりと中に入る。
中は前回と同じだ。しかし廊下が真っ暗なので、
今回は薄明かりが漏れている感じがする。
ゆっくりと進む。そろそろぶつかる筈だ、あの壁に。
どよん。たぷん。
やはり。

LCLで出来ているらしいその透明な「壁」は、今回も僕と彼女の間を隔てる。
向こうに座っているのは…、誰?
気配は確かに感じるのに、姿が見えない。
アスカはどこ?ここに居るはずじゃなかったの?

どこからも答えはない。自分の心音だけが、どくん、どくん、と響いている。
息を吸う。吐く。呼吸音は壁に吸収されていく。
まるでスキューバか宇宙遊泳か。
自分の心音と呼吸音だけがしばらく続いた。
どのくらいかは、わからない。ここには時間の流れがないからだ。
なんとなくだけど、そう感じる。
夢の世界でもあり、現実にも繋がっている、この奇妙な世界。
僕は次に起こる事をただ、じっと待つことにした。


168 :子供達の歌は終わらない:2007/08/03(金) 03:42:41 ID:???
>>167
「ちょっと、シンジィ、何ぼーっとしてんのよぉ」
え?
いつの間にか目を閉じていた僕は、その声に驚いて目を開く。
アスカだ。アスカの声だ。

「どこ?どこにいるのアスカ?」
僕は声を上げるが、やはりこの壁は今の僕の声を拒絶する。

「ん、ぁあ、ごめん。別になんでもないんだよ。」
「嘘。どーせ実験の事でも考えてるんでしょー。」
声は下から聞こえてきた。え?下?
床を見ると、そこに床はなく、僕の真下に、僕とアスカがいた。
見覚えがある。結婚して初めてのデートの時だ。

(まったく、今日くらい私の事で頭いっぱいにならないのかしら…?)
怒ったようなアスカの声が聞こえる。
これは、アスカの思い出の中なのだろうか…。
街中の雑踏もクルマのクラクションも、電車の轟音も、
何も今の僕には聞こえない。
僕に聞こえるのは、自分の心音と呼吸音、
そして下の2人の会話だけ。

いや、違う。この音はなんだ?
シンジが何かに気づき、ポケットをまさぐる。
瞬間、ものすごく気持ちの悪い何かが僕の心の中に侵入してくる。
この感じ、この心を雑巾のように絞り上げるこの感触。
これは、憎悪だ。


169 :子供達の歌は終わらない:2007/08/03(金) 03:43:48 ID:???
>>168
あまりの不快感と心の痛みに僕はひざまずく。
その下で、シンジはポケットから携帯を取り出し、話をしている。
僕は、見た。アスカの表情を。
なんて冷たくて、悲しい目をしているんだろうか。
その目に気づいた僕。気づかない下のシンジ。

「…ごめん、アスカ。仕事で戻らなきゃ…。」
「…。」
アスカは何も答えない。だけど、今の僕にはわかる。彼女の気持ちが。
あの頃の僕には、わからなかった。

「ほんとにごめん、アスカ。君の言ってたCOACHの新作、
気に入ったら買ってもいいからさ、ね?」
既にシンジの気持ちはネルフのジオフロント内にある。

答えを聞かずに駅に向かって走り出すシンジ。
「バカ」
下のアスカとここにいる僕は、同時に呟いた。


170 :子供達の歌は終わらない:2007/08/03(金) 03:48:55 ID:???
>>169
(私が欲しいのは鞄じゃないのよ、シンジと一緒にいる「時間」なのに…)
彼女の悲しみが素直な心の叫びが、僕の胸に響く。
僕の心拍は強く、そして早くなる。呼吸も荒くなる。
その音だけがしばらく響いていた。

気づけば、また僕は真っ暗闇の中にいた。
次は何が来るんだ?
胸が締め付けられるような苦しみに悶えながら、
僕は次にやってくるシーンがどのようなものか、なんとなく予想はついた。
そして、その予想は不幸にも当たっていた。

何度か仕事を理由にアスカとのデートをキャンセルする当時のシンジ。
確かにあの頃はネルフにとっても、僕にとっても大切な時期だった。
ネルフはその存在意義を問われ、予算を削られ、
社会に自分たちの必要性を認めさせるのに必死だった。
誰にも、余裕はなかった。
アスカにも、その余裕はなかった筈。
彼女は彼女で日々リツコさんに拘束されていたし、
彼女自身思い出したくもない筈の、量産機との戦いを
嫌と言うほどシミュレータで再現させられていた。
もちろん、腕を切り裂かれたり、腹を抉られたりするような事はなかったが、
それでもその実験のあった日のアスカは、ふさぎこんで、
瞼と右腕に残るその傷跡も、普段より赤く見えた。
まるで血でも流しているみたいに。
その夜は疼く腹部の傷跡を、一晩中さすってあげるのが僕の役目だった。


171 :子供達の歌は終わらない:2007/08/03(金) 03:50:41 ID:???
>>170
「ごめん…ごめんね…」
心の中に直接聞こえてくる声。
「赤ちゃん産めないカラダで、ごめんね…。」
「そんなことないよ!」
僕の叫びは壁に吸収されるが、
もう1人のシンジが目の前のアスカに向かって、同じことを叫んでいた。

「あたし、憎い!量産機との戦いなんて、思い出したくもないのに、
それを無理矢理思い起こさせる、リツコが憎い!
何の手だても講じてくれなかった、ネルフが憎い!」
肩を震わせて泣くアスカを、そのシンジは抱くことしかできない。

「そしてその時傍にいてくれなかった、助けにきてくれなかった、あんたも憎いの…。」

その一言で僕は更に深い闇の中に足から引きずり込まれそうになる。
呼吸も心拍も一気に早くなり、その音だけが頭の中に響く。
あの頃のシンジには、わからなかった事が、ようやく見えてくる。
別にカードでブランド物を買ったことがきっかけじゃなかったんだ。
それよりももっと奥深いところ、もっと前から、彼女は救いを求めていたんだ。

お互い自分を素直に表現することもできなかったし、今更、遅いのかもしれないけれど。
「ごめん、アスカ…。」
不思議と声は壁に吸収されず、壁を通り抜けた後、どこかへ消えていった。


やっぱり夢だったのだろうか…。
ベッドから起きあがった僕の目の前には、いつもの僕の部屋があった。
でも、僕のカラダからはLCLの臭いがした。
そしてそれは、シャワーを浴びても、取れなかった。

172 :子供達の歌は終わらない:2007/08/03(金) 03:55:38 ID:???
「目覚めよ、と呼ぶ声が聞こえ」了
次章仮題「The scientist」

すいません、予定していた章の前に一段挟みました。
まあ自分の妄想世界全開なんですけどw、
割り切って楽しんで頂けたら幸いです。m(_ _)m
次回目標は…なるべく早めに。

173 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/03(金) 04:24:02 ID:???
びみょ

174 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/03(金) 06:34:32 ID:???
どんでんがあることに期待

175 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/05(日) 13:46:30 ID:???



176 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/05(日) 14:41:59 ID:???
鬱展開まだー?」?

177 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/06(月) 00:21:19 ID:???
続きマダー??????

178 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/06(月) 03:29:49 ID:???
まだwww

179 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/07(火) 19:46:15 ID:???
最初のみんなの意見聞きながらよく諦めないで書き続けられたもんだ
今時珍しいな がんばれ


180 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/08(水) 00:54:46 ID:???
>>171
 身支度を整え、玄関を出ると、そこには当然のようにヒカリが立っていた。
僕は別に驚かない。多分こうなるだろうと思っていたから。
「迎えに来たわ。」
氷のような冷たい表情と言葉。この前感じたのは、これだったんだ。
組織改編はあったものの、実質「諜報部員」の鈴原ヒカリ。
そこに以前僕の知っていた「委員長」の面影は全くない。
むしろリツコさんに似ている。
ぼんやりとそんなことを考えながら、彼女の横顔を眺める。
彼女は僕の視線に気づきながら、それを跳ね返し微動だにしない。
エレベータは全くスムースに僕たちを地上へ運ぶ。

「碇君はどこまで掴んでいるかわからないけど、」
「ここまで迎えに来たってことは、そんなこともないんじゃないの?」
「…まあ、ある程度はね。」
ヒカリの運転する国産のスポーツクーペは滑るように走る。
「でも、私も全部知らされているわけではないのよ。」
彼女はそれっきり黙ってしまう。
僕は頷いたまま、窓の外の流れていく景色を眺めた。
今日も、暑そうだ。

181 :子供達の歌は終わらない:2007/08/08(水) 00:55:54 ID:???
>>180
ごめんなさい。名無しでやっちまいましたorz

182 :子供達の歌は終わらない:2007/08/08(水) 00:57:15 ID:???
>>180
「私の行動はモニターされているわ…。」
ぽつり、と小石を落とすかのようにこぼれ落ちたその言葉の意味を
理解するのに数秒かかった。
「じゃあこれは…」
「そうね、私の独断。まあリツコさんやミサトさんは予想しているんでしょうけど。」
ちらっとこちらを見て微笑む。
「委員長」の笑顔がそこにはあった。
なるほど、クルマがジオフロントには向かわず、
むしろ第2新東京市へ向かっているわけが分かった。
「このクルマも…。」
「そうよ。」
ヒカリの行動が諜報部員として監視されているのは当然かもしれない。
僕だってサードチルドレンとしてエヴァに乗っている時は四六時中そうだった。
あの時の窮屈さ、圧迫感を思い出し、
胸がじんわりとしめつけられるような気持ちになる。
このクルマでの会話もネルフには筒抜けだ。
「ネルフに一度関わった者は終生ネルフの束縛から解放されることはない。」
砂利を噛むような苦々しい思いで、その言葉をとっくりと反芻する。
でも。

アスカ。
君の居場所ももうすぐわかる。
もう少しだから、待っていて。

183 :子供達の歌は終わらない:2007/08/08(水) 00:58:56 ID:???
>>182
「ごめんなさい碇君。私にもそれはわからないの。」
期待していたから、その一言は僕を十分に落胆させた。
でも、ここで引き下がるわけにはいかない。すっと息を吸い込み、一線を越える。
「…これはミサトさん?それともリツコさん?どっちから言い出したの?」
ストレート直球勝負。僕はいきなり核心を突いてみた。

ここは、旧中央高速道のとあるパーキングエリア。
本来ならば、ここもモニターされているのだが、
僕の隣に座る優秀な諜報部員によれば、
ここ数日監視カメラが故障していて、まだ修理ができていないらしい。
ネルフの落日がこんなところで僕の助けになるとは思わなかった。
僕たちは周囲から見れば普通のカップルに見えるだろうか。
それとも深刻そうな表情を察して、別れ話でもしていると思われるだろうか。
そんなことはどうでもいい。
とりあえず、一般の、そのへんの一市民として、僕たちはアイスコーヒーを片手に
ベンチに腰掛けている。

「…」
足下の一点を見つめたまま、一呼吸置いて、彼女はぽつりぽつりと話し始めた。
「もう1年以上前よね、碇君とアスカが離れることになったのは。」
黙って頷く。
「あの時、アスカをネルフに呼び出して説得したのは、私とミサトさんなの。」
「知ってるよ。」
思わず出た一言。驚いた表情で僕を見つめるヒカリ。
「夢で見たんだ。アスカ、泣いていた。」


184 :子供達の歌は終わらない:2007/08/08(水) 01:01:09 ID:???
>>183
「…そう。泣いていたわ。」
ヒカリは僕の夢の真贋は疑わずに、そのまま話を続けた。

彼女にとってこれが諜報部員として初めて任された仕事だった、というのは
意外な気もしたが、産休明けからネルフに復帰し、そこから諜報部に配属、
という流れからすると能力は認められているらしい。
自分が諜報部員であることは、旦那くらいしか知らない、とのこと。

「別に碇君に隠すつもりはなかったのよ。でも諜報部に配属された時に
リツコさんに『あなたが諜報部員であることは、
特にあの2人には黙っていてちょうだい』
って言われてたの。何故なの?って思ったけど、きっとリツコさんは、
こうなることを予見していたのかもしれない…。」
確かにリツコさんとMAGIの能力をもってすれば、十分可能なことではある。
時期的にも、アスカの浪費癖が強まっていた頃でもあったし。
「本当なら、あなたたちにだけは知らせておかなきゃいけなかった、って
今までずっと思っていたの…。ごめんなさい。」
「いや、いいよ。もう過ぎたことだし。
今更それについて何か言っても始まらないし。」
「…ごめんなさい。」
彼女はうつむいたまま、肩を震わせている。
僕は知らないところで、また1人、大切な人を傷つけていたことを知る。
けれど。

「謝らなくていいよ。それよりも、続きを聞かせて。」


185 :子供達の歌は終わらない:2007/08/08(水) 01:02:51 ID:???
>>184
説得場面は、僕が夢で見た場面とおんなじだった。
もう僕にとって、それは驚きでもなんでもなく、
当たり前の事として、受け入れられた。

「アスカは最後まで嫌がったし、自分を責めてもいたわ。」
「うん、わかってる。アスカはそういう子だよ。」
一瞬、ヒカリの目が鋭くなり、僕をきっと睨む。
「そこまで分かってるなら、なんで…。」
言いかけて、止める。僕が後悔していることを彼女も知っているからだ。
「ごめんなさい。感情的になったわ。」
「ううん、悪いのは僕だから。もう戻れないけど。」

最後まで抵抗するアスカをミサトさんとヒカリで説得し、
以下の条件で僕との別離を承諾させたらしい。

1.とりあえず1年間の限定で別居すること。
2.アスカはドイツ支部へ転勤すること。
3.1年後にもう一度話し合いの場を設けること。
4.その際にはアスカの希望を最大限取り入れた形で僕と再会させること。
5.1年間、僕に恋人ができないよう全力をもって阻止すること。

当然、これらの条件は僕には秘密にされた。
「最後の2つなんかアスカらしいわよね。無茶苦茶緊迫していたのに、
その2つを聞いて私もミサトさんも笑っちゃったわよ。」
僕は苦笑するしかない。最後の2つはアスカに残された最後のプライド、
それがわかるだけに、なおさら切ない。


186 :子供達の歌は終わらない:2007/08/08(水) 01:05:11 ID:???
>>185
「碇君はアスカ一筋だもんねぇ。あんなに酷い目に遭わされたのに、
それでもまだあの子の事を愛しているなんて、アスカにはもったいないわよ。」
冗談か本気か、ヒカリは「委員長」の顔で僕に笑いかける。
「いや、僕もアスカに酷いこと色々したからさ…。」
そう言って、アイスコーヒーを一口飲む。
氷は既に全部溶けていて、生温くなりつつあるその茶色い液体は、
半ばコーヒーであることを放棄したような味で、僕をちょっとげんなりさせる。

僕のところへトウジが急に押し掛けてきたのが、その作戦の最初。
アスカが1年前の時点で既に大筋の計画を立てていて、
実行はミサトさんの指揮で行われたとのこと。

最初は、トウジの話を聞いて僕がすぐにでも休暇を申請して
アスカ探しの旅に出るものだと思っていたらしい。
それが、僕がぐずぐずとしているものだから、
第2新東京市、つまり鈴原夫妻という「鍵」がある場所へ
出張名目で僕を半ば強引に導いた、と。
「じゃあ、あの会は…」
「あれは全部ネルフ関係者よ。つまり、サクラってわけ。」
よくやるよ。怒る気にもなれず、僕はコーヒーをもう一口啜る。
このコーヒーがやたら不味いことを、飲み込んでから思い出す。
「じゃあ、家が留守だったのは…」
「あれはネルフに籠もってあの馬鹿がやらかした後始末と、
次なる作戦を計画していたわけ」


187 :子供達の歌は終わらない:2007/08/08(水) 01:07:44 ID:???
>>186
「あいつ、ヘマよねぇ。あんな事言わなくてもいいのにさ。」
ヒカリが言う。

本当はもうちょっと上手い「台本」があったらしい。
けれども、トウジはその持ち前の不器用さで、台本を「改変」、
帰ってきてから奥さんにこっぴどく怒られたらしい。
「次の日に旦那に会ったら、きっと右頬に手形が残っていたわよ。」
ヒカリが何とも言えない表情で僕に言う。
「いいよ、笑っても。」
ふふふふ、とヒカリが笑い、僕もつられて笑う。

驚いたことに、あの晩ホテルで僕が見た酔っぱらいは、
トウジだったらしい。
「勝手に様子見に行っちゃってさ、碇君が起き出してきて
慌てて酔っぱらいのフリしたんだって。
『迫真の演技やった』なんて笑ってたけど、あの時もしバレていたら、
あいつ今頃コンクリ詰めにされて諏訪湖の底よ。」
今度は屈託なく笑う。そんなヒカリを見て、ちょっとほっとする自分がいる。

あの店員も諜報部の下っ端だった。まあここまで聞けば想像はついたけど。
ネルフの諜報部は今度劇団でも作ったらいい。


188 :子供達の歌は終わらない:2007/08/08(水) 01:10:53 ID:???
>>187



ふっと会話が途切れ、瞬間風の音だけが耳に残る。
「1年間、独りでいて、どうだった?」
ヒカリはまた足下の一点を見つながら、ぽつりと呟いた。
「…こんなに辛くて苦しいとは思わなかった。」
僕は正直に話した。仕事に逃げたことも、酒量が増えたことも。
「こんなこと、誰も教えてくれなかったもんなぁ…」
「…そうね」
謝るなよ、と僕はヒカリを見つめ、ヒカリは僕の顔を見返し、頷いてくれた。


189 :子供達の歌は終わらない:2007/08/08(水) 01:13:08 ID:???
>>188
ヒカリが知っているのは、そこまでで、アスカの居所まではわからない、
というより教えて貰っていないという。
彼女の見立てでは、自分が僕に対して罪悪感と友情から、
こうなることを最初から見越されていて、秘密にされているのだろう、と。
そしてこの行動も、半ばミサトさんの計画のうちに含まれているだろう、と。
「だから多分、リツコさんも許してくれるわよ。」
彼女の処分(ネルフはこういうことに関しては未だに厳しい)を
心配する僕に彼女はそう言って微笑んだ。
「ま、諜報部をクビになって総務部あたりに異動になって終わりかなぁ」
ごめん、と言いそうになったけど、彼女はさっきの僕と同じような表情で、
僕を睨んだ。謝らないで、と。
だから僕は、帰りのクルマの中でも、一言も謝らなかった。

「アスカの居場所を知っているのは、おそらくミサトさんよ」
クルマに乗り込む前に、ヒカリはそう言った。
帰りの車内では、アスカの話題は避け、努めて明るい話をした。
つまり、鈴原夫妻の子供達(パパ含む)のやんちゃぶりを
ヒカリママが愚痴るような、そんな展開だった。
子供を諦めている僕にはちょっと羨ましくもあり、
そしてそんな話をしてくれることが嬉しくもあった。

「頑張ってね」
僕のマンションまで送り届けてくれたヒカリは帰り際、そう言って、
僕に握手を求めてきた。
「ありがとう」
がっちりと握手をし、ヒカリがクルマに乗り込んで姿が見えなくなるまで
見送ってから、僕はその掌の中にある物体に目をやった。
人差し指の型。おそらく、ミサトさんの指紋だろう。
僕もヒカリには頭が上がらなくなりそうだ、と思いながら、
まだ蒸し暑さの残る中を、部屋に戻った。

190 :子供達の歌は終わらない:2007/08/08(水) 01:16:04 ID:???
「The scientist」了。
次章仮題「ミサトさん、あなたはやっぱり僕たちの特別な人です」

そろそろボロがあちこちに見えてきてヘロヘロですorz
やっぱり行き当たりばったり自転車操業は良くないっすorz
ただ、物語はもう少しでクライマックスまで辿り着くので、
生暖かく見守ってやってください。
次回は、原稿はもうあるので、一晩か二晩寝かせて熟成させてから。

191 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/08(水) 01:26:09 ID:???
GJ

192 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/08(水) 01:40:46 ID:???
自分語りウザイ。

193 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/08(水) 15:17:04 ID:???
うーん・・・

194 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/08(水) 23:57:00 ID:???


195 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/09(木) 00:11:04 ID:???
これから〜これから〜

書いてくる内に生まれてくる矛盾を有効利用するともっといいかも

196 :子供達の歌は終わらない:2007/08/09(木) 01:17:54 ID:???
>>189
 休暇が明けて、僕は机の上に山と積まれた書類にうんざりしながらも、
ミサトさんの様子を窺っていた。
ミサトさんはいつもと変わらず、あっちこっち飛び回っていて忙しそうだ。
あの体型が暴飲暴食にも関わらず、少しも崩れていないのは、
きっとここで相当量のカロリーを消費しているからだ。

ミサトさんの帰宅はいつも22時過ぎで、その間、ミサトさんのデスクの
前にはノートパソコンが開きっぱなしだ。
本来ならばパソコンを開いたまま席を離れるのは違反なんだけど、
生来大らかな(悪く言えばいいかげんな)ミサトさんが、
「んなちまちました事やってらんないわよぉ」
と言うのは彼女を知っている誰もが予想できたことで、
副指令(父さんが結局戻ってこなかった今は、実質ネルフのトップだ)
も黙認している。
まあ今までそれで情報が漏れたことはないし、
セキュリティも万全、な筈。
そして、僕は今からそのノートパソコンと向き合うことになる。

ミサトさんのデスクに座って何か仕事のふりをするのは簡単だ。
デスクワークに限っては、なんでも人任せにしたがるミサトさんの尻ぬぐいを
ここで日向さんや青葉さんや僕はしょっちゅうやっているわけで、
その点でこの行動を疑う人間は誰もいない。

197 :子供達の歌は終わらない:2007/08/09(木) 01:20:38 ID:???
>>196
さて、問題のノートパソコンだ。
指紋認証。ヒカリがくれた指型をスーツのポケットから取り出す。
物凄く精巧に作られたそれは、本当に人の温かみと柔らかさを備え、
ミサトさんが普段付けているマニキュアまで塗られていて、
一瞬本物の人差し指が切り取られたかのような、そんなグロテスクささえある。
エンターキーを押し、「指紋認証」画面でゆっくりとその指をあてる。
息を呑む瞬間もないまま、画面がパッと変わり、
スクリーンセーバーが解除され、デスクトップが表示された。

しかしまあ、ミサトさんらしいというか、
もうちょっとデスクトップまとめましょうよ。
フォルダってものを知らないんですか、
ってくらいミサトさんのデスクトップ上にはファイルが散乱していて、
よくこれでまあ仕事ができるよなぁ、と感心する。
いや、散らかっているようで、実は彼女にとっては欲しいものが全て
寝床から手の届くところにあるという、
まるで自分の部屋の中の延長のようなものなのかもしれない。
いや、感心している場合じゃない。アスカの居場所を探さなくては。

唐突に、僕はミサトさんが僕のこの行動を予期しているどころか、
それを待ち受けていたことを知る。
乱雑に散らかったデスクトップ上に1つだけあるフォルダ。
そこには「for shin-chan」と書かれている。
迷わずクリックする。


198 :子供達の歌は終わらない:2007/08/09(木) 01:22:22 ID:???
>>197
「パスワードを入力してください。」
え?パスワード?
一瞬僕は凍り付く。知らないよそんなもの。
落ち着け。パスワードは5回連続で間違えるとロックがかかり、
解除するには副指令のコードが必要になる。
つまり僕のやっていることがバレる。
ネルフ内において、他人、特に上司のパソコンを勝手にいじるということは…
結果は考えなくてもわかる。
少なくともアスカにはこの世の中では二度と会えなくなる。
逆に考えれば、チャンスは5回あるわけだ。
ミサトさんの事だ。僕の事を考えてこのフォルダを設定したとすれば、
僕にも簡単に推察できるパスワードの筈。

まず僕は「penpen」と入れてみた。ダメ。
次に「misato」と入れてみた。これもダメ。
ひょっとして、と「shinji」と入れてみた。これもダメ。
「aska」も試そうと思ったが、そもそもネルフのパスワード規定の
「英数字5文字以上」にあてはまらないので、止めた。
あとチャンスは2回。青葉さんが後ろを通りがかって一瞬ドキッとするが、
書類を探すふりをして
(なにせ机の上の乱雑さにかけてはネルフ内ダントツNO.1だ)
なんとか誤魔化した。


199 :子供達の歌は終わらない:2007/08/09(木) 01:23:46 ID:???
>>198
天啓とはあるもので、その時、ふと僕の中に何かが舞い降りた。
あるいはアスカがどこからか僕を見ていたのかもしれない。
「shinji-aska」と入力し、エンターキーを押すと、一瞬画面が白くなり、
フォルダが開いた。

「ミサトさん…」
僕たち2人を弟妹のように、ある時は我が子のように、守り、慈しみ、
愛してくれた、僕たちの大切な人。
ミサトさんは、僕やアスカの母でもあり、姉でもあった。
その想い、愛情のようなものが、枯れた泉から再び沸き上がってくるようで、
回転する砂時計の向こう側に色々な光景が蘇り、
僕は思わず涙をこぼしそうになった。
「ありがとう…ミサトさん。」



「呼んだ?」


200 :子供達の歌は終わらない:2007/08/09(木) 01:25:34 ID:???
>>199
その声に僕の心臓は止まりそうになった。
あるいは喉から一瞬飛び出したかもしれない。
驚きのあまり、椅子を吹っ飛ばして辺りを見回す。
ミサトさんはいない。
5mばかり離れたところで青葉さんがモニターをじっと睨んでいる。
暇だからってどこぞの外人バンドのライブをここで観なくても…、
と一瞬思ったが、
逆にそれに集中している青葉さんは、こちらを気にも止めない。
「しんちゃん、ここよ。」
声は、パソコンから聞こえていた。

「まずは謝らなくてはいけないわ。ごめんなさい、シンジ君。」
型遅れのメディアプレイヤーがミサトさんの声を伝える。
「今まであなたにこの計画を黙っていたことを。
でも、おそらく洞木、じゃない鈴原さんね、
彼女から聞いていたと思うけど、アスカの希望なの。
子供じみた芝居だけど、アスカがそうしたがったの。
シンジ君にはアスカの気持ちは分かってくれると思う。
アスカはこう言ったの『せめて私たち織り姫と彦星の再会を劇的なものに
しないと、世界中の恋人たちに示しがつかないわよ!』ってね。」
僕は、その場面が容易に想像できて、ちょっと笑ってしまう。
同時に、ミサトさんが僕にこの計画を黙っていたことに対する
ほんのりとあった怒りのようなものも、
その笑いによって薄まって消えてしまう。
「私、こういう事黙っているのは苦手だし、かと言って喋ってしまうのも苦手。
前にも同じ過ちをして、シンジ君にツライ思いをさせちゃったわよね…。」


201 :子供達の歌は終わらない:2007/08/09(木) 01:27:22 ID:???
>>200


しばしの間があった。
続けて流れてきた声は、無理に元気を出しているように思えた。
「でも、今回は自分の口から伝えなきゃって思うの。
これで最後よ。明日の晩、うちまで来てくれるかしら?
アスカの居場所を教えるわ。覚悟して来てちょうだい。」
覚悟?何の覚悟だろう?その言葉にひんやりとした冷たい予感を感じながら、
僕はメディアプレイヤーの再生残り時間を見て、
ミサトさんの最後の一言を待った。

「なお、このメッセージは自動的に消滅する…。なんちってね。」

元ネタがなんだか、僕にはわからなかった。

202 :子供達の歌は終わらない:2007/08/09(木) 01:29:13 ID:???
「ミサトさん、やっぱりあなたは僕たちの特別な人です」了
次章仮題「いつも、何度でも」
時期は、意外と早く。

203 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/09(木) 01:31:05 ID:???
リアルタイムでGJ

204 :子供達の歌は終わらない:2007/08/10(金) 04:01:26 ID:???
>>201
 そこは、どこかの屋根裏みたいな、暗い一室で。
アスカは窓際のベッドに横になっていた。
「ドイツではこんな部屋に住んでいたのよ」とアスカはちょっと笑って言う。
「まるでゲシュタポから身を隠すユダヤ人みたいじゃない?」
そう言うとアスカは今度は自嘲気味に、鼻でふっ、と笑う。
僕は、何も答えられない。

話したいことはたくさんあった。
謝りたいこと、アスカに訊きたいこともたくさんあった。
でもそれは、壁の向こう側に置き忘れてしまったように、
僕の頭の中に浮かんでこない。
ただ、目の前にいるアスカ(幾分やつれているように見える)が、
僕の胸の中でいっぱいになる。
その姿で溺れそうになるくらい、アスカは僕の心の中をぱんぱんに膨らませ、
それ自体で僕を抱きしめ、愛撫し、そして非難する。

「私の気持ち、考えたこと、ある?」
ゆっくりと、一言一言を噛みしめるかのように、アスカは言う。
「アスカは、僕の気持ちを、考えたことはあるの?」
自分でも驚くくらい、予期しない発言。横に別のシンジがいて、
そいつが喋ったかのような感覚。

意外にもアスカはにっこりと微笑み、言った。
「あたしたちは、もう元には戻れないのね…。」

205 :子供達の歌は終わらない:2007/08/10(金) 04:03:37 ID:???
>>204
「そんなことない!」
これは僕の魂をかけて、誓って言える言葉だ。今度は確かに僕が言った。
「アスカの気持ちに、どれだけ気づかなかったか、
僕はここ数週間で君に教えられた。
なんていうか、とにかく僕は間違っていた。だから…」
アスカは僕の言葉を途中で遮るように、首を振る。
「いいえ、間違っていたのは、あたし。それに気づかなかったのが、シンジ。」

溜め息をついてから、彼女は枕元からヴァージニアスリムを取り出し、
これもゆっくりとした動作で、火を付ける。
アスカが煙草?信じられない。
「ドイツに来てから、吸うようになったの。おかしいでしょ?」
自虐的に、それでいて彼女の目は残酷なほど僕を鋭く射通す。
「や、やめなよ、アスカ…。」
僕は一歩、彼女に近づく。
「来ないで!」
突然、アスカの豹変したようなヒステリックな声に、
僕のカラダは金縛りに遭う。
「アスカ…」
彼女は、泣いている。涙も見せずに、心の奥底で、泣いている。
それだけは、はっきりと分かった。
そう、分かったんだ。そう思っていた。


206 :子供達の歌は終わらない:2007/08/10(金) 04:05:21 ID:???
>>205
「何を分かったっていうの?」
アスカの冷たい視線が僕の心をズタズタにしていく。
「アスカの気持ちだよ」
言い終わるか終わらないかの刹那、僕の顔のすぐ横を何かが通り過ぎた。
背後でガシャンと物凄い音がして、僕はアスカが灰皿を投げつけたことを知る。
その音で金縛りが溶けたかのように、僕のカラダは動き出す。
後ろを振り向くと、背後に立てかけてあった姿見に灰皿が当たったらしく、
鏡が粉々に砕けて飛び散っている。
アスカを見ると、顔を伏せ、肩を震わせている。
僕はとりあえず割れた鏡を片づけようと、
屈み込んで砕けた破片を拾い集めようとする。

粉々に砕け散った鏡の破片。
そこに写るいくつもの僕の姿。あるものは泣いているように、
またあるものは怒っているように、悲しんでいるように、
様々な僕の姿が映し出される。
ふいに、僕の姿が映らなくなり、
アスカが、色々なアスカがそこに映し出される。
表情はおろか、年の頃さえ違う、様々なアスカ。
粉々に砕けた鏡の中で、そのアスカたちは、
やっぱり怒ったり泣いたり悲しんだり、
そして喜んだり笑ったりしている。


207 :子供達の歌は終わらない:2007/08/10(金) 04:06:22 ID:???
>>206

悲しみはあちこちに積もっていく。
そして悲しみは、僕に決して嘘をつかない。



208 :子供達の歌は終わらない:2007/08/10(金) 04:07:35 ID:???
>>207
ふと気配を感じて振り返ると、そこにはアスカが立っていた。
表情はない。
「私だって言いたいことはたくさんあるの。」
ぽつりと、呟く。僕は、頷く。
「言いたいことは悲しいことばかり。」
「うん。」
「本当は、こんなこと、言いたくないのに。」
「うん。」

僕は、そうされるのを求めているのがわかるから、
アスカの右手に触れる。
傷跡に沿って肩口まで手を伸ばしていく。
「だから、何をわかったつもりになっているの?」
アスカはそう言うと、僕の中にゆっくりと飛び込んできた。

抱きしめる、とかいうのではない。本当に僕の中に吸収されるように、
するりと僕の中に入り込んできた。
熱い。



209 :子供達の歌は終わらない:2007/08/10(金) 04:09:06 ID:???
>>208
僕たちは溶けて混じり合い、言葉にはならない交感状態にいる。
あたりはLCLの臭いに満ちていて、それは僕にあの「壁」を思い出させた。
それと同時に、あの忌まわしい記憶も。
「人類補完計画」
あれを僕たちは今、2人で行なっているのだろうか。
「余計なことを考えないで…」
アスカの声がどこからか聞こえる。
そうだよな、これは僕と君の見ている夢だ。
現実以上に大事な夢だ。
僕は背中にガラスの破片がブツブツと刺さる感触を覚えながら、
その場に横たわった。
いや、本当に「横たわった」のかどうかも疑わしい。
けれども、そんなこと、もはや問題ではないんだ。

僕たちはそこで愛し合い、憎しみ合い、
お互い埋め損ねたパズルのピースを埋めた。
欠けているピースも、だぶっているピースもたくさんあったけど、
僕たちは、混じりっけのない、完全な1つの「もの」になっていた。


210 :子供達の歌は終わらない:2007/08/10(金) 04:10:14 ID:???
>>209
いつの間にか、僕は歌を歌っていた。

「そうね、愚痴や悲しみや憎しみを口に出すくらいなら、その方がいいわ。」
アスカが僕の体内からそう言っているのが聞こえた。
「結局、あたしたちはネルフからは逃げられないの。
ネルフの思うままに踊らされ利用されていくだけ。」
「でも、そのネルフのおかげで僕はアスカに会えたんだよ。」
「…そうね。」
僕とアスカは2人で混じり合いながら、歌う。
選ばれた、あるいは創り出されたチルドレンとして、歌い続ける。
そう、僕たちの歌は終わらない。
そして、そのまま、僕たちは、消えていく。





気づいた時、僕はミサトさんの部屋の前にいた。
アスカがここに連れてきたことは間違いない。
覚悟は、できていた。

211 :子供達の歌は終わらない:2007/08/10(金) 04:12:37 ID:???
「いつも、何度でも」了
次章仮題「一期一会、そして邂逅」
週末より一週間留守します。
その為、次回は多少遅くなるかもしれません。
待って頂いている人がいるかどうか分かりませんが、ご了承下さい。
皆様、よいお盆休みを。<(_ _)>

212 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/10(金) 13:35:53 ID:???
おつかれさん

213 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/11(土) 15:54:53 ID:???
待ってるよ、GJ

214 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/12(日) 13:46:40 ID:???
乙!
いつも楽しみにしてるよ

215 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/17(金) 05:05:01 ID:???
おいまだか

216 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/17(金) 23:00:42 ID:???
ごめんまだ。

217 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/18(土) 19:24:25 ID:???
ちょいとひぐらし風にしてもいいかも

218 :子供達の歌は終わらない:2007/08/22(水) 01:43:05 ID:???
>>210
「悪いわね、休みの日に」
ミサトさんは開口一番、そう言った。
顔には、若干の緊張感が混じっている。
一歩、部屋への道を踏み出した僕は、次の瞬間、唖然とした。
「ミサトさん…、汚しすぎですよ…。」

そんなわけで、ミサトさんとちゃんと向かい合って座ることができたのは、
それから2時間半が経ってからだった。
僕が前回大掃除をしてから10日も経たずにここまで散らかすことができるのは、
ある意味天賦の才があるとしか思えない。
でもミサトさんはそのせいか、幾分リラックスしたような表情で、
今日は珍しくスコッチウィスキーなんて飲んでいる。
「シンジ君も、どう?ラフロイグだから、結構キツイけど…。」
「僕も、好きですよ、ラフロイグ。」
テーブルの上に、オンザロックのグラスが2つ。
もうすぐ日付が変わろうとしている。

「さて、」
ミサトさんが遂に切り出した。
「どこから話したらいいのかな…。」
ミサトさんはゆっくりとアスカとの話し合いの場面から語り出す。
その内容を僕はもう知っているけれど、1つ1つ頷きながら彼女の話を聞いた。
「アスカの願いとは言え、今まで黙っててごめんなさい。」


219 :子供達の歌は終わらない:2007/08/22(水) 01:44:30 ID:???
>>218
ミサトさんも歳をとったな、と思う瞬間がいくつかあって、
今はまさにそれだ。
僕たちが大人になるにつれて色々と学び、吸収してきたもの、
ミサトさん経由で得たものが一番多かったし、大きかった。
僕やアスカはミサトさんの背中を見て育ってきたんだ、
という思いがふいに湧きだしてくる。
ミサトさんも僕たちが学び、成長している間に色々学び、成熟したのだと思う。
彼女の悩みにまだ僕は気づいてあげられなかった。
気づいたところでどうしようもなかったかもしれないけれど。

「ミサトさん…、」
僕は、逃げない。
「アスカは、どこにいるんですか?そして…」
ミサトさんの目を真っ直ぐに見つめて、言葉にする。
「彼女は無事なんですか?」

ミサトさんの意を決した表情から、次の言葉が出てくるまでの瞬間が、
とてもとても長く感じた。

「ええ、もちろん、生きているわ。」
その答えと表情から、僕はこの言葉には続きがあることを知る。
「…話してください。覚悟はできています。」
「…ええ。そうね。」
グラスに残ったスコッチを一気に喉の奥に流し込んでから、
ミサトさんは続けた。
僕の手の中で、オンザロックの氷が溶けていく。


220 :子供達の歌は終わらない:2007/08/22(水) 01:46:20 ID:???
>>219
「アスカをドイツに出向させたのは、私。」
ミサトさんはまずそう呟いた。
「だから、今回の事故についての責任の一端は私にもあるの。」
事故?僕の背中を冷たい汗が流れていく。
心拍が上がり、呼吸する音が脳内に響きわたる。
「全ては向こうが計画して実行したことで、
私は知らされていなかったんだけど…」
ウィスキーを一口ゴクリ、と飲んでから、僕は訊いた。
「事故って、なんですか?」

その「事故」はアスカの帰国前、最後の仕事になる筈だった。
最後の仕事を終えたらその足で空港に向かおうとしていたアスカは、
「いい?計画は絶対実行すんだからね!」
と念押しのメールをミサトさんとヒカリに送っていた。
「だから、こんな状況になって、ちょっと迷ったんだけど、
結局アスカの希望通りにしようってことになって。」
ミサトさんの言葉は、僕の中になかなか入ってこない。

「じゃあ、あの携帯番号は…」
「あの携帯は本部の私の机の中にあるわ。」
「あのメールアドレスは…」
「あれも私の所に来ていたわ。」
「じゃあ、あの返事は…?」
「返事?私、何も返事していないわよ。」
「え?」
僕は、アスカから(と今の今まで思っていた)メールを見せる。
ミサトさんは、しばらく黙って考え込んだ後、
「そうね、きっとアスカが送ったのよ。それでいいんだと思うわ。」
と言って微笑んだ。
相変わらず目尻の皺以外は何も変わらない、素敵な笑顔。


221 :子供達の歌は終わらない:2007/08/22(水) 01:47:40 ID:???
>>220
シミュレーターが異常を検知して緊急停止した時には、
全てが終わっていた。
そのテストは、今まで日本でサードインパクトの後、
アスカが散々苦しめられてきた量産機との戦いの再現シミュレーションで、
別にやる意味はなかったのに、とミサトさんは吐き捨てるように言った。
確かに、あのシミュレーションをやった夜のアスカの疲弊した姿は、
僕しか知らないかもしれないけれど、相当なものだった。
そのデータはMAGIを介してドイツ支部にも提供されている筈。

アスカがそれを望んだから、実験は強行された、
というリポートがドイツから届いても、ミサトさんは納得いかなったらしい。
そして、アスカをドイツへ出向させた自分を責めていた。
「シンジ君も、読む?」
「え、いいんですか?トップシークレットの筈じゃあ…」
「あなたはこれを読む資格があるわ。
むしろ、読むべきだし、読んで欲しいの。」
新たな一杯と共に、どこからともなく現れた20枚程のA4用紙。
「惣流・アスカ・ラングレーの意識障害事故について」
時系列で並べられたアスカの行動と、ドイツネルフの対応。
ドイツネルフの対応と「原因不明」の羅列は言い訳にしか思えなかったけれど、
それでも食い入るように読んでしまう。
原因不明の羅列の中で、ただ1つ、原因を示唆するものとして、
アスカのお母さんが事故に遭った施設と同じ施設で今回の実験は行われた、
との一文が目についた。
おそらく、その推測は間違ってはいないだろう。
でも、だからそれがなんだってんだ。

222 :子供達の歌は終わらない:2007/08/22(水) 01:49:37 ID:???
>>221
シミュレーションの内容は、日本でやっていたものとほぼ同じもの。
日本語とドイツ語くらいの違いしかない。
確かに、やってみてどうなる、というものではないのかもしれない。
けれど、アスカはシミュレーターに自ら望んで、乗った。
事故が起きた瞬間にアスカが叫んだ最後の言葉、
そこで僕の時は一瞬、止まる。
そこに書かれていたアスカの最後の一言は、あまりにも僕の想像というか、
願望通りで、その一言を読んだ瞬間に鳥肌が立つ。

「Hilfe,Shi….」
(ネルフ本部註「助けて、シ….」
配偶者である本部所属碇シンジを呼んだものと推測される)

僕を呼ぶ声、僕を求める声。
僕には届かなかった。僕は聞こえないふりをしていた。
なぜ、もっと早くにお互い気づかなかったのだろう。
僕もアスカも、お互いをこんなにも求めていたことを。
耳の奥で、痛いほど、アスカの声が鳴る。
「私の気持ち、考えたこと、ある?」

ゆっくりと時計の針が回っていく。

「アスカもどうして受ける気になったのかしら…。」
沈んだ表情で語るミサトさんの豊かな黒髪の中に、
白いものが1、2本混じっているのが見える。
「僕には、分かる気がします。」
「アスカは、きっと必要とされたかったんじゃないかって思うんです。」
寂しさの埋め合わせから来る自暴自棄を乗り越え、
僕との再会を間近に控えて、アスカがやろうとした事。
今の僕にはアスカの気持ちが分かる気がした。

223 :子供達の歌は終わらない:2007/08/22(水) 01:51:09 ID:???
>>222
「ええ、きっとそうなんでしょうね。」
ミサトさんは僕の言葉を否定も肯定もせず、といった調子で言う。
シミュレーターが緊急停止した後で救出されたアスカは、
それ以後意識を取り戻すことなく、眠り続けている。
加持さんがいなくなったのは、別に喧嘩したわけじゃなく、
アスカの迎えとドイツでの事後処理の立ち会いのためだったことを
僕はこの時まで想像もしていなかった。
瞬間、仄暗い嫉妬にも似た感情が沸き起こるが、
ウィスキーがそれを流していく。
手の中のグラス、その中に氷はもう殆ど残っていない。

「アスカはお母さんのところに行ってしまっているのかもしれないわ…」
「いえ、それは違いますよ。」
「シンジ君…」
「僕はここ最近、よくアスカの夢を見るんです…」

僕は、ミサトさんにアスカとの夢の事を話した。
LCLの臭いがする壁のこと、ホテルの部屋での出来事、
そして鏡と2人が1つになったことによる補完。
ミサトさんは一言も喋らず、僕の話を聞いていた。

僕が話したいことを話してしまうと、ミサトさんは僕に向き直り、
「シンジ君、アスカの居場所に案内するわ。」
と、僕が一番待っていた一言を与えてくれた。
その一言とミサトさんの表情に、何かしらの希望を託して、
僕たちは夜明けの街を、ネルフ本部に向かう。

224 :子供達の歌は終わらない:2007/08/22(水) 01:52:51 ID:???
>>223
「ところで、」
道中、ミサトさんが僕に向き直って訊いてきた。
「シンちゃんは、アスカと再会したら、どうするつもりだったの?」

ジオフロント内に入ってから、僕はようやく答えることができた。
「まずは、謝ろうと思ってました。でも、多分それじゃあいけなかったんです。」
ミサトさんは次の言葉を待っている。
「僕とアスカは、遠回りをしたけれど、
ようやくこれで本当の夫婦になれるような、
そんな気がしたんです。だから、」
「だから?」
「…やっぱりアスカに謝って、それから抱きしめて、やり直そう、って
そう言うつもりでした。」
「それだけ?」
ミサトさんは優しい表情で、僕に最後の一言を言わせようとしている。
「お互いに、信じ合うことを僕たちは忘れていたというか、
知らなかったと思うんです。
だから、今度は僕はアスカを精一杯信じて守ってあげたい、って思って…」
でも、そのアスカは目を覚まさない。
夢の中ではなく、直にアスカの声を聞きたい。
俯いた僕の顔から、滴が何滴も落ちていく。
「アスカを信じたら、きっとアスカも僕を信じてくれる、
そう思っていたのに…」

225 :子供達の歌は終わらない:2007/08/22(水) 01:55:19 ID:???
>>224
ミサトさんは、黙って僕の頭を抱き、薄い茶封筒を、僕の手に握らせた。
出会った頃は、僕はミサトさんの肩くらいまでしか背がなかったのに、
今は完全に逆になっている。
それでも、俯く僕の頭を、自分の肩に引き寄せ、
ミサトさんは精一杯、彼女なりに出来ることをやり遂げてくれた。

「ありがとうシンジ君。その言葉を聞いてお姉さん安心したわ。
だから、私はシンちゃんにこれを返さなくちゃ。」
手に握らされた封筒、そこには薄い紙が一枚。
広げると緑の字体で「離婚届」。僕とアスカのサインと捺印。
「ミサトさん…」
「1年間離れてみて、駄目だと思ったらそこで出そうと思っていたの。
でも、その必要はもうなさそうね。」

微笑んでウィンクをするミサトさんに、僕は何てお礼を言ったらいいのか、
これっぽっちも分からなかった。
さっきとは別の涙が頬に道筋を作り終わった頃、
僕たちはその部屋に到着した。

そう、僕は遂に辿り着いたんだ。
アスカのもとに。
病室の入り口には、加持さんが立っていた。


226 :子供達の歌は終わらない:2007/08/22(水) 01:57:14 ID:???
「一期一会、そして邂逅」了。
次章多分最終章仮題「子供達の歌は終わらない」
時期は…わかりませんが、今月中にはなんとか。



227 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/22(水) 01:58:16 ID:???
リアルタイムで乙
自分のペースで投下してくれ
GJ

228 :子供達の歌は終わらない:2007/08/22(水) 01:59:49 ID:???
追記。
お待たせして申し訳ありませんでした。
なんだか待っていてくださってた住人の方がいて、嬉しい限りです。
ありがとうございます。
この拙文駄文ももうすぐ終わります。多分。
今や読み返すのも恐ろしい代物と化していますが、
もうちっと頑張りますので、どうぞよしなに。

229 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/22(水) 02:59:13 ID:aO3ZZ23f
GJ

230 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/22(水) 03:07:28 ID:???
自演乙

231 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/22(水) 03:29:15 ID:???
はぁ?言い掛かり?

232 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/22(水) 10:14:10 ID:???
きんも〜い!死ねよクズ!

233 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/22(水) 15:11:43 ID:???
悪い、割り込みみたいになった>>228は自分だ

234 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/22(水) 15:13:07 ID:???
>>227だ、間違えたorz

235 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/22(水) 16:41:56 ID:???
職人乙
最終章wktk


236 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/22(水) 18:05:35 ID:???
とうとう最終章ですか
オツカレサマッス

237 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/22(水) 18:40:10 ID:???
ちょいとワクテカするわ
無理にどんでん返しとかしなくていいからな
それで失敗するやつおおいし

238 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/23(木) 15:24:19 ID:???
お疲れ様です
最終章楽しみに待ってます


239 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/29(水) 07:32:50 ID:???
待ち

240 :子供達の歌は終わらない:2007/08/31(金) 02:49:58 ID:???
>>225
「遅いじゃないか」
アクビを噛み殺しながら、加持さんはミサトさんに話しかける。
「ごめん、色々と話こんじゃってさ…」
片手をあげてごめんねポーズを取るミサトさんの後ろから、
僕は加持さんを眺める。
その視線に気づき、加持さんの視線がすっと上がる。
僕と目が合う。
僕が慌てて目を逸らすまでのほんの僅かの間に、
僕は彼の今の態度が、
その場の緊迫感を和らげる為のポーズであったことを知る。
だって、加持さんの目は怖いままで、ちっとも笑ってなんかいないから。

「シンジ君、久しぶりだね。」
「ええ、お元気そうで…」
加持さんの寂しそうな微笑みが、僕から次の言葉を奪う。
「とりあえず、まずは会ってからだ。」
肩を叩かれ、僕は扉の前に立った。

ゆっくりと扉が開いていく。
最後の扉が、開いていく。


241 :子供達の歌は終わらない:2007/08/31(金) 02:51:13 ID:???
>>240
聞こえる。アスカの呼吸が。
聞こえる。アスカの鼓動が。
ホテルのスィートルームのような、だだっ広い部屋の真ん中、
そこにぽつんと置かれたようなベッドの上に、僕の最愛の人は居た。
白い肌はますます透き通るようで、そこから延びた何本もの管が、
妙な現実感を持って、僕の目に突き刺さる。
まるで童話の世界。完璧な眠り姫としての役割を演じきっている、僕の妻。
ここが物語の世界ではない、ということを知らしめる
栄養チューブや心電図、脳波計のコード。
世界の歪みが、そこにあるようで、なんとなく違和感がある。

「…シンジ君、」
ふいに僕を現実に引き戻す声。加持さんだ。
「これが、彼女の病状だよ、読むかい?」
クリアファイルの中に、何枚かのレポート、何種類もの検査結果。
読めばアスカの「病状」はわかるかもしれない。
けれども、アスカの「今」は多分理解できないだろう。
扉が開いた直後から僕は気づいていた。
この、匂いに。おそらく、僕しか気づいていないだろう、このLCLの匂いに。

「すいません、」
僕は加持さんが差し出すクリアファイルを横目に言った。
「しばらく、1人にしてくれませんか?」
加持さんは手を伸ばしたまま、僕の目を見つめ、静かに答えてくれた。
「ああ、もちろん、構わないさ。」
加持さんは、クリアファイルをそっとベッド脇の小さな机の上に置くと、
ミサトさんと付き添いの看護士さんを促して、そっと部屋を出て行った。
後に残されたのは、僕と眠り姫。

ようやく、この時が来た。


242 :子供達の歌は終わらない:2007/08/31(金) 02:52:22 ID:???
>>241
「アスカ、」
僕は枕元に座って、アスカの頬に触れる。
幾分ひんやりとしているアスカの頬。
結婚して何年経っても頬に触れるたびに顔を赤らめていたアスカ。
いつもなら、その頬にはほんのりと赤みが差し、
暖かい感触が僕を癒してくれていた。
今は、その白い肌は、ベッドのシーツや空気に、
その境界線が混じり合ってしまうくらい透き通っていて、
僕に悲しみだけを与えてくれる。

「アスカ、」
もう一度呟く。
僕は、ただひたすらに、かたくなに、アスカを愛した。
アスカもきっと、ひたむきに、僕を愛してくれた。
いつからすれ違ってしまったのだろう。
再び、そんな思いが胸にこみ上げてくる。
ここで何度呼んでも、アスカは目を覚まさない。
直接アスカの声を聞きたいと思っていても、その願いは叶えられない。
「アスカ、」
僕はそっと、アスカの額にキスをした。
それくらいしか、今の僕には出来なかった。


243 :子供達の歌は終わらない:2007/08/31(金) 02:56:01 ID:???
>>242
冷たい額から乾いた唇をそっと離し、閉じた目を開いた僕は、気づく。
眠り姫の閉じた瞼の間に水が溜まっているのを。
その小さな感情の煌めきはどんどんと水かさを増し、
やがて睫毛の防波堤を決壊して
涙となって頬を伝わり、流れ落ちる。
シーツに染みこんですぐに跡形もなくなっていったその涙を見て、
僕は、先ほどまでの匂いが強まっていることに気づく。
「アスカ、そこに、いるの?」

しん、とした部屋から勿論返事は返ってこない。
先ほどまで微妙にあった音の反響すらなくなっている。
僕の声は、そのまま吸い込まれていくだけ。
そう、壁に吸収されていくように。
壁?

僕は、アスカの手を握りしめた。
瞬間、光が見えた。


244 :子供達の歌は終わらない:2007/08/31(金) 02:59:34 ID:???
>>243
「ミサトさん、大変です!」
「どうしたの?」
「1202病室からの信号が全て途絶えました!」
「え?それってアスカの部屋じゃない?」
「はい。患者の容体、シンジ君の様子、全て不明です。」
「ちょ、どーなってんの?外部モニターは?」
「周辺の監視カメラ、全て沈黙しています!」
「様子見てくるわ!後お願いね!」

駆け出すミサトの肩を掴み、引き戻す手。
「いや、様子を見てみよう。」
そこに立っていたのは、ミサトの「夫」。
「あんたなんでこんなとこにいるのよ!」
「ん?いいじゃないか別に。一応関係者だし。」
「よかないわよ、出ていきなさいよ!」
「君が落ち着いていられるなら、すぐにでも出て行くさ。」

「悪い癖だぜ、上司が平静を保てなくてどうする?」
加持の一言で、ミサトも冷静さを取り戻す。
「そうね、ありがと。」
「大丈夫、あの2人だ。案外回線が回復したら、
2人でVサイン送ってくるかもしれないぜ。」
「ちょっとあんた、ここは禁煙よ、タバコ消しなさい!」
「やれやれ。」
そう言いながらタバコを揉み消す加持の表情は、なんだか穏やかで、
ミサトはその表情を見て溜め息をつきつつ、日向に伝える。
「とりあえず、様子を見てみるわ。回線復旧したら教えて」
「大丈夫、分かってますって。」
過去の想いを振り切っている日向はウインクを返してみせた。
「部下に恵まれてるよな、羨ましいよ。」
加持はそう言うと笑って出て行った。

245 :子供達の歌は終わらない:2007/08/31(金) 03:01:37 ID:???
>>244
「シンジ、」
あたしは、目覚める。

待ち続け、待ち続け、うんざりするような時間を飛び越えて、あの人を。
彼を一端は破滅に追い込んだのは、あたし。
自分でも分かっていながら、止められなかった。
それは重々分かっていたけれど、周辺から指摘されると腹が立った。
あんたたちに何が分かるっていうの?
あたしの辛さ苦しみ、何も分かってないくせに!
でも、どうしようもなかった。
あたしは結局、シンジとは引き離され、ドイツに戻された。
「出戻り」ってやつだ、そう言って自分を嗤った。

ドイツでの日々も退屈で、どうしようもなく空虚で孤独で、
ただ日々の積み重ねが数えて過ごすことしかできなかった。
表向きはドイツ支部への出向だったけれど、
別にやることなんて何もないんだ。シンジと距離を置くのが目的なのだから、
ドイツに着いた瞬間にその目的は達成されたのだから。

あたしは毎日、とりあえず出勤のカードを通し、
与えられた個室で時間をやり過ごし、
夕刻にまたカードを通して帰宅する、
それ自体を仕事として、とりあえず生きた。
シンジへの連絡手段は絶たれ、約束の1年間を耐えることのみに集中した。
時々ヒカリが連絡をくれたけれど、
あたしは素直になれず、いつも愚痴をたれてばかりいた。
そう、あたしは素直になれなかった。素直になるのが、怖かった。
臆病な自尊心が、いつもあたしの邪魔をしていた。
それに気づかせてくれたあの人には、会うことができない。
あたしは、真っ暗闇の中に居た。

246 :子供達の歌は終わらない:2007/08/31(金) 03:04:08 ID:???
>>245
狭い部屋で毎日を過ごすことにも慣れ、
誰とも会話することなく過ごす事にも慣れ、
そうやって1年が過ぎようとしていた。

最初に話を持ってきたのは、ドイツ支部のなんとかと言うお偉いさんで、
これは日本の本部からも承認を受けているから、と実験概要を見せられた。
その実験は、日本で行っているものとほぼ同種のもので、
あたしにはやる意味はないように思えた。
けれど、このドイツ人達は、「自分達で」実績を作りたい、という
野心満々の連中ばかりで、ああ、あたしを利用したいんだな、
ということはすぐに分かった。
日本の承認を取っているというのもただの嘘だろう。

それでもあたしは、書類にサインをし、久しぶりにプラグスーツを着て、
シミュレータに、乗った。
乗った理由なんてどうでもいい。
これが終わればシンジに会える、ただ、そんな気がしただけ。
後は…やっぱりあたしは自分の存在価値を証明したかったのかもしれない。
今更、だけど、あたしはそういう自分を認めることができなかった。
だから、また、臆病な自尊心に自分を乗っ取られた。
虎にでもなっちゃうんじゃないの?とどこかで冷静なあたしが、あたしを嗤った。
事実は、その通りにはいかなかったけれど、似たようなものだ。

「アスカ、」
今回はママの声が本当に聞こえたような気がしたの。
「ママ、」
思わず叫んでいた。

247 :子供達の歌は終わらない:2007/08/31(金) 03:06:01 ID:???
>>246
シンクロ率がほぼゼロから一気に跳ね上がったきっかけは、
ママの魂を弐号機の中に感じたから。
その追跡調査、シミュレーションなんて何度やったかわからない。
その度にあたしは偽りのママから声をかけられ、
その度に偽りと知りながらも「ママ」と手を差し出していた。
助けを求める手を。

でも、今日は違った。
今日呼びかけてきた声は、偽りのものではなかった。
差し出す手を一顧だにせず、ママは言ったの。
「アスカ、あなたはなんでこんなところに居るの?
あなたの居場所はここじゃないでしょ?」
「あたしの居場所?」
「そう、早く帰りなさい。早くしないと手遅れになるわよ…。」
その「手遅れ」という言葉を聞いた瞬間に、あたしの恐怖心が、
なぜか暴走した。
どうしてかは分からない。
ただ、シンジに会えなくなる、という恐怖が全身を一気に浸食した。
あたしはもう失いたくないの。あなたを。
助けて、シンジ。

気がついたら、あたしは溶け込んでいた。
この世界のあちこちに。
あたしは断片として、色々な場所に少しずつあたしを落としてきた。
この世界、あたしとシンジの世界。あたしとシンジだけの世界。
あたしの身体をあたしは上からぼんやりと眺め、
それからシンジを探しに行った。
助けを求めに。
素直になるために。

248 :子供達の歌は終わらない:2007/08/31(金) 03:11:20 ID:???
ごめんなさい。m(_ _)m
一応最後までは出来たんですけど、ちょっと長くて規制ひっかかりそう
だったんで、2つに分けました。
あともう1つ、後半部分をもうちょっと寝かせて加筆したいってのも
あったので、自分で設定した締切との帳尻合わせ?でとりあえず、
「アクロス・ザ・ユニヴァース」了
次章最終章仮題「子供達の歌は終わらない」
という形でご了承下さい。

結局最後まで自分で言った事守れませんでしたorz。
まあ、前回「多分」って入れてたのはそうなりそうな予感があったので…w
最終章はそんなわけで、週明けにはお目にかけられるかと思います。

249 :子供達の歌は終わらない:2007/08/31(金) 03:13:59 ID:???
ごめんなさい、更に追記。
チラ裏レベルなんですが、エピローグがあるんですけど、
もしご希望があればこれもうpしたいと思います。
ただ、作品世界にある一定の影を落とすことになるかもしれないので、
その点ご留意の上、ご希望お聞かせ頂ければと思います。

250 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/31(金) 03:14:12 ID:???
リアルタイムでGJ!
wktkして待ってる

251 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/31(金) 03:21:43 ID:???
>>249
リロして書き込めば良かったなぁ…
エピローグも読みたい自分は>>250です

252 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/31(金) 06:54:41 ID:???
糞じゃなければエピローグ書いてもいいんでね

253 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/31(金) 16:23:13 ID:???
GJ!
wktkしながら待ってる!

254 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/31(金) 22:24:04 ID:???
楽しみです

255 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/31(金) 23:51:05 ID:???
どうせ何を言われてもうpする気なんだろ。
構ってちゃんは本当にワンパターン。

256 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/01(土) 01:05:18 ID:???
オマイこそ不変

257 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/01(土) 09:26:39 ID:???
チラ裏と自分で言うような物はいらん。

258 :子供達の歌は終わらない:2007/09/04(火) 01:27:44 ID:???
>>247
その瞬間、パンッ!とフラッシュが焚かれたような真っ白な光がはじけ飛び、
同時に何かが爆発したかのような音が僕の鼓膜を貫いた。
その光のあまりの眩しさに僕は思わず目を瞑り、
その目を開けた時には、アスカは目の前に腰掛けていた。

至近距離の中、アスカは黙って僕を見つめる。
僕も声を失ったかのように黙ってアスカを見つめる。
先ほどの残光が目から消え、アスカに焦点が合うまでしばらく沈黙が流れる。

「ずっと、ずっと、シンジを待っていたわ。」
ゆっくりと動くアスカの口の動き。耳を通して聞こえる声。
アスカだ。僕の最愛の妻だ。
右手は、繋がれたまま。このまま放したくない。いや、怖くて離せない。
「僕もだよ、アスカ。君と会える日をずっと待っていた。」


259 :子供達の歌は終わらない:2007/09/04(火) 01:28:50 ID:???
>>258
「…」
「何?」
「この手」
「え?」
「あの日、あたしを救ってくれた、この手。」
アスカの両目から涙がこぼれ落ちる。
「シンジはいつもこの手で、あたしを救ってくれた。」
「…うん」
「浅間山でも、サードインパクトの時も、」
「…うん」
「あたしに自分の気持ちを気づかせてくれた時も」
「僕も、」
「僕もアスカのこの手に助けてもらったよ。」
「あたしが?シンジを?」
「そうだよ。」
「ホントに?」
「僕がアスカに嘘ついたことある?」

アスカはちょっとうつむいて、目を伏せる。左手で何度も涙を拭う。
頬が上気しているのが、わかる。
その頬にゆっくりと僕は左手を触れる。
赤みが増し、僕の手を通して、アスカの体温が伝わってくる。
気がつくと僕も、泣いていた。


260 :子供達の歌は終わらない:2007/09/04(火) 01:30:06 ID:???
>>259
「僕は…君とこの数日の間に、何度か会っていた気がする。」
「うん。」
「あれは、やっぱりアスカだったの?」
「あれ」が何を指すのか、アスカははっきりと分かっていて、
僕の目を見つめ、しっかりと頷く。
「あたしが、あなたを呼んだの。
あたしがシンジの夢に出てきたのは、あたしがあなたを求めていたから。」
「うん。分かっていたよ。」
これ以上ないくらい、まっすぐな言葉で、瞳で、
誠実に、素直に、
アスカは僕に彼女の本心を語ってくれた。

「あたしは、ただ、寂しかったの。シンジに傍にいてほしかったの。」
今となってはもう戻れないけれど、
僕はこの数日でアスカの想いを痛いほど心に染みこませてきた。
だから、僕も。
「うん。あの時は気づかなかったんだ…。本当に後悔しているよ…。」
僕たちはいつの間にか、ベッドの中で横になっている。
アスカとキスを交わし、髪をかき上げ、耳元で囁く。
「僕は、気づかなかった。こんなにもアスカを愛していることに。」
「あたしもよ…。」


261 :子供達の歌は終わらない:2007/09/04(火) 01:32:48 ID:???
>>260
「ごめんね」
「ごめんなさい」
2人同時に出た言葉。謝罪の言葉。
だけど、謝罪だけじゃない、色んな意味を含んだ言葉。
同時に出たことで、僕たちは少し安心する。
まだ、繋がっているんだ、僕たちは。
だから、

「アスカ…、」
「何?」
「僕たち、やり直せると思うんだ、」
「うん、」
「もう一度、一緒に」
その次の言葉は、アスカの唇によって塞がれてしまった。
僕たちは、また、1つになる。

お互いの気持ちをお互いの身体に流し込み、受け入れ、
そうやって僕たちはこの一瞬を貪った。
アスカは、やっぱりちょっと痩せたけど、
それでも美しい肌と甘美な触感をもって、僕を受け入れてくれた。
ここはネルフの施設内で、監視されてるとかどうとか、
そんなことは関係なかった。
僕たちは、確実に、その瞬間、2人だけの世界にいたんだ。


262 :子供達の歌は終わらない:2007/09/04(火) 01:38:48 ID:???
>>261
でも、2人の時間は、僕とアスカにとっては一瞬のものでしかなかった。
多分、かなり長い時間、僕たちはお互いに触れ合い、見つめ合い、それだけで
色々な事を伝え合っていたと思う。
だけど、時間は冷酷に流れていく。その時は、来るんだ。

「シンジ、ごめんね。」
アスカは何か吹っ切れたような顔で、僕を見つめる。
「あたし、素直になれなかった。シンジが傍にいてくれるだけで良かったのに、
憎まれ口ばかり叩いて、シンジを信じていなかった。」
「そんなことないよ。僕には分かる。
むしろ、君の気持ちから逃げていたのは僕なんだ。
仕事なんかに逃げて、最低だ。」
アスカは、何も答えない。




263 :子供達の歌は終わらない:2007/09/04(火) 01:40:25 ID:???
>>262
「ごめんね、シンジ。」
突然の一言。
言った瞬間に部屋の向こうで何かが割れる音がする。
「え?」
「…鏡。新しい景色を映すものよ。」
「え?よくわからないよ、アスカ、君は一体…」
僕が言い終わる前に、アスカの声が響いた。
脳に直接響き渡ったその声は、今まで聴いたどんなアスカの声よりも
穏やかで静かで、そして僕への想いに満ちあふれていた。
「覚えていて、シンジ。あたしはずーっとシンジの傍にいるわ。
何があっても、どこでも、いつまでも。」
「行くな、アスカ!」

咄嗟に叫んだ一言は、けれども声にならずに喉元で凍り付く。
アスカは、輝き出すと、ゆっくりと浮かび上がり、風景に溶け込み始めた。
握りしめていた手も、やがて消え、僕の手だけが空しく宙を掴んでいる。
最後まで残っていた表情が、僕に向かって微笑む。
「きっとこの先、何があっても、あたしたちは乗り越えていけるわ。」
そして、アスカはそのまますっと消えていった。
最後に聞こえた言葉は、一瞬たりとも忘れない。

「だって、あたしたちの愛は真実だもの…。」

264 :子供達の歌は終わらない:2007/09/04(火) 01:42:08 ID:???
>>263
扉が開く。同時にミサトさんが駆け込んでくる。
「シンジ君?大丈夫?無事だった?」

僕は呆然として、ベッドの脇に腰掛けたまま。
アスカの手を握りしめたまま。
アスカは、そこにいる。
安らかな、寝息をたてて。
指先から心臓のトクン、トクン、という鼓動が伝わってくる。
その微かな動きが、全て僕へのメッセージのような気がして、
僕は手を離すことができない。
アスカは、ここにいる。
眠っている。

でも、僕には分かった。痛切に、分かった。
アスカは、ここにはいない。いるけど、いない。
そして、いないけど、いる。
アスカの魂は内に閉じこもっているんじゃない。
アスカは、世界に溶け出して行ってしまったんだ。

「聞こえてる?シンジ君?」
ミサトさんが僕の肩を掴み、前後に揺すっている。
なんだか、遠い世界の出来事のように、肩に触れられているという実感がない。
「モニターが回復したと思ったら、シンジ君の様子がおかしくて…」
「…大丈夫です、ミサトさん。」
「本当に大丈夫?真っ青よ。」
僕の顔をのぞき込んでミサトさんが言う。
「本当に、大丈夫ですから。」
自分では立ち上がったつもりだったのに、
僕はそのまま倒れ込んでしまったらしい。
気づいたら、アスカの部屋と続いている応接間のソファーの上で、僕は寝ていた。

265 :子供達の歌は終わらない:2007/09/04(火) 01:45:05 ID:???
>>264
外はいつの間にか暗くなっていて。
でも、部屋の中に満ちているLCLの匂いは一向に薄まる気配がない。
アスカは、ここにいる。
僕はゆっくりと起きあがる。
目の前にあったらしい鏡が粉々に砕け、片づけられた跡が残っている。
ガラス片はどこかに落ちていないか、探してしまう僕。
何の意味があるのか、わからないまま、
それでもソファーの下に落ちていた破片を見つけ、
それを手にして僕はアスカのもとへ近づく。

枕元に腰掛け、アスカの頬を撫でてから、手を握る。
また光が飛び散るかな?と思って、その瞬間は目を閉じていたけれど、
何も起こらなかった。
ゆっくりと目を開ける。おそるおそるアスカの方を見る。
アスカは、先ほどと変わらず、眠っている。
頬を触れた手に残ったのは冷たい感触だけ。
僕は泣きたくなるのをこらえて、彼女にキスをした。

ふいに、鏡の破片が光る。
目をやると、そこにはアスカが写っていた。
それは小さな小さなアスカだったけれど、僕には十分な、完璧な彼女だ。
鏡の中にいたのは、眠っているアスカではなく、微笑んでいるアスカ。
振り返ってみても、そこには何もない。
でも、鏡の中ではアスカは微笑んでいる。口がゆっくりと動く。


266 :子供達の歌は終わらない:2007/09/04(火) 01:47:21 ID:???
>>265
最初は何を言っているのか分からない。
アスカは何度かそれを繰り返した後、苛々したような表情で、
僕の方に近づいてくる。
やがて鏡の中で、僕の背後にぴったりとくっついたアスカは、
僕の耳元に口を近づけて、囁いた。
「歌って」

実際に声が聞こえて、僕はびっくりして立ち上がる。
その拍子に鏡の破片はベッドの上から落下し、
高級そうなカーペットの中に埋もれる。
拾い上げた鏡の中では、アスカが僕の方を向いて、何かまた言っている。
「バ…カ…シ、ンジ?」
僕が口に出して言うと、アスカは笑い転げ、親指を立てた。
合ってるみたいだ。
そのままアスカは続けて
「大好きよ」
と言った後、また風景の中に溶けていった。

「あたしはずーっとシンジの傍にいるわ。」
アスカの声を思い出し、僕は泣いた。今度は声を上げて泣いた。
アスカは嘘をついていない。きっと僕の傍に居続ける。
おそらく、きっと、ここに眠っているアスカが目を覚ますことはないだろう。
僕は、永遠に彼女を失った。
でも同時に、彼女を永遠に自分だけのものにした。
アスカにとっても、それはきっと同じなんだ。
アスカは永遠に僕をアスカだけのものにした。
それでアスカは満足なんだろう。
「歌って」と言ったアスカ。
うん、わかったよ。僕は歌い続ける。
ここではただ1人になってしまったけれど、
アスカの分まで歌っていくよ。

267 :子供達の歌は終わらない:2007/09/04(火) 01:48:59 ID:???
>>266
僕たちは、いつでも一緒だし、僕たちは常に自由だ。
たとえ、生涯逃れられない檻の中に捉えられた小鳥でしかなくとも。
僕たちは、僕たちなりに、一生懸命歌って行こう。
それが、僕たちの未来に何をもたらすかはまだわからないけれど、
それでも、何があっても、僕たちは、自由だ。

僕はもう一度、アスカにキスをした。
再び、アスカの目から涙がこぼれ、
同時に僕にはアスカが少し微笑んだような気がした。


劇終


268 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/04(火) 01:55:01 ID:???
リアルタイムで乙
スレの性質上BADエンドだろうなと予想はしていたが…orz
GJでした
エピローグ楽しみにしてるよ(´・ω・`)

269 :子供達の歌は終わらない:2007/09/04(火) 02:03:55 ID:???
最終章「Grow old with me」了(変更しました)

最後の最後で連投規制引っかかったorz

ようやく終わりました。
スレ占有化してしまってすいませんでした。
また、駄文に長いこと付き合って頂き、ありがとうございました。

幾分疲れたので、とりあえず巣に帰って、しばらくはROM生活しますw


270 :子供達の歌は終わらない:2007/09/04(火) 02:06:01 ID:???
エピローグ「Let me count the way how I love you」

「以上で、報告終わります。全体的には全て予測の範囲内です。」
「ありがとう、伊吹三佐。」
「あの、先輩…」
「何?」
「いいんですか?本当に」
「何が?」
「あの…私、いつまで秘密にしていたらいいのか…」
「ずっと、よ。伊吹三佐。」
「…はい」
「MAGIのシミュレーションは今までは完璧よ。あの2人には悪いけれど、
これで貴重なデータを得られるわ。」
「でも…、」
「大丈夫よ、最終的にアスカをサルベージする為には、
今の状態でのデータを集めることがまずは一番の優先事項なの。
その為にも、あなたには頑張ってもらわなくては。」
「…はい」
「いい子ね、フフ」


271 :子供達の歌は終わらない:2007/09/04(火) 02:10:07 ID:???
すいません、ここからは管理人キョウコさんへの私信みたいなもので。

いくつか章の名前を変更したいので、まとめサイトに掲載される時に
もしよろしければ修正頂ければ幸いです。

第六章「BWV167」→「人々よ、神の愛を称えよ」
第七章「BWV147」→「心と口と生活の行ないもて」

お手数をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。m(_ _)m

272 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/04(火) 03:40:16 ID:???
マジで糞だな
どうしようもない

273 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/04(火) 04:31:08 ID:???
乙華麗
またネタあれば投下頼む

274 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/04(火) 06:58:40 ID:???


275 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/06(木) 20:29:20 ID:???
職人
またなんか書いてくれよ
逆行物のドロLASとか

276 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/07(金) 20:16:54 ID:???
職人芸を見た気がする

277 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/08(土) 05:11:43 ID:???
気のせいだろ

278 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/10(月) 03:03:51 ID:???
新作の予定は?
今度浮気ものをたのむ

もちろんシンジが

279 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/11(火) 01:51:04 ID:FVSGJYjd
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280 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/15(土) 02:22:49 ID:???
投下待ち

281 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/20(木) 08:46:51 ID:???
エヴァ板良スレ保守党 

282 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/20(木) 21:47:22 ID:???
すまんエピローグのなぞがわからん

夢物語だったんか?

283 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/22(土) 00:03:05 ID:???
>>282
多分あれは、MAGIによって裏で全てが仕組まれていたということを
示唆するものかと思われます。
本編でリツコさんが登場しなかったのもその辺に関係があるかと。
アスカとシンジの物語の裏にはまだまだ暗い部分があるんだよ、と。
そんな感じではないでしょうか。

書いた本人から言わせるとそんなところです。ご参考にどうぞ。



あと、全然関係ないんですが、倒錯的エロなイタモノって需要ありますかね?
まだ書いてはいないんですけど。

284 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/22(土) 00:13:30 ID:???
>>283
倒錯エロはストライクゾーン
イタモノよりはイタ甘の方が好きだけど…
機会があったら読みたい

285 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/22(土) 02:46:50 ID:???
読みたいんだな

286 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/22(土) 21:32:24 ID:???
あまりすきじゃないが読みたい俺がいる

287 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/23(日) 22:17:03 ID:???
外したネタを後から解説……
お前はフーミンかと

288 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/26(水) 09:40:55 ID:???
新作まだぁ??LAS分ください

289 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/03(水) 18:32:00 ID:???
まだかっ…!!
保守だ!

290 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/04(木) 03:37:21 ID:???
>>283です。
えーと、ちょい倒錯エロかつイタモノな件なんですが、
とりあえず導入部だけで良ければ、近日中に投下します。



これ全部書いたら、巣に帰ってまともなLAS書くぞー。

291 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/04(木) 08:10:04 ID:???
よだれ垂らしながら待ってる

292 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/07(日) 18:38:32 ID:???
7. エロ・下品
2ちゃんねる内での過度なエロ・性的煽り・性的妄想・下品ネタは禁止されています。画像へのリンクも同様です。
これらは例外なく削除対象になります。



293 :283:2007/10/10(水) 02:25:16 ID:???
さて、↑のような書き込みを見るとなぜだか物凄く凹む私ですが、
ふつつかながら、ちょいと投下させて頂きます。
倒錯も何もエロもの書くのは初めてなので至らない点などあるかと思いますが、ご容赦下さい。
前回よりは長くはならないかと思います。

以後、「その指先で」と表記します。NGされる方はよろしくお願いします。


294 :その指先で:2007/10/10(水) 02:28:21 ID:???
さて、何からお話したらいいでしょうか。


彼は私の前にゆっくりとした動作で腰掛けると、そう言った。
こけた頬に光ばかりが集まった大きめの目。
その目で私を見つめ、何か諦めたような微笑みを浮かべて、彼はゆっくりと語り出した。
彼の名前は、碇シンジ。


僕はご存知の通り、あの動乱の中心にいた人間の1人です。
僕は、僕が壊した世界にまた戻ってきた時に、今の妻が傍にいてくれたことで、
自分を取り戻すことができました。
けど、その代わりに自分の中からこぼれ落ちていったモノも数多くある、
その事に後になって気づきました。もう、遅いんですけれどね。

最初に断っておきますけれど、絶対に妻には内緒にしておいてくださいね。
あと、職場の上司にも。こんなこと、本来なら墓場まで持っていくべきことなのに…。


いや、そんなことないですよ、誰しも心の奥に蓋をしてしまいこんでいるものがあって、
みんなそれで苦しんでいるんです。その苦しみに耐えられなくなった人のために、
私のような存在があるんですよ、どうぞ、遠慮なく話してください。
もちろん、秘密は厳守します。

そう言うと、彼はまた、私の目を見つめ、数秒たってからふっと息を吐いた。
彼が語り始める時が来た。

295 :その指先で:2007/10/10(水) 02:29:47 ID:???
>>294
えっと、どこから話始めたらいいのかよくわからないんですけれど…。
とりあえず、今の妻と交際することになったあたりから話しましょうか。


どうぞ。
私は助手が持ってきた大きめのグラスに注がれたアイスティーを彼に勧め、
自分もそれを一口啜った。それを見て、彼も同じようにアイスティーを一口飲み、
美味しい、と呟いてから再び戦線に復帰してきた。


えっと、僕が彼女、アスカって言うんですけれど、アスカと知り合ったのは
もう結構前のことなんです。14歳の頃だから、もう15年以上前です。
会った当初はなんだこの高飛車な姉ちゃんは、と思いました。だけど、
アスカには1人で抱え込んでいたたくさんの問題や、傷があって、
それを隠す為に無理をしていたんだ、ということがそのうちに分かってきて…、
使徒のせいで一端はバラバラになっちゃった僕やアスカの心をあの戦役の後、
僕たちは一生懸命に修復してきました。喧嘩ばかりしていた気もしますけど、
それでもお互いの欠けた部分が、使徒との戦いの頃には気づかなかった
色々な傷みたいなものが、あの赤い海から戻ってきた後には、
何故かよく理解できるようになって…、ってこんな話じゃ長すぎませんか?


そんなことはないですよ。時間はありますから、どうぞお気になさらずに。
私の微笑みは彼を安心させたらしい。彼はまた一口アイスティーを飲むと、続けた。

296 :その指先で:2007/10/10(水) 02:31:11 ID:???
>>295
ある日、アスカが熱を出したんです。その頃、僕とアスカは、上司の家で同居していて…
いや、決して変な関係とかではないですよ、仕事の一環みたいなもんです。
で、僕が遅れて帰ってきたら、アスカがリビングで真っ赤な顔をしてるんですよ。
僕は慌ててアスカを抱きかかえて彼女の部屋に行って、寝かせてあげたんです。
そしたら、彼女が僕の服の裾を掴んで離さないんですね…。
あの時のアスカの目、可愛かったな…。

その時に、僕はきっと気づいたんです。アスカの気持ちに。アスカは僕に甘えてきていて、
その甘えがアスカのどこから来ているか、ってことも。結局、アスカはインフルエンザで、
そのまま4日間寝込んでいましたけれど、僕はずっとアスカの部屋で寝起きして
看病していました。とは言ってもずっと彼女の枕元にいただけなんですけどね。
アスカの熱と汗の臭いでむっとするような室内で、僕はずっと彼女の手を
握りつづけていました。もちろん、彼女が治る頃に、今度は僕がダウンして、
5日間寝込みましたけど。アスカは僕の看病は…してくれたっけかな?
覚えていないです。それでも、今ではいい思い出です。

その後からですかね、どちらかが言うこともなく、僕たちは2人一緒にいれば
自然と手を繋ぎ、トイレとお風呂の時以外はいつも一緒にいるようになりました。


1日目。彼と彼の妻の馴れ初めを語る彼の目は幾分輝いて、
語る口調も私が初めて彼を見た時よりは随分と幸せそうだった。


では、また明日。


そう言って帰っていく彼の背中を、私はじっと見つめていた。

297 :その指先で:2007/10/10(水) 02:36:30 ID:???
>>296
何かしらのきっかけがあるとしたら、それはこの時点で既に現れていたと思います。


重たい口を開いた時には、彼は既に自己完結したかのような語り口で、ゆっくりと、
しかし確かな口調で語り出した。


あの、ちょっときわどい話になるんですけれど…、こういう事も話さなくちゃいけないんですか?


おびえたような目つきの奥に光るものを感じ取って、私は躊躇なく答えた。
多分、それがあなたの今の心の闇の核心に近づく鍵です。全て話してご覧なさい。


わかりました。


しばらく、とは言っても5秒かそこらだが、彼は考えて、そう答えた。



元々僕たちは上司の家で同居していましたから、お互いのプライベートはある程度
浸食してしまうというか、気を遣わなきゃいけないんでしょうけれど、
時としてふっと気が抜ける時があるというか…、とにかく、その日僕は彼女の部屋にある
CDを借りようとして、ノックなしに扉を開けちゃったんです。


298 :その指先で:2007/10/10(水) 02:38:53 ID:???
>>297
最初に、目が合いました。アスカは、ベッドに腰掛けていました。右手を上に上げていました。
そして次に僕は彼女の左手に焦点を合わせました。それから僕の視線はその彼女の
左手の細い綺麗な指先に向けられ、そしてその指が持っていた小さいピンセットと、
彼女の脇の下の所で釘付けになりました。

むだ毛の処理をしている、という事は瞬時に理解できましたが、
どう反応したらいいのか分かりませんでした。彼女も同じだったようで、しばらく、
全くの無音状態が続いたような気がします。その時鳴いていた蝉の声、まだ覚えていますよ。

当然、殴られ蹴飛ばされ、部屋からつまみ出されました。何か色々と叫んでいましたが、
ドイツ語だったので分かりませんでした。その方が幸せだったと思います。
で、僕は追い立てられるように部屋に戻りました。頭の中はその時の光景で一杯です。
顔は真っ赤だったと思います。アスカのその指先と、鈍く光る金属の先で
つままれる細い毛先…。密生まではいかずに白い肌の上に疎らに生えている
その薄く細い毛を1本1本つまんでいくその指先と彼女の吐息…。その情景をまざまざと
思い浮かべて、僕はどうしても我慢できず、そのまま自慰行為に耽ったんです。

僕も男ですから、それまでにもまあ、色々とオカズにしましたよ、アスカの事。
けど、その時ほど興奮した事はなかったなぁ…。

で、これだけで話は終わらないんです。僕が自分の行為を終えて、ティッシュをゴミ箱に
捨てようと振り返った瞬間に、また目が合ったんです。アスカと。
襖を全開にしてそこに突っ立っていたアスカと。僕はまだズボンも上げていないような状態で、
そのまましばらく硬直ですよ。僅か数分で立場逆転です。違うのは、僕には彼女を殴ったり
蹴飛ばしたりましてや部屋からつまみ出すような度胸はなかったってことですかね…。


299 :その指先で:2007/10/10(水) 02:40:50 ID:???
>>298
で、しばしの沈黙の後、僕が口を開く前に、アスカが言ったんです。
「さっきの私で、したの?」って。顔も赤かったし、俯き加減でしたけれど、
はっきりとそう聞こえました。「う、うん」答えるのが精一杯な僕も、顔は真っ赤でした。
でも、その後、アスカは信じられない行動に出たんです。彼女は僕の手を掴むと、
自分の部屋に僕を引っ張りこみました。それからこう言ったんです。
「責任取ってよ」意味を理解するまでにたっぷり数秒はかかりました。「え?」
と聞き返そうとした僕はローキックを食らってその場にうずくまりました。
で、見上げるとアスカが私にピンセットを差し出しているんです。
「責任取って、処理して」「え?」「…だから、抜いて」「何を?」「…殺すわよ、あんた」

なんでアスカが僕にむだ毛の処理をさせようと思ったのかは分かりません。
その時既にアスカにも、そういった性癖が現れていたのかもしれません。
とにかく僕は横たわって片腕を上げたアスカの、その腕の付け根に目をこらして、
1本1本、脇毛を抜くことになりました。

まだそんなに濃くなっていなかったし、毛自体も細くて、ピンセットで摘む力加減に
気を付けないと、その場で切れちゃうんです。その度にアスカに叱られました。
「それだと濃くなるんだから!」ならアスカがやればいいだろ!とは決して言えませんでした。
なぜなら僕はゾクゾクするような快感をその時味わっていたからです。先ほど盛大に
白濁液を吐き出した僕の分身は、既に膨張して再充填も完了していました。
僕の鼻息がアスカの脇にあたって跳ね返り、僕の睫毛を揺らしました。


300 :その指先で:2007/10/10(水) 02:42:12 ID:???
>>299
その時、また1つ僕たちは階段を上りました。アスカはタンクトップを着ていたんですけれど、
それがずり落ちて、どうにも邪魔でした。で、言ったんです。「これ、邪魔だよ…」って。
まさかアスカがそれを聞いてタンクトップを脱ぎ捨てて上半身裸になるとは思っても
みませんでした。「どう?これで満足でしょ?」そう呟く彼女の瞳もなんとなく潤んでいて、
いかに鈍感な僕でも、アスカがこの瞬間に僕と同じような快感に包まれているんだ、
ってことは分かりました。「そこ以外見るんじゃないわよ」そう言われて見ない
馬鹿はいませんよね?僕は脇を処理しながら、同時にそのすぐ傍にあるアスカの
芸術的な胸の曲線を嫌と言うほど目に焼き付けました。白い肌は半ばピンク色に染まり、
濃い桃色に染められた頂点の部分は更に一段盛り上がって、その先端部は
堅く屹立しています。僕は思わずその頂点に指を触れました。その瞬間にアスカが
取った反応は、僕とアスカの関係をある意味一変させたのかもしれません。

「はぁっ…」彼女は喘いだのです。それも今まで溜まりに溜まっていたマグマが吹き出すかの
ような熱い吐息でもって。僕は脇の処理を終えると、そのまま彼女の膨らみに指を
伸ばしました。手のひらにすっぽりと収まる形のいい乳房とその存在を高らかに
示す乳首。アスカの潤んだ瞳を見て、僕は僕が許されているだけでなく、
求められているんだという事を知りました。そのまま僕はその左側の頂点を唇に含み、
右側の頂点を指で愛撫し始めました。だんだんと彼女の息が荒くなり、部屋の空気は
濃密で暑く、ある種の匂いで満たされました。アスカの上半身はその時はもう綺麗な桜色に
染まりきっていて、肩口から胸のあたりまでは汗も浮いていました。そして、僕の予想通り、
その匂いはアスカの足の付け根あたりから発せられていたのです。

僕たちは何も言いませんでした。ただ、目と目でやり取りしただけです。その時のアスカは
恥ずかしそうにしながら、はっきりと頷きました。求めていたのです。僕はおそるおそる、
でも一方では猛り狂う欲望を抑えきれず、右手をアスカの下半身へと伸ばしました。

301 :その指先で:2007/10/10(水) 02:43:47 ID:???
>>300
けれども僕たちの望みはその時は叶えられませんでした。僕の指が後少しで
彼女自身に触れようか、という時に、同居人でもあり上司でもある人が帰宅したからです。
僕とアスカは慌てて跳ね起き、窓を開けて空気を入れ換え、ぎこちなく、さも今まで2人で
音楽談義でもしていたかのように振る舞いました。それでも、僕の人差し指と中指には、
アスカ自身を飾り立てる草原のような感触が残っていましたし、アスカ自身も僕の舌や
指の感触が全身を貫いていたと思います。

15の春の頃の話です。それからアスカの脇の処理は、僕の日課になりました。
もちろん、それに付随するささやかな楽しみも。2週間に1度くらいのペースで、
上司がいない時を見計らって、アスカは黙って僕を自室へ連れて行きました。

事が終わるまで、お互いに一切無言で、僕たちは互いに快感を貪り合いました。
アスカは、そのまだ幼かった胸の膨らみを僕が貪ることは許して、いやむしろ
望んでいたような気もしますが、僕がアスカ自身の秘部に指や唇、舌を触れることまでは
決して許してくれませんでした。「まだ早いわ」彼女はそう言っていましたが、
実際アスカは怖かったんだろうと思います。その時の僕には、無理強いしてまで、
という気持ちもありましたし、アスカを大切にしたいって思っていましたし、
なによりその前の段階でお互い十分に幸せだったので、まあ、要するにアスカの
処女は守られていたわけです。いずれ僕がもらうこと、彼女が僕に捧げることは
お互い分かり切っていましたけれど。


時間が来て、彼が退室する時に私は彼に向かって言った。
「その歳でそこまでお互いを理解し合えるっていうのは、なかなかないことだと思いますよ」
碇シンジ氏はにっこりと微笑むと「そう言ってもらえるのが一番嬉しいですね。」と言った。
どこから見ても100%、愛し愛される幸せを理解している幸せな表情だった。

302 :その指先で:2007/10/10(水) 02:44:51 ID:???
書き込んでみて分かる空間の少なさ…orz
読みづらくてすいません。もうちっと工夫します。
とりあえず今回はここまでです。
次は…来週?再来週にはならないかと。

303 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/10(水) 02:49:05 ID:???
リアルタイムキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
続きwktkして待ってる、GJ

304 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/10(水) 03:18:26 ID:???
生殺しorz

305 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/10(水) 13:01:08 ID:???
おらワクワクすんぞ!

306 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/10(水) 18:06:33 ID:???
いいぞ もっとやれ

307 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/10(水) 23:21:23 ID:???
エロパロでやれよ。
板違いだろ。

308 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/12(金) 00:01:36 ID:???
基地外にこのスレまで削除依頼されたらかなわん!
エロはエロパロに誘導投下か自重で頼む!
お願いだ……

309 :302:2007/10/12(金) 01:02:54 ID:???
じゃあしばらく自重します。
なんだか世知辛い世の中ですな…orz
続きどうしよ…。
別にエロを書きたかったんではなく、エロを通してシンジの内面を描きたかったんですけどね('A`)
エロパロ行くのも気が引けるし…。
まあしょうがないですかね…。

310 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/12(金) 01:58:00 ID:???
>>309
wikiに直接投下の手がある

311 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/12(金) 05:23:53 ID:???
まぁほとぼりが冷めるまで待て
ただでさえオレはきゃぁスレとしよっかスレが停止して涙目なのに
夫婦スレまで落ちたら死ぬ・・・

312 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/12(金) 05:30:32 ID:???
>>311
バカシンジスレはテンプレ追加にスレタイ改変で立て直し
後半削除で検索するよろし
しよっかスレはどうなるかまだ不明
一応立て直し方向っぽい

313 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/12(金) 11:01:57 ID:???
ありゃ いつのまにか事件起きてるのね。
アングラなエヴァ板はどこいった

314 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/13(土) 00:17:12 ID:???
痴人の愛みたいでどきどきする。
続きが読めるの楽しみに待ってるよ。

315 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/14(日) 22:36:32 ID:???
保守はまかしとけ

316 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/18(木) 03:03:55 ID:???
羅須地人協会って、宮沢賢治はLASを予見していたのか、と一瞬でも思ってしまった
自分はもう既に救いようのないLAS厨orz保守

317 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/19(金) 15:03:05 ID:???
職人、そろそろどうかな?

318 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/20(土) 12:36:13 ID:???
もう少し様子見。

319 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/21(日) 18:40:21 ID:???
だから、やるならエロパロでやれっての。

320 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/21(日) 19:35:44 ID:???
いえ、お断りするよ(笑)

321 :302:2007/10/22(月) 03:40:09 ID:???
やはりちょっと投下は控えておいた方が良さそうですね…。
一応少しずつですけれど書いてはいますので、
書き終えたらどうしようか考えようと思います。

322 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/22(月) 05:47:04 ID:???
・強行突破で投下←オススメ!

・wikiで投下し、こちらにURL貼り付ける

・エロパロでやる

・zipにして配信

職人次第ですな
読みたいから絶対に削除しないでw

323 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/25(木) 22:04:38 ID:???
とりあえず保守

324 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/29(月) 22:48:25 ID:???
hoshu

325 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/03(土) 00:00:20 ID:???
保守

326 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/10(土) 02:22:55 ID:???
そして誰もいなくなった…

327 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/11(日) 20:06:12 ID:???
初めてきたから「子供たちの歌〜」一気に読みしたが、なかなか読み応えあったぜ

ロム専だが新作期待しとく

328 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/14(水) 14:15:24 ID:???
愛など無い

329 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/16(金) 21:46:41 ID:???
なんという過疎

330 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/17(土) 17:17:30 ID:???
いや いるぞ

331 :キョーコ:2007/11/19(月) 21:47:47 ID:???
ドロLAS保守!!

332 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/20(火) 01:46:42 ID:???
学校から帰って台所で麦茶を飲んでいると
床下の収納スヘ゜ースに死んだお母さんが押し込められているのに気がついた

隣の部屋からお父さんが出てきた
「ミライ?、お母さんは他に好きな人がいたんだ、お前のことも捨てて
出て行こうとしていたんだ、だからけんかになってさっき殺してしまった」
と泣き出した

私はお父さんを警察に突き出すつもりはない
このまま二人で暮らしていこうと思った

着替えのため自分の部屋に行くとメモ帳の切れ端が落ちていた
「ミライ、?逃げて シンジは 狂っている」


あなたなら、シンジと、アスカ、どちらを信じますか?

333 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/20(火) 01:54:26 ID:???
>>332
これってあれだろ、
母父どちらかが狂ってると見せかけて実は子供が狂ってましたみたいな説がある奴。

334 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/20(火) 10:03:49 ID:???
姉妹って説もあるみたいだぜ


死んだお母さんが押し込められている気がした。つまり
元々死んでた?
『私』とお父さんが殺して 由美は逃亡?

335 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 00:17:08 ID:???

最近お父さんの様子がおかしい。朝は別におかしくはないのだけれど、夜は全然会っていない。凄く遅くに帰って来ているみたい。
それにいつもみたいに「おとーさんっ」て抱きついたらいつもとは違う匂いがした。私だってもう子供じゃない。14歳だ。その匂いが香水だって事も、お母さんの匂いと違う事もわかる。
それにずっとお母さんとお母さんがキスしている所どころか抱きついている所さえ見ない。前はウンザリするくらいにベッタリだったのに。
しかもお父さんとお母さんの勤め先が企画した職業見学の時も、お父さんお母さんの指には結婚指輪が嵌ってなかった。お父さんが若いときに苦労して買ったって言っていたあの金のシンプルな指輪。
もうお父さん達は駄目なのかも知れない。



いや、書いてみただけ。
誰か続けてみない?


336 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 04:47:27 ID:???
「うう・・・なんで接待ってキャバクラかゴルフばっかりなんだろ・・・
 接待される側なのに嬉しくないし、分かっててもアスカは怒るし・・・」

337 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/22(木) 14:31:05 ID:???
子供は結構冷静に両親の仲を観察してるからな。だが、シンジとアスカは
子供がうんざりするほどラブラブであって欲しい。あくまで個人的希望だけど。

338 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/24(土) 14:40:16 ID:???
それは誰もの願望っすよ。

しかし、アスカとシンジは昼ドラみたいなドロドロも似合うような2人になった。庵野おかげで

339 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 11:23:13 ID:???
さぁ、そろそろアスカの誕生日だ。
痛いSS来るか?
保守

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