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♂倒錯シンジきゅんハァハァスレ♀ 13

1 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/07(日) 13:42:42 ID:???
純情可憐なシンジきゅんは女の子のほうがお似合いだと思ったことはありませんか?
ここはシンジきゅんを女装、女性化させたり元から女の子だったということにして萌えたりするスレです。

前スレ

♂倒錯シンジきゅんハァハァスレ♀ 12
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/eva/1186066373/

過去スレ、関連スレは>>2以降

2 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/07(日) 13:44:20 ID:???
●過去スレ
倒錯シンジきゅんハァハァスレ
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/eva/1055333144/
♂倒錯シンジきゅんハァハァ スレ♀ 2
http://comic4.2ch.net/test/read.cgi/eva/1074280823/
♂倒錯シンジきゅんハァハァスレ♀ 3
http://comic5.2ch.net/test/read.cgi/eva/1085658253/
♂倒錯シンジきゅんハァハァスレ♀ 4
http://comic5.2ch.net/test/read.cgi/eva/1089894806/
♂倒錯シンジきゅんハァハァスレ♀ 5
http://comic5.2ch.net/test/read.cgi/eva/1097765444/
♂倒錯シンジきゅんハァハァスレ♀ 6
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1111801902/
♂倒錯シンジきゅんハァハァスレ♀ 7
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1131761712/
♂倒錯シンジきゅんハァハァスレ♀ 8
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1141468001/
♂倒錯シンジきゅんハァハァスレ♀ 9
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1156638581/
♂倒錯シンジきゅんハァハァスレ♀ 10
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/eva/1161727326/
♂倒錯シンジきゅんハァハァスレ♀ 11
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/eva/1175918998/

3 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/07(日) 13:46:34 ID:???
●関連スレ
シンジキュンの萌え画像キボンヌ2
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/eva/1147441950/
こんなシンジきゅんは大好きだ その3
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/eva/1187441935/

★個別のシチュエーションにこだわりたい人はこちら
もしユイが産んだのは男じゃなくて女だったら
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/eva/1132627957/
男アスカと女シンジでLAS
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/eva/1189922515/
トウジとシンジの幸せ家族計画(その5
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/eva/1190280905/
学園エヴァの女体化シンジ 萌え
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/eva/1187530225/
シンジとカヲルの百合の花
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/eva/1167450336/


★シンジきゅん統合絵板
http://ikari.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/shinji/bbsnote.cgi

★2スレ88氏提供過去ログ倉庫
ttp://www.eva-lagoon.org/etc/etc_idx.htm

4 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/07(日) 13:47:50 ID:???
●シンジきゅんの形態

女シンジきゅんA(先天・女装)
女シンジきゅんB(先天・男装)
女シンジきゅんC(先天・強制女装)
女シンジきゅんD(先天・強制男装)
女シンジきゅんE(後天・女装)
女シンジきゅんF(後天・男装)
女シンジきゅんG(後天・強制女装)
女シンジきゅんH(後天・強制男装)

ふたなりシンジきゅんA(先天・女装)
ふたなりシンジきゅんB(先天・男装)
ふたなりシンジきゅんC(先天・強制女装)
ふたなりシンジきゅんD(先天・強制男装)
ふたなりシンジきゅんE(後天・女装)
ふたなりシンジきゅんF(後天・男装)
ふたなりシンジきゅんG(後天・強制女装)
ふたなりシンジきゅんH(後天・強制男装)

男シンジきゅん(自ら女装)
男シンジきゅん(強制女装)

5 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/07(日) 13:48:41 ID:hMcmQ1hE
おつ

6 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/07(日) 13:49:24 ID:???
エロ規制強化月間中らしいので、その辺は自粛ということでいきましょう。

では、あらためて

シンジ(*゚∀゚)キュンキュン!

7 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/07(日) 13:49:53 ID:???

これからはエロ自重の方向でシンジきゅん萌えだな

8 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/07(日) 13:52:25 ID:???
エロ自重は仕方ないけど、違反してないスレなら
削除依頼出す奴や荒らす方がおかしいしな
堂々とシンジきゅんにきゅんきゅん

9 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/07(日) 13:53:47 ID:???
シンジ(*゚∀゚)キュンキュンキュン

10 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/07(日) 13:54:55 ID:???
立ててくれてありがとう

11 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/07(日) 14:57:24 ID:???
>>8
むしろそれでスレストかける削除人がおかしい。

12 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/07(日) 15:19:00 ID:???
違反してるもんは違反してるんだから仕方ないだろう

13 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/07(日) 15:28:18 ID:???
だからって荒らしていいってことはなかろう
やってる方は楽しいんだろうが、移動先決めたスレまで粘着して

14 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/07(日) 15:51:35 ID:???
実際スレの流れでエロなときや、エロくない時があってグレーゾーンなのにな
これで荒らしを増やすことになるかもしれんから、規制依頼出すのもありか?
他の荒らしに対する威嚇にもなるだろうし


15 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/07(日) 16:02:08 ID:???
まあ何年も続いてきてるのに何を今更…という気もする

16 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/07(日) 16:06:04 ID:???
違反してるから荒らす云々より単にスレを荒らして荒廃していく過程が楽しいんだと思う
確かに他のスレのためにもエロは自重していった方が良いね
どうしてもエロになるならエロ用の避難所立てるよ

17 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/07(日) 16:09:39 ID:???
エロ場面はこちらでとか?
場面ごとに使い分けれれば便利かもね

もろエロなんで復活の難しいふた系スレの受け入れ先にもなるかもな

18 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/07(日) 16:11:34 ID:???
エロくない作品も好きだからエロ自重は別にいいんだけど
もっと凄いスレタイやエロエロな投下がある女キャラスレはお咎めなしか


19 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/07(日) 16:14:09 ID:???
住み分けが必要だな。無駄な荒らしを避けるためにも
職人がエロい作品投下する予定があるんだったらそのうち立てるわ

20 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/07(日) 16:14:15 ID:???
きっとおにゃのこシンジきゅんの存在がエロすぎるのがいけないんだよ!!
ああ、シンジきゅん……ハァハァ

21 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/07(日) 16:15:31 ID:???
>>17
ふたなりアスカなら避難所できたよ

22 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/07(日) 16:19:55 ID:???
>>19
立ててくれたら、とりあえず過去ログからエロいところを抽出して転載しようか

ふたアス、ふたレイX女シンジスレの職人氏が来てくれないだろか?

23 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/07(日) 16:25:09 ID:???
>>22
じゃあ今ちょっと無理だから明日の夜あたりピンク難民に
倒錯シンジきゅんエロ総合スレを立てれたら立てる
待ちきれなかったら他の人が立てて下さい


24 :22:2007/10/07(日) 16:33:35 ID:???
>>21
知らなかった
ありがとう

>>23
では、保守代わりに過去ログのエロネタを少しづつ貼っていくんで
職人がエロ場面画が必要になったら誘導ということでどうだろう

しかし、個別シチュスレが既に対応策を練っているなら需要が無い可能性もあるかな?

25 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/07(日) 16:37:55 ID:???
もう少し職人が来てから立てれば?
それまでスレタイやテンプレでも考えよう

26 :19:2007/10/07(日) 16:49:35 ID:???
スレタイやテンプレは考えてくれると嬉しい
移動先ないカプものシンジきゅんスレは入れるべきかとかわからない

27 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/07(日) 17:02:16 ID:???
スレタイは直球で「♂倒錯シンジきゅんハァハァスレ♀@難民」とかかな?

28 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/07(日) 17:26:23 ID:???
露骨な性描写のある作品を投下する場合は下記のスレでどうぞ
連載などで露骨な性描写がある場合は、該当部分だけを下記のスレに投下し、
リンクを貼るようにするようにお願いします。

♂倒錯シンジきゅんハァハァスレ♀@難民(仮)
・・・・・・・・・・

29 :テンプレ案:2007/10/07(日) 17:45:53 ID:???
新世紀エヴァンゲリオンの純情可憐な主人公、碇シンジきゅんは、
女の子のほうがお似合いだと思ったことはありませんか?
ここは、エヴァ板の

♂倒錯シンジきゅんハァハァスレ♀ 13
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/eva/1191732162/

の派生スレで、元から女の子だったり、女装、女性化したシンジきゅんを
アンアンいわせる、ただそれだけのスレです。

>>26
おにゃのこ(化)、女装シンジきゅんがメインならなんでもおkで良いだろう

他所の板でまで細かくスレ立てするのもどうかと思うしな
第三者的に見れば、この条件だけでも細かすぎかも知れないし

>>25
それもそうなんだけど、器だけでもあったほうが投下されやすいかなと……

30 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/07(日) 20:44:56 ID:???
うおーびっくりした。
きゅんきゅんできなくなると思ったぜ。

31 :名無しが氏んでもきつねはいるもの:2007/10/08(月) 06:27:12 ID:???
避難所でしたら私の板などはいかがでせう
今夜、前スレの収録と.org→.netへの復帰を行う予定ですので

32 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/08(月) 07:41:45 ID:???
まあ、最近はエロい投下どころか普通の作品投下も無いんで急をようする話でもないんですがw

過去ログ保管庫と同じサイトだったり、スレの保守に神経質にならずにすみそうっていうのは良いかもしれないっすね。

きつねさんのとこって専ブラ使えるのかな?

33 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/08(月) 18:32:32 ID:???
難民板なら専ブラの設定がいらないね

34 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/08(月) 22:35:23 ID:???
立てるの様子見たほうがいいな

35 :名無しが氏んでもきつねはいるもの:2007/10/08(月) 22:44:28 ID:???
まー、今回のエロネタ大量削除が一過性のものであればいいのですがね〜
あーあと専ブラは使えますよ〜
仕様は第弐発令所と同じなので〜

36 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/08(月) 23:06:06 ID:???
俺にとってはエロネタはいらん。
生理で鬱になるぐらいが丁度いい。

37 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/08(月) 23:17:13 ID:???
ラブラブしたのは好きなんだが、レイプ系は好みじゃないな
エロ系はがっつり分けてくれた方が安心して読めるかな

38 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/08(月) 23:59:16 ID:???
まとめサイトがあるし、エロ投下したい職人が来たときに考えればいいんじゃね?

39 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/09(火) 21:38:44 ID:???
                ///    |   ;!::、 \  ヽ   、!
               '´/ /  | /| ;イ/ l::| \ヾlヽ | ヽ  |
               i/l::| l /|/__|/、|'    -廾―ヾト、 :!ヽ::!
                  リ、::l〈'' ´, ヽ     / ヾ、` |/゙ヾメ、
                  ヾl,ハヾ ==ミ`    ==ミ.` リヘ |  __________
                   ヽ | 〃〃丶   〃〃  _,// 過度の性描写は
                    ヽ、   iァ=┐    ,.イ/   |  削除対象になります。
                      \  ー'    /|Y <   露骨な表現は避けましょう。
                      l/7┴┴‐' ̄   {j/    \____________
                -‐ l"{ {   ヽ -―//./\
      __       _ -‐   ヽ:!/  \___ _/ _/   }
   _r‐┤ \. - ''´     ,.-┴―- 、__,,. -‐      ,イ:
  」 |  ',  |、\      _,. ┤ ,.           ,. イ
  〈 ヽ\人_j `┴=エ工. -‐゙し1 /  ,.  __ ,. ‐个ァ
  `ー'7′ \           └{_/l_/´     /
    ,'     \        |    ヽ、ヽ   /
    i       \   ` ー--=|      \ \/
   l           \   ー- -|        \{
     l            `7――‐!     ヽ \
   |       ヽ.   /    j ',      \ ヽ'
   |        \Λ      '、         \\
   l          | \__    ヽ        \ヽ. 
   !           、 l   └ヘ.厂 ̄\           ヽ∨
    l         ヽl\          ,>、          l
     l            l  \     /   \         !
   / l         l   \_、__/     \       l
 /    !        l      ,'          \    l

40 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/09(火) 21:41:11 ID:???
あれ?ちびシンジにしたが似てない…一応、テンプレのつもり…

41 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/09(火) 21:54:57 ID:???
なるほど
パンツ見せる程度は良いと
わかりやすいな

42 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/11(木) 15:55:06 ID:???
晒し上げ

43 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/11(木) 17:32:53 ID:???
細々とやっていきたい

44 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/12(金) 20:55:43 ID:???
ここって女シンジの小説は投下できるのか?エロくないのとか。

45 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/12(金) 21:01:21 ID:???
むしろエロくないのキボン

46 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/12(金) 21:08:01 ID:???
エロいのも大好きだけどな

47 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/12(金) 21:13:34 ID:???
でもエロは自重だからな

48 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/12(金) 21:15:14 ID:???
カプものは荒れるから禁止になったんだっけ?

49 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/12(金) 21:15:27 ID:???
避難所との連携で両立できるだろう
保管庫のサイトの人だって掲示板貸してくれるって言ってくれてるし

50 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/12(金) 21:46:57 ID:???
できそうな小説にはシンジのカプは出ない(一部それらしく思われる表現はあるが)
基本的にストーリーは、シンジ、カヲル、オリキャラの三人の視点で進む
エヴァのパイロットではなく、普通の女子中学生としてのシンジとカヲルが、
オリキャラの起こす事件に巻き込まれていく……といった内容(ギャグではない)





51 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/12(金) 21:51:07 ID:???
学園女シンジスレ向きかな?

52 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/12(金) 21:57:50 ID:???
わける必要なんてないんだよ
あっちは落としとけ

53 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/13(土) 00:59:16 ID:???
正直、天然系美少女のシンちゃんを中心として
その色香にあてられた連中が老若男女とわずに暴走する、というシチュしか思いつかんw

54 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/13(土) 01:00:19 ID:???
>>53
kwsk

55 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/13(土) 09:09:13 ID:???
詳しくもなにも王道だと思うが

56 :53:2007/10/13(土) 13:17:57 ID:???
無表情なまま「碇くふぅん♪」とルパンダイブをかます綾波
女の子シンジに対しツンデレの精神が形になったようなアスカ
ある意味原作のまま、フルオープン状態でシンジ♀が風呂に入ってるのに突撃するカヲル
シンジのヘッドセンを猫耳にして悦に入るリツコ
リツコとシンジをみてニャンニャンな妄想をして出血中のマヤ
シンジの生写真を売りまくるケンスケと
それを買い占めるだけでは飽き足らず、シンジが映ると防犯カメラの映像の端に
●RECが出るようにプログラムを組ませるよう命令するゲンドウ。


このくらいかな、思いつくのは

57 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/13(土) 13:30:07 ID:???
常識人はトウジと加持とミサトくらいかwwww

58 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/13(土) 20:48:54 ID:???
10年後くらいで女シンジが大人になったら……
向こう側に座るアスカはいつものように上司や同僚の愚痴を零し、
シンジはそれに適当な相槌を打つ……シンジとアスカはいつもと同じ週末を、
ファミレスで昼食の後のコーヒーを飲みながら過ごしていた。
だが実のところシンジは適当な相槌を打ってはいるが、
アスカの話は殆ど全く頭に入っていなかった。
コーヒーの底に溜まっているまだ溶けていない砂糖を掻き回しながら、
伏し目がちに返事をしている。
「どうしたの?アンタいつもより暗いわよ。」
アスカもさすがに不審に思ったのか怪訝な顔をして見つめてくるが、
シンジは、うん、ちょっと、と言葉を濁しながら話を逸らした。
アスカは不満そうだったがそれ以上は詮索せずに再び一方的な会話を始めて、
その会話の内容が男にナンパされた時のものになった際、アスカは何気なく、
最近鈴原とはどうなの?、とシンジに訊いてきた。



59 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/13(土) 20:53:02 ID:???
鈴原とは中学生時代からのシンジとアスカの共通の友人で、シンジは高校生の頃に告白された時から、
20代に至る現在まで鈴原トウジと付き合っていて、大学を卒業してから1年ほど経った最近、
シンジはアスカにトウジから結婚の話をされたと嬉しそうに話していた。
虚ろな眼をしたシンジは小さく溜め息を吐く。
「あのさ……僕トウジと別れようと思ってるんだ。」
「ハア、どうしてよ!?」
突然の言葉にアスカは驚いたのか声を荒げ、それが他の客の視線を集めてしまったので、アスカは気まずそうに俯く。
だがそのアスカの大声に動じる事も無く、シンジは突然覇気のない小さな声で笑いだし、
アスカはそのシンジの行動に尋常でない様子を感じていた。
「アスカに言ってなかったけど僕妊娠してたんだよね、トウジの子供……
 生後まだ3ヶ月くらいだったんだけど、この前流産しちゃって、
 病院で診てもらったら流産しやすいお腹だって言われたから……トウジのこと好きだけど、
でも僕と一緒だと幸せになれないでしょ?そんなのトウジが可哀想だから、だから僕はトウジと……」
我慢していたのに、涙が零れてきている……シンジは、ごめんね、全然面白くない話して、とアスカに謝ったが、
アスカは深刻な表情になっていて、鈴原は、何て言ってるの?、と尋ねてきた。
シンジは、トウジは気にするなって言ってるけど、でも僕と一緒だとトウジは……、とシンジが言葉を紡ごうとしたが、
突然アスカは立ち上がると、シンジの黒と白のワンピースの襟元をテーブル越しに掴んでくる。
「ふざけんじゃないわよ、人のことじゃないでしょ!アンタはほんとにそれでいいの!?」
最初はアスカの気迫に圧倒されて動けなかったが、シンジはアスカの悲しさとやるせなさが入り混じった眼を見つめていると、
抑えていた感情がどうしようもなく溢れてきてしまい、襟元を掴んでいるアスカの手を握りながら声を上げて泣きだした……

……っていうのをいつか作ってみたいような気がする


60 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/13(土) 20:53:08 ID:???
これは新鮮すぐるパターンだな

61 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/13(土) 21:04:46 ID:???
よし、いつか書け

62 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/13(土) 23:20:22 ID:???
別にシンジじゃなくてイインチョで良いじゃん、と思った俺は負け組

63 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/14(日) 01:44:00 ID:???
まぁ確かにそれもそうだ
このスレでは異端になるが。

64 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/14(日) 02:15:25 ID:???
そんなん言ってたらトウジはもちろん加持やミサトやリッちゃんとか
相方がいるキャラのカプものはやれないよwww

65 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/14(日) 14:03:19 ID:???
ここは原点に帰って青葉×シンジ

66 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/14(日) 16:29:27 ID:???
げ、原点はそれなのか!?

67 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/15(月) 05:29:39 ID:???
いや、ゲンドウ×シンジじゃね、原点

68 :THE90 ◆HLhlrfISK. :2007/10/15(月) 18:50:31 ID:???
「Eyes of the blood」arcadia投稿済
※一部訂正箇所などがあるため、arcadiaに投稿された小説とは文の内容が違う箇所があります。

西暦2015年、9月13日、21時20分……
「うん、それでさあ鈴原の奴がね……」
碇アスカがカーペットの上に寝そべりながら、
コードレスホンで友人の委員長と話していた。
その話し声のためにリビングのテレビの音が少々聞こえ難くなっていたが、
しかし誰もテレビには関心を示していなかったので特に問題はない。
その2分後……同じリビングにいる碇シンジは、
テーブルに置いてあるボウルの中に入ったクッキーを手に取ると、
隣で物欲しそうにしているペットのペンギンの嘴に入れてやっていた。

「どうペンペン、おいしくない?」
食い意地の張ったペンギンはシンジの言葉を無視して急いでクッキーを頬張り、
シンジはそのペンギンの無邪気な様子に母性的な愛情を感じて笑顔になった。
このクッキーはシンジが作ったもので、シンジは度々この様に菓子を作ることがあり、
また料理などは殆ど毎日しているために、調理の腕前は中々のものである。
碇シンジは身長148センチの小柄な少女で、尚且つ容姿が中性的であったために、
実年齢の14歳よりも年下に見られることが多かった。
シンジが小柄な原因の一つは成長が少々遅れていることで、
それはシンジが12歳の時に胸が膨らんできたのを気にして、
これ以上体を成長させない為に拒食症になってしまったからだ。

シンジの拒食症は暫くの間誰にも気づかれなかったが、―これは彼女が元々痩せていた為だ―全校集会の、
校長先生のお言葉、の部分で校長が自作の川柳を読む際に貧血で倒れてしまい、
その際にシンジが病院で検査を受けて判明したのだった。
シンジの拒食症による体調不良は軽度ではあったが、周囲の人々、
特にシンジの母方の親戚が心配してシンジの助けになろうとしたし、
今テレビの近くで寝そべっている赤毛で我が侭なシンジの従妹の碇アスカと、
温泉ペンギンのペンペンはそのことを理由にシンジと同居を始めていた。


69 :THE90 ◆HLhlrfISK. :2007/10/15(月) 18:58:59 ID:???
2:現在シンジの拒食症は少食という習慣で痕を残してはいるものの、殆ど完治している。
シンジの拒食症を治したのは常に無表情で無口なシンジの父親である碇ゲンドウで、
彼はそれまで全く作らなかった休日を作るようになると、シンジと一緒に過ごす時間を増やすようにした。
実のところシンジが拒食症になったのは体が成長する、
つまり大人になるとゲンドウに愛して貰えなくなるのではないかと心配したからだった。
だがそれまであまりシンジに対して干渉しなかったゲンドウが、
少々積極的に関わるようになったことでシンジが安心したので、
拒食症は徐々に改善していき、小学校を卒業する頃には拒食症を完治させることに成功したのである。

このような状況の改善の仕方を気に入らなかったのはシンジの母方の親戚で、
その原因はシンジの名前の由来に遡る。
シンジが生まれたのは今から14年前の2001年6月6日で、
その頃はまだ2000年に起きたセカンドインパクトという大災害による
傷痕がまだ世界各地に多く残っていた。
そのセカンドインパクトというのは、
南極圏に大質量の隕石が衝突して南極の氷が融解し海面水位が上昇、
それにより多くの沿岸地域が水の底に沈んだり津波の影響を受け、
更にはセカンドインパクトの影響による食糧不足や経済破綻によって世界各地で紛争が起きたし、
地軸も曲がってしまったので今の日本は常夏の国になっている。
そのセカンドインパクトの原因も実は大質量の隕石の衝突ではなく、
未知の生命体が原因で発生した大災害なのだが、この物語とはあまり関係がない。

そのシンジが生まれた時にシンジの名前を「シンジ」と決めたのは他でもないゲンドウで、
ゲンドウは男が生まれても女が生まれても「シンジ」という名前にするつもりだった。
なぜ「シンジ」という名前にするかというと、それはゲンドウが7歳の頃に初恋した相手の名前で、
その子は女の子なのに「シンジ」という名前で印象に残っていて、
だからゲンドウは「シンジ」という名前にしたのだが、そのことはシンジの母親の碇ユイには秘密にしていた。
彼女が潔癖だったからだ。


70 :THE90 ◆HLhlrfISK. :2007/10/15(月) 19:07:29 ID:???
3:しかし西暦2006年4月12日、
シンジが5歳の時にゲンドウが勤めている研究所の同僚が、ユイにその事を暴露してしまい、
そのためにユイが激怒して彼女の両親のいるアメリカへ行くために、
航空券とトランクとシンジを連れて行くと、それから二度と帰ることはなかった。
アメリカに行ったのではない。
当時シンジ達が住んでいたマンションの入り口から二人が出た直後、
6階の66号室の住人に飼われていた黒猫がベランダの鉢植えを蹴り落としてしまい、
それがユイの頭部に直撃したのだ。
シンジの目の前での即死だった。

このような経緯があってシンジの母方の親戚はゲンドウを未だに恨んでいるし、
シンジが拒食症になった時はその事を理由に親権を剥奪する裁判を起そうともした。
その際に策士の気があるゲンドウはシンジにアメリカに住んでいるシンジの母親の両親、
つまりシンジの祖父と祖母に電話をさせ、シンジと自分が仲良く暮らしていることや、
シンジはこのまま自分と暮らしていたいという事を話させたし、実のところシンジもそれを望んでいた。
最終的に裁判は行われずに、この件はアスカとペンペンの同居という形で両者は手を打ったので、
シンジの生活は現在の様な状況に至っている。

ペンペンは4枚目のクッキーを頬張り、シンジはペンペンの頭を撫でていて、
アスカはもう40分近く電話を続けていた。
「ねえアスカ、明日の晩御飯なにがいい?」
シンジが寝そべっているアスカに話しかけ、
アスカはコードレスホンから顔を離すと、ハンバーグ、と一言で答え、
再び会話を始める。
シンジはハンバーグの材料は冷蔵庫にないので、明日学校の帰りに材料を買いに行こうかとか、
その時にペンペンのご飯の缶詰も一緒に買わないと、などといった事を考えていたら、
国営放送の健康番組が急に途切れて、デスクに座ったスーツ姿の眼鏡の男が出てきた。
「本日午後9時10分頃、第2新東京市第51管区内にあるブルーウォーター社が管理するオフィスビル
“バベル”で爆発が起こりました、繰り返します、本日午後9時10分頃……」
テレビ画面は眼鏡の男から、壁面が大きく抉られた高層ビルの映像に切り替わる。


71 :THE90 ◆HLhlrfISK. :2007/10/15(月) 19:11:47 ID:???
4:アスカは会話を中断し、シンジとペンペンも無言になってテレビ画面を見つめ、
テレビのスピーカーからはいくつものサイレンの音が聞こえてくる。
「へえ、面白そう……行って見ようかしら。」
「危ないからダメだよ。」
子供に注意するようにシンジは言ったが、
アスカは無視して電話の向こうの委員長を誘っている。
テレビから聞こえてくるサイレンの音は悲鳴に似ていて、
聞いていると不安になってきたシンジはペンペンを膝の上に抱き寄せた。
ペンペンは縫いぐるみの様に抱き締められながら、
テレビ画面を見つめて、クウェッ、と一声鳴いた。


テーブルに座る紅い瞳の少女の向かい側では、
白いスーツを着た切れ長の三白眼の男がシャンパンを飲みながら、
爆発によって開いた大穴から黒煙を漂わせている、高さ299メートルのビルを見つめていた。
「小型のサーモバリックでも結構派手に吹っ飛ぶもんだなあ。」
向かい側の男、貞本ケンジが感心したように呟く。
このビルの屋上にある空中レストランからは爆破されたビルがよく見えて、
周囲の人々が大騒ぎしているのとは対照的に、
紅い瞳の少女とケンジは落ち着いて外の景色を眺めていた。
大勢のパトカーのサイレンが下から鳴り響いているのが聞こえて、紅い瞳の少女は肩を竦める。
「あの人達誰を探してるのかな?」
「さあ。」
ケンジはおどけた様に紅い瞳の少女に答えると、
後ろに呆然として立っているウェイトレスの背中を突付いて、注文しておいたケーキを持ってきて下さい、と伝え、
ウェイトレスは慌てて我に帰り、かしこまりました、と答えて頭を下げると厨房に向かっていく。


72 :THE90 ◆HLhlrfISK. :2007/10/15(月) 19:14:05 ID:???
5:屋上は壊れたビルを見つめる人々ばかりになっており、
その中には携帯電話のカメラやビデオカメラなどで撮影している者もいるし、
少し前から上空をテレビ局のヘリが飛んでいる。
今日は涼しいな、とケンジは壊れたビルを眺めながら独り言を言って、
その様子を紅い瞳の少女はストローでオレンジジュースを飲みながら、上目遣いで見ていた。
ケンジはテロリストだ、彼自身が自分の事をそう言っていて、
普通テロリストと呼ばれる人々は自分の事を自由の戦士とか、
レジスタンスとか正義の味方とか言うらしいが、
ケンジは壊して殺すことが好きで、尚且つそれが仕事でもあるので、
ケンジは自分の事を純粋なテロリストだと言っている。

このビルを爆破したのもケンジで、実際には彼の他にも数人の協力者がいるのだが、
直接的にビルの破壊を行っているのはケンジだった。
ビルのオフィスに勤めている社員のふりをしながら、2日間かけて爆弾を仕掛けていったらしく、
IDカードさえあればビルの中を移動するのは簡単で、セキュリティは予想以上に緩かったそうだ。
原因はビルの警備システムが窃盗や強盗対策を主眼に置いたもので、
テロ攻撃を殆ど警戒していなかったからだった。
ビルを爆破しようなんて考える頭のいかれた奴がいることは、
この国では誰も思いつかない、とケンジは言っていた。
紅い瞳の少女は火の手の上がり出したビルを双眼鏡で覗き、
窓からパニックを起した人々が地上に飛び降りているのを見つけて、
その様子が滑稽だったので思わず笑みをこぼす。
「これが見せたかったもの?」
「ああ、だがまだ続きがあるんだ。」
「へえ…見せてよ。」
「了解。」

そう言うとケンジはベルトのホルスターから携帯電話を取り出して、
アドレス帳を開くと、どこかの番号に電話をかけた。
「ハッピーバースデイ、カヲル。」

73 :THE90 ◆HLhlrfISK. :2007/10/15(月) 19:17:11 ID:???
6:爆砕、轟音、火炎、飛び散るコンクリートと窓ガラスの欠片。
バベルと名づけられた第2新東京市のランドマークとして知られ、
この国が先の大災害からの復活を遂げた証といわれていた日本最大の高層ビルが、
震動と白煙を撒き散らしながら、中程から千切れて傾いていく。
スローモーションのようにゆっくりと地面に向かい、
その様子はまるで巨人が死んでいくかのようだ。
千切れたビルが地面と衝突し、更なる煙と瓦礫と震動が辺りに波となって押し寄せる。
レストランのあるビルは安全な距離にはあるのだが、
周囲にいる人々は恐怖で腰を抜かしたり、立ち眩みを起したりして叫んでいた。
壊れたビルは炎上して夜の街を幻想的に照らし、
そのビルの残骸から様々な色の花火が打ち上がって夜空を彩る。
「綺麗……」

光悦として呟くようにカヲルは言い、
ケンジはそのカヲルを嬉しそうな表情で見つめていて、ウェイトレスはケーキを持ってくる。
純白のクリームと色鮮やかなフルーツで作られたケーキの蝋燭に火が点されていき、
ケンジが、どうぞ、と優しい笑顔でカヲルに火を吹き消すように促す。
カヲルがその火を冷たい吐息で吹き消すと、
ケンジとウェイトレスと知らない2,3人の客がそれを拍手し、
その祝福に天使のような笑顔でカヲルは微笑んだ。
「ありがとう。」

74 :THE90 ◆HLhlrfISK. :2007/10/15(月) 19:19:28 ID:???
7:日当たりのあまり良くない小さなオフィスには、
部屋の右隅のデスクでノートパソコンを操作している青いネクタイと黒縁の眼鏡を着けたサラリーマン風の男と、
座椅子に座ってテレビを見ながら缶ビールを飲んでいる角刈りの筋骨隆々とした男がいた。
ケンジは2人掛けのソファに凭れかかりながら袋入りのポテトチップスを食べていて、
左隅のテレビは昨日のビル爆破のことを引っ切り無しに流している。
「死傷者3000人以上か……まあ普通くらいだな。」
角刈りの男、鶴巻ダイキは呟くとハイネケンを呷って息を吐く。

くたびれた感じのするサラリーマン風の男、
樋口ナオタカが革張りの回転椅子を反転させてこちらを向くと、
黒縁の眼鏡を取ってレンズを拭きながら肩を竦めた。
「不謹慎なことを言う奴だ、犠牲者が多くなくて喜ばしい限りじゃないか。」
ここにいる2人の男はケンジの協力者だ。

正確にはこの3人はチームの様な物で、元々は3人とも何らかの組織に属しているか、
テロリストとは別の職業で食べていた者達だったのだが、
数年ほど前に3人組でテロビジネス企業を立ち上げたのだった。
企業とは言っても勿論違法な組織だから登録もしていなければ、
大々的な宣伝もしていないし、このオフィスもテロビジネス企業のためのものではなく、
ナオタカがやっている別の仕事のためのものだった。
ダイキはナオタカの言葉を聞くと笑い声を上げ、
そのせいで丸いレンズのサングラスが少し揺れている。
「お前被害者の遺族が出てきた時にニヤニヤ笑ってたじゃねえか。」
「お前だって笑っただろ。」

75 :THE90 ◆HLhlrfISK. :2007/10/15(月) 19:22:35 ID:???
8:二人がやり取りをしている時に丁度現れた被害者の母親が、
カメラの前で泣いて、自分の子供の事とかを良い子だったとか、
何で死んだんだとか言っていて、ケンジはそれを見て馬鹿笑いした。
ナオタカも笑いながら、なっ、笑うだろ?、とケンジに言って、
ケンジは、ああ、これはほんとに馬鹿みたいだ、と答えて肩を震わせながら笑い続け、
ダイキはビールが無くなったので、立ち上がると新しいビールを取りに冷蔵庫のところに行った。

テレビには被害者の顔写真がいくつも出てきて、
キャスターや解説者が、なんでこんなことをするんだ、とか、
残酷なことで許せない、とか、同じような事を何度も繰り返している。
「こいつら朝から同じことしか言ってねえじゃねえかよ、
こんなんでテレビとか出ていいわけ?」
ポテトチップスを頬張りながらケンジはテレビの出演者を馬鹿にして笑い、
最近人気が出てきたとか言う女のニュースキャスターが、
自分の友人が死んだとか言って泣き出した時には、発狂したのではないかと思うほどに笑い狂った。
「泣いてる時に美人な女って、なんかやっちまいたくなるよな。」
新しいビールの缶を持ってきて座椅子に再び座り込んだダイキは、
泣いている女のニュースキャスターを見つめ、
ナオタカはダイキの持ってきたビールを一本手に取ると、栓を開けて口に含んだ。
「こんにちわ〜。」
ジュラルミン製のドアを外からノックする音が聞こえ、
ダイキは舌打ちして、あいつだ、と言い、
ナオタカはデスクに置いてある監視カメラのモニターの電源をリモコンで点けて、
ドアの外の様子を確かめた。
アッシュグレイの髪の紅い瞳をした少女がドアの前に立っていて、その格好は制服姿のままだ。
「待ってろ。」
ケンジが外に向かってカヲルに答えると、ソファから立ち上がってドアに向かっていく。
「お邪魔しまーす。」

76 :THE90 ◆HLhlrfISK. :2007/10/15(月) 19:25:27 ID:???
9:嬉しそうに笑いながらカヲルがケンジに抱きつき、ケンジはカヲルの頭を撫でて、
ダイキは呆れたように頭を振り、ナオタカは、いらっしゃい、とカヲルに声をかける。
カヲルは部屋の中に歩を進めると二人掛けのソファに腰を下ろし、ケンジもその隣に腰を下ろす。
「話題になってるね……今日学校にも欠席した人が結構いて、
家族が死んじゃった人がいたみたいだよ。」
「つーか、お前学校サボっただろ?」
ダイキが左手でアナログの腕時計を掲げて、その腕時計の文字盤はまだ13時だった。
「生理で気持ち悪かったから仕方なかったの。」
「それ、1週間前にも言ってたよな。」
「いいじゃん、ダイキだって学校よくサボったんでしょ?」
「俺はちゃんと真面目に行っていた。」
猫の様な眼でダイキを見つめながらカヲルは、嘘つき、と言ったが、
ケンジは、いや、こいつはガキの頃は本当に真面目に行ってた、とカヲルに教えたので、
カヲルは驚いていた。
「ナオタカさんならともかく、ダイキが子供の頃真面目だったなんて信じられない。」
そう言いながらカヲルはケンジの体に寄りかかり、
ダイキは、うるせえよ、と言うと4本目のビールを呷って空にする。
「ナオタカもそうだけど、この世界に入る前は二人とも真っ当な暮らしをしてた、
この中で最初からいかれてたのは俺くらいだ。」
「ケンジって結構真面目そうに見えるけど?」
「それは仕事の時とかの顔だし、俺は真面目と言うか神経質な面があったりするから、
それが多分真面目そうに見えるんだろうな。」
5本目のビールの栓を開けながらダイキは、
そうだ、お前と仲良くしてるのも建前だから気をつけろ、と意地悪そうにカヲルに言って、
それに対しカヲルは舌を出した。

77 :THE90 ◆HLhlrfISK. :2007/10/15(月) 19:28:23 ID:???
10:「安心しろ、俺がお前に建前使っても何のメリットもねえよ。」
「だよねだよね、って言うかダイキって子供に好かれないでしょ?」
カヲルの言葉を聞いたナオタカが笑いながらピーナッツを頬張る。
「こいつは子供嫌いだからな。」
ダイキも一緒になって肩を揺すって笑い、ガキはすぐに調子に乗るし、大人によく甘える、
丁度お前みたいにな、とカヲルを馬鹿にした。
ケンジの体に寄りかかったまま、カヲルが不快そうな表情をして言い返す。

「もてないからってひがまないでよ。」
「別にひがんでねえよ……俺はな、軍隊に入ってすぐにガキを皆殺しにしたんだぜ、
それ位ガキが嫌いなんだ、侮るんじゃねえぞ。」
それを聞いて今度はケンジが大笑いをし、カヲルは、どうしたの?、
と興味深そうに訊いてきて、ケンジはカヲルの頭を優しく撫でてやる。
「軍の倉庫から食い物を盗んでたガキをこいつは他の兵士と一緒に捕まえに行ったんだが……
確か共同墓地の物置に住んでた野良ガキだよな?
それでそいつらを捕まえる為に催涙弾を物置に投げ込むように上官に命令された時、
こいつは間違って普通の手榴弾を投げ込んでガキを皆殺しにしたんだ。」
「ああ、あの時はウィスキーを飲み過ぎてたからな。」

悪びれる様子もなくダイキはビールを飲みながら思い出し笑いをして、
ナオタカとケンジもつられて笑い、カヲルも楽しそうに一緒に笑った。
「そう言えば、昨日ケンジからプレゼントを貰ったんだろ?」
眼鏡越しにカヲルを見つめながら、ナオタカはカヲルに尋ねて、
カヲルは笑顔になって頷いた。
「これ、すごいでしょ。」

78 :THE90 ◆HLhlrfISK. :2007/10/15(月) 19:31:54 ID:???
11:ポケットから銀色に輝くバタフライナイフを取り出して、カヲルはナオタカに見せつける。
そのバタフライナイフのグリップには穴が開いていて、
カヲルが左手で振って素早く展開すると、鎧を着た天使の刻印が彫られたブレードが姿を現す。
「慣れてるもんだな。」

感心したようにナオタカがカヲルの仕草を見て、
ケンジも同じように感心しながら、練習したのか?、と訊いた。
「うん、1時間くらいやったらすぐにできるようになった、
レイ姉ちゃんにも教えてもらったし。」
カヲルはブレードを慣れた手つきでグリップの中に仕舞い、
ケンジは思い出したような顔をして、そう言えばレイの調子はどうだ?と聞いた。
「2年生の女の子に夢中みたいっス。」
ケンジの胸に顔を埋めながらカヲルは答え、
ケンジは、あいつは恋愛観が少々偏向してるからな、
と浅い剃り込の入っている短く丸めた頭を擦って呟いた。


79 :THE90 ◆HLhlrfISK. :2007/10/15(月) 19:33:36 ID:???
12:学校はいつも通りに続けられ、シンジのクラスにも何人か欠席した者はいたが、
授業はいつも通りでテロ攻撃については一切触れられなかった。
昼休みにシンジは屋上でアスカと自作の弁当を一緒に食べながら、
ほんとにテロ攻撃なんてあったのかな、と不思議そうに呟いた。
「じゃあアンタも見てくれば?凄いんだから、瓦礫とかがそこらじゅうに散らばってて、
マスコミとか警察がたくさんいるのよ。」
アスカは今朝学校の4時間目までをサボって壊れたビルを見に行った。
さすがにビルの周囲は検問が敷かれていたり、車や人が充満していて近づけなかったのだが、
しかしアスカは近くにある10階建てのショッピングモールの屋上に行くことを思いつき、
そこから景色を眺めることができたのだった。
携帯のカメラで写した動画を見ると、体の半分くらいから折れたビルや、
道に敷き詰められた瓦礫とパトカーや消防車の群れがあって、
シンジにはまるで映画のワンシーンのように見えた。

「トウジ先生怒ってたよ、罰として放課残って教室の掃除、だって。」
「鈴原ってまだ20代なのに親父くさいのよねえ、あ〜あ、かったるいなあ……
アンタも一緒に見に行かなったせいでアタシだけ掃除させられるんだから、
終わるまで待っててよね。」
「ダメだよ、晩御飯の材料買いに行かないといけないし、
ハンバーグ食べたいんでしょ?」
「うん……。」

80 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/15(月) 19:37:29 ID:???
カヲル…orz

81 :THE90 ◆HLhlrfISK. :2007/10/15(月) 19:37:34 ID:???
13:不満そうに頷くアスカにシンジは可愛さを感じて微笑む。
屋上ではシンジとアスカの他に数人の生徒が昼食を摂っていて、空はほどよく晴れていた。
「碇君。」
空を見上げていたシンジに突然声がかけられ、
シンジは、ハイ、と少々驚きながらも声に向かって返事をする。
いつの間にいたのか、そこには3年生でシンジの先輩の綾波レイが立っていた。
青い髪と紅い瞳を有している少女で、
これはシンジの父親が所長をしている研究所で開発された特殊脱色剤「カラー」を使用したせいだ。
「カラー」は最近若者の間で流行っていて、服用すると体の色を脱色するが、
人によって色の変わり方が違うし、体の色が変わっている期間も数ヶ月から数年とバラつきが多い。
レイの場合は珍しく青い髪と紅い瞳になっていて、
青い髪か紅い瞳のどちらか片方はシンジも見たことがあるのだが、
両方の組み合わせはレイ以外には見たことがない。
現在は多くの学校で校則違反となっているのだが、
レイは規定される前に服用したので咎められる事は無い。
レイの姿を見つけたアスカは不愉快そうな顔になって、レイを睨む。

「隣、いいかしら?」
レイの言葉にシンジはうろたえながら頷き、
右隣のアスカは、ダメよ、と言ったが無視されてしまった。
シンジの左隣にレイは腰を降ろし、今日、いい天気ね、とシンジに話しかけ、
シンジは、そうですね、と答えようと思ったが、レイに突然手を握られたので、
ひゃっ、と小さく声を上げてしまった。
「小さくて可愛い手……」
「あ、ありがとうございます。」

82 :THE90 ◆HLhlrfISK. :2007/10/15(月) 19:41:06 ID:???
14:レイはシンジの右手を優しく撫でてきて、シンジは戸惑いながらも、
本当に綺麗な人と言うのはこういう人の事を言うんだろうな、と思っていた。
シンジの視線に気づいたレイはシンジに微笑み、
今度は頬を撫でてきて、顔を近づけながら目を閉じて少し唇を突き出す。
シンジの胸の鼓動が速まり、シンジは動けなくてレイの顔が徐々に近づいてくる。

「どこまでやったら気が済むのよ、変態!」
アスカがシンジの体をレイから引き離して怒鳴り、その怒鳴り声でシンジは我に帰った。
「碇君が可愛いから、ついやり過ぎてしまうの。」
「うるさい、いつもいつもシンジの事追いかけ回してるくせに!」
「これも愛情表現の一つよ、アスカ。」
「ふざけるな!」

レイはアスカの言う通りシンジに対し積極的に近づいてくる。
転校してきたばかりの頃は偶然を装ったりして、
話しかけてくる程度だったが、最近は昼休みには必ず会いにくるし、
下校時にも殆ど一緒に帰るようになっていた。
レイによると自分は別に同性愛者ではなくシンジを愛しているだけで、
偶然シンジが女であっただけなのだと言う。
「アスカはどうして私と碇君が仲良くするのが嫌なの?」
「アンタが変なことするからよ!」
またいつものように二人は口論を始め、シンジは、二人とも喧嘩しないでよ、と二人の口論を止める。
呆れたようにアスカを見つめながらレイは溜息を吐き、まあいいわ、どうせ今日は碇君と二人きりで帰れるから、
と言ってシンジの首に手を回して抱きついた。
シンジはいつからレイは自分たちの話を聞いていたのだろうかと不思議に思い、
アスカは悔しそうにレイを睨んで、しょうがない、掃除はサボろう、と呟いた。
「あかん、そんなことしたら校内全部を掃除させたるで。」
赤毛の頭に色黒の手が置かれ、アスカが見上げるとシンジとアスカのクラスの担任教師がそこには立っていた。

83 :THE90 ◆HLhlrfISK. :2007/10/15(月) 19:43:34 ID:???
15:「鈴原!」
「ドアホ、なに先生を呼び捨てにしとんねや!」
アスカの頭を手でぐりぐりと擦り、アスカは、なにすんのよ、と反抗して鈴原の手から逃れようとする。
鈴原トウジは国語の教師なのになぜかジャージを着用することが多い。
勿論今もジャージで、シンジが何故ジャージをいつも着用するのかと聞いたら、
この格好の方がいざという時動きやすいからだ、と答えたので、
いざという時とはどんな時なのか、と更に質問すると、
アスカみたいな悪ガキを追いかける時だ、と言ったのでシンジは可笑しくて笑ってしまった。
ちなみにシンジは鈴原トウジの事をトウジ先生と呼んでおり、
鈴原トウジの呼び方の中では少数派に属する。

「こんにちは、鈴原先生。」
「おう綾波か、お前らいつも仲ええなあ。」
「ええ、アスカにはよくイジメられますけど……」
「なに〜、こら惣流イジメなんてしたらあかんぞ。」
トウジとレイを交互に睨みながらアスカは、イジメてないわよバカ、と言い返し、
シンジはそんな三人の様子を見ていると、楽しい気持ちになるのだった。
「そういえば綾波、お前の妹のカヲルのことやけどな、
早退すること多いし……もしかして体弱いんか?」
カヲルとはシンジのクラスメイトでありながら、レイの妹でもあって、
シンジとアスカよりも後にレイと一緒に転校してきたのだが、
学校をよく早退したり、欠席したりしていた。
「ああ、それズルです。」

レイが素っ気なく即答したので、トウジは驚きながら拍子抜けしていて、
その間抜けな顔を見て、シンジとアスカは思わず吹き出してしまう。
「あいつめ生理とか貧血とか言うとったから、本気で心配しとったのにふざけおって〜。」
「教室掃除決定ね。」
「まあ、その前に事情を訊かんとな。」
「ハア?アタシにはいつもすぐに掃除させるくせに、えこひいき教師!」
「お前は事情聞かんでも見れば大抵分かる、男子と喧嘩しとるか、誰かに悪戯仕掛けるかのどっちかや。」
不満そうにアスカは頬を膨らませ、シンジとレイはトウジの言葉に同意していた。

84 :THE90 ◆HLhlrfISK. :2007/10/15(月) 19:50:28 ID:???
16:「そういえば僕カヲルさんと全然話したことないや、
綾波先輩、カヲル君っていつもどんな感じなんですか?」
「そうね…昨日はバタフライナイフの扱い方を練習していたわ。」
「バ、バタフライナイフ?」
「誰かからのプレゼントらしいの、昨日あの子の誕生日だったから。」
「へえ昨日か……テロ攻撃と重なっちゃって運が悪いなあ。」
「いえ、昨日12時に帰ってきたら、最高の一日だった、って喜んでた。」
それをトウジが聞いて、12時!?、と素っ頓狂な声をあげ、
一体どこに行っとたんや、とトウジはレイを問い詰めた。
レイは、よく分かりませんけど、恋人でもいるんじゃないでしょうか?、
と答えたので、今度はシンジとアスカも一緒になって驚き、
トウジは、親御さんが海外におるから緩んどるんかもなあ、
綾波が親代わりに厳しくせんとあかんぞ、と言ったが、

レイは、あんまり干渉するのはお互い好きじゃないんです、と返し、
アスカは、結構クールなのね、アンタ、と感心していた。
「綾波先輩の父さんや母さんは海外にいるんですか?」
「シカゴで道場をやっていて、主に実戦的な護身術などを教えているわ。」
アスカが興味深そうに、どんなの、どんなの!?、と目を輝かせて聞いてきて、
シンジは、アスカはそういうの好きだからね、と少々呆れながら呟き、
トウジは小さく溜息を吐きながら考え事をするように腕を組んでいる。
「しっかし、ホンマに困った子やなあ、まあ今度ゆっくり話を訊くとするか……
あっ、惣流お前とりあえず今日サボった罰として教室掃除な、逃げたらあかんぞ。」
トウジはアスカの頭を軽く、ポンポン、と叩いて去っていき、
アスカは面倒くさそうに、あ〜あ、かったるいなあ、と空を見上げ、
レイは、碇君、帰り一緒に買い物付き合ってもいい?、と尋ねてくる。
「えっ、僕は別に構いませんけど……」
「そう、じゃあ今日は碇君とデートね。」
「デート…ですか?」
シンジが恥ずかしそうな表情をすると、
レイは嬉しそうに微笑みながらシンジの頭を撫でた。


85 :THE90 ◆HLhlrfISK. :2007/10/15(月) 19:53:24 ID:???
17:少し日が落ち始めた午後、カヲルはケンジと公園のベンチに並びながら、
二段重ねのアイスクリームを舐めていた。
「そっちのチョコ、チョットちょーだい!」
シューティンググラスをかけているケンジは、ハイどうぞ、
と自分のアイスクリームを差し出してきて、カヲルはそれに楽しそうに齧りつく。
「甘い・・・・・・」
カヲルは小さな舌で下唇についたチョコを舐めとる。
公園では下校途中の小学生数人が通り過ぎていき、
少し遠くにあるブランコでは5歳くらいの幼児達が遊んでいた。
その子供たちの様子をケンジは優しい眼差しで眺めていて、
カヲルはなんとなく、ケンジは子供とかいるの?、と訊いてみた。
「子供を育てられるほどまともなら、こんな仕事にはついてないよ。」

寂しそうにケンジは微笑み、
カヲルはそれを聞いて安堵しながらケンジの体に寄りかかって甘えた。
「服に付くぞ。」
そう言われてかヲルは慌てて体を離し、
黒い猫耳のあるフードつきのパーカーにアイスクリームが付いてないか調べる。
危機一髪、と笑いながらカヲルはケンジのアイスクリームをまた齧り、
肩を竦めてケンジはカヲルの頭を撫でようとするが、急にその手が止まって、
カヲルの後ろに向かって小さく手を振りだした。
「シンジ、学校の帰りか?」
背後を振り返ると、スーパーのビニール袋を提げた小さい少女と、
見覚えのある青い毛髪の少女がこちらに向かって歩いて来ていて、
カヲルは慌てて猫耳付きのパーカーを被る。
「奇遇ですね、ケンジさん!」



86 :THE90 ◆HLhlrfISK. :2007/10/15(月) 19:55:57 ID:???
18:「楽しそうね、カヲル?」
「うん、とっても楽しい!」
「鈴原先生が怒ってたわよ。」
「ええ〜、私生理だよ?」
「ズルだって教えたの。」
「裏切りだよレイ姉ちゃん、ヒドイ!」
そんな姉妹のやり取りをケンジは肩を揺すって笑い、
シンジは、カヲル君の彼氏って、もしかしてケンジさん?、
と独り言の様に呟きながら驚いていた。
「別にそういう関係じゃないさ。」
ケンジが可笑しそうに笑い続けながらシンジにそう言うと、
その言葉にカヲルは、違うの!?、と驚き、
それに対し今度はケンジも、そうだったのか!?、と驚き返してしまう。
「だってよくドライブ一緒に行くし、昨日もお誕生日パーティしてくれたりしたじゃん。」
「まあ、そう言われればそんな感じかも知れんな・・・・・・」
少々困惑しながらもケンジは納得したように呟き、
カヲルはレイとシンジを無視してケンジの頬にキスをしたので、シンジは顔を顰めた。
「カヲル君って学校ではクールに見えたけど、案外子供っぽいんだね・・・・・・」
「そうか?俺の前ではいつもこうだぞ。」
「へえ・・・・・・」
何故かシンジは先程からあまり面白くなさそうで、
その様子が何となく気に入らなかったカヲルは、そういえばアンタ誰?、とシンジに訊き、
その言葉にシンジはショックを受けた様な顔をする。

「同じクラスの碇シンジだけど・・・・・・覚えてないの?」
「影が薄そうだから、覚えられなかったんでしょ?」
嘘だ、実はもう既に気付いていた。
ただ自分の知らない関係をケンジと持っているのが気に入らないために、
シンジを苛めているのだった。
影が薄いという評価にシンジは本格的に傷ついたのか、
そっぽを向いてブツブツと何事かを呟いている。

87 :THE90 ◆HLhlrfISK. :2007/10/15(月) 19:58:25 ID:???
19:「ところで、ケンジとはどういう関係なの?」
「ただのお隣さんだよ。」
シンジが答える前にケンジが答え、カヲルはその答えに満足そうに頷くと、
ケンジがこんなパッとしない子に興味持つわけないもんね、とシンジに止めを刺した。
シンジは、ヒドイとか、何だよ、とかカヲルに対する文句を少し大きな声でぼやき出すが、
気持ち悪いからあっち行ってよ、
とカヲルが言ったのでとうとうシンジの目尻に少し涙が溜まりだしている。

「カヲル、怒るわよ。」
眉を微妙に吊り上げたレイがカヲルを睨み付けてきて、カヲルはその視線に反射的に萎縮してしまう。
カヲルは今までレイと喧嘩して勝った事がなかった。
それは口喧嘩でも殴り合いの喧嘩でもそうで、レイは独特の雰囲気で圧倒してくるから、
睨まれるとカヲルでなくてもきっと恐ろしくなってしまうだろう。
「気にするなシンジ、俺のことで怒ってるんだ・・・・・・・いわゆる焼き餅だ、可愛いだろ?」
カヲルの頭に手を置きながらケンジはシンジを慰めるが、シンジはまだ不満そうだった。
カヲルもあんまり苛めちゃダメだろ、とケンジは猫にするようにカヲルの喉を撫でて優しく窘め、
可愛がられたカヲルは、にゃあ、と猫の様に上機嫌で鳴いた。
「お前ら、これから帰るのか?」
あどけない瞳でカヲルを睨んでいるシンジに、ケンジはカヲルと同じように優しく問いかけ、
シンジはそれに少しばかり機嫌を直したのか愛想良く、ハイ、と返事した。
「じゃ、送るよ。」
アイスクリームのコーンを、がしがしと齧って全部食べると、
ケンジはポケットから車のキーを取り出して、指でクルクルと回して遊ぶ。
カヲルは、私この人と一緒に乗るのヤダ、とまた我が侭を言ってみたが、
上からレイに頭を軽く小突かれてしまったので、渋々承諾する。
「まあまあお姉さん、子供の言うことですから・・・・・・」
おどけた感じでケンジはレイを宥めるが、
レイは頭を振るとカヲルの頭を確りと掴み、ケンジに微笑む。
「いえ、子供はちゃんと躾ないと我が侭になりますわ。」
カヲルは小さく、児童虐待、と呟くが、レイに、何か言った?、
と睨まれたので怒られた子猫の様に頭を垂れるしかなかった。


88 :THE90 ◆HLhlrfISK. :2007/10/15(月) 20:01:34 ID:???
20:カヲルはいつもの様に助手席に座り、ケンジはもちろん運転していて、
いつもと違うのはシンジとレイが後部座席に座っていることだった。
車はシンジ達の住んでいる郊外のマンションに向かい、
カヲルはまだ少し不満そうに窓の外を眺め、シンジは他人の車に乗ったせいか少し緊張している。
「そういえば、私まだケンジの部屋入った事ないよね。」
「そういえばそうだな、じゃあちょうどいいから今日こいよ。」
「車に乗った時からそのつもりだった。」
不機嫌そうにしているカヲルに、ケンジは少し困った顔をしながら車を左折させる。
突然、後ろからレイが、あの、とケンジに声をかけた。
「なんだ?」
「ケンジさんは、カヲルのどこが好きなんですか?」

そりゃまあ、とケンジが答えようとしたところで、
カヲルが、全部に決まってんじゃん、とぶっきらぼうに言った。
「まあ、そう言われてみればそうだな。」
特に否定することもなく、すんなりとカヲルの言葉を受け入れているケンジに、
バックミラーに映るシンジは眉を顰めてカヲルを睨み、カヲルはその視線を無視する。
「特に好きな場所はどこですか?やっぱり顔?」
睨んでいたシンジが急に意地悪そうにケンジに質問したので、今度はカヲルがシンジを睨む。
「うん、まあ顔もそうだな。」
「顔だけってことですか?」
そんなこと言ってないでしょ、とカヲルが少し声を荒げて後部座席を睨み返すが、
ケンジが喧嘩を止めようと考えたのか、見てくれは重要だぜ、と二人に語りかける。

「美人な奴は心も美しい、っていうのは俺の持論なんだ・・・・・・はっきり言って根拠はあんまり無いけどな。」
それからケンジは笑い出すと、それにな、お前らがもしドブスだったら俺は絶対車になんか乗せなかったし、
話しかけてきたら顔面を殴り飛ばしてたかもしれないぜ、と言い、
レイはそれを聞いて、大人の意見とは思えないわね、とケンジに聞こえるように呟いた。

89 :THE90 ◆HLhlrfISK. :2007/10/15(月) 20:06:08 ID:???
21:「まあ確かにそうだな、でも俺は実は顔も心も重視してるんだよ、
だって二つとも綺麗な方が断然良いに決まってるだろ?だから俺が好きな奴はみんな両方とも綺麗なんだ。」
その言葉を聞いたカヲルは機嫌を直してケンジの体に抱きつき、ケンジは、危ないぞ、とカヲルに注意する。
「じゃあもしカヲルが顔が綺麗なだけの子だったらどうしたんですか?」
少し厳しい口調でレイはケンジに問い詰めるように訊いたが、ケンジはそんなレイの様子にも特に動じず、
もしそうだったら、まあ1回やっちまって終わりだったろうな、と答えた。
そうですか、とレイは怒ってるのか呆れているのか良く分からない表情をして、
カヲルはヴェートーベンの第九を鼻歌で奏でる。

「ケンジさんは、僕のこと好きですか?」
シンジが寂しそうな顔で急に訊いてきたので、さすがにケンジも意外そうな顔をしていて、
カヲルは、こいつウザイ、とレイに聞こえないように呟いた。
「ああ、好きだよ。」
「ハア、なにそれ?私のことが好きじゃないの!?」
「お前の方が好きだけど、シンジのことも好きだってことだ、
第一もしそうじゃなかったら送ってやったりなんかしない・・・・・・ああ、もちろんレイちゃんのことも好きよ。」
ふざけたケンジの物言いに、カヲルはケンジの足を抓って抗議しようとしたが、
痩せているケンジの足は殆どが筋肉なので、ズボンの上で滑ってしまう。

「安心しろ、今のところはお前が一番なんだ、それは嘘じゃない。」
カヲルはケンジに、ホント?、と少し不安そうな振りをして聞き、ケンジは優しく頷く。
「私は全人類で一番カヲルが好き。」
背後で照れ臭そうに呟いたレイにカヲルは少し驚いて、シンジが一番じゃないの?、と訊くと、
レイは、碇君は宇宙で一番好き、とまた照れながらシンジの方を向いて言う。
シンジはもう慣れているのか、ありがとうございます、と適当に流すと、
車の外を見て急に、アスカだ、と嬉しそうに声を上げた。
車線が半分工事中の道路の真中をアスカは一人で歩いていて、
ケンジはその後ろで車を停止させると、クラクションを鳴らす。
最初はそのクラクションに不機嫌そうな顔をしてアスカは振り向いたが、
シンジ達が乗っているのに気付くと、足早に駆けて後部座席の窓を叩く。

90 :THE90 ◆HLhlrfISK. :2007/10/15(月) 20:10:33 ID:???
22:シンジが開けるよりも速く、
ケンジが手元のスイッチを操作してシンジとアスカの間を隔てている窓を開けてやり、
アスカは窓に顔を突っ込んでくると、ずるーい、私も乗せてよ、と不満を零す。
「鈴原に教室全部掃除させられて疲れてるのよ、早く乗せて〜。」
ケンジはクックッとアスカの様子に楽しそうに笑いながら、ドアロックのスイッチを操作して開く。

「ケンジ、こんにちは〜・・・・・・・あっ、サボリ女。」
ケンジに挨拶をしながら入ってきたアスカは、カヲルを見つけて指をさす。
「うるさい赤ザル。」
サボリ女と言われた事よりも、ケンジを呼び捨てにしたのが気に入らないカヲルは、
アスカに悪態を付きながら、舌を出して馬鹿にする。
「うっき〜、なによこの女ウザイわねえ!」
「それはこっちの台詞よ、お猿さん。」
その後、マンションに帰るまでアスカとカヲルは20分以上罵りあい、
さすがにその様子にはケンジも呆れて、お前ら喧嘩すんなよ、と疲れたように呟いていた。


「ツーペア!」
「スリーカード。」
「やった、アタシの勝ち!!」
アスカはガッツポーズをして喜ぶが、ケンジがコインを自分のところまで持って行くので、
何してんのよ、ズル!、と声を荒げた。
「アスカ、ツーペアよりスリーカードのほうが強いのよ。」
レイが少し可笑しそうに吹き出しながら、アスカに教えてやる。
「早くルール覚えてよね、サル。」
カヲルは呆れたようにカードをケンジに返し、アスカはカヲルを睨み、
シンジも一緒にカヲルを睨んで、
しょうがないじゃない、アスカ初めてなんだから、とカヲルに言い返した。


91 :THE90 ◆HLhlrfISK. :2007/10/15(月) 20:14:27 ID:???
23:カヲルは煩わしそうな顔をして、ハイハイ、とやる気の無い返事をしながらテレビに目をやる。
カヲルはシンジ達と一緒に車に乗ってケンジの部屋に初めて入った日から1ヶ月ほどの間、
殆ど毎日ケンジの部屋に来ていて、それに影響されてかシンジやアスカやレイも度々出入りするようになっていた。
テレビには第三新東京市の様子がニュースで映し出されていて、そこには二体の人型ロボットと、
双子の様な宇宙人か怪獣かよく分からない生き物が戦っている。
「本当なんですかね?ロボットが第三新東京市で戦ってるって・・・・・・」
不思議そうに液晶テレビを見つめながらシンジが呟き、
その隣のアスカはうっとりしたように画面を眺めていた。
「あーあ、一度でいいから言ってみたいなあ・・・・・・ケンジ、今度連れてってよ。」
だがケンジは一言、興味ないね、と答えてカードを配り始めたので、
みんなテレビから目を離してポーカーに集中し始めるのであった。

シンジは自分の手札の中身がまたノーペアだったのを見て残念そうな顔をし、
それに気付いたケンジは、ノーペアか?、とシンジに訊いてくる。
「ポーカーで引く役って殆どノーペアかツーペアじゃないですか?
たまに良いのが出ても、スリーカードくらいだし・・・・・・」
「まあクローズドポーカーはそうだな、
でも実はポーカーで一番重要なのは良い役を手にする事じゃないんだよなあ。」
意味ありげにケンジが言ったので、シンジは、じゃあ、一番重要なのってなんですか?、
と上目遣いにケンジに訊き、ケンジが答えようとしたら、
レイが横から先にシンジに教えてやった。
「チップの賭け方よ。」
「そのと〜り、分かってんじゃねえかレイ。」
チップ?、とシンジは不思議そうに言い、レイは、いくら良い役を引いても、
チップの賭け方が下手だとゲームには勝てないの、
反対に言うと大した役を引けなくてもチップの賭け方が上手いと勝てなくても、最下位になることはまずないわ、と説明し、
ケンジは、レイは賢い子だな、と頷きながら感心した。
「つまりそういうことだ、
だから良い役が中々回ってこなくてもゲームは最後の最後まで捨てない方が良い・・・・・・
人生もそうだな、諦めたら全部終わる。」

92 :THE90 ◆HLhlrfISK. :2007/10/15(月) 20:17:37 ID:???
24:ケンジの言葉にレイは、あなたの口からそんな言葉が出るなんて意外ね、
とケンジを見つめ、アスカは、親父くさ〜い、と気だるそうに伸びをした。
だがシンジはケンジの言葉に感動していて、それはシンジの母親の言葉に通ずるものがあったからだ。
「あの、僕の母さんも言ってたんですけど・・・・・・人は生きていこうとするところにその価値がある、
だからどんな時も生きることを諦めてはいけない、
生きていればどんな所だって楽園になるからって・・・・・・そう言ってたんです。」
少し恥ずかしかったが、シンジは自分の母親がシンジに言った名演説をケンジ達に披露し、
果たしてケンジがどんな風に反応するのか期待していた。

カヲルがいきなり、くっさー、と笑い出し、ケンジも口を抑えて笑い出すのを我慢している。
どうして?、とシンジは聞こうと思ったが、カヲルがあまりにも爆笑しているので、
恥ずかしくなって俯いてしまった。
あまりにも爆笑するカヲルにレイは、カヲル、碇君が可哀想だからやめなさい、と窘め、
ケンジも、そうだぞ、可哀想じゃないか、と吹き出しながら注意した。
「もういいよ・・・・・・」
拗ねたシンジは少し涙を眼に溜めながらか細い声で言い、
カヲルは注意されたにも関わらずまだ笑っていたので、レイに頭を小突かれて、
痛いよレイ姉ちゃん、とシンジと同じく涙目になる羽目になった。
「はっきり言って、おまえの母親は余程人生達観してたか舐めてたかのどっちかだな、
確かに生きることをやめた人間には何の価値も無いけど、
同様にただ生きてる人間にも何の価値も無いんだ。」
ケンジの言葉にカヲルは、左様、ただ生きる位なら死んだ方がいいわ、と同意し、
レイも、そうね、と少し寂しそうに頷いた。
ケンジやカヲルの言葉が理解できなかったシンジは正直に、
ただ生きてる人間ってなんですか?、と訊き、
ケンジは首の関節をコキコキと鳴らして気持ちよさそうに息を吸う。

93 :THE90 ◆HLhlrfISK. :2007/10/15(月) 20:21:03 ID:???
25:「自分のやりたいことをやってない人間だ。」
「自分のやりたいことをやってない人間って?」
「自分の気持ちを平気でごまかして裏切る奴だ、そういう奴は平気で他人も裏切る、
そういう奴は本当に大切なものを失う、だからそういう奴は死んだ方がいい。」
ケンジのはっきりとした物言いに、シンジは少し反抗心を覚えて反論する。
「でも大人はみんな自分の気持ちに嘘をつくんじゃないですか?
 汚れるのが大人になる事だって、テレビで言ってましたよ。」
「それは嘘だ、大人でも子供でも他人に嘘をつくのは仕方ないが、
自分に嘘をつくのはよくない、だが今の世の中は平気で自分に嘘をつく奴ばかりだし、
その大人は子供にも自分を平気で裏切るように教育している・・・・・・どいつもこいつもクソ野郎ばっかりだ。」
テーブルに頬杖を付きながらアスカは、なんかグレた子供みたーい、と呆れたような反応をする。
俺は大人になりきれない大人だからな、
ソファに深く凭れかかったケンジは少しだけ寂しそうな眼をし、
その姿はどことなくシンジの父親であるゲンドウに似ていた。
「でもな、人間の拠り所は結局自分の考え方なんだ、
どっかのロックミュージシャン見たいなことを言うが、
国とか宗教とかはシステムであって拠り所じゃない、だから自分の考え方、
つまり自分の気持ちを裏切るような人間は決して幸せになれない。」
よく分からない演説をかましたケンジに、
シンジは試しに、ケンジさんは今幸せですか?、と訊いてみた。

「中々幸せだな、こうやって綺麗どころに囲まれてるし、仕事も楽しい。」
「言ってることの割には、幸せの基準が平凡よねー。」
相変わらず頬杖をついたアスカは横から口を挟むが、ケンジは一向に不愉快そうにしないし、
寧ろアスカの言葉を肯定している。
「幸せなんてそんなもんだ、簡単に幸せになりたいならとりあえず旨いもん食って、旨い酒飲んで、
女を抱きまくって、その後に頭をハジキでふっ飛ばせば、そうすれば幸せな人生って奴を完成させられる。」

94 :THE90 ◆HLhlrfISK. :2007/10/15(月) 20:26:11 ID:???
26:レイは肩を竦めて、刹那的ね、とケンジの言葉を評価した。
「俺は成長に失敗したからな、まあでも俺にはこの生き方のほうが合ってるし、
 実際大人か子供かなんてのは他人の評価でしかないのさ。」
俯きながらシンジはケンジの言葉を頭の中で繰り返し、
全部正しいとは思わないけど、間違ってはいないと思います、と自分なりの結論を出した。
ケンジは、それでいい、とシンジに答えながら一人納得して頷いていた。


国外の戦地で死んだ日本人兵士達が奉られている防人神社では今日、
神社の完成を記念した祭りが行われていた。
長い石畳の通路には様々な夜店が出ていて、浴衣を来たカヲルとシンジとアスカが楽しそうに遊んでいた。
最初はカヲルだけがケンジに買って貰った蝶の模様の入っている浴衣を着ていたが、
アスカがシンジが止めるのも聞かずに、
ケンジに浴衣をねだったので三人全員が浴衣を着ることになったのだった。
アスカはハートの模様、シンジは桜の模様の浴衣で、
着付けの仕方は誰も知らないので浴衣を買った店の店員にして貰った。
ちなみにカヲルはレイにしてもらったらしい。
シンジとカヲルは金魚すくいをしているが、何故かアスカだけはビデオカメラを振り回している。
原因は神社の中にいる国連軍の兵士達で、
アメリカ大使が何者かに愛人宅からの帰りに狙撃されたので、このような事態になっている。

95 :THE90 ◆HLhlrfISK. :2007/10/15(月) 20:28:48 ID:???
27:兵士達の中には日本人と一緒に白人やアフリカ系も多く混じっていて、
それは元在日米軍の国連軍兵士だった。
アスカはビデオカメラで兵士達の装備を撮り、それを見ている兵士達は苦笑いをしていた。
ケンジはポケットからマイルドセブンを出すと、
栗の木の傍で立っている20代位の若い白人兵士に一本差し出して話しかける。
「アンタ、アメリカ人?」
若い白人兵士はケンジが英語を話したことに少し驚きながらも、
マイルドセブンの箱からタバコを抜き取った。
「英語、喋れるのか?」
「それなりに。」
ケンジは自分も煙草を咥えてターボライターで火を点けると、
ポケットの中身を探っている兵士の煙草にも火を点けてやった。

「どうだい、警備は暇だろ?」
「ああ、暇だな・・・・・・アメリカ大使が撃ち殺されたくらいで国連軍の出動を要請するなんて、
俺の国の政府も随分タマが小さくなったもんだ。」
「仕方ねえさ、今日までテロなんてのはそれこそアフリカかアジアの貧乏国家でしか起こってなかったのに、
セカンドインパクトから復興しつつあるこの日本でテロが二度も起きた、
2001年の二の舞はみんなゴメンなんだろ。」
「俺はあの時まだガキだったが、テレビで日本のひどい状況を見た時はまた原爆を落とされたのかと思った。」
兵士が煙草の煙を深く吸い込みすぎて、少し咳き込む。
どうだい、メイド・イン・ジャパンの煙草は?とケンジは微笑みながら聞いて、
兵士は葉の味が少し薄い、と答えた。
「それにしても物好きだよな、
今や世界中の軍隊が国連に管理されて敵なんてどこにもないのにテロを起こすなんてよ。」
兵士の言葉を聞いたケンジは可笑しそうに肩を揺すって笑うと、
まったくだ、と独り言の様に呟いた。

96 :THE90 ◆HLhlrfISK. :2007/10/15(月) 20:30:51 ID:???
28:兵士と話しているのを見つけたシンジとアスカが興味津々といった目で走り寄ってくる。
「あれ、あんたの子供か?」
「いや、知り合いの子だよ・・・・・・・俺、子供いるように見えるほど老けてるか?まだ30代だぜ。」
「少し老けてるかな。」
冗談を言い合いながら二人は笑い、やってきたアスカはケンジ英語話せるの?と聞き、
昔、外国で暮らしてたんだ、と日本語で答えた。
「お前混血なんだろ?話せないのか?」
「ドイツ語だけ話せる。」
「なら英語もすぐに話せるようになるよ、ドイツ語と近いからな。」
シンジは不思議そうにケンジを見つめて、ケンジさんって色々特技があるんですね、と言う。
英語は話すのはそんなに難しくない、試しに話してみたらどうだ?、
とケンジはシンジの頭を撫でた。
兵士はシンジとアスカを優しく見つめて、かわいい子達だね、と微笑み、
その英語は簡単だったのでシンジ達も理解して、照れながら嬉しそうにしていた。
ケンジはそんな二人の様子を、なぜか悲しそうに眺める……


97 :THE90 ◆HLhlrfISK. :2007/10/15(月) 20:33:15 ID:???
29:郊外の川原ではシンジとアスカが蛍を見てはしゃいでいる。
ここはケンジが偶然見つけた秘密の場所で、カヲル達の他には誰もいない。
ケンジは二人の後ろでセダンのボディに寄りかかり、カヲルは隣で手に止まった蛍を見つめていた。
「綺麗・・・・・・」
「そうだな、俺は虫は好きじゃないんだが、蛍は綺麗だから好きだ。」
「そういえば、誕生日の時のビルもこれと同じくらいに綺麗だったな・・・・・・
花火、私のために仕掛けてくれたんでしょ?」
ケンジは照れ臭そうに、まあな、と答え、
カヲルは照れているケンジを、可愛い、とクスクス笑った。

「あのさ、1週間前の狙撃事件、あれケンジだよね?」
「そうだ、一発で仕留めた、すごいだろ?」
「ケンジの敵って、アメリカなの?」
「いや今は違う、というか俺の雇い主だな。」
カヲルは、雇い主が自分を攻撃させたの?、と不思議そうに問いかける。
「国なんてそんなもんだ、本当はみんなバラバラなのに纏まっている振りをする、
俺の雇い主はアメリカ全部じゃない、アメリカの保守派と後は兵器産業なんかだろうな。」
「自分の雇い主なのに、良くわかってないみたいな言い方だね。」
「俺は使い捨ての殺し屋だ、重要な情報は与えられない。」
「ダイキやナオタカさんもそうなの?」
ケンジが溜め息を吐きながら、顎を摩る……ケンジが物を考えているときの癖だ。
「ダイキはお前も知っている通り元軍人なんだが、その後はアジアン・ネットワークに入った、
これはマフィアの集まり何だが・・・・・・ニュースで聞いたことあるか?」
カヲルは頷く、アジアンネットワークはアジア全域にまたがるマフィアの連合だ。
国連がまだあの災害の爪痕が多く残っている頃に、
組織犯罪を撲滅するために軍と警察を使って徹底的な摘発を行い、
それに対抗するために作られたネットワークだった。
肩の関節をゴリゴリと鳴らしてケンジは息を吸う。

98 :THE90 ◆HLhlrfISK. :2007/10/15(月) 20:37:31 ID:???
30:「ナオタカは俺達の中で一番雇い主に近い、というか雇い主の部下で多分俺達の監視役だ、
俺たちがテロビジネス企業を立ち上げたのも、元はあいつが話を持ち込んできたからなんだ……
多分あいつは兵器産業の抱えてるいわゆる諜報員って奴なんだろうが、
もしかしたらCIAとも繋がってるかも知れないな。」
赤い瞳を暗がりで光らせながら、カヲルは、ケンジは昔何をしていたの?、と尋ねた。
「俺か、俺はイスラムゲリラに入ったんだが、
その後良く分からないうちに暗殺教団とかいうのに入れられて、
そこで2年くらい訓練を受けた・・・・・・ありゃマジでキツかったな。」
ケンジは顔を顰めながら頭を振って少々大袈裟なリアクションをする。
それからケンジはカヲルのほうに顔を向けると、どうして今日はそんなに質問するんだ、と訊き帰し、
カヲルは少し言葉に詰まったが、しかし決意してケンジの顔を真っすぐに見つめた。
「ケンジ、もうすぐいなくなっちゃうんでしょ?」
ケンジはカヲルの眼を辛そうに見つめ返すと、そうだな、と小さく寂しい声で呟いた。

目の前をたくさん舞う蛍の群れはまるで、地上に星が降りてきたようだった。
その幻想的な光景を見ていたカヲルはハンドバックからハート型の小さな瓶を取り出すと、
中に入っているカプセルを口に含んで噛み砕く。

「お前それチーズだろ?」
チーズとは風邪薬と少量のコカインを混ぜた麻薬で、
ケンジは何故かたくさん麻薬を持っていて、カヲルはたまにそれを無断で頂戴していた。
「なんかちょっと切ないから・・・・・・」
「程々にしろよ。」
「うん・・・・・・あっ、効いてきた。」
突然、ハイになってカヲルは笑い出し、
その様子をケンジに射的で取ってもらったペンギンの縫いぐるみを抱いているシンジは、
不思議そうに見つめてきているのだった。

99 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/15(月) 20:53:16 ID:???
2chに投下したのをまとめてどこかのサイトに再掲載ってパターンは良くあるけどな
投稿サイトに投下したのを手直して2chにっていうのははじめて見たぞ

100 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/15(月) 21:16:14 ID:???
凄い伸びてるから荒らしが来たかと思った

101 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 01:24:17 ID:???
一言言わせて。

カヲルキモイよ

102 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 01:26:40 ID:???
これもう見たくない
投下しないで欲しい…

ていうかある意味荒らし?

103 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 01:35:30 ID:???
皆全部読んだのか。長すぎて途中で挫折した
どんな感じだった?そんなに悪いのか

104 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 01:37:47 ID:???
取り合えず読んで思ったのは(途中までだが)カヲル腐は皆死ねばいいのに
最初は良かったがカヲルからキモイ

105 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 01:46:01 ID:???
ざっと読んだけどシンジきゅんがいまいち活躍しないな

106 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 01:51:05 ID:???
じゃあおまいら何系が読みたいんだ

107 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 01:55:24 ID:???
別にカヲルは好きだがオリキャラとカヲルの描写がメインで
あまりにもシンジきゅんの影が薄い気がする


108 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 01:56:25 ID:???
とりあえずキモくなくてシンジきゅんが幸せなやつ
オールキャラギャグとか…





本当はファザコンヤンデレなシンジきゅんが見たいよ!

109 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 01:57:21 ID:???
ざっとしか読んでないけどカヲル女体化?
その時点でイラネwww

110 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 01:58:57 ID:???
>>109
まずキャラ違うしね
本当に気持ち悪い、カヲル腐って本当に気持ち悪い
なんで自分の好きなキャラをこうもキモくできるのやらw

111 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 02:00:00 ID:???
あんまりカヲル腐カヲル腐言ってる奴は釣り

112 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 02:02:37 ID:???
>>111
キモイもんはキモイからしょうがないよ
こういうキモイの書くのって奴らじゃん

生粋シンジストな職人町

113 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 02:02:54 ID:???
どっちかというとオリキャラの方が萎える

114 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 02:05:20 ID:???
なんという不評ww

115 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 02:07:28 ID:???
何ていうかね、オリキャラ中心に話が進んでいて
あまりに世界観が違いすぎるからシンジきゅん萌えSSを
読んでいるという気がせずワクワク感がない

116 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 02:09:51 ID:???
一言でハッキリ言うと?

117 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 02:10:01 ID:???
カヲルのキャラに吹いた
ここまで違うと別にムカつかないけどな
笑えてw


118 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 02:11:01 ID:???
シンジ萌えが足りないんだよな
別にパンツ見せろとかエロとか望んでるわけじゃないんだ
ただシンジきゅんの仕草や可愛さ、それだけでいいんだ

119 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 02:12:26 ID:???
これ別にカヲルじゃなくてオリキャラでやれば良かったのでは?

120 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 02:13:22 ID:???
カヲルキャラ違きんもーw

121 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 02:13:53 ID:???
むしろエヴァじゃなくてよくね

122 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 02:14:35 ID:???
>>116
駄作?

123 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 02:15:23 ID:???
パラレルは好きだけどここまでアレだと別に
エヴァキャラやシンジきゅんでやらんでもいい気がする
ASUKAの学園黙示録とかそんな感じ

124 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 02:18:21 ID:???
>>123
あれも何故かなかなか腐女子には好評だったな
やっぱああいう絵柄好きなんだ

125 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 02:19:32 ID:???
貞カヲだと思えば…思えば…おも

126 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 02:21:28 ID:???
カヲルのカの字も顔も浮かんでこねえw
スパシンみたいな、オリキャラ化された臭いがする

まあ、カヲル嫌いだからどうでもいいや

127 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 02:21:45 ID:???
>>125
無理がありすぎる。奴は皮肉屋で淡々としているからな

128 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 02:22:02 ID:???
いきなりだが

最近、貞シンジは本当に半陰陽なんじゃないかと思うんだ
胸はまだ全然未発達で、竿はあるが玉はない代わりに女の子がついてる
そんな気がするんだ
これから体つきがきっと女性っぽくなっていくんじゃないかと思うと

129 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 02:24:58 ID:???
そう言われると7巻でトウジの件でぶちぎれたシンジきゅんが
ゲンドウに殴りかかるコマがどうしても女の子に見えてしまう。
つか、殴り方がおにゃのこっぽい

130 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 02:25:19 ID:???
半陰陽ってそんなにいいもんじゃないよな
おっさん顔でおっぱいついてるとかなぁ

副腎皮質の異常で、XXなのに男性器がついてる女の子もなぁ
無月経で体毛が濃くなるんだぞ

131 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 02:27:15 ID:???
ちなみにちゃんと射精できて子宮も使えるふたなりさんは遺伝子学上絶対存在しない


132 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 02:29:58 ID:???
こんなに投下してさるさん規制にはひっかからなかったのかな?

133 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 02:31:10 ID:???
>>131
二次ですから!

134 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 02:33:24 ID:???
XYで外見上は女の子な人とかもいるらしいが、こっちも妊娠出来ないみたいだ
アンドロゲン(だっけ?)分泌異常が原因なら、性欲無さそうだ

135 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 02:40:26 ID:???
セカンドインパクトがなぜか起こした奇跡設定などいかが?

136 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 02:41:45 ID:???
とりあえずカヲル腐とかいう前に最低系のスコップ対象って感じだった。

>>131
カウパーだけでもおk



137 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 02:52:03 ID:???
射精出来ないならカウパーも無理じゃね

138 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 02:55:47 ID:???
別にカヲル出してもいいんだけど明らかにキャラ違うしな
もっと学園ものっぽいコメディかと思ってた

139 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 02:58:15 ID:???
ちんこもまんこも両方使うのは生物学的に無理らしい

140 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 02:59:54 ID:???
>>128
もしそうだとするとシャワー室でカヲルに乱入されて妙に焦っていたのもなんか納得。

141 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 03:00:59 ID:???
学園ものはだいたいハーレムだから嫌いだ
つか、ハーレムものが嫌いだ

142 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 03:01:06 ID:???
ふたなりは良さがよく分からん


143 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 03:02:18 ID:???
>>141
シンジ育成漫画とかなw
ほんと打ち切れやアレ

学園シンジは26話見る限り可愛いんだけどなー

144 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 03:03:45 ID:???
>>142
正常なことです、それは

145 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 03:06:56 ID:???
>>144
人の趣味も色々だけど、正常か
良かった

どうしてもふたなりって、エロ漫画しか頭に思い浮かばないんだよな

146 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 03:08:09 ID:???
>>138
出てても構わないが女は勘弁してくれ

147 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 03:10:59 ID:???
だよな


148 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 03:14:43 ID:???
シンジ育成とか喜んでるシンジストはいないだろ
何かシンジは無個性別人でアスカのマンスジとレイの乳と
トウジは空気でヒカリとイチャついてケンスケは孤独でカヲルはホモ
だいたいそんな感じ

149 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 03:16:23 ID:???
>>145
そう、あなたは正常
ショタの延長線上でなくガチふたなりっ娘の貞シンジに変な気持ちになってる自分は変態だ

ふたなりはエロ需要が一番あるからなー
でも自分の体にコンプレックスを抱きながら生きていく、汚れない姿
そういうのも良いと思うんだよ
特に貞シンジきゅんの場合は

150 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 03:17:58 ID:???
>>140
普通乱入されたら焦るって

151 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 03:24:46 ID:???
しかもあんなちんこまで触れ合いそうな位置まで近づかれたら
悪いが確かに好きにはなれない

152 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 03:30:54 ID:???
貞カヲって好かれる要素一つもない行動とってるのに好きになれ連呼で
何故そんな奴に惹かれたんだ、シンジきゅん

153 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 03:37:34 ID:???
自分と思い切り違うタイプだからじゃないのか?分からんが

154 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 18:08:25 ID:???
案外殺した罪悪感で後々そう思いはじめたんじゃない?
嫌いじゃないって言ってやったのはある種の哀れみ

155 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 19:51:47 ID:???
普通に接していたらただのちょっと変な奴で友達になれるかもしれないが
は確かに好きになる要素少ないなw
庵カヲと同じで他に誰もいないときに、
しかも直球で『好きか否か』と聞いてきた奴だからかな

156 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/17(水) 19:12:31 ID:???
以前こんなエヴァ小説がどうしても読んでみたいスレで書いたネタなんだが
このスレの住人にどのような評価が下されるか気になるんだ。
貼ってもいいか?

157 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/17(水) 19:16:48 ID:???
倒錯ネタかい。どれどれ

158 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/17(水) 19:26:22 ID:???
後天TS
シンジは内向的だがいじめに対抗するためや、ゲンドウを呼び寄せるために暴力を振るう問題児。
負った傷が消えないという謎の体質も持っている。(精神と肉体の繋がりが強いとかそんな感じの設定)
そのことから異常なまでのエヴァ適性を持っていたために第三使徒との戦闘で植物状態になるが
ダミーシステムの研究材料にされて、肉体から意識だけをコピーされ、綾波クローンにインストールされる。
肉体の形状はシンジのコピーの魂をインストールされたことで、見た目だけシンジ似に変化するが性別は女性。
いわばシンジのダミーで動くシンジ似の綾波というような感じになる。
残された肉体と眠っている本来の魂は異常なまでのエヴァ(アダム)に対する適正から、ゲンドウによって
補完計画に有効活用される。
ミサトはゼーレが進めている人類補完計画の全容をリツコから既に知らされている。
リツコはミサトに人類補完計画を阻止して欲しいというフリをして、ミサトに妨害工作を行わせて
対ゼーレ戦略として活用している。本来の目的はゲンドウと添い遂げること。
ミサトはミサトでリツコの企みに気づいているのだが、補完計画に一部同調する面も持っていて悩んでいる。
というような話が読みたいのだが。

久しぶりに自分の過去のレスを読んだら凄く痛かったので、最初の数行のシンジの設定は無かったことにして・・・
シンジは最初の使徒戦でいきなり溶ける。
サルベージ成功の確率を上げるために、空の器である綾波クローンを利用した新プランが発案され、実行し、結果綾波肉体のシンジ生まれる。
というような感じに置き換えようと思ったのだがあえてそのまま貼ってみる。

159 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/17(水) 19:31:53 ID:???
うん。最初の厨設定は確かに痛いな…

160 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/17(水) 19:46:01 ID:???
はじめのアイタタ設定を無しにするなら、物語のごく初期にTSイベントのある再構成物だよな
大長編になるか一部抜粋にするかはわからんが、意外にもその類の作品を見たことが無い。
ミサトやらリツコやらゲンドウやらの行動は物語の味付けであるからこの際どうでも良いわな

綾波ボディーのTSはいろいろそれをネタにして話が広がりそうで良いけど、
このスレ向きの話と考えるなら、元のシンジきゅんの造形を生かした単純な女性化のほうが受けるだろうな

161 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/17(水) 19:50:24 ID:???
後天TSにするなら、シンジがいっぺん体を失うぐらいのことをしないと
性転換なんて現象が起こる理由付けにならないかな・・・と思って視野が狭くなっていたんだと思います。
まぁ、妄想の中ではところどころに厨二病的なネタ考えたりしていたってのもあるので厨二的って指摘は正しいです。
大体その厨二的能力を発揮するとしても、そのころの身体は女の子なわけですから、ヒーロー的主人公+厨二的能力よりかは
痛い率さがってないかな・・・だめか。ヤンデレが好きなので。

あと置き換えなかったのは、体が解けて失われたままだと、後半の設定と矛盾して
そこまで置き換えるのが面倒だった・・・っていうのもあります。

綾波inシンジコピーの状態では、ほぼこのスレの人が妄想するようなシンジきゅんで妄想してました。
青(白?)髪や赤目ではないです。色も変わらないです。

162 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/17(水) 20:09:29 ID:???
しょっぱなからのTSによって変化する人間関係や、中身男での女性としての生活の要素が加わるじつに美味しい再構成ものだよなぁ
俺も昔からそういうのを読んでみたくて、せめてプロットだけでもとネタを投下したこともあったか……

そこらにありふれていそうな話だけに、FF作家諸氏は手を出さないし、手を出したやつは独自色を出そうと変な設定をこねくりまわして自爆するのかもね

163 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/18(木) 03:46:50 ID:???
ちょっとすまん。

なにか俺のほうでも変な毒電波を受信して脳内で暴走してる連中がいるんだが
こいつらを文章として書き留めておくべきだろうか?
小説など書いたことのない人間なのでまともに出来上がる気はしないんだが・・・。

164 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/18(木) 14:20:40 ID:???
いちいち断らんで良いかと
プロットの投下がほかの住人の別のシチュ投下のの呼び水になるかも知れないし
職人との共感があれば連載作品の投下につながることもある

165 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/18(木) 15:25:56 ID:???
はげどう

166 :\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\:2007/10/18(木) 15:45:05 ID:???
シンジ&アスカ&レイ

167 :163:2007/10/18(木) 23:47:54 ID:???
んじゃとりあえずプロット投下。

・女シンジを弄くってみよう
・エロスはあまりなしで
・Wシンジに持っていきたい
 >逆行させてみる
 >女シンジに憑依させてみる
 >どっちの記憶も消し去ってみる
 ⇒習慣的行動と意識下の感覚のずれにはぁはぁ
 ⇒一応逆行と現行がいるからどっかで予定調和的にダブルにできそう
・やっぱハッピーエンドがいいな
 ・どうでもいいけど親として葛藤するゲンドウさんは大好きだ
 ・あんまりバッド方向に引っ張ると軌道修正難
 ・下げ時々上げ。
・本編準拠
 ・ぶっちゃけストーリーよりシチュ萌じゃなかろうか
  ・本編準拠だと分量があほみたいに多くなる
   ・書ききる自信0
    ・絡めにくい使途やらエピソードは削る覚悟で


こんな感じに。

アニメ準拠1〜2話途中程度分まで一応書いても見たけど、
このままじゃちょっとお粗末な気がする状態。

投下すべきか、どっかに暫定upして推敲と突っ込み頼むか、どっちがいいだろうか。

個人的には
>>162の結末が待っている気がしなくもない。

168 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/19(金) 00:03:22 ID:???
碇シンリちゃんエッチな子バージョンみたいに話を飛ばしまくって完結させてしまうのも良いかもなぁ
ああ、あれも憑依物だったか……

まあ、気が向いたら投下してみてよ
保管所の掲示板の軒先を借りてみるとか

169 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/19(金) 00:49:37 ID:???
とりあえず全裸で待ってるから

170 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/19(金) 11:21:46 ID:???
せめてパンツを履け

171 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/19(金) 17:48:46 ID:???
>>167
すまん、まじめに設定考えてるのは伝わるが
むずい専門用語が多すぎてなんとコメントしてよいかわからん
つじつまなんざどうでもいいので、展開をわかりやすくできんものか

172 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/19(金) 20:26:51 ID:???
何か最近女シンジのヤンデレ話が多いな
女装シンジが見たい

173 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/19(金) 20:45:27 ID:???
冬月先生の碇シンジ育成計画
エヴァ2的に

174 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/19(金) 21:12:11 ID:???
アスカに無理矢理着せられるとか
ミサトにノリノリで化粧させられるとか
レイに失笑されるとか
トウジにうっかり惚れられるとか
ケンスケに面白がって激写されるとか
ゲンドウに見られてユイの面影を見つけられて複雑な思いするとか

そんな女装シンジきゅん

175 :163:2007/10/19(金) 22:59:51 ID:???
軽く校正したんで、このあと投下してみるよ。
ただ、正直こんな分量で進めていたらいつ終わるかわかったもんじゃない状態。
きちんと長編完結させてる人たちはすごいなあと自分で書いてみて思う次第。

あとプロットの一行があほみたいに膨れ上がるとか、いまさらながら苦労というやつが見えてきた。
あと台詞集がほしい。切実に。

>>168
そういわれるとシンリちゃんと成立経緯が似ている気がします。
そもそもいろんなFFから影響受けまくって妄想空間が成立してると思われ。
その辺も指摘してもらえると助かるかもしれない。

>>169
ネクタイくらいはしてください。

>>171
なぜか女の子な反応をしちゃう自分にどきどきなシンジちゃん、ってのを根本として
小説用にプロット書いていたらこうなった、という程度のものです。



176 :163:2007/10/19(金) 23:18:03 ID:???
『Migraine』


妙な夢を見た、気がする。

限りなく平坦で、絶望的な、それは悪夢だったと思う。
著しく不快感を増幅させる寝汗もそれを見たという証拠だろうか。

それも仕方のないことなのかもしれない。何せあの手紙だ。

『来い』

それしか書かれていない、父からの呼び出し。
もう、忘れられたものだと思っていた。
もう、忘れたものとしてあきらめていた。

それなのに、こんな愛想の欠片もない一言で自分は父のところへ行こうと決めた。

「結局、私は父さんを慕っているのかな?」

誰に言うでもなくつぶやいて、私は出かける準備を始めた。

***



177 :163:Migraine:01:2007/10/19(金) 23:20:13 ID:???
「あー、もう、何でここまで来て止まっちゃうんだろ」

彼女の乗ったリニアトレインは、目的地の二駅手前で緊急停止して以後、動き出す気配はなかった。

<<……を中心とした関東中部全域に特別非常事態宣言が発令されました。住民の方々は速やかに指定のシェルターに避難して下さい。繰り返しお伝えします……>>

「非常事態って……何が起こってるんだろう……」

仕方なく駅を離れたが、人っ子一人いない。
すでに住民の方々はシェルターとやらに避難されてしまったのだろうか。
連絡を入れようと公衆電話を取ってみたが、その受話器も非常事態と無機質な声で繰り返すだけで、どこにもつながらなかった。

「迎えに来るってことだったけど、リニアがここで止まってるの分かるのかな……」

ため息をつきつつ、手紙に同梱されていた写真を見る。
そこにはグラマーな女性が写っていた。
ここに注目! なんて胸が強調されているのは何かの挑戦だろうか?
大して膨らんでいない自分のものと比べて少し悲しくなる。勝負にもなっていない。

ん……?

ふと、誰かの視線を感じて顔を上げる。
だがその行動は突然の爆発音によってさえぎられた。

「ミサイル!?」

爆音に驚き、振り向いて見えたのは、尾を引いて飛び去るミサイルの群れだった。
そしてその向かう先には……異形の巨体が、ビルの間から姿を覗かせていた。

「な、なに、あれ?」

178 :163:Migraine:01:2007/10/19(金) 23:21:49 ID:???
ビル群と変わらない巨大な人型の化け物がミサイルの雨に見舞われていた。
だがその爆発の中にあって小揺るぎもせず、何事もないかのようにゆっくりと歩を進めている。

――と。

「ぐっ、ふっ!?」

突然の頭痛。
目の前の現実を脳が否定しているのか?
などと思ったその時。

視界は赤と黒の世界に取って代わり……
その瞬間、圧倒的な恐怖が彼女の心を覆った。

体が竦む。
意識が飛びかける。

だめだ、逃げなきゃ……

そう思っても、体がいうことをきかなかった。

落ち着け
落ち着け
落ち着け
落ち着け……

何度も心で念じる。
ふうっ、と息を吐き出し、ようやく動けるようになった彼女が見たのは、
自分に向かって墜落してくるVTOL機の機首だった。

***

179 :163:Migraine:01:2007/10/19(金) 23:23:07 ID:???
「やばい!」

葛城ミサトはあせった。
本来ならば第3新東京駅で落ち合い、すでに連れ帰っている予定だった。
それがこの突然の敵襲にリニアトレインが緊急停止、しかたなくアクセル全開で新箱根までとばして来たのだが……

墜落したVTOL機の爆風をもろに受け、吹き飛ばされる人影。

「遅かった……?」

吹き飛ばされたのを見ていただけ少しは幸運だったといえるのだろうか?

停車し、その人影に近寄る。
小柄で華奢な体格、ショートカットの髪。
間違いない、対象の人物だ。

TシャツにGパンと地味な装いではあるが、その顔のつくりは良く見れば美少女と呼べる部類のものであったろう。
頭部から流れる血が遮っていなければ。

すばやく心音と傷の状態を確認する。

――大丈夫、生きている。

頭部のもの以外はかすり傷がほとんどだった。
スカートを紐状に引きちぎり、止血する。
脳内出血などしていたら事だが、状況が状況だ、今はそうでないよう祈るしかない。


180 :163:Migraine:01:2007/10/19(金) 23:24:33 ID:???
「……高かったのに、この服……」

などと一瞬場違いなことをつぶやきつつ、助手席のシートを倒して寝かせる。
もたもたしてはいられない。UN軍の攻撃は激しさを増しており、しかし目標は確実に本部に近づいていた。

一気にアクセルを開け、加速する。時間の猶予はない。

***

「うっ……」

押さえつける圧力と衝撃が頭に響いた。
頭がどくどくと疼く。
思考が定まらない。頭の中に濃い霧がかかっているかのようだった。

「あ、ごめん、でも気が付いた?」

女性の声。
どうも、車に乗せられているらしかった。

「碇シンジちゃんね?」

反射的に頷いた後、起き上がろうとした。

「あ、怪我してるんだから、無理しないで」

いわれて気が付いた。ひどく頭が痛いのはそのせいか。
そういえば頭だけでなく、体のいたるところが痛かった。全身筋肉痛にでもなったのか。

「私は葛城ミサト。ちょっち今急いでるんでちゃんとした自己紹介は後でね」
「はあ……」

181 :163:Migraine:01:2007/10/19(金) 23:25:37 ID:???
だめだ、まだ意識が混濁しているようだった。
状況がまるきりつかめない。

「……まさかN2地雷を使用する気なの!?」

隣の女性が悲惨な声を出している。

「動かないで!」

叫ぶと同時に、僕の上に覆いかぶさってきた。
そこに激しい衝撃。
車ごと吹き飛び、転がる。
体中の傷が悲鳴を上げ、意識が飛びかける。

最後に半回転して、横転した状態で車はようやく停止した。

「く、はっ」

痛みに息を吐く。
だが状況の割には無事だったといえた。
どうやら女性がシートごと支えてくれていたらしい。

「大丈夫?」
「何、とか……」

口の中がシャリシャリになっていたが、そう答える。

「車もどすから、とりあえず引っ張り出すわよ」

その言葉通り、ドアから引きずり出された。
体中が痛いが文句を言うだけの気力もなかった。

182 :163:Migraine:01:2007/10/19(金) 23:26:43 ID:???
爆風で平坦化した地面に寝かされる。

どん、どん、どん。

体当たりでもしているのだろうか、何度もぶつかる音が聞こえた後、重たいものが地面にぶつかる音がした。

「ふいい、つかれたあ。さて、いくわよ」

そういって僕を抱きかかえようとする彼女の顔を、初めてまともに見た。

ずん。

頭痛がした。頭の芯に響く鈍痛。
だけどなぜだか、穏やかな気分になった。

***

車内に葛城さんの電話する声が響く。

「あ、リツコ?うん、今向かってるから、カートレインまわしておいて」
「あとちょっちトラブっちゃって、怪我してんのよ。ええ、私じゃないって、彼女がね」
「頭に怪我してるの。他はたいしたことないみたいだけど、救護班も入り口に待機させておいてちょーだい、それじゃ」

何か台のようなものに乗り、ゲートが閉まった。
これがカートレインだろうか、車ごと移動しているようだ。

いまだに意識がはっきりとしないが、体のほうは何とか動くようになってきた。
葛城さんも一息ついたのか、一呼吸するとこちらに話しかけてきた。

183 :163:Migraine:01:2007/10/19(金) 23:27:46 ID:???
「さて、それじゃあ改めて自己紹介ね。私は葛城ミサト。ミサトでいいわ」
「僕は……」
「碇シンジちゃんでしょ。シンジちゃんって呼ばせてもらうわねん」
「はあ……」
「これ、読めるかしら?」

矢継ぎ早にしゃべりつつ、パンフレットを渡される。
腕も痛むが、何とか読めそうだった。

「ネルフ?」
「そ、特務機関ネルフ。国連直属の非公開組織。私もそこに所属しているの。……ま、国際公務員ってやつね」
「そんでもってあなたのお父さんの仕事場でもあるわ」
「そこに、いくんですか?」
「そのとーり。っと、IDカードは……鞄の中かしら?」

そういって隣にあった鞄の中を探り始めた。

「お、あったあった。手紙も一緒に……って、何考えてんのよこれ!?」

新聞か何かの切れ端を見て、葛城さんはあきれたような声を出していた。

「なーんか先行き不安ねえ……」

と、突然視界に光が広がる。

「え……」
「あ、驚いた?ここはジオフロント。わたしたちの秘密基地。世界再建の要となるところよ」

何とか体を起こして外を覗くと、そこには広大な地下空間が広がっていた。
どうやっているのか陽光が差し込み、そして天蓋にはビルの群れがぶら下がっている。


184 :163:Migraine:01:2007/10/19(金) 23:28:48 ID:???
「凄い……」
「そうでしょう?私も始めてきたときはびっくりしたわあ。地下だってのに湖や森まであるんだから」

その光景に見とれているうちに、視界が下がり、やがてカートレインは停止した。
車がまた動き出し、何かの建物の前で止まる。
ピラミッドかなにか、古代遺跡のような建物。

葛城さんに支えられて車を降りると、白衣を着た人が数人駆け寄ってきた。
その中の一人、金髪の女性が指示を出しつつ僕の状態を見ている。
一瞬視線が合う。

また頭に鈍痛が走る。
妙な感覚。嬉しいような、ぞくりとするような……。

「まったく、あなたが迎えに行くと言い出したんでしょう。きちんと保護もできないなんて、何をやっているの?」
「ごめんごめん、まさかリニアがとまっちゃうとは思って……」
「ごめんじゃありません!万が一のことがあったらどうする気だったの!」
「で、でもほらちゃんと連れてこれたんだから……」
「そんなのは当たり前よ!怪我させてる時点でアウトよ」
「……すいません」

女性に睨まれて、葛城さんが小さくなっている。

「とりあえずストレッチャーに乗せて。移動しながら簡易検査するわ」

言葉通りストレッチャーに寝かされ、建物の中に入った。

185 :163:Migraine:01:2007/10/19(金) 23:29:52 ID:???
「大変な目にあったわね。私は技術一課、E計画担当博士、赤木リツコです。よろしく」
「は、はい」

自己紹介をしながらてきぱきと応急処置と検査を進めていく。

「うん、外傷のみ、幸運にも内出血はしてないと思うわ、よかったわね」

きちんと包帯が巻きなおされる。
とりあえず命の心配はないらしい。
でも、ならばこの鈍痛はなんだろうか。
いまだに頭の中はもやがかかったような状態が続いている。
大丈夫というならいくらなんでも長すぎないだろうか?

「こんな状態で悪いけど、あなたには見せなきゃならないものがあるの」

そんなことを考えていると、ずいぶんと移動していたようだ。
暗い部屋の中に運ばれた。
後ろで扉が閉まると、真っ暗の闇。

スイッチを操作する音。

照明が灯る。

目の前にあったのは、――巨大な横向きの顔。

「ひっ、う!?」

激しい頭痛。ハンマーで叩かれたかのような衝撃が何度も頭を駆け巡る。


186 :163:Migraine:01:2007/10/19(金) 23:30:56 ID:???
恐怖。

安堵。

絶望。

焦燥。

崩壊。

………

……



すべての感情をぶちまけたような、激流が僕を襲う。
赤木さんが何か話している。しかしほとんどの言葉を認識できないでいた。
ただ一言。

「……げん、エヴァンゲリオン……」

その単語のみが頭の中で何度も繰り返される。

――エヴァンゲリオン

――エヴァンゲリオン

――エヴァンゲリオン

――………

187 :163:Migraine:01:2007/10/19(金) 23:33:59 ID:???
「ちょっと、シンジちゃん大丈夫?」

心配そうに近寄る葛城さんの行動はだが、上からの声でさえぎられる。

<<久しぶりだな>>

――誰?

上を見やると、ガラス越しにサングラスをかけた人物が見下ろしている。

<<いけるか?赤木君>>
「問題ありません」
<<そうか……ふっ、ならば>>

<<出撃>>

ずきっ。また新たな鈍痛。

「え、出撃って。零号機は凍結中でしょ?……まさか、初号機を?」

驚くように葛城さんが声を上げている。

――しょごうき。

「他に道はないわ」

赤木さんの冷静な声。


188 :163:Migraine:01:2007/10/19(金) 23:35:02 ID:???
「レイはまだ動かせないでしょ?パイロットがいないじゃないの!」
「さっき届いたわ」

――レイ。

「あなたが乗るのよ、碇シンジさん」

――のる。

そういって、赤木さんがこちらを見たようだった。

しかし状況が理解できない。
意識の奔流が、すべてを押し流しているようだった。

誰かの発する声、その度に激しくなる痛みと激情。


使徒。

ほろびる。

赤。

のる。

しと。

かえらない。

ひとり。

にげない。

189 :163:Migraine:01:2007/10/19(金) 23:36:04 ID:???
エヴァンゲリオン。

マモル。

きえる。

まもる。

だれもいない。

守る。

今度こそ。

守る。

守る。

守る。



190 :163:Migraine:01:2007/10/19(金) 23:37:43 ID:???
――守る!
――もう、誰も消えさせない!


「乗ります。僕が乗ります!みんなを、みんなを守ります!」


突然の絶叫に周囲が静まり返る。

………
……


<<……そうか。出撃準備>>


気が付くと、頭痛は治まっていた。

end.01

191 :163:2007/10/19(金) 23:45:31 ID:???
とりあえず第一話分投稿です。
サイズ規制やら連投規制やらはじめて食らったよ。
大体32行になるように投稿すればいいのだろうか。

文章としてはもう一本、ほぼ同サイズの第二話までは出来ています。

論文やら資料やらはともかく、小説何ぞはじめて書きますんでご指導いただけると助かります。

192 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/20(土) 00:25:25 ID:???
これは初めてにしては読みやすくちゃんと出来ている良いプロローグ

負傷でそれどころではなかったり、他に理由があったりするんだろうけど、
あまりに周囲の人物に無関心なのは多少違和感があるかな
あと一瞬だけのミサトの視点とか

ありふれた導入と「みんなを守ります!」じゃあ、昨今のひねたFF読者はドン引きなんで
もっと、おにゃのこシンジ描写増量で乗り切りたいところ

193 :163:2007/10/20(土) 01:38:31 ID:???
反応を気にしつつ続きを書いていたり。
二行のプロットが300行に化けるって何ですか。

>>192
ありがとうございます。
出来る限り気を配って何とかこのレベル。

視点がうまく定められずに四苦八苦しています。
シンジ視点以外はどうも神視点とごっちゃになる。

他社への無関心は半分思考停止状態というか、
そういう状況を想定して書いていたのですが描写が足りていませんね。すいません。

ありふれているのはもう仕方ないと割り切るとして、
シンジちゃん描写が・・・文章に色気がないのがいかんともしがたい状況。
あとコメディタッチの部分とその他の部分がかなり浮いてしまっていたり。

難しいなあ。

とりあえず第二話分も投下して寝るとします。

194 :163:Migraine:02:2007/10/20(土) 01:40:49 ID:???
「知らない天井……のはずなんだけど」

どこかの病室のようだった。
病室の天井なんて、知っているはずがない。
なのに、何度も見たことがあるような気がする。

回りを確認しようと体を起こそうとしたとき、右目から鋭い痛みが走った。
思わず右目を押さえ込む。

息を吐き、痛みをこらえる。

ようやく落ち着いて、ふと入り口を見る。

見つめ返された。

――赤と黒の瞳。

鈍痛を感じ、意識がまた闇に沈む。

それが何かと認識したときにはすでに、意識は闇に閉ざされていた。

そこにあったのは――鏡だった。

***


195 :163:Migraine:02:2007/10/20(土) 01:41:54 ID:???
ストレッチャーから起こされ、エントリープラグに乗せられた。
そのうちに、内部に液体が満たされ始めた。

「暖かい……」

奇妙な安堵感。

「それはLCLよ。肺の中に満たされれば直接酸素を取り込んでくれるわ」

赤木さんの説明がプラグ内に響く。
だけど説明を受ける前に、僕はLCLで肺を満たしていた。

重たいものが外れる音が聞こえる。
音がするたびに開放されていくような感覚。

また、どこからか声がした。

「エヴァンゲリオン初号機、発進!」

***


196 :163:Migraine:02:2007/10/20(土) 01:42:56 ID:???
そのころ、発令所。

「第二次コンタクトにに入ります。A10神経接続異常なし」
「思考形態は日本語を基礎原則としてフィックス」
「初期コンタクト、すべて問題なし」
「双方向回線開きます」

「シンクロ率……123.9%!?」
「ハーモニクスはすべて正常値です。誤差計測範囲未満!」

発令所内に動揺が広がる。
100%を超える。有り得ない訳ではない。100%の基準は便宜的に定められているに過ぎない。
しかし、人の認識力は100%を超えるようにはできていないはずだった。

「……出撃だ」
「指令!?ですがパイロットに精神汚染の危険が!」
「かまわん。出せ」

乗っているのは実の娘だというのに……。
リツコは碇に対し、不審の目を投げかけた。

「いいのか?碇」
「どのみちここで負ければ未来はない。選択肢はない」

冬月副指令の言葉にもこう答え、指令はディスプレイを睨んでいた。

ミサトが決心したようだ。正面を見据える。

「分かりました。エヴァンゲリオン初号機、発進!」


197 :163:Migraine:02:2007/10/20(土) 01:43:58 ID:???
リニアカタパルトに接続された初号機が一気に地上へと駆け上がる。
最終ロックボルト解除。


人のつくりし異形が大地に立ち、神のつくりし異形に対峙した。

***

ガシュッ

軽い衝撃とともにリニアカタパルトが停止した。
傷が疼いたように感じる。

プシュ

空気が抜けるような音とともに、全身に開放感が広がる。
ロックボルトが外れたのだ。

大地に立っている感覚。
自分は今、巨人になっている。そう思えた。

「シンジちゃん、まずは歩くことだけ考えて」

歩くことを”考える”?
分からない。
だけどとりあえず、足を前に出し、歩き始めた。
だがすぐにその歩みを止める。

目の前に自分と同じく巨大な生き物が佇んでいる。

198 :163:Migraine:02:2007/10/20(土) 01:46:24 ID:???
「どうすれば?」

だがその返答がある前に、相手が動いた。
一気に間合いをつめ、掴み掛かってきた。

予想外のすばやい動きに、だが初号機もまた反応していた。
相手の右手を振り払い、強引に回避する。

体中が軋み、痛む。肉体からのフィードバックだった。

一瞬、動きが止まる。

気が付いたときには左手首をつかまれていた。

ミシッ

いやな音がして、手首が握りつぶされる。

「うぐ、く!」

骨ごと手首を砕かれる痛みに声が漏れる。
一瞬意識が吹き飛ばされた。

逆の手が初号機の頭部をつかみ、持ち上げる。

ドフッ

そのまま、腕からパイルが打ち出され、頭部を強打する。

「くふ、ぐああ!!?」

199 :163:Migraine:02:2007/10/20(土) 01:47:25 ID:???
頭に強烈な衝撃。

ドフッ
ドフッ
ドフッ
バキンッ!!

頭部装甲が砕け、ついにパイルが生身の初号機に到達する。

ドジュウ!

パイルは初号機の右目ごと、後頭部まで打ち抜いた。

「ひっ」

もうまともに声も出ない。
眼球が潰れ、脳がえぐれる。その尋常ならざる痛みと感触に、シンジはついに意識を失った。

***

「シンジちゃん!」

発令所に葛城一尉の悲鳴のような叫び声が響く。
当然か。
人類最後の希望、エヴァンゲリオン。
それが頭を貫かれ、磔にされているのだから。


200 :163:Migraine:02:2007/10/20(土) 01:48:30 ID:???
そもそも彼女はこの戦いのシナリオを知らされてはいない。
知っているものは、”今の”初号機に期待などしてはいない。

だがそうであっても目を背けたくなるような光景であった。
そもそものシナリオ自体が藁をもつかむようなひどいものである。
そんなものに人類の未来を賭けている自分たちを、心の中で自嘲する。

また発令所が騒がしくなる。
どうやら賭けは成功したようだった。

「勝ったな」

冬月の呟きが聞こえる。
言うまでもない。
すでにディスプレイには、驚異的な速度で再生した初号機が第3使徒のATフィールドを食い破り。
そのコアにヒビを入れていた。

最後の反撃か、使徒が初号機に張り付き、盛大に爆発した。
ディスプレイが乱れる。
天まで届くその爆発はしかし、地上に届くこともなく初号機のATフィールドに遮られていた。

一瞬視線を逸らす、その先にはパイロットモニタ。
暴走前の損傷から先、初号機内部のモニタリングは途絶えたままだ。


「エヴァ初号機停止、状態、回復します」
「パイロット生存確認」


201 :163:Migraine:02:2007/10/20(土) 01:49:38 ID:???
――もうここに用はない。

「冬月、後は頼む」

そういい残し、司令室へと引き上げる。

後ろから、声をかけられた。

「碇、包帯は替えておけよ」
「ふん、問題ない」
「……お前も人の子か」

苦笑交じりの冬月の言葉は無視して、今度こそ司令室に入る。
いまだに解けない握り拳を強引に伸ばしながら。

***

「病室の天井、か」

再び僕は意識を取り戻した。
右目の痛みももう、それほどひどくはない。
前に起きたときからどのくらいたったのだろうか。

それにしても……。

「何がどうなればこうなるんだろう?」

すっかり意味の分からなくなった言葉をつぶやく。

備えられていた鏡を覗き込む。


202 :163:Migraine:02:2007/10/20(土) 01:50:54 ID:???
……僕の右の瞳はなぜか紅くなっていた。

ちょっと首を傾げてみる。
鏡の向こうで、線の細い少女が同じように首を傾げる。

――強烈な違和感を感じた。

「なに?なにかへんだ」

確かに黒と赤の瞳は恐ろしくアンバランスで、不可思議なものだったが。

そんなことじゃない。

しょうじょ?
おんなのこ?

あれ?

体を弄ってみる。
――うん、膨らみ始めた胸の感触。柔らかなライン。
確かに自分は女の子のはずだ。

これが男の子のわけがない。

体が、自分は女だと主張している。
理性も女だと感じている。
なのに、それに違和感を感じる。


203 :163:Migraine:02:2007/10/20(土) 01:51:57 ID:???
――なんで?

――これが僕じゃないなら、僕は何なんだ?

そう考えて、しかし僕は硬直した。

「……僕って、誰だ?」

***

「記憶喪失ぅ!?」
「ええ、精密検査はまだだけれど、その疑いがあるわ」

意識の回復した碇シンジの状態について、リツコがミサトに報告していた。

「やっぱり、精神汚染?」
「いいえ、ネルフに来てからのことは多少の混乱はあるけど覚えているわ」
「え?」
「彼女の話からすると、新箱根湯本駅から以前の記憶が失われています」
「……ええと、それって……」
「ええ、爆発で吹き飛ばされたとき、頭部を打ったのが原因と思われるわ」

冷ややかに侮蔑の視線を送りながらにっこりと笑うリツコ。

「でもリツコあの時は怪我は心配ないって……」
「あくまでも怪我のみの話よ、それも簡易検査だし」
「それにあれは不測の事態なわけで……」
「事前にガードの一人でも送っておけばこんなことにはならなかったわ」
「……ということはやっぱり?」
「あなたの責任ね」


204 :163:Migraine:02:2007/10/20(土) 01:55:10 ID:???
ばっさりと切り捨てた。
まあ、減給は確定だろう。降格もありえるかもしれない。

「……この件についてこれ以上責める気はないわ。彼女には現在もうひとつ問題があるのよ」
「まさか半身不随にでもなってるとか?」
「……彼女は精神汚染こそ免れているけど、肉体的にエヴァの浸食を受けているの」
「面会謝絶だったからあなたも会えていないでしょう?写真を見ればすぐ分かるわ」

そういって渡された彼女の写真は、右の瞳だけが紅く輝いていた。
右目……初号機が貫かれた場所。

「初号機の自己修復の際、彼女自身の肉体もそれに近い修復を受けたと考えるしかないわね」
「そんなことありえるわけ?そもそも彼女自身は怪我した訳じゃないんだから、修復って言うのも変じゃない?」
「それが……LCLの流体解析結果から、彼女自身も右目に何らかのダメージを受けていた公算が高いの」
「ここから先は技術部もお手上げというところだけれど、おそらく初号機からのフィードバックで」
「フィードバックって、神経系だけで、肉体に影響は出ないんじゃなかったの!?」
「だからお手上げだといっているでしょう。そもそも100%を超えるシンクロ率なんて、完全に想定外なのよ」


「……そんなわけの分からないものを使って、わけの分からないものを倒してるってわけか……」
「そうね、そしてそんなものに私たちは彼女を乗せているのよ」
「……」

***

205 :163:Migraine:02:2007/10/20(土) 01:56:12 ID:???
碇シンジは大いに悩んでいた。
そもそも自分が碇シンジなのだろうか?と考えてみると、これはどうもそのようだという気がする。
だがそれ以外のことについて、どうにもしっくりとこない。

まず過去の出来事がきれいさっぱり思い出せない。
ここに来ることになった手紙すら覚えていなかった。

知り合いのものらしい写真を見てもまったく思い出せなかった。
いろいろな景色の写真やビデオも見せられたが、何一つ思い当たらない。
見事なまでにきれいさっぱり、この第3新東京市以前のことを忘れてしまっていた。

学力テストも受けさせられて、これは中学二年生程度だと判定された……ほとんど答えられなかった気がしたんだけれども。
年齢は14歳らしいから、まあ、妥当なところなのだろう。

困ったのは自分の何気ない行動だ。
さきほども、着替えよぅと自分の荷物から服を取り出し、着替え終わって鏡でチェックを入れて……固まった。

そこにいたのはかわいらしいワンピースを着た少女。
それは当然だ。自分は少女なのだから。
だけどその自分の姿にどきりとするなんてのは、当然じゃないと思う。

ふと、襟元を引っ張り胸を覗いてみる。

当然そこには白いブラが覗いていて、自分のふくらみを覆っている。
なのにごくりと喉が鳴るのはなぜだろう。
いやそもそも着替えているからにはその時にこんな気分になってもおかしくないのに、なぜ今頃になってそういう気分になるのだろう。

206 :163:Migraine:02:2007/10/20(土) 01:57:13 ID:???
「う〜……」

悶々としつつそんなことを考えていたら。
何かが動いた気がして、視線を上げる……と。

隣にあった扉がいつの間にか開かれ、髭を生やした男性がこちらを見ていた。

………

……




「……えーと」
「……問題ない」

バタン。

思考停止。

………

……



――問題、あるよねえ……?


207 :163:Migraine:02:2007/10/20(土) 01:58:16 ID:???

「きゃあああああああああああああああああ!?」

今度は一転、少女らしい金切り声を上げて、真っ赤になりながらベッドに飛び込んだ。

***

詳細検査の結果を眺める。
ミサトにも、彼女自身にも見せていない詳細データ。

「何らかの外的要因による擬似人格の疑いあり、か」

さすがに、自分が実は偽者かも、なんてことを書かれたものを見せるわけにもいかない。

次は深層心理の調査結果。

「孤立に対する脅迫的とも言える恐怖感と……この絵か」

赤と、黒と、白。抽象画か下手な国旗のようなそれ。彼女の描いたらしいこの絵がその脅迫感の元となっている事象ではないかとまとめられている。

もう一方の報告書は彼女の肉体に起こった変化について記されていた。

基本的なデータは14歳の平均をやや下回る程度。

ただし復元されたと思われる左手首は組織の白化、および痛覚への反応の鈍さと握力の低下が指摘されている。

また右目の検査の結果、現状の視力は0.1程度に低下しているが、人間の可視域を超える範囲の光を認識しているらしい。

さらにDNA検査。事前採取した本人のDNAと比較して約99.9%一致。
約0.1%において初号機による侵食が指摘されていた。

208 :163:Migraine:02:2007/10/20(土) 01:59:18 ID:???
「99.89%……偶然ではないわね」

人造人間エヴァンゲリオン。これもまたヒトなのだ。構成パターンの99.89%は人のDNAと一致する。

ふう。

燃え落ちそうになっているタバコを吸い、吐き出す。

高すぎるシンクロ率、肉体へのフィードバック、さらに彼女自身の存在――
ただでさえ時間はないというのに……

「私を睡眠不足で殺す気かしら?」

すでに3日目になろうかという徹夜で暴走しそうな脳内から、一言あふれ出た。

end02.

209 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/20(土) 02:18:21 ID:???
久々に来てみたらおにゃのこシンジきゅん小説が・・・!
作者乙〜眠かったけど一気に読んでしまったよ

続き楽しみにしてる

210 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/20(土) 07:04:44 ID:???
かっこいい…職人さん乙

211 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/20(土) 10:35:23 ID:???
うん、面白い!

212 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/20(土) 11:40:06 ID:???
俺、ドシュウッ、とか行間に擬音表現入ってると萎える

213 :163:2007/10/20(土) 14:05:49 ID:???
強烈な毒電波自体は過ぎ去ってしまったのでなかなか一気にかけません。
いやまあ、熟成された毒電波が続くとかそんな状況は御免こうむりたいですが。

応援ありがとうございます。
誤字、脱字等も報告してくださると助かります。

>>212
擬音については完全に力量不足によるものですね・・・。
書いている本人もあまり好きじゃないらしい。
読者層が限定され、世界観がある程度共有されているFFだからこそ何とか成立している状態なのは承知しています。
書いちゃった分はともかく今後の分はさらに意識して書いてみます。

土日でしばき倒してみますが一話分進められるかは微妙なあたり。

214 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/20(土) 15:25:03 ID:???
効果音は富野小説を思い出す

215 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/20(土) 15:48:54 ID:???
そういえば、行間の効果音って誰が思いついたんだろうな
小説的には反則ギリギリの手法なのに

216 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/20(土) 15:55:05 ID:???
ラノベじゃね?

217 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/20(土) 19:30:53 ID:???
あかほりさとる、かなぁ。

218 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/20(土) 21:08:37 ID:???
何か作品語りはいいけど感想にいちいち返事はいらんなぁ
馴れ合いっぽい

219 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/20(土) 22:58:22 ID:???
>>196
指令、副指令じゃなくて司令、副司令だと思うぞ

220 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/20(土) 23:34:56 ID:???
赤城じゃなくて赤木な

221 :163:2007/10/20(土) 23:36:10 ID:???
>>218
他レスのついでという感じでしたが、まあ変な空気になるのもあれですし、自重しとこう。

>>219
ぬお、マジに助かった。
現在書いていた部分でも多数の変換ミス発見……。
原文のほうも修正。原文の扱いは……ある程度まとまったらまた考えます。

さて、第三話を書いていたら1000行近い状況になりそうだったので分割して二つの話になりました。
体裁として450〜500行を目安として一話分にしていたり。

つうことで気に食わない部分修正したら元前半分の投下いきます。

222 :163:Migraine:03:2007/10/20(土) 23:52:45 ID:???
begin.03

「退院まで大体二週間ほど」

担当医からはそう聞かされた。

爆発に巻き込まれたためいたるところに痣や傷がある.
とはいうものの、骨折したわけでもないため動き回るのに支障はなかった。
だが退院までは自分の病棟から出てはいけないといわれた。
さらに病棟は特別な区画らしく、人通りがまばらな上にそれほど大きいわけでもなく。
売店すら存在しない。

つまりは。

退屈だった。

***

退屈といっても、傷の手当てや検査、そして連日のように心理検査が行われており、まったく何もしていないわけではない。
しかしそれらの検査が終われば病室に一人。
娯楽といえるものは鞄に入っていたSDATを聞くことくらいしかなかった。
それにしてもテープはもう全部聞き終わり、今は惰性で流しているに過ぎない。


ベッドに座り、少し思い返してみた。
ここ数日でわかったこと。
とりあえず、自分は女の子だ、ということ。
自分の意識は男の子のそれのようだということ。

……性同一性障害?

223 :163:Migraine:03:2007/10/20(土) 23:53:48 ID:???
そう考えても見たが、嫌悪するならまだしも、自分の裸すら恥ずかしいというのはおかしいと思う。
それじゃあさらに自分大好きなナルシストの属性も加えてみたり。

……想像しただけで吐き気がしたのでこれもないんだろう。考えるんじゃなかった。

頭を打ったときに変なスイッチが入っちゃった。とでもしておくしか、今のところ納得できる理由を作れなさそうだった。


現状では男女の意識の差で困るようなことはそれほど多くないのだが、少々困った状況というのはやはりあるわけで。

その一つが着替え。

幸か不幸か、性別というものを思慮にいれずにいた場合、女性的な行動をとっているようだとわかった。
着替えのときも、何も考えずにただ着替えればきちんと下着もつけ、女の子らしい服装に着替えられる、とわかった。

わかったのだが……

認識してしまうと意識してしまうわけで、ものすごく恥ずかしい気分になりながら着替えたことは一度や二度ではない……というか、そちらのほうがはるかに多かった。
しかし恥ずかしいからとブラをつけずにいたりすると、なんとも気持ち悪い感覚になり、結局それを我慢するよりつけてしまうほうを選択した。

同様の状況がもう一つ。トイレである。

何気なく用を足そうとトイレに入ったときはいい。そういう時は大抵女子トイレに入っているからだ。
用を足し終えたあたりで気がついて赤くなるのはまあ仕方ない。

しかし、その、検査などで我慢して、明確な意思でもって『トイレにいく!』と勢い込んでトイレまで行くと……男子トイレの入り口で躓くという、なんとも情けないやら切羽詰った状況に陥るわけだ。

一度そのまま男子トイレに飛び込んだときは悲惨だった。
男子の小便器の前で気がついて激しく狼狽し。
とりあえず個室に入って済ませたはよいが……。
この人の少ない病棟で、よりにもよってこのタイミングで誰かが入ってくる音。

224 :163:Migraine:03:2007/10/20(土) 23:54:53 ID:???
つまりは……

出るに出られなくなった。


このような女の子としては非常に厳しい体験の後、間違っても女子トイレに入りなおすことにしてはいたが、男の子の意識で女子トイレに入ることは、いまだに恥ずかしさが消えない。

そんなこんなではじめの数日はかなりどたばたしていたなあ……と思い返す。
でももうある意味慣れてしまった。
確かに恥ずかしいが、それだけだ。
初めの頃のようにどぎまぎしてしばらく動けなくなるほどパニックに陥る、なんてことはもうない。

怪我の治療も一段落して、精神的にも落ち着いてきた。
だから暇になったと感じたんだと、そう思う。

シクリと何かが軋んだ。

頭の奥で尖ったものが動いている。

少し寒気がする。

部屋を見回した。

広い割にベッドが一つしかない、殺風景な病室。

ぞくりと、背筋が冷たくなる。

おかしい。

おもわず両手で肩を抱いた。

寒気は一向に収まらない。

225 :163:Migraine:03:2007/10/20(土) 23:56:00 ID:???
頭の痛みはズキズキと続いている。

寒い。

体が震える。

怖い。

なんで?

そんな対象が、ここにあるはずない。

こわいものなんて、なにもない。

なにも、ない?

なにもない。

ほかに、なにもない。

じぶんのほかに、なにも。

ない。




「いやあああああああああああああ!」

……
自分の叫び声に驚き、正気に戻る。

226 :163:Migraine:03:2007/10/20(土) 23:57:02 ID:???
そして自分の状態に気が付く。
荒い息を吐き、汗だくになっていた。

「……着替えよう」

棚から下着を取り出しながら、考える。
今のは、なんだろう。

恐怖……そう、あれは恐怖だ。
何もないこと、それが怖かった。

冷静に考えれば何もないわけじゃない。
ベッド、洗面台、この棚だってある。
それでも何もないと感じたのはなぜだろう。

……

広すぎるんだ、この部屋は。
一人で過ごすには、広すぎる。

じゃあ、狭い部屋なら……違う。
そうじゃない。

一人なのが、寂しいんだ。

一人なのが……怖いんだ。


気が付くと、僕は病室を出ていた。
着替えはいつのまにか終わっていた。

***

227 :163:Migraine:03:2007/10/20(土) 23:58:47 ID:???
廊下で窓の外を眺める。
病室に戻る気にはなれなかった。

後ろで音がした。

自分の隣の病室の扉が開く。
髭を生やした男性が出てきた。

――あ、こないだの。

前にあった状況を思い出し、少し赤くなる。

――あれ?そういえばこの人、あの時、何しに来たんだろう。

お見舞いだったのかな?
だったらあんなことになっちゃって、ちょっと悪いことしちゃったかな?

そう思い、声をかけた。

「あの、すいません」

……

目線が合う。

――あ、まただ。

頭に軽い鈍痛が走り、不思議な感情がよぎる。

憧れ、恐怖、喜び、哀しみ。
湧き上がる感覚の整理がつかない。

228 :163:Migraine:03:2007/10/20(土) 23:59:51 ID:???
軽く頭を抑え、停止していると、上から声がかかった。

「……どうした?」

慌てて姿勢を直して、顔を見上げる。

「あ、す、すいません。あの、此間は、私のお見舞いに?」

サングラス越しに、軽く視線がさまよったように見えた。

「……気にするな」
「いえ、気を使わせちゃって、すいませんでした……」
「気にするなといっている」

男性は表情を変えずにそういった。

「それに、せっかく来て貰ったのに、あなたが誰だかわからないんです」

少し沈んでそう言う。
来てくれたからには知り合いなのだろうけれど。
何も思い出せない。不思議な感情以外は。

「お名前を、教えてもらえますか?」

僅かな動揺。
男性の表情は変わっていない。
だが、感じた。

「……碇、ゲンドウだ」


229 :163:Migraine:03:2007/10/21(日) 00:00:53 ID:???
――碇。

――僕も碇。

――と、言うことは……。

「もしかして……お、とう、さん?」

……。

無言の肯定。

今度は自分のほうが激しく動揺していた。

「ご、ごめんなさい。お、お父さん。僕本当に何もわからなくて」
「気にするな。記憶がないのだろう」
「でも!」
「気にするなといっている。」

少し強めの声に、何もいえなくなった。

しばしの静寂。

と、お父さんは病室のほうに振り返った。

「レイ、何をしている?」

言われて、気が付く。
いつのまにか、そこには一人の少女が立っていた。


230 :163:Migraine:03:2007/10/21(日) 00:01:56 ID:???
蒼い髪の少女。
ほぼ、同じ年くらいだろうか。
右目の眼帯といたるところに巻かれた包帯が痛々しい。

そして、紅い左目。

自分の右目と同じ、紅。

それが、お父さんを見上げていた。

「……彼女は?」

間にいるお父さんに、思わず聞いていた。

「ファーストチルドレン、綾波レイ。エヴァのパイロットだ」

パイロット。
彼女も。
僕と、同じ。エヴァンゲリオンの。

「……用がないのなら、私は帰るぞ」
「えっ」

お父さんはいきなりそう言うと、振り向きもせず歩き始めた。

「あ、え、あの、ありがとうございました」

その背中に深深とお辞儀をする。
頭を上げたときには、もう角を曲がり、その背中は見えなくなっていた。

***

231 :163:Migraine:03:2007/10/21(日) 00:03:54 ID:???
姿勢を直し、病室のほうを見た。
彼女はまだそこにいた。

彼女に向き直る。

彼女の顔がこちらを向き、彼女が僕を見た。

目と目が合う。



ふらついた。
強烈な鈍痛が僕を襲った。
思わず頭を両手で抑える。

驚き、悲しみ、そして。

――この感情は……

圧倒的な、嬉しさ。

もう一度、彼女を見る。

無表情にこちらを見ている彼女。

その姿に、また悲しみと、喜びが巻き起こり……。

気が付いたときには、彼女を抱きしめていた。

***

232 :163:Migraine:03:2007/10/21(日) 00:06:12 ID:???
いきなり抱きつかれた。

碇司令と話していた人。

碇司令をお父さんと呼んだ人。

お父さん。父親。男性の肉親への呼称。

ならばこの人は碇司令の子供。

なぜ抱きつくの?

抱きつく。抱擁。親愛の証。

親愛。好意や親しみを感じること。

親しみ。近しい存在。

私はあなたを知らない。

他人。

ならばなぜ?

わからない。

***

233 :163:Migraine:03:2007/10/21(日) 00:07:17 ID:???
「なぜ、抱きついているの?」

綾波さんが、疑問を口にした。

――何故だろう。

「……わからない」
「そう」
「……でも」
「嬉しいんだ。安心するんだ」
「なぜ?」
「わからないけど。でもそうなんだ」
「そう」

そっけない彼女の返答。
それはそうだ、僕の回答は意味がとおっていない。

「あなた、誰?」

彼女のもう一つの質問。

「僕は、碇シンジ」
「私は綾波レイ」
「うん、さっき聞いた。僕もエヴァのパイロットなんだ」
「そう……」

抱きしめられたまま、彼女は動かない。
僕も抱きしめたまま、動かなかった。

彼女がここに存在すると、確かに感じたくて。
離せば、消えてしまうんじゃないかと思えて。

234 :163:Migraine:03:2007/10/21(日) 00:09:22 ID:???
一分か、二分か、もっとだろうか、そうして抱きしめていたが。

「……いつまでそうしているの?」

その問いに、やっと抱擁は途切れた。

「……ごめんね、いきなり」

そう言って離れ、彼女の顔を見た。
かすかな疑問の表情。

「……何故、あなたは泣いているの?」
「え?」

言われて、気が付く。
――何で、泣いているのだろう?
わからない。

涙を拭き、笑い掛けながら素直に答える。

「わからないんだ」
「そう」

涙は、止まらなかった。

***

やっと気分が落ち着いてきた。
感情を強引に押さえ込もうと頭を振ったり、目を瞑ってみたり、小突いてみたり、顰め面をしてみたり。
明らかな挙動不審の僕を、綾波さんは黙って見ていた。

「……もう、戻るわ」

235 :163:Migraine:03:2007/10/21(日) 00:10:26 ID:???
僕が落ち着いたのを確認して、一言そう言って部屋に戻っていく。
その後ろから一緒についていく。

彼女が振り向いた。

「何故ついてくるの?」

彼女が自分の病室に戻る。ならば僕も自分の病室に戻るのが正しいのだろう。
でも病室に戻りたくはなかった。
彼女から離れたくなかった。

「……しばらく、隣にいていいかな?」
「なぜ?」

――ひとりは寂しいから。
「二人のほうが、楽しいでしょ?」

――ひとりは怖いから。
「一人でいても退屈だしさ」

――君もひとりだから。
「同じエヴァのパイロットだし」

――君しか知らないから。
「いろいろ話を聞いてみたいしさ」

――だからひとりにしないで。
「……そう。構わないわ」

――もう、ひとりにシナイカラ。

end.03

236 :163:2007/10/21(日) 00:17:27 ID:???
第三話投下完了。
作者の予想以上にシンジちゃんの内面が壊れちゃってて少々困っている。
気をつけてはいるのだけれど文体がころころ変わってしまったり、文章が安定しないなあ。

237 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/21(日) 01:48:37 ID:???
この妙なスレタイのスレに似付かわしくないシリアスっぽい話だな

でも渋いゲンドウが好きだから、動揺ゲンドウの描写が渋くて嬉しかった。
続きも期待してます

238 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/21(日) 02:08:37 ID:???
パパン…

239 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/21(日) 06:41:05 ID:???
百合っぽい女の子してるシンジ君に燃える…!いいね

240 :163:2007/10/21(日) 16:21:48 ID:???
後半分も何とか書き上げた。が、この展開はちょっとどうなんだ俺。
時間軸はともかく内容的にはアニメ二話分がまだ終わってないし。

まあともかく第四話。投下いきます。

241 :163:Migraine:04:2007/10/21(日) 16:22:53 ID:???
begin.04

綾波さんは僕が彼女の病室にいることを拒否しなかった。
明確に許可してくれたわけでもなかったが。

ベッドの脇の椅子に座る。
彼女はベッドの上で体を起こしていた。

いろいろ話を聞きたい、といったものの、いざ病室で二人きりになると何を話していいのかわからなかった。
何か聞こうにもわからないことが多すぎた。
彼女も何も聞いてこない。

仕方なく、数少ない接点から話しをすすめることにした。

「綾波さんは、なぜエヴァのパイロットになったの?」

知り合って間もない彼女との唯一といってもいい接点。
しかしその答えは、意味を成しているとは思えなかった。

「私は、そのように生まれてきたから」
「どういう意味?」
「エヴァに乗ること、それが私が生まれてきた意味」
「だから私はエヴァのパイロット。そのように生まれたから」

意味を訊ねても、いまいち要領を得ない答え。
だが、パイロットであることが彼女のすべてであるらしかった。
でもそれは人としていいのだろうか?
少し考え込む。そこに。

「あなたはなぜエヴァのパイロットなの?」

同じ質問を返された。

242 :163:Migraine:04:2007/10/21(日) 16:23:57 ID:???
「僕は……」

ほとんどない記憶を探る。
だがわからない。
わかるのは、無我夢中で叫んでいたこと。それだけだった。

「ごめん、わからない」
「なぜ?」
「本当は何か理由があるのかもしれないけど。何も覚えていない。記憶がないんだ」
「こっちについてからもあやふやで、気がついたらエヴァに乗っていたんだ」
「そう……。でもあなたは乗れるのね」

え……?
そういわれて、気がついた。
なぜ、僕が乗る必要があったのか。
別にわざわざ僕なんて乗せる必要はないはずだ。
特にあの時、怪我をしてふらふらだった僕を、なぜ乗せたのか。

「エヴァは特別なもの。選ばれた子供にしか乗ることはできない」
「じゃあ、僕は特別なの?」
「そうよ」

「だって、碇司令の子供でしょう?」

いきなり話が飛んだ気がする。やけに世俗臭がする。

「碇司令って」
「碇司令。碇ゲンドウ。ネルフの総司令。あなたの父親」
「それって偉い人の子供だから特別ってこと?ただのエコ贔屓じゃ……」
「あの人は特別だから」
「何か意味があるの?」
「……」

243 :163:Migraine:04:2007/10/21(日) 16:25:01 ID:???
そのまま彼女は押し黙ってしまった。
沈黙が続く。
もう何か話してくれそうになく、私も押し黙ったまま。
何も話さず。それでも。
連れ戻されるまで、私は彼女の病室で座っていた。

***

翌日も、彼女の病室を訪ねる。
やはり今日も拒否はされなかった。

今日聞きたかったこと。昨日聞けなかったこと。
――お父さんのこと。

「おはよう、綾波さん」
「おはよう、碇さん」

ちょっと驚く。昨日の様子から、返事は期待していなかったのだが。
だけど彼女はすぐに無関心の表情に戻る。
挨拶されたから答えただけ、ということらしかった。

彼女の隣に座る。
また、昨日と同じ沈黙の空間。

でも今日は、それを打ち破ってみた。

「ねえ、綾波さん?」
「なに?」

こちらの疑問形に対して律儀に答えてくれる。
そっけないけど、やはり良い子だと思う。

244 :163:Migraine:04:2007/10/21(日) 16:26:05 ID:???
意を決して、質問をぶつけた。

「僕のお父さんって、どんな人?」

……ちょっと曖昧すぎただろうか?すぐに答えが返ってこない。
少し質問の形を変える。

「それじゃあ、綾波さんは僕のお父さんをどう思ってるの?」
「……あの人は」
「あの人は特別な人」

昨日のどこかずれた会話に戻った。
お父さん自身が特別な人というより、綾波さんにとって特別な人、ということだろうか。
彼女の思考は今一掴めていない。

「あの人は、私を見てくれる」
「あの人は、私を知っている」
「あの人は、私に命令する」
「だからそれに私は従う」
「それがあの人との絆」

……えーと。
なにかこう、主従関係というか、もっと危険なものを感じたのだが。

「そ、それでいいの?」
「ええ、大切な絆だもの」

絆があれば、それでいいのだろうか。
そう考えてみて、気が付いた。

そんな絆すら、自分は持っていない。

245 :163:Migraine:04:2007/10/21(日) 16:27:08 ID:???
――絆か……

「あなたにもあるでしょう?」

――え?

どうやら、思わずつぶやいていたようだけど。その答えに戸惑う。

「あの人はあなたの父親。それは絆でしょう?」

ああそうか。そういう考えもあるか。
でも、そうじゃない。

「それは、絆じゃないんだ」
「なぜ?」

そう、絆じゃない。だって。

「お父さんは僕を知っていたかもしれない」
「でも僕は何も知らない、何もわからないんだ」
「あの人がお父さんだったのかさえ、わからないんだ」
「人の絆は、片方だけじゃ作れないから……だから、これは絆じゃない……」

病室に、静寂が戻る。
二人とももうしゃべらない。
どのくらいそうしていただろうか。
検査の呼び出し。

僕の立ち上がる音が静寂を破る。

綾波さんのほうを見る。彼女もこちらを見ていた。

246 :163:Migraine:04:2007/10/21(日) 16:28:13 ID:???
眼帯に覆われた右目。
彼女の左目だけがこちらを見ている。

――あ。

自分の左目を手で覆う。
視界がぼやける。
僕の右目だけが彼女を見ている。

「こうすると、僕たち同じだね」
「そうなの?」
「うん、同じ紅い目」

同じ、ただの肉体的特長。絆ともいえない、繋がり。
そんなものであっても、彼女に近づいた気がして、嬉しかった。
なぜか彼女がほのかに輝いて見えた。

***

それから退院するまでの一週間ほどの間。
僕は毎日彼女の病室を訪ねた。
何かしゃべっているわけではない。
挨拶をして、返事が返って。
ただ僕がいて、彼女がいて。
それだけの日々。

三日目あたりから、諦められたのだろうか、食事も彼女のところに一緒に来るようになった。
静かな二人だけの食事。
会話も何もない、ただいるだけの二人。
たまに見つめ合う紅の瞳。
ただ無為に消費される時間。

247 :163:Migraine:04:2007/10/21(日) 16:29:39 ID:???
そんな日々も終わる。
退院だった。


最後に彼女の病室を訪ねる。
挨拶だけでもしていこうと思った。

だけど、検査か何かだろうか。
彼女はいなくて。

お別れも言えず、病院を後にした。

***

病院の入り口には女性が迎えにきてくれていた。
たしか、葛城さんだっただろうか。
朦朧とした中での紹介だったが、今の僕の引き出しはそもそもすっからかんだ。
まさしく片手で数えられるほどしか知っている名前などない。

「シンジちゃーん。元気にしてた?」
「葛城さんでしたよね。まあ、おかげさまで」
「頭の包帯はまだ全部取れてないですけど、ほかはまあ、きれいさっぱり」
「まー、女の子だしねえ。傷が残っちゃったりしたら大変よお」
「ははは……」

軽く、左手首をさする。
ここもまだ包帯をしたままだった。
その下だけ異常に白い肌。色は戻るだろうか。


248 :163:Migraine:04:2007/10/21(日) 16:30:43 ID:???
「とりあえずネルフ本部へいくわよ。今後のことについて説明があるわ」
「はい、葛城さん」
「あー、それと」
「はい?」
「わたしのことは、ミサトって呼んでね?」
「は、はい……ミサトさん」
「よろしい。あ、プライベートではシンちゃんって呼んじゃうから」
「はあ、いいですけど」

女の子なのにシンジというのはやはり珍しいのだそうだ。
あまり気にしていなかったが、それなりに違和感があるものらしい。

そんな話をしながらミサトさんの車に乗り込む。

――あれ?なにかよくない予感が……。

思う間もなくエンジンがものすごい音を立て、想像を絶する速度で走り出す。

――来るときは頭打っててよかったなあ……。

恐怖と加速度で真っ白になりそうな頭で、そんなことを思った。

***


「エヴァンゲリオン初号機専属パイロットとしての契約書だ。サインした時点で契約は有効となる、よく読んでおいてくれ」

そういって男性から書類を渡される。
今までなんとなく自分はパイロットになったのだと思っていたけれど、実際にはこの契約をしないと正規パイロットではないらしい。

労働形態に給与、福利厚生、守秘義務などの項目が並ぶ。

249 :163:Migraine:04:2007/10/21(日) 16:31:53 ID:???
「これにサインしなかった場合、どうなるんですか?」

一応聞いてみた。

その場合、僕は保護観察つきで第2新東京市に送還されるらしい。

第2新東京市。僕の育ったはずの町。
普通なら何か思うのだろう。郷愁だとか、そのようなもの。
だが今の僕にとっては、この第3新東京市以上に現実味のない町。
還される、といわれても、帰るべき場所がわからない。
少し寂しい。

それ以上悩む気もない。
元々パイロットになった気でいたのだ。
さらっとサインをする。
契約完了。
とりあえずこれで身元は保証されるらしい。

軽く息を吐いて気がつく。

――そうか、自分も不安だったんだな。

あまり感じていなかったのだが、意識しないようにしていただけなのかもしれない。
でも、これで、自分はエヴァンゲリオンのパイロットだ。
記憶を失ってはじめての、確固たる自己。
いや、もしかしたらエヴァに乗った、そのときからの唯一の自己。
それが保証されて、安心したのだ。

だがそのしばしの安息は、次の書類で打ち砕かれた。

250 :163:Migraine:04:2007/10/21(日) 16:32:59 ID:???
「一人、暮らし?」

個人用の一室があてがわれていることを示すその書類。

「そうだ、君の住居は第6ブロックに確保してある。何か問題はあるか?」
「えと、てっきりお父さんと一緒なのかと」
「碇司令は普段は司令室付の寝室で寝泊りしている。海外出張も多い方だから定居をもたれていないのだ」
「そうなんですか……」

何とはなしに、同居するものだと思っていた。
ちょっと強面で、無口な人だったけど。
家族だというのだから、一緒に住むのだと思い込んでいたのだ。

「いいの?シンジちゃん」
「ええ、もう部屋もあるらしいです、し、命令で、すか、ら……」

――そうだ、もう契約したんだし、従わないと。

そう考えた。

――あれ?急にミサトさんの背、高くなったような。

そんなはずないか。

――じゃあ、僕が低くなったのかな。

ああ、なんだ。

――僕が座っちゃったからだ。

立たないと。
そう思ったとき、最後の意識の糸が、ぷつんと途切れた。

251 :163:Migraine:04:2007/10/21(日) 16:34:13 ID:???
***

気がつくと、どこかの通路にいた。

――なぜこんなところに?

いつの間にか、ミサトさんに支えられて歩いているようだった。
休憩室らしき場所で、椅子に座らされる。
徐々に意識が覚醒してきた。

「……あの」
「あ!よかった、大丈夫、私がわかる!?、頭痛くない?どっかおかしいところは?」
「あの、えと、ミサトさん?」

いきなりものすごい勢いで質問された。
何かあったっけ……?

ミサトさんが言うには、僕は住居の話の途中、突然糸が切れたようにへたり込んで、そのまま反応しなくなったらしい。
彼女はほっとしながらも、相談のために赤木さんに電話をかけていた。

「ああ、リツコ?あのさー」
『ミサト!こっちはほとんど寝ないで働いてるのよ、どうでもいい用事なら覚悟しなさいよ!』

……ここまで聞こえてくる。すごい迫力だ……。

「っ……。わかってるって。実はシンジちゃんのことなんだけど」

ミサトさんが状況を説明し始めた。
深刻そうな声。それはそうか。
突然意識を失うなどというのはどう考えても異常事態だ。
やはり僕はどこかおかしいのだろうか。

252 :163:Migraine:04:2007/10/21(日) 16:35:19 ID:???
――そういえば、あの時、何を考えていたっけ?

ミサトさんの言うように僕の住居の話しをしていて……
そうだ。
一人暮らし。

ひとり。僕はひとりで、やっていけるのだろうか?
先ほどのような衝撃はない。だが、じわじわと恐怖が押し寄せてくる。
そのせいで、電話がいつの間にか小声になっているのも、ミサトさんがこちらを伺うようにしていたのも気がつかなかった。

――ひとりは、嫌だな。

「シンちゃん」
その思考は、ミサトさんの呼びかけで中断された。

「大丈夫?」
「あ、はい」
「シンちゃんの住む場所、決まったから」
「え、それってさっき……」
「私のところで引き取ることにしたの、上の許可も取ったわ。大丈夫」

寝耳に水、とでも言うのか。
だがその一言で。
僕の中の恐怖は、消え去っていた。

「ありがとう、ございます」
泣きそうになるのを堪えて、笑う。
「……どういたしまして!」
ミサトさんが、笑い返した。

***

253 :163:Migraine:04:2007/10/21(日) 16:36:35 ID:???
安全運転を念入りに頼む。
その懇願と、覚悟が効いたのか、先に乗ったときほどの恐怖はなかった。
……それでも0じゃないのだけれど。

ミサトさんが寄り道したいといった場所。
そこに着いたとき、ちょうど太陽は山に落ち始め、世界はオレンジ色に染まっていた。

都市を囲む山の一角。
そこからの展望は、第3新東京市のすべてを視界に入れることができた。
更地の目立つ、少し寂しげな町。

うなるような警笛が響いた。

「うわ、すごい……」

ビルが、生えてくる。
まさしくそう形容するのがふさわしい光景に思わず声が漏れる。
この距離からだとのんびりともいえる速度で伸びていくビルの群れ。
しかし数分の後、それらは摩天楼とも言える威容を作り出した。

「これが、使徒迎撃専用要塞都市。第3新東京市。私たちの町よ」

「そして、あなたが守った町」

――僕が、守れた町。

ミサトさんの言葉を聞きつつ、目が離せない。
日はさらに沈み、世界は赤に包まれる。

赤は嫌いだった。でも……

この景色は、美しいと思えた。

254 :163:Migraine:04:2007/10/21(日) 16:37:46 ID:???
***

この景色は、有得ないと思えた。

コンビニに立ち寄ってつまみと食べ物を買っている時点で、なんとなく嫌な予感はしていたのだが。

「お邪魔します」といった僕に「ただいま」と言い直させて、「お帰りなさい」といってくれたミサトさんの心遣いもすごく嬉しくて、涙が出そうになったけれど。

リビングルームに入って、別の意味で涙が出そうになった。

ゴミ、ごみ、空き缶。空き瓶。
ゴミ袋が所狭しと積み上げられ、あまつさえテーブルの上までも空き缶の山が占領している。

この惨状を、「ちょっち散らかってて〜」で済ませるミサトさんを見て……。

いつもの偏頭痛と一緒に、別の種類の頭痛が襲ってきた。

***

「新たなる同居人を祝して、カンパーイ!」
「乾杯」
ビールの缶を片手に、ミサトさんがそういうのに、僕も答える。

机の上を何とか片付けて、少し遅めの夕食。
……コンビニ弁当だけど。

「ぷっはー!やっぱ人生、このときのために生きてるって感じよねー!」

そんなことを言いながらぐびぐびとビールを飲み干すミサトさん。
もう次の缶に手をかけている。
ビールを水か何かと勘違いしているのではないだろうか?
その光景に唖然としてしまった。

255 :163:Migraine:04:2007/10/21(日) 16:38:50 ID:???
「?どうしたのシンちゃん?食べないの?」
「あ、いえ、ちょっとびっくりしちゃって」

ゴミに囲まれて、コンビニ弁当。
まともとは言いがたい。

――でも。

「やっぱり、いいですね」
「ん?」
「こうやって、人と一緒に食べるのは」

そういって、コンビニ弁当をつつく。
やっぱりちょっと味が濃い。

「ミサトさん、本当にありがとうございました」
「な〜によ、あらたまっちゃって」
「あのままひとりだったら、僕、どうなっていたか……」

そう、もしひとりだったら。
寂しくて。
悲しくて。
怖くて。

「僕には、何もないから……」

記憶もない。
絆もない。
空っぽだから。

256 :163:Migraine:04:2007/10/21(日) 16:39:52 ID:???
簡単に、ぺしゃんこに。

「壊れ、ちゃう、か、ら……」

声が擦れているけれど。
精一杯の笑顔で。もう一度。

「本当に、ありがとうございました」

テーブルの向こうから、ミサトさんが肩を抱いてくれた。
乗り出して近づいた彼女の口から流れ出る言葉。

「もう、私がいるから。一人じゃないでしょう」
「何もないなんて、言わないで」

空っぽだった其処に注がれた、その言葉が。
その中に、確かな形をもった。
今のミサトさんのように、心を支えてくれた。

***

257 :163:Migraine:04:2007/10/21(日) 16:40:55 ID:???
いつもの病室。

いつもの天井。

いつもの静寂。


でも、あの人がいない。


いつもそこにいた人。

同じ紅い瞳を持つ人。

ただいなくなっただけ。

何も変わらない。


なのに、この気持ちは、何?


end.04

258 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/21(日) 18:18:42 ID:???
GJ

259 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/21(日) 23:51:15 ID:???
シンジきゅんがかわいすぎる……
職人マジGJ

260 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/22(月) 08:21:03 ID:???
なんかイイ展開だな。続きに期待

261 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/22(月) 19:37:18 ID:???
いいよいいよ
LRSっぽい?

262 :163 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/22(月) 21:15:39 ID:???
現状よりかなり先のあたりの設定が暴走して、文章のほうが停止中。
あとコメディタッチの部分で筆が止まる。勢いが足りないのか。

>>167にある適当な設定を元にしているので最終的にはLSSとでもいうべき状態に……ならないかも。
カップリングはとくには考えてません。

LRSっぽくなっているのは単にまだ人が出てないだけ。
みんなで幸せになりましょうよ、のために、ちょこっとからませようとしたら暴走したらしい。

ちょいと質問。
中学二年生で小柄というと、どのくらいになるのだろうか?
ガキの頃からごついおっさん系のおっさんが書いてるので今一実感がなかったり。

あとシンジちゃんの漢字を募集。
真路でもいい気がするのだが、決定していなかったり。
いいのが出たら採用します。

263 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/22(月) 21:36:09 ID:???
真路ちゃんでOK
このスレの初代的に言うと


シンジ×シンジか
うーん、いい響き

264 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/23(火) 13:11:07 ID:???
>>262
男子なら160弱  (平均身長は165くらいと見とけ)
女子なら155以下 (成人女性でも平均が160に達しない)
くらいの個人的見解を述べてみる。

設定画だと軒並み150を割り込んでるちんまりさんだらけだけどね。

265 :163 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/24(水) 12:55:10 ID:???
何かその手の議論してるスレがあったので見てきたが、やっぱり子供らはみんなちっちゃいのね
トウジすら作画上は160程度とは。大柄なイメージがあったのだが。
あまり気にせず書くしかないか。
まあ相対イメージでシンジちゃんは綾波-0〜1cmという感じで。

妄想プロットが暴走の果てに3シンジとか言ってくるのだが、まあ未来は未定。
文章のほうは今夜にでもあげられるかも。
アニメ2話分、ようやく完結。


266 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/24(水) 17:18:51 ID:???
折れる寸前まで研ぎ澄まされたナイフのようなシンジきゅんが見たいぜ。
様は内面だけアスカ似ってことだけど。

267 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/24(水) 17:52:11 ID:???
ほわほわでふにゃーっとしたシンジきゅんが見たい
人それぞれだけどね

268 :163 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/24(水) 19:40:03 ID:???
うちの子は切羽詰ってるけど切れるような鋭さもほわほわでふにゃーなモノもあまり持っていないんだ。ごめんよ。

という訳で第五話です。そろそろ総容量が50KBを超えたような。

269 :163:Migraine:05 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/24(水) 19:41:31 ID:???
「うーん……」

僕は今、非常に悩んでいる。
テーブルの上に置かれた一枚の紙。
生活分担表、などと書かれたそれを睨む。

「なーに悩んでんのよ。公平にじゃんけんで決めちゃいましょ」

ミサトさんが何かいっているが、無視して部屋を眺める。

……堆く詰まれたゴミの山、確認。
……大量のコンビニ弁当とレトルトパックの残骸、確認。
……畳まず放置された洗濯物、確認。

ミサトさんはいい人だろう、とは思っている。
だが、この惨状を見て、とてもじゃないが公平に決める気にはならなかった。

――公平に決めたら生活が成り立たないなあ……

こんなものを作ってくるのだから少しくらいはやろうという気はあるのかもしれない。
しかしこの危機的状況下において、確率頼りは御免被りたい。

はぁー、と長いため息をついてから、マジックペンを手に取った。

朝食、夕食、洗濯、掃除、ゴミ。

自分の料理の腕前は定かではないが、彼女のそれは推して知るべし。
たとえ自分が下手糞でも、上達すれば生きていける!
彼女がゴミを作るなら、僕が出してしまえばいいんだ!
後ろ向きな思考を無理やり前向きに方向転換しながら。

270 :163:Migraine:05 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/24(水) 19:42:33 ID:???
各項目にひとつずつ、チェックを入れる。

「ちょ、なにしてんの!?」
「……後は僕がやりますから、これだけお願いします……」

ミサトさんをジト目で睨みながら言った。
またため息が出そうになる。

「……あらそう?悪いわねえ」

ぜんぜん悪いと思ってなさそうな彼女の声に、ものすごい脱力感に見舞われた。


……後日この表は廃棄処分にされるが、それはまた別のお話。

***

届いた荷物を部屋へ運ぶ。
聞けば元々予定されていた住居に運び込まれていたものを、こちらに配送しなおしたのだという。
ジオフロントからセキュリティチェックを通し、もう一度運び出すことになったと愚痴る彼らを少々申し訳なく思う。

でも、向こうで生きていくことはできなかっただろう。
運び込みを手伝ってくれているミサトさんを見る。
彼女がいなければ、どうなっていただろうか。
そう思うと、ゾッとする。

まあそれほど大量の荷物があるわけでもない。
作業はすぐに終了した。

271 :163:Migraine:05 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/24(水) 19:43:35 ID:???
リビングルームのソファに座って一息つく。
病み上がりなのもあるが、元々体力はないほうなのだろう。思ったより疲れてしまった。

プシュッと音がする。見るとミサトさんがまた一杯やっていた。
あれだけ飲んであの体型というのも恐ろしい。

と、缶を片手に持ちつつこちらに来て、彼女が言った。

「シンちゃーん、疲れたでしょ、先にお風呂入っちゃいなさい」
「あ、どうもありがとうございます」
「堅苦しいこと言わないの、あなたの家でしょ、ここは」

そうだ、ここは僕の家。僕たちの家。

「遠慮なんてしなくてい〜の」
「私たち、もう家族でしょ?」

家族。ミサトさんと僕が。
新しい絆。

「……ちょっと、何しんみりしてんの?」

思わずまた、感動していたらしい。

「あ、すいません、じゃあ遠慮なく」
「うんうん。嫌なことはパーッと洗い流しちゃいなさい」
「風呂は命の洗濯よん」

明るくそんなことを言うミサトさんに、釣られて笑顔になる。
彼女の心遣いに感謝しつつ、僕は風呂場に向かった。

***

272 :163:Migraine:05 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/24(水) 19:44:38 ID:???
シンジちゃんがお風呂場に消えた。
ちょっと気が緩む。

――わざとらしくなかったかしら?

そんなことを考える。
さっきのリツコとの電話。
あの子についての追加の検査結果の情報。

………
……


『ミサト!こっちはほとんど寝ないで働いてるのよ、どうでもいい用事なら覚悟しなさいよ!』
「っ……。わかってるって。実はシンジちゃんのことなんだけど」

明らかに不機嫌なリツコの大声。だが気にしている場合じゃない。

『何かあったの?』

電話口の声色が変わる。
さすがに長年の付き合いか。察するのが早い。

「……ついさっきなんだけど、突然意識が途切れるようになっちゃって」
『状況を説明してくれる?』
「もちろん。彼女が管理部からエヴァのパイロット契約を受け取って、サイン」
「その後住居説明を受けた直後に座り込んで、そのまま反応が停止」
「以後こちらからの刺激に反応せず。受動的動作以外は何もしなくなったわ」
「この電話の30秒ほど前に意識回復、現状維持しているわ」

機械的な状況説明。
これに感情を混ぜる必要はないし、彼女も好まない。

273 :163:Migraine:05 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/24(水) 19:45:40 ID:???
『住居か。そういえば一人暮らしだったわね。迂闊だったわ』

迂闊。つまりこれを予期していたのか。
シンジちゃんのほうを窺う。こちらのことを意識してはいないようだ。

「……何か知ってるのね。吐きなさいよ」
『彼女の精神鑑定の結果、孤独になることに対して異常なまでの恐怖心を持っていると出ているわ』
「恐怖心?それであそこまでなっちゃうわけ?」
『ほとんど強迫観念のようなものよ』

自意識を失うほどの恐怖心。
生来のものなのか、それとも記憶を失ったのが原因か。
どちらにしても一人にするのは危険か。

『とりあえず、一人暮らしは危険ね。誰かに引き取ってもらうか、一緒に住まわせるかしないと』

リツコも同じ考え。
ならば、答えは簡単。

「わかった。私が引き取るわ」
『……本気なの?』
「こんなときに冗談言うわけないでしょ」
『私としては反対したいわね。あなたの生活環境に子供を入れるのは教育上好ましくないと考えるわ』
「ちょっと、それこそ冗談よね?」

……まあ少々散らかっているが。料理くらいなら私だって作ってあげられるし。

『それにあなたは作戦本部長よ』
「だからなによ」
『いえ。一緒に暮らしていて、いざ作戦のときに彼女に非情な命令を出せるのかしら?』
「仕事は仕事よ、割り切っているわ」
『彼女もそう割り切れるかしらね』

274 :163:Migraine:05 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/24(水) 19:46:42 ID:???
「……」

割り切るといった。
だが現実に、今、私は自分の感情を割り切れていなかった。
リツコの心配はわかる。
だけどそれでも、私は放っておく事はできなかった。

「とにかく彼女は私が引き取るから。事務処理よろしく頼むわ」
『本当にいいのね?』
「ええ、それと」
『何?』
「ほかに、彼女についての重要な情報は?」

………
……


「黒、白、赤、ねえ」

それらのみで構成されるようなものは避けること。
……といわれてもねえ。
彼女の恐怖の根源にある心象風景らしいが。
どんな光景かいまいち想像がつかない。

彼女の入っていった風呂場のほうを見る。

けなげで、いい子だと思う。
それなりに行動力もあるし、機転も利く。
あれで記憶喪失だというのだから驚きである。

――いや、そうでもないか。

275 :163:Migraine:05 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/24(水) 19:47:44 ID:???
先ほど抱いた両肩。
細くて、簡単に壊れてしまいそうで、ふるえていて。
あの明るさは、不安を隠すための鎧に過ぎないのだ。
ふとしたきっかけで穴の開く、紙のように薄い鎧。

私は彼女を壊さずにいられるだろうか。

「きゃああああああああああああああああああああ!」

――何!?

突然の悲鳴に、臨戦態勢で風呂場に向かった。

勢いよくガラス戸を開く。

そこにあったのは……怯えるように尻餅をついている彼女と、
湯船から顔を出している温泉ペンギンの姿だった。

***

「ぼくはおんなのこぼくはおんなのこぼくはおんなのこ」

時間は少し遡って。

ただいま必死に自己暗示中。
そもそもこんなことになったのは洗面台の鏡が大きすぎたからだ。
うん、きっとそうだ、そうに違いない。
そんな現実逃避の責任転嫁をしても鏡に裸の女の子が映っているという事実は変わらない。


276 :163:Migraine:05 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/24(水) 19:48:54 ID:???
強く目を瞑る。

――これは僕の体自分の体だから見ても大丈夫恥ずかしくなんてない

意を決して目を見開く。

……ドクンドクンドクン。心音が高まり、顔が真っ赤に染まる。
自己暗示、失敗。

――ああ……こんな状態で、その、体洗えるのかな……

ちなみに病院では玉砕している。
許可が下りるのが遅かったのもあるが、結局、体を拭いてもらうだけで風呂には入らなかった。いや、入れなかった、だろうか。

しかしこんなところで何時までももじもじとしている訳にも行かない。
いくらいっても裸では少々寒い。

――どうせ入らないわけにも行かないし。

半ば諦めの境地で風呂場の引き戸を開き、中に入る。

風呂蓋はしていなかったのか、熱気と湯気が心地よい。
少し、緊張が緩んだ。
しかしまだ、体を洗う覚悟はできていなかった。

――とりあえず、浸かっちゃおうか。

ろくに洗いもせずに一番風呂に入るのは気が引けるが、今は人生の一大事である。
とはいえとりあえずかがり湯だけでもしておこうと風呂桶に手を伸ばしたとき。

バシャリと水面が割れる音がした。
驚いて湯船のほうを見て、固まる。

277 :163:Migraine:05 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/24(水) 19:50:02 ID:???
鋭く尖った黄色の嘴。
黒を基調とした体に、燃えるような頭の毛。
黒く深い瞳は何も見ていないような、すべてを映しているような。

そんな何かが、こちらを振り向き。

「くぇ?」

一声鳴いた。

僕の悲鳴が、風呂場に共鳴した。

***

頭からお湯をかけられた。

「う、あつっ?」

まだ慣れていない肌が痛みともつかぬ熱さを伝える。

「おーい?聞こえてるー?」
「え、あ、はい?」
「何時までもそうしてると風邪引くわよん。ちゃちゃっとはいっちゃいなさい」

そういって出て行くミサトさん。

――うん、そうだ、風邪引いちゃうよね。

起き上がると、おもむろにスポンジを取り、体を洗う。

――なんか変なものがさっき前を通ったよね。

278 :163:Migraine:05 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/24(水) 19:51:05 ID:???
シャワーで泡を洗い流す。

――ミサトさんが何か言ってたような。

その後ゆっくり湯船へ沈む。

――ええと、温泉、ペンギン?

顔まで半分浸かってぶくぶくと。

――ペンペンだっけ。

しばらくして体を落ち着かせる。

――ペンギンて寒いところの生き物だよねえ。

足を伸ばしてゆったりと。

――でも温泉ペンギンだからお風呂なのかな。

少し熱めのお湯が肌を刺激する。

――びっくりしちゃったけど、悪いことしたかなあ。

体の隅々まで温かく。

――ミサトさん、駆けつけてくれたのかな。

心まで温かく。

――助かったけど、でも……

279 :163:Migraine:05 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/24(水) 19:52:07 ID:???
頭の先まで火照るほど。

――全部見られちゃった……。

燃え上がるほど全身湯立ち。

――あー、なんか真っ白だあ……。

………
……


その10分後。
すっかりのぼせきった僕はミサトさんにサルベージされた。らしい。

***

「うー、まだくらくらする……」

引っ越して早々湯当りとはなんとも情けない。
ペンペン騒動のおかげで気がついたら体は洗えていたけれど。
毎回あんなパニックを起こさないと体が洗えないのでは、正直身が持たない。

用意されていたベッドに転がりつつ、考える。

今日が普段の日常、とはいえないだろう。
そもそも一日に何回気を失っているか。
そう考えて苦笑する。
でも、普通の生活に一歩近づいた、そんな日だ。

280 :163:Migraine:05 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/24(水) 19:53:10 ID:???
少し思い返してみる。

今日は、何かすごくどたばたした気がする。
このあわただしさは、病院ではなかったことだ。
病院の前は、あまりにも世間離れした出来事だった。
その更に前には、何もなかった。
無くしてしまった。

知らない過去のことを考えるのは、怖かった。
そこにいたはずの自分、同じはずの自分。
もしかしたら、自分じゃない自分。

あるはずの過去に頼るのは、不安だった。
だから僕は、過去に縋らないことにした。見ないようにした。
代わりに、今に必死にしがみついた。

今の自分の中に、確かにあるもの。不確かなもの。
エヴァンゲリオンのパイロットである自分。
ミサトさんの家族である自分。
綾波さんと同じ目を持っている自分。
お父さんなはずの人と話した自分。

数えるほどしかなくて、強さもまちまちなそれら。
今の歪な僕の心を作っている。支えてくれている。
歪んでいるとしても、これが今の大切な心の形。

「シンジちゃん」
ノックの音とともにミサトさんの声がした。

「ひとつ言い忘れていたわ」
「あなたは人に誇れる、立派なことをしたのよ」

281 :163:Migraine:05 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/24(水) 19:54:14 ID:???
立派なこと。
夕焼けに染まる摩天楼。
そこに住む人たちを、僕は守れた。

ミサトさんが動くのが、見えた気がした。

「ミサトさん」

少し強めに呼びかける。

「僕は、みんなを、守ります」
「この町も、ミサトさんも、お父さんも」
「何時でも、何度でも、守ります」
「守るから、だから……」

――だから、いなくならないで。

つぶやくような最後の言葉は、聞こえただろうか。


end.05

282 :163 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/24(水) 20:03:49 ID:???
まあなんていうか、蛇足といえば蛇足な気もするのだけど。

……お風呂ははずせないよな?

283 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/24(水) 22:21:44 ID:???
テラワロスww

284 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/24(水) 22:37:08 ID:???
黒、白、赤…ペンペンが怖いのか

285 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/24(水) 22:39:41 ID:???
久しぶりに良いものを読んでる気がする

286 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/24(水) 23:05:37 ID:???
GJ!
今更だけど片目が赤い女シンジって新鮮だな。

287 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/25(木) 02:46:32 ID:???
なんかwktk

288 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/25(木) 03:32:15 ID:???
黒→参号機?
白→綾波?
赤→弐号機?

289 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/25(木) 17:58:08 ID:???
黒→黒き月?
白→リリス?
赤→血しぶき?

290 :163 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/25(木) 22:48:58 ID:???
なにか投稿をはじめてからハァハァスレとしての機能が止まっちゃってる気がするんだが、いいのだろうか。

291 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/25(木) 23:05:26 ID:???
気にスンナ

292 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/25(木) 23:10:05 ID:???
どっちかというとエロでハァハァするよりエロなしが好きだ
作品が楽しみでハァハァする

293 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/25(木) 23:10:57 ID:???
言葉が足りなかったかな
スレとしては10スレ以上続いているんで正直ネタ切れというかなんというか…
まあ、保守代も兼ねてということで、気にせず投下して良いかと

294 :163 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/26(金) 00:55:32 ID:???
とりあえず第六話書き終わり。
といっても先の話との整合性の問題もあるので、第七話をある程度書いてからの投下になります。
そもそも今までの中でもちょっと気に入らない部分の多い状況だったり。

サードインパクト回避+みんなで幸せになりましょうよ
を基本とした娯楽作品として書いているので
人死にや特定キャラヘイトなどは心配しなくていい、はず。
後エロスは変態です。まあ自重。

にわか職人に釣られて昔の職人様たちが復活してくれないかなあとか思ったりしているのだけれど。
エロ自粛に引っかかりそうな人が多い気もする。どうなんだろ。

295 :163 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/27(土) 02:42:31 ID:???
あれ、何で俺はこんな時間まで書いているのだろう。

アニメ第3話を確認していていまさらながら気がついたんですが。
この時点のクラス構成って、

シンジ+
男子6
女子17

とか言う状況なんでは。
シンジちゃん入れると女子18人ですか。なんだこのハーレム。

296 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/27(土) 02:50:32 ID:???
エロは自粛しておりますので是非続けてくだされ。
SSをこつこつ前の方から積み上げていく境地は俺にはできん…ちょっとびっくり

>後エロスは変態です
えっと、ここの板は一旦荒れ始めると徹底的に荒れてフォローの無い
老舗の荒らしも巡回しまくってる板ですので
「〇〇です」の風紀委員っぽい断定的な語り口は避けた方がよいかと。

297 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/27(土) 03:50:02 ID:???
まずエロスありきだったスレなのにねえ
嫌な世の中になったもんだ

298 :163 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/27(土) 04:12:52 ID:???
>>297
了解です。
まあ一応あれは拙作の内容についてのお話。
とはいえ危ない橋は渡らないようにせねば。

ということでこんな時間に投下。
ただし今回は正直駄作かも。さらっと流してください。

299 :163:Migraine:06 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/27(土) 04:14:04 ID:???
begin.06

一夜明けて。

本日の朝食の当番は僕だ。
料理くらいはできる気もするのだけれど、記憶がないので正確なことはわからない。
とはいえ、今日に限ってはあまり悩む必要もない。
……食材もないからだ。

昨日の夕食に引き続いてのコンビニ品の食事。
ミサトさんは「このカップシチューが結構いけるのよねー」などといいながら食べているが、こんな食事を毎日していたのだろうか。
どう考えても味覚がおかしくなるし、体もおかしくなりそうだった。
とりあえず料理ができるくらいに食材を買ってこよう。

今日はネルフで朝から説明があるらしい。
ミサトさんと一緒に玄関を出る。
ふと、昨日のことを思い出してドアのほうに向き直る。

「行ってきます」

当然返事はないけれど。
ミサトさんが隣で、同じ言葉を言っていた。

***

軽くふらつきながら本部の入り口へ向かう。
昨日のことでわかっているとはいえ、ミサトさんの運転は恐怖である。
あのスピードでカーブを曲がれると言うのが信じられない。
今のところぶつかったりはしていないのだからテクニックはあるのだろうけれども……。

入り口に比較的近い会議室のような場所に案内される。
まずは昨日もらった書類のような就労条件の説明。

300 :163:Migraine:06 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/27(土) 04:15:07 ID:???
あの時は流し読みしかせずにいたので、覚えのない内容が多い。
……えーと、特別報酬が一千万円とか聞こえたような気がしたんですが。
しかも事後報酬?もう振り込まれている?

……いつの間にか結構な資産持ちになっていたらしい。
後何回か出撃したら老後の心配なんて要らなくなるんじゃないだろうか。

現実味のない現実に思考をめぐらしつつ、説明を聞く。
この後、各施設を実際に回って案内した後、午前中は基本事項の座学となるらしい。
あわせて、専用の携帯端末が支給された。今後の連絡はこれに届くという。
更に午後からはシンクロテストなるものが行われる。
初号機との接続訓練、らしい。
パイロットとして初めてのまともな訓練といえそうだった。

案内のために移動を始めて、気がついた。
――なんでミサトさんも一緒に来ているんだろう?

そう、考えてみれば朝からずっとミサトさんは一緒に行動している。
付き添いなのかとも思っていたのだが……。

「……リツコに、いかされた……」

……いまだに不案内な作戦部長殿に業を煮やして、一緒に覚えて来いと命令されたらしい。
座学まで含めて。
子供と一緒に案内を受けなおすというのは確かにばつが悪いだろう。

「リツコー、おぼえてなさいよー!」

自分の責任は棚に上げて吼えているミサトさんを横目に。
もしかしなくても狙ってやっているのかも、と思い、苦笑した。

***

301 :163:Migraine:06 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/27(土) 04:16:10 ID:???
午後のシンクロテスト。
開始前の控え室で、僕は硬直していた。

全身タイツのようなパイロットスーツ。
プラグスーツというらしいそれを着て、スイッチを入れると、体にぴっちりと密着した。
華奢な体のラインが見事に浮き出ているその姿は、男の子の意識をフリーズさせるのに十分な威力だったらしい。

この格好で職員の皆様の前に出ていかなければならないと思うと、更なる恥ずかしさがこみ上げて。完全に身動きが取れなくなった。

と、なかなか出てこない僕に痺れを切らしたか、スピーカーから赤木さんの声がした。

<<なにをしているの。早く出てきなさい>>

こちらの窮状をわかっていないであろうその声に泣きたくなる。

「あの、その、ええと……ものすごく、恥ずかしいんですけど、この格好」

声のするほうに向かって、何とか訴えてみる。
要所要所にプロテクターらしきものがあるとはいえ、布地の部分は体のラインをこれ以上ないというほど完璧に反映しているわけで。
いっそ裸のほうが精神衛生上ましなくらいのその格好で人前に出て行く勇気は、男の子の意識を差し引いても持ち合わせていなかった。

少しくらいはわかってくれたのだろうか、しばしの沈黙の後。

<<……わかったわ。次回はコートか何かを用意するから、とにかく今回は早く出てきてちょうだい>>
<<あなたがいないとテスト自体がはじめられないわ、わかって>>

……つまりは、死刑宣告。
次回は何とかなるとしても、困窮しているのは今このときである。
そういわれたからといってすぐに出て行けるものでもなかった。

どうにも気持ちの整理がつかず、扉の前でもじもじとしていた、その時。

302 :163:Migraine:06 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/27(土) 04:17:12 ID:???
扉が勝手に開き、小柄な女性職員が入ってきた。

――見られた。思いっきり。

顔が一気に紅く染まるが、事態は当然其処で終わるわけもなく。

<<マヤ、連れてきなさい>>

赤木さんの怒気混じりの高圧的な一言が、追い討ちをかけた。

「シンジちゃん、御免ね」

かわいらしくそういった女性が固まっていた僕をあっさりとホールドする。
そのまま引っ張り出された。

「いやああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」

残響音を残しながら引きずられ、僕はテストプラグに放り込まれた。

***

テストプラグ内。
いまだ興奮冷めやらぬ僕に、赤木さんが話しかけてくる。

『心拍が高いわよ、落ち着きなさい』

無理です。
そう言いたくなるのを堪え、深呼吸。
LCLの中でやる意味があるのかは不明だが。

『このテストはエヴァとのシンクロ率の測定と向上を目的としています』
『とりあえずエヴァとひとつになることをイメージして』

303 :163:Migraine:06 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/27(土) 04:18:14 ID:???
ひとつになる、といわれても、具体的なイメージがわかない。

――そういえば、前はどうだっただろう。

前回の戦闘。あの時は何もわからないまま乗っていた。
あの時、自分はどんな感じだったか?

確か、そう、あれは。

――エヴァが、自分のようだった。

エヴァから見える視界、エヴァの感じる空気、足から伝わる感触。
エヴァの中にいる自分を感じる自分。
あれが、そうか。あの一体感。

「……やってみます」

イメージが固まり、精神を集中する。
テストが開始された。

***

「……落ち着いたようね、マヤ、始めてちょうだい」
「了解。シミュレーション開始。A10神経接続開始します」

第一回シンクロテスト。
エヴァとパイロットのシンクロ率を測定するためのテストだ。
一回目は、特に初期値のサンプルとしても重要なものとなる。
このテストを重ねてエヴァとの同調を高めることで、エヴァを動かせるようになる。
通常ならば、だ。

だが、この子はまったくの経験なしに、初戦で120%を超える値を出している。

304 :163:Migraine:06 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/27(土) 04:19:22 ID:???
初めて出会ったエヴァを完全に理解する。有得ない。有得ないはずだった。

「シンクロ率、141.4%」

物事にはそのように在るための原因が存在する。
因果性と呼ばれるそれ。
彼女がサードチルドレンである理由。碇ユイの娘。
それは確かにひとつの要因ではあったが、それだけでは説明がつかない数字だ。

直前の怪我。記憶喪失。心理的要因。
パイロットに想定されうる原因をどう組み合わせても、100%を上回る状況は発生しえなかった。
いや、正確には100%を超えて”存在できる”原因は存在しなかった。

99.999999999%と100%。0.000000001%の間には巨大な溝が存在する。
それを踏み越えることはつまり、自我の喪失を意味するはずだった。
自分とエヴァの境界が消え、エヴァと同化し、存在はこの世にとどまれない。
エヴァという存在の巨大さの前に、押しつぶされてしまう。

その世界に足を踏み入れてなお自我を失わずにいる彼女。
それが可能となる状況は。想定できないわけではない。
だが、どれも馬鹿げた妄想のようなものでしかない。

警報が鳴る。
シンクロ率の異常な上昇。

「シンクロ率200%突破、更に上昇!」
「そんな、シミュレータが接続停止を拒否しています!」
「阻害因子を確認して」
「確認します。これは……初号機とのモニタ回線から介入を確認しました!」

背筋に冷たいものが流れた。

305 :163:Migraine:06 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/27(土) 04:20:25 ID:???
シミュレーションのための初号機との回線。
誤差を補正するための一方方向のラインのはずだった。
そこからの介入。
これではシミュレータを使用している意味がないではないか。

「シンクロ率300%突破!このままでは自我境界が!」
「回線を物理切断。シミュレータを強制停止して!」

炸薬音が響き、プラグブロックごと電源供給が停止する。
万が一のための緊急停止装置が役に立った。

――万が一?たかだか0.01%?

その言葉に自嘲する。
本来それどころでない低確率の事象が易々と発生しているのだ。

テストプラグの緊急脱出ハッチが開き、LCLがこぼれ出る。
最終シンクロ率、356.9%を記録。
その世界からすら、彼女は帰還した。

***

誰かが手を伸ばしている。
だから僕はその手をつかんだ。

誰かが心を求めた。
だから僕は心を与えた。

与えた心。
与えられた体。

306 :163:Migraine:06 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/27(土) 04:21:47 ID:???
この心は僕。
この体は僕。

その心は誰?
その体は誰?

これが僕なら、君は誰なの?

その問いかけに答えようとする僕の答えは、しかし聞かれず。

世界は闇に落ち、僕は僕に戻った。

***

テストプラグのハッチが開き、僕は正気に戻った。
外は暗闇に包まれていた。
しかし恐怖を感じる間もなく電源が復帰する。

プラグからではなく、なぜか外部スピーカーから赤木さんの声がした。

<<大丈夫?異常はない?>>

「ええと、少し頭痛はしますけど、大丈夫です」

あの偏頭痛の残滓を感じた。

「なにかあったんですか?」
<<……ちょっとした実験のミスよ、ごめんなさい>>

ブロックの電源が落ちていたようだから、ブレーカーでも落ちたのだろうか。
まあ何事もなかったようだ、と安心する。

307 :163:Migraine:06 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/27(土) 04:22:49 ID:???
「この後はどうすればいいんでしょうか?」

<<すぐに救助班が行くから、そこで待っていて>>
<<この状態じゃ実験はしばらく無理だから、検査だけ受けて、今日は帰っていいわ>>

それはつまり、かなり大規模な事故が起こったということだろうか。
また少し心配になって訊ねる。

<<心配しなくていいわ、設備の点検をしなくちゃならないから>>

そういうものなのか、と納得する。
追求したところで自分に何かできるわけでもない。
実際何が起きたのか気にならないわけでもないのだが。

そんな問答をしているうちにホバーが横付けされ、回収された。
だが彼らの切迫した表情が、また僕を不安にした。

……ホバーから降りたとき、自分がどういう格好でいるのか気がついたり、救助班が全員男性だったりしたのは無かったことにしておこう。

***

――ちょっとしたミス、か。ひどい嘘ね。

一歩間違っていればあの子はこの世に存在していなかったかもしれないのだ。
心配させずにテストを中断するための言い訳。
シンクロテスト自体は別ブロックを使えば行えないわけではない。
だが、この状況を知っている人間ならばもう一度やろうとは思わないはずだ。

異常なシンクロ率が記録されることを考えなかったわけではない。
だがこれほどとは。
しかも初号機が自ら積極的に介入してきた。

308 :163:Migraine:06 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/27(土) 04:24:18 ID:???
――あの子がお気に入りというわけ?

科学的とはいえないその考えも、否定しきれない。
確かに人はエヴァンゲリオンを作った。
だがその力も、能力も、いまだ正確に判明してはいない。
よくわかってもいないものを、強引に動かしているに過ぎないのだ。

しかし、それを使わなければ使徒は倒せない。
生き残るためならば、人はどんなものだろうと使うだろう。
それが、天使だろうと。悪魔だろうと。

――とりあえず、この子の場合……
――シンクロ率の”引き下げ”が急務ね……

これまで四苦八苦してきたことを思うとなんとも皮肉な話ではあるが。

先ほどのテストは最も浅いプラグ深度から、動かしてすらいない。
通常ならエヴァとの接触もぎりぎりの深度でああなった。
パイロットへの悪影響無くシンクロ率を下げるプロテクトの開発。
ただでさえ逼迫している技術部のリソースを考えると頭が痛いが、やらねばならない。
エヴァを起動可能な貴重なパイロットを失うわけには行かなかった。

また、確実に泊り込みになるだろう。慣れてはいるが、それが普通になってしまっているのはなんとも悲しいことだった。
お気に入りの猫型の重しをちょんっと弾く。

「……せめてペットくらい養える時間がほしいわね……」

ふと、親友の作戦部長を思い出しながら、そんなことを考えた。

***

309 :163:Migraine:06 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/27(土) 04:25:35 ID:???
サードチルドレンの検査に私自身も立ち会うことにした。
時間はまったく足りていないが、彼女自身から得られるものもあるだろう。
そう考えて、最後に面接時間を設けた。

「シンクロテスト中、何か感じたことはあった?」

初号機からの積極的な介入が、パイロットにどんな影響を与えているのか。
やはり他人に任せるより、自分で直接聞き出したかった。

「いまいちどう答えていいのかわからないんですけど」
「そうね、たとえば、何かが見えたとか、聞こえたとか」

自分で例を出しつつも、その曖昧さに苦笑する。
ひどいとは思うが、他に体験をしている人間はいないのだ。
どうしても抽象的にならざるをえない。

「……誰かが、いたような気がします」
「誰か?」
「なんとなく、ですけど……うーん、なんていうか」
「握手、したのかな?」

握手?
侵食されていると考えた場合、ずいぶんと軽いイメージだ。
ならば侵食以外の何かか?

「その後、僕はその人になってた」

それはつまり。
初号機そのものと接触していたということか!
可能性としては、碇ユイ。

310 :163:Migraine:06 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/27(土) 04:26:41 ID:???
「その人はどんな感じだった?そう、たとえば、お母さんとか」
「お母さん?……すいません、そういうイメージはわからなくて」
「あ、ごめんなさい、記憶喪失だったわね」
「いえ、実感がないので。……でも、何か違います」
「え?」

違う?

「もっと、無邪気な好奇心みたいな、そう、子供みたいでした」

予想外の答え。
あの中に宿っているのは碇ユイのはず。
それ以外の存在が、初号機にあるというのか。
後日、詳しく調べたほうがいい。

話の中で気になったもうひとつの疑問。

「そういえば、なぜそういうことがわかったの?あなたはその人になってたんでしょう?」

自分自身を客観的に評価し、他者としての自分を認識していた。
そう考えられる。それがどんな状態なのか。

「えと、すごく言いづらいんですけれども」
「感覚的なものでいいわ」
「……体は二つあって、心も二つあって」
「なのにどちらも僕で」
「考えたことはどちらの体にも伝わって」
「動いたことも二人ともわかっていて」
「同じなんだけど、同じじゃないんです」

感覚的でいいとは言ったが、まさしく感覚的な答え。

311 :163:Migraine:06 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/27(土) 04:27:48 ID:???
いまいち要領を得ないのは本人もそれを整理し切れていないか、語るための言葉が存在しないのか。
この件についても分析が必要のようだ。
今回の実験データとあわせてみれば、何かわかるかもしれない。

面接に取れた時間は多くは無かった。
そろそろ切り上げないと後のスケジュールに支障をきたしかねなかった。

「じゃあ、今日のところはこれでおしまい、帰っていいわよ」

私も帰りたいけれど、などとはさすがに言わない。
だが表情にでも出たのか、申し訳なさそうにしている。

――鋭いのか。それとも常に顔色を窺っているのか。

あまり迂闊な顔はできない、と考えてしまう。

「あ、そういえば、学校のこと、ミサトから聞いてる?」
「え、学校ですか?」

……気がついてよかったというべきか。
それとも気がつけてしまうことを嘆くべきか。
どちらにせよ、ミサトへの書類攻めの刑は確定した。

「ええ、明日から行ってもらう事になるわ」

彼女は本来中学生であり、学業は優先されるべきことだ。
しかしそれだけでなく、彼女の場合その心理面からも中学に通わせる必要があると考えている。
人との絆を渇望する心。対人関係を築くにあたって学校はうってつけだ。

だが、良好な関係を築くためには障害となる項目を、彼女はいくつも持っている。
その点も確認しておかなければならない。
……当然本来は保護者であるミサトの役割のはずだったのだが。

312 :163:Migraine:06 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/27(土) 04:28:52 ID:???
「わかるとは思うけれど、いくつか確認しておくわ」
「なんですか?」
「まず、あなたが記憶喪失であることはどう処理しようかしら?」
「隠すならこちらでそれなりに準備はするわよ」
「……」

即答など期待してはいない。
だから本来はミサトがもっと早くに……考えるだけ疲れる、もうやめよう。

しかし、案外早く答えが返ってきた。

「……あまり、隠し事はしたくありません」
「いいのね?サポートはしないわよ?」
「自分から言い出す気はありませんけど……そういうの、苦手ですから」

苦手、か。
実際のところは、自分を偽る余裕すらないというところか。

「それじゃもうひとつ。その右目、コンタクトでも用意しようかしら?」
「どういうことです?視力はかなり回復してますけれど」」
「そうじゃなくて、片目だけ紅いだなんて、目立つでしょう?」
「カラーコンタクトくらいは用意できるわ」

異質な外見はそれだけで集団から受け入れを拒まれる。
本音と建前を使い分け切れない子供ならばなおさら。

「……やっぱり、隠してるみたいで、そういうのはいらないです」
「本当にいいの?いじめの心配もあるわよ?」
「なんとかやってみます。それに」
「この瞳は、綾波さんとの絆ですから」

313 :163:Migraine:06 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/27(土) 04:29:56 ID:???
あの綾波レイと同一の色彩であるという、そのことを優先するというのか。
病院での二人の間にはほとんど会話記録は無い。
ただ病室に居座っていたというだけだ。
……いや、それだけの関係だとしても、あれだけの期間があれば絆となるのだろうか。

危険性を承知して、それでも隠さないと決めた彼女。
ならばひとつくらいは、気が楽になるようなことを。
口先だけのサービスだけれど。

「その綾波レイと、同じクラスになるわ。よかったわね」
「え、本当ですか?」

実際のところ、当然のことなのだ。
だが、その理由まで教える必要もないし、教えられることでもない。

だが、そうであっても。

嬉しそうに微笑むその姿に、心が緩んだ。


end.06

314 :163:Migraine:06 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/27(土) 04:32:27 ID:???
投下終了。
流れに揺らぎを与えるために用意した設定のおかげで書く羽目になった部分が多々あり。

だが。やはりプラグスーツははずs(ry

315 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/27(土) 05:30:16 ID:???
おお。斬新な設定がイイ!

316 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/28(日) 00:16:51 ID:???
もしかして男シンジが出てくんの?

317 :163 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 18:26:42 ID:???
アンカーミスしたりタイトル消し忘れたりと眠い中投下するとやはりミスが多いなあ。

ともかく、七話、八話が書きあがったよ。
内容的には続き物。七話の校正は終わったのでまずはそちらから。

では投下です。

318 :163:Migraine:07 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 18:27:58 ID:???
begin.07

登校初日。
ミサトさんの「今日は送っていくから」の一言に逆らえず、本日も朝から恐怖のアルピーヌ・ルノーに揺られている。
第3新東京市立第壱中学校。たどり着いた校門には、そう書かれていた。
車を降りると、ミサトさんも一緒に降りてきた。
なにやら手続きがあるらしく、それで送ってきたのだと納得する。

通常の登校時間より少し早いためか、まだ生徒の数はまばらだ。
来客用の下駄箱を使い、職員室へ向かう……と、通り過ぎた。
そのまま先にある校長室でとまる。

ミサトさんが扉にノックする。

「ネルフ作戦部長の葛城ミサトです、失礼します」

――あれ?

なぜ、ここでネルフの肩書きが出てくるのだろうか。
もしかしたら、この学校もネルフの福利施設なのだろうか。
それにしては市立と言うのは変だけれど。

まあ町全体が要塞のようなものだ、不思議は無いか。

ある意味で当を得た、そんなことを考えつつ、ミサトさんに続いて部屋に入る。

そこにはデスクの向こうに座る、校長らしき初老の人物と、その前に立つ、定年間近のような老教師がいた。

「今回の転校処理の書類です、ご確認を」

そういいながらミサトさんが校長らしき人に書類を渡している。
彼はしばらく書類を確認した後、頷き、こちらを見た。

319 :163:Migraine:07 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 18:29:01 ID:???
「碇シンジさんですね」
「はい」

落ち着いた物腰の声が僕の名前を呼ぶ。

「今日からあなたはこの第3新東京市立第壱中学の生徒です」
「ぜひとも学業に励み、学校生活を楽しんでください」
「それでは、よろしくお願いしますね」

儀礼的だけれど柔らかな態度でそう言われた。
わかりました、と答えると、もう一言追加される。

「ネルフでの仕事に関係した休学、遅刻、早退等は優先的に配慮されますので、安心してください」

つまり、先ほどのネルフとの繋がりという考えは、間違っていないのだろう。
まあ、パイロット業のせいで留年しました、のような心配はあまりしなくてよさそうだ。

「君のクラスは私が担任をする2-Aになります」

そう言うのは静かに立っていた老教師。
どうやら担任の先生だったようだ。
ふと視線があい、久々に大き目の頭痛が頭の奥で疼く。

一緒にわきあがってきた感情は……。え?眠気?

いや確かにいかにも退屈そうな人ではあったのだが。
初対面でそれは無いだろう。
脈絡の無い感情に思わず突っ込みを入れる。

その時、丁度チャイムがなった。

「それでは、このまま2-Aに向かいますから、ついてきてください」

320 :163:Migraine:07 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 18:30:03 ID:???
そういって出て行く彼の後に続く。

「それじゃミサトさん、また」
「はーい、がんばってねえ」

何をがんばるのかはわからないが、まあがんばろう。

***

階段を上り、教室へ。
2-A。そう書かれたプレートのある、扉の前。

「少ししたら呼びますから、そしたら出てきてください」

一緒に入ってもよさそうなものだが、ひとつのパターンなのだろう。

『えー、皆さん、お静かに』

がやがやと騒がしかった室内が、ほんの少しだけ音量を下げる。

『今日は転校生を紹介します。入ってきてください』

その一言で静まり返る教室。

僕は、期待と、ほんの少しのためらいを感じながら、扉を開ける。
台上で手招きしている老教師に従い、中央へと進んだ。

少し高くなったそこから、教室の中央へ振り向く。

初めて会う他人を値踏みする、クラスメイトの奇異の視線が僕に突き刺さる。
その感覚は少なからず僕を怯えさせ、緊張させる。
でも、まずは自己紹介。勇気を振り絞り、声を絞り出す。

321 :163:Migraine:07 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 18:31:06 ID:???
「碇、シンジです。よろしくお願いします」

***

相田ケンスケは混乱していた。
転校生が来ることで動揺していたわけではない。
彼は独自の情報網により、すでに転校生が来ることは知っていた。

いや、だからこそ、他の人間よりもはるかに動揺したのかもしれない。

彼の親のPCを盗み見たときになぜか出てきた、転校生の情報。
その碇シンジという名前から、彼は大いなる勘違いの元、少々落胆していたのだ。

彼の趣味のひとつは写真撮影である。
だが転校生といってもわざわざ男を被写体にすることは無い。

つまりは彼も、転校生は美少女、を夢見る一男子学生だった。

事前情報により諦めの境地にいた彼の。
その目に飛び込んできたのは、あまりにも予想外な容姿。

壱中の女子制服を身に着けた、華奢な体。
その体と同じように線の細いつくりの顔は平均点を十分に上回っていた。
だがその中にある大きな違和感。
ショートカットにした頭には包帯が一巻きされており。
右の瞳だけが紅く輝き、黒い左目と合わさって異様なアンバランスさを醸し出している。

その表情は、視線は、かすかに怯えを含み、宙を彷徨う。
しかし意を決したように引き締まると、一言、名前を言ってお辞儀した。


322 :163:Migraine:07 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 18:32:14 ID:???
深々としたお辞儀のあと、顔を上げ。
戸惑いを含みつつもにっこりと微笑んだその表情に。

一瞬、時が静止し。

次の瞬間、教室内は歓声と質問の渦で満たされた。


その中で、はじめから時間に取り残されていた彼が、ようやく気がつく。

「……あ、撮り忘れた……」

相田ケンスケ、一生の不覚であった。

***

一種異様な熱気の中、僕は早くも窮地に立たされていた。

「どこから来たの?」
「何で引っ越してきたの?」
「ご趣味は何ですか?」

転校生に対する当然の質問から、

「付き合ってる人とかいたりするの?」
「スリーサイズ教えてください!」
「ぜひ僕を彼氏に!」

ちょっと困った質問に、

323 :163:Migraine:07 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 18:33:17 ID:???
「その頭、大丈夫?」
「何で右目だけ紅いの?コンタクト?」
「左手にも包帯してるよね、何かあったの?」

怪我や右目についての質問も。

いっせいに押し寄せた質問で、僕の頭は一瞬でパンクしてしまった。

「あの、その、ええと……」

あまりの状況に、ほとんど何も答えられずおろおろとしていると。
先生から助け舟が出された。

「はいはい、皆さん。気持ちはわかりますがもう授業が始まります」
「続きは休み時間にお願いできますか」

そういって質問の嵐を打ち切ってくれた。

「それでは、碇さんは2列目の後ろから2番目の席に座ってもらえますか」

そういわれ、促された先。
その窓側の隣の席に、見知った人物を発見した。
綾波レイ。
いたるところに包帯を巻いているが、最後に病院であったときよりは幾分かましな姿で、彼女は座っていた。
何か言う様子も無い彼女の視線は、しかし、常に私に向けられている。

僕に気をかけてくれている。

そう思えて、少し嬉しくなった。

324 :163:Migraine:07 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 18:34:21 ID:???
自分の席まで行き、座る前に彼女に挨拶する。

「おはよう、綾波さん」
「おはよう、碇さん」

病院のときと変わらない答えが返ってくる。
それに満足し、席についた。のだが。

また、教室の雰囲気が変わった。
ざわつき方の方向が変わったのだ。

なぜだろう?と考えるが、理由は思いつかない。
だが、その鍵となりそうなことは、すぐに起こった。

授業用の端末を開いてすぐに来た質問。

『碇さんて、綾波さんと知り合いなの?』

複数の人から同様の質問が飛んできていた。
こんなことがなぜ今までのほかの質問を押しのけて、真っ先に聞かれるのか。
大いに疑問ではあったが素直に答える。

『うん、病院で知り合ったの』

答えはしたが、疑問は残る。
思い切ってこちらから訊ねようと思った時には。
恐るべき勢いで質問のログが流れる。
ただいま2.4kbpsでオートクロール中、といった風情で、大昔のパソコン通信のごとくログが流れていく。
その文字列をリアルタイムで生み出している熱気は驚嘆に値するものだった。
当然その速度に一人の人間が太刀打ちできるはずも無く。
さっさとすべてに回答するのは諦めた。

325 :163:Migraine:07 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 18:35:30 ID:???
質問をパターンに整理し分類。
質問をパターンに整理し分類。
質問をパターンに……。

大量の質問といっても、各個人から同じような質問が繰り返されるからそうなるだけだ。
質問をひとつにまとめて、数が多く無難なものからオープンチャットで回答していく。

『Q.どこに住んでいたのか』
『A.第2新東京市』
『Q.なぜ引っ越してきたのか』
『A.親の都合で』
『Q.スリーサイズは』
『A.ノーコメント』

………

『Q.頭の怪我はどうしたのか』
『A.3週間前に事故で』
『Q.右目だけなぜ紅いのか』
『A.事故でこうなった。コンタクトじゃありません』

………

『Q.付き合っている人はいるのか』
『A.いません』

なぜか歓声が上がったので。

『A.募集もしていません』

即座に追加。落胆の声が聞こえた気がする。

326 :163:Migraine:07 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 18:36:31 ID:???
『Q.趣味は何か』
『A.特にありません』

この質問は答えようが無かった。
まだ本当に趣味といえるものなど見つけていないのだから。

『Q.友達になってくれますか?』

……

『A.喜んで。こちらこそ、よろしくお願いします』

これもオープンチャットで返す。
教室の騒がしさが増し、また、ログが高速で流れる。
今度は大量の自己紹介。
その数、21件。
思わず教室を見回し、人数を数える。
クラスメイトは22人、つまり、一人以外は全員が自己紹介を送ってくれたことになる。
なんとなく見当がつくその一人。

……やはり、綾波さんの名前は無かった。

そういえば、見回して気がついたが、かなり空席が目立つ。
35組ある机。クラスの人数は23人。
気になって、今度こそこちらから質問してみた。

『みんな疎開していったの、例の騒ぎのせいで』

使途と呼ばれるあの化け物。あれが来た後、みな逃げていったのだ。
建物など石ころか何かと同じように無視して、紙くずのように破壊していく。
あれで、逃げるなというほうが無理だろう。

327 :163:Migraine:07 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 18:37:33 ID:???
だが、知り合いが、友達がいなくなったのも事実。

つまり皆、寂しかったのだ。
幸か不幸か、そこに転校してきたからこそ、こうしてすぐに受け入れられたのかもしれない。などと考えた。

ふと、顔を上げる。
そういえば授業中なのだ。
だが、担任の先生は数学の授業を中断して何かを語っている。
セカンドインパクトのときの話だろうか。

なんというか、生徒も授業をそっちのけならば先生も授業そっちのけ。
こんなのでいいのかなあ?
などと考えて、ある疑問に気がついた。

――あれ?

『ねえ』

『あの先生、なんて名前なの?』

……回答結果総合。

知らない……11
根府川?……4
セカンドインパクトの人……3

………
……


なんとも微妙な空気の中、根府川?先生の授業はチャイムとともに終了した。

328 :163:Migraine:07 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 18:38:45 ID:???
***

授業の合間の休み時間。

チャットでの質問は粗方答えたとはいえ、やはり人間。
皆、直接話そうとやってくる。
気がつけば僕の机の周りには巨大な人だかりができていた。

このクラスは女子が多いのか、周りにいるのは皆女の子だ。
男子生徒はそれを遠巻きに見ているようだが、さすがにクラスの女子の大半が集まっている中に割って入ってくる勇気はないようだった。

「でも本当に不思議な瞳ねえ」
「やっぱり、変かな?」

面と向かって話すと、やはりこの話が真っ先に出てくる。

「ううん、そんなことない。すごくきれいだよ」
「ん、ありがとう」
「でも事故でなったって書いてたけど、何でそうなっちゃったの?」
「うーん、僕も詳しいことは覚えて無くて……」

同じ年の子達とこうやって話をするのはとても楽しかった。
こんなに集まるのは今だけだとは思うけれど、それでもみんなと仲良くなれたようで、嬉しかった。

そんな中で、教室の扉が開く音がした。
遅刻してきたのだろうか。なぜかジャージを着込んだ男子生徒が入ってきた。

向こうでカメラを構えていた男の子となにやら話しているようだったが、回りのお喋りのせいか会話の内容は聞こえてこない。

僕の見ている先に気がついたのだろうか。
女子生徒の一人が彼のことを教えてくれた。

329 :163:Migraine:07 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 18:39:59 ID:???
「あのジャージのは鈴原トウジ。んでとなりのが相田ケンスケよ」

何か余り友好的でないのは気のせいだろうか。

「変人盗撮魔とガサツ朴念仁の大馬鹿コンビ。なーにかんがえてるんだか」

別方向から横槍が。
……なんとなく女子には嫌われそうな人たちだとはわかった。

気がつくと向こうの二人もこちらを見ている。
だが、その視線は好意的といえるものではなかった。
特に鈴原君からは睨みつけられている。
ずくりと、頭の奥に痛みが走った。

チャイムが鳴り、先生が入ってきた。

しぶしぶといった感じで周りにいた子達が自分の席へ戻っていく。
すると鈴原君がこちらへ向かってくる。
視線は僕を睨みつけたまま。
なにか、彼の気に触ることがあったのか。
が、彼は何も言わずそのまま僕の後ろの机へ向かう。
そこが彼の席だったらしい。

――僕の勘違い?単にああいう目つきなのか?

違う。
彼が怒気を含み僕を睨みつけているのがひしひしと感じられる。
その感覚は、僕の心を激しくかき乱す。

結局、彼の視線から開放されたのは、昼休み。
二人に強引に連れ出されるまで続いていた。

330 :163:Migraine:07 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 18:41:48 ID:???
***

「おい、ちょいと顔かしてくれへんか」

他の人が集まる前に、そういって教室から連れ出された。
その後ろから相田君がついてきていた。

連れてこられたのは、体育館の横。
建物に挟まれた空間だった。

なんというか、いじめの定番スポットという感じの場所に連れてこられて、僕は相当あせっていた。
途中逃げようにも、相田君もいるし、がっちり掴まれた腕は振りほどけそうに無く、引かれるままにここまで来てしまった。

「おい、転校生、われがあのロボットのパイロットちゅうんはほんまか?」
「え、なんでそれを?」

誰にも話してはいないはず。質問された覚えも無い。

「俺の親父、ネルフに勤めててさ、それでちょっと、ね」

つまり、相田君が教えたということか。

「こういうんは趣味や無いけどな」

鈴原君がぼそりといった。その直後。
僕は殴り飛ばされた。

転倒し、背中と頭をしたたかに打ちつける。
それが頭の傷に響く。それに顔をしかめると、殴られた頬からの激しい痛み。
口の中に血の味が広がっていた。


331 :163:Migraine:07 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 18:42:51 ID:???
「は、うっ、ひっ……」

思考がまとまらない。視界がぼやける。

「お、おい!トウジ!なにやってるんだ!」
「うるさい!こうせえへんと、わしの気がおさまらんのや!」

二人が何か言い争っている。

「こいつの、こいつのせいでうちの妹は!瓦礫の下敷きになったんやで!」

……え?

「何とか命は助かったけどな、ずっと病院や!」
「歩かれへんねん、動かれへんねん、もしかしたら一生、ずっとや!」

……僕は、みんなを。

「だからっておまえ、相手は女の子だぞ!」
「関係あらへん!こいつがもっとうまくやっとれば、助かったんや!」

……守れたんじゃ、無かったの?

「ふん、これに懲りたら、次はせいぜい壊さんように戦うんやな」

……僕が、壊したの?

「おい、待てよ、トウジ……。ったく。しょうがないな……」
「碇さん、大丈夫……なわけないか。今起こすから」


332 :163:Migraine:07 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 18:43:55 ID:???
相田君が助け起こしてくれたが、今の僕には立ち上がるだけの気力も無くて。
すとんと、座り込んでしまう。

鈴原君の放った言葉は、彼の放った拳よりも、何倍も重くて、痛くて、苦しくて。

「……ぼ、くは、まもれな、かった、の?」

心を映した言葉が、漏れる。

「おい?碇さん?おい!ちょっとしっかり!」

頭の奥が疼く。押さえつけるようにして、うずくまる。

意識が、闇に飲み込まれる。
絶望という闇。
そのすべてが黒く染まりそうになった、その時。

鋭い電子音。携帯端末からの緊急招集。
それが、僕の意識をつなぎとめた。

「……いかなきゃ」
「え?」
「使徒が、来てる。いかなきゃ、守れない」

そうだ、たとえ守りきれないとしても。
ここにいたら、初めから、何も守れない。
だから、いかなきゃ。

333 :163:Migraine:07 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 18:45:00 ID:???
「碇さん、それって」
「みんなに避難するように言って。僕は、ネルフに行くから」
「大丈夫、みんなは、僕が守るから」

血の味のする唾液を吐き捨て、駆け出す。
体の痛みも、心の痛みも押さえ込み、走る。

もう何も失いたくなんて無い。
まだ一日だけど、僕の中にできたたくさんの絆。
それを、消させなんて、絶対にさせない。

そのための力を、エヴァンゲリオンを求めて。
僕は、ネルフ本部へ、向かう。


end.07

334 :163 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 18:48:33 ID:???
ということで第七話終了。
そういえば使徒の番号も名前も、一度も書いていない気がする。
初めての人にやさしくないFFです、ってそんな人いないと思うのだけど。

第八話のほうも校正が終わったら投下します。

335 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/28(日) 19:16:33 ID:???
トウジ…何というDQN

336 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/28(日) 19:21:45 ID:???
トウジって女殴るやつだったかな。ちょっと疑問

337 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/28(日) 19:41:20 ID:???
最初からストーリーをなぞる形で投下すると
最後まで投下できるかどうかが物凄く心配…

338 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/28(日) 19:43:12 ID:???
じゃあ書かなくていいよ

339 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/28(日) 19:45:14 ID:???
>>334
もう投下しなくていいから。トウジは女の子を殴るような最低な男じゃないから

340 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/28(日) 19:58:35 ID:???
>>334
>ふん、これに懲りたら、次はせいぜい壊さんように戦うんやな

えっと…大変すまないが超嫌になるかもしれない酷評。
一生懸命頑張ったのにかなりムカつくだろうが、我慢して聞いてくれ。

まずトウジの父はネルフの職員。
アニメではネルフの杜撰なシステムに腹を立てている感も強く
総集編の作文でもネルフそのものに怒りをぶつけている。

そして諜報部やミサトに逆にヤキを入れられるかもしれないリスクを背負い
シンジにも「すまんな転校生」と断りを入れる。
トウジは女を殴るダメ人間じゃないんで…念のため。

それ以外の独自の設定は面白いけど、
脳内で必要以上に推敲を続けすぎて思いつめてる感あり。
駆け出しであるなら小ネタ投下から始めたらどうだろう?

341 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/28(日) 20:08:15 ID:???
面倒なことになりそうだな…まじめには書いてるけど。
いっそEOEや後ろの方から書いてみたらどうだろ?
後、ここは女丸出しのですます調の書き込みは確実に嵐の餌になる板なので
周囲から敬遠され易く、支援できなくなるので気をつけて。

342 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/28(日) 20:08:47 ID:???
トウジが殴ったぐらいでそんな反応すんなよw
投下しなくていいまで言わなくてもいいだろ。

まぁ、まだ読んでないんだけどな。

343 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/28(日) 20:13:35 ID:???
>>342
かもしんないな。ただ上のほうの心理テストとか見ると
書いてる職人が疲労で壊れないか心配でさ…。
余計なお世話だったら逝ってくる

344 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/28(日) 20:28:42 ID:???
確かに大変だよなぁ
本編再現は


自分の描きたいエピソードだけ描くってのもアリだよな

345 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/28(日) 20:29:52 ID:???
SSのシンジが書いてる人そのものの分身に見える。
>>325の対応とか荒らしと厨のいがみ合いを捌いてる削除人を連想した

>◆rK3tDGGMK2

つ旦

無理はしないようにな

346 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/28(日) 20:45:48 ID:???
今読んだけど、別にいいんじゃね?


347 :163 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 21:01:55 ID:???
うぬ、なんか激しいことになってるな。
とりあえず>>167>>162にアンカー打ってるとおり、
継続面の心配は自分でもしているが、JAやらマトリエルやらの
ストーリー的に削っても何とかなりそうなあたりは飛ばすなりして何とか続けていこうかなとか。
ただラミエル位まではあまり飛ばせる場所がなかったり。

トウジのDQNぷりについては本編で発生したイベントをそのまま起こしたらこうなった感じ。
展開上一発だったりケンスケがフォローに回ってたりはしますがまあ、殴らないよりは殴ったほうが波が出来るかな、という辺りでした。

中の人は娯楽作品として作ってるつもりです。
シリアス展開で楽しんでもらえれば、というのが基本スタンス。
FFでは自己投影が良く指摘されているので出来るだけそういう面は排除して、という意識はありますが。

続けるかに関しては続けます。てか、せっかくはじめたものを止めるのもあれですし。
書いてる時間がなくなった場合はともかく。

正直なところ、トウジやらミサトさんやらリツコさんはともかく、
シンジ自身であるはずのシンジちゃんのオリキャラっぷりのほうが困っている。
いやまあ記憶なくなっちゃってるし仕方ないのかもしれないですが。

そんなこんなで第八話投下です。

348 :163:Migraine:08 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 21:05:22 ID:???
begin.08

第壱中学の指定シェルター。
あの転校生を殴り飛ばしてから程なく、避難命令が出た。
有事の際の避難場所は、経路まで含めて徹底されている。
自分とケンスケも、それにしたがってここに避難していた。

「あー、だめだ」
「何や、また文字だけかいな」

隣で膨れるケンスケに合いの手を入れる。
報道管制。地上の出来事は一般人には伝わらない。
前回もそうだった。

彼は写真マニアなだけでなく、ミリタリーマニアでもある。
それもかなり重度の。
おそらく今地上で繰り広げられているであろう戦闘は、彼にとっては垂涎物なのだろう。

しかし自分は戦闘に興味など無かった。
妹はそれに巻き込まれ、重傷を負ったのだ。
また、同じように巻き込まれる人間がいるのかと思うと、嫌な気分にしかならない。
ふと、右手に視線を移す。

――あいつが、戦うのだろうか。

理不尽なのはわかっていた。
それでも殴らねば、気がすまなかった。
殴れば、少しは気が晴れると思っていた。

だが、残ったのは嫌な感触と、罪悪感のみ。
気分は晴れるどころか最悪だった。

349 :163:Migraine:08 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 21:06:24 ID:???
「なあ、ちょっと話があるんだけどさ」

唐突に、ケンスケから話しかけられる。
少々むっとしつつ、返事を返す。

「なんやい」
「ちょっと、ここじゃ、な?」

何か、悪巧みでもしているのだろう。
一応これでも親友といえる間柄だ。そのぐらいはわかる。
だが、こんなところで溜め込んでいるよりはいい。
それこそ、少しは気が晴れるかもしれない。

「しゃあない……おおい、いいんちょ」
「なによ?」
「わしら二人、便所や」

先に済ませときなさいよ、などというのを聞きながら、トイレへと連れ立つ。
実際、出したい状態だったのもあり、用を足しつつ、話の続きをはじめた。

「そんで何や、話って」

彼の口から出たのは、予定通りの、だが予想外の、悪巧み。

「なあ……外、出てみないか?」

***

350 :163:Migraine:08 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 21:07:48 ID:???
『シンジちゃん、出撃、いける?』
「はい、大丈夫です」

初号機、エントリープラグ内。
LCLに包まれて、僕は出撃を待っていた。

『ごめんね、結局、ほとんど訓練もできずに実戦になるわ』

パイロットとして正式契約してから、まだ三日。
訓練といえるようなものは何もできていない。

――だけど、前回とは違う。

あの時は、朦朧として何もわからないまま、気がつくと病院にいた。
どうやって使徒を倒したのかすら、覚えていなかった。

今度は違う。
僕は僕の意思を持っている。意識もはっきりしている。
だから、今度こそ。

――うまく、やれるはず。

それに、初号機も前回とは違う。

『パレットガン使用時のインダクションモードの使い方、覚えた?』
「はい、とりあえず、射撃はできそうです」

そう、前回はまだ配備されていなかった、射撃武器。
別系統の操作なのがややこしいが、赤木さんが出撃待機の間簡易シミュレータを動かしてくれたおかげで、とりあえず撃ち方だけは覚えた。

『目標はATフィールドを展開していて、現在通常火器は一切効果が認められないわ』
『必ず、相手のATフィールドを中和してから攻撃して』

351 :163:Migraine:08 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 21:08:50 ID:???
ATフィールド。何物をも通さない見えない壁。
エヴァだけがこれを中和し、無効化できる。そのためのエヴァ。

そうはいってもこれもぶっつけ本番だ。
しかし前回のときは中和できていたという。
なら今回もやれるはず。

『本当はもっと準備したかったところだけれど、時間が無いの』
『可能な限りサポートするから、臨機応変に対応して』

まず、打って出る。後は状況次第。作戦とはいえない。
だけど一人で戦うわけじゃない。
ミサトさんが、赤木さんが、ネルフの人々が、僕を支えてくれる。

『エヴァ初号機、発進!』

ミサトさんの号令とともに、強烈な加速度。
僕はあっという間に、地上へとたどり着いた。

***

目標まで1kmほど。
それなりの距離のようでその実、初号機の大きさからすればほんのすぐそこという感じだ。
ロックボルトが外れる、開放感。
この感覚は覚えていた。

『目標は警戒態勢に移行してるわ。まだ気づかれてはいないみたいだけれど』

エヴァは丁度カタパルトに身を隠すようにして、使徒と対峙していた。
いまのうちに、ATフィールドの展開を行ってみる。

352 :163:Migraine:08 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 21:09:52 ID:???
『大丈夫、展開は成功しているわ』
『目標のATフィールドを中和、建物の陰から出てパレットガンで一斉射』
『状況の如何によらず、その後いったん退避。これを1行動として攻撃。いいわね』
「はい」

相手のATフィールドを確認する。
人には知覚できないそれも、初号機の感覚は捉え、視覚化する。
同時に自分のATフィールドを相手の領域に重ね、中和。
同化といってもいいかもしれないその行為で、目標もこちらに気がつく。

先手必勝。
カタパルトから飛び出し、使徒を視界に捉える。
僕の視界の中で照準が移動し、目標を中央にロックしたその瞬間、引き金を引く。
パレットガンを保持する右腕が僕の意思から離れ、対象を狙い。
大質量の弾丸が一気に吐き出される。

一瞬、空のほうへずれた火線。しかしすぐに補正され相手の中心に正確に叩き込まれる。
劣化ウランでできた弾丸の嵐が使徒にぶつかり、盛大にはじけ飛ぶ。
ほんの4秒ほどの間の狂乱。
即座にまたカタパルトの裏に隠れる。

『目標、健在。効果確認できません』
『粉塵により視界悪化、注意してください』

中和し切れていないのか、それとも異様に外殻が硬いのか。
大した損害は与えられていないらしい。

『シンジちゃん、もう一度』
「でも、効いてないんじゃあ」
『次は兵装ビルからの複数種攻撃を同時に加えるわ、やれるだけ、やってみないと』
「わかりました、いきます……っ?」

353 :163:Migraine:08 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 21:10:58 ID:???
初号機の感覚が、危険を伝えていた。
とっさに飛びのく。
隠れていた空間ごと、カタパルトが袈裟懸けに切り落とされた。

崩れ落ちた向こう側に見える、光る鞭のようなもの。
肩のように左右に張り出した部分から、それぞれにそれが形成されていた。

ATフィールドは中和したまま。相手のATフィールドを中和している間は、自分のATフィールドも中和されている。
離れてATフィールドを展開すれば防御はできるかもしれない。
だが、それではこちらの攻撃も不可能だった。

――中和を、やめるわけにはいかない。

『兵装ビル起動、目標の背面を狙って、援護急いで!』

砲撃と誘導弾の飛翔音が響き、爆音が周辺を包む。
背面方向の起動可能な兵装ビルすべてによる一斉攻撃。
だが通常兵器による最大火力を集中した、その攻撃すら、目標の姿勢を崩すことしかできなかった。

――なんて装甲!

バランスを崩した目標にパレットガンを叩き込む。
だがやはり何の効果も無く、銃弾はむなしく弾け飛ぶ。

爆炎の続く中、目標が姿勢を立て直す。
と、その軟体生物を思わせる体が伸び上がり。
光の鞭が左右に、波打ちながら伸びる。

次の瞬間、その周囲の建物は、粉々に粉砕されていた。
使徒の周囲にできた、半径700mの瓦礫。
鞭をのたうち回しながら、バレエダンサー宜しく旋回したのだ。

354 :163:Migraine:08 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 21:12:01 ID:???
「っ!そんな、街が!」

一瞬で作られた円形の廃墟。
その光景が、僕の心を揺さぶった。

――せいぜい壊さんように戦うんやな

鈴原トウジの言葉が、蘇る。

――こいつのせいでうちの妹は!瓦礫の下敷きに!

また、僕はうまくやれなかったのか?
また、彼の妹と同じような人が、でてしまったのか?
焦りと恐怖が、心を支配する。

その動揺が、初号機を立ち尽くさせた。

『シンジちゃん、避けて!』
「……え?」

その声に我に返ったときには、既に左足を絡めとられていた。
一瞬の焼けるような痛み。
だがそれは続かず。

代わりに僕は、空中へと投げ飛ばされた。

***

355 :163:Migraine:08 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 21:13:09 ID:???
「いけない!」

発令所に、叫び声が響く。
ディスプレイには跳ね上げられ、山腹へ叩きつけられた初号機の姿があった。

「アンビリカルケーブル断線、内蔵電源に切り替わります」
「初号機、活動限界まで後4分53秒」
「パイロット、意識レベル正常」
「心理グラフに乱れ。操縦には問題ありません」

状況を伝える報告が次々と入る。
戦闘継続は可能。だが、活動可能な時間は短い。

「シンジちゃん、起き上がって。体勢を立て直すわよ」

そう指示するが、返ってきたのは返事ではなった。

『あれは、相田君、鈴原君!?』

誰かいる?
初号機からの映像データ、左手の下に映る二人の人影。
即座にMAGIがデータを照合、パーソナルデータを添えた。

「……シンジちゃんのクラスメイト!?なんでこんなところに」

警告音。
体勢を立て直す前に、使徒が初号機の目前に迫っていた。

両腕の鞭が振りぬかれる。
甲高い干渉音が聞こえた。
とっさに張ったのであろうATフィールドをも引き裂き、鞭が初号機を打ち据える。

356 :163:Migraine:08 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 21:14:12 ID:???
『くう、ああ!』

碇シンジから漏れる苦痛に満ちた声。
モニタには170%という驚異的なシンクロ率が見えている。
その高さが、彼女に現実と同じ痛みを与えている。

それでも彼女は動かない、いや、動けないのか。
おそらくは地上にいるクラスメイトのせいで。

――どうする?

次に打つべき手を捜し、逡巡する。
と、状況に変化が生まれた。

初号機が相手の鞭を両の手で捕まえたのだ。
振り回そうとする使徒を相手に、鞭の動きを抑え込む。
一時の膠着状態。

今しかなかった。

「シンジちゃん、地上の二人をエントリープラグに回収して」
「葛城一尉!?許可の無い一般人を乗せるわけには行かないわ」

リツコからの抗議。

「私が許可します」

実際にはその権限は私には無い。
だが指揮官は私だ、強引に押し通せばいい。

「それでは越権行為よ。……許可は私が出します」
「リツコ?」

357 :163:Migraine:08 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 21:15:14 ID:???
予想外の答え。
確かに彼女は左官クラスであり、それが可能な人物ではある。
だが、猛反対されると踏んでいただけに、思わず間抜けな声が出る。

「あなたのためではないわ。彼女の心理状態を加味した上での判断よ」
「今後を考えれば、ここで彼女の精神を破壊する行為はできません」

……以前彼女の深層心理を忠告してくれたのはリツコだった。
そのリツコがそう分析したというなら、許可の理由としても使える、というわけか。

「副司令、よろしいですね?」
「ああ、かまわんよ、好きにやりたまえ」

丁度出張で不在の司令に代えて、副司令が受け答えする。

「リツコ、挙動制御を」
「ええ、初号機を現行モードでホールド、その後エントリープラグを一時排出」

現状を維持しつつ二人を回収するための制御をリツコに任せ、次の手を考える。
内蔵電源は3分を切っている。
鞭を掴んだ両手も装甲は既に融解し、焼け始めていた。

「二人の回収を確認」
「ハーモニクスに誤差、神経系統に異常発生」
「シンクロ率、101%まで低下」

本来存在しないものを二つ放り込んだ対価。
シンクロ率がそれでも100%を超えているのは驚異だが、ハーモニクスにも誤差が生じている。

――現状のまま戦闘継続は無理か。

画面では初号機が目標を投げ飛ばしていた。

358 :163:Migraine:08 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 21:17:21 ID:???
間合いもできた。丁度いい。

「シンジちゃん、一旦退却するわ。34番の回収ルートに向かって」
『だめだ!』

――え?

『今倒さないと、もっと、壊されてしまう!』

明らかに切羽詰った様子の声。

「シンジちゃん?止まって、退却よ!命令を聞きなさい!」

必死に制止命令を送るが、それを完全に無視している。

焼けた手にプログレッシブナイフを握り締め。
初号機が、使徒に向かって突進した。

***

――ああ、神様仏様。もう悪さはしませんからお助けください!

不気味な液体に包まれたそこで、祈るように命乞いした。
悪友の口車に乗せられたことを激しく後悔する。

そもそもケンスケが戦闘を見ようなどと言い出したからこんなことになったのだ。
あの時のそこの阿呆の口上を思い出す。

「おまえ、あの後見てないだろ、あいつ、ひどい状態だったんだぜ?」
「それでもあいつ、俺たちのこと守るっていったんだ」
「あんなことを言ってぶん殴ったからには、お前には戦いを見届ける責任があるんじゃないか?」


359 :163:Migraine:08 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 21:18:41 ID:???
考えれば理由にもなっていないすり替えだが、自分はそれに納得してしまった。
殴ってしまったが、なんとも後味が悪くて。
その場にいられなくなって、捨て台詞を吐いて立ち去ってしまった。

だから、思わず釣られてしまい、二人してシェルターを抜け出してきた。
これはその報いだとでも言うのか?

イカの化け物が、人型の化け物と対峙していて。
普段とはまるで様子の異なる第3新東京市のビルが火を吹き、なぎ倒され。
気がついたときには、紫色の巨大な塊が降ってきたのだ。

あれで生きていられたのも信じられないが、今自分達はその紫の化け物の中にいる。
現実感などというものはとうにどこかへいってしまった。

自分たちの前にもう一人、乗っている人間がいた。
パイロットスーツらしきものを着た、華奢な女の子。
碇シンジ。あの転校生だった。

「くっ!」

短く漏れた声とともに、相手の化け物が投げ飛ばされた。
スピーカーから、退却するように指示が飛んでいる。

――はあ、これで助かる……

涙腺を緩ませながら弛緩した体は、次の叫び声により一気に硬直する。

「だめだ!」

転校生が、叫んでいた。


360 :163:Migraine:08 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 21:19:43 ID:???
「今、倒さないと!」
「もっと、壊されてしまう!」

――彼女の叫びは、自分の捨て台詞を写していた。

「お、おい、転校生、退却や、ろ……?」

そういっても、彼女は聞いていないのか、何かを取る動作をして。

「はあああああああああ!」

掛け声とともに機体が加速し、化け物に急接近した。

「うわああああああああああああ!」

こちらは掛け声ではなく、二人分の悲鳴。
相手から何か光る鞭のようなものがこちらに向かって伸びてくる。

ボゴンと、鈍い音とともに衝撃が走る。
どこかが破壊されたのだろうか。

「ぐふっ!」

転校生が呻いた。
前方の液体が、吐き出されるたびに赤く染まっていく。
液体から感じる血のにおいが、濃くなっていく。
明らかな異常事態。

「転校生?大丈夫なんか!?」


361 :163:Migraine:08 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 21:20:46 ID:???
その問いかけにも反応せず、突き刺すような動作をする彼女。
見ると、外では化け物の玉のような部分に、ナイフが突き刺さっていた。
そのナイフに伸びる腕が、彼女の腕と同じ動きをする。

「あああぁああああああああああぁあぁあああ!」

彼女が叫び声とも、悲鳴ともつかぬ、すべてを吐き出すような声を上げ続けている。
ケンスケが隣でパニックになりもがいている。

なんだ、これは。
こんなのが、現実だというのか。
血のにおい。
液体の中。
化け物の中。

あまりにも非現実的な世界。

画面に映る化け物の玉がパキンと割れる。
同時にモニターが消え、室内が薄暗くなる。
彼女の声が、止まった。

一時の静寂。その支配を破ったのも、彼女。
転校生がシートに倒れこみ、こちらを振り向いた。

「大丈夫、だった?」

そういって、微笑んだその笑顔はあまりにも壮絶。

ごぽりと血の色の液体を吐き出し、そのまま彼女は気を失った。

***

362 :163:Migraine:08 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 21:21:53 ID:???
「もう、十日か」
「俺らがこってりと絞られてからか?」
「……わかっとるやろが、ボケんなや」

あの転校生と会って、シェルターを抜け出し、ロボットに放り込まれ、それはもう完膚なきまでに叱られて。
あれから十日が過ぎた。
彼女はまだ戻ってこない。

「一日だけの、幻の転校生か」
「おい、不吉なことゆうんやないで」

あの日以来戻ってこない彼女。当然何かあったと考えるクラスメイトの噂話も、既にあまり聞かれなくなった。
今は昼休み。
大食いだったはずの自分が、あの日以来食が進んでいない。
いままでなら真っ先に購買へと駆け出したであろうこの時間も、なんとなく気だるい。
ケンスケの机に突っ伏して、ぼけっとしていた。

ガラガラッと教室の扉が開く。
何気なくそちらを見て、目を見開いた。

碇シンジがいた。

既に頭の包帯はしていない。
代わりに両手に白い手袋をしていた。

軽く左足をかばうようにして、自分の席まで歩いていく。
同じく包帯の減った綾波に挨拶してから、席についた。

クラスに残っていた女子生徒がいっせいに彼女の周りに集まる。
何事があったのかと話をしているようだったが、既に頭の中はその会話を理解するだけの処理能力を持っていなかった。


363 :163:Migraine:08 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 21:24:15 ID:???
ふらりと立ち上がり、気がつくと他の生徒を押しのけ、彼女の横に来ていた。

「お、い、ちょいと顔かしてくれへん、か」
「うん?いいよ?」

彼女の返事。
周りがなにやら不平不満を漏らしているが、それもまともに聞こえてはいない。
立ち上がった彼女の手を取り、ゆっくりと教室を出る。

後ろから、苦笑しながらケンスケがついてきていた。

***

また、鈴原君に連れ出された。
時間も同じ、お昼休み。
後ろから相田君がついてきている。これも同じ。

だけど僕を引くその手の握りは優しくて。
僕の歩みにあわせてゆっくりと移動してくれていた。
こちらを見てくれないので表情はわからないけれど。

そうして連れてこられたのは、やっぱり体育館の脇の空間。

と、彼は壁際に置かれていたものの中から何かを取り出し、設置した。
いわゆるディレクターチェアと呼ばれる折りたたみ式の椅子。

「おう、まあ座れや」

何でそんなものがここにあるのかと思いながらも、お言葉に甘え座る。

「な、なあ?」
「何?」

364 :163:Migraine:08 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 21:25:17 ID:???
聞き返すが、返事が返ってこない。

「何なの?」
「あ、ああ、ええと……」

「そや、怪我、大丈夫なんか?血、吐いとったやないけ」

そう聞かれた。
実際のところ、大丈夫とはいえない。だが無理を言って出てきてしまった。
それでも無理が通ったのだから、一応は大丈夫ともいえるのだろうけど。

「ん、大丈夫。肺に傷はあったらしいけど、ほんの小さい穴だったって」

これは嘘ではない。
あの時は確かに、大穴が開いていた。
だがそれは初号機とつながった精神が作り出した、虚像の傷。
比較的低かったシンクロ率のおかげで傷自体はそれほど大きくなかった。

「んじゃあ、その手袋は?」

横から相田君が指摘してきた。

「ん、こっちはちょっとね、色が」

そういって、片方をはずしてみせる。
火傷により移植されたそこの皮膚は、明らかに異質だった。

「まあ、せっかくみんなと知り合ったのに、ずっと会えないのも寂しかったからさ」
「さっさと退院してきちゃった」
「さ、さよか……」

あはは、とごまかし笑いをした。

365 :163:Migraine:08 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 21:26:23 ID:???
だが、そこから会話が進まない。
何もしゃべらない二人。
なんとなく居心地が悪くなって。

「じゃ、じゃあ、先に教室に戻るから」

そんなことを口走った。
立ち上がり、教室へ向かおうとした、その直後、鈴原君から呼び止められた。

「ま、まってくれ」
「ん?」

振り向くと、彼は真剣な表情でこちらを見ていた。
そして。

「殴ってすまんかった、このとおりや」

そういって、思い切り頭を下げる。
謝られる、という事態を想定していなかった僕は、思い切り狼狽する。

「え、いや、その」

キッと頭を上げた彼は、更にとんでもないことを言い出した。

「転校生。わいを殴れ!」
「……はい?」

その言葉が、混乱に拍車をかける。
既に彼は、後ろ手を組み、仁王立ちしていた。

「ちょっと、そんなこと、できないよ」
「いや、これはわいなりのけじめや!」

366 :163:Migraine:08 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 21:27:26 ID:???
「そういわれても……僕は殴りたくなんかないし」

そう、別に殴られたことを責めるつもりなど無かった。
それよりここで彼を殴る罪悪感のほうがはるかに大きい。

そんなやり取りに横槍が入る。

「その手、大丈夫なんだよな?」
「え、あ、うん」
「なら悪いけど、殴ってやってくれよ。どうにも堅物な奴でさ」

いや本当に冗談じゃないです。

「相田君まで……」
「ああなると聞かないぜ?あいつ」
「それで気が済むってなら、殴ってやってくれよ。気にする必要ないさ」
「……はぁ」

思わずため息が漏れる。
確かに何を言っても聞きそうに無い。
そう信じたら、どこまでも行動する、そういう人のようだった。

「……わかった、じゃあ一発だけ」
「おう、こい!」

拳を作って、顔面をめがけ。

「……手加減はなしやで!」

加減するつもりだった拳が空中を泳いだ。
こちらを見つめる真剣な眼差し。


367 :163:Migraine:08 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 21:28:28 ID:???
覚悟を決めた。

「本当に、加減なしでいくよ」

右手を大きく振りかぶって、踏み込み、渾身の一撃。
ペチンと見事に顔面にヒットする。
だが彼はその場から動かない。
拳を当てた右肘が曲がる。
体重を乗せたためにバランスを崩し、僕は彼のほうにもたれかかってしまった。
それでも彼は動かなかった。

「……今のが本気やな?」
「え、うん」
「そうか……」

彼が、拳の当たった辺りをさすっている。

「痛いわ。ごっつう痛いわ……」
「ご、ごめん」
「あやまるなや!……そんな必要あらへん」
「あやまらなあかんのは、わしのほうやろが」

そういうと、彼は。
僕を抱きしめてきた。

「え、ちょ、ちょっと」

突然のことに身動きができなかった。

368 :163:Migraine:08 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 21:29:32 ID:???
「……なんで、こんな……」
「ほそっこくて、かるうて、ちいさくて」
「やわいパンチしか打てん様な奴が……」
「必死に、ワイらを守って、戦っとるんや……?」

気がつくと、彼の声は上ずっていた。
その様子に、やっぱり動けなくて。

「……守ったる。おまえはわいが守ったる」
「誰にもお前にちょっかい出させへん。わるういわせへん」
「そんな連中、わいがしばき倒したる」
「だから、安心せい」
「お前は好きにやればええ。怖がらんでええ」
「ええんや……」

「……うん、ありがとう」

その気持ちが嬉しくて、暖かくて。
思わず僕は、彼を抱きしめ返していた。

***

「あー、コホン」

どれくらい経っただろうか、横からわざとらしい咳が聞こえた。
ふとみると、相田君がこちらを困ったように見ている。

……それで、今どういう状態なのか気がついた。

369 :163:Migraine:08 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 21:31:17 ID:???
あわてて彼から離れる。

「あ、あの、ごめんなさい」
「い、いや、あやまらんでええ、悪いのはわいや」

二人して赤くなっていた。

「うーん、青春してるねえ」
「うっさいわ、ボケ」

彼の年寄りめいた感想が、二人の赤さを加速させる。

「おかげでこっちはタイミングがなくなっちゃったじゃないか」

そういいつつこっちを見た彼は、深々と頭を下げた。

「悪かったな。俺がこいつに話さなきゃ、こんなことにはならなかっただろうし」
「え、あの」
「そや、元はといえばお前のせいやんけ、シェルターでたんも!」
「でも結局殴ったのはトウジだし、協力したのもトウジだぜ?共犯だよ」
「ぐっ」

あやまられたはいいが、そんなやり取りを続ける彼らの会話に割り込めない。
少し困っておろおろしていると、また、相田君が話しかけてきた。

「まあ、ひどい目にあわせちゃって言うのもなんだけどさ」
「友達に、なってくれないか?碇さん」

そういって、彼は右手を差し出してきた。
迷わず、その手を握り返す。


370 :163:Migraine:08 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 21:32:32 ID:???
「うん、喜んで」

そういってにっこりと微笑む。
ちょっと相田君が赤くなっている、照れたのだろうか。

「ちょ、ちょっとまてや、わいも、わいも友達や。な?」

そういって握手の上から両手をかぶせてくる彼が可笑しくて。
思わずくすくすと笑いながら、こう返す。

「うん、そうだね」


こうして、新たな絆が、僕の中にできた。
友情という絆が、確かに僕の心を、支えなおした。


end.08

371 :163:Migraine:08 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/28(日) 21:33:46 ID:???
ということで投下終了、今までで最長になったらしい。

トウジへの評価があれだったので土下座させようかとも思ったけど、まあいいや。

372 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/28(日) 21:38:12 ID:???
すげー創作意欲だな、職人。乙カレー
>>340がリアルトウジに見えるぜw

373 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/28(日) 21:41:37 ID:???
GJ!オモシロカッターヨw

374 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/28(日) 22:52:09 ID:???
おもしろかったー


375 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/28(日) 23:28:06 ID:???
  |
  |⌒⌒ヾ 
  |ハ从wノ
  | ゚ ‐ノ そ〜〜…
  | ノ
  |
"""""""""""""""""""""""""""""""


  |
  | ⌒ヽ
  |v从wノ
  l゚ -゚ノ ネタが豊富なのと創作意欲旺盛なのって凄い。
  ⊂[ノ  面白かったよ。
  |
"""""""""""""""""""""""""""""""


376 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/28(日) 23:30:33 ID:???
  |                           (   (
  |                         ( (   (. )
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  |                         i ヾ<:;_   _,.ン |
  | ⌒ヽ   良かったら飲んで。    l      ̄...:;:彡|
  |v从wノ                    l      ...:;:彡|
  |゚ -゚ノ                    }  . . ...::::;:;;;;;彡{
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  |   ピャッ!                   }  . . ...::::;:;;;;;彡{
  |  ミ                     i   . . ...:::;;;;;彡|
  |                      }   . .....:::;::;:;;;;彡
  |                      !,    . .:.::;:;;;彡:.......
  |                       ト ,  . ..,:;:;:;=:彳::::::::::::::::::::::::..
                         ヽ、.. ....::::::;;;ジ.::::::::::::::::::::::


377 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/29(月) 00:38:22 ID:???
一気に読ませてもらったけど、すごく面白かったよ
作者GJ!

378 :163 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/29(月) 18:14:06 ID:???
>>317で7,8が続き物だと一応言ってはいるけど、何かマッチポンプした気分でちょっとあれな作者です。
ある意味バラエティのやらせ演出に近いものになってしまった。

現在は次の話の詳細プロットの詰め中。

ラミエル以降、レリエルまでの半コメディパートについては大まかな流れはあるけど実は細かいところは決まっていない。
JA飛ばしは決まっている&エピソードの早送りや飛ばしが発生すると思うのだが。

それでもこれだけは、って場面があれば言ってもらえると考慮できるかも。
ある程度はなぞると思うので、できれば重箱の隅をつつく感じで。

ここからチラシの裏:
あれだ、何かストーリー上の変化をもたせる場合、本編との基本的な相違点は
・シンジの存在自体
・異常シンクロ設定

の2点になっていて、
・世界的な流れ・行動は本編準拠
・他キャラクタは本編と同程度の能力・行動基準
・使徒戦はシンクロ設定のプラスとマイナスで打ち消し

として動かしてるので、何か変化を入れた場合
特に戦闘面ではどうしてもシンジちゃんに皺寄せが来てしまう。
毎回入院はきついわ。

379 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/29(月) 18:35:09 ID:???
ゼーレの陰鬱さや一般人を高みから見下してる倣岸な態度とかが
徐々に鮮明になってけば面白い希ガス

380 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/29(月) 21:02:07 ID:???
人の造りしものはミサトとシンジの交流と3馬鹿が仲良しなのが好きなんだが

381 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/29(月) 21:16:27 ID:???
へー

382 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/29(月) 22:09:36 ID:???
でもアレ本筋に関係ないし、大変だから飛ばしたほうがいいと思う。
代わりにオリジナルエピソードでちょいちょい補完するとかもアリ。

本筋関係ないやつはバンバン飛ばしたらいいと思うなぁマジで。

383 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/29(月) 22:13:33 ID:???
下半身が吹っ飛んだ零号機に、ゲッター線をちょいと浴びせると
キャタピラ付きの下半身がにょいんにょいんと…

384 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/29(月) 23:02:41 ID:???
補完計画の真相を掴んだ為あっさりゼーレに処刑されちゃう時田
ダイイングメッセージで「君達チルドレンはは人体実験の素材に過ぎない!」
みたいなものをミサトかシンジ辺りに託して絶命、とか

385 :163 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/30(火) 00:11:32 ID:???
屍を超えて!ゆけ!ちぇーんじじぇっとああーろーん!って、それもう別アニメ。

基本的に本編を連続するイベントとみなして
各人物・状況の設定とこれまでの行動経緯を考慮して
んでもってちょいと趣味も加味しておいて
各イベントに移行するように行動補正して
それを文章に起こす、というパターンで書いているんだ

なので”考慮する”、とは、
・一つのイベントとしてどっかに出てくる可能性
・あるイベントにいたる過程として出てくる可能性
のことだったりする。

当然作者が失念していたり一話分ばっさり切られたりするとイベントそのものがなかったことになるので、
再度シリアスパート&改変しないとハッピーに出来ない世界に入る前に聞いてみた。

今のシンジがサンダルフォンでバックアップに回されることはありえないというか溶岩ダイブしたら死ぬんじゃね?
でも温泉は捨てがたいなとか、苦悩があるのですよええ。

386 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/30(火) 00:14:07 ID:???
間違いなくこのシンジなら死ぬなw
もしも生き残っても、全身ケロイドになって見れない容姿になる。スーツと皮膚が癒着なんてこともありえる。

・・・って、嫌だななんか。

387 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/30(火) 00:38:42 ID:???
単純に考えれば上層部も同じこと考えて、零号機がバックアップ、シンちゃんは
留守番なんだろうな。問題は温泉か。

388 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/30(火) 00:54:14 ID:???
温泉はオイシイよなぁ
ネルフ慰安日帰り旅行しかないな

389 :163 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/30(火) 23:47:55 ID:???
歌はいいねえ、リr(ry

・・・なにか脳内が染まってしまって今日は断念。
無駄にハッピーすぎてシリアスかけねえ。

次の話は書きあがってますが例によってその次との調整が必要そうなのでもうしばらくお待ちを。

390 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/30(火) 23:51:12 ID:???
>>389
バカネタでもまき散らしつつのんびり待ちます、特にシンちゃんを温泉に連れて行く法でも…

391 :163 ◆rK3tDGGMK2 :2007/10/31(水) 22:59:29 ID:???
ちょ、シンジ待て。
変なスイッチを踏んで暴発した上にレイが暴走かましております。
な、流れが、プロットが……書き直そうかしらorz

392 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/31(水) 23:06:00 ID:???
うん? よく分からないが、エヴァに暴走はつきものじゃないか?

393 :163:Migraine:09 ◆rK3tDGGMK2 :2007/11/01(木) 00:20:50 ID:???
begin.09

退院してから一週間。
ようやく普通の生活というものに慣れてきた。
朝起きて、学校に通って、ネルフの訓練に行き、家に帰る。
ちょっと普通の人とは違うかもしれないが、これが僕の今の生活。

「おはよう、碇さん」
「あ、おはよう」

そう声をかけてくれたのは洞木さんだった。
皆からは委員長と呼ばれている彼女は、とてもまじめな人だ。

「おはよう、碇さん、後委員長も」
「何、私はついで?」

横から声がかかる。相田君だ。
洞木さんの一言に笑いながら、僕も答えた。

「ははは、おはよう、相田君、鈴原君」
「おう、おはようさん」

鈴原君が最後に挨拶してくる。
僕はそのまま自分の席に荷物を置いて、お隣に。

「おはよう、綾波さん」
「おはよう、碇さん」

朝の挨拶、いつもの繰り返し。

学校ではようやく人だかりができることは無くなった。
転校生としての目新しさがなくなってきたということだろうか。

394 :163:Migraine:09 ◆rK3tDGGMK2 :2007/11/01(木) 00:21:52 ID:???
それは少し寂しいけれど、クラスの仲間として認められたと思うと、嬉しかった。

ただ、この間の戦いのあと、また何人かが疎開していった。
クラスは更に空席が目立つようになってしまっている。
入院している間にいなくなった子もいた。
自己紹介だけに終わってしまったことは、残念だった。

だけど……
疎開したなら、危ない目にあうことは無いはずだ。
ここでの戦いには巻き込まれない。
本当なら、他の皆だって逃げたほうがいい。

そう考えて気がつく。自分の心。
皆と一緒にいたいと思う、絆を求める心。
これは傲慢なのか。
守るべき人々を危険にさらして、それでも絆を求め、それゆえ守る。

――結局、自分のために戦ってるに過ぎないのか。

朝からそんな暗い気持ちになっていると、予鈴がなる。
そこで、思い出す。

今日は水泳の授業があることに。

***


395 :163:Migraine:09 ◆rK3tDGGMK2 :2007/11/01(木) 00:22:55 ID:???
朝の時間の暗い思考はどこへやら。
すでに僕の脳細胞はそんなことに割く処理能力は有していない。

そう、水泳。
先週までは怪我と体力の問題で見学だった。
だが、この間の検診で泳いでもよいとお墨付きが出た。
無理をせずに、という条件付ではあるが。

セカンドインパクトの影響で常夏となってしまった日本。
いまでは体育といえば水泳、というほどに水泳の授業は定番だった。

他の女の子たちが気持ちよさそうに泳いでいるのを、着替えもせずプールサイドで見ている、というのは、日陰に退避していようと炎天下では肉体的にも精神的にも暑苦しく、いっそ水に飛び込んだほうが体にいいのではないかと思ったこともある。

ついでに言えばそうやって水着姿の女の子たちを見ているとなぜか恥ずかしくなってしまうことがあり、少々目のやり場に困っていた。

うん、あれは少々困っていた。だけど今は大いに困っていた。

自分が泳ぐということは、自分も水着になるということで。
それは自分が着替えるということで。
そうなると更衣室に入るわけで。

つまり今僕は。お着替え中の女の子達。その中の一人だった。

まあもちろん皆素っ裸になって着替えているわけではなく、器用にタオルを巻いて隠しながら脱いでいるのだけども。
あまりそういうことに頓着せずに着替える子もいるわけで。
他の子のかわいらしい下着が見えたりするわけで。
というか綾波さんあなた一気に全部脱いで着替えるってそりゃ効率的かもしれないけれどそれは女の子としてあんまりじゃないのかしら頼むから早く着ちゃってください。
後そこの形がどうとか大きさがどうとか言っている子達もお願いしますきちんと着替えてください。

396 :163:Migraine:09 ◆rK3tDGGMK2 :2007/11/01(木) 00:23:57 ID:???
哀れ女の花園に放り込まれ、しかし自分も女の子。
誰にとがめられるわけでもなく、しかし自分は後ろめたく、生殺しの生き地獄か。
当然この場で更に着替え始める勇気など、これっぽっちもありはしなかった。

ここは着替えるための場所であるからして、待っていれば皆いなくなるはず。
授業に遅れる可能性は意識から排除し、更衣室の隅でひたすら耐える。
傍から見れば恥ずかしがり屋の女子生徒、その忍耐が功を奏したか、はたまた授業時間が迫ってきたか、ついに周りは自分一人。
一人は嫌と叫ぶいつもの心も今このときばかりは安堵感に覆い潰されていた。

するとそこに開始のチャイム。
遅刻確定のその音に、急げ急げと心が焦る。

とにかくあわてて着替えていると、ガチャリと扉が開かれて。

「碇さん、何してるのよ、早く出てきて……」

思わず振り向き……そこにいたのは洞木さんだ。
急いで着替えようと効率よく動いていたその状態は、図らずも綾波さんと同じ方法論。

見事に素っ裸で彼女と対面した僕の顔は、ポンッと音がしそうな勢いで真っ赤に染まる。
叫び声を上げそうな口を理性が強引に押さえ込む。
超高速でなり続ける心音は空気を求めて一層強く。

更衣室から出るとき、一瞬お花畑が見えたのは、幻視だったと思いたい。

***

そういう訳で授業の前に体力を使い果たした感のある状態で、僕はプールサイドにへたり込んでいた。
ずいぶん適当というか、準備運動の後は皆思い思いに泳いでいる。
年がら年中やっている授業で、基本的にもう適当なのだ。

397 :163:Migraine:09 ◆rK3tDGGMK2 :2007/11/01(木) 00:24:59 ID:???
目の前を綾波さんが音もなく、流れるように泳いでいく。

――きれいだ。

白い肌に蒼い髪の彼女が泳ぐその様は、水の妖精といった風情で実に美しかった。
そのゆったりと見えて意外な速さで進む姿は、なんとも気持ちよさそう。

プールサイドの照り返しはかなり酷い物だ。
せっかくあんな思いをして着替えたのだから泳がなければもったいない。
そう考え、つられるようにプールに入る。

冷たい水の感覚が、足先から徐々に体へと進んでいく。
日差しで熱を持った肌が急速に冷やされる。

――んー、気持ちいい……

暑い最中のこの冷たさは、心地よかった。
いろいろと面倒なのに水泳の授業が多いのもわかる気がする。

そんなことを考えているうちに、プールの底に足がつく。
そのまま動こうとして。

足を滑らせた。

――え?

水深1.2M。
プールは中央に向かって深くなっており、そちらへ緩やかな下り坂となっていた。
その深さはひっくり返った僕が全身を水没させるのに十分で。
滑った弾みに少し中央へと寄ってしまう。
焦って水底を蹴って水面へ出ようとするが、何とか出たのは鼻の頭まで。
気がつけば水深1.5M。かなり中央によってしまったそこは、既に僕の身長を超えていた。

398 :163:Migraine:09 ◆rK3tDGGMK2 :2007/11/01(木) 00:26:01 ID:???
手足を必死にばたつかせ、水面に上がろうとして、事ようやく事態に気がつく。
泳ぎ方がわからない。体がまともに動かない。どうすればいいのか何も知らない。

自分はカナヅチだったらしい。

解ると同時に体を恐怖が支配する。
筋肉が強張り、動かすことすらできなくなる。

――怖い怖い怖いおちつけおちつけおちつけ

そう、そうだ、エヴァの中だって水の中。
落ち着けばきっと大丈夫。

だが世界はそう甘くは無い。
LCLを飲み込むときのごとく、ごぽりと肺から空気が流れ出ると。
僕の意識は闇に包まれた。

***

胸が、苦しい。
頭が痛い。

気がついて、目を開けたそこは、知らない天井。
僕はベッドに寝かされていた。
保健室のようだった。

身動ぎして、辺りを見回す。
白いカーテン。
蒼い髪、赤い瞳。

綾波さんがいた。

399 :163:Migraine:09 ◆rK3tDGGMK2 :2007/11/01(木) 00:27:03 ID:???
「僕、どうしてここに?」
「あなた、溺れたのよ。覚えていないの?」

そう答える彼女。
そうだ、僕はプールで溺れて。
綾波さんが助けてくれたのだろうか。

「ありがとう、助けてくれたの?」
「最後に引き上げたのは先生よ。私は頼まれたから」
「何を?誰に?」
「洞木さんに。付き添いを」

最後に、先生が助けた。
じゃあ最初に助けたのは、やっぱり彼女なのだろうか。
わざわざ頼まれているのだし、そうなのだろう。
そうでなければ……と、考えて、唐突に思い出した。

彼女は誰とも話さず、何時も一人でいる。
そういえば、初めは彼女に挨拶しただけで妙な空気になった。

「ねえ、綾波さん」
「何?」
「どうしていつも、一人でいるの?」

いつか聞こうと思って、だけどいつもうやむやになってしまっていたこと。
周りには誰もおらず、二人きり。
思いもかけない絶好のタイミングだった。

「必要ないから」

だが彼女の言葉は、僕の心を抉った。

400 :163:Migraine:09 ◆rK3tDGGMK2 :2007/11/01(木) 00:28:08 ID:???
「何が必要ないの?おしゃべりが?一緒にいることが?それとも、絆がいらないの?」

思わず声を上げ、まくし立てる。
彼女から返ってきたのは冷静な声。

「私はエヴァに乗るために生まれてきたわ。そのために、それは必要じゃないわ」
「なんで、そんなことをいうの?」
「何故?解らない」
「関係ないじゃない。あなたがエヴァに乗る理由と、皆と仲良くすることに、何の関係があるの?」
「関係が無いなら、私には必要ないわ」
「っ!」

その言葉はやはり衝撃だった。
いや、うすうす分かってはいたのだ。
彼女にとっては、エヴァに乗ること、それ以外は意味を持っていなかった。
だけど、こうやって直接確認すると、やはりそれは酷く悲しかった。

「そんなの、そんなの寂しすぎるよ」
「そうなの?わからないわ」

わからない。寂しいのが、分からない。
彼女はもしかして、知らないのではないか。
記憶が無い自分より、もっと知らないのではないか。

何も言うべき言葉が見つからなくて。
玉響ほどの静寂に、彼女が席を立つ。

「もう大丈夫なら、行くわ」
「え、あ……」


401 :163:Migraine:09 ◆rK3tDGGMK2 :2007/11/01(木) 00:29:14 ID:???
保健室を出て行こうとする彼女を、あわてて追いかけようとベッドを降りる。
呼び止めようとした僕に、彼女の声がかかった。

「服、着たら?」
「え?」

そういわれて気がつく。
シーツの下にあった体は、裸だった。

「濡れてたから。着替えは置いてあるわ。それじゃ」
「え?え?」

そう言って去る彼女を、僕は呼び止めることはできず。
少しして、赤くなりながら着替えなおしたのだった。

***

その日の夕食。
久々に早引けできたという赤木さんが、家に一緒に食べに来ていた。

ここ最近の訓練は、直接初号機に乗り込んでのシンクロテスト。
いろいろとシステムの改良をしたということで、実験を兼ねているらしい。
だけどその割には以前ほど初号機がしっくりと来ない。
シンクロ率も上がっていないようだった。
なのになぜか少し上機嫌のように見えた赤木さん。

綾波さんとは保健室の後、なかなか話す機会が無かった。
訓練のときもタイミングがばらばらで、彼女と直接会うことは無かった。
かろうじて初号機のモニタから見えた彼女。
珍しくお父さん、碇司令と話していたその顔は、楽しそうで。

402 :163:Migraine:09 ◆rK3tDGGMK2 :2007/11/01(木) 00:30:22 ID:???
――やっぱり、ああいう顔もできるんだ。

などと、少し嬉しく、少し寂しく、思った。

がたんと、机の上に鍋が置かれた。
今日の夕食の当番は、ミサトさんだ。
といっても、ずっと僕は病院だったり、ミサトさんの帰りが遅かったりで、実は彼女の手料理を食べるのは初めてである。
自信満々といった風に持ってこられたそれを、それぞれの皿に盛りかける。

……なぜかミサトさんはカップ麺に注ぐ様に指示してきた。

「元々カレー味のじゃこの味は出ないのよねー」

そんなことを言っているが、おいしいのだろうか?
ネギチャーシューと書いてある気がするのだけれど。

ともかくも、ミサトさん特製カレーもよそい終り、いよいよお食事タイム。
まあ特製といってはいるけれど、レトルトカレーを買っていたのは見ている。
あまり味に期待はしないでおこう。

そんなことを思いつつも一口すくって口に入れた。
それが口の中に落ちたその瞬間、していなかったはずの期待は恐ろしい方向に裏切られた。

なんと表現すべきだろう。この味は。
そう、苦いも辛いも甘いも通り越した、これは。

――……つらい味?

何とかその、ものすごい味の物体を飲み込んで。
だが体中から発生した危険物への警鐘に、僕はトイレへと飛び込んでいた。

403 :163:Migraine:09 ◆rK3tDGGMK2 :2007/11/01(木) 00:31:25 ID:???
追伸。トイレに入るときに近くで何かが卒倒する音が聞こえたけど、何だっただろうか。

追伸2。当番表の食事欄は破り取りました。

***

そんなこんなで危うく大惨事になりそうなお食事会も何とか終わった。
見ると赤木さんは何の手も加えられていなさそうなものだけを器用により分けて食べている。
その上で何かの薬を飲んでいる用意周到っぷり。
すばらしきかな長年の付き合いというところだが、だったら教えておいてほしかった。
後でお薬もらっておこう。

その恐怖の毒物を調合した張本人は我々より更に危険度を上げたようなミサト特製カレーチャーシューラーメンをぐいぐいと旨そうに飲みきっていた。
有得ない。あれをあのように食切るとは。
彼女の胃袋はおそらく使徒のそれより強力に違いない。

僕自身はというとあれ以来何も受け付けなくなってしまい、もう食べるのは諦めた。
食べられる気分になったら自分で何か作ろう。そう考える。

「シンジちゃん、やっぱり考え直したら?がさつな同居人に人生を台無しにされる前に」

冗談とも本気ともつかぬ赤木さんの口調。まあ顔は笑っているのだけど。

「でも、他に誰かいるんですか?」
「私はほとんど帰れないから無理だけど、なんだったら私の部下の……そうね、マヤ辺りに頼んでもいいわよ?」
「うーん、それは魅力的ですねえ」
「ちょ、ちょっとなにいってんのよ」

そんな僕達にあわててミサトさんが口を挟んでくる。
まあはじめからそんなつもりは……少しは、いやそれなりには有る様な……。


404 :163:Migraine:09 ◆rK3tDGGMK2 :2007/11/01(木) 00:33:14 ID:???
「でもまあ、感謝してますし、それにもう慣れましたから」
「ほらほら、人間の環境適応能力をなめてはいけないわあ。あ、もう一本お願い」
「……不憫ね」

ビールをせがむミサトさんをみて、本気で哀れに思われた。

「それにいまさら手続き面倒よ。シンちゃん、ホンチャンのセキュリティカードもらったばかりだし」

その声に応えたのは、あっ、という思わず漏れたような声。
珍しく赤木さんが罰の悪そうな顔をしている。

「忘れるところだったわ、シンジちゃん、頼みがあるんだけど」
「なんですか?」
「綾波レイの更新カード。渡しそびれたままになっちゃってて」
「本部へ行く前に彼女のところへ届けてもらえないかしら?」

綾波さん。
今日の出来事を思い、彼女の写真を見つめる。

「どうしたのお?レイの写真をジーっとみちゃったりしてえ」
「え?」

何だろう、このニヤニヤ笑いは。

「あ、まさか、レイのことを愛しちゃったとか?」
「え?ええ!?」
「だ、だめよ、あなた達女同士なのよ!」
「いや、だから」
「それに中学生でそんな趣味に走るなんて……」
「ミ、ミサトさん、やめてくださいっ!」

405 :163:Migraine:09 ◆rK3tDGGMK2 :2007/11/01(木) 00:34:20 ID:???
なぜか顔を赤くしながら必死になって彼女を制止する。
だけど彼女のニヤニヤ笑いはもう大笑いに変わり。

「あははは、からかい甲斐があるわねえ。赤くなっちゃってまあ」
「ミサトと同じね」
「ぐふっ」

赤木さんの一言につんのめりながらも笑っている。
そんな様子は楽しかったけど、でも。
綾波レイ、彼女のことを考えると、笑顔が途切れた。

「……僕はただ、彼女のこと、まだ理解できてなくて」

そう、保健室で交わしたあの会話。
彼女の考え方は、僕には分からなかった。
理解したとしても、受け入れたくは無かった。

「いい子よ、とても」

ふと、赤木さんがそんなことを言った。

「あなたのお父さんに似て、とても不器用だけど」

不器用。
綾波さんが。
僕のお父さんも。

――何が?

「生きることが、かしらね」

彼女のその一言は、僕の心に重く響いた。

406 :163 ◆rK3tDGGMK2 :2007/11/01(木) 00:36:41 ID:???
end.09

ってことで第九話です。
シンジがあほの子になってしまった。
実は最も気合を入れて考えたのが味の表現だったりするのがなんとも。

そして第十話、十一話は腹くくりました。こーなったらシャッフルシャッフル。

407 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/01(木) 00:38:24 ID:???


ひとつ気になるのは、シンジがシンジに見えないことかな
考え方とか、ポジティブさとか。
何か理由があるんかね

408 :163 ◆rK3tDGGMK2 :2007/11/01(木) 00:46:54 ID:???
書いている本人も非常に困っているシンジのオリキャラっぷり。
まあ腹くくったので次回わかりやすく暗示されますが、
原因は初期設定の欲張りさというかなんというか。いろいろくっつけすぎた。

特定の強迫観念のみを残して記憶を失ったことによる必死さが、表面的に明るさとして出てきてるだけなんですよ。
ただ本来のシンジに近づくよう補正しようにも、現状の構想だと後半シリアスパートに入るまではあまり手出しできないので……。

409 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/01(木) 01:11:03 ID:???
おk
期待してるよ

410 :163 ◆rK3tDGGMK2 :2007/11/02(金) 22:43:59 ID:???
ライブでハッピーなスイッチがなかなか切れませぬ。
暗めの曲ループで流しながら書いてますが中々もどらん。
10話分は一応書きあがっていますが11話と続き物なので書き終えるまでは出せないなあ。

某トウジやらアス男のところが元気で良いけど、ここが静かなのは寂しいという思いもあるのだが。
まあ休日中に何とか仕上げます。

411 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/02(金) 23:26:02 ID:???
感想がなくてもロムっ子が多いんだと思えよ

412 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/02(金) 23:34:24 ID:???
俺のことか

413 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/03(土) 06:08:43 ID:???
>>410
ごめん、エピソードが多くて長すぎたので面食らってしまい、
どう感想を入れていいのか分からなかった。

「読解力の無いヴァカでも、興味の無い赤の他人でも読める」

…コレが漫画の本質だと思う。
できれば個々のエピソードを欲張らず、読みやすくしてくれると有り難い。
決してつまらないわけじゃないし拒絶してるわけではないので、年の為。

414 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/03(土) 06:13:36 ID:???
×年の為
〇念の為
…とまあ、ロムってる俺なんかはこんなレベルっすからwwwサーセンwwwwwwwwwwwww

415 :163 ◆rK3tDGGMK2 :2007/11/03(土) 11:30:10 ID:???
あー、すまん、感想がほしいというより、総合系のここで他に何の話題も無いのが寂しいのですよ。やはり既に枯れた分野なのか。

素の書き込みはびっくりするほど変換ミスが多い163でした。

416 :163 ◆rK3tDGGMK2 :2007/11/03(土) 14:43:10 ID:???
何かあちらさんがすごいことになっているのは気にしないことにして。

毎回分割で書き込むのが面倒なのと、ばらけて読みにくいので
手元にあったスペース使ってデータをあげてみた。
ただし本文はtxt形式のベタファイルなのでDLするなりソース見るなりして他ソフトで読んだほうが良いかも。

http://www.ne.jp/asahi/dag/space/migraine/

こんな感じでいいのだろうか。即席手打ち万歳。

417 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/03(土) 15:37:33 ID:???
うを、かっけー!頑張ってくれとしか言えないがかっけーわ。

いや、かなりあっちの状況は気になっとるよ、
各自が他人を叩かずに助け合うようになればいいんだけど…

418 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/03(土) 15:58:26 ID:???
>やはり既に枯れた分野なのか。
実はそんな気がする。ショタの作家なんかでは
エヴァは「トラウマになる」って敬遠してる人多いんで、
あれ?とか思ったりすることがしばしば。
ここでのFFに以前の職人さんがエロを混ぜてた人が多かったのは
実はそれが無いと他人の気を引く要素が無かったりするからなのでは。

後ここに来る人達は俺も含めて
「自分の存在」を認めてもらいたいから来るのであって、
自分より優秀な存在や気合の入った存在を見せられると
どう対応していいか分からないのが多いと思う。

他人のネタを見れても自分がネタを出せない、
これこそがネラーにとっての苦痛かもね

419 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/03(土) 20:41:44 ID:???
何気にさらっとひでえ事言うなwww
めげずに頑張ってな、職人

420 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/03(土) 21:30:29 ID:???
ん〜、そんなに難しい事でもないんじゃね?
俺はいつもROMってるから書き込みも控えめだけど、職人さんの作品をいつも読んでるよ

職人さん頑張ってくれぃ(`・ω・´)

421 :163 ◆rK3tDGGMK2 :2007/11/03(土) 22:07:54 ID:???
書き終わるまで出せないとか言ってた割にpre versionとか言って通し10話目が公開されていたりします。

http://www.ne.jp/asahi/dag/space/migraine/Migraine04-02.txt

台詞回しの微妙さやら校正がアレな状態ですが。

11話目は550行超えてますがまだ終わりません。
設定改変とキャスティングのシャッフルと戦闘をかっこよく、とか思ってたら速度があがらねえorz

422 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/03(土) 22:21:06 ID:???
急かさないのでじっくり取り組んでくれ。
即興に強い奴もいるしこつこつ積み重ねるタイプもいる。
悲観して卑下する事もないし賞賛を求める事もないさ

423 :163 ◆rK3tDGGMK2 :2007/11/04(日) 16:15:47 ID:???
やあ、ようやっと12話分が完成したよ。
今回は中々の難産だったと言うか今でもこれでいいのかと自問自答中ですが。

第11話の体裁、誤字修正も行って正式版として公開。

http://www.ne.jp/asahi/dag/space/migraine/

第四話の02
第四話の03
の二つが更新分です。

424 :163 ◆rK3tDGGMK2 :2007/11/04(日) 17:31:43 ID:???
ん、なんか通し番号変えたら自分でこんがらがったorz

10=04-02
11=04-03ですな。

425 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/05(月) 01:18:03 ID:???
読んだよー
レイが代わりだったかwそりゃ、シンジ死ぬよ!って思った思った。


426 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/05(月) 06:23:00 ID:???
職人たん乙
ここはまったりしてていいね

427 :163 ◆rK3tDGGMK2 :2007/11/05(月) 18:41:38 ID:???
アスカとの関係をどう描くか、とりあえず3号機のお話辺りまで解析しないとなあ。

第四話は一回目の搭乗者入れ替え。二回目の状況入れ替え。全体としての役回り入れ替えと3発シャッフル。
設定面では何とか納得できるように、戦闘面では格好良く、且つありきたりに嵌らず、お約束を入れる。
そんなことを考えて書きましたが、うまくいったかどうか。

こっそりアクセスカウンタつけてみた。標準提供のやつだがお馬鹿なので簡単にカウンタが回ります。
まあ話半分とみたほうがいいだろうけど、意外といるというべきなのか。
最大値だとしても、意外とみんなアクティブなんだなあとか思ったり。

428 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/06(火) 18:49:39 ID:???
とりあえず後天的な何らかで女になってしまったシンジが学校等で性的いじめや暴行を受け
誰にも言えず繰り返される日常のなか意を決して相談したはずの信頼していた人物や
一部のNERV職員からも犯されてしまい追い詰められたシンジきゅんは自殺endな小説とか無いのかね

ポン貴のえヴぁ同人誌に正にそんなのがあって激しく萌えたんだが

429 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/06(火) 19:00:49 ID:???
欝萌えかぁ

ありがちな話ではあるんで捜せばぢっかにあるかもな

430 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/06(火) 19:23:19 ID:???
様々なジャンルのエロ同人うpしてあるサイトが幾らかあるけど
ああいうところに女シンジエロ同人はうpしてある?
昔「女シンジ」で一ジャンル築けるくらいの人気があったというのが本当ならばありそうなんだが…

431 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/06(火) 19:52:44 ID:???
そういうサイトで萌えを探すなよ

432 :163 ◆rK3tDGGMK2 :2007/11/06(火) 19:54:50 ID:???
男性向けのその手のところでその手のを見た覚えは無いようnくぁwせdrftgyふじこlp;

さっとぐぐって見た感じだと女シンジといっても
カオル×シンジを正しい?カップルとして成立させるためのネタとして使ってるのが大多数の空気が。
女シンジの存在そのものにハァハァしているのは少なそうだ。

433 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/06(火) 20:37:42 ID:???
カヲシン好きな腐女子はそんな感じだな。常にカヲルとセットで
でも、カヲル関係なしにハァハァしてるのもあるよ

434 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/06(火) 20:42:37 ID:???
冬コミで某動画の碇シンコたん萌え同人を期待してもいいですか?

435 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/06(火) 20:55:29 ID:???
シンジストサイトなら期待してもいいのかも知れんが、
女装シンジはいてもなかなか女シンジ好きまではいないんだな

436 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/06(火) 20:55:58 ID:???
どうせカヲシン(笑)ばっかだろ

437 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/06(火) 21:06:40 ID:???
くまのところもカヲシンだしな
男の運営するサイトで女シンジ見たことねーし

438 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/06(火) 21:11:43 ID:???
こないだの夏コミで流星ひかるがエヴァ本出してた

439 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/06(火) 21:19:45 ID:???
>>429
カナ入力同志ww
まぁ私の探し方が甘いのか女シンジ欝モノと呼べるものにほとんど当たった事が無い。あったら教えてほしい。

レイの力で逆行した際に女になったシンジが贖罪の為に汚される事を自ら願い堕ちていくM女シンジの様を描いた
Arcadiaにあったふぁいず氏の長編小説「闇と罪と本の旅人」がそれに近かったが
個人的にもっと鬼畜(だが萌えな)描写いけるんじゃないのというか、
恐らく自分で書くしかなんだろうなこれは。という事で久しぶりに書いてる。一般受けはしなさそうだが。
んで自殺云々はBADENDの一例であって別にしなくても全然いいんだけど
それに準ずる欝内容かもしくは死よりつらい展開で完結だろうってのが方針というか私の中では一つの決定事項で
マンネリにならない程度の変態虐めネタや想定してる展開はかなりあるんだが、上手くまとめられるか難しいというか
単なるセックス描写なんてのはむしろ無く、だがそれでも悲惨さエロさ萌えが滲み出てくるような、
シンジきゅんの性質や良さを利用したいし表現したい。ねちっこい変態長編小説にしたいのである

>>430
そういうサイトの膨大な数のEVAカテゴリしらみつぶしてけば2・3冊くらいはあたるかもしれんが、
予めTSシンジ書いてる作者調査して同人タイトルめもってP2P狙い撃ちのが集まるかと。
以下謎の暗号

Maniac Juice 女シンジ再録集 '96-'99 O_30820.rar P:逆毛

>>434
アレで新規にこのジャンルに目覚めた人も居そうだから書いてほしいね

440 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/06(火) 21:24:26 ID:???
シンジストで女シンジも女装シンジも好物だが、カヲシンは別に好きじゃないので
サイトとか見て回れない

441 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/06(火) 21:37:18 ID:???
なんかカヲシンってワンパターンばっかだしシンジもこれ誰?って感じのが多いイメージだ

442 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/06(火) 21:39:14 ID:???
絵や漫画の二次創作で女シンジを扱っているのは確かに女性ばかりかもしれないな。
でも小説の二次創作で女シンジを扱っているのは男が圧倒的に多い気がする。

443 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/06(火) 21:54:19 ID:???
幸せ探してもがき続けるのもシンジきゅんらしいと思うのさ
それが欝シンジきゅん萌え
儚さ増し増しなおにゃのこシンジきゅんならなおさらのこと

444 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/06(火) 21:55:39 ID:???
くまの巣はもう終了したの?

445 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/06(火) 21:58:25 ID:???
産休だ

446 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/06(火) 22:39:57 ID:???
>>439
その女シンジ同人誌が俺の唯一持っている女シンジ同人誌だったりする
他のも見たいんだが得ろ同人うpサイトから探すのには膨大な時間を要するな

447 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/06(火) 23:31:01 ID:???
その女シンジ描いてた人も結局カヲルシンジのホモやってたから萎えたわ
いつだかのKATZEかなんかに女シンジがいたような気もする

448 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/06(火) 23:51:31 ID:???
>>446
再録に入ってないのでPONだとhttp://www12.axfc.net/uploader/93/so/File_2393.jpg.htmlとか
ぎゃろっぷノートAとCとかHGHのBLACK AND WHITEとか黒木健のオトコのコ オンナのコ2とか
以下の流星ひかるモノはカヲルが一緒についてくるが一応女シンジではあるのか・・

碇シンジ育成計画
http://page18.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/w14889486
FRESH STRAWBERRY
http://page2.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/b82535689
いたいけな瞳
http://page7.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/g56441906
使徒の王子様
http://page8.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/h56167023

私はあんま知らんけど角煮のEVAスレで聞けば知ってる奴が教えてくれるんでないかい


449 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/07(水) 15:36:06 ID:???
好みは人それぞれなんだし偏見で叩きをするのはどうかと思うぞ
女シンジ自体特殊なカテゴリーなんだし

450 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/07(水) 19:33:44 ID:???
しかしカヲシンばっかでうんざりするのは事実

451 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/07(水) 19:49:14 ID:???
カヲシン好きじゃない女シンジ描く女なんてそうそういないだろ

452 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/07(水) 19:57:53 ID:???
もえさんは良かったな…閉鎖してしまったけど

453 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/07(水) 21:00:15 ID:???
カヲシンがこうまで人気あるのがわからない
いくらホモ臭くても1話だけだし、カヲルのキャラわかんないし
想像が膨らまないから同人として話も作れない
カヲシンサイト見れるようになったら、新しい女シンジを発見できるかもしれないが
どうも触手が動かない

454 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/07(水) 23:15:37 ID:???
もえさん閉鎖って!!!マジかよ…orz

455 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/07(水) 23:36:11 ID:???
触手…!

456 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/07(水) 23:48:13 ID:???
>>453
カヲルは一話限りのキャラとよく言われるけどEOEにもしっかり出てるよなwま、どうでもいいけど。

EOEの一番の功績は女シンジを映像化したことだ。それ以外は糞な映画。

457 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/08(木) 00:40:52 ID:???
コミケ行くと今だにシンジ受け同人(といってもカヲシンサークルが殆どだが)を買ってく男はいるから需要は無くは無いと思うんだがね

458 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/08(木) 01:26:56 ID:???
好きな人は好き
苦手な人は苦手


自分は苦手なので見ない
ただ多いので目に入る

459 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/08(木) 07:09:29 ID:???
カヲル嫌いじゃないけれど、苦手っつー人の価値観見てると成る程…とは思う
シンジの華奢で健気な魅力や気の弱さにつけ込んでるイメージがあるのかな

460 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/08(木) 09:58:06 ID:???
24話とEOEだけしか出てないので、その本編のカヲルが全てなんだ
だから同人でシンジとラブラブしてる二人を見ると何か違う…と思う
あの状況であったからあの関係を表現できたのであって
下手に本編改編ものや、ましてや学園ものなパラレルでやられると変だ
要するにキャラを妄想して作ってる同人のカヲシンが嫌い

461 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/08(木) 10:33:10 ID:???
つまりカヲルはいらないということだね
個人の主観をありがとう
でも結構同意だ
同人なんて妄想と性格改変は半端じゃないけどな、ほとんど
メインのキャラでさえ…

462 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/08(木) 10:37:00 ID:???
カヲル関係以外の他カプ同人は本編で何話もかけてキャラ描写されてるのに
作者の都合の良いようにキャラねじ曲げてるもんばっかだぞw
エロだの逆行だのスパシンだの断罪だの目もあてられない
別にカヲシンを擁護するつもりは無いけどな。つーかそろそろスレ違い

463 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/08(木) 13:55:32 ID:???
みんなカヲシン好きなんだな
キャラ改変と言えばシンジハーレムものはもはやシンジじゃねえな
育成みたいな奴

464 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/08(木) 14:49:51 ID:???
カヲシンなんかお互い好き同士なんだからいいほうだろ

465 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/08(木) 16:46:24 ID:???
だから好き嫌いなんて個人の趣向なんだからここで言うことじゃないだろってこと
このスレだって妄想だよ
LRSが嫌いとかトウシンが嫌いとか好きに吐き出すところじゃないし
いちいちそんなことしだしたらきりがないんだが

466 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/08(木) 17:51:33 ID:???
このスレはカプ話をすると本当に収集がつかなくなりますね

467 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/08(木) 17:56:14 ID:???
カプやらシチュごとに専用スレを建てろって言うのかね
共倒れになりそうだし、普段のこのスレの過疎っぷりを思えば、全てのネタに対して寛容になるべきだと思うんだが

468 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/08(木) 18:17:23 ID:???
投下してから言えよ

469 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/08(木) 18:20:42 ID:???
ネタもねーし

470 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/08(木) 18:35:59 ID:???
最近女シンジばっかなのでそろそろ女装シンジが見たいな

471 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/08(木) 18:46:23 ID:???
女装シンジか…その手があったな
破に赤プラグスーツシンジが出てくれればとても嬉しい

472 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/08(木) 19:23:13 ID:???
でも弐号機空から投下されてる…
シンジきゅんはガギエル戦出ないかもしれない
あああああ

473 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/08(木) 20:21:41 ID:???
それ以前にガギエル戦は省略される可能性すら…

474 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/08(木) 21:58:38 ID:???
ひっさびさに来たら新連載始まってるんだな
>>357の左官クラスに腰が砕けたw
壁屋ふぜいがでしゃばんなwwwwww

内容は作者の好きに書くのが一番だろうけど、あまり意味がなさそうな行間がすごく気になるなぁ
ポエムじゃないんだし。

475 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/08(木) 22:06:19 ID:???
読みやすくしてるんだと思う
行間に関してはそんなに違和感は感じなかった

476 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/09(金) 13:57:45 ID:???
ストーリーだけじゃなくギャグも基本は本編そのままなのは
さすがにキツい


477 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/10(土) 18:13:31 ID:???
カヲルいらね

478 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/11(日) 03:08:18 ID:???
アホな展開を考えてみる。

人類絶滅後、レイからゲンドウこそが補完計画のキーマンであったと知らされ、
じゃ、ヒゲ親父止めてきて、と過去へと蹴り飛ばされたシンジ。

どうやって…? と思案した挙げ句、どっかで思考回路が吹っ飛び、
シンジは女装して第三新東京市に現れ、ゲンドウを籠絡しようとする。

うろたえまくるゲンドウ。
ポジティブな勘違いをする周囲の面々。
こっそり逆行してきて物陰から見守るレイ。

何故かは分からんが上手く行きそうなシンジの計画だったが、
冬月とキール議長の暴走により、事態は思わぬ方向へ……

479 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/11(日) 03:09:44 ID:???
ポジティブな勘違いってありえなくね?
まぁアホな展開ということなのかな。

480 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/11(日) 06:04:55 ID:???
久々に投稿したくて書き始めてみたんですが・・・
時間あくとダメですねぇ
とにかく筋だけ書き上げて推敲に時間を掛けよう・・・

ところでエロネタはもう厳禁になったんですか?
久しぶりに来たので事情がわからなくてすんまそん

481 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/11(日) 08:12:53 ID:???
程度によるなあ。
がっつりやりたいなら住民で別のとこに避難所立ててそこに投下ってことになったんじゃなかったか

482 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/11(日) 09:51:27 ID:???
まとめ氏のところ使うんじゃなかった?

483 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/11(日) 13:11:24 ID:???
実際にエロが来てからどちらかに決めろということになった

484 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/11(日) 13:17:22 ID:???
>>480
エロい部分だけ避難所か保管庫掲示板にスレを建てて誘導ということで

485 :480:2007/11/11(日) 21:57:52 ID:???
>>481-484
了解です。
実際にエロ投下がまだ来てないので案は出ているけど、実際の対応例はまだ無い状態なのですね。

とは言え、書いている物は、自分の書きたい部分がこのスレの趣旨にあっているのかが疑問になってしまい
書けなくなってしまった物を今になってなんとか完結させたい、という極めて自己満足的な文章なので
ここに投下して良い物か微妙な気がするので・・
とりあえずは書き上げる事だけを考えます。

スレ汚しすみませんでした。

486 :163 ◆rK3tDGGMK2 :2007/11/12(月) 15:04:37 ID:???
先生、規制がきついです。>>485
個人的にはどんなものであれ完結してほしいなあと思ったり。
にわか職人としては職人様が帰ってくるならハァハァしてお待ちしてますです。

拙作は05-01のpreバージョンを一応公開。
どうも全体の統一感の無さと、次の話の全面書き直しのせいでしばらくpreかもしれない。
しかしホスト規制になる前に自前になったのはラッキーだったというべきだろうか。

487 :163 ◆rK3tDGGMK2 :2007/11/12(月) 20:30:18 ID:???
なんかもう勢いで05-02まで書き上げてしまった。なのにpreが取れない不思議。

http://www.ne.jp/asahi/dag/space/migraine/

結局携帯使って書き込みしてます

488 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/12(月) 21:01:32 ID:???
お、アスカ登場はテレビ準拠ですか。これまで自分の代わりに戦ってきたチルドレンが
ズタボロで登場してもビビらないのは、さすがアスカと言うべきか。
相田くんは華やかなペアルックの写真が撮れるかな?





489 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/13(火) 03:20:48 ID:???
シンジの状態から見て華やかとは言い難いかもw


490 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/13(火) 04:04:40 ID:???
シンジが痛々しいな…
こりゃレイもアスカも庇護欲湧くし、トウジもフォース選出を受け入れるだろうな

491 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/13(火) 08:25:26 ID:???
シンジ痩せ過ぎワロタ

492 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/13(火) 10:45:59 ID:???
アスカ視点で見たら、ボロボロシンジは第3使徒戦でシンジが見た包帯綾波に
近いものがあるかも。


493 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/13(火) 13:53:31 ID:???
女シンジ合コン編
男A「ここの刺身は本当に美味しいんですよ。」
男B「いやあ、ほんとに楽しみだなあ。」
男C「ほら、あの水槽に入ってる魚を目の前で板前さんが捌くんだよ。」
ミサト「へえ、中々活きがよさそうじゃない。」
アスカ「ねえねえ早く捌いてよ〜・・・・・・急に黙ってどうしたのよシンジ?」
シンジ「うん、ちょっと魚がかわいそうだなあって・・・・・・」
男A「うん、シンジ君の言うとおりだ!!今日は刺身はやめよう!!」
男B「親父さーん俺この魚買うよ〜!海に逃がしてやるよ〜!」
男C「なんていい子なんだあ!!」
アスカ「チッ、ぶりっ子が!」

シンジ「あっそうだ、ミサトさんおめでとうございます!」
ミサト「いきなりどうしたの、シンちゃん?」
シンジ「今日ってミサトさんの29歳の誕生日ですよね?だからこんな風にみんなで集まって・・・・・・」
ミサト「ばっ、馬鹿、違うわよこれは合コ・・・・・・」
男A「ええ〜、ミサトさん29なんですか!?」
男B「俺パス、俺シンジ君ね!」
男C「29歳はちょっとキツイな。」
シンジ「えっ、あの・・・・・・僕なんか変なこと言っちゃいました!?」
ミサト「殺す、こいつ絶対殺す・・・・・・」

※シンジ君には一切悪気はありません。




494 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/13(火) 14:48:53 ID:???
野郎どもは一体何歳なんだwww

495 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/13(火) 15:20:43 ID:???
>>493
シンジがシメられるww

496 :163 ◆rK3tDGGMK2 :2007/11/17(土) 15:46:58 ID:???
どうにもpreが外せない完成度にしかならなくて困っている。まあちょっと遊びすぎたのだけど。
一応05-03公開です。

http://www.ne.jp/asahi/dag/space/migraine/

もしかしたら全面改訂かけるかもしれないけれど、予定は未定。
ついでに言うとサンダルフォンを入れるかどうかで次の話の展開が変わるので大いに悩んでいる。

まあ保守代わりと思って書き込もう。

497 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/17(土) 19:35:39 ID:???
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm1551596
性転換エヴァンゲリオン本編ダイジェスト

498 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/17(土) 20:29:55 ID:???
シンジきゅんかわいいよシンジきゅん

塗りがそれっぽくて良いね

499 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/17(土) 20:55:23 ID:???
ちょ、なんという才能の無駄遣い。
作者に激しくGJ

500 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/17(土) 21:21:10 ID:???
おっつー
このシンジ大丈夫かな?

501 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/17(土) 22:27:12 ID:???
しっかし
ニコニコの連中は
アホだな

502 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/18(日) 08:56:39 ID:???
シンジが女なら同情出来るとか言ってる奴は滅べばいいさ

503 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/18(日) 19:52:52 ID:???
正直言うと、前回の睫毛の多さは微妙だと思ったよ

504 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/18(日) 20:30:17 ID:???
163氏GJ!
アスカとの絡み難しそうだけど期待しています

505 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/19(月) 00:22:55 ID:???
女装シンジきゅんとエチーしたい

506 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/19(月) 01:05:26 ID:???
最近女装シンジ分が足りん

507 :163 ◆rK3tDGGMK2 :2007/11/19(月) 16:02:15 ID:???
女装ネタがたまに声があがる割にまったく補充されないようなので勢いで書いてしまった。
お約束にお約束を重ねたお約束展開でどっかで誰かが書いてそうな内容なんだがまあいいや。
もしかぶってる奴があったら教えてほしい。

http://www.ne.jp/asahi/dag/space/migraine/neta_fd.txt

それはともかく、俺にはこれが限界。その毛は無い男が書いたこんなネタが面白いかも不明。
つうか女シンジでもそうだが服装に苦労するというか濁して書いてしまうか明らかな服装しか使えてなかったり。

508 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/19(月) 19:49:27 ID:???
>>507
ありがとう

509 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/20(火) 06:08:12 ID:???
>>507
乙です
読ませてもらいました。

でも……なぜワンピースの色を萌葱色に変更したの?
読んでみてもあまり変更の意味が無いようなきがするけど…163氏の趣味かな?

510 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/20(火) 09:07:04 ID:???
>>507氏の創作意欲に脱帽…乙

511 :163 ◆rK3tDGGMK2 :2007/11/20(火) 12:54:48 ID:???
>>509
萌黄ならともかく萌葱は緑が強すぎると調べなおして思った。
緑〜黄色の間でイメージがかなり広い色のようで、作者の認識が甘かった。
ずばり黄色ってのも味気がないので黄檗色程度でどうだろうか。

512 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/20(火) 19:52:43 ID:???
女装シンジきゅんのスカート捲って悪戯したい

513 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/21(水) 00:22:15 ID:???
>163氏
いつも良作を本当に乙

514 :163 ◆rK3tDGGMK2 :2007/11/21(水) 20:07:40 ID:???
第伍話改修と合わせてHTML化してみた。
つっても簡単な自動置き換えなので少々変なところがあるかもだが。
txtなファイルは圧縮ファイルには同梱しているので必要な方はそちらからどうぞ。

515 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/24(土) 01:04:41 ID:???
毒電波がこないと筆が進まなくて困る。
つうことで逃避気味に女シンジ系のFFを久々にあさってみたのだが
短編一発ネタでないもので完結してるものって意外と少ないと気付く。
完結物もオリキャラ化、スパシン化の著しい物が多いような。長くなると仕方ないのかもしれないのだけど。

・・・自戒して余計筆が進まないとか言う悪循環orz
人のことをとやかく言える立場じゃないんだよな・・・

まあAEoE、ふたなり、入れ替わり系抜きでこのくらい拾い上げられた。

女シンジ
・Evangelion Restart(Z-OUT)TS要素あり、逆行要素あり
・evaπ(倒錯スレ7)
・想いを受け継ぐもの(ABC)逆行要素あり、スーパー
・碇カスミの戦い(スニフ)
・for be alive with you(楓空)逆行、スーパー
・闇と罪と本の旅人(ふぁいず)18禁、逆行、クロス要素あり
・The Year of Rebirthing(K鶏)逆行、スーパー
女装シンジ
・みんなが優しくしてくれる理由(masari)TS要素あり
・新性記エヴァンゲリオンG(Anne)スーパー、TS要素あり
TSシンジ
・めたもるシンちゃん(ZUMI)女装要素あり
・綾波姉妹(七嶋なる)

正直読むのがつらい&ハァハァできないのが結構多い気がするが長編完結に敬意を表して。
他に追加、お勧めのものがあったらぜひ教えてほしい。

516 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/24(土) 01:24:25 ID:???
完結の壁は厚いよねえ・・・

517 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/24(土) 03:17:50 ID:???
個人的にあのね氏のSSが非常にハァハァできた

518 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/25(日) 14:07:52 ID:???
未来の過去、過去の未来とかyou are may petでも読んで
続きを想像して悶々とした夜をすごしたほうが創作意欲がわくんじゃなかろーか

519 :163 ◆rK3tDGGMK2 :2007/11/25(日) 15:38:49 ID:???
ちょ、またeonet規制ですか。

未来の過去のは先週よんd(ry
立場は逆だけど男女Wシンジ物、どちらもいいっすよねえ。
使徒戦よりも心理面に重きを置いている辺りも。
自分のは一歩引いた立場がとりづらいのがなんとも。

進まないのは、今回のシナリオが意外にも深刻になってしまったという部分も。
うちの子は取り扱い注意だと再認識・・・

520 :163 ◆rK3tDGGMK2 :2007/11/25(日) 19:14:43 ID:???
携帯経由は一手間多くて面倒です。
第六話06-01、プレバージョン公開。txtだけど。

http://www.ne.jp/asahi/dag/space/migraine/

521 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/26(月) 00:28:47 ID:???
163氏ぐっじょぶ!!

522 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/30(金) 00:31:36 ID:rq+0dIin
GJ

523 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/30(金) 00:37:09 ID:???
キモイ腐女子スレをageるの止めてくれないか?

524 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/30(金) 01:10:56 ID:???
そう思っていた時期が俺にもありましたがあの頃の自分を殴りたいです

525 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/30(金) 01:54:10 ID:???
眠れないので描いてしまいました…
何のひねりもない女装シンジ君
http://imepita.jp/20071130/066731

526 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/30(金) 15:46:59 ID:???
>>525
これは良いシンジきゅん
照れてる表情がたまらん

527 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 04:01:33 ID:???
気付いたんだが・・・

シンジのうなじってけっこう艶っぽいよな

528 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 05:30:55 ID:???
今更何を言っている

529 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 05:41:05 ID:???
あの髪型はうなじを見せつけるためのものだからなあ

530 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/01(土) 07:13:12 ID:???
>>525
保存しましたww
163氏もGJ

531 :163 ◆rK3tDGGMK2 :2007/12/01(土) 23:36:36 ID:???
週末毎にホスト規制来てる気がするんですが、泣いても良いですか。

一応06-02pre公開ということで。ノリが悪すぎる。いかんなあ。とりあえず整備班に合掌。

http://www.ne.jp/asahi/dag/space/migraine/

htmlはスクリプト組みなおしたのでさっくり公開できるように。
縦書モードはIE系でしか動きませんが、まあお遊びということで。

532 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/02(日) 09:02:05 ID:???
丁寧に作りこまれていいな。GJ。挫けるな、163

533 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/02(日) 20:43:54 ID:???
>>515
Green GablesにあるEVANGERION-Mai-

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