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∀ガンダム外伝〜逆襲のグエン
- 1 :通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 02:37:28 ID:???
- 近日公開
- 2 :通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 02:39:07 ID:???
- このスレは面白くないので すぐに落ちます
- 3 :通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 02:40:44 ID:/psEur/k
- どういう話だよwww
- 4 :1:2006/06/28(水) 02:43:15 ID:qwLJU6ud
- すいませんソースも無いのに立ててしまいました。
親切な人どうか削除依頼だしといてください。
お願いします。
- 5 :通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 02:47:58 ID:/psEur/k
- >>4
いや、明らかにネタスレだろwww
乙
- 6 :通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 03:22:53 ID:???
- ガリア大陸に渡ったグエンはネーデルガンダムを量産し・・・
- 7 :通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 03:36:13 ID:???
- そのネーデルガンダムには何故か黒歴史の異物「月光蝶」が搭載されていた。
ネーデルタイフーンでナノマシンをまき散らす作戦を立案するグエン卿。
そして自分を認めなかったアメリア大陸の愚民に復讐する決意を固めるのだった。
- 8 :通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 04:20:22 ID:???
- エピローグでポゥがシド爺さんと一緒にいるのは新型?を発掘して立ち向かう伏線なわけか
- 9 :通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 08:27:38 ID:???
- 意外とどうにかなりそうな悪寒
- 10 :通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 10:56:50 ID:/psEur/k
- 面白そうだからage
迎え撃つMSは何が良いかな。
- 11 :通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 15:16:45 ID:boAhATVR
- やはり敵は外宇宙のNT軍団だろ
- 12 :通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 15:38:26 ID:???
- 逆襲のギャバンでいいよ
- 13 :通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 15:50:26 ID:boAhATVR
- 生き返らすのか?
- 14 :通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 15:57:32 ID:???
- 埋まったところにたまたまDG細胞があって核のエネルギーが色々で復活とかで
- 15 :通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 15:57:46 ID:???
- 実は生きていた展開で
最終話のソシエが哀れだし
- 16 :通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 16:30:08 ID:???
- ある日のロストマウンテンサイクルにて
シド爺さんがまた新たな黒歴史の遺産を発掘しようとしていた。
助手「シド爺さん!ちょっとこっちに来てくれ、機械でできた棺みたいなのが埋まっているぞ!」
シド爺さん「どれどれ、ん?これは黒歴史時代の生命維持装置のようじゃな。何か書いてある。AD.1999ゴステロここに眠る?ADというのは黒歴史時代のことかな?少し調べてみよう」
助手「シド爺さん、ここに赤いボタンがあるよ!押してみるね。」
カチッ!ウィイーンン!プシュー!
シド爺さん「うわっ、蓋があいた!中の男がうごいている?この男生きておるぞ!」
ゴステロ様「うっ、うっ、うっ!のっ、脳がぁぁあぁ脳がいでぇぇえぇぇ!」
シド爺さん「なっなんじゃこの男は!体の半分が機械!?黒歴史時代の人間は機械人形だけではなく機械人間も作ってたのか?」
ゴステロ様「おい、じじぃ!俺は機械人間じゃねぇ!死鬼隊のゴステロ様だぁ!それよりエイジという男をしらねぇかぁぁ?」
つづく
- 17 :通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 16:49:33 ID:???
- ゴステロはシド爺さんに一枚の写真を見せた、その写真にはエイジという男とレイズナーという機械人形が写っていた。
シド爺さん「ワシはこのエイジという男は知らんが後ろに立っている青い機械人形には見覚えがあるぞ!」
ゴステロ様「ほほぅ!じじぃ、レイズナーをどこで見たんだぁぁ?」
シド爺さん「ん?レイズナー?この機械人形は冬の宮殿で見た黒歴史の映像の中で顔がそっくりな機械人形が沢山でてきたぞ!確か、この機械人形のことをムーンレイスの連中はガンダムとか言ってたなぁ。」
ゴステロ様「ガンダムだぁ?グラドスのSPTにそんな名前の機体はねえハズだが?それよりレイズナーが沢山?そりゃあマズいぜぇぇ。おいじじい、俺様にSPTを一機貸せ!」
シド爺さん「SPT?機械人形のことじゃな?そこにあるボルジャーノンでもいいなら貸すぞ。」
ゴステロ様「なんか弱そうだなぁこのSPTはぁぁ!しかし早くレイズナーとエイジを殺さなければル・カイン様に怒られちまう!この際贅沢は言ってられねぇ、この機体借りるぜぇ!」
つづく
- 18 :通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 17:12:55 ID:???
- ゴステロ様「それじゃあ、じじぃあばよ!」
ボルジャーノンでレイズナー探しの旅にでかけたゴステロ様それを見送るシド爺さん。
シド爺さん「何だったのかのう、あの男は。訳のわからん事ばかり言っておった。どことなくコレン軍曹に似た男じゃった。黒歴史は変わった人間が多いのかもな。ほれ!発掘作業を再開するぞ!」
助手「わかったよシド爺さん!本当に人使いが荒いんだからなあ。」
その頃ゴステロは…。
ゴステロ様「なんだこのSPTは!飛行も出来ないしローラーダッシュもできんぞぉぉ!これじゃあレイズナーが倒せん!ん?ここの地下に洞窟があるぞ?それになんだこの大きな機体反応は?降りて調べてみるかぁ」
洞窟を進むゴステロ様、そこにはなんとアルティメットガンダムが埋葬されていた。
コクピットに乗り込むゴステロ、コンソールパネルをいじりまくる。
ゴステロ様「ん?地球の言葉でアルティメットガンダムと書いてあるぞぉ。なんだこれは?こんな化け物SPTは今まで見たことがない、これならレイズナーとエイジをギタギタのボロボロにできるぜぇ!」
新たな機体を手に入れ野望に燃えるゴステロ様、ゴステロ様の旅はまだ始まったばかりなのであった…。
- 19 :通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 17:32:47 ID:???
- クロスオーバーストーリーじゃねえか
- 20 :通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 21:31:13 ID:???
- それ以前に何でゴステロなんだよw
まぁゴステロ好きなんだけどさ
- 21 :通常の名無しさんの3倍:2006/06/29(木) 01:50:25 ID:???
-
そのころエイジアの諸島で100立方キロ以上ある地下遺蹟がグエンが雇った調査隊により発掘されたのだ。
そしてそこに二人の少年と少女と口のある機械人形が発見されたのだ。
その名はエヴァンゲリオン イカリ・シンジ アスカ・ラングレー
また黒歴史時代に宇宙生物への戦いへ赴き、
相対性理論を越えて機械人形と二名のパイロットが百万年ぶりに地球へ帰還するとディアナ・ソレル(キエル)から直に発表された。
その機械人形の名はガンバスター
- 22 :通常の名無しさんの3倍:2006/06/29(木) 02:15:43 ID:???
- (´・ω・`)説明の多いスパロボだなぁ・・
- 23 :通常の名無しさんの3倍:2006/06/29(木) 23:47:25 ID:HVtdDurj
- エヴァと戦わせるならヒゲよりブレンにしてジョナサンに
「エヴァはつぶしたい」って言わせ酔うぜ
- 24 :通常の名無しさんの3倍:2006/06/30(金) 01:22:12 ID:???
- あのさ、∀のキャラの話を少しはしそうよ。
- 25 :通常の名無しさんの3倍:2006/06/30(金) 01:26:25 ID:???
- グエン「ミスルトゥいけよやー!忌まわしい記憶と共に!」
- 26 :通常の名無しさんの3倍:2006/06/30(金) 09:09:02 ID:???
- ニホンのマウンテンサイクルでサイコガンダムを発掘。
- 27 :通常の名無しさんの3倍:2006/07/01(土) 23:11:51 ID:???
- >>21
クロスオーバーさせるなら最低限∀のキャラと絡ませろよ。
このバカ
- 28 :通常の名無しさんの3倍:2006/07/02(日) 16:55:30 ID:6hZekx3a
- アッー!
- 29 :通常の名無しさんの3倍:2006/07/11(火) 23:54:13 ID:???
- >>1よ、このスレに責任をもて
- 30 :通常の名無しさんの3倍:2006/07/12(水) 01:56:21 ID:VCaKdex0
- で、結局グエン殿は何でロラン達と戦うんだ?
- 31 :通常の名無しさんの3倍:2006/07/12(水) 02:37:35 ID:???
- 愛ゆえに
- 32 :通常の名無しさんの3倍:2006/07/12(水) 07:24:46 ID:???
- 昔まさにこのタイトルで妄想SSを書こうとしていたのを思い出した
- 33 :通常の名無しさんの3倍:2006/07/14(金) 00:53:54 ID:???
- >>32
うp汁
- 34 :32:2006/07/14(金) 06:04:48 ID:???
- 2話まで書いてやめたんだな、昔の俺。
1.プロローグ(前編)
「純粋に戦いを楽しめる者こそ!」
「自分を捨てて、戦える者には!」
* * *
そしてホワイトドールは繭に包まれ、イングレッサ領主、グエン・サード・ラインフォードは、遥かガリアの地へ旅立った。
「ローラ、私は……」
聞くところによると、ガリアでも機械人形が発掘され続けられているらしい。
* * *
「でも、あの繭みたいなのの中でも、ホワイトドールは"生きて"るんでしょ?」
メシェーもそういう風な言い方するのね、とソシエは思った。
「そうなんじゃない?」
機械人形は増えたけど、でも今考えると、なんかちょっと凄いことやってたんだな、あたし。ソシエは、意識がほんの半年前のことに飛んでいたので、適当な返事でその場を濁した。
……生きてるって? ホワイトドールが?
「それでさ、あのギンガナムとかいうヤツも、いつか殻をぶち破って出てきたりしてね」
メシェーが面白おかしい声色で冗談を言ってても、ソシエは機械人形のコクピットの閉塞感、そしてその記憶にどうしてもついてくる感覚を思い出してしまえば、ティータイムのお喋りの途中であろうと、忘れようと努めていたことを思い出してしまうのだった。
- 35 :32:2006/07/14(金) 06:06:13 ID:???
- 後編。
〈お嬢さん〉
〈ダメですよ、ソシエお嬢さん……〉
〈ソシエお嬢さんは退っててください!〉
月から来たという、銀色の髪の少年。
ソシエの中では、機械人形とイコールしている少年。それは今アメリアを急速で覆い尽くそうとしている機械文明ともイコールしている。なぜならそれらは、彼の故郷から来たものだから。
次々と発掘される、新型の機械人形――シド爺さんに言わせるとそれは全然新型などではなく、ボルジャーノンの親戚筋らしいのだが――を、その少年なら軽々と乗りこなしてしまうんだろう、とか考えてしまう。
「ロラン……」
会話の文脈とは関係ないこともないのだが、その不意に出た名前に、メシェーは、え? と目を丸くする。
「何やってんだろうなぁ、今ごろ」
自分の話を聞いてなかった事を理解したメシェーは、今度はソシエの側の話に合わせようと、「じゃ、今度会いにでも行ってみようか?」なんて適当な相槌を打つ。
「! ……そうよ! 会いに行けばいいのよ! 手紙も出さないんだから!」
名案を思いついた瞬間には、一気に強気になって、ついでに文句の一つも言いたくなった。
「ロランに会いにいくわ、明日!」
思い立ったら行動が早い性格は、冒険をしていた頃とは変わることはない。
年相応の女性らしく髪を伸ばしてみても。
- 36 :通常の名無しさんの3倍:2006/07/14(金) 22:45:41 ID:NGepkL2n
- >>34
支援
- 37 :32:2006/07/16(日) 13:52:23 ID:???
- 2話も見つかった。ちょっと手直しして成仏させる。
1.ガリア
「機械人形だというのですか?」
その鉱山をマネジメントしているという男がいうには、この男の主人が持っている土地から、初めて機械人形が発掘されたというのである。
「はい。何しろ我々も『新しい機械文明』の波には乗りたいですからな」
ムーンレィスによってもたらされた月からの技術は、それまでの自動車や飛行機などといった、地球独自の機械文明とは区別され、しかし新しい名称も定着しないまま、単に『新しい機械文明』と呼ばれていた。
「その……機械人形、例えばアメリアで発掘されたのとは違うのですか?」
「もちろん。ここはガリアですぞ。アメリアなんぞとでは比べ物にならない……失礼」
今この男の機嫌を損ねてはならない、うちの鉱山を買って貰わなくてはならない。何しろ、機械人形なんぞ欲しがるガリア人なんかいない。このアメリア人に高く売りつけてやらなくては、と思い直し、男は商談を続ける。
「アメリアでは、先ごろは大変な騒ぎだったとか。なら機械人形もたくさん入り用でしょう?」
「まぁ、そんな所です」
良かった。まだ脈はある。久々の即金で払う客をあやうく逃すところだった。心の中でほっと一息ついた男は名案を思いつく。
「そうだ。何なら見て行きますか? うちの機械人形を」
どうせ、裏庭まで一応運んで、誰も動かせなくて困ってた所だ。そのままこのポンコツを買い取ってもらおう。
「それは興味深い。見せてもらおうか、ガリアの機械人形」
客は嬉々と立ち上がった。
「もちろんです。ラインフォー……」
商談が成立しかけた瞬間、部屋に地響きのような衝撃が走った。いや、これは正真正銘の地響きだ。そして、次の瞬間には、耳を聾するような、少女の声。
「ねーねーグエンー! これ、もらっちゃおうよー?」
その声は外から聞こえる。正確には空から。
そして、窓が何者かに覗かれる。覗かれる? 二階のこの事務所を覗くなんて、どんな巨人だ?
しかし窓の外からは一つ目の目が覗いていた。
一つ目。そして、甲冑のような体躯。
間違いなく機械人形だった。
客であるグエン・サード・ラインフォードはその巨人に向かって叫ぶ。
「メリーベル、よさないか!」
- 38 :通常の名無しさんの3倍:2006/07/16(日) 19:48:05 ID:Qos+PS1K
- ワクワク
支援
- 39 :32:2006/07/19(水) 18:33:18 ID:???
- 支援されてもこれで全部だよ……と言いたいが、続きを書いてみた。しかし続くかどうかは自分でも知らん。
2.飛行機型の機械人形(前編)
戦争が終わっても、マウンテンサイクルからは機械人形が次々と発掘されている。
戦闘機や装甲車は既に時代遅れになってしまって、本部に小屋が一つしかないような辺境の部隊にもボルジャーノンタイプの一体もあるというのが、今のミリシャなのだ。
ロランのいる山小屋に行くためには飛行機が必要と考えたソシエは、ミリシャの兵器部にヒップヘビーでも借りようと押しかけたのだが、ヒップヘビーはすべて民生用に払い下げる計画があるとかで、稼動状態にあるものは一台たりとも無かった。
「なんだお前? 今更ヒップヘビーなんかに用があるってのか?」
たまたまそこにいたヤーニ中尉(先月、先の戦争での功績により昇進)までもがそういうのだから、ミリシャの今更ながらの機械人形偏重主義というのを推して図るべきであろう。
「だって、機械人形なんてそんなに数、ないんでしょう?」
「ガハハハハハ、お嬢ちゃんはミリシャから離れてしばらく経ってるからなぁ! 今じゃこの俺だって、ボルジャーノンを動かすぐらいなら朝飯前なんだぜ?」
確かに、ウィルゲムで宇宙に上がったときに「地球へ帰る!」と騒いでカプルを操縦して皆を困らせた事はあったが。ヤーニでさえ手足の如く機械人形を動かせる時代になったというのだろうか。
「それに俺だってよ、今じゃ専用の真っ赤な……おい! その機械人形は南の倉庫だ! 違うバカ!」
ドジな新兵が何かミスをしたのだろう、大声を張り上げながらヤーニは兵器部の事務所から飛び出していった。
「それでっ! 何か飛行機はないのっ!?」
なんだか時代に取り残された気分になったソシエは、顔なじみの兵器部の兵士に結論を急ぐと、意外な返答を得た。
「そ、それなら……昨日発掘された飛行機型機械人形ならなんとか……」
「飛行機型? なにそれ?」
詳しいことは飛行場へ、と言うので、ソシエはイングレッサ飛行場へ向かうことにした。
- 40 :32:2006/07/19(水) 18:35:08 ID:???
- 後編。
イングレッサの飛行場は、以前より広くなったようだ。ソシエがここへ来るまでに、空軍設立の噂があるという話も聞いた。
「ええと、第二滑走路、第二滑走路……」
あの兵士に指示された滑走路に行けば、その飛行機型機械人形は既に運ばれてあるというが、見えて来たのは、ホワイトドールが前のめりに倒れ、両足を後へ跳ね上げたような機械人形がそこにあるだけだった。だが、確かにちゃんと両側に翼はある。
「あ、ソシエー!」
見慣れない機械人形に戸惑い立ち尽くすソシエに、飛行服姿のメシェーが呼びかけてきた。
「メシェー、何なのよ、これ」
「昨日発掘された機械人形よ。飛行機みたいだけど……」
ミリシャ所属のメシェーにしても、この機械人形なのか飛行機なのかはっきりしないモノにたいして戸惑いは隠せないようだった。
「でも、操縦席はカプルとおんなじなんだよねー」
「なら、機械人形ってこと?」
でもわかんないやあはははは、と、メシェーもお茶を濁すしかない。でも、カプルと同じ操縦席なら、きっとあたしにも動かせるはず。ソシエはその機械人形の操縦席のある、赤い三角形型をした先端部へと向かった。
「待ってなさいよ、ロラン」
ソシエはホワイトドールと同じ色合いをした、その飛行機型機械人形に乗り込んだ。
- 41 :通常の名無しさんの3倍:2006/07/19(水) 19:28:30 ID:???
- >>39
わざわざありがとう。
楽しみにしてるから、気が向いたらまた書いて下さい。
- 42 :通常の名無しさんの3倍:2006/07/19(水) 20:29:36 ID:???
- >>39
支援しときます。普通におもしろい!!
続きをよしなに
- 43 :32:2006/07/22(土) 18:37:02 ID:???
- な、何よっ、別に支援があったから書いたんじゃないんだからねっ!
というわけで3話。プロローグは0話と考えてくれい。
3.仏のホレス
「ああ、一足遅かったようですね」
ソシエが飛び立ったのと入れ替わるように、ホレスの乗った一人乗りの浮遊円盤「ワッパ」が第二飛行場に滑りこんできた。
このワッパ、発掘されるや否や、ムーンレィスや地球人に関わらず大流行し、あのアニス婆さんまでもが愛用する爆発的ヒット商品となっていた。
「可変型の機械人形が発掘されたと聞いたものですから、急いで来てみたのですが……」
ホレスは残念そうな表情を一瞬その丸い顔に浮かべたが、次の瞬間にはいつもの無表情に戻っていた。
「でも、変形するやつって言ってもさ、今じゃそんなに珍しくないんでしょ?」
人型になったり飛行機になったりして、なんだかややこしいからあたしは乗りたくないけどな、とメシェーは思っているのだが、技術者のホレスはかなり興味があったようだ。
「ええ、しかし、それがガンダムとなれば話は別です」
「ガンダム?」
確か、ムーンレィスがホワイトドールをそう呼んでいたような……。
「――って、それじゃ、あれってホワイトドールなの!?」
「いえ、ターンタイプではないでしょう。ガンダムなど、黒歴史には山ほど存在していたらしいですから。――まぁ、私も一目見ておきたかったって程度ですから」
と言い残し、ホレスは、じゃ、これで、と軽く挨拶してまたワッパに乗り込もうとした。これに乗った直立不動のホレスが浮いたまま移動していく様はちょっと可笑しいかも、とメシェーは思った。
「おやおや、これはホレス氏。あの飛行機型を見に来なさったんで?」
後から父ラダラムののんびりとした大きな声が聞こえてきた。
「ええ。しかし一足遅かったようですね」
「ははは。そう気を落としなさるな。実は、もっと凄い機械人形が出て来たんですがね」
「もっと凄い?」
ホレスの眉がピクリと動いた。どうやら興味を持ったらしい。
「また出てきたの?」
「ああそうだメシェー。あの飛行機型と一緒にな、すげえ機械人形が出てきたんだぞ」
いつも笑ってるような顔の父だが、飛行機と機械人形のこととなると殊更嬉しそうに話す。
「聞いて驚け。あのハリー大尉のやつみたいに、全身が金でできてやがる!」
「金で! ならあたしたち大金持ちになれるかも!」
「まぁスモーと同じで純金って事はなさそうですがね、それは面白そうですね。是非私も眼福に預かりたいものです」
「今こっちに運んで来させてますが……ああ、あれだ」
作業用カプルが牽引する台車に乗って運ばれてきたその金の機械人形は、両肩に「百」と書かれてあったが、その文字を読める者は、この第二飛行場には誰一人として、いない。
- 44 :支援用カプル投入:2006/07/22(土) 22:02:32 ID:???
- >>43
wktk
- 45 :32:2006/07/25(火) 20:46:38 ID:???
- 4話前編。>>44、カプルは絶対出すぞw
4.地上を走る船
しかし、これほど私にふさわしい機械人形もあるまい。
このガリアで発掘された機械人形を見るたび、グエンはそう思うのであった。
頭は兜のように頭頂部が尖り、顔の十字部の切れ込みには単眼が走る。高名な鋳物師が作り上げたようなボディには無駄がなく、武装はミサイルを発射する丸い盾。そして、あのホワイトドールと同じ〈光の剣〉。
あの日、さんざんこれを乗り回してガリアの住民を驚かせたメリーベルは、新たに発掘された〈とんがり帽子〉の方が気に入ったようなので、これには私が乗りこみ、機械人形たちの指揮を取ることにしよう。
そしていつの日か、私はこれに乗りアメリアへ帰り、ローラを迎え入れるのだ……。
グエンがガリアへ渡る際に持ちこんだ財産のほとんどを費やして手に入れたマウンテンサイクルは、思惑通り次々と機械人形を産み出してくれた。
が、やはりアメリアとは系統が違うのか、ボルジャーノンのような〈一つ目〉はあまり発掘されず、出てくるのは猫か狐の目をしたものや、丸いメガネをしているような機械人形が多かった。
特に〈丸メガネ〉は、グエンが気に入った騎士型機械人形に似合うような槍を持つものが多かった。
そして着々と機械人形が揃い始めたある日、とうとうグエンは城を手に入れる。
それはギャロップのような地上用だが、ギャロップよりも大きく、後部に機械人形を搭載するとなにやら料理を運んでいる盆のように見えた。
「まるで、巨大なトレーだな……」
グエンは新たに得たこの城を、ビッグ・トレーと呼ぶことにした。できれば私専用の機械人形用に似合う馬も欲しい所だが、流石に馬の機械人形など……いや、月で見た黒歴史のデータの中にあった気もするが……。
とにかく、グエンは発掘された機械人形には雇い入れた傭兵を乗せ、グエンはガリアではちょっとした勢力となりつつあった。
「ローラ、私は……」
何度この言葉を繰り返しただろう。
- 46 :32:2006/07/25(火) 20:48:44 ID:???
- 4話後編。前編は長すぎる行が多かったので反省。
ある一室にて。
「地球では、モビルスーツが次々と発掘されているようですね?」
「はい。しかし、少々急激すぎるきらいはありますが」
「黒歴史の技術を良い方へ導くために、ムーンレィスも多く地球に降りているのでしょう?」
「思いのほか、地球に溶け込んでおるようです」
「しかし、ガリアでのモビルスーツの増え方は、やや急激ではありませんでしょうか」
「戦艦のような大きさのものまであるようですね。軍隊を組織しているような国家があるという報告は、受けてはおりませんが」
「国家でなくても、大きな力を持ちたいと思うものは常にいるものです」
「それが、人の性(さが)というものでしょうな」
「もう一度……」ややためらい、そして意を決する。「地球に降りてもらえますか?」
「ご命令とあらば」
言う前までは迷いに迷ったというのに、返答はそれを予期していたかのように落ち着いていた。
「ならば早速取り掛かりましょう。不安の芽は早いうちに」
と言い残し、男は去っていった。
「あなたはいつもそうね、ハリー……」
暗い部屋に女王は一人残された。
- 47 :ザクとは違うのだよザクとは:2006/07/25(火) 23:22:33 ID:wK5pYb22
- >>46
支援。
アガーイタンマダー?
- 48 :32:2006/07/26(水) 16:50:33 ID:???
- >>47
ごめん。出すMSは3話の時点で大体決めちゃった。
決まってないのは種系(種を黒歴史に含めるか)ぐらいなもんだ。
アッガイ自体は大好きなんだけどなw
- 49 :通常の名無しさんの3倍:2006/07/26(水) 22:30:40 ID:???
- >>48
おk把握した。
アガーイタンは出なくとも、続きを楽しみにしてます。
- 50 :通常の名無しさんの3倍:2006/07/31(月) 00:49:54 ID:???
- 保守
- 51 :32:2006/08/03(木) 19:56:20 ID:???
- 5話。やっとロラン登場w
5.ロラン・セアック
もうかれこれ二時間ほどこの湖の側に座っているが、一匹たりとも餌に魚がかからない。
「はぁ〜あ……」
ロラン・セアックは、六度目のため息をついた。
「ディアナ様に、今日は魚料理ですよって言っちゃったしなぁ……」
つまらない見得を張った結果が、二時間の無駄な浪費と六度のため息。それを思うと、もう一つため息が増えそうだった
が、そうなる前に、町へ出て魚を買って来たほうがいくらかマシだ。
そう思い直し、ロランは釣り道具を片付けようとした。
その時。
微かに、浮きが揺れた。
「…………!!」
はじめは目の錯覚かと疑ったが、たしかにほんのわずかではあるが、浮きは左右に揺れている。
「来た……!」
力を抜きかけた釣竿に、再び力が籠もり、一気に引き上げる。
が、次の瞬間には、拍子抜けするほどの手応えのなさと、何もついてない釣り針が勢い良く跳ね上がるのを見るのみ。
釣り針は、傾きかけた陽の光を反射し、妙にキラキラしていた。
「なんでだよぉ〜」
なぜ、獲物はなにもかかっていないのに、浮きが揺れるのか? ……いや、揺れているのは浮きだけではない。湖面は依然として微かに揺らめいている。
「地震!? ……いや」
この振動は地面から発せられるものではない。ならば、空?
と思い至った瞬間、ロランの体を大きな影が覆った。
「ロラーン!」
上空から耳慣れた声が自分のなを呼ぶ。
「……ソシエお嬢様!?」
ソシエの声は、その影を発する奇妙な飛行機から聞こえてくるのだと理解した時には、その飛行機は適当な着陸場所を見つけ、地面に降り立った。
赤い機首が開き、中から見慣れた飛行服姿のソシエが降り立ってくるのを確認した瞬間、ロランは駆け出していた。
「お嬢様! なぜこんな所に?」
- 52 :通常の名無しさんの3倍:2006/08/03(木) 21:03:13 ID:/LLHe9z6
- >>51
キターーーーーーーーーー!!
支援します。
- 53 :32:2006/08/07(月) 19:13:00 ID:???
- 6話うp。∀最終話のあのシーンを思い浮かべてねw
6.白い機械人形
「シド爺さん!」
「へぇ〜っくしょい!」
返事をしようと口を開いたらくしゃみが出た午後三時。
マウンテンサイクルが連なる山脈のどこかで、シド爺さんは今日も黒歴史の発掘にいそしんでいた。
実は、最近の機械人形発掘ラッシュの影には、元ディアナカウンターのポゥ・エイジが、シド爺さんの助手になり辣腕を振るっているというのも一因している。
助手のジョセフが育児休暇の間だけという条件での臨時の助手のはずだったのだが、やはりポゥはMSのパイロットをしていただけあって、機械人形が埋まっている層を見つけ出すのが抜群に上手い。
これではわしもそろそろ引退かもしれんな、と思いながら、シドはポゥのさす方向へ首を向けたのだが。
「あ……あれ……」
「ホワイトドールじゃと!?」
ナノマシンの層が露出した谷底からは、白い機械人形の手や足が見て取れた。だが、ホワイトドールは繭に包まれたはず。
「∀じゃないかもしれません。恐らくは、ガンダム……」
「ガンダムじゃと……?」
ともかく、全体を発掘させてみないことにはわからない。
シドは、久しぶりに山師の醍醐味を感じつつ坂道を軽快に駆け下りていった。
――やれやれ。やはり、まだ引退はできんわい。
- 54 :32:2006/08/07(月) 19:15:51 ID:???
- 6話後編。さーやっと話が動き出してきたぞー。
久しぶりに会ったお嬢様は、それでもやっぱりお嬢様だった。
最初は、あの頃とはちょっと変わった髪形から成長や変化を感じ取ろうとしたのだが、口を開けば変わる事はないソシエ・ハイムだった。
「なぜって……急に会いたくなったからよっ」
「それはわかりますけど、でもなんでまたあんなものに?」
ロランにとっては、ソシエが急に現れた事よりも、あのホワイトドールを思わせるような配色の飛行機がなぜだか妙に気になった。
「いいじゃない。今はいろいろ発掘されてんのよ」
「いろいろって……」
相変わらずの態度に、戸惑いつつも懐かしく、どこか安心感さえ思いだしかけた頃に、ロランがもっと大事な事を思い出させる声。
「あら? ソシエさん。お変わりなく」
「ディアナ様!」
「ディアナ様!?」
ソシエはここにディアナがいるのには驚きはしないが、ロランにとっては「なぜこんなタイミングで?」という驚き。
「ロランの帰りが遅く、またモビルスーツの駆動音のようなものが聞こえてしまえば、心配もするでしょう?」
「そうそう。ロランって、いつも心配かけるのよね」
久しぶりに会うというのに、ディアナにはロランに対する以上に自然に振る舞えるのは、やはり姉に瓜二つだからであろうか。
ソシエは初めてここへ来たというのに、まるで自分の家のように落ち着いているのが自分でも不思議だった。
(なんだ。これならバカンスで別荘に来てるのと変わらないじゃない)
あの飛行機を操縦している間には「二人の間に入り込めなかったらどうしよう」と少々悩みもしたが、上空からロランの銀色の髪を見つけた瞬間から、そんな悩みは杞憂であったと安心した。
「実は……ディアナ様。魚が一匹も……」
ロランが帰りが遅くなった理由をディアナに話しかけたその時、また機械人形のお客さんが現れた。
短い足を必死に動かし、丸い体を揺すって走るその機械人形は、三人とも見慣れたシルエットだ。
ミリシャのカプルである。
- 55 :通常の名無しさんの3倍:2006/08/07(月) 19:41:11 ID:FZGbHLRT
- 職人さん、いつも楽しみにしています。
支援
- 56 :通常の名無しさんの3倍:2006/08/08(火) 15:44:53 ID:???
- 乙。
- 57 :32:2006/08/12(土) 10:57:59 ID:???
- 第7話前編。ちょっと1行のつもりで書いて、いつの間にやら3部作w
7.白いカプルと赤いメガネ
ドスッ、ドスッ、と、カプルの走りは相変わらず転がった方が早いのでは? と見るものを思わせずにはいられない。
「あれ、カプルじゃない?」
「あらあら、今日は千客万来ですわね」
だがそのカプルは、白く塗られていた。そう、まるでホワイトドールのように。
「あのカプル、なんだかホワイトドールのようですね」
「ロランがそう言うから、ホワイトドールがカプルみたいに丸まったように見えちゃうじゃない」
「きっと、そのように塗ったのでしょう。案外ロランのファンだったりして」
「そんなぁ、ディアナ様ぁ……」
ロランの困惑をよそに、白カプルは三人の手前でその走りを止める。
頭部のハッチが開くと、中からは泣いてるような怒ってるような、なんとも形容しがたい形相のミリシャ兵が飛び出てきた。
「ローラさぁぁぁん!! 助けてくださぁぁい!!」
そのミリシャ兵は、とんでもない事を話し始めた。
「なんでも、今度こそ本当にガリアが攻めてくるってんです」
「ガリアが? どうしてよ?」
「はい。軍を離れたローラさんとソシエさんは知らないかもしれないですが、東の海岸部では既に機械人形部隊が毎日警備をしているという状態で……」
「それで、ホワイトドールの英雄ローラに助けを求めに、こんな山奥まできたというのですね?」
「はい……それで、オラもローラのファンですから――」
その言葉に、ソシエとディアナは小さく吹きだし、ロランは多少顔が引きつる。
「こうして、願掛けにカプルをホワイトドールみたく乗って、ローラさんのお力を拝借できればと思いまして」
「あ、あの……ローラって……?」
「やだなぁローラさん。ムーンレィスなのに地球のために戦ったローラ・ローラさんでしょ?」
「い、いや、僕は……」
「僕なんて男の子っぽい事言っちゃって。あ、普段からそんな男の子みたいな格好なんですね? やっぱ機械人形乗りは違うなぁ」
だれもミリシャ兵の勘違いを訂正は出来なかった。ソシエとディアナは「なんだか面白ろそうだから」という理由で。ロランは「言っても無駄だ」というあきらめによって。
- 58 :32:2006/08/12(土) 11:00:40 ID:???
- 7話中編。暑さと鈴置さんのことで一週間ぐらいうp出来ないかもと思ってたんだけどな。
「でもっ! ローラさんが機械人形に乗れば、ガリアなんて一ひねりですよね!?」
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ。第一、ガリアが攻めてくるなんて、本当なんですか?」
「どうせ水場争いみたいなもんなんでしょ? ムーンレィスみたいに『領土をよこせ』なんて……はっ」
ソシエは自分の失言に気づき口をつぐんだが、ディアナはそのいつもの穏やかな表情は崩さなかった。
「そうですね。地球人同志が争うなんて、黒歴史を繰り返すだけですものね」
ミリシャ兵も、場が一瞬妙な雰囲気になったのを察したのか、話を急いで戻した。
「そ、それでですね。とにかく、ウチの隊長が、ローラさんを連れてこいって言うんです。オラとしても憧れのローラさんをエスコートするお役目、喜び勇んで受けたってわけです」
「とにかく、僕がその隊長さんの所へ行って、説得してみます。僕はただ、ここでディ、キエルお嬢さんのお世話をしなくてはならない身なんですから」
「あら? 私の事なら構わなくていいのですよ?」
「そういうわけにもいきませんよぉ」
「いいじゃない。ちょっと脅かせば、ガリアの奴らなんかすぐに逃げ返っちゃうわよ」
「そうですね」
「ええぇーっ!?」
ソシエはともかく、ディアナは反対すると思ったのだが、意外とディアナがこの変事に対して冷静なのには驚いた。
「ローラさん! このカプルは自由に使ってください!」
ソシエとディアナの態度から、この思い込みの激しいミリシャ兵は、自分の任務と私的な目標を果たしたものと思い込んだとしても無理はない。
かくしてロランは無理矢理ホワイトドールを(色だけ)模したカプルに乗せられ、ソシエは自分の乗ってきた(奇しくもホワイトドール色の)飛行機に飛び乗り、東海岸を目指した。
丁度あつらえたかのように、その飛行機は機械人形を乗せやすいように上面が平らである。
「行くわよ、ロラン!」
「ソシエお嬢さ――うわっ」
急発進で操縦席でコケたのか、ロランの情けない声を聞いたソシエは、なんだかまた以前に戻ったようでとても嬉しくなっていた。
(やっぱり、私はこうしているのが一番だわ)
- 59 :32:2006/08/12(土) 11:02:19 ID:???
- 7話後編。
ロランとソシエが飛び去り、ミリシャ兵も徒歩でその場を去り、跡にはディアナだけが残された。
が、背後の森から出てくる人影が。
「ディアナ様」
不意に背後から声を掛けられても、驚きも恐れもしないのは、それが最も聞きなれた声だから。
「あなたには二度と会わないはずでしたのに」
「私は会いたくて仕方がありませんでした」
「嘘おっしゃい。あなたは女王様に仕える身ですよ?」
「私にとってはあなたもまた女王なのです」
「私はもう女王ではありません。なのになぜ」
「困ったお人だ。――それよりガリアなのですが」
「心配する程のものではないと言っていたでしょう?」
「いえ、少々やっかいな事態になりまして」
「私にまた兵たちの上に立てと言うのですか」
「兵たち、と言うより、むしろ敵の前にです。あなたが立てば、事態の収拾も早いかと」
「やれやれ。私にまた無理をしろとおっしゃるの?」
「させたくはないのですが」
「わかりました。私も参らなけらばならないようですね」
「それこそが地球と月の平和の為でもありましょう」
「よしなに」
ディアナは一度も振り返らなかった。
- 60 :通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 12:01:34 ID:???
- >>57-59
よしなに
- 61 :白いカプルキターーーーーーーーーーー:2006/08/12(土) 15:40:45 ID:R+JyYeN1
- 支援します!!
いつも楽しみにしてます。
- 62 :通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 18:38:54 ID:???
- 職人さん乙
すばらしい作品が見れてうれしい限り
続きがかなりよしなにですな・・・
- 63 :通常の名無しさんの3倍:2006/08/14(月) 10:09:09 ID:???
- 保守
- 64 :通常の名無しさんの3倍:2006/08/16(水) 00:12:37 ID:???
- よしなに保守
- 65 :通常の名無しさんの3倍:2006/08/16(水) 15:41:43 ID:???
- このスレ見てるのって少なすぎなんだろうが
職人さんぜひとも続きを・・・・
- 66 :通常の名無しさんの3倍:2006/08/16(水) 15:46:46 ID:???
- >>65
そんなことはない。
必要以上に保守をしてプレッシャーをかけないようにしているんだよ。
という訳で、保守なに。
- 67 :32:2006/08/16(水) 17:30:19 ID:???
- ごめん。毎日暑くてちょっとヤル気起きてなかっただけですw
- 68 :通常の名無しさんの3倍:2006/08/16(水) 21:35:35 ID:???
- >>67
よし、俺今から俺の当たってるこのクーラーの涼しい空気を職人さんに送るよ!
電波とニュータイプ的な何かで
- 69 :32:2006/08/17(木) 01:13:11 ID:???
- よし>>68の涼しい空気が…koneeeeee!!
というわけで8話前半。画面のはしっこにはきっとアガイも映ってるのだろうと想像してw
8.東海岸の会戦
イングレッサ東部の海に面した海岸。数十メートルの崖が連なり、とても船が停泊できるような場所ではないというのに、ここがガリアの軍隊の到着する地点の最有力候補だという。
その情報がミリシャ諜報部にもたらされてからというもの、この海岸部に機械人形部隊が配備され、ちょっとした前線基地の様相を呈していた。
そしてこの日、海上を警備していた船から「敵影アリ」との報を受け、おもにメジコ領から発掘された機械人形で構成されたミリシャ水際阻止部隊の機械人形・ペスカトーレがずらりと崖の上に並んだ。
「よぉ〜し、阻止部隊、全機配置についたな?」
ヤーニ中尉は、お気に入りの専用の赤いボルジャーノンで前線を鼓舞していた。
「? おい、そこの奴、ちゃんと海の方を向かんかっ!」
この非常事態に不真面目か臆病者だか知らんがけしからん、と、一機だけ海を向かずにこちら側を向いているペスカトーレをヤーニは怒鳴りつける。
「はい?」
しかし振り向いたペスカトーレは、振り向いても同じ形をしていた。
「……お、お前はいい。ちゃんと警戒してろっ!」
そういえば中には前後が同じ形というふざけた機械人形もいて、形が似ているのでペスカトーレ隊に編成した事をヤーニは思い出し、そのまま前線の見回りを続けた。
「いつでも来い。ガリアども!」
今日のヤーニは通常の何倍もの力が湧きあがってくるようだった。
ソシエは、例の飛行機型機械人形でその東の海岸へと向かっている。上にはホワイトドールカラーのカプルを乗せて。
「ソシエお嬢さん、気になってたんですけど、その飛行機って――」
「何よっ? ……あっ、もうすぐ海よ」
ソシエが言うように、モニター前方の遥か遠くに水平線が見えてきた。
「……! この反応、艦隊じゃないですか! なんでこんなにガリアに?」
「そんなのどうでもいいじゃない。あんたの知らない所で機械人形は次々と発掘されてるんだから」
カプルのセンサーも、その信じられない規模の海上の敵影を拾っていた。
しかし、戦艦級のものが3、MSらしきものが数十とは、まるでディアナカウンター降下部隊ではないか。
(これじゃ、またギンガナムとの戦いを、いや、黒歴史を繰り返してしまう……)
また自分が、ディアナを、そしてこの平和なアメリアでの生活を守らなければ、と、ロランはこの時初めて決意した。
- 70 :32:2006/08/17(木) 01:14:31 ID:???
- 8話後半。実はアレはアレだった。
「敵は予想より多いみたいですわね」
「何、予想よりと言っても、戦艦一隻ぐらいなものです」
地図から顔を上げた〈司令官〉に対し、ミハエルは帽子を脱ぎながら応えた。
この水際阻止部隊の指揮を取るのは、表向きはイングレッサ・ミリシャのミハエル准将(ヤーニと共に昇進)という事になっているが、実際はルジャーナ領主代行を務めているリリ・ボルジャーノ嬢である。
「しかし、あのハリー大尉からの情報でなければ、私どもも動かなかったところですぞ」
「月のハリーさんの情報だという事は、ディアナ様も知っておられるはずでしょう?」
「いざとなれば、ディアナカウンターの援軍も見込める、という事ですか?」
「あてにはしたくありませんけどね」
リリにしてみれば、これぐらいの軍事的問題も、ミリシャのみで解決できるという事を、月側に知らしめておきたいのだ。
「それでも、サンベルト領からは有志のムーンレィスが機械人形持参で駆けつけております」
「ああやだ。闘争本能に目覚めたとでもいうのかしら」
現在サンベルト地帯は、アメリアの一つの自治領として認められ、ムーンレィスの入植者たちが暮らしている。
「とにかく、ここはミリシャのみで戦いますわよ」
そして上空に、一筋のビームが走った。
「〈丸メガネ〉は左翼に展開。〈キツネ目〉は右翼。メリーベルの〈とんがり帽子〉は、ミリシャの前衛を威嚇せよ。前衛が崩れ次第、本艦は上陸する」
ビッグ・トレーのブリッジに立つグエンの指示は、ガリアで荒くれ者の傭兵部隊を纏め上げた手腕も頷けるほどに的確である。
「威嚇だって? ミリシャなんか、あたしが一人で蹴散らしてやるよっ!」
メリーベルの〈とんがり帽子〉は、丸い輪のような飛行ユニットに乗り、ビームを撃つたびに両肩に光の輪を発生させた。
「ガリアが仕掛けて来たぞ! ペスカトーレ隊、砲撃開始!」
ヤーニの赤ボルジャーノンの号令の下、一斉に砲撃が始まった。
しかしガリア軍は、巧みにその砲撃をかわし、逆に連携された攻撃を仕掛けてきた。
「奴ら、まるでムーンレィス並に上手ぇじゃねぇか!」
敵の攻撃に舌を巻くヤーニだったが、その間にも一機ずつ確実にペスカトーレは落ちてゆく。
「くそう……。あの〈三日月〉、チョコマカと」
ヤーニは崩壊しつつある前線の中、両肩に三日月のようなものを取り付けた、空飛ぶ機械人形を睨みつけていた。
それは、メリーベルの駆る〈とんがり帽子〉である。
- 71 :通常の名無しさんの3倍:2006/08/17(木) 01:29:48 ID:Ok91o/v4
- キターーーーーーーーーーーーー!!
つ ホームランバー
- 72 :通常の名無しさんの3倍:2006/08/17(木) 02:39:17 ID:???
- 三日月のブーフゥktkr
- 73 :通常の名無しさんの3倍:2006/08/17(木) 13:58:17 ID:???
- >>32
GJ!!
まってた甲斐があった
- 74 :通常の名無しさんの3倍:2006/08/19(土) 23:12:03 ID:???
- すばらしいので保守
- 75 :通常の名無しさんの3倍:2006/08/20(日) 19:40:23 ID:ThiXItNO
- ギブリーズ外電 逆襲のル・グイン
- 76 :通常の名無しさんの3倍:2006/08/20(日) 20:23:26 ID:???
- 9話前半。戦闘シーンってむずかしい。
9.ソシエ、飛ぶ
「こんなのって……」
ソシエは、思ったよりも被害が拡大している東の海岸の戦場を目の当たりにして、言葉が無かった。
「こんなの、ギンガナムみたいじゃない」
まだそれほど時間が経っていないというのに、まるで遠い記憶のようだったあの戦いを思い起こされ、ソシエのガリアへの敵意はより明確のものとなりかけていた。
「ソシエお嬢さんのその飛行機には、武装が無いみたいなんですから、無理をしないで下がっててください。僕はここから降下します!」
「いざとなればこの赤い所ごと敵にぶつかるわよ!」
「そんな無茶、二度と言わないでくださいよっ!」
ある意味いつもの二人らしい会話を残し、ロランの白カプルはソシエの飛行機型機械人形から飛び降りた。
「おおっ、ホワイトドール……なのかアレ?」
地面に降り立った白カプルは、一瞬だがミリシャの兵たちにホワイトドールの再来を思わせた。
「カプルじゃねぇか!」
カプル一機で戦況が変化するわけでもない、とばかりに、ヤーニに赤ボルジャーノンはバズーカを撃ちまくる。
「そこの赤いボルジャーノン、援護します!」
「ロランかっ!? それに乗ってるのか?」
「はい! ミリシャのロランは、このままカプルで援護します!」
「助かった!」
カプルだというのに、ロランが乗っているのなら話は別だ。奴ならきっとなんとかしてくれる。
「〈丸メガネ〉、少し出過ぎではないか? 〈キツネ目〉部隊と歩調を合わせろ……あれは、ホワイトドール?」
沖合いのビッグ・トレーも、白カプルの参戦は確認したが、それがこの戦争の目的であるロランが乗っているとまでは、グエンは気づかない。
「……の色をしたカプルか。まったく、ホワイトドールの信仰というものはな」
グエンはビッグ・トレーを前進させた。ペスカトーレ隊は、既に総崩れであった。
- 77 :通常の名無しさんの3倍:2006/08/20(日) 20:25:06 ID:???
- 9話後半。
ロランの白カプルの両手のマシンガンは、砲身が焼き切れんばかに震え、唸りつづけている。
何機目かの〈丸メガネ〉と交戦しながら、視界の隅に、ソシエのあの飛行機型が旋回しているのが映った。
「まだあんな所を飛んでいるなんて」
ミリシャで共に戦っていた頃と、やはり何も変わっていない。と思うと、そのソシエ機は、何を思ったか海の方へ、つまりガリアの敵が待ち受ける東の海上へ飛んでいったのだ。
「本当にぶつけるつもりじゃ……?」
ソシエお嬢さんならやりかねないと心配になり、ロランはカプルを走らせた。
「偵察だって、立派な戦いよね」
せめて敵の陣容ぐらい探らなくてはと敵陣深くまで飛んで来たものの、ガリアで発掘されたという、〈丸メガネ〉や〈キツネ目〉の機械人形の数は思ったよりも多く、何度か攻撃を受けそうになった。
「ガリアにも、マウンテンサイクルがあるっていうの聞いていたけど、でもこんな大きな戦艦まであるなんて」
グエンが〈ビッグ・トレー〉と呼ぶ陸上戦艦は、本来はギャロップのように地上をホバリングして移動するものなのだが、その三隻はガリアとアメリアを隔てる海などものともせず渡りきり、今ここまで侵攻してきているのだ。
「敵の航空機がここまで飛んで来たというのか。撃ち落とせ!」
その飛行機にソシエが乗っているというのもまた知らず、グエンは機銃による撃墜命令をだした。
「機銃なんて……うわぁぁぁぁっ!」
回避しようとしたのだが、すべての機銃をかわしきれる自信はちょっとなさそうかな、とソシエらしからぬ思いが頭をよぎったその時。
飛行機型機械人形の底が二つに割れた。
- 78 :ロラン参戦age:2006/08/20(日) 21:10:23 ID:RxmwfhNY
- キターーーーーーーーーーーーーーーー
いつも楽しみにしてます。
- 79 :32:2006/08/23(水) 10:55:58 ID:???
- 十話。可変描写ってむずかしい。……でもどうにか読み取ってくれれば。
10.鼓動
底が割れたと思われた飛行機型機械人形は、その両翼が機体の両側に「立った」かと思うと、機体後部のエンジン部が引き伸ばされ、脚のようなものが文字通りの脚になった。
「撃ち落としたか?」
だがビッグ・トレーからは、機銃の直撃を受け、機体がバラバラになりながら海へ墜落しているように見えない。
「うわぁぁぁぁぁっ!」
ソシエは叫びながら、しかし、両側のモニターに「腕」が映りこんでいるのに気づいた。
しかも左腕には、この飛行機の赤い機首がくっついている。
「何が起こっているの……?」
撃ち落されたのならば海面に激突しているはずなのに、ソシエはまだ空中に浮いている。
グエンもまた信じられないものを見ていた。
「ホワイトドールだと! あの飛行機が!?」
打ち落とした飛行機が、ホワイトドールになって飛びつづけているのだ。
「アメリアにはまだ、ホワイトドールが眠っていたとでもいうのか!」
「何なの? この飛行機、腕が生えてる?」
あまりに唐突すぎて、状況がいまいち飲み込めずにいたソシエだが、この飛行機型機械人形が変形して人間型になっているらしい、という事は理解できた。
「フラットやカプルみたいに形が変わるのね、この子」
なら! と、ソシエはバーニアを噴射させて上昇し、可変に戸惑い、勢いの減ったビッグ・トレーの機銃をかわしつつ、ビッグ・トレーのブリッジの上に降り立った。
「ガリアの人! アメリアに攻め込むなんてバカなことはおやめなさい!」
ソシエはブリッジの中を機械人形越しに睨みつけた。
- 80 :通常の名無しさんの3倍:2006/08/23(水) 22:18:43 ID:mHDRWw/R
- 乙ガンダムキターーー
支援します。
- 81 :通常の名無しさんの3倍:2006/08/24(木) 00:22:06 ID:???
- ZってMS状態だと飛べなくね?
- 82 :通常の名無しさんの3倍:2006/08/24(木) 00:30:12 ID:???
- >>81
∀の機械人形は、黒歴史時代とは微妙に設計が違っているので無問題と思われ。
- 83 :32:2006/08/24(木) 02:56:40 ID:???
- 落ちながら変形し、そしてMS形態でバーニアふかして上昇した、って事です。その辺は説明不足でした。
でも「微妙に設計が違」ってるので短時間なら大気圏内の飛行も可かもw
- 84 :通常の名無しさんの3倍:2006/08/26(土) 03:40:39 ID:7HCNV9XK
- 乙です。
いつも楽しみにしています。
支援。
- 85 :通常の名無しさんの3倍:2006/08/27(日) 22:13:02 ID:hkfKaJJm
- ほしゅあげ
- 86 :32:2006/08/29(火) 03:08:01 ID:???
- 11話。ガリアではドイツ語なのだろうか。
11.騎士の槍
そのホワイトドールに似た機械人形からは、グエンの聞き覚えのある声が最大音量で発せられていた。
「ソシエ・ハイム嬢?」
迂闊といえば迂闊だった。彼女もミリシャの一員としてカプルに乗っていたのだ。いざガリアが攻めてくるとわかれば、真っ先に戦場へ出てくる事は十分予想できたはずだ。
「……グエン様、どうして!?」
ソシエにしてみれば、なぜガリアの戦艦の中にグエンがいるのか解らない。
「グエン様がガリアを率いて来たっていうの?」
ソシエは機械人形ともどもその場に立ちすくんでしまった。しかし、驚きの硬直からいち早く立ち直ったのはグエンだった。グエンは通信機を掴み、叫ぶ。
「甲板長! あれは私の機械人形で追い払う! 機銃は使うなよ」
グエンは格納庫へ走った。
ソシエお嬢さんは撃墜されてなければいいけど……。
ロランは白カプルを走らせる。カプルは確か海の中も平気なはずだ。
「おいロラン、出過ぎじゃねぇか?」
ロランの急変をいぶかしんだヤーニが通信を送ってきた。
「ヤーニ少尉」
「少尉じゃねぇ、今は中尉だ――それより、お前、ちょっと突出し過ぎだぞ」
「わかっています。それより、ソシエお嬢さんが海の方に飛んでいったんですよ」
「そりゃあ、あのお嬢ちゃんだからな――くそぅ!」
ヤーニの赤いボルジャーノンが、ヒートホークで〈丸メガネ〉の腕を切り落とす。
「飛行機ならお得意なんじゃねぇのか?」
「だけど……気になるんですよ」
白カプルは崖から海へ飛び込んだ。
グエンがガリアで最初に手に入れた顔に十字の切れ込みが入った騎士のような機械人形〈クリーガー〉は、手に〈丸メガネ〉と一緒に発掘された(おそらく〈丸メガネ〉専用の武器なのだろう)槍を手に、ビッグ・トレーの上に立った。
「ソシエ・ハイム嬢! ミリシャ共々引いていただきたい!」
ビッグ・トレーの上に立つ〈クリーガー〉は、まさに堂々とした騎士だった。
「グエン様、どうしてガリアなんかに……?」
「私は、アメリアに産業革命をもたらすために戻ってきた!」
ソシエにそう宣言しながらも、心の中では(そして、ローラも)とつぶやく。
「そのために、イングレッサは返していただく!」
「そんな……」
ソシエにはグエンがガリアの戦艦の中にいたこと、そして機械人形に乗り込み今目の前にいること。
そのどちらもが衝撃だった。
「ソシエ・ハイム嬢、そこをどきたまえ!」
〈クリーガー〉の槍が、ソシエの機械人形の首めがけて振り下ろされた。
- 87 :通常の名無しさんの3倍:2006/08/29(火) 04:29:08 ID:EQaPAgP/
- >>86
キターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
支援age
- 88 :通常の名無しさんの3倍:2006/09/01(金) 01:11:51 ID:PlcjqJF6
- 支援age
- 89 :32:2006/09/01(金) 01:56:55 ID:???
- 12話。いつも支援ありがとうございます。
12.グエン上陸
「シド爺さん、海の方ではとうとう戦いがはじまったみたいだけど……」
「そのようじゃな。今ミリシャから連絡があった。戦艦は三隻だそうじゃ」
まだアメリアでは一隻が発掘中だというのに、ガリアでは三隻も発掘され、実戦に投入されているのかと、ポゥは驚いた。
「わ、私もMSで助けに行きます!」
「まあ落ち着け。そんなに急がんでもミリシャはそう簡単にやられはせんよ」
実はこの瞬間、ペスカトーレ隊は跡形もなくメリーベルの〈とんがり帽子〉及び〈丸メガネ〉と〈キツネ目〉の部隊に蹂躙されているのだが、シドたちには知る由も無い。
「それよりじゃな、今はこのホワイトドールみたいな機械人形が何か調べるのが先じゃろう?」
「は、はい……」
そうは言うが、ポゥは今すぐにでも戦場に駆けつけたかった。
我が方の不利を悟ったリリ・ボルジャーノは、前線部隊の後退と、それが済み次第に被害の少ないイングレッサ・ミリシャのボルジャーノン部隊を殿軍にして本隊の東海岸からの撤退を命令した。
「まったく、アメリアがこんなに強いとは思いませんでしたわ」
意気込んでいたわりに、いざとなると撤退が早いのは、戦闘中にリリの下にガリア軍の指揮官から自分の正体と開戦の目的を告げる使者が来たからであった。
「あの男なら、こんな小競り合いで倒せる相手ではありませんわね」
「しかし、グエン・ラインフォードに力をつけさせるのは得策ではありませんぞ?」
「あなたの言葉だと、より真実味がありますわね、ミハエル准将」
「しかし、ノックスを取られるぐらいは覚悟しておいたほうがいいでしょうな」
「アメリア合衆国の州に治まってくれるなら、いくらでも差し上げますわよ」
- 90 :32:2006/09/01(金) 01:59:04 ID:???
- 12話後半。書きながら展開が変わっちゃったのはここが初めて。
〈クリーガー〉の槍は、見事にソシエの乗るホワイトドールのような機械人形の首を吹っ飛ばした。
頭に操縦席が無ければよいが、と思いつつ首を狙ったが、ソシエの「うわぁぁぁあ!」という叫び声が聞こえ続けているという事は操縦席は無事なのだろう、とグエンは安堵した。
首を失ったソシエの機械人形は海に落下する。
「兵を引きたまえ。私でもこれくらいの事はできるのだ。ガリアの兵が本気を出して侵攻を始めたらこれくらいの被害では済まないぞ」
機械人形に乗っているのだから、これぐらいで死ぬ事はあるまい。しかし、あのホワイトドールに似ているのも気にかかるので、グエンは偵察部隊に引き上げを命じた。
「パイロットは捕虜だが、客として遇しろよ」
一方、海中を進むロランの乗る白カプルはソシエの撃墜には一足及ばず、首のない機械人形が沈んでいくのを目の当たりにしていた。
「この機械人形にソシエお嬢さんが乗っている……? そんな……」
途方に暮れていると、ガリアの機械人形の小隊が洋上のビッグ・トレーから現れた。〈丸メガネ〉とよく似ているが、メガネは丸いというより横に細長く、左腕は鉤爪のようである。
「相手は三体……でも、いまこの状況じゃ……」
水中戦が得意なカプルなら倒せるだろうが、戦闘を起こして敵の旗艦のすぐ近くで目立つのもまずい。
「どうすれば……」
だがロランが逡巡している間に、その三体はソシエが乗っていると思われる機械人形を掴み上げ浮上していった。
「ソシエお嬢さんを連れ去って……!」
気づかれぬように距離を取りつつ、ロランは白カプルでその三体を追った。
ビッグ・トレーは次第に陸に近づいている。
(アメリア……ついに……帰ってきたのだ……)
そしてグエンの率いてきた三隻はアメリア大陸に上陸した。
「メリーベル、帰還しろ!」
アメリアの地を踏んだグエンが発した最初の命令はそれだった。
- 91 :通常の名無しさんの3倍:2006/09/01(金) 02:03:29 ID:PlcjqJF6
- >>89
きたーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
楽しみにしてます
支援
- 92 :32:2006/09/04(月) 06:15:38 ID:???
- 次までにちょっと間が開きそうなのでちょっと待っててください。
ちなみに、ガリアのMSは、
丸メガネ=デナン・ゾン
キツネ目=ゾロ、ゾロアット
細長メガネ=エビル・S
とんがり帽子=ザンネック
クリーガー=ギャン
ていうのはちゃんと伝わってるのかなぁ……。
- 93 :通常の名無しさんの3倍:2006/09/04(月) 12:47:59 ID:???
- >>92
キツネ目は多いからどれかな?と思ってたんだが他は判った
ゾロか・・・ヘリ運用を上手くやれば、この世界だと超強くない?
あとゾロアットて宇宙用だよな、本来。
- 94 :通常の名無しさんの3倍:2006/09/04(月) 16:08:36 ID:???
- >>93
>>82
カプルだって宇宙で使えるんだから無問題かと
- 95 :通常の名無しさんの3倍:2006/09/04(月) 16:14:55 ID:???
- >>93
ボルジャーノンと同じく中身は別物ってことでいいんじゃね?
- 96 :通常の名無しさんの3倍:2006/09/04(月) 16:25:05 ID:???
- ヴァルヴァロが発掘されたらカニ頭とか呼ばれんの?
- 97 :32:2006/09/05(火) 09:32:06 ID:???
- >>93
(い……言えない……ゾロアットとトムリアットを素で間違えたなんてとても……)
>>94-95
そ・そうですよね。
>>96
たぶん。でもアメリア人のセンスだと<カニ爪>とかになるのかも。
- 98 :通常の名無しさんの3倍:2006/09/08(金) 12:46:05 ID:???
- 保守っとくか
- 99 :通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 18:32:56 ID:???
- 待っていた人がどれくらいいたかわかりませんが、13話(前編)をお届けします。
13.グエンの心
アメリア各州のミリシャ連合軍を東海岸の一戦で屠ったグエン・サード・ラインフォードの要求、それは自らのイングレッサ領主への復帰、そして、かつて∀とターンXが戦い、繭に包まれた場所の領有であった。
「グエン・ラインフォードは『月の繭』を欲していると……?」
かつてのグエンの下で軍を率いていたミハエルの心に、グエンは∀の量産を目論んでいるのではないか、と不安がよぎった。
∀とターンXがその活動を停止した場所は『月の繭』と呼ばれ、わずかずつだが巡礼者も増えつづけ、今では第二のホワイトドールの聖地となりつつある。
「たとえそうだとしても」
と、リリ・ボルジャーノはいう。
「∀をあそこから発掘して、量産でもするっていうの? バカバカしい」
「グエン・ラインフォードは、単にモニュメントとして『月の繭』を欲しているのではないのですかな?」
唐突にマリガンが会話に割り込む。その軍属の人間とは思えないような平和的な思考は相変わらずだ。
「だーかーら、あの人がそんなにしおらしいわけないでしょ?」
「そ、そうでありましょうな」
「イングレッサ領は別に元々グエン様のものだからよいとして、この際『月の繭』もおまけしてあげましょ。それでおとなしく引っ込んでてくれるなら安いものですわ」
「ガリアよりこれ以上兵力を送り込んでこないとは限りませんぞ?」
「そうはさせない為にも、海から来るものは厳しく制限させていただきますわ。今日よりガリアからの積荷は制限した方がよさそうですわね」
「『月の繭』を与える代わりに、一切の軍事行動は禁止、という訳ですか」
「そうです。そしてミハエル准将、あなたがそのガリアのイングレッサ・ミリシャを押さえつけるのです」
「私が……ですか?」
「そのかわり、それを条件に付けさせていだだきましょう」
「私に目付けになれと?」
「そうそう、手綱はしっかりと握っていてくださいましね?」
もしかしたら本当にこのリリ嬢はアメリアの完全なる合衆をやってのけ、その初代大統領に就任するのではないかという気が、ミハエルにはしてきた。
(なら、従ってみるのも悪くはない……)
軍人には、有能な指揮官の下で動くのに心地よささえ覚える時もあるというものだ。
- 100 :通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 18:34:38 ID:???
- 13話後編。そして100げと。
MS一機で近づくのは得策ではないと判断したロランは、乗っていた白カプルを断崖のすき間に目立たぬように隠し、徒歩で上陸したてのビッグ・トレーへと向かった。あの艦に単身で潜入するつもりなのだ。
――ソシエお嬢さんが、ガリアにさらわれた……。
こうなったのも自分の責任でもある。何か万一の事があったら、月のディアナ様であるキエルお嬢さんにも申し訳が立たない。
ソシエの乗っていた機械人形をわざわざ海の底から拾い上げたという事は、ガリアにとってもその性能は知りたいのだろうから、パイロットであるソシエもすぐには殺さないだろうという予測も立つのだが、それはただの気休めでもあろう。
そんな思考が、ビッグ・トレーへと走るロランの頭の中を駆け抜けていった。
「キエル・ハイムっていったね、アンタ」
そのビッグ・トレー内部では、まさにソシエへの「尋問」が行われようとしていた。
と言っても、ただ単に敵の懐深くまで単機で飛んで来たというMSのパイロットが、どんな顔なのか見てみたかっただけなのだが。
「あなた、ムーンレィスでしょ?」
ソシエが収容させられたのは、独房ではなく、客船の一室のような部屋。しかも手錠さえ無く、銃で脅されなければこの船の乗客のような扱いだった。
だが、そこに現れたのは、グエンではなかった。
「たしか、月かその途中であなたが機械人形のモニターに映ってたわ」
「そうよ。あたしはギンガナム艦隊のメリーベル。いまはガリアのメリーベルだけどね」
「どうしてグエン様のところにいるの?」
「そんなの……」
いままで高圧的だったメリーベルの顔に、初めて他の感情が影さす。
「メリーベル、ここにいたのか」
部屋の外から、ソシエにも聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「グエン!」
「グエン様!?」
一拍の間はあったものの、同時にその名が呼ばれる。
「ソシエ・ハイム嬢。気分はいかがかな? 決して粗略には扱ってないつもりだが」
ライオンのように伸びた髪を後に撫で付け、口髭を生やしてはいるものの、それは紛れも無くあのグエン・サード・ラインフォードであった。
「グエン様、どうしてガリアなんかに? どうしてアメリアにこんな戦艦なんかで……」
ソシエは立ち上がった。
「これじゃ、あのギンガナムと同じじゃない!」
あの飛行機型機械人形で空から戦場を見下ろした時に感じた思いの丈をソシエはぶつけた。
「あのギンガナムと同じにしてもらっては困る。私はただ、アメリアをもっと発展させようと帰ってきたのだから」
「ならなんで、こんな戦艦なんかで! あんな機械人形の大軍なんかで!」
戦争そしかけようというの? ソシエはそう叫びたかった。
「それは……」
グエンも、そのソシエの気勢にたじろぐ。が、その口は一気に結論に飛躍する。
「愛ゆえにさ」
- 101 :通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 20:42:07 ID:???
- >>100
乙
尋問シーンの最初は名前書き間違いかな?かな?
- 102 :通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 23:19:43 ID:???
- 職人さん、乙彼。
- 103 :32:2006/09/10(日) 07:06:40 ID:???
- >>101
そうです。なんか最近初歩的な書き間違い多いな……しかも指摘されるまで全然気づかないっていうw
- 104 :通常の名無しさんの3倍:2006/09/10(日) 16:48:39 ID:???
- >>100
> 「愛ゆえにさ」
良くも悪くもグエンらしいセリフだなあ
結局ずーーーーっと夢見てる人だよね、こいつ
- 105 :32:2006/09/14(木) 21:02:04 ID:???
- 14話。本スレで名前消すの忘れて書き込んじゃったw
14.潜入、そして…
「まさかこうも簡単に上陸を許してしまうとはな」
ハリー・オードにとっては、ムーンレィスの安住の地であるアメリアであの男が黒歴史を呼び起こそうとも取れる動きをしているのが気に食わない。
「ターンタイプを欲しているのではあろうが……」
『月の繭』は、いまだムーンレィスの技術者でも「∀とターンXがこの中で眠っている」という事しか解っていない程度なのだが、イングレッサ領の他にその周辺をも領有させろなどと言うのは、どうにも不可解である。
しかしいくら考えた所で、あの男の肚が読めぬ以上、ガリアでMSを発掘してかき集めて帰ってきただけに過ぎぬ、という現実のみを考えるしかないのだが。
ともかく、事態を軽視する余りに月からMSに乗って地球へやってこなかった自分の迂闊さをこそ呪うべきであろう。
一方、こちらはもう一つのターンタイプかと思われた、シド爺さんとポゥが発見した白い機械人形は、サンベルト領のムーンレィス技術者と共に解析した結果、少なくともターンタイプではないという事が解った。
「まぁ、そう簡単にホワイトドールが埋まっておるとも思ってもいなかったがの」
シドにしてみれば、ターンタイプ云々より、やはり黒歴史の謎が解き明かされそうなこの状況の方が少し嬉しくもあった。
「でもシド爺さん、黒歴史では、ガンダムが何度も世界を戦争に導いたって言われてるんでしょう?」
ポゥは今にも泣き出しそうな顔で心配を露にしている。
「そうでもありゃせんよ。ガンダムタイプったって、黒歴史には百も二百もあったってホレスさんが言っとる」
当てが外れても、それが災いを産み出す可能性がありそうでも、とにかく楽観主義なのが山師を続ける秘訣なんだな、と、ポゥは意外な発見をした。
- 106 :32:2006/09/14(木) 21:04:12 ID:???
- 14話後半。ビッグ・トレー内部ってどんな構造なんだろうな……ああ、ナノマシンのお陰で帆船風になってるとかにしよう。そうしよう。
---------
ビッグ・トレーへ近づくのには意外と簡単だった。
兵士による厳しい警戒を覚悟していたのだが、あの激しいMSの戦闘の割には、いざ上陸すると死角だらけの杜撰な警備、時には酒盛りまで始めてしまう始末(この辺はなにやらミリシャ的でもある)で、ロラン一人がビッグ・トレー内部へ潜り込むのは容易かった。
そして内部は暗く、多分ソシエお嬢さんは船底の方の船室か独房のような所へ監禁されているのだろう、と思いそれらしい場所を探しているのだが、一向にそれらしい気配がない。
「いっその事、志願してきたとかの嘘で、ガリアの人を騙せないかなぁ……」
アメリアのミリシャでさえホワイトドールのパイロットはローラ・ローラという事になっているのだから、まさかガリア人が自分の事を知っているわけもないと思えば、なんだか妙案な気がしてきた。
ともかくも適当なガリア兵を見つけよう、と立ち上がったその時。
「おい!」
背後から怒鳴り声。だが続いて「貴様、スパイか!?」と怒鳴られては、つい先刻までガリア兵を騙して情報を聞き出そうとか妙計を考えていたのも忘れ、反射的に走り出してしまった。
「待てぇ!」
こうなる事はある程度予想はしていたが、やはり勝手がわからぬ異国の船の中、逃げられる場所もわからぬまま、本能的に上へ上へと走っていた。
ロランは、とにかく一旦外へ出てしまいたかった。
ソシエにしてみれば突拍子もなく意味も不明な事だが、グエンにしてみれば少々喋りすぎたかな、という認識である。
「愛ゆえに」というその言葉。
ソシエは「なぜ愛があるのなら……!」と叫んでしまいたいが、グエンのその愛の対象が難なのか計りかねている。
アメリアへの愛? イングレッサへの愛? それとも……?
混乱の中で、ソシエは客室の豪華なベッドに座り込む事しかできなかった。
木製のベッドは、アンティークなのか見かけだけの安物なのか、ギシ、と軋む音を立てた。
そんな呆然としているソシエを見て安心したのか、グエンは、まぁソシエ嬢にはわかるまいよ、と言い残し、メリーベルと共に客室を後にしたのだが。
角を曲がるとローラがこちらへ向かって走ってきてくれているではないか!
- 107 :通常の名無しさんの3倍:2006/09/14(木) 21:21:52 ID:???
- グエン卿の素晴らしい勘違いベルガギロスwwwwwwwwwwwww
- 108 :通常の名無しさんの3倍:2006/09/16(土) 03:43:50 ID:FvRAkUCi
- キターーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
支援age
- 109 :通常の名無しさんの3倍:2006/09/21(木) 11:48:14 ID:???
- 保守
- 110 :32:2006/09/22(金) 00:10:44 ID:???
- 15話前半。……ブライト艦長、カクリコンに続き、ついに∀出演者も……ミラン殿……。
15.ローラ・ローラの海
ただひたすらに、上への階段があれば登り、角があれば曲がりつづけた。
そして、いくつかの階段と角を曲がった先に、一人の男が立ちはだかった。
服装からして、きっとこの艦の重要人物なのだろうとは思ったが、そんな思いを一瞬で頭のどこかに追いやり、今はただ逃げるためだけに頭と体を使うことにした。
ロランと男の距離が縮まる。
男は両手を広げたような気がしたが、加速するロランは急に止まる事は出来ない。
「ユニバァァァス!」
悪いけど! どいてくださいっ!
それは言葉にならず、代わりに口から出たのはムーンレィス独特の叫び声。
そして二人は、ドカッと倒れこんだ。
「……!? ロラン!」
倒れこむと同時に、ソシエの声が頭の上から聞こえる。
「……ローラ……?」
倒れこんだ体の下から、聞き覚えのある声が聞こえた。
「ロラン・セアック!」
そして、ちょっと怒気を含んだかのような少女の声も。
ロランは体を起こしかけると、驚いたようなグエンの顔がそこにあった。
「ローラ! こんなに早く合えるとは!」
と、起こしかけた体をぐいと引き寄せられる。
「ぐぁ、グ、グエン様!?」
「久しぶりだね、ローラ。私は帰ってきたよ、アメリアに」
「ちょ、ちょっとグエン様! なにやってるのよ!」
「グエン! 放しなさいよ!」
「あ、あの、グエン卿……そいつ……スパイ……」
グエンを除いた四人は、この状況を持て余し気味である。
- 111 :32:2006/09/22(金) 00:12:26 ID:???
- 15話後半。出ましたグエン様の超理論。
「グエン様……放して下さいよぉ……」
「ん? あぁ、済まない済まない」
と、立ち上がったグエンは、さぁ、とロランに手を差し伸べる。が、ロランは自力で立ち上がり、グエンに問い掛ける。
「なんでこんな所にいるんですか、グエン様は!?」
いきなりの剣幕にたじろぐ事もなく、グエンは笑い出す。
「まぁまぁ、落ち着きたまえ、それよりローラ。お茶でもいかがかね?」
「グエン! ちょっと、今どういう状況か分かってんの!?」
「メリーベルも。そうだ、今日は天気がいい。ティータイムは屋上でやろう――そこの君、お茶の用意を」
今までロランをスパイとして追いかけ回していたと知ってか知らずか、グエンの奇矯な振る舞いに呆然としている兵士にティータイムの命令を出すグエン。
グエンのペースに完全に呑み込まれた一同は、なし崩し的にビッグ・トレーの屋上に設置されたお茶会に招待される形となってしまった。
「……って、なんで悠然とお茶飲んでんのよ、この人はっ!」
やっと状況についてこれるようになったソシエは、卓をバン! と叩いて立ち上がった。
「ははは。ソシエ嬢は相変わらずだな」
「だからっ!」
「私はねソシエ・ハイム嬢、もしかしたら、こうやって海を見ながらローラとお茶を飲むためだけに、はるばるガリアからやってきたのかもしれないのだよ」
グエンの心の内を知りえる者は、このアメリア大陸に誰一人として、いない。
「……あ。でも、おいしいですよ、このお茶。ソシエお嬢さん?」
――のはずなのだが。
- 112 :通常の名無しさんの3倍:2006/09/22(金) 00:46:53 ID:???
- 糞ワロタ
GJ
- 113 :通常の名無しさんの3倍:2006/09/22(金) 01:23:07 ID:AlH34+qj
- ワロターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
支援します。
- 114 :通常の名無しさんの3倍:2006/09/22(金) 21:50:08 ID:???
- グエン卿バロスwwwwww
- 115 :通常の名無しさんの3倍:2006/09/23(土) 12:00:30 ID:???
- なんかギャグっぽくなってきたな…
- 116 :通常の名無しさんの3倍:2006/09/23(土) 15:09:16 ID:???
- ビッグトレーの上でお茶会かよ、これでこそグエン卿だわwww
- 117 :通常の名無しさんの3倍:2006/09/28(木) 12:52:36 ID:???
- 期待あげ
- 118 :32:2006/09/29(金) 01:59:56 ID:???
- 16話前半。NTBって何の略?
16.ミリシャの兵舎にて
正午の時報と共にテーマ曲が流れ、線画アニメの地球が一回転し、アメリア大陸の形が現れる。
それはイングレッサ、フロリャ、ルジャーナ、そしてムーンレィスの入植地であるサンベルトの各地域にて放送されている、NTB放送の看板番組『お昼のアメリア・ニュース』のオープニングである。
深々と頭を下げたキャスターは、挨拶の後にニュース原稿を読み上げ始めた。
――先日、アメリア東海岸に現れたガリアの軍隊を率いていたのは、前イングレッサ領主、グエン・サード・ラインフォード氏である事が、ミリシャの発表により判明しました。
ラインフォード氏はその軍事力を背景に、アメリア州連合政府に対し、イングレッサ領の返還、並びに『月の繭』周辺地域の領有を主張している模様です。
これに対し、連合政府の代表代行リリ・ボルジャーノ氏は、「イングレッサ領は元々ラインフォード氏のものであり、軍事行動の即時停止を条件に加えるならば、主張の大筋は認める」と、弱腰とも余裕とも取れる発表をしております。
イングレッサ領は、先のギンガナム艦隊との戦い以後は領主不在の為、フロリャ、ルジャーナ、サンベルト各領の分割統治状態でしたが、これによりラインフォード氏が領主へ返り咲く形となりました。
次に、サンベルト領内における小麦の取れ高は、去年と比べ――
「おい、こりゃどういうこった?」
兵舎の食堂に備え付けられているテレビモニターの前は、配膳のカウンターから一番近い椅子であるため、そこを占領するのは、いつも決まってヤーニ中尉である。
自然と毎日お昼のニュース番組を欠かさず観る事になるヤーニだが、しかし今の政府の発表には首を傾げた。
「あんなに手酷くやられたってのに、このまま尻尾まいて領土をくれてやるってのかよ、しかもあのグエン卿に?」
「ま、まぁ、あんな大戦だったにも関わらず、大怪我人はいても、戦死者が一人も出なかったのは、いいじゃねぇですか……」
「バカ、そんなんだからおめぇは田舎モンだって言われるんだ。まぁロランの奴をわざわざ連れてきた功績は認めるがな」
「そ、そう言えば、ローラさんも、あれ以来見かけませんねぇ」
「ローラじゃねぇ、ロランだろ! ――アイツの事だから、また山奥にでも引っ込んじまったんじゃねぇのかぁ?」
そう言うと、ヤーニは昼食の残りを急いで食べ、食堂を後にした。
――以上、私、フラン・ドール・ヨットがお伝えしました。
キャスターがまた一礼してニュースが終わり、人気番組『アメリアのど自慢』が始まると、食堂に散り散りに座っていたミリシャの全員が、モニターの前に集まってきた。
ヤーニ以外のミリシャ兵の、それが唯一の楽しみだった。
- 119 :32:2006/09/29(金) 02:02:00 ID:???
- 16話後半。ギャグSSにはせんよ。でも「ミリシャ宇宙決戦」ぐらいのならアリかとも思ってる。
だがロランも、ただ悠然とティータイムを堪能していたのではない。
(あのソシエお嬢さんが乗ってきた機械人形、あんなに近くに……)
ロランはビッグ・トレー後部のMSデッキに目を向けた。
それはホワイトドールと似ていたためか、それともソシエの乗機だったためか、引き上げられた首のない白い機械人形は、グエンの<クリーガー>の横に並べて立てられていた。
(コックピットハッチが開いているなら……)
ティーカップに口をつけたまま、横目で首のない機械人形との距離を測る。
ソシエお嬢さんとあそこまで走って、機械人形を奪い、脱出する――それが、ロランの目論んでいる脱出計画である。
「お嬢さん」
グエンの目を盗み、小声で呼びかけた。
「どうしたの、ロラン?」
「あそこにある機械人形」
「ああ、あたしが乗ってきたやつね」
「あれで脱出しましょう」
「……わかったわ」
しかし、そんな二人のやりとりを、メリーベルは見逃さない。
「ちょっとグエン、あの二人、なんか企んでるよ」
「構わないさ。なにしろ、一度取り逃がしているしね」
グエンは月から地球に帰って来る前のことをいった。
「あの時は君たちの協力でこの地球へ帰り、アメリアに産業革命起こそうとし、失敗した……。だから、また同じようにローラがこのままおとなしく私の手に戻ってくるとは考えちゃいないさ」
「なら、このまま逃がしちゃうの?」
「逃がしはしない。ただ、一時的に私の手から離れるだけさ――ローラ!」
急に呼びかけられ驚いたが、ロランは何とか平静を保つ。
「……っ、はい?」
「そろそろ、ノックスへ出発したいんだ。お茶会はお開きにしたいんだが?」
「そうですね。じゃあそろそろ……」
と、立ち上がり、チャンスとばかりにソシエの手首を掴む。
「ソシエお嬢さん、走って!」
ロランとソシエは走り出した。
「グエン! 逃げちゃうよ!」
それは、このまま逃がしてしまうのにまだ納得のいかないメリーベルの、なんとかこの状況を受け入れようとする叫びだった。
だがそんなメリーベルをよそに、カップを持ったままグエンは悠然と立ち上がる。
「さて……現在のアメリア、どんな風か、見せてもらおう」
ガリアで私は心に余裕を手に入れたのだ。あの時のような失敗は、二度と、しない。
グエンは誓うように紅茶を口に含んだ。
- 120 :通常の名無しさんの3倍:2006/09/29(金) 02:05:23 ID:EJY5+ZNm
- 昼時アメリア大陸ktkr!!
- 121 :通常の名無しさんの3倍:2006/09/29(金) 03:03:54 ID:???
- なんかもう・・・・テレビ関係はすっかりヤーパンの
ようですねwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
- 122 :通常の名無しさんの3倍:2006/09/29(金) 04:42:15 ID:???
- 正暦人はホントのんきだな。
- 123 :32:2006/10/03(火) 15:59:32 ID:???
- 17話です。
17.問題は、これはガンダムかという事だ
コックピットハッチが開け放たれたままの機械人形に飛び乗るまでは、実に簡単だった。
そこに至るまでには、一人のガリア兵の姿もなく、まるで用意されていたかのように昇降機が地面側に降りていたのだ(といっても、コックピットが無人ならば誰かが降りた後なので、地面側にあるのは当然なのではあるのだが)。
しかし、この機械人形はグエンの〈クリーガー〉に首を落とされているのだ。カメラやセンサーが集中している頭部がないとなれば、ハッチを開けたまま操縦するしかない。
前方に限定された視界の中で、それでもロランは脚部に集中したスラスターを吹かし、ビッグ・トレーからの脱出を試みた。
白い機械人形は、頭部が無いことなど問題ではないといったふうに、操縦にはなんの支障も無かった。そして、MSデッキから飛翔するかのように飛び上がり、一瞬でビッグ・トレーから離れる。
「この船、ウィルゲムやアルマイヤーみたいな戦艦みたく、MSを格納するスペースが艦の内部ではなくて良かったですよ」
「ただ機械人形を外に立たせているだけで助かったわね」
「でも、いったいこんなものを発掘させて、グエン様は何を考えていらっしゃるんだ……」
その時、ソシエの耳の底に、グエンの「愛ゆえに」といった言葉が甦った。
でも、このことは、ロランには話さない方がいいのかも。そんな気がしたのでソシエは黙っている事にしたのだが、何も言わないのも変なので、
「ロラン。あたしが来た、ノックスの空港へ行きましょう。あそこならミリシャが大勢いるはずだわ」
と、行く先の提案をした。
「そうですね。まずはこの状況を誰かに伝えないと……」
首無しは、ジャンプを続けながらノックスへ向かう。
- 124 :32:2006/10/03(火) 16:02:08 ID:???
- 17話後半。イングレッサ飛行場=ノックス飛行場って事でw
午後のミリシャ駐屯地。
突然のガリア軍の出現により、軍隊らしく騒然としているのかと思えば、このノックス空軍基地の予定地だけは戦争とは違った類の活気に満ちていた。
この地は、新しく発見されたマウンテンサイクルが近いというだけあって、次々とここに新種の機械人形が運ばれて来る。
それを、ミリシャ兵器部とムーンレィスの技術者、果ては各地の山師までが解析やその見学やら単なる野次馬やらで押しかけてくるので、空軍基地の建設などできる状況ではなく、従って空軍の設立も遅れているという本末転倒な事態が起きているのである。
「この前は飛行機、次は金ピカ、そして今度はこのホワイトドールもどきと来たもんだ」
シドとポゥが発見した白い機械人形は、ホワイトドールによく似ているというだけあって、今までで最も多くの人が一目見ようと押しかけてきた。
「金色の機械人形も驚いたが、やっぱりホワイトドールが発掘されるとなぁ」
などと、ある山師は言う。
やはり白い機械人形はアメリア人の心に訴えかけるものがあるのだろうか。いや既に、ムーンレィスの中では「これはガンダムか?」とも囁かれている。
「ホワイトドールとの関連は今のとこ不明じゃ。ただ、これが黒歴史のいう〈ガンダム〉であることは間違いない」
押しかけた人々を前に、シドはそう説明する。
「〈ガンダム〉タイプは黒歴史史上には数多く存在したといいます。この機体がすなわち、∀のように文明を破壊するようなものではないという事を、皆さんには了解していただきたいのです」
ホレスがそれに続けると、人々の間からは「なーんだぁ」とか「なら安心だな」といった安堵の声が漏れる。
「本当の問題は、これがどの〈ガンダム〉か、という事なんじゃがな……」
シドはホレスにだけ聞こえるような小声で呟く。
「さて、ここが一番MSが多く集まっているという場所だと聞いて来たが」
その時、一人の男がこのノックス飛行場へ辿り付く。
「なにやら騒がしいようだな」
と、その男――ハリー・オードは敷地内を見回す。彼のいでたちは、かつてウィルゲムの発掘現場に潜入した時と変わらず、黄色と黒を基調とした私服に黒淵メガネである。
「一機ぐらいは私に使えるものもあるのだろうが……」
と言いつつも、ハリーの目は一機のMSに釘付けだった。
- 125 :通常の名無しさんの3倍:2006/10/03(火) 18:20:05 ID:???
- ハリーは百式(改とかか?)で決まりかw
ローラが乗るガンダムタイプはνだとすごく嬉しい
- 126 :通常の名無しさんの3倍:2006/10/03(火) 20:04:45 ID:???
- 相変わらず面白いな。職人さんの腕が良いと、読んでて楽しいっ!
- 127 :通常の名無しさんの3倍:2006/10/05(木) 01:39:18 ID:tgo4Z/Tf
- 支援します。
いつも楽しみにしてますよ〜。
- 128 :通常の名無しさんの3倍:2006/10/09(月) 20:14:31 ID:Z5Pr1t7z
- ここで保守
- 129 :32:2006/10/12(木) 11:45:29 ID:???
- すんませんお待たせしてしまって。しかも今回あんまり面白くないかも。18話。
あ、でも、後半の展開とかはいろいろ思いついてきた。
18.戦力の決定的な差
グエンの元から脱出するのも、思えばこれが二回目である。
前回は月面にて∀のコアファイターのみ、そして今は首のないMSで。
「でもさロラン、あの時のグエン様、わたしたちをわざと逃がそうとしたんじゃない? 止めようと思えば、簡単に止められたはずよ。それに、あれから一体の機械人形も追ってこないじゃない」
「そうですけど……」
わざと逃がされたのか? だとしたら目的は?
「わざと逃がして戦力の報告をさせて、それで自軍の強大さを相手に印象づけさせようっていう手はあるんだろうけど……」
ロランの呟きは、ソシエへの回答ではなかった。
「あ、あれ。ロラン」
視界を確保するために開け放たれたままのコックピットハッチの外をソシエが指差す。その先には、ミリシャの警備基地らしき施設があった。
『グエン卿、アメリアに帰国 イングレッサ返還さる』
『敵は謎の機械人形 ミリシャの反応は?』
『マウンテンサイクルより白い機械人形 ホワイトドールか?』
ここ数日のノックス・クロニクルの一面見出しは、ざっとこんな記事ばかりであった。
だがそれでも、よほど気の早い人間を除けば、ノックスから疎開しようとする市民はほとんどいなかった。
「それでグエン卿の戦力は、大きなギャロップが三つと、機械人形が三、四十体ぐらいですって?」
リリ・ボルジャーノにしてみれば、あのビッグ・トレーであろうと「大きなギャロップ」でしかないようだ。
「そうですけど、敵のパイロットには、ギンガナム艦隊にいた人もいるようなんです」
「それと、グエン様自らが機械人形を操縦して出てきたわ」
ロランとソシエは、リリやミハエルの前で報告をしていた。
あの東海岸に展開していた阻止部隊は、ヤーニ以外の誰もが怖気づいてしまって「50メートルを越える機械人形がいた」とか「敵はミリシャの十倍はいた」とか「ボルジャーノンの弾はすべてはじかれた」とかいった類の報告しかミハエルのもとには挙がってこなかったのだ。
「しかし、グエン殿までもが機械人形とはな……」
とは言いつつも、あのヤーニでさえボルジャーノンを乗りこなしているのだ、とミハエルは思い出す。
「それぐらいの戦力なら、何もミリシャが連合軍を組んで掛かる相手でもないんじゃありません?」
十倍なんて元から信用できない数だった、と思いながらリリは言う。
「しかしですな。機械人形の性能が違うようですぞ――そうだな? ロラン君」
「はい。〈キツネ目〉は空を飛べますし、〈丸メガネ〉の槍は機械人形を一瞬で行動不能にします」
ロランはミリシャ情報部が戦場で撮ったという、細部の判別も難しいような敵の機械人形の白黒写真を指差しながら説明する。
「それは、アメリアで発掘されてるのとは違うんですか?」
「アメリアには、あのロラン君が乗ってきた飛行機型に変形するもの以外、空を飛ぶ機械人形がおりません」
「例えそうだとしても」
しかしリリは言う。
「機械人形の性能の差が、戦力の――」
だが、図らずも黒歴史上の有名な台詞と同じ事を言いかけた時、執務室を一人の男がノックした。
「リリ・ボルジャーノ代表代行はおられるか?」
「んもぅ、どなたですー?」
話を中断させられてリリが不機嫌になった事を察したミハエルが足早にドアに進み寄り開くと、そこには黒と黄色い線が、いや、私服のハリー・オードが立っていた。
「久しぶりですな、皆様方」
- 130 :通常の名無しさんの3倍:2006/10/13(金) 00:52:22 ID:jJGtS/1/
- >>129
キターーーーーーーーーーー
支援します。
- 131 :通常の名無しさんの3倍:2006/10/15(日) 00:15:22 ID:???
- 今北
グエンワロスwww
- 132 :通常の名無しさんの3倍:2006/10/16(月) 19:51:42 ID:x9s1X/VH
- 母ちゃんが黒人のちんぽ不倫に熱中して生まれた子供がグエンで
妻の不倫で精神を病んだ父に掘られ犯されたのがトラウマでホモになった。
- 133 :通常の名無しさんの3倍:2006/10/18(水) 23:25:10 ID:???
- ギャン…
- 134 :32:2006/10/19(木) 19:28:13 ID:???
- 19わです。今は嵐の前の静けさって感じ?
19.リリの名案
ハリー・オードは相変わらずなセンスの服装で、リリの執務室へ入ってきた。
「私にも、何か手伝わせて欲しいのだが」
「あなた、月へ帰ったんじゃありません?」
リリの疑問ももっともだという風に頷きながら、ハリーは言う。
「月の方でも、このたびの騒ぎは少々問題になっておりましてな。――といっても、当初は軽視していたのもまた事実ですが」
「それで、貴方が出てくるという事は、月の方でも見捨てておけぬ、と?」
ミハエルが試すように問い掛ける。
「まさかあのグエン殿がアメリアに攻めてくるなど、想像もつきませんでしたからな」
そこでリリは何かを思いつき、月の手は借りたくないのですけれど、と言ってから、この問題を一気に解決する方法を口にする。
「そこで、ロラン君なんですけど」
「はい?」
「だから、またあなたがローラになって、グエン卿をたらしこめばいいのよ」
「えぇーっ!? またですかぁ……? いやですよぉ」
だがその場にいたロランを除く全員が、いい手なんだがな、と漏らす。
「……とにかく、だ。私がここへ来た理由は、MSを都合していただきたいという理由なのだが」
「それなら、好きなのを持っていって構いませんわよ」
ミリシャとしても、最近の機械人形発掘ラッシュは少々持て余し気味だった。なら、MSに乗りなれているハリーに乗ってもらうのが望ましい所だろう。
「ハリー殿が味方になってくれるなら、我々としてもありがたい。早速手配しておこう」
ガリア軍によって一敗地にまみれたミリシャ連合軍は、ハリーの参入によって、再起を図ろうとしていた。
再起を図ろうとしているのは、ミリシャだけではない。
イングレッサ領の北には、まだほとんど手つかずのマウンテンサイクルがあり、再び領主となったグエンは、それらのマウンテンサイクルの調査をガリアから連れてきた技術者や新たに雇い入れたムーンレィスたちに行わせていた。
ガリアの傭兵たちにも発掘作業を命じていたので、対外的には条件どおり軍事的におとなしくしているように見え、州連合政府の目も欺けてまさに一石二鳥であった。
「しかし、これほどのものが埋まっていたとはな……」
ガリア以来のグエンの弱点は、MSの運用であった。ビッグ・トレーは海を渡ることができたが、所詮は地を這う乗り物である。そして何より、ビッグ・トレーの上にただ乗せているだけでは数に限りもある。
だが、このイングレッサ北部には、どこの軍のものか、何隻もの戦艦らしきものが埋まっていたのだ。
らしきもの、というのは、その前後にあろうことか二輪車のようにタイヤが付いていたのである。
「黒歴史には、これに跨る超巨大な機械人形があったとでもいうのか!?」
これにはグエンも驚かざるを得なかった。
- 135 :通常の名無しさんの3倍:2006/10/19(木) 22:19:00 ID:???
- バイク戦艦キタコレ
またがるってイデオンでも出そうと言う話ですかww
- 136 :通常の名無しさんの3倍:2006/10/19(木) 23:57:15 ID:PYlGtznJ
- キターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
ローラ再登場期待age
- 137 :通常の名無しさんの3倍:2006/10/20(金) 02:46:46 ID:???
- バイクで踏み潰してやれ!
- 138 :通常の名無しさんの3倍:2006/10/20(金) 15:12:46 ID:bH8Q1HSC
- ∀の総合スレってないの?
∀、ターン、ヒゲで検索しても見当たらないんだが
- 139 :通常の名無しさんの3倍:2006/10/20(金) 19:17:39 ID:???
- ”∀”で検索したなら出てくるはずだが?
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1158235549/l50
- 140 :通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:28:37 ID:???
- >>34-35 >>37 >>39-40 >>43 >>45-46 >>51 >>53-54
- 141 :通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:29:40 ID:???
- >>57-59 >>69-70 >>76-77 >>79 >>86 >>89-90 >>99-100
- 142 :通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:30:38 ID:???
- >>105-106 >>110-111 >>118-119 >>123-124 >>129 >>134
- 143 :通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:32:30 ID:???
- 以上ここまでのまとめ。連番はつなげない方が良かったかな?
あらためて32氏乙。
- 144 :32:2006/10/23(月) 08:48:33 ID:???
- うわぉ。なんかありがとうございます。まとめてくれた143氏こそ乙です。
前後に分けてんのは、単に何行までOKなのかわからないだけなんで。
続きはもちっと待っててください・・・。
- 145 :通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 20:26:39 ID:???
- 埋まってたガンダムとは何か?
周囲の時代から予想すれば ZZ?
もうちょい進んでリ・ガズィ νガン?
大気圏内はつらいがクロスボーン?
月は出ているかとばかりにガンダムX?
大穴狙いでコルレル?
ありえなさそうでありえるのがシャイニング・ゴッド・マスターガンダム?
- 146 :通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 20:27:35 ID:???
- すみません
上げてしまった
- 147 :通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 23:20:50 ID:vt2KZ8ay
- >>144
いつも楽しみにしてるお。
無理せずのんびりがんがって下さい。
- 148 :32:2006/10/28(土) 02:03:07 ID:???
- とうとう20話目。
本編ラストでディアナとキエルが入れ替わってるのはあまり知らされてないって解釈で。
20.置き手紙
黄金の光が、夜明けを向かえた荒野を包んでいた。
その澄み切った光の中を飛び進む、黄金の機械人形。
そして、その右手には陽の光や機械人形と同じ色の髪をたたえる女性がいた。
ディアナ・ソレル。
彼女は今、グエンの真意を確かめるためにこうしてハリーと共にここへきたのだ。
「マウンテンサイクルをこうして発掘しているという事は、やはり野心があってのことでしょうか」
開かれたコクピットハッチから、ハリーは問い掛ける。
「それも、グエン殿に実際に会ってみなければわかりませんね」
愛機であるスモーこそ月に置いてきたままだったが、サンベルト領のミリシャからスモー用のブースターを付けたこの黄金の機械人形〈ヒャクシキ〉は、遠目から見れば金のドレスと銀のスカートを纏った貴婦人にも見えた。
ディアナがこうしてグエンと直接交渉するというのは、リリはおろかロランにも伝えてはおらず、完全にこの二人の独断であった。
「やはり、万が一のことを考えて、ロランにだけでも伝えておくべきだったでしょうか」
「いえ、ロラン君に話せば、必ずついてくると言い出すでしょうし、ディアナ様が動くという事を秘しておかねば、月の政府にも影響が出ましょう」
月のディアナが実はキエル・ハイムだという事を知るのは、ロランやハリーなどごくわずかの者だけである。だが、このグエンとの接触によって、月の女王がキエルだという秘密が地球と月に知られてしまうのではないか、という懸念をハリーは抱いた。
「それも交渉次第ではあるが……」
大人しく引き下がる相手ではないという事は十分に承知している。
いざとなればグエンの暗殺もありうると覚悟し、ハリーは操縦桿を強く握り締めた。
「だだいま帰りました。ディアナ様」
しかし、一人山小屋へ帰ったロランは、そんなディアナの行動をなに一つ知らされていない。
「……? ディアナ様?」
呼びかけてみるが、室内のどこにもディアナの気配は無かった。
また湖の方にでも行っているのだろうかと思ったが、その湖の近くはここへ帰ってくる前に通ったはずだ。
なら、どこへ……? と不信に思う前に、ロランを心配させまいとしたのか、テーブルの上のよく目立つ場所に置手紙があった。
ロランはそれに飛びついて読み始めた。
私は、このたびの騒ぎを収めるため、しばらく不在にします。
といっても、心配には及びません。
実はハリー大尉が地球へ降りてきてくれて、私の力が必要だというらしいのです。
といっても、あなたのことですから、本当に危険になったらきっと助けに来てくれるとも信じています。
よしなに。
「……そんな……」
ディアナ様の筆跡はこんなにやさしい字だったのか、と感動したのも一瞬で、ロランの心には、何が、というわけではないのだが、どこか不吉な予感が拡がっていくのを感じた。
ひとたび不安を感じてしまえば、いつもいるべき人がいないこの山小屋はいつもより広く感じられるものだった。
- 149 :32:2006/10/28(土) 02:16:43 ID:???
- >>145
物語上で動き出す前にその疑問出されちゃったなw
一応、
1)ガンダムタイプである。
2)シールドを持っている。
3)バックパックにビームサーベルを挿している。
補足)しかしバックパックも実体シールドもないガンダムでも可である。
なぜなら多少はナノマシンが作り変えていたり、別のシールドとは知らずに持たされている可能性もあるだろうから。
4)トリコロールカラーである。
4補足)多少の色は考えない。これもナノマシンの影響。
5)全長は20メートル前後。しかしこれも(略)
以上の条件を満たす〈ガンダム〉って事で、あえてどれとは特定しません。皆様のご想像にお任せするつもりです。
- 150 :32:2006/10/28(土) 02:22:28 ID:???
- あ、脱字訂正。
誤・サンベルト領のミリシャからスモー用のブースター
正・サンベルト領のミリシャから提供されたスモー用のブースター
ちなみになんで〈ヒャクシキ〉と呼ぶかというと、カプルみたいにコクピットに
「100−SHIKI」とか書いてあったんでしょうw
- 151 :通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 02:27:29 ID:???
- GJ
ところで百年後でも通用するっていうデザイナーの信念が通ったね。
百万年後みたいな気もするけど。
- 152 :通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 10:51:58 ID:???
- 百式について
「足の装甲が無いようだが」
「あんなのは飾りです」
みたいなやりとりを期待してたのは俺だけで良い
- 153 :通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 15:39:38 ID:???
- GJ!
よしなに。
- 154 :通常の名無しさんの3倍:2006/10/29(日) 00:42:10 ID:eBiErw8F
- よしなにうむ投入!!
- 155 :通常の名無しさんの3倍:2006/10/30(月) 00:34:49 ID:???
- >>149
あえてRX-78と予想
- 156 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 10:25:43 ID:???
- じゃあ飛行機に変型したのは実はRX-78Eと予想
- 157 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 00:40:17 ID:???
- 俺はV→V2と乗り換えて光りの翼発動して
「げ、月光蝶?!」
という妄想をしてニヤニヤしながら続きを待ってる
- 158 :32:2006/11/02(木) 11:02:34 ID:???
- 21話。しかしみんな想像力すごいなぁ。ある意味俺越えてるねw
21.ゼータ・ボルジャーノン!
やっぱりソシエお嬢さんに話さない方がよかったかな、と思いつつも、肝心のディアナ様がいなくなってはどうしようもないので、やっぱりソシエお嬢さんに相談することにした、けど……。
「ハリー大尉が勝手に出てったですってぇ?」
ソシエは思った通りの反応を返してきた。
「ディアナ様のお力で、この事態を収めてくれるらしいんですけど」
不安なのはどうしようもない。
ノックス飛行場は、空軍設立以前に引き払ってしまったので、今はイングレッサとルジャーナの州境に「前線基地」が出来たのだが、敷地が狭くなった分余計に混雑し、ただでさえ狭い敷地をミリシャと発掘者と技術者とが「領土」を主張し合い、お互いに譲らない状況である。
おかげで夜になるとカプルと兵士と発掘機材が仲良く滑走路脇に枕を並べる、という有様であった。
「そんなのわからないじゃない。今のグエン様とディアナ様、話が合うなんて思えないわ」
それにハリー大尉もいるんだから、と付け加えない勢いでソシエは言うのである。
「だから、今からでも僕たちで後を追ってみましょうって言うんです。あの飛行機型なら、機械人形を一体ぐらいは乗せられそうだし」
ミリシャのトップエース二人が組む最小ユニットは、それは確かに一部隊並みの働きに相当するであろう。
「でもあれ、今ちょっと……」
あの飛行機型の機械人形は、ソシエはけっこうお気に入りだったはずだが……。
「どうしたんですか? 一体?」
「ちょっと、一度見てみてよ……」
と、ソシエはロランを格納庫へ連れ立った。
発掘されたてのものや、ミリシャ所属のものと様々な機械人形が並ぶ中で、ひときわ目立つホワイトドールカラーのそれは、ほぼ壁側の中央に立って整備を受けていた。
が、その頭には、なんとボルジャーノンの頭部が取り付けられているではないか!
「何なんですか! これ!?」
「いや、だって、『頭が無いから早いとこなんか付けといてよ』って整備の人に頼んだら、『一晩でやってやるぜ』って頼もしいこと言うもんだからさ……っていうか、まさかこんなもん付けられるとはわたしも思ってないわよ!」
見慣れたボルジャーノンの頭部に、ホワイトドールのような白いボディ。
頭部が違うだけで、これがあのスマートな飛行機に変形するとはとても思えないような不恰好なものに見えてくるから不思議である。
「おう、昨日の嬢ちゃんか。あのさ、機体の名前、登録しておいてくれよなっ」
さらにそこへ、その頼もしい整備兵が通りかかり、ソシエはこの命名の儀式を強制された。
「んもぅ……」
と、確か機体のどこかに〈MSZ−006 ZETA〉とか書いてあったな、と思い出し、ソシエはこの新しく産まれた子供に名前をつけた。
「ゼータ・ボルジャーノン!」
- 159 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 12:09:47 ID:HC5vneZI
- >>158
続きktkr
支援します!!
- 160 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 12:30:00 ID:???
- ザク頭ktkr
- 161 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 12:45:29 ID:???
- 今日始めて見た
以後粘着させてもらいます
- 162 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 12:42:34 ID:???
- ボルジャーノン!
- 163 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 23:54:03 ID:???
- ageとく
- 164 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/06(月) 14:23:16 ID:???
- ザク頭のガンダムw
正暦人って愛おしいなあ。次も楽しみにしてます
- 165 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/07(火) 15:38:29 ID:???
- ザク頭でも変形できるんだっけ?
- 166 :32:2006/11/07(火) 21:55:19 ID:???
- >>165
実はそれ俺も知りたいw
変形はどうしようかな……。
- 167 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/07(火) 22:43:37 ID:???
- >>166
ちょっと調べて見たんだがどうやら変形に関しての設定は存在しないみたいな。
∀世界でのMSは皆レプリカで色々本物と違うみたいだしお前さんの好きなようにアレンジしてくれぃ
個人的には変形したZにザクの頭が乗っかってるアプサラスみたいのが見たいなwww
応援してる。頑張ってくれ
- 168 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 02:11:31 ID:???
- ウェイブライダーのシールド部がはずれて隙間からザク頭が見えるという訳か
- 169 :32:2006/11/08(水) 09:42:15 ID:???
- >>166
わざわざ調べてくれたんだ、ありがと。確かZZでも変形はしなかったと思ってたんだよなー。
というわけで二十二話前半。
22.若き王と不死鳥の領主
不穏な空気というものは、遥か離れた場所にも伝播するらしい。
ここアデスカの地にも、それは感じられたという事は、もしかしたらかつて文明を滅ぼした月光蝶に似た何かが地球を覆っているのかもしれない。
「王よ……」
アデスカの民は、新たなる王を不安げな目で見上げる事しかできないでいる。
「タルカ王よ、まさか、また黒歴史の再来となるのでは……?」
恐れおののく民の中、テペトルは勇気を振り絞り若き王に問い掛けるが、王の答えは沈黙。
「また、巨人が天の枝を取りに来るのではないのか」
「白い悪魔がこのアデスカを荒らしにくるのではないか」
一人が口を開けば、その不安は広がり、民は口々に王に救いを求めるかのように問う。
「――静まるがよい」
若き王は長い沈黙を破った。
「白い悪魔は以前にも現れた。しかし、それは悪魔ではなかったのは皆も知っているはずだ」
今度は民の側が黙りこんだ。
「神話というものは、必ずしもすべてが真実とは限らぬ。聞くところによると、遥か北の大陸では白い悪魔は白き流星として崇められているという」
王の言葉に、アデスカの民は互いに顔を見合わせる。
「それに、先の王と刃を交えたあの少年ならば、白い悪魔も白い巨神となるであろう」
王は諭すように、そして、自らに言い聞かせるかのように語りながら目を閉じた。
「……それが答えか、タルカ王よ」
テペトルのその言葉でこの場を打ち切るというかの如く、若き王は奥へ退いた。
- 170 :32:2006/11/08(水) 09:47:35 ID:???
- 22話後半。たぶんアメリアのテレビ放送は全部生放送なレベルだと思う。
グエンの毎日はノックスと『月の繭』とバイク戦艦が埋まっているマウンテンサイクルの三箇所を行き来で忙殺されている。
その移動には例のビッグ・トレーを使うので、ノックスにいなくても領地を治める事務的な事は移動中にほとんどを済ませることができる。
が、マウンテンサイクルから新型の機械人形や戦艦が発掘されそうだと報告されれば視察に向かい、ムーンレィスの技術者が『月の繭』近くのナノマシンの解析が終了したと聞けば自らの目で確かめに行く。
そんな多忙なグエンをNTB放送が取材したい、と申し出てきたのだ。
「私どもといたしましては、そんなグエン殿の日常を取材したいのです。タイトルだって決まってるんですよ、名づけて『不死鳥の領主』」
NTBの看板アナウンサー(といっても、放送局に一人しかいないだけだが)にして名プロデューサー(これは自称。しかしこれも三人しかいない)のフラン・ドールが立てた企画である。
「ははは。フランさんの頼みでは、断れないな……しかし『不死鳥』とは」
まるで映画の主役のような扱いではないかと苦笑せざるを得ない。
「このビッグ・トレーにもテレビ受信機はあるがね。そういうメディアの充実も、ムーンレィス並みにしないといけない、と私は考えている」
「では、受けて頂けるんですね?」
フランが、その大きな黒目をキラキラさせる。
「私でよければ」
「やったっ! ――よーし、カメラ、手配して!」
「……いや、放送は『月の繭』をバックに行う、っていうのはどうかな?」
「『月の繭』、ですか?」
それは悪くない提案だけど、といった表情でフランは聞き返す。
「私は不死鳥などではなく、ただの蛹だよ」
そういうグエンの表情は、自らを貶めて自嘲する者のそれではなかった。
- 171 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 11:43:16 ID:???
- 乙とGJ!ってどっちがいい?
- 172 :32:2006/11/08(水) 20:16:14 ID:???
- >>171
「(・∀・)カエレ!!」とかでなきゃなんでもいいですよw
- 173 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 21:37:14 ID:???
- >>172
「悪いが、女には興味がないんだ。主人としてしつ
けられるというなら、今からでもいい。ローラをく
れないか?そうしたら考え直してもいい」
- 174 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 23:01:23 ID:yacwX0/z
- >>172
乙ガンダム!!
- 175 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/09(木) 14:32:08 ID:???
- Zであります!
- 176 :171:2006/11/09(木) 17:06:09 ID:???
- >>172
(・∀・)カエデ!!
- 177 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/09(木) 23:56:05 ID:???
- >>176
誰?
- 178 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/10(金) 17:34:32 ID:???
- このスレを見終わった俺は無意識にCtrl+Dを押していた
これがニュータイプの感覚という奴か!
- 179 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/11(土) 13:29:37 ID:???
- >>177
171 名前:通常の名無しさんの3倍 メェル:sage 投稿日:2006/11/08(水) 11:43:16 ID:???
乙とGJ!ってどっちがいい?
172 名前:32 メェル:sage 投稿日:2006/11/08(水) 20:16:14 ID:???
>>171
「(・∀・)カエレ!!」とかでなきゃなんでもいいですよw
176 名前:171 メェル:sage 投稿日:2006/11/09(木) 17:06:09 ID:???
>>172
(・∀・)カエデ!!
- 180 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/12(日) 12:16:11 ID:???
- (・∀・)メシェー
- 181 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/12(日) 13:05:23 ID:???
- (・∀・)ソシェー
- 182 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/12(日) 14:43:04 ID:p9Z/YDe/
- 今北
これいいな。思わず読みいっちまったよ。
頑張ってくれ。
- 183 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/12(日) 18:56:04 ID:???
- 面白いですね。
これからも期待しています。
- 184 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/15(水) 01:42:16 ID:???
- 支援あげ
- 185 :32:2006/11/15(水) 10:27:35 ID:???
- よ、読んでくれてる人が増えているというの!? 23話。
23.それぞれの、出撃
イングレッサの軍隊は「ミリシャ」を名乗らず、単に「モビルスーツ部隊」と呼ばれている。
その構成人員は、グエンがガリアで集めてきた機械人形乗りやそれを生業とする傭兵たちである。
しかしガリアでも機械人形の発掘はアメリアとほぼ同時期だから、ガリア人でMSに乗れる者のほとんどをグエンは集めてきたといえる。
そして、そのMS部隊は、グエンの移動などに関係なく、常に基地化したノックス飛行場に駐留していた。
「哨戒に出る! 〈丸メガネ〉隊、ついて来い!」
アメリア上陸戦以来、戦いがない事に苛立っているメリーベルは、ほぼ毎日のように哨戒任務と称してMSで出撃している。
だがそのおかげで、州境の例のあの混雑したミリシャ駐屯地を発見し、今日は「哨戒」とは言っているが、そこに先制攻撃を仕掛けるつもりである。
「人に軍事行動の停止を命令しておいて、あんなものを作っているんだから……」
地球人はやはり信用できないんだ、とばかりに、メリーベルは苛立ちながら〈とんがり帽子〉に乗り込んだ。
格納庫から滑走路に出た〈とんがり帽子〉以下、〈丸メガネ〉が長距離ジャンプをすべく飛び立っていく。
長いビームキャノンを持つ〈とんがり帽子〉は、槍を携えているようにも見え、同じく槍状の武器を持つ〈丸メガネ〉と共に、その姿は戦乱を呼び込む尖兵のようであった。
この攻撃作戦は、無論グエンの知るところではなく、メリーベルの独断である。
しかしソシエは、Zボルジャーノンをそれなりに気に入っているようでもある。
なにしろ、カプルほどではないが乗りなれたボルジャーノンの頭部があるとなぜか安心するし、ボルジャーノンといえば、あのギャバン・グーニーがロストマウンテンで乗っていた機体でもあるのだ。
「ギャバン……」
ギンガナムとの戦い以来、機械人形から遠ざかっていたからこそ、今ではカプルよりもボルジャーノンの記憶の方が増幅しているようなのである。
――だが首から下は例のホワイトドールのような機械人形なのだが。
「ソシエお嬢さん、そろそろ出発しましょうよ」
ロランとソシエは、とりあえず脱出の際に置いてきた白カプルを返還してもらうためにビッグ・トレーに出向く、という事になっている。
停戦状態にある今だからこそできるのだが、ヤーニなどはそのままイングレッサを偵察でもしてこい、とまで注文をつけた。
そこで話は進み、ロランにはあの発掘された〈ガンダム〉に乗ってもらおう、という事になった。
他に稼動状態にある機械人形はこれしかない、と整備兵に言われてしまえばそれに従うのしかないのだが、もしかしたら発掘された当初から、ミリシャはローラにこそこの〈ガンダム〉を、との思いもあったに違いない。
「うん……じゃ、行こうか」
以前と同じようにソシエは飛行服に身を包み、Zボルジャーノンに乗り込んだ。
「――ところで、それ、武器は発掘されなかったの?」
「武器らしいのは一緒に発掘されなかったそうです。シールドだけで。でも、別に戦闘に行くわけじゃないから、いいですよね?」
それにいざとなれば、肩にビームサーベルもあるんですから、とロランは言い、〈ガンダム〉は整備台から身を起こす。
ロランの〈ガンダム〉と肩を並べ、格納庫から外で出ていくその二機はミリシャ兵を嫌が応にも興奮させた。
「うおおぉーっ、見ろよ、ホワイトドールが二台も!」
「やっぱりローラはミリシャのエースだぜ!」
それは奇しくも、メリーベルがこの基地へ向かって出撃したのと同時刻であった。
- 186 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/15(水) 12:21:30 ID:???
- 今一度聞くぜ!
乙とGJ!どっちがいいのか!?Σm9っ`・ω・´)
- 187 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/15(水) 14:29:52 ID:???
- 両方言えばいいと思うよ
乙&GJ!
- 188 :32:2006/11/15(水) 20:31:34 ID:???
- >>186
乙はスレ立てとか、大きなことに対してな印象あるから、どっちかといえばGJかなぁ。
まぁ罵倒や荒氏じゃなきゃ、何でも嬉しいです(`・ω・´)
ちなみに次回は戦闘シーンの風が吹く。かも。
- 189 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/16(木) 01:36:18 ID:???
- ところでGJってどういう意味?
- 190 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/16(木) 01:52:01 ID:5N7+7rP8
- >>189
ブロッケンGとプロトセイバーJBの略だろ?
- 191 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/16(木) 02:44:08 ID:???
- >>189
Good-Jobの略だ。ってマジレス返す俺って無粋?
- 192 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/16(木) 20:17:55 ID:???
- >>191
そうだね
- 193 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/17(金) 15:33:32 ID:???
- >>191
エロゲーブランドだろ?
- 194 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/17(金) 19:48:46 ID:???
- グエンジョナサンに決まってるだろ
青羽剛なんだから…
- 195 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/20(月) 01:39:40 ID:RJCt4jPq
- シャア版なら、GELGOOG JAGER
- 196 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/20(月) 01:42:07 ID:???
- …って、旧シャア板と書かないと駄目か。
- 197 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/22(水) 20:37:13 ID:Eun3FVlx
- 保守しちゃお
- 198 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/23(木) 01:02:00 ID:Mx//jJ10
- 保守ジャーノン
- 199 :32:2006/11/23(木) 14:21:39 ID:???
- ごめんやっぱり戦闘シーンはむずかしい。24話。
ちなみに俺はGJて「がっぷりヤーパン」だと思ってたが、どうやら違うらしいな。
24.ロランの決意
あの東海岸で空を切り裂いたのと同じビームの閃光が、州境の荒野にきらめいた。
「ビームの砲撃!? どこから撃ってきたんだ?」
ロランは初め艦砲射撃かとも思ったが、レーダーには戦艦クラスの反応は無かった。とすれば、MSが高速移動で現れたのだろうか。
「ソシエお嬢さん、高度を下げてください!」
後方のZボルジャーノンのソシエに叫びながら、ロランは〈ガンダム〉をシールドで頭部を庇うようにした。
「敵なの? こんなに早く見つかるなんて……」
ソシエは困惑しながらもロランに従う。
そこへ、敵方と思われるオールレンジ通信が飛び込んできた。
「そこのMS! ミリシャの基地から出てきたのはわかっているんだ! 止まれ!」
命中させようと思えば出来たはずなのだが、メリーベルはそれをせず、第一射は威嚇にとどめた。
いきなりMSそのものに狙いを定めなかったのは、絶対にミリシャと交戦はするな、とグエンに厳命されていたためだが、相手の出方次第ではそんな事も言ってられない。
「……メリーベルさん?」
「あの子なの!?」
その声に驚いたロランとソシエは、交戦の意思がない事を示すべく、とりあえずMSの動きを停止させた。もちろん、何があってもすぐに対応できる状態は維持しているが。
「∀のようなMSまで引っ張り出してきて、それが〈ガンダム〉だっていうのかい」
言いながら、メリーベルの〈とんがり帽子〉が近づいてくる。
「僕達は、グエン卿に会いに行ったキエル・ハイムを追っているだけです!」
「キエル……? グエンに会いに行ったって? それにその声は、ロラン・セアック!」
後に続く〈丸メガネ〉をMSの手で制して、メリーベルは〈とんがり帽子〉のコックピットハッチを開いた。
「なんでグエンに会う必要があるんだい?」
それに応じてロランもハッチを開いて、姿を見せた。
「この状態をどうにかしようとしているんですよ、僕のご主人は!」
必死で訴えかけるロランから、主人に何も告げられずに置いていかれた使用人の滑稽さを感じたメリーベルは警戒を解きかけていた。
「ふぅん……」
だがこいつらが囮で、やはりあの基地で何かの作戦が進行しているとすれば、どうか?
「どうにかするって、どうなんだよ!?」
やっぱり信用できない!
メリーベルはコックピットに引っ込み、〈とんがり帽子〉にその長いビームキャノンを構えさせる。
「やはりここは通さない!――〈丸メガネ〉隊、包囲しろっ!」
その言葉を待っていたかのように〈丸メガネ〉たちは槍を傾け、〈ガンダム〉とZボルジャーノンを取り囲んでいった。
「やっぱり……!」
ソシエのZボルジャーノンも、ビームサーベルを光らせた。
「駄目ですよソシエお嬢さん!」
ここで戦ってしまえば、ギリギリで保たれている平和が崩れてしまう。
静かな地球での暮らしもできなくなる。
ディアナ様の夢が……。
「だけど……」
この機械人形で文字通り押さえつけるしかない。かつて∀でそうしたように。ロランもコックピットに戻る。
やはり武器らしい武器を持ってこなくて正解だった。
ロランは〈ガンダム〉のグリップを握り締めた。
- 200 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/23(木) 14:53:59 ID:???
- スモーとか∀はアームレイカーじゃないか
- 201 :32:2006/11/23(木) 15:10:06 ID:???
- >>200
前の話とか読んでもらえれば分かると思うけど、ロランが乗ってるのは∀じゃなくて発掘した「ガンダム」です。
何ガンダムかは謎。
- 202 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/23(木) 20:04:23 ID:???
- 32氏GJ(がっかりヤーパン)!!
毎日10回はスレチェックしてるお。まじがんがれ。
誰かマトメサイトとmixiでコミュニティでも作れwwww
- 203 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/24(金) 00:46:58 ID:cvgu5iRs
- >>199
乙です。
支援します!!
>>202
もうちょっとしてからでも良いと思う。
まとめサイトを作る事で、>>32さんが「早く続きを書かなくては…」みたいな気持ちになってしまってもいけないし。
- 204 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/25(土) 19:04:00 ID:xJoNzn5u
- いいねえ
32さん乙
- 205 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/26(日) 17:39:17 ID:???
- >>32
GJ!
ゴッドガンダムか!?
- 206 :通常の名無しさんの3倍:2006/11/29(水) 17:29:41 ID:???
- 保守なに
- 207 :32:2006/12/01(金) 12:14:34 ID:???
- 25話前半。ホントはネタ書いて保守だけするつもりだったんだけど、結局書いちゃったw
25.鈴の音
相手がビームキャノンを持つ長距離戦に特化した機体なら、懐に飛び込むことさえできれば、ビームサーベルしか持たない〈ガンダム〉は逆に有利かもしれない。
それのみを勝機と考え、ロランは〈ガンダム〉のビームサーベルを背中から引き抜いた。
「機動性でも劣るかもしれないけれど……やるしかない!」
∀のものより古いタイプらしい、太いビームの刃が光った。
「ハン、やっぱりやろうってのかい? ロラン・セアック?」
メリーベルの〈とんがり帽子〉が、あざ笑うようにその細い眼を目一杯開かせ、また細い眼にもどった。
「やります! でも、戦いはしません!」
そう、自分と心の中のディアナに宣言し、ロランは気合いと共に〈ガンダム〉のスラスターを吹かせて前方にダッシュした。
「はぁぁぁぁっっ!!」
人でいえば走りのポーズで固定させたまま、背中のバックパックのスラスターからは全推力を吐き出さんばかりの出力で〈ガンダム〉は、翔ぶ。
「何っ!?」
メリーベルには驚く隙も与えず、ロランは〈ガンダム〉のビームサーベルを持った手首を高速回転させた。いつか∀でもそう使用したように。
そして、高速回転するビームサーベルを持つ手首は、それ自体が円い鋭利な刃と化して〈とんがり帽子〉の長大なビームキャノンを下方向から切り裂いた。
下からの切断による衝撃で、半ばで真っ二つに切れたキャノンは上に跳ね上がるが、地面への落着の暇など与えずにさらにそれを真っ二つに斬る。
その空中で二つになったビームキャノンの先端部を、さらに高速のビーム裁きで二つずつに。
合計四つの棒が、〈ガンダム〉と〈とんがり帽子〉の足元に転がった。
「……きっ、貴様っ……!」
一瞬、何が起こったのかわからない程の「曲芸」を見せ付けられ、悪態を吐(つ)く言葉も見つからないメリーベルは、使い物にならなくなったビームキャノンの残骸を投げ捨てて間合いを取る以外に取るべき行動が思いつかない。
「あ、あたしを怒らせたな!」
ようやく結実した言葉も、いかにも小悪党が言いそうなものでしかなかったが、そんな事にすら気づかないまま、〈とんがり帽子〉もビームサーベルを引き抜いたその瞬間。
かすかだが、鈴の音がどこからか聞こえてきた。
リリ……ン、リリ……
- 208 :32:2006/12/01(金) 12:17:27 ID:???
- 後半。まとめサイトは作るかどうかは別として、もしやるんなら誤字脱字は直させてくれぇw
(鈴?)
弱々しいが、それはロランにも聞こえた。
たしかにメリーベルは鈴をアクセサリーでいつも身につけてはいるが、それとは違う、もっと高い音色であった。
「なんだ!? この鈴……あたしのじゃない?」
リーン……やめ……て、リー……もういい、だ、ろう……
「声? 女の人?」
ターンXが起動し、∀がそれに呼び合っているような共鳴がまた起きたのだとロランは思い至ったが、今度はそれに人の声が混じっているように聞こえるのが不可思議だった。
「ロラン・セアック! おまえが惑わせているのかっ!?」
「ち、違います、この鈴の音は、そちらから聞こえるんですよ」
さっきまでにらみ合っていた二体のMSが、今は戸惑い立ちすくんでいる。
リリ……もう、憎しみ合うのは、やめて……リリン
「やっぱり、女の人の声だ」
ディアナともソシエとも違う。キエルでもない。死んだテテスの声まで思い出そうとしたが、やっぱり違う質の声。
聞いた事がない他人の声だが、なぜか聞いたことがあるような気もしてくる。
「くっ、動かないっ」
メリーベルの〈とんがり帽子〉は、光の刃を出さない柄だけのビームサーベルを引き抜いた格好のまま、機能不全に陥っていた。
「どうしたんだ!?……くそっ」
シート横の非常用レバーを引き、メリーベルは〈とんがり帽子〉から脱出し、降伏する気などもちろん無いので、ワイヤーで地面に降り立ち、近寄って来た〈丸メガネ〉の手のひらに飛び乗る。
「撤退だ! 撤退する!」
出撃する前は基地を潰滅させる気でいたのが、たった一機のMSと遭遇しただけで撤退など屈辱の極みだが、〈とんがり帽子〉が使い物にならなくなってしまったのでは仕方がない。
数機でZボルジャーノンを包囲していた〈丸メガネ〉が、潮が引くように退いていった。
「ロラン……?」
〈とんがり帽子〉と共に、ロランの〈ガンダム〉も棒立ちのまま動かないのを不信がっていたソシエだが、〈ガンダム〉がZボルジャーノンの方を向いたので少し安心した。
「大丈夫です、お嬢さん」
無事を示すように、ロランは〈ガンダム〉のコックピットハッチを開いて、その身体を見せた。
「一体、なんだったんでしょうね、あれ」
「なにか鈴の音と……それから声が聞こえたわ」
黒歴史時代の兵器か何かでしょうか、と言いかけて、もし兵器ならば、誰が使用したというのだろうかという当然の疑問が湧いて出た。
メリーベルは自体の異変のおかげで撤退したのだから。
それに、この辺りには、ガリアのMSと遭遇する前と同じく、何の反応もない。
だとすれば、やっぱりあのMSが……?
ロランは荒野に乗り捨てられた〈とんがり帽子〉の不気味なシルエットを見つめていた。
- 209 :通常の名無しさんの3倍:2006/12/01(金) 14:59:15 ID:???
- 楽しみに待ってた。
というかこのスレはもっと評価されていいはず。
悔やむべくは∀の試聴人口が少ないことか…
とにかく乙ッ!
保守して続き待ってるお
- 210 :通常の名無しさんの3倍:2006/12/02(土) 03:25:57 ID:4cnK3brs
- >>207
乙です。
支援します!!
- 211 :通常の名無しさんの3倍:2006/12/02(土) 05:15:08 ID:OsZWPDyl
- 最初から見てきた
職人さんGJってなわけで支援保守
- 212 :通常の名無しさんの3倍:2006/12/04(月) 00:31:10 ID:???
- 20話・・・>>148
21話・・・>>158
22話・・・>>169 >>170
23話・・・>>185
24話・・・>>199
25話・・・>>207 >>208
19話までは140あたり参照
- 213 :通常の名無しさんの3倍:2006/12/04(月) 01:15:54 ID:???
- 「よしなに」って英語だとなんだろ…
- 214 :通常の名無しさんの3倍:2006/12/04(月) 14:03:43 ID:???
- ★『よしな‐に』
[副]うまいぐあいになるように。よいように。
「―お伝えください」
「よしなに、よろしく」。
- 215 :通常の名無しさんの3倍:2006/12/04(月) 20:53:14 ID:???
- >>213
be goodかなぁ
- 216 :通常の名無しさんの3倍:2006/12/05(火) 00:11:28 ID:???
- 英語ださっw
- 217 :通常の名無しさんの3倍:2006/12/05(火) 14:21:44 ID:???
- 保守
- 218 :通常の名無しさんの3倍:2006/12/10(日) 13:29:58 ID:sQ/zAOVC
- hosyu
- 219 :通常の名無しさんの3倍:2006/12/10(日) 13:33:08 ID:5zgfbCQO
- 保志ゅ
- 220 :32:2006/12/10(日) 16:57:45 ID:???
- 俺が見たことのある字幕では「get up yes」だった>よしなに
ディアナ初登場のシーンで、グエン達が頭を下げてたから「面を上げなさい」って程度の意味なのかなぁ?
というわけでおまたせしました26話前半。
26.グエンとの会見
イングレッサ領の飛び地となった『月の繭』近辺は、グエンの帰還以前からわずかずつだが人が住みつき始めていた。
∀とターンXが戦った頃は荒野だったのが、今ではナノマシンの影響によるものか、緑が地面を覆っていた。
中には作物を育て始めた者もいるらしく、数台の風車小屋まで建っている。
そののどかな風景の中に不釣合いな車輪のついた戦艦が一隻停泊していた。
それはグエンのガリア軍の新たな旗艦となった、新たに発掘された例の車輪付き戦艦・アドラステアであった。
「黄金の機械人形がこちらに向かっているだと?」
不審なMSがこちらに向かっているとの報告を受けたグエンは、しかし「黄金の機械人形」という言葉を聞き、すぐに思い至った。
「ハリー大尉? 地球に降りていたのか」
やがて黄金の機体は、ブリッジからでも目視できる距離にまで近づいて来ていた。
それは、スモーとはかけ離れたスリムなシルエットだったが、威風堂々と空を飛ぶ様は、間違いなく親衛隊長のハリー・オードの機体であろう。
やがてその黄金の機体から通信が入る。
「着艦許可を求める! こちらは、ミリシャ連合軍のハリー・オードである!」
ディアナカウンターではなくミリシャ連合軍を名乗ってはいるが、その機械人形の手に乗っているいるのは……。
「ディアナ・ソレル!? 女王まで地球に?」
こうなる事はある程度予想もしていたが、実際にこの目にするとやはり驚いてしまったのも事実である。
そしてその黄金の機械人形〈ヒャクシキ〉は、手のひらの人物を気遣うようにアドラステアの脇に降り立ち、艦の下部中央にあるMS格納庫へ歩いて入っていった。
「ついに女王自らのお出ましか。予想よりは少し早くはあるが」
その着艦の様子は、ブリッジのモニターからも確認できたが、グエンは、詳しい話は艦長室で行うと言い残し、ブリッジを後にした。
「さて……月はどのような反応を見せてくれるのかな」
- 221 :32:2006/12/10(日) 16:58:53 ID:???
- 26話後半。支援保守のみなさま、ありがとです。
「グエン殿。ディアナ・ソレルです。お久しぶりであります」
女王の威厳を放ち、ディアナはグエンと面会した。
「これはこれは女王陛下。ご機嫌麗しいようで」
グエンは深々と頭を下げ挨拶する。
「よしなに」
服装こそ市井のものだが、その態度は月の女王と何ら変わるものではない。
「ディアナ様。しかしこの会見は、非公式のものと考えてよろしいな?」
グエンは用件を聞く前に、そのようなことを口にした。
「なぜでありましょう? 女王の言葉に変わるものなどありませんのに」
「しかし、護衛が一人のみとは、月の政府の意向とは思えませんので」
まず外堀から、それも相手の弱いところに付け込んで攻めてくるグエンに一瞬たじろいだが、ハリーがフォローに乗り出した。
「先ほどディアナ様が申し上げたように、女王の言葉に代わりはありません。たとえこの会見が非公式のものであっても」
「ハリー、慎みなさい」
「はっ」
ディアナの叱責に、ハリーは一歩引き下がる。
「しかしディアナ様、いつ地球へ降りられたのですか?」
相手に決定的なダメージは与えず、グエンは話題を変える。
「実は……」
ディアナが本当の事を言いそうになったのを察知したハリーが、一瞬顔を強張らせる。
「あのギンガナムとの戦いの後、地球に隠棲していたのです」
が、ディアナは下手な嘘は却って逆効果と考え、正直に今の状況を話す事にした。
「ほう。ならば、月の政府はどうなっているのです?」
「……今は、女王はキエルさんが……」
「では、今のあなたは女王ではないということになりますね」
「しかし、このアメリアに戦乱をもたらすのは良くない事だと考えるのは、女王でも私でも同じ考えです。その証拠に、ハリーが地球に降りてきてくれたのですから」
「あなたたちが月の使者であるとは認めましょう。しかし、あなたが替え玉を女王に立てて月の民衆を騙している事に変わりはない」
グエンが月の政府を恐れずにアメリアと開戦した理由は、まさにそこだった。
「予想はしていたが、まさか本当にそうしていたとはね。地球帰還作戦を進めていた女王ディアナならば、本人も地球で暮らしていると。だが、月には相変わらず女王がいる――ならば、あの女王はキエル嬢ではないか? 私はガリアで雌伏している間、ずっとそう思っていた」
「グエン・ラインフォード、私はそのような話をしにきたのではありませんよ」
だがグエンはディアナに構わず話続ける。
「以前と同じく、女王がキエル嬢である事を知る者は少ないはず。ならば、月のムーンレィスは何も知らされていない。民衆を欺くとは、まったく、酷い為政者だ」
「グエン! 口を慎め!」
堪らずにハリーが叫ぶ。
「私は本当の事を言っているまでだよ、ハリー大尉。それとも、話し合う前から交渉は決裂かな?」
グエンは余裕の表情を崩さない。
「それに話し合うのならば、私は大賛成だよ――もっとも、大尉もいざとなれば機械人形でなんとかなるとは考えない方がいい」
確かに、着艦した時に見たこの艦の搭載MSは数機程度だったが、このグエンの余裕はどこから来るのだろうか、とハリーは不審に思った。
「見たまえ、この『月の繭』の周りにも、人が住みはじめている」
グエンが急に話題を変え、艦長室の窓から外を指し示した。
ディアナとハリーも外を見る。が、それは、来た時と変わらぬ風景が広がっているのみである。
「それと同じように、次々と機械人形も発掘されていてね」
グエンの言葉が終わらないうちに、麦畑に点在している風車が立ち上がり、機械人形に変形していった。
「ここが隠れた軍事拠点になっている事は、実は教えたくなかったんだが、そちらの出方次第ではそうも言ってられないようなのでね」
胸に風車の羽根を回転させている機械人形が、アドラステアの周りに集結してきた。
「さて……用件を聞こうか、ディアナ・ソレル」
- 222 :通常の名無しさんの3倍:2006/12/10(日) 18:41:18 ID:???
- ちょwwwwwwwネーデルガンダムwwwwwwwwww
- 223 :通常の名無しさんの3倍:2006/12/10(日) 22:31:14 ID:8PyjvN81
- キターーーーーーーーーーーーーーーーー!!
支援します!!
- 224 :通常の名無しさんの3倍:2006/12/11(月) 01:47:45 ID:???
- これがネーデルガンダムの正しい運用方法かww
ともあれGJ!
- 225 :通常の名無しさんの3倍:2006/12/11(月) 23:23:05 ID:???
- この調子だと、
「遠くに馬が歩いてる→実はデッカイモビルモース」
「デッカイ釣鐘→実は(略)」
とか悪乗り可能だなw
- 226 :通常の名無しさんの3倍:2006/12/13(水) 23:18:28 ID:???
- うほ、おもろいな、うほ
- 227 :32:2006/12/16(土) 11:19:50 ID:???
- 27話。ネーデルのMIA、見っけた時にスルーした俺のバカ。くそ〜あん時買っときゃ良かったw
27.ここで臨時ニュースです
準備が整ったので艦長室へ来るようにとの連絡をガリア兵から受け、フランたちNTB放送の撮影隊はアドラステアの艦長室へ向かった。
しかし、外は風車の機械人形がこの艦を取り囲んでいる。
ただのインタビュー番組の撮影だと思っていたが、これは世紀の大事件を撮る事になりそうだ。
フランの予感はそう告げ、急いで放送局に無線で連絡し、臨時ニュースを中継する事にした。
「いいから! こっちの映像を番組に割り込ませて!」
そしてカメラは、艦長室に入る前からその映像をアメリア全土に放映し始めていた。
『番組の途中ですが、ここで臨時ニュースをお伝えします』
艦長室のドアの前にフランが立ち、いかにも現場からの中継といった風の緊張した面持ちでカメラに向かう。
「なんだぁ? 一体」
ミリシャ基地の食堂でテレビを見ていたヤーニも、アメリア各地の街頭テレビに集まる人々も、NTB放送始まって以来の臨時ニュースに驚いた。
『私ども取材班は、ガリアより帰還した不死鳥ことグエン・サード・ラインフォード卿のインタビュー取材を行う予定でしたが……このラインフォード卿の所有する艦の周りが、なにやら慌しくなってきたようなのであります。
これはもしかしたら、ラインフォード卿による休戦協定の破約とも考えられます』
フランがそう伝えると、ミリシャ基地食堂や街頭テレビの周りではどよめきが走った。
『ではこれより、この旗艦の艦長室へ参ります』
艦長室のドアがフランによって開かれる。
そこで、フランとカメラの向こう側の人々は、信じられない人物を目の当たりにする。
ディアナ・ソレルがそこにいたのだ。
「あれ、月の女王様じゃないのか?」
「やっぱりグエンとつるんでやがったのか!?」
「しかし、いつ地球へ来られたのだ?」
「ユニバース! ディアナ様だ! ディアナ様がテレビに映っている!」
アメリアの人々は地球人、ムーンレィスを問わず困惑したが、一部のムーンレィスは思わぬ偶然に歓喜の叫びを上げるものまでいた。
『これは一体どういう事なのでしょうか……!?』
と、とりあえず驚いてみせたが、このままこの人物がディアナである事をアメリア全土に公表してしまって良いものなのかどうか。
ディアナとキエルが入れ替わっているのを知るフランは、一瞬困惑し、アナウンサーである事を忘れ、マイクを持ったまま黙ってしまっていた。
しかし、一時期キエルがグエンの秘書をしていた事を思い出したフランは、これはディアナによく似たグエンの秘書である事にしてこの場を取り繕うと一瞬で判断し、再び喋り出そうとした。
が、フランより先にディアナがカメラに向かい真実を話し始めたのである。
『アメリアの皆様。並びにサンベルトのムーンレィスの皆様。私は、ディアナ・ソレルです』
ディアナは、自分が間違いなく月の女王であると主張した。
「どういうこった!?」
「なんでディアナ様が?」
「ユニバース! ユニバース!!」
アメリア全土に、困惑の風が吹き抜けていく。
- 228 :通常の名無しさんの3倍:2006/12/17(日) 00:38:38 ID:???
- おぉGJ。続き頑張ってください。
- 229 :通常の名無しさんの3倍:2006/12/17(日) 02:13:21 ID:GS5CPACU
- GJGJ!!
支援ヴァーーーーーーーース!!
- 230 :通常の名無しさんの3倍:2006/12/17(日) 22:13:33 ID:???
- おもすれー展開だぁ!!!グッッジョォォォォヴゥ!!!!!
と、言いつつ何話まで続くんだろ?
もしや、50話まで・・・!
- 231 :通常の名無しさんの3倍:2006/12/22(金) 12:22:44 ID:???
- 保守なにうむ投下
- 232 :通常の名無しさんの3倍:2006/12/24(日) 23:15:32 ID:s6tXr7S5
- クリスマス保守
- 233 :32:2006/12/26(火) 12:14:52 ID:???
- 28話。ていうか何話まで続くのかは、俺にもワカンネw
とりあえず今日で今年のうp納めかも。皆様よいお年を。
28.グエン最大の武器
風はないのに、胸部の風車は回転を続けている。
グエンの車輪旗艦・アドラステアの周りを取り囲む機械人形は風車小屋から手足の生えた、まるで冗談のような形をしているのだが、その姿が滑稽なだけにより一層の不気味さをはらんで見えた。
『私は今、ガリアより帰還したグエン殿がアメリアに戦乱をもたらさない為に、直接話し合いに来たのです』
テレビカメラが一個の人格であるかのように、ディアナは丁寧に今の状況をそのレンズに語りかける。
だがグエンには、いままで地球で穏やかに暮らしていた反動か、それとも元来女王であるために反射的にそうなってしまうのか、ディアナはカメラの向こう側の民衆を意識しすぎているようだ、と感じられた。
「――グエン殿。いたずらに機械人形を用いて乱を起こしても、ギンガナムのように自滅するだけなのは解りきっているのでしょう?」
ディアナはグエンに向き直り、そして艦長室の窓から風車型機械人形の群れのさらに向こう側にそびえる『月の繭』に目をやりながら語りかける。
「私がこの艦ごと、あの繭に取り込まれるのならばそれまでの男だと諦めもしましょう。だが、今こうして無事でいられるという事は、私は黒歴史によって生かされているのではないかとも思うのですよ」
グエンにはそういう所がある。
冷静に物事を積み重ねて用意周到に事を運んでいるのかと思えば、かつて月からウィルゲムで地球へ戻る際には「くじ運のようなものにも賭けてみたい」と、ミリシャ兵の一部のみを収容しウィルゲムを発進させる、といったような不安定な状況に身を置く。
まるで楽しんでいるかのように。
「貴様……!」
ハリーがいくら睨みつけても、赤いサングラスはその血走った目を隠すのみ。
「さて……この放送を見ているアメリアの諸君」
グエンが初めて、それまでその存在を意に介していなかったカメラに目を向けた。
「ここにいるのは、自らが語るように月の女王ディアナ・ソレルです。ならば、いま月にいる女王は、一体誰なのかという疑問が湧きませんか?」
グエンのアメリア帰還作戦の最大の武器。
それは、ガリアで発掘された機械人形などではなかった。
ディアナの真実である。
- 234 :通常の名無しさんの3倍:2006/12/26(火) 20:25:27 ID:sb+rFoxN
- >>233
支援支援支援!!
乙です。
- 235 :通常の名無しさんの3倍:2006/12/26(火) 22:22:11 ID:???
- >>233
Zです。
よいお年を。
- 236 :通常の名無しさんの3倍:2006/12/31(日) 09:13:47 ID:???
- と〜し〜を越せ、と〜し〜を〜越せ
ホワイトドールのご加護のもとにっ
- 237 :通常の名無しさんの3倍:2006/12/31(日) 14:24:43 ID:???
- >>233
ネタスレを良スレにしやがったw
月の繭に取り込まれ〜の長台詞はトミノ節っぽかった。
漏れには声が聞こえた、ジョナサンの声が。
- 238 :通常の名無しさんの3倍:2006/12/31(日) 14:41:05 ID:???
- 僕はずっと…待ってた!
- 239 :通常の名無しさんの3倍:2006/12/31(日) 20:00:21 ID:???
- _..'y'二ニョ、.._}
,. ‐(フ´ \ _____
ry'´ 〇 _,...へ. /−∀−、 \
7'〇○〇Οー、 ''''''""´ _,..ィ'^', / | ・|・ | 、 \ . 1
ノ""'''''ノ 〇(}'''''""´´ | /. / / `-●−′ \ ヽ l |
|"""'''|─ 、 ─ 、レi |:| l. |/ ── | ── ヽ | ノ l
| { ・|・ | レi | | li |. ── | ── | レ' /
ゝ; l` - c`─ ′ レj | | |li | ── | ── ,. - ' /
ゝ,. `ーッ'___ ノ / イ | ヽ`'┴ー--「 ̄|l-‐‐ ''"´ ,ィ l
`'ー<. ー‐ 彡イ /ノ.| ヽ、_ |__.|| _,,.. イ /┘
. ◆`iュ、___.. イ彡◆/ N l━━(t)━━━━┥
,.へ、.._,,.... -‐j三回三ヨル'j∠..._|___,,,...へ.
- 240 : 【大吉】 32 【139円】 :2007/01/01(月) 14:36:11 ID:???
- おみくじのようなものに賭けてみたかったのさ。
・・・すいません。一度やってみたかっただけです。
ちなみに、あえて富野節っぽく意識して書いている部分もあります。
なので>>237みたいに言われると、ちょっと嬉しいw
- 241 :32:2007/01/05(金) 13:36:12 ID:???
- まさか大吉が出るとは思わなかった。そして急展開。29話。
29.宇宙へ!
「かつて、私の秘書にディアナ女王とよく似た女性がおりました。その女性が今、女王として月の社会を統治しているかもしれないのです。ただの市井の女であるのにも関わらず」
グエンが続ける言葉に、ハリーは握った拳をわななかせるしかなかった。
いま飛び掛ってグエンを黙らせるのは容易だが、それをすればグエンの言を認めたも同然になってしまう。それになにより、この場を混乱させてしまえばディアナの身が危険である。
(やはり、単身乗り込んできたのは間違いであったのか……!?)
だが、ハリーが逡巡をよそに、グエンはいきなり話題を変えて思いもがけない提案をし始めた。
「――ところで皆さん。幸いこの艦には宇宙へ飛び出す事もできるようなので、これより私が月へ出向き、月の女王へ真偽を確かめに行ってもよいと思っているのだが、その為に協力してくれる者を私は募りたい」
「なんだとぉ!?」
『な……なにを言い出すんですか、いきなり!?』
「宇宙だって、宇宙だってよ!」
「月に行けるのか?」
テレビ中継を見ていたヤーニ達ミリシャ兵、その放送を送る側のフラン、そして多くのアメリア人。
グエンの唐突な言葉に驚かぬ者はいなかった。
「アメリアの諸君よ! 君たちは、ムーンレィスに月という高みから見下ろされたままで、悔しいとは思わないのか?」
民衆の蒙昧を自らが啓(ひら)かんとばかりに、グエンは両腕をさし伸ばし演説するように語りかける。
「私は、ガリアで、そしてこのアメリアで! 宇宙へと飛び立てる力を手に入れた! ならば地球代表として月に赴き、女王の真相を正し、その上で正式に月と国交を結びたい!」
まさにその場はグエンの独壇場であった。自らにかけられた戦争準備の疑いを晴らすどころか、いきなりアメリア――いや、地球の代表を名乗り、月との正式な国交まで持ちだしたのである。
「もーうっ、月との国交は私がやろうと思っておりましたのに」
テレビ中継を見ていたリリは先を越された不満を口にするが、その表情には若干の余裕も見られる。
「ま、私がまた月まで行く手間が省けただけのことですけどね」
そしてアメリア全土を混乱と驚きの渦に巻き込んだテレビ中継は続く。
『これは驚きました! いままで絶えて無かった、地球と月との正式な国交を結びたいという事です!』
フランは一人気丈にも実況を続ける。
「グエン殿……」
女王である自分が側にいるというのにまるで眼中にないように月政府との事を宣言したグエンに、ディアナも言葉が無かった。
が、すぐに平静を取り戻し、グエンの言に合わせる。
「分かりました。私も月へ参りましょう」
「ディアナ様!?」
「私が月で、女王としてイングレッサとの国交について話し合いましょう」
驚くハリーを手で静止し、あくまで冷静に対応するディアナに、しかしグエンはここで大きく出た。
「イングレッサだけではない。私は、地球代表として月へ行くのです」
グエン・サード・ラインフォードは、メディアの力を使い、半ば強引にアメリア全土に自らを地球の全人類代表であることを既成事実化させたのである。
「よろしいですな? ディアナ・ソレル?」
- 242 :つ お年玉【アッガイ】:2007/01/05(金) 21:10:19 ID:x+7UQoki
- >>241
あけおめ支援!!
- 243 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 01:40:37 ID:???
- なんとなく覗いてみたら一気に全話読んじゃった
>>32さん月光蝶GJ
挿絵描きたいくらいです
- 244 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 01:44:26 ID:LcN2gsJe
- >>243
作者さんがおkしてくれるなら、書いてみても良いんじゃね?
- 245 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 08:41:18 ID:???
- 逆襲のグェン・・・。
国中の美少年の肛門を全て貫く話でしょうか?
最後は復活した大将に反撃を受け、
登場した男性キャラ全員で数珠繋ぎになってEND
- 246 :32:2007/01/06(土) 13:01:13 ID:???
- >>243
全然おkですよ。俺には画力がまったくないので、絵描ける人は尊敬しますです
- 247 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/10(水) 04:40:52 ID:???
- 32氏GJ!!
243氏の挿絵も拝見したい
適当なこと言ってすまんね
- 248 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/11(木) 00:09:40 ID:wMZKhZl2
- 保守。
俺も挿絵見てみたいです。
- 249 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/11(木) 11:16:51 ID:???
- 挿入する絵…
何でもない
- 250 :243:2007/01/11(木) 22:29:26 ID:???
- 完成次第、晒したいと思います
こういうかたちで>>32さんを支援できればなぁ、と
決して上手いほうではないので皆さんの御期待に添えるかわかりませんが
ソシエって意外と描くの難しい
しかも髪形変わってるし…
- 251 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/12(金) 00:52:16 ID:cyT9Se0Y
- >>250
がんがれ!!
寒い季節ですから、あまり無理せず、のんびり描いて下さい。
よしなに。
- 252 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/14(日) 11:26:26 ID:???
- 良スレ発見。読み応え十分でした。これからもがんば!
- 253 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/15(月) 09:57:01 ID:???
- そうか、最終回後だから、みんな大人になってたりするんだよな
今まで御曹司の顔ヒゲなし思い浮かべちゃってたよ
- 254 :32:2007/01/16(火) 12:44:14 ID:???
- 30話。キリがいいのでプチ総集編。
2007年を生きるヒントが隠されているのかもしれない。
30.ノックスクロニクル号外
正暦234X年 X月X日 第000XXX号【号外】
【新生ノックス領主 宇宙行きを宣言】
ノックス領主に返り咲いた「不死鳥の領主」ことグエン・サード・ラインフォード閣下は、先日のテレビ生中継報道特別番組にて「私は地球代表として月のディアナ政権と正式な国交について話し合いたい」と宣言。
そして同時に共に月へ行く希望者も募った。
ラインフォード氏は非公式で地球に来ていたディアナ女王との間で会談をノックス・ミリシャの旗艦にて行っており、その会場に招かれていたNTB放送の取材に対して、その中継を通してでアメリア全土に呼びかけた。
これに対し、非公式会談に出席していたディアナ女王も「国交については改めて月にて話し合いたい」と承諾。会談の場は月へと移行される形となった。
ディアナ女王がいつ地球に来ていたのかは不明だが、女王はラインフォード氏が帰還して以来のアメリアの混乱状態について憂慮しており、その為にお忍びで月から来ていたと思われる。
また月へ行く希望者については、
1、健康なアメリア人であること
2、サンベルト領の帰化ムーンレィス人でも構わないこと
3、逮捕歴のないこと
4、機械人形の操縦技術の有無は問わないこと
などの条件をあげている。詳しくはノックス政庁までとのこと。
あのテレビ中継以来、ディアナとハリーは国賓として遇されていたが、それは形を変えれば人質と変わらない。
「完全に後手に回ってしまいましたな」
「構いません。私の思いが通じるのであれば、それは月でも地球でも変わりのないことです」
「月の『女王陛下』には、なんと申し上げてよいか……」
「すべては私の不備によるものです。月の政府もわかってくれる事でしょう」
「できれば、あなたを二度と宇宙に上げたくはなかった」
「あなたらしくもないですね。――あ、発進したようですね」
旗艦アドラステアの客室が微かに揺れ、この艦が『月の繭』より移動した事を知らせる。客室ともなれば、最も揺れの少ないブロックにあるのであろうが、その微震はディアナにはその心のように大きな揺れと体感させられるのだった。
【州連合代表代行ボルジャーノ氏は歓迎】
先日のラインフォード氏の宣言は、アメリア各州連合政府にも衝撃を与えた。
代表代行のリリ・ボルジャーノ氏は本誌の取材に対して「アメリア人として月との国交は歓迎すべき。私と共に一度月へ行ったことのあるラインフォード氏ならば何らかの結果が期待できる」と歓迎する様子を見せた。
連合政府としては以前から月との国交は検討していたものの、ラインフォード氏の帰還騒ぎにより凍結状態にあったらしい。
この度そのラインフォード氏自らが国交へ赴くということで「グエン殿により出来なかった事を、代わりにそのグエン殿がやってくれるとは(連合政府関係者)」との声も聞かれた。
また政府側も、このラインフォード氏の呼びかけに応じ、数名を国交交渉団に派遣したいとの由。こちらはミリシャからの選出が主となりそうだ。
「というわけで、もう一度月に行ってみる気はございません? ミハエル殿?」
「ご冗談を。私はもう宇宙はこりごりです」
あの地に足がついていないというあの感覚には、とうとう慣れる事はなかったのだなと、ミハエルはあの短いようで長かった宇宙の旅を思い起こす。もう、空を飛ぶ船に乗るのもたくさんだ。
「こ、今度は私も月旅行をしてみたいものでありますなぁ」
「あなたにはミリシャ再編の仕事が山のようにありますでしょう」
「そんなぁ……」
今度こそは我の出番と存在を誇示しかけたマリガンは、いつものようにリリの一言で大人しく引き下がった。
- 255 :32:2007/01/16(火) 12:48:01 ID:???
- 30話後半。たまに自分も書いててヒゲなし御曹司を思い浮かべてることはあるw
【ミリシャの守護神・白いカプル返還さる】
ラインフォード氏とディアナ女王との非公式会談が行われている裏で、ルジャーナミリシャは先の「東海岸の会戦」にて劣勢だったミリシャ連合軍の士気を大いに高らしめた〈白いカプル〉を返還してもらう動きがあったことが×日、本誌の調べにより判った。
白カプルはホワイトドールを模したカラーリングで「東海岸の会戦」時にどこからともなく現れ、唯一機孤軍奮闘し「ホワイトドールの再来」とも一部で囁かれたエース級の機体。
しかし戦闘終了後にはミリシャ側に捕獲されていた模様で、ルジャーナ側としてはなんとしても返還して欲しいと要求していたようだ。
返還にはパイロットだったローラ・ローラ氏が赴いたが、ラインフォード氏がディアナ女王との会談中だったためノックスに駐留していたミリシャを通して行われた。
この返還交渉には、ローラ氏が交渉に赴く道中で捕獲したイングレッサ側の機械人形との交換という形となった。
「なんとか無事に返してもらえましたね、ソシエお嬢さん」
水中航行形態に丸く可変した白カプルを〈ガンダム〉背負わせ、ロランとソシエは帰途へついた。
その様は、白い機械人形が白い球を担ぐという、なんだか奇妙な形になっていた。
「でもあの〈とんがり帽子〉、返す必要はなかったんじゃない?」
ただ敵の兵器をその敵に返す不満以上の奇妙さをソシエは感じているのだが、それが何なのかははっきりと言い表す事が出来ない。
あの鈴の音を聞いているはずのロランは、その事自体を忘れようとしているのか、あの〈とんがり帽子〉の性能自体には触れようとしない。
(お嬢さんは不審に思ってらっしゃるけど……でも、起動チェックだってしたんだ。完全に停止していたんだし……)
修理されてまた使われるかもしれないが、今のグエンとディアナの間で争いが起きるような要素は無くなったのだし、グエンが月に行くとなれば、その間は攻撃など仕掛けられないはずである。
今のロランはそう思いこむしかなかった。
そして……。
(僕も、また月へ行かなくては)
ディアナがグエンの艦に乗ったまま月へ行き交渉するというのであれば、自分もまたそうするしかない。
張り詰めた思いがふと途切れ、ロランは何気なく横のモニターを見た。
そこに、夕日に照らされた〈ガンダム〉の長く大きい影が荒野に伸びていた。それは子を背負う母親のようなシルエットをしていたのが、ロランにはなんだか微笑ましく映る。
「機械人形だって、戦争の道具にするだけが使い道じゃないんだから……」
- 256 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/16(火) 19:29:07 ID:???
- >>32
乙。ほんといいとこ突いてくるね
ほんと望む∀像だ。
実際はロランもソシエもこう上手くいかなそうではあるけど…そんなのは見たくない…
〉2007年を生きるヒントが隠されているのかもしれない。
このフレーズが凄い懐かしかったww
- 257 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/17(水) 01:10:53 ID:TkFYP8F1
- キターーーーーーーーー
支援します!!
- 258 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/17(水) 05:48:47 ID:???
- プチ総集編と言いつつ、うまいまとめ方しよる…。
ヤるな、アンタ。
- 259 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/22(月) 14:02:38 ID:???
- hoshu
- 260 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/24(水) 02:46:18 ID:ZKzZv3eV
- 補修用ナノマシン投入
- 261 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/24(水) 07:27:22 ID:hHUawQKy
- 今来た。
グレィトヤーパン。
- 262 :age:2007/01/24(水) 21:53:07 ID:tlfmlPJJ
- 続きが楽しみあげ
- 263 :32:2007/01/27(土) 15:00:03 ID:???
- 31話前半です。
31.新たなるノックス
ノックスの象徴であるボストニア城の再建は、グエンが帰還して初めて手をつけた事業の一つである。
戦乱によって破壊の限りを尽くされたボストニア城だが、幸い土台の部分は残っていた。
グエンは再建の為には金に糸目をつけず、また、ナノマシン技術により城は以前と寸分違わぬ外見で異例の早さで再建は行われ、落成はこのたびの『グエン宣言』に合わせたかのようであった。
「見たまえ。あのボストニア城も以前の通りだ」
ガリアの機械人形軍、それを操る操縦者たち、宇宙へ飛び立てる艦、ビシニティ領とボストニア城、『月の繭』、ディアナの秘密、そして、地球全人類代表……。
今のグエンに手に入らないのは、まさにブラックプリンセス・ローラとターンタイプのMSのみであった。
「本当、かつて私たちがダンスパーティを開いた時と同じですわね」
ディアナは、本当にあの頃はまだ平和だったと、地球帰還作戦が始まった当初を想う。
それは、ミリシャとムーンレィスとの間だけではない。
己の心の中こそ平和そのもの――つまり、ダンスパーティごときで地球と月との関係が良好になると思いこんでいたのだ。
(私の認識が甘すぎたのは、わかっています……)
戯れにパーティを開き、戯れにキエルと入れ替わる。
久しぶりに地球に降り立ち、浮かれていなかったといえば嘘になるだろう。
(その為にも、私はこの地球で暮らしていく道を選んだのだから)
女王の役目はキエルと交代したのだ。そう、あのマニューピチの王のように。
その意味においては、デイアナ・ソレルは死んだのである。
「――ディアナ・ソレル?」
意識が己に向けられていないのを察したグエンが問い掛けるまで、ディアナは自分の世界に没入してしまっていた。
「すみません、考え事をしてしまっていて……」
「いえ、私もこのノックスには思うところは多いのですから。――多すぎるほどにね」
「あなたが生まれ育った地ですものね」
「ですが、これからはあなたが住む街でもありましょう?」
グエンは、もうあなたが月の女王ではないのだとしたら、と駒を進めるようにさりげなく付け加えるが、ディアナはそんなグエンの言葉を真摯に受けとめ、返す。
「あなたとの交渉、それが済むまでは私は月の女王でいさせてくださいませ」
ディアナは、この地球と月との国交交渉が女王としての最期の責務としたかった。
- 264 :32:2007/01/27(土) 15:01:44 ID:???
- 後半。そういえば鯖移転した時はちょっとびっくりしたねw
ノックスの門をくぐるのは、アドラステアだけではなかった。
グエンの呼びかけに応じた月へ行こうとする者たちが、続々と集まって来ているのである。
中には自慢の赤いボルジャーノンで乗り込んできたヤーニのように機械人形を持参してくる者もおり、カプルの肩と頭に幌やコンテナをくくりつけ、どう見ても長旅を終えて参上したような者までいる。
「思ったより人が多く集まってるなぁ……」
ロランとソシエは、リリの命令で有無を言わさずこの「イングレッサ月使節団希望者」のミリシャ枠に組み込まれ、ノックスへ派遣されていた。
もちろんロランは〈ガンダム〉を、ソシエはZボルジャーノンを持参しての参加である。
例のルジャーナ州境の基地から荒野を歩きついで、二体はノックス入りをしたのだが、そこには予想を上回る量と種類の機械人形が集まっていた。
「やっぱり、グエン様のところでもガリアから連れてきた機械人形じゃ足りないんでしょうね」
ソシエも辺りを見回して言う。
確かに「乗りなれた機械人形があれば、それを持参して参加のこと」と募集要項には明記されていたのだが、これでは全アメリアから腕自慢の機械人形乗りを集めるようではないか。
「まさか……」
月にはMS同士の格闘娯楽もあるにはあるのだが、まさかグエンはそれに似たような事をやらせようとしているのではないか。
それも、この機械人形発掘ラッシュ以降、アメリア全土どころか海の向こうの国々まで増えに増えた機械人形乗りを集めているのだ。
自然とその中から選考すれば、地球最強の機械人形乗りという事になってしまう。
「あの人は、一体何を考えているんだっ!」
ロランに怒りよりもむしろ呆れの感情が溢れ出た。
- 265 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/27(土) 17:14:00 ID:???
- ガンダムファイトならぬMSファイトキタコレ
- 266 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/27(土) 17:49:26 ID:???
- そうだとしたらかなりの燃え萌え展開だな
wktk
- 267 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/27(土) 20:33:08 ID:???
- ジュアッグとかアッグガイとか活躍するかな?wktk
- 268 :32:2007/01/28(日) 01:08:19 ID:???
- ×ビシニティ領
○イングレッサ領
ですね。いつも誤字スイマセンなぁ
どうもアメリアの地名は覚えづらい。
- 269 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/28(日) 01:55:28 ID:uql23XmQ
- 支援しまつ!!
- 270 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/28(日) 14:11:17 ID:???
- 面白いけど、さらに面白くなってまいりました!
- 271 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/28(日) 21:26:29 ID:???
- 便乗ごめんなさい。
御曹司「皆さん、月へ行きたいですかーッ!!」
選手「おおーッ!!」
フラン「最早、当初の目的を大きく外れて、一大イベントと化しつつあります、
月使節団選考会ですが、各領を代表する機械人形が出ると聞いては、
誰が最強か、という事に人々が興味を持つのは仕方無いかもしれません。」
ヤコップ「はーい!オッズは今これだよ!手堅く本命に賭けるもよし!
大穴にでっかく賭けるもよしだよー!!」
ブルーノ「選考会の観覧席のチケットあるよー!早い者勝ちだよー!」
- 272 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/28(日) 22:00:01 ID:???
- フラン「……えーと、皆さんダフ屋やノミ屋の類には気をつけて下さいね。
では候補の一部を紹介致しましょう!」
・イングレッサの誇るホワイトドールとよく似た機体が大量に発掘された、
通称“エリゾナ・ホワイト(ジム)”の中で、領主のお嬢様の専用機(陸戦用ガンダム)
・お嬢様の心配性の付き人が乗るエリゾナ唯一の黒い機体、ずんぐりした姿から、
黒猪の異名を持つ通称“エリゾナ・ブラック(ドム)”
・サンベルトで発掘された、鶏冠が特徴の通称“サンベルトの闘鶏(ゲルググ)”!!
・フロリャからは、骨董好きの領主が一念発起してようやく一体だけ掘り出した、
通称“フロリャ・ナイト(ギャン)”領主曰く「あれはいいものだ!」とのことです!
・メジコ領は、領の傭兵部隊が発見し、所有する“メジコ・ブルー(グフ)”
「この風、この匂い、選考会というより戦場よ!」
…他にも足の無い“ジャイアント・クロー(ビグロ)”や、
“イエローデビル(ザクレロ)”は空を飛べず断念するとの事です。」
- 273 :32:2007/01/29(月) 11:32:07 ID:???
- >>271-272
外伝の外伝キタコレw
俺だったらサンベルトのゲルググに牛一頭賭けるね
- 274 :通常の名無しさんの3倍:2007/02/02(金) 11:06:58 ID:M8EZp3MY
- ほす
- 275 :通常の名無しさんの3倍:2007/02/02(金) 19:28:08 ID:RGPvfaYG
- 支援用MS投入。
- 276 :セヴン ◇z0Edg7Vtjw :2007/02/02(金) 19:56:19 ID:???
- という夢を見た
- 277 :通常の名無しさんの3倍:2007/02/05(月) 00:28:34 ID:???
- 御曹司は、大陸内外から集まった機械人形の大群を見て満足の笑みを浮かべた。
自分の影響力が未だ健在である事が確認出来たのだ。
“私は今一度、世界に挑む事が出来る”内心の不安は確信変わった。
しかし側にいるディアナは、その野心に燃える御曹司を見て、
逆に不安を募らせる一方だった。
ディアナの不安を他所に、御曹司はミハエル大佐から渡されたリストを見ながら、
一つ一つ候補者を確認してゆく。そこで気になるものを見た。
「サンベルト自治組合?…聞いた事無いな。大佐。」
月と地球の抗争の最中、置き去りにされたサンベルト地帯は空白状態となっていた。
そこで彼方此方の領や勢力が肥沃な穀倉地帯を独占しようとした時、
機械人形を擁した謎の一団がサンベルトの中立を固守したのだ。
以降彼らはサンベルト自治組合を勝手に名乗り、土地の警護に当たった。
そして「サンベルトの闘鶏」とは組合のエース機の仇名である。
折りも折り−サンベルト自治組合の組合長と闘鶏の操縦者が挨拶したいという。
「フン。田舎者共が、自分達の組織を公に認めてもらいたいんでしょうな。」
大佐の嫌味を聞き流しながら、御曹司は面会を許可した。
豪華な執務室に、手拭を頭に巻いた田舎者達がオズオズと入ってきた。
御曹司が挨拶をしようとすると、田舎者達はそれを無視してディアナに近づいた。
「無礼だぞ!」と大佐と護衛の兵が詰寄ると、田舎者達は即座に大佐達を、
叩きのめし、銃を奪った。
「ふがいない!大体ボディーチェックだけで安心というのが甘すぎる!」
闘鶏の操縦者は言い捨てた。
「貴方達は…」ディアナが問うと、
組合長は、手拭を取って月式の礼をした。
「DCのデラーズとガトーであります!ご無礼ながら女王陛下にお願いがございます!」
「何か?」女王に戻ったディアナが問い返す。
「今一度、サンベルト共和国の樹立を正式に宣言して頂きたいのでございます!
やはりフィルのような小物では人はついてゆきません!陛下御自ら宣言されれば、
スペースノイドは一致団結して国を作りましょう!」
ディアナは絶句した。
- 278 :通常の名無しさんの3倍:2007/02/05(月) 00:40:01 ID:???
- 「サンベルトはスペースノイドの約束の地である!」
サンベルト自治組合とはDCの強硬派が作り上げた組織だった。
力を蓄え、機を狙った彼らは選考会でサンベルト共和国の樹立宣言を、
ディアナ様に迫った。
そして、彼らは僕らからMSを奪った。
誰も助けにいけない。そう思った時ソシエお嬢さんが動いた。
城に飾ってあったコレンさんの愛機「赤プル子」と共に…
次回ターンエーガンダム「建国のボディブロー」
風の方向は定まらない。
…全部嘘です。
- 279 :通常の名無しさんの3倍:2007/02/05(月) 07:55:07 ID:6+6uYjcI
- こらこらw
- 280 :通常の名無しさんの3倍:2007/02/05(月) 21:44:18 ID:???
- やべぇ、普通に面白かった。
もっと早くこのスレを知っていれば・・・
- 281 :32:2007/02/06(火) 12:16:57 ID:???
- >>277
上の5行は俺が書くよりも簡潔にあらすじをまとめてて、まさに「私以上に私の心を語って」くれてますw
ちなみに俺設定では、サンベルトはドサクサにまぎれてムーンレィスたちの州になってるって事にしてる。
というわけで32話。ここらで新キャラ投入。
32.獅子の仮面
でも、今のノックスにいるとビシニティの宵越しの祭りを思い出すな、とロランは思った。
あの時も、年頃の男や女たちが一生に一度の晴れ舞台から人生という限りなき旅路へと踏み出していったのだ。
今のノックスのこの活気は、そんな祭りの雰囲気を思い起こさせる。
「そういう意味では、グエン様はわかってらっしゃる」
ロランは〈ガンダム〉のコクピットの中で、人知れず微笑した。
の、だが。
「ローラーンー!」
最大倍率でソシエがモニターに割り込んでくる。
「なにニヤけてんのよ!」
「す、すみませんお嬢様」
もうソシエお嬢さんに怒鳴られると謝るのは習慣になっているな、と思いながらも、
「でも、なんだか思いだすじゃないですか、宵越しの祭りを」
とロランはソシエにもその思い出を分け与えようとする。
「宵越しの祭り……」
ソシエは、ああそんな事もあったわね、といった表情をした。
「……? 懐かしくないんですか?」
「懐かしいけどさ。そりゃあ……」
ロランとソシエがホワイトドールと初めて邂逅した日。
そしてそれは、ソシエの父を喪うきっかけとなった、あの出来事。
ディアナカウンターやギンガナム艦隊と戦っている時でも、そしてあの東海岸の上陸戦でも、空を引き裂くビームの光はソシエの心の片隅にホワイトドールの放ったあの光を思い起こさせていた。
「だって……なんかとっても昔の事みたいだったからさ……」
ソシエの声色が低くなる。
――そういえば、なんだかいろいろありすぎて、ロランと再会してからそんな昔の思い出話とかも話してないな。
なんであたしここでこんな事してるんだろう、と、少々不安になる。
「また機械人形に乗っちゃってさ」
最期のつぶやきは、ロランには聞こえないように小さくなっていた。
「おい……あいつ……」
「あんまりジロジロ見るなよ……」
「でもさぁ……」
各地から集まった命知らずの月使節団希望者でもさすがに異様に映るのだろう。
すぐに他郷の者とも打ち解けられる気さくなアメリア人であっても、誰一人「その男」の周りには寄りつこうとしなかった。
相当鍛え上げられた体躯を持つその男は、腕を組み一人壁にもたれかかっていた。
「なんの真似なんだろうねぇ」
「よせよ。聞こえるぞ」
こういう場合なら気の荒い奴が近づいて腕試しでも申し込むものなのだが、その男の異様な風体を見てしまえば、陰口を聞こえよがしに捨て去るしかない。
その男は、獅子を形取ったヘルメットに、顔は口の部分のみを露出した仮面を被っているのだ。
「仮装パーティと勘違いしてんじゃねぇのか」
「あんな格好してるんだ。サンベルトのムーンレィスなんだろ。目立とうとしやがって」
それでも、中には場の雰囲気なぞお構い無しな人間もいる。
そんなどこにでもいる一人が、男に名を尋ねた。
「あんた、どこから来たんだ? 名前は?」
「それは言えねぇ……だが名前ぐらいは名乗ってやる」
初めて口を開いたその男の声に、周囲が一斉に意識を向ける。
「……レオンだ」
獅子だ、というその答えを聞いて、やっぱ目立ちたがりか、といった失望と安堵と嘲笑がその場に拡がっていき、以後その男に注意を向ける者は誰一人としていなくなった。
だが周りから人が退いていった後も、その男は微動だにせず、ずっと腕を組み壁にもたれかかったままだった。
- 282 :通常の名無しさんの3倍:2007/02/06(火) 13:21:06 ID:???
- まさかコレン軍曹か!?
- 283 :通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 14:51:35 ID:0xTVPvh+
- 実は生きていたゼノアとか
- 284 :通常の名無しさんの3倍:2007/02/08(木) 01:10:04 ID:GwYIqWZb
- >>281
激しく支援
- 285 :通常の名無しさんの3倍:2007/02/08(木) 11:10:31 ID:???
- >>277
でガトー出てきたとき思わずキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━
と思ってしまったw思わず続きを見たくなった。
>>281
無理せず頑張って下さい。楽しく見てますよ!
- 286 :通常の名無しさんの3倍:2007/02/08(木) 23:53:35 ID:???
- つC
- 287 :通常の名無しさんの3倍:2007/02/12(月) 23:23:05 ID:???
- ほっしゅ
- 288 :通常の名無しさんの3倍:2007/02/15(木) 23:25:05 ID:???
- ほしゅ
- 289 :通常の名無しさんの3倍:2007/02/20(火) 12:00:03 ID:???
- おほしゅほしゅ
- 290 :通常の名無しさんの3倍:2007/02/20(火) 19:08:22 ID:???
- たまには上げてみませんか?
- 291 :通常の名無しさんの3倍:2007/02/23(金) 01:25:46 ID:???
- 期待
- 292 :32:2007/02/23(金) 13:21:32 ID:???
- すんません33話です。
しかしガンダム無双、ロランシナリオもあんのね。ロランが∀で惑星の調査してんのが、らしくていいなぁw
33.ハリーの脱出
『月の繭』に近づくにつれて緑が次第に減っていき、あとは草木もまばらな荒野となっていくのは、環境再生のナノマシンが何らかの変調を来たしているからであろうか。
黄金の機械人形が、その景色の中を疾駆している。
そしてハリーはただ己を悔やむばかりである。
「ハリー?」
ハリーもディアナ同様グエンにより賓客の待遇を受け、アドラステアに一室を与えられていたのだが、彼はノックスに到着すると同時にこの艦からの脱出を画策し始めた。
密かに脱出を打ち明けられ、なんとか思い留まらせようとディアナはハリーの部屋を訪れたのだが、その決心は揺らぐ事はなかった。
「申し訳ありません。しかし、今私にできる事はしておきたいのです」
「これ以上、何を望むというのですか」
「グエン卿はまだ何か企んでいるのは明白です。それを確かめねばなりません」
「何か企んでいたとしても」
今は月側が下手に動く必要はありません、とディアナは言う。
しかし、ハリーにしてみれば事が起こってからでは遅すぎる。
ガリア軍も鳴りをひそめ、グエン自身も月との交渉に重きを置いている今は会戦の危険はないのだが、ハリーの勘は何かを告げようとしている。
「それでも行くというのですか?」
何かを訴えようとしているディアナの目をみてしまうと、アドラステアからの脱出をためらってしまうだろうと、ハリーは赤いサングラスの中の目をそむけた。
「あまり私を困らせないでください」
そう言うのが精一杯だった。今はディアナの顔を直視できない。
「あなたの心には、キエルさんだけしかいないのですね」
そんな事はない、と反論しようとして、ハリーはディアナに向き直ってしまった。
「ああ、やっとこちらを向いてくれました」
そのディアナの顔は、心底嬉しそうだった。
だが……。
そのディアナの笑顔を振り切って、あの艦を後にしてしまったのだ。
キエルはキエル、ディアナはディアナだと言いたかったのだが……。
「……この騒動のすべては『月の繭』にある」
グエンがそれを放置したまま月へ行くのは、どうにも解せない。
もしかしたら、この今のノックスの状況も――それ自体はグエンの計画の一環には違いないが――果たして単純に地球のMSパイロットを集めるのが目的なのだろうか?
軍隊を組織するだけならば、ガリアから率いてきた私兵だけで事足りる。
「グエンめ、一体なにを企んでいる……?」
ハリーの〈ヒャクシキ〉が、金の風となってアメリアの荒野を駈けた。
- 293 :通常の名無しさんの3倍:2007/02/23(金) 13:44:52 ID:???
- ktkr グッジョブジョン
- 294 :通常の名無しさんの3倍:2007/02/23(金) 22:44:55 ID:CaRsdL5Y
- 支援しまつ!!
- 295 :通常の名無しさんの3倍:2007/02/27(火) 08:40:04 ID:???
- ほっしゅ
- 296 :通常の名無しさんの3倍:2007/03/01(木) 15:25:13 ID:???
- よしなに保守
- 297 :通常の名無しさんの3倍:2007/03/03(土) 11:21:20 ID:???
- ほっしゅ
- 298 :通常の名無しさんの3倍:2007/03/03(土) 15:18:48 ID:AoDXKZTO
- >>295-297
sageでなぁ。。。保守れるわけゃねーだろ!!!!!!!
- 299 :通常の名無しさんの3倍:2007/03/03(土) 15:21:42 ID:???
- まさか板の下のほうから落ちるとでも思ってるの?
書き込み日時の古い順だぞ
- 300 :通常の名無しさんの3倍:2007/03/03(土) 15:31:57 ID:???
- >>298
そういや、昔は上げないと保守にならないと思い込んでる人が多かったなぁ。
久しぶりに見たよ。
- 301 :通常の名無しさんの3倍:2007/03/03(土) 15:35:24 ID:???
- 知らなかった。。。
■倉庫移動
どの板も、使われてないスレッドを定期的に過去ログ倉庫へ移動しています。
削除されたわけではありません。
倉庫移動の際は書き込み順で残るので、仮にスレッド一覧の下の方にあっても
sageで書き込んでいれば、書き込んだ時間が新しい程残ります。
最新の倉庫は、掲示板のURLの「index.html」を「kako/」に変更すると
探せるようになっています。(スレッド一覧の末尾にも倉庫へのリンクがあります)
- 302 :32:2007/03/06(火) 14:31:26 ID:???
- 34話。ageも保守も、何よりみなさまの書き込みがありがたいです。
PS3買う金もねーんで、最近はPSPのGジェネで∀分を補給しております。
34.奇妙な護衛者
「ハリー殿がこの艦を出られたと?」
しかしグエンの驚きはさほどではなかった。彼には、この程度の事は容易に予想できた。
ディアナを残していったのは少々意外だった。が、ハリーにしてみれば、ディアナ並びに月の政府(つまり、キエルである)をこの時期に危険と不利な状況に置きたくないだろうから、単独での脱出は当然であろうか。
「どうせ出るなら、一言いい残してくれれば、歓迎して送り出したのですがね」
余裕は冗談となって口に出る。
「このことは、月の総意ではありません。あくまでハリーの独断だと、私には言い残しておりました」
「解っていますよ。彼は以前からそういう男でした」
ここでグエンは「窮している敵は追い込むな」という交渉術の基本に則り、話題を変えた。
「ところで、わがアメリアにも、ディアナカウンターレベルの軍隊は欲しいのです」
「なにをおっしゃいます?」
「ハリー大尉の事でもあるんですよ。彼には、いずれアメリア政府に出向なりしていただき、機械人形の指導官にでもなってもらいたかった」
「彼は親衛隊なのですよ」
「わかっています。だからこそなのです。アメリア合衆国軍にも、ディアナカウンター親衛隊並みの強さは欲しい」
「……それで、どこへ攻め込むつもりなのです?」
「侵略などしませんよ。自衛の為です」
しかしディアナには、そのグエンの言葉を真っ直ぐ受け止めることが、どこか出来ないでいた。
「やれやれ……信じてもらえないようですね」
今更『自衛』などという言葉を用いた所で、ディアナに信じてもらえるとも思ってはいないグエンである。
「なら、行動で示した方が早そうですな」
と言い、グエンはディアナをブリッジへと案内した。
ハリーの〈ヒャクシキ〉は『月の繭』の近くまで接近していた。
アドラステアがノックスへと向かった後も、依然として『月の繭』周辺にはわずかな建物と、そしてあの不気味な風車型機械人形が立ち並んでいた。
「まさかこんなものがグエンの主力ではないのだろうが……」
冗談のように頭部は屋根のように尖っている機械人形は、風向きに関わらずこれまた冗談のような大きな風車を回転させている。
そしてその風車たちは〈ヒャクシキ〉に気づくと、侵入者を阻止するかの如く立ちはだかった。
〈ヒャクシキ〉に最も近い位置にいた四体が壁を作るかのように並び、無言で風車を回している。
「やれやれ。近づけさせないつもりか――ならばっ!」
ハリーは〈ヒャクシキ〉のバーニアをフルに吹かし、大きく飛び上がり、前方の四体の後方へ着地した。
そして、機体を反転させ、オールレンジの無線で風車たちに言い放つ。
「私は、ディアナカウンター親衛隊のハリーだ。『月の繭』を調べに来ただけだ!」
その言葉聞いているのか、四体がゆっくりと振り返る。
「危害を加えるつもりはない。この周辺のナノマシンを……!?」
しかし言い終わる前に、向こうが行動を起こした。
四体はその冗談のような胸の風車を取り外し、武器のように振り上げ、こちらへ投げつけてきたのである。
投げつけられた風車が、四個の旋風となって〈ヒャクシキ〉に襲い掛かってきた。
- 303 :通常の名無しさんの3倍:2007/03/07(水) 02:53:00 ID:???
- ちょwwwwwwwwww
- 304 :通常の名無しさんの3倍:2007/03/07(水) 06:01:15 ID:???
- ネーデルタイフーンじゃないんですね。
ボルジャーノンがザクじゃないのと同様、見た目はネーデルガンダムでも中身は別物か。
- 305 :通常の名無しさんの3倍:2007/03/07(水) 12:31:11 ID:???
- そもそもネーデルガンダムなのかどうか。
ムットゥーやズサンみたいな感じかも。
- 306 :通常の名無しさんの3倍:2007/03/10(土) 21:33:34 ID:???
- ちょw風車じゃなくてトライブレードだったのかよ!
- 307 :通常の名無しさんの3倍:2007/03/12(月) 00:17:54 ID:???
- いわゆる保守とか言うやつ
- 308 :通常の名無しさんの3倍:2007/03/13(火) 13:25:41 ID:???
- 人が安心して保守れるためにはー!!
- 309 :通常の名無しさんの3倍:2007/03/14(水) 15:13:56 ID:???
- 保守たいふーん
- 310 :通常の名無しさんの3倍:2007/03/18(日) 02:09:06 ID:???
- そして保守
- 311 :通常の名無しさんの3倍:2007/03/22(木) 01:06:26 ID:???
- ほしゅ
- 312 :32:2007/03/22(木) 03:52:41 ID:???
- 巻きますか?巻きませんか?35話です。
(ちなみにローゼンメイデンはよくわからん)
35.アメリアに必要な風車
だが、その程度の攻撃など、ハリーにはものの数ではなかった。
〈ヒャクシキ〉を愛機のゴールドスモーの如く軽やかに操縦してみせるのは、その黄金の機体色が気に入ったというばかりではない。
やはり黒歴史時代の機体でも、このMSはかなりの高性能だったのだろう。ハリーはそんな手応えをこのMSに感じながら、警告を続けた。
「もう一度言う。私は、この周辺のナノマシンの調査に来ただけなのだ!」
しかし依然として、風車型の機械人形からは何の返答もない。
「いくら風車のような外見とはいえ、パイロットは搭乗しているのだろうが……いや、あるいは無人機なのか……?」
その可能性は高いのかも知れない。グエンのガリア軍とて、パイロットが豊富ではあるまい。
しかし有人だろうと無人だろうと、とりあえず戦闘の意思が無い事を示すため、ハリーは〈ヒャクシキ〉のビームライフルを地面に放り投げた。
「これで戦闘の意思が無い事を解ってもらえればな」
そのハリーの行為に反応を示したのは、目の前の機械人形ではなく、遥か遠くノックスのグエンだった。
『ハリー大尉、即刻戦闘行為を止めたまえ』
「グエン・ラインフォードかっ!」
『レーザー通信の準備に手間取ってしまってね――そんな事より、騒ぎを起こすのはここにいるデイアナ様も望んではいない。ノックスへ戻ってくるんだ』
〈ヒャクシキ〉の全天モニターの一角に突如現れたグエンからの通信ウィンドウがそう告げ、今度はその隣にディアナを映したウィンドウが開いた。
『ハリー。今は自重してください』
「ディアナ様まで!?」
『とにかく今は、グエン殿と私の思いは一緒です。すぐに引き返してきてください』
「グエン殿がなぜこの『月の繭』にこだわるのか説明して頂ければ、すぐにでも帰還いたしましょう……しかし、この機械人形の群れは一体何なのだ?」
ハリーのその言葉の最後はグエンに向けられた。
『やれやれ……本来その風車は戦闘用ではない事は解っているはずだが――』
あのような奇抜な攻撃を仕掛けさせておいて、よく言う、とハリーは少々腹立たしくなった。
『しかし、これからのアメリアには必要な機能を与えているのだよ』
「風車ならば、麦を引いておればよいのだ!」
その『アメリアに必要な機能』という言葉に本能的な危機を感じ取り、ハリーは〈ヒャクシキ〉に残された武装であるリアアーマーのビームサーベルに手を伸ばした。
『――そうじゃないよ。……まあいい。予定より少し早いが、始めるとしようか』
「一体何を……?」
と怪訝に思い、グエンの通信ウィンドウから外の様子へ目を転じたハリーだが、そこで彼は思わぬ物を目にしたのである。
投げ捨てた〈ヒャクシキ〉のビームライフルが、ナノマシンに侵食され溶けかかっていたのだ。
- 313 :通常の名無しさんの3倍:2007/03/22(木) 04:22:01 ID:89QIodgc
- キターーーーーーーーーーーー!!
- 314 :通常の名無しさんの3倍:2007/03/22(木) 04:57:01 ID:???
- こちらのヒャクシキはワンハンドレッドで
片手だけ赤そうなイメージですね
- 315 :通常の名無しさんの3倍:2007/03/23(金) 02:30:47 ID:???
- 何気に>>7とかを踏まえてる32氏萌え
- 316 :通常の名無しさんの3倍:2007/03/27(火) 02:33:57 ID:???
- ほ
- 317 :通常の名無しさんの3倍:2007/03/29(木) 14:28:41 ID:???
- わ
- 318 :通常の名無しさんの3倍:2007/03/30(金) 03:24:15 ID:???
- っ
- 319 :通常の名無しさんの3倍:2007/03/30(金) 07:23:45 ID:???
- つ
- 320 :通常の名無しさんの3倍:2007/03/30(金) 15:32:10 ID:???
- ま
- 321 :通常の名無しさんの3倍:2007/03/30(金) 23:27:41 ID:alrtCurr
- こがれい
- 322 :通常の名無しさんの3倍:2007/03/31(土) 11:31:39 ID:???
- ちょw保守でも笑わせんなwwww
しかしこのスレの空気はいいな。
SS氏もセンスあるし。
まぁまったり次の話待ってますよ
そして他にどんなMSか出るかwktkしときますよw
- 323 :通常の名無しさんの3倍:2007/03/31(土) 22:57:53 ID:8g03CMoY
- ターンBか
プトターンエーか
量産型ターンエーの
画像のありかしりませんか?
- 324 :通常の名無しさんの3倍:2007/04/04(水) 06:01:36 ID:???
- ユ
- 325 :通常の名無しさんの3倍:2007/04/05(木) 16:54:01 ID:???
- ニ
- 326 :通常の名無しさんの3倍:2007/04/05(木) 21:35:33 ID:???
- バ
- 327 :通常の名無しさんの3倍:2007/04/06(金) 00:25:27 ID:dqRWiInB
- ックドロップ
- 328 :通常の名無しさんの3倍:2007/04/06(金) 23:15:17 ID:???
- 幾百、幾万、幾億の保守よ〜♪
- 329 :通常の名無しさんの3倍:2007/04/06(金) 23:54:02 ID:???
- >>327
ユニバァースッ!!
まぁのんびり待ちましょ
- 330 :32:2007/04/07(土) 10:04:28 ID:???
- あんまり楽しそうに保守してるんで、出るタイミングを失ったじゃないかw
というわけであの歌をBGMに36話。
ちなみに>>323よ、6月にあきまんの∀漫画が出るらしいんで、それ読め。
プロト∀は放送当時の電撃ホビーマガジンに乗ってた気がする。
36.月の魂よ
(やはりこの辺りのナノマシンが暴走しているのか……?)
この辺りは確かロストマウンテンとも呼ばれていたはずだが、ロストマウンテンと言っても常にナノマシンが暴走状態にあるわけではない。
やはり、∀とターンXが戦った折に両機から出た繭がなにか影響しているのだろうか。
ハリーの疑念をよそに、風車型の機械人形たちが、グエンの命令を受けて『月の繭』を取り囲むように集まった。
『その風車たちは、こちらからの遠隔操作で動いている。人を乗せた機械人形に長時間乗りつづけていれば、みな溶かされてしまうのでね』
やはりそうか。ハリーは想像以上に恐るべき事態がこの『月の繭』周辺に起こっているのを確信した。
『ハリー大尉も早く立ち退いたほうがいい。どうやらその辺のナノマシンは、戦闘の意思を持つ者を侵食してしまうように変化してしまったらしい』
だから風車や車輪のついた戦艦と、冗談のような兵器ばかり集めていのかとハリーは思い至った。
そしてグエンのその言葉を聞きながら先ほどのビームライフルに目を転じると、それはもう原型をとどめていないほどに溶かされていた。
「貴様、何を企んでいる……?」
さすがに長くここに留まるのは危険だと判断したハリーは、〈ヒャクシキ〉をホバリングさせてその場から離れる。
『私が思っているのは、以前と変わらずアメリアの発展だよ』
と言い、グエンは後を振り返り、支持を出した。
『始めたまえ!』
月の魂よ
グエンの合図を受け、風車型機械人形の胸の風車が回り始めた。
月の魂よ 宿れ 宿れ 宿れ
七色の光を放ち、風車から『月の繭』に向けてナノマシンらしきものが放出される。
我らが魂と 宿れ 宿れ 宿れ
放出されたナノマシンは、次第に『月の繭』を覆っていく。
宿れ 宿れ 宿れ
「グエン! 何をしている!?」
宿れ 宿れ 宿れ
『私はとうとう、∀とターンXという、ふたつのターンタイプを甦らせる術を見つけたのだ!』
アーハッハ アーハッハ 月の魂よ
風車から放たれた七色のナノマシンは、とうとう『月の繭』を覆い尽くした。
『これで、∀とターンXは甦る!』
アラハマン山脈の南。
山師からもロストマウンテンとして恐れられ、誰も近づかなかった荒野の中に、あの戦いの後に不自然な緑の大地が出現した。
次第に人があつまり、作物さえ育ち始めた。
そして、その中央に鎮座する『月の繭』。
それが今、不気味な七色の光を放っている。
- 331 :通常の名無しさんの3倍:2007/04/07(土) 11:06:47 ID:???
- GJ!
盛り上がってきましたね〜続きが楽しみ
- 332 :通常の名無しさんの3倍:2007/04/07(土) 15:05:54 ID:???
- 何この鳥肌もんの進行w
GJということかw
そしてあきまん漫画も遂に出せるようになったのね。
見たことなかったからそっちもワクワクですよ
- 333 :通常の名無しさんの3倍:2007/04/07(土) 20:17:19 ID:jPHRGBlL
- >>330
>というわけであの歌をBGMに
ああ、晴れてハレルヤね。
- 334 :通常の名無しさんの3倍:2007/04/09(月) 18:10:37 ID:???
- 保守
GJです!!
- 335 :通常の名無しさんの3倍:2007/04/13(金) 23:00:44 ID:???
- ほしゅ
- 336 :通常の名無しさんの3倍:2007/04/16(月) 08:27:24 ID:???
- ほしょ
- 337 :通常の名無しさんの3倍:2007/04/18(水) 18:42:57 ID:???
- 法主
- 338 :通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 01:17:18 ID:???
- なんかちゃんと発展とか復興とか考えてるのかなあ、このグエンさまは。
どうも本心が読めんぜ。全てがローラを我が物にするための布石だったりしないだろうな。
アニメ、小説2つ、漫画2つ、と作品によってグエンの性格が微妙に違うから、キャラの思考がつかみにくい。
マガジンZ版のグエンさまは妙にかっこよかったし。
ロランとの決別のシーンとか。
「グエン様、敵です!アグリッパの艦隊が消し飛んで……。」
「違うよローラ、私がやったんだ。」
「……敵です!警戒しないと……。」
「わかっているはずだよローラ、あれは私が撃ったんだ」
「……わかりません!こんなの……わかるはずありませんよ!」
「たった一発で艦隊を消し飛ばしてしまう爆弾……。
このような力に恐れをなした人類は文明の全てを黒歴史として封印したという。
無理も無い話だ。
その末に、先人達がついに成しえたこの平穏な世界。
確かに尊いものなのかもしれない。
だがね。
私はやはりこうも思うんだ。
進歩をやめたその瞬間に、種としての人類はその価値を失くしてしまうのではないか……?
私にはこの地球が巨大な墓標に見えてならない……。」
「……」
「ローラ。
私は人の可能性を求めている。
どこまで高く?どこまで速く? どこまで遠く? 私はそれを見届けたい。
(この台詞のバックにはイングレッサでの進歩の象徴なのか、飛行機が大空を飛んで行くイメージのコマが入る)
我ながら呆れているよ。
まさか自分がこんなにも単純な男だったとはね。」
まあどの作品でもグエン様は基本かっこいいけどな
- 339 :通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 11:07:42 ID:???
- ネ申キターー
毎度乙です。
ありがたく読ませていただきました。
- 340 :通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 13:04:04 ID:???
- >>339
神かと思ったら違ってた^^;
- 341 :通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 16:30:15 ID:???
- たしかに「黒歴史の良いところを学ぶ」ってのは間違っては無かったんだろうが
良いところだけ学ぶなんて都合の良いことは無理そうなんだよなぁ
そもそも同盟者がギンガナムで下についてるのがミリシャだからな・・・
- 342 :通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 12:48:54 ID:???
- しかしギンガナムと結びついてその後どうするつもりだったんだろう?
ギンガナムは戦争したい人なんだから、当然、対地球強硬派だし。
進歩さえすれば自分や自分の領地がどうなってもかまわなかったのかなぁ。
それとも、ギンガナムが月の実権を握って地上を武力征服した後に、
月に委任統治を受けるアメリア大陸で現地指導者にでもしてもらって
改革を進めていくつもりだったんだろうか
- 343 :32:2007/04/21(土) 09:57:22 ID:???
- 実はガンダムシリーズで燃えや萌え抜きで一番好きなキャラがグエンだったりする。
…っていうとモーホー呼ばわりされるんで普段は黙ってますがw
ギンガナムと組んだのは、たぶんギンガナムさえも使ってみせよう、という気概もあったにはあったんでしょうな。
そういう見通しの甘いのが彼の限界なのだが。ノックス崩壊で馬買おうとした時(相場の5倍も出しゃ売ってくれんだろ)みたいな。
ちなみに、今はDVDのある巻(言うと展開がバレるので秘す)を見返すので続きはもうちょっと待ってくだせぇ。
最終回はコレ書き始めてから、劇場版を含め三回ぐらい見てんだけども。
- 344 :通常の名無しさんの3倍:2007/04/21(土) 16:06:28 ID:???
- どうでもいいがターンしてもいいアルファベットはX以外では
H、I、N、O、Sだから、このターンタイプはあったと考えられるな。
あろMとWもいれていいか?
- 345 :通常の名無しさんの3倍:2007/04/21(土) 23:48:55 ID:P0Idug+X
- >>344
ターンHガソダム…なんかエロいなwww
まぁ、ネーミングとしては、こんなところが妥当じゃね?
H→ハリケーンガソダム
I→インフィニティ・ガソダムZ−0
N→ネオ・トライダガソダム乙MC
S→シャイニングスコーピオガソダム
Oだけ思いつかなかった…。
- 346 :通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 00:49:58 ID:???
- オガンダム
- 347 :通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 01:28:41 ID:???
- >>345
なんで途中からミニ四駆に?
- 348 :通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 01:45:52 ID:UQuD4sN4
- >>347
Hを見た時、何故かハリケーンソニックを連想した。
- 349 :通常の名無しさんの3倍:2007/04/22(日) 16:29:47 ID:???
- 大きいガンダム
- 350 :通常の名無しさんの3倍:2007/04/24(火) 02:27:50 ID:???
- >>346
オガンダムを知ってるとは…通だな
- 351 :通常の名無しさんの3倍:2007/04/24(火) 02:51:27 ID:???
- >>350
リアルタイムでこれ知ってる奴は30代以上……
- 352 :通常の名無しさんの3倍:2007/04/26(木) 08:54:29 ID:???
- >>342
技術手に入れて∀量産とか出来ちまえばどうとでもなるってとこなんじゃない?
見通しが甘いのは同意。
というか、どこか自分の運の強さを試してる節ない?御曹司は。
>>32
アッー!!
まぁなんだ、雑談も嫌いじゃないんだぜ?
- 353 :32:2007/04/29(日) 01:32:00 ID:???
- お、俺はバカラスなんて知らないからな? というわけで37話。
あとアッーはやめれw
37.天より来るもの
ノックスの広場には、使節団に希望する者たちが急遽集められた。
ターンタイプを甦らせる計画が予定より早まってしまったため、本来なら使節団の選考後に知らしめるはずだったのだが、こうなれば広く一般にも知らしめる方が良いとグエンは判断したのだ。
広場にグエンのイングレッサ・ミリシャの親衛隊ともいえる〈丸メガネ〉が数体現れ、希望者たちは騒然とした。
「とうとう始まるのか?」
「あいつには苦い思いをさせられたからなぁ」
ある者は宇宙への扉が開かれるのかと緊張し、ある者は東海岸での戦闘を思いだすのだが、〈丸メガネ〉はそんな騒ぎをよそに背中からビーム状の旗印を展開した。
「おおっ! なんか出したぞ?」
展開されたビームフラッグは隣の機体のものと繋がり〈丸メガネ〉小隊の上方に大きなビームの幕が出現した。
『ノックスに集まってくれた諸君、私がグエン・サード・ラインフォードである』
巨大ビームフラッグは巨大モニターとなり、そこにグエンの顔が映し出される。
『さて、今は時間が無いので急な話なのだが、私がこのアメリアでやろうとしている事の一つを諸君らにも知って頂きたいので、こういう形での無礼を失礼させていただきたい』
そして画面は『月の繭』を映し出す。
『かつて地球の文明を黒歴史へと封印した∀とターンX、この二つの機械人形は、アラハマン山脈のロストマウンテンに眠っています』
「あ、あれは……!」
それはロランやソシエには忘れようにも忘れられない場所であった。
「グエン殿……」
そして、ディアナにとっても。
『だが今、私はその機械人形たちを甦らせる術を手に入れたのです!』
カメラがズームし、『月の繭』の七色に光る表面を捉える。
「な、何だって!?」
「そんな……そんな事って!」
ロランとソシエは叫びだしていた。
『見たまえ! この七色に輝く繭こそ、ターンタイプが眠るナノマシンの塊。すなわち、このアメリアがさらなる発展を向かえる希望の光なのです!』
グエンの言葉が切れた途端にノックスの広場が沸き立ったのは、どうにもタイミングが良過ぎるのだが、ロランとソシエにはそんな事に気付く余裕などあるはずもない。
それどころか、拍手と喝采の中で、ロランは余りの衝撃に両膝を突いてしまっていた。
「どうして……どうしてそんな事するんですか……グエン様は……」
グエンも月で黒歴史の記録を見、ギンガナムと共に行動し、月光蝶の恐ろしさを知っているはずなのに、そのグエンはよりにもよってターンタイプを復活させると言うのだ。
「グエン様の目的って、こういう事なの……?」
そしてカメラはグエンへと戻る。
『あなたたちが月へ行き、再びアメリアへ帰ってくる頃には、この二体のターンタイプがあなたたちを迎えている事でしょう』
「流石だ! グエン様!」
「アメリア万歳! イングレッサ万歳!」
グエンが導くように両手を広げた時には、その場の熱狂は最高潮に達していた。
『さあ、私と共に月へ行こうという同志諸君! 私は諸君の――』
そこで映像に一瞬ノイズが走り、グエンの表情が一変した。
『ど、どういう事だ!? これは……』
今までの得意の絶頂から逆に、明らかに動揺が見て取れる。
カメラは再び『月の繭』へ戻り、そこにはまず光と轟音が届けられた。
『映すな! 映すんじゃない!』
ノックスの広場には先ほどとは打って変わり、グエンのうろたえた声が響く。
そして、その場にいる全員がビームフラッグ製のモニター越しに見たものは。
『月の繭』周辺に落ちる隕石だった。
その数、七つ。
- 354 :通常の名無しさんの3倍:2007/04/29(日) 10:41:13 ID:???
- うおー!すごい展開だー!
ほす
- 355 :通常の名無しさんの3倍:2007/04/30(月) 10:32:40 ID:???
- 新手期待保守
- 356 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/01(火) 12:44:41 ID:???
- ワクテカ保守
- 357 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/02(水) 00:38:41 ID:???
- 盛り上がってきたあああああああああ
- 358 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/02(水) 05:31:19 ID:kGsAZ1T8
- 支援保守!!
- 359 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/02(水) 06:50:53 ID:???
- スモーの出番が欲しい所。
- 360 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 02:05:00 ID:???
- おぺれーしょん・めてお?
『オペレーション・メテオなんてや「めてお」ね〜』保守
- 361 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/04(金) 04:25:26 ID:???
- ヤダァ( ´д)ヒソ(´д`)ヒソ(д` )キイタァ?
- 362 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/05(土) 01:11:15 ID:???
- グエン「ローラ!ローラ、ローラ。ローラ!」
ロラン「落ち着きなさい!」バシン
グエン「アッー!」
- 363 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/07(月) 18:15:29 ID:???
- 「おしゃべりグエン」
- 364 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/08(火) 23:56:23 ID:???
- ユ
- 365 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/09(水) 11:27:13 ID:???
- ニ
- 366 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/09(水) 14:31:30 ID:???
- クロ
- 367 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/09(水) 22:22:00 ID:???
- ノクル
- 368 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/12(土) 02:03:16 ID:???
- (ノ∀`) アチャー
- 369 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/12(土) 06:28:52 ID:???
- 密談の真相
グエン「ホワイトドールはバラバラにしておけば勝手に足らない部分が生えて増えるのでしょう?これを利用して…」
ギム(地球人には無理か)
ベル(むりだねぇ)
- 370 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/12(土) 16:37:35 ID:???
- >>368
オマエは俺か!
- 371 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/13(日) 01:41:05 ID:???
- おしゃぶりグエン様
- 372 :32:2007/05/13(日) 03:11:35 ID:???
- ユニクロって出始めの頃、トランスフォーマーの新しい敵だと思ってた俺、参上。
38話。ついにあの男の正体が明らかに。
38.ライオンハート
『月の繭』の周囲に落ちた七つの隕石は、しばらくの間、黒い煙を上げ燻りつづけていた。
だが、偶然でも数個の隕石がこんなに集中して落ちるものではない。
かつて「献体」として月からフラットで地球に降下した事のあるロランは、その一瞬の映像だけでそれは何かが降下してきたのだと直感した。
そしてそこに、今は月の女王であるキエルの意思のようなものも感じられたのだ。
「ソシエお嬢さん、あれ、ただの隕石じゃないですよ」
「なら、宇宙から……月から来たっていうの?」
突然の状況の急転に戸惑い、ソシエはビーム幕の映像に目を釘付けにされたままである。
『状況を報告しろ! それと、ノックスへの中継は――』
そこで映像が途切れ、後にはビームの幕を収めた〈丸メガネ〉部隊が虚しく残された。
「……行きましょう!」
恐らくグエン以上に今の状況が呑み込めないでいるであろう広場に集う人々の中で、いち早く行動を起こしたのはロランだった。
「そうね。ここにいたって何もわからないんだから」
ロランとソシエは棒立ちになっている人々の輪をかいくぐり、MSを停めてある郊外へ向かおうとした。
だが、まさにその時。
獣のような咆哮が急に起こった。
「う、おおおおおーっ!」
その場の全員がその咆哮の源に注目する。
あの獅子の仮面の男が大きな唸り声をあげていたのだ。
その男の声は大地より湧き上がるような感情を全身から発していた。
「ディ、ディアナ様あぁ!」
或いは泣いているのだろうか、厳ついその仮面には不釣合いなほどに感極まった声でその男は月の女王の名を叫んでいた。
「ディアナ様、って……」
「ムーンレィスなの? あの人?」
あまりの急な出来事に思わず立ち止まったロランとソシエも気を取られていたが、その男がディアナの名を出したのは驚くばかりである。
「ただいま、そちらへ向かいますぜ!」
そしてその獅子の仮面は、周りの人垣を文字通り蹴散らし、ノックスの広場から出ていこうとする。
「……なにあれ」
ソシエならずともその場の全員が呆気に取られているのだが、そんな暇をもかき消すかのように、今度は急に突風が広場に吹き荒れた。
いきなり高速で機械人形が空を飛んできたのだ。
空を見上げたロランの目に映ったのは、とても見覚えのある機体。
「フラット……? なんでこんな所に?」
今のノックスにはアメリア全土から様々な機械人形が集まっているが、どれも発掘されたものばかりで、ディアナカウンターのMSはここには無いはずだ。
しかもそのフラットには脚が無く、変わりに下半身がスカート型ブースターに覆われていて、停止しても地面に着地せずに浮きつづけている。
獅子仮面の男はそのフラットに向かって走っていき、そして脚無しのフラットはそれに応えるように手を伸ばした。
「姐さぁーん!」
男はフラットの手に飛び乗り、獅子の仮面を剥ぎ取った。
その素顔は金の長髪でヒゲを生やし……つまり意外な事に、ロランやソシエのよく知っている人物だった。
「行くよ! ムロン!」
脚無しフラットのパイロットらしき者の声がしたかと思うとそのフラットは急旋回し、来た時と同じく猛スピードでその場を去っていった。
「ムロン? ムロン・ムロンさんなの?」
「生きていたんですか!? レット隊のあのお二人!」
- 373 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/13(日) 04:25:24 ID:OB0DH1b8
- >>372
ktkr!!
支援します!!
- 374 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/13(日) 10:51:57 ID:???
- ムローーーーーーーーーーーーーン!
- 375 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/13(日) 17:56:43 ID:???
- GJ!
こんな良スレ今日まで見逃してた自分が恥ずかしいぜ!
- 376 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/13(日) 19:13:51 ID:???
- wktk
- 377 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/13(日) 22:30:47 ID:???
- ちょwwwwwwwwレット隊キター!!
漏れもあの二人がいっても気になってたから
これはヤバいわw
ちなみにトランスフォーマーはユニクロ"ン"じゃなかったかい?兄さん
レット隊ってさ、ディアナ様は地球人として暮らして欲しいって願ったんだけど
キエルディアナは爺とか2人意外は月に連れてっちゃったんだよねぇ…
- 378 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/13(日) 22:56:39 ID:???
- 「姐さぁーん!」 があの声で脳内再生されたぜええええ
- 379 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/13(日) 23:24:26 ID:oJotfmPt
- >>378
俺も俺も!
つーきのたまよーーーー
- 380 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/13(日) 23:29:06 ID:???
- ムロン「エヴァ、発進」
- 381 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/16(水) 00:54:57 ID:???
- 期待保守
- 382 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/17(木) 14:43:53 ID:???
- 保守ついでに、お髭様のプラモがMG100体目に決まったようで。8月とかだとか。
プラモ手に取るところから新しく∀観る人出たらいいなぁ
- 383 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/19(土) 01:05:23 ID:???
- >>382
ヴァーカ?
- 384 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/19(土) 16:15:59 ID:???
- >>383
ごめん、覚えてない
- 385 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/21(月) 17:51:39 ID:???
- ユ
- 386 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/21(月) 18:37:11 ID:???
- ニ
- 387 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/21(月) 18:46:39 ID:???
- ヴァ
- 388 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/21(月) 18:57:32 ID:???
- ァ
- 389 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/21(月) 19:19:17 ID:???
- |
- 390 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/21(月) 19:22:45 ID:???
- ス
- 391 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/22(火) 00:25:54 ID:???
- 惜しい
- 392 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/22(火) 08:28:51 ID:???
- そうかしら?
- 393 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/22(火) 09:10:55 ID:???
- そうとも考えられますけど、ご褒美じゃないんですか?
- 394 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/22(火) 10:32:08 ID:???
- 任務ですよぉ!
- 395 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/24(木) 05:55:08 ID:???
- ロランの名言
「ソシエお嬢さん、そんな強く握っちゃだめですよー」
「ッッ!・・歯を立てたらダメですってば!」
「あああソシエお嬢さんイキますよ!もう限界です!」
ポゥの名言
「私はなんて不幸な女なんだ・・・またイっちゃった(泣)」
ディアナの名言
「イイイ!イクっっっっ!イクぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅあああ!!!・・・よしなに。」
- 396 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/24(木) 19:07:05 ID:4A/eGN9P
- 2点
- 397 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/24(木) 19:54:03 ID:???
- どのセリフで2点なんだ?ポゥあたりが2点なのかディアナあたりが2点なのか?
- 398 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/24(木) 20:51:36 ID:???
- トータルでじゃないか?
- 399 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/24(木) 23:37:34 ID:???
- 「ッッ!・・歯を立てたらダメですってば!」
↑2点
間違いない。
- 400 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/26(土) 04:48:49 ID:???
- アゴナシグエンと俺物語
- 401 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/26(土) 11:39:55 ID:???
- 本スレかどっかで、本編にZが出る案があったらしいって話を聞いて
32・サード・ラインフォードのSSはそれも組み込んでたんだなって分かって更に感心したw
こういうのやるとツッコミどころ多くなりがちなのにあまりないんだよw御曹司の書くSSは
まぁなんだ、続きにwktkしてるってことでw
- 402 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/26(土) 15:53:51 ID:???
- 御曹司は抱かれたいのかね?
抱きたいのかね?
- 403 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/26(土) 16:14:29 ID:???
- ぶたれたい
- 404 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/27(日) 17:23:47 ID:FVvknHXV
- ttp://wolf.kirisute-gomen.com/07.4-16r-r.html
- 405 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/28(月) 00:28:55 ID:???
- 既にURLの色が変わってたんだぜ?w
なんというか、ロランの良さを分かってないんだぜ?
- 406 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/30(水) 01:00:05 ID:???
- 乳ロランは不可だが乳ローラは可な気が・・・して・・・きた・・・
- 407 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/30(水) 01:10:17 ID:6fkDdnv3
- 支援保守。
- 408 :通常の名無しさんの3倍:2007/05/30(水) 03:51:23 ID:???
- ガチホモ乙
- 409 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/04(月) 03:07:27 ID:???
- 6月の保守
- 410 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/04(月) 23:11:25 ID:???
- 「もう6月ですか〜
∀の物語の季節って春から(黄金の)秋で
いいのかな?
32さんの物語の季節はいつかな〜」保守。
- 411 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/04(月) 23:19:13 ID:???
- どう見ても四季描かれてるだろ
- 412 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/05(火) 00:39:36 ID:???
- 410です
えーっと、なんと言ったらよいのか・・・。
- 413 :32:2007/06/05(火) 10:42:36 ID:???
- >>411は、最終話のラストの間には冬のシーンとかもあった、って意味じゃないかな?
ちなみにこの話は、最終話から半年後なのか1年後なのかは特に想定していなかったりするw
39.七つの星
七つの流れ星は七つの隕石となり、さらにそれは七つの宇宙船という正体を表した。
『月の繭』の周辺に落ちた流星。それは明らかに人工物のような外観をしており、何よりその衝撃派は周囲の風車型機械人形を吹き飛ばす程の威力だった。
ナノマシンを放出していた風車は折れ、グエン秘蔵の機械人形たちは地に倒れた。
その状況を映像で見る事しか出来ないグエンだが、しかし素早くその異変に対応する。
「状況を報告しろ! 風車は何機残っている!?」
アドラステア艦長室の椅子から立ち上がらんばかりに見を乗り出し、レーザー通信のモニターに向かい叫ぶ。
そこに映し出されているのは戦場跡のような混乱と廃墟だった。折れた風車、千切れた機械人形の手足、砕け散った装甲。
その中で、それでも『月の繭』は依然として七色の光を発していた。
グエンは直感する。これは明らかにこのタイミングを狙ったものだ。だとすれば、自分の行為はすべて月に監視されていたというのか……。
「ああ……」
だが思考はディアナの感嘆を拾った耳により中断された。
(キエルさん……とうとうここまで……)
うなだれるディアナにグエンは追い討ちをかけるように言い放つ。
「ディアナ閣下。私は月がこんな事までするとは考えてもおりませんでしたが?」
「私も――とは申しません。ですが、私は隠居した身」
「そんな言い訳が通用する時ではない!」
苛立ったグエンは、一度通信モニターの方を見やり、
「動ける機械人形は全部出せ! 月からの攻撃もあり得るからな!」
手の内を読まれていたという疑念はひとまず頭の隅に置きつつ、留まる事なく指示を出しつづけた。
「そう、月からの上陸部隊による攻撃だってあり得る状況なのですよ。今は」
辛うじて「地球帰還作戦の時のように」というのは言い留まった。
それほどまでに、ディアナはショックを受け憔悴していたのだ。
「――とにかく、私もこの状況を収めなくてはなりません。ディアナ閣下はもう自室に退いていただいて結構」
「……はい。そうさせていただきます……」
ディアナが退室し、艦長室に一人になったグエンは改めて通信モニターを凝視する。
画面の隅から隅まで穴が開くように見詰め、映像から得られる情報はすべて手に入れようとその眼は動き続けた。
「――私に挑もうというのか! キエル・ハイム!」
無意識にそんな事を呟いていた。
だが既に事は成ったのだ。風車型機械人形によるナノマシン散布は半ば成功した。
グエンはいつしか、聖者が地上に降り立つ神を迎え入れるかのように通信モニターの画面に仰々しく手を触れていた。
「だが……私には……ターンタイプが……」
どんなに混乱が起きていようとも、グエン手の中で『月の繭』は妖しく光り続けていた。
- 414 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/05(火) 11:02:36 ID:???
- 待ってましたよ!GJ!
- 415 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/05(火) 14:41:25 ID:???
- そろそろ来ないかなぁ、と思ってたらキター!
GJ!
- 416 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/05(火) 21:26:16 ID:???
- 本当にいつも御曹司の喋る声が聞こえてくるなw
GJ
- 417 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/05(火) 21:56:01 ID:Mjd93Q9A
- 流石だな!!
支援保守!!
- 418 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/07(木) 17:34:56 ID:???
- いつも乙です
続き期待保守保守
- 419 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/10(日) 02:39:42 ID:???
- 昨日一日かけて∀全話見直したあとに
このスレ見つけたんだけどマジ神だなwwwwww
支援&定住保守
- 420 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/10(日) 02:54:02 ID:???
- >>419
今日もう一周するんだw
きっと新しい発見あるよ
- 421 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/10(日) 21:02:08 ID:mMNzyHMm
- >>419
ならば、明日1日かけて地球光と月光蝶を見るんだw
- 422 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/11(月) 00:49:44 ID:???
- >>420-421
もうしばらく見なくていいよw
SS氏のレスにwktkしとく
- 423 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/11(月) 14:37:41 ID:???
- 初訪問記念ユニヴァーーーーース!!!
- 424 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/11(月) 20:25:24 ID:???
- この板初めて来て素朴な疑問なんだけど
IDが表示されたりされなかったりなのは何故?
- 425 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/11(月) 21:04:10 ID:???
- >>424
メール欄にsageって入れとくとスレが上がらないし、IDも表示されない。
強制ID板じゃなければどこでも同じだよ。
- 426 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/11(月) 21:57:39 ID:???
- 超絶良いスレ発見。
ターンAターン歌いながら保守。
時が未来に進むと♪なんちゃらかんちゃらー♪
- 427 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/11(月) 22:43:38 ID:???
- >>425
まじですか(; ^ω^)
普段VIPか邦楽男性ソロ板しか行かないんで
わかんなかったです。
- 428 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/13(水) 21:02:54 ID:???
- ホシュニバース!!
- 429 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/14(木) 21:36:56 ID:???
- よ
- 430 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/14(木) 23:52:50 ID:zAI7ti3Z
- 保守である!!
- 431 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/15(金) 03:04:00 ID:???
- >>430
そこは「し」とカキコするべきだろw
- 432 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/15(金) 03:35:18 ID:???
- そうだよなぁ
- 433 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/15(金) 08:41:09 ID:???
- よしだ
しんだ
なんだ
にんじゃ
- 434 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/15(金) 11:14:56 ID:???
- そろそろかな〜
wktk
- 435 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/16(土) 08:46:18 ID:???
- 32さんいつも楽しみに読んでます
こんなものを作ってみたのでグエン閣下とこのスレに献上します
(゚Д゚)⊃http://www.nicovideo.jp/watch/sm461133
- 436 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/16(土) 08:53:21 ID:???
- クリちゃんワロタ
御曹司の気持ち歌わせるなwwww
- 437 :32:2007/06/16(土) 11:43:58 ID:???
- >>435
やっぱこうして見るといい演出多いな〜。背景を歩く∀が軽く手挙げたのに応えるシーンとか。
それはともかくGJ!
続きはちょっと待って。次が丁度40話なんでなんかやりたいんで。
- 438 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/16(土) 11:55:06 ID:???
- おk、wktkして待つよ。
- 439 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/16(土) 14:15:04 ID:???
- 細かい挙動に演技(実際にはアニメの絵でしかないけれど)があるというか
昨日宮崎観ても思ったんだけど、人間らしさ描いてるんだよな、御禿も
特に作品テーマとマッチして、いい作品になったよな、∀って
>>32
ケツの穴ほぐして待ってるぜw
そういやここ見てる人は∀のプラモは買うのかね?
- 440 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/16(土) 18:47:24 ID:???
- うpしてくれるならいくらでも待つぜ!
もはや話の続きにwktkするのが日課だからねwww
>>439
ノシ
- 441 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/18(月) 09:40:22 ID:???
- 貴様!ディアナ様の保守と言ったかー!!
- 442 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/18(月) 22:50:15 ID:???
- 保守をほしゅと言うてなにが悪いw
- 443 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/19(火) 00:01:16 ID:???
- >>441
ハリー乙
- 444 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/21(木) 10:28:28 ID:???
- よ
- 445 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/21(木) 12:35:09 ID:???
- さ
- 446 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/21(木) 13:51:24 ID:???
- の
- 447 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/21(木) 15:04:22 ID:???
- あ
- 448 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/21(木) 15:14:37 ID:???
- き
- 449 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/21(木) 15:17:39 ID:???
- ま
- 450 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/21(木) 16:29:39 ID:???
- ん
- 451 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/21(木) 16:42:32 ID:???
- げ
- 452 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/21(木) 17:59:32 ID:???
- つ
- 453 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/21(木) 18:17:31 ID:???
- め
- 454 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/21(木) 18:28:57 ID:???
- ん
- 455 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/21(木) 18:43:08 ID:???
- もう飽きた
- 456 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/21(木) 19:06:31 ID:???
- ならばネタを振りませい!
- 457 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/21(木) 19:43:42 ID:???
- ネタ振れないから
おとなしく>>32氏を待っとくw
- 458 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/23(土) 10:12:51 ID:???
- ハレグゥのハレとロランってどことなく似てないか?
- 459 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/24(日) 01:40:02 ID:???
- ハレグゥがわからない(; ^ω^)
- 460 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/24(日) 20:02:54 ID:???
- あれだろ初期の髪の短い時のロランだろ?
- 461 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/26(火) 07:06:10 ID:???
- 人が安心して保守するためには!!
- 462 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/28(木) 01:42:59 ID:???
- やっぱミリシャの保守はおいしいね
- 463 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 10:07:02 ID:???
- 山の端 月は満ち 息づくあなたの保守
- 464 :32:2007/06/30(土) 12:03:39 ID:???
- 待たせたなぁ。というわけで、「四十話記念やりたいことプロジェクト」は「次回予告をつける」でした。
ショボイとか言うなw本編は近日うp予定だからw
『月の繭』に落ちた七つの隕石は、やはり月から来たものだった。
それでグエン様の考えが変わるとは思えないのだから、僕たちは急いで『月の繭』に急がなければならなかった。
今は月の女王であるキエルお嬢様にも考えがあっての事なんだろうけど、月と正式な国交を結ぶ前に戦争になってしまっては、ディアナ様だけでなく多くの人が悲しむだけだ。
次回、∀ガンダム外伝。『カイラス・ギリ、起動』。月からの風が黒歴史を呼ぶ。
- 465 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 14:42:50 ID:???
- >>32
わーい
次回予告を見つつ期待してますよネ申!
- 466 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 16:03:13 ID:???
- 次回予告キター、って物凄く物騒な単語が目に入ったんだぜ? >カイラス・ギリ
- 467 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 16:09:11 ID:???
- GJ!!
次回予告でロランの声が聞こえたwww
- 468 :通常の名無しさんの3倍:2007/06/30(土) 16:27:32 ID:???
- し、死人は?死人は出しちゃダメなんだぜ?
- 469 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/01(日) 23:37:39 ID:jVrnuoCa
- イサキ保守
- 470 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/02(月) 08:41:09 ID:???
- そんなに保守が好きかー!
- 471 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/04(水) 10:43:11 ID:???
- その股ぐらにロケット保守!
- 472 :32:2007/07/04(水) 11:18:57 ID:???
- 次回予告付けたんだから、「前回までのあらすじ」も必要だろう。というわけで四十話。
空から降ってきた隕石からは、月の女王であるキエルお嬢様の気持ちのようなものを僕には感じ取れた。
レット隊のお二人が生きていたのも嬉しい事なんだけど、グエン様はあの『月の繭』の土地で一体何を企んでいるのだろう。
40.カイラス・ギリ、起動(1)
だが実際のところ、『月の繭』は正に戦場であった。
グエンの指示は細部まで行き届いたものなのだが、肝心の七つの流星に関しては「様子を見ろ」としか言われず、現地のガリア兵たちは警戒態勢のまま全滅寸前の風車型の回収に追われている。
「アドラステアを出航させろ! 目的機は分かっているな!?」
このままノックスに座しているわけにもいかないグエンは、ようやく思い腰を上げた。
月使節団選考会などは即刻中止なのだが、集まった機械人形乗りには絶対にノックスから出るなと厳命し、脱出しようとする者には容赦なく攻撃を加えてもよいとさえ命令した。
集まった希望者たちの中には当然、ロランのように他州のミリシャの機械人形乗りも数多くいる。
つまり、この混乱に乗じてイングレッサ=ガリア軍が他州から攻撃されない予防でもあるが、もし月と戦闘状態になった時にはこの集団をそのままアメリア州連合のMS部隊に仕立てる事も出来るとの思惑もあった。
しかし艦長室からブリッジに指示を出していたグエンは、逆にブリッジから緊急の報告を受ける。
「何……? 月の女王が?」
アメリアでは領主クラスでしか使用できない通信チャンネルで呼びかける者があるというのである。
しかも、発信源は、月。
「キエル・ハイム、ようやくお出ましか」
ついにこの時が来たのか、と感慨に耽る暇もなく、グエンは応対した。
『ごきげんよう、グエン・サード・ラインフォード閣下。お久しぶりですね』
モニターに映る金髪の女性、それは……。
(! ――ディアナ・ソレル!?)
馬鹿な。当のディアナは今このアドラステアにいるはず。先程までは間違いなくこの艦長室にいたのだ。
何らかの偽装をして発信源を月と偽り、ディアナのいる客室から発信しているのか?
だが疑ってしまったのは一瞬。グエンは動揺を素早く隠した。
「女王陛下もお変わりなく」
直接名前を呼ばなかったのは、まだ心の底で相手がディアナなのかキエルなのか判別し難かったからなのだろう。
『あなたもです。グエン閣下』
いざ話してみればいつもの調子が戻るのもグエンである。いきなり核心を切り出した。
「……さて。大層な事をしてくれましたな。これは明らかに我がイングレッサ領に対する領土侵犯、いや、戦闘行為だと受け取られてもおかしくはない」
『イングレッサ領? アラハマン山脈のあの辺りはそうでしたでしょうか?』
知っていてそんな事を言っているのか! と叫びそうになったが、相手がキエルならば知りようもない可能性があると思い止まり、状況を説明することにした。
「かつて∀とターンXが戦った辺りも、我が領土となったのです。しかしこれは、イングレッサだけでなくアメリア全土に対する――」
『あなたがアメリアの事を案じているのならば!』
月の女王は急に声を張り上げた。
『なぜターンタイプを甦らせるのです!』
「…………!」
その剣幕に、グエンは完全に呑まれ、凍りついた。
『あなたとて、黒歴史の映像は御覧になっているのでしょう? ならば、なぜその黒歴史を呼び戻すような真似を!』
もしかしたら、これは本物のディアナ・ソレルなのかも知れない。今までディアナだと思って相手にしていたのは、実はキエル・ハイムだったのかも知れない。
ならば自分は、月の女王にずっと騙されていたというのか……?
頭の中が戦慄で真っ白になったその時、艦長室が大きく揺れ、グエンは床に膝をついた。
恐らく、アドラステアが急発進したためなのだろうが、グエンには正しく世界そのものの揺らぎだった。
「ディアナ、ソレル閣下……」
図らずも、グエンはモニター越しに女王にひざまずく形を取ってしまっていた。
- 473 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/04(水) 11:28:21 ID:???
- GJ!!
- 474 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/04(水) 12:37:32 ID:???
- 支援
- 475 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/04(水) 13:18:49 ID:???
- GJ!!
これからどうなるか全く読めんwww
- 476 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/04(水) 23:36:13 ID:???
- GJですわ
- 477 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/05(木) 00:05:22 ID:???
- うはーやっぱ面白いなぁ
超GJ
- 478 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/07(土) 13:19:52 ID:???
- いつの時代も保守は大活躍ですぜ!
- 479 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/07(土) 14:58:39 ID:???
- もしや・・・ 32サンは素人では無いのでは・・・
あの方では・・・
- 480 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/07(土) 21:53:41 ID:???
- >>479
何故かそこには触れちゃいけない気がするんだぜ
- 481 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/07(土) 22:22:36 ID:???
- ∠(`◇´) はっ!了解しました
- 482 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/07(土) 22:26:34 ID:???
- >>480
もとい、
ハッ!“∠(`◇´) 了解しました
- 483 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/08(日) 00:38:36 ID:???
- 矢立肇だな
- 484 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/08(日) 01:03:20 ID:???
- GJ。
支援します!!
- 485 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/08(日) 02:11:29 ID:???
- >>32氏のことは触れてはいけないんだと小生は思うんですよね(笑)
なぜなら、32氏は32氏だということだからです
- 486 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/08(日) 14:33:52 ID:???
- いっそ、OVAにしてほしいんだぜ!
もしやこのSSは下書(ry
- 487 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/08(日) 15:45:59 ID:???
- GJ。
支援します!! 32氏
- 488 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/08(日) 17:14:17 ID:???
- この32氏の原作でOVA出たら間違いなく買うわwwww
- 489 :32:2007/07/08(日) 22:50:28 ID:???
- 俺も絶対買うわwwwww
ちなみに私はただの素人ですよ?
- 490 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/08(日) 23:05:27 ID:???
- >>489
ハッ!“∠(`◇´) 32氏、了解であります
- 491 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/09(月) 00:21:03 ID:???
- そうだよなぁ買うよなぁ
ガハッガハッハハハ
- 492 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/10(火) 19:28:35 ID:???
- ハ:保守か!?
ロ:任務です!
- 493 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/10(火) 19:46:37 ID:???
- ハロ?
- 494 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/10(火) 23:28:31 ID:???
- >>493
「ハリーの災難」のハリーとロランの掛け合いですw
- 495 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/11(水) 00:02:15 ID:???
- >>492
この男、戯れてる。
- 496 :493:2007/07/11(水) 01:57:12 ID:???
- ネタ書き込みなので、マジレスしてくれなくていいです。
- 497 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/11(水) 09:42:25 ID:???
- いるなら保守ぐらいしなさいよ!
失礼な名無しだ。
- 498 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/13(金) 13:28:51 ID:???
- Aはウォドムに転換、Bはニューモデル、ホシュタイプにしておけ!
H O S H U !
- 499 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/16(月) 06:59:49 ID:???
- 保守か!
- 500 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/16(月) 14:15:30 ID:???
- スレストにオートリアクション
- 501 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/16(月) 21:55:58 ID:???
- サイボーグコレンvsバイオギャバン
- 502 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/16(月) 23:34:20 ID:???
- 宇宙刑事になって帰ってきたギャバンとか
- 503 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/18(水) 15:43:23 ID:???
- ごきげんよう、このスレは私がスカートのまま保守しますわ〜
- 504 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/19(木) 06:41:57 ID:???
- 倖田來未@パチンコ
- 505 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 10:37:39 ID:???
- 今福井さんの小説読んでるんだけど
TV版と設定とか流れが微妙に違ってて凄い新鮮
保守
- 506 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/21(土) 20:12:15 ID:???
- ハッ!“∠(`◇´)
- 507 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/22(日) 04:28:08 ID:jizkrp+U
- 今全部読み終わった
32さんの文才に嫉妬しちゃうなぁ…。
というわけで応援しつつ保守(・ω・)/
- 508 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/22(日) 04:32:44 ID:???
- すまねえ、あげちまった…。
- 509 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/24(火) 14:36:23 ID:???
- ほーしゅのレスよぉ〜
- 510 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/26(木) 14:18:43 ID:???
- セ
- 511 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/26(木) 17:33:44 ID:???
- 早く来て欲しいな 32氏さん・・・
- 512 :32:2007/07/26(木) 22:01:16 ID:???
- ごめん、41話の半分ぐらい書いた所で夏風邪こじらした(笑)
- 513 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/27(金) 02:03:10 ID:???
- こじらしたかどまい
夏風邪はタチ悪かったりするからお大事にね〜
あと、愛してるぜ!
- 514 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/27(金) 07:12:29 ID:???
- お大事に( ^ω^)ノシ
気長に待ってまーす
- 515 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/27(金) 09:56:19 ID:???
- >>512
r'[ニ@ニ] デネブキャンディーだ
/ [ ゚◇゚] [>@<] [>@<] [>@<] [>@<] [>@<] [>@<]
. ,∇つc凵O [>@<] [>@<] [>@<] [>@<] [>@<] [>@<] [>@<]
んと_)_) [>@<] [>@<] [>@<] [>@<] [>@<] [>@<] [>@<] [>@<]
- 516 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 11:42:44 ID:???
- >>512
無理しないで頑張ってね!32氏さん
- 517 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 11:45:22 ID:???
- 今福井版∀読み終わったんだけど
TV版と違って最後の最後にソシエに幸せが訪れたんだな
ええ話や( ^ω^)
ほしゅ
- 518 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 14:47:57 ID:???
- そしてグエン様はどのバージョンでも本人の望むような
結末を迎えられないのであった。
かわいそかわいそ
- 519 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/29(日) 20:47:41 ID:???
- もし今回の参議院選挙に、
グエン様が立候補していたら、
どうなったでしょ?
- 520 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/29(日) 21:39:34 ID:???
- レイザーラモンHGが応援演説に駆けつけ、まだいたんだあの人、と言われる。
- 521 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/30(月) 00:56:55 ID:???
- ゲイ能界から多数の応援が駆けつけ
辺りを異様な雰囲気に包み込む
- 522 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/30(月) 08:40:57 ID:???
- マッキーが歌歌いにかけつけたりな。同業者パワーは凄いよ
- 523 :通常の名無しさんの3倍:2007/07/30(月) 13:40:21 ID:???
- それはアッー!倒的な光景だろうね
- 524 :通常の名無しさんの3倍:2007/08/01(水) 20:18:31 ID:???
- 保守
- 525 :32:2007/08/02(木) 15:50:22 ID:???
- みんな、すまねぇな。人多杉も解除され、夏風邪もなんとか収まってくれたぜ。
>>515、飴ちゃん頂くぜ、ギャバン隊長!ノ[>@<]
41.カイラス・ギリ、起動(2)
無論、あの七つの流星がただの隕石ではないという事に即座に気付いたのはロランだけではない。
ハリー・オードにしてみれば「それ」がMS用の大気圏突入用ポッドであるのはすぐに判別出来たのだが、直接この地点にMSを降下させるなどというのは、少々早急にすぎるのではと思えた。
この時点でMSの投入など、いたずらに開戦の口実をグエンに与えるだけではないのだろうか。
「私の為に増援、などとも考えられないが」
ディアナ・カウンターを以ってグエンのガリア軍を叩くのであれば、七機程度で一体何が出来るというのだろう。
ともかくも〈ヒャクシキ〉のハリーは、再び『月の繭』に接近した。
「戦闘の意思は無いと散々言っておきながらこの有様では、信用もされないか」
念のためにコクピットのハッチを開け放ち、いつもゴールドスモーでそうしていたように開いたハッチに脚をかけた。
〈ヒャクシキ〉をオートで歩かせたまま、直にその目で周辺の状況をつぶさに観察する。
ガリア兵たちはどうしていいのか分からず、しかし戦闘を仕掛けて来ない事だけは明らかなようなので誰一人としてハリーに手出しする者はいないのだが、実際のところはあの七つの隕石が落ちた事で戦闘意欲が完全に挫かれたようである。
金色の光を放つ〈ヒャクシキ〉は、今は鈍い光を宿している『月の繭』に近付いていく。
ナノマシンが散布された直後のような輝きは失っているが、『月の繭』には確かに光が燻っていた。
そして、それを取り巻くように置かれているのは、降下してきた突入ポッド。
「女王は一体何をお考えなのだろうか……」
答えはそのポッドの中にあるのだろうとハリーが決心したその時。
そこに、七つの大輪の花が咲いた。
すべての降下用ポッドが自動的に開いたのである。
開いたポッドの外殻は花びらのように開いたのだが、花の中央には花弁ではなく、MSがそびえ立っていた。
その七体のMSは背中に畳んだ羽根のようなものと巨大なビームキャノンを背負いどれも同じに見えたのだが、一機のみ明らかに違う特徴――額にV字のアンテナを有していた。
「これは……」
そのV字アンテナを見た瞬間、ハリーは女王の真意をすべて理解した。
「私にカイラス・ギリを使えというのか!?」
あのギム・ギンガナムでさえ使用しなかったカイラス・ギリ砲。
月の女王であるキエル・ハイムは、今ここでハリーにその使用を命じたのだ。
思わず天を仰いだハリーの目に、真昼の青々とした月が飛び込んできた。
「……月が、出ている」
月世界のカイラス・ギリは黒歴史時代のようにその運用には宇宙要塞も宇宙艦隊も必要としない。
このカイラス・ギリの起動・運用には、ただ一人のMSパイロットさえ居ればよいのである。
黒歴史時代には巨大なビーム砲を使用した戦争が幾度かあったが、そのいずれもが戦闘により破壊されたり敵に奪われたりしており、存在自体が敵を刺激するものであった。
そして存在そのものが戦争の原因にもなりかねないと判断したかつてのムーンレィスは、その力を数体のMSに分散させ、ソレル家、メンテナー家、ギンガナム家がそれぞれ分割管理し、起動には三家当主の承認も必要とした。
ここに降り立った七体のMSがそのすべてではないのだが、それを地球に降下させる事が出来たのは、カイラス・ギリの運用を掣肘するべきアグリッパやギム亡き今だからこそである。
ハリーは〈ヒャクシキ〉を降り、七つの大輪の一つ、額にV字アンテナを持つMSに乗り込んだ。
背中の畳まれていた羽根が開き、MSの背後に『X』の文字を浮かび上がらせた。
無人機である残りの六機も同じく背中の羽根を開き、肩に巨大なビーム砲を担いだ。
照準は、グエンのガリア軍などではない。
七つのカイラス・ギリは、『月の繭』に狙いを定めたのである。
- 526 :通常の名無しさんの3倍:2007/08/02(木) 15:58:23 ID:???
- 御曹司キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
- 527 :通常の名無しさんの3倍:2007/08/02(木) 16:02:01 ID:???
- ちょwwwww月は出ているかwwwwwww
これは熱いwww福井も内包するつもりねw
ACE3でもコラボあればいいね
- 528 :通常の名無しさんの3倍:2007/08/02(木) 17:02:11 ID:???
- GJ&快復おめ!
- 529 :通常の名無しさんの3倍:2007/08/03(金) 03:10:41 ID:???
- 百式売るよ!
- 530 :通常の名無しさんの3倍:2007/08/03(金) 18:54:35 ID:???
- マジでOVAで見てぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!
兎も角GJ!
- 531 :通常の名無しさんの3倍:2007/08/03(金) 19:12:23 ID:???
- うぉぉぉおおGJ!!!!!!!!
なんかすげー展開になってきたwwwwww
- 532 :通常の名無しさんの3倍:2007/08/03(金) 20:42:34 ID:???
- ハァハァ本当にいい話を書いてくださる!
明日も生きていける気がしてきた
GJ
- 533 :通常の名無しさんの3倍:2007/08/04(土) 00:39:23 ID:???
- サテライトキャノンのエネルギーはすべて頂いている!
スモーのエネルギーを頂いたようにな!
分かっているのかハリー・オードっ!
- 534 :通常の名無しさんの3倍:2007/08/06(月) 13:43:54 ID:???
- 人が作ったものなら、人を救ってみせろぉぉぉおお!!!!!!!!
原爆の日保守
- 535 :通常の名無しさんの3倍:2007/08/08(水) 06:07:12 ID:???
- MG祭りで保守
- 536 :32:2007/08/10(金) 15:27:59 ID:???
- 俺もやっとMG買えたよ……
説明書やガンプラ∀のイラストからイロイロものつくりパワーもらってるから。
なんか新たなネタも浮かんで来そうな勢いだ。
- 537 :通常の名無しさんの3倍:2007/08/11(土) 16:15:29 ID:???
- いいなぁ俺まだ買ってないや
- 538 :通常の名無しさんの3倍:2007/08/12(日) 22:02:59 ID:???
- あ、また今日もMG買い忘れた_| ̄|○
- 539 :通常の名無しさんの3倍:2007/08/16(木) 07:23:06 ID:???
- キエルは父ちゃん似で
ソシエは母ちゃん似なんだな
保守
- 540 :通常の名無しさんの3倍:2007/08/17(金) 20:19:47 ID:???
- アマゾンでMG注文しちゃった
ウキウキが止まらないwww
- 541 :通常の名無しさんの3倍:2007/08/18(土) 00:16:44 ID:???
- 今日新宿さくらやの前で販売員のお兄さんの足元にあったMG∀を物欲しげに見ていたのは俺w
- 542 :御大将:2007/08/23(木) 00:46:59 ID:???
- 月光蝶でほしゅ!
- 543 :通常の名無しさんの3倍:2007/08/24(金) 22:59:13 ID:???
- 志の高さで保守
- 544 :32:2007/08/25(土) 22:53:23 ID:???
- 42話。なにげに>>533がネタバレでびっくりしたぜw
42.カイラス・ギリ、起動(3)
「異常は無いですか? ソシエお嬢さん」
「はいはい。ありませんよ……それよりロラン、頭、落とさないでよね?」
「分かっていますよ。ちゃんとこうしてしっかり抱えてますから」
ノックスを脱出したロランとソシエは、いち早く『月の繭』に到達すべく、Zボルジャーノンを飛行タイプへ可変させ、その上にロランの〈ガンダム〉を乗せて移動していた。
変形時に余剰となるボルジャーノンの頭部を〈ガンダム〉が抱えなければならないという事意外、特に追撃なども無くノックスを出発できたのは幸いだったが、思うように速度は出せないでいた。
「それでも、機械人形で走るよりは早いんですから」
ホワイトドールを橋にしたり、黒い布で鯨に擬態させたりと、ロランはいつも機械人形を変な風に扱うからなぁ、などと思いつつソシエは『月の繭』へ向けて操縦桿を握る。
「それより、後方は安全なの? ノックスから追っ手が来たり――」
脱出には全く気付かれてないわけではないはずだが、こう何も気配が無いと逆に不安だとソシエが思ったその時。
二人の機体は上空からの高エネルギーを観測し、警告を発した。
「なにこれ? 今度は何なの!?」
「また大気圏外からの砲撃――いや、メガ粒子砲じゃない……?」
それは、『月の繭』から遠くはなれた場所からでも充分に目視できる程の、一筋の光。
青い空を裂くように白い光が一直線に地面を撃った。
「王よ! 天の枝が! アデスの枝が現れたぞ!」
「どうなっているのだ! また天の巨人が、アデスの枝を巡って争う時代が来るのか!?」
同刻。マニューピチ。
その月からの光は遠く離れたこの場所からも見ることができた。
明らかにザックトレーガーの回転により発生する光とは異質なその輝きは、マニューピチの人々を恐怖へ陥れた。
「言ったはずだ。白い悪魔は白い巨神ともなりうると」
新しい王タルカは、アメリアの巨人たち――というより、ロランを信頼している。
あの少年がいる限りは、黒歴史の再来はくい止められるだろう、と。
「アデスの枝により天に登ったあの白い悪魔は、地上に再び平和をもたらしてくれたではないか」
∀とターンXの戦いは、このマニューピチの地にも人づてに聞こえているらしい。
「ならばこそ、黒歴史の再来などはあり得ないのだ」
王の交代時にホワイトドールを直に見ているタルカ王の言葉であるだけに、それはマニューピチの人々の心に一層深く響いた。
「エネルギー充填完了……」
カイラス・ギリのコクピット内のハリーは淡々と発射作業を進めていた。
「照準、『月の繭』。……Gビット全機も照準完了」
六体の無人機もハリー機と同じポーズを取り、七本のカイラス・ギリは『月の繭』にその主砲を向けた。
「これで戦いが終わればよいのだが……」
ハリーは操縦桿のトリガーを引いた。
七本のビームが『月の繭』に向けて放たれ、眩い光が当たりに拡がった。
『月の繭』はその光に包まれ、かつて黒歴史時代この兵器の的となったものがそうであるかのように消失するかに見えた……。
だがその光は、カイラス・ギリ砲によるものではなかった。
七本のカイラス・ギリの集中砲火は七色の光を産み出した。
しかもその輝きは、風車によりナノマシンを散布された時よりも一層増しているようにさえ見え、その形は蝶の羽根を思わせた。
「これは……月光蝶!?」
まさにそれは、繭より蝶が羽化しようとしている様だった。
「繭の中のターンタイプは、まだ生きているとでも言うのか!?」
- 545 :通常の名無しさんの3倍:2007/08/26(日) 02:39:17 ID:???
- 御大将復活か!?
- 546 :通常の名無しさんの3倍:2007/08/26(日) 06:13:43 ID:???
- これはwwwG-Bitといい、タイムリーなw
マニューピチもいいなぁw当時は蛇足なエピソードに感じたけど、∀にはああいうのが大事なんだよねw
そろそろ誰かいまんとこの登場MSまとめてくれないかな?
それはそうと、32氏はMG完成した?
漏れは頭と右腕以外完成したw
ミードモールドのスミ入れが地味に手間でなかなか進まんよ…
ほんと惚れ惚れする立体物だわ
逆襲のグエンでもホワイトドールは再び姿を現すのか…
- 547 :通常の名無しさんの3倍:2007/08/26(日) 06:45:07 ID:???
- 32氏いつもGJ
見直してみるとこのネタスレだったものも1年もったんだな
昔より∀に詳しくなった自分が改めて読み直してみると32氏のリスペクトっぷりがよく分かる
当時の自分じゃ気づかなかった∀のネタが色々盛り込まれてたし(水争いとか)
読むたびに新しい発見があるよ
続き楽しみにしときます
- 548 :通常の名無しさんの3倍:2007/08/26(日) 09:19:18 ID:???
- GJ!!
MG、amazonで2500円まで値下げしてる…
売れてないのかな( ´・ω・`)
- 549 :32:2007/08/27(月) 09:12:02 ID:???
- >>546
パチ組なら速攻組んだんだけど、スミ入れまでとなるとなかなか暇が取れませんw
スミ色もグレーか黒かで迷ってる最中だし……。
- 550 :通常の名無しさんの3倍:2007/08/27(月) 09:41:08 ID:MIwzmCPE
- あらよっと。
http://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/mokei/1188117803/
- 551 :通常の名無しさんの3倍:2007/08/27(月) 14:46:42 ID:???
- スミ入れ黒はよした方がいいよ
∀にやっちゃうと如何せん重すぎる
薄めにグレー入れるか、汚したかったら茶ぐらいがいいと思う
- 552 :通常の名無しさんの3倍:2007/08/28(火) 12:18:58 ID:???
- このスレまだあったのか!
- 553 :通常の名無しさんの3倍:2007/08/29(水) 01:05:53 ID:???
- >>544
乙!!
いつも楽しみにしてます。
- 554 :通常の名無しさんの3倍:2007/08/31(金) 12:44:25 ID:???
- ほっしゅほしゅ〜
- 555 :通常の名無しさんの3倍:2007/09/02(日) 09:32:46 ID:???
- hosyu
- 556 :通常の名無しさんの3倍:2007/09/04(火) 13:43:39 ID:???
- HO☆SH☆U
- 557 :通常の名無しさんの3倍:2007/09/07(金) 08:17:57 ID:???
- 捕手!
- 558 :通常の名無しさんの3倍:2007/09/07(金) 22:27:47 ID:???
- 保守
- 559 :通常の名無しさんの3倍:2007/09/12(水) 09:38:09 ID:???
- 新劇場版∀ガンダム
―――Coming soon
- 560 :通常の名無しさんの3倍:2007/09/12(水) 10:28:47 ID:???
- 保守。
- 561 :通常の名無しさんの3倍:2007/09/12(水) 19:02:31 ID:???
- 新劇場版あるなら福井版のシナリオでやってほしいんだな( ^ω^)
- 562 :通常の名無しさんの3倍:2007/09/13(木) 01:58:28 ID:???
- >>561
厨二鬱小説(゚听)イラネ
- 563 :通常の名無しさんの3倍:2007/09/13(木) 18:45:04 ID:???
- すでに過去のもののホワイトドールは御曹司にくれてやって、
ロランは新たに発見されたオーバーマン・キングロランで。
- 564 :通常の名無しさんの3倍:2007/09/14(金) 11:38:08 ID:???
- そういやキングゲイナーの髪の毛はロランっぽいな
- 565 :通常の名無しさんの3倍:2007/09/17(月) 04:40:26 ID:???
- ほしゅ
- 566 :通常の名無しさんの3倍:2007/09/21(金) 11:59:48 ID:???
- 手持ちのMGガンダムズにモンキーダンス踊らせてみた。
∀じゃないと似合わない
- 567 :通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 15:50:47 ID:???
- ほ
- 568 :通常の名無しさんの3倍:2007/09/24(月) 02:51:32 ID:???
- そろそろ新作くるかな〜?
保守
- 569 :通常の名無しさんの3倍:2007/09/28(金) 15:56:37 ID:T567Ln5w
- 次に来たときには新作がありますように♪(*'-^)-☆ミ
- 570 :32:2007/09/29(土) 11:49:29 ID:???
- 正直、ターンXをこの流れで復活させようかどうか迷ってて、復活する話も書いてみたけどどうもしっくり来ない。
期待してた人いたらゴメン。43話。
43.月の光
繭をさらに包み込む蝶の羽根、それはまさに月光蝶を思わせる光だったが、しかしカイラス・ギリの砲撃をも無効化した繭の光は次第に消えていった。
「カイラス・ギリをも弾くビームバリアなど、あるはすが無い!」
だが現にこうやって、七機のMSによる砲撃が無効化されたのだ。
ターンタイプがその機能を完全に修復するには、先の復活時と同程度の時間――つまりこの正暦と同じ年数が必要であろう、とムーンレィスの技術者たちは言っていた。
だが、今こうやってカイラス・ギリの砲撃を弾いたという事は、自己防衛機能だけは復帰したという事なのだろうか?
「いや、だからこそ二千年以上も無事に眠っていられたということなのだろうな」
外敵に対して無防備なただの「繭」ではなく、ありとあらゆる障害から身を守る事ができる。それがこの『月の繭』なのだろう。
ならばグエンなどに手出しできる代物ではなく、これは月と地球で管理すべき遺産なのではあろうが……。
「破壊も無理、ならばグエン卿の手に渡った所でどうにか出来ようというものでもあるまい」
グエンの元にムーンレィスの技術者もいるが、月政府の黒歴史データに触れる事も許されない市井の技術者に一体何が出来よう。
かつてのギム・ギンガナムの台詞ではないが、正に「∀の復元などできるわけがない」のである。
ハリーはMSのキャノピーを開け放ち、手を腰にやり片足を引っ掛けるといういつものポーズで天を仰ぎ見て呟いた。
「しかしキエル・ハイムも大胆な手を使うものだ」
『月の繭』がすべての争いの根源だと考えるならば、その破壊をも厭わないとは。
ディアナにも思いつかない事を考え、しかも禁忌に触れるのにも構わず実行に移し、カイラス・ギリを地球に降下させるとは。
「この始末、私に被れというのか……?」
だがそう言うハリーは嫌な気分ではなく、言いながら自然と口元が綻んだ。
あのキエル・ハイム女王にこうして仕えていると、近衛隊長の仕事もディアナ時代とはまた違った面白さがあるというものだ。
月からのカイラス・ギリの光に衝撃を受けたのは、ロランたちやマニューピチの人々だけではない。
グエンやディアナは言うに及ばずだが、メリーベルはあの月からの光を見た瞬間に、自分の居場所はやはり月だ、と直感してしまった。
考えてみれば、グエンと共にアメリアに来たときからつまらない事だらけだった。
かの「東海岸の会戦」ではビームキャノンは撃っても敵MSには絶対に当てるな。
ビッグ・トレーではいきなり屋上でお茶会になる。
かと思えば、急にアメリアと休戦してガリアにいた時と同じような黒歴史発掘の日々。
挙句の果てには、あのローラに手玉に取られ、〈とんがり帽子〉は機能停止。
まったく、つまらない。
大体、アメリア人は戦争をしたいのかしたくないのか、よく分からない。
「いや、地球人なんて所詮は地面を這いずり回ってるサルだ……」
だがあの月よりの光を見た時、このアメリア大陸がちゃんと月と繋がっている――ちゃんと同じ世界にあるという事を思い出させてくれたのだ。
「だったら」
月へ帰ろう。
あそこでは運河人以下の生活だったけど、こんな所よりはマシだ。
「それもこれも、グエンがバカだからいけないんだ……」
- 571 :通常の名無しさんの3倍:2007/09/29(土) 13:45:49 ID:???
- 今後の展開にwktkが止まらないwwwwwwwwwwwwww
- 572 :通常の名無しさんの3倍:2007/09/29(土) 19:13:46 ID:???
- 32氏乙です( ^ω^)
メリーベルの反乱ktkr!!!
- 573 :通常の名無しさんの3倍:2007/09/29(土) 22:49:59 ID:???
- 再開ktkr
- 574 :通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 17:50:50 ID:???
- >>570
乙です。
支援します!!
- 575 :通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 08:48:56 ID:???
- グッジョブしつつ保守
- 576 :通常の名無しさんの3倍:2007/10/02(火) 09:52:32 ID:???
- 保守
- 577 :通常の名無しさんの3倍:2007/10/02(火) 13:21:44 ID:???
- 待たせやがって!これからも待つからがんばれよ!
- 578 :通常の名無しさんの3倍:2007/10/02(火) 21:15:21 ID:???
- 3ヶ月ぶりにきてみたら…
やっぱ32氏、あんた最高だぜ…
マターリ劇場版サントラ聴きながら保守
- 579 :通常の名無しさんの3倍:2007/10/05(金) 20:03:36 ID:???
- 保守である!
- 580 :通常の名無しさんの3倍:2007/10/06(土) 12:47:33 ID:???
- 僕にできることは保守するくらいだお(´・ω・`)
- 581 :通常の名無しさんの3倍:2007/10/09(火) 01:17:54 ID:???
- 捕手
- 582 :通常の名無しさんの3倍:2007/10/10(水) 17:04:53 ID:???
- ほ
- 583 :通常の名無しさんの3倍:2007/10/10(水) 17:18:52 ID:???
- も
- 584 :通常の名無しさんの3倍:2007/10/10(水) 21:24:21 ID:???
- さ
- 585 :通常の名無しさんの3倍:2007/10/10(水) 23:47:19 ID:???
- ほもどこさ
- 586 :通常の名無しさんの3倍:2007/10/11(木) 00:32:11 ID:???
- にちょうめさ
- 587 :通常の名無しさんの3倍:2007/10/11(木) 08:05:31 ID:???
- にちょうめどこさ
- 588 :通常の名無しさんの3倍:2007/10/12(金) 12:33:30 ID:???
- 保守という名の駄レスの山…
ここももう終わりだね。
- 589 :通常の名無しさんの3倍:2007/10/12(金) 12:43:35 ID:5zL6qDi6
- んなこたーない。
保守。
- 590 :通常の名無しさんの3倍:2007/10/12(金) 14:51:32 ID:???
- ちょっとあんたがったどこさ面白かったのにwww
- 591 :通常の名無しさんの3倍:2007/10/14(日) 20:50:40 ID:???
- >>588
おまえここは初めてか?肩の力抜けよ。
とりあえず今のとこ投下は月一ペースだからな。
一緒にゆっくり待とうや。
- 592 :通常の名無しさんの3倍:2007/10/17(水) 12:28:25 ID:???
- 保守さ
- 593 :通常の名無しさんの3倍:2007/10/19(金) 03:52:29 ID:???
- いま、上から全部読んだ
続きをwktkして待つことにしたw
- 594 :通常の名無しさんの3倍:2007/10/19(金) 07:27:39 ID:n9DR0kFQ
- 急に寒くなって風邪も流行ってるようだ。
作者さん&スレ住民のみんなも風邪など召されぬよう。
保守。
- 595 :通常の名無しさんの3倍:2007/10/22(月) 08:09:07 ID:???
- ほsっっゆ
- 596 :通常の名無しさんの3倍:2007/10/25(木) 21:23:20 ID:???
- ほ
し
ゅ
- 597 :通常の名無しさんの3倍:2007/10/27(土) 14:50:04 ID:???
- ほyすだーーーーー
- 598 :通常の名無しさんの3倍:2007/10/30(火) 13:18:31 ID:???
- はいはい保守保守
- 599 :32:2007/11/04(日) 00:49:51 ID:???
- 10月は全然投下できなくてすまねぇ……。お詫びといっちゃナンだが久々に前後編。
44話前編。
44.枯れ木に花を
月からの高エネルギー反応と、それに続き「『月の繭』地点にてビーム砲撃反応あり」との観測結果を見てしまっては、ソシエの気持ちが逸るのは当然だ。
だから、Zボルジャーノンの操縦桿を握る手にも力が篭りすぎていたし、こんな時にのうのうと上に乗っているだけのロランの〈ガンダム〉が少し恨めしくもなってくる。
「ねぇ、やっぱり私だけが先行した方が早いんじゃない?」
ソシエは何度目かの同じ提案をするが、ロランはその度に首を縦に振らない。
「急ぐ気持ちは分かりますけど、もうすぐですから……」
だがそれでも二人は確実にアラハマン山脈の『月の繭』に近付いている。
その証拠に、荒野が続いた地面にわずかずつだが草木が目に付くようになってきた。
『月の繭』からのナノマシンの影響である。
「文明を滅ぼしたはずの∀が、こうしてアメリアに実りをもたらすのか……」
月光蝶システムの乱れ? 何もかもを破壊するナノマシンが、なぜ荒野に草木を?
ロランのつぶやきを拾ったソシエの耳に、不意にグエンのあの言葉が甦った。
――それは、愛ゆえにさ。
「……愛、ねぇ……」
「? どうしたんですか? ソシエお嬢様」
場違いな独り言を聞かれたのが急に恥ずかしくなったソシエは、なんでもないわよと言ってロランとの通信を切り、操縦に専念する事にした。
が、数秒後にまたロランの〈ガンダム〉からの通信が入る。
「今度は一体どうしたのよ!?」
さっきの事ならどうだっていいじゃないと思いつつ応じると、思いがけずロランの緊迫した声が聞こえてきた。
「大変です! 後方に戦艦級の反応。多分グエン様の船ですよ!」
「とうとう追いついちゃったのね……」
出来れば先に『月の繭』に着きたかったのだが、このまま速度を上げたとしても、機械人形部隊を展開されてしまっては補足されてしまうのは確実だろう。
「どうするロラン、振り切れないわよ」
「そうですね……」
逡巡する二人に、アドラステアからグエンは呼びかける。
「速度を落としたまえ、ローラ!」
- 600 :32:2007/11/04(日) 00:52:06 ID:???
- 44話後編。「もう終り」てのも叱咤激励と受け止めるが、二丁目とかホモネタはやーめーてーw
その数十分前。
怒れるグエン・サード・ラインフォードはアドラステア艦内の狭い廊下を足早に歩いていた。
目的は、もちろんディアナのいる船室である。
あの「月の女王」からの通信の真意を是が非でも問いただしておきたかった。
「ディアナ・ソレル、よろしいかな?」
ドアをノックするその声にいつもより幾分怒りが篭っているのに気付き、グエンは少し落ち着く事に務めた。
「はい……」
声がすると、そのいかにも黒歴史時代のものらしい、金属製の船室のドアが横にスライドして開く。
「何でしょうか?」
そのディアナの顔は、何かを隠しているようには見えなかった。
「事態は逼迫しています。あまり時間が無いので核心のみをお聞きしますが、今回の件はあなたは関係ないのですね?」
「私は既に月の女王ではありませんし、ムーンレィスにアメリアを攻めさせる命令など、出しようもありませんという事は解っていただきたいのです」
しかし問われる立場のディアナが、逆にグエンに懇願する。
「それだけ解れば結構なのです……実は先程、月の女王から通信が入りましてね」
「! キエルさんが……!」
「やはりキエル・ハイムでありましたか。今の月の女王は」
「しかしキエルさんならば、今の月も治めてくれると信じていたからこそ、私は地球で隠遁する決心もつきました」
その物言いがキエルが女王をしている事の弁護なのか、或いは地球で暮らしている自分を言っているものなのかはグエンには測りかねたが、ともかくも今のディアナにこの事態を解決する気はあるのかと尋ねた。
「こんな私がお役に立てるならば、何でもいたします」
そう言ったディアナの表情は、一瞬だけだが女王に戻った。
「それが、かつての女王の務めですから」
- 601 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/04(日) 18:26:29 ID:???
- 携帯からで失礼。
32氏、乙であります!
- 602 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/04(日) 18:47:19 ID:???
- キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
- 603 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/05(月) 08:09:59 ID:???
- 月曜の朝にいいものを見た
GJ!
- 604 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/06(火) 13:58:21 ID:???
- ひさしぶりに見にきたら・・・
32氏GJ!
- 605 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/07(水) 00:14:37 ID:EIUSQhA3
- キター!!
支援します!!
- 606 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/07(水) 10:21:39 ID:???
- ゴッドジョブ
- 607 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/12(月) 02:18:06 ID:???
- 消えたら嫌なので保守。
- 608 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/13(火) 08:27:45 ID:???
- 保守
- 609 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/15(木) 18:41:53 ID:???
- 恋は真夏のように〜
- 610 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/16(金) 08:01:33 ID:???
- 愛され眠る保守
- 611 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/16(金) 22:20:44 ID:???
- ブッド・キャリアーの中にはガンダムX保守
- 612 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/17(土) 20:49:37 ID:???
- 保守
- 613 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/18(日) 20:06:59 ID:???
- 保守
まだですかね〜
- 614 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/18(日) 21:31:15 ID:???
- >>613
つ【32氏にも私生活があるんだから、マダーとか言わない】
- 615 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/18(日) 21:42:50 ID:???
- 新作が来たばかりじゃないか
ローラのことでも考えながらまったりまとうではないか?
- 616 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/18(日) 23:11:57 ID:???
- >>615
こんな所で何やってるんですか、グエン様?
- 617 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/19(月) 14:52:40 ID:???
- 微熱が冷めないまま保守
- 618 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/19(月) 22:34:05 ID:???
- >>614
すみませんでした
- 619 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/20(火) 01:58:08 ID:???
- >>618
いいんだよ、ローラ。
さ、早くおいで。ベッドが冷めてしまうよ
- 620 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/20(火) 20:29:44 ID:???
- 保守
- 621 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/22(木) 08:05:59 ID:???
- 保守
- 622 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/23(金) 03:06:09 ID:???
- ホ
- 623 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/23(金) 18:20:50 ID:fWqSwREX
- モ
- 624 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/23(金) 18:38:38 ID:r3w5IunZ
- カ
- 625 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/23(金) 18:44:27 ID:???
- ッ
- 626 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/23(金) 19:39:14 ID:bwFAT3FB
- ト
- 627 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/24(土) 00:35:38 ID:???
- グエン
- 628 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/24(土) 00:52:21 ID:???
- バン
- 629 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/24(土) 00:54:03 ID:???
- ライン踏んでる
- 630 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/24(土) 02:21:11 ID:???
- ン
- 631 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/24(土) 12:54:32 ID:???
- 美
- 632 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/24(土) 19:33:51 ID:???
- 国
- 633 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/24(土) 23:09:20 ID:???
- 美しい人生よ〜
- 634 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/25(日) 23:28:32 ID:???
- 限りない喜びよ
- 635 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/26(月) 08:20:12 ID:???
- なぜシゲル・マツザキ?w
しかし彼のターンAターンならば聴いてみたい気もする
- 636 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/26(月) 19:08:24 ID:???
- 月の繭もw
- 637 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/27(火) 07:50:48 ID:???
- 塊魂やってからしげるの歌声が心地いいw
あの声に限りなき旅路なんかも歌わせてみたいw
- 638 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/27(火) 18:14:09 ID:???
- 終わりなきこの旅を歌で貫かん
- 639 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/27(火) 19:43:11 ID:???
- どこに行っても松崎しげる大人気だなwww
- 640 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/28(水) 02:42:16 ID:???
- LOVE 繋がりたいんだ
- 641 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/28(水) 19:37:57 ID:???
- 俺と?!
- 642 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/29(木) 02:37:59 ID:???
- >>641
狙い撃つぜ!!
- 643 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/29(木) 08:23:48 ID:???
- *←アナ○
カモン!ロックオン!
- 644 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/29(木) 19:00:01 ID:???
- >>643
ヴァーチェ、目標を破砕する。
もう12月か。いよいよ冬も本番だが、32氏も風邪引かないように気を付けろよ〜。
- 645 :通常の名無しさんの3倍:2007/11/29(木) 22:09:31 ID:???
- ティエリアならいつでもOKさ!
- 646 :通常の名無しさんの3倍:2007/12/01(土) 14:50:02 ID:???
- 御曹司共自重しろ
- 647 :通常の名無しさんの3倍:2007/12/02(日) 23:29:20 ID:???
- 絶対にノゥ!
- 648 :通常の名無しさんの3倍:2007/12/04(火) 13:06:31 ID:???
- 泣き虫ポゥ!
- 649 :通常の名無しさんの3倍:2007/12/04(火) 13:58:37 ID:???
- シドゥじいさん
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