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【2次】漫画SS総合スレへようこそpart51【創作】

1 :作者の都合により名無しです:2007/08/04(土) 22:50:28 ID:jFl/JUa30

元ネタはバキ・男塾・JOJOなどの熱い漢系漫画から
ドラえもんやドラゴンボールなど国民的有名漫画まで
「なんでもあり」です。

元々は「バキ死刑囚編」ネタから始まったこのスレですが、
現在は漫画ネタ全般を扱うSS総合スレになっています。
色々なキャラクターの新しい話を、みんなで創り上げていきませんか?

◇◇◇新しいネタ・SS職人は随時募集中!!◇◇◇

SS職人さんは常時、大歓迎です。
普段想像しているものを、思う存分表現してください。

過去スレはまとめサイト、現在の連載作品は>>2以降テンプレで。

前スレ  
 http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/ymag/1181533782/
まとめサイト  (バレ氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/index.htm
WIKIまとめ (ゴート氏)
 http://www25.atwiki.jp/bakiss


2 :作者の都合により名無しです:2007/08/04(土) 22:52:39 ID:jFl/JUa30
AnotherAttraction BC (NB氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/aabc/1-1.htm
聖少女風流記 (ハイデッカ氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/seisyoujyo/01.htm
上・鬼と人とのワルツ 下・仮面奈良ダー カブト (鬼平氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-short/waltz/01.htm
 http://www25.atwiki.jp/bakiss/pages/258.html
Der Freischuts〜狩人達の宴〜 (ハシ氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-short/hasi/03-01.htm
上・戦闘神話  下・七人の超将軍 (銀杏丸氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/sento/1/01.htm
 http://www25.atwiki.jp/bakiss/pages/337.html
フルメタル・ウルフズ! (名無し氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/fullmetal/01.htm
上・永遠の扉  下・項羽と劉邦 (スターダスト氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/eien/001/1.htm
 http://www25.atwiki.jp/bakiss/pages/233.html
WHEN THE MAN COMES AROUND (さい氏)
 http://www25.atwiki.jp/bakiss/pages/105.html

3 :作者の都合により名無しです:2007/08/04(土) 22:55:51 ID:jFl/JUa30
上・ヴィクテム・レッド 下・シュガーハート&ヴァニラソウル (ハロイ氏)
 http://www25.atwiki.jp/bakiss/pages/34.html
 http://www25.atwiki.jp/bakiss/pages/196.html
ドラえもん のび太の新説桃太郎伝(サマサ氏)
 http://www25.atwiki.jp/bakiss/pages/97.html
ジョジョの奇妙な冒険 第三部外伝 未来への意志 (エニア氏)
 http://www25.atwiki.jp/bakiss/pages/195.html
その名はキャプテン・・・ (邪神?氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/captain/01.htm
DBIF (クリキントン氏)
 http://www25.atwiki.jp/bakiss/pages/293.html
ドラえもん のび太と天聖導士 (うみにん氏)
 http://ss-master.sakura.ne.jp/baki/ss-long/tennsei/01.htm
脳噛ネウロは間違えない (名無し氏)
 http://www25.atwiki.jp/bakiss/pages/320.html
最強伝説の戦士 黒沢 (ふら〜りさん)
 http://www25.atwiki.jp/bakiss/pages/341.html

4 :作者の都合により名無しです:2007/08/04(土) 23:04:06 ID:jFl/JUa30
>ふら〜りさん
暖かい作風が気に入っています。
新スレでも頑張って下さい。

ちょっとご無沙汰の方々が戻ってこられるといいですね。

5 :作者の都合により名無しです:2007/08/05(日) 08:50:58 ID:kcIYNW/v0
新スレ乙。
うみにんさん現スレでは復活しないかな

6 :作者の都合により名無しです:2007/08/05(日) 23:29:49 ID:4LdJVSKb0
今日あたり誰か来ないかな

7 :作者の都合により名無しです:2007/08/06(月) 08:24:22 ID:s0Gip//H0
1さん乙。
お盆には俺も書くから。

8 :作者の都合により名無しです:2007/08/06(月) 12:45:50 ID:ABOMPyZ40
サマサさん、ミドリさん復活きぼん

9 :作者の都合により名無しです:2007/08/06(月) 13:21:02 ID:kpP002ue0
関係ないが質問させてください。
作者の下のはどういう意味があるんですか?
これ↓
http://www.uploda.org/uporg946475.jpg.html
パス(zip)

10 :作者の都合により名無しです:2007/08/07(火) 00:02:58 ID:BhWei2lq0
新スレ乙。

>>8
サマサさんどうしたんだろうね
最近なかなか職人さん来ないから寂しいな
NBさんとかさいさんとかも

11 :作者の都合により名無しです:2007/08/07(火) 13:25:53 ID:5U6ZPPhA0
社会人が多いから忙しいんだよ

12 :サマサ ◆2NA38J2XJM :2007/08/07(火) 19:40:10 ID:wIV7jyQh0
心配してくださっている方もいるようなので、とりあえず生存報告を…。
5月半ばに鬱病(軽いもんですが)を発症し、精神科通いでした。
毎日を過ごすのが精一杯で、パソコンの前に座っても何も書けないという有様でした。
パート50にも一度も投下できなかったし…。
今は医者にもかかっていないので、9月〜10月にはどうにか復帰できると思います。
その頃には全盛期の精神テンションに戻っている!と言いたいところです。

13 :作者の都合により名無しです:2007/08/07(火) 21:53:48 ID:k4+FG//F0
>サマサさん
そういう事情でしたか。

ところで。
『神界〜』&『超機神〜』呼んでて思い出したのですが、ドラマCD(初期)の稟と
マサキは、中の人が同じでしたね。

それでは、御自愛下さいませ。

14 :作者の都合により名無しです:2007/08/08(水) 08:38:01 ID:xSqr7ami0
大丈夫かサマサさん・・
まだ新社会人でしたっけ?
まずはお体を治して下さい。

15 :作者の都合により名無しです:2007/08/08(水) 23:36:17 ID:alscmnLD0
サマサさん、今はゆっくりとして下さい。
そして復活を待ってます。

16 :作者の都合により名無しです:2007/08/09(木) 10:54:45 ID:JBHxevrr0
結構職人さんで精神的に追い詰められる方多いな・・
サマサさん、お大事に。

17 :最強伝説の戦士 黒沢:2007/08/09(木) 22:08:16 ID:JGzhsqmR0
>>ttp://www25.atwiki.jp/bakiss/pages/341.html
プレハブの外、プレハブの裏、人気のない工事現場の片隅。
じっ、というより、じと〜っと黒沢を見る野明と、うな垂れた黒沢が向かい合っている。
「昨日のことなんですけど、未確認生命体第2号について何かご存知ではないですか?
いつ、どこからどうやって出現したのかとか……」
「っ!」
あの時。そうだ、この子も殺されてなかったし瀕死の重傷だったってわけでもない、
てことは見られてる? いや待て、だったら既に武装した警官隊がここに殺到してるはず。
そうじゃないってことは、第2号自身だと思われてはいない、か。それなら何とかなる!
「オ、オレは何もしてないし、知らない。ただひたすら怖くて逃げ回って、結局あのクモ男に
ボコられて、でも運良く軽傷で……あ、ほら、あんたと一緒にいたあのデカいお巡りさん、
確か彼も、殺されてはいないんだろ? いやあ運が良かった、あんな現場にいたのに」
「ひろみちゃんは……山崎巡査は今、集中治療室です。一晩、生死の境をさまよいました。
何とか峠は越したので、命は助かるそうですけど……」
ぐっ、と野明の拳が握られる。その声が少しずつ、震え始めた。
「……あんなに大勢の人が、あんなに酷い殺され方をした現場にいたのに……あたしは、
何もできなかった……何もできずにただ、イングラムの中で震えてた……それで今、
自分が無傷だったことにホッとしてる……最低……こんな奴、警察官失格……」
「い、いや、そんな、待てよ。状況が状況だったんだし、そんなに自分を責めることは」
「……あたしは……絶対に、未確認生命体を許さないっっ!」
野明の、涙に揺れる瞳の向こうで、憎悪の炎が揺れていた。
「黒沢さん。もう一度聞きます。本当に何も知らないんですか? 2号、いえ1号のことでも」
野明が詰め寄ってくる。黒沢の顔を覗き込む。昨日はこの子のこれにびっくりして……いや、
テレて赤面してどぎまぎして、尻餅をついた黒沢であった。だが今はもう、それどころではなくて。
「し、知らねぇよ……今言ったばかりだろ。オレはただ、あのクモ男にボコられただけだっ」
野明を正視できず、黒沢は目を逸らしてしまう。野明はそんな黒沢をしばらく見つめていたが、
「……わかりました。けど何か思い出しましたら、すぐに警察までご連絡下さい。
あんなバケモノの犠牲者を、これ以上出さない為に」
と言って黒沢に背を向け、去って行った。
黒沢は一人、ぽつんと残された。プレハブの中ではまだ取材が続いているらしい。あそこで
大々的に名乗りを上げて、ヒーローとして脚光を浴びる予定だったんだが……


18 :最強伝説の戦士 黒沢:2007/08/09(木) 22:10:46 ID:JGzhsqmR0
『……な、なんだよ、これっ……オレはいつの間にか、未確認生命体第2号って奴で……
異形の怪物……? 重武装した警察が全力で駆除……? 「あんな」バケモノ……? 
あの子、涙浮かべて憎々しげに吐き捨ててたな……絶対許さない、って……』
それも道理というもの。自分が誰も守れなかったことを、涙まで浮かべて悔しがれる子だ。
最初の印象通り、純粋で正義感の強い子なんだ、ものすごく。だから未確認生命体を、
そして何もできなかった自分を許せなくて……あんなに、悲しんで。
「……ちくしょおおおおおおおおぉぉぉぉっ!」
黒沢は吠えた。さきほどの野明に負けないぐらいの涙を浮かべて、いや、あっという間に
溢れさせて、ボロボロボロボロ流しまくって、
「オレが何したっていうんだ、ええ!? オレは体を張って、命を賭けて戦って、あのバケモノを
撃退したんだぞ! 変身して、悪者をやっつけて、仲間や女の子を救ったんだぞ……っ! 
これって、充分立派に、正義のヒーロー……ウルトラマンだろ、スーパー戦隊だろ……っ、
そして、そして、ガキの頃に誰よりも憧れた、あの……人類の自由と平和を守る為に
戦う……か、か、仮面ライダー……じゃ、ねえのかよっっ! ああ!? それが、それが……
警察に追われる身……しかも逮捕じゃねえ、駆除されるバケモノ……!」
もう事態はヒーローものではない。パニック映画だ。ホラーだ。漫画で言うなら『寄生獣』だ。
ぎっ、と黒沢は睨みつけた。自分の腹を。あのベルトが潜り込んだ辺りを。
そして殴った。何度も何度も、思いっきり。
「出て行け! 出て行けよ、出て行けってば! お前のせいだ、お前のせいだ、何もかも
お前のせいだああぁぁっ! オレだって、オレだって、人並の幸せ……いや、人として
最低限の幸せぐらい、夢見てたんだ! でも、お前がいたらオレはもう人間じゃねえんだ! 
人間の枠外に出されちまうんだよ! だから出てけ、出てけ! 出ていけええええぇぇ!」
だが殴っても殴っても、ただ自分が痛いだけ。ベルトは何も答えなかった。

【ひとたび身に着ければ 永遠に 汝と共に在りて その力と ならん】

19 :最強伝説の戦士 黒沢:2007/08/09(木) 22:13:09 ID:JGzhsqmR0
未確認生命体第1号・2号が出現してから数日が過ぎた。警察は彼らの行方を追っているが
手がかりもなく、一向に捜査は進まない。そうこうしている間に、事態は更に一歩悪化した。
《……この失血死事件により、昨夜一晩で五人もの犠牲者がでました。現場から飛び去る
羽の生えた怪物の姿が目撃されており、警察では未確認生命体第3号との見方を……》
テレビでそんなニュースが流されている中、その第3号事件の現場に野明がいた。
未確認生命体と接触、身近で観察できた存在として捜査協力を要請されたのだ。
「今までの情報から考えると、1号や2号とは違いますね。やはり第3号、新たな未確認
生命体に間違いないと思います」
「そうか。街に下りてきて人を襲う熊、ってんならたまに聞くが、血を吸われてるってなぁ……」
担当の杉田警部が溜息をついた。第3号に襲われたと思われる五人は首に牙の跡があり、
獣か何かに咬まれたようであった。そして体内の血がほぼ吸い尽くされていたという。
「吸血鬼かよ、全く。お前さんたちを襲った第1号はクモだったそうだが、今度はコウモリ
かもな。そういや第1号にやられて入院したっていう、ええっと、」
「山崎巡査でしたら、ようやく意識も戻って一般病棟に移れることになったそうです。
ですので、今夜は付き添いをしてあげたいのですが……」
「ああ、構わんよ。どうせ未確認どもについちゃ、まだまだ解らんことだらけだからな」
「すみません」
沈み込んだ表情で頭を下げる野明。やはりまだ引きずっているらしい。
1号と2号が暴れた時、何もできなかった自分の無力さを。

「黒沢さん。あれから僕なりに考えたんですけどね」
山奥の工事現場。もう捜査は終わっているので、黒沢たちの作業が再開されている。
浅井と二人、並んでセメント袋を担いだ黒沢が、黙々と歩いている。
「最初に僕が言った冗談、あれがどうやら本当らしいじゃないですか。魔物の復活。
とすると、多分あのベルトは魔物たちを封印した伝説の戦士が使ってたものですよ。
その継承者が黒沢さん。凄いじゃないですかっ」
「……」
「確かに、現代と古代では少々事情が違ってて、マスコミや警察や世間はああいう
扱いしてますけど、でも伝説の戦士ですよ。ロト? ランス? ラル? キャハ」

20 :最強伝説の戦士 黒沢:2007/08/09(木) 22:14:22 ID:JGzhsqmR0
「……いや。残念ながらオレは失格らしい」
どさ、とセメント袋を積んで黒沢は腰を叩く。歳のせいか、最近よく痛む。歳のせいと
いえば、腹も出っ張って久しい。あと老眼だし、耳も心なしか遠くなってきたし。
そんなのが伝説の戦士とかになれるか、普通? と黒沢は寂しげに説明した。
「それにだ。あのベルトが見せたイメージ映像みたいなものの中じゃ、戦士は赤い体
だったんだ。だがオレがなったのは、お前も知っての通り白かった」
「ふむ。ベルトとしては不満な、不完全バージョンなのかなやっぱり……あ、別に他意は」
「いいよ。オレなんてもともと、伝説の戦士なんて器じゃねえんだ。実際あのクモ男に
だって、まともにやってたら確実に負けてたしな。ほら、んなこと言ってねえで仕事」
「でも黒沢さん、第1号の死体とか確認されてませんし、第3号も出たそうですし……」
「だから何だ」
黒沢が、ギロリと浅井を睨む。
「警察が大々的に捜査して未確認どもの駆除に全力を尽くすっていってるだろ。オレたちゃ
いつも、こういう時に奴らに働いて貰うために、税金払ってんだ。なら任せとけ。一般市民
が口出す問題じゃねえ」
「一般市民って、でも黒沢さんは……うぶっ」
言いかけた浅井の口を、黒沢の大きな手が塞いだ。
「ベルトのことは秘密だぞ。オレは二度と絶対金輪際、あの白い姿にならねえから、お前も
忘れろ。いいな。でなきゃ……オレが警察に殺される前に、この手でお前を殺すっっ」
黒沢の、低く籠もった声がマジだ。浅井は涙目でペコペコ頷いた。
「よし、約束だぞ。約束だからなっ」
咳き込む浅井を放して、黒沢は仕事に戻る。
『そうとも、こんなことは警察に任せときゃいいんだ。って、そういやあの子も捜査に加わっ
てるのかな。あの様子だと、自分から未確認どもにケンカ売りかねん……ちと心配だな』
そういえば、あの日一緒にいたデカいお巡りさんが入院してるって言ってたっけか。
……見舞いを口実に、もう一度あの子に会ってみようかな……

21 :ふら〜り ◆XAn/bXcHNs :2007/08/09(木) 22:15:51 ID:JGzhsqmR0
天空より舞い降りし光の巨人・ウルトラマンと共に地球を守ってきたのが、闇の手に造られし
改造人間・仮面ライダー。が、現代では差別表現だか何だかで「改造人間」はNGとのこと。
そんなわけで新世紀新シリーズ第一作・クウガが背負うこととなったのが、今回の本作の
ような設定というか状況です。近年では戦隊のような強化スーツ型も増えましたけどね。

>>1さん
おつ華麗さまです! >>1さんのご期待に応えられますよう、努力奮闘いたす所存!
どうかお付き合い下されぃ! ……まぁスレ自体は今少々寂しくなってますが、しばし
経てばまた賑わいますよ、きっと。新しい職人さんが書いてくださるかもしれませんし。

>>サマサさん
左様でしたか……休む時には休んで、元気な時に元気な作品でお会いできると期待して
待っております。ペコvsプリムラの図はいつかオリジナル長編でパクりたいとか企んでますし、
あのアスランは辿りつきたい目標の一つ。また、可愛くパワフルな作品で目指させて下さい。

22 :作者の都合により名無しです:2007/08/10(金) 01:00:58 ID:pORhdyVn0
妄想伝、容量オーバー。桐島英理子もペルソナフル発動で慟哭。

【ブルードラゴン外伝】
伝説の光の戦士ではないことが判明したブーケ。いつか皆と合流する、もうすぐ皆たすけにくる・・・。
そんな儚い希望に縋り、鬼畜どもの手中で蠢く第二次性徴期入り口の女体。
影も、衰弱した小動物のように弱体化。ブーケの体には常に1つ以上の鉄枷が付いている。
「仲間の能力を吐くんだ」。用無しになれば身の保障が無いブーケ。仲間を強敵から守らんとするブーケ。
いつか、仲間が強くなって強敵を倒す日が、近いうちにくるんだと信じて・・・・・・。
「プルミラはいつもファウルカップを穿いています・・・・・・」。ブーケの戯言に、今日もきれる鬼畜。
「来い、脱ぎ魔・・・。今日はコウノトリだからな」。ブーケの体を引き摺るようにして、責め棟に続く廊下を
進む鬼畜グループ。ブーケのか細い呼吸も、廊下に響く複数人の足音に掻き消える。

23 :作者の都合により名無しです:2007/08/10(金) 08:06:52 ID:lCBwogPW0
ふらーりさんお疲れ様。
黒沢は一応頑張ってるけど、原作みたいに悲しいエンディングになるのかな?
ふらーりさんの作品に限ってそれはないだろうけど

24 :作者の都合により名無しです:2007/08/10(金) 10:09:11 ID:rW54L7So0
ふら〜りさんの作風好きだし、
今バキスレピンチっぽいから頑張って欲しい。

25 :作者の都合により名無しです:2007/08/10(金) 15:06:23 ID:MUAI8Cm30
面白いけど黒沢の汗臭い&泥臭い&鈍臭いところがもう少しほしいな

26 :作者の都合により名無しです:2007/08/10(金) 23:47:57 ID:SNvf1ZZ90
テンプレの作品、このままじゃほとんど未完になるな・・
楽しみにしてる作品沢山あるんで
職人さんたちカムバック。

27 :作者の都合により名無しです:2007/08/12(日) 11:06:55 ID:l0VSUkRL0
お盆には帰ってくるだろうか

28 :永遠の扉:2007/08/12(日) 15:24:49 ID:fBsrClQI0
約四ヶ月前。四月下旬。銀成市郊外の森の中にあるL・X・Eアジト。
その近くに一人の戦士が現れた。
名を剣持真希士(ケンモチマキシ)。
巨大な体と鋭くもどこか愛嬌のある眼差しが印象的な彼には、夢があった。
『楽園』
中学三年の時、ホムンクルスの集団に家族を殺され、兄のおかげでかろうじて命を取り留
めて以来、世界をホムンクルスのいない『楽園』にするコトを夢見ていた。
その手……その二本の腕と、兄から譲り受けた三本目の腕で。
真希士の武装錬金は「アンシャッター・ブラザーフッド」といい、両手持ちとしては最大級の西
洋大剣(ツヴァイハンダー)と、掌から両脇までをすっぽり覆う籠手、それから一番特徴的で
一番重要なパーツで構成されていた。
肩甲骨のあたりから延びる第三の腕。
それを真希士は兄から譲り受けた三本目の腕と頑なに信じ、徹底的に活かし、通常では到
底ありえないアクロバティックな太刀筋を以て闘っていた。
だが、L・X・Eへの潜入捜査へのさなか。

「む〜ん。まさかあの逆向君まで斃しちゃうとは」
「佐藤君も重傷。来るべき決戦に参加できるかどうか」
「しかも諦めが悪いから」
「丸二日ばかりかかっちゃたよ」

ムーンフェイスとの戦いに敗れ、落命した。

「けど、なんだな。『楽園』を夢見る者同士仲良くしようじゃないか」
「といっても、私たちが望むのは月面のように荒れ果てた地球だけれどね」
「そのためにキミの死体は、この私が有効利用させてもらうよ」
「そうだね、パピヨン君みたいな不完全なホムンクルスを作ってみるのも面白そう。む〜ん」

そして文字通り黄色く干からびた月の顔を持つ燕尾服の怪人が数人ばかり真希士の死骸を
見下ろす後ろで、ホムンクルス浜崎は。
乱戦のさなか真希士に刺し貫かれた章印をさすりながら、焦点さだかならぬ目でぼんやりと
死を待っていた。

29 :永遠の扉:2007/08/12(日) 15:27:26 ID:fBsrClQI0

「おやおや、よりにもよって君まで虫の息とはね」
「ひょっとして『本体』の方までやられちゃったのかな?」

振り返り、白目で歯をかっきり組み合わせたいくつかの笑顔を見ながら、浜崎は力なく頷いた。
するとムーンフェイスは「うーん、それじゃあ」と尖った顎に手を当て茶目っ気たっぷりに考え
込んでからこういった。

「実はいま研究中のいい物があってね。でもまだまだ実験段階。もっと沢山のモルモット君が
必要なんだけど、あいにく今はDr.バタフライからの厳命でホムンクルスを無駄遣いできない
状態。いくら私でも彼の逆鱗にはさすがにちょっとふれたくないしね。む〜ん、そこが悩み所」
月を見上げて、つかみ所のない半笑いを浮かべる彼はどこまでも不吉な気配が漂っている。
ともすれば利用されるだけ利用され、捨てられるという気配。
そもそも冷戦後にいつの間にやらふらりとL・X・Eに加盟した彼は、水面に浮かぶ油一膜の
ようなギリギリさでL・X・Eと融和していない。
彼の分身体である朏魄(ひはく)などはそれを逆手に取って、「ギリギリな感じが受けてます
む〜ん」などとのたまっているが、笑うものなどおらず、それがますます融和のなさを印象づ
けてもいる。
有事が起これば真希士戦のように骨身を惜しまず闘い、一見ではさも重要な幹部としてL・X・E
に融和しているように見えるが、それは瓶を振りたくって混ぜた水と油のような一時的な物に
すぎず、少し時が経てばすぐにどこか非融和的な雰囲気になる。
「きっと彼の武装錬金に見せつけられるのは、米ソ冷戦時代の忌まわしい記憶。ああ、何と
も悲しい哉わが人生。いったいどうすればいいのやら」
芝居がかった身振り手振りと口調でまんべんなく自らの困惑を訴えると、彼はようやくなが
らに用件を切り出した。この迂遠さ一つ見ても、彼はどうにも喰えない。
「ちょっと手伝ってくれないかな? どうせそのままじゃ死ぬしかないんだから、悪い話じゃな
いと思うんだけど、どうかな? どっちに転んでもDr.バタフライに怒られはしないよ」

(そして得たのがこの体……)
浜崎の下半身はもはや一つの岩石として地面に膠着している。

30 :永遠の扉:2007/08/12(日) 15:30:12 ID:fBsrClQI0
その中央から伸びるは蝶の胴体。てらてらと黄色い粘膜の湿気が淡く輝いている。
胴体には申し訳程度の黒い触角が二本生えており、背後では大小さまざまなひし形の破片
が連なり、一対の羽となっている。。
その間には毒々しい紫の粒子が鱗粉よろしく絶え間なくゆれ動き、時おり羽ばたきに押し上
げられてゆらりゆらりと上空に散っていく。
わずか一握の鱗粉はやや特殊な要素を帯びているらしく、上空へ向かううち相ぶつかりあっ
て絶え間なく摩擦を繰り返し、やがて粒子間でプラズマを発生させた。
あたかも小規模な雷雲だ。
刹那。まばゆく輝く先駆放電(ステップリーダー)が斗貴子を貫いた。
(いまだ試作の試作もいいところだが)
翼を動かす。肉体としてはまったく接点がないというのに、巨大な翼は意のままに動いた。
おそらくこれも粒子の効果なのだろう。似たような例ではバタフライのアリスインワンダーランド
(チャフ)を介した会話があげられる。これは粒子に特殊な振動を加えて声を伝達していた
と思われるのだが、真・蝶・成体にもそういう原理が働いているらしい。
(さすがはバタフライ様とムーンフェイス様の技術結晶。よくできている。負けなどありえん!)
羽から巻き起こった風に、竹林は台風上陸時のように派手に折れ曲がって斗貴子もなすす
べなく吹き飛ばされた。
「くっ、まだ!」
とっさにくるりと身をひるがえして奇麗に着した斗貴子は、重い体を必死に伸ばして立ち上がる。
(まだだ。攻撃自体は強力だが、それと引き換えにアイツは動けなくなっている)
浜崎の下半身は岩と化しているのだ。いわば砲台を相手にしているのと変わらない。
(射程距離さえ脱してしまえば逃げるコトはたやすい。だが)
この夜の斗貴子の心はどうしよもなくホムンクルスを憎く思っている。
後輩たる剛太を貴信や香美に痛めつけられ、彼らからは聞きたくない言葉を浴びせかけら
れ傷心に塩を塗り込められたような屈辱を受けている。
すでに五十六体のホムンクルスを葬り去り、貴信・香美も存分に痛めつけてはいるが、しか
しそれでもまだ足りない。
洋上で破られた誓い。二度と取り返せない少年の存在。
それらを埋めるためにはまだ足りない。たとえ全てのホムンクルスを斃した所で埋まるか
どうか。
それでも斃さずにはいられない。それ以外の意義がない。意味を知らない。

31 :永遠の扉:2007/08/12(日) 15:32:15 ID:fBsrClQI0
テロリストを殺戮するのに躍起な軍国のように、抜本的な解決策も練られぬままただ状況に
流されている。
けれどそういう人生に導いたのがホムンクルスだ。
だから憎しみを解くコトなどできない。傍らで笑ってくれる少年がいない限りは。
(カズキ…… 本当は私は、どうすればいい……)
右の肩甲骨の辺りに鋭い痛みが走った。それに身を震わすと、今度は膝にも。
満身創痍ゆえにか。
ささやかな痛みへの反応が、恐ろしいほどあちこちに伝播してひっきりなしに痛みが起こる。
バルキリースカートもボロボロ。いつへし折られても不思議ではない。
(……いや、この状態なら却って好都合だ)
鉄くさい気配に口を押さえると、血がべっとりと掌についた。貴信に崖へ叩きつけられたとき、
肺が出血をきたしたのだろうか。傷が多すぎてよくわからない。
(動きの早い奴を相手にするよりは勝機がある。何とかして近づきさえすれば──…)
「何ができるというのかなァ」
おぞましい気配に斗貴子は遮二無二もなく飛びのいた。
水ぐらいならすぐ沸騰しそうな熱気がすぐ傍を通りすぎ、爆音が響いた。
雷だ。
そして敵を見ると、吐瀉物と寄生虫を煮詰めたようにドロドロの視線が直視できた。
猛烈な風が吹いた。短いスカートがたなびき白い足をあらわにする。
バルキリースカート地面に突き立てて凌ごうかと思ったが、それでは雷の回避ができない。
結局、華奢で弱り切った斗貴子がしのぐコトなどできよう筈もなく。
先ほど自分が無銘にしたように、竹をへし折りながら竹藪に吹き飛ばされた。
「っの! まだだ、まだ負けるワケには……」
言葉とは裏腹に足に力が入らない。太い竹に背を預け、力なく座ったままだ。
折れた竹が目についた。か細くはあるが、溺れる者は藁をもつかむ。
泳ぐような手つきでかっさらい、立とうと試みる。
が、体重を受けてひん曲がると、折れる予兆をミシミシと訴え始めた。
(クソ。もっと頑丈なのはないのか。こんな細い竹じゃしなるばかりで──…)
とそこまで考えた斗貴子は、ちょっと驚いた様子で短髪の端を揺らしつつ、手元を見やった。
何の変哲もない竹。少しばかり色褪せた部分もあるが、弾力でいなやかさに富み、それ故に
杖にはなりえない。
(…………)

32 :永遠の扉:2007/08/12(日) 15:34:37 ID:fBsrClQI0
斗貴子はそこで目を伏せると、立つのをやめた。
「さァどうする。命乞いでもするかァ?」
気配を察したのか、浜崎の声には勝利者特有の傲慢さが満ち満ちてきた。
「もっとも貴様のような化け物殺しの化け物など、我らの仲間には到底なりえん。せいぜい
人間のままダルマにでもなり、慰み者にでもなるんだなァ〜!!」
「一つ聞く」
ボソっとした声に、何かの敗北宣言を期待したのか、浜崎はますますはずみを帯びた。
「勝機のなさを悟ったかァ? 冥土の土産とやらが欲しいのかァ〜?」
「貴様のその姿、例の『もう一つの調整体』か?」
「違うなァ。恩恵にあやかっているのは現在のところ逆向様ただ一人! その彼ですら未完成
の物を行使している。もし完成版が我らの集中におちれば貴様らなどたちどころに」
「そうか。分かった」
斗貴子はすくりと立ち上がると
「居直っても無駄よなァ、この、馬ァ・鹿ァ・めェェェェ! 知ったところで今更貴様に何ができる」
「私を舐めるな」
手にした核鉄を発動させた。
そう、先ほどまで武装錬金を発動させていたにも関わらず……
「長話をしてくれたおかげで回復の時間が稼げた」
「フン。見えはしないが大方、武装錬金を解除し、核鉄で回復したという所か。だが時間からし
てそれは微々たるもの」
「ああ。そうだな。だが、貴様をバラバラにするだけの体力は戻った!」
すぅっと吐いた呼吸を打ち消すように爆音が轟き斗貴子は天へと弾丸のように放たれた!
彼女の体は笹に刻まれながらもゆうゆうとそこを脱し、竹林が三メートルほど眼下に見渡せる
ほどの高度に達した。
彼女はバルキリースカートを再発動させると同時に地面を叩いていた。
それも処刑鎌が折れそうなほどに曲がるぐらいの勢いで。
これは先ほどの竹から得た着想だ。
しなった竹を一気に跳ね上がらせるように、処刑鎌を金物定規よろしく強引に曲げて、その
ストレスが一気に爆発させるコトで跳躍力を得た。
「馬鹿が! 俺のいる場所を忘れたかァ!」
浜崎のいるのは竹藪の中心部。広場の部分。だから斗貴子の影も遠く小さいながらに丸見えだ。

33 :永遠の扉:2007/08/12(日) 15:36:58 ID:FX0NXpG90
「遠距離なら俺の方がはるかに優勢! もう一度雷と風の餌食にしてくれるわァァア!」
「させるかぁ!!」
その時である。
羽の角度を変えた浜崎の頭上から、恐るべきものが降り注いだのは。
それは先ほど貴信の鎖が絡んだ部分。
斗貴子を崖に叩きつけるために使った支点力点作用点の密集地帯。
強度がやや脆くなっているから、わずかな力でも崩壊する。
故に。
それは稲妻よりも風よりも早い一条の閃光だった。
「な、に……」
浜崎は唖然とした。
彼の頭、つまり蝶の胴体部分に刺さっていたのは……バルキリースカート。
直接見たワケではないが、重さやその重心から大体の長さが分かり、正体も分かった。
処刑鎌のうちの一本。
(馬鹿な! 奴の武装錬金は接近戦専用のはず! それが、何故、何故ぇぇぇぇぇぇ!!)
意外すぎる一撃に一瞬彼は肉体のあらゆる操作を忘れた。
いや、忘れていなくとも被った打撃のせいで物理的に伝達は不可だったのかも知れない。
「私の武装錬金は少々耐久性に難があってな」
すぐ近くに何かが着地する軽やかに気配がした。
「あの馬鹿力のホムンクルスのせいで、可動肢(マニュピレーター)にだいぶダメージが蓄積
していたんだ。だからちぎって、投げさせて貰ったぞ」
(今は夜だぞ! それなのにあれだけの距離から正確に……)
バルキリースカートを狙った部分に投げつけるのなど、生体電流で処刑鎌を高速機動させる
コトに比べれば造作もないのだ。空間に対する鋭敏な感覚さえあれば。
「ようやく近づけたな。……ホムンクルスは全て斃す!」
輝く蝶の頭からすうっと処刑鎌が抜かれた。
斗貴子の大腿部では残る三本が仲間との再会に歓喜するよう、鎌首をもたげた。

「切り裂け! バルキリースカート!!」

ハスキーな声に連動して蒼い颶風(ぐふう)が巻き起こる。
光り狂った断線が真・蝶・成体を幾千幾億那由多の限り蹂躙する。

34 :永遠の扉:2007/08/12(日) 15:37:58 ID:FX0NXpG90
そこかしこで羽のパネルが割り砕け、再び剣風乱刃の中で崩壊する。
もはやこれは人間とホムンクルスの戦いですらない。
工場設備だ。
工場設備と生産品の関係だ。
右斜め下に斬り下げられた処刑鎌は一厘一毛刹那の作業ロスも挟まず、精密に向きを変
えて次の『作業』に移っている。可動肢もただもくもくと角度調節と微妙なスライドを繰り返す
のみ。
斗貴子はそして。
らんらんと金に濁った憎悪の目を見開いた。
口の端から漏れる血すらぬぐわず、下目で浜崎をギラリと一瞥すると、手にした処刑鎌でず
いぶんと色褪せた蝶の胴体を殴りつけた。
荒れ狂う精密さとは裏腹にこちらはまるで刃筋が立っていない。
鈍い音がした。オレンジ色の体表がつぶれ同色の体液がじわりと漏れた。
「敵は全て斃す!」
もう一撃。
「そうだ! 貴様らがいるから! 貴様らがいるから……カズキは!!」
さらにもう一撃。振り上げた処刑鎌が他に荒れ狂う精密な物とかち合い、手の裡に鈍い衝撃
をもたらしたが、些細な問題だ。
「はああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!
ホムンクルスは、全て斃す!!」
包囲する切断網は、狂気とわずかばかりの物悲しさが混じった叫びのビブラートに比例する
ように収束していき。
(こんな筈では! 計画は完璧だったはず。手負いの相手と、ムーンフェイス様から頂いた
真・蝶・成体。相ぶつかって負ける道理など、負ける道理などぉぉぉぉぉぉぉっ!!)

「臓物(ハラワタ)を、ブチ撒けろ!!」

やがてホムンクルス浜崎の、真・蝶・成体の、無数の破片が地面に散らばった。

35 :永遠の扉:2007/08/12(日) 15:38:58 ID:FX0NXpG90
ニコニコ動画は楽しい。けど楽しいだけで何か技術が蓄積されるワケでもなく……
やはり自ら何事かをせねば物事は変わらんのでしょうなぁ。いろいろ辛くはありますが。
ようやく今回分を執筆。じっくり向き合えば二時間弱でこれだけは描けるのに、向き合う
コトそのものを放棄している自分がちょっと情けなくもあり面白くもあり。
てなワケでニコニコ動画を見に行こう。いずれは何か作ってあちらにもうpしますよー

前スレ>>247さん
いやはや、本編ではヒロインなのに「どうすれば残虐にできるか」という一念ばかりで描いて
おりました。ともかくゲームの最終面を何回かやりつつ、自分ならではの要素を。今回一番
好きなのは、浜崎を観察してあーだこーだ考える場面。冷静な部分もけっこうある人なので。


>>前スレ248さん
ですよねェ。見境なしで容赦なし。そこが燃え的にもネタ的にも素敵です。カズキカズキいい
だした再殺編以降はそこが甘かったので残念。剛太vs根来に割り込んで根来を血みどろに
するぐらいして欲しかった。あと、復活早々ペースダウンして申し訳なく……

>>前スレ249さん
脇役も大好きですよもちろん。ただホラ、カズキや斗貴子さんは本編で十分に描写されてる
ので自分が描くと蛇足? って感じで脇役ばかり描いております。
香美はお馬鹿ですけど、末永く友好を結べるタイプですね。あと、生臭そうワロタw

前スレ>>383さん
まひろは描きたくて仕方ないのですが、どうも戦闘パートになると出番が激減orz
彼女が反応したのは「行け! ゴッドマン」という歌でして、らき☆すたで中の人が
壊れ気味に歌っていたのでその繋がり。これで平野彩さんのファンになりましたね。

前スレ>>384さん
いやはや、ジョジョや横山作品に比べたらまだまだですよ。ただ、なるべくは「なんか気合い
入れたら一撃で勝てた!」とか「みんなの力が集まってきてそれですごい攻撃が出た!」とか
は避けたいですね。知恵と能力で勝つべくして勝つ! てな筋道だけは確保したいのです。

36 :永遠の扉:2007/08/12(日) 15:39:59 ID:FX0NXpG90
前スレ>>385さん
ままま、その辺りのフォローは後ほどというコトでw 序盤の終盤は彼らなくして展開できない
よう構想を練ってますし。うん。大丈夫なはず。たぶん。

前スレ>>386さん
眼科の待ち時間は異常ですよね。まさか本読んで時間潰すワケにもいかず……
ムーンフェイスはゲームのおかげで、いろいろ目的とか切り札とかが判明しましたのでその
辺りを逐次投入したいと。ただ、小説版の彼の思考、時系列的にちょっと矛盾があったり。(そっちはブログで)

>ハロイさん」
>「場所ですよ、南方くん。本人の方を探す必要なんかまるでないんだよ。なぜなら……奴はすぐ近くで僕たちを観察している」
>「──え!?」
ここがジョジョっぽくて良かったですw この後の敵襲来と危機感もまた素晴らしい。十和子と
ラウンダバウトのやり取りもいい。劇的決断をさらりとやる十和子燃え。そして能力披露に逆
転に次ぐ逆転。ああ。ジョジョ信者としては痺れるあこがれるゥ! 本体捉えるところのセリフ回しカッコよすぎ!

サドキャラはいいですね。ふだんの高圧的な部分と、それがちょっとぐらりとゆらいでしまったりとか。
厳しい上官とか先生タイプが取り乱すところは素晴らしい。
チワワもいいですよね。ちいさくてふるふる震えている所が大好き。猫とはまた違った良さが。

37 :スターダスト ◆C.B5VSJlKU :2007/08/12(日) 15:42:41 ID:FX0NXpG90
>ふら〜りさん
黒沢がクウガになるとは…… ワムウの前のジョセフ状態。発想のスケールで負けた。
強大な力を得ても本編どおりの小市民的なのが彼らしいw 博望坡の戦いのくだりとか寄生
獣のくだりは絶対挿絵が入りますね。妙に画力の高いアレが。

飼い猫が苦しむって辛いですからねぇ…… にしても熱血漢は描いてて気持ちいい。
香美はそこに全幅の信頼を寄せている筈なんですが、恋愛に発展するかはちと微妙。
やはり貴信にはお相手を用意しなくば。それも「あんたかい!」てな奴を。

空間把握力につきましては、修練に修練を重ねて習得したのだと思います。
努力とか日々の成果で得た、「地味だけど実情に即した見事な能力」を行使できる所に人間
のいい部分があると思うのですよ。それで「超」や「異」がつく類の能力を破ったりしてこそ王道。

>銀杏丸さん(塗装…… あぁ、バーザム将軍に手をつけて二年ぐらい放置してる……)
ボンボン版とコミックワールドはなかなか展開が違いまして、そこを見つけるたびニヤニヤ
してました。本作も同じくですね。「お、ここにこういうアレンジが!」という。武者はけっこう
省略された場面が多いので、行間が埋めやすいですよね。あと、司馬懿サザビー最高。

38 :作者の都合により名無しです:2007/08/12(日) 23:14:12 ID:X2ubZlKW0
スターダストさんお久しぶりです!
斗貴子サンはピンチの時こそ輝くと思うんで
追い詰められたのは結構よかったです。
最後は決め台詞も出ましたね♪


39 :作者の都合により名無しです:2007/08/13(月) 02:25:27 ID:zaywq4yzO
スゲェ、斗貴子さん戦部のレコード塗替えそうな勢いだw
猿渡の部下といい蝶成体といい何匹殺してんだか

40 :作者の都合により名無しです:2007/08/13(月) 02:26:32 ID:JixzADqF0
乙ですスターダスト氏
バトル編がずっと長いですが一戦一戦趣向を凝らしているので楽しめます
トキコはある意味王道のバトル展開でしたね
そろそろコメディ風味も見てみたいですが、凛々しいトキコも捨てがたいな


41 :永遠の扉:2007/08/13(月) 18:01:24 ID:sg0A/Zjg0
爪のような形をした大きな緑色の物体が闇に規則正しく並んでいる。
横に十列、縦にはおおよそ三十列。廊下の奥に向かってずらりと居る。
それは椅子の背もたれの部分で、椅子はここを訪れる者たちが待ち時間を過ごすために
設置されている。
というのは千歳がいる場所を踏まえれば別段考える必要もないコトなのだが、職業柄いち
いちそういう観察をしてしまう。
ここは聖サンジェルマン病院の一階。
一般人にも開放されているごくごく普通の待合室の最後尾で、一連の戦いを終えてからまだ
十分と立っていない。
その間に地下からここまで登り、手短に根来ともども報告してから、二人して治療を待って
いる。
ちなみに二人の間に特に会話らしい会話はない。ゆらいこの二人は雑談に不向きというか、
互いが互いにそういう話題をふられた所であまり喜ばないというコトを、自らの性格から逆算
して黙っているフシがある。だいたい、相手を喜ばしたいかと問われれば二人して「別に」と
答える素っ気なさがある。両方とも任務の中でお互いに便宜を図らんとする一種の奇妙な
戦友意識こそ持っているが、つまりはそこ止まりで、例えば象牙細工の職人が顧客の人生
相談までには乗らないように、黙々と互いの本分だけを果たしている。
とはいえ仲が険悪かといえばそうでもなく、今でも待合室の最後尾で座席一つ分開けて並ん
で座っている。
特に理由はない。根来が座った二つ横に千歳がなんとなく座って、別に文句も出なかったの
でそのままそうしている。
でも会話はしない。
正確にいうと、根来がぽつりと呟くまではしなかった。
「先ほどのはどうやった」
先ほどの、というのはむろん無銘の武装錬金の特性破りのコトである。
千歳はてっきりすでに根来も見抜いていると思っていたので、少し意外そうな顔をしたが、
元来、索敵という「他者が知りえぬ情報」の提供を生業とする千歳なので、すぐ淡々と報告
を始めた。

同刻。
竹藪の中で斗貴子はバルキリスカート片手に足を引きずりながら、ようやく無銘の前にた
どり着いていた。

42 :永遠の扉:2007/08/13(月) 18:02:26 ID:sg0A/Zjg0
目当ては例の割符だ。
そもそも今晩の戦い自体、例の『もう一つの調整体』の起動に必要な割符のための物。
回収を忘れては何の意味もない。
そして無銘は戦闘開始直後、懐にしまうのを見せていた。
「まだ息があるようだな。もっとも戦闘不能だ。何か反撃を仕掛けようと、この距離なら私の
バルキリースカートの方が早い」
ぐったりしたダルマ状態の無銘の懐を、処刑鎌で切り裂くと、果たして三センチメートル程の
長方形の金属片が黒い土の上に転がり落ちた。
(……おかしい。あの総角とかいう男、どうしてこいつや割符を回収していない?)
かすかな疑問も生じたが、どうせ自信ゆえの過失だろう。
余裕ぶった総角の顔に唾棄するような、溜飲が下がるような心持ちで割符を拾い上げると
「さぁ、あとはさっさと連中の情報を吐け。さすれば楽に殺し──…いや」
舌打ちとともにバルキリスカートの鎌首をもたげた。
「今は戦力を減らすのが最優先だ。……死ね」

そして斗貴子と無銘の間に、蒼く禍々しい光が去来した。

病院。
「一連の異変は、ヘルメスドライブが彼の攻撃を受けてから起こり始めた。だから攻撃の痕
を、あなたが戦っている間に調べてみたの。するとこんなモノを見つけたわ」
と千歳が差しだしたのはラミジップ(小型のチャック付きポリ袋)だ。
いったいいつ採取したのか。
ラミジップの中では二ミリメートルほどの、半透明をした魚鱗のような物体が、うねうねと体を
ひんまげ、蠢いている。
そう、恐るべき事にそれらは、自律の意思を持っているのだ!
「調べてみないと断定はできないけど、これは恐らく彼の武装錬金の一部で、一連の敵襲の
原因。だから」
千歳はそれを駆除すべく、あろうことか、ヘルメスドライブを亜空間に投げいれた!
その瞬間、ヘルメスドライブに巣くっていた魚鱗みたいな物体が排除されたのもむべなるかな。
二ミリメートルという微小さゆえになすすべなく、レーダーの内部を駆け巡る稲光に、すべてこ
とごく焼ききられた!

43 :永遠の扉:2007/08/13(月) 18:03:38 ID:sg0A/Zjg0
いうなれば千歳は、マザーボードやハードディスクに高圧電流を流す事で、物理的にスパイ
ウェアを破壊したのである!
荒唐無稽というなかれ。行きづまった状況を打開するのにはむしろ荒業が功を奏す事もま
まある。──
「ただ、あなたが最初、亜空間に退避した時は弾き飛ばされなかったのは分らないわね。生
体電流が流れている時だけ創造者のDNAに擬態するのかしら? それとも──…」
考え込む千歳の横で、根来はやや驚きを声にはらんだようにつぶやいた。
「しかし、かような使い方をするとは」
千歳は小首をかわいらしくひねった。
「かような使い方」を想定していないなら、根来が無銘と戦い出したとき、何のためにマフラー
を預けたのか?
それがあったから千歳は根来が特性に気付いているとばかり思っていたのだが。
「そして武装錬金の特性だけど。おそらく。──」

伏兵の気配はそれまでまったくなかった。
せいぜい見かけたのはチワワぐらいだが、それ以外の邪悪な気配はなかった。
そして無銘が何を仕掛けようと、正面から斬って捨てるだけの自負が斗貴子にあった。
だが。
「な……?」
斗貴子はきりりと引き締まった眼を最大限に見開いた。
滴っている。
攻撃を仕掛けたはずの斗貴子の体から、血が幾筋も地面に滴っている。
右の上腕がざくりと斬られている。
ふくらはぎには刺さったそれは、ともすれば脛へ貫通しそうだ。
脇腹に重い刃が斜め上から掠って、セーラー服の白い生地に血を吸わせている。
痛みを頼りにそれらを把握した斗貴子は、かつてないほどの動転に見舞われた。
ありえない。
それは絶対にありえない。
なぜならば、斗貴子に攻撃を仕掛けたモノ。
それは──…
「バルキリースカート!?」
見慣れた刃が自分に向かい、創傷を与えている。

44 :永遠の扉:2007/08/13(月) 18:05:05 ID:sg0A/Zjg0
「手元が狂った……? いや、違う! 狂うなんてコトはありえない。今まで一度たりとも私は」
「敵対」
「何!?」
ぼそっと呟く声は足元からした。
手足のないダルマ状態の黒装束。鳩尾無銘の口元から。
「敵対特性。それこそが我が無銘の真なる特性……」
斗貴子はその瞬間、無銘の言葉の意味を理解してはいなかった。
疲労。憎悪。鬱屈。動転。
入り混じる感情の赴くまま、手動でバルキリースカートを払いのけ、まったくいつものように
バルキリースカートを無銘に差し向けようとした。
結果。
跳ね上がった処刑鎌が掌を斬り上げ血しぶきを降らした。
「我が無銘の一撃が及んでより三分が経過すれば、いかな武装錬金の特性とて創造主に手
向かう。…… 師父より聞き及んでいる。汝の武装錬金の特性は、『高速・精密なる斬撃』。
下拙ゆえにや」
自分に向かって鎌首をもたげる武装錬金を、斗貴子はまったく理解できないという顔で見る
しかできなかった。
あとはもはや一方的な惨状が起こった。
バルキリスカートは創造者たる津村斗貴子に向かって、皮肉にもいっさいのブレのない高速
精密動作を以て、無慈悲な斬撃を降らした。
「汝の武装錬金なれば特性ことごとくさし向けナマスと刻み。──」

「ヘルメスドライブなら『索敵』という特性を敵対させる。久世夜襲、防人君、それに鳩尾無銘」
「記録されていた人物をアトランダムに選出、貴殿を襲うために具現化したという訳か。成程。
シークレットトレイルの亜空間がねじ曲がり、私を襲撃した理由もそれで合点がいく。シーク
レットトレイルの特性は斬りつけたものへの亜空間形成。敵対すればああもなるだろう」
「そして原因はこれ」
と指したのは先ほどの半透明をした魚鱗。無銘の武装錬金の一部。
「たとえるならコンピューターウィルス。いえ、スパイウェアに近いかしら」
パソコンに侵入したスパイウェアが、いかがわしいサイトをお気に入りに登録したりするよう
に、無銘は攻撃した箇所から、魚鱗のような物体を武装錬金に潜り込ませ、その特性を狂
わせるのだ!

45 :永遠の扉:2007/08/13(月) 18:07:00 ID:89a6Jp0S0
おお、そういえば津村斗貴子のバルキリースカートも、無銘の攻撃を受けてはいなかったか!
よって彼女のふるう刃も逆(さかしま)に向かい、美しい肢体もいまや全身朱にぬれている!
ホムンクルスの幼体は、寄生した宿主の脳髄に向かい、自我を破壊するという。おそらく無
銘の武装錬金もそれと似た機能を備えているのではないか?

「舐め……るなァッ! 要は特性を用いなければいいだけのコトッ!」
手にしているのは残る一本のバルキリースカート。
これは先ほど大腿部からもぎ取った奴だ。
だから普通の武器と同じだ。特性とは無関係。
斗貴子は無銘の額、ついで胸を貫いた。
両方ともホムンクルスの急所たる章印がある場所だ。
「いかな武装錬金の使い手であろうと、創造者さえ斃せば!!」

根来はしばしの沈黙の後、こういうコトをいいだした。
「私もひとつ気づいたコトがある」
「なに?」
「奴は武装錬金を偽っている」
「忍六具だったわね。火渡君からだいたいの形状は聞いているわ。確か──…

編笠、鉤縄、三尺手拭、忍犬、打竹、薬

ね」
「矢立だ」
「え?」
「本来の忍六具は、編笠、鉤縄、三尺手拭、矢立、打竹、薬の六つ。忍犬などは含まれない」
「考えてみればそうね…… 他は道具なのに、それだけ生物……」

斗貴子は気づいていない。
彼女の後ろに先ほど弾き飛ばした忍犬の自動人形(オートマトン)が転がっているのを。

「ならばなぜ、奴の忍六具に忍犬が入っているのか」
「誤認識という線は?」

46 :永遠の扉:2007/08/13(月) 18:09:16 ID:89a6Jp0S0
「それもあるだろう。武装錬金は人の精神より出ずるモノ。元となった知識が間違っていれば
本来の武器形状と異なるコトも十分にありうる。が、忍びを名乗り、山田風太郎先生の考案
された忍法を縦横に駆使するような男が忍六具の構成を誤ろうはずがない」
(どうしてそこだけ敬語?)
「おそらく奴は、自らの武装錬金を偽っている。忍六具ですらないだろうな。恐らく」

忍犬の自動人形はふしぎなコトに、腹部に断裂が生じている。
攻撃による断裂の類ではない。例えば蝉の抜け殻。中から何かが出て行ったような……

「私のにらむところ、奴の武装錬金は奴の正体に直結している」

斗貴子は茫然と無銘を見た。それは死骸になっている筈なのに。
(章印に攻撃を叩き込んだのに、消滅する気配がない)
「……古人に云う」
黒装束の口からはなおも声が漏れる。
「J9って知ってるかい?」
「フ、フザけるな!」
瞳に蛍みたいな石火を散らし、斗貴子は狂ったような手つきで黒装束を殴る。
が、死ぬ気配がない。
「昔、太陽系で粋に暴れ回ってたっていうぜ」
全身血でずぶぬれになりがら攻撃を仕掛ける斗貴子の背後。
彼女に向かって、一匹のチワワが歩いてきた。
「今も世ン中荒れ放題」
かつて総角が拾い、無銘の足元にじゃれつき、浜崎に噛みついたりしていたチワワが。
「ぼやぼやしてると後ろからバッサリだ。どっちもどっちも。どっちも! どっちも!」

「結論からいう。武装錬金は黒装束の男の方」

チワワが斗貴子に飛びかかった。
そして、外見からは想像もつかない鋭い牙を彼女の首に突き立てた。

「本体は犬だ。それが常に同伴しても怪しまれぬよう、忍六具に偽装している」

47 :永遠の扉:2007/08/13(月) 18:12:27 ID:89a6Jp0S0
「そうね。武装錬金の一部だと吹聴してさえおけば、近くにいても怪しまれない」
「そして本当の武装錬金の種類は自動人形(オートマトン)。形状は……たとえば偕老同穴
(かいろうどうけつ)」
「偕老同穴?」
「本来は、カイロウドウケツ科の海綿類の一種を指す。が、私のいっているのは人形の一種。
なお、出典は忍法忠臣ぐ」
「その他、人間の形になりそうな武装錬金といえば」
話を遮られ、根来は鷹のような目つきをいよいよするどくした。
「影武者、変わり身……それから」

「兵馬俑(ヘイバヨウ)」

竹藪はただ静かにその光景をとりまいていた。
「総ての機構を歪める……それこそが我が兵馬俑の武装錬金・無銘なり」
瞳から光が消えて倒れ伏す斗貴子を、チワワ……いや、真の鳩尾無銘は悠然と見下ろした。
「形状ならびに特性を思わば、正々堂々・所詮は望むべくもなく……我、偽りたり」

以下あとがき。
というコトで敗北です…… 実際問題彼女を負けにするのはいろいろ抵抗もありましたが
展開上仕方なく。ただ、

剛太とタッグを組んで香美と戦う → ホムンクルスを56体ばかり斃す → 貴信に苦戦し
ながらも実質的には勝利 → 無銘戦 → 真・蝶・成体戦 → 今回の流れ

な連戦で、メンタル面がボロボロでもないとたぶんヴィクターとバスターバロン以外には負け
ない人と思うのです。
このバトルパートは次回で一段落。てか何気に明日が連載一周年……

てかしまった。ちょっと補足。
>>42 13行目 舌打ちとともに今夜の様々な横槍を思い出し、バルキリスカートの鎌首をもたげた 

>>46  1行目 「他の者なら」を文頭に追加。

48 :スターダスト ◆C.B5VSJlKU :2007/08/13(月) 18:13:38 ID:89a6Jp0S0

>>38さん
あ、最後のアレはもともとの決め台詞でもありますが、ゲームでのゲージ6つ以上の必殺技
の台詞でもあります。「私を舐めるな」も確か体力0からの復活で、「はああ〜斃す」はヒート
アップ時、「切り裂け〜」はゲージ5つ未満の必殺技。真・蝶・成体が相手なのでゲームを意識しておりますw

>>39さん
本当に塗り替えそうw 実際ゲームでは戦部の10倍ぐらいは軽く倒してそうですし。
このやりたい放題っぷりはゲームの影響かも。やっぱあのゲームじゃ最強。真・蝶・
成体だって風と無敵時間さえなければ楽勝ですしねぇ…… 

>>40さん
ありがとうございます。能力モノはなかなか手ごわくもあり手ごたえもあり
描いてて飽きるコトはないですね。辛くなるコトはありますが。今年入って
からずっとバトルしてたような気もしますが次々回から日常パートに戻ります。

49 :作者の都合により名無しです:2007/08/13(月) 22:57:48 ID:IuhGtCEK0
スターダスト氏、2日連続乙!
いつも斗貴子たちの活躍楽しみにしてますよ!!
将来的にエンバーミング(だっけ?)も書いてくれるのかな?


50 :作者の都合により名無しです:2007/08/14(火) 00:56:06 ID:zD7XshFq0
スターダストさん頑張るなあ

斗貴子のような直情径行なお方は
策士には確かに弱そうだ
心理戦にも意外と弱そうだし
頭脳戦にはもっと弱そうだw

51 :作者の都合により名無しです:2007/08/14(火) 16:02:43 ID:kblsSvRf0
斗貴子さん負けたか。
原作でも最後の方は戦闘力上位ではなくなってましたからね。
スターダストさんGJです!

52 :作者の都合により名無しです:2007/08/14(火) 21:59:17 ID:VJXPRUKt0
スターダストさんの錬金キャラは活きているな
オリキャラも錬金の世界にすんなりと馴染んでいるし
トキコは負けても華のあるキャラだから無問題

53 :『絶対、大丈夫』:2007/08/15(水) 12:39:01 ID:H8xca3tJ0
        第四話<そして、外れていく日常・3>



 秀一は、時空管理局の万能戦闘母艦、ハガネの廊下を歩いていた。
 向かう先は、館長室。オフィスと、自分の寝室を兼ねた部屋だ。
 最近は、事件ばっかりでほとんど休めていないので、ちょっとの間、艦を部下に任せて休も
う、というわけだ。それと、部屋にあるコンピュータで、個人的な知り合いにも連絡をとる、
というのもある。
「…………頭が、痛い……」
 徹夜のせいだろうか、と思いながら秀一は頭をぶんぶん振る。よけいに頭痛はひどくなった。
 なんとか途中で倒れたりせずに部屋に到着する。冷蔵庫から冷たいミルクコーヒーの缶を取
り出し、パソコン台の前に置かれた椅子に座る。そして、コーヒーを飲み始めた。
 その片手間にコンピュータの電源を入れ、異世界間通信用のソフトを立ち上げ、通信先のア
ドレスを入力した。
 しばらくの間が空いて、それから通信が繋がる。コンピュータの画面に、その相手の顔が映
し出された。
『おっひさしぶりー!なにやってたのよ秀一!』
 と、久しぶりに聞く、やかましい声が聞こえてきた。
「……いや、最近仕事が忙しくてな……ああ、本当に久しぶりだ、リナ=インバース」


54 :『絶対、大丈夫』:2007/08/15(水) 12:40:12 ID:H8xca3tJ0
 リナ、と呼ばれた少女は、栗色の長い髪の、とにかく端正な顔をしている。ちょっと小柄な
体に、管理局の制服を着た、秀一の元同僚だ。
 その、単純な破壊能力だけならSSS+ランク、総合戦闘能力はSS+に及ぶほどの圧倒的
な力を持っているとは思えないほどの満面の笑みで、リナは言った。
『いや〜。そっちの方はどうもややっこしいことになってるみたいね……』
「……まぁ、な。戦力の補充はできそうだが、それでもまだ忙しいだろうな……管理局も、もっ
と人員を割いてくれればいいのだが」
『単純な物療作戦が「あいつら」に通用しないのはわかってるでしょ?』
「……まぁ、そうだが……それでも、物量がなければできることもできん」
 と、秀一は飲み干したコーヒーを、背後にあるゴミ箱のに、見もせずに放り投げた。
 小気味のいい音からすこし間を空けて、リナは言う。
『まぁ、今度私らもそっち手伝えそうだから、安心して大船に乗ったつもりでいなさい!』
「……ああ」
 それをいうなら『泥舟』では?という突っ込みは言わない秀一であった。口はわざわいの元
である。
「……ゼルガディスやガウリィ、アメリアにもよろしく言っておいてくれ」
『はいはーい!』
 と、リナの元気のいい声を最後に、通信は切れた。
 秀一は、しばらく背もたれによりかかるようにして座っていたが、しゅばっと背筋を伸ばす
と、さっさとコンピュータの電源を落とし、そしてベッドにばたんきゅーした。



55 :『絶対、大丈夫』:2007/08/15(水) 12:41:57 ID:H8xca3tJ0



 哀川潤。
 人類最強の請負人という愛称を持つ彼女は、その名に違わぬ圧倒的な力を所有している。
 裏の世界に存在する、殺し名や呪い名なども、彼女に関わることを禁忌とするほどのもので、
とにかく彼女はどこまでも最強である。

 そんな彼女は、野比家にいた。

「いや、ドラえもん。いいかんじにぶっ壊されてんじゃねぇか」
「……大…夫…す(大丈夫です)」
「どこら辺が大丈夫なんだよ……」
 と、シニカルに笑いながら、壊れたドラえもんの頭を開き、どこが損傷しているか、損傷の
具合はどんなもんかを見ている。
 のび太が、潤に聞いた。
「あの、ドラえもん……直せますか?」
「うーん……ちょっち道具がねぇとさすがのあたしでも無理だな……多分ミニドラでも、これ
ほどの損傷を単体で直すのは無理だろうし……」
 それを聞いたのび太たちの顔は、曇っていった。あの謎の敵に狙われているというのに、頼
みの綱であるドラえもんが使えないのは、かなり致命的だ。

56 :『絶対、大丈夫』:2007/08/15(水) 12:44:23 ID:H8xca3tJ0
「まったく、あいつは一体なんなんだよ!」
 と悪態をついたのは、ジャイアンだった。眉間に皺をよせ、かなり怒っている様子である。
 それに答えたのは、潤だった。その顔には、相変わらずシニカルな笑みが浮かんでいる。
「……あいつが何なのかはあたしにもわからないが……でも、どうにかできる奴らは知ってい
るぜ」
「本当ですか?」
 と、静香。
「……ああ。あいつらが何者かはわからんが、それでも、何と関わりを持っているか、くらい
ならよくわかる。……なるほど、タイムパトロールが最近おかしな動きをしてると思ったら、
そういう事だったんだな……時空管理局関係じゃ、仕方が無いか」
「時空管理局?」
 ととぼけた声を発するのは、スネ夫である。
「ああ、お前らは知らないのか……あー。説明するの面倒臭い。百聞は一見にしかず、だ。ちょっ
とついてきてもらうぜ。ドラえもんの修理もあそこならできるしな」
 と、立ち上がりながら潤は、一〇〇キロ以上の重さを持つドラえもんを、軽く片手で担いで
そして笑いながら言う。

「さて、面白くなってきやがった────」


 この、潤にとってのちょっとした気紛れで、大きく全世界の運命が変わったのは、まだ誰も
知らない。

57 :白書 ◆FUFvFSoDeM :2007/08/15(水) 12:46:48 ID:H8xca3tJ0
皆様、お久しぶりです。始めましての方は始めまして。
かなり前回と間が空いた、白書です。

しばらくの間、とあるところに入り浸っており、こちらに来ることがほとんど
できませんでした。

どうせ面白いと思ってくれる人もいないであろう駄文ですが、自己満足と、ケ
ジメくらいはつけたい、という感情だけで書き続けます。

では、また皆様と会える日を心待ちにして。

58 :作者の都合により名無しです:2007/08/15(水) 12:50:33 ID:Dr210A310
お久しぶりです白書さん。
ご復活うれしいです。
正直、随分あいてしまっているので
内容も少し忘れてしまいましたが
もう一度読み返すつもりです。
のんびりと更新して下さいね。
一応、これまでの物語を張っときますね。

http://www25.atwiki.jp/bakiss/pages/85.html

59 :作者の都合により名無しです:2007/08/15(水) 14:03:32 ID:a6kWG0xu0
白書氏おひさし。
そんな自分を卑下せず気楽に頑張って下され。
応援してます。

60 :永遠の扉:2007/08/15(水) 14:55:00 ID:/Yw16V0e0
解説:兵馬俑について

出典:百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%B5%E9%A6%AC%E4%BF%91 より。

>兵馬俑(へいばよう)は、本来は古代中国で死者を埋葬する際に副葬された俑のうち、兵
>士及び馬をかたどったものを指す。秦九代目の王穆公が死去した際に177名の家臣たち
>が殉死することになり、殉死を防ぐために兵馬俑が作られることになった。

「割符は奪還したな。そして──…」
無銘がくわえてきた物をつまみあげると、総角は微苦笑を漏らした。
「こらこら無銘。核鉄まで持ってくる必要はなかったんだがな。俺たちの手にこういう希少な品
が渡ると、戦団の連中は血眼になって俺らを追ってくるぞ」
手にあるのはシリアルナンバーIVIV(44)の核鉄。斗貴子の物であるのはいうまでもない。
「……失策」
「いやいい」
女性のようにすき透った頬に楽しげな笑みを浮かべた総角は、チワワの両脇に両手を入れ
て、肩のあたりまで持ち上げた。
「安心しろ。こっちは解決済みだ。どうせこの武装錬金で潜伏している限り、俺たちが追撃を
受けるコトはまずない。なぁ貴信。香美。負けた上によく考えもせず核鉄を奪ってきた熱血飼
い主とアホ猫。まぁなんだ。そうそう。勝敗は兵家の常だから気にするな。お前たちはむしろよ
く戦った方だ。もっとも負けたのは頂けないがな。あぁ、俺は悲しいなぁ〜」
えらく楽しげにからかう総角に、名を呼ばれた二人──実質一体だが──は座りながら必
死に抗弁する。
「う……。でもあんた、核鉄の収集とか趣味じゃん」
『ははは!! それを思ったからこそ僕は取ってきた!! それが不都合あればあらかじめ
いっておけばいいのでは!?』
いま表にいるのは香美で、衣服はボロボロ。タンクトップの肩が派手に破けて、もともと良く
見える胸元がなかなか危なげに見えている。ハーフパンツもしかりで、破れた個所から膝小
僧とか太ももの健康的な瑞々しさが覗いている。交番に駆け込んでそれらしいコトをでっち
あげれば、とある犯罪の被害者として記録してもらえるだろう。

61 :永遠の扉:2007/08/15(水) 14:57:16 ID:/Yw16V0e0
むろん傷は癒えていない。さっきのセリフだって本当は総角を見上げていいたかったが、振
動で首とか足とか取れて傷口が開きそうなのでやめている。
ただジト目で不機嫌そうに壁をにらんで、「助けてくれたのはうれしいけどさ、もっといいかた
ってもんがあるでしょーが!」と、ふーふー唸っている。
「まー、それもそうだな。でも、俺の部下なら少しは機微も考えて欲しいがな」
「無理。あたしはね、いわれたコトすらできるかどーかわかんないし!」
「やれやれ。俺は永遠に猫派になれそうもないな。どちらかといえば犬派」
無銘を高い高いしながら総角は上機嫌だ。
「師父。我に対するこの扱いは好みにそぐわず」
柔らかな三角の顔が迷惑そうに歪み、じたばたともがいた。
「フ。犬派の道も断たれたか。まぁいい。どうせ本命はロバ派だしな」
つれないチワワは地面は置かれると、ちょこんとお座りをしてうるんだ瞳を総角めがけて持
ち上げる。可愛くはあるが、どこか神妙だ。
「閑話休題。先ほどの戦士、特に手当せず放置しましたが、不都合は如何に? 核鉄を奪う
コトが火種なれば、戦士の殺害はそれ以上に甚大。されど何ゆえ放置を命ぜられた?」
黒豆のような瞳を見る総角は、実に心地よさそうだ。
「さすがお前は物分かりがいいな。香美。お前も少しは無銘を見習え」
「……うぅ。考えとくけどさ、あのおっかないの放置してていいの?」
『はーっはっは! ひどく怯えてるくせに心配はするんだな!!』
「だってさ。いきものが死ぬのって、すごくやなのよあたし。でもアイツはこわいケド」
といいながら香美は瞳孔を見開いてがくがくがくがく震えている。斗貴子が怖いのだろう。
「鐶(たまき)だ」
へ? という気の抜けた声が総角以外の三人から同時に漏れて、ヒンヤリとした地下道に
木霊した。その中で無銘だけは、ちょっと歯を剥いて軽く唸った。
「……彼奴? 彼奴が近くにいる? なれば一秒でも早く合流の是非をお教え頂きたい。合
流するのであれはさっさと退散する所存。彼奴などと同座同席するは死にも並ぶ苦痛……!」
「フ。そう露骨に嫌そうな顔をするな無銘。事後処理はあいつに任せておけばまず問題はな
いぞ。少なくてもお前たち三人が出ていくよりは話もこじれない」

62 :永遠の扉:2007/08/15(水) 14:59:11 ID:/Yw16V0e0
「そだけどさ。あたしはあのコ苦手。話続かないもん」
『僕は尊敬している!! 彼女ほど強く機転の利くホムンクルスはそうはいないからな! 
それに熱い歌を崇拝しているのがいい!!』
「あ、それから無銘」
「合流の是非は如何に!」
意気込む無銘に総角はくすくすと笑いをこぼし、告げた。
「少しだけだが合流するぞあいつ。良かったな」
無銘が地下道の果てまで突っ走ったのは余談として書き留めておく。

さきほどの真・蝶・成体の土台がぱくりと割れ、中から名状しがたい物体が漏れた。
基本的な形状はホムンクルスの胎児のようだが、背中のあたりからヘビのような尾が五十
センチばかり伸びており、長い体をくねらせながら地面を疾駆しはじめた。

向かうのは……血みどろで倒れている斗貴子。

レウコクロリディウム。
これは寄生虫の一種だ。主な宿主の一つは鳥。ただし寄生する手段が少々変わっている。
まずカタツムリの触覚に寄生する。寄生してから触覚をたとえば緑一色などのカラフルな模
様に変化させる。するとそれを目印に鳥がカタツムリを見つけやすくなり、捕食する。
捕食すればレウコクロリディウムはめでたく鳥に寄生できるという寸法だ。
更には鳥の糞にも彼らはおり、食べたカタツムリにまた寄生する。

結論から書く。

ホムンクルス浜崎は生きていた。
(俺はレウコクロリディウムのホムンクルス! この『本体』を寄生させた生物を操る能力の
持ち主よ! そして『本体』さえ無事なら依代が破壊されようと痛痒なし! 以前は大損壊を
受け、真・蝶・成体に寄生してその回復力を頼らざるを得なかったがなァ!)
浜崎は斗貴子のすぐ近くに到達した。物言わぬ斗貴子は、そのスレンダーな肢体をまったく
無防備なままに投げ出している。
スカートから伸びるすらりとした白い足は、傷を少々帯びてはいるが、それだけに一種の男
性的衝動をかきたてる何かがある。

63 :永遠の扉:2007/08/15(水) 15:00:35 ID:/Yw16V0e0
(よくも真・蝶・成体を破壊してくれたなァ。まぁいい。次は貴様だァ。貴様の体さえ乗っ取れ
ばこちらは核鉄を得るより戦力を得るだろう! そしてそれはァッ!)
ヘビのように長い体が、斗貴子のふくらはぎの下を潜り抜け、緩やかに巻きついた。
ぬらりとした感覚に嫌悪を催したのか、斗貴子の寝顔から軽い呻きが漏れる。
(ザ・ブレーメンタウンミュージシャンズの連中が引いた今ァ、た・や・す・いコト!)
「などというモノローグの元、浜崎どのはセーラー服美少女戦士どのの足を登っていくので
あります。その動きはらせん状、じわじわと確実に蝕まんとする意志に溢れております。あぁ、
その目をご覧ください。この血走りは果たして復讐心のみに起因するのでしょーか! ややも
すると、えぇと、その……なんでしょう。こほん。実況人として意を決して申し上げますれば、
淫靡! その一言に尽きまする。……その、どこへ侵入なさるおつもりか…… 聞きたくはあ
りますが、どうにも気恥しく……不肖はしばし口ごもるしだい……いやはや……」
立て板に水な声に、浜崎の頭が反射的にそちらを見た。
八メートルほど先、広場と竹藪の境目にいるのはシルクハットの小柄な少女。
頬に紅差し、口をもにゅもにゅした波線にしている。
「小札零かァァ〜! この戦士を斃しに来たのかァ? それとも介抱かァ〜?」
「いえいえ不肖は任務を終えてたまたまこちらを通りすぎたという次第。何の任務かは秘中の
秘ゆえ伏せたく存じますが……ただ」
小札は目を細めると、カマボコみたいな口でえへへーとはにかんだ。
「結果は大・成・功! もりもりさんも喜んでくれるコト受け合い!」
「……話にならんなァ」
「そう思われるのであれば、そうであるかも知れませぬ。されど浜崎どの!」
小さな手からロッドが現われ、浜崎をびしぃっと指し示した。
「不肖の話、実は囮だとすればそこに話の種は生まれるのではないでしょーかっ!?」
分類すれば短剣だろう。銀色の刃が斗貴子の足のそばに突き立ったのを合図に、浜崎は
素早くその場から跳躍した。同時に手近な竹(へし折られて節穴を露にしてる奴)へ潜り込
んだ。

64 :永遠の扉:2007/08/15(水) 15:02:15 ID:/Yw16V0e0
「おお。さすが! 寄生の条件はすなわち穴への侵入なのでありますね! ……そしてっ! 
セーラー服美少女戦士どのへの寄生はとても恥ずかしいお話ですので割愛!!!!」
竹が変貌を遂げた。丸い形から六角形の柱と化し、青々とした肌は幾何学的な装甲へ。
そして穴から浜崎の顔(人間形態だったころの岩のような)がろくろ首みたいににゅらりと
覗き、小札に濁った眼光をふりまいた。
「今、短剣を投げた奴は誰だァァァ〜!!」
「私、です」
斗貴子の足の間から短剣を拾い上げた影がある。ひどく奇襲に慣れているらしく、拾う前も
拾った瞬間も拾った後も同じ速度で走り、呆れるほどの手早さで浜崎との距離を詰めると
彼の顔めがけて銀光をほとばしらせた。
浜崎は首を引っ込めすんでのところで回避した。影は返す刃で残り短い竹を逆袈裟に切り
捨てた。それが地面にせり上がった根に当たって「からん」と乾いた音が一瞬響いたのを最
後に辺りは静まり返り、月も雲にさっとけぶって無音無明の緊張に満ち満ちた。
「リーダーからの伝達事項その三。間隙を縫う者は必ず現れる。予想通り、です」
止まった影は小札よりはやや大きい。声は十代半ばだから、年齢がそれ通りとすればほぼ標
準通りの身長か。
暗がりのせいで正確な姿は分らないが、後ろ髪をリボンでくくって下に垂らしているのは分った。
「むむ。やはり鐶副長が仰せせつかっておりましたか。ならば不肖は手だしせずとも大丈夫!」
「ええ」
小札を振り返り言葉身近に応答した鐶。
その背後をしなった竹が襲った。
「なァ……?」
呆気の声を漏らしたのは、攻撃を仕掛けた方。浜崎だ。
鐶は振り返りもせず短剣で竹を二股に切り裂き、しかも鐶から見て七時方向の竹の一本へ
短剣を投げていた。
そこは浜崎の『本体』がある場所の近く。
彼は筒の中で頭上を見上げ慄然とした。短剣が突き刺さっている。避けてこうなったならま
だ良かった。しかし彼は投擲自体に気づいておらず、頭上の物音を反射的に見て事態に気
付いたにすぎない。
つまり、鐶の失敗によって命を救われた形になる。
「……遙かな大空に、光の矢を…………放ってみました。でも一撃必殺は無理でした……」

65 :永遠の扉:2007/08/15(水) 15:03:17 ID:/Yw16V0e0
浜崎は大声を張り上げたかったが、自らの所在をバラす愚行なので必死に耐えた。
耐えて竹の茎や根の中を移動しながら(一体化しているので可能)も、恐慌をきたしはじめて
いた。
なぜ自分の本体の位置を悟られたか。
声か? いや、声を漏らしたのは短剣を投げられた後だからそれはない。
(まぁいい。分はこちらにある。奴は武器を手放したァ。しかも竹は)
「……竹は……地下でつながってます。だから一本の竹に寄生すれば……その一帯の竹す
べて、あなたの味方。囲まれて、いますね……」
影の周囲にはいうまでもなく竹が充満している。
「……あなたが私に求めているのは絶望、でしょうか。星さえ見えないほど深い、絶望……」
口調は淡々としてまったく焦燥をはらんでいない。むしろ一言も発していない浜崎が、その
無言の理由からして追い詰められているようでますます惨めだ。
彼は激高した。
寄生した竹をすべて一気に操作し、鐶めがけて撃ち放った。
尖った根が鐶の腹部を。しなった竹が頬を。刃と化した幾枚もの笹の葉が到るところを。
それぞれ狙い打つ。
筈だった。
根が縮んだ。しなった竹も同じく。
奇異なるコトに笹の葉は……飛ばなかった。
刃が入り組んだような紫の物体と化している。
「さて皆様ご存じでしょーか!! 実をいいますれば竹にも花は咲くのです!」
いつの間にやら学校の会議室にあるような長い椅子とか椅子を取り出して、小札はロッドを
マイク代わりに解説を始めた。もちろん机上には「特別解説っ! 小札零!」と下手な字が
書かれた白い紙製の三角錐。
「一般には数十年から数百年に一度の割合で咲くのであります! 地下でつながってますか
ら、咲くときは竹藪一帯これ総てお花満開!」
彼女のいうとおり、頭上では前述の紫の花がひしめきあい、自重ゆえに心持ち垂れさがって
先ほどより夜空を多く露出している。

66 :永遠の扉:2007/08/15(水) 15:04:23 ID:/Yw16V0e0
「おお、見えざる花咲かおじーさんが来訪したかのとごくでありますね! ちなみに開花後は
実をつけて枯れますゆえに不吉な現象といいますが、しかし人間の人生とて長い目で見れば
そんな感じではないでしょーか! 漢の高祖とか豊臣秀吉とか一花咲かせてからもう一花咲
かせた方は歴史上ちょっとおりません。後はもう枯れ、時には老害とのそしりを受けたりも。
つまりは大成を秘めた人生とは不吉に近いものなのでしょーか? それはさておき浜崎ど
の。この開花は浜崎どのにとっても不吉な予感で死兆星! さぁ、さぁさぁ、退却のご用意を!
ここで引くなら鐶副長も引きますよーぉ!」
「引きません。このままごーごー。ただひたむきに……」
「え!?」
「リーダーからの伝達事項その二。禍根を残すべからず。残念ですが彼の死は……決定稿」
「むむ……もりもりさんがそうおっしゃるなら不肖には口出しのしようも……なーむー」」
(どういうコトだァッ!)
浜崎は竹の中で震えだした。彼のいる竹までもが徐々に縮み、狭くなりだしている。
(奴はふれもせず、いったいどうやって!!)
「短剣…… 別に本体へ当たらなくても良かったのです。あなたの体の一部にさえ当たって
しまえば……もうすでに私の武装錬金の特性の餌食。運命に戸惑う嘆きのロザリオ……」
影が淡々と呟いた。飛んだ。
「……所詮あなたはレウコクロリディウム。エサの気配は簡単に察知できます」
手を巨大な翼と化し、竹藪を機械的に切断しながら一直線に。
五十メートルは滑空したか。彼女の通った後の竹はことごとくなぎ払われた。
「鳥型ホムンクルスの私の敵では……ありません。『特異体質』を使うまでも、ありません」
(ああ、確かに敵ではないなァ)
影のあとをとことこ付いてきた小札は「ぬおっ!」と寄生を漏らした。
鐶の耳元に、ホムンクルスの幼態へ長い尾ひれをつけたような特異な物体が張り付いている。
浜崎だ。いつの間にやら飛んでいた彼は耳の穴から今まさに侵入しようとしている。
彼は叫ぶ。恐怖からの解放を喜び、ひきつりながら。
「油断したなァ! 倒せずとも元の生態を思わば寄生するコトこそ本懐よ! あの女戦士など
もはやどうでもいい! 貴様はおそらく奴以上の強者ァァ! おとなしく我らに!」

67 :永遠の扉:2007/08/15(水) 15:07:16 ID:ZSD+cD0+0
「あ、無駄です。ぶいあいしーてぃおーあーるわいてぃ、すりーつーわんぜろ無銘くん……♪」
鐶の声が脳内に伝達するより早く、浜崎の体一面とボコボコと膨れ上がり、弾かれるように
彼女から離れた。
(〜〜〜〜〜!!!)
意図したものではない。体が勝手に動いている。地面をのたくっている。
随意筋な意味でも不随意筋な意味でも。細かな手足がてんでばらばらな方向へとじたばたし、
しかも内側から新たな肢体を無責任に量産している。腹からは新たな口が発生し、不規則で
不細工な鋭い牙を幾重にも伸ばしながら大口をガチガチ打ち鳴らして異臭まみれの粘液を
地面に降らす。尾ひれ一面は鱗が生えては剥がれおち、生々しい肉の赤肌が異常な熱と痛み
を放ち、眼窩ときたらそれこそレウコクロリディウムに寄生されたカタツムリのようにカラフルに
肥大して、床屋さんにある回転灯のように赤とオレンジの色をぐるぐる螺旋させている。
「どうなっている! ど・う・なっているゥゥゥゥゥゥゥ〜!」
「無駄、です。あなたはすでに無銘くんの攻撃を……受けています」
影は浜崎など顧みず、先ほど刺した短剣を回収しにいった。
「彼の敵対特性は…………武装錬金だけでなくホムンクルスに及びます」
(何をいっているコイツはァ! 奴の武装錬金の発動条件は俺だって聞いている! 攻撃
を受けるコトだァァァ! が、俺はあの黒装束の人形や忍六具の攻撃などは……!)
無茶苦茶な狂騒に持って行かれそうな状態で、彼は一つの事実を思い出した。
(まて、あの時まさか。あの時、まさかァァァァ!!)
斗貴子が黒装束の自動人形を倒した直後だ。
不意打ちと共に姿を現した浜崎はチワワに遭遇した。

>その足もとにやわらかい感触が走った。
>見ればチワワがまとわりつき、浜崎の足元を噛んだりひっかいたりして遊んでいる。

チワワは無銘の本体。鳩尾無銘そのもの。
(あの時!  噛まれた時!  奴はまさかァ自動人形の一部を口に含んでいた、か!!)
「あの時……噛まれた時……彼はちゃんと自動人形の一部を口に含んでいました……
具体的にはあの鱗のような物体……です。それが足の傷から入って……こうなりました」

68 :永遠の扉:2007/08/15(水) 15:08:42 ID:ZSD+cD0+0
無慈悲な足音が浜崎の近くでした。同時に銀の刃が彼を貫いた。
「少し……可哀想な斃し方をこれからします…… だから最後に一つだけ……」
刃が突き立った浜崎はどういうワケか縮んでいく。
どころか肌の質感も若くなり、異常をきたしていた体も、元のように戻っていく。
彼はその現象に確信した。
サッカーボール大で留まったまま仮死状態になっていた幼体ども。
これだけの実力を持つ鐶が、敢えてホムンクルスを殺さずに留め置いた理由。
「お前の能力は……目論見はァァァァ!」
「私の武装錬金は──…」
叫ぶ幼体から引き抜かれた短剣の形状を記す。
全長は約三十センチ。刀身はその内二十センチメートル。
鍔はその両端を刃先に向かって小さく直角に折れ曲がっている。
特筆すべきはその直下。柄の先端部分。
小さな球状の物体が二つ、柄の両側についている。
名の由来がとかく淫靡な武器である。なぜなら二つの球と一つの柄を「男性器」に見立てて
いるのだ。そしてついた名前がボロック(睾丸)ナイフ。
別名。
「キドニーダガー。名はクロム クレイドル トゥ グレイブ。特性は年齢のやり取り……です」
影はずいぶんと小さくなった浜崎を踏みつぶし、ぐしゃぐしゃと事務的に地面へなすりつけた。
「リーダーからの伝達事項その一。殺す者には親切に…… キドニーは『親切』なので……」

この晩の戦いはひとまずこれによって幕を閉じた。

あとがき。

風の噂で聞きましたが、平野綾さんと谷山紀章さんが付き合ってるとか。
これが本当ならまひろの中の人と秋水の中の人が付き合ってるワケで、何とも面白い。
あ、また長い。うぅ。原因は小札だ。だいたいにして、彼女の登場自体、プロットには
なかったりします。ええ。でもついつい出してしまった。
で、彼女が出てくるとついつい横道なセリフを書き連ねてしまうので長くなる。かといって何も
しゃべらん彼女は味気ないので、これでいいかも。……オリキャラばかりだけど。
にしても、連載一周年の翌日っていう節目に出てこない主役って一体……w

69 :スターダスト ◆C.B5VSJlKU :2007/08/15(水) 15:10:53 ID:ZSD+cD0+0

>>49さん。
んー、エンバーミングは内容次第ですね。今、興味があるのは再筆るろうに。あのキャラ設定
で一から話をやったらすごく面白そうw 今回はオリキャラばかりになっちゃいましたが、次回
以降は原作メンバーに重点を当てますのでお楽しみに。まずは秋水とブラボー。次はヴィクトリア。

>>50さん
いろいろ怠けてしまったので、せめてお盆ぐらいは頑張らないと…… 斗貴子さんはなんというか
「敵が目の前にいる時にチンタラ物を考えていられるか! ブチ撒ければ済むコトだ!」と心
理戦も頭脳戦も放棄しちゃいそうですね。ダービー戦とか無理ですよ。猫と干し肉の段階でダービーの首刎ねてる。

>>51さん
実力はかなりあると思うのですが、やはり終盤での見せ場の少なさはいなめませんね。終盤
にいくにつれ強くなる成長タイプに非ずですから。その主因はバルスカの特性。伸びしろなさ
すぎ。ま、和月作品の設定は、将来性よりはその場のノリでいくので仕方ない。

>>52さん
キャラは生き物。その呼吸を大事にしたいというのがけっこうありますね。小札なんかでも
割と好き勝手に喋らせております。あとは秋水とまひろがうまくまとまってくれるかどうか。
斗貴子さんはヴィクターを除けば初めて負けたかも。もっとも万全の状態なら勝てたとは思います。

70 :作者の都合により名無しです:2007/08/15(水) 22:48:26 ID:Dr210A310
絶好調ですねスターダストさん
お盆でこれまでの不在を一気に取り戻した感じです
前回までと打って変わって今回はコメディですね
相変わらず小札(どうしてもこふだと読んでしまうw)や
香美がいい味出してますね
もっとも、一番いい味は転がって意識のないトキコだけどw

71 :作者の都合により名無しです:2007/08/16(木) 08:26:50 ID:B0pYG+FD0
激闘編が終わってコメディ編にまた突入かな?


72 :作者の都合により名無しです:2007/08/16(木) 12:49:10 ID:moZgBy480
お疲れですスターダストさん。

前回の斗貴子敗北のシーンから今回はそのシリアスさを引きずらずに
明るい雰囲気になりましたね。
あんまりハードな感じだと痛々しくなるんでこんな感じがいいとおもいます。

73 :最強伝説の戦士 黒沢:2007/08/16(木) 21:08:51 ID:V47746Yc0
>>20
夜。寝静まった街の上空を、人型の影が舞っていた。大きく旋回しながら鼻を鳴らして、
何やら匂いを嗅いでいるような。やがて何かを探り当てたらしく真っ直ぐに飛んで、
高度を落とした。行き着いたのは三階の窓。警察病院の、ある病室の窓だ。
影はその窓に取り付いた。施錠はされてなかったので、静かに窓を開け室内に降り立つ。
一つだけあるベッドには大柄な男が寝ている。枕もとのプレートには『山崎ひろみ』と
書かれているが、影は日本語が読めない。代わりに、また鼻を鳴らして確認した。
「グムング・ゼラゾジャダダジャヅバ」 
(グムンが、ヘマをやった奴か)
闇の中、笑みを浮かべた影の口に、白く鋭い牙が光る。耳元まで避けたその口が
大きく開かれて、寝入っているひろみの首へ……
「誰っ!?」
ドアが開かれ、部屋の明かりが点けられた。明るくなった室内にいるのは、眠っている
ひろみとドアから入ってきた野明と、そしてベッドのそばに立つ異形の怪物。
全体的には人型であるが巨大な耳と口、鋭い牙、緑色の肌、そして両腕全体から
垂れ下がるコウモリのような羽。どこからどう見ても人間ではない。
「! 未確認生命体……第3号!?」
「ガ、ガゥアアァァッッ」
コウモリ男は頭上から煌々と照りつける蛍光灯の光に苦しみ、両手で頭を抱えて
逃げ出した。開けっ放しだった窓から飛び出し羽ばたき夜空へと、
「逃がすもんかああああぁぁぁぁっ!」
野明が追いかけた。躊躇いなく窓枠を蹴って跳び出し、コウモリ男の背に掴まる。
バランスが崩れて、コウモリ男の高度が下がった。ここぞとばかりに野明は左腕で
コウモリ男の首を締め上げながら、右手で後頭部を殴りつける。
「この、この、この、このっ!」
「ジャ、ジャレゾ!」
(や、やめろ!)
傾き、回転し、コウモリ男と野明は絡み合うようにしながら落下。路上に停まっていた
ワゴン車の屋根に落ちて跳ね、二人分かれて着地した。

74 :最強伝説の戦士 黒沢:2007/08/16(木) 21:10:29 ID:V47746Yc0
「リントグ……!」
(人間が……!)
怒りを露わにしたコウモリ男が野明に襲い掛かる。転がりながらかわした野明のすぐ脇で、
コウモリ男の爪がワゴン車を真っ二つに切り裂いた。
間近で直に見る未確認生命体の力に、野明が息を飲む。だがそれで立ち尽くす
ヒマなど与えられず、コウモリ男は自ら切り裂いた車体を掴んで、そのまま振り回した。
野明は全身を丸ごと殴打され、実際に走行中の車に撥ねられたのと同様に吹っ飛ぶ。
もちろん野明は受身などとれずに地面に叩きつけられ、呼吸を潰される。そこへ
ワゴン車を投げ捨てたコウモリ男が、大口を開けて襲いかかってきた。
野明は動けない。と、野明の背後から駆けて来た男がコウモリ男を殴りつけた。僅かに
怯んだコウモリ男の前へ、駆けて来た男が進み出る。野明を背に庇って立つその男は、
「く、黒沢さん!?」
「逃げろ、早く! ……あ、言っとくけどこんなタイミングで出てきたからって、オレは
あんたをストーカーしてたわけじゃないぞ! あんたのことが心配で警察病院へ様子を
見に来て、でもどうしようか迷って今までウロウロしてて、そしたら窓から突然、」
などという弁明など野明は聞かずに黒沢を押しのけて、
「黒沢さんこそ逃げて下さいっ! これは、あたしたち警察の仕事です!」
黒沢が心配した通り、コウモリ男へ向かってまっすぐ走った。すると当然、
「リントゾロ・ボソグ!」
(人間ども、殺す!)
たった今、ワゴン車を一撃で切断した爪が高く降りかざされて野明に……
「ええぇぇぇいっくそおおおぉぉっ!」
黒沢ジャンプ! 既にその瞬間には黒沢のものではなくなっていた脚、人外の脚力は
野明の頭上を軽々と越えた。同じく人外の腕力でコウモリ男に空中から抱きつき、
押し倒し、地面に転がる。つかみ合いながらゴロゴロしている間に、腕と脚に続いて
胸、腹、頭、顔面、黒沢の全身がみるみる変化していく。
黒沢は勢いを利用して何とか上を取り、コウモリ男を押さえつけて馬乗りになった。
そこからマウントパンチを叩き込む、その姿はもう完全に人間ではなかった。白い
プロテクターに身を包んだ異形、野明は知っている。というかもうテレビで流されている。

75 :最強伝説の戦士 黒沢:2007/08/16(木) 21:12:05 ID:V47746Yc0
「未確認生命体第2号!? く、黒沢さんが……?」
突然出現した第2号と第3号の戦いを前に野明は呆然。やがて、第3号ことコウモリ男が
反撃に出た。殴られながら第2号、こと黒沢の右の内腿に噛みついたのだ。草むらに
仕掛けて猛獣を獲る、ベアトラップさながらの凶悪な牙が肉に食い込み、まるで
トマトの汁のように鮮血が溢れ出る。
「ぃでええええぇぇぇぇっっ!」
黒沢は悲鳴を上げて転がった。コウモリ男は立ち上がり、舌なめずりをしている。
どうやらマウントパンチもさほどダメージを与えられなかったらしい。やはりこの白い姿は、
不完全バージョンということなのか?
腿の激痛に耐えて黒沢は立ち上がるが、立つだけで精一杯だ。とても戦えそうにない。
それを見てとったコウモリ男が余裕たっぷりに一歩踏み出す。だがその時、戦いに集中
するあまりコウモリ男も黒沢もそして野明も、気付かなかった。
病院からの通報を受け、サイレンを鳴らして集まってきたパトカーの群れを。
「未確認生命体第3号を確認! あ、第2号もいます!」
「ようし、二匹とも逃がすな!」
杉田警部の指揮の下、二十人近い警察官たちがパトカーから降り、ドアを盾にして
銃を構えた。赤い回転灯の光が周囲を染めて照らして、ズラリと並んだ銃口から
重苦しい殺気が匂い立つ。
正面にいるコウモリ男を牽制し、背に野明を庇い、右脚を血に染め、銃を構えた警官隊に
包囲されて……黒沢は、動けなくなった。
そして、
「泉巡査!? そんなところで何してる、早く逃げろ! そいつがそのケガで動けない内に!」
動けない黒沢を突き抜けて、背後の野明へと杉田警部の声が飛ぶ。
「逃げろと言ってるんだ! 聞こえないのか泉巡査! これは命令だぞ!」
冷たく暗い銃口の向こうから、怒号の弾丸が野明を射抜いた。

76 :ふら〜り ◆XAn/bXcHNs :2007/08/16(木) 21:15:20 ID:V47746Yc0
黒沢の匂いの描写。リキんではみたものの、やはり難しい。私自身、キャラ単独で見れば
『クウガ』の一条さんよりも『刑事物語』の片山さんの方が好きなぐらいなんですけどねぇ。
♪人がおるんよね……人がそこに、おるんよね……(汽笛、波飛沫、遠ざかっていく港……♪
男性キャラにしか出せぬ魅力、すなわち言葉通りの「男らしさ」。描きたい、されど困難也。

>>スターダストさん(一周年おつ華麗さま。主役は出ずとも私の最萌えロバさんが久々嬉し♪)
ここまで徹底して、被せに被せないと倒れない斗貴子。原作準拠でもありましょうが、やはり
スターダストさんの愛なんでしょね。状況のみならず状態の描写もリキ入ってましたよ。で、
>自らの性格から逆算 して黙っているフシがある。
だーかーら、そういうのを以心伝心の仲といい、誰とでも育める関係ではないという自覚を……

>>白書さん(お久しぶりです! 書くのも大変ですけど、書いていないと書きたくなりますよね)
リリリリナですかぃ! あの子が組織に属して働いてる、制服着て通信してるって……何か、
もの凄い。で、他のメンバーも参戦するかも、と? こりゃまた楽しみ。ドラが壊れるというのは
原作でも時々ありましたが、修理作業の様子はあまりなかったですよね。ちょっと痛々しい。 

77 :作者の都合により名無しです:2007/08/16(木) 21:47:29 ID:B0pYG+FD0
ふらーりさん健筆ですな
知らないキャラが出てくるのもふらーりさんのSSを読んでいるという気がするw

78 :作者の都合により名無しです:2007/08/17(金) 08:28:56 ID:37PTpNf40
パトレイバーって聞いたことあるけど面白いのかな?
黒沢がらしい活躍で頑張ってますね。決してヒーローにはなれない感じで素敵。


79 :作者の都合により名無しです:2007/08/17(金) 16:05:40 ID:juYTw+Zk0
刑事物語って武田鉄也か?
ふら〜りさん、いくらなんでも年がバレまっせw


80 :作者の都合により名無しです:2007/08/18(土) 12:09:16 ID:K14Z8wVB0
ふらーりさんの連載が終わったら・・
実質稼動してるのは永遠の扉だけか・・
みんな帰ってこないかなあ

81 :WHEN THE MAN COMES AROUND:2007/08/19(日) 08:04:11 ID:Tda1x4u/0
《EPISODE12:When the man comes around》

「ウオオオオオオオオ!!」

防人の咆哮と共に、一撃必倒の威力を誇る拳の弾幕がシャムロックを打ち抜いた。
拳の衝撃がシャムロックのボディで弾ける度に、派手な重い金属音がエントランスホールに響き渡る。
だが、この三種の生物を組み合わせた異形の合成獣(キメラ)は一歩、二歩後ずさりをするだけで
ダメージを受けた様子は無い。
現に“蟹”の甲殻にはヒビひとつ入らず、歪みすら見当たらない。
野性を思わせる動きで鋏と“蟷螂”の鎌から成る四本の腕を振るい、“蜘蛛”の糸を尻の辺りから
垂らしている。
そして胸部に浮き出た人間の顔は、相変わらず唇の無い口で眼前に立つ錬金の戦士の名を不気味に
呟くだけである。

「CAPTAIN BRAVO…」

先程からこの繰り返しだ。
防人の攻撃はシャムロックの堅固な甲殻に阻まれる。
しかし、シャムロックの二本の鋏と二本の鎌もまた防人のシルバースキンに遮られる。
お互いがお互いに決定的どころか蚊が刺した程のダメージも与えられずにいた。
「くっ……! 何て頑丈な奴だ……」
既に五百発は下らない打撃をシャムロックに打ち込んでいる防人。
完全防御を特性としているシルバースキンに身を包んでいる為、攻撃を受けてのダメージは一切無い。
だが、常に全力を振るっての攻撃のせいか、徐々に肉体に疲労が蓄積されていく。
荒くなり始めた呼吸はその数を増やし、自身の攻撃運動による負荷で破壊された筋繊維は熱を持っている。

“完全防御 VS 完全防御”

ならば、そんなゴールの無い持久戦(マラソンマッチ)を征するものは――
“人間”の生命力か、“ホムンクルス”の生命力か。答えは考えるに及ばないだろう。

82 :WHEN THE MAN COMES AROUND:2007/08/19(日) 08:05:56 ID:Tda1x4u/0
ここまで防人の攻撃を真正面から耐え抜いたホムンクルスはかつて存在しない。
無敵と思われたシルバースキンと防人衛の数少ない弱点が遂に表面化してしまった。

だが――

「駄目だ、こんなものじゃ駄目だ。奴の装甲はこんなものじゃ……」
戦士としては若手ながらこれまで幾つもの死線をくぐり抜けさせてくれた己の拳を、そして己の武装錬金を、
防人は信じている。
その防人が考える事は“何故、倒せないのか”ではない。
“どうやったら倒せるか”である。
防人は目の前の難敵を凝視する。
脳内を渦巻く思考と確固たる信念を乗せた視線は、シャムロックの身体のある一部分に注がれた。

人間部分である顔、それも額に浮かぶ“三つ葉を模した複合章印”

やがて、防人は章印から視線を外し、顔を伏せて己の両掌を穴が開く程に見つめた。
そうしているうちにもシャムロックは腕を振り上げた攻撃態勢のまま、ジリジリと距離を詰めてくる。
しばらくの間、両掌を睨み続けていた防人は大きく息を吐き、拳を力強く握り締めた。

「……よし!」

再び眼を上げた防人は素早くバックステップを踏み、シャムロックからかなりの距離を取った。
それは近接打撃の間合いではない。飛び道具の間合いと言っていい。
更に、極端に腰を落とし、前傾姿勢に構える。
今までの空手や八極拳を自己流にアレンジした構えではない。まるで短距離走者(スプリンター)の
クラウチングスタートに近いものがある。
そして、アキレスを狙うパリスの矢の如く、自らの関節可動域の限界までギリギリと右の拳を弓引いた。
ガードは捨てているのだろうか。左腕はブラリと垂れ下がり、床に向けられている。
「強く……。もっと、強く!」
自らの肉体に言い聞かせる最も単純明快な言葉を叫ぶと、防人は全身をバネと化して床を蹴り、
シャムロックに向かって弾かれたように突進を開始した。

83 :WHEN THE MAN COMES AROUND:2007/08/19(日) 08:08:22 ID:Tda1x4u/0
スタートダッシュによって踏み抜かれた床のタイルは大きく剥がれ、粉々に砕け散り、防人の
背後を舞い飾る。

「そして――」

一条の弾丸となった防人が選んだものは――
正拳でも、
肘打ちでも、
靠撃でも、
蹴りでもない。

「鋭く!!」

異能の握力によって固められた拳は瞬時にして解放され、防人の四本の指は鋭い手刀に形作られた。
その四指は文字通り、磨き抜かれた“刃”を髣髴とさせる。
突進する防人に何かを感じたのか、シャムロックは初めて防御の態勢を取った。
四本の腕は幾重にも交差され、ボディを死守する堅牢な城門に早変わりする。
そう、彼(シャムロック)は城門を閉じてしまった。剣と矛と戟が打ち交わされる戦の最中だというのに。

「貫けェエエエエエエエエ!!!!」

破と覇を込めた戦人(イクサビト)の雄叫びと共に、“破壊槌”と化した貫手が“城門”に向かって撃ち込まれた。
凄まじい衝撃音がフロア全体を駆け抜け、ビルそのものを激しく振るわせる。
一本、二本とシャムロックの腕が砕け散り、音を立てて床に散らばり落ちた。

だが、止まった。
止まってしまった。
防人の貫手は残り二本の腕を砕く事無く、その勢いを殺された。
シャムロックは防御を固めたままの姿勢でその場に立っている。
「届かない、か……?」
防人は歯噛みしてシャムロックの反撃に備えようとするも、全力で撃ち込んだ貫手は彼の太い腕に
食い込んで離れない。

84 :WHEN THE MAN COMES AROUND:2007/08/19(日) 08:11:13 ID:Tda1x4u/0
焦る防人とは対照的にシャムロックがユラリと身体を動かした。
と同時に――
シャムロックを守っていた残りの腕が千切れ落ちた。
防人の眼に飛び込んできた光景は章印に貫手を突き立てられたシャムロックの顔。
ホムンクルスの唯一の弱点、額の章印に防人の四指が第二関節辺りまで刺し込まれていた。
「や、やった……!」
防人が指を引き抜くと、シャムロックは無言でフラフラと数歩、後によろめいた。
やがて、細かい震えと同時に、その異形の身体のいたる所に無数のヒビ割れが走る。
ヒビ割れは急速に進んで全身を包み、肉体は末端各部から塵と帰り始めていった。
ホムンクルスとしての死が、崩壊が始まっているのだ。
自身の身体に何事が起きているのかもわからないのか、未だシャムロックは感情の無い眼で
防人を見つめていた。

「CAP...TAIN......B......RA......」

最期まで敵の名を呼びながら仁王立ちのまま、その身体は崩れ滅びようとしている。
敵ながらあっぱれ、と言いたいところだが、彼はこれまでの常識を覆す強引さで造り上げられた
ホムンクルスだ。
人間としての意思や理性や情念など一欠けらも残っておらず、ホムンクルスとしての食人衝動も
強制的に制御され、ただ単に“標的を殺せ”という信号に肉体を突き動かされているマシーンなのだ。
決して地に倒れようとしないのも彼のプライドなどではなく、創造主(サムナー)の意志(プログラム)が
安らかな最期を否定させ、戦いを続けさせようとしているのだろう。
今の防人には彼の創造主や生い立ちなど知る由も無かったが。

防人は、ズッシリと圧し掛かる疲労と思い出したかのように襲ってきた大腿部の痛みを撥ね退け、
周囲を見回した。
この一階のどこかで危険に晒されているジュリアンの救援に向かわねばならない。
目の前で二度目の死を迎えているシャムロックはほとんど原型を留めない程に崩壊している。
死力を尽くした戦いを繰り広げた、この強敵の最後を見届けてやりたい気持ちもあったが、
今はそんな余裕も無い。
「B...BRA......VO...」
無感情な声を上げながらシャムロックの身体は完全に消滅し、僅かな塵が舞うばかりとなった。

85 :WHEN THE MAN COMES AROUND:2007/08/19(日) 08:12:46 ID:Tda1x4u/0

その塵の、
その塵の向こう側の、
その塵の向こう側の通路から奇妙な音が聞こえてきた。
何かを引きずる音と、男のくぐもった声。
照明の落ちた通路の奥に蠢く影が見える。はっきりと見える訳ではないが、何者かの人影が。
両手で何か大きなものを引きずる人影はゆっくりとこちらに近づいてくる。
「誰だ!」
防人は声を掛けた。ジュリアンかもしれないし、テロリストかもしれない。
返事は無い。
再び戦闘態勢に入ろうとする防人に、人影が答えた。聞き馴染みのある声で。

「ブラボーサン」

「ジュリアン!? 良かった、無事だったのか!」
エントランスホールの大照明に生還したジュリアンが照らし出される。
「ジュリアン……?」
確かに彼だった。姿形は、確かに。
だが、奇妙だったのは彼が手にしている“もの”だった。
両手で二人の男の顔面を鷲摑みにして引きずっていたのだ。おそらく生き残りのテロリストだろう。
一人は失神しているらしくグッタリと動かないが、一人はくぐもった声を上げながら必死に
抵抗している。
ジュリアンは無傷だったが、身を包んでいたブラックスーツは破け、上半身はほぼ剥き出しの状態だ。
そして、その裸の胸には、防人が考えもしていなかった物が鮮明に浮かび上がっていた。
「ジュ、ジュリアン……。まさか、嘘だ……。嘘だと言ってくれ……」

それはホムンクルスの章印だった。

86 :さい ◆Tt.7EwEi.. :2007/08/19(日) 08:23:57 ID:Tda1x4u/0
どうも、お久し振りです。
ながらく中断してしまい、真に申し訳ありません。
やっと連載再開できました。あまり良い出来ではないですが。
多少、スローペースになりますがこれからも頑張って続けていきたいと思います。
見捨てずに応援して下さっている皆様、本当にありがとうございます。
では今日はここまでということで。
あじゅじゅしたー(.=ω=)

87 :作者の都合により名無しです:2007/08/19(日) 10:53:46 ID:Hbb2fNk/0
さいさんお久しぶりですー
サイトの方もちょっと更新が途切れてたんで心配してましたが
お元気なようですね。何よりです。

究極の盾同士の戦いですが、やはり体力的に凌がれてしまいますな
人間ミサイルで特攻して勝った防人カッコいいです。
お忙しいと思いますが、これからも時々掲載して楽しませて下さい。




88 :のび太と雲の王国:2007/08/19(日) 16:28:49 ID:4crpXnm40
「ドラえもーん! 財布の中身が50円しかないよー!」
「はい、バイバインー」
 ドラえもんはのび太の50円玉にバイバインをふりかけた。50円玉は倍額の100円
玉になった。
「やっほー!」
 のび太は大喜びでコンビニに行った。店長のオヤジがニコニコ笑っている。
「おじさーん! ムーゴーおくれー!」
 ムーゴーと100円玉をレジ台に置いた。100円玉は倍額の200円玉になっていた。
オヤジの笑顔が悪魔の形相に変わった。
「こんなお金は使えませんアンド子供にムーゴーは売れませーん!」
 のび太はオヤジの機銃掃射をかいくぐって、命からがら家に帰ってきた。

89 :のび太と雲の王国:2007/08/19(日) 16:30:27 ID:4crpXnm40
「でや!」
 のび太の投げた200円玉はドラえもんの眉間を貫通した。ドラえもんは爆発した。
「なけなしの50円まで使えなくなったじゃないか! ドラえもんのバカ!」
「どれどれ」
 ドラえもんは柱に刺さった200円玉を抜いた。200円玉は倍額の400円玉になって
いた。
「こりゃすごいね。明日になったら一体いくらの硬貨になってんだろうねえ」
「爆発はどうした」
「50円ぽっちでガタガタぬかすなよのび太くん。ほら、どら焼きあげるから」
 ドラえもんはのび太の質問に全く興味を示さず、のび太にどら焼きを差し出した。
のび太はドラえもんの手をはねのけて、どら焼きを窓の外に飛ばした。どら焼きは
空中で爆発した。
「爆発したー!」
「どら焼きのクセにー!」
 ドラえもんとのび太は二人で仲良く笑い転げた。そして笑いの収まったのび太は
ドラえもんの首ねっこをつかまえて力いっぱい締め上げた。
「爆発はもういい! やいドラえもん、ボクの50円玉をかえせ!」
「それは不可能です」
「少しは検討しろよ! 次のお小遣い日まで金もない、ムーゴーも買えないなんて
エムジーだ!」
「エムジー?」
「まるでギャグだ!」
「ああ、Marude Gyaguね」
 ドラえもんは納得して、少し考えてから言い足した。
「ムーゴーもエムジーだよね」
「えーと、Mu-Go-か。ホントだエムジーが二つになっちゃった!」
「相変わらずそそっかしいなあ、のび太くんは」
「ごめんごめーん」
 のび太とドラえもんは仲直りをした。そしてママを連れて三人でムーゴーを買い
に行った。

90 :のび太と雲の王国:2007/08/19(日) 16:32:16 ID:4crpXnm40
「あらのび太。いちばん小さいサイズのムーゴーしか置いてないわよ」
 コンビニの棚を見て、ママは困ったように言った。のび太は輪をかけて困った。
「そんなー! アナコンダを捕獲できるサイズじゃなきゃ使えないよー!」
「まあまあ。そんな時こそコイツの出番だよ」
 ドラえもんはムーゴーにバイバインをかけた。ムーゴーは倍のサイズになった。
「すっごいやドラえもん! 時間がたてば、ボクにもジャストフィットのムーゴー
に早変わりだ!」
「よかったわねえのび太。隙間漏れも置き忘れも、これで全部解決じゃない」
 ママも喜んでくれている。のび太はムーゴーをポケットにしまって、コンビニを
飛び出した。
「破れるまで使うぞー! ジーワイだー!」
「のび太くん、ジーワイって?」
「がぜんやる気ー!」
 のび太は地平線の彼方に消えた。そして時は流れた。

 のび太の部屋の窓から、大きく膨らんだムーゴーが入ってきた。中にはのび太が
入っている。ドラえもんは、ムーゴーの中で土下座をしているのび太に聞いた。
「のび太くん、ムーゴーは役に立った?」
 のび太はうつむいたまま、フルフルと首を横にふった。
「使う相手がいなかったんだよね。でも夏だから見栄を張りたかったんだよね」
 のび太は小さくうなずいた。
「えい」
 ドラえもんはムーゴーを指で押した。ムーゴーは再び窓の外に出て、上昇気流に
乗って上空へのぼっていった。ムーゴーはどんどん膨らんで、雲の高さぐらいのと
ころで爆発した。小さくのび太の声が聞こえた。
「ドラえもーん! ディーエスーですー!」
「どーもすみませんだねー!」
「はーい! そしてケーエスですー!」
「それはなにー?」
 こりゃ、死ぬわ。

91 :作者の都合により名無しです:2007/08/19(日) 16:34:24 ID:4crpXnm40
完。

92 :作者の都合により名無しです:2007/08/19(日) 17:13:27 ID:4crpXnm40
あ、あとバイバインの本当の効き目とかは意外とどーでもいいです。

93 :作者の都合により名無しです:2007/08/19(日) 17:49:01 ID:+jaFAliB0
>さいさん
おひさしぶりです。ふっかつ嬉しいです。
防人思いの外苦戦しましたね。楽しかったです。
でも、まだ文体から本調子じゃない感じですな。
筆に迷いが無くなってからが本格復活かな?

>名無しさん(VSさん?)
バイバインネタって結構ありますがこの作品も秀逸ですな
ドラとのびのおバカな感じがよろしいです
ところでムーゴーって何?


94 :DIOの奇妙な放浪記 ◆HY8PJcqPrY :2007/08/19(日) 21:52:17 ID:fMuvR1EX0
198X年 ○月×日
私は目覚めた。
こう書くとおかしいかも知れないが私の場合は別だ。
100年に及ぶ眠りから目覚めたのだ。
人間で言うならば引越しして新しい生活を始めたのと同じと思っていい。
当面の私の目的は世界征服だ。
その為には部下や手下を集めなければいけない。
そう思った矢先、私はエンヤと名乗る老女と出会った。
彼女は私の考えに共感を示し、一組の弓矢を取り出した。
何でもこの弓矢に指された者は「スタンド能力」と呼ばれる特殊能力を得る事が出来るそうだ。
当初、私は相手を疑った。
そんな御伽噺に騙されたくは無いと思っていた。
当然、私は断った。
するとエンヤ婆が突然、私の腕に弓矢を刺した。
矢の威力自体は私の腕にかすり傷をつけるのがやっとだった。
直後、コケオドシだと思った私の目に自分の体から出て来る異様なモノが映った。
これは…腕?
奇妙な光景だった。
私の腕から別の腕が出てくる。
おまけに私が心の中で「引っ込め!」と念じたら腕の中に戻った。
「お前ッ、この私に何をしたッ!?」
私は大声で叫んだ。

95 :DIOの奇妙な放浪記 ◆HY8PJcqPrY :2007/08/19(日) 21:55:03 ID:fMuvR1EX0
「DIO様、それが“スタンド”というモノですじゃ。」
エンヤ婆が物静かに答えた。
私はエンヤ婆からスタンドの説明を聞いた。
「成る程…スタンド毎に能力は違うわけか…私のスタンドの能力とは何なんだろうな?」
「念じればいいのですじゃ。技を使う、と。」
言われて私は念じた。
直後、全ての音が止んだ。
窓の外の鳥も風も全てが止まっている。
(まるで時間が止まっているようだ…否、これはまるでではなく本当に時が止まっているッ!?)
試しに私は机から本を落としてみた。
すると本は空中で静止した。
成る程。
人は皆一度は誰でも時を止める事が出来たならと思う。
それをこんな簡単な形で現実化出来るとは…。
パタン。
本が床に落ちた。
「礼を言おう。エンヤ婆。お陰でこの世界を征服する事が出来た様だ。だが、もっと人数を増やさねばな。私は旅にでるよ。仲間を探す旅にね。」
そう言うと私はエジプトを発つ準備をした。


198X年 ○月■日
私はジョナサン=ジョースターが使った波紋に興味があった。
一体どこで発祥しているのかが気がかりなのだ。
真っ先に殲滅しなくてはならない標的に定めたまでは良かった。
が。
到着のアナウンスが流れた時私は血の気が引いた。
「本機はまもなくナリタ空港に着陸します。」
何と私は中国と日本を間違えてしまったのだ。
一度落胆したが私はその内逆に日本で遊ぼうと考える様になった。

96 :DIOの奇妙な放浪記 ◆HY8PJcqPrY :2007/08/19(日) 21:56:52 ID:fMuvR1EX0
空港から出て数時間後、私は街中を歩いていた。
自分が生きていた時代には存在しなかったネオンや高層ビルを見ると私は不意に自分が年老いた気分になった。
当たり前か。
人間で言うなら私の年齢は120代だ。
当てもなくブラブラと歩いていた頃、私は人だかりを見つけた。
人垣の向こうにあるのは喧嘩。
空手家らしい男とチンピラ。
チンピラが相手を威嚇する様な言葉を吐き、殴りかかった。
空手家らしき男はそれを腕で軽くガードし相手の後頭部を蹴った。
チンピラが膝から前のメリに倒れた。
一撃必殺というヤツだなのか。
私は彼を尾けてみる事にした。


街から離れて十数分歩いた場所で彼は私に気づいた。
「そろそろかな?」
そう言うと彼は持っていた白い寝袋を地面に置いた。
「君の名は何なんだね?先程の戦闘を見るに君の格闘能力は優れているようだ。」
「何の用だ?」
「組まないか。」
単刀直入に言うと彼は身構えた。
どうやら警戒されているらしい。
「巻き込まれるのはゴメンだよ。あっちに行ってくれ。」
「面倒だな。これを見たまえ。」
私は手刀を傍にあった木に当てた。
その結果、木は中心部分から斜めに両断された。
二人の間にズンと木が倒れて彼はファイティングポーズを取った。
「俺の名はリュウ。お前は?」
「私の名はDIO。覚えておいてくれ。」
私の言葉を終わる前に彼は蹴ってきた。
前進も兼ねた右ローキック。

97 :DIOの奇妙な放浪記 ◆HY8PJcqPrY :2007/08/19(日) 21:57:56 ID:fMuvR1EX0
だが私には通じない。
吸血鬼になった時点で私の体は人間に比べて遥かに頑丈なのだ。
反撃しようとイギリスの貧民街育ちのジャブを放とうとしたら顔面にゴウと音を立てて何かが迫ってきた。
回避の為に一歩後ろへ下がるとそれが見えた。
右足だ。
この男は吸血鬼の動体視力を持ってすらも見えにくい程の速さで右ローから右ハイのコンボを繋げて見せたのだ。
「もう俺の事を追い回すな。さもないと君もあのチンピラの様に地面に這う事になるぞ。」
「君が欲しい物は何だ?」
彼はきょとんとした。会話が噛みあっていないと思ったのだろうか。
「俺がなりたいものは真の格闘家だ。そしてそれはお前からは得られない。そして人から与えられるモノでは無い!」
「ほおう…真の格闘家か。それは通り名では無いのか?」
私が言うとリュウは呆れた顔をした。
「これ以上君と話しても無駄な様だ。さようなら。組む相手なら別を当たってくれ。」
彼は私に背を向けて前方へと歩き出した。
当然、私は彼を追いかけた。
吸血鬼のダッシュをしてまるでテレポートしたかの様に彼の前に移動した。
「真の格闘家を目指す割には臆病だね。」
「なんだと。」
リュウは感情的になって私に向かってきた。
先程の技巧が毛頭無い程の力任せのパンチとキック。
その攻撃を私はある時は避け、ある時は手だけで防いだ。
「フェイント無しがこの程度だとしたら君は不意打ちでしか相手を倒せないんじゃないか?真の格闘家というのは不意打ち専門なのかな?」
私の言葉にリュウは溜息を付いた。
「今のはあえてやってみた。あの程度が俺の全てだと思われては困る。」
「全力でやっていると思っていたがね。」
リュウの次の攻撃が来た。
今度は力よりも手数を優先した攻撃。
フェイントでは無く様々な攻撃が織り交ざっていた。

98 :DIOの奇妙な放浪記 ◆HY8PJcqPrY :2007/08/19(日) 21:59:17 ID:fMuvR1EX0
それ等は全て私の顔面を狙って来る。
私はそれらを全て腕で防いだ。
まるで相手のジャブとストレートがほぼ同時にくるぐらいの数だった。
それらにまるで力が入っておらず囮である事がミエミエだった。
私は彼の本命を心待ちにしていた。
正直先程は彼の本命を小技のカウンターで切って落とす作戦を考えていた。
が、彼の攻撃を見るに考え直した。
技巧を持つ相手に小技で返す事は失礼では無いのか。
こちらも本命で返した方がいいのでは無いのか。
私は決断した。スタンドを一切使わずに相手を倒す。
それが私の勝利条件。
破ればその場で私は敗北となる。
突然、リュウのコンボが止んだ。
対峙している者同士にしかわからない程の僅かな時間。私が彼の本命に供えるのに充分な時間だった。
彼の拳が私の顎に向かってくるのが見え、私がその手首を握り潰そうとした次の瞬間、僅かな匂いが私の鼻を付いた。
それは100年程前に嗅いだ匂い。
私の脳と意識に刻み付けられた匂い、ジョナサンが発した波紋、そして自分の敗北の匂い。
その時、初めて私は彼を、リュウを“敵”と見なした。
生きる為に私は即座に判断した。
−−−−時よとまれ
私は全力で念じた。そして全ては静止した。
安堵と共に私は失望していた。
スタンドを使わないというルールを自分で破ってしまった事に。そしてスタンドを使わなければ波紋使いから逃げられない自分に。
それにしても意外だった。
波紋の使い手がこんな所にもいるとは。ましてやそれが格闘家だとは。
殺しておくべきか?否、騒がれると不味い。
不本意だが今は目立つのを避けなくてはならない。
去り際に私は彼を見た。
エネルギーを手に集めている。青白い光が手から漏れている。
さようなら。リュウ。いつの日か会おう。
そう心の中で呟くと私はその場から走り去った。

99 :作者の都合により名無しです:2007/08/20(月) 08:39:31 ID:KAcrG3F30
どなたか知らないけどディオとリュウの取り合わせは凄いな。
楽しみにしてます!

100 :作者の都合により名無しです:2007/08/20(月) 14:14:26 ID:CShqykeo0
>WHEN THE MAN COMES AROUND
さいさん復活おつかれさんです。
私生活で良い事悪い事色々あったみたいですな。
作品、たぶん最終局面突入ですね。
この作品の収束ともども婦警さんの話も期待してます。

>のび太と雲の王国
ちょっとVS氏ちっくだけど多分違うお方ですね。
のびたとドラえもんよりママの懐の深さがイカすw
400円玉とか800円玉とかいつまでたっても使えんなw
どなたか知らないけどまたの登場をお待ちしてます。

>DIOの奇妙な放浪記
トリップ付という事は、以前に書いてた方?
なんにせよ新規投稿お疲れ様です。でもちょっとディオ性格違うw
リュウは結構そのまんまですな。波紋と波動は確かにエネルギー似てるかもw
これは連載かな?読み切りのようにも読める。連載なら嬉しいな。

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